本棚の配分
さて、4月からは、再就職先も定年退職したので、自宅での作業が多くなろう。そこで問題になるのが、資料置き場。具体的には本棚だ。現在は、二階の書斎と、一階の玄関脇にある。最初の退職時におおよそのレイアウトは考えたものの、研究ということにより限定された空間を配分しようとすれば、それ以外の文学的なもの、哲学的なものは、ガレージの段ボール箱に収納するのが妥当だ。かといって、これを徹底しすぎると味気ない。少しずつ考え、実行していくつもりだ。
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イキヤ真澄樹しみれーと13
「ありがとう 俺に、独りじゃない描く喜びを教えてくれて 」
sz — 今日 17:31
さて…ここからしみれとどうしようか( ・∇・)
[17:34]
このルートのまま進めてって波乱を起こすもよし他キャラを投下するもよしイキヤ真澄どっちもがまだ抱えてる爆弾を解除するのにつとめるのもよしまったく新しい新ルートいくもよし…
4949cry — 今日 18:09
無限の可能性…
sz — 今日 18:10
しゅきいふしみれとがある人生
4949cry — 今日 18:11
(・∀・)
sz — 今日 18:11
ライフワーク…
4949cry — 今日 18:11
リアルに幸福度変わってくるとおもう
[18:11]
しゅきーふしみれとない人生のひとたち、幸福度あげるコスト高そう(偏見)
sz — 今日 18:12
たしかに( ・∇・)しゅきーふしみれとは幸福度あげる最短ルート
4949cry — 今日 18:14
イキヤ真澄が同居開始するとこまでとばすか…
sz — 今日 18:15
おけー
4949cry — 今日 18:15
樹さんは久しぶりの実家へ…
[18:16]
ますみんとイキヤくんはフラットスラブのたかーい天井の二階建ての物件に
[18:17]
本来オフィス用で古くて微妙だった建物を減築改装しリフォームして住めるように水回りなど整備した
[18:18]
二階建てだけどいわゆるメゾネット?
sz — 今日 18:18
かこいいー
4949cry — 今日 18:18
二階部分が一階部分の半分しかないみたいな
[18:18]
一階にひろーいスペースと水回り、二階に収納と個人の部屋二つ
[18:19]
天井が二階の高さまでぶち抜きの吹き抜け部分から自然光めっちゃ入る
sz — 今日 18:20
おれが住みたいそこ
4949cry — 今日 18:20
体育館の窓みたいな感じで二階から開け閉めしたり拭いたりできるような柵付きの通路あるかな
[18:20]
www
sz — 今日 18:20
超好きーメゾネット
[18:21]
おれのあこがれの家…
[18:21]
イキヤ喜ぶだろうな…
4949cry — 今日 18:21
まじか 生活するぶんにはそんなにいいと思わないけど
[18:21]
イキヤくんの「絵描きたい」を優先した間取りだな
sz — 今日 18:22
イキヤの絵でかいしな
4949cry — 今日 18:23
めちゃめちゃ敷地面積広い豪邸ってわけじゃないから居住空間はこぢんまりだぞ
[18:23]
私室とかそれぞれ6畳で まぁ各部屋にクローゼットがあるから部屋を圧迫する家具置かなきゃ事足りるが
[18:24]
その部屋の下部分の一階が水回りがある空間だから風呂もまぁそんな広くはない
[18:25]
けど元オフィスだったおかげで手洗いとトイレは一階にも二階にもある(・∀・)
sz — 今日 18:25
イキヤは豪華な生活求めてるわけではないしな、むしろ室内が広すぎるとすぐに真澄の危機に駆けつけられないのでいいのでは
4949cry — 今日 18:25
キッチンはオープンキッチンで空間の方に向いてるからアトリエにする部分の片隅にテーブル置いて食べる感じかな
[18:26]
真澄が間取り考えてるのでそこはかとなくオシャレではある…玄関側から雑然と生活感する部分見えなかったり
sz — 今日 18:26
わーい夢の住居
[18:28]
イキヤはアトリエにしてたマンションの部屋をきれいにもぬけのからにして他人に貸し出すか、真澄にあげちゃったかも
4949cry — 今日 18:28
「いらん…」
sz — 今日 18:29
「物件ひとつ増えるだけすよ(O O)」
4949cry — 今日 18:32
「まとまりなく一戸あると手間だけ増えんだろ」
sz — 今日 18:33
「(O O)じゃあ売る…??分かんねえ不動産とか…」
[18:35]
事情が… 実家はまだ…建ってるけど あいつのだし
4949cry — 今日 18:40
「まぁ部屋の価値は年々下がるから売るなら今手続きしておいてやるよ」
sz — 今日 18:42
「お言葉に甘えます(O O)ありがとうございます」
[18:43]
手続きってどんなかこれを機に真澄の脇からみててやんわりと学ぶイキヤ
4949cry — 今日 18:47
誰かと一緒に暮らすの初めてで(なんというか付き人とかじゃなく同居人だし)どきどきますみん
sz — 今日 18:49
おお…新鮮…
[18:51]
イキヤは物件みてはしゃぐ
[18:53]
わいわい騒ぐわけじゃないけど、天井とか部屋の中ぐるりと見まわして目見開いてる 目が元気にいきいきキラキラ… 肌ツヤツヤてかてか…
[18:54]
血色までいつもよりいい
[18:54]
「すげー家…」(O O)
[18:55]
「すげー… ずっとこんなとこがよかった
4949cry — 今日 18:56
「…」おめめきらきらしているイキヤくんを見詰めるますみん
sz — 今日 18:58
あのマンション、実家のポストに突っ込まれてたチラシだっただけで買っちまったけど ちゃんと探せばこういう家あんのか…(O O)すげー…」
4949cry — 今日 18:59
「…いや…この家は…」
[19:00]
引っ越し一式つんだトラックから荷物運びつつ
[19:00]
「…探しても売り出されてなかったろうな。うつひこの話聞いて僕が改築してこうなっただけだ」
sz — 今日 19:01
ダダダダって助走つけて走ってジャンプしてみる… 天井が一番高いところで… 天井に手つかねえ… たっけえー
4949cry — 今日 19:02
イキヤくんのジャンプにおお…って
sz — 今日 19:03
この真澄はSUIさんやってるんだろうか… イキヤは知ってるんだろうか…
4949cry — 今日 19:03
なんども仕事いっしょにして交流あるつもりでおった(・∀・)
[19:03]
このルート
sz — 今日 19:04
そういえば最初からそうだったなwww
[19:05]
真澄さんが手掛けた家に暮らすのか…贅沢だな
[19:07]
「仕事してる頃から真澄さんが作る家に住みてえなって思ってたから 思わぬ形で念願叶った」ふにゃ…わらう…
4949cry — 今日 19:07
かわ…
sz — 今日 19:10
「……(O O)でもその 新聞紙で覆ったりいろいろやっても… 俺むちゃくちゃ汚すんすけど…アトリエ… いいんすか」ここもそうなっちまう…
4949cry — 今日 19:30
「うん?うん だからコンクリ打ちっぱなしにしてあんだろ 転けんなよ」
[19:30]
イキヤくんぶっ倒れられないぞフラグ
sz — 今日 19:31
フラグ立ったなあw
[19:33]
いいのか…(O O) … …いいのか…!
[19:34]
絵が描ける この高さの天井で この広さ使って
4949cry — 今日 19:34
「向こう(キッチンとか水回り、二階に上がる階段があるあたり)は靴脱いで上がる床だから汚すな」
sz — 今日 19:35
…… 「はい」←わくわくしてて生返事
4949cry — 今日 19:35
他の部分はホースで水流して���いいけど丸洗いした場合は換気必須
[19:35]
窓がいっぱいあるがその分シャッターもいっぱいある(防犯のため)
sz — 今日 19:36
( ・∇・)この家っぽい資料にできる画像とか写真ないすか
[19:37]
口頭説明だとすぐ脳内で把握わやわやになるでな…
4949cry — 今日 19:37
うーん…
sz — 今日 19:40
もしかしたら山雪師匠のアトリエより広くて高くてデカいのかも…?
4949cry — 今日 20:19
かいた
[20:19]
2階の水道は消えましたw
sz — 今日 20:20
おあああああ
ありがとう!!!!!
[20:22]
あたまのなかで立体模型をつくる…
[20:23]
土間で描くのか…
4949cry — 今日 20:24
土間っていうかコンクリ打ちっぱなし床…
sz — 今日 20:25
そこで描くときは作業靴とか履いてるかもな
4949cry — 今日 20:26
この可能性もある
sz — 今日 20:26
キャンバスとめるネジとかガンタッカーの芯とか散ってて危なそう
4949cry — 今日 20:27
この場合階段は下に収納とかないスケルトン階段?というやつ
sz — 今日 20:27
ぐぐる
[20:28]
わーいかこいい!!!
4949cry — 今日 20:29
こうかも
sz — 今日 20:31
スケルトン階段、入り口からもみえたらかこいい スケルトン階段すきー!
4949cry — 今日 20:31
玄関の正面にスケルトン階段だな
sz — 今日 20:32
かこいいーー!!!ヽ(・ ω ・ *)/
4949cry — 今日 20:33
すぐ手洗えるようにキッチンが玄関側かもしれん 脱衣所にある洗面の手洗い台は歯磨きとか寝る前の綺麗な状態で使うのかも
[20:33]
土間の下のくぼみみたいになってるとこ、玄関
sz — 今日 20:34
なるほど
4949cry — 今日 20:34
スケルトン階段降りた横から見えるトイレ横の壁、絵とか飾れそう トイレは階段で見えにくくなってる位置かな
[20:35]
1階と2階の土間側の壁にでかい窓が三つずつ
[20:36]
他は自室に窓いっこずつ 風呂とかキッチンの壁に換気用の小窓あるかも?書き忘れたが
sz — 今日 20:36
いいなー!!
[20:37]
イキヤここに住むのか…いいなー!
[20:38]
窓が紫外線カットじゃなかったらイキヤすこし日焼けしたりするんだろうか
4949cry — 今日 20:38
2階の階段側の部屋、ドア開けてすぐ階段みたいな危ない感じに見えるけど実際はちゃんと少し壁とか廊下とか手すりとか柵があります
[20:38]
そうだな…ほぼ屋外
[20:39]
窓いっぱい在る側が南か西に向いているので夕方とかめっちゃ日がさし込んできそう
sz — 今日 20:40
二人とも肌だいじょぶか…
4949cry — 今日 20:40
ますみんは部屋にひきこもりますw
sz — 今日 20:41
描くのがひと段落したときイキヤが真澄シックになる
[20:42]
引っ越してきたら思いっきし容赦なく描く
[20:44]
気絶ではないがつい癖で汚れた姿のままコンクリの上で壁に背中ついて目閉じてそう
[20:45]
イキヤの短い短い浅い仮眠のようななにか
少し目え閉じるだけ…またすぐ描くし…このままでいいや…
[20:47]
10分くらいで目あけて立ち上がってまた続き描く
sz — 今日 20:48
絵だけじゃなくておもちゃとか置き物とかカラクリとかたくさん作る
[20:49]
!
[20:50]
「真澄さん、また建築デザインの仕事しないんすか」(O O)
[20:51]
突然思いついて突然真澄の部屋にきて訊く… わくわくキラキラおめめ…
4949cry — 今日 20:53
最終稿これでいく
[20:54]
事務仕事中だったますみん「…特に予定はねえけど」
sz — 今日 20:55
最終稿ーー!!!!わーーい!!!
[20:56]
「また一緒に仕事したい(O O)」
4949cry — 今日 20:57
通りに面していて明かりが入ってくるのが土間側の窓なので、窓から奥の方のカウンターキッチンで飲み物ついだりするのが暗がりにうっすら見えるんだろうな…
[20:58]
「(きらきらしてる…)一緒にか」僕が依頼するということでもないようだな
sz — 今日 21:01
「一緒にっつってもどんなでもいいすよ、真澄さんの建築デザインください、合うもの山ほど作りたい、全部使ってもらわなくていいから、」作りたい、作りたい、
「真澄さんのデザインに沿うもの作るのは楽しい
4949cry — 今日 21:03
きょとん
sz — 今日 21:04
(O O)
4949cry — 今日 21:04
… かわいい
[21:04]
「そうだな…」パソコンかちかち…
[21:05]
「これ」さっとPCイキヤくんの方に向ける
sz — 今日 21:05
師匠によくつっこまれました、真澄さんとの仕事のときはやたらいきいきして肌艶いいとかって、
[21:06]
!
[21:06]
」PCみる…
4949cry — 今日 21:06
「入院施設の設定を手がけた時の図面だ …死を待つような場所だがだからこそ…絵がほしい」
[21:07]
指さす「ここ一面と …ここと …化粧室にも」
sz — 今日 21:09
図面だけかな?外観内観とか景観全体とか個室のイメージ画像とかあるかな?
4949cry — 今日 21:09
「事後報告で好きにいじってもろくに何も言われない。下見に行ってもいい …費用と報酬は僕が払うよ」
[21:10]
「こっちもある …児童養護施設だ こっちは玄関のステンドグラスか、庭の装飾を依頼できる」
[21:10]
「あとは …
[21:11]
」いっぱい出てくるますみんのお仕事(・∀・)
sz — 今日 21:11
イキヤ、当然全部やるつもりでいるぞ…( ・∇・)
[21:13]
ぜんぶの案件をしっかり把握していくイキヤ… 「もらっていいデータぜんぶ俺のPCに送ってもらえませんか」
4949cry — 今日 21:13
全部やろうとしているのを察知したらますみんがそれ以上出すのをやめるし数点ひっこめる…w
sz — 今日 21:15
察知されるかもなぁぁww イキヤがPC見つめて固まって全部の案件を微動だにせずものすごい集中力で凝視しつづける様子でモロバレっぽい
4949cry — 今日 21:15
「…」そっと閉じられるウィンドウ
sz — 今日 21:16
イキヤーww
[21:16]
閉じられて(えっ?)てかんじの拍子抜けした顔になるイキヤ
[21:17]
「…まだありそうだった(O O)」
[21:17]
言うw
4949cry — 今日 21:18
「…順番な」
sz — 今日 21:19
こくり。頷く。
イキヤがクリスマスを待つこどもみたいになっとる
[21:20]
「…真澄さん、」
[21:22]
ますみんのデスク?の前、真澄がチェアとかに腰掛けてたらその横の床にうずくまるみたいに屈んで
[21:23]
真澄の空いてる手をとって自分の顔の前にもってくる
[21:24]
真澄の手の甲にほっぺたくっつける …ぴと
4949cry — 今日 21:24
ますみんの部屋どっちだろう… 奥(階段から遠い方)っぽい(・∀・)
[21:25]
ぴとってされるがまま …「?」首かしげる
sz — 今日 21:26
真澄の部屋が階段から遠い方のほうが、イキヤにとっては便利…か? 階段からすぐ降りて絵も描けて家事とかもできて
4949cry — 今日 21:26
そんな感じする
[21:27]
あ、土間とフローリングの床のとこは壁ないです 段差だけ
sz — 今日 21:27
引っ越してきた最初に階段使わないで自然と二階から一階に飛び降りて移動しようとして真澄に怒られてそうw
4949cry — 今日 21:28
「コンクリ素足は脚に負担でかいからやめな」
[21:28]
下に物あって踏んだらやべーしな
sz — 今日 21:29
おとなしくはい、て言うこと聞く…
@4949cry
ぴとってされるがまま …「?」首かしげる
sz — 今日 21:30
自然と柔らかい笑みが浮かぶ…
4949cry — 今日 21:32
壁→青
柵→赤 で描いた
sz — 今日 21:34
「真澄さんとの仕事が 初めてだったんすよ それまでにも色んな他人と関わって作るような仕事は、受けてもきてたけど
4949cry — 今日 21:35
ますみんの部屋の配置
[21:36]
イキヤくんドア入ったとこらへんかな
sz — 今日 21:37
…ずっと一人で描いてるだけだった 依頼主の意向とか仕事内容はしっかり汲むけど、俺の仕事は俺がするだけで ずっと一人で黙々と描いてるのと実態は変わんなかった ガキの頃から独りの体感ずっと一緒だった
[21:41]
…でもSUIさんの 真澄さんとの仕事で初めて、…誰かとコラボレーションしてるような、一つのものを一緒に作ってるような感覚が…して
[21:43]
それが凄く楽しくて、…楽しくて、心地良くて、頼まれてもねえもんまでたくさん勝手に毎日作って、毎日が 凄く 楽しかった…
4949cry — 今日 21:45
「…」そのことについてもますみん知ってて心配してたんだろうな…イキヤくんの作業ペースや取り組み方の感じ…
sz — 今日 21:48
…だからって真澄さんとばっか一緒に仕事したがって付き纏うわけにもいかねえから ずっと黙って抑えて
4949cry — 今日 21:49
「…(抑えていたのか…)」だだ漏れだったんだろうな(・∀・)
sz — 今日 21:49
…そっから高じて ずっと片想いしてた 」
[21:50]
真澄の手の甲に唇寄せる…
[21:50]
だだ漏れだったのか…ww
[21:52]
「ありがとう 俺に、独りじゃない描く喜びを教えてくれて 」
[21:52]
今まででいちばん大きくにっこり…
4949cry — 今日 21:53
手の甲にキスとは…
sz — 今日 21:54
やっぱイキヤはどーしても作ったり描くことについてのときに感情昂るしそのまま顔にもなんもかんもにも出るな…画家
4949cry — 今日 21:55
イキヤくんが笑っててますみん何とも言えん気持ち
[21:55]
このますみんまだ若いしな…
[21:56]
「…僕も 」キスされた手元に視線落としつつ
@4949cry
「…」そのことについてもますみん知ってて心配してたんだろうな…イキヤくんの作業ペースや取り組み方の感じ…
sz — 今日 21:56
ここを心配されていたとはまったくもって今も昔も思ってもみないイキヤである…
4949cry — 今日 21:57
「うつひことの仕事は… 満足いく出来映えで いつも …助かってた」
sz — 今日 21:57
!
[21:59]
「……よかったです …そういうこと、なかなか訊けねえし」
4949cry — 今日 21:59
「伝えてたはずだぜ。そもそも不満のある相手には二度と持ちかけねえよ」
sz — 今日 22:00
終わった仕事とつまんなかった仕事は早く忘れたいから終わったらすぐガチで忘れるようにしてただけだけど…(O_O;)
4949cry — 今日 22:00
ますみんは「イヤだな」って相手だけはしっかり覚えている…避けるために…
[22:01]
そんななかで繰り返し一緒に仕事をする機会があったイキヤくんよ
sz — 今日 22:01
よかったねイキヤぁぁ!
[22:02]
「……世辞抜きで?」(O O)
[22:02]
じっ…とますみんを見る… 世辞なら、世辞に、見える
4949cry — 今日 22:03
「…」そのつもりはないけど …疑わせても仕方ないことをしてきた自覚はあるな…
[22:03]
「そう思いたきゃそれでもいいさ」
sz — 今日 22:04
「やですよ…(O O)昔は世辞にいちいちブチキレるんで有名なガキだったんですよ」俺
4949cry — 今日 22:05
「んだそりゃ」ふ…
sz — 今日 22:08
「…病院の すぐ手ぇ付けます データください、下見も行く」
4949cry — 今日 22:08
「行くか」
行く…
sz — 今日 22:09
「はい」
[22:13]
…今のあなたの家はここ 俺といっしょで あなたはどこへ行く時も、ここからどっかに行くんです そんでここに帰ってくる どこに行っても、ここに帰ってくる
4949cry — 今日 22:16
このおでかけで真澄もそれを感じるかもな…
sz — 今日 22:17
感じてくれ…
[22:18]
おでかけを一捻りしますか?
[22:19]
稔さんと出会させるとか?
4949cry — 今日 22:22
(゚ロ゚)
[22:23]
千風さんが居る…という可能性もある?
sz — 今日 22:23
かしゅみが無事に泉さんと暮らす人生に入ったので、稔さんは泉さんと出会わずユーレイだな
[22:23]
(゚ロ゚)
[22:23]
ちかぜさん… 病院…
4949cry — 2024/02/23 22:24
ますみん千風さんのために病院建てたんじゃ…
sz — 2024/02/23 22:25
(º ロ º )…会ったら…どうなる…?
4949cry — 2024/02/23 22:26
一方的に窓から見るだけかもだから特にどうもならんかな
sz — 2024/02/23 22:26
イキヤが 香澄を虐待していた人間だと気づく …
4949cry — 2024/02/23 22:27
Σ(゚ロ゚)
sz — 2024/02/23 22:28
唖然とし 掴み掛かりたいのを必死で堪える…
[22:29]
驚きと怒りでこれでもかってほど目を見開いた形相で、真澄は気づく?かも? イキヤの動揺に
4949cry — 2024/02/23 22:30
気付きそう
sz — 2024/02/23 22:32
ーーーーー人間の屑が 二目と見られねえさまにしてやる
4949cry — 2024/02/23 22:32
真澄が何も言わないうちにイキヤくんが気付いた感じかな
[22:32]
「…うつひこ
sz — 2024/02/23 22:32
そうっぽいな
4949cry — 2024/02/23 22:32
… 」千風さん…「…あの人だけが悪いんじゃない」
sz — 2024/02/23 22:34
「香澄は… 香澄は
[22:37]
ーーーーーっ… 香澄はじゃあなんですか!!」
[22:39]
悪い人間 片っ端に 地獄の底へ落としてやる
[22:40]
手始めにこいつだ 地獄をみろ 噛みしめろ
[22:40]
香澄に降りかかったのとおなじものを注いでやる
4949cry — 2024/02/23 22:41
「… 悪かった」
[22:41]
歩き出す…
sz — 2024/02/23 22:42
ちかぜさん凝視してたイキヤがハッとする…
[22:42]
「ーーーすみません … 」大きな声だして
4949cry — 2024/02/23 22:45
「ぁぁ」
[22:45]
施設内見て回る…
[22:50]
「… うつひこ
[22:51]
」 香澄の 味方でいてくれ …これからも
[22:51]
…こんなこと 言うべきではない
[22:51]
他人が …僕が
sz — 2024/02/23 22:51
ちゃんと施設内は見て回ってる…仕事はする…
4949cry — 2024/02/23 22:52
「… … …あの人にぶつけたいことがあるなら 僕にしろ」
sz — 2024/02/23 22:52
「…なんでそうなるんすか… 」わけがわからない…
4949cry — 2024/02/23 22:54
「香澄がしている…置かれている状況を静観していた」
[22:54]
振り返る「僕も同罪だろ」
sz — 2024/02/23 22:57
「静観って なんですか …真澄さんそん時幾つです
4949cry — 2024/02/23 22:57
おお イキヤくん冷静
[22:57]
いいとこつく
[22:58]
ますみんが香澄のしていること(親の世話とか家事)を静観していたのはそれをおかしいと思えなかったから(自分もそういう子供時代だったし)のを、イキヤくんには伏せてる…
sz — 2024/02/23 22:58
イキヤ真澄の年齢ひとつしか違わなくしたのいい効果あったなb
[23:00]
「罪を負える歳じゃない
4949cry — 2024/02/23 23:00
正史真澄香澄の年齢差とも近いしな
[23:00]
このルートではかしゅみちょっと幼くしたんだったか
sz — 2024/02/23 23:01
中学生だた
4949cry — 2024/02/23 23:01
まぁじゃあますみん高校生くらいにはなってたろうからふつーに言い返してきそうではあるw
[23:02]
その時からこの施設の計画練り始めたとしたらマジで有能だし雪村家の跡取りにさせられるわけだよ…
sz — 2024/02/23 23:03
うみ
4949cry — 2024/02/23 23:05
「17とかだったかね」もっかい歩き出す…
[23:06]
「あの子からみりゃ十分大人だ」
sz — 2024/02/23 23:07
「香澄が してた?こと ってなんですか」
4949cry — 2024/02/23 23:07
親は一人じゃ子供産まれないんだから泉さんも同罪なんだが、真澄は泉さんの名前は出さないんだよなあ…
[23:09]
「…」置かれている状況、て言い直したのはイキヤくんにも香澄と重なる事情がありそうだからだったので、沈黙を選ぶますみん
sz — 2024/02/23 23:14
香澄からすりゃ大人だとか あの人だけが悪いんじゃないとか あやふやなことばっか
[23:15]
なら俺も俺の裁量だ
[23:18]
「片っ端に裁いてったらキリがねえから悪人なんていないことにしましょう
[23:20]
なんて 法に任せっきりじゃ掴めねえ悪人が居る
sz — 2024/02/23 23:21
悪人って居ますよ 歴然とした …真澄さんとは違う、
[23:22]
例えば俺の父親とか
[23:22]
香澄の父親も
4949cry — 2024/02/23 23:23
トキさん言われてんで(・∀・)
sz — 2024/02/23 23:23
何に手を染めたのか思い知らせてやりたい」
[23:23]
言われてんなぁ
4949cry — 2024/02/23 23:25
「…うつひこのご両親のことは僕は知らない」
[23:25]
立ち止まる バス停でバス待ち…
[23:25]
「けど 千風さんのことは …」
sz — 2024/02/23 23:27
「知れば怒りも鎮まるようなことですか?」
4949cry — 2024/02/23 23:27
「…どうだかな」
sz — 2024/02/23 23:34
この日の夜、イキヤは真澄を抱きます( ・∇・)
4949cry — 2024/02/23 23:35
!?
sz — 2024/02/23 23:35
…言い聞かせとお仕置き…?
4949cry — 2024/02/23 23:36
あれぇ予定と違うな?
sz — 2024/02/23 23:36
違うな!(°°)
[23:38]
何でもかんでも罪を被ろうとする根性を骨の髄から叩き直す意味合いでのセックス
4949cry — 2024/02/23 23:39
ますみんによさそうではある
[23:40]
必須科目というか
sz — 2024/02/23 23:41
真澄の身体と心をやや強引に揺さぶって快楽と一緒に脳に刷り込ませる
[23:43]
もうしません、って真澄が言うまでさんざん喘がせて奥歯ガタガタいわせるのでは
4949cry — 2024/02/23 23:43
ええやん…
[23:43]
エロいじゃん…
sz — 2024/02/23 23:44
イキヤはやるぞこれを
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27.古い本をどうするか考えた話
これまでも何度も出てきている通り、実家の大掃除をしているが、今まで開けたことのなかった収納(扉の前に別の家具が置いてあったりして、そこに何があるかも全然把握していなかった場所)から出てきた母の本の中でももういらないなというものを、玄関脇の部屋に一旦置いたままにしていた。中学生くらいの頃に買ってもらったものと思われる文庫のセットから、結婚前、そして私が小さい頃くらいまでの年代もバラバラの様々な本が入っていた。
ラインナップは記録しておきたいので、全てを写真に撮り、いつか読んでみたいと思えるものだけキープすることにした。中には、若かりし母の書き込みがある本もあり、それが理由でとっておくことにしたものもある。だが、ほとんどはどう考えてもとっておくには場所を取りすぎるし、全てを読破するには、残念ながらそこまで今は興味を持てないものが多いのだ。まあラインナップだけ記録しておけば、母が読んでいた本を読んでみたいともし将来自分が思った時にも、探す手掛かりだけ残しておけばなんとかなるのではないかと思った。
もういらないな、と判断したところまではいいものの、そのいらないと判断した本をどうするかが問題だった。戸棚の中身を玄関脇の部屋まですっかり運び出してしまってから、1ヶ月くらいはそのまま放置してしまっていた。いらない本を積み上げている様子を見て父が、自分のいらない本も一緒に処分して欲しいというので、それを待っていたのもあるが、何よりそれらをどうすべきかを迷っていた。
これまでも、いらない本や服なんかを買取業者に宅配で送ってみたり、買取査定に来てもらったりしたのだが、なんとなくどれも腑に落ちなかった。なぜ腑に落ちなかったのかを考えると、金額とか手間とか以上に、わたしはそれらの物が「その後どうなるか」が気になっていたのだ。全てのものに見覚えがあるわけでもないし、それらにどのくらいの価値があるかとかは、ぶっちゃけよくわからない。だが、物を捨てられなかっただけの、今まで保存されていた理由がきっとあって、その大部分を占めるのは、物を捨てられないタイプの母と、その母が残した物を整理できなかった父のそれぞれの性質なのだろう。それでもその大部分以外の少しの部分には、それを保存していた理由や思いがあるような気がした。たとえば本だけで考えてみても、母が全く本を捨てなかったかと言えばそうではないだろうし、進学や結婚に伴う引越しの度に、処分する機会は何度もあったと思われる。それでも、いままでここに生き残った本たちは、それなりに選ばれてきたものたちなのだ。だからこそ、これまで他のものを買取に出した際に、なんとなく頼むべき先を間違えたかもとか、これならいっそゴミとして捨てるなり資源としてリサイクルされる方がいいのでは、と思ったことをふまえて、どうするかを考えていた。
これまでで一番私なりの正解だったように思えたのが、支援団体がやっているリサイクルショップに寄付として食器類を持ち込んだことだった。その店には、買取でも金額がつかなかった食器たちを持ち込み、そのほとんどを受け取ってもらった。店先にはたくさんの中古商品が並んでいて、従業員のおじさんたちが、ひとつひとつはたきで埃をとったり、きれいに並べ直したりしていた。従業員の多くは、社会復帰を目指している人たちだという。そんなふうに丁寧に扱ってもらえて誰かの手に渡るのなら、私がいらないと判断したものたちが手元から離れても、これまで大切に保存されていた思いがまだ残り続けるような気がした。そんなふうに思える方法を、これからは探していきたいと思った。
母が保存していた本のほとんどは、出版年代がそれなりに古いものが多いため、ISBNコードが付いていないものばかりだった。そうなると、扱っていない業者もあるようだし、むしろ古い本を得意とする業者や、専門書を得意とする業者、などと、得意分野が分かれているので、適したところにお願いするのがきっとよいのだ。手間を惜しまないのであれば、自分でフリマアプリで出品するのが一番良い値段はつくだろうけれど、それだといつまでも手元に残るかも知れないし、なにぶん数が多いのでひとつひとつ対応するのがあまりにも手間がかかりすぎる。そうやって考えた末に見つけたのが、いくつもの業者に一括査定をするという方法だった。買取が成立すれば業者側から10%ほど手数料を取るという仕組みらしいが、そうやってものの価値を判断してもらい、考えながらやっていく方法が、今のところ最善のように思われた。明日にも本の写真を撮って、まずは査定をしてみようと思っている。実家まで買取に来てもらう大手の業者に頼むのが、梱包の必要もなく、一番こちらとしては手間がかからないが、どのみちゴミになるような扱いになりかねない古いものばかりなので、少しでもそのものたちのこれからが誰かの役に立てるような送り出し方をして、私の中に悔いが残らない方法を選んでいきたい。(2023.7.8)
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写ってないけど、 お写真左側D600棚(5段)有り玄関入って右のスペース21! 工事進んでから、現地でお打ち合わせしたっけ、思いでだ!シクシク 傘掛け付けようってなったよね、覚えてる? 結果、めちゃくちゃ使いやすい! ってゆー 😍 #シティーボーイカントリー7 :棚ほしい! 良いですよフレーバー #おれんち風味 #おれんちフレーバー # #八幡平市産 #八幡平産 #メイドイン八幡平 #岩手県産 # #八幡平市 #二戸市 #一戸町 #滝沢市 #雫石町 #盛岡市 #岩手町 #盛岡 #雫石 # #ファースの家 #奥行き #棚 #棚収納 #棚受け #シューズクローク #シューズクローク収納 #玄関収納 #玄関収納アイデア #玄関クローク #玄関周り #玄関脇収納 #傘掛け # (Hachimantai-shi, Iwate, Japan) https://www.instagram.com/p/CpellAUhb5S/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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5
乗り込んだ車内では今時珍しくBluetoothで携帯端末を接続して音楽を流すでもなくカーステレオが流れていた。
「あたしラジオなんて詳しく無いんだけどコレは有名な人の放送なの?」
「エエところに目をつけたな。これはなァ何処かの素人なんやで。」
「え?公共の放送局の番組じゃないって事?」
「せやで。自宅かどっかから誰かに届けたい音声を電波にして乗せてる輩もおるって訳や。」
ほえーと生返事を返しながら不思議な事をする人もいるもんだ。と思った。
こんだけモノが溢れ返った街なら寧ろ当然だろう。
車はどんどん市街地から離れていく。
本当に誘拐されてしまった。と思えた。
妄想はただの妄想でしか無かった。
住宅街寄りの雑居ビル近くにある元々は観覧車だったモノを再利��したモータープールに入庫した。
そのまま雑居ビルの地下一階まで薄暗くて湿っぽい階段を降りた。
脇道には朽ちた配管から錆びた水が溢れたり虫が蠢いていて散々な光景だった。
「こんなところに何があるの?」
「アジトやアジト。男の浪漫やろ?」
相変わらず革靴の底でピチャピチャと水溜りを踏んづけていく彼はそう言った。
かと思えば急に立ち止まりパイプスペースとかにしか見えない安っぽい鉄扉の横にある壁を一押しして電気錠を開錠する。
「まさかここやとは思わんやろ?」
何故だか満足気に言ったのが少し気に食わなかった。
ドアの向こうには今歩いてきた道の汚さからは見当も付かない程、小綺麗な内装が視界に飛び込んできた。
「フルリノベーションっちゅうやっちゃなこれ。俺がやったんやでえ。」
恐らく目を丸くして驚いていたのがバレていたのだろう。
ご丁寧に解説までしていただいた。
鼻高々語る様子は子供らしく見えた。
さっきまでの足取りの軽さはあたしの反応が見えていたからなのかと自分なりに推理してみる。
「おう。なにしとんねんや。早よ入りいなあ。」
「な、なんでもないわ。」
思わず玄関で止まっていた足を動かす。
奥へと抜けるリビングダイニングキッチンが出迎える。
まるで成人男性の棲家とは思えないほど整頓されていた。
だがさっきと同じ様に目を丸くして驚いている様子を勘づかれたくもないのでふうんとこんなもんなのね。みたいな顔をしてやり過ごす。
スッとダイニングテーブルに収納されている椅子を引いて座る。
「何飲む?珈琲でええか?」
何でもかんでも誰彼構わず珈琲を飲めると思うな。
これだから大人は。と呪いの言葉を心内で詠唱する。
そんな軽度の怒りを一旦横に置いて
「オレンジジュースとかある?」
と聞いてみた。
「おいおいそんな茶店やあらへんねんから何でもかんでもあると思うなや。所詮独り暮らしなんやからなァ。」
確かに少し生意気なオーダーだったかと自覚する。
「じゃあ水でいいわ。」
返事は無かったがキッチンから聞こえる生活音が返答の代用となった。
グラスが響く音や液体がコポコポと流るる音、電気ケトルから水蒸気が出る音に身を任せていると黒とオレンジで溢れたマグカップを持ってきた。
「え?オレンジジュースあんじゃん。」
「冗句だよ。はは。」
「はあ?ざけんなよ。」
「まあまあ場を和ます為に必要なもんもあるやろう?」
「全くと言って良い程和んでないじゃない。寧ろ荒れてしまってるわ。」
「ゆとりが無いな。ゆとり世代が始まってもう100幾年が経ったというのに。」
「過去の話だろ?私達は恩恵なんざ何にも無いさ。」
「如何してそこまで張り詰めてんのさ。」
「この空間に警戒しているからよ。言われなくたってわからない訳?」
「おぉ怖。俺はなァただ文字通りのお喋りがしたくて呼んだまでや。」
「じゃあそろそろ、その“お喋り”とやらを始めてくれないかしら。あたしにだって時間てものは有限なんだから。」
「じゃあ本題に入るとするかァ。」
6
レジ前にて一頻りの会話を終え店を後にしようとすると後ろから声を掛けられた。
「アリス。この後少し大丈夫?」
ウララは申し訳なさそうに一言断りを入れた。
「ええ、大丈夫ですけど。どうかされましたか?」
「それがね。例の一件の時にお世話になっていた人が居たでしょう?」
「ああ。ラビさんですよね。」
「そう。その人についてなんだけど……」
「どうかされましたか?」
「いや、なんでも無い。今のは忘れて‼︎」
普段、穏厚なウララの語気の強さに圧倒されてしまった。
「わ、わかりました。それでは私はこれで失礼します。」
店から出ようとした刹那、今度はクジョーさんに呼び止められる。
「ちょっと待ってアリス。これ挽き過ぎて酸化してしまうから良かったら飲んでみて。」
カップの天端に被さった蓋の飲み口からは白い湯気が上っていた。
「有難う御座います。美味しく頂きますね。それでは。」
回収されるかどうかわからない伏線じみた会話を終え熱されたカップを回収して店を出る。
横目にクジョーさんとウララさんがカウンター越しに話しているのが見えた。
だが要らぬ詮索を入れた所でどうにもならないのは過去の経験則から重々承知している。
久し振りに外気が肺を満たしていくのが分かった。
過度に熱された脳をゆっくりと冷めていくのが身に沁みて感じながら先程停めた駐車場へと歩み始める。
車のキーを開けシートに体重を預ける。
ガッとキーを回しエンジンを回転させ始めた。
テレスとの予定まではまだまだ時間が余っているからどうしようかなと考えながら鉄塊に乗ってゴブル方面へと駆け出した。
未だ思考回路が明瞭にならないのを危惧してさっき貰ったカップを喉に流し込む。
今月発売の好きな作家の本が出た事を辛うじて思い出せたので行きつけの本屋へと向かう事にした。
私はこれだけネット社会に浸食されようとも実店舗で買い物をするのが好きなのだ。
理由は至って単純であって思いも掛けない出逢いをするかもしれないからである。
ここでの出逢いとは人との出逢いもちいとばかりは含まれているが大多数は未知なる本やモノについてだ。
そこまでの夢想家では無いしロマンスを追いかけている訳では無い。
飽く迄も一人称視点での話なのでそこまで当てにならないのも現実だ。
そうして緑と赤を交互に点滅するソレの下をらりくらりと走らせると気が付けば目下まで来てしまっていた。
車を停め本屋のあるフロアを目指す。
8
「今日呼んだのはなァ他でもねェ。あの一件についてや。」
「ああ、アリスが巻き込まれたあの日の事ね。」
「アリスからは何も聞いてへんのか?」
「だって野暮ったいじゃない。知ってどうこう出来る問題じゃあ無さそうだし。」
「せやなァ。かと言って知らないのも罪なもんやでェ。」
緊迫する筈の会話はどうも関西訛りによって阻害されてしまう。
「まあ手短に言うとやなァ。その一件で俺とアリスは関係を持ったっちゅう訳や。」
「随分と穢らわしい形容ね。」
目の前の男はグヘヘといきなり笑い出した。
この気味悪さったら他に例え様が無いなと思った。
「ちゃうちゃう。あんたの考えてる方とちゃうわ。俺がアリスを知ったきっかけっちゅう訳やわ。ジョークか思ったらどえらい程、眼は真剣そのものやったからギャップで込み上げてきてしもうたわァ。」
「馬鹿にしないでよ。」
「お前さんほどツンツンされたらどれ程のデレを見せるか気になってきたわァ。」
「果たして貴方のお目にかかれるのかしらね。」
「ここまで一貫していると最早フリにしか聞こえねえぞ。」
気を抜くと全くもって違う話題になっている。
もしかすると生粋の人誑したる所以なのかも知れない。
随分と生意気な評価だが認めざるを得ない。
「フリじゃないのに辞めてもらえる?益々私が不利になってるじゃない。」
「まあゆっくり話そうやァ。時期尚早。何も結末を急ぐもんじゃないやろ?この後アリスと晩御飯でも行くんやろ?」
「何でわかるのよ。その通りよ。察しがいいじゃない。」
「まあな。確定した情報だからなァ。予言というよりシナリオをなぞったまでや。なあんにもすごい事あらへん。」
「その意見には同意出来るわ。予言なんてたった数回の偶然の連続か予定調和なもんよね。」
「エラいオモロいこと言うなァ。誰からこの情報が流れてるか気にも留めん訳やな。」
「どうせアリスでしょう?その位考えなくたって分かるわ。関係が構築されているなら尚更よ。」
「まあそりゃあそうか。少し考えれば分かるわなァ。ちいとばかりナメすぎたな。」
「不服なものね。他人をナメてばかりいると下からアッパー喰らっちゃうわよ。」
「暴力なんて人に振るうもんやあらへんで。」
「昔は人同士で殴り合う娯楽が存在していたのだから。」
「悪趣味ったらありゃしねえぜェ。」
「なんせ時代柄が違うのだから後出しジャンケンをして勝った気にならない方が良いわ。」
「過去への冒涜かァ。過去への固執がないからこそ出来る所業なんやろうな。」
「一体どこまで他人事なの。その無責任さったらありゃしないわ。」
「期待し絶望し続けているその輪廻は楽しいかァ?」
「楽しいだけが人生だと云うのであれば目に余る程の楽観主義ね。」
「悲観し続けてたら余りにも世界は悲し過ぎるやろォ。」
「まあ、それもそうね。その言葉だけでも覚えておいてあげるわ。」
「役に立たねェ蘊蓄も役に立たせてナンボの世界やろォ。」
「モノで溢れかえって逆に満たされないこの街で言われても説得力がね。」
「やっぱァ悲観的だなァ。」
とだけ言って彼は何か取り憑かれた様にキッチンへと動き始めたと同時にまたしても肝心な一件についてを聴き逃していた事に気付いた。
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並木の家③完成〜
駆け足で紹介させていただいた、並木の家。
ついに完成篇です。
竣工のタイミングで撮影した写真と、
お引き渡し後に施工させていただいた外構等の様子です。
お施主様のこだわりと思い入れの詰まった住宅となりました。
どうぞご覧ください。
お引き渡し当日の外観。
植栽や外構工事は、お引き渡し後の施工となりました。
玄関は、いつも造作で作っています。
ナラの無垢材で作られた、高断熱仕様の木製ドアです。
今回はご要望により、スマホからも操作ができるオートキーを設置させていただきました。
玄関脇には、引き戸で仕切ることのできる、シュークロークを併設。
シュークロークの中。
家族分の靴や、アウトドアグッズなどをたっぷり収納することができます。
造作の棚は全てヒノキの無垢材で製作。
ヒノキの良い香りが、空間に広がります。
造作のキッチンはステンレス×ナラ材で、優しくすっきりとした印象になるよう意識しました。
オリジナルのステンレス天板は、4mm厚。頑丈で、素材感がたっぷり感じられる、おすすめの仕様です。
海外製の水栓や、食洗機との相性もバッチリです。
シンクには、洗剤を置くスペースや、
スライドできる作業天板、洗い籠、野菜や魚などを洗える穴あき作業台、
生ごみを粉砕して下水に流すことのできるディスポーザーがつきます。
ビルトインのIHコンロとオーブン。
IHは海外製のような佇まいですが、三菱製。
オーブンはドイツのメーカのAEG社製。
どちらも、デザイン性と機能性に優れたおすすめの製品です。
リビングには薪ストーブを設置しました。
デンマーク発でガラス面が大きくすっきりとしたデザインの、HWAMのストーブです。
リビング隣には、廊下兼用の子供たちのためのスタディルーム。
スッと伸びたカウンターデスクは、家族全員で使うこともできる余裕のある広さです。
別角度から。
造作の本棚も設置し、家族の書斎として活用してもらいます。
二人のお嬢さんのための、子供室。
将来的に、二室に分けれる仕様となっています。
お子さんの小さなうちは、家族の寝室として使うことを想定しています。
メインのトイレは、少し広々としたスペースに。
造作の手洗いの下には、少し余裕のある収納を作りました。
寝室のそばのトイレは、スッキリとシンプルに。
小さな手洗いも設置しました。
洗面台は木製カウンター。
カウンターの高さを低くすることができるので、
女性や小さなお子様に使いやすい高さです。
お風呂はハーフユニットバスを採用。
お掃除のしやすさと、ヒノキの木質感を堪能することができます。
窓からは、外の植栽を眺めることができる仕様です。
お引き渡しから月日経ち、
デッキや植栽を施工させていただきました。
コの字型のデッキは、リビングと各居室とを緩やかに繋いでくれます。
板塀や薪棚が設置される前なので、ちょっと開放的ですが、
この後よりプライベートガーデンとなっていく予定です。
お引き渡し後、お施主様から送られてきた自宅でのリモートワーク風景。
大変気持ち良いと、嬉しいお言葉をいただきました。
道路に面したスペースも、緑地化させます。
玄関周りにも、たっぷりと植栽を入れさせていただきました。
室内の窓からの眺めと、外部からの目線、特にお客さまをおもてなしするような気持ちで、外構・植栽はデザインしています。
夜のライトアップ。
夜道を歩く方に、ホッとしてもらえるような外観を目指しています。
こちらもお客様から送っていただいた写真。
家の中から、ライトアップされた植栽を眺めていただけているとのことで、
とても嬉しい気持ちになりました。
薪棚や板塀も、設置させていただきました。
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『模倣犯 the Copy Cat』 宮部みゆき
ちょっと読んでみようと思い立って図書館で借りた。これ、長いのだ。文庫本だったら5巻もある。たくさん借りるのが面倒なので、単行本で上下巻の2冊で読んだ。2段構えで合わせて1400ページ以上。読み応えはあったけど、少々長過ぎたかな。
宮部みゆきは被害者と加害者、そしてその家族たちの内面をみっちりと書いてくれて、悲しかったり辛かったり、しんどかった。もう何回泣いたかわからん。刑事が出てくるところなど、ちょっと髙村の『レディ・ジョーカー』っぽいなと、似てるなと感じるところがあって、似てる、でも違う、何が違うんだろうと気になって仕方なかった。違いは、宮部のは優しい。無臭でサラサラしてる感じ。で、登場人��たちの考え方がちょっと短絡的な感じがあってそれが気になった。物語の運びとして、登場人物の刑事に、世の中には偶然が割と頻繁に起こってい流もんなんだと言わせてるんだが、物語の展開でも偶然が頻繁に起こる。ちょっとうんざりしたな。
加害者が男で被害者が女性だからというのもあるけれど、要所要所でフェミニズム的見解が出てて、これはいいなと思った。ジリアン・アンダーソンの "The Fall" に通ずるなと思った。
そうだ。PTSDとかディスレクシアとか、この当時にはまだ目新しいものが書かれたりしてた。宮部、鋭い。
犯罪は、劇場型。この作品が連載されてたのが1995年から1999年だからだろう、テレビが重要な役割を果たす。今だったらユーチューブだろうか。肥大した自我と大人になりきれない子ども大人。クライマックスの模倣犯の使い方、とっても上手いと思った。
そうそう、霊に関するものが多く出て来る。ここらへん、変調百物語に繋がるんだなと思った。
メールと手紙の違いについて。
レイ子 ...ファクスやインターネットだと、すごく速いじゃない?書いたものを自分で読み返す時間がない。だから、かなりトンデモないことでもさらっと書いて送信しちゃって、だけどそのこと自体も割とすぐに忘れちゃいそうな気がするわけ。だけど、ハガキとか手紙っていうのは、書くの大変だからね、それなりに時間をかけて考えたことを、一定のスペースに収まるように文章にしなけりゃならないでしょう。しかも書いたあと、それ持って玄関で靴はいてポストまで歩いていって投函しなくちゃならない。
高橋 歩いてるあいだに考えが変わることもあるし、ちょっと言い過ぎたかなとか、カッコつけ過ぎたなとか。
レイ子 頭が冷える。(下巻p267)
そうだよね。メールやらツイートやら、この投稿さえ、私、読み直さずに投稿することあるもんな。で、後で誤字などを見つけて驚くんだ。ばか。しかし、一筆書きを除外したら、もう手紙、何年も書いてないな。
以下はネタバレに繋がるものとちょっと批判
主要登場人物たちの年齢層が高校生男女から70過ぎの老人まであるんだけど、話口調が一辺倒。特に高校生男女が年齢の割に冷静で賢すぎるように感じられたし、「手にかける」とか、1995年当時の高校生が言うか?!と読みながら落胆した。この言葉遣いも高校生ではなく、せめて大学生だったら、文学部の学生とかだったら勝手に納得したかも知れない。
雑誌に連載していたのが終わった後、単行本化するにあたって加筆したそうなんだが、簡略に短くしてもいいシーンもあると思う。長くてメリハリがなくてダラダラした。
終わりの方、”建築家”が演劇と勘づいて語るの、あまり上手くない手だと思った。まるでハリウッド映画でその映画のテーマを主役か主要脇役に語らせるみたいで、私はあまり好きじゃない。いや、わかりやすくていいのか。
ピースの、詰めの甘さと言うか、世の中は自分のために動いているし自分の考えで人々を簡単に動かせると考えているので、詰める必要性を感じてないんだろうけど、このピースの性質と、この本の小説としての質が似てるように感じた。
面白かったけど、これ20年以上前の作品だけど、この作家さんは長編は向いてないのかも知れないなと思った。
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【福井県謡曲古跡めぐり若狭/嶺南編】13箇所目 2021/3/18
能「鉄輪」「泰山木」「泰山府君」
《福井県大飯郡おおい町名田庄納田終》
土御門家遺跡
「泰山府君」が金剛流に在ります。めったに上演されない珍しい謡曲です。中国の泰山に住む府君という鬼神は、日本の閻魔大王みたいな神で、人間の寿命をつかさどります。ワキの櫻の好きな櫻町大納言は、櫻の余りに短い七日の命を惜しんで、泰山府君の祭りをして延命を祈ります。シテ泰山府君の神は現れ、花の命を三七日まで延ばしてくれます。
泰山府君の神は陰陽師の神でも在り、ここ納田終の加茂神社に泰山府君が祭られています。日本でここ只1社との事です。近くに土御門家(安倍家)の墓があります。31代32代33代の安倍氏です。
観世流で謡曲「泰山木」が復曲されたようです。
安倍(土御門)家が、この名田庄と関わりを持ち始めるのは、土御門文書によると正和6年(1 3 1 7)12月13日に花園天皇より「泰山府君祭料地」として安倍有弘に御綸旨を賜った事により始まる。慶長年間までこの地に在居する。
陰陽道の最有力家系の一つであった安倍家が、おそらく南北朝時代頃より、名田庄上村を領有し、戦国動乱以降、本宗家の人たちが、ほとんどここに居住するに至った結果、必然的に文化的な大きな影響力をこの山村に及ぼすこととなった。信仰上においても、加茂・貴船等陰陽道に関係深い諸社が、早くからこの地に勧請され奉祀されていた。加茂社においては、今日なお、大膳大食祭・御殿祭・御飯踏・芝走・御神楽(祓)山口講等数々の奇祭が行なわれているが、これらはふつうの神社神道ではみられない、陰陽道独特の儀式行事であるといわれる(藤田氏著前掲書)。
しかも陰陽道関係の信仰として、とりわけ注目すべきは、泰山府君信仰である。さきにもふれたように、上村に来往するに至った有宣は、屋敷の一角に小祠を建て泰山府君を祭り、祠中に暦書を収めたといわれる。この信仰については、下学集によれば、泰山府君そのものは、本地は地蔵菩薩であり、天に在っては輔星といい、地においでは泰山府君といわれるとされる。倭訓栞によれば、閻羅王は地獄において天子の如く主宰者であったのに対し、府君は書記の如き補佐官であったともいわれる。
元来は中国山東省の泰山の神で、ここに死者の魂が来住するとして、信仰するものである。道教系の信仰であったのが仏教とも習合され、閻魔大王の一族とか、分身とされ、人間の生前から行為の善悪邪正を記述する記録官とされた。陰陽家のとくに祭るところであり、生命をのばす延命神乃至は長寿神として祀られてきた。
泰山府君祭は、日本においては平安中期以後、陰陽師の祭るものとして重要視されており、祭る際の祭文は、泰山府君都状といった。これには本人の姓名年齢と供物の目録とを注し、泰山府君の冥道諸神に対し、禍を除き福を求める一種の願文のようなものである。すでに早く永承五年(一〇五〇)には後冷泉天皇、永久二年(一一一四)には藤原為隆の都状が出されており、ともに朝野群載巻第十五陰陽道条に収められている。
今昔物語巻十九には、安倍晴明がある僧の病気平癒を祈るさい、弟子の僧が身代りとしてその名を都状に記すことを快諾したが、師と弟子ともに祭の効験により、命が助かったことがみえる。この祭は、おそらく平安中期以降行なわれることとなったらしい(斎藤励著王朝時代の陰陽道)。
谷川左近家にも、中世の都状数通を所蔵しているので、そのすべてを史料編にかかげておこう。
陰陽家としでの安倍家が、泰山府君祭に行事の大きな��重をおいていたことは、否定できない。
中国・泰山の守護神「泰山府君尊神」を祀った社跡。歴代中国の皇帝がこの神を信仰した。遣店留学生として唐に学んだ安倍仲麿が、吉備真備に託して安倍家の守り神として日本に伝えたもの。
奈良朝・平安朝頃から、朝廷や上流貴族たちの信仰が厚く、一般庶民の信仰は許されなかった。宮中と安倍家だけに祀られていたが、正中の変・応仁の乱により京の都は兵火に見舞われ、公家たちはそれぞれ難を逃れ、安倍家も勅許の御倫旨を得て、すでに安倍家の荘園であった。この地に居城を構え泰山府君を奉祀し、伊勢神宮の諸祭儀・朝廷と国家の安穏・五穀豊穣等を訴願した。
後に一般にもこの神の信仰が許され、長寿の神として崇められた。『源平盛衰記』に桜町中納言が泰山府君に桜の花の延命を祈願した話もあり金剛流の能「泰山府君」でも伝承されている。
『博物誌』に「泰山の神は人の生命の長短を司る」と記されており、歴代天皇や将軍が新しく即位や、宣下に必ず「泰山府君祭」(天冑地府祭)を行った。また、泰山府君は閻魔大王の化身とも、脇侍ともされている。今は、加茂神社と上御門殿に祀られている。
また加茂神社の鳥居前には閻魔大王など十王を祀った十王堂(地王堂・地蔵堂)もある。
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【QN】ある館の惨劇
片田舎で依頼をこなした、その帰り道。
この辺りはまだ地方領主が収めている地域で、領主同士の小競り合いが頻発していた。
それに巻き込まれた領民はいい迷惑だ。慎ましくも回っていた経済が滞り、領主の無茶な要求が食糧さえも減らしていく。
珍しくタイミングの悪い時に依頼を受けてしまったと、パティリッタは浮かない顔で森深い峠を貫く旧道を歩いていた。
「捨てるわけにもなぁ」
革の背負い袋の中には、不足した報酬を補うためにと差し出されたパンとチーズ、干し肉、野菜が詰まっている。
肩にのしかかる重さは見過ごせないほどで、おかげで空を飛べない。
ただでさえ食糧事情の悪い中で用意してもらった報酬だから断りきれなかったし、食べるものを捨てていくというのは農家の娘としては絶対に取れない選択肢だ。
村に滞在し続ければ領主の争いに巻き込まれかねないし、結局考えた末に、しばらく歩いてリーンを目指すことに決めた。
2,3日この食料を消費しつつ過ごせば、この"荷物"も軽くなるだろうという見立てだ。
この道はもう、殆ど利用されていないようだ。
雑草が生い茂り、嘗ての道は荒れ果てている。
鳥の声がした。同じ空を羽ばたく者として大抵の鳥の声は聞き分けられるはずなのに、その声は記憶にない。
「うげっ」
思わず空を仰げば、黒く分厚い雨雲が広がり始めているのが見えた。
その速度は早く、近いうちにとんでもない雨が降ってくるのが肌でわかった。
「うわ、うわ! 待って待って待って」
小雨から土砂降りに変わるまで、どれほどの時間もなかったはずだ。
慌てて雨具を身に着けたところでこの勢いでは気休めにもならない。
次の宿場まではまだ随分と距離がある。何処か雨宿りできる場所を探すべきだと判断した。
曲がりなりにも街道として使われていた道だ、何かしら建物はあるはずだと周囲を見渡してみると、木々の合間に一軒の館を見つけることができた。
泥濘み始めた地面をせっせと走り、館の玄関口に転がり込む。すっかり濡れ鼠になった衣服が纏わり付いて気持ちが悪い。
改めて館を眺めてみた。立派な作りをしている。前庭も手入れが行き届いていて美しい。
だが、それが却って不審さを増していた。
――こんな場所に、こんな館は不釣り合いだ、と。思わずはいられなかったのだ。
獅子を模したドアノッカーを掴み、館の住人に来客を知らせるべく扉に打ち付けた。
しばらく待ってみるが、応答はない。
「どなたかいらっしゃいませんかー!?」
もう一度ノッカーで扉を叩いて、今度は声も上げて見たが、やはり同じだった。
雨脚は弱まるところを知らず、こうして玄関口に居るだけでも雨粒が背中を叩きつけている。
季節は晩秋、雨の冷たさに身が震えてきた。
無作法だとはわかっていたが、このままここで雨に晒され続けるのも耐えられない。思い切って、ドアを開けようとしてみた。
「……あれ」
ドアは、引くだけでいとも簡単に開いた。
こうなると、無作法を働く範囲も思わず広がってしまうというものだ。
とりあえず中に入り、玄関ホールで家人が気づいてくれるのを待とうと考えた。
館の中へ足を踏み入れ、後ろ手に扉を閉める。背負い袋を床におろし、一息ついた。
玄関ホールはやけに薄暗い。扉を締めてしまえばいきなり夜になってしまったかのようだ。
「……?」
暗闇に目が慣れるにつれ、ホールの中央に何かが転がっていることに気づいた。
「えっ」
それが人間だと気づくのに、少し時間が必要だった。
「ちょっ、大丈夫で――」
慌てて声をかけて跪き命の有無を確かめようとする。
「ひっ」
すぐに答えは出た。あまりにもわかりやすい証拠が揃っていたためだ。
その人間には、首が無かった。
服装からして、この館のメイドだろう。悪臭を考えるに、この死体は腐りかけだ。
切断された首は辺りには見当たらない。
玄関扉に向かってうつ伏せに倒れ、背中には大きく切り裂かれた痕。
何かから逃げようとして、背中を一撃。それで死んだか、その後続く首の切断で死んだか、考えても意味がない。
喉まで出かかった悲鳴をなんとか我慢して、立ち上がる。本能が"ここに居ては危険だ"と警鐘を鳴らしていた。
逃げると決めるのに一瞬で十分だった。踵を返し、扉に手をかけようとした。
――何かが、脚を掴んだ。
咄嗟に振り向き、そして。
「――んぎやゃあぁあぁぁぁあぁぁぁああぁッッッ!!!???」
パティリッタは今度こそあらん限りの絶叫をホールに響かせた。
「ふざっ、ふざけっ、離せこのっ!!!」
脚を掴んだ何か、首のないメイドの死体の手を思い切り蹴りつけて慌てて距離をとった。弓矢を構える。
全力で弦を引き絞り、意味があるかはわからないが心臓に向けて矢を立て続けに三本撃ち込んだ。
幸いにもそれで相手は動きを止めて、また糸の切れた人形のように倒れ伏す。
死んだ相手を殺したと言っていいものか、そもそも本当に完全に死んだのか、そんな物を確認する余裕はなかった。
雨宿りの代金が己の命など冗談ではない。報酬の食糧などどうでもいい。大雨の中飛ぶのだって覚悟した。
玄関扉に手をかけ、開こうとする。
「な、なんでぇ!?」
扉が開かない。
よく見れば、扉と床にまたがるように魔法陣が浮かび上がっているのに気づいた。魔術的な仕組みで自動的な施錠をされてしまったらしい。
思い切り体当りした。びくともしない。
鍵をこじ開けようとした。だがそもそも、鍵穴や閂が見当たらない。
「開ーけーてー! 出ーしーてー!! いやだー!!! ふざけんなー!!!」
泣きたいやら怒りたいやら、よくわからない感情に任せて扉を攻撃し続けるが、傷一つつかなかった。
「ぜぇ、えぇ……くそぅ……」
息切れを起こしてへたり込んだ。疲労感が高ぶる感情を鎮めて行く中、理解する。
どうにかしてこの魔法陣を解除しない限り、絶対に出られない。
「考えろ考えろ……。逃げるために何をすればいいか……、整理して……」
どんなに絶望的な状況に陥っても、絶対に諦めない性分であることに今回も感謝する。
こういう状況は初めてではない。今回も乗り切れる、なんとかなるはずだと言い聞かせた。
改めて魔法陣を確認した。これが脱出を妨げる原因なのだ。何かを読み取り、解錠の足がかりを見つけなければならない。
指でなぞり、浮かんでいる呪文を一つずつ精査した。
「銀……。匙……。……鳥」
魔術知識なんてない自分には、この三文字を読み取るので精一杯だった。
だが、少なくとも手がかりは得た。
立ち上がり、もう一度ホールを見渡した。
首なしメイドの死体はもう動かない。後は、館の奥に続く通路が一本見えるだけ。
「あー……やだやだやだ……!!」
悪態をつきながら足を進めると、左右に伸びる廊下に出た。
花瓶に活けられた花はまだ甘い香りを放っているが、それ以上に充満した腐臭が鼻孔を刺す。
目の前には扉が一つ。まずは、この扉の先から調べることにした。
扉の先は、どうやら食堂のようだった。
食卓である長机が真ん中に置いてあり、左の壁には大きな絵画。向こう側には火の入っていない暖炉。部屋の隅に置かれた立派な柱時計。
生き物の気配は感じられず、静寂の中に時計のカチコチという音だけがやけに響いている。
まず、絵画に目が行った。油絵だ。
幸せそうに微笑む壮年の男女、小さな男の子。その足元でじゃれつく子犬の絵。
この館の住民なのだろうと察しが付いた。そしてもう、誰も生きてはいないのだろう。
続いて、食卓に残ったスープ皿に目をやった。
「うえぇぇっ……!」
内容物はとっくに腐って異臭を放っている。しかし異様なのは、その具材だ。
それはどう見ても人の指だった。
視界に入れないように視線を咄嗟に床に移すと、そこで何かが輝いたように見えた。
「……これ!」
そこに落ちていたのは、銀のスプーンだ。
銀の匙。もしかすると、これがあの魔法陣の解錠の鍵になるのではないかと頬を緩めた。
しかし、丹念に調べてみるとこのスプーンは外れであることがわかり、肩を落とす。
持ち手に描かれた細工は花の絵柄だったのだ。
「……待てよ」
ここが食堂ということは、すぐ近くには調理場が設けられているはずだ。
ならば、そこを探せば目的の物が見つかるかもしれない。
スプーンは手持ちに加えて、逸る気持ちを抑えられずに調理場へと足を運んだ。
予想通り、食堂を抜けた先の廊下の目の前に調理場への扉があった。
「うわっ! ……最悪っ」
扉を開けて中へ入れば無数のハエが出迎える。食糧が腐っているのだろう。
鍋もいくつか竈に並んでいるが、とても覗いてみる気にはなれない。
それより、入り口すぐに設置された食器棚だ。開いてみれば、やはりそこには銀製の食器が収められていた。
些か不用心な気もするが、厳重に保管されていたら探索も面倒になっていたに違いない。防犯意識の低いこの館の住人に感謝しながら棚を漁った。
「……あった!」
銀のスプーンが一つだけ見つかった。だが、これも外れのようだ。
意匠は星を象っている。思わず投げ捨てそうになったが、堪えた。
まだ何処かに落ちていないかと探してみるが、見つからない。
「うん……?」
代わりに、メモの切れ端を見つけることができた。
"朝食は8時半。
10時にはお茶を。
昼食・夕食は事前に予定を伺っておく。
毎日3時、お坊ちゃんにおやつをお出しすること。"
使用人のメモ書きらしい。特に注意して見るべきところはなさそうだった。
ため息一つついて、メモを放り出す。まだ、探索は続けなければならないようだ。
廊下に出て、並んだ扉を数えると2つある。
一番可能性のある調理場が期待はずれだった以上、虱潰しに探す必要があった。
最も近い扉を開いて入ると、小部屋に最低限の生活用品が詰め込まれた場所に出た。
クローゼットを開けば男物の服が並んでいる。下男の部屋らしい。
特に発見もなく、次の扉へと手をかけた。こちらもやはり使用人の部屋らしいと推察ができた。
小物などを見る限り、ここは女性が使っていたらしい。
あの、首なしメイドだろうか。
「っ……!」
部屋には死臭が漂っていた。出どころはすぐにわかる。クローゼットの中からだ。
「うあー……!」
心底開きたくない。だが、あの中に求めるものが眠っている可能性を否定できない。
「くそー!!」
思わずしゃがみこんで感情の波に揺さぶられること数分、覚悟を決めて、クローゼットに手をかけた。
「――っ」
中から飛び出してきたのは、首のない死体。
――やはり動いている!
「だぁぁぁーーーっ!!!」
もう大声を上げないとやってられなかった。
即座に距離を取り、やたらめったら矢を撃ち込んだ。倒れ伏しても追撃した。
都合7本の矢を叩き込んだところで、死体の様子を確認する。動かない。
矢を回収し、それからクローゼットの中身を乱暴に改めた。女物の服しか見つからなかった。
徒労である。クローゼットの扉を乱暴に閉めると、部屋を飛び出した。
すぐ傍には上り階段が設けられていた。何かを引きずりながら上り下りした痕が残っている。
「……先にあっちにしよ」
最終的に2階も調べる羽目になりそうだが、危険が少なそうな箇所から回りたいのは誰だって同じだと思った。
食堂前の廊下を横切り、反対側へと抜ける。
獣臭さが充満した廊下だ。それに何か、動く気配がする。
選択を誤った気がするが、2階に上がったところで同じだと思い直した。
まずは目の前の扉を開く。
調度品が整った部屋だが、使用された形跡は���ない。おそらくここは客室だ。
不審な点もなく、内側から鍵もかけられる。必要であれば躰を休めることができそうだが、ありえないと首を横に振った。
こんな化け物だらけの屋敷で一寝入りなど、正気の沙汰ではない。
すぐに踵を返して廊下に戻り、更に先を調べようとした時だった。
――扉を激しく打ち開き、どろどろに腐った肉体を引きずりながら犬が飛び出してきた!
「ひぇあぁぁぁーーーっ!!!???」
素っ頓狂な悲鳴を上げつつも、躰は反射的に矢を番えた。
しかし放っ���矢がゾンビ犬を外れ、廊下の向こう側へと消えていく。
「ちょっ!? えぇぇぇぇっ!!!」
二の矢を番える暇もなく、ゾンビ犬が飛びかかる。
慌てて横に飛び退いて、距離を取ろうと走るもすぐに追いつかれた。
人間のゾンビはあれだけ鈍いのに、犬はどうして生前と変わらぬすばしっこさを保っているのか、考えたところで答えは出ないし意味がない。
大事なのは、距離を取れないこの相手にどう矢を撃ち込むかだ。
「ほわぁー!?」
幸い攻撃は読みやすく、当たることはないだろう。ならば、と足を止め、パティリッタはゾンビ犬が飛びかかるのを待つ。
「っ! これでっ!!」
予想通り、当たりもしない飛びかかりを華麗に躱したその振り向きざま、矢を放った。
放たれた矢がゾンビ犬を捉え、床へ縫い付ける。後はこっちのものだ。
「……いよっし!」
動かなくなるまで矢を撃ち込み、目論見がうまく行ったとパティリッタはぴょんと飛び跳ねてみせた。
ゾンビ犬が飛び出してきた部屋を調べてみる。
獣臭の充満した部屋のベッドの上には、首輪が一つ落ちていた。
「……ラシー、ド……うーん、ということは……」
あのゾンビ犬は、この館の飼い犬か。絵画に描かれていたあの子犬なのだろう。
思わず感傷に浸りかけて、我に返った。
廊下に残った扉は一つ。最後の扉の先は、納戸のようだ。
いくつか薬が置いてあっただけで、めぼしい成果は無かった。
こうなると、やはり2階を探索するしかない。
「なんでスプーン探すのにこんなに歩きまわらなきゃいけないんだぁ……」
慎重に階段を登り、2階へ足を踏み入れた。
まずは今まで通り、手近な扉から開いて入る。ここは書斎のようだった。
暗闇に目が慣れた今、書斎机に何かが座っているのにすぐ気づいた。
本来頭があるべき場所に何もないことも。
服装を見るに、この館の主人だろう。この死体も動き出すかもしれないと警戒して近づいてみるが、その気配は無かった。
「うげぇ……」
その理由も判明した。この死体は異常に損壊している。
指もなく、全身至るところが切り裂かれてズタズタだ。明確な悪意、殺意を持っていなければこうはならない。
「ほんっともう、やだ。なんでこんなことに……」
この屋敷に潜んでいるかもしれない化け物は、殺して首を刈るだけではなく、このようななぶり殺しも行う残忍な存在なのだと強く認識した。
部屋を探索してみると、机の上にはルドが散らばっていた。これは、頂いておいた。
更に本棚には、この館の主人の日記帳が収められていた。中身を検める。
その中身は、父親としての苦悩が綴られていた。
息子が不死者の呪いに侵され、異形の化け物と化したこと。
殺すのは簡単だが、その決断ができなかったこと。
自身の妻も気が触れてしまったのかもしれないこと。
更に読み進めていけば、気になる記述があった。
「結界は……入り口のあれですよね。ここ、地下室があるの……?」
この館には地下室がある。その座敷牢に異形の化け物と化した息子を幽閉したらしい。
しかし、それらしい入り口は今までの探索で見つかってはいない。別に、探す必要がなければそれでいいのだが。
「最悪なのはそのまま地下室探索コースですよねぇ……。絶対やだ」
書斎を後にし、次の扉に手をかけてみたが鍵がかかっていた。
「ひょわぁぁぁっ!?」
仕方なく廊下の端にある扉へ向かおうとしたところ、足元を何かが駆け抜けた。
なんのことはないただのネズミだったのだが、今のパティリッタにとっては全てが恐怖だ。
「あーもー! もー! くそー!」
悪態をつきながら扉を開く。小さな寝台、散らばった玩具が目に入る。
ここは子供部屋のようだ。日記の内容を考えるに、化け物になる前は息子が使用していたのだろう。
めぼしいものは見当たらない。おもちゃ箱の中に小さなピアノが入っているぐらいで、後はボロボロだ。
ピアノは、まだ音が出そうだった。
「……待てよ……」
弾いたところで何があるわけでもないと考えたが、思い直す。
本当に些細な思いつきだった。それこそただの洒落で、馬鹿げた話だと自分でも思うほどのものだ。
3つ、音を鳴らした。この館で飼われていた犬の名を弾いた。
「うわ……マジですか」
ピアノの背面が開き、何かが床に落ちた。それは小さな鍵だった。
「我ながら馬鹿な事考えたなぁと思ったのに……。これ、さっきの部屋に……」
その予想は当たった。鍵のかかっていた扉に、鍵は合致したのだ。
その部屋はダブルベッドが中央に置かれていた。この館の夫妻の寝室だろう。
ベッドの上に、人が横たわっている。今まで見てきた光景を鑑みるに、その人物、いや、死体がどうなっているかはすぐにわかった。
当然首はない。服装から察するに、この死体はこの館の夫人だ。
しかし、今まで見てきたどの死体よりも状態がいい。躰は全くの無傷だ。
その理由はなんとなく察した。化け物となってもなお息子に愛情を注いだ母親を、おそらく息子は最も苦しませずに殺害したのだ。
逆に館の主人は、幽閉した恨みをぶつけたのだろう。
「……まだ、いるんだろうなぁ」
あれだけ大騒ぎしながらの探索でその化け物に出会っていないのは奇跡的でもあるが、この先、確実に出会う予感がしていた。
スプーンは、見つかっていないのだ。残された探索領域は一つ。地下室しかない。
もう少し部屋を探索していると、クローゼットの横にメモが落ちていた。
食材の種類や文量が細かく記載されており、どうやらお菓子のレシピらしいことがわかる。
「あれ……?」
よく見ると、メモの端に殴り書きがしてあった。
「夫の友人の建築家にお願いし、『5分前』に独りでに開くようにして頂いた……?」
これは恐らく、地下室の開閉のことだと思い当たる。
「……そうだ、子供のおやつの時間だ。このメモの内容からしてそうとしか思えません」
では、5分前とは。
「おやつの時間は……そうか。わかりましたよ……!」
地下室の謎は解けた。パティリッタは、急ぎ食堂へと向かう。
「5分前……鍵は、この時計……!」
食堂の隅に据え付けられた時計の前に戻ってきたパティリッタは、その時計の針を弄り始めた。
「おやつは3時……その、5分前……!」
2時55分。時計の針を指し示す。
「ぴぃっ!?」
背後で物音がして、心臓が縮み上がった。
慌てて振り向けば、食堂の床石のタイルが持ち上がり、地下への階段が姿を現していた。
なんとも形容しがたい異様な空気が肌を刺す。
恐らくこの先が、この屋敷で最も危険な場所だ。本当にどうしてこの館に足を踏み入れたのか、後悔の念が強まる。
「……行くしか無い……あぁ……いやだぁ……! 行くしか無いぃ……」
しばらく泣きべそをかいて階段の前で立ち尽くした。これが夢であったらどんなにいいか。
ひんやりとした空気も、腐臭も、時計の針の音も、全てが現実だと思い知らせてくる。
涙を拭いながら、階段を降りていく。
降りた先は、石造りの通路だった。
異様な雰囲気に包まれた通路は、激しい寒気すら覚える。躰が雨に濡れたからではない。
――死を間近に感じた悪寒。
一歩一歩、少しずつ歩みを進めた。通路の端までなんとかやってきた。そこには、鉄格子があった。
「……! うぅぅ~……!!」
また泣きそうになった。鉄格子は、飴細工のように捻じ曲げられいた。
破壊されたそれをくぐり、牢の中へ入る。
「~~~っ!!!」
その中の光景を見て思わず地団駄を踏んだ。
棚に首が、並んでいる。誰のものか考えなくともわかる。
合計4つ、この館の人間の犠牲者全員分だ。
調べられそうなのはその首が置かれた棚ぐらいしかない。
一つ目は男性の首だ。必死に恐怖に耐えているかのような表情を作っていた。これは、下男だろう。
二つ目も男性の首だ。苦痛に歪みきった表情は、死ぬまでにさぞ手酷い仕打ちを受けたに違いなかった。これがこの館の主人か。
三つ目は女性の首だ。閉じた瞳から涙の跡が残っている。夫人の首だろう。
四つ目も女性の首。絶望に沈みきった表情。メイドのものだろう。
「……これ……」
メイドの髪の毛に何かが絡んでいる。銀色に光るそれをゆっくりと引き抜いた。
鳥の意匠が施された銀のスプーン。
「こ、これだぁ……!!」
これこそが魔法陣を解錠する鍵だと、懐にしまい込んでパティリッタは表情を明るくした。
しかしそれも、一瞬で恐怖に変わる。
――何かが、階段を降りてきている。
「あぁ……」
それが何か、もうとっくに知っていた。逃げ場は、無かった。弓を構えた。
「なんで、こういう目にばっかりあうんだろうなぁ……」
粘着質な足音を立てながら、その異形は姿を現した。
"元々は"人間だったのであろう、しかし体中の筋肉は出鱈目に隆起し、顔があったであろう部分は崩れ、悪夢というものが具現化すればおおよそこのようなものになるのではないかと思わせた。
理性の光など見当たらない。穴という穴から液体を垂れ流し、うつろな瞳でこちらを見ている。
ゆっくりと、近づいてくる。
「……くそぉ……」
歯の根が合わずがたがたと音を立てる中、辛うじて声を絞り出す。
「死んで……たまるかぁ……!!」
先手必勝とばかりに矢を射掛けた。顔らしき部分にあっさりと突き刺さる。
それでも歩みは止まらない。続けて矢を放つ。まだ止まらない。
接近を許したところで、全力で脇を走り抜けた。異形の伸ばした手は空を切る。
対処さえ間違えなければ勝てるはず。そう信じて異形を射抜き続けた。
「ふ、不死身とか言うんじゃないでしょうねぇ!? ふざけんな反則でしょぉ!?」
――死なない。
今まで見てきたゾンビとは格が違う。10本は矢を突き立てたはずなのに、異形は未だに動いている。
「し、死なない化け物なんているもんですか! なんとかなる! なんとかなるんだぁっ!! こっちくんなーっ!!!」
矢が尽きたら。そんな事を考えたら戦えなくなる。
パティリッタは無心で矢を射掛け続けた。頭が急所であろうことを信じて、そこへ矢を突き立て続けた。
「くそぅっ! くそぅっ!」
5本、4本。
「止まれー! 止まれほんとに止まれー!」
3本、2本。
「頼むからー! 死にたくないからー!!」
1本。
「あああぁぁぁぁっ!!!」
0。
最後の矢が、異形の頭部に突き刺さった。
――動きが、止まった。
「あ、あぁ……?」
頭部がハリネズミの様相を呈した異形が倒れ伏す。
「あぁぁぁもう嫌だぁぁぁ!!!」
死んだわけではない。既に躰が再生を始めていた。しかし、逃げる隙は生まれた。
すぐにねじ曲がった鉄格子をくぐり抜けて階上へ飛び出し、一目散に入り口へ駆ける。
後ろからうめき声が迫ってくる。猶予はない。
「ぎゃああああもう来たあああぁぁぁぁ!!!」
玄関ホールへたどり着いたと同時に、後ろの扉をぶち破って再び異形が現れる。
無秩序に膨張を続けた躰は、もはや人間であった名残を残していない。
異形が歪な腕を、伸ばしてくる。
「スプーンスプーン! はやくはやくはやくぅ!!!」
もう手持ちのスプーンから鍵を選ぶ余裕すらない。3本纏めて取り出して扉に叩きつけた。
肩を、異形の手が叩く。
「うぅぅぐぅぅぅ~ッッッ!!!」
もう涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃだった。
後ろを振り返れば死ぬ。もうパティリッタは目の前の扉を睨みつけるばかりだ。
叩きつけたスプーンの内1本が輝き、魔法陣が共鳴する。
「ぎゃー! あー!! わーっ!! あ゛ーーーッッッ!!!」
かちゃり、と音がした。
と同時に、パティリッタは全く意味を成さない叫び声を上げながら思い切り扉を押し開いて外へと転がり出た。
いつしか雨は止んでいた。
雲間から覗いた夕日が、躰に纏わり付いた忌まわしい物を取り払っていく。
「あ、あぁ……」
西日が屋敷の中へと差し込み、異形を照らした。異形の躰から紫紺の煙が上がる。
もがき苦しみながら、それでもなお近づいてくる。走って逃げたいが、遂に腰が抜けてしまった。
ぬかるんだ地面を必死の思いで這いずって距離を取りながら、どうかこれで異形が死ぬようにと女神に祈った。
異形の躰が崩れていく。その躰が完全に崩れる間際。
「……あ……」
――パティリッタは、確かに無邪気に笑う少年の姿を見た。
翌日、パティリッタは宿場につくなり官憲にことのあらましを説明した。
館は役人の手によって検められ、あれこれと詮議を受ける羽目になった。
事情聴取の名目で留置所に三日間放り込まれたが、あの屋敷に閉じ込められた時を思えば何百倍もマシだった。
館の住人は、縁のあった司祭によって弔われるらしい。
それが何かの救いになるのか、パティリッタにとってはもはやどうでも良かった。
ただ、最後に幻視したあの少年の無邪気な笑顔を思い出せば、きっと救われるのだろうとは考えた。
「……帰りましょう、リーンに。あたしの日常に……」
「……もう、懲り懲りだぁー!!」
リーンへの帰途は、晴れ渡っていた。
――ある館の、惨劇。
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福島事務局の大塚真理さん、大いに語る。
東北ユースオーケストラ結成のきっかけは、スイスの世界的に高名な音楽祭、ルツェルン・フェスティバルから東日本大震災のための復興イベントを行いたいとの相談を受けたことからはじまります。
大震災直後から被災三県の学校の楽器を点検、修理し、音楽活動を支援してきた「こどもの音楽再生基金」では、発起人である坂本龍一さんから「子供たちによるオーケストラができないか」というアイデアが出ていました。
2013年のルツェルン主催の宮城県松島での音楽イベントに「東北ユースオーケストラ」という混成オーケストラを編成して指揮者グスターボ・ドゥダメルさんや坂本龍一さんと共演する機会があれば、日本のみならず世界に復興途上の現地の子供たちの姿が発信されるのではないか。
この大きな構想を受け止めてくださったのが、当時福島市のテレビ局、福島テレビが運営されているFTVジュニアオーケストラで事務局を担当されていた大塚真理さんでした。大塚さん無しには、「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 松島2013」で「東北ユースオーケストラ」が生まれることはあり得なかったでしょう。そういう意味でも、大塚真理さんはTYOの母であります。
以来、2015年の団員募集ではチラシを抱えて地元を駆け回ることから、合宿での急病人の対応から、福島市での毎月の合同練習会で団員が出したゴミの後始末から、何から何まで気の効くサポートを受け続けて来ています。時に原発事故の話題になると、国や東電の対応や深刻な影響について声を荒げて話されることがあり、折に触れお話を伺ってきました。しかし、これまで一度もいわゆる「インタビュー」をしたことがなかったと気づきました。そこで、今年も311が近づく2月の1泊2日の合同練習会で二日に渡ってお話を聞いてみたのです。
ー 今日はあらためてお話を伺いたいと思います。まずは福島テレビ(FTV)に入社された頃の話からでいいですか?
FTVには1977年、昭和52年に入社しました。最初は営業管理部で、スポットデスクに配属されました。
(注:「スポットデスク」とは番組と番組の間に入るスポットCMの管理を行うセクションです)
その後は、制作部でサブディレクターになりました。県庁担当で「市政たより」やお母さんのための幼児教育番組「小さな世界」などの制作をしていました。弁当やお花の手配ばかりしていたので、自分のことを「弁当ディレクター」と言っていました。
鼓笛隊パレードとか、当時はジュニアオケの番組もありました。毎年土曜日午後の1時間半番組でスポンサーもついていたんです。昔は自社制作番組が結構ありました。
ー 今では地方局は東京のキー局の番組ばかりになってますからね。福島テレビは当時からフジテレビのネットワーク局だったんですか?
その頃はフジテレビとTBSの2局のネット局だったんです。最強だったですよ。ドリフターズの「8時だよ、全員集合」も「花王名人劇場」も「ザ・ベストテン」も「夜のヒットスタジオ」も金八先生のドラマも「なるほど!ザ・ワールド」も同じ局で放送していたんですよ。
ー それはすごい!わたしが子供の頃に見ていた番組ばかりです。きっと仕事も面白くてしょうがなかったでしょうね。
はい、楽しか��たですから結局結婚まで10年勤めました。当時の福島だと30過ぎると結婚が遅いほうなので周りに心配されました(笑)
ー ということは今や珍しい寿退社ですね。一旦お辞めになってからまた復職されたのですね。
わたしの主人が亡くなった時に戻ってこないかと声をかけてもらいました。15年ほど前、いまとにかく困っているから事務を手伝ってくれと言われたんです。
ー 困った時には大塚さんですね(笑)
平成15年、2003年に福島テレビの事業部一年間、契約社員で働きました。そうしたら翌年の2004年からFTVジュニアオーケストラの事務局をやってくれとなりました。その頃には福島テレビの女性社員はほとんどいなくなってたんです。
ー オーケストラとは昔からつながりがあったんですか?
制作部時代、ジュニアオケの番組収録の時にタイムキーパーとして何度か手手伝ったくらいでした。だから頼むれた時も「え、オーケストラ? 音楽は知りませんよ、でも事務はできますよ、予算管理ならできますよ」と言いました。
社内の人たちはよく知ってるし、社内交渉はできる。それに営業と制作で鍛えられたので、段取りはよくわかっている。人生何事も経験で無駄なことは無いとつくづく思います。若い頃の経験が役立ちました。
ー それは大塚さん、適任ですね。でもオーケストラの運営には専門知識も必要ですよね。どうされたんですか?
そもそもトランペットとトロンボーンの違いもわからないくらいだったんです。だから必死で本を読みました。「音楽の友」など音楽雑誌を毎月読んで、フルトヴェングラー、カラヤン、ウイーンフィルなどについての本を気の向くままに読みました。特にNHK交響楽団のオーボエ奏者茂木大輔さんの本は役立ったと思います。
指導していただく先生方の話もチンプンカンプンだったので、楽譜を読めるようにドイツ語とイタリア語の対照表も自分でつくりました。「やさしいクラシック」のような入門向けのCDも片っ端から聴きましたね。
— オーケストラの運営となると、この世界ならではの業務もありますよね。
まずは一所懸命に楽譜の整理をしました。もうそれはそれは楽譜がバラバラだったんです。東京から指導に来ていただいていたパーカッションの先生、大塚敬子先生に教えていただいて、パートごとの並べ方や番号の方を教わったり、それはとても助かりました。
3年やってようやく慣れたかな。予算のこと、楽器のこと、テクニカルタームもわかるようになってきました。だんだん実務が楽しくなってきて、自分から企画が出せるようになってきたんです。
— 大塚さんにとってジュニアオケでの転機となるようなことはありましたか?
6、7年目かな。福島県文化センターでクリスマスコンサートとして竹内ひとみバレエ団とチャイコフスキーの「くるみ割り人形」の全幕をやりました。この企画を出した時は、子供たちがオーケストラピットに入って演奏するから脇役になると、先生方は反対でした。でも子供たちはやりたいと言うんです。だから押し切った(笑)。前半と後半に分けて負担を減らすようにしてね。
— 一番思い出深いコンサートとなると、どうですか?
ベートーヴェンの第九ですね。わたしがFTVジュニアオーケストラの事務局を辞める年、2013年12月30日でした。会場が福島県文化センターという県の公共施設ですから、年末は通常28日で仕事納めなんです。それを「開けてください」とお願いして、ホールの歴史で初めてのことでした。
この時も大人は反対でした。「忙しいから駄目だへ、無理だべ」とさんざん言われました。でも、子供たちに聞くと「やってみたい」と言うんです。実際やれるんです。子供は「やるよ」と言ったら、やるんです。大人が決めてはいけないんです。
このことは、子どもたちに教えられたことです。子供たちってすごいんですよ。わたしは若い人たちにパワーをもらって生きてきた、助けられて生きてきたんです。大震災から2年経って、福島の復興への想いもありました。
わたしはジュニアオケの仕事も10年で辞めるからと言っていました。わたしの子供も大学を卒業するし、60歳から先は自由に生きるのだと決めていた。だから「歓喜の歌」である、第九をやって締めくくりたいと思ったんです。第九の合唱団も公募で大変だろうと言われたけど、好きなことだから頑張れるんです。そしてサポートしてくれる、先生や周りの人に恵まれていました。
おかげさまで演奏会は大成功となりました。
— いつも団員インタビューで聞いている質問です。311の時、どこで何をしていましたか?
福島テレビの旧館5階の事務局に一人でいました。いつも2時40分が仕事のひと区切りがつく時間だったんです。だからその日もコーヒーを淹れようと立ち上がったら、携帯の地震警報が鳴りました。もう激しく揺れだしてびっくりしました。逃げようと廊下を走ったけど思うように前に進めないんです。すると壁が部分的に崩れてきた。譜面台は一斉にバタバタと音を立てて倒れ、階段を降りることもできず、エレベーターの角の柱につかまっていました。すると、わたしの背後でコピー機が左へ右へと走ったんです。もうびっくりして、あの時はこのまま一人で死ぬんだと思いましたね。
2回目のほうが揺れが大きくて、長く感じました。そうこうしていると、4階の秘書室の部長が上がってきた。バタンバタン大きな音を立てて動いていた防火扉を止めるためにです。
それで揺れもおさまって3階の事業部に戻ったところ、危ないので外に出ろと言われた。外に出たら、こんどは雷と吹雪になりました。
報道と制作が入っていた新館は、それほどの被害は無かったのですが、旧館が酷かった。あらゆるガラス、窓ガラスがほとんど割れたから、そのあとずーっとベニヤ板で覆うような状態が続きました。よく怪我人が一人も出なかった、奇跡に近いと言われましたね。もう壁もひび割れて「メロンハウスだね」と言って笑うしかなかった。
— 外にしばらくいたのですか?
いったん家に帰れと言われました。家族の安否を確認するために連絡を取りました。そしていったん5階の事務局に戻ったら、テレビもファックスも吹っ飛んでいましたね。ようやく鞄と靴を探して、コートを持って車に乗りました。車内のラジオで津波が発生と聞きました。���害が出てると言うけども、よくわからなかったです。車を運転しても、信号が止まっているので、渋滞はしてなかったけど、道路を渡ることすら思うままにできなくて、交差する車同士で「ごめんなさい」と道を譲ってもらったり譲ったりで、踏切の無い道を選んで車を走らせました。
水道管が破裂したところは、もう道路がわからない状態で、運転しながら足が震えました。もう自分の家が無いのではと思いながら、運転するのに必死でした。道路が陥没して軽自動車が落ちてる脇を通って抜けた時の恐怖。あの時のことを思うといまだに怖いです。
おかげさまで家はあったし、屋根も損傷受けずでしたが、電気ガス水道が止まりました。
— ご家族はみなさんご無事だったのですか?
当時23才だった上の娘が勤めていた銀行がたまたま仕事休みで、いつもはぼーっとしてる娘がセブンイレブンに買いに走ったけど、ほとんど何も無かったと報告してくれました。
78才の父は犬が飛び出さないよう抱えて、いったん家を出たそうです。
80才の母は玄関で動けないでいた。あまりにびっくりして、記憶が無いと言っていますね。もう、ぼーっとしてるしか無かったと。
家族と家は大丈夫だと実際に安否確認でき、会社に報告したらしばらく出社しなくていいと言われました。ちょうど金曜日だったので、それからしばらく家にいましたね。
— 津波のことは後から知ったのですか?
ラジオだけの情報でした。だから津波の悲惨な状況を聞いても想像できなかったですね。電気が戻ってから、テレビの映像で津波を見てショックを受けました。まるで映画のワンシーン。こんなことが起きるんだと思いましたね。家族でみんな生きているに感謝しました。
— 避難所には行かれました?
結局、避難所には一度も行かずでした。2000年問題の時に電気が止まると言われていたので、ストーブがあって、灯油もあったので寒さはしのげました。あと近所の飲めない井戸から水をもらって、ストーブでお湯を沸かして湯たんぽをつくり、その水を利用してトイレも使えました。
近所の井戸水で飲める水があるとの情報を聞きつけ、ガソリンあるうちは車を走らせてもらっていました。
やはり困ったのは水、電気でした。夜は庭の太陽光で発電する照明を家に持ち込んだり、ロウソクの生活が続きました。テレビも見れなかった。
ガスが最初に復帰して、1週間もかからなかったですね。水道は1週間かかりました。そしてうちは電気が一番最後に復旧しました。道路の反対側まで電気が来てるのに、あともう少しなのにとせつない思いになりましたね。街の中は電気ガス水道ともに全然大丈夫だったんですが。
— 原発の事故はいつ知られましたか?
大震災の週明け火曜日に会社に行って、はじめて原発がたいへんなことになっていると知りました。それまで、そんな重大なことと思わなかったです。家に帰って「どこに逃げようか、どっち方向だろう、貴重品を持ち出せるように、いつでも避難できるようにしよう」としましたね。
水をもらうために外で2時間とか平気で並んでました。原発が深刻だと思わなかった。学校行ってないから子供が外で並んでたんですよ。もうちょっと教えてくれたらと今になって思いますね。もっと広報の仕方とか方法が無かったのかと。確かにそれどころでは無かったかもとは思います。誰も経験したことの無いことだったから。福島は災害が無かったから、災害の無い県と思い込んでましたね。それに「原発は安全だ」と思い込んでいました。地震はともかく、津波の恐ろしさ。あの津波さえなければと思いますね。
— 福島市から逃げようとはされなかった?
逃げて行っても、生活の場が無いですしね。できるだけ外には出ない、窓は締める。ガソリンがあるうちは車で移動。必要以外は外に出ないとしました。
それでもしばらく余震が続きました。地震警報におびえる生活が続きました。家の中でも寝る時もジャージで、一階の和室で生活をしすぐに外に出られるようにしていました。
いつから普通の生活に戻ったんだろう。記憶はあいまいになっていくものですね。
— これもいつも団員インタビューで聞いている質問なのですが、311で変わったことは何ですか?
日々何事も無く過ごしている有り難さを感じるようになりましたね。電気ガス水道の有り難さ。そして、なにごとにも感謝です。
平凡が一番、普通が一番。
なにごとにも「ありがとう」感謝の気持ちを持てるようになり、気持ちが穏やかになったと思います。
それから、普段からの災害への備えをするようになりました。それでも、またあったらうろたえるのだろうなとも思いますけど。
— FTVジュニアオーケストラの団員の子供たちに変化はありましたか?
ジュニアの子どもたちのうち、自主避難でいなくなった子が3人いました。逆に浪江町から避難してきた子が一人入団しました。福島テレビの社員でも小さなお子さんのいる方は3人は辞めました。
福島県でも飯館村とか、伊達市とか、思わぬところで放射線の線量が高いです。出て行った若い人は戻らないでしょうね。もう年寄りばかりです。避難した地域は生活ができないですから。店や病院もありません。
— 今の福島についてどのように思われていますか?
福島県に中高一貫校を新設するとか言っていますが、世間の目を欺くためではないかと思ってしまいますね。政府などへの不信感もあります。東京にオリピックを呼ぶために安倍総理がいくら「原発事故はコントロールできている」とプレゼンしても、「嘘つけ!」と思ってしまいました。
除染したと言っても限界があると思います。イノシシ、豚とか、山の中を動き回って、汚染された餌を食べている訳ですから。
— つい最近、除染が来たとおっしゃっていましたね。
ようやく去年の暮れに家の近所の側溝の除染に来ました。いまだに除染土が家の庭にありますよ。大きい袋ですからね、目に入ると気が重いです。なかなか持って行ってくれないんですよ。
(大塚さんご自宅の庭に置かれたままの除染土の写真です)
線量が高いところからはじめて、一年くらい後にうちの家に来て、「今ごろやっても無意味なんじゃない」と、みんなそう言ってますよ。気休めのような気がする。
— 実際のところはどうなんでしょうね。
噂では癌患者が増えてると聞きますが、あまり表には出て来ないですね。最近の国の「不正統計問題」を見ても、情報に対する信頼度が落ちてると思います。都合がいいことだけ発表して、情報統制しているのではと思ってしまいますね。
沖縄の人に「福島の人はおとなしいね」と言われました。沖縄なら毎日デモだよって(笑)
— 政府や国の行政にこれだけはお願いしたいということはありますか?
本当のことをしっかり発表して欲しい。今、現在どうなってるかを知りたい。福島の街にいくら線量計があっても気休めなんだと思うんですね。
それにこれだけの事故を起こしながら、原発を、海外に売ろうとしたでしょ。いったい福島のことをどう思ってるのかと。
国ってなにを考えているのかなと悲しくなります。
ヒロシマ、ナガサキ、唯一の被爆国ですよ。
今の日本が悲しいですね。
— そんな状況の中で東北ユースオーケストラの活動はあります。どのようにお考えですか?
主役は子どもたちのことだから、大人は政治的なことを押し付けはいけないと思いますね。
でも代表・監督の坂本龍一さんは、はっきりものをおっしゃいます。偉い。勇気があると思います。影響力のある人が発信することが大事なんです。
坂本さん、凄いなって、いつも尊敬してます。
— 震災のあともFTVジュニアオーケストラの活動が続いてきたからこそ東北ユースオーケストラが生まれましたね。
震災の後、ジュニアオケは活動をやめたらどうかという話になりました。でも子どもたちはやりたい。しかし、毎週練習に使っていた福島テレビの旧館の社屋は、使えない。2011年の5月の連休明けからしばらくして練習を再開しました。もうあちこち転々と1週間ごとに楽器を運んで練習を続けました。時には関連会社の会議室で練習しました。そして、7月に定期演奏会ができたんです。よくできましたね。子どもたちが絶対やりたいて言うからね。親御さんのサポートもありました。おかげさまで福島市音楽堂が再開してすぐのコンサートを開くことができました。
— 2013年のルツェルン音楽祭の復興イベントから東北ユースオーケストラは始まりました。その立役者が大塚さんだったわけですが。
2013年のルツェルンのイベントは、無我夢中でした。自分でもよくできたと思う。子供たちのために今やらなきゃというエネルギーですね。何かをやっていたほうが、自分も楽な時期でした。止まっちゃうと駄目なんです。
わたしとしては、機会があれば子どもたちをどこかに福島の外に連れて行きたかった。そして、世界に眼を向けさせる。いろんな人を知る。ルツェルンの復興イベントは、そんな絶好の機会だと思ったんです。
しかし、FTVジュニアの先生方からも反対されました。子供たちの負担になると言うんです。大人はいつも安全パイを選んでしまう。こんな、世界とつながれる機会はないですよ。行ける子どもだけでもと、FTVジュニア以外にも近隣の高校の吹奏楽部などにも声をかけました。
ドゥダメルや坂本龍一という世界に通じる人と、松島の特別な場所で、いい経験が積めたと思いますね。
子供たちが坂本さんにサインをもらってうれしそうに笑っているのを見て、うれしかったです。
— そのルツェルン音楽祭で好評だったため、東北ユースオーケストラは一般社団法人化しました。
組織がしっかりすることはいいことです。続いていくことは、有難いことだと思ったし、何より親御さんからの信用、社会的信用が生まれます。
最初はゼロから募集をかけて人数を集めるとなった時に、集まるか不安でした。140���を超える応募の数には正直びっくりしました。
— かれこれ組織としては、東北ユースオーケストラは5年が経ちましたね。感慨深いです。
何しろ最初の夏合宿が沖縄県の宮古島だったでしょ。行動力がすごい。いろんなことを1つづつ叶えていく、その実行力には頭が下がります。最初は運営も危なっかしくってね、どうなることかと思いました。ただ夢中で子どもが演奏だけに集中できる環境をつくろうとしていました。もう大丈夫ですよ(笑)
— 最後に、これもいつも団員インタビューで聞いている質問です。今後、東北ユースオーケストラでどんな活動をしたいですか?
卒団した子どもが練習や演奏会にやってくるじゃないですか。そういう場があることが素晴らしいと思いますね。だから長く続けて欲しい。
海外公演も実現して欲しいです。よちよち歩きから始まった東北ユースオーケストラが、ルツェルン音楽祭で凱旋公演できるといいですね。あの2013年の松島のルツェルンのイベントの時のオーケストラがこんなに立派になって、と言われたら最高じゃないですか。
いち早く多額の支援をしてくれた、親日家の多い台湾公演もできたらいいですね。
東京オリンピック・パラリンピックでは何かしないんですか?
このインタビューを行なったのが先月の1泊2日の合同練習会だったもので、土曜日の練習を終え、JA共済さんにご手配いただいた宿泊組の宿へと向かうバスを見送る団員、大塚さん、そして同じく福島事務局で団員の演奏指導もお願いしている竹田学さんです。
あらためて大塚真理さんのお話を伺って考えさせられたのは、強い使命感と子供たちへの無償の愛です。通奏低音として「大人は子供のことを、子供の可能性をわからないのだ」という姿勢があって、だから大塚さんの子供へのまなざしには上から目線が微塵もありません。とてもふらっとです。だから子供たちも大塚さんのスタンスを動物的に嗅ぎ取って自然と寄って来るんだと思うのです。
「大人の都合で子供のことを考えるなよ」は、肝に命じたいフォームです。とと同時に「子供も大人の事情を考えろよな」と言いたくなってしまうのは、大人気ないことなのでしょう。反省反省。
実際にお聞きした内容にはとても刺激的なことも含まれていて、本当はノーカット無編集で「大塚さん大いに語る」を掲載したかったのですが、それはそれで品位に悖るような気がしまして、細かな配慮ができたかどうかは別として編集をいたしました。
311から8年です。大震災は続いています。そのことを知って欲しいと思います。それが東北ユースオーケストラの存在意義の一つであるからです。
引き続き東北ユースオーケストラへのご支援をお願いいたします。
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2021/4/25
朝、日差しで目が覚める。今日は隣町の親分にご飯をご馳走になるから、早めに支度をして、散策がてら隣町まで歩くことにする。今日も鈴の鳴りがいい。玄関から外に出ると、三軒となりのSさんが玄関先で何かしているのが見える、長髪がゆっさゆっさ揺れているのが遠目からも見える。歩いていくと、Sさんはカメのお世話をしている。目が合ったものだから、つい「こんちわ~」と挨拶してみると、無言で会釈だけ返してくれる。音を察知して、鈴に視線の動くのがわかる。
暗渠づたいに隣町まで。この暗渠通りには民家の玄関先の花や、雑草の花が点々と続く。いつも花摘みに行く公園とはちがう種類の花がたくさんあって押し花たましいをくすぐられる。いまは無人になっていて、建て壊しにもならず、もうすぐで廃墟になる寸前の木造家屋がある、庭には井戸もある。石造りの旧土手から小さな階段がのびていて、すぐに樹に遮られて行き止まり。階段のひび割れからは雑草が繁っていて、相当の年月を思わせる。もしかすると、ここが小川だった時分から階段はここにあって、小川に下りていくための道だったのかもしれない。いったん暗渠がひらけて、複数の団地とそのさなかに慎ましやかな緑の公園がある。公園は雑草がぼうぼうで黄色い花がたくさん咲いている。ここを秘密の花園と名付ける。秘密の花園の奥に暗渠はさらに続いてゆく。暗渠はやがて川に突き当たり、その対面に待ち合わせの駅がある。待ち合わせの時間には少し余裕があるから、しばらく川沿いを歩く。鳥や亀や昆虫をかたどった銅板が柵の上に立てられていて、くり貫かれたほうの空洞の銅板も柵に張り付けられている。川が二つに枝分かれるところまで歩いて、駅に引き返して親分を待つ。スーツケースをもった女のひとも誰かを待っている。改札のほうを見ていると、後ろからチリンチリンと自転車の呼び鈴、女のひとがスーツケースをほっぽって自転車の男のひとに駆け寄る。男のひとが「あれ、カゴに乗せてく?」と言う。自転車のカゴにスーツケースが収まるはずもなくて、斜め向きにほとんどはみ出たスーツケースを女のひとが支えながら、男のひとは自転車を押してゆく。親分がニコニコ微笑んで登場、春らしい薄いベージュのジャケットを羽織っている、おじいさんのくせに洒落てるなぁと思う。これ、やるよ、と紙袋をもらう。受け取るとその紙袋はずっしり重たくて、なかには大量のさつまいもが入っている、安納芋と紅はるかだという。せっかくご飯をご馳走になりにきたのに、ほんとうにどこのお店もお酒は提供していないようで、親分がまえから行きたがっていた(行きたいけど行列に並ぶのがイヤで行けなかった)人気のラーメン屋に並ぶことにする。親分は時間に対して几帳面なひとで、こんな行列に並ぶなんて普段ならあり得ないな、でも、今日は仕方がないし、せっかくだから並んでやるか、なんて言いながら、けっこうウキウキで店内の様子を覗いている。この町が地元の親分から、この町の昔のはなしを聞く。並びはじめて40分ほどでようやくラーメンにありつく。ラーメン全部のせ。美味しい! チャーシューの下から大好きなほうれん草が出てきてうれしい。ふたりともスープを底まで飲み干して店をあとにする。親分にホームセンターまで案内してもらって、また明日。
でかめのゴミ箱と、観葉植物のチェック。ゴミ箱はちょうどいいのがない。それにしてもこのさつまいもをどうしよう。もらったはいいものの、ぜったいに食べないだろうなって思っていたら、ふと、いも好きのNさんことが思い浮かぶ。ヨシッと連絡しようとしたら、なんともちょうどよくNさんからほうからもリプの通知がきている。いもの件を伝えると、なんと、いまから取りに来てくれるという。うちのほうに帰りながら、去年のことを思い出している。親分の地元からうちのほうは長くゆるやかな坂道になっていて、坂道が段々にずっと続いている。去年の暑くなってきた季節、その日も親分からご飯をご馳走になった帰り道で、Nさんにもらった歌詞を見ながら、続いてく坂道って歌っていたのを思い出している。親分とNさんには不思議な縁があるらしい。
公園を通過して駅の公園口に着くと、ちょうど道路を挟んだ駅の対面に手を振るNさんの姿! 路線バスが通って姿が見えなくなる、バスが過ぎ去って、Nさんはさっきよりも大きく手を振っている、信号が青になって駆け足ぎみで合流、このあいだTさんもこの横断歩道をひらひら渡ってきたっけなってことを思い出しながら。もらったさつまいもをそのまま渡す、青いイヤリングがいいね! そのままなし崩し的に散歩へ。昨日、Rくんから連絡をもらったことをはなしつつ、はるか遠くの海へ送り出してしまったことをかなり後悔しつつ、Tさんも呼ぼうよって言ったら、さすが準備のいいNさんはすでに誘っている。じぶんのなかではRくんはRくんなんだけど、Rくんのことを呼ぶとき、なんか恥ずかしくて、Oくんって苗字のほうに言い直してしまう。
Sさんの家の前まで行ってカメ(顔がSさんに似ているような気がする)を見る。またしても、じぶんの声が聞こえる現象。でも、それ以上によく響いている鈴の音。Nさん、猫を散歩させてるみたいって言う。近所の暗渠からスタート、道端のたんぽぽに反応するNさん、そういえばとたんぽぽの綿毛のリースのはなしになって、たんぽぽの綿毛の不思議とたんぽぽリースの作り方を学び、たんぽぽだらけで大変なことになったNさんの部屋のことを知る。押し花のはなしにも。色黒のモヒカンのひとが今日もいる。イチゴミルクみたいな白と赤の花からいい匂いが漂ってくる。階段のところで大通りに突き当たり、見晴らしのいいマンションにのぼることにする。今日はいつものマンションではなくて、その近くのマンションにチャレンジしてみる。エレベーターの中に騒音注意の張り紙、そこに描かれた騒音に苦しむひとのイラストをNさんがかわいいって。耳を塞ぐひとの左右に騒音のパチパチがあって、その色が赤や黄色の危険色ではなく、なぜか青と緑という優しそうな色をしている。最上階に着いて、ドアが開くと、そこがいきなり家のなかというか事務所みたいになっていて、大慌ててドアの閉じるボタンを連打する。ひとつ下の階におりる。このマンションは外側に面しているのが吹き抜けの螺旋階段だけで、しかも、けっこう老朽化していて錆びなんかが目立ち、急に底が抜けたらと思うと足が震える。Nさんは普通に平気そうで、柵から顔を乗り出して、遠くのほうや真下をのぞいている。スマホで写真も撮る。スマホは完全に柵のそとに出ていて、落とすんじゃないかととても心配になる。落とすな、落とすな、落とすな、と念じるとほんとうに落ちちゃいそうだから、落とせ、落とせ、落とせ、と念じる。Nさんが遠景を指差すのにつられて、じぶんも知らずしらず柵のそとに顔を乗り出している、ハッとそのことに気がついて、こわっと身を引っ込める。今日は晴れつつも雲が盛大にひろがっていて、雲の隙間から巨大なカーテンのような光の帯が注いでいる。Nさん、これちょうど今日買ったんです、とフクロウのかばんから出てくるのは雲の図鑑。Nさんのかばんから毎回なにかが出てくるなぁ、ほんとうに四次元に繋がっているのかもしれないと感心する。図鑑のなかから今日の雲を探す。隙間から注ぐ光の帯は、天使の梯子というらしい。いつか花火の日の夕暮れにみたケルビンヘルムホルツ雲の写真も図鑑にちゃんと載っている。NさんがUFO見たことある? って言うから、見たことあるよって答える。遠景にくっきりと白い線を伸ばす、あの給水塔を目指して歩いてみることにする。さらっと口にしたし、さらっと書いてもいるけれど、心の中では胸の高鳴りが大変なことになっていた! 冒険は唐突にはじまる! 小学生の夏休みの午後、テレビで観ていらいの『鉄塔 武蔵野線』のことを思い出している。どこかの映画館でかかれー!
一階のロビーで住人とすれちがう、Nさん、こんにちはーと住人のフリをする。地上にもどってくると、あんなに高くそびえていた給水塔はどこにも見られない。歩道橋を渡って大通りの向こう側へ。歩道橋からも給水塔は見えない。ふだんは歩道橋にのぼるだけで高いところにいるような気がするけれど、もっと遥かに高いところについさっきまでいた今にかぎっては、ずいぶんと低いところにいるような気がするってことを言うと、Nさんも同じことを思っていたみたい。いも、重いだろうなぁ、交代で持とうよって持ち掛けようとしたら、Nさんはいもを全部かばんの中に入れて背負ってしまう。いま思えば、途中で鈴の付いた軽いかばんと交換してあげればよかったなぁと反省! 反省してます! 給水塔は見えないから方角とカンを頼りにそっちのほうを目指す。また鳴りはじめる鈴の音にNさんが猫を散歩させてるみたい。曲がりくねる墓場道のカーブの向こうから自転車に乗った家族がやってくる、音でそのことがわかって、カーブの先に顔を覗かせると、いきなり自転車が目の前にあってわっとびっくり。おぼろげながら記憶にのこる一軒家のわちゃわちゃした玄関先。コンビニでお茶割りの茶割り、我ながらこれは天才的な発明である。お寺に寄る。葬式か法事帰りの黒い服の一族がいて、中学生くらいの女の子が小脇に故人の額縁写真を抱えている。お堂の裏手の杜、Nさんでもきいたことのない鳥の鳴き声、たまに絵馬たちの風に揺れる音をききにくるところ、絵馬に書かれた目がこわいとNさん、たまに来るのに目のことには気づかなくて、この社には眼病に御利益のある目の神様が祀られているらしい。おたがい目には疲れを感じているから参拝する。賽銭箱に投げ入れられるNさんの五円玉がきんきらきん。墓場をぐるっと一周して入口にもどる、峠のだんご屋さんのような休憩所。
方角とカンを頼りに給水塔を目指す。学校がある。前にもいちど、この学校に出くわした記憶がある、そのときは体育館からバスケットシューズのキュッキュッと鳴る音と、審判の笛の音と、応援の音がきこえていたような気がする。学校のなかも探検してみたいと思ったけれど、そんなことを喋っていたら校門の守衛さんとばっちり目が合ってしまい断念。犬に唐突に吠えられてからだが宙に浮いたのはいつだっけ? ベランダから飼い主さんがごめんなさいって。暗渠を捕まえる、階段のキケン、キケン、キケン。どうやら、このあいだTさんと歩いた暗渠のようで、Tさんが歓喜して写真を撮っていた子どもの絵がある。給水塔は���方不明で、でも、とりあえずこの暗渠をつたっていけば川に辿り着けることがわかって安堵する、給水塔があるのはきっと川の近くにちがいないから。観葉植物の育て方の秘訣、Nさんの元気いっぱいなアクションがおもしろすぎる。
暗渠を抜けたところにカラスがいて立ち止まる。のどのところに変な膨らみのあるカラスで、どうやらカラスのほうもこっちの存在を認知しているようで、顔を頻りに動かして両の目でこっちを見ようとしているようにみえる。こんな至近距離でカラスと対面するのは生まれて初めてのことで、それはやっぱりNさんが隣にいるからなのか、手を伸ばせば触れそう、クチバシのカーブがかっこいい。落ち葉がしゃくしゃく。はじめてNさんに会ったときに見た額縁から飛び出すキリンがこんなところにもある、キリンだけではなくパンダのバージョンもあって、パンダは逆に額縁の世界に入ろうとしている。ポップコーンのマシーンでポップコーンをつくる子どもたち、マシーンの愉快な声、兄弟みたいな二人が出来上がりを待っていて、じぶんたちもわくわくで出来上がりを待っていて、いちばん年上のクールな感じの女の子もやれやれって感じで遠巻きに兄弟と出来上がりを待っている。ようやく完成、そしたら遠くから見ていた女の子がスッと兄弟のなかに割って入って、まるで横取りしたかのようにポップコーンのカップを手に持っている。Nさんとふたり、あの子がとるの?! ってツッコむ。カラスの鳴き声がきこえる、道角を曲がると、その主はカラスそっくりの鳴き真似をする女の子、顔を空に向けて鳴いている。川の橋を渡って、工事現場の迂回路を歩く。やたらと険しい山道のような迂回路で、急勾配な丸太の階段をのぼったところに緑に囲われた変な空き地(兼迂回路の続き)がある。木肌の模様がおじいさんの顔になってもごもごと喋り出しそうな樹がある。いい場所だなぁ~とNさん。丸太の階段を下るところで、おたがいに何か喋りはじめようとして声がかぶさる、Nさんが声をとどめる。同じことがほかにも何度かあった。川沿いにもどってくる、きのう映画で観たような川沿いに群生する菜の花たち。広い球技場があって、そこなら風景がひらけて給水塔が見えるかもしれないと立ち止まって辺りを見渡してみる。ないな~と諦めかけたそのとき、Nさんが給水塔を発見! かなり近くまで来ている! でも、ここからが意外と遠くて、近づいて行こうすればするほど、給水塔のほうも場所を変えて遠ざかっているように思える。さっきまでは鉄塔と鉄塔のあいだにあったはずの給水塔が、鉄塔の近くまで来てみると何故かもっと遠くにある。急に強い風が吹きはじめる。夕方、雨の降り始める合図のような。一軒家の軒下にしゃがんでいる女の子のところから何かが風に飛ばされてくる、絵具の筆入れのようなそれをNさんが追いかけて女の子に渡してあげる。満月に限りなく近い、白い透明な月が見える、うさぎの餅つきがくっきりと。
大通りに突き当たり、ついに目と鼻の先に給水塔の半身が見える。給水塔の背後にはさざ波のような雲が暮れの陽光を薄っすらと反射させている。雨が降るという予報だったけれど、雲を散りばめながらも空は淡い水色をしていて、歩いてきた方向に振り返ると、なんと、なんと、なんとまあ、あの夏の輪郭と陰翳のある入道雲が夕陽に照り輝いている! あの入道雲の下はもしかすると大雨かもしれなくて、どうやら給水塔を目指して歩いているうちに雨雲が逃げていたらしい。雨が降りそうなときは給水塔を目指して歩けばいいんですねっとNさん。
ついに、とうとう、給水塔の真下に辿り着く。もっともっと延々と遠ざかってくれたらよかったのにって想いがすこしありながら、真下から望む給水塔のあまりの凄さに感動して写真を撮りまくる。淡い水色の空に真っ直ぐ伸びる白い給水塔、高すぎて写真にも納まりきらない、給水塔の下で風に揺らいでいる樹の緑の陰翳がなおのことよい。いよいよ日が暮れてきて、白く点滅していた給水塔の光が赤色に点滅するようになる。
隣接する区営の施設に行ってみる。大きな窓の前でダンスの練習をする二人組。なかには銭湯と温水プールがあって、プールと銭湯の混ざったようないい匂いがする。温水プールを上から展望できる小さなデッキがある。歓喜して泳ぎの様子を眺める。沈みかけながら泳いでいるおじいさん、おじいさん頑張れ、おじいさん頑張れ、おじいさん頑張れ、あとちょっと、もうすこし! 数いるスイマーのなかでも推進力がいちばん素晴らしく、ひときわ目を引く女のひと、とくにバタフライでの泳ぎがイルカの泳いでいるように美しい。外にもどると、すっかり日の暮れた濃紺の空、給水塔のすぐ隣に月光がひかっている。カメラを向けてみたけれど、月のほうは上手く映らない。
たくさん歩いてお腹が空いたから、お弁当を買って、川沿いのベンチで食べることにする。川の上を一匹のコウモリがずっと右往左往している。あのコウモリは何を食べて生きているんだろうなぁと考えていたら、Nさんがぼそりと同じことを口にして、まったく同じこと考えてたって言う。その川は数時間まえに枝分かれを見た川の延長線上。橋から川を覗くと、トサカみたいのがあるペンギンみたいな水鳥が暗渠から水の流れ出る合流地点で水の流れをじっと見つめている、魚が流れ出てくるのを待っているんだろうか。歩道橋、そのすぐ向かいが駅のホームになっていて、電車を待っているひとがいるのが何か不思議な感じ、電車がきてホームのひとたちが見えなくなる、電車が走り去ると、ホーム上にいたひとたちがひとりもいなくなっている、当たり前のことなんだけど、そのことにふたりで驚いている。ずっと足を動かしていたから足がじっとしてくれなくて、川沿いのベンチで足をバタバタさせながら色んなはなしをする。時おり、川沿いを電車が走り過ぎる。窓のなかに映る人影。過ぎ去る電車の数だけ帰りの時間が差し迫っていることを知らせる。この電車の行き先は二人の帰り道の乗換駅で、この川の行きつく先もどうやら同じ場所らしくて、それならいっそのこと川沿いを歩いていきたいと思うけども……。
どちらでもなくバスで帰ることにする。路線バス大好き。けっこう時間が経ったのに謎の水鳥はまだ同じところにいる。バスのなかでMさんの「天使に消された分の記憶を取り戻したい」のはなし。この毎日の日記も「天使に消された分の記憶を取り戻したい」と思いながら書いている。駅に着く。お別れのときはいつもしょんぼりしてしまうけれど、Hさんの必殺技を見習って元気よく! 元気よく! ふと、唐突に思い出す、それは何年もむかしのこと、生理のこないAさんのはなしを聞いていた夜、その明け方にくる、朝のS駅でAさんを見送りながら大声で叫んでいる「Aさ~ん! 無事に生理きてよかったね~!」これから出勤するひとたちが声の内容にびっくりして驚いている。べろべろんに酔っぱらっていて、そんな声を上げたことは憶えていなかったけれど、後日Aさんにあれはほんとうにすごい嬉しかった、通りすがりのひとたちの驚きも痛快で最高だったって言われたことは何となく憶えていて、へええ、そうなのって何となくよかったなぁって思っていたときの、失っていたほうの記憶がふっと唐突によみがえる。色んなことをはなして、やっぱりさいごに思い浮かぶのは、このあいだの帰りのとき、Tさんとじぶんが時の止まったようにまったくおなじような表情をしていたということと、それを見ていたNさんのこと。そんなことになっていたなんて全く気付かなったし、あのときは、ただただしょんぼりしているじぶんがそこにいて、その様子をNさんの目を借りて俯瞰してみると、ちょっとあまりにも可笑しすぎてニコニコしてしまう。たまにはしょんぼりした顔もしてみるもんだね。
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Skyrim不動産案内番外編:Viking's Longhouse
ふー……。……なかなかいい家だな、ここ。
まさか凍死しかけるとは思ってもみなかったぜ。いくら慣れたからって、スカイリムの川に長いこと浸かってるもんじゃな……っくしょい!! うー……ズビ……。
よりにもよってウィンドヘルムの河口傍とか、我ながら馬鹿だとは思うけど、おかげでこんな家に気付いたのは、怪我の功名……もっけの幸い? なんか違う気がするな。だいたい俺、そこまで必死に家探しする理由はないわけだし。転んでもただでは起きない、が一番近いか。
最初はフラール農場のおっちゃんに助けてもらおうと思ったんだ。セロさんらとうろうろしてたとき、ダンマー同士だってんでけっこう話に花咲いて、仲良くなったみたいだしさ。
けど、そのすぐ隣に、こんな家あったっけか? て見つけたらついそっちに行くあたり、俺ほんとどうかしてる?
そんなわけで中に入ってみたら無人で、どうやらここも新築の家の一つだったわけだ。
ちなみに一息ついて外に出てみたら、肥沃土の畑と農作物の育ってる畑、薪割り台、砥石と金床なんかもあった。
なんでもここは、「ヴァイキングの家」をコンセプトに設計されてるんだそうだ。
しかも設計主さんはもともと北方のそういう文化が好きで、スカイリムって世界のことじゃなくもっとグローバルに、ヴァイキング……北欧の古い文化についていろいろ調べたり学んだりしてたんだと。
で、スカイリム、ノルドってのはそういう世界・時代の連中にとてもよく似てるから―――メタな話をすれば、ノルドのモデルは北欧ヴァイキングだ―――、ぜひ彼等ににふさわしい、自分が大好きな住まいを作ろうと思い立ったらしい。
だからこの家は、なんとなく好みの建造物を作ったってわけじゃなく、そういった歴史的な知識を背景にしてることになる。
もちろん、いろいろな制限があるわけだし、特にPS4はな。だからなにもかもが思い通りってわけにはいかないだろうが、逆に言えば、制限があるからこそ、スカイリムに本当にあって不思議じゃない「ノルド・ヴァイキングの住まい」になってるってわけ。
俺としちゃ、転がり込んだら中は暑いほどにあったかくて、これで助かったと心底ほっとしたね。
長屋の中央には大きな炉が切られてて、焼き網や串焼き器具もある。あいにくオーブンにはならないようだが、そこまで料理する奴ってのはそうそういないだろう。
玄関脇には作業台と皮なめし台に、いくらかの収納箱がある。(注:もともとこの家には砥石と金床がありません。移植主さんに「追加無理ですか?」と尋ねてみたら、本来の設計主の許可が取れたら考えるよとのこと。その結果、表に砥石・金床が追加されました。ありがたや)
面白いのが炉の周りで、手前のほうは腰掛けられるようになってる。が、奥のほうは、
見た目にはほとんど一緒なんだが、ベッドだ。右側は2つと、左側は1つが寝床にできる。
しかも座れるところも寝るところも、下はすべて収納スペースになってるから、あれこれ分別して仕舞うのに、場所が足りないってことはないだろう。
でもまあベッドの下には「そのベッドの主の持ち物」を入れたいし、腰掛けの下なら、他に特定の収納場所がない雑多なものかな。
俺が腰掛けてる大テーブルの左右には、食料品の備蓄棚と、
錬金スペース、それにもちろん、
付呪台もある。杖の作製もできるらしい。
ちなみに付呪台の左側は宝物置き場になってる。
こんな具合に見た目重視の収納で、置かれてるものを蹴っ飛ばしたりする心配がないのもいい。ナップザックとかみたいに実際にものを入れられる道具はそのとおりに機能するし、魂石入れたいならその見た目どおりのところを調べればいい。で、籠なんかは飾りってわけだ。
こうなると尚更、なんで砥石と金床だけないんだって言いたくなるだろ? どこかにあるのかってけっこう探しまわったんだが見つからないし、解説見てみても言及されてないんだよなぁ。ここまで作りこんであるのに、なんでだ??
広間の奥にはのれんがかかっていて、ここがボスの部屋ってことなんだろう。本棚もあるし、小さいテーブルセットもある。
分かりづらいが、本棚の横の壁に小さな金具が打ち込んであって、ここに武器も3本かけられる仕様だ。
大きめのテーブルにはスカイリムの地図も広げてあるから、幹部との作戦室って趣もあるよな。
ノルドの住まいだからもちろんタロス像に祠つきだ。
ちなみに下のタンスは洋服入れで、脇にはブーツ置き場もある。大テーブルの脇の箱が鎧入れにもなってるから、収納も十分だろう。……なんでブーツだけ別枠なんだろう……?
しかし気になって仕方ないとしたら、これだな……(´・ω・`)
おっさんでなくてもつい顔に出るぞこれは。いくらなんでも小さくないかこれ?
俺なら丸くなって寝れば丁度心地いいんじゃないかって? あのなぁ……カジートだからって、猫そのまんまじゃないぞ。
ただ、寝床って広間に3つあるんだよな。だったら俺としては別にここ、使わなくてもいいし、なんかこういう、「一人だけ別格」みたいなのじゃないほうが、むしろ願ったりってヤツで。
そんなわけで広間の大テーブルで体乾かしながら考えてるわけだ。
ちょっと北東寄りすぎるけど、Draven Manorじゃなくこっちに引っ越そうかな、と。
俺が一人で使う家はWanderer’s Abodeでいいとしても、セロさんとラリスと一緒に一服したいようなときに、WAは2人が入れないしそもそもベッドも一つしかないし、DMはちょっとが豪華すぎるっていうか広いっていうか。
それに俺、たしかに雇い主って立場じゃあるけど、あの2人より偉いつもりなんかないから、寝床が一人だけ別格ってのがイヤなんだよな。その点ここは広間に丁度3つ、みんな同じようなのがある。
砥石と金床さえ揃えば設備も完璧だし、ほぼワンフロアってのも使い勝手がいい。
まあ、砥石・金床についちゃ、俺はもう装備なんてそうそう作りなおすこともないからな。必要ならそのへんの町に立ち寄ったときに済ませればいい。だからどうしてもほしいってわけでもない。
これだけデカい炉があれば寒さなんてまったく感じないのもいいし、なんのかんの言って、ソルスセイムまで行こうってときに近いのもいい。
―――ま、引っ越すかどうかは、セロとラリスに相談してからでもいいや。
体も乾いたし、そろそろ行くとしようかな!
【後日談】
それがこの家なんだけどな。
「なんとも地味だが、おまえがいいと言うなら仕方ない」
中はもっといい感じだって。まあいかにもノルドって感じだから、セロさん好みの内装じゃないだろうけどな。
「……おい、ボス」
ん?
「どうやらこの家、俺たちは入れんようだぞ?」
……え?
「なに? ……本当だ。いわゆるNavMeshがない、というヤツか?」
え~~~ッ!? マジかよそれぇ―――ッ!!
(注記:コメントを見ると、他にもフォロワーが入れないというかたがいるのですが、移築主さんは連れて入れるとのこと。うちではバニラのフォロワーをふつうの雇用で連れて行っても入れませんでした。modの干渉とかなのかどうかは不明)
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那須塩原の家
既に昨年のお引き渡しとなっております、那須塩原の家のご報告です。
那須塩原市にお住まいのK様より、ご連絡をいただいたのは、もう1年以上前のこと。
福島にご縁のある奥様が、BANKSのブログを見つけてくれたことがきっかけで、お声がけしていただきました。
アウトドアがご趣味のご主人と、読書や家事がご趣味の奥様。
お二人それぞれのプライベートな趣味室を備えた、総二階のプランを提案させていただきました。
土地柄に合うような、杉無垢材の外壁は、経年変化の風合いを出せる「ウッドロングエコ」の仕上げです。
広々とした敷地に、畑やお庭も備えた、お施主様の理想を叶える家を作ることができました。
リビングの大きな掃き出し窓からは、ウッドデッキが広がり、中と外を繋ぎます。
LDKは広々20畳以上。床はナラの無垢フローリングです。
キッチンとの距離が近く、明るいダイニングです。
キッチンの横には、奥様の読書室を兼ねた、家事室を作りました。
左側の玄関扉は、ナラ無垢材で製作したオリジナルの断熱ドア。北海道で使われる玄関ドア以上の性能を誇ります。
右側のドアからは、ご主人の趣味室へ。
玄関脇には、ご主人の書斎を兼ねた、アウトドア道具の収納室兼趣味室。土間スペースとなっています。
ご主人の趣味室の隣の玄関は開放的な空間。
通気性の良い籐張りの建具をあつらえた靴収納を作りました。
階段はリビングからすぐにアクセスできる場所に。
手すりは、BANKS渾身の、無垢材造作の手すりです。
優しい手触りの桜材の手すりは、お客さまによく褒めていただきます。
暗くなりがちな階段ホールには、天窓からの優しい光を落とします。
二階入ってすぐの子供室は、南からの明るい光がたっぷり入る、広々とした空間。将来、2室に分けることができます。
夫婦の寝室は、奥様こだわりのヘリンボーン貼りの床。
上質で落ち着いた雰囲気の空間になりました。
洗面台は人工大理石とヒノキ無垢材、ナラ突板を使って造作。
タイルの爽やかなブルーは、お施主様に選んでいただきました。
暖かな光が周囲に溶け込むよう、照明計画にもこだわらせていただきました。
帰宅が楽しみになるよう、落ち着いた色の光を選んでいます。
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長谷川昭雄さんと作った抗菌・抗ウィルスのコート
BROOXON(ブロックソン)
自然との共生共存をテーマに、現代社会に必要不可欠な機能と普遍的でシンプルなモノ作りを提案する。「 ウィルス との共生共存」を掲げたデビューコレクションには、長谷川昭雄さんがアドバイザーとして参画。
長谷川昭雄
ファッションディレクター、スタイリスト。雑誌『MONOCLE』『POPEYE』のファッションディレクターを歴任後、2019年フイナムともに「普通」をテーマにしたウェブメディア『AH.H』を立ち上げる。
― 抗菌・抗ウィルスのコートが完成しました。素材にクレンゼ®加工したソロテックス®という化学繊維が使われています。このクレンゼ®という技術に、抗菌・抗ウィルスの機能があり、この加工を施した生地は医療現場でも使われているそうです。
長谷川(以下、H):うんうん。
― 繊維メーカーのクラボウの研究によると、クレンゼ®加工を施した素材は、新型コロナウィルスに対してウィルス減少率99%以上を示す抗ウィルス効果がある、と。
H:それは、クレンゼ®加工を施したクラボウの生地によるもので、今回のコートはクラボウの生地ではないから、99%とは言い切れないんだけどね。
― それなりの効用はあるんでしょうけど。
H:だと思う。でも実験するのに6ヶ月もかかるみたいで、うかつには言えないんだけど。
― クレンゼ®加工のソロテックス®を使ってコートにする、というアイディアは、どういったところから生まれたのでしょうか?
H:機能素材で全身を包み込むのがいいと思ったんだ。コートを着るのが面倒くさくなっちゃったんだけど、プロテクトするという意味があれば、ロング丈でもいいんじゃないかな?って。
― ゆったりとしたフォルムになっていますね。
H:丈を長くして、身幅を広くとって、釜底(アームホールの下端)を下げたんだよね。中に大きな服を着たときに、脇が詰まるのは嫌だし、あとルックスとして釜底が下がっていない服を着たくないというのがあってさ。抗菌・抗ウィルス云々を抜きにしても、普通にいい形だなと思ってるよ。
― そして着脱可能なフリースのライニングが付いています。これもコート同様にゆとりを持たせた作りですね。
H:ライニングはブルゾン丈で動きやすくしたんだ。色はチャコールグレー。これは(バーリオの)澤田さんが決めたんだけど、ネイビーとの相性がいい���ね。着物っぽい感じがする。
― ネイビーの着物にグレーの羽織りってありますよね。
H:俺が考えたら、こうはならないからさ。なんか新鮮だよね。
― 長谷川さんだったら何色にしてました?
H:ネイビーかな。まぁでも、コラボレーションというぐらいだから、相手の意見と自分の意見を上手く織り交ぜることが大事なんだよね。そういう意味では、お互いの意見が入りあっていて、すごくいいと思う。
― コートのポケットが付いていますが、やや複雑な作りになっています。一室のポケットの中に小さなポケットが2つと大きなポケットがありますね。
H:大きい部屋の中に2つの小さなポケットと大きいポケットがある。つまり2LDKみたいな構造だね。
― コート���左右に2LDK構造のポケット。そしてライニングにもポケットが付いています。
H:うん。これも2LDK。
― 全部で8LDK。すごい収納力ですね。
H:俺はカバンを持たないから、モノがいっぱい入る方がいいよね。
― それがコートの持つ機能とも言えますよね。
H:うん、カバン代わりになるっていうね。
― ポケットの中にポケットがあるアイディアは、アウトドアプロダクト的なギミックですね。
H:バーリオはヨーロッパのアウトドアメーカーを取り扱っているから、ディテールについてもアウトドア的な視点が行き届いているよね。この辺りの着眼点が冴えてるなあって思うよ。
― コロナ禍において、身に着けるものに変化はありましたか?
H:帽子はかぶるようになったかな。一時期はかぶらなかったけど、またかぶるようになったね。
― それは、やっぱり髪の毛に菌が付着するのを恐れて、ということですか?
H:うん。まぁ気休め程度だけど。
― ちょうど帽子の話が出たんで、その話もしましょう。今回はクレンゼ®加工のソロテックス®を使用したコートの他、共地のキャップとバッグもリリースされます。
H:このキャップは別の企画用に作ったデザインで、こだわって作ったみたいだよ。
― 頭皮は細菌も多いみたいですし、理にかなったプロダクトですね。
H:あとバッグも手に触れる機会が多いからね。
― そうですね。写真のように男の子が肩がけにする感じもいいですね。
H:うん。モノも結構入るよ。でもコートに荷物が全部収まっちゃって、あまり出番がないんだけど。
― そして、このバッグはコートを畳んで収納出来るサイズ設計になっています。
H:うん。薄い生地だから結構コンパクトになる。このコートで沖縄に行ったし、新潟にも行ったんだけど、インナーを調整することで温度調整が出来るし、薄いコートって便利だなって思った。旅行にもいいかもね。
― コートとキャップ、バッグは丸洗い出来ます。その手軽さもいいですね。
H:そうだね。洗濯好きの俺にはありがたいね。
― コートは洗濯しました?
H:いや。50回の着用までは機能が劣化しないらしいから、まだ洗ってないんだよね。
― 50回の着用ということは、2ヶ月は持ちそうですね。
H:元々、洗濯が好きだっていうのもあるし、潔癖なところもあるし、あと洗った後の服が好きっていうのもあるんだけど、最近は洗うものが多すぎちゃってさ。
― それはコロナの影響で?
H:うん。一回着たらすぐ洗うようにしている。だから、洗わないでもいい服というのは、潔癖野郎の俺からすると安心だよね。外から帰ってきて、玄関に掛けておけば、翌日には菌やウィルスの増殖が抑制、減少しているからさ。
― 潔癖野郎(笑)。
H:あと、これは表も裏も抗菌・抗ウィルスの機能があるんだ。
― そうですね。つまり、ポケットの中も清潔な状態をキープ出来ます。
H:うん。ポケットがグレーゾーンになるからね。
― グレーゾーン?
H:俺みたいな潔癖野郎にとって、“綺麗なところ”と“そうじゃないところ”の境目が重要なんだ。例えば、ポケットにあるサニタイザーを取り出して、手を消毒するとするじゃん。すると、手はキレイになるんだけど、消毒前の手で触れたポケットの中はグレーゾーンになるわけで。
― なるほど。でも、翌日になると菌やウィルスは不活性化している。
H:その予定。だから、右のポケットはキレイな手で使うとか、使い分け出来るのはいいよね。
― そこまで気を配っているんですね!
H:うん。こういう状況だけど、社会が回っている以上、外に出ないわけにはいかないからさ。
― だからこそ、出来る限りのプロテクトはしなくちゃいけないですよね。
H:そうだね。
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<アイテム>
抗ウィルスのBIGコートとフリースのBIGライナージャケット
“Anti-Virus” 3in1 BROOXON “BIG” COAT + LINER Fleece Jacket
¥85,000(税別)
抗ウィルスのキャップ / “Anti-Virus” BUG CAP
¥10,000(税別)
抗ウィルスのポーチ / “Anti-Virus” BUG BAG
¥8,000(税別)
<発売日 >
2020年12月12日(土)
《HEAD SHOP 》
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《AUTHORIZED STORES》
LECHOPPE 渋��店
HIGH! STANDARD
EUREKA FACTORY HEIGHTS
LOFTMAN EQ
LOFTMAN COOP E-ma
loftman B.D.
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