こないだの、はるどんお誕生会。
はるどんのキャピキャピ喜んでいる可愛い姿は見ていて幸せになれるわ。
私からはお誕生日ケーキをプレゼント。
わたしも、中学生まで、近所のおばちゃんが毎年誕生日にはケーキを作って届けてくれていた。
それが、すごく嬉しい想い出。
小さい頃の想い出結構宝物だな。
中学生まで超ちいさな団地に住んでいて、我が家はその中心に船江酒店を営んでいた。
父方のお爺ちゃん(仁六)が町の議員をやっていたりで活発なタイプの爺さんだった。
その爺さんが始めた酒屋。
それを父ではなく母が引き継ぎ、正確には、引き継がされた。
小学生の時は、そのお店の中にダンボールでお店を作って遊んだり、BGMを作って流したり、ゴムの蛇とか、ムカデを所々に置いてお客さんを驚かせたり、犬が家から脱走してよっちゃんイカをおねだりしにきたり、やりたい放題遊び場になってた。
母も全く怒らず、そんな昭和のゆるい店だったわ。
しかし、近所のこどもが親の財布から12万持って、キン肉マンの消しゴムを買いに来たときは、「そのお金どしたん?」と、そこで盗んだお金と判明して、本気で激怒。親に報告。
そこも含めて色々と昭和。
みんなで子供を育てるという感じだった。
話はそれたが、はるどん達の中に、そういう想い出になってくれるとよいな。
ケーキであんなに喜んでもらえるならおばちゃん張り切って毎年作り続けるよん。
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本ビジュアル&本予告解禁!
5月5日“こどもの日”に、『サバカン SABAKAN』の本ビジュアルと本予告が解禁となりました。
今回解禁となる本ビジュアルは、本編に登場する「子供時代の友達との思い出」である「サバの味噌煮の缶詰」がモチーフとなっています。上の缶詰では「1980年代の子供時代(番家一路)」を、下の缶詰では「大人になった今」の主人公久田(草彅剛)が子供時代を懐かしむかのように見上げる構図となっています。1980年代の缶詰では、主人公の久田(番家一路)と友達の竹本(原田琥之佑)が自転車に乗り、母ちゃん(尾野真千子)は小言を言いながら追いかけ、父ちゃん(竹原ピストル)はノリで追いかけています。キャラクターたちの表情に個性とユーモアが溢れ、「缶詰から想い出が飛び出してくる“あの頃”に誘われるような」楽しさが漂うビジュアルとなりました。そして「ここは80年代。子供が主役です。」というキャッチコピーが添えられており、いったいどんな青春映画なのか、とても気になる本ビジュアルが完成しました。
さらに本予告も解禁となりました。主題歌はORANGE RANGEの大ヒット曲「キズナ」をANCHORが編曲、さらに、りりあ。の涙腺を刺激するピュアな歌声が予告編を盛り上げます。音楽はベテランの大島ミチルが手掛け、物語を奥深いものにしています。空と海に囲まれた長崎の美しいロケーションと煌めく夏が、観る者を懐かしく包み込み、“すべての人の子供時代”の記憶を呼び覚ます、胸を熱くする予告編となりました。
『ミッドナイトスワン』に続く温かな愛、新たな青春映画の誕生。ご期待ください。
「キズナ」編曲:ANCHOR
主題歌を担当させていただきましたANCHORと申します。初めて作品の詳細を伺った際、自分の生まれ育った故郷の田園風景を思い浮かべました。学生時代、その景色の中でMDウォークマンから流していたORANGE RANGEさんの楽曲「キズナ」をカバーさせていただけて大変光栄であると同時に、制作中はまるで作品の中に迷い込んだような不思議なノスタルジーに包まれました。大人になった今、まさに憧憬と呼ぶに相応しい夏の1ページを、りりあ。さんの歌と私の音、そして変わらない名曲と共に楽しんでいただけましたら幸いです。
「キズナ」歌唱:りりあ。
金沢監督からオレンジレンジさんの「キズナ」を主題歌として歌って欲しいとお話をいただいた時は私で良いのかと戸惑いました。監督から「キズナ」への熱いこだわりをお聞きして、この素晴らしい作品が完成した時に私の歌声で幕を閉じる事がとても光栄で「やらせていただきたいです。」とお返事しました。この作品はとにかく観て!の一言です!後悔しないと思うので是非観ていただきたいです。
音楽:大島ミチル
映画「サバカン」の作曲は金沢監督が私の音楽の「風笛」が大好きとのことでお話をいただきました。監督はとても穏やかで、でも音楽のイメージを明確に持っていらっしゃいました。映像を最初に見た時、長崎出身の私はその懐かしい風景や言葉に湿度を感じました。春や秋は少し生暖かく、夏はセミの鳴き声とジリジリした暑さ、冬場は底冷えではない寒さ・・・この映像は記憶であり、優しさでもあります。私の中では故郷の家族、友達はいつも温かくそこにあって遠くから見守ってくれる存在です。その甘酸っぱく、ほろ苦くかつ包み込むような思い出を今の心と重ねて作曲をしました。素敵な映像と役者さんたちと一緒に音楽も楽しんでくださると嬉しいです。
《ストーリー》
1986年の長崎。夫婦喧嘩は多いが愛情深い両親と弟と暮らす久田は、斉藤由貴とキン消しが大好きな小学5年生。そんな久田は、家が貧しくクラスメートから避けられている竹本と、ひょんなことから“イルカを見るため”にブーメラン島を目指すことに。海で溺れかけ、ヤンキーに絡まれ、散々な目に合うが、この冒険をきっかけに二人の友情が深まる中、別れを予感させる悲しい事件が起こってしまう…。
《出演》
番家一路 原田琥之佑 尾野真千子 竹原ピストル
村川絵梨 福地桃子 ゴリけん 八村倫太郎(WATWING) 茅島みずき 篠原篤 泉澤祐希
貫地谷しほり 草彅剛 岩松了
監督:金沢知樹
エグゼクティブプロデューサー:飯島三智 小佐野保
プロデューサー:佐藤満 高橋潤
脚本:金沢知樹 萩森淳
音楽:大島ミチル
音楽プロデューサー:丸橋光太郎
ラインプロデューサー:福田智穂
監督補:小川弾/撮影:菅祐輔/照明:渡邊大和/録音:田辺正晴/美術:岡田拓也/装飾:佐藤孝之/衣裳:松下麗子/スタイリスト:細見佳代/ヘアメイク:永嶋麻子/スクリプター:外川恵美子/助監督:新谷和弥人/制作担当:林みのる/編集:河野斉彦/制作プロダクション ギークサイト
主題歌:ANCHOR「キズナ feat. りりあ。」(VIA / TOY'S FACTORY)
撮影協力:長与町 時津町 西海市 島原市 長崎県フィルムコミッション
助成:文化庁 文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会
宣伝:モボ・モガ/配給:キノフィルムズ/製作:CULEN ギークサイト
2022年8月19日全国ロードショー
©2022 SABAKAN Film Partners
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「だってばよ」は訳さない。『NARUTO-ナルト-』の編集者と翻訳者が語る、漫画に載らない“葛藤と挑戦”の物語
Leaving "Dattebayo" Untranslated: NARUTO Editor and Translator Share the Complex Challenges Involved in the Manga's Localization
日本国内はもちろん、北米でも大きな人気を集め、海外市場における日本製マンガの躍進を支えた『NARUTO-ナルト-』。
そんな本作では、ナルトの「だってばよ」やサクラの「しゃーんなろー」をはじめとする個性的な言葉遣いや、「螺旋丸」といった漢字を組み合わせた技名など、日本語ならではの表現が目立ちます。
果たしてこれらは海外版で、どのように翻訳されているのでしょうか。
今回は海外版『NARUTO-ナルト-』の翻訳出版を担当したアメリカの出版社・VIZ Media(ビズメディア)のAlexis Kirschさんとフリーの翻訳者の森本マリさんにご登場いただき、日本語表現や日本の文化を翻訳する際の工夫、そして海外版刊行へ至るまでのプロセスを深掘りしました。
プロフィール
・Alexis Kirsch
2009年VIZ Mediaに入社後、『NARUTO-ナルト-』『BLEACH』『ONE PIECE』��ど、数多くの少年ジ��ンプシリーズ人気作品の編集を手掛ける熟練漫画編集者。「DEATH NOTE」シリーズなどでは、翻訳者としても活躍。幼少期を日本で過ごし、その時に「週刊少年ジャンプ」と出会い『キン肉マン』にハマる。その後、『ドラゴンボール』や『電影少女』、『ろくでなしBLUES』などジャンプ作品の大ファンとなる。2022年以降、英語版少年ジャンプ編集長として活躍中。
・森本マリ
日本生まれ、ニューヨーク市育ち。コーネル大学獣医学部卒業後、ニューヨーク市へ戻り小動物の獣医師として活動。その傍ら、大学生時代に始めたマンガ英訳の仕事も継続し、2003年よりアニメ•コンベンションでのイベント通訳も務める。また、防災、お風呂、伝統と現代芸能、特撮等の多様な分野にわたる通訳者としても活躍中。『NARUTO-ナルト-』以外の翻訳代表作品は『犬夜叉』、『ドラゴンボール』、『聖闘士星矢』、『奇子』(2011年アイズナー賞候補)、『美少女戦士セーラームーン』(Kodansha Comics 第一版• 後半/前半は顧問)。近年においては、ドキュメンタリー映画『徘徊』のセリフ英訳と字幕編集、Criterion Collection版『ワンダフルライフ』、『お葬式』、『ドライブ•マイ•カー』、『キュア』などの作品で映画のボーナスインタビューや、メイキング映像編集用のタイムコーディングや雑訳も手掛ける。
※取材はリモートで実施しました
海外版『NARUTO-ナルト-』をつくる人々
――NARUTOファンとして、あのセリフがどんな風に翻訳されているのか、というのも気になるのですが、読者の中には翻訳出版のプロセスを知らない方も多いと思います。まずは、海外版の翻訳出版に携わる方々の役割や作業の内容について教えていただけますか。
Alexis:チームの中には、大きく分けて、翻訳・レタラー(letterer)・編集の3つのポジションがあります。
翻訳は文字通り英訳です。
レタラーの主な役割は、日本語のセリフやオノマトペを消して英語に差し替えたり、書体、文字サイズの調整をすること。
そして編集は、スペルミスやセリフの順序に誤りがないかどうか最終チェックを行います。
少し専門的な話をすると、『NARUTO-ナルト-』の翻訳出版を担当し始めた頃は、まだ原稿のデータがレイヤー分けされていませんでした。すなわち、セリフはもちろん、背景のオノマトペも全て手動で消さなければならなかったので、レタラーの作業は大変でした。今では、背景やキャラクターごとにレイヤー分けされたデジタルデータとして私たちに共有されるので、レタラーの作業負荷はある程度軽減されました。各レイヤーを自由に編集できるし、以前よりも効率的に作業できるようになりました。
森本:ちなみに、初期の頃はレタラー・翻訳・編集の3人組に加えて、リライターというポジションがありました。リライトとは、翻訳者が訳した英文をより読みやすくするためにブラッシュアップをする作業で、日本でいう校閲のような役割です。やがてこれは翻訳者と編集が担うようになり、今のスリーマンセル(笑)の形になりました。
――役割分担がかなり明確な印象を受けますが、完全な分業体制となっているのでしょうか。メンバーが共同で作業を行うことはないのですか?
Alexis:翻訳者と編集者はよく共同で作業します。例えば、翻訳者がキャラクター名や技名などをローマ字表記にする時は、「読者に意味がわかるように注釈を入れよう」と編集者が翻訳者に依頼したり。
森本:翻訳者が編集に「入れたいです」とねだったり(笑)。
Alexis:そんなこともあります。一方でレタラーとはあまり共同で作業しないのですが、連載作品を単行本化する際にデザインの修正依頼をかけたりと、たまに一緒に作業することも。それこそ、連載の時は気づかなかったけれど、後から読み返すと重要なシーンだった……みたいなことってよくあるんです。例えば、物語が進むにつれて明らかになる事実が以前翻訳した表現と異なっていた場合、ストーリーの辻褄が合わなくなってしまいますよね? そういった連載時には気付かなかった小さなミスや、オノマトペ表現などの修正を単行本の発売に向けて一斉に行います。
――日本でも単行本化される時に加筆修正が行われることがあるので、その影響も受けそうです。
森本:単行本の発売時に、絵やセリフが変わったり、オノマトペが追加されるのは時々あることなので、そういった加筆修正の有無をチェックするのも翻訳担当の仕事です。
螺旋丸はなぜ“Rasengan”と訳されたのか
――さて、翻訳作業の手順が分かったところで、いよいよ具体的な翻訳の中身を伺いたいのですが、『NARUTO-ナルト-』といえば、登場人物の特徴的な言葉遣いはもちろん、漢字の多い技名などの英訳に頭を悩ませそうですよね。そもそも、直訳するか、意訳するかをどのような基準で判断されているのでしょうか。
Alexis:実は、直訳するか、意訳するかを判断する明確なルールは設けていないんです。ただ、“作品の世界観を保つ”ことは常に心がけています。
もしも『NARUTO-ナルト-』の世界観が西洋に設定されていたら、西洋に寄せた名前に意訳すると思うのですが、やっぱり本作の舞台は日本で主人公は忍者。ですので、ナルトは意訳せず、そのままNarutoと表記しています。ですが、技名に関しては“ファンや読者が簡単に発音できるかどうか”を意識しているので、直訳するのか、意訳するのかは都度検討しています。
例えばナルトの代名詞ともいえる技「螺旋丸」は「Rasengan」と、Narutoと同じく訳さずにローマ字表記しています。これは北米圏の読者でも発音しやすい言葉なんです。
森本:「螺旋丸」は、実は英訳もいろいろと検討したのですが、英訳すると「Rasengan」より文字数が長くなって、吹き出しに収まらなくなってしまうんです。発音のしやすさ以外にも、そうした事情もあってそのまま「Rasengan」となりました。
Alexis:「螺旋丸」以外の技だと、ローマ字表記と英訳の両方を表示して、吹き出しの中にうまく収まるようレタラーに調整してもらったり。
――世界観はもちろん、吹き出しのデザインとのバランスも重要になってくるんですね。
森本:吹き出し以外では、アニメ版との兼ね合いもあるんです。北米圏でも『NARUTO-ナルト-』の単行本が発売した少し後にアニメ版がスタートしたのですが、結局アニメの方がストーリーの進みが早く、いつしか単行本を追い抜いてしまって。ですので、アニメで先に登場した技名や単語はできる限りマンガにもそのまま反映するようにしていました。
「だってばよ」には、何パターンの英訳が存在するのか
Alexis:実は「Believe It」は、アニメ版で採用された英訳で、マンガには登場していないんです。
アニメ版で「だってばよ」を「Believe It」と英訳した理由は、キャラクターの口の動きに合わせて違和感のない表現を考えたらそうなった、というアニメ吹き替え特有の事情があったからだと思います。
――では、マンガでは「だってばよ」をなんと英訳したのでしょうか。
森本:実は、「だってばよ」に固定の英訳はなくて。
――えっ。そうなんですか!?
森本:私は2巻から『NARUTO-ナルト-』の翻訳を担当したのですが、前任の翻訳者が担当した1巻を読み返した時に「だってばよ」が翻訳されていないことに気付きました。
当時の編集に確認したところ、「だってばよ」をどう訳すのかといった議論はあったものの、結局翻訳しないという結論になったそうなんです。
ですが、シーンによっては「だってばよ」が重要な時もあるので、基本的には翻訳しないものの、適宜必要に応じて……という感じでした。翻訳が必要な時は「I tell ya」と訳していたのですが、日本語にすると「だからそう言ってんだ!」みたいなニュアンスです。ただ、この表現はほぼ登場しなかったように思いますが。
ーー他にも、「だってばよ」以外にも木の葉丸の「コレ!」やサクラの「しゃーんなろー」、サスケの「ウスラトンカチ」など独特の言い回しが登場しますが、これらも英訳されていないのでしょうか。
森本:木の葉丸の「コレ!」は初期の頃は「Right?(そうでしょ?)」と英訳されていました。
彼に関しては、続編の『BORUTO-ボルト-』で先生として登場するのですが、その時は「コレ!」を「Eh?」と英訳しています。言葉というよりも、カジュアルな会話でよく使われるオノマトペとして扱っています。ナルトの「だってばよ」よりは頻繁に英訳していたのですが、さすがに全シーン忠実に英訳することはなかったです。
また、「しゃーんなろー」は、私が使いたかった直訳では、もはや出版コードに引っかかる表現になりそうだったので(笑)、結局第1巻に使われた「Oh yeah!」をそのまま採用することになりました。
確か初期の頃、一度だけ「Holy crap」と英訳されたことがあったような気が……。当時はよく出版できたなと思っていました(笑)。
サスケの「ウスラトンカチ」も日本語の「アホ」や「道化者」に置き換えるなどして、臨機応変に色々な単語で翻訳していました。
――各登場人物たちの言葉遣いを全部ではなく、厳選して英訳するのはなぜでしょうか。
森本:技名を翻訳する時と似たような理由なのですが、木の葉丸の「コレ!」を全て英訳したら、セリフが吹き出しに収まらなくなってしまうんです。ですので、重要なシーンのみ厳選して英訳しています。
例えば木の葉丸の場合は、『BORUTO-ボルト-』の第1話でボルトが彼の「コレ!」の意味を勘違いして、言い返すシーンがあるのですが、ここでは「コレ!」が無いと会話が成り立たないのでカットせずに英訳しました。
――「だってばよ」や「コレ!」は日本でも一般的ではなく『NARUTO-ナルト-』ならではの言葉遣いですが、ガマ仙人やシマ様が使う関西弁はいかがでしょうか。
森本:関西弁は翻訳者や編集の間でよく議論される話題ですが、全く同じニュアンスを持つ英語はないです。個人的な意見としては、関西弁はアメリカ南部の方言や訛りが近いと思いますのでそれに置き換えて翻訳しました。実際に私も関西出身ですので、これは自信を持って言える立場かなと(笑)。
――面白いですね! その他、同様にユニークな翻訳事例があれば教えてください。
森本:ガイ先生の「激眉」を「Uber brow」と翻訳したことですね。ただこれに関しては、正直あまりにも昔のことなので私がそう訳したのか、リライターか当時の編集者が後からその表現に変えたのかは、はっきり覚えていません(笑)。
「Uber eats」でお馴染みの「Uber」という単語ですが、元はドイツ語の「über」で、今では「超」を意味する英語のスラングとして使われています。
あともう一つ。五代目水影が青の「根気」という発言を「婚期」に聞き間違えて、「婚期が遅れる」と勘違いしてしまうシーンは、和製英語の「オールドミス」にかけて、「OLD MAID」という発音の近いスラングをあてました。
「演歌」をどう訳すか。悩んだ末に入れた注釈
――ここからは、作中に登場する日本特有の「文化」をどのように英語で伝えているのかという、ローカライズについてお聞きできればと思います。早速ですが、大蛇丸が几帳面なカブトに対して「アナタA型だったかしら……?」と聞くシーンがありますが、血液型で性格を判断するのは日本特有の文化ですよね。
森本:確かに、西洋では血液型と性格を紐づけるような文化はないのですが、性格診断テストでタイプ分けをすることはあるので、血液型の「A」ではなく「タイプA」という一つの“人格”のように英訳しました。
あと、『NARUTO-ナルト-』は忍者のお話なので舞台は日本ですが、正直、作中ではそこまで日本特有の文化が登場しないんですよ。日本っぽい文化といえば、「一楽ラーメン」くらいでしょうか? これくらいなら、現地のマンガ・アニメファンの間では既に認知されているものなので、特にローカライズする必要性もないですし、全体的に苦労することはなかったです。
――日本の著名人を意識したキャラクターが登場することもありますが、それも特に問題なく受け入れられているのでしょうか。
森本:演歌忍者のサブちゃんですね。これは、北島三郎さんという日本の演歌歌手のオマージュだという説明よりも「演歌」の英訳に悩みました。
以下の通り元々のセリフにも演歌の説明がすでに含まれていたのですが、ここでただ演歌を「enka」とローマ字化しただけだとそのセリフの意味が伝わらないので、「en the ka」という直訳と「演じると歌という漢字を組み合わせた言葉である」……という注釈を付け加えました。
Alexis:サブちゃんと聞いて、キラービーを思い出しました。彼のラップを最終編集する時は、冒頭でお話ししたレタラー・翻訳・編集のほか、アメリカでカートゥーン製作の経験がある方に顧問として入っていただきました。
森本:キラービーのセリフはラップになっているので、文章の意味が分かるようにしながらライム・韻が踏めるように英訳を調整しなければいけませんでした。アメリカはラップの発祥地なので、この翻訳にはプレッシャーを感じました(笑)。大変な作業でしたが、とても楽しかったです。
岸本先生の「設定画」に救われた
――お話をお伺いしていると、英訳はもちろんローカライズは、担当者の個性やセンスによって内容が大きく左右されることもありそうだと感じました。
森本:そうですね。翻訳者たちの間ではよく言われる「1枚の原稿を10名の翻訳者に渡したら、25枚の翻訳原稿が上がってくる」という冗談があるのですが、本当にその通りなんですよ。私も再度翻訳してみて、自分が前に翻訳した原稿と比べてみたら、あれ全然違うものになってる……! なんて思ったこともあります。
あと、翻訳者の経歴に左右されるパターンもあるかなと。例えば、私は少年マンガの翻訳を長らく担当してきたので、たまに少女マンガの翻訳を担当すると、男らしい表現を使ってしまうことがあります。少年マンガ特有のヤンチャな言い回しに慣れてしまっているからだと思いますが、母に言わせたら私自身がお転婆だからと(笑)。
――そういった翻訳の難しさがある上で、意識していることや大切にしていることはありますか?
Alexis:先ほども少しお話しした通り、使われている単語や表現が作品の世界観と一致しているのかどうかを常に意識しています。
森本:『NARUTO-ナルト-』は初期から岸本斉史先生が単行本だけでなく、連載一話一話の中にも世界観やキャラクターの設定画を収録してくださったんですよね。これが、読者だけでなく翻訳者や編集にとって物語の世界観を知るための貴重な資料になったんです。
セリフではなく文字がぎっしり並んでいたので、翻訳する側としてはかなり苦労しましたが(笑)。
それでも「翻訳するか、しないか」を判断するのは難しい
――ここまで『NARUTO-ナルト-』翻訳出版時の裏話をお伺いしてきましたが、当時を思い出して、もし再出版できるならチャレンジしたいことはありますか?
森本:キャラクターの名前や場所名、技名の日本語の意味を各単行本の後ろ、またはWeb上に事典としてまとめて載せたいです。「ナルト」や「サクラ」みたいにカタカナで書かれている名前もそうですが、特に名前に漢字が使われているキャラクター。例えば、「Orochimaru」は読み方通りのローマ字表記にしたのですが、漢字の意味まで翻訳されていたらその由来も含めてキャラクターを理解できるじゃないですか。ローマ字表記だと、そういった楽しさが失われてしまうので残念ですよね。
――確かに、「大蛇丸」は漢字がそのまま彼の忍術を表現していますし。
森本:でも、自分で名前の由来を調べるマニアックなファンも一定数いらっしゃるんです。そういった方は、むしろその調べる過程を楽しんでいるので、あえて調べる余地を残すというのも一つの手です。
Alexis:『NARUTO-ナルト-』のように世界中で人気の作品だと、どこまで翻訳するかしないかというのはかなり複雑な問題なんです。とにかくファンの数が多いので、その分ファンの間でも意見が大きく分かれている……。森本が先ほど話したように、漢字の意味や日本文化を可能な限り反映してほしいという方もいれば、とにかく読みやすいようにしてほしいという方もいて。
森本:『NARUTO-ナルト-』も初期の頃は、背景に描かれているお店の看板や掲示板の日本語もほぼ全て英訳されていたのですが、途中からあえて翻訳せずそのままにする回数が増えました。重要な場面では英訳しましたが、そのままの方が世界観や日本の文化が伝わるのではないかと私もAlexisも思っています。翻訳するかしないかのバランスは本当に難しいです。
――『NARUTO-ナルト-』に引き続き、現在は『BORUTO-ボルト-』の翻訳を担当されているAlexisさんと森本さん。原作を愛する北米ファンのもとに作品を届けるべく、お2人の挑戦はこれからも続きます。
取材・文:ちゃんめい
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