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#角部屋で窓が3つ
kinemekoudon · 1 year
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スマホを解析されて、薬物売買のログを見せられたときのレポ
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―逮捕から7日目。この日は2回目の検事調べが予定されており、今回はワゴン車による単独の護送ではなく、護送車での複数人共同の護送になるとのことで、僕は初めて護送車に乗れることを少し楽しみにしていた。
朝8時30分頃、点呼とともに居室から出され、留置場の出入り口扉の前に連れていかれると、扉の前には既に2人の収容者が縦一列に並ばされており、僕はその2人の後尾に立つよう指示をされる。そして例によって身体検査をされると、いつもよりキツく手錠をかけられる。
その後、留置官が先頭の収容者の手錠の間の輪に、通常より長い腰縄を通してから腰に巻き付け、同じ要領で、その長い腰縄を中間の収容者、そして後尾の僕に巻き付け、見事に3人を数珠繋ぎにすると、その長い腰縄を自分の腰につけているフックに括りつけ、後尾に立つ僕の後ろについた。
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それから、3人の前後に警官が3人ずつついた体制で、地下の駐車場まで連行され、しばし駐車場で待機をしていると、白色と灰青色のツートーンカラーで、黒色のスモークガラス窓のマイクロバスがやってきて、3人の手前に停車した。
僕はその時まで、護送車とは、青地に白のラインが入っている、窓に金網のついたバス型の車だと思っていたので、実際の護送車がひどく凡庸なことにがっかりした。
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上が護送車、下は人員輸送車(警察官を輸送する車)
そうして、3人は連結されたまま護送車に乗せられる。護送車の車内は、右側2座席に左側1座席の3列配置で並んでおり、窓には鉄格子が嵌められていて、運転席との間には壁があって全く見えないようになっていた。
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また、護送車は周辺地域の警察署を順繰りにまわり、地検に移送する被疑者らを拾っていくシステムのようで、すでに15人ほどの先客が座っていた。
彼ら15人は、非常に長いロープで数珠つなぎにさせられており、全員が上下グレーのスウェットに茶色の便所サンダルの恰好で、手錠をかけられ、姿勢よく無言で着座しているので、捕虜の集団のようだった。
車内にいた警官らによって、3人は各自指定された座席に座ると、3人を連結していた長い腰縄が外され、今度は15人を連結している非常に長いロープに括り付けられる。
18人の被疑者と1本のロープによる数珠が完成すると、1人の警官が、「車内では会話や目配せはもちろん、足を組むのも禁止する」などという護送車内の規則を、大声かつ歯切りのよい口調で説明していた。
車内に5人ほどいる警官らも、これだけの逮捕者を移送するというだけあってか、非常に緊張感を持った面持ちで、ちょっとでも無駄に声を発したら怒鳴られそうな緊迫感がある。
僕は幸い、右側2座席の窓側の席であったので、外の景色でも見て気を紛らわせていようと思った。なんだったら、前回の単独移送で��、両隣に警官が座っていて、窓はほぼ塞がれている状態だったので、久しぶりに外の景色を見られることは楽しみだった。
そうして、護送車が出発する。捕虜同然の惨めな状態というのもあってか、留置場では見ることのない格好や表情をした道行く人々を見ると、外の世界は自分とはもう関係がないように思えてきて、非常にセンチメンタルな気持ちになる。梅雨時で曇天模様だったのがまだ救いであった。
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出発からおよそ1時間が経過し、護送車が地検に到着する。護送車のドアが開くと、地検で待機していた警官がドア横に立ち、日本陸軍の点呼のような厳格さを感じる大声で「第三系統! 総員十八名!」と号令をする。車内の被疑者らが数珠つなぎにされたまま、1人ずつ車内から降りていくと、その警官はやはり日本陸軍のように「一!二!三!…」と点呼をとっていた。
数珠つなぎのまま連行され、待合室のある広間に出ると、そこには前回よりもはるかに多い、100人弱の被疑者らがおり、見るからに力士のような者からヤクザのような者まで、前回より威圧感のある男が多く集結していて、全体的に迫力があった。
また今回は人数が多いためか、警官の人数が多く、警官らはみな厳格な号令と点呼を行い、鋭い眼光で被疑者らを監視しているので、今までに味わったことのない張り詰めた空気が漂っている。
それから例によって、待合室という名の牢屋で、座る者の事など考えていない直角の硬い椅子にすし詰め状態で座らされ、時間もわからないままひたすら待ち、昼食時にコッペパンを食べ、いつ自分が呼ばれるか分からないまま、またひたすら待つ。相変わらず地獄。
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おそらく3時くらいになってようやくお呼びがかかり、僕は一人の警官に連れられて、検事のいる部屋に入室した。あくまで検事が起訴か不起訴かを決めるので、入室の際、僕は少しでも検事の心証を良くしようと、礼節を重んじている風の挨拶を決め込む。
前回同様、義務的な質問などがされ、黙秘権について告知がされるので、僕はここぞとばかりに、昨日弁護士にアドバイスされた通りに、「担当の弁護士さんから抗議書が送られていると思いますが、昨日、留置担当官の方に「ブチ殺す」などの脅迫を受けて、警察や検察の方を信用できなくなったので、取り調べには協力できません」などと、あくまで被害者ぶった深刻な表情で言う。
すると検察官は、こちらの会心の一撃をまるで意に介さないような表情と口調で「わかりました。その件についてはこちらでも事実確認と調査を行ってまいります」などと流暢に返事をし、「ただ、本日は見ていただきたい資料があるので、応えられるものに関しては応えていただけませんか?」と尋ねてきた。
僕はその見せたい資料とやらが気になったので、「資料は見せていただきたいですが、黙秘はします」と応えると、検察官はそれを了承し、A4サイズの紙が200枚ほど綴じられている分厚いバインダーを取り出して、付箋の貼ってあるページを開き、僕に見せてきた。
そのページには、僕がプッシャーから薬物を買おうとやり取りしていた、Telegramのログ画面の写真が貼り付けてあった。
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僕はまず、そもそもスマホの解析承諾をしていなかったので、無断で解析をされていたことに度肝を抜かれたし、露骨な薬物売買の証拠を見せられて、少し動揺が出てしまった。
ただ幸い、今回一緒に逮捕されたプッシャーとのやり取りのログは完全に消去していたし、見せられたログは、僕が「在庫はいかがですか?」と尋ね、プッシャーが「こちらになります」と隠語で書かれた薬物のメニュー表を画像で添付して送り、僕がそれを既読無視しているという、購入の意思を見せていない内容ではあった。
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メニュー表のイメージ
ちなみにTelegramにはパスコードロックをかけていなかった。
検察官は僕が動揺している隙に、「これは、あなたが薬物を購入しようとして、売人にコンタクトをとったものじゃないですか?」と単刀直入に質問をしてくる。
僕は、このログについてはどうとでも取り繕って否定できそうだったので、つい否定をしたくなったが、下手に喋ってボロを出しては検察の思う壺なので、「黙秘します」と応える。
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それに対し、検察官は無言で頷き、プッシャーが提示していたメニュー表の画像を指さして、「この“罰”っていうのは、コカインのことですよね?」と尋ねてくる。
僕は反射的に、「いえ、罰はMDMAの隠語です」と本当に危うく口走りそうになったが、一呼吸置いて「黙秘します」と応えると、検察官はやはり無言で頷き、再び付箋の貼ってある別のページを開いて、僕に見せてくる。
そのページには、一緒に捕まった友人の吉岡とのLINEでのやり取りの写真が貼ってあり、どう見ても薬物を言い表した代名詞でのやり取りや、それに付随して、「悟ってる時の顔」などと言って、僕がLSDのピーク中に目を瞑って微笑んでいる顔写真を吉岡に送りつけている赤面不可避のログも載っていた。
当然、これらに関する質問にも黙秘を貫いたが、検察官は少し呆れた表情で、「…うん。でもね、小林さん(一緒に捕まったプッシャーの本名)のTwitterアカウントのリンクが、吉岡さんからあなたに送られているんですね」などと言って、今度はそのログの写真を見せてきた。
僕は吉岡とは完全にクロな証拠のやり取りをしていなかったつもりでいたので、これにはさすがに焦りを感じたが、そのメッセージの前後に脈絡はなく、リンクだけが送られているという内容のログではあったので、これだけでは証拠として不十分であろうとは思った。
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検察官は続けて、「この小林さんのアカウントにコンタクトを取って、小林さんから大麻を購入したんじゃないですか?」と名推理をしてきたが、僕はなんとか無表情をキープしたまま、「黙秘します」とだけ言っておいた。
検察官は表情を変えず、「わかりました。それでは本日はこれで以上です」などと言って、この日の取り調べは終わることになり、僕は当然、調書への署名・押印を拒否して、部屋を後にした。
つづく
この物語はフィクションです。また、あらゆる薬物犯罪の防止・軽減を目的としています( ΦωΦ )
#フィクション#エッセイ#大麻#大麻取り締まられレポ
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ourkeys · 10 months
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2023/7/3
久々に角ハイボール缶を飲んだ。大して飲んでないのに異様に酒が回った。酔い覚ましがてら、散歩した。でも、歩いたら余計に酒は回るし、眠たくなるし5分で帰宅した。外に出た時に気づいたんだけど、夜空にくっきりと満月が出ていた。自分の部屋に戻ると、月明かりは開け放してあった窓から、ベッドに差し込んでいた。電気は付けずに、お香を焚き、ズボンを脱いでベッドに横になった。酔っ払った体はいつもより深くベッドに沈んだ気がした。とてもリラックスしていた。窓から差した満月の光はぼんやりと部屋を照らしていたけど、ものたちはその色を沈め、形を曖昧にしていた。イヤホンを取って、ブライアン・イーノの『Ambient 1: Music for Airports』を再生した。全身を包む音の揺れに気持ちをまかせると、色々な考えは気づかないうちに消えていた。見上げた天井とカーテンから焦点をずらすと、陰影で描かれたマーク・ロスコの抽象画を観ているみたいだった。しばらくそれを鑑賞して、目を閉じると、暗闇のスクリーンに白い光が見えた。その光は時折、強く光ったり、弱くなったりしながら動いて、左右対称の線形の模様を描いていた。一度目を開いてもう一度目を瞑ってもひかりはまだそこにあった。その光は遠くも近くもなかった。そこには空間というものがなかった。穏やかで、静かで、気持ちよかった。しばらく眺めて、眠った。また見に行けるかなあ。
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kennak · 1 year
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痴漢を捕まえて色々と新しい体験をしたので備忘録として書いておく。 詳細は伏せるけど、某線の満員電車内で痴漢にあった。周りは男性ばかりで、恥ずかしいとかではなく「もし助けて貰えなかったり、逆に疑われたりしたらどうしよう」「声を上げることで傷付きたくない」という心理で声が出なかった。 少し遅延もしてて、次の駅までの時間が物凄く長く感じた。声は出なかったけど、次に扉が開いた瞬間に絶対に捕まえて突き出してやる、と考えながらじっと耐えた。電車が停車して扉が開いた瞬間相手の手を掴んだ。降りる人に流されて一度手を振り払われたけど、ホームも人が沢山いたのですぐ追いついた。 上着の背中をガッチリ掴んで振り向かせ、すぐ腕に掴み替えて向き合って、そこで初めて相手の顔を見た。相手は大人しそうな初老の男性だった。逃げられないと思ったのか、逃げようとはしなくなったけどしきりに「許してください」「見逃してください」と言っ��いた。ここでも相手に返事はできなかった。 逃さないように捕まえながら周りを見回して駅員さんを探したけど、近くにはいなかった。ホームにいた周りの人はこっちを見はするけど声をかけてくれたりはしなくて、駅員さんを探す私の目線と目が合うとスッと逸らす。結局ホームで駅員さんを見つけるのは諦めて、改札の窓口まで連れて行くことにした。 向かう間もずっと「許してください」と言ってて、許しを請うくらいなら最初から病院で治療するなりしろよと思ってた。 窓口で「この人痴漢です」と伝えると、駅員さんは男に向かって「やったんですか?」と聞いた。男が素直に「触りました」と認めたので、すぐに話しは進んだ。 私は救護室に連れて行かれて、男はその場で駅員さんに挟まれてた。救護室では駅員さんに乗っていた電車の情報(何線か、どの駅から何分の電車に乗ったか、何両車の何ドアか、どの辺に立っていたか、など)を聞かれた。 そのうちに呼んでもらった男性警官が来て、詳細な被害内容を聞かれた。 被害内容を話し終えると、警官は「このあとどうされますか?被害届を出すか、我々警察からの厳重注意で済ませるか、になります」と言われたので、「厳重注意ってそのまま解放されるってことですか?」と聞いたら「前科がついて記録されます」とのことだった。 少し迷ったけど、後から取り下げもできると考えて、後悔しなくて済むようにひとまず出すことにした。 その意志を確認された時点で事情聴取や書類の作成のために警察署に行くことになり、警官と一緒に救護室から出た。 窓口には手を後ろ手に組まされた男が、顔が見えないよう壁向きに立たされていた。 迎えに来てたパトカーの後部座席に、救護室で話していた警官と並んで座って警察署へ向かった。助手席にも人が乗り込んで、男性警官3人+私の4人がそのパトカーに乗っていた。 「被害直後にこの状況は、仕方ないけど怖い人も多いだろうな」と思いつつ、初めて乗るパトカーに内心テンション上がってた(笑) 署に着いて取調室?に入ると8人が待っていて、男性7人と女性1人に囲まれる形で概要を確認された。内容としてはどんな風に触られたとか、荷物はどんな風に持っていたか、とかだった。 広くもない部屋でそれだけの人に囲まれて色々聞かれるのは正直ビビった。あんなの怯まない人いないレベル。 概要だけ聞いて写真を撮ると男性刑事たちは出て行って、そこからは基本的に女性刑事と一対一で色々聞かれた。被害内容はもちろんだけど、面白いなと思ったのはかなり詳細にその時々の心情を聞かれたこと。被害の事実だけでなく、そういうのも必要なのか…と思った。人によってはかなりの負担だなとも。 私の話した内容で調書?を書いている途中、最初に部屋にいた人たちがまたやって来て、人形を使っての再現をしたいので協力してほしいと言われた。持っていた荷物も人形に持たせるとのことで、仕事鞄を渡したが、重みに耐えられず人形の肩が外れた。ワロタ。 私の代わりの人形と、犯人と背格好が似た刑事が私の証言で現場再現を行い、その横に私が突っ立っている写真を角度違いで何枚か撮られた。 撮られているときは、シュールすぎんだろ……と思いながら、痴漢されている人形を眺めていた。 取調室に戻って、出来上がった調書を一緒に読み合わせた。調書は私がそう喋ったかのように口語調で書かれていて、内容は間違ってないけど「こんな話し方しない」なんて、どうでも良いところがなんか恥ずかしかった……笑 内容がOKだったので、色んな書類に日付と名前を書いて、拇印を押して諸々の手続きは終了した。後日また連絡が来て、今度は検事と対面で被害内容の説明をしなくちゃいけないことと、場合によっては今日着ていた服は提出しないといけないことを説明された上で解放された。 事が起こってからここまで約5時間経ってて、仕事は午前休になった。許せねえ……😡 ちなみに、相手が認めていたのでこの時間で済んだのであって、否認していた場合は更に時間がかかるみたいなので、私はまだマシな方だったと思う。
米川(まいせん)🌾さんはTwitterを使っています
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moko1590m · 15 days
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この研究は、キプロスのニコシア大学の科学者によるもので、典型的な都市で750キロトンの弾頭が爆発した場合を想定したモデルを作成しました。想定したモデルによれば、核の爆心地中心から半マイル(約0.8km)強に及ぶ範囲にいる人々を蒸発させる可能性を示唆しました。 建物の中で壁に叩きつけられる可能性 さらに研究者らは、爆発は10秒以内に地上レベルで半径約3マイル(約4.8km)の衝撃波バブルを作り出すことを発見しました。この衝撃波は、屋外にいる人々の命を奪い、さらに薄い建物を倒壊させるパワーを持っています。コンクリート補強された建物はほとんど無傷のまま残りますが、その中の全員が生き残るとは限りません。 研究著者のディミトリス・ドリカキスは「私たちの研究以前には、衝撃波に耐えるコンクリート補強された建物内部の人々への危険性は不明だった」とアメリカ物理学研究所の声明で述べました。「私たちの研究は、高い対気速度(飛行物の空気・気流に対する速度)は依然としてかなり危険であり、重傷や死亡につながる可能性があることを示しています」。チームの調査結果は、物理学の流体学誌に掲載されています。 たとえば、建物内の狭いスペースは実際に対気速度を増幅する可能性がありますが、進行中の波により、これらの風が壁から跳ね返ったり、角を曲がったりする可能性があります。場所とタイミングによっては、屋内の人々はまだ地面から持ち上げられ、ぬいぐるみのように壁に叩きつけられる可能性があります。 放射線の影響もある そしてもちろん、結果として放射線の放射性降下物と周囲の構造的損傷は残ります。たとえあなたが比較的無傷で最初の混乱を生き延びたとしても、核兵器が使用された後の生活はピクニックどころではありません。 「コンクリート補強された建物の中に隠れる」は生存確率を上げる このモデルは、衝撃波が窓に入ってから10秒以内の建物内の最大空気速度を示しています。  これらの調査結果は悲惨な内容ですが、核が使用された場合、素早くコンクリート補強された建物に隠れることができれば、他の場所よりも生存可能性を上げることができます。 窓・ドア・廊下は危ない 逆に最悪の隠れ場所は、窓、ドア、廊下です。これらの場所は衝撃波の空気が最も伝わる場所のため、真っ先に避難するべきです。万一爆発に面した正面の部屋でも、壁側の角であれば安全です。 最後に疑問に思っている人へ補足です。 研究チームは、インディージョーンズのように冷蔵庫に隠れて核爆発を生き延びようとした場合に何が起こるかについては調べていませんでした。
物理学者が教える、核爆発が起きたらどこに隠れるのがベスト? | ギズモード・ジャパン
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locationhunting · 3 months
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🎯ロケーションハンティング™
◆町屋三丁目 / 荒川区◆クリーン&ポップなレンタルスタジオ。外観撮影可能。
【町屋駅7分 / 75.1㎡ / ¥16,500/h / iD : 22698】
東京都荒川区。町屋3丁目に位置するレンタルスタジオのご案内です。
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アーチのドアをはじめ、窓や階段、フィッティングルームなどの要所がラウンドになっており、非日常感と柔らかさが共存する空間に仕上がっています。
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レトロ感と未来感を同時に感じるこちらのハウススタジオでは写真撮影、動画撮影での利用にオススメです。
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(会場のウェブサイトまたはお写真、住所)を記載いただき、下記お問合せ先までお声がけくださいませ。
🚩問い合わせ先 📩 [email protected] 📞 03-6809-0952
*公式ウェブサイト 🖥 https://locationhunting.jp
*ロケーションハンティング™️ 製作委員会
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komogomo-blog · 5 months
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旅とは
窓から差し込む陽光が網膜をくすぐる。スマホを見てみると時刻は11時。就寝の遅い僕にとっては中々の早起きだ。聖母のような温もりが籠った布団を飛び出し、部屋が温まるまで暖房を入れる。恐ろしいほど床が冷たいが、スリッパがないので靴下を履き、洗面台へと向かった。
今日は天気が良いようで、外からは近所に住む子どもたちがはしゃぎ回る声が聞こえる。僕はそこらに散らばっている衣類をまとめ、洗濯機に入れてスイッチを押した。冷蔵庫には昨晩仕込んでいたカレーがあったので米を炊き、今日はなんだか気分が良いからチーズと卵も乗せた。洗濯機が仕事を終えるまでにはまだまだ時間がかかるので、久しぶりにゆっくり考え事でもしよう。お湯を沸かして一杯の珈琲と一本の煙草を嗜む。嗜む、なんて余裕のある言い方をしても頭の中に浮かんでいるのは次の家賃の支払日。僕はすっかりこの街の市民と化していた。これが旅?いや、これも旅。そもそも旅とは?沢木耕太郎は「家を出て、途中にあるもの」を旅と呼んでいるらしい。
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思えばあれは2022年10月25日、親や友に別れを告げ、タイに降り立った僕は空港前で「タクシー!タクシー!」と手招きをする浅黒い男たちを眺めながら、「これから1年間家に帰らない」という実感を得ていた。それは緊張と興奮、そして少しの恐怖が入り混じったどどめ色の感情。かつて旅行で5日間ほどバンコクに滞在していたときは、明るく楽しい暖色の感情だった。よく知っている光景も、その時の自分の心の色次第で驚くほど別のもののように映るものだ。この頃の僕は「旅をしている」というより、何かに「旅をさせられている」気分であった。それが親なのか友なのか、会ったことのない誰かなのか、はたまた自尊心なのか、内なるコンプレックスなのか、もしくはその全部なのか、真相はわからない。とにかく僕は何でも口に入れようとする赤子のように目の前の全てを吸収しようと努めていた気がする。そんなことをする必要はないのに。それからしばらくして、僕はインドへと入国した。結論から言うと、僕が僕の旅を心底愛せるようになったのはインドを訪れてからだ。三島由紀夫風に言えば僕はインドに「呼ばれた側」であった。まぁ呼ばれるまでは2週間ほどかかったが。インドの都市部は説明するまでもないカオス。嘘つきとスリ、スパイスと牛、人と人。しかし一度田舎へと足を向ければそこには宇宙が広がっている。特にシヴァを信仰する地では時が止まり、緑色の風が優しく僕を撫でてくれた。中途半端に書き起こすのは嫌なので、具体的な内容は今回ここでは書かないことにする。
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兎にも角にも、そんなこんなで僕はインド•ネパールを経て2023年の3月26日、ジョージアへとやってきた。
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当初は1ヶ月程度の滞在予定であったが、現在は滞在9ヶ月目に突入した。様々な形の愛に支えられながら今日も僕は生きている。それを僕の人徳だと言ってくれる人もいるけれど、そんなことはない。そんな台詞を言われるほどに感謝は増す一方だ。
 こうして文章を書いていて初めて気づく事は沢山ある。もちろん再認識もある。旅を始めた当初は「1年後、この旅を終えた時に僕は何者になっているのだろう」と考える事もしばしばあったが、今言える確かなことは、旅はまだまだ始まったばかり、ということだ。
「ピーッ、ピーッ」洗濯機が仕事を終えたので、僕は衣類を抱き抱えて玄関のドアを開けた。
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shukiiflog · 6 months
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ある画家の手記if3-3 杉崎幽呼視点
「♪ーーーー、ーーー」
「♪ーーー、ーーー、ーーっふ…  、」けほげほっ、と 前触れもなく咳が 乾燥した喉の奥に絡みつく
途切れた、ここまでか…
床に放り出していた筆に手を伸ばす。そっちもそっちで乾燥して固まっていた。あーまあそういう時期だもんなぁ…冬の序盤… 床にうなだれて脚を折りたたむようにして座り込んでいた体を起こして、筆をお湯で解しにいく。 あったまいた… 描いてた途中とはいえメガネなんて掛けるもんじゃないな、きっかけ作っちゃったや、描いてるとどうしても筆先優先で水分補給甘くなっちゃうし… まだ実家の感覚が残る身体 こういうタイミングで、背筋にぞわりと怖気がくる 実家にいたら、母がなにも頼まなくても差し入れとかスポーツドリンクとかお粥を部屋に持ってきてくれるタイミング… 僕が困るより前に、先回りして危機はすべて防がれる それを僕は病的な過干渉だと判断していいものなのか迷い続けた。僕が困っていたのも本当、助けがあれば助かるのも本当、母に悪気がないのも本当、僕の中の行き場のなくなっていく拭えない嫌悪感も本当… 構われる側が苦痛を抱えているなら過干渉だし暴力 でも助けてもらわないことにはどうにもならない身体をどこまで「家族だから」という母の言い分に乗っかるべきなのか、推しはかりかねてた …なんの影も後ろ暗さもなく他人に向けて恥じるところもなく開放的に明るいようでいて、澱んでこもった実家の空気 僕に向きすぎた関心が煮詰まったようなあのリビング… 今のこの部屋と篭り方がデジャブする 少し換気しよう… かと窓を開けるーーーと、 同時にひらりと窓から 薄い影が入ってきた。ここ二階なんだけど…まあいいか… 見慣れた影に声をかける 「イキヤくん 僕のとこに来るなんて この場所教えたっけ」 まあ教えてなくてもなんかやろうと思えばコイツどこでも突き止められるのは知ってるからいいや… でも窓枠に座ったままは危ないよ〜。落ちて死んでも知らないぞ 「ユーコ。昼間 話しそびれたことあった」 いつもどおりの大きく見開いた眼が真っ直ぐに僕を捉える。まるで僕にものすごく疑問か関心でもあるみたいなスーパー凝視。そうじゃなくてデフォルトなんだよなぁこれ…。 話しそびれたこと、か 「…ふぅん 何?」 一応二人分のあったかいお茶を入れながら背中で訊く。 「コピー機が何で急にいい絵描くようになったかは知らねえけど、やめるな」 ストレートだな〜てか昼間にもそれはなんだか同じようなこともう言われたよ。 コピー機もコピーするの楽しいんだぞ〜とか言いたい気もするけどいいや…喉…きついし きついのを騙し騙しずるずるベッドの上に座って湯呑みからお茶を飲みながら、イキヤくんの座ってる窓枠近くにも一つ置いて、のらくら返す。 「言われなくても? ノンストップ暴走爆速速筆多作イキヤくんほどのペースでは僕は描かないけどね…これからも」 「チッ」 「ちょっと…そんなあからさまな舌打ちやめて。行儀悪いなぁ。人には人のペースがあるでしょ」 「こうるせえな。やめねえなら別にいい」 「ーーー…」 「ーーー…」
静かな夜。 今日は今日で色々あったのに、帰宅して筆とってるだけ僕にしてはものすごくやる気に満ち溢れてるよ今日、熱あったのに。 でもここら辺で今夜は終わり… 疲れちゃった、熱も引かないし もう少しだけ薬飲もうかな 「昼間の 雪村さん ユーコの知り合い?」 話題が変わった。 ちびちびお茶を啜りつつ答える。「まぁつい最近ね」 「仕事?」 「んーん全然別角度。だからSUIさんだって気づくまでにちょっと間抜けな時間かかったよ僕は」 SUIって活動名と作品ならイキヤくんや他の画家から伝え聞いて、存在だけは知ってたから。 ああ…あと本人の容姿も口頭で少し。特徴的で目立つからかな、直接本人に対面した人は割と強めに印象に残ってるみたいで、噂話ってほどでもなくアトリエでのごく自然な会話の中で知った。 「穣先生以外で誰かとあんなに屈託なく接してるイキヤくん、珍しい気がする。仕事仲間なら尚更、きみ必要以上にストイックになるじゃない」 「……雪村さんが例外なのはそうかもしれねえけど、別に必要以上にストイックとかなってねえ」 ふっふっふ ネグレクトっ子と過干渉っ子の違いがこういうとこでも僕らって出るよねぇ 「もっといつでも適当に感じ良く笑ってるか微笑んでたらいいだけだって、僕みたいにへらへらと。ついでに姿勢よく、少し顎引いて立ち姿崩さずさ。押さえるポイントそれだけ。それだけで面倒ごと減ってくれるし人望は厚くなるし。もちろんTPOや相手にもよるけど、とっつきやすくて関わりやすいキャラ付けはお得で安上がり」 「知るか。仕事仲間との間に仕事以外のなにがあるってんだ」 「仕事仲間こそ仕事以外が八割くらい占めてきたりするんだって。イキヤくんが今仕事に困ってないのは八割占めてきておかしくないものガン無視してもいけちゃう真の実力そのものの力だよね。すごいなぁ」 「褒めてんのか貶してんのか馬鹿にしてんのかなんなんだよ相変わらず…」 いつもの僕らの会話。 ただ前よりちょっとだけ空気が近くて、でも焼けつくようなピリッとしたものがあるのは、僕がやっと「いい絵」描いたから、か… なんかムカつくなー。 「お前が描くんなら俺は願ったり叶ったりだ。でも、雪村さんとの仕事横から取るな」 「そう言われましても…描くもの全然違うんだから仕事相手の裁量も適材適所なだけでしょ」 「取るな」 「… 」 これは一緒に仕事してよっぽど楽しかったかな? 真澄さん…SUIさんとの仕事、できるんなら僕も確かに楽しみにはなっちゃうから僕ら同類かぁ。 でも、湊とのことで彼と話したとき、彼から出てきた言葉はそんな仕事なんてまるで関係なさそうな、それでいて、漫然と仕事一筋でのらくら生きてるだけじゃ考え至らない類の話題と思考だった。 うーん否、まるで関係なくもないのかも知れないけど。 建築やってるんなら都市構造と そもそも都市文化形成の基盤とその外堀になにが必要かから考えてなくちゃ、作った建造物なんて維持管理にかかってるんだし、いくらお綺麗な建築物を建ててみたってすぐにも灰に帰すんだろうし それはそれで還る姿もSUIさんの建築映えそうだけどね 「はいにきす ってかわいくてすきだな」 「は?」 「肺にキス。かわいくない?」 「頭イカれてんじゃねえの」 「ねーつが下がらないんだもーん!」あはは、っと軽く笑ってベッドにボスっと倒れ込む。 「イキヤくん、真澄さんのことが好きなんだね」 「…? そうだな」 いとも簡単なる当然の如くの肯定。 あらら、これはまた…自分の激情を特に激しいとも重たいとも自覚してない感じか、七さん相手のときみたいな。 体力あるってすごいねぇ…相手と一緒にいて例えば動悸とかが貧血になってきて苦しくなったりしないのかな。 相手を想っていくらでも動ける、何でもできる、いくらでも傷つける、ボロボロになってもまだ相手との関係をそこまでで諦めて退いたりすることに思い至らない 強いなぁ 走るうち、僕が息切らして項垂れてひとり置いてかれて咳き込んでる間にも、イキヤくんは真澄さんに真っ直ぐ向かい続けるだろう。最初から僕に勝ち目ないんだよなぁ… 湊と付き合ってるって真澄さん言ってたっけ。嘘…というか、世間的な「交際」の枠からは測れないタイプの、それでも何か関係性を言い表すのなら恋人同士が一番実態との乖離がひどくなくて適切なものになるような、そういう、感じなのかな。 「イキヤくん、真澄さんに恋人いるの知ってる?」 「知らねえ」 「知っててね〜」 「なんで」 「いても気にしないで好き勝手するでしょう」 「当たり前だろ」 「あーやだやだ、僕を困らせないでよ」 「何でユーコが困るんだよ…」 なんという不毛な会話。イキヤくんは実質なにもかもに恋してるとも言えるからたちが悪い、話が通じないねえ、今更か〜!
「イキヤくんから見て真澄さんってどう見えてるの?」 さてさてこの手の質問を、イキヤくんは昔から毛虫か宿命の敵のように嫌う…ようでいて、実は違うよね。中学くらいの頃は荒れてはいたけど。 純粋にどう違って見えるのか、僕らの違いを訊く上で、イキヤくんの体質を僕が昔から知ってるってだけのこと。ただそれだけの質問なら、特に嫌悪なんてしないんだよね。 「雪村さん…は かなり名前通りの ひと だと、思う 」 真に澄む、雪の村? 「…」 「真澄さん、どこかお身体が悪いよねぇ」 「…」 「僕らがまわりうろちょろしてたら、それだけで何か助けになれば、そんな都合のいい話はないんだけど、どう思う?」 「都合悪くても俺はしたいようにしかしない」 「ーーー……」
そのままでいてね、イキヤくん もしその時が来たら、僕個人が真澄さんとどうにかなろうなんて高望みは、僕の力で抑え込んでみせるから そこまでならギリギリきっと僕にも出来るから 僕の身体が使いものにならなくなったら 真澄さんを 助けて ね…
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mitsunagi4 · 7 months
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2023-10-11
写真立てのレビュー
★★★★★5
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ダイソーさんでハートフレームの写真立てを買いました。
商品はこちら↓
写真立てコーナーの前を通ったらすごく可愛い写真立てがあるなーと、一目惚れをして買いました。
写真立ては既にいくつか持ってて、パソコンの前に頂き物の絵とか自分で描いたものとかを置いてます。これ以上はもう要らないかなー場所もないし、という程度には持っているんですが、全部一般的な長方形のものでハートのフレームとかは持ってなかったので、あっても良いかなぁと思い買うに至りました。
品物の質も良かったんでレビューをします。
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こんな感じ!
アウトラインが正方形で窓の形がハートになってます。中に入れる紙のサイズは126mm×126mmの正方形です。
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もしかしたら色紙が入るかも、と思って購入しましたが、色紙は入りませんでした(確か色紙は13cm×12cmくらいだったと思う)
厚み的には、元々ダンボールで厚み出しをしてあるので、ダンボールを抜けば色紙程度の厚みは入るんじゃないかと思います。
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フレームの素材はアルミなので、甘くなりすぎないのが良いなと思いました。
ハートのフレームって結婚式の写真とかカップル写真を入れる用のこってりしたデコレーションのあるものが多いイメージなんですが、(それも可愛いよね!)これはシンプルなのでどんな中身でもフレーム負けする事が無さそうなのが気に入ったポイントです。
フレームに凹凸が無いので掃除もしやすそう。
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私が気に入ったポイントがもうひとつ��って、窓の所が樹脂ではなくガラスになってるところです。
ガラスと樹脂は透明度が全く違うので、私はガラスのものか透明度の高いアクリル製を買うことが多いです。100円だとなかなか買えないことも多いので、100円でガラス製が買えるのはすごく嬉しいです。
ガラス自体はおそらく画材屋などで買うものよりも薄く、カット部分の処理もすこし荒いかな?と思いますが、カット面は隠れてしまうのでほとんど気になりません。ガラス表面のキズも気になる事はなかったです。総重量も重くないので軽いのが好きな人にも良いんじゃないかなと思います。樹脂やプラ程の軽さは無いですが、重たくもなく何より値段も安いのでいい買い物が出来たなと思います。
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フレームの色は3色展開で金、銀、黒です。
黒だけおそらくアルミではなく樹脂かな?という感じ。(よく見てないからもしかしたらアルミかも)また、窓の形はハート以外に丸型と四角(正方形)も有ります。
どれも使いやすそうなので私は大量に追加購入をしました。
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写真立ての他にも気になった紙類雑貨をあまり深く考えずに購入したんですけど、久々に自由に買い物したなーという感じでした。楽しかった。買って満足しがちなので、腐らせない様に早めに使いたいと思います。
レビューを書くのが上手くなったら良いなーと思ったので気に入ったものがあればまた書きたいと思います。
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hanabusa-simu · 7 months
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京王の中古車では無いのですが同路線だからと二形式追加しました。画像の伊予鉄610系はその一つで、東武20000系の車体を使えば余程酷い事にはならんだろうと一年以上前に調べておきました。その間に郊外路線は狭軌化されて右側通行路面電車は放置なのですから、ちょっと不格好です。
 ともあれ現代の地方私鉄で自車発注の電車は珍しく、アドオンでは譲渡元に同封するか別途まとめる程度で公開しています。NDCやセレガもそうですが、何かイメージのある地域で一種類くらい実際に運用される車両があると無いよりマシという考え方です。ただ伊予鉄もそうなんですが、発展して来ると短編成は輸送力不足がなぁ。
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 128jpに関しては放置していた783系の形態追加を行いました。今年はまだ宇部興産のダブルストレーラーしか作っておらず、鉄道車両に関しては去年12月以来です。(pak64よりマシか)まあ128jpを偶に作ると128を作り易くなる…気がします。
 783系の更新はほぼ五年振りで、今みるとザックリ作っている面が目立ちます。まあ最初、屋根上機器少ないから楽だろうと思って作り始めた記憶があるくらいの扱いです。
 追加したのは登場時塗装が空調装置を変更した姿と、ハウステンボスの新塗装です。後者の追加をサボったのは、3階建て13連を組まない姿だからですかね。空調装置更新の姿は改造完了後の翌年に第一次リニューアルが開始されており、まあ良いかで放置していました。
 他に手を加えたのは複数あるのですが、非貫通先頭車の乗務員室部分で窓形状に左右差がある点を一応反映しました。登場時はブラックフェイスで一体化されており、最初に作った際の思い込みが見落としを生んでいます。後尾部分は相変わらず苦手で、三角窓と台形窓は遠目にサッパリ分からない仕上がりです。
 あとはハウステンボスの新塗装で窓割を調整した点でしょうか。他の形態は窓間を黒く塗装していて連続風ですが、第三次リニューアルでは車体色のオレンジが入ります。ぱっと見で違和感がある配置だったので変更したのですが、他の形態には反映させていません。そういえば特急型の窓は色々な大きさが混在するため、前から配分は課題のままです。今回の修正もロゴを描き込む為に調整しただけ、と後年思うでしょう。
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kennak · 3 months
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能登半島地震では、原発防災の限界が鮮明になった。道路や建物の損壊が激しく、避難や屋内退避をしようにも無理があると突きつけられた。現実逃避するのが、原子力規制委員会。住民防護の基本方針を記す「原子力災害対策指針」を巡り、山中伸介委員長は「見直しを考えず」と述べた。これでは汚染が拡散した際、住民らが被ばくしかねない。思考停止を正す術(すべ)を探った。(西田直晃、安藤恭子) ◆「原発を動かすべきではない」要請書 北陸電力の志賀原発。右奥は志賀町=1月19日  「地震と原発事故が複合すれば、お手上げの状態になるのは明らか。どうして指針を見直さないのか」  「北陸電力と共に脱原発をすすめる株主の会」の中垣たか子さん(73)=金沢市=は憤りを隠さない。今回の惨状を考慮すれば原子力災害対策指針が定める屋内退避や避難は困難とし、1月末に原子力規制委員会宛てに「各地の原発を動かすべきではない」と求める要請書を提出した。  中垣さんが問題視する指針は、原子力規制委が原子力災害対策特別措置法に基づいて策定する。事故の際に住民を防護するため、各自治体がつくる防災計画のよりどころになる。 ◆陸海空の避難路は途絶、屋内避難も難しく 地震発生から1カ月近く経っても残る道路のひび割れ=1月29日、石川県穴水町で  指針によれば、原発に異変が生じた際には原則、原発5キロ圏の住民は避難となる一方、その外側は屋内退避でしのぎ、空間線量が一定水準に達したら避難に移行すると定める。  ただ今回の被災地では道路網が寸断され、地盤の隆起や地割れで海路や空路も断たれた。建物の被害も著しく、石川県によると、5日時点の判明分で5万2000棟余りの住宅が損壊した。 ◆「指針そのものの話ではない」と微修正どまり  避難や屋内退避をしようにも無理がある現実。中垣さんは「能登半島地震を自然の警告と受け止める契機にするべきだ」と訴える。  ところが、原子力規制委の山中伸介委員長は1月31日の会見で「原子力災害対策指針そのものを見直さないといけないとは考えていない」と語り、微修正にとどめる考えを表明した。  一体、なぜなのか。 原子力災害対策指針の見直しについて説明する原子力規制委員会の山中伸介委員長=1月17日  山中氏は1月17日の会見で「能登半島地震の状況を踏まえると、現在の原災指針で対応が不十分であったかというと、それはそうではない」と持論を展開。同31日の会見では「自然災害に対する防災については見直さなければいけないところはあろうかと思いますが、原災指針そのものの話ではない」と述べた。 ◆見直せば原発を動かせなくなるからでは  「自然災害による被害は守備範囲外」と言わんばかりだが、指針が今のままだと何が起こりうるのか。  ジャーナリストの政野淳子氏は「原発事故が発生しても現地は対応しようがない。道路が寸断されれば逃げられないし、家屋が倒壊すればそのまま被ばくしてしまう」と危機感を募らせる。それでも国が指針を見直さない点について「本気で見直せば、各自治体は実現可能な防災計画をつくれず、原発を動かせなくなるからでは」とみる。  不可解さは他にもある。  山中委員長は微修正のポイントに「屋内退避の開始時期・期間」を挙げたが、この見直しを検討するのは、東北電力女川原発(宮城県)の周辺自治体から要望があったためだという。だが、山中氏は会見で「他の自治体など関係者の意見を聞くことはあるか」と質問されても「まずは規制委の中で議論して進め方を考える」との回答。自治体との意見交換を二の次にする姿勢が浮き彫りになった。 ◆現実的な対策を求める首長の声も  政野氏は「規制委は運用の改善レベルで体裁を繕おうとしている。被災地の現状があまりにも無視され、これほど、ばかばかしい話はない」と語気を強めた。 原発の再稼働に慎重姿勢を示す稲岡健太郎町長=2月2日  物議を醸す原子力災害対策指針。その軸となる住民避難や屋内退避を巡り、自治体からは今回の地震後、現実に即した見直しが必要とする声が出始めている。  北陸電力志賀原発が立地する石川県志賀町の稲岡健太郎町長は本紙の取材に、県などによる避難訓練に言及。「海にも空にも逃げられない」と述べた。  東京電力柏崎刈羽原発を抱える新潟県の花角英世知事も1月24日の会見で家屋の倒壊を踏まえ、「物理的に屋内退避できない」と発言。「現実的な避難」に向けた議論を求めた。 ◆国への追従姿勢が目立つ石川県  原発被災を研究テーマとする茨城大の蓮井誠一郎教授(国際政治学)は「道路は寸断し、待機する自宅も放射能を防げるだけの気密性はない。今回の地震で安全な避難が成り立たないことが明らかになる中で、立地自治体が地域で得た知見を基に声を上げることは大切だ」と受け止める。  指針の問題を可視化する自治体の声。国を動かす力にもなり得る。より重みを持つのが石川県の対応だ。志賀町同様、被災した原発立地自治体。注目度は高く、影響力も少なくない。  ただ、谷本正憲前知事時代に起きた2011年の東日本大震災以降、国への追従姿勢が目立ち、後手に回った印象が否めない。  「原発有事対応 鈍い石川『国検証待つ』」。11年6月、北陸中日新聞がそう報じた。他の立地府県が災害対応の見直しを始めたのに、県が「国が福島の事故の全容を把握していない」(谷本知事)などとして庁内の部会を開かない状況を問題視した。 ◆空港や港が使えなくなる想定は「極端」と否定 道路をふさいだ倒壊家屋の撤去作業  11年11月には国が防災対策の重点地域を原発の8〜10キロ圏から約30キロ圏に拡大することで合意した。広範な汚染に備えることになった一方、石川県内では能登半島北側にある奥能登の孤立化が懸念された。奥能登の大半は30キロ圏外だが、その内側が通行止めになった場合、陸路が遮断される恐れがあるとされた。  ところが谷本知事は12年2月の会見で、放射能汚染の範囲について「30キロ圏外は危なくない」と自前の解釈を表明。奥能登への物資が途絶えた際の対応は「飛行機、船舶を使い、生活用品を投入すればいい。それだけのインフラを政府が持っている」と唱えた。冬場で天候が荒れ、空港や港が使えなくなるという想定の質問には「極端」として、想定ごと否定していた。  「国任せの甘い見通しだった」。社民県連副代表で内灘町議の清水文雄氏はそう述べる。同町は志賀原発から南に約40キロ。今も余震が起きるたびに原発への不安がよぎる。「道路は寸断、自宅は倒壊、避難所は満杯。今の石川県で原発災害が起きたら避難できない」 ◆馳知事も安全対策の働きかけは乏しく 馳知事(右から2人目)から要望書を受け取った岸田首相(同3人目)=1月14日、石川県庁で  22年の石川県知事選で初当選した馳浩氏も今のところ、原発の安全対策への言及は乏しい。県危機対策課の担当者は「災害対応を優先しており、知事が今後の原発災害や避難のあり方について、国に要請しようという動きにはなっていない」と説明する。  とはいえ先の蓮井氏は「自治体は住民の生命財産を守る窓口」と述べ、代弁者として耳を傾け、国に働きかける重責があると説く。  今は災害対応を優先しても、県が住民から情報を取りまとめ、国や原子力規制委に要望を上げる意思を発信するだけでも「原発への不安を和らげられる」。さらに「大きな犠牲を払って得られた地域の知見を今後の原発防災に生かせるよう、国も自治体も最大限に努めるべきだ」と訴える。 ◆デスクメモ  前知事の楽観論は理解に苦しむ。石川県政の担当時もそう感じた。懸念された奥能登の孤立は今回顕在化した。前知事の言うように空路や海路は十分に使えたか。7期28年の長期政権。耳の痛い言葉が届いたか。思考停止の代償は住民に及ぶ。現知事の馳氏はそう捉えて行動すべきだ。(榊)
「今の石川県で原発災害が起きたら避難できない」 それでも災害指針を見直さない、楽観論の背景にあるもの:東京新聞 TOKYO Web
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straycatboogie · 8 months
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2023/08/31
BGM: フィッシュマンズ - ナイトクルージング
今日は休みだった。朝、グループホームの施設長が来られた。その方の指導の下で部屋の本を片付ける。まだ朝なのにそれだけの作業で汗をかいてしまった。その後、ZOOMを立ち上げて英語関係のミーティングに参加する。今回のミーティングは期せずして「人生とは何だろう」「どう生きるか」という深い内容になった。ホストの方に「どうしてお酒を止められたのですか」と訊かれたので、「いえ、何度も止めようとしてうまくいかなくて、市の方から『断酒会に参加しませんか』と誘われたりして……」とたどたどしく話をした。「人生なんて無意味だ」「どう生きようが自分の勝手なのだ」と息巻いて酒に溺れていた日々を思うと、あの日々に欠けていたのはそうして「他人を迎え入れること」だったのかなとも思う。「どう生きようが勝手だ」という考えからはそんな「他人とともに生きる」(カッコよく言えば「共生する」)という姿勢が感じられない。あるのはただ自分勝手なエゴイズムだけだ。でも、あの頃は「1人で生きる」「誰にも頼らないで生きる」と必死だった……そして両親と一緒に暮らさないと経済面やその他の事情で成り立たない自分の生活をひどく恥じたのだった。「1人で生きなければ」というあせりと「でも、いまは両親に頼るしかない」という現実のはざまでもがいたことを思い出す。
昼、3時半から歯医者に行かなければならなかったのでそれまでの時間をモーマス『ヴォイジャー』を聴き返しながら詩を書き、終わると図書館で借りた詩集『詩の新世紀』を読んで過ごす。そして、上に書いたことについてふと、「思い込み」(難しく言えば「認知バイアス」)から逃れられなかった時のことを思い出した。あの呑まれていた日々、確かにぼくは「(できるだけ手っ取り早く、苦労せず汗もかかずに)稼ぐこと」「成功すること」「成り上がること」を夢見ていた……別の角度から言えば「金持ちになること」「デカい人間になること」という「物質的な成功」こそがすべてと思っていたということだ。いまはそんな考えを持っていないと自負している。いまは「ある意味では自分はもう成功している」とさえ思う。もちろんぜんぜん有名でもなければ金持ちでもないけれど、「確かに友だち/仲間に恵まれている」という意味において……でも、そんな風に考えが変わったいまになってみるとむしろ「あの頃、どうしてそんな『物質的な成功』『持つこと』が成功だと思い込んでいたのだろう」と不思議にさえ思い始めてしまったりもする。いくら金を持っていても孤独だったら。いくら所有していても、人とのかけがえのないつながりがなかったとしたら。そんなことを思った。
そう考えていくと、過去の自分とは実に「閉鎖系」というか「閉じた」人間だったなと思った。堅牢に自分だけの(たぶんに「他者とはわかりあえない」「独りよがりな」)美学だけを作り上げていたという。イメージとしては自分自身を(読んだことはないけれど、おそらく江戸川乱歩の「鏡地獄」みたいに)球体として磨き上げて、いっさい窓を持たない部屋の中で閉じこもっている感じだ。そんな部屋の中にいれば当然空気も淀む。下手をすれば空気自体「腐る」かもしれない。そうして閉じた姿勢では外の人間からのどんな思いやりに満ちた声も届かない……もちろんそうして外に向けて自分を開くこと、打ち解けていくことは「いいことばかり」ではありえない。悪意に満ちた人、あるいは悪意など持たずともふと誤解や無知から傷つける言動を行う人がこの世にはたくさんいることはぼくだってわかる。でも、そうして空気(というか自分自身)が「腐る」前に外と交流すること。それが大事なのかな、と思った。部屋の掃除が大事な理由だって、英語を学ぶ理由やぼくが本を読み続ける理由だって根っこは同じなのかなと思えてくる。自分に忠実に生きる、自立して生きると腹をくくることは裏返せばそうして自分だけの生き方に固執して「腐る」ことにならないか。それを見極める必要があるのかなとも思った。「窓は開けておくんだよ いい声聞こえそうさ」(フィッシュマンズ「ナイトクルージング」)という歌詞を思い出す。
夜、FacebookのMessengerを立ち上げてそしてミーティングに参加する。今回はぼくがプレゼンする番だったので「詩について」話す。どうして詩を書くようになったか、どんな詩を書いているかといったこと。井上陽水や平沢進や長田弘、ルイス・キャロルといった書き手の詩についても触れていく。そこから、俳句や短歌(「おーいお茶」のラベルに書かれている作品など)について、若松英輔(だったと記憶している)のコメントについて、はたまた英語を学ぶ意義についてなど話は多岐にわたって展開していった。『現代詩手帖』や『神戸新聞』に自分の作品を投稿できないか、他の方のコメントから考え始めていく。ただ、そうなるとどうしたってブログなどであらかじめ発表したものではない「未発表作」を用意しないといけないわけで、いまの能力では1日1編作る以上のことができないかもしれない……閑話休題。聞いて下さった方のあたたかい反応に救われて、実に意義深い時間を過ごすことができたと思った(ありがとうございました)。いまの時点で50編ほど書けた計算になるので、それを読み返せば新しい発見があるかもしれないとも思い始めた。Kindleで発表することもできないだろうか?
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kotononha · 9 months
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フェスくらい大規模な学祭中のドーム会場の裏にいる
わたしは友達4人とアイドルアニメのダンスを踊る予定で待っているけど、振り付けを覚えてこなかったと言うと、友達にドン引きされる
友達は今も裏で仕事をして子育てもしてるし合間を縫って練習してきたのに自分は何をやってるんだと負い目を感じる
スマホを置いてきてしまったので、優しそうな友達に振り付け動画を見せて欲しいと頼むが結局見られなかった
ダンスはアニメである程度記憶してるので不安すぎるがそれを頼りにステージ(校庭のような場所)へ向かう
優しそうな友達が出てこないと思うと、ライブ用のそこそこ高さのある機材の上に彼女の体より大きな皿を背負い立ってこう言う
「わたし、もう人生疲れた。ほんとはずっと死にたかったんだよね」
飛び降りて皿が割れ辺りが騒然とする
その高さじゃ死ねないと思うけど、優しい友達がその行為をしたことがショックで隣にいた友達と抱き合う
���に練習してこなかったこと、それに対して怒って無視したことをお互いにごめんねと言い合う
舞台は変わり某マンションのエントランス
好きでもなく嫌いでもない男の子とエントランスの中心にベンチを置いて座っている
そのエントランスは窓に映像が映し出されるようになっていて2人でNETFLIXをみている
3人だったような気もする
その3人目の男の子に、デート相手が退席してる間に、私の印象について何か言ってた?って聞いたら「う〜ん、グレープフルーツみたいな感じ」と言われ、意味がわからないがお互い感じてたように何か違ったんだなと受け取る
映像が映し出されているガラスのドアの向こうに車の影を感じ何かやばいと思い立ち上がり逃げようとすると、赤い消防車のような車が突っ込んできた
隣にいた男の子は頭から血を流して「僕は大丈夫だから子供を助けて」と言う
子供が2人、大人が1人エレベーター近くで倒れている
つづけてシャーロックホームズに似合いそうな角張ったヴィンテージ風の車が突っ込んでくる
この車のナンバープレートは番号がおかしいし掠れている。ついでにエントランスの一番左下のポストのプレートも何かおかしい
「わたしは何をすればいいですか」と叫んでる女性に対してそのおかしな点を写真に収めておいてほしいと頼む
わたしはエントランスから飛び出して199番にかけるがうまくかからない
119番だったことに気づきかけ直すと繋がった
「赤い消防車のような車が突っ込んできて子供を轢いた。軽傷も含めて5人くらい…助けてほしい」と言うと、電話の相手は気怠そうにため息をついて対応した。またか、とでも言うように
消防車が突っ込んできた方のエントランスのドアの外に居ると、また乗用車が今度はエントランスから飛び出してきた
背中をかすったが間一髪のところで避けた
車は斜めに上手くバランスをとって着地。タイヤが空回りしている
わたしは轢かれたふりをしながらナンバープレートを覚えようと目を凝らす。やっぱり変な数字に変なプレート。写真を撮りたいけどバレるかもしれないしスマホが手元にあるかわからない
運転席の男性はわたしに気づいていそうだったが、走り去っていき難を逃れた
この事態について、母と叔父と知らない叔母さんと話し合うために母の家に集まる
母の家といっても実家ではない
何気ない会話をしながら、コーヒーを淹れようとキッチンに立つ
コーヒーメーカーにはコーヒーが入ってはいるけど足りなそうだから洗ってまた落とすことにした
洗おうしたが洗面台が浅すぎて水が飛び散るし、シャワーがいくつもあってどれを捻ったらどこから水が出てくるのかわからなくて洗いづらい
小さな袋も洗って洗濯ピンチに干したいと思ったら目の前にピンチがズラッと並んでる便利
ここで何でか先輩の顔が浮かんで、先輩の家なのかもと思いだす。この生活感の出方はそうかもしれない
お湯が沸くのを待っていたら叔母さんがいない。時間がかかりすぎてまた今度にしようと言われたようだ。すぐにでも解決したい問題なのに
マンションの最上階の角部屋の前に人が集まっていた
何故だかこの階の部屋の扉は実家の廊下のドアのような、ガラス張りの簡易的なドアだ
ダンスを一緒に踊る予定だった4人のうちのひとり(こんな子いなかった気もするが)の友達が、辞めると言う
その友達の家のドアにポスターが貼ってあり、内容が映像のように変わっていく
「自分家のドアだからといって、広告を貼るのはいけないんですよ」と叫ぶ女性がいる
その中に友達がイメージキャラクターになっている広告があり驚く
もしかしたら芸能活動をしてて、勉強もしなきゃだし忙しいのかもしれない…辞めるのは悲しいけど受け入れた
笑顔で別れの言葉を交わして、彼女は荷物とユーフォニウムを手に何処かへ去っていった
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hariitovial · 9 months
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吸血鬼の友達(前編)
静寂に包まれた深い夜。 ポツリポツリと等間隔で佇む街灯は、どこまでも続く長い道を照らしている。 その道を行く人影がひとつ。 それは少女のものだった。 銀色の髪は上半分を結い、青いリボンで留めている。 青で揃えられた上品な服装とは対照的に、その手には武骨で重たげな鞄が提げられていた。
彼女はため息を吐き、空を見上げた。
「宿場町、通り過ぎたみたい……」
肩を落とす彼女に追い打ちをかけるかのように、冷たい風が吹く。 その風は疲れ切った彼女の身体を容赦なく刺した。 グッと縮こまったその刹那、鼻先に雨粒を感じた。 ハッと青ざめると、やはり思った通りに雨脚がきつくなってきた。 今夜はとことんついていない。
どこか雨を凌げるところはないかと見渡してみる。 ここは農地に囲まれた一本道。 真っ直ぐに進むしか選択肢は無かった。
降りしきる雨で視界が悪くなる中、右前方にオレンジ色の灯りがあることに気が付く。 雨と疲労で重くなる脚に鞭を打ち、彼女は駆け足で向かった。 近づくとわかった。 そこは大きな屋敷だった。 遠くから見えていた灯りは、二階にある一室の窓から漏れているものだった。 彼女は住人に気づかれないよう、石塀の際に生えている大きな木の陰に身を寄せる。 髪も服も、どれも濡れてしまった。 これほど不快なことはない……。 クタクタに疲れ切った彼女は、ため息とともに視線を落とした。
「ん?」
足元に小石が転がってくる。 コロコロ、コロと3つ、4つ。 どれも同じ方向からだ。 小石が転がってくる先に目を遣ると、勢いよく転がる小石が地面を弾き、彼女の額を衝いた。
「痛っ!」
ああ、なんて災難な日なのだろう……。
痛む額に手を当て、再び小石の転がってくる先を見る。 それは遠くから見えていた灯りの灯る一室で、窓辺には女の子がいた。 どうやら慌てた様子だ。 部屋の灯りは残されたまま、女の子の姿が消えた。
ビチャビチャビチャ――
遠くから雨音に混じって足音が近づいて来る。 足音の正体は案の定、窓辺にいた女の子だった。
「ごめんなさいっ!こっちに気づいて欲しかっただけなの。ごめんなさい!」 「平気よ、大丈夫」
その女の子は暗闇を照らす光のようだった。 というのも、髪は白く長く、肌も透き通るほどに白い。 身に纏ったネグリジェも、その上に羽織るケープも、何から何まで白に包まれていたからだ。 幻覚でも見ているかのような不思議な感覚に陥り、気づけば目を奪われていた。
「本当にごめんなさい……。ところであなた、こんな雨の中何してるの?」
宿場町を通り過ぎてしまい、宿を探している事を話した。
「そうなの?それならここへ泊るといいわ!誰もいない離れがあるから丁度いい!」 「いいの?」 「もちろん、さあ上がって」
二人は大きな門をくぐる。 正面にそびえる古めかしくも豪壮な屋敷の脇に、その離れがあった。 木製の重厚な扉を開けると、薄暗い空間が広がっていた。 雨のせいもあってか黴臭さが漂う。
「ずっと誰も使ってないから少し汚れているけど」 「いいえ、ありがとう」
女の子は笑みを浮かべ身体に纏った雨粒を払うと、腰のあたりまである髪を絞った。
「ところであなた名前は?私はケイト」 「アルマよ。よろしくねケイト」 「少し待ってて、必要そうな物を持ってくるから」
ケイトは笑みを浮かべ、弾む足取りで雨の中を進んで行った。 ひと先ずは宿がみつかり、アルマは胸をなでおろした。
しばらくするとケイトはたくさんの品を抱え戻って来た。 それらを手渡すと彼女は風のように去っていった。 アルマは感謝の気持ちでいっぱいだった。 ただ、気になったことがひとつだけあった。 一瞬触れた彼女の手はとても冷たかったのだ。 雨に濡れたせいなのかもしれないが。
次の日の朝。 窓から差し込む光によってアルマは眠りから覚めた。 離れの二階、古びたベッドの上でフカフカの大きな白いタオルに包まれている。 これはケイトが用意してくれたものだ。 彼女にお礼を言わなければ……。
窓の外を見てみると、昨夜の雨が嘘だったかのように空は晴れ渡っている。 昨夜は暗くてわからなかったが、庭の木々を挟んだ先には母屋が見えた。 ケイトはそこにいるのだろう。 窓から目を離そうとしたその時、数名の人物が屋敷への門を潜り入って来るところだった。
「お客さんかな?」
忙しくしていれば悪いと思い、少ししてからケイトのところへ行くことにした。
昼を過ぎた頃、朝に見た数名の人物は帰っていくようだった。 そろそろケイトの元へ行こう。
屋敷から一歩踏み出すと、時間が動き出したかのように爽快な風が優しく吹いた。 足取りも軽やかに辺りを見渡してみる。 庭は広いが、どの木々も手入れをされていない。 しかし、屋敷はやはり立派だった。 階段を数段上がったところが玄関らしい。 大きな扉をノックする。 すると、一人の老婆が現れた。
「はい、どちら様で。何か御用でしょうか」 「私は昨夜、隣に泊めていただいた者です。ケイトさん、いらっしゃいますか?」 老婆は眉をひそめた。 「隣……、そうですか。少しこちらでお待ちいただけますか」 「はい」
5分程すると、先ほどの老婆が再び現れた。 「すみません、今は忙しいようです。夕方ごろでしたら、またこちらにいらしてください」 「そうですか、わかりました」
アルマは離れへ戻ることにした。
爽やかな外の空気を知ったからには、このままではいられない。 埃と黴の臭いを払うため、屋敷の窓をすべて開け放った。 掃除を試みたが、長い年月が積み重ねてきたであろう汚れと屋敷の広さに断念した。 唯一清潔な白いタオルに寝転がった。 高い天井へ向け地図を広げる。
それにしても、どこで迷ったんだろう……。
地図を見つめ、頭の中で考えを巡らせていると、窓の外は夕暮れに染まっていた。 集中するといつもこうだ。 そろそろケイトに会えるだろうか。 アルマは再び母屋へ向かった。
コン、コン、コン――
「はい」
開いた扉の先には、白い服に身を包んだケイトがいた。 ほんの一瞬、表情を曇らせていたように見えたが、気のせいだったようだ。 パアッと明るい笑顔が飛び込んできた。
「アルマ!」 「ケイト、こんばんは」
夕暮れの中に佇むケイトは、アルマの目にはどこか不思議に映った。
「どうしたの?まるで幽霊でも見ているようね」
ケイトはクスクスと笑った。
「ごめんなさい、何だかぼうっとして。ケイト、いま忙しい?」 「ううん、もう平気!ずっとアルマに会いたかったの」 「そうなの?私も、昨日のお礼が言いたくて……泊めてくれてありがとう、ケイト」 「いいからいいから、そうだ!夕食はいかが?」
ケイトはアルマの両手を取り、同意を求める眼差しを向ける。 アルマの手に伝わってくる彼女の冷たい温度は、昨夜の雨の記憶を思い出させた。
「そうね、いただこうかな」 「さあ、入って入って!」
アルマはケイトに押し込まれるようにして屋敷へ上がった。 広々としたエントランスを抜け、薄暗く長い廊下を進んだ先の大広間へと通された。 表からは確認できなかったが、廊下の窓ガラスは所々割れていた。 ケイト曰く、以前に来た嵐の影響で屋敷は被害を受け、未だ修理できていないらしい。
「さあ、ここよ」
ケイトは大きな両開きの扉を開く。 暗い廊下にまで光が溢れ出す。 そこは無数の蝋燭に照らされ暖かい光に包まれていた。 広間の中央には食卓。 壁や床、天井の装飾はどれも豪華絢爛だ。
「すごい豪華ね……」 「私のお気に入りの場所よ、そう言ってもらえて嬉しいわ」
二人が席に着くと、数名の使用人が料理を運んできた。
「さあ、召し上がれ」 「いただきます」
食卓には二人では食べきれない量の料理が並べられた。 アルマは少し驚いた。 ケイトはその様子に心配して尋ねた。
「もしかして、苦手なものがあったりする?」 「いいえ、大丈夫。好き嫌いは特にないから」 「よかった!私も好き嫌いはないわ」
「そういえば、アルマは旅人?どこへ行くの?」 「ええ、すごく遠いところ。山岳地帯を越えた先なんだけど……」 「もしかしてあの山?かなり遠いところよね。それに危険な山だと本で読んだことがあるわ」
それから二人の話題は、共通の趣味だと判明した読書に移った。
「とてもオススメの一冊よ!探しておくわ」 「ありがとう、楽しみにしてるね」
食事を終え、アルマはケイトに見送られ離れへ戻った。
――――――――
それから数日間、アルマは離れに泊めてもらいながら旅に必要な品を買い集めた。 その日々の中で、気が合う二人は交流を深める事となった。 けれど、日中にアルマとケイトが会うことは一度もなかった。 ケイトはいつも来客の対応で忙しいらしい。 そのため、二人が会うのは陽が落ちた後になってからと決まっていた。
この日は二人で夕食を終えた後、初めてケイトの部屋へ通してもらった。 白を基調とした部屋は彼女らしさを醸し出していた。
「いい部屋ね、ケイトらしい」
――?
「アルマ、どうしたの?」 「ううん、何でもないよ」
アルマは違和感を覚えた。 嗅いだことのある香りが鼻をついた気がした。 けれど気にしないことにした。
「忘れてた!お茶を淹れるから待っててね」
ケイトを待つ間、アルマは部屋を見渡した。 ある一角には背の高い棚が並んでいる。 上段には様々な種類の本が詰め込まれていた。 読書好きな彼女らしいスペースだ。 下段には引き出しと、金庫のような扉があった。 その扉は閉め忘れているのか、少しばかり開いていた。 アルマは悪い気もしたが、好奇心から覗いてみることにした。 近づくととてもヒンヤリしていた。 扉の中は薄暗く、目を凝らしてみた。 そこには、この部屋に似つかわしくない大量の血液が収納されていた。
「これは……」
アルマは眩暈がした。
しばらくするとお茶を持ったケイトが戻って来た。
「アルマどうしたの?顔色が悪いけど……」 「うん、ちょっと気分が。ごめん、今日はもう向こうに戻るね」 「そうなの大変、ゆっくり休んで」
アルマは屋敷を後にした。 そして後で気づいた。 あの時の違和感。 それは、彼女から漂う何人もの血の匂いだった。
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32j · 10 months
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2023/07/08
今日はようやく休日、とともに明日は朝から移動なのでパリにいる最後の日なので、色々とも割り切れなかったところを回りたい。昨日もなんとなく考えていたように、朝は北東の角の公園に行き、その後15時からのツアーの集合場所のある南西の方に流れていくという感じ。朝少しダラダラしてしまったがなんとか8時過ぎに宿を出て、トラムに乗って公園の方へ。相変わらずトラムはperipheriqueといって市の周縁部を通っているので移民が多い。こういう移民街のあり方は今後東京にも出てくるのか、と考えたりもする。公園は行ってみるとやはり面白く、ポストモダニズムが好きだったことを思い出す。形態言語は論じ尽くされているだろうし、ゲーム的なロジックもそれなりに好きだが、行ってみると赤い色が都市の只中の公園にあること、あと水辺のある公園で滝のように水を流しているフォリーなどが気に入った。中心部に向かってできれば美術館に寄りたいなと思っていたが、すでに10時前になっており、ゆるゆると昨日友達に教えてもらった本屋と行きたかったパン屋のあるエリアに向かう、パン屋で散々悩んだ挙句、目をつけていたクロワッサンではなくバゲットを買い、それなりに美味いが焼きたてじゃないと違いがあんまりないな、と思いながら本屋に寄り、教えてもらった本もないし目ぼしいものもなかったので少し損したな、と思ってしまった。いい本屋であるのは確かだが、、結局もう美術館をゆっくりみる時間はないのでお土産を買いに百貨店に行ってゆっくり軽食を買うことにした。行ってみると前見かけてお土産にしようと思っていたカバンがなく、今やっているセールにあわせた夏らしい特別柄のものカバンと、やたら高い麻のバッグ、あと前は見かけなかったがほぼ同じ柄の革のものがあり、結構悩んだが革のものなら誕生日プレゼントにもなろう、と思い、思いがけず買う。包んでもらえるかと聞いたら雑に薄紙をつけて信じられないくらい大きな紙袋に入れて寄こされた、これでは午後の見学に行くのにだいぶ困る、色々考えたが一つ住宅を見に40分歩いて行って帰るのを諦めて、宿に戻って荷物を置いてからツアーの集合場所に近い住宅だけ見に行くことにしよう、と思い、かなり遠回りしながら宿に戻る。相当な時間のロスになってしまった。結局リュックには微妙に買ったカバンが入らず、かなり歪めて入れてしまった、無事家まで傷つかずに行けるだろうか心配。家から持ってきた豆を一袋食べて昼にして、アトリエ住居に向かう。別にダラダラしていたわけではないがやはり思いの外時間がかかり、結局ついた頃には集合の40分前くらいで、実質15分くらいしか見られない、となった、が、小さな住宅なのでまあギリギリ大丈夫かと思いつつ、建物の入り口がある道を間違えつつ上がろうとすると、玄関先で昨日郊外のヴィラの帰りのバス待ちで少し話したアメリカ人とばったり、名刺を渡して互いの国に行ったら連絡しよう、と言い交わして階段を駆け上がってアトリエをみる。かなり駆け足だったが、もう写真を撮ることに集中してぎりぎりなんとか見切れたかな、という感じだった。今思い返すと、アトリエの占める割合が大変大きく、住宅としてはそこそこ慎ましい、とはいえリッチな住まいだが、ベッドが異様に高い位置にあったのも気になった、昨日のヴィラと同じように天窓がかなり印象的に配置されている。もうかなり時間なので走ってスーパーで水を買い、集合場所につ���と、二つバスが停まっていてちょっと迷うが、一緒に行く友達がかなり遅れるとのことで、あんまり急ぐ必要もなかったな、と思ったりしつつ、バスの運転手にちょっと友達が遅れてて今走ってきてるんだよね、とかなんとか言ってヒヤヒヤしつつ、みんな特に遅れていても急ぐこともなく、でも結局友達が一番遅く来て、バスのドアに足をかけながら待っていた。というか日本人ばっかりだった。40分ほど乗って目的の住宅に着き、ツアーにしてよかったなと思う。1時間のガイドツアーと1時間のフリータイムのコースで、あんまり予習をしてこなかったけれどもいい空間だった。斜面の取り扱いと各所で使われているチークの風合いが素晴らしく、玄関ホールは正直中途半端に大きいな、と思ったが、それでもどの部屋も素晴らしい。プランニングもこちらの家にしては方位がかなり重要な条件になっていて、それは絵画のギャラリーという側面も持っているからなのだけど、あと北欧の住宅はこういう設計手法だったことを思い出す。バスを降りたところで友達と同じところに住んでいる京都からの交換留学の人とばったり会い、少し一緒に回っていたが、帰りのバスを降りたところで友達とこれからずっと行きたかったレストランに行くことにして、3人で一緒に食べることに。全然客がいなくて少し不安になるような感じだったが、出てきた料理は美味しかった。フォーなどを食べ、かなり満足。二人はパクチーが苦手とのことで少し多めに食べてしまって申し訳ない。周りの席に座ってきた人たちはニューヨークからきたと店員に話していた、店員が結構フランクで英語を話す人だった。満足して夜のショーまで時間があるので軽くスーパーでビールとつまみを買って川端に行き、少しだけ飲む。夕暮れやディナークルーズの船などを見守り、地下鉄に乗ってショーの会場に。かなりぶち上がっている繁華街で、相当な人気がうかがえる、と同時にこのあたりにはアジア人が全然いないことも気になる。入り口でさっき買ったばかりの水を放り投げられたりしながら入場し、シャンパンも飲んでかなりいい感じ。ショーは正直寝かけたところもあるが、それもかなりいい体験だったし、流石にこういうショーは実物を見た方が興奮する。深夜の回独特の空気感があってかなりよかった。運よく地下鉄がまだ動いていて、地下鉄で宿に帰り、そそくさとシャワーを浴びて荷物をさっさと詰めて、明日朝早いので4時間くらいだけでも、と思って寝る。
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shukiiflog · 10 months
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ある画家の手記if.3  踏切
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キッチンからお菓子の焼ける気配がしてくる。 刺激の強すぎない素朴な匂いに意識を漂わせていたら「いっーーーー」 手元を狂わせて金槌で指を打った。 「直人?!」 横目で僕を見ていた香澄が慌ててキッチンからこっちに駆け寄ってくる。
「なんていうか…直人っていまいち雑じゃない?」 打って爪をずらした指を香澄が消毒してガーゼを貼ってくれる。 「釘なんて額装されれば隠れて誰も見ないしね…」 「釘の打ち方じゃないよ、自分の扱い」 「雑かな?」 「うん、少し」 雑かもしれない。 背があるわりに弱く見られがちだけど、身体は頑丈だし傷の治りも早い。ぞんざいに扱ってもこの体はよく耐えてきている。 昔は簡単に人を殴ったりもしてた、血みどろになるような喧嘩もした。 香澄は 「香澄も…人のこと言えないんじゃないか?」 「俺はそんなに投げやりじゃないよ」 「………」 全身で僕の死を否定して被っておいて、本人はそのことをもう忘れかけているらしい。 香澄は事故で視力も落としてしまったというから、自分の傷跡も見たことはないのか。 僕は見るたび思い出す、それは香澄からは見えない位置にある。 「……次はその傷を描こうかな」 「え……直人ホントにこの傷好きだね……嫌ってるのかと思ってたけど」 「うん」 好きでも嫌いでもある、大事なんだよ。 話しているうちにガーゼの上から大袈裟な包帯が何重にも巻かれていって、巨大になった指を見る。 せっかく焼けたのにこれでクッキーを食べるのは難しそうだ。 「その傷、描かれたくないなら僕も無理には描かないけど」 「嫌じゃないよ。好きに描いてくれたら…それで納得いく絵ができるなら俺も嬉しい」 どう描かれたいかではなくて好きに描けばそれが一番嬉しいという お前は静物じゃないのに静物のような物言いだ 静物の声を聴いたことはないけど、だからお前を描こうとすると肖像なんだ 絶対に人は静物にはならない、お前もーーーそういうの得意だよ。俺は。画家だから。
ねえ香澄、はじめた場所に戻ろうか
「直人どこ行くの」 戸惑う香澄の首にマフラーを巻いて 「いいから、おいで」 「おいでって…」 その手を引っ張って半ば強引に部屋を出てきた。 戸惑うようでいて結局強く抵抗はせずについてくる香澄に僕は道すがら思いつくまま尋ねる。 「香澄は何色が好き?」 「え……と、み、緑…かな」 「どこに住んでるの」 「ここの近くのマンション…」 「友達はいる?」 「いる…そんなに多い方でもないけど」 坂を下って、コンビニの角を曲がって、横断歩道を渡って 「大学ではなんの勉強をしてるの」 「大したことしてないよ」 「休みの日は何をするの」 「直人に会いにきてる」 駅から少し遠くまで来た。踏切の前で足を止める。 香澄は僕の不規則な早足に少しだけ息を切らして整えている。 「ーーー僕は、ずっと死にたいと思ってたんだ、死にたくない気持ちを無視して。……前に話したね」 「………うん。」 香澄は僕のほうをじっと見つめている。僕がどういうつもりなのか分からなくて、でも探ろうともせずに疑問符だらけのままの顔をしている。 もとから説明する気はなかった。 踏切が喧しく鳴りながら降りてくる。 僕は香澄の横から踏切のおりきった遮断棒にそっと触れると、その上をひょいと跨いで入った。 「直人!?」 香澄の方に向き直ってから数歩下がって、線路の中央に立つ。 「香澄、僕を助けて」 点滅するランプが赤く光るのが分かる。ああ、鮮やかに。 視界から靄が消えていく、曖昧だった色たちが鮮烈な輪郭を取り戻していく、電車の音が遠くから聴こえる、近づいてくる、世界が急速に美しさを増す、僕の憂鬱を貫き殺す
「 僕を 助けて 香澄 」
走り出した香澄が一跨ぎで踏切をこえて入ってきた 僕の体を線路の外に押し倒そうと伸ばした力強い両腕を ふりはらって 香澄の体を思いっきり線路の外へ押し出す 香澄は押し負けてひとりで線路の外に転げ出た 轟音 「なーーーーーー」
耳が千切れるような音をたてて容赦なく横切っていった電車は 香澄と僕の間を分断するように走りすぎていった。 行ってしまった電車を見送って、香澄と反対側の道路にギリギリで投げ出した自分の体を起こす。 「………ねぇ、香澄」 向こう側で放心して尻餅をついたままの香澄に、線路越しにすこし大きめの声を出して話しかける。香澄の様子からして向こうからは視界が閉ざされて一瞬僕が轢かれたように見えたのかもしれない。 なんの迷いもなく助けようと線路へ踏み込んだ、僕の言葉を聞いていたのかいないのか、でもどういうつもりだかは霧が晴れるように見えてきていた、お前は 「そんな理由で、………僕とはなんの関係もないような理由で、僕と関わるのは、俺を救うのはーーーー寂しいよ」
そのまま、立てないでいる香澄をその場に一人残して、黙って部屋へ帰った。
僕が僕を俺と言わなくなってもう随分経った。 僕に食べることを難しくさせた叔父への反発心と兄への憧憬が入り混じってこうなった。 そろそろやめるべきだ、こんな、誰かのせいでできてしまった自分に甘んじるのは。 受け入れるしかすべを知らなかった子供ではいられない、死んでしまった兄の死は残酷に僕を乱すだけで殺したりはしない、誰かと一緒にいたいのなら
夜明け前、眠れないまま本を読みながらコーヒーを飲んでいたら、ドアに何かがぶつかる鈍い音がした。 玄関まで行ってドアを開く。 ドアに背を預けていたらしい体勢が崩れて、よろよろと身を起こす赤い髪の、香澄がいた。 「…………直人」 その片目には腫れて蒼く膿んだ痣が、口元には切れた唇と血を拭ったあとがあった。頰も紅い。元の傷跡の上にさらに重ねられて醜悪さを増していた。 「…誰かと喧嘩でもしたのか?」 「………うん…」 香澄はいまいちしっかり動かせない唇での発声だけでは心許なかったのか首をこくりと縦に��った��� 香澄がうまく喧嘩をできるようには見えない。仕掛けて一方的に殴られてしまっただけかもしれない。 すこしだけ話した僕の昔の真似事をしてみようと思ったのか、わからない、とにかく部屋へ通そうと道を開ける。 けれど、香澄が入ってこない。 「………香澄? とにかく一度入ろう」 「……俺じゃだめなんだ…」 玄関で靴も脱がずにぼんやりと項垂れた香澄は聞こえないほど小さな声で囁いた。 「……直人が何を言ったのか……いくら考えてもだめなんだ」 うわごとのように繰り返す、香澄の目はいつまでも焦点が合わない。
ーーーーーー助けられた、という自覚に著しく欠けていた。 ーーーーーー彼が庇ってくれなければ今頃あなたはどうなっていたか、と医者は言った。 事実外を想像するのは難しい。けれど思うに僕は死ななかった。 軽い怪我か、とにかく呆れるほどなにもなかっただろう。 あの春に、そのまま可能性は傷跡の中に縫い閉じられて、それから暫くして、香澄はまたやってきた。 僕が二度目の兄の死を受け取って、そのまますべてに挫折するかに思えたその時に。 息をするのをやめようとする度、何度も無慈悲に救われたーーーそれが香澄の生き方だ 「ふざけるな」 心底突き放したような、臓腑の冷える声が出た。 「僕はお前が生きるために生きてるんじゃない」 言葉を駆使するのは苦手だった。思ったことはそのまま飾り気もなく声になった。 香澄はそう言われるのをわかっていたようだ。 彼の膿んだ目に何の意思も感じない透明な涙が盛り上がってきた。 「でも 俺… こうやってきたんだ」
「俺… ずっと こうやってきた……」
香澄が僕にくれるものはいつも優しげではあったけれど優しさではなかった。 多くの場合それはずっと優しさだと見做されて香澄の日々は何事もなく過ぎていったんだろう。 香澄がそんな形でいることが見逃されて、それが今日まで続いて ーーーーなにを、 ーーーーなにをいってるんだ ふざけてるのは僕だ、気付かないように目を閉じたつもりで、その歪さを見逃してきたのは、一番拾ってやれなかったのは、一番見ていたはずなのはーーーー
「…お…俺もうここへ…くるの、やめようと……思って…」
「直人が苦しいのに……俺……、…、でも、もう…どこにも……… だれも………………………… 」
僕がついーーー楽になろうとよろめくから、その度に 食い潰していたのはどっちだったろう そのまま溶けるようにふと彼の目が閉じられて、その場に崩れた体を急いで抱きとめる。 気を失ってしまった体には服の上からでは見えない場所にも傷があるらしく、触れた場所から僕の腕に濡れた感覚がうつった。 下の管理人に救急車を呼ぶよう伝えて、彼の体を支えなおしながら僕も壁に背をつけた。
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ついていった病院で、処置を施されて静かに眠る彼の横で、部屋の窓を開ける。 肩口にひとひらの雪が舞い込んできた。 窓を開けた僕の指にはぐるぐる大袈裟に巻かれた包帯。 ベッドで眠る彼の隣に立って、その顔の横に手をついて身を屈める。 閉じられた目の上に花のように縫い込められた傷跡をじっと見つめる。 そっと首を伸ばして望み続けたものに静かに唇を寄せた。
窓の下の床にぺたりと座り込んで、またいつかのように。
目を開けてくれ 目覚めたら、お前の名前を俺に教えて 今度こそ、最後までここで待つよ
続き
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kachoushi · 10 months
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各地句会報
花鳥誌 令和5年7月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年4月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
一葉の家へ霞の階を きみよ 春昼や質屋の硝子なないろに 小鳥 伊勢屋質店今生の花とほく 光子 菊坂に豆煎る音や花の昼 和子 一葉の質屋は鎖して春の闇 はるか 本郷の亀を鳴かせて露地住ひ 順子 おかめ蕎麦小声で頼み万愚節 いづみ 文士らの騒めきとすれ違ふ春 三郎 一葉を待つ一滴の春の水 光子 物干に如雨露干したり路地の春 和子
岡田順子選 特選句
一葉の家へ霞の階を きみよ 金魚坂狭め遅日の笊洗ふ 千種 菊坂の底ひの春の空小さし 光子 坂の名のみな懐かしき日永かな 要 赤貧の欠片も少し春の土 いづみ 本郷の間借りの部屋の猫の妻 同 質店の中より子規の春の咳 俊樹 止宿者の碑のみ残すや蝶の舞 眞理子 本郷の北窓開く古本屋 きみよ かぎろひの街をはみ出す観覧車 いづみ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月1日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
花冷の背後より声掛けらるる 美穂 幾年も陽炎追ひて遊びけり 散太郎 濃きほどに影のやうなる菫かな 睦子 化粧水ほどの湿りや春の土 成子 画布を抱き春の時雨を戻りけり かおり 昼月は遠く遠くへ花満開 愛 シャボン玉の吹雪や少女手妻めく 勝利 麗かや砂金三つ四つ指の先 睦子 成り行きの人生かとも半仙戯 朝子 鞦韆の羽ばたかずまた留まらず 睦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月3日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
花吹雪卍色と云ふが今 雪 花冷に後姿の観世音 同 そぼ降りてひと夜の契り花の雨 笑 観世音御手にこぼるる花の寺 同 お精舎やこの世忘れて糸桜 啓子 逝きし友逢へないままに朦月 同 裏木戸を開ければそこに花吹雪 泰俊 御仏と咲き満つ花の句座に入る 希 愛子忌や墓にたむけの落椿 匠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月5日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
縋りつく女心や桃の花 世詩明 肌寒く母の手紙はひらがなぞ 同 啓蟄や鍬突き立てし小百姓 同 日野河原菜花の香る祭りかな ただし 菜の花や石田渡しの蘇る 同 雛祭ちらしずしそへ甘納豆 輝一 ぽつたりと落ちて音なき大椿 清女 花吹雪路面電車の停車駅 同 大拙館椿一輪のみの床 洋子 花の山遠く越前富士を抱く 同 吉野山日は傾きて夕桜 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月6日 うづら三日の月 坊城俊樹選 特選句
花の下天をを仰げば独り占め さとみ 春陰やおのが心のうつろひも 都 春耕や眠りたる物掘り起す 同 左手の指輪のくびれ花の冷え 同 園児等のお唄そろはず山笑ふ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
膝をまだ崩せずにをり桜餅 秋尚 登り来て本丸跡や花は葉に 百合子 葉脈のかをり弾けて桜餅 同 桜餅祖母の遺せし会津塗り ゆう子 売り声も色つややかに桜餅 幸子 木洩日の濡れてゐるやう柿若葉 三無 春愁や集ふふる里母忌日 多美女 伍しゐても古草の彩くすみをり 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月10日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 ���選句
心経をとなへ毛虫に火をはなつ 昭子 マンホール蓋の窪みに花の屑 昭子 栄螺売潮の香りを置いてゆく 三四郎 金の蕊光る夕月てふ椿 時江 禅寺の読経流るる花筏 ただし 若者の髭に勢や麦青む みす枝 龍が吐く長命水の春を汲む 三四郎 花吹雪受けんと子等の手足舞ふ みす枝 土器の瓢の町や陽炎へり ただし 海遠く茜空背に鳥帰る 三四郎 紅梅のことほぐやうに枝広げ 時江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月10日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
片棒を担いでをりぬ四月馬鹿 三無 薬草園とふ門古りて松の花 和魚 だんだんと声ふくらみて四月馬鹿 美貴 四月馬鹿言つて言はれて生きてをり 和魚 松の花表札今も夫の居て 三無 白状は昼過ぎからや四月馬鹿 のりこ 一の鳥居までの大路や松の花 秋尚 松の花昏き玄関応へなく 美貴
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月11日 萩花鳥会
京よりの生麸草餅薄茶席 祐 不帰のヘリ御霊をおくる花筏 健雄 ただ一本ミドリヨシノの世界あり 恒雄 堂々と桜見下ろす二層門 俊文 猫に愚痴聞かせて淋し春の宵 ゆかり 杵つきの草餅が好きばあちやん子 美惠子
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令和5年4月13日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
便り待つポストをリラの房覆ふ 栄子 畑打つや鍬を担ひし西明り 宇太郎 軒下の汚れし朝や燕来る 都 桜蕊降る藩廟の染まるまで 美智子 桜蕊降るももいろの雨が降る 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
何氣なく来て何気なく咲く花に 雪 神御座す杜の新樹に聞く鳥語 かづを 老の踏むひとりの音や落椿 ただし 野辺送り喪服の背に花の蕊 嘉和 夜ざくらのぼんぼり明り水あかり 賢一 喝采の微風を受けて花は葉に 真喜栄 生きる恋はぜる恋ととや猫の妻 世詩明 葉ざくらに隠されてゐる忠魂碑 同 眩しさを残して花は葉となれり かづを
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月16日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
極大と極小としやぼん玉宙へ 要 穴出でし蟻の列追ふ園児どち 経彦 頰􄼺をつく石仏の春愁 貴薫 酸模を噛む少年の今は無く 要 稲毛山廣福密寺百千鳥 同 瑠璃色を散らし胡蝶の羽ばたきぬ 久 春陰の如意輪仏へ女坂 慶月 棕櫚の花年尾の句碑に問ひかくる 幸風 朴の花仏顔して天にあり 三無
栗林圭魚選 特選句
蝌蚪の群突くひとさし指の影 千種 峠道囀り交はす声響き ます江 美術館三角屋根に藤懸かる 久子 こんもりと句碑へ映るも若葉かな 慶月 微かなる香りや雨後の八重桜 貴薫 朝の日に濃淡重ね若楓 秋尚 落ちてなほ紅色失せぬ藪椿 経彦
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月19日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
通勤のバスから見ゆる日々の花 あけみ 花馬酔木白き房揺れ兄の家 令子 亡き鳥をチューリップ添へ送りけり 光子 偲ぶ日の重く出たるや春の月 令子 あの頃の記憶辿って桜散る 美加
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月19日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
矢車の音きしみ合ふ幟竿 世詩明 風よりも大きく揺れて糸柳 啓子 花万朶この世忘れて花の下 同 あたたかやお守りはねるランドセル 同 甘き香の女ごころや桜餅 千加江 春場所や贔屓の力士背に砂 令子 落椿掃きゐてふつと愛子忌と 清女 春の虹待ちて河口に愛子の忌 笑子 散りそめし花の余韻も愛子の忌 同 城の濠指呼の先には花の渦 和子 花筏哲学の道清めたる 隆司 故郷の深き眠りや花の雨 泰俊 山道の明るさを増す百千鳥 同 ほころびて色つぽくなり紫木蓮 数幸 花桃に出迎へられて左内像 同 瞬きは空の青さよ犬ふぐり 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
忠直郷ゆかりの鬱金桜とぞ 雪 椿てふ呪縛の解けて落つ椿 同 春愁や言葉一つを呑み込んで 同 御襁褓取り駈け出す嬰や麦は穂に みす枝 鶯の機嫌良き日や鍬高く 同 ただならぬ人の世よそに蝌蚪の国 一涓 あの角を曲つてみたき春の宵 日登美 春の果次も女に生れたし 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月21日 さきたま花鳥句会(四月二十一日)
清冽な水は山葵を磨き上げ 月惑 連写して柳絮の舞ふを収めけり 八草 天守閉ぢ黙す鯱鉾朧月 裕章 行き先は行きつく所柳絮飛ぶ 紀花 南無大師遍照金剛春の風 孝江 揚浜に春の虹立つ製塩所 とし江 柳絮飛ぶ二匹の亀の不動なり ふじ穂 筍堀り父編むいじこ背負ひ来て 康子 花吹雪ひと固まりの風の道 恵美子 満天���の花揺らしつつ風過ぎる ���香 夢叶へ入学の地へ夜行バス 静子 啓蟄やピンポンパンの歌聞こゆ 良江
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令和5年4月23日 月例会 坊城俊樹選 特選句
真榊はあをばの中に立つてをり いづみ 水の上の空のその上鳥の恋 順子 掌の中の春の蚊深き息を吐き 炳子 耳朶を掠めて蝶のうすみどり 緋路 仕上りの緻密なる蒲公英の絮 秋尚 手放して風船空へ落ちてゆく 緋路 春の闇より声掛けて写真館 順子 零戦機日永の昼の星狙ふ ゆう子
岡田順子選 特選句
玉砂利の音来て黒揚羽乱舞 和子 耳朶を掠めて蝶のうすみどり 緋路 仕上りの緻密なる蒲公英の絮 秋尚 風光る誰にも座られぬベンチ 緋路 緋鯉とて水陽炎の中に棲み 俊樹 手放して風船空へ落ちてゆく 緋路 蜂唸る神の園生に丸き井戸 炳子 佐保姫は夜に舞ひしか能舞台 俊樹
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年4月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
つかまへし子亀に問へり亀鳴くか 美穂 亀鳴くや拷問石にある哀史 ちぐさ 亀鳴ける賓頭盧尊者撫でをれば 美穂 板の戸に志功の天女花朧 喜和 連子窓に卯の花腐し閉ぢ込めて かおり 大人へのふらここ一つ山の上 光子 ふらここや無心はたまた思ひつめ 同 ふらここや関門海峡見下ろして 同 さくら貝ひとつ拾ひて漕ぎ出しぬ かおり 午後一時直射にぬめる蜥蜴の背 勝利 花冷の全身かたき乳鋲かな 睦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月4日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
落城の如く散りたる落椿 世詩明 三人の卒業生以て閉校す 同 双葉より学びし学舎卒業す 同 氏神の木椅子はぬくし梅の花 ただし 鳥帰る戦士の墓は北向きに 同 草引く手こんなですよと節くれて 清女 雛あられ生きとし生くる色やとも 洋子 官女雛一人は薄く口開けて やす香 露天湯肩へ風花ちらちらと 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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