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#フラッシュ戸
yanarchy072 · 2 years
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・ ・ こないだ『ゲルハルト・リヒター展』へ行った時に観たMoMATの常設展示作品。 特別展が変わると所蔵作品が一部入れ替わる。 だから、新しい作品もあれば常時ある作品、そして、久しぶりの作品もある。 MoMATは大体の作品が動画でなければフラッシュなしで撮影できるからいいよねえ! そういえば、リヒターも常設に。 ・ #靉嘔 #レインボー北斎ポジションA ・ #駒井哲郎 #詩画集蟻のいる顔より3蛇 ・ #藤田嗣治 #哈爾哈河畔之戦闘 ・ #高松次郎 #No273影 ・ #宮本隆司 #神戸1995より神戸市長田区 ・ #会田誠 #美しい旗戦争画RETURNS ・ #森村泰昌 #BrothersALateAutumnPrayer ・ #村上隆 #サインボードTAMIYA ・ #福田美蘭 #Copyright原画 ・ #ゲルハルトリヒター #抽象絵画赤 ・ #東京国立近代美術館 #MoMAT ・ #東京 #tokyo #日本 #nippon ・ #instaart #artstagram #instagood #instapic (東京国立近代美術館|The National Museum of Modern Art, Tokyo) https://www.instagram.com/p/Ci2WKNgrHuy/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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russellian-j · 3 months
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バートランド・ラッセルの言葉366_画像版 n.2644j (Jan. 27, 2024)
私達は,猛暑のなか京都から横浜まで(東海道線で) 10時間の旅をした。暗くなってすぐの頃,横浜に到着した。そうして,私達はカメラマンが連続的にたくマグネシウムの爆発音で迎えられた。マグネシウムが一回爆発するごとにドーラはとび上がったので,流産するのではないかという心配が増した。私は怒りで我を失った。
We made a ten hours' journey in great heat from Kyoto to Yokohama. We arrived there just after dark, and were received by a series of magnesium explosions, each of which made Dora jump, and increased my fear of a miscarriage. I became blind with rage. Source: Bertrand Russell: The Autobiography of Bertrand Russell, v.2 chap. 3: China, 1968 More info.:https://russell-j.com/beginner/AB23-150.HTM
<寸言>  ラッセルは、改造社(山本実彦社長)の招待に応じて、大正10年(1921年)夏に約2週間(7月17日~7月30日)訪日しました。  当時は撮影にフラッシュの代わりにマグネシウムを使っており、マグネシウムを「たく」たびに白煙とともに爆発音が起きました。妊娠中のドーラはびっくりして飛び上がったため、ラッセルは怒りを覚え、記者連中をステッキで追い払おうとしました。  それに対し、記者連中は自分たちの行為は棚に上げ、ラッセルは貴族的な態度をしめしたと「揶揄」しました。  ラッセルの来日時の主な動静は以下のとおりです。
・7月17日正午: 営口丸にて神戸着。神戸クロニクル主筆ヤング(Robert Young, 1858.10.9-1922.11.7)の出迎え。最初の夜は,神戸 北野のトア ホテル(右写真)の2階57号室に泊まる。(現在跡地は「神戸外国倶楽部」となっている。) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%9B%E3%83%86%E3%83%AB https://russell-j.com/cool/KOBE-BR.HTM ・7月18日,大阪ホテルにて,大阪毎日新聞副主幹と午餐。夜,神戸の阿弥陀寺で開催された演説会に出席し,約1,000名の労働者の前で短い講演を行った(通訳は賀川豊彦)。その後,自動車でトア・ホテルに帰り,夜12時頃まで歓談。トアホテル泊(2泊目)。 ・7月19日,ラッセル,ヤング,ブラック,及びパワー(Eileen Power,1889~1940)は,午前11時2分神戸三宮駅発の列車で大阪に向かう。大阪ホテルにて昼食をとり,自動車で奈良へいく。奈良公園などで遊ぶ。夜は,奈良ホテル泊。 ・7月20日,奈良の大仏見学,夕刻,同じ車で京都にいく。夜は,都ホテルに泊まったものと思われる。 (7.20~7.24,京都) ・7月21日: 京都大学荒木総長と短時間会見。夕方5時より,改造社主催の都ホテルでの歓迎会に出席。京都大学教授その他の学者27名(新聞報道では26名)出席。 ・7月22日,午前中,祇園,知恩院,本願寺等見学。午後は,ホテルで静養。 ・7月23日 京都で静養していたと思われるが,この日の詳細不明(要調査)(注:金子務『アインシュタイン・ショック(1)』(p.71)には7月22日箱根に1泊と書いてあるが,��ッセルの行程に関する金子氏の記述は間違いが多い。) ・7月24日,7.49p.m.:東海道線特急で横浜着。山下町のグランドホテルに一泊 ・7月25日,午後5時入京。夜,改造社の山本社長の案内で帝劇見物。帝国ホテルにて東京の第一夜を過ごす(2階32号室)。 ・7月26日,午前11時より,帝国ホテルにて日本の著名な思想家達と会見(大杉栄,堺利彦,桑木厳翼,姉崎正治,上田貞次郎,阿部次郎,和辻哲郎,北澤新次郎,鈴木文次,与謝野晶子,福田徳三,石川三四郎他)
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135481403135481403 · 6 months
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酒井 太 @futoshimen 2023/10/22 (日) 23:02:06 水戸ブルーアースミュージックフェス 2日間無事終了しました!
シューク・フラッシュさん 石井竜也さん 一青窈さん 藤巻亮太さん 宮沢和史さん
をサポートさせていただきました、 名曲だらけ! 楽しかったです
https://twitter.com/futoshimen/status/1716092569170670018
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keededdy · 9 months
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冬木市観光とちょっと中華街
フィルムカメラとiPhoneでの撮影
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みんなのおうち
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中華街
夜の撮影は失敗しています
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冬木大橋(神戸大橋)の撮影 遠くにあるのでフラッシュも意味がない!
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2022f · 10 months
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20230713
nemo_no_sub:#私を構成する42枚 レミオロメン、スキマスイッチ、藤巻亮太、TRICERATOPS、the pillows、ORANGE RANGE、SCANDAL、BUMP OF CHICKEN、エイジアエンジニア、nobodyknows+、ロードオブメジャー pic.twitter.com/WvTeKYy55i [https://twitter.com/nemo_no_sub/status/1679498742402265088] ryosasuke39:"優しさを思い出したり   悲しみを思い知ったり   一度きりを生きているのさ"  亮太さんの詞って、文学であり、哲学だよね‥🧐  人間の面白みや明るい面を強調したという、メジャー調のセルフカバーも好きだな #レミオロメン  透明/藤巻亮太 youtu.be/q4Hc3YsCMjI [https://twitter.com/ryosasuke39/status/1679497062650630146] ryosasuke39:「君と同じように。僕と同じように。他のみんなと同じように。みんなそれぞれ求め方が違う。だからときどきすれ違いや誤解が起きる。そして人が死ぬこともある」(村上春樹著「ダンス・ダンス・ダンス」より)  透明/レミオロメン   youtu.be/EWGps-kgpFA  #藤巻亮太 [https://twitter.com/ryosasuke39/status/1679497057978167300] nneeeeeeji:偉大なる協力者によりリョウくんと寿くんの年齢も判明いたしました。苦節一か月…ついに完成です! …大多数の方々はコイツは何をやってるんだと思ってるんでしょうな(笑) #誕生色 #門脇更紗 #藤巻亮太 #レミオロメン #藤巻バンド #YUKI #清塚信也 #大塚愛 #ブルースリー #前田愛 #波野愛 #PrettyChat pic.twitter.com/EcHWFzkM5H [https://twitter.com/nneeeeeeji/status/1679461501655191552] Yoko_purin130:SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 石井竜也、藤巻亮太ら第一弾出... spice.eplus.jp/articles/320232 [https://twitter.com/Yoko_purin130/status/1679390300723367937] bunkyu_:SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 石井竜也、藤巻亮太ら第一弾出演者も発表に(SPICE) topics.smt.docomo.ne.jp/article/spice/… [https://twitter.com/bunkyu_/status/1679380296750481408] shigetsfa:SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 石井竜也、藤巻亮太ら第一弾出... spice.eplus.jp/articles/320232 [https://twitter.com/shigetsfa/status/1679376510397079552] livefans:SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 #石井竜也、#藤巻亮太 ら第一弾出演者も発表に - LiveFans(ライブファンズ) livefans.jp/news/pc/58029  #BLUEEARTHMUSICFEST #BEMF [https://twitter.com/livefans/status/1679365123524399104] AshleyJeong0112:#remioromen  #レミオロメン #藤巻亮太 #前田啓介 #神宮司治 #今日の歌  #まめ電球  🎼レミオロメン🎧🎵🎶 🔸️song of the day🔸️ 🔹️今日の歌 🔹️  ▪️  まめ電球▪️  youtu.be/ATN5q8RY2yA [https://twitter.com/AshleyJeong0112/status/1679361100108959745] adachihouse:出演は米米CLUBのボーカル石井竜也、シューク・フラッシュ!、チーム朱舞、レミオロメンから藤巻亮太、宮沢和史、PUFFY、いばらき大使でもある声優・俳優・アーティストの安達勇人、義手のヴァイオリニスト伊藤真波と豪華ラインナップで開催!  ■出演者最速抽選先行受付URL w.pia.jp/s/bemf23ss/ [https://twitter.com/adachihouse/status/1679346277484724224] Kiyoshileo:“10月21日(土)・22日(日)の2日間開催” → SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 石井竜也、藤巻亮太ら第一弾出... spice.eplus.jp/articles/320232 [https://twitter.com/Kiyoshileo/status/1679340068207738881] sato_piee:SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 石井竜也、藤巻亮太ら第一弾出演者も発表に musicman.co.jp/artist/563260 [https://twitter.com/sato_piee/status/1679339518619688961] lost__message:SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 石井竜也、藤巻亮太ら第一弾出演者も発表に - Yahoo! JAPAN spice.eplus.jp/articles/320232 [https://twitter.com/lost__message/status/1679337682324041729] eiko_boom:SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 石井竜也、藤巻亮太ら第一弾出演者も発表 会場:ザ・ヒロサワ・シティ会館   10月22日(日) 15:00開場  16:00開演 (19:00終演予定) 宮沢和史、PUFFY、藤巻亮太、伊藤真波  spice.eplus.jp/articles/320232 [https://twitter.com/eiko_boom/status/1679335965826101248] sirolovibe:SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 石井竜也、藤巻亮太ら第一弾出演者も発表に | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス  spice.eplus.jp/articles/320232  #宮沢和史 twitter.com/spice_mu/statu… [https://twitter.com/sirolovibe/status/1679335298919206912] tomtomkotubu:SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 石井竜也、藤巻亮太ら第一弾出演者も発表に(SPICE) article.yahoo.co.jp/detail/5bbacaf… [https://twitter.com/tomtomkotubu/status/1679330004281483264] chiwako2011:石井さんのアート作品の展示も✨🎨  SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催  #石井竜也 、藤巻亮太ら第一弾出演者も発表に | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス spice.eplus.jp/articles/32023… [https://twitter.com/chiwako2011/status/1679328730823667712] blueearthpj:#BEMF 出演者発表第1弾は…  #米米CLUB ボーカル #石井竜也(ソロ) #シューク・フラッシュ!、#チーム朱舞。 #藤巻亮太 #宮沢和史 #PUFFY #安達勇人 ヴァイオリニスト #伊藤真波  …と多彩なナインナップでお届け🎤  公式HP⏬ blue-earth-pj.com pic.twitter.com/bmHjGfDf5N [https://twitter.com/blueearthpj/status/1679327505206116354] musicman_net:SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 石井竜也、藤巻亮太ら第一弾出演者も発表に #BEMF musicman.co.jp/artist/563260 [https://twitter.com/musicman_net/status/1679326488708149250] spice_mu:SDGsをテーマにした音楽とグルメの祭典『BLUE EARTH MUSIC FEST 2023 IN MITO』今年も水戸にて開催 石井竜也、藤巻亮太ら第一弾出演者も発表に  #BEMF spice.eplus.jp/articles/320232 pic.twitter.com/RfabM28TmL [https://twitter.com/spice_mu/status/1679324789117423616] AshleyJeong0112:#REMIOROMEN  #レミオロメン #藤巻亮太  #前田啓介  #神宮司治  レミオロメン🎧 🎼Have a nice day 😍 ▪︎▪︎▪︎with Remioromen▪︎▪︎▪︎  📻OH MY RADIO "THURSDAY " 📻OH MY REMIO  #allthebest pic.twitter.com/zbDYZEVkMJ [https://twitter.com/AshleyJeong0112/status/1679315435282657280]
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mvrider5 · 10 months
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岡山城
令和の大改修で生まれ変わった岡山城に久しぶりに登城。旭川のデルタ地帯に聳え立つ威容
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対岸からの威容
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近づいていくと烏城、金烏城の別名通りの黒塗りの美しさ
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この角度からみたら天守台の不等辺五角形の特徴が解りやすい。
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2階が渡り廊下になっている廊下門から登城
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廊下門を潜って中の段からの勇姿。左下が先ほど潜った廊下門
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本段と呼ばれる最上段から。暫く時を忘れて見惚れる😍
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中の段に現存する重文の月見櫓
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中の段から本段に上がる不名門
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不明門を出て中の段から下の段に降りる鉄門跡
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宇喜田氏から小早川氏にかけての石垣の継ぎ足しが解りやすい拡幅整備された高石垣
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六十一雁木門
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内堀
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場内最大の大納戸櫓跡
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大手の要に相応しい難攻不落の石垣
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他にも数々の櫓が
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登城した藩士の供が待機していた供腰掛(左中央の建造物)
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日本三大名園後楽園は以下から
内部も一新。城内の詳細は以下から
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yes-keita · 1 year
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これは、 造作建具(半吊り半戸車、取って無し、ハイドア仕様)おれんち®️フレーバー ご要望に、お応え風味😍 がんばった!お楽しみに #シティーボーイカントリー7 :3枚引き戸(既製品だと、60万円オーバー 三分の一でできた? ってゆー) #おれんち風味 #おれんちフレーバー # #八幡平市産 #八幡平産 #メイドイン八幡平 #岩手県産 # #八幡平市 #二戸市 #一戸町 #滝沢市 #雫石町 #盛岡市 #岩手町 #盛岡 #雫石 # #ファースの家 #造作建具 #吊り戸 #間仕切り #仕切りプレート #3枚引き戸 #引き戸 #ハイドア #建具デザイン #建具金物 #建具工事 #建具製作 #フラッシュ戸 # (Hachimantai-shi, Iwate, Japan) https://www.instagram.com/p/Co4ZsU_ho1k/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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sports-pro-sokuhou · 2 years
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【巨人】戸郷翔征、中継ぎも「対応できる」...侍初選出で栗山監督打診に即答
【巨人】戸郷翔征、中継ぎも「対応できる」…侍初選出で栗山監督打診に即答
【巨人】戸郷翔征、中継ぎも「対応できる」…侍初選出で栗山監督打診に即答 スポーツ プロ野球 侍ジャパン栗山英樹監督(61)が4日、都内で会見を行い、トップチーム初陣となる11月の「侍ジャパンシリーズ」4試合の代表28選手を発表した。  サプライズ登場した巨人・戸郷翔征投手(22)は、引き締まった表情でフラッシュを浴びた。侍ジャパン初選出。ユニホームに袖を通し「侍のユニホームを着るのが一つの目標だった」と喜びを語った。  今季は自身初の2ケタ勝利となる12勝、防御率2・62をマークしたが、 引用元: プロ野球のニュースまとめ 【巨人】戸郷翔征、中継ぎも「対応できる」…侍初選出で栗山監督打診に即答
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team-ginga · 2 years
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青森3日間の旅:3日目
 青森3日間の旅、3日目にして最終日。
 午前中は十和田現代美術館ーーイヤフォンガイドの機器を借りてゆっくり回りました。このイヤフォンガイド、いいですよ。いや、とてもいい。ここへ行くなら是非ご利用ください。無料だし。
 入るとすぐに全長4メートルの巨大なおばあちゃんがお出迎え。題して「スタンディング・ウーマン」ーーそ、そのままやんけ。しかし、立派です。スラブ系の農婦って感じでしょうか、腕も足もものすごく太くて、意地悪そうにも優しそうにも見えます。私はふとアゴタ・クリストルの『悪道日記』のおばあちゃんを連想しました。
 その後も面白いオブジェの連続。フラッシュさえ焚かなければ写真撮影は自由とのことでしたが、写真を撮るのも忘れて見惚れていました。
 特に面白かったのはーー真っ白い部屋があって、白いテーブル、白い椅子があって、なぜか白い天井から白い動物の下半身が垂れ下がっていて、テーブルに上がって天井に開いた穴から首を出すと、無機的な部屋とは打って変わって水が溜まっていて、草が生えていて、霧がかかっていて、ゴマフアザラシ(なんだと思います)がこっちを見ている(天井からぶら下がっていたのは、このゴマフアザラシの下半身だと言うわけです)という趣向の体験型オブジェ。
 非常に見応えのある美術館で、ヒナにはまれなというか、十和田市なめんなよという感じです。
 美術館を見て、街中に置かれているオブジェを全部見て(前々日は時間が遅くてやっていませんでしたが、ヒプノティック・チェンバーの中に入ると実際に催眠術のビデオがかかっていましたし、ファット・ハウスの中に入るとファット・ハウス君がお喋りをするビデオがかかっていました)、娘と合流。
 娘の同級生がバイトしているという(こればっかし)カフェでベーグルを食べコーヒーを飲みました(ここのマスターはコーヒーにこだわる人で、モカやコロンビアではなく、聞いたことのないような銘柄のコーヒーを出します)。
 それから娘の通う大学へ行って、学内を散策。獣医学部ですから、牛や馬や羊や山羊がいるので、そういう動物たちを見たりちょっと触ったり……ひとしきり遊んだ後、再び娘の運転する車で、最終目的地三沢の寺山修司記念館へ行きました。
 ここは……完全に私の趣味です。妻も娘も「寺山修司って誰?」状態(まあ、妻にはさんざん話を聞かせましたし、『さらば箱舟』も見せましたが、それでも残念ながら特に興味を持った様子はありません)。
 きっと人も少ないんだろうなと思っていたら、なんと団体客がゾロゾローー美術館員が寺山の歌碑・句碑がある裏山を案内するというので、私も便乗してついていきましたが、団体のお客さん(大半の妙齢の女性)は寺山修司なんて知らないんだろうなあという感じ。きっとツアーに組み込まれていたから来ただけなんでしょうね。
 裏山から記念館に戻って展示を見ると、古びた勉強机がいくつも置いてあり、懐中電灯が上に置いてあります。寺山にまつわる品が机の引き出しに入っているので、引き出しを開けて懐中電灯で照らして見るという趣向です。
 なるほど。
 これが常設展で他に寺山のラジオドラマの特集なんぞもありましたが、帰りの飛行機の時間もあるのでそちらは諦めて、ラジオドラマのCD4枚と寺山修司作、白井晃演出の芝居『中国の不思議な役人』のDVDを買って外に出ました。
 妻と娘はその間、外で放牧されている牛を見ていたとか。なぜそんなところで牛が放牧されていたのかは謎ですが、退屈していなかったのならよかったと思います。
 そこから娘の運転で三沢空港まで行き、空路で伊丹へ。息子が迎えに来てくれたのでそれに乗って家に帰りました。
 充実した3日間でした。
 翌13日(月曜)には八戸から送った生うにと殻付きホタテを3人で美味しく食べました。
 めでたしめでたし。
 私は元来、出不精で旅行嫌いなんですが、たまにはこういうのもいいなあ。また是非出かけたいと思います。
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nailsaloncoeur · 2 years
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: グリーン✖️フラッシュ おしゃれネイル #明石ネイルサロン #神戸ネイル #加古川ネイル #明石ネイル #ジェルネイルデザイン #明石 #nail #gelnails #トレンドネイル #グリーンネイル #フラッシュネイル グリーンカラーが流行っているんだね (明石市魚住町) https://www.instagram.com/p/CdxMEGmpWI1/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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wataru2861 · 2 years
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イグゾースト
3/5点
ポーカーの要領で
役を出していき
出せなくなった人が
負け。
ただし
すでに出されてる
役に関しては
シングルや同数字の
組み合わせの場合は
より大きい数字
ストレートやフラッシュや
エニー(3枚以上ならなんでも)の場合は
より多い枚数
出さないといけない。
プレイ感としては
レッド7にも近いが
コッチのほうがシンプル。
相手がどこを
出そうとしてるか読んで
カットしてくのが
良いのだが
そこの読みあいが熱い。
また
揃えた役によって
パスする権利が
増えるのだが
4カード揃えた場合は
パスする権利が2回増え
ペアを揃えた場合は
1枚ドロー出来るので
その点でどの役を
出していくかも悩ましい。
基本ルールと
ヴァリアントルール
あるのだが
ヴァリアントといっても
誰かが2敗するまで
続けるだけなので
いきなりコレ入れても
全然問題ないと思う。
(1敗するごとに
パスする権利が
1回増える)
なかなか読みあいが
面白いのだが
ただ結局のところ
運の要素が強い
気はするかな。
=カードは
他のカードをコピーして
出せるため
かなり強いし。
まぁ大半のカードゲーム
ワイルドカードなど
特殊カードが強いのは
よくあることだし
コチラはアクマで
コピーするだけなので
単体では出せない
ストレートには使えない分
ワイルドより
マシだと思うが。
あとは
シンプルすぎて
少々物足りない気もするし
それこそレッド7のような
特殊ルールが
何かあっても
良かった気も。
あと説明書に
手札無くした場合の
記載が特に見当たらなくて
最初戸惑ったが
もともとこのゲーム
手札無くせば
良いというものでも
ないだろうし
手札無くしたら
その後ずっと
パスし続けるしかない
ということだと思う。
ソロプレイにも
対応しており
コチラはNPCの
山札15枚との対決。
NPCは出す役の
優先順位が決まっている。
15枚で勝てたら
どんどん増やしていけば
より難易度上げられるが
運要素も強いので
そこまでやりこみたく
なるほどでもないかな。
ちなみに
図の並びだと
フラッシュが上に
なっているのだが
NPCはストレートのほうを
優先に出してくるので
ストレートとフラッシュ
図とは逆に
並べたほうが良い。
ソロはイマイチ
物足りなかったが
人数ごとに
役の調整もされてるので
対戦は何人でも
楽しめるかと思う。
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tacktackiii · 4 years
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いい顔してました。 先日のフラッシュパネル製作。 カフェトイレに設置するおむつ台だそうです。 いいものが出来そうです。 #DIY #コーナンすごい #フラッシュ #天板 #おむつ台 #三角戸バネ #ストライク #建具 #お手伝い #建築 #日曜大工 (Osaka) https://www.instagram.com/p/B9WgV2PB3aV/?igshid=18q0sbgdl9h9h
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banashi1 · 4 years
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あるバーテンダーの話
615 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2008/05/04(日) 03:41:23 ID:YHVIcSWV0 昔、俺がまだ神戸で雇われのバーテンダーだった頃の話。 その店は10階建てのビルの地下にあった。で、地下にはうちの店しかないんだけど、階段の途中にセンサーが付いてて、人が階段を通るとカウンターの中のフラッシュが光ってお客さんが来たのがわかる仕組みになっていた。 でもたまに、フラッシュが光っても誰も入ってこない、外を見ても誰も居ないって事があって、俺は寂しがりやの幽霊でも来たのかなって半分冗談みたいに、ウイスキーをワンショットカウンターの隅の席に置いて「ごゆっくりどうぞ〜」と言っていたんだ。 それからはそれがおまじないというか、げんかつぎみたいになって、そうゆうことがあると、いつもそれをしてた。そのうちお客さんも「おっ今日も来てるねー」みたいな感じになって(そうゆう日に限って店は凄く忙しくなった) 姿は見えないけど、その頃は店の常連さんみたいに思っていた。 ある冬の朝方、またフラッシュが光ったんで、こんな遅くにお客さんかぁと思って外を見ても誰も居ない。なんかそのまま朝の空気が心地よいので、階段の上まで昇って一服してたら、突然の大地震。そう阪神大震災です。 うちのビルは地下と一階部分がぺっちゃんこ。あのまま中に居たら確実に死んでました。 あとから考えるといつもただで飲ましてあげている、あの見えない常連さんが助けてくれたのかなぁと思います。 今も違う場所で自分でお店をやってますが、その店のスイングドアが風も無いのにギギィーって揺れたりすると、今でもウイスキーをワンショットカウンターの隅に置いてます。 そして心の中で「いらっしゃい。あの時はありがとうございました。」と思うようにしています。
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sorairono-neko · 4 years
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永遠の初恋びと
「世界選手権ではどのような演技をしたいですか?」 「そうですね……、全日本選手権でも四大陸選手権でも、成績はよかったのですが、自分の中では納得していない部分が多くて、もっとこうできたんじゃないかとか、あそこはああしたほうがよかったんじゃないかとか、いろいろ考えることがあって、課題ができたので、今回の試合はシーズンの集大成ですし、そういうことのないように、ショートもフリーもノーミスで、どちらかだけがいいというのではなく、両方そろえて、いい演技にしたいと思っています」 「記録の点ではいかがでしょう? 四大陸選手権でも、勝生選手ご自身の持つフリーの歴代最高得点には及びませんでしたが」 「それは、いい演技ができればあとからついてくるものだと思っています」 「師弟関係を結んでから初めて、ご自身のコーチであるヴィクトル・ニキフォロフ選手と対戦しますね。どんな気持ちでのぞまれますか?」 「コーチが誇れるよう、彼の名に恥じない戦いをしたいと思います」 「勝てそうですか?」 「どちらがどちらにですか? 負ける要素は見当たりません」 「……どちらがどちらにですか?」  勇利はにっこり笑って答えた。 「どちらもです」  リンクに立ち、フェンスを挟んで立った勇利の手を、ヴィクトルが情熱的に握りしめた。勇利は静かに握り返し、彼の目をまっすぐに見てほほえんだ。これから勇利のショートプログラムが始まる。 「ヴィクトルはぼくにどんな演技をしてもらいたい?」 「勇利が勇利であってくれればそれでいいよ」 「そう? すこしはヴィクトルの希望も取り入れようかなと思ったんだけどね」 「そうか。じゃあ……」  ヴィクトルは勇利の耳元にくちびるを近づけ、低くてつやっぽい声ではっきりと言った。 「バンケットで初めて俺を誘惑したときみたいに、手をつけられないほどどきどきさせて欲しい……」 「ぼく、おぼえてないんだけど」 「記憶になくても勇利ならできるさ」 「どきどきしすぎて自分の演技に差し支えが出ても知らないよ」  勇利が笑うと、彼の名が呼ばれ、歓声が上がった。 「勇利のラストエロスだね……」  ヴィクトルがつぶやく。勇利はにっこりし、「最後の誘惑だ」と同意した。 「ヴィクトル、わかってる?」 「何が?」 「演技はもう始まってるんだ」 「え?」  勇利は両手を差し伸べると、ヴィクトルの頬を包みこみ、顔を近づけてまぶたを閉じた。ヴィクトルが瞳をみひらいて息を止め、ものすごい悲鳴と歓声がリンクを圧するほどにみたした。  勇利はさっと身をひるがえすと、衣装をなびかせてリンクの中央まで行き、静かな気持ちで目を伏せた。ヴィクトルはいまどんな顔をしているだろう? 驚いている? 余裕ぶって笑っている? あきれて苦笑している? 見られないのが残念だ。勇利はくちびるにそっとふれた……。  情熱的なしらべに乗って、幾度も幾度もさらったステップシークエンスを披露する。最初これをヴィクトルがすべっているのを見たとき、勇利は、「こんなのぼくすべれるの?」と困惑した。でもいまは、もう自分のものになっている。ヴィクトルが初めてくれたプログラム。「みんなが思うことの反対をしなきゃ」と新しい勇利を引き出してくれた。こんなプログラム、いままでのコーチは誰もやれと言わなかったし、勇利も挑戦しようなんていう発想はまるでなかった。けれどヴィクトルは、勇利に似合う、勇利ならできるときめて道を示してくれたのだ。これをすべるのは今日で最後。  いちばんよい成績を出せたのはロシア大会だった。あの時点で「エロス」は完成していたといえる。しかし、それだけでは勝てないと踏んだ勇利は、高得点を狙って、ジャンプを構成し直した。ジャンプを変更するというのは簡単なことではない。ジャンプ自体の難度も上がるが、プログラム全体の調和というものも変わる。踏み切りが変化するというだけで、それまでつくり上げた流れは失われる。それを再びなめらかになじませなければならないのだ。  グランプリファイナルでは、跳びたいという気持ちが強すぎて手をついた。全日本選手権では一瞬方向を見失い、転倒してしまった。四大陸選手権では回転しすぎ、マイナスがつくような着氷になった。フリースケーティングのおりも別のミスを犯している。今度こそ──そろそろきちんと跳べてもよいころだ。ヴィクトルの言う「いつまで予行演習やってるつもりだい?」である。いい加減跳べるようにならなければ。  ターンをし、方向を変えたら、ヴィクトルの姿がちらと視界に入った。一瞬のことだがすぐにわかる。ヴィクトルはそこにいるだけで華やかだ。きっといまも、勇利から目を離さず、熱心に見てくれていることだろう。そう──ぼくを見ていて。ぼく、すっごく美味しいカツ丼になるんで。──一年前に言った自分の言葉を思い出す。ヴィクトルは美味しいと思ってくれているだろうか? いま……。勇利の子どもっぽい言い分に笑いもせず、「カツ丼大好きだよ」と答えてくれたヴィクトルだった。あのとき、あのひとことがどれほどうれしかったかしれない。  勇利はあの瞬間の気持ちを思い出した。ヴィクトル、ぼくを食べてよ。思えば、初めてきちんと踊った「エロス」は本当につたなく、幼かった。ヴィクトル、ぼく、成長したでしょう? あのころより色っぽくなった? ファイナルのときのこと、ヴィクトルは「おまえは俺を捨てようとした」と言ったね。そんなつもりはなかったんだよ。ぼくは次の男へ行くことなんてできなかったし、貴方もそれをゆるさなかった。男から男へと渡り歩く美女よりも、たったひとりの男に愛され続ける美女こそが究極のエロスじゃない?  ──ヴィクトル、ぼくのこと、手放せなくなったでしょう?  割れるような歓声に我に返り、勇利はゆっくりと瞬いた。息が切れ、頬が上気していた。あれ、終わっちゃった? ほっぺたに手を当て、首をかしげる。状況がよくわからなかった。とても身体が熱く、ほてりきっている。勇利は戸惑いながら挨拶を済ませ、おむすびのぬいぐるみを抱きしめてヴィクトルのもとへ戻った。  どんな演技をしたのか自分でよくわからない。でも、とてもみちたりていた。ヴィクトルの視線を常に感じていた。彼の愛情深い、情熱的な視線を。 「ヴィクトル」  ヴィクトルが両手をひろげて待っている。勇利を抱きしめようと。 「ヴィクトル、ぼく、綺麗だった?」  ヴィクトルが目をみひらいた。彼は勇利を力いっぱい抱擁し、「勇利、おまえは最高にうつくしい」と甘ったるい声で褒めた。彼はすぐにうやうやしくナショナルジャージを着せかけ、勇利のことをキスアンドクライへ導いた。勇利は彼に手を引かれるまま座り、紅潮した頬をヴィクトルに向けた。 「ねえ、四回転フリップ成功した?」 「え?」 「記憶がないんだ。飛んじゃってて……もしかして失敗したのかな?」  ヴィクトルはぽかんとし、それから勇利を引き寄せてつむりを撫でた。 「綺麗だったよ。GOEプラス3だ」 「ヴィクトルがきめちゃうの?」 「もしプラス3になっていなかったら、あとでジャッジに抗議を申し入れる」  得点が出た。勇利はあぜんとした。ヴィクトルは黙って勇利を抱きしめた。そしてまるで演技前のお返しだとでもいうように、熱っぽくくちびるを重ねた。勇利は押されて、後ろに倒れこみそうになった。 「ちょっと!」 「勇利」 「ちょっと──見えない。得点が見えないよ! いまの見間違い? 眼鏡持ってきて!」 「間違ってないよ」  勇利は改めて点数を確認し、両手を頬に当ててヴィクトルをみつめた。  勝生勇利は、ショートプログラムにおいても歴代最高得点を更新したのだ。 「お疲れ様でした」 「ありがとうございました」 「まずはいまの率直な気持ちをお聞かせください」 「あの……、まだ整理できてなくて。混乱しているというのが本当のところです。���みません」 「歴代最高得点を更新されましたね」 「そうですね。えっと……、うれしいです」 「ノーミスでした」 「はい。それはずっと目指してやってきたことだったので、今回きちんと達成することができて、本当によかったと思います」 「ロシア大会で完成したかに見えたショートプログラムですが、構成を変更し、グランプリファイナルでは調子がよくありませんでしたね」 「調子というか、あれはただ単純なミスというか……。基礎点の高いジャンプを跳んでも、成功させて加点をもらえなければああなりますし、つまり諸刃の剣で、もとの構成のまま完璧な仕上がりを目指したほうが、安全にいい点を取れるかもしれないですが、それでは勝てないし、それはぼくの中ではちがうという気がしたので、もっと上を目指して、目指した結果が今日につながって、挑戦し続けてよかったと思います」 「コーチにはなんと言われましたか?」 「あの、褒めていただきました」 「どんな言葉をかけられましたか?」 「えーっと、そう、いい子だねって……そういう感じです」 「そわそわしていらっしゃいますね」 「あ、すみません。すぐコーチの演技なので……すみません。あの……」 「どうぞご覧になってください。どうもありがとうございました。フリーも期待しています」 「ありがとうございました」  勇利はリンクサイドまで急いで走った。 「恥をかいた」  勇利はぷりぷり怒っていた。そばにいるヴィクトルは笑って、「そんなことはないさ」となぐさめた。 「いまごろみんな笑ってるよ。歴代最高更新して浮かれてたやつは誰だっけって。たいしたこともないのににこにこインタビューに応じて、まったくみっともなかったってね」 「そんなことはない」  ヴィクトルはベッドに座って拗ねている勇利の隣に腰掛け、そっと手を握った。 「勇利が為し遂げたことはすばらしいことだ。誰も文句は言えないさ。俺にだってね」 「自分より上手いやつはいないみたいな顔をして、えらそうに受け答えしてた、どこにでもいる間抜けなスケーターなのに?」 「そんな顔はしてなかったよ」  ヴィクトルは笑いをかみ殺しながらかぶりを振った。 「きみはいつだって真摯だ。まじめで、努力家で、ふるまいは気品高い」 「ヴィクトルがぼくの記録を抜いたりするからいけないんだよ!」  勇利はヴィクトルをにらみつけた。 「生徒に恥をかかせて、申し訳ないと思わないの?」  ヴィクトルはとうとうこらえきれなくなったのか、声を上げて笑い出し、勇利を抱き寄せてまなじりに接吻した。 「ああ、恥ずかしい」  勇利は左手で頬を押さえた。 「自分の更新した最高得点をほんの数分で越されることほど恥ずかしいものはないね。今後はもし記録を塗り替えることがあっても、どうせすぐ抜かれるんだって肝に銘じて、えらそうな態度は取らないでおくよ。もっとも、そんな機会がこのさきあるかどうか知らないけどね」 「恥ずかしくない。勇利の記録は立派だ。それに、これからいくらだって機会はあるさ。きみふうに言えばいま『浮かれてえらそう』にしている俺だって、いずれきみにまた追い抜かれる」 「ああ、もう、どうしてこんなことになっちゃったんだろ? ヴィクトル・ニキフォロフに勝つことは不可能なの?」  勇利は悩ましくつぶやいた。ヴィクトルが噴き出しそうになっている。 「コンマ以下の差じゃないか」 「当たり前だよ!」  勇利は声を荒らげた。 「あの演技で、十点も二十点も差をつけられたらやってられないよ!」 「その通りだね」 「まったくもう……、ほんと、最高の出来だったんだよ……おぼえてないけど。でも、VTRを見たらかなりのものだったよ。どこのトップスケーターかと思ったよ」 「日本のトップスケーターだよ」  ヴィクトルが勇利に頬を寄せた。 「『エロス』で出すことのできる上限の得点に迫ったんだよ! なのに、なのに……ヴィクトル・ニキフォロフとかいう皇帝が……」 「まったく悪いやつだね」 「すっごく上手にヴィクトルを誘えたと思ったのに……」 「うん。最高だったよ。だから俺も興奮しちゃって……」 「もう、ちょっと、べたべたしないでよ!」  勇利は、さっきから話しながら勇利の髪や頬にくちづけしたり、背中を撫でたり、手の甲を指先でなぞったり、とにかく愛情表現をふんだんにしていたヴィクトルをつきのけた。 「ぼく、いますごく機嫌が悪いの! あんまり話しかけないで!」 「俺はいますごく機嫌がいい。勇利をずっと抱きしめていたい気分だ」 「ああ、腹が立つ……」 「勇利がどんなに俺に腹を立てて俺を嫌いになったとしても、俺は勇利を愛してるよ」 「勘違いしないで。ヴィクトルのことは大好き。ぼくが腹を立ててるのは自分自身に対してだよ。ああ、ねえヴィクトル、あの着氷よくなかったのかな……ジャンプも、入るとき、明確じゃなかった? どうして3をつけない採点員がいたんだろう。サルコウはいつまでもぼくを悩ませるね。コンビネーションにしたせいかな。どう思う? ううん、もうショートのことを考えるのはよそう。フリーに気持ちを切り替えなきゃ」 「その通りだ。さすがは俺の勇利」 「ヴィクトル、ぼくはフリーで皇帝を逆転するからね」 「その意気だ」 「ばかにしてるでしょ? なんだい、余裕ぶっちゃって……」  勇利は頬をふくらませて拗ねた。 「ちがうよ。勝ちに行こうとしてる勇利がとてもうつくしくて、感激してるんだよ」 「そうやって実力を見せつけていい気になってればいいよ。でもねヴィクトル……」  勇利はまだべったりとくっついているヴィクトルを無理やりに引きはがすと、彼の前に立ち、腰に片手を当てて、もう一方の手ではひとさし指を振りたて、厳しく言い放った。 「ヴィクトル・ニキフォロフなら相手にとって不足はないよ。覚悟してて。絶対勝ってみせるからね。ヴィクトルが世界王者と呼ばれる時代ももう終わりなんだから!」  き、緊張してきた……。演技前、勇利は胸に手を当て、深呼吸をくり返していた。ショートプログラムでは二位だったので、一位のヴィクトルを逆転することしか考えていなかったけれど、勇利はいま、フリースケーティングの世界記録保持者なのだ。あいつは歴代最高得点を持っている実力者だ、倒さなければ、という圧倒的な威圧をあちこちで感じた。自分は追いかける立場だと信じて疑っていなかったのに、本当はそうでもないのだということを思い出させられたのだ。それがたいへんな重圧だった。  みんな、落ち着こうよ。もっとすごい人が目の前にいるじゃない。ヴィクトル・ニキフォロフを追いかけるほうがずっと意欲の向上につながらない? ぼくなんかたいしたことないんだから、意識したってしょうがないよ。ねえ……。  追われるのが苦手な勇利は、すっかりかたくなってしまった。 「おいブタ! おどおどしてんじゃねえ! 邪魔だ!」 「あっ、す、すみません……」  廊下でぼんやりしていたら、ユーリに押しのけられてしまった。勇利はすみのほうへ行ってちいさくなった。 「勇利、大丈夫?」  ヴィクトルが優しく言って勇利の手を握る。 「そんなにおびえなくていいよ。勇利よりうつくしい者は会場にいない」 「ヴィクトルがいるじゃない……」  ヴィクトルは笑って勇利を抱きしめた。 「そうだ、俺がいるな。まわりなんか見ないで。俺だけを見て」 「う、うん……」  勇利はこくこくとうなずき、ちいさくぶるっとふるえた。ヴィクトルが苦笑を浮かべる。 「まったく、上がったり落ちたり、忙しい子だな」 「え?」 「なんでもなーいよ。かわいいな」  勇利はそわそわと落ち着かない気持ちで自分の番を待ち続け、ほかの選手が高得点を次々と出していくのを見ていた。ああ、ぼくは無理だ。みんなノーミス。パーソナルベストがどんどん出てる。きっとぼくだけ最低記録を出すんだ。声をかけるのも悪いようなとんでもない得点。ああ、ああ、どうしよう。そんなことになったらヴィクトルが。ヴィクトルが……きっとかなしむし、まわりにも好奇の目で見られて……だめだ、だめだそんなのは……。 「勇利」  ヴィクトルが勇利の頬にふれた。氷の上に立った勇利は、青い顔をしてヴィクトルを見返した。 「ひどい顔色だね……」  ヴィクトルが優しく頬を撫でた。 「そんなに不安なのかい?」 「そ、そ、そんなことないよ」 「あきらかに調子が悪そうだ」  ヴィクトルがくすっと笑った。 「でも……、おかしいな」  彼は首をかしげ、不思議そうに眉を寄せた。 「勝生勇利は、俺に勝つとか覚悟してろとか、もうヴィクトル・ニキフォロフが世界王者と呼ばれることはないとか、そんなことを言ってたはずなんだけどな……」  勇利ははっとして顔を上げた。 「俺の聞き間違いだったかな?」  ヴィクトルは口元に指を当て、にやっとする。 「勇利なら確かにそうできるだろうと思ったんだけど……無理なんだ」  勇利のくちびるがかすかにふるえた。 「そうか。そんなに緊張して、おびえてちゃできないよね。残念だな。期待してたのに」 「ぼ、ぼくは……ぼくは……」 「勇利が俺と本気で対戦してくれると思って期待してたのになあ……」  ヴィクトルは微笑を口元に漂わせ、いたずらっぽく勇利を見た。 「できないなら……、やめとく?」  勇利の頬がかっと熱くなった。なにそれ。なにそれなにそれなにそれ。ばかにして!  勇利は叫ぶように言った。 「やる!」 「オーケィ」  ヴィクトルがにっこりし、勇利の手をぎゅっとつかんだ。 「それでこそ俺の勇利だ。さあ、きみの愛を見せて。おまえの愛でヴィクトル・ニキフォロフを倒してみせて」  勇利の紹介がなされ、勇利は氷を蹴ってリンクの中央へ向かった。身体じゅうが熱く、力がみなぎっていた。愛。そうだ。このプログラムは、勝生勇利の愛のプログラムなのだ。ヴィクトルとふたりでつくった。ああしよう、こっちがいい、もっとこうしたい、ねえ、ヴィクトル、聞いて。何度も何度も話しあい、考え、積み重ねてつくり上げた。  誰も追いつけるはずがない。勇利の織りなす愛には──誰も。  氷の上にいるのは、いま、ぼくだけなんだ……。  演技が始まったとき、一瞬、ヴィクトルがほほえんだ気がした。遠くからの判断なので本当かどうかはわからない。でも、きっとそうだ。ヴィクトルはいま笑っている。  そういえば、初めて長谷津に来たときもヴィクトルは笑っていたな、と勇利は思い出した。不躾に浴場へ入っていった勇利に顔をしかめもせず、開口一番、「俺はおまえのコーチになる!」と言い放った。あれは勇利が懇願した返事だったらしいが、それにしたって、あのヴィクトル・ニキフォロフが、「コーチになって」と言われて了承するなんて前代未聞だ。彼には自分のスケートがあり、計画があり、将来があった。それなのにそれらをすべて置いて、勇利のところへ来てくれたのだ。  そう思えば、勇利のくちびるにも自然と笑みがにじんだ。この一年、いろいろなことがあった。ヴィクトルがロシアへ帰ってしまうのではないかと心配したり、大好きなあこがれのひとなのになかなかなじめず、失礼なこともした。もう一度跳んで、ジャンプを見せて、といくたびもねだってこき使った。ヴィクトルはいつも笑っていた。とても優しかった。  スケートだけに集中せず、ふたりで遊ぶこともおぼえた。プールへ行ったり、海へ行ったり。お祭りも楽しんだし、たわいない散歩もした。ヴィクトルはひとりでいなくなることも多かったが、帰ってくると必ず、体験したことを洗いざらい勇利に話し、勇利の言葉にも耳を傾け、それぞれ別々に過ごした時間を共有しようとした。そしてそのうち、ひとりきりで出かけることはなくなり、いつだって勇利を誘うようになった。  ヴィクトルは勇利の世界を変えてくれた。彼といることで、よくものごとが見えるようになった。自分の環境も、向けられている愛情も。ああ、こんな中に自分はいたのかと気づくことができた。  ヴィクトルはコーチとしては上質とはいえず、勇利も精神がしっかりしていないので、お互い手探りだった。彼の前で泣いたり、めちゃくちゃなことを言ったりしてあきれさせたこともある。でも、いつだってふたりは相手のことを考えていた。だから、ヴィクトルがそばにいない試合はひどくさびしく、苦しかった。このひととずっと一緒にいたいと思い、しかしそれはいけないことなのだとつらい思いをした。  終わりにしようと言ったとき、まさかヴィクトルが泣くとは思わなかった。あれは何の涙だったのだろう。ヴィクトルは「怒ってるんだよ」と言ったけれど、人は怒ると泣くものなのだろうか。変なひとだ。ヴィクトルってわからない。でも──そんな突拍子もない、いつだって理解できないヴィクトルのことを、勇利は深く愛している。  一年前の世界選手権の日、勇利は長谷津のリンクで、ヴィクトルのプログラムをすべっていた。そして一年を経たいま、世界の舞台で、ヴィクトルと一緒につくり上げたプログラムをおどっている。  長くスケートをしてきた。でも、ヴィクトルと過ごしたこの一年ほど濃密で愛の深��った時期はない。ヴィクトルを愛し、ヴィクトルに愛されたこの時間が、勇利はいとおしくて仕方なかった。ふたりで織りなし、かたちにしたのが、「YURI ON ICE」なのだ。  このプログラムも、今日で最後……。  ぼくはもうすぐ、ヴィクトルのいるロシアへ行く。彼と新しい時代を経験する。でも、関係を始めたこの一年、いろいろとぶつかりあい、探りあい、初めての愛に戸惑いながら過ごしたこの時は、もう二度と訪れないのだ。  ヴィクトル……。  最後のジャンプ。四回転フリップだ。四大陸選手権、ショートプログラムでまわりすぎてしまったため、フリースケーティングでは抑えめに跳んだ。すると今度はアンダーローテーションを取られた。グランプリファイナル以来、クリーンに降りていない。どうしてもこのジャンプが綺麗に入らなかった。昨日だって、ヴィクトルは褒めてくれたけれど、すべての採点員が「3」をつけたわけではない。ほんのわずか、足りなかったのだ。でもそれは──今日のためだったのかもしれない。  勇利は視線を据えた。いままででいちばんうつくしい四回転フリップを跳びたい。GOEプラス3がついたグランプリファイナルのフリースケーティングよりもいいジャンプが。ヴィクトルが教えてくれた──ヴィクトルの四回転フリップが跳びたい!  着氷の瞬間、ヴィクトルが両手を上げたのが見えた。ヴィクトル、あんなにはしゃいじゃって。自分のときには平然としてるのにね。ヴィクトル……。  ねえヴィクトル……、ぼくのジャンプ、どうだった?  よくお説教する貴方だけど、すてきだったよって言ってくれるかな?  貴方が跳ぶみたいに、ぼくはこのフリップを跳べたかな?  ねえ、ヴィクトル……。  ぼくは……。  ぼくは、金メダルを獲るよ。  貴方と……。 「フロムジャパン。ユーリ・カツキ」 「YURI ON ICE」の繊細で純真なしらべが流れ出す。ほの暗く青いリンクに踏み出した勇利は、ゆっくりと滑走し、観客に向かって挨拶した。お辞儀をするたび歓声がわき上がる。勇利は頭を上げると、表彰台に向かってすべってゆき、赤いじゅうたんの上にそっと乗った。 「勇利」  ヴィクトルが手をひろげて勇利を招く。勇利は一瞬くちびるを噛みしめたあと、何かを振り切るようにヴィクトルに近づいて、両腕で彼にぎゅっと抱きついた。 「おめでとう、勇利。とても立派ですてきだったよ。俺は鼻が高い」  勇利の視界がじわっとにじんだ。勇利は急いでヴィクトルから離れ、彼の隣の台に静かに立った。続いてクリストフが呼び出され、ヴィクトルと勇利にそれぞれ抱擁した。じゅんぐりにメダルが授与されてゆく。そのあいだ、勇利はほとんど上の空だった。花束と記念品を持ち、撮影のときになっても、まだ彼はぼんやりしていた。 「勇利、笑って」 「…………」 「メダルを見せて……にっこり笑うんだ。誇りを持っていいんだよ」 「…………」 「勇利」  カメラのフラッシュが、ヴィクトルのかかげたメダルを純粋な金色に輝かせた。勇利の手元では、銀色のメダルが光った。その瞬間、勇利の目から堰を切ったようにどっと涙があふれた。 「うあぁ……」  勇利は天を仰ぎ、大声を上げて泣き始めた。 「ああ、あぁ、ああ、あぁあああぁ……」  ヴィクトルが目をまるくし、クリストフが仰天したように勇利を見た。 「ごめん、ヴィクトルごめん、金メダル獲れなかった。金メダル獲れなかったよぉお……」  勇利はぼろぼろと涙をこぼしながら、手放しで泣き続けた。 「ああん、ああぁん、あぁああぁあ……ああ、うっ、ああ、うぅ……」 「勇利」  激しくフラッシュが焚かれ、観客たちが「勇利くーん」「勇利くん、泣かないで」と口々に言った。しかし勇利の耳には入らなかった。 「うぁ、ああん、うっ、うっ、あぁああ、えっ、う、うぁああ……」  しゃくり上げ、激しく肩をふるわせながら、勇利は顔をぐしゃぐしゃにして泣きじゃくった。ヴィクトルは笑い出し、いとおしそうに、力いっぱい勇利を抱きしめた。 「勇利、泣かなくていい。本当にすばらしかった。俺を本気にさせたのは勇利なんだから」 「うあ、あぁ……」 「そんなに悔しかった? かわいいな。本当に一生懸命だったんだね。勇利ががんばり屋さんなのは知ってたし、そういうところがかわいいと思ってたけど、こんなふうに号泣するとは考えてなかった。いい子だから泣くんじゃない」 「ううっ、う、ごめんなさいヴィクトル、金メダル、金メダルかけてあげようと思ったのに」 「いいんだ」 「貴方じゃない! コーチのヴィクトルにあげたかったんだよ! うあぁ……」  クリストフが可笑しそうに笑い出した。ヴィクトルもくすくす笑い続けている。 「うう、うんっ、う、ひっく、あ、うう……」 「勇利……本当にかわいいね」 「ううーっ……」  涙をぬぐいもせず泣き続ける勇利を見て、ヴィクトルとクリストフがこっそり目を見交わした。ヴィクトルはぐいと勇利を抱き寄せ、クリストフもヴィクトルにそっと寄った。 「いい写真になりそうだね」  クリストフがからかった。 「こんなにすてきな記念撮影、いままで経験したことないよ」  勇利は激しく嗚咽を漏らしながら、笑顔のヴィクトルの隣で写真に写った。  そのあとの記者会見でも、勇利はずっと泣き通しだった。大きな声を上げて泣きわめくことはないものの、涙は止まらず、ずっとうつむいて肩をふるわせていた。 「勝生選手。ショート、フリーともに歴代最高得点を出しながら、直後にニキフォロフ選手に更新されてしまったわけですが、その悔しさがいまの涙につながるのでしょうか」  記者が発言すると、勇利の目から大粒の涙がこぼれた。ヴィクトルが「そういう意地悪な質問は勘弁して欲しいなあ」とにっこりした。それからは彼が質問を受け、クリストフにも話題が及んで会見は進んだ。勇利はタオルで一生懸命目元をぬぐっていた。ヴィクトルは終始勇利に寄り添い、ときおり「大丈夫かい?」「気分は悪くない?」と優しく尋ね、腫れたまなじりにそっと接吻した。 「勝生選手、いまのお気持ちをお願いします」  会見も終わるころ、最後に勇利に声がかけられた。勇利はおもてを上げ、赤くなった頬と鼻、まぶたをさらした。 「ぼ、ぼくは……」  声がふるえた。ヴィクトルがぎゅっと机の下で手を握る。 「悔しくて……、もっといい演技ができればよかったと……ヴィクトルコーチに申し訳ないです……」 「勇利の演技は最高だったよ」  ヴィクトルがあとを引き受けて言った。 「とくにあのフリーはすごかった。演技のあと、みんな言葉を失っていたもの。もちろん俺もね」 「でも……」  勇利は嗚咽を漏らした。 「負けた……」  悔しい、ともう一度つぶやくと、ヴィクトルは笑み崩れてたまらなくかわいいというように勇利を抱きしめ、「俺の生徒は負けず嫌いでね」と片目を閉じた。 「とても純粋なんだ。かわいいだろ? なんてまじりけのない素直な子なんだって記事に書いておいて」  最後にクリストフが、ヴィクトルを冷やかすように見てひとこと言った。 「やーい、ヴィクトルが泣かしたー」  ホテルに戻っても勇利はずっとうつむいていた。涙は止まったけれど、完全にというわけではなく、何かの拍子に思い出して、ぽろりと何度でもこぼれた。 「勇利、本当に悔しかったんだね」  一緒に入浴したヴィクトルは、浴槽の中で背後から勇利を抱きしめ、泣き腫らしたまぶたに優しくくちづけながら、甘ったるい声で言った。 「俺も金メダルを獲ったと思ったよ。勇利の演技を見たとき、これは勝てるって。あの演技で優勝できないほうがおかしい。ショートもほんのちょっとの差だったしね。普通は越えられない。誰も」 「…………」 「でも……しょうがないね。今回はそれを上まわったやつがいたということさ」  勇利は厚ぼったいまぶたを伏せ、胸元にあるヴィクトルの手をそっと握った。 「ヴィクトル……ごめん……」 「謝る必要はない」 「一緒に獲ろうねって言ったのに……。ぼくはいつも、肝心なところで失敗するんだ……」 「失敗なんてしていない。勇利にいけないところは、ひとつもなかったよ」 「ヴィクトルがすばらしいコーチだって、ぼくは証明したかったんだ……」 「勇利……、知らないの?」  ヴィクトルは笑ってささやいた。 「試合が終わった瞬間から、俺もエージェントもヤコフも、電話鳴りっぱなし。ヴィクトル・ニキフォロフにコーチしてもらいたいんだってさ」  勇利はくすんと鼻を鳴らし、そっとヴィクトルを振り返った。ヴィクトルが優しく笑う。 「本当だよ」 「…………」 「早い者勝ちだとでも思ってるんだね。そうじゃないと断られるって。みんなばかだよ。遅いとか早いとか関係ない。俺の生徒は、生涯たったひとりだけなのに……」  勇利の目から清純な涙があふれ出し、糸を引くようにすっと頬にすべり落ちた。それはおとがいのさきからしたたって、湯の中にぽとんと落ちてとけていった。ヴィクトルは勇利の身体をぐるっとまわして向かいあった。彼の青い瞳がきらきらと輝いている。 「勇利、生徒としても競技者としても、俺を興奮させ、本気にさせるのはおまえだけだよ」  勇利は濡れたまつげでゆっくりと瞬いた。 「勇利……、俺も、きみは世界一の選手だって、証明したかった。みんなに教えたかったんだ」  ヴィクトルはそっと額を合わせ、勇利の頬を撫でてつぶやいた。 「ごめんね……勝たせてあげられなくて」  勇利のくちびるがふるえた。 「ヴィクトル・ニキフォロフは手ごわいね。でもいつか必ず倒そう。ふたりで」 「う……」 「だからもう泣かないで。俺だって悔しいよ。あとすこしだったのにね」  勇利はヴィクトルに抱きついた。ヴィクトルの力強い腕が背中にまわる。勇利は彼に頬をすり寄せ、「ヴィクトル、いままででいちばん強かった……」とつぶやいた。 「うん……そうだね」  ヴィクトルは目を閉じてうなずいた。 「勇利がいたからだよ」  その夜は、ヴィクトルに抱きしめられ、彼のあたたかい胸で思う存分泣いた。翌朝目ざめた勇利は、気分がすっきりし、すがすがしく、晴れやかで、気持ちが穏やかになっていることに気がついた。ヴィクトルはまだ眠っていた。ゆうべカーテンを引き忘れたせいで、彼のおもてに白いひかりが差して、うつくしい顔立ちをきわだたせていた。勇利はヴィクトルに寄り添ったまま、彼の頬に手を当て、指をおとがいへとそっとすべらせた。まくらべの金と銀のメダルがきらっと光った。 「……このひとは勝ったんだ」  勇利はつぶやいた。 「ヴィクトルは金メダルを獲ったんだ」  その瞬間、胸に誇らしい気持ちがわき上がってきた。ヴィクトル・ニキフォロフは誰にも負けない。いつまでも伝説の男なのだ。 「ヴィクトル、起きて。ヴィクトル起きて」  勇利はゆさゆさとヴィクトルを揺さぶって彼を起こした。 「んー……勇利、おはよう……」  ヴィクトルが眠そうに瞬き、まぶたをほそめる。 「おはようヴィクトル! 起きて。聞いて」 「なに……?」 「ぼくのヴィクトルが昨日、金メダルを獲ったんだよ!」  ヴィクトルはぼんやりと勇利を見た。彼はもぞもぞと寝返りを打ち、勇利をぎゅーと胸に抱きしめて、「そうだったね」とうなずいた。 「さすがはヴィクトルだよ。ヴィクトルが金メダルを獲るのなんて当たり前なんだけどね。でもね、勝生勇利は、ショートでもフリーでも歴代最高得点を出したし、フリーが終わった瞬間は、誰がどう見ても彼が金メダルだったんだよ」 「ああ、そうだった。観客は総立ちだったね」 「キスクラでの盛り上がり見た? 勝生勇利が、勝生勇利の持つ記録を更新したんだ」 「すばらしかったね」 「本当だよ。そのあとのインタビューでも、会心の演技でしたね、って記者に言われたんだよ」 「そうか」 「でも、でも……」  勇利はふくみ笑いを漏らし、ヴィクトルの胸に頬をすり寄せた。 「そんな選手にだって、ヴィクトルは勝っちゃうんだ!」 「ああ……」 「やっぱりヴィクトルはすごい。ヴィクトルに敵うやつなんてどこにもいないよ。ヴィクトルよりすごいスケーターはいないの」 「ふ……」  ヴィクトルがほのかに笑い、勇利の髪をそっと撫でた。勇利は彼の腕をまくらにし、頬を紅潮させ、夢中で話し続ける。 「ヴィクトルは、もうね、勝生勇利がどんな得点だって問題じゃない、みたいな感じで、更新された記録をまたさっと更新しちゃったんだよ」 「そうか」 「コーチをしながらだよ! 勝生勇利みたいに、リビングレジェンドにコーチしてもらって、甘えて頼りきってたわけじゃないんだ。ヴィクトルはコーチをしながら自分のこともしてたんだ。すごいよね。最高。本当にかっこいい。ぼくのあこがれ。こんなひとどこにもいない。すてきな選手……」 「ああ」 「ヴィクトルが勝って本当にうれしい。信じてたけど。ヴィクトルが負けるわけないってわかってたけど……、でもやっぱりうれしいよ。ぼくにとってヴィクトルは、いつだって世界一の男なんだ」 「知ってる」 「何があっても負けないんだよ。きっと引退までそうだね。金メダルを保管するの大変そうだよね。たくさんあるから」 「ロシアに来たら、どんなふうに保管してるか見せてあげるよ」 「ああ、ヴィクトルかっこよか……」  勇利はうっとりと目をほそめた。 「最高……大好き……本当に愛してる……」 「うん……」 「彼が世界王者じゃないなんて、そんなこと、とうてい考えられないよ」 「きみの理想の男でいられて本当によかったよ。今回はあぶなかった」  ヴィクトルはくすくす笑った。勇利が口をとがらせる。 「なに言ってるの? ヴィクトルがあぶないなんてことないよ……じつは余裕だったんでしょ?」 「おやおや」 「ヴィクトル……」  勇利はヴィクトルの端正なおもてを夢見るようにみつめた。 「金メダル、本当におめでとう……」 「ありがとう」 「貴方のこと、尊敬しています」 「ああ」 「貴方ほど強い男はいないよ……」 「そう?」 「あの……ぼく……ぼく……」  勇利はもじもじして口元に手を当てた。ヴィクトルは赤くなった勇利をしばらくおもしろそうに眺めていたが、やがて勇利の身体を転がしてあおのかせ、のしかかる姿勢になると、「本当にわからない子だなあ」と楽しげに言った。 「でもそういうところがかわいいよ」 「あのぉ……」 「うん」  ヴィクトルはにっこりした。 「強い男に支配されたくなった?」 「えっとぉ……」  勇利は慌てて目をそらした。泣き腫らしたまぶたはまだ痛々しく、ほんのりと桃色だった。ヴィクトルはそこにうやうやしく接吻し、「また泣かせちゃうかも」とくすくす笑った。勇利はおもてを上げ、急いで言った。 「いいよ、そんなの!」 「いいのかい?」 「いいよ……だって、ヴィクトルだもの……」  勇利はヴィクトルを見、視線をそらし、もう一度おずおずと目を合わせた。ヴィクトルが噴き出し、「かわいいね」とささやく。 「ヴィクトル……」  勇利は、ヴィクトルのてのひらを腰のあたりに感じながらまぶたを閉ざした。 「よかったぁ……」 「何がだい?」 「ヴィクトルが世界王者で」  勇利は口元をほころばせた。 「ヴィクトルがすべての最高得点の記録保持者で」 「…………」 「ヴィクトル、ぼくやユリオに一度抜かれちゃったんだもん……あんなのはいけないよ……」  勇利はぱっと目をひらいた。彼はきらきら輝く黒い瞳でヴィクトルをじっと見る。 「もう、誰にも追い越されちゃだめだよ」  勇利はけなげな口ぶりで、熱心に、約束を求めるように言った。彼の白い頬はさくら色に染まり、くちびるはヴィクトルが特別気をつけているためつややかで、ヴィクトルの頬に伸びる指は、生涯をかけて愛するひとにふれるように誘惑的だった。 「誰にも負けないでね……」  勇利の大切そうなねがいを、ヴィクトルは目をほそめて聞いていた。彼は勇利の身体からバスローブを払い落とした。 「こんなお祝いをもらえるなら、毎回絶対金メダルを獲るよ」 「世界選手権、銀メダルおめでとうございます」 「ありがとうございます」 「どちらもパーソナルベストを出されて、演技も集大成といった感じで、すばらしかったのですが、試合後の写真が泣き顔しかないという……」 「すみません。いま見るとめちゃくちゃ恥ずかしいです。それもすごい泣き方で……止まらなかったんです、あのときは。自然に出てきてしまって」 「あれは悔し涙だったのでしょうか」 「そうですね……それと、申し訳なかったというか。一度もヴィクトルに金メダルをかけてあげられてないので……。あんなすごいコーチがいるのに不甲斐ないです」 「あのとき、ヴィクトル選手は……いえ、ヴィクトルコーチとお呼びしたほうがよろしいのでしょうか。ヴィクトルコーチは何かおっしゃってましたか?」 「一生懸命ぼくを慰めてくれました。大変そうでした」 「でも、表彰式ではずっと笑ってましたね」 「子どもみたいにぼくが泣いてたので……」 「口が『かわいいかわいい』と動いているように見えましたが」 「そうだったかな……ヴィクトルに訊いてみてください。あ、やっぱり訊かないでください」 「今シーズンを終えて、いまどのようなお気持ちですか」 「そうですね……、いろんなことがありましたけど……、価値観も、スケートも、感情も、すべてヴィクトルに変えてもらった感じです。濃密な時間を過ごせたと思います。そして、ヴィクトル・ニキフォロフはやっぱり強かったです。ヴィクトルと一緒にスケートができてしあわせです」 「勝生選手、あなたにとってヴィクトル・ニキフォロフコーチとはどんな存在でしょう?」 「……生涯離れずにそばにいてもらいたい、愛の力でつながった、ぼくにとってたったひとりのひとですね」 「では、ヴィクトル・ニキフォロフ選手は?」 「そうですね……」  勇利はしばらく考え、やがてすがすがしく白い歯を見せた。 「あこがれ、片想いし、追いかけ続ける、永遠の初恋のひとです」
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mirrorka · 5 years
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📷楽天トラベル「レトロでディープな神戸を満喫!トイカメラ風「写ルンです」で神戸撮影散歩の旅」📷 . 写ルンですを片手にディープな神戸を探索してきました! 写ルンですのスペックは「32㎜ F10」、動いているものも撮りやすい「1/140ss」、明るさは「ISO400」。 普段、フィルム撮影はしていないので、写ルンですでの撮影はとっても新鮮。 フィルムがもったいなくてデジカメで撮影→フィルムカメラ風に撮れる携帯アプリで確認→写ルンですという感じで大切にとってみたり、 ノリでノーファインダーで撮ってみたりと色々試してみました。 デジイチ、写ルンです、携帯の何で撮ったか当ててみてください📸 . 📷「写ルンです」で綺麗に写真を撮るコツ📷 普段、携帯で写真を撮ることが多い方は①と②を注意すれば綺麗に撮れます。 ①1m以上離れると綺麗にピントが合う 小さなものや食事をアップで撮ろうと寄って撮影するとボケボケになります。お花など、手前のモノをぼかしたいときは1m以内にして撮影しましょう。 ②室内はフラッシュ必須 フラッシュが届く範囲は1~3mで、近いところほど明るくなります。 ③フィルムは撮影する時に巻く 先にフィルムを巻いておくと知らないうちにシャッターが押されていることがありました。ポケットやバッグに入れている時にはフィルムは巻いておかないように気を付けましょう。 ④構図には余裕を持って広めに撮る 普段からよくデジカメでも撮影する方はファインダーとレンズの位置を考えながら撮影しましょう。実際に撮影される場所が少し違います。 余分なものが入らないようにギリギリの位置で狙って撮影すると、思ったよりも横位置の写真は足元や頭が切れたり、縦位置の写真は左右のズレがあったりします。上下左右は余裕を持って広めに撮るとよい感じに仕上がります。 . 携帯アプリも24枚撮りきらないとみられないとか、なかなか面白いアプリもありました。 この記事を執筆しなければ写ルンですで撮ることも、携帯アプリも知らなかった! モトコーも行ったことがなかったので新しい発見満載の神戸旅でした。 . 低画質でレトロな雰囲気、フィルムならではの写真も楽しいですね。 https://travel.rakuten.co.jp/mytrip/howto/kobe-retrodeep-guide/ . #写ルンです #神戸 #BEKOBE #KOBE #元町高架通商店街 #モトコー #松尾稲荷神社 #元町北通 #もときた #乙仲通 #栄町通 #柿本商店 #louielouieburger #古本荒野 #くまばち造形雑貨店 #ひとところ カフェ #ビリケン #portrait #ポートレート #カメラブ令和フォトコン #楽天忘れられない絶景 #sagojoinsta #IGersJP #retrip_nippon #team_jp_ #tokyocameraclub Location:京都/Kyoto CANON EOS 5D MarkⅣ  #japan_daytime_view (Port of Kobe) https://www.instagram.com/p/Bxv_DIXA-yj/?igshid=1hmpezkvwksp7
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