Tumgik
#ホルモン好きすぎる
oka-akina · 8 months
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キム・チョヨプ 「ローラ」
Web公開されていたキム・チョヨプ「ローラ」を読んだ。 https://www.hayakawabooks.com/n/nc2de6647aa5d?sub_rt=share_sb
新刊の短編集『この世界からはでていくけれど』の収録作で、2ヶ月間限定公開されているもの。前作『わたしたちが光の速さで進めないなら』がよかったので新刊も気になっている。 本作「ローラ」の「身体完全同一性障害」はトランスジェンダーを連想させると思う。そして「三本目の腕をつける手術」をトランスジェンダーのSRS(性別適合手術)のメタファーとして読む人がいるかもな…と思ってなんかこう読まれ方みたいなものを不安に思った。勝手に。 いやほんとすごく勝手な杞憂だと思うんだけど、思わずtwitterでの反応を検索してしまった。そしたら明らかなトランスヘイトを繰り返すアカウントが言及していて、「やっぱなー」と思った。もちろん、これをもって本作が有害とかまちがっているとかではないんだけど、わたしが勝手に不安になったり警戒したりしてしまうという話。 (余談だけど、そのヘイトを繰り返すアカウントを知ってる人たちがけっこうフォローしていてギョッとした。こういうとき、たんに元からの知り合いかどうかとかいうのはわからないので、これと同意見なんですか?と疑心暗鬼になってしまう)
なんていうか、SF作品の思考実験的な側面にときどきウッとなることがあって…。いやちょっとちがうか、作家並びにその作品を読む人々の思考実験的なことをやっていく手つきが、これは本当に自戒もこめてなんだけど、ちょっと怖いことがある。現実にある痛みや苦しみから着想を得てフィクションを作るとき、安全圏からオモチャにしていないか?エモ消費してないか?みたいなことでいつもとても悩む。これは原理原則で話してもしょうがなくて、個別の話だと思っている。 そして、作品の感想とかレビュー、あるいはニュースへの反応とかもそうだけど、感じたことを自分なりの言葉で言おうとするときってけっこうオーバーになりがちだと思う。人は創意工夫する。エコーチェンバーになりがちなSNSではとくにそうで、各自がオリジナリティのある、インパクトのある言葉で言おうとするとともすればチキンレースみたいになっちゃうから、それと作品の思考実験的な側面があわさると、けっこう怖い感じになるよなと思う。わたしはそういうノリが苦しくて、何かの感想を言うのがとても怖い。
ローラは十一歳のときに事故に遭って以来、現実には存在しない三本目の腕に激しい痛みを感じるようになった。どんなリハビリ治療も役に立たず、やがて三本目の腕を取り付ける手術をすることにし、恋人のジンはひどく困惑する。 「彼女は過剰四肢を自分だけの問題として抱え込み、ジンには長いこと三本目の腕の存在について話さず、機械の腕を取り付ける直前になってようやくすべてを通告した。」 ローラの内面を理解したいと思ったジンは、さまざまな文献を調べ、彼女と似たケースの人たちにインタビューし、《間違った地図》という本を出版する。 「《間違った地図》を書きながら、ジンはローラが経験している現象や、彼女の身体に内在する不快感を、少なくとも頭では受け入れられるようになった。しかし、それはまるで教科書のなかの文章を諳んじたり、数式を機械的に書き写すときみたいに、いつも上滑りして真の理解には至らないのだった。」 ローラの取り付けた三本目の腕はとても不便で奇妙な見た目で、主人公のジンは「いつまでも決して慣れることのない感触」だという。 終盤に「愛していてもついに理解できないものが、きっとあなたにもあるのではないでしょうか。」とあるように、本人の違和感を自分は理解できないけれど寄り添いたいのだといった気持ちが描かれる。で、それを現実のトランスジェンダー、とくにシスの人がトランスの人と向き合うときの気持ちに応用しちゃうと、ちょっと空回るように思った。
ジンの反応は、性別違和を告白された周囲の人の混乱に重なるものがある。ただトランスジェンダーのSRSはこういう感じではないよなと思う。 三本目の腕とちがって、SRSをおこなったかどうかってわかんない。服を着たらわからない。職場や地域で、あるいは近親者でも、相手の服を脱がせて「確認」する機会なんてそうそうない(トランスジェンダー男性の子宮摘出についていえば服脱いだってわかんない、見た目に変化はないんだから)。 見た目に変化があるのはホルモン、乳房の切除、あとはたんに服装とか。それについても、明らかにおかしいものを愛情でもって受け入れる…みたいな感じではないように思う。むしろ身近な人からするとほっとするというか、だよねって感じだと思う。本人の違和感や困りごとと擦り合わせていくような感じ。「三本目の腕を取り付ける」みたいな、それをする以前と以後がはっきりした作業ではないし、突飛なものでもない。うまく伝わんないと思うけど。これって「理解できる・できない」とかでもない気がしている。まして愛情の話でもない。
ちょっと嫌な話。 ツイッターで「自分も中学生のころ女だと思われたくなくてボーイッシュな服装をしたり自分のことを俺って言ったりしたけど、しばらくしたら落ち着いた。あれは勘違いだった。よくある中二病だった。あのころ慌てて自分をトランスジェンダーだと思い込んだら取り返しのつかないことになってた」みたいなつぶやきをしばしば見かける。いろんな人がいろんな言い方で言う。ひどい脅しだし揶揄だと思う。 あなたの人生にはそういうことがあったとして、それをもって他人を脅すのはだめじゃんか。そもそもそういう揺らぎを、中二病や黒歴史といったさも恥ずかしいみたいな語ににするのがまちがってんなって思うし。人生でそういう経験があったことをべつに恥じる必要はないし誤りでもないのであって。ましてや、他人の性自認(それもSNSやweb記事で見かけたとかのあなたに何の関係もない他人の)に「コメント」する際にもってくる話ではない。 人がなんとか擦り合わせようとやっている姿を不恰好みたいに嘲笑するのがほんとに嫌だ。他人の人生を関係ない人が勝手にジャッジし、それもまず見た目の観点からいちゃもんをつける。そしてこれに対抗しようとするとルックスがよきゃいいのかって感じになりがちでうーーんとなる。また、いろんな人がいろんな言い方で揶揄するというのは、思ったことを脊髄反射的につぶやきやすい、いっちょがみしやすいツイッターならではだとも思う。 本作から引用すると、 「もしも自分がその身体をおぞましく感じてしまったら、それは正しいことなのか、その人の変化をどう受け入れるべきなのかと、混乱しているようだった。」 「もう何年もの月日が経っていたが、ジンはいまだにローラの三本目の腕に慣れることができないでいるし、それを見るのは苦痛だった。」 みたいなあたりが、こういう嫌な話と接続してしまいそうでちょっと怖かった。
ただこういう話をすると、本作のよさや巧みさを損ないそうな気がしてなんか自分はうまく話せてないなーと思う。わたしはここのローラの言葉がいいなと思ったのね。 「ジン、あなたがそのすべてをやり遂げたことを思うと、わたしは嬉しいのと同時に悲しくもなるの。誰かのことを理解したくて、人は文章を書いたり、本を探して読んだり、頑張って想像を巡らせたりするけど、あなたのように世界中を旅して一冊の本を完成させる人はめったにいないと思う」「だけど、一つだけはっきりさせておきたいの。あなたはわたしのためじゃなく、あなた自身のためにその旅をしたのだということを」 これを踏まえると、愛するローラの奇妙な選択を理解はできないけどそれでも寄り添いたい…というジンの思い、作者はそれをまっすぐ善きものとしては書いていないんじゃないかなと思った。 愛しているのに理解できないと空回るマジョリティの陶酔、暴力性を描いているように思った。「間違った地図」というのはすごく傲慢な言い草だし、「愛していてもついに理解できない」というのは余計なお世話なんだよね。わたしはジンのいちいちが薄ら寒かった。「ジンに共感!」という話ではなくて「ジン、キモ、うぜえ」という話だと思ったの。 キモはさすがに言い過ぎかもだけど、でもこの「キモ」は読者にも向けられていると思う。本作を現実のマイノリティに重ねて読んでしまう読者の手つき。不可解で不恰好な選択をした人を愛情でもって受け入れつつあるという主人公に、読んだ人が想起し重ねるものは何か。想像することの傲慢さが突きつけられているのではないか。そこに本作の深みがあると思った。
いやまあわたしがそう受け取ったという話であって、誤読しているのかもなんだけどね。でもそう読むとしたらすごく挑戦的だし、一筋縄ではいかない作品だなあと思う。現実のマイノリティを想起させる作品なら主人公に共感できる話を書くほうが、あるいは「主人公、キモ」であってもはっきりとそう書くほうが安牌だと思うんだけど(いや安牌だと言い方がよくないかも…はっきりそう書くことの意義深さは確実にあり、そういう作品をわたしはとても必要としているので)、そうはしない本作の足腰の強さみたいなものに感嘆した。ゾクッとしたといってもいいかも。 勝手ながらわたしは読まれ方の不安みたいなものを思ったけど、それは作品の瑕疵ではなくて、ヘイトのはびこる今・ここに問題があるのだと思う。作品の外で作者がヘイトを言っていないかも気になってしまうし。小説を読んだり書いたりするわたしたちが試され、問われている。そういう怖さを感じる作品だった。
まーー自分の正直な感覚としては、これだけひどい状況の今においては、本作はちょっと怖いし難しいなとは思った。そしてマジョリティに向けられて書いたものではあるよなとも思うし。あと短編集の書籍を手に取ってその一編として読むのと、出版社が無料公開しているこれだけを読むのとでもちがうように思う。 たとえば『フィリックス エヴァー アフター』の冒頭、「トランスとノンバイナリーの若者たちへ きみは美しい。きみは大切。きみの存在は正しい。きみはパーフェクト」、これがどうしても必要な今においては、皮肉が成立しづらい。
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追記:11/4読書会 https://oka-akina.tumblr.com/post/733122949546180608/
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hibikore-archives · 3 months
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よしもとかよ 「日々是好日」。vol.128 ( 2024 / 2 /28 + 3 / 6 )
2024   28th february + 6th march  
M1 back to life (Giovanni Allevi)
  M2 yukidoke (Kayo)     M3 common threads (Bobby McFerrin)
  M4 蘇州夜曲 (Ann Sally)     M5 ヴェーリャ・グアルダへのオマージュ (Altamiro Carrilho)     M6 道行き (金延幸子)     M7 Asuncion (Felix Perez Cardozo)       M8 つきたちの花 (おおたか静流)      
[好日の素…脳を労うこと]   年明けからずっと 地震の影響で 何かと大変な状況が 北陸では続いており、 慣れない不便な生活で 疲れがたまっている方も 多いと思います。   それが、身体だけでなく 脳も疲れるときいて 調べてみたところ、 じぶんにもあてはまることが あって、 今回テーマにしてみようと思った次第。   身体が筋肉痛になるように、 一度に処理できない量の情報が 入ってくると、脳も 機能不全に陥ってしまうのだそう。
地震発生後に 被災地の情報などを ネットやスマホでいろいろ調べたり、といったことも 影響していそうです。
例えば、お買い物に行っても 何を買うんだったか思い出せなかったり、 店内を見て回っても 買いたいと思うものに 意識が向かなかったり…。 集中力が低下してぼんやりしてしまうなども。 そういったことを放置していると、 自律神経のトラブルにもつながってしまうそう。 これは気をつけないといけないですね…。   対策としては、 デジタル・デトックスや 休憩をこまめに取るといったこと、そして 何も考えない時間をつくると良いそうなんですが… 「何も考えない」って、実は意外に むずかしい! 以前番組で取り上げた「歩くこと」が 実はこの「何も考えない」ことにつながるそうで それならできるかな、と思ったり。   また、幸せホルモンと呼ばれる セロトニンという物質を増やすために ナッツや大豆を食べると良いらしい、という話も。 できそうなものから少しでも 実践してみようと思います。   そして、一日も早く 身体も脳も労って おだやかに過ごせるようになってほしいものです。   * * * * * * * * * * * [日々是食べたい!… おだまき ]
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  今回も フィーチャリング能登・北陸で お届けする当コーナー。 これまた大好きで タイトルどおり 日々食べたいもののひとつ、おだまきです。 麻糸を三角に束ねたものを おだまき、と呼ぶのですが 能登の宝達志水町は鎌倉時代に 麻糸(からむし)の生産が盛んだったことから そのかたちを模した伝統的なお菓子として 永く愛されているとのこと。
手にころんと乗るくらいのおおきさで 見た目も愛らしく、 もっちりとした食感で 食べ応えもありつつ、 しかし甘みがあっさりしているので ついつい2コ3コと 食べてしまうのです…!   また、フレーバーが多彩なことも魅力。 基本はあんこを包んだものですが、 生地によもぎが入ったものや 古代米の生地に くるみや味噌の風味のあんが 包まれているものなど、 また、地元特産のフルーツを使ったものなど さまざま。 栗、柚子、桜など 季節限定のおだまきや 限られたお店でしか買えないものも あるそう。   見て選んでたのしく 食べておいしい、能登の銘菓のひとつです。
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tokyomariegold · 1 month
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2023/12/18〜
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12月18日 来週の大阪旅行へ向けて心も身体も整えたいところ。 それでもやってきてしまった寒気に、朝はもうだめかも、と出勤して、してしまったら何とかなったり、何なら職場の方に他愛無い会話を持ちかけてしまったり、少し残ってお仕事をしてしまったりして、傘のかかった三日月をみてカメラを持ってくれば良かったと後悔をする余裕みたいなのを感じながら帰宅している。 でも本当のところの気持ちは(身体も?)全く余裕はない!
ニコンF100をカメラの修理に出したいのに、梱包材や緩衝材の準備が整わずに玄関に置きっぱなしになっている。
昨日のなんかもやもやが募ってTOEICの参考書関係を全部捨てた。 思ったよりすっきりした。
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12月19日 お仕事をしている時も生活をしている時も写真やインターネットのことをしている時も、自分の人生は他のところにあって、人生の内訳にそれらがないことに気がついて、今日は心ここに在らずで心地よく過ごした気がする。多分年末マジックです。
とにかく体調に気をつけたい。
久しぶりにカメラレンタルをすることにした。 受け取るために明日は1時間早く早退しないと思っている。 できると良いな。
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12月20日 カメラは近くのコンビニの受け取りボックスに納めてもらえることになって、でも色々するべき生活がありすぎて1時間早く帰っている。 半分の月が出ていて、今月の27日の、今年最後の満月に向けて準備中。
今日も瞬く間にめまぐるしくお仕事をして時間が過ぎていった。
通勤中にゴールデンウィークに奈良のホテルを2泊とってみた。半年��くても観光地はちゃんと繁忙期価格で、それでももう既に予約で埋まっている日もあって、ちゃんと生活の鬼(日々に追われ���のでなく追う側)をしている人達もいるんですね。
年賀状20枚宛名書きを終えて残り10枚。 まだ、た行だけれど足りるかな?
この機会にとクリーニングを出しに行くとお店のネオンサインだけ光ってシャッターが閉まっていた。初めて行くクリーニング屋さんだったけれど、クリーニング屋さんって水曜休みが多い気がする。
帰宅すると共用部の掃除が完了していて、濡れた廊下にamazonの置き配されていた。段ボールの底がしみしみでなんか最悪(しかも中身がお薬だったのでなんかちょっともっと最悪)。 うーん、と玄関に置いていた捨てられないガラクタ達(いただきものもあったり)を心を鬼にして捨ててみて少し諸々のやり切れなさに落とし所をつけてみた。こうゆう時の自分について傾向と対策を探し中。
スーパーに行くといつも走る息子を叱りながら買い物している男性が、セルフレジで14円のキティちゃんチョコマシュマロだけを買っていた。今日は1人だった。
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12月21日 年末年始はどこにも行けなさそうで、それなら生活に足りていないものや更新したいものを整えようかと日用品の上位互換を見定めてみる。 でもこれらが配達されると思うと、今はそれを受け取る余裕すらなく途方に暮れてしまっている。
お昼休みに昨日のクリーニングリベンジを果たそうとしたら、なんと水曜日に加えて第三木曜日も定休日だった!
昨日受けとったレンタルのコンパクトフィルムカメラをカバンに入れて出勤。物理的事情が写真を撮る楽しさを思い出させてくれている感じ。 帰り道に写真を撮ってみたら楽しくて、ちゃんと機材を使いこなせている自信はないけれどきっと何かしら写っているものを見る日が今は楽しみ。
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でも楽しんでいたらレンズキャップを落としてしまっていて、少しUターンして発見。
そのまま歩いて駅へ向かい、折り返しの電車に乗ると既にぐっすり眠っているサッカー少年がいて、彼はこのまま折り返して絶望しちゃう感じなのか、それとも到着した電車に乗って即爆睡しているのか、発車する前に起こすべきだったかなと、少し気にしつつこれを書いています。
昨日ふと、学生時代に出会った不特定多数の女の子達を思い出して、女の子をまとめた写真集作りもまた続けたいと思った。 今のこのご時世で“女の子”を括ることは難しいし危険なことなのかもしれないけれど、わたしが感じた写真の中の愛おしい存在は、はっきりと“女の子”だったので、そして当時女の子だった彼女達が今は女の子ではなくなっていて撮れなくなっているのも事実だったりするので、その残酷さにも素直に、だからこそ写真の彼女たちが大好きであることを作品にできないかな、と思っている。そして彼女たちに、もしも後から「私たちは“女の子”ではなくて本当は“男の子”だったんです」と、カミングアウトされた時、私は絶望して悲しくてこの写真を嫌いになってしまうのか、それともただ“女の子”という記号が入れ替わっただけでそれでも大好きが続くのか、そんなことを考えている。
年賀状を10枚買い足した。どうか色々治りますように。
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12月22日 今日が冬至ということをぎりぎり思い出せてよかった。 夢に昔好きだった人が出てきて、お仕事や家庭に忙しい風貌にすっかり変わっていてもう全然好きじゃなかった。「まだ相対性理論聴いてるんだね」と笑われた。
寒くて慢性的な体調不良の兆しがあり、今日はロキソニンを飲んでしまった。
産業医の先生との面談があり、離れたキャンパスまで良くしていただいている職員さんに車で送ってもらう。車内で今日はホルモンを食べに行く、と教えてもらう。先週、一緒に写真展へ行った友人もクリスマスはホルモンを食べに行く、と言っていた。クリスマスホルモンが流行っている?
面談では主治医の無責任な対応(と、その時は感じた)に戸惑い怒っていることや満身創痍すぎて今月はお休みをとりつつ出勤したことを報告した。 「ちゃんと体調に対応できるように、助けを求められるようになってよかったですね」と言われ「今どうしたいかがわからないままでも別に良いと思いますよ」とアドバイスをいただく。 そのアドバイスにも、この場を穏便に済ませるためだけに言われている気持ちになって不憫な気持ち。
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一期下の方から下瀬美術館のお土産をいただく。 下関の唐戸市場や門司港はとても若者で賑わっていて、海岸向きのベンチは満席だったとのこと。父の実家が下関なのでかつて毎年夏に訪れていた場所だったけれど、そんなに賑わっていた記憶が全くない。
ロキソニンのおかげか、帰りながらこれからのやるべきタスク(年賀状、お掃除、日記の更新、ものを捨てる等!)を思い浮かべても特段焦ることができずぼやっとしてしまっている。
お昼休みに久しぶりに音声放送を聴いたら、セルフレジについて話していて、昨日コンビニのセルフレジで買ったフリーズドライスープを、その後行ったスーパーのセルフレジに誤って通してしまい、なぜかちゃんと商品がカウントされてしまって(スーパーでは取り扱いのない商品のはず)、でも取り消しして店員さんに説明するのがうまくいかない気がして、そのままスーパーでもスープを買ってしまったことを思い出し、今日は気をつけようと思った。 無いものを買ってしまって、昨日のスーパーのレジ計上はどうなっているんだろう。
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neigesucre · 1 year
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2月の外食記
2月4日 ABCラーメン@銀座/tabacco@恵比寿
歌舞伎観たあと、受験で弟が遠路はるばる来てくれたので銀座でランチ。東京で、ラーメン食べたいとのご所望があればここ一択。育ち盛りをいいことにサイドメニューもたらふく食わせる。大学の下見に付き合ってから好きな人①に会いに恵比寿に。彼の行きつけのラーメン屋向かってから、かよ先輩が行っていて気になってたイタリアンにお邪魔。串カツ屋さんみたいなノンストップタパス、楽しいなあ。大はずれだったビブグルマンフレンチの話して、ここは好みと伝えたら俺たち情報食ってるからねと返されて、たしかになと思った。情報を噛み締めて気持ち良くなりたいよね。4度目も手を繋いで健全解散。デートはこれが最後かな。
2月11日 うゆう@渋谷
大学時代のバイト同期と飲む。私以上に食にうるさいから、お店サジェストするときどきどきしちゃう。芸術品のようによそわれたお通し6品に毎度見惚れる。褒めてもらえて嬉しい。酔ったノリでハプバ行く。摘発されていたからどんなもんかと思っていたけど、プレイルームはホテルとして別会社が運営、行きたいときはスタッフにこっそり声かけるっていうパチ屋仕様になっていてウケた。たしかに懇ろになった男女がホテルに行くのは誰にも憚られませんからね。声かけてくれた男性2人と、半分おしりが見えるセーラー服着てダーツした。失礼だけど、私たちがアプリで会ったら初手で切ってしまう、なんならそもそもマッチしない属性の人。でも2人とも私たちに楽しんでもらいたい気持ちがまざまざと伝わってきて、人間っていとしいなと思えた。ここに来るといつだってあたたかい気持ちで帰路に着く。ありがとう。
2月12日 小野田商店@学芸大学
2ヶ月ぶりの加藤。大好きなホルモン屋さんとワインバー行く。ここに訪れるたびにお客さまは神様じゃないのを思い出す。この街がぜんぜんしっくりこない男だなと思う。ずっと日比谷線にいたほうがいいよ。そのあとなぜか六本木行こうや、と向かったもののバーはろくに空いておらず、さらになぜか遠隔プレイしようや、とドンキ行く。ぜんぜん思っていたのと違ってAVはフィクションだねと笑い転げた。
2月13日 友@目黒
3年前からときおり会っているティンダーの男友達とサシ。はじめて会ったときは私は22で彼は27だったと思うとこわい。手書きのメニューが適当に壁に引っ付けてあるお店ってだいたいはずれがない。M1出場を打診されノーシンクで快諾。だってM1経験のある人生のがおもろいじゃん。いったん彼の芸風見てからコンビ組もっと。
2月15日 ilungo@自由が丘
お気に入りのおでんやさんで飲むつもりが、煩いおじさん客がいるからっておでんやの女将さんと2人して抜けてビストロで飲んだ。日本酒フリーフローは嬉しい。彼女は代理店の大先輩でもある。さんざん仕事の愚痴を連ねる。最近仕事干されてイヤイヤ期だけど、たしかに私はキャッチアップ遅いんだった。背中押される。私も彼女みたいに着物を自由に纏えるようになれるなら、アラフォーもそう悪くない。ハナエモリのお着物ずっと狙ってる。
2月18日 のんき屋@浅草/Trattoria Azurri@神楽坂
日本舞踊のお稽古に浅草へ。せっかくだし、と帰りにホ��ピー通り寄るもおひとりさまだからと4軒連続で断られる。もしかしてお呼びじゃない?半ば憤って入った立ち飲み屋が大正解で息をつく。もつ煮150円なんてマネタイズが心配です。ほろ酔いで神楽坂。電話でのリファレンスチェックも功を奏し案の定楽しかった。国家公務員からコンサルに転職した理由を問うたら、「それでいうと理由は3つあって〜」とお手本のような仕草を垣間見てにやにやしちゃった。まだ遊んでいたいと恋愛したいの狭間で揺れてると聞いて、正直な人だなあと思う。でも恋人がいないと甘えたくても甘えられないと溢されて、そんなの傷口の舐め合いじゃんと返したけど、まあ、そうだよね。だって私たち、頑張ってるもんね。男の子、みんな葛藤してて可愛い。菜の花とホタルイカ、旬のうちにリベンジしたいな。好きな人②に昇格。
2月21日 ゑぶり亭“@横浜
ダンサー3人で飲んだ回。まあダンサーじゃないんだけど。炙りしめ鯖にレモンを搾るさまさえもべた褒めしてくれるから自己肯定感あがる。元気の良い居酒屋って大好き、絶対にバイトしたくないけど。業界人でもないのにフースタ見てる人は変態と聞くけど、フースタは間違いない。
2月22日 カクニマル@神泉
某ギャラ飲みの日。ここも接客がいい意味でやたらやかましい。刺し盛を出血大サービスしてくれた。こういう人も、まだこういうお店で飲むんだなと思った。でもしっとりしない雰囲気で逆に良かったのかもしれない。女友達と来たかったなあ。
2月23日 da GIORGIO@湯島
好きな人②と飲む。彼から教えてもらったこのお店、かよ先輩が「東京で1番美味しいピザ」とツイッターに残していたのを思い出して俄然楽しみになった。MECEな恋愛の話する。MECEな恋愛なんてないだろ。私はやっぱり一緒にボトルを空けてくれる人が好き。いつだって飲みきる責任を背負った共犯関係でいたい。
2月25日 串カツ田中@横浜
サークルの同期3人と鎌倉で座禅を組んだ日。幸せってなんたるか、良い家に住むでも素敵な配偶者と巡り合うでもなく、皆さんの足元にあるそうですよ。頭ではよ〜くわかってるんだけどな〜!シャバい経営者は全員座禅したほうがいい。私もまだまだ先は長そう。そのまま横浜向かって、田中とカラオケとハブをはしごする煩悩に塗れた夜。田中で串カツ選ぶのってなんであんなに楽しいんだろう。好きなチェーンは田中と松屋とふたごです。
2月27日 どん底@新宿
「お会計30%オフになる年賀状が今月いっぱいだから!」と誘われてティンダーの男友達と飲む。彼ともかれこれ2年になる。ここ、クラシックでとっても美味しいけど絶対にスタッフが堅気じゃないんだよな。そこも含めて良店です。ティンダーを辞めた理由のひとつは彼で、彼に出会えてもう辞めても悔いないなと思った。好き同士ならただ一緒にいれば良いじゃない、なんて互いに婚姻アンチだけど、でも結婚したらバイブス上がりそうじゃね?!と盛り上がる。それもわかる。私が結婚式をするなら彼を「インターネット」のテーブルに着席させる。26歳、春からようやく社会人になるらしい。おめでとう。帰りに店員さんに「しこたま飲んだなあ!」と言われて笑う。2人でシーバスのボトルキープした。勝手に飲ませてね。
今月がはやく過ぎたのは決して日数だけの話じゃない。総じて非常に楽しかったんですよね。よく食べ、よく飲んだ。数えたら2日にいっぺんは飲み歩いていた模様。あと、思い返せば浮き足立つデートが毎週末あって幸せだったな〜!私、やっぱりときめいてたい。来月も素敵なお店で大好きな人たちと過ごせますように。
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tu1book-blog · 5 months
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2024年1月6日(土)晴れのち曇り
生理3日目。そういえば出産してからはじめての生理だった。お腹の痛みとかは全くなくて、しかしホルモンが悪さをしており、ずっと眠たい。朝食にオートミールを食べて、娘にメリーで遊んでもらっている間に洗濯を干し、畳み、食器洗いをして、米研ぎをし、風呂掃除も終わらせる。家事を済ませて娘に近づくと、ばちっと目があい、満面の笑み。すべてを投げうってでもこの笑顔を守りたいとおもう。からだの保湿やお着替えをし、手遊びをしたり、じたばたと足を動かしたり、スキンシップをとりながら過ごしている間に眠くなってきたのか、ぐずりだす。寝は浅いけど、その間にテレビのある部屋に移動し、過ごす場所を整える。
正午からは全国高校サッカーの準決勝。近江高校を応援しているので、目当ては二試合目なのだけど、青森山田の最強フィジカルチームを見ておきたくて見たら、とんでもない試合でPKで勝ち負けが決まった。感動して涙が出る。二試合目もぼろぼろと泣く。明後日の決勝は、青森山田vs近江。楽しみすぎるカード。春高バレーも、大学ラグビーも見なければ。
夕方は、爺ちゃん婆ちゃんすずか(実家の愛犬)娘と散歩に出掛ける。冬なのにカーディガンだけでも暖かいような気温で、ほんとうにどうかしている。冬の凍てつくような寒さのなかでみる空の美しさ、しんとした空気が好きなのに。暖冬。いつか冬はなくなってしまうのかもしれない。悲しい。すこし歩くと、近所に住む消防団の団長宅の3歳と4歳の息子さんたちに会う。「お友達がいる〜!」と遠くから三輪車を猛スピードで漕ぎながらやってくる。娘をみて、「赤ちゃんかわいい」という。近所にいる小さな子たちは彼らだけなので、きっと幼馴染として過ごしていくのだろうなと思いながら、ばいばいといって別れた。
本を読んで、寝る。娘はどれくらい寝てくれるだろうか。お腹の上には猫。足の上にも猫。あたたかい。おやすみ。
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mlyzvt-no2157 · 10 months
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男性ホルモン注射にハマったFさん
大学院修了後、新卒から約10年間程勤めていた会社の営業部は何かと個性的な人(変な人とも言う)の巣窟だった。当時は、会社という所は、面白いネタを落としてくれるものだと思い込んでいたが、夫や友人、親兄弟から、こんなに面白い人の巣窟は私が勤めている会社だけだと言われたし、転職した今は、本当にその通りだったんだとつくづく思う。元々は私が所属していた部署から営業部に異動したFさんもユニークで変わった人だった。
Fさんはバツイチの独身で二人の子供と元奥さんがいた。何故か分からないが容姿に恵まれた人が非常に多い営業部の中で、Fさんはお世辞にもいい男と言えない容姿だった。こう言っては失礼だが、世の中の男性の美形指数から判断すると、中の下か、下の上ぐらいだった。だが、本人は自分を男前だと思っているようだった。本人は、海外のハイブランドのスーツをカッコよく着こなしているつもりだろうが、短い手足でスーツと身体のサイズが合っておらず、ズボンは引きずっているし、ジャケットからは指先しか出ていなかった。そのくせ、ウエストはキツそうでベルトの上にお肉がぷよぷよ乗っていた。
信じられない事だったが、Fさんの元奥様は女優の石田ゆり子さん似の美人で、娘さんも有村架純さん似の美人だった。ちなみにFさんの息子さんはFさんそっくりだった。
またFさんは女性と二人で飲みに行き、解散時刻が深夜11時を過ぎていたらホテルに誘わないと失礼だ、という変なポリシーを持っていた(ホテルに誘わないと失礼どころか、ホテルに誘ったらセクハラで訴えられる恐れがあるというリスクにどうして頭が回らないのだろうと、私はいつも疑問に思っていた)。
そんなかなり自意識過剰気味のFさんは、あるとき、自信満々に自分の容姿をうちの部署の新入社員に自慢していたが、その新入社員の子は竹を割ったようにハッキリとモノを言うタイプの人間だったので、「Fさん、あなたは普通、いや、普通よりダサいオッサンですよ。誰もあなたの事をカッコイイなんて思ってませんよ。みんな優しいからあなたに合わせてカッコイイって言ってあげてるだけです。あなたは背も低いし、脚も短いし、顔も痛いじゃないですか。そのくせ、目下の人間に態度がでかくて、偉そうな口を聞いて、話の9割は自慢話か自分より恵まれている人への妬み話じゃないですか。そんなんだから離婚されるんですよ」とFさんをメッタ刺しに切りつけた。事実、後輩の言った事は真実であり、誰もが皆、同じ思いを抱いていたが、誰もそれをFさん本人に言う事は無かった。
プライドを傷付けられたFさんは自暴自棄になり、暴飲暴食に明け暮れ、3ヶ月程で30kg以上太ってしまった。更にFさんは勤務時間中でも事務所にいる時は常にポテトチップスを食べながら仕事をしており、Fさんの体重は増え続け、もともとスタイルが良いと言えない体型は坂を転げるように崩れていった。
さすがに見かねたFさんの上司のTさんは、Fさんに30kg減量のダイエットができたら30万円あげると言い、Fさんにハッパをかけた。
あの生意気な新入社員を見返してやりたいと燃え上がったFさんは40kg減量のダイエットに見事に成功し、スリムになった。スリムになったFさんは自信に満ち溢れていた。
日焼けサロンに通い、肌を小麦色に焼き、口髭を生やし、髪は金髪になり(これは営業マンとしては如何なものかと思うが…)、全身を若者の間で人気の高級ブランドのクロムハーツで身を固めて出社するようになった。
だが、Fさんのクロムハーツは、クロムハーツの直営店で購入した衣装やネックレス、指輪ではなく、某大陸の偽物市場から並行輸入した安物なので、こう言っては失礼だが、カッコイイどころか、タダの痛いオッサンにしか見えなかった。しかも、クロムハーツは若者向きのブランドなので、50代半ば過ぎのFさんが身に付けているのはどう見てもヘンテコリンだった。だが、そんか事を言えばFさんは何をしでかすか分からないので、誰も何も言わなかった。あるとき、Fさんの上司のTさん(営業部で唯一と言っていいほどのマトモな人)が、「はぁ~、F君のあの服装とファッション、何とかしてくれんかなぁ」と嘆いていたので、「Tさんが上司なんですから、Tさんが注意すれば、やめるんじゃないですか?」と言ったら、Tさんは「オレの言う事を素直に聞いてくれたら苦労はせんよ」と言っていたので、誰もFさんの暴走を止められなかったようだ。
ダイエットに成功し、自分ではオシャレで、格好良くダンディなオジサマになったと思い込んでいるFさんは、お菓子を食べるのを辞めた代わりに、何か娯楽を見つけたいと思ったらしい。そして、何処から情報を得てきたのか謎だが、『男性ホルモン注射を打つと若々しくなり、格好良くなる』と思い込んでしまったようだ。
数か月間の海外出張を経て、帰国したら、Fさんは、更に���信満々な態度になっていた。ファッションは相変わらず偽クロムハーツで固められており、腕時計は偽ロレックスで、両耳は、偽クロムハーツのピアスが鈍い光を放っていた。髪の毛は完全な金髪に染めており、両目にはブルーのカラーコンタクトが嵌められていた。そして、両腕には何重にも数珠か紐か何か分からない得体の知れない物が巻かれており、『痛いオジサン度』は私の出張前よりも何倍にも膨れ上がっていた。
私は、決してFさんと仲良しでは無かったが、Fさんは逆に、私の事を同僚で友達だと思っているようだった。
ある日、忙しく執筆しているとき、Fさんがやってきて隣の机に座ってきた。
Fさん「なぁなぁ、みずほちゃん、オレ、格好良さに磨きがかかったと思わん?」
私「そうですね(嘘)」
Fさん「どうして、こんなに格好良くなれたと思う?」
私「さぁ...分かりません」
Fさん「内緒だけどな、実は今男性ホルモン注射を1週間に1回打ってもらってるんだ♪」
私「えっ?男性ホルモン注射ですか?そんなモノ、自費医療になるからめちゃくちゃ高いんじゃないですか?」
Fさん「総合病院に行って、不妊治療の名目で男性ホルモン注射を打ってもらってるから、保険適用になるから、金はかからんよ」
私は思わずひっくり返りそうになった。
不妊治療って...
Fさんは孫が居てもおかしくない年齢である。その前に、Fさんには配偶者がおらず、独身である。不妊治療なんぞ、天地がひっくり返ってもFさんには必要無いモノである。それを信じた医者も医者だが、世の中、こんな事がまかり通っていいんだろうか?私は何度も自問自答した。
やっぱり、この会社の営業部は変な人の巣窟だ...
このエピソードを書きながら、私は改めてそう思った。
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patsatshit · 8 months
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現代に蔓延する上っ面の多様性の背後には、互いに認め合い、尊重するためにはそれぞれがそれぞれに誰かの役に立たなければならないという暗黙の目配せがそこかしこに溢れている。取ってつけたような「弱者救済」というポーズの背後に、どれだけの排他精神が蠢いていることか。高齢者、子ども、障がい者、生活困窮者、クィアをある種の符号に落とし込んでマーケティングに利用するのは、いつだって政治的悪辣の最たるものである。本来は音楽という鐘楼に集いし落伍者たちの解放区として機能していたクラブやライブハウスに於いてさえ、いつしか高い倫理観が求められるようになり、暗黙のドレスコードにより、世にも奇妙な選民思想が根付き始めている。互いに認め合い、互いを支え合うことを前提とした空間に、自分のような人間の居場所がなくなりつつあると感じることが少なくない。音楽が爆音で鳴り響く暗闇のなかには聖職者もいれば犯罪者もいる、心優しき英雄もいれば屑のような悪党もいる、互いの胸のうちに共通するものは何もなく、もちろん自発的な歩み寄りもない。鳴り響く猥雑な音楽だけが両者を辛うじて暗闇の内側にとどめ、足もとの溝を埋めていく。いまの時代、そういう多元的な現場や空間はもはや存在しないのかもしれない。
(『僕のヒーローアカデミア』233話より)
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前置きが長くなってしまったが、タラウマラには日々、様々な事情を抱えた「世の人」たちが入れ替わり立ち替わり訪れる。それは決して居心地の良いものではないし、少なくとも当店にとって、彼らは何の役にも立たない。どちらかと言えばこちらのストレスになるだけだ。それでも彼らはやって来る。そういう人たちをこの社会から見えにくくしているのが無自覚なダイバーシティが夢想するユートピアであり、権力者たちが吹聴する「美しい国」の実態なのだと思う。
(世の人①:東淀川を代表するファッショニスタ)
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まず最初に紹介したい人物が、自他とも認める東淀川のNo.1ファッショニスタ、清水氏だ。氏の特徴を挙げるとすれば、とにかくオシャレ、ひたすらオシャレ、無慈悲にオシャレ。この人がひとたび領域を展開したら、その術式から逃れる術はなく、世の中で最も役に立たないゴミのような服飾情報を一方的に脳内に流し込まれ、結果、見事に誰もが骨抜きにされる。かつて偶然にもその場に居合わせたWD sounds のオーナーLIL MERCY氏さえも凍りつかせた脅威の人物だ。自身の首元を指して「これは希少なFENDIのネクタイだ」と豪語するので、恐る恐るネクタイ裏のタグを確認すると、なんとブランドロゴではなく素材を示すflannelの文字。どつくぞ。そんな清水氏の母親が昨年亡くなったのだが、ある日、沈鬱な表情でタラウマラを訪れた氏が朴訥と胸中を吐露し始めた(聞いてもいないのに)。ずっと母の介護に身を捧げてきた自分としては、親の死を簡単に受け入れることができず、いまは食事も喉を通らない。母が使っていたベッドの上で呆然と天を仰いで、そのまま朝を迎えることも珍しくない、日に日に自身の身体が痩せ細ってきたことを自覚しており、周囲の者からも心配されている、というような内容をエモーショナルに語る。さすがに気の毒だと思い、親身になって耳を傾けていたのだが、次の瞬間、この男の口から耳を疑うようなセリフが飛び出した。「俺はもともとスタイルが良いのに、これ以上痩せたらモデルと間違えられるんちゃうやろか。ほんでこのベルトもかっこええやろ?」。恐ろしいことに、またしても僕は氏の領域に引きずり込まれていたのだ。その後もお決まりのファッション自慢を嫌というほど聞かされ、全身から血の気が引いていくのを感じた。最愛の母親の死さえも、己のファッショントークの「振り」に使う正真正銘のク◯である。しかも亡くなって間もない、死にたての状況で。
(世の人②:東淀川のジャコメッティ)
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次に紹介したいのは、東淀川のジャコメッティ。ある日の営業日、下駄履きのおっさんがタラウマラに訪れ、店内の書棚を一瞥して咆哮した。「ここの本ぜんぶキミらが読んでるんか?やとしたら相当わかってるな!」。僕たちは当店取り扱い書籍はすべて自分たちで読んで、仕入れ、仕入れて、読んでいることを伝えた。するとおっさんの眼は鋭く輝き「キミらは大阪の文化を1ミリ底上げしとるな。大阪で1ミリってことは世界で1ミリってことや!気に入った!儂の家にある本を全部キミらにあげよう、今夜でも我が家に取りに来なさい」と快活に言い放った。その後もジャコメッティやカフカ、折口信夫について興味深い話を聞かせてくれた。おっさんの名は矢嶋博士、淀川とともに生きる彫刻家であり歌人であった。博士から自宅住所と電話番号を書いたメモを受け取り、タラウマラ閉店後にお伺いすることを約束した。博士は帰り際に「もし良かったら、儂の家にある本ぜんぶとキミらのジャコメッティを交換しよう」と言った。僕は何となく話題を逸らして、夜を待った。タラウマラ閉店後に近所のキンキーガールりんちゃんを誘って矢嶋宅へと向かった。ゲトーなアパートのゲトーな階段を上がりゲトーな玄関を開けると、果たしてそこは博士のアトリエ兼寝床であった。三畳一間に所狭しと並べられた謎の彫刻と珍奇植物、藁と見紛う敷布団とヘドロ化したホルモン、呑みさしの酒瓶、そしてあっち系のアダルトコンテンツが視界を過ったことは記憶に留めておこうと思った。博士は「何を突っ立っとんねん、腰おろして寛ぎなさい」と着座することを薦めてくれたので、僕は「どこに?」��いう言葉をかろうじて飲み込んで、藁のような敷布団に腰を下ろした。ぴったり寄り添うようにりんちゃんの背中がある。博士は1,000冊つくって50冊しか売れていないという自著『淀川。よ』(幻冬舎)を僕たちに1冊ずつプレゼントしてくれた。「芸術家なんて世間様に認められたら負けや。儂はいまの生活で十分幸せやから、死ぬまで作品を作っていくだけや。売れたいなんて思ったことない」という博士の言葉に負け惜しみや諦念は微塵も感じられず、寧ろ清々しい。りんちゃんの興奮が伝わってきた。僕たちは小一時間ほど色んな話をして、席を立った。「階段の上に本を置いてるから全部持っていきや!頑張れよ、若者たち」と言って博士は扉を閉めた。ゲトーなアパートのゲトーな階段の上に大量の書籍が置かれていたが、なんとその8割程度が司馬遼太郎の著作だった。ジャコメッティを交換条件として差し出さなかった自分を心から讃えた。僕たちは自転車のカゴに大量の司馬を積み込んで帰路に着き、その足ですべて「本の森」に寄贈した。
(世の人③:ラッパーの母)
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最後はタラウマラの元スタッフであるマリヲ君の実母を紹介する。この方は初来店時に食パンの差入れを持ってきてくれて、淡路商店街で食パンと言えば、当時の人気店「熟成純生 食パン専門店|本多」(2022年9月に閉店)のものに違いないと早合点し「そんな高級なやつ頂いて良いんですか?」と言うと「え?そこのイズミヤで買ったやつよ、え?こっちの方が良かった?」とテヘペロ。なんと僕には廉価食パンを差し出し、ご自身用に高級品を隠し持っていたのだ。2度目の来店時は前回購入してくれたAFTERのTシャツ(画像参照)のコーディネートを見せに来てくれたのだが、タイミング悪くパンク修理の最中だった僕は、店内で少しお待ち頂きたい旨を伝えて作業に注力した。ところがパンク修理を終えて顔を上げると、マリヲ母は嘘のように店内から姿を消していた。それから何度かタラウマラにやって来ては、僕の目を気にしてか、まるでプッシャーマンのような所作で袖の下からマリヲくんに小遣いを渡していたり、連日おばあちゃんの就寝時の写真を送ってきて、マリヲくんが「ばあちゃん元気そうで良かった」と返信すると「おばあちゃんじゃなくて、おばあちゃんが着てるパジャマを見て欲しかった」と返す刀がぴこぴこハンマー。よく見るとパジャマの花柄はすべて微妙に違っていた。そうかと思えば「おばあちゃん、明日あたり死にそうです」と唐突に不安を煽るメッセージを送りつけてきたりもする(因みにおばあちゃんはいまも元気にご存命)。或いは道頓堀川で殺人事件が起きた際には被害者の男性が我が子でないかと執拗に心配していた。報道で被害者はベトナム人男性だと報じられているにも関わらず、だ。
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そして、日々の寂寥感を紛らわせるようにSiriというバーチャルアシスタントと夜毎ピロートークを繰り広げていたある時期のマリヲくんが、酔った勢いでSiriに「好きだ!」と告白した瞬間、マリヲ母から「私も!」とLINEメッセージが届いたとき(別の文脈でのやり取りをしていたらしいが、偶然タイミングが重なったようだ)には膝から崩れ落ちた。やはり異能の子は異能、この親にしてこの子あり、ということだろう。
(マリヲ母については息子の著書に詳しい)
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kennak · 1 year
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ちんこ取った増田がいたのでついでに書いてみる逆のFTMです 女性→男性になりました追記(3月9日(木) 01:04)勢いで書いたので読みづらい文章で申し訳ないちゃんと読んでくれた人ありがとうブコメやトラバで頂いたコメントについて、いくつか回答しますホルモン注射でやる気が出るの件これは"女性ホルモンが多かった頃に比べたら"という相対的なものね生理による情緒不安定や体のだるさがなくなったから、平均してやる気が高い状態になってるってことゴミみたいなコード直したりするようなめんどくさい仕事とかはやる気でないよあと外見と自認する性別がかなり近い状態にあるから、余計なこと気にせず仕事に打ち込めてるのもあるジェンダー規範がどうのこうの性別関係なくどうのと言われても、自分は自分のことを男性だと思っていて、男性として扱ってほしいし、手術して見た目が男性になるまでは「見た目と中身のズレ」がすごかった手術して胸のない自分を見て始めて「これだよこれ!これが本当の自分だ!」って嬉しくなったよそういう意味でトランスって性別に囚われてるとも言える銭湯とかトイレのアドバイスありがとう大浴場が嫌いな人って珍しくないんだね日本で旅行したりリラックスを求めるとどうしても温泉という文化から離れられないんで、大浴場に入れるようになりたい大浴場が苦手すぎて公衆浴場でのタオルの作法とかもわからないから、勇気出してみるよ立ちションそもそも男女で尿道の位置が異なるから、竿に相当する補助器具がないとまっすぐ飛ばないすげー力んでスピード感のある放尿ができればいいけど、竿がないと尿のエイムがゴミでショットガンみたいになる日本で生活するなら座りションオンリーでもなんとかなりそうだけど、海外旅行がネックだねでかいクリトリス海外ポルノサイトで検索すりゃ見れるから見たい人はどうぞセックスについて胸がついてた時���自分の体見られたくなかったから服脱がなかった相手のおっぱいは見たいけど自分のおっぱいは見せたくないっていう非対称性が嫌ではあったちなみに見た目が男性化していくにつれてモテなくなってきて、背も163cmしかないから、チビの30代男性独身VTuberオタクエンジニアだよ生理について理解のある彼氏として一瞬彼女がいたことがあったけど、ついてないから満足行くセックスが出来なくて、結局浮気されたここから本編精神科受診診断書を取るために1年弱の通院生い立ちとかもそうだし、金銭的に自立できているのか聞かれたりもする当時の増田はベンチャーのエンジニアで、コロナ前からリモートが当たり前だったから、トイレや制服の問題で行きづらいなどはなかったオフィスもあったけどマンションの1室だったからトイレは1つしかないし男女共用。掃除も自分たやる「女の子がプログラミングなんて珍しいね」なんて言われる昔からプログラミングやってた(スト2みたいなゲーム作りたかった)から、そこは他のFTMより楽かもしれない手術費を貯めるにも女性はそもそも給与が低いから、そういった意味でエンジニアでよかった外出時のトイレは生理時は女性用を使ってた性別変更の要件・生殖能力を欠くこと・変更先の性別の外見に近い性器があることが大きい要件なので、まず子宮と卵巣は絶対に取る外からはわからないので、手術をして婦人科を受診してそれがなくなっていることを証明しなければいけない胸はガチでつるぺたなら取らなくてもいいかもしれないけど、大体の人は取る「近い性器」は男性ホルモンによってクリトリスが肥大化することで、それを小さいペニスだとみなすことでOKという扱いパートナーに挿入したいとか、諸々の事情がある人は200万以上かけてちんこも作ることができるその場合「腕や太ももに尿道となる管を埋め込んで1年くらい定着させて剥ぎ取ってちんこを作り、クリトリスの神経を移植する」という大掛かりなもので、下手な手術をしてしまうと尿のトラブルを抱えるので、9割のFTMはちんこを作らないで、クリトリスが進化したポークビッツのまま手術の保険適用についてホルモン注射を受けると保険適用で手術ができないでも子宮卵巣、特に卵巣を取るとホルモンバランスが一気に崩れるから、ホルモン注射を半年くらいして男性ホルモンを増やしてから子宮卵巣を摘出することが健康上良いとされているだから胸(保険適用)→ホルモン注射(保険適用外)→子宮卵巣摘出(保険適用外)という流れが最安のルートでもどちらの手術も1週間くらいのダウンタイムがあるので、自分はホルモン注射を始めてから、子宮卵巣と胸をタイで同時に取ることにしたアテンド会社使って費用は100万くらいこれ以外にも英語の診断書が必要になったりするんだけどねホルモンの効果生理とクリトリス以外はほぼ思春期男子に近いらしいめっちゃクリトリスがでかくなる生物学的にも亀頭とクリトリスの先端って元は同じらしいので、男性ホルモンが濃くなってくるとクリトリスが肥大化してくる今はポークビッツをちょっと切ったくらいのサイズで、挿入はできそうでできない(固くなりづらいから)ちんこがない男性として生きてはいるけど、「デカくできるもんなでデカくしたい」と思っているので、たまにチントレといって男性もやるような吸引ポンプで伸ばしたりすることもあるあんまり効果ないと思うけど、一瞬でもデカくなると嬉しい生理がなくなる最初は生理不順になって、数ヶ月したら生理がなくなる生理がなくなった時は人生変わったと思った毎月生理が来るたびに自分が女性であるということを突きつけられる気がしてマジで死にたくなってたレベルで 生理用のショーツも使いたくないから、ナプキンをボクサーパンツに無理やりつけてたそして生理用のポーチをソッコーで捨てたちなみに汚物入れはトイレットペーパーの芯捨てたりするから残してるけど、これがある状態で家に女を入れると「同棲してる?」って言われるw声が変わりがすごく嬉しい半年するといわゆる声変わりが起こってきて、思春期の男子みたいに声が安定しなくなったカラオケに言っても音程が取れないし、声が裏返りやすくなる声が低くなるとAPEXなんかのゲームでもVCつけて戦うようになった声だけで男だと思ってくれる人がいて嬉しかった筋トレが楽しくなるし、お腹も空く脂肪が減って筋肉もつきやすくなるので筋トレが楽しくなる男性的に見せたいから筋トレをしていたけど、筋トレの結果が体に現れやすいのはとても楽しいあとすごいお腹が空くたまにドカ食い気絶部めいたことをしてしまう脂肪が再分布される男性と女性では脂肪の付く場所が違ってて、それが男性に近づいてくるだから腹が出る、いわゆる中年太りみたいな腹が出るやる気が出る生理前にやる気が出なくなるとかそういったのが全然ないバイタリティーがよくなるっていうのかな?どんどん仕事する気力が湧いてきて、チャレンジングになる多分好戦的というか暴力的というか、いわゆる粗暴な行動みたいなのはここからくるのかもしれない髭が生えてきて顔が父親に似てくるうちはそこそこひげの生えている家計なので、それに近い感じになる最初は口周りとか顎のひげが生えてきて、最初はT字カミソリでよかったのが、5年もすると電動が必要になる髭があるだけで男性的に見えるので、最初の頃は嬉しかったけど、どんどん髭剃りが面倒になってくる手術胸についてはナベシャツで胸を潰しまくってる人は形が悪いから、胸を取る時の技法が変わるらしく、ナベシャツは圧迫感がすごくて呼吸しづらいから、家にいるときはブラトップ(ブラジャーは絶対つけたくなかった)だったのでふつうの切開だった乳輪の周り切り取ってそこから乳腺を出すタイプちなみに乳輪がちょっと小さくなる乳首は小さくならないので、お金に余裕があれば乳頭縮小したい子宮と卵巣はお腹を切開して取った 国内だと腹腔鏡でできるらしいまだお腹に1文字の手術跡があるちょっとずつ消えていくらしい傷が残りやすいケロイド体質の人はそこにタトゥーを入れたりすることもあるとか聞いた人間関係とかボーイッシュな女性とFTM「ボーイッシュな女性」というものがある程度許容されている現代において、FTMとボーイッシュな女性を区別するのは難しいかもしれない自分は「ボーイッシュな女性」だと思われるのがすごく嫌で、女性だからという理由で荷物を持ってあげようとか、仕事変わってあげようとかそういうのが嫌すぎたこの辺の区別ってとても難しくて、自分も「言ってもわかってくれないだろうしまあいっか」で済ましてたこともあっただから「女性という枠の中のボーイッシュな女性」という見方じゃなくて、「そういう人もいるよね」くらいで済む時代が来てほしいな女友達にカミングアウトするのが一番怖い性的な対象は女性なんだけど、それもあんまり表に出してなかったでも「頼れるアネキ」みたいな立場で親しくしていた女性が「ひげも生えて筋肉質な男性になっていく」なんてある種ぬいペニ現象だよね別に女なら誰でも好きってわけじゃないんだけど移行途中が一番不安男子トイレに入るには女性っぽいし、女子トイレに入るとギョッとされるしそういう時は男子トイレか多目的トイレに行ってる女性はトイレで雑談したり化粧したり滞在時間が長いけど、男性はさっと入ってさっと出るから他人を気にすることもないだろうとちなみにジムはジムに相談して男性の更衣室を使ったでもシャワーは使わないで、ジャージの中に運動着来て出入りしてた最近都内で流行ってるシャワーなしでそのままの靴と服装で出入りする系のジムはいいね性別移行後の生活大浴場が怖い女性である自分の体を見るのも苦痛だった人間だから、そもそも人に裸を見せるのが嫌だから女だった時代も性別を変えた今も大浴場は苦手今は筋肉も付いてるし見た目も男性っぽいけど、ちんこないし、大浴場しかないビジネスホテルとか泊まりたくない「お腹が弱い男性のフリ」をしている立ちションが出来ない(道具を使えばできるけど衛生的にしたくない)から、基本大便器を使う小便器が空いてても入れないから、大便器が混んでたらそこに並ぶFTMだと知らない友達に「開いてるじゃん」って言われるけど、「お腹痛くてさ〜」とお腹が弱い男性のフリをしてトイレに入っている
子宮取ってポークビッツ生えてきた増田です(追記あり)
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nostalblue · 2 years
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あんのういも
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にもかかわらず新たなサツマイモ品種を育ててみる事になったのは、未知の味への興味や栽培への好奇心であることに違いないが、それが目の前に安価で置かれていたというのが決定打である。それでも多少の自制心が機能し、一度抱えた複数の品種はレジ前で一品種になった。あれもこれもと手を出して植え場所に困ったり忙しさを助長するのはヤバイだろと、老い始めた脳が過去の多大なる失敗経験を理由に介入したからだ(笑)。
選んだ品種は「安納芋(あんのういも)」。当地ではこれまでずっと「紅あずま」を栽培してきたのだけれども、味や食感がかなり違うらしい。とりあえずは他の芋類と同様に暖かい室内で冬越しさせ、春先に種芋を畝に植えた。寒の戻りもあり発芽は遅かったけれど、初夏の頃になれば上の写真のように蔓を出し葉が茂った。ちなみに同じタイミングで植えた「紅あずま」より発芽も早く生育の勢いも良かった。
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種芋から育った蔓はある程度の長さになったら切り、畝に植え付ける。畝は「夏ばたけ」にある毎年サツマイモを育てている専用の場所で、ここにはもう何年も肥料を入れていないので草もロクに生えないほど(でもサツマイモは育つのよ)。ただ前年までの「地這栽培」ではなく、今年は「立体栽培」を試すため事前に支柱を立て園芸ネットを張った。ちなみに写真でネットの左側が「安納芋」、右側が「紅あずま」。植え付け直後に強烈な日射しに襲われ葉が萎びている箇所もあるが、サツマイモの蔓が強靱なのは毎年育ててきて理解しているので全然動じない。初めての時は慌てたけどね~(笑)。むしろ近くにある梅の木から散発的に投下される「梅の実爆弾」のほうが気になるわぁ。
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蔓の植え付けから一月半の状況。天候不良もあって遅れ気味ではあるけれど、まずまず順調に蔓を伸ばしている。
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芋蔓は「蔓」とは言うものの、ウリ科野菜のような「髭蔓」とは違い自らネット掴んで登っていってくれるわけではない。なので蔓がある程度伸びてくるたびに人間がネットに沿わして行かなくてはならないのだが、幸いなことにサツマイモの蔓は程良い柔軟性と張りがあって、ネットのラインに巻き付けてやるのは容易。意図を汲んで素直に受け入れるとても良い子だ。トマトにもその姿勢をぜひ見習ってもらいたい(笑)。これまでのように地這いで育てる場合は植え付け後ほぼ放任なので、それに比べれば手間は増えるが(蔓返し作業は要らなくなるけどね)、地面の占有率が減り土地を有効に利用出来るメリットは大きい。また株元部分がスッキリとするので暗部を隠れて移動するネズミ被害の軽減も期待できそうだ。
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秋が深まり涼しくなってくると蔓の成長は鈍化する。最終的な蔓の高さは株によって差があるけれど、ネット高さ1.8mを大幅に超えるような状態にはなっていない。当てずっぽで設置したけどなんとなく都合良く収まった感じ。その年の天候によって状況は変わってくるだろうけどね。
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葉が黄化してきたので、一部を試し掘り。安納芋(写真ネット手前)はまずまずの収穫だ。それに比べ従来の紅あずま(写真ネット外側)は近年にない不作!垂直に栽培すると成長ホルモンが降りやすいとかで収量が上がると巷で言われ、最低でも昨年同等の成果は得られるだろうと思っていたのでちょっと拍子抜け。ただ動画サイトでは今期のサツマイモ不作が多く報告されているので、雨の多い天候が全国的に影響した可能性が高い。そんな中での安納芋の成果は立派で、天候が良ければさらに豊作だったのかもしれない。勿論逆になる可能性もあるけど。
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収穫した安納芋を調理する。とりあえずすぐ食べてみたかったので圧力鍋を使って高速蒸し(笑)。兎にも角にも、第一印象は橙色を帯びた独特の黄色。紅あずまもそれなりに黄色くなるが、これを見ちゃうとむしろ白っぽく感じてしまう。食感については、安納芋を「しっとり」とか「粘質」、紅あずまを「ほくほく」とか「粉質」と巷では表現するが、私もそれに異議はない。風味はその見た目通り、安納芋の方が濃厚だ。収穫直後に短時間で調理した割には程良く甘みも乗っている。追熟期間を充分にとり、もっとじっくりと時間をかけて加熱調理すれば相当甘くなると予想されるが、先述のとおり甘過ぎるのも問題なので早々に消費していくことにしよう。
ちなみに紫系のサツマイモは他の品種と比べ糖度が低めだと聞く。主食代わりに常食できるレベルならそれもまた魅力的だ。もし安く入手できるならその栽培も試してみたいが。。。そのためにはまずスペースを確保しないとね(悩)。
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tikutikumeg · 1 year
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3月4月、クッキー製造&刺繍をめちゃ頑張ってくれたイトコのお姉ちゃん。ほぼ休み無しで作ってくれた。
ありがたい存在。
なので、韓国旅行をプレゼント。
と言っても、交通費とホテル。
その他は出してください!と。笑笑🤣
食べ物何食べても安くて美味しいし、
温泉もたくさんある。
美容大国だけあって、マッサージ、アカスリ、骨気とか、私の大好きな物で溢れている。
しかし、街並みは、、、全然趣味では無く素敵ではない。
甘川文化村は可愛かった。
生マッコリも美味しかった。
生の蟹も美味しかった。
タコとホルモンの鍋も最高だった。
スンドゥブも美味だった。
本場のサムジョプサル、カルビ焼肉やばかった。
マッサージも上手だった。アカスリも。
たまたまホテルの横に温泉センターがあって、
ホテルのお風呂に入らずに毎日そこに通った。
すごい綺麗なお風呂で、韓国人は綺麗好きなのかも。
ただ、韓国のオモニは、洗い場をそれぞれ独り占めして、一つたりとて、私達が座れる洗い場が無かった。
なので、立ってシャワーでカラダを洗ったよ。
多分、綺麗好きで何度も浸かり、なんどもカラダを洗うが習慣なのか?さすが美容大国。
みんな韓国のオモニの背中は吹き出物が一つもなく、綺麗だった。さすが美容大国w
次はソウルに行ってみたいな。
いとこはチェンマイに行きたいらしい。
それにしてもイトコは私と同じ位よく食べる。
そりゃ太るわ。
なんか、半分おんなじ血が流れているの納得だわ。
なんか、趣味嗜好が似すぎてるわ。わらえるわ。
あと反日とかいうけど、みんな親切な人ばかりで、韓国のイメージこの旅で変わったわ。
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nem5 · 1 year
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ARABAKI ROCK FEST.23🐇
新幹線で左手にリストバンドをしたはずなのに駅に着いてシャトルバス乗り場に行く途中で左手にあるはずのリストバンドが消えて大パニックからスタートしたアラバキ。生きてたらつけたはずのリストバンドくらい消えることもある🫠色々あるよね。
1日目はBRAHMANのMCでやられて、念願のエルレを見れてハッピーすぎました。バースデーの涙がこぼれそうをカバーしてくれたのが1番上がった。中学生の時バースデーで1番好きな曲。青春が一気に蘇った。細美さんがチバさん待ってるよって言ってくれたこととても沁みた。サンボの山口さんがこれだけは伝えたいって「生まれてきてくれてありがとう」って言ってくれたこと涙こぼれた。たくさん動き回って感無量の1日目でした。ホテルでソースカツ丼食べて爆睡しました。DAY1 . 【9mm Parabellum Bullet】 【Age Factory 】 【マキシマムザ ホルモン】 【BRAHMAN】 【ELLEGARDEN】 【サンボマスター】
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2日目は10-FEETスラダンの主題歌聴けてルンルンでスタートしました。kobore久しぶりに見てyonigeも前の方で見れて幸せ。牛丸さん洒落てたなあ。2月の水槽よきでした。日が落ちかけた頃に見るアジカンは格別でリライト聞いた瞬間に中学生の頃にスクールオブロック聴いてたあの頃を思い出しました。受験シーズンに何度も背中押してもらってた😌2日目は間の時間もあってゆっくり探索できたりのんびり過ごせてそれもいいなって。色々あったけど楽しすぎた2日間。DAY2 . 【10-FEET】 【kobore】 【リーガルリリー】 【yonige】 【ASIAN KUNG-FU GENERATION】
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ritsukoimai · 1 year
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毎年この時期はこうなんだけどさ。 コロナ禍だった頃はこんな慌ただしさでさえ恋しく思ったもんだけどさ。 それにしても、丸一日休みって日が数週間ないだけで、こんなにも疲れが取れない。 とにかく忙しく目まぐるしい。
時間があったらもっと寝たい。 7時間じゃ足りない。9時間くらい毎日寝たい。 画面を見ると重い瞼が痙攣しはじめるので、SNSからも、こんなふうに文を綴ることからも当然遠ざかる。 ネットに流れるよく知りもしない人たちの情報いらないって瞼が言ってるみたい。 もっと山羊たちと庭を駆け回りたい。 山羊たちはたんぽぽの花が大好き。食べても食べても、翌日にはまた一面たんぽぽの花が咲いている。 そして糞は土壌の栄養になる。 なんて、なんて、地球の自然のサイクルに組み込まれた生き物なんだろうと、毎回感動すら覚える。(ほっといたら木々の新芽も食べちゃうのでそれは必死で阻止しているけど) その生き方を見せてもらえるだけでありがたくて愛おしくて、毎日の地味で埃だらけの世話だってなんだってできる。 庭の植物の成長も、もっともっと眺めていたい。 冬のあいだ土の下でじっと眠っていた彼らの、待ってました!っていう声が聞こえるよう。 聴きたいラジオ番組も毎日たくさんある。 こればかりは仕事中にしか集中して聞けないので、ラジオを聞くために仕事も頑張れる。 ラジオに慣れてしまうと、他のメディアがいかにコントロールされて作られているかがしみじみわかってくる。 一人一人の、あなたの、私の、本音ってどこにある? 本当の気持ちや意見や考えを、さまざまなしがらみによって覆い隠されて、大きな力の管理下で作られたもののハリボテ感。 画面の中の笑顔で唄わされる美しい人たち、本当にその商品いいと思ってる? 花粉や気圧やホルモンにぶんぶん振り回されるし、それでもおよそ穏やかに、けれど高速駆け足で日々は過ぎていく。 忙しい時ほど、頭の中ではさまざまな問題意識や疑問が言語化されていく。 書き出すとキリがない。 大昔にどこかで見た、年配陶芸家の社会や政治への長文愚痴ブログと何が違うのかわからなくなりそう。 だからといって言葉を繰り出すのを恐れていても、何にも、これっぽちも変わらない。 それに日々に忙殺されて何が問題か見えなくなることや、問題を見て見ぬ振りするのは嫌。 そんなこと言ったってしょうがないじゃん、って一般市民の無力さを言い訳に諦めてスカしてるのももっと嫌。 で結局、自分にできる範囲でできることをコツコツやるしかないってところに何度も戻ってくるんだけど。 こんなことを繰り返しながらも、もがいて、行動して、少しでも自分が納得できる生き方を模索していくしかないのかもしれないけど。 人間以外の生き物の潔さが羨ましくなってしまうけど、それでも人間に生まれたことは何かの奇跡だと思って、頑張って生きていきますよ。ちくしょう。
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dal2bb · 2 years
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毎日毎日ずっとなんとなく体調悪いな〜てかなんでこんなに毎日毎日信じられんくらい疲れるんやろ〜今までめちゃくちゃ早歩き人間だったのに同じ速度で歩いたらすぐ息上がるしおかしくね?なんぼなんでもおかしくね?休みの日もずっと眠くて眠くて、かといって毎日毎日以前みたいにぐっすり眠れず夜中に喉乾いて目覚めたりずっと夢見たり(あ、だから休みの日に眠いんか)いくら年取ったとはいえ急におかしくない?大好きなTV番組見てる途中でいつの間にか寝てる(21時台)なんておかしくない? →ということでなんかホルモンとかの病気だったらいけないので検査して今日結果出ました。問題なしで健康とのこと。良かったよ。ホッとした。 で、先生良い人で上記症状絶対変なんですがと相談したらコロ後じゃないか?と言われ、そうかも!?となった。コロ、もうただの風邪じゃーん的風潮なのであんまりしんどかったって言ったら大袈裟人間みたいで言えないんですよね、と言ったら「あなたの症状十分しんどかった側だから言っていい」と。そんで、思ってる以上に身体はダメージ受けてるので寝たかったら寝て、ゆっくり回復させるしかない、とのことで。回復を助けてくれる漢方は出してくださいました。 まぁお年頃だし「今日めちゃくちゃ元気!!!!」てのはもう無理なんだろうからあれこれ出来ないことを受け入れるしかないな。早すぎやろとも思うけど。しゃーない。 とはいえ、血液検査エコー検査触診などで問題なかったので気は楽になり、おやつ食べて帰った。以前なら消化しようと1時間くらい歩いて帰ったけどしんどかったので途中でバスに乗りました。まぁそうやって生きていくしか。そのうち治るやろう。 おやつ食べたお店めっちゃ気になってた店で、変な時間に行ったから空いててラッキー。すごい美味しかった…特に緑のドーム型のほう。中にベリームース入ってた。下のサクサクのビスケットも花丸だった。お店の外に雀がいっぱいいてかわいかった。良いことあってよかった。明日はずっと寝て体力回復に努め、来週からのまた仕事に備える。 https://www.instagram.com/p/CiUlVaKr8O-gtQPzI_aalVRiSd18vUH7max_nU0/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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tashinamuteidoni · 2 years
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焼肉は、正義。⁡ ⁡焼けてる肉からはマイナスイオンが出てるとしか思えない🤣⁡ ⁡⁡ ⁡今回伺いましたのが、津田沼駅と新津田沼駅の間にある焼肉ホルモン酒場とろにく津田沼店さん。⁡ ⁡⁡ ⁡つい最近リニューアルして、ホルモン中心のお店から本格志向の焼肉屋に転向したお店です😁⁡⁡ ⁡ ⁡な・ん・で・す・け・ど!⁡ ⁡⁡ ⁡3枚目の写真に載せてますが、なんと卓上サーバーで飲み放題がついてるんです!⁡ ⁡⁡ ⁡美味しい肉を食べながら卓上サーバーで好き勝手飲みまくれるというとんでもないお店🤣⁡⁡ ⁡かつ、飲み放題が激安😍 ⁡⁡ ⁡焼肉もお酒も好きだけど、飲みすぎると会計とんでもないことになるしな、という私みたいな人にはピッタリのお店🤣 ⁡⁡ ⁡ちなみにリニューアルに当たり、埼玉でブイブイ言わせてた店長をわざわざ津田沼店に呼び出したとのことなので、これは力入ってますよ〜😆⁡ ⁡⁡ ⁡ナムルも本格的で美味しいし、ヤリ過ぎハラミというとんでもないサイズのハラミが食べられたりと、かなりアミューズメント性の高いお店🤣⁡ ⁡⁡ ⁡もうね、ハラミについては動画見てもらった方が早い、7枚目に動画つけてますので😍⁡⁡ ⁡これはちょっとね、抗えない🤣見ちゃったら食べたくなりますよ!! ⁡⁡ ⁡焼肉・ホルモン酒場 とろにく津田沼店で検索してみてくださいね! ↓ @toroniku_tudanuma 私が記事提供もしてます、お酒のブログヒャクヤクにも焼肉・ホルモン酒場 とろにく津田沼店さんの紹介記事載せてます! 良かったらプロフィールから飛んでみて下さいね😁 ↓ @sakezuki.horoyoi #千葉グルメ #津田沼居酒屋 #津田沼グルメ #津田沼居酒屋 #津田沼ディナー #とろにく津田沼店 #酔っ払い #赤ワイン #白ワイン #息抜き #ドリンク #うまい #生ビール #炭焼き #飲み屋 #大衆居酒屋 #サントリー #ビームハイボール #本鮪 #日本食 #串焼き #スナック #酒 #カクテル #キリン #酒蔵 #PR (津田沼駅) https://www.instagram.com/p/Ck-xcPNpWv1/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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keredomo · 2 years
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身体と情緒
 PMS(生理前症候群)期に女性ホルモンが強制的に精神を不安定にして、常日頃は理性によって抑圧している悲しみや苦しみが噴出することを、薬などで緩和せず、そのままに受け入れるよう努めてきた。それが私の中にある悲しみや苦しみの存在を再認識する作用をもたらすことが、人生を正しく生きるためには必要不可欠だと思って、数日間の心の辛さに甘んじてきた。が、ここ数年の人生で受難するたびに抑圧してきた状況のおぞましさはとても人間の心が耐えられるものではなかったらしく、気がついたら女性ホルモンの作用によって噴出する悲しみや苦しみが私に「もう死のうよ」とあられもなく囁くようになって���た。
 数日間でおさまるとはいえ、厄介な時期である。これまでに受けてきた傷の記憶の絶え間ないフラッシュバックに晒されて毎秒ごとに過去を傷つきなおし、その激しい痛みに悶え抜く。すると、もうこの人生を生きたくない、こんな人生はとても生きていられないという「理性的な判断」が生じる。徹底して論理的な私の理性は「徹底して論理的な希死念慮」を生じさせる。一時的な波にすぎない感情でも感覚でもない、理性のほうから希死念慮を提供されると、私はそれに反抗する根拠を本能から持ってくるしかなく、幸いにもそれは理性と同じくらい強靭な動物的本能を備えており、かつ肝腎の理性のほうでも「死んではいけない理由」を別ファイルで保存してあるため、現実的には衝動にしたがって身投げして死に至るようなことはないのだが、理性と本能、理性と理性が闘うときにその激しい摩擦によって生じる火の粉は私の感情に降り注いで発火し、私を構成する要素のなかで最も脆い私の感情を至極残酷に灼熱の炎にて焼くのであった。
 これが私のPMSである。月に一度かならず来る精神崩壊。私の生き様が、私の体にその罪を引き受けさせ、罪を贖う罰として精神を破壊し尽くそうとする。自分で自分を業火に突き落とし、焼いても焼いても死なない様を見て泣く、それが私のPMSである。
 ここ数度のその症候で、理性の突きつける「論理的な希死念慮」を突き返す力がもう自分にはなくなっていることに気がついた。ある日はごく冷静な顔をして包丁を手に取り、刺すのにもっともよい隙間を探して肋骨と肋骨の隙間を一番上から一つずつ降りていった。ある日は理性が保存している「死んではいけない理由」を破壊するためにつぶさに点検し、穴を見つけてそこにマイナスドライバーを差し込んだ。差し込んだそれをくいっと捻れば一発で瓦解するような致命点を見つけるまで執拗に点検し、そうしてその一点を見つけてしまった。その時は、症候の終わりによってはっと踏みとどまることができたが、次の症候がきたら間違いなく同じ箇所にドライバーを刺して破壊に至るだろうことは容易に想像できる。来月は死ぬだろうと。
 どうして生に踏みとどまる力が次第になくなってゆくのか。
 理性といっしょに考えた。本来だれにも毀損できないはずの、根源的な生命力を削られるほどに他者に差し出しているものが何であるのか、理性といっしょに点検した。それは愛だった。絶対善だと思っていた愛が、私を殺しにかかっていた。
 愛は、無限の泉ではない。
 愛と名づけて他者に差し出すことのできる愛は、活力や技術、知性、表現、他者に向けるだけの人生の余力、そういったいろいろな要素が支えているものだが、その核をなすのは自尊心である。
 愛とは「私があなたを愛している」という二者関係がなければ成立しない。「私はあなたに愛されている」という二者関係がもたらす特権的な充足感がなければ成立しない。「あなたに愛される私こそ素晴らしい者なのだ」という形、理屈に寄り添う形で、相手を満足されるためにはじつは、差し出す側の自尊心を切り取って渡すことしかできない。それが私の経験による結論だ。
 もちろん異議はいくらでも生じるだろう。愛の形はそれぞれだ。自尊心の捉え方も。しかし、地位や権力、名前や収入、所有と損得を完全に排除した関係があなたと誰かにおいて成立したと仮定したとき、あなたは何を担保にするだろう。「あなたが好きだ、あなたを愛している」と他者に伝えるとき、何を担保にして伝えるだろう。他者が「あなたを愛しているのだ」と打ち明けるとき、何を明け渡すだろうか。互いに差し出せるものは、やはり人生しかないのではないか。
 人生とはなにか。他者に差し出せる「人生」とはなにか。
 自分がこの世に存在していいと思えるだけの努力をし、人から認められ、愛され、優しくされ、求められ、そうして獲得した自尊心だけが、あなたが切り取って他者に差し出せるものではないだろうか。あるいは、人に疎まれ、蔑まれ、ないがしろにされ、愛されず、否定され、非難され、関心をもたれなかった、そういう負の感情を埋めるために人から奪おうとする衝動が、あなたが他者に愛されたいと願う理由ではないか。
 誰もがその体にあなたの人生を記録しているだろう。本来的には、根源的には、それ以外に差し出せるものなんかないのではないか。
 私がどうしてこれ以上生きていけなくなってしまったかということを、理性といっしょに考えた。そうして、自尊心を人に差し出しすぎてしまったのではないかという結論に至った。
 人と関わる上で、関わる人の事情に配慮して、たくさんの我慢をしてきた。「私は我慢を強いられる程度の人間だから」というのは、自尊心を貨幣として、相手に差し出すことだった。繰り返し繰り返し差し出して、もう貯蓄が尽きてしまったのだった。
 だから死のうとした。もう人に差し出せるものがないから。人に差し出すことでしか人と関係できない自分は、もうここから先には進めないから。
 自分に与えられる愛が残らないくらい、人を愛して、愛し続けて、死に物狂いで与えて、もう自分が生きるために使うものがなくなってしまって、本当に愚かなことだと思うが、なくなってから、枯渇してから、枯渇したがゆえに精神が錯乱してから、ようやく気づいた。与えすぎたのだと。理解しすぎたのだと。理解し、理解したがゆえに己の望みを封じ込めてしまうようなことを、その我慢を愛と呼ぶ欺瞞に身を浸して、削り取られるだけの日常を自ら望んで送って、それが破綻して、今に至るのだと。
 愛する人に「死んでいいよって言って」と泣きながら縋ったけれど、やっぱりどうしても言ってくれなかった。「本当に言ってほしいの」と訊かれて、うんと言えなかった。私はまだ惨めに生に縋っている。その理由を考えるのがもう億劫になってしまって、ついに考えるのをやめた。
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kennak · 1 year
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追追記大変遅くなりました!!!本当に今更ですが・・・ちょっと長くなりすぎたのでnoteに返信を書きました。(新規のnoteアカウントです)https://note.com/akanenbo/n/n377af3f862ceもし良かったら返信も見てください。追記やー…すっごい伸びてしまってあわあわしています心配や応援してくれた方、本当にありがとうございますあなたがたの様な人が居るお陰で私や性違和がある人、もう少しいえば色んなマイノリティの人が救われていると思いますマイノリティの代表者面じゃなくてあくまで想像なのですが!本当にありがとうございます ちょっと夜に返信と補足書きますね術中と術後の話も需要ありそうなので記載します今回はもぐまでの話だからって事で省いちゃった疑問点とかあれば出来る限り記載します あと、トランス女性じゃなくなったみたいな表記で不快感を与えた方、ごめんなさい私は本当に戸籍や身分証明書の事でしか考えてませんでしたどちらが正しいかは私にはわからないですが、デリケートな話を本質じゃない所でするのは良くなかったです 本文https://anond.hatelabo.jp/20230306124934この記事へのアンサーです記憶を頼りに書いたらので色々間違ってると思うので正確な内容は一次ソースあたって下さいプロフこの間お兄ちゃんは子宮切除しなくて済むよ!って書いた増田ですうへへ…ホットエントリ入りすると増田の味がやめれなくなるねあくまで自己経験からですが大変なんだぞって話をしますちなみに戸籍が女性になってるので厳密にはもうトランス女性じゃなくて女性カテゴリになってるけど悪しからず今回は前みたいにマニアックじゃなく…なる予定でしたが色々書いてたら長くなっちゃった. 手術の金銭面の問題まぁ高いっすSRS(最適号化手術、ちんを切って女性化する手術、以下SRSどだけ)を受けるには国内、タイ、その他医療先進国、で受ける手段があります  ですが、SRSを受ける人は大体タイを選んでます理由はいくつかあるのですが、値段と技術と期間とアフターサポートとその他諸々含めて一番いいからですね一般の皆様は国内で受ければ良いって思うんでしょうが、予約がめっちゃ先の…私の時は3年先とか?まで埋まってるから海外行きたくないって強い意志でもない限り選択肢から外れます一応保険適用になったっぽいんですが(前にも書きましたが)ガイドラインにあるホルモン適用してたら保険適用外になるという不思議現象が起きていて殆ど使われてませんホルモン例外が無くなれば選択肢に入る可能性もあるのですがあと日本は残念ながらSRS技術の後進国なので、非常に質が悪く…女性器の形が良くならなく、ネイティブ女性のそれとかなり違い、かつ感度も良くないらしいとか で、次の選択肢は先進国…アメリカとかカナダとかですね高すぎるので選択肢に入りません石油王なら選択肢に入るのかな…詳しくは知りません質は良いと聞きます そして、タイですタイには名医と言われる先生が2人ほど居て、それぞれの先生の名前からガモンホスピタルとスポーンクリニックという病院がありますおそらく日本人含めたある程度お金あるSRSする人はこの二つの病院から選びますガモン先生はチンを再利用して周りの神経とかまで使って穴を作る権威チンだけ先に切るとこの術式が使えなくて大腸使う方式になるんですよねスポーン先生は…私は余り知らないですがスポーン式とかいう方法でまた権威の先生です当時ガモンクリニックで70万円ぐらいでスポーンクリニックは+30万円ぐらいだったかな今は円安だから100万円ぐらいしちゃうのかこれに交通費と3週間のホテル(病院指定)とあわせて130万円ぐらい最低でこれぐらいですがここから更に費用がかかります まずアテンド会社料金入るのは必須じゃないんですがタイでの書類を出すサポートとか1人の病室に来てくれたりとか、非常に手厚いらしいです私はお金ギリギリだったのでアテンド会社頼みませんでしたがガイドとかではお勧めされてたりしますこれで大体30万ぐらい上乗せですね さらに個別の追加料金30歳?か35歳?以上になると確か追加でお金がかかりました、20%増しとかだったかなさらに体重70キロ超え?とかだとさらに20%とかかかりますそしてチンを使わない術式…これ、チンを切ってしまったとかでは無く、チンの長さが11センチ?以下とかでも使えないんですよねそうなると穴を作るのに大腸の一部を切り取る必要があり、60万ぐらい追加料金になります更に術後の経過次第で3週間では帰れない事もあるのでバッファの滞在費と交通費が必要です 長い間海外に行くわけなので荷物も何かと必要ですし合計350万ぐらいは計算した方がいいですね 手術外の金銭面問題昔は雑にSRSできたらしいのですが、それでバキバキ手術した人が死にまくったらしく日本人がSRSするにほガイドラインというものを通さないといけなくなりましたこれも、かなり費用かさむのですまず初めに染色体検査や血液検査や性器の検査、諸々で10万ぐらいあとガイドラインが進むと週に一度ホルモン療法で5000円ぐらい、二月に一度血液検査で一万円ぐらいさらに女装が好きな性癖じゃなくて女性になりたいんだよねって確認の為に精神鑑定 これを数年行わないと日本のお医者さんはSRS受けていいよって許可証を出してくれませんこの許可証が無いと国内国外問わずある程度ちゃんとした病院ではチンを切る事も出来ないのです社会生活、健康、収入問題さっき書いた許可証がとても大切で手に入れるのが非常に大変ですまず「私は小さい頃から心が女性でした、男性で苦しいです」って言うのをお医者さんに認めて貰わないといけませんそのため、物心ついてから今までどれだけ苦労してきたかを証明する必要があり、今までの人生を作文にします国語力が低いとこれが通過しません さらに社会生活を女性として一年?以上過ごす事が必要となります正攻法では通すためには、社会人としてトランス女性として一年ぐらい給料貰う必要がありますトランス女性雇う会社なんて普通ないんですよ(今は多少増えてたりするのかな)私は水商売だから例外中の例外ですが、水商売しないでトランス女性で給料貰うってどうすれば良いんでしょうかねトランス女性で社会生活送るなんて事が不要なら水商売してなかった…かなぁ世の中にはお酒とかコミュニケーションとかそれ以外の事とか苦手な人も居るのに、それらの人がSRSするにはめちゃくちゃ難易度が高いんですよ私は3年ぐらいで許可証出たのですが、それでもとても早く許可された方なんですよね 書いてて思いましたがこの間はどうしてもトランス女性としてトイレ行く必要がありますねバレなければ問題にならない女性トイレか入った瞬間に時によっては怒鳴られたりもする男性トイレか…多目的トイレの存在が有り難かったですね私は容姿とかについては恵まれてる?方で元から銭湯に行って女子鍵渡されてたタイプなので(ここ自慢)まだ良かったのですが、それでもトイレ問題がおっくうで外に行く機会は減りました容姿問題は残酷で。どんなに良い人でも男性にしか見えない人は現代日本ではトランス女性として生きて行くのは非常に大変なのです  そういうハードモードで、さらにSRSのお金貯めないといけないのですマジで水商売するか石油王か芸能人以外の人はどうやってSRS要件満たすのかな さらに手術をすると自由に動けるようになるまで最低半年かかります私は完全復帰するまで5年とか掛かったのでその間は親にごめんなさいして住ませてもらいました(ジェンダーの事で縁切られた後だったので5年ほど死んだように過ごしてました。それでも親には感謝しきれないです)私は術後の経過最悪だったのと精神がやられたので特殊ですが、一年は収入途切れても大丈夫な人しかSRSは厳しい気がします健康・その他性病持ってると手術してくれません血液検査結果で血液が固まりにくいと手術してくれません皮膚病で手術できない事があります健康な精神状態じゃないと手術してくれません体重一定以上あると手術してくれません18~59歳の間じゃないと手術してくれません他、色んな検査のどれかが引っかかると手術してくれません チンを切る話では無いですが、結婚してるとチンを切っても離婚しないと戸籍変更できません未成年の子供がいると戸籍変更できません  手術の危険性描くの忘れてたよ!手術するときには、死んでも何が起きても仕方ないですって書類にサインする必要がありますガモンヤンヒーでは余り聞かないですが、まぁ死ぬ例もありますまた、ソース忘れたのですがSRS終わっても術後一年で無くなる人も多いのだとか女性になれた!…あ、もう人生思い残す事ないや。死のうって感じで自殺する人とかも多いらしいですね、今まで苦しかった分余計に私も、かなりそういう風になりかけました まとめとかコロナのせいで海外での手術も出来なかったようです手術は前払い国際送金で「何かあってもこの日に手術出来なきゃ手術できませんお金は返せません」みたいな契約ありましたが、コロナ前にお金払ってた人はどうなるのかな… あと最近(といっても私が手術した時)はLGBTみたいな運動が軽く出始めた時で手術する人が多く、一年ぐらいは手術待ちました今だと更に待つんじゃないかな …と、言うわけで「私は男じゃない!」ってなった後すぐにチンを切ろうと思っても中々大変な訳ですジェンダークリニックに行ってる人は結構多いんですが実際執刀までできたのはどれぐらいなのか私も精神も病むしお金も無くなるしほんっとうに大変だったんですよねここまで調べるのも大変で、私には色々教えてくれる師匠みたいな人がいたから戸籍変更まで終えたのですが、1人だと無理だったでしょうねここでは書きませんが、手術もまぁー大変でした だから…女性になるのって本当に大変なのでトランス女性に石投げる時は少し手心があると嬉しいです昔の自分に石投げられてる感じがするので…
ちんこもいだ勢だけど、ちんこもぐのって大変なんだぞ
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