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retepom · 7 months
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推しが好きだと叫びたい[Vol.007]
 お久しぶりです皆さん。狂気の記事が帰ってきました(約7ヶ月ぶり7回目)。単行本17巻18巻は勿論読まれましたね?そうでなければこんな記事は開かないはずだ。そうだな??改めて今ループの活躍目覚ましく表紙にも連続起用される推し…クリード=デッカード(少尉)について語り散らしていきたいと 思うわけです。これまでの歩みはVol.001〜006をご覧ください。今までも頭おかしくなっちゃうくらい語っていますけれど、今ループの活躍は本当に…大丈夫か?となる。大きく戦争編と宇宙編に分けて話しますが長尺記事になるので連休で暇を持て余している方推奨です。
【戦争編】
ブロージャ紛争における情報量があまりにも多くて毎回毎回フォロワーさんに安否確認をされていたような気がします。それはそう。
▷No.145 IN THE WAR
ボイド=ボルクスの加入で大熱狂の中はじまる否定者戦争編。改めて振り返ると鬼の様なテンポです。今ループ初登場のホウキアタマ&傷跡一本&実は公式初登場の喫煙描写&あまりにも胸板が厚いまだ不減じゃないクリードという情報の洪水に死にかけました。ビリーとクリードの煙草の吸い方はやっぱり意図して描き分けられていると感じる。噛み癖って精神的な不安とかが影響してるって聞きますけれど実際どうなんですかね。前ループでも腕組みが多かったのでそういう警戒心の強さとか神経質さがね わかってこう ふふ
▷No.147 RUN−IN
テラーヒロイン回。この悲劇に無慈悲な一撃を食らわせるのは隊長…え!?隊長!!?ここで前ループ9巻プロフィールの“部下へのスパルタ教育”が脳裏を過る。それはそうと口元だけでも顔がいい。非道に見える判断と『情でキレた相手程読みやすい敵はいない』『戦争を終わらせるって事ぁこういう事だ』『早く帰りたきゃ心を悪魔に売れ』という台詞の畳み掛け、表情の険しさ。戦争は善悪じゃない…そういう……覚悟が……必要なんだよなァ…………どうして彼は軍人という職業を選んだのでしょうか。いつか話してくれる日が来ますか。ちなみに「不明瞭な報告はやめろ 死にてえのか」がめちゃくちゃにすきです。ずっと言ってますが言葉選びが全体的に好き。
▷No.148 三番目の犬
こちらの回は情報量的に本誌感想読んでもらっても良いかもしれない。Tumblr版以外だとprivatter版(https://privatter.net/p/9820173)もあります。クリード隊の皆さんがジブリのモブっぽくて好きですね…早くプロフィールを知りたい。ミリタリーバイクで飛び出してくる隊長の刺激が強すぎて本誌当時頭がどうにかなりそうでした。思考がワンテンポ早いという公式の出雲風子所見で涙する。優秀なんだなぁ…ハァ……しかしどの台詞をとっても部下の事…デッカード少尉という立場の開示…敬語が使える…攻めてるの髪型だけでは!?上司にしたい否定者ランキング第一位は間違い無いだろう。学歴もありそうだし免許も資格もそこそこ持ってるんだろうな…収入も安定してるんだろ……しかも顔がいい…完璧かよ…?え??UNDER最凶とまで言われたクリード=デッカード……どんな気持ちで核のボタン押してたんですか。何を感じて男子高校生殴ってたんですか。しかしまぁアレはあれで活き活きしてた気がしなくもない。そういうとこも好き………「命は減ったら戻らない」ことを知っている男が闇競売が行われている豪華客船上でマフィアをドンジャカ撃ち殺すシーンがもうすぐアニメで見られるってマジですか???興奮してきたな………
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▷No.149 You see me now?
ショーン・ダッツメイン回。主な内容についてはこちらも本誌感想を参照のこと。多分書いてたと思います。Tumblrのアーカイブ、PC版じゃないと見られないからちょっと不便なんですよね。ナメてかかった10代に反撃されて負けるノルマでもあるのかこの人はまったく…そういうところも好きです……でもここで見せる怒りの感情は最もなんだよなあ。盾の中に何人か手練れがいる、というシーン、その手練れをまとめて相手にしてるアンタは何なんだ??舌打ちしながら手榴弾も『減らない』って気付くクリード隊長ね…もうね……困るよ…弾幕張りっぱなしで投げてきてるの意味がわからないからね………そしてこの回以降上着が行方不明になります。笑う。
▷No.150 No more war!
出雲風子の功夫にも耐えうる身体!最高です。流石にイチコさんに処置してもらったぽいけれど。ホントに上着どこいったんですか?敵味方両陣営の絨毯爆撃に憤怒し、誰より『減らすための戦争』を望んでいた男。信じてついてきてくれた部下たちを思う言葉。何から何までもう…十三人一首の『戦友の悲願』『戦の理を殺めても』という謎の多かった一節を紐解いていく鍵となる彼自身の人間性が見えてきますね。そして部下を助けてくれた恩を返すと言ってくれる隊長…風子との会話もね……こんなん…ね……「風子からのプレゼント」である不殺のゴム弾。抜けない刀で木を圧し折る侍とか拳だけでどうにかしてるっぽい自分ぐらいデカい男とか更にデカい鎧武者とかに囲まれてんの改めてどうかしてるんですけれどきっちり風子の背中を押してくれるの最高なんだよな……あと今後も度々言うかもしれませんがカタカナ表記の「フウコ」呼びが好きです。単行本だとここにビフォアフが挟まります。横傷の原因は多分ビリーなんですがコレは18巻に入る内容ですね。ちなみに17巻最終の次の回では金斗雲に当然のように乗れることがわかる。
さて皆さんそろそろ18巻の準備をしてね。なんと人物紹介にいるんですよクリード=デッカード少尉が!!!
▷No.152 Gun Fight
UNDERクラスタが突然死ぬ回。焼け野原だよ。ディスクも奪われ半ば自棄を起こして戦いを挑むクリードと受けて立つビリー、最初のコピーが不減ってことは解除される条件も含めて何かしらやり取りがあったはずなのでエピソードオブブロージャは一刻も早くスピンオフしてくれ。頼みました。敵だった俺に声かけちまう甘ちゃんのビリー、という台詞めちゃくちゃ好きです。ここでしれっと横傷の追加と髪型変更が行われている理由はわからないままですが瓦礫の中でもスーツというか軍服を着る選択をしているのは何故なんだろう。これはもう前ループからずっと気になってるところですけれどね。会議っぽいシーンは着る主義なんですか?世界の終わりにも着てたね……基地では着る主義…??あとはファンを勧誘している。やっぱり中国語が堪能なんですか?何故ですか??生物としてのスペックが高すぎるのでは???
▷No.153 Fair play
「指揮官がなにベソかいてんだ!!」
「士気が減る!!引っこめろ!!」
全 部 大 好 き
いやもう…読者待望の叱ってくれる大人……こんなん……泣くな!じゃないのがなんか可愛い。引っこめろってのも可愛い。この回、戦争編の大団円なんですがディスクも吹っ飛んじまったって大口開けて笑うクリードが見られるんですよね……なんかもう色々おかしくなっちゃって笑い出す軍人トリオ大好きです………前ループでは見られなかった笑顔なんだ…………軍人が入るんだからキツイの回せって言ってくれる頼り甲斐。でも宇宙って聞いたら流石に驚くのもすき。本当に大好き………ありがとう否定者戦争編……
【宇宙編】
あらゆる面で有能であることが証明されました。この軍人 スケベなだけじゃなくエリートすぎる…推しが推されている世界線で生きていけることに感謝しながら宇宙編、行くぜ!!!
▷No.154 Select
UNION制服の着こなしが高校球児。2m超えしかできないアイコンタクトありがとうございます。突然やってくる推しのモテ期。宇宙に選抜されることが確定している頁で既に死を覚悟したのにもう新装備供給されてて気が狂いそうでした。扉絵だけじゃなかったんかい!!でも扉絵の方見ると既に『5』の数字が。この次点でⅤ席はほぼ確定事項だったんですかね。
▷No.155 お困りのようだな
ジナショ大暴れ!の回です。戦闘員として率先して危険に立ち向かう覚悟…ヒイ……という空気を塗り替えてくれてありがとうジナショ…オマケ頁で怒り狂うニコを取り押さえてるの解釈一致すぎて大喜びしました。
▷No.156 Right Stuff
「処分は?リーダー」という第一声が最高すぎて頭を抱えました。組織に属するものとしてのスタンスが1番ある…立場をわきまえた上で判断を促す言葉をあえて投げかけ『それだけのことをしてしまったんだ』という事実を二人にも暗に解からせるこの……わかりますか!?それはそうと一発一億の武器支給されて「ヒュー!」となる潜在的な茶目っ気も大好きです……ニコがシリアスな考察モノローグしているコマで仕事をやり遂げたショーン=ダッツの頭を撫でてるの隙がない大人!!会話を!!!聞かせてよ!!!
▷No.157 Save You
フィルくんの謎が紐解かれていく回。会話している間通路で見張りしてるのが本当に隙がなくて……役割を徹底して果たせる大人…殿を引き受けながらもシャッターからジーナを遠ざける判断をサッとしてるのもさ…そういうところですよ隊長!!!!
▷No.158 Don't think.Feel
通路に最後まで残って敵の様子を観察している…冷静に分析して……ディスカッションに活かす…え?かっこよすぎませんか??宇宙に来た��味がありすぎる……流石満場一致選抜男………フィルくんの活躍については本誌感想で触れてるのでよければ探して読んでみてね!!次の回で前ループの記憶を手に入れるってことは最後に共闘したのがクリードってこともわかるんだなあって思うと言いようのないエモさが駆け抜けます……
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▷No.160 Welcome to Earth
こちらも主な内容については本誌感想でどうぞ!宇宙船操縦技術をしれっと身につけてんの改めてどうかしてるな……と思いました。ギリギリの状況下で笑うタイプの男…たまんねえよ……地球に帰ってきて一番最初にすんのが喫煙なの戸塚先生の性癖に忠実な描写すぎるから頭おかしくなりそうでした。最高だわ。宇宙で「帰ったら何する」「…煙草だな」「わかる…」って話してたんか!?身体は大事にしてほしいがそれはそうとバカスカ吸ってくれ!!
【〜最新話まで】
宇宙編のあとはメイちゃん遭遇の食事シーンのあとから暫く大きな出番なく過ごしているんですけれど、学園潜入中の留守番組として何してたんだろうとか、15年スキップで誰も連れて行かなかったけれど家族とかはいるんだろうかとか、15年ぶりの部下との再会はどうだったんだろうとか、あまりにも幕間に幻覚の余地がありすぎて楽しいんですがオイオイオイオイオイおなんだその新装備品は!!!!!!!!!!(正気をセーヌ川に投げ捨てる)
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…よし。とりあえず明日の本誌前に頭の中は整理できたかな……ここまで読んでいただいてありがとうございます。これからも元気に推し活していきますので各位よろしくね!!!!そして今月10月20日はクリード=デッカードのお誕生日!!!!!みんなでお祝いしようッッッッ
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2comlog · 1 year
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にこみ合同の感想でも書くか
若鶏にこみ合同とは?
私にも分からん…というのが正直な所でございますが、 先日のコミックマーケット101にて、本当に有難い事に「若鶏にこみの書いた作品の二次創作をいろんな方がやってくださった合同同人誌」が頒布されました。
若鶏にこみ先生合同誌 ~本日のメニューは若鶏の~【特典付】(8丁目のいずみんと。)の通販・購入はメロンブックス | https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=1809954
若鶏にこみ先生合同誌 ~本日のメニューは若鶏の~ | 8丁目のいずみんと。 https://iwasakiizumi.booth.pm/items/4477300 #booth_pm
買おう!!!!!
というわけで、とても嬉しかったので、掲載作品全件レビューでもするかな〜と言う記事です。 ゴリゴリにネタバレを致しますので、もしまだお手元にない方はブラウザバッキン推奨という感じです。
表紙裏表紙装丁/フィリップさん・あをもみじさん
表紙からレビューすんのかい。するに決まってるやろ
か…かわいーー! 最近描いてないのでアレですが青野林檎さんが凄く似てて(というか「こういう風に描きたかったな」と言う顔)ビックリしています…こういう子…!この女の子は! 赤シニヨン人気…!思い返せば一巻のカラーが赤シニヨンなんだっけ…?印象強いのかもしれない。 赤シニヨン、(デザインしたのが己なので自分で言うのもなんですが)ポップでお菓子っぽい感じで可愛いですね…再認識〜…! やんわりとおててを繋いでおり、青野頑張ったな…と思いました。えらい!えらいぞ…(親心)
もゆるも、かわいー!ドヤ顔が似合う女第一位かよ… なんか今まであまり意識していませんでしたが、青野ともゆるって並ぶと絵になりますね…知らんかった… Dianaも絶対描くの面倒なのにちゃんと携えて頂いており…う…うれしい… こんな事なら作中で実際に使ってたDianaのモデルとか公開すれば良かったなとかそんな事を思いました… えっ…今更Diana描きたい人いますか…一応置いておきます…… 良識の範囲内でご利用ください。(二次頒布とかダメですよ~程度の感じです)
https://drive.google.com/drive/folders/1safBzPsodX9GIjzZ2qGrowtsgVbLISke?usp=share_link 作りは超荒く、クリスタのLT変換さえ出来れば何でもいい人向けです。一発!書き出し!完成!とはいかない作りで、ここから書き込んだりして完成させてます。
…ほかにも既にVRチャットとかでもご利用いただいているみたいでうれしい… えっそういうのに耐えられる造形ではないような…でもかわいい…ありがとうございます…!
デザインや装丁の話もしたい。 ぎんしおがマット加工のサラサラ表紙だった事に喜びを感じていたのですが、この本もサラサラでうれしい!と思いました。 デザインもオシャですよねえ…デザインってどうしてもフンワリした話になってしまいがちですが、「ぎんしおと放すの概念ってこうなんだ!」と視覚化されるの嬉しいですね。 放すとぎんしおの中頃くらいまでのかなりの長期間、線と影のベース色を紫にしていたので(丁度この表紙の下側の紫をちょっと濃くした感じの色)、「えっ!バレている!」と思いました。(?) 裏表紙もかわいい…この裏表紙の絵のアクリルキーホルダーもデザインのあをもみじさんのboothにて頒布されているので要チェックです。 この柔らかい色感がアクリル素材ににベストマッチなのでぜひ!
ぎんしお×放すと アクリルキーホルダー | 青葉小路 >https://awomomiji.booth.pm/items/4322700 #booth_pm
かわいいねえ…粒粒のホワイトがまばゆくて…きららを…しててくれている… ぎんしおでは全く使われませんでしたが、ちょうどフラッシュが設置される部分にもゆるがおり、愛しい…
装丁範囲なのでコチラでお話しますが、捲ってはい!!遊び紙!!!かわいい!!!! 私はいつも限界同人作家なので遊び紙をつけたりする余裕がゼロなのですが、「あると、うれしい」と言う気持ちを再確認しました…いつかやりたいよ私も…はい…
扉絵/篤見先生
そして扉絵、えっ!!!!う…うれしい…………… 扉絵からこんなに嬉しくていいの!?!? 知らない人と同席させられて困っている青野林檎だ!!!!かわいい…… 順番的に「表紙ではまあまあ頑張っていたのに…」という片手落ち感もサイコー…謎シナジーが発生しやすいのも「合同誌」という感じで…うれしい… そして知らない人は呑気にピースをしておりこれもまたカワイイ…… この輝いたお目目から目が離せないぜ…みんなそうでしょ…?
じゃあキモオタらしく技術的な話とかしてもいいですか?それホントキモイからやめとけって… とくみ先生のこういう髪ハイライト珍しくないですか!?とくみ学会の方、ぜひ調査お願いします。ブラシのメディウム粒一つ一つが光り輝いている… 林檎が絵を描く人だからかいつもより筆感強いブラシな気がして新鮮です…淡い色味とマリアージュ…全然違かったら恥ずかしいことを言うなよ もゆるのおみく��(向かって右の話をしています)、こう書けばもっとおみくじっぽくなるんだ…という具体的学びもあり… えーずっと見ていてしまうな……ほんとうにかわいい………
放課後すとりっぷゾーン/あらすじ/岩崎さん
アンソロで「あらすじ」設ける事あるんだ…なんて親切な… 単純に私がカップリングとかキャラのアンソロの方が馴染みがあり、あまり「作品全体アンソロ」が未開というだけかもですが、それでも…親切だ…
岩崎さんの語り口が優しいためか、放課後すとりっぷ全体に流れる「そんな事、あっちゃダメだろ」の辛辣な空気が無く、すごく手に取りやすそうな作品のように感じ面白かったです。
私は今色々あって放課後すとりっぷガチニワカになっているんですけど (描きあがってから読み返してないです、その内「初見のつもり感想」を書こうとしてるから。は?) それでも……… そうだよ!にぎやかな作品だよ!誰だよ美少女アンジャッシュと言ったのは!!担当さんな気がします。
あとこのはかりさんの挿絵も超かわいいですね…秋映あかねはいつも体育座りをしている… これパラ見段階で最初にビックリした事なのですが、文章系作品全部に挿絵が入っている…豪華すぎませんか!? これ文章寄稿した方めちゃくちゃ嬉しいと思う…私も嬉しかったんだからきっと殊更に……
放課後すとりっぷゾーン/イラスト/アイマイさん
かわいーー!! 何棒立ちしとるんや七瀬六花、もうここがTwitterだったら「抱けーーー」の画像リプつきまくるぞお前 これ「そうした」のが己なので普通にドン引きなんですけど、七瀬六花と秋映あかねのサイズ差感、「それはダメなのでは?」の領域でビックリしますね… こんな感じの女女を健全4コマ誌で……? …読んだ方が良いですよ放課後すとりっぷ。(?) ねえこれ秋映どういう気持ち?特に理由とか無い感じ?秋映は無くてもそういう事をする。 なんだかコレはどこかで開示した気もしますが「青野と白石・なな→心理的距離が近いが肉体的距離に壁がある」一方で「六花と秋映→心理的距離は遠いが物理的に距離が近い」というヤンワリ対比ありきで組み立てたので 「この秋映あかね、何も考えていない可能性もある!!!そんなんで女の感情を乱すな !!!おい!!!!」と思いました!!!
放課後すとりっぷゾーン/イラスト/ひさまくまこ先生
い…いいんですか!??!? びっくりした…そんな事があるんだ、この人生って…大事にしなきゃこの人生を… 絵がもう「ザ・くまこ先生」であるのに表情が完全に白石イチカであり七瀬しちほすぎて「私も二次創作する時こういう魂でありたい…!!!!」と思いました(?) マジで一方的な感情ですが、一度くまこ先生のアシスタント募集の際に手を挙げるか超ギリギリまで迷っていて、結局不意にしてしまって「ちくしょーーー」と思っていた事があったので、 また何か人手が足りなくなったら靴とか舐めさせてください………(どういう感情…)
それはともかくとして…こんなんもう青野の右手が止まらない…肉!量!!!!(言い方…) 「乳首を隠すなら女の口の中」が独り歩きした漫画放課後すとりっぷですが、乳首を隠すなら別の女の乳でもいいのだな…デカい学びがありました。 あと白石の髪束で乳首隠すのも芸術点が高すぎる。 そして皆さん見えますか?七瀬しちほの右乳下部。ほくろ……………
放課後すとりっぷゾーン/あっぷあっぷあっぷる/タツノコッソ先生
本当にこの人生を無碍に出来ない。 実際書いたのかお前の頭の中だけやぞ案件か定かではありませんが白石には 「口の中をモチャモチャとやり食べ物の味を思い出すスキル」があるはずなので、 「林檎を舐める事で飢えをしのぐ」という発想は非常に自然に出てきそうでビックリしました。脳が…airdropかなんかで共有されている…? 怖いよお前の食欲……!! 白石のそういうところって計算なのか素なのかよくわからなくてそれも怖いな… 青野さんばかりが欲が強いみたいに言われがちですが、性欲と食欲とでフィールドを平らにしたら多分白石イチカのが強いんじゃないだろうか。そう思わされました。 勝てない戦からは逃げた方がいいぞ青野。
放課後すとりっぷゾーン/信じて送り出した髪留めがまさかこんなことになるなんで…/たそちゃん
どんな事だよ
たそちゃんです。おそらく寄稿時期に遊んでいた頃、毎度「へへへ…寄稿したよ…へへへ」と言っていたので楽しみでした。 うれしい…馴染みありすぎる人が書いてくれること…うれしい… 企画から何までもちろん全く私の功績ではないのですが「私にゃいるんすよ、良い友達が…」と言う気持ちになる…
青野の特徴として筆を握ったままの方の子と、もう一人は飴ちゃんを握り占めており白石の遺伝子それでええんか!? 「りんごさん子供出来たの!」の言い方、ななちゃん様の認識では林檎さんが産む側なんだろうか。 「おっぱいちょうだい」をしていいサイズ感では無い所も「青野と白石の遺伝子の混ざり合った恐ろしさ」を感じさせます。
放課後すとりっぷゾーン/青野林檎について/今陣さん
いつもありがとうございます…先にぎんしお少々えちえち同人誌の方の感想を書き記したかったのにーー!すみません後日やります…本当に良い本だったので大人の皆さんはぜひ…ぜひに…いまもう得られる術がない可能性もあるのかな…同人作家として最悪…早く書けよ…すみません…
して本作…「私は林檎さんの描いた私を褒めているのですが」、白石イチカの良く分からない歪さの全てみたいなセリフで恐れおののいている…(でもメニューから顔をちょいと出す仕草がやたらかわいい) そしてそんな謎に怖い事言う白石イチカさんですが、「あの人の見てるモノが知りたい」の欲求は急に人間味があるといいますか。 こういう欲求って健全に描ける限界のラブでないかなとか私は良く思っているのですが(ぎんしおとかもそういう雰囲気がありますね)、白石イチカさんもそういうトコ、確かにあるーー!と己の手癖を間接的に再確認させて頂いた感じがあります。
放課後すとりっぷゾーン/放課後すとりっぷにおける絵を描くという行為/はかりさん
作者の人が感想書いちゃだめなんじゃない!?これに関しては…
…というわけでじゃあ「放課後すとりっぷにおける絵を描く描写」はどうしてああいう感じなのか?を構築した視点でお話するか… 単純に「写真を撮る行為」って外へ出かけたりするから絵にしやすいんですけど、「絵を描く行為」って絵にしにくいんですよね。 漫画ってそもそも絵だし…その中で「絵」を扱う事にまあまあ抵抗感がある。 だったら「青野林檎の見てい���美しい白石イチカ」は見せない方がより美しいんでないかな…みたいな…そんなカンジでした。 マスクフェラと同じ理屈ですね。
そういえば「描く人/描かれる人」の話をやり終えた次にすぐ「撮る人/撮られる人」をやるの、まあまあ勇気ある行いだな…と…他人事のようですが、思います。 元々人物の多面性が好き!!なのですが、 ぎんしおはレンズという疑似的な眼を扱う漫画ですから、意図的に多視点的になるように、「誰かにはこう見えてるけど、他に子にはこう見えている」が違うような描写を沢山入れました。 具体的には…例えば「鈴から見ると、もゆるは構いたくなるカワイイ子」で「かなめからだと声かけにくい子」という感じで。
ぎんしお少々ゾーン/あらすじ/岩崎さん
放すあらすじ感想でも書き記したことですが親切合同誌すぎるだろ!! 恐らくコレは本当に���者さんへの親切心で設けられたページだと思いますが、 合同誌として全編を見渡した時、上品に見える効力もあるなと思いました。 誰か一人の本でも、別の方の書いたコラムが間にあると、シャンとしますよね。 これは誰か一人の本ではありませんが、同じ効力がある…。
余り関係ないのですが「〜ちゃん」表記で呼ばれるお前たち、美少女だったんだな…。そういう謎のハラハラ感もある。
ぎんしお少々ゾーン/イラスト/セトユーキ先生
え!二枚も!?いいんですか!??! 絵が…爆うま… いやそんな事分かり切っていることですが、こんなキレイなDiana、見たこと無い!!まじでこの世イチの美しDianaでしょ… 美少女だけでなくゴロッとした物質描くのが爆うますぎて…いやもうそんな事分かり切っていることですが… か…かわい…驚き方の仕草がキャットさんすぎる藤見銀~…この握りこまれたおててのせいでしょうか…かわい……
そして藤見鈴の良く分からん色気!!!!! 大丈夫!?高校一年生が出していい色気!?数か月前まで中学生だったのでは!? 本当に隣で子猫の驚き方してる女と5分差で生まれたの!?!この色気で?!?! まほろさんの足の裏にどうしようもないフェチ感もあり全体的にエッチすぎる…
ぎんしお少々ゾーン/イラスト/逸見先生
ぎゃーー! (私がロリコンであるせいで)「塩原もゆる言うほど長身感ないやろ問題」への的確かつ完璧な回答!!!! え…冗談でしょ…塩原もゆる、こんなカワイイの? お靴も…FILAのベルクロ履いてる…これ描くの大変なのに… 藤見銀も待ってくれ~こんなん桜に攫われてしまうどころか桜がもう目の前まで攫いに来てません? このボヤけまくったドリーミーな写真の詳細も見たい見たい見たいとさせる…罪づくりすぎるでしょDianaカメラ…
岩崎さん(@iwasakiizumi)のにこみ先生合同誌に参加させていただきました~よろしくお願いします!もゆるさんらくがき pic.twitter.com/WEQGAjcPZz
— 逸見 (@itm0322) December 21, 2022
これも見てほしい、見てください。 かわい……おっぱいでっか…間違った…かわい…脳みそなくなっちゃうよ… 
ぎんしお少々ゾーン/イラスト/カゲロウさん
玉ボケの美しい上野公園の桜の元、藤見銀だけははっきりとこちらを見据え… 私もう分かった…「塩原もゆるには世界はこう見えてる」ってことね…… …と思い一応瞳の中を覗き見たら、ちゃっかり塩原がおり…ウワア!!!!
これ自分で見つけると嬉しいですね!!!!! えっみんなこんな気持ちだったの!?すごいドキドキしますね… ただでさえ美少女の瞳ん中見るなんてドキドキするのに、この絵って……閲覧者ガン無視の第三者の女のための絵なの!??こんなことあっていいの!?! ありがとうございます本来なら一生この気持ちを得られないただ一人であったはずの私にも…この気持ちを分けてくれて……(??)
ぎんしお少々ゾーン/イラスト/endenさん
富士見坂かな!富士見坂かな!違ったらすみません… そういえば藤見の名字は不死身から来てました。雑だしひどい。写真を撮られる人だから魂全部なくなったら可哀想だな…と思ってそうしました。鈴も巻き込まれてしまった…こっちはこっちで「無敵」というイメージでいいなと思ってました。
そして、秋だ…嬉しいですね…作中で描ける事がなかった時期の事を補完して頂ける事…作者冥利に尽きる… 二次創作なんて全部もれなく嬉しいに決まっとるのですが、単純な嬉しさの次に「俺の屍を越えてくれてありがとう」的な良さがやってきて…とても嬉しい…
えー藤見さんリュックしょってる〜かわい〜 へへ…良く出かけるようになって利便性を重視するようになってしまったのだろうか…へへ…関係性…ニコニコしちゃうね… そして顔面1000000点すぎて気が付きにくいのですが布がメチャクチャに上手い!!! 制服…こう描けばよかったのか… (結局うまく描けなかったのでほとんど描かなかったので)
ぎんしお少々ゾーン/イラスト/あをもみじさん
この絵!好き!!!紙で見れて超嬉しかったです!!!! またこの、ハイキーな桜色が綺麗で… Dianaはバルブモードがついているからハイキーふわふわ写真もやりやすく、私がよく撮ってたのがこんなんだったな…と勝手に懐かしくなってました。 Dianaは勘バルブが一番楽しいよ…!(諸説ある…) そして、もゆるは黒・グレー・水色でまとまっているからピンクがよう映える映える…
案外「実際に写真撮ってきてお絵かきしてみる系」は多くなかったのですが、よく考えたら当たり前である。 実際に���く体力に+してお絵かきをする体力、労働でないとなかなか発生しない…すごい… …お絵描き以外はわりとあったな…後述ですが巡礼レポートとか、間違いなく行って書いてるだろうSSとか…みんな凄すぎ…
上野公園、桜の時期は屋台もたくさん出ていて(そうでなくても出ている、おかしい公園だなあ)、その辺でおだんご買ったのかな… そういう「現地情報的絵」、だいすき…… 上野周囲を歩きながら「もゆるは多分こうだよなあ」等と思いながら歩いていた日々がちょっと懐かしいです。
ぎんしお少々ゾーン/イラスト/ノアさん
圧倒的百合百合構図!圧倒的百合百合構図じゃないですか! そういえばぎんしおは店舗さんの広報さんに「百合というくくりにしちゃうと勿体ないのでもっと大事に扱っていく」と言って頂けたのに(確かアニメイトさんでした、複製原画展の際に遊びに行きました)、作者がコレだから私はもう2度と口を開かない方がいいのだろうなと思った過去がありました。
そんなことよりも下側のネガが連続写真というか8㎜っぽくそこに「動」があり、 こんなにも「世界に二人だけ」なツヨツヨ画面なのにそこに呼吸があるんだな…と思わされ……良い………
ネガの良さに着目した事が多分無かったのですが、 美少女が透けるモノに映ってたらそら絵になるわ言う気持ちにさせられました、もう少し早く気が付いていたら生かせる瞬間もあったのでは…
ぎんしお少々ゾーン/イラスト/珠羽さん
特典絵が元ネタというマニアックイラストレーション!! ありがとうございます!!多分これはぎんしお一巻のどっかの電子特典ッ! 調べたらFUZでした、FUZは芳文社内のレーベルなので特典の際に敬称いれんでくださいと言われ記憶があります。なんとなく居心地が悪い。 それはともかく良く見たら手前にはすうちゃんことスメハチちゃん! スメハチの背面なんてちゃんと描いた事あったっけ!?お持ちだったりしますか!? 青すうちゃんとDiana、並べるとこれも兄弟みたいで好きなんですよね、この絵はこの兄弟も向かい合っているのだな…
そういえばこの特典、好きなアイドルの衣装に「ベルトにカメラ括りつけてあるヤツ」があり天才か?と思いオマージュした記憶があります。 なのでその衣装がちらついてもゆるなのにイメージカラーを淡いグリーンにした記憶も。 でもそのお衣装、2㎏ある言ってた気がして、軽装にしてあげた記憶もありあります。
ぎんしお少々ゾーン/イラスト/かすとらさん
天才!!!!! endenさんのところでも似たようなお話をしてしまいましたが、 「描きたかったけど隙が無かった」の一等賞です。 本当に、まさにコレやりたかったので報われた思い!!!!! 解像度高すぎ賞一等賞すぎる…いや一等賞いっぱいいない?この合同誌…
それと同時に「DianaBOOKだーーー!!!」もあり…本当にうれしい… 私がこういう身分でなければ、DianaBOOK風の装丁でイラスト本とか出したのだが…(契約の都合で同人誌の発行が不可能です/web上や私に収入が入らない形ではわりと何してもOKというかんじ) そういう思いも無事成仏したので、本当に満たされたきもち…
この猫を抱えた藤見銀の写真めちゃくちゃかわいいもっと見たい…もっと写真撮った方がいいよもゆる…(?)
ぎんしお少々ゾーン/イラスト/七鯵さん
かわいい!!!!! この服の時の話、全身はカラーじゃ無かった気がするのですが「そうそうそうこういう色!」となり面白かったです、えっ…なんか…そういう能力が…!? 全部カワイイですがとくにお靴がカワイイです… もゆるの靴、う…うめえ……これそれっぽく描くのちょうムズイのに… 2巻の扉が挑戦的すぎるせいか割とみんなお靴描いてくれてうれし…私がスニーカー大好きなことも大きいのですが、作中でも触れていましたが、カメラの次に「新調したら外に出たくなるもの」だなあという思想があり、それを大事にしてます。作者は引くほど靴持ってねえのに… あと仕草も「そういうことする!」ってなるのが良かったです…かわいい… 手つきとかとくに…かわいい… あっ!!銀がオートハーフ持ってる!!やっぱお前それ使った方がいいよ勿体ないから!!(…)
ぎんしお少々ゾーン/漫画のほう/七鯵さん
「愚痴なんじゃないかなあ」で笑ってしまった…まほろは…もうほんと…そういう事を言うから…… 私もイマイチ言語化出来てない各人の話口の「っぽさ」が凄い… まほろだけでなく…みんな「そういうこと言う!!」すぎて… ちょっとビビってしまうほどエミュ力高い…さっきの一枚絵もそうですが、細部から出てくるっぽさが濃厚すぎる…
しかし猫にやりたいことと人間にやりたいことがおおよそ同じである感性めちゃくちゃ怖いよな…藤見銀に同情してしまう… いつかそれとコレとの差別化ができるようになったりするんでしょうか、わからない…
あと「最近すぅちゃんをモフれていなくて」のコマが妙に愛しくて…これ多分スマホのロック画面にちょうどよさそ…やっちゃおうかな…えっいいですか!?(……)
ぎんしお少々ゾーン/イラスト/フィリップさん
もゆるさんって…ウインク出来るんだ…!? よく考えたらそう、ファインダーをのぞく時片目閉じてる… 当たり前だけど…でも今日まで気が付かなかった「萌え」があって急にドキドキさせられてしまう… 今更このような言動に恥じらいとかは特にないのですが、このもゆるさんの太もも…から膝にかけて…なんかやたらとエッチだな… 背が高い人の長い脚…
ぎんしお少々ゾーン/Developimg/アリカさん
スノウキャットエディション!??!??!?!…………天才???? 藤見銀の「銀」を「しろ」と読ませるのは「雪」の意味があり………それを察知なさったのか私がどっかで言ったのを覚えててくださったのかは定かではありませんが、 藤見銀に持たせるDiana、スノウキャットしかない……て……天才…………………… こんなん私が感想を描く事前提の…………えっ!私信?!?
スノウキャットの話しかしてないのダメすぎる、作品も天才すぎるのに… セリフ無しで全部やっちゃうの天才すぎる… このラストカットのもゆるの「なにされたか分かってない顔」たまらんな…お前は今盗撮されました。
そういえば幣アシがポラロイドの事を描こうと読んでいた本に 「ポラのフレームをカッターで切って枠広げて楽しむ」とか常人では出てこない遊び方が描いてあってビビリ散らかしたのですが、 確かに藤見銀は常人ではないので、「やっちまった写真」にそういう事が出来るな…
…それはともかくとして、アリカさんが寄稿して下さる事は事前に見聞きしていたのですがエッ!?!漫画!??!サプライズすぎるだろ!!!と思いました。 菫照合同の時の凄すぎSSの印象があり、てっきり文字と思っていたので…いやそらSSも読みたいのだが(欲が底なし?)
ぎんしお少々ゾーン/イラスト/かがみださん
かわいーーー!!! なんだいもゆるさんそのちょっと誇らしそうなポーズは… 左手の仕草が誇らし気でいい…すごくいいものでも撮れたの?かわいい…… 後ろのフォントもちょっとドットっぽいのがロモグラフィーの会社のロゴと似ており思わずにっこりしてしまいました。 勝手に作ったネップリのステッカーか、読プレかいずれかで、「ロモの会社のロゴオマージュは通るのか」のチキンレース勝手に開催した事あったなとか思い出しました。やめなよ。
ぎんしお少々ゾーン/27/なをををををを先生
えっ!!!!ありがとうございます!!! えっ!!!!武器瓶の絵ではない…!?(?) なんだか絵をすごく寄せてくださったようなアワワ恥ずかしい嬉しいありがとうございます。
まほろの年齢はハッキリ描いてなかったのですが、これ鈴もヘタしたら成人して…いやヘタしなくてもしてるな…えっ女子大生通い妻…?本格的にエライ事になってきてしまった…
う…うわーー!!オタクの読みたい部分を的確に!!! セリフの火力が強い!藤見鈴!!おまえそんな押せまくる女だった…!?だったな… 義務もない個人写真において写真を撮る動機の9割は「残しておきたい、未来に確認したい」と感じるからで、まほろさんの人生の先にあってほしいものが藤見鈴である事…ずっと続いてほしい………… ああ…………次は36歳… その次はハーフでも渡して…54と72歳… 次はkino渡して144歳だな……… ああ……フォーエバー……世界が滅びるまで……………
…… いや待ってくださいよ女子高生(だったものを)物理的に舐めたんですか?通報しとくか?
ぎんしお少々ゾーン/藤見と仮谷/かまばたーさん
こ…これは……まさかの放課後すとりっぷの前進漫画が元ネタです(!??!?)
これは4年くらい前の 女が女の介護をしている事にツッコミを入れる女が 女に弁当箱ぶつけられる女女女漫画(1/3) pic.twitter.com/SvZPWxnV3S
— 若鶏にこみ (@tori_nico2) November 17, 2020
私はこれを世間体のため、どこぞへと出し、それを偶然芳文社さんが見つけてくださり、漫画を二作も出す事が出来ました。頭が痛いあらましだな… そういえば過去、同じデビュールートの作家さん他にいるの〜?と会社に聞く機会があったのですが「未来過去永劫、多分お前だけ」と言われたので激レアケースみたいです。 持ち込みとかじゃなくガチの豪運でした。
「知り合いの同級生を性的眼差しで見てデッサンしてるやつ」の話の横でケラケラ笑ってる藤見鈴で爆笑してしまった。 お前…………!!そんな呑気な笑顔を見せてていい文面じゃないぞこれ!!! わかってます!?わかってないかも!!! しかもその後「健全なお付き合いを検討します」ってお前………!!!語るに落ちちゃったじゃんか!!!!
「わああああもう嫌だァ!!」、本当にそう。心から共感した。共感部門第一位。
ぎんしお少々ゾーン/コーヒーと銀塩/24さん
詳細は省きますが、作画時に疲れ手元が狂ってもゆるの耳にピアスかけかけた事があるんですが、喫煙者にした事はなかったな…と思いました。 将来的に開けそうではある。 たしかにまほろは吸いそうな雰囲気はあれど、気管支弱そうな気もする…さつきちゃんが吸ってたら嫌だから吸ってて欲しいな…(?) まほろもゆるの務めてる、さつきちゃんにとってお姉ちゃんが店長やってる喫茶店は全面禁煙だからあんまり行かない…とか…うわっ!!ありそう!!!
わっ!うれしい!トリチャンも上野のメロンソーダはだいたい飲み干したと思うのでうれしい… トリチャン的に一番好きなのは…とうかい…はみんな知っていそうだから………古城!!! 若干レギュレーション違反だが不純喫茶ドープも名前のわりに入りやすいのでオススメ!
しかし室内かつ喫茶店でトイ…しかも丘かよ…果敢すぎる…… そういえばこの間ベイビーわるきゅーれを初見したのですが、完全に古城でウケちゃいました。 かわいい殺し屋たちも利用する喫茶店たちを……よろしくな!!
ぎんしお少々ゾーン/少々わかる舞台探訪入門/kanroさん
めーっちゃ嬉しくってウキウキで読んでしまった… 入門というだけあって「行きたくなりそうな所」がちゃんとより抜かれている…! 何が凄いって、単行本時はモノクロになってしまうから、カラーの奴は本誌のスキャンなのでは…すごい…ありがとうございます… それはそうと私も二度と行けない場所とか普通にあるので、誰か全部まとめてくれないかな…(やめなよ…)
佐原の電車は一時間に一本〜といいつつ、ピーク時(朝夕)はもうちょっとあります。 (この辺はギリギリまで鈴まほ側の舞台を長野とかもっと遠くにしようと迷っていた名残です。今のコロナの事を思うとマジで早めに却下して良かった…)
うわーー!アップルポケット気が付いてくださった方いるんだ!? そうなんです、もゆるはアップルパイが好き、そしてココのアップルパイは美味しい。
こんな事言うなって感じですけどコメダのプレートとコーヒーゼリー食べた事無かったので食レポありがたかったです えっ…コロプレなくなっちゃったんだ… 懐かしい〜当時は舞台写真撮って描くとかいう発想が無くて、食べログとか駆使して「多分こんな感じ」つって描いてたな… 放す・カラオケ回辺りから写真撮る���にしたと思います。
ぎんしお少々ゾーン/メカニズム/147さん
まあでもこの人がコレ描いたから、こんなんでいいなら私にも二次創作やれそうだなと思えたところがあり、そこは良かったですよね。
ぎんしお少々ゾーン/贈り物/れんずさん
あーー!!ああーーー!!お客さまーー!!お客さまーー!!とんでもないモノを……… 私もポジは怖くて使ってないというかクロスにしちゃいますね……怖くてさ…… でもDianaのクロスはマジで最高なのでもゆるには一度ならず二度はやって欲しいな… れんずさんの書くまほろさんはやたらカワイくて良いですよね。 喜怒哀楽が分かりやすく…人に対して丁寧に生きており…いやまほろっていつもそうか…私はまほろの事何も知らんのだな… 若葉谷さんの妙にぶっきらぼうな所も「そういうとこある!」ってなっていいですね……。 これ作者をしている私が言うのはメッチャ恥ずかしいのですが、「原作空気感」が凄く高くて、ぎんしおにロスってる人、このお話超嬉しいんじゃないかな…… 善行ポイントを稼ぐいうな。
ぎんしお少々ゾーン/銀塩異文 太陽の笑顔と青い写真/孺子志林さん
ワア!!大変だ!!!さつほろ!!!! そして、ガールミーツガールだ!!!! 銀ともゆ、鈴とまほはもっとこう…雑なガールミーツガールだったので、 確かにさつきさんとまほろくらいは段階踏んだ丁寧ガールミーツガールして欲しいと思う…私も… そしてシリンさんのその描写がうめえ事うめえ事… この話を書籍化するのであれば(??��)「さつきさんとまほろさんは「近い感性」を肴に会話してるイメージです(若鶏にこみ談)」、と帯に書かせてもらいたい(?????) さつきとまほろの「感性の話」の間にはあんまりヒトが入り込めないんだと思うし、 (なので、「該当の写真がもゆるからウケがワルい」というのが本当にウマい表現だ…この描写超好きなんですよね、 個人写真の評価の事をずっと描いてきた漫画で、それを全部受け取ってもらった二次創作をやってもらえる事、幸福…) とくに鈴には分からない世界なんじゃないかと思う。そうはいっても藤見鈴という女は本質的に器用なので、いつか分かるかもしれないけど。
感性が共有できる友達と、単純に側にいて気にかけてくれる年下の友達?が居る事、 まほろさんは毎日色々な人間に気にかけてもらっている事をもっと自覚し感謝し生きて行けよなッ!!! あっ!!もゆるのがそういうトコ無頓着なとこあるぞ!!!!
ぎんしお少々ゾーン/悲しいけど切なくない/こーてるさん
タイトルがめっちゃいいな、若鶏にこみが好きそうな邦楽のタイトル? 展開のクルクル感が「月刊8ページの4コマ漫画が原作だわコレ」と思わされちょっとウケます。 漫画二次創作の文章で「それっぽさ」を出すって一般的(一般的?)にはセリフとか景色等なんじゃないだろうかと思うのですが、「話の運ばせ方」でもやれるんだ… 風花かなめさんの事を書く人あんまり居ないと思ってたので嬉しかったです。 私が一人でウニャウニャやってる分にはむしろ一番動きが良い子だし、内情も明け透けな方ですが、二次創作はやりにくいだろうなと。
鈴は調子が良く、とくに年上に媚び売るの上手いし(対まほろとなると、まほろさんがあんまり自分の事年上と思ってないから微妙になるのがひどい)、 鈴は無意識的とはいえお互いまあまあ外面を取り繕う女たちであり、そこがかなめにとっての問題提起になるの、風花かなめだな……
ぎんしお少々ゾーン/撮りたい違いのスクリーン/天草硝子さん
若葉谷セツナさんはやってもらう事がひどい事だったので(カワイイ女の子を忘れて別の女にお熱という意味)、それ以外の箇所は読者ウケで組み立てた事を思い出しました。(そして、その対極にいるのが塩原もゆるさん) その読者ウケ最たる部分を明瞭にすると、「なんやかんやでもゆると仲良くなっちゃう」だったな、と。 今にして思えば「セツナさんはそういう人だから、多分かなめともまた仲良くなれるのだろうな」という説得力になってくれて…大成功だったな…。 私と読者さんで生み出したようなモンよ、若葉谷セツナって。
そして行間系二次創作!私原作隙間ぶっこみ系行間二次創作が大好き! 私自身もそういう手法で二次創作をする事があるので、まさか自分の作品でコレやってもらえるとは…嬉し… 無い余白を埋めている時が一番楽しいですからね。 葛西臨海公園だーー!!文章というビジュアルの無い表現から「ここアレじゃん」と思えるのめっちゃ嬉しいですね。 しかしなぜ葛西臨海公園チョイスなのだろう、私もあそこ大好きだけど。 …と思っていたらご本人が「あとがたり」をやってくださり…(とても面白かったのでみんな読んで)、あっ…すみません…私が取材時期っぽい辺りで葛西臨海公園に行ったせい… 何しに行ったんだっけ…全然覚えてねえ… けど葛西臨海公園は一応マジで1コマだけ出ているので、(まほろの学生時代回想の一コマ)それ…かも…
いやしかし愛の話だな… 言っちゃアレですが若葉谷セツナはファッション的に塩原まほろに憧れており、でもだから彼女の事何も知らなくて、 その線上で塩原もゆるとその写真の事を知り、そこにラブがあるなら、こんなに素敵な事はないでしょうよと…… またそれが、もゆるとかいう「塩原まほろと遺伝子情報は近いが明確なる別人」であるのがいい。 それを受け入れて、まほろとは別の角度でラブと思えるなら………お前の人生豊か……!!祝杯!!!!
ぎんしお少々ゾーン/一歩先に/人形さん
冒頭から鋭い言葉攻めを披露する藤見鈴に「可能性」を感じ…ステイ…今はその時間じゃない。 「カメラがあると、流れる時間のほんの一瞬が、その瞬間しかない特別なものだと思えるようになる」、あのグチャグチャな漫画をこんな風に読み取ってくれてこんな二次創作名一文に落とし込んでくださること、泣いていいですか?嬉しすぎ… 「ぎんしお少々は写真論漫画なのれ…GEAR漫画じゃないのれ…」とそちらの方面に(作者だけが)ホンノリと中指立ててきましたが、 こんな風に受け止めて頂けているのであれば、この選択は間違ってなかったのだと思いました…嬉しい…心から… 藤見銀が鈴のワガママを許容した事、凄く尊いな…なんだコレ… 勝手に居なくなっちゃうワガママをずっと許容できないまま春になって、そこから夏になって…、今こうなってる事…尊い……
ぎんしお少々ゾーン/塩原もゆるに学ぶコミュニケーションの奥深さ(架空編)/不届者さん
タイトルで爆笑しちゃった。塩原もゆるから何が学べるんだ。 アレッ!?「何考えてるか分からない」とガッツリハンコ押されてる子ってもゆるだけなんだ!?盲点でした。 描いている側としては七瀬しちほも超分かんないんですけど、ななの周りには「分かんない…」と恐怖してる子がいないからでしょうか… でも、みっちゃん(金で買った女には何をさせてもいいと思っている女)と同列にさえれるのは流石に可哀想でウケる… とか思ってたのですが「道にいたカワイイ猫を撮る事と、道にいたカワイイ女を撮る事が同じと思ってる」と記され、あれっ…みっちゃんさんと大して違わないのか…?と思わされてしまった。 もゆるも人の尿が見たくなったらカネ詰むんです!?やめなよね!?
そういえば、もゆるの「そういうとこ」は、過剰に描いた気がするなあ。 写真漫画やるぞやるぞやるぞ…と思って作った漫画なので、堅苦しくならないように…と思ってデザインしたのが彼女だったように思います。 一方で藤見銀が美少女ロラン・バルトみたいになる。これはまあまあの事故です。(デザイン構築時は明るい部屋未読だったので…/それでこんな話描くんだ…世のアホでも思い浮かべる事が出来る学は、大抵もう確立が済んでいますね…それに光を感じます、現代万歳…)
もっと遡ればもゆるの原型はDianaカメラの擬人化だったように思います。 だからこんなにも何を考えてるかわからないのか……原点回帰……
コラボ寄稿ゾーン/漫画/はかりさん
カトフちゃんが!飛んでる……!飛べたんだ……
確かに銀とみことって接点無さそうでビックリしちゃった… …いや、多分事実としては接点あるんですけど(!『作者』の暴力を行使してしまった…稀にみなさんの知らない事言いだしてすみません…) もし接点あったとしても「知らない人」って言い張りそうだな… だって…知らないから…………… 林檎と白石、もゆると銀のパワーバランスって確かに似ているものと思ったのですが、我の強さ合戦だと白石が一番強くて、この並びだともゆるが大人しい女に見えるのがややウケますね… もゆるも突然顔のいい女が謎の性欲をひけらかして来たら引いたりできるんだ…かわいいね間違ったね…よかったよ…お父さんちょっと安心したよ… Dianaが書かれている作品全部に同じこと言ってる気がしてきますが、ちゃんと距離の絵まで描かれていて…すごい…私もダルくて省きがちなトコロを…! Dianaのシャッター音、どうも軽くて頼りない音である事を大事に描き文字やってたんですけど、そういうのも拾っていただけてうれしい… 本当に「カシン…」というか「かし…」くらいの音しかならないんですよね。巻き上げはうるせえのに…
コラボ寄稿ゾーン/【にこみ節】について/岩崎いずみさん
こ…怖すぎィ!解体ショーだこれ!!
最初に「にこみ節」と表現してくださったのは、もしかすると篤見先生だったかもしれない、わからない、普通に読者さんだったかも。 いずれにせよ、私の低い語彙力を、そのように優しく形付けてくださった方…ありがとう…
それはともかくとして、「自然な会話」はかなり心がけて来たつもりではあるので、拾って頂けて嬉しいです。 私はとくに、二次元の女の子がこの空の下にホントに生きてるかもしれないと思いたくて、 好きなキャラクターの住んでる場所へ行き「あの子は普段どのスーパーを使っているのか、郵便局はこれか…あ!不動産だ!家賃はこんなもんか…」と調べに行くような人間なので。 「会話の連続性」を特徴と挙げてくださっていますが、私は4コマ漫画を描く事を「会話DJ」と思っているので (会話から、シナリオ的に目的の方角へ無理してシーンを繋ぐため)、そういう作り方が影響してるのかもしれません。
ただ放課後すとりっぷはかなり努力でセリフを書いていたはずなので、コリャ今もう描けないだろうな…とか勝手に懐かしくなりました。 ぎんしおは会話そのものがメインじゃなくてもやってけるな…と割り切ったので、セリフに重きは置いてないのですが…。
微妙なるあとがたり
142253は私の昔のパスコードなんで今私のスマホを南武線で拾って試してもダメです。
…えっ書いてんの?まあ…はい…へへ…
語彙のない人間がSS書いたらそらモロバレだった気がしますが… ミステリ好きの友達が「ミステリ界隈の同人アンソロは作者寄港しがちだからな」と言っていました。ぎんしお少々はミステリ!の伏線がこんなところで回収されるんかい。
メッセージページの好きなセリフ欄、「みんな書いてるから書いて♡書かないと浮くと思うよ♡」と言われマジ公開処刑か?と思いました。 みなさんありがとうございます…こんなにたくさん…えっホントにみなさん書いてくださっている… えと…「〜魔法がかかる」は2巻の帯かアオリで選んで頂いたので好きです。
以下見渡して…蛇足!!!!
しかしこんな人生があるのだな… 大事にしよう…この人生…… もうそれ以外にいう事はないのですが!!
ここからちょっと暗めな自分語りと近況報告になっちゃいますが……
流されるままワーっとこの仕事で過ごしてきましたが、お話を組み立てる事や、名前が大きく出る仕事、全部全部向いて無し…と思っており、 かつ、ぎんしおは「コレ描けたらもう仕事で漫画をせんでもええか笑笑」と思ってて、昨年はエージェントサイト登録してメーラーぶっ壊したりしてました。 客観的に見て好きな漫画描く仕事の人がそんな日々を日記につづってたら最悪な気持ちになる…と思いお週報をやめてました、ごめんね!
じゃあなんで今そんなこと言うの…というのは…! この合同本の存在そのものだったり、色々な所でまたお前の漫画読んでみたいよと言って頂いていて、もうちょっとやってみようかなという勇気になり… うあああありがとうございます…今…一応…お仕事用の漫画をまあ…その……… ほんのちょっと?描いてます…?
かも……? い…いや…やっぱ描いてないかも…
今まで好いてくださっていた方が好む漫画を世に出せるかは分からないのですが、 また何か良いご報告が出来るよう、前向き寄りに頑張ります…… がんばり……ます……… ……………… ……
この記事、思ったよりアップロードに時を要してしまったので、まあ恐らく…何らか…そのうち…出て来るんじゃないかとも思ってます! 今後ともよろしくしていただけたら!うれしいなあ!です!!
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azakavrc · 4 months
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「……お前はバカなのか?」
彼……ISDF代表サリハの第一声はそれだった。
別の地区の見回りをしていた彼は仲間からの連絡を受け大慌てでここ、ウェストタウンの拠点に戻ってきた。
まるで戦場のような緊張感が拠点をぐるりと取り囲んでおり、サリハは軽く頭を抱えながら拠点内の応接室に入った。そこにいる来客……アルマ正教会教皇エルの姿を認め溜息混じりに吐き出した言葉がそれだ。
「お邪魔しております。……素敵なご挨拶ですね」
「生憎とお前のような御立派な暮らしなんて経験はないのでな。気に障るのならお引き取り願おう」
「いえ、ここだけの話……わたくしとて、畏まった対応ばかり受けるのは少々辟易しているのです。これは、内緒にしておいていただきたいのですが」
「……そうかい、じゃあ好きにさせてもらう」
「恐れ入ります」
「で、要件はなんだ?お前のようなヤツが茶��飲みにきただけということはあるまい?」
「此方のお茶は独特の風味でなかなか趣深い物で御座いますけれど」
コンコンっ
不意にノックの音がエルの言葉を遮り、
『お茶のおかわりをお持ちしました』
すぐ後を男声が追いかけてくる。
「アインスか。入れ」
「失礼します。……サリハさん、帰ってたンですね……って、ちょ、失礼ですって⁈」
茶器を乗せたおぼんを器用に片手で持ちながら扉を開けて男……アインスが入室する。
ソファに脚を組んで座るサリハの姿を見て目を白黒させている。
「寛大なお心でお許しいただけるそうだぞ」
「はい、構いません。アインス様もお座りくださいませ」
「俺もですか⁈……いや、俺はちょっと、まだ仕事がー……」
「なんだアインス。教皇様の頼みを無碍に断るのか?」
「アンタ絶対楽しんでるでしょ……」
「まぁまぁ。初対面というわけでもないのですから」
「その節は……まさか教皇様があんなところにいるとはつゆ知らず……とんだ無礼を……」
「おいおい教皇サマ。うちの部下をいじめないでやってくれないか」
「誰のせいですか誰の!」
「……うふふ……♪」
「……っとぁ、すみません……」
小さくなってサリハの横に座るアインス。相対する席で口元を隠し笑っていたエルが手を下ろす。その一動作だけで、室内の空気が変わった。
「……先日お送りさせて頂きました書状は、ご確認頂けておりましょうか」
「あぁ、スラムに教会を、とかいう例の件か。確かに拝読させてもらった」
https://discord.com/channels/1020297124434419722/1068114953753608262/1157536351915343923
「手の込んだ悪戯かとも思ったが、話をしたのがコイツで、確かに支援物資も資金も届いた。ご丁寧に教会の印章つきでな。信用しないわけにはいくまい」
「恐れ入ります」
「此方としては願ったり叶ったりではあるが……どういうつもりだ」
「……どう、とは?」
静かに圧を強めるサリハの言葉にもエルの態度は変わらない。ただ横で推移を見ているアインスだけが小さくなるばかりだ。
「あの書状を帝国ではなくこちらに寄越すということは、教会直々に我々の自治を認めたと捉えられかねん。まさかわからずにやったなどということはないだろう?」
「そうした方がよろしかったでしょうか?」
「当然、そうしていたらヤツらはこれ幸いとスラムの土地を接収しようとしただろう」
「然り。そのくらいの調査洞察は、この地を知らぬ……そうですね、“御立派な暮らし”のわたくし達とて可能です。なればこそ、地を知り人を知り、仁徳に満ちた英雄様にこそ打診を行うべきであると判断した次第に御座います」
「買い被り過ぎだが、信用には応えよう。お前ら教会が我々を裏切らないのであれば、我々が教会を裏切る事はない。誓おう……お前らの言う父なる神とやらは知らないが、俺の誇りに賭けて。こいつが証人だ」
急に指されてアインスは驚いて居住いを正す。
それを見てエルは微笑んで頷く。
「我々正教会は、人間が人間として正しく生きていく事をこそ肯定するものです。人は国に属するのではなく、国が人に属するのです。なればこそ、この地はあなた方の治める地。道理を通すべき相手はあなた方で間違いはないでしょう」
「そちらの意向はわかった。ならばここからは交渉の場だ。がっかりさせてくれるなよ」
「勿論。ご期待くださいませ」
若干緩んだ空気にアインスも内心でホッと胸を撫で下ろす。
「そうですね……まず、アインス様。この周辺の地図などありましょうか?」
「え?あ……はい、ちょっと待っててくださいっ」
急に声をかけられたアインスがバタバタと退席するのを見送り。
「此方から求める事は、
ひとつ、教会建設の為の土地の借用、
ひとつ、教会員の駐屯の許可、
ひとつ、教会管理下の隊商の通行、停泊の許可
それからもうひとつ……」
「もうひとつ?」
「建築した教会の管理者、指揮者として此方……ISDFから一名、任命して頂きたく思います」
「……ほう?」
「勿論、教会から補佐役として一名派遣を行いますが、基本的に建築した教会に付随する事物に関する采配の全権は、任命して頂いたその方に委任させていただきます」
「……お前は、自分が何を言っているのかわかっているのか?」
「はい。要するに……
教会建てる土地貸して
教会員が暮らすのを許して
ウチの隊商が通ったり休むのを許して
ついでに一人管理人役を出してくれ
です。そして、建屋の管理から搬入物資、人員、資金、土地活用に至る全権はその管理人役がやってくれ、とそういう要求です」
「……お前は、バカなのか?」
「はて?……あぁ、土地の借用費は搬入物資や資金から供出して頂くとして、教会員の生活費や隊商の消費した資源に関しては別途請求下さればご用意させて頂きます」
「そういう話ではない。……一体何を考えている?」
「何か問題がありましょうか?」
「これのどこが取引だというんだ。全く対等ではない……これでお前らは何を得る?我々を懐柔しようという腹か?」
「そうなれば僥倖では御座いますけれど、踏み台にされるだけでも此方としては十全。それ以上は“おまけ”のようなものです」
「……馬鹿げている」
「そうでしょうか。先程申し上げました通り我々正教会は、人間が人間として正しく生きていく事をこそ肯定するものです。そのために持てるものを捧げる。それこそが教会のあるべき姿です」
「…………」
沈黙が室内を満たす。
「……仕方ありませんね。此処だけの話としてお聞きくださいませ」
先に沈黙を破ったのは、エルだった。
そしてほぼ同時に。
 コンコンっ
「失礼します。すみません、お待たせしま……し、た……」
「ご苦労。座れ」
「はぃ」
入室したアインスが机に地図を置き再びサリハの隣に座る。
(サリハさん、なんか空気重くないですか……何があったンすか)
アインスが小声でサリハに問うもサリハは顎の動きだけでエルに話を促し答えない。
「……大戦により世界が被った被害……物質的にもそうですが、何より人心が負った傷は深く、目に見えぬ存在を信じる心を保てている方はそう多くはありません。されど、傷ついた心が救済を求めるのもまた必定。教会はそのような方に手を伸ばすのがその勤め……」
言葉を紡ぐエルも、それを受けるサリハも、仮面に隠れた顔から表情を窺う事はできない。
「現在の教会が持つ本質はその教えではなく、無国籍の人的ネットワークそのものです。実際に父なる神に信仰を持っている者は、騎士団を除けばごく僅かなのでしょう。わたくしもそれを理解した上で教会を指導する立場に就いております」
「……教皇様がそれ言っちゃうんですか……」
アインスが思わず溢した言葉にエルはゆっくりと頷き。
「事実を事実として受け止めぬほど愚かではないつもりです。されど、世の中は本音と建前を使い分ける事で安定して回るもの。それで救われるものがあるのならば、わたくしは、教会は喜んで嘯きましょう」
アインスは先日補給物資を運んできた隊商を思い出す。教会の印章を刻んだ一団ではあったが、確かにその言動は教会のものと言うよりは商人や輸送屋のそれであったように思う。
「教会の教えに一切の真もないなどと申し上げるつもりは勿論御座いません。どちらも実であり虚であり、結局のところ目指すのは人間の平和と繁栄……そこに尽きるのですから」
「ふん……なるほどな」
「ご理解頂けたようで幸いです」
「此方としてはスラムの奴らが平和に暮らせるならお前らがどんな意図であろうと変わりはないからな」
「十全です。では、話を進めましょう」
「ああ」
「まず、立地に関してですが……」
アインスが持ってきた地図を広げて眺め、
「規則としてそれなりに広めの土地が必要になりますので、相応の場を借り入れたく存じます」
「使っていない土地自体は沢山あるが……」
「有事の際に避難所や防波堤としての役割を担う務めが御座います故……」
「防波堤?」
「はい。街や避難所に賊や根源生物が侵入しないよう、この教会の土地で万全の体勢で迎撃を行えるよう配備できるようにと」
「却下だ」
「……戦力は此方から駐屯させるつもりですが」
「尚更だ。資源のみならず防衛までお前らに委ねるほど俺たちは落ちぶれちゃいない。客は客らしく安全な場所にいろ」
サリハが地図を叩いて示す場所はウェストタウンのはずれではあるものの根源生物が多く観測される砂漠側からは遠い位置だ。
「畏まりました。では此方の場所をお借り致します。近日中に現地視察に人を派遣致します」
「そうしてくれ」
その後も話は速やかに進み、とんとん拍子に取り決めがなされた。
実建築にかかる際の人手借り入れの報酬、教会の規定に伴うワークショップや隊商の巡回周期、砂漠の遭難者や非常事態に備えたビーコン設備の取り付け、有事の際の避難所や臨時病床としての開放規則などなど、話す事は多数あったがつつがなく話は進められ、
「……事前に決めておくのはこれくらいで御座いましょうか」
「先に話していた管理者の件だが」
「はい。建築が終わる頃までに決めて頂ければと思います。……既に候補を絞られていますか?」
「アインス」
「はい?」
「お前がやれ」
「……はああぁ⁈な、なんですか急に⁈」
「アインス様がちょうど席を外していた時に出た話ですね。此方からの要求として、建築した教会の管理者をISDFから一名選出して欲しいとお願いさせていただきました」
「お前なら信用できるし悪いようにはしないだろうと判断した。やってくれるな」
「いや、まぁ……やれと言われればやりますが……いいんすか?俺、信仰心とか欠片もないですよ」
「いくつか守っていただきたい事柄は御座いますが、教会施設を自由に使う為の必要経費とお考え頂きましたら幸いです。勿論、無理にやれと申し上げるつもりは御座いません」
「え、自由に……って、どういう事ですか……」
「後で説明してやる」
「なんかめちゃくちゃ重要な事をさらっと押し付けられてる気がする……」
「正式な決定に関しては、先に申し上げました通り、建築完了までにお知らせ頂ければ重畳です。説明を受けてからご決断ください」
「あー、いや。サリハさんが俺なら信用できるって任せてくれるンですよね。なら、期待には応えますよ」
「話が早いのは助かりますが……押し付けたようで、少々申し訳なくも感じますね……」
「最終的に俺が自分で決めたんで。気にしないでください」
「……畏まりました。では、補助役の選定を急ぎます。建築完了前に此方に向かわせるよう手配を致します」
「お願いします」
ちょうどその時、扉をノックする音が室内に転がり込む。
『教皇様、そろそろ……』
室外で待機をしていた侍女の恐る恐るといった声がその後を追う。
「すぐ向かいます。あなたは出立の支度を」
『畏まりました』
「……申し訳ありません。この後も予定が御座いますゆえ、これにて」
「ああ。無事に生きていたらまた会おう」
「その日を心待ちにしております。では、皆様に、父なる神の祝福のあらんことを」
エルが退室したのを見送り、アインスは大きく息を吐きソファに体を沈み込ませた。
「はあー……なんかとんでもないことになった気がする……」
「ふ。期待している。俺もまだ予定が残っているから、あとの片付けは頼むぞ」
「あ、はい。了解です」
部屋を出たサリハの指示で、拠点を囲んでいた隊員は速やかに任務に戻っていく。
慌ただしい昼下がりを抜けて、スラムの日は続く。
    幕。
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niwanoki · 8 months
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2023/09/11
スパッと諦めたいことが諦めきれないでやな感じにズルズルやってしまって、7月から8月にかけて25歳になるまでの貴重な数えるほどの休日を蔑ろにしてしまった。あるトピックについて、出典もしっかりと明記され整理された真面目な文章を書くことも自身の仕事のうちの一つなのですが、原稿の締め切り守れないのは当然で、なんかそもそも、調べたことの整理が全く、異常にできない。圧倒的に学生の頃よりも「調べて書く」という基本的なことが困難になっててこれはいけないというか、おかしい。私は一応卒論を出して大学からそれなりの(別に金がもらえるとかというわけではない)賞までもらって卒業したはずなんですが、それで「そういう部類の人」ということでしかるべきとこに就職もしたはずなのですが。これでは明日、意地悪上司(仕事はとてもできるが単に意地悪で強引)に叱られるどころではすみません。勤め先での様々な理不尽や日々肥大化する自分の無能さにうちのめされ、帰宅後は火がついたようにブー垂れていた自分でしたが、最近はグッと堪えられるようにもなってきました。いつもニコニコ気さくそうにしている自分の中に物凄い凶悪な人格を飼い、というより、気さくそうな自分が、同じ自分が、遠い存在の誰かの思考を少しだけ盗んでつなぎ合わせるみたいなことだ。それをして、やり過ごすことができるようになりつつある。この間、帰りの電車で、殺してやる、ととりあえず念じてみたら気分が楽になった。倫理がど��とか関係ない。
私は7月と8月が一年のうちで一番好きな気がするが、それは夏休みという日常から逃げ出せるまとまった期間があったからに過ぎず、そんなものはもはやない今、自分で力づくで予定を作り、逃亡の道��を再構築するしかない。でもなんか今年はうまく行きませんでした。逃げたポーズしかできなくて、結局根本的な蟠りも消せず精神的な疲れも癒せないまま家に帰ってこないといけない。ちょっとしか姿を消せない、インスタントな逃げだけではやっぱりダメで、マジで「一ヶ月父の田舎にいた」みたいな経験には簡単に勝てない。仕事ができない、終わらない、休日にいつも持ち越しで、会社の人をはじめ、よく分からない人々との繋がり、呪いみたいなものを家に帰っても断ち切れない中、逃げられない、ということを突きつけられて、もうずっと悲しい。
乗ったことない電車に乗って半日とかかけて長い距離を単に移動するだけみたいな素晴らしい旅行に出かけようが、自分を不憫と思ったらしい父にいい天気の平日高速を使うようなドライブに連れて行かれようが、罪悪感の影に気持ちは繋ぎ止められたままで、なんかとにかく何かを食べていた。お菓子とかアイスとかラーメンとか。昨日も父と昼ご飯に食べたし。ので、太った。どんどんデブになるぞ、今の私にできることは、飲食、散歩、音楽を聴くこと(危うい?)くらいだ。こないだの土曜、最寄駅のひとつ前のターミナル駅の古い商業ビルにあるレコ屋に行って物色していたら、中古コーナーで結構掘り出しものが見つかった、初期ナンバガ、フィッシュマンズ、スピッツの8cmシングル(発売当時のビニール入り)、たま、ピクシーズ、を買った、状態のわりにどれも安い!レジに行くと思いがけずやさしい店長のおっさんに、やさしく接してもらうことができ、しかも「セレクトがいいわね」と、お世辞だとしても、なんか心が弱っているからかクッときてしまう。おっさんが検品したやつと業者が検品したやつとが混ざってるらしく、「僕がやったのなら多分大丈夫だが、もし聴けなかったらもってきてくれれば返金はするから安心せい」とのこと。これもすごい、やさしくないですか?灯台下暗しとはよくいったものだ。また棚補充するから来てね、と言われて、別れた。変態っぽいものは流石に置いてなさそうでこれからも置かなそうだが、相談(?)はできるかも。最近気になってる音楽のこととか。急にズガーンと来たものたちのこと。
で、今日は運転免許の更新に行った。西武線の駅から歩いていく。警察署の横の、警察をリタイアしたらしい普通に横柄な感じの態度のおっさんたちによる流れるような応対を受ける。建物も張り紙も張り紙の文字も全てが昭和っぽい。居合わせた、窓口での指示がすぐに右から左に流れ去ってしまうらしいおばさんと、申請書の文字が汚すぎて読めなくて、結局窓口の人に口述して書いてもらってたおじいさんを待って、講習ビデオ観た。かもしれない運転とか、信号のない横断歩道気をつけようとか、参考映像で車にはねられたりぶつかったりする歩行者も、かなり落ち度があるというか、自分本位で不注意が過ぎると言わざるを得ない内容でなんだか釈然としなかった。番号を呼ばれて新しい免許をもらうと、さっき入ってきたのとは別の、直で外に出られる扉から外に出た。歩いていて、昨日もそうだったけどなんか変。空気の中でぼとりと落ちてしまいそうなぐんにゃりとした身体。どうしたものか。
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zdlmlq · 9 months
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08.16-17.2023の日記
私に17日は存在しません、それは16日の残影としてあるもので、昨日着た服のまま馴染みのない町を歩いた時もほとんどずっと16日の反芻に費やされてしまった。
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でもこのピザのお店は入りたかった。
16日は君島大空合奏形態を観に行きました。渋谷のクラブクアトロ。ちょっと訳わかんないくらい久しぶりに行ったけど柱が邪魔、ということと、駅までの道のりは記憶していて、私は渋谷だけどれほど人が多くてもなめらかに早く歩くことができる、ということを思い出しました。新宿で同じように歩くと必ず誰かにぶつかるんですよね。ぶつかってくる人がいる、が正しいかもしれない。腕で制御されたこともあります。あの種の人たちになぜか渋谷で会ったことはないです。足が浮くほどの満員電車やそのどさくさに紛れて体を触ってくる人たちはそう変わらないのに、何が違うのでしょう。
君島大空さんを観るのは6月ぶりです。前回は西田修大さんというギタリストと二人組の鏡鏡鏡鏡というユニットの演奏でした。対面する2人を360度囲むように用意された観客席で私は西田修大さんの真後ろ、君島大空さんの正面を最前列で観て、こんな近くで観ることがあるんだと思っていたけど今回のクアトロでも最前列の小柄な方2人の隙間に立つ形で視界を遮るような人の姿はなく、ほとんど真正面から君島大空さんを観るような位置でした。映画館と同じで、前に行けば行くほどみあげるように首を後ろに傾ける必要があり、終盤は若干首が疲れました。もちろんそんなことはどうでもよかった。どうでもよくなるようなものを観ました。
今回は君島大空合奏形態という4人編成での演奏です。鏡鏡鏡鏡でも観た西田修大のギターに、もうあらゆる所で名前を目にする石若駿さんという人のドラム、king gnuでの活躍が知られる新井和輝さんのベースが加わっていて、それぞれの演奏者のファンなのだろうという方々も会場には足を運んでいます。私は君島大空ばかりすきですが、君島大空の少し後ろの奥まった場所でベースを弾く新井さんの佇まいを今回初めてまともに拝見したら確かにこれはすかれるだろうな、と思いました。決して前に出ることはないのにずっとにこにことしていて、
でもなんか、私は結局君島大空さんのファンなので、真正面に立ってしまうと他の方々のことはどうもうまく観ることができませんでした。他の方が何をしているかよりも君島大空さんのひどく薄い生地で作られたチャイナシャツがかわいいこと、照明の加減によってはその布で覆われた腕の形が影になってはっきり見えること、どうやら薄くペイズリーのような模様があしらわれているらしいこと──などを観ていました。あのー、私も最近チャイナシャツみたいな拳法着をよく着ているので尚更に気になったのです。君島大空さん、最近はただただ見目がよくなったように思います。演奏それ自体にびっくりすることにならんで時々ハッとするほどその容姿にも驚くことが増えました。
合奏形態での演奏をいままでこんなに近い距離で観たことがなかったのですが一人での演奏とは楽曲の響き方がまるで違うので、そのことにいつも笑ったり驚いたりしていて、ずっと面白かったのですが、今回こと、印象に残っているのはアンコールの手拍子の後一人で現れた君島さんが普段は禁止している録画を解禁、どころか推奨するのでぜひカメラを向け、撮影したものをぜひインターネットに載せて欲しいと言ったことです。
私は普段撮影自体が可能な演奏会場であっても撮影、録画、録音をすることがまずありません。踊りにくくなるし腕も疲れるし。撮り始めるとカメラ越しの視点になってしまいせっかく目の前にあるステージを観なくなるので、でも今回はiPhoneのカメラを立ち上げました、さすがに!──それで、撮影が許されたのは新しく発売される君島大空さんのフルアルバムの予告編だったのですがその場で即興的に刻んだり音声を重ねている君島さんはどちらかというとDJのような佇まいで、去年、DJデビューしたいな、とそういえば言っていたことを思い出したりして、8分弱のその短い動画を私は繰り返し観ているのですが、なるほどすきな人を動画に収めるということは本当に面白いことだと知りました。
私はフィルムカメラをけっこうよく使っていた時期があるんですけど、殆どはロシアが他の国で生まれたカメラを模して作った結果奇妙な光の入れ方をするようになってしまい、果てはそれが個性としてあいされるようになった種類のもので、トイカメラと呼ばれている気がしますが私の使っていた機種はKIEV35だとかLC-Aだとか、それにしてはやや重ためのもので、だけどまぁ共通して嘘つきです。
これらを私が中高生の頃購入した渋谷にあったlomographyという会社がやっていたお店のコピーは〈目に映るすべて〉みたいな言葉だった気がします。〈目に映るものすべて〉だったかな、とかく、映したものを写しだすことを謳っていましたが、それらのカメラで何かを写しだすと表れるのは自分の目にいれたものとはまるで違う光の取り込み方をした別の目による対象でした。私によって押されたシャッターは、しかし私ではない目でそれらを焼き付けるのです。
私はそのことがずっと面白かった。大体は暗すぎたりぶれすぎたりで何が写っているのかも判別できないものでしたがだからこその奇跡も頻繁にありました。大嘘つきだから書ける詩のようです。何十枚の中に数枚出てくるその詩をたのしみに私はシャッターを押し、現像屋さんに足を運びました。そこにはいつも見てはいないものが写っていました。でも時々、見たものを見るよりもずっと、そこにいたことを思い出すことのできる装置が存在してました。嘘は詩で、詩は装置です。
私はそのくらいの頃から、ありとあらゆる詩になり得る嘘がすきです。それはただの嘘つきにはもちろん書けないものですが、最近のインターネットには模造品がたくさん存在しています。模造品の嘘に装置としての機能はありません。
そして動画、最近のiPhone程度の性能で撮影されたものであれば、それはかなり目に近い、ということを知りました。腕の位置があまり動かないように気を遣いながらiPhoneの画面からは視点を外してステージを眺めていましたが、渋谷を離れる電車の中小さな画面に収まった動画を再生してみるとなるほど、先ほど眺めていた君島大空さんの姿がほとんどそのまま手元に残っている気がしたのです。
近すぎる位置から見上げるような角度から眺めた人の顔というのは大抵が正面から見る時と雰囲気を変えるので、例えばこれがプロによる撮影であればこの角度からカメラを向けることはないだろうな、という位置で映していてそれが惜しいといえば惜しいのですがでもだからこそ尚更、〈私が、ここで、この位置で、君島大空を観ていた〉ことの記録に変換されました。視点の外部委託です。カメラという体外の眼球!
この体験はすごく興味深いです。演奏をずっとカメラまわして観ている方々ってわりとよく見かけますがなるほど、こういう面白さをずっと知っていたからなのか、と思います。なんで教えてくれなかったの?
夜が深くなっていく電車の中で発表されたばかりの君島大空さんのフルアルバムリリース情報は私のTwitter(まだTwitterって呼びます!)のタイムラインを賑やかにしていて、ずっとそわそわしていた私はそのいちいちを追っていましたが色々なサイトで同じように引かれている2nd album conceptの一部にはこう書かれていました(一部抜粋、とどこにも書いてありますが全文はどこですか?隠し扉を見つけないと読むことはできないみたいな感じなのですか?)。
"今作は季節に並走し、今自分が出したいものが集まった場所から見える景色や匂いを体内/体外へ(再)提示したいと思ってます"
この文章を読んだ時に外部委託した眼球、みたいなカメラで収めた動画を何度も実際の目で取り込み直すことをあの時、あの会場にいた全員に推奨したのは次に出るそのアルバムで君島大空さん自身がしようとしていることに重ねてだったのかしら、と、ひどく腑に落ちました。
再生はいつだって体験の更新です。再現にはなりえず、でもそれと錯覚してしまう。私が録画した動画の再生を繰り返すことも、本当はもちろん忠実な記憶の反芻ではありません。その場では見えなかった細部に目を渡すことになるし、繰り返していくたび定着していく一語一句や音の記憶と共に、その場で感じた空気を手放します。だから記憶の再現をしたければその記録を再生するよりも詩の力が必要になる。
正直で凡庸なiPhoneより嘘つきなトイカメラが書く詩が、という話です。
そしてそれは君島大空さんの得意分野という気がします。前回のアルバムを制作時にはずっと『ヴァレリー 芸術と身体の哲学』という伊藤亜紗さんの著作を読んでいたという話をしていましたが、私はこの話を一生します、うれしかったので!、まさにヴァレリー自身が忠実な記録としての言語よりも何かを想起させるための装置として詩を捉えていました。
君島さんはずっと、説明のためではなく詩をかくために言葉を扱う人だと思っています。インターネットで模倣品の詩がごろごろ転がっていることにけっこう辟易していた頃に読んだ君島大空さんのnoteに私はずっとびっくりするような衝撃を受け続けているんですけど、正確であることから離れることでむしろ想起には近づくことをすごく感覚的にわかっていて、実行している。私は君島大空さんの音楽を聴くようになってからそのことにずっとたすけられています。
"アルバムには“no public sounds”と名前を付けました。
SoundCloudで公開された音源に、再びアクセスしたとき、その楽曲が削除されていた場合にブラウザに出るメッセージです。
なくなってしまった場所に克明な居場所を見つけようとする実験です"
装置によって想起されるものはでも手元に形として残りません。再生はいつだって体験を更新してしまう。私たちは音楽を、詩を、繰り返したのしむことはできても二度と初めて聴くことや読むことができないし、あの時、あの場所で再生した自分とは違う取り込み方をしている。
だから私たちはいつだってその形のない想起を期待して再生します。それは私とあなたの会話のようなものです。対面してやりとりをしても、何を感じとられたのかを知ることはできない。あなたの頭が、耳が、目が私をどう捉えているのか知ることはできない。
だからいっそ私でもあなたでもない所を分かち合う、という共有です。それが、言葉です。過度に自分のものにしてはいけないし、過度に相手に委ねることも違って、お互いの間に、手の届く場所になんとなく置いておくようなこと、
(これは最近職場のえらい人のTwitterみて影響された言葉です)
手元に形として残っていないもの、場所、人や記憶、あったのか?と時々自分をひどく心細くさせるものたちの存在を、君島大空さんの音楽はただ頷くように肯定してくれるようなところがあるので、先ほどから言っているように、もう私はそれにたすけられているので、いまさらそれを実験?とすら思うのですが、たのしみです、たのしみですねぇ!だから、この全文はどこですか?
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medickalmalpractice · 10 months
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[資料]
2
-A 正しい翻訳とは
●翻訳とは何か?
01
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翻訳のことを考える場合、 まず翻訳とは何か、ということを考えなければいけないのだと言えば、驚く人がいるかもしれません。 翻訳というのはただ原文を他の言語に直せばいいだけであって、それ以上、深く考える必要はないのだとも思えるからです。しかし、 実は、英語の原文をフランス語に翻訳するといった、言語構造が極めて類似した言語間での翻訳と、 英語から日本語へ、あるいは日本語から英語へといった、言語構造がかけ離れた翻訳とはずいぶん違うものだというのが、 日本文学を英語で教えてきて、これまで強く感じた感想なのです。
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世界の常識は日本の非常識、日本の非常識は世界の常識と言いますが、 そうした言い方には日本と世界という二分法が当然視されていて、まるで日本は世界に入っていないかのような響きがあるのは大変問題です。 しかし、日本に通用している価値観が他の地域ではそのまま通用しないということを知るのは、やはりよいことと思います。 [中略]
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もう一つ注意すべき点は翻訳の在り方の文化による違いです。前に翻訳における訳文尊重主義と原文尊重主義について述べたことがありましたが(大澤 1996、70-71)、どの翻訳もその二つの極の間のどこかに存在しています。 原文を全く尊重しない翻訳もありえませんが、訳文の流麗さを無視して、原文に拘る翻訳も存在しません。 それぞれの訳者は原文を尊重することと、自然で、洗練された訳文を作り上げることとをともに望んでいます。 それにどのような折り合いを付けるかは、それぞれの翻訳が置かれた文化的脈絡によって違うのです。[中略] 川端は読点だけで句をつないでいく、 極めて長い文章を書いていますが、それはゆきぐに
しまむら『雪国』で���く見られる手法で、 特に主人公、 島村の心理を描いたところになると、よく見られる技法です。 その長い文章を訳者サイデンステッカー氏は短い、いくつかの文章に分割しました。 それは日本語テクストの印象とは異なる印象を英語読者に伝えることになるわけですが、その変更もサイデンステッカー氏の文章観と英語読者の翻訳テクストへの期待という点から説明出来るでしょう。 [中略]
ハードボイルド 村上春樹
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今日、日本以外で多くの読者を得ている現代日本文学者と言えば、吉本ばなな (1964年 - )と村上春樹 (1947年) が双璧でしょうが、 村上春樹の英語翻訳にもそうしたテクストの変更は認められます。 『羊をめぐる冒険』を見てみましょう。日本語テクストの冒頭近くをまず引きます。
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僕はその日のうちに警察に電話をかけて彼女の実家の住所と電話番号を教えてもらい、それから実家に電話をかけて葬儀の日取りを聞いた。 誰かが言っているように、 手間さえ惜しまなければ大抵のことはわかるものなのだ。
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彼女の家は下町にあった。 僕は東京都の区分地図を開き、 彼女の家の番地に赤いボールペンでしるしをつけた。 それはいかにも東京の下町的な町だった。地下鉄やら国電やら路線バスやらがバランスを失った蜘蛛の糸のように入り乱れ、重なりあい、何本かのどぶ川が流れ、 ごてごてとした通りがメロンのしわみたいに地表にしがみついていた。 (村上、 1992
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英訳はアルフレッド·バーンボーム (Alfred Birnbaum) により、 1989年に講談社インターナショナルから刊行されました。 その対応する部分はこうです。
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I called the police department to track down her family's address and telephone number, after which I gave them a call to get details of the funeral.
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Her family lived in an old quarter of Tokyo. I got out my map and marked the block in red. There were subway and train and bus lines everywhere, overlapping like some misshapen spiderweb, the whole area a maze of narrow streets and drainage canals.
(Murakami 1990,3)
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私は警察に電話をかけて、 家族の住所と電話番号を突き止めた。 その後でそこに電話をして、 葬儀の詳細を知った。
13 彼女の家族は東京の昔からの地区に住んでいた。 私は自分の地図を取り出すと、その場所に赤いしるしを付けた。 地下鉄や、電車や、バスが至るところ走っているところで、なにか不細工な蜘蛛の巣のように重なりあったところだった。そこら一帯は狭い通りとどぶ川が迷路のように入り組んでいた。
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英訳は全体として日本語テクストより、より口語的で、ハードボイルド風の感じを読者に与えることを狙っているように見えます。 そのために、ここでは「誰かが言っているように、手間さえ惜しまなければ大抵のことはわかるものなのだ。」といったような、説明的な文章は落とされたのだろうと思います。 また 「それはいかにも東京の下町的な町だった。」 という東京の下町を知らない人にとっては意味を持たない文章も削除されています。 そして 「メロンのしわみたいに」という日本人にとってはよくわかる比喩も落とされていますが、 それは高価なマスクメロンが北米においては日本ほど売られていないがために、効果的な比喩となりえないという訳者の判断によるのでしょう。
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そうしたテクストの変更は、その後に出された「世界の終りとハードボイルドワンダーランド』の英訳では、より明示的に表記され、そこでは裏扉に 「アルフレッド·バーンボーム編訳」 (Translated and Adapted by Alfred Birnbaum) と書かれることになります。そうしたテクストの変更は果たして翻訳として正しい姿なのだろうかという疑問が多くの日本人に湧くことでしょう。 実際、 青山南氏は「英語になったニッポン小説』 の中で、村上春樹作品の英訳を検討し、村上春樹がテクストの変更を許していることを指摘した上で、最後に次のように言います。
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村上春樹のなかでは、原書があって翻訳があるという考え方は、きっとない のだ。日本語版と英語版のふたつのヴァージョンがある、 と認識しているのだ。
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なると、村上春樹の本は、いまだまともに翻訳されていないということになる。(青山、 1996、111)
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しかし、重要なことは、 村上春樹の作品が 「まともに」 翻訳されていないと言う時、「まともな翻訳」というのは一体どのようなものを指しているのかということでしょう。 文化を超えて 「これがまともな翻訳である」という共通認識がそもそも存在するのだろうか、ということをまず考える必要があります。 日本文学作品のさまざまな英訳を見てみますと、そこにはもちろん個人差があって、 サイデンステッカー氏の訳はモリス氏の訳に比べれば、日本語テクストから離れることはずっと少ないと言えます。 しかし、 それでもテクストを変えないわけではありません。とすると、翻訳の問題を比較文化的に考える時には、翻訳とは何かという基本的な問に答えを出すことから作業を始めなければならないということでしょう。 日本文化における翻訳の概念を無批判に他の文化圏の翻訳に当てはめて、それらが「まともな」 翻訳かどうかを判断することは、 自分の基準でのみ相手の行為を評価することになります。 それは自分の基準を絶対のものと考えているということにもなるでしょう。 つまりそれは、複数の価値体系の存在を認め、相互の批判からより上位の認識に到達しようとする比較的な精神からは外れた態度になります。
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rbvr · 10 months
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Asgard’s Wrath その3
個人的にゲームのポイントだと思う所を書いてみます。
物を投げつけたり引き寄せたりと結構激しい動きをするのでコントローラがすっ飛びます(^^;)。なのでストラップを手首に掛けたり等しっかり対策した方がいいです。(窓ガラス割れなくてホンット良かった(^^;)
ゲーム中プレイヤーキャラが「ポータルを起動させねば」とかちょいちょい喋りますが、ワープゾーンとか旅の扉みたいなのを使えるようにして先に進もうぜ的な意味で大した意味はありません。
武器の装備位置は両腰と両肩がありますが、思い通りに装備を手に取れる様に敵がいない所で練習しておくといいです。あと初期の楽な戦闘中にXボタンのアイテム使用も練習しておくといいです。
矢の装填方法は弓やボウガンを一旦インベントリー(道具入れ)に戻してから矢をドロップ。あと弓とボウガンの矢は別。
紫の石がある所(他プレイヤーが死んだ所)は大抵戦闘があるので体力回復等戦闘の準備。
Bボタン長押しカーソルを従者に向けると従者を直接変更出来る。
クリスタルや茨等で進めない所は後で進めるようになるので放っておく。
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g09708 · 1 year
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【SS】失くした歴史は知らないけれど
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『チェインパラドクス』 © 恵門・唯衣のプレイヤー/樹下じゅげ/トミーウォーカー
 パラドクストレイン──それは、時空を越えて運行する列車。  新宿島と呼ばれる人類最後の砦たる絶対防衛圏と、元の歴史が失われ改竄されてしまった平行世界とを繋ぐ、架け橋たる存在。
 そんな、神秘的で意義深い乗り物の一角にて。  出入口のすぐ近く、長いシートの端の方に位置する場所で、私は独りぽつんと座ってひとときを曖昧に過ごしていた。
「なんか、未だに現実味がないや……」
 窓の外を眺めてみる。飛び交う光、そして光、光、光……いつまで経っても光以外には何も見えない。そして、恐らくそこには光以外に何も存在していないのだろう。  かつてこの世界が健在だった頃に放送されていたアニメで見た、四次元空間の演出っぽい光景だなあ──と頭の片隅でぼんやりと考えつつ、私は車窓から視線を外した。自然、私の視界には車内の風景が飛び込んでくる。
 ごくごく普通にありふれた、緑色と灰色のシートや吊り革、両開きの扉……生まれも育ちも京都府京都市近郊、という生い立ちを持つ生粋の関西圏の市民たる私にとっては通常の山手線車両の様相もあまり馴染みがあるものでは無いのだけれど、それはそれとして。  この見た目には何の変哲も無いような列車が、今まさに時空を越えて改竄世界史なる別世界──刻逆という謎の現象で歴史がおかしくなってしまった、一種の並行世界のような場所へと旅している最中にあるだなんて大それた事実は、何処か遠い世界──というか、それこそマンガやアニメの中の出来事のようにしか思えない。あるいは、夢物語だろうか。
 でも、まごうことなき現実である。  そして恐らくは、復讐者──ディアボロスと呼ばれている人々にとって、こうやって列車に揺られて過ごすことはごく普通の日常の所作として認識されるような事柄なのだろう。ごくごく最近にそれらの仲間入りを果たした私には、未だに信じられないようなことではあったけれど。
 はあ、と溜息を吐き、私はシートに体を預ける。
 先程、とある時先案内人さん──改竄された世界で発生する様々な事件を予知する特殊能力を持つ、簡単に言えば司令官のような、呑気な表現をすればツアーアテンダントのような立場にある人物から聞いた話によると、今現在この列車は『TOKYOエゼキエル戦争』と呼ばれる改竄世界史へと向かっているとのこと。  その名に冠する通り土地としては東京都、それも23区内という環境であり、そして最終人類史に近しいタイムラインに位置している世界だという話を聞き、それなら海外に疎い現代っ子の私でもある程度気負わずに行けるかな、と思った末にこの列車へと飛び乗った訳ではあるのだけれど。
 戦争。  歴史の教科書か、あるいはゲームか何かでしか聞き馴染みのないその単語を、私は反芻するようにして何度か呟いてみる。
「戦争──戦争、か。何だか物々しい響きだなあ……」
 非常に残念ながら、今の私の頭には小学生の感想みたいな言葉しか思い浮かばなかった。  というか、思わずしみじみと口に出して言ってしまった。一介の文学少女としてあるまじき失態である。まあ誰にも見られたりはしてないだろうから別にいいけど。
 でも、私たちのような平成後期に産まれた世代が戦争に抱いている、あるいはかつて抱くことのできた感情なんて、所詮はその程度のものだろう──とも、私は考えていた。  私たち��たいな子どもの身からしてみれば、最低でも曽祖父母くらいの世代まで遡らないと戦後の時代を実際に生きていたという人には当たらない訳で、生まれてから起こったそれらはすべて海の向こうの出来事だった。そういった類の代物はそれこそ夢物語のような存在で、インターネットを通じて小さなディスプレイ越しにニュース記事を眺めることこそ出来たとて、それらは少し指を動かせばそのまま意識の外へと飛んで行ってしまう程度の物事に過ぎなかった。  つまるところ、そんなもんに現実味なんか当然抱けっこなかったのである。世界がこんなことになるのならもっとちゃんと記事とか読んでおけば良かった──と今更思っても、もう遅い。
 太古の昔に『戦争を知らない子供たち』なんてタイトルの歌があったそうだけど、それよりもさらに後の時代に生を受けた平成のキッズたる我々は、いわば『戦争を知りたい子供たち』とでも呼ぶべき存在だろう──ちなみに、後者に関してもそんなタイトルの歌が存在することを私は知っている。最終人類史でご健在なのかどうかは定かではないけど、姉がその歌を歌っているアーティストさんの大ファンだったから。
「……お姉ちゃん、今頃何してるのかな」
 いつまでも知らないことを考えていても仕方がないか、と思い直し、私は少し皺が寄ってしまっていた服の裾を直すようにした後、この可愛らしい衣装を制作してくれた人物である姉のことに想いを馳せてみる──まあ、普通に自室で過ごしているんだろうな、うん。
 幸いにして。  昨年行われた例の『帰還』にて我が家の面々は一丸となってこの最終人類史と呼ばれる世界へと戻って来られたので、私の家族全員──年の離れた姉、そして両親は、今現在それなりに普通な感じで京都府内に在住している。本当に良かったと思う。  もちろん親戚とかには未だ奪還されていない地域に在住していた方々もいるし、事実としては全然良くないのだけれど、不幸中の幸いを喜ぶ気持ちくらいは持ってもいいんじゃないかな、と個人的には思っている。一時的にではあったとしても、刻逆とかいうやつの被害を多大に受けた他ならぬ当事者なんだし。
「……何だったっけ」
 考えがあちこちに飛んで、頭の中がぐちゃぐちゃになってきた。というか、現地に着くまで私は何をしていればいいんだろうか。
 周りにはちらほら御同輩にして先輩たる方々の姿が見受けられたものの、残念ながら私は人見知りな性格だった。そんな悠長なことを言っている場合でもないんじゃないか、と何となく頭で理解はしていても、とてもじゃないが自分から話しかけることなんて出来そうにない。  だって、私はまだ復讐者としての活動経験がほとんどない身なのだ。現地に行って何をすればいいのかは案内人さんから毎回懇切丁寧に説明を受けてはいるものの、どうやって体を動かせばいいのか等々については未だによくわかっていない。改竄世界史にはこれまで何度か赴いてはいるとは言え正直毎回いっぱいいっぱいだし、特にセオリーのようなものを会得出来たりも当然していない。  そもそも、復讐者という一種の特殊能力者になったという実感すらあまり湧いていないくらいだ。今この場で電車に揺られている“私”とは、単なる一介の、ごくごくありふれた女子中学生という存在に過ぎない。何と言って話しかければいいのかすら、皆目見当もつかなかった。少なくとも、今の私には。
 ……復讐者の人たちの中には、学校の先生みたいな感じで私みたいな新人を懇切丁寧に教え導くことを仕事にしている人もいたりするんだろうか。あるいは、コーチとか師匠とか呼ばれる類の人というか。  そういった人物がこの車内に都合よく乗り合わせているとは思わないけれど、今向かっている先で起こっているらしき“いざこざ”が解決して新宿島へ帰れたら、復讐者の人たちの集まりのようなものに参加したりしてそういう親切な人を探してみたりしてもいいかも知れない。そうしたいと思う。
 あれ? これ、いわゆる死亡フラグってやつなのでは?
 ぶんぶんと頭を振り、ろくでもない──本当にろくでもない想像を頭の中から追いやった後。やはり車内でやることのない、やるべきことがよくわからない私は、列車に揺られるがままに任せることにする。だって私は、一介の……いや。  “我、一塊の肉塊なり”。諦念にも似た思いと共に、私はぼんやりとそんなことを考えた。
 ……現地に着いたらがんばります。  この世界が失くしてしまった本来の歴史についてはよく知らないけれど、復讐者としての力に目覚めたからにはしっかりとそのお役目を果たす所存です。  でも、こう、何と言うか──私は、ぎりぎりになるまで頑張れない、怠惰な性根の人間なので。ご容赦いただけると幸いです、先輩方……。
 離れ離れの街を繋ぐ列車に乗り、私は半ばうとうとし始め──そして、ほんの少しの間。  本当に少しの間だけ、私はこの世界の何処でもない場所にて、ひとときの眠りについた。
p.s.
稲葉曇 - ラグトレイン(YouTube)
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retepom · 6 months
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【死因】No.182【メディア黙示録】
 安元洋貴が推しの声帯として実装されるとどうなる?しらんのか 古今東西あらゆる供給が5億倍になる…最近200回目を迎えた安元洋貴がパーソナリティの笑セルって飲酒ラジオ 岡本信彦(トップくん)も石川由依(ムイちゃん)もゲストで来てます YouTubeでアーカイブ聴けます 更に岡本信彦にいたっては『声優と夜あそび』で2022年に月曜ペアMCだったし 同番組でシェフ安元洋貴も色々見られます IHの火力にキレる不減(幻覚) 中村悠一(アンディ)とドライブトークするだけの動画もYouTubeで見られるんですよ みんなの財布になりがちな不減(幻覚) 界隈の交友関係が広すぎて言い出したらキリがないんです助けてくれ 推しの声帯が推しの声優 気が狂う 弐大猫丸とかグアイワルも大好きなのでね?グアイワルはヒープリの敵幹部(筋肉枠)です ちなみに今期のヒロプリでも別キャラで出演あったんですがキュア重野メイン回でした 勿論この声ですから龍が如くにも出ていますよ 5の相沢(維新だと原田)で…アッ 品田が森川智之……これが釘宮理恵に左腕持ってかれるんですか 小山力也にアイアイサーすると どうしよう興奮してきた バイオRE3の日本語版カルロスもですね俺のいない世界なんて寂しすぎるだろとか言うんですよ カッコ良すぎるだろ頭おかしいんか?そういえばレオンは森川智之…安元洋貴といえばグラブルのジンも好きで まっ 三羽烏漢唄!!ビリー様もいたらソリッズじゃんちょっと三人目オイゲン枠でテラーは荷が重いからアンディあたり変わりにお願いしますね(?)ッツァ~思い出したくまみこでナツやってたわやっぱり熊さんだったんだよクリード=デッカードはさ…………………(??????)
…と、冒頭から全力疾走 いや もう否定者狩りとチカラくんのアニメビジュアル公開&声優発表だけで脳の処理能力が全部持っていかれて本誌感想どころじゃなくなりお騒がせしました。アニメビジュアル、リップの足が長すぎてビビる。クリードはドッグタグ2枚でしたね。ズボンの柄が結構デカいのはやっぱ動かす都合なんだろうか。目が散らないように?どうしようアニメでもスーツの方が良かったか??って聞いてくれるんだ……うわ…何が絶対いねえだよラトラって大笑いしてんの安元ボイスで……ヤバ………UNGENインパクトで他のキャストさんに触れてなかったんですが梶裕貴リップやべぇな…僕は双子に愛されてる梶裕貴となると丸竜様が真っ先に脳裏をよぎりました。おとめ妖怪ざくろはいいぞ。日曜朝の民なのでキュア重野はもうタイムリー過ぎてひっくり返りましたね。ツバサくんにチカラくん��感じる瞬間があったのは間違いではなかったというわけだ(?)長谷川さんは歌がうまいイメージはあれど自分の履修ジャンルのキャラに馴染みがないので楽しみ!!ファンの台詞量で森川ボイスはもう四季編のアニメ化が確約されたようなものだと思う………
すみません一生脱線しそうですそろそろ本誌感想書きます。では改めて…
【数十億もの】No.182【鼓動の数さえ】
「全弾発射!!」
出雲風子ォ!!!不死リスペクト 君はどこまで強く まさかアニメに合わせてきたっていうんですかこの場面 漫画の天才……?こわ…
「ようこそ」「マスタールームへ」
(CV石田彰)
いたわ いたわ石田彰が(前回本誌感想) 櫻井孝宏も少し考えたが後の言動が石田彰だわ いっぱい触れたいトコあるんですがとりあえずよ 戦(暫定)さん 黒髪オールバックじゃなくて帽子だった ベガかな 不減もガイル(CV安元)だしこれはもう因縁よ…戦友殺されててもおかしくないね……顔面大傷どころか半人外フェイス最高以外の言葉がでねぇ 葉巻の煙もれてんの本当に好 好です
「ナメすぎなんだよ!!おめぇのルールは遅すぎる!!」
口調の開示もありがとうございます ありがとうございます ほぼ全ループ不減のテンションじゃろこれ……いやしかしここの円卓会話 上位存在の嫌なテンションを凝縮してきててめちゃくちゃに良い たぶん沢城みゆきと山路和弘もいる 今回声の話多くてゴメンね でもいるもん(脳内では)Ⅰ席と出雲風子のやりとりはもう飲み込んでいくしか無い新情報ばかりですけれど
「その場合の方がありがたい」
「今ここにいる全員私の不運で死んで」
「私達の勝ちですから」
の出雲風子はマジでヤバいなって思いました。覚悟がキマったというかイカれたプレイングだと言われるのもそうだし ハッタリじゃなく『殺意』を見せてくる出雲風子 正直 興奮する 自分の不運で人を殺すなんて一番のトラウマの筈なのに……優しいたぬきも好きですが 神を殺すことに迷いの無い目をした出雲風子 ちょっと新しい扉開いちゃう 困る
マスター円卓、バベルの塔乗ってる眼鏡ちゃんはほぼ言語で確定だろうけれど、前ループニコはもしかしてタイマンで暗号バトルとかしたかな???と思うなどしました。暫定性のオネェさん血の気多くて最高ですね。Ⅰ席外ハネまつ毛黒子(CV石田彰)、最初ちょっとルーシーちゃんに似てるなと思いました。瞳の雰囲気とか特に…デラメンズにしては細いから心配になる。死以外は無いと思っていたけれどこの風体だとわからんくなってきたな……Ⅱ席がシスター風だけれど血なまぐさいって言われるのはやっぱり宗教系かなぁ?よよよラッくん ラック?なるほど“運”はこの子 前回ちょっと予想で候補に上げてたのでちょっと嬉しい。風子と逆の位置に絆創膏あるの良いですね。
…こっからちょっと水を差す話になるので全肯定で読んでるタイプの方は嫌な気持ちになるかもしれませんが隠しても仕方がないので素直に書いておきます。アンディの所在の件、魂で僕達を抑えている 何回か心の中で噛み砕こうとしてたんですがやっぱりちょっとじわじわ来てしまった いや 魂の話は前々から出てるから大事なモンだってのはわかるんだけれど 黒点がアンディ も感動とかより妙な面白さが勝ってしまって 心の中で「ちょっと何言ってるかわかんないですね」ってなっちゃった 熱い場面ですまない すまない 魂で太陽に蓋してるアンディ うん ゴメンね なんかその 切ない気持ちとかになってる人には本当に申し訳ないんですが 感受性が突然終わってるオタクになってしまった すまない 漫画の展開はめちゃくちゃに面白いです。こっちはそういう面白いじゃなくて純粋に面白い方の……
「“こっちは任せろ”」「“やっちまえ”です」
これから殺していくぞという相手に対して『アンディの引用』以外は敬語なの 妙な風子らしさを感じですこです ニコがチンピラフェイスで最高だしジーナも良 パワードスーツ組のメットオフからしか得られない栄養素に圧倒的感謝 Nextringの背中の演出はアニメ逆輸入かな?めちゃくちゃに好 Endwarもやってくれ
「いいね」「上等だ!!」
今回はとことんアンディリスペクトの言動が多くて良 え!!?シスターでけぇ!!!!?!?まさかの2m族!?!!?!?ピンヒールの性よりでけぇし戦と並ぶレベル!!?!?そんなデケェ体でよよよとか言ってたの 好きだが(新章開幕キャパオーバー)
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9635chan · 1 year
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五月病の前兆だろうか。なんだか気が重く、苦しい。夜更、眠れそうにないほどの冴えようだ。眠れない夜にあたし、の続きを断定するのはなんだか違う気分である。今日は自分の音楽のルーツを概括的に辿ってみる。
音楽との歩みを語る前に、ガキの時分を顧みる。物心がつく前は音楽の"音"、つまり聴覚の部分を視覚の付録的なものとして捉えていた。音楽番組の放送はビジュアルでインプットし、そこに音を後付けしていた。当然アウトプットの順番も、視覚が先、聴覚が後であった。無論、音楽の醍醐味は聴覚で嗜むことであるのだが。
本題に入る。小学5年生の頃、SEKAI NO OWARIと出会う。いつものように音楽番組を流し観ていた時のことだ。彼らの"RPG"が目に留まった。正しくは耳に留まった、と言うべきだろう。あの時、初めてわたしは音楽というものを、聴覚で捉えた気がする。それからというもの、わたしは彼らの虜になり、彼らの経歴を調べ上げ、ディスコグラフィを聴き漁った。初めてのライブも彼らに捧げた。アリーナを目の当たりにし、耳がやられたが、甘ったるいドキドキが微熱のように続いたのを鮮明に覚えている。小学校の卒業文集も彼らについて綴った。当時の熱を思い出せば出すほど恥じらいを感じるが、あの時の出会いこそが、わたしとしての"音楽"の起点となった。
中学生になり、04 Limited Sazabysと出会う。入学してすぐの頃だった。詳しいことはよく思い出せないが、確かCDショップのチラシがきっかけであったと思う。音楽の楽しみ方を心得てきた頃に彼らと出会ったことで、また新しい扉を開くことになる。あの頃のわたしを惹きつけたのは、ボーカルのハイトーンボイスとツービートであった。当時もまたAB型のBが発揮し、彼らについて詳細に調べ上げたことを思い出す。3年ほど思いを馳せ、高1の時に初めてライブに行くことができた。本編終盤"midnight cruising"の口上、"星が降って、降って、積もりますように"からのイントロで感動し、涙したことが感慨深く思い出される。フォーリミのとの出会いは、ロックとの出会いであったと感じる。ウォークマンを手にし、TSUTAYAでたくさんのロックバンドのCDを借りた。とにかく数を聴き漁った。音楽に対しての嗜好も明確になってきた頃であった。
高校入学後、忙しさのあまり音楽を聴く時間が減ってしまった。目紛しい毎日、通学時のバスで、新しい音楽を発掘する元気はなかった。再生するのは決まって同じ音楽であった。
そんな中、高校2年生になり、ハルカミライに完全に魅了される。元々名前は知っていた。心と時間に少し余裕が出てきたため、新しく音楽を発掘しようとしていたが、メロコアに夢中だったわたしは、彼らに興味を持たなかった。しかし、あまりにもロックシーンで彼らの名前が浮上していたため、興味を持ち、YouTubeで再生した"世界を終わらせて"。高1のわたしは、ボーカルの奇行に戸惑ったまま画面をそっと閉じた。今思えば笑える。印象は特に良くなかった。しかし、それからというもの、相変わらずよく聴いていたフォーリミや、当時好きだったマイヘアと仲が良かった彼らのライブがどんなものなのか、気になり出した。機会ができたため、高2の冬に初めて彼らのライブを見に行った。高校が終わった後、1人で向かったenn2nd。あれから全てが変わることになるとは思わなかった。
スリーマンであったが、対バンのことはあまり覚えていない。それほど、彼らのライブが衝撃であったからだ。彼らの出番は2番目だった。小さな箱が、"カントリーロード"のイントロで、一気に灼熱になったのを覚えている。ステージとフロアの境目などなかった。わたしたちの上を縦横無尽に動き回るボーカルを見上げた時、ミラーボールの煌めき以上に眩しかった。目が眩んだ。出会ってしまった。そう思った。
高校3年生になるのと同時に、コロナが猛威を振るった。そんな中、彼らはツアーを回っていて、受験勉強の合間を縫って足を運んだ仙台公演。立ち位置指定のライブでのもどかしさすらも忘れるほどのライブであった。どうなるのか分からない、お先真っ暗な大学生活に希望すら持てなかったあの頃、彼らだけが希望だった。高校を卒業したらバイトに打ち込み、彼らを追いかけると決めたのだ。
それからというもの、本当にいろいろな土地で彼らのライブを観た。北海道と九州以外の全ての地域で、観た。とてもいい経験であったと感じる。彼らがいつでもどこでも、まっすぐにフロアと向き合ってくれるから、わたしも毎度真っ新な気持ちでライブを観ることができた。
高校卒業後、心が掻き乱される出会いや別れがあり、これまた音楽を楽しむ余裕がなくなった。だが、やはり生活が落ち着いてきた頃には徐々にライブハウスに行く頻度が上がっていった。
セカオワを起点として、フォーリミ、ハルカミライと、3組がわたしのルーツになっている。彼らの音楽と一緒に、時間の流れに沿って様々な音楽を聴いた。特に印象的な数曲を、ここ最近も合わせて数年分記載しておこう。ロックからJ-popまで、幅広く聴いた。
気付けば夜が明けてきたので、稚拙な文章を綴るのもこの辺にしておこうと思う。いつからか、わたしの日常には音楽があることが当たり前になっていた。特定のアーティストをひたすらに聴くときもあれば、気分によってシャッフルボタンを押すこともある。わたしと音楽との距離が最も近くなるのは、楽しい時、悲しい時、このふたつの感情のときである。夜更の鬱屈が何からきていたのかを漏らすと、自己と他者の対比によるものである。今日は、近しい人々への感謝を忘れがちである自分を憎く感じ、悲しい気持ちに苛まれた。だが、そのモヤモヤとした蟠りは、その時浮かんだ音楽がどこかへ消し去ってくれると分かっている。脳裏に浮かんだこの曲の再生ボタンを押すと共に、目を瞑る。
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azakavrc · 4 months
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◆まだ書きかけ
彼……ISDF代表サリハの第一声はそれだった。
別の地区の見回りをしていた彼は仲間からの連絡を受け大慌てでここ、ウェストタウンの拠点に戻ってきた。
まるで戦場のような緊張感が拠点をぐるりと取り囲んでおり、サリハは軽く頭を抱えながら拠点内の応接室に入った。そこにいる来客……アルマ正教会教皇エルの姿を認め溜息混じりに吐き出した言葉がそれだ。
「お邪魔しております。……素敵なご挨拶ですね」
「生憎とお前のような御立派な暮らしなんて経験はないのでな。気に障るのならお引き取り願おう」
「いえ、ここだけの話……わたくしとて、畏まった対応ばかり受けるのは少々辟易しているのです。これは、内緒にしておいていただきたいのですが」
「……そうかい、じゃあ好きにさせてもらう」
「恐れ入ります」
「で、要件はなんだ?お前のようなヤツが茶を飲みにきただけということはあるまい?」
「此方のお茶は独特の風味でなかなか趣深い物で御座いますけれど」
コンコンっ
不意にノックの音がエルの言葉を遮り、
『お茶のおかわりをお持ちしました』
すぐ後を男声が追いかけてくる。
「アインスか。入れ」
「失礼します。……サリハさん、帰ってたンですね……って、ちょ、失礼ですって⁈」
茶器を乗せたおぼんを器用に片手で持ちながら扉を開けて男……アインスが入室する。
ソファに脚を組んで座るサリハの姿を見て目を白黒させている。
「寛大なお心でお許しいただけるそうだぞ」
「はい、構いません。アインス様もお座りくださいませ」
「俺もですか⁈……いや、俺はちょっと、まだ仕事がー……」
「なんだアインス。教皇様の頼みを無碍に断るのか?」
「アンタ絶対楽しんでるでしょ……」
「まぁまぁ。初対面というわけでもないのですから」
「その節は……まさか教皇様があんなところにいるとはつゆ知らず……とんだ無礼を……」
「おいおい教皇サマ。うちの部下をいじめないでやってくれないか」
「誰のせいですか誰の!」
「……うふふ……♪」
「……っとぁ、すみません……」
小さくなってサリハの横に座るアインス。相対する席で口元を隠し笑っていたエルが手を下ろす。その一動作だけで、室内の空気が変わった。
「……先日お送りさせて頂きました書状は、ご確認頂けておりましょうか」
「あぁ、スラムに教会を、とかいう例の件か。確かに拝読させてもらった」
https://discord.com/channels/1020297124434419722/1068114953753608262/1157536351915343923
「手の込んだ悪戯かとも思ったが、話をしたのがコイツで、確かに支援物資も資金も届いた。ご丁寧に教会の印章つきでな。信用しないわけにはいくまい」
「恐れ入ります」
「此方としては願ったり叶ったりではあるが……どういうつもりだ」
「……どう、とは?」
静かに圧を強めるサリハの言葉にもエルの態度は変わらない。ただ横で推移を見ているアインスだけが小さくなるばかりだ。
「あの書状を帝国ではなくこちらに寄越すということは、教会直々に我々の自治を認めたと捉えられかねん。まさかわからずにやったなどということはないだろう?」
「そうした方がよろしかったでしょうか?」
「当然、そうしていたらヤツらはこれ幸いとスラムの土地を接収しようとしただろう」
「然り。そのくらいの調査洞察は、この地を知らぬ……そうですね、“御立派な暮らし”のわたくし達とて可能です。なればこそ、地を知り人を知り、仁徳に満ちた英��様にこそ打診を行うべきであると判断した次第に御座います」
「買い被り過ぎだが、信用には応えよう。お前ら教会が我々を裏切らないのであれば、我々が教会を裏切る事はない。誓おう……お前らの言う父なる神とやらは知らないが、俺の誇りに賭けて。こいつが証人だ」
急に指されてアインスは驚いて居住いを正す。
それを見てエルは微笑んで頷く。
「我々正教会は、人間が人間として正しく生きていく事をこそ肯定するものです。人は国に属するのではなく、国が人に属するのです。なればこそ、この地はあなた方の治める地。道理を通すべき相手はあなた方で間違いはないでしょう」
「そちらの意向はわかった。ならばここからは交渉の場だ。がっかりさせてくれるなよ」
「勿論。ご期待くださいませ」
若干緩んだ空気にアインスも内心でホッと胸を撫で下ろす。
「そうですね……まず、アインス様。この周辺の地図などありましょうか?」
「え?あ……はい、ちょっと待っててくださいっ」
急に声をかけられたアインスがバタバタと退席するのを見送り。
「此方から求める事は、
ひとつ、教会建設の為の土地の借用、
ひとつ、教会員の駐屯の許可、
ひとつ、教会管理下の隊商の通行、停泊の許可
それからもうひとつ……」
「もうひとつ?」
「建築した教会の管理者、指揮者として此方……ISDFから一名、任命して頂きたく思います」
「……ほう?」
「勿論、教会から補佐役として一名派遣を行いますが、基本的に建築した教会に付随する事物に関する采配の全権は、任命して頂いたその方に委任させていただきます」
「……お前は、自分が何を言っているのかわかっているのか?」
「はい。要するに……
教会建てる土地貸して
教会員が暮らすのを許して
ウチの隊商が通ったり休むのを許して
ついでに一人管理人役を出してくれ
です。そして、建屋の管理から搬入物資、人員、資金、土地活用に至る全権はその管理人役がやってくれ、とそういう要求です」
「……お前は、バカなのか?」
「はて?……あぁ、土地の借用費は搬入物資や資金から供出して頂くとして、教会員の生活費や隊商の消費した資源に関しては別途請求下さればご用意させて頂きます」
「そういう話ではない。……一体何を考えている?」
「何か問題がありましょうか?」
「これのどこが取引だというんだ。全く対等ではない……これでお前らは何を得る?我々を懐柔しようという腹か?」
「そうなれば僥倖では御座いますけれど、踏み台にされるだけでも此方としては十全。それ以上は“おまけ”のようなものです」
「……馬鹿げている」
「そうでしょうか。先程申し上げました通り我々正教会は、人間が人間として正しく生きていく事をこそ肯定するものです。そのために持てるものを捧げる。それこそが教会のあるべき姿です」
「…………」
沈黙が室内を満たす。
「……仕方ありませんね。此処だけの話としてお聞きくださいませ」
先に沈黙を破ったのは、エルだった。
そしてほぼ同時に。
 コンコンっ
「失礼します。すみません、お待たせしま……し、た……」
「ご苦労。座れ」
「はぃ」
入室したアインスが机に地図を置き再びサリハの隣に座る。
(サリハさん、なんか空気重くないですか……何があったンすか)
アインスが小声でサリハに問うもサリハは顎の動きだけでエルに話を促し答えない。
「……大戦により世界が被った被害……物質的にもそうですが、何より人心が負った傷は深く、目に見えぬ存在を信じる心を保てている方はそう多くはありません。されど、傷ついた心が救済を求めるのもまた必定。教会はそのような方に手を伸ばすのがその勤め……」
言葉を紡ぐエルも、それを受けるサリハも、仮面に隠れた顔から表情を窺う事はできない。
「現在の教会が持つ本質はその教えではなく、無国籍の人的ネットワークそのものです。実際に父なる神に信仰を持っている者は、騎士団を除けばごく僅かなのでしょう。わたくしもそれを理解した上で教会を指導する立場に就いております」
「……教皇様がそれ言っちゃうんですか……」
アインスが思わず溢した言葉にエルはゆっくりと頷き。
「事実を事実として受け止めぬほど愚かではないつもりです。されど、世の中は本音と建前を使い分ける事で安定して回るもの。それで救われるものがあるのならば、わたくしは、教会は喜んで嘯きましょう」
アインスは先日補給物資を運んできた隊商を思い出す。教会の印章を刻んだ一団ではあったが、確かにその言動は教会のものと言うよりは商人や輸送屋のそれであったように思う。
「教会の教えに一切の真もないなどと申し上げるつもりは勿論御座いません。どちらも実であり虚であり、結局のところ目指すのは人間の平和と繁栄……そこに尽きるのですから」
「ふん……なるほどな」
「ご理解頂けたようで幸いです」
「此方としてはスラムの奴らが平和に暮らせるならお前らがどんな意図であろうと変わりはないからな」
「十全です。では、話を進めましょう」
「ああ」
「まず、立地に関してですが……」
アインスが持ってきた地図を広げて眺め、
「規則としてそれなりに広めの土地が必要になりますので、相応の場を借り入れたく存じます」
「使っていない土地自体は沢山あるが……」
「有事の際に避難所や防波堤としての役割を担う務めが御座います故……」
「防波堤?」
「はい。街や避難所に賊や根源生物が侵入しないよう、この教会の土地で万全の体勢で迎撃を行えるよう配備できるようにと」
「却下だ」
「……戦力は此方から駐屯させるつもりですが」
「尚更だ。資源のみならず防衛までお前らに委ねるほど俺たちは落ちぶれちゃいない。客は客らしく安全な場所にいろ」
サリハが地図を叩いて示す場所はウェストタウンのはずれではあるものの根源生物が多く観測される砂漠側からは遠い位置だ。
「畏まりました。では此方の場所をお借り致します。近日中に現地視察に人を派遣致します」
「そうしてくれ」
その後も話は速やかに進み、とんとん拍子に取り決めがなされた。
実建築にかかる際の人手借り入れの報酬、教会の規定に伴うワークショップや隊商の巡回周期、砂漠の遭難者や非常事態に備えたビーコン設備の取り付け、有事の際の避難所や臨時病床としての開放規則などなど、話す事は多数あったがつつがなく話は進められ、
「……事前に決めておくのはこれくらいで御座いましょうか」
「先に話していた管理者の件だが」
「はい。建築が終わる頃までに決めて頂ければと思います。……既に候補を絞られていますか?」
「アインス」
「はい?」
「お前がやれ」
「」
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5
乗り込んだ車内では今時珍しくBluetoothで携帯端末を接続して音楽を流すでもなくカーステレオが流れていた。
「あたしラジオなんて詳しく無いんだけどコレは有名な人の放送なの?」
「エエところに目をつけたな。これはなァ何処かの素人なんやで。」
「え?公共の放送局の番組じゃないって事?」
「せやで。自宅かどっかから誰かに届けたい音声を電波にして乗せてる輩もおるって訳や。」
ほえーと生返事を返しながら不思議な事をする人もいるもんだ。と思った。
こんだけモノが溢れ返った街なら寧ろ当然だろう。
車はどんどん市街地から離れていく。
本当に誘拐されてしまった。と思えた。
妄想はただの妄想でしか無かった。
住宅街寄りの雑居ビル近くにある元々は観覧車だったモノを再利用したモータープールに入庫した。
そのまま雑居ビルの地下一階まで薄暗くて湿っぽい階段を降りた。
脇道には朽ちた配管から錆びた水が溢れたり虫が蠢いていて散々な光景だった。
「こんなところに何があるの?」
「アジトやアジト。男の浪漫やろ?」
相変わらず革靴の底でピチャピチャと水溜りを踏んづけていく彼はそう言った。
かと思えば急に立ち止まりパイプスペースとかにしか見えない安っぽい鉄扉の横にある壁を一押しして電気錠を開錠する。
「まさかここやとは思わんやろ?」
何故だか満足気に言ったのが少し気に食わなかった。
ドアの向こうには今歩いてきた道の汚さからは見当も付かない程、小綺麗な内装が視界に飛び込んできた。
「フルリノベーションっちゅうやっちゃなこれ。俺がやったんやでえ。」
恐らく目を丸くして驚いていたのがバレていたのだろう。
ご丁寧に解説までしていただいた。
���高々語る様子は子供らしく見えた。
さっきまでの足取りの軽さはあたしの反応が見えていたからなのかと自分なりに推理してみる。
「おう。なにしとんねんや。早よ入りいなあ。」
「な、なんでもないわ。」
思わず玄関で止まっていた足を動かす。
奥へと抜けるリビングダイニングキッチンが出迎える。
まるで成人男性の棲家とは思えないほど整頓されていた。
だがさっきと同じ様に目を丸くして驚いている様子を勘づかれたくもないのでふうんとこんなもんなのね。みたいな顔をしてやり過ごす。
スッとダイニングテーブルに収納されている椅子を引いて座る。
「何飲む?珈琲でええか?」
何でもかんでも誰彼構わず珈琲を飲めると思うな。
これだから大人は。と呪いの言葉を心内で詠唱する。
そんな軽度の怒りを一旦横に置いて
「オレンジジュースとかある?」
と聞いてみた。
「おいおいそんな茶店やあらへんねんから何でもかんでもあると思うなや。所詮独り暮らしなんやからなァ。」
確かに少し生意気なオーダーだったかと自覚する。
「じゃあ水でいいわ。」
返事は無かったがキッチンから聞こえる生活音が返答の代用となった。
グラスが響く音や液体がコポコポと流るる音、電気ケトルから水蒸気が出る音に身を任せていると黒とオレンジで溢れたマグカップを持ってきた。
「え?オレンジジュースあんじゃん。」
「冗句だよ。はは。」
「はあ?ざけんなよ。」
「まあまあ場を和ます為に必要なもんもあるやろう?」
「全くと言って良い程和んでないじゃない。寧ろ荒れてしまってるわ。」
「ゆとりが無いな。ゆとり世代が始まってもう100幾年が経ったというのに。」
「過去の話だろ?私達は恩恵なんざ何にも無いさ。」
「如何してそこまで張り詰めてんのさ。」
「この空間に警戒しているからよ。言われなくたってわからない訳?」
「おぉ怖。俺はなァただ文字通りのお喋りがしたくて呼んだまでや。」
「じゃあそろそろ、その“お喋り”とやらを始めてくれないかしら。あたしにだって時間てものは有限なんだから。」
「じゃあ本題に入るとするかァ。」
6
レジ前にて一頻りの会話を終え店を後にしようとすると後ろから声を掛けられた。
「アリス。この後少し大丈夫?」
ウララは申し訳なさそうに一言断りを入れた。
「ええ、大丈夫ですけど。どうかされましたか?」
「それがね。例の一件の時にお世話になっていた人が居たでしょう?」
「ああ。ラビさんですよね。」
「そう。その人についてなんだけど……」
「どうかされましたか?」
「いや、なんでも無い。今のは忘れて‼︎」
普段、穏厚なウララの語気の強さに圧倒されてしまった。
「わ、わかりました。それでは私はこれで失礼します。」
店から出ようとした刹那、今度はクジョーさんに呼び止められる。
「ちょっと待ってアリス。これ挽き過ぎて酸化してしまうから良かったら飲んでみて。」
カップの天端に被さった蓋の飲み口からは白い湯気が上っていた。
「有難う御座います。美味しく頂きますね。それでは。」
回収されるかどうかわからない伏線じみた会話を終え熱されたカップを回収して店を出る。
横目にクジョーさんとウララさんがカウンター越しに話しているのが見えた。
だが要らぬ詮索を入れた所でどうにもならないのは過去の経験則から重々承知している。
久し振りに外気が肺を満たしていくのが分かった。
過度に熱された脳をゆっくりと冷めていくのが身に沁みて感じながら先程停めた駐車場へと歩み始める。
車のキーを開けシートに体重を預ける。
ガッとキーを回しエンジンを回転させ始めた。
テレスとの予定まではまだまだ時間が余っているからどうしようかなと考えながら鉄塊に乗ってゴブル方面へと駆け出した。
未だ思考回路が明瞭にならないのを危惧してさっき貰ったカップを喉に流し込む。
今月発売の好きな作家の本が出た事を辛うじて思い出せたので行きつけの本屋へと向かう事にした。
私はこれだけネット社会に浸食されようとも実店舗で買い物をするのが好きなのだ。
理由は至って単純であって思いも掛けない出逢いをするかもしれないからである。
ここでの出逢いとは人との出逢いもちいとばかりは含まれているが大多数は未知なる本やモノについてだ。
そこまでの夢想家では無いしロマンスを追いかけている訳では無い。
飽く迄も一人称視点での話なのでそこまで当てにならないのも現実だ。
そうして緑と赤を交互に点滅するソレの下をらりくらりと走らせると気が付けば目下まで来てしまっていた。
車を停め本屋のあるフロアを目指す。
8
「今日呼んだのはなァ他でもねェ。あの一件についてや。」
「ああ、アリスが巻き込まれたあの日の事ね。」
「アリスからは何も聞いてへんのか?」
「だって野暮ったいじゃない。知ってどうこう出来る問題じゃあ無さそうだし。」
「せやなァ。かと言って知らないのも罪なもんやでェ。」
緊迫する筈の会話はどうも関西訛りによって阻害されてしまう。
「まあ手短に言うとやなァ。その一件で俺とアリスは関係を持ったっちゅう訳や。」
「随分と穢らわしい形容ね。」
目の前の男はグヘヘといきなり笑い出した。
この気味悪さったら他に例え様が無いなと思った。
「ちゃうちゃう。あんたの考えてる方とちゃうわ。俺がアリスを知ったきっかけっちゅう訳やわ。ジョークか思ったらどえらい程、眼は真剣そのものやったからギャップで込み上げてきてしもうたわァ。」
「馬鹿にしないでよ。」
「お前さんほどツンツンされたらどれ程のデレを見せるか気になってきたわァ。」
「果たして貴方のお目にかかれるのかしらね。」
「ここまで一貫していると最早フリにしか聞こえねえぞ。」
気を抜くと全くもって違う話題になっている。
もしかすると生粋の人誑したる所以なのかも知れない。
随分と生意気な評価だが認めざるを得ない。
「フリじゃないのに辞めてもらえる?益々私が不利になってるじゃない。」
「まあゆっくり話そうやァ。時期尚早。何も結末を急ぐもんじゃないやろ?この後アリスと晩御飯でも行くんやろ?」
「何でわかるのよ。その通りよ。察しがいいじゃない。」
「まあな。確定した情報だからなァ。予言というよりシナリオをなぞったまでや。なあんにもすごい事あらへん。」
「その意見には同意出来るわ。予言なんてたった数回の偶然の連続か予定調和なもんよね。」
「エラいオモロいこと言うなァ。誰からこの情報が流れてるか気にも留めん訳やな。」
「どうせアリスでしょう?その位考えなくたって分かるわ。関係が構築されているなら尚更よ。」
「まあそりゃあそうか。少し考えれば分かるわなァ。ちいとばかりナメすぎたな。」
「不服なものね。他人をナメてばかりいると下からアッパー喰らっちゃうわよ。」
「暴力なんて人に振るうもんやあらへんで。」
「昔は人同士で殴り合う娯楽が存在していたのだから。」
「悪趣味ったらありゃしねえぜェ。」
「なんせ時代柄が違うのだから後出しジャンケンをして勝った気にならない方が良いわ。」
「過去への冒涜かァ。過去への固執がないからこそ出来る所業なんやろうな。」
「一体どこまで他人事なの。その無責任さったらありゃしないわ。」
「期待し絶望し続けているその輪廻は楽しいかァ?」
「楽しいだけが人生だと云うのであれば目に余る程の楽観主義ね。」
「悲観し続けてたら余りにも世界は悲し過ぎるやろォ。」
「まあ、それもそうね。その言葉だけでも覚えておいてあげるわ。」
「役に立たねェ蘊蓄も役に立たせてナンボの世界やろォ。」
「モノで溢れかえって逆に満たされないこの街で言われても説得力がね。」
「やっぱァ悲観的だなァ。」
とだけ言って彼は何か取り憑かれた様にキッチンへと動き始めたと同時にまたしても肝心な一件についてを聴き逃していた事に気付いた。
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engekijin-concours · 2 years
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「演劇人コンクール2022」第一次上演審査 後半 総評
6月に行われた「演��人コンクール2022」第一次上演審査、後半の総評を公開いたします。
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後半選評
平田オリザ
後半週の審査は難航した。投票では大迫さんと濱吉さんが、ほぼ同票であった。 私は大迫さんの総合力も捨てがたく感じたが、審査員全体としては濱吉さんの突出した部分を評価する声が多く、最終上演審査に選出することとなった。審査は純粋に、上演作品について議論されたが、濱吉さんを推す委員には、その将来性、伸びしろを意識した部分がなかったと言えば嘘になる。 『鞄』は抽象度の高い、逆に言えば演出の腕の見せ所の大きな作品だが、思いのほか、上演の振り幅は狭かったように思う。もう少し大胆な演出も見たかったというのが正直なところだが、時間の制約もあり難しかったのかもしれない。 しおと、ひかりさんは俳優の個性を引き出す演出には好感が持てたが、全体の完成度が低く思えた。時間をかけて演出をするタイプなのかとも感じた。 神田さんは、戯曲と向き合わずに強引に自らの演出手法に戯曲を引き寄せようとしているように見えた。前回参加の『お國と五平』に比べて、作品との相性が悪かったのだろうが、それはコンクールでは言い訳にはならない。 大迫さんは、様々な演出の手数を見せてくれたが、統一された世界観がなく、一つ一つの手法が生かされることがなかった。ただ場面場面を裁いているだけのように見え、その裁き具合も、いずれも既視感のあるものでオリジナリティに欠けた。もう少し、意識的、自覚的に様々な手法が駆使されていればと残念に感じた。 濱吉さんの舞台は、経験の浅さ故か、破綻している部分もあり欠陥も目立った。何が効果的で、何が効果を発揮していないかを検証するだけの時間はなかったのだと思う。しかし、それらの欠点を補ってあまりある、ある種の集中力が感じられた。俳優を一定の世界観で制御できている点については、すでに高い完成度が見られた。
私がもともと劇作家だということも強く影響しているのだろうが、毎年、繰り返し、講評では同じことを言っている。まず戯曲と素直に向き合って欲しい。そこには何か必ず、俳優の身体との接点があるはずなのだ。それを探すことでしか、演出の仕事は始まらないように思う。 特に、こちらで指定した戯曲を短時間で演出しなければならない今回のような形式では、より強く、戯曲と向き合うためのある種の「視力」のようなものが必要とされたのではないか。最終上演審査に残ったお二人には、たしかに、それが他の方よりはあったように思う。
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「謎めいた戯曲を演出するために必要なことは何か、考えさせられました。」
志賀玲子
前半の課題戯曲とはうってかわり、後半の課題戯曲、安部公房『棒になった男』第一景『鞄』は、謎めいた戯曲である。登場人物は新婚の女と、その女友達。そして、夫の所有する中古旅行鞄であるところの男。中から音や声が聞こえる鞄をめぐって、女二人が応酬を繰り広げる。謎めいているだけに、各演出家がどのような着眼点で戯曲を立ち上げるか、大変楽しみであった。 しおと、ひかりさんの演出作品は、劇の冒頭、女二人は決して交わらない自らの陣地を守るように、陣地の縁に紙の花を並べたシーンが印象的であったが、それが何を表すのかわからなかった。終演後、花は微笑のシンボルと聞き、微笑の陰に本音を隠して応酬する会話劇という見立てはなんとも魅力的であるが、実際にはやや平板であった。ト書き通り、「顔いっぱいの微笑」をもってこの会話劇が進行していたら、かなりゾクッとするものになっていたのではないだろうか。 神田真直さんの演出作品からは、「様式」や「様式美」への欲望があることが伝わってきた。サングラスをかけて視線をあわさない、強く平板に発話する、俳優の身体間の距離や配置が非常に近いなどの手法で、演出家は俳優の身体や生理に負荷をかけている。しかしながら、負荷をかけられた俳優の身体、その存在感によって表現したいことが、この戯曲とどうつながるのか、わからなかった。短時間の稽古しか許されない当コンクールにおいて、俳優は指示に表面的に指示に従うことはできても、負荷の結果が身体から立ち現れてくるに至るのはむずかしいのではないか。アイデアは、そのまますぐに様式にはならない。なぜこの戯曲をこのスタイルでやろうと思ったのか、そこが知りたい。日本にもたくさんの「型」をもつ芸能がある。一度きちんと向き合ってみてはどうか。 大迫旭洋さんの演出作品は、冒頭、鞄の男が狂言師のように、現代劇とは異なる位相をもって登場し、これから始まる劇への期待をかきたてたが、その後が続かなかった。机と椅子の周りを白いテープで四角く囲んで限定したが、この限定が効果的ではなく、単に空間が狭くなり、動きを制限していたように感じた。会話がヒステリックにならないのは好感を持ったが、劇のクライマックスに向かって盛り上がっていく感覚がなかった。洗濯ばさみやビーフジャーキーなど、小物使いで生み出された面白さが、もうすこし劇の本流に合流していけばと思われた。 濱吉清太朗さんの演出作品は、鞄の男の背中に「劇場」という張り紙があり、劇は舞台と客席とおぼしき空間から始まった。「鞄」は劇場、「彼」は演出家、「女二人」は俳優と客、と後で聞いたが、それはわからなかった。わからなかったのだが、その演出家の独自の解釈が劇に深みを与え、空間構成、衣装の色彩構成、会話の応酬と鞄の絡み、鞄を物として扱う手法などと相まって、秀逸であった。「劇場」という貼紙で、解釈そのものを観客に伝える必要があったのか、そこは整理する必要があろう。濱吉さんの年齢を考えると、逸材の登場に、今後の活躍が期待される。
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「今この戯曲を上演すること���
多田淳之介
私が審査をさせていただいた第一次上演審査後半は阿部公房の『鞄』が課題戯曲でした。私の基準ではこの戯曲の“面白さ”をどこに見出し、どう提示するか、鞄を俳優が演じるという戯曲の指定や舞台の設定についても、何を採用し何を採用しないのか、その解釈に戯曲とのつながりや今上演する必然性を感じられるかという、戯曲上演のベーシックな部分を審査のポイントとしました。
しおと、ひかりさんの上演は、鞄役と女性2人が触れられない距離にあることで、鞄役の俳優の身体が鞄そのものなのか中身なのかが曖昧になることで鞄のイメージが広がって効果的でした。女性2人のスペースを制限していたのも意図は伝わりましたがもう少し俳優の身体や行為に影響があった方が意図が効果として現れたのではないかと思います。限られた条件の中で美術へのこだわりが見えたのも良かったです。
濱吉清太朗さんの上演は、登場しない夫も含めて登場人物たちを俳優、観客、劇場など演劇上演の構造に当てはめていたのは面白かったですし、この戯曲の解釈としてもよくわかりました。ただその解釈の必然性までは感じることはできませんでした。なぜ2022年に演出家の不在という設定をこの戯曲に当てはめたのか、可能性のある解釈だとは思うので、例えばコロナ禍の2年間のことなのか、今劇場の中には何があるのか、私たちが必然性を感じられるフックがあるとなお素晴らしかったと思います。女性2人の会話などベーシックな部分の面白さも丁寧に作られていて、戯曲の読み解きと提示を一番確実にされていたと思います。最終審査に進むに相応しい上演でした。
神田真直さんの上演は、時間をテーマにした解釈で舞台を時計に模した構造も面白かったですが、戯曲との関係性が掴めませんでした。鞄役がほとんど時計役になっていたのも悪い表現ではありませんが戯曲の解釈としては繋がりが薄かったように思います。俳優の視線のコントロールや発話についても台詞との相性が良かったとは思えませんでした。既に得意な手法は持たれていると思うので、今後戯曲にとってベストだと思えるアプローチのための手数が増えていくと、表現の幅と射程が伸びていくと思います。
大迫旭洋さんの上演は、戯曲の設定に忠実かつ面白さについてもよくわかるクオリティの高い上演でした。ただ女性2人の会話が単調になってしまった印象で、2人の関係の変化がもっとクリアに伝わると更に良かったと思います。設定に忠実だった分もう一歩踏み込んだアプローチがあると、この戯曲とはなんだったのか、鞄とはなんだったのか、観客のイメージを更に広げる上演になったのではないかと思います。
僕の評価では濱吉さんと大迫さんで競りましたが、解釈をしっかりと打ち出したのとベーシックな会話の描き方を評価し濱吉さんを推しました。特殊なルールで行われるこのコンクールは、そのアーティストの全てが評価される場ではなく、あくまでルールの中での表現を競う場だと思っています。ただいつもと違う環境というのは、いつもの自分の力が試される場でもあります。いつもは当たり前すぎて意識していなかったことを見つけるチャンスでもあります。いつもは開かない扉が開くということもあるかもしれません。第一次上演審査に“選ばれた”8名すべてのアーティストたちにとって今回の体験が次のステップにつながることを願っています。
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「演劇人コンクール2022」第一次上演審査(後半)の審査を終えて
ひうらさとる
今年も光栄なことに演劇人コンクールの審査員を務めさせていただき、嬉しく思います。 今回はまず「ハラスメント防止ガイドライン」に参加者、スタッフ、事務に関わるすべての人がサインすることから始まりました。エンタテイメント業界も今、時代の間にいるのだなと感じながらの審査でもありました。
他の仕事の都合上、私は後半のみの審査だったのですが、それぞれ個性がありとても面白かったです。
今回は課題戯曲がすべて同じ安部公房の『鞄』、俳優は「抽選で割り振られた俳優」という演出以外はほぼ同じ条件で、演出家の力量、個性の違いがとてもわかりやすかったです。 そして小道具に近所の「DAISO」で買ったものを1,100円まで追加できるという条件もあり「あ、ここはあれを買ったんだな」などと想像するのも楽しかったです。限られた予算で舞台を作るのも演出の一つですから。 オリザさんも総評でおっしゃっていましたが、演劇における“演出”の役割、活かし方がよくわかる形式だったと思います。
安部公房の『鞄』は主人公“女”とその女友達の独身の“客”の会話劇の中のひそやかな攻防戦、そして家にある“旅行鞄”を人が演じるというシュールさが肝の舞台なのでは思います。 特に鞄は重要なキャラクターです。各々の演出家がどう捉えるか注目していました。
まずトップバッター「ノラ」のしおと、ひかりさん。 色とりどりの紙で作った花やダンスを取り入れたリリカルで柔らかな演出の中の会話劇の中に突然異物のようなゴツい鞄の役者さんが現れるのがすごく違和感があって面白かったです。 ただ最初のダンスでの2人のやりとり、後ろのモナリザの絵、花を置いた意味など印象的ではあるものの、バラバラとしていて演出としてうまく機能していないような気もしました。
二つ目の「紙魚」の濱吉清太朗さん。 舞台を立体的に捉える演出がとても新鮮でした! 最初女と客が斜め対角線上に対面していて、後ろに“劇場”という張り紙。途中で「あ、これは舞台に出ている役者と観客をなぞらえたものなのか?」と気づいてから俄然面白く見れました。 女と客のマウントの取り合いの会話劇もとてもメリハリが効いていて、攻防が入れ違うスリリングな展開も素晴らしかったです。今回衣装も制約があって限られていたのですが、色違いのTシャツの色を役柄に合わせていたのも良かったですね。 鞄の台詞と被ってわかりにくいところなどもありましたが、とても伸び代を感じるフレッシュな舞台でした。
三つ目は「劇団なかゆび」の神田真直さん。 こちらは以前も演劇人コンクールで拝見したのですが、とてもユーモラスでパワフルな演出だったと記憶しています。ちょっとサカナクションのPVを思わせるサングラスと硬いロボットのような台詞の応酬が印象的でした。 壁にかかった時計の効果などちょっとわかりづらい箇所が引っかかって没頭できない部分単調だった部分があったのが少し残念でした。
最後は「不思議少年」の大迫旭洋さん。 私が観た4人の演出家の中では一番キャリアがある方らしく、とてもわかりやすくこなれた演出でした。テーブルを真ん中に持ってくるベーシックな「鞄」の舞台設定で、目線の移動など丁寧に考えられているなと思いました。 特にヒステリックになりやすい女と客の掛け合いもユーモアがあってキャラクターに魅力があり、家の中に異質なものがある鞄の嫌な感じもよく出ていたと思います。 ただ反対に2人の関係がふわっとしてしまい話の意図がうやむやになってしまったところも。ラストもちょっと上手く収まってない印象を残してしまい惜しいなと思ってしまいました。最後に残る印象がとても大事ですから。
審査の結果、最終上演審査進出者は「紙魚」の濱吉清太朗さんに決まりました。 フレッシュな勢い、まだまだ未知数を感じる伸び代に掛けた結果だと思います。 「豊岡演劇祭2022」の期間中に行われ、一般観客の皆さんも投票する最終上演、私もとても楽しみにしています!
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kumamotomusicinfo · 2 years
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熊本市東区『YARD』の音響機器選定・設置、防音・遮音工事を実施
訪れる人の五感すべてを癒す接客、施術、空間を目指していらっしゃる美容室の、音質向上を目的とした音響機器の選定および設置と、防音・遮音工事を行いました。今回は電源コンセント以降を担当し、PC→DAC→パワードスピーカーという構成は変えずに行いました。まずはノイズ対策として、電源タップをOAタップからノイズフィルター付きでアースの取れるものに変更しました。また、DACはバスパワーでしか使用できないものから外部給電できるものに変更しました。スピーカーの設置場所が壁から近い位置にありスピーカーの背面にあるバスレフポートから後方に低域が回り込んでいたため、スピーカーは前面にバスレフポートがあるものに変更しました。インシュレーターは床面に滑り止めマットを敷き、その上にコンクリートブロックを置くことで固体伝搬音の抑制や揺れ防止を狙いました。防音・遮音については、話し声や生活音などの空気伝搬音の減衰を目的に行いました。店舗部分と住居部分の狭間にある木製の扉の片面全体に遮音シートと防音材を貼り付け、ノブをレバー式から握り玉式へ変更し、防音テープと木材でドアと枠の隙間を無くし密閉度を高めました。
<店舗情報>
YARD
熊本市東区栄町4-7
https://yard096.tumblr.com/
<使用機材>
電源タップ:FURMAN SS-6B
DAC:S.M.S.L SU-8
ケーブル:MOGAMI 2354(1m)✕2
パワードスピーカー:iLoud Micro Monitor
KUMAMOTO MUSIC INFOでは店舗の音響のご相談、BGM用プレイリスト作成なども承っています。詳しくはお問合せください。
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tsukubaremodel · 3 years
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洗面化粧台:BGAシリーズ チャコールウッド 洗面所入り口にあったトイレの扉の位置を変えた事でスペースが確保され使いやすくなりました◎ @東京都大島 つくば市にありますリフォーム会社です。 さまざまなリフォームのご依頼承ります🏠 全面リフォーム、部分的なリフォーム、外構工事等小さな事でもお気軽にご相談ください。 お問い合わせ[email protected] Tel 029-845-7191 *************************************************** 茨城県つくば市島名891-1 当社ホームページhttp://www.tsukubaremodel.co.jp *************************************************** #洗面所リフォーム #クリナップ #扉位置変更 #BGA シリーズ #ダストピット #ゴミ集積場 #自治会ゴミ集積場 #集合住宅ゴミ置場 #物置設置 #物置 #ヨド物置 #カーポート #ウッドデッキ #サイクルポート #リフォーム #リフォーム専門店 #リフォーム事例 #つくばリモデル #外構工事 #外構リフォーム #外構 #UVフロアコーティング (Tsukuba, Ibaraki) https://www.instagram.com/p/CM_VUgwHgbB/?igshid=1dyuktfizk3nx
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自己記録のブラントラウトとビッグベイト
こんなタイミングで更新しないでいつ更新するんだろう?と心の中の自分がぼやいていたので、お久しぶりに筆をとりました(パソコンを開きました)。皆様元気にしていますでしょうか、僕は相変わらず元気で暇です。
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”このタイミング”というのはタイトルの通り、数年ぶりにブラウントラウトの自己記録を更新できたこと。ソロだったので持っているところはないのですが、あの体躯の素晴らしさが十分伝わる写真は残せたと思ってます。しばらくはこんな魚会えないだろうなぁ、と名残りおしい美女でした。美女というのは多分メスだったから。自分の覚書としても、今思ったことを書いておこうと思います。
かれこれビッグベイトに特化してトラウトを狙い始めてから6年とかになるらしく、1年の限られた時間を正に走り抜けた感があってそんなに時間が経ったのが信じられないぐらいなのですが、積み重ねた時間と魚は嘘を吐かないので、歳とったなと(笑)。3年ぐらい前にタイニーに出会ってからまたこの釣りの世界が開けた気がして、自分にしてはかなり真面目にまた釣り自体と向き合うきっかけをくれたのもこの釣り。今でも常々思うのは、大好きなパイクフィッシングと通ずるものがあるからなんだと思う。
前置きが長くなってしまった。この日は、というか先週末は絶対に魚が「動く」タイミングだとは思ってました。後付け論になってしまうけど、実際に先輩アングラーが80オーバーのレイクも釣り上げていて、理由は色々あると思うけど間違いなくキーとなっていたのは高気圧。しかも今回の高気圧は過去10年で一番寒いと言われた極寒の解禁日の後の最初の高気圧で、気温も最高気温0度から一気に20度みたいなタイミング。週末は外せない用事があったので、週明けにたまらず飛び出していったのでした。晴れの日よ!普段口を使わない、騙せない魚を騙すためにオラに力を貸してくれ!!
一応今シーズンKokanee Redの初レイクは釣れているし、タイニーで口を使う魚がいるのも分かっているエリアなので最初からK9をセット。実はK9を投げるのが初めてではなくて、過去に中禅でも2バイト。実際にこのルアーで釣ったことのある人にも会っているので、ある程度の答えは見えているけどそれを聞いたのと体験したのとでは全く別のもの。それにこのサイズのルアーじゃないと騙せない魚がいると前々から思ってはいたもののどうしてもタイニーのバイト数の多さに甘えていた部分も(笑)この日は久しぶりのソロだったのでいつもより冒険したい欲も強めなのでした。
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タイニーで釣れた今年の解禁レイク 
さてしかし、釣りを初めて間もなく数十メートル隣に入ってきた釣り人2人のヘッドライトがライトトラップばりに眩しい。僕がクワガタだったら飛んでいってしまうレベル。最近は珍しくないのかな?まだ暗い水面を煌々と照らしたまま釣り始め、僕がキャストする度にこちらに顔を向けるものだから眩しい...。このままでは釣れなかった時にそのサイクロップスたちのせいにしてしまいそうなので、さらに距離をとって釣りを再開。上から照らされているわけではないしわざわざ消してくださいってお願いしに行く距離でもなかったけど、あの距離で人間が「眩しい!」ってなる光を水面に向けておくメリットはないと思うけどな。でも照らされていなかったらあの同じポイントでもあのコースを通さなかったかもしれないのも事実なんですよね。
そこからの答えはあっという間で、新しい立ち位置から投げる方向をズラした2投目。リーリングを半回転ずつぐらい止める形で、一定のリズムで大きめのグライドを描いていたであろうルアーがズズンと止まりフッキングを入れた瞬間からずっしりした重みとグイングインと魚の暴れる感じが伝わってくる。ナイロンラインでは久しぶりに聞いたキュインという水を切る音に「これデカイかも...」となり、そこからはよく覚えてないけど超太いレイクだと思ってネットイン。しかしよく見てみたら極太のブラウンだったのでした。
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75cm、体高も20cmあり多分重さを測ったら5kgはあったんじゃないかと思う。重かった。��イズもサイズなので長生きもしているのでしょう。老獪さの溢れる顔に歴史を感じる鰭の雰囲気、どれをとってもカッコ良い。蘇生にも時間がかかりました。目に力が戻るまで逃げてしまうことも少し覚悟して岸際でエラに水を送る。薄暗かった世界が気づくと少し明るくなってきて、より細かい魚の表情が見える。目が動く。マジでありがちゅん。謎の口癖がまた出る。
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ギョロギョロ
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伝われ体高
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メスだよね
デカイの釣った時あるあるだけど、あんまり満足に写真も撮れないままリリース。もう会えないかもしれないサイズで名残惜しい魚であるほどそれに反比例して、早く生きて返さなければとなる。こっちの気も知らずにかなり堂々とした泳ぎっぷりで消えていったのでした。
KLASHとブラウンには何か因縁じみたものを感じてしまう。タイニーの初フィッシュも70アップのブラウンだったし、K9で初めて釣れたトラウトもブラウンでしかも自己記録。なんだかまた新しい扉が開いた気がしてワクワクしてしまってます。今では実績も十分、たくさんのビッグトラウトと出会わせてくれているタイニーだけど、少なくともこの魚は今までタイニーに食ってはこなかった。ここから先は妄想になってしまうので話半分で聞いてもらって構わないのですが、このサイズに育つまでそれなりの年月が掛かったと思うし僕はなんだったらこの魚は何度もタイニーを見てるんじゃないかとも思っていて、そんな魚を結果騙せたのはこのサイズと質量があったからだと確信に変わったものがあります。フックの掛かっていた位置も下からベリー目掛けて食い上げてきた感じで、迷いのない捕食だったんだろうなと。間違えて捉えられてほしくないのは、大きいルアーで釣ったからエライとか凄いとかではなくて、この釣りだから釣れる魚がいるから信じて投げていること。アベレージは大きく時にバイトも丸見えの釣りなので一匹の満足度が高いのは確かだけど、食ってきたら凄いだけでは投げられません。食ってくるから投げるんです。
釣った魚の部分はずいぶん短くなってしまったけど、思い出に残るイッピキがまた増えて嬉しい釣行でした。インスタにも書いたけど、釣りに通い投げ続ける意味は、釣りや道具に対する理解を深めることだと思います。もちろんいきなり結果が出なくても、その釣れない釣りを通してじゃないと知り得ないものがたくさんあって、辿り着くまでの過程やスピードはそれぞれバラバラでも、価値ある一匹に出会った釣り人は皆どこかで繋がっているような気がしてます。
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なんかたまたま大物を引き当ててしまったもんだから饒舌な感が否めませんが、こんな時ぐらいしか伝える機会もなかったりするのでこんな釣りのスタイルを様々な面でサポートしてくれるメーカーや仲間に本当に感謝です。そして解禁までにカラーサンプルをあげてもらうという我儘を聞いてくれたDRTチームに心からBig Thanks。No 9, no brownie. でした。
ROD:HuercoXT605-4C,Huerco REEL:CURADO K 200XG, shimano LINE:SUPERTROUT Advance BIG TROUT “KATCHI-IRO”22lb, VARIVAS LURE:KLASH9 Low (Lipless, mode-B), DRT
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