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#今日のガッちゃん
honnakagawa · 1 year
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1月25日(水)open 12-18 お日さまが出てきましたが、寒い一日です。 どうぞ皆さま、無理なくお過ごしくださいね。 今日は『暮しの手帖 22号』の発売日。 表紙画は春の景色が眩しい、水沢そらさん! 春が待ち遠しくなります🌷🐛 そして今回も、私はまず北川編集長の「編集者の手帖」から読みました。 ちょうど、本・中川で『暮しの手帖』を取り扱いはじめたのが、北川さんが編集長を引き継がれた頃からです。 2020年の早春号のコピー「丁寧な暮らしではなくても」から、今回の号の「普通をしっかりやっていく」へつながる想いを読み、胸がいっぱい。 ちょうど、この2020年早春号より、バックナンバーも揃っていますので、是非お手に取ってくださいね。 早い、新しい、大量、効率のよい情報や仕事、という場所から離れたくて、一人始めたこの本屋で、この秋に75周年を迎えられる『暮らしの手帖』を発売日に並べられる、ということに改めて嬉しが込み上げます。 北川さんも書かれているように、まっとうな本づくりをこれからも続けていただけるように、1人でも多くの方が『暮しの手帖』を読んでくださるといいなぁ。 今号の「目利きの本屋さんに聞いてみた」にて、「散歩は楽しい」というテーマで、一冊の本をまたおすすめさせていただいています。 今回は、絵を平澤一平さん、文を益田ミリさんが手がける2コマ漫画『今日のガッちゃん』をご紹介しましたよ。 店頭にも並んでいますので、是非。 読んでいて同じ気持ちになるのが、表紙画を描かれている 水沢そらさんの著書『ちゃっくん』の中に登場する、猫のチャビーが外の世界を大冒険をする「The Great Escape」というお話。 『ちゃっくん』も店頭に並んでいますので、こちらも皆さま是非! 長ーくなってしまいましたが、中川へのお客さまは今のところ猫と鳥たちのみという事が、足跡からわかります。
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takigawa · 1 day
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短編小説「じゅたろう」 ① 9回裏 1-3 ワンアウト一、二塁 地区予選大会決勝。相手チーム南園学園は140kmの速球と125kmのスライダーを誇るサウスポーのエースピッチャー野村。 俺たち大友商業の3番セカンド北川は手堅くまずは得点圏に同点ランナーを進めて4番安藤、5番のオレ久富に回そうと送りバントの構え、そこに野村の高速スライダーが右バッター内角に食い込む。ガッと鈍い音がして、バントの打球は転がらず三塁側に変な回転の飛球が少しだけ上がる。野村がノーバンで拾おうと、マウンドを猛ダッシュで駆け下りて来る。 二塁ランナーは三塁に猛ダッシュする。一塁ランナーはノーバンで捕られたらゲッツーで試合終了になると考え迷ったが「捕られたら二塁ランナーは飛び出してるし、どっちにしてもゲッツー」と思い遅れて二塁に走る。ピッチャー野村は打球に走るが寸前でノーバン捕球は間に合わず、瞬間、迷ったが何とフォースアウトを狙い三塁に豪速球を送球。間一髪アウト!ツーアウトだ。 三塁手はすかさず、アウトに出来れば試合終了と、走塁が遅れている一塁ランナーが向かう二塁に猛然と送球。アウトのタイミング!一塁ランナーは二塁にヘッドスライディング。土煙りが上がる。 「終わったか、、、」とその時、ボールが二塁に入ったセカンドのグラブから溢れた。 「セーフ!」と大きな声が響く。 送りバントは失敗したが、辛うじて試合は続く。 9回裏 1-3 ツーアウト 一、二塁 バッターは4番こちらもサウスポーの安藤が左打席に入る。地区大会首位打者の安藤はこの試合まで4割を超える打率だったが、相手エース左投手の野村に押さえ込まれてノーヒット、三打席とも詰まった内野ゴロ。普段は明るく人気者の安藤の表情は野村の前にやや硬く見える。 一方、左ピッチャーが好きなオレは野村からセンター前ヒット、レフト前ヒット、そして、7回に今日の大友商業、唯一の得点をソロホームランで叩き出してる。 「フォアボールでもデッドボールでもいいから、オレに回してくれ」満塁になれば、ツーアウトだから、ランナーは全員思い切り走れる。 ヒットでも同点に出来るだろう。 1球目 内角速球を引っ張った安藤の打球は又、詰まって一塁側に転がる!観客席から悲鳴と歓声が同時に響く。 「ファール!」主審の声。 2球目 サウスポー野村の切れ味鋭いスライダーが外角を襲う。安藤、空振り! ノーボール、ツーストライク。 あと、一球で試合終了か。 3球目 更に外に少しはずしたボール球のスライダーに泳いだ安藤が手を出す!ポップフライが三塁側に上がる。さっき猛然と二塁に投げた相手サードがファールグラウンドに走る、走る、レフトも走って来る。再び耳をつんざく歓声と悲鳴。 「落としてくれ、、、、」 ファールグラウンドから観客席ギリギリ打球が飛ぶ。 入った。 観客席に入った。 「ファール!」 「タイミングが全く合ってない。」オレは呟いた。 「安藤!最後だ!悔いなく思い切って振り切れ!」オレは叫んだ。 安藤はこっちを向いて、日焼けした顔、切れ長の目で少し、はにかむように微笑んだ。 あれ?こいつ硬くなって無いのか? 4球目 またタイミングが合わない高速スライダーだ!安藤が右足をグッと踏み込んだ。泳いで無い。 すくい上げた。 パキーン!と甲高い打球音が球場に響いて左中間の深いところににボールが飛ぶ。飛ぶ。飛ぶ。 観客もピッチャー野村も安藤もオレもベンチの選手も審判も白球の飛ぶ夏空を見上げる。 一塁ランナーも二塁ランナーも見上げながらも走る、走る、走る。 「行っけ〜!!!」とオレは叫んだ。 と、センターが手をあげた。 打球が青空から落ちて来る。 悲鳴と歓声がこだまする。 安藤は一塁に走りながら、また、微笑んだ気がした。 安藤が右腕を突き上げている。 入った。 観客席に入った。 ホームランだ。 アレ?スリーランホームランだ? あれ?という事は? 4-3の サヨナラだ!!! 時が止まったような球場のベースを安藤がゆっくりと回っていく。 ピッチャー野村は膝を折った。 ニコニコ笑った安藤がホームベースに着く頃、オレたちはみんな安藤の笑顔を揉みくちゃにすべく、ホームベース上に���まり、抱き合って、待っていた。 「ゲームセット!」 「いいとこ、取りやがって!」とオレは叫んだが、果たして、ツーアウト満塁になってオレなら本当に結果が出せたのか??? そんな事は今は良い。 とにかくサイコーだ。 この日、オレと北川や安藤や野球部の仲間はサイコーに喜んでいた。 (②定食屋「イカ天」に続く) https://x.com/takigawa_w/status/1787822221651845444?s=46&t=8Vf8aUwk_B-ZbQ5UAGv05w #短編小説 「#じゅたろう」 #野球 https://x.com/takigawa_w/status/1787822805494739318?s=46&t=8Vf8aUwk_B-ZbQ5UAGv05w
https://x.com/takigawa_w/status/1787822805494739318?s=46&t=8Vf8aUwk_B-ZbQ5UAGv05w
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palakona · 3 months
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反対側
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
どうも、こんにちは。2月10日(土)は、阪奈園へら鮒センターに行ってきました。営業開始の7時をちょっと過ぎて到着しましたが、釣り客は数人で全員1号池。2号池はどこでもはいれます。とりあえず前回釣れた奥の枡を目指します。おや?動物の足跡が。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
竿は軟調子の名竿師の朱塗10尺。これで掛けると楽しいのでよく使うんだが、最近は魚に嫌われて釣れてないw。11尺で釣れるんだから釣れないはずはないだろうと今日の先発です。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
浮子はクルージャンのTKO1号。いい浮子ですね。今日も釣れなかったけどw。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
全然っ釣れねえ…。2号池貸切だったのが、中桟橋に二人入ってきて、しかもこちらの向かいにお入り。後から来て先に釣られると嫌やなあ。最初の枡はヘチの隣だが、約1時間エサ打ちしてもサワリすらないのでヘチに移動。とりあえず竿は10尺のまま。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
2度目の移動。今度は最初の枡から左に一つ空けて入る。前回はhowellsさんが9尺で釣ったところ。竿は10尺だが、全然っ釣れねえ…魚信どころかサワリさえ無い。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
何故10尺で釣れないwww。僕には鉄板の11尺に尺数変更。高野竹の竹肌が好きなので「池の坊」の11尺です。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
浮子は舟水の「冬の底釣り極細パイプ」です。お膳のペレットは気にしないでくださいw。黒いマットが貼ってあったんだが、端が剥がれてきてペレットの粉が入り込むので剥がしました。こびり付いたペレットを掃除しなくては。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
全然っ釣れねえ…。サワリすら無い。ノーピク。魚信なしボウズになったらどうしよう。ふと思ったんだが、2号池は3人しかいないのに東詰めに3人固まってるし、西詰は誰もいないからチャンスがあるんじゃ?もっと単純に、来るたびに釣れる場所がコロコロ変わるので、今日は東詰がサワリすら無いのなら、西詰が釣れるのでは?東詰ヘチにもう一度11尺で入ったがやはりサワリすら無い。そんな時howellsさんから電話がかかってきて、howellsさん曰く「そんなに釣れへんかったら中桟橋の西詰寄りに入ってみたら?(つまり対角)」と。30分だけヘチを11尺でやってから移動と思ったが、サワリすらないので30分を待たず西詰に移動。午前中の釣況は、朝は誰も釣れてなかったが、昼までに1号池で4人ぐらい釣ってた。2号池は3人とも釣れず一人が1号池に移動。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
西詰に移動してエサ打ちしていると、30分ぐらいでサワリがあったと思ったら綺麗な節魚信(ふしあたり)。やった!と愁眉を開いたが、掻いてました…
(ノ_-;)ハア…
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
掻いたから魚が散ったかな〜と思ったが、サワリがある。綺麗な節魚信来たー!ボウズ脱出〜。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
「ツンツン」って感じの魚信。サワリかビミョーだったがアワセたら掛かった。2個喰いしていて一つがアッパー。掻いたと思ったやんw。紛らわしいことすなw。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
その後はポツポツ釣れて…5枚目と6枚目は、浮子がツーッと横に移動でアワセたらガッと掛かった。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
ラスト2投目が「上がりベラ」となりました。なんと一荷。阪奈園HCのヘラブナは河内鮒やからカッコいいですね。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
ということで、2月10日はヘラブナ8枚でした。午前中ボウズで場所替えを繰り返して午後8枚。冬は腕より場所ですね…
全体的に釣況は渋いみたいで、1号池も中桟橋の南向きで釣ってた人も途中から北向きになったからあまり釣れてなかったんかな?
では、また。
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saritamix · 2 years
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出産
7/20
まずは誘発分娩を試みるため子宮口を拡げる処置をした。お風呂に入れなくなるのでこの日は10時頃にシャワーを浴びた。
11時過ぎ、内診で指を奥まで入れられる。せいぜい1cmくらいしか開いていない。この段階でもう泣き叫ぶほど痛い。ラミナリアという棒を3本入れられる。絶叫して泣く。
医師は「夜にバルーンを入れるけどこれよりは痛くないからね」と言った。マジか。それからいつも通り時間に追われる生活をし、ラミナリアを抜いてバルーンを入れた。お腹の中が痛い。腰も痛い。下半身すべてが痛い。自分の声も汚い。夫と通話しながら痛い痛いと泣く。夫の電話先では義実家の声が聞こえてきた。頑張れという声が聞こえたような気がするが、全く嬉しいと思えない。むしろ腹が立つくらい。誘発分娩舐めてた。もうこの時点で心が折れかける。
7/21
7時前後、助産師が入室し着替えるように指示される。体重測定をし荷物をまとめLDR室へ入る。モニターをお腹、両腕には血圧を下げる点滴と促進剤を入れる点滴、左腕には自動の血圧計が付けられる。
8時前後、点滴で水を入れられる。砕けるような腰の痛みと闘いながら血糖値測定をする。
9時過ぎ、産科医が来てバルーンを抜かれる。回診やエコーをやってくれる産科医は複数人いて、この時の人は苦手な医師だった(お腹のエコーもガンガン押し当ててきてめちゃくちゃ痛かった)。子宮口に指をガッと入れられたけど、私があまりに痛がったせいかすぐに抜いて助産師に「子宮口の開きを見といて」と言って早々に立ち去る。無性に悲しくて惨めな気持ちになる。眼鏡越しのあの冷ややかな目、怖い。
10時過ぎ、点滴は少し動くだけでピーピー鳴るからなかなか落ち着かない。スマホも満足に触れない。寝返りもモニターが付いているからなかなか出来ない。動く度に腰が痛い。頻尿だからトイレに行きたくなる。トイレに行くにはいちいちモニターを外して貰い、点滴を持ってドアから歩いて離れたトイレに行かなければいけない。そして尿はいつも通り溜めないといけないのでいちいちカップを取らなきゃならない。腰の痛みに耐えつつ椅子から降りてノロノロ歩きながらトイレに行く。点滴が両腕に2つあるので助産師の補助がないとトイレにも気軽にいけない。人間としての尊厳がガリガリに削られている気分。
12:45 血糖値測定とインスリン注射と昼食。ここでも時間が来たら血糖値測定を自分でしなければならない。その度に体を起こすのも辛い。
13:20促進剤増やされる。両隣の部屋からは産声が聞こえた。いいなぁ。私も早く産みたい。終わりたい。
途中から余裕がなくなり、時間と内容のメモをとるのをやめた。20時過ぎまで上記のようなことを繰り返した。もう何かに縋るような気持ちで過ごしていた。結局破水せず陣痛も来ずでお産には至らなかったので、またバルーンを入れられて明日の朝に再度挑戦ということになった。
前向きに頑張ると言ったのに頑張れていない無力感でいっぱいだった。
7/22
8時過ぎ、バルーンを抜いて子宮口の拡がりを確認される。せいぜい2cmくらいらしい。絶望的な気持ちになる。12時くらいまでダメなら帝王切開になることも考慮すると言われ(子宮口の様子を見つついけそうなら継続する可能性あり)絶飲食になる。お腹は空かない。ただ、喉の乾きが段々酷くなり辛くなる。お腹の痛みは昨日より強いのに陣痛が来る気配がない。喉がカラカラなのにトイレには行きたくなる。トイレに行く時に助産師に喉の乾きを訴える。トイレでうがいのみ行って良いと言われうがいのみ行う。これをあと3時間以上、もしくはそれ以上耐えなくちゃいけない。そう考えたらクラクラした。
13時前、心と体に限界が来る。あんなに生きたいと思っていたのに。辛すぎて夫にしにたいとメッセージを送る。号泣していたところ産科医が入室。1番好きな医師で涙腺が崩壊する。もう無理、耐えられないと泣きながら訴える。医師は優しく、でも少し残念そうな顔で「帝王切開にしよっか」と言った。せめて腰の痛みがなければもう少し頑張れた、と言うと「充分頑張ったよ」と言われ更に泣く(7/25のMRIで分かったこと。お尻の骨辺りに微細な骨折の治りかけの跡があったらしい。骨折していたから助産師のアドバイスの何をしても改善せず、激痛だったのかもしれない)。
13時30分に帝王切開を行うと言われ、バタバタと手術の準備が始まった。寝たまま剃毛されて手術着に着替えさせられた。その後、ストレッチャーに移され急いで手術室に運ばれた。産科病棟を出る時、別の助産師に励まされる。正直、怖いという気持ちは全くなく安堵感でいっぱいだった。色んな人から貰った優しい言葉だけを頭の中で何度も何度も反芻させていた。私も帝王切開で産まれたし大好きな友だちもフォロワーさんも職場のあの人もみんな頑張って乗り越えている。だからきっと大丈夫。
オペ室の前で1度止められる。助産師がオペ看に引き継ぎを行っていた。アレルギーの有無や歯について等、いくつか質問をされる。その後オペ室に入室。オペ看は説明をしながらずっと私の手をさすってくれていた。きっとものすごく恐怖を感じていると思われているんだろう。麻酔科医も入室してきた。「適宜状況を説明しますから安心して下さいね」と言ってくれた。状況の説明をしてくれるのは本当にありがたかったし、LDR室にいた時とは大違いだと思った。あの部屋にいた時は助産師が1名または2名ずつ機械的かつ定期的に入退室を繰り返し、色々な処置を行っていた。基本的にこちらから質問するまでは詳しい説明はしてくれず、ただ淡々と作業をこなしている状況が恐ろしくて苦痛だった。
麻酔を背中に3本ほど入れる。針は痛いけどじわじわ下半身の感覚がなくなってくる。尿カテーテルを入れられた。痛くない。腰の痛みも全く感じない。嬉しい���執刀医は私の好きな医師だから何も心配していなかった。
オペ中は必要最低限の会話以外ずっと無言のイメージがあったが、執刀医含め周りは普通に雑談を交えながらオペを行っていた。それも私に安心感を与えた。横にいる麻酔科医やオペ看に自分から雑談を出来るほど冷静だった。10歳頃に木から落ちて全身麻酔4時間の手術を行ったこと。その時の自分の方が弱音を吐かず頑張っていた記憶があるので、入院してからずっと頑張れていない自分に対して情けない気持ちを持ち続けていたこと。そんな話をした。
麻酔をしてもお腹をグイングイン押されたりグニョグニョされる感覚がすごかった。痛くはないけど変な違和感。麻酔科医がその時その時を教えてくれたけど、気持ち悪い感覚だなと思った。
14時13分
赤ちゃんが取り出され産声が聞こえた。肺はちゃんと完成されていた。良かった、と心から思った。小児科医が横に赤ちゃんを連れて来てくれた。赤ちゃんの皮膚は赤く、しわくちゃの顔で泣いていた。この子が本当に9ヶ月間も私の中にいたのか。なんか不思議な気持ち。
触れても良いと言われたので手や足に触れる。この感情を上手く表現出来る言葉が見つからない。ただ、涙が止まらなかった。早々に赤ちゃんはNICUに連れて行かれ、私の縫合の処置が始まった。ここから先はあまり覚えてないけど意外と時間がかかるな、寒いなと思った。処置が終わりリカバリー室に連れて行かれる。体が寒くて仕方ない。温風が出る機械で温められ、その後部屋に戻って寝かされた。両足には血栓防止のポンプらしき機械が取り付けられる。ちょっと気持ちいい。
部屋に戻され1人の時間になれたので、夫・友だち・家族等に出産の報告をした。
その後、小児科医から夫を今日呼べるか?とお達しが入り夫を呼び出す。NICUへの入院手続きを行ったらしい。
夫も私も直接会えないが、zoomで赤ちゃんの姿を見ることが出来た。夫によく似ているなと思った。
その後、眠気が来たので眠った。
尿カテーテルを入れているのでトイレに行く必要がなく、麻酔が効いているので腰の痛みも全く感じない。入院してから1番快適に眠れた夜だった。
その夜、入院して初めて安らかな夢を見た。赤ちゃんの口元にキスをする夢だった。キスをした後『あ、虫歯菌が移る。ダメだ…』と思ったら、赤ちゃんは嬉しそうにニコッと笑ってくれた。それだけでとても幸せな気持ちになれた。
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2022.07.22
35w 4d 2356g
午後2時13分
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rosaliaolenyeva · 2 years
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📛 151) "もっと Tokyo (東京都内の銭湯、入浴料を (きっとおそらく) 500円に値上げ)" 始まる。
だらりとしながら 「銀魂」 を観ています。今回は 第36話 「すねに傷がある奴ほどよくしゃべる (ドリームキャッチャーと服部全蔵と大江戸マートで100ヶ)」。第37話前 「サンタなんていねーんだよって言い張る奴こそホントはいるって信じたいんだよ (けん玉と熱燗)」。第37話後 「煩悩が鐘で消えるかァァ 己で制御しろ己で (大江戸マートで服部全蔵と少年ジャンプと蛇ころしな大晦日)」。第38話前 「雪ではしゃぐのは子供だけ (第一回チキチキかぶき町雪まつりの中の さっちゃんとてぶくろ)」。第38話後 「冬に食べるアイスもなかなかオツなモンだ (冬の花火と 魂に刻んだ記憶は何があっても消えねえって俺は而思いたいね)」 といったお話でしたけれど、そんな物語を点けながら 読み直し 「ダークタワー ("The Dark Tower" Stephen Edwin King、角川文庫)" しています。現在、第1巻 「ダークタワー Ⅰ ガンスリンガー」 を読み終え、ちょいと番外編で短篇な 「エルーリアの修道女〈暗黒の塔〉外伝 ("The Little Sisters Of Eluria" 「第四解剖室 (新潮文庫 2002年)」 をも ガッと読み終え、第2巻 「ダークタワー Ⅱ 運命の三人 」 のはじまり、これまでのあらすじの "ヘイ・ジュード" あたり)" を開いています。
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sdeet · 9 days
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映画『炎のアンダルシア』を観た
イスラーム映画祭9でユーセフ・シャヒーン監督『炎のアンダルシア』(原題は『運命』:المصير、フランス語タイトル:Le Destin)を見た。
 『炎のアンダルシア』は中世イスラーム圏の哲学者イブン・ルシュド(ラテン語呼びではアヴェロエス)が主人公の映画。イブン・ルシュドはアリストテレスの著作の註解をしていてそれがヨーロッパ圏での哲学でかなり重要な位置にある有名な人物です。
 何年か前に「アヴェロエスの映画がある」という話を聞いて、そんなんあるんだ!? 観たい! と思っていたら観る機会が訪れたので観てきました。ありがたい。
 哲学者が主人公の映画だけど歌と踊りあり(アヴェロエスが歌い踊るわけではない)謀略と暴力がはびこるエンタメドラマ映画だった。タイトルにも��る通り舞台は12世紀のイスラーム化しているアンダルス(現在のスペイン)なんだけど、この映画はエジプト映画(監督がキリスト教系の環境に生まれたエジプト人だそう)で撮影場所はエジプト、シリア、レバノン、フランスらしい。スペインでは撮影してない様子。映画の冒頭はフランスのラングドック地方。って字幕で出たけど、具体的にはカルカソンヌからスタートする。アヴェロエスの著作を翻訳した男が馬で引きずり回されカトリックの教会権力によって火炙りになるのが冒頭のエピソードである。この時代のカルカソンヌ、フランス南部ていえばカタリ派とかヴァルド派とかが思い出されるわけで、話の軸に(宗教は違えどどこにでも)異端弾圧があることを示し、その暴力を具体的に見せつけられるところから始まる。
 そこから場面はアンダルスのアヴェロエスの方にうつる。火炙りにされた翻訳者の息子がアヴェロエスの元に身を寄せるという流れなのだが、登場人物はここからガッと増えて群像劇になる。アンダルスのカリフの凱旋、その息子である王子たちとの親子関係のうまくいかなさ、カリフの親友であるところのイブン・ルシュド(アヴェロエス)は敵対する宮廷人の謀略にハマり徐々に信用を失ってゆき、思想が危険であるとみなされ、敵対者が支援するセクトが隆盛して王子の一人が拐かされ、イブン・ルシュドの友人である詩人は殺され、そして十字軍が迫ってきて……と盛りだくさんの内容だった。
 カリフからの信用を失ったイブン・ルシュドは追放を言い渡され著作が焚書になるのだが、カリフの息子たちの成長と改心などなどがありカリフの思い込みは覆され悪は追いやられ大円団となる。
 エンタメ映画なので史実としての人物像や出来事の話というわけではない。描かれているのは、言葉の力、あるいは、言葉があっても意味をなさないこと、どうやって人を、考えることなく判断することなく同じ言葉を繰り返し殺人を厭わないほどの従順な状態に置くか、誰を仲間とし誰を敵とみなしてしまうのか、人間の弱さと不信のありか、街に暴力が跋扈してもそれを冷静に見物して何も止めない民衆たちという図。
 この97年の映画が今上映されるのは、いくらでも現在に当てはめなおして読み直せるからなんだと思う。
 メモ:セクトの様で、聖典を字面通り受け取る教義なら多分歌と踊りを否定する派閥なはずだけど結構スーフィズムっぽく描かれているなーと思って見てたら、上映後の解説でもそれが指摘されていて、意図的に混ぜているんじゃないかなあということだった。スタイルがスーフィズムっぽくなるのは滲み出るエジプトっぽさ(?)なのかなと思って見ていたが、現実のテロ組織の動員方法を参照しているのであれば(因果が逆かもだが)その辺の一貫性のなさはむしろリアルなのかも。
 セクトの構成員は聖典の内容をちゃんと知らなくても読めなくても信仰さえあれば良いという感じに描かれていたので、いろんなものを想起せざるを得ずわりとつらい。あと自己開示せよみたいなかんじとかな。
 日本では「歌に力がある」というの、実際に意識や感情に侵食する効果があるものではあるが結構フィクション前提という感じだと思うのだが、この映画の登場人物の一人である詩人を演じている人はエジプトで有名な歌手だそうで、作中で繰り返し歌われる歌があるのだがそれは人を動かす力がある(なのでセクトに殺されてしまう)。
 2010年ごろの中東〜北アフリカで起こった民主化運動アラブの春の時期、エジプトでも若者による反政府デモがあって、詩人役だった彼はそれを応援する歌をyoutubeで発表したとかでごりごりに「歌に力がある」を地でいっており、お強いと思った。あるいは明確に私たちと文化が違う。
 書いてて思ったけど、日本で起こることの色々な問題はあらゆるものを「フィクションである」としてしまうメンタリティのようなもんのせいなんかなあってうっすら思ってしまうな。めちゃめちゃ影響があるにもかかわらず自己認識としてはこれは現実のものではない/本心ではない/こういうポーズである/実態ではないみたいな切り分けが無意識にあってみなそういうものという前提になっているというか。「フィクションと現実の区別がつかない」みたいなフレーズが何かを分かってますポーズとして人口に膾炙するのかなり実感を切り離しすぎている自己像が変な状況だと思うんだがな。「感じる」ことにおいて嘘も本当もなく、「感じる」ことは「ある」とみなすしかないので。
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derspericher · 10 days
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砂と骨 #Saipan-Commonwealth of the Northern Mariana Islands
今回は、計4回のうちの使節団の話の最後になる。なぜ4回目がないかというと、4回目はアジアのある国へ行き、現地のレストランで食あたりを起こし、ほぼ寝込んでいたため記憶がない。というか、私はアジアの国々に行く度に私は食中毒になり寝込んでいる。もうアジアに嫌われているんじゃないかとすら思う。出身地なのに。ということでこの記事の後は、使節団に関係のない、大学以降の旅行記に入るつもりだ。
3回目の使節団の渡航先はサイパン。多分中学生だったと思う。部活を休んでわざわざ行った。研修中、半年かけて数名の研修グループの子に馴染むこと自体が大変だった。
サイパン渡航にあたって行われた事前研修は、他の3回に比べると、内容が濃いものだった。今となっては南の島のリゾート地として名前が挙げられる場所の一つだが、太平洋戦争の激戦地でもある。前々回の記事に出てきたパラオは、サイパンでの日本軍とアメリカ軍の激戦とほぼ同時期に大空襲などに遭っている。サイパンでの激戦では日本軍は死闘の末に全滅、後にこの戦いは海上でのマリアナ沖海戦へと繋がった。研修の際はサイパン・パラオ・フィリピン・グアムでの激戦以外にも、ルワンダ虐殺のような一見少し遠くも見える他国の悲惨な歴史も織り交ぜて、戦争を起こす人間の共通点から、人間の残酷さを習った。戦時中の衝撃的な写真を何枚も見た。そのような写真も、史実も、中高の歴史の教科書には載っていなかった
半年の研修を終え、いよいよ現地へ。最初の2日は戦跡学習、その次の日は学校を訪問、そのまま現地の方の家へ2人1組でホームステイを1泊させてもらい、最終日はビーチで遊泳後、帰国、といった流れだった。
戦跡は、スーサイド・クリフ、バンザイクリフ、ラストコマンドポストを回った。
先のスーサイドクリフ、バンザイクリフとは戦時中にそこから多くの日本人がアメリカ軍への投降を拒否し、身を投げた崖を指す。日本兵と共に現地に暮らしていた日本人、現地民のチャモロ人がアメリカ軍の侵攻に対し、山、もしくは海の二手に別れて逃げていった。山へ逃げた者はスーサイド・クリフと呼ばれる崖へ、海へ逃げた者はバンザイクリフへそれぞれ追い詰められ、自決を選んで次々と身を投げた。スーサイド・クリフの崖の下にはタガンタガンと呼ばれる植物が生い茂っているが、彼らの遺体を隠すためにアメリカ軍が散布したものだ。この植物は他の島々の激戦地にも散布されている。バンザイ・クリフは名前から推察できるとは思うが、「天皇陛下バンザイ!」と言って飛び込む日本人たちの姿から付けられている。多くの犠牲者への慰霊碑がそれぞれの崖に建てられていた。スーサイド・クリフには、おそらく他の海外ではあまり見られないであろう、菩薩様の背中に十字架が立っている。この戦争で悲しい犠牲を払ったのは、日本人だけではない。アメリカ人、現地民もだ。
ラストコマンドポストは、名前の通り日本軍最後の司令部が置かれた場所だ。点々と置かれた戦車や大砲を見ながら、ガイドの人から「戦車にある小さく切り込みの入った監視用の穴を覗いてみて」と言われ、覗いてみた。なるほど、小さな切り込みだが、思ったよりもしっかりと見えるものなのだな.....と感心したのを覚えている。
戦地学習の次の日、現地の学校訪問をした。午前中に簡単なレクリエーションをした後、午後にはもうホームステイ先の家族が迎えにきて、私ともう1人の参加者をお家に連れていってもらった。カトリックのお家で、ご両親と姉妹2人の4人家族だった。お家に招き入れてもらってまず見えたのはたくさんカトリック関連の置物とそれを囲むキャンドルだった。その後ろには赤い土壁があり、子供ながらに「美しいな」と思った。宗教的な雰囲気は全く感じなかった。ホームステイ中は英語での会話が主だった。もちろん辿々しい英語だった。ちなみに子供部屋は、リビングのおしゃれさをぶっ飛ばすほどのグリーンバックの壁だった。あの部屋ならいくらでも映像撮影ができる。目がチカチカする部屋の中で、4人で寝っ転がってゴロゴロした。
ホームステイ1日目の夜は皆で映画館へ行き、当時まだ日本では公開されていなかった『トワイライト』を観た。映画館まで車で送ってもらい、館内へは子供達だけで入ったのだが、『トワイライト』のシアターに座るまでの間に、ホームステイ先のお姉ちゃんがいろんなシアターを覗きに行って「これじゃない」「これも微妙」と座ったり立ったりを繰り返した。日本ならあり得ない行動に少し困惑したが、『トワイライト』のシアターに入りやっと落ち着くことができた。上映途中、ジョークのシーンが続き、後ろの客席がゲラゲラワイワイしだし、「日本とは大違いだな〜」と悶々としながら観ていると、隣で観ていたあのお姉ちゃんがガッと後ろを振り向きクソデカい声で「シャラァァァァァァップ!!!!!!!!」と叫んだ。ヒュッと息が詰まった。それ以降の記憶はない。映画の内容も何も入ってこなかった。
ホームステイ2日目は、ビーチへ連れていってもらった。車で海まで向かい、道端から小さな草むらをかき分けて進むと、パッと海が広がった。あの時、草むらの向こう側で「海だ!」と言って振り返ったお姉ちゃんと妹の笑顔と、それまで見たことのなかった海を、たまに思い出す。海の沖で波が打ち合っている。打ち合っている波の手前側はエメラルドグリーンで、向こう側はブルーだった。不思議だな、と思いながら見惚れていた。こんなに覚えているのは、草むらを抜けたとき、よほど気持ちが良かったんだろうなと思う。
海から帰る途中、サイパンの地図が書いてあるグレーのTシャツとサイパンのお守りであるボージョーボ人形をお土産にくれた。もう1人の子はTシャツを「ダッサw」と言って嫌がっていたが、私はこの家族がプレゼントを用意してくれていたこととても嬉しかったし、帰国してからも度々着ていた。のに、思春期だったからその日は「ねwダッサw」と返した。ちゃんと中学生だったな。
最終日、一番楽しみにしていたホテル横にある人気のビーチへ行き、エメラルドグリーンの海へみんなで飛び込んだ。スイミングをすでに6年習っていた私は、クロールで沖へ沖へと、得意げに泳いで���った。気分が良かった、が、その途中で気づいてしまった。海底に黒い何かが大量にいる。深いところに行けば行くほど黒い何かがいる。すーっと潜って近づくと鳥肌が止まらなくなり、たまらず浜へ逃げ帰った。ナマコだ。見渡す限りのナマコ。綺麗な海だからこそいるナマコ。無理。キモすぎ。キモすぎる。結局私は浮き輪に身を委ねてぷかぷか浮いている研修生の友達に手を振りながら、浜辺の砂をいじっていた。あれ以来、サイパンと聞いて真っ先にナマコしか頭に浮かばなくなった。
こんな感じで、割とドタバタとサイパン研修を終えた。戦跡学習は事前知識もあったことからより深く記憶に刻み込まれ、なんやかんや今のところ、ホームステイはあの1回しか体験したことがないが、言葉が通じなくとも楽しかった。ナマコの海は正直もう行きたくない。中学生らしい、よき研修旅行だったなと思う。
帰国後、『怪談レストラン』を何かのタイミングで手に取り、イパンの砂を持ち帰ろうとした子供が、夜中に日本兵たちの霊を見た話を読んだ。そうか、あの島のビーチにある白い砂には骨が混ざっていたのか。なんとも言えない気持ちになり、あの海で眠る人々のことを少し考えたが、怖くなって辞めてしまった。
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harawata44 · 2 months
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鳥山明さんが死去、68歳「ドラゴンボール」など日本を代表する漫画家 (2024年3月8日掲載) - ライブドアニュース
関連:
鳥山明さんが死去:ニュースまとめ - ライブドアニュース
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以下引用
「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」など、日本を代表する少年漫画の第一人者として知られる、漫画家の鳥山明さん(とりやま・あきら=本名同じ)が、3月1日に亡くなった。68歳だった。連載していた「週刊少年ジャンプ」(集英社)の公式サイトで8日、発表された。 また、鳥山さんの事務所「バード・スタジオ」と、作品の総合プロデュースを担当する「カプセルコーポレーション・トーキョー」のコメントを紹介し、その中で、鳥山さんの死因が急性硬膜下血腫だったことを明らかにした。 「週刊少年ジャンプ」編集部は 「ジャンプ誌上でたくさんの作品を発表された鳥山明先生が逝去されました。突然の訃報に、集英社・編集部一同大きな悲しみに包まれております。『Dr.スランプ』『DRAGON BALL』『SAND LAND』...先生が描かれた漫画は、国境を越え世界中で読まれ、愛されてきました。また、先生が生み出された魅力あふれるキャラクターたちと、その圧倒的なデザインセンスは、数多くの漫画家・クリエイターに大きな影響を与えてきました。先生の偉大なご功績を讃え、感謝の意を表するとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます」 と追悼のコメントを発表。さらに株式会社バード・スタジオと株式会社カプセルコーポレーション・トーキョーのコメントも紹介。 「ファン、関係者の皆さまへ 突然のご報告になりますが、漫画家・鳥山明は2024年3月1日、急性硬膜下血腫により永眠しました。68歳でした。熱心に取り掛かっていた仕事もたくさんあり、まだまだ成し遂げたいこともあったはずで、残念でなりません。ただ、故人は漫画家としていくつもの作品を世に残して参りました。多くの世界中の方々に支持していただき、45年以上にわたる創作活動を続けることができました。 これからも鳥山明唯一無二の作品世界が、末長く皆様に愛され続けることを切に願います。生前のご厚誼に深く感謝し、ここに謹んでお知らせいたします」 既に葬儀は近親者のみで執り行ったという。 「なお、葬儀は近親者のみにて執り行いました。静謐を望む本人の意向により、ご弔問・ご香典・ご供物・ご献花その他はご辞退申し上げます。家族への取材等につきましてもお控えいただけますよう、ここにお願い申し上げます。今後のお別れの会等については未定ですので、決まり次第お知らせいたします。何卒ご理解を賜りますようよろしくお願いいたします」 とお別れ会に関しては未定とした。 鳥山さんは1955年(昭30)4月5日、愛知県清須市に生まれ、23歳から漫画を描き始めた。「週刊少年ジャンプ」(集英社)の新人賞にあたる「月例ヤングジャンプ賞」投稿を機に、78年に読み切り作品「ワンダーアイランド」で漫画家デビューした。 1980年(昭55)から「Dr.スランプ」の連載を開始。かわいい見た目とは裏腹に怪力を持つ主人公のロボット則巻アラレと、アラレの製作者の博士・則巻千兵衛やガッちゃんら個性的なキャラクター、ストーリーで人気を獲得。翌81年には「Dr.スランプ アラレちゃん」としてテレビアニメ化された。走る時のかけ声「キーン」やあいさつの「んちゃ」など「アラレ語」も流行語となった。 84年5月「Dr.スランプ」の連載を終了すると、同年11月からは同誌で「ドラゴンボール」の連載をスタート。初期は少年の孫悟空が、7つ集めるとどんな願いも叶える神龍(シェンロン)を呼び出す「ドラゴンボール」を探す冒険に出るストーリー。ここでもヒロインのブルマや仲間のクリリン、ヤムチャら人気キャラクターを次々と誕生させ、悟空と仲間の冒険や戦い、友情を描いた同作は、テレビアニメや映画作品も多数作られ、世界的人気を得て累計2億6000万部を突破し「Dr.スランプ」を超えるヒットとなった。 また、人気ゲームシリーズ「ドラゴンクエスト」のキャラクターデザインも、1986年(昭61)5月27日発売の第1作から手がけ「スライム」などの人気キャラクターを生み出した。 鳥山さんは、都内で4日に開かれた、自身の漫画をメディアミックス展開する企画「SAND LAND Project発表会」に、描き下ろしイラストを寄せていた。同プロジェクトは、2000年(平12)にコミックス1巻で展開し、23年にアニメ映画化もされた「SAND LAND」の、その先を描いたゲーム、シリーズ版アニメを展開。鳥山さんは 「僕は連載していた『ドラゴンボール』というやや派手な作品の反動もあって、短編や読み切りはどれも、好みである小さな世界とゆるいヒーローのなんでもない地味で平和な話ばかりを描いてきました。『SAND LAND』も基本的にそんな内容ですが、さすがにこれではアクション作品として厳しいと思われたのか、アニメスタッフの皆さんには、いろいろ派手な仕掛けをプラスして演出に重厚感を加えていただきました。(中略)僕は新キャラである天使のムニエルの設定とデザイン、アンなどのデザイン、エピソードなどを提案させていただき、続編が完成しました。地味好きな僕では実現しなかったであろうドラマチックな展開は新鮮な驚きで、新たな世界観と迫力あるアクションを楽しんでいただけることでしょう。ベルゼブブ、ラオ、シーフの3人の新たな大冒険と新登場のキャラ達との出会い。恐ろしいエネルギー『アクアニウム』を巡るワクワクドキドキの物語を楽しんで、じっくりと平和を感じていただければ本当に最高です。鳥山明」 などとコメントを発表していた。
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8ca1ca · 2 months
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 ソシャゲ、やっとチュートリアルが終わったのでもらった石でちょいちょいガチャ回したら凪がするっとでてきてくれたのでやったぜ~!(いいんですか!?!?!?)となりました。一目惚れしてガッと好きになる人もいるんですが書いていたら好きになったみたいな人も多くて、凪の場合今ゆるゆると後者なので、胸いっぱいです。ゲームもたのし~! まだ全然わかってないけど!!  ちょうど一年前の今頃になんとな~く見たアニメで沼入りしたので、一年ずっと好きだったんだ……って感慨深いです。ブルロ展もね~、ちょっと前ですが行ってました! 楽しかった~! 今まであまりグッズ展開のされないジャンルにいたので「こんなに出るの!?」ってびっくりと嬉しいの合わさった気持ちで毎日生きてます。二度と出さないかも~って思ってた本まで出せてすごくよかった。楽しい一年だったね~! これからも楽しみます。  昨日ほぼ書き終わってたやつを全没にするという苦しみがあったので今日は乗り越えたいです。  風花もありがたいことにちょこちょこと感想をいただくので、何か書けたらな~と思ってます。無理なら再掲……なにか……なにかないか……と思ってるんですが昔の風花フォルダ見てきたらちょっとなんかもう……なんかな……となってしまった……。昔出した現パロ本があるんですがあれのフェリクスだけめちゃくちゃ暗くて気に入ってたからあれだけ出すかもしれないです。  追記よりお返事です。ありがとうございました!
過去作品への感想で申し訳ありません!金鹿長編、~の方  過去作品の感想、とても嬉しいです! ありがとうございます……!  金鹿の連載を読んでくださってありがとうございました! 話数も文字も多い上に五年前に書いたものなので、最後まで読んでいただけたことが嬉しいです。  38話をお褒めいただけて思わず読み直してきてしまいました……。黒鷲の子たちは他の学級よりもちょっと書きにくかったんですが、ベルの独白で泣いていただけて嬉しいです……。ベレトが先生にならなかった学級、ほとんどの子たちには悲しい結末が待っているので、やっぱりこうなんか愛おしさと苦しさで脳がバグりますね……。  風花のお話を大好きだと仰ってくださってありがとうございました! 最近なかなか更新できていませんが、また読んでやっていただけたら嬉しいです。
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thedevilsteardrop · 4 months
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二次創作
真宵街 @rust1cana
兄を元気づけてやりたいすよ、と 依頼人が言った。
いわく、
兄には一人娘がいたが、最近亡くなってしまった。
娘の声で兄を元気づけてやりたい。
要点としてはこの二つだけの依頼である。
問題は…、と、声色遣いは依頼人の様子を正面からじとり、見つめた。
オドオドと掘り深い目で声色遣いを見据える男は、布の少ない安価な洋服を着ている。痩せて隈の目立つ面立ちをしていた。そして今、妓女もつけずに遊郭の一室を借りている。
「……ただそれだけの依頼にしちゃあ、随分と金をかけてくださるんですね」
声色遣いはこの依頼を受ける気でいたが、なぜかといえば金が弾むからだった。多少のリスクがあろうとも金額の大きな仕事は受ける。しかし、聞く限り今回の依頼に「多少」もリスクもなかった。
不釣り合いに金額ばかり大きい。
「何か保険をかけておくべき事情でも?」
「そりゃあ、うちは大きな家だ、親族は…よそ様に顔向けできないことなどするなと…兄を騙したと知られたらまずい、誰にもだ。こう見えて、うちは結構金がある。兄を騙すことを思えば、安いもんだ」
「ははあ。そいつは失礼。こんな生業をしてるんで、騙しに慣れ過ぎてそれ自体が危ない橋なのを忘れていたようです」
にっこりとそう返した声色遣いに、依頼人は苦笑いを返してきた。
ーーー馬鹿正直に裏事情を話されたら、断ろうと思っていたが。
どうやらちゃんと小狡い依頼人らしい、と理解して、声色遣いは「承りましょう、手付金を先払いで四割」と手を差し出した。
さて依頼自体はいともあっさりと遂行された。
自働電話から依頼人が電話をかけ、何事かボソボソと話したのち、外で待たされていた声色遣いを招き入れ。声色遣いは電話口を代わったあと、あらかじめ仕上げていた声色で、決められた通りのセリフを言い、言い終わるや依頼人が受話器を取り上げた。それで仕舞いだったのである。
「これでご満足いただけたんで?」
「ああ。兄も喜んでた…生きてると思い込んで、はぐらかすのがちと大変だったが、まぁそういう落とし所にしとかねえと…。世話んなったな。残りの金は近日中に、使いのものが持って行く」
「左様ですか。よろしいですよ、お身内も伺っておりますしね」
依頼人の兄、その一族は、実際大層な富豪だった。身元ははっきりしている。
「では、ご依頼ありがとうございました」
「…この件は、よくよく内密にな」
「…ご心配なく。ご依頼人に関することは、すべて他言無用ですから」
最後に振り返りざま、念を押してきた男に、声色遣いは笑顔で答えた。
すっと笑みを引っ込め、軽く振っていた手を下ろす。
「そんなうまい話がありますか」
先程まで纏っていた軽薄な雰囲気は消え、だるそうにため息を吐くと、声色遣いはきびすをかえした。スタスタと。向かう先に迷いはなく足をはこぶ。
「近日中に口封じされちゃたまりません…先約になっておきましょう」
さっさと目当ての店に辿り着くと、ドンドンと普段ならしないような粗野な音を立てて戸を鳴らした。
「…はぃ…て、あんたかよ。何の用?」
カラリとすぐに戸が開いて、顔を出したのは、縫術師。
在宅だったことに内心ほっと安堵しつつ、声色遣いはまた軽薄な笑みを浮かべる。
「今日もお美しいですね、紡姉さん」
「いつになく雑な軟派文句だな。さようなら」
「紡姉さんにお尋ねしたいことがありまして」
閉められかけた戸をガッ!と片手で掴んで止める声色遣いに、縫術師は露骨に舌打ちした。
「なんなのよ…」
「賛辞がそぞろになってしまったのはご容赦を、今日は暇つぶしではない用件があるんですよ」
「早くそれを言ったら?」
「…中に入れてくださらないんで?」
「ここで済まないほどの面倒ゴトなら持ち込むんじゃないわよ」
すげない返答にため息をつき、気持ちばかり小声に落として、声色遣いは言った。
ーーー依頼人に関することは、他言無用。
ーーーただしそれは「職人同士」を除いての話だ。
「伏見、というお家から私との縁切りの依頼が入ったら、お断りしてくださいな」
「…伏見?」
「本日仕事で支払いに不安のある客が来たんですよ。踏み倒そうと思ったら私との縁を切りに姉さんに縋る可能性も…」
「そいつなら、先日既に依頼を受けたわ。伏見初子という女から」
「…なんですって?」
予想外の返答に、声色遣いは目を瞬かせた。この街に出入りする者で、身分なども加味して同姓の別人という可能性は、まず無い。
「伏見初子…当主の奥方ですね」
当主は依頼人の男の兄、という話だった人物だ。
「奥方ご本人がこちらへ?」
「ええ。しかも護衛一人だけを連れて、こっそりとね。けど、あんたとの縁切りじゃないわよ」
「そりゃあ先日切れてたら今日まで続いてるのはおかしいですものね。…誰と誰を切ったんで?」
「主人と娘の縁を」
「主人と…娘」
声色遣いが指先を口元にあてて思案顔になると、縫術師も今にも閉めようと構えていた戸から手を離して向かい合った。
「勿論、忠告はした。縁切りはどのように縁が切れるかわからない、とね。…まぁ奥方はご自身の縁を操作したわけでは無いから、他人事かもしれないわ」
「…その、主人と娘がどうなったか、姉さんはご存知で?」
「知らないわ。興味ないし」
この人はそういう人だったな。と思い、声色遣いは一度頷いた。
「ありがとうございました。まぁ、私の縁をいじろうとする輩がいたらあしらっていただけるようお願いしますよ」
「それがあんたの依頼なら、依頼料を持参することね」
言って、今度こそ声色遣いの鼻先でピシャンと戸が閉められた。
はたして、金はいつまでも支払われる様子が無いものの、声色遣いが自分の身に異変を感じることもなかった。
数日、数週待って、やれやれと重い腰を上げる。久方ぶりに街の外へと出かける支度をし、行き先は一方的に時間屋に押しかけて端書きを置いた。
いざ料金の徴収である。
伏見といえば名家であるので、人力でも頼めば住所を知っている。前払い分の四割を惜しみなく使い、屋敷の前まで運ばせると、立派な開き門の前へ立った。
一歩踏み入ればすぐ、使用人らしき者を見かけた。
「ごめんください」
声を掛けるとその人物は振り返り、何か用かという旨を丁寧な言葉で台本のように述べた。声色遣いもそれに倣い、丁寧に
「このお屋敷のご主人から頼まれた仕事の、見返りをまだ半分ほど受け取れずにおります。お取次をお願いしても?」
と述べる。
すると、使用人は顔色を変えて、目を伏せた。
続けて口にされた言葉にはこうだった。
「ご主人様は、先日身罷られました」
「…なんですって?」
「ちょっと、そこの者」
と、そこでまた別の人物の声が割り込んでくる。
妙齢の女声、そちらを見れば着物姿に結い髪の奥方が佇んでいた。手に手を繋いで、幼い少女も共にいる。
「何者です、この多用な折に」
「…。お初にお目にかかります、ご当主様の弟様よりご用命を受け、先日共に勤めさせていただいた者です」
「弟…旦那様のご兄弟は随分昔に出奔し、それきりでございます。その者といかなることを為そうと、私共には由縁のないことでございますわ。お引き取りください」
「…左様でございますか。では、失礼を」
食い下がっても心象を悪くするだけであろうと察し、声色遣いは一礼を残してその場を後にした。金が入らないのは少々不服ではあるが、実のところ、予想のついていたことであった。
街に戻って早々、縫術師の元へ訪れると、彼女は店の方に出ていた。
「姉さん」
「…いらっしゃい。今日は客として来たの?」
「いいえ、少々お伺いしたいことが」
声色遣いの言葉にチッ、とあからさまに舌打ちをしたものの、期待はしていなかったようで「で、何?」と縫術師はすぐに切り返した。
「また縁切りの話?」
「ええ。あれから、伏見の家の者は依頼をしてきませんでしたか?」
「…してきたよ」
「ほう」
驚いていなさそうな声色遣いの反応に、縫術師はうんざりしたように顔を背けながら言った。
「全く、あれから後になって伏見の奥方が文句をつけてきたのよ。夫と娘の縁が切れていないって…聞けば、電話越しに二人が会話したとか。…嘘つき屋、あんたのせいね?」
「あら、それは申し訳ない。私も予定の半額もいただけなかったんで、それで痛み分けということでお願いしますよ」
「痛み分けじゃないわそんなの。あんたが自業自得で私はとばっちりじゃない」
恨み言もなんのその、ニコニコと目を細めるばかりの声色遣いを一睨みした後、縫術師は
「今度は当主がやってきたわよ」と、
「娘と拐帯犯との縁を切って欲しい と言ってきた」
娘が拐かされて大層な額の身代金を要求されたそうよ、と。
答えた。
「…それで、切ったんで?」
「できなかったんでお引き取りいただいたわ」
「え?」
今度はしっかりと、驚いた様子で声色遣いの目が見開かれた。
「そうなんですか?できないとかあるんです?姉さんに」
「だってその当主様、犯人のことを一切知らなかったもの。私は依頼人が切ってくれと差し出した縁(いと)を切るだけよ。誰ともわからない相手との縁が切れるもんですか」
「それじゃあ、ご当主はなぜ亡くなったんでしょう」
「は、死んだの?あの人」
「そのようです。先程…」
と、声色遣いは伏見の宅へ訪れた出来事のあらましを語った。
「…ふぅん。ま、縁切りして一月経たないうちはどうだかわからないしね。良家のことだから、そのうち噂が耳に入るでしょ」
と一度背を向けた後で、そういえば、と縫術師はこう付け加えた。
「伏見の家の人間からじゃないけど、当主との縁を切りたいって依頼ならもう一件あったから、そっちのせいで死んだのかもしれないわ」
「かくかくしかじか、金が半分以上入らなかったわけなんですけれど、まぁ四割でも結構な大金を頂戴しましたし、落とし所ですかねえ」
「四割っていくらだったんだ」
ちゃぶ台に肘をついて行儀悪く茶菓子を摘む声色遣いに、時間屋が訊く。円台の縁をズイと乗り出して、声色遣いが耳打ちすると、時間屋の目が見開かれた。次に眉間に皺がよる。
「きな臭いにも程がある」
「でしょう。愉快です」
「こんな書き置きをしていきやがって」
ひらひらと、時間屋が指先で小さな端切れを揺らした。今朝出かける前に声色遣いが置いていったものである。
「内容の不明瞭な書き置きをするな」
「おや、気にかけてくだすったんです?お人がよろしいこと」
「茶化してないで、とっとと茶飲んで帰れ」
…追い出しもしないあたり、本当に人がいい、と思いつつ、声色遣いは湯呑みに口をつけた。
『出かけてきます、昼過ぎまで』ーーーと、書き置いたからには戻っている旨を知らせようと、時間屋の店に寄ったのだった。
「それで?表向きの話はもういい。どんな仕事だったんだ。茶の共にでも話せ」
悪ガキを咎めるような視線を送られ、声色遣いはわざとらしく台から身をそらして両手を上げた。
依頼に関することは他言無用。
ただしそれは「職人同士」を除いてだ、…この街で、能力者たちは皆が皆、共犯者であり共同体なのである。
「私は何も聞いちゃいませんよ。事情を知ってちゃ、幇助になっちまうでしょう」
「…幇助だのと言ってる時点で察してるだろうが。もったいぶらずに話せ」
「…拐かしですよ」
「…拐かし?」
「おや、拐かしをご存知でない。随分と平和ボケした…」
「茶化すなと言っている」
睨まれ、一度肩をすくめて声色遣いはまず
「姉さんが言ってました、ご当主からのご依頼で『娘と拐帯犯との縁を切って欲しい』とね」
と言った。
「でもできなかったそうです。相手が誰なのか差し出せるものが無さすぎたと。…しかしこれで娘の所在がわかりますでしょう」
「お前の依頼人は、その拐帯犯か」
「そうです。犯人は、拐かした娘を死なせてしまったから、生きているよう偽装したかった。でないと、身代金を要求できませんからね。それで私のところへ来たんです」
「なるほどな。大金を支払う積りがあったのは事実慮のある故と…身代金が入れば余裕な額だったということか」
「ええ」
「それが支払われなかったということは、身代金は受け渡されなかったのか?」
声色遣いは首を振った。
「いいえ。まず、そもそもね。誘拐犯の計画は初のうちに破綻してたんです。伏見の家は娘を見捨てていましたから」
「見捨てて…?」
時間屋は首を傾げる。
「金を払う気がなかったことを言ってるのか。娘と犯人との縁切りを頼んだとかいう」
「まぁそれもありますが…娘を真に切り捨てたのはご当主ではありません」
ご当主は、身代金より縁切りの方が安いと考えたものの、娘を取り戻す気はあったのだろう。縁切りは要求されたであろう身代金の額よりは、まだしも安価だ、と 声色遣いは考える。
金しか勘定ができないとは、命運のついていなさそうなご当主だ。ああ死んだんだったな。
「娘を見捨てたのは母親です。母親である奥方は、あわよくば人質がそのまま帰ってこなければいいと考えた」
「根拠は」
「奥方は娘と当主との縁切りを姉さんに依頼したそうですよ」
聞いて、「縁を安く勘定するとは…」と、声色遣いと似たようなことを考えたようで、時間屋の眉間の皺が濃くなった。
「伏見の現奥方は後妻だ。…継娘を切り捨てようと目論んでも、不自然ではないな。しかし縁は切れたものの、当主が死んだと…」
「え?いいえ、そこは順序が違います」
「順序?」
今度は声色遣いは、頷いた。ここが今回の要、というようにすっと人差し指を伸ばし、空を遊ばせてから己の唇へ触れる。
「そもそも、娘が死んだのが縁切りのせいなんですよ」
拐かされた娘、要求された多額の身代金
到底用意できない金額に頭を抱える当主、それをみて気を揉む奥方
後妻である奥方には実娘がおり、誘拐された継娘をこの機に切り捨てようと考えた、…
「拐かされた娘は縁切りをされて死んだ。全部ここからが始まりです。身代金を要求していた誘拐犯は、娘が切り捨てられたとは知らず、死んでは金が入らぬと思い私に依頼してきた。娘の声を電話口で聞かせるように…」
そしてご当主も、娘が死んでいるとは知らない。「拐帯犯との縁切り」を依頼していたのがその証左だ。奥方は奥方で縁を切ったはずの娘が電話口につながって驚き、縫術師に苦情を入れた。
結局、多額の身代金は支払われることになったのだろう。誘拐犯は、それを持って逃げた。
「全く、私への支払いも踏み倒すとは。けしからん輩です」
口先ではそう言いつつ、声色遣いの表情は軽薄に笑みを浮かべている。その表情に、時間屋は「まだ何かあるな…」と思いつつ疑問を口にした。
「…本当に、逃げ仰せたのか?金を払ったのに娘が帰ってこないとなれば、そこは大きな家なのだから、近隣に触れ込んで…あ」
言っている途中で気付く。声色遣いも何の気なしに外の景色を見るふりをして、視線で応えた。
平穏な夕焼けの街。
「なんの騒ぎにもなっていませんよね。娘が帰ってこないのに」
「…そいつも、縁切りをしたのか」
「ええ。仕上げです。先程、姉さんが教えてくれました」
ーーー当主との縁を切りたいって依頼ならもう一件あったから、そっちのせいで死んだのかもしれないわ…
「詳しく訊いてみたところ、姉さんにご当主との縁切りを依頼した人物は、私が記憶している『当主の弟』を自称した依頼人と同一人物です」
逃げおおせるために、誘拐犯がご当主との縁を切った。
「そっちはできるのか。当主が依頼した際は、拐帯犯との縁は切れなかったと」
「ご当主は誘拐犯のことを知らず、娘との縁切りができなかった。しかし誘拐犯はご当主のことを知っている」
そうしてご当主の死という結果に結びつき、現状の出来上がり。
「はい、これが私の出かけてきた未払い金の案件ですよ」
「胸糞悪い案件だな。人の縁を弄ぶにも程がある」
「案外、一番人を想うことを勘定に入れてたのは誘拐犯だったかもしれませんね」
それをカタに換金せしめんとしたわけだから。
「…だとしても、せっかく結ばれた縁を切るんじゃ 泡銭だろう」
時間屋が言って、声色遣いが湯呑みを空け、その場はお開きとなった。
後日。さして高くもない小さな崖の下で、男の死体が見つかったらしい。
大金をあ��りにばら撒き倒れ伏した男は、足取りを遡るとどうやら伏見の娘を拐かして殺した極悪人だと判明した。
恐ろしいことよと噂する人々の声を、通りすがりに聞き取りながら、声色遣いは関心なさげに今日も遊郭へ入り浸り、縫術師は我関せずと着物の綻びを繕い、時間屋は機会がつつがなく時を刻むよう、調整に勤しんでいる。
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※縁切りの能力は必ずしも縁を切った者同士が死ぬ能力ではありません
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siteymnk · 6 months
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記憶の記録:トラブル対応編④
3つ目のトラブルが収束に向かっていた頃、4つ目トラブルが始まっていた。これも例のトラブルメーカーがスキルセット不足を無視して勝手に進めていた件である。まず、チームリーダーがメンタルダウンで退場。そこに投入された自分が見たのは明らかな見積ミスによる膨大な残作業だった。アプリ開発(iOS)の識者も1人しかおらず体制として非常に脆弱であった。 更にフロント担当の発注元がダメダメで、プロマネと称しピンハネしてるくせに、この状況を全くマネジメントできてなかったのだ。遅延を報告してもいつまでに間に合わせてくださいと言うだけ。そういうなんちゃってプロマネが4人もいたのだ。ピンハネにも程があるだろうって。進捗管理用の壮大なExcelシートを用意して悦に入ってたなぁ。何の役にも立たなかったけど。 3つ目トラブル対応はまだ進行中だったので追加投入できるメンバ限られていた。中には過去にメンタル問題を抱えてた人もいて、そういう面も配慮もしながら誰に何をどうやってもらうかを瞬時に采配しないといけない。そして、ガミガミ言うだけのなんちゃってプロマネ対峙しないといけない。トラブル対応の連チャンだし、肉体的に最もヤバかった時期だったと思う。 記憶に残っているのは、とは言えドキュメントはしっかり作ってあったので、テストを進めていくとある日突然、品質がガッと良くなったこと。急にスルスルと動くようになったのだ。あれは印象的だった。やはり設計は大事なのだ。3つ目のトラブルとは対照的だった。 閑話休題。バグ修正と仕様変更は全く別物なので、後者は金額が小さくとも費用請求しないとダメなのだ。ところが例のなんちゃてプロマネは「この状況で客に請求しづらいのでチャラにしろ」と言って来たのだ。あれは今でも忘れないね。倫理的にもアホだったのだ。いろいろ考えて、敢えて承諾した。議論しても無駄だと思ったのだ。 そんななんちゃってプロマネを深夜の電話で論破して怒らせちゃったり、休日出勤の休憩でみんなでドーナツ食べたり、なんだかんだでチームワークも醸成されて、最後は無事に完了。今振り返っても、よくあんなのやりきったよなーと思う。 後日談。冒頭にメンタルで退場したリーダーは全てが片付いたのちに復帰したんだけど、特に何にも言ってくれなかったなぁ。全部がその人のせいじゃないし、別に頭にも来ないけど、そこは礼儀として「その節は・・・」じゃないんだろうか。 また、発注元のプロマネ会社は親会社の吸収合併されて消えてなくなりましたとさ。そりゃそうだろう。役に立たないってバレたんだろなと。
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bunshinovel · 6 months
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11月2週
 帰り道、いつもは明るくなったら帰るのだが今日に限って本を持ってくるのを忘れてしまったので、それに雨がほぼ降ってなかったから帰ることにしたが、まだ真っ暗で、夜明け前が一番暗いという言葉の通り、こんなに真っ暗なことあるかという具合だった、やはりこの時間に帰るのはリスクが伴う。車に轢かれる可能性が高い時間帯でもある、向こうからは認知されているなどと思って路上にいると、あっさり事故る、それは言い過ぎかもしれないがそうだと思っていたほうがより安全に日常を生活することが出来る、のでそうだと思っている。基本的に他人の運転技術を信用していないし、そもそも人間にはあまりに早すぎる速度で動くものだと思っている、決して他人の運転技術が下手くそだと思っているわけではない、ほとんどの人間に対して共通して、そもそも人間の持つ能力と車が出せる速度、エネルギーが釣り合ってないと思っているだけなのだ。
 暑かったり寒かったり雨降ったり忙しいなあ11月じゃぞ。今年は暖かいという予想だったはずで、しかしそういうときほど雪が降る、何年前かの、あの大雪の日はすごかった。膝まで積もったなんて生まれて初めてのことだったし、関東であれだけ降ったのも何十年ぶりだろう、そう考えると果たして自分はこれからどのくらいレアな事象と出会えるだろうか、と考えるが、そういうの面倒なんでいいです、みたいな気持ちでもある。しかし雪が降ったらテンション上がるような人間でいたいものだ。
 昨日見た南に広がっていた雲の形が珍しくて、なんというか枝垂れ柳のような、雲って普通横に広がっているものだけど、縦方向に何本か垂れているような、だからクラゲのようでもあったけれど、実際には高い山脈の岩肌と雪が積もっているのが成す模様みたいな、どういうことかというと、雲が雪の積もっている場所で、その雲の形で山脈が存在しないのにあるように見える、こういうのをどう言葉にしたらわかりやすいかいつも悩むんだけど、影絵で残す紙の部分と切り抜いてしまう部分があって、切り抜いた部分はそこに存在しない(紙がない)けれど、紙とまわりの形で空白にも関わらず形が浮かび上がるように切るわけだけど、その形がない、存在がないけれど、雲がある形をとることで、そこに存在しない山々があるかのように見えるという錯覚が生まれたということなんだけど、実際は雲が縦に並ぶというのは実際縦方向に伸びている場合もあれど、実際は空を二次元的に見ていて、奥にある雲は低い位置で高い場所にある雲は手前にあって、とかそういうように三次元的に配置されているが故にそのようなフォーメーショ���だったはずだけど、実際どうなのかはわからない。奥行きがあるものだとわかっていても、遠くに見える雲の形を見ているとそこは二次元的平面として捉えるし、雲は三軸方向に広がっていると思っても、どこかで二次元的なものとして見てしまっている自分がいることに気づいた。
 今週はあまりにも眠たい、のは冬に近いからに違いない。身体が冷えればなんだか眠たくなるように思う。急になんとなく思い立ってグラニースミスってどのくらいの相場なんだろうかと調べたらわりと手頃だったから買うか悩む。アップルパイおいしいの作れるようになりたい。
 寝ぼけて電話応対した翌日にまたかかってきたやつを、間違えて切ってしまった。電話に【出る】【出ない】という感じでして欲しい、寝ぼけてるとどっちが出るボタンだかわからなくなるのだ。折り返しかかってこないし、向こうは一回かけたから向こうから来るだろうと思ったのだろうが、俺はそういうことしないからな。それにしてもなぜガス屋から電話なのだろう、エアコン工事の電話だったんだが。普通管理会社がその辺やるもんじゃないのか?
 今日の朝焼けは見事だった、太陽自体は雲に隠れて見えなかったのだけど、帯状に間を空けて広がっていた雲の隙間から見えた空の鮮やかな完熟の柿色、あの朝焼けはほんとうに、少し見ない間に消えてなくなるのだけど、なぜ数分間だけあの鮮やかでガッと明るい時間帯があるのだろう。光の入る角度だろうか。今日はぼんやりと寒い。冬の雲が空を塞いでやたら冷えるあの感じ、久しぶり。グラニースミスは買った。3kgで¥3kほど。
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palakona · 3 months
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「げてさく」の雪辱
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
どうも、こんにちは。2月3日(土)は、阪奈園へら鮒センターに行ってきました。入りたかった枡は先乗りされてたので、西寄りに入ってみました。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
へへ、松岡釣具のわらびトレーケース買っちゃいました。わらびトレーはウドンが15本入るので、ウドン15本×わらびトレー3枚=ウドン45本です。ついでと言ってはなんですがw浮子はクルージャンのTKOからスタート。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
今日の竹竿は、大好きな名竿師の朱塗10尺。軟調子の竹竿で魚を掛けると楽しい。これで釣りたかったんだが…
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
「床立て」してる時から浮子がユラ〜ッと揺れたりして魚の気配あり。わずか数投でサワリがあって今にも釣れるかとワクテカ。節魚信(ふしあたり)じゃなかったんだが、モゾモゾって魚信を取りに行ったらガッと掛かったんだがスレでした…
orz
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
節魚信を取ったし、頭を振る手応えで今度こそと思ったがアッパーでした。
(ノ_-;)ハア…
サワリは多いが喰い魚信が出ないし、誘いを入れた時の返りが早すぎる…もしや…タナ切れですorz盛大にズレてましたw。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
「床立て」をやり直したら、サワリも無くなった。隣の枡に移動。最初は10尺のままやってたけど、釣れないので阪奈園HCでは鉄板の11尺に変更。「二代目げてさく」の11尺です。12月に、阪奈園HCで初めてボウズを喰らった時の竿ですw。今日は頼むで〜。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
11尺の浮子は前回と同じく舟水の「逆光オールマイティー宙」の7番。南桟橋の北向きは、水面のテカリで浮子が見にくいので逆光仕様の浮子を買ったんだが、テカリは逆光じゃないのであまり変わりませんね。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
魚信が遠いなあと思ってたら、いきなり「ツン」と節魚信。釣れたー、今度こそ口に掛かってました。ボウズ脱出〜。11時19分でした。
(´▽`) ホッ
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
やれやれ、今日も出家せずに済んだw。まぐれの一発だったのか、後が続かないので、さらに一枡移動しましたが、浮子が動かん。向こうに釣人が見えてるが、あの人の奥が僕が入りたかった枡。遠かったので水音は聞こえないが、僕に見えただけで2〜3枚釣ってはったのだが、半日料金だったのか12時でお帰りに。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
大移動w。前回4枚釣った枡に入りました。帰った人の隣だったので遠慮してたんだが、南陸桟橋は僕一人になったので自由自在に移動できるw。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
移動したものの最初は浮子が動かず、アレ?って感じだったが、やがて浮子にサワリがでて釣れました!両目が開いた〜。
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2024年2月、阪奈園へら鮒センター(大東市)iPhone11
その後は順調にポツポツ釣れました。6枚目と7枚目は「居食い」でエサを切ったら勝手に掛かったけどw、「上がりベラ」となる8枚目は綺麗な節魚信でした。
ということで、2月3日の節分はヘラブナ8枚でした。かつては恐れ慄いていたw阪奈園HCで厳冬期に8枚ですから、少しは経験値が上がったかな〜?つ〜か、真冬の釣りは場所ですね。移動できるスペースと行動力があれば釣れるんじゃないでしょうか。釣池にもよりますが。コシガ池と阪奈園HCは釣れなかったら場所替えした方がいいと思います。寺口釣池とか西池は桟橋狭いし来場者多いし移動しにくいですね。水藻FCは桟橋広いがよくわかりません。
では、また。
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niwanoki · 7 months
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(ウイルスがまわって)先週10/4(天使の日?)のライブについて思い出すことと、その音楽についてここ2,3ヶ月思うこと
結局ずっと聴いてしまっている。今年の初夏に出たスピッツの新しいアルバムよりも回数としては聴いてる正直。急にガッと冷めたらどうしよう(自分���せいなのになぜか寂しくなる)という思いも片隅にあるにはあるが、気づいたら彼らのバンドのアルバムは7月の2週間のうちに半分以上を手元に集めていて、懲りずに呪われたように聴いてる。これがダメな要因であると思う、急にやりすぎること、それしか見えなくなってしまうこと、それについてしか考えられなくなってしまうこと、あらぬ妄想をしてしまうこと、で、(内容の程度によるが)ものすごい強運によって現実と連結させてしまうこと、本気になると何かを呼び出すことができてしまうらしい。「どうせ飽きる」と信じて疑っていなかったのに、まだまだずっと憧れてしまう。聞いてて笑いそうになるくらいぶっきらぼうな「1、2、3、4」の直後、びっくりするほど優しい声になる。喋るときのまさに「木訥」とした声は、必要最低限の温度しかなさそうで、何も考えてなさそうなところが好ましい。寒暖差ですぐに顔が赤くなる私は温度の急変が物理的にも精神的にも恐ろしい、暑すぎるのも寒すぎるのもダメだからそのふとい広葉樹の幹のような頼もしさが私にはありがたい。夢のほとりに膝を抱えて座っているところまで降りてきてくれる、暗い湖のすぐそばで、火を背中に座り込んでいる、火影と一緒に揺れる自分の青い影、暗がりに腰をおろしてじっとしているところに。冷たいべつの風が流れだすような心地。ぶっきらぼうな佇まいや振る舞いがかわらないでほしい、そのしんとした温度と遠さが、私にはありがたい。
初めて聴いたのはYouTubeにアップされていた音源だった。ひらがな3文字のアルバムの一曲目、アルバムと同じタイトルの曲、ジャケットはこちらを見つめるアライグマっぽい動物の写真、イントロのシンセサイザーの音が膨らんだ瞬間、ああ・・・と頭のスピードが急に2くらいまでおちた。というか、自分の中で何かが歪んだ(合点がいった)。この世のことなんか全然知らないくせに、ああこれがこの世の(自分好みの)奇跡を全てあつめた音楽か…と確信し、胸の中に光がジーンとみちていくのを感じて、すぐに閉じた。何度も聴いてはならない、これはダメ、スピッツの「ハチミツ」「インディゴ地平線」「フェイクファー」(どれもアルバム全体)同様、いくらいいからと言って何度も聴いたら、昔に聴いた経験が上書きされて感動が掻き消えてしまう、意識して遠ざけておかなければ、この懐かしさに似た光の感じはすぐに、簡単に思い出せなくなってしまう、絶対ダメ、、、と一瞬で悟った(けどなんだかんだで聴いてしまっている)。
昨日の夜、フラワーカンパニーズの対談記事をネットで読んだら、バンドを長く継続するにはいかにすべきかという話題で、「ひとつのライブが終わった後にお���が「また来よう」と思えるのが一番」という話が出ていた。誰かが、一人一人が、またここに戻ってきたいと思えれば、それが継続することの意味になると。まさにそれだった、今年8月の最初の日も台風が近づいていたか何かで天気がイマイチだったしそもそもこんなの行ってる場合か?と本気で迷ったんだけどギリギリの判断でチケットをとった。緊張でガタガタ震えながら開演ギリギリの中央線で向かった、思ったよりも狭い部屋で、思ったよりも自分の体のすぐ近くでものすごい音がして、自分の中で何かがやっぱり確かに歪んだ、思いがけず手が触れ(×故意)、それで、弾かれたように駅まで走って、ああ、また来よう、と思った。雨は上がっていておまけに月もくっきり出ていてやりすぎだと思った。今日得たこの胸の中の速度は誰にも奪われないのだと、満員電車でニヤつきながら帰る途中、名残惜しくて聴いていたまさにそのアルバムの中から3曲、こないだ演奏された。しかも本当にこの3曲のうちの1曲は特に入れ込んで聴いている曲で、戸惑いと嬉しさで震えた。鳥肌が止まらなかった。歌詞が一部、強気というか荒っぽいニュアンスに変えられていた。対バン相手(こっちもすごい個性派なのに)が少しかわいく見えてしまうくらいの凄まじさで、どんな暴力よりも強いんじゃないかという音の圧で、体が砕かれてバラバラになって漂いだすみたいな心地がした。ボヤーとしたのは単純にその日は貧血気味だったしずっと立ち見だったからってだけかもしれないけど、頭の中の軸がボケてまぶたが自然に閉じて、対バン相手も私は好きなのに(なので一石二鳥なイベントだと思ったのに)、もう完全にステージ上手側の音しか聞いてなかった。アドリブの引き出しの多さと圧倒的な音の厚みと形と振り幅に感心しながら、またジーンとして、これがあるから大丈夫だと思って、帰った。
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51dog · 11 months
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プレイバック・ユア・ララバイの話
ルシファーお誕生日おめでとう。生まれてきてくれてありがとう。大好きだよ! 序盤うわ〜…いやこのキャラ推しにはならないかも怖いし俺様系苦手だし悪魔服作画コストやば〜……って思ってたのに怖くなかったし俺様系じゃなかったし傲慢腹黒ドS全て大嘘のラブマン(もっといい表現なかったの?)だったから嘘みたいにべキャボキャにハマっちゃったよ。悪魔服もう見なくても描けるよ。嘘ベルト?の飾りの部分は見ないと描けない。人生何があるかわからないですね。 すっごく気落ちしていた時に江國香織の「ホリー・ガーデン」という小説を読んで面白いよ〜〜泣ってなって元気が出て、書こう! って思った話です。1月後半くらいから本腰を入れてルシファーの誕生日には間に合えーッ! ってちまちま書いてました。ギリギリ間に合いました。間に合わせたの間違いかも。 書いては全消しを繰り返しすぎて空中分解し、もはやなにが面白いね〜ん! でも書きたいって思ったはずだこういうのを〜! って必死にキーボード叩いてました。毎回そうやってものづくりに向き合えという話ではある。 「愛せない過去があったとしても、今の自分として今のあなたに出会えてよかった」を軸に据えて、どう展開しようかな〜ってねちょねちょシーン思い浮かべたりセリフ思い浮かべて混ぜてたらObey Me! Night bringer(スペル合ってる?)が発表され、そして「何度出会っても好きになる」のコピーも発表され、はーい終わった!!!! 書くのやーめっぴ!! って二週間くらい思いました。思ったんですけど書きました。書きたかったから……。 私としては相手を好きになるには出会うタイミングも大切なものだと考えているのでそのコピーに思うことはないのですが、でも何度出会っても好きになる留学生と悪魔たちもいるのだろうなあって思います。
サタンが羨ましくてしょうがない留学生を書く時に本当にサタンのことがぜんっっぜんわからなくて「わかんないな〜」って思ってたら「ルシファーのこともぜーーーんっぜんわかんない! 理解しようと思えば相手を多少は理解できるようになるという考え自体間違ってるかも! ワハハ!! 」って急に開き直りが発生しました。今も全然わかってないです。わかるわからないの話ではないことにいい加減に納得したいですね。 のでもう、二次創作だから…っ!の言い訳をフルで使って書きました。
男性留学生のターンは、ルシファーと友達になりたい! っていう気持ちを沢山込めて書きました! 兄弟たちがmc以外の人間には冷たかったらどうしよう……って思ったんですけど他人に必要以上に冷たい推し絶対見たくないので、あとこれは……夢小説なので! みんなと友達! いえーい! って感じで書きました。友達のお兄さんみたいな距離感でルシファーと接してみたい気持ちがあります。恋愛感情無しでもルシファーと楽しく過ごしたいっていう気持ちもすっごくあります。
女性留学生のターンは、こういうのが好きかも〜っていうのを詰めて書きました。技量がなさすぎて上手くまとまらなくて悔しいのですが、今の私の全力はこれです、という感じです。きっともっとしっくりくる展開や言葉や表現があると思います。でも今の限界はこれですね……。約五万文字なのですが、消した部分を合わせると大体十二万文字くらい書きました。ガッと書いてガッと消すのを繰り返しまくりました。難しいですね物語作るのって。ので、実力足りないかもなあっていう部分は諦めて手放しました。これからも頑張ろう。
これは誕生日当日にルシファーのURカードのデビグラ読んでうわ〜〜こっちで書けば良かった………!!!! って爆発した削った箇所です。
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プロットの段階で消したのでもう盛り込めないですね。あ〜……まあいいや。削ったところにも削ったけど好きだなっていうのを詰めたので、データを消すに消せないです。
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↑これは一番最初に書いていた嘘つくのをやめられなくなってディアボロ殿下に見破られてうわーーっってなる留学生をボツにして最初から書き直しにした、サタンが懐いていた猫が死んでいたのをサタンに言わずに埋葬してしまう、という留学生のプロットです。サタンが可哀想すぎるというかサタンのヘイト小説になってるだろ!!!!! と自分をぶん殴って書き直しました。ぶっちゃけ5月の中旬くらいまでこれで書いてて、一回完成してました。ほぼ全部書き直しましたが……。
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↑これはやっと今アップしてる話の形へのこねくり回しがある程度止まった時に書いたけどくどいな…って思って消したやつです。勿体無いから上げちゃお。
タイトルの『プレイバック・ユア・ララバイ』は、毎日眠る前に頭の中に思い浮かべるこれまでの生涯のことが、この話で書いたルシファーや留学生たちにとって子守唄のように優しいものだといいな、そしてルシファーの生涯の傍にかつて確かにあったそれら人生が優しい思い出として思い出せるものになればいいなと思って付けました。各章のタイトルは〇〇・ユア・〇〇の形になるように頑張って考えたつもりなんですけど普通に英語出来なさすぎて難しかったですね。勉強しろ! はい。ユアは一章がルシファー→女性留学生、二章は女性留学生→ルシファー、三章は留学生たち→ルシファーへ向けたユアかな…って思いました。(思いました?)
書いてる時に本当に自分の拙さ至らなさを実感してオヨヨʕ•̫͡•ʔになってしまったのですが、西川美和さんの「私と同じだけ時間をかけて私と同じだけ集中して毎日やれば誰でも書けます」という『ゆれる』という作品に対してのコメントに励まされていました。また、名の知れた映画監督でさえも「もっといい表現があったはずだ」と悩むことがあるのか、とちょっとした衝撃を受けたりもしました。私も物事にこれくらい全力投球したいです。がんばります。
以下は細かい趣味を詰め込んだよのやかましい話です。
出てくる「帰れのベートーヴェン」は、『ホリー・ガーデン』に出てくる「お弁当のベートーヴェン」のリスペクトです。帰れのベートーヴェンは悲愴第二楽章(ベートーヴェンの曲の中で帰るならこの曲じゃない? と思ったのでこれにしました)、お弁当のベートーヴェンは田園です。ポラロイドカメラのところもリスペクトというかこれこれこれこれをルシ留で見たいよ〜〜!!! がこの話が生まれた原点なので入れました。ドビュッシーの「月の光」は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の中で何度も繰り返される曲で、私はこの映画が本当に本当に良くて何回観ても号泣したので入れよう……!!って思い、男性留学生に弾いてもらいました。女性留学生の星の光へのお願い事と、男性留学生の月の光、というように対比的なものが生まれたので結果オーライ、エブリシングイズオーライ、という感じになりました。よかったです。行き当たりばったりすぎる。 また、サタンが魔界史の解説で槍を持った老人の絵画を持ち出していますが、槍の文章はディラン・トマスの「Do Not Go Gentle Into That Good Night」という詩が好きなのでそれをイメージして入れました。絵は国立西洋美術館にある、ラ・トゥールの「聖トマス」を思い浮かべながら書きました。両方ともトマスだ! 偶然でした。聖トマスの絵は別に改革派とかの関係ある絵ではないですが、本当になんというか、静かな迫力というか一目で急に引き込まれる強さというか、言語化が難しいのですがとにかく好きです。国立西洋美術館の常設展で見られます。国立西洋美術館の常設展で好きな絵もう一つあって、グエルチーノのゴリアテの首を持つダビデの絵なのですが、他のダビデの同じシーンを描いた作品に比べ瞳が潤んでいて、若々しさというかゴリアテを倒せたことに対する内なる喜びや興奮の部分が強く表れていて好きだなあって思います。詩はインターステラーが好きで強烈に覚えていた詩です。ノーラン監督の作品の中で出てくる詩ではTENETの「こうして世界は終わる爆音ではなく啜り泣きと共に」も好きです。エリオットのなにかの詩です。忘れました。(好きなのに!?)
今年も自分への誕生日プレゼントに表紙のデザイン頑張りめの同人誌を作ろうって思ってたので、今回はこの話で同人誌作るつもりでいます。本棚の中に入れておいて数年経ったら発見して読みたい感じの本にできたらいいな。全ての本をそういう気持ちで作っている気がします。あ〜箔押しなんかもしちゃったりしたいよ〜。いま透明箔気になってて……あとサンダンスリネンとかNTストライプGAとかリベロとかの紙がずっっと気になってて使ってみたいのでこの機会に使いたい!! ぞ!!! の気持ちもあります。でもおたクラブさん以外にサンダンスリネンの取り扱いがないけど透明箔はスタブさんで………どうしよう!? とにかく野望がもりもりです。というかAdobeのライセンス買ったのでせっかくなら使わないと勿体無いし……の気持ちもあります。
やるべきことが多いのと、一旦キャラクターへの理解に距離を置きたいなって思いつつあるので、おべいみーでの二次創作はちょっとだけ休もうって思っています。手のひら大回転が日常茶飯事なので普通に書くかも知れないけど。というより書くと思うけど。でもナイトブリンガーのことどうしても心から歓迎できなくてよくわからなくなってきてるので、こう、なんか…納得できる妥協点みたいな………何かを………………(?) でも今これを書いてる瞬間に暴君かTYRANTっていうタイトルの女性留学生×ルシファーと女体化ルシファー×男性留学生の二次創作が読みたくてたまらなくなってきたので書くかもしれない。自分が一番信用できないよ!!!
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groyanderson · 1 year
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☆プロトタイプ版☆ ひとみに映る影シーズン3 第六話「悟りの境地」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 段落とか誤字とか色々とグッチャグチャなのでご了承下さい。
→→→☆書籍版発売までは既刊二巻を要チェック!☆←←←
(シーズン3あらすじ) 謎の悪霊に襲われて身体を乗っ取られた私は、 観世音菩薩様の試練を受けて記憶を取り戻した。 私はファッションモデルの紅一美、 そして数々の悪霊と戦ってきた憤怒の戦士ワヤン不動だ! ついに宿敵、金剛有明団の本拠地を見つけた私達。 だけどそこで見たものは、悲しくて無情な物語…… 全ての笑顔を守るため、いま憤怒の炎が天を衝く!!
pixiv版 (※内容は一緒です。)
དང་པོ་  
 アラビアンナイトに、漁師と魔人という寓話がある。壺に閉じ込められていた魔人の封印を解いてしまった漁師が、「お前なんかこんな小さな壺に入る事すらできないだろう」と煽って魔人を再び封じ込める話だ。グリム童話や西遊記にも似たような物語がある。 「貴様は終わりだワヤン不動、金剛の有明が訪れる前に亡き者にしてくれる!」  この間抜けもそうだ。わざわざ暴風吹き荒れる高度三千メートルの塔外空中庭園に出て、最上の姿とやらになるため分散していた全黒煙を一身に集中させた。煙として漂い私達の体や霊魂を汚染させる方が圧倒的に恐ろしい力なのに、頭に血が上った本人は気付いていないんだ。  最上形態の金剛愛輪珠如来は十二単に似た複数人種の生皮ドレスローブと、ラスタカラーに輝く狸の毛皮の襟巻きで着飾っている。背中に千手観音のように多色の腕を生やし、その顔つきは……私の和尚様。ムナル様のご遺体から奪った物だ。 「やれやれ、悔しさに言葉もないか? ほら、ワヤン不動。我らを裏切った貴様の師匠の顔だぞ」  知ったことか。その人は既にこの世から逝去した。ていうか勝手に髪の毛生やしてるし、もはや課金のしすぎでゴチャゴチャになったアバターみたいで和尚様感ゼロだし。 「御託は不要だ。かかってこい、ケツ穴糞野郎(オンツァゲス)」  影影無窮! 私は影体を練り、自身の腕を四本に増やした。右上腕から長斧(ティグク)、神経線維塊(ドルジェ)、羂索(キョンジャク)、倶利伽羅龍王剣(プルパ)を持つ。今までこいつに破壊された物や、さっき粛清した龍王も含めた私の全法具だ。かつてない程慎重に、そして確実にこいつを滅ぼす!  ヴゥン! 先制して如来の顔面に目くらましの神経エネルギーを放った。すかさずティグクを振るうが、如来は回避。なるほど。死体を継ぎ合わせて作ったあの体は所詮器に過ぎず、奴は目でなく煙体で物事を感じ取っているんだ。 「カハハハ、ならばこうだァ!」  指先で小さな影と神経を練り、高速連続射出! チュタタタッ! これも如来は人間離れしたバック宙返りで回避。しかし奴が体制を整えようとしたその瞬間、私は既にゼロ距離で龍王剣を構えている! 「ピギャアァーーーーーッ!!!」  刺突ゥ! 如来の胸部を貫いた龍王剣が絶叫、炎を吹き上げながら奴の体内を燻製窯に変えた! 開祖バドゥクン・サンテットとの戦いで得た奥義、影縫いだ! 「ほう……」  如来は涼しい表情のまま、胸部の風穴から大量の黒煙を噴出。一方こうなる事を予習済みの私も、煙を吸わないよう息を止めたまま、影体を後部へ滑らせた。 「やれやれ、少しは賢くなったようだな。どれ、他の連中とも遊んでやろう」  如来の背後を彩る千手が、ボトボトと数本剥がれ落ちる。それらは黒煙を纏うと、生を得たよう��人型に膨張。私の後方目がけて走り出した! 「光君、イナちゃ……」 「貴様の相手はこの私だ!」  ズズゥッ……周囲一帯の空気が吸引されるような音。仲間の心配をしている暇はないようだ。 「龍王!」 「へ!?」  全身猛毒の奴の攻撃を生身で受け止めてはまずい。私は自動制御型法具キョンジャクの先に龍王剣をくくり、めいっぱいブン回す! 瞬間、如来が大量の汚染黒煙を噴出! 「ギヘエエェェェエエーーーー!!?」  黒煙を扇風機(サイクロン)効果で全て吹き飛ばした! 猛回転と毒に酔った龍王は悲鳴を上げながら影炎吐瀉! 「オゴゴボォーーーーッ!!!」 「ぐわっ!」  龍王剣爆発! 衝撃波を食らった私は後方へ吹き飛び全身を強打。しかし黒煙を散々吐き散らかした如来もやつれてきている。武器を二つ失った対価は大きいぞ! 「よし、トドメを……うっ!?」  ティグクを構えた瞬間、私は突如背骨の辺りに激痛を覚える。振り返るとそこには……杭のような形状で私を貫く、固形化黒煙!? 「うガッ!」  血管に汚泥を流されたような鈍痛! 視界がチカチカと明滅し、手足の力が抜けていく。 「ゼェ、ゼェ……ふふ。トドメを……どうすると?」  一転、舐め腐ったような表情で近寄ってくる如来。私は満身創痍でティグクを振るう。しかし斧の柄がみぞおちに当たり、私は胃液を吐き出して自滅転倒! 「ぐはっ!」 「ハッハハ! やぁれやれ、やはり邪道に金剛の有明は訪れぬようだな!」  亡布録装束(ネクロスーツ)に刻まれた死者達にケラケラと歪な笑い顔を作りながら、この世で最もおぞましい外道野郎がにじり寄る。 「だが貴様も女よ。最後の情けとして、この私の接吻で邪尊の因果から解き放って殺してやろう……」  如来は黒煙を吐きながら私に顔面を近付ける。キショい! 和尚様の顔でどうやったらここまで気色悪い所作ができるんだ!? 「ひぃぃぃーーー!」  しかしその時! 「グオォォルアアァ!!!」  ズドゴオオォン! 如来の横っ面を突如巨大な発光体が吹き飛ばした! 「ガッ! ……かはっ……き、貴様ァァ……!」  塔の壁面に大の字でメリ込んだ如来が、ベリベリと顔を剥がしながら振り返る。��みつけた先には……御戌神、光君だ! 「僕の一美ちゃんに触るな」 「何故だ。貴様如き、分身で十分汚染できたはず……!?」  如来が目を見開く。光君の足元には、ただの腕と化した亡布録が転がっていた。それどころか、私も含めた彼の周囲の黒煙がみるみる消滅していく。 「ま、まさか!」 「カハハッ……何の対策もなしにお前に挑むわけがなかろう? 塔を上っている間に、お前の特徴は仲間と共有済みだ」  黒煙が生物を死に導く力と、光君をずっと蝕んでいた滅びの光。その特性はどこか似ている。ならば、そう。こいつは滅びの光と真逆の、生き物が発する命の輝き……すなわち、『赤外線』を当てまくれば消毒できる! 「ぐああああっ! 馬鹿なァァ!」 「効果は既に亡布録ゾンビで検証済だ! カァァーーッハハハハァァーーー!!!」  パァァァ! 光君を中心に、大晦日の寒空を強烈な赤外線の熱波が撫でた! 周囲一帯の体感温度が急激に上昇し、風をももろともせず滞っていた黒煙はたちまちオレンジ色に輝きながら消滅! 「おのれ……見くびるな、亡布録の法力はいかなる光も通さぬわァァ!」  如来が立ち上がり、再び背中から二本の腕をもぎ取った。それに黒煙を充填すると、腕は二対のガトリングキャノンと化す! 「たかが天部や明王如き、生身の戦いで十分! 捻り潰してくれるわぁ!!」  ズダガガガガガガ!!! 硬化した皮膚片を乱射! やはりこいつは馬鹿だ。 「ステゴロで如来部が明王部に勝てるかボケがァァーーーッ!!」  ヴァダダガガガガガァン!! 無数の神経線維弾が爆ぜ、皮膚片は全て分解霧散! 棒立ちの如来にティグクを叩き込む!! 「うおおおおおーーーーッ!」  頭を真っ二つに割られて吹き飛ぶ如来! 物理肉体に身を包んでいる奴はそのまま、謎の力で浮く空中庭園から放り出された。 「おのれ! おのれェ! 亡布録よ、魂と骸の抜け殻よ!! 我が血肉となれえええぇぇ!!」  自由落下しながら絶叫する如来。すると塔の亜空間からボトボトと亡布録や黒煙が飛び出し、再び如来の装束を蘇らせる! 「フハーーーッハッハッハァ! やれやれ、ここまで手こずらせてくれるとは!」  再び法力を得た如来は地面スレスレで再上昇! 背中の千手に黒々とした巨大煙玉を抱えて上空に迫る! 迫る!! 「この私は何度でも甦えぅええぇぇえ~~~!!?」  しかし高度三千メートルに達した時……如来と煙玉が、謎の飛行物体に吸い込まれた! 「な!? な!!?」  突然の事に何が起こったか理解できない如来。しかしその飛行物体を、その創造者を、私は知っている…… 「アブダクショォン!」  たった今、如来が塔から吸い上げた亡布録。その一体が奴から反抗するように、未確認飛行物体から舞い降りた。彼女の名はリナ。私が生まれて初めて作った『自我を持つタルパ』の……宇宙人リナだ! 「やれやれ。まんまと罠にはまたネ、愛輪珠如来!」  イナちゃんが駆け寄る。そう。私はここに来る途中、彼女に『亡布録の中に、髭の生えた女の皮(リナ)がいたら理気置換術をかけてほしい』と依頼していたんだ。如来は私を乗っ取りに来た時、家の結界を突破するためリナを亡布録に変えていたから。 「有り得ぬ、抜け殻が自我を取り戻すなどと……くそ、ここから出せ!」  如来はリナが生成したタルパUFOの中で狭そうにもがく。 「ふっ……やれやれ。言うことを聞けぬなら、この飛行物体ごと亡布録に変えてやる!」  煙玉破裂! 船内に黒煙が充満し、UFOの外観が次第に色褪せていく…… 「させるか! スリスリマスリ!」  シュッ! イナちゃんが射出した理気置換術の波動がUFOの丸窓を通して何かに命中した。すかさず船内に、ふわりとラスタカラーの糸のようなものが光る。 「ぐあぁ!?」  如来は繭状になった糸に拘束される。更に、自らの首を飾っていた狸の毛皮が奴を締め上げる。彼も……あの化け狸もまた、如来に命を奪われた魂の抜け殻だ。 「フ……フフ! だがワヤン不動、貴様に私が倒せるかな?」 「?」 「亡布録は所詮、死者の抜け殻。このまま私を倒せば、この宇宙人と狸も消滅する。そして貴様の師匠である金剛観世音菩薩の亡骸も、永遠に消え失せるのだ!」  ほぼ敗北を悟った如来は、最後の脅しにかかっているつもりらしい。だが、それがどうしたというんだ。 「オモ? こいつ何言ってるの。リナちゃんも狸さんも、もうこの世にいないヨ?」 「……へ?」 「それは私が理気置換術で操ってるだけ。お前と同じやり方で、しかえししたんだヨ! ゲドー野郎!」 「なっ……なっ……!」  ゴォッ。光の獣と影の明王が火柱を噴き上げ、天に二色の螺旋を描く。 「や、やめろ……」  死の残滓には、命の輝きを。生命の営み、男女結合の境地……両尊合体(ヤブユム)を。 「よせ! もう間もなく、金剛の有明は訪れるのだ! それを拝めずに、き、消えたくない……」  全ての因果を斬る漆黒の影体、全ての外道を焼き尽くす真紅の後光輪。ワヤン不動・輝影尊(フォトンシャドウフォーム)爆誕!   シャガンッ! 世界が白一色の静寂に染まる。この領域は私であり、私はこの領域そのもの。中に存在する異物は、金剛愛輪珠如来のみ。さあ、 「やめろおおおォォォーーーーーーーー!!!!」  神影繰り(ワヤン・クリ)の時間だ!
༼ 南摩三満多哇日拉憾唵焼雅蘇婆訶! ༽
 幾多の仲間が散り、師は逝去された。ここからは、私自身が我が道を歩んでいく。
༼ 一名來自沙漠盡頭的精靈僧官將其救起精霊曰吾乃悪魔神視不食其力而乞為悪是故將汝等糧食交之於吾僧官曰生存乃自然之道既然如此佛祖不会介意您便拿去吧! ༽
 金剛愛輪珠如来は外宇宙の理力により死を超越した残滓。だがこの地球上に衆生を蔑ろにする仏など不要だ!
༼ 精霊曰神不容受施于神外之物是故命汝等崇敬於吾僧官曰如果您施恩予我我將感激不盡既然如此佛祖不会介意您大可放心! ༽
 もはや外道の如来も、邪尊もこの世からは消え失せる。ここにいるのは憤怒の化身、外道を滅ぼし衆生を守る輝影尊のみ!
༼ 精霊曰神不容爾等試探其之內心是故吾便在此自殺僧官曰您死後我便會恭敬的悼念您既然如此佛祖便不会介意您大可放心! ༽
 案ずるな、呪われた黒煙よ。死者の肉と魂は素粒子に分解霧散し、また地球の糧として巡るもの。
༼ 精霊曰吾中意之佛道是故汝接受吾之心臓將其食用於是乎精霊感到十分満意帶著愉悅的心情離世了而僧官則吃了精霊的心臓成為了守護其衆生的赤紅影尊ヌアァァアアア!!! ༽
 その輪廻から逃れられる悪徳など、この世には存在しないのだから。私はそれを知っている。邪尊でも、祟り神でも、たとえそれが悪魔でも……
༼ 唵! 皮! 影! 維! 基! 毘! 札! 那! 悉! 地! 吽ーーーーーーッ!!!!! ༽
 ……さまよえる全ての者に、抜苦与楽の永眠を与えん。
 གཉིས་པ་
 暗転、赤転、明転。全てを出し切った私と光君は、素っ裸で並んで得体の知れない空間に横たわっていた。そこは真冬とは思えないほど心地の良い朝日が差し込む、あたたかな森の中…… 「……って、まだ終わっちゃだめじゃん! 光君も起きて!」 「そ、そうだ! ここまで来たら、ちゃんと金剛滅ぼさにゃ!」  私達は慌てて腰を上げる。いけない。戦闘後にマッタリしちゃういつもの癖が出かけたけど、まだ大魔神を倒していなかった! 『ふふふ……仲睦まじい新婚夫婦、素敵ですのね』 「!」  見知らぬ声の方には、色とりどりの花で彩られた棺があった。覗き込むと、中にはドレスを着た女性が眠っている。 「あなたは?」 『私は平良鴨カスプリア。全知全脳の女神……いえ。ただの豚ですわ』 「ぶ、豚ぁ?」  するとポッと短い電子音を立てて、森に小さな魔女……悟さんのアバターが現れた。そうか、ここは例の白雪姫なんとかってゲームの世界だ。 「そうよ、そいつは私の白豚ちゃん! ほら、おどき!」  絵本の白雪姫なら、棺で眠っている姫は王子様のキスで目覚める。ところが悟さんは、カスプリアさんに容赦なく四季砲(フォーシーズンズ・キャノン)をブッ放した! 「ひゃあん!」  可愛らしい悲鳴を上げて、女神様は棺から放り出された。しかしその表情はなんともご満悦そうだ。 「ふむ、両肘下と十二指腸、左脚がまだ未完成のようね。それとも私が今フッ飛ばしちゃったかしら? おほほほ!」 「滅相もございませんわ悟様! 私めの肉体はまだまだ未完成ですもの。本日は紅ご夫妻様のために、私カスプリア。魂だけ覚醒致しましたの!」  ……つまり、色々と作りかけのこの女性は女神カスプリア。人類に金融アルマゲドンとかいう試練を引き起こし、悟さんに見事ハートをかっさらわれた奥様というわけだ。 「この度は、私めと同じ『カオスコロル』がとんだご迷惑をおかけ致しました。私めも今はお力になれず、本当に申し訳ありませんの」 「カオスコロルとは?」  ああ、光君には伝えていなかったか。 「混沌色(カオスコロル)。例の外宇宙……創造主様の世界から降ってきた、謎の粒子だよ」 「じゃあ、カスプリアさんは大魔神や神の子さんと同じで?」 「ええ。あちらの領域……そうですわね、いわゆる外宇宙から参りましたの」  カスプリアさんが一瞬言い淀んだ。 「あまり人間様にあちらのお話はしない方が良いんですの。なにせ時の王様に記憶を封印された私め自身、全知全脳の自我を取り戻したとたん人格がゲシュタルト崩壊してしまったのですもの」 「げ、げしゅたると崩壊……」  って、自分が誰だかわからなくなって発狂するとかいう、あれだよね……? 「でも一人だけ。生きたままたった一人であちらに到達されて、お心に異常をきたさず帰られた人間様がいらしたわ」 「え?」 「ゴータマ・シッダールタ。初代、仏様ですわ!」 「そうなんですか!?」  まさか、それが悟りを開くって言葉の真の意味!? 「ええ! そして一美様、光様。あなた方がワヤン不動輝影尊として大魔神と戦われるのなら、同じ悟りの境地に至っていなければ勝ち目はありません。なぜなら大魔神は、いわゆる創造主を強制的に人に見せつける力がございますの!」 「人間が見たら発狂する神を、強制的に!?」  そういう事か。もし私達がこのまま大魔神ロフターユールと対決し、奴に宇宙の事を見させられたら発狂して負けてしまうんだ。だから今この場で、悟りを開くしかないようだ。 「ドマルの時から思ってたけど……やっぱり精神に見合わない力は、身を亡ぼすんですね」 「そういう事ですの。私めが今からあなた達に、この宇宙の真理をお見せしますわ。創造主を目視した人間は一瞬で無限の情報に脳を焼かれてしまうので、本来よりもゆっくり……さくさくっとお見せしますわね」  なにそれ怖い。 「大丈夫よ、あんたら二人一緒なんだから! 私だって一人で見たけど大した事な��ったわよ!」  悟さんの魔女アバターがコロコロと笑う。……って、え!? 悟さん見た事あるの!? 「それでは……行ってらっしゃい! ですの~!!」 「「え、ちょ、えええええぇ~~~!!?」」  そして私と光君の視界は、ゲーム空間から異次元へ飛び去った……。
གསུམ་པ་
 そこから私達は、目まぐるしく地球史を遡った。気になる歴史上の出来事や人物に少しでも集中すると、そこで起きた運命、無数の人々のひしめき合う感情、喜び、悲しみ、痛み、安らぎ、食べるもの、食べられるもの……ありとあらゆる感覚と本能が、ハチャメチャに押し寄せてくる。私も光君も、深入りしかける度にお互いの手をぎゅっと握って耐えた。  三大禁忌で隠匿されていた話は、概ね本当だった。学校で習うような一般常識を思い出した後で改めて見ると、とんでもない話だ。  現代では謎に包まれたシュメール文明。それは外宇宙へ繋がる『塔』を建てた、神々と人類が手を取る国だった。しかし彼らは創造主の片鱗を目の当たりにして、人類が二度と外に夢を見ないようそっと衰退した。その物語はやがて、現代の人々も信仰する世界一有名な聖典を生み出すきっかけとなった。  その後、地球に降り注いだカオスコロル。そりゃあ神の子と名乗るのも納得だ。彼は人類が二度と創造主に近寄らないよう、奇跡の力で生涯慈善事業を行いながら、ひっそりと人類から霊感を奪っていった。  そして第二のカオスコロル。霊能者と合体して大預言者に変身した彼は、中東に当時まだ残っていた異教徒が呼び出した外宇宙生物を倒し、それまで以上にめちゃくちゃ厳しい一神教を作った。彼はもはや唯一神の名前を呼んだり、イメージで偶像を作る事まで頑なに禁じた。それでも現代でも、人類の三分の一ぐらいの人達が彼の言いつけを守っているのはとてつもない偉業だ。  第四のカオスコロル……カスプリアさんは、時の王様の隠し子に宿った。だけど霊能者であった王様は、カスプリアさんの記憶が完全になくなるまで彼を地下に幽閉し、人間の言葉や生活を何一つ教えずに育てた。そのせいでカスプリアさんはやがてゲシュタルト崩壊して、脳を卵に変えて自らを封印。それを戦時中ナチスドイツに発掘され、今に至る。  人類とカオスコロル達が、ここまでして長年隠し通してきた『外宇宙』。いま、その実態は私達の目前にある。 「……ここまでは、大丈夫ですの? 準備ができましたら、いっせーのーせで創造主をチラ見せいたしますわ」 「わかりました。光君、大丈夫?」 「ゼェ、ゼェ……うぷっ。なんとか」  私はいい、まだ仏であるドマルの記憶や精神が根幹にあるからこのくらいは平気だ。しかし光君は今に至るまで、既に何度か分解霧散しかけている。 「じゃ、じゃあいくよ……本当に平気!?」 「ど、どうにかするから! 大丈夫。一美ちゃんを残して、僕は絶対に壊れたりなど!」 「わかった。いっ……」 「「せーのーせっ!」」  私達の合図と共に、カスプリアさんは外宇宙の景色を解放した。
བཞི་པ་
「ロフター。ロフターや、イラクサを刈ってきておくれ」  穏やかな森の中。腰の曲がった老魔女グリーダが、大鍋をかき混ぜながら使い魔を呼ぶ声。 「おいおい、イラクサですって? 僕の肉球が膨れ上がってパンになっちまいますよぉ」  現れた使い魔は、嗄れた声で二足歩行の猫。彼は虎のように大柄だけど、身長二メートル半もある魔女と並ぶと丁度よい体格差だ。 「文句を言うんじゃないよ。あたいの叔母のナブロク手袋を使いな。叔母さまはどんな毒や火傷からもあんたを守ってくれるよ」  魔女に促されるまま、猫は引き出しから人皮の手袋を取り出した。それは丁寧になめされて、甲に金色のルーンが刺繍されている。 「おやおや、こんなに薄いのに随分とあったかいんですなあ。それに……おお。確かに、イラクサに触ってもチクチクしないですよ。こりゃあグリーダの叔母さんは随分と良い人だったんでしょうね」 「ヒッヒッヒ! そうさ。あたい達魔術師はね、古くからノースの神々と共にヴァイキングを支えるこの国の英雄なのさ。最近は神が一人ぽっちしかいないなんて訳のわからない事を言う外人さんもよく来るけど、あんな偏屈な考え方はこの辺りにゃ向いていないね!」 「にゃははは! 全くその通りですなあ。わはははは!」
ལྔ་པ་
 魔女と猫の、幸せそうな束の間の時間。外宇宙の創造主……本当にそう呼んでいいのか……を見た私と光君の脳裏には、その光景が過っていた。 「こんな物のために」  光君の唇が震える。 「こんな物の尊厳を守るために、あの魔女は裁判に?」  魔女裁判。実は土着信仰の根強いアイスランドでは、ヨーロッパほど熾烈な魔女裁判は行われていない。しかし森の魔女グリーダは拷問の上で惨殺されてしまった……カオスコロルである、ロフターユールを庇って。 「こんな物の尊厳を守るために、いまだ世界中で戦争が??」 「そうですわ」  創造主を背にしたカスプリアさんの目が、玉虫色に光る。この『神』を三次元の物体として落とし込むと、確かに似たような色をしている。  創造主について言葉で例えるのは難しい。あえて言うならそれは、どこまでも無限に広がり、うねり続ける複雑な波だ。波の先をよく拡大してみても、見えなくなるほど無限に同じ形の小さな波が連なっている��け。どれだけ全景を見渡そうとしても、見えなくなるほど無限に同じ形の波が連なっているだけ。その全貌は途方もなく壮大で、その片鱗は手の中に握りつぶせるほどちっぽけで無価値な存在。それが創造主という概念だと思う。 「僕は認めない! 神様ってヤツは、もっと偉大で立派で……こう、ひげもじゃのお爺さんなど! みんなが尊敬できるお方でねえと! なのに、こんな心があるかどうかもわからない場所が……神様など……」  光君の頬を涙がつたう。こうなるのも当然だ。だって私達は、つい今しがたまで人類の全ての歴史を追体験したばかりだから。神に祈りながら死んでいった人々、神について争い命を奪い合う人々、神を騙る人々……その全てを、見てきたから。 「一美ちゃんは、どうしてそんな平気ので……?」 「……」  私って、薄情な女なのかな。ただ…… 「平気、かどうかは何とも言えないけど……私は正直、こんなもんかなって思った」 「どうして?」 「だって……創造主って、人類だけのものじゃないでしょ」 「!」  そう。私達は、人類の全てを見てきた。けど、それだけじゃない。動物、植物、惑星、この宇宙の全てを経てここに来たじゃない。 「人のための神様なら、確かに人型じゃないと変だと思う。けど太陽系には、犬とか葉っぱとか、石とか、ミトコンドリアとか。色々な存在があるでしょ? その全員のお母さんだってんなら、こんなわけのわかんない形だったのも納得がいくよ」 「人間以外……まさか一美ちゃん、さっきの遡りで、人類以外にも目を……!?」 「い、いやいや、ちょっとずつだよ!? そこまで精神のキャパないし! ……あ、でも」  人間をここまで魅了する神様、といえば…… 「……よく見るとこの波の形、仏様っぽくない? お釈迦様の螺髪(パンチパーマ)、ほら、あのへんの出っ張りを真似したのかも!」 「は、はは……」  光君は膝を打った。 「……これが、不動明王(ホトケさま)か」
དྲུག་པ་
 かくして全てを悟った私達は、カスプリアさんの力でゲーム空間に意識を帰還させた。 「さすが……お二人共、よくご無事でお帰りなさいましたわ。ですが、それができたのは、お二人が今まで幾多の試練を乗り越えてきた神仏だったから。普通の人間は創造主を直視するだけでショック死ですのよ」 「わ、わかってます! あんなのバレたら文明がめちゃくちゃになっちゃいますよね!」  というか、目がチカチカして卒倒するのが先かも。 「ええ。ですが、それこそ金剛が企てる楽園計画ですの」  そう、私達はロフターユールの過去も見てきた。彼は魔女狩りで大切な人を失い、一神教を……過去のカオスコロル達が築き上げてきた秩序を、憎んでる。  金剛有明団の真の目的は、全人類が失った霊感を再び蘇らせ、この地球上から『創造主への幻想』を破壊する事だったんだ。
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