Tumgik
#ほとんどの人は自分の仕事が誰でもできるようになったことに気付かず専門性の高い仕事に就いていると思い込んでいる
patsatshit · 7 months
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現代に蔓延する上っ面の多様性の背後には、互いに認め合い、尊重するためにはそれぞれがそれぞれに誰かの役に立たなければならないという暗黙の目配せがそこかしこに溢れている。取ってつけたような「弱者救済」というポーズの背後に、どれだけの排他精神が蠢いていることか。高齢者、子ども、障がい者、生活困窮者、クィアをある種の符号に落とし込んでマーケティングに利用するのは、いつだって政治的悪辣の最たるものである。本来は音楽という鐘楼に集いし落伍者たちの解放区として機能していたクラブやライブハウスに於いてさえ、いつしか高い倫理観が求められるようになり、暗黙のドレスコードにより、世にも奇妙な選民思想が根付き始めている。互いに認め合い、互いを支え合うことを前提とした空間に、自分のような人間の居場所がなくなりつつあると感じることが少なくない。音楽が爆音で鳴り響く暗闇のなかには聖職者もいれば犯罪者もいる、心優しき英雄もいれば屑のような悪党もいる、互いの胸のうちに共通するものは何もなく、もちろん自発的な歩み寄りもない。鳴り響く猥雑な音楽だけが両者を辛うじて暗闇の内側にとどめ、足もとの溝を埋めていく。いまの時代、そういう多元的な現場や空間はもはや存在しないのかもしれない。
(『僕のヒーローアカデミア』233話より)
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前置きが長くなってしまったが、タラウマラには日々、様々な事情を抱えた「世の人」たちが入れ替わり立ち替わり訪れる。それは決して居心地の良いものではないし、少なくとも当店にとって、彼らは何の役にも立たない。どちらかと言えばこちらのストレスになるだけだ。それでも彼らはやって来る。そういう人たちをこの社会から見えにくくしているのが無自覚なダイバーシティが夢想するユートピアであり、権力者たちが吹聴する「美しい国」の実態なのだと思う。
(世の人①:東淀川を代表するファッショニスタ)
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まず最初に紹介したい人物が、自他とも認める東淀川のNo.1ファッショニスタ、清水氏だ。氏の特徴を挙げるとすれば、とにかくオシャレ、ひたすらオシャレ、無慈悲にオシャレ。この人がひとたび領域を展開したら、その術式から逃れる術はなく、世の中で最も役に立たないゴミのような服飾情報を一方的に脳内に流し込まれ、結果、見事に誰もが骨抜きにされる。かつて偶然にもその場に居合わせたWD sounds のオーナーLIL MERCY氏さえも凍りつかせた脅威の人物だ。自身の首元を指して「これは希少なFENDIのネクタイだ」と豪語するので、恐る恐るネクタイ裏のタグを確認すると、なんとブランドロゴではなく素材を示すflannelの文字。どつくぞ。そんな清水氏の母親が昨年亡くなったのだが、ある日、沈鬱な表情でタラウマラを訪れた氏が朴訥と胸中を吐露し始めた(聞いてもいないのに)。ずっと母の介護に身を捧げてきた自分としては、親の死を簡単に受け入れることができず、いまは食事も喉を通らない。母が使っていたベッドの上で呆然と天を仰いで、そのまま朝を迎えることも珍しくない、日に日に自身の身体が痩せ細ってきたことを自覚しており、周囲の者からも心配されている、というような内容をエモーショナルに語る。さすがに気の毒だと思い、親身になって耳を傾けていたのだが、次の瞬間、この男の口から耳を疑うようなセリフが飛び出した。「俺はもともとスタイルが良いのに、これ以上痩せたらモデルと間違えられるんちゃうやろか。ほんでこのベルトもかっこええやろ?」。恐ろしいことに、またしても僕は氏の領域に引きずり込まれていたのだ。その後もお決まりのファッション自慢を嫌というほど聞かされ、全身から血の気が引いていくのを感じた。最愛の母親の死さえも、己のファッショントークの「振り」に使う正真正銘のク◯である。しかも亡くなって間もない、死にたての状況で。
(世の人②:東淀川のジャコメッティ)
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次に紹介したいのは、東淀川のジャコメッティ。ある日の営業日、下駄履きのおっさんがタラウマラに訪れ、店内の書棚を一瞥して咆哮した。「ここの本ぜんぶキミらが読んでるんか?やとしたら相当わかってるな!」。僕たちは当店取り扱い書籍はすべて自分たちで読んで、仕入れ、仕入れて、読んでいることを伝えた。するとおっさんの眼は鋭く輝き「キミらは大阪の文化を1ミリ底上げしとるな。大阪で1ミリってことは世界で1ミリってことや!気に入った!儂の家にある本を全部キミらにあげよう、今夜でも我が家に取りに来なさい」と快活に言い放った。その後もジャコメッティやカフカ、折口信夫について興味深い話を聞かせてくれた。おっさんの名は矢嶋博士、淀川とともに生きる彫刻家であり歌人であった。博士から自宅住所と電話番号を書いたメモを受け取り、タラウマラ閉店後にお伺いすることを約束した。博士は帰り際に「もし良かったら、儂の家にある本ぜんぶとキミらのジャコメッティを交換しよう」と言った。僕は何となく話題を逸らして、夜を待った。タラウマラ閉店後に近所のキンキーガールりんちゃんを誘って矢嶋宅へと向かった。ゲトーなアパートのゲトーな階段を上がりゲトーな玄関を開けると、果たしてそこは博士のアトリエ兼寝床であった。三畳一間に所狭しと並べられた謎の彫刻と珍奇植物、藁と見紛う敷布団とヘドロ化したホルモン、呑みさしの酒瓶、そしてあっち系のアダルトコンテンツが視界を過ったことは記憶に留めておこうと思った。博士は「何を突っ立っとんねん、腰おろして寛ぎなさい」と着座することを薦めてくれたので、僕は「どこに?」という言葉をかろうじて飲み込んで、藁のような敷布団に腰を下ろした。ぴったり寄り添うようにりんちゃんの背中がある。博士は1,000冊つくって50冊しか売れていないという自著『淀川。よ』(幻冬舎)を僕たちに1冊ずつプレゼントしてくれた。「芸術家なんて世間様に認められたら負けや。儂はいまの生活で十分幸せやから、死ぬまで作品を作っていくだけや。売れたいなんて思ったことない」という博士の言葉に負け惜しみや諦念は微塵も感じられず、寧ろ清々しい。りんちゃんの興奮が伝わってきた。僕たちは小一時間ほど色んな話をして、席を立った。「階段の上に本を置いてるから全部持っていきや!頑張れよ、若者たち」と言って博士は扉を閉めた。ゲトーなアパートのゲトーな階段の上に大量の書籍が置かれていたが、なんとその8割程度が司馬遼太郎の著作だった。ジャコメッティを交換条件として差し出さなかった自分を心から讃えた。僕たちは自転車のカゴに大量の司馬を積み込んで帰路に着き、その足ですべて「本の森」に寄贈した。
(世の人③:ラッパーの母)
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最後はタラウマラの元スタッフであるマリヲ君の実母を紹介する。この方は初来店時に食パンの差入れを持ってきてくれて、淡路商店街で食パンと言えば、当時の人気店「熟成純生 食パン専門店|本多」(2022年9月に閉店)のものに違いないと早合点し「そんな高級なやつ頂いて良いんですか?」と言うと「え?そこのイズミヤで買ったやつよ、え?こっちの方が良かった?」とテヘペロ。なんと僕には廉価食パンを差し出し、ご自身用に高級品を隠し持っていたのだ。2度目の来店時は前回購入してくれたAFTERのTシャツ(画像参照)のコーディネートを見せに来てくれたのだが、タイミング悪くパンク修理の最中だった僕は、店内で少しお待ち頂きたい旨を伝えて作業に注力した。ところがパンク修理を終えて顔を上げると、マリヲ母は嘘のように店内から姿を消していた。それから何度かタラウマラにやって来ては、僕の目を気にしてか、まるでプッシャーマンのような所作で袖の下からマリヲくんに小遣いを渡していたり、連日おばあちゃんの就寝時の写真を送ってきて、マリヲくんが「ばあちゃん元気そうで良かった」と返信すると「おばあちゃんじゃなくて、おばあちゃんが着てる���ジャマを見て欲しかった」と返す刀がぴこぴこハンマー。よく見るとパジャマの花柄はすべて微妙に違っていた。そうかと思えば「おばあちゃん、明日あたり死にそうです」と唐突に不安を煽るメッセージを送りつけてきたりもする(因みにおばあちゃんはいまも元気にご存命)。或いは道頓堀川で殺人事件が起きた際には被害者の男性が我が子でないかと執拗に心配していた。報道で被害者はベトナム人男性だと報じられているにも関わらず、だ。
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そして、日々の寂寥感を紛らわせるようにSiriというバーチャルアシスタントと夜毎ピロートークを繰り広げていたある時期のマリヲくんが、酔った勢いでSiriに「好きだ!」と告白した瞬間、マリヲ母から「私も!」とLINEメッセージが届いたとき(別の文脈でのやり取りをしていたらしいが、偶然タイミングが重なったようだ)には膝から崩れ落ちた。やはり異能の子は異能、この親にしてこの子あり、ということだろう。
(マリヲ母については息子の著書に詳しい)
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yeyshonan · 2 months
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医学部入学者、女性が4割占める 求められる「人生を自分で決める力」―不正入試から5年
2/19(月) 14:00配信244
 世間を騒がせた医学部不正入試の発覚から5年。性別、年齢による不当な差別の是正により、2023年度の医学部(医学科)入学者選抜における女性の入学者は4割*1に上昇した。女性医師が半数以上となる日も遠くない。女性医師が増え続けることで日本の医療はどう変わるのか。女性ライフクリニック(東京)理事長の対馬ルリ子医師らが立ち上げた日本女性医療者連合(以下JAMP)は不正入試問題に関し、発覚以前から独自に調査を進めて情報提供を行ってきた。不正が明らかになった真相と女性医師への期待を対馬氏に語ってもらった。
 ◇不利な扱い「必要悪」との空気
医学部入学者の女性比率
 ―医学部不正入試問題は、JAMPが問題発覚に先駆けて調査を進めていたそうですが、不正に気付いたのはいつごろでしょうか。  対馬 10年ぐらい前に日本医師会の理事の先生とお話しする機会があり、「日本の女性医師はこんなに増えている」とグラフを見せてもらいました。医学部入学者の女子の割合を見ると、一定のラインで上昇が止まり、まるで定規でも当てたかのようにほぼ横ばいで推移していました。2000年以降、女性医師は世界的に見ても増加傾向にあり、経済協力開発機構(OECD)の加盟国では35歳未満の女性医師の比率が軒並み5割を超えて増え続けているにもかかわらずです。「あり得ない」と不思議に思い、調査を始めました。
OECD各国における女性医師の比率
 その頃から研修医や若い女性医師の間では、女子は男子よりも医学部合格のボーダーラインが高いという共通認識がありました。女性は出産や育児で辞めていくから入りづらいのは仕方がないと、差別を「必要悪」と思い込まされているようでした。私たちはこれを絶対に見過ごすわけにはいかないと思い、社会学者の上野千鶴子さんに教えを請いながらデータを精査したところ、医学部は他学部との比較でも受験者に対する合格者の割合が女子だけ低いという事実が浮かび上がったのです。  医学部長会議や全国病院会議のような場所で内部告発しても、真剣に取り合ってもらえずにスルーされてしまうことは目に見えていたので、発表の機会をうかがっていました。2018年に東京医科大の不正問題で世間がざわつき始めた頃、JAMPのホームページに掲載された論考を見つけた読売新聞の記者から取材を受け、大きく取り上げてもらえるタイミングで情報提供しました。
◇就労後の長時間労働が前提
対馬ルリ子医師
 ―つまり、一部の医師や受験生は、入試での差別をある程度分かっていたということですね。  対馬 過去には国公立でも合格者の9割が現役男子であるなど、明らかに女子と多浪生が門前払いされていると思われる大学もありました。予備校の先生からも「女子は不利」と露骨に言われていたようです。国立の医学部で入試を担当していた教官も「学力試験だと上位は女子が多くなってしまう。かといって面接をしても女子の方がしっかりしていてコミュニケーションの能力も高いので、男子よりも点数が高くなる。どうやって男子を引き上げるか苦慮している。医師を職場や地域にとどめておくためには男子を取る必要がある」と公言していました。  私たちは不正を容認するのではなく、そもそも「医師の働き方」を問題にすべきなのではないかと思いました。女性医師が職場を離れていくには理由があります。日本の医師の働き方は長時間労働が前提で、家に帰らずにできるだけ長く病院にいる必要があります。受け持ちの患者さんに何かあって呼ばれたら、病院に駆け付けなければいけません。結局、家庭とか家事とか子育てといった、仕事以外のことを専業主婦に丸投げできる人しか家族を持った後も病院に長時間居続けることができないのです。誰もが普通に家に帰れてプライベートも大事にできる、男性にとっても女性にとってもそういった人間的な生活を維持できる働き方を実現することが必要なのではないかと考え、5年前に提言を行いました。
 ◇仏は産婦人科医の8割が女性
産婦人科病院の医師たちと(仏)
 ―女性医師が増え続けることには男性医師だけでなく、女性医師にも抵抗があったようですが。  対馬 医師の定員は決まっているので女性が増えれば男性は減る。家庭を持つ女性医師にとって男性医師のサポートが不可欠だと思われています。  昨年の秋、フランスの産婦人科病院を訪問したのですが、同国では産婦人科医の8割が女性と聞いて驚きました。理由を聞いたところ、少し前までは男性の方が多かったけれど、仏政府が女性たちに真摯(しんし)に向き合い、耳を傾けて大胆な改革を行ったところ、働き方が大幅に変わり、産婦人科で働きたいという女性が増えたそうです。  そもそも医療やヘルスケアは女性向きの仕事だと言っていました。婦人科や産科を担当している女性医師や、医学部教育や地域で性教育を行っている女性医師、心のケアを行う女性医師たちとも話したのですが、社会貢献や後進を育てる仕事に週に3日勤務しても管理職になれるとのことでした。
◇性と生殖に関する健康と権利を獲得
性暴力やDV被害者の救済センターMaison de femmeにて(仏)
 ―仏ではどのように改革が進められてきたのでしょうか。  対馬 日本では認知度が低いのですが、世界では「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」*2の実現に向けた数々の取り組みが行われていて、仏の改革もその一つです。  仏はカトリックの国なので、かつては非常に封建的で、「女は結婚したら子供を産んで育てないといけない」「妊娠したら中絶してはいけない」というように、自ら選ぶ権利は与えられていませんでした。  1967年に避妊の合法化とピルの承認がなされ、教育課程に性教育が加えられました。1970年代には産まない自由を求めて運動が展開され、1975年に人工妊娠中絶が合法化されました。これにより、女性は「自分の身体に関することを自ら決定する権利」を獲得し、その後の男女平等を目指す社会運動につながっていきます。1998年には性教育が義務化、2001年に中絶と避妊に関する法律の改訂を受けて学校性教育が法定化されました。仏の女性たちは若い頃から自分の身体を自分のものとし、自己決定するための教育を受け、生涯にわたって健康でいられるよう国や地域から支援を受けているのです。  現在、仏は少子化対策の成功モデルにもなっていて、子どもを何人産んでも仕事と両立できる手厚いサポート体制、パートナーも1人で子供の世話ができるようにトレーニングを受けさせるといった、子育て中でも働きやすい環境づくりを職場と国が一緒になって推進し、制度化してきたようです。  今回、渡仏して感じたのは、同国の女性たちの「発言し続けて引き下がらない強さ」です。この国では常に戦って勝ち取ることが日常的に行われています。そうでなくては、本当に困っている人たちの現状について誰も気が付かないからです。日本の女性は困ったことがあって「こうだったらいいのに」と思っても、「こんなもんだろう」と諦めている人が大多数ではないでしょうか。結局、問題解決が先送りになります。諦めなくていいし、諦めないでほしい。それを伝えるのが今の私の使命だと思っています。
 ◇声を上げムーブメント起こす
NPO法人女性医療ネットワークによる女性の健康学校「ジョイ・ラボ」
 ―この5年間でどのような活動を行ってきたのでしょうか。  対馬 社会を変えるには世論を動かし、政策や制度を変えることが重要です。政治家や官僚に何度も話をしてきました。今では厚生労働省や経済産業省も聞く耳を持ってくれています。内閣府男女共同参画局も理解を示し、一緒に取り組もうとしてくれています。  ただ、文部科学省にはまだ旧態依然とした���潮があり、「決まったルールに従ってほしい」と言われます。同省は性教育の普及にもずっと背を向けてきました。日本ではどの業界でも「それは自分が解決することではない」と声を上げない人が多く、むしろ発言しないことが良しとされています。教育は日本の社会を変えていくあらゆる取り組みの根幹を成すものです。いろいろな立場の人たちが自由に発言し、皆がそれに耳を傾け、より多くの声を生かしていく文化をつくっていく必要があるのではないでしょうか。  ―不正を廃止したことで、女性の医学部入学者数は4割に達しました。このままいくと半数を超えるのも時間の問題だと思われます。今後、医師の働き方は変わっていくのでしょうか。  対馬 例えば、仏ではいろいろな事情で医師の就業時間を過ぎてしまった場合は、緊急でない限り、その日に予定していた手術を延期することは普通に行われています。患者さんもそのあたりは理解しているようで、医師にはしっかり休養を取ってから手術に臨んでもらった方が安心だと思っているようです。  女性の数が増えたからといって、組織の意思決定者の女性はなかなか増えていきません。自分に発言力が付いてからとか、立場が偉くなってからというのではなく、まずは現場の人たちがどんどん声を上げてムーブメントを起こしていけばいいと思います。  女性医師が4割になった、5割になったから終わりではなく、6割、7割になってもいいと思います。そうすると、医療も変わり、医師の働き方も変わります。それに応じて制度や体制、文化も変わるでしょう。男性を隅に追いやるのではなく、男性も働きやすい環境を一緒につくっていけばいいのです。
 ◇やればできる、諦めない
第1回フェムシップドクター養成講座
 ―「女性は当直や救急を避ける」という声もあります。  対馬 私自身は手術を執刀するとアドレナリンが上がり、達成感がありますので、手術は大好きなのですが、「24時間やれ」とか「休まずにやれ」とは言われたくありません。若い人も仕事を頑張りながら子どもも産んでみたいし、自分のプライベートの時間も充実させたいと思って当然です。女性に限らず男性もそうだと思います。だから、いろいろな人が力を合わせて、オペもやるし、当直もやれるときにはやるみたいなシンプルな勤務体制と評価制度をつくった方がいいですね。  琉球大学の銘苅桂子(めかるけいこ)医師は、もともと外部の病院で働いていたのですが、より高度な医療を学ぶために「琉球大の産婦人科の医局で働かせてほしい」と申し出たところ、「子どもがいる女性はカウントできない」と一蹴されたそうです。「だったら無給でもいいから働かせてほしい」と粘り、無給で働いていたのです。すると担当教授が変わった途端、「まさに君は働く女性のロールモデルだ」と称賛されることに。3人の子育てをしながら実績を積み、評価され、周産母子センターで同大医学部初の女性教授に就任しました。  教授となった銘苅医師は次々と内部の改革を進め、女性は育児で仕事を辞めなくていい、男性も育児休暇が取れて子どもの面倒を見られる、子育て中も仕事へのモチベーションが維持できる体制をつくりました。誰でもやればできるのです。しかし、多くの女性は子どもを見てくれる人がいないと諦めてしまいます。今の日本は責任とやりがいがなく、女性が子どもを産んでもつらい、産まずに働いてもつらいみたいな社会が出来上がってしまっているのです。
 ◇女性の底力が社会を変える
 ―女性たちが今できることはありますか。  対馬 日本で「SDGs」というと「環境」のことばかりに注目が集まっていますが、17のゴールの中で日本が一番遅れているのは「ジェンダー平等」です。日本の女性は声が小さい、層が薄いと言われています。そもそも何もせずに諦めから始まっているので、持てる力をどれだけ発揮できるかというところにはまだチャレンジしていないんですよね。私は日本の女性の底力はきっとすごいに違いないと信じているので、これから皆がチャレンジすればいいと思うのです。  日本全体がこんなに後退し、勢いを失ってしまっているのは皆が我慢して諦めているからであり、本当にもったいないことです。今後、女性の活躍で期待されるのは「発言力」であり、それは「社会を変えていく力」です。そこにこそ地球の未来があると私は考えます。医療界を変えるとかいうレベルの話ではなく、すべての女性たちが手を取り合い、声を上げて、自らの生き方を決めていく。女性が世界を変えていく時代が来ています。(了) 聞き手・文:稲垣麻里子、企画:河野恵美子(大阪医科薬科大学医師) 対馬ルリ子(つしま・るりこ)  日本産科婦人科学会専門医。医学博士。専門は周産期学、ウィメンズヘルス。  1984年弘前大学医学部卒業。東京大学医学部産婦人科学教室入局、都立墨東病院周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック(現女性ライフクリニック銀座)を開院。産婦人科、内科、乳腺外科、心療内科、泌尿器科などで協力して全人的女性医療に取り組む。2003年NPO法人「女性医療ネットワーク」設立。2020年に一般財団法人日本女性財団https://japan-women-foundation.org/を立ち上げ、女性を救済する医師「フェムシップドクター」を養成するなど、企業や団体と連携しながらすべての女性を支援するための活動に注力している。 【注】 *1) 文部科学省資料 https://www.mext.go.jp/content/20231010-mxt_daigakuc02-100001375_01.pdf *2) 1994年にカイロで開催された国際人口開発会議において提唱された概念。人間の生殖システム、その機能と(活動)過程のすべての側面で、単に疾病、障害がないというばかりでなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態にあることを指す。
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kennak · 5 months
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Amazon の元人事スタッフは、ピボットとして知られるパフォーマンス向上計画を従業員に導入しました。 その後、仕事が原因で PTSD を発症したと主張する人事担当者は、独自の PIP に処せられました。 アマゾンの広報担当者は、このアカウントには同社のプロセスに関する不正確な記述が含まれていたと述べた。 NEW LOOK Sign up to get the inside scoop on today’s biggest stories in markets, tech, and business — delivered daily. Read preview Loading Something is loading. Thanks for signing up! Access your favorite topics in a personalized feed while you're on the go. download the app Email address Sign up By clicking “Sign Up”, you accept our Terms of Service and Privacy Policy. You can opt-out at any time. Advertisement この語られたエッセイは、ピボットとして知られる同社のパフォーマンス管理プログラムに配属された元アマゾン人事担当者との会話に基づいています。 この人物は自身のキャリアを危険にさらすことを避けるために匿名を条件に語った。 Business Insider は彼らの身元と会社での雇用を確認しました。 会話は長さと明瞭さのために編集されています。 私は アマゾン で数年間人事部門で働いていました。 私はピボットを投与しただけでなく、最終的にピボットを経験することになることに気づきました。 彼らは私に対してそれをしたことで間違いを犯しました。 パフォーマンスの悪さを正当化する情報はあまりありませんでした。 ピボットの目標は、ストレートで一律 6% という数字 でした。 人事担当者として、これは非常に大きな数字です。 Advertisement そして、誰がパイプラインにいるのかを確実に把握するために、毎日、毎週、指標を表示することが人事担当副社長によって熱心に推進されました。 改善するためではなく、誰が抜け出す予定だったのか。 人を改善することにはあまり興味がありませんでした。 あなたは脂肪を使った最高の選択肢をカットしているかもしれません。 そして彼らはそれでOKでした。 彼らはその番号を望んでいたのです 。 それを導入し、自分たちが Pivot を利用していることを従業員に伝えなければならなかったマネージャーたち、つまり彼らの大多数はそれを嫌っていたと思います。 なぜなら、第一に、彼らはすぐにパフォーマンスを管理できるスキルを持っていなかったからだ。 私たちのマネージャーの多くは新人でした。 まず最初にやるべきことは、Pivo​​t のコンサルタントと協力することでした。 つまり、それはマネージャーのビジネスパートナー以外の人事部門の誰かでした。 そして、誰かをピボットするのに適切な時期なのか、それとも間違った時期なのかについて話し合います。 結局、私の時間の 80% は、何らかの形で Pivot に集中することになったと思います。 ピボットアピールか、労働者の管理者が行わなければならなかったピボット作業のいずれかです。 そして、ほら、言葉に閉じ込められたこれがどこかで見つかるだろうとは言いません。 しかし、アイデアは、誰かをピボットに入れる場合、それを非常に困難にして、彼らがそこから出られなくなるということです。 Advertisement ほとんどの場合、控訴中にそれが明らかになった特別な一連の状況がない限り、その成功率は事実上ゼロでした。 Pivots で働いていないときは、人事の仕事はとても楽しかったです。 私たちはコーチングを行って強みに焦点を当て、組織内で人々をポジティブな方向に動かすことを想定していました。 その後、Pivo​​t が戻ってきたとき、すべての従業員をランク付けする必要がありました。 内訳としては、それをトップティアと呼びましたが、それがうまくいった時点では、おそらく 15 ~ 20% でした。 そしてあなたは真ん中を手に入れました。 そして最下層があります。 最下位層は約 20 ~ 25%、場合によっては最大 30% でした。 彼らが公に表明したガイドラインは異なる可能性があります。なぜなら、いくつかのものがうまくいかなかったり、レールから外れたりして、何らかの理由でそれらから抜け出すことができなかったため、私たちは常にそれ以上のものを確保するように努めていたからです。 実際に業績を下回っている、またはビジネスに悪影響を及ぼしている人の数をはるかに超えていました。 おそらく、約 1% または 1.5% ~ 2% が実際にはパフォーマンスが良くありませんでした。 Advertisement PTSDを患っています 私は Pivot プロセスで目にしたものにうんざりしました。 このプロセスだけで私は心的外傷後ストレス障害になりました。 それは人間として私に大きな影響を与えたので、そこから抜け出さなければなりませんでした。 それが正当化されると、誰かを追い出すのが簡単になりました。 それが当然のことであれば問題はありません。 しかし、それが当然ではないとき、泣きながら懇願する人々がいて、彼らは理解できませんでした。 ビザの支援を受けている従業員がいましたが、私たちが彼らをピボットして国外に移した後は、米国で働くことを許可されなくなりました。 そのため、彼らは直ちに国外脱出の計画を立てる必要がありました。 そして、他のグループからスポンサーを受けるには長いプロセスが必要です。 私がそこにいた数年間、パフォーマンスに関する問題を与えられたことは一度もありませんでした。深刻なものに近いものさえありませんでした。 常にフィードバックを求めていたので、心配はありませんでした。 「どうしたらいいの?どうしたらもっとうまくできるの?」って感��です。 私自身、Pivo​​t に盲目的にされることは決して望んでいませんでした。 そして、多くの人がそうしたことは、自分がその道に進むという兆候を受け取ったら、すぐに転職するということでした。 成功した人もいます。 多くの人はそうではありませんでした。 Advertisement 通常、パフォーマンス向上プログラムでは、人事担当者として、進歩的な規律に従っていることになります。 この人が問題を抱えているというメモを見ていますか? コーチングに関する会話が行われているのを見ていますか? したがって、それが実際にただブームになることは、本当に問題があります。 私の番だった 私の業績評価の際、私が PIP に属していることが明らかになったとき、マネージャーは私がこれまで聞いたことのない批判を共有しました。 私は、「こんなコメントは今まで一度も来たことがありません。」と言いました。 本質的には、作り話が多かったです。 つまり、真実を伝えることができます。 いくつかの課題に遅刻してしまいました。 しかし、誰もが自分の仕事において改善できる要素を持っています。 私のマネージャーはそれらを引き出すことを選択しただけです。 アマゾンは人々を 3 つのカテゴリーに分類しました。 あなたはトップレベル、集団の中位、または少なくとも有能でした。 通常、彼らはあなたをどのように評価したかは教えてくれませんが、私は「さあ、私もあなたと同じくらいこのことを知っています。言葉遣いも知っています。あなたは私を中程度のカテゴリーに入れませんでした。私を最も効果の低いカテゴリーに入れたことを認めていただけますか?」 そしてマネージャーにそれを認めてもらいました。 Advertisement 私はピボットには入れられませんでした。 マネージャーは、私がその仕事に専念するかどうかを確認するために、少し協力したいと考えていました。 それで彼らは私を座らせて、ピボットに行ってすぐに辞めてもいい、そうでなければ私と一緒に仕事をすると言った。 そうですね、明らかに仕事のチャンスがなかったので、私は言いました、「ほら、私にはその仕事がある。もっと良くなってそこから先に進みましょう。」 そこでマネージャーは私の直属の部下をすべて取り上げ、私を小さな箱に押し込み、あなたはこれをやって自分で努力してみなさいと言った。 その直後から、私は次の仕事に就くために全力で取り組み始めました。 それで取材を始めたんです。 実際に私に声をかけてきたヘッドハンターがいました。 当初、私は彼女にノーと言いましたが、その後、このようなことが起こりました。 そして私は「よし、もう一度考えてみましょう」という感じです。 彼らが私に仕事を提供してくれるところまで来ましたが、私は辞めるつもりでした。 しかし、私は巨額の株式投資を控えていました。 したがって、この日付に到達するために、私が何らかの形、形、形で船を揺るがすつもりはありませんでした。 ピボット中、または投資が手元に届く前にその場を立ち去った場合、すべてを失うことになります。 そして、私は少しのお金のことを話しているのではありません。 私が話しているのは、数十万ドルが私のところに来ていたのです。 私も一緒にプレイしましたし、私は必要なときに一緒にプレイするのが得意です。 それで、お金は私の口座にあります。 その翌日、私はマネージャーに電話して、退職することを伝えました。 彼らはガスケットを吹き飛ばしました。私が長期的にこの仕事に就くだろうと彼らに言ったので、間違いなくガスケットが吹き飛ばされました。 私は言いました、「ほら、あなたは私に選択肢を与えませんでした。あなたは私に対してこの脅威を与えました。私はそこに座ってそれがあなたに依存するのを待つつもりはありません。私が電話をかけるかどうかに関係なく、あなたは電話をかけることができます。 」 私のマネージャーはとても怒っていて、私がいつ帰るのか尋ねました。 2週間って言いました。 彼らは、私が彼らにもっと敬意を払っていないことに信じられませんでした。 Advertisement 最大のことは、これはPivotを使用された多くの人々に当てはまると言えますが、警告の兆候がなかったことです。 「あなたのパフォーマンスが低い」というコミュニケーションの痕跡はありませんでした。 つまり、たとえそれが「ねえ、次回はこれをもっとうまくやることはできますか?」のような単純なことであってもです。 確かに、否定的なフィードバックはゼロでした。 とても楽しかったというフィードバックをいただきました。 それが突然、この場所に来て、「えっ」という感じです。 そのプロセスを経た人々全員に何が起こったのか、私は今でも不思議に思っています。 それは彼らの人生にどのような影響を与えましたか? それは多くの精神的健康上の問題につながると思います。
元 Amazon 人事担当者: パフォーマンス向上のプロセスで PTSD になった
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todetserrenews · 7 months
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60代、70代…高齢者のスマホ利用が導く恐ろしいスマホ認知症(デジタル認知症)とは
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 近年、「スマホ認知症」が問題視されています。
幅広い年代の方にとって、スマホは日常生活にはなくてはならない存在です。手軽に調べ物ができたり、動画視聴をしたり、常にチャットで会話したりと便利に使えます。しかしスマホが原因で認知症の症状を抱えてしまうことがあります。今回はスマホ認知症についてご紹介しましょう。
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この記事の監修
平栗 潤一
一般社団法人 日本介護協会 理事長
大手介護専門学校にて12年で約2,000名の人材育成に関わり、その後、人材定着に悩む介護事業所の人材育成や運営支援を実施。2020年4月からは一般社団法人日本介護協会の理事長に就任し、介護業界の発展を目指して介護甲子園を主催している。
目次
スマホ認知症とは現代における社会問題
スマホが認知症に影響するメカニズムとは?脳の疲弊・寝付きの悪化など
スマホ認知症(デジタル認知症)のチェックリスト
スマホ認知症の対策は「休息する」「制限時間を設ける」など
機器に頼らず、自力で思い出す・記憶することがスマホ認知症予防の第一歩
スマホ認知症とは現代における社会問題
スマホ認知症は現代において、社会問題として近年注目され始めています。デジタル認知症とも呼ばれています。スマホ認知症には、認知症のような病的な物忘れや認知機能、脳機能の低下などの症状があります。しかし他の認知症(「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「血管性認知症」)などと異なり、現在は特定の疾患としてはまだ認められていません。
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スマホ認知症の原因
スマホ認知症患者は常にスマホを携帯し、
仕事でもプライベートでもメッセージやメールの処理、チェックを常時欠かさず、
暇になるとスマホをチェックし、
LINEなどのチャットメッセージSNSに気を取られ、気を使い、追われ、
次々と良いも悪いもあふれかえるコンテンツや情報量を見続け、
インターネットでの検索や情報収集も怠らない人に非常に多く見受けられています。
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認知症のうち多くを占める「アルツハイマー型認知症」は脳の萎縮によって認知機能の低下を引き起こします。しかしスマホ認知症の場合は脳の萎縮はあまり見られません。スマホ認知症は全身に指令を出す役割を持っている前頭前野の機能が停止してしまうことが原因となっています。
これは、普段の生活に加えてスマホから多くの情報を収集することで、前頭前野が処理しきれずパンク状態に陥ってしまうためです。前頭前野がいっぱいいっぱいの状態だと集中力も途切れがちになり、思考力も停止してしまうことが考えられます。
スマホ認知症は人口に占める割合の多い働き盛りの世代から団塊世代、60代、70代であり、社会への影響も少なからず出てきてしまいます。
現代ではスマホ依存症やスマホ中毒症も確認されていることから、スマホが脳に与える影響は計り知れません。別の動作をしながらスマホを操作することで、脳に何らかの異変が起こり得るとされており、脳へのタスクが多い現代人にとって脳が疲弊する原因を自ら作り出してしまっている状態といえます。
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スマホが認知症に影響するメカニズムとは?脳の疲弊・寝付きの悪化など
スマホ認知症とは言いますが、本当にスマホが認知症に影響を及ぼすのかと疑問に感じる人もいるでしょう。しかし、実際にはスマホが普及してから60代、70代あるいはそれ以下の若年層での認知症のようなケースが増えています。
普段から何気なく利用しているスマホは、認知症にどのような影響を及ぼしているのか解説していきましょう。
脳が疲弊する
スマホを長時間使用することによって、脳は疲弊してしまいます。
スマホの情報量過多と影響は、テレビとは全く別です。
テレビは昔、「テレビ脳」などと言われ一部の教育者などから攻撃されることがありました。
しかし 実際、テレビ登場から80年経った今でも、テレビを見ることによる脳への悪影響は研究において、結局のところ一切認められていません。
今回の研究と問題はネットです。
大量のニュース記事が表示され、大量のコンテンツがどんどん流れている間でも脳は働き続けており、膨大な情報を取り込み続けているのです。
膨大な情報は「何気なく」収集したものであるため、外に吐き出すこともせず自身の中に残ったままとなります。情報を見てどう感じたのか、どう面白かったのかを表現できないことから、取り込んだ情報を外に排出する能力自体が衰えてしまうのです。
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そもそも人間の脳は情報を取り込み、考え、行動することで外に排出するようにできています。しかし、スマホでの情報収集は「何気ないもの」であるため、アウトプットがされにくいです。取り込むだけ取り込んで、そこから先の処理はされず脳が情報過多で疲弊してしまう原因となり得ます。
脳が疲弊してしまうと、新たな情報を取り込む機能(記憶)や取り込んだ情報を思い出す機能が弱まってしまいます。その結果、スマホ認知症が生じてしまうこととなるのです。
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ブルーライトによって寝付きが悪くなる
スマホによって脳が疲弊してしまうこと以外にも、スマホが発している画面の光(ブルーライト)も人間の体に大きな影響を与えています。「ブルーライトは目に良くない」と聞いたことがある人も多いかもしれませんが、実は脳にも悪影響を及ぼしています。
特に就寝前にスマホでブルーライトを大量に浴びてしまうと、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌量が減少してしまいます。睡眠ホルモンが減少すると寝付きが悪くなり、夜中に起きてしまうことにつながります。
「熟睡できていないこと」もスマホ認知症の原因の1つです。脳は寝ている間に起きている間に取り込んだ情報を処理しています。そのため眠れないことで、物忘れなどの症状が悪化してしまう可能性があります。
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スマホ認知症(デジタル認知症)のチェックリスト
スマホ認知症は、今やスマホを持っている全員がなり得るものです。スマホ認知症を名付けられた脳神経外科医であり、おくむらメモリークリニックの院長である奥村歩先生が、スマホ認知症のチェックリストも作成されていました。ここからはスマホ認知症のチェックリストをご紹介していきます。
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ふとん・ベッドでスマホを使う
就寝前にふとんやベッド上でスマホを使う習慣があるかどうかチェックしてください。
スマホなしで初めての場所に時間通り着けない
スマホに内蔵されている地図アプリなどを使用しないで、場所に時間通り辿り着けるかどうかをチェックしましょう。
情報に乗り遅れることが怖い
やる気・興味がわかなくなった
何事にもやる気が出ないことや、何事にも興味が持てなくなったと感じられたらチェックしてください。
覚えておくものはスマホで写真を撮る
記憶しておかなければならない事項に対して、常日頃からスマホで写真を撮るなどして記録を残しているかどうかチェックしてみてください。
スマホ認知症の最高の対策はスマホを見るのをやめる「デジタル・デトックス」
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スマホ認知症はチェックリストから分かるように、普段私たちが生活の中でより身近な存在となってしまったことで生じてしまうリスクが高まります。
スマホ認知症を防ぐためには、普段の生活習慣をどのように見直していけば良いのでしょうか?ここからは、スマホ認知症の対策について解説していきます。
休息時間を設ける
スマホ認知症とならないためには、やはり脳への疲労を蓄積しないことが重要となります。スマホを使用することで脳は少なからず疲弊していきます。そのため、休息時間を設けることが大切です。
休息時間はそれぞれ個人差があるでしょう。目や脳を休ませる時間を作り、その間はスマホやパソコン、テレビなどのデジタル機器に触れないようにしましょう。日々の中でそういった時間を作ることは有効です。
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自分のルールを設ける
これは休息時間を設けることにもつながりますが、自分の中でスマホを見ない・触らない時間を作り、ルール化していきましょう。最近ではトイレに行く際にもスマホを持っていく人が多く見られますが、その時間だけでもスマホを触らないようにしたり、就寝前30分~1時間はスマホを見ない・触らないようにするルールを設けたりすると、常日頃から意識してスマホ認知症対策が少しはできるようになります。
また、移動中のスマホも近年では社会問題となっています。自転車や自動車の運転中はもちろん危険ですし法律でもスマホの利用は禁止されています。歩行中であっても周囲への注意力が低下してしまうことから、できるだけスマホを見ないで歩いてみると事故に遭うリスクの軽減にもつながるでしょう。
あくまでも自分の中でのルールなので、自分ができる範囲で決めてみるようにしましょう。スマホ認知症対策には普段からの心掛けが大切になります。
しかしこれらは本当の解決にはなりません。
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もっとも効果のあるのは「デジタル・デトックスを実践」
休息時間を設けることや自分のルールを決めることとも正直さほど変わりないですが、最近話題になっているデジタル・デトックスを実践してみるのが良いでしょう。デジタル・デトックスとはその名の通り、スマホなどのデジタル機器に触らないようにして脳と体へのストレスを軽減する取り組みを言います。
デジタル・デトックスを実践してみるだけで、その間に誰かと会話したり、自然と触れ合ったりして元々備わっている人間の五感を取り戻すことにもつながります。
最近では、このデジタル・デトックスを体験できるプランを用意している宿泊施設が増えてきています。
チェックインの際に自身の持っているデジタル機器をすべてフロントに預け、宿泊中は一切デジタル機器に触ることなく過ごせます。実際にこのようなデジタル・デトックスのプランを利用した人は日々の疲れが取れたと言い、高い評価を得ています。近くにあればどうしても触ってしまうという人は、このようなプランを利用してみても良いでしょう。
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スマホでのやり取りに追われず、情報に溢れすぎず、機器に頼らず、自力で思い出し記憶することがスマホ認知症予防の第一歩
スマホ認知症は、現代において大きな社会問題となりつつあります。この認知症は今や高齢者のみの病気ではなく、50代の働き盛りの世代へも迫ってきています。
 スマホ中毒の人にはスマホがない生活は難しいでしょう。しかし、少しでもIT機器に頼らない生活を送るよう意識することでスマホ認知症の対策になります。
IT機器は非常に便利で、検索能力から記憶能力まで頼ってしまう人は多いです。その方が確実性も高くなることもあります。しかし、それらの脳の機能を使わずにいることでどんどん人間の本来持っている機能が衰退してしまったり、IT機器による情報過多で脳が疲弊したりすることにもつながるでしょう。
まずは、少しでもスマホに触る時間を減らすことから始めてみてください。不便に感じることもあるかもしれませんが、以前はスマホのない生活ができて当たり前でした。自らスマホの利用時間を決めるなど工夫して、スマホと上手に付き合っていくことが今後重要となっていくでしょう。
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leajjack · 1 year
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大咲真白まとめ話
「三月うさぎと不思議なテーブル」の自PC「大咲真白」設定メモを全部載せした総まとめブログです。
・大咲真白 好きなもの:可愛いもの。美味しいと言って食べてくれる人。誠実な人。いちご。 嫌いなもの:否定や放置をされること。冷めたご飯。体調などの理由なく料理を残されること。
・名前の由来 →「よく笑う」→わらうは咲うとも書けるので「大きく咲う」の意味で大咲。真白は何も知らないまっしろな子、という意味でPLが背景を取り込んでつけたけど、PCとしては冬生まれなので「雪が積もって一面真っ白な日に生まれたから」というバックがあります。 本編墓下の「雪が解けたら春になる」はそこをちょっとサルベージしてました。
・幼少期~高校卒業まで これもう村では書かない(真白個人が過去を昇華しているので)からここに置いておく気持ち。 父親は多分生まれてすぐ母親に愛想つかして離��した。養育費払って特に新しい家族も作らず一人で生きてそう。真白も父親は「いないのが普通」なのでマジ気にしてない。 幼少期はどう育てられたのかなーと考えた時、まあ多分ベビーシッターを養育費とかで雇って育てられてる気がする。遠足のお弁当とかは無いからお金の代わりにコンビニのおにぎりとか置かれてそう。 小学校入ってからは時々「みすみ」でご飯食べたり(ここが手料理の一番最初の記憶)、コンビニとかスーパーのお惣菜。料理に手を出すまではそんな感じで、遠足の時に多分お弁当じゃないのを変に気遣われたりからかわれたりして、でも顔が可愛いからいじめられはしないみたいな生活。小学校入る直前くらいが一番母親と会ってた時期だと思う(母親は明るめの茶髪に化粧バチバチ勢) 料理は最初の方は失敗続きだったけど、初めて「自分にもなにか出来る」ことが楽しくて続けて才能があったパターン。最初に失敗したのは卵焼き(殻が入って焦げて崩れた)、最初に成功したのも卵焼き。堅実に積み重ねていくタイプ。 で、「一緒にご飯食べたい」とは言えないまま何年も料理を作って置いては翌朝そのまま残されてる冷めた料理を温め直して……の繰り返し生活ですね。 中学は普通に小学校の子たちがそのまま進学する地元の中学。得意科目は家庭科(調理実習)、国語。苦手科目は数学、理科。 そのまま問題なく、母親に負担をかけない高校へ行きって感じ。
契機はやっぱ「母の日に作ったケーキゴミ箱行き事件」。これが高校一年生の母の日。 そこから荒れて、留年したりしない程度に授業サボったり、同じような家庭環境に難ありの子たちとつるんで大人に迷惑かけない夜遊び(補導される前に帰るし男遊びはしない)してた。ぷらいべったーのSSの感じですね。口数少ないギャル系。 顔は一軍・でも所属グル���プはどこにも属さない独特のところ。誰にでも分け隔てはないし話すと愛想は悪くないので密かに人気。 ここで苦手科目に英語も加わる。頭は悪くないけど出席率がね…。 でも普通の青春にすごい憧れはあって、皆で明るくわいわいしたい気持ちがあったので、これがゲイザータメ口の理由になるんだなぁ。 卒アルはまだ黒寄りの暗髪(地毛こっち)だし今よりやや幼い顔。寄せ書きには女子の名前しかない。日常風景の写真だったり、修学旅行の写真も独特の雰囲気あると思う(笑ってるけどつまんなさそう) ランキング系にも全然名前出てこないけど、「実は好きだった女子ランキング」とかで突如一位に名前が出てくる。あと料理が上手い人ランキングにもいる。 球技は得意じゃないけど体力系は得意。持久走で悠々と友達置いていくタイプ。
・卒業後~就職まで 卒業後は髪を染めて「可愛い」により妄念を抱くことになる。 マロンブラウンは母親と同じ色だから。同じ茶髪になったら娘だと思ってくれないかなとか、可愛いからあの色にしてたんだよね?なら同じ色にすれば可愛いと思われて今からでもやり直せないかな?とか。 調理の専門学校へ行きたいと言えず高卒でバイトしながらぼんやり生きてた。バイト先は飲食オンリーだったと思う。キッチン。 でも「このまま腐るのは嫌だ、こんな自分が一番可愛くない」ということも分かっていて、変わるきっかけをずっと探してた。そこからうさぎの穴にたまたま来店し、後は本編ロル通り……って感じ。
・けいちゃんタメ口なんで?の零れ話 ところで真白、勤続歴での後輩だったりにはタメ口だし、先輩sには敬語なんだけど、ゲイザーには「けいちゃん」だしタメなんですよ。 これゲイザー本人の雰囲気も勿論あるんだけど、「ゲイジーパイ伝説」があまりにも真白にとって理想の「調理部エピソー��」というか料理が関わる青春の話で、勝手に親近感というか、「こんな人が同級生にいたらなぁ」という願望の結果なんですよね。 けいちゃん呼びもタメ口も「していい?」って許可取ってからやってるし、「マシロん」呼びも前述のことがあるから余計嬉しかったと思います。PLは。
本編中の真白が「ずっとなりたかった自分の姿」だし、根が善性で健気というか、「気持ちを受け取ってもらえないこと」で傷付いた過去があるので「相手からの気持ちは絶対否定したりしない」性質があります。褒められて「そんなことないです」は言わないし、けいちゃんに一回目のクッキーを商品には向かないと言われても「そうだよね、真っ向から言えるけいちゃんは正しいよ」って言ったのもそう。真白には正論だったし。あといちごの国の嫉妬の仕方も真白のこれが表れてると思う。
恋した相手が夜綿さんじゃなかったら「母親の愛を受け取らない」という唯一の「気持ちの拒否」は出来なかったし、あそこは真白個人のメインテーマとしてめっちゃくちゃ重いので、失恋ルートだったらこっそりケーキを食べて貰って美味しいよって言って貰って、それだけで幸せだよね、こんな未来を得られただけ奇跡だよって言い聞かせて前向きに生きるエンドだったと思う。 でも奇跡的に想って貰えてたのでこれからは色んなデザートを作るしお祝い事にケーキを焼ける。はっぴー。カメラも影響されて買うことから始まり、普通に新しい趣味としてハマりそう。 実家にご挨拶行く時は物凄く緊張しながら可愛い系じゃなく綺麗系で伺うし、髪も下ろして巻いてハーフアップにしたり、前日は緊張でトチ狂って「スーツのほうがいいですか!!??」って面接じゃねえんだぞ的な焦り方もする。夜綿さんは実家に泊まって色々語り合うだろうから邪魔しないでおこう、と思ったら一緒にホテル泊まる流れになって「あぇ???」てなる。
(すごい余談)
真白、まほいくなら「ペチカ」とか「プリズムチェリー」の立ち位置にいそうな成長物語を「村の出来事とお相手さまの存在を経て」成すことが出来たなーと思ってます。重い過去のわりに本人が本編開始時点でそれを気負わず「生まれ変わったつもりで」明るい大咲、に終始していたからか、The・光属性な感じ…。闇属性ではないなー。 サンリオならシナモン好きだろうし、ディズニーならダッフィーフレンズシリーズだし、ユニバならティムが好き。そんな雰囲気。 肩が出る服は本人の好みですね。1stイエベ春、2ndブルベ夏の骨格ウェーブ。 服はSNIDEL、MERCURY DUO、riendaイメージです。 好きなポケモンというか似合うのはマホミル、マホイップ、ペロッパフ、ペロリーム。
そんなまとめでした。
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groyanderson · 1 year
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☆プロトタイプ版☆ ひとみに映る影シーズン3 第二話「現れたイヤなヤツ」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 段落とか誤字とか色々とグッチャグチャなのでご了承下さい。
→→→☆書籍版発売までは既刊二巻を要チェック!☆←←←
(シーズン3あらすじ) 謎の悪霊に襲われて身体を乗っ取られた私は、 観世音菩薩様の試練を受けて記憶を取り戻した。 私はファッションモデルの紅一美、 そして数々の悪霊と戦ってきた憤怒の戦士ワヤン不動だ! ついに宿敵、金剛有明団の本拠地を見つけた私達。 だけどそこで見たものは、悲しくて無情な物語…… 全ての笑顔を守るため、いま憤怒の炎が天を衝く!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
དང་པོ་
 娑婆に戻ると、一面に緑の木々があった。日本の山林には自生していない植物が多く、人工的な庭園か、あるいは日本国外なのかもしれない。  まずは人がいないか探してみよう。少し歩いていると、開けた場所に誰かが立っていた。魔女みたいにつばの広い帽子を被っているから顔は見えなくて、等身の低さから辛うじて子供だとわかる。その子の前には何故か、屋外じゃなくて家の中で使うようなアンティーク鏡が立っている。 「鏡よ鏡、鏡さん。四一四〇の過去三年の売上高変化率を出してみて」 「はい。四一四〇、養医所製薬の売上高変化率は、三年前年度比マイナス六.二%です」 「十の十一致……っと。アシスタント機能のバグ修正は上手くいったみたいね」  その子……声は低い。声変わり直後の男の子だろうか……は、喋る鏡と会話をしている。童話みたいなシチュエーションで、随分ビジネスライクな話題だこと。邪魔をしては悪いけど、声をかけてここがどこだか尋ねてみよう。私は物々しいワヤン不動から紅一美に姿を変え、霊感がない人にも自分が見えるよう影を濃く取った。そして༼ あの ༽と声をかけようとしたその途端、それを遮るように男の子がまた口を開いた。 「ねえ、鏡よ鏡。どっかの誰かさんがふざけた引退宣言なんてやらかしてくれたけれど、ここの情報はどこにも漏洩してないでしょうね?」  え? 「はい、CEO。リアル株式運用NFTゲーム『白豚姫と七十二の法則』はまだリークしていません」  鏡がよくわからない答えを返しているうち、CEOと呼ばれたその子が振り返った。未就学の子供のように小柄なのに、顔は陶磁器でできた人形のように美麗な大人の顔で……一目で作り物だと理解できた。 ༼ ひょっとしてここ、ゲームの中ですか? ༽  人工庭園どころか、ここはバーチャル空間だったようだ。3DCGにしては随分とよく出来ている、なんなら和尚様の須弥山よりリアリティが高い。CEOさんは白雪姫の魔女を模したアバター姿だけど恐らく男性だ。 「そう。ブロックチェーン技術で仮想通貨や実際の小額投資が運用できる、次世代のゲームを作っているの。最初はお手軽なモバイルアプリとして発表するつもりだけど、世界観を大切にしたいから、開発チームには全員メタバース内に潜ってリアルタイムプログラミングさせているのよ……あ、これ社外秘ね」  CEOはなんだか凄そうな極秘事項を、初対面の私にペラペラと喋る。大丈夫なのか? と思っていると、私の中でドマルが閃いた。この魔女、もしや…… ༼ 失礼、少しよろしいか? あなたは一美のお知り合いと見受けられるが、拙っ……私は本体である紅一美の肉体を悪霊に盗まれて、『ワヤン不動』の記憶以外殆ど思い出せないのです。できれば今一度、あなたや一美の話をご説明頂けないかな ༽ 「えぇ? またまた。……って、マジで私の事、忘れちゃったの!?」  魔女アバターが驚きの表情を作った。よく出来ている。 ༼ マジです ༽ 「勘弁してよ一美ちゃん! 私よ私、平良鴨悟(へらがも さとる)! 平良鴨証券グループ会長、金融アルマゲドンを制し世界長者番付第一位を獲得した億り人の!」 ༼ なるほど、つまり芸能界のタレント仲間 ༽ 「ちっがーう! そりゃ一美ちゃんと初めて会ったのはショービズの世界でだけど、今はもうNIC関係者同士の友達。うちの本社にデグーの霊が出た時だって助けに来てくれたじゃない!」  そんな可愛いイベントあったっけ、ぜんぜん思い出せない。でも、こうして話しているとどこか懐かしさは覚える。……あれ? そういえばこの人、対アンダスキン戦で共闘したNIC出身の超脳力者さんと似ているような…… ༼ ひょっとして、譲司(じょうじ)さんのご家族ですか? ༽ 「なんで兄ちゃんの事は覚えてるのよ!!」  なるほど、彼の弟さんだったみたいだ。  悟さんから情報を聞き、改めてこれまでの経緯を整理してみる。まず私は二〇一三年の夏に如来に肉体を奪われた。以降も一美は表向き、これまで通り芸能界で活躍している。しかし彼女と親しかったNIC関係者が異変に気付き調査したところ、下水道からワヤン不動の魂が宿った金属ペンダントの一部破片を発見。過去金剛の霊障事件の証拠品として保管していたムナル和尚様の遺骨を使い、ワヤン不動の復元に成功した。そうして蘇った私の魂は、NIC本部よりも狙われにくいスポンサー企業、平良鴨証券グループに移送され、まだ世間には未公開の亜空間(メタバース)内に安置されていたという。ちなみに今は二〇一四年十二月末だそうだ。 「うちのローカルサーバーは対霊性も高い特別なセキュリティルームにあるの。機密情報がお化けとか透視脳力者経由でリークしないとも限らないからね。それなのに���んたったら、何千人も生霊を引き込むんだもの。全くとんだ邪尊様よ!」 ༼ す、すいません。まさかそんな事になってるとは知らなくて ༽ 「まあいいわ。ともかくNICも金剛有明団を潰す方針は一緒だから。あなたが目覚めたからには明日から忙しくなるわよ」
 གཉིས་པ་
 NICは正式名称を『国際超脳力研究機関(National Institute of Cerechology)』という。人の脳が百パーセント活性化する全知全脳(ぜんちぜんのう)という現象に着目し、エスパーや霊能力などの超人的な力を研究する医師団だ。ワヤン不動復活と邪尊の引退宣言も当然関係者の耳に入っていて、NIC全支部合同で金剛有明団への対策を話し合う緊急カンファレンスが開かれる事になった。  私達は悟さんの自社用セスナで、カンファレンス会場であるNICアジア支部本部、インドネシアのバリ島へ向かう。アイドリング中の機内で待っていると、悟さんを含めて三人が搭乗した。一息つく間もなく離陸が始まり、セスナは轟音に包まれる。お互いの挨拶が始まるのは雲の上に上がってからになりそうだ。  外は夜だった。見覚えがあるような、ないような、しかしなんとなく日本っぽい夜景が広がっていく。記憶を完全に取り戻したら、ここがどの都市だかわかるのかな。  夜景はやがて灰色の雲に覆われ、機体が地面と平行になる。ジェット音が落ち着くと、悟さんがシートベルトを外して、私のいる後部座席側に向き直った。 「金沢の夜景も綺麗だったでしょ? 東京より上品で。鼓門は見えた?」 ༼ カナザワ? ༽ 「これは重症だわ」  なんとなく日本の地名らしきニュアンスしかわからない単語をオウム返しすると、悟さんはまるで原始人を見るような目をする。 「本当に殆ど戦いの記憶しかないようね。いいわ、みんな改めて挨拶会しましょう。『蟻』は初対面だしね」  セスナの乗員は私と悟さんのほか、小柄な運転手の壮年男性と、ダウンコートのフードを目深に被った身長二メートル越の寡黙な偉丈夫。蟻と呼ばれたのは……運転手さんだろうな。 「まず私。さっきも名乗ったけど、平良鴨悟。NICのコードネームはエイミィ。ヒエロニスト(熱念力使い)で、霊感はチョットだけ。移動費はこっち持ちだから気にしなくていいわよ」  自己紹介しながら、悟さんは細い煙草を取り出す。眉間から一瞬小さなスパークが走ると、煙草が火花を上げて発煙した。彼は自分の脳力を実演し終えると、そのまま煙草を咥えた(自社用機だから喫煙は自由なんだろう)。そしてコードネームというのは恐らく、秘密組織であるNIC内で使われる名前か何かだと推測できる。  次に運転手さんが振り向いた。 「初めまして、ワヤン不動様。私は平良鴨証券CEO秘書、有働義人(うどうよしひと)と申します」  有働さんは年齢の割に背筋がぴんと張った男性だ。眼鏡の右目部に装着されたウェアラブルディスプレイが引っ切り無しに明滅し、時折右目だけギョロギョロと何かを読み取っている。 「私専用の『SSR秘書』よ! マルチタスカーで、重度のソーシャルゲーム廃人。ゲームさえ自由にさせてあげれば、どんな仕事だってこなしてくれる最高の働き蟻なの!」  悟さんに誇らしげに紹介されると、有働さんは奥ゆかしい笑顔で会釈して再び飛行機操縦に戻った。彼はスマートグラスで常に様々なゲームを並行周回しながら業務に従事しているようだ……NICの脳力者並にすごくない? SSR秘書。 「あんたも何か喋りなさいよ、旦那クン。それとも、奥さんに忘れられてるかもしれないのが怖いのかしら?」  有働さんの紹介が終わった後、最後に悟さんに声をかけられたのは偉丈夫だ。彼がのそのそとフードを取ると、中の顔も重たい前髪で殆ど隠れていた。でも、その淡く発光しているような青白い髪にはとても見覚えがある。 ༼ 御戌神(おいぬのかみ) ༽ 「!」  名前を呼ばれたその偉丈夫、御戌神は、僅かに口元を引きつらせた。彼は御戌神。江戸時代に金剛によって生み出された祟り神の生まれ変わりだ。人間としての名前は……何故だろう? ワヤン化している最中も何度も呼んでいたはずなのに。まるで心に鍵がかかっているように思い出せない。 「なに、あんた達夫婦喧嘩でもしてるの?」  私が御戌神と呼んだからだろう。悟さんが茶化す。夫婦と言ったが……よく見ると、御戌神が隠すように握っている左手の薬指には、シンプルな銀の指輪があった。 ༼ もしかして……私の、夫? ༽  一美は結婚していた? そんな記憶は毛ほどもない。しかし会話の流れからすると、私は実の夫の名前すら忘れているのか!? 「……一美ちゃんとは、結婚してない」  御戌神が初めて口を開いた。 「僕が入籍した彼女は、如来に乗っ取られた後ので。嫌で嫌で仕方なかったけど……金剛の変な男に一美ちゃんを取られたら、本当にコトだから」  少し訛った言葉を絞り出しながら、御戌神は左手の薬指を苛立たしそうに掻きむしった。その指先は蕁麻疹のようにぼつぼつと荒れていた。彼は相手が如来だと気付いていながら、私を金剛から少しでも遠ざけるためにプロポーズしたのか。なんて事をさせてしまったんだ……。 ༼ 光(ひかる)君 ༽  自責の念で心臓がきゅうと絞られるような感覚になり、その拍子に私は自然と彼の名前を口にした。すると光君は諦めきったような微笑みを浮かべ、 「今は御戌神で。名前は一美ちゃんが完全に戻ったらだ」  私を遮った。 「僕は御戌神。影法師と対になる、光で戦う犬神。ワヤン不動にゃ及ばないかもけど、ちゃんと戦力に」  皮肉にも、彼の戦闘状態は鮮明に覚えている。青白く輝く巨大な狛犬になった彼と、影の私は連携して大散減を倒したんだった。  しかし彼は初対面時と比べ、とても垢抜けた。柔らかそうなファー付きロングダウンコートが胴をすっきりと見せ、下半身は座っても丈がしっかり足首まである、ストレッチ性が高そうなサイドラインのジャージパンツ。だけど都会的になった彼を見ると、どこか悔しさを覚える自分がいる……。その気持ちの理由を知るためにも、絶対に自分の体と記憶を取り戻さなきゃ!
གསུམ་པ་
 バリ島に到着すると、まず通常の旅客機と同様ングラ・ライ国際空港に着陸する。そこから先は一般客と異なる動線へ誘導され、いかにもVIP待遇といわんばかりのトントン拍子で入国審査が完了。あっという間にインドネシア入りしてしまった。  入国後は有働さんがチャーターしたロールなんとかという車で、アジア支部本部がある港町パダンバイへ向かう。時刻は既に深夜一時過ぎ、酔った外国人観光客を乗せたタクシーの大群で道路は埋め尽くされている。でも信号がほとんど無いから、意外と早く目的地に到着した。  世界規模の秘密組織の支部と聞いた時、私は二種類の外観を想像していた。政府関係者しか入れないような厳重な門がある施設か、あるいは地下室など一般人に気付かれないようカモフラージュされた見た目だ。その答えは実際どちらでもなく、よくありがちな総合病院の別棟に構えられた関係者向けフロアだった。御戌神も私と似たような思索を巡らせていたようで、「意外と普通だ」とつぶやいていた。  入口で名前と指紋を登録して本部に入館する。心霊扱いの入館手続を行う私だけ、指紋代わりに魂からエクトプラズムの一部を採取されるようだ。 「わぁ、シャドーパーソンの方なんですか! 私、この採取で幽霊さん以外のお手続き初めてなんですけど、痛かったら言って下さいね~」  心霊担当の事務員さんが親切に声をかけながら、注射器に似た機器で私の魂を採取した。特に痛みはない。私は彼女に快く会釈して入館した。  エントランスは二フロア吹き抜けのホールになっており、端に来客用のソファがある。そこに座っていた恰幅のある黒人男性が私達を見ると、立ち上がって出迎えてくれた。 「ワヤン不動様ご一行、ようこそいらっしゃいました。NIC総本部長のヴァーヴィアポワです、よろしく」  ヴァーヴィアポワ氏と挨拶の握手を交わす。その手はじっとりと汗ばみ、少し震えているように感じた。私に続いて悟さんも彼の手を握る。 「やだぁ、固くなっちゃって。そりゃ彼女はワヤン不動だけど、私の友達だから緊張しなくていいのよ、『オニイサマ』」 「えっ!?」  ヴァーヴィアポワ氏がギクリと硬直した。お兄様? 「い……いやぁ~! だって、その。仏様を前に緊張しない人はいないぜ、エイミィ! あ、あはははは……」 「?」  どういう関係かは解らないけど、二人は旧知の仲のようだ。秘密組織トップと大スポンサーのCEOだから、当然といえば当然かな。悟さんは私に内緒話をするように身を寄せるも、ヴァーヴィアポワ氏が振り向いたらそのまま離れていった。  私はカンファレンスルームに、他のみんなはラウンジに通された。カンファレンスルームは非常灯や天窓がくっきり見えるほど薄暗く、広さや内観がわかりにくい。ただ奥の壁にある窪んだ飾りスペースに、やけに気味悪い黄色い顔の人形が飾られているのだけ見えた。なんだかやけに陰鬱な雰囲気だ。  長い一本の机に等間隔に並ばった椅子には、既に数名の男女がズラリと座っている。彼らが世界各地域の支部長だろう。その最奥、上座というかいわゆるお誕生日席にヴァーヴィアポワ氏が着席。私の席も彼の横に用意されていた。背後から不気味な黄色人形の視線を感じる。 「改めて皆さん、お集まり頂きありがとうございます。こちらがこの度ご復活なさったドマル・イダムの憤怒尊、ワヤン不動様です」  まばらに拍手が起こる。 「本題に入る前に、皆さん簡単な自己紹介をお願いします。まずは僕、総本部長のヴァーヴィアポワだ。専門は脳神経外科、脳力はチャネリング(精神交信)。よろしく」  薄暗くて読みづらいけど、机にはそれぞれ名札が立てかけてある。ヴァーヴィアポワ氏のは「Vurviapois(ヴァーヴィアポワ)(Ralf Haenel(ラルフ・ヘイネル))」、上がコードネームで下が本名か。私のは「Wayang Acala(ワヤン不動)(Hitomi Kurenai(紅一美))」となっている。 「EU支部長、耳鼻科医のトミスです……体内に、特別な放線菌(バクテリア)を飼ってます。感染症でお困りの時、力になれますです」 「やあワヤン不動! 僕ぁ欧米一のカリスマ美容外科医、ストイコル。脳力はもちろん、プリシジョン(超緻密動作)さ!」 「アタクシはセントプリーア。幽霊だけど、歴とした南米支部長の産婦人科医よ。これから生まれる胎児ちゃんとお話したり、カワイソウな子に才能を与えてあげる仕事をしてるの」  そういえばNICは医師団。ここにいる支部長さん達も、みんな様々な分野で活躍するお医者さんのようだ。EU支部長は控え目な若いヨーロッパ系の女性で、欧米支部長は絵に描いたようなガタイのいい白人アメリカ人男性。南米支部長は痩せ細ったヒスパニック系の幽霊女性だ。引き続き、時計回りに机の向かい側の方々も挨拶する。 「アフリカ支部長のナサモー、職業は軍医です。脳力はありませんが、一族伝統の整体術を心得ています。その効力を現代医学で解明するのが我が使命です」 「やーあ支部長諸君、そしてワヤン不動君! 私は中東支部長のコネンティンだ! 私の予知脳力は、小児科病棟のちびっ子諸君に大人気なんだぞ!」 「Hey Yo! 俺はベェフェ、アジアの妖神(アヤカシ) 牛の身体に一本足 音楽療法士! カウンセリング 患者の話はシカッティング 着ぐるみ疑惑? それすら俺のブランディング!」  ……こっち側の人達、みんなキャラが濃い。アフリカ支部長はアフリカっぽいフェイスペイントをした男性で、何故か会議の日にも関わらず迷彩服を着ている。ユダヤ教徒ルックな中東支部長はこの中で最年長のおじいさんなのに、一番声が大きくてハツラツとしている。アジア支部長はなんというか……牛だ。角があって可愛い女の子声の、性別不明の牛。ドマルの記憶知識によると、古来から音楽を通じて人間と関わってきた中国の神様らしい。  それにしてもさっきから、ずっと薄暗い部屋にいるせいかどうも具合が悪い。以前は動きが鈍くなりこそすれ、こんな風にはならなかった。復活したてで本調子じゃないのかな。 「全員挨拶したね。そうしたら金剛有明団対策会議を始めるけど……実はワヤン様、僕達はあなた方が来る前に既に結論を出しているんだ」 ༼ 結論? ༽ 「ああ。僕達は……」  彼が答えようとしたその時、突然私の魂に直接テレパシーが届いた。 『逃げて、ワヤン不動! 僕達は操られてる!!』 ༼ へ? ༽ 「……僕達は金剛側につく。そしてここで君を始末する事に決めたのさぁ!」  ガタガタッ! NIC支部長達が一斉に立ち上がり、薄暗かった部屋の電気が完全に消えた。しまった、これは罠だ!
བཞི་པ་
 突然の不意打ちから始まった戦闘、相手は世界を代表する七人の超脳力医師! 漆黒に包まれた最悪のコンディションで、私は迷わず非常口のライトに影体を滑らせる。ところが危ない、何か鋭利な刃物を持った欧米支部長が突撃! ༼ おっと! ༽  間一髪で回避! しかし取り囲まれてしまった。私が光源の近くでしかまともに戦えないのを全員知っていたようだ。 「君の弱点はお見通しさ、ワヤン不動!」  夜目を凝らしてよく見ると、得物は硬化した彼の爪だ。全身を細胞レベルで自在に動かせる彼の脳力、プリシジョンによる技だろう。爪ならティグクで折れそうだ、こちらも武器を捻出して……うっ!? 「多勢に無勢だと忘れてませんか?」 「うふふ、カワイソウ……そそるわ、その苦しそうな表情……!」  その声は、放線菌を飼っているEU支部長と幽霊の南米支部長! 体が重い。私は菌と霊障に感染してしまったようだ。動きの鈍ったところでアフリカ支部長に関節技をかけられて拘束される。普通の敵ならここで影炎で一掃が可能、けどさっき『彼らは操られている』って声が聞こえたから火傷をさせるのはマズい! ༼ それならこうだ! ༽  非常灯の僅かな光源を編み、メロンバリアを張る! 押し出されたアフリカ支部長を影踏みで拘束し、壁伝いに天井へ這い上がる。非常灯より暗いなりにも外光がさしているし、天井付近は飛べない人は近寄れないはず! 「はっはっは、天窓に向かうのも想定内だ!」  予知脳力者の中東支部長が高笑い、天窓には既にラッパー妖怪アジア支部長が待ち構えていた! この最悪コンディションで牛一頭と闘えっての!? 『落ち着いて。ベェフェ君は僕より運動音痴だから!』  再びテレパシー! いや、いくら運動音痴とはいえ牛! 「怖気づいてるぜ明王!」  牛突撃! ……いや、めっちゃ遅い! 普通に避けて、そのまま影踏みで足止めを……ん? 動けない!? 「俺はツイてるぜ衝動!!」  牛激突! 体感した事のない鈍い衝撃が全身を貫き、私はカンファレンスルームの最も暗い角に叩きつけられた! 影体がバリバリと電気分解し、気の遠くなるような感覚に襲われる。何だ、さっきの……体を硬直させる脳力者はいなかったはずじゃ!? 『あわわわ、どうしよう、ワヤ……「いや、さっきからうるさいんだけど! 邪魔しないでくれる!?」  ヴァーヴィアポワ氏が自分の頬をバシンと叩くと、唯一私に味方してくれていたテレパシーが遮断された。そうか、彼はチャネリングの脳力者、操られながらも僅かに残った意識で警告してくれていたんだ。でも、私は既に支部長達に取り囲まれて万事休す。金剛を倒すため蘇ったワヤン不動も、もはやここまで……この場の誰もがそう確信したその時! 「ガルァァァ!!!」  カンファレンスルームを突如切り裂く青白い閃光! それは一直線に私の影体を攫うと、その広い背中にヒョイと乗せて威嚇体制を取った! ༼ 御戌神! ༽ 「話は全て聞かせてもらったわ。どこの豚だか知らないけど、NICと私達に喧嘩を売るとは見上げた根性ね」  目や指先を鉄のように赤く熱した悟さんも入室! 実はさっき、悟さんに背中に何か付けられた感触があった。取ってみると、それは霊声やテレパシーも拾える小型の高性能盗聴器だった。 「い、いや、違うんだエイミィ! これは……」 「NICコードネームは脳力者職員同士が敬意をもって呼び合う。しかし家族やプライベートな間柄は本名で呼ぶ事が殆ど……あらぁ? 妹の夫である私の事は下の名前で呼んでいらっしゃってましたよねぇ、『ラルフ』義兄(ニイ)さま?」 「ぐッ……いやいや、最初から見抜かれてたとはね……。いや! でも形成は変わらないよ。君らに支部長共は攻撃できないからねぇ!」  攻撃特化の二人、欧米アンドアフリカ支部長が出る! 欧米支部長は爪を通り越して肘下全体を硬化し御戌神へ、アフリカ支部長は見たことのない一族伝統格闘技の構えで悟さんへ! 「黙れ焼豚!」  ブァホオオォォオ!! 悟さんのヒエロニズムでアフリカ支部長炎上! 私も光君の輝きを借りて回復そして武器発現、欧米支部長の両腕を炎のティグクで容赦なく切断! 「ギャアアアアア!!」 「いや、なッ、お前ら人の心ないの!?」  操ってる奴ドン引き! すると相変わらず片目でゲームをしながら有働さんも入室。 「ここは病院ですから、介抱なら後でいくらでも可能です。そしてワヤン不動さんは本来癒しの仏。彼女がお力を取り戻せば、皆さんの感じる痛みも和らげてくれるでしょう。それから……」  有働さんが斜めに半歩下がると、彼の後ろから一人の女の子が現れた。少女が支部長達に両手をかざすと、 「スリスリマスリ!」  シュパアアァァァ! 突然辺り一帯にパステルカラーの雲霧が立ち込め、次の瞬間支部長達は全員気絶! この力……そして、この子は! 「お久しぶりです、ヒトミちゃん。オモナ! かわいいワンちゃんね!」 ༼ イナちゃん!? ༽  彼女はパク・イナちゃん。私と同じく愛輪珠如来に因縁のある、巫俗(巫女)の女子高生だ。どういう経緯かは思い出せないけど、アンダスキンを退治した時一緒に戦った仲間だ! 「譲司兄ちゃんの弟さんに呼ばれてびっくり、パジャマのまま来ちゃたヨ。ここのみんな、気が乱れてた。でも私治したからもう大丈夫! ねえワンちゃん触っていい?」  イナちゃんの霊能力は理気置換術(りきちかんじゅつ)、人や霊魂の乱れた気を正す、儒教に伝わる気功療法だ。支部長さん達はとりあえず憑き物が取れ、全員動かなくなっているが命に別状はなさそうだ。心なしか部屋全体も明るくなった。しかしイナちゃんは御戌神を撫でながら首をかしげる。 「オモ? ヘンね。この人達操ってたお化けいないヨ? 理気置換術当たったら、いい子ちゃんになてるのに」 「逃がしたかしら? そんな気配はなかったけど」  悟さんと有働さんも周囲を見渡すが、それらしき気配はない。ところで、私にはなんとなく敵の正体がわかる気がする。敵は大人数を操っていたにも関わらず、一人か二人ずつでしか攻撃してこなかった。本人の気配も少ないし、術を使っていたのは一人である可能性が高い。特徴としては、暗い場所に関わらず正確に行動でき、乗っ取りを解除されたら室内が明るくなった。そして何より、最初から影法師が暗闇に弱いと知っていて、幽霊や脳力者の金縛りは通常効かない影体の動きを止められた。それに当てはまる人物は…… ༼ ひょっとして、相手も影法師か? ༽  そう。同業者である可能性が高い。すると有働さんが何か閃いたようにタブレットPCを取り出した。 「インドネシアで影神(ワヤン)と申しますと……私が愛好しているソーシャルゲームに、このようなキャラクターがいます」  一同でモニターを覗くと、そこには黄色い肌のアニメ調美少女キャラクターがいた。格闘家の道着に似た格好で、足元から伸びた黒い触手が体の周りを漂い、額には黒い大穴が空いていて、そこからさらに小さな顔が覗いているデザインだ。右下には銀色の文字でNと書かれている。 「これはバドゥクン・サンテット、インドネシアに古来から伝わる暗殺呪術師です。未確認生物シャドーピープルを生み出した開祖とも言い伝えが……」  すると有働さんが説明している最中、どこからか声が聞こえた。 「……いやレア度ノーマルかよ!」 「ん?」  全員が周囲を見渡す。やっ��り誰もいない。 「気のせいですかね。ともかく、そういう神様がいるんです。非常に狡猾で好色、風見鶏のような事大主義者と言われています」 「いやいや悪意ありすぎ! 人間は賢いボクたまに嫉妬してるだけっしょ!」  今度ははっきりと聞こえた。声の方角にいたのは……あの不気味な黄色い人形だ。私は悟さんに目で合図し、ヒエロニズムの遠隔発火攻撃を頼んだ。 「イヤあっちゃちゃちゃちゃ!!?」  人形が炎に包まれると同時に、黒々とした大量の帯電エネルギーが溢れ出す。それはたちまち部屋中の影を吸収しながら人形の炎を鎮火し、その体を人型サイズにまで肥大化させた。 「いやいやいや~。キミたち如きカスどもが、このボクたまを見つけるとはイヤ恐れ入ったよ! いやそれにしても、そのキャラクターちょっとは可愛く描けてるね。いや、本物のボクたまには到底及ばないけど!」  妙に否定から入る口癖のソレは、どうやら有働さんの読み通り。これが全ての影法師(シャドーピープル)の開祖とは眩暈がするが…… 「いやあ、ボクたま優しいからちゃんと名乗ってあげる。大神影(ワヤン)、バドゥクン・サンテット。可愛ぃ子ちゃんには弱いけど……ボクたまが一番カワイコチャーン!!」 ལྔ་པ་  バドゥクンも影法師なら闇には弱いはずだ。となるとさっきの暗い部屋は、恐ろしい事に全て彼の術下だったのだろう。だからさっきやけに具合が悪かったんだ。 ༼ 待て、バドゥクンとやら。お前も金剛の手先か? ༽ 「いや、あいつらとは関係ないね。けどあいつらすっごく強ぇから、ボクたまうーんとゴマ擦ってあやかってやるのさ!」 ༼ なるほど、伝承通りのゲス野郎。なら容赦する必要なし! カハァーーーッハハハハァーーー!!! ༽  ティグク発炎! 私は嬌声を上げながら御戌神の背中を跳躍しバドゥクンに迫る! 最近ずっと恩師とか味方の人とばっかりで本気で戦えなかった鬱憤を晴らしてくれるわ!!! 「イヤアァあっちぃ! いやんもぉ、ボクたまの超キュートなお顔が燃えちゃうだろ!?」 「ぜんぜんかわいくないヨ! お顔キモいヨ!」  オルチャンガールの辛辣なツッコミ! バドゥクンは外殻である人形の体を盾にしながらちょこまかと動き回り、影法師術の数々で私の体力を削ろうと試みる。影踏み、影移し、影鏡、メロンバリアー……だがそれらは全て私も使える技だ! 応酬! 「いやね? 金剛有明団はアガルダっていう楽園を作るのにお前が邪魔らしいけど、それはボクたまにとってどーだっていい。でもワヤン不動、ボクたまはお前の事が個人的に気に入らないんだ!」  するとバドゥクンが見た事のない構えを取る! 「せっかくボンキュッボンのクセにぜーんぜん色気のない戦闘狂いって感じでさぁ、しかも前世が邪尊で引退宣言!? いやいやふざけんな! 世界的に神影(ワヤン)のイメージが悪くなっただろうが!」  チュタタタタ! 突如バドゥクンの手元から光と影を練った小弾が射出される! 私は一歩下がってそれを回避。するとその瞬間既に間合いを詰めていたバドゥクンが私を掴み、 「死ね、『影縫い』ッ!!」  ブレーンバスター! 吹っ飛ばされる! しかし間一髪、壁に叩きつけられる直前に柔らかい光のクッションが私を守った! 「援護は僕が。反撃を!」  背中に私を受け止め、御戌神は跳躍状態のまま空中で翻り激しく発光! バドゥクンへと続く光のトンネルを作りそこへ私を振り落とす。 ༼ こちらにも奥の手はあるぞ! ༽  空中無敵ゾーンで体制を整えた私はそのまま突進すると見せかけ直前で停止。相手の反撃ビームを一度かわしたのち、光の壁に隠して這わせた灼熱神経線維でバドゥクンの全身を爆破! 「いやああぁぁ!?」  ヴァダダガガァン!!! 須弥山をも砕く衆生の怨恨で外殻人形は瞬く間に灰塵と帰す! 現れた中の本体は……人形と寸分たがわぬ同じ顔! どれだけナルシストなんだこいつは!! ༼ 念彼観音力ィィーーーッ!!! ༽  本体一刀両断! スタングレネードの如く光と影が爆ぜる!! 「チクショオォォーーー!! ……いや、まだだぁ!」  明暗錯綜するカンファレンスルームの中で未だ闘志衰えぬバドゥクンは必死に影体を練り上げ、天井に黒々とタールのような不定形塊を捻出した! まさに影法師開祖の意地! 「喰らいやがれ究極奥義、影影無窮(えいえいむきゅう)……」 「お黙り焼豚!」「ガルルァァ!」「スリスリマスリ!」 「イヤアアアァァーーー!!?」  必殺キャンセル!! まさかの仲間三人同時攻撃でバドゥクン再破裂! さしもの開祖様もあえなく墜落。丁度落ちていた人形の灰の山にスルリと入魂すると、もはや再び動き出す体力は残っていなかった。 དྲུག་པ་  最古の神影(ワヤン)はしぶとく、バドゥクンは消滅は免れたようだ。水をかけて冷ました灰にイナちゃんのお札を貼って封印し、みんなで荒れたカンファレンスルームの机や椅子を片付けていると、NIC支部長さん達が目を覚ました。 「うう……酷い目に遭いましたです……」 「やれやれ! 天下のNIC支部長軍団が全員乗っ取られるなんてな」  EU支部長は菌達の無事を確認するように全身を見回し、欧米支部長は崩れた髪型を直す。一方アフリカとアジアの支部長達は自分の身なりには目もくれず、弱体化したバドゥクンの灰山をペンなどで刺して仕返しに興じている。中東支部長は、引っくり返って一人で起き上がれなくなったヴァーヴィアポワ氏……もとい、ラルフさんを手伝っている。 「ふぅ、ごめんねワヤン不動。NIC職員は自分の脳力を過信しすぎちゃう悪い癖があるけど、ここのセキュリティはもうちょっとしっかりしないとね」 ༼ いえ。ラルフさんに送って頂いたテレパシーのおかげで、悟さんに一早く異変を伝えられました ༽ 「ああ、サトくん! 久しぶり! 金融アルマゲドン、お疲れ様。カスプリアもサトくんが一位で喜んでたよぉ」 「まあラルフお義兄様、お体は大丈夫? ヘルニアやってるんだから、少しは痩せなきゃだめよ!」  正気に戻った総長と悟さんが内輪の話を始めたので、私と御戌神、イナちゃんはバドゥクンに尋問を行う事にした。 ༼ さっきお前が言っていた究極奥義とやらは、どんな技だったんだ? ༽ 「イヤ……誰がお前なんかに……」  圧。 「ヒェッ! い、いやだなー、御冗談ですって不動の姐御! いやね、影影無窮というのは、つまりあのメロンみたいな結界をもっと強固に張って、中の暗黒空間で影武者や影写しした傀儡を好きに操るっていうか」 「よくわかんないヨ!」 「イヤぁん!」  イナちゃんに小突かれて涙目になるバドゥクン。まあ、専門用語が多かったがメソッドは理解できた。NIC支部長さん達を操り、あの部屋全体を自分の術下に置いていた技が影影無窮か。かなりエネルギーを消費しそうだけど、御戌神と一緒なら私もできそうだから練習しておこう。 ༼ もう一つ。さっきお前が言いかけた金剛の楽園アガルダとやらは、どこにあるんだ? ༽ 「へへぇ、それはですね……」  バドゥクンが言いかけたその瞬間、目の前に急に柱のようなものが立った。……いや、違う。これは……これは、散減!? 「いっ……ゃ……ァ……!?」  パシュン! 散減に食われたバドゥクンは溶解と破裂の中間のような音を立てて分解霧散、完全に逝去してしまった。金剛に因縁深い御戌神とイナちゃんも戦慄する。 「ああ、カワイソウ、カワイソウ。弱くて惨めなお人形さん……壊れちゃった」  その時、散減が発する白濁乳と同じ悪臭を纏っていたのは…… 「南米支部長、セントプリーア?」  ラルフさんが驚愕する。まさか、NICの中に金剛の人間がいるなんて。 「それに比べて、ワヤン不動。囚われの仏じゃなくなったあなたってぜぇんぜんカワイソウじゃない!」  私は考えるより先に動いていた。南米支部長の幽体にティグクを振りかぶる。ズンと物を斬る感触! が、それは南米支部長を庇って飛び出た散減! 「きゃあああぁぁーーーーーーーっ!!!!!」  つんざくような悲鳴! 散減の断末魔か……違う! 南米支部長だ! 「ついにッ! ついにワタクシに手を出した……暴力を振るったわね! 繊細でか弱いこのワタクシを! 卑劣な加害者め、あなたを絶対に許さない!」  南米支部長は私を軽蔑に満ちた目で睨む。な、なんなんだこの、被害者意識の塊みたいな女は!? 「フゥ、フゥゥ……ワタクシはこれから代理母のお腹から生まれ変わるわ。そうしたら仏のあなたはもうワタクシを傷つけられない! 衆生になるんですものね。それともワタクシを殺して殺人鬼になる方が、邪尊さんにはお似合いかしら? ウフフフフ、それじゃあね」 ༼ ま、待て! ༽  裏切り者の南米支部長はそのまま消えてしまった。バドゥクンは消え、敵の本拠地ももうわからない。何もかもが振り出しに戻り、カンファレンスルームは再び陰鬱な沈黙に包まれた……。
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tecchaso1988 · 3 years
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#読書 #叩かれるから今まで黙っておいた世の中の真実 #ひろゆき   2020年の読書は誕生日鑑定の勉強本ばっかりだったから 2021年は社会に目を向けた知識のインプットの比重も戻していきたい。   #読書メモ #正しく考えるには正しい知識が不可欠だが実際には多くの人が間違った知識の上に立って考えているからフェイクニュースの拡散や怪しい陰謀論を語るインフルエンサーが増える #競争は激しいのに衰退していく日本の現状見えていますか? #日本だけが海外から取り残されたように物価が安いことを日本に住んでいる人は気づかない #世界競争力ランキングにおいて日本のビジネス効率性は62カ国中ほぼ最下位レベル #ほとんどの人は自分の仕事が誰でもできるようになったことに気付かず専門性の高い仕事に就いていると思い込んでいる #高齢社会において若者はおじさんに振り回されお金と仕事が奪われる #日本ではお金がない人をターゲットにしたビジネスがいくつも展開されているから格差が広がるのは当然 #日本に革命家は現れない #多くの組織で旧時代的なおっさん化した男女がまだ上の立場にいるために数々のばかげた不条理がまかり通っている #どんな境遇でも頑張れば報われるというのは美しい物語であり一生懸命努力をしているのになかなか成果が出ない人は活躍の場を間違えている #歴史に残るような偉業を成し遂げるケースにたまたまマーケットのあるところにいたからというだけの面白味のない理由が実は多い #最低賃金が上がるとアルバイトや派遣社員側が損をする #人件費が引き上げられれば企業は人件費に圧迫されて経営状況が悪くなり潰れるか人間に代わる機械の導入が進む #セルフレジの機械の導入費用は時給1000円の人件費を考えたときに50日以内に元が取れる #働き改革という全体主義は会社も個人も得をしないから働き方なんて会社と社員の間で決めればいい #労働人口の約15%にまで増えてきたフリーランスは未来の働き方の実践者 #これから会社に勤めている人たちがどんな働き方にシフトしていくべきかはフリーランスの人たちを参考にすれば答えが見えてくる #フリーランスの働き方は今後注目すべき存在となるのは間違いないが非常に不安定で頑張りすぎるフリーランスの人の傾向はひとりブラック企業化を生み出している #企業がブラック的な仕事をフリーランスに押して受けるようになってきた #現状の教育システムは100点に近い完璧主義で子どもたちを縛る #社会に出て求められることは100点ではなく7割でいいから早くたくさんアウトプットをしろということ #自分の子どもがいずれ大人になって自分自身で判断しなければいけなくなるということを理解していないから子どもにいろんな禁止を押し付ける #大学で学んだことを企業は無視をするが大卒には意味はないというのは嘘で軽視すべきではない #デジタルネイティブ世代はスマホは得意だがパソコンスキルに欠ける点が弱点であり盲点 #親からスマホやタブレットやゲームを与えられる子どもは消費者として成長しパソコンを与えられる子どもは生産者的な立ち位置に成長する #二人以上の子育ての成功を願う親でいたいのであれば現実的に考えて夫婦の世帯収入を何としてでも最低850万円以上にしろ https://www.instagram.com/p/CJiVQDXrei-/?igshid=1nsiof0mv3tca
#読書#叩かれるから今まで黙っておいた世の中の真実#ひろゆき#読書メモ#正しく考えるには正しい知識が不可欠だが実際には多くの人が間違った知識の上に立って考えているからフェイクニュースの拡散や怪しい陰謀論を語るインフルエンサーが増える#競争は激しいのに衰退していく日本の現状見えていますか#日本だけが海外から取り残されたように物価が安いことを日本に住んでいる人は気づかない#世界競争力ランキングにおいて日本のビジネス効率性は62カ国中ほぼ最下位レベル#ほとんどの人は自分の仕事が誰でもできるようになったことに気付かず専門性の高い仕事に就いていると思い込んでいる#高齢社会において若者はおじさんに振り回されお金と仕事が奪われる#日本ではお金がない人をターゲットにしたビジネスがいくつも展開されているから格差が広がるのは当然#日本に革命家は現れない#多くの組織で旧時代的なおっさん化した男女がまだ上の立場にいるために数々のばかげた不条理がまかり通っている#どんな境遇でも頑張れば報われるというのは美しい物語であり一生懸命努力をしているのになかなか成果が出ない人は活躍の場を間違えている#歴史に残るような偉業を成し遂げるケースにたまたまマーケットのあるところにいたからというだけの面白味のない理由が実は多い#最低賃金が上がるとアルバイトや派遣社員側が損をする#人件費が引き上げられれば企業は人件費に圧迫されて経営状況が悪くなり潰れるか人間に代わる機械の導入が進む#セルフレジの機械の導入費用は時給1000円の人件費を考えたときに50日以内に元が取れる#働き改革という全体主義は会社も個人も得をしないから働き方なんて会社と社員の間で決めればいい#労働人口の約15#これから会社に勤めている人たちがどんな働き方にシフトしていくべきかはフリーランスの人たちを参考にすれば答えが見えてくる#フリーランスの働き方は今後注目すべき存在となるのは間違いないが非常に不安定で頑張りすぎるフリーランスの人の傾向はひとりブラック企業化を生み出している#企業がブラック的な仕事をフリーランスに押して受けるようになってきた#現状の教育システムは100点に近い完璧主義で子どもたちを縛る#社会に出て求められることは100点ではなく7割でいいから早くたくさんアウトプットをしろということ#自分の子どもがいずれ大人になって自分自身で判断しなければいけなくなるということを理解していないから子どもにいろんな禁止を押し付ける#大学で学んだことを企業は無視をするが大卒には意味はないというのは嘘で軽視すべきではない#デジタルネイティブ世代はスマホは得意だがパソコンスキルに欠ける点が弱点であり盲点#親からスマホやタブレットやゲームを与えられる子どもは消費者として成長しパソコンを与えられる子どもは生産者的な立ち位置に成長する#二人以上の子育ての成功を願う親でいたいのであれば現実的に考えて夫婦の世帯収入を何としてでも最低850万円以上にしろ
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syupii · 2 years
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イクイク病になってしまった話 第1夜
※下ネタが苦手な方は見ないことをお勧めします。
☆忙しい方向けの3点要約
・仕事のストレスで性欲が通常より強くなった
・とあるセックスの達人に影響された
・エナジーオーガズムでイクイク病を発症
(2021/11/30 追記)
イクイク専用ブログを作ったのでそっちでもイクイク病についてまとめてあります。
 初めての方もこんにちは。
ここでは私が現在襲われている症状について語っていこうと思う。
私は今、適応障害と持続性性喚起症候群(PDAD)のような症状に悩まされている。
「適応障害」は環境に適応しようと頑張りすぎて心身ともに疲れてしまった状態だ。
「持続性性喚起症候群」(通称:イクイク病)は性的絶頂(オーガズム)が止まらなくなる病気である。
これは非常に珍しい病気で発症の原因は不明であり治療法がまだ確立されていない。
強いて言うなら認知行動療法といった心理療法だろうか。
患者によって発症要因や育ってきた環境要因が違うため治療法は患者個々に合わせた方法で行っているようだ。
心療内科や産婦人科で診てもらったが医師がこの病名を知らなかったため診断されていない。
この病気の恐ろしいところは、症状が症状なだけに日常生活がままならなくなっていくこと。
中には、症状を苦に自殺までしてしまう人もいる。
そこで私は勃ち上がった(立ち上がった)!!
このままではいけない、どうにかしてこの状況を打開する方法を見つけようと心に誓った。
私は自分の考えや個人情報をオープンにしすぎるという、いわゆる自分語りをする悪癖がある。
参考にはならないかもしれないが、この症状に苦しんでいる誰かの役に立てたら嬉しい。
要はこれは私のオナニー記事である。
 その前に私の自己紹介をしよう。
私は現在27歳の女性である。
発達障害のASD(自閉スペクトラム症)があり人とのコミュニケーションが非常に苦手だ。
言語性IQは定型発達(障害がない人)の人よりやや高め、動作性IQは知的障害レベルのディスクレパンシーだ。
ディスクレパンシーとは言語性IQと動作性IQに大きな差があることだ。
要は文章を読み解くことは得意だが手先が非常に不器用だということである。
私はいわゆるオタクでアニメとアイドルと福祉に強い関心がある。
社会福祉士と精神保健福祉士の国家試験に合格している。
私の専門は精神保健分野だ。
しかし、現場経験はほとんどない。
障害特性上、福祉職に就けないのである。
前の職場も今の職場もこの発達障害と人間関係の影響で適応障害になっている。
現在は休職中かつ療養中である。
性自認はレズよりのバイで考え方がやや男性的だ。
そして、恋愛も性交も未経験のレズ童貞で処女だ。
 そろそろ本題に入ろう。
私は自己愛性パーソナリティ障害(と思われる)の上司にいじめられて適応障害になった。
この日は不正出血してしまい、頭痛のためバファリンを飲んだ。
この月は2回目の不正出血である。
次の日から会社に行けなくなり休職を余儀なくされた。
この日辺りからなぜかものもらいになった。
私はものもらいになりやすい体質なのでたぶんこれはいつものことだと思われる。
会社を休む前、私はストレスからかいつもより性欲が強くなっていた。
 いつもは1~2回のオナニーで満足できるのに足りなくなっていた。
ムダ毛処理した後、とうとういつものオナニーではしない膣内への指挿入をしてしまった。
Gスポット開発のため1時間以上指入れしてたら不正出血してしまった。
そんなにガシガシやってないのに...
 この時の私は何もかもが嫌になってアダルトサイトを見まくっていた。
今までオタ活に精を出していたが収入が途絶えてしまったため趣味にお金を使うことができなくなった。
エロはお金のかからない趣味なのでここからオナニーにひたすらのめり込むことになる。
私は人並みに性欲はあるので月1~2回くらいの頻度で忙しい時期以外はオナニーしていた。
ここだけの話だが10歳くらいからこっそり致していた。
ちなみに初潮は12歳から始まって生理周期は安定しているほう。
 ある時、私は「中イキ」という単語を知った。
中イキとは子宮でオーガズムを感じること(後に認識が変わることになる)。
モテないしコミュ障だし結婚する予定がまったくないので私には一生経験できなさそうだ。
パートナーがいる女性でも中イキを経験できる人は全体の半分くらいらしい。
中には全く経験しないで一生を終える女性もいる。
私はどうしてもこれを経験したくなってしまい中イキ開発をしている人を調べまくった。
個人的にはセックスの達人である成田アキラさんみたいな人を探していたが私が惹かれたのは真逆の人だった。
実はこの中イキ開発、女とただヤリたいだけのとんでもない男ばかりなのだ。
そんな悪質な中イキ師を糾弾しているとても口の悪い方がいた。
この方のホームページを見て私は感銘��受けた。
「『ありのままの自分を受け入れて』はアホ」「相手に伝える努力をしろ」と口の悪さと裏腹に女性のことを想った文章に膣キュンした。
「他のヤツとは次元が違う」と言い張っているが全くその通りだった。
福祉的にも考え方が大変素晴らしかった。
その方のツイッターの開発動画(ハメ撮り)を見て私は衝撃を受けた。
女性「あっ! ああん! イクぅ〜! イクイクイクぅ! またイク!! イクっ! っ! あっ! ああん! はあっ! はあ…もうダメ… はあ! ああ! イクイクイクイクイク! やべ、イクイクイクイクイクイクイクイクイクイクイクイク!! ああ! きもち! ああん! ああ! ああん! またイク! またイク! またイクイクイクイクイク! ああん! ああん! ああん! もうダメェ… おかしくなる、イク! またイク! またイク! またぁ! はあ… あっ! ああっ! っ! もうダメっ! ねえ、もうダメ!! ねえ、いっぱいイッちゃう、もうダメ! イクイクイクイク! っ! ああっ!! ああん!! ああ! ああ! ああ! ああ! ダメ! もうダメ! イクイク! またイクッ! あっ! あん! あん! あん! あん!」
とても艶めかしい美しい肢体の女性の喘ぎ声が響く。
今まで見たどんなエロ動画よりもエロイ!!
これが女性がガチイキしている姿か。
その後、女性の膣内から抜かれた男性器がかなりご立派で思わず息を飲んだ。
おいしそう...♡
医学的にも性科学的にも非常に貴重な映像だ。
消される前にスマホの画面収録で保存して、脳内HDDにしっかり焼き付けた。
ていうかツイッターはアダルトOKなんかい!!
他の開発動画は体外式ポルチオと全身性感帯のもの。
私はキメセク(薬物を使ってセックスすること)でもしてるんじゃないかと疑った。
後にこれは実際にありえることだということを身をもって知ることになる。
この動画をオカズにしながら励んで外イキ(クリトリスでイクこと)した。
 次の日、私は初めて夢イキを経験した。
まさかオーガズムに起こされるとは思わなかった。
よくわからないが気持ちよかった。
ここでふとエナジーオーガズムの存在を思い出した。
エナジーオーガズムとは体のどこにも触れないで氣だけでイク方法だ。
10代の頃に1回だけ挑戦したことがあるがその時はイケなかった。
アニオタwikiの記事を参考にやってみた。
☆自己流エナジーオーガズムのやり方(※イクイク病になる可能性があるのでやらないほうがいい!!)
①とにかくエロいことを考える →意中の人を思い浮かべるとより効果的
②なるべく裸に近い恰好でいる →着衣のままでもいいが全裸に近いほうがより気持ちいい。失神することがあるので絶対に見られない場所を確保すること。
③息を吸って吐くを繰り返す
④PC筋を締めて緩めるを繰り返す →膣をキュッキュ締めて体にオーガズムがきてると錯覚させる。宅トレの下半身を引き締める運動がこれに近い。
私は中イキ師の方に恋をしていると脳に錯覚させて成功させた。
オーガズムを迎えるまでにけっこう時間がかかる。
急に体が痙攣して強い快感がきて失神する。
その後は連続イキが始まる。
私「(なにこれ...こんなの知らない...)」
私「フフフッ! ハハハハハッ!!」
私「(すごい!! 恋の呼吸じゃん!! これじゃあ、他の人には一生無理なわけだわ!!」
私は前髪をかきあげて快楽に身を委ねた。
この日はこれでよかった。
次の日は推しの配信イベントがあったが買い物依存症による金欠で参加できず。
悲しかったので推しがデザインしたTシャツを着て夜に自室でエナジーオーガズムに励んだ。
あまりの快感に病みつきになっていたのだ。
(きたきたきたきたきたー!!)
痙攣と失神の後に連続した強いオーガズムが始まった。
失神する前に「もう、どうなってもいいや...」と放心した。
子宮の律動と収縮がすごい。
胸の高鳴りと興奮と強烈な快感で心臓が張り裂けそうだ。
どうやら体外式ポルチオによる中イキと脳イキが同時に起こっているようだ。
パートナーがいないので確かめようがないのが残念だ。
後にオーガズムは脳が引き起こしているということを知った。
あまりの気持ちよさに声を押し殺せなくなり、つい「あっ!あっ!」と喘いでしまった。
隣の部屋に寝ている父に聞こえていたかもしれない。
実家住まいだから思いっきり声が出せないのである。
この状況がより私を興奮させた。
(すげえ! どんな格好でもイケるぜ!!)
騎乗位の態勢になったり、ドギースタイル(四つん這い)になったり、どんな態勢でもオーガズムが続く。
これが、私の生き地獄ならぬイキ地獄の始まりだった...
↓続き。
https://syupii.tumblr.com/post/668086496598933504/%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%82%AF%E7%97%85%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%9F%E8%A9%B1-%E7%AC%AC1%E5%A4%9C
(2021/12/17追記)
喘ぎ声のところを修正しました。
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xx86 · 3 years
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ノットエンターテインメント
髪を乾かしていたらプスンと縁起の悪い音がして、それっきりドライヤーから風が出なくなった。髪の毛はまだ2割ほどしか乾いていない。車で15分ほどの実家に帰ってドライヤーを貸してもらうことも考えたけれど、それまでに髪が乾く気がしたし、そもそも睡眠薬を飲んでいたことを思い出したので断念した。グッバイ私のキューティクル。
ナノイーは初任給で買った。なのでまるっと5年お世話になった。母や妹もガシガシ使っていたことを考えると長く持ってくれた方だと思う。仕事柄ビジネスホテルに泊まることもまあまああったのだけれど、必ず特別軽くもないナノイーをバックの奥底に詰めて持っていった。
確かあの時3種類モデルが出ていて、いちばん高いのを買った。迷った時は高い物を買えば間違いがないかと思ったのだ。確かに間違いはなかった。その後どんどんお金の使い方が豪快になっていったのは言うまでもない。20そこそこで大金を手にするのがいかに危険かよく分かる。
土曜日に予定が出来るなんて最悪と思いつつ混み混みの国道を越え電気屋につく。まさしくピンからキリまでずらりとドライヤーは並んでいたけれど、前々から気になっていたシャープのドレープフローのカードを抜き取って、レジに持っていった。無職にとっては大きな出費だったけれど、ただでさえ髪の毛が痛みやすいのにナノイーより性能が落ちるドライヤーを使って髪の毛がボロボロになるのは嫌だったから。鏡に写る自分がやつれきっていたら立ち直れない。人に会う機会が減っても、私は私の事を毎日鏡で見るから極力可愛くありたい。清水の舞台から飛び降りるというよりは、餞の気持ちを込めて買った。
20歳で就職した事を後悔したことはないし、早すぎたとも思わない。高卒で働いていた友人もいたし、高校を中退して子育てをしていた友人もいたし。でも当時、会社の先輩には遊びたいざかりなのに仕事をしてえらいね、とよく褒められたりした。私が20、21の時なんて遊び呆けてたよとも。単にやりたい事が明確に決まっていたから社会に出るまで4年も待つのが耐えきれず、2年の専門学校を出ただけなのに変なの、と思った。そして大学生だろうが社会人だろうが20は20なので、私も遊び呆けていた。確かに時間は大学生に比べたらなかったと思うけど、お金と体力はあったから。同じく就職していった友人達もそうだった。遊びなんて所詮やる気なのだ。
早く社会に出て、早く出世して、早く人生を巻き返したかった。文字通り生き急いでいた。同い年の子達が就職する頃には仕事も遊びも覚えて、優越感に浸ってやろうと思っていた。でも結局大卒の子達が社会人4年目を迎えるこの春、職を失いショートしているのでまあ何があるか分かんないよなと思う。だから人生は面白いなんて到底言えないけど、そういう事もあるよな、ぐらいは思えるようになってきた。
困難だけど愉快というのは私の15の時のモットーで、自分がみっともないと思う生き方をしないというのは20の時の私のモットーだ。今でもそれらの考え方は大事だと思う。25の今、自分を殴らないと決めている。自分を追い込んで、痛めつけて得られる快感と名声に惑わされないように、楽して息をしたい。
自分でも手をつけられないような激しい片思いをしていた時、そんなに誰かを好きになれるの羨ましいとどこか遠くを見るように言われた。決まって彼女達には長く付き合った彼氏がいて、嫌味か、なんて不貞腐れていたけれど、全身から好意がこぼれ落ちるように好きな人の話をする女の子を見てちょっと羨ましくなって、私も遠いところに来たのだなとしみじみ思った。
身を投げ打つのはいつだって美しい。究極の愛だと思う。でも究極というのは行き止まりだから、それ以上になることは決してない。
好きな人は、誰かが身を投げ��ってまで好きになってくれることを本当に望んでいるのだろうか。
自己犠牲しか出来なかった頃、私は大切な人達を使って自分を不幸の窮地に追い込んでいただけだった。その蜜の味に浸っていた。
今、自分がいちばん大事で優先したいし、好きな人にもそうであって欲しい。1+1=1じゃなくて2になりたい。溶け合って混じり合うのではなく、個々で自立してプラスの関係でいたい。
そんなことを言いながらまた溺れるような恋愛をするかもしれない。恋愛やらタイミングやらを自分の思い通りに操れるようになったら、ハウツー本絶対書くからみんな買ってね。
そういう事もある。そういう事もあるの繰り返しなんだろうな。
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0123mimi · 3 years
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私の話ではないし、自分と重ねてもない。クソがを連発する、情けない話。
最初に言っておくが、私の話ではないし、自分と重ねてもない。
兄の話。高卒の兄が、毎回、職場で目をつけられて、ストレスの捌け口にされていそうだという話をする。
学歴で差別を受けるという状況的には、自分と重ねてはいないけれど、以下2点、自分とは切り離せないものによって差別を受ける、それが故にストレスの捌け口にされる、と言うことに関しては、重ねてないとも言えないかもしれない。
兄は、高卒だ。
高卒の、就活と、就職と、職場での扱いと、生活の苦しさと、、、社会構造的に弱者と呼ばれる部類の貧しい暮らしを強いられる可能性が高い道しか選択出来ない歯痒さ。
それは、困窮と言われて、大卒、専門学校卒、で、定職がある人が想像するよりもっと、粘っこくて汚らわしくて許せない世界だと言うことを目の当たりにしている。
先日、国際女性デーだった。分かろうと、知ろうと呼びかけがし易くなり、そうしようとする男性が増え、そうでない人との議論を受み、議論とも呼ばない罵倒も転がってはいるが、それは違うと言える世界に近づいていると感じた。これまで尽力してこられた方々に感謝の気持ちしかない。
ストレスの捌け口。
女性だから、と、それにされたこと、ないだろうか?
何かにつけて、イライラされる、そのイライラは、きっと、個人が個人の中で消化すべきもので、それは違ったとて、人にぶつけていいものではない。
個人が個人の中で消化すべきと書いたが、ストレスを受けない方法…とか、ストレス有���提の話をしているのではない。分かりやすく言えば、もっと、寛大な社会になれと思う。自分で書いておいて、鼻で笑いそうだが、当たり前に、ストレスは、減らせる。だって、循環しているじゃないか。いい加減気づくべきだ。豊かな暮らしのかたちは人それぞれであり、それを実現することのために命を燃やすことが人生なのだと。
突然ですが、あるところに、離婚調停中のチームリーダーがいました。離婚調停中であることをプライベートと呼ぶならば、その頃、プライベートにエネルギーの大半が使われており、リーダー業務、つまりはチームのマネジメントを怠りました。見かけ上、チームリーダーとしての仕事をしているように見えていたのは、結果の産物だけは期限内に上げていたからです。それが、当人の仕事だと思っていたのかもしれません。それは当人だけでなく。
しかしながら、チーム全体の仕事量と言うのは、決まっていて、誰かが怠れば誰かにしわ寄せが来ます。そして、その全仕事量とメンバーの適性を見抜き、負荷を均等にしつつ、全員がその仕事に対してやりがいと達成感を持てるように(等)、プレイヤーを回すのがリーダーの仕事であり、それを怠り、結果だけを掻っ攫っていた当人の知らないところで、誰がどれだけ嫌な思いをして、その嫌な思いの種類がどれだけあったかなど、想像もつかないでしょう。
と、ここで。わたしの経験談と偏見を。
たいていのリーダーは、男であり、全仕事量を見極める能力に欠けている。この表現はあまり好きではないが、男性優位社会が女は軟弱であるとし、軟弱な女は家に居て家の事でもしておけばいいぞと、与えられた家事。のひとつとされている食事の支度は、衣食住の食である。その重要性は言わずもがな。母の日に、男の子が料理を作ると褒められる。や、夫が週末料理をしてくれた。してくれた。しかしながら、買い物、後片付けは妻が行った。や、それをもやってくれたとて、家計を考慮しつつ、情報を集め効率的な買い物をし集めた食材で献立を立て、無駄のない食生活を保つという仕事にとってそれは、負荷となりうるイベント的位置付けくらいじゃね?と、Twitterが毎日叫んでいるよ。(人の言葉の引用と、人の言葉のような表現をして、逃げた。情けない。)
わかる?
男の人は気づかない仕事と言うもの存在は、ある。絶対とかないからと思いつつ、これは絶対!絶対!絶対にある。気づかないのか、自然と女の仕事と思っているのか知らないが、膨大にある。女の人の中にだって…いや、あんまりないから。これは本当にあるんだ。そして、それに気づける男性がごく稀にいたらそれは女たちに、称賛の目を向けられるし、わたしも向ける。解せぬが、これは日常。
その全量に気づけないやつは、リーダーなどするな。それに、離婚調停中のやつはリーダーなどするな。そして、周りは、離婚調停中だったが故にリーダーをしない選択をした人に対して、息をするくらいの当たり前のことをしたとだけ思えばいい。哀れだとか、そのような感情は、離婚におけるものに対して思ってもいいが、その人の人生を豊かにするきっかけであったかもしれないし、職場においては哀れではない。英断でもない。当たり前に、相談され、受理され、相応の仕事を与えられ、そして時が来たらまたチャンスを与えられるべきだ。そうあるべきだ。
当人のストレスが、誰かのストレスを生み、そのストレスが誰かに向けられ、そして最後には捌け口さんや捌け口くんがそれを一身に背負う。どちらかというと、一心かな。なにもかものイライラが、その人のせいのように見えるのは、構造のせいであり、その人が居なくな!ば新たに捌け口くんか捌け口さんを配置するのだ。だいたいは、そんな風にできている。
色んな問題を混在させてしまったが、言いたいことは、兄は高卒が故にいつも捌け口くんになると言うことだ。
仕事ぶりは知らない、むしろ、仕事ぶりと言えるほど長続きした試しはない。追い込まれて辞めるを繰り返している。
これを、個人の適性や習性と捉えたあなたは、既得感のないクソみたいな政治家と同じ思考だ。ただ、あなたは、「誰かによってつくられた」社会の構造に適していただけ、それか強引にもその構造にへばりついてストレスを撒き散らかしている当本人かもしれないよ。
私たちは、お互いに首を締め合い、その始末を弱い誰かに押し付けて暮らしている。きっとわたしも。きっとと言うか、わたしも。罪の意識など無くだ。腹立たしい。歯痒い。情けない。
もっとシンプルに、みなで楽になろうではないか、当人にとっての豊かな暮らしを求め、複数人だろうがひとりだろうが、その暮らしに満たされて、それを選択できるようにできぬものか。何のアイディアも持ち合わせていないし、そもそも、この世に無かったことにされている問題にも上がらないようなことに気づけない側の人間であろう私。クソぅ。
お兄、君は悪くない。
この社会は、クソだ。
お兄は、お兄の幸せを、追い求めていい。
クソが。ばーーーーか!
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xf-2 · 4 years
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「私は22歳まで日本人でした。日本のよさは日本人以上によく知っている」――2011年6月、台湾元総統・李 登輝さんが本誌『致知』のインタビューに対して語られた言葉です。 1895年、日清戦争の講和条約で日本に割譲された台湾は、第二次世界大戦が終結するまでの約50年間、日本による統治が行われました。その最中に生まれた李登輝さんは台北市長などを歴任後、1988年に台湾総統となられ、様々な反発を受けながらも国の民主化に尽力されました。97歳で世を去った「民主化の父」が、生涯を懸けて語り続けたものは何だったのか。本誌の取材には2度応じてくださりましたが、ここではそれらの中で語られたメッセージから、故人を偲びます。
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日本の「骨抜き計画」が進んでいる
――日本のリーダー待望論は久しく叫ばれていることです。
〈李〉 それに関して、日本は震災よりももっと前から大きな問題にぶつかっていると感じています。小説家の宮本 輝さんは、それを司馬遼太郎賞受賞の挨拶の時にこうおっしゃっていました。
宮本さんは昭和22年の生まれ、中学生の頃に高度経済成長期を迎え、家にテレビが入り、好んでアメリカのホームドラマや西部劇を見ていたそうです。それを見て、お父さんが「おまえは日本人骨抜き計画というものを知っているか」と聞く。当然何のことか分からない。すると、「ファーブルの『昆虫記』を読んだことがあるか」と聞かれたといいます。
――日本の骨抜き計画とファーブルの『昆虫記』が関係ある?
〈李〉 私はこの取材のためにもう一度岩波文庫の『昆虫記』を読み直しましたよ。最終章に「キャベツの青虫」という項があるんです。モンシロチョウの青虫はキャベツが大好きでキャベツ畑にたくさんいるのですが、その青虫にも天敵がいる。ミクロガステルという、直径3ミリメートルくらいの翅(はね)のある虫です。
ファーブルが青虫の腹の中を調べると、ミクロガステルの子虫が蠢(うごめ)いていた。体内に寄生した子虫たちは青虫を殺さない程度に体液を吸って少しずつ成長していく。そして、いよいよ青虫が蛹(さなぎ)になる段階になって、その体をぶち破って外に出てくるのです。
ファーブルはこの虫たちがどうやって青虫の体内に入ったかを調べます。最初は虫が卵をキャベツに産みつけ、それを青虫が食べたのかと考えた。しかし、どんなに観察してもミクロガステルはキャベツに卵を産まない。そして、ある日驚くような光景を目にしました。
モンシロチョウが産んだ卵の薄膜の中に、ミクロガステルが自分の胚子を産みつけている。要するに卵の段階から既に入り込んでいたのです。ファーブルは「蝶の子孫を絶やすためのなんという恐ろしい活動力だ!」と驚き、「生の学理的な強奪」と書いています。
――日本人も青虫と同じように知らぬ間に骨抜きにされてきたと。
〈李〉 そうです。そして宮本輝さんは、日本精神というものを『坂の上の雲』のバルチック艦隊の撃破に結び付けているんですね。
東郷平八郎を司令官とする日本艦隊がバルチック艦隊を見つけた時、日本軍は何をしたか。トップから水兵、炊事係まで一斉に船内の徹底的な掃除と消毒をした。次は風呂に入り、消毒してあった服に着替える。続いて隅々まで砂を撒いたのですが、その砂までも消毒していた。鉄砲に当たって怪我をした時、ばい菌が入ることを防ぎ、血糊(ちのり)で滑って転ぶ危険性を防止するためです。
「船も下着もすべて消毒して、甲板にまで砂を撒(ま)いて滑り止めまでして、さらにその砂まで消毒してあったという精神性を我々は失っていないか」と宮本さんはおっしゃっているけれども、そのくらい細かいところまで徹底的に精神が入っていたのが日本だったんですよ。そういう武士道や大和魂といった日本の精神が戦後の骨抜き計画で失われてしまったんです。
私は『武士道解題』という本を出していて、文庫本になった時、日本の有名な評論家がこういうコメントを寄せています。
「私のような戦後民主主義という論理にあわない事柄を排することで育った人間は、“武士道”には、率直にいって少なからぬ抵抗感もあるが、だからこそ、いま“武士道”がブームを迎えているのであろう」
彼もまた戦後、日本人としてのあるべき姿を失った一人でしょう。日本の言論界、教育界、官僚がこういう考えの人たちに支配されている。それが日本の現状なんです。
台湾人として生まれた悲哀を胸に
――いまのご指摘を踏まえ、総統時代に台湾の民主化を推進してこられたご経験から、これからの日本に対する提言はございますか。
〈李〉 台湾400年の歴史の中で、オランダ、鄭成功、清国、50年に及ぶ日本統治、そして大陸から来た国民党による統治と、この間、私たちは自分たちの政府もなければ、自分の国というものもなく、国のために力を尽くすことさえできない悲哀を味わってきました。
戦後、日本から蒋介石政権に代わり、台湾における白色テロ(大陸人による台湾人の弾圧)が繰り広げられ、我慢の限界に達して、ほとんどの台湾人は立ち上がりました。それをまとめていく立場が必要だったんです。
もともと私は農業経済学者でしたが、1971年にその専門家として当時総統だった蒋経国(蒋介石の息子)に招かれ、国民党に入党し、84年に副総統に指名されました。任期中に蒋経国が亡くなったため、代行として総統に就任。96年に台湾史上初めて民主的な選挙を実施し、台湾人として初めて総統に選ばれたわけですが、時代がそういうことを求めていたんです。我々はこの国の主人となって、自分たちの政府をつくるべきだと。
ある意味で、日本も自分たちで自分たちの国をつくるのだと立ち上がるべき時期ではないかと思います。
人生はとにかく実践躬行あるのみ
――卓越したリーダーシップを発揮して台湾の民主化を進めてこられましたが、ご自身の人格形成の原点を教えてください。
〈李〉 私の場合、「公義の精神」、ソーシャルジャスティスというものを子供の頃から持っていたように思います。(略)人生で一番影響を受けたものを挙げろといわれた���、倉田百三の『出家とその弟子』、ゲーテの『ファウスト』、カーライルの『衣装哲学』、そしてその3冊を止揚したところに新渡戸稲造の『武士道』があります。
子供の頃から「私とは誰か」「死とは何か」「生きるとはどういうことか」と考え続けてきたのですが、高校1年生の時に祖母が亡くなったり、既に戦争の暗雲が垂れ込めていたりして、まさにいつ死ぬかわからない時代でした。そういう中で、かねてからの私の魂の問いに一つの答えを与えてくれたのが『武士道』だったんですね。
――どういう手応えを得ましたか。
〈李〉 人生はまず自分の手近にある義務を果たすことです。そうすれば自ずから先が見えてくる。人間や人生の意義は、何よりもやってみること、実践躬行するところにある。そして人間、死んだ気になってやり通せば、どんなことでも成し遂げられないことはない、ということです。 (中略) あの頃、本当に死というものを度外視して生きていました。だから私はいまも死を怖れていません。大地震が来ても、何があっても自分の命は惜しくない。そういう境地で生きています。
「日本精神」を失うな
〈李〉 心の面に関しては、日本は大丈夫だと私は確信していますから。台湾人は
「日本精神(リップンチェンシン)」
という言葉を好んで用います。これは日本統治時代に台湾人が学んだ、勇気、誠実、勤勉、奉公、自己犠牲、責任感、清潔といった諸々の美点を指す言葉です。日本人がこの「日本精神」を失わない限り、日本は世界のリーダーとして発展していくことが可能だと、私は信じています。
日本は敗戦の結果、何よりも経済繁栄を優先せざるを得ませんでしたが、敗戦による苦難を耐え忍びながらも、日本の伝統や文化を失いませんでした。「いまの日本の若者はダメだ」という声も聞かれますが、私は決してそうは思いません。日本人には戦前と同様の美徳がまだまだ残っています。
確かに表面的には緩んだ部分もあるでしょう。けれどもそれは、かつてあった社会的な束縛から解放されただけで、ほとんどの日本人はいまも社会の規則を遵守し、モラルに従って行動しています。日本人の知恵やモラル、そして技術など、これほど素晴らしい国はありません。台湾も、その他の国々も、もっと日本を見習うべきでしょう。(中略)ただ、いまの日本の若い人たちが可哀想なのは、「昔の日本は悪いことをした。アジアを侵略した悪い国だった」と一方的な教育を受けていることです。
日本は世界各国から批判されてしかるべきだと思い込み、自信を失っていますが、そんなバカなことはない。昔は昔、いまはいま。どちらも大切です。昔がなければ現在もない。そういうところから教育を始めていかなければなりません。日本を批判しているのは中国と韓国だけで、それも全く身勝手な、自分たちの都合によるものです。
今日の日本人は一刻も早く戦後の自虐的価値観から解放されなければなりません。そのために日本人はもっと自信を持ち、かつて武士道という不文律を築き上げてきた民族の血を引いていることを誇るべきです。そうして日本人としてのアイデンティティーをしっかり持つことで、初めて日本は国際社会における役割を担うことができると思います。
(本記事は『致知』2011年9月号 特集「生気湧出」および2015年11月号「遠慮――遠きを慮る」より一部を抜粋・再編集したものです)
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◇李 登輝(り・とうき) 1923年台湾生まれ。台北高校卒業。京都帝国大学へ進学するも、敗戦により学業半ばで台湾へ戻り、台湾大学に編入・卒業。米アイオワ州立大学、米コーネル大学留学、農業経済学博士。台北市長などを歴任した後、蒋経国総統(当時)から84年副総統に指名される。88年蒋経国死去に伴い、総統に昇格。96年総統直接選挙を実現。2000年任期満了により退任。著書に『武士道解題』(小学館)『台湾の主張』『最高指導者の条件』(ともにPHP)『李登輝より日本へ贈る言葉』(ウエッジ)他多数。
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asianewspickup · 4 years
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[インタビュー]「強制動員の真相究明からしっかり行い、『被害者性』を回復せよ」
去年10月の最高裁判所の判決以後、日帝強占期の強制動員被害賠償問題が韓日対立の中心懸案として浮上した。問題解決のためにムン・ヒサン国会議長は、韓日企業と一般人の自発的基金で慰労金を与えるいわゆる「1+1+α」を打ち出して推進中だ。果たして強制動員問題とは何であり、どうすれば良いのだろうか。長らくこの問題に取り組んできた日帝強制動員・平和研究会のチョン・ヘギョン研究委員(59)に会って尋ねた。
 チョン研究委員は「まず政府が乗り出して『当時どんなことが起きたのか』の真相究明からきちんと行わなければならない。そして、中断された被害支援の受付も再開されなければならない」として「そのように責任ある姿勢で取り組んでこそ、日本も『無条件に知らない振りをすることはできない』と思うようになるだろう」と述べた。ムン議長の「1+1+α」に対しては「歴史問題を韓日関係の側面からだけ見て、外交政策の手段にしたもの。歴代政権が全てそのような取り繕い策で取り組んだからいまだに解決されずにいる」と否定的に評価した。
< ハンギョレ >
取れ高の高いインタビューです。読んだ感想はあくまでも個人的な意見で、素人の思うところを述べただけですが、素人が「?」と思う専門界の意見って、はたして読んだ韓国の人が理解できているのか?という疑問は残りますね。結局、専門家の言うとおりだろうと無批判に受け入れてれば、日本が悪いしか残らないでしょう。
―どのような方法で強制動員を行ったのか。
 「企業が募集する方式、官で斡旋する方式、徴用令による徴用、このように3種類の方法があった。初期には募集と官斡旋が多く行われた。ところが、ますます募集と官斡旋に反発する人々が増えた。夫が行ったが生活費を送金をしないから飢え死にするようになったとか、息子が死んだが誰も責任を負わなかったとか、そのような抗議が頻発した。動員をしに行くと人々が鎌や竹槍を持って警察と対立することも起きた。それで後には日本政府が徴用対象を拡大した後に徴用するようになった」
 専門家ってどこを調べたんだろう?って感じの認識ですが、募集や官斡旋って言わば「出稼ぎ労働者募集」ですよ。そこに応募して働きに出た旦那が稼ぎを仕送りしてこなくて、残された家族が困窮した。日本でもよくある話でしたが、それで竹槍もって暴動とかありえない。たいていは、動員を請け負った半島の業者が 手数料を受け取るために、適当なことを言って人数をかき集め、その不満を「日本が支払ってくれないからだ。日本が悪い」で逃げたのが原因でしょうね。そんなこと、素人でも予想がつく。
統治している地域でそのような暴動があれば、当然治安の維持に必要な措置はとられますよ。今ほど法の遵守がきちんとしていない時代のことゆえ、強引なこともあったかと思いますが、それをもって日本の統治時代が不法で暗黒な時代だったとはとうてい言えません。
戦局の悪化や時代の求めるものもあって、徴用にシフトしたのも単に半島だけの事情ではない。そのずっと前に日本内地の日本人の方が過酷な強制力で働いているし戦争で戦っていることをまったく無視した物言いと言わざるを得ない。この言い方では、日本が悪行を行うことに朝鮮人が正義の抗議を行ったことへの対策として強制的な動員を増やしたとしか読めないが、あきらかにミスリードである。
―強制動員は合法的なことだったのか。
 「国際労働機構(ILO)で『強制労働禁止協約』が1929年に作られた。日本は1932年に批准した。自ら批准した国際協約も破ったのである。当時連れて行かれた所は、炭鉱、軍需工場、工事現場、飛行場、港湾、製鉄所、造船所のような所だ。南洋群島と満洲には集団農場もあった。農作業を行い無水アルコールのような原料を軍に納品した。最も多く行った所は炭鉱だ」
 戦時中の国民総動員の非常時ということもあって、徴兵、徴用が行われたわけで、それは単純な意味の強制労働禁止とは相容れないだろう。徴兵、徴用ともに給料は支払われているので、奴隷制とも違う。
そもそも、それを言うなら、今、韓国で行われている徴兵制だって強制労働禁止協定違反ではないのか?休戦中とは言え、喫緊の戦争状態ではないのに特別な事情がない限り、全員兵役に就かせるのだから、戦時中の徴用よりも具体的な理由がないことになる。徴兵制を敷いている国はほかにもあるが?
―これらの労働条件はどのような状態だったか?
 「最も劣悪な場所は、炭鉱と土木・建築工事現場だ。元々日本の炭鉱は囚人労働から始まった。その結果、労務管理が荒かった。一般工場は相対的に勤労条件が良い方だった。しかしながら、勤労条件は職種や場所により千差万別だった。比較的良い条件で働いた人たちもいる。炭鉱も古い所は坑道が狭くて条件が劣悪だった。九州には特に軍艦島のような海底炭鉱もあり、作業が非常に大変だった。一方、サハリンは近代採炭施設も備わっているほど比較的良好だった。にも関わらず、彼らに労働者の権利は許されず義務だけ負ったという点は、すべて同じだった。どの資料にも『退社』という表現はない。『逃走』があるだけで、どこでも逃走者には苛酷だった」
炭鉱が囚人労働の場っていったいいつの時代のことを指して言っているのか(笑)佐渡島かよ。
関係してくるあの当時なら、炭鉱夫は専門技術職で、危険な分、知識と経験のある職人は高収入を得られた現場。エネルギー政策の柱でもあるわけだし、単に過酷なのが囚人労働の場からスタートしたから…というのは、専門家にしてはお粗末。もっともそういった社会学者でもないしイメージと先入観だけの話。過酷な現場がそれ相当の高収入である点もわざと?無視してる。金が欲しければ危険を承知で潜る炭鉱夫もいただろう。
それに徴用や出稼ぎの半島出身労働者をそんな危険な現場に放り込んだところでミスをしでかして死ぬぐらいならまだしも、周りを巻き込んだ災害に発展してしまう可能性があるわけで、経験のない奴はできる仕事も限られて低収入なのは当然だし、労働力を失うことを考えれば無理矢理働かせる意味がないわ。
―政府が1965年の韓日請求権協定で無償3億、有償2億ドルを受け取ってからも強制動員被害者には出し惜しみしたが。
 「1970年代に初めて補償したが、死亡者・行方不明者約8500人にだけ30万ウォン(1970年代初頭の相場で約23万円)ずつ与えた。廬武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時に、再度この問題が大きくなると慰労金をまた支給したが、死亡者・行方不明者2000万ウォン(約180万円)、負傷者300万~2000万ウォン(約27万円~180万円)だった。生存者は医療支援金として年間80万ウォン(約7万円)を支払われる。合計7万2000人余りが約6000億ウォン(約550億円)を受け取った。
文政権は日本の支払った5億ドルの根拠たる日韓請求権協定も無視しようとしてますよ。最初は金を受け取ったことを国民に知らせず、インフラ整備などに使って近代化したのちに、しぶしぶ支払ったことで、日本からの金を認めたことになりますね。その額にしても550億円。
ところが排除された人々がいる。日帝が外国にだけ連れて行かれたのではない。国内動員もあった。例えば、忠清道の人が済州島の軍事施設の建設に動員された形式だ。延べ人数が650万人ほどになるのに全て除外された。被害申請も難しかった。それで『大して多くもないお金だからもらうのはやめよう』と諦める人が多かった。申請期間も2008年9月から2014年6月まで4回にわたって一時的に運営して終了した。申請者が急増して財政負担が大きくなるのを懸念し、消極行政をしたのである。強制動員名簿は今も発掘されている。被害者が追加確認されているが、今は申請することもできない」
韓国内の徴用に対しては韓国政府が責任を負うのは当然ですよね。そこに日本政府が入り込んでやれと言うならやったけれど、主権国家たる自負がゆるさなかったわけだし。その結果、まともな調査やフォローをしないまま、被害者が置き去りにされたとしてもそれは韓国政府��韓国民の間のこと。そのことをもって、日本が再度、謝罪と賠償をしろというのはおかしな話なわけですね。
―私たちはなぜ、そのようにならなかったのか。
 「私たちが『被害者性』を失ったからだ。被害者性には真相究明の意志がある。何が起きたのか、それを知ろうとする。それを知るようになれば、私たちの権利とは何であるのかも自然に分かるようになる。また、二度とこのような事が繰り返されてはならないという再発防止の意志を共有する。初めから私たちに被害者性がなかったのではないだろう。最初はセウォル号の遺族のような心境だったはずだ。1945年に解放されて強制動員の被害者たちが団体を作って請願もした。しかし、うまくいかずうやむやになった。政府からおとなしくしていろと何もできないようにされたのだ。乗り出せばアカ扱いされた。そのため被害者がどこかに行って訴える所もなくなった。『私たちの父がどこで亡くなったかご存じですか』と尋ねる所もなかったのだ。そのため在日同胞らがこの方たちを迎えて訴訟をするようになった。初めから何を経験したのか関心を持つ機会を逃し、すぐ訴訟してお金を受け取らなきゃならない、という段階に行ってしまったのである。これは政府がそのように作ったもの。初めから(政府は)『私たちの父はどこに行ったのか教えてください』と聞かれれば調査もして、また『あなたはこのような権利がある』と教えなければならなかった。そのようにして真相究明も行い、権利も取り返し、二度とこのような事が起きないようにしなければならないという所まで行くはずだったが、これが全てもつれてしまった」
真相究明は、被害者を置き去りにした韓国政府のあり方への責任問題なのに、日本が統治したことが悪いとしたのが、先の大法院の判決理由なので、そこをごっちゃにしたまま何の真相究明ができるか。そこまでいくなら、併合された経緯もきちんと見極めた上での話だが、論拠も検証もなく、一方的に不法だからとした思考停止状態で話を考えていけば、二度と起きないようになど夢のまた夢。目的はなんだ?と、改めて問いたい。
―今の雰囲気では、日本が資料提供に協力しない可能性が高いと見られるが。
 「強制動員関連の一次資料は、大部分が日本が作成した資料にならざるを得ない。それでも資料が日本にだけあるのではない。当時の日本には連合軍の捕虜がいたため、米国、英国にも資料がある。国際赤十字社があるスイスにもある。また、満洲に駐屯した関東軍は資料を焼却できずに土に埋めて逃げたが、それを先日、中国政府が発掘した。シベリア強制労役に連れて行かされた朝鮮人兵士1万人余りの資料はロシアにある。また、個人的にこれらの資料を収集して追跡した方々もいる。そのような資料から確保していって始めることができる」
すでに、アメリカ政府にある文書、資料を、大きな予算を投じて調査した結果が出ている。その結果、日本が拉致など不法な強制的行為によって労働力や慰安婦を集めて強制労働させた証拠はひとつも見つかっていない。そういった過去の検証などをあえて無視してきたから、また、自分たちでやろうという無駄な努力を求めているんだよ。もっとも、自分たちの願う結果が出るまで調査は終わらない…とか、どっかの野党のようなことをしていればスポンサーから食い扶持が降ってくるならどうぞご勝手に。
未だに新事実とか、新たな証拠が確認された!とか、韓国や半島寄りの日本マスコミから出てきているけれど、どれもこれも既知の情報を練り直しただけだったり、徴用して労働管理していたり慰安所を運営管理するための通達だったりしていて、そこに不法や強制労働を強いた証拠などないし、むしろ、先入観なく見れば、できるだけ労働者や労働条件、衛生管理などをきちんとするようにという意図の元で出された通達や、管理文書だったりして、そもそも不法に拉致してきたり、逆らえば殺されてたりするものをそんなきちんと管理している手間がいるか?という疑問のほうが大きくなるようなものばかり。
―ムン・ヒサン国会議長が「1+1+α」を打ち出した。韓国と日本企業、国民の自発的な寄付金で寄金を作り、慰労金を与える案だが。
 「その提案には重要な規定がある。基金からお金を受け取れば二度と権利の行使はできないのである。日本が6月に韓国政府が提案した『1+1』案は拒否して、ムン議長案は歓迎した背景の中心だと思う。
思いっきり本音がダダ漏れしてますが。基金からお金を受け取れば二度と権利を行使できない文国会議長案は被害者への礼儀がないですって(笑)。
被害者の権利を二度と行使できないのは被害者の意思とは違うから、賛同を得にくいって、そこを突っ込んだら「金の問題ではない。真の謝罪が必要だ」とオウムのごとく喚くんだろうけど、謝罪をしても「真の謝罪ではない」金を受け取っても「謝罪が足りない」、被害者をかさにきて横暴を押し通すことに批判しても「加害者が盗人猛々しい」と叫ぶ。こういう権利を残せ!ってことですね。
もちろん、後で書かれている「被害者中心主義国家」において被害者はヒエラルキーの頂点であり、絶対的指導者ですから、彼らはことあるごとに日本を中傷し、非難し、政治を動かそうとするでしょう。それが国民の意思ですから。その地位を手に入れさえすれば、子孫まで安泰。そのために是が非でも被害者として、加害者から謝罪、つまり被害者認定を受け取れなければならないのです。金を受け取ったら権利を放棄したことになり、今後、同じことで被害者になることは許されないのだとしたら、やっぱり嫌なんでしょうねぇ。
しかしこの提案は、被害者社会に対する礼儀ではないと思える。この提案の意図は、差し押えられた日本企業の資産の現金化を防ぐということだ。歴史問題を外交政策の観点からのみ見ている。歴代政権がこのような取り繕い策で解決しようとしたため、いまだに解決することができないのだ。被害者中心主義と言いながらも、実際に訴訟した人々の意思も尋ねなかった。そのように恩恵を施すようにしながら韓日関係悪化を防ぐためにこれに同意せよということだが、そのような方式では解決されることにはなり得ないだろう」 
すごいね。被害者社会とか、被害者中心主義って初めて聞きました。韓国ではこういった概念が説明泣く通じるってことですね。それくらい、韓国内では被害者の立場が強く、一般社会の概念とは別個の正義や価値観があるってことです。まさに「我が正義は法を超越する」…です。
韓国では一般の国民は被害者社会を尊重し、被害者中心主義国家として被害者が満足するまでフォローしていくことを国是としている国だからこそ、加害者がいなければならない。反日は日本がある限り続くし、被害者中心主義国家である限り、日本は加害者でなければならないので、はい、解決は韓国がさせません(笑)
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tomoya-jinguuji · 5 years
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一 はじめに  平成最後の施政方針演説を、ここに申し述べます。  本年四月三十日、天皇陛下が御退位され、皇太子殿下が翌五月一日に御即位されます。国民こぞって寿(ことほ)ぐことができるよう、万全の準備を進めてまいります。  「内平らかに外成る、地平らかに天成る」  大きな自然災害が相次いだ平成の時代。被災地の現場には必ず、天皇、皇后両陛下のお姿がありました。  阪神・淡路大震災で全焼した神戸市長田の商店街では、皇后陛下が焼け跡に献花された水仙が、復興のシンボルとして、今なお、地域の人々の記憶に刻まれています。  商店街の皆さんは、復興への強い決意と共に、震災後すぐに仮設店舗で営業を再開。全国から集まった延べ二百万人を超えるボランティアも復興の大きな力となりました。かつて水仙が置かれた場所は今、公園に生まれ変わり、子どもたちの笑顔であふれています。  東日本大震災の直後、仙台市の避難所を訪れた皇后陛下に、一人の女性が花束を手渡しました。津波によって大きな被害を受けた自宅の庭で、たくましく咲いていた水仙を手に、その女性はこう語ったそうです。  「この水仙のように、私たちも頑張ります。」  東北の被災地でも、地元の皆さんの情熱によって、復興は一歩一歩着実に進んでいます。平成は、日本人の底力と、人々の絆(きずな)がどれほどまでにパワーを持つか、そのことを示した時代でもありました。  「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」  明治、大正、昭和、平成。日本人は幾度となく大きな困難に直面した。しかし、そのたびに、大きな底力を発揮し、人々が助け合い、力を合わせることで乗り越えてきました。  急速に進む少子高齢化、激動する国際情勢。今を生きる私たちもまた、立ち向かわなければならない。私たちの子や孫の世代に、輝かしい日本を引き渡すため、共に力を合わせなければなりません。  平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。 二 全世代型社会保障への転換 (成長と分配の好循環)  この六年間、三本の矢を放ち、経済は十%以上成長しました。国・地方合わせた税収は二十八兆円増加し、来年度予算における国の税収は過去最高、六十二兆円を超えています。  そして、この成長の果実を、新三本の矢によって、子育て支援をはじめ現役世代へと大胆に振り向けてきました。  児童扶養手当の増額、給付型奨学金の創設を進める中で、ひとり親家庭の大学進学率は二十四%から四十二%に上昇し、悪化を続けてきた子どもの相対的貧困率も、初めて減少に転じ、大幅に改善しました。平成五年以来、一貫して増加していた現役世代の生活保護世帯も、政権交代後、八万世帯、減少いたしました。  五年間で五十三万人分の保育の受け皿を整備した結果、昨年、待機児童は六千人減少し、十年ぶりに二万人を下回りました。子育て世代の女性就業率は七ポイント上昇し、新たに二百万人の女性が就業しました。  成長の果実をしっかりと分配に回すことで、次なる成長につながっていく。「成長と分配の好循環」によって、アベノミクスは今なお、進化を続けています。 (教育無償化)  我が国の持続的な成長にとって最大の課題は、少子高齢化です。平成の三十年間で、出生率は一・五七から一・二六まで落ち込み、逆に、高齢化率は十%から三十%へと上昇しました。  世界で最も速いスピードで少子高齢化が進む我が国にあって、もはや、これまでの政策の延長線上では対応できない。次元の異なる政策が必要です。  子どもを産みたい、育てたい。そう願う皆さんの希望を叶(かな)えることができれば、出生率は一・八まで押し上がります。しかし、子どもたちの教育にかかる負担が、その大きな制約となってきました。  これを社会全体で分かち合うことで、子どもたちを産み、育てやすい日本へと、大きく転換していく。そのことによって、「希望出生率一・八」の実現を目指します。  十月から三歳から五歳まで全ての子どもたちの幼児教育を無償化いたします。小学校・中学校九年間の普通教育無償化以来、実に七十年ぶりの大改革であります。  待機児童ゼロの目標は、必ず実現いたします。今年度も十七万人分の保育の受け皿を整備します。保育士の皆さんの更なる処遇改善を行います。自治体の裁量を拡大するなどにより、学童保育の充実を進めます。  来年四月から、公立高校だけでなく、私立��校も実質無償化を実現します。真に必要な子どもたちの高等教育も無償化し、生活費をカバーするために十分な給付型奨学金を支給します。  家庭の経済事情にかかわらず、子どもたちの誰もが、自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる。そうした社会を創り上げてこそ、アベノミクスは完成いたします。  子どもたちこそ、この国の未来そのものであります。  多くの幼い命が、今も、虐待によって奪われている現実があります。僅か五歳の女の子が、死の間際に綴(つづ)ったノートには、日本全体が大きなショックを受けました。  子どもたちの命を守るのは、私たち大人全員の責任です。  あのような悲劇を二度と繰り返してはなりません。何よりも子どもたちの命を守ることを最優先に、児童相談所の体制を抜本的に拡充し、自治体の取組を警察が全面的にバックアップすることで、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。 (一億総活躍)  女性比率僅か三%の建設業界に、女性たちと共に飛び込んだ中小企業があります。時短勤務の導入、託児所の設置などに積極的に取り組み、職人の三割は女性です。  彼女たちが企画した健康に優しい塗料は、家庭用の人気商品となりました。女性でも使いやすい軽量の工具は、高齢の職人たちにも好んで使われるようになりました。この企業の売上げは、三年で二倍、急成長を遂げています。  女性の視点が加わることにより、女性たちが活躍することにより、日本の景色は一変する。人口が減少する日本にあって、次なる成長の大きなエンジンです。  女性活躍推進法を改正し、このうねりを全国津々浦々の中小企業にも広げます。十分な準備期間を設け、経営者の皆さんの負担の軽減を図りながら、女性の働きやすい環境づくりに取り組む中小企業を支援してまいります。  パワハラ、セクハラの根絶に向け、社会が一丸となって取り組んでいかなければなりません。全ての事業者にパワハラ防止を義務付けます。セクハラの相談を理由とした不利益取扱いを禁止するほか、公益通報者保護に向けた取組を強化し、誰もが働きやすい職場づくりを進めてまいります。  働き方改革。いよいよ待ったなしであります。  この四月から、大企業では、三六協定でも超えてはならない、罰則付きの時間外労働規制が施行となります。企業経営者の皆さん。改革の時は来ました。準備はよろしいでしょうか。  長年続いてきた長時間労働の慣行を断ち切ることで、育児や介護など様々な事情を抱える皆さんが、その事情に応じて働くことができる。誰もがその能力を思う存分発揮できる社会に向かって、これからも、働き方改革を全力で推し進めてまいります。  障害者の皆さんにも、やりがいを感じながら、社会でその能力を発揮していただきたい。障害者雇用促進法を改正し、就労の拡大を更に進めます。  人生百年時代の到来は、大きなチャンスです。  元気で意欲ある高齢者の方々に、その経験や知恵を社会で発揮していただくことができれば、日本はまだまだ成長できる。生涯現役の社会に向かって、六十五歳まで継続雇用することとしている現行制度を見直し、七十歳まで就労機会を確保できるよう、この夏までに計画を策定し、実行に移します。  この五年間、生産年齢人口が四百五十万人減少する中にあっても、多くの女性や高齢者の皆さんが活躍することで、就業者は、逆に二百五十万人増加いたしました。女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、全ての人に活躍の機会を作ることができれば、少子高齢化も必ずや克服できる。  平成の、その先の時代に向かって、「一億総活躍社会」を、皆さん、共に、創り上げていこうではありませんか。 (全世代型社会保障)  少子高齢化、そして人生百年の時代にあって、我が国が誇る社会保障の在り方もまた大きく変わらなければならない。お年寄りだけではなく、子どもたち、子育て世代、更には、現役世代まで、広く安心を支えていく。全世代型社会保障への転換を成し遂げなければなりません。  高齢化が急速に進む中で、家族の介護に、現役世代は大きな不安を抱いています。介護のために仕事を辞めなければならない、やりがいを諦めなければならないような社会はあってはなりません。  現役世代の安心を確保するため、「介護離職ゼロ」を目指し、引き続き全力を尽くします。  二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受け皿を整備します。ロボットを活用するなど現場の負担軽減を進めるとともに、十月からリーダー級職員の方々に月額最大八万円の処遇改善を行います。  認知症対策の強化に向けて、夏までに新オレンジプランを改定します。認知症カフェを全市町村で展開するなど、認知症の御家族を持つ皆さんを、地域ぐるみで支え、その負担を軽減します。  勤労統計について、長年にわたり、不適切な調査が行われてきたことは、セーフティネットへの信頼を損なうものであり、国民の皆様にお詫び申し上げます。雇用保険、労災保険などの過少給付について、できる限り速やかに、簡便な手続で、不足分をお支払いいたします。基幹統計について緊急に点検を行いましたが、引き続き、再発防止に全力を尽くすとともに、統計の信頼回復に向け、徹底した検証を行ってまいります。  全世代型社会保障への転換とは、高齢者の皆さんへの福祉サービスを削減する、との意味では、全くありません。むしろ、高齢者の皆さんに引き続き安心してもらえることが大前提であります。  六十五歳以上の皆さんにも御負担いただいている介護保険料について、年金収入が少ない方々を対象に、十月から負担額を三分の二に軽減します。年金生活者の方々に、新たに福祉給付金を年間最大六万円支給し、所得をしっかりと確保してまいります。  こうした社会保障改革と同時に、その負担を次の世代へと先送りすることのないよう、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化目標の実現に向け、財政健全化を進めます。  少子高齢化を克服し、全世代型社会保障制度を築き上げるために、消費税率の引上げによる安定的な財源がどうしても必要です。十月からの十%への引上げについて、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。  八%への引上げ時の反省の上に、経済運営に万全を期してまいります。  増税分の五分の四を借金返しに充てていた、消費税の使い道を見直し、二兆円規模を教育無償化などに振り向け、子育て世代に還元いたします。軽減税率を導入するほか、プレミアム商品券の発行を通じて、所得の低い皆さんなどの負担を軽減します。  同時に、来たるべき外国人観光客四千万人時代を見据え、全国各地の中小・小規模事業者の皆さんにキャッシュレス決済を普及させるため、思い切ったポイント還元を実施します。自動車や住宅への大幅減税を行い、しっかりと消費を下支えします。  来年度予算では、頂いた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとすることで、「戦後最大のGDP六百兆円」に向けて着実に歩みを進めてまいります。 三 成長戦略 (デフレマインドの払拭)  平成の日本経済はバブル崩壊から始まりました。  出口の見えないデフレに苦しむ中で、企業は人材への投資に消極的になり、若者の就職難が社会問題となりました。設備投資もピーク時から三割落ち込み、未来に向けた投資は先細っていきました。  失われた二十年。その最大の敵は、日本中に蔓延したデフレマインドでありました。  この状況に、私たちは三本の矢で立ち向かいました。  早期にデフレではないという状況を作り、企業の設備投資は十四兆円増加しました。二十年間で最高となっています。人手不足が深刻となって、人材への投資も息を吹き返し、五年連続で今世紀最高水準の賃上げが行われました。経団連の調査では、この冬のボーナスは過去最高です。  日本企業に、再び、未来へ投資する機運が生まれてきた。デフレマインドが払拭されようとしている今、未来へのイノベーションを、大胆に後押ししていきます。 (第四次産業革命)  世界は、今、第四次産業革命の真っただ中にあります。人工知能、ビッグデータ、IoT、ロボットといったイノベーションが、経済社会の有り様を一変させようとしています。  自動運転は、高齢者の皆さんに安全・安心な移動手段をもたらします。体温や血圧といった日々の情報を医療ビッグデータで分析すれば、病気の早期発見も可能となります。  新しいイノベーションは、様々な社会課題を解決し、私たちの暮らしを、より安心で、より豊かなものとする、大きな可能性に満ちている。こうしたSociety 5.0を、世界に先駆けて実現することこそ、我が国の未来を拓く成長戦略であります。  時代遅れの規制や制度を大胆に改革いたします。  交通に関わる規制を全面的に見直し、安全性の向上に応じ、段階的に自動運転を解禁します。寝たきりの高齢者などが、自宅にいながら、オンラインで診療から服薬指導まで一貫して受けられるよう、関係制度を見直します。外国語やプログラミングの専門家による遠隔教育を、五年以内に全ての小中学校で受けられるようにします。  電波は国民共有の財産です。経済的価値を踏まえた割当制度への移行、周波数返上の仕組みの導入など、有効活用に向けた改革を行います。携帯電話の料金引下げに向け、公正な競争環境を整えます。  電子申請の際の紙の添付書類を全廃します。行政手続の縦割りを打破し、ワンストップ化を行うことで、引っ越しなどの際に同じ書類の提出を何度も求められる現状を改革します。  急速な技術進歩により、経済社会が加速度的に変化する時代にあって最も重要な政府の役割は、人々が信頼し、全員が安心して新しいシステムに移行できる環境を整えることだと考えます。  膨大な個人データが世界を駆け巡る中では、プライバシーやセキュリティを保護するため、透明性が高く、公正かつ互恵的なルールが必要です。その上で、国境を越えたデータの自由な流通を確保する。米国、欧州と連携しながら、信頼される、自由で開かれた国際データ流通網を構築してまいります。  人工知能も、あくまで人間のために利用され、その結果には人間が責任を負わなければならない。我が国がリードして、人間中心のAI倫理原則を打ち立ててまいります。  イノベーションがもたらす社会の変化から、誰一人取り残されてはならない。この夏策定するAI戦略の柱は、教育システムの改革です。  来年から全ての小学校でプログラミングを必修とします。中学校、高校でも、順次、情報処理の授業を充実し、必修化することで、子どもたちの誰もが、人工知能などのイノベーションを使いこなすリテラシーを身に付けられるようにします。  我が国から、新たなイノベーションを次々と生み出すためには、知の拠点である大学の力が必要です。若手研究者に大いに活躍の場を与え、民間企業との連携に積極的な大学を後押しするため、運営費交付金の在り方を大きく改革してまいります。  経済活動の国境がなくなる中、日本企業の競争力、信頼性を一層グレードアップさせるために、企業ガバナンスの更なる強化が求められています。社外取締役の選任、役員報酬の開示など、グローバルスタンダードに沿って、これからもコーポレートガバナンス改革を進めてまいります。 (中小・小規模事業者)  中小・小規模事業者の海外輸出は、バブル崩壊後、二倍に拡大しました。  下請から脱し、自ら販路を開拓する。オンリーワンのワザを磨く。全国三百六十万者の中小・小規模事業者の皆さんは、様々な困難にあっても、歯を食いしばって頑張ってきました。バブル崩壊後の日本経済を支え、我が国の雇用の七割を守ってきたのは、こうした中小・小規模事業者の皆さんです。  新しいチャレンジをものづくり補助金で応援します。全国的に人手不足が深刻となる中で、IT補助金、持続化補助金により、生産性向上への取組も後押しします。  四月から、即戦力となる外国人材を受け入れます。多くの優秀な方々に日本に来ていただき、経済を担う一員となっていただくことで、新たな成長につなげます。働き方改革のスタートを見据え、納期負担のしわ寄せを禁止するなど、取引慣行の更なる改善を進めます。  後継者の確保も大きな課題です。四十七都道府県の事業引継ぎ支援センターでマッチングを行うとともに、相続税を全額猶予する事業承継税制を個人事業主に拡大します。  TPPやEUとの経済連携協定は、高い技術力を持つ中小・小規模事業者の皆さんにとって、海外展開の大きなチャンスです。「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づき、海外でのマーケティング、販路開拓を支援してまいります。 四 地方創生 (農林水産新時代)  安全でおいしい日本の農産物にも、海外展開の大きなチャンスが広がります。農林水産品の輸出目標一兆円も、もう手の届くところまで来ました。  同時に、農家の皆さんの不安にもしっかり向き合います。二次補正予算も活用し、体質改善、経営安定化に万全を尽くします。  素晴らしい田園風景、緑あふれる山並み、豊かな海、伝統ある故郷(ふるさと)。我が国の国柄を守ってきたのは、全国各地の農林水産業です。美しい棚田を次の世代に引���渡していくため、中山間地域への直接支払などを活用し、更に、総合的な支援策を講じます。  農こそ、国の基です。  守るためにこそ、新たな挑戦を進めなければならない。若者が夢や希望を持って飛び込んでいける「強い農業」を創ります。この六年間、新しい農林水産業を切り拓くために充実させてきた政策を更に力強く展開してまいります。  農地バンクの手続を簡素化します。政権交代前の三倍、六千億円を上回る土地改良予算で、意欲と能力ある担い手への農地集積を加速し、生産性を高めます。  国有林野法を改正します。長期間、担い手に国有林の伐採・植林を委ねることで、安定した事業を可能とします。美しい森を守るため、水源の涵養、災害防止を目的とした森林環境税を創設します。  水産業の収益性をしっかりと向上させながら、資源の持続的な利用を確保する。三千億円を超える予算で、新しい漁船や漁具の導入など、浜の皆さんの生産性向上への取組を力強く支援します。  平成の、その先の時代に向かって、若者が自らの未来を託すことができる「農林水産新時代」を、皆さん、共に、築いていこうではありませんか。 (観光立国)  田植え、稲刈り。石川県能登町にある五十軒ほどの農家民宿には、直近で一万三千人を超える観光客が訪れました。アジアの国々に加え、米国、フランス、イタリア、イスラエルなど、二十か国以上から外国人観光客も集まります。  昨年、日本を訪れる外国人観光客は、六年連続で過去最高を更新し、三千万人の大台に乗りました。北海道、東北、北陸、九州で三倍以上、四国で四倍以上、沖縄では五倍以上に増えています。消費額にして、四兆五千億円の巨大市場。  観光立国によって、全国津々浦々、地方創生の核となる、たくましい一大産業が生まれました。  来年の四千万人目標に向かって、海外と地方をつなぐ��の玄関口、羽田���成田空港の発着枠を八万回増やします。世界一安全・安心な国を実現するため、テロ対策などの一層の強化に取り組みます。国際観光旅客税を活用し、主要な鉄道や観光地で表示の多言語化を一気に加速します。  来年三月の供用開始に向け、那覇空港第二滑走路の建設を進めます。発着枠を大幅に拡大することで、アジアと日本とをつなぐハブ機能を強化してまいります。  北海道では、昨年、フィリピンからの新たな直行便など、新千歳空港の国際線が二十五便増加しました。雄大な自然を活かした体験型ツーリズムの拡大を後押しします。広くアイヌ文化を発信する拠点を白老町に整備し、アイヌの皆さんが先住民族として誇りを持って生活できるよう取り組みます。 (地方創生)  観光資源などそれぞれの特色を活かし、地方が、自らのアイデアで、自らの未来を切り拓く。これが安倍内閣の地方創生です。  地方の皆さんの熱意を、引き続き一千億円の地方創生交付金で支援します。地方の財政力を強化し、税源の偏在を是正するため、特別法人事業税を創設します。  十年前、東京から地方への移住相談は、その半分近くが六十歳代以上でした。しかし、足元では、相談自体十倍以上に増加するとともに、その九割が五十歳代以下の現役世代で占められています。特に、三十歳未満の若者の相談件数は、五十倍以上になりました。  若者たちの意識が変わってきた今こそ、大きなチャンスです。地方に魅力を感じ、地方に飛び込む若者たちの背中を力強く後押ししてまいります。  地域おこし協力隊を、順次八千人規模へと拡大します。東京から地方へ移住し、起業・就職する際には、最大三百万円を支給し、地方への人の流れを加速します。  若者たちの力で、地方の輝ける未来を切り拓いてまいります。 (国土強靱(じん)化)  集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑。昨年、異次元の災害が相次ぎました。もはや、これまでの経験や備えだけでは通用しない。命に関わる事態を「想定外」と片付けるわけにはいきません。  七兆円を投じ、異次元の対策を講じます。  全国で二千を超える河川、一千か所のため池の改修、整備、一千キロメートルに及ぶブロック塀の安全対策を行い、命を守る防災・減災に取り組みます。  四千キロメートルを超える水道管の耐震化、八千か所のガソリンスタンドへの自家発電の設置を進め、災害時にも維持できる、強靱(じん)なライフラインを整備します。  風水害専門の広域応援部隊を全ての都道府県に立ち上げ、人命救助体制を強化します。  ハードからソフトまであらゆる手を尽くし、三年間集中で、災害に強い国創り、国土強靱(じん)化を進めてまいります。 (東日本大震災からの復興)  九月二十日からいよいよラグビーワールドカップが始まります。五日後には、強豪フィジーが岩手県釜石のスタジアムに登場します。  津波で大きな被害を受けた場所に、地元の皆さんの復興への熱意と共に建設されました。世界の一流プレーヤーたちの熱戦に目を輝かせる子どもたちは、必ずや、次の時代の東北を担う大きな力となるに違いありません。  東北の被災地では、この春までに、四万七千戸を超える住まいの復興が概ね完了し、津波で浸水した農地の九割以上が復旧する見込みです。  原発事故で大きな被害を受けた大熊町では、この春、町役場が八年ぶりに、町に戻ります。  家々の見回り、草刈り、ため池の管理。将来の避難指示解除を願う地元の皆さんの地道な活動が実を結びました。政府も、インフラ整備など住民の皆さんの帰還に向けた環境づくりを進めます。  福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の再生なし。復興が成し遂げられるその日まで、国が前面に立って、全力を尽くして取り組んでまいります。  来年、日本にやってくる復興五輪。その聖火リレーは福島からスタートします。最初の競技も福島で行われます。東日本大震災から見事に復興した東北の姿を、皆さん、共に、世界に発信しようではありませんか。 五 戦後日本外交の総決算 (公正な経済ルールづくり)  昨年末、TPPが発効しました。来月には、欧州との経済連携協定も発効します。  いずれも単に関税の引下げにとどまらない。知的財産、国有企業など幅広い分野で、透明性の高い、公正なルールを整備しています。次なる時代の、自由で、公正な経済圏のモデルです。  自由貿易が、今、大きな岐路に立っています。  WTOが誕生して四半世紀、世界経済は、ますます国境がなくなり、相互依存を高めています。新興国は目覚ましい経済発展を遂げ、経済のデジタル化が一気に進展しました。  そして、こうした急速な変化に対する不安や不満が、時に保護主義への誘惑を生み出し、国と国の間に鋭い対立をも生み出しています。  今こそ、私たちは、自由貿易の旗を高く掲げなければならない。こうした時代だからこそ、自由で、公正な経済圏を世界へと広げていくことが、我が国の使命であります。  昨年九月の共同声明に則って、米国との交渉を進めます。広大な経済圏を生み出すRCEPが、野心的な協定となるよう、大詰めの交渉をリードしてまいります。  国際貿易システムの信頼を取り戻すためには、WTOの改革も必要です。米国や欧州と共に、補助金やデータ流通、電子商取引といった分野で、新しい時代の公正なルールづくりを我が国がリードする。その決意であります。 (安全保障政策の再構築)  平成の、その先の時代に向かって、日本外交の新たな地平を切り拓く。今こそ、戦後日本外交の総決算を行ってまいります。  我が国の外交・安全保障の基軸は、日米同盟です。  平和安全法制の成立によって、互いに助け合える同盟は、その絆(きずな)を強くした。日米同盟は今、かつてなく強固なものとなっています。  そうした深い信頼関係の下に、抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担の軽減に取り組んでまいります。これまでの二十年以上に及ぶ沖縄県や市町村との対話の積み重ねの上に、辺野古移設を進め、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現してまいります。  自らの手で自らを守る気概なき国を、誰も守ってくれるはずがない。安全保障政策の根幹は、我が国自身の努力に他なりません。  冷戦の終結と共に始まった平成の三十年間で、我が国を取り巻く安全保障環境は激変しました。そして今、この瞬間も、これまでとは桁違いのスピードで、厳しさと不確実性を増している現実があります。  テクノロジーの進化は、安全保障の在り方を根本的に変えようとしています。サイバー空間、宇宙空間における活動に、各国がしのぎを削る時代となりました。  もはや、これまでの延長線上の安全保障政策では対応できない。陸、海、空といった従来の枠組みだけでは、新たな脅威に立ち向かうことは不可能であります。  国民の命と平和な暮らしを、我が国自身の主体的・自主的な努力によって、守り抜いていく。新しい防衛大綱の下、そのための体制を抜本的に強化し、自らが果たし得る役割を拡大します。サイバーや宇宙といった領域で我が国が優位性を保つことができるよう、新たな防衛力の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を推し進めてまいります。 (地球儀俯瞰(ふかん)外交の総仕上げ)  我が国の平和と繁栄を確固たるものとしていく。そのためには、安全保障の基盤を強化すると同時に、平和外交を一層力強く展開することが必要です。  この六年間、積極的平和主義の旗の下、国際社会と手を携えて、世界の平和と繁栄にこれまで以上の貢献を行ってきた。地球儀を俯瞰(ふかん)する視点で、積極的な外交を展開してまいりました。  平成の、その先の時代に向かって、いよいよ総仕上げの時です。  昨年秋の訪中によって、日中関係は完全に正常な軌道へと戻りました。「国際スタンダードの下で競争から協調へ」、「互いに脅威とはならない」、そして「自由で公正な貿易体制を共に発展させていく」。習近平主席と確認した、今後の両国の道しるべとなる三つの原則の上に、首脳間の往来を重ね、政治、経済、文化、スポーツ、青少年交流をはじめ、あらゆる分野、国民レベルでの交流を深めながら、日中関係を新たな段階へと押し上げてまいります。  ロシアとは、国民同士、互いの信頼と友情を深め、領土問題を解決して、平和条約を締結する。戦後七十年以上残されてきた、この課題について、次の世代に先送りすることなく、必ずや終止符を打つ、との強い意志を、プーチン大統領と共有しました。首脳間の深い信頼関係の上に、一九五六年宣言を基礎として、交渉を加速してまいります。  北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動いたします。北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指します。そのために、米国や韓国をはじめ国際社会と緊密に連携してまいります。  北東アジアを真に安定した平和と繁栄の地にするため、これまでの発想にとらわれない、新しい時代の近隣外交を力強く展開いたします。  そして、インド洋から太平洋へと至る広大な海と空を、これからも、国の大小にかかわらず、全ての国に恩恵をもたらす平和と繁栄の基盤とする。このビジョンを共有する全ての国々と力を合わせ、日本は、「自由で開かれたインド太平洋」を築き上げてまいります。 (世界の中の日本外交)  中東地域の国々とは、長年、良好な関係を築いてきました。その歴史の上に、中東の平和と安定のため、日本独自の視点で積極的な外交を展開してまいります。  TICADがスタートして三十年近くが経ち、躍動するアフリカはもはや援助の対象ではありません。共に成長するパートナーです。八月にTICADを開催し、アフリカが描く夢を力強く支援していきます。  世界の平和と繁栄のために、日本外交が果たすべき役割は大きなものがある。地球規模課題の解決についても、日本のリーダーシップに強い期待が寄せられています。  我が国は四年連続で温室効果ガスの排出量を削減しました。他方で、長期目標である二〇五〇年八十%削減のためには非連続的な大幅削減が必要です。環境投資に積極的な企業の情報開示を進め、更なる民間投資を呼び込むという、環境と成長の好循環を回すことで、水素社会の実現など革新的なイノベーションを、我が国がリードしてまいります。  プラスチックによる海洋汚染が、生態系への大きな脅威となっています。美しい海を次の世代に引き渡していくため、新たな汚染を生み出さない世界の実現を目指し、ごみの適切な回収・処分、海で分解される新素材の開発など、世界の国々と共に、海洋プラスチックごみ対策に取り組んでまいります。  本年六月、主要国のリーダーたちが一堂に会するG20サミットを、我が国が議長国となり、大阪で開催します。  世界経済の持続的成長、自由で公正な貿易システムの発展、持続可能な開発目標、地球規模課題への新たな挑戦など、世界が直面する様々な課題について、率直な議論を行い、これから世界が向かうべき未来像をしっかりと見定めていく。そうしたサミットにしたいと考えています。  これまでの地球儀俯瞰(ふかん)外交の積み重ねの上に、各国首脳と築き上げた信頼関係の下、世界の中で日本が果た���べき責任を、しっかりと果たしていく決意です。  平成の、その先の時代に向かって、新しい日本外交の地平を拓き、世界から信頼される日本を、皆さん、勇気と誇りを持って、共に、創り上げていこうではありませんか。 六 おわりに  二〇二五年、日本で国際博覧会が開催されます。  一九七〇年の大阪万博。リニアモーターカー、電気自動車、携帯電話。夢のような未来社会に、子どもたちは胸を躍らせました。  「驚異の世界への扉を、いつか開いてくれる鍵。それは、科学に違いない。」  会場で心震わせた八歳の少年は、その後、科学の道に進み、努力を重ね、世界で初めてiPS細胞の作製に成功しました。ノーベル生理学・医学賞を受賞し、今、難病で苦しむ世界の人々に希望の光をもたらしています。  二〇二〇年、二〇二五年を大きなきっかけとしながら、次の世代の子どもたちが輝かしい未来に向かって大きな「力」を感じることができる、躍動感あふれる時代を、皆さん、共に、切り拓いていこうではありませんか。  憲法は、国の理想を語るもの、次の時代への道しるべであります。私たちの子や孫の世代のために、日本をどのような国にしていくのか。大きな歴史の転換点にあって、この国の未来をしっかりと示していく。国会の憲法審査会の場において、各党の議論が深められることを期待いたします。  平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を切り拓く。皆さん、共に、その責任を果たしていこうではありませんか。  御清聴ありがとうございました。
第百九十八回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説
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