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#羊が一匹羊が二匹羊が三匹
artraction-wm · 8 months
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sns-human-lover · 1 year
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毎日キャラデザしてみようチャレンジ二十三日目:グレッサン
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設定: 裕福層が住む地区を数多く所有している金持ちの山羊。世間にあまり顔を見せないため、どんな正体を持っている男なのか、彼の溢れんばかりの資金源はどこなのかも不明。唯一分かっているのは子供が何匹かいること、そして裏世界との何らかの公表しがたい繋がりがあることだ。
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reallypaleninja · 28 days
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神は、お造りになったすべてのものを御覧になった。それは極めて良かった。
創世記1・1-2・2
神は、お造りになったすべてのものを御覧になった。それは極めて良かった。
創世記
1・1初めに、神は天地を創造された。2地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。3神は言われた。
「光あれ。」
こうして、光があった。4神は光を見て、良しとされた。神は光と闇を分け、5光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第一の日である。
6神は言われた。
「水の中に大空あれ。水と水を分けよ。」
7神は大空を造り、大空の下と大空の上に水を分けさせられた。そのようになった。8神は大空を天と呼ばれた。夕べがあり、朝があった。第二の日である。
9神は言��れた。
「天の下の水は一つ所に集まれ。乾いた所が現れよ。」
そのようになった。10神は乾いた所を地と呼び、水の集まった所を海と呼ばれた。神はこれを見て、良しとされた。
11神は言われた。
「地は草を芽生えさせよ。種を持つ草と、それぞれの種を持つ実をつける果樹を、地に芽生えさせよ。」そのようになった。12地は草を芽生えさせ、それぞれの種を持つ草と、それぞれの種を持つ実をつける木を芽生えさせた。神はこれを見て、良しとされた。13夕べがあり、朝があった。第三の日である。
14神は言われた。
「天の大空に光る物があって、昼と夜を分け、季節のしるし、日や年のしるしとなれ。15天の大空に光る物があって、地を照らせ。」
そのようになった。16神は二つの大きな光る物と星を造り、大きな方に昼を治めさせ、小さな方に夜を治めさせられた。17神はそれらを天の大空に置いて、地を照らさせ、18昼と夜を治めさせ、光と闇を分けさせられた。神はこれを見て、良しとされた。19夕べがあり、朝があった。第四の日である。
20神は言われた。
「生き物が水の中に群がれ。鳥は地の上、天の大空の面を飛べ。」21神は水に群がるもの、すなわち大きな怪物、うごめく生き物をそれぞれに、また、翼ある鳥をそれぞれに創造された。神はこれを見て、良しとされた。
22神はそれらのものを祝福して言われた。
「産めよ、増えよ、海の水に満ちよ。鳥は地の上に増えよ。」
23夕べがあり、朝があった。第五の日である。
24神は言われた。
「地は、それぞれの生き物を産み出せ。家畜、適うもの、地の獣をそれぞれに産み出せ。」
そのようになった。25神はそれぞれの地の獣、それぞれの家畜、それぞれの土を這うものを造られた。神はこれを見て、良しとされた。
26神は言われた。
「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」
27神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。28神は彼らを祝福して言われた。
「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」
29神は言われた。
「見よ、全地に生える、種を持つ草と種を持つ実をつける木を、すべてあなたたちに与えよう。それがあなたたちの食べ物となる。30地の獣、空の鳥、地を這うものなど、すべて命あるものにはあらゆる青草を食べさせよう。」
そのようになった。31神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があった。第六の日である。
2・1天地万物は完成された。2第七の日に、神は御自分の仕事を完成され、第七の日に、神は御自分の仕事を離れ、安息なさった。
答唱詩編
詩編104・1+2a、24+33
神よ、あなたのいぶきを地のおもてに。
詩編104
104・1心を尽くして神をたたえよう。 神よ、あなたはまことに偉大なかた。 2a誉れと輝きを身に帯びて、 衣のように光をまとわれる。
24神よ、あなたが造られたものは数えきれない。 英知によって形造られたものは地に満ちている。 33わたしは生涯、神に向かって歌い、 いのちのある限り神をたたえよう。
第二朗読
創世記22・1-18
先祖アブラハムの献げ物
創世記
その日、22・1神はアブラハムを試された。神が、「アブラハムよ」と呼びかけ、彼が、「はい」と答えると、2神は命じられた。「あなたの息子、あなたの愛する独り子イサクを連れて、モリヤの地に行きなさい。わたしが命じる山の一つに登り、彼を焼き尽くす献げ物としてささげなさい。」
3次の朝早く、アブラハムはろばに鞍を置き、献げ物に用いる薪を割り、二人の若者と息子イサクを連れ、神の命じられた所に向かって行った。4三日目になって、アブラハムが目を凝らすと、遠くにその場所が見えたので、5アブラハムは若者に言った。「お前たちは、ろばと一緒にここで待っていなさい。わたしと息子はあそこへ行って、礼拝をして、また戻ってくる。」6アブラハムは、焼き尽くす献げ物に用いる薪を取って、息子イサクに背負わせ、自分は火と刃物を手に持った。二人は一緒に歩いて行った。7イサクは父アブラハムに、「わたしのお父さん」と呼びかけた。彼が、「ここにいる。わたしの子よ」と答えると、イサクは言った。「火と薪はここにありますが、焼き尽くす献げ物にする小羊はどこにいるのですか。」8アブラハムは答えた。「わたしの子よ、焼き尽くす献げ物の小羊はきっと神が備えてくださる。」二人は一緒に歩いて行った。
9神が命じられた場所に着くと、アブラハムはそこに祭壇を築き、薪を並べ、息子イサクを織って祭壇の薪の上に載せた。10そしてアブラハムは、手を伸ばして刃物を取り、息子を屠ろうとした。11そのとき、天から主の御使いが、「アブラハム、アブラハム」と呼びかけた。彼が、「はい」と答えると、12御使いは言った。「その子に手を下すな。何もしてはならない。あなたが神を畏れる者であることが、今、分かったからだ。あなたは、自分の独り子である息子すら、わたしにささげることを惜しまなかった。」13アブラハムは目を凝らして見回した。すると、後ろの木の茂みに一匹の雄羊が角をとられていた。アブラハムは行ってその雄羊を捕まえ、息子の代わりに焼き尽くす献げ物としてささげた。
14アブラハムはその場所を主・イルエ(主は備えてくださる)と名付けた。そこで、人々は今日でも「主の山に、備えあり(イエラエ)」と言っている。
15主の御使いは、再び天からアブラハムに呼びかけた。16御使いは言った。
「わたしは自らにかけて誓う、と主は言われる。あなたがこの事を行い、自分の独り子である息子すら惜しまなかったので、17あなたを豊かに祝福し、あなたの子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう。あなたの子孫は敵の城門を勝ち取る。18地上の諸国民はすべて、あなたの子孫によって祝福を得る。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」
答唱詩編
詩編16・5、8、11
しあわせな人、神の恵みを受け、その喜びに生きる人。
詩編16
16・5神よ、あなたはわたしの受けるゆずり、 わたしの受ける杯。わたしの道を開くかた。
8わたしは絶えず神を思う。 神はわたしのそばにおられ、わたしはけっしてゆるがない。
11あなたはいのちの道を示してくださる。 あなたの前にはあふれる喜び、あなたのもとには永遠の楽しみ。
第三朗読
出エジプト14・15-15・1a
イスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んで行った。
出エジプト記
その日、追い迫るエジプト軍を見て、イスラエルの人々が非常に恐れたとき、14・15主はモーセに言われた。「なぜ、わたしに向かって叫ぶのか。イスラエルの人々に命じて出発させなさい。16杖を高く上げ、手を海に向かって差し伸べて、海を二つに分けなさい。そうすれば、イスラエルの民は海の中の乾いた所を通ることができる。17しかし、わたしはエジプト人の心をかたくなにするから、彼らはお前たちの後を追って来る。そのとき、18わたしはファラオとその全軍、戦車と騎兵を破って栄光を現す。わたしがファラオとその戦車、騎兵を破って栄光を現すとき、エジプト人は、わたしが主であることを知るようになる。」19イスラエルの部隊に先立って進んでいた神の御使いは、移動して彼らの後ろを行き、彼らの前にあった雲の柱も移動して後ろに立ち、20エジプトの陣とイスラエルの陣との間に入った。真っ黒な雲が立ちこめ、光が闇夜を貫いた。両軍は、一晩中、互いに近づくことはなかった。21モーセが手を海に向かって差し伸べると、主は夜もすがら激しい東風をもって海を押し返されたので、海は乾いた地に変わり、水は分かれた。22イスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んで行き、水は彼らの右と左に壁のようになった。23エジプト軍は彼らを追い、ファラオの馬、戦車、騎兵がことごとく彼らに従って海の中に入って来た。24朝の見張りのころ、主は火と雲の柱からエジプト軍を見下ろし、エジプト軍をかき乱された。25戦車の車輪をはずし、進みにくくされた。エジプト人は言った。「イスラエルの前から退却しよう。主が彼らのためにエジプトと戦っておられる。」
26主はモーセに言われた。「海に向かって手を差し伸べなさい。水がエジプト軍の上に、戦車、騎兵の上に流れ返るであろう。」27モーセが手を海に向かって差し伸べると、夜が明ける前に海は元の場所へ流れ返った。エジプト軍は水の流れに逆らって逃げたが、主は彼らを海の中に投げ込まれた。28水は元に戻り、戦車と騎兵、彼らの後を追って海に入ったファラオの全軍を覆い、一人も残らなかった。29イスラエルの人々は海の中の乾いた所を進んだが、そのとき、水は彼らの右と左に壁となった。30主はこうして、その日、イスラエルをエジプト人の手から救われた。イスラエルはエジプト人が海辺で死んでいるのを見た。31イスラエルは、主がエジプト人に行われた大いなる御業を見た。民は主を畏れ、主とその僕モーセを信じた。15・1aモーセとイスラエルの民は主を賛美して、歌をうたった。
答唱詩編
出エジプト15・1b+2b、3+4+5、6+16bc
神よ、あなたはわたしの力、わたしの守り、救い。
出エジプト15
15・1b神をたたえよう、神は栄光を現し、 馬と戦車を海に投げ入れられた。 2b神よ、あなたはわたしの神、わたしの先祖の神、 わたしはあなたをあがめる。
3神は勇者、その名は主。 4ファラオの戦車と軍勢を海に投げ入れ、 ��のえりぬきの士官は紅海に沈んだ。 5水は彼らを覆い、かれらは石のように深みにしずんだ。
6神よ、あなたの右の手には力がみなぎり、 あなたの右の手は敵を押さえる。 16bc神よ、こうしてあなたの民は通り過ぎ、 あなたのものとされた民は過ぎ越す。
第四朗読
イザヤ54・5-14
あなたを贖う主は、とこしえの慈しみをもってあなたを憐れむ。
イザヤの預言
54・5エルサレムよ、 あなたの造り主があなたの夫となられる。 その御名は万軍の主。 あなたを贖う方、イスラエルの聖なる神、 全地の神と呼ばれる方。 6捨てられて、苦悩する妻を呼ぶように 主はあなたを呼ばれる。 若いときの妻を見放せようかと あなたの神は言われる。 7わずかの間、わたしはあなたを捨てたが 深い憐れみをもってわたしはあなたを引き寄せる。 8ひととき、激しく怒って顔をあなたから隠したが とこしえの慈しみをもってあなたを憐れむとあなたを贖う主は言われる。 9これは、わたしにとってノアの洪水に等しい。 再び地上にノアの洪水を起こすことはないとあのとき誓い、 今またわたしは誓う 再びあなたを怒り、責めることはない、と。 10山が移り、丘が揺らぐこともあろう。 しかし、わたしの慈しみはあなたから移らず わたしの結ぶ平和の契約が揺らぐことはないとあなたを憐れむ主は言われる。
11苦しめられ、嵐にもてあそばれ 慰める者もない都よ 見よ、わたしはアンチモンを使ってあなたの石を積む。 サファイアであなたの基を固め 12赤めのうであなたの塔を エメラルドであなたの門を飾り 地境に沿って美しい石を連ねる。 13あなたの子らは皆、主について教えを受け あなたの子らには平和が豊かにある。 14あなたは恵みの業によって堅く立てられる。 虐げる者から遠く離れよもはや恐れることはない。 破壊する者から遠く離れよもはやそれがあなたに近づくことはない。
答唱詩編
詩編30・2b+4、13
神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。
詩編30
30・2b神よ、あなたはわたしを救い、 死の力が勝ち誇るのを許されない。 4神よ、あなたは死の国からわたしを引きあげ、 危ういいのちを助けてくださった。
13わたしの心はあなたをたたえ、 黙っていることがない。 神よ、わたしの神よ、 あなたをとこしえにたたえよう。
第五朗読
イザヤ55・1-11
わたしのもとに来るがよい。魂に命を得よ。わたしはあなたたちととこしえの契約を結ぶ。
イザヤの預言
55・1主は言われる。 渇きを覚えている者は皆、水のところに来るがよい。 銀を持たない者も来るがよい。 穀物を求めて、食べよ。 来て、銀を払うことなく穀物を求め 価を払うことなく、ぶどう酒と乳を得よ。 2なぜ、糧にならぬもののために銀を載って払い 飢えを満たさぬもののために労するのか。 わたしに聞き従えば 良いものを食べることができる。 あなたたちの魂はその豊かさを楽しむであろう。 3耳を傾けて聞き、わたしのもとに来るがよい。 聞き従って、魂に命を得よ。 わたしはあなたたちととこしえの契約を結ぶ。 ダビデに約束した真実の慈しみのゆえに。 4見よ かつてわたしは彼を立てて諸国民への証人とし 諸国民の指導者、統治者とした。 5今、あなたは知らなかった国に呼びかける。 あなたを知らなかった国は あなたのもとに馳せ参じるであろう。 あなたの神である主 あなたに輝きを与えられるイスラエルの聖なる神のゆえに。
6主を尋ね求めよ、見いだしうるときに。 呼び求めよ、近くにいますうちに。 7神に逆らう者はその道を離れ 悪を行う者はそのたくらみを捨てよ。 主に立ち帰るならば、主は憐れんでくださる。 わたしたちの神に立ち帰るならば豊かに赦してくださる。 8わたしの思いは、あなたたちの思いと異なり わたしの道はあなたたちの道と異なると主は言われる。 9天が地を高く超えているように わたしの道は、あなたたちの道を わたしの思いはあなたたちの思いを、高く超えている。 10雨も雪も、ひとたび天から降れば むなしく天に戻ることはない。それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ 種蒔く人には種を与え 食べる人には糧を与える。 11そのように、わたしの口から出るわたしの言葉もむなしくは、わたしのもとに戻らない。 それはわたしの望むことを成し遂げ わたしが与えた使命を必ず果たす。
答唱詩編
イザヤ12・2、4、5
喜びに心をはずませ、救いの泉から水を汲む。
イザヤ12
12・2神はわたしの救い、わたしは信頼して恐れない。 神はわたしの力、わたしの歌、わたしの救い。
4神をたたえ、その名を呼ぼう。 神のわざをすべての民に伝え、その名の誉れを語り告げよう。
5神は不思議なわざをなしとげられた。 神をほめ歌い、そのわざを世界にのべ伝えよう。
第六朗読
バルク3・9-15、32-4・4
主の輝きに向かって歩め。
バルクの預言
3・9聞け、イスラエルよ、命をもたらす戒めを。 耳を傾けて、悟りを得よ。 10イスラエルよ、なぜなのか。 なぜお前は敵の地におり、 異国の地で年を重ね、 11死者と汚れを共にし、 陰府に下る者の中に数えられたのか。 12お前は知恵の泉を見捨てた。 13神の定めた道を歩んでいたなら、 永遠に平和のうちに暮らしていたであろう。 14学べ、どこに悟りがあるかを。 またどこに力があり、どこに知識があるかを。 そして知れ、どこに長寿と命があり、 どこに目の輝きと平和があるかを。
15いったいだれが知恵の在りかを見いだしただろうか。 だれがその宝庫に入っただろうか。 32すべてを知る方だけが知恵を知り、 御自分の力でそれを悟り、見いだされたのだ。 33その方はあらゆる時代に備えて全地を整え、 それを四足の獣で満たした。 その方が光を放つと、光は走り、 ひと声命ずると、光はおののいて従う。 34星はおのおの持ち場で喜びにあふれて輝き、 35その方が命ずると、「ここにいます」と答え、 喜々として、自分の造り主のために光を放つ。 36この方こそわたしたちの神であり、 他に比ぶべきものはない。 37この方は知識の道をすべて見いだし、 それを僕ヤコブと愛するイスラエルに与えた。 38その後、知恵は地上に現れ、人々の中に住んだ。 4・1知恵は神の命令の書、永遠に続く律法である。 これを保つ者は皆生き、これを捨てる者は死ぬ。 2ヤコブよ、立ち帰ってこれをつかみ、 知恵の光に目を注ぎ、その輝きに向かって歩め。 3あなたの栄光をほかの者に、あなたの特権を異国の民に渡してはならない。 4イスラエルよ、わたしたちは幸いだ。 神の御心に適うことを知っているのだから。
答唱詩編
詩編19・8、9
主よ、あなたは永遠のいのちのことば。
詩編19
19・8神の教えは完全で、魂を生き返らせ、 そのさとしは変わらず、心に知恵をもたらす。
9神の定めは正しく、心の喜びであり、 そのみ旨は清く、目を開く。
第七朗読
エゼキエル36・16-17a、18-28
わたしは清い水をお前たちの上に振りかけ、新しい心を与える。
エゼキエルの預言
36・16主の言葉がわたしに臨んだ。17「人の子よ、イスラエルの家は自分の土地に住んでいたとき、それを自分の歩みと行いによって汚した。18それゆえ、わたしは憤りを彼らの上に注いだ。彼らが地の上に血を流し、偶像によってそれを汚したからである。19わたしは彼らを国々の中に散らし、諸国に追いやり、その歩みと行いに応じて裁いた。20彼らはその行く先の国々に行って、わが聖なる名を汚した。事実、人々は彼らについて、『これは主の民だ、彼らは自分の土地から追われて来たのだ』と言った。21そこでわたしは、イスラエルの家がその行った先の国々で汚したわが聖なる名を惜しんだ。
22それゆえ、イスラエルの家に言いなさい。主なる神はこう言われる。イスラエルの家よ、わたしはお前たちのためではなく、お前たちが行った先の国々で汚したわが聖なる名のために行う。23わたしは、お前たちが国々で汚したため、彼らの間で汚されたわが大いなる名を聖なるものとする。わたしが彼らの目の前で、お前たちを通して聖なるものとされるとき、諸国民は、わたしが主であることを知るようになる、と主なる神は言われる。24わたしはお前たちを国々の間から取り、すべての地から集め、お前たちの土地に導き入れる。
25わたしが清い水をお前たちの上に振りかけるとき、お前たちは清められる。わたしはお前たちを、すべての汚れとすべての偶像から清める。26わたしはお前たちに新しい心を与え、お前たちの中に新しい霊を置く。わたしはお前たちの体から石の心を取り除き、肉の心を与える。27また、わたしの霊をお前たちの中に置き、わたしの掟に従って歩ませ、わたしの裁きを守り行わせる。28お前たちは、わたしが先祖に与えた地に住むようになる。お前たちはわたしの民となりわたしはお前たちの神となる。」
答唱詩編
詩編51・12+13、18+19
あなたのいぶきを受けて、わたしは新しくなる。
詩編51
51・12神よ、わたしのうちに清い心を造り、 あなたのいぶきでわたしを強め、新たにしてください。 13わたしをあなたのもとから退けず、 聖なるいぶきをわたしから取り去らないでください。
18あなたはいけにえを望まれず、 はんさいをささげても喜ばれない。 19神よ、わたしのささげものは打ち砕かれた心。 あなたは悔い改める心を見捨てられない。
使徒書の朗読
ローマ6・3-11
死者の中から復活させられたキリストはもはや死ぬことがない。
使徒パウロのローマの教会への手紙
皆さん、6・3あなたがたは知らないのですか。キリスト・イエスに���ばれるために洗礼を受けたわたしたちが皆、またその死にあずかるために洗礼を受けたことを。4わたしたちは洗礼によってキリストと共に葬られ、その死にあずかるものとなりました。それは、キリストが御父の栄光によって死者の中から復活させられたように、わたしたちも新しい命に生きるためなのです。5もし、わたしたちがキリストと一体になってその死の姿にあやかるならば、その復活の姿にもあやかれるでしょう。6わたしたちの古い自分がキリストと共に十字架につけられたのは、罪に支配された体が滅ぼされ、もはや罪の奴隷にならないためであると知っています。7死んだ者は、罪から解放されています。8わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きることにもなると信じます。9そして、死者の中から復活させられたキリストはもはや死ぬことがない、と知っています。死は、もはやキリストを支配しません。10キリストが死なれたのは、ただ一度罪に対して死なれたのであり、生きておられるのは、神に対して生きておられるのです。11このように、あなたがたも自分は罪に対して死んでいるが、キリスト・イエスに結ばれて、神に対して生きているのだと考えなさい。
福音朗読
マルコ16・1-7
アレルヤ、アレルヤ、アレルヤ。
マルコによる福音
16・1安息日が終わると、マグダラのマリア、ヤコブの母マリア、サロメは、イエスに油を塗りに行くために香料を買った。2そして、週の初めの日の朝ごく早く、日が出るとすぐ墓に行った。3彼女たちは、「だれが墓の入り口からあの石を転がしてくれるでしょうか」と話し合っていた。4ところが、目を上げて見ると、石は既にわきへ転がしてあった。石は非常に大きかったのである。5墓の中に入ると、白い長い衣を着た若者が右手に座っているのが見えたので、婦人たちはひどく驚いた。6若者は言った。「驚くことはない。あなたがたは十字架につけられたナザレのイエスを捜しているが、あの方は復活なさって、ここにはおられない。御覧なさい。お納めした場所である。7さあ、行って、弟子たちとペトロに告げなさい。『あの方は、あなたがたより先にガリラヤヘ行かれる。かねて言われたとおり、そこでお目にかかれる』と。」
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qofthequinine · 4 months
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すばる
もう死んでしまった。我が家に来たのは、私が小学生の頃。よその犬が産みすぎてしまったために、お裾分け、とのことだ。実際、最近の野良犬や野良猫の少なさってのは、なんだかおかしいというか、本当は去勢なんかせずに、そのままにしておくべきで、流石に狂犬病のワクチンは打ったほうがいいけれども。地域猫と言って可愛がっているつもりか知らんが、実は彼は、終生の孤独を味わっている。
すばる(犬)は、元気だった。ありあまるほどの元気。外部のものには、攻撃的に吠えたが、私たちが帰省すれば、もう鬱陶しいぐらいに吠えた。しかし、喜びの声だった。私が元気ではなかった頃、彼の喜びに応えられない時期があったのが悔やまれる。大体20年の彼の人生においては、あの時期に寂しかったかもしれない。
近所の犬に襲われた経験がある自分としても、すばるの愛情は受け取っていた。互いに幼い頃、父親と三人づれで散歩した頃、自分が急な坂道を下るときに転んでしまった。リードは手放して、結構泣いたようにおもう。でもその間中、ずっとすばるはこちらを見ていた。少し首を傾げながら、なんとなく「転んだんだなあ、まあ、大丈夫だよ!」みたいな感じだった。でも、こちらに近寄ることはなかった。でも、あの場面ですばるがこちらに近寄ってきていれば、自分はおそらくパニックになっていたでしょう。サンキュー。
時は過ぎた。不安要素はありながらも、おじいちゃんが免許を返納しておらず、自分もそれなりに落ち着いて、すばるがもうぐったりしていて、獣医にも諦めるべきだ、と話されたらしい。大腸がもうダメになっている、と。
秋と冬の境目に、唐突に二日間一人で帰省した。なるほど、彼はもう吠える気力もないらしい、と門をくぐった瞬間にわかった。寝そべっている彼は、こちらを見ているのかもわからない。
「すばるー、大丈夫やで。この家はあとはなんとかするから、最後までしっかりな」と撫でながら声をかけた。祖父母の前では立ち上がることもなかった彼は、私の前で、四本の脚でしっかり立ち上がった。しっかり前を見て、「わかった」と言っているように思った。
その一週間後、すばるは死んだ。もちろん、その当時はペットの葬儀があるわけもなく、というか現代においても、「愛玩動物」を葬儀するってのはなんだか生命の愚弄のように思うけれど、まあいい。彼はもういない。
あと、あの家の周辺で動物に襲われたことがない。野良猫さえ、なぜか近寄ってきて、自分なりに「四足歩行ならここの筋肉凝るでしょう」みたいなところをほぐすと、野良なのに腹を見せた。
昔の彼女の家には、結構手酷いことをされた保護猫から飼い猫になった二匹がいたが、絶対に来客には威嚇して姿を見せないようになるのに、土産のとら屋の羊羹を食べているときに、姿を見せていた。
実はまあ、己に威嚇してくるペットの生育環境の方が、実は気になるというか、具体的にいうと、糞便も放置されている家の番犬がすごい吠えてくる。昔から。
まあいい。すばるよ、いくらでも吠えてくれ。夢で会おう。
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503rd-graffiti · 5 months
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【迷】3
僕たちは三人兄妹だった。 兄のカイリ、次男の僕、妹のアカリ。どこにでもいる平凡で特徴のない兄妹だった。 ただ、あの家庭環境の割には僕たちはどこか他人事で、お互いのことを本当の意味ではよく知らなかったのだと思う。 僕たちの両親は僕たちから見ても、世間一般的に見ても、最悪な親だった。 元々DV気質だった父親は、子供が生まれてからはその暴力の矛先を自分の子供たちに向けるようになった、というのは母の言だ。 その母親も、暴力の行き先が増えたことで自分が標的になる頻度が下がったことを喜んですらいたらしい。母親らしく子供を庇う素振りを見せたことは一度も無かったと思う。 そんな家庭環境で育ってきた僕たちは、代わる代わる父親からの暴力の標的となって日々耐え忍ぶように過ごしていた。 一応、曲がりなりにも兄だった僕とカイリは妹のアカリに矛先が向かないよう庇ったりなどもしていたけれど、 僕からしてみればそれは兄としての義務を全うしていたにすぎず、それ以上の感情は何もなかった。 いつか、この家を出るときには兄妹皆が大人になっているだろうし、その時には僕の兄としての義務からも解放されて あとはお互い干渉せず生きていくだけだろうと、なんとなく思っていた。 勿論、父親の殴る蹴るの暴力は堪えていたし、いつも傷だらけの僕は学校にも居場所は無く、苦痛しかない日々が続いていた。 それでもいつまでも続くものではないと、いつかは自由になってそこから僕の人生が始まるんだと疑いもしていなかったし、今でもそれは間違いではなかったはずだと思っている。 けれど、兄のカイリはそう考えていなかったようだ。 そして事件は起きた。
ある真夜中。家のどこかで何かが割れる音がした。 その音は途切れることはなく、合間に人間の怒号なんかも混じっていて、酷く耳障りな不協和音を奏で続けていた。 寝ぼけた意識がはっきりする頃には怒号は叫び声や懇願の声に変わっていて、次第に僕の部屋に近づいてきていることが分かった。 僕は途端に恐ろしくなり、部屋の端に移動して頭から布団をかぶり、それがこの部屋に辿り着かないことをただ震えて願うことしかできなかった。 最初に聞こえていた叫び声は父親で、その次に母親、大泣きしているのはアカリの声だったと思う。 しかし次第に声の数は減っていき、その不協和音を奏でている主が僕の部屋の扉を開ける頃にはアカリの泣きじゃくる声しか聞こえなくなっていた。 ガチャ、と特に荒々しくもなく開け放たれた扉の音に僕の肩は震える。 そして静かな足音と、何かを引きずる音が徐々に近づいてきて、僕の目の前で立ち止まった。 「ツグト。」 それは兄のカイリの声だった。その声は息が上がったように粗々しく、いつもの雰囲気とは全く異なる恐ろしさに、僕は一言も発せなかった。 「ツグト。」 もう一度僕の名を���んだそれは、簡単に僕の被っていた布団を引きはがした。 「ごめん、ツグト。」 最後に聞いたカイリの言葉はそれだけだった。目の前には赤黒い何かで全身が汚れていた兄だったものがいて、ところどころ凹んだ金属バットを大きく振りかぶっていた。 次の瞬間、一生の全てを凝縮したかのような激痛が全身を駆け巡り、そして何もかも分からなくなった。
気付くと僕は白い場所にいた。 頭上は微かに青みを帯びた白い空が、目の前には浅瀬のような花畑のような、よく分からない景色がどこまでも続いていた。 もしかして死後の世界というところだろうかと、ぼんやりとした頭で僕は考えていた。 あの衝撃は間違いなく死だったと思うから、ここは死後の世界で間違いないだろう。 立ち尽くしていても良かったが、人というのはやる事が無いと敢えてやることを探してしまう質らしい。 僕はとりあえず辺りを歩いてみることにした。 しかしどこまで歩いても景色は変わらず。疲れるということはなかったが、どこまでも白色の風景が続いていた。 仕方ないのでその場にうずくまっていると、しばらくしてどこからともなく人型の何かが現れた。 その見た目は人型をしていても人間離れしており、一目見て同じ存在ではないということが分かった。 「迷子だ。困っているね。ああ、なら救ってあげないと。仕方ないよね、それが神の仕事だし。」 顔はベールのようなもので覆われておりよく見えなかった。声音も機械的で全く感情が読み取れない。 それだというのに、ニタニタと笑うような気配だけは何故か感じ取れた。 そして神と名乗る人物に僕は捕まった。 「人間は嫌いかい?それは可哀想に。そんな哀れな子羊くんでも、ぴったりな姿があるよ。」 そして気付けば僕は人間ではなく、人間の精神とリンクするとして世間で広まりつつあった新世代の生物、「リヴリー」へと姿を変えられていたのだった。 連れてこられた場所は、一本の木だけがあるところ。それ以外は僕が歩き回っていたところと何も変わらなかった。 ただ、その木の近くには既にもう二匹の姿があった。 「今日は迷子が大漁だなあ。そんな沢山の面倒を見るのは言葉通りに面倒、でしょう? だから今日からきみたちは私という神に仕える天使だよ。win-win、というやつだね。」 うんうん、と一人で頷いている自称神に対して、二匹はやっぱり状況が呑み込めていない様子であった。 『『『あの。』』』 そして同時に被る声。その声に目を見合わせる僕たち。おかしそうにしているカミサマ。 これが今の僕たちの始まりであった。
ゆっくりと瞼を上げる。そこはいつもと変わらない景色だった。 強張った体をほぐすため伸びをしていると、珍しくカミサマのほうが近づいてきて声をかけてきた。 「おはよう。よく眠れたようだね。」 『……はあ。』 夢見は最悪だった。しかしカミサマの皮肉(本音かもしれないが)に付き合う元気は僕には無かった。 「早速だけど、仕事が舞い込んだんだ。 暇じゃないけど、神の役目は果たさないとね?」 暇つぶし以外でカミサマが動くことがあるのかと驚いていると、その気配を察したのか、プンプン!とカミサマは自ら声に出して怒りを強調してきた。 「今、とても不敬を感じたよ。いついかなる時も神を軽んじてはいけないのに。」 『……別に、軽んじてはいないですけど。』 「口答えもいけないよ。さ、いいから行っておいで。」 何にせよ有無も言わせずいつものワープホールへと放り投げられる僕だった。 あんなことがあり、過去の夢を見たばかりの僕としては非常に乗り気ではなかった。 それでもこなさなければならない、そんな風に考えることが普通になってからもうだいぶ時が過ぎたように思う。
そこは小さな植木鉢のような盆栽のような、「島」と呼ばれるリヴリー専用の住居だった。 またリヴリー案件か、と嘆息していると、すぐ近くから「わあ!」と明るい歓声が聞こえてきた。 「放浪さん?放浪さんだ!」 声の主は高校生ほどの女の子だった。やってきたばかりの僕を「放浪さん」と呼ぶ彼女は、きっとこの島の持ち主であり、この島に住むリヴリーの飼い主なのだろう。 辺りを見渡してみると、綺麗なピンク色のモモスと可愛らしく着飾っているホムがこちらを不思議そうに見つめているのに気が付いた。 「あなたのお名前は……あ、名前無いんだね……。」 僕のバイオグラフィーを確認しながら悲しそうに眉を下げる彼女に、なんだか僕は申し訳なくなった。 『別に名前はなんでも良いんだけど、ワタメとかで。』 人間には僕の言葉は通じないのは分かっていたが、思わず呟いた言葉をピンクのモモスが拾ってきた。 『ユイ。この子、ワタメって呼ばれたいんだって。』 「え、そうなの?」 ホムと女の子が一緒に驚いた顔をする。ホムと通心中だからかなのか僕の言いたいことが女の子にも通じたのだろう。 なんだか恥ずかしくなって僕はその場に座り込んでそっぽを向く。 「そうのかぁ。でもワタメ、はちょっと寂しいかなって。それじゃさ、ワタちゃん、はどう?」 どう、と言われても。僕はそんなことより今自分が置かれている状況をま呑み込み切れてはいなかった。 きょろきょろと見回している僕の様子に、女の子は何かを納得したように、うん、と一人頷く。 「元の飼い主さんが戻ってくるまでうちでゆっくりしてね。 この子はユウちゃん、それからモモちゃんだよ。」 ユウと呼ばれたホム、モモと呼ばれたモモスは歓迎するようにニコリと笑って見せた。 『よろ、しく?』 仕方が無いので一応挨拶をした僕はひとり思考を巡らせる。 カミサマのことだ。彼らに何かしらの手助けをすることを求められているはずだ。 きっとこのリヴリーたちは何かしらに困っているか、もしくは女の子の方に何か困り事があるに違いない。 幸いにして家出として迎えられたので、ここから探っていけばいい。 しかしその考えを裏切るかのように、しばらくの時を過ごしてもここでは何も起こらなかったのだった。
『いや、本当に何も起こらなすぎでしょ。』 『どしたの?また考えごと?』 「ワタちゃんはいつも難しそうな顔してるもんね。」 家出としてやってきてから既に1週間。 平和が何かと問われればこの島での時間と答えてもいいくらいに何事も無く過ごしてしまっていた。 モモスもホムも女の子に毎日可愛がられており、当然例の危険なイベントに参加することもなく丁寧な世話とお洒落をしてもらっていた。 島の方も定期的に模様替えされており、ここで長い時間過ごすことになっても飽きるということは無いだろうと居候である僕ですら感じていた。 モモスもおっとりとした性格なようで、突然やってきた僕に対しても警戒心を持たずのんびりと接してくるので、僕の方もいつの間にか気を緩めて親しみすら覚えていたし、ホムの方も女の子そっくりの優しい雰囲気であり、僕の様子を女の子に教えたり、食事の好みを理解してくれたりと、かいがいしく世話をしてくれるのだった。 そんな平和な時が流れる島の生活でいくらか毒気の抜けた僕は、それでも当初の使命のことは忘れていなかった。忘れていなかったが故、この状況にどこまでも納得がいかなかった。 『君たち、ほんとは何か隠してない?』 『ええー?ん-、何かあったかなぁ。お散歩はみんなで行ってるし、おやつの時だってちゃんと起こしてるよ?』 『いや、そういうのじゃなくて……。』 「私も特に思いつかないなぁ。あ、ユイのガチャ運がとっても悪いって話はしたっけ?」 『ガチャ……?いや、多分そういうのでもないかな……。』 彼らと過ごしていれば隠し事が無いなんてことは明白だった。 それでもここに来させられたからには何かあるはずだった。そうでなければ僕がいる意味が無い。 そしてその何かを解決しないことには帰ることはできない。その考えが僕を焦らせていた。 『ユイって子。あの子は?』 「あれ?みんなお喋りしてるの?」 そんな話をしていると、ユイ本人が登場した。 ちょうど学校から帰ってきたらしい。鞄を下ろすといつも真っ先に僕たちの世話をしてくれるのだった。 「うん。ワタちゃんがみんな何か隠し事してるんじゃないかって心配なんだってさ。」 『ちょ、ちょっと。』 「えー!どうして?」 「そういえばワタちゃん、なんでそんなことを?」 『いや、あの。』 『なにか嫌なことあった?』 『そうじゃなくて!』 三方から問い詰められた僕は思わず声を荒げる。 しかし彼らは真面目な顔をして僕の次の言葉を待つばかりだった。 静まり返る部屋。 僕は途端ばつが悪くなったが、こうなっては仕方がないので言葉を続けるしかなかった。 『その、変だなって。ここは僕が行ったことのあるどこよりも平和で。 僕の手助けなんか全然要らなそうで……。みんな、穏やかで楽しそうで。 それが変なんだ。』 「変、なのかな?」 ホムのユウは困った顔をして言った。 僕はこくりと頷く。 『皆、誰もが何かを抱えているはずで。一人じゃ解決が難しい困り事のために僕はいるから。 でも、みんなには必要なさそうで。だから……。』 俯く僕に、みんなはしばらく様子を伺うように黙り込んでいた。 しばらくして、口を開いたのはユイだった。ユウ越しに僕の言葉を理解したらしかった。 「ワタちゃんの言いたいこと全部は分かってないかもしれないけど……。 私も、ユウちゃんもモモちゃんも、きっと一人じゃない、からかな?」 僕は思わず顔を上げる。そこには優しい表情で眉を下げたユイと、心配そうに僕を見つめるユウとモモの姿があった。 「私が学校とかでいないとき、ここにはユウちゃんとモモちゃんがいるでしょ? 私にも、たとえ外で嫌なことがあってもふたりがいてくれる。」 にこっと笑うユイ。同意するようにうんうんと力強く頷くユウとモモ。 僕が、そうじゃなくて、と言おうとしたところでユイは言葉を続けた。 「それに、ワタちゃんも今は一緒でしょ?だからワタちゃんもひとりじゃなくなったから、きっと大丈夫だよ!」 僕は目を見開いた。 『僕も?』 「そうだよ!みんな一緒!だからしょんぼりしなくていいんだよ?」 『しょんぼり……?僕が?』 「うん、なんかしょんぼりしてた。……違った?」 『……。』 「えーと、よし!こういう時はおやつにしよ!」 『わーい!おやつ!ほら、ワタちゃんも!』 『う、うん。』 その後僕たちはユイにとっておきのおやつを振舞ってもらうことになったが、僕はユイに言われたことをずっと考えていた。 手作りのリヴリー用クッキーを頬張るモモの笑顔と、それをにこやかに見守るユウ、一緒に自分のおやつを食べるユイの楽しそうな顔を眺めながら、僕は自分が何か思い違いをしているのかもしれないとふと思った。 カミサマのやることだ、こちらが想像もつかないことをやってくるのも不思議じゃない。 『うん、分からないことは仕方ない。』 『なにがー?』 「まだ難しい顔してる。」 「ふふ、でもちょっと元気になったみたい。」 『……お騒がせしました。』 こうして僕はある意味で開き直ることにしたのだった。 分からないことは仕方ない。どうせカミサマの気まぐれに違いないのだから、その時が来るまで僕はここで過ごすだけだ。
そうして過ごした1週間は本当に楽しいものだった。 そして僕はある意味で初めて、誰かと過ごすことに懸命になっていた。 自分が居候であるということを忘れるくらい、三人は同じ家族として過ごしてくれた。 同じご飯を食べ、一緒に散歩へ出かけ、島では川の字になって眠り、ユイに撫でてもらうのにはまだ慣れなかったけれどその温かさが嬉しかった。 明るいことばかりではなかった。ユウとモモが喧嘩することもあったし、ユイが泣きながら家に帰ってくることもあった。 けれど僕は積極的に喧嘩に割って入っていて、そのせいで巻き込まれたりもしたし ユイと直接話ができずもどかしくなり、どうしたら彼女を元気づけられるかと考える夜は眠れないこともあった。 けれどもそこに、居候としての義務、なんてものはなかった。ただ僕がそうしたいからという理由だけがあった。 そうして結果的にふたりの仲直りに立ち会って心から安堵したり、僕の必死さが伝わるのかユイは笑顔で僕を持ち上げて撫でてくれたり、 大小様々な出来事の全てが楽しく、そして僕に気付きを与えたのだった。 自分が本当はどうなりたかったということを。
そんなある日の昼下がり。 昼寝中のユウとモモ。島の近くでユイは読書をしていた。 穏やかな空気の中で僕もうとうととしていたところ、 「もういいでしょ。帰っておいで。」 そんな声がふと聞こえた。次の瞬間、僕の体はワープホールの中に転がり込んでいた。 『えっ!』 僕の声が聞こえたのか、ワープホールの向こうでユイが本から顔を上げるのが見えた気がした。 「ワタちゃん?」 しかしユイの見つめる島には、もうワタメの姿は無かった。
「おかえりー。」 呆然として座り込んでいる僕を見下ろしているのはカミサマだった。 僕は突然また常世に戻されたらしい。目の前にはもうあの三人との島は無く、懐かしくすらある白い景色が広がっていた。 「どうだった?卒業研修は。」 『卒……?』 状況を呑み込めていない僕に、面倒くさそうに溜息をつくカミサマ。 ���そ。まさか遊びに出かけてたつもりじゃないだろうね?」 『それはないですけど……。』 結局最後まで使命のことを忘れていたわけではなかった。 しかしあの島ではついに事件が起こることは無かったのだ。 「そうだよねぇ。確かにきみはあの島で良い立ち回りをしていたと思うよ。 でもそれはきみの言うところの“仕事”じゃあなかったもんね。」 僕は返事ができなかった。 現世に行かされる時、僕は常に仕事をするつもりで出向いていた。 そうすることで常世に帰ることができたし、故にそれがカミサマからの使いだと思っていたからだった。 しかし今回は違う。 「何度か言っているけれど、私はきみに“仕事”なんて押し付けたことはなかったけどね? 救済は神たる私の仕事なんだから。」 だからその使いをさせてたんでしょうが、と食い下がろうとしたところだったが僕はふと思った。 カミサマのいう救済とは何なのだろうかと。 「今回だって、私の仕事だったんだよ?きみの卒業研修として良い場所を見つけるのも苦労しているんだから。」 そう言ってカミサマは僕の顔を覗き込む。 「で、決まった?」 『は?』 突然の問い。当然僕は何を問われているのか分からず、カミサマの顔を見返すことしかできなかった。 「だから、転生先。いつまでもここにいるつもりだったの?」 そんないきなりの言葉に僕は混乱を極めた。 しかし一方で、先ほどまでの現世での出来事を考えると、この流れは必然だったのかもしれないと妙に納得する自分もいた。 何故ならあそこで過ごした日々を通して、ようやく自分のこの先のことを考えていたのだったから。 『……いつ?』 「今すぐ。それともまだここでやりたいことでもあるの?」 それを聞いて僕は小さく笑った。 『いいえ。丁度飽きたところでしたよ。』 「でしょう?で、どうするの。 時間、場所、存在。きみが望むところへ還してあげよう。きみごときの願いなら、神である私に叶えられないものはないよ。」 その言葉に、僕はそっと深呼吸をする。 そして意を決してついに答えた。 『僕は、元のところへ帰りたいです。 死ぬ前の、まだ兄貴が一人で決めてしまう前のあの家に。』 僕が本当はどうなりたかったのか。 あの冷え切った家を、同じく冷え切った目で見ていただけの僕。 あの家にいながら僕は当事者じゃなかった。何故なら全てを他人事のように遠ざけて、ただ過ぎ去るのを待っていただけだったからだ。 妹を義務で庇うのも、母の傍観を見下していたのも、父からの暴力に耐えるのも、兄の狂気に気付かない振りをしていたのも、 僕が僕自身を突き放し、あの家に関わらずにい続けていた為だった。 それは、最初からあの家にいなかったことと一緒だったのだと、今ならわかる。だから。 『僕は、僕の意思でもう一度あの家と向き合いたくなったんです。 それで何が変わるかは分からないけれど、僕は今度こそあそこにいた家族の一人として、もう一度やり直したいんです。』 僕の答えに、カミサマは無言でいた。 相変わらずベールで隠されたその顔がどんな表情をしているのは見えなかった。 しかしカミサマは出会った時と、ここを離れようとしている今とも、雰囲気は何も変わらないでいた。 「良いでしょう。」 しばらくの後、カミサマはぽつりと言った。 そしていつものようにワープホールを作り出して、僕の方を向いた。 「ここをくぐりなさい。そうすれば願い通りのところへ還れるよ。」 そう言うカミサマは、いつも僕をおつかいに放り出す時と同じ様子だった。 どれだけの時をここで過ごしてきたか分からない。それでも立ち去るときはこうも突然で、 それはここに訪れた時と同じだけの突然さであったと思うと、なんだかおかしくて笑ってしまいそうになった。 それでも僕に迷いは無かった。そしてワープホールに向かい、足をかける前にカミサマの方へ向き直った。 『今まで、お世話になりました。』 それに対し、カミサマはやはり無表情のような無機質なような声で返事をする。 「さようなら、ツグト。もう帰り道は無いからね。」 『はい……!』 そして僕はワープホールをくぐる。それと同時に手足の感覚がリヴリーのそれではなく、元の人間のものになっていくのが分かった。 振り返るともう入り口は塞がっており、常世の景色もカミサマの姿も見えなくなっていた。 どこまでも広がる暗闇。しかし遠くの方に光の点があるのが見えた。 僕はそこに向かって駆け出していく。 あの場所へ辿り着くまで、最後まで振り返ることは無かった。
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puterboy1 · 1 year
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The full text of the prototype version of Ringing Bell:
その声はチリンの鈴の牧場にもきこえたチリンはびっくりしてお父さんの羊にきいた。「ねえ、お父さんあれは何がほえているの?」「あれはね、狼のウオーが、やわらかぃ羊の肉をたべたいといってないているんだ。」「ククククク」「なぜ笑うんだチリン」「だってさ、羊なんて毛がモシャモシャはえていてたべにくいよ、クローバーの葉のほうがおいしいしのに」「とこらが、狼は羊をたべるんだよ。」「へえ、ほんとうかなぁ」
チリンはどうしてもお父さんのいうことがわからなかった。
ある夜のこと、ウオーは風のように山をおりてチリンの牧場にしのびよった。赤くただれた目のような気味のわるい三日月が空にかかっていた。ものすごい血の惨劇がおきた。番犬はたちまちのどをくいやぶられた、うろたえてさわぐ羊たちは全く無造作に殺された。ウオーは羊たちをみなごろしにしてしまった。しかし、チリンは生きていた。チリンは穴の中にかくられていた。そして、その穴の上にはお母さんが自分の身体でふたをしていた。お母さんもお父さんも死んだ。 チリンが穴からでたとき、惨劇はおわっていた、チリンの身体はお母さんの血で真っ赤にそまっていた。チリンは泣きはしなかった。「なぜ、どうして、ぼくたちは殺されるんだ、なんにもしなかったのに」おなかにいっぱいなったウオーは、谷間の秘密のかくれがの草むちらの中でヒルネをしていた、狼にとっては食事をする度に生命をかけなければならないのは辛かった。たまにしか、満腹しなかった。おなかがはるとすべて忘れた。ぐったりと気もちよく眠った。夢の中で鈴の音がするような気がして、ウオーはぼんやりと眼をあけた、すると眼の前に、赤い小さいなものが動いている。「なんだ、おまえは羊のこどもじゃないか。」
「そうだよ、ぼくはこひつじのチリンだ。」「いったい何をしにきたんだ。」「あなたが好きだからあとをつけてきたのです。」「アハハハハ」チリンの言葉を聞いて狼のウオーは大笑いした。「おまえはバカだな、羊は狼にとってはニギリメシかサンドイッチみたいなものだ。あれがこの前足でかるくただけば、おまえなんか一秒天国ゆきだぞ」「だから、ぼくはあなたの第子になりたいんだ、ぼくも強い狼のようになりたい」「なにい、あれの第子だって?とんでもないこというな」とはいったものの、このとき狼の心にはくすぐったいうれしさのこもった微妙な感情のさざ波がおきた。傷だらけ狼の心にあたたかい
ものが流れた。自分以外に誰も信じないで、生きていたウオーは、チリンをかわいいと思った、もともと単純な性質なのだ。しかし狼のすんでいるのは暗いおそろしい山の中のつめたい洞穴だ、緑色の美しい牧場ではない、花なんか咲いていない。人間に近づけないような、誰もこわくていないところにいなくては狼は安心して眠れない、みつかり次第殺されるのだ、狼は嫌われ者だ。「チリン、おまえここからかえれ、あれといっしょにきてもろくなことはひとつもない。」「いやだ、ぼくはウオーといっしょにくらす、ウオーのように強くなりたい」「おれは狼で、おまえは羊だ、羊は狼みたいに強くなれるわけがない」「つれていってくれ、ウオー、ぼくはどんな辛いことでもがまんする」山の霧はどんどんふかくなり、その乳色に過まくガスの中を二四の動物はどこまでものぼっていき、やがてすっかり姿がみえなくなった。狼のような強い動物になるためにチリンは毎日けいこした岩からとびおりたり相手の背後からおそったりのどぶえにかみついたり卑怯で、ずるくて悪がしこくて勝つ為には手段をえらずなんでも相手をなおせばよかったそれが狼の生きる手段、それが狼の哲学、チリンは身体じゆう傷だらけになった何度も死にそこなったウオーは容赦しなかった一年たつとチリンの目つきがちがってきたチリンの武器はするどい角だった三年目には誰がみてもそれは羊じゃなかった全身灰色でやせていてまるで角のある狼のようなすさまじいと動物に赤身していた。チリンはたたかうことしかし��なかった、そして決してひと声もなかなかった、黙ったままその槍のような角で相手をグサリとつきさした、たいていひとつきだった。「チリン、おまえはもう弱い羊じゃない、そのものすごいツキ三度に一度おれでもかわせないことがある。」「ウオーこれもみんなあなたのおかげだ。」「おれのせいじゃない、おまえがえらかったんだ、おれは最初のうちおまえはきっと途中でにげだす、そのときはおまえを殺してやろうとおもっていた。」「ぼくは何度もにげだしたかった、しかしウオー、ぼくはあなたをみて気をとりなおしたんだ、きっとそのうちウオーのようなリッパな狼になってみせる。そう思って頑張った。」「おれがリッパだって、おれは悪名の高い大悪党のウオーだぜ。」「ぼくはむしろ悪党になりたい、みじめでコンコンしている善良な奴より、血まみれの悪党のほうがリッパだ。」「おれは長い間ひとりだった、もちろん死ぬまでひとりのつもりだった。しかしおまえという仲間ができて何かだか生きるはりあいができた。」「ぼくは仲間じゃない、ぼくはあなたの第子です。」「いまは仲間さ、さってもきれない友だちさ、死ぬような危険な目にもあった、いつもおまえはおれをたすけてくれた、おれはいまでも世界じゅう誰も信じていない、狼だって友だちじゃない。しかし、チリン、おまえだけは心のそこから信じている。」「ぼくもです、ウオー、あなたを信じています。」「おれたちは仲間だ、友だちだ、これからもずっといっしょうだ、生まれた時も、おたがいの顔も種類もちがうが、死ぬときはいっしょとちかおう。」「ちかいます」
こうしてチリンとウオーはこのあたりで誰しらぬものない、凶暴仲間だ殺し屋になった。しかし、襲撃はいつも自分より大きな動物か、でなければ野性の狼、コヨーテの集団だった、そんな時、きちがいのように突進するチリンの姿まるで悪魔のようにすさまじかった。チリンの首には昔のように鈴はついていたが、その鈴の音を聞いただけどんな動物もふえる、おそれおののいた。ある日��オーはチリンにいった、「チリンおまえはもう本当に羊じゃなくなってしまった、おまえは今なら昔仲間の羊の牧場だって襲撃できるだろう。」「もちろんできるさ、でもあんなブヨブヨのレ連中とはたたかう気にもなれないな。」「いや、おまえのたたかう相手は羊じゃない」ウオーはにやりと笑った。「今度はひさしぶりに羊の牧場をおそう、しかしこの牧場には四頭のシェパード、六頭のコリー、三頭のセッター類の犬がいる、そしてライフルが三挺、もちろん失敗すれば生命はない、しかしおれはやってみたいんだ、どうだやるか。」「もちろん、ぼくはウオーとうにやる。生命は惜しくない」「よし、おまえの敵は犬だ、おまえは犬をひきつけてたたかっている間におれは牧場の中心まで一気に突進する」「わかったよ、それでいったい、いつやるんだ」「今夜だ、みろ、まっくろい雲があんなに早く走っている、風もでてきた」「「今夜はきっと嵐だ」「そうだ、この嵐にまぎれて、おれたちは夜襲をかけるんだ。犬も人間もこんな晩には家の中でちぢこまっているさ、だから、羊はおれがのどぶえに爪をたてるまで気がつかず、そのまま天国ゆきというしあわせなことになる」
その夜、嵐をついて、狼のウオーとチリンは出発した。空の底がぬけたようなものすごい土砂ぶりの中を二匹の血にうえたけだものはひた走りに走った。山の尾根に一気にかけおりて、めざす牧場を眼下に見おろす兵の上になった。「いいか、チリン、あそこだ、あの右はしは犬ごやだ、あの犬たちを外へおびきだせ、犬の声を合図に、おれは羊をおそう」「よしわかった、じゃウオー後で??」しのつく雨の中をチリンの姿は闇にきえていた。激しい雨にうたれながら、ウオーはみぎでつくった狼のように兵の上にたちつくしていた、嵐はますますひどく、雨は横なぐりのふとい縞もようになった。狼の眼はその中で火のにように燃えていた。やがて牧場の方角から、けたたましい犬のほえる声がきこえた。よし、今だ。ウオーはおもいきり後足で大地をけった、そしてみごとな跳躍をくりかえして、牧場へ殺致していった。雨はしのつくように降っていた、大地は声をあげていてウオーの血まみれの夜食ははじまろうとしていた狼は一度も明るい灯の下でゆっくり食事をしたことはないこれが狼の楽しい夜食。死ぬか生きるかだ。牧場は目前だった、雨にまじって羊の身体臭がかすかににおってきた。しかし、その時信じられないようなことがおこった。牧場の近くの草むらの中から、黒い影がおどりあがるとウオーにとびかかった。ウオーの胸に何かがつきささった。ウオーは心死になって、その正体不明の敵をつきはなすと、もときた斜面をかけのぼった。胸の傷あとから血がながれるのがわかった。夢中でかけてやっとくぼ地にかくれたが、黒い影はしつよいに追いすがって、更にひとつきした。
ギャーウォーの悲鳴激しい雨落雷青白い閃光の雲を走った天地の崩れるような轟音その時ウオーは見た血にまみれた殺人者の顔を
「おッ!チリン!きさま血迷ったな、おれだ、ウオーだぞ」「ウオー死ね!」「おれと知ってやったのか、おれをうらぎるのか」「いうなウオー、ぼくはこの日のくるのをまっていたのだ」「なんだと」「ぼくのお父さんもお母さんもおまえにやられて死んでしまった、ぼくはぼくをかばって死んだお母さんの血を全身にあびて生きのこったんだ」「チリン!きさま……」「おまえはぼく仇だ!「いっしょに死ぬとちかったのはウソか」「ぼくは羊だ、ぼくには何も武器もない、おまえに負ける、ぼくはどうしても狼より強くなって仇をとってやろうと思ったのだ、今か今かとその時のくるのを長い間まっていたのだ。死ね!ウオー」
チリンは最後のひとつきをウオーの心臓につきさした。ウオーはその時眼をあけた。息もたえだえになりながらウオーはいった。「チリン、いつか、おれはこんな風にしてとこかで野たれ死にすると思っていた。でもおれをやったのがおまえでよかった、おれはよろこんでいる」そうして、この孤独な狼は息がたえた。
「死んでしまったのかウオー、ぼくは仇をとった、長い間の苦労もこれでおしまいだ。」しかし、チリンの眼から大粒の涙がこぼれていた。「仇をとったのに、国じゅうで一番凶悪で恐れられていたウオーをぼくは致したのに、ぼくの心はちっとも晴れない、いや、それどころか今はかなしみでいっぱいだ。いつのまにか、ぼくはウオーを好きになっていたのだ、許してくれウオー、おまえが死んではじめぼく今でおまえの生き方も、おまえのひとりぼっちの心も、みんな好きになっていた、おまえなぜ、ぼくはおまえを殺したのだろう、ウオー許してくれ」
ウオーの死体を埋めるとチリンは泣きながら、どこともなく山をこえていった。
あたたかい太陽にぬれた森そよぐ花ねむそうな蜜ばちの音やさしい風遠くの山の残雪なんていいだろうでもどこにでも死斗はある小川の流れの中にもツルバラの茂みにもタンポポの葉の下にもなにかが生きてなにかが死んでいる
復讐のおわったチリンは、これからどうしようかと考えた。「ぼくはもとの羊にかえろう。緑色の牧場へいって仲間とくらそう」しかし、どの牧場へいってもチリンをいれてくれるところはなかった。チリンをみると、いっせいに犬はほえ、羊たちはにげていった。「ぼくが君たち救ったんだぞ、なぜぼくをこわがるんだ、ぼくはウオーをおとした、ぼくは自分の生命をかけて君たちをまもったんだ」羊の群の中から年老いた羊がでてきてチリンにいった「かえりなさい、ここはおまえのような血のにおいをするヤクザもののくるところではない、私たちは平和にしずかにくらしたいのだ」「くそ、なにが平和なだ、なにがヤクザだ、自分でたたかうこともしないで、人間や犬にまもってもらっているく卑怯者せに」
チリンは小川のそばにきた、そして水にうっつた自分の影をみて思わず叫んだ。「ああ、ウオーおまえ生きでいたのか」しかし、それはウオーではなかった、いつのまにかウオーそっくりになっていた自分の影だった、眼は火のように燃え、身体はやせこけて灰色の毛は泥によごれてボロ屑のようにすりきれていたそこにいるのは狼でもなければ羊でもない、何か得体のしれないゾッとするような生き物だった。チリンは自分が世界じゅうでたった一匹の本当のひとりぼっちになったことに気がついた、そして荒れ果てた岩山のほうへのぼっていった。
嵐の激しい夜、泣きやまない子羊がいると、母親はいった。「そんなに泣くとおそろしいチリンがきてひとつきに殺しますよ」子羊は母親の胸に顔をうずめた。「チリンはそんなにこわいの」「そうよ、だから泣かずに眠りなさい」
嵐にまじってかすかに鈴の音がきこえた。チリンの鈴!チリンの鈴の音時々きこえた。しかし、チリンの姿をみたものは誰ひとりとしていなかった。
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purplekittennight · 1 year
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力と愛と思慮分別の霊が共にいてくださるなら
イスラエルの王である主は、 あなたとともにおられるので、 もはや 災いを恐れる必要はない。ゼファニア書3:15(独)
神は、おくびょうの霊ではなく、 力と愛と思慮分別の霊を 私たちにくださったのです。Ⅱテモテ1:7
 ヨブ記42:7~13(14~17)
 ロマ 書14:13~23(通読箇所)
   (ローズンゲン『日々の聖句』4/18;火)
      ―――― α&ω  ――――
 私たちは、もう、 わざわいを恐れる必要はなくなるのですね。 聖書が啓示している神、天の神、【主】、 「『わたしはある(I am)』という者」と 名乗られる方(出エジプト3:14)が、 私たちとともにいてくださるので。 この方は、臆病の霊ではなく、 力と愛と思慮分別、慎みの霊なのですから。
 この方が、 苦難を受けたヨブの最期をどのように扱ってくださったか、 ヨブ記は次のように記しています。  
 【主】がこれらのことをヨブに語った後、 【主】はテマン人エリファズに言われた。 「わたしの怒りは あなたとあなたの二人の友に向かって燃える。 あなたがたが、わたしのしもべヨブのように、 わたしについて確かなことを語らなかったからだ。
今、あなたがたがは雄牛7頭と雄羊7匹を取って、 わたしのしもべヨブのところに行き、 自分たちのために全焼の献げ物を献げよ。 わたしのしもべヨブがあなたがたのために祈る。 わたしは彼の願いを受け入れるので、 あなたがたの愚行に報いるようなことはしない。 あなたがたは、わたしのしもべヨブのように、 わたしのついて確かなことを語らなかったが。」
テマン人エリファズと、シェアハ人ビルダと、 ナアマ人ツォファルは行って、 【主】が彼らに命じられたようにした。 すると【主】は、ヨブの願いを受け入れられた。 ヨブがその友人たちのために祈ったとき、 【主】はヨブを元どおりにされた。
さらに【主】はヨブの財産をすべて、二倍にされた。  
こうして彼のすべての兄弟、すべての姉妹、 それに以前のすべての知人は、 彼のところに来て、彼の家で一緒に食事をした。 そして彼に同情し、 【主】が彼の上にもたらされたすべてのわざわいについて、 彼を慰めた。 彼らはそれぞれ1ケシタと金の輪一つずつを彼に与えた。
【主】はヨブの後の半生を前の半生に増して祝福された。 それで彼は羊1万4千匹、らくだ6千頭、 牛一千くびき、雌ろば1千頭を持つことになった。
また、息子七人、娘三人を持った。 彼はその第一の娘をエミマ、第二の娘をケツィア、 第三の娘をケレン・ハ・プクと名づけた。 ヨブの娘たちんほど美しい女は、 この地のどこにも見当たらなかった。 彼女たちの父は彼女たちに、 その兄弟たちの間で相続地を分け与えた。
この後ヨブは140年生き、自分の子と、 その子の子たちを四代目まで見た。
こうしてヨブは死んだ。 年老いて満ち足りた生涯であった(ヨブ記42:7~17)と。
 パウロは、ローマにいる、 イエスによって【聖である霊】が心に置いてくださる 【父である神】の御思いによって生きるようになった 人たちに宛てた手紙に書いています。
【父である神】の御思いで生きる者は、 まだ、神との信頼関係が弱い人たちを 批判し、さばくのではなく、受けれます、と。
私たちの中でだれ一人、 自分のために生きている人はなく、 自分のために死ぬ人もいないからです。 私たちは、生きるとすれば主のために生き、 死ぬとすれば主のために死にます。 ですから、生きるにしても、死ぬにしても、 私たちは主のものです。  
キリストが死んでよみがえられたのは、 死んだ人にも生きている人にも、主となるためです。
それなのに、どうして、自分の兄弟を見下すのですか。 私たちはみな、神のさばきの座に立つことになるのです。 私たちはそれぞれ自分について、 神に申し開きをすることになります、と。
私たちは、互いにさばき合う思いが出てくるたびに、 その一つ一つをイエスの御前に差し出し、 知っていただき、受け取っていただいて、 兄弟に対して妨げになるもの、つまずきになるものを 置くことをしないようにしようと思うようになるのですね。
自分の信仰の基準とちがうからと、だれかをさばく思いは、 イエスの十字架刑での死刑に合わせていただいて 死んだものから出て来た思いであると認め、計算して、 イエスの御前にかなぐり捨て、 【聖である霊】と呼ばれる方が心に置いてくださる、 「相手を大切に思い、 その人が心を痛めることがないように」と配慮する 愛の思いを心に置いていただいて。 その人も、キリストが代わりに死んでくださったほどの 人なのだから、と。
神の国、【聖である霊】と呼ばれる方による 義と平和と喜びの中へ、と。
それで、この、【聖である霊】と呼ばれる方によって心に来る イエスの思いで生きる者は、【父である神】に喜ばれ、 人々にも認められるようになるのですから。
平和に役立つこと、 お互いの霊的成長に役立つことを 追い求めるようになって。
それぞれ、自分が持っている信仰は、 神の御前で自分の信仰として持っていて、 自分自身をさばくこともしないようにしていただいて。
そのような、イエスによって来てくださる 力と愛と思慮分別の霊、 【聖である霊】と呼ばれる方の働きの中へ、と。
今日も。
       ~~~~~~~~~~~~~~ 
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takigawa · 1 year
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大晦日、二題。 ①都内某所で黒い(トイプードルではない)大きいプードルがしきりに強く吠えている。見ると一匹が大きく吠えていてその15m位、先にもう一匹同じような黒いプードルが居て吠えられて強く反応してる。 更に吠えてる方のプードルの側に居る三匹目の黒プードルはおとなしい。 そこに「ムートン!ムートン!」と呼びかけながら俳優の吉田鋼太郎さんが登場! え? 吠えられている方のプードルを撫でて、吠えてる方のプードルの方に連れて行く。 一緒に居た女性が「この子たちは兄弟なんです」と教えてくれた。 吉田鋼太郎さん達の飼ってる三匹の黒プードル(その内、一匹の名前はムートンさん)でした😃 ②お詣りに行った際に仏様のお下がりで羊羹を貰ったので年末のオヤツに食べてる。(写真のやつ) 食べながら「おー、虎屋の羊羹の包み紙には、味のある手書き風の説明が書いてあるんだなぁ。【おもかげ黒糖】とか【白小豆はちみつ】とか😊これ親切だし、プレーンなようかんには何も書かないんだなぁ。 字体も含めて何か【江戸の粋】って感じだよなぁ。」と感心していた。 そんな話を家人にしたら大爆笑❣️ 「私が書いたんだよ?だって、元々は小さな箱に入っていたけど、取り出したら、どれがどれだか分からないからねwwwww」とツボに入ったらしく、しばし、明石家さんまバリの引き笑いしてました。 皆様、今年もお世話になりました。 ありがとうございます♪ どうぞ良いお年をお迎えくださいませ😊 (代官山 蔦屋書店 DAIKANYAMA T-SITE) https://www.instagram.com/p/Cm07KMsyWOT/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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kitatou403 · 1 year
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【※激しくネタバレしています】ドラマ「ハンニバル」S1~3感想/レクター博士を特徴付ける要素は山ほどあるけれど、ひとつ抜き出すとしたら口で他人を味わう嗜癖があることに尽きる
 まず前提として、この文章は映画版とドラマ版を比較する目的で書いたものではありません。  レクター、ダラハイド、クラリスへ連なる一連の映画も観たはずなのですが、十数年前のことで記憶が鮮明ではありません。今回は言及を避けます。別にドラマ制作陣も映画を再現しようとは思っていないだろうしね。
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 13話セットが3シーズン続く巨編なので言いたいことは色々あるのだけれど、通しで観て感じたのは冒頭伏せ字のとおりです。レクターは戦時中の事故で妹のミーシャを食べてしまったことが深く傷になり、今もやめられない嗜癖として引きずっている。S3前半で殺人犯はレクターからダラハイドに交代しますが、”噛み付き魔”ダラハイドも口唇口蓋裂という障害を持って生まれて肉親に疎まれ、また歯並びもガタガタのまま成人し、赤き竜に変身したいと思ってしまうほど心身に深い傷が残ります。
 口唇期、という語があります。赤ちゃんは唇で世界をとらえリビドーを満たす。薬物やタバコ、アルコールの依存は口唇期に問題があると考える方法です。私は別にフロイトの追従者ではないのでざっくり流すけれど、まぁ、世の中にキスや口淫の描写があふれ、フードポルノがメディアを席巻する今日の状況を見ると、どうも「口に入れる/味わう」ということは世の中の一大関心事なんですね。食と性欲の類似性は昔から頻繁に指摘され、研究対象にもなっている。世の中の人は口を使って快楽を得ることが大好きなのだなあ。
 美味しいものはそれなりに好きだけれど、料理がそこまで得意ではなく、ダラダラしたい日は冷凍うどんを袋のまま5分チンして昼食を済ませてしまう自分にレクターのヤル気は全く分からない。彼にはそれだけ切実な欲求があるのだろうけれども。
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 各話のタイトルがとても素敵だった。S1ではフレンチ、S2は懐石、S3前半はイタリアンで提供される皿の名前、S3後半は18世紀の銅版画家ウィリアム・ブレイクの絵画のタイトルでした。
 S3後半を経てからシリーズ全体を見返すと少々印象が変わる。レクターのもう一つの特徴は知りあった人を思い通りに動かすこと。ダラハイドもレクターの助言を受ける。レクターの人心操作は派手な殺人に覆われて見えづらいけれど、「巧みな言葉すなわち口を使って」「他人の感情を味わう」という点においては食人と何ら相違ないよね、と私は思う。精神的に去勢し屠殺する。原作のレクター博士は確か、弁が立つというかスラングが多すぎるというか相手を煙に巻く謎の話術の持ち主で、FBI捜査官たちから「意味がわからないから話すだけ無駄」みたいなことを言われている。ドラマ版は優雅な語彙で知人を静かに追い詰め、最終的に人を殺させる。  物理的な食人で肉を味わい、弁を弄して相手の精神の荒廃を味わう。食ってる部位は違うが手段は同じで、レクターはある意味とても素直な異常者なんだろうなあ…と思ったりしました。ハンニバルの関係者がだんだん暴力や殺人に対するハードルを下げていくのが恐怖で、結局一度も手を汚さずに済んだ人ってグレアム捜査官の息子くらいでは?ハンニバルとずーっと一緒に過ごして罪の感覚を麻痺させると、便宜上のレクター夫人であるデュ・モーリア博士のような末路に至るというわけです。彼の思う壺だろうな、最終話最終カット。悪夢かな…。
 デュ・モーリア博士についてはレッド・ドラゴン編のキーワードである「無垢すなわち子羊」「経験すなわち虎」の概念がそのままハマりそうです。  ウィリアム・ブレイク。18世紀イギリスの銅版画家、画家、詩人で、強烈で宗教的な「ヴィジョン」を目にしては絵と詩で世界を書き留めた人物とのこと。代表作は「偉大なる赤き竜」シリーズの絵と「無垢と経験の歌」という連作の詩だそうです。青空文庫のデータをサラッと読んでみたところ、彼は無垢なるものと、経験し変化したもののふたつを重要視している。この文脈でいくとデュ・モーリア博士はS1の「無垢」からS3の「経験」へ変貌を遂げたキャラクターの一人だとも読める。  S3後半で、FBI捜査官ウィル・グレアムは彼女に対し「かわいそうな博士。自分を偽って。ハンニバルに飲み込まれて、やつの腹の中で苦しみを味わったってわけだ」と言います。「私の地獄は獣の口に飲まれることから始まった。地獄の門はダンテが考案したもの。地獄の開口部はそれ以前の時代には口だと思われていた」と博士は返答する。なるほど。ここで噛み付き魔ダラハイドのモチーフに繋がってくるわけですね。  ダラハイドは盲目の女性と親しくなり、彼女に眠った虎を触らせる。ダラハイドから見た彼女は太陽をまとう女の姿をしている。
 ブレイクのヴィジョンは宗教をもとにしている。ダラハイドはブレイクの絵「The Great Red Dragon and the Woman Clothed in Sun(太陽をまとう女)」を崇め、絵の前で体を鍛え、自らが赤き竜に変身することを夢見ます。ブレイクの詩で扱われる多くの生き物のモチーフはけっして見たままの生態を書き表しているわけではなく、宗教的な象徴や人間の業についての暗喩ですね。例をあげると「毒の木」という詩では嫌な人に遭遇して抱いた感情を、植物を育てるように胸の中に抱える少年の内心が語られていました(ブレイクは全部こんな調子)なので当然、赤き竜の絵は「空想世界の赤い巨竜カッケ〜」みたいな話ではなくヨハネの黙示録で語られる「7つの頭に宝冠を戴き、10本の角を持つ“赤き竜”」の具現化なんですね、おそらく。  S3-11話のタイトル「And the Beast from the Sea」は聖書で語られる「深淵から出でたもの。7つの頭と10本の角を持ち、それぞれの角に宝冠を戴く”海から来た獣”」だと思われる。The_Beast+Revelationで検索すると、中世独特の気の抜けたタッチで、”赤き竜”が”海から来た獣”に権威を与えている絵がいっぱい出てきて面白い。味があって可愛い。でもこれ普通にレクターとダラハイドの関係ですよね…。こわ…。
 実は黙示録の獣と呼ばれるものはもう一体いて、「子羊のように2本の角を持ち、竜のように話し、海から来た獣の権威を補強する"地の獣"」という呼び名で知られているようなのですね。姿かたちがあまり説明されておらず、「偽預言者」とも呼ばれているようです。  これは人によって解釈は分かれるのでしょうが、私はS3-13話のタイトル「The Wrath of the Lamb」はブレイクの言う無垢なる子羊と、黙示録で獣の手助けをする子羊のダブルミーニングなんじゃないかと思いますね、もっと言ってしまえばFBIにもレクターにも親しむウィル・グレアムその人の二面性の暗喩なんだろうなと。黙示録の偽預言者の末路は海から来た獣とともに火の湖に生きたまま投げ込まれて永遠に苦しむというものなんですけれども、これはS3最終話で崖から水面へ身を投げるレクターとグレアムの姿に変則的に当てはまるんだよな…。救われねぇな…。S3後半はマジでヨハネの黙示録だった…。
 ヨハネの黙示録に正確に倣うと、本当はダラハイド(海の獣)とグレアム捜査官(地の獣=偽預言者)が一緒に身を投げるはずです。でもドラマ版は違う。黙示録の三匹の獣の内ゲバとでも言うべき戦闘の中、ダラハイドはレクターとグレアムの手によって絶命してしまう。  レクター(赤き竜)は黙示録にも描かれているように本来はFBIに取り押さえられて「深淵(牢獄)」に千年繋がれる運命だったはずなのですが、まぁダラハイドを捕まえるために囮として一瞬だけ外界に出たのですね。ドラマ版ハンニバルは黙示録とは別のルートを歩むことになりましたが、黙示録の獣と呼ばれる存在は全て表の世界から姿を消しました。   ☆☆------------ここまでの感想は聖書にまじで縁のない人間の妄言です-----------☆☆ まじで、なにか誤りがあったら教えてほしい。私の聖書の知識は阿刀田高の「知っていますか」シリーズで止まっているので情報の精度が真面目に低い。
頭を使うのも疲れたのでこのブロックはミーハーな感じでいきます!! ジャック無能かよ〜〜〜〜!! アラーナ、次々関係者と寝るのやめろ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!! ウィル・グレアム〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!謎の能力者〜〜〜〜〜〜!!!! グレアム捜査官を見ていると捨て犬を想像してしまうのは何故なんだぜ〜〜〜〜〜〜〜〜!!! 死体!!!ひどいよ!!!!美しいけどご遺体で遊ぶな!!!! 死体でミツバチを飼うな 死体に花を咲かせるな 死体でタワー作るのをやめろ 死体を鹿の角に刺すな そもそも人間を食うな 死体を刺される鹿さんも気の毒だろうが オシャレにダミアン・ハーストみたいな殺し方をするな〜〜〜〜!!! ダミアン・ハースト作品のあの綺麗な断面、もしやレクターみたいに凍らせてから電ノコで切ってる?? っていうか人肉の部位を選り好みするな 内臓だけ抜くな しれっと戦利品として腎臓とか抜くな どうせなら全部食え〜〜!! お料理!!めっちゃ美味しそうだけど、S1-1話を観た日に肉塊を見て良からぬ連想をしてしまいました〜〜〜!!! 各話のサブタイトルがお料理なのが厨二病的にビシビシ刺さります!!カッコいいよ〜〜〜!!! マッツ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!マッツ・ミケルセン〜〜〜〜!!自宅ではいつもジャージのマッツ・ミケルセン〜〜〜〜〜!!!!!!お前は最高だ〜〜〜!!最高だ〜〜〜〜〜〜!!!最高に知的でセクシーでフィレンツェの町並みが似合ってた〜〜〜〜!!!!スーツも、なんか変なペイズリー柄の七面倒臭そうなネクタイも似合ってた〜〜〜〜〜!!!!なんかのインタビューで「ま、僕、老いるから、年をとった僕のことも応援してね」と仰っていたが一生ついていく〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!美の暴力!!!!!北欧の至宝〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!すばら〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
あ、あと犬ね、うん。グレアム捜査官のおうちの犬たちがとても可愛かった。
*
最後に、サブタイトルについてはTwitterに連ツイしていたものを以下に纏めます。
●シーズン1 フランス料理 1話 Aperitif(食前酒) 2話 Amuse-Bouche(おつまみ) 3話 Potage(とろみのあるスープ) 4話 Oeuf(卵) 5話 Coquilles(貝殻型のグラタン) 6話 Entree(主菜) 7話 Sorbet(冷菓) 8話 Fromage(チーズ) 9話 Trou Normand(ノルマンディーの穴)コース料理の後半に備えて空腹を促す軽食。カルヴァドスと、林檎またはレモンのアイス) 10話 Buffet Froid(映画『料理は冷たくして(1979)』のタイトルそのまま。見どころは洗練されたインテリアと人がバンバン死ぬ様子らしい) 11話 Roti(肉、魚、ジビエ等のロースト料理。コース料理のメイン) 12話 Releves(小型の主菜) 13話 Savoureux(風味豊か)
●シーズン2 懐石/会席料理 1話 懐石(茶事の前に来客をもてなすための料理。飯、汁、刺身、煮物、焼物の一汁三菜を基本とする) 2話 先付(お酒とともに出されるつまみ) 3話 八寸(八寸角の木のお盆に山と海の幸を盛る) 4話 炊き合わせ(2種類以上の煮物を同じ器に盛り合わせる) 5話 向付(名称は飯と汁の奥に皿を置くことに由来する。なますや刺身) 6話 蓋物(おそらく会席料理。蓋のついた器に入った副菜) 7話 焼物(火を使う主菜) 8話 酢肴(酢の物) 9話 強肴(一汁三菜がひととおり提供されたあと、亭主の裁量で出される和え物や揚げ物、炊き合わせ) 10話 中猪口(広口の小さな器に入れた酢の物や和え物) 11話 香の物(会席料理の終盤はご飯、止め椀、香の物の三点が一つの盆にセットで出てくる) 12話 止め腕(会席料理の汁物) 13話 水物(果物、かき氷、飲料などコースの〆となるもの)
●シーズン3 イタリア料理 1話 Antipasto(イタリア料理の前菜。地域によって内容に差があるが、キノコや塩漬け肉、海や川の魚、チーズ、オリーブ、アンチョビ、酢漬けの野菜等が主流) 2話 Primavera(直訳すると“春” タケノコやブロッコリーなど野菜を多用する。春らしい色彩に仕上がった料理をプリマヴェーラ風と呼ぶ) 3話 Secondo(前菜+Primo Piatto、前菜+Secondo Piatto、前菜+Primo+Secondoのいずれかの組み合わせを選択して食べる。Primo Piattoはリゾットやパスタ等の炭水化物で、Secondo Piattoは肉や魚を使った主菜) 4話 Aperitivo(イタリアの夕食は21時前後。夕方に引っ掛けるスプリッツと軽食) 5話 Contorno(Secondoと同時に出される付け合わせ。漬ける、焼く、茹でる等シンプルな調理方法をとる) 6話 Dolce(デザート。ティラミスやパンナコッタ等) 7話 Digestivo(消化を促す食後酒。リモンチェッロ、イチジク酒、オレンジのリキュール等) 8話 The Great Red Dragon(偉大なる赤竜 ※サタンの別称) 9、10、11話のタイトルの前に8話の「The Great Red Dragon」を挿入すると18世紀の知識人ウィリアム・ブレイクの絵画の題名が現れる。9話と10話の絵はとてもよく似ているけれど、違うカメラアングルで描かれた異版とのこと。ヨハネの黙示録を描いている 9話 And the Woman Clothed with the Sun...(太陽を纏う女 ※聖母マリアの意) 10話 And the Woman Clothed in Sun(同上) 11話 ...And the Beast from the Sea(海から来たる獣) 12�� The Number of the Beast Is 666...(獣の数字は666)ブレイクの別の絵のタイトル。劇中の読みはsix six sixでした 13話 The Wrath of the Lamb(子羊の怒り)
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賛否は分かれているようですが私には合ってたみたいで楽しめました。映画も見返そうっと。
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usickyou · 2 years
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南極観測隊
 城ヶ崎美嘉
 アタシの朝は二人を起こすことから始まって、夜は二人を寝かしつけるところで終わる。時計をうしなった基地の窓は吹雪に覆われていて、つまり、この世界の時間はアタシだ。文句はない。自信もない。だけどやるしかない。もしどっちかに、あるいはどっちもに任せたとしたら十六時間の夜や二十時間の昼がたちまち足下をぐらつかせてしまう。足場がちゃんとしてなきゃうまく踊れないでしょ、と言ったとき二人はは神妙げに頷いてくれた。それはもう、子どもの頃の思い出みたいなのに日誌の上では七日前のことだった。  最初に起こすのは文香ちゃんだと決めている。彼女は非常に聞き分けが良くて、ただ朝が絶望的に弱い。特に燃料を節約するようになってからは青い寝袋で丸くなって到底起きようとしない。辛抱強く声をかけて、体を揺らして、そうしているうち次第に文香ちゃんになっていく彼女を見ているとアタシは家に帰ったら莉嘉の毛布をおもいきりひっぺがしたいなと思う。  文香ちゃんが起きると、一緒に志希ちゃんを起こしに行く。彼女は朝が絶望的に弱く、聞き分けも良くない。籠城するみたいな白い寝袋を二人で持ち上げて食堂へ連れていくこともよくある。そんなとき、イスに座りながら眠る小さなアザラシみたいな彼女を文香ちゃんがはらはらと見ているのは、すごく心地良い。こんなひどい日々の喜びに感謝したくなるような思いがして、レトルトのクラムチャウダーからはいつもより嬉しい香りがした。  アタシたちは犬を飼っている。朝食を終えると、代わりばんこに食べ物をあげに行く。「起きているでしょうか」と文香ちゃんが言う。「起きてるといいね」と志希ちゃんが言う。アタシは「任せてよ」と答える。なにしろアタシは時間だ。  観測基地の構造は入り組んでいて、広く、無駄がない。部屋同士を結ぶ通路にはむき出しの管や配線、それに案内図や矢印がある。初めての日にも迷うことはなかったし、今では鼻歌まじりに歩くこともできる。もっともそれはごく限られた場所のことで、リビング(とアタシたちが呼ぶ広い部屋)や食堂を中心としてそれぞれの個室、トイレとかバスルーム、倉庫……その一つがリカの家だった。  リカはアタシたちより早くからここにいた。理由は聞けずじまいだったかはわからない。リカは本当は、ノウという名前だ。アタシだけがこっそりと、二人で会うときだけリカと呼んでいる。小さな体や金色の毛並、恋しさがそうさせた。わんわんとあまり吠えたりしない。自分から飛びついたりしてくれない。そういうところは似ていないけど、かわいくて温かい。「リカ」と呼ぶと、アタシは嬉しくなった。  リカは家というより小屋、檻、そういう場所にいる。金網の向こう側に大人しく寝そべっていて、鍵を開くとぐうと顔を上げる。まだ眠たげな目を動かしてアタシを眺める。「リカ、朝ごはんだよ」と言うと、別に答えるでもないような調子で尻尾を一度だけ振る。缶詰のコンビーフのお皿に移して水を替えたりしているうちに、のんびりと近づいてくる。アタシはいつもするみたいにリカに触る。リカはアタシに噛みつく。アタシは思わずリカを叩く。リカは鳴き声をあげてアタシを離す。アタシは、後ずさりして金網に背中をぶつける。   リカを叩いてしまった。  だけど痛い。手のひらには深い穴が空いていて血が流れ出す。リカはもうコンビーフに夢中になっていてほとんど顔をお皿にくっつけているけれど、たまにアタシを見る。その気になればアタシを食べてしまうことだってきっとできるし、今日はちょっとした味見で済ますつもりかもしれないし、もしかしてムシの居所が悪くてつい当たってしまっただけかもしれない。そういうことって誰にでも、もちろんアタシにだってある。リカは大人しくて優しい子だけどこんな狭い場所に昼も夜もわからないままずっと押し込められて、たまにアタシたちが遊びに来る以外は一人でいて、それだって余計なお世話でむしろイライラさせてしまったのかもしれない。  でも、アタシはリカを叩いてしまった。  それでもう、何もかもが元に戻らなくなってしまったような気がした。点々と続く血痕がアタシたちを結びながら離した。アタシは今、リカを恐いと思っていた。背中には悪魔の羽が見えたし、その体以上に長く伸びた尻尾がゆらゆらと揺れ動いて次の獲物を探していた。  手のひらをシャツで巻いて、そうすれば血のにおいも届かないと信じながら注意を引かないようゆっくりと金網から背中を離した。リカは水を舐めてまたコンビーフ(いつもよりおいしいのかも)をかじっている。水音や、ねばついた咀嚼の音が聞こえる。なるべく音を立てないよう、おしりを滑らせて動いた。一メートルの距離を、とてつもない時間をかけて動いた。リカが顔を上げてアタシを見るたび、次の瞬間には飛びつかれて喉元を噛みちぎられる想像をした。幸いにもそんなことはなく、鍵をかけると金網越しのリカは空っぽになったお皿を何度か舐めてまた寝そべった。  アタシは「リカ」と言った。嬉しくなれと思いながら何度も何度も呼んだのに悲しいままだから、この南極に閉じこめられて初めてもう嫌だ、死にたいと思った。  それから、しばらく泣いてリビングに戻った。二人に話したいことがたくさんあって、特に規則正しい生活の大切さをちゃんと伝えたかったのに、うまく言えなかった。
 
 鷺沢文香
 私たちが可及的速やかに調べたのはまずノウがどこから来たのかということだった。しかしその情報は基地のどこにも存在しておらず、結果として焦燥と恐怖のみをもたらした。彼は一体、どこから来たのか。  次に調べたMSDマニュアルには幸いにも日本語版があったため、多くの情報を得ることができた。狂犬病からほ乳類咬傷、敗血症……ドッグイヤーを増やしながら志希さんが話す多くの情報を私が順序立ててまとめた。目の前の作業に没頭している間、少なくとも先の見えない不安からは解放される。仕事は人を救う。  私たちは動転していた。  美嘉さんが血を流して食堂へ戻ってきたとき、志希さんはほとんど恐慌に落ちた。震える目の奥に巨大な喪失が覗いたとき、美嘉さんが痛みや恐れを隠しながら笑ったとき、私は自らが年長者であることを強く感じた。そうでなければ、もし私が二人より年若ければ同じようには振る舞えなかっただろう。立場は人をつくる。アイドルが私を変えたように。  洗浄や消毒、止血の後に調査、抗生物質の投与やまた処置。マニュアルは聖書であり私たちは敬虔な子羊だったが、祈りは届かないこともある。美嘉さんは一晩を待たず発熱を起こしまた創部は化膿をきたした。なんらかの感染状態にあるのは明らかであり三日を経て状況に改善がみられない現在、私たちは決断を迫られている。  それはたとえば滅菌消毒されたメスや縫合針だ。注射器や麻酔薬の小瓶であり、開封を待つそれらだ。 「整理するよ」と志希さんが言う。彼女はリビングのホワイトボードのいちばん下に大きく『die』と書いた。  私は頷く。 「あたしが傷害で逮捕される」彼女はその上に『bust』と書く。私は「あるいは私が」と補足する。 「それと傷跡が残る」次は隣に『scar physical / mental』と書いた。そうしてから、それらに二重線を引いて私たちに死を残した。「これだけだよ、私たちにはこれだけ。だからあたしが手術する。質問は?」 「私が、します」と私は答えた。志希さんは「その震えた手で? あたしよりうまくできるの」とまた訊ねた。その冷笑的な様子は私をおびえさせ、また顔をかっと熱くさせたが正しかった。  彼女は「ごめんね、ひどい言葉だ」とすぐに言った。それから「死に触ったことはある?」と続けた。  私は答えた。小さな頃、一匹の猫がいた。猫はいつからか生家の庭に入り込み、私の小さな書架に居座るようになった。互いに干渉することはなく、私は書を読み猫は午睡をしたり夕方の間だけできるだいだい色の小さな日だまりで背伸びをしたりした。ある日、猫は死んだ。悲鳴をあげてしばらく苦しんだ後は私の腕の中でじっとしていて、そのまま息を引き取った。血栓による動脈閉塞だとは後に知ったが、私は何もできなかった。 「何もできなかったのです」と私はくり返した。 「だから自分の手で助けたい?」と志希さんは言った。その声が突然、あまり優しい響きを帯びるので私は私に会いたくなった。 「違います。ただ……何もせずにいられません」と私は答える。そうすれば震えもおさまると信じ手を握り、続ける。「今の私には、それができない」  志希さんは、困ったり怒ったりする様子を見せなかった。ただ優しく、「私がするよ」と言った。 「マウスとか、想像つくと思うけど、大きいのだとピッグとかあたしは文香ちゃんよりちょっと、ちょっとだけ慣れてる。切って膿を出して塞ぐだけ、失敗はないよ。でも、あたしにもへたなことがあって、それを文香ちゃんに手伝ってほしいな」 「それは」と私は言った。 「願うこと」と彼女は答えた。 「美嘉ちゃんの手をつないだり、あたしの目を見たりしてほしい。猫をぎゅっと抱きしめてたときみたいに、絶対にうまくいく、みんなで一緒に帰れるって思っててほしい。文香ちゃん。あたしたちはチームだよ。得意なところを発揮して、苦手なところを補って、最高のパフォーマンスを見せようよ」  そう言った志希さんがなんだか美嘉さんみたいに見えて、だから私はそう伝えた。彼女は「友達って、似てくるんだって」と楽しげに笑った。  それは、もっと美嘉さんに似ていると私は思った。
 
 一ノ瀬志希
 それは成功した。しかし成功はその時点での結果でしかなく、美嘉ちゃんが元気になるまで評価は保留される。より正しく言うならあたしたちが笑って帰れるまで、あらゆるおそれが消えるまで失敗はいつもそばに佇む。  そしてその時、あたしが彼女の手背を切開縫合した時、魔女が生まれた。  魔女はあたしの姿をしていて、あたしの声やあたしの目を使って絶えずあたしを苛んだ。きみの手術は成功した? きみのおこないは本当に正しかった? きみは言葉たくみに���香ちゃんを誘導して思うさま操った? きみは美嘉ちゃんを助けた? あの犬はどこから来た? きみは狂犬病を知ってる? それは感染部位から緩慢に脳へ進行して早ければ一週間あるいは数ヶ月をかけて発症すると確実に彼女を殺してしまうしその症状は……。  あたしはうまく眠れない。  手術からは三日経った。  美嘉ちゃんの状態は安定したし、改善は得られなくともそれ以上の悪化は避けられた。つまり、きみは成功した? 魔女が言う。窓に張りついた雪の奥の吹雪の中に立っていてこの雪はきみたちをすっかり凍らせたら満足して止むのかも、と笑った。次の瞬間には扉の前にいて君は失敗したと目を見て言った。  あたしは恐い。  扉はひとりでに開く。あたしは部屋を出る。今やひどく寒い通路の矢印をなぞってリビングへ戻る。文香ちゃんは美嘉ちゃんの手を包んだままでいて、もしかしてずっとそうしているのかもしれない。充分にありえる。だって時計も日も夜の月もない。あたしには自分がどれくらいの時間を一人で過ごしたのかわからない。一時間かもしれないし、八時間かもしれない。文香ちゃんにはそれができるし、あたしにはできない。 「そんな時間ですか」と文香ちゃんは言った。あたしが頷くと「もう少し休まれた方が良いと思います」とはっきり言った。あたしには自分の様子はぜんぜんわからなかったので、「約束したよね」と答えた。  彼女はそれで、納得してない気持ちを隠そうともせず「では、ノウを見てから休みます。志希さんも、どうか食事を怠らないでください」と何かの缶詰を持って部屋を出た。テーブルにはひよこ豆のスープと乾パンが置いてあって、ひとまず手だけを合わせた。それは美嘉ちゃんが教えてくれた。もちろん他に教えてくれる人はいたけど、この生活が始まってからは毎食毎食きびしく言われるのでちゃんと身についた。  やるせない仕草だ。すぐに忘れて、また叱られたかった。  自然に手は伸びた。見よう見まねで包んで彼女の手は火炎のように熱くて、今も体内でおこなわれている恐ろしい戦いを感じさせた。「ごめんね」とあたしは言った。「うまくできなくて、ほんとにごめん」 「今、何時?」と誰かが言った。 「志希ちゃん。今、何時?」と美嘉ちゃんが言った。 「わかんない」とあたしは答えた。 「日にちは?」 「わかんないよ」 「じゃ、朝八時にしよ。九月十日の、朝八時」 「うん、うん」 「ね、顔あげてみせてよ」  そう言った彼女が体を動かす音が聞こえた。あたしは閉じていた目を開いて、手から腕、ベッドへ視線を向けると笑顔が見えた。発熱のせいでいまだ曖昧な瞳の奥底にある心がかたちを取り戻しつつあるのがわかった。 「美嘉ちゃん」 「あはは、ひどい顔」 「文香ちゃんも、ひどいよ」 「休んでる?」 「まだ起きてると思う」 「呼んでもらっていい? 会いたくて、アタシもう死んじゃいそう」 「笑えないね」と言って、あたしは文香ちゃんの名前を叫んだ。基地中どころかこの島の端まで響くような大声をあげたせいで裂けた喉から血のにおいが香った。そうしてから床につっぷしてどうしようもなく泣いた。「ありがとう」と美嘉ちゃんが言うたび頷いて床に頭をぶつける、その痛みで一つひとつのおこないが救われて天に昇っていった。
 
 それから
 その日から三日が経った。城ヶ崎美嘉は元気になってリカとの仲直りを果たしたし、鷺沢文香は思い出の中の猫を優しく看取って、一ノ瀬志希が魔女見ることはもうなかった。もちろん狂犬病や資源の枯渇という恐れは残っていたけれど、その日、三人は快気祝いにとっておきの焼きそばを作って食べた。ここは日本の基地なので保存食ではあるもののそれがあって、とてもごちそうとは言えない代物だったし青のりや紅しょうがもなかったけど彼女たちにはかえって嬉しかった。  基地も嬉しくなって、思わず笑った。するとあたりが少し揺れて彼女たちを驚かせた。しまったと思って、また彼女たちが焼きそばに夢中になるまで基地は黙っていたし、それからは気付かれないくらい小さな声でおめでとうと何度も言った。  だけど、別れはやっぱり寂しい。  彼女たちはまだ気付いていないけれど、白く覆われた窓の外で吹雪はすっかり止んでいた。雪のほとんど吹き飛ばされた乾いた地平では数匹のペンギンがふらふらとさまよっていたし、その向こうからは救助のためのヘリが飛んできていた。そのさらに先では巨大な砕氷船が分厚い冬を打ち破りつつあって、プロダクションでは彼女たちのための仕事の準備が着々と進んでいた。  さようなら、と基地は別れの瞬間の練習のために言った。答えるみたいに「ごちそうさまでした」とよく揃った声が響いた。その声を聞いたとき、三声の和音がかつてこの場所に響いたどんな音楽より豊かな情感をもって壁から配管を伝い屋根に積もった雪を揺り落としたとき基地は気付いてしまった、なんてことだ、君は彼女たちのとりこになってしまっていた!
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asa6fuji · 2 years
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私たちはこの事実の証人であり、聖霊もこのことを証ししておられる。
使徒たちの宣教
5・27bそのとき、大祭司は使徒たちに尋問した。28「あの名によって教えてはならないと、厳しく命じておいたではないか。それなのに、お前たちはエルサレム中に自分の教えを広め、あの男の血を流した責任を我々に負わせようとしている。」29ペトロとほかの使徒たちは答えた。「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません。30わたしたちの先祖の神は、あなたがたが木につけて殺したイエスを復活させられました。31神はイスラエルを悔い改めさせ、その罪を赦すために、この方を導き手とし、救い主として、御自分の右に上げられました。32わたしたちはこの事実の証人であり、また、神が御自分に従う人々にお与えになった聖霊も、このことを証ししておられます。」
40b議員たちは、イエスの名によって話してはならないと命じたうえ、使徒たちを釈放した。41それで使徒たちは、イエスの名のために辱めを受けるほどの者にされたことを喜び、最高法院から出て行った。
答唱詩編
詩編30・2b+4、11+12、13
神はわたしを救われる。そのいつくしみをたたえよう。
詩編30
30・2b神よ、あなたはわたしを救い、 死の力が勝ち誇るのを許されない。 4神よ、あなたは死の国からわたしを引きあげ、 危ういいのちを助けてくださった。
11神よ、いつくしみ深くわたしを顧み、 わたしの助けとなってください。 12あなたは嘆きを喜びに変え、 あら布を晴れ着に替えてくださった。
13わたしの心はあなたをたたえ、 黙っていることがない。 神よ、わたしの神よ、 あなたをとこしえにたたえよう。
第二朗読
黙示録5・11-14
屠られた小羊は力と富を受けるにふさわしい。
ヨハネの黙示
5・11わたしヨハネは見た。そして、玉座と生き物と長老たちとの周りに、多くの天使の声を聞いた。その数は万の数万倍、千の数千倍であった。12天使たちは大声でこう言った。 「屠られた小羊は、 力、富、知恵、威力、 誉れ、栄光、そして賛美を 受けるにふさわしい方です。」
13また、わたしは、天と地と地の下と海にいるすべての被造物、そして、そこにいるあらゆるものがこう言うのを聞いた。 「玉座に座っておられる方と小羊とに、 賛美、誉れ、栄光、そして権力が、 世々限りなくありますように。」
14四つの生き物は「アーメン」と言い、長老たちはひれ伏して礼拝した。
福音朗読
ヨハネ21・1-19
アレルヤ、アレルヤ。すべてのものを造られたキリストは復活し、人類にあわれみをかけられる。アレルヤ、アレルヤ。
ヨハネによる福音
21・1その後、イエスはティベリアス湖畔で、また弟子たちに御自身を現された。その次第はこうである。2シモン・ペトロ、ディディモと呼ばれるトマス、ガリラヤのカナ出身のナタナエル、ゼベダイの子たち、それに、ほかの二人の弟子が一緒にいた。3シモン・ペトロが、「わたしは漁に行く」と言うと、彼らは、「わたしたちも一緒に行こう」と言った。彼らは出て行って、舟に乗り込んだ。しかし、その夜は何もとれなかった。4既に夜が明けたころ、イエスが岸に立っておられた。だが、弟子たちは、それがイエスだとは分からなかった。5イエスが、「子たちよ、何か食べる物があるか」と言われると、彼らは、「ありません」と答えた。6イエスは言われた。「舟の右側に網を打ちなさい。そうすればとれるはずだ。」そこで、網を打ってみると、魚があまり多くて、もはや網を引き上げることができなかった。7イエスの愛しておられたあの弟子がペトロに、「主だ」と言った。シモン・ペトロは「主だ」と聞くと、裸同然だったので、上着をまとって湖に飛び込んだ。8ほかの弟子たちは魚のかかった網を引いて、舟で戻って来た。陸から二百ペキスばかりしか離れていなかったのである。9さて、陸に上がってみると、炭火がおこしてあった。その上に魚がのせてあり、パンもあった。10イエスが、「今とった魚を何匹か持って来なさい」と言われた。11シモン・ペトロが舟に乗り込んで網を陸に引き上げると、百五十三匹もの大きな魚でいっぱいであった。それほど多くとれたのに、網は破れていなかった。12イエスは、「さあ、来て、朝の食事をしなさい」と言われた。弟子たちはだれも、「あなたはどなたですか」と問いただそうとはしなかった。主であることを知っていたからである。13イエスは来て、パンを取って弟子たちに与えられた。魚も同じようにされた。14イエスが死者の中から復活した後、弟子たちに現れたのは、これでもう三度目である。
15食事が終わると、イエスはシモン・ペトロに、「ヨハネの子シモン、この人たち以上にわたしを愛しているか」と言われた。ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの小羊を飼いなさい」と言われた。16二度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロが、「はい、主よ、わたしがあなたを愛していることは、あなたがご存じです」と言うと、イエスは、「わたしの羊の世話をしなさい」と言われた。17三度目にイエスは言われた。「ヨハネの子シモン、わたしを愛しているか。」ペトロは、イエスが三度目も、「わたしを愛しているか」と言われたので、悲しくなった。そして言った。「主よ、あなたは何もかもご存じです。わたしがあなたを愛していることを、あなたはよく知っておられます。」イエスは言われた。「わたしの羊を飼いなさい。18はっきり言っておく。あなたは、若いときは、自分で帯を締めて、行きたいところへ行っていた。しかし、年をとると、両手を伸ばして、他の人に帯を締められ、行きたくないところへ連れて行かれる。」19ペトロがどのような死に方で、神の栄光を現すようになるかを示そうとして、イエスはこう言われたのである。このように話してから、ペトロに、「わたしに従いなさい」と言われた。
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reallypaleninja · 7 months
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神殿の工事をさせることにせよ
エズラ6・7-8、12b、14-20
神殿の工事をさせることにせよ
エズラ記
その日、ダレイオス王はユーフラテス西方の長官たちに命令を下した。6・7「神殿の工事をさせることにせよ。ユダの長官と長老たちは、かつて神殿があった場所にその神殿を再建しなければならない。8この神殿を建てるために、あなたたちがそのユダの長老たちを援助することを、わたしは命ずる。その経費はユーフラテス西方からの税収による国費によって賄われ、滞りなく正確にそれを彼らに与えよ。12bわたしダレイオスが、この命令を下す。命令どおり実行せよ。」
14ユダの長老たちは、預言者ハガイとイドの子ゼカリヤの預言に促されて順調に建築を進めていたが、イスラエルの神の命令と、ペルシアの王キュロス、ダレイオス、アルタクセルクセスの命令によって建築を完了した。15この神殿は、ダレイオス王の治世第六年のアダルの月の二十三日に完成した。16イスラエルの人々、祭司、レビ人、残りの捕囚の子らは、喜び祝いつつその神殿の奉献を行った。17この神殿の奉献のために雄牛百頭、雄羊二百匹、小羊四百匹をささげ、また全イスラエルのために贖罪の献げ物としてイスラエルの部族の数に従って雄山羊十二匹をささげた。18そしてモーセの書に書き記されているとおり、エルサレムにおける神への奉仕のために、祭司たちをその担当の務めによって、レビ人をその組分けによって任務に就かせた。
19捕囚の子らは、第一の月の十四日に過越祭を行った。20祭司とレビ人は共に身を清めていたので皆清く、捕囚の子ら皆のため、仲間の祭司のため、また彼ら自身のために、過越のいけにえを屠った。
答唱詩編
詩編122・3+4ab、4cd+5
うるわしい神の家、エルサレム、かべも塔も輝いて立つ。
詩編122
122・3しげく連なる町、エルサレム、 すべての民の都。 4abそこにはイスラエルの部族、 神の民がのぼって来る。
4cdイスラエルのおきてに従い、 神に感謝をささげるために。 5そこにはさばきの座、 ダビドの家の座がすえられている。
福音朗読
ルカ8・19-21
アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、私たちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。
ルカによる福音
そのとき、8・19イエスのところに母と兄弟たちが来たが、群衆のために近づくことができなかった。20そこでイエスに、「母上と御兄弟たちが、お会いしたいと外に立っておられます」との知らせがあった。21するとイエスは、「わたしの母、わたしの兄弟とは、神の言葉を聞いて行う人たちのことである」とお答えになった。
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inu-za-dog · 2 years
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その場所は土地として登録されていない
またその場所を認識した物が存在しない
その場所に偶蹄類がいた
  濃淡のない
  足跡のない
  起伏のある
(どのような場所であっても
(一部の例外を除いて)
秒針は止まらないのだ)
<一月三十日>
雪は浅く降っていた
(遥か上空を、航空機が過ぎる)
微かなその音を聞いている物体がいた
物体はここ一ヶ月
自らの力で動いていない
物体は一つの生命だった
既に沈んでしまった魂が
さらに雪に沈んでいく
<二月十三日>
中国からの風が雪を散らしていた
物体には沢山の毛が生え始めていた
所々毛の隙間から
軟甲類は集まっていた
物体の目鼻口から体内へ
満腹になればその場から外に
物体のほとりには
外気浴をする軟甲類ばかりがいた
<>
物体の肛門から内臓を啜る影がいた
<>
影は定期的に来ているようだ
<>
影がもう一匹の影を連れてきた
つがいだろうか
兄弟だろうか
<>
物体は痩せこけ
過食部はほとんど残っていなかった
しかし影ともう一匹はそこにいた
森林限界 標高 - Google 検索
羚羊 標高 - Google 検索
鯨骨生物群集 - Google 検索
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bloodthirsty-world · 2 years
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I LOVE PUNK
Angel
僅かに残された女達
フランス系の彼女
悲しい表情をした人
うそつきと云う名の男
パパ
僕から愛した貴女
Mother Mary
無邪気な子供達
国民の顔を持つ利権集団
選ばれた子供達
あてもなく手探りで歩き始める彼女
見守るだけの僕
あの民族
聖なる者
米軍パイロットを気取ったアイツ
ヴィンテージマニアのアイツ
Billy The Kid
素敵な家へ帰るお嬢さん
ポスターの男
大人になりたくなかった僕
腐った大人達
ママ
ロマンチストな彼女
N氏
Thank Youとしか喋れないアメリカ人
宇宙飛行士
三流映画の主人公
しわくちゃな口の政治家
変わり者
友達
大事なママと妹
ボスらしき男
No.69と云う名のヒットマン
“母の愛”で包まれ“父の想い”で満たされ“仲間の声“で安らぐお前
与えた運命を間違えた神様
Sid Vicious
愛した人
パンクス気取ってたあの頃の俺
神様に会った奴
駄目なサラリーマン
JOKER
ブーツを咥えた猫
おじいさん
フライパン片手の女
湖をボートで進む恋人達
誰かの幸せを祈る少女
10年後の自分
黒人の子供
パラノイア
血を流す少年の母親
真っ白な手の平の彼
街ではしゃぐ悪ガキ達
青い瞳をした兵士
金と嘘で作ったようなスーツを着た偉い人
膝をかかえてる浮浪者
遊びを知らない子供達
悲しそうな顔をしてるニュースキャスター
泣き出した子供
チョコレートをくれた女
太陽の光を撃ち落とそうとする親愛なる友達
天国の小鳥
鳩の群れの中の少年
傷だらけの男
雑音に流され始めた奴等
声を殺しすすり泣く父親
終わりを待つ僕
笑い方を知らない飢えた子供
公園のベンチでキスをするカップル
裏組織の犬
醜いネズミ
完璧な奴
白い目で視てる奴等
何度殴られても笑って待ってる女
ソーダ水の海で溺れる少年
ゼリーの上で寝転がる少女
戻らないトカゲ
ロックな奴
青空に近づこうと屋根に登り口笛を吹きながら裸になった僕
皮一枚の肌の色で銃を持つ事になった男
幸福感に犯され戦いを忘れた男
狂ったように踊る女
恐怖に震える大統領
王様暮らしの男
プロの殺し屋
イカサマ野郎
笑顔のおばあさん
生まれたばかりの子供
大嫌いだったおじさん
背の高かった大人達
ヒステリックなシスター
月夜の狼
母を求める赤子
痛みも喜びも悲しみも知らない子供達
物乞いをするストリートチルドレン
気取って歩く身売りの少女
虫も殺せない少年
盗んだ指輪を売り付けようとする少年
待ち合わせに遅れて来た愛しい女
ヨウキナハイエナ
夜を待ち続けた僕等
私のヒーロー
飛べない天使
煙突掃除の老人
お婆さん
部屋の片隅で怯える僕
無邪気で繊細な女
ラクダで旅をする俺
くわえ煙草の野良犬
イエスキリスト
捨て猫の帰り道探す少女
君にしか似合わない僕
世界と共有したいと願う俺
大人じゃない俺
子供じゃない俺
頭を抱えるディレクター
怒鳴るマネージャー
あの子にばかり目をかける社長
本当の自分をトイレに流し、最高の笑顔でプロデューサーに唾を吐き、ブラウン管の中で中指を立てたアイドル
手紙を残した浜辺の二人
都合のいい時だけ女になる女
我がもの顔のおばさん
苛立つタクシードライバー
街中のワル共
偉い人達
高い鼻のあんた
スクラムを組んだ2人
僕の大好きな彼等
心底愛しあった二人
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蝶を狙う蜘蛛
無神経な大人達
僕の思い出と暮らしてる知らない人
不良少年
行方不明の恋人
鳥のように自由に空を飛びたいと願う男
ヴェトナムの少年
充血した眼の兵士
自由に唄うことをあきらめた鳥
きれいな心の持ち主
純粋な女
白い服を着た天使
旅人
ニュースキャスター
セーターを編んでくれたおばあさん
泣きだしそうなピエロ
プールの変死体
インディアンの羽根をつけた恋人
アメリカ映画を愛している奴
ノイローゼの友だち
いかれたロマンチスト
破滅型ロックンローラー
FAT BOB
C.B. JIM
BELL BOY
単車乗り
ストリッパーの腕に抱かれていたボス
死神
ヴァニラ
スーパーマーケットのパートタイマー
車泥棒
迷子
精神科の医者
神父
ペリカンの親子
コウモリ
戦闘服を着た男
チキンジョージ
12月生まれの山羊座の男
インタヴュアー
荒んだ心を持ったハニー
かわいい女の子
神様
ヒステリックな女
生クリームだらけの3匹の子猫
アパートの管理人
ケツに火がついてる犬
飛び下り自殺した男
おもちゃの兵隊
ミツバチ
年下のジャンキー
ちいさな子供たち
森を駆け抜ける狼
綺麗な眼をした女の子
海賊
飛行機乗り
悲鳴をあげる女
恵まれない大人たち
裸足の子供たち
親愛なる母
天国へいきたいと願う男
背広を着た男
動物愛護団体
平和のハト
窒息寸前の子供
あわてた母親
肩をすくめている天使
スピードのぬいぐるみを着た男
世界で一番素敵な女の子
礼儀知らずの可愛いスカンク
アラスカ帰りのチェインソウ
PLATINUM BLOND
EDOWARD JACKET
BLACK SUEDE SHOES
50過ぎの売春婦
ちょびヒゲでとっても明るいデブ
ビードロのジャケットを着た浮浪者
15歳で��出した少女
太鼓たたきの恋人
シェパードを連れたパンク
ちいさな猿
傷だらけの天使
嫌われ者
ピンクの若いブタ
ピザ屋の彼女
誰とでも寝るような女
コバルトブルーの心の奴
ハート型のエプロンをした女主人
クスクス笑う奴
爪先で歩く猫
ベビーシッター
アヒル
ミッキーマウスの様な笑顔で愛しつづける女
リトルピンクサマー
スパゲッティ―ヘアーの男
青少年
マッチ売りの少女
おしゃべりキツツキ
夢をなくした友
荒れ果てた原野で生きる小さな虫
ミリンダ
グレッチ
RAVEN
暴走ピノキオ
血まみれのバカ
SUZIE
とても口じゃ言えないぐらいのヤンキー
泥だらけのハイエナ
目を閉じて夢を見ない女
踊子
21回目の誕生日の朝に死んだ女
かわいいジャンキー
SHERRY
スクラッチという街で愛を探している奴
赤いタンバリンを上手に撃つ女
ロメオ
内気なカンガルー
この世界で一番幸せな人
数えきれない星の中でギターを弾いた人
ドブネズミの死骸
ガソリンスタンドに住みたいと願う男
LAS VEGAS PAT TUNE SUMMY
SHERILL
砂漠の商人たち
レインコートに雨の雫が落ちて笑顔を浮かべた女
言葉より未来を信じた二人
進んだ奴
小さな恋のメロディーという映画を12才の時に観て細胞がそのままの奴
希望を捨てない鳥たち
うなだれた白人の浮浪者
街で転んで手のひらを切った男
髪を切って鏡を覗き込んでいる無邪気な人々
頭の中でハツカネズミがダンスしている男
国境線上の蟻
チョッパー乗り
街路樹の猿
珊瑚礁売り
はちきれそうなボディの女
傷だらけのボンティアック
偶然出会った友だち
ドアがとれたCAMARO
笑う振付け師
マドラスチェックハットをかぶった黒人ゲイ
ネオンを浴びて道ゆく人
猛獣使い
白黒のトラガラの猫
T型フォードのホッドロッドでスピンしてよだれを垂らしている女
理屈をつけたがるMONKEY FIRE
不良の森に潜む不良
静かな森の奥でカベにもたれて揺れる草を見ている少女
メキシコの砂漠の果てで独りぼっちの女
枯れたサボテン
不満気にレモン畑を飛ぶ鳥
花びらが揺れるように口づけをした二人
センチメンタルな北京ダック
頬紅つけて笑っている悪魔
冬支度をするリス
分厚い恋の悩みでとりこんでいる女
よくしゃべる女
街路樹の唄うたい
天国に近いハート
孤児のみつばち
青いサングラスをしたピアノ弾き
優しく揺れるコスモス
銀河をさまようビーバー
夢を抱いて青空を見上げる若者たち
ぺピン
MARUUANA BROTHERS
ROBIN
SALINGER
HIPSTAR
MINNEY THE MUTURE ENLIQUE
GREEN JELLY
BLUE JELLY
PURPLE JELLY
METAL KIDS
MERRY LOU
PUNKS
TERRY
RUBY
ELIZABETH
ZONBIE
SAMMY
DERRINGER
D.I.J.
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mogi-3 · 3 years
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読書記録「星の王子さま」🙂 砂漠に不時着した飛行士と砂漠で出会った小さな金髪の少年(王子様)とのやり取りから始まるお話。どんな旅をして地球に来たのか、出会った時とは違い別れの時の飛行士とのやり取りの変化が悲しいけど心が温まる…そんな感じなお話?説明しにくいꉂ(ˊᗜˋ*) 🪶…「人にはそれぞれその人が出来る事を求めなくてはならん」 「権威というものは、何より道理にもとづく」 🪶…「最初は他の十万のキツネと同じ、ただのキツネだった。でもそれから僕達は友達になって、今ではこの世で1匹だけのかけがえのないキツネなんだ」 🪶…「物事はね、心で見なくてはよく見えない。一番大切なことは目に見えない。」 🪶…「人は皆その人なりの星を持っている。 」 ※以後感想(ネタバレ注意?) 読むきっかけは君の膵臓をたべたいのヒロインのお気に入りの本だったのと有名な作品だったので😌 正直最初の方はとっつきにくかった。アナコンダやら羊やら…徐々に星の王子さま(小さな星に一人で住む王子)の星の状況が分かってくると少しづつ話が分かりやすくなってくる。 バラに嫌気がさして色々な星を旅して星毎に個性的な人物と出会う。自己顕示欲の強い人、支配欲の強い人、灯りの点灯を繰り返す人、懐かせて欲しいキツネ… バラ以外と話した事が無かった王子が、大人の強欲さや理不尽な面、他人の為にただひたすら努力できる人の素晴らしさ、友達という大切な存在…旅の中で少しづつ成長していく王子の様子と、その話に感化される飛空士。 数ある物や人でも関わり、大切に思う事によってそれが数ある中でも特別な存在となると言う事😌 互いに特別な存在となってからの二人の別れ…星に帰せると言う蛇…バラの為に星に帰りたがる王子と、ヘビは危険だと引き止めたい飛空士のやり取りがなんか切なかった。 星に戻る…死んで肉体から解き放たれ星に帰る、星になるって事なのかな?? 大切な事は目では見えない。 観葉植物、人、物、誰にでも特別な物や存在がある。でもそれは第三者から見たら全く分からない。 人の趣味を馬鹿にする人にも出会った事があるはず、自分の価値観と相手の価値観は必ずしも同じでは無い。自分とって、相手にとってそれがどのような存在なのか考えながら対応して行かなきゃですね😌 話は変わるけど僕の好きな曲の歌詞の好きな所に少し似てる気もしましたꉂ(ˊᗜˋ*) →星のすみか「~僕が消え、遠い未来で化石になったら、人は僕に何を見るだろう。分析して、名をつけて、解読をしても、愛した人は僕しか知らない~」 …話が逸れましたが興味を持たれましたら是非😌 人によって受け取り方も違うと聞いた事も有るので、お試しを(*´ω`*) 藍坊主さんの星のすみかも是非( •̀ω•́ )✧ #読書 #読書記録 #星の王子さま #大切な事は目では見えない https://www.instagram.com/p/CRWVurosIJj/?utm_medium=tumblr
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yuupsychedelic · 4 years
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詩集「ACID WAVE」
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詩集「ACID WAVE」
1.「ACID WAVE」 2.「FAKE MOVE」 3.「BLACK JOKE」 4.「SENTIMENTAL FUTURE」 5.「EMOTIONAL JAIL」 6.「無口な花束」 7.「DEMAGOG RHAPSODY」 8.「NOISY BOY」 9.「FLOWER JAM」 10.「APOSTROPHE」 11.「ROAD MOVIE 〜 ACID WAVE:EPILOGUE」
1.ACID WAVE
謂われもない 正しくない そんな言葉に縋り付く幻想 つまらない 逃げ出したい そんな怒りに縋り付く妄想
Ah 僕らは何のために生きるの? 幻想 妄想 空想 瞑想 惑わされないで
ACID WAVE こわれもの ACID WAVE はぐれもの 激しい風に吹かれた 今こそ君を見つめ直せ
ACID WAVE いたみわけ ACID WAVE のれんわけ 激しい風が変えてく この世界を洗いざらい “あたしが変える”
さりげなく とめどなく こんな言葉に立ち止まる若者 痛みもない 信じらんない こんな時代に立ち止まる旅人
Ah 僕らは誰のために迷うの? 群衆 観衆 聴衆 大衆 波に負けないで
ACID WAVE ふれるなよ ACID WAVE さけぶなよ 激しい風に吹かれても 何も言わぬ君がいる
ACID WAVE つらくても ACID WAVE さみしくても 激しい風に乗ってくの こんな世界にも愛がある だから! “あたしが変える”
こんなに叫んでも 誰も動いてはくれない なぜ なんで どうして ゆるせない 感じるパワー みなぎるエネルギー 君も一緒に行こう
ACID WAVE ほんとうを ACID WAVE しんじつを 激しい風が吹いてる あたしがこの世界を変えるの
ACID WAVE こわれもの ACID WAVE はぐれもの 激しい風に吹かれてる 今こそ君を見つめ直せ
ACID WAVE こんどこそ ACID WAVE はしりだせ 激しい風に乗っていけ あたしはもう一人じゃないんだ 激しい風と共にいけ 立ち止まってる暇はないよ だから! “あたしが変える”
2.FAKE MOVE
AとBの関係が AとCの関係になる 私が言いたいのは そんなことばっかじゃない
根も葉もない嘘に 世界は覆われ 君が何かを始めるとき その嘘が障害物(ゲート)に変わる
Fake Movement 嘘と言ってよ 私はそんな奴じゃないの Fake Moment なんとかしてよ 私の暮らしが毀(こわ)れてく 人は誰もが夜明けを求めて それぞれの明日を捜すもの
ある花の咲く時 薔薇が邪魔をする あなたの言いたいこと ぜんぶ代わりに述べてくれる
見聞きした声に 世間も騙され 薄っぺらの#とやらで 拡散される気分はどうよ?
Fake Movement 止まらぬ声に 私が私を殺してく Fake Moment 支配されて 私が私じゃなくなるの 作りかけのpersonality 粉々に砕けてく この夜
アイドルでいるのも 楽なことじゃない 君が君らしくいられるのは その嘘を代わりに繋ぐ誰かがいるから
Fake Movement 戻りたいわ 私がまだ“it”だったあの頃に Fake Moment もう十分よ 私に何も求めないで!
Fake Movement もうやめてよ 私がこんなに頼むのに Fake Moment 拡散されてく ほんとは全部嘘なんだ
Fake Movement 言われるがまま 私に出来ることはなに? Fake Moment 流されるがまま ただ生きてくしかないのね
3.BLACK JOKE
I hate a money… I hate a money… I hate a money… I hate a money…
顔も声も知らない奴が 今日も有名人を叩いてた どんなに声を遮っても どこからか お前は沸いてくる Uh-Oh 二言目には溜息さ
世界は正解を捜すけれど その世界が意外と狭いように もしも君が 何にも知らない 知らされない 鳥かごの中の生き物だったら?
憎しみの先に何がある 欺瞞と疑惑の世界の中で 僕らは生きていくのだから 一言目に許せる勇気を 黒い嘘 さあ放て Black Joke!!
努力や失敗も知らずに まるでヒーローを気取ってさ お前は何様なんだ? そもそも正義ってなんだ? Uh-Oh 少なくともお前は正義じゃない
I hate a money… I hate a money… I hate a money… I hate a money…
諦めの先に何がある 人々が現実に絶望して 無言で立ち去った痕には 一言目に愛しさを Oh baby さあ放て Black Joke!!
思想が思想とぶつかり合い 声を挙げることを躊躇う者たち そんな彼らを嘲笑う お前らも子羊の一匹だろ?
憎しみの先に何がある 欺瞞と疑惑の世界の中で 僕らは生きていくのだから 一言目に許せる勇気を 黒い嘘 さあ放て Black Joke!!
諦めの先に何がある 人々が現実に絶望して 無言で立ち去った痕には 一言目に愛しさを Oh baby さあ放て Black Joke!!
どいつもこいつも お前も貴様も いい子ぶってんじゃねえよ!!
4.SENTIMENTAL FUTURE
僕の馴染みのサ店が 日曜 店を畳むらしい 太陽の眩しい真夏日 レーコーがあまりに美味しかったんで 思わずマスターに駆け寄り 「ありがとう」と握手を求めると コーヒー豆を持たせてくれたよ
声を挙げるだけで すべて変わると信じた あの日々が懐かしい
僕が愛した御神酒(おみき)屋も 近々 店を畳むらしい 学友とアジった帰り道 日本酒があまりに美味しかったんで 思わずバーテンに駆け寄り 「この酒どこのですか?」と尋ねると 住所をメモに書いてくれたよ
声を挙げるだけで すべて変わると信じた あの日々が懐かしい
君との馴れ初め古書店まで 明日 店を畳むらしい 論文に追われた夏休み 黒髪があまりに美しすぎた 思い出は色褪せぬまま
声を挙げるだけで すべて変わると信じた あの日々が懐かしい
声を挙げるだけで すべて変わると信じてた あの青春の日々が 今はただ懐かしい
5.EMOTIONAL JAIL
ある日 パソコンを開くと 君が一面に映ってた 何故だか 僕はわからず 電話をかけてみると 全部話してくれた
大根がふつふつと煮えるように 時がすべてを変えるだろう 君は無邪気に語るけど なにも変わりはしなかった
ある朝 ウトウトと目覚めた 君は隣で笑ってた 何故だか 嫌な予感がして ぎゅっと抱きしめてみると 君は笑ってくれた
茶柱が幸福(しあわせ)を繋ぐように 時がすべてを変えるだろう 君は無邪気に語るけど なにも変わりはしなかった
ある夜 ニュースを観ると 君が白ヘルを被って 波と波 消えた幻が 僕らの終わりだった 全部終わりだった
数年後 僕たちは離れたまま 風の便りで今を知る 見出しに小さなイニシャル それは僕の名前だった
突然何かに追われるように 僕は再び帰京した 君がもういないと知りながら 青リボンをずっと捜し続けた Aの街に少女の声 聞こえた気がしたんだ
6.無口な花束
柱の落書き まばらな観客 毎週水曜 青春捜して さすらう愛を あなたへ囁く
哀しきセレナーデは 醒めた夢への餞別
誰もいないステージで ひとり悟った恋の限界(フィナーレ) 無口な花束 黄昏(ゆうひ)の約束 サヨナラは何も言わずに
時代は変わった ここは変わらない 小さな劇場 無限の未来へ 信じ続けた夢は何も語らず
群青は水性の儚さで あの夏を静かに溶かした
誰もいないステージで ひとり悟った恋の限界 無口な花束 永遠(とわ)への幕開け 倖せの唄をあなたと友に
フィルムに残された 涙と歓び 来週水曜 もうここにはいない 記憶は風と明日へ消えゆく
誰もいないステージで ひとり悟った恋の限界(フィナーレ) 無口な花束 無言の客席 サヨナラは誰にも言えずに
あなたのためにずっと ひとり狂った恋を謳い 夢への舟が来るんだと 私はひたむきに信じてた 無口な花束 「ファン一同より」の文字 サヨナラは夜に隠して
7.DEMAGOG RHAPSODY
幸せになりたくない人なんていない 優しくなりたくない人などいない 淋しいのがいいって人はいない 怒られるのが好きな人もいない
ああ 愚民たちよ なぜ君たちはそんなに愚かなのか? ああ 愚民たちよ どうして君たちはそんなに馬鹿なのか??
悲しいほど静かな街の中で ただ大好きなものを投げ捨て 俺はここまで歩いてきた 素直に夢を追いかけてきた
ラララ ラララララ ラララ ラララララ
文句を言う前に 君のやるべきことをやれよ 誰かをアジる前に 君のやるべきことをやれよ
言いたいことを言えば 風の噂で火は巻き上がり 還ってきた時には姿を爆弾に変え 俺の前で導火線が切れる
あきらめろ もう遅いぜ あきらめろ もう遅いぜ
声を挙げるのが遅すぎたのさ もう止まりはしないのさ
暴走電車にようこそ 華やかな宴にようこそ
怒れ 怒れ 怒れ 怒れ 怒れ 笑え 笑え 笑え 笑え 笑え ぴえん ぴえん ぴえん ぴえん ぴえん しくしく しくしく しくしく しくしく しくしく
自分がヒーロー気取りで 正しさの意味さえ知らずに 君は正しさを語るつもりなのか それならケチャップを丸呑みしてまで 苦労の道を歩むことはないだろう?
おかしいことはおかしいと言うのだ 違うものは違うと言うのだ 寂しいときは寂しいと言うのだ せつないときにはせつないと言うのだ
神がこの星を創り 俺たちがここに産み落とされた 宇宙の法則の中 流星群に乗り 飛びたて 夜が嵐に包まれて かつてない狂騒 明日は闇に覆われて かつてない競争 着せ替え人形のように お前も変わり身が得意だな!
壊してばかりじゃ何も始まらない 叩いてばかりじゃ何も産まれない 涙ばかりじゃ何処も渡れない 争いばかりじゃ夢も翔ばない
華やかな週末に 綺麗なドレスで着飾って 鏡の間 集結する若人よ
ひどく暑い夏に あの橋を駆け抜けてゆく 髪を束ねた 少女ランナー
黒雲に青空は見え 彼方には遥かなる山 その滾るような美しさ 忘れかけてたもの 子供たちのあどけない微笑み 淋しかったから 声をかけてみよう
ロックは死んだ ロックは死んだ ロックは死んだ サイレントマジョリティー 広場に人は集まり まだ終わってないと声を挙げる 意味がないと知っていても 変わる可能性がある限り 闘い続ける 走り続ける それが人の慣性
ダイスを振れば 転がる石のように 気まぐれに時代は変わる
誰かの声に揺られて 転がる石のように 気まぐれに世間は変わる
最高の詩があれば 世界も変わるはずさ
もう一度 信じてみたい もう一度 愛してみたい
愛する勇気をみんなで持てば きっと世界は良くなる
パンドラの函を開く前のように カオスのない世界 まだ物語は始まりすらしない 人間なんだもの 毎日 君も生まれ変われる 世界はもっと良くなる
8.NOISY BOY
あの店でウォッカを片手に 世間を語った青年 過ちは恐れずに 明日を見つめていた
最終電車が過ぎても 何にも気にすることはなく 怒りに震えながら 正義を語り続けた
あれから何年かして 少年の姿は見えなくなった 今どこで何をしてるのだろう そんな想いが浮かんだ
道を健やかに 君だけのために走れ 最高の想いがあるなら それをぶつければいい 君ならできる 君ならやれる ここから君へ叫ぶよ 諦めるな 投げ出すなと 真っ白な空へ唄う
僕らが親父になって あの日の青年を見つけた 白髪になって シワも増えて なんだかやつれていた
最終電車が近づき 時計を何度も気にして ま��で達観したかのような表情で 山手線に乗り込んだ
あれから何十年か経って 少年の微笑みも無くなり 諦めかけたその眼に 勇気は消え失せていた
道を激しく 君だけのために走れ あの頃の想いがあるなら それをぶつければいい 君ならできる 君ならやれる いつまでも君へ叫ぶよ 諦めるな 投げ出すなと 肩を叩いて君へ唄う
帰り際に振り返り 「もう終わったのだ」と淋しそうに 髭を生やしてつぶやく老紳士は もはや別人のようだった
悲しいなら悲しいと言っていいよ 許せないなら許せないと言っていいよ
世界を的確に切り取っていた あの日の少年はどこへ?
道を泥臭く 君だけのために走れ 守るべき人がいるなら その人だけのために走れ
道を健やかに 君だけのために走れ 最高の想いがあるなら それをぶつければいい 君ならできる 君ならやれる ここから君へ叫ぶよ 諦めるな 投げ出すなと 真っ白な空へ唄う
まだ僕らは諦めるには早すぎる
虚しいほどの情熱で 君だけのために唄う あの日の Noisy Boyへ
9.FLOWER JAM
君が風に吹かれ 光を浴びていた頃 爽やかな暮らしを 無邪気に語っていたね
コーヒー豆にこだわり うんちくを僕に語る 追い風に乗って 淋しさを憂い 華やかな明日を信じた
少女よ あの場所で唄う ラブソングをもう一度
清らかな青春の日差しのように 思い出を書き記す夏
君に吹いた風が止み 光が闇に変わる 過去を捨てようとも 過去に縋るしかなく
都会を歩く 若者たちの叫びが 真夜中に駆け出す 切なさみたいに 憂鬱な明日を感じた
少女よ あの場所で唄った ラブソングをもう一度
艶やかな時代の声のように 熱く燃え上がった夏
少女よ あの場所で唄う ラブソングをもう一度
清らかな青春の日差しのように 思い出を書き記した夏 眩しすぎた夏
10.APOSTROPHE
まだ秘めた気持ちを 形に出来ぬまま 私は星になった
いいねの数ばかりが 話題になる世界で 私は星になった
百億分の一 不幸のナイフが傷になる 愛する意味を知らぬ者が 幸せ 殺しに来た
ひとりの声 混じり合い いつしか世代になった 心のフィルター くぐり抜けて 届くのは心無い声 ああ 私はここにいなくていかい? まだ 私はここにいるべきじゃなかったかい??
いつの間にか過ぎてく 時間は風のように 私も大人になる
右も左もわからず その声 波のように 私も大人になる
七十億分の一 誰かに愛された人たち あなたに誇りがあるなら 画面の向こう側を感じて
ひとりの声 重なり合い いつしか時代になった 正義のフィルター 回り道して 伝わるのは心無い声 ああ 私はもう何も言わなくていいかい? まだ 私はもう何もしない方がいいかい??
喜びも悲しみも 全部抱きしめて あなたに愛があるなら 傷つけ合うのはもう終わりにしよう?
ひとりの声 混じり合い いつしか世代になった 心のフィルター くぐり抜けて 届くのは心無い声 ああ 私はここにいなくていいかい? まだ 私はここにいるべきじゃなかったかい??
ひとりの声 たしかめあい いつしかナイフになった 最後のフィルター くぐり抜けて 届くのは心無い声 もう 世界は誰のものでもないんだ…… さあ 世界に絶望するのはやめよう……
雲ひとつない青空 幸せのエールを投げた 悲しみも 喜びも すべて 今はどうでもいいよ 愛する人たちへ 愛せなかった人たちへ 何者でもない少女の詩を
11.ROAD MOVIE
愛する意味も 夢見る意味も知らず ただ叫び続けていた ただ泣き続けていた 誰かに操られるがまま 私は何かを変えようとしていた 変わろうとしていた
しかし 何も変わらず 今日も世界は回っている 私たちの声を聞こうともせず 今日も世界は変わっていく 誰のために頑張ってきたのだろう 何のために声を上げてきたのだろう
気付いたとき すべてが空っぽになっていた 気付いたとき 誰も周りにいなかった 気付いたとき 私は独りになっていた
誰にも気付かれないように 早朝家を飛び出した 最寄駅から各停に乗り 始発電車で故郷を後にした 愛を捜すために 夢を探すために 私は旅に出たんだ 旅に出たんだ
流れる景色は見慣れたはずなのに 今日はなんだか美しく見えるね 流れるビル群と住宅街の調べ すっかり季節は変わってしまったけれど この街は何も変わっていない ぎゅっと抱きしめてくれた 不安だった私をそっと見送ってくれた ありがとう ありがとう 涙が止まらなくなる
それでも 私は旅に出なけりゃいけない 世界の意味を知るため 旅に出なけりゃいけない 知らない世界を知るため 今日旅に出なけりゃいけない
世界がさらに速いスピードで流れていく 私の探していたものは何だったのか だんだんわからなくなってきた でも これでいいんだ わからなくてもいいんだ 地図を広げて目的地を確認してみた 知らない土地へ行くのはいつも緊張する 受け入れてもらえないんじゃないかと怖くなる でも これでいいんだ 怖くてもいいんだ
なんでもない日に旅に出よう ありきたりでいいんだ 無計画でもいいんだ ロードムービーみたいな旅に出よう
何時間か電車に揺られると お腹が鳴り始める 次の駅には売店がある ここは牛肉が有名だから 思いっきり腹を満たしておこう
そんなこんなで駅をブラブラしてたら 目当ての電車を乗り過ごした ちょっぴり焦ってしまったけれど でも これでいいんだ 焦らなくていいんだ 時間とは一旦距離を置く そう決めたんだ 私は決めたんだ 紫陽花が咲く頃に こう決めたんだ 私が決めたんだ
なんでもない日に旅に出よう ありきたりでいいんだ 無計画でもいいんだ ロードムービーみたいな旅に出よう
太陽が沈み 深い夜が顔を出す ただ叫び続けていた 泣き続けていた 少女の頃を思い出して 懐かしさに浸りそうになったけれど もういいんだ 水に流すんだ
かつて 私はわんぱくだった もはやその面影すらなく ただ大人になりかけていた そんな私をある人が変えてくれた 私は声を上げることを覚えた これまで無関心だった世界に興味を覚えた
気付いたとき 私は輪の中心にいた 気付いたとき もう戻れなくなった 気付いたとき 誰も相手にしなくなった
見知らぬ声が怖くなり ついに私は旅に出た いつ帰るかもわからない そういう旅だ 行き先も決めずにぼんやりと 流れる景色を見つめてる 明日の宿とその日の下着 これさえあればどこへでも行ける そういう旅だ 私だけの旅なんだ
なんでもない日に旅に出よう ありきたりでいいんだ 無計画でもいいんだ ロードムービーみたいな旅に出よう
今日の宿は友達の家 ご両親の気づかいが嬉しかった 友達も優しかった カレーライスが美味しかった お風呂は気持ち良かった 当たり前のように見えて当たり前じゃない そんなふつうが嬉しかった 友達と居られるのが幸せだった
翌朝 私は再び電車に乗った 片道切符でどんどんいこうか 青空があまりにも眩しかった もうとっくに夏は終わったというのに なぜこんなに暑いんだろう だけど もういいんだ 気にしなくていいんだ いつか涼しくなるよね だから もういいんだ 気にしなくていいんだ
なんでもない日に旅に出よう ありきたりでいいんだ 無計画でもいいんだ ロードムービーみたいな旅に出よう
どこまでも行ければそれでいい 雨の日でも傘は差さない 世間の声などどうでもいい 制服なんていらない 友達気取りももういらない
何度か友達の家に流れ着き ありったけの愛を注いでもらった 友達は皆やさしかった 戸惑うこともあったけれど これが旅だと思うと心が軽くなった 好きな人のラジオが耳に届く度 もっと遠くへ行こうという気になった もっともっと旅がしたかった
なんでもない日に旅に出よう ありきたりでいいんだ 無計画でもいいんだ ロードムービーみたいな旅に出よう
行き先を決めなかったつもりだったけど 実は最初から決めていた あと数十キロで あと一回の乗り換えで カウントダウンが始まる
もうすぐ街に着く かつて夢にまで見た街だ もうすぐ旅が終わる いや始まりだ 私にとっての再始動
どうでもいいと言われた 君には期待していないと言われた 死ねとまで言われた そんな人たちを見返すために もう一度やり直す まだ愛とやさしさが残っているうちに この街でもう一度やり直す 私はまだ死んでいないから
なんでもない日に旅に出よう ありきたりでいいんだ 無計画でもいいんだ ロードムービーみたいな旅に出よう また数週間が経った やっと目的の人に逢えた 私は二度目の青春を始めた どんな瞬間よりも喜びを感じた 生きるってこんなに楽しいんだね 久々の感覚だった この街で生きられるのが嬉しかった 変わっていくのが楽しみだった
しかし変わらなかった そう簡単には変わってくれなかった まっすぐな笑顔 人間のぬくもり すべてあるのに なんにも変わってくれなかった だけど気付いた もう一度気付いた 私が変わろうとしなかったんだと 変わるために頑張れていなかったんだと
自暴自棄になりそうだったある日 ある人が教えてくれた 「君の自由は当たり前のものじゃないんだよ」 未だ名前はわからない とにかくあったかい人だった 忘れかけていたものを三たび思い出した もっと純粋に夢を追いかけてもいいんだ もっともっと熱く世界を語ってもいいだと
だから もう一度旅に出ることにした あの旅に出た時の感覚を思い出すために もう一度旅に出ることにした
いつかまたやり直せる この街は私をぎゅっと抱きしめた 旅立ちの日は空があまりにも美しかった 今まで感じたことのない安らぎがそこにあった 見つめ合う自然の笑顔がやさしかった 「人は何度でもやり直せる」 そう感じさせてくれる空だった
なんでもない日に旅に出よう ありきたりでいいんだ 無計画でもいいんだ ロードムービーみたいな旅に出よう
今の私ならどこまでも行ける 行き方のわからない目的地がすべての目印 人生はみなロードムービー
Bonus.PROTEST SONG’20
やさしさの行進(ぬくもりの交信) はげしさの更新(かなしさの恒心)
さわやかな日々も ひそやかな日々も みんな同じだよ しあわせの価値は みんな同じだよ あいに生きる あいで生きよう あいを生きていこう きみが思うほど きみ��愚かじゃない
さみしさの漸進(つよがりの染心) いとしさの全身(たのしさの前進) はなやかな日々も ありきたりな日々も みんな同じだよ しあわせの価値は みんな同じだよ
ゆめに生きる ゆめで生きよう ゆめを生きていこう あなたが思うほど あなたは弱くない
詩集「ACID WAVE」Staff Credit
All Produced by Yuu Sakaoka(坂岡 ユウ) Respect to Pink Floyd, THE ALFEE, BAKUFU-SLUMP and MORE... Special Thanks to My Family, my friends and all my fans!!
2020.5.25 坂岡 ユウ
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