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#ホッチキス針
hayato-10ka10 · 11 months
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【工作】風の届かない場所
古紙から外したホッチキスの針でクラゲを作りました。
壊れやすいので、空き瓶にでも詰めておきましょう。
そこは彼らの住む海のように広く自由ではないけれど、
海の底と同じように風の届かない場所だから。
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ishikawajimusyo · 2 years
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ホッチキス針は『MAX』って、決めてた筈なのに。。 ✨13円✨という、奇跡に遭遇したからだよ😆‼️ #土地家屋調査士 #女性行政書士 #海事代理士 #嬉しい #YouTube #金曜日 #激安 #13円 #ホッチキス #針 #マックス #MAX #毎日ブログ #毎日更新 #幸せ #ひとりごと https://www.instagram.com/p/CdSSzbDuHk7/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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honnakagawa · 2 months
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2月23日(金)open 12-19
祝日。 3連休のはじまりですね。 今日もちらちらと雪の舞う寒い一日となりそうですので、皆さまお気をつけてお過ごしくださいませ。 本・中川はこの連休明けより、3月のギャラリーオープン準備のため休業となります。 ご不便をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
昨日、インスタグラムのストーリーズでちょろっとお知らせしたzine。 「zine(ジン)」とは、個人もしくはグループが行った「自主的な出版活動」です。 と、google先生が教えてくれます。 もうすっかり浸透している言葉だと思いますが、当店のような小さな店にも「本を出したいけれど、本を作るにはどうしたら良いですか?」とお尋になる方がいらっしゃいます。 それはずっと打ち込んできた活動(文章、絵、写真などなど)をまとめるために制作したい、という方が大半なのです。 ですが、現代には本当に便利なツールがたくさんあって、少し調べたら私に聞かなくたって、本が作れてしまう時代なのですよ。(むしろ私は疎い方です。コピー、ホッチキスの時代で止まってますよ。) 昨日『どんなゆめをみているの?』というzineのご案内にきてくれた、かきぬまゆみこさん(@yumeko_ueno )は、なんと春から秋は畑や田んぼの仕事、そして冬には針仕事(刺し子の作品を作られている)をして暮らしているとのこと�� てっきり絵を描いている方なのかと思いきや、自分が初めて妊娠した頃によく見るようになった夢を、絵日記にして記録していて、それをまとめたものだと言うのです。 いろんな自主制作の本のご案内が山のように毎日届く中、ひとつひとつに目を通すことも、メールにある「リンク先をご参照ください」と示してあるリンク先に飛ぶこともままならない私に、初めて当店にやってきた彼女は、とても自然にその本を手渡してくれたのです。 私がすごく感心したのは、背表紙がちゃんとあること! 本棚に本をしまうことを毎日やっている人間からすると、背表紙にタイトルや作者の名前がある、ということがとっても大事。 もちろん背表紙がなくても素敵な本はたくさんあるのですが、私のような粗忽な人間にはこの背表紙、というものはとっても心強い存在なのです。 「とりあえず形にしちゃった」という彼女の柔らかで自由なパワーに、俄然興味が湧き、いろんなお話をさせていただきました。 現在は、友人の駄菓子と雑貨を販売しているお店に置いてもらっているだけだ、と言います。 駄菓子屋さん?! もう出てくるワードが全て良い... 儲けようとか、話題になろうとか、何かの役に立とうとか、そんな目的は微塵もそこにはなくて、「とりあえず形にしちゃった」の眩しさに、即お願いしてしまいましたよね。 ユーモア溢れる、チャーミングな夢日記、ぜひ店頭でご覧ください。 1ページ目の夢から、素敵です。
ちなみに私は今朝見ていた夢のことを思い出そうとしても、全く思い出せません。
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mari8log · 5 months
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2023/11/24
百均で売っていた中綴じ可能ホッチキス。紅白でかわいいね。
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110円製品な分 若干針の打ち方が甘い気がしますが、まあもう買っちゃったしこれで35冊コピー本パチパチします。
ちゃんとしたのを買いたい時は文房具屋に行った方がいいと言われました。
コピー本も文字打ちはほぼ終了したのであとはらくがきをして終り!うおおお!
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favorite--goods · 2 months
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ペンケースに合うスティックデザイン☆ カジュアルスタイリッシュなホッチキス「MOTICK」
ー 2024年3月5日 細長いスティック型なのでペンケースやペン立ての収まりがGOODなホチキスです☆ カジュアルで明るいカラーリング♪ ( ´∀`) スライドアクションのスマートな使用感もスタイリッシュでイイ感じ〜
スリムです ペンケースに入るホチキスを探していました。これは、かなりスリムなペンケースにも入り、満足しています。 針もたくさん入るので、補充針を持ち歩かなくてもよさそうです。 (楽天みんなのレビュー)
なかなか便利 仕事用のポーチに入れて使ってます。 ペン2本分くらいのサイズなのでそんなに邪魔にならず重宝してます。 (Amazonカスタマーレビュー)
(おもしろグッズ&アイテムノート:https://wandering.ever.jp/spinoff/?p=23257)
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xingchariot · 1 year
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紙の針でとじるホッチキス P-KISS(ピーキス)|マックス(MAX)株式会社
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leomacgivena · 4 years
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ホッチキス、本体は安くてもいいが、針は安いのを買わないほうがいい。理由は刺さりの良さが違うから。
まくるめさんはTwitterを使っています
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asuka-house · 4 years
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マスクを手作り
新型コロナウイルスの影響で、マスクが手に入りにくくなっている現状となっています。
そんな中、今日はデイケアのご利用者様と一緒に、家にあるもので簡単にできるマスクを作りました。
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材料  キッチンペーパー (2枚重ねにして使います)
    輪ゴム  ホッチキス
① キッチンペーパーを1.5センチ程度の幅でじゃばらに折っていきます。
② 両端に輪ゴムをつけ、ホッチキスでとめます。
※輪ゴムはサイズに合わせて2本使ったりすることで、調整ができます
 ホッチキスのとめる位置でお顔に合わせてマスクのサイズが調整できます
これだけで簡単に作ることができます。
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早速、皆さんにも作っていただきます。
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キッチンペーパーを折ります。
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折ったら、輪ゴムをつける位置を決めます。
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あとはホッチキスでとめ��いきます。
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出来上がりましたら、装着してみます。
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結構しっかりとお顔にフィットして好評でした。
マスクがなくなったら、家で作って試してみるわというお声をいただきました。 ◆注意◆装着の際はホッチキスの針で皮膚を傷つけないように、気を付けてくださいね
マスクづくりが終わった後は、手作りマスクをつけ、手を消毒して、ボウリングレクと体操で軽く体を動かします。
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職員も参加して盛り上げます。
気合入ってます!
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が、残念ながらストライクは出なかったようです…。
 手作りマスクは、身近な材料で簡単に作ることができますので、みなさまも試してみてはいかがでしょうか。
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redand51ue · 5 years
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1950's LEVIS 502XXEE pierrot pants (deadstock)‼️ まだホッチキスの針が残るデッドストックコンディション(^^) 革パッチも完璧で綺麗に残っています(^^) ディスプレイとしては最高級のアイテムだと思います(^^) #vintage#vintageclothes#vintagedenim#vintageworkwear#vintagelevis#levis#501xx#deadstock#デッドストック via ✨ @padgram ✨(http://dl.padgram.com) https://www.instagram.com/p/BusCTuBAspm/
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ryota-obu-imura · 3 years
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【キッチンの全面壁剥がし】⁡ ⁡ キッチン改修作業中のImura です💦⁡ ⁡ 出来るだけ自分達で作業しています!⁡ ⁡ 重たい作業が⁡ 少なくなってきたので⁡ 筋肉痛がなくなってきました✌️⁡ ⁡ ⁡ ⁡ 壁を壊すのも慣れてきて⁡ あとどれぐらいかかるのか?⁡ どれぐらい大変なのか?⁡ 分かるようになってきました😊⁡ ⁡ 壁を壊すと⁡ 壁の留め具のホッチキスの針や⁡ 釘がむき出しになり⁡ 足に刺さると⁡ 破傷風という病気になるので⁡ 注意が必要です💦⁡ ⁡ ⁡ ⁡ 「あたっつつ😫」⁡ ⁡ ⁡ ⁡ 注意しながらやってるけど⁡ やっちゃうんだな〜⁡ ちょびっとだけ⁡ 刺さってしまいました😭⁡ ⁡ 穴は空いてないから大丈夫(笑)⁡ ⁡ 全面壁が剥がし終わって⁡ 今日の作業は終了です✨⁡ ⁡ 明日は雨降るからどうしようかな〜⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ ⁡ 泊まれる居酒屋で旅人×大府を繋ぐ⁡ "ラーメンツクリテイナー"⁡ 井村 亮太⁡ ⁡ 大府市・共和 "泊まれる"居酒屋Imura⁡ 〒474-0073 愛知県大府市東新町3-68⁡ ⁡ 電話番号 0562-48-2670⁡ ⁡ ※通常時⇩⇩⇩⁡ ⁡ 【営業時間】(金・土)⁡ 17:30〜⁡ ラストオーダー 22:00⁡   閉店    22:30⁡ ⁡ (火〜木)⁡ コース料理予約のみ⁡ 営業しております。⁡ お気軽にご相談ください♪♪⁡ ⁡ 月曜休み/(不定休の為お電話下さい)⁡ ⁡ ●ランチ営業時間【日曜日】⁡ (ハンバーガーショップ🍔)⁡ 11:00〜⁡ ラストオーダー 13:45⁡   閉店    14:00⁡ ⁡ グルメバーガー 858yen〜⁡ ⁡ ●ナイト営業時間【日曜日】⁡ (100円ラーメン🍜)⁡ 17:30〜売り切れ次第終了⁡ ⁡ ※基本トッピングネギのみ⁡ ワンドリンク制⁡ ラーメン110yen〜⁡ ⁡ ●ランチ営業時間【火〜土】⁡ (完全予約制)⁡ 12:00〜14:00⁡ 総予算  20,000yen〜 ⁡ お一人様 3,300yen〜⁡ ⁡ お時間・お料理等⁡ お気軽にご相談下さい♪♪⁡ お電話お待ちしております。⁡ ⁡ ○●○●○●○●○●○●○●○●⁡ 【民泊】⁡ ninjya room 2310yen〜⁡ ⁡ ・トイレ2ヶ所・お風呂・冷蔵庫⁡ ・キッチン・共有スペース・Wi-Fi⁡ ⁡ 共有ですが全て無料です!⁡ 人気ですのでご予約はお早めに💦⁡ ⁡ ○●○●○●○●○●○●○●○●⁡ 【BBQレンタル】⁡ ランチ🌄/11:00~16:00⁡ ナイト🌃/17:00~22:00⁡ ⁡ お一人1,000yen〜⁡ ⁡ お飲み物🍺と食材🥩を⁡ 持って来るだけで⁡ 簡単にBBQが出来ちゃいます😝✌️⁡ ⁡ ○●○●○●○●○●○●○●○●⁡ 【レンタルスペース】⁡ ⁡ 1時間880yen〜で⁡ お部屋が借りられます!⁡ (トイレ・Wi-Fi)⁡ ⁡ 他にもご要望があれば、⁡ 何でもおしゃって下さい!⁡ ⁡ ○●○●○●○●○●○●○●○●⁡ 【電車】⁡ JR東海道本線 ⁡ 名古屋駅から共和駅下車⁡ 共和駅東口より 徒歩7分⁡ ⁡ ⁡ 名古屋駅から 快速15分⁡ 金山駅から  快速9分 (Imura 大府市・共和 ”泊まれる”居酒屋) https://www.instagram.com/p/CQlMAb_AVmH/?utm_medium=tumblr
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yukiyacchan · 3 years
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家にホッチキスの1つや2つあるでしょう。先日、ホッチキスの針が無くなり、引き出しをゴソゴソ探したけど、ホッチキスの針の箱も無くなっていた。ホッチキスの針を買っても一生使い切ることも無さそうなので、針の要らないホッチキスを買った。前から気になってたやつ。 矢印みたいに切り込み入れて差し込んで留める方式と、穴は開けずに凸凹つけて圧着する方式とあったので、シンプルそうな後者を購入。 5枚までということだけど、それだけ留められれば良いだろう。 留めてみた。なんとも頼りなさそうな感じだけど、何箇所か留めればなんとかなりそう。 https://www.instagram.com/p/COKCJoQJDjnBFjsSeL5G5_2BjRmhw_obSW3Pc40/?igshid=b84c0bh6awab
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short-span-call · 3 years
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#066 オリエンタルコンクリート(1)
 男も女も大人も子供も白人も黒人も黄色人種も社会人も学生も先生も生徒も日本人もアメリカ人もイタリア人もチェチェン人も総理大臣も大統領も天皇もクー・クラックス・クランもロスト・ジェネレーションもヤリマンもヤリチンも処女も童貞もヤクザもカタギも、みんなみんな、オナニーしてるんだよなあ、と考えると、どんなことも許せるような気がする。落ち込むことがあったり、人やモノにムカついたり、悲しみに暮れたり、何かとてつもなくひどい目にあったとき、そんな想像をすると、心が穏やかになる。への字口が微笑みに変わる。なんでも許せるような気持ちになって、ああ、みんなそうやって生きてるんだなぁ、と思う。敵も味方も、自国も他国も、いじめっ子もいじめられっ子も、絶頂に達する瞬間は、それぞれの場所で、たった一人なのだ。すべての垣根を飛び越えて、ただのニンゲン、ただの動物になるのだ。戦争、紛争、争い、諍い。すべてを超えて、すべてを忘れて、人はオナニーをする。どこかの国と国が戦争を起こしそうになったとき、みんながそんな想像をしていれば、すべてがバカバカしくなって、あーもういいよやめよーぜドンパチ、と言い出す人がたくさん現れるんじゃないだろうか。だって嫌だ。安心して、穏やかな場所で、絶対的に一人でいられる場所で、確実にオナニーができなくなる世界なんて。そんなの絶対に嫌だ。みんな、嫌なはずだ。ともすれば、オナニーは世界を平和にする、たった一つの完璧な手段なのかもしれない。さあ、みんなで想像しよう。シンクオナニー。ラブアンドピースアンドオナニー。
 午後5時半。帰りの会も終わりダラダラと居残っていた女子もいなくなり、校庭でたむろしていた男子も帰り支度をはじめたころ、ぼくは4年2組の教室の、一番後ろの席よりさらに後ろ、窓際の、掃除用具が入っている巨人の筆箱みたいな灰色の物置と窓の間のすきっ歯みたいに微かに空いたスペースにうずくまっているミヨシを見下ろしていた。 「ねえ」  ぼくは右腕に持っているホッチキスをカチカチ鳴らしながらミヨシに声をかけ続ける。 「ねえって、ば」  ば、という声と同時にぼくは身体を抱え込みすぎて埋もれそうになっているミヨシのアゴの少し下のあたりを、足でやさしく蹴り上げる。やさしく、というのは、ぎりぎりアザにならないレベル、ということだ。 「早く受け取ってほしいな」  できるだけ穏やかに、のんびりとした口調でぼくは言う。蹴り上げたことにより顔が上がり、けれど目線だけは床の木製タイルのつなぎ目あたりに泳がせているミヨシの、その目線の先に、ぼくはホッチキスを差し出してやる。 「これ。ホッチキス。ぼくのなんだけど」 「ふ……」ミヨシの視界がホッチキスを避けようとしているのがわかる。 「おーい」  ぼくはゆっくりかがみこんでミヨシのアゴを思い切り掴む。ぼくとミヨシの顔は今、至近距離で対面している。はじめは目を逸らしていたミヨシは、どうやらそうしないとぼくが一生この体勢のまま動かないとでも思ったのか、意を決したようにぼくの目を見た。いい子だ。かわいい子。ぼくはうっすらと口元だけで笑いながら、さっき蹴り上げたミヨシのアゴを確認した。うん、アザにはならないはず。上履きの先端をもう少し硬く改造できないかな。ライターで炙ったら、どうだろうか。  極度の緊張でまばたきを忘れているのか、ミヨシの眼が水気を帯び、涙が目尻に溜まりはじめていた。いじらしい、ってこういうことだろうか。ぼくは昨日の夜、父さんの部屋の本棚からてきとうに選んで読んでいた西村京太郎のトラベルミステリで出てきた単語を思い出す。ミヨシ、ああ。ぼくとミヨシの顔は限界まで近づき、額と額がぶつかり合いそうになったところでミヨシは目をつぶり、ぼくは顔を横にそらせて唇を舌でしめらせてから、ミヨシの右目尻にキスをした。唇を離すとき、ミヨシの皮膚とぼくの唇が唾液によってできた線で一瞬繋がり、ぴふ、という、風よりも微かな音と共にまた離れた。ぼくはその唾液の跡を確認するように舌先で同じ場所を舐める。その間ミヨシは何度も身体を小さく震わせていて、ぼくは思わず荒い鼻息を漏らしてしまう。ミヨシについたぼくの唾液が、すぐ横の窓から差し込む夕陽に照らされテラテラと光っている。その姿に圧倒的な美しさを感じながら、ぼくは感動を悟られないように呼吸を整えてから顔を離し、両足のスネの前で固く結ばれているミヨシの腕を解き、ホッチキスを手渡した。 「かんたんだよ」ミヨシの手首を強く握ってぼくは言う。「すぐ、だよ」 「あの、ぼく」ミヨシの目は手の中に収まっているホッチキスとぼくの目を行ったり来たりしていた。 「ぼく?」 「ぼくは、あ、は……」言うべき言葉がそのまま口から出てこないもどかしさからか、ミヨシは小さく折りたたんでいた両足をさらに身体の中へ中へと押し込んでいくような素振りを見せた。 「だいじょうぶだよ」ぼくはこれまでで一番やさしい声を出す。「こうやってね、それを、口の中へ入れて、ベロをちょっとだけ出してね。その、ベロに、その、ホッチキスを挟み込んでね、あとは、手に力を入れるだけだよ」 「う、ふ」ぼくが言葉を区切るたびに、ミヨシは目を固く閉じ、首を縦に振ったり横に振ったりしている。もう、よくわからなくなっているんだろう。この状況が。この時間が。  ぼくがミヨシをこうして追い詰めはじめてから、すでに1時間は経っていた。  短く刈り込まれたミヨシの頭を撫でる。ランドセルの肩紐を律儀に掴んで通学路を歩くミヨシ。理科の実験で試験官を落としてあたふたするミヨシ。給食を食べるのが誰よりも遅いミヨシ。昼休みの最初から最後まで自分の机から離れず手塚治虫の漫画を読みふけるミヨシ。音読が下手なミヨシ。あらゆるミヨシがぼくの頭に浮かび、そして今、極限まで追い詰められ、なすがまま、ぼくに頭を撫でられているミヨシと繋がる。誰よりも地味でドジで目立たない日陰者のミヨシ。そのミヨシにぼくは今、スポットライトを当てているんだ。誰よりもミヨシがミヨシらしく輝く瞬間に、ぼくは立ち会っている。みぞおちの辺りを思い切り蹴りあげたい衝動を押さえつけながら、ぼくはミヨシに声をかける。 「さあ。ほら。だいじょうぶ。だいじょうぶなんだよ」
 保健の授業で、担任の柏木がニヤリと笑い、 「さてみんなに問題です。赤ちゃんは、なーんーで、できるの、で、しょうか」  と黒板に同じ言葉を書きながらぼくらに問う。  にわかに騒がしくなった教室で、ぼくは一人シラけた気分で机の隅を指でこすっていた。手をつなぐ! なんだよそれカンタンすぎだろ。そういう特別な手術があるんだよきっと。どういう手術だよ。愛し合っていれば自然にできるんじゃない? だから自然ってなんなんだって。ていうかそれオレら必要? 男子は口々に自分の考察を発表し、別の男子や女子がそれに難癖や反論を加えていた。柏木は黒板の端に「仮説」と書き、みんなの意見を馬鹿丁寧に書き並べていった。 「そんなの決まってんじゃん」  後ろの席でチートスが声を上げる。 「キスだよキス」 「わたし、ちっちゃいころ弟とキスしたことあるけど、子供できなかったよ」  教室の窓側から数えて二列目の、一番前の席に座っているコトチーがすかさず口を尖らせて反論する。こいつはチートスの言動になにかと突っかかるクセがあるのだ。 「それは、それはさ」しばらく口ごもってからチートスは言う。「そのころはまだ、オレらの身体にそういう、えっと子供ができる機能? みたいなのがちゃんとできてなかったんだよ」  教室の数人から、おー……、という、納得と感心が入り混じった声が漏れる。柏木はそんな教室を一望してにやにや笑っていた。 「キスの仕方も関係、あると思う。あと、確率、みたいなのも、あるんだと思う。キスしたら確実に子供が産まれるわけじゃないっていうか」  そこまで言ってチートスは黙りこみ、教室の空気も、なにやらそれぞれが考えこんでいるのか、小さなざわめきが聴こえる以外は、表立って発言をする者はいなくなってしまった。コトチーも、一人、机の一点を見つめて黙って腕を組んでいる。  ぼくは脚を投げ出して頬杖をつきながら、誰も座っていない目の前の席をぼんやり見つめていた。ミヨシは今日、学校に来ていない。少しいじわるしすぎただろうか。ミヨシの机の引き出しに昨日ぼくが渡したピンク色のホッチキスが入れられているのが見えて、ぼくは股の周辺が熱くなっていくのを感じる。何度か脚を組み替えながら、ぼくは頬杖をやめてピンと背筋を正してみる。それを見ていた柏木が、なにを勘違いしたのか、 「トラくん、どう思う」  とぼくに意見を促してきた。  ざわめきが収まり、教室中の顔という顔がぼくの方向を見る。チートスもたぶん、目の前にあるぼくの背中をじっと見つめているのだろう。コトチーは腕を組んだまま首だけを曲げて、眉間にしわを寄せてぼくを見ていた。あんたこんなナイーブな話題に対してヘンなこと言わないでちょうだいよ、といった顔だ。コトチーの左隣に座っているガンバは両肘を机に付いた状態で微動だにしない。眠っているのだろう。柏木から一番近い席に座っていながら、大した度胸だ。その姿がなんだか冬眠前のクマのようでぼくは目を細める。 「不思議だよねえ、よく、コウノトリが運んでくるんだよ、なんて言うけど、ほんとなのかなあ。お父さんお母さんに、そういうこと、聞いたことあるかなあ、みんなのお父さんお母さんは、なんて答えたのかなあ、ほんとうは、どういう仕組みで、みんなは産まれたのかなあ、ねえ? トラくん、ねえ?」 「ちんことまんこです」  ぼくは柏木に聞こえないように小さく舌打ちをしてから間髪入れずに言ってやる。コトチーの鼻から息が漏れる音が聞こえたような気がした。 「正しくは女性器、膣、ヴァギナと、男性器、陰茎、ペニス、その二つが接合し、ペニスから発射される精液に含まれる精子というオタマジャクシ状の生殖細胞がヴァギナの奥を進み卵子という細胞と接触、結合することにより細胞分裂が起こり胎児、つまり現在のぼくたちの原型のようなものができあがっていきます。ちなみにペニスから精液を発射させるためには恒常的かつ適度な刺激が必要とされていて、ああそうだった、女性器にもある程度の刺激が必要ですね、その刺激を自らで自らの性器に与える場合もあり、これを一般的にオナニー、または自慰と言います。そして主に男性と女性がお互いの性器を刺激し合うことを性交、エッチ、セックスと呼び、これは一般的にお互いを恋い慕っている者同士が行うものだと認識されています」 「よく知っているねえ」  男、女、ヴァギナ、ペニス、精子、卵子、性器、と、柏木はぼくの発言からキーワードを抜き取って黒板に書き出した。知っている者、知らない者の反応がここで一気に分かれる。知らない者は一体こいつはなにを言ったんだろうという顔できょとんとしている。知っている者はなんとなく気まずそうだ。顔をうつむけている男子、女子。醜くニタニタ笑う男子。顔を近づけてコソコソとなにごとかささやき合っている女子、女子、男子、女子。教室の空気が微妙に変化したのを察知したのか、ガンバの身体が一瞬大きくビクンと揺れて、何事もなかったようにゆっくりと目の前の黒板に顔を向けた。チートスは机から思いっきり身を乗り出して、なあ、つまりどういうこと、とぼくの耳元で言う。コトチーはもうぼくを見ていない。スカートの裾を直してから、寝ちまったよ、いったいなんの話をしていたんだ? というお決まりの困り顔でコトチーを見つめるガンバの太もも辺りを引っぱたいて、黒板に向けてアゴをしゃくった。  ぼくは無性に腹が立って、もう一度小さく舌打ちをした。ダメなんだ。こういう状況が。知っていながらなにも言わない連中の醸し出すぬるい空気にアレルギーを起こしそうになる。ヘタクソな演技。身を乗り出したままでいたチートスがぼくの舌打ちを聞いて、なんだよ、なにキレてんだよ、とおどおどしながら身体を椅子に戻した。ぼくは貧乏ゆすりを抑えながら、にらまないように目を見開いて柏木に顔を向ける。 「そうだねトラくん。男の子の身体には、ペニスという性器がついていますねえ。ちんちん、ちんこ、という呼び方のほうが、みんなにはなじみが深いかなあ。そ、し、て。こっちのほうは、知らない子のほうが多いんじゃないかなあ? 女の子の身体には〜、ちんちんが付いていないねえ。そのかわりに、ヴァ〜ギ〜ナ、ヴァギナという、窪みのようなものがあります」  柏木はあくまで、まんこ、という言葉を使わない気でいるらしい。  くそばばあが……とぼくはつぶやく。  詳しく説明してあるビデオがあるから、それを観てみましょうねえ。と言いながら柏木はビデオテープをセットし、テレビの電源をつけた。  大人はいつからぼくらのことを侮るようになったんだろう。テレビに映る砂嵐を見ながらぼくは夜眠る前にいつも頭に浮かぶことを思った。  流された映像は、まさに今このときのために作られました、という雰囲気で満ちあふれた、いかにもな教材映像だった。仮病やほんとうの病気で学校をお休みするとき、間延びしたようなお昼どきによく観るNHKみたいな感じ。のっぺりした女の声が、簡素な空間で男性器と女性器の模型をいじくっている人間の手の動きに合わせて、性交の説明や避妊具の解説をしていた。みんな、静かに、食い入るように画面を見つめている。意外だ。でもそれはそうか。ぼくらはもう10歳で、小学4年生で、親や先生や周囲の大人のふぬけた予想よりはるかに多くのことを、知っているし、知ってしまっているし、そしてこれからも多くのことを知ってしまうだろうという微妙な予感もちゃんと抱いている。性についてなにも知らないような奴らも、かわりに同じくらい別のなにかを知っている。知っていること、知らないことの、なんていうか、レベルや経験値の振り分けが違うだけで、ぼくらの知識の総量はきっと、同じなんだ。そしてきっと、大人とぼくらの知識の総量も、変わらない。ドロケイの必勝パターンやドッチボールの自己流投球フォーム、でたらめな言葉で会話すること、一人一人の言動や身なりにピッタリよりそっているような抜群のアダ名をつけるセンス、良いぺんぺん草の見分け方、泥団子をピカピカに磨き上げる技術、百科事典で4時間遊ぶために必要な想像力と創造力、そういうなにもかもを大人たちは惜しげも無く捨て去って、脳みその、からっぽになった場所に別のものを、タイクツななにかを、社会の教科書にのっているたくさんの歴史上の人物、例えば織田信長、フランシスコ・ザビエル、聖徳太子、大塩平八郎、その人物画みたいなぼやけた眼、かすんだ顔をして、詰め込んでいく。  ミヨシ。ミヨシがいない。  ぼくはミヨシのことが知りたかった。  誰よりもなによりも、ぜんぶをぼくの中に詰め込もうと思った。テレビの画面は、精子が膣の奥へ奥へと進んでいく3Dアニメーションを映している。ぼくはミヨシの奥へ奥へ、入っていくのだ。あるいは奥へ奥へ、入ってくるミヨシを受け入れていくのだ。その方法を大人は教えてくれないということもぼくは少し前に知ってしまった。あくびをこらえすぎて左目から涙がたれる。にじんだ視界からでもコトチーの一つにくくられた後ろ髪の形くらいはわかる。今日はコトチーと帰ることになるだろう。怒られるかな。やだな。
 ゴ。  いいい―――――――――――ん。  眼を開けたぼくの視界にふす――――んと厚ぼったい鼻息を繰り返すカラスウリみたいな頬の父さんが見える。  ぼくは布団の中にいて、父さんはぼくに馬乗りになっている。  しなびたボンレスハムみたいに筋張った父さんの左手は、ぼくの両腕を掴んで離しそうにない。  ぼくは寝ながらバンザイしているみたいな体勢で、父さんの眼、頬、唇、額、そしてもう一度眼を見る。にらまないように眼を見開く。 「おい」  ふす――――ん。  ゴ。  視界が一瞬青くなり、ぼくは顔をしかめようとする動きを必死にこらえる。酔った父さんは頭突きの加減を知らない。いいい―――――――――――ん。 「おい」  父さんの声を聴くと、ぼくはいつも、歌えばいいのにと思う。びっくりマークをつけなくても、びっくりマークをいくつ付けても足りないくらいどこまでも響いていくその太く伸びやかな声ならば、きっとどんな歌も祈りのように美しく切実な音に変わるのに。 「てめえは、なんに、なりてんだ。あ?」  ゴ。ゴ。ゴ。ゴ。  こういうときにミヨシのことはあんまり思い出さない。むしろ思い出すのは体育の授業、息をぜえぜえ言わせながら汗だくでサッカーボールを追いかけるガンバのことだったりする。明日は学校に行ったらガンバの机の前まで行って、今日観た『笑う犬の冒険』の話をいつもみたいにしよう。ガンバはホリケンが好きだから、ホリケンの言動をオーバーに真似するだろう。ぼくは泰造が好きだ。そしてコトチーはそんなぼくらを横目に漢字ドリルを進めたりするんだ。家はお兄ちゃんがいるから今やるの、とか言いながら。 「聞いてんのかっつってんだよ」  この家は父さん専用のスピーカーなんだと思う。壁、天井、ドア、柱、すべてが父さんの声に合わせて振動し、増幅されてぼくの耳を限界まで震わす。 「てめえはいいよな毎日毎日メシ食ってクソしてテレビ見てそれで終わりなんだからよ。てめえオヤジがくたくたで帰ってきてその態度はねえんじゃねえの」  その態度。  お風呂に入って歯を磨いて布団にもぐって眠ることを言っているのだろう。 「てめえ将来なんになりてえんだよ。おい」  耳鳴りが起こり、視界の中で父さんの顔、腕、身体が遠くなっていく。カメラのズームアウトみたいに、部屋と一緒にどんどん小さく縮んでいく。父が黙ると家全体も静まり返る。母さんは���ぶん、寝室かキッチンでうずくまっている。明日は母さんのどこにアザができているか、ぼくは一瞬眼を閉じて予想してみる。鎖骨かな。数日前はこめかみだった。  なにも言葉を発しないぼくに飽きたのか、壁にとまっているハエを叩き殺すようにぼくの顔面を正面から平手でぶっ叩き、父は立ち上がって部屋から出ていった。ぼくはしばらく、バンザイの体勢のまま、天井を見つめ、自分が息を吸ったり吐いたりする音を聴いていた。枕の下に入れてある小さなマイナスドライバーを取り出して強く握り、横に寝返りをうつ。身体を布団の中で小さく畳んで、自分の腕を見つめる。眼を閉じて、服の上から自分のペニスをそっとなでる。マイナスドライバーの先端を舐める。外で強い風が吹き、窓ガラスが音を立てて揺れる。今夜はさらに冷え込みそうだ。
「うそつき」 「なにが?」 「昼休み」 「ああ」ぼくは砂利をおもいっきり蹴飛ばす。「うそじゃないよ」 「うそでしょ」コトチーも、地面の砂利を蹴るように歩く。  高速道路の高架をくぐり、獣道を抜け、深緑色に濁った真間川に沿って、ぼくたちはもう三十分くらい歩いている。コトチーと一緒に学校から帰るときは、いつだって遠回りをした。大人の身長ぎりぎりくらいに架けられた薄暗い橋の下を通る。なにを獲るためなのかわからない漁船やボートが連なって停められている。おばあちゃんの髪の毛みたいな藻が水中でぬらぬらと揺れているのがかろうじて見える。砂利道には犬の糞や食べかけのカップヌードルやぼろぼろになったピンク色の手袋やコンドームが散乱している。それでもいつも、不思議と嫌な臭いはしなかった。ぼくは(そしてたぶんコトチーも)、この道とこの川が好きだった。 「コトチー冬休みどうするの」 「どうするって?」 「なんか、するの」 「なんかって?」 「なんでもない」  ブルーシートと鉄パイプ、しめ縄、折れた踏切の棒、ベニヤ板、反射板、あべこべな材料で組まれた堅牢な小屋の前をぼくらは通り過ぎる。中から微かにラジオの音が聴こえた。 「うちにはお兄ちゃんがいるから」コトチーは小さくスキップするようにして、ランドセルを背負い直した。「どこにもいけない」 「男にだって生理はあるよ」ぼくは���に話題を戻した。「血は出ないけど」 「うそつき」 「うそじゃないよ」 「それは夢精」コトチーが身体を曲げて、ランドセルの背でぼくにぶつかってきた。「トラだってわかってるでしょそれくらい。別にわたしが気にすることでもないけどさ、なんも知らない子にそういうこと吹き込むの、あとで自分が恥ずかしくなるだけなんじゃない」 「うそじゃない」ぼくはよろけながら、そう言うしかなかった。 〈生理〉という言葉には、もちろん〈月経〉という意味もあるけれど、〈生物の体の働き〉という意味だってあるのだ。  だったら、夢精や射精、オナニーを生理と呼んだって、間違いではないんじゃないか。  でもなぜか、それをコトチーに言うことはできなかった。屁理屈や言い訳にしか聞こえないことも、なんとなくわかっていた。  空はもう赤かった。カラスの鳴き声がどこかから聞こえてくる。 「トラ、大丈夫?」 「なにが?」ぼくはわざととぼけた。 「なにが、って……」 「大丈夫だよ」ぼくは地面の石を拾って、川に���かって思いっきり投げた。石は漁船のお腹にぶつかって、鈍い音をたてて川に沈んでいった。「大丈夫」  今日、一ヶ月ぶりにミヨシが学校へ来た。  あの日。柏木が授業でセックスの話をした日から、ミヨシはずっと学校を休んでいた。みんな、誰も、何も言わなかった。まるで最初からそれが当たり前だったかのように日々が過ぎていった。ぼくと、コトチー以外は。柏木だって何も言わなかった。プリントや宿題を届ける役目を誰かに任せることもなかった。ぼくの目の前の席はずっと空っぽで、空っぽの机の中のホッチキスはずっとそのままだった。ぼくは自分が段々自分じゃなくなっていくような、それまでの自分が絡まりあった細い糸で出来ていて、その糸が少しづつほぐされて、バラバラに散ってしまっていくような気分で毎日を過ごしていた。昼休み、いつも一緒に校庭を走り回るチートスも、給食の時間、牛乳のおかわりを取り合うガンバも、ぼくのそんな内面には気づいていないみたいだった。コトチーがぼくを見つめる表情だけが、日に日に険しくなっていった。 「さすがホトケだよね。完全に無反応だった」  コトチーは、柏木のことを「ホトケの柏木」と呼んだりする。いわゆる「神様仏様」のホトケではなくて、警察官が死体のことを呼ぶ俗称としての、ホトケ。らしい。  一ヶ月ぶりに学校にやってきたミヨシは一ヶ月前となにも変わらなかった。朝の会が始まる少し前に登校し、国語の授業では句読点を無視してつっかえつっかえ音読し、理科の実験ではアルコールランプの消火にまごつき、昼休みは口角を少しだけ上げて手塚治虫の『三つ目がとおる』をじっと読んでいた。ぼくはそんなミヨシをなるべく見ないように一日を過ごした。  ミヨシはキュロットを履いていた。  それ以外、なにも変わらない、いつものミヨシだった。  真間川が終わり、東京湾の工業地帯にたどり着く。巨大な水門は今日は閉じていた。海沿いにそびえ建つセメント工場が夕陽に照らされて嬉しそうに輝いている。湾の向こう岸に建ち並ぶ工場からコンテナが運ばれていく。クレーンが動く。消えそうにない煙が立ち上っている。大きな船が小さな模型みたいにちんまりと停まっている。静かだ。重たい海水の音と、母さんがいつもベランダやキッチンや庭に置きっぱなしにするゴミ袋みたいにギチギチに人を詰め込んだJR京葉線が高架を通り過ぎる音だけがはっきりと聞こえてくる。コトチーとぼくはしばらく立ち止まって、それらすべてを並んでぼんやり眺めていた。ここは千葉なのに、今目の前に見えているこの真っ黒な海原は東京湾なんだ、というその事実に、ぼくはなんだか無性にくらくらしてしまう。 「コトチーのお兄ちゃん、ぼくがぶっ殺してあげよっか」  そんなこと言うつもりはなかったから、ぼくはぼく自身に驚いていた。 「いいね」コトチーは笑わなかった。「どうやって?」 「ゆっくり殺そう」ぼくはコトチーを見ずに言った。「まず、まっすぐに伸ばして針金にしたクリップで、両眼を刺して、ぐちゅぐちゅかき混ぜるんだ。で、眼をどろどろにしたら、排水口のぬめり取りで、歯を少しづつ溶かそう」 「あはは。サイコー」 「爪切りで少しづつ、両手両足の肉と骨を削いで、詰めていこう」 「あはは」 「髪の毛はペンチで豪快にむしり取ろう。耳にはギターを繋げたイヤホンをつけて、爆音でかき鳴らして鼓膜を壊そう。ヘソにはうんと尖らせたトンボ鉛筆を突き刺して、睾丸とペニスは……。睾丸とペニスは、」 「……睾丸とペニスは?」 「睾丸と、ペニスは……」ぼくはわざとらしく間を置いて言った。「一番みじめで一番いたくて一番ねちっこくて一番、一番ぜんぶぜんぶ後悔させるような方法で、こっぱみじんにする」 「こっぱみじん」  初めて知った言葉を口の中で転がすように、コトチーが繰り返す。 「そう、こっぱみじん」 「すごいね」 「すごいよ。こっぱだよ」 「ありがとう」  コトチーは微笑んだ。声が少し揺れていて、でもぼくはなにも言わなかった。  来た道を引き返し、ぼくとコトチーはそれぞれの家に向かって同じ道を歩く。  ぼくの家とコトチーのマンションは道を挟んで隣り合っていて、いつもみたいに、家とマンションの中間、道のど真ん中で、ぼくとコトチーはハイタッチを交わして別れる。すっかり、夜になっていた。夜に玄関をまたいでも叱られないような家に、ぼくとコトチーは住んでいる。コトチーが明日学校にやって来るまで、どうか誰もコトチーの身体を触ったりしませんようにと、ぼくはたまに祈ってみたりする。
 ぼくはリビングのテーブルで、晩ごはんを食べようとしている。  晩ごはんはミヨシだった。  ミヨシはこんにゃくで、こんにゃくという食べ物がミヨシだった。 「いただきます」ぼくは言った。  味噌汁を入れるお椀のなかに、透明な液体と輪切りにされたミヨシが浮かんでいて、ぼくは白ご飯を口に含んでから、そのお椀を手に取った。 「虎彦」  ミヨシがぼくの名前を呼んだ。  ぼくはミヨシの一つを箸でつまむ。  ミヨシが微笑んだ。輪切りにされたミヨシに顔なんてないけれど、黒いぶつぶつの連なりが顔の代わりなのだということがぼくには分かる。ミヨシが微笑んでいることも、ミヨシが呼びかける声も、ぼくにしかわからない。ぼくとミヨシだけの言葉じゃない言葉だ。  母さんは、テーブル越しに対面する形で、ぼくの前に立っている。片手に包丁を持って、眼が充血している。 「てめえ何様のつもりだよ」  母さんの声は父さんで、ぼくは母さんの顔を見つめながら、ミヨシを口に入れる。 「いっつもいっつもいっつもいっつもいっつもいっつも」  そういう動きしかできないブリキのおもちゃみたいに、母さんは手に持った包丁を上下に振り続けている。 「いっつもいっつもいっつも、いつもいつもいつもてめえはてめえは」  ぼくはミヨシを噛んで、飲み込もうとする。でも噛めば噛むほど、口の中でミヨシはどんどん膨らんで、ぼくはとうとう口の中からミヨシをこぼしてしまう。口からこぼれたミヨシはもうミヨシじゃなくてただのこんにゃくで、床の上でぷるぷる揺れている。  さっきからぼくの頭上で浮かんでいたポリバケツが、UFOみたいに光を発した。光りに照らされた、ミヨシだったこんにゃくは浮かび上がって、ポリバケツの中に吸い込まれていく。 「ミヨシ」  ぼくは立ち上がってポリバケツに手を伸ばす。でもぼくは体温計だった。水銀が暖まらないと手が伸ばせない。手というのは、赤いゲージのことだった。  そこで眼が覚めた。  ぼくはマイナスドライバーを枕の下にしまって、起き上がる。 「ミヨシ」
 次の日も、次の次の日も、次の週も、ミヨシはキュロットを履いて、ぼくの目の前の席に座って、いつものミヨシみたいに振る舞っていた。仕草を変えたり、一人称を変えたりすることもなかった。周りの人間も、キュロットを履いたミヨシをいつものミヨシみたいに扱った。つまり、みんなミヨシに無関心だった。あまりに無関心すぎて、ぼくの頭がおかしくなって、ぼく一人だけが、ミヨシの幻覚を見ているのかと思ったほどだ。 「あいつさあ……」  男子トイレで隣り合って小便をしているとき、ガンバが言った。 「そういうこと、だったんだなあ」  ぼくはそれで、最近のミヨシがぼくだけの幻覚じゃないことを知った。 「でも、なんか、そういう感じ、だったのかもなあ、これまでも。うん」  ガンバはうつむいて、自分の小便を見つめていた。 「いとこがさあ、そういう感じ、なんだよなあ。オレが保育園行ってたときは、まだ、アニキって感じだったんだけど、今はもう、なんだか、そうでもない感じでさあ。……あいつよく見たらかわいらしい顔してるしさあ。オレぐらいドジだけどさあ。これからチン毛とか生えて、どうなるかわかんないけどさあ。オレ、ああそういうことかあ、って感じなんだよなあ」  ガンバがそんなことを言うのがなんだか意外で、ぼくはズボンのチャックを上げながら、ガンバの顔をまじまじと見つめてしまう。 「なんだよお」 「や……うん。うん。なんでもない」  ぼくはガンバの背中を強めに叩く。 「おいなんだよ、まだションベン中だぞ」 「さき、体育館行ってるから!」 「待てよお! おーい!」  ガンバの声が響くトイレを出てぼくは早足で歩く。ぼくは泣き出しそうだった。
 ミヨシがキュロットを履くようになってから、ぼくはまだミヨシと一言も言葉を交わしていなかった。放課後は校庭でたむろしているチートスたちの元へ行くか、一人で、あるいはコトチーと二人で、逃げるように帰っていた。  ミヨシと、放課後、教室の隅で、どちらからともなく寄り添って、「ああいうこと」をするようになった、そのときから、ぼくはもうこの先のことがなんとなくわかっていた。言葉として、映像として、脳みそでわかっているわけではなかったけれど、こんなことが、このまま、この状態のまま、変わらずに続くはずがないことくらいはわかっていた。ミヨシの頬を叩くとき、ミヨシの肩をつねるとき、ミヨシの頭をなでるとき、ミヨシを言葉だけで追い詰めるとき、ミヨシの膝が夕陽に照らされているのを見たとき、ミヨシの眼に映るぼくや教室の天井を見たとき、ミヨシが「ぼくは」と言うとき、ミヨシがぼくの名前を呼ぶとき、ミヨシの身体のその中の、誰にも見えないところでボロボロに泣いているミヨシそのものにぼくは目を背けてミヨシの眼を見つめ続けてきた。学校では教えてくれないこと。父さんは、母さんは、柏木は、大人は教えてくれないこと。誰も教えてくれないこと。ほんとうは教えてほしいこと。その、「教えてほしいこと」の種類が、ぼくとミヨシでは決定的に違っているのだ。「教えてほしいこと」の種類も「認めてほしいこと」の種類も「信じてほしいこと」の種類もなにもかも。一緒だと思いたかったのは、ぼくだけだろうか。ぼくはミヨシのペニスを思いきり頬張りたかった。誰よりもやさしく乱暴に触りたかった。でもそれを望んでいるのはぼくだけなのかもしれない。ミヨシはミヨシ自身のペニスなんて触れられることすら嫌なのかもしれない。そのことを考えるだけでぼくは頭がはちきれそうになった。頭がはちきれそうになることくらいわかりきっていたから、ぼくはミヨシと、ぼくらの間だけで通じるセックスを、「ああいうこと」を続けていた。ぼくはまだ、ミヨシのペニスを見たことがない。ぼくはミヨシに今すぐ触れたかった。いま、今、すぐ。  体育館では、先に来ていたチートスたちがバスケットボールの山盛り入ったカゴを倉庫からひっぱり出しているところだった。せっかちな奴らがカゴの中のボールを手にとって、好き勝手に投げ合っている。  ぼくは早足のまま、体育館の隅で壁に寄りかかってぼんやりしているミヨシの元へ向かう。 「ミヨシ」  ミヨシはぼんやりした顔を強張らせてぼくを見つめた。放課後以外でぼくがミヨシに話しかけるのは初めてだった。 「髪」ぼくの声はかすれていた。 「かみ?」 「どうして」ぼくは右手をミヨシの肩くらいまで上げて、また下げた。  ミヨシは黙っていた。 「伸ばせばいいのに」言った途端、ぼくの眼から涙がこぼれた。  今この瞬間、この場にいる全員、消えていなくなってしまえばいいとぼくは思った。お願いだからぼくとミヨシ以外、全員、バスケットボールとゴールだけを見ていてほしかった。  ミヨシは顔を強張らせたまま口を半開きにして、数秒固まったあと、これ以上ないくらいかわいそうな人を見るような表情でぼくを見た。 「どうして」 「トラ。虎彦」  ミヨシはぼくの手の甲をなでてから、頬の涙をそっとぬぐった。 「虎彦。今日、一緒に帰ろう」  バスケットボールが床を跳ねる音の隙間から、チートスの笑い声が聞こえる。ガンバが遅れて体育館にやってきて、おい、トラ! とぼくを呼ぶ。ぼくはミヨシにうなずいてから、なんでもなかったように背を向けて走り、カゴの中のバスケットボールを取って、ガンバに向かって高めに投げる。
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eijisuehiro · 3 years
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頭にホッチキスの針が刺さってますが ルーブル美術館に来てます 嘘 (川口西口公園(リリアパーク)) https://www.instagram.com/p/CJ7wTcOAtDm/?igshid=1fljurbqnlf9
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favorite--goods · 2 years
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ホッチキスの針をサクサクと外せる☆ 取れた針も飛び散らないのですいすい使える「リムーバ ホッチポン」
ー 2022年5月10日 すいすいと手軽に使えてストレスがないホッチキスの針外し器です☆ すっと滑らせるだけでさくっと外せるのが気持ちいい♪ ヽ( ˆoˆ )ノ シュレット前の書類のホッチキス外しがとってもはかどる〜
ちょっと感動するほど、素晴らしい商品だと思います。 友人が使用しているのを見て、ある意味感動して購入しました。しかも2本も。この商品、商品説明に記してある通りの商品で、ホッチキスの芯をはずしても、飛ばさず、本体に収納する商品です。本当に素晴らしい。ほぼ100%で本体に収納されます。簡単な構造なんですが、よく考えられています。安いし、お試しでも買ってみてください。 (Amazonカスタマーレビュー)
ホチキスリムーバーは絶対コレ!! 仕事柄ホチキスの芯を取りまくるんですが、コレが一番しっくりきます! 以前はピンクを持ってたんですが、個人的にはブルーのほうがかわいいです。 職場の皆がリムーバーを持っていますが、コレを使ってる人は、皆リピーターです。他のを使ってた人も次買うならコレって言ってます! 楽天みんなのレビュー
(おもしろグッズ&アイテムノート:https://wandering.ever.jp/spinoff/?p=17066)
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mft-toyama · 3 years
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via @njm2360
明日から使えるライフハック ホッチキスの針は幅5のジャンパーになる ブレボに刺して使うととてもちょうど良い pic.twitter.com/AzwYaqYb8O
— Haswellお兄さん🍃 (@njm2360) January 2, 2021
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douguya04 · 4 years
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· · · ぬくもりのどうぐたち / 椅子修理の話 · 修理に使う道具や治具は自作します。特に藤を剥がす道具は複数用意します。藤の背は木部の枠に彫られた溝に嵌めて固定。その上に太い藤を嵌めて枠にしますが、幅4㎜(3.5㎜~5㎜)程度、深さも数㎜の溝がとても厄介です。そこに藤を固定するためにタッカー(大きなホッチキスの様なもの)の針が無数に打ってあります。それを取るのに、0.5㎜の違いの幅と深さのバランスで、道具を変えます。そうしないと綺麗に取れません。 · 製作者の気質でも、難易度が変わります。きっちりシゴトをされている方の場合は、タッカーの針に行き着くまでも一苦労。かと思えば、打ってある針の数も少なく、一発で直ぐ終わってしまうものもあります。たまに張り直したもので、一回目の針がそのままに二回目も重ねて打ってあると、倍の手間と大変さですが、それでも、木部の負担と仕上がりの綺麗さを考えて、全て剥がします。 ·  さて、今回の椅子はどうなのか剥がしてみないと分かりません。分からないので道具をメンテナンスしておきます。それでも現場で道具を再調整する事になるでしょう。家具修理は手間が掛かります。 · · · 在廊予定 17(土)修理実演 31(土)最終日 · 在廊予定変更する場合はまたお知らせします。 · 【ドウグヤタサキ展】 〜 ぬくもりのどうぐたち 〜 日程:10/7(水)〜10/31(土) 場所:秋元珈琲焙煎所となり「日喩」 定休日:日月火 営業:水木金土 営業時間:13:00〜18:00 · · · #日喩 #秋元珈琲焙煎所 #大田原 · #ドウグヤタサキ #douguyatasaki #家具修理 #椅子修理 #repair #furniture #アカリ #照明 #lamp #light #upcycle #リメイク #家具 #インテリア #interior  #椅子修理実演 https://www.instagram.com/p/CGQ_L-XlEb8/?igshid=oz5kttcpdhyv
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