Tumgik
#旗を掲げる意味
yoooko-o · 7 months
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14/10/2023 17:08
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早い夕食のレストラン入口にあったアルメニア国旗🇦🇲
お店の人に許可をもらって撮影させてもらいました。この後合流した日本語ガイド(Lusineさん)さんに見せたら、右はアルメニア国旗で、左はナゴルノ=カラバフ共和国の旗だそうです。
※旗の由来はアルメニアの伝統と地域の人口を象徴し、ナゴルノ=カラバフがアルメニアから切り離された地域であることを示しているそうです。
アゼルバイジャンとアルメニアが長い歴史の中で領土紛争を起こしているのが、このナゴルノ=カラバフ共和国になります。
※紛争の経緯については、長くなるのでここでは割愛します。
2020年の秋にも、そして訪問する1ヶ月前からも領土問題がくすぶり、既にアルメニア系住民およそ10万人がアルメニア本国に難民となって逃れています。
アルメニアはジョージア以外の隣国とは非常に仲が悪く、アルメニアは孤立状態になっています。また、これまで親ロシア派の路線をたどっていましたが、2023年に入ってから脱ロシアを唱えるようになり、ますます厳しい状況に立たされているのが実情で、EUやアメリカなどの協力がないとアルメニアも第二のウクライナのように危機的状況に陥るのではと、国内では懸念の声も上がっているそうです。
また、以前からアルメニア国内では、豊富な資源と資金を持つアゼルバイジャンとまともに戦って勝ち目はない、という空気が漂っているそうです。
そして、ついに今回ナゴルノ=カラバフ共和国のトップの命令の文面が発表され、以下の文言が記されていたそうです。
「共和国としての存在を2024年1月1日までに消滅する」
「住民はそれぞれ残留するか去るかは自分で判断する」
来年をもってアルメニアの手から離れることになったナゴルノ=カラバフ共和国ですが、それでもこの旗を掲げているのは、
アルメニア人がアララト山(🇹🇷)を心の拠り所にしているように、ナゴルノ=カラバフ共和国はアルメニア人の心の中にずっとあり続ける、という意味合いで掲げているのだそうです。
日本も領土問題がありますが、私にはとても考えられない胸中でした。
単純にアルメニア国旗だと思って、撮らせてもらいましたが、この2つの旗を掲げる現地の人たちの本当の思いを知って、自分の無知を恥ずかしく思いました。
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extracts-sheep · 2 months
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倉本圭造@新刊発売中です!
@keizokuramoto
川口市のクルド人問題に興味があってもSNSには「ガチ右翼さん向けに煽りまくった情報」しか見つけづらくてよくわからない、という人向けに客観的な現状のまとめと落とし所の提案を書きます。この問題は背景情報をよく知らずに脊髄反射すると、川口市の担当者や埼玉県警が過剰に排外主義的に”見えちゃう”ところに問題があり、例えば先日放映されたアベマプライムの番組などは、よく調べずにテキトーな印象論をぶつけあうだけに終わった結果、本来わかりあえるべき部分でも過剰に対立が演出されてしまい出演された川口市議の荻野さんの印象が物凄く悪くなってしまっていたのが可哀想でした。
・ 1●クルド人特有の背景を知った上で議論しないと無意味 まず、川口市のクルド人問題は、他の在留外国人の問題とはかなり違う背景があることをまず理解する事が重要なんですね。 というのは、あえて批判的な言い方をすると、査証免除措置(トルコ国籍者は観光ビザも不要)で来日したあと、そのまま勝手に居着いてしまって既成事実化し、「難民申請」をすることで「申請中」の宙ぶらりんの状態で長期間滞在して子供も産んで…という形になっているクルド人が多いってことなんですね。 クルド人問題について議論する時に、「この部分の話」を無視したままだと、例えば川口市長だったり川口市の議員さんだったりが言っていることが物凄く排外主義的に見えちゃうのが注意が必要で。 「正規の在留資格」じゃないから、就労許可がない人もかなりいるし、健康保険への加入も不可になってしまっている人も多く、実態として「制度の谷間」にいる人が沢山いる状態なんですね。 そこには他の外国人とは全然違う難しさがあって、そもそも正規の在留許可がなければ「住民票登録」もしてないからいったい何百人、何千人いるかも正確にはわからないし住民税も払っていない状態が続いている。 それでも市内で子供が生まれたら面倒を見なくちゃいけないし、公教育でも受け入れなくちゃいけないし、”無保険者”がかなりの数でいると考えられる中で病院でのトラブルも解決しないといけない川口市の担当者から見たら切実な問題なんですよ。 こういう”制度の谷間問題”に対して、川口市自体は完璧とは言えないまでも自分たちのできる範囲でかなり頑張って小中学校で差別なく受け入れようと取り組んできた事実があると思います。 スマホ片手に「クルド人の人たち可哀想ぉ〜日本のレイシストどもなんか●ねばいいのに!」とかSNSで発言して、10分後にすっぱり忘れちゃえる人たちの目線で解決できる問題ではない。 ・ 2●素人論でなく「専門家の知見」ベースでの解決の模索が必要 一方で、2月初頭にNHKでこの問題が取り上げられた時には、世界の移民問題の専門家である一橋大学の橋本直子先生がかなり事前に番組スタッフさんにレクチャーを繰り返し、単に「クルドの人たちが可哀想だ、なんで助けてあげないんだ!」というメッセージだけでは終わらない深堀りがなされていました。
もちろん、制度の狭間に落ち込んでしまって困窮しているクルド人に対して何らかの対処が必要な事はリベラル側から見ると言うまでもありません。 ただしその「対処」の実現は、単に ・実際��共生している川口市民の懸念を「このレイシストめ!」と叩き切るだけ ・欧米の国家でも当然に行われている出入国管理実務上に必要な制度的問題を全部無視して「人権の大事さを理解しない日本政府が悪い」と断罪するだけ …では実現できないということです。 NHKの番組放映後橋本先生はSNSの右翼さん(のうち一番ヤバい層)から 「このハシモトって奴はお花畑の多文化共生論者だぞ!こいつは日本をぶっ壊すスパイだな!実は中国人に違いない!」 …とか言われまくってましたが(なぜ中国人ってことになるんだw)、むしろリベラル側から「あの位置に旗を立てに行く」ってことがどれだけ明確な問題意識と勇気が必要な振る舞いなのか、理解が必要だと思います。 SNSの右翼さんに言いたいのは、「日本は日本人のための国です!出てってください!」みたいな、アメリカ的文脈に直接翻訳したらガチ問題視されるような発言をそのまま主張しまくったって先進国日本で実現するわけないってことです。 一方で、橋本先生が旗を立てていこうとしている「受けて立つリベラル」みたいな路線をキチンと国際社会的に説明可能なロジックを通して実現していけば、 公正で人道的で、かつ「厳格な」出入国管理政策 …を実現し、制度の谷間に落ち込んでヒドイ目にあう人を減らしつつ、かつ右翼さん側の懸念もある程度満足させられる着地点が見えてくるでしょう。 また、この問題について興味があるリベラル側の意見を持った人は、単に「レイシストどもめ!」というふうに斬って捨てに行くと、「実際色々困ってる川口市民」が丸ごと排外主義に飲み込まれていく事に注意するべきだと思います。 むしろリベラル側の人は、実際に川口市の担当者や埼玉県警が現場レベルの共生策を実行しようとかなり頑張っているプロセスを否定せず迎えに行って、そこにどういう支援が足りないのかを政策的・世論的にサポートするような役割を果たすべきです。 アベマの番組に出ていた荻野市議なども含め、川口市や埼玉県警は、SNSの「ガチ排外主義」の人に比べたら遥かにマイルドでリベラル寄りの感性を持った上で現実的な落とし所を模索しており、その「現実を見た対策」を丸ごと「リベラルの敵」として断罪していたらこの問題は解決できません。 ・ 3●リベラル側が目指すべきざっくりした「落とし所」はこのあたりでは���という提案 ざっくりした結論として、橋本先生の言う「公正で人道的でかつ厳格な」政策という意味でこのクルド人問題の落とし所を考えるとするなら、以下画像のようなところになるのだと思います。
アベマの番組にクルド人当事者として出演されていたユージャル・マヒルジャンさんが、2022年のトルコ地震後1500人ぐらい一気に川口にやってきて、彼らは日本の風習にも馴染めていないから問題を起こす人もいる…みたいな話をシレッとしてたんですが、いやいやちょっと待ってくれと(笑) いまいる人口を、どうやって「馴染んでもらうか」という話をしている時に、そんなダダ崩れに次々と入ってこられても困りますという話がありますよね。 主権国家として「どこかで線を引かなくてはいけない」としたら、そこに引くのはリベラル側としても大枠は理解可能なことなのではないでしょうか。 そういう方向で「際限なく開いている国境をキチンと管理するようにする」ことと引き換えに「正規の滞在許可」を出していくことは、多くの場合すでに滞在しているクルド人側にとっても望むところでしょうし、結果として川口市に住民税も入るようになりますし、健康保険に若い労働者が沢山入る事は日本の財政的にも望ましいことでしょう。 ・ 4●「実態と建前」が乖離しまくっていた状況の解消が始まっている 私の経営コンサル業のクライアントの建築会社の社長いわく、既に日本の「現業」的な職場は外国人なしには成り立っていないとよく言います。 「SNSの愛国者さま」がいかにSNSで排外主義を叫ぼうとも、実際そういう人が汗水流して現場作業についてくれるわけじゃないんだからしょうがないじゃん、という側面は明らかにある。 今の日本はその「理想と現実」の間で物凄くナアナアな抜け穴だらけの制度を運用してきて、制度の狭間で様々な不幸を生んできてしまっています。 今後それを「責任を持って正常化」していく流れは既に起きつつある。 SNSの右翼さんは単に「ガイジンどもを叩き出せ!」的な事を吠えるだけでなく、出入国管理実務をできるだけ「シンガポール型」の厳格なものに近づける事を目指すべきなのだと思います。 一方でリベラル側は、単に実際に起きている不幸を全部「レイシストの日本人ども」「人権を理解しない悪辣な日本政府」のせいにして終わりにするのではなく、「受けて立つリベラル」として徹底した文化統合策を細部まで後押しし、 「実際に困ってる川口市民の懸念にちゃんと応えられるのは右翼さんより自分たちなのだ」という事を具体的に示していくことが求められている …といえるでしょう。 ・ 5●「米国のリベラルの公式見解」は「非英語圏」の実情と合っていない強者の論理にすぎず、無責任な放置を助長してしまう 「素人の印象論」的に終わってしまったアベマの番組と、「移民問題のプロ」が監修したNHKの番組との違いを眺めると、要するに 本当にリベラル的な良識を現場に即して実現しようと思えば、その対策には「アメリカのリベラルの極端な原則論」からすれば問題があるように「見える」ものが含まれる が、 むしろそこにちゃんと踏み込んで行く事が「今の時代の責任感あるリベラルの姿勢」なのだ …という本質論が眠っているように思います。 例えば「日本で暮らしたいなら日本社会に馴染んでください」という右翼さんの求めに対して、「アメリカやカナダのリベラルの公式見解」をぶつけて終わりにしてしまうリベラル側の「よくある態度」というのは、移民問題のプロの中では問題があるという認識が浸透しつつあるそうです。 なぜならアメリカでそういう「公式見解」が成立するのは「英語とアメリカ文化のデファクトパワー」が圧倒的だからこそ成立する強者の論理に過ぎないからです。 逆にスウェーデンなどは、「スウェーデン語や風習を強制してはいけないのでは?」というような原則論的な理想主義を最初は掲げていたけど、それは逆にその層が社会から分離してゲットー化し、余計に排外主義的問題が高まる元凶になってしまったらしい。 だからこそ、非英語圏においてはアメリカにおいてのリベラルの原則よりも「明確に一歩踏み込んだおせっかい」をしていくことが、むしろリベラル的な良識を実現するために絶対的に必要だという事は、移民問題の専門家の間で徐々にコンセンサスになってきているらしい。 「今そこにある問題」に対して「現実的対処を求める層」を、「アメリカのリベラルの公式見解」から断罪して切り捨てるだけの簡単なお仕事しかリベラル側がしないなら、SNSで吹き荒れる排外主義を止めることなど決してできないでしょう。 トランプムーブメントが止められないアメリカ、ガチ極右政党が躍進していない国などほとんどない欧州の実情を考えれば、そういう「リベラルの公式見解で断罪しまくるだけ」でこの問題が解決できない事は明らかです。 ・ 6●「欧米の失敗」が明らかになってきたからこそ、一周遅れの日本はちゃんと対策ができる道が開けつつある NHKの番組後、橋本先生に直接感想を伺ったところ、 「ああいう発言をすればリベラルから袋叩きにされるかと思っていたが、案外クルド人の人たち御本人や、リベラル層からは好評価が多くて意外だった。おそらく、欧州の極右政権が問題になったり、米国のバイデン政権ですら何らか国境線をフルオープンにはできない事情が明らかになってくる中で、現実的な対処をすること自体を否定していてはいけないのだ、という風潮がリベラル側にも出てきているのだと思う」 …という話をされていたのが印象的でした。 このように、一周前の欧米の移民政策が明らかに問題を抱えている事が明白になってきたからこそ、「今までなら合意できなかったことが合意できる」流れを作り出せるはずです。 その先で「日本ならではの徹底した文化統合策」をいかに後押ししていけるかが問われています。 右翼さんは右翼さんなりにできる限りシンガポール型の着地を目指す一方で、リベラル側はどういう「包摂」を目指せばいいのか?については、リプ欄に貼ってある記事で詳説したのでぜひお読みいただければと思います。 リプ欄の記事では他にも、 ・実際に川口市でどの程度の問題が起きているのかを犯罪統計などから定量的に分析する ・実際に川口市で行われている共生を目指す政策の実例や、その路線をさらにサポートしていくのに何が必要なのか? …といった多様な論点を詳しくまとめてありますので、この問題に興味がある方はぜひ記事本文をお読みいただければと思います!
午前6:25 · 2024年3月2日
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ari0921 · 3 months
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和六年(2024)1月27日(土曜日)
   通巻第8107号  <前日発行>
 ミャンマー国軍のクーデターは「西郷なき西郷軍」?
  軍と仏教高僧との融合統治が機能不全に陥ったのではないか
*************************
ミャンマーで「本当は」何が起きているのか?
 大手メディアは投票箱民主主義至上史観だから、本質的なことが見えてこない。
 2021年2月、ミャンマー国軍はクーデターに打って出た。ところが、ミャンマーの民衆が想定外に強く反発し、「民主主義を蹂躙した」として大規模な抗議集会が開かれた。抗議デモに軍���出動、多くの死傷者がでたため国際社会から批判に晒された。
 欧米の傀儡といわれたアウン・サン・スー・チーを支持する人たちは外国のメディアが同情的に報道したので、鮮明に反政府の旗を掲げた。こうなると正義はどちらにあるのか、よく分からない政権運営が続いた。因みに2021年のミャンマー経済はGDPがマイナス18%、通貨は暴落し、庶民は生活苦に喘ぐ。
 クーデターから三年が経った。欧米のメディアの複写機である日本は「国軍=悪」vs「民主主義団体=善」のスタンスを依然として維持している。スーチー政権のときにロヒンギャ70万をバングラデシュへ追い出すと、欧米メディアは一斉にスーチーを「人種差別主義」「ノーベル賞を返還せよ」と猛烈な批判に転じたが、日本はそのまま、ミャンマー国軍批判である。
 この価値基準は「イスラエル=悪」vs「ハマス=善」、「ゼレンスキー=善」vs「プーチン=悪」と、リベラルな西側政治家やメディアが作り上げたフェイク図式に酷似している。ミャンマー国軍ははたして悪魔なのか?
ミャンマーの社会構造は宗教を抜きに語れない。
仏教徒が90%をしめ、しかも上座部(小乗仏教)である。僧侶が800万人もいる。
軍隊は徴兵制で43万人(実態は15万に激減)。
つまりこの国は軍と仏教世界との融合で成り立つ。軍は元来、エリート集団とされ、国民からの信頼は篤かったのだ。それが次第にモラルを低下させ、徴兵ゆえに軍事訓練は十分ではなく、そもそも戦意が希薄である。愛国心に乏しい。
 軍クーデターは伝統破壊の西欧化に反対した政治的動機に基づく。単なる権力奪取ではない。つまり「西郷軍が勝って、近代化をストップした」ような政治図式となるのだが、現在のミャンマー軍(ミン・アウン・フライン司令官)はと言えば、「西郷隆盛なき西郷軍」である。権力は握ったものの何をして良いのか分からないような錯乱状態にあると言える。
 軍人は経済政策が不得手。コロナ対策で致命的な遅れをとり、猛烈インフレに襲われても、適切な対応が出来ず、外資が去り、自国通貨は紙くずに近く、闇ドルが跋扈している。
国民は外国で反政府活動を活発に展開する。国内各地には武装組織が蠢動を始めた。
 ▼まるで「西郷のいない西南戦争」でクーデターが成功した
 西南戦争は『道義国家』をめざし、挫折した。戦略を間違えた。というより勝利を計算に入れずに憤然と立ち上がったのだ。
佐賀の乱、神風連、秋月の乱、萩の乱から思案橋事件が前哨戦だった。城山で西郷は戦死、直前に木戸が病没、大久保暗殺がおこり、明治新政府は「斬新」な政策を実行に移した。しかし行き過ぎた西洋化、近代化。その象徴となった「鹿鳴館」に反対して国学派が復興した。
 ミャンマーの仏教鎮護国家の復活が国軍指導者の目的だった。
しかし彼らは広報という宣伝戦で負けた。都会は西洋民主主義、グローバリズムに汚染され、若者は民族衣装を捨てていた。西洋化は、あの敬虔なる仏教との国ミャンマーにおいてすら進んでいた。
 となりのインドでは巨大なモスクを破壊し、その跡地に大きなヒンズー寺院建立した。竣工式にはモディ首相自らが出席した。
 ミャンマー国軍に思想的指導者は不在のようだ。だからこそ、国軍は仏教の高僧を味方にしようとしてきた。しかし国内的に厄介な問題は同胞意識の欠如である。そのうえ山岳地帯から国境付近には少数民族各派の武装組織(その背後には中国)が盤踞している。中国はミャンマー国軍政府と「友好関係」を維持しているが、背後では武装勢力に武器を供給している。
 主体のビルマ族は70%だが、嘗て国をまとめた君主はいない。カチン、カレン、モン、シャン、カヤ族と、それぞれ少数の武装組織が国軍と銃撃戦を展開しているものの、反政府で連立は稀である。カチン、カレン、モン族は博くラオス、カンボジアにも分散しており、ラオスでのモン族は米軍について共産主義と闘った。敗戦後、17万人のモン族は米国へ亡命した。
 2023年10月27日、ミャンマーの反政府武装組織が初めて三派共闘し、シャン州北部で「国軍」と戦闘、驚くべし国軍が敗走した。国軍兵士数百が投稿した。
 中国の秘密裏の仲介で停戦状態となったが(24年1月26日現在)、ミャンマー民族民主同盟軍(MNDAA)、タアン民族解放軍(TNLA)、西部ラカインのアラカン軍(AA)の「三派」の共闘はこれから「連立」となるか、どうか。
この三派以外にも不明の武装組織(なかにはギャング団、麻薬シンジケートも武装している)。なにしろミャンマーは五つの国と国境を接し、130の少数民族がいるとされる。 
 
国境問題の複雑さが問題をさらに複雑にする。ミャンマーが国境を接する国々とは、インド、中国、ラオス、タイ、バングラである。地域によっては少数民族が多数派となる。
西海岸の古都シットウエイはインドとの海路の拠点であり古代遺跡があるため外国人観光客が多い。
チャウピューは中国へのパイプラインがミャンマーを斜めに横切り雲南省へと繋がっている拠点、ここには中国企業が進出し、工業団地を建設中で、ロヒンギャとの暴動になった場所、行ってみる、と放火されたモスクの無残な残骸があった。やや東側の中部、マンダレーは雲南華僑の街である。
旧首都のヤンゴンと新首都ネピドーはアクセスが悪い。マンダレーは国際空港こそ立派だが、翡翠やルビーの商いはほぼ華僑が握る。そうした三都三様の物語が付帯する。
 ▼麻薬王
ラオス、タイ国境に拡がるのが統治の及ばない「黄金の三角地帯」である。
アフガニスタンにつぐ麻薬産出地域で、ギャング団と武装組織と博打場である。治安の安定はあり得ないだろう。
黄金の三角地帯の形成と発展、その後の衰退は国民党残党という闇とCIAの奇妙な援助があり、やがて彼らへの弾圧、そしてミャンマーとタイとの絶妙な駆け引きをぬきにしては語らない深い闇である。
国共内戦に蒋介石は敗れて��湾に逃れたが、南ア��アで戦闘を継続したのが国民党の第27集団隷下の93軍団だった。およそ一万もの兵隊が残留し、シャン州をなかば独立国然とした。モン・タイ軍(MTA)は『シャン州独立』を目指した軍事組織で、ビルマ共産党軍が主要敵だった。
国民党残党の軍人とシャン族の女性のあいだに産まれたのがクンサ(昆沙)。
のちに『麻薬王』と呼ばれる。中国名は張奇天で、一時はモン・タイ軍の2万5000名を率いた。軍資金は麻薬だった。
CIAが背後で支援した。アルカィーダを育て、やがて裏切られたように、ムジャヒデン(タリバンの前身)を育てたのもCIAだったように、やがて米国はクンサに200万ドルの懸賞金をかけた。
『麻薬王』と言われたクンサは紆余曲折の後、麻薬で得た巨費で財閥に転じ、晩年はヤンゴンにくらした。2007年に74歳で死亡した。米国の身柄引き渡し要求にミャンマー政府は最後まで応じなかった。
もうひとつの有力部族=ワ族はモン・クメール語を喋る少数民族で、いまワ族の武装組織は中国の軍事支援がある。
 ▼ミャンマー進出の日本企業は、いま
さて安倍首相が二度に亘って訪問し、日本が投じたティワナ工業団地はどうなったか。
ヤンゴンの南郊外に位置し、コンテナターミナルを日本が援助した。しかし国軍クーデター以後、西側が制裁を課し、日本政府が同調したため、日本企業の10%がミャンマーから撤退した。住友商事、KDDIなどが残留しているとは言え、投資のトップはシンガポール、中国、そして台湾、韓国が続く。
日米印の企業投資は実質的にぼゼロ状態だ。
拍車をかけているのが外交的孤立である。ミャンマー軍事政権を支持するのは中国である。背後では、ロシアが接近している。
 仏教界は分裂している。将軍たちと協力し、仏教とビルマ文化の両方を外部の影響から守る必要があるという軍の理念に共鳴した高僧もおれば、「ラカイン州で地元の仏教徒とイスラム教徒のロヒンギャ族の間で暴力的な衝突が起きると、『過激派僧侶』といわれるウィラトゥ師は、「ビルマ仏教はイスラム教徒によって一掃される危険にさらされている」とし、「イスラム教徒経営の企業のボイコット」を奨励した。
 軍事クーデターに反対するデモに参加した僧侶たちも目立った。シャン州北部の主要都市ラショーでは国軍の統治が崩壊した。
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longgoodbye1992 · 7 months
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Dear M
今から三ヶ月前に同時に仕事や恋人を失った時に支えてくれたのは、Tumblrで知り合ってかれこれ五年話していた愛奈だった。
その愛奈に先日会うことが出来た。
ここに書こうとは思ってなかったけれど、愛奈が望んだので綴っておく。
降りるはずのインターを一つ過ぎて愛奈に連絡した。
アパート近くの変な名前のラーメン屋が待ち合わせ場所だった。
カーナビの到着予定時刻は約束より五分過ぎた時間。
愛奈の顔を見たのは今から五年前くらいか。まだ十代だった。そのイメージだけが頭にあってどんな女性なっているのか見当もつかなかった。
長閑な農道の中にあるセブンイレブンで気を落ち着けるために緑茶を買った。
マウスウォッシュで口をすすぎ、お気に入りのナイルの庭を首筋や足首につけた。
約束の場所に到着してすぐにLINEを送った。すぐに今から向かうと連絡があった。
間もなく道路の向こう側からスラリとした女性が歩いてきた。白いニットに黒のスカート。肩まで伸びた黒い髪。すぐに愛奈とわかった。
運転席に座ったまま、どうしていいかわからなくなった。どんな言葉をかけたらいいのか、どんな表情をしたらいいのか。
とりあえず降りることにして運転席のドアを開けたタイミングで愛奈が助手席のドアを開けてあららとなった。
愛奈と向き合い顔を見た。昔見た写真とは随分と変わり、大人の女性になっている。例えるなら吉高由里子や和久井映見、笑うとYUIや橋本愛に似た雰囲気で和服が似合いそうだという印象を受けた。
この辺りは何を話したのか記憶にないが、地元の名産や実家で作った米、お守りなんかを渡した。そのお土産があまりにも多かったからアパートの近くで待ち合わせていた。
荷物を置きに一度部屋へ戻る愛奈の後ろ姿を見ながら素敵な人になったなとしみじみした。
車で繁華街へ向かう。夜市があってそこに行こうと約束していた。
車内では昨日の飲み会の話を聞いて青春だななんて羨ましくなった。愛奈は大学生だ。
「電話で聞くのと声若干違う」
「確かに」
助手席側の窓から西陽が射し込む。
「いい時間ですね」
「そうだね、着いたらちょうど薄暮でお酒が美味しいんじゃないかな」
緊張していた。助手席に座る愛奈の横顔をほとんど見れなかったのを今では後悔している。それとカーオーディオから流れる曲がたまたまTaylorSwiftの「DearJohn」とかバラードばかりだったのがちょっと恥ずかしかった。
俺が泊まるホテルにチェックインしてから夜市へ向かった。川沿いの道を愛奈と歩く。
「この街を歩くのは初めてですか?」
「そうだな、中学生の時に歩いて以来だから十五年くらいぶり」
「そっか研修で来たって言ってましたね」
「いい街だね。住みたいくらい」
「私ももっと住んでてもいいかなって思う」
マンションの間をすり抜けていくと目の前に夜市の旗が掲げられていて、大勢の人で賑わっていた。
「まずは食べたい物に目星つけて端まで歩こうか」
「途中でビール買いましょ」
「いいね」
焼鳥、海鮮焼き、日本酒、スイーツなど様々な店が並んでいる。人は多いが決して歩けないわけじゃない。
「彼に夜市行くって言ったらいいなって言ってました」
「今度連れてきたらいいよ」
「でも彼人混み苦手なんですよね」
「それじゃあダメか」
「そういう私も苦手なんですけどね」
「俺も得意ではないな」
ビールを売ってる店を見つけて並ぶ。
ふんわりした泡が美味しそうな生ビールだ。
生憎座る場所が空いてなかったので立って乾杯した。
「はじめまして」
「はじめまして」
二口で半分くらいまで飲んだ俺を見て愛奈は笑っていた。好きな銘柄ではなかったけれどここ何年かで一番美味しい生ビールだった。
色々と歩いて海鮮焼きを買って食べることにした。
何となく愛奈の前を歩いたのは横に並んで歩くのが照れくさかったのと、俺が横にいることで愛奈の価値が落ちてしまうじゃないかと思ったからだ。それくらい愛奈の姿は美しさとミステリアスさがあって、もし知らない間柄でどこか別の街ですれ違っていたらきっと振り返ってその後ろ姿を目で追ってしまっただろう。
親子連れの横の席がちょうど空いており、了承を得て座った。
Tumblrの人の話なんかをして海鮮焼きを食べる。
イカ焼きに苦戦してタレを服にこぼしそうになる愛奈を心配なようなちょっと可笑しいような気持ちで見ていた。
「ビールもう一杯飲んだら帰ります」
「えっ?」
虚をつかれたような気持ちになった。
「そう言わずにどこかお店行こうよ」
「週報書かなきゃいけなくて…」
「まあな、今朝まで友達と飲んでたんだもんね」
無理矢理そう納得させる。
何か嫌なことでもしていたのだろうか。もしくは俺のルックスやらファッションが想像と違っていたから早く帰りたいのかとも考え、次のビールを買いに行った愛奈の背中を見ながら天を仰いだ。
ビールを飲みながら残っていたホタテを食べた。手がタレだらけになっているのを見て愛奈がハンカチを渡してきた。
「いいよ、せっかくのハンカチが汚れる」
「裏側ならいいですよ。見えないし」
「なんかごめんな」
お言葉に甘えて手を拭いた。十一匹のねこの刺繍があった。
「かわいいね」
「お気に入りです。書店で買ったんですよ」
ハンカチを返す。
「口にもついてます」
そう言うとそのハンカチで俺の口の横を拭った。
ほんの数秒の出来事なのにその瞬間は鮮明に残っている。
「なんか子供みたいだな。かっこ悪いね」
「男の人はいつまでも子供ですから」
愛奈の底知れぬ母性は本当に罪だ。年甲斐無く甘えてしまいたくなる。かれこれ五年も話しているからどんなバイトをしてどんな男と交際しているのかほとんど知っている。だから同い年の女の子達とは一線を画すくらい魅力的な人になったんだな。
夜市を後にする。空は確実に夜に近づいているがまだ青が見えている。
駅の方向に向かいながら二人してトイレに行きたくなり場所を探した。
「この街のトイレなら任せてください」
そう言う愛奈の後ろをついて行った。
二人とも限界に近づいていたから小走りでテナントが多数入る建物に入った。
終わるとお土産コーナーを見ながらコンビニに入った。
玄米茶と愛奈が吸ってる赤いマルボロを買った。
「そこの角で吸いましょう」
「そうしよか」
玄米茶を一口飲んでアメリカンスピリットに火を点ける。愛奈はライターを持っていなかったのでその後に俺が点けた。
「今日はありがとう」
「こちらこそたくさん貰ってしまって」
「いいんだよ。命の恩人なんだから」
「いやいや」
「これで思い残す事はない。いつ死んでもいい」
「そんな事言わないで。悲しい」
「最近思うんだ。生きてる価値あるのかなってさ」
「じゃあ飲みながら人生語りましょ」
愛奈の言葉に驚く。
「帰らなくていいの?」
「いいです。お話しましょ」
なんか泣き落とししたみたいでかっこ悪いなと思った。愛奈の時間を奪っていくみたいで罪悪感も湧いた。でもそれを超えるくらい愛奈ともっと飲みたい話したいというエゴがあった。
「そうか。ありがとう。愛奈ちゃんと一緒に行きたい店があるんだ」
「どこですか?」
「バーなんだけどさ」
「バーあまり行ったことないから行きましょ」
煙草を吸いながらバーを目指す。
途中で車に轢かれそうになると腕を引っ張ってくれた。
「いいんだよ、俺なんか轢かれたって」
「ダメですよ。死んだら悲しいですから死なないで」
「でもさ、よく思うんだよね。交通事故なら賠償金とかでお金残せるしさ」
「それは私も思うときあります」
そんな話をしていたら店についた。
俺が持っていた玄米茶を愛奈が自分の鞄に入れてくれた。
明るめな店内のカウンターに横並びで座る。
愛奈はモヒート、俺はモスコミュールをオーダーして乾杯。
「私、親の老後見たくないんです」
「そうなんだ」
「前に言いましたっけ?産まなきゃよかったって言われた事」 
「うん、覚えているよ。それならそう思うのも不思議じゃない」
「計画性ないんですうちの親。お金無いのに産んで。三人も。それでたくさん奨学金背負わせるなんて親としてどうかなって思うんです」 
「そう思うのは自然だな」
「だから私、子供産みたくない。苦労させたり嫌な気持ちにさせたくないから」
「でも愛奈ちゃんはそうさせないと思うけどな」
「育てられる自信ないです」
「そっか。でもそう思うのは愛奈ちゃんの人生を振り返ってみたら自然だよ。それでいいと思うし、理解してくれる人はたくさんいるよ」
「結婚しないと思いますよ」
「それはわからないよ。これからさ、その気持ちを超える人が出てくるかもしれないし」
モスコミュールを飲み干した。
もし自分が同じことを親から言われたとしたらと思う怖くなった。そんな中で愛奈は自分の力でそれを乗り越えて立派に生きている。愛奈を抱きしめたくなった。ただただ抱きしめてもう大丈夫だって言いたかった。
愛奈からマルボロを一本もらう。久々に吸った赤マルは苦みが程々で後味が美味かった。そこで知ったのは赤マルは二種類あって、俺が渡したのはタールが高い方で、愛奈は普段低い方を吸っているらしい。
「あの棚の右から二番目のお酒知ってます?」
「知らないな」
「友達が好きで美味しいらしい」
「読んでみよか」
スコッチだった。
ソーダ割りで飲むと中々美味しかったけれど、元々カクテル用のウイスキーとして作られただけあって、もうワンパンチ欲しい味だった。
三杯目は俺はヨコハマというカクテル、愛奈は和梨のダイキリをオーダーした。
「俺もさ、親を看取らなきゃいけないプレッシャーがあって辛いんだ」 
「一人っ子ですもんね」
「出来た親でさ。ほとんどのことを叶えてくれた」
「すごいですね」
「ほんとすごい人だよ。だから期待に応えなきゃって思うとさ。色々しんどくなるんだ」
ヨコハマを一口飲む。ウオッカとジンの二つを混ぜるカクテルだからぐっとくる。愛奈に一口飲ませると「酒って感じです」と感想を述べた。茹で落花生がメニューにあったのでオーダーする。愛奈は食感が苦手だったようだ。愛奈はダイキリについてきた梨を一口食べ俺にくれた。甘くて美味い梨だった。次にオーダーしたのは愛奈はシャインマスカットを使ったウオッカマティーニ。俺はサイドカー。
「ゴリラいるじゃないですか」
「実習先の人ね」
「ほんといいなって思う。優しいし人のこと良く見てるしたくさん食べるし」 
「既婚者じゃ無きゃね」
「そうなの。でも奥さん可愛かった」
「たぶん可愛いだろうな」
「一緒にいれはいるほどいいなって気持ち強くなる」
「叶うとか叶わないとかそんな事はどうでもいいから今の時間楽しめたらいいね」
「頑張ります。お局怖いけど。でも最近機嫌いいからいいや」
シャインマスカット一粒を俺に寄越す。繊維質の食べ物があまり好きではないらしい。サイドカーを飲ませると美味しいと言った。
「サイドカーに犬って映画知ってる?」
「知らないです」
「すごくいい映画だよ。小説原作なんだけれど」
愛奈がスマホをいじる。
「Huluで見れるんだ」
「そうなんだ。便利やな」
「今度見よう」
その後は愛奈の好きな小説の話をした。加藤千恵って読んだことなかったなと思いながら話を聞いていた。
「次なんだけどさ」
「はい」
「ピアノがあるバーに行きたいんだ」
「行きましょ。その後ラーメン食べて帰るんだ」
「いいね、そうしよう」
店を出てると少しだけ肌寒くなっていた。
ピアノのあるバーに向かって歩いていく。
「バーに入るの初めてでした」
「そうなんだ。前の彼とは来なかったの?」
「入るのに緊張するとこには行かなかったんです」
「最初は緊張するもんな。慣れればいいんだけど���
「あっちの方にあるビストロにもやっと入ったくらいだから」
「そうなんだ。でもいいもんでしょ」
「すごくよかったです」
「そうだ」
「どうしました?」
財布から千円札を数枚出して愛奈に渡した。
「タクシー代、忘れないうちに渡しておくよ」
「えっ、いらないですよ」
「遅くまで付き合わせてしまったし」
「いいですって」
「いや、受け取って。今日は本当にありがとうね」
愛奈のポケットに押し込んだ。
「すみません。ありがとうございます」
「ほんと愛奈ちゃんには救われっぱなしだよ。だからこれくらいはさせてよ」
そうこうしてるとピアノバーの前についた。
少しだけ緊張したが意を決して入る。
店内は混雑していたが運良くピアノが横にある席に座れた。さっきまでは横に座っていた愛奈と向かい合わせで座った。目を合わせるのが照れくさくなるなと思った。
「リクエストしてもいいみたいだよ」
「えー、いいな。弾いてもらいたい」
「何かあるの?」
「一時期、月光にハマってて」
「いいね」
「でも何楽章か忘れちゃった。ちょっと聞いてもいいですか?」
「いいよ」
愛奈がイヤホンを繋げて聞いている。
その間に俺は「Desperado」をリクエストした。
「一でした」
「そっか、次に言っておくよ」
Desperadoが流れる。
愛奈も知っていたみたいで俺が勧めたピニャコラーダを飲みながら聞いている。柔らかくて優しい表情が美しく貴かった。
「これはさ恋愛の曲っぽいけどポーカーで負けた曲なんだ」
「えー」
愛奈が笑う。
次にピアニストの方に愛奈のリクエストを伝えた。
始まると今にも泣きそうなくらいに感動している愛奈がそこにいた。スマホを向けてその時間を記録している。その時の顔は少女のよう、昔見た愛奈の写真に少し似ていた。
お酒が進んでいく。
カウンター席のおじさまがビリー・ジョエルをリクエストしている。ストレンジャーやHONESTYが流れている。
会話は愛奈の男友達の瀬名くんの話題に。
「今度ドライブに連れてってくれるんですよ」
「ロードスターに乗ってるみたい」
「オープンカーか。この時期はまだ気持ちいいね」
「天気の良い日見ておくねって」
「いい子やね。その子と付き合っちゃえば?」
「でもね、絶対彼女いるんですよ。いつも濁してくるけど」
「そっか」
「沼っちゃう男子ですよね」
「じゃあさ、俺と付き合って」
「仮にも彼氏いるんですよ」
「冗談だよ。俺は君に似合わない」
もっと若くて横浜流星みたいなルックスで何か才能があって自分に自信があったらもっとアピールしたかもしれない。そう、愛奈に合うのはそれくらい優れている人で、愛奈を大切に包み込むことが出来る余裕がある人に違いないからだ。
「あの曲聴きたい」
「なに?」
「秒速の曲」
「One More Time?」
「それ!」
「じゃあ頼んでおくよ」
ピアニストの方にお願いするとすぐに弾いてくれた。愛奈は感激してこのときは本当にその強い眼差しが少し濡れていたように見えた。
タバコに火を点ける。愛奈をちらちらと見ながら吸うタバコはいつもより目に染みる。
ダービーフィズを一口飲む。久々に飲んだがやはり美味しい。
「すごく嬉しかった」
「よかったよ」
最後の酒に選んだのは愛奈はシシリアンキス、俺はXYG。
そのオーダーを聞いていたピアニストの方はGet Wildを弾いてくれて俺は笑った。
「これさ、シティハンターで出てくるんだよ」
愛奈はもちろん知らなかった。男の子の映画だからね。
「ボズ・スキャッグス弾いてほしいんですけど」
近くの席の女性が弾いているピアニストに声をかけたがちょっと待ってと制止された。女性がトイレに入った間に俺はこの隙にと一曲リクエストした。
愛の讃歌。
愛奈も知っていた。
タバコも吸わず、氷だけになった酒で口を濡らし、聞いていた。少しだけ目頭が熱くなった。
曲が終わるとお酒が届く。
「渋いお酒飲まれますね。さっきのダービーフィズとか」
マスターから声をかけられた。ダービーフィズの泡がいいよねと話した。
ピアニストにさっきの女性が話しかけている。
「ボズ・スキャッグスをお願いします」
「曲はなにがいいですか?」
「曲名がわからなくて…」
「それならウィー・アー・オール・アローンを聞きたいです」
俺が言った。すると二人ともそれがいいとなって弾いてくれた。
訳詞には二つの解釈がある。
僕ら二人だけ。なのか、僕らはみな一人なのか。
今だけは前者でいさせてほしいと思った。
「ピアニストの人が弾いてて気持ちいい曲ってなんなんだろう」
愛奈が言う。
「確かに気になるね。聞いてみるよ」
ピアニストの方に聞く。
「その時で変わります。上手くできたなって思えば気持ちいいですから」
なるほどなと二人で頷いた。
最後のリクエストに「ザ・ローズ」をお願いした。
ピアニストの方も好きな曲らしい。
「気持ちよく弾けるように頑張りますよ」
この曲は愛奈も知っていた。
オールディーズの有名な曲だ。
気持ちよさそうに弾くピアニストと聴き惚れる愛奈を見ながら最後の一口を飲み干した。
後半はあまり愛奈と話をした記憶がない。二人ともピアノの音色に癒やされながら静かに酒を飲み、少しだけぽつりぽつりと会話をする。そんな落ち着いたやり取りが出来る関係っていいなと思った。
会計をする。
お釣りを全て、といっても少額だがピアニストの方に渡してもらった。
財布の中身が増えている気がした。
愛奈に聞くと何もしてないらしい。
「きっと財布の中でお金が生まれたんですよ」 
そういうことにしてピアノバーを出た。出る直前に流れていた曲はドライフラワーでちょっとだけ不釣り合いで笑えた。
愛奈がラーメン屋を案内してくれるが場所が少し分かりにくくて何とかたどり着いた。
ビールを少し飲みながら餃子を食べているとラーメンが届いた。
二人して黙々と食べた。美味かった。
「大盛りにしてもよかった」
「私もう食べられないからあげますよ」
愛奈が麺をくれた。それを全て食べてビールを飲み干す。
二人で一頻り飲んだあとに餃子をつまみながらビールを飲み、ラーメンを一緒に食べてくれる女性は出会った事なかったかもしれない。
会計前にトイレに行きたくなって財布とカードを愛奈に渡して払っておいてほしいとお願いした。
戻るとテーブルに忘れていた眼鏡を俺に渡しながら
「使い方わからなくて自分で払っちゃいました」
「えっ、ああ、ごめん。現金渡すよ」
「いらないですよ。たくさんご馳走になったんでこれくらいはさせてください」
何度かやり取りしたが甘えることにした。
愛奈には甘えてばっかりだ。
店を出て大通りに向かう。
タクシーをつかまえようと。すぐにつかまった。
「このタクシー割引使えるんですよ」 
「ありがとうね、また会おう」
「はい!」
タクシーを見送った。夜の大通りをすーっと去っていった。
ホテルへの帰り道。コンビニでお茶と赤マルを買った。久々に吸って美味しかったからだ。お茶は愛奈の鞄に預けたまま忘れていた。
赤マルに火を点ける。
やたらと煙が目にしみる。夜空を見上げたら明るい繁華街にも関わらずいくつか星が見えた。
生きていてよかった。
それくらい楽しくて美しい夜だった。
また愛奈に会いたいと思った。次はいつ会えるだろう。そんな事を考えながらホテルのベッドに倒れ込む。
「死んだら悲しいですから死なないで」
今日何度か言われた愛奈の言葉がリフレインしている。
本当に素敵な人だ。あんなに幼くてどうしようもない人と恋に落ちてたのに上手に成長した。
あんなに気遣いできて疲れないのかなって思う。
少し心配だ。
愛奈を写した写真を見返す。ブレてる写真ばかりで下手さが目立つが二枚ほどいい写真があった。
大切にしなきゃならない人がこの世にはいる。
間違いなくそれは彼女である。
これは一夜の記録と愛奈への恋文だ。
なんてね
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kennak · 2 months
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──この手の話をすると、必ず「財源はどこから持ってくるのだ」という批判があります。 ■ 高齢者からの反対に過���反応する必要はない  森永:少子化対策は若者向けの政策なのですから、(社会保障の主な受益者である)高齢者からの反発に対して過剰に反応する必要はないでしょう。高齢者には出産する能力がありませんから。岸田首相自身が「2030年までがラストチャンスだ」と言っているのだから、政治的リーダーシップを発揮すればいいだけの話です。人口ピラミッド構成の問題もあるのでしょうが、反発を恐れている間に少子化は加速度的に進行していきます。  私は積極財政を支持しています。独立してから一貫してこの立場を取っていますが「プライマリーバランスの黒字化」を錦の御旗に掲げる緊縮財政派の主張を鵜呑みにすると経済は成長しないことは、失われた30年ですでに明らかになったのではないでしょうか。  家計と国家財政は同一視できません。個人が借りた借金は返す必要がありますが、“国の借金”と呼ばれる国債は別物です。「国債を発行しすぎると財政破綻する!」というのが主な反論ですが、では日本よりも国債残高が多いアメリカやイギリスはなぜ財政破綻していないのでしょうか?  国家財政を「家計」というイメージしやすいもので捉えても、それは実態のない議論で意味がありません。  ただ明るい兆しもあります。地上波のアンケートで国民に「今やるべき経済政策はなんですか」と聞いたところ「消費減税」が1位になっていました。国家財政に明るくない庶民も「何かがおかしい」と気づき始めているのです。  ──潮目が変化してきているのですね。 ■ 「移民」「ITデジタル」はナンセンス  森永:ただ、積極財政にシフトするにしても、早い方がよいと思います。仮に30年後に積極財政に転換するとしても、その頃には内需が縮小していて、思ったような効果は得られないからです。  残酷ですが「財源はどうするんだ」と右往左往している間にも、出産可能な未婚女性のタイムリミットは近づいていきます。「結婚したいけど経済的な理由で難しい」と考えている人たちがまだいる今のタイミングこそ、積極財政にシフトすべきなのです。  少子化は、日本が直面するさまざまな課題の中でも、最も緊急に解決を要するものだと私は思います。大袈裟ではなく、日本人がいなくなってしまう危機なのです。人口減少社会において、IT・デジタルを活用して省人化に取り組むべきという主張もありますが、既存インフラを出生数75.8万人で維持していくことは現実的ではないでしょう。  そして、私が最も警戒すべきだと考えているのが「人口が減るのだから移民を受け入れろ」というソリューション。すでにイギリスやフランスなど、同様に少子化に悩む国々がある意味「社会実験」として移民を受け入れ、治安が悪化しているのを見ているわけです。  繰り返しになりますが「今、結婚・出産したいけどお金の問題でできない」と考えている若者をお膳立てすることが、国としてまずやるべきことです。当たり前ですが、外国人よりまず日本人を増やすべきでしょう。現実的に、今すぐに積極財政を実現する政治的決断が仮にできなかったとしても、高齢者に偏った歳出を是正できなければ、日本人がいなくなってしまいます。
【出生数75.8万人の衝撃】日本人がいなくなる!?森永康平氏「岸田首相の政策は的外れ、今すぐ減税・積極財政を」(JBpress) - Yahoo!ニュース
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sdeet · 2 months
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すべてがこわばっている
 私は昔から過緊張気味で全身がこわばっている。過緊張というのは人前でのあがり症ということではなく、常に意識が全方位に向けられるみたいな状態が続いてしまう的なことで、交感神経と副交感神経のスイッチがうまくないということである。自律神経がいかれがちというやつである。
 まじで身���を壊したなというタイミングは20代だった。100%仕事のストレスで、顎関節症が悪化して口が開かなくなるわ全く眠れなくなるわで散々だった。なので、当時の仕事をばつんと辞めて以降、ストレスをためたら物理的に死ぬ、ストレスはメンタルや考え方の問題というより物理ダメージ、という旗を掲げて現在まできた。ストレス緩和は心の持ちようではなく物理的になんかする必要がある。身体のケアをするとか環境をよくするとか。いっぺん受けた物理障害はなかなか全回復までいかない。歳を重ねると「身体の耐用年数ってあるんだなあ」という気持ちがめっちゃ湧く。
 昔は肉体・感情労働に近かったが現在はほぼデスクワークであり、これも身体にかなり悪い。長時間座ってること自体がだめだし首にも腰にもダメージがある。ストレッチとか軽運動はしているがそれでどうにかなるようなもんではないのだ。デスクワークは身体に悪い。ヘルニア持ちなのでかなり気を遣って生きている。顎関節症もまあまあ調子が悪い。ちょっと心身に負荷がかかると敵面に顎の具合が悪くなる。ストレス過多・過緊張で噛み締めが強すぎると歯に悪影響も出る。まじで出る。具体的には歯に負荷がかかりすぎて膿んだり骨が溶けたり歯茎が下がったりする。手術もしたし抜歯もしたしわりと大事である。虫歯は長いこと発生してないので口腔ケアとかの問題じゃなくて、物理的に壊れていくのだ。20代で患ってから寛解したとは言い難いのであれなんだが自律神経はだいたい調子が悪い。睡眠はもう社会性を完全に捨て、「眠くなったら(とはいうがねむみが来るわけではなく肉体の物理限界でシャットダウンみたいな感じで)寝て、自然に起きるまで寝る」を年単位で敢行したことで眠れるようにはなった。これはそれができる環境に自分がたまたまいられたからできたが、できなかったらもっと悪化したかやべえことになっていたような気がする。
 首にも腰にもヘルニアがあるが、手術をするほどではないが調子はそれなりに悪くなりがち、という付き合っていくしかない持病である。首の場合は手の痺れや背中から胸にかけてのギックリ背中的な激痛を伴うことがある。これは筋肉の柔軟性がまるでだめになると起こる。ストレッチや整体を継続的にやっていくしかない。ちなみに腰の場合は腰そのものではなく下肢の神経に影響が先に出る。私の場合は「膝の調子がなんか悪い?」と思って整形外科に行ったがなんともなくて、なんだろうなと思ってるううちにギックリ腰的なものになり、腰のヘルニアですねーとなった。肩こりも腰痛も自覚がないまま、体感的には急に悪化したような感じで出るが、姿勢なりなんなりの悪さや全体的にこわばって負荷がかかり続けた結果こうなのだろう。ストレートネックどころかストレート背骨なのでぱっと見の姿勢はむしろ良い。ただめちゃめちゃ骨に負荷がかかりやすいので、筋肉が衰えると一気に悪化するだろう。筋肉はなかなかつかないが去るのは早い。肉体の維持は面倒だがやってかないと死ぬ。どこもかしこもこわばっていて、安らぐ感じになかなか辿り着けない。数ヶ月ぐらい湯治したいという気持ちがめちゃある。健康になりたいというより安心してゆるまりたいのだと思う。
 最早どっちが先かみたいな感じだが、自律神経がいかれているということはホルモンのバランスもまあまあいかれていて、何が正常なのかがわからない。一応サイクルはあんまり壊れてないので、一般的な基準値ではなくても安定してるならいいんじゃないのか??? ていう気持ちで生きてる。標準に合わせようとするとそれはそれで不具合なんじゃないのかという。医者には行っているが、正解がわからないので自分基準で「生活できる」に合わせていくしかないのだ。
 最近はNike Training Clubのアプリでちょっとした運動を地道にやっている。筋トレ・ヨガ・ストレッチ・呼吸法等のレクチャー動画プログラムが用意されている。無料である。すごない? 以前はジムに通っていたがトレーナーとの意思疎通が難しかったので(私は健康的に太りたいのだが、痩せる方向の意識でしか会話ができなくてやめた)。食わないと筋力もつかねえということはわかっているのだけど1日2食〜1.5食ぐらいのペースから食事量をどうしても上げられない。もうちょっと食ったほうがいいのはわかっているんだが。というか私はどうやって生きてるんだ? カロリー摂取量基礎代謝でたいがい終了してないか? 太りづらい人は筋肉もつきにくい、逆に太りやすい人はトレーニングさえすれば筋肉に変換できる! という話をスポーツやってる人が言っていた。やはりまず食うところからなのだろう。
 ここしばらく身体の調子が全体的に悪い、何がどうという決定的な何かがあるわけではないが調子が悪い、と思い久しぶりにマッサージへ行った。マッサージ屋さんやサロンにも様々ある。整骨整体院がやってるものからヒーリングリラグゼーション主軸のものから美容主眼のものまで色々である。以前、首をやられて肩が動かなくなったとき、診断を受けた病院で理学療法士さんのやってるマッサージというか整体というかあっためて揉んで動かすリハビリに半年ほど通った。その時期は調子が安定していたので、ああいう風なのを継続的にやる必要があるんだなと思った。
病院にかかってるわけではない状態で、そういうのはどうやったらできるんだ? というので整体とか整骨院とかも色々行ったが、多分スポーツ寄りの整骨なり整体なりマッサージ屋さんに行くべきなんだというのがわかった。おじいちゃんおばあちゃんメインのとこだとおじいちゃんおばあちゃん向けの基準があるため私は割と健康扱いになってしまうのだ。スポーツ寄りのところだともうちょっと身体に向き合う方法に寄せてもらえる感触がある。ただガチ目アスリート向けのところに行くとお門違い感があり、健康維持ぐらいの感じで行けるところが必要で、家の近くで、と思うと限られてくる。今は街中に住んでて本当に助かっている。実家では物理的に存在しないので。
今回初めて行ったマッサージ屋さんはマッサージとはいうがカジュアルなスポーツセンターに併設しているところで、どちらかというと整体というかストレッチというかそういう調整をしてくれるところだった。なにもかもこわばっている身体でいきなり強運動するとぶっこわす(以前壊しました)ので、動ける状態に持っていく必要がある。マッサージの担当の方に「身体が硬いというよりずっと強張ってる感じですね〜」と言われた。そうなんだろうな。眠れてはいても安らいだ感じはしないので。こちらから言ったわけでもないのに「噛み締めが強い」とか「頭痛がありそう」、「首が悪い」とかどんどこ指摘されてその通りなので、身体や筋肉を理解する能力というのはすごいなーと思いながら施術を受けてきた。久しぶりに首が無理なくまわせるようになった。
 私の地味な目標に、近隣の山の登山がしたい、というのがある。現状では無装備で行ける観光周遊コース程度が限界なのだが、体力と調子を用意して山に登れるようになりたい。
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tanakadntt · 1 year
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グッズのマリン三輪隊の話(二次創作)
あなたの詠唱はどこから?
 三輪秀次はビリジアングリーンの毛先を持つデッキブラシをぐるりと回して、コツンと甲板に突き刺した。風がデッキを渡り、身につけたセーラー服の襟がふわりと浮いて首を包む。腰の金ボタンが僅かに震え、陽光を反射し、古寺が一瞬目を瞑った。
 『詠唱』が始まる。
 しかし、その詠唱はお粗末なものだった。
「……世界を繋ぐ青い空‼ えーと、希望の空から降り注ぐおひさまのシャワー‼ ……んん、きらめくソード‼ キュア…」
「違います!」
「違う!」
「違うってよ〜」
「違うのか?」
 隊員たちからすぐさまダメ出しされ、隊長は詠唱を途中で遮られたことに不服のようだ。
「それは詠唱じゃないな」
 奈良坂は手旗をバツ印に重ねながら言う。こちらもセーラー姿だ。本日、三輪隊は嵐山隊他と一緒に広報の撮影に来ている。メインはやはり嵐山隊で、三輪隊も「他」に入る部類なので待ち時間が多い。
 スタジオ撮影ではない。わざわざ海近くの公園まで来て、観光用に係留されている帆船を借りての野外撮影だ。そんな場所だから、隊服の撮影ではない。隊それぞれに衣装が用意されている。マリンを意識した、水兵服風だ。
 そういうのは、広報部隊だけでいいだろうと思う人間は結構いるはずだが、どうしても必要だから、とメディア広報室長の根付から、ではなく、営業部長の唐澤に爽やかに笑ってポンと肩に手を置かれると誰も断れない。三輪も同様だった。
 時期を違えて、他の隊でも撮っていると聞けば尚更だった。
「さっきから何をやっている」
 やはり撮影待ちの風間が船底からデッキに出てくる。隣には緑川もいる。嵐山隊他の「他」の仲間はこの風間蒼也と緑川駿で、なぜこの二人が隊ではなく、それぞれ呼ばれたのかは唐澤にしかわからない。
 風間は蒼也の蒼にちなんでブルーの、緑川は緑にちなんでグリーンのセーラー服を支給されている。三輪隊は隊服カラーの紫だ。皆、まったく一緒という訳でなく、少しづつ違っている。
 そのことに言及すると、奈良坂から何を当たり前のことを?と言いたげな視線を送られたので黙った。
例えば、緑川と風間のセーラー服は造りはほぼ一緒と言えるが、色はもちろん、金ボタンの位置やズボンのデザインが違う。さらに風間はつばを深く折ったような帽子を被っていた。セーラーハットというそのままの名前の帽子らしい。一方、緑川は縁にリボンの付いたベレー帽だ。彼の衣装は横ボーダーのインナーと短い丈のセーラージャケットで、両襟をアクセサリーで留め、まるでアイドルのようだった。
「先輩たち、暇だから遊んでるんでしょ」
 中学生に訳知り顔に指摘されて赤面する。尊敬する風間の前で言われるのも恥ずかしい。しかも、図星だった。
「棒が二本あるだろ? だから、オレが槍の使い方を教えてたんだけど、スタッフさんに危ないって怒られてさあ」
 米屋陽介が説明する。
「陽介、棒じゃなくてデッキブラシだ」
「棒だろ」
 デッキブラシは撮影の小道具で三輪と古寺のふたりがブラシ係だ。奈良坂は旗係で、二本の旗を持たされている。気に入っているようでずっと持っていた。米屋は何故か皮袋だ。デッキブラシを持たせても槍にしか見えないと思われたのだろう。ネクタイも腰に引っ掛けていて、休日に出かける船乗りという設定なのか、ラフな感じがよく似合っていた。
「それで、この棒を槍じゃなくて杖ってことにして、詠唱ごっこしてた」
「詠唱?」
 風間が首を傾げる。三輪が横から説明する。
「魔法使いが杖を使って呪文を唱えるじゃないですか?」
「ああ」
「最初は適当な呪文を言ってたんですが、今度は何かを召喚してみようって話になって」
「召喚?」
 緑川が面白そう、と言っている横で さらに風間が首を傾げる。三輪は申し訳なくなってきた。元々、考えついたのは三輪ではなかったから説明もしづらい。今度は奈良坂が助け舟を出す。
「魔法使いのごっこ遊びみたいなものです。魔法で精霊を呼び出す呪文を、一番それっぽく言えた奴の勝ちというルールです」
 奈良坂は進学校の学生らしく説明が上手い。しかし、明快に言語化するとますますやっていることのバカっぽさが際立った。
「それで三輪先輩ダメ出しされてたのかぁ」
 緑川がニヤニヤする。
「……」
 彼は迅以外には大体こんな感じだから三輪も気にしないことにしている。
「三輪は全然ダメだった」
「……」
 それには反論しようもない。三輪が魔法と聞いて連想するのは、昔、姉と観ていた魔法で変身する女児向けアニメしかない。
「今度は奈良坂がやってみろよ」
米屋が言った。
「ああ」
 コホンと奈良坂は咳払いをして、旗を上に構えた。デッキブラシではなく、こちらにするらしい。奈良坂の衣装はダブル六つボタンの付いたジャケットのようになっていて、カチッとした印象だった。
 長い腕で、二本の掲げた旗をくるり回すと舞踊を見ているかのようだ。奈良坂の詠唱は短かった。
「エクスペクト・パトローナム!」
「へ? 短くね?」
 ハリーポッターに全く興味のない米屋が無表情になる。元々、目に感情が入らないから少し怖い。
「守護霊生成ですから召喚とはちょっと違うかと」
 古寺が遠慮なく指摘する。
「ダメか」
「精進しろ」
 風間もわからないながらも審査に参加する気になったらしい。
「はーい、次オレ〜」
「よねやん先輩、頑張って」
 三輪からデッキブラシを渡され 嬉しそうにひと振りする。ぶんと勢いよく、棒がしなった。槍にしか見えない。彼の上着もジャケット仕立てで、奈良坂と違うところはシングルボタンである。大きく開いた上着から青の縞模様を見せている。足元はビーチサンダルで裸足同然だ。
 彼は魔法、魔法だよなあと呟いた。
「陽介、ちちんぷいとかじゃあダメだからな」
「と、思うじゃん?」
 米屋はニヤリと笑って、デッキブラシの柄でカンッと床を叩いた。そのまま、柄を丸く滑らせていく。
「魔法陣グルグル トカゲのし…」
「パクリでしょう!」
 また古寺が突っ込む。弟が二人もいて、少年漫画に詳しいのは彼しかいないのだ。
「そういえば、作戦室で観てましたね」
「テストで誰もバトってくれねえんだもん」
「勉強しろ」
「よねやん先輩かっこ悪い」
「ちぇー、奈良坂はパクリじゃねえのかよ」
「おれが許します」
「贔屓ィ」
 古寺は咳払いだけして無視する。
「じゃあ、次は古寺だな」
 風間は冷静に順番を数えた。
「はい、風間さん」
 途端に古寺が自信のなさそうな表情をする。三輪は「がんばれ」と励ました。
 後輩はデッキブラシを三輪から受け取って、杖を握り横に構える。目を閉じる。他の隊員たちよりひとつ下の年齢を意識してか、かわいいデザインになっていた。サスペンダーをし、ネクタイもリボンのように結んでいる。靴も軽快なスニーカーだ。
 しかし、その時、周りの者には風にはためく不吉な黒いマントの幻想が見えた。
「原初の時空に彷徨う白き者よ、���が誓願を聴きたもう。我が名を持ってここに顕現せよ。我は古寺章平、黄昏の支配者にしてこの地の放浪者なり」
 みんなポカンとしていた。
「これより一切の慈悲なく我が敵を殲滅よ!」
「ハーイ、カットぉー、木虎ちゃんお疲れ様ぁ」
 向こうから嵐山隊と撮影スタッフの声が聞こえる。
「えーと、終わりました」
 デッキブラシのブラシ部分を床に下ろして、こちらを見る。いつもの古寺だ。
「なんで、そんな本格的な……」
 三輪がうめくと、メガネの縁に手をかける。
「弟とやるカードゲームによく出てくるんで覚えちゃいました」
 絶対に読み上げなければいけないルールで、と付け加える。
「スゲエよ」
 と、米屋。
「カッコイイ、古寺先輩」
「お前が優勝だな」
 奈良坂は旗をパタパタと振った。
 風間もウムとうなづく。
 頃合いよく、スタッフから声がかかる。
「そろそろ撮影に入りまーす」
「ハーイ」
終わり
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nyantria · 1 year
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Christians Must Learn To Hate Evil Again
By: Andrew Torba
https://news.gab.com/2023/04/christians-must-learn-to-hate-again/
クリスチャンは悪を憎むことを再び学ばなければならない
クリスチャンである私たちは、私たちを取り巻く世界の混乱と混沌の中にあっても、信仰に堅く立つよう求められています。最近、ナッシュビルで幼い子ども3人を含む6人のクリスチャンが惨殺されたニュース、トランプ大統領の見せかけの起訴、ダグラス・マッキーの有罪判決など、落胆し、意気消沈するかもしれませんが、こうしたときこそ、私たちの希望と力がより高い力から来ることを忘れてはなりません。
今週は、クリスチャンとして、また幼い子供を持つ父親として、私にとって困難な1週間でした。いわゆる「クリスチャン・リーダー」からの反応をあらゆるところで探しましたが、よく言えば沈黙、悪く言えば、キリストの兄弟姉妹ではなく、「トランス・コミュニティ」を支持する人たちを発見しました。
クリスチャンは、悲劇に同情、共感、愛をもって対応するよう求められています。しかし、その悲劇が主流メディア、文化、私たち自身の政府、そしておそらく私たちの教会、友人、家族の一部によって祝われている場合はどうなるのでしょうか。
キリストにある兄弟姉妹の6人の命を奪うという、キリスト教コミュニティに対する恐ろしい不正行為を行ったコミュニティのメンバーがいた数日後に、全米の学校、組織、企業、そして政府の建物でトランスの旗が掲げられたとき、私たちはどう対応すればよいのでしょうか。
今週、私の親友であるアンドリュー・イスカー牧師が書いていたように、愛想がよくていい人というのは、もう通用しないのです。
臆病なクリスチャンの「指導者」たちは、これらの問題に対して沈黙を守るかもしれません。まず、私たちの希望と力は、神から与えられるということを忘れてはなりません。私たちは祈りによって神に立ち返り、神の導きを求めながら、この困難な状況を乗り越えていかなければなりません。
聖書のピリピ人への手紙4章6~7節にあるように、「何事にも思い煩わず、どんな状況でも、感謝をもって、祈りと願いによって、自分の要求を神に差し出しなさい。そうすれば、あらゆる理解を超えた神の平和が、キリスト・イエスにあって、あなたがたの心と思いを守ってくれます。」
祈りに加えて、私たちはマタイ5:44のイエスの言葉、**「しかし、あなたがたに告ぐ、あなたの敵を愛し、あなたを迫害する者のために祈りなさい。」**を思い出さなければなりません。メディアや企業、学校、政府が無意味な悲劇を祝福しているように見えるときでも、私たちは憎しみや怒りではなく、愛と思いやりをもって対応しなければなりません。
また、私たちは、邪悪な人々によって謳歌されている不正に対処するための行動を起こさなければなりません。これは、主流のシナリオに反対する意見を述べたり、変化をもたらすために活動している組織を支援したり、あるいは平和的な抗議活動やデモに参加することを意味するかもしれません。その際、私たちの行動が怒りや暴力ではなく、愛と慈しみに根ざしたものであることが重要です。私たちは、大胆に福音を伝え、真実を語り、恐れを捨てなければなりません。
私たちは、自分たちが一人で闘っているのではないことを忘れてはなりません。これは、敵が私たちに必死に信じさせたいことです。私たちには、被害者のために、そして神の言葉を代表して立ち上がる人がいないのだと。これほど真実から遠いことはありません。キリストの体のメンバーである私たちは、私たちを支え、励ましてくれる、より大きな信者の共同体の一員です。他の信者とつながっていることで、私たちは苦難や迫害のときにも力と希望を見出すことができるのです。地元の教会やコミュニティだけでなく、Gabや他のオンラインプラットフォームで世界中の信者とそうすることをお勧めします。私たちは今、かつてないほどお互いを必要としているのです。
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armanskij · 1 year
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目を逸らさずに、立ち向かえ
L'événement @ Rectangle Productions 他
Directed by Audrey Diwan
 執拗に観客を主人公と同化させようと試みる作品というものがある。やり方を間違えると白けるだけだが、本作は難なく成功している。スタンダードサイズの画面、彼女を追って周りがボケているピントの合わせ方。これら技術的な面も手伝っていることも確かだが、何よりとある「病気」が自分の身に降りかかるという状況が有無を言わせず全ての人間に当事者意識を植え付ける。彼女のバックグラウンドや、選択、考え方、仕草を気に入る気に入らないといった、通常主人公を批判的に見る隙を観客に与えることはない。観客は始めから彼女の肉体に囚われ、逃げることができない。
 病気と書いたが、それは主人公が言うところの「女だけがかかる病気」「主婦になるという病」、すなわち妊娠である。大学生の主人公 Anamaria Vartolomei は予期せぬ妊娠に直面し、これでは文学あるいは国語の教師になりたいという夢を諦めなければならなず、自分の人生を捨てなければならない危機に見舞われる。しかし 1963年当時フランスでは中絶は違法であり、彼女を助けることができる真っ当な方法は存在しない。彼女は、アンダーグラウンドの中絶手術を求めることとなる。
 冒頭の授業で詩の授業が行われている。読まれているのは戦争を描いた Louis Aragon の詩  « Elsa au miroir » である。
 教授が Vartolomei に質問する。「この手法をなんと言いますか?」  « Une Anaphore » 「首句反復」と答える彼女。単語の響き、アンシェヌマン(フランス語の発音ルール)が起きてこう聞こえる。 « Une Nana Forte » 「強い女」。戦争に巻き込まれる強い女とは何者か?
 それは、一つに原作者の Annie Ernaux のことである。彼女の実体験を映画化した本作は、壮絶で孤独な戦いに身を投じる若い女性を描く。私はカメラワークが László Nemes の 「サウルの息子」や「サンセット」といった作品のようだと感じたが、戦禍の中、主人公がどこにピントを合わせて世の中を見ているかという点さえも観客に主人公との同化を強いる意味では当然の選択だったのだろう。観客は、彼女が見ていないものは知るよしもないが、逆に彼女が見ているものは全てくっきり見せつけられる。さらに、サスペンス的要素もこの作品の危機感をドライブする。3週、7週などとカウントアップされていくクレジットは焦燥感を煽り、観ている側もパニックに襲われそうになるのだ。戦争、病気といった非日常に突入したことによって、もはや自分にとって時間の数え方が変わってしまう。しかしこれはある意味、妊娠という状況でなくとも男女の大きな違いかもしれない。28という数字を聞いて、男はなんのことだろうと首を傾げるなどよくある話だ。
 さて、妊娠が分かったヒロインだが60年代フランスにおいて人工妊娠中絶はいかにタブーであったかを思い知らされる場面が次々と出現する。まず、医者が「生理が来るように」無言で処方した薬は精力剤で胎児を元気付けるものだったという騙し討ち。あるいは、女友達は雑談の中で子供を堕すことを「冗談でも言わないで」と真顔で言う。当然の成り行きで、打ち明けた途端に巻き込まな��でほしいと友人関係も疎遠になる。時間が経ってから、仲良し三人組の一人だった Luàna Bajrami が私は欲望のままに男と遊んだけれど、妊娠しなかったのは運が良かっただけど心の中を Vartolomei に打ち明けて歩み寄るシーンがあるが、 « Portrait de la Jeune Fille en Feu » で彼女は周りの登場人物にあんなに堕胎に協力してもらってたのに、本作での主人公への仕打ちはあまりじゃないか!と突っ込んだ。笑
 追い詰められた彼女に手を貸したのは、悪い遊びを知っている男友達 Kacey Mottet Klein 。「経験がある」という学生 Alice de Lencquesaing にアンダーグラウンドで手術を請け負う Sandrine Bonnaire を紹介される。 Alice は告げる。手術のあと医者が「流産」と書くか「中絶」と書くかは運次第。後者ならみんな-妊婦、手術した人、協力者-刑務所行きだと。手術費用は400フラン。Vartolomei は大事な蔵書を売って金を工面する。そこで売られているのは Simone de Beauvoir や 冒頭の Aragon の著作。自由やそれを奪う戦争について彼女がいかに考えを巡らせているかを垣間見せる一場面だ。ちなみに、フランスは1789年の革命の頃まで中絶は合法だった。それが禁止されたのは1810年から。理由は、 Napoléon Bonaparte による���争。国民全員が何らかの形で戦争に関わることになる近代国家にとって、人口の量と質の管理は至上命題であり、子供を勝手に堕ろされては政府にとって不都合だったのである。
 クライマックスとなる堕胎の場面は、 Bonnaire の自宅へ足を踏み入れてから手術完了まで長尺のワンショットで見せる。ショットを映画における瞬きとするならば、ここは瞬きなしの一呼吸だ。一度目の手術では胎児は持ち堪えて失敗。もういちどと Bonnaire を説得し行った2回目では成功。彼女は大学の寮に戻ってから激痛に耐えた末、トイレで亡骸を産み落とす。この場面では便座に座る彼女を正面からカメラが捉えているのだが、ほんの少し下へ向けられる瞬間がある。そこには血だらけの肉塊が臍の緒一本で Vartolomei と繋がっている姿が映される。女性は血と肉、すなわち命をかけて妊娠をするものなのだという事実を観客に見せる姿勢に容赦はない。それが本作の映画化にあたり、考えられうる限り最大の誠実さを証明していることは言うまでもない。
 最後には世間が行う時間の捉え方7月5日の文学の試験で幕を閉じる。試験前に教授が引用するのは Victor Hugo の言葉だ。その内容も顔を上げて、旗を掲げて歩めという戦争もの。若者たちよ、強い女性たちよ、歩き闘い続けよというメッセージが込められていた。
 なお、この闘いは現在も進行中である。法律は変えられる恐れがあるからとフランスでは先月24日、憲法に中絶へのアクセス権を明記する憲法改正案が国民議会で可決されたばかりだ。右派が過半数を取る上院での可決は難しいらしいが、 US の動向に対する反動としても議論は続いていくだろう。最後に余談だが、成績が下がってきたヒロインに対し教授が冷たい態度をとったせいで Vartolomei ならぬ Ernaux は教師になんかならず作家になりたいと思ったのではないだろうか。であるならば、 Nobel 賞作家の第一歩を歩ませたという意味で彼はグッジョブだ。笑
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jitterbugs-mhyk · 2 years
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猟犬のゆりかご stray dogs.
 
 その黒い犬は、朝靄のなかにねむっているやさしい思い出をじっと、眺めている。おおきな身体はしなやかで、しるしの星を戴いて、凡庸に立つクリスマスの樅の木のように、朴訥としてどこか盲目な従順、ひとみ燃えるピジョン・ブラッド、星を融かし沈めたくだもの、喉を焼くサングリアの酒精、あらゆる焔に熱はなく、ただ煌々と、しらじらと、夜明けとともに世界の表層が、嘗められてゆくのを感じていた。さあ、朝だ。日が昇り、山肌を温め、空気をかき混ぜ、靄を払って、変わり映えのない日を今日も積み重ねる。羊たちは草を食み、石についたわずかの朝露と、塩分とをちびりちびりと舐めている。彼は眠るためではなく羊をかぞえ、起きだして仕事をはじめた。
 日々の多くは単調だ。どきどきしたり、わくわくしたり、ちょっとした異変や、予想できない天候の変化のたぐいはあっても、まったく思いもよらないことや、出逢ったことのないひと、見たことも聞いたこともない大事件が起きるなどというのは、魔法使いの長い人生においてだって稀なこと。未だ未開の土地も多く、ひとの手の入らない、魔法があったって生きていくのにけして楽とは言い難い南の国は、うつくしく積み上がった石の、白亜の尖塔を天へ向けて聳えさせている雄大なるグランヴェル城を有する中央の国や、華やかなりし芸術の都、花の、音楽の、絵画のそうして演劇の、文化の発展いちじるしい西の国、一年の多くを雪と嵐に鎖されて、自ら持ち得る魔法のみを恃みにし、傲慢で高潔、純粋すぎるがゆえにいっそ邪悪ですらある魔法使いたちに縋らなければ生きてゆくさえむつかしい、しかし凍てつく嵐のはざま、垣間見える土地の峻厳にして繊細なうつくしさは、他の追従をゆるすことはない北の国、それぞれの孤独で互いをぬるく慰め合う、晴れた日の雨のような、いつだって濡れて光っている石畳の東の国、それらのどこより未熟で、純朴、大陸にあってもっとも魔法使いと人間との紐帯たしかな土地である。力を重宝されるのみでなく、単純に、きびしい暮らし向きのなかにあって、それらを区別することに、意味など見出しかねるというのが実際のところだろう。区別して暮らすよりも、助け合うほうがよほど生きやすいのだ。少なくともここ、南の国では。
 開拓と、生活、日々のちいさな積み重ね、森を拓き、山を切り崩し、水を引いてようやく畑に実りをもたらす。まずは明日を、そうしてその次の日を。南の国で未来と云えば、遠いかなたの日々ではなしに、まずは来月、来年の話になる。星を詠み風を視て、やれ今年の収穫はどれだけで、食い扶持はこれだけ、来季に種にするぶんを省いた残りを備蓄と、売って僅かに贅沢にする。暮らし向きはけして裕福であるとは言えなかった。かくいうレノックスも、天候に恵まれず収穫のきびしい年には、そう易くはくたばらない魔法使いであることに胡坐をかいて、いったい何日絶食したものか定かではない。自分はかつて軍人でもあったから、満足に食うこともかなわない強行軍も経験があると請け負って、育ち盛りの子どものいる家に食糧を回してもらった。まったく苦でないというと語弊があるかもしれないが、満足にものを食えずひもじい思いをすることよりも苦しいこと悔しいこと、しんどいことがほかにもあると知っていて、較べてなんということも無い、自分には耐えられると判断したまで。のちに長じた子どもたちはあの厳しい冬、レノックスが食い扶持を分けてくれていなかったらきっと死んでいたと、彼に深く感謝をするのを、けして忘れはしなかった。感謝や、親愛、それらを求めてしたことではなかったけれども。
 羊飼いの職に就いてもう何年になるだろう。そもそもレノックスが南の国へやってきたのは、かつての知己、たったひとり誰より敬愛して、このひとのほかにあるじはないと定めた男、偉大なる中央の国の建国の英雄でありながら歴史の闇の中に消えてしまったファウスト・ラウィーニアの消息を訊ねてのことだった。革命の終局にあって、彼が率い、レノックスも所属していた魔法使いの隊は、手酷い裏切りにあってファウストが火に架けられると、文字通りに旗印をうしない、司令官をうしなって、てんでバラバラに離散してゆくほかになかった。レノックスを含めた数人が、無辜のままに焔のなかで、さいごまで親友を信じていた男の処刑を遠くから見つめていたが、彼らはどれほどファウストを慕っていようとも、彼を助けるために駆け寄ることかなわなかった。
 別段、レノックスは、まさに火に架けられようとするファウストを救うために躍り出て、そのころは影も形もなかったグランヴェル城の裏手、物見高く、興味と、熱狂の渦にのまれて、どれだけ自分が残酷になろうがお構いなしの、詰めかけた民衆を蹴散らしたって良かったし、処刑台のきざはしに足をかけた瞬間に無数の矢で射られたって良かったのだ。
 けれどもできなかった。ほかならぬファウストが望まなかったし、幼馴染の親友と、あたらしい国を夢見て故郷を出てここまで旅をしてきた男が、ずっと人のために尽くしてきた男が、たとえ自分の命を救うためとは雖も部下が人を傷つけるなど許すはずがなかったのだ。それに、今後、彼の部下であった魔法使いたちに類が及ぶのをファウストは懸念していた。すべての罪をひき被り、目立って処刑されることで、部下たちが人に紛れて逃れゆく時間を稼ごうと考えていたのは間違いないし、最後まで彼は、親友がほんとうに彼を火に架けることなどないと、信じていたかったのかもしれない。真に指揮官としてすばらしいひとだった、というのは、彼に心酔し、敬愛を寄せるレノックスのエゴからなる評価ではないだろう。
 しかし無情にも火は点けられ、英雄は自らその片腕を永遠に捥いだ。レノックスは無力だった。焔は、けして燃えやすいとはいえない男の肉のうえを嘗め尽くし、花のように、星のように、うつくしく燃え上がった。ぱちぱちと爆ぜる音の響きは懐かしくさえある。行軍中の、けして快適とは言い難かった野営の火を囲んで談笑し合う仲間たちに、人間と魔法使いの区別などなかったあの夜、あかるいすみれ色のひとみに、若い希望が輝いていたあの夜、ぱちぱちと爆ぜる篝の火に、誰もが横顔に陰を濃く落としていた、あの夜、たしかにこの人に追蹤ていこう、どこまでも、いつまでも、決意した、あの夜! 同じ音を立てて、愛した男が死に瀕していた。
 レノックス・ラムはただ佇むだけの唐変木、しるしの銀の星を戴くこともできない、樅になれない何か、楡か、花楸樹か、ああ、あそこに架けられたのがおれだったなら! そう易々とは燃えなかったろうに。
 
「レノックス、おまえさん、しばらくこの国にとどまってみちゃどうかな? バカンスだとでも思ってさ。どう? なんにもないけど、仕事くらいは斡旋してあげられるよ」
 そういったフィガロの意図はいまだに読めない。穏やかに微笑んでいるようでいて、実際のところは誰のことも愛していない、のみならず、自分自身の行く末にさえ無関心なのではと思われてならないフィガロ・ガルシア、かつて北の国で、今もってなお魔王と恐れられる大魔法使いオズと同門であり、兄弟子として肩を並べたこともあったという男が、なぜ何者でもないもののように振る舞うのか、答えは遠からず死に瀕した、彼の寿命だったかも��からないし、理由などないのかもしれなかった。死を間近にして命を惜しんでいるだとか、ただこれまでには馬鹿々々しくてやる気にもならなかった普通の暮らし、地に足の着いた暮らしというやつの真似事をやってみたくなったのかも分からない。
 なんにせよあの人のことはあれこれと考えるだけ無駄だからよせと、呆れたように、しかしどこか信頼にも似た声音でファウストが語っていたことをありありと思いおこされる。あの革命のさなか、フィガロもファウストの師として、また革命軍のきまぐれな懐刀として従軍していたが、当時のフィガロはまさにきまぐれ、ファウストがあれほどまでに人間と親密で、らしくないのと対照的に、まさに言葉の通りの魔法使いらしい魔法使いだったうえに、彼は革命を見届けることも無くふらり途中で姿を消したのだ。つまりあの短期間でファウストは、師と親友、ふたりから裏切られたことになる。
 はたしてフィガロを頼るのが正しいことであったのか。レノックスにも疑念はあった。しかし数十年、数百年と生きるうち、ファウストの足蹠を追い続けるのも難しくなった。自分が彼になぜこれほどまでに執着しているのか、おそらく明確な言葉では語られるまい。悔恨や、懺悔、つぎの機会が与えられるのであれば今度こそ、死地の果ての果てまでもファウストに追蹤ていくのだと思ったけれど、それらが自分の、身勝手な願いに過ぎないこともまた、分かり切っていた。彼はやさしいひとだから、いつか再会して、過去を詫びて、次の機会を冀ったなら、この愚鈍な、星ひとつ掲げない従者を許してしまうだろう。だからこそ見つからないように身を潜めているのかもしれないが、処刑のあと焔が消えて、そこに輝く石が残されていなかったと聞いたとき、レノックスはどうしても、彼を見つけ出さなければならなくなった。
 しかしながら、彼は決して、みずからを迷子の仔羊(stray sheep)とは呼ばない。右も左も定かでなくて、善悪が一元的なものではないとすでに学んだからには、彼もまた戸惑い揺れる寄る辺ない生きものであったに違いないのに! レノックス・ラムは縋らない。これは彼に信仰がないためではなくて、彼の信ずる神が、彼に縋られ、寄りかかられ、頼みにされるのを良しとしない、ただそれだけの理由であった。まったく、驚くほどの敬虔だ、さもなくば盲信だ、自らを擲ち穿つ、おそろしい自己犠牲の。
 腕をふるい、足を払い、身体をして成す暴力は、実際のところ、彼にとってはさしたる労苦でもなかった。激しやすく、ゆえに寡黙で、ことばのさきに振る舞われる暴力は、先祖伝来、あるいは、顔も見たことのない始祖、名前もしらない女たち、かれらから脈々と、粛々と、継がれてきた血や、歌や、儀礼や、そのほかすべての非科学的で超自然的な、迷信じみたアミニズムのなかに、流れていたかもしれなかった。フィガロ・ガルシアはバカンスなどとうそぶいたが、未だ発展の途上にある南の国で、魔法がなくとも家畜たちを抱え上げて斜面を行くことができ、肉体、精神共に健全で屈強、レノックス・ラムでなければ満たせないいくつもの条件が、彼の人生を、南の国で羊飼いとして暮らすことに引き留めた。ファウストを見つけ出し、そのうえで彼が復讐を望むならその手足になって働いて、あらゆる敵をなぎ倒し、あらゆる悪意と脅威の盾になって死のうと考えたことを、一日たりとも忘れたつもりはなかったが、短い一日も繰り返すうちに1年になり、5年になり、羊は仔を産み殖えたが、拓かれた牧草地は子どもや女、ほかの若い羊飼いたちに譲ってしまって、レノックスはますます険しい山肌に羊を追った。
「レノ、おまえは案外羊飼いの王様の素質があったのかもね」
「冗談でしょう。俺は星ひとつ、満足にかざせない」
 ばかだな、しるしの星なんておまえには必要がないだろう、輝きなんぞなくったって、それだけでかい図体が、どれだけ目立つと思ってる? いたずらそうに笑うフィガロの眸は薄曇りの冬の海に落ちた星だ。きっと怒られるけれど、肩をすくめて鼻でわらうようなその言い草に、ファウストの面影をみつけてレノックスも頬をゆるめた。
 導きの星はもうないけれど、いつかふさわしいときが来るまで、俺はずっと立っている。険しい道を歩んできたひとが、ふとひと息ついて脚を休めるそのときに、広げた枝が安らぎになりますように。
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shintani24 · 23 days
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2024年4月8日
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【地震情報】 4月8日 10:25 震度5弱 【宮崎県】宮崎県南部平野部 震源:大隅半島東方沖 M5.2 深さ約40km
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事件・事故の犠牲者の顔写真、生成AIが無断使用…遺族「使うのやめて」・識者「尊厳にかかわる」(読売新聞)
画像生成AI(人工知能)の精度を上げるための学習に使われる膨大な画像データの中に、事件や災害の犠牲者の顔写真が多数含まれていることが、読売新聞の取材でわかった。ニュースサイトなどから収集されたものを無断で使っているとみられる。AIが犠牲者と似た画像を生成する可能性は排除できず、今後、是非が議論になりそうだ。(桑原卓志)
【図解】生成AIを悪用、児童のわいせつ画像も
「再発防止のため」
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「娘の写真がそんなことに使われているなんて」。大手広告会社・電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)を2015年に過労自殺で亡くした母親の幸美さん(61)は困惑気味に話す。
幸美さんはまつりさんを亡くした後、報道各社にまつりさんの顔写真を提供し、SNSでも公開してきた。過重労働の実態を広く知ってもらい、「二度と同じようなことが繰り返されないように」との思いからだ。
しかし、その写真が世界で最も人気が高い画像生成AIの一つ「ステーブル・ディフュージョン(SD)」が学習に使うデータセット(データ群)の中に含まれていた。読売新聞が昨年12月、ネット上で公開されていたデータセットの内容を調べ、見つかった。
幸美さんは「無関係なAIの学習に使うのはやめてほしい」と訴えた。
震災犠牲者も
画像生成AIは、指示を出すだけでイラストや実写と区別が付かない精巧な画像を生成する。画像の精度を上げるため、膨大なデータの学習を必要とする。
SDを開発した英新興企業「スタビリティーAI」によると、SDは、ドイツの非営利団体「LAION(ライオン)」が無償で提供しているデータセットを利用している。
画像データは約58億点に及び、まつりさん以外にも事件や事故の犠牲者の写真が多数見つかった。神戸市で1997年に起きた連続児童殺傷事件の被害児童や、東京・世田谷一家殺害事件(2000年)の家族4人の写真。東日本大震災(11年)などの災害や、米同時テロ(01年)などテロ事件の犠牲者の画像もあった。
データセットの画像は、ネットを自動巡回するプログラムで集められており、収集先にニュースサイトや、そこから転載されたネット掲示板などが含まれていた。
機械的に収集
報道では、事件や災害の被害の実像を伝えるため、犠牲者の顔写真を掲載する場合がある。
一方、画像生成AIが学習に利用するデータセットは、画像の中身を問わず、機械的に無差別に収集されている。そのため、イラストなど著作物の無断学習も問題視されている。
これまでの読売新聞の取材では、児童買春・児童ポルノ禁止法に抵触する恐れがある実在児童の性的画像もデータセットに含まれていることが明らかになった。
専門家によると、AIが学習した画像と似た画像を生成する可能性は排除できない。犠牲者の名誉を傷つけるような画像が生成されたり、生成された画像が偽情報の発信に悪用されたりすることもありうる。
スタ社はメールでの取材に対し、「(希望者が申請をすれば)学習対象から除外できる仕組みがある」と回答した。しかし、データセットに犠牲者の顔写真が含まれていることの認識や見解については、回答がなかった。
死者のデジタルデータに詳しい関東学院大の折田明子教授(情報社会学)は「事件や災害の教訓を訴えるため、犠牲者の顔写真を公開した遺族からすると、AIの学習に使われることは想定外で、死者の尊厳にもかかわる。公益性がある報道とは異なる。AI開発企業が『申請があれば除外する』という対応では不十分だ」と指摘する。
一方で、無断学習の問題とは別に、亡くなった家族をAIで再現したいという需要が今後高まる可能性がある。折田教授は「AIが普及する中、遺族感情や死者の尊厳をどのように守っていくか、社会全体で議論する必要がある」と話した。
画像生成AIに関するご意見や情報を大阪社会部にお寄せください。
神田敏晶(ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント)提言 ウェブサイトのようにクロールさせたくないページには『noindex』を設定できるように、画像や動画にも『noindex』という概念が必要なのかもしれない。しかし、ウェブニュースの場合は、表示されることによっての広告収入があるので難しい。画像AIが学習する場合、オリジナルをそのままではなく、3種類以上のデータの合成が必要などと重み付けを加える、または学習データに対して見返りを与えるなどのいろんなバリエーションを考えてほうがよい。
また、個人の場合は、学習されたデータから削除依頼がかけられるなどの展開も必要だろう。AIに学習させたくないデータのデータベースビジネスも必要とされていると考えたほうがよい。
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イラン、慎重に報復検討か 「弱腰」回避で強硬論も イスラエルと直接衝突望まず(時事通信)2024年4月8日
イランの「革命防衛隊」隊員の葬儀で燃やされるイスラエル国旗=5日、テヘラン(AFP時事)
【イスタンブール時事】イスラエル軍がシリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館領事部を空爆してから8日で1週間。
イランは「罪を後悔させる」(最高指導者ハメネイ師)と明言しつつも、これまで目立ったイスラエルへの反撃を控え、報復の時期や規模を慎重に見極めているとみられる。イランは強力な報復を訴える声が国内で強まる一方で、イスラエルやその同盟国の米国と直接衝突する事態は避けたいのが本音で、どこまで強硬に対抗すべきか苦慮しているもようだ。
▽標的や規模焦点
1日に起きた攻撃では、イランの精鋭「革命防衛隊」の司令官らが死亡。特に、殺害された対外工作部門「コッズ部隊」のザヘディ司令官は、イスラエルを敵視するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラやシリアの親イラン勢力と緊密な重要人物だった。革命防衛隊は6日、「シオニスト(イスラエル)やその支持者への懲罰に対する国民の求めを満たすことを保証する」と改めて宣言した。
今後の焦点は、報復の標的に加え、その規模や手段だ。米CBSテレビは、イランが今月10日前後のイスラム教ラマダン(断食月)明け前にも、無人機や巡航ミサイルでイスラエル外交施設を狙うとの情報を米政府が得ていると報道。CNNテレビも、米・イスラエル両国が「幾つかの方法」による大規模な攻撃に備えていると伝えた。
イランは主導権を握る保守強硬派を中心に主戦論が強まる。大使館を狙った異例の空爆は本国への攻撃とも見なされ、「弱腰」と映る報復ではハメネイ師やライシ大統領ら体制指導部への不満に直結する。一方で、イスラエル領内へ弾道ミサイルを撃ち込むような前例のない作戦は両国の軍事衝突を誘発し、中東全域に戦火が拡大しかねない。
▽攻撃応酬の懸念
イランが隣国イラクやシリア、レバノンなどの親イラン組織を利用し、イスラエルや米軍基地への攻撃を強める可能性もある。1月にはヨルダンで親イラン勢力の無人機攻撃により米兵3人が死亡。米軍が報復し、緊張が高まった。ただ、ロイター通信は米当局者の話として、大使館攻撃後に親イラン組織が米兵を狙う兆候を示す情報はないと報じた。
報復の一環で、核開発強化に乗り出す恐れも指摘されている。イスラエルはイランの核保有を嫌い、同国内で核科学者暗殺や核施設への破壊工作を続けているとされる。核武装の脅威が高まればイスラエルや米国が強く反発し、緊迫の度が増すのは必至。イスラエルのネタニヤフ首相は4日、「単純な原則に沿って行動する。われわれに危害を及ぼそうとする者には、われわれも危害を加える」と警告している。
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イラン“48時間以内”攻撃の可能性…イスラエルが備え 米WSJ紙が報じる(テレ朝news 4月12日)2024年4月8日に追記
イスラエルは、イランによる48時間以内の国内への報復攻撃の可能性があるとして準備しているとアメリカメディアが報じました。
アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は11日、関係者の話としてイスラエル政府は24時間から48時間以内に、南部または北部を狙ったイランからの攻撃に備えていると報じました。
その一方で、イラン政府指導部から情報を得た関係者の話として、「攻撃は協議されているものの、まだ最終的な決定は下されていない」と伝えています。
1日、イスラエル側によるとみられるシリアのイラン大使館への攻撃以降、イランは報復を示唆していて、緊張が高まっています。
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ari0921 · 6 months
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「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和五年(2023)11月17日(金曜日)弐
   通巻第8007号 
 米中首脳会談は「顔見せ興業」に終始、「台湾」では物別れ
  サンフランシスコ警備、ホームレスを会場付近から排除
*************************
 街に溢れたホームレスが一斉され、サンフランシスコの街が突然綺麗になった。
 APECに出席するために渡米した習近平とバイデンの米中首脳会談が行われた。厳重な警戒態勢は「まるで習近平をお迎えするための警備か?」とロシアのメディアが揶揄したほど、レベル1の警戒態勢を敷いた。
 空港に『お出迎え』に行ったのは閣僚、連邦議会議員だが、イエーレン財務長官を差し置いてタラップを降りてきた習近平とまっさきに握手したのはギャビン・ニューサム加州知事だった。この光景は是非とも記憶しておきたい。ニューサムは先月も抜け目なく訪中し、習と会見を果たしているほどの親中派だが、バイデン不出馬を待ち望んでいる民主党の潜在的有力候補である。
 会場外では習訪米歓迎派と反対派の小競り合い。五星紅旗を掲げるグループと、それを踏みにじろうとする反対派。
 さて首脳会談だが、お互いが用意されたペーパーを読み上げ、「協力できる分野では一層の協力を」とありきたりな台詞のあと、とくに台湾情勢をめぐって、一年以上途絶えている相互の軍高官の話し合いの重要性が指摘された。
 この首脳会議で注目すべきは(1)軍高官の話し合い再開。(2)台湾問題で習は「必ず統一する」と言明し、終了後の記者会見で、バイデンは「習は独裁者だ」と発言した(「独裁者」呼ばわりは弐回目。もちろん、中国は「認識の誤り」と抗議した)。(3)習は米国に不在となったパンダを再送還しても良いと示唆した。(4)実質的な両国関係の進捗はなにもなかった。
 バイデンの右隣はブリンケン、その隣がレナード商務長官、その横にケリー気象大使、左隣はイエーレン財務長官だった。
「ん?」。オースチン国防長官の顔がない。
 一方、習近平の右隣に注目、蔡奇だ(政治局常務委員、序列五位)。そして左隣は王毅外相兼国務委員兼政治局員という布陣だった。これをどう読むか?
 蔡奇は福建省生まれで、ばりばりの福建マフィア。67歳。最初は目立たず2004年に台洲市市長。ここで浙江省書記になっていた習近平と縁ができた。
以後、2010年党学校長、14年に中央国家公安弁公室、16年北京市長代行、翌17年に北京市長、書記となって中央委員に。2022年に政治局常務委員にジャンプし、中央弁公室主任となる。このポストは米国の大統領首席補佐官である。つまり習政権の中枢に陣取るのが蔡奇である。
 ▼プロ・イスラエルの集会がワシントンで開催され、29万人が集まった
さてバイデン政権は不法移民やらフェンタニル問題などで、激しく弱体化しており、実質的にはレイムダック入りしたとみてよい。
 第一にウクライナ支援継続が不可能な見通しであり、議会はバイデンが提示した予算を阻んだ。全米メディアも嘗てのゼレンスキー熱烈支援のムードが消え、先月の訪米でゼレンスキーは二度目の議会演説を断られた。
 ゼレンスキーは英米の駒を演じてきたが、そろそろ使い捨てとなりそうだ。
 第二にハマスのイスラエル奇襲で米国は二正面に戦争を抱える状況に陥ったが(ロシアと中国はほくそ笑んだ)、国内世論はイスラエル断固支持という熱気に乏しく、パレスチナ支援集会に勢いがある。ジョージ・ソロスはパレスチナ支援運動の胴元らしい。
 アラブ系の人口が急増している人口動態の変化が背景にある。白人比率はまもなく過半数を割り込み、ヒスパニックとアジア系が猛烈に膨らむ傾向は納まっていない。
 第三にネタニヤフ政権は「ガザ難民は西側が受け入れろ」と無責任な要求もしているが、イスラエル国内で反ネタニヤフの動きが活発化し、弾劾の声が強まった。
 周辺国でもイスラエルは孤立気味だが、トルコのエルドアンは完全に反米の立場をとり、「イスラエルはテロ国家だ」と攻撃した。
 危機感を抱いた在米ユダヤ人は、数団体が共催して、日頃のいがみ合いを棚に上げ、15日に首都ワシントンに29万人が集まった。主催者を代表してウィリアム・ドロフ議長は「29万もの人々がワシントンに集まったことは史上初である」と述べた。
 この集会はプロ・イスラエルの立場とはいえ、「即時休戦、人質解放が先決」が合意されたスローガンだった。ネタニヤフ政権の「ハマス殲滅まで停戦はない」という路線とは対立している。
 ピューリサーチの2020年調査で米国の人口は3億2950万人。在米ユダヤ人の人口は750万人(全体の人口比では0・023%)となる。
 集会参加者が主催者発表の29万人であったとすれば、在米ユダヤ人の26人にひとりが、ワシントンへ集まったことになる。
 首都ワシントンにおけるユダヤ人人口は不明だが、NYのユダヤ人が突出して203万人、ついでロスが66万、マイアミが34万、フィラデルフィアが29万人である。
 首都ワシントンは、おそらくNYとフィラデルフィアから多数が駆けつけたのだろう。
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kachoushi · 29 days
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虚子自選揮毫『虚子百句』を読む Ⅳ
花鳥誌2024年4月号より転載
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日本文学研究者
井上 泰至
6 葛城の神臠はせ青き踏む
 大正六年二月十日、松山に帰省の途中で京阪に寄った。白鳥吟社主催堺俳句会(於開口神社)で出句。西山泊雲・野村泊月・岩木躑躅・原田濱人・島村はじめ・久保田九品太・青木月斗・大橋櫻坡子らが出席。『ホトトギス』の同年三月号「堺俳句会の記」に詳しい。
 この句会は、大阪の『ホトトギス』派の旗揚げに位置する記念碑的な一件で、その詳細は櫻坡子の『大正の大阪俳壇』に詳しい。この句は『新歳時記』にも登録された、虚子の自信作である。大和と河内の国境に位置する葛城山の神一言主は醜貌の女体と言い習わされ、夜しかお出ましにならなかったと謡曲にも出てくる(「葛城」)。
 その引きこもった神に向かって、麓の春を足で確かめて野遊びしております。「山の上からせめて密かに御覧ぜられ度い」(虚子自注「俳句朗読原文」)と悪戯っぽく詠んでみせたのである。「みそなはす」とは、「ご覧になる」の最上級敬語表現で、これまた謡曲に神を主体とした用例がある(「高砂」など)。
 「臠」の字は画数も多く、呪術的なイメージを本来持つが、虚子の字は軽く「糸」の二か所が崩されていて、内容の「滑稽」と対応している。これは活字でなく、虚子の書によってこそ鑑賞が可能で、「臠」は一句の眼目であったことが了解される。
 神や霊魂に命令形を以て呼びかける表現は、江戸俳諧からある。
  塚も動け我泣声は秋の風 芭蕉
  五月雨の空吹き落せ大井川 芭蕉
  笈も太刀も五月にかざれ紙幟 芭蕉
 これらの芭蕉句は、痛切な哀しみや祈りが託されているが、虚子は次にあげる蕪村の例などに学んだか(『蕪村句集講義』)。
  裸身に神うつりませ夏神楽 蕪村
 蕪村の敬語表現「うつりませ」は、祈りとともに一種の滑稽というか余裕があって、そこが夏の禊を「裸身」で具象化する視線と対応している。虚子も、「野遊」の軽々と晴れやかな気分を、この敬語の命令形に託した。命令形は、祈りではあるが、痛切なそれと、軽い挨拶の二種があって、この句は山本健吉の言う俳句の本質「滑稽と挨拶」の典型例と言ってよい。
 ちなみに水原秋櫻子系の俳人の命令形には、自己に執着し、自己に言い聞かせる気分の命令形が多い。
  木の葉降りやまず急ぐな急ぐなよ 加藤楸邨 
  柿若葉多忙を口実となすな 藤田湘子 
  逝く吾子に万葉の露みなはしれ 能村登四郎
 このあたり、命令形の二系統は、俳人の質や俳句観をも照らしだす「鏡」と言ったら言い過ぎだろうか(井上『俳句のマナー、俳句のスタイル』)。
7 雨の中に立春大吉の光あり
 大正七年二月十日、『ホトトギス』発行所句会のものと『五百句』に注記される。
 実景は雨だが、「立春大吉」の御札とその文字に、心中春の光を予感し、見て取る主観句である。もちろん、雨や雨粒にはわずかな光はあるかもしれない。だとしても、それを読み取ろうとする構えから生まれた心象を詠んだ句であることに変わりはない。特にこの句で詠まれた「光」に対する予感は、「立春大吉」の文字から触発されたものであることは、肚にとめておく必要があろう。
 虚子の揮毫では、この「立春大吉」をことさら御札めいて、黒々と墨書したりはしていない。ただし、注意深く見ると「大吉」の「大」の撥ねと、後に来る「光」の字の撥ねとは、対応している。
 そもそも「大」の字の運筆は、先に左に筆先を払い、取って返して右に払うもので、本来撥る字ではない。ところがこの句の虚子の「大」は右の払いの最後が若干撥ねていて、後にくる「光」の右撥ねの呼び出しになっている。こうして一句の眼目は、「光」であることが視覚的にも確認できるところに、虚子の揮毫で句を鑑賞する醍醐味が出てくる。
 「立春大吉」とは、立春の時期に玄関や部屋の入口に張る厄除け札のことである。あたりは雨だが、外界との通路である門口に貼られた「字」から、眼には見えない「光」を感じた。その意味で中七を字余りにする「の」はこの句の重要なレトリックである。
 一般に「中八」の言葉通り、字余りの中でも、中七を字余りにするのは禁忌とされる。俳句のリズムの研究は、五七五が実は休拍・無音の一拍を加えて、六八六であること、さらに前と後の六は伸びる傾向にあることを計測・実証した(別宮貞徳『日本語のリズム』)。これを前提にすれば、中七は延ばして詠まないものなので、ここでの字余りは、おおむねダレるのである。
 ただし、上五で既に字余りがある場合、続く中八は字余りの反復となり、このダレが感じられない。所詮リズムとは反復と同義なのである。
  春や昔十五万石の城下哉 子規
 掲句も上五・中七の連続の字余りだが、掲句の「立春大吉」に、わざわざ「の」を加えた意図は何だったのだろう?類例を挙げよう。
  春ひとり槍投げて槍に歩み寄る 能村登四郎
 やはり「中八」を、堂々とやっているばかりか、上五に字余りはない。しかし、この句は「槍投げ槍に」ではいけない。あえて「て」を入れ、ひと呼吸を置くことで、投げた槍に歩み寄る主人公に焦点があたる。「槍」の繰り返しが独自のリズムを作っており、中八も気にならない(井上『俳句のマナー、俳句のスタイル』)。
 掲句で言えば、まず上五に「雨の中に」と「の」が用意周到に置かれている点が注目される。この字余りを際立たせる「の」の印象を引き継いで、「立春大吉の」の「の」があることが了解される。
 加えて、「の」の繰り返しは、求心性をもたらす。
  ゆく秋の大和の国の薬師寺の      塔の上なる一ひらの雲 佐佐木信綱
  この庭の遅日の石のいつまでも 虚子
 掲句も字余りの「の」の反復を行うことで、光など一切ない春の雨の中、「立春大吉」の文字にのみ「光」を感じたことを焦点化して見せたのである。
 最後に、先の「葛城」の句との関係で言えば、神仏への祈りというテーマのつながりもある。このあたりに編集の妙を認めることも可能かと思う。
『虚子百句』より虚子揮毫
7 雨の中に立春大吉の光あり 
8 さしくれし春雨傘を受取りし
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国立国会図書館デジタルコレクションより
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井上 泰至(いのうえ・やすし)   1961年京都市生まれ 日本伝統俳句協会常務理事・防衛大学校教授。 専攻、江戸文学・近代俳句
著書に 『子規の内なる江戸』(角川学芸出版) 『近代俳句の誕生』 (日本伝統俳句協会) 『改訂雨月物語』 (角川ソフィア文庫) 『恋愛小説の誕生』 (笠間書院)など 多数
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a2cg · 1 month
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裏金と私
前職では給料口座を複数設けることが出来たので、とある先輩は奥様にバレないように給料の一部が振り込まれる口座とは別に自分用の差額を入れる口座を用意していました。
ご丁寧に自分で作成した明細まで用意して実際の額面を少なく見せる努力は涙ぐましいものがありましたが、某政党の政治資金パーティーと比較したら可愛いものですね。
本当は全部表に出すべきなのでしょうが一部に限ってしまうのが人の常なんでしょうね。というわけで本日のランチは「すべて残らず」という意味の #オステリアコゾリテ です。
頼んだのは #ビーフストロガノフ です。確か店の外に掲げられた国旗はイタリアだったのですが、このメニューってロシアな気がしますが、あまり気にしません。
お店の人に促されて #スープ と #サラダ をセルフで盛り付けます。ハニーマスタードのドレッシングは甘くてシャキシャキしたサラダによく合い���す。
5分もしないうちに料理も運ばれてきました。お肉や野菜が煮込まれていて少し酸味のあるクリームもかかっていて、好きな味わいです。
風味づけのパウダーやパセリのアクセントもいいですね。ザクっとした食感があるのはフライドオニオンでしょうか?他にもパスタも気になるのでまた近いうちに訪れます。
#浅草ランチ #浅草グルメ #浅草イタリアン #浅草洋食 #田原町ランチ #田原町グルメ #田原町イタリアン #田原町洋食 #蔵前ランチ #蔵前グルメ #蔵前イタリアン #蔵前洋食 #とa2cg
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jaguarmen99 · 4 months
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【共産党員が異例の集団会見 執行部に除名撤回やハラスメント対策を要求】「最高機関」と位置付ける党大会を目前に控えた共産党の現役党員ら7人が11日、東京都内で記者会見を開き、党員除名の撤回やハラスメント対策などを求めた。共産では上意下達を可能にすると批判される民主集中制が重んじられ、党員同士の横の連携も「分派活動」と見なされかねない。一般党員が公の場で執行部に意見具申することは極めて異例だ。7人は40~70代の男女で、6人が現役党員。党指導部の追及を避ける必要があるとして身元判明につながるような写真撮影などには応じなかった。ある男性は、著書で党首公選制導入を訴えたジャーナリストの松竹伸幸氏の除名撤回を要求。「死刑宣告に等しい。共産と社会の断絶につながるのではないかと危惧している。少数派への抑圧ではないか。除名はやり過ぎだ」と述べた。ある女性も松竹氏らへの処分が調査と時間を置かずに決まったと主張し、党大会での再審査を要求した。「むちゃくちゃな除名の仕方は一般党員に恐怖を与える。国民からの信頼も得られない。スターリンと同じではないかといわれてもしようがないような過程はよくない」と語った。また、「私は機関紙『しんぶん赤旗』も配達し���いるし、(党に)お金も払っている。誠実に活動してきたのに松竹処分に批判を持ったということだけで『反党分子』呼ばわりされるのは解せない」とも述べた。別の女性は党内でハラスメントが横行していると訴えた。「被害者を泣き寝入りさせることが常態化している現状に危機感を感じる。ジェンダー平等、ハラスメント根絶を掲げた党に期待している多くの市民への欺瞞であり、裏切りだ。公党として人権意識のアップデートを求める」と要求した。(内藤慎二)(2024/1/11 産経新聞) 日本共産党の中は党中央がやりたい放題をする独裁体制になっています。 そしてこの一方的な序列の中でパワハラは当たり前。 また、日本共産党の中では立命館閥も存在します。立命館大学は朝鮮総連とも関係が深く、日本共産党の党員の大きな供給拠点でした。 こうした関係からか立命館大学では北朝鮮による拉致が繰り返し行われており、拉致被害者を8人も出している大学でもあります。 日本共産党員だった有田芳生も立命館でした。この有田芳生と同じ学部で有田芳生と同じ年齢で立命館大学在学中に拉致されたとされるのが酒井秀俊氏です。 有田芳生は拉致についていつも横田夫妻の名前を出したりしていますが、なぜかこの酒井秀俊氏ら立命館大学の被害者の話は全く触れません。 運が悪かったら自分が拉致されていたかもしれないと考えたら普通は立命館大学での拉致被害の方について触れると思います。人に訴えかけるリアリティが違いますから。 話を戻しまして、日本共産党の立命館閥といえば京都1区の穀田恵二もまたその一人です。 穀田恵二といえば鮎とビク事件が有名です。 穀田恵二がダブル不倫を行っており、そのためのスケジュール調整等々までを秘書に押し付けていました。 この秘書に対して穀田恵二は不倫の話は墓場まで持って行ってくれ等秘書にいろいろ押し付けた上で黙っておくように日頃から言っていたようです。 しかしながら、国会議員としての職務中のはずの時間帯であってもダブル不倫の方を優先し、そのために党のお金も秘書も使っていたことから、秘書の方が党に対して穀田恵二の振る舞いに問題があると告発をしていました。 するとある日突然、この秘書は身に覚えのない暴力まがいの不祥事を起こしたことにされ一方的な査問の上で日本共産党を除名追放されました。 日本共産党は除名した人間に対しては退職金なども払いません。(日本共産党は法律もろくに守らない政党なのでこの労基法違反も問題と感じないようです) そしてここからが日本共産党と穀田恵二の真骨頂です。 一方的に除名追放されたこの元秘書の再就職先にも日本共産党はお得意の嫌がらせをこの元秘書が解雇されるまで繰り返しました。 逆にこれで週刊誌に嗅ぎつかれたのか、2006年に穀田恵二のダブル不倫が記事になりました。 穀田恵二と日本共産党は事実無根の捏造だと週刊新潮と記事の関係者、そして嫌がらせで再就職すら妨害してきた元秘書を名誉毀損で東京地検に告発しました。 ですが穀田と愛人のメールなども元秘書が抑えていたこともあってか東京地検は穀田恵二側からの告発を不起訴にしました。 再就職すらままならなかった元秘書は不倫の内幕を本にしてkindleで公開しました。 さらに話はこれで終わらず、2013年のニコニコ超会議でこの元秘書は穀田恵二に直接嫌味を言う機会を得ました。 そのときのやり取りがこちらのサイトにありますので興味のある方はどうぞ。
共産党はまずは共産党を革命しろよ | パチンコ屋の倒産を応援するブログ
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animekirbyserifu · 5 months
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デデデその6
51話 ・「(エスカルゴンに対して)やかましい!王者の平和を乱すなぞい!」 ・「(火薬を運ぶガキ共を見て)どうりできな臭いと思ったぞい。」 ・「エスカルゴン、今日は何の日ぞい?たぶん…革命記念日ぞい。城へ戻るぞい。」 ・「やっぱり…これは革命ぞい!悪い独裁者を倒し、自由と正義の国をつくろうとする卑劣な行動ぞい!人民共め~ワシを追い出す気ぞ~い!」 ・「聞くぞい!(レン村長たちが作っていた)あのハシゴは、城に攻め入るときに使うハシゴぞい!(サトたちが塗っていた布は)あれは我が城を占領したあと、掲げる旗ぞい!(ガキ共が作っていたくす玉は)あれはワシを追放した革命記念日の祭りに使うくす玉ぞい!(カワサキの料理は)あれは革命祝賀会の料理に決まっとる!」 ・「やっと分かったか!謀反ぞい!平和をおびやかす最大の危機ぞい!」 ・「挨拶はいい、すぐ最強魔獣をよこすぞい!革命ぞい!ワシの国の存亡の危機ぞい!何でもいいから送るぞい!」 ・「ええい!邪魔ぞい!そこどけピンクボール!お前なんぞに用はないぞい!城から出ていくぞい!こうなれば武力行使で、人民共を制圧するぞい!」 ・「ワシを追い出そうとしても無駄ぞい!人民共を先導し、ワシの悪の帝国を倒そうとは、革命など絶対に許さんぞい!」 ・「(人民共に笑われて)なにがおかしいぞい!」 ・「ダーッハッハッハ!あれは冗談ぞい!ワシは最初から知っていたぞい!」 ・「ダーッハッハッハ!お前ら人民共が絶対に用意できない、すっごいプレゼントを用意するぞい!撤収!」 ・「これで貧しい人民共に差をつけるぞい!」 ・「ダーッハッハッハ!ワシからのプレゼントぞい!(デデデカーから巨大ケーキを取り出す)」 ・「(『デンジャラスボム』を見て)なんで魔獣ぞい!ケーキの中から出てくるのは水着の美女ぞい!(アメリカでは巨大なケーキの中から美女が出てくることがよくあるらしい)ワシはそんなヤツは知らんぞい!」
52話 ・「エスカルゴーン!どこぞい!エスカルゴーン!探したぞい!どこいってたぞい!」 ・「ワシにも(スナックを)食わせるぞい!ケチケチするでないぞい!(袋を引っ張る)何ぞい?チョコレート?(出てきたフィギュアを見て)ん?これは何ぞい?待て!それは何ぞい!エスカルゴン!」 ・「エルカルゴン開けるぞい!(ドアを破壊する)」 ・「分かったぞい…チョコのオマケがそのフィギュアぞい!(銀河戦士団が敵)でも…カッコいいぞい!」 ・「なんでワシに隠すぞい!どこに売ってるぞい!白状せい!(さっきタゴのコンビニって言ってたじゃん…)」 ・「どけどけどくぞーい!(スライディング入店)やっと手に入れたぞい…中身は何ぞい!(ガングにお代を迫られて)後でも良いぞい!エスカルゴン!払っておけ!」 ・「おー!兵士ぞい!見ろ!エスカルゴン!」 ・「ブン、それをくれぞい!ワシはザコ兵士しかないぞい!」 ・「くぅ~、欲しい欲しい欲しい!兵士!(タゴに対して)店にあるチョコカプセルを全部出すぞい!金はちゃんと払うぞい!デデ~ンと!」 ・「何をやっても許されるのが、特権階級ぞい!ダーッハッハッハッハ!」 ・「まずまずの収穫ぞい!チョコは哀れなピンクボールに恵んでやるぞい!(珍しく優しい)」 ・「どうしてもメタナイトが出ないぞい!もしかしたらエスカルゴンのヤツ…。」 ・「いひひひ…エスカルゴンも出てないぞい、良い気味ぞい。なぬ、ホッヘ?」 ・「ボルン…ここを開けるぞい(窃盗罪で逮捕される)。」 ・「嘘ぞい!自分のものにする気ぞい!だいたいお前はどうしてホッヘの家を見張っていたぞい?」 ・「うぇ~イヤぞい、出してくれぞい~。」 ・「一晩ブタ箱(牢屋のこと)に入って目が覚めたぞい。ブームに踊らされるのはもうこりごりぞい!(愚痴をこぼすエスカルゴンに対して)何か言ったかぞい?」 ・「今度はブームの仕掛け人になるぞい!チョコカプセルより売れるオマケつきのお菓子を流行らすぞい!」 ・「説教はいらんぞい!カスタマ!良いアイデアがあるかぞい?」 ・「デュハハハハハ!よしよし、買っとるぞい!ワシはそんなもん興味ないぞい!(本物のファイターを)手に入れた人民はチョーラッキーぞい。守備は上々ぞい。」 ・「ダーッハッハッハッハ!『ファイターシリーズ』はカッコいいぞい!ボクサー・ダイソン!タイキョク・ロウジン!カンフー・リー!ヤンキー・セキトリ!そして…カラテ・キッド!ワシは…こんなに集めたぞい!」 ・「ヒミツを教えよう…。どんなザコでも月の光に当てるとグレードアップするぞい!」
53話 ・「ホーリーナイトメア社め!お客様に暴力をふるう魔獣とは、欠陥商品ぞい!まだクーリングオフが効くぞい!」 ・「(カスタマに対して)こいつら全部返すぞい!金返せ!ん~、考えてみれば…カービィを倒すチャンスを忘れていたぞい!ドゥハハハハハ!」 ・「カービィよ、観念ぞい!ドゥハハハハハ!」 ・「ダハハハハハ!(『ファイターシリーズ』を)売り出したのはワシだが、買ったのはお前らぞい!(お前は売ってないだろ)買う方が愚かぞい!」 ・「ドゥハハハハ!そこで相談ぞい!多くの犠牲を出すよりも、カービィと魔獣の代表を選んで『デデデ城・コロシアム』にて格闘技大会を開き、正々堂々と決着をつけるぞい!ルールに従ってフェアに戦うぞい!これはあくまでもスポーツだからにして…ダハハハハハ!」 ・「デュハハハハ!ではレアものの戦士たちを紹介するぞい!まずは…『カンフー・リー』!『ボクサー・ダイソン』!『カラテ・キッド』!『タイキョク・ロウジン』!『ヤンキー・セキトリ』!」 ・「デュヘヘヘヘ!カービィは強い戦士ゆえに、この5人と順次戦うぞい!もちろんぞい!反則はなしぞい!」 ・「デュハハハハ!では!(ハンカチを落として試合スタート)」 ・「(ファイターカービィを見て)こうなるのは分かっていたぞい!これからが勝負ぞい!」 ・「うぬぬぬ…次はボクサーダイソンぞい!」 ・「今度は太極拳のジジイぞい!」 ・「クソォ…こうなれば重量級だぞい!頼むぞ!グランド相撲チャンピオン!(わざわざクレーンで土俵の屋根を持ってくる)」 ・「だー!どれもこれもザコばっかりだぞい!このチョコはもう食い飽きたぞ���ぞいぞい!」
54話 ・「あ、カービィぞい!」 ・「こんなところにいたぞい!」 ・「この漫画、どうしたぞい?アイツ、漫画の見過ぎで頭が茹で上がったぞい。傑作ぞい!ダハハハハハ!」 ・「見ろ!風車と戦っとるぞい!」 ・「デュハハハハハ!漫画とアニメの見過ぎジジイめ!」 ・「いでよ!魔獣『カザグルー』!ダハハハハ!コイツには勝てぬぞい!」 ・「(カザグルーのブレード部分が鏡のように反射されて)ダハハハハ!お前の正体はその哀れな姿ぞい!」 ・「逃げるぞい!」
55話 ・「何ぞい!あぎゃー!」 ・「(エスカルゴンに対して)今愛してると言ったぞい?良いぞい…。」 ・「(頭に花瓶を落とされて)ははははは…良いぞい。許すぞい。」 ・「全ては許されるぞい。」 ・「愛の力ぞい。良き隣人たちよ…ワシは教えたいですぞい。やられるたびにやり返していては、いつまで経っても憎しみは終わらないですぞい。踏まれても…殴られても…殺されても…全てを許す、愛と寛容の精神が、世界を救うのですぞい!」 ・「許さあああああん!怒ったゾオオオオオオイ!」 ・「ワシを殴ったヤツは誰ぞい?カービィか!よくもワシを!」 ・「(トゲイラを見て)おー!あれはワシが注文した魔獣ぞい!…だが、何か変だぞい?ワシはお前にひどい目に遭わされたような気がするぞい。」 ・「エスカルゴーン!殴らせるぞーい!待てぇ!殴らせろ!」 ・「(殴られて喜ぶエスカルゴンに対して)それならもっとキツーイヤツをお見舞いするぞい!」
56話 ・「これか?おぉ…。(スカーフィは)あんなピンクボールよりずっと可愛いぞい!」 ・「ダーッハハ!元気の良さもワシにピッタリ!気に入ったぞい!溺愛してやるぞい!ドゥワハハハハ!」 ・「ほぅ、お前もかぞい?よしよし、お前たちも撫でて欲しいのかぞい?何ぞい?おおそうか!お腹が空いたんでちゅね…。」 ・「(エスカルゴンにナイトメア社のエサをやることを提案されて)いらん!そんなのはやらんでいい!おーい!エサ!」 ・「(51話と同デザインの巨大ケーキを完食したスカーフィに対して)ははぁ…良い子だ良い子だ、美味しかったかぞい?ダハハ、皆ワシが大好きなんだな、幸せぞい!」 ・「どけどけ!散歩の邪魔ぞい!ほう、休憩かぞい?好きなだけ休むがよいぞい。」 ・「よるでない!スカーフィちゃんとごっちゃにするとは極刑ぞい!スカーフィちゃんは魔獣でないぞい!」 ・「あー!スカーフィちゃん!大丈夫!?(レン村長に対して)兵士、コイツを逮捕ぞい!貴様は生類憐れみの法を犯した大罪によって懲役2万年ぞい!」 ・「あー!スカーフィちゃんはそんな汚いの食わんぞい!さぁスカーフィちゃん、もっときれいなモノ食べにいきまちょ~ねぇ。」 ・「(カワサキに対して)ケモノ?スカーフィちゃんと呼べ!貴様の料理を食ってやるからどんどん運べ!」 ・「(カービィの腕をしゃぶるスカーフィに対して)スカーフィちゃん!そんなマズいモノ食べると、お腹を壊しちゃいまちゅよ!(カービィを投げ捨てる)ダハハ、なんとも汚いボールぞい!」 ・「さぁスカーフィちゃん!お食事にしまちょうね!おうおう、美味しいかぞい?そうか、美味しいか!好きなだけ食べるが良いぞい。あ~これはマズいか?あそれじゃお前が食うぞい(食べかけのケーキをエスカルゴンにあげる)。当然ぞい!」 ・「ほれほれ!スカーフィちゃーん!右向いて、左向いて、どっちを向いてもワシの周りには愛しいスカーフィちゃんがいるぞ~い!(ビデオ内のデデデ)」 ・「よく眠っとるぞい…一緒にワシらのビデオを見ればいいのに…。」 ・「寝ている姿もなかなか可愛いぞい…(ビデオ内のデデデ)。」 ・「不意に訪れたこの孤独感は何ぞい…寝てしまったペットは思ったよりつまらんぞい。魚とか鳥とか他のペットも飼ってみるかぞい?(エスカルゴンが来て)ぎゃー!スカーフィが起きるぞい…。」 ・「ぬ~…スカーフィめ…憎いぞい!憎いぞい!」 ・「ケモノは自然の中で暮らすのが1番ぞい!デュハハハハ!」 ・「何?ワシがペットをたくさん捨てた?捨てたのはたったの4匹ぞい!早く捨てて良かったぞい!ダハハハハハ!」 ・「(エスカルゴンに責任転嫁)すべて秘書のせいぞい!」 ・「おーそうだったぞい!スカーフィ専用のエサが…(やまほどあるぞい)。スカーフィをみんな連れてくるがいい。いくらでも食わせてやるぞい!デュハハハハハ!」 ・「スカーフィがたくさんぞい!」  ・「デュハハハ!この通りワシはペットの面倒もちゃーんと見る責任ある飼い主ぞい!」 ・「ワシの秘書!なんとかせい!」 ・「えーい!寄るな触るな無礼者!下がれー!寄るな!当たると痛いぞい!この!」 ・「おぉカービィ!ワシを助けに来てくれたのか(スカーフィとカービィの扱いが逆転してる…)。」 ・「(カスタマに対して)もういらん!今すぐ返すぞい!寄るな触るな!秘書なんとかするぞい!」
57話 ・「ひどい目に遭ったぞい!あんな番組即刻打ち切りにしてやるぞい!」 ・「(大臣一家に対して)何を笑っておるぞい?」 ・「(エスカルゴンにパイをぶつけて)ダハハハハハ!その顔ときたら悲惨そのものぞい!」 ・「おのれ~不埒な人民共めぇ!この番組はたった今打ち切りぞい!パイを笑うものはパイに泣くぞい!」 ・「あぁ、人民共に次ぐ!人気番組『デデデで1分クッキング』は今日で打ち切りぞい!代わりに新番組『パイで処刑でショー』が始まるぞい!」 ・「ラクガキ、信号無視、立ちショウベン、反逆罪など…あらゆる罪を犯したモノはパイを食らうぞい!」 ・「(フームに批判されて)あぁ、ワシに逆らったぞい。」 ・「(ボルン署長に対して)コイツは横断歩道を渡ってないぞい!(広場に横断歩道なんてないでしょ…)」 ・「(メーベルとサモに対して)あ!またまたワシに逆らったぞい!」 ・「(メーベルにパイをぶつけられて)うおー!これはもう暴動とみなすぞい!」 ・「それいけワドルディちゃん!負けるなぞい!そこにも反逆分子ぞい。」 ・「おのれ~カービィめ!許さんぞい!(パイをぶつけられる)ぜ、全員極刑に…。」 ・「(カスタマに対して)そんなものいらん!もっと欲しいモノがあるぞい!ワシはカービィめをパイで葬りたいぞい!こんな風に…(想像する)となるハズだが、相手は食い意地のはったブラックホールのごときカービィ!(投げたパイをすべて食べられる想像)…となるに決まっておるぞい!だから、絶対に吸いこめないパイ魔獣をよこすぞい!今すぐぞい!」 ・「貴様ら~こんな道の真ん中にバリケードを作りおって!」 ・「刑法改正ぞい!たった今から「ポヨ」と言ったものは犯罪者ぞい!」 ・「あ、今ポヨと言ったぞい!確かに聞こえたぞい!あーまた3回!計4回言ったぞい!よって4パイ!撃ってー!(小学生か…)」 ・「またポヨと4回言った!ではワシが直々ぞい!」 ・「もっと投げて欲しいようだな…カービィ?ではこれより本番ぞい!パイ魔獣『パワーストマック』!発進せよ!」 ・「パワーストマック!やれ!」 ・「デュハハ!もっとパイまみれにしてやるぞい!やれ!ストマック!」 ・「(ストマックのパイをくらって)コラー!こっちには投げるでないぞい!」 ・「ぎあー!食べられたもんじゃないぞい!」 ・「ワシらは遠くから観戦ぞい(乗車する)。なんで走らんぞい?来るな!こっちに来るな!カービィ!」 ・「おーい、ここはどこぞい?ほう…胃の中とはこうなっとるのかぞい?(のんき)タイヤがパンクしたぞい!」 ・「ダーッハッハ!こんなこともあろうかと用意しておいたぞい!備えあれば嬉しいな!(爆弾を取り出す)」 ・「デュハハハ!ダメで元々、人生はギャンブルぞい!」
58話 ・「コラァ!お前ら!全くもってけしからんぞい!」 ・「(ラクガキを見て)これがワシの顔か?」 ・「うーむ…しつけの悪い非行児童めらが…。」 ・「うぉー!お前らまとめておしおきをしてくれる(落とし穴に落ちる)ガキ共め…もう許せんぞい!」 ・「これを見ろ!全治2日の重症ぞい!(つまりタダのケガ)」 ・「デュワハハハ!ワシを舐めると代金は払わん。ゴチャゴチャ言わずガキ共を懲らしめる安い方法を教えるぞい。」 ・「(学校を食べ物と勘違いして)それは美味いのかぞい?つまり牢獄か…。(『学校キット』を)買った!直ちにダウンロードぞい!」 ・「わが国初の教育機関のスタートぞい!」 ・「新入生諸君…ここでワシに身も心も捧げるため、よーく勉強するぞーい!」 ・「何ぞい?落ちこぼれのブンちゃん。(制服を使いまわしたのは)資源の有効利用ぞい!」 ・「仰~げば♪涼~しい♪デデ~デの恩~♪デデデ♪デデデ♪デデデ小学校~♪(※校歌)」 ・「(ガング達に対して)父兄諸君も入学して良いぞい!で、エスカルゴン君。プププランドで1番大切なモノは何ぞい?正解!エスカルゴン君が学級委員ぞい!(教頭兼学級委員って…)」 ・「ワシらも勉強したいぞい。」 ・「1+1は…(エスカルゴンに教えてもらう)2に決まっておるぞい!」 ・「はーい!67800でーす!(※暗算できそうな計算を電卓で解きました)」 ・「レン先生!大事な教材を壊した生徒を罰するぞい!」 ・「大人は子供を守る義務があるぞい!」 ・「宿題のおかげで…静かな大人の暮らしが楽しめるぞい。(できない量の宿題を出せば)するとまた先生が怒る!」 ・「やっと教育の効果が表れたぞい…。」 ・「魔獣教師『キョウシイ』ぞい!」 ・「びゃ~ん!またガキ共がいばるぞ~い!オ~イオイオイオイ!(泣)(もうガキ共の親にクレーム言ってやれよ…)」
59話 ・「マズい!マズい!マズいぞ~い!こんなもん…食い飽きた!(ハンバーガーをエスカルゴンに投げつける)」 ・「メニューを見せぃ!明日の飯はどうなっとる!どれどれ…ホットドッグ、タコス、ハンバーガー…ホットドッグ、タコス、ハンバーガー…ホットドッグタコスハンバーガーホットドッグタコスハンバーガー!この3つだけでローテーション!?(そら飽きるわ)こんな献立はもう2度と許さんぞい!」 ・「おぉ!これは…バカモーン!」 ・「よりによってカワサキを連れてくるとは!エスカルゴン!そもそもこの村の愚かな人民共は、いつも何を食べておるぞい!こうなれば徹底調査ぞい!」 ・「ワシはカップ麺だというのに…ワシも食わしてもらいたいぞーい!なんとしても人民共の晩飯を食えるよう、手配せい!」 ・「デュハハ!今夜を楽しみに待つが良いぞい!」 ・「(大臣一家の部屋に入室)おーす!片づいておるな~必死で掃除したか?ドゥワハハハ!」 ・「(料理を見て)ほう…これは期待できるぞ…。パーム。お前んちはいつもこんな極強いワイン(?)を飲んでおるのか?」 ・「この肉も美味そうだぞい…ほ~れ、クレソンとコショウの匂いがまた効いとるぞい!あ~ん…ぐぇ!まず!まず!まず~!…まずまずぞい(つまり美味しいってこと)。」 ・「おぉカービィ、お前にもあげよう。…と思ったけどやーめたぞい!」 ・「ワシは酢の物は嫌いぞい(だから4ツ星にした)。」 ・「(タゴに対して)さてはお前商売モノに手をつけたな?まぁ…腹は膨れたぞい!(1ツ星)」 ・「デュハハハ!余は満足ぞい。」 ・「(レン村長の家で)デュハハハハ!ワシはもう食べとるぞい!この家はどれもヒツジヒツジヒツジすぎるぞい!こうコッテリしたものが続くと…素材の味が分かる料理が恋しくなるぞい!もっと食材の研究をするぞい!」 ・「(箸の使い方が分からんから)フォークとスプーンを持ってこーい!」 ・「美味いな~も~。ん?これは何ぞい?(タラバガニと聞いて)ほう…どれどれ?これは美味そうだぞい。」 ・「(あまりの辛さに火を噴いて)な、何ぞい…?貴様!よくもこんな辛いモノを食わせたな!だがワシの舌はヤケドぞい!エスカルゴン���(ビデオを)再生してみせい!」 ・「おのれエスカルゴン!こいつ!ワシに恥をかかせおって!くだらん心配なぞしおって!超豪華カニ料理を食いそこなったぞい!カニ料理を食わせるぞい!」 ・「(カスタマ似たシチエ)カニカニ、カニぞーい!大きいのに決まっとるぞい!(食用とは言ってない)」 ・「(ガーニーを見て)大きすぎるぞい!」 ・「(フームに約束しろと言われて)するする!もうやめるぞい!」 ・「カービィ!早く助けるぞい!」 ・「アホボケカス!そないな気味の悪いバケモン食えるかいちゅーてんねんあぁ!?ならおのれが食うたらええやねぇかい?どやねん?(関西弁)」 ・「ワシは普通の食事で良いぞい!ハンバーガーやタコスで良いぞい!」
60話 ・「隕石なんぞ見つからん…帰って寝たいぞい。(正体がエイリアン)だったらきっとカービィが狙いだぞい!」 ・「(周りが燃える様子を見て)こ、これはひどいぞい!」 ・「(あの宇宙艇に)直ちに入って調査するぞい!お前の役目ぞい!貴様は絶対服従ぞい!早く行け!」 ・「(シリカに対して)な…何者ぞい!無礼ぞい!コラ!ワシを無視するな!」 ・「に、逃げるぞい!だー!エスカルゴン!もっとスピードを上げんかぁ!し、城に帰って…体制を立て直すぞい!」 ・「モノ共!戦闘ぞい!戦闘!直ちに城門を閉め、戦いの用意をするぞい!メタナイト!メタナイトはおるか!敵から城を守るぞい!」 ・「あれはワシを狙う暗殺者…魔獣を呼んで相手をさせるぞい!追い返すにはどうするぞい!(ナイトメア社に金を払えと言われて)それは嫌ぞい!」 ・「(カスタマに対して)ワシは命を狙われておる…何か魔獣を送るぞい!」 ・「魔獣を高く売りつける気だぞい!」
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