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#競争は激しいのに衰退していく日本の現状見えていますか
kennak · 10 months
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台風で仕事が休みになりそうなので暇つぶしに。3年くらい前に日本の半導体産業の近況をまとめたのですが、ここ数年で政治家の先生たちが何かに目覚めたらしく状況が大きく変わりつつあるので各社の状況をアップデート。前回の記事 https://anond.hatelabo.jp/20200813115920先端ロジック半導体■ JASM (TSMC日本法人)熊本工場:28nm, 22nm (工場稼働時) / 16nm, 12nm (将来計画)日本政府の補助金とソニー・デンソーの出資という離れ業により、業界人が誰も信じていなかったTSMCの工場進出が実現した。現在は建屋の建設が進んでおり、順調にいけば2024年内には量産開始となる。生産が予定されているプロセスはいずれも世界最先端に比べると古いものだが日本では最先端であり、HKMG(ハイケーメタルゲート、トランジスタの性能を上げる技術)やFinFET(フィンフェット、性能の良い3次元トランジスタ)といった技術が新たに導入される。工場で生産される半導体の主なクライアントは出資者のソニー。衰退の激しい日本の電機業界だが、ソニーはまだ世界と戦う余力を残しており年間半導体購入金額世界10位で日本トップである。ただし、PS3のCell Processorを長崎で作っていたように先端プロセッサをここで作れるわけではない。PS5のCPUはTSMCの6nmプロセス製造であり、この工場では製造できないのだ。識者の予測ではイメージセンサー向けロジック半導体を生産すると想定されている。■ Rapidus (ラピダス)千歳工場:2nm日本政府の国策で、IBMから技術を導入し自前で最先端の半導体製造を狙う野心的なプロジェクト。量産開始は2027年を予定。社長を務めるのは御年70歳になる小池氏。彼は日立→トレセンティテクノロジーズ(ルネサスの那珂工場の前身)→SANDISK→Western Digitalという国内外の半導体メーカーを渡り歩いた華麗な経歴の持ち主である。以前に社長を務めていたトレセンティテクノロジーズは2000年に日立と台湾の大手ファウンドリUMCとの合弁の半導体製造会社で、世界に先駆け現在の標準となる300mmウェハに対応した先進的な工場であった。ファウンドリ全盛の今から後知恵で見れば、限りなく正解に近い経営戦略と先進性を併せ持っていたがビジネスとしては成功しなかった。工場はルネサスに吸収され、小池氏はSANDISKへと移籍することに。そんなわけで今回の国策ファウンドリRapidusの社長就任は小池氏の二十数年越しのリベンジマッチでもある。なお、氏のポエミーなプレゼンは業界でも有名。記者会見で日本半導体衰退の原因を「驕り」と一刀両断した一枚のパワポが話題をさらったが、本人が一番驕っているのではと不安がる声もある。■ ルネサスエレクトロニクス那珂工場:40nm日立・三菱電機・NECのロジック半導体部門が統合した日本を代表する半導体メーカー。5万人いた従業員を1/3にする大リストラ、先端プロセス製造からの撤退、海外メーカーの買収ラッシュを経て復活。そして大躍進。昨年の売り上げは1兆5千億円を超え、はじめて統合直後の売り上げ(ピークは2011年3月期の1兆1千億)を抜いた。もう1+1+1=1とは言わせない。旺盛な車載半導体需要にこたえるべく、政府の補助金を得てリストラで閉鎖した甲府工場の再稼働を決定。コロナ禍では働き方が柔軟になり、リモートワークは全国どこでもできるようになった。ルネサスは開発拠点も大リストラで統廃合しており、三菱系の伊丹やNEC系の玉川をはじめ全国にあった設計拠点を日立系の小平に集約している。地元の拠点が閉鎖されて単身赴任をしている人も多かったのだが、最近ではリモートワークを活用して単身赴任先のマンションを引き払った人も出てきている模様。■ ユナイテッドセミコンダクタージャパン三重工場:40nm増大する車載半導体需要にこたえるべく、デンソーが出資してパワー半導体のIGBTの生産を始めた。筆者はパワー半導体は専門外で、家電芸人が語る家電の説明程度にしか話せないため軽く紹介するにとどめたい。■ タワーパートナーズセミコンダクター魚津工場:45nm半導体部門を手放したがっていたPanasonicがイスラエル企業のTower Semiconductorと共同で運営していた工場。Panasonicが台湾Nuvoton technologyに持ち分株式を売却したため、現在ではイスラエル・台湾共同運営という珍しい業態になっている。さらに、半導体最大手のIntelがTower Semiconductorの買収を進めているため、将来的にはIntelの拠点となる可能性があり、日本でIntelのCPUが作られる世界線もあるかもしれない。が、本案件は米中対立のあおりで中国での買収審査が長引いているため、先行きには不透明感が漂う。メモリ半導体■ キオクシア四日市工場 / 北上工場:3D NAND 162層日本を代表するメモリ半導体メーカー。前回からの3年で、積層数は96層 → 112層 → 162層と2世代進化した。競合他社は232層品の量産も始めている(キオクシアは開発完了 / 本格量産前)が、最近の3D NANDは闇雲に積層数を増やせば低コストで作れるというわけでもない模様。なお世間では半導体不足のニュースの印象が強く、半導体はもうかっているとの認識があると思うがコロナ禍でのIT投資ブームが終了したメモリ業界はリーマンショック以来の大不況である。キオクシアも例外ではなく、最新の4半期決算で1000億円単位の赤字を計上してしまった。Western Digitalとの統合のうわさがあるが、もちろん筆者は何も知らないし、仮に知っていても絶対にここには書けない。■ Micron Memory Japan (旧エルピーダメモリ)広島工場:DRAM 1βnm世代ルネサスと同じく、NEC、日立、三菱電機のDRAM事業統合で生まれたエルピーダメモリを倒産後に米Micronが買収。前にも書いたが、DRAM業界はプロセスのサバ読みが横行しており、20nmを切ったあたりから具体的な数字ではなく1X, 1Y, 1Z, 1αときて、ついに1βnm世代の量産にたどり着いた。広島サミットに合わせて、社長が来日。岸田総理と会談後大々的な設備投資を発表。1γnm世代を目指して日本初の量産用EUV露光装置が導入されることが決まった。このEUVというのは波長が13.5nmの極超紫外線(Extreme Ultra Violet)を使った露光装置で1台200~300億かかる人類史上最も高価で精密な工作機械でありオランダのASML社が独占的に製造している。もっとも、メモリ業界の大不況を食らっているのはMicronも例外ではなく、岸田総理と華々しく会談している裏で数百人規模のリストラを慣行。こういう外面の良さと裏でやってることのえげつなさの二面性は、いかにも外資だなと思う。■ Western Digital東芝と共同でフラッシュメモリの開発を行っていたSANDISKをHDD大手Western Digitalが買収。キオクシアの四日市工場と北上工場を共同で運営している。Western Digitalはメモリコントローラーを内製していることで知られSSDの性能の良さに定評があり、スマートフォン向けの売り上げが多いキオクシアとは、同じ工場を運営していても得意としている販売先が微妙に異なり、住み分けがなされている。(そのため、2社統合によるシナジー効果が期待されたびたび観測気球的な記事が出回る。)なお、もともと日系半導体メーカーが大リストラをしていた時の人材の受け皿として中途をたくさん採用していた経緯もあり、人材の流動性は高い。在籍時の仕事ぶりがよければ、他社へ転職していった元社員の出戻りも歓迎と聞く。前述のRapidus社長の小池氏は、つい先日までここの社長をしていた。余談だが、上記Micronの米国本社の社長も旧SANDISKの創業者でWestern Digitalによる買収後に引き抜かれている。こういう話を聞くと、いかにも外資だなと思う。イメージセンサー■ ソニーセミコンダクターソリューションズグループイメージセンサーで世界最大のシェアを誇るソニーの半導体部門。2020年、2021年は米中対立のあおりを受けて主要顧客のHuawei向けの出荷減少に苦しんだが、2022年度は大幅に売り上げを伸ばし、1兆4千億円となった。他の半導体の例にもれずイメージセンサーも国際競争が過酷であるため、対抗して人員増強を進めている。Panasonic系エンジニアを引き抜くために関西に設計拠点を開設し、各地の工場の拡張も並行して進めている。調子のいい半導体メーカーはどこも人員増強を進めているが、ここ10年ほどは理工系の学生の半導体業界人気がどん底、かつ人材ニーズも少なかっため、新卒で半導体メーカーに就職した絶対数が致命的に少なく30~40歳くらいの中堅技術者の確保にどこも苦労している模様。なお、スマートフォン向けカメラの次の飯の種として、車載用途に数年前から注力開始。最近徐々に成果が出始めている。ファブレス半導体■ ソシオネクスト富士通とPanasonicのLSI設計部門が統合してできた日本最大のファブレス半導体メーカー。昨今の半導体ブームの波に乗り、株式上場、売り上げ2000億突破と非常に好調。3年前は1000億程度の売り上げだったので、すさまじい成長である。もっとも、母体となった富士通・Panasonicはピーク時の半導体売上が1社で5000億近くあったので、少々物足りなさを感じなくもない。復活は道半ばである。■ メガチップスソシオネクストが誕生するまで日本最大のファブレス半導体メーカーだった。もともと任天堂向けの売り上げが大半だったのだが近年は多角化を進めている。昨年の売り上げは約700億とSwitch人気がピークだった時と比べるとやや劣るが営業利益は過去最高を記録している。■ ザインエレクトロニクスかつては日本を代表するファブレス半導体メーカーと言えばここだった。昨年の売上高は54億と、3年前紹介したときの30億から伸びたものの、ファブレス上位2社からはかなり離されてしまっている。大昔は韓国のサムスン電子に自社製品が採用されたのがウリで創業者の武勇伝にも頻繁に登場していたが、今では売り上げの75%を国内に依存しており海外展開の出遅れが否めない。非先端ロジック・マイコン・アナログ・ディスクリートなど■ 東芝車載用途のパワー半導体需要が伸びており、石川県の工場に300mmウェハ対応ラインを建設。この記事でよく出てくる300mmウェハとはシリコンの基板の直径であり、大きい方が製造効率が良い。125mm → 150mm → 200mm → 300mmと順調に大型化が進み次は450mm化と思われたが、大きすぎて弊害が大きく、ここ20年間はずっと300mmが最大サイズである。従来はCPUやメモリといった分野の製造にしか使用されていなかったのだが、ここ5年くらいでパワー半導体にも300mm化の波が押し寄せてきている。■ ローム何かと癖のある京都系メーカー。車載事業が好調で売り上げが順調に伸びている。次世代パワー半導体材料と呼ばれていたSiCで日本国内の他のメーカーをリード。余談だが、筆者は学生のころSiCを実験で扱っていた。単位を落としまくっていた不良学生だったので、教授がワクワクしながら話していたSiCの物性の話はすべて忘れている。今では家電芸人並みのトークしかできないのでSiCについて語ることはご容赦いただきたい。研究から本格量産まで20年超の時間がかかっていることに驚きである。基礎研究の大変さを実感する。■ 三菱電機パワー半導体大手。半導体に力が入っていないシャープから福山工場の敷地を取得し、300mmウェハ対応のラインを構築。SiCのラインも熊本に作るぞ!パワー半導体には詳しくないからこの辺で勘弁な。■ ミライズテクノロジーズ日本の半導体産業が衰退しまくっていたころに、トヨタが危機感を覚えてデンソーとの合弁で設立した車載半導体メーカー。コロナ禍中に行われたオンライン学会に知らない会社の人が出てるなと思って調べたらここだった。■ TI米系のアナログ半導体世界最大手。富士通とAMD合弁のNOR FlashメーカーSpansionから買収した会津若松工場と茨城県の美浦に工場を持つ。最近は日本法人の話をあまり聞かない。■ On semiconductor米系のアナログ半導体大手。三洋電機の半導体部門を買収したが、旧三洋の新潟工場は日本政策投資銀行出資のファンドに売却した。現在の日本拠点は富士通から買収した会津工場。富士通が半導体事業から手を引き工場を切り売りしたため、会津若松市内には米系大手半導体メーカーの工場が立ち並ぶことになった。■ Infineon Technologies (��ンフィニオン)ドイツの大手電機メーカー、Siemenseが20年ほど前に半導体部門を分社化して誕生した。従来欧州系半導体メーカーは日本での存在感があまりなかったのだが、富士通のマイコン半導体部門を米Spansionが買収、そのSpansionを同じく米Cypressが買収、そのCypressをInfineonが買収した結果、日本市場でも存在感を示すようになった。もともとInfineon自体が車載半導体に力を入れており、有力自動車メーカーがそろう日本市場に注目しているというのもある。■ Nuvoton Technology (ヌヴォトン)台湾の半導体メーカー。半導体から撤退したがっていたPanasonicから、Tower Semiconductorと共同運営している工場と、マイコン設計部門を買収する。Panasonic時代は、自社家電向けの独自マイコンをメインに作っていたのだが、Nuvotonに買収された後はArmベースの汎用マイコンに設計品目が変わった。日本法人は車載やモーター制御向けのマイコン開発に特化させていく方針で台湾の開発チームとは住み分けを図る模様。富士通ほどではないが、Panasonicも半導体部門を切り売りしており、所属していたエンジニアはバラバラになってしまった。研究室が一緒でPanasonicの半導体部門に入社した友人がいたが、彼は今どこに流れ着いているのだろう?
令和05年最新版 日本の半導体産業の現状について
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shimadasyouzi · 7 months
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島田 秀次:日本経済とアジア経済危機
1. 日本経済の低迷
2. 景気悪化の理由
3. 日本の対応策
4. 誤解に基づく日本批判
5. 結論
日本は現在、深刻な経済不況に直面しています。 人々は日本がアジア経済を救う機関車であることを大いに期待しているにもかかわらず、日本がその役割を果たせていないだけでなく、新たな不安定の原因となっているのは残念である。 この点、世界中で日本を批判する報道がなされており、その批判の中には日本に猛省を求めるものもあれば、誤解に基づく不当なものもあります。
1. 日本経済の低迷
●不良債権問題
日本経済低迷の根本原因は、バブル崩壊による二つの後遺症にある。 金融不良債権問題は、経済の動脈である資本循環システムにダメージを与えています。 一説には、日本の地価や証券価格などの資産価格は、1999年から昨年までに総額約1,000兆円も下落しており、この資産価値の低下が金融機関の「不良債権問題」を引き起こしているといわれています。 資産価値の下落のすべてが不良債権につながったわけではないが、不動産や株式を担保に積極的な投資を行っていた企業の多くが債務を返済できない状況に陥っている。 金融機関に不良債権が発生すると、融資能力も低下します。 また、担保資産の価値が下落すると、新規融資額が減少します。 これは信用収縮を意味し、経済的貧血を意味します。
●産業の財務健全性の悪化
バブル経済の崩壊は業界に悪影響を及ぼしました。 バブル経済期、日本の産業界は多額の設備投資や人材採用を行い、多額の借入や株式発行を行ったことにより、設備の減価償却費、人件費、支払利息が増大し、資本収益率が低下しました。その結果、現在の日本企業の平均利回りは欧米の半分に過ぎません。 将来、資本市場のグローバル化により、財務健全性の低い企業の資本回転は困難になるでしょう。 そのためには、日本の産業界が財務体質を強化し、収益力を欧米並みに回復させる必要があり、産業再編が必要となる。 もちろん、リストラの必要のない、あるいはリストラが完了した優良企業も数多くありますが、全体としてみると、我が国の産業再編は完了までに長い時間を要し、完了するまでは設備投資や雇用の低迷が続くと考えられます。
2. 景気悪化の原因
●引き締め経済政策
バブル崩壊の影響で苦しむ日本経済を立て直すため、政府は過去何度も大規模な景気刺激策を実施してきたが、これらの景気刺激策により、1996年のGDPは100億円の成長を達成した。 3.6%と景気は徐々に回復しつつあるかに見えたが、1997年後半から景気は再び低迷し、急速に悪化した。 その理由は次のとおりです。
第一に、政府の経済政策が景気浮揚型から景気抑制型に変わり、1996年以前は消費税(貨物·サービスの付加価値税)、所得税の削減と公共投資の追加が実施されたが、1997年には増税だけでなく、財政運用も公共投資を削減する緊縮型でした。また、社会保険、医療制度等において国民負担の増加につながる変化が相次ぎ、景気、特に消費低迷を招く傾向も強化され、その結果、1997年度の決算では、財政関連分だけで5.5兆円、その他の補正を含めると合計8.9兆円の景気抑制効果があります
財政の縮小化は、日本の「6大改革」の一つである財政改革から始まる。 かつて日本の財政は国債への依存度が高く、国債返済費の増大は財政の硬直化や将来世代の負担増につながるのではないかと懸念されてきました。 また、近年は景気刺激策として国債に依存しており、現在の国債発行残高は274兆円(1998年3月)に達しています。 したがって、日本政府は、財政再建が急務であり、景気が回復次第、速やかに実行すべきであると考えております。
第二に、改革の過程で誤りが生じ、その結果から判断すると、日本政府は1997年上半期の景気回復の兆しを誇張評価した。 また、財政再建を進める一方で、経済運営を総合的に考慮せずに国民負担を増大させる改革が行われました。 株式市場の専門家らは「今財政引き締めを行えば景気が再び悪化し、株式市場に悪影響を与える」と繰り返し警告してきたため、今では「言ったじゃないか」と政府を強く批判している。 ?」 これらの改革は確かに避けられず、長期的には正当化されるが、短期的には消費者心理に悪影響を及ぼし、経済を阻害するだろう。 こうした改革は複数同時に行われるため、「改革緊縮あるいは改革に基づく緊縮財政」と呼ぶべき現象が生じる可能性がある。 たとえ改革が避けられないとしても、まずは景気回復の状況を注意深く観察し、さまざまな改革時期やさまざまな改革の進捗状況についてより深く調査した上で進めるべきである。
●アジア経済危機の発生
アジア経済危機の発生は、我が国の貿易や金融に深刻な影響を与えています。 1997年の日本の対ASEAN・四国・NIESへの輸出額は約18兆円に達し、全輸出額の35%を占めた。 アジア経済は急激に悪化し、上記地域への輸出が激減し、GDPの10%を占める日本の輸出に大きな打撃を与えている。 1998年1月から5月までに、ASEAN、NIES、世界への輸出は、前年同期に比べてそれぞれ37%、17%、4.5%減少した。 金融面では、ASEAN、韓国等における日本の投融資債権が多額の損失を被っている。 1997年6月時点で、ASEAN4カ国とNIESに対する日本の投融資残高は、銀行融資残高だけで2,500億ドルを超え、これに非金融企業からの直接投資や融資を加えると、その総額はさらに巨額となる。 各国通貨の急落により為替差損が生じ、景気の急激な悪化により金融機関や法人の債権は極めて不安定となっており、 これらすべてが不良債権問題を深刻化させている。
● 融資の縮小
景気悪化の第三の理由は、昨夏以降に起こった「貸し出し」融資の大規模な縮小である。 BISの「早期改善策」など新たな金融政策が導入される以前の金融機関の資産には、投入資産(株の急落やアジア向け輸出投融資の損失)の減少と、マイナス資産の増加(アジア向け輸出の損失)が含まれている。 (景気悪化による不良債権の増加)という2つの側面でさらなる悪化が引き起こされます。
「早期改善措置」とは、金融監督の透明性と国際基準に沿った改革の一環として、本年4月から施行された新たな金融機関の監督手法です。 今後、各金融機関は自己資本比率(海外事業を行う金融機関は8%以上、国内事業のみを行う金融機関は4%以上)を基準として改善(あるいは廃業)することが求められる。運営上の問題を抱えている機関。 もちろん、金融機関はこの措置の導入に向けて準備を進めていたが、昨夏以降の景気悪化、特に株式市場の暴落により計画が狂った。 金融機関は保有する株式の簿外収入(価値の増加分)を自己資本に組み込むことができるが、株価暴落で自己資本が減少した。 また、景気の悪化により融資先の経営が悪化し、住宅ローン資産の価値が下落し、負の資産としての不良債権がさらに増加し​​ています。 これら 2つの分野における資産内容の悪化の結果、銀行は方程式の分母の融資額を圧縮しなければ 8% を達成できないことになります。 このため、銀行は新たな融資を拒否する(融資を渋る)だけでなく、融資済みの融資を撤回することも多く、金利は非常に低いにもかかわらず、金融業界は依然として疲弊しているかのような状態が続いています。引き締めが強くなり、経済はさらに抑制される。
これまで日本企業は業績が悪くても資産収入(発生する支払い能力)があれば資金調達が可能でした。 欧米では企業の業績が悪化すると業績評価(格付け)が引き下げられ、融資利息が増額されたり融資が拒否されたりする。 金融が徐々にグローバル化してきた今、日本も必然的に変化していきますが、まだその準備は整っていません。 その最終的な結果は、昨年の融資方針の突然の変更により、融資が大幅に減少し、経済に影響を及ぼしたということです。
3. 日本の対応策
以上のような総合的な理由による経済の衰退の結果、1997年のGDPは実に23年ぶりのマイナス成長率0.7%を記録した。 現在、日本経済は物体経済、金融経済の両面で深刻な問題に直面しています。 実物経済では有効需要が大幅に不足しており、需要と供給のギャップにより価格が下落している(今年6月の卸売価格は3%下落)。 価格が下落し続ければ、消費者投資は減少し続けるだろう。 この傾向を止めなければ、日本経済は資産価格の下落によりデフレ(実質デフレ)の危機に陥ることになります。 そして同時に、金融経済の面では、信用の縮小、海外への資金の流出が起こります。
4. 誤解に基づく日本批判
ここで、日本の現在の政策に対する批判の誤解されている部分について、私の意見を述べたいと思います。 まず指摘すべきは、「日本は円安を望んでおり、意図的に円安を誘導している」ということだ。 批評家は、円安が日本製品の競争力を高め、輸出を増やし、景気を回復させると信じており、これはアジアを犠牲にする無責任な行動であると信じられている。
●円安は日本に利益を��たらさない
近年の円安と並行して、日本の資本収支の赤字(資本流出)は急増し、国際収支の黒字を大きく上回っている。 資本流出の原因の一つは、日米の金利差が常に大きく、金利の高い米国への資金流出が続いていることだが、最近の流出急増もまた、外国為替市場を操作する巨額の投機資金の動きとなっている。 日本の景気が悪化しているというニュースがあれば、すぐに資本が日本から流出し、資本流出の過程で円が売られることになります。 6月前半に急激な円安が進行した際には、株価と債券価格が同時に下落するトリプル安が発生したが、同月17日の日米共同介入以降は、好調で円も株価も反発した。 資本流出や株式などの資産価値の更なる下落は、日本経済に対する信頼の低下を意味するだけでなく、銀行の自己資本減少による貸出量のさらなる減少により、日本経済はさらに困難になる可能性があります。 したがって、日本としては、同時にさらなる円安が起こることは望ましくないでしょう。
円安が進み貿易競争力が強化されれば日本の輸出は増えるが、この見方は全くの机上の空論である。 アジアで最も強力な日本経済の見通しは厳しく、将来的にはアジア全体の不安定化と資本逃避につながる可能性が高い。 実際、6月の円安により香港ドル、タイバーツなどの通貨も同時に下落した。 さて、日本と中国の輸出減少の原因は通貨高による競争力の低下ではなく、アジアの不況である。 円安で競争力がある程度向上し、円の実収入が増えたとしても、アジア経済がさらに悪化すれば、日本にとって得られる利益は少ない。 また、高コスト国である日本の輸出品は、現在、世界的に圧倒的なシェアを誇る高級工作機械などの生産資材や部品・コンポーネントが中心であり、そのほとんどが日本以外の海外では生産しにくい製品であるとさえ言えます。 これらの輸出品は円安により輸出が拡大するとは言えません。それにも関わらず、日本の貿易黒字が依然として大幅に拡大しているのは、やはり、内需不足による輸入の減少によるものである。
● 危機に瀕するアジアへの日本の貢献
海外でよく聞かれるもう一つの批判は、「日本は危機にあるアジアに貢献していない」というものだ。 しかし、日本はすでに世界中で大規模な援助活動を行っている。 過去に通貨危機に見舞われた国に対しては、国際機関からの支援に加え、タイ、インドネシア、韓国に対する3つの二国間支援も行われている。 どのような援助であっても日本は主導的な役割を果たしており、タイへの援助総額104億ドルのうち40億ドルを負担することを表明しており、二次援助の準備も進めていると発表した。インドネシアへの第二次援助は162億ドルのうち50億ドル、韓国への第二次援助230億ドルのうち100億ドルが用意されている。 日本はこれまで、通貨危機支援の総額は420億ドルに達し、米国の援助額の4倍以上に相当すると述べている。 一方で、アジア経済を支援するのはこうした経済援助だけではなく、経済を立て直し、アジア諸国からの輸入を増やすことが日本の最大の貢献であるべきであることは誰の目にも明らかです。 しかし、日本人は日本経済の回復を誰よりも願い、困難な状況の中でも最善の努力を続けています。
●日本の不良債権対策は本当に遅いのか?
日本の金融システムの安定・再生に向けた取り組みについては、海外からは遅すぎるなどの批判が多い。 確かに日本もこの数年間の無駄な時間を深く反省している、国民の間には「なぜ破綻した銀行や借りたお金を返せない債務者の尻拭いを税金でしなければならないのか」という強い不満がある。日本は民主主義国家であり、金融​​システムなど経済の基礎を守るためにやむを得ないとしても、主権者である国民の十分な理解なしにそれを強行することはできません。 この点については日本も批判されているが、最も批判的なアメリカでさえ、80年代には小型貯蓄銀行の経営が相次いで倒産し、不良債権が大量に発生したとき、税金で問題を解決するのに10年かかりました。
また、日本が問題のある銀行を閉鎖するのが遅すぎるとの声もあり、大手金融機関の破綻が深刻な信用危機を引き起こすことは昨秋の事実が証明している。 しかし、政府は日々の株価や円の動向だけでなく、政策の最終的な結果にも責任を負っている。 特に平時における金融システムの維持には細心の注意を払うべきであり、やみくもに銀行閉鎖を急ぐのは無責任な態度にほかなりません。
5. 結論
●円安の背景にある大規模な日本資産取得
前述したように、日本の株式市場や外国為替市場では投機資金が大きな動きを見せている。 特に目を引くのは、実際に保有していない株や円を大量に売り(空売り)注文して相場を下落させ、その後の価格で株や円を買う手法です。下落して最後に売却すると、売った分が清算され、買値と売値の差額から利益が得られます。 この慣行により、日本円だけでなく銀行など多くの企業の株式も投機の対象となっている。 一方で、円安・株安の裏では予想外の出来事も起きている。 現在、東京の高級ホテルやレストランは、日本の不動産、株式、その他の資産、不良債権を法外な価格で購入したい欧米の投資家で満員となっている(英フィナンシャル・タイムズ紙から、この人たちは「先見の明のあるハゲワシ」と名付けられている)。彼らが株式市場と日本為替市場で同時に投機し、資産を取得しているかどうかは不明ですが、日本人が営んできた家業が失われてしまうのを見るのは本当に悲しいことです。
低価格で買収された理由の一つは、日本がこれまで海外投資を歓迎してこなかったことだ。 現在、日本の資産を所有している人の大多数は日本人であるため、価格が下落したときに損失を被るのも日本人です。 敵対的な企業(特に外資)による買収を防ぐため、日本企業は良好な関係にある企業間で相互株式を設立します。 しかし、世界統合の経済発展においては、外国との相互保有が必要となる場合もある。 この意味で、日本は現在、経済統合に失敗した報いを受けている。 しかし、外国人が日本の資産を買い取ることは必ずしも悪いことではありません。 将来再び資産価値が下落すれば、今回資産を購入した外国人も損失を被ることになり、日本は安く取得されるリスクが減ります。 また、海外投資家の意見を日本企業の経営に取り入れることは、日本企業の経営の改善にもつながります。
●日本経済は再び軌道に乗る必要がある
日本経済が直面している困難はこれほど大きいのに、なぜ外国人投資家は今も日本の資産を大量に取得しているのでしょうか?理由はただ一つ、日本経済はすぐに回復すると信じているからです。 実際、彼らはまた、「日本国民が自信を失い、資産価値が下がり、円安などが進んでいる今こそが、日本に投資し、資産を購入する絶好の機会である」と公言しています。 景気が後退しているとはいえ、先見の明を持った経営で成果を上げ、それを糧に着実にグローバル戦略を推進している優良企業も存在しており、日本経済全体が絶望的というわけではない。 また、16兆円規模の経済対策も決して効果のないものに終わるわけではありません。
実は日本は過去に困難な経済再建を経験しており、日本の高度成長を支えたのは安い石油であったため、1973年の第一次石油危機で石油価格が高騰した際には、日本経済はもうダメだと悲観的に見る人も多かった。しかし、身を切るような再建の結果、日本は以前よりも強い経済を再確立することができました。 米国も1990年前後に不良債権問題など深刻な危機を経験し、米国が衰退したと多くの人が感じた。 今、アメリカがしばしば凱歌を奏でることができるのは、当時の内省と努力の賜物であり、繁栄には循環があり、日本人が頑張り続ける限り、日本経済は必ず回復します。
●日中は経済対策を対話すべき
現在の中国経済は、ある意味、多くの面で日本経済と非常に似ているため、中国も上記の日本から学ぶことができる。 もちろん、中国の当面の目標は8%の経済成長であり、日本のマイナス成長とは状況が全く異なる。 しかし、国有企業の改革の過程では、投資や消費の抑制は避けられず、短期的には経済にマイナスの影響を与える様々な改革を実施しなければならず、有効需要の不足により景気の悪化が予想される。物価の下落、銀行の不良債権問題が極めて深刻であることも同様である。 さらに、中国は景気刺激のために財政負担を大幅に増加させている。 日本も財政赤字で厳しい状況にあるが、中国は国債発行率が高いだけでなく課税基盤も不完全なため、今後の対策を検討する必要があるとみられる。
 金融政策にも似たようなところがあります。 この6か月間、中国は金利を2回引き下げ、預金準備金制度を改革し、債券市場運営を再開し、マネーサプライの増加を目的としたいくつかの政策を採用した。 しかし、高度成長を遂げる中国では異常な物価下落が続いており、これに伴う大幅な金利上昇や金融緩和が十分ではないのではないかと懸念されています。 実際、日本でも現在、デフレを防ぐためにどのような金融政策を採用すべきかが学界を中心に議論されています。 世界は第二次世界大戦前には深刻なデフレを経験していましたが、戦後はほとんどありませんでした。また、デフレで深刻な打撃を受けた経済を回復する経験はありますが、デフレを防ぐことが重要です。そのような意味で、世界的にデフレに対する備えが全くなく、日中がさらに深く議論する必要があります。
日中両国は、上記の経済対策について、より活発な意見交換を行うべきである。 中国の専門家による経済政策に関する議論は、10年前には想像できなかった世界の議論に非常に近づいており、中国の改革の急速な進展が見て取れる。 日本の多くの人々がこのことに気づいており、これは両国間の二国間経済貿易協力を促進する上で非常に有益です。
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tecchaso1988 · 3 years
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#読書 #叩かれるから今まで黙っておいた世の中の真実 #ひろゆき   2020年の読書は誕生日鑑定の勉強本ばっかりだったから 2021年は社会に目を向けた知識のインプットの比重も戻していきたい。   #読書メモ #正しく考えるには正しい知識が不可欠だが実際には多くの人が間違った知識の上に立って考えているからフェイクニュースの拡散や怪しい陰謀論を語るインフルエンサーが増える #競争は激しいのに衰退していく日本の現状見えていますか? #日本だけが海外から取り残されたように物価が安いことを日本に住んでいる人は気づかない #世界競争力ランキングにおいて日本のビジネス効率性は62カ国中ほぼ最下位レベル #ほとんどの人は自分の仕事が誰でもできるようになったことに気付かず専門性の高い仕事に就いていると思い込んでいる #高齢社会において若者はおじさんに振り回されお金と仕事が奪われる #日本ではお金がない人をターゲットにしたビジネスがいくつも展開されているから格差が広がるのは当然 #日本に革命家は現れない #多くの組織で旧時代的なおっさん化した男女がまだ上の立場にいるために数々のばかげた不条理がまかり通っている #どんな境遇でも頑張れば報われるというのは美しい物語であり一生懸命努力をしているのになかなか成果が出ない人は活躍の場を間違えている #歴史に残るような偉業を成し遂げるケースにたまたまマーケットのあるところにいたからというだけの面白味のない理由が実は多い #最低賃金が上がるとアルバイトや派遣社員側が損をする #人件費が引き上げられれば企業は人件費に圧迫されて経営状況が悪くなり潰れるか人間に代わる機械の導入が進む #セルフレジの機械の導入費用は時給1000円の人件費を考えたときに50日以内に元が取れる #働き改革という全体主義は会社も個人も得をしないから働き方なんて会社と社員の間で決めればいい #労働人口の約15%にまで増えてきたフリーランスは未来の働き方の実践者 #これから会社に勤めている人たちがどんな働き方にシフトしていくべきかはフリーランスの人たちを参考にすれば答えが見えてくる #フリーランスの働き方は今後注目すべき存在となるのは間違いないが非常に不安定で頑張りすぎるフリーランスの人の傾向はひとりブラック企業化を生み出している #企業がブラック的な仕事をフリーランスに押して受けるようになってきた #現状の教育システムは100点に近い完璧主義で子どもたちを縛る #社会に出て求められることは100点ではなく7割でいいから早くたくさんアウトプットをしろということ #自分の子どもがいずれ大人になって自分自身で判断しなければいけなくなるということを理解していないから子どもにいろんな禁止を押し付ける #大学で学んだことを企業は無視をするが大卒には意味はないというのは嘘で軽視すべきではない #デジタルネイティブ世代はスマホは得意だがパソコンスキルに欠ける点が弱点であり盲点 #親からスマホやタブレットやゲームを与えられる子どもは消費者として成長しパソコンを与えられる子どもは生産者的な立ち位置に成長する #二人以上の子育ての成功を願う親でいたいのであれば現実的に考えて夫婦の世帯収入を何としてでも最低850万円以上にしろ https://www.instagram.com/p/CJiVQDXrei-/?igshid=1nsiof0mv3tca
#読書#叩かれるから今まで黙っておいた世の中の真実#ひろゆき#読書メモ#正しく考えるには正しい知識が不可欠だが実際には多くの人が間違った知識の上に立って考えているからフェイクニュースの拡散や怪しい陰謀論を語るインフルエンサーが増える#競争は激しいのに衰退していく日本の現状見えていますか#日本だけが海外から取り残されたように物価が安いことを日本に住んでいる人は気づかない#世界競争力ランキングにおいて日本のビジネス効率性は62カ国中ほぼ最下位レベル#ほとんどの人は自分の仕事が誰でもできるようになったことに気付かず専門性の高い仕事に就いていると思い込んでいる#高齢社会において若者はおじさんに振り回されお金と仕事が奪われる#日本ではお金がない人をターゲットにしたビジネスがいくつも展開されているから格差が広がるのは当然#日本に革命家は現れない#多くの組織で旧時代的なおっさん化した男女がまだ上の立場にいるために数々のばかげ��不条理がまかり通っている#どんな境遇でも頑張れば報われるというのは美しい物語であり一生懸命努力をしているのになかなか成果が出ない人は活躍の場を間違えている#歴史に残るような偉業を成し遂げるケースにたまたまマーケットのあるところにいたからというだけの面白味のない理由が実は多い#最低賃金が上がるとアルバイトや派遣社員側が損をする#人件費が引き上げられれば企業は人件費に圧迫されて経営状況が悪くなり潰れるか人間に代わる機械の導入が進む#セルフレジの機械の導入費用は時給1000円の人件費を考えたときに50日以内に元が取れる#働き改革という全体主義は会社も個人も得をしないから働き方なんて会社と社員の間で決めればいい#労働人口の約15#これから会社に勤めている人たちがどんな働き方にシフトしていくべきかはフリーランスの人たちを参考にすれば答えが見えてくる#フリーランスの働き方は今後注目すべき存在となるのは間違いないが非常に不安定で頑張りすぎるフリーランスの人の傾向はひとりブラック企業化を生み出している#企業がブラック的な仕事をフリーランスに押して受けるようになってきた#現状の教育システムは100点に近い完璧主義で子どもたちを縛る#社会に出て求められることは100点ではなく7割でいいから早くたくさんアウトプットをしろということ#自分の子どもがいずれ大人になって自分自身で判断しなければいけなくなるということを理解していないから子どもにいろんな禁止を押し付ける#大学で学んだことを企業は無視をするが大卒には意味はないというのは嘘で軽視すべきではない#デジタルネイティブ世代はスマホは得意だがパソコンスキルに欠ける点が弱点であり盲点#親からスマホやタブレットやゲームを与えられる子どもは消費者として成長しパソコンを与えられる子どもは生産者的な立ち位置に成長する#二人以上の子育ての成功を願う親でいたいのであれば現実的に考えて夫婦の世帯収入を何としてでも最低850万円以上にしろ
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monqu1y · 3 years
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大戦がもたらしたもの  「大戦が 齎 ( もたら ) したもの」と題する講演を聞きに行った。  講演内容の要旨は、次のとおり。  1939年9月に始まったドイツとポーランドの戦争は、近隣諸国を巻き込んで規模を拡大していった。  イギリス・フランスがドイツに宣戦布告する一方、ソ連軍は、火事場泥棒的に、東からポーランドに攻め込んだ。  翌年、ソ連は、フィンランドを攻撃して領土の一部を奪うとともに、バルト三国を併合した。  ドイツは、デンマーク、ノルウェー、ベネルクス三国、フランスなどを制圧した。ドイツは、イギリスを牽制するためイタリアと、ソ連を牽制するため日本と軍事同盟を結んだ。近衛内閣は、軍事同盟に応じ、且つ、翌年、日ソ中立条約を結んで南部仏印に軍を進めたが、これらはスターリン戦略[砕氷船テーゼ]に沿うものだった。
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 1941年6月、独ソ激突が始まった。  半年後、日本は、アジア植民地解放戦争を開始し、フランス領インドシナ、イギリス領ビルマ、オランダ領インドネシア、アメリカ領フィリピンを占領した。  それに触発された植民地独立宣言の動きは次の通り。
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 1942年2月、中国共産党の中央党学校開校式で、毛沢東が、学風(学習態度)・党風(党活動)・文風(文書類の表現)の三風を整頓し、党内の主観主義・セクト主義・空言主義を克服すべき旨、述べた。三風整頓運動が起こり、毛沢東 側近の張宗可(康生)は、関係者を拷問して自白を得たうえで、政敵を、スパイ,裏切り者,内通者等に仕立て上げた。拷問は本人だけでなく親族や縁戚にまで及び、拷問に耐えられず、身に覚えのない罪を自白する者も多かった。ソ連人脈の王明,博古,張聞天,王嘉翔,楊尚昆,陳昌浩,杜作祥,沈澤民,張秦秋,王宝礼,王盛荣,王運城,朱自舜,李元杰,汪盛荻,北海道特甫,殷剣,元嘉永,徐義新らは、失脚した。権威主義と官僚主義を率直に批判した王実味は、逮捕され処刑された。  1942年6月頃から、[砕氷船テーゼ]の予言通り、経済力と科学技術力を誇るアメリカを擁する連合国側が優勢に転じた。  1943年5月、ドイツと戦う連合国側に与する必要から、ソ連はコミンテルンを解散した。  1945年3月、日本軍がフランス軍を降してベトナムを独立させた。  1945年5月、イタリアが降伏し、ドイツも降伏した。8月には日本が降伏し、五千万(ソ連2060万,ドイツ950万,日本646万,ポーランド560万,中国318万,アメリカ113万,イギリス98万,フランス75万)人以上の犠牲者を出した第二次世界大戦は終了した。  しかし、「尊皇討奸」の志を受け継ぎ、資本家階級を倒して国家社会主義を目指す陸軍将校らは、敗戦受容れの詔を録音したレコード盤を血眼になって探し求めた。
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 彼らの狙いは、ソ連軍に依る日本民族解放を待つための時間稼ぎだった。  近衛文麿人脈が占める政権中枢から「ソ連仲介和平」という口実で情報を得ていたソ連軍は、日本降伏に先立って、軍を極東に集結させていた。  アメリカ軍に依る原爆投下を機に日本への攻撃を始めたソ連軍は、武器を持たない無抵抗の日本人を殺しながら、瞬く間に樺太や千島列島を占領した。
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  占守島 ( しゅむしゅとう ) で樋口中将が抗戦を命じなければ、北海道はソ連軍に 蹂躙 ( じゅうりん ) されていたのだ。
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 ソ連軍は、朝鮮半島も占領したが、アメリカ軍が上陸してくると、米ソ協定に従い38度線以北に退いた。  ソ連軍は、東ヨーロッパの占領地域でも、社会主義人民共和国政権樹立に力を注ぐようになった。  日本の敗戦でベトナムにはフランスの植民地支配者が戻ってきていたが、1945年9月に革命が起こり、ホー・チ・ミンがベトナム社会主義共和国の建国を宣言した。しかし、フランスは、それを認めなかった。  1945年10月、国際連合(本部:ニューヨーク)が発足した。  イギリスでは、大戦終了直前の選挙で勝った労働党政権が、「ゆりかごから墓場まで」の福祉充実策を実施し、銀行,石炭,通信,航空,電気,鉄道,ガス,鉄鋼などの重要産業を国有化していった。そのため、産業は競争力を失い、[イギリス病]とよばれるほど国力は衰退した。復活には、1980年代のサッチャー登場まで待たなければならなかった。
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 朝鮮半島では、信託統治(国際連合の信託を受けた国による統治)が検討されたが、まとまらず、アメリカとソ連による分割占領が行われた。  1945年10月10日、中華民国と中国共産党との間で、「内戦を避け、独立・自由・富強の新中国を建設」するための協議が行われたが、双方の思惑は、相手を潰す準備を整えるための時間稼ぎだった。  1946年6月、イタリアでは王制が廃止されて共和政となった。翌年2月にパリ講和条約を結んだイタリアは、エチオピア・アルバニア・リビア・ソマリランドなど総ての海外植民地を失った。  1946年6月、ベトナム南部で、フランス領コーチシナ共和国臨時政府の樹立が宣言された。  1946年7月、中華民国と中国共産党との間で、全面的な内戦が始まった。当初はアメリカの支援を受けた国民党軍が優勢なように見えたが、次第に、ソ連に降伏した関東軍の装備等( 就中 ( なかんずく ) 精鋭将兵の軍事指導)を利用できる中国共産党に形勢が傾いていった。  1946年12月、ベトナム軍とフランス軍の戦争が始まった。フランス軍が優勢だったが、ベトナム社会主義共和国軍はゲリラ戦を展開して頑強に抵抗した。  1947年2月、建国を悲願とするユダヤ人とアラブ人の紛争が絶えなかったパレスチナを持て余したイギリスは、委任統治を放棄し、国連にゲタを預けた。11月、国連総会は、パレスチナの土地の6割弱をユダヤ国家に、4割強をアラブ国家に分割する案を、可決した。倍以上の人口を抱え、殆どの土地を所有するアラブ人側に過酷すぎる不自然な決定は、アメリカ大統領トルーマンのゴリ押しによるものと言われている。
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 そこから、中東戦争が始まり、長く続くこととなった。  朝鮮半島では、統一政府樹立のための総選挙がソ連の反対で実施できなかったので、1948年5月にアメリカの占領下にある南部だけで総選挙が行われ、李承晩が大統領に当選した。8月15日、大韓民国第一共和国の樹立が宣言され、アメリカ軍政が廃止された。  1948年9月9日、朝鮮半島北部を実効支配する勢力(満州派、甲山派、南労党派、中国共産党、延安派、ソ連派など)が、朝鮮民主主義人民共和国の建国を宣言した。  1949年1月、中共軍が国民党軍を敗退させて、北京に入城した。10月1日、毛沢東が北京市で中華人民共和国の建国を宣言した。10月25日、中共軍八個連隊は、対岸の 厦門 ( アモイ ) からの砲兵隊の援護を受け、200隻のジャンクで三方向から包囲するようにして金門島に迫った。これに対する国民党軍(三個師団と保衛一個連隊)は、旧日本陸軍中将 根本博氏の指揮を受け、一発も反撃せず、中共軍を上陸させて島内に誘い込んだ。日没後、国民党軍は、ジャンクに火を放って上陸軍への補給と退路を断ち、総反撃に出た。中共軍は、混乱し、包囲網の開いた一方向に雪崩を打つように殺到して海岸に向かったが、追いかける国民党軍と島陰で待機していた海軍の挟み撃ちに合って壊滅した。以後、中共軍は、対岸から砲撃するだけで、金門島に上陸しようとしなくなった。
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 1949年4月、北米と西欧の30箇国は、軍事同盟NATOを結んで共産圏の脅威に備えた。  1949年6月、ベトナム王国ができ、ベトナム帝国皇帝だったバオ・ダイが国王になった。  1949年12月、南京から逃れ出た蒋介石らは、台湾島の台北に中華民国政府を移転させた。  1950年1月、イギリス労働党政権が、中華人民共和国を承認した。  1950年2月、フランス、アメリカ、イギリスがベトナム王国を承認した。  1950年5月、韓国の総選挙で、李承晩政権に対する不信任の結果が示された。2年後任期満了時の再選を危ぶんだ李承晩は、人気挽回策として、対日戦意を煽り「対馬侵攻」を名目に精鋭軍を南下させ釜山に集結させた。手薄となった首都ソウルは、「国土完整」を唱える朝鮮民主主義人民共和国軍にとって、格好の餌食に見えた。  1950年6月25日早朝、北朝鮮軍による総攻撃が、青天の霹靂の如く、何の前触れも無く始まった。防衛ラインは次々と突破され、韓国軍はひたすら敗走を続けた。韓国政府は非常閣僚会議で、ソウルを捨てて南にある水原への遷都を決め、李承晩は更に南の大田に逃れた。ラジオは「国連軍が助けてくれるから安心しろ」と大統領の肉声を放送し続け、新聞は事実と異なる韓国軍の反攻を伝えていた。大統領が逃げ、国民を欺き続ける中で、北朝鮮の南進を少しでも遅らせる為、韓国軍はソウルを東西に流れる漢江の人道橋を、多数の避難民もろとも、爆破した。後に、橋爆破の現場責任者だったチェ・チャンシク大佐が責任を問われて処刑され、真相は闇に葬られた。  米軍機動部隊が大田に到着し防衛線を築いたが、北朝鮮軍は韓国軍を攻め、それを崩壊させて横にいる米軍を包囲した。韓国軍は大量の米軍装備を放棄して逃げ、それを北朝鮮軍が使い、米軍の装備で米軍兵が殺害される状況になった。  しかし、李承晩は、韓国軍が前線に立つことを主張し続け、状況は改善されなかった。  その結果、米軍主体の国連軍は敗北を重ね、8月末には、北朝鮮軍が釜山まで60キロメートル余の昌寧郡に迫った。  9月2日、マッカーサー元帥が国連安全保障理事会に「国連軍の活動に関する第3次報告書」を提出し、国連軍増強の必要を強調した。また「北朝鮮軍がカムフラージュの為に民家や民間輸送機関を利用しており、軍事目標を識別することは著しく困難である」旨説明し、民間人・施設に対する攻撃の正当性を説明した。民家人を装い、或は、民間人に紛れ込んで、民間人が攻撃しているように見せかけるのは、共産主義者の常套手段。民間人の犠牲を材料とするプロパンガは、彼らの強力な武器となる。9月15日、国連軍は、仁川上陸作戦を成功させ、ソウルを奪回した。
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 しかし、李承晩の主張に基づき韓国軍を前線に立たせた結果、米軍の装備で米軍兵が殺害される状況が再現され、翌年1月、中共軍にソウルを占領されてしまった。  その後、戦況は、一進一退を繰り返したが、国連は休戦への道筋を作り、両軍の捕虜送還協定が締結された。  6月18日、李承晩は、国連決議を無視し、アメリカに何の予告も無く、抑留中の朝鮮人民軍捕虜二万五千人を北へ送還せずに韓国内で釈放させ、国際世論の非難を浴びた。この釈放は、不法に抑留した日本人の返還と引き換えに、常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として日本の刑務所で収監されている韓国人受刑者に対する放免・日本永住許可付与を要求した手口に相通ずる処がある。  1951年9月、サンフランシスコで吉田茂首相が講和条約に調印し、日本は主権を回復した。朝鮮・台湾・南樺太・千島は放棄し、沖縄と小笠原諸島はがアメリカの占領下に置かれることとなった。調印したのは48カ国だった。同日、日米安全保障条約が結ばれ、アメリカ反共陣営に日本が組み込まれた。  1952年1月、韓国は、 所謂 ( いわゆる ) 李承晩ラインを一方的に設定した。  1953年3月、ソ連の最高指導者スターリンが病死した。  1953年7月、朝鮮民主主義人民共和国と大韓民国が、軍事境界38度線を挟む休戦に同意した。軍事委員会委員長に就任した金日成は、朴憲永、金枓奉、崔昌益、許貞淑、金昌満、武亭、朴一禹、朴孝三、方虎山、尹公欽、徐輝、李相朝、金雄、鄭律成、金元鳳、許哥誼、朴昌玉、金烈、朴義琓、総政治局長、崔遠、金七星ら他派の政敵を次々に追い落とし粛正して、権力を強化しいった。  1953年12月、韓国は、日本海で漁船数百隻を拿捕し、乗組員数千人を抑留した。
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 そして、抑留者の返還と引き換えに 日本の刑務所 で常習的犯罪者あるいは重大犯罪者として 収監 されている韓国人 受刑者 の 釈放 を要求した。日本政府 はこれを飲み、在日韓国人犯罪者472人を放免し、日本での永住許可を与えた。  1954年2月、 嘗 ( かつ ) て中国西北部の陝西省で毛沢東らを迎え入れた高崗が「東北部を独立王国にしようとした」という濡れ衣を着せられて失脚し、半年後に毒殺された。  1954年、ベトナム国王バオ・ダイは、首相にゴ・ジン・ジェムを任命した。翌年、ゴ・ジン・ジェムが国民投票を実施し、ベトナムは共和国になった。ゴ・ジン・ジェムは大統領に就任し、アメリカの軍事援助を取り付けた。バオ・ダイはフランスに亡命した。  1955年、ソ連と東欧諸国は、NATOに対抗するため、軍事同盟WPOを結んだ。  1956年、ソ連での個人崇拝批判の影響受けて、北朝鮮でも金日成批判の動きが出てきたが、金日成は、甲山派と組んで政敵を除名し逮捕した。  1956年5月、毛沢東は、最高国務会議で「百花斉放 百家争鳴」を提唱し共産党への批判を歓迎した。翌年2月の最高国務会議でも中国共産党に対する批判を呼びかけるとともに、翌月6日から1週間かけて全国宣伝工作者会議でもさらに中国共産党に対する批判を呼びかけた。知識人の間で中国共産党に対する批判が徐々に出始めるようになり、共産党の中国支配に異を唱えたり毛沢東の指導力を批判する者も出てきた。5月、毛沢東は、新聞に対して党の批判とあわせて「右派」に対する批判も行うよう命じたが、「右派らは有頂天になっている。まだ釣り上げてはならない」と述べた。6月、人民日報は「右派分子が社会主義を攻撃している」という毛沢東が執筆した社説を掲載した。10日後、人民日報は、毛沢東が 嘗 ( かつ ) て「百花斉放 百家争鳴」を呼びかけた演説内容を掲載したが、演説したという内容は、批判を制約するものだった。党を思い切って批判した知識人たちは社会主義政権破壊を画策した[右派]というレッテルを貼られ、知識人の粛清運動(反右派闘争)が始まった。以後、中国共産党批判は二度と行われなかった。
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takahashicleaning · 3 years
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TEDにて
ファン・ホン:アメリカと中国の価値観がどのようにコロナ対応を形作ったか?
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
新型コロナウイルスと闘う為、各国が都市封鎖を行い外出禁止令を出し、マスク着用を命じていますが、それらの命令に対する反応(遵守)は西洋と東洋では異なっています。
TEDのヘッドキュレーターであるヘレン・ウォルターズとの会話の中で、作家であり、出版編集者であるファン・ホンは、如何に中国とアメリカの文化的価値観が、アウトブレイクへの対応を形成したかを解明し、何故、皆がパンデミックを終わらせるために協力しあう必要があるのかに関する観点を提供しています。(2020年4月16日録画)
ヘレン・ウォルターズ: ファン。こんにちは、ご出演ありがとう。2020年は如何ですか?
ファン・ホン: 2020年は、全く普通に始まりました。1月にパリに行き、そこでファッションウィークのインタビューを行い、1月22日には北京に戻って来ました。周囲がちょっとだけピリピリしてたのは様々な噂があったからです。SARSを経験してきたので、私はそんなに心配していませんでした。
23日にニューヨークの友人が我が家を訪れました。インフルエンザに罹っていました。夕食を共にしました。また、別の友人がやって来て翌日休暇でオーストラリアに向け飛行機で出発したのです。この事を酷く深刻には考えていませんでした。都市封鎖があるまでは!
ヘレン:世界中の反響を目にしてきました。まだ、中国が講じた対策の規模を理解するのが、困難だと思う人もいると思います。私達が、中国の対応に関して何か見落としている事が他にありますか?
ファン:歴史的に見て、文化も歴史もこの2つの国はかなり違います。
つまり、それぞれの国民は全く異なる経験をしてきたのです。だから、中国にとっては、都市封鎖が起きても国民は大丈夫なのです。国民は言う事を聞きます。それは、良い親がすべき事だと思っているからです。子供が病気になったら、その子を別の部屋に入れて閉じ込めて他の子供達が病気にならないよう注意するのです。
国民は、政府からのそういった対応を期待しています。しかし、それが中国の外側アメリカからすれば、政治的に正しい行いや個人の自由を侵害するかどうかの大きな問題になります。
民主主義社会システムに於いて、あなた達が取り組むべき課題は、中国ではその必要のない問題となります。
中国語には他の言語には存在しない定義される言葉と概念ががあります。その言葉は「乖」といいます。親の言う事を聞く子供という意味です。
中国の国民は、非常に「乖」だと私は思います。私達、中国人には、常に敬われる権威ある存在があります。国民は、政府が実際に行動する事を期待しますし、適応してうまくやるでしょう。如何なる困難があっても国民は大丈夫だと感じ、ビッグブラザーが遂行すべきと言えば遂行せねばならないのです。
過去にスティーブジョブズは、ビッグブラザー(BIGなIBMのデータセンター)に対抗して、パーソナルコンピューターを創造します。そして、現在のiPhoneにつながります。
この事から、中国には異質な考え方がある事は明白です。中国人は、日本人と同様にして欧米の人達とは、異なる考え方を持っているのです。
ヘレン:その集団的責任の感覚が、時折ちょっとこちらの文化には欠ける気がします。同時にデータのプライバシーや監視といったものをめぐって、重大な懸念があると私は思います。そのバランスとは、監視と自由との間の正当な妥協点とは何でしょうか?
これは、刑務所を想定した建築デザイン—「パノプティコン」です。18世紀の哲学者ジェレミー・ベンサムが考案し、20世紀フランスの哲学者ミシェル・フーコーは、このモデルが刑務所だけでなく人の行動を管理しようとする、あらゆる施設に適用できることに気づきました。サルトルとも関係があります。
ファン:インターネット時代では、中国とアメリカの中間にあると思います(日本は、高度経済成長時点で、すでに達成し通過しています)
個人の自由と共同体の安全を取り上げた場合、そのどこかに均衡が存在すべきだと思います。監視に関してバイドゥ(百度)の代表者ロビン・リーがこう言いました「中国人は、便利さと引き換えに、実に快くある種の個人の権利を差し出す」
実際に、彼は中国のSNS上で徹底的に批判されていましたが、彼は正しいと思います(日本は、現在2020年、この試練を乗り越えて世界の模範となれるかが試されています)
中国人は、一定程度の権利を差し出す事をいといません。例えば、中国には非常に誇りにしている独自の決済システムがあります。
どこへ行こうと、iPhoneさえ持っていけば全ての支払いができます。必要なのは、顔認証だけです(開発独裁体制なので、恐ろしいことに、詳細な、個人情報は国家システムに収集されます)
おそらく、アメリカ人は震え上がると思います。
マックステグマークの言うように ・・・
私の友人。ヤーン・タリンが好む議論ですが、ロケットの話と似ていて技術が単に強力になれば良いというものではなく、もし、本当に野心的になろうとするなら、コントロールの仕方と、どこへ向かうべきかも理解しないといけません。
エリエゼル・ユドカウスキーが、「友好的なAI」と呼ぶものです。そして、これができれば素晴らしいことでしょう。病気、貧困、犯罪など苦痛というマイナスの経験を無くすことができるだけではなく、様々な新しいプラスの経験から、選択する自由を与えてくれるかもしれません。
そうなれば、私たちは自分の手で運命を決められるのです。そして、準備がないままにつまづきながらアジャイル(=機敏さ)で進んで行くとおそらく人類史上最大の間違いとなるでしょう。
それは認めるべきです。冷酷な全世界的独裁政権が可能になり、前代未聞の差別、監視社会と苦しみが産まれ、さらに、人類の絶滅さえ起こるかもしれません。
しかし、注意深くコントロールすれば、誰もが裕福になれる素晴らしい未来にたどり着くかもしれません。貧乏人は、金持ちにより近づき、金持ちはさらに金持���になり、みんなが健康で夢を追い求めながら自由に人生を送れることでしょう。
中国は、現在、未だに半ば都市封鎖の状態です。どこかへ行ったらアプリでスキャンし、携帯電話番号を入力するとそのアプリが ショッピングモールの入り口の守衛に過去14日間に行った場所を伝えます。それをアメリカ人に伝えると彼女は怖がって酷いプライバシーの侵害だと言いました。
一方で、中国人であり、20年来。中国に住んでいる者として、私はアメリカ人の考え方は理解しているものの、やはり、自分は、中国人なんだと感じるのは「私は気にならないし、そうした方が、モールに入る時は、自分は安心だ。安全だと思う。皆がスキャンされているのだから」と思うからです。
一方、こんなパンデミックの下では、抽象概念としての個人の自由は、実際は本当に意味がないと思うのです(現在2020年の中国は、みんなが豊かになれると錯覚していた高度経済成長時代の日本と同じ環境だからです。いずれ、人口ボーナス状態がなくなり壁にブチ当たります)
だから、西洋は東洋に向かって一歩近寄り、個人としての自身を考えるのではなく、むしろ、全体としての共同体の事を考える必要が本当にあると私は思います。
ヘレン:米中間で、敵意のあるやり取りが増えている状況は確かに心配です。世界的なサプライチェーンを理解しようがしまいが、重要な事は、国々は連結してしているという事です。私達は次にどこへ向かうと思いますか?(注意、バブル経済の日本も同じことを発言していましたが、人口が少ないので貿易摩擦になっています)
ファン:これは、このパンデミックの下での両国側の国家主義的感情の類から生じる最も恐ろしい事です。私は、楽観主義者ですから現在の状況によって、この戦いでは全人類が分裂するのではなく、協力しなければならないと両国が気づくようになると思います。
敵意のあるやり取りはあっても、グローバル経済は統合が進んでいて、アメリカと中国両国にとってデカップリングは極めて高くつき、痛みを伴うことになるでしょう。マクロ経済学でもデータとして表現されています。
ヘレン:中国が受けたかなり声高な批判を目にして、私は大変興味深く思いました。具体的には、おそらく死者数を過少に発表している事だとか、李医師を悪人に仕立てようとした事です。彼は、コロナウイルスについて最初に警告を鳴らした武漢の医師です。
ニューヨークタイムズ紙でこんな報道を見ました。Weiboユーザー達が、李医師の最後の投稿を何度も投稿し、追悼として使うと共に彼に向けてメッセージを送っています。彼の最後の投稿には、87万件のコメントが集まりそれは拡大しています。メディアに変化は見られますか?
おそらくアメリカが中国モデルに向かって、近づく必要があるのと同様、中国の指導者がもっと両国間の中央に近づく変化が見とれますか?
ファン: 残念ながら実際には見られません。それは、独裁政権とその国民の間の情報伝達には、あるやり方があるからだと私は思います。李医師が亡くなった夜、彼が亡くなったという知らせがあった時、中国のSNSは直ちに炎上しました。彼は、内部告発者として不当に扱われたけれど、まだ病院に勤務しており医師として生命を救おうとしてコロナウィルスに感染し亡くなったのです。
そこで怒り、不満が沸き起こり、それら全てが政府が不当に扱ったと感じた人物を追悼するという形で噴出したのです。政府の彼に対する判断や公式見解。すなわち「李医師は何者か?善人か悪人か?」については、完全に180度変わりました。彼は不正を働いた医師から国民に警告を発した英雄となったのです。独裁主義政権下では、未だに指導者達は民衆の意見を非常に警戒していますが。
一方で、国民が不平を述べ李医師を追悼するとき本当にシステムを変えたいと思っているでしょうか?私の答えはノーです。国民は、政府による特定の決定を嫌っているのであって、システムを変えようとは思っていないからです。理由の1つは、国民が他のシステムを知りえなかったからです。この制度だけが機能のさせ方が分かっている制度なのです。
ヘレン:「中華鍋を投げる」って何?ファン。
ファン:「中華鍋を投げる」とは、他人のせいにするという事です。本来、悪いことをした人の事を中国語のスラングで黒い中華鍋を抱える人と言います。自分の持つ都合の悪い事を他人に投げる(なすりつける)ことです。だから、トランプ大統領は「中国ウイルス」とか「武漢ウイルス」と呼び始め、コロナのパンデミック全部を中国人のせいにしようとしました。
その後、中国人はアメリカ人に向けて中華鍋を投げ返したと思います(日本では不可能。国土や人口の巨大な中国の優位性がなせる業です)中国のSNS上に中華鍋を投げるとても可笑しなジョークがありました「中華鍋を投げる」エアロビクスの動画がネットで急拡大しました。
ヘレン:でも、教えてファン。あなたもTikTokで踊っているんでしょう?
ファン:ええ。もちろん。TikTokで中華鍋投げエアロビクスをかなりやっていますよ。
ヘレン:この中で可能性のある希望の光は、このシステムの不公平、不平等や崩壊した構造の一部が、あらわになってきて私達が賢ければ、より良いものに作り変えられる事ですね。
ファン:ええ。このパンデミックの希望の光の1つは、人類が協力し合って何かをすべきだという事を私達がよく理解しているということです。人類は人種や肌の色、国籍によって、区別されるべきではありません。
それから、このウイルスは、明らかに誰も区別しないという事です。金持ちだろうと貧乏だろうと重要であろうとなかろうと、肌の色が何であれ、また国籍がどこであれ、だから団結すべき時なのです。世界を分断しようとしたり、自分自身の国籍の殻に這い戻るのではなく。
ヘレン:素晴らしいご意見ですね。ファン・ホン。北京からご参加どうもありがとう。どうぞお元気で。
ファン:ありがとうヘレン。あなたもお元気で。
最後に、この人は、気づいていませんが、日本は、アメリカ(西洋)と中国(東洋)を見事に融合しているアジア最初の先進国です。
日本人と中国人の言葉の定義と概念も異なりますが、近隣諸国の長い交流の歴史の中で、日本人特有の概念に昇華させているところもあります。
日本もかつては、高度経済成長からバブル経済までの中で発展したような開発独裁特有の自民党55年体制の環境にも似ています。ジャパンミラクルと言われる経済体制とも現在では呼ばれています。
開発独裁は、ある水準以上の経済発展(ポール•ローマー教授が提唱する内生的成長理論が想定した「規模効果」のこと)の為には「政治的安定」が必要であるとして、国民の政治参加を著しく制限し、独裁を正当化すること。
また、そのような政治運営を通して達成した経済発展の成果を国民に分配することによって、支配の正当性を担保としている政治体制を「開発独裁体制」といいます。
政治研究者として初めて「開発独裁」という用語を用いたのはカリフォルニア大学バークレー校のジェームス・グレガー。日本の戦後復興時代の自民党の55年体制も該当するかもしれません。
2018年時の中国は、このジャパンミラクルと言われる経済体制を学び、取り入れています。人口が日本の10倍はあるので規模の効果は10倍になることが予想できます。
国家レベル規模では、開発独裁。しかし、透明性の高い民間レベル規模になるとトップダウンと良い意味で使われるが本質は変わらず性質が変わる。
人口規模をテコに中国が日本の成功モデルを拡張しているシステム。アメリカの大統領システム。物理学でいうラグランジュ点(トリレンマ)があるならば両方正解かもしれません。
サンデルのいう功利主義。ドラッカーのポスト資本主義。ネクストソサエティー。
<おすすめサイト>
日本経済と世界経済(KindleBook)- 東京都北区神谷高橋クリーニング
ウーリ・アロン:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)出口戦略、ロックダウン終了と経済活動再開を目指して
クリスタリナ・ゲオルギエバ:パンデミック後の世界経済を立て直すには?
グレン・グリーンウォルド: なぜプライバシーは重要なのか!
<個人的なアイデア>
アメリカのノーベル賞受賞経済学者ミルトン・フリードマン、元FRB議長であったベンバーナンキの書籍「大恐慌論」も言うように、金融危機2008、コロナショック2020などの急落に直面する対策として、ゼロ金利、マイナス金利、金融政策が出尽くした後に、よく登場する最速実行再分配政策が、個人への緊急的な現金給付!!!
各国によってスピードは異なるが、政策閣議決定後、人間の限界を遥かに超えるスピード。1秒以内で現金到着が理想。各国競争してみれば、今後の恒久対策として中央銀行のデジタル通貨なども考慮しつつ、新産業が産まれプラスサムになるかもしれません。
MMT(Modern Monetary Theory)によると、現状の貨幣での現実的なアイデアとして、社会保障に還元される日本の消費税は現状維持しつつ、現金給付額にも消費税がかかるので現金給付額を上げて、毎月給付にすると消費税率と社会保障費下支えとが均衡状態になる?と同時に、実体経済の経済成長率「g」の下支えにも寄与する?
これらの総量が、急激な不況時の資本収益率「r」以上なら、もしかして?回復して正常な経済環境に戻る期間も短縮できるかもしれません。
スペイン風邪から国民皆保険を構築した岸総理(他には、国民皆年金、最低賃金法もあります)現政権の安倍総理、母方の祖父を見習いコロナウイルスから、毎月の国民皆給付を構築すれば歴史に残る業績になるし、継承する権利もある!
現政権の安倍総理、麻生副総理。この二人でしかできない天命を果たせ!アベノミクスの最終地点がコレだ!この絶妙のタイミング!
天命と言わずにはいられない!
感染症との戦いは、人類の宿敵とも言っていい未知のウイルスとの戦争です!
今までは、パンデミック時の対策としてデータのないスペイン風邪の書物や言葉を参考にしていたが、インターネットの発展やCPU、GPUがムーアの法則によりスーパーコンピューターの領域に現代は突入している。
情報技術が発展し、スマートフォンとして手のひらサイズに収まり、ウイルスを感染予防するための距離を広げながらも、データとして全世界と光速で共有できるため、そのスピードとウイルス伝播のスピードと伍している?
局面ごとに対策を適性に行えば伝播速度を上回りコントロールできる感じもある!ラリーブリリアントが構築したシステムの功績もあります。
量子コンピューターも量子超越性を達成してることもプラスです。
ジョンズ・ホプキンス大学のシステム科学工学センター(The Center for Systems Science and Engineering:CSSE)感染者ダッシュボード
新型コロナウイルスの場合、新規感染者数が、2倍になる日数が10日以上になれば、R0(アールナート)が1以下に減衰してピークアウト状態になると理解で��る。
日本の場合、PCR検査の結果が判明する14日後より短いから、検査結果日数を10日以下にできれば、ヤキモキせずスピード感ある判断が可能になりそうだ。
つまり、未知のウイルス。アウトブレイク発生確認後の緊急事態宣言発動は、クラスターが発生しやすいチェーン店などの大規模な場所から早期閉鎖が原則とデータから判明した!
日本の場合、アウトブレイク発生確認後から緊急事態宣言発動までの余裕日数は、新規感染者数が、2倍になる日数です。例えば、5日で2倍なら、5日以内で初動初速最大化発動しないと危険ということ!
R0が2.5付近では、発動日から10日でピークアウトが最速値。7、8割の人の外出制限要請StayHome(元々、人がいない地域での7、8割削減は意味ないし不可能だから政令指定都市だけにすること)ソーシャルディスタンス。などの初動初速最大化すれば、収束までさらに10日で計算上は20日で解除可能領域に近づける目安となります。
生産管理手法のクリテカルチェーンもリアルタイムの感じた感覚で考慮すると余裕バッファーをもう10日で、ひと月。えっ。ここまで自分で書いてよく見ると現実の数値にかなり符号する。
休業要請解除を10段階くらいに分けて地域ごとに段階的に基準を決めて行う。
日本の場合。緊急事態宣言、休業要請は現金給付や保証とセットで最速実行が原則。
日本の場合、透明性を持たせて休業要請解除の基準を決め、きめ細かく設定しないと現在の都知事とか権力者の気分で権力濫用されたり選挙に悪用される危険性がある。
今後の医療崩壊回避のため、医者を含めた疾病や保健所などの医療従事者を単純に現在の倍に育てて増員したら余裕バッファーが半分くらいになりそうな直観が出た。
今後は、休業要請解除!スペイン風邪同様第二波三波、第四第五の小波に備え、国からの現金給付支給をもう数度実行してもいい。Rtが1以下になり次第、休業要請解除!の後に、緊急事態宣言を機動的に解除。
この局面でもっとも効果的なソーシャルディスタンス領域をかんたんに実行。かんたんに実現できる小規模な所から。
時間軸のあるR0をRtとした都道府県別。新型コロナウイルスリアルタイムデータ
クラスター発生地点の見守りを継続する。再びアウトブレイクになり次第。最速で緊急事態宣言を再び発動して、1年かけて5、6回繰り返し、新規感染者数をピークアウトさせて分散、減少させていく!
何度も言うが、スペイン風邪同様第二波三波、第四第五の小波に備えるため!
小池百合子都知事という悪徳政治家は即刻辞職して、後世の女性への権力に固執しない手本を示し、的確に新型コロナウイルス対策できる人間に変われ!以下の指摘3つを真摯に受け止めて瞬時に改善しろ!(全世界に拡散希望)
1)休業要請緩和の各ステップの目安日数(1週間の平均感染者数:20人未満、感染経路の追えない感染者の割合:1週間平均が50%未満、1週間単位の感染者の増加比:1以下)をごまかして各段階を具体的数値で表現しない。クソロードマップだ!!今回の都知事選挙のために政治悪用してるのは明白!!的確に新型コロナウイルスに対策できる人間に変われ!
2)再要請の目安(1日の感染者数:50人、感染経路の追えない感染者の割合:1週間平均が50%以上、1週間単位の感染者の増加比:2以上)も隠すように表示してるクソロードマップだ!今回の都知事選挙のため政治悪用してるの明白!!的確に新型コロナウイルスに対策できる人間に変われ!
3)2週間単位じゃなく1日単位にしないと一つずつ緩和のステップを進めていく意味がないクソロードマップだ!!今回の都知事選挙のために日数伸ばすために政治悪用してるのは明白!!的確に新型コロナウイルスに対策できる人間に変われ!
具体的には、2020年5月中旬に、緊急事態宣言を1日単位でスピード解除(現都知事は、説明責任をせず気分で言葉を変えて言葉で惑わし政治悪用するので、数値を基準にした休業要請を1日単位でスピード解除)を早期に行う。
こうすることで、マクロ経済的にもバランスを維持していく。
前提として、直近1週間10万人あたり新規感染者0.5人位?(わかりやすく言うと、1400万人いる東京都は7 日間で、70 人位。一日7人位)で緊急事態宣言解除。
他には、神奈川県は46人位一日6人位。埼玉県は37人位一日5人位。千葉県は31人位一日4人位。とざっくりとした目安になります。
以降は、30日間経過観察し2回目に備える。オーバーシュートし始めたら2回目の緊急事態宣言を再び発動(現金給付とセット:一回目の延長の分も含めて一律20万円)し、1回目と同じように繰り返し、50日でスピード解除。つまり、最速80日周期で1年かけて4、5回繰り返し、新規感染者数をピークアウトさせて分散、減少させていく!
データから判明した6割程度の人の接触制限(元々、人がいない地域での削減は意味ないし不可能)で増加しないフラットな均衡状態を維持できる。
しかし、わかりやすく言えば、10人を4人にし続けたら商売にならないのは明らか。これでは、マクロ経済活動を維持できないため、その減少分を法人は、巨額な内部留保があれば、それを金融工学で資金繰りを下支えしつつ
国民皆給付で一律毎月10万円の庶民生活を下支えし続ける!(ボーナスも危ういので多少なりとも毎月気持ち分補助してもらう)これがベスト。
新規感染者を数人位の緊急事態宣言解除直後の低水準で均衡させつづければ、6割程度の人の接触制限してマクロ経済を維持できそうな感じは現時点ではする。
7月になり、小池百合子は公約も実現してないのに再選した稀代の悪女!自ら辞めて責任もとらない。昨年は、モンテスキューの「法の精神」も言う権力分立の原則を無視して国政と都知事を兼務しようとする悪い女性の見本と判明(全世界に拡散希望)
新規感染者も四月の水準に数の上では迫っている!
しかし、検査数と新規感染者の割合を見ると七月の水準では四月ほどではなく、さらに、退院者数を引いて見る。医療提供キャパシティ数が不明で数値を出して欲しいが、これらを考慮すると•••
再びの緊急事態宣言は、新規感染者が現状4桁到達。人口規模が大きい東京都が1000人以上なら実行する価値はある!現金給付とセットで!(検査数、医療提供キャパシティ数が増えれば2000、3000でも耐えられるかも?これはまだ未知の領域)
7月の重傷者数も4月の水準ではないので、4月の水準に近づき次第。再びの緊急事態宣言で良いのではないか?そんな感じもします。
海外の結果は、アメリカ、ヨーロッパは速めにロックダウンした(日本は緩いロックダウン)
スウェーデンは独自の社会実験でパンデミック中に行政府がほとんど行動制限を加えず、通常の生活を続けるとどんなことになるか?結果は変わらない。
自ら感染を広げただけで、経済的に何の得にもなっていないらしい。人口100万人当たりの死者数が世界的にも高い水準になってしまった。重症者増加悪化する。ロックダウンが経済悪化の原因ではないこと。すべての原因はウイルスそのものの伝播力と判明。
日本は湿気の多い夏の時期でも、この伝播力の怖さが明らかになる。実効再生産数1.5から2くらい。
歴史の経験が実証されデータが得られワクチンや治療薬が重要という昔のパンデミック時の教訓が正しいことが世界中で再認識された。
PCR検査などを抽出から全数に変えても統計上はあまり変わらない。前提として、数値の量や正確さにこだわらず測れるのが統計。量子力学に多用されてる。統計には、全数と抽出がある。
むやみに、感染者を排除しても基本的人権を侵害するだけで感染者差別を産む可能性もある(マスクの有無で既に差別的になってる)
ハンセン病患者の強制隔離政策。第二次大戦の教訓が無視され弱者に対して権力濫用に繋がり、日本では、権力者を縛る憲法により結論を示し、ついに決着した。非常に重い最高裁判所の判例や現実が大きくあり、パンデミックの最中には、混乱するだけで導入は難しい。
現に、検査数が日々変動してるため、新規感染者数が過去の数値と単純比較できずに陽性率で比較するプロセスも必要となるから、この時間差や感染者集計の時間差を権力者に言葉巧みに悪用されてる。
つまり、この元凶の権力者とは現在2020年の再選した政界風見鶏と言われる都知事小池百合子!過去には、行政府、警察に拡大解釈され強欲マスメディアがあおり第二次大戦に至りました。
未知のウイルスは、医療従事者や専門家も素人同然に成り下がるのは、東日本大震災2011の地震学者(こちらは理論破綻)で証明されてる。
にもかかわらず、今回、新型コロナウイルス2020でも、プライド、特権意識が邪魔をして、アマチュアの意見も引用して受け入れないため、未知のウイルスの伝播力で後手に回る。
現場で経験したアマチュアを含めて知見が集まるまでの人の手でデータにするまでの時間は、 CPU、GPU、量子コンピューター、インターネットで情報を光速で共有できるメリットを最大化できなくなると判明もした!
理論も大事だが現場経験が先!まぁ、カントも言ってることだから専門家、教授レベルなら熟知してると思うけど、知らないのかな?
日本の場合、ウイルス感染力低減対策のひとつ。緊急事態宣言後、最速で、高速道路、鉄道の法人であるJR、私鉄が協力体制をとって、都道府県内で折り返し運転をして他県に移動しづらくする方法。
それか、違う効果的なアイデアがあればいい?たしか、東日本大震災の時も実行してたような?
サブスクシェア経済は、具体的に言うとウイルスをベタベタな手で撒き散らすような強欲不潔感なイメージ。
食品扱うなら公衆衛生は最高レベルで!
公衆衛生の義務を厳格徹底し、感染症に欲のスキを突かれるため、強欲不潔な法人を規制して、事業停止を保健所は機動的に強制執行できるように法律を改正。
デフレスパイラルも危険なので、最低賃金以上を義務化、公衆衛生の義務を厳格徹底することで、抑止力をサブスクシェア経済に与えること!
さらに、人間を追跡する人工知能のストーカーアルゴリズムのみを今後禁止にして、ベンチャー企業がサブスクを開発したら高額罰金を与えるのはどうだろうか?
すでにある企業にも、悪用予防で高額罰金をかけていく。個人情報保護法に追加。GAFAは、指摘を受け止めて改善するが、それ以外の中小規模がより危険。
Uberなどは、その一つです。ドン・タプスコットが「ブロックチェーンレボリューション」の中で、UberやAirbnbやTaskRabbitやLyftといった。共有経済について話題にしています。対等な個人がいっしょに富を生み出し、共有するというのは。とても強力なアイデアです。
でも、私に言わせるとそういった企業は本当に共有をしてはいません!!実際、これらの企業が成功しているのは、まさに共有しないことによってなのです。さらに、高インフレの国でないとデフレスパイラルが起きてしまい、次第に賃金が上昇しなくなります。
現在の唯一の解決法は富の再分配でデファクトスタンダードをとっているプラットフォーマー企業に課税して広く配分するということです。ここが重要!!と言っています。
情報技術の発展とインターネットで大企業の何十万、何百万単位から、facebook、Apple、Amazom、Google、Microsoftなどで数億単位で共同作業ができるようになりました。
現在、プラットフォーマー企業と呼ばれる法人は先進国の国家単位レベルに近づき欧米、日本、アジア、インドが協調すれば、中国の人口をも超越するかもしれません。
法人は潰れることを前提にした有限責任! 慈愛や基本的人権を根本とした社会システムの中の保護されなければならない小企業や個人レベルでは、違いますが・・・
ヨーロッパでの一般データ保護規則(GDPR)でも言うように・・・
年収の低い個人(中央値で600万円以下)から集めたデータほど金銭同様に経済的に高い価値を持ち、独占禁止法の適用対象にしてい���ことで、高価格にし抑止力を持たせるアイデア。
自分自身のデータを渡す個人も各社の取引先に当たりデータに関しては優越的地位の乱用を年収の低い個人(中央値で600万円以下)に行う場合は厳しく適用していく。
キャシーオニールによると・・・
思考実験をしてみましょう。私は、思考実験が好きなので、人種を完全に隔離した社会システムがあるとします。どの街でも、どの地域でも、人種は隔離され、犯罪を見つけるために警察を送り込むのは、マイノリティーが住む地域だけです。すると、逮捕者のデータは、かなり偏ったものになるでしょう。
さらに、データサイエンティストを探してきて、報酬を払い、次の犯罪が起こる場所を予測させたらどうなるでしょう?
あら不思議。マイノリティーの地域になります。あるいは、次に犯罪を犯しそうな人を予測させたら?あらら不思議ですね。マイノリティーでしょう。データサイエンティストは、モデルの素晴らしさと正確さを自慢するでしょうし、確かにその通りでしょう。
さて、現実は、そこまで極端ではありませんが、実際に、多くの市や町で深刻な人種差別があり、警察の活動や司法制度のデータが偏っているという証拠が揃っています。実際に、ホットスポットと呼ばれる犯罪多発地域を予測しています。さらには、個々、人の犯罪傾向を実際に予測しています。
ここでおかしな現象が生じています。どうなっているのでしょう?これは「データ・ロンダリング」です。このプロセスを通して、技術者がブラックボックスのようなアルゴリズムの内部に醜い現実を隠し「客観的」とか「能力主義」と称しているんです。秘密にされている重要で破壊的なアルゴリズムを私はこんな名前で呼んでいます「大量破壊数学」です。
民間企業が、私的なアルゴリズムを私的な目的で作っているんです。そのため、影響力を持つアルゴリズムは私的な権力です。
解決策は、データ完全性チェックです。データ完全性チェックとは、ファクト(事実)を直視するという意味になるでしょう。データのファクトチェックです!
これをアルゴリズム監査と呼んでいます。
人間の概念を数値化できないストーカー人工知能では、不可能!と判明した。
未知のウイルス。新型コロナウイルスでは、様々な概念が重なり合うため、均衡点を決断できるのは、人間の倫理観が最も重要!
複数概念をざっくりと瞬時に数値化できるのは、人間の倫理観だ。
しかし、サンデルやマルクスガブリエルも言うように、哲学の善悪を判別し、格差原理、功利主義も考慮した善性側に相対的にでかい影響力を持たせるため、弱者側の視点で、XAI(説明可能なAI)、インターネット、マスメディアができるだけ透明な議論をしてコンピューターのアルゴリズムをファクトチェックする必要があります。
さらに、2020年5月21日。ついにリリースしました。AppleとGoogleが、協調してプライバシーに配慮し高いセキュリティの、APIを提供してます(中国のアプリは危険なため)
以下は、iOS、Androidアプリの作成に当たってライセンス上、守るべきガイドラインです。
第一に、アプリは公衆衛生当局が自ら作るか、外部機関に依頼して作らせたものでなければならず、しかも「COVID-19対応」以外の目的では利用することができないライセンスになっている。できるだけ多くの人が、同じアプリを使用し分断が起きないようにAPIの利用は1カ国1アプリのみ。
第二に、Exposure Notification API(濃厚接触通知API)の利用の前に、ユーザーの同意を得る必要がある。
第三に、利用者のCOVID-19感染が確認された場合、結果を共有する前に、必ず利用者の同意を得る必要がある。(同意を得ると当局が利用者のデバイスにひも付いた「Diagnosys Key : 診断鍵」に対して「陽性」の情報を登録する。二段階でキー生成がなされます。)
第四に、アプリは、利用者のスマートフォンから可能な限り最小限の情報しか獲得してはならず、 その利用はCOVID-19対策に限られる。ターゲティング広告を含め、それ以外のあらゆる個人情報の利用は禁じる。
第五に、アプリは、スマートフォンの位置情報獲得を求めてはならない。
などの個人を特定しにくくする工夫が加えられている新型コロナウイルス「濃厚接触通知」のプライバシー強化がほどこされています。
具体的に、AirDropやApplePayの仕組みを応用し、通信方法はBluetooth経由で、暗号化された毎日ランダムに15分単位で生成されるお互いのキー情報のみを相互接続します。
ApplePayの仕組みについて(当店サイトからも曲購入にて対応しております)
GPS情報、ユーザーの氏名や性別、年齢も原則取得しない
ユーザー同意のもと感染報告者の「キー(その1)」は、政府か保健機関が提供するアプリを通じてサーバーへ送られる。
続いて、API対応アプリは、定期的に全国から報告される「キー(その1)」をダウンロードする。そして、端末上で、誰かと会ったときの「キー(その2)」とマッチするかどうか判定し濃厚接触の可能性を判定する仕組み。
日本では、行政府の厚生労働省チームが進めるアプリ開発で同APIを利用します。このAPIは、常にAppleとGoogleが改善して全世界同時アップグレードされます。
1、2ヶ月程度で、1000万ダウンロード達成は、他のアプリと比べても平均くらいの普及率です。いや、でも、速い方かな?
メルカリなども1年くらいは必要としていたし、Lineもこのくらいだったかな?1000万ダウンロードでモンスターアプリと言われる世界。
その他のSNS、Twitter、FaceBookなどは、2000万前後のダウンロード数を誇っているアプリはほんの数%。cocoaも数ヶ月で達成しています。
一般的に言うQRコード決済になるd払い、Paypay、auPay、メルペイ、LinePayやクレジットカードの経験から、国内決済は、情報が独占禁止法の優越的地位の乱用に抵触。
QRコード決済は情報漏洩。セキュリティが高くない傾向がある。
さらに、マスメディアに横流しされ、広告に悪用される危険性を考慮ください!
安売りのかこつけ表現はデフレスパイラルになり、貨幣への融資以外は危険です。
Appleはこれらの対策として提案した内容がこれ。
データミニマイゼーション!
取得する情報・できる情報を最小化する。データが取れなければ、守る必要も漏れる可能性もない!
オンデバイスでのインテリジェンス!
スマートフォンなど機器のなかで処理を完結させることでプライバシーにかかわる部分を端末内に留める。
クラウドにアップロードして、照会プロセスを最小化することで、漏洩や不適切な保存の可能性を排除する!
高い透明性とコントロール!
どんなデータを集め、送っているのか、どう使うのかを明示し、ユーザーが理解したうえで自身で選んだり変更できるようにする!
セキュリティプロテクション!
機器上などで、どうしても発生するデータに関しては指紋認証や顔認証などを使ったセキュリティ技術で、漏えいがないようにしっかりと守るセキュリティプロテクション!機器上などで、どうしても発生するデータに関しては指紋認証や顔認証などを使ったセキュリティ技術で、漏えいがないようにしっかりと守る
202012のApp Storeプライバシー情報セクションは、3つ目「透明性とコントロール」の取り組み。
位置情報などは自己申告だが、アップルとユーザーを欺いて不適切な利用をしていることが分かればガイドラインと契約違反になり、App Storeからの削除や開発者登録の抹消もありえます。
このプライバシー情報の開示は12月8日から、iOS、iPadOS、macOS、tvOSなどOSを問わず、新アプリの審査時または更新時に提出が求められるようになっています。
2020年の4月と7月の違いは、新型コロナウイルスの場合、空気感染ではなく、飛沫感染という性質を考慮すると•••原則は、常にマスク着用、ソーシャルディスタンス。
検査数の量と陽性率でも見ると、東京都は、陽性率2、3%、200人前後で重症者数もバランスよく維持すれば、新型コロナウイルスを最小限に抑えつつ経済を持続できそうだ。
最新の研究によると、不織布のサージカルマスクなどは、感染予防にならないが、他人への拡散を抑える効果、ウイルス摂取量を抑える効果があるから、周囲の人たちが7、8割以上が行えば、実効再生産数を低下させ集団免疫に近い低減効果が得られるかもしれない。
ワクチンと同じくらいの防御効果がありそうだ。安全性の高いワクチンができるまでの実行再生産数を、1 より少なくする時間稼ぎに有効ということだけしかない。油断は禁物です!
吐く息の場合。不織布マスクは80%カット。布製マスクは70%カット。フェイスシールドは20%カット。マウスシールドは10%カット。
吸う息の場合。不織布マスクは70%カット。布製マスクは40%カット。フェイスシールドは効果なし。マウスシールドは効果なし。
続いて、日本国憲法尊守を前提で!
新型コロナウイルス2020に対応したFRBの金融政策と財政政策に異次元な変化が生じてる?
マネーストックとは「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」のこと。
具体的には、金融機関・中央政府を除いた法人、個人などが保有する通貨(現金通貨や預金など)の残高を集計したもの。
日本銀行のベースマネーをコントロールするゼロ金利、量的緩和とは別枠で、ベースマネーからマネーストックへの橋渡しをする機関が弱いのでボトルネックになっていた。
ここで新型コロナウイルス2020が起きた!
将来の設備投資である個人デジタル貨幣型ベーシックインカム活用も含めて•••
アメリカのノーベル賞受賞経済学者ミルトン・フリードマン、元FRB議長であったベンバーナンキの書籍「大恐慌論」も言うように、金融危機2008、コロナショック2020などの急落に直面する対策として、ゼロ金利、マイナス金利、金融政策が出尽くした後に、よく登場する最速実行再分配政策が、個人への緊急的な現金給付!!!
各国によってスピードは異なるが、政策閣議決定後、人間の限界を遥かに超えるスピード。1秒以内で現金到着が理想。各国競争してみれば、今後の恒久対策として中央銀行のデジタル通貨なども考慮しつつ、新産業が産まれプラスサムになるかもしれません。
MMT(Modern Monetary Theory)によると、現状の貨幣での現実的なアイデアとして、社会保障に還元される日本の消費税は現状維持しつつ、現金給付額にも消費税がかかるので現金給付額を上げて、毎月給付にすると消費税率と社会保障費下支えとが均衡状態になる?と同時に、実体経済の経済成長率「g」の下支えにも寄与する?
これらの総量が、急激な不況時の資本収益率「r」以上なら、もしかして?回復して正常な経済環境に戻る期間も短縮できるかもしれません。
世界的な流れから各国政府経由で手厚い給付金を全国民に支給することになる。
日本も世界同時で協調し、国民皆給付を行うがスピードが世界に比べて同水準になってないことが判明した!そのうち改善するでしょう。
スペイン風邪から国民皆保険を構築した岸総理(他には、国民皆年金、最低賃金法もあります)安倍政権時代の安倍さんは、母方の祖父を見習いコロナウイルスから、毎月の国民皆給付を構築すれば歴史に残る業績になるし、継承する権利もある!
安倍政権時代の安倍さん、麻生さん。この二人でしかできない天命を見事果たした!アベノミクスの最終地点がコレだ!
この絶妙のタイミングで緊急的に構築した!天命と言わずにはいられない!
国民皆給付は達成したが、世界的な流れである毎月の国民皆給付には到達していない!
次善のアイデアとしては、三ヶ月に一回給付金。つまり、春夏秋冬に一回ずつ給付金も検討する価値はあります。
誰が発展させて引き継ぐのか?本人自身が行うのか?今後の継承を期待します。引き継いだ人間は、確実に人類の転換点に成し遂げた歴史に残る業績として記録されることでしょう。
将来は、官庁から量子暗号運用へ移行するた��の期間の長いデジタル化を始めてするも良し、庶民が行政手続きする際の申請だけにするなら資するかも?
金融機関への紐付け解除プロセスは現状維持として、まだアナログで十分!
前提条件として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
金融機関への紐付け?義務化は憲法違反。許可選択制にしろ!紐付け解除もできるようにしないと基本的人権侵害。
歴史の浅いコンピューターは、人間ではないし基本的人権は適用外だが、人類は違う!何千年もの構築した概念や法体系、歴史があり憎しみの連鎖も生じる。
中央値で一人年収600万円以上は給付金分年末に減税して、それ以下の年収は給付金支給にすればいい。日本国憲法尊守を前提で、こんなアイデアはどうだろうか?幸福がポイント。
ベーシックインカムは、現在の社会保障にプラスしていくことを前提条件として考慮しています!
もう一度。ベーシックインカムは、現在の社会保障にプラスしていくことを前提条件として考慮しています!
そして、テレワークの普及は諸刃の剣!
少ないから価値あるが誰もができると価値がなくなり、逆に一極集中加速する危険!アメリカ2020が、今そうだ!
GAFAなど。特にIT産業などは独占化しやすいから別枠で高税率にしてベーシックインカム用に再分配システム構築できないなら独占禁止法強化する世界的な流れになっている。
アメリカとは国土の大きさが違う!ので、マクロ経済学でいう小国開放経済の日本に、そのまま適用しても、新型コロナウイルスもあるし、現在の日本の普及率くらいが最善。これ以上は逆効果。
基本的人権という歯止めがないと薬が毒になる。
税の公平性はよく言われるが、時代が変わり、一極集中しやすく不公平が生じてるなら、産業別に税率を上昇させてバランスよくすればいい?
自由という概念を悪用するので簡単に言うと、自由権とは、18世紀のヨーロッパ市民革命、マグナカルタによってプロトコルを源にし言葉の定義を決めてから基本的人権の一つとして提唱されました。
憲法として日本にも導入されます!何でも自由に行うことではありません
これもその一つ。
「兵は詭道なり」戦いは、所詮騙し合いで、いろいろな謀りごとを凝らして、敵の目を欺き、状況いかんでは当初の作戦を変えることによって勝利を収めることができるものだ。
ということだが、誤解があって、憲法ある現代では、戦いの後に公開厳守が、法人も含めた権力者の原則です。
日本では、医療関係は、法律で個人情報の秘匿を義務化されてますが•••
国内法人大手NTTドコモは、本人の許可なく無断でスマートフォンの通信データを警察機関に横流しをしてる!
GAFAのように対策しない違法な法人?まさか、他にも?独占禁止法や法律を強化する?デフレスパイラル予防。このような国内大企業、中堅法人も危険。傲慢。
日本国憲法に違反しているので、アメリカのカリフォルニアやヨーロッパのGDPRのようにデータ削除の権利行使。
他に、再分配するデータ配当金を構築してからでないと基本的人権侵害になるため集団訴訟を国民は起こすべきだ。
税の公平性は、よく言われるが、時代が変わり一極集中しやすく不公平が生じてるなら産業別に税率を上昇させてバランスよくすればいい?
特に、IT産業などは、独占化しやすいから別枠で高税率にして、ベーシックインカム用に再分配システム構築できないなら独占禁止法強化。
自動的にディープフェイクをリアルタイムの別レイヤーで、防犯カメラの人物に重ね録画していくことで、写る本人の許諾が無いと外せないようなアルゴリズムを強力に防犯カメラの機能を追加していく。
防犯カメラのデータを所有者の意図しない所で警察機関他に無断悪用されない抑止力にもなります。
防犯カメラのデータを所有者の意図しない所で警察機関他に無断悪用されない抑止力にもなります。
防犯カメラのデータを所有者の意図しない所で警察機関他に無断悪用されない抑止力にもなります。
サミット警備時、死者数が微小なのにテロ対策と称し厳戒態勢!
経済活動を制限した時に、警視庁職権濫用してたが、死者数が甚大な新型コロナに予算増やした?
警察権力悪用!庶民弱者に圧力やめさせないの?オリンピック前にも圧力あったから予算削除しろ傲慢警察!
警察機関に個人データを保存するなら、至急データ配当金を創設して、毎月警察予算から配当金を庶民に給付する仕組みにしろ!
嫌なら、個人情報を削除する権利が庶民には、あるから行政府は行使できるようにしろ!予算削減がいいか!データ削除がいいか!
仕組みを創設しないなら、基本的人権の侵害で日本国憲法違反だ!
みんなで国と集団訴訟だ!誰かが起訴すれば歴史に残る偉業になる。
マイケルサンデルは、メリトクラシー(能力主義)の陳腐さを警告し、諌め(いさめ)ています!
マイケルサンデルは、メリトクラシー(能力主義)の陳腐さを警告し、諌め(いさめ)ています!
マイケルサンデルは、メリトクラシー(能力主義)の陳腐さを警告し、諌め(いさめ)ています!
金融ビックバン日本版と言う社会実験から20年位!規制緩和でどれだけの死者が出たのか?
世界中でも一定数あるが、自殺者の比率が日本に突出してるのは、金融ビックバン日本版の生贄となってる可能性大。民放テレビ局で煽ってたから当時の局関係者も共犯者。
例えば、戦国時代の能力主義は、相手を殺傷することが多ければ能力が最高クラス。現代は?法律で禁止されていて能力は最低クラスになります。陳腐ですね。
第二次世界大戦みたいに命は落とさないが、現代の金融IT世界大戦は、脳や心を人工知能も登場したことで善性の方向にデザインしないと、さらに無限に焼きつくされる!!危険性があります。これが本質です。だから、個人の最低収入保障強化、基本的人権の強化がより重大になっていく。
金融ビックバン日本版の生贄となった自殺者(精神障害、トラウマ、うつなど)に対しての国家の責任として、欧米の無名戦士の墓、日本の靖国神社みたいに自殺者を供養する神社を創設するアイデアはどうだろうか?
この後、デフレスパイラルが同時多発!そして、歴史が証明してる人権侵害も同時多発!憲法違反!
行政府は、既存産業となったIT産業を慎重に、裏付けのあるデータに基づいて公正に規制する方向が善性に沿う!逆は、愚かと判明!
人間の限界を超えた新産業に法のスピードが追いつかないから、極端な自由権や規制緩和と同じ効果なだけ!
過剰なデフレスパイラル競争になり、多様な賃金上昇環境が悪性になる。個人の最低収入保障強化、IT産業に特化した独占禁止法強化が必要と新型コロナウイルスで判明もした!
海外や国内IT企業などストーカーアルゴリズムを規制する現実的な法律案は、ストーカー規制法に付帯事項としてアルゴリズムやプログラムを追加する。
公人、有名人、俳優、著名人は知名度と言う概念での優越的地位の乱用を防止するため徹底追跡可能にしておくこと。
そうすれば、現行法を維持して法の網にかけられるぞ!死者も出てるし、今からやれ!
新型コロナウイルスの死者は、現在2000人超えた!テロの死者数は何人?
国家予算が警察やテロ対策より新型コロナ対策の方が少ないんだけど。警察やテロ対策予算削減して、新型コロナ対策に今すぐ回せ!
自転車専用道路は���駄だから予算廃止して、パンデミック対策、新型コロナ対策に今すぐ回せ!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
続いて
2020年後半くらいから様々な占いで出てきてた時代の変わり目。それが、西洋占星術で具体的に「風」の時代という形で出てきました。
私が、感じとってたインスピレーションは、たぶんこれかな?
兆しは、世界的な金融ビックバンの1970年代、IT革命のミレニアムの前から出ていたけど。
これは、これまでの約200年間。物質やリアリティの影響力優位「土」の属性の時代から、量子コンピューター、ビットやインターネットなどといった物質ではないものに影響力が増していく「風」の属性の時代に。
そして、本格的に軌道にのっていく属性は、今後200年程続くことになるのです(2020年12月22日から、2100年当たりをピークに少しずつ衰退していく2220年まで)
直前に!
Appleも何かを感じてたのか?Appleシリコン搭載Macの方は、「Mシリーズ」チップに移行してるし、符号してる。
Googleは、量子超越性を達成してきてるし、Facebookも脳波を読み取る機械の開発を発表してますし、符号してる。
イーロンマスクもブレイン・マシン・インターフェース(Brain-machine Interface : BMI)を具体的に発表。これも、符号してる。
以下から話がそれるが、読み飛ばし、読み進めるかして下さい。
ここから予想できることは、バリーシュワルツが言うように、労働の概念が変わり、地球に居ながら映画アバターのように!その惑星にある資源を使い。
月や火星、土星や衛星などに無人ロボット部品を送り、ゲームのように自宅にいながら共同作業しつつ仕事をすることで高額な賃金が手に入る可能性も高い。
火星や土星や衛星に関しては、有人宇宙船内を無重力工場にして惑星移動期間に3Dプリンター製造、組立を効率的に行うことが実現すれば良いが無人ならベスト。
光速で惑星間通信できるようになったとしても、火星や土星や衛星への通信は、地球からでもリアルタイムで遅延が起きるため、月面のみ、この可能性が開けます!
無重力でもあるため、洞窟に工場を建築して人間の暮らせる環境を作り出すこともできそうです。可能性は無限!この領域に限界はありません!国家や行政府の範囲外なので極端な自由もあります。命の保障はないけど!
このアイデアは、今後数十年、人間の限界を遥かに超える新産業なのでプラスサムになり、地球環境は汚染されず資源エネルギー問題も起こりません。
以上です。
通信料金をある程度下げることには賛成。さらに、中央銀行のデジタル通貨で光熱費料金もある程度、補助金という形で個人単位を補助し、実質的に料金を下げて欲しい。
電気やガス事業は、国防と密接で独占せざるを得ないから競争して、むやみにインフラ崩壊させるよりもデジタル通貨でベーシックインカム形式の光熱費補助にも特化して欲しい(合成の誤謬を最小限に抑えること前提)
毎月国民一律皆給付ベーシックインカムは最優先だが、財源がない場合に備えて、特化オプションをそろえて柔軟に機動的に実行できる環境も重要です(合成の誤謬を最小限に抑えること前提)
光熱費は毎月の消費なので貯金に回りづらいから庶民の生活下支えになる。しかし、競争しすぎてもデフレスパイラル競争になるから、光熱費領域は慎重に設計することが肝要。
内閣府の「マイナンバー制度の定義」は「マイナンバーは社会保障、税、災害対策の3分野で複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されます」
基本的人権侵害にあたるため、他分野へむやみに拡大するのは危険です。
よく思い違いをするのが、新しい時代には、経験もない新しい人が!と言うが、なおさら、経験や実力がないと新しい時代に対応できず、大事な何がが抜け落ちて混乱する矛盾!
消費税増税は、国民に現金の一律皆給付の施策しないからシステムが困窮する!
安定財源として消費税増税は否定しないが、データから明らかで、法人税���35%まで上げればいい。
所得税の上級に裕福税を新設して法人個人の超金持ち達から分配して穴埋めすればいい。
財政バランス度外視で、ニュージーランドは、2週間に一回10万円の国民一律給付金。カナダは、月40万円。日本もやれ!
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米軍の弱体化
 いざとなったら米軍が助けに来てくれる──。そんな戯言を言える時代は過ぎ去りました。いまや米軍を〝スーパーマン〟のごとく頼ることはできません。
 米軍は現在も世界最強の軍隊ですが、その力はこの20年で低下しています。また中国軍が急激に力をつけ、いまやアジア太平洋地域のパワーバランスは逆転しつつあるのです。
 現に8月、シドニー大学米国研究センターによる報告書では、米国は太平洋における軍事的優位性をすでに失っており、同盟国を中国から防衛するのは困難になる恐れがあると警告しています。
 冷戦の真っ只中だった1980年代、アフガニスタンを侵略し、北海道をも奪おうとしたソ連に対して、当時のレーガン政権は圧倒的な軍事力と経済力を背景に、日本やドイツなどの同盟国と連携して立ち向かいました。「侵略は許さない」という態度を示すだけでなく、軍事力を徹底的に強め、ソ連を心理的に屈服させようと考えたのです。その戦略は的中し、ソ連は侵略を断念。冷戦は終結しました。
 その後、米国は国内問題に専念しようとしますが、9.11同時多発テロが起こります。米軍の戦略は「テロリストたちをやっつけない限り、米国の平和は守れない」と主張するネオコン勢力に引きずられ、ソ連や中国といった「大国相手の戦い」から「テロとの戦い」へとシフトしました。米軍の役割が「正規軍との戦い」から、イスラム過激派らのテロを防ぐことに変わったのです。この戦略転換が、今日の米軍弱体化を招く一つの要因となりました。
 ところが、米軍がいくら中東の紛争に関与しても平和と安定は訪れず、紛争は拡大するばかり。兵士たちも自爆テロなどで死傷し、国民の不満も高まった2009年、「対外戦争で米国の若者を殺さない」と主張したオバマ〝民主党〟政権が誕生します。
 オバマ大統領は「米国は世界の警察官ではない」と広言し、急激な軍縮を実施。世界の平和と安定を維持するための努力も怠(おこた)りました。米軍関係者が自嘲的に〝米国封じ込め政策〟と呼んでいたのが印象的です。
 息子ブッシュ〝共和党〟政権時代の「テロとの戦い」への方針転換と、オバマ〝民主党〟政権による〝米国封じ込め戦略〟によって、米国の軍事戦略から中国やロシアの脅威は軽視され続けてきました。特に急速に国力をつけた中国に対しては、国内のパンダハガー(Panda Hugger:パンダを抱擁する人)と呼ばれる親中派によって、軍拡に対応するどころか、中国と組んでテロを防ぐ方向に誘導されていったのです。
 かくしてこの20年間、政党は関係なしに、米国は「世界各地のパワーバランスを維持しながら紛争を抑止する」というレーガン政権の外交・安全保障戦略を見失っていました。
 思い返してみれば米軍は1991年の湾岸戦争以来、正規軍と血みどろの戦争をしていません。いまの幹部も正規軍との戦争経験がない人がほとんどで、正規軍、しかも大国の正規軍との戦争をできるのか、米軍内でも多くの人が不安を持っている実情です。
同盟国を守る「能力」の低下
 危機感を抱いたトランプ大統領は政権発足後、「国家安全保障戦略」で中国とロシアを「現状変更勢力」、いわば〝敵〟として位置づけました。さらに「国防戦略2018」でも中国を念頭に、「大陸間角逐」こそ最大の脅威であると再定義し、軍事費を毎年7兆円程度増やして懸命に軍拡しています。大国との戦争を念頭に置いた軍事戦略に回帰させたのです。息子ブッシュ政権以来となる国家戦略の全面的な転換でした。
 トランプ氏が当選した直後のマスコミの論調を思い出してみてください。「トランプは安全保障の素人だ」「孤立主義を採用しアジアへの関与が失われ、日本も危うい」などと不安を煽(あお)っていたでしょう。実体は正反対で、トランプ政権はまともな対外政策に回帰させたに過ぎないのです。
 しかし一度、軍縮した影響は計り知れません。まず国防産業が衰退しています。トランプ政権は現状から80隻増となる350隻の軍艦をつくると明言しましたが、製造を急いでもつくり終えるのは2050年になると言われています。そこでアジア太平洋地域に兵力を優先的に振り分けるべく、トランプ政権はシリアからの撤兵などを断行したわけです。
 2019年10月27日、米国特殊部隊の奇襲作戦によって、ISの指導者アブ・バクル・バクダディが死亡しました。この作戦についてトランプ大統領の発言と記者会見の内容がホワイトハウスより発表されましたが、それを読むとトランプ大統領は「私は兵士たちが(シリアやトルコから)家に帰ってほしいし、何か意味のあることと戦ってほしい」とはっきりと言っています。トランプ大統領は限られた兵力を「意味ある戦い」に振り分けたいと明言しているのです。
 さらに米国のインテリジェンス能力も落ちていて、トランプ政権は必死に立て直しを行っています。オバマ政権時代、予算削減のため情報収集の担当者を次々とクビにして、情報収集体制はボロボロになりました。平壌の空爆と金正恩の「斬首作戦」が実行されなかったのも、インテリジェンス能力の低下によりミサイルや核が保管されている地下の軍事秘密基地、さらに金正恩の居場所や本人確認のDNA情報の入手ができなったことが理由の一つだと言われています。
 いまもマスコミでは「トランプは日本を守る気がない」「同盟関係を重視していない」との声が支配的ですが、このようなトランプ大統領の姿勢は「意志」ではなく、「能力」の問題なのです。トランプ大統領がいくら同盟国を守りたいと思ったところで、現実に同盟国を助ける能力を失いつつあるというのが正しい見方でしょう。
 もちろん、圧倒的な核戦力によって中国軍が米軍に手出しできないのは事実で、日米同盟は「抑止力」として機能しています。しかし、いまや米軍が「通常兵器」で中国に対抗できなくなりつつあるという現実を踏まえ、同盟国である日本は防衛体制を全面的に見直さなければなりません。
「在韓米軍不要論」の深意
 もう1点、日本が直視すべきなのは米韓関係です。
 米国側は韓国に対する嫌悪感がこれまでにないほど高まっています。日米間で北朝鮮をめぐる協議をしているときも、「慰安婦問題で日本は謝罪をしていない」「日本大使を韓国に戻さないのはおかしい」と難クセをつけてくるのですから当然です。
 米国は七十年前、韓国の赤化を防ぐために朝鮮戦争を戦いました。その記憶がある米軍の幹部たちは、「我々は北朝鮮から韓国を守ろうとしているが、もし韓国で被害が出たら〝米軍のせいで犠牲になった〟と言ってくるに違いない。こんな連中を助ける必要があるのだろうか」と思い始めているのです。
 米国も当面は韓国への影響力確保の観点から米韓同盟を維持していくでしょうが、米軍を韓国に駐留させておくリスクが高まってきていることも無視できません。
 戦闘機などの整備の一部は現地、つまり韓国企業が担いますが、文在寅政権は発足直後、北朝鮮のスパイを取り締まる国情院(国家情報院)の長官に極左の徐薫氏を起用しました。その結果、北朝鮮のスパイを取り締まる機能は麻痺し、韓国企業には労働組合を通じて北朝鮮のスパイが入り込んでいると思われます。そうなると、もはや韓国企業に在韓米軍の艦艇や戦闘機などの整備を任せることはできません。
 軍事戦略面からも、米軍が韓国に駐留する必要性は低下してきています。米国にとって最大の脅威は、中国海軍のSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)です。いまのように軍事バランスが不均衡なままでは、SLBMを搭載した中国の原子力潜水艦が太平洋へ進出し、米国本土を核攻撃できるような状況が生まれかねません。すでにそうなっているという分析さえあります。このままでは、核戦力の優位すら危ぶまれることになります。
 そこで日本・ベトナム・フィリピンに地対艦ミサイルを配備し、中国海軍を抑え込む「ミサイル・バリア構想」を在韓米軍が担う方向で議論が進んでいます。在韓米軍の一部がベトナム、フィリピンなどに展開していく、という話です。台湾海峡危機に対応するためにも、限られた部隊を韓国に置いておくよりは日本に戻し、日本・台湾���インで中国海軍を抑え込んだほうが効果的と考えられています。
圧倒的な物量不足
 冒頭でも指摘しましたが、とにかく米軍はいま、中国軍と比べて物量で劣勢に追い込まれているのです。
 北朝鮮漁船による瀬取り、台湾海峡や尖閣諸島など東シナ海の問題、南シナ海における「航行の自由作戦」を主として担当するのは、駆逐艦です。現在、これらを担う米海軍の第7艦隊の駆逐艦はわずか8隻、潜水艦を含めても艦艇は70隻しかありません。日本の海上自衛隊の兵力は135隻で、日米両国の兵力を合計すると約205隻となります。
 一方、中国海軍の駆逐艦は公表しているだけで33隻、潜水艦を含めれば750隻あるといわれ、艦艇の数だけを見ても中国の兵力は日米両国の約4倍もあるのです。
 しかも中国は「ロケット軍」というミサイル専門部隊をつくっていて、いわゆる〝空母キラー〟といわれる対艦弾道ミサイルなどを次々に開発しており、その膨大な、かつ高性能のミサイル攻撃を仕掛けられたら、現在の日米両国のMD(Missile Defense:ミサイル防衛)体制ではとても対応できません。
 昨年来、英国・フランス・オーストラリア・ニュージーランドなどが南シナ海と東シナ海に軍艦や飛行機を派遣しているのも、米国一国では中国海軍を抑止できないからだと見るべきでしょう。
「ハイブリッド戦争」に備えよ
 中国の軍拡の源は、潤沢な資金です。資金が枯渇(こかつ)すれば軍の整備ができなくなり、動かない戦闘機や艦船が増える。物量で劣っているのなら、まずは貿易戦争で経済力を徹底的に奪うしかない──米中貿易戦争は、物量で劣る米国の〝時間稼ぎ〟という側面もあります。
 またトランプ政権が最も警戒しているのは、中国の「ハイブリッド戦争」です。ハイブリッド戦争とは、電磁波、プロパガンダ、サイバーなど、ネットワークや通信を破壊する手法で2014年、ロシアがクリミア半島を占領したときに用いられました。ウクライナの国会議員の携帯電話を使えなくさせたり、フェイクニュースを流したりして抵抗能力を徹底的に排除したのです。
 実際に習近平政権は台湾などを念頭に、ハイブリッド戦争を実行するため、準備を進めています。2015年12月、人民解放軍の大改革を行い、陸海空とロケット軍の4軍に「戦略支援部隊」を加え、5軍体制としました。戦略支援部隊は通信機能を麻痺させるために通信の基幹部分を抑えたり、プロパガンダを行う専門部隊で、ハイブリッド戦争遂行のために創設されたのではないかといわれています。
 ハイブリッド戦争に対抗するには、敵国の通信技術が自国に流入することを防ぐ必要があります。だからこそトランプ政権は徹底してファーウェイを締め出しているのです。さすがに防衛省は『防衛白書』などで中国のハイブリット戦争について注意を喚起していますが、日本の経済界の反応は鈍いと言わざるを得ません。
 今年はトランプ政権が宇宙軍を創設する法案を提出したことも話題になりました。これも中国の軍拡に対抗するものです。中国はミサイル戦や通信戦を念頭に、宇宙軍を強化しています。中国の宇宙空間での覇権を許してしまえば、いざというとき米軍の通信機能は麻痺させられ、中国の攻撃に全く対応できなくなってしまうのです。
日本海の争奪戦
 マスコミが大々的に取り上げることはありませんが、日本海の争奪戦はすでに始まっています。
 東シナ海では中国の軍艦や公船による尖閣諸島周辺への領海空侵犯が常態化、中国軍機を対象とした航空自衛隊のスクランブル(緊急発進)回数は過去最多を更新しようとしています。
 日本海では2017年、対馬海峡を中国軍機が初めて通過し、昨年度は7回通過、過去最多を更新しています。2019年に入ってからは中国軍機とロシア軍機が竹島上空を合同飛行し、ロシア軍機は領空侵犯しました。そして空自機と韓国軍機がスクランブルしています。
 そんななか、韓国の国防費が日本の防衛費を上回ったというデータが公表されました。経済不況に苦しんでいるにもかかわらず文政権は国防費を増やし、昨年は日本が約5兆3999億円、韓国が約5兆5310億円と初めて追い抜かれました。
 さらに「緊張緩和」と称して38度線に配備していた韓国軍を減らし、『国防白書』からも「北朝鮮は主敵」という文言を削除、来年度の国防予算には「周辺国に対抗する戦力を確保する」という項目を新設しています。「周辺国」には当然、日本も含まれます。文政権は「李承晩ライン」の復活を狙っているでしょう。
 1952年、当時の李承晩大統領は国際法に反し、竹島も含む漁業管轄権を一方的に主張しました。韓国はその後、日本と国交を回復する1965年までに約4000人の日本人漁師を拘束し、8人を死亡させています。先日、鹿児島に出張した際に李承晩ラインで拿捕された枕崎の漁師の親族の方とお会いしましたが、拿捕された漁師たちはヒドい虐待を受けたと聞きました。
 今後、文政権は日本の漁船や輸送船への嫌がらせを行い、尖閣と同じように「サラミ戦略」で対馬海峡を含む日本海を〝韓国の海〟とすべく、動き始めるでしょう。
 一方、日本海の豊かな漁場である大和堆では北朝鮮漁船が違法操業を続けています。そしてその北朝鮮漁船をロシアが拿捕した──すでに韓国、北朝鮮、ロシア、そして中国による〝日本海の争奪戦〟が始まっているのです。
 一体、どれほどの人が、日本海が尖閣諸島海域のような「紛争海域」になると想定しているのでしょう。「北朝鮮の違法操業はけしからん」程度の認識のままでは、ますます危機に追い込まれていくことになります。
継戦能力低き自衛隊
「日本の自衛隊は優秀だから、韓国軍相手ならば大丈夫」という声も聞かれますが、もし一触即発の事態になったとき、憲法9条に縛られた自衛隊法の解釈では初動の遅れでやられてしまうでしょう。
 実際に2016年には元空自航空支援集団司令官の織田邦男氏が、東シナ海上空で中国軍の戦闘機が空自機に対し「攻撃動作を仕掛け、空自機がミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱した」とする記事を発表しました。攻撃動作を仕掛けられたことは、冷戦時ですらありませんでした。
 事実関係は防衛省幹部も大筋で認めたようですが、萩生田光一官房副長官、河野克俊統合幕僚長(ともに当時)はこれを否定しました。あくまで推測ですが、空自機が攻撃動作を仕掛けられながら戦域から離脱したことが判明すれば、同盟国である米国から「何という弱腰」と批判されることになるからだと思われます。
 しかし中国の戦闘機と日々向かい合っている空自としては、攻撃動作を仕掛けられた場合に「戦域を離脱し領空侵犯を容認する」のか、「阻止するために反撃する」のか、政府に方針を決めてもらわなければ困ります。だからこそ、あえて情報を漏らしたのかもしれません。
 領空侵犯を容認したら、「領空侵犯しても反応してこなかった」と中国に制空権主張の根拠を与えることになります。「撃墜もやむなし」と指示するには国際的な世論戦で負けないための宣伝能力の強化、日米連携の深化、敵基地攻撃能力の保持が不可欠です。
 中国は「世論戦」を重視し、米国をはじめ主要先進国に中国が有利になるようなニュースを流す体制をつくり上げています。予算は1兆円とも言われ、米国のケーブルテレビで中国政府が作成したニュースを流したり、ニューヨーク・タイムズには中国共産党の機関紙『人民日報』の英語版が織り込まれているほどです。
 一方、慰安婦問題という例を挙げるまでもなく、日本の対外宣伝力の弱さは知られています。韓国に対する「ホワイト国除外」でも、広報不足により国際社会では「日本が経済力で劣る韓国をいじめている」と報じられていたほどです。いまの状態で中国や韓国との間で紛争が起これば、日本は「悪者扱い」される可能性が高いと言わざるを得ません。
 それだけでなく、中国は「日本政府から戦闘を仕掛けられた」と宣伝し、ミサイル攻撃を仕掛けてくる可能性すらあります。事実、米国務省の「中国に関する年次報告書2014」では、中国は短期激烈戦争(ショート・シャープ・ウォー)として「大量のミサイルを短期間に日本列島に発射し、米国の助けが来る前に日本を降伏させる」というシナリオが検討されているほどです。
 日本はMDシステムを導入していますが、これだけで日本全土を守れるわけではありません。MDシステムは2段階に分かれていて、第1段階ではミサイルが大気圏にいる間に海上自衛隊のイージス駆逐艦が察知し、迎撃します。第2段階では、イージス駆逐艦が撃ち漏らしたミサイルを大気圏突入段階で空自の迎撃ミサイル、ペトリオットPAC-3で対応する仕組みになっています。
 問題は第1段階では日本列島全体をカバーしていても、第2段階になるとPAC-3を配備している半径数十キロしか守れないことです。つまりPAC-3が配備されていない札幌を除く北海道、青森を除く東北、新潟などの日本海側、中国、四国、南九州はミサイル攻撃にまったく無防備なのです。
 そしてそもそも防衛費の関係で在庫を抱えておらず、対応する迎撃ミサイルの数も足りていません。ミサイルだけでなく弾薬や燃料も不足していて、元自衛隊の幹部が言うには「おそらく海上自衛隊の護衛艦などが戦闘状態に入ったとして、戦い続けることができるのはせいぜい十数分だろう。自衛隊の基地が相手から攻撃を受けずに戦い続けることができたとしても1カ月持つかどうか」とのことでした。
トランプを救った安倍外交
 米軍の弱体化と中国の軍事的台頭、米韓同盟の変質──日本を取り巻く安全保障環境の変化に、安倍政権はどう対応しようとしているのでしょうか。まずは外交戦略です。
 トランプ政権は当初、中国に対抗するためにロシアと組もうと考えました。ところが関係改善は進まず、アジア諸国と関係を強化する方針に転換します。しかしフィリピンのドゥテルテ大統領は反米、ベトナム戦争の記憶があるベトナム、さらに核武装に踏み切ったインドなどとも関係は良好とはいえません。さらに「一帯一路」による買収工作で、中国批判を口にできない国も多くなっていました。
 途方に暮れていたトランプ政権に救いの手を差し伸べたのが安倍首相だったのです。安倍首相は第二次政権が発足した2012年12月、英文で「アジアの民主的セキュリティ・ダイヤモンド構想」という英文の論文で、日米同盟を広げて東南アジアやオーストラリア、インドにいたるまでの連携網を構築する構想を発表しました。
 この構想に基づき「地球儀を俯瞰する外交」で当該国との関係を深化させていったのです。特にインドとは同盟関係と言えるほど良好な関係を保っています。
 一昨年、アメリカで会った米軍の元幹部は「セキュリティ・ダイヤモンド構想がなければ、南シナ海や東シナ海での中国の横暴はさらにひどく、紛争が勃発していたかもしれない」という認識を持っていました。
 安倍首相がトランプ大統領とゴルフをラウンドしたり、トランプ大統領が安倍首相の誕生日を祝う姿に「アメリカの言いなり」「対米従属」と批判する向きもありますが、安倍外交が米国の大統領から頼りにされていることの証明です。
 トランプ政権と日本との関係が良好でなければ今頃どうなっていたことか、想像するだけでゾッとします。
 こうした戦略的な外交ができたのは安倍首相個人の資質だけでなく、政治の仕組みを抜本的に変えたことも一因です。第二次安倍政権は、発足と同時に日本版NSC(国家安全保障会議)を創設し、軍事・外交・インテリジェンスを連動させた安全保障戦略をつくる体制を構築しました。
内閣人事局は「官僚いじめ」か
 これまで日本の安全保障戦略は、防衛省が策定してきました。しかし霞が関で防衛省は3流官庁といわれていて、防衛庁時代は他省庁から相手にされず、防衛費の折衝すら直接財務省とできなかったほどです。
 しかしNSCは内閣総理大臣直轄なので、安全保障戦略の主導権は官邸に移動し、ほかの省庁を巻き込んで安全保障政策を策定できるようになりました。そのような意味で、この改革は画期的といえます。
 防衛、安全保障は防衛省の管轄と思われるかもしれませんが、住民保護や通信なら総務省、軍需産業による武器・弾薬の補給なら経済産業省、自衛隊の移動や戦闘機の離着陸なら国土交通省、戦闘によるけが人の対応なら厚生労働省……基本的にすべての省庁に関わっています。
 NSCの話になると出てくるのが「内閣人事局」です。マスコミは内閣人事局を安倍政権批判の道具にして「官邸が好き勝手やるためにつくられた」「役人いじめ」というのですが、それは霞が関の現実を知らない人の謬論です。
 内閣人事局は総合的な国家戦略を策定するための〝道具(ツール)〟にすぎません。さらにいえば、国益を考える有能な官僚を守るための道具です。
 官僚たちにとって、守るべき最大の原則は「前例踏襲」──先輩たちが行ってきたことを守り、否定しないこと。これこそ出世の必須条件です。しかし「前例踏襲」では肝心の「国益」が守れないことも多い。
 そんななか、安倍政権が内閣人事局をつくったことで幹部官僚人事を左右できるようになり、おかげで「国益のため前例を変えたい」と考える幹部官僚たちは上司に対し、「内閣人事局のせいで官邸からの指示には逆らえないので、やむを得ず先輩たちのやってきたことを改革します」と〝言い訳〟ができるようになりました。官邸が〝悪者〟になることで、各省庁の「前例踏襲政治」を改革しようとする国益重視の官僚たちを守ることができるのです。
「省庁縦割りの前例踏襲政治」から「内外情勢に機敏に対応できる国益重視の政治」へと官僚機構を変えるための道具が、NSCと内閣人事局というわけです。
令和の「富国強兵」を
 NSCといえば9月、2つの大きな動きがありました。
 まずNSCの実務部隊であるNSS(国家安全保障局)局長が外務省出身の谷内正太郎氏から、警察庁出身で首相側近の北村滋氏に変わりました。北村氏はインテリジェンスのプロで、拉致被害者奪還のためにウラで動き回ってきた人物です。
 この人事はトランプ政権の方針と関係しているでしょう。トランプ政権はインテリジェンスに軍とCIAを使っていて、国務省をあまり関与させていません。というのも、国務省はパンダハガーだらけで情報がすぐ中国に漏れてしまう恐れがあるからです。国務長官にCIA出身のポンペオ氏を起用していることからも、トランプ大統領が国務省の官僚たちを信頼していないことはわかります。
 一方、日本で国務省のカウンターパートは外務省なので、トランプ政権は外務省や外務省出身の谷内氏にできるだけ情報をわたさずに、内閣情報官だった北村氏にわたしていたという噂(うわさ)を米軍関係者から何度なく聞かされました。
 外務省は谷内氏の後任にも同省出身者が就くことを期待し、谷内氏もそれを希望したようですが、外務省は外されることになりました。
 この人事について朝日新聞は「官邸主導が強まる」「官邸にノーを言う人が少なくなる」という論調の記事を掲載していましたが、外務省は自分たちがNSCの主導権を握りたい、朝日もパンダハガーが多い外務省に担わせたいという意志が伝わってきます。
 安倍政権としては北村氏をNSS局長に据えることでインテリジェンス重視を明確にし、トランプ政権との連携をさらに深めようとしているのでしょう。とはいえ、外務省などの抵抗が予想され、予断を許しません。
 もう1つは、NSSに技術流出や産業スパイに対応する専門担当部局として「経済安全保障部門」を設置するという報道が出たことです。これまで技術流出や産業スパイに関しては経済産業省が外為法(外国為替及び外国貿易法)や不正競争防止法などを通じて対応してきましたが、中国企業による知的財産窃盗問題などには十分に対応できずにいました。
 安倍政権としてはNSSに経済安全保障部門を新設することで、米中貿易戦争に対して的確、かつ迅速に対応しようとしているのでしょう。これらの動きにも大いに注目しておきたいものです。
 米国は一枚岩ではありません。アジアの平和のために日本は弱い方がいいと考える「弱い日本派(ウィーク・ジャパン)」と、強い日本がアジアに安定をもたらす「強い日本派(ストロング・ジャパン)」が存在します。これまで日本は米国の「弱い日本派」によって、軍事的に抑え込まれてきました。
 しかし幸いなことに、トランプ政権は中国の軍事的台頭に対抗するため、「強い日本」を求めています。危機はチャンスです。「強い日本」再建に向けた絶好のチャンスを生かすためにも、憲法改正だけでなく、デフレからの早期脱却、対米依存の是正を前提とした防衛費のGDP比2%増など、令和の「富国強兵」を断行したいものです。
江崎道朗(評論家・拓殖大学大学院客員教授) 1962年生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、安全保障、インテリジェンス、近現代史研究に従事。『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(PHP研究所)、『日本は誰と戦ったのか─コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ』(ワニブックス)、『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』(祥伝社新書)ほか著書多数。
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cardamomoespeciado · 4 years
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日本人の「給料安すぎ問題」の意外すぎる悪影響
東洋経済オンライン
日本人の「給料安すぎ問題」の意外すぎる悪影響
労働力を「安く買い叩く」ことは、巡り巡って経営者自身の首を絞めることにもなります
オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。
退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼は、このままでは「①人口減少によって年金と医療は崩壊する」「②100万社単位の中小企業が破綻する」という危機意識から、新刊『日本企業の勝算』で日本企業が抱える「問題の本質」を徹底的に分析し、企業規模の拡大、特に中堅企業の育成を提言している。
今回は、労働者を雇う会社側の力が強くなりすぎ、労働者が「安く買い叩かれる」状態である「monopsony」が、日本経済をいかに歪めているかを解説してもらう。
■労働力を安く買い叩くと、結局「経営者」も苦しくなる
 前回の記事では「新monopsony論」を紹介しました。
monopsony(モノプソニ―)とは、労働者を雇う会社側の力が強くなりすぎ、労働者が「安く買い叩かれる」状態を指します(詳しくは「日本人の『給料安すぎ問題』はこの理論で解ける」をご覧ください)。
 monopsonyの問題は、単に労働者に支払われる給料が不当に安くなるということだけではありません。さまざま論文では、monopsonyの力が強く働くようなると、国の産業構造に歪みが生じ、生産性が低下し、財政が弱体化するなど、多くの問題が生じると論じられています。
 つまり、労働力を安く買い叩くことは、巡り巡って経営者自身の首を絞めることにもつながるのです。
 このような状況に陥らないための方策として、「小規模事業者の統廃合」「中堅企業の育成」「最低賃金の引き上げ」が有効であると考えられています。
 monopsonyによって生じる歪みは、大きく16に分けられます。先進国の中で経済規模が第1位のアメリカと、第2位の日本、そして第3位のドイツを分析すると、日本が最も強いmonopsonyの特徴を有していることがわかります。つまり、日本は世界有数の「monopsony大国」なのです。
 今回は、monopsonyによる代表的な歪みをご説明していきます。いかに日本が「monopsony大国」であるか、ご確認ください。
■日本が抱える諸問題の根源にmonopsonyがある
monopsonyの弊害1:企業の規模が小さくなる
 労働市場の効率性が高いと、少しでも高い給料を出せばすぐに労働者が集まってくるので、高い給料を支払える生産性の高い企業に労働者が集中します。生産性の高さと企業の規模との間には強い相関関係があるので、その国、その業種の企業の平均規模は大きくなります。
前回の記事でも説明したとおり、monopsonyの力が働いている場合、企業は本来支払うべき給料より低い賃金で労働者を雇用しているので、利益を上げやすくなります。この利益を狙って「われもわれも」とたくさんの企業がつくられるため、企業の平均規模が縮小します。
 企業の数が増えれば増えるほど、経営者になる人間が増え、経営者の平均的な質は低下します。企業の成長性は経営者の能力を反映しますので、企業の平均規模はさらに小さくなります。すると、大企業と中堅企業で働く人の比率が低くなり、逆に小規模事業者で働く人の比率が高まります。
 日本の小規模事業者の生産性は、大企業の41.5%しかないので、小規模事業者が増えるほど国全体の生産性が下がります。
 日本企業の平均規模は、アメリカの6割、EUの4分の3ですから、monopsonyの力が強く働いていると判断できます。
monopsonyの弊害2:輸出率が低下する
 企業が継続的に輸出をするためには、高い生産性が求められます。例外はありますが、高い生産性を実現するには一定の規模が必要です。ドイツの研究によると、輸出をするためには平均して160人前後の規模が必要だそうです。
 しかし、monopsonyの力が働き、企業の平均規模が小さくなると、輸出できる企業が減ってしまいます。事実、日本は輸出総額では世界第4位ですが、対GDP比では世界第160位と、著しく低いランキングに留まっています。「日本は輸出大国」と思い込んでいる人が多いのですが、それは大きな誤解です。
■技術力は高いのに「普及しない」わけ
monopsonyの弊害3:最先端技術の普及が進まない
 優秀な人材を安く雇用できると、機械化したり最先端技術を導入したりする動機が低下します。わざわざ最先端技術を導入しなくても、優秀な社員たちに任せて��けばなんとかなる……と経営者は考えがちだからです。
 また、企業の規模が小さいほど、当然、最先端技術を導入するためのコストを払う余裕が少なくなります。仮に最先端技術を導入したとしても、人材に乏しく、ビジネスの規模も小さいので、十分に活用するのが難しくなります。実際、世界的に見ても、規模の小さい企業ほどAIなどの最先端技術の普及率が低いことが確認できます。
 また、商工会議所が2020年3月に実施した調査で、テレワークの導入率は従業員数300人以上の企業の場合57.1%、50人以上300人未満の企業が28.2%、50人未満だと14.4%となっています。規模が大きい企業ほどテレワークが可能なのに規模の小さい企業が多いという、構造的な弊害を確認することができます。
 輸出も、研究開発も、社員教育も、規模が小さい企業ほど実現できていない傾向が顕著に見られます。
monopsonyの弊害4:格差が拡大する
 monopsonyの���響が強くなっても、高学歴の人など、労働市場での交渉力が強い層の所得にはほとんど影響がありません。一方、交渉力の弱い層の賃金は低く抑えられるので、両者の格差は大きくなります。
 実際、各国の格差を表すGINI指数で見ると、主要先進国の中で、日本は世界一の格差大国であるアメリカに次いで大きな格差が生じています。
monopsonyの弊害5:サービス業の生産性が低くなる
 さまざまな研究の結果、monopsonyの力が働きやすい業種と、働きにくい業種があることがわかっています。特に、飲食、宿泊、小売、教育、医療においてmonopsonyの力が強く働くことが、世界的に確認されています。
 これらの業種は他国の企業との競争はほとんどないうえ、労働集約型になりやすいという特徴があります。そのため、人を雇用するコストが低いと、ICT技術を活用するインセンティブが働きにくくなり、monopsonyが強くなるとされています。
 これを逆に考えて、その国でmonopsonyの力がどれほど強く働いているかを、これらの業種の生産性で確認することができます。これらの業種の生産性が低いほど、monopsonyの力が強いとされています。
 実際、さきほど挙げた業種が日本全体の生産性の足を引っ張っているのは明らかです。具体的には、日本全体の生産性が546万円なのに対し、生産性が低い順に宿泊・飲食が194万円、教育が207万円、医療・福祉が289万円、サービス業が330万円、生活関連が338万円、小売業が365万円となっています(『中小企業白書 2019年版』より)。
monopsonyの弊害6:女性活躍が進まない
 monopsonyの力がどれだけ強く働くかは、労使の交渉力の差によって決まります。そのため、monopsonyの影響は労働者全員に均一に現れるのではなく、特定の属性に偏ると考えられます。
 世界中の調査で、monopsonyの影響をもっとも顕著に受けるのは女性であることが確認されています。特に子育て中の女性は、残業ができない、休みが多くなりやすいなどの理由から、雇用主に対する交渉力が大きく低下するので、monopsonyの力がより強く働きます。
 「新monopsony論」では、monopsonyの力が強く生産性の低い業種に、女性労働者が集まる傾向が見られるとされています。実際に日本もそのとおりになっています。
 事実、日本で最低賃金で働いている人の男女比率を見ると、15~29歳ではほとんど差がありませんが、30代になると急激に女性の比率が高くなります。年齢が上がるとその傾向はさらに顕著になり、40~49歳の場合、約9割が女性で占められます。
 新古典派経済学を信奉している人は、「最低賃金で働かざるをえないのは、スキルが低いのが理由だ。需要と供給の関係で低賃金になるのだから、自己責任だ」と主張しますが、私はこの考え方には大きな違和感を覚えます。
 普通に考えれば、30歳を超えた途端に、女性のスキルだけが一気に低下することなどありえません。こんなことは、誰がどういう理屈を並べても、正当化するのは不可能です。交渉力が弱まるために賃金が低くなってしまうというmonopsonyの説明のほうが、何倍も論理的でしょう。
■日本でmonopsonyの力が強まった理由
 monopsonyの最大の弊害は、財政の悪化と社会の衰退です。
 日本では、monopsonyの力が強まりやすいサービス業が中心の産業構造になったところに、セーフティーネットの整備もしないで、非正規雇用者を増やすよう規制緩和をしてしまいました。これが、monopsonyの影響が増大した主因だと分析されています。
 この政策が招いたのが、産業構造のさらなる歪みであり、国民の貧困であり、生産性が世界第28位に低迷するという結果なのです。
 monopsonyの力が働くと、企業は本来よりも過剰な利益を稼ぐことになります。しかし、企業に生じるメリットは、労働者が被るマイナス分よりも小さいとされています。結果として、個人消費の減少を招き、国の税収も低減してしまうので、社会全体に大きなダメージが生じるのです。
 振り返ってみれば、労働市場を緩和し、非正規雇用を拡大したときが転換点でした。あのとき、企業の力が強くなりすぎないように、同時に最低賃金を引き上げる政策を打たなかったのが、決定的なミスだったのです。
 今回のコロナとは関係なく、日本の中長期的な将来を考えれば、企業の統廃合を進め、ドイツのように中堅企業と大企業で働く労働人口の比率を高めることが求められます。このようにmonopsonyの力を抑える産業構造を実現するためには、継続的な最低賃金引き上げが必要なのです。
 最低賃金を段階的に引き上げて、monopsonyによって生じている歪みを修正するしか、国民生活の回復はないと思います。
デービッド・アトキンソン :小西美術工藝社社長
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jidaishakumamoto · 5 years
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次代舎1月22日(火)「ファミリービジネス 〜世代を超えて繁栄する家族と事業をつくる〜」(講師/武井一嘉氏)
熊本イノベーションスクール「次代舎」
講義もいよいよ後半戦。
1月22日(火)のテーマは、ファミリービジネスコンサルタントの武井一嘉氏 による「ファミリービジネス 〜世代を超えて繁栄する家族と事業をつくる〜」。
「今日はこれまでとうってかわって、 武井先生のファミリービジネスの話です。どうやってファミリー事業を次世代にバトンタッチしていくのか、学びたいと思います」と吉川先生。
まずは、前回の振り返りから。
物流関係の参加者は、
「違う視点での勉強になった。なかなか理想通りにはいかないが、無理ムダをなくすのも物流という考え方も学んだ。ただ運ぶだけでなく、最初から最後まで物流で受けることを考えている。 派遣などで人を増やして楽しい会社にしていきたい」とコメント。
そのまま2つのグループに分かれて、15分間の意見交換。
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続いて、本日の講師・武井氏の登壇です。
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武井氏は、名古屋で3代続いたファミリービジネスの4代目として実家の寝具会社を受け継いだものの1年持たせられなかったとう自らの苦い経験を紹介。
「会社を1つ清算した経験が生かせたらと模索している中、アメリカにファミリービジネスを専門に研究している団体があると聞きました。実家の商売において、葛藤を重ねながらやってきたことがアメリカでも同じように議論されている。なかには進んだやり方、しくみづくりが研究されていると知った。日本に紹介したいと仕事を始めた」とファミリービジネスを学ぼうと思ったきっかけを話しました。
その後、仲間も探して日本でファミリービジネスアドバイザー協会を設立。
「ファミリービジネスコンサルタントはまだ日本ではなじみがないが、日本で定着させることを目標としています」。
現在7年目になる同協会は約250人の弁護士、税理士、金融関係、経営コンサルタントなど企業を支援するための専門職が集まって活動しているとのこと。
今日は、ファミリービジネスの特徴だけでなく、持続させるには何が求められるのかを学んでいきます。
永続性が高いファミリービジネス
まず、ファミリービジネスは強い!という話から。
豊田、竹中、江崎、永谷、村田、島村、樫尾
ポルシェ、ミシュラン、マリオット、ハイネケン
「これらはすべて、家族の名前が社名であるブランドです。日本だけでなく世界中にあります。全部一族の名字が社名になっています」と武井氏。
ファミリーとビジネスが一緒になっているファミリービジネスについて、定義については難しいとしながらも、
「創業家などの特定のファミリーが会社の所有(株式)の経営のいずれか、または双方を実質的に支配しているか、会社の経営方針に大きな影響力を持つなどの企業」とのこと。                 
「取締役にどれくらい家族がいるのか、持ち株会社のオーナーがどれくらい重複があるかという観点で区別をします。TOYOTAにおける豊田家の株はほんの数パーセントですが、大きな発言力を持っています」
ファミリービジネスの強みについては、
「ファミリービジネスには親戚と地元の氏神がつく」(星野リゾート代表 星野佳路氏)、「迅速な意思決定・伝統と革新・長期的視野」(早稲田大学 長谷川博和教授)、「ファミリーの良好な関係がファミリービジネス成功のカギ」(エデックビジネススクールLabaki教授)などを紹介しました。
国内の企業におけるファミリービジネスの比率とは?
「ファミリービジネス白書(2018年)によると 上場企業の半分以上(52.9%)はファミリー企業です。東証一部で46.9%、 東証二部で57.6%。地方では68.5%と、日本の経済はファミリービジネスが動かしていると言っても過言ではありません。さらに、上場企業でない非公開の会社はほとんどがファミリービジネスと考えられます。静岡県では90%以上でした」
財務指標を元にしたデータからは、
「業績についても、ファミリービジネスのほうがいい数値が出ています」とその優位性を指摘しました。
このことは世界でも同様で、ほとんどの国でファミリービジネスが優位とのこと。
「日本では同族企業への認識が遅れている。ファミリービジネスの強みを生かした議論が求められます」。
誰もが知るアメリカのグローバル企業 SC Johnson & Son.Incを例に挙げ、欧米には、ファミリーカンパニーであることを前面に出し、誇りにしている企業が多いのに対し、日本ではマイナスイメージととらえられることも多いと指摘。
「長寿企業大国であり、ファミリービジネス大国でもある日本は、世界に胸を張って、ファミリービジネスに強い国であると言える。ファミリービジネスの特徴を活かした経営論が求められます」。
ファミリービジネスの強さの源泉
そもそもどうしてファミリービジネスは強いのか?
このことを説明する根拠として、ファミリービジネスに関わる人の立ち位置を表す三円モデル(スリー・サークル・モデル)を例に、
「中心がオーナー社長であり家長。ファミリービジネスの構成員も立ち位置によって利害が異なります。いちばん葛藤が多く、難しいのはまん中です」
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「配当のこと、親族の雇用のこと、一般の社員のモチベーションとのからみなどで、ファミリーとビジネスの板挟みに遭って葛藤します。ファミリービジネスは葛藤の上に成り立っています」
つまり、うまく回ればものすごい強いものになるが、 一旦悪循環になるととことん崩れていく。ファミリービジネスをいかに発展させ続けていくかは、この3つの円をいかにマネジメントするかにかかっているとのこと。
ファミリーとビジネスには、原動力や使命、ルールの違い、関係、権力の差があるとして、「ルールをどこまで持ち込むか」「2つの境界線のマネジメント(塩梅)」が重要。「一度に2つの帽子をかぶらないこと」の重要性を強調。
さらに、ファミリーが代々持っているすべての資産(人的、知識・経験、社会関係、感情、財的資産など)が、事業の競争力の源泉につながっているという考えを紹介。これらを代々持続・発展させていくには、ファミリーのコミュニケーション能力が大事だとしました。
ファミリービジネスの強みと弱みについても明らかにしました。
食卓から始めるファミリーガバナンス
「大切なのは、ファミリーガバナンス。ファミリー会議を定期的に開くこと」 と武井氏。
「どこにでもある父親と息子の対立には2つの理由があり、1つはジェネレーションギャップ。 商売をどうするかということ自体、全然考え方、見え方が違います。大切なのは、コミュニケーションを取り、何が見えているのか共有すること」
ある研究をもとに、「ただし親子関係は、年齢の組み合わせで変わります。父親が60〜70歳、息子が33~40歳くらいでいちばん対立が激しくなる。ある一定の年齢を超えるとビジネスパートナーとしていい関係になるので、それまでは試練の時期、経営者として成長する時期。ちゃんと向き合って、ケンカをすることです」と紹介。
さらに、夫婦の関係も大きくビジネスに影響するという考え方から、
「ライフイベントを一緒に向き合うこと。結婚生活は人工的なものなので、自然の成り行きに任せない。CEOには最高経営責任者という意味がありますが、奥さんはチーフ・エモーショナル・オフィサー(最高情緒管理責任者)という認識を持ってもらうこと。夫婦喧嘩をちゃんとして和解すること、夫婦の定例ミーティング、意図して2人のロマンスの時間を持つ、Weの意識を持つなどのコミュニケーションが必要です」。
次世代の育成という意味では、子どもたちを交えた会議をすること。ファミリーガバナンスは居間・食卓から始める。議題の例を紹介しながら
「ファミリーミーティング(家族会議)こそが、強いファミリー、ビジネスなどを作っていく」としました。
幼稚園児であっても、会社のことをファミリーで一緒に話し合う場を経験させることで、強いファミリー、将来のオーナーシップなどたくさんの目的を達成できるということ。
「お薦めするのは、文章を作ること=明文化です。将来のビジョンから家訓、次世代教育までオーナーの意思統一をすること。行動規範、株式売買のルール、入社規定、報酬規定などを文書化することで不公平がなくなる。万が一お家騒動が起きた時の紛争解決規定もつくることです」
事業報告書の読み方を高校生向けに作り、教育に力を入れているカナダのファミリーアカデミーの例も紹介。
最後に、ファミリービジネスの成功について、チャートをもとに、
「ビジネスも家族もうまくいっていないときに、両方良くするにはどうするか。まずはビジネスを良くすることのように思えるが、長い目で見ると、まずは家族の絆、一致団結が大事」というファミリービジネス経営のヒントを紹介しました。
「ファミリーのハートを温かくしましょう」
「ビジネスに関係なくても、一度自分のファミリーのコミュニケーションをぜひ見直していただきたい」
というコメントで、前半の講義を終えました。
ここで質疑応答。
参加者「ファミリーじゃなくても、温かいコミュニケーションを取ると、ファミリービジネスと同じような強みが得られるか?」
武井氏「それはあると思います。最近は薄れてきましたが、かつて日本の会社は家でしたよね。家族的な関係と規律両方を深めることが大事だと思います」
参加者「ファミリーの範囲はどこまで?」
武井氏「ケースバイケースですが、そのファミリーがどこまでをファミリーと思っているのかをまず確認し、慎重にどこで線を引くかを考えること。情緒的なオーナーも含めるべきです」
他にも、「今日のキーワードとなったエモーションについて教えてください」「税理士事務所で事業承継がうまくいかない場面を見ているが、コミュニケーション改善という視点のご提案という視点でアドバイスを」といった質問もありました。
ファミリービジネスの課題を考えるワークショップ
ここで前半の講義を終了。
10分間の休憩に続いてはワークショップ形式でのスタイル。
ケーススタディをもとに、2つのグループに分かれてディスカッションします。
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武井氏から与えられたテーマは次の通り
「2008年4月に、あなたは佐藤物産の取締役、佐藤康信氏から電話を受ける。友人から『ファミリービジネス特有の問題に詳しいアドバイザー』としてあなたを紹介されたとのこと。
1カ月後に家族全員で旅行に行く機会があり、その時に今後の会社と財産について皆と話し合いたい。そこで結論が出るとは思っていないが、良い方向へ向かうためのきっかけとしたい。そのためのアドバイスが欲しい、との依頼」
1)ファミリービジネスコンサルタントとして、あなたはこのケースにアドバイスする場合、どのように話を進めるか?
2)佐藤康信氏の課題に対し、どのようなソリューションを提案するか?
沿革やファミリーの状況、株式の保有率と土地、会社、次世代など、与えられた情報をもとに、2つの質問についてチームでディスカッションします。
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ディスカッション後の発表の主な内容は、
Aチーム「ファミリーの仲が悪いので、コミュニケーションの改善が必要。どこまでをファミリーと見るか、仲を改善して株の流出を抑える。また叔父の株を買い戻してホールディングス化して株の流出を抑える。話し合いが大事」
税の専門家のいるBチー��は、家族の株式の保有率や土地の保有率などからいくつかの解決策を考えた上で、「本業が衰退していくなか、事業が1つになるのか、バラバラになるのか、ビジネスモデルをどうしていくのか? 勝正が事業承継をどう考えているのかを確認しながら、抱える問題は大きい、コンサルタントとしても難しい問題」などを発表しました。
武井氏は、以上の発表を踏まえて、家族関係をひもとくためのツールとして「ジェノグラム」を紹介。
「敵対関係が固定化すると、そこから成長がない。兄弟の協力関係を作っていかないといけない。こういう関係が代々繰り返されるとストレスになって、次の世代で事故(問題)が起きやすい。個別インタビューの中で家系図に線を引いてもらって気付いてもらうこと。時間をかけて、ストレスの状況に気が付くところから第一歩が始まります」とアドバイス。
さらに、自分がアドバイスするとするなら…と前置きした上で、
「家族旅行ですべてを解決しようとせずにまず親孝行しましょう。まずは感謝の言葉を伝え、ファミリーで次の話がしやすくなる環境づくりをしましょうと伝えます。 そこからファミリー会議を定期的に開き、お兄さんにも入ってもらう。お兄さんも考えも変わってきている可能性があります。少しずつ団結をしていくことが大事」としました。
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ファミリービジネスを立て直す上では、ビジネスをどうするかより、まずはファミリーの関係性を再構築することから始めるという視点が何より重要だということに気付かされた3時間。
ビジネスとハートの、切っても切れない関係。
優しい語り口で心にスーッと入ってくる講義内容でした。
武井先生、ありがとうございました。
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次回は2月5日・6日の2日間。
最終段階に入った次代舎。
山口高広氏による講義「ビジネスモデルを生み出す」で、いよいよメンバーの事業案を具体化させる作業がスタートします。
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hangorin · 3 years
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【報告】5.9 五輪とても無理です。即刻ヤメロ!新国立競技場GURUGURUデモ
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(A photo by @mkimpo_kid: Check here for more photos.)
新型コロナ変異種ウイルスが猛威を奮い、3度目の緊急事態宣言が発出される中、都内各地ではオリンピック・テストイベントが目白押し。都立明治公園をつぶし、都営霞ヶ丘アパートをつぶし、野宿する人々を追い出して建てられた新国立競技場でも、5月9日、陸上競技のテストイベントが開催された。
私たちは、人々の命と暮しを踏みにじるオリンピックを今すぐ中止しろ!奪ったものを返せ!と声をあげるべく「五輪とても無理です。即刻中止!新国立競技場GURUGURUデモ」を開催した。
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(photo by @galbraithian; Check here for more photos)
テストイベントはTBSが生中継する力の入れよう。それに加えてオリンピック中止を求める声の高まりを受けてか、デモへの注目度も高く、開催前からスポーツ新聞を中心に「不穏な動き」などと抗議行動を予告する報道が行われ、集合場所には国内外のメディアが集結していた。
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デモ前の集会では様々な人がオリンピック反対の思いを訴えた。
まずは、98年長野オリンピック反対運動を取り組み、長野市での「聖火」リレーでも「オリンピック反対!」の声をあげた「オリンピックいらない人たちネットワーク」からの連帯アピール文が読み上げられ、続いて5月11日に福岡で「聖火」リレー抗議行動を呼びかけていた「オリンピック不要団」がリモートでアピール。
続いて、入管での面会支援を行っている学生の方が、オリンピックがいかに移民・難民の人々の人権を踏みにじっているか、実態を交えて強く訴え、「オリンピック追い出しヤメロ明治公園国賠」原告団の仲間からも新国立競技場建設における野宿者排除とオリンピック利権を糾弾するアピールが行われた。おことわりんくからは、5月1~2日の沖縄での「聖火」リレーとその抗議の様子を報告。新国立競技場建設に際し取り壊された都営霞ヶ丘アパートの元住民の方も駆けつけてくれ、生の思いを語って下さった。医療従事者の方からは「五輪をやめて医療や貧しいたちにお金を回すべき」と声が上がった。
(それぞれのアピールは記事後半に要旨を記載)
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デモは新国立競技場を2周!競技場の中からは時折、イベントを盛り上げるアナウンスや音楽が漏れてくる。
3月の2度のデモでは、警察官が車線よりはるか内側にデモを圧縮し、「早く歩け」「前につめろ」と至近距離から大声で叫ぶというデモ妨害が続いていた。同じことを繰り返さないよう、事前に抗議申し入れを行っていたにも関わらず、警察はこれを完全に反故にしたため、デモ隊は密状態を強いられながら進むことを余儀なくされた。
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それでも、目の前に公園を奪い、団地を奪い、人権を踏みにじった新国立競技場がそびえ建っている、その中でオリンピック関係者たちがのうのうとテストイベントを行っている、それだけで抗議の熱気は高まり「オリンピック今すぐやめろ!」の声は力強く轟いた。
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オリンピック再開発やめろ!
オリンピックで貧乏人を追い出すな!
明治公園を返せ!
霞ヶ丘アパートを返せ!
新国立競技場は呪われたスタジアムだ!
今すぐ解体しろ!
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デモ前日には、水泳の池江選手がオリンピックに反対する人々から「辞退しろ」という声を受けて苦しい、とTwitterで発信し、メディアではアスリートに怒りの矛先を向けるのは間違っているという論調が相次いだが、私たちは以下のようにコールした。
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オリンピックは政治だ
アスリートは極めて政治的だ
アスリートは政府の道具になるな
批判の声を封じるな
後の報道を見ると、抗議の声はテストイベント開催中の新国立競技場の中まで届いていたという。
デモが終わるころにはすっかり暗くなっていた。最後に、反五輪の会のメンバーが、オリンピック・パラリンピック翼賛教育が続く学校現場からのアピール、パラリンピックについて批判するアピールをおこない、解散となった。参加者は110名。
終了直後から、地上波テレビ番組を含む国内外の多くのメディアにオリンピック反対デモが報じられ、SNS等には賛同するコメントが無数に並んだ。いまやオリンピック・パラリンピックの中止を求める世論の高まりが、無視できないほどに大きくなってきていることの表われだ。
オリンピック今すぐやめろ!オリンピックより命を守れ!
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<各社の報道>
国立競技場で陸上東京五輪テスト大会 周辺では五輪反対デモ予定 緊迫感漂う中開幕(デイリー)
【東京五輪】「中止デモ」の予告で厳戒態勢…陸上のテスト大会がスタート(東スポ)
東京五輪中止求めるデモ行進が決行「今すぐ止めろ!」陸上テストイベント中の国立競技場周辺で(スポニチ)
【東京五輪】国立競技場周辺で大規模の反五輪デモ「中止しろ!」「誰のためにやるのか!」「貧乏人を殺す」(東スポ)
反五輪デモで国立競技場周辺は騒然…公安警察の〝抗議運動潰し〟も発覚(東スポ)
国立競技場前で五輪反対デモ「人殺しの五輪」「ぼったくり」陸上テスト大会中に抗議の声(デイリー)
国立で五輪リハ、温度差くっきり…緊急事態宣言下で“厳戒”陸上テスト大会(サンスポ)
国立競技場周辺で五輪反対デモ「医者もナースも限界だ」(共同通信)
国立周辺で開催反対デモ 東京五輪(朝日新聞)
「五輪いらない」デモの中、無観客で本番向けテスト大会(朝日新聞)
国立競技場前で東京五輪反対デモ 海外メディアも取材(毎日新聞)
東京五輪開催に抗議、国立競技場周辺でデモ(AFP)
「オリンピックより命を守れ」…東京都心で「オリンピック中止」デモ(WowKorea)
Two Tokyo Olympics: Inside and outside the National Stadium(AP)
[출처: 중앙일보] 일본 하루 확진 7000명 육박, 국민 59% “올림픽 취소해야”(中央日報)
Japan: Dozens march around Tokyo Olympic Stadium to protest against 2020 Games(Ruptly)
Protesters call for Tokyo Olympics to be canceled(Japantimes)
Tokyo Olympics: From a dream in 2020 to a risk in 2021(Times of India)
Protest against Tokyo Olympics(ABS CBN)
‘Olympics kill the poor’: Furious Japanese public protest Tokyo 2020 Olympics as calls to cancel Games continue
youtube
当日映像 :ken23quさんより
<集会アピール要旨>
1,「オリンピックいらほない人たちネットワーク」長野
皆さん、市民の力でオリンピック開催止めよう!ね。オリンピックより命が大切!あたり まえだよ! 4月1日、長野でも聖火リレー反対!東京オリンピック反対!の抗議行動をやりました。 「東京五輪開催反対!オリンピックいらない!聖火リレー反対!」を叫びました。バナーには「Fukusima Not Tokyo Olympics! (オリンピックなんかより福島だろ)」「NO Olympics Any Where!(世界のどこにもオリンピックいらない!)」「Breads Not Circuses!(サーカスよりパンを)」「オリンピックよりコロナ対策を」など。夜の7時、まるで葬式の参列者のような静かな観客の中を、スポンサー企業のデコバスと警察車両がぞろぞろ、スポンサーのための聖火リレー・オリンピックでしかないことが明らかだ。聖火 ランナーも集った観衆も IOCやオリンピックのダシにされたんだ。
そして、まさにこの時、NHKはライブ中継していた音声を30秒間「消音」した。公共放送を自称するNHKが、意図して「オリンピックいらない!」の声をなかったことにしたんだ。NHKがやったことは、私たちの声を消音しただけではなく、私たちの「思想・ 信条の自由」「表現の自由」を侵害したんだ。あったことをなかったことして、歴史を3 0秒消したんだ。
4月16日、NHK に「オリンピック・聖火リレー賛美の御用報道をやめろ!」「消音」を指示した過程などの調査公開を求める抗議文を提出。オリンピックは平和の祭典という大ウソ・五輪開催による国民意識(ママ)の統合が、憲法改正へつながる。消音は自ら報道の自由を侵害し、ジャーナリズムの自死に他ならないなどを理由にあげました。
皆さんの中にも、テレビで聖火リレーハイライトを見た人いるとおもうけど、気持ち悪い。感動の押し売りと涙。まるで戦時中の「肉弾三勇士 ���、若い人は知らナイネ。
私たちは東京の皆さんへ連帯の意味も込めて 5月16日(長野)、22日 (松本)で「オリンピックいらない!コロナ下の五輪強行開催やめろ!」の連続集会をやります。
私たちは、「戦争をしない!させない!」ための練習として、オリンピックいらない!の声 を上げてきました。 私たち市民の力のリレーで、ホッケを食べてオリンピック・ファシズムをぶっとばし、貧困と格差・コロナまで拡げ、命まで奪うオリンピック止めましょう。
2021.5,8 オリンピックいらない人たちネット ワーク
Masao Ezawa
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2,「オリンピック不要団」福岡
何年も前からオリンピック反対行動をやられてきた皆さんをリスペクトします。
僕は絵をかいてメッセージを伝える職業なので、表現の自由といったテーマを中心に活動することがあります。2011年に警察からデモ行進を妨害され、国賠訴訟で争い、本人訴訟で2015年に高等裁判所で勝訴確定しました。警察相手の国賠訴訟で市民が勝つ割合は6%とすごく低いと言われているのに勝ったのが自慢です。
オリンピック反対行動をやらなければと思いつつ、福岡から地理的にも離れているので、今までなかなか腰があがらなかったのですが、聖火リレーが福岡にも来てしまうということでおしりに火がついてやっといま行動しています。
普段、福岡で脱原発、反戦、G8先進国首脳会議反対などのデモをやったり、Twitterに投稿したりすると、時々ネトウヨなどに絡まれるのですが、今、オリンピック反対と投稿してもそういうことが一切ありません。大多数の人たちが、この時期にコロナの中でオリンピックを無理やり進めようとするのはおかしいんじゃない?と感じている。マジョリティ側になって行動するのは初めてなのではないか、すごく珍しい機会だと思います。これを一緒に大きい声で福岡でも言っていきたいと思います。
福岡では、公道での「聖火」リレーは中止になりましたが、5月11日火曜日に平和台陸上競技場で聖火リレーの点灯式だけ行われます。この点灯式に夕方4時から競技場前で抗議行動をやろうと思っています。(5月11日当日の様子)
東京の皆さんと連帯して行動でき心強いです。
3,品川にある東京入管に被収容者の面会支援に行っているという学生の方
シュプレヒコール
オリンピック反対 税金使うな
オリンピック反対 コロナが優先
オリンピック反対 医療が優先
オリンピック反対 生活守れ
オリンピック反対 命を守れ
前提として、オリンピックというのは差別と暴力の祭典。それはあらゆる形で社会に現れているがその一つが入管だ。オリンピック招致が決まってから3年後の2016年の内部通達では「東京オリンピック・パラリンピックの年までに安全・安心な社会の実現を図るため、不法滞在者ら社会に不安を与える外国人を大幅に縮減することは喫緊の課題である」と述べられている。ここでいう「不法滞在者」というのは正規の在留資格を何等かの形で失った人。ただビザがない、紙切れ1枚がない、それだけのことだ。実際に2016年から収容はどんどん長期化し続け、5年以上も収容されている人もいる。
収容所内の状態は、まともな医療も食事も環境も一切提供されていない。医者に行きたいと訴えても実際に診察されるまでに一週間もタイムラグがある。検査もまったくしてくれず、嫌なら帰れと言われるらしい。死亡事故も毎年のように出ている。いかに入管の医療が医療として機能していないかわかる。
最近、仮放免されたネパール人女性は入管に2年1カ月収容されていて、子宮筋腫が悪化していた。外部の医者が検査結果を見て驚くほどの、いつ倒れてもおかしくない、手術をしなければならない状態だったにもかかわらず、仮放免されたのはそれから半年後。彼女は入管から、「病気が治ったらまた収容する」と言われたらしい。仮放免者は無保険で高額な医療費がかかること、就労できないためにお金がないことなど、入管はわかっていながら「出してやるから自費で治して帰ってこい」「治ったらまた収容するからな」と脅しをかける。こんな状態だ。
食事も品川入管では冷え切っていて、虫や髪の毛が入っていることもざらにある。そんなもの食べたくない。衰弱して食欲もない。しかし、食べないとハンストと思われて懲罰房に連れていかれる。だから無理に食べている。
懲罰房は、入管が問題行動を起こした人だと判断した人を連れて行く部屋。窓がなく、トイレも頼まないと流してもらえない。狭くて不潔なところ。
昨年の秋に仮放免されたフィリピン人トランス女性は、ハンストや抗議行動に一切参加していなかったにも拘わらず、懲罰房に6カ月も入れられた。これはやはり自分がトランスジェンダーだからだと彼女は語っている。
一方、オリンピックは何をやってるか。オリパラ公認プログラムとして、セクシャルマイノリティの情報発信や安全な居場所づくりを行うプライドハウスTOKYOレガシーなる事業がある。トランスジェンダーの移民をトランスジェンダーだからという理由で6カ月も懲罰房に閉じ込めておきながら、日本人のトランスジェンダーやマイノリティにはエールを送る。在留資格をもたない移民・難民を入管の中で虐待し、時には殺しておきながら、一部のスポーツができる難民は難民選手団として組み入れる。こういうレイシズム、排外主義、能力主義、様々な差別による命の選別こそがオリンピックの本質だ。だから、COVID19の感染拡大に合わせて選手やオリンピック関係者を医療面で優遇しろという話になったのも当然と言えば当然、オリンピックの論理はそういうものだ。いまはCOVID19が拡大したことで、この社会でデフォルトとされているような人にも命の選別が及んだから抗議の声が広がったが、これまでもずっと社会の中で弱い立場に置かれてきた人たちはオリンピックのために殺されてきた。それを忘れてはいけない。オリンピックが続く限り犠牲者は増え続ける。オリンピックは、様々な差別を軸にしてそれを押し広げることによって成り立っているから。
今やっているトーチリレーも、あの火の燃料はレイシズム、セクシズム、能力主義、資本主義、新自由主義、ファシズム、優生思想、その他ありとやらゆる差別と暴力だ。それによってあの「聖火」は燃えている。だから「聖火」は消さなければいけないし、オリンピックは今ここで完全に廃止しなければいけない。オリンピックをやっている限り誰もが安心していきいきと暮らせる社会なんてものは絶対に実現しない。名古屋の入管で亡くなったウィシュマさんの問題がいま話題になっていて、「彼女が生きていけた社会を目指して」というスローガンがあるが、彼女が生きられた社会はオリンピックをやってる限り絶対に実現しない。だからオリンピックは世界のどこにもいらない。オリンピックを、いまこの場で終わらせたい。
4,オリンピック追い出しをヤメロ明治公園国賠原告団
皆さんが今いる新国立競技場は都立明治公園という公園だった。野宿者で、長い人は30年近く暮らして来た。新国立競技場を建設するため、2014年から16年にかけて、警察、裁判所、JSC、東京都が総力をあげて5名の野宿している住人を蹴散らすという国家権力むき出しの暴力が振るわれた。オリンピックという国策事業のためなら、貧民を暴力的に蹴散らして突き進む、そういったことは許してはならないということで、2年前から国賠訴訟という形で争っている。
最初は長年住んでいた仲間と追い出しをやめろ、話し合いで解決しろと交渉を重ねてきたた。それに対して2016年4月16日、強制執行という暴力で叩き出された。それから緊急避難として明治公園の一部であったこの「こもれびテラス」に半年間テントを張って暮らしてきたが、この場所も廃止された。そのあとに建ったのがこんなどでかいJOCビルだ。
もともとJOC、日体協は老朽化した岸記念体育館に本部があった。そこを建て替えても高層化できないということで困った森喜朗が東京都に相談したところ、都立公園であったこの土地が優先的に払い下げられた。立ち退き料として古い老朽化したビルは東京都に買い上げられ、その建設費も丸儲け。オリンピックだから、スポーツ団体だから、まるで私物化したように税金がじゃぶじゃぶ使われ、その一方で貧しい者、野宿している者にはむき出しの暴力がふるわれるということを、5年前、私たちはまざまざと見せつけられた。
これは日本に限ったことではなく、どこの国のオリンピックでも、もれなく巨額のお金が動くオリンピックのために貧民の暮しが蹴散らされてきた。私たちは東京で、こんなことは止めるんだということで闘ってきた。やれることはすべてやるつもりで、今現在も裁判で対抗している。
今年、こんな状況下でもオリンピックをやるとオリンピック推進事業者は言い続けている。その際には、いま皆さんの立っている新国立競技場地域一帯を封鎖する計画があるという。ラーメン屋もマンションも全部、地域一帯を囲って、そこら辺にゲートを作って、顔認証で関係者しか入れない。これを警視庁はセーフゾーンと言っている。
私たちは今年の開会式に合わせて既にデモ行進の申請をしている。警視庁からは、この辺りはセーフゾーンになるからデモができないかもしれないと言われた。この一帯にはまだ野宿する仲間、明治公園から追い出された仲間が暮らしている。その仲間のところにもいま東京都から「出て行け」「フェンスで囲うからな」「工事の邪魔だ」という圧力が徐々にかかっている。今、日本全国こんな状況下で「聖火」リレーが行われているが、東京で「聖火」リレーがやられるとき、また国や東京都が追い出しをかけてくるのではないかと皆心配している。皆で知恵絞って対抗していこう。
その一環として国賠訴訟に取り組んでいる。次回は6月22日15:30東京地裁706法廷。ご注目いただきたい。今回、東京地裁が証人として憲法学者の内藤先生を採用し証人尋問が予定されている。学者は通常書面のみで済まされることが多いので異例だ。
明治公園で起きた出来事は5年前だが、国家による暴力、オリンピックによる暴力について、一つ一つ洗いざらい蒸し返し、こんなことは二度とさせないと闘っている。皆さんも、コロナで国がこんな状況下でも暴走を続けるオリンピックに違和感を覚えているはず。ともに食い止めていきましょう。
5,おことわりんく
5月1日と2日に沖縄でもトーチリレーが行われた。沖縄ではまん延防止措置が取られているので、沖縄本島では公道を走るということはなく、人を制限した中で無観客のリレーが行われた。
私たちが行くことについて躊躇があったが、パンデミックの中でも辺野古の工事はずっと継続し、オリンピックも中止されない、「聖火」リレー���やられている、運動の側だけが止まってしまっていいのかという声におされて行くことにした。
沖縄本島の「聖火」リレーは無観客ということだったが、5月1日、名護市市民会館の駐車場を白いシートで囲った中で、100人のランナーが1日かけて走るということが行われた。上から見ると、囲った中を、さらにゴーカートのコースのように区切って、そこをランナーと警察官が走る。漫画のような光景だ。その市民会館の前で抗議のアピールをし、セレブレーションの間中私たちの声が響きまくっているという状況だった。途中、反基地運動をやっている医療従事者の方も飛び入りで参加してくれた。
翌日は沖縄戦の激戦地だった糸満の平和の礎で、人が入れないような形にしてトーチリレーが開催された。その日は那覇の県庁前でスタンディングをし、国際通りで「道じゅねー」という練り歩きを行った。沖縄ではいま、辺野古の埋め立て工事に南部戦線の激戦地の遺骨が残っている土砂が使われようとしており、人々は非常に怒り、県庁前でハンストをされている。その横でスタンディングをした。
その日は離島でもトーチリレーが行われることになっていたが、宮古島では基地反対の市民運動の人たちとともに中止するべきだという申し入れを行った。島ぐるみ共闘の中で生まれた、自衛隊基地に反対する市長は、宮古島では一切リレーをやらないという非常にすばらしい決断をした。同じ離島の石垣島では公道を使ったリレーが行われたが、日本会議系の市長で、首長の立場性が現れたのではないか。八重山諸島は9月にも史上最大の自衛隊演習が行われることになっていて、今回のトーチリレーもそれに対するセレブレーションのような意味合いを持つという風に沖縄の人々は感じているようだ。
1964年のオリンピックのときには沖縄から聖火リレーが始まった。復帰前で禁止されていた日の丸を振ることがそのときは認められて、一時期には復帰運動のシンボルにもなったが、復帰後の現状、日本として沖縄が一つに束ねられることに対しても非常に強い違和感をもち反対の行動をとっている。そういう意味でも、今回福島からリレーが始まるということも含め、トーチリレーのおかしさ、政治性を皆口にしていた。
目取真俊さんのブログの中に「5月1日に名護市では、市民会館周辺を使いオリンピックの聖火リレーが行われた。西海岸では巨額の放映権料を当て込んだオリンピック利権。東海岸では増額される工事費・警備費を当て込んだ辺野古利権。さらに選挙がらみの権力亡者たちが、新型コロナウイルスで市民に不要不急の外出自粛を呼びかけながら、自分たちは世論を無視したイベントや工事を強行している。」と書かれている。まさにこういうことが沖縄では行われている。沖縄と福島、東京五輪の問題はつながっているし、東京に住んでいる私たちの責任もすごくあると思っている。命を蔑ろにされいる人たち、暴力に抗って闘っている世界中の人たちと一緒にオリパラを中止させていきたい。
6、霞ヶ丘アパートを考える会&霞ヶ丘アパート元住民の方
<霞ヶ丘アパートを考える会>
このJOCの庭となっている「こもれびテラス」の向こうのエリアには230世帯10棟もの都営アパートがありました。ここで暮らしている人たちに対して、国立競技場ができるから、当初はラグビーW杯のため、そのあとは東京五輪のため、国策だと言って、事前の相談もほとんどないままに追い出しが行われました。2016年1月くらいまでに出て行けというのが東京都都市整備局の言い方でした。最終的に3世帯が残り、その1年後くらいまで、工事の中で、回りの棟が壊されていくひどい騒音と振動の中で暮らすという、過酷な状況に追い込まれました。今日は元住民の方が来て下さったので、ぜひ思うことを聞かせてください。
オリンピックのためにこれだけ弱い人たちが思いやりもなく追いだされたということは非常に悲しいです。日本だけじゃなく各国で弱い人たちがいじめられて強制的に排除されていると思う。その点はオリンピックに反していると思う。皆で頑張ってオリンピックより福祉に力をということでやっていきたいと思います。
<霞ヶ丘アパート元住民の方>
みなさん、こんにちは。私はこの辺、飯場があるあたりに住んでいました。国立競技場を建設するので出て行けと急に言われて、僕は重度の身体障がい者なので、そんなに簡単に出て行けないと言ったのですが、なんだかんだといろいろ言われて出ていくことになりました。出て行くにあたって、皆に一律17万円ずつ渡し、3カ所の場所を指定するからそこへ行ってくれと言われた。私は福祉関係や病院の都合で簡単に指定されたところに行けないと言ったが、ダメだと言われた。僕はすごく怒っているのです。この辺でずっと長い間住むつもりでいたのですが、強制的にオリンピックのために追い出されました。僕はいまどうしていいかわからないような状態でおります。
7,医療従事者の方から
医療関係者の一人として、なかなかこういう場で叫ぶことができない仲間に代わって声をあげたい。
日頃、ドヤ街で働いている。貧しい人、外国人労働者の人、非正規労働者でクビになった人、そういう貧しい人たちがかかるプライマリーケアの一人として従事している。日常のプライマリーケアにおいても、誰がコロナウイルスに感染しているかわからない深刻な状況だ。
いま経産省をはじめとして民間の医療機関をバッシングしている。公立病院に比べて民間病院はコロナ対策をしっかりしない、入院もさせない、そういう言われ方をしているが、いま、誰もがコロナウイルスをもっているかもしれないという懸念・危惧の中で、みんな緊張感を持って働いている。特にコロナ専用病棟の人たちは本当に大変な状況に置かれている。立川相互病院の窓ガラスに「もうカンベン オリンピック無理」という声があげられている。あれが医療関係者の声だと思う。いま医療が崩壊しようという状況、東京も今日も1000人を超えるような新規感染者数だ。緊急事態宣言が延長されようが、コロナウイルスの収束は見込めない。ここに五輪が呼べますか?五輪をここで呼んだらどうなってしまうでしょうか?(聴衆から「殺される!」の声)東京が、世界中に感染を拡大させる一大クラスターになってしまう。日本の責任、東京の責任として絶対に東京五輪はストップさせないといけない。
東京五輪、もともと6000億円と言われていた費用が、1兆6000億円、それも嘘で実際には3兆円、どんどんお金が膨らんでいる。そのお金を即刻医療に回してほしい。いま誰もが安心できる生活をするために、無料のPCR検査をしっかりとすること。そしてお金は貧しい人にこそまわしてほしい。経済対策、経済対策と言って、大企業にばかりお金を回してどうなるのか。非正規労働者の人たちが、消費に回すお金もなく、野宿に追いつめられ、自殺にまで追いつめられている。それを助けるためにしっかりとお金をあてること、それがお金の本来の使い方ではないか。
いまこれだけ全国でコロナが感染拡大したのは、まぎれもなく、菅首相と二階幹事長のGoToキャンペーンのせいだ。その責任をしっかりとってほしい。
五輪をやめて、人々のためにお金をつかってほしい。
6,東京の学校現場から
私は都立学校の労働者です。水泳の池江璃花子選手はSNSで、東京五輪出場を辞退してほしいという声に対して、「決まったことは受け入れ、頑張るだけ」と答えたことが大きな話題となっています。どこかで聞いたようなことのあるこの言葉、学校で職場で、何かにつけ「もう決まったんだから」と物言う口を塞ぐおなじみの言葉ではないでしょうか。
学校の同僚に、東南アジア出身の在日外国人生徒を何人か受け持ったことのあるというベテランの方がいます。外国人の在留資格には詳しいと自信満々ですが、話を聞いていると、例えば「そんなことをしていると強制送還される」等々、えっと思うようなことを口にすることがあります。その方は体育科で、入管法をスポーツのルールと同じように受け止めているーまさに池江選手の言葉と相通じる、「ルールとして決まっているのだから、決まったことは受け入れ、頑張るだけ」という発想なのです。それが、在留資格を認められない在日外国人一人一人の人権をいかに奪っているのか、まさに自分の目の前に在日外国人の生徒がいても、そこに思い至ることが全くないわけなのです。
話は変わりますが、4月末、赤旗が「学校連携観戦」―これは、オリパラ組織委員会が準備したチケットを都や県などの自治体が公費で購入し、それを各学校単位で子どもたちの観戦に当てるというものですが、この「学校連携観戦」についてのスクープを行いました。多くの保護者が我が子の学校の年間予定表をSNSにupして、感染症が蔓延し、修学旅行など学校行事が次々と中止になる状況の中で、オリパラ観戦だけは強行されるのか、と不安の声を上げています。幸い、私の勤務する学校は、リモート観戦にすることになり、現地での観戦はなくなりました。赤旗の報道があるまで、まさか、今の状況で生徒を競技場に連れて行くなんてありえないよね、どこの学校も同じだよね、と思い込んでいました。
学校のホームページを見ると、都立の障害児学校だけで、20校以上が今年の���間予定に「学校連携観戦」を入れていることがわかりました。基礎疾患のある生徒の多い肢体不自由校も4校が予定に入れています。
コロナが流行しなくても、猛暑の季節でなくても、チケットを一方的に公費で購入して、学校単位で観戦をさせるというのは、学校の裁量権を逸脱するものではないでしょうか。学校単位ということは、個々の生徒の立場からすれば、事実上の強制参加です。
すでに、学校連携観戦に向けて、引率担当教員による競技場の実地踏査が始まっています。多くの学校から教員が授業を抜け、子どもたちのそばを離れて競技場に赴くことを余儀なくされています。池江選手の言葉ではありませんが、多くの教員が「決まったことは受け入れ、頑張るだけ」と子どもたちと自分自身を大きなリスクにさらそうとしています。そして、それに対して責任を負う主体は全く見えてきません。
東京都教育委員会のサイトを見ると、学校連携観戦は2016年から進めてきた「オリンピック・パラリンピック教育」の「集大成」として「学校単位で直接観戦する機会を提供する」としていることが分かります。オリパラ教育で子どもたちの心と体をオリパラ成功のために絡めとり、学校連携観戦で観客席を埋める駒として利用する、それは「教育」ではなく「洗脳」に他なりません。
学校連携観戦は、神奈川や千葉など、東京都以外の学校でも、また私立学校でも多くの学校で予定されています。学校に通うお子さんのいる方、どうか、お子さんの学校の予定表を確かめてみて下さい。学校連携観戦の予定が入っていて不安を感じられたら、お子さんと話をしてみてください。担任の先生には、連絡帳などで不安な気持ちを伝えて下さい。そして、校長に「学校連携観戦をやめてほしい」と電話してください。
かけがえのない子どもの体、心、命を守るため、声を上げましょう。
まだ間に合います。
子どもにオリパラ教育、オリパラ観戦を押し付けるな!
オリンピックはいらない、世界のどこにも!パラリンピックはいらない、地球のどこにも!
7,反五輪の会から
パラリンピックにも「聖火」というものがあって、「やまゆり園」で採火するということが相模原市長から突然発表があった。障がい者も、「やまゆり園」の被害者遺族も、聞いてない!と抗議の声をあげ、抗議の結果、採火は「やまゆり園」ではしないということになったというが、このいきさつはオリンピック・パラリンピックの本質を象徴していると思う。
当事者ぬきで、権力を持っている人の思い描く「共生社会」を当事者に押し付けるてくる。私たちが全然共に生きているというリアリティを感じないような、パラリンピックの採火というもので「共生社会」を目指す決意を示す。これこそオリンピック・パラリンピックの本性を雄弁に物語っていると思う。
平和の祭典といっても、どこが平和なのか。宣戦布告をして戦争をしていないからといって、私たちまったく平和だとは感じていない。「共生社会」も同じで、当事者、障がい者やマイノリティの人たちが共生というものを感じていないのに、権力の側がこれが共生だとかこれが平和だとか押し付けてくる、それがオリンピック的だと感じる。
私たちが障害者運動から学んだことは、たぶん、それぞれの能力をのばすとか、欠点を克服するとかいうことではなく、それぞれのできること・できないことを、コミュニティが補いあい、共有する、そういう社会のありようだ思う。私たちは、競争しなくても、努力して無理しなくても、十分コンビビアルに楽しく幸せに暮らせるにも関わらず、オリンピックなどをやって、無駄に競争させられている。奴隷たちが争って支配者に気に入られるようにやっているのを、支配者が眺めて得をしている。そういうのがオリンピックだと思う。やめてほしい。
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ari0921 · 3 years
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福島香さんの論考です。#JBpress より
習近平はなぜバイデンに祝辞を送らないのか
米大統領選の大混乱を見守る中国の思惑
2020.11.12(木)
福島 香織
 注目の米大統領選は、民主党のバイデン候補が一応勝利宣言をしているが、トランプ現大統領はまだ敗北宣言をしておらず、このまま法廷闘争に持ち込まれて紛糾する可能性も残っている。こうした中、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席など一部の国はバイデンに対して祝辞を述べておらず、沈黙を守っている。中国は今、何を考えているのだろうか。
公式見解を示さない中国
 11月9日、中国外交部の定例会見で、CNNやロイターなどの欧米メディアは、なぜ中国は公式にバイデン候補に祝辞を送らないのか繰り返し質問した。これに対し汪文斌報道官は「バイデンさんがすでに勝利宣言していることには注目している。大統領選の結果は米国の法律とプロセスによって確定される。(いつ当選者に祝賀を述べるかは)国際慣例に従って処理する」「我々はこれまで、中米双方は対話をもっと強化すべきだと主張してきた。相互に対立点を認識したうえで尊重し、ウィンウィンを基本に協力を展開し、中米関係を健康に穏当に発展させていくべきだ」と慎重に述べるにとどまった。
 4年前のトランプ大統領当選の際は、中国がまっさきに祝辞を述べた国の1つだった。バイデン政権を中国は歓迎していないということなのか。
 ロイター記者が「バイデンはかつて中国に不利な態度を示したが、それについてどう対応するのか」と重ねて聞いても報道官ははぐらかしていた。果たしてバイデン政権は中国にとってトランプ政権より手ごわい相手なのか。今後の対米戦略について、中国の識者たちの見方を見てみたい。
習近平が祝辞を述べようとしない理由
 習近平がなかなかバイデンの選挙戦勝利宣言に対して祝辞を述べようとしない理由について、ドイツ紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(フランクフルト総合新聞)」がこんな論評を掲載していた。
「北京にとっては、敗者のトランプが悪あがきする言動の一つひとつが中国の利益に合致する。中国のプロパガンダ機関にすれば、トランプが敗戦を受け入れないでいれば、“米国の民主制度が混乱している現象は、超大国がまさに凋落していることの現れである”という良い宣伝材料なるのだ」
 実際、中国の新華社が発表した記事では、米国は没落した国家にほかならない、と形容し、人民日報の公式アカウントは、トランプが自らの勝利を訴えているツイートに、あざ笑う表情の絵文字を付けている(後に削除)。
 さらにもう1つの理由として、中国はトランプの激怒を恐れている、という。トランプの残りの在任期間70日の間に、中国政府を大統領選敗戦のスケープゴートにするのではないか、例えばワシントンの対中タカ派がさらに中国に対して過激な攻撃をしてくるのではないか、と恐れているのだ。たとえば中国が米国の大統領選に介入したという陰謀論を掲げて、中国政府を攻撃してくる口実にするのではないかなどと心配しているという。
 実際、今回の米大統領の混沌ぶりをみると、真の勝利者は中国の習近平ではないか、という見方が内外から上がっている。少なくとも米国の混乱が続いたとしても、その混乱の末、どちらが大統領になったとしても、米国の世論の分断状況は解消されず、米国の国際社会に対する影響力は衰退していく、という期待が中国にはある。
トランプ政権より対応しやすいバイデン政権
 では、中国としてはトランプ政権とバイデン政権、どちらが対応しやすいと考えているのだろう。
 人民大学国際関係学院の時殷弘教授がフェニックステレビのネットコラム欄「風向」で、バイデン政権になった場合に中国が得られる“利益”について次のように語っていた。
(1)トランプ政権は中国共産党政権を転覆させ潰滅させることを目的としていたが、バイデン政権は中国共産党政権を比較的穏当な中央集権体制に戻そうとするだけで、根本的には共存を望んでいる。
(2)バイデンは、トランプほどクレイジーでも粗野でもない。米国の対中政策は中国にとって予測可能なものになり、安定する。
(3)バイデンと民主党政権は、明らかに中国との軍事的衝突の可能性を恐れている(トランプ政権は軍事衝突も辞さないような強硬姿勢だった)。
(4)トランプ政権に比べて、ハイレベルな外交の往来、コミュニケーションが増えると期待できる。中国のデカップリング(切り離し)政策が転換する可能性がある。貿易戦争においてもバイデン陣営は関税引き上げに反対していたので、貿易戦争も終結する可能性が強い。つまり、米中新冷戦には向かわない。
 ただ、バイデン政権になっても継続する対中強硬政策はあるだろう。時殷弘教授は、米国は次のような政策を継続すると語る。
(1)台湾、香港、新疆、南シナ海、チベット、中国の宗教問題にからむ人権問題に対する強硬な批判姿勢は、トランプ政権もバイデン政権もほとんど変わらない。
(2)中国の米国に対する浸透工作、諜報活動への牽制と中国のハイテク技術に対するデカップリング政策路線は変わらないかもしれない。
(3)欧州との同盟関係、東南アジアとの同盟関係の修復に動き、対中包囲網を形成しようとする動きも変わらないだろう。
 中国として注目すべきは、民主党内の急進左派だ。民主党内には、バイデン&ハリスの中道派とサンダース&ウォーレンの急進左派の対立軸があるが、民主党は選挙に勝つために、近年台頭する急進左派に協力を仰いできた。このためバイデン政権もある程度、党内の急進左派の意向を汲んだ政策をとらねばならない。だが民主党急進左派の対中姿勢はむしろトランプ政権なみに強硬な部分もあり、中国式グローバリズムへの批判、共産党体制の転覆を求める声もある。米国の大企業経営者や金融界、大手メディアの支援を受けて中共政権との共存路線を重視するバイデン政権が、アンチグローバリズムを標榜する民主党内急進左派にどれほど影響されるのかが、中国としては気になることだろう。ただ、いずれにしろトランプ政権よりは対応しやすい、と見ているようだ。
中国が強化する米国への反撃能力
 さらに時殷弘教授は、バイデン政権になった後の米中関係について次のように予測する。
まず米中貿易交渉第1段階合意が結ばれ、第2段階の交渉に入る。また、外交のハイレベル交流が復活し、米中軍事衝突の可能性が著しく下がる、という期待も述べる。
 ただ、そうした米中融和への方向に若干転換されるとしても、その結果にはかなり制限があり���中国の今後の戦略としては、米国への反撃能力を完成させておくことは重要だとしている。
 まず、四川省成都市の米国総領事館を閉鎖を引き続き命じ、青海省から西沙島諸島にまで届くミサイル東風21D(空母キラー)、東風26D(グアムキラー)の配備も引き続き完了させておくこと。中国は米国への反撃能力を備えてこそ、リスクヘッジが可能で、戦略と政策に柔軟性を持たせる余地でき、また米国のスーパータカ派の凶暴な悪意に対応することができるという。
 米中の対立、競争を終わらせるには中国が主導権をとるべきであって、そのためには米中の軍事衝突を避けることが双方の利益になるということを示さねばならない。そのためには中国側の対米反撃能力をしっかり備えておくことが必要である、という考えだ。
 南京大学国際関係学研究院の朱鋒院長はシンガポールの華人向け新聞「聯合早報」のインタビューで、「バイデン政権の最初の任務は米国内の新型コロナ肺炎対策などであり、対中政策は優先的課題ではない」と指摘しながらも、「バイデンチームの外交政策の原則は、米国を中心としたグローバリズムの回帰であり、多極外交の強化だ。これに伴い米中関係も多くの領域で改善の機会があり、対話協力が再開され、両国の関係改善のチャンスとなるだろう」との期待を語っている。
 だが1月20日の大統領就任式以前に、トランプがさらに強い対中強硬政策をとりうることにも言及しており、「ポンペオ国務長官らはこれが最後のチャンスとばかり、中国に対して圧力をかけてきて、政権交代時に共和党の政治資本を上積みしようとするのではないか」と指摘している。
 復旦大学米国研究センターの信強副主任は環球時報の取材に対し、「中国と米国は、新型コロナ対策、コロナワクチン、気候変動などの領域で建設的な協力関係を回復するだろうが、戦略的相互信頼の再建は一朝一夕にはできない」とコメントしている。
日本、台湾にとっての懸念
 日本や台湾、香港など、中国の軍事的脅威にさらされている国、地域にとっては、バイデン政権が中国に若干融和的になり、たとえば関税引き上げや中国ハイテク企業に対する禁輸制裁、中国の官僚たちに対する制裁、中国研究者・留学生に対するビザ発給審査の厳格化などを緩和することは、トランプ政権に追い詰められていた習近平政権に一息つかせ、反撃のための準備を整える猶予を与えることになるのではないかという懸念がある。
時殷弘教授も指摘している通り、もしバイデン政権が対中融和政策に転換しても、その間に対米反撃能力を高めて、二度と米国から“いじめられないよう”に軍事態勢を整えることが両国共存の必須条件だと考えるのが中国なのだ。
 特に日本にとっては、共産党政権の執政党としての正統性として「反日」が根底にある限り、尖閣諸島の主権が中国に脅かされ続ける運命にある。今、曲がりなりにも日本が尖閣諸島を実効支配できているのは、世界最強の軍隊を持つ米国が後ろ盾になっているからだ。中国が、バイデン政権の与える猶予の間に対米反撃能力を完璧にすれば、もう米国の後ろ盾に頼って安心できる状態ではなくなる。
 台湾にとっても、バイデン政権の発足は危機的状況を招きかねない。トランプ政権は台湾旅行法などを施行し、これまでの台湾関係法を超える米台関係を築き始めていた。だが民主党の新政治綱領では、「一中政策」という言葉こそ削除されたが、しっかりと「台湾関係法を尊重し、平和的な方法での台湾海峡の問題解決を支持」としている。これは米台関係がトランプ時代からオバマ政権時代にまで後退することにならないだろうか。
 台湾の蔡英文総統はバイデン候補の勝利宣言に対して11月9日に祝辞を送っているが、5日の段階でバイデン優勢が報じられたことに対し、「いずれの候補が大統領になっても、米議会の超党派の台湾支持が減退することはない」と自国民に冷静さを保つよう呼びかけた。つまり台湾人にとって、バイデン政権誕生への不安はそれほど大きいということだ。
米国への過度な依存を反省する機会に
 習近平は10月下旬に行われた五中全会(党中央委員会第5回全体会議)で、自己の権力集中と長期独裁政権の確立に向けて、極めて強い意欲を示しているが、目下その野望を妨害する最大にして唯一の存在は米トランプ政権だとみられている。
 トランプ政権の圧力が強ければ、習近平圧制の中で虐げられた中国庶民の不満も表出し、中国知識人や官僚も批判の声を上げ、現状を変えていこうとする力になりうる。だが、バイデン政権が中国の期待どおり中共政権との共存路線をとり、対中強硬姿勢を緩めれば、習近平が長期独裁体制を確立する追い風となり、またその猶予を利用して中国は完璧な対米反撃能力を整えていくだろう。
 米国大統領選の結果は米国有権者の求めたものであり、どのような結果であっても受け入れるしかないのだが、日本人としては、バイデンとトランプどっちがよいかという問題以上に、この結果をもって、安全保障を強大な同盟国に依存しすぎてきたことへの反省と対策を真剣に考える機会にしたいところだ。
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azure358 · 4 years
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--深海人形-- …強く生きるのだ……(※いのり)
…頭御花畑で良い子気取りの日和見主義者が、社会と他人の心を破壊して行く。
※…Twitterの自アカウントより引用(※…一部、修正、若しくは、改変)。
※…呪術本誌ネタバレ注意(※他色々過激ネタ注意)。
[[MORE]]
…すみッコのひとで?は、スタフィー王子のパクり(※確信)。
…レディーファーストの精神やぞ() >https://twitter.com/tutitoabura/status/1302341111835287552
…ひとで?をスタフィー王子のパクりww呼ばわりしない、すみっコ達は民度高い(…他方、ワイ等は花札屋敵に回すんかwwみたいにゲラゲラ笑いながらパクり認定する)。
…だが、当のスタフィー王子は、カービィのパクリ呼ばわりされるのであった(※〜終了〜)。
…自演説vs個人攻撃説、…ファイ!(※カーン!) >某Vtuberと某絵師さんと永遠の14歳問題
…嶺厳は今のアラサー若造より年上(の筈)なんだよな(※…もう、ショタキャラとは言わせないと言う強い意志)。
…更に、コーディーと基地ガイが、『初代FFで活躍した頃〜IV(90年代前半)』は、アラサー達、未だリアル幼乳児〜幼稚園児だしな(…池沼か其れ気味には、そこら辺の情緒が分からないようですね)。
…何でも、舞台を現代の時代に合わせようとする奴は、脳が死んでる(…実際、オメガバ、現パロ勢見たいなテンプレ設定が無いと死ぬ奴は脳が死んでる)。
…『紫電改343(※イブニング連載)』とな?(※何か見ゆ)
…カーハンの店主マホやん、あざと可愛いから見て(…特に塾クラ)。
…花札屋とミヤレ作品は、見事に商売の方向性が真逆だのぉ(…花札屋→子供向け、新規層の獲得を最重要視、ジャンルとキャラとゲーム性の多様性が武器、自社コンテンツとキャラとユーザー層を皆平等に扱い、とても大事にする)。
…ミヤレは、花札屋とは全部方向性が真逆、確かに、此れでは、衰退するだけ(…各種外伝は多少違うけど)。
…アイクの算数遊び(※ゴリラグズ)。
…トキ兄さんに本当に必要だったのは、剛でも柔でも無く、第三の選択肢だったのでは無いか?…其う、絵筆かペンによる言論!(※拳法無関係)。
…シャドバのプロゲーマーは、プロレスラーだった……?(※真顔)
…芋虫もだけど、ザリガニも昆虫も、ちゃんと加熱して食おうな(※特にザリガニとかは)?
…『呪術凱旋(…の追加分)』で、高専勢に昆虫食を仕切に勧めるコーディーを描くつもりです(…頭にウジ湧いてる白人扱いされる迄がセット)。
…ストシリーズ公式は、極力(※昆虫食みたいなデリケートな食い物の話題に)、触れない様にしてるけど、昔のストIIパロディ四コマで、リュウさんに対して中華蜘蛛料理を「…召し上がれ!(※はぁと)」…みたいに差し出して来て、リュウさんに嫌がらせする(※暫定)春さんみたいなのはあった(※懐)。
…極道と政治家は、元々、縁が深いからな(参考:卒業後の塾生)。
…花札屋はインテリ極道なので、現役政治家に此れ以上擦り寄って来られると、流石に世間の評価と今後のシノギに影響するので、止む無く石破を『利用規約違反(と言う名の保身行為)』により 弾いた(…正に、仁義無き経営)。
…『呪術アンチスレ7』に『ファイナル ファイト』と言う単語が、拙作か?(※自意識過剰)
…ついでに、同じジャンプの『アグラ(別名汚いアストラ)』に、『ファイナルファイトのコーディーと基地ガイもどき(其う言うパロディなイメージだけ)』が出てたな(…作者おっさんなんか?)。
…サークライは、ちゃんと、まともに面白いゲーム程率先してやり込んで、其処から学んでいると思うんですがね(…ゲーム製作の肝心を)。
…人間性と作品の質が、低レベルで低俗なうちの子厨と自称:マイナージャンル推しオタク見てると、此う言う人達は、各ジャンルの公式に反発し始め、其の上、各々の同人界隈からも叩き出され、爪弾き者だから、本人達的には、此処で満足するしかないから仕方無くだろうなぁ……(…等と思えてならない)。
…世にある殆どのマイナージャンルは、公式が滅多に動かない、及び死んでるか仮死状態の所ばかりなので、其の発言力等は、自分達ジャンル住人の都合で無視出来る程弱かったり、如何でも良かったりする。…結果、各ジャンルから爪弾きにされたロクデナシとかならず者が集い易い(経験則)。
…更に、追い討ちを掛ける様に、其処にすら居られない場合は、うちの子厨か一次創作厨になるしか道が無い。…思ったより、オタクサバイバルは過酷だったりする(…だが、それでこそオタク)。
…嫁推しを守る所か、平気で盾にするケチオタク共は、極力コンテンツに金掛けたく無いのもあって、其奴等、フリゲだの基本無料系に入りたびるから、なるべく、御金を払う事で、公式が維持・改良してくれるコンテンツに全力で嵌った方が良い(人生訓)。
…一次創作民、うちの子厨は、大半が、人間性が未熟だし浅い。付き合いたく無い(※直球)。
…ガレッガ、EVACシュー等の、ゲームの敷居が凄く高いか、基本的に、相当の玄人しか生き残れない所は例外だね(…逆に言えば、敷居の低い所、素人でもバシバシ出来る所が此れに該当する)。
…同担と創作競争したい女なので、私の同担は私以上に勉強し、切磋琢磨しろ(←…いっそ、殺した方が早い)。
…一度、データ圧縮呪霊か呪具使って、圧縮してから(ry ※マジレス)>五条先生を封印しきれない獄門彊
…此処迄しっかりした伏線貼れるなんて、単眼猫先生、凄い才能だよなぁ〜〜!!!!(※…思わず、感動)
…『呪術のアンチスレ』ですら、ナナミンの死に対して、展開を皆でリンチするが如く叩いたり、作者に抗議したり、何故殺たし!…って喚いたりしない辺り、本当に、読者皆(私も含めて ショックだったんだなって(…多分単眼猫は、上記の他にも、頭無惨様みたいに味方と身内を殺す天才的な才能があると思う)、
…鋼柱達に又、会えるよ……(※…FE紋章のCM並感)。
…呪術凱旋DEATHTINY、地獄そのものと言うべき絆の中で戦う(※…元ネタ:FE覚醒CM)。
…とあるページで、『窓付きは現実世界に置いて、マサダ先生とは、性的な関係性があるのだろう(下衆の勘繰り)』…と言う文を見た時、字面からして、シュール過ぎて、思わず、笑った(鬼畜)。
…次死ぬのは、脹相お兄ちゃんか……(※…本当に残りの弟達とは会えるのか……??)。
…テレサ王「…デスルーラ厨対策だぞ!(正にいけず)」
…真人より非道いのは、此の人類の歴史上に、掃いて捨てても捨て切れぬくらい幾らでも居る(※…先ず、世界史を勉強しろ)。
…鴻元くん、作中での一人称は俺なんだけど、七牙終わった後にしてる『九九斉唱授業』の時のモノローグ吹き出しの中では、一人称が私なんだよね…本当は、あっちが、『本来の一人称』なのかな?(…だとしたら、細かいね……)。
…ジャンルと嫁推しが多様過ぎて、もう訳が分からない女(無様)。
…延々とウェイン兄弟の様な男を、愛でたい(※欲望)。
…昔読んだ、編入生組vsFS(ラスボスがオリキャラ 話の男塾小説、本当に良かった(…今は何処にも無い)。
…現実は非情である(※結論)。>九相図兄弟の今後(※…特に、残り六人の出番と人権)。
…九相図推しは震えるしか無いな?!!?(実際震えてる)
…単眼猫を許すな!(すんなりアンチ化)。
…今の呪術は、FE聖戦で言ったら、『光と闇と』くらいだよね?(…話の進み方からして)。
…男塾塾生の日常を描いた『メシアニック・スマイルズ〜Flappings of Caladrius.』、『紅空(〜Bc.)』の続編と並行して描こうと思います(※…ゴシック調で落ち着いた雰囲気にするつもり)。
…『メシアニック・スマイルズ』って言う題名は、意外性があって良い(※自画自賛 ※呪術の方で使えばもっと自然かもしれないが)。
…新都社出身の精鋭、タツキ先生もアレだし、頭可笑過ぎるでしょ……(※最大級の賞賛) > https://twitter.com/345_neet/status/1303263833176158210
…此処迄、ド直球に、世の文字描き達(絵描きとの兼業を一番に)を敵に回す阿保初めて見たわ(…ほな、死にますぅ?)。>漫画で描くより早くて、手間が掛からないからと、小説で代替するな。漫画描け。…其んな小説は描くだけ無駄だとほざいた莫迦へ
…こいつ様「…塾生の日常を描いた男塾小説描くで!…題名は、他に良いのが思い付かないし、兎に角、意外性重視で『メシアニック・スマイルズ〜Flappings of Caladrius.』な!(※救世の福音)」
Q.…何故、幾つも並行して執筆するのですか?(※…一つに専念したら?)
A.…え?…其方の方が、出来上がりが早いじゃん?(※数も多く描けるし?)
…何でパヨクって、直接関係無い事迄持ち出してつるの叩くんだよww虐めかよww(…良い加減にしろ莫迦共)。
…『人間から生まれた呪いだから』って、無理にでも、人間らしくあろうとするとかアホちゃうか。全部自分らしくでええ。…其れが、拙作でのスタンス(※軽率)。
…伊達外伝の紅孩児君か〜〜!!…罦傑より良い子だし、御人形さん(か人型生体機械)路線(…又、或いは、空母か水上機母艦かみたいな)も同じだから、…やっぱり、紅孩児君は、彼奴の完全上位互換やわ(…其れくらい、普通に改良型)。
…推しCPの片方が死んで、『死別』だなんて、よくある話やろ(…戦闘狂か修羅の世界観)。
…食事より睡眠に金と労力掛けた方が良いよ。…よっぽど、ジャンクフード三昧じゃ無ければの話ですけど(※老婆心)。
…先ず、食事に金掛ける風潮は感心しない。…最悪、先祖を見習って、肉抜きで粗食してれば良いからね(※日本人の場合)。
…ショーペンハウアー先生は、『…(※前略)養育者、教育者として女性がまさに適しているのは、女性自身が子供っぽくて、愚かで、浅墓で、一生大きな子供だからである。』と言って居たな。…世の中の基地外腐豚見てると、実に、其う思う()。
…ニーチェの女論は、ショーペンハウアー先生のモノより遥かにマシだよ(※同じ穴の貉だって? ※御前が其う思うんなら其うなんじゃねぇの? ※挑発)。
…体がデカイだけのメスガキは、滅茶苦茶リアルで存在する!!!!(※死んだ目)。
…母親、あの女には流石に勝てんわ。あばよ(※負け惜しみ)。
…トキ兄さんは、『バケモノ』だった……?(※…初めから人外だった……?)。
…確かに、結婚した従姉妹達には、基本問題性しか無い奴しか居なかったわ(※…下手したら、池沼スレスレレベルのも居たわ ※真顔)。
…カードダス、罦傑より鴻元の方が力量高いんだね(…意外! …因みに、罦傑:450 鴻元:550 おまけ・嶺厳:580 泊鳳:470)。
…罦傑の方が、幅広く、コキ使える(…割と出来る事は多い から、如何やらワイは勘違いして居た様だ(此れじゃ益々空母やな)。
…天津風と秋津洲、確かに擬装と大艇ちゃん抜きでは、パッと見では分からないかも!(※結構色々似せて過ぎ)。
…罦傑は(※蛇が本体なので)、本体矢鱈弱い説(※よくある説)。
…頭無惨様「…何処がだ(切実)。」>全体の0.1%くらいは異常者いるのが健全な社会なんだろう。 >https://twitter.com/nekokumicho/status/1304071915057762311
…こいつ様節操無さ過ぎですよね(※自虐ネタ)。
…トキ兄さんは異常者(※確信)。
…ケンとか言う、モヒカン狩りの異常者ww(※頭無惨様並感)。
…修行がww足りないww(…待てよ?素で此んな事が出来るオタクの方が普通に異常なのでは? ※マジレス)>https://twitter.com/dsatouarai/status/1304311079825145856
…ワイだったら、其んな基地外ストーカー怖過ぎ嫌過ぎるし、先ず褒められるとか別に如何でも良いし、マシュマロ外すわ(※…此う言う人も居ます)。…ああ言う、基地外ストーカーを異常に思わない方が如何かしてる(※…承認要求は、人生を簡単に破滅させる)。 >世界の片隅にあるマシュマロで、ほぼ日ペース、しかも、長文で、推し作者に、愛を伝え続けたケダモノ
…自分で、安倍ちゃんの嫌いな所語れば分かるよ☆(…つーか、人の親で足りてない奴多過ぎかよ……)>憎悪に至った経緯
…なので、モリキングでは、ハードボイルド極道になってんだよね(…しかも、ちゃんと男)。>オオムラサキ
…黒壌くん(とあるGの擬人化)も其うだけど、何と言うナイス擬人化……流石、青春兵器NO,1の作者だ……(称賛)。
…其れと比べると、現パロ腐は方向性が逆だよね(※…なので、あの人、現パロ厨腐みたいな趣向の学者やなって思う)。>…フィクション作家は、何故『現代逃避』モノを愛するのか? >https://twitter.com/macchiMC72/status/1304596889354907653
【※…以下、J本誌ネタバレ注意】
…ナナミンェ……拙作でも、なるべく美味しい所あげてたのにね……(…本当、呪術円満終了と打ち切りの中間位置路線に入ってんな 本当の地獄はこれからだ…… 某野菜王族並感
…ナナミン推し達、強く生きるのだ(※応援)!
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benediktine · 4 years
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【漁業は世界の成長産業、日本は宝の持ち腐れ 改革先送りで貧しくなる食卓】 - 日経ビジネス電子版 : https://business.nikkei.com/atcl/report/16/082400157/082400001/ : https://archive.is/MnwX9 : https://archive.is/Jn1JH : https://archive.is/2JCBN 日経ビジネス 2017年8月28日
 今年も本格的なサンマ漁のシーズンに入りました。日本の秋に欠かせない風物詩ですが、水産庁によると、今年の漁獲量は過去最低だった前年を下回る見通しです。不漁となるのは3年連続で、資源量の減少などが理由に挙げられています。
 寿司ネタの代表であるマグロ。資源の減少が懸念される太平洋クロマグロは、北海道や宮城県など25道府県で幼魚(30キログラム未満)の漁獲枠が約15%削減になりました。前漁期(昨年7月~6月)の沿岸での漁獲枠を超過したためです。
 なじみの魚に関してこんなニュースが続いています。どんどん魚が減って漁業が縮小しているような印象も受けますが、実は世界的に見ると漁業は成長産業なのです。なぜ日本では暗い話題が多いのでしょうか。日経ビジネスは8月28日号で「独り負けニッポン漁業」と題した特集を掲載し、その真相を探りました。日経ビジネスオンラインでは連動企画として、様々な角度から日本の漁業を取り上げます。
 {{ 図版 1 : (写真:読売新聞/アフロ) }}
■《居酒屋でひっそりと姿を消す魚メニュー》
 「居酒屋のほっけが小さくなったなあ」
 「スーパーのサンマが高いのよ」
 こんな会話をしたことはありませんか。今後、別の魚でも似たようなことが増えるかもしれません。すでに魚介類を看板メニューにする外食産業の関係者は日々頭を悩ませています。
 海鮮居酒屋チェーン「さくら水産」のランチタイムの一番人気、日替わり定食。税込み500円のワンコインランチからひっそりと消えたメニューがあります。「鮭の塩こうじ焼き」「しまほっけの塩焼き」……。漁獲量の減少や輸入価格の上昇でワンコインでは採算が合わなくなってきたからです。
 スーパーでも事情は同じ。仕入れ価格が上がり、売り場に並べにくい魚が増えているという証言もあります。お店としては当然、いろんな商品を提供できる方がいいのですが、姿を消す魚が出てきています。
 1人当たりの肉の消費が増える一方、魚介類は摂取量の減少が続いています。農林水産省の統計によると、漁業・養殖業の国内生産量はピーク時の4割以下に落ち込んでいます。指摘されてきた魚離れには歯止めがかかっていません。
 {{ 図版 2 : ピーク 1984年 1282万トン 2015年 469万トン 国内生産量はピーク時の4割以下 ●漁業・養殖業の国内生産量の推移 出所:農林水産省 }}
 グラフからは日本の漁業・養殖業の国内生産がピーク時の4割以下にまで落ち込んだことが分かります。日本の漁業が衰退した理由の一つとしてあげられるのが、いわゆる200カイリ問題です。1977年頃、それぞれの国の海岸から200カイリ(約370㎞)は、外国船が自由に漁ができなくなるというルールができました。これにより世界の好漁場を失い、大きな打撃を受けたわけです。
≫――――――≪
 日本の漁業は右肩下がりが続きますが、世界的に見れば漁業は成長産業なのです。次のグラフを見てください。
 {{ 図版 3 : 漁業は世界的な成長産業だが…… 注:2013~15年平均との比較 出所:2点とも国連食糧農業機関(FAO) CONTENTS }}
 世界の漁業生産量は伸び続けています。2000年におよそ1.3億トンだった生産量は、2025年には2億トンに迫る水準になると予想されています。
 主な国・地域別に今後の成長予想を見てみるとどうなるでしょうか。2013~15年平均と2025年(予想)を比較すると、漁獲量を急速に増やしている中国のほかインド、ノルウェーなどが軒並み大きく成長する一方、日本はマイナスです。もともと漁業の規模が大きかったことを差し引いても、成長産業の中で独り負け状態になっているのは寂しい限りです。
 苦境に陥っているのは、海外勢の進出による漁獲競争の激化や地球温暖化による影響、日本人の魚離れなど様々な要因が指摘されています。しかし、時代の先を見越した改革に踏み出せなかったことも影響しているのです。
◆《船は小さく老朽化も課題》
 {{ 図版 4 : ●漁船数と漁業者数の比較 出所:「2016年度水産白書」のデータを基に作成     :: 漁船の平均トン数 :: 日本 4トン :: 韓国 9トン :: ノルウェー 66トン :: アイルランド 153トン ::     }}  {{ 図版 5 : ●漁業者の所有船の船齢 注:指定漁業許可船が対象。指定漁業のうち、大型捕鯨業、小型捕鯨業および母船式捕鯨業を除く。大中型巻き網漁業は、探索船、灯船、運搬船および海外まき網船を含む 出所:水産庁調べ     :: 0~9年 17.6% :: 10~19年 22.9% :: 20~29年 41.3% :: 30年以上 18.2% ::     }}
■《漁船1隻の規模、ノルウェーの10分の1以下》
 わかりやすい例が漁船でしょうか。2016年度の水産白書によると、日本には約15万隻の漁船がありますが、平均トン数は4トン。韓国に比べると半分以下、ノルウェーに比べると10分の1以下です。もちろん、遠くに出かける漁業が多い国と日本のように近場に漁場がある国とを単純比較はできませんが、漁獲に必要な「設備投資」が進んでいるとは言いにくいでしょう。
 それは所有船の船齢にも現れています。水産庁の調べでは 日本の漁船は約6割が20年以上となります。今回の連載で8月31日公開を予定している「ジム付き漁船、ノルウェーの贅沢な漁師たち」で紹介するように、世界では最新鋭の漁船を投入して競争力を高める動きがありますが、日本は事業者当たりの規模の小さいのでなかなか大型投資に踏み切れません。
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 そうこうするうちに漁業でも担い手の高齢化が進んでいます。このままでは後継者不足もあいまって、改革の意欲が失われてしまいかねません。
◆《高齢化と収入減が進む》
 {{ 図版 6 : ●漁業就業者数と高齢化率 出所:農林水産省「漁業センサス」(2013年まで)および「漁業就業動向調査」(2014~16年) }}  {{ 図版 7 : ●沿岸漁船漁業者の売り上げ比較 注:沿岸漁船漁業とは、船外機付漁船および10トン未満の動力漁船を使用した漁業 出所:農林水産省「漁業センサス」 }}
 すでに漁業就業者の4割近くが65歳以上になっています。収入も減少傾向にあり、先細りが続いています。
■《世界6位の海洋大国なのに……》
 国土の四方を海に囲まれ、領海および排他的経済水域を合わせた面積は世界第6位で、豊富な漁場を持つ「海洋大国」の日本。世界のトレンドが魚食に向かっているのは本来、大きなチャンスのはずです。しかし、成長市場を取り込めていないどころか、自国の需要を賄うことにすら四苦八苦しているのが現実です。
 ここまでニッポン漁業の現状と課題を簡単に説明してきましたが、「外国勢の台頭で国際競争力が低下している」「改革の必要性が指摘されつつも先送りでゆるやかな衰退が続く」というのは、ほかの産業でも共通する点があるのではないでしょうか。
 明日からは、様々な角度で日本の漁業の課題、改革に向かう動きなどを取り上げていきます。食卓で刺身をつまみながら、あるいは旬のサンマを楽しみながら、みなさんが関係する業界でも生かせることがないか考えながら読んでいただければと思います。
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monqu1y · 3 years
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王様の自滅  自国を滅ぼす方法など
⦅操縦七術[韓非]から続く⦆
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〖国を滅ぼす王様の特徴〗 01_王様が宮殿や庭園の建築にうつつをぬかし、車や衣服珍品集めなどの道楽に凝って、国民から絞りあげては浪費する。   殷 ( いん ) の 紂 ( ちゅう ) 王が象牙の箸をつくらせた。   箕子 ( きし ) (紂王の叔父。狂ったふりをして身を守った)は恐怖を覚えた。  彼はこう思ったのだ。  象牙の箸となれば、汁のうつわも素焼きの土器ではすまなくなる。  きっと 犀 ( さい ) の 角 ( つの ) か玉でできた豪華なうつわを使うだろう。  玉のうつわに象牙の箸ということになれば、豆や豆の葉という質素な料理ではすまなくなる。  きっと 旄牛 ( からうし ) ・象・ 豹 ( ひょう ) の胎児などの美味珍味とならざるをえない。  こうした美味珍味を食べるとなれば、着るもの住む家も普段着や 茅 ( かや ) 葺きではすまなくなる。  きっと 錦 ( にしき ) を重ね、広大な屋敷をつくるだろう。  こうして釣り合いを求めていけば、いつしか天下の富を根こそぎつぎ込んでも、まだ不足する。  ほんの小さな兆候候をも見逃さず、始まりを見て結末を察知するのが聖人だ。  箕子が象牙の箸を見て恐怖を覚えたのは、その段階で、天下全体ものを使っても不足する結果を見抜いたからだ。   殷 ( いん ) の 紂 ( ちゅう ) 王は、部屋の窓を閉ざして明かりを灯し、百二十日を一夜として「酒池肉林」の宴を続けたために、日がわからなくなってしまった。  「さて今日は何日だったかな」と、お側の者にたずねたが、誰一人としてわからない。  そこで、 箕子 ( きし ) のもとに使いを出して、たずねさせた。  箕子は家臣にこう言った。  「天下の 主 ( あるじ ) となりながら、国中誰も日がわからないという。  これでは天下は保てまい。国中誰もが知らないことを、わたし一人が知っていたとなれば、わが身があぶない」。  そして、自分も酔ってわからない、と使者に答えたという。  桓公が管仲に尋ねた。「富には限界があるのだろうか」。  「水の限界は水のなくなるところ、富の限界は人がそれに満足したところです。ところが、人間は満足することができず、富をむさぼって、ついには身を滅ぼしてしまいます。これが富の限界でしょうか」。   紹績昧 ( しょうせきまい ) は酒に酔って寝てしまい、皮の上着をなくした。   宋 ( そう ) 王が不思議に思って、彼に聞いた。  「酒に酔ったくらいで皮の上着までなくすものか」。  「 夏 ( か ) の 桀 ( けつ ) 王は酒で天下をなくしました。それゆえ 康誥 ( こうこう ) (書経の一篇)には『酒を 彛 ( い ) するなかれ』とあるのです。酒を彛するとは、酒を常にするという意味です。酒を常飲すれば、天子は天下を失い、庶民も自分の命を失うのです」。  昔、 弥子瑕 ( びしか ) という美少年が、 衛 ( えい ) の 霊 ( れい ) 公の寵愛を受けていた。  衛の法律では、許しなく王様の車に乗った者は、足切りの刑に処せられる。  ところが、弥子瑕は夜中に母が急病だという知らせを受け、君命といつわって王様の車を使った。  それを聞いた霊公は、罪を問うどころかほめるのだった。  「親孝行なことではないか。母を思うあまり、自分が足を切られるのさえ忘れるとは」。  また、ある日、霊公のお供をして果樹園に散歩に行ったとき、弥子瑕が桃を食べたところ、あまりにおいしいので、半分残して霊公に薦めた。  霊公は、「王様思いではないか。自分が食べるのを忘れてまで、わしに食べさせてくれるとは」。  だが、やがて弥子瑕の容色が衰えて、霊公の寵愛がうすれてきた。  すると、霊公は、弥子瑕が前にしたことに腹を立てて、「こいつは、嘘までついてわしの車を使ったことがある。またいつぞやは、わしに食いかけの桃を食わせおった」。 02_吉だ凶だと日柄を気にし、 鬼神 ( きしん ) をありがたがり、占いの結果を真に受けて、何かといえば、 祭祀 ( さいし ) をやりたがる。亀の甲に穴を開けて火であぶったり、 筮竹 ( ぜいちく ) を数えて占った結果に従って戦をした 燕 ( えん ) や 趙 ( ちょう ) は、負けることが多かった。 03_限りない欲張りで、利益とみれば見さかいなく飛びつく。   宋 ( そう ) の国に 監止子 ( かんしし ) という金持ちの商人がいた。  あるとき、他の商人と時価百金の 粗玉 ( あらたま ) を 競 ( せ ) りあったことがある。  監止子はまちがったふりをして粗玉を落とし、傷をつけた。  百金の弁償をして引き取り、きれいに傷を磨き落として売ったところ、千金あまりの大金を得た。  一般に、何かを行って失敗しても、何もやらなかったよりもましな場合がある。  監止子のように、タイミングよく責任を引き受けた場合がそれだ。 04_法に基づかず、無原則に刑罰を加える。空理空論に耳を傾け、現実に役立つかどうかを考えない。外見を飾り立てて、実用を無視する。 05_独善的で協調性がなく、 諫言 ( かんげん ) されればむきになる。国家全体のことを考えずに軽率に動き、しかも自信満々だ。  食客のなかに、不老長寿法を教えるという者がいたので、 燕 ( えん ) 王は家来のひとりに習わせたが、その家来がまだ習い終えないうちに、食客は死んでしまった。燕王は怒って家来を殺した。食客が自分を騙したのに気づかず、習い方が遅いといって死刑にしたのだ。道理に合わないことを信じて罪のない家来を殺すとは、また浅はかなことであった。  誰でも一番大切なのは自分の体のはずだ。その自分が死を免れないでいて、他人の燕王を不老長寿にすることなどできるはずがない。 06_王様がずぼらで、およそ反省ということをせず、どんなに国が乱れていても自信満々で、自国の経済力を考えずに、隣の敵国を組みしやすしとする。 07_国が弱小であるのに、尊大にふるまい、強国を警戒しない。国境を接している大国をバカにして、礼をもって対しようとしない。  昔、晋の公子 重耳 ( ちょうじ ) が亡命し、曹に立ち寄った。  曹の王様は服をはだけさせて重耳を見せ物にした。  そのとき 釐負羈 ( きふき ) と 叔瞻 ( しゅくせん ) が曹の王様に付き添っていた。  叔瞻は曹の王様に申した。私、晋の公子を観ましたところ、ただ者ではございません。王様はこれに無礼をなさいました。彼がもし時を得て国に帰り、挙兵すれば、恐らく曹の害となりましょう。王様はこれを殺してしまうのがよいでしょう、と。  しかし曹の王様は聴き入れなかった。  釐負羈は帰って浮かぬ顔をしている。  妻が問うた。あなたは外から帰ってきて浮かぬ顔をしておられるのは何故ですか、と。  釐負羈は言った。私はこう聞いている。良いことには 与 ( あずか ) らず、悪いことには連なる、と。今日我が君は晋の公子を招き、無礼をはたらいた。私はそのとき付き添っていたので浮かぬ顔をしているのだ、と。  妻は言った。私が晋の公子を観るに、大国の主のようです。その左右の従者は大国の宰相のようです。それが今、窮乏して曹に立ち寄り、曹はこれに無礼をはたらきました。これがもし国に帰ることになりますと、必ずや無礼を 誅 ( ちゅう ) しましょう。曹はその手始めとなりましょう。あなたはどうぞ今のうちに 誼 ( よしみ ) を通じておきなさいませ、と。  釐負羈は言った。よろしい、と。  黄金を壺に盛り、食べ物で蓋し、玉壁をその上にのせ、夜、使者を公子に遣いさせた。  公子重耳は使者に会い、再拝の礼で食べ物を受け取り、玉壁は辞退した。  公子は曹から楚に入り、楚から秦に入った。  秦に入って三年、秦の 穆公 ( ぼくこう ) は群臣を集め 謀 ( はかりごと ) をして言った。昔、晋の献公と私が仲良く交流していたことは諸侯のうちで知らぬ者はいない。献公は不幸にも群臣から離れて亡くなり、十年が経つ。その 世嗣 ( よつ ) ぎは出来が良くない。私は心配だ。このままでは晋の 宗廟 ( そうびょう ) は清く保たれず、 社稷 ( しゃしょく ) の供物が絶えはせぬかと。このような状態にもかかわらず晋の足元を固めてやらないのは、献公との交流してきた道に反する。私は重耳を助けて晋に入れようと思うが、どうであろうか、と。  群臣は皆言った。よろしゅうございます、と。  穆公はそこで挙兵した。  革鎧の戦車五百乗、騎兵二千、歩兵五万、重耳を助けて晋へ入れ、立てて晋君にした。  重耳は即位して三年後、挙兵して曹を 伐 ( う ) ちに向かった。  そこで重耳は使者を送って曹の君主に告げさせた。叔瞻を城壁から懸け下ろして出せ、私が殺して処刑してやる、と。  また使者を送って釐負羈に告げさせた。我が軍勢が城に迫っている。私はあなたが礼に 背 ( そむ ) かなかったことを知っている。あなたの住まいに目印をたてておかれよ。私は命令して軍勢がそこを攻めぬようにさせよう、と。  曹の人々はこれを聞き、親戚をかき集めて釐負羈の住まいへ逃げ込む者が七百余家にも及んだ。 08_王様が臆病で信念が貫けない。すなわち予測するだけで決断ができず、やらなければと思うだけで手が下せない。   呉 ( ご ) 王の 闔廬 ( こうりょ ) が、 楚 ( そ ) の都の 郢 ( えい ) を攻め、三戦三勝した。  呉王は 伍子胥 ( ごししょ ) に意見を求めた。  「このぐらいで引き揚げてよいだろう」。  「いけません。人を 溺死 ( できし ) させようとするとき、一飲みさせたところで、止めたのでは、溺死するわけがありません。手をゆるめず押さえつけ、このさい、徹底的に沈めてしまうべきです」。 09_都合が悪ければ理屈をつけて法をまげ、何かにつけ公事に私情をはさむ。その結果は 朝令暮改 ( ちょうれいぼかい ) 、次から次へと新しい法令が発せられる。   斉 ( せい ) が 魯 ( ろ ) を破ったとき、魯の宝である 讒 ( ざん ) という 鼎 ( かなえ ) を要求した。  魯はニセ物を持って行かせたが、見破られてしまった。  「ニセ物ではないか」。  「いや本物です」。  「それでは貴国の 楽正子春 ( がくせいししゅん ) ( 曾子 ( そうし ) の弟子)を連れて来てもらいたい。彼なら信用できる」。  魯王は楽正子春にうまくごまかしてくれるように頼んだ。  楽正子春は魯王に尋ねた。  「なぜ本物を持って行かせなかったのです」。  「本物は惜しいからさ」。  「わたしも自分の信用を惜しみます」。 10_もともと地の利に恵まれないうえに、城郭も欠陥だらけ、物資の蓄えはなく、生産力も低い。すなわち長期戦に耐える力がないのに、軽挙妄動して戦いをしかける。 11_視野が狭くてせっかちで、 些細 ( ささい ) なことで簡単に行動を起こし、すぐにカッとなって前後の見境がつかなくなる。 12_怒りっぽいうえに戦好きで、本務たる農政に力をいれず、何かといえば武力を発動する。  大臣を侮辱してプライドを傷つける。庶民に厳しい刑罰を加えて、過酷な使役に駆り立てる。これを当然のこととして繰り返せば、謀反を 企 ( たくら ) むものが、必ず現れる。 13_王様が大利を目前にして傍観するばかり、また禍いを予測していながら対策を立てようとしない。そして防衛ということにまったく無知でありながら、「仁義」によって自己の行為を飾り立てようとする。 14_雄弁だが「法」という筋が通っていない。聡明ではあるが、肝腎の「術」を心得ていない。能力そのものはあるのだが、「法」によって事を運ぼうとしない。 〖本心を隠す〗  王様が心の 裡 ( うち ) を見透かされると、 家来 《 けらい 》 たちに付け込まれる。   楚 ( そ ) の霊王が細い腰の美人を好むと、 楚 ( そ ) の都には絶食して痩せようとする者があとをたたなかった。   臥薪嘗胆 ( がしんしょうたん ) の故事で有名な越王 勾践 ( こうせん ) は、勇者を好んだ。越の決死隊は、呉の陣の前で一斉に自分の首を 刎 ( は ) ねた。呉軍の兵卒は、あっけにとられ、その隙に奇襲攻撃をかけられて総崩れとなった。   斉 ( せい ) の桓公は好色で嫉妬深かった。 豎刁 ( じゅちょう ) は、自ら去勢手術を受けて、後宮の 宦官 ( かんがん ) になり、信頼を得て大臣に任命された後、謀反を起こして桓公を部屋に閉じ込め飢え死にさせた。  桓公は食い道楽でもあった。料理人の 易牙 ( えきが ) は、自分の長男を蒸し焼きにして差し出した。易牙も、豎刁の謀反に参加した。   燕 ( えん ) の 子噲 ( しかい ) は人格者を好むと思われていた。大臣の 子之 ( しし ) は、国を譲られても受けないと公言して信頼を得、政治を任されて実権を奪った。伝説時代に、 堯 ( ぎょう ) という天子がいて、 許由 ( きょゆう ) という隠者に天下をゆずろうとしたが、許由は受けず、耳が穢れたといって耳を洗ったという。子噲は子之が辞退するのを確かめておいて、堯のまねをしたのに、子之の方が上手だった。  王様が好悪を見せなければ、家来は素を表わし、王様はだまされない。   堂谿 ( どうけい ) 公が、 韓 ( かん ) の 昭 ( しょう ) 侯に尋ねた。  「 価 ( あたい ) 千金の 玉杯 ( ぎょくはい ) があったとする。もし底がなかったとしたら、これに水を入れることができるでしょうか」。  「だめだ」。  「では素焼きの器があるとする。これには底があって漏らないとしたら、酒をつぐことができるでしょうか」。  「できる」。  そこで堂谿公は言うのだった。  「素焼きの器はとるにたらぬ粗末なものですが、漏りさえしなければ酒をつぐこともできます。価千金の玉杯はまことに貴重なものですが、底がなくて漏るとしたら、水さえ入れることができません。まして、これに飲み物を入れる者があるでしょうか。家来の言葉を他人に漏らす王様は、ちょうど底の抜けた玉杯のようなものです。いくら王様に知恵があっても術をつくすことができないのは、人に漏らしてしまうためです」。  それからというもの昭侯は、大きな計画を考えているときには、必ずひとりで寝た。  寝言を聞かれて、他人に計画が漏れることをおそれたのだ。  斉国の正室が亡くなったとき、大臣の 薛 ( せつ ) は、 威 ( い ) 王の意中の人を新しい正室に 推薦 ( すいせん ) しようと考えた。薛は、玉の耳飾り九組に特に美しい耳飾りを一つ加え十組にして王に献上した。翌日、薛は、特に美しい耳飾りをしている側室を確認して王に推薦した。 〖信ずる者は 騙 ( だま ) される〗  王様が妻を信じたら、腹黒い家来は王様の妻を利用して私欲をとげようとする。   優施 ( ゆうし ) という役者は、 晋 ( しん ) の 献 ( けん ) 公の愛妾 麗姫 ( りき ) に取り入り、世継ぎの 申生 ( しんせい ) を殺して、麗姫の子 奚斉 ( けいせい ) を擁立した。  王様が我が子を盲信すると、腹黒い家来は王様の子を利用して私欲をとげようとする。  趙の武霊王(在位 前325年~299年)は 胡服騎射 ( こふくきしゃ ) (騎馬民族の戦法)をいち早くとりいれ、趙を軍事的に発展させたが、寵愛した恵后のために後継問題の処理を誤った。太子に決まっていた長子 章 ( しょう ) を廃嫡して、恵后の子 何 ( か ) (恵文王)に王位を譲り、自分は 主父 ( しゅほ ) と称して院政をしいたが、恵后の死後、廃嫡した長子 章 ( しょう ) の処遇に迷い内乱を起こさせてしまった。主父も、 沙丘 ( さきゅう ) の別宮で三箇月包囲されて餓死した。そのときの包囲軍の指揮官は 李兌 ( りたい ) だった。  妻子でさえ裏切ることがあるのに、他人である家来を信じたら、 悲惨 ( ひさん ) な結果が待っているかもしれないことを知らなければならない。  王様の世継ぎが立てられたら、妻は、我が子の即位を待ち望むもの。  男は五十になっても色好みはやまないのに、女性は三十になれば容色は衰える。  衰えた容色で色好みの夫に仕えれば、疎まれ 貶 ( さげす ) まれるようになり、「これでは我が子は、あとを継げないのではないか」と、妻は疑う。我が子が王様の座につけば、何でも命令できるし、嫌なことも禁止できる。男女の楽しみは、夫の死後も以前にも増して楽しめる。大国を思いのままに動かしても、誰からも文句は出ない。  毒を盛ったり、闇打ちをしたりのお家騒動が尽きないのも、こういうところに原因がある。   桃佐春秋 ( とうさしゅんじゅう ) には、「まともな死に方をする王様は半数に満たない」と書かれている。   魏 ( ぎ ) 王が 楚 ( そ ) 王にひとりの美女を贈った。   楚 ( そ ) 王はこの美女がすっかり気に入った。   楚 ( そ ) 王の側室 鄭袖 ( ていしゅう ) は王がこの美女を可愛がるのを見て、王が可愛がる以上に自分も可愛がり、衣裳でも何でも彼女の欲しがるままに与えていた。  王はそれを見て言った。  「 鄭袖 《 ていしゅう 》 はわたしがあの女を可愛がるのを知って、わたし以上に可愛がってやっている。まるで親孝行な子が親をおもい、忠臣が王に仕えるようではないか」。  …「王様は自分が嫉妬していないと信じている。これでよし」と思った 鄭袖 《 ていしゅう 》 は美女に「王様は女性が手で口を覆う仕草が好きだから、王様に近づくときは手で口を覆うようにしなさい」と教えた。美女はその話を信じ、始めて王様とのお目見えする際にさっそくその仕草を実行する。事情を知らない王様がその理由を周囲に尋ねると、鄭袖が「あの女は王様の匂いを嫌って手で鼻を覆っているのです。」とウソを付いた。王様は、激怒し、美女の鼻を削ぐよう命じた。 〖人材活用〗   楚 ( そ ) が 陳 ( ちん ) を攻めたとき、 呉 ( ご ) は陳を助けた。   楚 ( そ ) ・ 呉 ( ご ) 両軍は三十里をおいて 対峙 ( たいじ ) した。  ある夜、十日も降り続いた雨がやみ、星が見えた。   楚 ( そ ) の 左史 ( さし ) の 倚相 ( いしょう ) は将軍の 子期 ( しき ) に言った。  「十日の雨のあいだに、呉軍は準備をととのえたはずです。きっと攻めてくるにちがいありません。備えた方がよろしいでしょう」。  そこで、 楚 ( そ ) 軍は、陣形をととのえたが、はたして、準備が終わるか終わらないうちに、呉軍がやって来た。  しかし、 楚 ( そ ) 軍に備えがあるのを見ると、戦わずして引き返した。  左史は言った。  「呉軍は往復で六十里歩かなければなりません。帰れば疲れて将軍は休む、兵士は食事をするはずです。一方わが方は三十里ですみます。すぐ攻めれば勝てましょう」。   楚 ( そ ) 軍は呉軍を追いかけ、これを破った。  孟嘗君率いる斉・魏・韓の連合軍が函谷関に攻めてきたとき、秦の昭襄王は大臣に「三国の兵が秦に深く攻め込んでいる。河東郡の数県を与えて和睦しようと思うが、どうか」と尋ねた。  大臣は、「河東郡の数県を与えるのは、大きな損失です。王子様とご相談なさってはいかがでしょうか?」と答えた。  王様から相談された王子は、「和睦してもしなくても、後悔は避けられません。…和睦したら、『三国はもともと引き上げようとしていたのに、むざむざ三城もただでやってしまった』と、後悔するでしょう。…和睦しなかったら、 韓 《 かん 》 に集結した三国軍に大損害を与えられ、『しまった、三城をやらなかったばかりに、こんなことになってしまった』と、後悔するでしょう。」と答えた。  昭襄王は、「後悔するのなら、三つの城を失って後悔する方が、国が危険な状態になって後悔するより余程マシだ。」と考え、和睦を決めた。   管仲 ( かんちゅう ) と 鮑叔 ( ほうしゅく ) が相談をした。  「このご乱行では 斉 ( せい ) の 御�� ( みよ ) も変わるにちがいない。斉の公子のなかで、将来性のあるのは 糾 ( きゅう ) さまか、 小白 ( しょうはく ) さまだ。この二人にわれわれは一人ずつ仕え、先に出世した者が他を引き立てることにしよう」。  こうして管仲は糾に、鮑叔は小白に仕えた。  はたして斉は混乱状態におちいり、王様が殺された。  そしてまず小白が亡命先から帰国して王様の座についた。  管仲は糾とともに 魯 ( ろ ) に逃れていたが、魯の人につかまって小白に引き渡されたが、鮑叔の口添えによって宰相になることができた。 〖王様への意見の出しかた〗  [説得]は、相手の心を正確に見ぬき、自分の意見をそこに合わせることが必要。知識や弁舌だけでは不十分。  名声の高さを求める相手に、利を得る術を説けば、下劣で卑しい奴と思われ、遠ざけられる。利を求める相手に、名声の高まる術を説けば、気配りできず現実に疎い者と思われる。  名声を大切にしているように見せかけながら、内心では利を求めている相手に、名声の高まる術を説けば、得心した様子を見せられながら、実際には疎んじられるだろう。逆に利を得る術を説けば、得心させても、用いられることはない。 01_王様が自分の利益を満たそうとしているときには、国法を述べてそれを強制する。それでも欲望を捨て切れないときは、欲望に理屈をつけてやる。実行に移せない道義には、とやかく言わないでおく。 02_理想が高すぎて非現実的なときは、理想の欠点をあげ、実行しない。それは難しいでしょうなどと、ケチをつけてはならない。 03_知識・見識に自信もってる相手には、同類の別の事例を挙げて下地を準備しておき、相手が自ら選ぶように仕向けて、そしらぬ顔をする。 04_他国と友好関係を保つように説得するには、立派な名目を上げてやり、それとなく自分の利益にもなることを示す。 05_国の害になることを分からせるには、道義に反しているとはっきり言い、自分の損にもなると分からせる。 06_直接相手を誉めるよりは、相手と同じ事をしているものをほめ、他の事で王様の計画と同じものがあれば、そのことを議論で取り上げた方が効果がある。 07_王様と同じ失敗をした者は、たいした過失ではないと言って弁護しておく。相手がよい計画だと思っているのに、悪いところをあげつらって追いつめてはいけない。 08_長い月日を経て、王様の信任も厚くなり、立ち入った策を奏上しても疑われず、王様と言い争っても罰せられなくなったならば、堂々と利害を判断して述べ、自分の意見を実現化して事の是非をずばりと述べることを身上とする。こうして王様と対等の関係を保てるようになれば、これこそが献策の最上のものとなる。 〖 和氏 《 かし 》 の 璧 ( へき ) 〗  昔、 楚 ( そ ) の国に 和氏 ( かし ) という男がいた。  あるとき、彼は 楚 ( そ ) 山の山中で 粗玉 ( あらたま ) を見つけ、これを 厲 ( れい ) 王に献上した。  厲王は宝石師に鑑定させた。  「これは、ただの石でございます」。と宝石師は言った。  厲王は和氏をペテン師として足切りの刑を命じ、左足を切らせた。  厲王が死に、 武 ( ぶ ) 王が即位した。  すると、和氏はまた同じ粗玉を献上した。  武王は宝石師に鑑定させた。  「石でございます」。と宝石師が言った。  武王は和氏をペテン師として足切りの刑を命じ、右足を切らせた。  武王が死に、 文 ( ぶん ) 王が即位した。  今度は和氏は粗玉を抱き、 楚 ( そ ) 山のふもとで泣き続けるのだった。  三日三晩がたった。  涙は枯れはてて、眼に流れるものは血であった。  文王はそのことを聞くと、和氏のもとに人をやってわけを尋ねさせた。  「世の中に足切りの刑にあった者も多いが、どうしておまえは、そんなに悲しげに泣くのか」。  「わたくしは足を切られたことが悲しいのではありません。宝石が石ころだと言われ、正直者がペテン師だと言われた。それがわたくしは悲しいのです」。  文王は、宝石師にその粗玉を磨かせてみた。  はたしてそれは宝石であった。  その宝石は、彼の名をとって、「 和氏 ( かし ) の 璧 ( へき ) 」と呼ばれた。  宝石というものは、王様が喉から手が出るほど欲しがるものだ。  そして 和氏 ( かし ) が献上した 粗玉 ( あらたま ) が、もし宝石でなかったとしても、王様が何の損をするわけでもない。  それにもかかわらず、和氏は両足を切られてから、はじめてその粗玉が宝石であると認められたのだ。  王様が欲しがる宝石でさえ認められるのは、これほど困難なのだ。  ところが[法・術]となると、王様は「和氏の 璧 ( へき ) 」のようにこれを欲しがってはいない。  王様たちは、それほど熱心に家来や国民のかげの悪事を抑えようとはしていないのだ。  [法・術]を主張する者が、王様に殺されずにいるのは、彼がまだ[法・術]という粗玉を献上していないからにすぎない。  王様が「術」を使ったとしたら、大臣が政治を専断することも、側近が王様の威を借りることもなくなるだろう。  「法」が国に行きわたれば、流民の 類 ( たぐい ) は姿を消し、すべての国民は農耕に追いやられ、事あるときには戦場で生命の危険をおかすことになるだろう。  つまり[法・術]は、家来と国民にとっては、 禍 ( わざわい ) となるものだ。  したがって、王様が、大臣の反対と国民の非難を押しきって、[法・術]に耳を傾けようとするのでなければ、たとえ命を進言したとしても、[法・術]が王様に取り上げられる見込みはない。 〖使いこなせない者とは〗  もし人が衣服を着ることもなく、食事をとることもないのに、餓え凍えることがなく、また死もこわくないとすれば全て満ち足りており、お上に仕える気はとんとならないであろう。すると、王様によって支配されることを嫌う気持ちになる。そのような人物は、臣下として使いこなすことはできない。 〖小さな信用を重ねる〗   呉起 ( ごき ) は外出先で知人に出会い、食事に招いた。  知人は承知して、「のちほど伺うから、それまでお待ちいただきたい」。  「では、あなたがおいでになるまで、お待ちいたしましょう」、呉起はそう答えた。  その知人は日暮れになっても来なかった。呉起は食べずに待った。  そして、翌朝、知人を呼びにやり、彼が来てから食事した。  越王 勾践 ( こうせん ) が呉王 夫差 ( ふさ ) を攻め、 降伏 ( こうふく ) させた。  呉王夫差が謝罪して 赦 ( ゆる ) しを願った。  越の大臣たちは、越王勾践に、「天命が[越]を与えようとしたとき[呉]が受け取らなかったから、今、天命は[呉]を[越]に与えようとしているのです。天意に 背 ( そむ ) いてはなりません。」と言った。  呉の大臣は、越の大臣に手紙を送った。「すばしっこい兎が狩りつくされてしまうと、猟犬は煮て食べられる。敵国が滅びると、軍師は殺される。呉を赦して残せば、貴方はまだまだ仕事ができる。」  越の大臣は、これを読んで大きくため息をつきながら、「呉が滅べば私は用無しになるのか…」とつぶやいた。
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議長、副大統領、議員の皆さん、ファーストレディー、米国民の皆さん、我々は今夜、限りない可能性の瞬間に立ち会っている。新しい議会の始まりにあたり、私は全ての米国民のため、歴史的な大躍進を達成するため皆さんと協力する気持ちでここにいる。
 何百万もの米国民が今、この偉大なる議場に集まった我々を見ており、二つの政党としてではなく、一つの国家として統治することを望んでいる。
 私が今夜示す計画は、共和党の計画でも民主党の計画でもない。米国民の計画だ。
 我々の多くが中核となる同じ約束のために運動してきた。それは、米国の労働者のために米国の雇用を守り、公平な貿易を要求することだ。国のインフラ(社会基盤)を再建し、再活性化させることだ。保健医療と処方薬の価格を引き下げることだ。適法で近代的で安全な移民制度を作り上げることだ。米国の利益を第一にする外交政策を追求することだ。
 米国政治には新たな機会がある。それをつかみとる勇気さえあればいいのだ。勝利とは、自分の政党を勝たせることではない。国民のために勝つことだ。
 今年、米国の使命の荘厳さと米国人の誇りの力を確認する二つの大事な記念日を迎える。
 6月には、アイゼンハワー将軍が大いなる聖戦と呼んだ、連合国軍による欧州解放作戦の開始から75年を迎える。ノルマンディー上陸作戦の決行日の「Dデー」、つまり1944年6月6日、我々の文明を暴政から救うため1万5000人の米国の青年たちが空から、6万人以上が海から強襲した。
 そのときの信じられないほど素晴らしい英雄3人が今夜、我々と共にここにいる。ジョゼフ・レイリー1等兵、アービング・ロッカー2等軍曹、ハーマン・ゼイトチク軍曹だ。敬意を表したい。
 2019年に我々はまた、月面に米国旗を立てるため勇敢な若い飛行士たちが宇宙を約25万マイル飛んで以来50年となることを祝う。半世紀後(の今)、旗を立てたアポロ11号の宇宙飛行士の1人が(ここに)参加している。バズ・オルドリン氏だ。今年、米国の宇宙飛行士は米国のロケットで宇宙に戻る。
 米国は20世紀、自由を守り、中流階級のありようを一変させた。皆さんが本腰を入れれば、世界の中で米国と競争できるところはない。我々は今、大胆に勇気を持って米国の偉大な冒険の次の章に進まなくてはならない。21世紀にふさわしい新たな生活水準に一新しなければならない。すべての市民が素晴らしい生活の質をもう少しで手に入れられる。
 我々はかつてないほど地域を安全にし、家族を強固にし、文化を豊かにし、信仰を深めるとともに、中流階級をより大きく、より豊かにすることができる。
 そのために我々は復讐(ふくしゅう)や抵抗、報復の政治を拒絶し、協力と妥協、公益の限りない潜在力を追求するべきだ。
 我々は、何十年も続く政治的な行き詰まり状態を共に打開することができる。昔からの分断に橋をかけ、古い傷を癒やし、新しい連立を築き、素晴らしい米国の未来を切り開くことができる。決断は我々にかかっている。
 偉大さか停滞か、成果か抵抗か、未来か復讐か、途方もない進歩か無駄な破壊か、選ばなくてはならない。
 今夜、皆さんに偉大さを選択するよう求める。
 この2年間、私の政権は、何十年にもわたり両党の指導者が放置してきた問題に立ち向かうため、切迫感をもって歴史的なスピードで行動した。大統領選からたった2年余りで、我々は空前の好景気をもたらした。かつてないほどの好景気だ。530万の新規雇用を生み出した。製造業で60万の新規雇用を創ったのは特筆できる。誰もがそんなことはできないと言っていた。事実は、これはまだ始まりということだ。
 賃金はこの何十年で最速のペースで増え、私が身を挺(てい)して支援すると約束したブルーカラー労働者で一番伸びている。500万人近い米国人が低所得者向け食料品購入券「フードスタンプ」の支給対象から外れた。米国経済は私が就任した時に比べ、ほぼ2倍の速さで成長している。米国経済は、世界のどこと比べても圧倒的な差をつけて活況だといわれている。
 失業率は半世紀で最も低い。アフリカ系米国人、ヒスパニック系米国人、アジア系米国人の失業率も、史上最低水準だ。障害を持つ米国人の失業率も史上最も低い。歴史的に最多の1億5700万人が今、就労している。
 我々は就労世帯に大規模な減税を行い、児童扶養控除を倍にした。小規模の企業や牧場、家族経営の農場にかかる不動産税や相続税を実質的に廃止した。
 とても不人気だった医療保険制度オバマケアの加入義務違反に対する罰金を廃止した。重病患者が救命治療を受けられるようにした。未承認薬を使えるようにする法案を通過させた。
 私の政権はほかのどの政権が任期中に達成したよりも多くの規制撤廃を短期間で実現した。歴史的な減税と規制緩和の結果、多数の企業が米国に戻ってきている。
 米国でエネルギー革命を起こした。米国は今、世界一の石油と天然ガスの産出国だ。今や、約65年ぶりにエネルギーの純輸出国となる。
 24か月の急速な発展を経て、我々の経済は世界の羨望の的だ。軍は地球上で最強だ。米国は日々、勝利している。議員の皆さん、米国は強力である。我が国は活気にあふれ、経済はかつてないほど繁栄している。
 1日には、今年1月だけで雇用���30万4000人増えたとの発表があった。予想のほぼ2倍だった。米国で経済の奇跡が起きている。唯一それを止めるものがあるとしたら、おろかな戦争か政治、あるいは、ばかげた党派的な捜査だろう。
 平和と法律があるところには、戦争も捜査もあるはずがない。そんなことにはならないものだ。
 我々は国外の敵を打ち負かすため、国内で団結しなければならない。
 この新たな協力の時代は、連邦機関のポストにふさわしい高い能力を有する300人以上の候補者の指名承認で幕を開けられる。手続きは今も上院で止まっており、中には何年も待たされている者がいる。上院は行動を怠っており、これでは候補者だけでなく国に対して不公正だ。
 今こそ超党派の行動が求められる。信じるか信じないかわからないが、それが可能であることを我々はすでに証明している。
 前の議会で、両党は力を合わせ、鎮痛剤オピオイド乱用問題に対処するため前例のない法案を通過させた。包括的な新農業法案、退役軍人省の改革を通した。さらに40年否決され続けた、退役軍人省の説明責任法案を可決した。これにより、素晴らしい退役軍人に対するひどい扱いをようやくなくせる。
 そしてほんの数週間前、両党は画期的な刑事司法改革に向けて団結した。昨年、私は友人からアリス・ジョンソンの話を聞いた。私は深く心を動かされた。
 1997年、アリスは麻薬を巡る違法行為で終身刑を言い渡された。初犯で暴力に手を染めたわけでもなかったのにだ。
 その後20年以上、彼女は刑務所の牧師となり、他の受刑者により良い道を選ぶよう励ましてきた。刑務所の受刑者に大きな影響を与えた。影響はそこだけにとどまらなかった。
 アリスのケースは、判決の不平等や不公平を明確に示している。この不公正を是正する必要がある。彼女はほぼ22年間受刑し、残りの人生を刑務所で過ごすことになっていた。
 私は6月、アリスを減刑した。彼女は今夜ここにいる。アリス、ありがとう。我々にはいつだって自身の運命を決める力があることを思い出させてくれた。
 アリスのすてきな家族が刑務所の門で彼女を迎え、抱きしめ、キスを交わし、泣き、笑うのを見たとき、私は正しいことをしたと実感した。
 アリスのような話をきっかけに、私の政権はファースト・ステップ法の成立に向けて、両党の議員と緊密に連携した。この法は、アフリカ系米国人の権利を誤ったやり方で過剰に損なってきた刑法を改革するものだ。
 ファースト・ステップ法は、暴力を伴わない犯罪者が生産的で法を順守する市民として社会復帰する機会を与える。今、国中の州が続こうとしている。米国は罪が償えることを信じる国だ。
 今夜、ここにテネシー州からマシュー・チャールズも来ている。1996年、マシューは30歳のとき、違法薬物販売などの罪で35年の刑を言い渡された。その後20年にわたり、30以上の聖書の講義を修了し、法務書記となり、受刑者たちの良き助言者となった。彼は今、ファースト・ステップ法のもとで出所した最初の元受刑者となった。ありがとう、マシュー。
 今、共和党と民主党は、差し迫った国家の危機に立ち向かうために再び力を合わせなければならない。
 国土を守り、南部国境を厳重に警備する予算案を通すために、議会には10日の期間が残っている。
 今こそ、米国が不法移民をなくし、密入国を手引きする冷酷な一味や組織、麻薬密売人や人身売買組織を壊滅するために取り組んでいることを、議会は世界に示すときだ。
 今こう話している最中も、中米からの移民集団の大規模な隊列が米国を目指している。メキシコの複数の市当局が、不法移民を地域から排除するために、バスやトラックに彼らを乗せ、我が国の国境警備が手薄な場所に送り込んでいるそうだ。このとんでもない猛襲に対処するため、南部国境に3750人の部隊派遣を命じたところだ。
 これは倫理問題だ。南部国境の無法状態は、すべての米国民の安全、治安、金銭的安定に対する脅威だ。我々は、国民の暮らしと雇用を守る入国管理体制を作り出す義務がある。
 これには、規則を守り、法令を順守している、今ここに暮らす何百万人もの移民に対する我々の責任も含まれる。合法な移民は、様々な形で我が国を豊かにし、社会を強くする。私は我々の国に、かつてないほど多くの人々に来てほしい。しかし、それは合法的でなければならない。
 不法移民ほど我が国の政治的、階級的な分断を明示する問題はない。豊かな政治家や献金者は、壁と門と警備に守られながら、国境の開放を求めている。一方で、米国の労働者たちは、雇用の減少、低賃金、教育の負担、社会保障の衰退といった大規模な不法移民の代償を払っている。
 不法移民への寛容は思いやりではない。現実は非常にひどいものだ。(米国を目指し)北上する女性の3人に1人が性的暴行を受けている。密売人たちは、我々の法律を悪用し、我々の国に入国するために移民の子供を人質として利用する。
 人身売買業者たちは、何千人もの少女や成人女性を米国に密入国させ、彼女らを売春に従事させるため、我々の通関施設間の広い地域をたくみに利用している。
 何万人もの善良な人々が、我々の暮らす街に国境を越えて流入した覚醒剤、ヘロイン、コカインなどの危険な薬物によって死んでいる。
 悪質なギャング組織「MS―13」が少なくとも20州で活動している。彼らのほとんどは南部国境を越えて入ってくる。ちょうど昨日、メンバーの一人がニューヨークの地下鉄ホームでの射殺容疑で拘束された。我々はこのようなギャングのメンバーを排除しているが、国境の安全が保証されるまで、彼らは逆流し続ける。
 年を追うごとに、犯罪的な不法外国人によって殺害される米国人は数え切れない。
 私は多くの素晴らしい「天使の母たち、父たち、家族ら」を知るようになった。誰も、彼らが耐えなければならなかったようなひどい心痛に苦し��べきではない。
 今夜ここに、デボラ・ビッセルが来ている。3週間前、デボラの両親ジェラルドとシャロンはネバダ州リノの自宅で強盗に入った不法な外国人に撃たれて亡くなった。2人は80歳代で、4人の子供と11人の孫、20人のひ孫がいた。ここには、その孫娘のヘザーとひ孫のマディソンも来ている。
 ほとんどの人はあなたたちの痛みを理解できない。ありがとう、ここにいてくれてありがとう。本当にありがとう。私は決して忘れないし、ジェラルドとシャロンのために、このようなことが二度と起こらないように闘う。
 危険な国境の管理を怠り、もうこれ以上、米国人の生命が奪われることがあってはならない。
 米移民・関税執行局(ICE)は、この2年間で、26万6000人の不法な外国人を拘束した。この中には、性犯罪にかかわった3万人や、殺人事件に関与した4000人が含まれる。
 こうした法執行の英雄の一人がここに来ている。ICE特別捜査官のエルビン・ヘルナンデスだ。エルビンと彼の家族はドミニカ共和国から合法的に米国に移住してきた。8歳の時、エルビンは父親に捜査官になりたいと言った。彼は今、国際的な性的人身売買を取り締まる捜査を指揮している。エルビンは言う。「もしこれらの若い少女たちが確実に正義を得られるならば、私は本当に自分の仕事をしたことになる」。彼と彼の同僚のおかげで、昨年、300人以上の女性らが恐怖から救われ、1500人以上の残虐な人身売買業者らが投獄された。
 我々はいつも、法執行に関わる勇敢な男女を支持する。私は今夜、ICEの英雄を滅ぼすことはないと誓おう。ありがとう。
 我が政権は、南部国境の危機を終わらせるため、良識ある提案を議会にしてきた。それは、人道支援や更なる法執行、入国時の薬物探知、子供の人身売買を可能にする抜け穴を封じること、国境の物理的な壁を含む。過去には、ここにいるほとんどの人が壁に賛成票を投じたが、壁は適切に建設されていない。私はそれを建設する。
 これはスマートで戦略的で向こうが見通せる鋼鉄の障壁であり、ただのコンクリート壁ではない。これは、国境警備隊によって必要性があると確認された場所に設置されるだろう。壁がつくられたところでは不法入国は激減すると国境警備隊は言うはずだ。
 サンディエゴ(カリフォルニア州)は、米国で最も多くの不法入国があった。サンディエゴ住民や政治指導者の要求に応じて、頑丈な壁が導入された。この頑丈な壁は不法入国をほぼ完全に収束させた。
 メキシコとの国境都市であるテキサス州エルパソは、かつて、米国内で凶悪犯罪率が最も高い都市の一つで、最も危険な都市の一つと考えられていた。今は強力な壁のおかげで、エルパソは最も安全な都市の一つになっている。端的に言えば、壁は機能し、壁は人命を救う。
 だから、協力し、歩み寄り、真に米国を安全にする取引を成立させよう。
 我々は国民の安全を守るために働いている。経済の回復を速いペースで進めなければならない。
 昨年に創出された新規雇用の58%を占めた女性たちほど、私たちの発展する経済から恩恵を受けた人々はいない。すべての国民は、これまで以上に多くの女性が働けることを誇りに思うだろう。女性に参政権を与える憲法修正が議会で可決されてからちょうど1世紀、これまでで最も多くの女性が議会で活躍している。素晴らしい。おめでとう。
 あらゆる場面で女性の活躍する機会を改善する取り組みの一環として、我々は途上国の女性の経済的自立に焦点を絞った政府初の事業も始める。
 驚異的な経済の成功を築くためには、最優先事項として、数十年にわたる悲惨な貿易政策を転換させることだ。
 我々は中国に対し、長年にわたって米国の産業を狙い、知的財産を盗んできた今、雇用と富を盗み取るのはもう終わりだと明確にしておきたい。
 我が国は最近、約2500億ドル(約27兆4000億円)の中国製品に関税を課した。財務省は今、中国から何十億ドルも受け取っている。しかし、我々を利用したと、中国を非難するつもりはない。私は、この茶番を許した我が国の過去の指導者と議員たちを非難する。私は習シー(近平ジンピン)国家主席をとても尊敬している。
 我々は今、中国との新しい貿易協定に取り組んでいる。しかしその新たな協定には、不公正な貿易慣行を終わらせ、慢性的な貿易赤字を減らし、米国の雇用を守るために、実質的で構造的な改革が含まれなければならない。
 もう一つの歴史的な貿易の大失敗は、北米自由貿易協定(NAFTA)として知られる大惨事だ。
 私はNAFTAによって夢を砕かれたミシガンやオハイオ、ペンシルベニア、インディアナ、ニューハンプシャー、さらに多くの州で男女に会った。何年もの間、政治家はより良い協定を交渉すると公約してきた。しかし、今まで誰も実行を試みなかった。
 我々の新しい「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」は、NAFTAに取って代わり、米国の労働者のために役割を果たすだろう。それによって、米国の製造業に雇用を取り戻し、米国の農業を拡大させ、知的財産を保護し、より多くの車に「メイド・イン・ザ・USA」の美しい四つの単語を誇らしげに刻印することを保証できる。
 私は今夜、相互貿易法を議会で通過させることを求めたい。他国が不当な関税を米国の製品に課したら、我々も彼らが売りたい同様の製品に全く同じ関税を課せるようにするためだ。
 両党は、米国のボロボロのインフラ再建という偉大な仕事のため団結できるはずだ。
 私は、議会がインフラ整備法案を通すことに意欲を持っているのを知っている。私は、未来の最先端産業のための投資を含めた、新しくて重要なインフラ投資を実行するための法整備で、あなたたちと一緒に働きたくてたまらない。これは選択の問題ではない。必要不可欠なものだ。
 私だけでなく、私たち全員にとって次の大きな優先事項は、医療と処方薬の費用を減らし、既往症のある患者を守ることだ。
 私の政権の努力の結果として、既に薬の価格は2018年に、46年間で最大の下げ幅を経験した。
 しかし、我々はもっとやらなければならない。米国人が、たいてい全く同じ場所で作られている全く同じ薬のために、他国の人より非常に高い金額を支払わされるのを受け入れることはできない。こんなことは間違っており不公平だ。力を合わせ速やかにやめさせたい。
 私は、医薬品開発費の負担が世界的に不公正になっている問題にようやく取り組み、米国の患者にとって公平性と価格の透明性を提供する法律を通すことを求めている。製薬会社や保険会社、病院に対し、競争を促し、価格を下げるために実際の価格を開示することも要求すべきだ。
 歴史上、米国の自由ほどの力を持って、人々の境遇を進歩させたものはほかにない。ここ数年で我々は、HIV(エイズウイルス)との闘いで目を見張る進展を遂げた。科学の飛躍的進歩は、遠い夢を手の届く距離に引き寄せた。私は、10年以内に米国でHIVの流行を確実になくすために必要な予算を民主党と共和党に求めたい。一緒に米国のエイズに打ち勝とう。
 今夜、私は全ての米国人が支持できる別の闘いに参加することも求めている。それは小児がんとの闘いだ。
 観客の中で今晩メラニアと一緒にいるのは、とても勇敢な10歳の女の子、グレイス・イラインだ。やあグレイス。彼女は4歳の時から誕生日のたびに、セントジュード小児研究病院への寄付を友人に呼びかけていた。彼女は自身が、患者になる日が来るとは思わなかった。それが起こった。昨年、グレイスは脳のがんと診断された。すぐに彼女は放射線治療を始めた。同時に地域に呼びかけ、がんとの闘いのために4万ドル以上を集めた。彼女が昨秋、治療を終えた際、「化学療法の最終日」というポスターを掲げると、彼女の医師や看護師が目に涙をためて喜んだ。ありがとうグレイス、あなたはこの部屋にいる全員の励みだ。
 多くの小児がんは新しい治療法が見つかっていない。私は、命を救う重要な研究のため5億ドルの予算を議会に求めている。
 共働きの親を助けるため、米国の子供たちのための公立学校選択制を通す時が来た。私は、有給の家族休暇を全国的に導入する計画を予算案に含める最初の大統領となることを誇りに思う。親がみな、生まれたばかりの子供と親密な絆を結べるようにするためだ。
 母親が幼児を抱く美しい映像と比べ、我々の国で最近流れた身も凍るような映像ほど、大きなコントラストを示すものはない。
 ニューヨークの議員は、生まれる寸前の赤ちゃんを中絶できるようにする法案の通過を喜んだ。こうした赤ちゃんは、生きていて感覚を備える美しい存在なのに、この世の愛も夢も決して触れられない。バージニア州の知事に至っては、その発言で、出産後に赤ちゃんを処刑する意図まで示した。
 全ての人の尊厳を守るため、私は、母親の胎内で子供が痛みを感じることができる妊娠後期の中絶を禁止する法案を通過させるよう求めている。
 無垢(むく)の生命を大事にする文化を共に築こう。根本の真実を再確認しよう。生まれた子もこれから生まれる子も、神の神聖な御姿をかたどったものだ。
 私の計画の最後は米国の安全保障についてだ。
 ここ2年以上、昨年は7000億ドル、今年は7160億ドルをかけて、我々は米軍を全面的に立て直すことに着手してきた。我々は他の国々に対して公平な分担をさせている。やっとだ。長年の間、米国は、北大西洋条約機構(NATO)の加盟国である友好国から非常に不公平に扱われてきた。しかし、この2、3年でNATOの同盟国による1000億ドルを超える防衛支出の増額を確保した。彼らができないと言っていたものだ。
 軍増強の一環として、米国は最新式のミサイル防衛システムを開発している。
 私の政権下では、米国の利益を促進したことを巡って我々が謝ることは決してない。
 例えば、数十年前、米国はロシアとミサイル能力を制限し、縮小する条約を締結した。我々が合意とルールを誠実に守る一方、ロシアは長年、繰り返し取り決めを破ってきた。それが、私が中距離核戦力(INF)全廃条約から正式に離脱することを発表した理由だ。それ以外に選択肢がない。
 おそらく我々は中国やその他を加えて異なる合意を交渉できる。もしできなければ、我々は、ほかのどの国もはるかにしのぐ費用をかけて技術革新を行い優位に立つ。
 大胆で新しい外交の一環として、我々は朝鮮半島での平和のために歴史的な努力を続けている。我々の人質は帰国した。核実験は止まった。ミサイル発射は15か月間、行われてこなかった。私が米国の大統領に選ばれていなかったら、私の考えでは、今まさに、北朝鮮と大規模戦争になっていただろう。多くの仕事が残っているが、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と私の関係はよいものだ。金委員長と私は2月27、28日にベトナムで再び会う。
 2週間前、米国は正統なベネズエラ政府および新しい大統領、フアン・グアイド氏を正式に承認した。ベネズエラの人々の高貴な自由の追求を支持する。マドゥロ政権の残忍性を非難する。彼らの社会主義政策は、南米で最も裕福だった国を、みじめな貧困と絶望の国に転落させたた。
 ここ米国で、我々の国に社会主義を採用しようという新たな要求を警戒している。米国は、政府の強制でも支配でも統制でもなく、自由と独立の上に築かれた。我々は生まれながらに自由で、自由であり続ける。今夜、米国が決して社会主義国にならないという決意を再確認する。
 我々が長年にわたって直面する試練の中でもとりわけ複雑なものの一つは、中東にある。
 我々の取り組みは、原則にのっとる現実主義に基づいている。何十年も進展がなかった信用できない理論ではない。だからこそ我々の政権は、イスラエルの真の首都を認め、誇りを持ってエルサレムに大使館を開いた。
 我々の勇敢な兵士は今、ほぼ19年間にわたって中東で戦ってきた。アフガニスタンとイラクでは7000人近い米国人の英雄が命をささげた。5万2000人以上の米国人が重傷を負った。我々は7兆ドル以上を中東での戦闘で費やしてきた。
 大統領候補として、私は新しい取り組みを声高に約束した。偉大な国は、終わりなき戦争はしない。
 私が就任した時、イスラム過激派組織「イスラム国」はイラクとシリアの2万平方マイル以上を支配していた。今日、血に飢えた怪物の支配から、我々は実質的に全領土を解放した。
 「イスラム国」の残党を壊滅するため、同盟国と連携して取り組んでいる今、我々のシリアにいる勇敢な戦士に温かい「お帰りなさい」を贈る時だ。
 私はまた、アフガニスタンで政治的解決を、可能なら実現させるための交渉を加速させてきた。敵対勢力もまた、交渉が行われていることをとてもうれしく思っている。我々の軍は比類なき勇猛さで戦ってきた。そして、彼らの勇気のおかげで、我々は今、この長く血を見るような紛争の政治的解決となりうることに取り組むことができる。
 アフガニスタンで私の政権は、(旧支配勢力)タリバンを含む数多くの勢力と建設的な対話を行っている。これらの交渉が進展すれば、我々の軍の駐留部隊を減らし、テロ対策に集中することができるだろう。我々は実際にテロ対策に集中する。(和平)合意を実現できるかどうかはわからない。しかし、20年に及ぶ戦争を経て、少なくとも和平達成に向けて努力する時が来たことを我々はわかっている。相手も同じことをしたいと思っている。その時だ。
 敵味方の区別なく何より重要なのは、国民を守ろうとするこの国の力と意思を疑ってはならないことだ。18年前、テロリストたちは米駆逐艦「コール」を襲撃した。そして先月、米軍はこの襲撃の首謀者の一人を殺害した。
 我々は今夜、トム・ウィバリーが参加してくれたことを光栄に思う。彼の息子で海軍上等兵のクレイグ・ウィバリーは、我々が悲劇的に失った17人の乗組員の1人だった。トム、我々はいつでも、駆逐艦コールの英雄たちを記憶にとどめると誓う。ありがとう、トム。
 私の政権は、世界で有数のテロ支援国家であるイランの急進的な政権に立ち向かうため、断固とした態度で行動してきた。急進的な政権だ。彼らは本当に悪いことをする。
 この邪悪な独裁政権が核兵器を決して保有しないことを確実にするため、私は破滅的なイラン核合意から米国を撤退させた。そして我々は昨年秋、米国が一国に科すものとしては最も厳しい制裁を発動させた。
 我々は、米国に対して死を唱え、ユダヤの人々に対して集団虐殺を行うと脅す政権から目をそらさない。反ユダヤ主義という卑劣な害毒、その悪意に満ちた信念を広める人々を、決して無視してはならない。我々は一致団結し、こうした憎しみがいかなる場所で生じたとしても、立ち向かわなければならない。
 わずか数か月前のことだが、(東部)ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)「生命の木」で、ユダヤ系米国人11人が反ユダヤ主義の襲撃によって残忍な形で殺害された。SWAT(警察特殊部隊)のティモシー・マットソン隊員は銃撃のさなかに突入し、7回撃たれながらも犯人を追跡した。そして非常に成功した。ティモシーは12回目の手術を受けたばかりで、さらに多くの手術を受ける。しかし、今夜、我々と共にここにいるために駆けつけた。マットソン隊員、ありがとう。我々は、永遠に感謝する。本当にありがとう。
 今夜、ピッツバーグの事件の生存者ジュダ・サメットも参加している。彼は、虐殺が始まった時にシナゴーグに到着した。しかし、彼は昨秋、死を免れただけではない。70年以上前、ナチスの強制収容所でも辛うじて生き残ったのだ。今日はジュダの81歳の誕生日だ(拍手。誕生日を祝う歌が歌われる)。彼らは私のためにそうしてくれないよ、ジュダ。ジュダは、約75年前、強制収容所で10か月間過ごした後、家族と列車に乗せられ、別の収容所に行くと言われたまさにその時を、今でも思い出すことができると言う。突然、列車がキーッと音を立てて止まった。1人の兵士が現れた。ジュダの家族は最悪の事態を覚悟した。そのとき、彼の父親は大きな喜びの声を上げた。「米国人だ、米国人だ」と。
 今夜ここにいる、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を生き抜いた2人目の人物のジョシュア・カウフマンは、ダッハウ強制収容所の捕虜だった。彼は、家畜運搬車の壁の穴をのぞき、米兵が戦車で続々とやって来るのを見たことを覚えている。ジョシュアは「私にとって、米兵は神が存在するという証しであり、彼らは空から下りてきた。彼らは天国から下りてきた」と回想する。
 今晩、私はまず、第2次世界大戦中の「Dデー」(ノルマンディー上陸作戦の決行日)に戦った兵士3人を称賛することから始めた。そのうちの1人がハーマン・ゼイトチクだった。
 だが、ハーマンの物語はもっとある。ハーマンはノルマンディー海岸を急襲した1年後、ダッハウ(強制収容所)の解放を手助けした米兵の1人だった。彼は、この世の地獄からジョシュアの救出を支援した米国人の1人だった。75年近くがたち、ハーマンとジョシュアは今夜、ギャラリーの中に共にいる。米国の自由発祥の地であるこの場に、隣り合って座っている。ハーマンとジョシュア。あなたたちが今晩ここにいることにとても感謝している。
 1944年、Dデーの早い時間帯、英仏海峡の暗い空の下で米兵が作戦に着手した時、彼らは18、19歳のただの若者だった。不安定な上陸用舟艇で、戦争の歴史の中で最も重要な戦闘へと突き進んでいったのだ。
 彼らは、その時を生き残れるのかわからなかった。年を重ねられるのかもわからなかった。しかし彼らは、米国が優勢でなければならないことはわかっていた。この国家、そして、まだ生まれていない世代(のために戦うこと)が彼らの大義だった。
 なぜ彼らはそうしたのか。米国のため、私たちのためにそうしたのだ。
 共産主義への勝利、科学と発見の大いなる飛躍、他の追随を許さない平等と正義への前進――。全てが、先人の血と涙と勇気、先見の明のおかげなのだ。
 この議事堂に思いをはせよう。あなたたちより前に(ここにいた)議員たちが、奴隷制に終止符を打ち、鉄道や高速道路を建設し、ファシズムを打ち倒し、公民権を獲得し、悪の帝国を屈服させるために投票を行った、まさにこの議場に思いをはせよう。
 今夜ここには、この壮大な共和国の各地から来た議員たちがいる。メーン州の岩石の多い海岸やハワイ州の火山の峰々から。ウィスコンシン州の雪深い森やアリゾナ州の赤い砂漠から。ケンタッキー州の青々とした農地やカリフォルニア州の黄金の砂浜から。我々は共に、歴史上最も類いまれな国家の議員を務めている。
 我々はこの瞬間、何をしようとしているのだろうか。我々はどのように記憶に残るのだろうか。私はこの議会の男女に求める。目の前にある機会を見よ! 最も感動させる偉業が、まだこの先にある。最も刺激的な旅が、まだこの先に待ち受けている。我々の最大の勝利はまだ先のことだ。我々の夢はまだ始まっていない。
 我々は、不一致によって規定されてしまうのか、勇気を持って違いを乗り越えていくのか、選ばなくてはならない。
 我々は、受け継いできたものを無駄遣いするつもりなのか、あるいは、米国人だと誇らしげに宣言するつもりなのかを選ばなければならない。我々は信じられないようなことをする。我々は不可能なことに挑む。我々は未知なるものに打ち勝つ。
 今こそ米国の想像力を再び燃え上がらせる時だ。最も高い頂を目指し、何よりも輝く星を目指して目標を設定する時だ。我々を市民として、隣人として、愛国者として結びつける愛と忠誠、そして記憶の絆をよみがえらせる時だ。
 これが我々の未来であり、運命であり、選ぶ道だ。私はあなたたちに偉大さを選ぶよう求めている。
 どんな困難に直面しようと、どんな難問が降りかかってこようと、我々は共に前進しなければならない。
 我々は、心の中に「米国第一」を掲げなければならない。魂の中に自由を息づかせなければならない。そして、神のみもとにある一つの国として世界各国の希望であり、期待であり、光であり、名誉であるべきだ――という米国の運命にいつでも信念を持ち続けなければならない。
 ありがとう。みなさんに、そして米国に神のご加護がありますように。そして、おやすみなさい。
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thetaizuru · 4 years
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時代区分���しての近代を象徴する要素は、ヴェストファーレン条約に始まる主権国家体制の成立、市民革命による市民社会の成立、産業革命による資本主義の成立、ナポレオン戦争による国民国家の形成など、18世紀後期以降のヨーロッパで成立し、現代世界を特徴付けている社会のあり方である。
19世紀以後、ヨーロッパで完成したこれらの社会のシステムは、日本を初めとする欧米以外の諸国にも伝わり、世界全体を覆うようになる。こうして成立したものが、地球上のほとんど全ての人が排他的な主権国家の国民となり、国民が集まって作られた国家が構成員として参加する国際社会であった。この一連の過程が世界史における近代であり、近世以前の段階にある社会を近代的な社会に変えることを「近代化(modernization)」という。
通常、「近代」は、ヨーロッパ列強の進出によって旧来の社会体制が転換された後の時代や、ヨーロッパ列強型の新国家が成立した後の時代と規定される。これに対して、「近世」は、ヨーロッパ列強が進出する前の時代や、ヨーロッパ列強型の新国家が成立する前の時代と規定される例が多い。
その他の地域の歴史の時代区分についても多くの場合、「近世」「近代」「現代」の区分が用いられるが、進歩史観の一種である唯物史観の適用などが絡んで様々な説が提唱されており、時代区分が定まっていないことが大半である。唯物史観を適用する場合、「近世」は封建主義時代、「近代」は資本主義時代と規定される例が多い。
また、「近代」という語は、「現在の政体や国際社会の時代(現代)の一つ前の時代」という意味を伴う。この為、アジア史では、第二次世界大戦終結(1945年)を境にして「近代」と「現代」に分けられている。一方、ヨーロッパ史では、第一次世界大戦終結(1918年)を境にして「近代」と「現代」に分けられていた。しかし、近年では東欧革命(1989年)を境にして「近代」と「現代」を分ける見方も増えている。
(近代 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E4%BB%A3)
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産業革命は1760年代から1830年代までに及ぶ非常に長くゆるやかな変化であったが、産業革命以前と以後において社会の姿は激変していた。農民の比率は減少し商工業従事者が激増したが、なかでも鉱工業に従事する労働者の数が大幅に増えた。工業の比率が高まるとともに都市には多くの労働者が集住するようになり、都市化はこのころから徐々に進むようになった。生産システムも、それまでの家内制手工業から工場制手工業(マニュファクチュア)に代わり、都市に大規模な工場を建設して機械により生産を行う、いわゆる工場制機械工業の割合が増加していった。ただし、イギリスにおいても工場制機械工業は1830年代を過ぎるまでは工業生産の主流とは言えず、手工業が各地に残存していたことは特筆されるべきである。また、この流れの中で工業に従事する者の中でも階層分化が起き、工場を所持する産業資本家層と、その工場で働く労働者層が成立した。
産業革命の進展と、それによる工業生産の増大は工場を所持する産業資本家の勢力の増大をもたらし、参政権を求める声も高まっていった。この動きは1832年にホイッグ党のグレイ内閣が、人口の極端に少ない、いわゆる「腐敗選挙区」を廃止するとともにブルジョワ層に選挙権を拡大することにつながった。こうした動きの中で産業資本家層は旧来からの地主貴族層と結合を深め支配層の仲間いりを果たすが、一方で労働者層の不満も非常に高まっていた。労働者の生活水準は非常に低いものであり、また鉱山や工場においては児童労働などの問題も深刻だった。1811年から1812年にかけてのラッダイト運動などの抗議を繰り返すようになった。この資本家と労働者の対立は、産業化が進むにつれてより一層深刻となり、以後の世界政治の重要な底流の一つとなった。
イギリスの工業生産は最盛期の1820年代には一国で世界の工業生産の半分(50%)を占めるようになり、以後1870年代にいたるまでイギリスは世界最大の工業国でありつづけ、「世界の工場」と呼ばれるようになった。
(産業革命 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%A3%E6%A5%AD%E9%9D%A9%E5%91%BD)
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 当時世界最大の客船であったタイタニック号が、イギリス・サウサンプトンからアメリカ合衆国・ニューヨーク行きの処女航海中の4日目、北大西洋で、1912年4月14日の23時40分(事故現場時間)に氷山に衝突、事故発生から2時間40分後の翌4月15日の2時20分に沈没した。
 マスコミ各紙がこぞって乗客や船員たちの英雄的行動やメロドラマを書きたてる中、文学者ジョージ・バーナード・ショーはその空気に反発し、噂や作り話を実際の英雄譚かのように書きたてるマスコミの扇情的体質を批判した。これに対し『シャーロック・ホームズ』シリーズの著者として有名なコナン・ドイルは友人をタイタニック事件で失っていたため、乗客・船員たちの英雄神話をぶち壊そうとするショーを許せなかった。ショーの主張を「つむじ曲がり的発想がひどすぎる」と批判した。
 乗客がパニックにならないよう船が傾くまで演奏を続けたというタイタニックの楽団の英雄譚も、ショーが「混乱回避のために命令されてやらされただけ で、この曲のせいで乗客に危機感が生まれず、助かるはずだった人も多く命を落とした」と批判したのに対してドイルは「仮に命令されたことだとしても、その賢明な命令や楽団員たちの英雄的行動の価値を少しも減じる物ではない。混乱を避けることは正しいし、そういうやり方を取ったのは素晴らしい」と反論した。
 ドイルには「桁外れに悲劇的な出来事には桁外れの英雄が必要」という信念があったため、英雄譚に誇張あるいは捏造があったとしても問題視しなかった。「この事件をイギリスの栄光を強調するのに利用したとの批判があるが、勇気と規律が最高の形で示されたと見てこれを名誉としなければ、我らは本当に敗戦国民になってしまう」「天才であるはずの人間が、その才能を使って自国民について誤ったことを伝え、公然と批判するのを見るのは何ともやりきれない。それは悲しみに沈む人々を更に悲しませるだけの行為である」とドイルは語っている。
 ドイルには心霊主義者という一面もあった。
 心霊主義は19世紀半ばから世界各地で盛んになっていた。イギリスにおける心霊主義の流行はヨーロッパやアジアでの流行に触発されての物だったが、一度やってくるとイギリスが一番心霊主義の盛んな国となった。
 ドイルは1893年11月に心霊現象研究協会(SPR)に入会。
 ドイルが入会した時のSPRの会長は後に首相となる政界の重鎮、後の第一次世界大戦中1917年11月2日にイギリスの外務大臣としてバルフォア宣言を出したことでも有名なアーサー・バルフォアだった。  『マザリンの宝石』(『シャーロック・ホームズの事件簿』収録)の依頼人は英国首相であるが、これは1903年の事件と言われており、それが正しければ依頼人の首相というのはバルフォアということになる。他にもバルフォアがモデルであると考えられる人物がホームズシリーズ作中に登場する。
 SPRは、心霊現象や超常現象の真相を究明するための科学的研究を促進することを目的とし、1884年のブラヴァツキー夫人と神智学協会のトリック暴きで名をあげ、設立後30年間とりわけ活動的で、霊媒のトリックを次々に暴くという会だった。
 ドイルはカトリックの生まれだったが、大学在学中、ダーウィンの進化論に共感を寄せたため、徐々にカトリックの信仰心から離れ、その後も宗教に対する疑問を持っていた。科学的思考を重んじ、心霊主義に対しても懐疑的で、研究のためにSPRに入会した。
 1914年8月に第一次世界大戦が勃発するとドイルは愛国者として全面的に政府に戦争協力することを決意した。  そして大戦中、ドイルは身内を多く失う悲劇に見舞われた。
 1916年10月、ドイルは心霊学雑誌『Light』に心霊主義者となる声明を発表した。  1918年に著した最初の心霊主義に関する著作『新たなる啓示』の中でドイルは「戦争で多くの人の死に遭い、悲嘆を味わううちに、我々の愛する人は死後もなお生き続けているはずだとの確信に達した」と書いている。  物質主義の増大と、それにより悲惨さを増した第一次世界大戦、精神的要素の衰退を見て、現象よりもそれが示唆している宗教的側面の方が大切だと思うようになり、心霊主義者となった。
 1920年代のドイルは体調が悪化し続けていたが、無理をしてでも心霊主義布教のために尽くしていた。自分の残りの人生はそのためだけに与えられていると思っていたという。
 1930年3月にSPRを脱退。
 死の直前の1930年7月1日にはジェームズ1世時代に制定され、近年心霊主義弾圧のために再利用されるようになっていた「魔女法」の撤廃を陳情すべく、内務大臣ジョン・ロバート・クラインスを訪問したが、これによって体力をかなり消耗させた。  1930年7月7日死去。
(タイタニック号沈没事故 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E5%8F%B7%E6%B2%88%E6%B2%A1%E4%BA%8B%E6%95%85 アーサー・コナン・ドイル https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%AB 心霊現象研究協会 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%83%E9%9C%8A%E7%8F%BE%E8%B1%A1%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%8D%94%E4%BC%9A 心霊主義者としてのコナン・ドイル http://civilization.tkcivil.u-tokai.ac.jp/img/tkc3203.pdf The Arthur Conan Doyle Encyclopedia https://www.arthur-conan-doyle.com/index.php/Sir_Arthur_Conan_Doyle%27s_Resignation)
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 ドイルの心霊主義は、生前からバッシングされたし、特に、心霊写真や妖精の撮影に成功したと信じて擁護し主張していたものが、ドイルの死後に捏造写真だということが判明し、ドイルの評判はがた落ちになったという。
 心霊写真家や霊媒師と名乗り活動していた人の多くは利益目的だったと言われ、かなりの富を築いた有名な心霊写真家もいる。心霊写真の技術や霊媒トリックは、プロパガンダや社会煽動にも応用された。  今から見るとちゃっちいが、アナログ技術で、中には部分的に手描きだと言われるものもあって、そういう視点で見るとすごい。その時代の表現スタイルとも相互に影響し合っている。   第一次世界大戦とその後の不安の時代の中で、多くの人が、不安や悲しみに対処する方法を探していた。心霊主義に惹かれた人たちの心の背景には、そうした社会状況があった。  主義や思想、どっちにつくかで激しく対立し合う状況は第二次世界大戦まで続き、その後も残り続けた。アンビバレントなものは行き場を失い、どこかに隠しておくものになった。  心理学の研究などが進むにつれて、不安や悲しみといった心の‘問題’は‘治療の対象’となっていった。
 タイタニック号の沈没は「近代」という時代の終わりの始まりを象徴していた。そして、第一次世界大戦という一つの時代の終わりを目撃し、失われてしまったと感じる何かを取り戻そうとした人たちがいた。
 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』で、ジョバンニとカンパネルラは、銀河鉄道に乗って旅をする途中、タイタニック号とともに沈んだ青年と姉弟と乗り合わせる。
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 2019年12月9日に発表されたOIGレポートに関するニュース(2019年12月10日 BBC トランプ陣営へのFBI捜査に「政治偏向なし」 司法省監察総監 https://www.bbc.com/japanese/50723492)で、‘トランプ大統領はひどい人’というイメージを作るための元ネタとして使われた「スティール文書」は「「インターネットのうわさ」に過ぎないと判断していた」(つまり根拠がないって‘前から知ってたけどね’って)ことになった。  記事のタイトルである「政治偏向なし」というのは、‘政治的偏向や不適切な動機が影響したと決定的に断定できる証拠は見つからなかった’ということで、これまでの経緯や状況から見て、政治的偏向があるようにしか見えないし、今回のOIGレポートで、ものすごい証拠とか何かが出てくるかもしれないと期待してもいたので、ちょいスカされた感もあるが、そうあってほしいという感情的な期待に応えるものよりも、客観的証拠や正当な手続きに基づいた「事実」を知りたいと思っていたはずだってことを、再確認させられた。
 トランプタワーやトランプ氏が所有する、またはかつて所有していた不動産は、有名な近代建築として、映像作品のロケ地として、音楽などにもモチーフとして、さらにそういう作品からの引用の形や、あるいは‘ビジネスマンのトランプ氏’のイメージを重ねたものとして、いろんな形で大衆文化の中に登場する。  現在のように‘トランプ’が政治的に語られる以前のアメリカ文化を、娯楽として楽しんでいただけだけど、数年前まで語られていて、自分でも情報として見てたものと、トランプ大統領就任後の「世界がヤベー」っていう話には、気付いた時にはすでに大きな乖離と矛盾があった。なんとなく感じる妙な感覚がどんどん膨れ上がっていった。  映画とか音楽とかネット上のくだらないネタとか、そういうのが前から好きで詳しい人が、今のアメリカ大手メディアのトランプバッシングをそのままコピーパスタしてるのを見ると、前に言ってたこととの矛盾が強調されることもあって、なんか悲しくなる。  考えが変わることなんてよくあるし、新しく発見した事実に対して真摯に自分の考えを変えることができるのはすごいことだけど、同じようなタイミングで、同じ元ネタに同調して、同じトーキングポイントを繰り返すのには、違和感がある。  トランプ大統領就任後、ニュースを定期的に見てる人のうち、記事内容よりも空気とかを読んで過去の記憶を消せる人以外は、読んでるニュースから陰謀論者とか過激派とか無知で愚かななんとかとか、散々な言われようになった。‘元ネタお前だぜ’って思いながら混乱しつつ、陰謀論とかオルトメディアとかって呼ばれるようなものを見てみるようになった。似たような人は結構いた。今になって思うと、勝手な推測だが、これは‘ふるい分け’と‘誘導’だった。  報道写真を見るのが好きだったし、そういう写真を加工編集して作った面白ネタを面白がってたこともあって(、そして、我々はタンブリスタである。)、‘報道写真’や‘ニュース画像’に加工されたものがあることに気付いた。気付いて騒いでる人もいたし、‘見やすくわかりやすくするため’と弁解する人もいたけど、ソフトウェアの特定だとか、政治的な意図の断定や、本当に加工しているのかを決定的に断定できる証拠は見つけられなかった。確たる証拠もなく決め付けで話したくないっていう気持ちと、でも、だって前からそれで遊んでたじゃん、もっとすげーのあったじゃんとかってのの間で混乱してるのは、自分だけじゃないようにも見えた。  「何じゃそりゃ」ってのがここ数年、世界中で流行語になっているようにも感じられた。  2012年、オックスフォードディクショナリーが発表しているイギリスの「今年の言葉」に「オムニシャンブルズ」という言葉が選出された。「omni(すべて)」と「shambles(大混乱)」をくっつけたBBCテレビ発の造語で、この年に起こったロンドン五輪に関する不適切発言、政府の不祥事、欧州金融危機などによる混乱状態と、よかれと思って打ち出した対策がすべて裏目に出ることを表してる。  影響を受けたような形で日本でも、アメリカが北朝鮮やイランなどと戦争を始めるというお話は流され、真に受けたような人もいた。心霊現象とか占いとかと同様に、予測を組み立てる際の事実誤認はどうでもよくて、外れたら外れてよかったねって感じで、検証もなく過ぎていった。そんなのが‘科学’を名乗った。  そんな感じで、今まで見てたものにムカついて嫌気がさして、別の‘共感できる’情報源のいくつかを頼りにし始めた頃、また考えを揺さぶられた。共感できるから事実だっていう考えは、やばい。  影響力獲得競争はあるゆるところ、あらゆる手段で行われている。  だからといって、すべてを断絶して、虚無主義っぽくなって、自分からつまんない方にいくのは、つまんない。  つまんなくてイラついてたりすると、煽られやすく、誘導されやすくなる。感情的に煽って、客観的証拠や手続きの正当性から逸脱するように仕向け、逸脱したらそこを突くっていうのは典型的なパターンだし、そもそも謎の間違い探し合戦とか噓暴きポイント獲得競争みたいなやつには参戦する気はない。知らないうちに巻き込まれてるような気になって、自分の心を見失いそうになるけど、なくなりはしない。
 世界中の多くの人たちが、今ほど、お互いから学びあい、励ましあおうとしている時はない。ネットもまだまだ楽しい。
 フランスのイエローベスト運動、香港デモ、ブレグジットを支持する人、トランプ大統領を支持する人たちなどが、度々シェアしてた、1919年4月6日にインドで第1次サティヤーグラハ(非暴力・不服従)運動を開始したマハトマ・ガンディーの言葉がある。
“First they ignore you, then they laugh at you, then they fight you, then you win.” 「はじめに彼等は無視し、次に笑い、そして挑みかかるだろう。そうして我々は勝つのだ。」
 2016年のブレグジットと米大統領選から続く現在の状況は、来年、2020年に再び山場を迎える。
 楽しんでこーぜ。
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2019年12月 フリオーソ
よいお年を
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