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#リビング続きの和室
kazuya-ikezoi · 1 year
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押入れのつまみ 壁にすっきり馴染ませた押入れに 木のつまみで柔らかくポイントに ちょっと和の装いをプラスしてくれます toolboxの木のつまみで検索してみてください 他にも事例を紹介しているので @kazuya_ikezoi からとんで見てください #リビング続きの和室 #畳コーナー  #白ポリ #半畳畳 #押入れ #ツールボックス #toolbox #木のつまみ #押入れ取手 #ハウスメーカー #注文住宅 #新築 #家づくりのアイデア #設計士とつくる家 #コラボハウス https://www.instagram.com/p/CpP24qYv-iG/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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aya-azana · 27 days
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スクレイピング・ユア・ハート ― Access to SANUKI ―
あらすじ 平凡な大学院生である丸亀飛鳥。 新規気鋭のイラストレーターで、飛鳥の後輩である詩音。 四年ぶりの再会を経て、二人は奇妙な出来事に巻き込まれていく――――
 物語の始まりなんて、なんでもよかった。  偉人の言葉を引き合いに出して、壮大な問題を提起する冒頭が思いつかない。洒落た言い回しを使った、豪華絢爛な幕開けが思いつかない。ああ、思いつかない。とにかく、思いつかないの。  一般教養が足りないとか、センスがないとか、そんなんじゃない。  ただ、平坦。二十三年生きた人生に山も谷もない。  一般的な都内の中流家庭に産まれ、すくすくと成長し、苦難なく小中高大を卒業。  特に研究したいこともないが、働くのが嫌で大学院へ。研究生活の中で平均くらいの能力を身につけ、今でもゆるゆると日常を謳歌している。  そんな人間が想い描く物語だ。たとえ始まりを豪華絢爛にしたところで、面白くともなんともない。  だから、始まりなんてなんでもいいん『そんなことないわ』  ……そうかしら。それなら、もう少し頑張ってみ「お願いだから止まって、止まって!」  ……どっちよ。  これは、寝る前にするちょっとした妄想。クラスを占拠した悪漢を一人でやっつける、みたいなもの。  目を瞑っているのだから周囲は真っ暗だし、私以外の声が聞こえるわけ「先輩!先輩!しっかりして!」  うーん。うるさいわね。  聞き覚えがある女の子の声。少しガサついていて綺麗な声音ではないのだが、なぜか心地よくて、落ち着く。  ……寝る前に聞く、ちょっとえっちなASMRの切り忘れね「先輩!?」。面倒だけど一度起き『ダメよ』
 身体がビクン、ビクンと震える。
 表面上は高潔な雰囲気を纏っているものの、ねっとりとした厭らしさが滲みでて、根底にある魔性を隠しきれていない女性の声。  今まで一度も聞いたことがない。声の主なんて知るはずがない。それでも狂しいほど切なく、堪らないほど愛おしい。  そんな声が全身を駆け巡り、電撃のような痺れとなって身体を激しく愛撫したのだ。  『貴女の全てが欲しいの』  唐突に発せられた媚薬のような愛の囁きに、動悸が早くなって頬が火照る。恋愛感情に近い心の昂りが瞬く間にニューロンを焼き焦がして、身体にむず痒い疼きを与えた。  『貴女は快楽の熱で、ドロドロに蕩かされていく』  そう告げられると、容赦ない快感が次々と身体に打ちつけられ始めた。  堪らず身を捩ろうとするが、金縛りに遭ったように手足が動ない。舐めしゃぶられるように身体中が犯され、許しを乞うことすらできない。ただ一方的にジュクジュクとした甘ったるい快楽の波が全身に蓄積していく。  やがて許しを懇願することさえ忘れ、頭の中が真っ白に染まってしまう。もう耐えきれない、決壊してしまう。  『そして、深く深く流れ落ちていく』  そのタイミングを見透かしたように、許しの言葉が告げられる。同時に、心の器が壊れ、溜め込んだ全ての快感が濁流のように全身を駆け巡った。  意識が何度も飛びそうになって、頭のチカチカが止まらない。獣のように声にもならない嬌声をあげながら、やり場のない幸福感に身を委ねて甘く嬲られることしかできない。何もかもがどうでもよくなる程、気持ちがいい。  永遠に思えるような幸福な時間を経て、すぅっと暴力的な快楽が引いていくのを感じた。代わりに、深い陶酔の中へ身体が沈み始める。  そして、自然と強張っていた身体から力が、いや、もっと大切な何かが抜けていく。でも危機感はない。  たとえ声の主が猛獣で、彼女に捕食されている最中であっても、私は目を開けず身を任せてしまうだろう。  ゆっくりと身体の輪郭が曖昧になり、呼吸が浅くなっていく。意識が朦朧として何も考えられない。ただ、恍惚たる快楽の余韻に浸りながら、彼女の言葉の通り深く深く、流れ落ちていく。  『おやすみなさい、愛しい貴女』  赤ん坊に語りかけるような優しい声音で別れが告げられる。そして、私の意識はブレーカーが落ちたようにプツンと切れた。  遠くからぼんやり響いた悲痛な叫びは、もう私に届くことはなかった。
 ***    もしあたしにインタビュー取材依頼がきて、最も影響を受けた人物を聞かれたら、間違いなく先輩と答えて彼女への想いを語り続けるだろう。  コラム執筆依頼がきたら必ず先輩の金言を引き合いに出して最高のポエムに仕上げるし、ラジオに生出演したら「いぇい、先輩、聴いてるー?」が第一声と決めている。  現に初めて受賞した大きなイラストコンテストの授賞式の挨拶では、会場にいない先輩に向けて感謝の気持ちを述べた。それほどまで、高校で先輩と過ごした二年間はかけがえのない宝物だったのだ。  だから、あたしという物語の始まりは必ず先輩との思い出を引き合いに出すと決めている。  そんな小っ恥ずかしいことを寝巻き姿で平然と考えてしまう程、あたしこと讃岐詩音は浮かれていた。  なんせ今日は先輩と四年ぶりの再会である。  窓から差込む小春日和の暖かな日差しが、今日という素晴らしい日を祝福しているようにも思えた。
 「詩音、朝ごはんできてるわよー」  「うん」  一階から聞こえたママの呼びかけに応じる、蚊の鳴くような声。自分のガサついた地声が嫌で、どうしても声量が小さくなってしまう。  おそらくママには聞こえていないので急いで自室から出て階段を降り、リビングに移動する。閑静な高級住宅街に建つ一軒家に相応しくないドタバタ音が鳴り響いた。  「危ないからゆっくり降りてきなさいって言ってるでしょ」  ママのお小言に無言で頷きながら、焼きたてのバターロール一個とコップ一杯のスープをテーブルに運ぶ。いつものご機嫌な朝食だ。  「バターロールもう一個食べない?消費期限今日までなの」  ママの問いかけに対して首を横に振って拒否した。少食なあたしにとって、朝の食事はこの量が限界。これ以上摂取すると移動の際に嘔吐しかねない。  「高校でバスケやってた時はもっと食べてたのに。ママ心配よ」  そう言われてしまうと気まずいが断固としてNOだ。先輩との大切な再会をあたしの吐瀉物で汚したくない。  話題を逸らすためテレビをつけると、ニュースキャスターが神妙な面持ちで原稿を読み上げていた。  「横浜市のアトリエで画家の東堂善治さんが倒れているのが見つかり、病院に搬送されましたが意識不明の重体です」  たしか、以前参加したコンテストの審査員だったような。国際美術祭で油彩画を見たような。あと生成AI関連で裁判がうんたら。  「東堂さんは世界的に権威のあ……また、スポンサー契約を交わしていたFusionArtAI社に対して訴……捜査関係者によると奪われた絵……」  ニュースの内容を聞き流していると、概ねの内容は記憶と合致していた。どうやら、高校を卒業してから勉学の道には進まず、創作活動に勤しむようになったあたしの記憶力はまだ健在らしい。少しだけ、ホッとした。  「最近物騒ね。よく聞く闇バイト強盗かしら。ほら、この前も水墨画の先生が殺されたじゃない。詩音も今日のおでかけ、気をつけなさいよ」  「ん、気をつける」  ママを心配をさせないために少しだけ大きな声で返事をして、深く頷いた。  食事を終えた後、アイロンがけされた一張羅に着替えて身なりを整え、先輩が待つ喫茶店へ向かった。    ***    ――――ちょうど三週間前のこと。  本業のデジタルイラストの息抜きとして始めた水彩画にハマりにハマって、気がつけば丑三つ時。ふと先輩の顔が頭に浮かんだのだ。  丸筆とパレットを置いてから勢いよくベッドにダイブして寝転がり、流れるようにエプロンのポケットからスマホを取り出す。  先輩はSNSを実名で登録するタイプではない。それでも広大なネットのどこかに先輩の足跡みたいなものがないか、淡い期待を抱いて名前を検索してしまう。  そんな自分がちょっと気持ち悪い。  自己嫌悪に陥りつつ検索結果を眺めていると、思いもよらない見出し文を見つけたので間髪入れずにタップした。
 「情報システム工学専攻修士1年生の丸亀飛鳥さんが、AIによる雛の雌雄鑑別システムに関する研究で人工知能技術学会最優秀論文賞を受賞しました」
 ゆっくりとスクロールしながら情報を集める。やがて研究室のホームページに掲載された集合写真にたどり着く頃には、これが先輩の記事であることを確信した。  ……正直言って自分がだいぶ気持ち悪い。  「やっぱり先輩はすごい。うん、とてもすごい人だ」  先輩の活躍ぶりに足をばたつかせながら興奮していると、ピコンと仕事用のアドレス宛に一通のメール。見慣れないアドレスだったが、ユーザー名が目に入った瞬間飛び起き、正座になる。  「marugame.asuka0209って、これ絶対に飛鳥先輩だ!」  偶然にしては出来すぎているが、なんの警戒もなく開封をして内容を隈なく読み込み――――読み終える頃には呆然としていた。  要約すると研究協力の依頼であり、可能であれば一度会って話せないか、という非常に堅苦しい内容である。  気がつくと涙が頬を伝っていた。  四年ぶり、つまり先輩が卒業してから初めて貰った連絡。元気?今度ご飯でも行かない?みたいな、そういうのを期待していたあたしがおバカじゃないか。  ――――いいや、先輩が悪いわけではない。これが普通。むしろ、あたしがおかしい。  何を隠そう、あたしと先輩の間に特別な繋がりはない。友達でもなければ恋人でもない。ただ、バスケ部の先輩後輩というだけで、練習と試合だけが共に過ごした時間の全て。連絡も練習に関することだけ。そんな程度の仲。  「……それでも好き」  あたしに手を差し伸べてくれた先輩に対する想い。四年経ってもこの気持ちは色褪せていない。  でも、これが最後になるかも。もし拒絶されたら、ただの先輩後輩ですらなくなってしまったらどうしよう。そう思うと、胸が苦しくなる。だから今まで一度も自分から連絡できなかった。  ――――涙を拭い、ありったけの勇気を振り絞る。  先輩に会ってお話しがしたい、その気持ちだけで震える指をどうにか動かし、書いては消してを繰り返す。文面が完成しても、何度も声に出して読み上げ続け、早三時間。返信を完了する頃には外が薄明るくなりつつあった。  急にドッと疲れが出て、再びベッドに倒れうつ伏せになり、顔を枕に埋める。そのままうめき声を上げて、湧き出る混沌とした感情を擦り付けていく。  このあられもない姿がママに目撃されていたことは、あたしの人生最大の汚点となるのだった。    ***    ――――いつの間にか私はドアの前に立っていた。  温かみを感じるレトロな木製のガラスドア。ここは大学から離れた場所に佇む、少し寂れた喫茶店の玄関前だ。私の憩いの場の一つで、よく帰り道に訪れている。  ぼーっとしていると、店内が薄暗いからか自分の姿がガラスに反射していることに気がついた。  ガラスに映る、ケープを羽織ったおさげ姿の美少女。うどんのように白い肌が彼女の纏う儚さに拍車をかけている。    彼女の名は讃岐詩音。    私の一個下で、高校バスケ部の後輩だ。  某バスケ漫画に憧れて入部したという詩音は、初心者という点を考慮しても信じられないほど下手だった。  ドリブルやパスはへんてこだし、一番簡単なレイアップシュートすらろくに出来ない。おまけに口数が少ない不思議ちゃんで、趣味と特技がイラストときた。  そのため、次第に周囲から腫れ物のように扱われるようになる。  それでも詩音は部活を辞めず、直向きに人一倍努力を続けた。  しかし、周囲からの扱いは変わることはない。下手っぴが一人で頑張っても嘲笑の対象になるだけだ。  だから私は、詩音に手を差し伸べた。少しでも彼女が笑顔になれるように。  ――――精一杯頑張る彼女の姿が、どこか冷めていた私の憧れだったから。    原因は不明だが、今、私は『詩音』の姿になっている。まるでVRを体験しているようだ。なんにせよ、玄関前で棒立ちを続けるのは迷惑だ。  混乱しながらドアを開けて入店すると、店員がにこやかに迎え入れてくれた。  「いらっしゃいませ、讃岐さんですね。丸亀さんはあちらの席でお待ちです」  会釈をするも、妙な違和感。戸惑いながら店員の案内に従い、席に移動した。そして私は大っ嫌いな女と対面することになる。  緑色の黒髪が綺麗な、リクルートスーツ姿の美女。気品のある見た目をしているが、中身は空っぽ。連絡が来ないから嫌われたと思い込み、自分を慕う後輩を四年間も放置したクズ。そんな女性が私を見て微笑む。
 『久しぶりね、詩音』
 そう、『『私』』だ。まるで鏡を見ているかのように、『私』が机を挟んだ向こう側に存在している。  詩音と四年ぶりに再開したあの日の夢を見ているのだろうか。  唖然とする私を無視して、目の前に座っている『私』は一方的に話を進めていき、本題に移り始める。
 『研究室が推進するイラスト生成AIプロジェクトが難航しているの』
 原因は技術の普及と発展に伴って、目視であっても判別できないAIイラストがウェブ上に溢れかえったことだ。  その結果、クローラープログラムがウェブを巡回してイラストを収集するスクレイピング技術で作られた学習データにAIイラストが混入し、AIプログラムが崩壊する報告が多数出ている。  余談だが、私の研究は養鶏農家から提供される写真を使用しているため、全く影響を受けなかった。それゆえ、最優秀論文賞を繰り上げ受賞してしまったのだ。
 『研究用のデータ加工が大変なのよ』
 これはイラストレーター達が自衛として、データをそのままウェブにアップロードしなくなったからだ。  近頃はデジタル画像を紙に印刷した作品やアナログ作品を造花などで飾り付けてからカメラで撮影する、2.5次元作品が主流となっている。  イラスト本体の解像度劣化やカメラフィルターによる色合の変化、装飾物による境界の抽象化などが原因で、2.5次元作品はAIで学習できない。  修正AIで2.5次元作品を2次元作品に加工しようとしても、誤認識のパレードである。そのため、ゆうに一万を超える大量のデータを人力で加工するしか手立てがないのだ。
 『FusionArtAI社のデータも法外的な値段で八方塞がりなの』
 FusionArtAI社は唯一ピュアなイラストデータを扱っているユニコーン企業だ。東堂善治のような大御所アーティストらと契約し、安定して高品質なデータを取得しているらしい。  AIやらNFTやらを壮大に語っているが事業内容がよく理解できない。それに莫大な資金が何処から出ているのか非常に疑問である。  加えて詩音がモニターとして、AIの学習を阻害する絵具を貰ったのだとか。胡散臭すぎる。
 『だから詩音のイラストのデータを全て譲って欲しいの』
 「……は?ちょっと待ちなさい」
 今まで無言で頷いていたが、思わず声が出てしまう。
 『貴女の全てが欲しいの』  「そんなこと言っていない!私は研究協力の依頼を断るように警告したのよ!!」    ことの発端は詩音がイラストコンクールの授賞式で私の名前を出したことである。偶然その授賞式に私の指導教員も来賓として出席していたのだ。  後日、ゼミで彼女の挨拶が話題に出され、私は迂闊にも恥ずかしさのあまり過剰に反応してしまった。  指導教員は詩音が語った人物が私のことだと察した。そして詩音宛に研究協力の依頼を出すよう、私に指示を下したのだ。  なんせ、詩音は今や業界を席巻する超新星。その作品を利用できれば、データの質の担保だけでなく、研究に箔をつけることができる。  下手をすれば詩音が筆を折りかねないその指示に対し、私は強い憤りを感じた。  しかし、上の言う事は絶対。だから大学から離れた喫茶店に呼び出し、密かに依頼を断るように警告したのだ。  ……加えて、授賞式のようなオフィシャルな場で無闇矢鱈に人様の個人情報を出さないよう、情報リテラシーの講義もみっちり実施した。  詩音は私の言葉を素直に聞き入れてくれた。ただし、研究室の厄介事に巻き込んだお詫び?として、週末に作品撮影のアシスタントをする約束をした。    ――――その撮影日が今日。  そこは、誰も寄りつかない瓦礫まみれのビーチ。  遥か昔、海辺に栄える水族館だった場所。  青空の下、詩音が無我夢中になって作品の飾り付けをしている。  装飾材を補充するため、彼女が水彩画に背を向けた刹那。  額縁からコールタールに似た漆黒の液体が勢いよく溢れ出し、彼女を襲う。  だから私は彼女を突き飛ばして。  悍ましく蠢く闇に、『食われた』。    「……ようやく思い出したわ」  これは、妄想でも夢でもない。相対する『私』の皮を被る怪異が起こした現象だ。  理解不能な存在に生殺与奪の権を握られている。その事実を認識した途端、体に悪寒が走り、鳥肌が立つ。今にも腰が抜けそうだ。  怪異は恐れ慄く私の眼をじっとりと見つめながら、ブリーフケースから同意書とペンを取り出し、机の上に置いた。  『貴女とはいい関係になれると思うの』  そう言いながら、怪異は小指を立てながら厭らしく微笑む。  私の生存本能が、この文字化けした書類にサインをしてはいけないと警鐘を鳴らしている。サインをすれば、死ぬ。  それでも私は震える手でペンを掴んでしまう。    ……だって、私なんかが敵う相手じゃないもの。   怖くて泣きじゃくる無様な私に何ができるの。  そうね。きっと、あっけなく死ぬのよ。  ――――そうだとしても    「大切な後輩を襲ったお前だけは、絶対にぶっ殺してやる!!」    私は決死の覚悟を決め、一世一代の大啖呵を切った。瞬時に怪異に対する怒りの炎が燃え上がり、滞っていた思考が急激に動き始める。  相見えるは常識の埒外の存在。裏を返せば奇想天外な自由解釈が可能であり、不格好でもそれっぽい仮説を立ててしまえば、私にとっては常識の埒内の存在になる。  きっとそう強く信じなければ、目の前の『私』は倒せない。  唇に人差し指をあてながら、ただひたすらに、常識や記憶の間に無理やり関連性を見出して理屈をこじつけることを繰り返す。  やがて、その思考過程を経て、一つの結論に辿り着く。    この怪異の正体は、『クローラーを模した淫獣』だ。    こいつは複数回にわたって人を襲い、心の記憶から作品を抽出していくタチの悪い存在。全ての作品を取り込み終えると、獲物に大量の快楽成分を流し込んで再起不能にする恐ろしい習性を持つ。  おそらく詩音も何度か寄生���れていて、今日が最後の日になるはずだった。  ところが、すんでのところで私が身代わりになったため、情報の吸い残しがあると誤認が生じてしまった。それは淫獣にとって重大なエラーである。  そこで、やり直しを試みるも、改めて詩音の同意が必要となってしまった。  だから先日の会話に基づいてこの空間を生成し、『私』の皮を被ってサインを迫っているのだ。――――今、自分が捕食している獲物が『丸亀飛鳥』であることに気が付かずに。  そして、最も重要なことは淫獣が人工的に作られた存在という点である。  これまでの同意書に重きを置くような言動を見ると、魑魅魍魎の類とは思えない。何より、元凶に心当たりがある。  そう、FusionArtAI社だ。淫獣の正体が例の胡散臭い絵の具であり、密かに多数のイラストレーターを襲っているとしたら、全て辻褄が合う。  ――――そうであると信じるの。そうすれば、こいつに一矢報いることができるはずよ。  汗ばんだ手で同意書を手繰り寄せ、ゆっくりとペン先を近づける。  すると、自分勝手に喋っていた淫獣が口を閉じ、紙面をじっと凝視し始めた。それだけではない。空間を構成する全てが、その瞬間を見逃すまいと監視している。  張り詰めた空気の中、私は素早く紙を裏返して、こう書き記す。    robots.txt  User-agent: *  Disallow: /    その意味は、『クローラーお断り』。  今や対魔の護符に等しい存在となった同意書を握りしめ、勢いよく席を立つ。  「私の全てが欲しい……そう言っていたかしら?」  沈黙。詩音の好意や才能を踏み躙った淫獣は、口を開かない。  『An error occurred. If this……』  どこからともなくアナウンスが聞こえるが今はどうでもいい。
 「これが私の答えよ」
 大っ嫌いなクソ女の顔面が吹き飛び、振り抜いた私の拳が漆黒の返り血に染まる。  一呼吸おいた後、心から詩音の無事を願い、静かに目を閉じた。    ***    茜色の空。漣の音。磯の香り……それと、ちょっと焦げ臭い。  そして、私の身体に縋って嗚咽する大切な後輩。  どうやら私は死の淵から生還できたらしい。無事を知らせるため、詩音の頭を優しく撫でる。それでも泣き止まないので、落ち着くまで背中をさすってあげた。  「心配かけたわね。詩音が無事でよかった」  詩音は私の胸に顔を埋めたまま、コクリと頷く。  「先輩も無事?」  「ええ、大丈夫よ」  これ以上、詩音を不安にさせないように気丈な態度をとるものの、重度の疲労を感じ、もはや立つことすらできない。  「ここはまだ危ないから、早く詩音だけでも逃げて」  「やっつけたから、モーマンタイだよ」  詩音が指差す方向を見ると、黒い液体に塗れた水彩画が静かに燃えていた。焦げ臭い匂いの原因はこれか。……やっつけたってどういうことかしら。  些細なことに気をとられている場合じゃない。  先ほどから微かに聞こえる、複数の物音。  何者かが物陰で息を潜め、私たちの様子を窺っている。  今や炭になりつつある淫獣の回収が目的か。いや、それは私がでっち上げた荒唐無稽な陰謀論にすぎない。  ここは、電波が届かない人里離れた廃墟。無防備な女二人がいつ襲われてもおかしくない、危険な場所だ。  詩音も気が付いたのか、私に抱きつく力が強くなる。意地でも私から離れないつもりのようだ。高校の時から感じていたが、この子は気が弱いわりに頑固だ。    ――――息が詰まるような空気を、遠くから鳴り響くサイレン音が切り裂いた。    同時に複数の人影が足音と共に遠ざかっていき、私は安堵の息を吐いた。  「もう大丈夫。定刻を過ぎても私から連絡がなかったら、警察と救急に通報するよう、母さんに頼んでいたの」  半分は今のような不足の事態に陥った時の保険として。  「やっぱり先輩はすごい。うん、とてもすごい」  もう半分は、尊敬の念を向けている後輩から刺された際の保険として。……絶対に黙っておきましょう。    ***    ――――事件から三か月後。  結局、私たちを襲った存在の正体は分からず終い。一方、あの場にいた不審な人影は東堂善治を襲撃した闇バイト強盗であった。そのため私達の不法侵入は霞んでしまい、一切お咎めなし。私達の身に何があったか、深く聞かれることもなかった。  まぁ、警察に事情を説明するにしても――――  FusionArtAI社が作ったスライム型の淫獣に襲われてデスアクメしそうになりました。奴らはアーティストの心の記憶に存在する作品データを狙っています。  という私の支離滅裂な説は口が裂けても言えない。それに、FusionArtAI社が不正会計絡みで呆気なく倒産したため、もう追及のしようがなかった。  ちなみに、詩音は黒い液体の正体が亡霊の祟りだと思い込んでいる。だから制汗スプレーとライターで除霊?しようとして、そのまま引火。あの有様となったそうな。  「貴女のおかげで助かったのかもしれないわね」  私の言葉に首を傾げる後輩は、今日も美少女だ。  あの事件以来、私達はお互いの身を案じて一週間に一回は会うようになった。といっても、毎回普通に遊んでいるだけだ。  今日は私の行きつけの喫茶店でまったりとお茶をしている。お紅茶がおいしい。  紅茶の香りの余韻を味わっていると、詩音の手招きが。  またか、と思いつつ耳を寄せる。
 「先輩のケーキ、一口欲しい」
 耳元で囁かれる妙に蠱惑的な声と熱の籠った吐息にゾクッとしてしまう。あの事件で私が晒した醜態から、余計なことを学んでしまったのだろう。  悪戯っぽく笑う詩音。本音を言ってしまうと非常に嬉しいのだが、どうも照れ臭くて顔を背けてしまう。  でも、これから時間をかけて慣れていけばいい。あの事件が私という物語の始まり、いや、――――私達という物語の始まりと決めたから。  二人に降り注ぐ優しい木漏れ日が、これからの日常を祝福しているように思える。  ――――そんな気恥ずかしいことを考えてしまうほど、私こと丸亀飛鳥は幸せだった。
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streetglider · 4 months
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(LIXIL ビジネス情報 | 穴が開くほど見る── 建築写真から読み解く暮らしとその先 (第6回) | 住まい・建築 | 建築・設計関連コラムから)
「ボルドーの家」 レム・コールハース(1998年、フランス、ボルドー) 撮影:Hans Werlemann 提供:OMA
石上:
僕が選んだ1枚目の写真は、レム・コールハースの「ボルドーの家」です。僕はレムの建築の中で住宅が突出して好きです。非常に高い密度のあるデザインがどのような思考のもとでつくられているのかに興味があって、住宅にこそ彼の哲学が反映されていると思うからです。この「ボルドーの家」は、僕が学生の時に計画段階として雑誌に発表されてとても注目していて、1998年に竣工した後に訪れる機会がありました。建主の夫婦は新聞社の元オーナーで、レムに依頼する8年前から自分たちの住宅を構想し、当初はシンプルなデザインをする建築家を探していたそうです。しかしその間にご主人が交通事故にあってしまい、半身不随の生活を余儀なくされた。階段や段差があるアメリカの古典的な住宅は車椅子生活の彼らには厳しい。「牢獄のような住宅から解放されたい」とレムに依頼したそうです。 この写真は、この住宅の構成がいちばん分かる1枚です。しかしそれでも理解しきれない謎がたくさんある。この写真を見てもエントランスがどこなのかも分からないでしょ。写真中央に遠く夜景が見えるように、敷地はボルドーの街全体を見渡せる丘の頂部。3層の構成で、写真の一番下のフロアはグランドレベルから見ると半地下で埋もれるようになっていて、円弧を描いた車寄せからアクセスします。レムは1階を「洞窟のような空間」と言っていますが、中央の半透明のガラス横に見える白いポールを倒すように引くとこのガラスが開く。不思議なのがエントランスを入るとすぐにキッチンなんです。2階はグランドレベルで写真の反対側の丘と連続し、透明感のあるリビングやテラスがあります。3階は寝室で、夫婦の部屋と子供部屋に別れ、ふたつの部屋は繋がっておらず別々の階段からアクセスします。窓が小さくて暗いように感じますが、EVコアの上部のトップライトによってEVコア自体が光庭のようになり寝室にも光が届きます。この住宅の一番の特徴である3層を貫く4×3.5mのエレベーターはご主人の生活空間で、彼は各階を自由に移動する。『錯乱のニューヨーク』(筑摩書房、1995年)でレムは、エレベーターの発明が建築のスケールを変え、都市の計画に大きな影響を与えたと述べていますが、この哲学と障害を持つ住まい手の生活が奇跡的にマッチして実現したプロジェクトと言えます。 この住宅は写真の人のスケールからも分かるように、豪邸でありながら天井高が2,100mmと低く手で触れられる高さで、広い天井面が空まで連続していくような水平性と住宅の親密性が強調されています。レムの住宅は、構成やディテールが共に奇抜で独特の雰囲気を持っているのに、実際それが住む人たちの理にかなっている。この住宅も一見巨大な機械であるエレベーターや大きな梁があるのに、ここに住む人間のスケールや暮らしに合っていて違和感がない。僕が聞いた話では、OMAの新入りスタッフはここを訪れてディテールを勉強するそうです。たとえば1階のFIX窓に対して2階の窓は少しガラスが外に飛び出すようにずれていますよね。普通この平面同士を同じ面内に納めるはずですが、少し外側にはみ出すことでこのボリュームの独立感が強まっています。また、玄関ドアのハンドルやシャフトドア上のカーテンレール、写真右の巨大な回転窓のレバーなどメカニカルで舞台装置のようなものと生活感漂う空間が共存している。発明品のようなレベルまでつくり込まれたディテールが巧妙にプランニングに組み込まれていて、この住宅はレムの要素が凝縮した、エキシビションと言えるかもしれません。
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harawata44 · 6 months
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1回の給水で1日中潤う。シロカの「5L加湿器」なら毎日使い続けられそう | ギズモード・ジャパン
 ・Amazon.co.jp: シロカ 加湿器 大容量 5L 超音波 SD-C113 ピンク[大容量5L/給水タンク分離/タンク抗菌加工] : ホーム&キッチン
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以下一部引用
1日1回の給水でOKな大容量加湿器
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丸いフォルムが目を引くシロカの「5L加湿器」。最大の特長は、5Lの大容量で最大24時間の連続加湿が可能※なところ。 (※加湿量175ml/hで使用した場合) 冬は1日中つけっぱなしにすることも多い加湿器は、気づいたらタンクの水が切れていた…なんてこともよくあるもの。その点1日1回の給水で長く使える大容量加湿器なら、朝給水して翌日まで切れ目なく加湿できるのがうれしいところ。
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加湿方法は、ミストが高温にならず素早く加湿してくれる超音波式。サッと手に届く場所に置きたい加湿器も、熱いミストが出ない超音波式なら小さなお子さんやペットがいる家庭でも取り入れやすいですね。 静かな運転音も超音波式ならでは。適用床面積は木造和室で約6畳、プレハブ洋室で約10畳となっていて、リビングや寝室などいろんな場所で活躍してくれそうです。
抗菌仕様で洗いやすい
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リーズナブルな価格や電気代を比較的安く抑えられる点も魅力な超音波式の加湿器。よく言われるデメリットとして雑菌が繁殖しやすい点が挙げられますが、シロカの「5L加湿器」には抗菌仕様の水タンクが採用されているため安心。 また、タンクは丸洗いが可能でお手入れも楽ちん。給水タンクだけを取り外して持ち運べるので、給水のついでに水洗いすれば無理なく清潔を保てそうです。 カラーバリエーションは5色。この秋、年齢や性別を問わず使いやすそうなライトホワイト/メタリックレッドの2色が加わりました。価格は6,930円(税込)
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shukiiflog · 6 months
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ある画家の手記if.?-3 雪村絢視点 告白
この部屋から帰ってきて、リビングに一人でいた光さんをぎゅって飛びつくみたいに抱きしめる。 嬉しい気持ちのまま、まことのこと報告しようとして、そういえば光さんてまこにキレてなかったっけ…て思い出して言いかけた口が止まる。 あれってきっと俺がないがしろにされてたから…だよな…。まこにも俺にもそういう意識はなくても、ないからこそもっと悪いのか、俺がちゃんと…自分を守れなかったから。…ん?でもそれなら怒られるべきなのはまこじゃなくて俺じゃね?
「…光さん…まこのこと嫌い…?」 少し体を離して聞いたら、真剣にオブジェを作ってた光さんが手元をとめて俺に向き直った。 「わたしは誰のことでもすきだよ」 いつもと変わらない、キラキラ光る瞳にかわいい笑顔。ーーーぞくっとして、俺のほうが表情をなくした。 俺の微細な変化に気付きながら、朗らかに光さんは続けた。 「絢がきずつけられたから。きずつけられて絢はいっしょうけんめい考えてたから、直結したすなおな感情がたとえばどう表出するのか、わたしがやって見せてみた」 ぺろって小さく舌出して笑う、…あれって怒ってる、ジェスチャーだったの…俺に傷つくための感情を戻すために。…はぁ。 「……真澄さんにも光さんにも勝てない…」 抱きしめたまま光さんの頭の上に顎を置いたら光さんは妖精がくすくす声をあげるみたいに笑った。 「だから絢はここにいるのがすきなんでしょ」
そのあと光さんに話してみた、今夜真澄さんを誘いたいから、俺のベッドで寝てほしいって。 …奥さんに対して、ここまでむちゃくちゃな暴言もないなってのは俺にもわかるけど、光さんはいたずらが成功するのを待つみたいな楽しそうな、嬉しそうな様子で、俺の言うこときいてくれた。 簡単にきいただけでも、光さんも正常な倫理観を壊しながらじゃないと生きてこれない人生だったかもしれないと思った、それでも今俺に協力してくれることは、単純に壊れた人生の中で破綻しちゃっただけの人だからじゃないのはわかる。…だめだ、うちの親どっちも計り知れない。 おまけに「潤滑油がわりのもの用意した?」ってこのちっちゃい容姿で当然のことみたいに言われてなんか俺が赤面する…いや俺は今夜一晩でそこまで事態が進むとは思ってないから、ってちょっとあたふたしながらも、結局持たされた。 …流石にそれはないでしょ。…。…いや、ないでしょ。
夜。 俺のベッドで本を読みながら横になってる光さんのほっぺにキスして、部屋を出る。 いつも一緒に寝てる光さんがいないから真澄さんにはもう色々バレてるだろうけど、あれからとっくに俺からされたことなんて真澄さんは忘れてる可能性だってあるんだし、俺が聞きたい返事がもらえるように、事前に心構えもしててほしかったから。 真澄さん一人が寝てる寝室に静かに入ってって、寝てる真澄さんの体の上に飛び乗った。 俺がこんなことされたら内臓のダメージやばそうだけど、真澄さんの体なら全然平気そうだし。
「真澄さん、」 呼びかけたらやっぱり寝てなかった。 「あのね、相談乗ってくれたことでね、今日まこと話してきて、たくさん話したんだけど、まこも俺のこと好きだって。相談乗ってくれてありがとう」 最初にこのこと伝えなきゃ。話したら光さんは褒めてくれた。真澄さんは? そんな恋人とうまくいったことなんて嬉しそうに話しながらこんなことしてるのは頭おかしいって引かれるかな… 「…そうかい。お疲れさん」 穏やかな声が返ってきた。 寝た姿勢から寝返り打たれて、真澄さんの体の上から転げ落ちた。隣に転がされる。 俺のほう向いて肘をついて「よかったね」って頭撫でてくれる。 撫でられるのがくすぐったくて目を細めてにこにこする。 俺も隣で真澄さんのほうに横向きの姿勢になって二人で向き合うようになりながら、続ける。 「それでさ、まこから返事はもらえたけど、俺まだ真澄さんからなにも返事聞いてないよね?…なんのことか、もう忘れちゃった…?」 片方の口端だけあげて、いたずらを仕掛けるような表情で笑って言う。…じゃなきゃ言えないって、もしすげなく断られてベッドから追い出されたときの俺のダメージが絶対もう修復不可能じゃん。 「返事とは?」 冷たい言い方じゃないけどやっぱり当然のように忘れられてた…。 仕方ないか…真澄さんにとって二十歳そこそこの子どもなんて、俺からしたら3歳くらいの子にキスされたような感覚かもだし…。 でもここで引き下がらない、俺は3歳じゃなくて自分の行動にもう責任持たなきゃいけない歳だし、そういう気持ちを貫きたくて一度したことは相手に流されたって俺は流さない。 「こういうこと、どこまでしていいか俺ちゃんと…訊いたよ…」 そっと首を伸ばして目を閉じて真澄さんの唇にキスする。嫌だったらなかったことにできるくらいの、軽く触れるだけのキス。 唇を離して目を開けようとした瞬間、真澄さんに強く抱き締められた。まだ離れてなかった唇を割って真澄さんの舌が俺の口内を舐める。 状況もよくわかんないままに、必死でキスに応える、こんなことしていいのって思う気持ちがさらに体を火照らせる 離れてってほしくなくて真澄さんの首に腕を回したらさらにキスが深くなった なんども息継ぎしては繰り返すたびに滴りそうな俺の唾液を真澄さんの舌が舐めとっていく そんな簡単な動作ひとつも優しくて泣きそうになる これを冗談とか、俺のことちょっとからかってるだけとか、流石にそんなふうには、とらない …とれない 真澄さんの手が俺の体を撫であげてきた「…っ、ぅ…、んん…」キスされたまま、熱くて、一旦やめてってなんとか首を横にいやいやって振る そしたら唇はすんなり離れていった 荒くなった息を整えようとしながら、それでも顔の距離近くてまともに真澄さんの顔見れない… 俯いて、戸惑いと嬉しいのとで複雑に気持ちが織り混ざって眉が下がってく 「…まって………ほ、ほんとに俺でいいの、」 小さくしか出なかった声が息と一緒に震える 体も 震えてる… こうなるなんて思ってなかった… ほんとは俺 真澄さんのこと最初は 誰のことも好きにならない そんな必要ない人だと思って 俺がたくさんの人のこと好きなのはきっと弱いからだ 守ってほしい 助けてほしい 一人じゃ生きられない 真澄さんは強いから 俺とずっと死ぬまで一緒に暮らしたって 俺がいくら懐いて いくら仲良くなれたって 真澄さんに俺が必要になる日はこない ひどいことだから口に出したことなんてないけど 俺はそう思ってた 泣きそうな目で真澄さんを見上げたら口元が綺麗な弧を描いて俺に笑った 「返事がほしいんだろ」ってまた口付けられる 体をベッドに沈み込まされて、俺の体を真澄さんの大きな手が包み込むようにして撫でていく 惜しみなく与えてもらえるキスにいつまでもぽうっとしてひたすら溺れてたら、「絢は?」って、訊かれた 急に少し離れた体温が寂しくて腕を伸ばして真澄さんに抱きつく 大きな体に覆い被さられて 俺のこと、怖いもの全部から隠して守ってもらってるような気持ちになって 体から力が抜ける 真澄さんの顔が俺の横顔に触れる、唇が俺の耳にキスして触れたその状態で耳の中に声を吹き込まれた 「どこまでされたい?どうしてほしい」 「……っ、」 低い声が体の芯まで通って痺れて 頭おかしくなりそう 堪えるようにぎゅっと目を閉じたまま、答える 「……やれるとこまで、ぜんぶ。」 わかんないよ、この一回きり?それともこれからずっとこういうことできるの?わかんなくて、いちばん欲張りなこと言ってみる そのあとにちょっと怖くなって、「…でもすごく痛いのはやだ」って、小さくつけ加えた 俺ちゃんと声出せてない…さっきから…ふわふわしてて 恥ずかしい?嬉しい 叶うと思ってなかった…くらくらする…真澄さん… 「なら やめさせるときはすごく痛いって言うんだな」
蕩けた頭と体に飽和しそうな快感と一緒に大好きな声が響く 大好き… あなたを愛してる 怖い人だと思った どこがどう怖いとかじゃない 会った瞬間にそう思った いつ殺されてもおかしくないって 自制心も抑制心もあって正しい倫理観もある歪んだ願望を抱えてたり殺人衝動があるわけでもない、ひどいほど意識で統制されたあなたは、 ただ必要だと感じたその瞬間に迷いなく自分が誰より先に手を汚して誰のことでも手にかけるだろうって 人じゃない何かに抱くような恐怖心を そんなこと態度に一切出してないあなたに失礼だって 自分に言い聞かせて
ーーーー殺すって なんで…?
俺が恐れてたことはそのままだった あのとき真澄さんの話を聞いて きっとあれは情香さんにだけじゃない 俺にも話し聞かせてた 本当は許してしまいたい あなたが正しかったんだって 無邪気にただそう信じて甘えられたら あなたのしたことを全肯定して 何もかもすべて大好きだって言えたなら 出会った頃の俺たちは全然今みたいな関係じゃなかった こうなるとも思ってなかった
ーーーーゆるさないよ…
あなたのことを許さない 本当は許してしまいたい あなたの何もかもを愛せたら それが何より楽で ただ俺が幸せで でもうまく立ち回れるあなたにも責められる日が訪れてほしかった 俺が 許したいあなたを許さないことで少しでも 孤独から解放されてほしかった……
「 真澄…さ……」 繋がった体、優しい行為の中で、真澄さんの背中に両腕を回して大きな体を抱き締める 肩に涙で濡れた顔を押しつけて 聴こえないことを 願いながら 小さく空気に息だけ乗せるように 囁いた 「 ごめんなさい 」 本心がどうだって 俺のこと、ここまで大事にしてくれる あなたより 俺のほうがいつか先に居なくなって ごめんなさい…
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negotomikan · 7 months
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生まれました
6月下旬に子が生まれました。 結婚10年目。 子供がいない夫婦二人で生きていく家庭になるんだろうなーと思ってたので、まさか自分たちが親になるとは思わず、驚きの方が大きかったです。 妊娠中はとにかく体がしんどくて心も折れそうで、でも生まれてみたら本当にかわいくてかわいくて目に入れても痛くないほどかわいくて仕方なくて…… 子は6月生まれ、私が7月、夫が8月生まれなので、3ヶ月連続でお祝いができるのも嬉しい。 生まれた時の初めての産声を聞いた時と初めて顔を見た時の感動は何にもかえがたい。 エコーで見てはいたけど本当にお腹に赤ちゃんいたんだ、かわいい、声もかわいい、顔も体も小さい……という、不思議な体験だった。
赤ちゃんの成長とパワーってすごいですね。 毎日成長して、毎日可愛いを更新し続ける。 パワフルすぎて自分の生命力が吸い取られる時もあるけど。 結婚した当初『笑顔が似合う料理上手なお母さん』が私の理想でした。 それから長らく子を授かれず、お母さんにはなれなさそうだから路線変更しよう、美魔女路線は無理だから上品なマダム路線でいこう、などと思ってました。 授かれなくて悩んでいた頃はつらすぎたけど、終盤はもう半ば諦めて受け入れていたのでけっこう���気だったのです。 なので育児中心になり、自分のやりたいことがなかなかできなくなった今もけっこう平気です。今のところ。 母親としてではなく自分らしくいられる時間を持てなくなることはそりゃあ淋しいけど、心を蝕まれるほどつらいわけではない。 子ができなくて泣いた日々に比べたらなんてことはないです。 うまくできてるもんですね。
妊娠中とくに初期はつわりが重くて(毎日寝込んでました)、体調が悪いと心もそれに引っ張られ、あまり幸せを実感できず。 「高齢出産なんて誰からも歓迎されないだろう、誰からも祝福されない、しかもこんなハードすぎる社会に生み出されるなんてこの子がかわいそう」とまで思ってました。(後半は今でも思うけど) 安定期に入って胎動を感じられる頃に初めて心から幸せと思えたのです。 生まれてからも、子と一緒に自分たちも成長していけてると思う、多分。 そしていざ生まれてみると、両家の親たちや兄姉、親戚、友人たち知人たちから意外なほどお祝いしてもらえて、ありがたすぎて嬉しすぎて…… 子には感謝してもしきれない。 あとかわいすぎる。 本当に私の子かと思うほどかわいい。 珠のような愛し子、宝玉ベビー。
今はまだ小さすぎてそれほどでもないけど、幼稚園小学校と子が大きくなるにつれて自分の子供時代の追体験をしていくんだろうなと思ってます。 これは妖怪ウォッチ(ケータくん編)を見ていた時も思っていたことですが。 そうそう、アニメの妖怪ウォッチは終わってしまったけれど、妖怪ウォッチの流れをくむ何かは制作されているそうなので…… 自分の子と妖怪ウォッチを見るのが夢だったので、期待してます。 ジバニャンやコマさんやウィスパーは出てこないと思うけど…… その悲しさにはシャドウサイドで慣れてるからな、調教されたオタクを甘く見ないで頂きたい。 育児を頑張る活力にしようと10周年記念アニバーサリーウォッチも買っちゃったわ。 映像がきれいだし可愛いし、ジバニャンやヒキちゃん等初期メンのメダルも懐かしカワイイ。
8月31日、育児を頑張る活力第2弾として買っていたPLASMAのライブDVDをやっと見ました。 去年の今日、お父ちゃんとお母ちゃんはこのライブに行ったんだよ、と子に語りかけながら。 酷暑の中見に行ったライブの感動が蘇り、いつかTVかラジオで聞いたあ~ちゃんのひとことを思い出した。 3人は多分今後も離れることはない、公園とかで会う、というようなことを言ってた。間違いなく。 確かツイッターでもそのことに言及してる人はいた。 『公園って、それぞれの子供連れて公園で集まるってこと?』みたいに。 Perfumeは過去に何度も解散説が出たことがあり、2020年(東京五輪開会式の舞台に立つ予定だった)を最後に引退するのではと囁かれていたのです。 昔から結婚願望を隠さない3人だったし、とくにあ~ちゃんは小さい子が大好きで『福くんみたいな子供がほしい』と発言したこともあったし。 当時私は複雑でした。 結婚出産願望が強いならアーティストとしての幸せだけでなく個人としての幸せも掴んでほしい、そのためなら一度解散(というか活動休止)して夢を叶えてから戻ってきてほしいという気持ちと、このまま一緒に令和を突っ走ってほしいという気持ちで。 それが自分が親になった今となっては、ぜひ母になったPerfumeも見てみたいと思うようになってしまってるんだから単純なもんです。 いろいろ大きなお世話を通り越し過ぎて気持ち悪いのは自覚してるので人前では言いませんが。 私も夢を叶えてもらったことがあるので…… イッテQでイモトアヤコさんの前に安室ちゃんが現れる回が好きすぎて『推しが突然目の前に現れるサプライズとか最高だよなあ私もある日ふとPerfumeが「いつもお疲れ様ー」って現れてくれないかな、でもただの専業主婦だし労ってもらうほど何か頑張ってるわけでもないし』 と思ってたのですが、Future Popのツアーでそれをやってくれたのです。 「お医者さん、社長さん、サラリーマン、学生」みたいに呼び掛けられたらその当事者が挙手する通称職質のコーナーというものがあるのですが、その時「主婦ー!」と呼んでくれまして。 「頑張っても報われないこともあると思うけど感謝してるよ、大好きだよ」と言ってくれて……思い出すだけで涙が滲む。 次々と夢を叶えていく姿を見せることでファンを勇気づけるというのはPerfumeの魅力のひとつだけど、まさか直接ファンの夢を叶えてくれるなんて。 いつかのライブのMC中に、カップルでライブに来ていたお客さんが数年後子供を連れて来てくれるようになった、何年もPerfumeをやっていてよかったという旨のことをあ~ちゃんが言ったことを思い出します。 ライブは当分行けなさそうだけど、私たちもいつかこの子と一緒にライブ参戦したいです。 そういえば妊娠中、Perfumeの曲を聞きながらウォーキング(といってもリビングをぐるぐる歩き回る形式)してました。 憧れのPerfume胎教が実現した瞬間でした。
夫の3ヶ月間の育休が終わり、夫が出勤して、正直淋しいです。 ワンオペ育児が不安なのもあるけど、6月に子が生まれてから3人で長い夏休みを過ごしてきたような貴重な経験だったので。 夏休みが終わってしまって淋しい、元々夏生まれの夏大好き夏厨なのもあるけど。 夏らしいこと何もできなかったといいながら今年の夏は特別すぎた。 来年の夏はビニールプールで水遊びしたり夏祭りに行ったりしようね。
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ichinichi-okure · 8 months
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2023.9.15fri_yamanashi
起きてまず、キッチンに行く。窓を開けて、鉄瓶で水を沸かして白湯を飲む。もう何年も続けている朝の習慣。いつもは水道水を沸かしていたけど、ここ数日は、汲んできた湧水を沸かしている。
先日遊びにいったお家で飲んだ湧水がとてもまろやかでおいしくて、教えてもらってすぐに汲みにいった。緑の木々が茂る森のなかで、湧きでる水の美しさは、はじめてなのにどこか懐かしくホッと心の落ち着く場所だった。ホームセンターで調達したばかりのタンクに水を汲み、家に持ち帰った。水道をひねれば当たり前に水は出るのに、いつでも水はあるのに、タンクに水が入っていることでなんだかとても満たされている自分がいた。
現在リビングを模様替え中のため、アンバランスでしっくりくるスペースがない。今日もキッチンにスツールをおいて、たいした景色でもない窓の外を眺めながら白湯をすする。BGMは昨晩桜座で聞いた牧野容也さんのアルバムの「city」
8時過ぎに出社。今日は自主企画「こうじを育てて自家製発酵調味料づくり」のワークショップ初日。アシスタントしてくれる智愛子さんとコーヒーを飲んでいざ準備。私の段取りの悪さも彼女の気遣いと明るさでカバーしてくれる。ほんとうにありがたい。熱が入り喋りすぎて、予定時間10分オーバーで無事終了。智愛子さんのおかげでレシピ提案もできて、お客さんもみな大満足で帰ってくれた。ふたりで感想や反省をしながらお片付け。
13時慌ててオンラインミーティング。10月のイベント「発酵とサウナ」の打ち合わせ。4年前くらいからサウナにハマっていたけれど、まさか発酵とサウナがコラボするイベントに登壇できる日がくるなんて、人生なにが起こるかわからない。
14時お昼ご飯。ワークショップの試食の残り、「塩こうじ参鶏湯」と「しょうゆ麹のせ冷やっこ」「アボガドのレモン塩こうじ和え」を食べる。昼寝していたら、今日出荷しなければならない荷物があることをふと思い出し飛び起きる。知ちゃんに手伝ってもらう。兄は15時までの振り込み作業を必死でしている。みんなギリギリ。
16時過ぎ、小3の姪、小6の甥が帰宅。店に「ただいま~」と帰ってくる平和な日常。その後5歳、3歳、1歳の姪たち通称「ぽんぽんズ」も姉と帰宅。敬老の日のプレゼントをジィジとバァバに渡すみたい。1歳児はプレゼントの概念を分かってないから抱えて離さない。
閉店作業をしていたところ、1通のメールが届く。今日のワークショップ参加者さんから早速今日のお礼が来た。感謝と応援の言葉が並んでいる、嬉しくて10回は読み返した。その嬉しい気持ちのまま返信し、心がほくほくしたままお仕事終了。
今日は実家で夕飯を食べさせてもらう。「ぽんぽんズ(姪集団)」から「あま(甘酒)」を飲みたいとリクエスト。3人分の「あま」をとりわけて食べさせる。おいしいものって本能的にわかるんだなと、この子達の食べっぷりでいつも感心する。夕飯は、「塩こうじ唐揚げ」「ひしお和え納豆」にごはんと味噌汁。食後は、絵本を読んだり、3歳児とかるたで遊び、1歳児も乱入して、ただのカード取り合戦になり終了。「みかん」と「梨」をみんなで食べて「ぽんぽんズ」の歯磨きを手伝って実家を後にする。
レイトショーで「アステロイド・シティ」に行こうと思ったけど、断念していつも行っている温泉へ。体を清めて、温泉につかり、サウナをじっくり3セットして、露天風呂。帰りの車は滞空時間の「Majo」をBGMに。家に向かっているけれどどこか旅をしている気持ちになる。帰宅してソファでひとやすみ。模様替えの続きをする気力もない。寝室もリビングの家具やものがスライドしていて、居心地がよくない辛い現実が受け止められず、すぐさま部屋を真っ暗にして入眠。
そして朝になったら、また水を沸かす。
湧く水を汲み、沸かして1日をはじめ、水に浸かり1日を終える。流れる水のように、ただただ日々は過ぎていく。水のおいしさを味わうように、日々のなんてことないコトをじっくり味わっていきたいもの。
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-プロフィール- 五味洋子 山梨県甲府市 五味醤油/発酵妹 インスタ:@gomi_yoco ラジオ:「発酵兄妹のCOZYTALK」https://www.ybs.jp/cozy/
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ii-think · 8 months
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枠造作も終盤
こんにちは。アイシンク建築設計事務所の池田です。 梅雨入りしてから一か月ほどが経過しましたが、あまり雨は降らない様子。。。 リフォーム工事中なので材料や設備の搬入は助かっていますが、たまには スカッとした青空がみたい今日この頃です。 さて、猪名川町の戸建てリフォームの現場は、塗装・左官のDIY施工を一旦終えて、また木工事 の作業フォーメーションに戻っています。 元の濃い色合いの合板の上に塗ったプラスターも乾き、これだけで随分と明るい印象に変わってきています。 わたくしは引き続き、リビング(元和室)の天井撤去部(壁仕上げの無い範囲)の小幅杉板張りを進めていきます。 60ミリの一番小さな材が多く、意匠的には良いんですが、小幅は張り手間がえげつない・・・(汗) 手間はかかりますが、既存壁と杉板の段差に間接照明を仕込んだりも計画しているので、仕上がりが楽しみな箇所の 一つになります。集中してテ…
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kazuya-ikezoi · 1 year
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interior 和室を考えていますか? 隣の実家に和室がたっぷりあることもあって 自邸は和室をつくりませんでした こんな和室ならほしいなと、自分の好みも混ぜて 設計させてもらったリビング隣接の和室の事例です 落ち着きたいので、地窓に絞って和室らしい内障子を しっかり使う場所と、開けっ放しで馴染む内装に 他に好みの和室があれば教えてください◯ 他にも事例を紹介しているので @kazuya_ikezoi からとんで見てください #リビング続きの和室 #畳コーナー #縁無し畳 #内障子 #吊り押入れ #地窓 #家づくりのアイデア #設計士とつくる家 #コラボハウス https://www.instagram.com/p/Cl6JvjfrlJR/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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caramelholicxx · 8 months
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8月第3週
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着古したSTAGEコンTシャツにリラコという、ありのままの姿で失礼します。
昨日リビングで昼寝をしようと思ってソファに横になったら、猫が顔をベチョベチョ触ってきてそのまま寝てしまった。しばらく動けなかったけどお腹を確かめたり、動くなよーってうにゃうにゃ鳴いたりしてかわいかった。
今週はそこそこ平和…と書きかけたけど、社会人になってからはじめてモンスターみたいな人に出会ったんだった!あまりにも会話が成り立たなくて人生で初めて「話が通じないので上の人に代わってもらえますか」って言ったりした。わたし本当にこういう風にきつく言うことが苦手なんだけど、どうしても言わざるを得ないくらいひどかった。
思い出すだけで怒りがふつふつ湧いてくるからこれくらいにしておくけど、そのことがあってからどっと疲れてしまって金曜の夜はふらふらで帰ってきて土曜はほぼ1日中寝ていた。
あ、どうでもいいけど最近異様に眠れる。土曜だと平気で20時間近く寝てしまって若干怖い。寝て起きて少し飲んで食べてまた寝ての繰り返しで、横になるとすぐ眠ってしまう。あんまり良くないよなーとは思いつつ、昔から寝ないとダメな体質だからそれが仕事のストレスなとでエスカレートしてるのかな?と結局寝ている。それだけ昼間寝ても夜眠れないことはないのでいいんだけども。
ところで、今週はこの作品の話をさせてください!
『𝑅𝑒𝑑, 𝑊ℎ𝑖𝑡𝑒 & 𝑅𝑜𝑦𝑎𝑙 𝐵𝑙𝑢𝑒(赤と白とロイヤルブルー)』
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ついに8/11からAmazonプライムビデオで配信がはじまったRWRB!この配信をどれだけ楽しみにしていたことか!
あらすじをざっくり書くと、アメリカ初の女性大統領の息子アレックスとイギリス王室の第二王子ヘンリーが恋に落ちるゲイロマンスで原作は全米大ベストセラーになっている。
わたしは原作をすでに読んでいる身なので、実写化はどうなるだろうと若干構えたりもしたんだけど素敵なロマンスコメディに仕上がっていた!アレックスもヘンリーもそのままだったよ。字幕も吹替も見たけどどちらもよかった。
が、よかったからこそ主要人物とポリティカルな面の大幅カットが惜しい!
アレックスの姉ジューンやわたしの大好きなルナがいないことがショック。尺の都合仕方ないのだろうけど、とても忙しい人のためのRWRBみたいになってしまっていて、選挙戦のところや英国王室の歴史の話ももっと見たかった。あと原作はあの数倍メールでいちゃついてるから、映画を見て興味が出た人はぜひ原作も読んでみてほしい!
とにかく、男女のロマンス映画は古今東西どこにでもあるなかでクィアのここまでのド直球ロマンス映画は今までそうなかったから、こんな作品が出てきて本当によかったと思う。
今週の買ってよかったものコーナー
先週に引き続き紹介していく。
・NIKE DUNK LOW Rose Whisper
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https://emmi.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?pid=DD1503-118&bid=NKK01&argument=1yTOmn7m&said=3&ca=17610262474&gr=&cr=&kw=&nw=x&mt=&mid=gg&device=m&pl=&tg=&utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=shopping&gclid=Cj0KCQjw84anBhCtARIsAISI-xf9XDSz0BsFD4rO37YJ8vBjvOK1tzSzDdnFTq-Tn7sHDY7W2z3tTG4aAigvEALw_wcB
ずっとほしかったダンク。やっぱりダンクならハイのがいいのかなとか配色がメンズっぽすぎるかなとかいろいろ悩んでようやく買った。ダンクでもピンクベージュだからカジュアルになりすぎず、かと言ってピンクよりはガーリーじゃなくておとなっぽい。わたしの雰囲気に似合うのでとても気に入ってる!たくさん履くぞー!
最後に今週よく聴いてた曲
Troye Sivan - Rush
今週というか今月はこれとBarbieばっかり。最高の夏曲。アレックスにめちゃくちゃ似合う。
また来週!
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kil-house · 11 months
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要望を伝える(2)
要望を伝えるって難しい、というお話の続きです。
注文住宅の検討を始めるまで、住宅についてそれほど興味はなかったので知らないことだらけでした。
照明について言えば、シーリングライトとデスクライト以外の照明も知りませんでした。いま主流のダウンライトは、お店用の照明だと思ってました。ダクトレールも、気軽につけれるものだと思わず、その存在を知ったときは「これ、ひょっとしてウチにもつけれるのかな?」と半信半疑でした。
なので、僕が最初に描いた図面にはシーリングライトしか書き込まれていませんでした(笑)。「こういう家にしたい」という初期の要望は、単にもっと良い選択肢を知らないからそうお願いしていただけなのです。
こうしたことは、もちろん照明以外のあらゆる場面で発生します。
吹き抜け、スキップフロア、パントリィ、シューズクローク、小上がり和室、掘り下げリビング、スケルトン階段、折り下げ天井、ハイドア etc.
あなたが設計士さんに伝えた要望の中に、これらを採用すると実現できる、という仕様があれば提案してくれるかもしれませんが、あなたが出した要望と外れた仕様だと提案されることはないと思います。それは設計士さんの手抜きだとかいうわけではなく、要望にない仕様まで一つ一つ提案していては時間がいくらあっても足りず現実的ではありません。
じゃあどうするかというと …… ルームツアー動画や「絶対取り入れたい間取り10選」みたいなの観て勉強でしょうか。
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sdeet · 1 year
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イメージとはなにか
ピーピング・トム『マザー』を観た。
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本当は2020年に日本公演予定だったんだけど感染症の諸々で中止になった。その後ステイホームのための映像配信の中にこの作品が含まれていて、映像では一度見ている。ついにやっと生で観ることができてよかった。
ピーピング・トムの日本公演は全部観ている。色々な作品があったけど、作風は明確な起承転結のある物語ではなく(コンテンポラリーダンスはまあまあそう)、それでいて作り込まれた強い世界観があり、よく挙げられる例で言えばデヴィッド・リンチの映画のようなとか、フラッシュバック的な悪夢寄りの夢のような不条理な、というかんじで、どれも舞台上で起こる妙な状況の臨場感の強さが印象深い。起こることは地味めでもじわっと「は?」「え?」みたいなのが心理に侵食してくる。
今回の『マザー』では、葬儀場のような場所、美術館、病院、ラジオ局のような放送ブースがリアルに作り込まれた舞台美術によって区切りなく存在していて、その中で、ある家族の出来事が描かれる。「リアルに作り込まれた舞台美術」なのになんでそんな曖昧な空間構造なのか? と思われるだろうが、葬儀場も美術館も病院も放送ブースのような場所も私的な場所ではなく、他人同士が行き交う公共の場所であり、「公共空間」の要素を満たした建築であれば、どのようにも読み取り可能なのだ。だから美術館の入り口はご遺体の安置所になるし、病院の出産の場面がバンドつきのライブパフォーマンスで熱唱する様になってもそのままその場所、そういう場面として受け取ることができる。
そのような美術の効果もあり、ある場面を見ているはずがシームレスに違う場所・状況になっていく、というのが寝ている間に見る夢のようなのだ。
「マザー」というタイトルであり、ある家庭を描いた作品なのに私的な空間ではない作りなのだなと振り返って思う。家族経営の美術館という設定があるようなので美術館を家庭のある場所としてもいいのかもしれないが、家族とは無関係の客の出入りがある場所であって寝室やリビングやキッチンではない。子供をあやすような場面はあるが生活感はなく、家が公共の場所で開かれた状態にあるように感じる。それでいて起こることはとても私的な、一般的には他人に明るみになるようなものではない家族の出来事だった。
ある家族の出来事を描く作品であるとは書いたが明確なストーリーを追うような構造ではなくシーン・イメージによって観ている自分の中で、己の経験・感情が呼び起こされる作品だと思う。登場人物との感情の同化ではない。登場人物たちの行動が自分にとっての記憶のスイッチのように働いて、自分の経験が歪んだ形で舞台の中に織り込まれているように感じる。
起承転結はないが作品に流れはある。女性がパートナーの家族に紹介される、女性は子供を産み、子供は保育器から出られないまま時が過ぎ、保育器の中にいるのは赤ちゃんではなくなっていき、最後には老人になる、死を予感させる場面があり、葬列がある。ただその描き方や折々に挟まれる表現が、明らかに日常ではない違和感の連続なのだ。室内で水に溺れてしまう、年老いた母の手が取れる、裸体像は実は人間で動き出すし、絵画に手を食われるし、激しく自分を壁に打ちつけて転びを繰り返し、子供をあやすのはアクロバットで、床にしたたるほど血を流す心臓の絵画を見学したり、マリアを描いた絵画は父親の肖像画に次第に掛け替えられ、雑に扱われてきたコーヒーの自販機は救命の甲斐なく死に、ピアノを弾き、歌う修道女は母で、ピアノと共に展示物として片付けられる。
中には切迫したリアルさとして感じる人もいるのだと思う。タイトルにもなっている「母」��性を持つ登場人物は3人いて、先にも書いた出産をする女性、美術館をやっている家族の母(姑)、病院にいる妊娠中の看護士がそれである。姑は明らかに耄碌した老人として描かれ、妊娠中の看護士はクリーチャーのような異様な形態の化け物として描かれている。
妊婦をクリーチャーじみた身体表現で描くという点について、妊娠は物理的な身体の変化が激しいので、「普通ではない」とみなされる、他者の・社会の眼差しによって異物化したものと描いているのか、妊娠経験者の実感を伴った異物化なのかは私には経験がないのでわからないが、この作品で一番印象に残るシーンであることは間違いない。
今回の作品は特に血・死・暴力の部分があったが笑いが発生するシーンも今まで作品と比べたら多めに感じられる。想像力が掻き立てられてそう見えるという類のものではなく、作り込まれた美術セットのせいもあって、とても奇異な状態がそこに確かにある、ということから発生する笑いだった。変な状況は笑いを誘う「おかしい」状況なのだ。でも同時に苦しさや状況の悪さでもあり、生きづらいのである。
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yamanaka-lab · 1 year
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2022建築レビュー#2
-建築レビュー#2(設計者:Architensions/ATE)発表者:長谷川(M1)講評者:久米-
  建築レビュー第2回はArchitensions/ATEを取り上げた。
  Architensions/ATEは、Nick RoseboroとAlessandro Orsiniにより2010年に創立された。ニューヨークとローマに拠点を持ち、住宅やインスタレーション、子供の遊び場といった様々な規模のプロジェクトにおいて活躍している建築デザインスタジオである。
 彼らは、「プロセスを大切にし、美学を探求する」という設計思想を持つ。多くの目標と成果が期待される建築研究に取り組んでおり実践や教育を絡め、建築空間を模索し、建築とアーバニズムを再接続することを目指している。 
 今回は、彼らの建築作品を3つ取り上げ紹介する。
 事例1『The Playground』,UNITED STATES (2022)
 このインスタレーションは、アメリカの音楽祭で採用されたものであり、カラフルな鉄骨造りの塔は『遊びの場』を表現している。
 構成は、足場システムのような4つの鉄骨造タワーで構成されており、色は3色を基調とし、3色の関連する隣接関係を考慮した単色で塗装されている。素材は、差し込む光、見る角度によって様々に表情を変えるダイクロイックフィルムのスペクトルから派生した色を使用したりすることで、意図的に鮮やかな色を実現している。
 オランダの画家コンスタント・ニューウェンホイスの視覚的ユートピア「ニューバビロン」の思想や、イタリアの建築家アルド・ロッシの「世界劇場」の空間の影響を受け、この構造は特定の都市の特徴を模倣し、多様な色とりどりのアーチで設計された。
 形状は、都市の類型を参照し、風景に秩序を与える多孔質のグリッド内に垂直に配置されている。
 都市にある模倣的なタワーの現代的な機能とは対照的に、タワーを楽しい場とし、移動の自由を人々に促進するためのフレームワークとして提案している。 
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事例2『dwelling without corridors』,UNITED STATES (2019)
 この作品は、2019年開催のニューヨークの住宅についてのコンペティションである。
  彼らは、都市構造の基本的な構成要素は、アイデア・文化・知識の交換に参加することであると提唱し、提案した。
 住宅における「ロビー」や「廊下」などの活用されていない空間を、各リビングユニットにサポート機能を備えるような空間に転換させるプランである。
 住宅は住民間の関係を育むため、各個室やコアとなる部分を左右に設け、その間にリビングなどの共有スペース兼廊下の役割を果たすものを配置している。断面的には2層を1層として扱い、真ん中に共有スペースを設け中間階に個室を配置している。
 廊下を排除し、そこに各個室へと向かう動線を設けることにより、共有スペースでの活発な活動を促す。
 またファサードは、周辺地域の歴史を兼ね合わせ、開口や扉のデザインがされている。
 彼らはこの住宅を通して、住宅は都市で行われる公共生活から分離された私的領域として捉えられている中で、住宅は都市構造の一部となるような計画を提案した。
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事例3『Children's Playspace』,UNITED STATES (2020)
 この遊び場は、少人数の子供たちのための創造的で集団的な遊びのための屋内空間を目指したインテリアの作品である。
 自然の要素から遊び心を持ち抽象化している。森林の砦を通る動き、木々を流れる薄暗い光、雪から反射する太陽の輝きなどから、デザインアイデアが出されている。
 自由形式の遊びを奨励する先駆的な環境であるイサム・ノグチのプレイグラウンドや、アルド・ファン・アイクのアムステルダムのビルの遊び場などから刺激を受け、デザインされた。
 多面的な形を持つことにより、様々な相互作用や活動に影響を与えることを目的としている。
 ツリーハウスを参照した緑の円筒形では、子供たちは階段を登り、葉の効果を期待できる緑色の布メッシュを通し、空間を観察する。
 半透明の和紙で覆われた天井からぶら下がる円錐形のようなものの中で、子供たちはきらめく雪の効果に似た独特の光を経験する。
 この屋内建築は、子どもたちが、多様化された空間の中で、それぞれ異なる姿勢で境界を作り、そして自分たちの周りの世界を再発見するような空間が目指されている。
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 私は、Architensions/ATEの設計について、建築とアーバニズムの再接続に焦点を当て、人の行動に対して実験的に建築をつくり都市に向けて効果や成果をつくりだす建築家であると感じた。また、直線や幾何学の形態のつくり方が独特であり様々なものから刺激を受け、形態に落とし込んでいる建築家であると感じた。
 山中は、Architensions/ATEの作品から、社会的要因に対するデザインの応答を実験的に模索しどのように落とし込むのか模索し、容易に認識できるルールを規定することにより、建築・空間にして落とし込んでいると捉えた。
 20世紀的なボキャブラリーを使い、設計におけるデザインコードやルールを規定している。幾何学の使い方、置き換え方が建築家アルド・ロッシを彷彿とさせている。また、視覚的ユートピア「ニューバビロン」の思想とは、変化していくための座標や基準を設定して、変化を許容している部分は通じているが、「ニューバビロン」ではその基準がより複雑である。Architensions/ATEの設計は、乱雑なように思えるが軸があるため均整がとれていると述べた。
引用 
・Designer of the Day: Architensions – SURFACE (surfacemag.com)
・https://www.archdaily.com/980374/the-playground-architensions?ad_medium=office_landing&ad_name=article 
・architensions - Architensions
・Children's Playspace / Architensions | ArchDaily
・Il teatro del mondo.アルドロッシ - 風光明媚な宇宙展望台 (cargocollective.com)
・Teatro del Mondo - 八濱漂泊傳 (goo.ne.jp)
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shukiiflog · 6 months
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ある画家の手記if.117  行屋虚彦/名廊直人視点 告白
一度実家に帰って制服とってきた。 俺は今高校生だったらしい。入学式にも出てねーからなんの実感もなかった。一昨日、担任からケータイに電話きて、夏休み前に宿題とかいろいろ渡すもんがあるからって言われて、学校に呼び出された。
学校に行かないのはそこまで気が回らねえっつーか…普通に暮らしてて学校に行く時間とか体力の余地がどこに出てくんだよ…とかもそんなに思ったことないな、学校とか通学とかの概念からねえし完全に忘れきってて。 でも周りの大人は初対面だとけっこうな高確率で訊いてくる。「学校に行きながら絵も描いてるのか?」そう訊かれるたびに、学校ってのは人間が生きてくためにそんな重要なもんなのかなとか、こうやってテキトーに抜かしてっとなんかまずいことになんのかなとか。わかんねえけど。 それでたまーに小・中の頃も顔出す程度には行ったりしてた。それでも俺に友達とかができないのは、俺がコミュ障だからなのか、滅多にいないやつだからなのか、イライラしてることが多いせいか、目つきが悪いせいか、友達欲しいわけでもないからか、全部かもしれねえし…とか思ってた。視界の暗さの正体と、あからさまな嫌がらせみたいなのされるまでは。
高校がどこかわかんねーからタクシー使って学校の名前言ったら門のとこにつけてくれた。 俺の今日の行動はどうもこっからマズかったらしい。 教師には徒歩で通学して心身を鍛える目的がどーのこーの、クラスのやつにはあいつタクシーで来てた、って言われて、教師のはなんか言い分があんだなと思ったけどクラスのやつのは完全に謎だった。タクシーで来た、その通りだけど、それがなんなんだよ…タクシー代はちゃんと自分で稼いだ金で払ってるっての… 教師のは黒じゃなかったな…クラスのやつのはかなり黒に近くて、黒板が見えにくいレベルだったから授業中に一人で教室を出た。なんか言われた気がするけど誰の声かも分からなかった、他の教室からも声がしてて、なんでこれを… いや… 普通は取捨選択して不必要な情報は意識から落ちる…んだっけ、あの人が言ってたっけ、知るか、俺はそうなんないんだから普通が俺を どう助けてくれるんだよ
教室から出て校庭の鉄棒の横の花壇のレンガに座って、ぼんやりしてた。春に飽和して人体との境界線を曖昧にしてた白い空気が夏に向かって少しだけ引き締まってる。心地いい温度に融ける人間。耐えられないやつは死ぬ。これを五月病とかいうんだっけ。違うっけ。 今日はもう七月でだいぶ暑い。でも外にいたら問答無用で熱中症になるってほどでもない。風が鉄紺色、少し冷たい心地いい風。 ポケットに入れてた小さなルーペを出して、地面に当てて見る。このルーペはずっと昔に直人さんがくれたもの。俺がイライラしてた時、視野のスケールを極端に変えたらどうかなって、言われて。広く見るのは難しいから極小の世界を、こうしてたまに見る。…ルーペの向こうには普通にしてて俺に見えないものが、たくさん見える。 花壇に咲いてる花はたぶんどれも綺麗ってやつなんだろうな、じゃなきゃわざわざ植えねえのか。花をよく見ようとそばに手をついて少しかがんだ、手元に、ぼたっと落ちてくるみたいに黒が 咄嗟に立ち上がって何歩か退いたけど  遅かった 頭にバシャっと水かけられた …いってーな…3階以上の高さからやったろ今の… でも不潔な水とかじゃないな、水道水か?それだけでもまだマシか…今のは回避できなかった俺のミスだ、見えてんのに反応遅かった。最近ガチで学校きてなくてこういう危機意識鈍ってたかな。 と、思いながら頭上を咄嗟に庇おうと掲げた片手に、ぶっすり尖った鉛筆が一本、貫通して突き刺さってた。水は綺麗でも異物混じってたか。…ギリギリ貫通はしてなかった。手のひらから抜いてその辺に鉛筆を放る。 はー…制服は濡れるし、散々かよ。
一度鞄とりに教室に帰ったらいろいろ言われてた。黒の濃さからして水落としてきたのは隣の教室っぽいけど。 あえて意識して声を言葉として拾ってみるよう意識を集中する。 ーーー画家って普段なにしてんの? ーーーさあ好きな絵描いてるだけじゃね ーーーそれで学校休んでいいことになるんだ ーーーそういうんじゃなくてただの不登校だろ ーーーあいつべつに画家じゃないだろまだ学生だし ーーー稼いだ金どうしてんの ーーー画家って儲かるの~ ーーー才能とかあれば高く売れるんじゃない ーーーあいつのはあれだろ、ガキの頃から描いてるってのが売りポイントっつーかそこがまず高ステータスになるみたいな ーーー才能関係なくね?子タレと同じ ーーー小さい頃から好き勝手してもなんも言われなかったんだね ーーー父親のほうが名前売れてるからそういう家にいたら流れで子どもも描いたりすんじゃね ーーーお家柄ってやつ ーーー売れる絵の書き方とか小さい頃から教えてもらえそうだもんね、そりゃ上手いに決まってるわ ーーーさっき水かけたやつってあれだろ、隣のクラスの美術部の、中学ん時あいつと比べられて学祭のポスターこき下ろされたとかいう
ここまで ここまで! これ以上は聴かねえ  走って教室を出る  俺はただ描いてるだけなのに  誰を蹴落としたこともねえよ  ただ描くだけがどうしてもそうなるから昔から嫌なんだこんな場所  画家同士なら  ただ描くことが誰も誰かを傷つけないのに 知るか どいつもこいつも勝手に潰れろ
そのあと職員室いって、受けとるもん受けとって帰った。帰り際に担任にあれこれ言われた。曰く、 母親が亡くなって生活は大変かも知れないが自分で稼げるからってなんでも金で解決しようとするな、タクシーも使うな、もっと運動しろ、もっとよく食べろ、健康的な生活しろ、なるべく学校にきて同世代の友達と交流を持て、勉強もしろ、今が楽しいからって絵ばっかり描いてるといつか後悔するぞ、高校は義務教育じゃないのに通えるありがたみを知れ、親御さんに感謝しろ、画家なんて仕事は卒業してから始めたって遅くない、でも���世代との学校生活というものは今しかないんだぞ …赤と青が声と扇風機の風に乗ってひらひら天井に向けて舞い上がってるのを見てたら、ちゃんと顔見て話を聞けって言われた。なんで濡れてるのか訊かれたから、暑かったんでペットボトルで水かぶりましたつっといた。
帰り道は学校から見えない距離まで歩いて、そっからタクシー使った。 行きは場所がわかんなかったからだけど、今は濡れてるから電車とか乗るとちょっとこのままじゃ風邪ひきそう。 帰ってから制服をハンガーにかけて壁にかけて、ドライヤーをあててたらインターホンが鳴った。 出てみたら香澄さんだった。
「すみません、俺も今帰ったばっかで」お茶菓子とかなんも用意できてないしちょっと散らかってます、って続けようとして黙る。 「……」 香澄さんの いつもと色が違う。表情も違うせいか?…なんかあったのか 「香澄さん? ここ来るまでに、なんか…ありました?」 「…え?」 やべ…やらかした。相手が自覚ないときはそういうの言わなくていいんだっての… とか思ってたら香澄さんが少し首下げて俺の髪の毛に顔近づけてきた。そういや濡れたままだった。 「水…? 手も怪我してる」 言われていろいろ思い出す、手も今の今まで忘れてた…。ドライヤー片手にどう返そうかと思ってたら風呂に直行することになった。俺が。…なんでだ。 「怪我してるし、風呂入るの手伝うよ」 「… え、 …手伝…   え」 「髪洗ったりタオルしぼったり…」 「え…いやそれは、…え…っと、」 「…ごめん  他人に頭とか触られんの嫌かな」 「そういうこと…じゃなくてですね、」 香澄さんが風呂に入るの手伝うっていうのをめちゃめちゃ遠慮してなんとか一人で風呂に入る。 手伝うってあれか、前に俺が母さんにやってたようなことか。俺はそんなに抵抗なくやってたけど、…あれって結構ハードル高い人には高いらしいからな…。そうじゃないから申し出てくれたのかもだけど。…わかんねー… 風呂入る前に香澄さんに穴あいてるほうの手を清潔なビニール袋で包まれて、手首にゴムみたいなのでしっかり固定された。防水? 「困ったことあったら呼んでね」って言われて、ようやく香澄さんはちょっと普段の表情に戻った、けど、色は来たときと何も変わってなかった。 湯船に2分くらい浸かってただけでもう逆上せてきた。くらくらしながら風呂から上がる。 髪をタオルで拭きながらリビングに行ったら嵌めたままのビニール袋とられて治療?がはじまった。…そんなたいした怪我じゃねえんだけど… 手当てされながら「何があったの?」って訊かれた。 「学校行って宿題受けとってきました」深いとこに折れて埋まった鉛筆の芯はどうもならなさそうだな。なんかちょっと大袈裟なくらいに包帯が巻かれていく。 「学校…」 手元狂わせずにどんどん処置を進めながら香澄さんが呟いた。そういや俺、今日まで学校行ってる素振りとか全然なかっただろうし実際行ってないからただの無所属ニートと思われてたかもな。画家ってそんなもんではあるけど。 「もらっても宿題やんないですけどね」ちゃんとやったことは一度もない。それで殺されるわけでなし、毎年違うスケジュールとかぶるんだよな。公募とかもこの時期多いし。 「うつひこくんはいま…高校生?どうして学校いくの?」 「普段は行ってない不登校児ってやつですよ。でももうすぐ夏休みだから、たまには顔見せないとっていう程度の」 …ん?今のって、今日なんで学校行ったかじゃなくて、俺が学校行ってる理由全体を聞かれたのか?俺…日本語が不自由か… 「そうなんだ  …俺高校って行かなかったから、どんなかわからなくて…ごめんね」 謝られた。やっぱなんか俺が間違ってた気がする。こういうとこに学校行く意味とか意義とかがあんじゃねーの…とか思う。日本語での円滑な意思疎通みたいな…。 「この怪我はどうしたの?」 包帯を巻き終わった俺の手をじっと見て香澄さんが言う。…利き手じゃねーし、まあ利き手でもか、そんな痛くはないし平気だし、…こんなじめっとした話聞かされても困るんじゃねえの。 でもこういうこと訊かれんのも久しぶりだ。香澄さんがそういう界隈の人じゃないからか。 「そういう風に訊いてもらえるだけでだいぶ救われます」 包帯が巻かれたほうの手を俺も見ながら、ちょっと俯き加減になる。 「自傷で片目がこうなったの、俺の周囲はだいたい知ってるんで、そっからはなんか怪我しても自分でやらかしてんだろってスルーか嗤うかくらいしか誰からも反応ないから」 どういう経緯で片目潰したか知ってる少数の人間は別だけど、その人らも忙しいからなかなか会わなかったりで、結局一番接してる人間は名前も覚えてないような個人的な付き合いのない人たちばっかだ。だからこそ言えるし嗤えるってとこはあんだろうけど。 ーーーーでも、そういう人たちも… 「…。」 なんか裸足の足裏…足元が湿ると思ったら、香澄さんが目の前で悲しそうな顔してた。…来たときの色が、落ちてる。 「自分でやったの…」 …どっちだこれ…迂闊に目のこととか話題にしないべきだったか…せっかく …いや、事実は事実でどうにもなんねえしな。 「…手ですか、目ですか」 香澄さんは一度顔上げて俺のほう見たけど、喋るごとに俯いてく。 「え、あ、どっちも…?どっちっていうか、ごめん…えっと…」 …俺が完全に取りちがえて主旨ずらしたっぽいよな、たぶん。 楽しくもない、じめっとしてて、いい気分にはならない、そういう話を、聞いてくれようとしてた…のか 「夏休み前だから夏休みの宿題取りに来いって担任から呼び出しの電話きたんで久しぶりに行ったんです。教室の中は俺の噂か陰口か微妙なので溢れてて、校庭に逃げてって。そしたら上階の窓から水かけられて、水はただの水だったけど中に鉛筆とか釘とか混ぜてあって、俺が咄嗟に頭庇おうとして手をかざしちゃったから、手のひらに降ってきた鉛筆が刺さったんです。  …それだけです。」 「……そう」 香澄さんがまたちょっと表情強ばらせてる。…こんな詳細まで言わなくてもはしょればよかったかと思ってたら頭にそっと手が乗った 「………」 「お疲れさま、…今日はもうのんびりしよ」 優しい感じの撫でかたで頭を撫でられる …。 「頭庇ったのは偉いよ、すごいねえ俺たぶん咄嗟に動けないや」 俺的には失敗…いや…大差ねえか…でも顔とか頭とかより手を庇うべきだった気もしないでもない… 立ててた片脚に体を乗せてぐたっと項垂れる 香澄さんの撫でかた、ちょっと母さんと似てるな …黒 「やったのが誰かは分かってるから、怒るとか、教師に言うとか、…そいつが悪いって言えれば…  …  」 言うべきなのかもしれない。それとか他のなんか、行動起こすとか。俺にそういうことやるんなら他の人間にも平気でやってんのかもだし、とか、俺一人で片付けていい問題じゃない、みたいな。よく知らねえけど、いろんな意味で。…でも、 「でもみんな…   何かあるじゃないすか ゲームの敵キャラみたいに俺を痛めつけるだけに生きてるわけじゃない  今日の俺にとってはそうでも  … …みんなにそれぞれのここまできた時間と色があって …俺は誰かを指差せないです、おまえが悪いとかっては そうしたほうが …みんなのためによくても…   …」 今日の俺に…とっても、か…。 「…… 誰のどんな事情もうつひこくんに怪我させていい理由にはならないよ」 理由… …走ってったとき隣の教室から出てきた一人の黒いやつ、たぶん間違いねえと思うけど、降ってきた黒と同じだった、黒にもいろいろある 廊下でちょっとだけ睨まれた気がする。 黒いけど、他の色もあった、入り混じって、俺への悪意だけでできた存在じゃないのは見ればわかった、あいつにもいろいろあるんだ、何があるのかまでは俺には分からねえけど みんなにそれがある 俺はあれでいいと思った 美しいと あれが俺への悪意や複雑な感情の現れたものなら あのままがいいな 美しくはないよ、そんなこと言ったら現実はなにも美しくない でもそう思う以外にどうすれば 俺は ……………… ……… ………
包帯巻かれてなければ普通めに動かせるんだけどがっちり巻かれてガードされてて、今日もう何もできなさそーってことで、俺は例の人をダメにするクッションの上に大の字に寝そべって首のけぞらせて香澄さんのしてることを上下逆にぼんやり眺めてた。こいつマジで人をダメにすんな… 香澄さんはキッチンで今日の夕飯作ってくれてた。 さっき手当てしてもらってて服の裾からちょっと覗いた香澄さんの地肌、なんか古傷みたいなのあった。白い光を放ってて、それが白く見えてたんじゃないかと思って一瞬ぞっとした。 朱の中の、白い筋、人体の脂肪分みたいな …どういう事情かなんてそれこそなんも知らないけど、白く見えてるのがなんかの傷か傷跡なら大量の傷が頭から爪先まで全身にある…もしくはあった、のかもしれない。 事情は知らない、でも…学校で地味な嫌がらせされてるとかって話題は香澄さんの前ではテキトーな嘘ついてでも避けたがよかったんじゃねえの…今更だけど… とかぼんやり考えてたら夕飯ができた。 香澄さんと二人で向かい合って食べる。美味そうだけど見たことないオシャレな感じの料理。赤いな 「うつひこくんは好きな食べ物ある?」 「肉ですね」 「肉。」 「焼いた肉ならなんでも」 「人と食事したりは平気かな」 「全然です。食えないもんもないし。一人でいるとダルさが勝つんで食事抜きがちなだけで」 「そのソファちょっと気に入った?」 「はい。ここ来るまではアトリエで描いてそのままコンクリとか板の床にぶっ倒れて寝て、ってののエンドレスリピートだったんで、このソファやばいすよね。座ってると自分がこれまで石器時代と同じ生活レベルで生きてたの実感します」 二人でなんてことない会話をして夕飯食べて、食べ終わったらまた香澄さんが食器洗ったりとか全部してくれて、 俺は誰かが俺のかわりに家事とか全部やってくれる不思議空間でそれをじーっと見てた。 ……………… ……… ……… 俯いたまま床を見つめ続けて、 さっき見た色 黒に  … ……… ……… … 無理だ なんとかしようとしたけど俺一人の手に負えるものじゃない
「香澄さん 直人さんちに連れてってください」
***
急に香澄から連絡がきて、今からイキヤがこの新居に来るらしい。 僕は描いてたのを中断して、屋根裏部屋のアトリエを少し整理して整える。越してきたばかりだけど既に描いた紙が山のようにあちこち積まれてたから雪崩を起こさないように。 イキヤも無意識にうろうろするほうだけど、僕より半径が広かった気がするな。寄せて置いてた木製のラックを端のほうに避けて少し広めに空間を空けておく。 …30…  いや、イキヤの身長が170ないくらいだから、腕の長さ的にはP20か…短時間勝負なら15号がいいかもしれない、どれもここにあるから一応15号をイーゼルにセットしておいて本人に聞いてみるかな。 そうこうしてるうちに外と玄関で音がして、玄関からすごい勢いでイキヤが走って入ってきた。「アトリエは3階、階段はそこ。F15?」「15です、ありがとうございます」 その一言だけで素早く階段を上っていった。追加で背中に投げる。「コバルト使うのに変な遠慮するなよ」「しないすよ」 後ろからついてきた香澄がきょとんとしてる。 苦笑い、とまでもいかないけど、腕を組んで笑いかける。 「描かないと処理できなかったかな」 アトリエのほうを見上げて続ける。 「イキヤなら一時間かからないから、そのあたりで様子見に行こうか。たぶんそのまま床で寝てるから、せめて客間に布団敷いて転がしておこう」
きっかり一時間経った頃に様子を見に行こうとしたら僕より先に香澄がアトリエに行って、やっぱり床で寝てたイキヤを抱え上げてた。 僕が客間に布団を敷いて、香澄がそこにイキヤを寝かせる。イキヤは一度眠ったら気絶したみたいに何しても起きない。 起きるまで客間についてようとする香澄を「今日はもう目を覚まさないから」って説得して、自分の部屋に寝かせる。 僕は今夜は睡眠薬を飲まないでコーヒーを啜りながら、イキヤの寝てる客間と隣接した部屋で夜通し仕事の続きをした。
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ajisashiajisashi · 1 year
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夢のない話(ボヤき)  20230114
10万キロ目前のアクセラ車検、費用が20万円を超える。
これでも修理をいくつか先送りしての金額。
しかも、うっかり普段使い口座への入金を忘れてた。
車検代が足らない!!
慌てて手続きしたが、もはや車検には間に合わぬ。
仕方がないので不足分
ムスコの
御年玉を徴収(借りる)
┐(´д`)┌ヤレヤレ
入金したらすぐ返すだよ。
スイフトが9万キロ強を完全ノントラブルで走りきったのに比べ
アクセラはマイナートラブルが多いし修理/維持費も掛かる。
トヨタ、スズキに比べると明らかに耐久性に劣るうえ金食い虫。
ついでに言うと、夏タイヤの残り溝も4mmを切った。
┐(´д`)┌ヤレヤレ
アクセラ
正直、ボディサイズ/維持費の両面で持て余し気味。
せめてこの金額負担で、
毎日の通勤が楽になっているのならともかく
実際は狭い裏道を抜けていくのにストレスになっておる。
嫁のミライースが空いているとき
通勤に奪っていくのはそういう理由。
結果、アクセラXDをアクセラXDとして本当に活かしているのは
年に数回の高速長距離移動のみ。
いや、これも捕獲されるリスクと表裏一体と考えると微妙。
スイフトの買い替え時、フィットにしておけば・・・
という思いは正直ある。
アクセラ車検を始め、年末から恐ろしい勢いで金が減る。
生産性の無い、維持管理系の金額を積算してみた。
Tumblr media
これから控えている出費。
Tumblr media
総額616,570円
┐(´д`)┌ヤレヤレ
まだまだ続くよ。
家を建てたとき、子供が産まれたときからの耐久消費財。
今年は壊れる前に更新キャンペーンの展開を決意。
あと5年もすりゃ、また自宅塗り替えも考えなきゃならぬし
その前に大物は手を付けておきたい。
冷蔵庫と給湯器は更新済
なので、とりあえずの目標
(もちろん今年全部は無理)
居間のエアコン(15年経過)
寝室のエアコン(15年経過)
和室のエアコン(9年経過)
脱衣所のエアコン(7年経過)
テレビ(14年経過)
ウォシュレット(15年経過)
食洗機(9年経過)
洗濯機(8年経過)
まずはウォシュレットだな
(更新すれば電気代が下がるのは確実。このご時世だし)
いい加減、リビングの壁紙と畳の張替えもやりたい。
メインノートPC(6年経過)のバッテリーが一気にヘタってきた。
こっちも代替したいが・・・
┐(´д`)┌ヤレヤレ
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