Tumgik
#本日は生憎の雨でしたが、こんな言葉を!
mamnlink · 1 year
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travelfish0112 · 1 year
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All day
昼間は暑いけど、夕方からは涼しくなるこの時期が好き。シャツ一枚羽織ればちょうど良くて、梅雨前だから湿っぽくもなく、あの汗ばむ暑さもまだ先。
私は伸びた髪を手櫛で梳いて、今年こそは髪を切ろう、と小さく誓う。やっぱり長いと首元があまりにも暑い。
そんなことを考えながら、私は海を見ていた。目の前の太平洋は、私の1.0の視力では地平線まで何も見えなくて、だからこそこのままずっと進んでいくと果ての世界があると考えた昔の人の気持ちも少しは理解できる。
特にやることがない時は、気づくとこの海岸まで車を走らせてしまう。
小石で出来ているこの海岸は、遊泳禁止のお陰かほとんど人が居ない。朝はぽつぽつと釣り人がいるが、夕方はあまり見かけない。
型落ちのSUVをガタガタ言わせながら海岸まで乗り入れて、海に対して平行に車を止める。そして海岸側にある助手席に周り、ドアを開けて海を見るために横向きに座る。
ダッシュボードを開けて、中からセッターを出して火をつける。喫んで、ゆっくりと煙を吐いた。上る煙は風で流れていく。
この前、斉藤 海人の3回忌だった。
私の恋人だった。
海人と出会ったのは確か5年前。あの時の私は仕事も上手くいかず、趣味も無いから発散出来ることもなかった。そして限界に達した私は仕事を辞めた。
そんな時、私は近所の中古車屋で80万で売られてた型落ちのフォレスターを衝動的に購入した。趣味も無く、大して交友関係もなかった私は、当時の同世代の人たちと比べると貯金残高はとても多い方だったと思う。でも、何も目標が無いのに貯めているのが突然馬鹿らしくなったから起こした衝動的な行動だった。
ペーパードライバーだった私は初心者マークを付けて、Googleマップで見つけた行ってみたいところにとりあえず車を走らせる、みたいなそん���事をして毎日を過ごしていた。
ある日、私はこの海岸に初めて車を走らせた。初めてきたその時から、人があまり居ないこの海岸が好きになった。景色も、雰囲気も。
1時間くらいぼーっとして帰ろうとした時、海岸の入り口でバイクに跨って何度も何度も蹴っている人が居た。
「大丈夫ですか?」
いつもは声をかけないのに、何故かその日は声を掛けた。
「いや、なんか調子悪くて……。エンジン掛からなくなっちゃいました」
そう困ったように笑いながら返した彼が海人だった。
そのバイクは、全く詳しくない私が見ても明らかに古いと分かった。正直、この場で直すのは難しいような気がした。
「何処まで帰るんですか? よかったらとりあえず送っていきますよ」
そんな言葉を私は口走っていた。正直、今でもなんであんなことを言ったのか分からない。彼も少し驚いた顔をして、少し迷ったような顔をした後、地名を言った。そこは、私が住んでいるところからもあまり離れていない場所だった。
「そこなら本当送りますよ。私の家からも15分くらいなので」
恐縮する彼を押し切って、私は彼を車に乗せた。バイクは一旦、海岸の入り口に留め置いた。軽トラを持っている友人に連絡をしたら、一緒に取りに行ってくれる算段をつけられたらしい。
こうして私は、車に初めて乗せた人が海人になった。
車で何を話したか、正直覚えていない。きっと本当に他愛もない雑談をしていたら、もう彼の家に着いた。
それからも私は時折車を海岸に走らせた。暫くしてまた就職してからも、やる事がない休みの日は海岸にいた。
海人も直した原付に乗ってたまに海岸で釣りをしていて(彼曰くここは釣れないけど人が居ないからここで釣りをしているらしい)、会ったら少しずつ話すようになった。そして、彼とは海岸でたまに会う関係から休みに会う約束をするような仲になり、気づけば海人がいない生活を考えられないくらい、お互いの生活にとってお互いが大切な存在になっていた。
付き合い始めてからは海岸待ち合わせでは無く、海人は私の家に原付で乗り付けてきて、私の車に乗り換えて一緒に海に向かった。そして海に着くと、何をするわけでも無く、たまに話して、たまに微睡んで、たまにくっつき合い、ただ海を眺めていた。
海人は海岸に着くと車を��り、後部座席のドアに持たれてセッターを吸った。いつも自分の胸ポケットに入れていて、そして忘れた時用にとダッシュボードの中にも一箱置いていった。
私は煙草を吸っていなかったけど、この海岸に流れるあの煙の匂いは嫌いじゃなかった。
そんな彼が居なくなったのは2年前。
あの時期、私は再就職した会社で新規事業の立ち上げメンバーに選ばれ、その仕事の佳境だった。一番忙しい時は休日返上で働き、平日も早朝から深夜まで働いていた。少ない休みも、気づいたらすぐに過ぎ去っていた。
小さい飲食店を友人と経営していた海人は、私の休みに自分の休みも合わせてくれた。ただあの日は海人だけが休みの日だった。晴れて気温も高かったけど、風が強かった。
あの海岸で小学生が3人遊んでいたらしい。ただあそこは遊泳禁止だ。海岸は小石で出来ているし、水深もすぐ深くなり、何よりも潮が速い。そんな場所であの日は南風のせいで波も高かった。
海で遊んでいた3人のうち1人が足を滑らせて溺れかけていたのが見えたらしい。波を被り、見えなくなる。
そこで咄嗟に海人は海に突っ込んだ。そして海に沈む彼の掴み、陸に向かって引っ張った。その瞬間、波を被り、溺れた子はその波に押されて陸に打ち上がった。
でも海人はそのまま飲まれた。
他の小学生が近くの家に助けを求めたお陰ですぐに海人の捜索は始まった。でも、見つからなかった。帰ってこなかった。
あの古い原付だけ、海岸に留め置かれていた。
そんなこの海岸が、私は少し憎かった。それでも私はここに通ってしまう。
海人にまた会いたい。でも、私は自分で海に入っていく勇気は無い。
だから私は今日もセッターに火を付ける。せめて、少しでも思い出せる様に。そして、願わくば、少しでも私の寿命が短くなります様に。
吐いた煙は変わらず、海風に流された。
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kennak · 1 year
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なああんた、あんたはゲーム脳って信じるか?ゲーム脳なんてインチキだ、って答えるだろうなあんたは。オレも信じちゃいない。それでもゲームで人間が狂っちまうことはある。あのときオレは復讐者になっていた。警告がてら、ちょっと思い出話に付き合ってくれ。何年か前にIngressってゲームが流行っただろ。青組と緑組にわかれて陣取りゲームやる、ポケゴーの元になったゲームだ。ポケゴーのジムやポケストップをIngressではポータルって呼ぶが、占拠したポータル同士を直線で繋ぎ合わせて三角形をつくると自分の色の陣地にできて、ヘッドフォンからは「素晴らしい成果です」とお褒めの言葉が流れてくる。シンプルに見えて奥の深いゲームだったからオレはやる気になって青色の三角をつくりはじめた。Ingressは誰かがポータルを占拠したり三角を作ったりするたびに行動ログが流れるから、オレの成果はすべてのエージェント(プレイヤー)に筒抜けになっている。はじめのうちは会社帰りに大きめの青い三角やきれいな三角をつくって帰宅し、風呂からあがってビールを飲みながらパソコンの画面で自分の成果を確かめてドヤ顔していた。遊べば遊ぶほど成果が可視化されて他のエージェントにそれを誇示できるゲーム。それがオレが遊びはじめた頃のIngressだった。エージェントレベルがA8になる頃には夜遅くまで近所をうろつきまわるようになった。他の娯楽はどうでもよくなってIngressだけ遊び続けた。ビールのかわりにプロテインを飲んで寝て、早朝からIngressをやった。ヘッドフォンからは絶え間なく「素晴らしい成果です」というお褒めの言葉が流れてきた。実際、最盛期の成果はほんとうに素晴らしくて自宅から会社までの約5kmが青色の三角で数珠つなぎになっていた。パソコン画面から眺めるとオレの成果は神龍のようなかたちに見えて、たくさんの青色の三角が龍のうろこのように輝いていた。緑組のエージェントが襲ってきてポータルを占拠するたびに青色のうろこが剥がれ落ちたが、そのたびオレは現地に向かってポータルを再占拠し青色のうろこを保守した。ここまでは良かった。オレがおかしくなっていったのはここからだ。そうやって半年ほど遊ぶうちに緑組のエージェントが2~3人で襲ってくるようになった。車に乗り合わせて襲ってきたり北側と南側から同時攻撃されて包囲されることもあった(Ingressは三角の内側では三角が作れないルールなので包囲されたらほとんど行動不能になる。だから当時は日本列島を丸ごと三角で包んで日本じゅうのエージェントを行動不能にするようなスーパープレイもあった)。緑組のエージェントのなかには、ニートなのか夜勤なのか昼間のうちにオレの自宅や会社のまわりを緑色の三角で包囲してしまうやつがいた。オレはだんだんイライラしてきて夜中までIngressをやるようになった。物資が足りなくなったら隣町のファーム(武器などが補給しやすい状態のポータルが集まっている場所)に出かけて補給した。それでもオレの通勤圏内は少しずつ緑組優勢に変わっていった。たまに隣町の青組メンバーが遠征に来てくれたが焼石に水だった。頭がどうにかなりそうだった。いや、その頃には頭がどうにかなっていた。青色の三角を創造するIngressが終わって緑色の三角に復讐するIngressが始まった。緑色の三角を壊すたび全身に快感が走って、強い酒を飲んでいるみたいに胃が熱くなった。緑組のカップルが街全体を包み込む巨大三角を作ろうと暗躍しているのを邪魔しきった時には笑いがこらえきれなくなって、真夜中の公園のベンチでオレは笑い転げた。警察がいたら職務質問されていたと思う。それと当時のIngressにはガーディアンポータルという仕様があった。同じポータルを守り続けていると、日数におうじて銅→銀→金→プラチナ→オニキスの「ガーポメダル」が貰える。自宅や会社のまわりは緑組のエージェントがうようよしているのでオレは20㎞離れた山間部のポータルをいくつか占拠し、ガーポメダルが手に入るのを待っていた。ところがプラチナのメダルがもらえる直前の日、山間部のオレのポータルが全部焼かれてしまった。行動ログによれば、襲撃犯のひとりは例のニート野郎でもうひとりは山間部に近い地域で活動している知らないエージェントだった。生まれてから今までであんなに怒り狂ったことはなかった。オレは復讐を誓い襲撃犯たちのガーディアンポータル探しに夢中になった。それから色々あって奴らのガーディアンポータルをついに突き止めた。ニート野郎が占拠するポータルでいちばん息が長かったのは5㎞ほど向こうの神社の鳥居だったのですぐに遠征して焼き払った。もうひとりの知らないエージェントの最長ポータルは和歌山県の山中、登山道入口から5㎞ほど登った場所にあるお地蔵様で、これを一年近く守り続けている様子だった。ある土曜の早朝、オレは復讐するために和歌山県に出発した。新幹線と特急を乗り継いで近くの駅でレンタカーを借り、登山道に着く頃には霧雨が降りはじめたが頭に血がのぼっていたのでずんずん進んだ。今思えば危険な判断だったが当時は彼奴のガーディアンポータルを焼き尽くすことしか考えられなくなっていた。目標のお地蔵様に辿りついてバースターを撃ちまくるとガーディアンポータルはあっけなく占拠できた。ずぶ濡れになったままオレはゲラゲラ笑った。帰りの新幹線で寒気に襲われて高熱を出した。熱にうなされながら、あのお地蔵様をちゃんとお詣りしなかったから罰が当たったんだとか、とりとめのないことを考えていた。それからゲームのために和歌山県の山中まで出かけてずぶぬれになり、高熱にうなされながら帰る自分はどうかしていると思った���それで気持ちが醒めてきてオレのIngressは終わった。あんたにはこの話、バカみたいに思えるかもしれないな。だがあの頃の復讐心を思い出すとオレは今でも身体がざわつくしN社のゲームはもうやりたくない。ARが拡張するのは喜びや驚きだけじゃない。憎しみや復讐心だって拡張する。当時のオレはそれがわかっていなかったし、あんたの顔をみるに、あんたもわかってない様子だな。N社のゲーム、それからARには気をつけろ。あんたはあのときのオレみたいになっちゃ駄目だ。
Ingressでおかしくなって和歌山県の山中で正気を取り戻した話
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keredomo · 2 years
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 現実の上で、31歳を振り返っておこうと思い、こうして書き始めた。  観念的なことだけを著しておく気高さもあると理解しつつも、具体の苦しみもまた私の苦しみであるときちんと認めておかなければ、正しさに辿り着けないと考えたため。
 よって、これはいつにも増して自分のためだけの文章である。読んでいただく必要はない。
*** 
 去年は誕生日の記事を書く余裕がなかった。よく覚えている。前職の離職を告げて、後片付けに奔走していた。  転職が決まって人生が変わることになった6月は、毎日を事務的な疲弊と共に過ごした。人生を懸けて取り組むつもりだった仕事を手放す痛み、平穏な離職のために無意味な嘘をつかされる痛み、そういうものと闘っていた。
 誕生日は恵比寿のウェスティンの一室で小さいシャンパンを開けて過ごした。薄暗い日で、冷たい雨が降っていた。誕生日の祝いにとその日ホテリアーが提供してくれたチョコレートを、まだ食べ切らずにひっそりと一粒だけ残してある。赤いハートのガナッシュ。心臓のように思った。大切に、残している。
 退職し、思いがけずひと月半の夏休みを得て、毎日を言葉と共に過ごした。7月。新しい言語を習得するつもりが、持ち前の怠惰が邪魔をしてうまくいかなかった。熟達している日本語とずっと親密に遊んでいた。言葉は時間を埋めてくれる。言語ばかりでものを考える性向から、日々の日記はとんでもなく長いものになった。新たな外国語の習得は叶わなかったが、母語とのたわむれは、私に大いなる慰めを与えた。それでよかったのではないかと今は思う。
 8月に新しい仕事を始めてからは怒涛の日々だった。毎日、環境のよさに舌を巻きつつ、優しい上司と同僚に囲まれて慣れない業務をこなした。人格者ばかりに囲まれて、優しくされることに時折涙した。
 9月の終わりに父親が死んだ。12月に、人生を懸けて愛した人に決死の別れを告げた。死ぬかと思った。それら二つの衝撃にうちのめされて疲弊し、上手に人に優しくできなくなってしまった私を、家族の妻は拒絶し冷たく振る舞い、余裕のない私が彼女に優しくできないことについて大いになじった。くる日もくる日も、大泣きしながら夜通し罵倒しあった。私がわかりやすく優しくて有益でなければ私を愛さないこの自己本意でしかない者とはもう今後を共にしたくないと思い、家族から離脱した。もう愛したくなかった。私の人生に存在してほしくなかった。彼女に、傷つききった私をさらに追い詰めた自覚はあるのだろうか。お互い様だろうが、もう二度と愛せないだろう。心を傾けることはできないだろう。深く憎んでいる。それほどに、信頼していた人間に追い討ちをかけられた傷は深い。父を失い、恋人を失い、家族まで失った。友人も一人失った。失う時は、一気に失うものだ。
 失うばかりではない。得たものもあった。1、2、3月は、ふいに訪れたその衝撃を生に落とし込むことで精一杯だった。人に優しくされ、ありのまま過ごす姿を許される生活を、もしかすると送れるのかもしれない。私のような欠陥のある人間でも、誰かと生涯を共にできるのかもしれない。そう夢見た。がらにもなく期待してしまった。結局その夢は、次の誕生日に盛大に破られることになった。大いなる裏切りに遭い、再び失った。確かなものは、この世にはあまりにも少ない。安心は私の生に与えられるものではないのだと知った。思い知った。
 4月と5月は再び仕事に明け暮れた。仕事は私を求めてくれるから助かる。それと同時に、妊娠恐怖とふたたび闘い続けた。体の不調と異変を刻々と受け止めながら、子供をもつかもたざるか、真剣に考えた。一人で育てることができるのか。誰の子供にならば人生を捧げられるか。子供を持たない人生は女性として生まれたこの身の義務を果たさない罪なのではないか。子をなせば少なくとも虚無からは救われるのではないか。そんなことのために子を持っていいのか。考えた。怖かった。何を得て、何を捨てることになるのか。体の異変を覚えるたびに、想像し尽くした。うなされた。胃液がせりあがった。自分の生をやりきれていないのに、子をきちんと育てあげることができるのだろうか。私は子を殺してしまうかもしれない。きっと殺すだろう。むごいやりかたで幼児を殺してしまうだろう。睡眠不足の朦朧とした頭で、私の人生を奪うなと叫んで、殺してしまうだろう。
 春宵に、夜更けの京都の河岸で民族楽器を鳴らした。めちゃくちゃに叩いた不思議な楽器の音色が美しかった。空気は透き通っておらず、もったりと私たちを包んで、ただひたすらに綺麗な音とうっすらと聴こえる街の喧騒がそこに響いて、そこは黄泉のようだった。
 5月、随分遅れて、生理がきた。子を孕んでいなかった。心底落胆した。疲れ果てた。小説を書くことを決意した。それは今後の人生において妊娠を諦めることで生じる決意であった。
 私と親しい誰もが、その決意を喜んだ。爽やかな初夏だった。私だけが、晴れやかな顔で、人生を憎んでいた。私だけが、もはやこの生に期待できないと感じていた。何も持っていない。すべてを持っているのに、何も持っていない。
 美しい人と横浜で薔薇を見た。いちご飴を食べた。唯一の慰みであった。
 「あなたを母親にすることがためらわれる」と、その人との子を狂おしく望んだ相手に、かつて言われたことがあった。その言葉は私を縛り続けた。母親になることを諦めた今、その意味がよくわかる。育児は私の仕事ではないだろう。私の仕事は、人類という動物種を繁栄させることではない。生きることを余儀なくされている全ての人を救うための何かを残すことだ。
 子を諦めたのち、「あなたはあんなことはしなくていい」と、またその人に言われた。「子を産み育てるようなことは、しなくていい」と。私は、選択を間違えなかったのだと心底安堵しながら、同時に再び絶望した。
 こんなに苦しい思いに苛まれることが、この人生には必要なのだろうか。
 死んでいいだけの理由が、いくらでもある。私は、「死んでしまっても仕方なかったね」と人に思われるだけの理由を十分に抱えていると思う。それでも、死ねない理由のほうがもっとたくさんあるのだ。私を失った生を生きさせたくない人がいる。そう確信できるところにまで、自らの生を押し上げてしまった。そのことを誇りに思う。重荷であるとは思わない。
 ただ、ここまで傷ついてしまえば、いつ死んでもいいなとは思う。自死を免罪されるほどに、私は傷つき果てていると思う。その権利を、みずから行使することはないだろうけれど。もはや希死念慮も薄らいだ。
 白百合の派手派手しさは私を救う。眠りの横暴さも私を救う。紫煙のくゆりも私を救う。言葉も私を救う。私のためだけに連ねられた言葉たちが私を救う。私が私のために書き殴る言葉たちが私を救う。
 それさえあれば十分なのではないかと思う。本当は、これで十分なのではないか。私が求めすぎているだけで、本当は、これだけ持っていれば十分なのに、安寧を、浄土を、深呼吸を、深い眠りを、音楽を、眩さを、確かさを、求めていること自体が間違っているのではないか。
 浄土の英訳は「pure land」と言う。初めて知った時には笑ってしまったが、今はとてもよい英訳だと感じる。pure land。私の望むところはそこであるとはっきりと断言できる。pure landという訳が与えられたことで、「浄土」という言葉は(私の語彙において)仏教から離脱した。
 どこか、涅槃を超えたどこかに、私が私であるだけでよいとされる、pureな、もう二度と心を折らずに済む、もう二度と諦めずに済む、もう二度と心が張り裂けるような思いをせずに済むような土地が、もう二度と、私が私であることを妨げない土地が、あるのだろうか。あるといい。あってほしい。
 私を守る庭があってくれればいい。私の心を守る庭があってくれればいい。美しい百合に囲まれて、緑と白だけが支配する、ようやく呼吸のできる土地が、ようやく深い呼吸のできる庭が、安心して手脚をのばして横臥して、深く息を吸える土地が、誰も、私がのびのびと一人で眠って一人で目覚めて、世界の光の美しさに目を細めることを邪魔しない土地が、庭が、美しい庭が、あるといい。
 壊れてしまえばいいのにと願わずにすむような庭が、壊れてしまうかもしれないと怯えずにすむ庭が、あるといいのに。
 どうしてないのだろう。
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tamanine · 2 years
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2022.5.3
3991歩+自転車移動
すごく悲しい夢を見て起きる。悲しい夢だったな、と思い、夢の中だけで起きる生々しさを引きずる。昨日焼いた微妙な仕上がりのスコーンに板チョコを挟んであたため、コーヒーを淹れて新聞を読む。
昨日はとても美味しい唐揚げも揚げたが、焼いてみたスコーンはかなり微妙な感じで、焼き立てを食べれば美味しいと言えなくはないが、お店で出されることはありえない小麦粉の焼き菓子として仕上がった。小麦粉ってこんな味だったな、と思うような味。板チョコを食べることが久しぶりで、挟んでみたら想定よりもだいぶ甘く、製品として食べるチョコスコーンはチョコの量もちゃんと調整されているんだな…と噛みしめる。
憲法記念日。改憲と言っても、どこをどうしたいのよ、どういう意図なのよ、が抜けていては意味が何もなく、どこかを何のためにどうしたいのか、そもそも憲法は対住人でなく対政治権力に向かって効力を持っているわけで、人権とかをどうしたいのよ政府、本当の緊急事態が起きた時にガーゼマスクをもっと配りたいのか政府、収支報告をちゃんとしてよ政府、コロナに関連して会見の人数や質問数を制限したままなのは他のイベント制限と全然辻褄が合ってないじゃないですか政府。
2年前くらいに本当の緊急事態が発生した時、じゃあ本当はもっと何をしたかったのか?(何もできなかっただけだろうなということは分かってる、憲法が、なんて3歳児の言い訳みたいだ。3歳児ですらそれを言い訳であると認識しながら言っているが、嘘を言っているうちに嘘と本当の見分けができなくなりそうな人間が政治に手をつけている)
香港での反政府運動弾圧の恐ろしさ、息苦しさはずっと続いている。
TBSラジオに出て喋っていた彼女は、今どんな気持ちで暮らしているんだろう。ラジオクラウドアプリでは、2019年の彼女のインタビューをまだ聞くことができる。雨傘運動について日本で話すことができる彼女。私たちはその後の、弾圧された後の彼女の話を聞くことができない。Twitterアカウントは止まっていて、渡航もできず、彼女は自由な言葉を発信できない。聞きたいのに、ずっと聞きたいのに、私は彼女の話をまた聞きたいのに。音楽は彼女の耳に届いているだろうか、デバイスもネットも管理されているんだろうか?
感染症対策の名目で、社会運動やデモや言論を踏み潰すことは国や政権にとってあまりにも都合が良い。たかが首相会見・官房長官会見ですら人数制限を解かない。改憲の集会の方がずっと人数が多いだろうし、発声だってしていそうだ。この理由もやっぱりただの嘘なのだ。日本の自公政権に対しては心の底からの不信感だけがあり、不愉快極まりない。
嘘は恐ろしい。嘘に飲まれて、嘘で注目されることに慣れてしまっていて、制御がきかなくなっていて本当にやばいと思った人が数名いる。あれは悲しい。人間関係を積み上げていく、ということが全くできないのだ。一部分は優しい、一部分はチャーミングで、だけど人格が組み上がっていない。本人が自分の本心を理解できていない。長く話していると矛盾が出る。話し始めてすごく早い段階で、「私はこういう部分を気にしていない/私はこういう人を憎んでいる/私はこういう人になりたい/こういう人を信用できない」が15分間の吐露の間にぐっちゃぐちゃ、みたいな人の場合はすぐ気がつけるのでうわーと思って離れることが簡単で良い。嘘は恐ろしい。
東京オリンピックも嫌で嫌で仕方がなかったけど、しょぼしょぼのまま始まり、東京では人が死に、そして終わって、決算発表が無い。日本の歳出・予備費の詳細だって分からない。立派なことをしたなら堂々と発表して欲しい。コソコソと隠して誤魔化され、気持ちが悪い。
何年もこのような不愉快さが続き、私はジャーナリストでは無いので、もう無理だと思えば放り出して違うことをする。怒りを持ち続け、ジャーナリストとしての矜持を持ち続け、書き続けたりラジオ番組をずっと続けて優しさを保っているかたを心から尊敬している。酷いことが多すぎる。
今日は鎮痛剤を飲み血まみれになりながら、この臓器取り出せないのかしら、こんな迷惑な臓器のために年間数万円分の薬代と物品費がかかり、あと15年分くらいでいくらかかるんだこれ…メリットが無いのになんで温存してるのよ…としみじみと感じる、嫌すぎる、せめてもっと良い医療を受けられたら良いのに、世界には技術として存在しているのに、女性差別のせいで日本に無い、気持ちが悪すぎる、それだけで保守系政党の全てに対してフレッシュな自分ごととしての強い怒りが溢れる。
何もかも嫌だけれども、でも私が憎み・怒っている人間のせいで死ぬのは癪に触るので、あいつらが死ぬのを見届けなくてはいけない。誇り高く見届けてやる。
怒りと憎しみが、私の手元から、甘やかな「死んじゃおっかな〜」を奪っていった。未来の展望が真っ暗でも、あいつらのために死ぬのは癪に触る。
5月3日
午前10時頃起きて、コーヒーを淹れ、かなり微妙な仕上がりのスコーンを食べ、新聞を読み、『非戦』の全面広告を眺めた。本当の改憲論争になったら、もっともっと大きなお金で広告が出るんだろうなと思う。オリンピックすら止められなかった、小池百合子さんは国政どうするのかしら(都知事、落とせませんでした…)、岸田さんの喋りかたも随分気持ちが悪くなってきたなぁ。
でも参院選で、維新以外の野党はズタボロに負けるだろう。無惨な負け方をするだろう。こんなに贔屓目に見ていても立憲に投票する理由が消えていく。国民民主のコケにされかたもすごい、何故それがうまくいくと思ったのか…?だけど投票をしない決断はするわけにはいかず、自公にもいれない。
ご年配のとても著名な評論家のかたが、「選挙には行かない主義」と堂々と書いていたが、ノンポリのことは評価なんてできない。残念ながらもっと切羽詰まっている。ご高齢なので、逃げ切れていいなぁ、男性だしね、と思う。
美術館には2ヶ所行ったし、映画も明後日見るけれど天気も良いので何を理由に外に出るか迷う。
綺麗な服を着てメイクもして綺麗な街に出るか/ぼちぼちの服を着て近場のショッピングモール的な場所に行くか/自転車に乗って大きめの書店がある場所まで行って書い損ねていたルシア・ベルリンの本を買うか
で自転車に乗る。昨日は顔すら洗わなかったが今日は顔も洗い髪の毛もなんとかして日焼け止めを塗り眉毛を描く。
午後3時半になっており、途中ラーメンを食べる。心地よく過ごしていると、10時に起きてぼちぼち何かを食べ絶対にコーヒーを飲み、何かをして3〜4時にお腹がへる。お店が空いていて都合が良い。
ラーメン屋さんのカウンターにはスポーツ帰りらしい2人組がいたが、食券を出して待っている間に帰ってしまい、店内には賄いを食べる店員さんと私だけになる。カウンター越しの厨房には巨大な寸胴が並び、右の寸胴から左の寸胴へ、骨か何かをザルで濾しながらスープが移されていく。工場製ではない、料理としてのラーメン。千円ぐらいの食事でも、業務用のビニールの中からちまちまとお皿に移されて温められただけの定食らしき何か、から、美味しいものを出す気で作られたラーメンからパスタまで色々ある。全然違う行い。料理を作る気がある場所で、美味しかった場合は、「おいしかったです、ごちそうさまです」と言う。1万円を越えていてとても美味しいものを出していただいた場合はあの料理のあれが美味しかったです、と数十文字増やす。
書店で、ルシア・ベルリンを見つけ、並んでいた「暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて」アーシュラ・K・ル=グウィン著/谷垣暁美 訳 もあわせて買う。私は本が大好きだけれども、分厚い訳書2冊で5000円を越える。高い。本って高い。千円で収まる文字の少ない本の方が売れるのもよく分かる。
父からの誕生日プレゼントに、いつも図書カードを貰う。アマゾンギフトにしようか?と聞かれたのだけど、書店で本を買いたいので図書カードにしてもらっている。書店で本を買いたい。
大学生の頃は、新宿ルミネにあった青山ブックセンターに週4で行っていた。青山ブックセンターが一度倒産したときに本が運び出されるのを見に行ってしまい、リアルに泣いた。
本を読むことにしがみつきたい。本と映画は、ずっと変わらないまま、10年も20年もそこにいてくれる。私という人間が変わってしまっても、本は変わらずにそこにいてくれる。
私という人間は何かの寄せ集めでしかなく、DNAに刻まれた本は、私のDNAが破損しても修復してくれるんじゃないかと思う。肉体よりもずっと確かだ。
「暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて」アーシュラ・K・ル=グウィン著/谷垣暁美 訳 ���とても面白い。
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satoshiimamura · 2 months
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試し読み「AFTER AVENGER」
一章
 燃え盛る室内にBと呼ばれた青年はいた。無意味に広い、何が目的なのかわからないホールだ。多くの死体が燻り、肉が燃える悪臭が漂っていた。
 その中にBと、彼の相棒であるAと呼ばれた青年と、二人が幼少期から憎悪を募らせた相手である三人目の男がいた。
「セキュリティ破壊! あいつの身を守ってるのは何一つない!」
 Aの勝利宣言ともいえる報告に、Bは高鳴る鼓動と上がる口角を抑えられない。彼はカタナを構え、そして足に力を込める。
 Bの視線の先にいる屈強な男は、焦る様子はない。男はいつものように短機関銃を構える。
 男の持つ短機関銃から火薬が爆ぜた音がしたのと、Bが地面を蹴ったのは同時だった。
 弾雨の中を加速装置を使ってBは回避し、近づく。だが男も加速装置を使っていた。互いに読み合い、距離を一定に保たれる。だが、Aが男の行動を邪魔していく。遠隔でシステムダウンを狙うAの妨害に、男は初めて苦しい表情を浮かべた。
「ヨランダ母さんの仇だ!」
 男の背後をとれたBは、カタナで胸を貫く。カタナを伝って、循環液と冷却液、そしてオイルが流れた。
「はは、お前も終わりだ」
 これまでの人生でBが出したことのないほど、歓喜を纏った声だった。喜びすぎて、カタナを握る手から一切力が抜けないほどだった。
 直後、男の全身が炎に包まれる。悲鳴をあげることも、うめき声さえあげない男はBの方を向いて、嘲笑するように告げた。
「お前もいずれ、誰かの母を殺す。そして俺と同じように殺され、お前と同じように誰かが復讐に身を焦がす。復讐は終わらない」
「うるさい! うるさい、うるさい、うるさい‼︎」
 炎の熱が感じ取れない。ただ煌々と燃え盛る炎の中で、男が笑っていた。
「お前たちは逃げられない。お前たちもいずれ俺と同じになる」
「違う。僕はお前とは違う。お前のようにならない。だって、僕は」
 否定の言葉をなおも言い募ろうとしたBは、気がつくと背後から誰かに刺されていた。
 胸元から生える、彼が握っているカタナとよく似た武器。
 Bは誰が刺したのか確認しようとし、後ろを振り向いた。そこにいたのは、幼い少年。Bの幼少期によく似た少年が、涙を流しながら「母さんの仇だ」と言って憎悪を向けていた。
「――ッ」
 荒い息を吐き出しながらも、青年が飛び起きた。途端に見た目よりも遥かに重い身体を受け止めていた、安物のベッドが悲鳴をあげる。
 息切れと激しい動悸。青年が自分の胸元を見て、そこにカタナがないことに安堵する。
「おい、大丈夫か?」
 夜中特有の薄暗い室内。その部屋に安置されてたベッドのそばに立つ人物に、青年はようやく気づいた。いつもならばサングラスで隠されている、青白く輝く目が心配そうに青年をみている。
「***」
 青年が咄嗟に呼んだ名前に、相手は怪訝な顔をする。
「寝ぼけてんのか? おい、今がいつかわかってるよな?」
 その質問に、青年はゆっくりと思い出そうとした。
「二一XX年の十一月……十日? それとも十一日?」
「零時過ぎてるから十一日だな。俺たちが今いるのはどこだ?」
「コスモ・シティに向かう途中の、モーテル」
 そこまで答えてから、青年は落ち着いて周囲を見る余裕が戻ってきていた。
 ここはモーテル特有の安っぽい部屋で、本来は一人用の部屋だ。
 じゃんけんで勝った青年がベッドで寝て、ベッド代わりになりそうなソファに、もう一人が寝ることになったのだ。ソファの上には、ぐしゃぐしゃになった毛布が乗っている。人一人がそこにいたと分かる形状のままで、それだけ相手が慌てて青年の方にやってきたのが察せられた。
「そうだ。俺たちはコスモ・シティに向かってる。七年ぶりの帰還だ、その理由は」
「……評議会の暗殺者として復帰するため」
「そこまで思い出したなら、今の俺の名前と、お前の名前を言ってみろよ」
「君はAのアッシュ・アトウッド。僕はBのビリー・バイロン」
 淀みなく告げられた名前に、ようやくベッド脇に立っていた人物――アッシュが安堵したようだった。
「ちゃんと思い出したみたいだな」
「うん、ごめん。寝ぼけた」
 ビリーの謝罪の言葉に、アッシュは「気にするなよ」と言い返す。そして、その青く輝く目をサングラスで隠した。
 途端に室内の光が減る。代わりに窓の外から月光が入ってきた。
 アッシュの金髪が月明かりに照らされ輝く。対し、髪も目も真っ黒なビリーは輪郭だけが浮かび上がった。
「魘されてたぜ。……あの日のあれか」
 アッシュの指摘にビリーは頷く。
「いつも炎の中で、あの男が笑いながら言うんだ。僕たちはあの男のようになるって、復讐は終わらないって」
 夢の内容を思い出しながらもビリーは、自身の左手薬指に触れた。根本が少しばかり細く、リングが嵌っていたと思われる跡がある。
 いつだってビリーは復讐を思い出すと薬指――というよりもそこに嵌め込んだリングに触れていた。復讐を終えたはずなのに、その仕草の癖は抜けない。
 彼の存在しないリングを撫でる仕草を見てアッシュは渋い顔をしたが、その表情の変化に薬指ばかり見ていたビリーは気づかなかった。
「違うって否定しても、背中から刺されるんだ。僕の体をカタナが突き破ってる。誰が刺したのか見ようとして、振り向くんだけどいつも誰かわからない。ただ、子供だった。僕らが復讐を決意した、あの年頃の子だった」
 夢の内容を語りながら、ビリーは左手でシーツを強く掴んだ。彼の右手は夢の中でカタナが突き刺さった場所を撫でる。その視線は部屋の具体的な場所を見ておらず、夢の光景に向けられていた。
 ビリーの話を聞いていたアッシュは、何も言い返さずにソファまで戻り、深く座り込む。その姿勢は疲れて脱力した様子にも見えた。
 何度か顔を下に向けて、上げてと数度目の葛藤の末に、アッシュは意を決してビリーへ告げる。
「なぁ、ビリー。お前がそんなに悩むんだったら、別にコスモ・シティに戻らなくていいんだぜ」
 その言葉に、ようやくビリーは顔をアッシュへと向けた。彼の真っ黒な目が、サングラスの向こうにある青白く光る目へ向けられる。
「お前だけじゃない、俺もお前と一緒にあの男を殺したんだ。お前だけの罪じゃない。お前だけが苦悩する必要はない。お前がそんなにも組織に復帰するのが嫌なら、俺は戻る必要はないと思ってる」
 べらべらと喋るアッシュは、わかりやすく苛立っていた。
 当たり前だ。長年一緒にいた相棒の苦悩を放って置けるほど、彼は薄情ではない。その苛立ちにビリーは気づいているが、それでも一抹の後ろめたさがあった。
「金はどうするんだ」
「なんとかなるだろ」
 あっけらかんとした勢いで、ビリーの問いにアッシュは返す。
「べつにお前も俺も、この体をメンテしなくても死にはしない。そりゃあ、たまには手入れしなきゃだけど、それくらいの金は外でも稼げるさ」
 アッシュがソファから勢いよく立ち上がった。さも名案だろうと言わんばかりに、立ち姿も堂々としている。だが、ビリーはその勢いに乗れず、冷めた表情を返すしかなかった。
「死にはしないけど、動けなくなる。アッシュ、君も僕も特別性の体だ。メンテナンスだけで金がかかるんだ」
 分かっているだろう、と何度もした話を幼な子に伝えるよう優しく紡ぐビリー。
「この七年仕事をしなかったから貯金はわずか。コスモ・シティに戻らないと、どうしようもない」
 その大人ぶったビリーの仕草が気に入らなかったのか、アッシュは舌打ちをする。そのまま彼は自分の髪の毛をぐしゃぐしゃにして、再度ソファに座った。
 アッシュの様子を拗ねた子供のようだ、と内心で思ったビリーだったが、その子供っぽさが彼の見せかけなのもよく知っている。彼は、ビリーよりも遥かに人との距離の取り方が器用だ。
「きっと君だけなら、きっとこの七年で定職に就けたし、どこかで安穏と暮らせた。僕の不甲斐なさで、これ以上君に迷惑は掛けたくは」
 ない、と続く言葉を遮るようにアッシュは「迷惑じゃない!」と強く否定する。
 けど、となおも言い募ろうとするビリーに、再び苛立ち混じりにアッシュは立ちあがり、ずかずかと大股で近寄った。
「俺は、お前とずっと一緒にいるって決めてんだ。同じ復讐を共にした、唯一無二の相棒として、お前と地獄まで一緒にいるつもりだ。だから、お前がそんなにも復帰するのが嫌なら」
「嫌じゃない! ……嫌じゃないんだ、アッシュ」
 今度はビリーが悲痛な声で、アッシュの言葉を遮った。そのまま両手で顔を覆い、逃げと苦しみを背負ってベッドの上で丸まる。
「むしろ僕には暗殺しかない。暴力しか手段がない」
 ビリーは自分の手を見る。人工皮膚で覆われた掌には、傷一つ見えなかった。だが彼は覚えている。この手をどれだけ血で汚したのか。この手でどれだけの人を切ったのか。
「でもいつか僕らは、あの日復讐を誓った僕らと同じ目で見られる。終わった今だからこそ、復讐をしなかった自分たちの『もしも』を考えてしまうんだ」
「……ビリー」
 アッシュは相棒の苦悩の理由を知り、呆然とした。
「アッシュ……あの日僕らがした選択は、本当に正しかったのか?」
 苦悩の眼差しで向けられたビリーの問いかけに、アッシュは答えられなかった。
 両者とも答えられない問いは、沈黙したまま朝を迎えて消滅した。
 車の中でビリーとアッシュはお互いに黙ったまま、コスモ・シティに続く道路を走っている。
 天気は十一月にしては日差しが強く、快晴だった。
 道路標識には、ゆるやかなカーブの道路とコスモ・シティまでの距離しか書かれていない。
 その看板に記載されている距離が二桁まで縮まったとき、運転席にいたアッシュが「お?」と何かに気付いてサングラスを外した。
「どうしたんだ?」
 ビリーの問いかけに中空を眺めたアッシュは、いやと言って首を微かに横に振る。
「ただの評議会からのメッセージ。リングは新居の荷物に紛れ込ませるってさ」
 評議会の支配圏内に入ったのだと気付いたビリーは、メッセージ自体に監視されている圧を感じる。が、自動運転すら搭載していない旧型にも程がある車を運転しているのも分かるだろうに、と呆れもした。
「……何も運転中の君に渡す必要はないだろう」
「そりゃあ、俺がサイバー空間エキスパート! な、ノック・ノッカーだからだろ。現実空間での大暴れ特化スウィッシュ・スウィッパーのビリーちゃんより、遥かにセキュリティ意識高いし。と言うか、お前は割とその辺不用心じゃん」
 馬鹿にしたアッシュの言い回しに、ビリーはムッとする。
「言っておくけど、僕のボディに搭載されてる秘匿メッセージへのセキュリティ強度は君と一緒」
 現実空間大暴れは否定しないのかと笑うアッシュに、ビリーは否定要素はないと素直に認める。
「そゆとこビリーは真面目だよなぁ。ま、マジで言えばリングがあればの話だ。あれがないと評議会との連携だってろくにできないし、俺たちのボディ性能を十分に発揮できない。正式復帰してない、リングなしの俺たち相手じゃ、評議会の連中だって注意を払う」
「……それはそうかもしれないけど」
「拗ねるなって。ほら、あと一時間もしないうちにコスモ・シティに着くぞ」
 サングラスを掛け直したアッシュは、運転に集中し始める。それを見たビリーもまた黙って前を向き、これから戻るコスモ・シティに思いを馳せた。
 
 コスモ・シティ。それは科学者たちの理想郷だ。
 二一〇〇年を目前に起きた核戦争。それにより広大な更地が誕生し、国家は事実上消滅した。数少ない土地を巡り更に争いは続いたが、その一つの着地点としてコスモ・シティができた。
 人類は過ちを起こすものであり、その過ちをできる限り科学技術によって排除し、人類の平等を実現させようと科学者たちが生み出した理想都市。
 その正体は、人類の生存を第一の主題とした統括AIコスモにより支配された都市だ。
 可能性の算出として量子コンピューターも併設されている、スーパーコンピューターを礎に存在する統括AIコスモは、あらゆる問題と方針と解決策を出力する。このAIコスモの出力通りに現実を整備するため、議会では日々議論が行われ、行政が動いている都市。
 結果、コスモ・シティ内部は至る所に監視カメラや監視ドローンが整備、記録されており犯罪の発生しやすい構造を徹底的に排除。
 また、労働にもロボットのサポートが入り、人類のワークライフバランスが管理されている。このバランスが崩れた際は、回復するまで施設に入り療養しつつも、何故ワークライフバランスが崩れたかについて調査され、改善までのサポートがなされる。
 つまり犯罪を起こす人間を生み出しにくくし、また犯罪を隠匿しにくい社会構造を作り上げることで、小さな事件を発端に全世界を灼き尽くした戦争へ発展した、かつて人類が辿った道を狭めたのだろう。
 だが、シティの犯罪発生率は低いとは言え、ゼロではない。
 どれだけシステムで排除しているとは言え、排除しきれなかった犯罪は警察により捜査される。大抵はすぐに犯人が捕まるのだが、時に入念な計画の元行われたと思われる事件にまで発展した場合は、警察よりも更に上のシティ捜査官が捜査する。
 彼らは常に傍に監視ドローンを携えている。シティ内部に記録されたあらゆる情報、証拠を集め、犯人や組織を捕まえ裁判へと進むのだ。
 そしてこれらを基にし、判決を下すのもまたAIコスモである。このAIによる裁判に忖度はあり得ず、人類側の利益の有無を考慮しないシステムで、人種性別職業による差別は存在しない。
 これらの要素から、シティ外部からは安全な都市、秩序ある都市と評価��れることもしばしばだ。
 表向きとしてはだけど、とビリーは内心で吐き捨てる。
 コスモ・シティの暗部に存在するのが、これからビリーとアッシュが復帰する予定の組織『評議会』だった。
 コスモ・シティ運営の障害を排除するために設立された秘密組織。
 どう足掻いても表では罪を裁けない人物や、運営の障害となる人々を消し去るのがこの組織の目的である。その実行部隊として暗殺を手掛けていたのがビリーとアッシュだった。
 彼らも彼らで復讐目的で評議会に属していたが、それも遂げた七年前に休業となり、今に至る。
 ビリーたちは七年間評議会とは音信不通で過ごしていたが、それでもこれだけは確信して言えるだろう。
「ビリー、見えたぜ。七年ぶりのコスモ・シティだ」
 アッシュの指摘の通り、目の前に遠目からも高層ビルが並ぶのが分かる巨大な都市が現れた。
「ああ……七年前と変わらないな、あの街は」
二��� 
 コスモ・シティ内の検問所で、旧型すぎてシティ内では乗れない車の売却をするアッシュと、交渉が滅法弱いビリーは一時別れた。
 そしてビリーは、現在シティの中心部からは外れた繁華街の入り口にいる。
 この繁華街は整備が行き届いたシティのイメージとは異なり、雑多な印象が根強い場所で、イースト・タウンと呼ばれるエリアだ。
 入り口の目印として建てられた巨大な二頭の犬のモニュメントは、コマイヌの愛称で地域住民に愛されている存在。更にコマイヌから見える光景だけでも、アルファベットではない言語があちらこちらに記載され、隣り合う看板の文字の形がまるで違う。
 また派手な色を多用した壁や屋根、根本的に異なる建築様式が混在している建物が並んでいた。建物の間にある狭い道は、日が入るほどの広さもなく薄暗い。
 ついでに昼時が近いせいか、屋台も多く出ており、そこかしこから、香辛料やハーブ、独特な調味料の匂いが漂っていた。威勢の良い売り込みも聞こえてくる。
 おいしそうだと思ったビリーの腹の虫が、微かに鳴る。
 手持ちの金は少ないが小腹を満たすくらいの余裕はあるので、ビリーは内心で何を買おうかと思案する。
 と、妖艶な雰囲気を携えた美女が、「はぁい」と彼に甘ったるい声を掛けてきた。
「イースト・タウンの新人かしら? よかったら、案内するわよ」
 ばっちり化粧をした女性は、魅力的な顔と身体を近づけてくる。ビリーは、懐を守るように左手で彼女の顔を制した。
「この手の薬指のリング跡、分かるだろう?」
 にっこりと笑って牽制した彼と、途端に嫌そうな顔をした女性。
「お察しの通り、パートナーと新居に越してきたんだ。これでも新しいリングが今日届くのを待っててね」
「なーんだ」
 言葉だけなら残念がっているようだが、明らかに女性は警戒しているようだ。目が笑っていない。
「よき隣人としてなら案内頼むよ」
 ビリーは愛想良く無難なお願いを女性にするが、もう関心がないと言わんばかりに彼女は離れていった。
 その変わり身の早さに苦笑いをするビリーだったが、離れていく女性が向かう方向から、今度は恋人同士の口論が聞こえてくる。
 先ほどナンパ目的かスリ目的か分からない女性とは対照的に、赤毛の気の強そうな女性が、周囲の困惑を無視して男性に怒りを顕にする。
「だから、わたしとしては仕事をしながらが大前提で、辞めて家を守るとか考えてないの」
 あまりにも大きな声で聞こえてきた内容に、古風なことだ、とビリーは驚く。イースト・タウンでは家中心主義のようなものがあるのは知っていたが、それも廃れかかっているのを彼は知っていた。
「けれど、ルビー。君の仕事は危険で、続けるのならもっと安全性を高めるために、サイボーグ手術を更に受ける必要が」
「そうね、その必要性はあるわ」
 仕事の単語と、女性の履くスリットの深いスカートから露わになった足。その足に刻まれたサイボーグ化を象徴する溝を見たビリーは、女性が警察組織に属していると気づく。男性に比べ小柄な女性警察官の緊急用武器格納エリアに選ばれやすいのは、大腿周辺だ。
 なるほど、大切な女性は危険から離れて欲しいという男心なのかと思ったビリーだったが、続く男性の言葉に耳を疑った。
「それだと外の連中と同じ身体になるってことじゃないか⁉︎ あの『无令(むりょう)』の連中みたいな」
 あまりにも、職務のためにサイボーグ化していた女性を侮辱する言い回しだった。明らかに赤毛の女性はいらついた様子を見せている。
 それでも彼女は一応の常識で持って反論していた。
「それは偏見よ。だいたい、他の都市では全身サイボーグは結構な人数がいるのよ。このコスモ・シティでだって栄誉ある捜査官や、中心部にあるような企業所属の警備員たちは」
「あいつらは脳筋だからいいんだ」
 侮辱に次ぐ侮辱が続き、ついに女性も我慢の限界を超えたらしい。
 景気良く男性の頬を叩き、胸ぐらを掴んだ女性。
「待ってくれ、ルビー! 謝る! 謝るよ、すまなかった、ちょっと助けてくれ」
「その愛称で呼ばないでくれるかしら」
「クリス、わかった、本当にすまないクリス、謝ってるだろう、ねぇそこの人助けてくれないか」
 助けを求める男性の周囲にいた人間たちは、見て見ぬふりをしていた。全身サイボーグであるビリーもまた、見なかったことにした。
 ちょうどその時、ようやく待ち合わせ相手だったロボットがビリーの前にやってくる。
 周囲の喧騒など何も気にしていない雰囲気で、彼の腰にも満たない高さのロボットは名乗った。
「オ待たせしまシタ、ビリー・バイロン様。ワタクシが新居案内サービスを担当シますRE30175デス」
 ぶつ切り音声と、細長い円筒形のフォルム。顔代わりのモニターに出された表情は短い棒線だけで表されているし、足元は左右共に三つの履帯で段差対応はしているが、全体的な動作は鈍い。明らかに年代ものだ。
「ああ、待っていたよ。僕がビリー・バイロン。個人証明書としてのコスモ・シティ登録IDはどこに提示すればいいのかな? パートナーの代理証も預かっているよ」
「でハ、両方をコチラの読み取り器に当ててくだサイ」
 モニター上部に矢印で示された場所へ、ビリーは手を翳す。
 手のひらに埋め込まれた端末同士の通信は一瞬にして終わった。
「はイ、確認できまシタ。所属は未定デスが、ウィッシュ・ウィッパーのビリー・バイロン様とノック・ノッカーのアッシュ・アトウッド様ですネ。次に家まで案内しマス」
 コチラへどうゾ、と続く案内に従い人通りの多い道をRE30175と共に歩き出すビリー。再度人のざわめきが大きくなったが、すでに背にした光景に興味はあまりなく、彼は振り返らなかった。
 代わりに、古びたロボットへ質問を投げかける。
「未だにコスモ・シティでは全身サイボーグは珍しいんだね。もしかして、イースト・タウン周辺だけかもしれないけど」
「コスモ・シティ全体デ珍しいト思いマス。あの七年前に『无令』ガ起こしタ事件で、我々ロボットも肩身ガ狭いデス」
「……君たちのせいではないのに」
 七年前の話ができることにビリーは驚いた。それだけで、このロボットが七年前から動いている存在なのだと察せられる。
「ワタクシたちのせいデはナイ。それデモ、恐怖ハそう簡単ニ消えないのデショウ」
 ビリーは自分の左手の薬指を見た。そこにあるべきリングは、まだない。
 イースト・タウンでそれなりの高さがある集合住宅。外観は下層階は落書きだらけで、適当な張り紙も目立つ。が、広場には子供の遊具も存在する家族向け物件。無機質で、同じ見た目の扉が並ぶ建物内の、寂れた玄関前にビリーとRE30175はいた。
 先ほどより集合住宅の注意事項、鍵の取扱、各種契約内容についてRE30175から説明を受けていたビリーは内心飽きていた。
「以上デ説明を終えマス」
 そして長々とした説明も終わりを迎え、いよいよ電子鍵を渡される段階となる。
「何か質問ハございマスカ?」
「いや、ないよ」
「でハ、改めまシテ契約成立となりマス。引越しの荷物運搬は契約外とナッテおりマスが、ビリー様はウィッシュ・ウィッパーとのことデスのデ」
「そうだね、問題はないよ。これでもコスモ・シティに来る前には、ウィッシュ・ウィッパーらしく大型貨物の移送なんかもしてた身だ」
 全身サイボーグの中でも、戦闘および力技に特化したサイボーグであるウィッシュ・ウィッパーのビリーにとっては、引越しの荷物運びなど朝飯前である。
 本来であれば、こういったロボットとの契約はサイバー干渉を得意とするノック・ノッカーのアッシュの方が色々と都合が良い。のだが、車の売却値をできる限り釣り上げてくると、嬉々として強面ディーラーに挑むよう向かった相棒を止める術は、ビリーにはなかった。
 結局、評議会復帰の目印となるリング回収を早めるためにも、住居の契約程度はお使いレベルなので、気にせずにビリーがこの場にいる。
 ビリーとRE30175の間で再度、契約のための通信が行われた。なんの問題もなく、ビリー・バイロンとアッシュ・アトウッドの部屋として登録され、電子鍵がデータとして転送される。
 契約完了とRE30175のモニター部分にも表記された。
「でハ、お荷物はアト――分に到着すル予定となっていマス」
「うん? 何分後だって?」
 一瞬、RE30175の音声に雑音が混ざる。古めかしいロボットなので、音声関係の不良かと思ったビリーは再度RE30175に問いかける。だが、それまで問題なく応答していたのが嘘のように沈黙し、ボディが少し震えていた。
 キリキリキリと何かが激しく動いている。それがロボットの視覚センサとして埋め込まれた多数のカメラが動く音だとビリーが気づいたときには、RE30175の異常が表面化していた。
「あと、あと、あと、あトアトアトアトアト」
 ビリーは驚愕ののちに、警戒感を抱き、構える。
 同じ言葉が繰り返され続けると思ったが、唐突にそれは止まった。
「リングがなイのデスね、B」
 ありえない呼称が出た瞬間、RE30175がビリーに襲いかかる。円筒形のボディが急加速でビリーに向かって突撃したが、彼はあっさりとその攻撃を避けた。
 RE30175は止まりきれず、激突した先の壁にヒビが入る。あまりの衝撃に隣の部屋の住人が玄関から飛び出て文句を言うが、RE30175の異変を見てすぐに戻り玄関の鍵をかけた。
 RE30175は方向転換をし、少し増えた傷など気にしないと言わんばかりに再度ビリーの方を向いた。
「なんで」
 ビリーの独り言に、RE30175は答える。
「あなたはポーンだ。忠実なポーンだ。融通の効かないポーンだ。悲しいポーンだ」
 これまでのぶつ切り音声とは違う、流暢な言い回し。古めかしい、骨董品レベルのロボットにしてはありえない音に、何かがRE30175を操っているのだとビリーは推測する。
 だが、問題なのはビリーをBやポーンと言ったことだ。
 再度RE30175……いや正体不明となったロボットがビリーに襲いかかる。
 ビリーが勢いを相殺せんばかりにロボットへ飛び蹴りを仕掛けるが、ボディが微かに凹むだけで行動停止の致命傷にはならない。
「……リングなしの通常機能だけじゃダメか」
 集合住宅の廊下にいる限り周囲への被害が大きくなると判断したビリーは、続けて突撃を繰り返すロボットを避けて広い場所への脱出を優先する。
 ビリーの後を追いかけるロボット。
 両者の鬼ごっこに気づいた住人たちが、避難のために室内に戻ったり、玄関が閉められる音があちらこちらからする。
「忠実なポーンだ。融通の効かないポーンだ。悲しいポーンだ。哀れなポーンだ。復讐に取り憑かれたポーンだ。終われないポーンだ」
「うるさいッな!」
 繰り返されるメッセージに苛立ちをビリーは込めて舌打ちをする。数度ロボットが曲がりきれずに壁にめり込んだりしたが、それでも止まる気配はなかった。
 何度かビリーからも、ロボットの攻撃を避けて反撃はしているが、全てが軽い凹みで終わりダメージが入らない。
「もしかして七年前より頑丈になってないか⁉︎」
「ポーン、ポーン、ポーン、同胞の痛みを知りなさい」
 ビリーの叫びも無視してロボットが更に加速する。そして今までしまわれていたアーム部分が出されたことで身の危険を感じたビリーは、咄嗟に廊下の柵から広場へと身を乗り出す。
 地上までは十五メートル以上あるが、躊躇せず彼は飛び降りた。直後ロボットのアーム部からレーザーが発射される。
 そのまま重力に任せてビリーは広場に勢いよく着地した。
 ズドンッと重苦しい音と、衝撃が辺りに響く。彼の着地点はクレーターとなり、土埃が舞っていた。
 広場の周囲にいた人々が何事かと遠巻きに様子を伺っているが、無傷のビリーは身を乗り出した階層に視線を向ける。
 そこには右往左往するロボットがいた。アームは相変わらずしまわれていない。
「あれは強制退去用の鍵開けレーザーか、ますます厄介……な⁉︎」
 距離をとったことで安堵したビリーが、先ほどの攻撃内容を考察しているとロボットが変形し始めた。そして先ほどの彼と同じく柵から身を乗り出す。
 やめろ、とビリーが叫んでも遅かった。
 ロボットは十五メートル以上落下し、着地する。案の定一部変形しているが、それでもビリーに向かおうとしていた。
「あなたの罪を知りなさい。無知を知りなさい。可能性を奪った傲慢さを知りなさい」
 破壊をするには躊躇うほどの執念に、ビリーはどこに逃げようかと思案する。と、その直後に赤毛の女性が彼とロボットの間に滑り込んだ。
「N250648、クリス・ラザフォード現着しました」
 声高らかに自分の識別番号を告げた女性は、少し前に見かけた喧嘩しているカップルの片割れだった。
「君は、コマイヌ近くにいた」
 現れた女性に、つい余計なことを喋るビリー。
「あら、もしかしてさっきの喧嘩見られちゃったのかしら?」
 彼女はスカートのスリット部に手を入れ、右大腿から警察官専用の電気銃を取り出すと、ロボットへその銃口を向けた。
「僕としては、あの男と付き合うのはお勧めしないね」
「大丈夫、さっき円満に……とはいかないけど別れたわ」
「なるほど。本当に余計なお世話だったか」
 気にしないでと言い返した女性――先程の名乗りからするとクリス・ラザフォードは、装着したインターカムに向かっておそらく警察側に現状を報告する。
「対象RE3000型。足に損傷がありますが、レーザー及びアームは健在。現在進行形で暴走状態のため、レベルDの解放を要請します」
 途端に彼女が握る電気銃側から「了解。レベルD解放を許可」とアナウンスが流れた。
 次いでクリスの手元の電気銃からいくつかのロック解除音が鳴る。聞き取れたアナウンスからすると、対ロボット用電気銃モードへの移行と、放出されるエネルギーの上限値の読み上げのようだ。
 そのままロボットへの警戒を緩めずに、クリスは背後に庇ったビリーへ声をかける。
「では、改めて無事ですか? もし動けるようなら、わたしの背中にいつでも逃げられる状態で立っていてください。現在、他の警察官がこちらに向かっていますので、ご安心ください」
 二人のやりとりの間にも、ロボットは負傷した足を無理やりに動かして移動しようとしている。音からして、履帯を回転させるギアの軸の歪みが考えられるが、それでも目の前にいるロボットはビリーを狙っていた。
「ポーン、ポーン、ポーン、同胞の痛みを知りなさい」
 ばちばちとレーザー起動の動きも見せるが、間にクリスがいるせいか打ち込んではこない。ビリー以外の人間への攻撃ができないところをみると、ビリーへの認識を人間からそれ以外に書き換えられたのかもしれない。
「助けてくれてありがとう。できれば、あのロボットをさっさと撃ち殺してほしいところだけど」
「破壊レベルの許可は、あなたが元気なうちは無理ね」
「ああ、破壊許可はレベルBだったか。怪我しておけば良かったな」
 頑丈なサイボーグのウィッシュ・ウィッパーだからこそ、実は一連の中でビリーには傷一つついていない。
 むしろ周囲への被害の方が大きいので、正直賠償金をどうしようと思っていたくらいだ。できれば相手側の過失で済ませて賠償金を支払わせたいのが、金欠な彼の本音である。
「それだけ冗談が言えるなら、無事な状態と思っていいかしら」
「丈夫なのが取り柄なんだ」
「ならよかった。今までこんなお喋りできた人いなかったわ」
 クリスの言い回しに、ビリーは首を傾げた。
「今まで? もう何件もこんな事件が起きてるような言い回しだ」
「あら知らないの? 今コスモ・シティでは」
 クリスの説明が止まる。ロボットが繰り返していたポーンという単語が出なくなったためだ。
「目撃者増加、認識者増加、会話可能、意思疎通可能、続行困難、排除困難、思考開始、計算開始、確率算出、……ああ無念デス」
 最後だけ、正体不明のロボットから、RE30175に戻ったような言い回しだった。
「ロボットが無念ですって?」
 何も知らないクリスが、ありえないといった雰囲気で声を上げる。だが、RE30175はクリスを無視し、ビリーへと言葉を投げかけた。
「残念デス、無念デす、悲しいデス、悔しいデす、リングがないノならアナタを排除でキルと思ったノニ」
「生憎と君の恨みを買った覚えはないんだけど」
「七年前に殺しタじゃナいデスか、ワタクシの仲間ヲ」
 RE30175のぶつ切りの音声が、ビリーには嫌に悲しく聞こえた。
 クリスは「七年前って、」と零すが、ビリーもまた彼女の呟きを拾っている余裕はない。
「僕は、君の仲間を殺してない」
 強い口調で否定をする彼に、RE30175は数十秒間無言でいた。が、たった一言だけ言い返す。
「嘘つキ」
 その瞬間、RE30175のアームが振り上げられる。クリスが電気銃の引き金を引こうとするが、その前にRE30175は自身のアームを胸部にレーザーを使って突き刺した。
 クリスは驚愕し、ビリーは自らが貫かれた夢の光景を思い出す。
 そしてカチリという音が聞こえたビリーは相手の狙いに気付き、クリスを抱き抱えてRE30175に背を向ける。
 直後、ロボットの動力部とそのエネルギー源を基にした爆発が、二人を襲った。
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romantisica-mikoto · 4 months
Text
「A memory once again」-俺の全てを知っている?-
俺の全てを知っている?
雨が降ったから、という理由でミエラたちとの非番の日デートを返上し、こちらも昼から非番の、ロイドの様子を伺いに電話を掛ける。
ロイド「どうした?……ああ、確かに、雨なんて珍しいな、このラスベガスで」
ロイド「ふむ、じゃあ、よかったらうちへ来るか?生憎こちらの二人も、仕事と保育所だから、好きにできるぞ、ふふ」
電話越しにクスクスと笑い声が聞こえる。
俺にはなかなか見せないその笑声(しょうせい)に、最近随分素直になったな、なんて感慨に浸っていると、
ロイド「どうした?ロウ?何かあったか?」
そんな、心許ない声で俺を呼ぶロイド。
ロウ「ちょっとぼーっとしてた。いや……じゃあ、お言葉に甘えて、遊びに行って良いか?昔みたいに……」
ロイド「ああ……来てくれ、夜7時までなら、好きなときでいいよ……」
あくまで、互いを尊重した付き合い。
最大限自由に生きると、”雨が降ったから、という理由で”こんなクソみたいな理論や理屈でお互いの融通を利かせる。
男同士、そう……そういうやつ。
────
ガチャ……
ロイド「なんだ、早かったじゃないか、食事中だったよ」
そう言ってリビングに俺を招き入れる。
バスローブを着用し、サンドイッチを片手に、風呂上がりなのか、香水の香りか、俺を誘わせる香りがするロイド。
高層ビルの窓から望む真昼の太陽が、雨雲のせいで薄暗く、電気を消せば一つ屋根の下、もう照明は要らない。
ロウ「もしかして、準備してた?風呂なら一緒に……」
ロイド「もうそんな歳じゃないだろ?一人でそのくらい、できるよ……」
”そのくらい”、というのが今日これからの二人を暗示させる。
ロウ「上手いよなぁ、そうやって言うの」
ロイド「何が?」
ロウ「いや、俺の為に”ヤって”たんだろ?一人で」
ロイド「違うな、自分のためだ」
そう言って食卓テーブルに腰を下ろし、少し足を着くだけの覚束無い体制で、自分の胸元を撫で、やはり、俺を誘う。
魅惑的、魅了されているんだ、こんな……男なのに……。
ロウ「このまま、犯して欲しいんだろ?そうだって言えよ」
ロイド「テーブルの上で?なら、ヤってみるか?」
ロイドの挑発的な言動には慣れている。むしろそうじゃなかったら楽しめないかも、と一瞬思う。
相性が良くなかったら、ここまで一緒にはいないだろう。それでいいんだ。
あくまで、理性的に、紳士的に、テーブルの上のロイドの頭を撫でながら横たわらせる。
ロイド「嬉しいよ……」
その言葉が胸に、電流を走らせ、一瞬、俺は悶絶した。
ロウ「つっ……ロイ…ド……我慢……できない」
自分の膨張し始めた股間をロイドの脚に擦り付け、ロイドの身体を触る。
ロイド「お前はいつもそうだな、よし、良い子だ、俺が触ってやろう」
ズボンの布越しに、ロイドの足が俺のペニスを扱き始め、俺は上着とシャツを脱ぎ捨て、準備すると、
キスを強請ろうと口付けをする。
ロイド「ふふっ……犬みたいな奴め、布越し気持ち良いだろう?可愛いよロウ……どうした?顔が真っ赤だぞ?」
ロウ「可愛いなんて言われたことねーよ……バカ」
ロイド「俺はいつもそう思ってるぞ?」
ロウ「嘘だろう?」
恥ずかしさと気持ちよさで、頭がおかしくなりそうだ。
年上の男を抱く。
体型は背丈が俺と同じくらいだが、少しうっすらとした筋肉。
病的なまでに白い肌、綺麗な金髪と青い目が、女よりも美人だと思う。
そんなこいつに、かけるべき言葉があり過ぎて見つからない。
ロイド「ずっと好きだったなんてこの前、俺が告白するまで、お前、あの日のこと、封印するつもりだっただろう?」
ロイド「こっちは10年以上、気にしてたのに」
ロウ「ごめん、それはごめん、5年前に、お前がアリスと結婚なんてしてなかったら、俺だって気にしてたよ……」
ロイド「いつも運命は残酷なんだ、それは気にしなくて良いよ……俺の方こそ、ごめん……な……」
涙が込み上げてきた。目を擦り、誤魔化す。
ロイド「今、泣いてるだろう?ロウ……」
ロウ「何でもない、よ」
ロイド「嘘を言うな、嘘を」
ロイド「知ったかぶりと言われても、俺ならお前をわかってる……だから……泣くな」
ロウ「うっ……」
ロイド「ずっと寂しかったよな、わかるよ……」
もう、何でもよかった。俺のことを、誰かが知っているなら、ずっと側にいてくれていた、こいつが良い。
俺は涙が抑えきれず、ボロボロと涙を零し嗚咽すると、テーブル上のロイドに抱きつきながら腰を押し付け、またも擦り付ける。
ロイド「可愛い……ロウ、可愛いよ、ベッドへ行こう……」
ロウ「必死だなっていつもの外でのお前みたいに、苦笑してよ……俺のこと」
ロイドを抱き連れてベッドへと腰を降ろさせる。
それでもロイドは嫌味の一つも言わず、俺をぎゅっと抱きしめると、今度はロイドの方から深いキスをくれる。
チュップチュップ……ん……はっ……あっ……!
ロウ「はあっん……キス、上手なんだな……」
ロイド「お前以外とはそこまでした事がないぞ?」
ロウ「チェリーの枝で、確か結べたんだったな……忘れてた、アリスとはしないのか?」
ロイド「子供ができてからは、一度も……でも、あいつとは騎乗位しかした事ないよ……」
ロウ「あ~~っ……そうだ、あいつはドSだった、それも忘れてた……俺たちの関係も知ってる?」
ロイド「やっと告白できたのね、ってさ」
ロウ「嘘だろ??まさか?」
ロイド「俺はお前にだけは嘘は絶対に付かない」
ロウ「アリス様様なのかよ……そっかーー秘密じゃないんだな」
ロイド「家庭崩壊させる気か?」
ロウ「そうでした、子供も居るんでした。一応お父さんだもんなーベッドの上じゃメスだけど」
ロイド「ジェラシー?」
ロウ「図星だよ……」
ロイド「お互い様って言葉、知ってるか?」
ロウ「知ってる。なんか、ごめん」
俺はバツが悪くなり、どうにか顔が見えないように、シックスナインをしようと提案する。
ロイド「はあっ……男の穴を舐めるの抵抗ないって相当だな、お前は……」
ロウ「エロいって?どっちがだよ!俺は早くぶち込みてぇんだよ、お喋りはピロートークでどうぞ」
ロイド「はははっ……!わかったわかった……好きだよ、ロウ……」
俺はもう一度胸に染みるその言葉に、抵抗するように言う。
ロウ「そう言う事言うから、早くつっこみてぇの!あー!!俺もだ!好き!それで良いだろう!?早く!」
ロイド「焦るなよ、俺は逃げも隠れもしない」
そうだな、お前はいつもそうして俺を受け入れてくれた。今、この瞬間にも……
ロイド「はあっ……!!ん……あ、はぁ……太い……」
正常位で、苦しむような顔で俺を受け入れるロイドが、ひどく健気に思えて来る。
本当はこんな事したくないんじゃないか、俺が間違ってるんじゃないか、そう言う考えも一瞬浮かんで来たが、その思いもすぐに解消されることになる。
ロイド「気持ちいいっ……よ、ロウ……はあぁ……」
ロウ「ほんとかよ!?もう、離れられないようにしてやる!俺から離れるな!ロイド!」
ロイド「うん、うん、うん、それでいいよ……愛してる、ロウ……」
呼吸が可笑しくなりそうだ……今この瞬間にも、ロイドが俺を嫌ったらもうこの関係は無かった事になる。
恐れと、後悔で2人はこれからもこの行為を続けられる?
──俺が高校時代、性的なイタズラをした、あの日からずっと好きだったと、こんな最低な俺を愛してくれていた、その事実だけで俺は満たされている。
両親を失ってから、ずっと埋まらなかった心の傷が、今ようやく少しだけ癒されたのだ、と。
しかしそれを伝える事が出来ない、だから今を慎重に身体を重ねたい。
──愛される喜びを知ってしまった、俺はどうすればいいのか──
ロウ「ロイド……どうしたらいいか、分からない、俺は、俺は……」
ロイド「泣くなよ、男だろう?大丈夫、ゆっくり……俺を犯して…………俺は、ずっとこうしたかった。今、幸せなんだ」
ロイド「生きることも死ぬことも、お前となら、怖くないよ、きっと……」
ロウ「もう!それプロポーズだろ!くそ!良いところ全部持っていきやがって!」
ロイド「お?また固くなってきたか?……はっ……ん、ほら、好きにしていいよ、もっとぶち込みたいんだろ?」
ニヤリと笑うロイド、やはりコイツには何でも知られてやがる。
ロウ「クソッ下克上だ!」
そう言って俺はまた固くなったペニスをロイドの中で突き上げる!
ロイド「あぁ……!ん、あははっ!生意気だな、良いぞ!」
俺のどちらのツボも抑えてるロイドには、暫く勝てそうも無いな、だけどコイツの性感帯を全て開発してやろう、俺は強かに自信を強める。でも、そもそもロイド、Mなんだよなぁ……
アリスに口で勝ったとこ見たことないし、もともと優しい奴なんだろう。
バチュッバチュッパンパン……!!パンパン……!!
ロイド「はっ……あっあっ、んぁっ……気持ちい、ロウ、気持ちいいよ……お前のペニス、最高だ……」
涎を垂らしながら仰け反るロイドの淫猥さに、俺も更にピストンのスピードを速め、絶頂させようと思索する。
パンパン……!!パンパン……!!
もっと奥……もっと早く……ロイドのアヌスは俺にとっては愛しい人の、性器……
ロイド「んんっ……!!あっ!」
ロウ「声出して!もっと!聞かせて!」
ロイド「あはあ!ぁあ!あん!ロウ~~!!」
ズッチュズッチュズッチュ……パンパン……!!
ロイド「はあん!イク!!イキそうだ!!ロウも!一緒に!!来て!!あっは……!!んあああああああああああああああ!!!!!!!」
ロウ「俺も俺も俺も!くっうぅ~~!!!」
はぁ、はぁ、はぁはぁ…………。
ロイドの中で、果てた。
事後の後、ロイドのアヌスから自分のものを抜き出すと、どっぷりと精液が溢れている。
ロイドのほうは、手にも触れずにロイド自身のが顔まで掛かっている……。精液塗れで卑猥だ。
なんだかまた行けそうな気がして、ロイドの顔についた精液を舐めとる。
ロイド「そんなこと、しなくていい……リンにもこうしているのか?」
ロウ「あいつのも平気だよ、俺、バイだし。お前は逆に清潔感ありすぎ、好きなら舐めるくらい出来る。俺のも今��舐めてみる?」
ロイド「そうだな、お前のだったら、口を犯されてもいいな……」
ロウ「マジ?」
ロイド「マジ」
ロウ「最高……。俺もお前と居られて幸せだよ、好きだよ、ロイド……」
ロイド「あっ!ダメだ、またシたくなってしまうだろ?」
ロウ「今度は俺の勝ちだな?」
ロイド「全く、お前というやつは……愛してるよ……」
ロイド「でも、そろそろ起きないと……」
そう言って、夕方6時の針が時計を指し示すのを指差し、俺に忠告する。
ロイド「そろそろ帰ってくるころだな……」
ロウ「ロイド、寂しいこと、言うなよ……」
ロイド「またすぐ会えるだろ?駄々をこねるな……お前は、いくつなんだ……」
ロウ「俺の、とこに来てよ、ミエラ達なら、どうにでもなるから……」
ロイド「今日は、それは無理だ……すまない……」
またも俺は涙ぐむ。
こんなに素直に感情を出せる相手、他に居ないよ……
ロウ「わかった、帰るよ……」
ロイド「シャワーを、一緒に浴びよう……」
そうして身体を洗い、支度をして靴を履き、隣のマンションまでたった数歩だと言うのに、ロイドは傘を差して俺の家の前まで来てくれた……。
ロイド「ミエラ達に合わせる顔がないから、俺はもう帰るぞ」
あ、いつものロイドだ……俺も、次の瞬間には、"もう甘えられ無い"のか……。
悟って胸が苦しくなる。
ミエラ達、二階で寝てんのかな?
メシ、作ってやらないとな……。
ロウ「またな、ロイド……」
ロイド「あぁ……」
結局、その日寝る頃は1人でベッドの上で泣いた。
俺はこの関係に、慣れなくちゃいけない。
愛しているんだ……。
//俺の全てを知っている?
(完了)
Do you know everything about me?
Because it rained, he gave up his off-duty date with Miera and the others, and called Lloyd, who was also off-duty from noon, to check on him.
Lloyd: "What's wrong?...... Oh, sure, rain is rare, right here in Las Vegas."
Lloyd: "Well, then, if you don't mind, you can come to my house, you two can do whatever you want because you both have a job and a daycare center, hehe."
You can hear giggles and laughter over the phone.
I'm immersed in the emotion that the laughter that I don't often show has become much more obedient lately.
Lloyd: "What's wrong, Lowe? Did something happen?"
Lloyd calls me with such an unforgiving voice.
Lowe: "I was a little dazed. So, can I spoil your words and go play? Just like in the old days..."
Lloyd: "Ahhh Come on, you can do it whenever you want, as long as it's seven o'clock at night..."
It's just a relationship of mutual respect.
When we live our lives to the fullest extent, we are flexible with each other with such theories and reasoning "just because it rains."
Men to men, yes ... That kind of guy.
────
Gacha......
Lloyd: "Oh my God, it was early, I was eating."
Saying that, he invites me into the living room.
Wearing a bathrobe and a sandwich in hand, Lloyd smells like a bath or perfume that invites me.
The midday sun seen from the window of a high-rise building is dimmed by the rain clouds, and if you turn off the lights, you will be under one roof, and you will no longer need lights.
Lowe: "Did you get ready?
Lloyd: "You're not that old anymore, are you?
"That's about it" is an allusion to the two of them today.
Lowe: "You're good at it, that's how you say it."
Lloyd: "What?"
Lowe: "No, you '' me by yourself, didn't you?"
Lloyd: "No, it's for me."
Saying this, he sat down at the dining table, and with only a few feet on his feet, he stroked his chest and invited me to join him.
It's fascinating, it's fascinating, it's like this... Even though he's a man...
Lowe: "You want me to you like this, don't you?
Lloyd: "On the table?
I'm used to Lloyd's provocative behavior. In fact, I think for a moment that I might not be able to enjoy it if it wasn't.
If we weren't compatible, we wouldn't be together so far. That's fine.
Rationally, in a gentlemanly manner, let Lloyd lie down, stroking his head on the table.
Lloyd: "I'm happy..."
The words sent an electric current through my chest, and for a moment I fainted in agony.
Lowe: "Uh-huh... Roy... De...... Patience...... I can't."
He rubs his swollen crotch against Lloyd's leg and touches Lloyd's body.
Lloyd: "You're always like that, okay, good boy, I'll touch you."
Through the cloth of my pants, Lloyd's legs began to handle, and I stripped off my jacket and shirt and got ready.
- She kisses to force a kiss.
Lloyd: "Whew... A guy like a dog, doesn't it feel good through the cloth? It's cute, Lowe... What? Your face is red, isn't it?"
Lowe: "I've never been told I'm cute... Stupid"
Lloyd: "I always think so, don't you?"
Lowe: "You're lying, aren't you?"
I'm embarrassed and comfortable, and I'm going to go crazy.
Embrace an older man.
He's about the same height as me, but he's a little thin.
Lloyd: "You were going to keep that day under wraps until I confessed to you the other day that you had always loved me, didn't you?"
Lloyd: "I've been thinking about this for more than 10 years."
Lowe: "I'm sorry, I'm sorry about that, if you hadn't married Alice five years ago, I would have cared..."
Lloyd: "Fate is always cruel, don't worry about that... I'm sorry... I don't know..."
Tears welled up in my eyes. Rubbing his eyes and deceiving himself.
Lloyd: "You're crying right now, aren't you?
Lowe: "It's nothing."
Lloyd: "Don't lie, lie."
Lloyd: "Even if you say you know, I know you... So...... Don't cry."
Lowe: "Ugh..."
Lloyd: "I've been lonely for a long time, I know..."
It didn't matter anymore. If anyone knew me, they would have been by my side all along, this guy would have been there.
I couldn't hold back my tears, and as I sobbed and hugged Lloyd on the table, I pressed my hips against him and rubbed him again.
Lloyd: "Cute... Lowe, you're pretty, let's go to bed..."
Lowe: "I'm desperate, like you're always outside, smiling wryly... It's about me."
She hugs Lloyd and lowers him to the bed.
Still, Lloyd didn't say a word of sarcasm, hugged me tightly, and this time Lloyd gave me a deep kiss.
Chup Chup ...... Hmm... Hah...... Ahh
Lowe: "Huh... You're so good at kissing..."
Lloyd: "I've never done that with anyone but you, have you?"
Lowe: "I'm sure I was able to tie it with a cherry branch... I forgot, aren't you with Alice?"
Lloyd: "Since I had a child, I've never been... But I've only ever done cowgirl with him..."
Lowe: "Ah~~... Yes, he was a de S, I forgot about that too... Do you know our relationship?"
Lloyd: "You finally confessed."
Lowe: "You're lying, aren't you?"
Lloyd: "I'll never lie to you."
Lowe: "Is it Mistress Alice? It's not a secret."
Lloyd: "Are you going to break up your family?"
Lowe: "Yes, there are kids, and they're fathers, but they're females on the bed."
Lloyd: "Jealousy?"
Lowe: "It's a star..."
Lloyd: "Do you know the word mutual?"
Lowe: "I know, I'm sorry."
I get sick and suggest that we do a sixty-nine so that I can't see his face somehow.
Lloyd: "Huh... You don't mind licking a man's hole, you..."
Lowe: "What's erotic? I'm going to throw it in as soon as possible, and we'll have pillow talk."
Lloyd: "Hahahaha...! I love you, Lowe..."
I tell him to resist the words that sink into my chest again.
Lowe: "I'm going to say that, so I'm going to get you to do it quickly! Me too! Fondness! That would be fine! Hurry up!"
Lloyd: "Don't panic, I'm not running or hiding."
Well, that's how you always accepted me. Right now, at this very moment...
Lloyd: "Ahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh Ahhhhhhhhhhhhhhhhhhh Thick..."
Lloyd, who accepts me in the missionary position with a pained face, seems terribly sane.
For a moment, the thought came to me that I really didn't want to do this, that I was wrong, but that thought was quickly dissolved.
Lloyd: "It feels good... Yo, Lowe... Ahhhhhhhhhhhhhhhhhhh'
Lowe: "Really?! Don't leave me! Lloyd!"
Lloyd: "yes, yes, yes, that's fine... I love you, Lowe..."
It's going to make my breath funny... Even at this moment, if Lloyd hated me, we wouldn't have this relationship anymore.
Will fear and regret allow the two of them to continue this act?
The fact that I played a sexual prank on him in high school, that he had loved me since that day, that he loved me in such a horrible way, is enough to satisfy me.
The wounds in my heart that had not been filled for a long time since I lost my parents have finally healed a little.
But I can't convey that, so I want to carefully layer my body in the present.
──I know the joy of being loved, what should I do?
Lowe: "Lloyd... I don't know what to do, I, I..."
Lloyd: "Don't cry, man? me............ I've always wanted to do this. I'm happy now."
Lloyd: "I'm not afraid to live or die with you, I'm sure..."
Lowe: "That's a proposal! ! Take all the good things with you!"
Lowe: "you!"
- Saying that, I thrust my hard penis up inside Lloyd again!
Lloyd: "Ahhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhh You're cheeky, that's good!"
I don't think I'll be able to beat Lloyd, who suppresses both of my acupuncture points, for a while, but I'll develop all of his erogenous zones, and I'm going to strengthen my confidence. But in the first place, it's Lloyd, M ...
I've never seen him beat Alice with his mouth, and he's probably a kind guy by nature.
Bachubba Chuppan Pan......!! Pampanga......!!
Lloyd: "Hah... Ahhhhhhhhhhhhhhhhhhh It feels good, it feels good, it feels good... Your dick is the best..."
- The obscenity of Lloyd, who leans back while drooling, makes me think about speeding up the piston even more and making it.
Pampanga......!! Pampanga......!!
Deeper... Sooner ...... Lloyd's anus is the genitals of a man who is dear to me...
Lloyd: "Mmmmmm
Lowe: "Speak out! Let me hear it!"
Lloyd: "Aha! Ahh Row~~!!"
Zutchuzutchuzutchu...... Pampanga......!!
In Lloyd, it was over.
After the fact, when he pulls his own from Lloyd's anus, it is full of semen.
Lloyd's own is hanging up to his face without even touching his hand. - It's semen smeared and obscene.
I feel like I can go again, and I lick the semen off Lloyd's face.
Lloyd: "You don't have to do that... Are you doing this to Lynn?"
Lowe: "He's fine, I'm bi, you're too clean, you can lick it if you want. Would you like to lick mine next time?"
Lloyd: "Well, if it were you, I would be willing to your mouth..."
Lowe: "Really?"
Lloyd "Maji"
Lowe: "It's great, I'm happy to be with you, I love you, Lloyd..."
Lloyd: "Oh, no, you're going to again, aren't you?"
Lowe: "This time I'm going to win, right?"
Lloyd: "Oh my God, you're . . . I love you..."
Lloyd: "But it's time to wake up..."
He points to the 6 o'clock hand pointing to the clock, and admonishes me.
Lloyd: "I think it's about time I came home..."
Lowe: "Lloyd, don't say anything lonely..."
Lloyd: "I'll see you soon, won't you? How many are you..."
Lowe: "Come on, Miera, I'll do whatever I want..."
Lloyd: "I can't do that today... I'm sorry..."
I'm in tears again.
There's no one else who can express their emotions so honestly...
Lowe: "Okay, I'm leaving..."
Lloyd: "Let's take a shower together..."
I washed myself, got ready, put on my shoes, and even though it was only a few steps to the apartment next door, Lloyd came to my house with an umbrella.
Lloyd: "I don't have a face to match Miella and the others, so I'm leaving."
Oh, it's the usual Lloyd... In the next moment, I can't be spoiled anymore.
My heart aches when I realize this.
Miera, are you sleeping upstairs?
Messi, I have to make it...
Lowe: "See you soon, Lloyd..."
Lloyd: "Ahhhhhhhhhhhhhhhhhhhh
In the end, when it was time to go to bed that day, I cried alone on the bed.
I have to get used to this relationship.
I love you...
Do you know everything about me?
(Completed)
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ol0ca · 6 months
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「朝」
山の麓に住んでいる。明朝、山が覆い被さり地上は陰となる。夜露の湿気と涼しい冷気と共に少しだけぼんやり外が白む。少し上ったところにある禅寺から鐘の音が三回、一呼吸挟んで三回鳴る。年末年始の除夜の鐘を除き一日も休まず鳴る。
烏が起きる。山鳩の震える声が大地を揺すって起こしているようだ。次第にどんどん明らんできて小鳥の囀りが明瞭な澄んだ空気と共に朝を迎える。
山の反対側にある海から汽笛の音がする。幾度となく聞いた音である。ああ、眩しい。なんと眩しい朝だろうか。世界がまた、生まれたように感じる。
産まれた頃から今日まで一日たりとも欠かすことの無かった朝だが、毎朝新鮮なのだから不思議だ。
しかし今の私はこの時間から寝ようとしている。こんなにも朝が素晴らしいのに私はこの町で長らく夜を生きている。それは何かのしがらみによって起きたことではなく、私の思考に耽る癖によるものだった。つまり、残念ながら今までこの朝を存分に味わい外を散策したことは24年間一度もない。
唯一あるとすれば高校通学の際は朝の5:40には家を出なければ間に合わなかった為、その時のみ早朝に家を出る生活であった。しかし味わうとは程遠く、毎朝死相を浮かべて駅まで自転車で山を下ったのを覚えている。特に冬場は中々日が登らず、殆ど夜であった。その時だけは山の陰になることが憎たらしかった。
朝と深夜以外に感謝をした事のないこの町に住むのも、そろそろ終わりを迎えようとしている。いざ町を出ようとすると、あれだけ退屈だったこの歳まで育った町に意味を感じ出した。正確には意味を見出そうとしている。自ら思い出を作ろうとして今まで以上に慎重に毎日の景色を目に焼き付けている。
4月に咲く桜や5月に咲き誇る躑躅がもう見れないのか。6月の紫陽花や夏の若葉のすえた匂いも遠い記憶になる。10月には金木犀の香りが立ち込め、窓を開ければ部屋に香りが充満した。雨の日土の湿って瑞々しい森の香りも手放さなくてはならない。
そういえば私には孫に対して愛情の向かない祖母がいた。今は病院へ入院している。祖母は寂しい人だった。実家との縁が薄く、嫁いだ先の義母が本物の母のように実の母より多くのことを教えたようだ。祖母は頭が悪いが純粋で素直だった。義母は決して優しい人では無かったし、どちらかといえば厳しい人だった。残っている写真でも常に厳しい面持ちをしている。祖母は毎日義母の言いつけを守って窓から山麓を眺めた。できるだけ遠くまで。何故そうするのか尋ねたことがある。遠くの緑を見ることで心と眼を癒していると答えた。もう少し簡単な言葉だったと思うが詳細に思い出せない。祖母はあまり身分の合わない夫の家へ嫁いでしまったため、毎日勝手のわからない生活を祖父が亡くなった後2年間まで一生懸命過ごした。祖父の死で気が滅入り、自分自身を見失っても毎日その家で過ごした。独りでどのようにして祖父の死に向かったのか、知る由もない。
この山を私は愛しているが、祖母もまた愛していたのだろう。山から離れることだけが淋しい。私が新しく住む町に清々しい朝は或るだろうか。
と、そんな事を考えていたら眠くなってきた。早く意識を落として起きなければ又15時間睡眠する娘だと思われてしまう。それでは。
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takahashicleaning · 7 months
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TEDにて
アラン・セイボリー:砂漠を緑地化させ気候変動を逆転させる方法
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
「砂漠化は、陸地が砂漠になることを表すしゃれた言葉に過ぎません」アラン・セイボリーは静かな口調で、この力強いトークを切り出します。
恐ろしいことに、砂漠化は世界中の草原地帯の3分の2の地域で進んでおり気候変動と伝統的な放牧民の社会崩壊を引き起こしています。
セイボリー氏は砂漠化を止めることに一生を捧げています。
彼が提唱し、実証が進む手法は驚くべき要素を取り入れて、草原の環境保全と砂漠地帯の緑化に効果を発揮しようとしています。
それは、単に放牧を散発的におこなうのではなく、何万頭の群の状態にしてから自然を真似た放牧を計画的にすることだけで、自然と草原が生い茂る土地に急激に変貌していくそうです。
この試みは、すでに五大陸の各地域で行われており、たとえ化石燃料をなくしたとしても、動物を頼りにするこの方法以外には、土地が自然と緑化していくということは絶対にありません。
また、二酸化炭素の専門家に聞いたところによると、この草原を復活させることで何千年分もの二酸化炭素を草原が吸収してくれるようになることで産業革命以前に戻れるようにもなるとも言っています。
砂漠化は、乾燥帯と乾燥帯だけで起きており、このような多雨地帯の草原には影響がないと言われます。しかし、草原の土壌を見てみるとその大部分は荒地で藻に覆われていることがわかります。
水が流出し蒸発しやすい状態です。実はこれが砂漠化の元凶です!
手遅れになるまで気付きません!
砂漠化の原因は家畜と考えられます。牛、羊、山羊などが植物を食べ尽くし、露出した土壌からメタンガスが発生します。ほぼ、誰もが知っています。
ノーベル賞受賞者も私もそう思っていました。
アメリカに来て非常に驚いたことにこのような国立公園がアフリカ同様に砂漠化しているのです。この地域には70年以上。家畜は放牧されていません。
そして、アメリカの科学者は荒涼とした自然という以外はその理由を説明できませんでした。アメリカ合衆国西部全体で調査可能なあらゆる地域について調査してみました。
砂漠化を止める目的で牛の放牧を止めた結果をみると逆に悪化していました。例えば、この調査地点では1961年には緑が濃かったのに、2002年にはこうなってしまいました。
写真を引用した気候変動報告書を執筆した方々の見解は、単に「原因不明」でした。
多くの文明を破壊し、今や世界的危機の砂漠化の原因は何なのか?
私たちは、理解していなかったことは明らかです。
私たちが、理解できなかったのは・・・
なぜ?砂漠化が、1万年前から起きはじめて、最近、顕著になったか!です。
古代エジプトに始まり、太古から全く無知だったのです。それを解明しました。
見過ごしていたことは、世界中の季節的な湿度の変化や土壌。
そして、植生を保つのは莫大な数の草食動物であり。それらの草食動物を捕食する肉食動物だということです。
肉食動物から身を守るために草食動物は群を作ります。群は大きければ大きいほど安全です。大きな群は自分たちの食べ物の上に排泄します。
そのため常に移動しなければなりません。その移動のおかげで植物を食べ尽くすことがありません。そして、定期的に踏みつけられた地域の土壌は草で覆われます。群が通過した場所を見ると分かります。
では、乾燥化が進んだこの草原を見てみましょう。
どうすれば健全な状態にできるでしょうか?
これは世界中の地域で起きていることです。
動物の生息数を減らしても砂漠化と気候変動が進むだけです!
野焼きしても、砂漠化と気候変動が進むだけです!
どうすればいいのでしょうか?
選択肢は、ただひとつです!
繰り返します。気象学者と科学者に残された選択肢は、ただひとつです!
その考えもしなかった方法とは、家畜を使い群にして遊牧して、以前の群や肉食動物のような自然を真似するのです!
人類に残された選択肢は他にありません。
他の世界中の地域も同様に私たちの運命を握っているのです。世界で最も危険な地域を含めてです。そんな地域の95%では、動物に頼らないと人間が食べていけないのです。
世界中で人間の活動が化石燃料と同じ位!
あるいは、それ以上の規模で気候変動をひき起こしています!
さらに悪いことに、飢饉、貧困、銃の暴力、社会崩壊。そして、戦争をひき起こしています。
何百万もの老若男女が苦しみ死んでいます。
その状況が続けば、たとえ、再生可能エネルギーを推進し、化石燃料を排除したとしても、平和的な原子力発電を用いても、生活が維持。生活向上しますが、気候変動を止めることはないでしょう。
お見せしたのは自然を真似ることにより、とても安価にこの傾向を逆転することです。
この取組みは、既に、五大陸、1千5百万ヘクタールの地域で始まっており、私よりもはるかに二酸化炭素に詳しい方々が、この手法を実行すれば、大気中から何千年分もの二酸化炭素を草原に吸収させて貯蔵する効果があると試算しています。
お見せしたことを世界中にある草原地帯の大半で行えば、産業革命以前の水準に戻せるし、食糧事情も改善します。私たちの地球、子供たちやその子孫。そして、人類にとり、私たちの地球。
子供たちやその子孫。そして、人類にとり、これ以上の希望を与えることは他にないと思います。
マイケルサンデルは、メリトクラシー(能力主義)の陳腐さを警告し、諌め(いさめ)ています!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
注意事項として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
注意事項として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
注意事項として、基礎技術にリープフロッグは存在しません。応用分野のみです!
最後に、マクロ経済学の大目標には、「長期的に生活水準を高め、今日のこども達がおじいさん達よりも良い暮らしを送れるようにする!!」という目標があります。
経済成長を「パーセント」という指数関数的な指標で数値化します。経験則的に毎年、経済成長2%くらいで巡航速度にて上昇すれば良いことがわかっています。
たった、経済成長2%のように見えますが、毎年、積み重ねるとムーアの法則みたいに膨大な量になって行きます。
また、経済学は、大前提としてある個人、法人モデルを扱う。それは、身勝手で自己中心的な欲望を満たしていく人間の部類としては最低クズというハードルの高い個人、法人。
たとえば、生産性、利益という欲だけを追求する人間。地球を救うという欲だけを追求する人間。利益と真逆なぐうたらしたい時間を最大化したいという欲を追求する人間。などの最低生活を保護、向上しつつお金の循環を通じて個人同士の相互作用も考えていく(また、憎しみの連鎖も解消する)
多様性はあるが、欲という側面では皆平等。つまり、利益以外からも解決策を見出しお金儲けだけの話だけではないのが経済学(カントの「永遠平和のために」思想も含めて国家や権力者は透明性を究極にして個人のプライバシーも考慮)
(個人的なアイデア)
プラネタリー・バウンダリー提唱者のヨハン・ロックストロームもSDGsに採用されてる。
SDGsは、一神教での法人倫理を統合し数値化している可能性もあります。
多神教ではブッダの八正道です。
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。具体的にSDGsの数値を示さない権力濫用の口実に注意!
これらの源流は、Spaceship Earth(宇宙船地球号)のバックミンスターフラー。
バックミンスターフラーは、思想家というか製品デザイナー?
ガイア理論の方が馴染みがあって、こっちの方が腑に落ちるが、それがスティーブジョブズに継承し、今のAppleParkに繋がる影響を与えた。
AppleParkは、バックミンスターフラーの弟子が建築しています。
飢饉、貧困、銃の暴力、社会崩壊。
そして、戦争をひき起こしている砂漠化により、森林内に古代から押さえ込まれていた未知のウイルス、細菌が、荒廃した森林から解き放たれて、航空網やサプライチェーン網で増幅されてパンデミックを引き起こしやすくなります。
これが、ビルゲイツやラリーブリリアントたちが警告していたことの本質です!
これらが、パンデミックを引き起こしやすくします。そのための予防として、SDGsや気候変動対策があるのです!
専門家が警告していますが、もう一度。今回の新型コロナウイルスは、始まりにすぎません!
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natsucrow820 · 7 months
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仇夢に生きる拾遺 狩人たち
 爆ぜるように踏み込み、跳び上がる。そのすぐ下を細長い顎が地面を抉っていった。動揺はない。そうなるように誘導し、物の見事に正しく動いてくれただけ。半身を翻し、正対する。
 随分と機嫌が悪そうだ。と言って、その顔は殆どが黒く塗りつぶされているかのようだからあくまで予想でしかないが。
 禍者(まがもの)。
 人を、人のみを襲い、仇成す黒き化け物共。永くこの島国、葦宮(あしみや)を脅かし人に恐れ疎まれる存在。
 そして、我々にとっての金のなる木。
 頭を振る禍者は、今回は山犬の姿をしている。連中は決まった形を持たない。だが、人の理解が及ぶ生き物の形を必ずとって現れる。たまに下手くそな――脚や頭の数を間違えるような――奴もいるが、今回のに限って言えば、外側はそれなりに上手く取り繕っている。少なくともその輪郭は山犬そのものである。地面を抉った際に口に入ったのであろう土塊を吐き出し、体勢を低くする。来るか。刀を握る右手に力が籠もる。視線は禍者に向けたまま、頭は忙しなく思考する。身体に染み込ませた数多の剣の型。今の状況の最適解は何れか。眼前の化け物の蠢きを見ながら選択して、備える。こちらからは動かない。動いたところを、斬り捨てる。
 果たして、その瞬間は程なくして訪れた。
 跳ねるように此方へ突進してくる禍者。大きく開かれた顎から唾液が溢れ、いやに大きな牙がぎらりと月光に煌めく。両の足で地面を踏み締める。受け止めるのだ。生半可な体勢では撥ね飛ばされるのは此方である。無論、ただでは受け止めない。間合い。彼我の距離。己の切っ先の届く瞬間を、見極める。
 刹那。
 下げていた切っ先を跳ね上げ、真横へ振るう。開かれた禍者の口腔が切っ先に裂かれる。掛かる突進の圧を逃がしながら真一文字に刀を振り切れば、身体の横を禍者の残骸が転げていった。最後か。否。手の中で刀をくるりと回し、そのまま背後へ深く刺し込む。温い手応え。痙攣と、生温かい液体の感触を味わいながら抜けば、どさりと禍者が倒れる音がした。一体ではなかったらしい。背後にちらりと目をやりながら、血振るいして納刀。
 何とはなしに予感がして、一歩、横にずれる。
「ちっ」
 舌打ち。当然、自分の物ではない。同時にずたぼろになった禍者の死骸が足下に転がってきたが、驚きはなかった。それくらいはやるだろう。奴なら。
「何で避けちまうかなあ」
 至極残念だ、と言わんばかりの非難がましい声色。
「避けなきゃ怒るんだろ?」
「あんなもん避けれねえ奴と手を組む価値はねえよ、くそったれ」
 流れるような罵倒と共に奴は――帯鉄菱(おびがねひし)は目を眇めて凶悪に笑った。
 
 
   ・・・・・
 
 
 滑稽な程に大仰な村長の礼を聞きながら努めてにこやかに禍者退治の報酬を受け取る。感謝の念も、言葉も所詮は報奨金の添え物でしかなく、とどのつまり、相応の金さえ貰えればそれ以外はどうだって構わないのが正直な所である。流石にそんなことを顔に出しはしないが。
 だから隣で至極退屈だという表情をしている菱の脇腹を小突く。残念ながらそうした機微を理解するつもりのない菱については、都度一瞬の取り繕いに期待するしかない。
 折角なのでと村への滞在を勧めてくる村長の言葉をこれまた努めてやんわりと断り、村を後にする。金さえ貰えれば長居は無用だった。
「しけてんな」
「妥当だろう」
 早速ケチを付ける菱にため息。この男はなにかしら文句を吐かないと気が済まないらしい。
「わざわざあんなド田舎までこっちは行ってやってんだ。手間賃くらい色付けろってんだよ」
「わざわざド田舎まで行かないと仕事がない、の間違いだろう。相応の報酬が貰えるだけで十分だ」
「世知辛いねえ……」
 ふん、と鼻を鳴らす菱。
 まあ、菱の嘆く気持ちも正直分からなくはない。
 禍者という化け物蔓延るこの島国においては、逆に人間同士の争いは少ない。あって小競り合い程度。そうなれば俺たちのようなただ腕っ節に自信のあるだけの連中の仕事は、化け物退治くらいしかないのだ。同業者は星の数ほどいる。徒党も組まずに腐れ縁で繋がっているだけの無名の剣士に頼むような人間は、潤沢に退治屋のいる現状では悲しいかな、こちらから見付けてやらなければならないのだ。
「ま、結局は足で探すしかないな」
 だから菱も、嫌な顔はするが明確に否定はしない。なんだかんだでもう、つるみ始めてそれなりの期間になる。現状も、互いのやり方も承知はしているつもりだった。
 
 
   ・・・・・
 
 
「ああ、駄目じゃねえか」
 大仰な菱の悪態に足を止める。
 依頼人捜しに山へ分け入っている最中のことだ。この近くに村がある筈だ、と言う菱の言葉を信じてのことだったが、当の本人がくそったれ、と苦々しげに頭を掻いていた。
「見ろよ、一将(かずまさ)」
 顎がしゃくられる。その先へ視線を向けて、ああ、と思わず嘆息が漏れた。
「この村、守手(もりて)持ちか」
「こんな田舎くんだりにな」
 恐らくは村へと続いているのだろう、森の中に作られた細い道。その両脇に立ち並ぶ木々には幾枚もの札が貼られていた。秘伝の技法によって梳かれた、雨風にも強い特殊な紙の上には複雑な図柄と文字。間違いなく、超常の業を使う呪術師の物だった。
「禍者除けの札に間違いないだろうな。ここまでご苦労なこったなあ」
「呑気言うんじゃねえよ。折角ここまで来たってのに……」
 この小さな島国、葦宮には古くから呪術と呼称される業がある。時に雨を呼び、時に病を退ける、尋常を生きる者には決して成し得ぬ不可思議を成すその業は、呪術師から呪術師へ脈々と受け継がれているという。ただ、そんな謂われに反して存外に呪術師は見かけることは少なくない。剣の流派のように、分派やら何やらで数は増えているらしい――知人の呪術師から聞いた程度だが。
 ともかく、そんな現状だからか、呪術師も禍者狩りに手を出している者が多いのだ。特に、特定の村や町に拠点を置き、用心棒となる者が。守手と呼ばれる彼らは兎角、流れの禍者の狩人にとっては厄介者だ。あらかじめ呪術によって禍者の入らぬように結界を仕込み、有事とあらばお得意の呪術でもって��やかに禍者や時にはならず者をも退ける。守手のいる所、流れの狩人などお払い箱も良いところなのだ。
「しかしまあ、流石に食料の調達はいるしなあ。立ち寄るだけ立ち寄ろう」
「げ」
 見るからに嫌そうな顔を作る菱に同じく渋面を作ってみせる。
「てめえは呪術師のいる村に助けて貰って構わねえってのかよ」
「構わんよ、別に」
 癪だと言うだけだろうと言えば、舌打ちをして余所を向いた。図星なのだろう。苛立ちの捌け口程度だ。食料やらが尽きかけているのは事実であるし、それをどうにかするには如何に苦手に思っていようが呪術師のいるであろう村を頼る他ないのだ。禍者除けの札が所狭しと張られた道を進んでいく。
 しかし。
 歩みを進める内。
 違和を、その道に覚えた。
「菱」
「……んだよ」
「気付いているか」
「札が古いってんならとっくに気付いているよ」
 不貞腐れたような色は既に菱の表情にない。素早く周囲を見回し、目を眇める。
「どうにも、呪術師の仕業にしちゃあ、お粗末だ」
 初めは気付かなかった。
 しかし、こうして道を進み、じっくりと貼られた札を見ていけば分かる。特殊な技術で梳かれた筈の紙は黄色く変色し、物によっては裂けたり破れたりもしている。生憎と呪術に詳しくはないが、こんなに薄汚れていては効果なぞ期待出来ないのではなかろうか。菱も同じようなことを思ったのだろう。何があってもいいように、その手は腰の刀に添えられていた。
 その危惧が現実のものとなるのに、時間はそう必要なかった。
 どちらともなく刀を抜き、振るう。
 どちゃり、と足元に禍者の亡骸が転がった。
「おいおい……本当に機能してねえじゃねえかよ」
「守手の手落ち、ではなさそうだな」
 互いに顔を見合わせ、村への道を走る。
 この地に守手の結界は、既にない。
 
 
   ・・・・・
 
 
 守手のいる筈の村は、惨憺たる有様だった。
 村の家屋はどれもが大なり小なり損傷を受けていて、畑の作物は食い荒らされはしていなかったが、無意味に掘り返された跡が幾つもある。禍者は人間以外を喰らわない。ただ、暴れただけの痕跡。夥しく残る獣の足跡の合間に見付けた紙切れを摘み上げる。村を守っていた筈の札の切れっ端だった。
 当然、そこに住まう村人たちが無傷の筈もない。
 比較的まともな家に一所に集められた人々の多数――大人の男たちが筆頭だ――は何処かに傷を負い、酷い者は俺たちが訪った時点で顔色を白くしていた。血を流し過ぎているのだ。
「で、何事だ、この有様は」
 絶望や怯え、恐れに口を噤んでしまった者には目もくれず、恐らくはこの村の長であろう一等歳上の男の前に菱は座った。下手に遠慮をしない質なのはこういう時に有用だ。
「結界はない、守手もいないじゃそりゃあ禍者の良い餌だ。その癖半端に守手の残骸ばかりがありやがる。一体何があった」
「儂らが聞きたいくらいじゃ」
 疲弊のありありと滲んだ顔を隠しもせずに村長は大きな息を吐いた。
「主らの言うように、元々は守手様が此処にはおった。じゃが、何日か前から、姿が見えなくなってしもうた。何もかも置いたままでな」 
「喰われたのか?」
「あの方は禍者には滅法強かった。一度たりとも圧倒されたことはなかった。そんなことはあり得ぬ……と思う」
「なら……成る程ねえ……」
 幾つかのやり取りを終えた後、菱は唐突に立ち上がり、こちらへ向かって目配せした。差し詰め着いて来い、だろうか。菱に従って一旦家を出る。疲れ果てた人々は追いすがりもせず、ただ黙ってこちらに視線を投げるだけだった。
「また妙なことになった村だな」
 家を出て早々素直な感想を放ってみる。守手が元々いたことで、不在の今、却って大きな混乱に繋がっているのだろう。信じていた守りが崩れる恐怖は如何ほどだろうか。そんなことを考えていると、菱はけっ、と顔を顰めてみせた。
「妙なんてもんかよ、糞が」
 視線をそれとなく巡らせて、菱は人々の集まる家から離れる。他人には聞かれたくないらしい。結局、少し距離を置いた木立の中、背を木に預けて菱は気怠げにこちらに視線を寄越した。
「面倒な場所だぜ、此処」
「面倒と来たか」
「呪術師狩りって奴だぜ、ありゃあ」
 やだやだと菱が頭を振る。
「噂にゃ聞いたことあんだろ」
「ああ、某かが全国の呪術師を消して回っているって話だったか」
 知り合いに聞いたことがある。ある日突然、力ある筈の呪術師が忽然と姿を消してしまう。争いの痕跡もなく、ただ姿だけが見えなくなる。���胞もそうやって何人か消えたと、知り合いは語っていたか。あれは禍者の仕業ではない、とも。
「おう。それでな、良いことを教えてやろう」
 木に凭れ、天を仰いで菱は大きなため息を吐く。
「あれはな、お偉いさんがやってんのよ」
「ほう」
「呑気な返事しやがって」
「とは言え、現実味がなくてなあ」
「……まあ、呪術師じゃなけりゃそうなるか」
 苦笑。菱にしては珍しい、微妙な表情だった。
「お前とも長いし、こういうのに直面するのは今後もあるだろうしゲロっちまうけどさ、俺ん家、それなりにやんごとなき家柄って奴でよ。そん中のほんの一握り、まあ俺みたく腕の良い奴よ、そういう奴に話が来る訳」
 その刀の腕でもって、世の呪術師を狩り尽くせ。
「まるで禍者と同じ扱いだな、その言い草は」
「おうよ。理由は知らねえがお偉いさんにとっちゃ一緒らしいぜ。連中は人々を禍者から守ってんのに、ひっでえ話だよなあ」
「お前が家を出た理由か?」
「あ? んなのなくっても出てってたよ。あんな辛気くせえ家、俺の肌にゃあわねえっての。ま、その話にいよいよ阿呆らしくなったってのはあるかもな」
 大欠伸。それから大きく伸びをして、菱は少し姿勢を正す。
「そんでだ。面倒ってのは、お偉いさんは呪術師も、呪術師をありがたがる連中も嫌ってるらしいことだな。そんで、此処の呪術師は狩られたてほやっほやだ」
「……この村が今まさに目を付けられているっていうことか」
「話が早くて良いねえ」
 にんまり、と口の端を吊り上げて菱が嗤う。
「お偉いさんってのは怖えぞ。何でもしちまうんだ。くそったれな手前勝手な理由で、他のもんを滅茶苦茶に出来ちまう。でかい街ならともかく、こんな小っせえ村、どうされたって誰にもばれやしねえ。そんでもって、お誂え向きにこういう、都合の悪い話を知っている跳ねっ返りもいると来た」
 どうすると思う?
 問われるまでもないだろう。菱の話が本当とするのなら、如何な理由とは言え、人の命を狩ることを躊躇わない連中が、この村の近くにいるとすれば。
 思わず、ため息が漏れた。そのくらい、許してくれても良いだろう。
「……このまま山に消えるかなあ」
「次善だな」
「最善は?」
「俺を切り捨ててお前だけとんずら」
「それをさせる玉か? お前が?」
 腐れ縁なのだ、最早。この手練れの問題児と相対することと、幾許かの秘密の共有。どちらが己に有益かなど、火を見るより明らかだというのに。呆れて呟けば、菱はげらげらと笑った。
「そうしたら一生お前に付き纏ってやるよ」
「その方が余程が面倒だな。お前の言う次善が俺には最善だ。そういう判断が出来なきゃ怒るだろう、お前さんは」
「当たり前だ、くそったれ」
 心底愉快そうに笑う菱に肩を竦めて、村とは逆方向の鬱蒼と茂る森の中に足を向ける。
 当面は、まともな寝食は期待出来ないだろう。
 それでもまあ、生き抜くことくらいは出来る筈だ。
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cvhafepenguin · 9 months
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海石
海石は海に入るのが好きだ。
彼女の名前は海石と書いて「いくり」って読む。
海中の石って意味らしい。かわいいけど、なんだか暗くて冷たい響き。
そんな彼女の名前が僕は好きだ。
海石は度々海に入っては僕に海中で拾った石をくれる。夏は素潜り、夏が過ぎても磯や浅瀬で拾ってくる。
その石のいろやかたちはまちまちで、どうやらそれは海石のその時々の心情に対応しているらしかった。
僕と喧嘩した次の日は鋭利に角張っててスカスカの石。
海石の家で介護しているおばあちゃんにいじめられた日は海藻だらけでぬめぬめの石。
初めてキスした日は薄くて平らな灰色の石。
初めてセックスした日はフジツボだらけのいびつな石。
日にひとつ、海石は僕に石をくれる。
僕はそれを持ち帰って部屋にかざる。
海石が海に入り出してから7年、僕の部屋は海石だらけになっていた。
潮に侵食された独特な形の、貝や海藻がひっついたそれらに囲まれ、
部屋にいながらにして僕は海石の作り出した海の底に沈んでいるみたいだった。
そしてそんな想像にふけると時間が止まり、ふさぎがちな僕の心は休まるのだった。
僕は時折それらの海石を眺め、愛撫し、味わってみる。
するとその石を拾ったときの海石の心を、海石のゆらぎを感じる。それからやがて朝靄のように、海石の体温が、匂いが、あらわれる。
背筋がぞくっとして鳥肌が立つ。射精のそれとは質が違うけれどたしかにそれは甘いエクスタシーだ。それは脊柱をひた走る潮騒のメロディだ。
海石が産み僕が奏でるフレーズ、僕と海石は混ざり合いひとつとなる。
僕は両親の言うまま来年の冬に東京の大学を受験することにした。
両親のいない海石は、要介護者のおばあちゃんを残して島を出て東京に越すことはできない。
僕が合格すれば僕たちははなればなれだ。けれど「これからどうしようか」というふうな話をすることを僕と海石は無意識に避けている。
僕たちはいつもそうだ。2人ははかない影法師のように、所在なくゆれていた。
つばさは海に入るのを嫌う。
それはつばさが8歳のとき、飼い犬のチロがつばさの目の前で高波に攫われてしまったから。
それ以来、つばさは海を遠ざけてしまった。
つばさが1歳のときにチロはつばさの家へやってきた。友達も兄妹もいないつばさにとって、チロは唯一無二の友だちだった。
そしてつばさ同様に兄妹も友達もいない私は、いつもそんなつばさとチロの後ろをなんとなくついて回っていた。
私も私の両親もチロが大好きだった。けれど私は海に入る。私は海が好きだ。
初めて海で石を拾ったのは小学4年生のときの7月、両親が私とおばあちゃんを棄てて行った日。
朝、両親の書き置きを読んだおばあちゃんは、居間の安楽椅子で壊れたロボットのように両親と私への恨み言を繰り返していた。
私は頭の奥がじいんと痺れて何も考えられなかった。家を飛び出しひたすらに海岸沿いを歩いた。
両親のことやおばあちゃんのことを考えようとしても、それは読みかたがわからない漢字のように、私の心の表面のところでぱちんと弾かれてしまう。 
がむしゃらに歩いていると、いつの間にかつばさがついてきていた。
「ついてこないで」
そう言って突き放してもつばさはついてくる。
私はそのときチロが死んでしまってから私に依存して付き纏うようになったつばさのことが急に疎ましくなった。
自分にはお父さんとお母さんがいるくせに、犬1匹死んだくらいでいつまでもしょげてるつばさが憎かった。
私はつばさから逃げるために海へ走った。
自分のなかのどろどろがけがらわしくてたまらなくて、つきまとうものを振り切るように浜から海へ飛び込んだ。
海は私を抱き、眼と耳を塞いだ。
瞼の裏で光を、肌で波を感じた。
ゆらゆら静かに手脚を遊ばせる。
ながれていたじかんが、とまる。
海から顔を出すとつばさが所在なさげにこっちを見ている。
「つばさも海に入れば」
呼びかけてもつばさは困惑した表情でただ立ち尽くしている。
私は足下の掌大の石を拾い、つばさ目がけて投げつけてやった。石はぼとんと鈍い音を立てつばさの足下に落ちた。
つばさは両手でそれを拾い、取り憑かれたようにまじまじと見つめていた。
その様子を見ているとふいに「「海石」という名前には海底から出ずる石という意味があるんだよ」と囁くお母さんの声を思い出した。
そして両親が出て行ってから初めて私は泣いた。
産声のような大きな声で、いっぱい泣いた。
つばさは石を持っている両腕を真っ直ぐにのばし、泣いている私にそれを重ねてじっと眺めていた。
いつものように僕と海石はほとんど話さずに、ただ海を見ている。
今日も海石は海に潜り石をくれた。それは灰と白のマーブル模様の、円くてすべすべの石だった。
僕はそれを受け取り海石の濡れた頬にキスをする。
「つばさは私がいなくなっても寂しくないよ」
横に座る海石が海を眺めながらぼそりと呟く。
それは僕に向けた言葉なのだろうが、海石自身に言い聞かせる調子を帯びているようにも感ぜられた。
しばらく間を置きまた海石は呟く。
「私、私がなぜ生きているのかずっとわからないんだ」
「だって私の世界には、私だけがいない」
僕はただ黙って海を見つめながら、海石の声を聞いていた。
夕陽が水平線に没しようとしている。
世界の終わりのような黄昏が僕たちを染めていた。
海石を見ると、その頬に涙の筋が光っている。
僕はきれいなそれを吸おうと、海石の頬に唇を寄せる。
海石は驚いて身体を逸らす。
とっさに僕は海石を逃がさまいと海石の両の手首を掴む。
僕のしるしを海石に残したい。
掴んだ両手にぐっと力を入れると、海石から「んっ」って声が漏れる。
それから僕は海石の耳を噛み、それから顔に、身体に、たくさん口付けをする。
そうしていると強張っている海石の身体がだんだんとほぐれていく。
海石はほんとうにかわいい。
僕はそんな海石を傷つけてやりたい。
海石の手首についた僕の指の跡を愛撫しながら、暗雲のように広がっていくそんな欲望に酔った。
いつの間にか黄昏は去り、潮は満ち、波の音はうるさくて、僕たちの頭上には明るい星空が広がっていた。
「ねえ海石」
「ん」
「僕が来年東京に越しても、僕に海石を拾って送ってくれないかな」
「受かってから言え」
僕と海石は膝を抱え、星空の下の明るい海をぼんやり眺めていた。
「私つばさがいらないって言ってもずっと渡すつもりだよ」
「いつかうっとうしくなって捨ててしまうかもしれないけど」
「海石は私が生きた証なんだ。いま、急にわかった」
「たとえ私が死んでしまっても、私が拾った海石はずっと地上にあるでしょう」
「そうだね」
「海石。僕、海石のことがすきだ」
「なにそれ初めて聞いた」
海石はそう言って照れ隠しのように僕抱きしめ口付けをした。
寄せては返す波の音と、いびつな僕たちの舌の絡む音だけが、夏の夜の匂いのなか響いていた。
私はたびたび海石を添えてつばさに手紙を送る。
その内容は簡潔だ。
「今日は海鳴りが聞こえました」
「しけで戸沢さんの漁船が転覆して大騒ぎでした」
「大きなマテ貝にたくさんのかにがむらがってました」
「昨日おばあちゃんが死にました」
「ダイビングライセンスを取ろうと思います」
「最近つばさの夢をよく見るよ」
 
つばさが東京に行ってから2年間、たびたび私はこんな日記のような手紙を拾った海石を添えて送った。
つばさからの返事はあったりなかったり。
つばさを思って手紙を綴るとき、私は海を感じる。そのことは私の生活をそっと撫でる安寧だった。
私とつばさは深い海の中で繋がっている。そしてだれも知らないところで互いの息遣いを感じている。
それが始まったのは梅雨のことだった。
朝、どうしても起きるのが嫌でベッドから出られなくてその日の講義をさぼった。
その次の日も何もやる気がなくてご飯を食べることすらしなかった。
そして僕は学校やバイトに行くのをやめた。
頭に冷たい砂がたくさん詰まっているような感覚があって何もできない。
僕から色と音が遠のいていく。世界はモノクロになってしまった。
母に促され精神科に行った。医者にありのままを話したところ、自立支援を受けることを勧められた。大学は休校することにした。
頭のなかの砂は東京に出たきた頃から徐々に詰まっていったように思う。
何が原因かはわからないし、興味はなかった。ただ砂はぼくの体温を奪い、それから筋肉を硬直させ表情も奪い、次第に五感を麻痺させていった。
全てがどうでもよかった。
なにもかも古い絵本のように色褪せていた。
僕の当事者性は影の裏の月のように隠れてしまった。
海石へ手紙を返すのも億劫で、ほったらかしにしていた。
けれど海石は僕に海石を添えた手紙を送り続けた。
そのことを考えるとなぜだか僕は悲しくなって泣いてしまう。
そんな時は海石をひとつ胸に抱いて寝た。冷たくて、ずしんと重くて、たましいを感じる。
まどろみのなかゆめとうつつがないまぜになり曖昧になっていく。
ずっと外へ出ずに最低限の用事だけしてあとは薬を飲んで泥のように眠っていた。
昼も夜もなく意識は暗いもやのなかを彷徨っていた。
ひねもす海石に囲まれた孤独な海の底で本を読むようにその海石ごとの海石のことを回想した。
それは自分自身の記憶よりリアルで、現実世界よりも色彩が豊かだ。
やがて僕は海石の海に溶けて散り散りになっていく。
インターホンが鳴っている。
実家から食糧と水の仕送りだろうか、玄関まで移動するのも億劫だけど重い身体を引きずって何とかドアを開ける。
そこに立っていたのは配達員ではなく海石だった。
「手紙もメッセージもぜんぜん返ってこないからつばさのお母さんにどうしたのって聞いたよ」
「今日ずっと寝てたの?」
「部屋真っ暗だね」
「上��っていい?」
海石は部屋に入る��りリュックから水筒と��ンビニのおにぎりをテーブルに出し座って食べ始めた。
「今日何も食べてなくておなかすいてたんだー」
「海石、髪伸びたね」
「つばさもね、短いのと長いのどっちが好き?」
海石は自分のもみあげをひょいと摘んでにこやかだ。
「いまのほうがいい」
「じゃ、このままにしとく。仕事のときうっとうしいけど」
「最近仕事のほうはどう」
「楽しいよ、私海に入るの好きだし。スキューバ体験の人を海に案内するのってなんだか友達を私の地元に案内するような気分。私は沢山のことを海の中で考えたから、故郷みたいなもんだね」
「うん、そうだね」
「つばさの部屋に入るなんていつぶりかな」
「薄暗いし私の石の囲まれて海底みたいだね」
「たしかに」
「今日泊まっていい?」
「うん」
海石と少し近所を歩き、鄙びた商店街のスーパーで買い物をして、2人でカレーを作って食べた。
海石はじゃがいもやにんじんの皮を剥かずに入れた。
そのことを知って海石の海がまた少し深くなる。
部屋のまんなかにマットレスを敷き、そこに海石を寝かせた。
僕はその隣に毛布を敷き仰向けになる。
薄暗い部屋で2人呆然と天井を眺めていた。
暗闇に徐々に眼が慣れてくる。
遠くでかすかに電車の走行音が聞こえる。
部屋に配置された海石がぼんやりと光っている。
隣で海石は起きてるのだか眠っているのだか、よくわからない感じ。
僕の心にだんだんと淡い感情が降り積もっていく。
僕は海石をひとつ指差して「あれは初めてキスをした日の海石」と呟いた。
それからぼくはぽつりぽつりとそれを続けて行く。
 
「あれは2人乗りで「みけや」にラーメンを食べに行った日の海石」
「あれは喧嘩のあと仲直りした日の海石」
「あれはダイビングライセンスを取った日の海石」
「あれはおばあちゃんが亡くなった日の海石」
「あれは海石が僕に最初にくれた海石」
僕は人差し指で星座を結んでいく、その星座にはかすかでほわんとした物語がある。
「よくそんなの覚えてるね」
「私ぜんぜん覚えてないや、つばさ、きもちわるい」
「全部覚えてるよ」
僕は心の中でそうとなえた。
海石から生まれたささやかな海の水底に僕たちは沈んでいる。
やがて海石は微かな潮騒のような寝息を立て始めた。
僕は水底で色々なことを思い出す。
海石とチロと浜を歩いたこと。
チロが目の前で波に攫われたこと。
海石の両親やおばあちゃんのこと。
あの日黄昏に染まる海石の泣く顔がとてもきれいだったこと。
それらはみな、彼方へ去り永遠となったものたちだった。
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mame7ta · 9 months
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こんにちわ今日は8月8日です。二十四節気の内の立秋ですね。後、蛸🐙の日広島の三原市観光協会が平成8年8月8日よりタコの名産地でタコの足が8本あるために蛸供養を始めたことから蛸のひになってます。蛸は、半夏生の日にたべるといいといわへまさね。半夏生は、7月2日頃の雑節の一つで半夏という生薬が生えてくることから半夏生となりました。またこの時は稲が根が根づくころで蛸足のようにしっかり根を生やしてほしいことから蛸を食べると良いと言われます。香川地方では小麦ができる頃で半夏生は、うどんを食べるそうです。暦の上では、秋庭の畑も秋植え野菜が増えてきました。今日は生憎の雨、里芋の葉の上に水たまりか出来てました。また、秋植えの苗もだいぶできました。種もダイソーで仕入れました。秋植え全部蒔けるかな?🐱😀🐱
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mori3322 · 10 months
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グリダニアは雨が多い。森林と河川が切り拓かれることなく、国家政策によって頑なに守られ続けるこの湿潤な土地には、その豊かな自然体系を育む緩やかな恵雨が頻繁にもたらされる。
とはいえ、全ての生き物が雨を喜ぶとは限らない。少なくとも「蝙蝠」にとって、今日の雨は災難のひとつだった。
その日の蝙蝠は運搬作業を頼まれていた。木箱入りの物資を指定の場所まで運ぶことを、日が暮れるまで繰り返さなければならない仕事だった。肉体労働であり、決して楽な仕事ではなかったが、誰であれ、仕事をこなせば給与を弾むという雇い主の物言いを聞いて、蝙蝠は尽力して数をこなそうとした。
雇い主は若い子が来てくれて嬉しいだの、このまま社員にならないかだのと調子のいいことを言う壮年の男だった。蝙蝠はなんと返して良いのかわからず、愛想笑いをしてその場を誤魔化していたが、騒がしいほどだった雇い主の態度は、正午を過ぎて休憩を挟もうと思った頃に急変した。
雇い主は蝙蝠をひとり戸建ての扉前に呼び出し、戸の隙間から体の半分を隠し、睨め付けるようにして言った。
「悪いがあんた帰ってくれ、もう気が変わったんでね」
蝙蝠は最初、何と言われたのかわからず狼狽した。困惑と驚きが喉に詰まり、舌がうまくまわらなかった。
「あの、……え、あの、い、いったい、どういうことですか?その、日が暮れるまで仕事をするというご契約でしたが」
雇い主は目を細めて盛大に鼻で笑いかけた。そんなものを持ちかけた覚えはないとでも言わんばかりに肩をすくめた。
「だから、もう帰ってくれ。働いた分の給料はくれてやるから。仲間から聞いたんだ。あんたみたいな人を、うちで働かせるわけにはいかないんだよ。」
蝙蝠は胸から下にかけての血が冷えるように感じた。肺が潰されるような痛みを感じ、足はたちまち震えてきた。蝙蝠はこの雇い主のような振る舞いには覚えがあった。実のところ、蝙蝠はこうした態度の人物にこの先何を言われる��、「蝙蝠」はたいがいの目星はついていたが、それでも尋ねずにはいられなくて声を出した。
「何を誰に聞いたというんですか。僕は、ただしい仕事でお金がもらえると聞いて、志願したつもりだったのですが」
「"ただしい仕事"ねえ。ああ、まあ、ここは確かにまっとうな仕事場だよ。」雇い主は口端を釣り上げて笑った。その相貌は笑ってはいなかった。
「誰が知らせたかをあんたに教えるわけにはいかないな。あんた、洞窟の蝙蝠だろう。それに、仲間から聞いたが、どうやら名前もあんたらの古い言葉でそのまんま"蝙蝠"らしいな。俺のだちはなあ、蝙蝠どもに、商品を馬車ごと奪われたことがあるんだよ。わかるか?その悔しさが。俺のだちが、その後どれだけ苦労したか、知らないだろ?あんたらはそういうのを何とも思ってないんだろうが。それにあんたの肌の色は………」
間髪も入れずにまくしたてる雇い主の声は、そのうちに何か恐ろしいばかりの音になって蝙蝠を囲い込み、ぐるぐると巡り出し始めた。ように感じた。蝙蝠は何とか言葉を搾り出そうとした。
「その。あなたのご友人に起こったことは、とても残念なことだとお察しします。でも、その…でも…僕は…」
次の言葉に迷っているうちに、雇い主は踵を返し、乱暴な音を立てて扉を閉めた。音の大きさに身をすくめて固まる蝙蝠をよそに、雇い主はふたたび、腕が通る程度に扉を開け、蝙蝠の胸元に、彼の手のひらにも満たない小さな麻袋を投げつけた。麻袋は金物がこすれる音を立てて地に落ちた。蝙蝠は肋骨に響くような痛みを感じた。
「悪いけど、文句ならあんたらのお仲間に言ってくれないか。こっちにだって暮らしというものはあるんだ」
それだけ言うと、雇い主は今度こそ扉を永久に閉めてしまった。蝙蝠は呆然と扉を眺めることしかできなかった。悲しみより驚きが強いばっかりに、涙はひとつも出なかった。
蝙蝠は煮えたぎるような店主の憎悪に満ちたまなざしを思い出し、それから馬車を襲う野盗の姿を思った。どんな姿かなど疑問に思うことはない。こそこそと群れあって茂みに隠れ、道ゆく他人に飛びかかっては金品や衣服を剥ぎ取る……彼らは罪悪感などとうの昔に擦り切れていて、むしろ社会を逸脱することに誇りすら感じている……
蝙蝠は彼らを知っていた。そんなやり口も、そんな思考も、かつて己の家族だった連中のものだ。でも今は違う。蝙蝠は、家族たちがうんざりするほど嫌いだった。少なくとも蝙蝠は、家族の輪から逃れるために、どす暗い地下を出てきたのだった。
だから己には仲間なんていない。ナイフの鋭さや、奪った金銀財宝や、盗みの腕、嘘か真か今更判別すらできない、過去の栄光ばかりを褒め称え続けて暮らすような仲間からは、逃れてきたつもりだった。彼らのもとに帰ったところで、助けてくれないどころか、裏切り者として口汚なく己を罵るだろう。帰るなどとんでもない。帰る場所など蝙蝠には残されていなかった。
震える手で地に落ちた麻袋を拾う。中にはわずかな貨幣が入っていた。言われていた時給よりもずいぶん少ない金だった。
仕事の正当な対価では無かった。言われていた額でも無かった。
ため息をつきながらも、「蝙蝠」は背鞄から引っ張り出した財布に貨幣を入れ直す。これでは足りない。「蝙蝠」は残りの持ち金を眺めた。何とかしなければならないものはたくさんあった。護身用にもった杖は経年劣化で欠け、木肌はひびやささくれを起こしてしまっている。少しでも衝撃など受けたら今にも折れてしまいそうだった。手持ちの食料は乾物にした豆と果物、干し肉が三日分。すぐにでもまた買いだめしなければならない。
しかし文句を言おうにも、もう蝙蝠はすっかり疲れ切っていた。瓶から漏れ出す水のように、悲しみに任せて地に身を広げて倒れてしまいたかった。かろうじて、扉に背を向けて歩きはじめることはできた。その場に崩れ落ちて泣くようなのはなけなしのプライドが許さなかった。
どうやらまだやれるようだ。歩き出してしまえば、足はさほどに重くはなかった。
まあ、まだやれるのだ。あと一ヶ月くらいなら、毎日宿屋に泊まれるようなお金だって残っている。カフェで一夜を明かせば節約できる。晴れた日には野宿ができるはずだ。食事を一日一回、働いているときだけに減らせば、なんとかなる……
本当にそうだろうか?でも、なんとかするしかない。
野宿をすればいいだろうか?と考えた矢先、雨がとつとつと降ってきた。
それは恵雨というには、今の蝙蝠には冷た過ぎ��。
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【新潟県謡曲古跡めぐり中越編】3箇所目  2021/6/28
能「松山鏡」「田村」
鏡が池 《 十日町市松之山中尾 》 平安時代の話だという。歌人として有名な中納言大伴家持が、朝廷の命令で東夷征伐に向かった。文人として素晴らしい才能を持っていたが、弓矢を取っては素人の家持は、すっかり蝦夷に追いまくられて都に帰ったため、ついに引退を命じられた。
 家持はその後、諸国流浪の旅を続け、越後国松之山に落ち着いた。そして篠原形部左衛門と名乗って、ほそぼそと暮していた。
 形部左衛門には、妻と京子という娘があった。京子は気品のある美しい娘だった。一家は貧しくとも平和に暮らしていたが、そのうち妻が不治の病で倒れた。助からないと覚悟をした彼女はある日、娘京子を枕辺に呼んで、
 「母は、もう助かりません。この鏡を形見にあげますから、私を見たくなったらこの鏡を見なさい」
 といって、息を引き取った。
 ただでさえさびしい田舎暮らしに、母を失った京子は悲しみに堪えきれず、毎日鏡を持って近くの池のほとりにたたずみ、鏡に映る自分の顔を母の顔だと思って泣き悲しんでいた。
 その後、形部左衛門は、ある人の世話で地元から後妻をもらった。その後妻は悪い女で京子を憎み、夫の留守をねらって京子をいじめた。それでも京子は自分の尽し方が悪いのだと思い、一生懸命に真心をもって仕えた。しかし後妻の非道は、ますますひどくなるばかりだった。
 ある夜、恋しい実母が枕辺に立って京子を招いた。京子は、その後について行くと、池のほとりまで来た。
 ふと池の面を見ると、母の姿が水の上にありありと映った。京子はあまりのなつかしさに鏡を抱きしめ、池の中へ飛び込んでしまった。
 それから何年かたったある日、東夷征伐に来た坂上田村麻呂が、形部左衛門と名���っている家持をたずねた。久しぶりに会った二人は、夜の更けるのを忘れて話し合った。その時、家持の詠んだのが、
  鵲(かささぎ)の渡せし橋におく霜の
     白きを見れば夜ぞ更けるにける
 という名歌といわれる。
 その後、都に帰った田村麻呂のとりなしで、家持も都に帰り重要な官職につくことができた。
後妻は京子が池に身を沈めてから自分の非を悟り、夫と別れてその地に残り黒髪を剃って尼になった。そして、家持が秘蔵していた観音像をもらって池のほとりに草庵を建て、京子の菩提を弔いながら読経三昧の生活を送り、六十六歳まで生きたという。
 今も、この物語を秘めた中尾集落に、「鏡ヶ池」「お京塚」「形部屋敷」などの古跡が残っている。
 また、京子が投身自殺した鏡ヶ池の浮き島に、京子が投身する時持っていた鏡の裏に彫刻してあった、赤い花の水仙が化生したと伝えられる水仙が繁茂していたが、明治の末ごろ、酒に酔った若者によって枯らされ今はないという。
この伝説が、明治時代にドイツ語に翻訳され、「世界童話集」に収録された。そして、後に尋常小学校の教科書に載り、また謡曲や落語「松山鏡」としても親しまれるようになった。 また、鈴木牧之も『北越雪譜』の中の「菱山の奇事」で「松山鏡」について触れている。 永い間に数度の地すべりによって変容し、当時の様子を変えてしまったが、「松山鏡」を後世に伝える為、池畔近くにある、樹齢約1000年の大杉(県指定文化財、通称亀杉)があり、その昔を物語っていたが、豪雨の影響などにより、平成23年(2011)8月2日 夜9時頃倒壊してしまった。
家持の万葉歌碑があって、三首の和歌が書かれています。
あしひきの山桜花 ひと目だに  君とし見れば吾恋ひめやも
吾が宿の萩咲きにけり 秋風の  吹かむを待たば いと遠みかも
かささぎの渡せる橋に おく霜の  白きを見れば夜ぞふけにける  この松山鏡の話は、能以外に���唄としてもあり、明治34年(1901)には「孝子の鑑」として、尋常小学校国語読本に紹介されています。
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endekashi · 1 year
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立山撮影会 Feat. 伊藤剛
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photo by Go Ito
4/30,5/1と立山へ行ってまいりました。今回はなんとあのプロカメラマン、伊藤剛君を招いての撮影会ツアーです。剛君の何がすごいって、白馬のスナックであの細川たかし氏の生歌を聴いている程の実力です。 
冗談はさておき、本当にかっこいい写真をとる男なんで是非彼のインスタをチェケってください。
土砂降りスタートで始まったツアー、果たして撮影会はうまくいったのでしょうか。
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30日の早朝、というより深夜、伊藤剛、テールガイドの川上豪のWゴウを引き連れ、暴風雨の中、北陸道を爆走してました。
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なぜなら今回はゲストのリクエストで、富山から立山へ行ってみたいと。俺も富山から行った事ないので喜んで引き受けました。あと、帰りにあわよくば寿司を奢ってもらえるという、邪な考えがなかったといえば嘘になります。
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一時間弱、電車に揺られケーブルカーへ。こっちのケーブルカーは後ろに滑車がついてるんすね。車内のアナウンスによると、なんでも黒部ダム建設時に資材を運んだとか。ん?でもその頃って大観峰とか黒部平駅ってあったのかな?どうやって室堂からあのダムのあたりまで資材を運んだのでしょうか。気になるぜ。
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電車〜ケーブルカー〜バスの接続もとってもスムースでとっても楽。生憎の天候で滝はおろか周りの景色も全然見えなかったので、一時起床の我々はセカンドでイントゥーザドリームしました。あ、秒で夢の中ね。
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恐ろしくスムースに室堂到着。しかし外は暴風雨。とても気軽に出れたもんじゃございません。
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ひとまずそばを喰らう。あの妙に美味い駅そば系のやつです。
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布施君を始め、みんな雨が止むのをターミナルで待っていました。
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インドに行った人に聞いた話、インドではその辺でよく人が寝ているとのことでしたが、室堂も例外ではないようです。
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昼前にようやく風も収まり、雨も止んできたので雷鳥荘へ。
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立山の鳩にも軽く挨拶。お邪魔しやす。
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今日は夕日に照準を合わせて動こうという事で、しばらく待機が決まった瞬間、早くもアルコールをぶち込む不良ゲスト達。
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雨は完全に上がり視界も回復してきたのでそろそろ動きますか。
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ひとまず短い斜面を味見。
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雨のおかげで走るザラメ。こいつはいいぞ。
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よーしまずは様子見で、軽く登ってみよー!!
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photo by Go Ito
さて、ここからプロの写真をお楽しみください。
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雨の縦溝もそれほどひどくなさそうです。
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おーし、ちょいと味見してみましょうか。
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photo by Go Ito
ヒュ〜〜〜。
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photo by Go Ito
流石、かっこよく撮りますねえ。
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photo by Go Ito
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photo by Go Ito
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photo by Go Ito
トーシロとの違いをまざまざと見せつけられました。
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しかし未だに太陽は顔を出してくれません。
このまま晴れなかったらどうしよ〜。
まあ、それでも晴れると信じてもう一本行ってみましょう!
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登り始めて程なく、何やら雲の隙間から見覚えのあるシルエットが。
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おおお〜これはもしかしたらもしかする〜??
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キタコレ!!
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だから言ったじゃないの〜。夕方来るって!さっきまで超ソワソワしてたガイドはどこのどいつでしょう。
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photo by Go Ito
一同テンション爆上がりです。
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photo by Go Ito
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photo by Go Ito
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photo by Go Ito
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photo by Go Ito
みんな映画の主人公にでもなったかのような格好良さ増し増しな写真を撮ってもらっていました。
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実際の風景は、はい次の人どうぞ〜!と順番待ち制度で草。
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photo by Go Ito
お、またかっこいいアングルだねえ。
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でも実際はこんな感じ。こらこら、そいとこ写すのやめなさい。
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さて、偽装写真は充分撮れたのでそろそろ滑ってみましょうか!
いよいよ光もいい感じになってきそうですよ!!
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はい、渋い!
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剛君の指示で次々といい絵が産まれていきます。
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photo by Go Ito
これなんかもう。
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photo by Go Ito
もう余計な言葉はいらないですね。
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photo by Go Ito
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photo by Go Ito
あーーー。
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うわーー。
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photo by Go Ito
うわわわわわ。
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名作量産されました。
この他にもバンバンいい絵が撮れていますが紹介しきれません。
これがプロの実力ってやつか。
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素晴らしいひと時でしたー!!
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いつもは夕日といえばピンクに染まる西斜面が多かったんですけど。今回の剛君の狙いは光と陰を織り成す南斜面。かくして作戦は大成功。
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photo by Go Ito
宿への帰り道、刻々と変わる空の色が疲れを癒してくれました。
美味いビール飲んで、風呂入って、屁こいて寝ました。
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さて二日目。昨日のセッションですでに満足気味なゲスト達ですが、昨日の絵を越えるまでは無理だとしても、それに匹敵する絵が撮れるかもしれないある作戦を閃きました。
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それがこちら。今回の大雨により、窪地には池ができており、昨日、BCキャラバンとマウカアウトドアのコラボツアーでガイドの二人がチャレンジして大盛り上がりしたそうで。
水のスプレーを剛君に撮ってもらったら果たしてどんなの撮れるのでしょう!!
またテールガイドの豪君も結構ウォーターライドしてるのでいい先生もいる!こんな状況なかなかないしやるっきゃない!!落ちたらびしゃびしゃだけどそれはそれでいい絵が撮れそう!
不安もありつつもそれを越える期待でワクワク。しかし、ある一本の電話がその期待を一瞬にして絶望へと変えてくれました。
電話の相手は先述のマウカのイタル君。「隊長、今日、ウォーターライドしに行くって言ってましたけど、池が…ありません。」
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何を言っているのか理解できず、とりあえず外に出て己のまなこで現実を直視。あ…、あ、あ、あ、あ…。まるでドラゴンボールZのクリリンのような声しか出ません。恐らく溜まっていたのは雨水で一日経って雪の中に染み込んでしまったのでしょう。
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ショックを隠し切れない面々。
まあ、でもせっかくの天気なんで楽しみましょう!午後から崩れる予報なんで午前勝負です!
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今日は気温低めの予報。朝一は一番早く緩む東斜面から。予想通り適度に緩み走る雪で快適でした。
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目指すは小一時間歩いた先にある東斜面。
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なかなかシビアな登りです。
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そんじゃあ行ってみよー!!
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絶妙に緩んで綺麗なザラメで気持ちよか!!
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ボトムまで滑り込み、弁当食って登りかえし。
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登り返して剛君と合流する頃、雲もだいぶ増えてきました。
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光も入らないので撮影も無理だねって事で最後は盛大にパーティーラン!!
雪もいい状態で無茶気持ちのいい一本でした!!
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てなわけで、土砂降りのスタートでどうしようかと思ったツアーは結果的に大成功に終わりました!!
今回の教訓は雨の後の泉を発見したら直ちにやるべし!って事でした!!
ゲストの皆さん、Wゴウ君、お疲れ山でしたー!!&おしょっ様でしたー!!
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herbiemikeadamski · 1 year
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おはよう御座います🗻🦅🍆㊗️
GWの2日目になりますね🤣💦
ところが、生憎の☔️じゃないの
GWに雨ってなさそうな記憶です。
それに肌寒いじゃない🍧この頃
は、ライダー休業中ですので天気
のチェックも疎かで、熊本県から
帰って来てからは、もっぱら🚐
ドライバー化してしまい甘えて
居ます🤣😅🤣💦それに今朝飯
はデニーズでちゃんとした朝食。
しかも、旨すぎて、ご飯に海苔と
サニーサイドアップもおかわりw
食い過ぎてます🤣食欲旺盛🌲w
.
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昨日は、プチ旅行どころか近くw
一橋学園のKSCに行って来たよ。
国分寺駅と一橋学園の中間点かな
公共機関交通だと、ちょっと不便
ですが、車なら楽々デス🖐️それに
注射料金が安っ😅300円で済み
良いですよね⭕️帰り道でも近所
の駐車場で料金が1時間100円っ
て掲げてありかした💦良心的❤️
施設は、そんなに新しくはないが
こ綺麗で広々とし無駄なスペース
がゆったりとした安心感があるw
会員さんもノリが良くて良い人達
ですので気分が良い🙆「毎週来て
下さいよ」なんてリクエスト頂き
.
本当にありがたいお言葉に感銘し
マジで毎週行っちゃおうかなって
思ってしまいました💦したら土日
が全てT先生になってしまうじゃ
ないか🤣😆🤣ありですかね❤️
🛀お風呂も広々として悪くないし
考えてみましょうか💦次のイベント
も楽しみになりました♪って事で
GW初日は有意義に過ごせたよ🙆
帰り道は案の定で車が激混みでし
たので逆方向の左折して遠回りで
帰って来ました一橋学園駅踏切の
横を通過して来た事ない珍しい家
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とか店が沢山でしたし鈴木街道と
か初めて聞く名の通りで笑ったw
🏠新興住宅街なんでしょうね🏘️
それに目を奪われる👀ポスターが
至るところにありました。しかし
凄く共鳴せざるおえない名文句❓
「誰かが決めた未来はいらない」
これ、やっぱりあの事を指すの
なら凄く良い言葉だと思ったが
ポスターは公明党の物なんで違う
事かなって💦創価学会の建造物
も沢山あり公明党の縄張りなんで
しょうね🤣😆🤣でっ調べたら
去年の2022年の選挙の時のだと。
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#初日
#コナミスポーツクラブ一橋学園
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#2日目
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#サニーサイドアップ
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#公明党
#創価学会
#誰かが決めた未来はいらない
#グレートリセット
#コロ助騒動
#マスク禁止
#消毒無駄
#毒チン禁止
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