2024-04-04
また夜眠れないモードに突入したらしく、体温も上がる。花粉症の収まりかけはこういう感じ。雨だが構わず洗濯。午後は晴れてくると予想するが、そう甘くはなさそう。
「おとなのEテレタイムマシン」で志ん朝師の『火焔太鼓』を観る。次回は枝雀師の『貧乏神』らしいが、特に演芸に限った内容の番組ではないらしく、そこに期待がもてる。人形劇『平家物語』の再放送も始まったが、これはYouTubeで全部観てしまったのでもういい。
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国立劇場所蔵 芸能資料展
国立劇場 伝統芸能情報館および国立演芸場 演芸資料展示室で「国立劇場所蔵 芸能資料展」を見る。どちらも今年(2023年)10月末をもって建て替えのため閉場するので、現在の国立劇場・国立演芸場が開催する最後の企画展となる。展示は第1章から第10章まであり、それぞれの章の規模はコンパクトながら、国立劇場・演芸場の守備範囲となる諸芸能を広くカバーしている。
全体を通して見ていちばんよかったのは、いかにも資料らしい文字資料などだけでなく、多様なモノが保存されていること。国立劇場はこんなモノまで持っていたのか!と思うような展示物もあり、それだけでも元を取った気になれる(入場無料だが)。
まずは伝統芸能情報館から。第1章は「国立劇場開場時の政府出資資料」。下の写真は、雅楽楽器、民俗芸能スケッチ帳、文楽人形かしら。
第2章「歌舞伎」。国立劇場のコレクションの中でもとりわけ充実したセクションだと思うので、その中から今回どれを取り上げるか選ぶのは大変だったのではないだろうか……などと想像した。下の写真は順に、芝居版画、十三代目片岡仁左衛門の台詞書抜帳、月岡芳年の錦絵、七・八代目市川中車の「俊寛」の衣装。
第3章「鈴木十郎コレクション」。八代目團十郎の画に七代目團十郎の歌、歌舞伎役者の手跡などが描かれた扇子各種、押隈。
第4章「文楽・舞踊・邦楽」。文楽で使われる道具類をじっくり見る機会はなかなかないし、舞台下駄などは客席からはまず見えないので、とても興味深かった。舞台下駄に「右」「左」と書いてあるのが個人的ツボ。
第5章「新派・喜劇」。泉鏡花関連資料、花柳章太郎関連資料、エノケンの義足(!)。
ここから場所が演芸場へと変わる。第6章「国立演芸場開場時の政府出資資料」。演芸速記本、錦絵、緒方奇術文庫。
第7章「落語」。ここも資料が豊富なセクションであろうと思われる。展示室内には落語の映像資料も流れていた。三遊亭圓朝の自筆本などというものもあって思わずのけぞる。下の写真は、明治時代の寄席を描いた画、圓朝の自筆本や三代目金馬の遺品類。
第8章「講談・浪曲」。下の写真は馬琴会の看板等、浪曲師二代目廣澤虎造使用の半纏。上の方に挙げたエノケンの義足と並び、こういうモノも資料になるんだなあ……と思った一品。
第9章「奇術〔山本慶一コレクション〕」。奇術が演芸場の守備範囲だったとは。この展示を見るまでそこにまったく思い至らなかったことを恥じる。
第10章「漫才」。下の写真は台本類。
アンケートに答えると1部もらえるパンフ。解説は載っていないが、展示品の一覧が一部写真入りで掲載されている。アンケートの提出と引き換えにもらうのではなく、アンケート用紙の置いてある台に一緒に積んであったので、実質的に「ご自由にお取りください」に近い状態ではあったが、ちゃんとアンケートに回答してからいただいてきた。
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落語 < ミムラ。 #絵しりとり 下町言葉はまだ実在してるのかな。 #スケッチ #イラスト #illustration #落語 #噺家 #芸能 #着物 #和風 #演芸 #rakugo #manabeepic #イラストレーター https://www.instagram.com/p/CoLv1OOSQ9m/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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【似顔絵】北島三郎さん。
ブログ記事はこちら:https://wp.me/p72NAa-1QG
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テレビ出演!芸能人有名人おすすめユーチューブ動画チャンネル|Youtuberのドローン空撮を紹介されました。登山やキャンプ撮影旅行vlog等も
テレビ出演!芸能人/有名人のおすすめユーチューブ動画チャンネル・Youtuberでドローン空撮-登山-キャンプ等撮影旅行
https://www.youtube.com/watch?v=dzOdmZLoHc8
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2024年3月23日(土)
毎年この時期に<薬害エイズ和解記念集会>が開催されている。<MQJ(メモリアル・キルト・ジャパン)の代表を務めるツレアイは、メモリアルキルトを持って参加する。今年はそれに乗じて私も東上、<鈴本演芸場>で開催中の<落語協会真打昇真披露興行>にやってきた。終演後は、東京の落友・Nさんと合流してのインタビュー、忙しかったが充実した一日であったことだ。
5時45分起床。
朝食。
洗濯。
珈琲。
<使用済み天ぷら油回収>の幟とタンクをセット。
メモリアルキルトのカバン2つとツレアイを京都駅まで送る。
奥川ファームから定期便到着、蕎麦は冷凍庫、パンとタマゴは冷蔵庫、他の野菜は明日帰宅してから片付けよう。
午前10時、今日は<彦八まつり>の奉納落語会チケット発売日、<ぴあ>はさすがにつながりが悪く、10分程度待たされたが、何とか新治さんの出番がある第4部のチケットを入手出来た。
息子たちに昼の弁当、残りご飯を夜食用のおにぎりにする。
京都駅で立ち食いうどんで腹拵え、東京へと向かう。
16時15分、片付けを終えたツレアイと合流、上野広小路のホテルへと向かう。この時、地下鉄を洗濯したのが失敗��大きな荷物を抱えてあちこちと歩き回された。二度と東京で地下鉄は使わないと心に決めた。
ホテルへチェックイン、身軽になって鈴本へやって来たのは開演1分前。十日間、チケットは完売したとのことで誠に結構。初めての<口上>を体験し、二人の新真打ちの芸にも満足して20時50分に終演。
同じビルの<サイゼリヤ>に移動してNさんと合流、軽食を食べながらのインタビュー、周囲の雑音が大きくて録音が少し心配。
宿に戻って🍺🍷🍙、美味しくいただいて慌ただしい一日を終えたのだった。
11,444歩、歩数以上に疲れてしまった。
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おはようございます。 秋田県湯沢市川連は、晴れのち曇りのお天気です。 昨日は朝から、次女の中学校最後の定期演奏会のお手伝いで、お昼過ぎからは定期演奏会の本番。 嫁さんはアレコレと担当していたので、母と二人で見に行き、中学生最後の演奏を楽しませて貰いました。 そして帰宅後、職人さんが作業を進めてくれていた品々の、塗り仕上げ後の管理で一日が終了。 そして今日も休み…ですが、明日からの仕事の準備やら、その他アレヤコレヤと有りますが、今日も一つ一つコツコツ頑張ります。 皆様にとって今日も、良い休日と成ります様に。 https://jujiro.base.ec #秋田県 #湯沢市 #川連漆器 #川連塗 #国指定伝統的工芸品 #伝統的工芸品 #伝統工芸 #秋田工芸 #秋田クラフト #寿次郎 #定期演奏会 #隅切小重 #二段弁当箱 #中塗り #塗り仕上げ後の管理作業 #Yuzawa #Akita #Japan #japanlaque #japanlaquer #JapanTraditionalCrafts #obento #KawatsuraLacquerwareTraditionalCrafts #jujiro (秋田・川連塗 寿次郎) https://www.instagram.com/p/CkUJ1irhquz/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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【富山県謡曲古跡めぐり呉西編】1日目6箇所目 2021/3/23・4/4
能「安宅」
弁慶岩
《富山県小矢部市矢波》
謡曲「俊寛」の古跡を探しに宮島峡へ行ったとき見付けました。縦八米幅七米の大岩で〔弁慶岩〕といいます。道路と川に跨っています。岩の表面に人の足跡のようなくぼみがあり、これは謡曲「安宅」の関より奥州に下る途中に通った、弁慶の足跡だそうです。
国道八号線より宮島峡へはいる道を1キロ位。二又道を左に折れて又1キロ位で、道のかたわらにあります。
弁慶岩(べんけいいわ)
この岩は、縦7.8m、幅5.6mあり、「弁慶岩」と呼ばれています。
岩の表面に大きな人の足跡のような窪みがあります。 これは源義経主従が兄頼朝の追手を逃れて東北へ下る途中、 ここを通った弁慶の足跡だと伝えられています。
260年前の文書「邑(村)長書上帳」に、 この岩の名が記されているところから「切籠石」と呼んだり、 升形に見えることから「升形石」とも呼ばれています。
動きなき 岩根の松も さくら木も すゑ幾千代乃 春やちぎらん
-案内板-
能楽 #能 #Noh #申楽 #猿楽 #狂言 #風姿花伝 #世阿弥 #芸術論 #幽玄 #歌舞劇 #演劇 #能面 #マスク #文化 #旅行 #トラベル #名所旧跡 #神社 #寺院 #像 #碑 #巡礼 #古跡 #謡曲 #富山 #呉西 #伝統 #Travel #GoTo #ruins #wreckage #rock #stone #逃避 #武士 #侍 #源氏 #岩 #石 #足 #足跡 #footprint #footprints #ストーン
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高槻城公園芸術文化劇場 2024-2025 年間ラインナップチラシ
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おまけちゃんとちらかしの森
【公演情報】
TACChi
新作公演「おまけちゃんとちらかしの森」
ちぎって、やぶいて、ひっくりかえして、
みんなであたりをちらかしていたら、
見たこともない葉っぱが風にゆれて、
どこからか生き物たちの声も聞こえてきました。
にょきにょき、ざあざあ。
おまけちゃんは、旅にでることにしました。
(pdfはこちら)
■日時
2024年3月
7日(木)11:00 /14:30
8日(金)11:00 (終了)/14:30
9日(土)11:00 (終了)/14:30✴︎追加公演
※受付、開場は各回15分前より行います。
※上演時間は60分を予定しています(途中休憩あり)。
■場所
横浜にぎわい座 のげシャーレ(https://nigiwaiza.yafjp.org/)
〒231-0064 横浜市中区野毛町3丁目110番1号B2階
※会場にはベビースペース(授乳・調乳・おむつ替え)をご用意しています。
■料金
①一般 4,000円
②親子券 5,000円 大人1人+こども(0〜6才)
③こども 2,000円 ※小学生以上は一般チケットが必要です。
■チケット予約
https://www.quartet-online.net/ticket/omakechan
★予約時のアンケート回答でこども1人につき500円割引!
***
これは、大人とこどもが一緒に演劇を楽しむための試みです。
■おとなへ
この作品では、大人の席とこどもの席を分けていません。
こどもたちは予測不能な動きをしたり、突然声をあげたり、もちろんいろいろすると思います。
ここでは、それも作品の内と捉えてみます。
子連れの方は、我が子のことに気をとられすぎず
大人だけの方は、そんな状況まるごと作品として楽しんでもらえたらうれしいです。
■こどもへ
泣きたいときは泣いて、立ちたいときは立って。
見たことないものに出会えるといいよね。
どんなふうに見るのか楽しみだよ。
見るって言っても、たぶん触ったり嗅いだり舐めたりするよね。
それがきみたちの「見る」ってことわかってるから大丈夫!
ただこれは危ないぞってときは声をかけるから、そのときは協力よろしくね。
***
■演出ノート
やぶく やぶく ちらかす
新聞の折込チラシをやぶいてみせると、さっきまで泣いていた我が子が、ニコニコ目を細める。
なにが楽しいのか。わたしはやぶいて、やぶいて、やぶきまくる。
部屋はちらかっていき、片付け……と思いながら、ぐずられるのを恐れて、手を止められない。
この子は、「いま」目の前のものの形が変わるのが、音が、楽しいのだ。近い未来にしなきゃならない掃除のことなんて、知ったこっちゃないのだ。羨ましいな。
「おまけちゃんとちらかしの森」では、大人もこどもも、一緒になって、紙などの素材をやぶき、まるめ、転がし、貼りつけ……
とにかく、そこら中ちらかしていきます。ちらかされたものたちは、重なり膨らんで、客席を飲み込む大きな森に、「おまけちゃん」が出会う舞台になります。
みなさんと、たくさん、ちらかせたらと思っています。まだまだ寒い時期ですが、のげシャーレでお待ちしております。(演出 コジママサコ)
***
TACChi
新作公演「おまけちゃんとちらかしの森」
演出:コジママサコ
作:くロひげ
企画:くロひげ、TACChi
青木拓磨(パウンチホイール)
甘井飴子(抗原劇場)
有吉宣人
いけだとも実
今井貴宏
笠村勇樹
高橋由佳(uni|うに)
寺岡サヱ
皆川ちひろ
制作:宮原真理
舞台監督:わたなべひでお(猫侍)
舞台美術:Stamina Art Company(三ツ山一志、久地岡聡志)
照明:大津裕美子
衣装:長峰麻貴
映像記録:小林功弥
宣伝美術:大須賀裕美
メインビジュアル:伊南ひなた
保育アドバイザー:薬師寺博子
主催:くロひげ
助成:芸術文化振興基金助成事業、神奈川県文化芸術活動団体事業補助金対象事業
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「天才ピアニスト」がNHK新人お笑い大賞受賞 NHK上方漫才コンテストとの2冠に「よっしゃ~!」
「令和5年度NHK新人お笑い大賞」が12日、大阪市内で開かれ、女性コンビ「天才ピアニスト」が大賞を受賞した。
天才ピアニストはBブロックを通過。Aブロックを通過した「ジョックロック」と決勝で激突した。7の審査員のうち4票を勝ち取り、「よっしゃ~!」「やった~!」と抱き合って歓喜した。
天才ピアニストは2022年に「NHK上方漫才コンテスト」でも、女性コンビでは36年ぶりの優勝を果たしていた。竹内知咲はNHKのお笑い賞レースを「2冠できてよかったです」と実感を込めていた。
天才ピアニストは2016年、NSC大阪38期生の竹内とますみで結成。大阪を拠点に活動する。ますみが上沼恵美子のモノマネで注目を集めたが、その後、漫才やコントでも頭角を現した。21年には「女芸人№1決定戦 THE W」で準優勝し、翌22年には優勝を飾った。
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2024-03-17
なんでも明日からまた寒くなるらしい。フリースものをしまおうとしていたのだが見送る。わけあって志ん生師の噺をいくつか聴く。以前どなたかの『粟田口』の速記を読んだらしいのだが内容を完全にわすれている。持ち根多の数から推量するとたぶん志ん生師のだろうとおもう。
お彼岸。朝のおつとめ。
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割れ・欠けから見つめる工芸の世界②「波佐見焼コースターづくり」
金継ぎ体験に引き続き、8月27日には「波佐見焼コースターづくり」を実施しました。
材料として用意したのは波佐見焼の陶片と、やきものを焼成する時に使う窯道具の「ハマ」。ハマはとても重要な窯道具ですが、一度使ったら廃棄されてしまうものもあります。そこで今回は、「Utte(波佐見焼産地から産業廃棄物を減らすプロジェクト)」さんにご協力いただき、陶片と使い終わったハマで新たな作品を生み出すプログラムを企画しました。
まずは、陶片のなかからお気に入りの色や形、模様を見つけます。宝探しをするように、参加者は目をキラキラさせながら陶片を選び、どのようにハマに配置するかデザインしていきました。あとは陶片とハマを接着して完成!
ハマの中心を空けてコースターにするもよし、一面全体を陶片で埋めてオーナメントにするもよし、と参加者のアイデアで自由に作品づくりを楽しんでいただきました。
また、博物館実習生やアートボランティアが各テーブルで波佐見焼やハマについてお話しながら、参加者の制作をお手伝い。デザインの相談に乗ったり、小さなお子さんの接着をサポートしたりと、会場は終始和気あいあいとした雰囲気に包まれていました。
ハマをしげしげと眺めながら「こういうものを使って器ができているのね」とつぶやいた方。できあがった作品を新聞紙で大事に包みながら「また波佐見焼で何かつくりたい!」と意気込んだお子さん。シンプルな制作のなかで、参加者各自がしっかりとやきものへ思いを巡らせていました。
夏のわくわく美術館、これにて終了!
次のプログラムもお楽しみに!
※「波佐見焼コースターづくり」は当日開館直後から多くの方がお越しになり、館内の混雑緩和のため急遽整理券を配布させていただきました。急な変更によりご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。
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脇役の大切さ
今更言うまでもないが、演劇において脇役や敵役の大切さは非常に大きい。主役が光るためにはその周囲にいる人物が個性を発揮しなくてはならない。
Photo by cottonbro studio on…
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【似顔絵】吉幾三さん。
ブログ記事はこちら:https://wp.me/p72NAa-1Qu
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大竹しのぶの一人芝居『ヴィクトリア』
西宮北口の兵庫県立芸術文化センター中ホールで大竹しのぶの一人芝居『ヴィクトリア』を見てきました。
作者はイングマール・ベルイマンーーはい、あのベルイマンです。私は最近、『ある結婚の風景』全6話を見たので「予習」もバッチリです。
私は長年にわたって大竹しのぶのファンでした。最初に見たのは映画『青春の門』ーー映画館に見に行きました。1975年公開ですから、私はまだ16歳、高校2年ですかね。
吉永小百合が見たくて行ったのですが、初めて見る女優・大竹しのぶに圧倒されました。大竹しのぶ演じるオリエは幼馴染のシンスケ(田中健)と安宿で初めて体の関係を持つのですが、そのときシンスケが「俺たちは同じだ」と言うのに対して、オリエが「同じやない!」、「あんたはお父さんが偉か!」と言い、シンスケに突き飛ばされて足を広げて後ろ向きに倒れるところなぞ、「すごい」のひとこと。
惚れましたね。
そこからファンになり、大竹しのぶの最初のLP(古い!)も持っていますし、ヘアヌード写真集も持っています。
芝居は何を見たかな。寺山修司の『身毒丸』や清水邦夫の『炎のような姉がいて』やラシーヌの『フェードル』を見たと記憶しています。
で、この『ヴィクトリア』ですが……
物語は大竹しのぶ演じるヴィクトリアが朝ベッドで目を覚ますところから始まります。ヴィクトリアは女中と思われるアンナという女性に話しかけ、コーヒーがぬるいとかトーストがどうだとか言っています。
そこからだんだん状況がわかってきます。
ヴィクトリアは43歳(大竹しのぶは60代半ばですが、まあその点は気にしても仕方ありませんし、気になりません)の教授夫人ーー夫の大学教授は浮気をしています。
まあ、大学教授なんて大抵そんなもんです(嘘ですよ! ワタシは浮気なんかしたことありません!)。
で、ネタバレをしてしまうとーー
ヴィクトリアは慈善パーティーのスピーチで夫が浮気していることをみんなにバラしてしまい、夫はピストルで自殺しました。夫の葬儀の後、彼女は旅に出ますが、精神を病んでしまい精神病院に入っています。
つまり、精神病院にいるヴィクトリアは、狂った頭で脈略もなく過去の場面を思い出し、彼女にしか見えない相手と会話をしているわけです。
あるとき精神病院で食中毒が起こります。ヴィクトリアは食事を食べなかったので、一人だけ無事です。彼女の部屋を消毒するためでしょうか、ヴィクトリアは少し広い別の病室に連れて行かれます。
誰もいないはずの病室には12歳くらいの少女がいます。ヴィクトリアは名前や年齢を尋ねますが、少女は答えません。ただ、赤い瑪瑙の玉をくれます。
ヴィクトリアは少女と一緒に眠ります。朝起きると少女はいません。
ヴィクトリアは元の病室に戻ります。握っていた手をひらくと……もうわかりますね、もちろんそこには赤い瑪瑙の玉があります(舞台上では大竹しのぶの手に上から赤い照明を当てて瑪瑙に見立てています)。
「何を持ってるの?」、「まあ、綺麗ね」と、どこからともなく声が聞こえます。おそらくヴィクトリアの母親の声ということなのでしょう。「今日は感染症(食中毒のことだと思います)で山へはいけないけれど、またいつか行きましょうね」と言われたヴィクトリアが、瑪瑙の玉を握りしめるところで幕が降ります。
原題はSpiritual Matter(ベルイマンなのになぜ英語なんでしょう)ーーそういう題名だから仕方ないのかもしれませんが、スピリチュアルな方向に「希望」を見出しているところは、個人的にはちょっとどうかと思ってしまいました(ワタシは超自然的なものは信じていないし、そういうものに「希望」や「救い」を求めるのはまやかしだと信じています)。
パンフレットには大竹しのぶのインタビューのようなものが載っていて、その中で大竹しのぶはヴィクトリアについて「「なぜそんな風に考えるの? 人生はもっと喜びに溢れてるよ」、「もっと気楽に考えよう」と言ってあげたいくらい、突っ込みどころ満載なんです(笑)」と述べています。
うーん、でもこれ……役者が言っちゃいけない言葉でしょ。そんなふうに思ってしまうなら演じられないはずです。
でも、同情できる部分もあります。だって……ヴィクトリアがなぜ狂気に陥るほど苦しんでいるのか、最後まで見てもさっぱりわからないからです。
ヴィクトリアは苦しんでいます。観客はーー私はーー彼女がなぜ苦しんでいるかを知りたいと思いますし、当然芝居の中でそれが明らかになるだろうと期待します。でも、それに関する説明はありません(夫の浮気や自殺は彼女の狂気のきっかけではあっても原因ではありません。原因の説明としては不十分だと思います)。
芝居の中心はヴィクトリアが自らの状況や狂気とどう向き合うかでした。「原因」ではなく「結果」、「過去」ではなく「未来」を問題にした芝居ということですね。
うーん、「思てたんと違う」としか言いようがありません。
大竹しのぶの演技は確かに見事です。ヴィクトリアが町で行きずりの男を誘惑し、最初は「私は女優なの。労働者階級の男がどんな感じか知るためにあなたに声をかけたの」と言い、次に「私は精神病院から逃げ出してきたの。失礼なことを言ったかもしれないけど、病気が言わせたことだから許して頂戴」と言い、最後に「私は娼婦なの。私がどんなふうに男と寝るか教えてあげる」と言う場面で、瞬時に口調や佇まいが変わるところは圧巻です。
でも……大竹しのぶが一番魅力的に見えたのは、カーテンコールで「ありがとうございました。役者は私一人で、装置もこんなので、お客さんがどう思うか不安でした」と言ったところでした。
か、かわいい……60代半ばの女性に「かわいい」と言うのも変ですが、かわいいのだから仕方ありません。
なぜそれを劇中で出さない、大竹しのぶ!
それを出せば、私はこの芝居の虜になっていたかもしれません。
追記:
私は基本、スピリチュアルなものは信じませんし好きではありませんが、それでも少女の霊や瑪瑙の玉にそれなりの伏線が敷いてあれば納得したと思います。でも、それらしきものはありませんでした。
少女時代のヴィクトリアが謎の少女と出会うシーンもありますが、その少女は8歳、少女の霊は12歳くらいとなっていますから、年齢が違います。
その意味では緑の粋なスーツを着て泣いている美女というのも出てくるのですが、あれは一体何だったんでしょう。わかりません。
追記2:
せっかくだからと思って帰りは武庫川をこえて自宅まで歩きました。結構遠いと思っていましたが、スマホの万歩計を見るとちょうど7千歩。
あれ? 意外に近いんだ。
まあ、芝居を見た上にノルマの7千歩も達成できたのでよしとします。
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