Tumgik
#股関節3本ほしい人は入団してね
chaukachawan · 2 years
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アニーの役者紹介 22新歓編
おひさしぶりです、32期のアニーと申します。気がついたら1番上の代。ちょっとよくわからない。役者紹介ひさしぶりだー!って毎回言ってるなぁ。実際7ヶ月半ぶりなんですけども。なんか初めて紹介する33期がごろごろいる。1週間以上前に実は書き終わってたけど、今回はちょっとした願掛けで、楽日まで待ってからあげます。ええ、自己満足の願掛けです。誰にも伝わらなくていい。
劇団ちゃうかちゃわんの団員には、ちゃうかネームと呼ばれるあだ名と、チラシに載せる広報用の芸名と、そして本名、3つの名前がある人が多いです。新入生にとってはややこしさ極まりないシステムですね。でも面白いですよ。冒頭にちゃうかネームを書いて紹介していこうと思います。
🥫役者陣
○久保勇貴
くうや。新歓隊長おつかれさまあ!!めちゃくちゃがんばってて34期はもう絶対34人入るわ。私が整体の資格持ってたらいいのにな。ごめんな持ってなくて。普通にお仕事も助けられるようにがんばる。私がもし新入生として新歓公演観に来てたら印象に残る役者の1人だろうなぁって思います。まぶしい人。あとコンタクトとの奮闘もおつかれさまでした!くうやとみんなとご飯いって話す時間すきよ!公演終わったら一旦いっぱい寝てくれよな〜〜
○坪井涼
ゴコ。たのしそう。演技をみてると、日常で話してると、自然と笑顔になる。今回、いろいろ似合ってるよね。楽しみだ。小道具破壊がツボらしい。きび、いいぞもっとやれ。役者としてとても魅力的だし、真剣なシーンもコメディタッチなシーンもいいし、オムニからめちゃくちゃ成長したように思います。素敵。1ステでやらかした私は動揺のあまり幕裏で目の前にいたゴコの腕を握りつぶしてしまいました。もうしわけない。もうしない。
○慧丸勝
エドウィン。芸名の読み方がわからーん!笑衣装めちゃくちゃかわいい。似合ってる。エドウィン演じる彼のその後が気になる....。今回の役とても好きです。いい声ですよね。役者紹介やらの文章のセンスが個人的に好き、文章書くの得意なんだろうなぁと思う。作業いっぱいきてた!おつかれさま!
○中津川つくも
つくも。やっぱり演技力が圧倒的。今回ちょっとボケ側にまわってるつくもがよい。演技に軽やかでしなやかで無駄がなくて、すごい。去年の新歓公演でも思ったけど一人芝居的なのも本当にうまいよな。安心感すごい。ファンたくさんいそう。つくもがいてくれると公演全体としても安心感あるし、かけがえのない存在。たくさんありがとう。
○黍
きび。脚本かいて照明チーフと演出やって役者もして意味わからんほど大変そうなきび。今度からは絶対仕事を半分にしたうえで全部自動化しようね。でも全部自動化しちゃったらきびの作品が見れなくなるからだめだ。わたしの小道具を破壊してくれるきび。めちゃくちゃ光栄。思いっきりやっちゃってくれ。春休みのプロデュース公演ではきびの演技に毎回鳥肌たってた。今回は、長ゼリフの域を超えた難しそうな芝居をとことん魅力的にこなす大女優。だいすきな後輩。
○Aru=R
ホバ。意外にでかいパンとかがっつりぱくぱく食べてておもしろい。宣美関係でいろいろ連絡したけどとてもしっかりしてた。今回は出れなくなっちゃって残念やけど、また期待してる!
○梅本潤
しあら。家着くの真夜中になる電車で帰りながら「明日1限あるんですよね〜」って言う舞台監督。ぐっすり寝て強く生きてほしい。役者としても貫禄を感じます。頼れるなぁ。しっかりしてる面ももちろんやけど、客入れきいてめっちゃ笑ってんの可愛いし、同期とのやり取りも微笑ましくて、素敵なひとだと思ってる。体験稽古でしあらとペア役になって初めて掛け合いしたんですけど超楽しかった。本番で共演してみたいなー、と心底思った後輩。共演はね、してるんやけどね。うん。
○竹之内かの
すふれ。みんなかいてると思うけどキャスパすげえ。やってて楽しい、クオリティ高すぎる。しかもメイクチーフとしても優秀。たくさんありがとうね。美麗な役を美麗に演じているすふれ、必見です。わたしはすふれとキャスパしか共演はしないけどペアみたいな役柄なので、負けないように(?)がんばる!役者またみれそうやね、すふれの進化がたのしみ。お世話になったー、ありがとう!
○望月オーバーフロー
ロビンソン。初コンタクトで喚いてたのが面白かった2人目。私は今回この人に勝たなければならないのでわりとがんばらなければいけない。がんばらなければいけないけど、舞台上ではこの人の勢いのおかげでがんばれている節もある。がんばれているので、やっぱり勝つのは私。よし、完璧。意外に初共演、勝手にもう無理だと思ってたからとてもうれしい。新人から2mmくらいは成長できただろうか。春休みも彼のプロデュース公演で素敵な作品に関わらせてもらえた。たのしかったよ、ありがとう。さて、負けないぞ〜〜
○杏仁アニー
わたし。何度でも言う、この名前が大好き。今回役者してる同期の中で、舞台で絡んだことなかった2人とだけ綺麗に絡めた。満足。でも後輩の33期とはついぞ一言も絡めない運命らしい。号泣。
○かけうどん
ロッドマン。こちらも何気に舞台上初会話でうれしい。ところで先日彼が出てた公演が素晴らしかったんですよ!!とても!!それも含めて、いろいろ経験を積んでて、遠い人だなとやっぱりたまに思います。横にいるなぁと思っていても、急に早足になって気づいたらずっと前を行っているような人です。でもそのおかげで私は追いつこうがんばろうと思えます。まあ気づいたら目の前に立ってる時もあるけど。どんな時もひょうひょうとして変わらない態度に勝手に救われてます。なんできみはそんなに情緒が安定してるんだ。役者、雑魚でごめんなさい。ほんとうにたくさんありがとう。
○θ
β。べーただよ。小道具チーフ。抜群の発声と演技力。いろんな味が出せる役者だと思う。何気に彼のことを書くのは初めてだから書くと、去年、チーフ引き受けてもらえて、個人的にはホッとしてうれしかった。βはどう思ってるのかわからないけど、この部署を好きでいてほしいなと勝手に思ってる。なんか可愛い小道具つくってた。プロデュース公演でもその演技力をいかんなく発揮していた。さすがだわ。いい先輩になりそう。今季わたしは彼の専攻であるスペ語に手を出したので師匠になってもらおうと目論んでいる。あと、夏以降の小道具は頼んだぞ!!!!!
○君安飛那太
コルク。いろいろと天才すぎる。でもきっとたくさん時間と努力を重ねているのでしょう。部署や出演シーン的に関わる機会が少ないけどもっと話したい後輩の1人。もちろんコルクは初めから堂々としてたけど、最近はもっと堂々としてて、迫力みたいなものが出てきた気がする。こちらもプロデュース公演で演技力をいかんなく発揮していた。魅力が留まることを知らない。今年の冬か春あたりでかい舞台に出てそう。PVめちゃよかったさすが。
○永満柊人
しゅうと。みっちぇる。ながみつ。後輩とあまり話したことなかったはずなのに、会う前から後輩みんなにめちゃくちゃラブコール送られててさすがすぎた。君は周りの人々がすごいと言うけれど、私は君の人柄ゆえだと思うよ。キャスパは5秒で覚えられるらしい。とても効率的ですね、さすが。キャスパ注目。稽古来れてないやべえやべえって言いながらそつなくこなす。しゅうとの役者とてもよい。宣美チーフもいつもありがとう。あと、いつか書こうと思っていたことを、今回のしゅうとの役者紹介読んで思い出した。32期新人公演の時の君の役者紹介の締めが大好きよ。読むたびにじーんってする。
○田中かほ
ゆるあ。今回のゆるあ全部すき。『うんうんうんうん』ってしてるゆるあ結構お気に入り。いつも素敵なひと。果たして私はゆるあに先輩できてるのかしら。できてないわ絶対。そういえば、さすがスキーうまかった。またいこね。今回の舞台チーフは彼女です!!ぱふぱふ。絶対大変やったよね。舞台裏見学で柵の強度について新入生に語ってるのがかわいかった。本当におつかれさま!!この舞台で新入生いっぱいいれようね!!
○握飯子
クオリア。クオリアの創造力はすごい。ものすごい勢いでいろいろ生み出すクオリアはすごい。今回もめちゃくちゃがんばってた。なんか真夜中のバイトとかして大変そう。無理はしないで。クオリアのその語彙はどこから湧き出てくるの。今回の衣装メイク綺麗でめちゃくちゃ似合ってるよ。手癖で軽率によしよししてしまう後輩。我らが演出。いろいろ一緒に悩んだけど、なんか形にできていたらうれしいな。たのしかった!お世話になりました。
○荻野琥珀
ハク。ハクっていい名前。芸名もかっこよくて実はめちゃ好き。オムニ、秋公演、新人、今回と、役幅ひろいよね。すごい。もっと君の役者を見たい。主人公的な役もしてほしい、今回もとても魅力的。勝手に本番に強そうって思ってる。この映像すごいなって思ったらハクの作った映像ってこと多い。本チラもすごいかっこよかった。映像も宣伝美術も形?シェイプ?を使うのがうまい気がする。また一緒に帰ろうね1人目!
🥫オペレーション
○照明操作:藤丸翔
ごちゃい。はい、安定です。どうしよういい意味でもう書くことがない。今回はごちゃいのオペ姿を横で見られないのが残念。でも完璧にこなす姿が目に浮かぶね。ありがとう。風見鶏よりキュー多いってまじ???オペ席にごちゃいがいないとちゃうかはやっていけないのではないか。それから、座長も彼しかいないです。彼のまっすぐさ、存在自体にさえ何回も救われてます。がんばろうね。何もできないけど私もがんばって支えます。
○映像操作:荻野琥珀
お、さっきも見たぞ。両方こなすなんてほんとに、ありがとうね。そしてごめんね。ほんとうに心強い。
○音響操作:佐々木モモ
ころね。今度脚本を深夜テンションで書いてくれるって言ってた。嘘です。ごめんなさい。でもちょっと見てみたいけどな、ころねの深夜テンション脚本。なんでも笑って突っ込んでくれるからいつも雑に絡んでごめん。新人公演の役がとても素敵で、好きでした。役者もまた楽しみにしてる。また一緒に帰ろうね2人目!!
2年ぶりに劇団ちゃうかちゃわんの新歓公演を無事に上演できそうで、何よりホッとしていますが、最後まで気を抜かずにいきたいですね。1年前の新歓公演が本番1週間前に公演中止になったあの絶望の日を何回も思い出しました。たくさんの人に観てもらえてよかった、新入生に見せられて本当によかった。
コロナで虚無だった生活を嵐のように彩ってくれて、素敵な先輩と同期と後輩に出逢わせてくれて、ちゃうかには本当に感謝しています。私はちゃうかが心底大好きで、今の生活も大好きで幸せで離れたくありません。
頑張ろうと思います。
私は、この時をずっと待ってたの。
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momijiyama1649 · 5 years
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ざこば・鶴瓶らくごのご お題一覧 1992年    1 過労死・つくし・小錦の脂肪    2 一年生・時短・ニューハーフ    3 レントゲン・混浴・アニマル    4 ゴールデンウイーク・JFK・セクハラ    5 暴走族・かさぶた・バーコード    6 タイガース・母の日・入れ墨    7 目借り時・風呂桶・よだれ    8 しびれ・歯抜け・未婚の娘    9 ヘルニア・目ばちこ・フォークボール    10 造幣局・社員割引・オリンピック    11 父の日・猥褻・丁髷    12 ピエロ・ナメクジ・深爪    13 ミスユニバース・特許・虫さされ    14 魔法使いサリー・祇園祭・円形脱毛症    15 サザエさん・ジャンケン・バーゲンセール    16 ト音記号・北方領土・干瓢    17 妊婦体操・蚊帳・ビヤガーデン    18 身代わり・車だん吉・プラネタリウム    19 床づれ・追っかけ・男の涙    20 海月・肩パット・鶏冠    21 放送禁止用語・お年寄り・ピンポンパン    22 おかま・芋掘り・大人げない    23 復活・憧れ・食い逃げ    24 蒲鉾・風は旅人・半尻    25 泉ピン子・ヘルメット・クリーニング    26 美人姉妹・河童・合格    27 スカート捲り・ケツカッチン・秋の虫    28 チンパンジー・フォークダンス・いなりずし    29 稲刈り・小麦粉・フランス人    30 日本シリーズ・鶴瓶・落葉    31 クロスカウンター・学園祭・タクシー    32 付け睫毛・褌ペアー誕生・ツアーコンダクター    33 泣きみそ・ボーナス一括払い・ぎゅうぎゅう詰め    34 静電気・孝行娘・ホノルルマラソン    35 暴れん坊将軍・モスラ・久留米餅 1993年    36 栗きんとん・鶴・朝丸    37 成人式・ヤクルトミルミル・まんまんちゃんあん    38 夫婦善哉・歯磨き粉・夜更かし    39 金の鯱・オーディション・チャリティーオークション    40 ひ孫・いかりや長介・掃除機    41 北京原人・お味噌汁・雪祭り    42 視力検査・フレアースカート・美術館めぐり    43 矢鴨・植毛・うまいもんはうまい    44 卒業式・美人・転た寝    45 らくごのご・浅蜊の酒蒸し・ハットリ君    46 コレラ・さぶいぼ・お花見    47 パンツ泥棒・オキシドール・上岡龍太郎    48 番台・ボランティア・健忘症    49 長嶋監督・割引債・厄年    50 指パッチン・葉桜・ポールマッカートニー    51 同級生・竹輪・ホモ    52 破れた靴下・海上コンテナ・日本庭園    53 シルバーシート・十二単衣・筍    54 ぶんぷく茶釜・結納・横山ノック    55 睡眠不足・紫陽花・厄介者    56 平成教育委員会・有給休暇・馬耳東風    57 生欠伸・枕・短気は損気    58 雨蛙・脱税・右肩脱臼    59 鮪・教育実習・嘘つき    60 天の川・女子短期大学・冷やし中華    61 東京特許許可局・落雷・蚊とり線香    62 真夜中の屁・プロポーズ・水戸黄門諸国漫遊    63 五条坂陶器祭・空中庭園・雷    64 目玉親父・恐竜・熱帯夜    65 深夜徘徊・パンツ・宮参り    66 美少女戦士セーラームーン・盆踊り・素麺つゆ    67 水浴び・丸坊主・早口言葉    68 桃栗三年柿八年・中耳炎・網タイツ    69 釣瓶落とし・サゲ・一卵性双生児    70 台風の目・幸・ラグビー    71 年下の男の子・宝くじ・松茸狩り    72 関西弁・肉まんあんまん・盗塁王    73 新婚初夜・サボテン・高みの見物    74 パナコランで肩こらん・秋鯖・知恵    75 禁煙・お茶どすがな・銀幕    76 ラクロス・姥捨山・就職浪人    77 掛軸・瀬戸大橋・二回目    78 海外留学・逆児・マスターズトーナメント    79 バットマン・戴帽式・フライングスポーツシューター    80 法螺貝・コロッケ・ウルグアイラウンド    81 明治大正昭和平成・武士道・チゲ鍋 1994年    82 アイルトンセナ・正月特番・蟹鋤    83 豚キムチ・過疎対策・安物買いの銭失い    84 合格祈願・パーソナルコンピューター・年女    85 一途・血便・太鼓橋    86 告白・ラーメン定食・鬼は外、福は内    87 カラー軍手・放火・卸売市場    88 パピヨン・所得税減税・幕間    89 二十四・Jリーグ・大雪    90 動物苛め・下市温泉秋津荘・ボンタンアメ    91 雪見酒・アメダス・六十歳    92 座蒲団・蛸焼・引越し    93 米寿の祝・外人さん・コチョコチョ    94 談合・太極拳・花便り    95 猫の盛り・二日酔・タイ米    96 赤切符・キューピー・入社式    97 リストラ・龍神伝説・空巣    98 人間喞筒・版画・単身赴任    99 コッペン・定年退職・ハンドボール    100 百回記念・扇子・唐辛子    101 ビクターの手拭い・カーネーション・鉄腕アトム    102 自転車泥棒・見猿言わ猿聞か猿・トマト    103 紫陽花寺・豚骨スープ・阪神優勝    104 三角定規・黒帯・泥棒根性    105 横浜銀蝿・他人のふり・安産祈願    106 月下美人・フィラデルフィア・大山椒魚    107 鯨・親知らず・ピンクの蝿叩き    108 蛍狩・玉子丼・ウィンブルドン    109 西部劇・トップレス・レバー    110 流し素麺・目高の交尾・向日葵    111 河童の皿・コロンビア・内定通知    112 防災頭巾・電気按摩・双子    113 河内音頭・跡取り息子・蛸焼パーティ    114 骨髄バンク・銀杏並木・芋名月    115 秋桜・ぁ結婚式・電動の車椅子    116 運動会・松茸御飯・石焼芋    117 サンデーズサンのカキフライ・休日出勤・ウーパールーパー    118 浮石・カクテル・彼氏募集中    119 涙の解剖実習・就職難・釣瓶落し    120 ノーベル賞・めちゃ旨・台風1号    121 大草原・食い込みパンツ・歯科技工士    122 助けてドラえもん・米沢牛・寿貧乏    123 祭・借金・パンチ佐藤引退    124 山乃芋・泥鰌掬い・吊し柿    125 不合格通知・九州場所・ピラミッドパワー    126 紅葉渋滞・再チャレンジ・日本の伝統    127 臨時収入・邪魔者・大掃除    128 アラファト議長・正月映画封切り・ピンクのモーツァルト 1995年    129 御節・達磨ストーブ・再就職    130 晴着・新春シャンソンショー・瞼の母    131 家政婦・卒業論文・酔っ払い    132 姦し娘・如月・使い捨て懐炉    133 立春・インドネシア・大正琴全国大会    134 卒業旅行・招待状・引っ手繰り    135 モンブラン・和製英語・和風吸血鬼    136 確定申告・侘助・青春時代    137 点字ブロック・新入社員・玉筋魚の新子    138 祭と女で三十年・櫻咲く・御神酒徳利    139 茶髪・緊張と緩和・来なかったお父さん    140 痔・恋女房・月の法善寺横丁    141 ひばり館・阿亀鸚哥・染み    142 初めてのチュー・豆御飯・鶴瓶の女たらし    143 アデランス・いてまえだへん(いてまえ打線)・クラス替え    144 長男の嫁・足痺れ・銅鑼焼    145 新知事・つるや食堂・南無阿弥陀仏    146 もぐりん・五月病・石楠花の花    147 音痴・赤いちゃんちゃんこ・野崎詣り    148 酒は百薬の長・お地蔵さん・可愛いベイビー    149 山菜取り・絶好調・ポラロイドカメラ    150 お父さんありがとう・舟歌・一日一善    151 出発進行・夢をかたちに・ピンセット    152 ホタテマン・深夜放送・FMラジオ    153 アトピッ子・結婚披露宴の二次会・おさげ    154 初産・紫陽花の花・川藤出さんかい    155 ビーチバレー・轆轤首・上方芸能    156 ワイキキデート・鹿煎餅・一家団欒    157 但空・高所恐怖症・合唱コンクール    158 中村監督・水着の跡・進め落語少年    159 通信教育・遠距離恋愛・ダイエット    160 華麗なる変身・遠赤ブレスレット・夏の火遊び    161 親子二代・垢擦り・筏下り    162 鮪漁船・新築祝・入れ歯    163 泣き虫、笑い虫・甚兵衛鮫・新妻参上    164 オペラ座の怪人・トルネード・ハイオクガソリン    165 小手面胴・裏のお婆ちゃん・ガングリオン    166 栗拾い・天国と地獄・芋雑炊    167 夜汽車・鳩饅頭・スシ食いねぇ!    168 長便所・大ファン・腓返り    169 美人勢揃い・雨戸・大江健三郎    170 親守・巻き舌・結婚おめでとう    171 乳首・ポン酢・ファッションショー    172 仮装パーティー・ぎっくり腰・夜更し    173 ギブス・当選発表・ちゃった祭    174 超氷河期・平等院・猪鹿蝶    175 コーラス・靴泥棒・胃拡張    176 誕生日・闘病生活・心機一転    177 毒蜘蛛・国際結婚・世間体 1996年    178 シナ婆ちゃん・有給休暇・免停    179 三姉妹・バリ・総辞職    180 家庭菜園・ピンクレディーメドレー・国家試験    181 ほっけ・欠陥商品・黒タイツ    182 内股・シャッターチャンス・金剛登山    183 嘘つき娘・再出発・神学部    184 金柑・恋の奴隷・ミッキーマウス    185 露天風呂・部員募集・ぞろ目    186 でんでん太鼓・ちゃんこ鍋・脳腫瘍    187 夢心地・旅の母・ペアウオッチ    188 (不明につき空欄)    189 福寿草・和気藹々・社交ダンス    190 奢り・貧乏・男便所    191 八十四歳・奥さんパワー・初心忘るべからず    192 お花見・無駄毛・プラチナ    193 粒揃い・高野山・十分の一    194 おぃ鬼太郎・シュークリーム・小室哲哉    195 くさい足・オリーブ・いやいや    196 ダイエットテープ・北京故宮展・細雪    197 若い季節・自動両替機・糞ころがし    198 おやじのパソコン・なみはや国体・紙婚式    199 降灰袋・ハンブルグ・乳首マッサージ    200 雪見酒・臭い足・貧乏・タイ米・コチョコチョ・雷・明治大正昭和平成・上岡龍太郎・お茶どすがな・トップレス(総集編、10題リレー落語)    201 夫婦喧嘩・川下り・取越し苦労    202 横綱・占い研究部・日本のへそ    203 マオカラー・海の日・息継ぎ    204 カモメール・モアイ・子供の事情    205 ありがとさん・文武両道・梅雨明け    206 団扇・ボーナス定期・芸の道    207 宅配・入道雲・草叢    208 回転木馬・大文字・献血    209 寝茣蓙・メロンパン・初孫    210 方向音痴・家鴨・非売品    211 年金生活・女子高生・ロングブーツ    212 エキストラ・デカンショ祭・トイレトレーニング    213 行けず後家・オーロラ・瓜二つ    214 金婚式・月光仮面・ロックンローラー    215 孫・有頂天・狸    216 雪女・携帯電話・交代制勤務    217 赤いバスローブ・スイミング・おでこ    218 参勤交代・ケーブルカー・七人兄弟    219 秋雨前線・腹八分・シルバーシート    220 関東煮・年賀葉書・学童保育    221 バンコク・七五三・鼻血    222 ホルモン焼き・男襦袢・学園祭
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%96%E3%81%93%E3%81%B0%E3%83%BB%E9%B6%B4%E7%93%B6%E3%82%89%E3%81%8F%E3%81%94%E3%81%AE%E3%81%94
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ukanotuki-blog · 5 years
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産まれた時からずーっと借金生活
普通。に憧れていた。俺は末っ子で両親が40代で産まれた。
母親は俺が幼稚園から入退を繰り返し何度も手術をしていた。俺をおんぶし姉を連れて歩いている最中に股関節がずれるで1回、子宮がんで4回。
幼稚園のお弁当は母親が入院の時は、カップラーメンを職員室で食べたり、父が仕事の途中に幼稚園にコンビニで買ったサンドイッチを届けにきたり。それでも幼稚園の参観には可能な限り来てくれた母。ツラかったのにありがとう。
小学校に入ると本格的にお金がなくなり、給食費払えない、電気止まる、ガス止まる、借金取り来るのオンパレード。俺が低学年の時母が子宮がんになる。幼いながら母が死んだらと考え布団にもぐり泣いた。母は子宮全摘出は拒んだ、やはり女性としてなのか恐怖からなのか分からない。放射線治療も放射線が他の臓器に当たり人工肛門を付けた、尿も便もお腹に開けた穴から袋がぶら下がっていた。長男と父が小学校の先生と何か話しをしていた記憶がある。もうそんなに長くないとかだったのかな。小学校の時は虐めにもあった。悪口言われたり意地悪されたり。周りは習い事してる奴らばかりだったから体も小さい俺は狙われやすかったんだな。そりゃ毎日のご飯は母と父が固いご飯食べれないからご飯焚いてもびちゃびちゃのお粥みたいだったから仕方ない。食べれるだけましだ。栄養なんて無い。お金無いからおかずも選べない。
中学になり母のガンは放射線で消えたが腎臓が悪くなり1個取った。母は身体障害者になった。俺はテニス部に入り、兄が買ってくれたラケットを使い部活もさせてもらえた。
この時くらいから父が仕事を辞めた。ある時中学の先生に電話して俺を学校辞めさせたいと言っていた。義務教育すら受けれないほどお金無かった。何とか3年生になり俺は学校に行かなくなった、グレた訳じゃない。昼夜逆転してしまった。父は同居していた俺の兄が怖くて家から出ていった、近所の知り合いの家に少しお世話になり、ある時俺を連れて免許の更新に二人で行った。これで帰ってくるかと思うも家の近くになりここでサヨナラだと言われる。何で帰ってこねーんだよ!って一人で泣いた。しばらくして兄が父の車を見つけ連れて帰ってきた。父は近所のおばさんの伝で工事現場の仕事をするも今までトラックの運転をしてきた為か続かなかった。母はお金が無いから病院に行けない日もあった。俺は高校受験の時期になり、定時制に行く事にした。合格した事を電話で母に伝えると泣いていた事を思い出す。姉も定時制だった為特に深く考えてないフリをしていた。本当はバイトしながら学校行けて学費安いし奨学金貰えたから。朝バイト行く俺が乗る電車は昼間学校に行く同級生達もいる。会わないように時間や車両ずらして逃げた。
高校は4年間。周りは虐められてた奴や不登校だった奴らだから似た者同士。相変わらずお金は無いけど何とかやりくりしていた。
高校4年の夏を過ぎた頃、母は腎臓が悪くなり入院中。後半年くらいしか生きられないと姉から言われる。信じたくないが長男に電話すると本当だと。
消えていた癌が再発。5年再発なければ大丈夫の話が5年目で再発した。俺はバイト休みの日は昼から病院に行き手が震えてご飯が食べれない母を手伝いに行き夕方学校から学校の生活をした。ある時、病室に着くとお昼のおかずがベッドの下に落ちていた。当時看護婦が足りておらず誰も来てくれなかった。母親は俺が来ると気丈に振る舞う。ご飯食べるの手伝ってからトイレ行ってくると言い、個室に入り一人バカみたいに泣いた。母には再発と余命は言わない約束だった。ごめん。ごめん。ごめん。病室に戻るとお母さんこんなんでごめんね。。って言われた。今に始まった事じゃないから俺は大丈夫だよ。学校行くね。って言い病院出たら号泣した。ごめん。ごめん。ごめん。こればかり。
とうとう意識障害が始まりだしたから病院に泊まったりした。幻覚も見えてたみたいで痙攣もおこす。痙攣止めの点滴をした。最後は苦しまないようにしたいと先生に話す。先生は強めの痙攣止めを入れたら恐らくそのまま亡くなる可能性があると言った。それでも良いから苦しまないようにとお願いする。俺は未成年ながらタバコを吸っていて調度誰かと外に出てタバコ吸っていたら、姉の彼氏が走ってきてもうそろそろだぞ!と言われた。急いで病室に戻ると血圧が下がりだしていた。呼吸が止まり心臓だけがゆっくりと動いて完全に止まった。泣いている俺と姉に向かって兄が言った言葉、お前らのせいだぞ。忘れない言葉です
ご臨終です。母は頑張りました。最後それぞれ言葉を掛ける時に俺は産んでくれてありがとうと言いました。これからは母が居ない生活。母59才俺が18の時でした。
その後それぞれ兄弟は結婚したりで家を出て俺と父二人の暮らしが始まりました。父は母の5才上なのでこの時既に64才。母はきっと俺にお父さんお願いねと言うだろうから俺は父の傍にいる事にした。一人にしたら何するか分からないし幸せになった兄たちに迷惑かけないようにしようなって言ってたな。毎年小さくなっていく背中を一人で見ていく暮らし。そろそろ本格的な介護が必要と思い介護師等の手はずを済ませた2月28日、その日の夜には布団で寝てる父におやすみと言い部屋にいく。29日、遅番の為10時半に母屋に行くとカーテンが閉まったまま。急に何か感じ急いでドアを開けカーテンを開けると、父が仰向けで倒れていた。お父!と叫ぶ。手が動いていたので手に触れると凄く冷たい。直ぐに救急車を呼び搬送。姉と長男に連絡直ぐに病院にきた。泣きながら看護婦に状況を説明。低体温で全身の状態が悪い。体温を上げるが体温を上げてる最中に心不全が起きやすい、その時はAEDを使います。と言われる。なんとか体温があがり先生から説明を受ける
重度の肺炎で抗生物質が効きません。延命希望しますか?俺はしっかりしなきゃの気持ちで延命は希望しません。本人が病院大嫌いで痛いのも苦しいのも嫌いなんです。ですので最後まで痛い苦しいだけは感じさせないようにしてあげて下さいと伝えた。先生も泣いてた。皆泣いてた。数時間振りに父に会う。酸素マスクをし意識が無い。俺はひたすら謝った。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。一緒に暮らしてたのに気づいてあげれなくてごめん。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。その日は姉の家に泊まる話しになり長男を送り帰りの道で病院から電話がきた。先生が話があるそうです。病院に戻るとレントゲンを見せられ肺に穴が空いてます。もって一週間です。
それから意識が戻り俺の名前を書いた紙を見せると読んでくれて目があった。泣いた。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。
もう何書いてるか分かんないよ。母も父も亡くなったんだよ、産まれてからの事を書きたくなってさ。支離滅裂で文才ないし、誰に伝えたいとかなくて。こんな人生だから周りが羨ましく思う。残されて一人で泣いてるしかなくて誰も分からないよ。眠れない。
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gunosy-news · 3 years
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シャレにならない出来事も…「寝ぼけてやらかしてしまった」失敗談に驚愕
集計期間:2020年12月6日~12月8日 回答数:17133
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人間、眠たいときは判断力が鈍ってしまうもの。そんな時に油断をして、ついやらかしてしまった…そんな経験はありませんか?
今回はそんな「寝ぼけていたときにやってしまった失敗」について調査を行いました。
寝ぼけ���いたときにやってしまった失敗はありますか?
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回答者17133名のうち、寝ぼけていたときに失敗をしたことが「ある」という人は全体の約44.5%、反対に「ない」という人は約55.5%という結果でした。
ここからは、具体的にどのような失敗をしてしまったのか、回答者の皆さんから寄せられた意見を見ていきましょう。
寝ぼけていて、つい…やらかしエピソード集
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<直前に見ていた夢のせいで…>
・兄弟喧嘩の夢を見ていて机を殴っていた
・夢の中で悪漢を力一杯叩いたら、隣に寝ているダンナをぶっ叩いてしまった笑
・ケンカの夢を見てて妻を羽交い締めにして殴ったことがある
・ケンタのチキンを食べる夢を見て添い寝してた子供の足をかじった 
・子供のころ、夢の中で自分の右手の握り拳が上に上がって、ストンと下に落ちた。そしたら横に寝てる母が「アイタっ!」って叫んでるのが聞こえた。どうやら母の頭にゲンコツしたらしい。私は確かに母の声は聞こえたのだけれども、夢の中の出来事と思ってたので、そのまま朝までグッスリ眠っていた。
・夢の中で、 大草原を走っている夢を見ていたら 、一人暮らしの部屋から勝手に外に出ていって、 階段から落ちて怪我をした。
・夢で、友達が雪が降ってきて困ってたんで、夜中にその友達に電話して、明日はいっぱい雪が降るってよって電話した。
・サッカーをしている夢を観て、思い切りボールを蹴ったら実際には壁で、多分親指にヒビが入りました。
・母親から封筒に入った大金をどこにしまったか忘れて焦りまくっている夢を見て、必死に探している途中で目が覚めそのまま部屋中探し、挙句に深夜なのに母親を起こして聞いた所で我に帰った。
・ひたすら話し続けている夢を見ていて、その続きの支離滅裂な話を延々と話し続けた。周りの人に笑われてもまだ夢から覚めたことに気づかず、怒り気味にさらに演説を続けてしまった
・パワハラで仕事に行き詰まってた頃、遅刻する夢を見たので現実の区別がつかず遅刻だと思って、とりあえずカバン背負って服もシャツを締めながらエレベーターに乗って下に降りた寒さで一気に目が覚めたけどまだ夜明け前だったり、仕事に行かなきゃの思いが強くて夜中に起きて暗闇の中夢中で朝食用のパンを探してた。(実際にはパンなんて買い置きしていなかった)ほぼ毎日こんな感じでもしかしたら夢遊病だったのかも…
<寝言シリーズ>
・「泥棒ー」と声に出して叫んでしまった。
・寝言で「いまうどん食べてたのに!」って言ってしまった。
・昼寝から目覚めたらボーっとしてたので、家族全員に『おはよう、みんな起きるの早いね。』と言ったら『まだ夜なんだけど』と言われた事
<物損>
・夜中に目が覚めて、特に何かを見るつもりもないのに、なぜか眼鏡をかけてから二度寝したので、朝起きたらフレームがゆがんでいた。
・皿を割る。マクカップを割る。急須を割る。
・ノートPCの画面を踏んで割ってしまった
<洗面所あるある?>
・洗顔フォームで歯磨きした
・歯磨き粉とクレンジングオイル、間違えてしまった
・保湿クリームと日焼け止めを間違えた
・電動シェーバーに歯磨き粉をつけた。
<時間間隔の喪失>
・休みなのに学校に行��てしまった
・夕方なのに朝だと思って出かける���備をしてまった
・午前1時に出社した。
・旦那に朝5時にお魚買ってきてとお願いした
・仕事に追われ休日なのに身支度をしてしまい2度寝…起きたらスーツ姿で寝ていた。
・バイトに遅刻する!と思って外に出たら人通りが少なくて、不思議に思っていたら夕方の5時ではなく朝の5時だった。
・昼寝から起き、外が薄暗かったのに、朝だと勘違いして、遅刻した!!と慌てて支度をして駅に向かったら、日曜の夕方だったこと。 
・いつもの時間に起きて出勤したつもりが、実際はキッチリ1時間遅れだった。社内ですれ違う人に「今日は重役出勤だなぁw」と言われても理解できずにいた。休憩時間に遅刻に気付きメチャクチャ恥ずかしかった。思い込みの恐ろしさを痛感して以来、時計は分単位だけでなく何時かを確認するようになった。
<奇行種>
・冷蔵庫にスマホ入れた
・ベランダから飛び降りてしまった事が有ります。
・パジャマのズボンを脱いでゴミ箱に捨ててた
・学校帰りのバスの中の柱にひたすら謝ってたこと。
・子どもが泣き出したと勘違いして夫の頭を撫でてトントンして寝かしつけようとした。
・寝ぼけて自分の家だと思わなくて、あわてて帰ろうとして、母に呆れられた
・晩御飯を食べた後にテレビを見ながら寝てしまい、数時間後起きた時に晩御飯はまだかと聞いてしまったら、年齢的に呆けてしまったのだと心配された
・たくさんありすぎるので、、、最近で言えば、まだ目が完全に開かないにも関わらず、手探りでトイレに行ったものの、あまりの眠さに勝てずに、下着をつけないまま、パジャマを着てしまい、そのまま爆睡。肝心な下着は、部屋の入口そばに落ちていた。女性でありながら、誰もいなくて良かった、と思った。
・小さい頃、寝起きに駄菓子屋に行って、100円玉を握りしめて出かけたつもりが、いざお会計の時に出したら1円玉だった。小さいながらに恥ずかしかった。
・コンビニでお菓子買ってお金払って おつりもらって その買ったお菓子を取るの忘れた
・電車で寝ぼけて駅だったので降りようとして走ったら違う駅で恥ずかしかったです。 
・大切な本を紙ゴミだと思って破いて捨ててしまった。翌日、ゴミ箱に本が捨ててあるのを見つけて我に帰った。
・高校生の頃、寝ぼけて母親の寝ている布団に入って寝てしまった。目覚めたときは朝でした。恥ずかしいやら、バツが悪いやら。
・女の子の服の袖をコーヒーカップと間違えて掴んだこと
・信号後変わったタイミングが青だと思い込み赤信号で渡りそうになり、車のクラクションで初めて気付いた。それまで青信号を赤だと思い込んでた自分が情けなくなった。
・朝目が覚めたら部屋中に小銭が落ちてた事がありました。割と大量に。いつかの何かしらのお礼にお地蔵様がやって来て打ち出の小槌を振ったのか、はたまた寝ぼけた私が小銭入れを逆さまにして振り回したのか…お地蔵、あの節はありがとうございました。 
・自分の家にいると思ったら友達の家で、すっぽんぽんで部屋の中を歩いていた
・携帯をキャリアのオンラインショップで機種変更した。そしたら同機種同色同GBの同じ機種を注文してしまったようで気付かず開封してしまった。開封後返品不可の為データ移行の面倒くささと引き換えにバッテリーが新しくなった感覚の製品になった 
・急に家の片付けを始め、家の鍵を間違えて捨てた。最近は車の鍵。しかもキーレスを捨ててしまい、悲惨。記憶がない状態で動いてはいけないのは理解できたが、本人は大丈夫だと思ってるのでタチが悪い。
・洗濯物をオバケと思って大声で叫んでしまった。
・納豆のからしを絨毯にかけた。
・喘息なんですが、苦しくて起きて吸入器をしてるつもりがマキロンをシュシュっと口に入れてしまい、急いでゆすぎにいったことがあります。
・小学生の頃家族と電車に乗っていたが寝てしまって、駅について起こされたが寝ぼけていて隣の人が床に置いてたカバンを持って出ようとしてしまった。歩き出したところで止められた。
・夜中に玄関のチャイムが鳴っていると思って飛び起きて、急いで玄関まで行って出ようとした。今考えると夜中の2時に誰か来ていても、いなくても怖い。
・ピカチュウのものまねを練習していた時期に、寝た後いきなり起きてピカチュウのものまねをしていてビックリしたと家族に言われて自分でもビックリしました。
<ケガ>
・子供のころ押し入れで寝ていたら寝ぼけて落ちた
・柱に、顔面ぶつけて歯が折れた
・家の階段で足を踏み外し、中段ぐらいから下までお尻で滑り落ちた。尾てい骨が…むちゃくちゃ痛かった。
・炬燵の掛け布団に��まずき、ガラス戸に脚を突っ込んでしまい。救急搬送された。
・足が、もつれて転倒。足首と右手骨折
・ヘアアイロンで首の後ろ大火傷185℃設定だったから死ぬかと思った
・中学生の夏トイレに行こうと起きた所、暗闇でジャージパンツの裾に付いてた足掛け?に指を引っ掛かけて転んでしまった。その時に近くにあった灰皿の金属部が飛んできて目の横を切ってしまい未だに消えない物が残ってしまった。
・起きてすぐ慌ててゴミ出しに行ったら鍵を忘れてオートロックで閉め出された。ピンポンしても家族はまだ寝ていて誰も気づいてくれず、塀を乗り越えてサンダル(5cm位のヒール)でジャンプして飛び降りたら、かかとの骨を傷めた。その日は2010年の誕生日(3/18)だった。その後、半年病院通い。未だ完治せず、全力疾走できない。なぜジャンプしたのか壁をつたって降りれば良かった。寝ぼけていた
・未明に目が覚めて立ち上がったらよろめいて、家具に額をぶつけてまたよろめいて、今度は背後にあった箪笥に背中をぶつけたのですが、あまりに眠かったのでまたそのまま眠ってしまったこと。朝着替えようとしたら寝間着が何かに張り付いて脱げないのです。おかしいなと鏡で確認したら、背中に縦に袈裟懸けみたいな傷が付いていて血がべっとりとくっついたままカピカピになってました。なんか痛いな~とは思っていましたがビックリ。ちなみにおでこにもたんこぶができてました。 
<飲食物シリーズ>
・弁当作りで、玉子を器ではなく、三角コーナーの生ゴミの中に割った
・三角コーナーの上で玉子を割り、ご飯の上に殻を載せてから気づいた
・冷蔵庫と間違えて、下駄箱に卵焼きを入れてしまった。
・卵焼きを焼こうとして、卵をボールに割り入れようとしたのに間違えてそのまま排水口の上で割ってしまい排水溝に流してしまった。
・甘い玉子焼きを作るのに砂糖と塩を入れ間違えた時
・失敗と言うか、ダイエット中の朝に起きたら 枕元にポッキーの食べた後の袋が2袋! めっちゃ自分が怖かった。
・寝ぼけていて朝起きたら記憶なくてビックリしたことは、寝る前に沢山、お菓子を食べて食べ散らかした袋を片付けないで寝てしまい、起きて誰が散らかしたのか?と自分でやった事を覚えてなかった事です
・紅茶を飲もうと思ってティーバッグの袋を開けて、袋を捨てたつもりがティーバッグを捨てていた。しばらく気付かず、お湯を入れる時になって「えっ?!ティーバッグが無い!!何で?!」となった。
・自宅でインスタントラーメンを食べてたら眠くなり、頭を突っ込んで丼ぶりをひっくり返し、自分の太もも部分がラーメンだらけになりました。ぬるかったので、やけどはしませんでした。
・煮込むインスタントラーメンの麺を寝ぼけてそのまま食べた
・食べ物をリップだと思って塗ったりした    
・お弁当を持って行ったつもりが前日残ったご飯を入れたタッパーを持っていってしまった
・すでに飲みかけの缶コーヒーなのに、まだ開けてないと勘違いして振ってしまった?頭からコーヒーかぶった!無糖だったの乾いてもネバネバにはなりませんでした。よかった!チャンチャン(笑)  
・飲みかけのファンタグレープの缶にタバコの吸殻入れてそのまま飲んだ(汗)
・ペットボトルにした小便をお茶と間違えて飲んだ 
<失言シリーズ>
・もらっていないお年玉のお礼を言った。
・授業中居眠りしてたら、指されてお母さんと呼んだ
・居酒屋で飲んでいて眠くなってきた頃に、店員さんの「いらっしゃいませ!」につられて私も「いらっしゃいませ!」と言ってしまった。その頃は接客業をしていたので… 
・帝王切開の麻酔が覚めかけの時、主人と間違えて、主治医に『ダーリン』と呼びかけてしまった。
<トイレシリーズ>
・トイレいく夢みておねしょしました。(31歳)
・酔っ払って帰って、トイレと間違えて廊下でオシッコをした事。
・トイレに行ってズボンを脱いだら鏡台の椅子だった。もう少しで出すところだった…
・子供の頃、夜中にトイレに起きた時、寝ぼけてて階段で放尿したことがあります。
・子供の頃、トイレだと思ってテレビにオシッコをしてしまいました。
・だいぶ昔の事ですが、トイレと風呂を間違えて風呂で小便をしてしまった事。 
・冷蔵庫開けて中にオシッコした
・寝ぼけてトイレに行き、ふたを開けずに小をして跳ね返り足がズブ濡れ。
・ずーっと小さかった時だけど、寝ぼけて畳の上でしゃがんでおしっこしようとしたことがある。母親に慌てて止められて未遂に終わったけど、なぜかその時意識はあって、自分の行動は覚えてる。ホントに寝ぼけてたみたい…
・トイレに行った時に、寒いからとスパッツを履いていたのを忘れて、ズボンとスパッツだけおろして、パンツを下ろすのを忘れたまま用を足してしまった。
<誤操作>
・旦那に送るはずのLINEを上司に送った…
・会社のPCに、なんか色々書き込みして、放置
・夜中に寝ぼけながらスマホをいじっていたら、操作を誤って担任しているクラスの保護者に電話をかけてしまった
・友達にLINEを返している間にまた寝てしまい、すごい誤字った文章を送ってしまった 
・嫌いな人の過去のツイートを見ていてうっかりいいねを押してしまった。すく解除したが、相手に連絡が行ったようでブロックされた。
・寝惚けてる時にメールで告白して朝起きたら振られてた。夢であってほしかった…。
・片思い中の人によく分からない誤字脱字だらけのメールを送った
・お気に入りの配信者へのプレゼントを送るときに、住所等を伏せる設定にしなければならなかったのに、寝る直前だったので寝惚けてそのまま全て公開して送ってしまった。
・メルカリで、取引中の相手に訳の分からないメッセージを送っていた。
・Amazonを見ながら寝落ちして、間違えて注文ボタンを押してしまいました。
・クレジットカードのアプリを開きっぱなしにして寝てしまい、一括払いからリボ払いへ変更してしまったみたいだ。
・当時プレイしていたソシャゲを寝ぼけて起動してしまったまではよかったが、ソシャゲは立ち上げ時にオススメパックの宣伝画面になることが多く、パック購入画面に進んでしまい、そのまま顔認証で1番高額のパック購入をしてしまった。
・インターネット通販サイトで、本人の希望を確認しないうちに、ランドセルをポチっていました…。翌日、身に覚えの無いクレカ利用の速報メールが届き、それなりのお値段な事もあり肝が冷えました。結果的にとても気に入ってくれたので助かりましたが…一生の思い出になる品なので、もっと親子でじっくり話をしながら選びたかったです。
・普段なら絶対に引っ掛かることのない詐欺サイトでカード情報入力。後日カード会社から連絡が来て発覚。。被害額がまだ1円だけだったので気づいて連絡くれたカード会社の方には本当に感謝しています。
<ペットに…>
・近づいて来た愛犬を罵倒してしまった。怖がらせてしまった。
・猫を蹴飛ばしてしまった
・起きたら顔の近くにウサギがいて、寝ぼけていた為に「ふわふわのタオル」だと思って顔を拭いた。全力の蹴りを喰らった。
・冷蔵庫開けて、生卵取ってそのまま愛犬に……愛犬不思議な顔してた
<後の修羅場である>
・寝言で彼女の前で元カノ名前を言ってしまったらしい。
・今の妻と結婚前に一緒に寝ていて、寝ぼけて違う名前を呟く
・新婚の時に、寝ぼけて、主人に、誰?って言ったことがある?
・酒を飲んで寝たあと寝ぼけて関係を持ってしまい、相手に子ができた
・隣に寝ているのが女友達だったんだけど寝ぼけてて彼氏だと思ってて股間をまさぐっていた
・嫁と間違えて母にキスした!
・あるあるですが、今カレを呼ぶ時に元カレの名前を呼びました。寝言のようにごまかしたけど、その日は一日中機嫌が悪かったので気づいてしまったんですね私の元カレが、自分(今カレ)の上司だってことに。
<電話シリーズ>
・電話が鳴ったので、寝ぼけたまま応答して知らない人と30分以上話をしたこと
・朝3時に、寝ぼけて、疎遠の友人に電話をかけてしまった。
・寝起きに就活の面接の連絡がきて、なんと答えたか解らなくなって焦った
・昼寝してて電話が鳴り寝ぼけてバイト先の店名を言ってしまい、よりによって所作や作法に厳しい親戚の叔父でこっぴどく1時間に渡り電話口で説教された
・当時付き合っていた彼と電話をしていて、夜も更けたしお互い眠くなったので、電話を切った。その直後に着信があり眠かったのもあり、確認せずに彼だと思って『も?、どうしたのぉ。もうさびしくなっちゃったのぉ?』と甘えた声で出たら友人だった。『あんた何言ってんのよ』と爆笑された。
・部活をズル休みした時に先輩が心配して電話してきたのに声が同級生の声に聞こえタメ口で答えてしまい挙句の果てにズル休みの理由も話してしまった。
・高校生の夏休み、連日バイトと部活の両立で寝不足で、バイトから帰ってきて仮眠していた。顧問から用事で電話がかかってきたけど、眠さMAXでかなり寝ぼけて電話応対してしまった。友達感覚で話せる先生ではあったが、友達にもやらないような不機嫌な対応してしまった。その時は夢見たと思ってたが、顧問に電話したよ、と言われてうっすら思い出してきて、本当にどうしようもなかった  
・電話がかかってきて、それに起こされ慌てて出た為、ものすごくテンションが低く声もかすれていて、とっても感じ悪くなってしまった。相手はかかりつけの病院からで検査予約日の変更のお願いだったのだが時間的にも寝ていたとは言えず、後日病院に行った時に最近怪しい電話ばかりかかってきているので電話に出るときはあんなに感じが悪くなってしまいすみませんでしたと平謝りした。
<身だしなみ>
・化粧。まゆげ書き忘れて眉無しオバケで会社に行った。メイク直しも持っていなったので鉛筆で書いた。
・寝坊して会社に遅刻しそうになった時に、スカートを履くのを忘れてストッキング姿で家を飛び出したことがある。
・小学生の頃に寝ぼけてランドセルを忘れて登校し、中学生の頃はパジャマで登校しかけた。寒い冬じゃなかったら学校着くまで気づかなかったかも。
・パジャマの下を履いたままズボンを履いて出勤したことがあります。何だか足が重く疲れてるのかな?と感じてましたが、帰宅してからパジャマを履いてることに気づいて納得した、というか、それまで気づきませんでした。
<塩対応>
・寝ぼけていて、家族を怒ってしまった事があります。後で冷静になってみたら、怒る事でもなかったと、反省してます。
<あわや大惨事>
・寝ぼけながらタバコを吸っていて気付かぬうちに火種が落ちていた。煙が出ていたことに自分は気付かず、父親が慌てて叩いて消していた。一人だったら火事になっていたと思う。
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yo4zu3 · 4 years
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やさしい光の中で(柴君)
(1)ある日の朝、午前8時32分
 カーテンの隙間から細々とした光だけがチラチラと差し込む。時折その光は強くなって、ちょうど眠っていた俺の目元を直撃する。ああ朝だ。寝不足なのか脳がまだ重たいが、朝日の眩しさに瞼を無理矢理押し上げる。隣にあったはずの温もりは、いつの間にか冷え切った皺くちゃのシーツのみになっていた。ちらりとサイドテーブルに視線を流せば、いつも通り6時半にセットしたはずの目覚まし時計は、あろうことか針が8と9の間を指していた。
「チッ……勝手に止めやがったな」
 独り言のつもりで発した声は、寝起きだということもあり少しだけ掠れていた。それにしても今日はいつもに増して喉が渇いている。眠気眼を擦りながら、キッチンのほうから漂ってくる嗅ぎ慣れた深入りのコーヒーの香りに無意識に喉がこくりと鳴った。
 おろしたてのスウェットをまくり上げぼりぼりと腹を掻きながら寝室からリビングに繋がる扉を開けると、眼鏡をかけた君下は既に着替えてキッチンへと立っていた。ジューという音と共に、焼けたハムの香ばしい匂いが漂っている。時折フライパンを揺すりながら、君下は厚切りにされたそれをトングで掴んでひっくり返す。昨日実家から送ってきた荷物の中に、果たしてそんなハムが入っていたのだろうか。どちらにせよ君下が普段買ってくるスーパーのタイムセール品でないことは一目瞭然だった。
「おう、やっと起きたか」 「おはよう。てか目覚ましちゃんと鳴ってた?」 「ああ、あんな朝っぱらからずっと鳴らしやがって……うるせぇから止めた」
 やっぱりか、そう呟いた俺の言葉は、君下が卵を割り入れた音にかき消される。二つ目が投入され一段と香ばしい音がすると、塩と胡椒をハンドミルで少し引いてガラス製の蓋を被せると君下の瞳がこっちを見た。
「もうすぐできる。先に座ってコーヒーでも飲んどけ」 「ん」
 顎でくい、とダイニングテーブルのほうを指される。チェリーウッドの正方形のテーブルの上には、今朝の新聞とトーストされた食パンが何枚かと大きめのマグが2つ、ゆらゆらと湯気を立てていた。そのうちのオレンジ色のほうを手に取ると、思ったより熱くて一度テーブルへと置きなおした。丁度今淹れたところなのだろう。厚ぼったい取手を持ち直してゆっくりと口を付けながら、新聞と共に乱雑に置かれていた郵便物をなんとなく手に取った。  封筒の中に混ざって一枚だけ葉書が届いていた。君下敦様、と印刷されたそれは送り主の名前に見覚えがあった。正確には差出人の名前自体にはピンと来なかったが、その横にご丁寧にも但し書きで元聖蹟高校生徒会と書いてあったから、恐らくは君下と同じ特進クラスの人間なのだろうと推測が出来た。
「なんだこれ?同窓、会、のお知らせ……?」
 自分宛ての郵便物でもないのに中身を見るのは野暮だと思ったが、久しぶりに見る懐かしい名前に思わず裏を返して文面を読み上げた。続きは声に出さずに視線だけで追っていると、視界の端でコトリ、と白いプレートが置かれる。先程焼いていたハムとサニーサイドアップ、適当に千切られたレタスに半割にされたプチトマトが乗っていた。少しだけ眉間に皺が寄る。
「またプチトマトかよ」 「仕方ねぇだろ。昨日の残りだ。次からは普通のトマトにしてやるよ」
 大体トマトもプチトマトも変わんねぇだろうが、そう文句を言いながらエプロンはつけたままで君下は向かいの椅子に腰かけた。服は着替えたものの、長い前髪に寝ぐせがついて少しだけ跳ねあがっている。
「ていうか同じ高校なのになんで俺には葉書来てねぇんだよ」
 ドライフラワーの飾られた花瓶の横のカトラリー入れからフォークを取り出し、小さな赤にざくり、と突き立てて口へと放り込む。確かにクラスは違ったかもしれないが、こういう公式の知らせは来るか来ないか呼びたいか呼びたくないかは別として全員に送るのが礼儀であろう。もう一粒口に含み、ぶちぶちとかみ砕けば口の中に広がる甘い汁。プチトマトは皮が固くて中身が少ないから好きではない。やっぱりトマトは大きくてジューシーなほうに限るのだ。
「知らねぇよ……あーあれか。もしかして、実家のほうに来てるんじゃねぇの」 「あ?なんでそっちに行くんだよ」 「まあこんだけ人数いりゃあ、手違いってこともあるだろ」 「ったく……ポンコツじゃねぇかこの幹事」
 覚えてもいない元同級生は今頃くしゃみでもしているだろうか。そんなどうでもいいことが頭を過ったが、香ばしく焼き上げられたハムを一口大に切って口に含めばすぐに忘れた。噛むと思ったよりも柔らかく、スモークされているのか口いっぱいに広がる燻製臭はなかなかのものだ。いつも通り卵の焼き加減も完璧だった。
「うまいな、ハム。これ昨日の荷物のか?」 「ああ。中元の残りか知らないけど、すげぇいっぱい送って来てるぞ。明日はソーセージでもいいな」
 上等な肉を目の前に、いつもより君下の瞳はキラキラしているような気がした。高校を卒業して10年経ち、あれから俺も君下も随分大人になった。それでも相変わらず口が悪いところや、美味しいものに素直に目を輝かせるところなんて出会った頃と何一つ変わってなどいなかった。俺はそれが微笑ましくもあり、愛おしいとさえ思う。あとで母にお礼のラインでも入れて、ああ、それとついでに同窓会の葉書がそっちに来ていないかも確認しておこう。惜しむように最後の一切れを噛み締めた君下の皿に、俺の残しておいた最後の一切れをくれてやった。
(2)11年前
 プロ入りして5年が経とうとしていた。希望のチームからの誘いが来ないまま高校生活を終え、大学を5年で卒業して今のチームへと加入した。  過酷な日々だった。  一世代上の高校の先輩・水樹は、プロ入りした途端にその目覚ましい才能を開花させた。怪物という異名が付き、十傑の一人として注目された高校時代など、まだその伝説のほんの序章の一部に過ぎなかった。同じく十傑の平と共に一年目から名門鹿島で起用されると、実に何年振りかのチームの優勝へと大いに貢献した。日本サッカーの新時代としてマスメディアは大々的にこのニュースを取り上げると、自然と増えた聖蹟高校への偵察や取材の数々。新キャプテンになった俺の精神的負担は増してゆくのが目に見えてわかった。
 サッカーを辞めたいと思ったことが1度だけあった。  それは高校最後のインターハイの都大会。前回の選手権の覇者として山の一番上に位置していたはずの俺たちは、都大会決勝で京王河原高校に敗れるという失態を犯した。キャプテンでCFの大柴、司令塔の君下の連携ミスで決定機を何度も逃すと、0-0のままPK戦に突入。不調の君下の代わりに鈴木が蹴るも、向こうのキャプテンである甲斐にゴールを許してゲーム終了、俺たちの最後の夏はあっけなく終わりを迎えた。  試合終了の長いホイッスルがいつまでも耳に残る中、俺はその後どうやって帰宅したのかよく覚えていない。試合を観に来ていた姉の運転で帰ったのは確かだったが、その時他のメンバーたちはどうしたのかだとか、いつから再びボールを蹴ったのかなど、その辺りは曖昧にしか覚えていなかった。ただいつまでも、声を押し殺すようにして啜り泣いている、君下の声が頭から離れなかった。
 傷が癒えるのに時間がかかることは、中学選抜で敗北の味を知ったことにより感覚的に理解していた。君下はいつまでも部活に顔を出さなかった。いつもに増してボサボサの頭を掻き乱しながら、監督は渋い声で俺たちにいつものように練習メニューを告げる。君下のいたポジションには、2年の来須が入った。その意味は、直接的に言われなくともその場にいた部員全員が本能的に理解していたであろう。
『失礼します、監督……』
 皆が帰ったのを確認して教官室に書き慣れない部誌と共��鍵を返しに向かうと、そこには監督の姿が見えなかった。もう出てしまったのだろうか。一度ドアを閉めて、念のため職員室も覗いて行こうと校舎のほうへと向かう途中、どこからか煙草の香りが鼻を掠める。暗闇の中を見上げれば、ほとんどが消灯している窓の並びに一か所だけ灯りの付いた部屋が見受けられる。半分開けられた窓からは、乱れた黒髪と煙草の細い煙が夜の空へと立ち上っていた。
『お前まだ居たのか……皆は帰ったか?』 『はい、監督探してたらこんな時間に』
 部誌を差し出すと悪いな、と一言つけて監督はそれを受け取る。喫煙室の中央に置かれた灰皿は、底が見えないほどの無数の吸い殻が突き刺さり文字通り山となっていた。監督は短くなった煙草を口に咥えると、ゆっくりと吸い込んで零れそうな山の中へと半ば無理やり押し込み火を消した。
『君下は……あいつは辞めたわけじゃねぇだろ』 『お前がそれを俺に聞くのか?』
 監督は伏せられた瞳のまま俺に問い返す。パラパラと読んでいるのかわからないほどの速さで部誌をめくり、白紙のページを最後にぱたりと閉じた。俺もその動きを視線で追っていると、クマの濃く残る目をこちらへと向けてきた。お互いに何も言わなかった。  暫くそうしていると、監督は上着のポケットからクタクタになったソフトケースを取り出して、残りの少ないそれを咥えると安物のライターで火をつけた。監督の眼差しで分かったのは、聖蹟は、アイツはまだサッカープレーヤーとして死んではいないということだった。
 迎えの車も呼ばずに俺は滅多に行かない最寄り駅までの道のりを歩いていた。券売機で270円の片道切符を購入すると、薄明るいホームで帰路とは反対方向へ向かう電車を待つ列に並ぶ。間もなく電車が滑り込んできて、疲れた顔のサラリーマンの中に紛れ込む。少し混みあっていた車内でつり革を握りしめながら、車内アナウンスが目的の駅名を告げるまで瞼を閉じていた。  あいつに会いに行ってどうするつもりだったのだろう。今になって思えば、あの時は何も考えずに電車に飛び乗ったように思える。ガタンゴトンとレールを走る音を聞きながら、本当はあの場所から逃げ出したかっただけなのかもしれない。疲れた身体を引きずって帰り、あの日から何も変わらない敗北の香りが残る部屋に戻りたくないだけなのかもしれない。一人になりたくないだけなのかもしれない。
『次はー△△、出口は左側です』
 目的地を告げるアナウンスで思考が現実へと引き戻された。はっとして、閉まりかけのドアに向かって勢いよく走った。長い脚を伸ばせばガン、と大きな音がしてドアに挟まる。鈍い痛みが走る足を引きずりながら、再び開いたドアの隙間からするりと抜け出した。
 久しぶりに通る道のりは、いくつか電灯が消えかけていて薄暗く、不気味なほど人通りが少なかった。古い商店街の一角にあるキミシタスポーツはまだ空いているだろうか。スマホの画面を確認すれば、午後8時55分を指していた。営業時間はあと5分あるが、あの年中暇な店に客は一人もいないであろう。運が悪ければ既にシャッタは降りているかもしれない。
『本日、休業……だあ?』
 計算は無意味だった。店のシャッターに張り付けられた、チラシの裏紙には妙に整った字でお詫びの文字が並んでいた。どうやらここ数日間はずっとシャッターが降りたままらしいと、通りすがりの中年の主婦が店の前で息を切らす俺に親切に教えてくれた。ついでにこの先の大型スーパーにもスポーツ用品は売ってるわよ、と要らぬ情報を置いてその主婦は去っていった。こうやって君下の店の売り上げが減っていくという、無駄な情報を仕入れたところで今後使う予定が来るのだろうか。店の二階を見上げるも、君下の部屋に灯りはない。
『ったく、あの野郎は部活サボっといて寝てんのか?』
 同じクラスのやつに聞いても、君下のいる特進クラスは夏休み明けから自主登校となっているらしい。大学進学のためのコースは既に3年の1学期には高校3年間の教科書を終えており、あとは各自で予備校に行くなり自習するなりで受験勉強に励んでいるようだ。当然君下以外に強豪運動部に所属している生徒はおらず、クラスでもかなり浮いた存在だというのはなんとなく知っていた。誰もあいつが学校に来なくても、どうせ部活で忙しいぐらいにしか思わないのだ。  仕方ない、引き返すか。そう思い回れ右をしたところで、ある一つの可能性が脳裏に浮かぶ。可能性なんかじゃない。だがなんとなくだが、あいつがそこにいるという確信が、俺の中にあったのだ。
『くそっ……君下のやつ!』
 やっと呼吸が整ったところで、重い鞄を背負うと急いで走り出す。こんな時間に何をやっているのだろう、と走りながら我ながら馬鹿らしくなった。去年散々走り込みをしたせいか、練習後の疲れた身体でもまだ走れる。次の角を右へ曲がって、たしかその2つ先を左――頭の中で去年君下と訪れた、あの古びた神社への道のりを思い出す。そこに君下がいる気がした。
『はぁ……はぁっ……っ!』
 大きな鳥居が近づくにつれて、どこからか聞こえるボールを蹴る音に俺の勘が間違っていない事を悟った。こんなところでなにサボってんだよ、そう言ってやるつもりだったのに、いざ目の前に君下の姿が見えると言葉を失った。  あいつは、聖蹟のユニフォーム姿のままで、泥だらけになりながら一人でドリブルをしていた。  自分で作った小さいゴールと、所々に置かれた大きな石。何度も躓きながらも起き上がり、懸命にボールを追っては前へ進む。パスを出すわけでもなく、リフティングでもない。その傷だらけの足元にボールが吸い寄せられるように、馴染むように何度も何度も同じことを繰り返していた。
『ハッ……馬鹿じゃねぇの』
 お前も俺も。そう呟いた声は己と向き合っている君下に向けられたものではない。  あいつは、君下はもう前を向いて歩きだしていた。沢山の小さな石ころに躓きながら、小さな小さなゴールへと向かってその長い道のりへと一歩を踏み出していた。俺は君下に気付かれることがないように、足音を立てないようにして足早に神社を後にした。  帰りの電車を待つベンチに座って、ぼんやりと思い出すのは泥だらけの君下の背中だった。前を向け喜一、まだやれることはたくさんある。ホームには他に電車を待つ客は誰もいなかった。
(3)夕食、22時半
 気付けば完全に日は落ちていて、コートを照らすスタンドライトだけが暗闇にぼんやりと輝いていた。  思いのほか練習に熱中してしまったようで、辺りを見渡せば先輩選手らはとっくに自主練を切り上げて帰路に着いたようだった。何の挨拶もなしに帰宅してしまったチームメイトの残していったボールがコートの隅に落ちているのを見つけては、上がり切った息を整えながらゆったりと歩いて拾って回った。
 倉庫の鍵がかかったのを確認して誰もいないロッカールームへ戻ると、ご丁寧に電気は消されていた。先週は鍵がかけられていた。思い出すだけで腹が立つが、もうこんなことも何度目になった今ではチームに内緒で作った合鍵をいつも持ち歩くようにしている。ぱちり、スイッチを押せば一瞬遅れて青白い灯りが部屋を照らした。
 大柴は人に妬まれ易い。その容姿と才能も関係はあるが、自分の才能に胡坐をかいて他者を見下しているところがあった。大口を叩くのはいつものことで、慣れた友人やチームメイトであれば軽く受け流せるものの、それ以外の人間にとってみれば不快極まりない行為であることは間違いない。いつしか友人と呼べる存在は随分と減り、クラスや集団では浮いてしまうことが常であった。  今のチームも例外ではない。加入してすぐの公式戦にレギュラーでの起用、シーズン序盤での怪我による離脱、長期のリハビリ生活、そして残せなかった結果。大柴加入初年度のチームは、最終的に前年度よりも下回った順位でシーズンの幕を閉じることになった。それでも翌年からも大柴はトップに居座り続けた。疑問に思ったチームメイトやサポーターからの非難や、時には心無い中傷を書き込まれることもあった。ゴールを決めれば大喝采だが、それも長くは続かない。家が裕福なことを嗅ぎつけたマスコミにはある事ない事を週刊誌に書き並べられ、誰もいない実家の前に怪しげな車が何台も止まっていることもあった。  だがそんなことは、大柴にとって些細なことだった。俺はサッカーの神様に才能を与えられたのだと、未だにカメラの前でこう言い張ることにしている。実はもう一つ、大柴はサッカーの神様から貰った大切なものがあったが、それを口にしたことはないしこれからも公言する日はやって来ないだろう。
「ただいまぁー」 「お帰り、遅かったな」
 靴を脱いでつま先で並べると、靴箱の上の小さな木製の皿に車のキーを入れる。ココナッツの木から作られたそれは、卒業旅行に二人でハワイに行ったときに買ったもので、6年間大切に使い続けている。玄関までふわりと香る味噌の匂いに、ああやっとここへ帰ってきたのだと実感する。大股で歩きながらジャケットを脱ぎ、どさり、とスポーツバッグと共に床へ投げ出すと、倒れ込むように革張りのソファへとダイブした。
「おい、飯出来てるから先に食え。手洗ったか?」 「洗ってねぇ」 「ったく、何年も言ってんのにちっとも学習しねぇ奴だな。ほら、こっち来い」
 君下は洗い物をしていたのか、泡まみれのスポンジを握ってそれをこちらに見せてくる。この俺の手を食器用洗剤で洗えって言うのか、そう言えばこっちのほうが油が落ちるだとか、訳の分からない理論を並べられた。つまり俺は頑固汚れと同じなのか。
「こんなことで俺が消えてたまるかよ」 「いつもに増して意味わかんねぇな。よし、終わり。味噌汁冷める前にさっさと食え」
 お互いの手を絡めるようにして洗い流していると、背後でピーと電子音がして炊飯が終わったことを知らせる。俺が愛車に乗り込む頃に一通連絡を入れておくと、丁度いい時間に米が炊き上がるらしい。渋滞のときはどうするんだよ、と聞けば、こんな時間じゃそうそう混まねぇよ、と普段車に乗らないくせにまるで交通事情を知っているかのような答えが返ってくる。全体練習は8時頃に終わるから、自主練をして遅くても10時半には自宅に着けるように心掛けていた。君下は普通の会社員で、俺とは違い朝が早いのだ。
「いただきます」 「いただきます」
 向かい合わせの定位置に腰を下ろし、二人そろって手を合わせる。日中はそれぞれ別に食事を摂るも、夕食のこの時間を二人は何よりも大事にしていた。  熱々の味噌汁は俺の好みに合わせてある。最近は急に冷え込んできたから、もくもくと上る白い湯気は一段と白く濃く見えた。上品な白味噌に、具は駅前の豆腐屋の絹ごし豆腐と、わかめといりこだった。出汁を取ったついでにそのまま入れっぱなしにするのは君下家の味だと昔言っていた。
「喜一、ケータイ光ってる」 「ん」
 苦い腸を噛み締めていると、ソファの上に置かれたままのスマホが小さく震えている音がした。途切れ途切れに振動がするので、電話ではないことは確かだった。後ででいい、一度はそう言ったものの、来週の練習試合の日程がまだだったことを思い出して気だるげに重い腰を上げる。最新機種の大きな画面には、見覚えのある一枚の画像と共に母からの短い返信があった。
「あ、やっぱ葉書来てたわ。実家のほうだったか」 「ほらな」 「お前のはここの住所で、なんで俺のだけ実家なんだよ」 「知るかよ。どうせ行くんだろ、直接会った時に聞けばいいじゃねぇか」 「え、行くの?」
 スマホを持ったままどかり、と椅子へと座りなおし、飲みかけの味噌汁に手を伸ばす。ズズ、とわざと少し行儀悪くわかめを啜れば、君下の表情が曇るのがわかった。
「お前、この頃にはもうオフだから休みとれるだろ。俺も有休消化しろって上がうるせぇから、ちょうどこのあたりで連休取ろうと思ってる」 「聞いてねぇ……」 「今言ったからな」
 金平蓮根に箸を付けた君下は、いくらか摘まんで自分の茶碗へと一度置くと、米と共にぱくり、と頬張った。シャクシャクと音を鳴らしながら、ダークブラウンの瞳がこちらを見る。
「佐藤と鈴木も来るって」 「あいつらに会うだけなら別で集まりゃいいだろうが。それにこの前も4人で飲んだじゃねぇか」 「いつの話してんだよタワケが、2年前だぞあれ」 「えっそんなに前だったか?」 「ああ。それに今年で卒業して10年だとさ。流石に毎年は行かねぇが節目ぐらい行ったって罰は当たんねーよ」
 時の流れとは残酷なものだ。俺は高校を卒業し���それぞれ違う道へと進んでも、相変わらず君下と一緒にいた。だからそんな長い年月が経ったことに気付かなかっただけなのかもしれない。高校を卒業する時点で、俺たちがはじめて出会って既に10年が経っていたのだ。  君下はぬるい味噌汁を啜ると、満足そうに「うまい」と一言呟いた。
*
 今宵はよく月が陰る。  ソファにごろりと寝転がり、カーテンの隙間から満月より少し欠けた月をぼんやりと眺めていた。月に兎がいると最初に言ったのは誰だろうか。どう見ても、あの不思議な斑模様は兎なんかに、それも都合よく餅つきをしているようには見えなかった。昔の人間は妙なことを考える。星屑を繋げてそれらを星座だと呼び、一晩中夜空を眺めては絶え間なく動く星たちを追いかけていた。よほど暇だったのだろう。こんな一時間に何センチほどしか動かないものを見て、何が面白いというのだろうか。
「さみぃ」
 音もなくベランダの窓が開き、身体を縮こませた君下が湯気で温かくなった室内へと戻ってくる。君下は二十歳から煙草を吸っていた。家で吸うときはこうやって、それも洗濯物のない時にだけ、それなりに広いベランダの隅に作った小さな喫煙スペースで煙草を嗜む。別に換気扇さえ回してくれれば部屋で吸ってもらっても構わないと俺は言っているのだが、頑なにそれをしようとしないのは君下のほうだった。現役のスポーツ選手である俺への気遣いなのだろう。こういう些細なところでも、俺は君下に支えられているのだと実感する。
「おい、キスしろ」
 隣に腰を下ろした君下に、腹を見せるように上を向いて唇を突き出した。またか、と言いたげな顔をしたが、間もなく長い前髪が近づいてきてちゅ、と小さな音を立てて口づけが落とされた。一度も吸ったことのない煙草の味を、俺は間接的に知っている。少しだけ大人になったような気がするのがたまらなく心地よい。
 それから少しの間、手を握ったりしてテレビを見ながらソファで寛いだ。この時間にもなればいつもニュースか深夜のバラエティー番組しかなかったが、今日はお互いに見たい番組があるわけでもなかったので適当にチャンネルを回してテレビを消した。  手元のランプシェードの明かりだけ残して電気を消し、寝室の真ん中に位置するキングサイズのベッドに入ると、君下はおやすみとも言わないまま背を向けて肩まで掛け布団を被ってしまった。向かい合わせでは寝付けないのはいつもの事だが、それにしても今日は随分と素っ気ない。明日は金曜日で、俺はオフだが会社員の君下には仕事がある。お互いにもういい歳をした大人なのだ。明日に仕事を控えた夜は事には及ばないようにはしているが、先ほどのことが胸のどこかで引っかかっていた。
「もう寝た?」 「……」 「なあ」 「……」 「敦」 「……なんだよ」
 消え入りそうなほど小さな声で、君下が返事をする。俺は頬杖をついていた腕を崩して布団の中に忍ばせると、背中からその細身の身体を抱き寄せた。抵抗はしなかった。
「こっち向けよ」 「……もう寝る」 「少しだけ」 「明日仕事」 「分かってる」
 わかってねぇよ、そう言いながらもこちらに身体を預けてくる、相変わらず素直じゃないところも君下らしい。ランプシェードのオレンジの灯りが、眠そうな君下の顔をぼんやりと照らしている。長い睫毛に落ちる影を見つめながら、俺は薄く開かれた唇に祈るように静かにキスを落とした。
 こいつとキスをするようになったのはいつからだっただろうか。  サッカーを諦めかけていた俺に道を示してくれたその時から、ただのチームメイトだった男は信頼できる友へと変化した。それでも物足りないと感じていたのは互いに同じだったようで、俺たちは高校を卒業するとすぐに同じ屋根の下で生活を始めた。が、喧嘩の絶えない日々が続いた。いくら昔に比べて関係が良くなったとはいえ、育ちも違えば本来の性格が随分と違う。事情を知る数少ない人間も、だからやめておけと言っただろう、と皆口を揃えてそう言った。幸いだったのは、二人の通う大学が違ったことだった。君下は官僚になるために法学部で勉学に励み、俺はサッカーの為だけに学生生活を捧げた。互いに必要以上に干渉しない日々が続いて、家で顔を合わせるのは、いつも決まって遅めの夜の食卓だった。  本当は今のままの関係で十分に満足している。今こそ目指す道は違うが、俺たちには同じ時を共有していた、かけがえのない長い長い日々がある。手さぐりでお互いを知ろうとし、時にはぶつかり合って忌み嫌っていた時期もある。こうして積み重ねてきた日々の中で、いつの日か俺たちは自然と寄り添いあって、お互いを抱きしめながら眠りにつくようになった。この感情に名前があるとしても、今はまだわからない。少なくとも今の俺にとって君下がいない生活などもう考えられなくなっていた。
「……ン゛、ぐっ……」
 俺に組み敷かれた君下は、弓なりに反った細い腰をぴくり、と跳ねさせた。大判の白いカバーの付いた枕を抱きしめながら、押し殺す声はぐぐもっていてる。決して色気のある行為ではないが、その声にすら俺の下半身は反応してしまう。いつからこうなってしまったのだろう。君下を抱きながらそう考えるのももう何度目の事で、いつも答えの出ないまま、絶頂を迎えそうになり思考はどこかへと吹き飛んでしまう。
「も、俺、でそ、うっ……」 「あ?んな、俺もだ馬鹿っ」 「あっ……喜一」
 君下の腰から右手を外し、枕を上から掴んで引き剥がす。果たしてどんな顔をして俺の名を呼ぶのだと、その顔を拝みたくなった。日に焼けない白い頬は、スポーツのような激しいセックスで紅潮し、額にはうっすらと汗が浮かんでいる。相変わらず眉間には皺が寄ってはいたが、いつもの鋭い目つきが嘘のように、限界まで与えられた快楽にその瞳を潤ませていた。視線が合えば、きゅ、と一瞬君下の蕾が収縮した。「あ、出る」とだけ言って腰のピストンを速めながら、君下のイイところを突き上げる。呼吸の詰まる音と、結合部から聞こえる卑猥な音を聞きながら、頭の中が真っ白になって、そして俺はいつの間にか果てた。全て吐き出し、コンドームの中で自身が小さくなるのを感じる。一瞬遅れてどくどくと音がしそうなほどに爆ぜる君下の姿を、射精後のぼんやりとした意識の中でいつまでも眺めていた。
(4)誰も知らない
 忙しないいつもの日常が続き、あっという間に年も暮れ新しい年がやってきた。  正月は母方の田舎で過ごすと言った君下は、仕事納めが終われば一度家に戻って荷物をまとめると、そこから一週間ほど家を空けていた。久しぶりに会った君下は、少しばかり頬が丸くなって帰ってきたような気がしたが、本人に言うとそんなことはないと若干キレながら否定された。目に見えて肥えたことを気にしているらしい本人には申し訳ないが、俺はその様子に少しだけ安心感を覚えた。祖父の葬儀以来、もう何年も顔を見せていないという家族に会うのは、きっと俺にすら言い知れぬ緊張や、不安も勿論あっただろう。  だがこうやって随分と可愛がられて帰ってきたようで、俺も正月ぐらい実家に顔を出せばよかったかなと少しだけ羨ましくなった。本人に言えば餅つきを手伝わされこき使われただの、田舎はやることがなく退屈だなど愚痴を垂れそうだが、そのお陰なのか山ほど餅を持たせられたらしく、その日の夜は冷蔵庫にあった鶏肉と大根、にんじんを適当に入れて雑煮にして食べることにした。
「お前、俺がいない間何してた?」
 君下が慣れた手つきで具材を切っている間、俺は君下が持ち帰った土産とやらの箱を開けていた。中には土の付いたままの里芋だとか、葉つきの蕪や蓮根などが入っていた。全て君下の田舎で採れたものなのか、形はスーパーでは見かけないような不格好なものばかりだった。
「車ねぇから暇だった」 「どうせ車があったとしても、一日中寝てるか練習かのどっちかだろうが」 「まあ、大体合ってる」
 一通り切り終えたのか包丁の音が聞こえなくなり、程なくして今度は出汁の香りが漂ってきた。同時に香ばしい餅の焼ける香りがして、完成が近いことを悟った俺は一度箱を閉めるとダイニングテーブルへと向かい、箸を二膳出して並べると冷蔵庫から缶ビールを取り出してグラスと共に並べた。
「いただきます」 「いただきます」
 大きめの深い器に入った薄茶色の雑煮を目の前に、二人向かい合って座り手を合わせる。実に一週間ぶりの二人で摂る夕食だった。よくある関東風の味付けに、四角く切られ表面を香ばしく焼かれた大きな餅。シンプルだが今年に入って初めて食べる正月らしい食べ物も、今年初めて飲む酒も、すべて君下と共に大事に味わった。
「あ、そうだ。明日だからな、あれ」
 3個目の餅に齧りついた俺に、そういえばと思い出したかのように君下が声を発した。少し冷めてきたのか噛み切れなかった餅を咥えたまま、肩眉を上げて何の話かと視線だけで問えば、「ほら、同窓会のやつ」と察したように答えが返ってきた。「ちょっと待て」と掌を君下に見せて、餅を掴んでいた箸に力を入れて無理矢理引きちぎると、ぐにぐにと大雑把に噛んでビールで流し込む。うまく流れなかったようで、喉のあたりを引っかかる感触が気持ち悪い。生理的に込み上げてくる涙を瞳に浮かべていると、席を立った君下は冷蔵庫の扉を開けてもう2本ビールを取り出して戻ってきた。
「ほら飲め」 「おま……水だろそこは」 「いいからとりあえず流し込め」
 空になった俺のグラスにビールを注げば、ぶくぶくと泡立つばかりで泡だけで溢れそうになった。だから水にしとけと言ったのだ。チッ、と舌打ちをした君下は、少し申し訳なさそうに残りの缶をそのまま手渡してきた。直接飲むのは好きではないが、今は文句を言ってられない。奪うように取り上げると、ごくごくと大げさに喉を鳴らして一気に飲み干した。
「は~……死ぬかと思った。相変わらずお酌が下手だなお前は」 「うるせぇな。俺はもうされる側だから仕方ねぇだろうが」
 そう悪態をつきながら、君下も自分の缶を開ける。プシュ、と間抜けな音がして、グラスを傾けて丁寧にビールを注いでゆく。泡まで綺麗に注げたそれを見て、満足そうに俺に視線を戻す。
「あ、そうだよ、話反らせやがって……まあとにかく、���日は俺は昼ぐらいに会社に少し顔出してくるから、ついでに親父んとこにも寄って、そのまま会場に向かうつもりだ」 「あ?親父さんも一緒に田舎に行ったんじゃねぇの?」 「そうしようとは思ったんだがな、店の事もあるって断られた。ったく誰に似たんだかな」 「それ、お前が言うなよ」
 君下の言葉になんだかおかしくなってふふ、と小さく笑えば、うるせぇと小さく舌打ちで返された。綺麗に食べ終えた器をテーブルの上で纏めると、君下はそれらを持って流しへと向かった。ビールのグラスを軽く水で濯いでから、そこに半分ぐらい溜めた水をコクコクと喉を鳴らして飲み込んだ。
「俺もう寝るから、あとよろしくな。久々に運転すると疲れるわ」 「おう、お疲れ。おやすみ」
 俺の言葉におやすみ、と小さく呟いた君下は、灯りのついていない寝室へと吸い込まれるようにして消えた。ぱたん、と扉が閉まる音を最後に、乾いた部屋はしんとした静寂に包まれる。手元に残ったのは、ほんの一口分だけ残った温くなったビールの入ったグラスだけだった。  頼まれた洗い物はあとでやるとして、さてこれからどうしようか。君下の読み通り、今日は一日中寝ていたため眠気はしばらくやって来る気配はない。テレビの上の時計を見ると、ちょうど午後九時を回ったところだった。俺はビールの残りも飲まずに立ち上がると、食器棚に並べてあるブランデーの瓶と、隣に飾ってあったバカラのグラスを手にしてソファのほうへとゆっくり歩き出した。
*
 肌寒さを感じて目を覚ました。  最後に時計を見たのはいつだっただろうか。微睡む意識の中、薄く開いた瞳で捉えたのは、ガラス張りのローテーブルの端に置かれた見覚えのあるグラスだった。細かくカットされた見事なつくりの表面は、カーテンから零れる朝日を反射してキラキラと眩しい。中の酒は幾分か残っていたようだったが、蒸発してしまったのだろうか、底のほうにだけ琥珀色が貼り付くように残っているだけだった。  何も着ていなかったはずだが、俺の肩には薄手の毛布が掛かっていた。点けっぱなしだった電気もいつの間にか消されていて、薄暗い部屋の中、遮光カーテンから漏れる光だけがぼんやりと座っていたソファのあたりを照らしていた。酷い喉の渇きに、水を一口飲もうと立ち上がると頭痛と共に眩暈がした。ズキズキと痛む��を押さえながらキッチンへ向かい、食器棚から新しいコップを取り出して水を飲む。シンクに山積みになっていたはずの洗い物は、跡形もなく姿を消している。君下は既に家を出た後のようだった。
 それから昼過ぎまでもう一度寝て、起きた頃には朝方よりも随分と温かくなっていた。身体のだるさは取れたが、相変わらず痛む頭痛に舌打ちをしながら、リビングのフローリングの上にマットを敷いてそこで軽めのストレッチをした。大柴はもう若くはない。三十路手前の身体は年々言うことを聞かなくなり、1日休めば取り戻すのに3日はかかる。オフシーズンだからと言って単純に休んでいるわけにはいかなかった。  しばらく柔軟をしたあと、マットを片付け軽く掃除機をかけていると、ジャージの尻ポケットが震えていることに気が付いた。佐藤からの着信だった。久しぶりに見るその名前に、緑のボタンを押してスマホを耳と肩の間に挟んだ。
「おう」 「あーうるせぇよ!掃除機?電話に出る時ぐらい一旦切れって」
 叫ぶ佐藤の声が聞こえるが、何と言っているのか聞き取れず、仕方なくスイッチをオフにした。ちらりと壁に視線を流せば、時計針はもうすぐ3時を指そうとしていた。
「わりぃ。それよりどうした?」 「どうしたじゃねぇよ。多分お前まだ寝てるだろうから、起こして同窓会に連れてこいって君下から頼まれてんだ」 「はあ……ったく、どいつもこいつも」 「まあその調子じゃ大丈夫だな。5時にマンションの下まで車出すから、ちゃんと顔洗って待ってろよ」 「へー」 「じゃあ後でな」
 何も言わずに通話を切り、ソファ目掛けてスマホを投げた。もう一度掃除機の電源を入れると、リビングから寝室へと移動する。普段は掃除機は君下がかけるし、皿洗い以外の大抵の家事はほとんど君下に任せっきりだった。今朝はそれすらも君下にさせてしまった罪悪感が、こうやって自主的にコードレス掃除機をかけている理由なのかもしれない。  ベッドは綺麗に整えてあり、真ん中に乱雑に畳まれたパジャマだけが取り残されていた。寝る以外に立ち入らない寝室は綺麗なままだったが、一応端から一通りかけると掃除機を寝かせてベッドの下へと滑り込ませる。薄型のそれは狭い隙間も難なく通る。何往復かしていると、急に何か大きな紙のようなものを吸い込んだ音がした。
「げっ……何だ?」
 慌てて電源を切り引き抜くと、ヘッドに吸い込まれていたのは長い紐のついた、見慣れない小さな紙袋だった。紺色の袋の表面に、金色の細い英字で書かれた名前には見覚えがあった。俺の覚え違いでなければ、それはジュエリーブランドの名前だった気がする。
「俺のじゃねぇってことは、これ……」
 そこまで口に出して、俺の頭の中には一つの仮説が浮かび上がる。これの持ち主は十中八九君下なのだろう。それにしても、どうしてこんなものがベッドの下に、それも奥のほうへと押しやられているのだろうか。絡まった紐を引き抜いて埃を払うと、中を覗き込む。入っていたのは紙袋の底のサイズよりも一回り小さな白い箱だった。中を確認したかったが、綺麗に巻かれたリボンをうまく外し、元に戻せるほど器用ではない。それに、中身など見なくてもおおよその見当はついた。  俺はどうするか迷ったが、それと電源の切れた掃除機を持ってリビングへと戻った。紙袋をわざと見えるところ、チェリーウッドのダイニングテーブルの上に置くと、シャワーを浴びようとバスルームへと向かった。いつも通りに手短に済ませると、タオルドライである程度水気を取り除いた髪にワックスを馴染ませ、久しぶりに鏡の中の自分と向かい合う。ここ2週間はオフだったというのに、ひどく疲れた顔をしていた。適当に整えて、顎と口周りにシェービングクリームを塗ると伸ばしっぱなしだった髭に剃刀を宛がう。元々体毛は濃いほうではない。すぐに済ませて電気を消して、バスルームを後にした。
「お、来た来た。やっぱりお前は青のユニフォームより、そっちのほうが似合っているな」
 スーツに着替え午後5時5分前に部屋を出て、マンションのエントランスを潜ると、シルバーの普通車に乗った佐藤が窓を開けてこちらに向かって手を振っていた。助手席には既に鈴木が乗っており、懐かしい顔ぶれに少しだけ安堵した。よう、と短く挨拶をして、後部座席のドアを開けると長い背を折りたたんでシートへと腰かけた。  それからは佐藤の運転に揺られながら、他愛もない話をした。最近のそれぞれの仕事がどうだとか、鈴木に彼女が出来ただとか、この前相庭のいるチームと試合しただとか、離れていた2年間を埋めるように絶え間なく話題は切り替わる。その間も車は東京方面へと向かっていた。
「君下とはどうだ?」 「あー……相変わらずだな。付かず離れずって感じか」 「まあよくやってるよな、お前も君下も。あれだけ仲が悪かったのが、今じゃ同棲だろ?みんな嘘みたいに思うだろうな」 「同棲って言い方やめろよ」 「はーいいなぁ、俺この間の彼女に振られてさ。せがまれて高い指輪まで贈ったのに、あれだけでも返して貰いたいぐらいだな」
 指輪という言葉に、俺の顔の筋肉が引きつるのを感じた。グレーのパンツの右ポケットの膨らみを、無意識に指先でなぞる。車は渋滞に引っかかったようで、先ほどからしばらく進んでおらず車内はしん、と静まり返っていた。
「あーやべぇな。受付って何時だっけ」 「たしか6時半……いや、6時になってる」 「げ、あと20分で着くかな」 「だからさっき迂回しろって言ったじゃねぇか」
 このあたりはトラックの通行量も多いが、帰宅ラッシュで神奈川方面に抜ける車もたくさん見かける。そういえば実家に寄るからと、今朝も俺の車で出て行った君下はもう会場に着いたのだろうか。誰かに電話をかけているらしい鈴木の声がして、俺は手持ち無沙汰に窓の外へと視線を投げる。冬の日の入りは早く、太陽はちょうど半分ぐらいを地平線の向こうへと隠した頃だった。真っ赤に焼ける雲の少ない空をぼんやりと眺めて、今夜は星がきれいだろうか、と普段気にもしていないことを考えていた。
(5)真冬のエスケープ
 車は止まりながらもなんとか会場近くの地下駐車場へと止めることができた。幹事と連絡がついて遅れると伝えていたこともあり、特に急ぐこともなく会場までの道のりを歩いて行った。  程なくして着いたのは某有名ホテルだった。入り口の案内板には聖蹟高校×期同窓会とあり、その横に4階と書かれていた。エレベーターを待つ間、着飾った同じ年ぐらいの集団と鉢合わせた。そのうち男の何人かは見覚えのある顔だったが、男たちと親し気に話している女に至っては、全くと言っていいほど面影が見受けられない。常日頃から思ってはいたが、化粧とは恐ろしいものだ。俺や君下よりも交友関係が広い鈴木と佐藤でさえ苦笑いで顔を見合わせていたから、きっとこいつらにでさえ覚えがないのだろうと踏んで、何も言わずに到着した広いエレベーターへと乗り込んだ。
 受付で順番に名前を書いて入り口で泡の入った飲み物を受け取り、広間へと入るとざっと見るだけで100人ほどは来ているようだった。「すげぇな、結構集まったんだな」そう言う佐藤の言葉に振り返りもせずに、俺はあたりをきょろきょろと見渡して君下の姿を探した。
「よう、遅かったな」 「おー君下。途中で渋滞に巻き込まれてな……ちゃんと連れてきたぞ」
 ぽん、と背中を佐藤に叩かれる。その右手は決して強くはなかったが、ふいを突かれた俺は少しだけ前にふらついた。手元のグラスの中で黄金色がゆらりと揺れる。いつの間にか頭痛はなくなっていたが、今は酒を口にする気にはなれずにそのグラスを佐藤へと押し付けた。不審そうにその様子を見ていた君下は、何も言わなかった。  6時半きっかりに、壇上に幹事が現れた。眼鏡をかけて、いかにも真面目そうな元生徒会長は簡単にスピーチを述べると、今はもう引退してしまったという、元校長の挨拶へと移り変わる。何度か表彰状を渡されたことがあったが、曲がった背中にはあまり思い出すものもなかった。俺はシャンパンの代わりに貰ったウーロン茶が入ったグラスをちびちびと舐めながら、隣に立つ君下に気付かれないようにポケットの膨らみの形を確認するかのように、何度も繰り返しなぞっていた。
 俺たちを受け持っていた先生らの挨拶が一通り済むと、それぞれが自由に飲み物を持って会話を楽しんでいた。今日一日、何も食べていなかった俺は、同じく飯を食い損ねたという君下と共に、真ん中に並ぶビュッフェをつまみながら空きっ腹を満たしていた。ここのホテルの料理は美味しいと評判で、他のホテルに比べてビュッフェは高いがその分確かなクオリティがあると姉が言っていた気がする。確かにそれなりの料理が出てくるし、味も悪くはない。君下はローストビーフがお気に召したようで、何度も列に並んではブロックから切り分けられる様子を目を輝かせて眺めていた。
「あー!大柴くん久しぶり、覚えてるかなぁ」
 ウーロン茶のあてにスモークサーモンの乗ったフィンガーフードを摘まんでいると、この会場には珍しく化粧っ気のない、大きな瞳をした女が数人の女子グループと共にこちらへと寄ってきた。
「あ?……あ、お前はあれだ、柄本の」 「もー、橘ですぅー!つくちゃんのことは覚えててくれるのに、同じクラスだった私のこと、全っ然覚えててくれないんだから」
 プンスカと頬を膨らませる橘の姿に、高校時代の懐かしい記憶が蘇る。記憶の中よりも随分と短くなった髪は耳の下で切り揃えられていれ、片側にトレードマークだった三つ編みを揺らしている。確かにこいつが言うように、思い返せば偶然にも3年間、同じクラスだったように思えてくる。本当は名前を忘れた訳ではなかったが、わざと覚えていない振りをした。
「テレビでいつも見てるよー!プロってやっぱり大変みたいだけど、大柴くんのことちゃんと見てるファンもいるからね」 「おーありがとな」
 俺はその言葉に対して素直に礼を言った。というのも、この橘という女の前ではどうも調子が狂わされる。自分は純粋無垢だという瞳をしておいて、妙に人を観察していることと、核心をついてくるのが昔から巧かった。だが悪気はないのが分かっているだけ質が悪い。俺ができるだけ同窓会を避けてきた理由の一つに、この女の言ったことと、こいつ自身が関係している。これには君下も薄々気付いているのだろう。
「あ、そうだ。君下くんも来てるかな?つくちゃんが会いたいって言ってたよ」 「柄本が?そりゃあ本人に言ってやれよ。君下ならあっちで肉食ってると思うけど」 「そうだよね、ありがとう大統領!」
 そう言って大げさに手を振りながら、橘は君下を探しに人の列へと歩き出した。「もーまたさゆり、勝手にどっか行っちゃったよ」と、取り残されたグループの一人がそう言うので、「相変わらずだよね」と笑う他の女たちに混ざって愛想笑いをして、居心地の悪くなったその場を離れようとした。  白いテーブルクロスの上から飲みかけのウーロン茶が入ったグラスを手に取ろとすると、綺麗に塗られたオレンジの爪がついた女にそのグラスを先に掴まれた。思わず視線をウーロン茶からその女へと流すと、女はにこりと綺麗に笑顔を作り、俺のグラスを手渡してきた。
「大柴くん、だよね?今日は飲まないの?」
 黒髪のロングヘアーはいかにも君下が好みそうなタイプの女で、耳下まである長い前髪をセンターで分けて綺麗に内巻きに巻いていた。他の女とは違い、あまりヒラヒラとした装飾物のない、膝上までのシンプルな紺色のドレスに身を包んでいる。見覚えのある色に一瞬喉が詰まるも、「今日は車で来てるから」とその場で適当な言い訳をした。
「あーそうなんだ、残念。私も車で来たんだけど、勤めている会社がこの辺にあって、そこの駐車場に停めてあるから飲んじゃおうかなって」 「へぇ……」
 わざとらしく綺麗な眉を寄せる姿に、最初はナンパされているのかと思った。だが俺のグラスを受け取ると、オレンジの爪はあっさりと手放してしまう。そして先程まで女が飲んでいた赤ワインらしき飲み物をテーブルの上に置き、一歩近づき俺の胸元に手を添えると、背伸びをして俺の耳元で溜息のように囁いた。
「君下くんと、いつから仲良くなったの?」
 酒を帯びた吐息息が耳元にかかり、かっちりと着込んだスーツの下に、ぞわりと鳥肌が立つのを感じた。  こいつは、この女は、もしかしたら君下がこの箱を渡そうとした女なのかもしれない。俺の知らないところで、君下はこの女と親密な関係を持っているのかもしれない。そう考えが纏まると、すとんと俺の中に収まった。そうか。��近感じていた違和感も、何年も寄り付かなかった田舎への急な帰省も、なぜか頑なにこの同窓会に出席したがった理由も、全部辻褄が合う。いつから関係を持っていたのだろうか、知りたくもなかった最悪の状況にたった今、俺は気付いてしまった。  じりじりと距離を詰める女を前に、俺は思考だけでなく身体までもが硬直し、その場を動けないでいた。酒は一滴も口にしていないはずなのに、むかむかと吐き気が込み上げてくる。俺は今、よほど酷い顔をしているのだろう。心配そうに見つめる女の目は笑っているのに、口元の赤が、赤い口紅が視界に焼き付いて離れない。何か言わねば。いつものように、「誰があんなやつと、この俺様が仲良くできるんだよ」と見下すように悪態をつかねば。皆の記憶に生きている、大柴喜一という人間を演じなければ―――……  そう思っているときだった。  俺は誰かに腕を掴まれ、ぐい、と強い力で後ろへと引かれた。呆気にとられたのは俺も女も同じようで、俺が「おい誰だ!スーツが皺になるだろうが」と叫ぶと、「あっ君下くん、」と先程聞いていた声より一オクターブぐらい高い声が女の口から飛び出した。その名前に腕を引かれたほうへと振り返れば、確かにそこには君下が立っていて、スーツごと俺の腕を掴んでいる。俺を見上げる漆黒の瞳は、ここ最近では見ることのなかった苛立ちが滲んで見えるようだった。
「ああ?テメェのスーツなんか知るかボケ。お前が誰とイチャつこうが関係ねぇが、ここがどこか考えてからモノ言いやがれタワケが」 「はあ?誰がこんなブスとイチャつくかバーカ!テメェの女にくれてやる興味なんぞこれっぽっちもねぇ」 「なんだとこの馬鹿が」
 実に数年ぶりの君下のキレ具合に、俺も負けじと抱えていたものを吐き出すかのように怒鳴り散らした。殴りかかろうと俺の胸倉を掴んだ君下に、賑やかだった周囲は一瞬にして静まり返る。人の壁の向こう側で、「おいお前ら!まじでやめとけって」と慌てた様子の佐藤の声が聞こえる。先に俺たちを見つけた鈴木が君下の腕を掴むと、俺の胸倉からその手を引き剥がした。
「とりあえず、やるなら外に行け。お前らももう高校生じゃないんだ、ちょっとは周りの事も考えろよ」 「チッ……」 「大柴も、冷静になれよ。二人とも、今日はもう帰れ。俺たちが収集つけとくから」
 君下はそれ以上何も言わずに、出口のほうへと振り返えると大股で逃げるようにその場を後にした。俺は「悪いな」とだけ声をかけると、曲がったネクタイを直し、小走りで君下の後を追いかける。背後からカツカツとヒールの走る音がしたが、俺は振り返らずにただ小さくなってゆく背中を見逃さないように、その姿だけを追って走った。暫くすると、耳障りな足音はもう聞こえなくなっていた。
 君下がやってきたのは、俺たちが停めたのと同じ地下駐車場だった。ここに着くまでにとっくに追い付いていたものの、俺はこれから冷静に対応する為に、頭を冷やす時間が欲しかった。遠くに見える派手な赤色のスポーツカーは、間違いなく俺が2年前に買い替えたものだった。君下は何杯か酒を飲んでいたので、鍵は持っていなくとも俺が運転をすることになると分かっていた。わざと10メートル後ろをついてゆっくりと近づく。  君下は何も言わずにロックを解除すると、大人しく助手席に腰かけた。ドアは開けたままにネクタイを解き、首元のボタンを一つ外すと、胸ポケットから取り出した煙草を一本口に���えた。
「俺の前じゃ吸わねぇんじゃなかったのか」 「……気が変わった」
 俺も運転席に乗り込むと、キーを挿してエンジンをかけ、サンバイザーを提げるとレバーを引いて屋根を開けてやった。どうせ吸うならこのほうがいいだろう。それに今夜は星がきれいに見えるかもしれないと、行きがけに見た綺麗な夕日を思い出す。安物のライターがジジ、と音を立てて煙草に火をつけたのを確認して、俺はゆっくりとアクセルを踏み込んだ。
(6)形も何もないけれど
 煌びやかなネオンが流れてゆく。俺と君下の間に会話はなく、代わりに冬の冷たい夜風だけが二人の間を切るように走り抜ける。煙草の火はとっくに消えて、そのままどこかに吹き飛ばされてしまった。  信号待ちで車が止まると、「さむい」と鼻を啜りながら君下が呟いた。俺は後部座席を振り返り、外したばかりの屋根を元に戻すべく折りたたんだそれを引っ張った。途中で信号が青に変わって、後続車にクラクションを鳴らされる。仕方なく座りなおそうとすると、「おい、貸せ」と君下が言うものだから、最初から自分でやればいいだろうと思いながらも、大人しく手渡してアクセルに足を掛けた。車はまた走り出す。
「ちょっとどこか行こうぜ」
 最初にそう切り出したのは君下だった。暖房も入れて温かくなった車内で、窓に貼り付くように外を見る君下の息が白く曇っていた。その問いかけに返事はしなかったが、俺も最初からあのマンションに向かうつもりはなかった。分岐は横浜方面へと向かっている。君下もそれに気が付いているだろう。  海沿いに車を走らせている間も、相変わらず沈黙が続いた。試しにラジオを付けてはみたが、流れるのは今流行りの恋愛ソングばかりで、今の俺たちにはとてもじゃないが似合わなかった。何も言わずにラジオを消して、それ以来ずっと無音のままだ。それでも、不思議と嫌な沈黙ではないことは確かだった。
 どこまで行こうというのだろうか。気が付けば街灯の数も少なくなり、車の通行量も一気に減った。窓の外に見える、深い色の海を横目に見ながら車を走らせた。穏やかな波にきらきらと反射する、今夜の月は見事な満月だった。  歩けそうな砂浜が見えて、何も聞かないままそこの近くの駐車場に車を停めた。他に車は数台止まっていたが、どこにも人の気配がしなかった。こんな真冬の夜の海に用があるというほうが可笑しいのだ。俺はエンジンを切って、運転席のドアを開けると外へ出た。つんとした冷たい空気と潮の匂いが鼻をついた。君下もそれに続いて車を降りた。  後部座席に積んでいたブランケットを羽織りながら、君下は小走りで俺に追いつくと、その隣に並んで「やっぱ寒い」と鼻を啜る。数段ほどのコンクリートの階段を降りると、革靴のまま砂を踏んだ。ぐにゃり、と不安定な砂の上は歩きにくかったが、それでも裸足になるわけにはいかずにゆっくりと海へ向かって歩き出す。波打ち際まで来れば、濡れて固まった足場は先程より多少歩きやすくなった。はぁ、と息を吐けば白く曇る。海はどこまでも深い色をしていた。
「悪かったな」 「いや、……あれは俺も悪かった」
 居心地の悪そうに謝罪の言葉がぽつり、と零れた。それは何に対して謝ったのか、自分でもよく分からない。君下に女が居た事なのか、指輪を見つけてしまった事なのか、それともそれを秘密にしていた事なのか。あるいは、そのすべてに対して―――俺がお前をあのマンションに縛り付けた10年間を指しているのか、それははっきりとは分からなかった。俺は立ち止まった。俺を追い越した、君下も立ち止まり、振り返る。大きな波が押し寄せて、スーツの裾が濡れる感覚がした。水温よりも冷たく冷え切った心には、今はそんな些細なことは、どうでもよかった。
「全部話してくれるか」 「ああ……もうそろそろ気づかれるかもしれねぇとは腹括ってたからな」
 そう言い終える前に、君下の視線が俺のズボンのポケットに向いていることに気が付いた。何度も触っていたそれの形は、嫌と言うほど覚えている。俺はふん、と鼻で笑ってから、右手を突っ込み白い小さな箱を丁寧に取り出した。君下の目の前に差し出すと、なぜだか手が震えていた。寒さからなのか、それともその箱の重みを知ってしまったからなのか、風邪が吹いて揺れるなか、吹き飛ばされないように握っているのが精一杯だった。
「これ……今朝偶然見つけた。ベッドの下、本当に偶然掃除機に引っかけちまって……でも本当に俺、今までずっと気付かなくて、それで―――それで、あんな女がお前に居たなんて、もっと早く言ってくれりゃ、」 「ちょっと待て、喜一……お前何言ってんだ」 「あ……?何って、今言ったことそのまんまだろうが」
 思い切り眉間に皺を寄せ困惑したような君下の顔に、俺もつられて眉根を寄せる。ここまで来てしらを切るつもりなのかと思うと、怒りを通り越して呆れもした。どうせこうなってしまった以上、俺たちは何事もなく別れられるわけがなかった。昔のように犬猿の仲に戻るのは目に見えていたし、そうなってくれれば救われた方だと俺は思っていた。  苛立っていたいたのは君下もそうだったようで、風で乱れた頭をガシガシと掻くと、煙草を咥えて火を点けようとした。ヂ、ヂヂ、と音がするのに、風のせいでうまく点かない。俺は箱を持っていないもう片方の手を伸ばして、風上から添えると炎はゆらりと立ち上がる。すう、と一息吸って吐き出した紫煙が、漆黒の空へと消えていった。
「そのまんまも何も、あの女、お前狙いで寄ってきたんだろうが」 「お前の女が?」 「誰だよそれ、名前も知らねぇのにか?」
 つまらなさそうに、君下はもう一度煙を吸うと上を向いて吐き出した。どうやら本当にあのオレンジ爪の女の名前すら知らないらしい。だとしたら、俺が持っているこの箱は一体誰からのものなのだ。答え合わせのつもりで話をしていたが、謎は余計に深まる一方だ。
「あ、でもあいつ、俺に何て言ったと思う?君下くんといつから仲良くなったの、って」 「お前の追っかけファンじゃねぇの」 「だとしてもスゲェ怖いわ。明らかにお前の好みそうなタイプの恰好してたじゃん」 「そうか?むしろ俺は、お前好みの女だなと思ったけどな」
 そこまで言って、俺も君下も噴き出してしまった。ククク、と腹の底から込み上げる笑いが止まらない。口にして初めて気が付いたが、俺たちはお互いに女の好みなんてこれっぽっちも知らなかったのだ。二人でいる時の共通の話題と言えば、サッカーの事か明日の朝飯のことぐらいで、食卓に女の名前が出てきたことなんて今の一度もない事に気付いてしまった。どうりでこの10年間、どちらも結婚だとか彼女だとか言い出さないわけだ。俺たちはどこまでも似た者同士だったのだ。
「それ、お前にやろうと思って用意したんだ」
 すっかり苛立ちのなくなった瞳に涙を浮かべながら、君下は軽々しくそう言って笑った。  俺は言葉が出なかった。  こんな小洒落たものを君下が買っている姿なんて想像もできなかったし、こんなリボンのついた箱は俺が受け取っても似合わない。「中は?」と聞くと、「開けてみれば」とだけ返されて、煙が流れないように君下は後ろを向いてしまった。少し迷ったが、その場で紐をほどいて箱を開けて、俺は目を見開いた。紙袋と同じ、夜空のようなプリントの内装に、星のように輝くゴールドの指輪がふたつ、中央に行儀よく並んでいた。思わず君下の後姿に視線を戻す。ちらり、とこちらを振り返る君下の口元は、笑っているように見えた。胸の内から込み上げてくる感情を抑えきれずに、俺は箱を大事に畳むと勢いよくその背中を抱きしめた。
「う゛っ苦しい……喜一、死ぬ……」 「そのまま死んじまえ」 「俺が死んだら困るだろうが」 「自惚れんな。お前こそ俺がいないと寂しいだろう」 「勝手に言ってろタワケが」
 腕の中で君下の頭が振り返る。至近距離で視線が絡み、君下の瞳に星空を見た。俺は吸い込まれるようにして、冷たくなった君下の唇にゆっくりとキスを落とす。二人の間で吐息だけが温かい。乾いた唇は音もなく離れ、もう一度角度を変えて近づけば、今度はちゅ、と音がして君下の唇が薄く開かれた。お互いに舌を出して煙草で苦くなった唾液を分け合った。息があがり苦しくなって、それでもまた酸素を奪うかのように互いの唇を気が済むまで食らい合った。右手の箱は握りしめたままで、中で指輪がふたつカタカタと小さく音を立てて揺れていた。
「もう、帰ろうか」 「ああ……解っちゃいたが、冬の海は寒すぎるな。帰ったら風呂炊くか」 「お、いいな。俺が先だ」 「タワケが。俺が張るんだから俺が先だ」
 いつの間にか膝下まで濡れたスーツを捲り上げ、二人は手を繋いで来た道を歩き出した。青白い砂浜に、二人分の足跡が残る道を辿って歩いた。平常心を取り戻した俺は急に寒さを感じて、君下が羽織っているブランケットの中に潜り込もうとした。君下はそれを「やめろ馬鹿」と言って俺の頭を押さえつける。俺も負けじとグリグリと頭を押し付けてやった。自然と笑いが零れる。  これでよかったのだ。俺たちには言葉こそないが、それを埋めるだけの共に過ごした長い時間がある。たとえ二人が結ばれたとしても、形に残るものなんて何もない。それでも俺はいいと思っている。こうして��に立ってくれているだけでいい。嬉しい時も寂しい時も「お前は馬鹿だな」と一緒に笑ってくれるやつが一人だけいれば、それでいいのだ。
「あ、星。喜一、星がすげぇ見える」 「おー綺麗だな」
 ふと気づいたように、君下が空を見上げて興奮気味に声を上げた。  ようやくブランケットに潜り込んで、君下の隣から顔を出せば、そこにはバケツをひっくり返したかのように無数に散らばる星たちが瞬いていた。肩にかかる黒髪から嗅ぎ慣れない潮の香りがして、俺たちがいま海にいるのだと思い知らされる。上を向いて開いた口から、白く曇った息が漏れる。何も言わずにしばらくそれを眺めて、俺たちはすっかり冷えてしまった車内へと腰を下ろした。温度計は摂氏5度を示していた。
7:やさしい光の中で
 星が良く見えた翌朝は決まって快晴になる。君下に言えば、そんな原始的な観測が正しければ、天気予報なんていらねぇよ、と文句を言われそうだが、俺はあながち間違いではないと思っている。現に今日は雲一つない晴れで、あれだけ低かった気温が今日は16度まで上がっていた。乾燥した空気に洗濯物も午前中のうちに乾いてしまった。君下がベランダに料理を運んでいる最中、俺は慣れない手つきで洗濯物をできるだけ綺麗に折りたたんでいた。
「おい、終わったぞ。お前のは全部チェストでいいのか?」 「下着と靴下だけ二番目の引き出しに入れといてくれ。あとはどこでもいい」 「へい」
 あれから真っすぐマンションへと向かった車は、時速50キロ程度を保ちながらおよそ2時間かけて都内にたどり着いた。疲れ切っていたのか、君下は何度かこくり、こくりと首を落とし、ついにはそのまま眠りに落ちてしまった。俺は片手だけでハンドルを握りながら、できるだけ眠りを妨げないように、信号待ちで止まることのないようにゆっくりとしたスピードで車を走らせた。車内には、聞き慣れない名のミュージシャンが話すラジオの音だけが延々と聞こえていた。  眠った君下を抱えたままエントランスをくぐり、すぐに開いたエレベーターに乗って部屋のドアを開けるまで、他の住人の誰にも出会うことはなかった。鍵を開けて玄関で靴を脱がせ、濡れたパンツと上着だけを剥ぎ取ってベッドに横たわらせる。俺もこのまま寝てしまおうか。ハンガーに上着を掛けると一度はベッドに腰かけたものの、どうも眠れる気がしない。少しだけ君下の寝顔を眺めた後、俺はバスルームの電気を点けた。
「飲み物はワインでいいか?」 「おう。白がいい」 「言われなくとも白しか用意してねぇよ」
 そう言って君下は冷蔵庫から冷えた白ワインのボトルとグラスを2つ持ってやって来た。日当たりのいいテラスからは、東京の高いビル群が遠くに見えた。東向きの物件にこだわって良かったと、当時日当たりなんてどうでもいいと言った君下の隣に腰かけて密かに思う。今日は風も少なく、テラスで日光浴をするのには丁度いい気候だった。
「乾杯」 「ん」
 かちん、と一方的にグラスを傾けて君下のグラスに当てて音を鳴らした。黄金色の液体を揺らしながら、口元に寄せればリンゴのような甘い香りがほのかい漂う。僅かにとろみのある液体を口に含めば、心地よいほのかな酸味と上品な舌触りに思わず眉が上がるのが分かった。
「これ、どこの」 「フランスだったかな。会社の先輩からの貰い物だけど、かなりのワイン好きの人で現地で箱買いしてきたらしいぞ」 「へぇ、美味いな」
 流れるような書体でコンドリューと書かれたそのボトルを手に取り、裏面を見ればインポーターのラベルもなかった。聞いたことのある名前に、確か希少価値の高い品種だったように思う。読めない文字をざっと流し読みし、ボトルをテーブルに戻すともう一口口に含む。安物の白ワインだったら炭酸で割って飲もうかと思っていたが、これはこのまま飲んだ方が良さそうだ。詰め物をされたオリーブのピンチョスを摘まみながら、雲一つない空へと視線を投げた。
「そう言えば、鈴木からメール来てたぞ……昨日の同窓会の話」
 紫煙を吐き出した君下は、思い出したかのように鈴木の名を口にした。小一時間前に風呂に入ったばかりの髪はまだ濡れているようで、時折風が吹いてはぴたり、と額に貼り付いた。それを手で避けながら、テーブルの上のスマホを操作して件のメールを探しているようだ。俺は残り物の鱈と君下の田舎から貰ってきたジャガイモで作ったブランダードを、薄切りのバゲットに塗り付けて齧ると、「何だって」と先程の言葉の続きを促した。
「あの後女が泣いてるのを佐藤が慰めて、そのまま付き合うことになったらしい、ってさ」 「はあ?それって俺たちと全然関係なくねぇ?というか、一体何だったんだよあの女は……」
 昨夜のことを思い出すだけで鳥肌が立つ。あの真っ赤なリップが脳裏に焼き付いて離れない。それに、俺たちが聞きたかったのはそんな話ではない。喧嘩を起こしそうになったあの場がどうなったとか、そんなことよりもどうでもいい話を先に報告してきた鈴木にも悪意を感じる。多分、いや確実に、このハプニングを鈴木は面白がっているのだろう。
「あいつ、お前と同じクラスだった冴木って女だそうだ。佐藤が聞いた話だと、やっぱりお前のファンだったらしいぞ」 「……全っ然覚えてねぇ」 「だろうな。見ろよこの写真、これじゃあ詐欺も同然だな」
 そう言って見せられた一枚の写真を見て、俺は食べかけのグリッシーニに巻き付けた、パルマの生ハムを落としそうになった。写真は卒アルを撮ったもののようで、少しピントがずれていたがなんとなく顔は確認できた。冴木綾乃……字面を見てもピンと来なかったが、そこに映っているふっくらとした丸顔に腫れぼったい一重瞼の女には見覚えがあった。
「うわ……そういやいた気がするな」 「それで?これのどこが俺の女だって言うんだよ」 「し、失礼しました……」 「そりゃあ今の彼氏の佐藤に失礼だろうが。それに別にブスではないしな」
 いや、どこからどう見てもこれはない。俺としてはそう思ったが、確かに昨日会った女は素直に抱けると思った。人は歳を重ねると変わるらしい。俺も君下も何か変わったのだろか。ふとそう思ったが、まだ青い高校生だった俺に言わせれば、俺たちが同じ屋根の下で10年も暮らしているということがほとんど奇跡に近いだろう。人の事はそう簡単に悪く言えないと、自分の体験を以って痛いほど知った。  君下は短くなった煙草を灰皿に押し付けると火を消して、何も巻かないままのグリッシーニをポリポリと齧り始める。俺は空になったグラスを置くと、コルクを抜いて黄金色を注いだ。
「あー、そうだ。この間田舎に帰っただろう、正月に。その時にばあちゃんに、お前の話をした」 「……なんか言ってたか」
 聞き捨てならない言葉に、だらしなく木製の折りたたみチェアに座っていた俺の背筋が少しだけ伸びる。  その事は俺にも違和感があった。急に田舎に顔出してくるから、と俺の車を借りて出て行った君下は、戻ってきても1週間の日々を「退屈だった」としか言わなかったのだ。なぜこのタイミングなのだろうか。嫌な切り出し方に少しだけ緊張感が走る。君下がグリッシーニを食べ終えるのを待っているほんの少しの時間が、俺には気が遠くなるほど長い時間が経ったような気さえした。
「別に。敦は結婚はしないのかって聞かれたから答えただけだ。ただ同じ家に住んでいて、これからも一緒にいることになるだろうから、申し訳ないけど嫁は貰わないかもしれないって言っといた」 「……それで、おばあさんは何て」 「良く分からねぇこと言ってたぜ。まあ俺がそれで幸せなら、それでいいんじゃないかとは言ってくれたけど……やっぱ少し寂しそうではあったかな」
 そう言って遠くの空を見つめるように、君下は視線を空へ投げた。真冬とは言え太陽の光は眩しくて、自然と目元は細まった。テーブルの上に投げ出された右手には、光を反射してきらきらと輝く金色が嵌められている。昨夜君下が眠った後、停車中の誰も見ていない車内で俺が勝手に付けたのだ。細い指にシンプルなデザインはよく映えた。俺が見ていることに気が付いたのか、君下はそっとテーブルから手を離すと、新しいソフトケースから煙草を一本取りだした。
「まあこれで良かったのかもな。親父にも会ってきたし、俺はもう縛られるものがなくなった」 「えっ、まさか……昨日実家寄ったのってその為なのか」 「まあな……本当は早いうちに言っておくべきだったんだが、どうも切り出せなくてな。親父もばあちゃんも、母さんを亡くして寂しい思いをしたのは痛いほど分かってたし、まあ俺もそうだったしな……それで俺が結婚しないって言うのは、なんだか家族を裏切ってしまうような気がして。もう随分前にこうなることは分かってたのにな。気づいたら年だけ重ねてて、それで……」
 君下は、ゆっくりと言葉を紡ぐと一筋だけ涙を流した。俺はそれを、君下の左手を握りしめて、黙って聞いてやることしかできなかった。昼間から飲む飲みなれないワインにアルコールが回っていたのだろうか。それでもこれは君下の本音だった。  暫くそうして無言で手を握っていると、ジャンボジェット機が俺たちの上空をゆっくりと通過した。耳を塞ぎたくなるようなごうごうと風を切り裂く大きな音に隠れるように、俺は聞こえるか聞こえないかの声量で「愛してる」、と一言呟く。君下は口元だけを読んだのか、「俺も」、と聞こえない声で囁いた。飛行機の陰になって和らいだ光の中で、俺たちは最初で最後の言葉を口にした。影が過ぎ去ると、陽射しは先程よりも一層強く感じられた。水が入ったグラスの中で、溶けた氷がカラン���と立てたか細い音だけが耳に残った。
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shibaracu · 4 years
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●三(さん、みっつ)四(し、よん、よっつ)
◆3 - Wikipedia   https://ja.wikipedia.org/wiki/3 3(三、さん、み、みっつ、みつ)は、自然数または整数において、2の次で4の前の数である。英語の序数詞では、3rd、third となる。ラテン語では tres(トレース)。   ◆【三】 さん | 茶道裏千家ブラジル  2019年6月  日本語豆知識 https://www.chadourasenke.org.br/ja/nihongo/san/  音読みは、 サンと読み、訓読みでは、み、み(つ)、みっ(つ)と読みます。(つ)は送りがなです。  成り立ちは漢字辞典によると、一、二と同様、「横線の数で数字を表した漢字である」ということが分かります。  意味は、数の名、二(に)の次の数、み、みつ、(例:三枚、三つ、三葉)。二番目の物事の次の物事、(例:三番、第三)。二回行ってから、もう一回行う事、み、(例:三回、三度)。何度も、(例:三拝九拝)。  その他の読み方では、三味線(しゃみせん)、三和土(たたき)、三十日(みそか)などもあります。  人名で、三は、音読み・訓読み以外の読み方で、かず、さえ、さぶ、ぞう、ただ、なお、みる等つけられています。   証書や契約書では誤解を避けるために、「三」の代わりに「参」の字を用います。   ◆さん【三/参】 1 数の名。2の次、4の前の数。みっつ。みつ。 2 3番目。第3。 3 三味線で、三の糸。 [補説]「参」は、主に証書などに金額を記すとき、間違いを防ぐために「三」の代わりに用いることがある。   ◆さん【三】[漢字項目] [音]サン(呉)(漢) [訓]み みつ みっつ [学習漢字]1年 〈サン〉 1 数の名。みっつ。「三角・三脚・三国・三役」 2 三番目。「三更・三流・三人称」 3 みたび。三度。「三顧・三振/再三」 4 何度も。「三嘆・三拝九拝」 5 三河(みかわ)国。「三州」 〈み・みつ〉「三日月(みかづき)・三日(みっか)・三葉(みつば)」 [名のり]かず・こ・そ・ただ・なお [難読]三鞭酒(シャンパン)・三和土(たたき)・三十(みそ)・三十(みそじ)・三十日(みそか)・三椏(みつまた)・三幅(みの)   ◆み【三】 みっつ。さん。物を数えるときなどに用いる。 「ひ、ふ、み、よ」   ◆サン【三】 〘名〙 「三(さん)」の中国音。みっつ。江戸時代には拳(けん)の用語として用いられ、現代ではマージャン用語として用いられる。 ※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「真(ほんとう)の拳と云ふ物は一(イイ)二(リャン)三(サン)四(スウ)五(ウウ)六(リウ)七(チヱイ)八(パマ)九(クヮイ)といふものだっサ」   ◆み【三】 〘名〙 ① 三つ。名詞・助数詞の前に付けて用いる。「三皿(みさら)」「三棟(みむね)」「三度(みたび)」など。 ※古事記(712)下・歌謡「ありきぬの 美(ミ)重(ヘ)の子が 捧がせる 瑞玉盞(みづたまうき)に」 ② 物の数を、声に出して順に唱えながら数えるときの三。普通は「ひーふーみーよー」のように長く発音する。みい。 ※年中行事秘抄(12C末)鎮魂祭歌「一(ひと)二(ふた)三(ミ)四(よ)五(いつ)六(むゆ)七(なな)八(や)九(ここの)十(たりや)」 ※俳諧・西鶴五百韻(1679)何鞠「君か代は長の数よむひいふうみい〈西鶴〉 たはね木をつむ高き屋の内〈西吟〉」   ◆さん 沖縄において占有標,または魔よけとして用いられる呪物の一種。わらしべ一筋を小さく輪にして結んだものと,すすきの葉を束ねて先を結び輪にしたものとがある。わらのものは食物や神仏への供え物の料理を戸外に運ぶときにその上に載せる。すすきのものはゲエンともいい,新築中の家,墓,留守の家などに差したり,葬礼の行列が通る道に面した家の門口などに差す。こうすると魔物がつかない,悪霊が寄りつかないなどと信じられている。田畑などには立入禁止の願いをこめて立てるが,すすきを神聖な草と考える信仰に基づくものと考えられる。   ◆さん [接尾]《「さま」の音変化》 1 人を表す語や人名・役職名・団体名などに付いて、尊敬の意を表す。また、動物名などに付いて、親愛の意を表すこともある。「お嬢さん」「田中さん」「部長さん」「お猿さん」 2 体言または体言に準ずる語に「お」「ご(御)」を冠したものに付いて、丁寧の意を表す。「お世話さん」「ご苦労さん」「ご機嫌さん」   ◆さん 〘名〙 台所で働く下女の通称として用いられた語。おさん。おさんどん。 ※咄本・一のもり(1775)三角「是、さんよ、すみ切た水をあげろ」   ◆おさん ① 台所の仕事をする女中。下女。おさんどん。 「 -が台所から飛び出して来て、雑巾を取り上げて着物を拭いてやる/吾輩は猫である 漱石」 ② 台所での仕事。炊事。おさんどん。 〔「爨さん」(飯をたく意)から、また「御三の間」の「御三」から、世間にありふれた娘の名「おさん(=三番目ノ女)」からなどの説がある〕   ◆おさんどん    女中。めしたき女。    「―をする」(台所仕事をする意にも)   ◆おさんどん - Wikipedia   https://ja.wikipedia.org/wiki/おさんどん 御三どん(おさんどん)は、台所などで働く下女、または台所仕事のこと。 語源 諸説あるが、一般的には江戸時代、三とは「三女」の意を指し、女性に使われることの多い名だった。そこから、接頭辞の「御」と人を呼ぶ際に使われる接尾辞の「どん」がくっつき、御三どんと呼ばれるようになった。「どん」とは上方で殿と呼ばれていたものが音変化したものである。 また、古くは、大奥の奥にある下女のいる「御三の間」にちなんでいるという説、かまどを意味する「御爨」にかけたことばだとする説などがある。 類義語 おさん、飯炊き女、女中   ◆「おさんどん」のルーツを探して | ひこじいさんのブログ https://plaza.rakuten.co.jp/yk1430/diary/201304120000/ 2013/04/12 台所仕事をさして、隠語のように「おさんどん」と使うことがある。この場合の「どん」は、「おいどん」とか「でっちどん」とかと同じ接尾語で、「おさん」は台所で働く女性を指して使う場合と台所仕事全般を指す場合の二通りの意味で使われている。 おさんの語源については、次のように諸説がある。 1 炊飯を意味する「爨(さん)」が語源であるという説。 2 大奥に存在した将軍家の子女や正室、御殿女中の居所の「御三の間」からきたという説。 爨を辞典で調べると「窯」、「飯を炊く」、「かしぐ」、「食べ物を煮る」という意味の他に「炊事婦」という意味がある。 ※〔説文解字〕には「齊にて之れを炊爨と謂ふ」。〔詩経・小雅・楚茨〕に「「爨は、饔爨(肉を煮る)、稟爨(米を炊く)なり」とある。   ◆図書カード:おさんどん - 青空文庫 https://www.aozora.gr.jp/cards/001585/files/54223_54057.html 槇村浩 おさんどんが舟こいだ 真黒どんが舟こいだ そんなに舟こいでどこへ行く 夢のお国へよめ入に 誰がなかうどしましたか なかうどはきつねでございます 「それ見ろ、きつねにだまされた  大方よめ入りするなんて  お釜の所へ行くのだろ」 (大正十一・七・一一)
  ◆語源発見の視点 - 言語学出版社フォーラム http://www.gengosf.com/dir_x/modules/wordpress/index.php?p=66 2007/03/16 - 佐藤武義(東北大学名誉教授)  夏目漱石の『吾輩は猫である』の冒頭部分に女中を意味する「おさん」が登場する。この「おさん」がどうして女中を意味するのか、長い間疑問であった。しかし、その後、他の研究にかまけて、この問題の解決は忘れるともなく、忘れていた。ところが、昨年(平成18年)の夏、下男の意の「さんすけ」と「おさん」そして「おさんどん」を加えて、語幹「さん」が共通している点から同じ意味から生まれたのではないかと気づいた。  早速身近にある辞書や語源関係の本を調べたら、「さんすけ」は、下男の通称、後に銭湯の下男を指すことぐらいの説明しかなく、一方「おさん」にはさまざまな語源説が示されていた。  (1)「おさん」という人名の女が下女働きするものに多いところからか、  (2) 貴族や将軍などの邸の奥に下女のいる「御三の間」があってその「御三」からか、  (3) 飯を炊く、かまどを意味する「御爨(おさん)」からかなどの説が挙げられ、現在これらの説を組み合わせて語源を推定する「~からか」の語句を加えて説明するのが一般的であった。
●四(よん) ◆四(よん) - にほんご表現のページ http://nifongo.style.coocan.jp/010.htm ~語彙・意味~ 質問 「四(シ)」と「四(よん)」はどう使い分けるのですか? こたえ 「四(シ)」と「四(よん)」の使い分けは、おおむね習慣的なものといえるでしょう。 「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十」をすべて音で読めば、「イチ・ニ・サン・シ・ゴ・ロク・シチ・ハチ・キュウ・ジュウ」となります。逆に、すべて訓で読めば「ひ・ふ・み・よ・いつ・む・なな・や・ここの(つ)・とお」となります。前者の系列は漢数字と呼ばれ、一般に漢字で表記されます。後者の系列は和数字と呼ぶことができるもので、漢字や平仮名で表記されます。なお、「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10」のように表記された数字は、算用数字またはアラビア数字といいます。   ◆【四】 し  日本語豆知識 https://www.chadourasenke.org.br/ja/nihongo/shi/  音読みは、シと読み、訓読みでは、よ、よ(つ)、よっ(つ)、よん、と読みます。()の中は「送りがな」です。  一、二、三と同様、横線の数で数字を表した漢字「亖」はありますが、現在では使用されません。なぜ、「四」を使用するようになったのかは不明です。  意味は、数の名、三(さん)の次の数、よっ、よつ、(例:四角、四枚、四つ、四葉)。三番目の物事の次の物事、よ、よん、(例:四月、四番、第四)。三回行ってから、もう一回行う事、よ、よん、(例:再三再四、四度)。東西南北の方角、周囲、よ、 (例:四方、四隅)。よつ、巳(み)の刻(今の午前十時)と亥(い)の刻(午後十時)。  人名では、音読み・訓読み以外の読みで、ひろ、もち、よつ等つけられています。   ◆「四」の読み : 日本語、どうでしょう? - ジャパンナレッジ https://japanknowledge.com/articles/blognihongo/entry.html?entryid=206 2014/02/03 先日ある日本映画を見ていて、主演の女優さんがベートーヴェン作曲の弦楽四重奏曲のことを「げんがくヨンじゅうそうきょく」と言っているのを聞いて、驚いた。「四重奏曲」の「四」は「ヨン」ではなく、「げんがくシじゅうそうきょく」のように「シ」と読むのが一般的だからである。その映画は笑いとサスペンスに富んだしゃれた映画で、「四重奏」を何と読もうが映画そのものの出来とは何の関係もなかったのだが、ただそのベートーヴェンの曲が映画の中では重要な意味を持っていたため、悪い癖が出てすぐに反応してしまったというわけである。  漢字「四」の読みだが、常用漢字表を見ると以下のようになっている。  「四」 シ: 四角,四季,四十七      よ:四人,四日(よっか),四月目      よつ: 四つ角      よっつ: 四つ      よん: 四回,四階  見ておわかりのように、「四」を「シ」と読むのは音で、ちょっと意外だが「よん」と読むのは訓なのである。「四重奏」の場合は、「重(じゅう)」も「奏(そう)」も音なので、「四」も音、すなわち「シ」と読むのがふつうである。だが、物事には必ず例外があるもので、「四」を「し」「よん」または「よ」のいずれで読むかは、語によって異なる。   ◆7と4の不思議 http://www2.chokai.ne.jp/~assoonas/UC180.HTML             小学校入学前の娘と風呂に入っているときのこと。            「いーち、にー、さーん、しー、ごー、ろーく、なーな‥‥」            「ん? 『なな』じゃなくって『しち』だよ」            「そっかぁ。‥‥でも反対から数えるときは『なな』だよね」             そう言われて心の中で確かめてみる。            「じゅう、きゅう、はち、なな‥‥!」確かにそうだ。             もう少し続ける。            「ろく、ご、よん‥‥!」            「おっ!」と思っていると、娘がさらに追い打ちをかける。            「『よん』もそうだよね」            うーん、これは娘に1本とられてしまった。             どうしてこんな具合になるのだろう。             まずは常用漢字表の音訓を調べてみる。   ◆四 - 4 - Wikipedia   https://ja.wikipedia.org/wiki/4 4(四、よん、し、す、よつ、よ)は、自然数また整数において、3の次で5の前の数である。 漢字の「四」は音読みが「し」、訓読みが「よ(よつ)」であるが、四の字「七(しち)」との聞き違いを防ぐため、近年では「よん」という読みが用いられる。英語の序数詞では 4th/fourth となる。ラテン語では quattuor (クアットゥオル)。 ローマ数字‎: ‎IV 十二進���‎: ‎4 十六進法‎: ‎4 六進法‎: ‎4   ◆し【四/×肆】 1 数の名。3の次、5の前の数。よ。よつ。よっつ。よん。 2 4番目。第4。 [補説]音が「死」に通じるので忌む向きは、「よ」「よん」でいいかえる。「肆」は金銭証書などで、間違いを防ぐため「四」の代わりに用いる。   ◆よ【四】 1 し。よっつ。よつ。声に出して数をかぞえるときの語。「ひ、ふ、み、四」 2 し。よっつ。よつ。多く、名詞の上に付いて用いる。「四次元」「四方(も)」   ◆スー【四】 《〈中国語〉》数の4。「四暗刻(アンコー)」   ◆四 - ウィクショナリー日本語版 - Wiktionary https://ja.wiktionary.org/wiki/%E5%9B%9B 字源 象形。口をあけ、歯と舌が見えている状態。本来は「息つく」という意味を表す。数の4という意味はもともと横線を4本並べた文字(亖)で表されていたが、後に四の字を借りて表すようになった。 熟語    四季 しき    四股 しこ    四捨五入 ししゃごにゅう    四相 しそう    四則演算 しそくえんさん    四諦 したい    四大 しだい    四天王 してんのう    四面楚歌 しめんそか 名詞 四(よん)    4。三より一多い数。単独ではしとも読むが、助数詞が続く場合や小数部ではよんと読む。人、年などの前ではよになる。日の場合は別の語のよっかになる。        四個。        四匹。        四人。        四年。        四日。よっか        四種競技 名詞 第四(だいよん)    序列が四番目であること。四番目の。   ◆4は「し」?「よん」? 7は「しち」?「なな」? http://www.kosodatedou.com/%E5%AD%90%E8%82%B2%E3%81%A6%E3%83%8D%E3%82%BF/number-4-7/ いきなり結論 どちらから教えても、正しい。 いずれは、「4」が「��」でも「よん」でも両方の読み方があること、状況に応じて使い分ける必要があること、を覚えなければいけない。 住んでいる地方や、幼稚園や小学校や先生の方針なども絡んでくるので、一概に「正しい」「間違い」はないようです。 ただ「こちらから覚えたほうがややこしくない」という意見はある。「なるほど」と思ったので、参考までに引用します。   ◆ことばの音(音声) https://www.alc.co.jp/jpn/article/faq/02/239.html 分類:その他 助数詞の「円」に数量詞「4」がつくと、なぜ「よえん」?  たしかに「三円」は「さんえん」ですが、「四円」は「よんえん」とはなりません。同じ「ん+えん」なのに違うのはなぜでしょう。そこでまず「さん」と「よん」の違いについて示します。「三円」の「三(さん)」は漢語ですが、一方で「四円」の「四(よ)」は和語です。「いち、に、さん、よん」という数え方は、漢語の「いち、に、さん、し」と和語の「ひ(い)、ふ(う)、み(い)、よ(う)」が混ざったものと思われます。  ここで「三」はもとから「さん」と読みますから「三円」は「さえん」ではなく「さんえん」です。一方「よん」は本来「よ」であったのが変化したものと考えられます。したがって「四円」は「よえん」が本来の読み方であり、もしこれを「よんえん」と読むとするとそちらの方がむしろイレギュラーな読み方ということになります。   ◆四低   実用日本語表現辞典 読み方:よんてい 別表記:4低 理想的な男性とされる「低姿勢」「低リスク」「低依存」「低燃費」という4条件をまとめて意味する語。四低の条件はそれぞれ、妻に偉そうな態度を取らないこと、リストラされる可能性が低いこと、自分で家事をこなせること、お金の節約ができることを指す。   ◆四拍は“よんはく”か“よんぱく”か: 助数詞の読み方 http://www.enjoy.ne.jp/~k-ichikawa/sound_beat.html 音楽における4拍子は「強-弱-中強-弱」の4つの拍(はく)から成っており、1拍を4分音符とする4拍子が4分の4拍子です。一拍は「いっぱく」、二拍は「にはく」、三拍は「さんぱく」、では四拍は「よんはく」でしょうか、それとも「よんぱく」でしょうか? 日本語では「拍」や「本」、「回」などの助数詞が非常に発達しており、約500種類もの数が存在すると言われています。  音便化や 連濁する事も多く、前の語の音によってしばしば読み方が変わります。特に拍(はく)や本(ほん)のように、「ハ行」で始まる助数詞は日本語を学ぶ外国人にとって難しいようです。 四分は「よんふん」、四拍は「よんはく」と言う人も多いようです。先日もNHKラジオで4泊(拍ではないが)―>「よんはく」と発音していました。 「回」と「階」は単独では同じ「かい」ですが、三階は通常は「さいがい」と発音します。 [参考文献] Wikipedia:「拍子」、「連濁」   ◆四 よん - Jisho.org https://jisho.org/search/%E5%9B%9B%20%E3%82%88%E3%82%93 4 【し】、肆 【し】、四 【よん】、四 【よ】 よんじゅう 40 40 【しじゅう】、40 【よそ】、四十 【よんじゅう】、四十 【しじゅう】、四十 【よそ】、四〇 【よんじゅう】、四〇 【しじゅう】、四〇 【よそ】、四拾 【よんじゅう】、四拾 【しじゅう】、四拾 【よそ】、卌 【よんじゅう】、卌 【しじゅう】、卌 【よそ】 4000 よんせん 4000 【しせん】、四千 【よんせん】、四千 【しせん】、4千 【よんせん】、4千 【しせん】、四〇〇〇 【よんせん】、四〇〇〇 【しせん】   ◆◇ヨン、ナナのすすめ;日本語のあるべき姿 http://k-hiura.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_1477.html [♪サン・サーンスの白鳥;伴奏の工夫] [■2001年宇宙の旅、ディスカバリー号の構造] 目次 [◇ら抜き言葉のすすめ;日本語の望ましい進化] [◇はい・いいえ;真・偽;true・falseのすすめ] 日本語論  ◇ヨン、ナナのすすめ;日本語のあるべき姿 数の数え方も「国語審議会」などで定められているのでしょうか? 問題にしたいのは、一桁の4と7です。 数字の読み方には2つの系統があります。 漢字音系と大和言葉系です。    (漢字音系)イチ、ニ、サン、シ、ゴ、ロク、シチ、ハチ、キュウ、ジュウ    (大和言葉系)ヒ、フ、ミ、ヨ、イツ、ム、ナナ、ヤ、ココノ、トオ 漢字音系は残念ながら日本語の発音との相性が今一つ良くなく、"ニ"と"シ"、"イチ"と"シチ" など区別が難しいものがあります。 その点大和言葉系は、当たり前ですが、日本語の発音に適した優れたものと なっています。   ◆三(サン)は音読み、四(よん)は訓読み|KEEN WIT 国語塾 谷町 ... http://jukutown.com/keenwit-kokugojuku/blog-130867/ 2019/07/01 国語の指導で最も難しいのは、音読み・訓読みの区別だと思います。 音読みとは、中国語としての漢字の発音に基づく読み方です。 読んだだけでは意味が通じないことが多いです。 例えば、「山」を「サン」と読むのは、音読みです。 訓読みとは、その漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方です。 読んだだけで意味が通じることが多いです。 例えば、「山」を「やま」と読むのは、訓読みです。 上記では、区別しやすい例を挙げましたが、区別しにくいことも多いです。 区別するための法則として、 ①送り仮名がつくと訓読み ②2音で「ン」がつくと音読み ③3音以上だと訓読み などがあります。 が、四(よん)は②の法則だと音読みですが、実は訓読みであるなど、例外もあり、奥が深いのが、音読み・訓読みです。 指導が感覚的になってしまいがちな分野ですが、極力論理的に指導していきたいと思います。
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kachoushi · 5 years
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各地句会報
花鳥誌 令和元年11月号
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坊城坊城選
栗林圭魚選 岡田順子選
平成31年8月1日 うづら三日の月句会 俊樹選
初盆や墓石きざむ縁者あり 由季子 汗拭ひ首巻く癖は父に似て 同 湯上りの団扇片手に走り書き 英子 九頭竜に光の道や盆の月 都 てんこ盛り婆が挽きたるかき氷 都
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月1日 さゞれ会
露天湯の四肢青白く稲妻す 越堂 我が挿せる日傘に隠れさうな橋 雪 哥川忌や灼けては欠ける遊女の碑 匠 夕立晴れ御霊鎮もる堀明かり 希 我に有る二つの故郷夏深し 陽子 遠花火惚れた腫れたを想はざる 数幸
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月3日 武生花鳥俳句会 俊樹選
かき氷最後のシロップ啜る時 ただし 疲れ果てちよつと横にと大昼寝 錦子 被爆地を雨音走り虹遠し 三四郎 天花粉ぱぱつとはたき紅少し 清女 流灯会中にだだこねゐるものも 越堂 秋暑し柱時計の音にぶく 時江 夜店の灯少し離れて社務所の灯 昭子 理髪店出し男の白い靴 英美子 夏痩と淋しく笑みて看取妻 越堂
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月3日 零の会 俊樹選
蟬の穴無限の闇を出て来しか 梓渕 蟻ひとつ落つることなき蟬の穴 千種 鬼神葬り蟻の這ふ石一つ 梓渕 利通の墓炎帝に怯むなく 秋尚 紋章を頭に寝墓蟬しぐれ 慶月 パラソルや路面電車の遥かなる 炳子 木漏れ日のひとすぢ遠し蟬の穴 光子 ひと夏を孕みてコロシアムの屋根 野衣 夏雲を油絵めかせ絵画館 同 蟻たかるみみずはつややかに潰れ 和子
順子選 夏草の墓石となりて裔のなき 俊樹 槙の根の濡れて大きな蟬の穴 和子 鶏頭の二三本あり供華の中 美紀 揚羽来る今朝も真白きマリアの手 俊樹 元勲の墓域滴ること知らず 俊樹 木漏れ日のひとすぢ遠し蟬の穴 光子 墓洗ふ青き束子を渡されて 小鳥 夏蝶のまぎれ団地の窓いくつ 野衣 空蟬も神道にあり拍手せり 俊樹 炎帝へ墓原の鉄扉開きけり 小鳥
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月7日 立待花鳥俳句会 俊樹選
かなかなや啼きだしてをり厨口 世詩明 サングラス黄泉路はもつと暗きかな 同 ジャスミンの香水夫人擦れ違ふ 同 海女の子の手を取り茅の輪潜りけり ただし 涼しさや構はぬままの湯治宿 輝一 次の世も女でゐたし日傘差し 秋子 盂蘭盆会煙の翳で合掌す 信義
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月9日 芦原花鳥句会 俊樹選
仏花とて今も百日草愛でる 由紀子 白南風や嬰の歩みは内股に よみ子 冷麦の一筋の赤追ひし箸 孝子
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月9日 鳥取花鳥会 順子選
乾く音籠に買ひゆく草の市 栄子 炎帝に隠し事めく息を吐く 都 牛つなぎ石まで白き稲の花 悦子 庭の土ぺらぺら捲れきし極暑 史子 先輩の句碑に献水原爆忌 益恵 ラムネ抜く昭和の音のあふれ出て 和子 梅を干す庭の余熱も裏返 都 日覆のひらりと浜の民宿に 栄子 若きらの膝小僧見せ草を刈る すみ子 主より僧のよろこぶ盆の雨 幹也
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月10日 枡形句会 圭魚選
竹の声楓の声や句碑涼し 三無 夫を呼び割れば日の色大南瓜 三無 ソーダ水若き大工の喉仏 清子 廃屋に節榑立つや鳳仙花 多美女 地の果ての稲妻孕む恐さかな ゆう子 鳳仙花はじける時の風ゆるき 同 稲妻やまた別の闇映し出し 三無 石仏の供華白々と原爆忌 多美女 けんけんぱ描きある路地や鳳仙花 三無 稲妻や明日越える峰浮かびあげ 同
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月12日 なかみち句会 圭魚選
稚児大師掃目すずしくをさまりぬ ことこ 隣より迫りくる草墓洗ふ 美貴 滴りの幾年月や苔厚く 怜 根もあらは崖の大木滝近し あき子 岩清水簾となりてしきりなる ます江 湧き水のしたたる崖の苔光り ことこ お施餓鬼や川の流れの淀みたる 貴薫 蟬の声深き緑に溶け込みて 史空 初秋の渓のせせらぎ風の影 三無 電線の緩む暑さや雲厚く 美貴
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月17日 伊藤柏翠俳句記念館 俊樹選
風に聞く今日九頭竜に秋立つと かづを 盆灯籠灯れば灯るほど淋し 同 今日よりは秋潮となる日本海 同 美しきまま逝きし娘に盆の月 清女 里帰りできぬひとりつ子のお盆 同 づかづかと勝手知りたる盆の僧 雪 一人守る七百年の大夏炉 同 大花火玻璃戸揺らして果てにけり 一仁 桐一様落ちて一と葉の音を聞く 英美子 沙羅咲くや細川ガラシヤ切支丹 千代子
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月18日 風月句会 俊樹選
みんみんの嗄れてなほ鳴きつづけ 淸流 虚子像に佇ち秋の声聞かんとす 秋尚 鉄の錆舐めて立ち去る蜻蛉かな 圭魚 万緑やまなざし遠く虚子の像 野衣 びんづるのおいどなづるや秋暑し 眞理子 虚子像の深き思惟や蟬時雨 佑天 一滴の声も惜しまず秋の蟬 三無 蒲の穂の朴訥と立ち風を待つ 圭魚 蒲の穂の日輪仰ぐ構へかな 亜栄子
圭魚選 をみなへし蝶と気息を通じ合ひ 千種 梵鐘の静かに鳴りて夏の果 佑天 それぞれが色を持ち寄る花野かな 淸流 釈迦堂に沿ひ新涼の坂のぼる 斉 秋の蟬気怠く声を引き摺りて 秋尚 鬼灯や花屋の三和土いつも濡れ 久子 閼伽堂の護符に秋暑の水の影 眞理子 蒲の穂の日輪仰ぐ構へかな 亜栄子
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月20日 萩花鳥句会
台風の情報続く苦吟の夜 祐子 大夕焼指切りげんまんまた明日 美恵子 隣には私の区画墓参り 吉之 市民権得たる男の日傘かな 健雄 球児等の汗と涙の甲子園 圭三 8月や人それぞれに憶ふ事 克弘
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月21日 福井花鳥句会 俊樹選
ひまはりにきいてみたしや老いの先 令子 向日葵や柱時計がつと止る 啓子 秋立つや初球いきなりホームラン 同 トンネルを抜け8月の海に逢ふ 同 一時を一人に返る夕端居 雪 打つ草矢みんな外れてしまひけり 同 人に泣き人を泣かせし白絣 同
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月22日 鯖江花鳥俳句会 俊樹選
草矢とは打つべき人のありてこそ 雪 香水と云ふゆきずりの一つの香 同 行水の名残りの膝を折りにけり たゞし 看取りつも早世の兄曽我の雨 一涓 作業場に大工の昼寝棒のごと 信子 神杉を啼き膨らます蟬時雨 越堂 疼くもの秘めて生涯香水ふる 世詩明 簗守の背びらが淋し落し鮎 同 風鈴の音の細りて一日終ゆ 同
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年8月22日 九州花鳥会 俊樹選
けふのこと波の引きゆく端居かな 佐和 炎帝へ捧げ銃めく黒日傘 睦子 蕭然とは送火の燠見入る顔 勝利 老人が老人さがす大夕焼 朝子 新涼の風うみづきの娘の胸に 同 飴玉のたらりとろりと原爆忌 豊子 琵琶法師異界語らば星流れ 美穂 指搦め流星を見し日の遥か 同 月を得ていよいよ大き踊の輪 孝子 灯台に灯の入る頃や揚花火 同 西方の闇深うして流れ星 美穂
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
さくら花鳥会 順子選
堂放ち座禅体験蟬しぐれ 寿子 立秋や浄衣の袖に風抜けて みえこ 母作る梅干し強き赤さかな 登美子 叱られて泣く子を映す金魚玉 同 玄関で見える範囲の花火見る 光子 酒少し茄子の鴫焼相手とし 令子 母漬けた梅干数へ一つ食ふ あけみ
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年6月14日 芦原花鳥句会 俊樹選
押し入れの暗い隅なる蚊帳の箱 寛子 嫁がきて今も他所者額の花 孝子 蚊帳下ろし大海の如子ら泳ぎ よみ子
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
平成31年7月12日 芦原花鳥句会 俊樹選
新盆や形見の硯墨うすく 孝子 義貞の出城の跡や夏つばめ 同
(順不同 特選句のみ掲載)………………………………………………………………
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diary-machina · 5 years
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2019年6月3日-5日
6月3日。
アメ横にナッツ類を買いに行く。こちらのレシピを実践するためである。
https://twitter.com/naominkubo/status/902776283377094656
小島屋さんによく素焼きアーモンドを買いに行くので、クルミ(生)と松の実もこちらで購入。黒ごまはダイマスさんへ。はちみつは家iHerbで買ったやつがまだあったので買わず。
アメ横は活気に溢れている。現代日本において、良い意味でまだ戦後みたいなごった煮感と、多国籍あるいは無国籍な混沌が入り乱れている。しかし私は目的を果たしたらすぐに帰る。人多くて疲れちゃうからな。
上野では古本も3冊ほど買った。宮武外骨の本もあって購入を迷ったが、「今日の目的は主にナッツなのだ」と見送る。でも次まだあったら買ってしまうかもしれん。
帰宅して買ってきたナッツ類をミキサーで砕く。大量に出来てしまった。せっせと毎日消費しなければ。
6月4日。
プールに行く。最近痛めがちだった股関節の調子がよくなったので、クロールと平泳ぎ、水中ウォーキングを合わせて1時間ちょっと。距離にしたら1kmぐらいなのでだいぶ軽め。しかし速く泳ぐことや筋力アップが目的ではないので、これぐらいがちょうどいい気もする。
6月5日。
映画のレディースデーだったので『ホワイト・クロウ』を観に行く。ソ連時代に西側に亡命した男性バレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフの幼少期から亡命までを描いた作品。非常にぬるっとした感じで始まって、ぬるっとしたまま終わる。でも飽きない。
以下若干のネタバレ。
些細なことゆえ物語上は省いてるのかもしれないが、バレエ学校出たあとかなり強めに「祖国のために故郷に帰って踊れ」とか言われてたのにすんなりキーエフ・バレエにソリストで入団してたり、急に怪我して「2年は踊れない」と落胆したり、かと思ったら2年かからずに治ってたり、申し訳程度にそれらの理由は語られるんだけど、結構「え、その理由その一言で終わらせてもう次行くんだ」といった唐突な展開がちらほらあった。見てて「いや、そこもうちょっと詳しく!」と思ったり。でもいちいち細かく説明してたらかえって物語が冗長になるだろうから仕方ないのだろう…。あとせっかくバレエを踊れる人をキャステイングしたのだから、バレエシーンをもっとしっかり観せてほしかったなぁというのもある。でも概ね満足な作品です。
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theatrum-wl · 6 years
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【インタビュー】外間結香・竹中香子
─ アヴィニョン演劇祭2018の公式プログラムに出演した二人の日本人女優 聞き手・構成:片山 幹生(WLスタッフ)
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〔外間結香(左:ほかまゆいか)、竹中香子(右:たけなかきょうこ)。公演会場のカルム回廊中庭のそばのカフェにて。撮影:片山幹生〕
アヴィニョン演劇祭は、フランスのみならずヨーロッパを代表する規模と質を誇る国際演劇祭として知られています。「イン」と呼ばれる公式招聘プログラムには、2014年(『マハーバーラタ』)と昨年(『アンティゴネー』)、静岡県立舞台芸術センター(SPAC)が日本から招聘されました。
今年72回目の開催となるアヴィニョン演劇祭のイン・プログラムでは、二人の日本人女優が出演しました。WLでこれまで二回、記事で取り上げた竹中香子(タケナカ キョウコ)さんと フランスでダンサー・俳優として活動されている外間結香(ホカマ ユイカ)さんです。
彼女たちが出演したのはフランスのヴァランス国立劇場が制作する『海を見たことがなかった女もいた(原題 Certaines n’avaient jamais vu la mer )』という作品です。日系アメリカ人作家、ジュリー・オオツカの小説『屋根裏の仏さま』 を原作とする舞台作品で、フランスを代表するオペラ歌手、ナタリー・デセーが俳優として出演するということでも、この舞台は大きな注目を集めました。
演劇の社会的認知度が高いフランスでは、アヴィニョン演劇祭のイン演目の劇評が、『ル・モンド』、『リベラシオン』、『フィガロ』等の全国紙に大きく掲載されます。日本人女優がフランスの劇場の制作作品でアヴィニョン演劇祭のイン演目に出演するのは、オリンピック出場級の快挙と言えるかもしれません。
WLでは『海を見たことがなかった女もいた』に出演した竹中香子さんと外間結香さんにお話をうかがいました。竹中香子さんの経歴等についてはこれまでWLの記事ですでに詳しく取り上げていますので、そちらをお読みいただければと思います。
インタビューではまず15歳からフランスに居住し、ダンサー、女優として活動している外間結香さんにその経歴についてお話をお聞きしました。
1.沖縄の中学卒業後、単身でフランスに渡り、バレエダンサーを目指す(外間結香)
WL:外間さんのアヴィニョン演劇祭出演については、外間さんの出身地の沖縄のメディアが大きく報道していましたね(『琉球新報』、『沖縄タイムズ』)。その記事によると、沖縄の中学を卒業後、バレエのために単身でフランスに渡ったとのことですが、フランスに何かつてがあったのでしょうか?  外間:5歳からバレエを習っていて、8歳のときにはバレエダンサーになると決めていました。高校受験の前になると、周りの友達がバレエスクールをやめていくのですが、私はバレリーナ以外の道は考えられませんでした。でもどうすればバレエを続けていくことができるのか分からなかった。そんな時期にフランスに留学中だったバレエスクールの先輩がたまたま沖縄に戻ってきていて、彼女に相談したんです。 WL:どんなふうに相談されたのですか? 外間:「バレエをやめたくないのだけれど、どの学校にいけばバレエをやめずにすみますか?」と聞いたんです。すると「東京や大阪にはそういう学校はあるけれど、みんな私立の学校だから学費が高いよ。フランスにはコンセルヴァトワールという舞踊を学べる学校があって無料だよ」と言われて。 WL:と言われても、当時、外間さんは中学生でフランス語はまったく話せないし、フランスがどんなところかも知らなかったのではないですか? 外間:フランス語は当然一言も知りませんでした。でもとにかくバレエを続けたい一心で。相談したバレエスクールの先輩は大城洋子さんという方で、当時は28歳か9歳で、ブルターニュのケルト文化の研究のためにフランスに留学していました。私は洋子ねえちゃんと呼んでいます。「フランスという国が好きになれるかどうか知るために、まず三週間ぐらい来てみたら」と洋子ねえちゃんに言われて、みんなが受験勉強をやっている中三のとき、学校を三週間休んでパリに行きました。滞在先は洋子ねえちゃんと彼女のパートナーのダヴィッドが住んでいたアパルトマンです。このパリ滞在のときにもう絶対にフランスの学校のオーディションを受けることに決めました。 WL:ご両親はフランス行きに反対されなかったのですか? 外間:私のバレエへの情熱を母はよく知っていたので、ここで反対したらお互いによくないことになるだろうと考え、フランス行きを止めたりしませんでした。フランスでオーディションを受けてもどうせ受からないだろうし、落ちたら私も諦めて納得するだろうと思っていたようです。洋子ねえちゃんも、まさか本当に私がフランスに来るとは思ってなかったと、今は言います。15歳の私を受け入れてくれた洋子ねえちゃんとダビさんには本当に頭が上がりません。洋子ねえちゃんとは親子のような、姉妹のような関係です。 WL:フランスに行かれたあと、どうされたのですか? 外間:リヨンとマルセイユの学校にオーディションを受けに行きました。オーディションには、洋子ねえちゃんとダビさんの二人が付き添ってくれました。それでリヨン国立舞踊音楽学院に通うことになりました。リヨンでは最初はホームステイして、それから寮に入りました。 WL:リセ(日本の高校にあたる)には通われなかったですか? 外間:リヨン国立舞踊音楽学院ではもっぱらダンスを学んでいました。みんなリセには通わず、通信教育でバカロレア(フランスの大学入学資格試験)の勉強をしていましたが、私は解剖学、舞踊史、音楽の単位で精一杯でした。言葉の問題は大変でしたが、若かったのでフランス語はすぐに上達しました。半年でだいぶわかるようになっていたし、一年目で試験などでも問題はありませんでした。フランス語がだいぶ楽になってからは通信教育で日本の大検の勉強もやっていました。
2.股関節の故障とコンテンポラリー・ダンスへの転換(外間結香)
WL:沖縄のメディアの記事によると、この時期に大きな手術をされたとのことですが。 外間:リヨン国立舞踊音楽学院は4年制なのですが、最終学年にいるときに股関節に異常が見つかって、日本に帰って手術することになってしまったのです。手術とリハビリで2年半、沖縄に戻っていました。この間に大検の資格を取りました。 WL:リヨンの学校を卒業されたあとで、日本に戻ったのですか? 外間:いいえ、リヨンの学籍を保持したまま日本に戻りました。手術をするかしないか悩んでいるときに、「手術をするのだったら学生の身分のまましたほうがいい」と学校の先生にアドバイスされたのです。もし学校を卒業してから日本で手術を受けたら、フランスに戻ってきても、故障があって手術したばかりのダンサーなんてどこも採用しないだろうし、となるとフランスで就業ビザも取れないだろうと言われたのです。だから学生ビザが取れるうちに手術したほうがいいと。手術を決めてから、バレエからコンテポラリー・ダンサーに方向転換しました。2年半のブランクのあと、フランスに戻って復学し、その後2年間、学校に在籍していました。最終的にリヨン国立舞踊音楽学院を卒業したのは2011年で、私は23才になっていました。 WL:学校卒業後はすぐにダンサーとしての仕事があったのですか? 外間:学校卒業後もリヨンを拠点に活動していました。最初はラーメン屋でバイトしながら、オーディションを受けましたが、ダンサーとしての仕事は比較的早く見つかったほうだと思います。6月に学校を卒業して、11月には最初の仕事が入りました。卒業後はフリーのダンサーとして、グループやソロの公演を行っています。アンテルミタン(フランスの舞台・映像関係の職につく人のための失業保険受給資格)を獲得したのは2012年です。
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3.一人芝居『ラマン(愛人)』について(外間結香) 
WL:今回アヴィニョンで上演される『海を見たことがなかった女もいた』は、外間さんダンサーではなく女優として出演したはじめての作品だったのですか? 外間:いいえ、この前に演出家のイヴ=ノエル・ジュノ Yves-Noël Genodと作った一人芝居、『ラマン(愛人)』があります。『ラマン』は���ルグリット・デュラスの小説に基づく作品で、劇場ではなくカフェで上演されました。 WL:どういうきっかけで『ラマン』に出演することになったのですか? 外間:2015年にリヨンの劇場、《テアトル・デュ・ポワン・デュ・ジュール》で4ヶ月にわたって行われたイヴ=ノエル・ジュノの公演です。この4ヶ月間にジュノは、リヨンの俳優やダンサーたちと即興的で自由な発想の舞台を連続して8作品制作しました。この時期、仕事が空いていた私は8作品中5作品に参加しました。 最初はダンサーとして舞台に立っていたのですが、そのうちに演出家にうながされて踊るだけでなく、せりふを言ったり、歌ったりするようになりました。このときにはテロの影響で公演中止になったため結局上演されなかったのですが、フランスに来たばかりの日本人という設定でデュラスの『ラマン(愛人)』の一節を日本語で演じる作品を作りました。これをイヴ=ノエルが気に入ってくれたのです。 この後、パリでイヴ=ノエルのマスタークラスに参加したとき、同じ作品を今度はフランス語でやってみました。これを練り上げて90分の一人芝居として完成させ、パリ郊外のパンタンにあるカフェで上演することになりました。2017年6月に初演しとても評判がよかったので、今年の6月にも上演しました。夕暮れの太陽光を照明として利用した作品です。 この作品はイヴ=ノエルと私の二人だけで作り上げた思い入れの深い作品です。いつか日本でも上演できればと思っています。
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4.『海を見たことがなかった女もいた』出演の経緯(外間・竹中)
WL:ここからはアヴィニョン演劇祭で上演される『海を見たかったことがなかった女もいた』について、お二人におうかがいしたいと思います。この作品に出演するきっかけはなんでしたか? 外間:イヴ=ノエルと作品を作るようになってから、演劇の人が声をかけてくれるようになりました。この作品については、「日本人の役を募集しているよ」と教えて貰って、オーディションを受けました。昨年の夏にフランスに戻ったとき、次のシーズンの仕事が何も決まっていなかったので、これを受けないとまずいと思いまして(笑)。 竹中:「日本人役のオーディションがあるよ」というのは私も何人かから言われていたのですが、昨年ツアー公演した『夏の夜の夢・メタモルフォーセーズ』の演出家のギヨーム・ヴァンサンからも声をかけられたので、それに背中を押される感じでオーディションを受けました。この作品のオーディションではフランスに11ある国立の演劇学校出身のアジア系俳優たちが集結した感じがありました。全部で12名のキャストのうち、最終的に採用された日本人俳優は私と外間さんの二人ですが、オーディションには私たち以外にも日本人はいました。 外間:私はこの作品のオーディションで、フランスの演劇界にこんなに日本人がいることに驚きました。日本人といっても、フランスで生まれ育った人やハーフの人が多かったのですが。竹中さんとはこの作品のオーディションで知り合ったのです。私はもともとダンスのためにフランスに来たので、演劇でフランスに来るってすごいなあと。 WL:オーディションはどのように行われたのですか? 竹中:最初は15人ぐらいのグループに分かれて、90分の制限時間内に25分くらいのシーケンスを即興的に作るという課題が出されました。作るのは『海を見たかったことがなかった女もいた』の一場面です。設定を説明されて、それに基づいて作っていく。 外間:オーディションがあったのは昨年の10月ぐらいです。リヨン、パリ、リールの三箇所で、いろんなグループでオーディションをやりました。1月に結果が出るのをどきどきしながら待っていました。稽古が始まったのは2月からです。
5.フランスの舞台作品で日本人を演じることについて(外間・竹中)
WL:作品は日系アメリカ移民女性の歴史を描いたものですが、この内容についてはどのような感想をもちましたか? 外間:恥ずかしながら私はこの歴史の一面を全く知りませんでした。私の出身地である沖縄は、ご存じのとおり、太平洋戦争終戦後も米軍基地問題が大きな課題として残っています。渡米して苦労した移民女性たちの姿に、米軍に占領された沖縄で暮らした祖父母の姿を重ねずにはいられませんでした。 竹中:フランスでは、今、芸術のどの分野においても、「移民ブーム」が起きているので、移民をテーマにした作品ということに関しては、特に驚きはありませんでした。ただ、日系移民に関しては、日本で教育を受けてきた過程で、問題意識を持ったことはなかったので、慌てていろいろ調べました。
WL:稽古はどのように進められたのですか? 外間:最初に2月に集まった時は、即興的に俳優がいくつかの場面を作り、演出家に提案を行いました。 WL:このときに出た出演者からの提案は、積極的に採用されたのですか? 竹中:いいえ、あまり採用されませんでした。演出家が、照明や音響のアイディアについてはかなりきっちり決めていた感じがありましたね。スタッフと出演者の共同作業もあまりありませんでした。 WL:映画や演劇における文化的盗用が最近問題になったりしますが、日本人であるあなたがたに演出家や他のキャストが遠慮したりといった雰囲気はありましたか? 竹中:いやそういう雰囲気はまったくありませんでした。各俳優がそれぞれの判断と工夫で日本人を演じるというかたちで。演出家から具体的な修正の指示が入るといったことはありませんでした。私たち以外の外国人のキャストのほうがむしろ、日本人を演じるということをすごく意識していました。おじぎとか立ち振る舞い、着物の着方などのディテールにこだわる俳優がいましたね WL:それぞれの俳優が自分が考えた日本人のイメージで演じていたのですね。それは気にならなかったですか? 竹中:私は気になりませんでした。面白いなと思って見ていて、不自然だなと思う点はありましたが、敢えて指摘したりはしませんでした。 外間:私も他の人のことは気にしなかったですね。 WL:私は7/20の上演を見ました。物語は、日本人女性移民がアメリカで経験した悲壮な現実の歴史の話ですよね。原作者は日系アメリカ人作家で、物語は英語で書かれている。今回の舞台ではフランス語版翻訳をもとに作られているわけですが、そこで演じるのは日本人であるあなたがた二人を含むアジア系俳優を中心とする混成チームで、フランス語での上演です。幾重にも重なるこうしたねじれを眼の前にして、私は日本人観客として居心地の悪さを感じざるをえませんでした。 竹中:それは日本人観客特有の見方ですね。英語で書かれた日系アメリカ移民の物語を、フランスで非フランス人がフランス語で演じることは、フランス人観客にとってはまったくねじれとは感じられなかったと思います。 この作品はアジア人女性の集団が主人公で、アジア系俳優が多数舞台に上がっているという点が画期的なことでした。最近のフランスは社会の多様性に対する意識が高まっています。国立の高等演劇・舞踊学校でも、アジア系の学生が入学するようになってきました。フランスの演劇界ではアジア系俳優の俳優はこれまでほとんど存在しないも同然で、活躍の場がほとんどなかったのです。ここ数年、アフリカ系だけでなくアジア系の存在がフランス演劇界で問題になり始めていたので、今、アジア人を題材にした芝居でアジア人俳優を使うことは時宜に適っていました。
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ほぼ全ての国立演劇学校にこのオーディションが通知され、学校に関係するアジア人俳優のほとんどがオーディションを受けたと思います。アジア人だけというのも偏りすぎなので、最終的にはフランス人も入れた混成的なキャストになりました。リアリズムの表現が前提となる映画とは異なる、舞台作品ならではの象徴性があの混成的キャスティングによって実現されていたように思います。フランス人観客からすると、私たち二人だけがあのなかで日本人であるということはそれほど認識されていなかったはずです。
外間:フランス人観客は、日本人とかアジア人の物語というよりも、難民や移民というもっと大きな枠組みであの物語をとらえていたように思います。フランスでは移民問題が大きいので。 WL:各俳優がそれぞれ自分の工夫で「日本人の役柄」を演じていたとのことですが、竹中さんと外間さんは、演じるにあたってどのような工夫をされましたか? 竹中:渡仏後3年間くらいは、どうにかして「フランス人」俳優に追いつこうという意識があって、日本のメディアを一切自分に禁じたりして、日本人の役も絶対にやりたくないと思っていましたが、今は、「フランス語が話せる、日本出身の俳優」ぐらいの気持ちで仕事をしているので、「日本人」を演じる抵抗はなくなりました。なので、特に、「日本人」を演じるということで、特別意識した点はありません。ただ、日本語の台詞を演じるシーンに関しては、フランス人の観客が字幕でシーンを観ることを念頭において組み立てました。 外間:私は「日本人」ということよりも「20・30・40年代の日本の女性」ってどうだったんだろうと思って、小津映画を何本か観た程度です。でもそれを舞台上で真似するとか、「日本人」ということを特別に意識したことは特にないですね。最初の着物を着るシーンだけは、「和装して○○したらみっともない」と母に言われたことを思い出しはしました。大股で歩かないとか。がに股で立たないとか。元々バレエダンサーなのでよく言われました(笑)。 WL:外間さんは劇中で沖縄の歌を歌っていましたね。劇中で使われた歌は演出家が選んだのですか? 外間:沖縄の歌については私が��出家に提案し、それが採用されました。 竹中:劇中で『ふるさと』が歌われましたが、最初、演出家からは『君が代』を歌うようにという指示が出ていました。稽古開始前に『君が代』が俳優に送られてきていて、稽古初日にはみんな歌えるようになっていました。『君が代』は抵抗があったので、これはこちらから提案して『ふるさと』に変えて貰ったのです。 WL:確かに『君が代』は日本人としては抵抗がありますね。あの時代の人たちは実際に『君が代』を歌っていた可能性もないではないですが。どうやって演出家を説得したのですが。 竹中:現代の日本における『君が代』の捉えられかたを説明しました。『君が代』は単なる国歌ではなくて、『君が代』を歌うことには政治的なイデオロギーが混入してしまう。結局は私のそうした説明に演出家が納得して変更されたわけではありませんでした。演出家が「自分の故国、ふるさとを懐かしむ歌として『君が代』が適切だと思った」と言っていたので、「だったら『ふるさと』のほうが効果的ではないですか?」と提案してそれが通ったのです。 WL:日本人の出演者はあなたがた二人だけですよね? 物語は日系アメリカ人一世の話ですが、文化的な面での認識で演出家の日本理解やコンセプトに違和感を覚えたことはありませんでしたか? 竹中:私はフランス人観客に向けたフィクションとしての日本の作品を作っているという認識だったので、日本人である自分が日本人を演じるということについてはあまり意識していませんでした。このプロダクションで私と結香ちゃんの二人が日本人俳優だと意識したことはありません。私とフランス人のあいだには違ったものの見方や感じ方はありますが、同じ日本人のあいだでもそういった違いはあるわけで。 WL:外間さんはどうですか? 外間:私は沖縄出身でしかも15歳からフランスにいることもあって、「日本人的」というのがあんまりよくわからなくて。時々香子ちゃんが「日本人ってこういう動きしないよね」と言ったりすることがあって、そのとき「ああ、そういえばそうかな」という感じで(笑)。自分の感性はどちらかというとフランス人よりなので、日本人としてこれでいいんだろうかとか。そういうところが気になってましたね。 WL:舞台から感じられる観客の反応はどのように感じますか? 外間:アヴィニョン演劇祭での公演より前に、演出家の本拠地のヴァランスで初演があったのですが、反応はアヴィニョンの観客のほうが厳しい感じがします。 竹中:私はヴァランスでの公演では、観客は舞台のセノグラフィの美しさに感嘆しているように感じました。アヴィニョンの観客はもっと集中して見ている感じがある。物語の内容をじっくり聞こうとしているなという印象です。 WL:私が見に行ったときは観客がかなり熱狂的に作品を受け入れていたように思ったのですが。 外間:片山さんが見に来られた二日目は特別ですよ。ちょうど終幕のあたりから風が強く吹いて、嵐がやってきそうな不穏な雰囲気が漂っていて。そういった天候の影響の効果で、舞台が違った。他の日はあそこまで反応はなかったですね。ビジュアルが美しいし、物語もわかりやすいので、一般の観客には受け入れられやすい作品だと思います。ただ俳優の動きや位置などは厳密に決められていて、鳥かごに閉じ込められているような窮屈さが俳優としてはありました。 竹中:リシャール・ブリュネルの演出は見た目の美学が基盤になっていて、俳優の生理や物語の展開などのロジックは、演出家が設定した美学の枠に縛られているように感じました。 外間:舞台のビジュアルの美しさが最優先なので、俳優はその美学に奉仕する存在になります。公演後との疲労感は相当なものです。 竹中:この作品は稽古が進み、作品理解が深まるにつれ、動きなどのきっかけが増えていくので、俳優にかかる負荷がどんどん高くなっていくので大変です。 外間:アヴィニョンで舞台の大きさが変わったので、動きと位置のずれの調整を徹底的に行いました。片山さんがご覧になった二日目の公演では、想定外の強風のおかげで、きっちり動かなければという俳優のプレッシャーが若干弱まり、逆によくなったような気がしました。私たちにはコントロールできない天候によって、解放されたという感じがありました。観客との一体感も大きかったですね。
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6.今後の活動の展望について(外間・竹中)
WL:これからの活動の予定はどうなっていますか。 竹中:9月にパリのブッフ・デュ・ノールで、ギヨーム・ヴァンサン演出の『Love me tender』に出演します。原作はレイモンド・カーヴァーの小説です。その後、日本に戻って10月25日から28日に京都芸術センターでQの市原佐都子作・演出の一人芝居『妖精の問題』に出演します。京都エクスペリメントの演目のひとつです。 外間:私はナンテールのアマンディエ劇場のディレクターのフィリップ・ケーン Philippe Quesneの新作への出演が決まっています。これはダンスではなく演劇作品になります。11月にレンヌで初演があったあと、フランス国内外のいくつかの劇場で上演される予定です。 WL:今後の活動の展望についてお聞かせ下さい。 竹中:もともと興味のある一人芝居を、「講演会」形式で発展させたいと考えています。フランスに来てから、観客に対して、演技を見せるのではなく、観客に直接「語りかける」という手法を求められることが多く、演劇というより、「講演会」に近いかたちで、オーディエンスと関係を持つことに興味があります。将来的には、演劇教育に携わる仕事につきたいと考えています。そして、日本の演劇義務教育化を目指したいです。 外間:私はフランスをベースに活動を続けていきます。日本の演劇の状況は知らないのですが、香子ちゃんを見ていたら、日本とフランスの両方で演じることができることに憧れを感じるようになりました。イヴ=ノエルと作った一人舞台『ラマン』を、いつか日本でも上演するというのが目下の夢ですね。 WL:ありがとうございました。
(2018年7月22日(日)、アヴィニョン、『海を見たことがなかった女もいた』の上演会場Cloître des Carmesの近くのカフェにて)
【プロフィール】 ●外間 結香(ほかまゆいか)
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1988年沖縄県那覇市生まれ。飯島バレエスクール出身。シンガー・ソングライターのCocco(コッコ)らと共にクラシックバレエを学ぶ。安岡中学校卒業後、2003年に単身でフランスに渡り、リヨン国立舞踊音楽学院へ進学。2011年にリヨン国立舞踊音楽学院を卒業後は、コンテンポラリー・ダンスのダンサーとして活動する。2017年に演出家イヴ=ノエル・ジュノーと出会い、俳優としての活動も開始する。2017年に一人芝居『ラマン』(マルグリット・デュラス原作)をパリ郊外のパンタンで上演する。
●竹中 香子(たけなかきょうこ)
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1987年10月8日生。埼玉県さいたま市出身。2011年3月に桜美林大学総合文化学群演劇専修を卒業後、渡仏。同年9月にパリ15区コンセルヴァトワール(芸術専門学校)入学。2012年にはパリ地方コンセルヴァトワールに入学。2013年、日本人として初めてフランスの国立高等演劇学校の俳優セクションに合格。2016年5月末にモンペリエ国立高等演劇学校(École Nationale Supérieure d’Art Dramatique de Montpellier)の全課程を修了。2016年10月から、2017年6月までフランス国立劇場製作ギヨーム・ヴァンサン演出『夢と変身』に出演し、フランス国内16箇所でツアーを行った。竹中香子ウェブページ:https://mill-co-run.com/about/
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colourmelavender · 6 years
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タプドクは防錆二日目の30日の朝に出勤し、おそらく午前舞台だったはずなのにディレイされ、午後に押し出されたようだった。私は午後傍聴券とトップ毒出勤し、10時にインタビューを採り上がること見舞台はない見たかった幸いなことにトップ毒まだ舞台しなかったことを確認して フォンを出して傍聴に入った入ってももしかして次のステージか、次のステージであるか皆皆登場するたびに緊張して汗を何度磨いたのか知​​らない。タプドクファンとしてトップ毒今度ぜひよろしくたら、する他のチームのファンもそんな好き一挙よく分かって子供たちだ熱心に投票してくれた。 携帯電話を提出して、正確な時間はわからないが傍聴は6時ちょっと越え始めタプドクは9時頃に出てきた。トップ毒出た後に何人かの舞台をよりし休み時間を持ったその時、カメラ監督に時間を尋ねられたとき、9時50分と言われたのでぴったりその頃だったのだ。 トップ毒登場してスクリーンに名前が出ると小さな反応があった。事実、音楽放送やどこのイベントに行って「タプドク」といえば、それは誰ですか?と尋ねる人半に、あの子はまだ活動して?と尋ねる人が半分である。 ところで、よりユニットでタプドク出てくるからと、タプドクて調べてみてくれる人がいてどのように感謝していることかもしれない。 その小さな反応が人涙が出るよ メンバーは、どのよう緊張したのかきつく凍ったままで挨拶をしたが、名前の前に修飾語とアピールする行動を準備してきた。ところで問題は、マイクが出なかった。本当に一人も。矢野ゼロビジュアルホジュン賞の順に5が挨拶をする誰もマイクの音が出なく 客席がざわめいた。メンバーたちは緊張して知らか、切断することができなかったのかセンモクに挨拶をし、挨拶が終わった後、雨がマイクからチェックよといってチェック時間を持った。誰かがマイクがよく出るのかチェックをするように声を出せた メンバーたちは一列に立って "こんにちは矢野です」のような挨拶を3,4回叫んマイクテストをした。次に、再び準備挨拶をした人が、半ダース回したわけだった 多分傍聴者に名前を認識させるだけの時間だったこともあり私の目はただ慌ててより束凍っていくメンバーを見る切ない時間だった 準備した舞台を見た後の話をしようとして舞台を準備するシャー当ニーのeverybody全州が出客席から反応が出た。振付師は難しいことで有名な曲であり、すべてのメンバーがビジュアルの量手足を保持起こし立てる振付師あった 着地と同時に歌が開始されるがビジュアルが着地でミスをした。完全に超え地震なかったが、ピクトたので、よろけ姿勢をとったそれでも、その中の曲はライブで続いた。 よりユニットに出てくる誰もがそうだっただろうが、その歌を、この段階で示すためにどのよう無数多く呼んでダンス踊ったのか 相対的なものだから誰かと比較することができませんが、私の基準では、本当に熱心に準備したんだが感じられ、スーパーブートすることができないかとの期待感が生じた そうよくするもちろん!ではなく、私の基準で悪くない舞台にメンバー和が良かった体が壊れなれ踊っ防錆現場がチョロンチョロンに歌をしていて、あちこちそわそわシンナーたし、一見近くの誰かにそれ押しはず声も聞いた しかし、スーパーブートは舞台が終わる前に達成されるべきハヌンゴゴ、タプドクのブートは5カーンを満たし、より上がらなかった惜しく惜しくない場合、当然嘘だそれは大丈夫だった舞台が終わって拍手が起こっ出 呼応カーソルもし5がない場合でも過半数以上は上がるほど宣伝したと思っていた私は、いつから不安擦る面ぴったりその次からだった舞台が終わってメンバーが挨拶をして桁を保持します。客席が静かになって先輩軍団がマイクを握るぴったりその時から 最初の一言があれだった 「ビジュアルさんの舞台を開始するとすぐに大きな間違いをしました」録音がなく、わあわあ運次だから、正確な記憶はなくても、とにかくビジュアルのミスについての言及が最初だったそれにより、ステージを台無しにしたメンバーに迷惑をかけたと同様の言葉をした もちろんミスは、私たちのメンバーがし、それを評価する人の立場で十分に妥当な指摘だった非くれる、自分がミスをしたの当たっメンバーに申し訳ないという式の答えをした。誰のせいほうではなく、その状況が真気に障った 熱心に準備し、ステージを完全に示して勧め私ではなく、そのメンバーだったはずなのに、頭がどんどん下げて行くの目に見え自分を責めるのが目に見えて。先輩がミスを挽回する機会を与えと言って、最も得意なことを試みという注文をした 非与えるゼロと準備段階があるとダンスをお見せするつもりだった。二人は本当に熱心に踊ったの両方の踊りを何回か本拠ないから、自分することができる、本当に難しい詰まらせる、そのダンスに対して何のコメントもなく、よく見ました、で終わったそれ先進チームもそうだったのでなんでもいい よりアピールする機会があったことで、私は満足して他の先輩がコメントをしたメンバーの間で和が本当によかったが、ディテールが不足したという意見がぷつんと出てきたビジュアルのミスに対する言及もまた出され、 誰のコメントでも「私が舞台も良かった」という感じを受けられなかったみんな、どこか否定的で不安なコメントだった。ホジュンがに歌をヘボラン言葉出準備歌があるとしたが、最終的には無反射主呼んだそれは正直ちょっと残念だった 先進チームは歌みろしたときに準備したmrが現れた。誰と述べできませんが、誰かにとっては先輩軍団が無反動主注文したが、音響側mrを流してくれたそれでもとにかくホジュンの感謝させていただき、無反射主の歌をした。なぜ感謝と少なかっかというと その機会というの両方に公平に戻らなかったからであるゼロはビジュアルとダンスでも踊っが常道も矢野も団体の舞台のほか、いかなるものも見せてくれなかった。手を上げて見せたいとアピールをしたら、機会があったのかもしれませんが、私はすでに公平性に疑問を持った もちろん先進チームも手を上げてアピールしない限り、機会を受けられないチームがあった私たちのチームだけそのようなものではなかったところで問題は、そうでないチームもあったのだ。アピールしていなくても、何人かが出てきたチームの一人一人踊りも歌も多せたチームが明らかにあった 過ぎ去ったことであり、すでに結果が、私は仕事ですが、この瞬間だけはそれがあまりにも悔しいした私たちの賞も歌本当によくよ私の最年少ラップも上手歌も上手 とにかく、次に決定する前に、先輩がリーダーが誰なのか聞いてみた賞が手を挙げた。そこにある誰が知ったのか。賞は、その前日まではタプドクのリーダーはなかった。傍聴は30日であった29日に私たちは正式にチームが5になった通知を受けた。 賞はリーダーとして最後の言いたいことをしそう久しぶりにメンバーと舞台に立って良かった感謝の挨拶をした。先輩軍団が集まって意見を調整する時間になり、中間の中間客席から呼ぶ時股関節挨拶をしたりしながら、メンバーは、緊張したまま待っていた メンバーたちは客席の基準に 賞ホジュンビジュアルゼロ矢野 順に立っていた発表の順序は、ごちゃごちゃだったゼロが最初にあり、次の順序は、私正気ではない状態なので、正確ではないないが、中間に立っていたビジュアルの発表は、一番最後の順序であった 放送を見れば分かる先輩軍団のブートを受けられなければ、すべての照明が消え、ステージに赤い照明だけ入って来。それは実際に見ると、世界崩れる感じがしたよ ゼロ0矢野0賞0ホジュン0そのもの順番 確認した瞬間瞬間ごとに息がトクトク詰まった横で他の傍聴がざわざわざわざわするのにも何も考えがないた最後にビジュアルの順番が来た彼は先に述べたように過ちを何度も言及を受けたし、メンバーが順番にブートを受けられないガール後ろを見て 返信先���@theunit_toppさん すでに大逆罪であるの姿勢がなっていた両手をとって頭を下げていたミスのために期待さえない感じだった。 3であった。初めて明るい照明が入ってきて、3という数字が浮かんでビジュアルを選択先輩軍団の顔が傍聴席後ろクローズアップされて出てきた 私タプドクを好ん以来初めてビジュアルが泣くのを見た。罪悪感と申し訳なと感謝とその表現できない感情がこもっ初めて見る顔でわあわあ泣くの堪えるがなかった非与える適切喜んもできなかった 発表が終わった後は、彼がついた理由は、ミスをした直後から、なんとかミスを挽回して、メンバーたちの舞台に迷惑をかけないようにし、この歯を食いしばって踊るのが見えたそれほど切実に見えたことだった。 それとともに後のメンバーに落ちたとくよくよしないでね人がつきたので、この友人が熱心にしてうまくいけば、それチームの良いことだ、と言っていた、それは上にだろうか?一つでもうまくいけばというのが?良く受け入れるのに私はすでにねじれた 先輩軍団がお疲れ様でしたとするのは退場するように信号のようなことであった。その言葉を聞いたメンバーが頭を下げて挨拶して退場にでていくまだ前を見て、メンバーがあった。ホジュンが手を聞いダンスをお見せしたいとした とっくに手かからたいが、図ください一度だけ見てほしいと思った。デビュー超タプドクをユニットのようにラップライン、ダンスライン分け指す時からホジュンなダンスラインだった。本物のダンスジャルチュた一度だけ見てくれてもう一度考えて欲しいのが率直な心情だった 先輩軍団は慌てたように答えをよくなかったが、一人がそう一度みましょうながら結果発表後、ホジュンがのソロダンス舞台が行われた客席あちこちと - 弾性を聞いた舞台が終わって誰一人下手言わなかったとにかく結果はすでに発表を状況だったから だから先輩軍団でもよく見た結果は仕方ないと言うをしたメンバーは、再び挨拶して退場した。退場で最後まで歩いてドアを開けたところ、雨ホジュン氏!しホジュンこと呼んだすでに二度退場での踏んだメンバーが再び停止して顔色を見た 希望拷問が残酷であると思ったとにかく工程べき審査があるプログラムだ。しかし、彼はホジュンこと呼ん製作陣に向かって、私は責任を負うのだからホジュンシール連れて行きたいと言っていた。切実に基準なら5メンバーは誰かが不足していないと思った その言葉終わるとすぐ呼称されたホジュンはと既に合格ブートを受けたビジュアルを含む5メンバーすべて再び舞台中央に飛び出した
製作陣の間の上に行われ、最後の選択イラプシゴメンバーに質問が帰った 評価が終わった時点だったから公平性に問題があるが、それにも友人をつけ与えるに残​​っ3人のメンバーが選択をしろお前の最後の挑戦の機会を放棄し、この友人を付けることについて同意をするか?ということだった 練習生時代まで​​少なくとも6年を一戸でご飯食べて寝て、13人でスタートしヒムドゥンゴ耐えボチョソわずか5人残りの兄弟のようなメンバーがその場で嫌い私も挑戦チートハーレーがなかった末っ子矢野は質問がまま終わる前に手を点滅持って同意しますと言った ゼロも同意するし、リーダーである賞は、首詰まってやっと答えたくやしいか、分したりしてそのようなものではなく、本当に感謝しあることは感じられたいくつか月次がとにかくホジュンがは今タプドクの一番大きい兄であり、そのような彼の付いたのだったもちろん感じた点はすべて私の基準である メンバーらは最後までありがとうございましただと何度も腰を下げて退場したビジュアルのミスを包装するのでもなく、なぜ二人だけ付けヨトニャと誰かを責めるでもなく私はこのようググジョルジョル後期を残す最大の理由は、放送は編集というのがあるから もしかして編集が出た後にどのようなもの誤って伝わっがなるかと思ったタプドクは誰よりも熱心に舞台をし、現場の反応良かった舞台をできるようにいただきありがとうございだと腰下げていった タプドクの舞台が放送がされた後に公開に回す後期だ誰かが私のググジョルジョル後期を見れば熱心にしており、十分にできる子供ですタプドクよろしくお願いします
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noraosdj · 7 years
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♥それは、ある女の子のお話♥ その子は小さい頃から 股関節脱臼を繰り返して さらに小学校5年生のときに 交通事故にもあっていました でも、高校生で陸上部に入部 そして、卒業後も、走ることを続けたいと 彼女は実業団に入りを考えます しかし 入れるわけがありません そんなときに助けてくれたのが 友人のひとこと 「リクルートという会社に あたらしく陸上部ができた 今、5人ぐらいいるけど 走りたい子を欲しがっている 誰でも、いいみたいだよ。」 でも もちろん誰でもいいわけではありませんでした 彼女は断られます それもそのはず 彼女は そのへんの中学生や高校生よりも 足が遅かったんです 当時の監督とその子の会話です 「ところで、国体何位?」 「すいません、でてないんですけど」 「あ、そうか、インターハイ何位?」 「インターハイ、でてないんですけど」 「あ、そう、そうか、あと何があるかなぁ。 京都の駅伝、高校のときあったでしょ?」 「3年間補欠だったんですけど」 監督はこのときのことをこう語ってます 「実績がないからしばらく、放っておいたんです でもしつこいんですよ、あいつ(笑) 何回も電話をかけてくる さらに大学の先生の紹介状まで書かせてきて その先生が僕の知り合いだった」 ひとまずその子を練習で走らせて見ると・・・・ 案の定 みんなの最後をトコトコ走っている でも、その子は、監督にこういいました 「私は、オリンピックで走るために この会社に入りました そのためだったらどんな練習にも耐えます わたしは、他の人が1時間練習するなら 2時間頑張れます」 そこらの高校生よりも 遅かったという彼女の名前は あの有森裕子さん この後に オリンピックでメダルを獲得するほどに成長しました 日本の陸上競技女子選手で オリンピックで 2大会連続でメダルを獲得できたのは 彼女だけです 人は出会いで生まれ変わります 誰と出会うか? それで、人生はまったく変わります ではどうすれば 最高の人と出会えるのでしょうか? その方法は たった一つしかないんです 共鳴すること でも 最高の人と才能で共鳴することはできません だって相手は最高レベルで、 こちらはシロウトなんですから 最高の人には その思いで共鳴するしかないんです 最高の人には その思いで飛び込んでいくしかないんです そう、志です! 彼女が、メダルを取れたのは もちろんその努力があります でも自分の努力だけでは たどり着けない次元にワープするには 最高の師匠との出会いが必要になるんです 有森さんがリクルートで出会った監督は あの小出義雄監督でした。。。 小出監督は 雑誌「致知」のインタビューでこう語っています 「シドニーオリンピックの前に うちの女房を泣かしたんですよ 何ヶ月も合宿、合宿でほとんど家にいないから 「たまには家庭のことも考えてください」と言ってきた 僕はね 「わかった。だけどいまの俺の仕事は金メダルをとることだ 俺は子供3人と お前と この家屋敷全部併せても陸上と どっちを取るかといわれたら 陸上を取る。」 そのくらい思いがなければ 世界一の人間はつくれないですよ それくらいの思いで監督をやっている 小出義雄監督 こんな監督に出会えたらこそ メダルが取れたのです
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ama-gaeru · 7 years
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パンドラ、その箱を開けて6
 街から少し離れたところに広がる小さな森の西側に、半世紀前に打ち捨てられた林檎農園の跡地がある。
 花も実もつけないまま生え広がった林檎の木々に埋もれながら、かろうじて建っている林檎サイダー工場の裏手。
 そこを流れる浅い小川に、彼はいた。
 最初に彼を発見したのは工場でいちゃついていた若いカップルだった。
 水遊びでもしようとふざけあいながら小川にいったとこで、川の中に仰向けに倒れている少年に気がついたのだ。
 「川で男の子が死んでる。多分、あの行方不明になってる子だよ。チラシとおんなじ顔してる」と通報を受けてやってきたレオン・ヴィレール刑事は、死体を見た瞬間に見えないハンマーで脳天を殴られたような衝撃を受けた。
 凄惨の一言だ。
  体中に染み付いた打撲痕。切り傷。剥がされた爪と皮膚。不自然な形で固定された足首。抜き取られた歯。乳首にさされた凶悪な形をした鉄のボディピアス。尿道を中心に縦方向に十字に切られ、百合が咲くように広がったペニス。右臀部にナイフで彫られた「あなたを愛します」の文字。左臀部に同じくナイフで彫られた「ケツにぶち込まれるのが大好き」の文字。  死体の顔が眠っているだけに見えたのがせめてもの救いだとレオンは思い、彼に訪れた死が母のように優しいものであればいいとレオンは願った。
 死体はすぐさま回収され、詳しい検死が行われた。
 一体どこから情報が漏れているのか街の人々にはわからなかったが、検死室で明らかになった様々な事柄は、翌日には街中の人々の知るところとなっていた。
 死体の受けた拷問と暴行は人々を唖然とさせたが、最も人々を戦慄させたのは、レナルドが殺害されたのは2年前だろうという検死結果だった。
 レナルドが行方不明になったのは5年前だ。彼は3年もの間、虐待され続けていたのだ。
 血腥く残酷な噂が人から人へと伝わっていった。  同情や恐怖を口にしながらも下世話な好奇心を隠せない表情で、人々は好���勝手に口と耳を動かす。  ルネの母親もその1人で「恐いわね、犯人が捕まるといいわね」と震える声で言いながらも「実はこうらしいのよ」と不謹慎な好奇心を瞳の奥で輝かせて父親やルネに最新のゴシップを披露してみせた。   ルネと父親は顔を顰めたが、母親はレナルドが逃げられないように両足を折られ、わざと不自然な方向に固定して骨をつなげられていた事などを喜々として喋り続けた。                 *
 自宅謹慎が解けて「小人のパン屋」にやってきたシルヴァンが、ドミニクから聞いた話をしてくれた。  ドミニクの母親は警察で死体に埋め付けられた蠅の卵を調べる仕事をしている。だからルネの母親の話よりもずっと信憑性が高い。
 ルネは母親の話すおどろおどろしい話が根も葉もない噂だと言って欲しかったが、シルヴァンの話しはルネの母親がしたものと殆ど変わりなかった。  
 ドミニクの母親は自分の仕事を「通訳の1種」だと常々息子に言い聞かせているのだそうだ。  死体というのはとてもお喋りで、自分がどうやって死んだのか、いつ死んだのか、どこで死んだのか、殺されたのか、そうでないのか、殺されたのなら誰に殺されたのかをたくさん喋ってくれる。ただし、死者の国の言葉で。それを翻訳するのが自分の仕事なのだそうだ。
 レナルドの死体はかなりのお喋りさんだとドミニクの母親は言ったそうだ。たくさんの事を教えてくれるのだと。
 こんな具合に。
 やぁ、���はレナルド・ジュネ! 死んだ時は15歳の春さ!   生きている時は3年間毎日薬物を投与されていたんだ! ヘロイン! コカイン! ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンド! モルヒネ! アヘン! アンフェタミン! バイアグラ! あと注意欠陥障害の子供用の薬! アルコールもガバガバ飲まされてたよ!  薬とストレスの影響で脳みそはキャラメルみたいに小さく畏縮したんだ! 生きてるうちに滅茶苦茶酷い事をされてストレスフルだったんだよ! とても苦しんだんだ!  肛門がすっかり弛んでいるのは性的暴行をくり返し受けたからなんだよ! 複数の精子があるでしょう! 犯人は複数の男達さ! 太股を見てよ! この痣! レイプの跡だよ!   それから両足首の骨が爪先立ちするみたいな形でくっついてしまっているでしょう? これは一度両足首を折られて、それからわざとこういう形にくっつくようにおかしな添え木をされたからなんだ! 暴行を受け始めてから半年後、僕は動けない足にされたんだよ! 逃げられなくなったのさ!  折られた時に、人間では無理な程の強い力が短時間に加えられてるって事も見逃さないで! 特殊な物で足を折ったんだよ! 犯人はそういった道具を証拠としてまだ持っているかも!  僕の口を見て! 歯が全部抜き取られているよ! 僕の咽と胃をしっかり調べて! 肛門から見つかった精子と同じ精子が見つかるはずだから!  僕の手首を見て! 何かに締め付けられた跡が残っているでしょう? 皮ベルトのような物で拘束されていたんだ!  それから髪の毛を見て! 1本1本丁寧に調べて! シーツの繊維がついてるはず! コンクリートの粉塵と、土もね! 閉じ込められていた所で付いたんだ!  爪の間を見て! この土、ちゃんと見て! これはこの森の土じゃないよ! この森の土には生えない雑草の種が爪の間の土には入ってるんだ!  それにこの僕の体! 痛んでないだろう? それによく調べてみて、細胞が1度凍らせてから解凍した時にみられる破損を受けてる! わかるかい? つい最近まで僕は気温0度以下の場所にいたんだ! 凍傷の跡はないから死んだ後でね! そういう場所にいたんだよ! 例えば冷凍庫の中とかにね!  でも僕の体は結構幅を取るよ。15歳の男の子だもの! 普通の冷凍庫じゃ入らないね! これって何かの手がかりになるんじゃないかな?  手首の部分に深くて小さな傷があるね。これが僕の死因だよ。自分で切ったんじゃない。誰かが切ったんだ。そこから血が流れ出て失血死さ。  僕の体からはこの森にいる蠅の卵も、虫も寄生してなかった。川に住んでいる虫もね。  誰かが、最近、僕をここに運んできたんだ。  そしてこの川に流した。  僕からのヒントはこれぐらいさ! さぁ、僕をこんな風にした奴を探し出して! 僕をこんな風にした奴を許さないで! さぁ!
                 *
 街の住人達はレナルドの死をある程度は予見していた。  「可哀想だけどきっともうダメだろうね」と。  だが薄々そう感じているのと、実際に「もうダメ」な状況を見るのではショックが違う。  街は一瞬で不安と疑心暗鬼の繭に閉じ込められた。
 子供達は外に出て遊ぶ事を禁じられ、季節労働者は次々と解雇されて街の外に追い出された。「私たちは何も悪いことはしていない」と居残った労働者も少なからずいたが、結局スタンガンとトウガラシスプレーを持った自警団に襲われ、生傷を抱えて逃げ出すはめになった。
 人々は怒りと不安を季節労働者達に向けた。
 「こんな酷いことをまともな人間がするわけがない。まともではない人間の仕業だ。そうだ。外からきた連中だ」というわけだ。
 ヴェルニュ・バルバトールですら、街を襲った集団ヒステリーの波に押されて季節労働者を工場から解雇するしかなかった。
「あの人、すごい荒れてたよ。あの人が声を荒げて怒鳴ってるところなんて初めてみたもの」とシルヴァンは言った。
「喫茶店に行った時に、あの人がカウンターでマスターに愚痴ってるのを聞いたんだ。『あんなことをするのは怪物に違いない。今更死体をあんなところに置いて何になるっていうんだ! 死体を見せつけて、遺族を苦しませたかったんだよ。人の心がないんだ。もしほんの少しでも犯人に人の心があるのなら、死体をどこか誰の目にもつかないところにしまっておいたはずだ。そうすれば遺族は『いつか息子は帰ってくる』と、胸に希望を抱きながら生きていけるじゃないか。犯人は遺族から最後の希望すら奪ったんだ。人が苦しむのを見て楽しんでいるんだ』だってさ。しまいには『彼はなんて気の毒なんだ』って泣き始めちゃってさ。多分、ちょっと酔ってたんだな。ガスパールが迎えにきて、無理やり喫茶店から連れ出してたから。ぐずる子供とおかーさんって感じで見てて面白かったぜ」
 シルヴァンはもしこのまま犯人が捕まらないのなら、キャンディ工場はもっと治安のいい街へ引っ越すかもしれないとルネに話した。
 ヴェルニュの工場で取り扱っているキャンディの中で特別人気が高いのが蝶の形に成形した飴細工だ。まだ熱くて柔らかい状態の飴を薄いゴム手袋をしただけの手で素早く捻じ曲げ、引き伸ばし、切り込みを入れて、蝶の形に成形しなければならない。全て手作業だ。この細かい作業には子供の小さな指が必要不可欠だった。
 犯人が捕まらず、季節労働者も雇えず、子供も働かせられないのなら別の場所に移動しないといけないとヴェルニュは考えているのだそうだ。
 ヴェルニュに気がある街の独身女達はそれを悲しみ、子供達の代わりに工場で働かせてくれと申し出たが、ヴェルニュは彼女達の手を見て「こんな綺麗な手をうちの職人達みたいな分厚い手にするなんてとんでもない!」と歯の浮くような台詞で断っているのだとシルヴァンは言う。
「あのおっさん、ぽちゃっとしたただのおっさんなのに結構モテるけど、ああいうところがモテる秘訣なんだろうな。まぁ、俺はあんな恥ずかしい台詞吐いてまでモテる気ねーけどさ」とシルヴァンはいささか羨ましそうにぼやいた。
 ルネが何より気にしていたのはジョゼットについてだったが、シルヴァンはジョゼットの事は何も知らなかった。
「様子を見て来てくれない? 同じ学校だって言えば入れてくれるでしょ?」
「無理だよ。お前は知らないだろうけどさ、ルネ。今、病院はすごい状態なんだ。レナルドの件でマスコミが押し掛けててさ。当分は家族でもなきゃお見舞いなんてできないよ」
 ルネが肩を落とすと、シルヴァンは「聞いた話だけど、怪我自体は回復に向かってるらしいよ。意識は戻ってるってさ」と言ってルネを慰めた。 「ジョゼットの家はもう無茶苦茶だよ。不幸って不幸な人のところに吸い寄せられてくって本当だよな。ジョゼットがああいうことになったと思ったら、今度はレナルドがああいう状態で見つかっただろ? 母親も父親もレナルドの死体を見たショックでぶっ倒れて、今はまともに話が出来ないってさ」 「何もそんな酷い死体、見せなくてもいいのに」とルネが言うと、シルヴァンは同意する顔をして頷いてから、苦々しい口調で言った。 「本人確認しなきゃいけないし、ほら、親だけが気が付けるヒントがあるかもしれないじゃないか」  暗く沈んでしまった空気を切り替えようと思ったのか、シルヴァンは「あぁ、そうだ!」と急に声を上げた。 「ガスパールとジョルジュが喧嘩してるって知ってるか?」  ルネはパチパチと瞬きをしてからうっそだーと間の長い声で言う。シルヴァンはその反応に満足した様子で少し得意げに鼻を上に向ける。 「マジ、マジなのよこれがさ! 殴り合いまでいったんだぜ!」  ルネはシルヴァンを睨み「またそういう嘘つくんだから」とため息混じりに言う。  ガスパールは飄々として争いを避けるタイプだし、ジョルジュはそもそも人と喧嘩する程深く関わらない。ルネはこの街に来た時から2人が言い争ったり、殴り合い寸前の険悪な空気になったのを見た事がなかった。  シルヴァンはルネのその反応を楽しんでいるかのような顔でさらに続けた。 「本当なんだって! 2週間前、丁度レナルドが見つかった日さ、珍しくガスパールが学校に来てたんだ」 「へぇー、珍しいね」 「で、あいつは学食で1人で食事してた。上の学年の女達が何人かガスパールに声をかけて、一緒に食べようとか喋ってたみたいだけど、あいつは全部断ってた。おっぱい先輩もいたのにもったいないよな」  「おっぱい先輩」という本人が聞いたら怒り狂いそうなあだ名で呼ばれているのはペリーヌ・ユタンというガスパールと同学年の少女だ。  毒っぽさを含んだ美人で、とにかく胸がでかかった。特大サイズの胸が歩く度にポヨヨーンと音を出すようにピッチピチのシャツの下で動く様は女子生徒の反感を残らず買い集め、男子生徒の股間を熱くさせた。  ペリーヌが食事をする時、彼女はその胸を「重くて肩が辛いから」とテーブルの上に乗せる。そうするとより一層谷間が強調される。  ルネは彼女の胸がブルンブルンと揺れる様を想像しながら「ガスパールらしくないね」と眉を寄せる。普段のガスパールなら大喜びでペリーヌの誘いに応じるだろう。 「だろ? その時は対して気にしなかったけどさ。それでおっぱい先輩がいなくなったら、俺達も久しぶりにガスパールのエロ話でも聞かせてもらおうと思ってあいつに話し掛けたんだ。でも、あいつは「予定があるからダメ」ってさ。それから「お前らちょっと遠くのテーブルに座った方がいいぞ、危ないから」って言うんだよ。あいつにしては随分マジな感じだったから、俺達は言われた通りにガスパールから離れたテーブルに座ったんだ。でも皆ガスパールを気にしてたんだ。何かクレイジーな事が起きそうだったから」  シルヴァンは一度小さく咳払いをした。 「食堂にすごい険しい顔をしたジョルジュが入って来た。あいつはぐるっと食堂を見回して、ガスパールんとこで顔を止めた。ガスパールはずっとジョルジュを見てた。ジョルジュはもうガスパールしか見えてないって感じでさ、人を押し退けたり椅子を倒したりしながらガスパールの所まで歩いて行ったんだ。ガスパールの側にいた連中はヤバそうな気配を感じたみたいで、みんな立ち上がって別のテーブル に移動した。俺達は逆に2人の方に近づいたんだ。何だか面白そうな感じだったし」 「2人は何を喋ってたの?」 「ガスパールは自分の前の椅子を軽く蹴ってさ、座れって言った。「話しがあるんだろ?」って。ジョルジュはじーっとその椅子を見ていたけど、結局立ったままだったよ。黙って睨み合ってたけど、先に動いたのはジョルジュだった」  シルヴァンが言うにはジョルジュはガスパールの顔を睨んだまま、いきなりテーブルを横に蹴り倒したそうだ。軽いプラスチックのテーブルはごろごろ転がり、ガスパールの食べかけのランチと食器が床に散乱した。  騒がしかった食堂は静まり返り、皆の視線が2人に集まった。
 ガスパールは周囲を気にして「なんでもない。ちょっとした喧嘩なんだ」と叫んでいたが、ジョルジュは世界中でガスパールと自分しかいないって感じだったそうだ。  ジョルジュは一言だけガスパールに言った。  「わかってるのか?」  ガスパールは一言で返した。 「終わりにするんだ」  2人はまた固まって動かなくなった。  そうして睨み合っていると、ジョルジュが蹴り飛ばしたテーブルが肩にあたった生徒がジョルジュの肩を掴んだ。  その生徒はボクシングクラブの紋章が入ったベストを着ていて、背がとても高かったそうだ。  シルヴァン達はジョルジュがぶん殴られてくしゃくしゃに丸められてポイされてしまうんだと思ったそうだけど、そうはならなかった。  ジョルジュは急に大声で笑い出した。  笑い声の竜巻きが食堂の中でグルングルン回転して、そこにいる人間の精神とか、気力とかを剥ぎ取っていくように思えたとシルヴァンはいう。ゲラゲラと耳障りな声で、息継ぎなんか殆どしていなかったそうだ。完全に頭がどうかしてる奴の笑い声だった。ボクシングマンはジョルジュから手を離し、何か悪態をついて食堂から出ていった。びびったのだろうとシルヴァンは言う。  みんなが遠巻きにジョルジュを見ていた。みなの視線に恐怖と不安が浮かんでいた。ガスパールだけが毅然とした顔でジョルジュに対峙していた。  笑うだけ笑うとジョルジュは長ったらしい髪の先をイライラと引っぱりながら、ガスパールに立てと命じた。  ガスパールは「争う気はない。俺は俺が正しいと思った事をしただけだ」と答えた。それを言い終わるか終わらないかという所でジョルジュがガスパールに殴り掛かった。
                  * 
 「今まで見たことあるどんな喧嘩とも違うんだ。なんていうか、ヤバいんだよ。相手を殴って、参らせてやろうって戦い方じゃないんだ」
                  *
 喉仏や、目や、鼻や、急所、脇腹、膝。  そういった急所ばかりをジョルジュは狙っていた。上級生達の荒っぽい喧嘩をシルヴァンは見慣れていたが、そういったものとは明らかに違う「相手を叩きのめす」ための喧嘩ではなく、「相手を殺すため」の喧嘩に見えた。  ジョルジュとガスパールはお互い掴み合い、テーブルや椅子をなぎ倒しながら食堂中を暴れ回った。ミルクやサラダのこぼれ落ちたリノリウムの床に2人は倒れ、倒れたまま周囲の制止を無視して殴り合う。  短いが激しい殴り合いを制したのはガスパールだった。  ガスパールは上向きに倒れたジョルジュの上に股がって馬乗りになり、拳をジョルジュの顔に突きつけた。
 2人とも顔中鼻血だらけで服や髪が固まった血で黒く汚れていた。
「終わりだ」とガスパールは言い、口の中にたまった血を床に吐き出してから立ち上がって食堂から出ていった。
 ジョルジュもふらふらと立ち上がり、ガスパールが出て行ったのとは違う出入り口から食堂を後にした。出て行くまでの間、彼は「そうやって、逃げる。いつも。いつも。お前はそうやって逃げる」と何度も呟いていたそうだ。
前話:次話
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ntrcp · 7 years
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混乱する夫18
それでも仕事は山積しており、今日片付ける事は無くとも予定の立案は始末しておかなければならなかった。 ディスプレイに視線を向けて集中している内に、脳裏のざわめきは引いてゆき気がつくと終業の時間となっていた。 昨晩も遅かったので、身体自体はさほど疲労していなかったが帰宅する事にした。 部下にも今日は早めに切り上げる事を伝えると、雨にぬかるんだ駐車場に向かい車に乗り込んだ。 車内の独特の香りは神経をリラックスさせ、座席で大きく伸びをするとエンジンを始動した。 幸いラジオでも渋滞はさほどない情報を伝えており、帰宅��スムーズと言って良いものだった。 自宅に戻ると早い時間もあって空腹感はさほどなかった。 夕食を整える必要も感じず、pcの前に座ると犯人の指定したサイトに接続した。いつになく情報の流入を示す画面下部のスライダーバーをもどかしげに見つめていると犯人からのメッセージの到着を告げる表示が現れた。 遂に犯人が自分が細工したファイルを送ってくるかと思うと、心拍数の高鳴りを感じた。が、自宅で妻が帰宅する事を思えばここでそれをダウンロードする事は得策とは思えなかった。 帰宅してからの再度の外出は億劫なものである筈だったが、ノートpcの入った鞄を持ち上げるとそそくさと自宅を後にした。 特に目的地は決めていなかったが、幹線道路を真っ直ぐに走るうちに閑散とした倉庫街を通り掛かるとハンドルを切り進路をその中にある仕事で取引のある業者の付近に向けた。 自分の位置情報が捕捉されるなら可能な限り自然にみえた方が良いとの判断だったが、姑息な事をしている感覚は拭えなかった。 辺りは暗くなり、人通りも無く物音といえば時折幹線道路から響く騒音のみだった。 車を降り、孤独に照明を灯す自動販売機で飲物を購入するとそそくさと車に戻り犯人の送ったファイルのダウンロードを始めた。 おおよそ1時間は掛かる見込みだったので、再び犯人からのメッセージに目を通すのだった。 ご主人へ 奥様を開発中の映像をお送りします やや手の込んだ方法ですが、奥様の魅惑的な姿を写しています 是非ご覧下さい 恐らくご主人は私の事を憎んでいると思います しかし、私に手が届くことはありえず、当局に訴えでるような危険を冒す事は無いでしょう そこで考えていただきたい事があります 私がこれまでお送りした映像でより多くを見たいと思った事があるでしょう 私は奥様を壊すつもりはありません むしろ、ご主人の要望を叶えて差し上げていると言えます 今の奥様にご主人からこのような映像を見たいと言っても叶う事はありません あと10年先にここで映像が終わりとなっても後悔する事はないでしょうか 美しく乱れる奥様を映像の形で残す機会はこれを於いてないでしょう 一方的であることは承知していますが、ご主人の賛同があればより良いものをお届けします もし、それが不服な承諾であったとしても構いませんし、こちらから従わざるを得ないリスクを提供しそれでご納得いただけるなら、それでも結構です 今後、幾つかご主人にはお願いすることもあるかもしれませんが上記を良くご検討くださるようにお願いします 幾度読んでみても以前の様に怒りに血流を増すことがなかった事は驚きだった。 犯人のメッセージに自分の心情を読み取られているようで不快ではあったが、全くない事と言下に否定できない事も事実だった。 誰しも年齢を重ねれば老いを迎え、果たしてその年齢を迎えた時に犯人からの申し出を否定した場合に後悔が残らないかと言えば迷いを感じない訳にいかなかった。 最愛の妻を凌辱しつつ高慢この上ない文面は、もし目の前に犯人がいるなら誓って息の根を止めるところだったが、できない事を言い訳に最上の、誰にも知られる事のない妻の痴態を見る欲望は消えなかった。 犯人からのメッセージがなければそのような妄想は浮かぶはずもなかったが、窮地にある立場としては犯人に委ねるしか選択肢はないのかもしれないと考える頭は疎ましかった。 考えを振り払おうと、画面を下らない情報サイトに移したが文面に集中する事はできなかった。 ダウンロードが完了するまでは確定しなかったが、それに犯人につながる情報が含まれていると思えば、まだ解決の余地は残されていた。 そうとすれば決断する必要さえもなく、ただ待つだけで良いとも思えた。 ダウンロードが完了するまで30分程となったので、今一つ集中できないサイトを離れ、若者が撮影した女子社員の机の下の映像を開くのだった。 再び見るそれでも、おそらく妻と思われる画像に食い入るように見入った。 幾つかの写真をみても、やはり制服のスカートは自分の知る長さだった。余程脚を開かない限り股間まで光が届く事のない覆いを見たが、昼間に見た妻の下半身との一致は見出せなかった。 ため息をつくと、他の女子社員のものに視線を向けたがその長さは今日の妻との一致を見た。 よく考えれば妻のスカート丈はようやく他の女性と同じになった程度の事で心配する程の事はないと自分に言い聞かせるのだったが、犯人の束縛がないであろう社内で何故そのような変化を見せたのかは説明したくなかった。 妻の着衣で肌を露出する面積を増すことは単に自分を良く見せたいという女性らしい心情を満たすのみであれば良いのだが、それは必ず男性からの視線を意識することになるのだった。 妻を賛美する視線には性的なものも含まれると思えば愉快ではいられなかった。 画面をみているうちに急にやりきれない気持ちに襲われ映像を閉じると妻の携帯の位置情報サービスの画面を開いた。 夏祭りの打ち合わせがあるとのことだったが、夏祭りの準備をしている自分にも妻が夏祭りで何かをするような話は聞いていなかった。 妻の行動に疑念を持つことは誤った考えと知りつつ画面を操作し得られた情報を見ると、その位置は会社からさほど離れていない町内の体育施設だった。 公の施設でもあり、疑念を持つような場所では無かった事に安心すると考えを巡らせたが、夏祭りの打ち合わせならば社内ですれば良いところに社外に出ることが分からなかった。 夏祭りの準備で当日の進行は大体頭に入っているのだったが、特に妻が参加する予定はなかった。職場が事務部門なので何かの手伝いに駆り出されることはあるかもしれなかったが特段打ち合わせが必要なものは思い浮かばなかった。 ふと出し物以外に頭を向けると、ステージの演目に考えが及んだ。 夏祭りではグランドの中央に盆踊りの櫓を仮設業者に依頼して作るのだったが、同時に中央近くにステージも建てそこで近隣の学校や団体の発表を行うのだった。 子供の太鼓や空手教室の演武などは微笑ましいものだったが、時代なのか一昨年あたりからチアガールの発表に大きなカメラを持ち込む輩も増え会場の整理に気を使わねばならないなど苦労が増えているのだった。 昨年は社内の女子社員がダンスを披露し、団体名のみ記憶していたところで社内の女性集団だったので驚いたのだったが、出場枠は抽選となっているので公平性の点を危惧した事もあった。 実際には事後の反省会の席で年配者のフラダンスなどよりよほど華があって良いとの事で安心し、年配者からはそこまで気を使わなくても会場を提供する会社に感謝こそあれこの点を問題とするような事はあり得ないとの言葉を貰い胸を撫で下ろしたのだった。 その余波として社内で非公認のサークルができているという話��妻から聞いていた。 昨年は仮設業者を変更した事で予算が余り、それを見透かした業者が特別価格で照明と音響設備を提供するとの話に乗った事で舞台が派手になり評判も良かった。 今年は出場団体が事前に照明効果の打ち合わせを業者に依頼する仲立ちが必要になったと同僚から嫌味を言われた事を思い出すと心中穏やかでは無かったが、近隣地域の同種の祭りとの差を気にする地域柄今年は無しにする選択は無かった。 業者の思惑にまんまと嵌ったような気がしないでも無かったが、町内会の会長の面々は表立って言わなくても近隣の祭りとの差に満足しており、それが祭り終盤の花火大会の協賛金増額に表れていた。 余計な事まで考えが及んだが、おそらく妻は夏祭りのステージでの演目に関係していると想像することで一先ず安心できたのだった。 画面のダウンロード状況に目を移すと、気づかぬ間に終了していた。 いつものように圧縮されたファイルを解凍すると、そこには映像ファイルがあった。 そのファイルにはおそらく犯人による妻を凌辱した映像が収められている筈だったが、いままでの物と異なる点はそれが事前に自分が細工した可能性がある事だった。 ふと気が付くとその映像に目を通していなかった事に驚いた。妻が送ろうとしたファイルを自分で細工したものと入れ替えした記憶は鮮明にあったが、いままでその映像ファイルに目を通す事がなかったのだった。 そう思うとファイルにポインタを当てダブルクリックするだけであるのだったが、理性は優先順位を叫んでおり指の動きを押しとどめた。 あらかじめノートpcに設定したあったアプリケーションを開くと、その画面はシンプルにファイルを選択するボタンのみだった。 いま解凍したファイルを選択すると、アプリケーションは暫く処理中である表示を見せたかと思うとすぐにその表示は処理終了に変わり、画面下部の表示領域にそのファイルの設定値の集まりを映し出した。 妻の痴態映像を見る時のように心拍数が急増するかと思っていたが、自分の身体に変化はなかった。 それはただ散文的に退屈な事務処理をこなす時のように画面に映る処理をこなす時と同じだった。 事務的なpc画面をみれば体調に変化の無い自分が奇妙ではあったが、画面に映る文字列の解読にはいった。 上から順にファイルの作成日、作成者と普通の設定があり、その後に映像のフレームレートなど詳細な設定があったが、その末尾周辺に目指すものがあった。 自分が求めたものは、そのファイルを扱ったpcに設定されているインターネットへとつながるゲートウェイアドレスと、接続したルーターのMACアドレスだった。 どちらとしても、ゲートウェイアドレスが会社など識別できるものか、ルーターが公衆に繋がるものかである可能性に賭けたのだった。 先ずゲートウェイアドレスに望みがない事が判別できた。それはプライベートなネットワーク内で用いられるもので個人の特定に用いるには用を成さないものだった。 やや苦い思いをしながら、次のルーターアドレスを見ると希望が蘇りその文字列をコピーした。 ブラウザーを開くとブックマークしてあった公衆MACアドレスの検索サイトを開き、それを貼り付けして応答を待った。 画面の更新がない事に焦りを感じる間も無く、画面には緯度経度が表示された。 もともとはGPS衛星の情報によらず、あらかじめ公衆MACアドレスの位置を示したデータベースからPCの自己位置を調べる為のものだったが、然るべき方法をとれば逆引きすることもできるのだった。 別に開いた地図サービスから指定した緯度経度の場所をみれば、首都圏のベッドタウンといって良い住宅地の中にあった。 可能性としては会社など団体のもので個人の特定は難しいのではないかと考えていたが、画面に表示された戸建が並ぶ住宅地にあっては特定が容易なものと思われた。 いままで雲を掴むような犯人の捜索に大きな手掛かりを得たことは大きな収穫だった。 どのような理由にせよ犯人の行為は社会的にも個人的にも許されるものではない事は確かで、適切な手段で犯人を捕らえる必要があった。 犯人からの脅迫にあるように、適切な手段で行わねば必ず妻の将来が閉ざされると思えば安易な行動は慎まなければならないのだったが、いまからも地図の位置に赴きたいと思う思いは冷めなかった。 今は行動を起こすよりも、計画を立てるべきと自分に言い聞かせるように地図の位置をインターネット上で検索するとめぼしい建物は2つに限られた。 航空写真でみれば一つには車が2台、ワンボックスのワゴンと軽自動車のようだった。もうひとつの家には黒いセダンがあることを考えれば、前者は否定できるように思われた。 目を皿のようにして仔細に観察すれば、前者に庭には子供の遊具らしいものが写す影があり、犯人の人物について詳細は分からなくても、家族を持っている印象はなかった。 安易に結論に飛びつく事はできなかったが、差し当たり近日中にこの2件の登記簿をみれば姿を現さない犯人を明らかにする事ができるものと思われた。 身体が震える程の喜びを感じたが、果たしてここ最近の出来事からその感情が適切なのか、あるいは陰湿なものではないかと自問するのだった。 そのまま満足感を得たまま帰宅する選択もあったが、ハンドルに手を掛ける前にダウンロードしたファイルを開いてしまうのだった。 画面は日中の揺れ動く街中の映像で始まった。映像の場所は自分の記憶には無かったが、立ち並ぶビルに飲食店などが見えるところを見ればどこにでもあるオフィス街のようだった。 カメラは犯人の鞄に納められてるのか、しきりに揺れ動く画面は自分が犯人のうちにとらえられているようで不快感を催すのだったが、犯人の歩みは信号のある横断歩道をわたった先にあるビルに進んでいった。 そのビルは1階に不動産屋が入っているらしいこと以外は特に特徴もなく、明るい外からビルの中に入った事で一瞬画面が暗転した事には戸惑ったが、徐々にカメラの昨日が働きだし、内部の様子を明らかにしていった。 さほど新しい建物ではないようで、一昔前の建物のようにエントランスは狭く、エレベーターの奥にビルに入居している店舗の一覧が金属製のプレートに示されていた。 犯人はこの建物を知っているように迷いなくエントランスの奥にあるドアを開けて階段を登ると3階と表示のあるドアでフロアに出た。 そこはビルの外観に比して小綺麗にカーペットが引かれ、壁も染みひとつなく単色の場所だった。 意外に感じたが、一瞬写った看板には、司法書士か弁護士の事務所らしい表示があればそれも納得出来ることだった。 犯人は迷いなく男性トイレのドアを開けると、一番奥にある個室のドアに歩み寄った。 そこに妻が写し出される可能性が頭に浮かぶと一気に鼓動の高鳴りを感じたが、内開きのドアの中は無機質な便器がその清潔な白さを持って不浄な自分の心中を見つめているのだった。 ひとまずそこに妻の姿がないことには安堵したが、犯人の意図が読めないことには混乱が増すのだった。 画像はやや高い位置にある小窓に向かうと犯人の手はそれを開けた。 その時画像が乱れ、自分の視野は犯人によって幾度も振られると唐突に画面は白くなった。 画像は突然外に向けられた事に抗議するように白く曇ったが、建物に入った時のようにやがて鮮明にトイレの窓から写された外の様子を写した。 犯人の意図は即座に理解できた。 視線の先には道路を挟んで向かいにあるビルの3階にある喫茶店を写していた。 そのビルの窓越しに通りに向かって座る女性は妻であることに疑いは無かった。 カウンターテーブルの上では白いブラウスを着た妻は携帯電話に目を遣りやや俯き加減で写し出されていた。 そこまでは何ら問題にする点は無かったが、カウンターテーブルを挟んでその下部は自分の心臓を締め付けるに十分な光景だった。 妻はやや短めというには過ぎたグレーのショートスカートを履いていた。普段膝より上を見せるスカートを履くことは珍しい妻だった。 向かいから見れば座っていることで太股まで見えてしまう危機感のある衣服を見に纏っていることはその伴侶とすれば自分意外の者に性的アピールをしているようで不愉快だった。 ショートブーツから優美な脚線は黒いタイツにおおわれていたが、その末端に視線を写すと、それはスカートに隠れ切っていなかった。 それを確実と言い切れるほどには鮮明ではなかったが、その時犯人が映像を妻の下半身一杯にズームしたことでそれは確実になった。 正直、妻は出会う誰にでも美しいと言われる訳では無かったが、少なくとも男性であればその胸の膨らみと脚線美には惹かれるものがあるのではないかと思われた。 妻が自分意外に誘惑される可能性が相当に高くは無いと思える事は安心と同時にその全てを知る自分の満足ともなっていたが、公衆の面前でここまで大胆な服装では自分の知る妻の中を晒けだす事はそれを削り取るに等しい振る舞いだった。 映像からも滑らかさを感じる妻の膝から太股に黒色の脚線をなぞった線は突然白い柔肌に続いていた。 それは良識ある女性ならする筈もない角度で股は下品に開かれており、両足の合わさる場所にはそれが確かに分かるショーツが白い光沢を上に被さるスカートの影にあってさえ見せているのだった。 公衆の面前で妻がそのような姿を見せている事は信じられない光景であったが、全く普段と変わりないカウンターテーブルの上との差異が日常と非日常を分けていた。 呆然とする前に慌てて視野の橋をなぞったが、ビルの3階ともあれば地上からそれが見える可能性は無視していいのかもしれなかった。 よく見れば妻の座る席の位置はガラスより幾分交代しており、それは建築者の当然の配慮だと思われた。 何度見ても携帯を散文的に眺める妻の上半身と対照的な非常識さを写す下半身はそれが意図して行っているようだった。 座れば太股を露出するような姿をしてまで股間をだらしなく開く事は考えられず、以前スーツ姿を纏って電車の車中でもきれいに膝を揃えている事を尋ねた記憶が甦った。 隣り合った妻のそれを眺めて、自分も試みたところ妻は突然吹き出し品を作ったオカマのようだとくすくすと笑うのだった。 妻は女性は自然とスカートを履けば膝を開かない事を意識せずとも出来る事を話すと急に小声になり、そこを見せるのは自分だけと恥じらいながら言ったのだった。 妻がかつて言った、そこは今や意識して開かれているとしか思えず、その鈍い白さに目が奪われた。 自分のいる対面のビルからはそこが見えると思えば焦燥感に駆られたが、この映像が既に過去の事であればもがく余地のないことは自明だった。 映像は数分の事だったと思うが、妻が羞恥に耐えられないのかその太股を微妙に閉じようとする度に微妙な陰影がさらに陰猥な影を作った。 妻が少しでもスカートを伸ばそうと手をその端に掛けて軽く座り直した時など、座る角度が浅くなってしまったのか、ショーツが秘部を隠している場所を示すクロッチが見えてしまったのだった。 犯人は期を逃さず、妻の股間を画面一杯に広げ、強制的とはいえ妻との性交でそこに舌を這わす時と同じような妻自身の香りが鼻腔に広がった感覚を覚えた。 すぐに妻は姿勢を直してしまったが、その性的魅力に溢れた映像を逃した事で先程とは別種の焦燥感���覚えた事に自分の複雑な感情にいまさらながら気付くと同時に男性としての恥じらいを覚えるのだった。 いつまで妻を嬲るつもりなのかと自分の無力さを感じていると、画像は自分の希望を叶えたように妻の太腿に力が入ると立ち上がる姿を写した。 カメラが急に引いても視線はスカートに隠された妻の股間ばかりに向いていた。 妻は立ち上がると奥へと歩いてゆく姿を僅かに写すと視界から消えた。 これで映像が終わるのかと、あっけなさを覚えた自分を即座に戒めているうちに店の奥側にある��ックス席に数人の若者が座っていった。 それは盗撮というよりただの日常を描いているようで、自分が学生の時分に煙たがられながら喫茶店で友人と過ごした事を思い出した。 他愛もない事を思い浮かべて若者の集団を眺めていると、その脇を女性が通りかかる姿が目に止まった。 それが妻とはすぐに分からなかったのは普段は留める事のない髪を後ろで結い頭全体が一回り小さく見えた事、そして先ほどまで纏っていたブラウスを小脇に抱えていたからだった。 さほど暑い季節でもなかったがブラウスを脱ぐほどでもないかと考えると頭に疑問符が浮かんだ。 妻は先ほどまで腰掛けていた椅子に元通り座るのだったが、先程と同じように見えない違和感があった。 漫然と眺めてもすぐには判らなかったが、その理由はすぐに判明した。 本能的に妻の見事な曲線を描く脹脛に視線を向け、それを徐々に上方へ移してゆくと妻はそれに反応したように躊躇いなく柔らかな肉体で閉じられていた谷間を開いた。 その時には妻は俯いており視線をカウンターに向けていたが、時折左右を確認するように顔を振る仕草で妻の表情は赤面している事が分かった。 飽きる事なく再び犯人によって視線は妻の股間に集中していった。 それから顔を背ける事はできず拡大してゆく映像を見つめていると、スカートの影に隠れてさえ白さを見せたショーツは確認できなかった。 急に高まった鼓動を抑える事なく抽象画のように妻の股間だけを画像は遂に妻の秘所が直接外気に触れていることを示した。 下品に開かれた妻の太腿は白さを翳らせながら股間に伸び、その中央では柔らかな薄い陰毛が申し訳ていどに生えていた。 そのすぐ下からグレーのスカートが座席に触れていた箇所に僅かに妻の性器の始まりであるやや色を濃くした部分を確かに捉えていた。 それがある種の性的な戯れである事程度は知識にあったが、それが現実に妻に起こり得ていることは衝撃だったが、直接犯人が妻と性交渉した場面に比べれば幾分救われるものではあった。 が、しかし映像はその程度で終わるつもりは無いのだった。 カウンターテーブルを挟んで下半分は恥じらいの影もない下品なものだったが、まだ上半身は妻の表情を除けば日常のものだった。 妻はビルの下から視線が通らない事を確認するように二三回下方を見やると、緊張しているかのように無表情なり、おもむろにスカートにたくし込まえたキャミソールに手を掛けた。 まさかと思ったが、妻の腹に白い肌を目にしてこれから見せられる屈辱を想像した。 おずおずと妻は片手でキャミソールを持ち上げていたが、やや余裕を持った布地は胸に向けてぴったりと張り付いており、股を開き腹を晒した状態で妻は止まってしまった。 妻は躊躇いがちに顔を下に向けると、腕を胸につけたまま徐々に二つの性的秘所を晒していった。 乳房の下あたりがようやく見えようとした時、そこに本来あるべきブラジャーの姿は無かった。 妻は豊かな胸でもそれは張りがあり、立ってさえその頂点はやや上方を向き裸体の妻と触れ合う時は、妻が恥じらいを浮かべていても二つの乳首は自分に挑戦するかの如くこちらを向いているのだった。 そんな事を考えていると、妻の動きの遅さに苛立ち、場違いな感情にさらに苛立っている自分が情けなかった。 遂に妻の胸を覆う布は乳首まで晒すと、それを通過する瞬間それが僅かに跳ねる動きを見せた。 それは残酷な事実だった。 自分が妻の乳房を見る時は大抵性行為の際だったが、稀に数回の交わりで妻が疲労にそのまま寝てしまった時など、朝に目にする妻の乳首は自分が吸い付いていた時より明らかに勃起していなかった。 その場合は目覚めに妻の胸に頭を埋め幸せに浸るのだったが、画像の妻のそれは性行為時と同じように屹立していた。 羞恥心のある女性であれば有り得ない姿を晒しては止むを得ない事だったが、妻が性的興奮にあると理解出来ることは限りなく不愉快だった。 片方に乳房は乳首寸前で止まっていたが、もう片方は僅かに正円を外れた事でさらに魅力的なフォルムの白い乳房全体を曝け出していた。 アダルトビデオの様に動きがある訳でもなく、ただ妻は片方の乳房と股間の性器を正面から見せているだけだったが、それは自分自身の視点で見る妻よりセックスアピールに満ちていた。 ふと、頭に犯人の言葉が浮かんだ。 あと10年先にここで映像が終わりとなっても後悔する事はないでしょうか 美しく乱れる奥様を映像の形で残す機会はこれを於いてないでしょう このまま犯人によって撮影された映像を見ることが絶えても構わないと心の底から言える自信はあった。 が、画像の妻がしきりに頭を左右に向ける事で柔らかを示すように揺れ、そのたびに乳首が僅かに方向を変える事に視線が集中している自分には僅かな動きと同じようにその自信に揺らぎを感じるのだった。 どれくらいの時間たったか、短いといえば短く、長いといえば長い、苦しみと陰猥さが混じった画面の下をみると、まだ映像が始まってから15分程度の出来事だった。 漸く妻は股をピッタリと閉じると、腕の動きが不自然にならないようゆっくりと胸を隠していった。 薄いキャミソールは妻の胸に張り付き、今までの乳房を隠す事がさらにその形を知っている事で興奮を増すようだった。 それに目を留めている間に妻はブラウスで胸を隠してしまった。 いまや過剰に乳房の形を示しているキャミソールを除けば他は普段と変わらぬ姿になった妻は、半分飲みかけのグラスを手に取ると、その場を去っていった。 ボックス席の若者の頭が一斉に動いたところを見れば、妻の胸に一枚しか纏わぬ姿は彼らの視線を浴びせるには充分に性的魅力に富んでいる妻の姿を思い描いた。 映像の余韻も残さず画像は一瞬暗転するとすぐに次の場面を映し出した。 何の変哲もない駅前の雑踏のようだった。 どこの駅かと探したが、おそらく駅ビル付属の入り口は画面の隅にあり鮮明にそれを読み取る事は出来なかった。 いずれ妻を写すのだろうと思っていたが、映像は一向に妻の姿を見せなかった。 人の動きよりその風景に注目していると、まるでそこは無人の駅前のように錯覚に陥り我に返った。 と、犯人の意図が読み取れた。 その姿がさほど大きく無いので確実とは言えなかったが、状況からそれが妻であることは間違いないものと思われた。 駅前の広場の傍らにあるベンチに妻は腰掛けていた。 普段掛ける事のないサングラスを掛けている姿は確信までは言えなかったが、その身体とグレーのスカート、ショートブーツは先程の妻の姿だった。 が、その上半身には薄い布一枚が覆っているだけだった。 それは先程までキャミソールかと思っていたが、肩にかかる部分がストラップでないため、黒のタンクトップだったと分かった。 が、幾分暖かとなったとは言え、周囲の行き交う人々から比べるとやや珍奇な服装であることは確だった。 妻を写す映像は幾分角度がついていたので、胸の膨らみが魅惑的な曲線から頂点からピッタリと張り付いたタンクトップに抑えられていた。 喫茶店の映像から考えれば、薄いタンクトップの下には妻の素肌しか無いものと思われた。 サングラスを掛けてそのような姿をしていると、穏やかで優しい妻のする服装とも思えなかったが、肌に張り付いたタンクトップにショートスカートからのびる黒いタイツの優美な曲線はモノクロの色彩でありながら扇情的に見えた。 これでは、既婚とも思えない露出の激しい風情の印象の異なる妻に戸惑っていたが、それは妻の異なる美しさに目が向けられていない自分を責める材料となった。 混乱したまま、映像に目が慣れてくると、通行する男性の視線が妻に刺さっている事に気がついた。 盗撮そのものなので当然だったが、露骨に視線を向けたまま名残惜しいように一瞥をくれて駅に歩み去る年配の男性や、性的興味そのものといった視線を妻に向けながら不躾に妻を舐め回すように歩く大学生らしい集団が煩わしかった。 自分の妻をまるで娼婦のようにその内面も知らず、肉体それだけを好色な視線で見る男性は許しがたいものだった。 妻を失うのではとの危機感が背筋を登ったが、なぜか衆目に晒されている妻は限りなく淫らに映るのだった。 通行人を怒り混じりの感情で眺めていると、ふと妻の傍らに一人のスーツを着たサラリーマンらしい若い男が立っていた。 その男は携帯を眺めており、特段不審な点は無かったが、注目しているうちに、時折妻を見る視線に気が付いた。 よもや公衆の門前で妻が犯罪に巻き込まれるとは思っていなかったが、その男は携帯を目線から外すと地面に垂直に向けた。 最初はその意味が判らなかったが、男がそうするたびに携帯を熱心に眺めている様で行為の意味が理解できた。 男は妻を盗撮していた。 赤子を撮影するためと銘打って撮影時の音を無音とするアプリがあることは知っていた。 とするなら、そのような姿をしながら背筋を伸ばし豊かな胸をさらに強調するような姿勢でいる妻を側面からの映像で自身のものとしているのは確実だった。 その妻の全ては夫である自分のもの、男には見えない覆われた胸も、股間の秘部も自らの瞳孔に写したものと思えば、男に対して優等感が込み上げたが、この場で行為を止められない無力感がそれを曇らせた。 妻は人を待っているように何気ない様子で携帯を見つめていたが、逆にその姿勢に固執している姿は妻が感じている恥じらいを示しているのだった。 無防備に身体の線を外に晒したまま妻はその肉体を気づかないまま性的欲求の被写体としていた。 そうしている内に、同じ事をしている一人二人と男性は増え、一人は妻のやや前で鞄を取り落としたところを見れば徐々に遠慮の無い輩が増えつつあるのだった。 危機感を増す映像のなか、優等感より屈辱感が増しても、今の怒りは犯人より妻を視姦している男たちに向けられているのだった。 時刻も午後に入ったのか、木々の影が伸びているところを推察するとおそらく午後3時あたりではないかと検討をつけると、妻の帰宅まで考えれば映像の終了が期待できた。 妻の肢体を嬲る視線は不愉快極まり無かったが、妻が腕時計を一瞥すると立ち上がった事で、周囲の男性は一斉にわざとらしいほど何気ない様子に移る姿は滑稽なものだった。 妻が周囲に表情を向けた時、妻はいまさらながら晒しものになっていた事に気が付いたのかと思ったのだが、サングラスを掛けていても、その表情はやや離れた映像でも朱に染まった様子が見えた。 妻は性的魅力を発散していた事を知りつつ行っていたのかと疑念が湧いた。 それを振り払おうとしても、歩み去る妻を物欲げに見つめる数個の視線を見れば繰り返しその疑念は冷静さを願う自分の頭を流し去るのだった。 妻が画面から消えると画像は次の場面に移るかと思われたが、急に画面が揺れたかと思うと、次第に安定してゆくそれには駅への歩む視界が映し出された。 映像が途切れない事を疑問に思ったが犯人によって固定された視線からはその意図が判るはずも無かった。 駅へと近づくにつれて駅名の看板からその場所が分かった。 首都圏に住んでいた頃には、数度所用で訪れた事がある場所だったが、数年前の事でもあり、今更映し出された事で記憶が甦っても、それはただ苦い感覚しか呼び起こさなかった。 駅ビルに入ると軽い足取りで階段を登る映像からは、存外犯人は若いのかもしれないと思われたが、駅ビルであればエスカレータでもあるところ、わざわざ階段で登る犯人の意図は判りかねた。 やがて数階を登り、フロアにでると薄暗くそこがどこか戸惑ったが、装飾からすると見知った映画館だった。 そこが目的地とは思わなかったが、犯人は迷いなく事前発券機の前に立つと自分の視線はその無機質な単色に埋められたが、数秒で犯人は手続きを終えると館内の入り口へと進んだ。 カメラを回したまま薄暗い通路を進む犯人と意図が映画の盗撮にあると考えるには先程までの映像には無理があった。 重そうな扉が開くと、映画の上映前の宣伝が流れており、重低音がスピーカーから流れ出る度、軽いノイズが響くことは不快だったが、映像が明るくなったことは有難かった。 視線を隈なく座席に座る観客に向けたが、既に流行りを終えた映画なのか、午後のこの時間では席に座る人影は両の手で容易に数える事ができた。 その中に女性もあったが、妻の姿は無いのだった。 犯人は最後列の席に腰掛けると視界は座席の背しかなく、その映像が続く事が不安を煽った。 自身が焦れていることを見透かすように照明が落ち、画像も黒い画面を写すだけになると変化が訪れた。 朧気ながらスクリーンに映し出された映像に反射した光が犯人が移動している事を知らせた。 幾つかの座席を渡り歩く先には女性の頭があった。 それが妻であるかどうかは判らなくても、犯人の腕が伸び女性のなめらかな曲線を描く肩に触れた事で妻であろう事は明らかだった。 妻は反射的に頭をこちらにもたげたが、それは犯人の指先が妻の顎に触れた事で止まった。 顔は見えなくてもうなじから伸びる曲線、髪型そしてなによりシャツで隠していてもその隙間から見えるタンクトップがピッタリと張り付いている事で判る胸の膨らみの大きさは妻である事を確実とした。 数人でも観客のいる席で淫らな行為に至るリスクは、慎重をおす犯人らしく無いと危機感を募らせたが、それを宥めるように犯人は紙袋を妻の隣の席に置いたのだった。 それから犯人の動きは無かったが、妻は視線を前に向けながら無造作に取り上げた。 妻は物音を立てないように慎重にそれを開いたが、いずれにしても音響によりそれが他に気づかれる事は無いと思われた。 妻がそろそろと手を袋に入れると、一枚の紙片を取り出した。 それには何か記入されているように見えたが、それを自分が読解する前に妻はそれを丁寧に折りたたむと、紙袋に戻した。 それきり動きが無い妻の行動から、文面を推察もできないまま混乱に陥っていると、画面は座席の上から戻り、座席と座席の間に向かった。 それは柔らかな素材と知りつつも、視界をその閉塞された空間に押し込まれる事に軽い恐怖を覚えたが、数秒で視界は座席の間から抜け出した。 最初に映し出された抽象画のような映像には戸惑ったが、犯人は座席から操作しているのか、すぐにピントがあった。 画像は座席に掛けた妻をやや角度をつけて上方から覗き込んでいた。 良からぬ行為をすることは分かっていたが、どのように展開するか判じかねていたが、妻が姿勢良く掛けていた腰を前方にずらすと、その腕は大胆にスカートに差し込まれた。 この場で下着を脱ぐ行為に緊張が高まるとともに、喫茶店以降下着を着用していた事実に安堵する間もなく、両手で張り詰めた白いショーツがスカートから出てくると、膝上でそれを止めた。 公共の場で有り得ない行為に及んでいる妻が信じられなかったが、次の行為はその不信を打ち砕いて余りあ���ものだった。 だらしない若者が腰掛ける時のように腰を座席の縁まで進めると、自身がそこに注目している間に取り出した醜悪なデザインのディルドを股間に侵入させた。 その時スクリーンが明るくなったことで、局部はスカートに覆われていても、あと数センチで妻の性器に侵入しようとする性具が映し出された。 それは明るさの中にあってもあくまで黒く妻の胎内を舐る暗黒面を示していたが、同時にそれを受け入れようとする妻の腕にそれが余っている様子は太さ長さとも自分の男性器と比較せずには居られなかった。 妻がわずかに仰け反るような動きをしたことで、性具の先端が妻の秘部に触れたらしい事が察せられた。 行為を止める事が叶わない映像では成すすべは無かったが、その後ゆるゆると妻の腕の誘いにより胎内に侵入する性具に疑問が湧いた。 知る限り妻との性交時は前戯で受け入れ安いようにそこを解すのだったが、当然そこが最初から潤っている事はなかった。 あるとすれば、自宅で鑑賞した映画で濃密なベッドシーンを見てから、たまらずにソファに押し倒した時、それにストリップと称して自分の誕生日に卑猥な下着を身に着け、自分にその肢体を見せつけて戯れた時くらいしか記憶に無かった。 が、さほどの抵抗なく妻の表情も変わらず挿入されてゆく性具、見ている間にスカートに全てが隠れてもなお妻が自身を穿つ事を止めない姿は、先程の駅前の露出と呼んで差し支え無い行為を想像させた。 映像が途切れないと言う事は、妻が幾多の性的視線を浴びてからさほどの時間が経過していない事を示している。 妻とて股間を拭う事程度はしているかもしれないが、清楚と呼ばれる妻でも男性の欲望に満ちた視線は股間から清楚を流し去る液体の分泌を促すのかもしれなかった。 ただ、それが自分の視線でなく晒し者にされた挙句に出現した妻の身体的性癖とすれば、ただ不愉快だけと言えない感情に股間が緊張した自身に戸惑うのだった。 性具は最後まで妻に埋まったのか、妻は痴呆者のようにだらしなく口を開くと何かを呟く様にそれから数度息を吐くと膝に留まったショーツを再びあるべき場所に戻そうとした。 我に返ったのか、挿入時の緩慢な動作から比べると素早い動作に見えたが、腕をスカートの中にたくし込む動作が瞬時に止まった。 それがショーツを履くことで自身の胎内を穿つ異物をより深く挿入してしまう事に思いが至らない程慌てていたのか、あるいは股間から脳に送られる女性と仕手の声に意識が濁っていたのかは判らなかったが、その両方であろうと思えた。 先日の直接妻が犯される光景と比較するなら、まだマシとも言えたが言いようの無い感情が頭を支配していた。 急に妻は所在なげに周囲を見渡して警戒すると映像に目を向けた。 それがどのような映画なのかは角度の関係で判明しなかったが、時折チラチラと明るくなる画像からは、やはり盛りを過ぎたアクションものかと思われた。 別段犯人の指示は無かったが、妻はだらしなく腰掛けた姿勢が気になるのか、腰をそろそろと引いていった。 それが更なる陰猥な欲望のためとは思いたくなかったが、元通りに近い姿勢に戻ると妻は特段不審な点など無いように振る舞っているように見えた。 が、妻は鞄からハンカチを取り出すとそれを再び腕で股間に伸ばしていった。 座席を汚すほどの愛液が股間から溢れているのかと、妻の股間の節操の無さに苛立ったが、女性がこの状況でどれだけ耐えれるかには想像は及ばなかった。 目的の場所にハンカチを敷く事が出来たものと見え、腕はすぐに出てきたがその後から妻の奇妙な行動が始まった。 シャツが胸を隠しているか確認するようにボタンを優美な指で弄っていたかと思うと、次には座った姿勢ではスカートに隠れきっていない大腿を隠すように膝上まで落ちたタイツを引くのだったがその所作の全てに不自然さを纏っていた。 ぎこちない動作は全て股間に杭を打たれている事によるものと分かっていても、身じろぎする度でも僅かに姿勢を移す妻の感情は判らなかった。 数度目にタイツを弄っているところその時は来た。 突然音響が地鳴りのような音を立てると、画面に注目していなかった妻は急に背を伸ばすと驚いた時に良くするように片手を広げて口に当てた。 映画の音響如きで妻は痺れた様にそこに静止していた。 先程の醜悪な黒い物体と、それを埋め込まれた妻の下腹部のサイズを想像すると、おそらく実物以上に強調されたその頭部は自分が未だ到達していない子宮口まで届いているかもしれなかった。 頭に妻の下腹部の透視図を思い浮かべると、外周のクリトリスや膣口が犯人の手により嬲られるより一層その奥底を犯される図が眼底に映し出された。 妻は驚きにより咄嗟にとった姿勢によりそれを深く奥底まで咥え込んでしまったのだった。 横顔でも妻は無表情���保っていたが、それが下半身の状況を示していない事は不自然とも思えたが、それを抜き取るためかそろそろと腰を前に動かすと再び妻は片手を口にあてると、その先に顰めた表情が目に入った。 意に沿わず公衆のなかで醜態を晒している妻は最大限の自制心をもって性的被虐を耐えているようだった。 しかし、男性の視線を浴びて興奮状態に導かれた妻の身体は股間のそれを抜き去る事を不可としていた。 やや額に皺を寄せながら妻の視線はスクリーンに向けられていても、横顔に映るその瞳は虚ろだったり、何かを求めるような熱情的な視線と移り変わっていた。 その心を推し量るまでもなく、表情は腰の僅かな動きと連なっていた。 妻の性器は全てを満たされ、男性器で感じられる全ての暖かで微妙に感触を変える膣から子宮口にいたる肉壁はディルドに密接していた。 激しい抽送でなくとも性的快楽を妻の脳髄に伝える濡れた内腹部は、わずかな動きでもその摩擦を快楽に変換し妻を単一の感情に陥れるのだった。 身体の芯に杭を打ち込まれ、それに抗う事はさらに妻を痺れさせてゆくように呆然と視線をタンクトップとスカートに覆われた妻の痴態に置いていた。 痺れが遂に妻の理性を決壊寸前まで追い込んだとしか思えなかった。 妻は両手を腰骨のあたりに当てると、そうする事でより多くの快楽を引き出す事ができるようにゆらゆらと押し当ててる迄に自身の理性を一枚ずつ捲り剥がしていた。 妻の視線にスクリーンの映像が写っているとは思えず、それは形の良い唇が僅かに開いている事でも知れた。 映画の上映時間は判らなかったが、この陵辱がその時間続くかと思うと、時間とともに剥がされる妻の理性はそれが旧に復することがあるか、一度身体に覚え込まされた快楽は忘れる事があるか危惧するのだった。 それはまとめれば妻の身体が開発されていると言うことだった。 肯定的に用いられるその単語の意味するところに反して、この場合の用法は限りなく闇に包まれていたが、妻と同様に抑えがたい自身の勃起は同じく暗い悦びを叫んでいた。 やや男性の興味を引く服装ながら映画でも見ていれば問題ない姿の妻が自ら腰をスライドさせ、得られる快楽を試しているかのような姿は自分には無残だった。 やがて腰に当てられた片方の腕をおずおずと下腹部に手の平を触れさせると、それは妻の股間を貫いた醜悪な物体がどこまで自身を荒らしているか確かめるようにそこを撫でた。 それは将来生まれくる赤子を撫でるような優しい動きであれば、精を放つ機能を持たず、ただ内壁を埋めつつ快楽を絶え間なく送り続けるそれを愛撫するような淫らさのある印象を生んだ。 自分以外の性器を迎えるような仕草は込み上げる怒りを生じさせたが、手の終着点はそこではなかった。 しなやかな手を男性が性交時にするように乳房まで滑らせると、膨らみの下半分を親指と人差し指を伸ばし覆うように当てた。 周囲の視線を伺うように軽く左右に首を振ると、堪えきれないようにシャツの合わせ目から手を侵入させると、手の甲でそこを覆うように手を止めた。 タンクトップの中までは及んでいないようだったが、手の延長線に目を遣ると、そこには乳房の頂点があるものと思われた。 妻の張りのある乳房は裸で正面から見据えるとこちらに両の乳首をやや上に向けて対面することから、想像するまでもなく妻の指は自身の白い乳房から柔らかな桃色に色を変える乳首を弄っているに違いなかった。 自分が吸い付く事で小さな突起をやや固く勃起させるそれは、妻自身が性的目的で触れるものとは考えつかなかったが、画面はただ現実を示していた。 衣服に覆われ実態の見えないそこに視線を集中していたのか、瞳が痛みを覚える頃に我に返った。 改めて画面を凝視すれば、先程まで腰にあった片方の腕は股間を覆うスカートの下に差し込まれつつあった。 その手にはハンカチらしき布があった。 直ぐに妻の股間に消えたそれはディルドを経て性器から滴る性的興奮で分泌される液体で座席を汚さない為の配慮かと思われた。 妻は乳首を指で弄ぶような状況にあってさえ、社会的に一定の配慮を示していた。 それは妻が完全に堕落の虜となっておらず正気を保っている証でもあったが、反面正気で自ら股間から溢れる程の快楽を貪っている事も伝えるのだった。 改めて画面下に表示される時間を見ると、映画の始まりから十数分の事かと思えば、この時間で正気を朧気とする妻の身体が開発されている事を慨嘆するのだったが同時に妻が離れるような感覚も覚えた。 映像は公衆の中で公然と悦楽に耽る妻を写していたが、漸くそれは暗転した画面とともに消えた。 そこでようやく自分を傷つける映像は終わった。 少なくとも妻は犯人の男性器を受け入れる事は無かったが、喫茶店の秘密の露出から駅前での視線に嬲られる光景を経て映画館での妻自身による自らの陵辱まではそれに等しい感情を植えつけた。 犯人が妻をレイプするのでなく、意に沿わない行動でも妻自身が肢体から快感を生み出す過程は自分には惨めな開発風景だった。 どれだけ時間が過ぎたのか考えるまでもなく、映像に見入っていた時間分が経過しており車の中で苦しみと悲しみに暮れようとしても、怒張が醒めない股間はスーツをテントのように不自然に歪ませていた。 混乱した頭では犯人を追跡することは考えられず、エンジンに火を入れるとそこが妻の陵辱現場であるように不必要な加速でその場を後にした。 今はただ、自身の男性器を妻に備わる快楽器に埋めたかった。 この時間は帰宅の車が横を通り過ぎていたが、構わず路肩に車を停めると携帯電話で妻を呼び出した。 数回の呼び出し音で妻が応答しない事に苛立つと、圧力で切断する訳でもない硬質のあくまで冷たい樹脂を押さえつけた。 呼び出し画面から、電話番号リストに変化した画面を見つめていると、衝動のままに行動する愚かさが背筋を伝うと冷静さを取り戻した。 今自分は犯人への経路を手に入れ、誰にも知られる事無く問題を処理する事ができる機会を大事にすべきだった。 一時の激情に身を任せては犯人に捕らわれる一方ではあるのだった。 一呼吸置いた途端に携帯電話は細やかな振動で妻からの着信を知らせた。 努めて冷静に妻に応じると、妻は今から帰途につくとの事だった。 仕事が長引いた事を言い訳がましくならないように伝えると妻を拾って帰る事で話がまとまった。
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shibaracu · 4 years
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●★相撲の呼び方
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●★相撲の呼び方 浅学広知 頭の中を 駆け巡り   自由律 派生して 何処へ行くやら 当て知らず 一捻りしてみた。対した句ではないけど。   面白い言葉がドンドン生えてくる。 頭の中で次から次へと。 時々 ど忘れして思い出すのに一苦労。   「スマヰ」→「すまひ」→「すまふ」→「すもう」 コレは何となく判るけれども「スマヰ」は何処から来たのか。 「スマヰ」と言う言葉が初めから有りそれから派生したのなら解る。 でも何も無いものに名前を最初から「スマヰ」と付けているのはどうも腑に落ちない。 調べても答えは出てこなかった。   「捔力」「角觝」「角力」までは何となく判るけれども 手乞(てごい)これは何か。 ●大東流合気柔術 / 大東流の歴史 / 幕末まで http://www.daito-ryu.org/jp/bakumatsu-made.html 合気の源流をさかのぼれば、古来の手乞(てごい)に行き着きます。 日本最古の書の一つである『古事記』に出てくる建御雷神(たけみかづちのかみ)が建御名方神(たけみなかたのかみ)の手をとって 「葦を取るように、つかみひしいで投げた」という話がそれです。 この手乞は、相撲の始めともいわれ、『日本書紀』に出てくる野見宿禰(のみのすくね)、当麻蹴速(たいまのけはや)の伝説から、 さらに平安時代の宮中での相撲節会(すまいのせちえ)、鎌倉時代の武士の相撲にまで伝承されたものです。相撲節会は全国から力士を集め、 天皇の御前で相撲をとるものですが、今日の相撲とは異なり、土俵もなく、手乞から発した武技の要素が強いものでした。仁明天皇(810-850) の詔勅にも「相撲節は単に娯遊に非ず。武力を簡練する、最もこの中にあり」とあることからもうかがえます。   日本の古武道の総元締めのようである。 縄文ではほとんどが争い事が無くて過ぎ去っていた。 弥生になると貧富の差も少しずつ出て来てトラブルも増え欲も増えてきたのだろう。 其処に手乞(てごい)が登場してきたのだろうね。 何時の時代も欲とトラブルは付いて来る。 手乞(てごい)の奉納が相撲や他の武術に別れていった。 「花道」というものもそのあたりで出てきたのではないだろうか。 相撲と歌舞伎 全然違う道で 今でも使用されている。 色んな物の「捔力」を辿るのも当事者なれば良いけど傍で見ている分には存分 ツマラナイ部分も有るけど。 昔を夢想してみるのもタマには良いのでは無かろうか。 日本を愉しむために。   ●かつてあった いにしえの捔力 相撲 - NAVER まとめ https://matome.naver.jp/odai/2144586653443338701 2018/04/23   ●安岳3号墳相撲図 https://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_pre104.html 向き合って対戦する手搏(しゅはく)の図 https://www.kyuhaku.jp/exhibition/images/topic/104/p02.jpg 向き合って対戦する手搏(しゅはく)の図。相撲のルーツに当たるものか?   ●高句麗の古墳壁画 https://twitter.com/i/web/status/818813202481823744 黄海南道 安岳3号墳 中国集安 舞踊塚 集安 長川1号墳 集安 角抵塚 東京城出土「陶製八角壺」の小児角抵図 『遼史』には酒宴の際に契丹人が角抵をした記述がある 鳥居龍蔵「契丹の角抵」『燕京学報』29(1941年)『鳥居龍蔵全集』に再録 塞外民族にも存在した。 https://twitter.com/i/web/status/818813202481823744   ★相撲の呼び方 http://bit.ly/zLBgiN ・「すもう」の呼び方は、古代の「スマヰ」から「すまひ」→「すまふ」→「すもう」に訛った。 ・「捔力」(『日本書紀』)、「角觝」(江戸時代において一部で使用)、さらに漢字制限(当用漢字、常用漢字、教育漢字)により前者の用字を一部改めた「角力」という表記も有る(いずれも読みは「すもう」)。 ・古代には手乞(てごい)とも呼ばれていたと言う説も有る。(手乞とは、相撲の別名とされ、相手の手を掴む事の意、または、素手で勝負をする事を意味する。) ・大相撲を取る人は「力士」(りきし)や「相撲取り」といい、会話では「お相撲さん」とも呼ばれ、英語圏では「相撲レスラー」と呼ばれる事もある。   ★古武道 - Wikipedia http://bit.ly/zobimK 『日本書紀』に捔力で相手を蹴り殺したとの記述があり、この時代の捔力が相撲の起源とする説もある。これは蹴り技など用いていたと推測され、現代の相撲(大相撲・ アマチュア相撲)とは異なるものである。   ★相撲捔力(かくりき)起源神話?http://bit.ly/yaNwpP 相撲(捔力)の起源は約2000年前です 日本初の正史『日本書紀』の中の垂仁天皇紀に書かれています 日本書紀は681年天武天皇の命で編纂が始まり40年後に完成 当時の国際語?であった漢文で記され中国王朝を意識しています   ★角界の源流を探る(1)「久延毘古」考 - 記紀雑考シリア語の残像 http://bit.ly/wPUCXV 日本書紀の垂仁天皇七年「秋七月己巳朔乙亥」(7月7日)の箇所に、今日の相撲のルーツに当たる事柄が載るが、ここで「相撲」が「捔力」に作られるのは、いわゆる月宿傍通暦(http://d.hatena.ne.jp/ywrqa/20090821/1250811501)において、「7月7日」が【角】に当たることと無関係ではないだろう(今日も相撲界のことを角界と言う)。    四方に求めむに、豈我が力に比ぶ者有らむや。    何して強力者に遇ひて、死生を期はずして、頓に争力せむ。 (日本書紀)    誰ぞ、我が国に来て、忍ぶ忍ぶ如此物言ふ。    然らば、力競べせむ。故、我先ず其の御手を取らむ。      (古事記)   ★「相撲の起源」と「花道」について http://bit.ly/y0qOYt 今日は相撲の起源について調べてみました。 「相撲の起源」  相撲は日本で一番古い格闘技で、弥生時代にはその原型があったといわれています。  「すもう」は古くは「すまひ(い)」と言い、日本書紀には「争・捔力・相撲」などの漢字が当てられています。  「すもう」の名前は、「相手の力に負けまいとして抵抗する」と言う意味の動詞「争ふ(すまう)」の名詞で「力や技を争うこと」を「すまい」といったところから「すもう」に  なったようです。   ★花道 - Wikipedia http://bit.ly/y17ZwN 花道(はなみち)は、歌舞伎等が行われる劇場で、舞台から客席を縦断するように張り出した部分。 舞台から一続きの廊下のように見える。 役者が舞台上に出入りするために使い、下手(しもて=客席から向かって左側)よりにあるものを本花道、上手(かみて)よりを仮花道という。 仮花道は臨時に設置されることが多く、常設の劇場はまれである。   起源は能楽の橋懸に由来するとされる。 歌舞伎では花道から登場する人物は、七三の位置(花道を十等分して舞台から三分目と四分目の間)で一旦動きを止め、短い演技(長いこともある)を見せるのが定石である。 本格的な花道には七三にすっぽんと呼ばれる小型のせりがあり、脚本・演出にあわせて使用される。   観客から見て二次元的な存在の舞台上から、役者が客席側に出ることで三次元的な演出を可能にしている点で、演劇史上特筆すべき装置といえる。   ・相撲で、力士が土俵に向かい、また控え室に戻るための道も花道という。 ・転じて、華々しい去り際を言う言葉。ある分野で活躍した人物が、華々しく見送られるときなどに言う。 ・去り際以外にも、華々しい人生の歩み方を言うこともある。   ★相撲節会 - Wikipedia http://bit.ly/yHcWAH 相撲節会(すまひのせちえ)とは、奈良・平安時代にかけて行われた宮中の年中行事。 射礼や騎射(後に競馬)と並んで「三度節」とも呼ばれた。   記紀にも相撲に関する記事が多く見られ、相撲自体は古くから行われていることは確実 であるが、相撲節会の最古の記録は『宮中行事秘事』などに伝えられる聖武天皇の神亀 3年(726年)に諸国より相撲人(今日の力士)が貢進されというものである。   ★相撲節(前) http://tsubotaa.la.coocan.jp/shis/ss03.html ★相撲節(後) http://tsubotaa.la.coocan.jp/shis/ss04.html 日本の史書に「相撲」という文字が最初に出てくるのは、「日本書紀」雄略天皇13年( 469) 9月の記事である。
 韋那部真根という木工の達人がいて、石を土台にして斧で木を削っていた。その達人は日がな一日削っても、斧の刃を欠くことがなかった。 天皇がそこに御幸して、韋那部真根に(怪訝そうに)聞いてみる。「どんなときも間違って石にぶつけることはないのか」と。韋那部真根は「絶対にありません」と答えた。 天皇は、采女を呼び集め、衣裙を脱がせて犢鼻をつけさせ、人の見ているところで「相撲(すまひ)とらしむ」(日本書紀・敬語の助動詞がないのは、 いくら天皇の行為でも感心できぬ場合を記す際には敬語をつけないという語法が平安時代にあるためという)。 案の定韋那部真根はそれを見ながら木を削り、ついつい誤って刃を破損してしまった。 天皇はこれを責め、「不逞の輩め、軽々しくも豪語しよって」と、物部(刑吏)に委ねて処刑させようとした。 この時、同僚の工匠が「あたらしき 韋那部の工匠(たくみ) 懸けし墨縄 其(し)が無けば 誰か懸けむよ あたら墨縄」と歌ってその才能を惜しむ。 天皇がこの歌を聞き、後悔して刑を止めて許した。
 ここに出てくる相撲は「女相撲」であるが、この記事の主題は相撲そのものではない。見るべきは、「褌一丁」の恰好であろう。 但しこのことは、前々項での話題に関連することであるので、これ以上は触れない。   ★すまいのせち【相撲の節】 奈良・平安時代、毎年7月に天皇が相撲を観覧し、そのあとで宴を催す年中行事。26日仁寿殿じじゆうでんで下稽古げいこの内取りがあり、28日紫宸殿ししんでんで召し合わせが行われ、そこで選抜された者が翌29日に「抜き出」という決勝戦を行なった。相撲の節会せちえ。相撲の会え。   ★骨法 (格闘技) - Wikipedia  http://bit.ly/w984HJ 伝承について 奈良時代の神亀3年に志賀清林によって「突く・殴る・蹴る」の三手が禁じ手にされたといわれ、一般的には古代の相撲の異称とされる「手乞」は禁じ手制定以前の、この武術の呼称であるとしている。 純粋な武術を「手乞」・武術を応用した医療行為が「骨法」とする。   ★大東流合気柔術の起源の謎: 合気道ブログ|稽古日記  2013年01月15日 http://aikidoblog777.seesaa.net/article/313612978.html   大東流合気柔術は、武田惣角が世に広めました。   そして、合気道は、植芝盛平 翁が創始しました。   つまり、武田惣角が合気道開祖の師匠で、   大東流合気柔術は合気道の源流となった武術ということです。   ★忍之者と武術 http://bit.ly/ylm9bp その壱:武士と礼節         ・礼式                          ・神前                          ・目上/部下/同輩                          ・立礼/蹲踞礼/座礼                          ・陣中                          ・武器類の取り扱い その弐:徒手格闘(小武器使用を含む)          ・一乗法骨法術 *技法名は、登録字体が無い為に正式な文字でないものも使用している。              手木                            強方 古代には、角力、拳打、手返、手乞等と称されていた、徒手格闘の武術を淵源とされており、従って他の古流柔術や拳法の様に、種々の武器は使用しない。 急所の名称も独特なものであり、柔術によく採用されている揚心流系の名称は皆無である。   ★力士 - Wikipedia http://bit.ly/x9u798 力士(りきし・ちからひと)とは、相撲をする人間のこと。 厳密には、相撲部屋に所属して四股名を持ち、番付に関わらず大相撲に参加する選手の総称。 相撲取り(すもうとり)とも呼ばれる。 しばしば関取(せきとり)と呼ばれることもあるが、元来は大関のことを指す異称であり、現代では十両以上の力士のことを指す。 幕下以下の力士は力士養成員(りきしようせいいん)と呼ばれる。 また、本来は神事に関わる者であるため、日常会話では親愛と尊敬をこめてお相撲さんとも呼ばれる。   わんぱく相撲や大学の相撲部などのアマチュア相撲で相撲を取る者は四股名を持たないため厳密には力士ではない。   ★関取(せきとり)http://bit.ly/xtZaWE 大相撲の番付で、幕内、十両の力士を指す。 これに対し、幕下以下の力士は取的(正しくは力士養成員)とい��。   ★廻し(化粧廻しを)http://bit.ly/vZl88D 廻し(まわし)は相撲競技で用いられる用具である。ふんどしの一種。 絹で作られ、相撲競技者の腰部を覆い、重心部となる腰や腹を固めて身を護り、更に力を出すために用いられる。 まわし、回し、締め込み、相撲褌とも表記され、 稽古廻しや幕下以下の力士、アマチュア競技者が締める廻しは雲斎木綿または帆布と呼ばれる硬い木綿布で出来ている。 これは転倒時の怪我の防止と身体の保護や取組みでの技を掛けることを目的としている。   ★土俵入り(どひょういり)http://bit.ly/ypDgcb 大相撲の十両以上の力士(関取)が土俵の上で行う儀式のことである。 横綱が行うものは横綱土俵入りとして区別される。   ★大銀杏(おおいちょう)http://bit.ly/vZ4vaB 大相撲において、十両(十枚目)以上の関取が結うことができる髪形である。 また、幕下以下の力士でも、十両との取組がある場合や、弓取式、初っ切り、断髪式を行う際には結うことができる。 髷(まげ)の先端が銀杏の葉に似ていることからこの名がある。 関取でも大銀杏は正式なときにのみ結うものとされており、稽古時など普段の髪形は丁髷である。 力士の大銀杏は江戸時代に武士の間で見られたものとは異なり、前頭部は剃られず月代(さかやき)にはなっていない。   ★付き人(付け人から転送)http://bit.ly/vZrK4C 付き人(つきびと)とは、一般的に、徒弟制度やその流れを汲む育成システムが存在する組織の中にあって、序列・位・格などが上位の者の側について、雑用・下働きを務める者のことである。 いわゆる「かばん持ち」などがこれにあたる。 付け人(つけびと)、内弟子(うちでし)とも呼ばれる。 徒弟制度で人材育成が行われている職種の多くにおいては、“師匠”“先輩”“上司”などの上位の立場にある人間が、“弟子”(直弟子、孫弟子、弟弟子、練習生)または“部下”などの後進の育成を行い、“弟子”は付き人として“師匠”の仕事の補助や身の回りの世話をしながら、その仕事の手順・技法・作法・慣習などといったものを習得し、師弟関係を築き上げてゆく。また、“師匠”が所用で外出したりそもそも外を回る仕事では、“弟子”もそれに付いてゆき、現地でも雑用や下働きなどをこなす。 付き人の仕事については職種によって大きく異なるが、仕事中の一般的な業務補助から私的な小間使いや雑用、移動時の自動車の運転手、ごく簡単なレベルの身辺警護、自宅に住み込んでの身の回りの世話など多岐にわたる。   ●師弟(してい)とは、師匠(ししょう)と弟子(でし)のことを指す。   ●部屋子(へやご)   https://ja.wikipedia.org/wiki/部屋子 1.部屋住み。親がかりの人。子供が自立できないで親に養われながら親元で暮らしている状態を指す。 2.江戸時代、大奥や大名屋敷などの御殿の奥女中に仕えた召使い。部屋方。 3.武家屋敷の奉公人の部屋にいる居候。 部屋子(へやご)は、日本の伝統芸能において師匠の楽屋に入り必要なことを学ぶ見習いの立場、またその制度。歌舞伎の場合は、子役の時分から幹部俳優の楽屋にあずけられ、鏡台を並べて楽屋での行儀から舞台での芸など、役者として必要なことを仕込まれる立場を指す語である[3][4]。 さらに養子となり本来世襲される家の芸を継がせる場合には芸養子と呼ばれる。 現代における部屋子の代表的な例として、三代目市川猿之助(現・猿翁)の部屋子として頭角を現し、関西の大名跡を継ぐに至った三代目市川右團次や市川弘太郎といった澤瀉屋の門人。一般家庭から十三代目片岡仁左衛門の部屋子となり、その後二代目片岡秀太郎の養子となった六代目片岡愛之助などが挙げられる。近年では、子役タレント事務所から歌舞伎公演出演を経たのちに特定の幹部俳優に入門して部屋子となるケースが増加している   ●破門(はもん)は 1.仏教において、僧が所属する教団や宗派から追放されること。僧として受ける最も重い罰とされる。波羅夷(はらい)にあたる。大乗仏教ではあまり聞かず、上座部仏教ではさかんに行使された。 2.キリスト教の一部教派およびユダヤ教において、異端的信仰をもつ信者になされる措置である教会戒規のひとつ。いわゆる中世暗黒時代には、さかんに行われた。 3.芸道や武道の世界で、弟子が師匠、宗家、家元などによってその流派を追放されること。仏教の破門からの転用。 4.ヤクザ世界において、組の構成員がその組織から追放となる処分の一種。   各業界においてもこのような役割の人々が存在する。
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