Tumgik
life-garden · 7 months
Text
塩分が高血圧を引き起こす理由
今回の記事は、『塩分と高血圧の関係』です。
Tumblr media
高血圧はさまざまな要因が複雑に絡み合っていますが、
高血圧気味の人は明確に塩分を避けるよう推奨されています。
その理由は、血液中の塩分が増えると、血液を薄めようとして血圧が上がってしまうからです。
浸透圧と血圧
人体は、体内の水分量を細胞の内側と外側で別々に調節しています。
細胞の内側はカリウムイオンの濃度、細胞の外側はナトリウムイオンの濃度によって水分量が決まります。
Tumblr media
基本的に全ての細胞は外にナトリウムイオンを排出し、外からカリウムイオンを吸収していて、外にはナトリウムイオン、内にはカリウムイオンが存在しています。
水には、イオンなど何らかの溶解物の濃度の薄い方から濃い方へ移動する力(浸透圧)があります。
細胞の内側と細胞の外側で水分の濃度が同じ場合は、細胞の内側と外側で水は移動しません。
しかし、細胞の外側の水分が細胞の内側の水分よりも薄いと、水分が細胞内に移動して細胞が膨らみます。
Tumblr media
逆に、細胞の外側の水分が細胞の内側の水分よりも濃いと、細胞内の水分が外に移動して細胞は縮みます。
Tumblr media
つまり、塩分を摂取すると、ナトリウムは速やかに血中へ移動し、血液が濃くなり、細胞から水を奪い取ります。
水分を奪い取って容量の増えた血液は、血管を圧迫して血圧の上昇につながります。
さらに、水を奪い取られた細胞は水不足となりやや危険な状態になります。
腎臓も塩分で血圧を上昇させる
塩分による血圧の上昇には、腎臓の血圧調節機能も影響します。
Tumblr media
腎臓は血液を濾過して尿を作りますが、この時に塩分と水分を捨てるか再利用するかを判断しています。
特に、腎臓の中でも血圧調節を行う細胞は以下の3つです。
近位尿細管細胞
塩分や水分を再吸収するか体外に排出するかを判断します。塩分濃度が高いと、この細胞は水分を体外に放出しないように再吸収して血液を薄めようとします。
Macula Densa細胞
Macula Densa細胞は近位尿細管の近くで塩分濃度の変化を感知します。塩分濃度が高いと、Macula Densa細胞はJG細胞に信号を送り、レニンの放出を促進します。レニンの影響によって血管は収縮し、水分を体内に保持します。
Juxtaglomerular (JG) 細胞
JG細胞は腎臓の血管の一部に存在し、血圧や塩分濃度の変化を感知します。塩分濃度が上昇すると、JG細胞はレニンを放出し血圧を上昇させます。
まとめ
Tumblr media
塩分摂取が過剰になると、水分保持、血管収縮、腎臓の血圧調節機能(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)の活性化が組み合わさって血圧が上昇します。
この状態が持続すると、高血圧症や心血管疾患のリスクが増加する可能性があります。
1日の食塩摂取量の目安は、
男性:〜7.5g/日
女性:〜6.5g/日
高血圧の予防・治療中の方:〜6g/日
となっています。
この値は、外食で定食を2回食べると超えてしまうので、自炊で塩分の少ない料理が推奨されます。
0 notes
life-garden · 9 months
Text
高血圧の原因は未だ不明確
今回の記事は、『高血圧の原因』です。
Tumblr media
高血圧は、日本人で最も多い疾病の1つです。
日本全体の患者数全体の10%が高血圧症と診断されていて、病院に行っていない潜在的な患者も少なくありません。
そして、高血圧の問題は日本だけではなく、世界的に対策が必要です。
WHOによると世界平均で40%程度の人が高血圧であるのに対して、医療機関や健診で「高血圧」といわれたことがある日本人は、男性40%弱、女性30%強と世界平均よりも若干少なめです。
高血圧は世界的な問題
Tumblr media
世界的に高血圧が問題視されるようになったのは、2013年3月に発表されたWHOの以下の調査結果に端を発します。(読みやすさのために順番を変更しています)
・高血圧は、世界中で早死にの主な原因となっている。
・世界の30~79歳の成人の推定12.8億人(約10%)が高血圧症であり、その70%程が低・中所得国に住んでいる。
・高血圧の成人の推定46%は、自分が高血圧であることに気づいていない。
・高血圧と診断され治療を受けているのは、成人の半数以下(42%)である。
・高血圧の成人の約5人に1人(21%)が、高血圧をコントロールできている。
・非伝染性疾患の世界目標のひとつは、2010年から2030年の間に高血圧の有病率を33%減少させることである。
高血圧の背景としては、欧米の食文化や加工食品の流通、生活習慣の悪化(座り仕事の増加)、高齢化などが知られています。
WHOはこの発表の後、予防や治療法のアドバイス体制を各国政府へ提供し、資金的な支援団体を募っています。
この記事の執筆時点では目標とした2030年まで後5年ほどですが、東南アジアや日本の状況を見る限り有病率の低下にはまだ時間がかかりそうな気がします。
高血圧の原因
Tumblr media
国立循環器病研究センターのHPでは、 「高血圧というのは血圧が高いという病態です。」という説明がされています。
(いや、だからその原因が知りたいのですが...、と筆者は思いましたが、現状では不明確なことが多いのでこのような表現にとどまるようです。)
特に、原因の判らない「本態性高血圧症」が高血圧症の約90%がこれに入ります。
体の中に血圧上昇の原因となるはっきりした病気(腎動脈狭窄、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫など)がある時にはこれを二次性高血圧症と呼びます。
つまり、血圧が高い(いわゆる生活習慣病)という現象が寿命を縮めているという現象が認識されてはいるものの、明確な仕組みに関しては科学的な根拠は未だに確立されていないのです。
というのも、生活習慣病の原因には、遺伝子、環境、習慣などの因子が複雑に関与していて1つ1つの分析をしても正解に辿り着くのが難しいからです。
高血圧の原因としては、以下のようなものが考えられています。
過剰な塩分摂取
肥満
過剰飲酒
精神的ストレス
自律神経の調節異常
運動不足
野菜や果物(カリウムなどのミネラル)不足
喫煙
老化
生活習慣病の予防については、学校でも会社でも情報を得ることができるようになってきましたから、上記のような一般的な内容はほとんどの人は言われなくても知っていると思います。
特に30代以下の若い日本人では喫煙や飲酒を避ける傾向もだんだんと強くなってきていて、WHOや各国での対策が身を結んできていると実感できる部分です。
Tumblr media
このブログでは、身体の仕組みを理解して健康に関する体系的な知識を提供することを目標としていますので、次回以降の記事で高血圧の因果関係について少しだけ詳しく説明してゆきます。
0 notes
life-garden · 10 months
Text
虫歯の仕組みと予防方法
今回の記事は、虫歯の仕組みと予防方法です。
虫歯の仕組み
虫歯の原因も、歯周病と同様に歯垢(プラーク)です。
歯周病と違うところは、虫歯菌(ミュータンス菌)と砂糖が関わってくるところです。
Tumblr media
ミュータンス菌が歯垢を作ると、口の中の砂糖を取り込んで歯を溶かす酸を作るようになります。
酸によって歯が溶かされ続けると、虫歯はどんどん進行します。
虫歯がある状態で甘いものを食べると、ミュータンス菌の餌が���給されて虫歯の進行が速まるので注意が必要です。
Tumblr media
虫歯の進行度はC1~C4四段階に分類されています。
歯の外側が折れてなくなってしまうC4まで進むと、現在の技術では歯を抜いて入れ歯を作るしかありません。
iPS細胞で新しく歯を生やすことができるようになれば、新しい治療方法として使えるようになる可能性は高いです。
虫歯の予防方法
1.毎日の歯磨き
虫歯を予防するには、定期的に歯垢を除去する歯磨きが効果的です。
Tumblr media
特に、大人は歯の根元に虫歯ができやすく、子供は前歯の隙間と奥歯の上部分に虫歯ができやすいので、より丁寧に磨くことが推奨されています。
歯周病も虫歯も全然問題ないという方は、フッ素配合の歯磨き粉で虫歯を予防し続けるのが良いです。フッ素には歯にミュータンス菌が取り付いたり増殖するのを防ぐ効果があります。
ミュータンス菌は生育が非常に早い菌として有名で、40分に1回のペースで分裂して増えます。歯磨きは1日に2回以上が良いでしょう。
2.歯医者で歯石を取ってもらう
また、歯垢は全てが虫歯になるわけではありません。ミュータンス菌が増殖せずに長時間経った歯垢は、唾液中のカルシウムが集まって硬くなり、歯石と呼ばれるようになります。
歯石は放っておくと歯周病の原因になります。
歯磨きでは除去することができないので、定期的に歯医者さんへ通って除去してもらうのが一般的です。
Tumblr media
歯石の除去なら治療費も1000円くらいで済みます。
毎日の歯磨きがきちんと問題なくできているのかの確認もできるので、虫歯・歯周病予防のために少なくとも年に2回くらいは歯医者へ行くのが良いでしょう。
今回の記事は以上です。
次回の記事は、高血圧の仕組みと予防方法です。
0 notes
life-garden · 10 months
Text
歯周病の仕組みと予防方法
前回の記事では、日本人の多くが虫歯や歯周病が予防できることを知らず、オーラルケアに自信がないという10年前の調査結果を確認しました。
現在の歯医者さんの多くはオーラルケア教育を徹底するようになってきましたし、かなり改善してきているように思います。
とはいえ、虫歯にも歯周病にもならないに越したことはないですから、仕組みと予防方法をしっかり理解しておきたいところです。
歯周病の仕組み
まずは歯周病から見ていきましょう。
Tumblr media
歯周病の原因は、歯の根元部分をきちんと磨けていないことです。
歯と歯茎の間には歯周ポケットと呼ばれる隙間があります。
歯ブラシをここに当ててもらうとわかるのですが、ここには歯ブラシの毛が何本か入るくらいの隙間があるのです。
歯周ポケットには食べかすや歯垢、歯石(歯垢が長い時間かけて硬くなったもの)が溜まってしまい、細菌(Porphyromonas gingivalisなど)が繁殖して歯茎の炎症や出血、歯茎の骨(歯槽骨)が溶けてしまう原因になります。
Tumblr media
歯周病が進行すると、歯周ポケットで繁殖した細菌のせいでタバコのような匂いがしたり、歯茎の高さが下がってきたり、歯茎から出血してきたり、冷たい水が滲みるようになってきます。
最終的には歯を支えることができなくなってしまい、入れ歯にする以外に治療方法がなくなってしまうのです。
歯周病の予防方法
歯周病の予防方法は、毎日の歯磨きで歯の根元を優しく丁寧に磨くことです。
そのためには、歯周ポケットの中によく届く柔らかい歯ブラシと、殺菌成分や歯肉を活性化する成分の入った歯磨き粉がおすすめです。
歯と歯の間にも歯垢や歯石は溜まりやすいので、歯間ブラシもあるとより良いです。
歯周病がやや進行してきていると、最初は歯磨きをしても少なからず出血しますが、継続することで歯磨き粉の成分で歯茎の高さが戻り、痛みも出血もなくなります。
おすすめの歯ブラシ
 ライオン「クリニカPROハブラシ 3列超コンパクト ふつう」
Tumblr media
狭い場所に届きやすいようにヘッドが薄くなっていて、歯ぐきにもやさしい柔らかさなので、歯の間や歯周ポケットの中の歯垢も綺麗に落とせます。
歯ブラシは毛先が歪むと歯茎を傷つけてしまうので、1ヶ月くらいで交換するようにしましょう。
おすすめの歯磨き粉
1.クリーンデンタルLトータルケア
Tumblr media
これ1本でほぼ全ての口腔内トラブルに対応できるレベルの薬用成分を配合しています。
3つの殺菌成分(IPMP・CPC・LSS)
2つの消炎成分(グリチルレチン酸・アミノカプロン酸)
虫歯予防成分(フッ素)
歯石沈着防止成分(ゼオライト)
着色除去(PEG-8)
歯茎活性化成分(ビタミンE)
歯茎引き締め成分(塩化ナトリウム)
本当に〝良いモノ〟だけを紹介する晋遊舎の雑誌『LDK』でも、歯磨き粉部門で1位を獲得しています。
2.歯周病特化型: Sato アセスE(第3類医薬品)
Tumblr media
カミツレ、ラタニア、ミルラといった200種類の植物性生薬(ハーブ)による抗炎症作用、抗ヒスタミン作用、抗菌作用の有効性が検証済みです。
歯周病についてはここまでにします。
次回は虫歯の仕組みと予防法についてまとめます。
0 notes
life-garden · 10 months
Text
虫歯と歯周病は予防できる
今回の記事は、虫歯と歯周病の予防意識です。
Tumblr media
虫歯と歯周病は歯医者へ行く1番の理由であり、同時に予防が最も効果的な病気の1つです。
適切な歯磨きと歯茎へのお手入れを続けることで、ほとんどの虫歯と歯周病を予防することができます。
しかし、日本人には予防歯科という考え方が欧米ほど浸透していません。
前回の記事でも見たように、全年齢を通して虫歯や歯周病で歯科医へ行く人数が特に多いのです。
予防歯科について公開されている最新情報は、2014年のライオン株式会社による「日本・アメリカ・スウェーデン 3カ国のオーラルケア意識調査 Vol.1」です。
少しだけこの資料を見てみましょう。調査対象は各国それぞれ15〜69歳の男女1200名です。
Tumblr media
日頃から謙虚で自信のない日本人ですが、オーラルケアに関しては自信のない人が6割を超えます。アメリカ・スウェーデンでは8割以上が自信ありです。
Tumblr media
虫歯と歯周病を予防できることを知らなかった日本人は50%近いです。
Tumblr media
直近1年間で歯医者に行ってない日本人が6割近く、アメリカ、スウェーデンの2倍近くになっています。
そして、公益財団法人8020推進財団が2018年に出した「永久歯の抜糸原因調査報告」によると、日本人が歯を失う原因の1位は歯周病です。
歯周病は、歯の根元や歯茎のケアが不足して歯茎が萎縮することで発生します。
虫歯が進行した場合は歯が1つずつダメになりますが、歯周病が進行した場合は、歯茎に乗っている歯がまとめて何本もダメになってしまうので、一気に歯をなくしてしまうのです。
明らかに、日本人のオーラルケアは深刻に不足しているのです。
次の記事では、歯周病と虫歯のメカニズムと、対策となるオーラルケアの方法についてまとめます。
0 notes
life-garden · 10 months
Text
令和2年(2020)の患者数ランキング
第1回目の記事では、日本全体の健康面での課題を概観します。
現在も日本人の多くが悩む健康面での課題は、将来あなた個人が悩まされる可能性の高いものを教えてくれます。
Tumblr media
まず、高血圧と歯科関連(歯周病、虫歯など)が1400万人前後と、日本全体の11.1%(9人に1人)となっています。
男性より女性の方が多いのは気になりますが、病院にいく人の割合が男女で偏りがあるからかもしれません。(分かり次第追記します)
年齢の影響が大きそうなので、年代を分けて見てみます。
Tumblr media
20代未満では、高血圧の比率はほとんどありません。
歯科関連(歯周病・虫歯など)、喘息、アトピーなどがほとんどです。
Tumblr media
一方、65歳を超えると高血圧が歯科関連(歯周病・虫歯など)を超えます。
私たち日本人にとって、健康問題で最も対策が必要なのは、
20歳までは虫歯や歯周病
20歳からは虫歯や歯周病に加えて高血圧
になります。
この2つの対策がOKなら、
3.脂質異常症、2型糖尿病、骨粗鬆症などの生活習慣病
4.気分障害、神経症・ストレス、睡眠障害などのメンタル系
5.喘息、アトピーなど体質的な減少
6.がん、緑内障、白内障などの老化現象
などに対策してゆくのが良いでしょう。
Tumblr media
なお、日本は医療や衛生面での環境が非常に��く、諸外国と比べて体質的な病気や感染症の数値がほとんど出てきません。
これは非常に恵まれていてとても��晴らしいことです。
健康面で考えることが少なくて済むので、自分のやりたいことに集中して時間を使うことができます。
以降の記事では、上記の1~6の順で対策をまとめてゆきます。
次回の記事は、虫歯・歯周病などについてです。
0 notes
life-garden · 10 months
Text
医薬総合プラットフォーム "Life Garden" をOpenしました
日本人向けに第1類〜第3類医薬品、その他健康グッズに関する総合的な情報プラットフォーム として "Life Garden" をOpenしました。
Tumblr media
設立背景
日本では医療の専門性が非常に高いので、ほとんどの人は医学的な知識を医者任せにしています。
しかし、医療行為には判断と意思決定が必要であり、それは患者当人の意思決定に基づくものである必要があります。
さらに、健康に関するほとんどの問題は、衣・食・住の生活習慣によって予防できるものですが、予防医学的な知見で健康管理ができている家庭はまだ多くありません。
多くの医療従事者は予防の重要性を理解していても、病院業務に忙殺される日々の中で、健康な人への情報提供の機会は限られています。
Life Garden は、予防医学の目線でわかりやすく自分の健康について判断できるよう、商品情報や健康に関する情報を提供します。
健康に長生きできることは人生を最大限楽しむための大きな鍵となります。
Tumblr media
Life Gardenは、多くの方にわかりやすく役に立つ医薬情報を提供してゆきます。
記事内容へのご指摘、記事の依頼や質問などのリクエストはいつでも大歓迎です。
1 note · View note