北軽井沢現場&きたもっく訪問
先週に続き、今週も軽井沢滞在しています。2月以降、雪道の運転を警戒して日にちをずらしたりしていたのですが、3月も残すところあと1週間というところで、まさかの、今冬一番の(人生一番の)雪道運転となりました。
しんしんと降る雪。真冬です。
先週は、リビセンにて資材調達の翌日、上着もいらないような暖かい日曜日、資材搬入とあわせて、お施主様に進捗を確認いただきました。『広い!』と第一声。
間仕切りがないことや吹抜けの高い天井や窓の抜けなどで、実際の面積以上の体感になっている様子。ロフトから眺める。
この日は、北軽井沢で地域資源活用事業を展開している『きたもっく』さんに伺いました。ロフトに置くベッドを地域の材で作りたいというところから、お施主様が連絡をとったことがきっかけで、その事業内容を、とても興味深くサイトで拝見しました。色々お話聞いてみたいという思いもあり、打合せを兼ねて訪問しました。
『きたもっく』は、1994年にキャンプ場から始まり、その後、薪ストーブの販売と薪製造、養蜂と展開し、2019年には山を取得し伐採から建築までを行うなど、地域未来創造企業として様々な事業を展開しています。
キャンプ場の『スウィートグラス』もコンセプトパークの『ルオムの森』も名前は知っていて通りかかることもあった場所ですが、すべて一貫した事業のひとつだと知りませんでした。
まずは、製材所のある『あさまのぶんぶんファクトリー』に伺う。
事務所にて、地域資源活用事業部の中川さんと、ベッドに使う樹種やサイズなどの打合せを行いました。中川さんはもともとギターの製造で木材を扱っていた経験から、北軽井沢に移住されたそうです。
参考に見せていただいた地元のナラ材を使った椅子、現在売り切れ中で再販予定なしとのことですが、欲しい!とリクエスト。
その後、ファクトリーへ。地域モノづくりの拠点として2021年にオープン。カラマツや栗などの原木が並んでいます。
こちらで製材。
『浅間ストーブ』の販売とあわせた薪製造のためのボイラー室。
その過程で出る年間100トン以上の端材や木屑を、薪乾燥のボイラーの燃料として再利用し、化石燃料を頼らない循環型の製造プロセスを作り出しているそうです。そして、薪乾燥室。
さきほどのボイラー室からの温風が送られてきて、ふんわりと暖かい。天井に置かれている炭は、現在、乾燥のためにいろいろ試しているところだそうです。
地元の材を使って作られた壁が素敵でした。
多品種少量生産が可能な製材所とのこと。今、ベッドに使える材は、ナラか栗、というような話をしながら。
立派なケヤキの無垢材。(北軽井沢で伐採されたものではないそうですが)前日のリビセンで、幅の広い無垢材を探すのに苦労したので、思わず注目。
今回の山荘に広いデッキがあるという話から、紹介いただいたのが地元の栗材。再塗装を行えば10年くらいもつとのお話。
このあと、実際に地元の材を使った建物を見に、キャンプ場へ移動。
浅間山の絶景を拝める場所に、様々な形のコテージ、キャビン、テント場があるのですが、とにかく広い。
段階的に広がっていったとのことですが、こんなに広大なキャンプ場があったとは驚きでした。
こちらが地元材で作られたコテージのひとつ、手ぶらで泊まれる形でなんでも揃っている。
カーテンで仕切るだけの、半屋外的なしつらえがあるのが魅力的。
全棟薪ストーブつき。
オープン当時からあるキャビンは、家具と薪ストーブのみが実装とのこと。
水場とともに、レンタルスペースあり。お風呂もありましたが、皆さん温泉に行かれるそうです。
かわいいツリーハウスや
焚火暖炉キャビンなど、いろいろな種類の建物が全部で46棟。
食材やテイクアウトもできるカフェ『アサマヒュッテ』は、こんど現場に来た時にランチに利用できそう。
ところどころに薪スペースがありますが、こちらのテントは『コロ薪』ステーション。薪にできず山を荒らしてしまう小さな木枝をカットし人工乾燥不要にした小さな薪を、焚き付けや焚火台で使えるようにしたもの。カートで薪を運んでいる人の姿が楽しげでした。
平日でしたが、春休みということもあって賑わっていました、キャンプ場の稼働率は8割を超えるそうです。
地域の資源を活用していく様々な取り組みと、雇用を生み移住を促進している様子に興味津々で見学を終えました。
今回、きたもっくさんの活動を知ることができた出会いに感謝、ベッドの製作も楽しみです。
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【有限会社セイコーステンレス】のオリジナルステンレス製品など138点が登録されました!
有限会社セイコーステンレスはステンレスパイプ加工、板金加工、製作金物や建築装飾金物など、お客様のニーズに合ったステンレス製品をお作りするステンレス製品製造専門の町工場です。
今回は、オリジナル製品を始めとしたステンレス製品、138点をご登録いただきました。
Arch-LOG セイコーステンレス 検索ページ
▼布団干しパイプ「HOSERUNO」
シャープな印象でシンプルモダンな家にもスッキリと調和するHOSERUNO-S。丸みのある形状でどんなデザインの外観の家にもマッチするHOSERUNOの2タイプからお選び頂けます。
下地の位置に合わせてセミオーダーからフルオーダーまで対応可能です。
庭に布団を干せるスペースが無くても省スペースで干すことが可能です。
2階の布団をわざわざ1階や外に運び出さなくても、すぐに干せてすぐに取入れられ、女性や子供、高齢者に負担が少なくなります。
完全自社製作だから状況に合わせたご要望にお応えできます。
ベランダや塀に干す場合と比べ布団に汚れが付きにくくなっています。
▼アートタラップ「Nopooru」
タラップに見えないアート感覚なタラップを、遊び心を感じさせる自由な取付発想で室内の壁に配置し、梯子に見えない空間を創造いただけます。
アート性とインテリア性を兼ね備えた室内タラップです。
ロフトなどに登るタラップだけでなく、 ロフトや吹抜け空間用の梯子、お部屋や店舗のアパレルディスプレイ、お部屋の壁面アートや洋服掛けとしてご使用いただけます。
▼ステンレス懸垂バー
省スペースで設置可能です。ぶら下がって背筋を伸ばし、いつでも自宅で筋トレができます!
選べる9タイプの形状です!
セイコーステンレスのオリジナルステンレスは、材質SUS304を使用し、品質の高いハンドメイド製品を製作しています。是非ご確認ください。
Arch-LOG セイコーステンレス 検索ページ
※文章中の表現/画像は一部を有限会社セイコーステンレス のホームページより引用しています。
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吹き抜けてつながるロフト 天井低めで、籠るのにちょうど良く落ち着きます 造作したカウンターは、角を落として すっきり薄く見えるようにしています 下の空間とつながる木枠の穴と合わせて 軽快に見せてバランスをとりました 他にも事例を紹介しているので @kazuya_ikezoi からとんで見てください #ロフト #室内窓 #木枠の窓 #ロフトカウンター #スタディデスク #造作カウンター #Jパネル #ハウスメーカー #注文住宅 #新築 #家づくりのアイデア #設計士とつくる家 #コラボハウス https://www.instagram.com/p/CpfIPWmrq42/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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… ≫9月20(祝)まで!完成見学会を開催中!≪ 見晴らしの良い高台に建つ、 どこにいても程よく家族の気配を感じられるお家です* 薪ストーブや、吹き抜け、ロフト、対面キッチンなど、楽しい見どころがたくさんです! ご検討中の方はぜひご予約ください😊💡 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー プロフィールから HPのイベント情報へ♪ ↓↓↓ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー #注文住宅 #家づくり #マイホーム #インテリア #interior #見学会 #シンプルに丁寧な暮らし #simplenote #シンプルノート相模原スタジオ #simplenotesagamiharastudio #新築 #新築一戸建て #自然素材の家 #家づくりセミナー #インテリアコーディネート #自然素材の家 https://www.instagram.com/p/CTwNvQSvkNN/?utm_medium=tumblr
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下舞木の家 造作家具と地震
2021年2月13日に発生した福島県沖を震源とする地震により被災された方に、心からお見舞い申し上げます。
どちら様にも違いは有りますが被害に遭われたことと思います。家具や置物倒れなど、小さな補修工事でもご相談ありましたらお気軽にご連絡ください。
大きな地震があった際に、私たちがいつも心配するのは「現在施行中の現場」です。工事の途中だからこそ、完成した家よりも地震の影響を受けやすく、甚大なダメージを受けることもあります。
今回の地震は、下舞木の家の木工事段階でした。
夜遅くの地震だったため、作業こそしておりませんでしたが、心配で現場まで見に行きました。
きちんと整理していたおかげか、地震の影響は全く見られませんでした。
たまたま、下舞木という地域が、今回の揺れの影響が少なかったことも幸いしたように思います。
瓦屋根の現場だったため、地震によってずれたり、落下したりなどの心配をしましたが、特に破損の状況は確認できませんでした。
ほっと一安心です。
棟梁も地震の次の日から、いつもと同じように作業を進めることができました。
丸柱の表面を滑らかに仕上げます。
親方の力作の、造作のベッドも姿を表しました。
ベッドの下に、たっぷりとした収納を作りたい、とのご要望に合わせて、半ロフトのようなベッドフレームを大工造作しています。
総ヒノキ材��作られ、全面スノコ状の構造。
抗菌防虫に優れたヒノキ材と、通気性の高い構造によって、快適な眠りをサポートします。
手すりなど、随所に木組の技を施しました。
大工さんが作るからこそ、家具屋さんが作った家具とは違う、建築的味わいのある家具となります。
少し高い位置でおやすみになることは、寝具を湿気から守り、身体が蒸れたり冷えたりすることからも守ることができます。
現場には、無垢のフローリング材も届きました。
上の画像は広葉樹のナラフローリング。100%国産材です。
上の画像はヒノキのフローリング材。こちらも100%国産材。
床の樹種を貼り分けることで、広がりある空間にもメリハリを出すことができます。
お施主様と、階段について現場での打ち合わせ。
リノベーションのため、解体後に構造材の太さなどの詳細がわかることもしばしばあります。
今回は、もともとプランしていた階段の段数と、既存の梁の太さが想定よりも太かったことが重なり、若干のデザイン変更をしました。
階段手すりもアイアンで造作することになるなど、現場で打ち合わせをすることで新たなアイディアが湧いたりすることもあります。
部屋の奥に見える、造作のロフトベッド。
高い吹き抜けには、作業を進めるために仮設の足場が組まれました。
ヒノキフローリングも、端から貼られていきます。きれいに目地が揃うように、気を遣って貼って行っています。
地震直後に、お施主様にも見に来てもらうことができたので、現場に影響がなかったことを直接確認してもらうことができました。
現場は大丈夫でしたが、BANKSの事務所や近隣などには、今回の地震で大きな影響が出ている箇所はたくさんあります。
復旧と並行して、下舞木の家も一生懸命完成に向けて工事を進めていきたいと思います。
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東村山の小さな家
「ローコスト住宅の先に見える心地よい家族の距離感、まちとの距離感」
この住宅はプロデューサーであり、設計者である飯塚の自邸です。
設計事務所勤務の人間はお金に余裕はない。しかし、不動産や住宅を提供していながら、自身が所有していない矛盾に常々疑問を感じていました。そんな日々を過ごしながら、ある土地を地元東村山市に見つけ、試しに予算組をしてみると、坪単価60万を切ることで何とか手が届きそうな収支計画が見えてきました。
そこで住宅を設計していくにあたり、とにかく無駄なものは作らない。そんな中で生み出されたのが、平面方向には仕切りを作らないワンルームをベースとした空間構成でした。間仕切りだけでなく、明確な玄関を作らず、主採光面である南に面する開口部に土間空間を設けた結果、民家のような入り口が出来上がりました。
またただのワンルームではなく、高さ方向で場所ごとの特徴を作りました。吹き抜けのある階段、木部が露出している天井、高さが変化する勾配天井、子どもがワクワクするロフトなど、8種の天井高さと3種類の天井仕上げが各場所のエリア性を生み出しています。
コストをかけられない状況が、常に家族の声を感じる暮らしを生み出し、まちに開かれた土間空間には近所の人が立ち寄り、世間話やおすそ分けが行われ、小さなコ��ュニティが育まれています。
今後この住宅に住みながら、ガレージセールをしたり、ギャラリーとして家を開放してみたりと色々暮らしや使い方の幅を広げていこうと考えています。
ローコスト住宅が仲の良い家族を生み出し、まちに楽しさを与える、そんな新しい住宅像を今後も示していければと考えています。
写真撮影:松崎直人
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今週末の土曜・日曜に小松ヶ丘で「住まいのフレッシュフェア」が開催されます!
ヘリテージホームでは合同駐車場の隣にて完成住宅見学会を開催します♪
今回初お披露目となるお家は、ダイナミックな勾配天井の吹き抜けや星空を望めるロフトなど、ご家族の思い入れ・アイディアが満載な造りとなっております^^
お子様連れのお客様でも楽しんでいただけるミニイベントも行いますので、皆さまお誘い合わせのうえ是非ご来場ください。
スタッフ一同心よりお待ちしております m(_ _)m
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This A-frame’s 55 years old. The owner’s grandpa and dad built it with some friends. We learned their heart-warming family stories from the dad directly. We’re sure that more beautiful stories will be made here.😊❤️ - 55年前にセルフビルドで建てられたA-frame。 現オーナーさんに建設当時の貴重なお話を伺うことができました。 - #aframe #cabin #interior #whiteroom #whitehouse #skylight #skywindow #furniture #furnitureroom #stairwell #三角屋根 #大屋根 #インテリア #ホワイトインテリア #ホワイトルーム #天窓 #吹抜け #家具 #loftstyle #ロフトのある家 #ガーラント #セルフビルド #selfbuild (New Hampshire) https://www.instagram.com/p/Bqr7lTwFP7A/?utm_source=ig_tumblr_share&igshid=15vuciid6yqoz
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おはようございます。 今日は朝からコンクリ打ち立会いです💪 写真は2005年に竣工した岩倉の家(←僕の事務所のめちゃ近く)のリビングの吹抜けに面して3室並んだ子供部屋です。 廊下の手すりを兼ねて造り付けの本棚をそれぞれの部屋に割り当てています。(同じ並びで書斎もあるので本棚は全部で4つあります。) 子供部屋3室ともにロフト付き。 #子供部屋 #ロフト付き #引戸 #造り付け本棚 #愛知県岩倉市 #青木昌則建築研究所 https://www.instagram.com/mojaoki/p/CYzs8wOhZUv/?utm_medium=tumblr
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ロフトまで吹き抜けが続いている開放的なお家。 最新施行事例はホーム画面のURLから👉 @lohastahome #新築注文住宅 #新築住宅 #ロハスタ #ロハスタホーム #lohastahome #lohasta #lohasstudio #モデルハウス #予約受付中 #gooddesign #グッドデザイン賞 #デザイン住宅 #マイホーム #一戸建て #設計士とつくる家 #住宅設計 #部屋作り #吹き抜けリビング #吹き抜けのある家 #リビング #吹き抜け階段 #ロフトまで吹き抜け #ロフトのある家 #followforfollowback #photooftheday #instagood https://www.instagram.com/p/CSEM9d1HsTl/?utm_medium=tumblr
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🏠 間取り紹介1階 それはそれは夫婦でたくさん間取りを書きました。 間取りを描くのとっても楽しかったな。 ものすごく喧嘩もしました。 基本、私が叶えたい間取りを書く ↓ 夫が容積率の計算や現実的かを考慮し書き直す ↓ 設計士さんが構造や一条ルール、建築プロ的視点から適切な形に修正をするという感じで進みました。 ●叶えたポイント ・リビング南面5マス ・大きな吹き抜け ・回遊キッチン ・1階にキッズルーム ・1階にファミクロ ・洗面所と脱衣所をわける ・お風呂大きめ&半身浴槽&窓 ・訪問者が来ても靴を履かずに玄関ドアを開けられる ●諦めポイント ・地域の建築物規制が厳しいです。 北側斜線の関係で天井高2600、屋根裏収納、ロフト諦め… ・玄関から水回りにすぐ行けるのが希望でしたがマス数の関係で諦め… #一条工務店 #グランセソン #間取り #間取り図 #間取り公開 #吹き抜けリビング #回遊キッチン #キッズルーム #リビング #ダイニング #ファミリークローゼット #生活動線 #狭い玄関 #マイホーム計画中の人と繋がりたい https://www.instagram.com/p/COwhqB_jvSH/?igshid=1jchec95uxvgm
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2つの吹抜けがロフトでつながる 平屋の事例です。 吹抜けへの縦のつながりと、中庭への 横のつながりを合わせた、広がりを感じる 計画としました。 上へ吹上がるキレイに残した壁の効果で 中庭に大きく開けた窓の抜け感が、 対比で、よく映えます。 気になる点や質問があれば、気軽にコメント、 DMお願いします! 他にも様々なお家をHPで紹介しているので @kazuya_ikezoi からとんで見てみてください。 よかったらフォローもお願いします。 #2つの吹抜け #地窓 #中庭 #中庭のある家 #タイルデッキ #ハイドア #畳コーナー #リビング続きの和室 #香川カフェ #愛媛カフェ #設計士とつくる家 #設計事務所とつくる家 #香川 #愛媛 #大阪 #徳島 #コラボハウス https://www.instagram.com/p/CgCgjJ_Pr2u/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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2021/5/1
朝、遠足が楽しみで早起きしてしまう子どもです。窓を開け、玄関にも出てみる。遠足日和! そろそろ半袖でもいいような気がして、何を着ていこうか。ここはひとつ、みんなに奇襲をかけるべく、ガラッとイメージを変えて青い花柄のシャツを着ていくことにする。どうせイメージを変えるならと思い、シャツインしてみると、なかなか面白い感じになったからこれで行くことにする。念のため、お気に入りの青のスカジャンも上から羽織る。家を出て、10歩くらいでスカジャンを脱ぐ。あっついね! お財布がすっからかん、ATMでお金を下す、機械からありがとうございます、どういたしまして。横断歩道の待ちに加わろうとすると、向かい側にNの姿が見えて手を振る、あれ、なんか反応がうすい、どうしたんだろう。信号が青になって横断歩道を渡ると、誰だかわからなくて目を凝らしてましたって。奇襲は成功なのか? 青い靴下がいいね。ついでやってくるのはT、わあッ、夏仕様だって。奇襲は成功ってことでいいのかしら。今日は何のアニマル柄だろうと楽しみにしていたら、今日はアニマル柄ではなくて、でも、恐竜の骨のネックレスを身につけている。いいなぁ。じつは鈴を付けはじめたのは、コジコジのワッペンとか、アニマル柄とか、フクロウのかばんとか、恐竜の骨のネックレスとか、そのひとを象徴するような逸品を誠実に身に付けていることに憧れていたからで、鈴≒お遍路≒仏教≒東南アジア≒夏≒カリーみたいな意味も無理やりなこじつけながら込められている。少し遅れて到着するのは��主頭の伸び具合が気になるRで、坊主頭はぜんぜん伸びていなくてざんねん。このあいだと同じ着古した浅緑のジャージを着ていて、その質感にじぶんの青のスカジャンと似たような匂いを感じる。死んだおじいちゃんのことを思い出している。おじいちゃんも同じこだわりの逸品を身に付け続けたひとで、おばあちゃんとお母さんの天才的な計らいにより白装束ではなくいつもの格好で棺におさめられ、こだわりの逸品たちといっしょに燃やされていった。あんなに素敵なお葬式ははじめてだった。
産まれたてのカモの赤ちゃんを見に行く。元気いっぱい! 泳ぎが速い! ゴムボールのような弾力! 子どもたちが数をかぞえているのに便乗、ことしは十二羽。一羽だけ生後二日目ながら潜りの練習をしているカンのいい子がいる。おばあさんが電話口でカモの赤ちゃんの産まれたことを誰かに伝えている。見ているときはわりと冷静にだったけれど、いま元気いっぱいの赤ちゃんたちの姿をあらためて思い浮かべてみると涙がとまらない。
このあいだRが行けなかったマンションに。なんかけっこうひとがいて侵入がむずかしそうだから、外階段のこわいほうに上ることにする。Nは下からみんなの姿を見るといって待機。青いウニと緑のウニ。うう、やっぱりこわい、足がすくむ。歩道橋にいる豆粒サイズほどのNが見える。TとRはぜんぜんまったく平気なようで、鍵のかかった柵をよじ登って屋上に行ってしまう。柵すらない30センチあまりの敷居のあるところから真下を覗いていて、楽しげな声がきこえてくる。Nもあがってくる。こんな錆びた外階段に4人もひとが居たんじゃ底が抜けちゃうって思って、錆び鉄のところじゃなくてコンクリートのところに身を寄せる。そしたらナイスショットで遠景を眺める三人の後ろ姿をパシャッ。下には写真を撮っている男のひとと被写体の女のひと。Nから技使いのかよこさんのはなしを聞きながら駅のほうへ。急な縁談のはなしといい、かよこさんのはなしといい、そういうひとを引き寄せているのはNのほうかもしれなくて、きっとNの真心のようなもの(想像では、それは鳥のかたちをしている)が日頃からポロっと表面にこぼれているからなんじゃないかと勝手に想像する。かよこさん、あってみたいなぁ。技、使えるようになりたいなぁ。お目目のとってもきらきらした犬とすれちがう。その瞳に歓喜するTなんだけど、おまいさんのその瞳も相当なものだぞっと思う。全盛期の松坂大輔のように真っ直ぐミットにとどくストレート、いつも三振してばっかりだから、そろそろカキーンッと打ち返してやりたいね。
地下鉄、窓の反射、静かな列車内で思いがけず視線劇のようになる。
薄々気づいていたけれど、どうも先頭を歩かされている。ちゃんとみんなが着いてきているかどうか、後ろに振り返ると三人が鈴の音に導かれるように縦一列に連なって歩いている。それはそれでおもしろいんだけれど、なんかちょっと、ねぇ。
目的の駅が近づいてくるあたりから唾液腺が活発に活動しはじめ、お店のまえで御馴染みのスパイスの薫りを感じたときにはもう滝のようなよだれ具合になっている。角の四人席、右からNとTがよこならび、その向かいにRとじぶんがよこならぶ。当然、投げ込まれるTのストレート、まぁた簡単にストライクをとられると思ったら、ペロッと笑ってくれる、めずらしくボール先行。Rのチャームポイントの耳のはなし、Nちゃんもこの耳がいいんだよって言っていたとか、ふたりがいっしょにいるところ見たいなぁ。あと、Rは耳だけでなく前歯もかなりチャームポイントだと思う! カントリーカリー×4が到着、おばちゃんは相変わらず曲者で、でも、旦那さんをSさんと、名前のさん付けで呼ぶのがかわいい。嗚呼、なんて美味しいんだぁ。プリックナンプラーが口のなかで弾ける、Rのプリックナンプラーを噛んだときのアクションがお手本すぎる。おばちゃん帰りがけに気づいてくれてうれしい。そう、そうなんだよね、元気が出るんだよね!
Hからの連絡はまだなく、オリンピック公園を��由しつつ川に向かうことにする。長閑な住宅街の裏通り、一軒だけ名前のついているアパートがあって親近感がわく。大学に面した通り、花がいっぱい咲いていて天国みたい。白と赤のNのそう言い表すところの踊り子のような花、この花のことはまえから気になっていて、Rが調べてくれた名前は長すぎて思い出せない、でも、この花をみんなで見たことは忘れないないだろうなぁ。オリンピック公園は色濃い緑がどこまでも揺らいでいて、夏の息吹に包まれている! しかも、その緑の膨らみの上から鉄塔が覗いている。この夏の雰囲気をTが手放しに喜んでいる。そういう素直な声を聞けるのって嬉しくて元気がでる。
Hから連絡がきて、来た道を引き返す。Nがカゴ抜けインコを発見、みんな、どこどこって樹の上のほうを見上げる。インコの繁殖力はなかなかのものらしく、いつかスズメとかと同じようにそこら中でインコが見られるようになるのかなって。住宅地の家のドアに映るじぶんたちのでかい影。たけのこ、たけのこの思い出。
地下鉄はトンネルを抜けて。改札前でHの姿を探す。いた! トレンチコートがよくお似合い。挨拶なんかを交わしながら川のほうへ。河原の入口に工事が入っていて、ちょっと雰囲気が変わっている。川の水面がきらきら、列車が橋をガタンゴトンと渡る。河原がこんなに広いとどこに腰を落ち着ければいいのかわからなくて、わからなくなったその場所に相変わらず準備のいいNのビニールシートを広げることになる。そこは花が咲いているからと遠慮するNに、雑草は踏み付けられて丈夫に育つんだよとR、そうか~そうだよね~とN。風が強くて、ビニールシートを広げようとした瞬間にもそのすべてがNの顔面に襲いかかる。わあああっと暴れるN、手伝おうするかに見えたRはよりビニールシートがNの顔面を襲うように手配する。みんなでビニールシートを広げ、それっと荷物を四隅に乗せる。
てんとう虫がくる、飛んでゆく、パカッとロボットみたいに飛ぶんだねってR。夕陽が見たいと言うNに、太陽の沈む方角を確認しながらRが望み薄だねって言う。上裸のおじさん。ボールを咥えた犬。薄々というか明確に気づいていたけれど、風が強すぎて、しかもこの風は驟雨の前兆のような風で、なんか肌寒くなってくる。Rのトートに預けていたシャカジャンをRが気を利かせて出してくれる。でも、まだそこまでではないから、だいじょうぶって半袖シャツの下に折りたたんでいた長袖インナーの腕を出す。そんなつもりではなかったけれど、Tを筆頭に大笑い。じぶんのことながら、それがなんだかじぶんでも可笑しくって、可笑しくって、ボケたつもりはまったくないんだけども、いまのところ生涯で二番目に笑ってもらった思い出になりました。
心配していた雨が降りはじめる。降りはじめにもかかわらず大粒の雨がひゃーひゃー落ちてくる。橋の下に避難しても横なぶりの雨が吹き抜けてまったく雨宿りにならない。いま思えば、みんなでビニールシートの下に隠れて移動したらもっと愉快だったかもしれない。これからどうしようか、ひとの家が大好きなRがすかさずHの家に行こうという。いやあ、うちはうさぎ小屋だからな~、とH。一瞬の間があって、見える、見えるぞ! Hのまわりにたんぽぽの綿毛のようなほわほわの浮かんでいるのが! 狭いことをうさぎ小屋と言うことの可笑しさから、それなら狭くて天井の高いうちは鳥小屋だなぁっと思ってなおのこと愉快になる。はやく引っ越したいとしか思えなかったじぶんの住まいが、この頃だんだんと楽しいところになりつつある。
行く当てもなく、エレベーターで商業ビルの最上階に上ってみたり。お洒落なトイレに入ってみたり。外側に面したガラス張りのエレベーターで下降、みんなでうおおおぉって言いながら、遊園地のアトラクションみたいに楽しい。ほかの商業ビルにも行ってみる。何故かエスカレーターに鎖がかけられいて、Rとそのなかに入ってみる。大きな立派なビルなのに誰もひとがいなくて、何となく廃墟にいるような不気味さがある。そんなことをしているうちにも雨があがり、日差しもでてきて、さっきまで肌寒いくらいだったのにぐんぐん暑くなってくる。適当に歩いていたら川を渡す大きな橋に行き当たったから、これを渡って対岸でさっきの続きを。橋の上はありえないくらい風が強くて、ゴゴゴゴゴーって風の音でおたがいの声も聞こえにくい。油断すると手に抱えたスカジャンが吹き飛ばされそう、カツラだったら確実に吹き飛んでいる。橋を渡ると、越県している。知らないうちに県境を跨いでいたらしい。段差の小さなやさしい階段をくだる。野球場があるからマウンドに立つ、マウンドは気持ちがいいね! 投球の仕草をしたら球みえましたって。
河原の階段に腰を落ち着かせる。階段の裂け目から雑草が伸びていたり、苔が生えていたり、ミズゴケがかわいい。さっきまでいた対岸とはずいぶんと雰囲気がちがって、この寂れた感じがとてもいい。Hの幻聴のはなし。まえに『かおるクロコダイル』について書いた文章はじぶんでもとても気に入っていて、いまでもたまに読み返す。いま思ってみれば、これはあくまでも小説について書いた文章だけれど、どうやらHという個人の人柄に全面的な賛同を示しているような具合でもありそうで、ほとんどラブレターのようなものじゃないかっと、ちょっと照れてしまう。水槽のはなし、お墓から芽が出たら見に行きたいなぁ。誰かがたばこを吸い始めると、急に盛り上がるRとN。とても可笑しい。隣人にパンを分け与える聖職者か、占領下の子どもにチョコレートを分け与えるアメリカ兵のようにHはふたりにたばこを分け与える。
ふらふらと川岸に下りてゆくHのあとを追う。ゴロタ石の川岸に興奮しちゃう、石投げ放題じゃん! 石を投げまくる。Rは石を跳ねさせるのがめっちゃ上手い、5回とか6回も跳ねる。こんどは流れてきたビニール袋を狙って投げる。大きな石を両手の下手投げで川に投げ入れる、ザッブーーン。対岸にはかっこいいダンスミュージックをウーファー付きの大きなスピーカーで流して踊っているひとたち。もらい踊りする。ゴロタ石に向けても石を投げてみる、カッチカチといい音がする。炊飯器のお釜。NがRの帰りの時間を心配している。駅のほうに向かう。公衆トイレに寄る、Rのトートを預かる、用を足して出てきたRはニコニコでありがとうって。髪がなくてできないのが残念なんだけど、髪があったらわしゃわしゃわしゃーって犬を洗うみたいに髪を撫でまわしたい。そういえば、風に吹かれまくったTの髪がライオンみたい。
Rは暗くなったら帰るとNちゃんと約束したらしく、まだ明るいから公園に行くことにする。でかい犬。さすがに先頭を歩くのには飽き飽きで、憤慨してるって言いながら後ろにまわる。Rが最後尾を譲ってくれる。ようやく、みんなのことを後ろから眺められる。後ろを歩くのは気分がいいなぁ! 憤慨って言葉がなんかおもしろくて気に入ってしまって、憤慨、憤慨、憤慨を連呼していたら、申し訳なさそうに苦笑いするNと目が合う。
公園。小さな公園なんだけれど、かつてはきっと鎮守の森だったであろう面影を残している。その象徴のような大樹は太い根っこが地面からモリモリ盛り上がっている。いい樹だなぁっとちょっと泣きそうになる。ブランコ乗る、目一杯。みんな一本の樹に集まっている。揺れがおさまってから、みんなの集まっていた樹のもとに遅れて向かうと、木肌に「殺す」と刻みつけられていて大笑い。まるで幻聴がHの小説のように視覚的現実としてあらわれたようだとワクワクする。Tから毎日ポケモンパンばかり食べているはなしを聞いて、何か作りに行ってあげたほうがいいんじゃないかと心配になる。ブランコにぶら下がって懸垂をしているひとをみて、Tができる? って。まぁ、ちょびっとならできるだろうと思ったら、まさかの一回もできず、ショックすぎる! Rもこの運動に参加、一回、二回、三回とできている、悔しい! 鉄棒があるから逆上がりくらいならできだろうと高を括ってのぞむと、もうほんとうにかなりギリギリで辛うじて坂上がれる。Mちゃんはこれで精一杯と前まわり。ていうか、ほかのひとはまだともかくとして、Tはちょっと違和感ありすぎるからMちゃんでいいですか、いいよね! でも、ちゃんと呼べるかな、ひとの名前をちゃんと呼べない病気のことが脳裏によぎる。公園の電灯がともる。それが橙色の光で、夕陽は見られなかったけども、夕陽みたいでいいなぁと思う。
駅に向かう、あんまり辿り着きたくはない。蔦に覆われたもこもこの何か。ひとりだけ反対方向のRを見送る、エスカレーターから手だけ見える、嗚呼あああぁ。対向車線のホームにのぼる、Rが向こう側にいるかなって探すけどいない。ベンチに座る、ベンチがすべすべでからだが沈む。疲れているし、お腹が減っている。電車がくる。大好きなロードムービーのこととか、子どもの頃の夏の公園を思い出している。旅のさなかで、ひとり、ふたりと仲間が増えていって、終幕とか夕暮れがきて、ひとり、ふたりと仲間たちが散り散りにさよならしてゆくときのことを。ついでHとのさよならのときがくる。同じようなことが何度か繰り返されると、最初の頃の新鮮な感覚が薄れていったり、かえって義務感のような重荷になったりすることがあるけども(それはおたがいに)、Hのそれはあたまで考えるようなそんなややこしいことをスッと越えて、ごく自然に最前線の地点からとっても素直な気持ちの発露としてなされているような感じがする。だけど、それはひとりでは成立しなくて(それはおたがいのことであるから)、じぶんもまたそれを素直に受け止めて心から喜ぶことのできる才能があるってことを見出せたことが何よりも嬉しくて、そのことを先に見出して導いてくれたHにはあたまが上がらんのです。
列車に残されたじぶんたちはまことにほんわかした気持ち。そういえば、夏好きですかって質問にHが「暑いの以外ぜんぶ好き」って答えてたの秀逸っていうか、新しいっていうか、素直だったなぁ。
カッキーンっと打ち返すべく、Mの真っ直ぐな瞳を見つめる。その目のよさに触れると、ええぇ、目つき悪いし、目で笑わないしって。ええぇ! って、こっちも応酬すると、MがNに「こんなふうに笑ってみたらいいの?」ってニコッとする。そのがんばった健気な表情、かわいすぎて気絶するかと思いました。
お腹ペコペコ、夕飯を食べていくことに。まさかのうちでってことに。え! でも、こういう機会がないと部屋は荒れ放題だし、片付いていると気持ちがいいし、おかげでさいきんは日々の生活にちょっと丁寧で神聖な感じがある。駅に着くと、なんと、なんと、ざざぶりの大雨。Nの小さな折り畳み傘に三人中腰でおさまってワーーーーッて泥棒のように小走り。なんで中腰なのかはわからないけど、なぜか中腰なんだよね。絵本の『すてきな三にんぐみ』のことと、ルビッチの『ニノチカ』に出てくるすっとこどっこい三人組のことを思い出しながら。雨は降っているにかぎるね!
秘密基地みたいって言ってもらえて感無量、ほんとうに秘密基地を作りたくて、秘密基地みたいにしたいと思って作った部屋だから。ロフト上り下り、ガンバ一話だけ観る、泣きそうになっちゃう。
雨やんでる。カモの赤ちゃんの寝姿を見て、ふたりを駅までお見送り。このあいだNが見ていたふたり同時に時が止まったように灰色だった表情のはなし、そのとき、その瞬間、Mの目が嘘かほんとうかわからないけれど、くしゃっと、さっきのように笑っている。
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2020.11.26_木曜日_
実家で宝探しをしたい!!!
我が家は、ログハウスもどき。
もどきというと、なんとなくそれのチープのような感じがするけど、出来るだけログハウス風にデザインされた素敵な実家だと思う。どこもかしこもヒノキばり。木の節もそのままのヒノキの板がむき出しの壁。もちろん壁紙はない。
詳しいことは分からないけれど、ログハウスを建てていい場所、建ててはいけない場所というのがあるらしい。土地の問題かな?
父は、船の設計の仕事をしている。この家も、建設会社の人に協力はしてもらっていたが、自らがほとんどを設計したらしい。
吹き抜けに大きな梁。今は猫たちの遊び場。リビングを照らすスポットライトとダウンライト。3種類のスイッチがあって、明るさが調節できる。家族が揃っている時は、ほぼ全開だけど、昼間、私ひとりと猫3匹だけの時は、ダウンライト半分だけの明かりで過ごすのが好きだ。家の中は薄暗くて静か、外は明るくて少しだけ自然の音と、生活の音がする。とても落ち着く。
私の1番のお気に入りは、階段を上がって子供部屋まで行く廊下の壁一面が絵本の本棚になっているところ。そこから何度も絵本を取り出して片付けてを繰り返した。その頃の私の好奇心とエネルギーが、本棚からは今も溢れている。つまりは、ぐちゃぐちゃだ。
子ども部屋は2部屋ある。私達は3人兄弟だが、なぜか2部屋。その2部屋はロフトを介して繋がっていて、がっつりと仕切られてはいない。子どものころは、ロフトで3人コロコロ転がって寝ていた。今は、物置になっている。しかも雑に置かれていてまさに、男の部屋ってかんじ。ふとロフトを見上げると、黒の習字道具が目について、要らないなら捨てなよと思ったりもした。来年、書初めでもしてみようか。
父と母は2人で1つの部屋。その部屋にはベッドが2つ並んでいて、いまでも仲良く並んで寝ている。その部屋の一角に父の書斎があって、趣味のあれやこれやがきちんと整理整頓して置いてある。机の傍には、新婚旅行の写真、私たち3人の子どもの頃の写真、今は亡き犬達と母の写真…家族の写真が飾られている。父のお気に入りの場所、ここは、手を出したくないな。
そのすぐそばに、扉付きの本棚が置いてある。この本棚、欲しい!!!!
とっても欲しい。言い続けている。
そして、父と母の部屋にはちょっとしたウォークインクローゼットがあって、母の昔の着物や浴衣、父と母の昔のペアルック、そんなこんなが収納されてぱんっぱん。私にとっては、宝の山。もう少し元気になったら、宝探しをしてみようと思う。
クローゼットがぱんぱんなもんで、父と母の部屋は、普段着ている服が、普段着ていない服が入った段ボールの上に積み上げられている。ベッド周りは段ボールだらけ。母は、片付けが得意でない。台所も洗濯機周りも半地下の物置も、しっちゃかめっちゃか…。そして和室までも物置と化している。片付けは得意でないけれど、どこに何があるかは覚えていて、それなりに暮らしやすそうなので、不思議なものだ。
あ、そうだ、実は屋根裏もある。子どものころは、おもちゃ置き場だった。たしか、クリスマスツリーもあったんじゃないかな?久しく入っていない。と、いうことでのぞいて見たら…、大きな野球盤の箱がすぐ目に入った。ここも、きっと宝の山だ。
私は今、療養のため、実家で借り暮らし中。物置と化した和室の半分に、物を追いやって、その半分に荷物を置いて、布団を敷いて、一応、私のパーソナルスペース。まぁ、でも昼間、ひとりと3匹か、それに母かしかいないので、どこもかしこも使わせてもらっている。現に、���の文書は弟のベッドの上で猫にすりすりされながら書いている。
ひっそりと、このまま実家に住み着けやしないかと企んでいる。居心地がいい。それに、ちょっとまだエネルギーがたまっていない。まだ、homebodyしていたい。
そこでだ、家を片付けしようかな!なんて考えてるんだけど…。宝探しと称してね。
父と弟と兄には家の外に仕事があり、仕事中心の暮らしがある。休日は、その仕事で溜まったストレスを発散するための趣味に大忙しで、各々の部屋は趣味のものでごった返している。
母は、その3人の仕事中心の生活を支えるための仕事がある。いわゆる家事もろもろ。それがしやすいものの配置になってるの…かな?
手出しは無用な気がしてしまう…
こんなに素敵な家で、父と母が結婚した時から使っている素敵な家具がたくさんあるのに、ステンレスの棚やよくあるカラーボックスで暮らしを回しているのはもったいない。
なんて思っているのは、私くらいだろう。
たまたま今、家族全員が揃って住む、この家は、居心地がいい。
いつ、どんな時でも、どこででも、安らかに眠りつくことができる。
忘れられた、クローゼット、絵本の本棚、ロフト、和室、屋根裏部屋…。心配しないで!私だけは覚えているよ!
今みんな、忙しくて、手に取れる近くのものしか見えてないの。でも、それでも、美味しいご飯と、あったかいお風呂、ふわふわの猫と、家族の団欒があればそれでいいのかもしれない。
片付けが得意な人が居なくてよかった。誰か得意なのかもしれないけど、時間がなくてよかった。子供用の椅子なんかも残っている。今は、母のベッドサイドテーブルとして使われている。たまに私が、写真撮影に使っている。
私は、物が溢れていたり、カテゴリーごとにまとまっていなかったり、整って置かれていなかったり、ダンボールなんかが目につく場所にあるのは、好きではない。
でも、今の実家は居心地がいい。
いつかは、好きに片付けさせてもらおう。そして、宝の山から掘り出した物でセレクトショップでも開こうか。
とにかく今はエネルギーをためながら、想像だけ膨らませて、わくわくしておこう。
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