Tumgik
#ペルソナを構築するために外に目を向けず
elle-p · 4 months
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Famitsu PS2 vol.210 Persona 3 section pictures and transcription.
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『ペルソナ』は新世代へ
主人公
月光館学園の転入生。転入直後に謎の怪物"シャドウ"の襲撃を受け、ペルソナ能力を覚醒させる。自由にペルソナをつけ替えられる特殊な能力を持つ。
初期ペルソナ
オルフェウス
絆が僕らを強くする-
長い沈黙を経て動き出した『ペルソナ3』の第1報。橋野氏&副島氏のコメントも必見!
"召喚器"でペルソナを召喚
主人公たちが帯びた使命は、"シャドウ"を討伐すること。分身たるペルソナを"召喚器"によって召喚し、敵となる"シャドウ"たちと戦うのだ。
召喚器とは、ぺルソナを召喚するときに用いる小型の補助装置のこと。その多くは銃の形をしており、自分に向けて撃つことで、ぺルソナを召喚する。
ムービーも美しく
ペルソナ3
第一報
P3
PERSONA3
PS2
DVD-ROM
開発状況
?%
アトラス 7月13日発売予定 価格未定
学園 RPG 容量未定
1人
審査予定
ディレクター : 橋野桂
キャラクターデザイン&アートディレクター : 副島成記
『ペルソナ2罪・罰』から5年。ついに『ペルソナ3』が始動! 本作ではキャラクターとシナリオを一新。架空都市港区を舞台に、自分自身の別人格"ぺルソナ"を召喚できる力を持った者たちが、"シャドウ"と呼ばれる怪物と戦っていく物語が描かれるぞ。まずは、主要人物とペルソナを紹介。見たことのない『ペルソナ』が、始まる。
©ATLUS CO., LTD. 1996 2006. ALL RIGHTS RESERVED. ※画面は開発中のものです。
STORY
1日と1日の狭間には影時間が日在する
私立月光館学園に転校生した主人公は、怪物の急襲を受けたことでペルソナ能力が覚醒。1日と1日の狭間に"影時間"という隠された時間が存在することを知る。そこには"シャドウ"と呼ばれる怪物が棲んでおり、人の精神を食らっていた。その被害から人々を守るべく、主人公はペルソナ能力者が集まった特別課外活動部の一員となり、"シャドウ"と戦うことを決意するのだった。
ペルソナ
ヘルメス
いおり じゅんべい
伊織順平
CV : 鳥海浩輔
主人公の同級生。転校生である主人公に真っ先に話しかけてきたお調子者。ペルソナ能力に目覚め、主人公とともに戦いに参加する。
たけば
岳羽ゆかり
CV : 豊口めぐみ
主人公の同級生。同じ寮に住んでいる。ペルソナ"イオ"を召喚する能力を持ち、主人公とともにシャドウ討伐を行う。明るく前向きで、皆から好かれている。
ペルソナ
イオ
アートディレクター
そえ じま しげ のり
副島成記
独特のビジュアルで、多くのユーザーから高い支持を得ている。代表作は『ペルソナ2罪・罰』。
今回、完全新作となる『ペルソナ3』の絵を創るにあたって、いま一度『ぺルソナ』の魅力について考えるところから始めました。シリーズを通しての最大の特徴、それは本当の意味での"現代劇"であると考え至り、その部分をさらに掘り下げて作り込んでいます。等身大のキャラクター、日常感にあふれた街並を再現した背景、そしてゲーム操作画面に至るまで"現代"を意識したデザイン。さらに、ムービーパートを筆頭に、物語の展開に合わせてキャラクタ一の希望や不安といった内面世界までも絵にすることにより、魅力的でリアルな世界観を構築しています。つねに"いま"を表現し続けることにより新しい作品となった『ペルソナ』最新作の魅力を堪能していただければと思います。
→バトルでは、マンガのような演出も見られる。
朝、昼、夜一そして影時間
本作では、1日が朝、午前、お昼、午後、放課後と夜に分かれ、それぞれで行動していく"リアルスクールライフ"システムを採用。これにより主人公は、朝になると登校して、放課後には自由な時間を過ごす、というごくふつうの生活を送ることになる。しかし、午前0時になると影時間が訪れる。影時間に自由に動けるのは、シャドウとペルソナ能力を持つ者のみ。主人公はここで、仲間たちとともにシャドウに戦いを挑むのだ。戦うことにより、主人公は新たなぺルソナを手に入れる。入手したぺルソナは、"コミュニティ"システムでパワーアップさせられるぞ。また、ペルソナどうしを合体させて強化することも可能だ。ここではシステムの詳細を見ていこう。
舞台となるのは架空都市"港区"と私立月光館学園
港区は、古くからの港街"巌戸台"と新興の人工島"辰巳ポートアイランド"がある海沿いの都市。ポートアイランドの中心に、主人公たちが通う小中高一貫の名門校、私立月光館学園がある。
高校生としての日常を過ごす
スクールライフ
School Life
主人公は、定められた時間帯の中では自由に行動できる。朝から午後までは学校で過ごすことになるが、放課後は校内外を探索できるし、寮に帰れば寮内も見て回れる。さらに夜は、街を徘徊することもできるのだ。
→同級生のゆかりと会話。朝、昇降口でのひとコマだ。
もちろん授業も
↑校門前で順平に遭遇。たわいもない会話が交わせるのも魅力的だ。
↑夜、寮のラウンジにて。特別課外活動部員は、全員同じ寮に住んでいるのだ。
ショップも利用夜には街でお買い物
Shop
夜または自由時間であれば、街の中にあるショップも利用可能。ここのアクセサリー屋では、どうやらアクセサリーを売買するだけでなく、店員と話すこともできるようだ。
←色彩豊かでグラフィカルなインターフェースにもご注目。
深夜0時校門前にて
←同じ寮に住む仲間とともに校門前へ。これから何が起こるのか?
すべてが変わり影時間が始まる
→雰囲気が一転。いよいよ影時間の始まりだ。これから"シャドウ"が活動する。
怪物
"シャドウ"
影時間
Darkness
影時間になると、ふつうの人間はみなオブジェ化する(棺になる)。だが、オブジェにならなかった人間はシャドウによって精神を喰われ、口も聞けないほどの無気力状態に陥ってしまう。そうした人間を増やさないために、主人公たちは影時間になると活動を開始し、ペルソナを使ってシャドウを倒していくことになるのだ。
EVENT イベント
影時間中は、ゆかりや順平ら特別課外活動部の仲間とともに行動するのだ。行動中はさまざまなイベントが発生するようだ。はたしてどんな事件が待っているのか⋯⋯?
いったい何が?
↑影時間になると現れる謎の塔、タルタロスを横に見ながら疾走。
BATTLE
バトル
"シャドウ"に出会ったら戦闘。 ペルソナの持つスキルを駆使し でシャドウを倒していこう。
↓初期ペルソナのオルフェウスで攻撃。ぺルソナを使わずに武器のみで戦うことも可能だ。
→戦いに勝つとペルソナカードが手に入るぞ。どんどん集めていこう。
ペルソナカードをゲット!
←主人公は、カードに記載されている悪魔をぺルソナとして使えるのだ。
影時間の訪れと共に現れる謎の塔⋯⋯"タルタロス"
影時間とは⋯⋯?
午前0時に現れる謎の時間。始まると、 ふつうの人間は棺に似た形のオブジェに 変わるが、そのあいだのことは記憶に残 らないため、存在に気づいていない。
"コミュニティ"でペルソナをパワーアップ!
学校や街中にいる人物と会話して仲よくなったり、部活動に参加することで、コミュニティを発現できる。コミュニティは、所属する人物との関係を深めることによってレベルがアップするぞ。レベルが上がれば、ペルソナが強くなるのだ。
コミュニティの種類は多彩
→クラス、部活動など、20種類以上のコミュニティがある。
→命発現したコミュニティのレベルをチェック。
←人物と会話したことでコミュニティが発現。
友との絆が強さに直結する
↑コミュニティにはそれぞれアルカナ属性があ る。コミュニティがレベルアップすると、アルカ ナ属性に該当するペルソナもパワーアップする。
ペルソナ合体システム
謎の場所"ベルベットルーム"では、2枚以上のぺルソナカードを合体させることでより強力なペルソナを作り出すことができる。数多くのカードを入手して、より強力なペルソナを作り出していこう。
イゴール登場
→おなじみのペルソナ合体。何ができるかな?
→コミュのレベルに応じて経験値もつくぞ。
コンゴトモヨロしク{?}
ディレクター
はし の かつら
橋野桂
『真・女神転生⋯if』よりシリーズの開発に携わる。代表作は『真・女神転生Ⅲ-ノクターン』など。
前作で物語が完結してから5年、ついに、新たな舞台と物語を得た、まったく新しい『ペルソナ』を、シリーズ3作目として発表させていただききました。学園ジュブナイルという若い世代の思いや悩みを等身大で描く中で、ペルソナ召喚や合体システムなどのご好評いただいたゲームシステムを継承しつつ、さまざまな新要素を存分に加えて、十分なボリューム(プレイ時間は50時間以上)でやり込み度満点のRPGを、もうすぐお届けできると思います。とくにこだわったのは"日常"の表現。実際の人間社会にあるようなコミュニティの形成を『ペルソナ』の成長システムに大胆に絡め、まったく新しいシステムとして構築しました。日常のさまざまな人間関係のリアリティーを、365日という学園生活の中で、壮大な物語とと��に存分に楽しんでいただけたらと思っています。シリーズのファンの方はもちろん、新しく興味を持っていただいた方にも、「本当におもしろかった!」と思っていただけるゲームにしたいと思っておりますので、ぜひご期待ください。
記事担当チェック!!
待望の新作。『ペルソナ2罪・罰』はあれで完結ということで、完全新シリーズです。注目はやはり"コミュニティシステム"。仲よくなることで強くなっていくなんて、ステキではないですか。もちろんペルソナ合体も健在。今度はピクシー出てるといいな! (ライター : 荒井弘子)
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cocoro-ai · 3 years
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雨続きで久しぶりに青空が出てふと見上げた空の顔❣️ #終戦記念日の一粒万倍日に世界平和の祈りと願いを #雨続きで見えた晴れ間にメッセージのような空で #何故かワクワクするような出来事続きに意識が #聞くもの目にするものが魂に響いて確信して #ペルソナを構築するために外に目を向けず #自分の内面をよく見て潜在意識と無意識 #見えない世界と見える世界を繋ぐこと #宇宙と自然と八百万の神々と自分と #この地球を愛と光の惑星にします #今が楽しくてワクワクすること #すべては波動からなっている #意識の集合体が世界平和に #自然セラピーコーチング #自然を守りつながれば #思いのままに生きる #新しい自分を開花 #見えない世界と #見える世界を #融合させて #どこでも #自由に #生き #愛 #光 #神 https://www.instagram.com/p/CSmCbdLJSe7/?utm_medium=tumblr
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nagako · 5 years
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20190204 HARDY FEBRUARY
毎年、2月1週目はそわそわする。それも偏に小学生の頃、2月1日から続く私立中学受験のため、心身ともに極限まで追い詰められたせいである。
受験のために、小学2年生から進学塾に週5日通わされ、大好きだったピアノも途中で辞めさせられた。受験ノイローゼになって模試で吐き、視界がグレースケールになるという珍事にも見舞われた。何度も「受験なんかしたくない」「こんな毎日は嫌だ」と親に訴えたが、聞き入れられなかった。父は「お前の将来のためだ、わがままを言うな」と怒鳴って何度もビンタを寄越した。母は「わがままを言うとママが怒られる、ママを困らせないで」とヒステリーを起こした。わたしに言わせれば、両親ともに自分の都合のためにわたしを利用しているに違いないのだから、両親の方が断然わがままだ。
結果、第1志望は落ちた。第2志望には受かったが、わたし自身は第3志望の学校に一番興味があった。無論、候補校や第1、2、3の順序を決めたのは親および進学塾の査定であって、わたしではない。親が操作するコマとしてのわたしに自動的におりてきた条件の中では、第3志望校のみが嫌ではなかった。つまり、それ以外は全部嫌だったので、なんとか第3志望校に合格するべく、はりきって試験に挑んだところ、開始早々に、試験の係員がわたしの肩を叩いて退出を命じた。カンニングなどの不正をはたらいたわけではない。出口には、第2志望の合格発表を確認して来た母が立っていて、「第2志望に受かったから、もう用がないので帰りましょう。ああ、良かった! やっと終わった!」と言って笑っていた。
この時、わたしにはまったくもって自己決定権が与えられていないという事実を明確に悟った。それまでうすらぼんやりとやり過ごして来た自己決定権の無さに対し、確固たる怒りを抱いた。容赦ない競争に放り込まれ、吐くほど勉強した当事者ではない親が、当事者であるわたしに死闘を強要するのみならず、高みの見物の分際で当事者面して良かった、終わったと宣って満面の笑みを浮かべたのち、唯一挑みたいリングに出場する権利さえをも梯子外しとばかりに剥奪するとは、都合のよいコマ扱いもいいところだ。
この気づきは、のちに続く中学時代の思春期の自我の大爆発の引きがねとなり、以降は家族にも先生にも友達にも誰にも決定権を委ねない、触らせない、「わたしのことはわたしが決める」方法論が確立されていったのだから、まあ結果的には良かったのだと思う。が、この時期になると反射的に胃がキリキリしたり、目前がグレーになった時の衝撃を思い出して嫌な汗が吹き出たりするので、そこそこのトラウマと化しているのは明らかだ。いつまでも昔のことをぐちぐちと、と呆れる人もいるかもしれないが、何年経っても嫌なものは嫌なのだから仕方ない。ちなみに、高校受験も大学受験も特にわだかまりは残っていない。わたしにとっては中学受験だけが突出して黒かった。
うちは躾も厳しかったし、鬼軍曹こと父の教育方針はかなり抑圧的で、今となっては虐待と指摘されてもおかしくないスパルタ育成法を採択していた。小学生までは嫌でもそれに従う以外の発想がなかったが(従わないと父に殴られ、母に泣かれ、愚痴を言われる)、中学以降は能動的に自分で考える、自分が動く、自分が決める、と自己力を徐々に高めていったので、自分の言動に自分が寄り添っていたのだろうと考えられる。小学生までのわたしは、わたしに寄り添っていなかった。だから苦しかったのだと今は思う。
その苦しみは、わたしがわたしに寄り添って生きるために用意されたスプリングボードだったのかもしれない。現実問題として、子供の頃のわたしがわたしに寄り添ったくらいでは、生きてはいきていけなかった。親や大人の力に頼る必要があった。が、だからといって親や大人が、自己都合のコマとして子供を利用して良い道理はない。子供だけではない。何人たりとも、誰かを支配し、自己都合で操作してはならない。他者の自己決定権を蔑ろにする者に激しい怒りを覚えた時、自分の資質を知った。わたしは、わたしの意志で選択したわけではない(選択して生まれてきたとする宗教観については今回は棚上げ)性別や家族環境や時代によって与えられた苦しみを、ずっと抱え込んでしょんぼりし続けるような人間ではなかった。わたしはその苦しみに対し、怒っている。怒ることができる。わたしの決定に何人たりとも介入するなとわたしは言える。これからの人生においては、いくらでも選択できる。選択・決定しまくってやる。模試で吐きまくっていたセンシティブな女の子は、意外とファイターだった。
昭和のベビーブーム生まれ、受験戦争育ちの我々が子供の頃は、全体を管理するための規律が厳しく求められたり、競争と忍耐を同時に強いられたり、人権侵害さながらの詰め方・詰められ方を正攻法として教わったりと、今となっては通用しないブラックな方法論を刷り込まれて生きてきた。なかなか壮絶だったが、親の団塊世代やそれ以前の戦争体験世代はもっと壮絶だったのだろうし、ロスジェネ、ゆとり、さとりと呼ばれる世代においても前世代が想像できないようなそれなりの苦しみがある。楽しみや面白さの価値観も同様にそれぞれにある。人間は、国や時代や個々の家庭環境など、自らが選択したわけではない与えられた条件によって人間性を構築されていく。各国や時代の風土、風潮、教育、情報の刷り込みが、人間の価値観を大きく左右する。
だからこそ、あの世代の価値観がこの世代の価値観より勝る・劣ると一義的に優劣をつけることなど誰にもできない。自分の世代への愛着(あるいは習性依存)から、異なる世代を批判することもできない。世代単位で競争したところで、いかなる世代も大雑把にいえば「時代に価値観を刷り込まれた者同士」なのだから、同じ土俵に乗っている同類であり、そのうえで向き合わず、見当違いな別の方向を各々眺めながら右往左往しているわけだから、立ち会いは成立しない。自分の価値観とは異なる者に恐怖や憎悪を感じたからといって、己の勝手知ったる世代の価値観のみを根拠に、その他を排除する権利など誰にもない。
価値観はそれぞれに異なって然るべきであり、同一であると考える方が不自然であるとの摂理について、人間はもっと頭を使わなければならない。昭和のやり方が、平成および次世代にはハラスメントとして認識されるから控えようとか、昔と比べて生きづらい時代になって来た、肩身が狭いとか、現代および自分が変化して適応しなければならない現状を憂う意見をよく聞く。が、わたしはそれを「社会や時代の刷り込みによって都合よく操作されて来た”人間“が、自他ともに”個”と対峙するための気づき」と捉え、歓迎する思考を支持したい。
世代語りは、「男とは」「女とは」「日本人とは」でおなじみ大きな主語で個を括り殺す論法だが、多様性=個人の基本的人権尊重を社会全体で容認しようとする現代性と相反する。数多のハラスメントの要因には、大きな主語で個を蔑ろにし、相手の自己決定権をも蔑ろにする共通点が認められている。いま対人関係において求められているのは、世代や男や女や人種と話すことではない。相手個人と話し、お互いの世代にギャップがあるなら、双方が相手の時代性を学び、お互いの背景を共有したうえで、相互理解を深めるために頭を使って会話をすることに尽きる。相手を尊重したうえで、人格攻撃をせずに、ひとつの物事について多角的に議論する。そんなディベート能力が日本人には欠けていて、現代こそ必要であるという説もよく聞くが、同意する。
つまるところ、人を思い、理解し、寄り添うために頭を使うという教育を、我々は受けていないのだと思う。システマティックに自他ともどもの自己決定権を蔑ろにされ、それが人間の常態だと刷り込まれて来た者は、疑いもなく他者を蔑ろにする。自他を分別する思考力を失い、同じ人間同士として雑に扱う。結果、自らを粗末に扱い、蔑ろにする。自他ともに粗末に扱われない人間を「人でなし」と断罪し、粗末依存の沼で居直る者同士の心情を外連味たっぷりに「人間味」などと宣って正当化する。この沼から脱するためには、自他の”個”を尊重し、境界線を清潔に保つしか方策はない。相手への共感力やフィーリングのような柔らかい能力も大切だが、先天的な感覚頼みではなく、教育によってトレーニングし得る後天的な思考力をアスリートのごとく強化し、いかなる状況でも人間を慮れるタフなロジックを脳に叩き込んだほうが発展的であるし、人間はもっと楽に生きていけるようになると、わたし個人は考える。
また、いまだわたしを苦しめる忍耐や競争や抑圧の感覚も、対人関係において雑に展開すると相手をも苦しめるが、対人ではなく対自分、いわゆる「己と己の戦い」という側面においては重宝する点もある。わたしは競争を知り、他者を知った。限界を知り、自分の身の丈を知った。自尊心の存在に気づき、自責の念にも打ちのめされた。自他の摩擦によって自己を認識していく過程において、自己内の不備や汚物も目の当たりにするが、これを改善するために、あるいは見方を変えて受容するために、忍耐強く凝視する胆力のようなものがわたしには備わっている。この胆力こそ、セリーヌの名著のタイトルを気安くパクったところの光り輝く忍耐の産物である。外科医は内臓の疾患を取り去るために肉体を切り開いてオペを行うが、その内臓がグロテスクで凝視に耐えないと嘆き、目をそらしてしまう人物にオペは実行できない。そのような人物は外科医にならなければいいという話ではない。自己のグロテスクさやネガティビティと冷静に対峙できない人間は、改善のチャンスを逸するばかりか、自己をタブー視し、タブーを温存したまま目をそらし、自己外の他者や社会が都合よく承認しやすいペルソナを生きるなどして、自己を蔑ろにする。自分が自分に寄り添っていない。寄り添うためには、見るしかない。
自分に寄り添うことができれば、他者や社会との摩擦も怖くなくなる。自己が整っていれば、その都度の時事の状況に適応しながらも、身を削らなくて済むような、柔軟な対応を選択できる。対人関係においても、清潔でいられる。友達の言動が自分にとって好ましくなかったからと言って、怒ったり、責めたりしない。好ましくなかったという理由は自己の感情の反射であって、相手の不備ではない可能性もあるので、即座に相手の人格を否定することはできない。自分の感情を起点に他者を責めようとする時の敵とは、相手の自己を尊重せずに操作したがる欲望をもつ自分自身に他ならない。実質的な被害は被害として訴えたとして。ちょっと考えれば、相手はもとより自分が自分をみすぼらしい生き物たらしめるような愚かな真似を行なっている状況に気づくものを、感情任せに人様を断罪するなど馬鹿丸出しだ。百害あっても一利もないのだから、自他ともども、幸福になるために、もっと頭を使って、理屈で整理していく必要があるとわたしは考える。
己と向き合えば、他者とも向き合える。自他の距離感を清潔に整理すれば、共有する境界線の住み心地は風通しが良くなる。対人関係をスムースにするべく、多くの人の顔色や空気をうかがって奔走する前に、自分が自分に寄り添ってやる。そうすると、対人関係をスムースにしようなどという発想そのものが消える。と書くと、協調性のない自我ゴリ押しのコミュ障が何を言っているのかと怒られそうだが、実際のところ、対人関係をスムースにしようという発想が生じ得ないコミュニケーションが最も平和であり、スムースである。自分が整っている者同士の成熟した集合は、自分の問題ややるべきことと、他者と共有することの思慮分別も整っている。かくいうわたしはまだまだ柔軟さに欠ける。精進しながらも、自分の自尊心を満たすために他者を粗末に扱い、結果、自分を粗末に扱っているに等しい自傷行為に及んでいることに本人は気づかず、その滑稽かつ痛々しい姿を有り体に見物させられた社会がうんざりするといった人間の無駄な徒労が世界から消えて、自他を清潔に愛するために自分を尊重する者が増える社会を、わたしは望む。
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sasakiatsushi · 6 years
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「批評」はいま、どこにあるのか?(ないのか?)
(「クイックジャパン」連載「イズミズム」第七回)
 7月の29日と30日の土日二日間、渋谷のアップリンクファクトリーで、「第一回批評サミット:批評家トライアスロン!」なる催しを行なった。これは(以下、告知テキストより)音楽、映画、文学、サブカルチャー、ネット言論、アダルトビデオ等々、様々な分野で「批評」の最前線に位置する顔ぶれを一堂に集め、バーリトゥード的にライブで生批評を繰り広げる、5時間×二日間=計10時間に及ぶ前代未聞のトーク・イヴェント」ということで、何を隠そう(?)、今まさにその二日目を終えて帰宅したところなのだ。今回は、最初は大塚英志氏の何冊かの近刊について書こうと思っていて、でももう少し考えた上でと考え直して、続いては仮称「ニュー・ニューアカ」なるものについて書いてみようと思いつき、かなり書き進んでもいたのだが、急遽、やっぱりこのイベントのことを書きたいと思う。  7月の末、よりにもよってフジロック・フェスと同日程で(笑)、なにゆえにわざわざ、このような「前代未聞の」試みをやることになったのか、実際的な経緯は、まあ色々とあったのだけれど、僕はかねてから一度こういうことをやってみたいと思っていた。  「批評」という言葉の意味するものは色々とあるだろうし、僕自身にも明確で厳密な「批評」なるものの定義付けがあるわけでは必ずしもないのだけれど(先回りして書くなら、むしろそれを知るための足掛かりを得られたらというのが今回の動機のひとつだった)、これはまさしく本連載で廻り道をしながら問いつつあることとも繋がっていると思うのだが、たとえば「音楽批評」があり「映画批評」があり「文芸批評」があり、というような、個々のジャンル=表現形態の領域ごとにおいて、定義はともかくも「批評」と呼ばれるような営みが、現在、誰に、どのように必要とされているのか?、あるいは、そもそも「批評」と呼ばれ得るような営みは必要とされているのか?、それは必要なものなのか?、といった問題について、実際にそれぞれの「批評」の現場に居て、読者としての僕から見て際立って意識的な活動を継続していると思える書き手の方々に一堂にお集りいただいて、彼(女)らの考えを是非聞いてみたい、という気持ちが、以前からあったのだ。断っておくが、この問題は、いささかも理念的なものではなくて、徹底してアクチュアルな問いである。つまり、今、他ならぬ今、「批評」とはいかにして成立可能なのか?、ということなのだ。  また、個別的な専門分野=プロパーに関わる「批評」であっても、それが本質的なものであれば、必ずそのプロパーの「外部」と接触せざるを得なくなっていくものだと思うし、そのプロセスの中で、プロパーの限定自体が無くなっていくことだってありえる。もうひとつ、これは僕自身の経験も踏まえて言うのだが、ただ何事かについて自分の考えたことを言葉を用いて書けば、その出来はどうであれとりあえず「批評」ではある、という幸福な(?)時代はおそらくとっくに終わってしまっていて、常に必ずそうである(べき)というわけではないにせよ、それなりに筋を通して「批評」をしようとするのなら、それはなかば必然的に、何らかの意味での「実践」的なるものへ繋がっていかざるを得ない、ということも事実だと思う(よく言うことだが、HEADZがやっていることは、コンサートやツアーのプロデュースも、雑誌FADERの刊行も、CDレーベルも、すべてが僕にとっては「批評」の一環である)。そうしたことどもについても、自分以外の色々な意見を聞いてみたかったのだ。  今回、参加していただいた八名の方々は、いずれもそれぞれのジャンル/プロパーの最前線で活躍されている書き手である。以下、いまだ記憶に生々しい二日間のドキュメントを記してみたいと思う。  初日のトップバッターは、吉田アミさん。「ミュージシャン/ヴォイス・インプロヴァイザーとしての国際的な活動の一方で、人気はてなブロガーでもあります。また最近は、各種雑誌などへの寄稿も精力的に行なっています」(告知に僕が書いた紹介文より。以下同じ)。まず早速、「人気はてなブロガー」って何よ?、というツッコミから話はスタートした(笑)。それを言うなら「はてなダイアラー」でしょ!、と。その通りでした。彼女がインターネットにサイトを開設したのはけっこう昔で、最初は自分がネットを廻って見つけた面白いネタをストックするために始めたのだが、次第に自分の身辺雑記や思考のメモみたいなことも書くようになった。彼女が「人気はてなダイアラー」になったのは、何と言ってもそのブログ(http://d.hatena.ne.jp/amiyoshida/)における、その時々の精神状態がそのまま転写されてるかのようなアップダウンの激しい文体のユニークさと、そこで開陳される様々な意見の常識や通念とは違った意味での真っ当さによるものだと思う。はてなを含むブログの登場は、既存の紙媒体とは異なるライターのリソースを供給するようになったが、彼女はまさに「はてな」が生んだスターのひとりだと言える。今回のゲストの中では異色の存在かもしれないが、僕が彼女と話したかったのは、いわゆる「ネット言論」における倫理について興味があったからで、誰もが自由に自己を表現し自説を吐露できるインターネットという場所だからこそ、自分の言葉が、以前なら決して出会うことのなかった筈の「他者」たちにちゃんと通じるためには、ある種辛抱強い態度表明と、時には思い切った振る舞いも必要なのだ、ということを教えていただいた。コメント欄やトラックバック、キーワード検索などの機能が充実したはてなのようなコミュニティにおいては、いささか乱暴に言ってしまえば、多少の文才と戦略さえあれば、ちょっとばかり目立つことはさほど難しくはない(と僕は思う)。だが、ブログでのプレゼンテーションを超えて、今やオフラインでの文筆活動も次々と行ないつつあるアミちゃん(と急に愛称)には、才能や資質はもちろんのこと、書き手としての覚悟と自省もきっちりと備わっているのだとあらためて思った。  「雨宮まみさんは、現在、極めてエネルギッシュな取材・執筆を行なっている注目のアダルトビデオ・ライターです。色々な意味で「批評」という行為が成立しにくいAVというジャンルにあって、愛情と文章だけを武器に、業界への疑いや自分自身への迷いも混みで奮闘している姿に感銘を受け、是非お話してみたいと思いました」。豊田道倫『東京の恋人』について書いてくれたことがきっかけで僕は雨宮さんの存在を知った。彼女のはてなダイアリー「雨宮まみの「弟よ!」」(http://d.hatena.ne.jp/mamiamamiya/)を読むと、AVという「売れる/売れない」イコール「抜ける/抜けない」イコール「良い/悪い」イコール「要る/要らない」という等式が極めて強力に現前している世界にあって、「批評」という行為を成り立たせようとすることの困難と、それでもやるのだという「覚悟」が伝わってきて、僕にはそれが「音楽」において生じていることと同様だと思えた。抜けない=売れないAVは不要だという資本の論理は、そんなAVについて書かれた言葉の必要性も当然、揺るがす。雨宮さんの話では、それどころか今やAV情報誌は次々と廃刊し、書く場所自体が消滅しつつあるのだという。AV誌の編集者からフリーライターに転身した彼女にとって、これは死活問題である。AVを愛し、AV業界に愛着を感じながらも、自らの書き手としてのサヴァイバルも考えていかざるを得ない雨宮さんは今、彼女の言葉で言うと「一点突破」を狙っているのだという。遠からぬ内にAV以外のジャンルで、雨宮まみという名前を見かけることになるだろう。その堂々たる話しぶりと同じく、彼女の言葉は毅然として高潔で、ブレのない視座と説得力があり、それでいて人間味に溢れてもいるのだから。  「更科修一郎さんは、コミック、アニメ、ゲームなど、いわゆる「オタク文化」の最先端に編集者、批評家として携わっておられます。氏の論考は、雑誌「新現実」「ファウスト」「ユリイカ」等で読めます。また『嫌オタク流』(太田出版)では、中原昌也と高橋ヨシキのお二人を聞き手に「オタク」のメンタリティについて語っておられます」。更科さんとのお話は、いわゆる「おたく(80年代)」と「オタク(00年代)」の中間に位置してしまった(つまり「90年代」の)、ひらがなとカタカナの間くらいの世代であるがゆえの苦悩、といった所から始まった。同じOTAKUという発音を持ちながら、両者の断絶は深い。基本的なメンタリティとしては先行世代に近いけれど、おたくのようなバブル期のイケイケ感もその後の挫折/ルサンチマンも共有しておらず、資本の欲望に従順な「動物」と化すことによって内省を欠落させたオタクを嫌悪しながら、しかしメディアの送り手のひとりとしては彼らを相手にするしかない更科さんは、色々あって編集者業は開店休業中、ライターとしてもその「覚悟」ゆえに苦しい状況に陥りつつあるようだ。「おたく」と「オタク」に共通するのは「自己承認ツール」として作品や言説を必要とする脆弱さにある、と更科さんは言う。明晰な論理と的確な言葉の用い方は、個人的な快不快の延長か、でなければ空疎な理論構築に走りがちなOTAKU論が圧倒的に多い中で、とても貴重なものだと思う。更科さんのHPは、http://www.cuteplus.flop.jp/  「仲俣暁生さんは、元「本とコンピューター」誌編集長で、現在はフリーランスで編集と文筆業をなさっています。最近は文芸評論の分野での活躍が目立っています。著書として『極西文学論』(晶文社)など。また僕もインタビューイとして末席を汚させていただいたインタビュー集『ことばの仕事』(原書房)が発売中です」。アミちゃんや雨宮さんと同じく「人気はてなダイアラー」でもある仲俣君は、さすがに初期からネット関係の仕事に携わってきただけあって、ブログというものの有効性と限界を知悉した上で、自分のしたいこと/すべきことを着々と積み上げていっている。足の早いプレゼンテーション・ツールとしてのブログを活用して、その都度の関心の所在や作業仮設などを次々と発信している彼は、そのノーブルな文体とクレバーなロジックで多くの「他者」たちの信頼を得ている。僕と彼は同年齢で、いわゆる「おたく=80年代」世代なのだが、ある程度、世代的な共通項として、ほとんど刷り込みのようにして体得された個人主義というものがあると思う。しかし彼は自閉を自認している(?)僕とは違って、個人主義を基盤にした上での「他者」との連帯や共闘の可能性を、おそらくは今こそ探り出そうとしつつあるのではないかとも思った。文芸評論における彼の立ち位置も明快だ。彼は自分は「文学」ではなく「小説」にコミットするのだ、と言う。旧態依然とした純文学とエンタの対立など完全に無効だと。義務感や責任の意識ではなく、あくまでも自発的で個人的な動機によって言葉を生産する姿勢は、とても清々しい。http://d.hatena.ne.jp/solar/  二日目の最初は大谷能生君。「かつて「エスプレッソ」というマニアックな同人誌の中心人物のひとりで、近年は菊地成孔氏との一連のコラボレーションで非常に有名な、新進気鋭の批評家です。またミュージシャンとしての活動も旺盛に行なっています」。菊地さんとの「ジャズ」関係の仕事や、また遂に上梓された川崎弘二氏との巨編『日本の電子音楽』もそうだが、彼は「歴史」を証立てる資料や文献を精査して、その構造や系譜学を把握した上で、しかしそれを教条的に受け取るのではなく、いわば批評的なフィクションのコンテクストとして利用しようとする。ひとりの書き手としての大谷能生は、まだその最初の一歩を踏み出しつつある段階だが、人柄のチャーミングさも相俟って、既にしてスターの兆しがある。未発表のテキストが単行本三冊分はストックされているということなので、ぜひ出版社の方々は連絡を取ってあげてほしい。早いもの勝ちですよ(笑)。また、ミュージシャン大谷は批評家大谷の実践ヴァージョンではないし、批評家大谷が音楽家大谷がやっていることを理論づけるのでもない、という良い意味での二つのペルソナの分離の話も、とても興味深かった。一年限定の彼のブログは、http://wikiwiki.jp/wikiwikiwiki/  「三田格さんは、現在は「スタジオボイス」と「REMIX」を主要な媒体として書かれている音楽ライター/編集者です。情報や知識だけには還元されない、真に読むに足る個性を有した文章を「音楽」について提示し得ている、数少な��書き手のひとりだと思います。また最近は「小説」に関する文章や発言も多いです」。ひねこびた読者の中には、佐々木敦と三田格を対立項として考えたがる人もいるのかもしれないが、僕は三田さんのスタンスには敬意を持っているし、たとえば「ユリイカ」の野坂昭如特集に寄せられた文章には、とても共感した。まず「批評サミット」に呼ばれて来てしまったが、自分のやっていることは「批評」ではない、という点について、とても明瞭に考えを述べていただいた。ある作品に関して、それをまだ受容していない読み手に対して書くことと、すでに受容した者に向けて書くことは違う。「批評」とは後者なのであり、自分のしていることの大半は前者すなわちプレビューなのだ。同じく情報誌で長く仕事をしてきた僕も似たようなことをずっと考えていたので、非常に腑に落ちた。また、「批評」とは価値判断のマトリックスを作って個々の作品をその内に置いてゆく作業だと思うが、自分にはそれは出来ない。ただ出会ってしまったものに言葉を与えていくだけだ、という一見、こともなげな、しかしよく考えれば実に「倫理」的な姿勢にも感じ入るものがあった。三田さんの話し方は、その文章と同じく不思議なドライヴ感があって、どんどん話が逸れているようでいて(ご自分でもそんなエクスキューズを言いつつ笑)、でもちゃんと深い所で繋がっている感じがして、やはりお話を聞けてとてもよかったと思ったのだった。  「樋口泰人さんは、映画評論家として『映画とロックンロールにおいてアメリカと合衆国はいかに闘ったか』(青土社)等の著書がありますが、近年は自らboidを主宰し、編集・出版、上映、配給宣伝など、幅広い活動を行なっておられます。僕は勝手に、氏がboidでなさっていることと自分がHEADZでしていることは、とても似ているという印象を持っています」。「批評」から「実践」へ。ほとんど乗りかかった船の連続のような運命(?)の悪戯によって、今や映画配給までこなすようになってしまった樋口さんだが、かつて近しくさせていただいていた頃の印象としては、不可視のエネルギーとポテンシャルに満ちた、しかし表向きは相当に強度の高い「無為の人」という感じであったので、最近の大車輪ぶりには正直驚くことしきりだった。しかし淡々とした語りぶりの中にも、上手く表現するのがむつかしいのだが、いわばギリギリのミニマムな責任感とでも呼べるような核が感じ取れて、日本映画と日本の映画批評は、樋口泰人という存在を持って、ほんとうによかったと思えた。先の紹介ではboidとHEADZをつい並べてしまったが、樋口さんが傷だらけになりながらしていることは、好きなことをやり続けながら、ただそれをやり続けるために知恵を絞ったり、それなりに苦労したりする、という程度のことではない。これはやはり「映画」というモノへの「愛」がなければ到底出来はしないことなのだ。http://boid.pobox.ne.jp/  「前田塁(+市川真人)さんは、単行本化が待たれる長編評論「小説の設計図」や「ユリイカ」等で活躍中の文芸評論家です。また氏と一心同体の市川真人さんは、現在はフリーペーパーという形態で継続している「早稲田文学」の編集者でもあります」。まず前田塁さんが、虚構の固有名としての「前田塁」というプロジェクトについて、そのプログラムと現状、そして将来の展望について語られた。ご自分の実体を用いたテクスト論の実践とでもいうべき野心的な試みの今後を固唾を呑んで見守りたいと思う。とりわけ「小説の設計図」における前田さんは、若手文芸評論家としては珍しく(?)悪口の切れ味が非常に鋭くかつ巧妙で、この人に絡まれたらヤダなあと思う小説家は多いだろうな、と思わず心配になってしまうのだが、優秀さや誠実さによってのみ評価されるよりも(それは無害な「批評」でしかない)、物議を醸す言葉を紡ぎ差し出す芸と度胸を持った前田さんのような方こそが、現在の「文学」には必要だと思う。と思っていたら本職(?)は博打打ちだと聞いて妙に合点がいった。一方、「WB」のマネージャーとしての市川さんは、「制度」としての、いや「機構」としての、という方がより正確かもしれないが、そのようなものとしての「文学」の延命にコミットしていて、その献身ぶりは「映画」の樋口さんとも相通じるものがあるのだが、柄谷行人の「近代文学の終わり」をワセブンに掲載し、「文学=不良債権」説の大塚英志とも連繋しているあたりは、樋口さん同様、ただの「愛」の人というわけではもちろんなく、いやむしろ現在の状況においてなお「愛」を貫こうとするがゆえの、ある種のしたたかさも兼ね備えているのだと思った。  各日の最後には、その日の出演者たちによるディスカッションも行なった。実は雨宮さん、更科さん、前田(+市川)さんのお三方とは初対面だったのだが、とにかくどの方のお話も素晴らしく刺激的で、全部で十時間の長丁場と言いながら、気持ち的にはあっという間に終わってしまい、はっきり言えば、全然時間が足りなかった(出演者の中からも「次は24時間やれば!」という冗談が出たほどだった笑)。もちろん、この試みによって「批評」に関する最初の問いが完璧に解明されたわけではない。だが、少なくとも彼(女)との会話は、しかしそれでも「批評」は在る、という事実を再認識させてくれたし、それは僕にとっては、やっぱりとても元気の出ることだったのだ。今回の経験を踏まえて、また僕も書いていこうと思う。
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honne-siyo · 3 years
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プロ人材として活躍しやすいスキルランキングと経験を一挙公開!
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プロ人材として活躍しやすいスキルランキングと経験を一挙公開!
どんな人材が必要とされている?プロ人材として活躍しやすいスキルとは プロ人材として活躍するには具体的にどんなスキルがあればいいのでしょうか。 キャリアアドバイザーの布井がキャリーミーで需要があるスキルを上から順に解説します。
キャリアアドバイザーがランク付け!スキルランキングTOP4
布井あやみ
CARRY MEのキャリアアドバイザーチームマネージャー。上智大学外国語学部卒。キャリアコンサルタント、タヒチアンダンサー&講師、メンタルコーチという複数の仕事を持つパラレルキャリア。 株式会社パソナキャリア、株式会社リクルートエージェント(現株式会社リクルートキャリア)等大手人材紹介会社での法人営業経験を通じて培ったビジネススキルと、全日本ジュニア新体操選手権大会団体入賞経験をはじめとする舞踊歴17年のキャリアを活かした独特の表現力を併せ持つ貴重な存在として各方面から注目を集めている。 最近ではパラレルキャリアコンサルタントとして、同じくパラレルキャリアを目指す方々へ向けたセミナーの開催、キャリアコンサルティングなどにも力を注ぐ一方、採用顧問として採用責任者の育成支援等も手掛けている。
自分のスキルが���ロ人材として通用するのか、気になりますよね。
一般的な業務委託マーケットではエンジニアやコンサルの案件数が多いですが、キャリーミーはWebマーケティングに強いエージェントです。
ランキングは以下の通りです。
1位:Webマーケティング 2位:広報PR 3位:法人営業 4位:採用関連
それでは、1つずつ見ていきましょう。
第1位:Webマーケティング
プロ人材として活躍できるスキル第1位はWebマーケティングです。
とはいえ、一口にWebマーケティングと言っても色んな手法があるのは周知の事実です。 アクセス解析、広告運用、SNS活用、SEO対策、コンテンツマーケティングなど多くの手法があります。
キャリーミーもマーケティングチームのほとんどがプロ人材で構成されています。詳しくは、「マーケティングは、内製化 vs 外注?キャリーミーが実践したコスパ最強のマーケティングチームづくりを公開!」をご覧ください。
できればその手法を網羅的に理解して「この時にはこれが良い」と引き出しをたくさん持っている方が、プロ人材としてより活躍出来るでしょう。 いわゆる、バランス型と呼ばれるWebマーケターです。
「SEO対策しかできません」「コンテンツマーケティングしかできません」 このようなスタンスのWebマーケターよりも、汎用的にスキルを活かせる人材を多くの企業様が求めている傾向にあります。
それに加えて、上流の戦略の部分から、下流の実際に手を動かす実務までこなせる人の方が案件を取りやすいです。 クライアントの多くは、リソース不足という悩みを抱えています。 そこを含めて汲み取ってくれる人材が求められているのです。
また、ディレクションができる人も需要があります。コーディングからデザイン、ライティングまで一貫して担当できる人が特に重宝されます。
しかし、実際にすべての手法ができないと案件が取れないわけではありません。自分のスキルはアクセス解析のみ、広告運用のみ、といったWebマーケターの方もいらっしゃるでしょう。 ただ、Webマーケティングに関する全般的な業務を担当できる人が1番案件を取りやすい人材と言えます。
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第2位:広報PR
キャリーミーのキャリアアドバイザーが選ぶ活躍できるスキルランキング第2位は広報PRです。
広報PRに関しても、需要が高いのは網羅的に仕事をこなせる人材です。 ブランディングなどPRの上流のところから、メディアへのアプローチのための切り口探し、メディアキャラバンも含めてできる人が重宝されます。
「戦略のみやりたい」「キャラバンはやりたくない」 このような人たちよりも、どちらもできる人のほうが、案件が取りやすいのはお分かりいただけるでしょう。
付け加えると、メディアとの人脈があり、それを活用できる人材だと更に価値は上がってきます。 クライアントの多くはリストがない、繋がりがないと苦戦しているケースがあるので、ノウハウだけでなく、実際にメディアとの繋がりがある人のほうが感謝されやすいです。
また、なかなかメディアへの露出ができないと広報PRの悩み相談に来る企業も少なくありません。 優れたサービスやプロダクトがあっても、それを認知していく手段がないのです。 そうした課題を解決できるPRパーソンが案件を獲得しやすくなります。
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3位:法人営業
スキルランキング第3位は法人営業です。
マネジメントクラスになると、営業戦略策定やメンバーマネジメント。 成約に繋がるセクションとしては、リードがとれたところに商談に行ってクロージング。 アプローチをかけるセクションとしては、リードをかけるところ、テレアポ、インサイドセールス、リードの獲得。
このように法人営業にも色んなレイヤーのものがあります。 具体的には、法人営業部門の立ち上げをしてきた実績があるプロ人材が重宝されます。
現在、なかなか対面商談に行きづらいご時世なので、急務としてインサイドセールスを強化したい企業様が非常に多いです。 どのような戦略に基づいて、どういうKPIを設定して、どんな組織編成にして、ワークフローはどうして、どんなツールを使うのか…。 インサイドセールスを立ち上げたものの、これまで経験がないため、ノウハウがない中で苦戦しているのです。
また、当たり前ですが、営業なので数字を残してきた経験は評価されます。 達成率やMVPなどの受賞歴、売上でこれだけ増やしたという数字で示せるところがあると、企業様に対して響くポイントになります。
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第4位:採用関連
スキルランキング第4位は採用関連です。
採用の仕事をする上で必要なスキルは、現状把握と手法の選定および実行です。 企業が採用で苦戦していて、人事はいるが今の手法で上手く行ってない場合、そもそもの戦略やペルソナ、要件定義が間違っている場合があります。
また、業者やエージェント、求人媒体などの先方の担当者とのリレーションシップの構築も重要です。関係性が築けていない場合は、テコ入れして関係性を構築していくのもプロ人材の仕事になります。
ほかには、内定率を上げるための採用実務を依頼されるケースや評価制度を作って欲しいというご依頼も案件としてあります。
プロに依頼する企業様の規模は、役員が採用業務を兼務していたり、人事がいないところが多いです。 大手のように専任の人事がいないので、採用が手薄になり、ノウハウが無いために苦戦されています。 そろそろちゃんとした人材を獲得したいというフェーズになった際に、採用のスキルがあるプロ人材に業務を稼働してもらうことを期待しています。
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プロ人材として活躍できるスキルをお持ちの方は、キャリーミーに登録を!
キャリーミーのキャリアアドバイザーが選ぶプロ人材として活躍できるスキルランキングを一挙公開しました。 一般的には、業務委託マーケットではエンジニアやコンサルの案件数が多いですが、キャリーミーはWebマーケティングや広告PRに強いエージェントです。 今回ランクインしたスキルをお持ちの方、キャリーミーに登録してプロ人材として活躍してみませんか? 柔軟な働き方を実現したいという方、以下からキャリーミーまでご相談ください。
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sfujioka1 · 3 years
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情報開発と利活用 20201229
情報開発と利活用 20201229
https://ameblo.jp/sfujioka1 テーマ:ブログ
”悪魔が最も恐れるのは嘲笑されることだから”
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先端技術情報20201229
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先端技術情報
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仮想通貨
<東証>SBIが一時9%安 出資先の仮想通貨「XRP」をSECが提訴 日本経済新聞 一時、前日比263円(9.4%)安の2527円まで下落した。米フィンテック企業のリップルが手掛ける暗号資産(仮想通貨)「XRP」を巡り、米証券取引... オーストラリア 「5人に1人は仮想通貨を保有」 取引所が1100人を対象に調査 コインテレグラフ・ジャパン(ビットコイン、仮想通貨、ブロックチェーンのニュース) またIRCIの調査では、ビットコインが最も人気の仮想通貨であり、回答者の88%がBTCを知っていると回答した。また男性と女性との間では、BTC... 12月24日ビットコイン価格テクニカル分析【Zaifフィスコ仮想通貨ニュース】 コインテレグラフ・ジャパン(ビットコイン、仮想通貨、ブロックチェーンのニュース) 著者 中村 孝也(なかむら たかや)Fisco
IOT
IoTセキュリティウェビナー ~Panasonic PSIRTが語るIoTセキュリティの課題~ ZDNet Japan Society5.0 の実現に向けて様々な領域でIoTや5G、AIをはじめとするICTの利活用が進んでいます。IIoT(IndustrialInternet of Things)の普及に伴い、... 虎ノ門はサンゴのスマートシティ 沖縄の海をそのままIoTで同期 日経クロストレンド 沖縄の海を照らす太陽の光や波の動き、海水の流れなどをそのままIoTで同期させる「環境移送」を行っているスタートアップが東京・虎ノ門にある。 IDEC 小型PLC、ソフトバージョンアップでMQTTプロトコル対応に IoTナビ MQTTは、IoTに適した通信プロトコルとして国内外で広く利用されているが、国内の小型PLCはMQTTに対応していないものが多く、PLCのデータを...
ビッグデータ
ヤフー・データソリューション、検索ビッグデータをもとに都道府県別の関心度を可視化した ...エキサイトニュースヤフー株式会社が提供する事業者向けデータソリューションサービスでは、ヤフーの検索ビッグデータの面白さを直感的にとらえ、親しまれることを... テレコム市場分析、グローバル競争、ビジネス展望におけるAIとビッグデータ分析2020年から2025年 Gear-Net Japan テレコム市場調査レポートにおけるグローバルAIとビッグデータ分析は、主にグローバル業界における機会と課題を示唆す��ことを目的としています... Microsoft、データをビジネスの戦略的資産とするための分析プラットフォームを発表 CodeZine(コードジン) ビッグデータ、データウェアハウス、データインテグレーション、これらすべてを1つのソリューションとしてまとめた分析サービスだ。Azure Synapse...
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NEW!2020-12-29 08:45:10
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コンテンツ戦略の価値を増やすため、あなたができる3つのこと(4)
The third thing you can do to help your content strategy is to align with any enterprise or organizational mission statements, adopting the same terminology and showing how your goals and strategies will support the larger corporate vision. At one company I worked for, our VP of engineering, who was responsible for redesigning the company’s product experience, defined the vision as “delivering the right content to the right people at the right time.” The mapping between content strategy and organizational mission was very clear—to deliver the right content we had to ensure our processes were supporting the identification of what content our users needed, and then being able to associate important information about that content, such as what product, product version, and high-level task it was associated with via metadata. The right people meant we had to have a solid understanding of our users—who they are, what role they are in, and what they need to do. Beginning with the User Personas created by the User Experience group, we were able to get a good start, but doing user testing was instrumental to our ultimate success. The right time meant we had to gain insights into the customer journey, to ensure the content would be available, findable, and at the right level of granularity when it was needed. The details of the content delivery for each piece of the corporate vision were goals in the Content Strategy and helped us build a strong business case for the tooling and infrastructure changes we needed to best instantiate those goals.あなたがあなたのコンテンツ戦略を助けるためにすること���できる3番目のことは、同じ用語集を採用して、そしてあなたのゴールと戦略がどのようにより大企業のビジョンをサポートするであろうか示して、どんな企業あるいは組織の基本理念とも足並みをそろえることです。一つの会社で私は、会社の製品経験の再設計することに責任があるのだが、そのビジョンが「適切な時に適切な人々に正しいコンテンツを届けること」と定義した我々の技術担当副社長のために働いた。。 コンテンツ戦略と組織的なミッションの間の関連付けは非常に明確でした - 正しいコンテンツを届けるために、我々は我々のユーザーがどんなコンテンツを必要とするかの特定をサポートすることと、それがどんな製品、製品バーションやメタデータによって関連付けられるレベルが高い仕事のような、そのコンテンツについての重要な情報を関連づけることが可能であることであることを我々のプロセスが保証しなければなりませんでした。 適切な人々とは我々が我々のユーザーの確固とした理解を持っていなければならないことを意味しました - 彼らが誰であるか、彼らがどんな役割にいるか、そして彼らが何をする必要がありますか。 ユーザー体験グループによって作られた利用者ペルソナに始まって、我々は良いスタートを得ることが可能でしたが、しかし利用者テストをすることは我々の究極の成功に有用でした。 適切な時とはそれが必要とされたとき、コンテンツが入手可能で、発見できて、そして粒度の正しいレベルであるであろうことを保証するため我々が顧客旅行で洞察を得なければならなかったことを意味しました。 それぞれの1つの企業のビジョンのためのコンテンツ配信の細部はコンテンツ戦略でゴールであって、そして我々が最良のそれらのゴールのインスタンスを作るために必要とするツールやインフラストラクチャー変更のための強いビジネスケースを構築する助けとなりました。No matter if the road to your content strategy becoming a reality is long or short, there are many resources available to help you along the way, including content strategy training or consulting from Comtech.現実になっているあなたのコンテンツ戦略への道が長いか、あるいは短いかどうかにかかわらず、その方法に沿ってあなたに手を貸すためにアクセス可能な多くのリソースがあり,それは、Comtech のコンテンツ戦略訓練あるいはコンサルティングを含みます。
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NEW!2020-12-29 08:32:11
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myteaodorata · 7 years
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氷山図からユング-マイヤーズ理論とソシオニクスの関係を探る
ユングのタイプ論により人格を16類型に分けた理論にユング-マイヤーズ理論というものがあり、それに基づいて古典的な心理統計により作成した質問紙法により診断するツールをMBTIというそうです。
*現在 MBTI協会の実施している質問紙は心理機能との関連性は薄く なんの医学的根拠もありません。MBTI協会の理論運用は臨床心理学にもとづいたユングの実践からはかけ離れており、信頼性は皆無といってよいでしょう
本来、その理論的基盤はユングのタイプ論による心理機能の発達を軸にしており 心理機能の発達順列を探るために心理統計によるチェックリストが肴として用意されているに過ぎません。発達障害の診断において 心理士がWAISを利用して見立てるがごとくです
WAISの数値的な結果のみで障害がわかるのではありません。心理士は受検態度や生育歴から見立てをおこないます
受検者は差し出された質問紙の内容にこれってどんな意味ですかとか どんな状況でのことをいってるんですかとか 検査者に聞くでしょう。その様子を観察して見立てるのです
実際に会った時の服装 態度 待ち合わせ時間 座る位置 挨拶 受検までの経緯 表情 目の動き 身振り手振り 喋りかた 反応のタイミング...それらすべてを観察して見立てとします
極論 WAISを肴にしてもある程度の見立てはおこなえるでしょう。なぜなら すべての行動にその人の心理機能の反射がみられるのであって、ビッグファイブ式質問紙にしか心理機能の反射が見られない訳ではないのですから
ただしWAISは認知のみの測定であり 判断機能はやはり協会の開発したものを媒体とするのが現状ではベストのようです
そもそも ユング思想の出発点は 統計的に対象者の心象のあらわれを決めつけるフロイト流の精神分析学への疑問だったのですから ユングの実践がチェックリストに答えてはい終わりになるはずがないのです。
理論的には
心理学の基礎的な考えかたとしてユングはフロイトを包摂するものとされています
フロイトの基本的な考え方としては
http://libpsy.com/idegosuperego/254/
こちらのサイト様をご参照ください
図1の画像として広く伝わっているところです
ところが ウィキペディアのフロイトの項では 氷山図といって 図2ように解説されています
二者の整合性をとると
図3の画像とならなければ辻褄が合いません*
おそらくこれは フロイトを含めた当時の診察室の主要層である中産階級以上の人々の仮面的心理状態をあらわしているものと思われます
自我超自我が意識を覆い尽くしてしまっています。因習や社会的倫理に縛られ本能を抑圧している状態のことを表したのであって 全人類に適用できたものではなかったはずです。
氷山図は フロイトが示した精神病理の構造をあらわしているに過ぎません
少なくとも そこに気づいたのがユングであったとは言えるでしょう
この図に従って理論を構築するわけにはいきません
それを踏まえると イドは本能(非合理認知機能) 自我が理性(合理的認知機能)としてユングと対応させることができます
ここで注意したいのが 思考も感情も 認知機能の一つに過ぎず それに基づいて価値判断を下して初めて自我(判断機能)となり得るということです
認知は本能 判断機能とは社会性のことであり
認知と判断の連携パターン(状況に応じてスキーマを決定づける脳システム)をタイプ分けすることができるというのが心理機能論の根幹を成す考えかたです
ラザルスザイアンス論争は感情が認知機能のどこからどの段階で発生するかという問題であって 感情が認知か判断かという話ではありません
ユング-マイヤーズ理論とよく似ていて混同されるものにソシオニクスというものがあり、国内サイトではsw8pc5というかたのブログで詳しく紹介されているのですが
どうもこの辺を理解されていないようで ウィキペディア氷山図に従って順列降っちゃったばかりか イドと超イド逆にして紹介なさっているようです(図4)
従って図4ENTpの例をあげますと**
あえて番号をフロイト式に振り直すと図5のようになります。なるほど無意識下でINTJが鏡像関係にいる(湖面に映る影/紙に意識上の機能を書込み無意識との境目で谷折にすると現れる機能順列像)てなるけど
ここで思い出されるのがタイプ論の記述と感覚分化理論の一致です
認知の軸は投影対置ではなく感覚分化のスペクトラムだとすれば Se-Niが鍛えられてるかは人による
認知の軸がSi-Neに偏りがあれば Seの先にあるNiはもっと弱いことになり 番号を振るのには無理がある
しかしどうだろう わたしたちは なにかを知覚するとき 観察(Se)すると同時に記憶(Si)もしています。その知覚の優位性によって意味飽和(Se)からの統合(Ni)と感覚の内部取り込み(Si)からの連想(Ne)の発達バランスも決まるということではないでしょうか
無意識(未発達)のものを無理矢理引き立てようとする あるいは メイン機能を経ないと働かない対置機能だけ独立して働かせようとすると 自己矛盾に悩まされ神経症のリスクを負うことになる
仮面(環境に求められる自己像の強制)とは 脳機能に負担をかけるために起きる現象であるといえます
こう気づいたのがユングで彼の振りかたならおそらく図6(氷山図にすると図7)のような感じのほうが適切でせうでしょう
それを思考のフローに直すと①'は④の位置に置くことになり
よりわかりやすく描いたモデルとして かの有名なユング-マイヤーズ理論の機能石積みフロー図8に書き換えることができます(真ん中の内向外向を分けるバーはメインと対置の境目。ちょっとはみ出た側が対置)
最終的に ソシオニクスが表すタイプはもとから仮面がもっとも極端に現れた場合前提であり 本来のタイプは真逆であるということが示されています。
人は自分に近い人格から始まり さまざまな偶像遍歴を経 最終的に真逆の人格の偶像破壊を達成して自己肯定を成す これがペルソナとシャドウの関係です。
したがって ソシオニクスでのENTpは本来ISFp(MBTIでいうところのISFJ)であるということになるだけで
結局 ソシオニクスとMBTIの根は同じ理論のはずなんですけども
前者は自己認知がいつまでたっても成立しないことになり理論的に破綻しています。
ソシオニクスは偶像破壊体験つまり三つ子の魂への回帰を無視している
というか ペルソナとシャドウの関係を間違えて捉えている
運用するならペルソナの否定から始めシャドウの肯定に終わらなければなりません
しかしながら素朴な疑問 ヒトは必ずしも本来のタイプと真逆のタイプを最終偶像に選ぶとは限りませんし それが仮面となって固着するかどうかはもっとあり得ないでしょう
そもそも その普遍性の薄さに気づいたのがユングだったのですからソシオニクスは混ぜっ返しもいいところです
言い換えればソシオニクスの目的は、ペルソナの最終形態を個の人格タイプとすることで苦手機能をカバーしていくことなんですね
よくいえば心理機能のバランスをとることなんですけど
逆にいえばその人の得意機能を伸ばす方向性を捨てることになり、飛び抜けた才能が育まれたりはしません
出る杭をつくらないこと、小さくともみんな粒揃いになること、それは極めて共産主義的な発想によるものです
見方を変えればロシア(旧ソビエト)が支配しやすい国民性を育むための政治的利用ツールとして採用された背景が窺われます
本人が自分の持って生まれた才を生き切ることにはなりません
下手をすればユングの懸念していた神経症を促進する結果となりかねないでしょう
天才など要らない、みんなが粒揃いになって競争の起きない状態にすれば平和なんだ、ソシオニクス理論はそういいたいようです
平和主義の顔をして実際にやっていることは才能潰し、お得意の焚書坑儒のために捻じ曲げられた理論であるといえます
従いまして 本ブログはユング心理学におけるユング-マイヤーズ理論の正統性を支持するものとしてスタートを切る次第です
*環境という波に揺られ無意識が表に出たり水面下に没したりします。この環境という用語が厄介で 意識下の機能がすべて自我超自我ということに解釈してしまう図2では 認知機能までもが環境によって形成できるというトンデモ理論の形成につながったのかもしれません
しかし 落ち着いて考えてみてください。認知機能(直観や感覚)とは本能であり イド超イドでなければ辻褄が合いません
フロイトを包摂するユングとしては「環境」とは社会や文化 親のしつけのみを意味するのではなく、遺伝子や家系 民族性などの進化的な背景も含むと捉えています
ソシオニクスが隆盛したと思われる’80年代は 「環境による」というフロイト式の言い方が独り歩きしたのか脳機能は育てるものという英才教育の全盛期でもありました
しかし'90年代あたりから発達障害が社会的に大きくクローズアップされるようになり 英才教育ビジネスは脳の出来不出来あるいは人格のモデルは7割遺伝子由来であるという過酷な現実にさらされ始めています
タイプ論の記述に合致しかつ近年の発達心理学、脳機能理論にファジーな整合性を採れる理論はユング-マイヤーズ理論のみのようです
さようならペルソナただいまシャドウ
ペルソナは「獲得」しにいくものではなく、実態としては他者をモデルに心理機能の発達を成し遂げ昨日よりはちょっとマシな自分になりかわっていく過程を言い換えたものに過ぎず
最終的にはモラトリアムの終焉をもって全心理機能の有用性なり価値を認め、もとの人格(シャドウ)を肯定し「ものわかりのよい大人になる」という、ある種の諦念をあらわしたものがタイプ論における心理機能の発達です。
すなわち老荘をはじめとする東洋思想における
才(うまれつき)を生きるを是とする無為自然の理を体現する内観こそが
ユング心理学実践の本質であると捉え本ブログの筆おこしといたします
**本ブログは某掲示板心理学板でおこなわれた意見交換ログをもとに作成しています。このテーマで当時お相手してくださった方々がたまたまENTPを名乗っておいででしたので 例示といたしました
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顧客が本当に求めているコンテンツを作るためのアプローチ
2019/8/20更新
現代では、誰もがコンテンツを話題にあげています。コンテンツの重要性を強調したり、充実していないことを嘆いたり、あらゆる問題のソリューションとして提示したりしています。
たとえば、Webサイトのアクセス数が減少したら、「新しいブログコンテンツが必要だ」と答え、見込み客を獲得できなかったら、「ポッドキャスト番組さえあれば」と不満を吐露し、売り上げを奪われると、「競合はインタラクティブなインフォグラフィックや動画を表示していたからだ」と述べるでしょう。コンテンツを増やすことが唯一絶対の解決策だと考える人たちは、問題の本質を見直すべきだと私は考えます。
問題はコンテンツの不足ではありません。世界はこれ以上のコンテンツを欲していませんし、人々は膨大なコンテンツに途方に暮れています。Web広告や記事、フィード、メール、検索結果、果てしない情報が毎日生まれ続けていますが、ユーザーはその大多数を必要としておらず、気にも留めません。
現実は厳しく、人々はあなたのコンテンツに興味がないのです。
どのような業界であれ、ユーザーは自分のニーズにマッチした、魅力的で役立つコンテンツを求めています。的外れで品質が低く、不誠実なコンテンツが垣間見えると、コンテンツだけでなく、制作している企業やサイトからもすぐに離脱してしまいます。潜在顧客や顧客は、たとえ企業やプロダクトが現代的なデザインに包まれていようと、大げさな広告やセールストークを好みません。彼らが求めているのは、ヒント、インサイト、便利な情報です。したがって、コンテンツ作成には顧客重視のアプローチが不可欠になります。一面にコンテンツを散りばめる保守的なアプローチから脱却しましょう。この記事では、顧客中心のコンテンツとは何か、顧客中心のコンテンツがどのようにブランドや企業、クリエイティブチームに利益をもたらすか説明していきます。
顧客重視のコンテンツ:原動力と差別化要素
顧客重視のコンテンツはターゲットユーザーの知識に基づいており、彼らに関連付けて表示されます。顧客を中心に据えた企業は、より付加価値の高いコンテンツを制作することで、競合他社と差別化することができます。何よりもユーザーのニーズに重点を置くことで、企業の目標を達成し、より大きな成功につながる土台を築くことができるのです。それにもかかわらず、コンテンツの作成は往々にして、ステークホルダーの希望や自分たちの主観的な要求、ユーザーニーズの憶測を基に構築されます。
ユーザーを置き去りにすると、次のようなコンテンツになります。
自社がどれだけ優れているか宣伝する
プロダクトやサービスを売ることが重視されている
誇大広告や流行語にまみれる
難解で複雑で、業界内の知識や視点で書かれている
価値や利益がわかりにくい
顧客とのタッチポイントがバラバラである
これらの間違いを避けるためには、コンテンツを企画する最初の段階から、顧客に注目して始めるべきです。つまり、「マーケティングチームが製品Xの動画を必要としている」、「営業チームは製品Yの販売を促進したい」といった会話ではなく、「転職希望のJaneは、問題xを解決する手助けを必要としている」というように、ターゲットユーザーに焦点を移してください。コンテンツのトピックやフォーマット、チャネルを考案する前に、コンテンツ作成の原動力を生み出すのは誰か、何か、いつかを把握することが大事です。
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Slackのブログは顧客の問題を解��するコンテンツについて取り上げています。
顧客重視のコンテンツの作成
誰がコンテンツを使うのでしょうか? 顧客重視のコンテンツデザインは、ユーザーを的確に把握することから始まります。
コンテンツのターゲットユーザーを特定するのは難しくありません。問題は、商品開発や営業、マーケティング部門が、ユーザーではなく、プロダクトの購買層やマーケットの観点からターゲットを決めてしまうことです。態度、行動要因をまとめたデータを使わずに構築された顧客プロファイルは、浅薄で一面的になります。
たとえば「ターゲットユーザーは、34歳~45歳の既婚女性で、平均1.2人の子供がいて、世帯年収は970万円以上」といった方向性では、充実したコンテンツを思いつくことはできないでしょう。ターゲットを特定するときは、デモグラフィックやセグメント、ラベルをまとめる従来のやり方だけでなく、次のような疑問にも答えましょう。
ユーザーの目的は何か?
ユーザーが抱える問題や疑問は何か?
ユーザーが求めている情報は何か?
ユーザーのニーズや行動を喚起したきっかけは何か?
ユーザーのマインドセットは何か? ユーザーの趣味、信念、考え方はどのようなものか?
顧客の明確な人物像を設定し、コンテンツ開発プロセスを通してそれらを念頭に置き続けることで、情報を取得するためにもっとも適切な調査やコンテンツ、UXのツールを活用することができます。
ペルソナは、チームがターゲットユーザーに注目し続けるための優れた方法です。また、共感マップを使えば、ペルソナや、彼らを取り巻く環境をさらに深めることができます。顧客の視点からプロセス全体を幅広い視野で分析するには、ジャーニーマップが有効です。これを使えば、ユーザーのモチベーションやプロセス、コンテンツが役割を果たす段階を可視化することができます。
顧客が必要とするコンテンツは何か?
データを分析し、ユーザーが何を検索しているか、どのように提供すべきかを理解しましょう。
誰かが目標を達成したり問題を解決したりするのを助けるためには、その人の状況を把握する必要があります。ターゲットユーザーの問題やニーズを理解する最善の方法は、彼らに聞くことでしょう。既存の顧客は、検索に至った背景、マインドセットを明らかにして、評価や決断の要因を引き出す最適な情報源です。
どのようなプロジェクトでもユーザーとチャットやインタビューをして情報を得ることが理想ですが、時間やリソース、アクセスの問題が絡むことが多いです。しかし幸いなことに、時間や予算が限られているチームも、人々の要望や嗜好、ニーズ、検索内容といった情報にアクセスできる情報の宝庫があります。
アンケート、世論調査
ソーシャルメディアサイトでの行動やインタラクション(シェア、いいね、バイラルコンテンツ)
掲示板での質問やスレッド(Quora、Reddit、 Q&Aサイト)
チャットやカスタマーサービスの記録
コメントやレビュー、感想(自社のサイトや競合のサイト、ECサイト)
コンテンツのパフォーマンスや、Webサイトの分析
キーワード調査ツール
二次調査
補足説明:キーワード、質問、リサーチの役割
検索データは、ユーザーがどのようなコンテンツを求めているかだけでなく、コンテンツがどれほど需要があるかも特定することができます。人々が検索しているトピックやフレーズを把握すれば、価値の高いコンテンツを作り出すことができます。
また、検索数を考慮すれば、そのトピックに関するコンテンツに投資する価値があるかどうか選定できるでしょう。オーガニック検索や新しい訪問者を増やしたい場合、検索数は特に重要です。一方で、既存のユーザーの体験を改善するためにコンテンツを追加したければ、Webサイト内部の検索データを分析することで、新しいコンテンツのアイディアが見つかるかもしれません。
Buzzsumo、Answer the Public、 SEMrush、SEOMoz、Google Keyword Plannerはコンテンツ改善に効果的なツールの一例です。
いつ、どこでコンテンツを必要としているか
ターゲットと、ターゲットが求めるコンテンツを明確に把握した上で、最後の要素となるのが、いつ、どこでコンテンツが必要になるのか計画することです。顧客がコンテンツをどのように扱うのか知ることで、もっとも良いフォーマットや発信方法を選ぶことができます。リサーチや購入過程の段階、使用状況を理解すれば、最善のアプローチは短いブログ記事なのか、動画なのか、インフォグラフィックなのか、Webセミナーなのか、長いホワイトペーパーなのか決断しやすくなるでしょう。
不統一な体験を提供しないよう、インタラクションがチャネルを横断したり同時に起こったりすることを念頭に置いてください。一貫した体験を提供できるように、コンテンツの提供やタッチポイントすべてを検証しましょう。
特に大企業では、顧客データやチャネルの管理が部署で分断され、情報が共有されずにサイロ化していると、この作業は一筋縄ではいきません。コンテンツチームを異なる分野から集めたり、コンテンツ審議会を設置したり、管理プロセスを構築することで、協力体制を築いてください。
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Trader Joe’sは商品と一緒に、商品を使ったレシピも紹介しています。
顧客重視のコンテンツのヒント
一貫性を保つ
同じ種類や品質の情報を提供することが、顧客の信頼につながります。サイトに何を期待すべきかわかり、一貫した運営を頼りにできるなら、人々は信頼できる情報源とみなします。コンテンツや、オンライン、オフラインの体験を一貫して提供すれば、最終的に潜在顧客を顧客に、既存顧客をロイヤリティの高い顧客に引き上げることができるでしょう。
ユーザーに適した言葉を使う
共通言語を使用することで、より良いコミュニケーションや本当の繋がりが生まれるでしょう。ターゲットユーザーに相応しい言い回し、表現、言葉のニュアンス(顔文字など)を取り入れてください。適切な言葉遣いは情報を発見する際にも重要な役割を担っています。したがって、ユーザーがQ&Aで使用しているキーワードをコンテンツに採用しましょう。
パーソナライズする
リアルタイムのインタラクションや態度、または過去の行動や取引のデータを用いて、できる限りコミュニケーションを調整してください。
おもしろく、役に立つ
ストーリーテリングは感情移入させたり体験共有させたりするのに効果的ですが、価値を提供する効果も忘れないでください。すぐに実践できるヒントを紹介したり、リソースにリンクさせたり、関連するコンテンツソースに誘導したりしましょう。
ブランドに忠実である
人々が注目するコンテンツの作成に邁進していても、自分たちの印象に反するもののふりをしてはいけません。作成するコンテンツは、雰囲気や口調も含め、ブランドから逸脱しないようにしましょう。
・・・
以上のヒントや顧客中心のアプローチを実践すれば、より顧客を満足させるコンテンツにつながるでしょう。コンテンツと顧客をつなぐためには、単にコンテンツを作るのではなく、適切で信頼できる本物のコンテンツを配信することが必要です。説得力のあるコンテンツとは、変化するコンテンツです。顧客をコンテンツ作成プロセスの中心に据えれば、誰もが幸せになる結果をもたらすでしょう。
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yourpreditor · 7 years
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音楽・CDが売れないのはレコード会社の宣伝・PR担当者の問題か、業界の構造のせいか
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音楽業界はほぼ Musicman-NET にしか求人出さない上に書類は「郵送のみ」だし、その書類も作文とか提出させるし、書類選考に最大一ヶ月ほどかかるとかいうし、ハイスペックな人を求める割には月18万とかの有期雇用だったりするし、面接は三回あったりするしとかいろいろすごい世界やなぁとかいつ見ても思います。
かつて音楽業界の片隅に居た頃にレコード会社の A&R の人たちといろいろ話す機会があったりしたけど、今思い出すとやってる仕事としてメディアリレーションなんかは企業広報と共通する部分もあったなぁと。
だから PR に必要なマインドとか思考法とかは業界共通なところもあると思うけど、音楽業界のあの内輪感・閉鎖感だと普通に事業会社で広報やってた人材とか入ってきづらいし、「音楽の売り方」を健全に議論したり考えていけるんかなーってことが心配になってきます。という話です。
中小レーベル、ブレイク前アーティストは「普通」を排除しないとほぼ売れない時代
実際に、最近だと音楽業界の PR も随分変わってきています。
まずはバンド名や歌詞やボーカルの声質やメンバーの見た目や経歴などに何かしら変なところいれて PR して、大きい舞台に立ってから小手先の個性を捨ててまっとうにロックをやりましょうみたいな売り方、圧倒的に正しいんだがそれもはや「音楽業界総V系化」みたいな話では
? H “araya” Takahashi (@51__araya) 2017年2月22日
僕は「V系化」という言葉を使っています。
「曲名とバンド名、どっちがどっちかわからん」「メンバーがとにかく○○(かわいい、オシャレ、かっこいい、おもしろいなど外見の形容詞)」「声がすごい特徴的で、一度聴いたら忘れられない」「Twitter が面白い」みたいに、音楽性より先に他の要素に言及されるアーティストがやたら増えました。
固定ファンがたくさんついたら宣伝用のフックを捨ててストレートにやり始めて、音楽メディアに「音楽にとことん真摯に向き合った姿勢が伝わってくる今作では、ロックバンドとして階段を一段上がったと思う」みたいに書いてもらうんでしょうね。まぁ否定はしないけど、V系好きって言っていろいろ言われてきた人間からすると複雑なものはある。
たとえば、最近バズった「嘘とカメレオン」とかは新人バンド PR の典型例。
ボーカルが女なのにそれより目がいくところがある最強のバンド発見した サウンド好きすぎる pic.twitter.com/bajdYSIKa9
? しずき (@Shiz_Ogu) 2017年2月19日
Twitter で約 20,000 RT され、YouTube でも 35 万再生を記録しています(2017年3月頭時点)。
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バズマーケティングは単に一過性の盛り上がりで終わってしまう事案もたくさんあるので、CD のセールスやライブ動員につながるかどうかはまた別の問題なんですが、インディーズでもそこまで動員できてない新人バンドが仕掛けた PR としては大成功じゃないかなぁと。
音楽の宣伝でも、大手レーベルであればまだ、大金を突っ込んで大型タイアップをつけたり CM を流しまくったりというゴリ押し施策をやって、ある程度のセールスを記録する → 「デビュー作がいきなりこれだけの売上を記録!」と実績を PR してさらに押す──という黄金パターンができます。
中小レーベルはそもそも物量作戦ができませんし、知恵を絞って露出を増やしていく努力が宣伝担当者に求められています。旧来の業界構造を覆すサービスをつくりたいベンチャー企業とかと似てますね。
ベンチャーなんで金もなければ人もなくて、基本的には何もないんで、あらゆることで全て負けているんですね。なので、とにかく平均的なこと、常識的なことを普通にやったら、ひとつたりとも良いことはないんで、とりあえず選択肢から平均的なこと、中央値っていうのを除外すると。 普通に頑張ると普通に負けるだけだから。 自動的に平均的なことを除外するということを早めにちゃんと意識して、自然にできるようになると良いかなというふうに思います。 引用:http://logmi.jp/40245
これすごい大事な発言だと思うので、額に入れて飾っておきたい。
情報を届けること自体は低コストでも可能になったが「音を届ける」ことは非常に難しい、スマホ時代の広報
ただ、大手が得意な物量作戦自体も投資対効果は下降してるので、めっちゃ宣伝費かけたけど普通にフェードアウトしていったというアーティストもいます。成功例だと某家入さんとかで、失敗例だと某妖精アイドルグループとか CA 風アイドルグループとかですかね。古くは「テンションアガルネク~?( ? )?」「ダサパラ」など一部の音楽ファンの中で数々の流行語を生み出した GIRL NEXT DOOR とかありましたね(鈴木大輔ファンなので楽曲はいいと言っておきます。Orion とか Sirent Scream とか(ていうか鈴木大輔さんは後藤真希の華詩とかなんかこう地味なところに名曲バンバン提供しまくっててもっと評価されるべき))。
未だにテレビの影響力は圧倒的ではありますが、これには「セグメントによっては」という注釈がつきます。従来はテレビで PR できていたユーザーの一部がマスメディアから離れ、インターネットの世界で独自コミュニティを作り始めました。
また、インターネットのモバイル化も進んでいます。PCでじっくりネットを見る人が減り、スマホで隙間時間に見る人が増えました。移動中だったり学校だったりすると、音はオフにしてあります。イヤホンを常備してる人は少ないでしょう。
ソーシャルの時代、大量&瞬間消費の時代で、プロアマ問わず作曲家が一番苦労するようになったよなぁ 映像はまだ自動再生で2秒くらいは強制的に見せられるけど、音楽はそもそも端末のボリューム切られてること多いし、PR 施策で使っても効果が出づらいから今後地位が上がる見込みもない
? H “araya” Takahashi (@51__araya) 2016年12月17日
費用をかけなくても頭を使えば、情報を届けること自体はなんとかできます。しかし、ネットサーフィンしているスマホユーザーに「音を聴いてもらう」ことは非常に難しい時代ですので、やっぱりしばらくは “V系” 的な PR 施策で、まずスマホの音量を上げてもらう(音に興味を持ってもらう)という流れになるのではないでしょうか。
そういう意味では音楽の宣伝と最も相性いいのは「映像」なので、SNS でバズらせる動画マーケティング的な PR は今後どんどん予算は取られる(そして死屍累々になっていく)のではないかと。
とはいえ「なぜか売れた」「なぜか売れなかった」は存在しない健全さはある気がする
なんでこんな話をしたというと、メジャーデビュー前から自分がもんんんんのすごくプッシュしてたアーティストが絶賛迷走して解散、みたいな事案がたくさんあるからです。わしはこんな姿見とうなかった…。
有名どころだと school food punishment (SFP)、一応ドラマの主題歌もやってた鴉とかも非常に残念なんですが、特に「PLΛTINUM (プラチナム)」というユニットは残念でした。
3人組ガールズ J-R&B というか要するに着うた系激セツナソングみたいなジャンルなんですが、それがとにかくメロディーセンスキレッキレでアレンジも幅広い上に尖っててそこらの新人とはレベルが違うって感じやったんすよ。
シングルの前にリリースしていた 1st アルバム「LOVE FIGHTER」は、当時流行ってた着うた系激セツナソングから J-R&B っぽい曲、高速ラップとかいろいろ混ざってますが結構名盤だと思ってます。新人アーティストのメジャー1st としてはなかなかのレベル。
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で、デビューアルバムから結構間隔を開けて満を持してリリースした1stシングル「Tears of rain」が個人的ヒット曲で、ラップ封印してまでメジャーに合わせてきたなーこれは宣伝がんばってほしいなーって思ってました。
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おそらく PLΛTINUM を聞いたことがない方がほとんどだと思うので、結果はお察しです。まぁ彼女たちの場合はソナポケ師匠みたいに激セツナソング一辺倒で攻めると魅力が半減するし、かといって R&B 要素とかラップ強めのアングラ路線ではメジャーで攻められないし、みたいな葛藤が出てくるからまた別の問題もあるんですが。
ただ、PLΛTINUM が���れなかったことに関しては、宣伝の失敗というよりは企画の問題だと思っています。ファンではあるんですけど、客観的に考えて「需要がない」。つまり、この音楽を求めているユーザーがそもそも少ないと思います。 単純に10代女子に泣ける曲を提供するならギャル要素は必要ないし、ギャルに訴求するにはちょっと素直すぎる(そもそもギャル市場は小さいのでそこに絞ってメジャーで狙うには適さない)。
自分が好きなとこでいうと、鴉、小林太郎、NIKIIE も同じパターン。あと後輩がめっちゃ好きな LACCO TOWER もこのパターンで失敗するんじゃないかって話をしてます。鴉とか、ロキノン系にもV系にも好かれなさそうなどっちつかず感がすごいので詰んでるとしか(大好きなんですけどね)。
広報・PR というか Web マーケティング的に考えると、施策のポイントは「誰の、どの財布(予算)からお金をもらうか」です。PLΛTINUM などの場合、レコード会社がどんなペルソナをイメージしていたのかわかりませんが、マーケの失敗例でよくある 「そんなペルソナはいない」 事案だったのではないかと思います。
SFP の場合は、インディーズ時代の路線なら数は少なくても熱狂的に支持してくれるファンはいたものの、メジャーデビューしてもっとファン層を増やそうとして 「新規ファンとして考えていたターゲットに刺さらず、路線を変えたことで古参のファンからも見放された」という音楽業界あるある に該当すると思っています。この切替がうまくいったアーティストもいるんですけどね。ナオト・インティライミとかシドとかRADWIMPSはそんなイメージ。
売れないには売れないなりの理由があるということは常々感じています。このへんは、事業会社の広報担当者がよくある「プレスリリースつくって日経新聞のせろって言われたけど、このネタで日経本紙は無理ってわかりきっててつらい」みたいな事案と近いと思います。
ある程度の経験を積んでくると、プレスリリースが完成したときにだいたい反響が読めるわけですよ。でもそれを開発メンバーとか偉い人に言っても伝わらないんですよね。
広報的には今回は弱いネタだな~と思ってても、広報の感覚を持ってない偉い人とかには、「これ日経新聞に載せたいよね」とか「TechCrunch とか取り上げてくれないかな?」とか無茶振りされることがあります。そんなときはいくらプレスリリースの書き方とかにこだわっても、期待には応えられません。
参考: 「プレスリリースの書き方」より「編集者としての考え方」を学ぶほうが広報・PRの仕事には効果的
現場と宣伝担当者で対等な関係を築けなければ音楽はなかなか売れない
自分のモットーであり、最近の広報のポイントといわれる「プレスリリースから逆算して企画を考える」ってプロセス、つまり上流工程からの広報・PR って、音楽業界やとどうなるんかなぁとか考えていた。
まぁ音楽業界はまだまだ企業体質がクラシックってのもあるので社内調整が難しそうではありますが、それ以前に根本的な問題があると思います。
じゃあ新人バンドを宣伝してくださいって状況になっても、たぶん弾はすべて揃えられた状態で、補給とかカスタマイズが許さないという状況のほうが多いんじゃないでしょうか。
PR とか マーケター的な考えでいくと「あのテレビ出させたいけど歌詞はもっとこんな感じじゃないと難しいのでは」とか色々意見を出したいわけです。
PRマン「歌詞とか曲名もうちょいいじりませんか」 かつてヒットを連発したプロデューサー様「は?なんか文句あんの?」 レコード会社の上司様「お前はまだまだ分かってないな…(呆れ)」
PRマン「こういう見た目で素材写真作りませんか」 アーティスト様「それはごもっともだけど俺の考えは違った」
PRマン「とりあえず今ある素材で売り込んでみるか…」 アーティスト様「飽きたから髪型変えました☆ 画像系全部差し替えね☆」 PRマン「あばばばば」
まぁ別に Web 制作会社でも頭固い無能なプロデューサーとか無茶ぶりしてくるクライアントはいますけどね。
広報宣伝担当者はコミュ力、折衝能力がかなり大事(他に特化していい能力もあるけど、折衝に特化したタイプの人材はかなり価値がある)っていわれますけど、対アーティスト、対レコード会社の偉い人になるとなかなか厳しいと思います。特に実績ある場合ね。
下手したら、なんかこう絶望的に何も変えられないまま最下流でメディアへのテレアポとかだけさせられそうなレイバーが求められてるかもしれない。片隅にしかいなかったけど音楽業界こわい。
とはいえレコード会社の社員さんって週休0.5日くらいで、最下流に落ちてくるタスクさばくだけでいっぱいいっぱいみたいなスケジュールだと思うし、上層部にかなりの切れ者がいないと、現場から変えていくってのはなかなか難しいのかもしれないなぁ。そもそも業界内移籍ばっかだから会社に知見貯まらなさそうだし。
結局何を考えるにしても「音楽業界の闇は深い」で締められてしまうのがマジで闇の部分だと思う。いやほんまこの先どうなるんやろあの業界。
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(本記事は2015年4月に作成したものに大幅な加筆修正を加え、2017年3月に更新しました)
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gw-novel · 6 years
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終わり
ある夏だった。Kは鬱鬱な人文大学の裏口から熱のむらがりに向かって全身でもぐりこんだ。Kは幽霊のように歩いた。熱気からは目的も意味も感じ取れなかった。
Kは空虚よりは清潔さに近い感情の中にいた。そして、その感情があまりにも初めて感じてみたものであったため、Kは内面の奥の一番低いところですら呆然としていた。寂しさとは違う。不幸とも違う。自分の血管には、世界と自分を媒介する感覚を妨げるなんらかの砂の粒たちのようなものが流れている。
Kが入った生ジュース屋のすずしい座席から竹林の緑が見えた。それを背負って、汗をかきながらJ教授がペダルを漕いでいた。前に学生たちの話を偶然耳にしたことがある。このあたりにある安いワンルームと人文大学を行き来する彼の姿が、彼を知っている生徒たちには頻繁に目撃された。思索をしているのか、生徒たちとはろくに挨拶を交わさない。誰もが変人だと噂する。けれどKの考えは異なった。
J教授は純粋だ。偽りがなく、社会性が低く、一度原則を確立すると、中道半端と適当を許さない。まるであそこで葉を揺れる竹のような存在だ。KはJ教授が消えた後にも、彼に対する心象に灯りをつけたまま消さなかった。
夏休みの間、彼とKも頻繁にぶつかった。彼は来る日も来る日も人文大学の研究室にいて、Kはほぼまいにち人文大学2階にある自分のロッカーに荷物を置きに行った。
Kは「家出」を大げさにしたくはなかったし、そうする力もなかった。だから、いちおう家にある自分の荷物を重要な順番にこのロッカーへ運ぶ計画を立てた。その作業が終わると、いつ何が起きようが、ほとんど体一つで微塵も動揺せず家出ができる。そう考えると、重い本が10冊ほど入ったスポーツバックの紐を握り持って、夏の日差しを散々浴びながらも、なぜか穏やかな気持ちになれるのだ。ただ、その気持ちも一時の慰めにしかならず、やがてKの意識の白い平面に落ちて音も出さなくなった。
Kは、その日その日の運びを終えて、ぼうっと、2階のロッカーちかくの椅子に座っていることが多かった。そしてJ教授の研究室もその近くにあった。3時間ほどじっと座っていることもあったから、椅子の前の浄水器に水を飲みに来るJ教授ともよくぶつかるようになった。
あのような未来はどうだろう。
J教授の存在が余韻になって最終になす塊とは、そのような問いだった。
未来。
いかに気力が残っていないのだとしても、真っ白な画用紙から描ける無限の可能性があった。
今のKにはそれしか持たされていなかった。
過去の意味たち��すべて、地図の上、もう接近することもできない境域のなかに閉じ込まれていた。そしてその境域であった事柄すべて、白の平面の上に思いっきり放り捨てねばならなった。Kが真夏をくぐり抜く列車に乗ってこの都市に戻ったからには、過去はないものと同然だった。
多くのものを失った。
純粋を失い、心を失った。
それを嘆かわしく思うこともできなかった。Kの体からむしり取られていった記憶は、言語を許さないものだった。生まれた途端血まみれになって死んだ赤ちゃんのような、言葉すら出てこない鮮明な過酷。そのようなものがある。
何といえばいいか。何が起きたか。
愛という単語自体が己を踏んでは過ぎ去った。今までは生暖かい愛の国で生きた。今からは全然違う。Kの世界に一度生じた欠陥が、冷えて凍えた忘却の風を絶え間なく運んだ。
Kは食べて、遊んで、頑張って、生々しく生きることすべてに「臭み」を感じていた。
忘却。
J教授はKがしている忘却の眼にふたたび戦いた。
恐怖。   
一番最初に彼女に恐怖を感じたのはいつだったか。
彼女が自分より年の多い男とキスをする場面を見てしまった以来、それは触れるほど確実になった。
しかしもっと前、しかもKと初めて遭遇したその日から、恐怖のふたは取り除かれたのである。
Kは、美大の生徒だった。
なのに哲学科四年生の講義に登録した。J教授は講義紹介の日、彼女に登録の取り消しを勧めた。 Kは強く言い張った。
「単位が取れなくてもいいから、始めてみるも前にそんな簡単にあきらめたくはないです。」
「単位も重要だけど、単位のことだけを言っているんじゃない。哲学的訓練もしたことがない状態で、この授業が理解できるはずがないから、考え直せというのだ。それでもあきらめたくないなら、まず認識論とか、分析哲学などの先行科目を受講しなさい。」
ふと見つめたら、孤独が、そのままKの目を潰しそうに燃えていた。
どうしても受けたいというので、結局許可した。
その夜、綾影の女体につながりを求めた。いつも金曜日に訪れる河辺の無人モテルだった。行為を終えて窓を開けると、まだがさがさする初春の空気が肺腑を突いた。ふたり寄り添ってぽつぽつと会話をした。
「そのKって子、あたしの講義も受けるのよ。あたしの場合は微分方程式。それは三学年の科目よ。最初は登録システム的な何らかのミスだと思ったわ。だけど本人は強い受講意志があるといってるし、その科目を受けるために独学をしてきたって。美大でしょう? 頭の病気なのかしら、妙な違和感があったわ。とりあえず大学数学の基礎問題をメールに送るから、日曜までそれを解けてみせなさいと伝えたの。」
「お前も何もそこまでする必要あったのか。ある意味で素晴らしい挑戦精神だと感心してあげてもよかったのに。どうせ単位が取れなければ自己責任なんだし、大学はそういうのまでケアしてくれる場所じゃ無いだろう。」
J教授の眼鏡が鋭敏に震えた。小さい地方都市。知に消極的な大学だった。知を手段としてしか見つめない傾向が支配していたし、そもそも、多くの生徒たちはその手段にすらも大した興味を見せなかった。その状況で彼女みたいな挑戦者が現れたということだけで、一つの事件だともいえた。
次の授業からJ教授の感情は驚きとも切なさとも不気味とも名指せない大きなものに変わった。名指せないものに対して考えを続けた。
学期中には、もしかするとKの作品が見当たらないのではないかと思い、わざと美大の前を経由してワンルームに帰った。外観に飾っている生徒たちの作品を見ると、それがKのものかどうが識別はできないが、背筋が凍った。生徒たちが出席したり欠席したりでほぼ七人くらいで動く討論授業では、教授としての威厳を守るためにやたらと厳格だった。
普段の授業は、生徒たちが毎週決まっている主題を調べ、それを発表し、発表内容にかかわる討論を始める形で進行する。
Kの発表が終わったとたんJ教授は言った。
「たぶんKがやろうとしてるのは哲学ではなさそうだ。明確に知らない概念に対して自由に使って、今学んでる主題とは全く違う話になる変な発言をしてる。そんなのは、格好よく見せるために過ぎない。格好いいための哲学ではない。それは勉強の姿勢が確立されてない証拠ではないか。今後、注意しろ。」
Kならその言葉の意味を、J教授自分の厳格さの意味を、曲げずに理解してくれるはずだと確信した。Kは自分なりの純粋さを追求している。徐々にそのような命題が自分の中で力を得ていた。
案の定、Kはそのいらい飛躍的に成長した。最後の授業では、もっと正確で、もっと飾らぬ、芯の固い深さを得るようになった。
J教授は嬉しかった。
Kのレポートが提出されたメールアドレスで、少し会わないかと、会って作品を見せてもらえないかと、そういった一対一の私的な内容を書くことはできなかった。
その代わりにKのメールアドレスから検索をして、Kのブログに接続してみた。接続者が希にいる細やかで静かなサイトだった。
画家たちの作品にKなりの感想をつけるカテゴリの下に、日記があった。
花たちが夢のようにあらゆるところから咲いていた季節、Kと車の窓ガラスの中で熱いキスを交わしていたあの男の正体も分かった。
本の名前を入力して探してみたら、大衆から高い支持をもらっている純文学の作家だった。もともと彼は名門大学の数理統計学部を卒業したあと企業に勤めていたが、登壇してまもなく専業作家になって執筆活動を続け、今は十冊ほどの本を出していた。
Kは七年近くその男と生活をしていた。大学合格以後は彼と離れて寮に住んでいたものの、週末や休日となれば必ずあの男の都市に帰っていった。
この夏の半ばからKの文体は豊かさを失った青白いものに変わった。Kはやがて男との生活を清算し、学校からバスで四十分ほど離れた実家に居ることになった。
まともな故郷だといえるはずがなかった。
家出だ。
だからKは哲学科の友たちに借りたロッカーに荷物を運んでいるのを知った。
家出をするのなら行き先はあるのだろうか。
J教授は今度こそKに話をかけた。
「いつも見かけるけど、ここで何をしているのか。」
自分の中から引き出せる、いちばん柔らかい声だった。Kがその声に頼って、己に内面を近寄らせてほしかった。
「いや、別に、何もしていませんよ。」
Kは無表情を取り消して、健気に笑った。
芝居をしてる。俺が行くと、また空っぽになるだろう。
J教授はKがまだ自分には心を開いてないのを見た。
そのとき、J教授が一歩だけの勇気を出して、「今どこに住んでるの」と尋ねたら、Kも素直に、「行くところがないんです」と打ち明けたかもしれない。
Kはたった一人、自分に居場所を提供するかもしれない人間のしぐさを思い浮かべた。
筆を絡む白い指がしなやかに動く。大学建物の挟間にあるパラソルテーブルで彼と芸術哲学授業の発表の準備に取り組んでいた。彼は三才年下の哲学科の生徒だった。夕陽が黒い肌を持っていることに対照し、男の子は純白の肌を持っていた。夕陽が骨が透き通るほどやせていることに対照し、男の子はむっちりしていた。Kはその完璧な対照を観察しながら、この男の子と寝たいと思った。
文波は断らなかった。むしろ満面に意地悪い笑いを浮かべた。彼はその日の午前零時近くに電話をかけてきて、早くやりたいけどどうにかならないのかと強請った。
彼が親から引き継いだモテルは河辺にあった。だから窓を開けるとすぐに河のせせらぎが広がった。河は日と時間によって表情を変える。それが分かるようになるまで文波と体を混ぜた。
Kにとっては義務的で儀式的な作業だった。何の喜びも緊張感も生み出さないセックスが続いた。文波はこの行為のどこが好きで相変わらず自分を求めてくるのだろう、時々疑問を感じた。
「いつか君も本物の恋をしなくちゃあね。」
ぼんやり、巨大な水の動きを眺めながらそうつぶやいた。
「浮気している女がそういうこと言いますか?」
Kは文波を選んだ。彼がKの中の欠乏を補ってくれるからではなく、KとKの男が守り抜くべき本物の恋を補ってくれるから。Kは確認しておきかった。自分が夕陽と結ばれているのは俗の仕組みによったものではない。みっともない見た目を持った男が自分を所有することができるのは、自分がそんな男にしか選ばれない価値を持っているからではない。己は若いし、無口で憂鬱な表情をしているけれど、今最も美しい女性だ。己の青春の価値は文波の承諾、そして己の外面に対する文波の執着で証明できる。若い女に恵まれた年下の男の子も自分をきれいだと平価する。やっぱり俗の仕組みは狂ってはいなかったのだ。だとしたら、夕陽に向かって伸びていく感情はこの世の汚いものすべてを超越してる崇高なものなのだ。Kはその論証を完成させるために、青年から関心の視線を浴びるのも不可能ではないことを確かめる必要があった。
「本物の恋っていうのはよく���かりませんけど、俺は浮気に関しては大賛成です。俺もいつになっても浮気しますから。だって、楽しさは多いほうが勝ちでしょう? この女にはこの女の魅力が、あの女にはあの女の魅力があるはずですから。」
「今あたし以外に会う人あるの?」
「いません。姉さんもご存知のとおり、おれ勉強頑張ってますから。でも、将来のために今を犠牲にしているだけなんです。もしいいところに就職できたら、それからはホント美人たちと格好いい人生過ごしたいですね。」
こういう発言をされるときには必ず夕陽の真剣さが懐かしくなった。己を頑固に包んでくれる夕陽の小さい体の中に飛び込みたかった。文波にもらうのは若さだけど、夕陽にもらうのはその若いとか、女だとかという限界をはるかに超えた地点で成立する精神のアイデンティティだった。文波との交流は、己の青春をあんな男のドレン口に捨て流してるという挫折感を一時的に緩和してくれた。
その文波と、夏休みに入ってから当たり前のように連絡を交わしていなかった。
一か月半が経っただけなのに、夏花は川辺の散策路から姿を消していた。Kは建築して十五年もたつ赤い煉瓦の建物の中に入った。カウンタ代わりの小さい窓を開いて文波が白い顔を出した。古臭いにおいを我慢しながら冷房もない階段を上った。四階にある例の懐かしい部屋で過ごせるのかと思いきや、展望のない部屋に案内された。
「姉さん、世の中にただものはないですよ。金がないんでしたら一日三時間はここの掃除を助けてくださいね。」
「四千円くらいならあるわ。それで何とかならないの?」
「おお、金あったんですか? じゃあ、それもらいますね。安くしてあげたんですよ。」
文波と一緒に階段を下りていくとき、掃除機を持って階段を上がる若いベトナム人の女性とぶつかった。
文波は彼女のことを掃除担当のプオンだと紹介した。彼女は一日に三時間ここで働いてまたどこかに働きに行くらしかった。
ある日、河の向こう側の高級マンションのベランダでJ教授が見たのは、水のすぐ近くまで降りてきて一緒にビールを飲むKとプオンの姿だった。
「何を見てるの?」
後ろを向くと綾影が洗濯籠を抱いていた。
「あれうちの生徒なのかなと思って。」
「ああ、その子だね。」
「あの子、数学はついていった?」
「すごく頑張り屋さんだからね。発展という言葉を思い知らせる生徒だったわ。」
J教授は顔を赤くしながらこの最南端都市の暑さを責めた。
夕焼けが始まるごろには必ずKとプオンの影が向こう側に垂れた。彼女たちは時には水に浸かった岩の上に座っていたし、時にはモテル村から河に向けて滑り倒れる石の階段の上に座っていた。一度座ったら一二時間くらいは動かなかった。それを見るためにわざと煙草を始めた。台所では綾影が皿を洗う物音が恒例のように随伴した。
長い夢から目が覚めると、綾影のベットをこっそりと抜け出して誰もいない夜明���の人文大学まで車を走った。やるべき調査と書くべき論文が山ほどあるのに、ある女の肉体とある女の精神に振り回されている自分が情けなかった。どの女にせよ、これ以上振り回されるのは断りたかった。だからJ教授は、アメリカにある数多い大学の中の一つからでも採用通報が来ることを、今はただ待つしかないと考えた。
J教授が浄水器の前で話をかけた以来、人文大学からKの気配はなくなっていた。故郷の母が自分にガラスの花瓶を投げたからもう家出するしかないという筋の日記が書いていた以来、Kはブログも更新しなかった。Kの考えているすべてを読みたいという気持ちが頂点にまで進んだとき、無意識にKのアイディーをふたたび検索した。するとブログのほか、インスタグラムが出てきた。
Kは「Kの男」との思い出を記録するためにそのサイトを開設したらしく、当然ある時点から更新されていなかった。J教授は沸騰する感情を抑えながら説明のついたKの思い出の写真集を辿った。それをやっていると気が付かないうちに研究室が青に染まった。慌てながら携帯を出して確認すると綾影の電話は一通も入っていなかった。
二人は夜のビストロで食事をした。綾影の背中越しに都市の光を抱えて揺らぐ真っ黒い水が見えた。
「ね、旅行、行かない?」
綾影は喜ぶ顔もせず躊躇う顔もしなかった。
「なんで?」
J教授は一人でワインに酔った。
「君が好きみたいだし、君のことがもっと知りたいみたい。」
「そんな文系のセリフいう人だったっけ? それで、私のどこが好きなの?」
Kのどこが好きなのか。
彼女は俗の世界を超越している。彼女は清潔な理想の世界で生き、自分が救い上げた理想のためなら現実を構成する殆どのものをあきらめることができる。彼女は最も完璧で単純な原則の下でしか自分を生かさない。禅僧のように。それはJ教授がプラトンとフレゲの影響を受け、論理学をやりつづけてきた理由とも折り合う。
旅行は決まったものの、休暇の季節もピークを迎えていた。Kが学期のごろ、金曜日の授業を終え、裏口で待っている彼の車に飛び込み、そのままふたりで向かった自然の中のペンションたちはどれも予約が取れなかった。そしてKと彼がピクニックに出た渓谷、Kと彼が夜の釣りに行った海辺、どちらも人が混んでるはずだった。人影のない所ほどいいのは当然だった。そんな目でKのインスタグラムを見てるとたったひとつの場所が胸を刺してきた。
運転席に座っているだけでも汗をかいてしまう日、綾影を乗らせてKが書いた里の情報をもとに出発した。河の二つの淵源の中で北のほうの淵源に向かい一時間を走った。ビルがなくなり、山が無垢になり緑の稲がつづき、そして時折発見のように集落があらわれては消えた。隣にはKとは真逆な人が背もたれに体重をかけていた。
綾影は一生を自分の学問の枠組みから出ずに通すだろう。未知の領域からの誘いなど切り払いながら自分の手前だけを見て進む女。さっぱりした性格で、一見強いようでも実は脆弱な女。でも本人はその危なさを受け入れようとはしないだろう。一生を自分は自分の意志をもってゆるぎなく生きたと弁解しつづけるだろう。
日和見主義者。
真実が自分を破壊するのを根強く見守ることなんてできないお嬢様。
そんなお嬢様だから四十を超えた今でも女であり続けたいのだ。仮に老いてしまったことを鏡の前で認めることがあっても、そう簡単に生の分厚い制限―そのペルソナを脱ぎ捨ててKのように純粋になろうとは思わないはずだ。
この女を大学時代には結構好きだった。
あの若い日々に、己に初めて高潔さを教えた女性だった。極度に言葉を惜しんだし、浅さと薄さのない上品な顔をしていた。
その恋情があったから何十年もたって体を求められたとき、たやすく彼女の腕の中に吸い込まれた。
混じり合って一つになりたいという欲望が大きいほど、最後に残るのは挫折感でしかなかった。
無為なのは分かっていた。
そして、無為であったからこそ、切迫に体同士を絆したい気持ちになれたのだ。
でも間もなく、結末の時点がやってくる。
長い竹林のトンネルで思う存分みどりに化すると、終わりには太古の景色が広がった。Kの写真では遠望に映っていた三兄弟松が車のすぐ隣に現れた。三つの松と竹林の間に人気のない古宅が蹲っていた。銀色の案内板にざっと目を通すと朝鮮時代の学者の遺跡らしかった。
道は雑草だらけだった。綾影の靴が慎み深く道を選んだ。河のほうを見て綾影が感嘆した。
「すごい数の鳥。百匹以上になるかしら。」
体の大きい鳥たちが真っ白に輝きながら水辺に沿って並んでいた。
そして開発を避けた水は鳥たちの影をそのまま描くほど透明だった。
J教授は綾影に声をかけた。
「ね、あそこまで行ってみない?きっと水は冷たいはずだよ。」
「でも、河に降りていく道が草の茂みなのにどうやって……? 蛇に噛まれるかもしれないでしょう?」
「じゃ、車でクーラーでもつけて待っていて。」
J教授は一人で茂みが吐き出す熱気の中に入った。草でできている最後の部分からはしばらく泥沼が続いた。やっと乾いた石を踏み、後ろに背を向くとKのアングルで世界が見えた。
『石は永遠性の象徴だから石をもらった以上、結婚指輪なんか要らないと言ったら、彼が感動した。』
Kのアングルは、何の拠り所もない純粋そのものから始めなさいと主張しているようだった。そして案の定己の手を引き、綾影の肉体に抵抗した。
ナビゲーションが教える通りに行ったのがまずかった。来た道とは違い、高速道路を経由して帰る道は海に向かう避暑客たちのせいで渋滞した。もやもやしい気分を抑えながら先の見えない車両の行列を凝視していると、綾影が言い出した。
「なんか変。いったい誰に愛をしているの?」
綾影はJ教授の返事を待たずに、恥辱感に震えながらすすり泣きを始めた。
「来年には子供と旦那がイギリスから帰ってくるんだって? どうせ、最初から自分で終わらせようと思っていたくせに。こんな関係ってやっぱり、お互いに傷でしかないんだよ。」
太陽が地面に近づくごろ、綾影のマンションの前に車を止めた。発令さえ通告されれば、もう二度と見ることはないかもしれない人の後ろ影だった。J教授は金色の河辺に降りて、Kとプオンの姿を探したが彼女たちはどこにも座っていなかった。
Kはその時、大学山岳部の閉ざされたドアの前に座っていた。Kは一年生の時若一か月間山岳部の部員として活動した。山岳部特有のマッチョイムズが苦手で脱退したいらい、部員たちとは一度も連絡を交わしていない。もはや連絡先すらも除去されていた。だから彼らに助けを求めるためにはいつまでも部室のドアの前で待つしかなかった。大きな助けは求めない。倉庫でいくつかの使わないテントのうち一個だけを借りてもらうことはいけないだろうか。
木々の緑に囲まれて、スレートぶきの部室たちが一列に並んでいた。いつまで待っても山岳部員に出会わなければ、ドアの開いた部に入部して泊めてもらうことも可能かもしれない。でもいざとなったときに体が動かなかった。もう、新しい人の温もりによって新しい希望を持つこと自体が非常につらかった。
夜になって、Kは二十四時間灯りの消えない大型カフェに入った。普段からも不眠症がひどく、騒音の絶えないカフェではなおさらぐっすり眠れることは期待してなかった。
何に使ったのか、残りの財産は七百円程度しかなくなっていた。カフェで徹夜をするのも明日が限界というわけである。香ばしいコーヒーを一口含んではプオンに罪意識を感じた。
プオンにはコーヒーの贅沢をする金すらなかった。彼女は自分の足を壊した旦那から逃げて不法の一間部屋に自立していた。文波はこの国の人たちより安い人件費で彼女を雇った。ほかのバイト先でも状況は同じだった。ほとんどの店は彼女の足が不自由なのを問題視して雇用し難いと伝えてくる。そんな中で、言い分があっても黙々と働くしかなかった。
深淵がのぞき込まれないほど傷ついた女性がKより明るく健気に笑っていた。
「プオンはなんで笑っていられるの?」
「今はとても幸せですよ。」
いつもそんな風に、プオンは正確なことは言ってくれなかった。Kには分からなかった。幸せに至る方法ではなく、幸せとは何かが追体験できなかった。Kの中から、確かなものは一つもなかった。ただ体が生きるために頑張っていることは認知していた。Kは食べて、飲んで、歩いて、息を吸って、絵までを見る自分という塊を取り戻しつつあった。
時折圧殺されるほど不毛な気持ちがKを襲ったが、プオンの沈黙が命綱を投げてくれた。
プオンとは言語のせいでいろんな会話を交わすことはできなかった。簡単なことを話し合うためにも多くの横道が必要だった。だけどKはむしろそれに救われた。匿名の存在、生きとる器官の塊となる地点に向かって自然に流れて行けた。挙句にディテールを要さない堅固な同質感がKとプオンを貫いた。
だからプオンが彼女を探してモテるにやってきた旦那にひどく殴られながら引っ張られていくとき、Kは理性を失い、あの男を殺す覚悟で飛びついたのである。Kがこぶしで打たれて倒れている間、旦那は彼女を車に乗せてどこかに消えた。
この暴行事件が起きたのが文波のモテるの一階であった。カウンター代わりの窓は閉ざされていたが、文波はその中にいた。文波が携帯からKの鼻のほうに視線を回した。
「大丈夫ですか? ティッシュはここに。」
ティッシュを渡して文波はまた携帯を拾い上げ、ゲーム画面のほうに視線を移した。
Kは血を拭きながら自分の全身が熱く揺さぶっているのを発見した。
あの男と同じ屋根の下で眠っていた。
そう思うだけでも鳥肌が立つのに。
自分の大切な素肌をあの男に託していた記憶は全身に決してとれない汚れを刻み込んだ。
そこも去るべきだった。Kはもう一度荷物をまとめた。
初めてこうして荷物をまとめたのは青少年時代だった。
書店からであった彼の本は俗世を見下げる懐疑のにおいが濃い。
厳しい競争社会を生きる娘が、なるべくゆがんだ懐疑を抱かずに、普通に順応して育ってほしい親。そんな親に反旗を翻したいほど、Kは彼の普通ではない懐疑の産物を体化するようになった。
純愛がそこから咲いた。
愛に免疫もないまま、愛の導きに従って、Kは彼に接近した。
彼と住み始めた。
まもなくしてKは、自分に訪れたたった一つの愛が、空中ブランコのようなものだと気づいた。
彼によってKは、人間の臭みを禁じられ、食欲を禁じられ、性欲を禁じられ、美容すら禁じられた。彼はそれを浅はかだと叱った。彼はKに理想の被造物であることを望み、そうでなければならない根拠を文法の欠がない長いテクストに組み立て、いまだ鋭い主体の判断力が完全に形成されていない青少年の頭に絶え間なく吹き込んだ。
底知れぬ優越意識にKは無理やり引っ張られて行った。
そのような捕縄を切らないと、対等になることなんて出来なかった。
わざと地方都市の大学を選んだ。そして、できる限り彼がもっとも知ったふりのできない分野に進学した。男の禁忌が破られる最初の瞬間だった。男ががっかりするほど、男の欲望で作られたKの骨も傷んだ。Kの頭の半分は、自分はもう価値のない人間だから死ぬべきだという悲しみで満たされた。でも残りの半分はそうではなかった。
『これを革命につながらせなければいけない。』
幸い、大学での経験はKの批判能力を柔軟にしてくれた。男の支配の陰で生きていくべきとは思わなくなった。
でも簡単に離れることができなかったのは、彼があまりにも多くの種を己の精神に移植したからである。
いくら他人でもそれほど己に近づくことはできない。もう彼はKにとって他人だとは思えなかった。
逃れようともがくほど、潔白な愛だけが戻ってきた。
だけどやはりそれを愛と呼んではいけなかった。
結婚宣告のために、夕陽の実家を尋ねた日、緊張してお母様と一言もまともに交わさずに帰る道。夕陽がKに言った。
「お前は俺の恥だ。」
二十三歳だったKは麗らかなワンピースを着て、清楚なストレートをしていた。
屈辱のない年。
あるがままの欲のせいで一番幸せである年。
頭の完璧な理想の中に閉じこもり、世界と仲良しであったことがほぼなかった夕陽は、そんなKに羞恥を感じ、Kと付き合っている自分に羞恥を感じた。
夕陽を愛している女である前に、一人の人間としてのKのプライドはその時点で破産した。
Kは文波と浮気をすることになった。
夕陽が呪っていた物質の混濁な世界に本物の根を下ろし、勝利の気分で夕陽の利己的な要求を聞いてあげた。
Kは夕陽の服を洗濯し、アイロンかけ、掃除し、ごみ袋を捨て、湿疹になるめで夕陽の台所で食事の準備をさせられても何の文句もなく、夜には「愛してる」と夕陽の耳にささやいてきた。
「愛してる。」
一か月も持たず、夕陽はこう答えた。
「お前とは食事とセックスしかできない。���かし俺はそれらをちっとも重要に考えてない。俺が重要に思うのは精神的価値だけだ。お前は、俺とこんな生活をやり続けたいのか? いつかこりごりになって、俺から離れていくのではないのか? 愛してるなんて、お前は本当に無責任なことをいう。いま俺たちの関係の中のどこで本物の愛を見つけ出せばいいのか。お前のやさしさは俺の核心にまで浸透することがない。いまの俺は数年前よりももっと寂しい。本当に俺が愛されているのならば、こんなに寂しくてもいいのか。」
Kが築いてきたすべてが霞になった。
Kが築こうとしたすべてが白い平面になった。
夕陽の頭の中を走る汽車で生きることは不可能だった。けれどその汽車から降りたことで己が壊されたくはなかったため、曖昧に残った最後のものに「私を壊さないで」と、訴えていただけだ。
夕陽は自分という名の汽車を降りたものは容赦なく壊してしまう男だ。そんなものは少しも大切じゃない。己がどんな努力をしたって、愛は完成されない。
そこまでいけば、夕陽を去ることは簡単だったものの、以後のKの居場所は段々と狭くなってゆくありさまだ。
金だけがないのではない。心から求める美しさがない。
『だとしても、これからは自由に生きないと。』
誰の言いなりにもならずに、誰とも無関係に、自分で選んだ人生を、自分で責任とっていかないと。
きっとそのために、たくさんのものを諦めなければ駄目だったのだし、これからも諦め続けなければ駄目なのだろう。
胸が引き裂かれそうな喪失感がKの白い心に鮮やかな色彩の線を描いた。描くことへの感覚が蘇った。
もう、一週間が経てば夏休みが終わる。その前にどうしてでも自分の絵に出合いたかった。
山岳部のドアに連絡をくれと書いた紙を貼ってから、芸術大学に向かった。子供の時から、才能があるという言葉は聞いてきた。夕陽さえ登場してこなかったら、自分の人生は哲学とか数学とは無縁なものになれたのかもしれない。本当にやりたいことは自分が一番才能ある芸術なのかもしれない。
美大に入り自分のロッカーから筆と染料とオイルバーを引き出した。もっと中には、学期中に作って置きそのまま使わなかったカンバスがあった。実習室なら夏休みの間にも開いていた。そこで描けばいいはずだった。
イーゼルの前で数時間座っていても、何も生まれてこない。
突然携帯のベールが鳴って、下意識から意識の地平に上がってきた。出てみたら」山岳部員だった。詳しい事情は説明できなかったけれど、テントと寝袋は借りそうであった。
七百円で一週間を持つために、一日の食費は百円にすると決めた。
それでコンビニの電子レンジにいれて即席に食べれるお米を一つ買った。おかずは美大と人文大の挟間にあるカフェテリアで、誰でも接近できる場所に放置されている沢庵とキムチにしよう。
学期が始まると、一年分を支払い終えた寮で今年の十一月までは食べて行ける。一日一食はそれまでの辛抱だ。
そして学期が始まると勉強よりはバイトを探して稼ぐ必要があるのかもしれない。漠然だったばかりの金に対する切実さが耐えられない涙と化し零れ落ちた。改めて、あの男にささげた己の青春が己の手には何も残さなかった不毛なものであったことを知る。
もっと己のために生きたならこんなことにはならなかった。
でもまだ手掛けてる絵がいい絵になれる可能性は消えてない。絵に対する僅かな希望を抱いて、山岳部のそばに設置したテントの中で目を閉じた。
とこでも寝れる体質じゃなかった。薄い眠りの幕を引き裂いて太陽と向き合ったら、莫大な疲労が全身をくるんでいた。
うがいもできないままイーゼルの前に座った。やっぱり、数時間が経っても線一つ描く自信がなかった。
末梢神経で蠢く睡眠欲と食欲を倒し得る精神的能力の欠如が、絵に対する自信の欠如にもつなかった。
もう、駄目なんじゃないか。
必死に描きたいことを考えるほど何にも集中することができなくなった。
痛い心で窓辺に立つと人文大学が見えた。あの建物の二回でJ教授は研究にふけているに違いない。
自分の頭で考えることの大事さをKの頭ではなく骨に響かせたのはJ教授だった。
夕陽は嘲笑で物事を疑い、J教授は臆病なつつましさで物事を疑う。J教授は自分は無知だと言い続ける。彼は生徒が無知を細かしたときに叱る。彼は論証の純度をそれ以上あげられぬことにいつも落ち込みながら野生の言語と戦っていく。難しい、優越だという偽物の装飾を捨てた本当の哲学者だ。本当に頭のいい人はあのような堅実な謙虚さを持っている。
KはJ教授がいるから、自分も何とかしていけるのではないかと安心した。人生の純度を上げる過程は複雑ではない。まだ白いとはいえ、己の内面は本有のものである。周りが静まり返ったところで、己の直観をひたすら磨いていけばいいだけの話だ。J教授を見て、J教授の歩き方を、熟達するまで自分も真似ればいい。
カフェテリアの夕食タイムまで木炭でドローイングを終えた。それぞれの形をしたたくさんの瞳に囲まれている人間たちの体には目がない。そういう絵にする。
次の日。
割れそうな頭で教養館のソファーで休んでいたら哲学科の事務室から連絡がきた。
「J教授が急にうちの大学をやめられまして…… えっとだから… ほかの大学に行くことになりまして、学生さんのJ教授の講義に対する受講登録を変形してもらいたいんですが。」
体にあるすべての幹と枝が凍りつけた。
J教授が捨てたごみ箱に自分も入ってる感覚がたまりえなかった。
このままじゃもっともっと立ち直れない。
震える拳でJ教授の研究室のドアをノックした。
誰もいないかと思うと涙があふれた。そのとき、目の前のドアが開け広げられた。
立っていた人物は泣いてるKだった。取りあえず荷物を片付けている研究室に入らせた。
「元気にしていたか?」
「先生、行かないでください。」
「その根拠は?」
「先生が私を変えさせてくれると思うから。」
「俺にその義務があるのか?」
「私はいったいどうすればいいんですか?」
J教授は考えた。自分はこの女が誰なのか知っている。そして自分はこの女を愛している。でも、それだけでは物足りない。
『俺のような種族に愛は毒だぞ。』
Kを見つめ続けていると、ひどく下りかかった隈に目が行った。いつもこぎれいな格好だったが、その日は妙に薄汚かった。放っておくわけにはいかなかった。
「いま、どこに住んでるのか。」
「……露宿を。」
「疲れて見えるな。」
「はあ……」
「では露宿をしながら何をやっているのか。」
「絵を描いてます。学期が始まる前までは完成させようと思ってます。」
「ご飯は?」
Kは苦笑いして見せた。
「絵を持って、うちで泊まることにしなさい。どうせ俺は今日荷物の整理が終わるなりこの都市を去る予定だし、家賃は今年の九月まで払わなければいけないんだ。つまり今日から俺の家には誰も住まないというわけだ。鍵をあげるから、先に行って休んでいなさい。そこに置いてあるものは、本以外はほとんど捨てていくつもりだから、勝手に使ってもいい。」
そして彼はKの携帯に家の位置を入力して渡した。
「先生の携帯ナンバーは?」
「それを教えるわけにはいかない。」
J教授が今日まで研究室を片付けなきゃならないというので、Kはろくに挨拶もできず研究室から離れた。
パッキングを済ませたJ教授は待っていた郵便局の訪問宅配員と一緒に荷物を運んだ。大学院生を使わず、一人で掃除を成し遂げた。建物を出たら空は暗い。もう、この大学にはさらばを告げる。
帰り道にスーパーにより、Kのための食材を買った。帰った家にKがいると思うと世界が感情に満ちた。
けれど、去らねばならない。己には野望がある。誰にも、何にも邪魔されず学問だけを愛し続け、新論理主義を賦活させ、スターの哲学者になる。誰にも己のやることの意味が理解できないこんな地方では夢は遠ざかる一方だ。己の作業に対して、それなりの待遇をしてくれるアメリカに行くのは当然な決断だ。
残念ながら、己はKのように人生にまで純粋でいるつもりはない。学問の純粋と人生の純粋は違うものだ。人生の純粋は時々学問の純粋を制限する。人生の純粋に徹底していたら今の位置には上がってこられなかったはずだ。Kを尊敬しているが、Kのように生きる勇気はない。代わりに、己は学問の理想のためならなんだってできる。あえて選択しろというなら、己は人工の真実を所有し、それの代弁者になりたい。それが己の隠された野望だ。それ以外は漂白していかねばならないと思ってる。
こんな酩酊の熱気も今日で最後だ。
玄関に入るとたん狭い部屋の隅々までが見えてくる。
暖かいスタンドライトの色が女の脱いだ肩を潤沢に染めている。傍らにはイーゼルに乗せられたカンバスがあった。台所にビニル袋を置いて、気づかれず絵に近寄った。孤独な絵。
やはりKは自分が十分陥りえた立派な落とし穴だった。
おとなしく寝ていると思っていたKが体を起こした。
まぶしいほど完璧な屈曲だった。
喝求の夜が始まった。だが、そのような夜は始まりとともに終わっていることをKは知っていた。
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mongol-japan-center · 6 years
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モンゴル企業の日本市場進出の可能性(ビジネスコース講師に聞く②)
平川雅一先生は、野村アセットマネジメント、外資系企業の事業戦略役員等を経て、現在は「M’sコンサルティング」の代表取締役としてご活躍されています。このたび日本センターでは、平川先生を講師としてお迎えし、モンゴル企業の経営者・管理者を対象に「日本市場進出のノウハウ」に係る講義・指導を行いました(コース名:ビジネス・デベロップメント)。平川先生に、モンゴル企業の日本市場進出の可能性についてお聞きしました。
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Q. モンゴルに来られたのは今回が初めてとのことですが、実際にモンゴルで授業をしてみて、どのような印象を持たれましたか。
  今回の講義・指導は、日本市場へ進出するための実践的な方途を身に着けることが目的です。日本とモンゴルのビジネス交流促進のため、日本センターで今年から新設された課目であり、大きな期待がかかっていると聞いていました。 
 私にとって大きな驚きだったのは、約30人の受講生のうち、およそ10名が日本語でコミュニケーションをとることができることでした。その他にも英語を話せる人がいて、授業の合間には受講生と通訳を介さずに直接話すこともできました。私は以前、欧州復興開発銀行の仕事でタジキスタンに行ったのですが、その時は言語の違いや文化の違い、さらにビジネスに関する理解度で相当な距離感がありました。モンゴルでは日本語・英語話者が多く、比較的自由にコミュニケーションが取れるという点に加え、親日的であることから文化的に日本とより近しいように感じました。また、日本センターが、これまでビジネス人材育成事業に尽力してきた成果ではないかと思いますが、ビジネスに関する理解度も高いと思いました。
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(講義中に受講生と議論する平川先生)
 ただ経営に関わる知識の普及という点ではまだ発展途上と言えるかもしれません。今回の授業にはアメリカや日本ではマネジメント用語として既に一般的になっている「ペルソナ」や「エレベーターピッチ」などの用語について、まだこちらではあまり知られていないようでした。その一方で印象的だったのは、授業を通じてこうした用語を説明したときに、受講生の皆さんは「使える」と感じれば、非常に飲み込みが早いことです。
 また、講義が終わった後に、受講生が私に授業内容についてに「ここが良かった」、「ここについては全くわからなかった」、というように「理解」ということに関して、とても率直であることにも驚きました。こうした学習意欲からするとモンゴルは伸びしろが大きいのではないかと思います。それに、こういう反応があると講師としては嬉しいし、一緒に仕事していて楽しいなと感じますね。
Q.今回の授業の眼目である「日本市場進出」について、モンゴルのような新興経済国いわゆる「エマージングカントリー」に固有の問題というのはあるでしょうか。また、日本市場に進出するには大きな資本を持つ企業でなければ難しいようにも思えますが、中小企業にはどのくらい可能性があるのでしょうか。
 私がこれまで主に関わってきたのは、資金も人材も少なく、世界的な信用もいまだ確立していないが、「やる気と技術力」だけは十分にある、といった企業です。私は資本力がそれほど大きくない企業の日本進出はハンディキャップが大きく、可能性が低いとは思いません。もちろん大企業はやはり資本力もあり、人材も揃っていますが、中小企業のスタートアップ(注:新しいビジネスモデルにより市場を開拓すること)には大企業にはないスピード感があります。こうした企業は事業の展開に積極的かつ柔軟な姿勢をもっているため、市場を開拓する突破力に優れており、事業の拡大のペースがより早いという側面もあります。
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 外国企業が日本に展開するときに必要な戦略というのは、先進国の企業であろうと途上国の企業であろうと関係ありません。大切なことは、極めて当たり前のことですが、その企業の強みが何であるのかを見つめ直し、対象となる国の市場調査を徹底して行うことです。日本のお客様に実際に商品を買ってもらうためには、現在を上回る質の製品・サービスを提供する必要がありますし、また日本市場を調査し、分析したうえで臨む必要もあります。これはモンゴルに限らず、日本でも同じなのですが、調査・分析のうえで戦略・計画を立てるというプロセスを甘く考えている企業が多いのが現実です。この部分を徹底して取り組めば、事業を展開するプロセスの中で問題が生じたときに計画を修正できますが、ここを怠り「取りあえず、やってみよう」ということでは、やはり安定した成功は見込めません。
Q.今回、先生の授業をモンゴル企業29社が受講し、また企業内研修で1社を訪問頂きました。様々なモンゴル企業の情報も見聞きされたと思いますが、他国と比べてモンゴル企業の日本市場進出の可能性は、どの程度あるとお考えですか。
 短い滞在期間でしたが、今回の講義や企業訪問を通じて、いくつかの企業の情報に触れることができました。その上で、日本に受け入れられるサービスや製品はあると感じました。可能性のある企業に絞って集中的にサポートすれば、何らかの形で日本のパートナーと結び付けられるポテンシャルがあると思います。もちろん、実際に取り組むとなると、その企業の経営陣の体制や財務の安定といった部分を十分にヒヤリングし、確認する必要があります。
 日本市場進出にあたってのモンゴルの優位性は、所謂「日本との近さ」にあると思い��す。留学経験者が多く、日本語話者も多い。文化的にも近いように見えます。それに経営に関するベーシックな知識は日本センターのビジネスコースの成果もあり、一定程度整っていると思います。これらの要素は日本市場進出への大きなアドバンテージになります。
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(平川先生による訪問先企業での研修)
 私は中国や香港でビジネスをしていたことがありますが、中国や香港の企業では、日本でビジネスをする時に「日本のやり方に合わせる」という考え方は希薄であるように感じました。もちろん彼らは国際的なビジネスのやり方というものを理解はしているのですが、それにも関わらずです。モンゴルの場合は、日本との近さや日本文化への理解度は高いように感じるので、日本市場進出のスキルを習得できる企業は多いと思います。
 今後モンゴルの企業に必要になるのは実践的な分野、つまり実際に進出を進めるなかで直面する様々な課題をいかに乗り越えられるかという部分になるでしょう。こうした実践的な課題に対し、特に準備もなく行き当たりばったりでなんとかするというのではなく、数多くの先人の苦労話や失敗の経験をきちんと調査・分析を行い、その上で自分たちはどうすべきかを考える必要があると思います。
Q.今回の授業では「展示会出展」が一つのメイントピックでした。海外の中小企業の「展示会を通じた日本市場進出」というのは最近の日本では盛んなのでしょうか。
 展示会の開催頻度・規模・商談の様子などを見ると以前よりも増加していると思います。また、日本市場に進出する企業は、英語はもちろん日本語もよく勉強しており、経験を積んできています。日本企業の方も海外の企業との商談を行う素地が整いつつあり、海外企業の進出を拒む日本市場の特殊性という要素は、以前に比べれば薄れていると思います。
Q.日本センターは日本・モンゴル両国のビジネス交流を支援しています。先生のご経験から、両国のビジネス交流の展望についてお話し頂けますでしょうか。
 今から20年前、私は香港にいました。当時、中国経済は大きな発展を迎える端緒にあり、いわゆる「テイク・オフ」の段階にありました。けれども関係者の間では、中国の本格的な経済発展にはまだ時間がかかるというのが共通の見解だったと思います。その後わずか20年間で中国がアメリカを凌ぐほどの経済大国に発展するとは誰も思っていなかったのではないでしょうか。私はその後中国が予想を超えて急速に発展する速度を肌で感じました。ここから考えられるのは、現代では経済発展の速度に変化が生じており、テイク・オフの段階から発展拡大の段階に至るまでの期間がより短くなっているということです。中国に続くインドネシアやマレーシアの経済発展の速度は、これと同様の事態を示しています。
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 ビジネス分野においても、従来にはなかった革新的なビジネスモデルを構築して、始動し、展開・拡大するまでのスピードは強烈に早まっています。中国の「ライドシェア」などはその典型的な例ですが、わずか2、3年の間に急速に市民の間で普及しました。このようなビジネスを取り巻く速度変化の背景にはインターネットによる情報通信の高速化に加え、留学生をはじめとしたアジア各国からの人的交流が以前よりも拡大していることもあると思います。こうした点においてはモンゴルも条件は同じであり、可能性はあると思います。
 では実際に経済が発展するトリガーが何かというと、やはり「自国の製品の競争力・品質向上」ではないかと思います。私は今回のモンゴル訪問が初めてなのでまだ充分に調査分析出来ておりませんが、例えば、モンゴル産の蜂蜜であるとか革製品が国際市場で競争力のあるものなのかどうかということがポイントになります。仮に現時点ではまだ製品として劣っている、あるいは他国製品と同レベルにあるというのであれば、国際市場において当該製品の圧倒的な優位を確立すべく、政策レベルで競争力を高めるためのゴールやターゲットを設定の上、具体的な行動計画に落とし込むことが必要になるでしょう。民間の力に任せておくだけで国際的な競争力がつく、というものではないとは思います。モンゴルという人口300万人の国で、国としてどういった産業を振興すれば他国にとっても魅力があるのか。たとえばそれは蜂蜜や革製品、あるいは観光といった分野でもいいのですが、いずれにせよこれらの価値を徹底的に磨き上げて、投資を呼び込むということが一つのストーリーになると思います。
日本センターでは、モンゴル商工会議所に協力し、モンゴル企業の日本市場進出支援をしています。その一環として、平川先生のご支援も頂き、FOODEX JAPAN2018(2018年 3月6日(火)〜9日、幕張メッセ)の視察研修を実施する予定です。
☆モンゴルビジネス情報をチェック☆彡
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aikider · 7 years
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CGMという遠大な構想―初音ミク10周年に寄せて
今日で初音ミクが発売10周年を迎える。ミクが発売されたのが2007年8月31日 。ミクは16歳という設定であるから、10歳というわけでもないし26歳にもなっていないのだが、なんにせよめでたい。
自分がミクの存在を知ったのは同年の10月か11月頃であったように記憶している。当時Perfumeの人気が一般化しはじめた時期で、Perfumeのseventh heaven(ポリリズムのB面)という曲についてGoogle検索していたら、何ページ目かでPerfumeとは無関係の、ミクの歌うオリジナル曲がヒットしていた。不審に思った自分は迷わずYoutubeのリンクをクリックし、そこで聞こえた明らかに合成された歌声に驚愕した。そのときは「また変なものが生まれたなおもしれー」程度にしか思わなかったのだが、数時間後か数日後だったか、「もしかして音声合成技術がすごい進歩したということか!?」とその意味にようやく気づいた。
アニメを見ていると、たとえばロボットのAIがパイロットに自然言語で話しかけるようなシーンをよく見る。そういったシーンは、基本的には声優の演じた声にエフェクトをかけて合成音声風に加工したものである。これは現在においても大半のアニメがそうだ。一方で当時はIT技術が日の出の勢いで進歩していた(今でも進歩しているのだが)から、コンピュータが自然な言語で喋るようになるのは時間の問題であろうということは、アニメファンやSFファンの間では概ね共通の認識であった。しかしながら、当時聞かれた合成音声の多くは自然と言うには程遠い耳障りなものであって、理想と現実との間にある大きなギャップに気付かされていたものだった。
そこに現れたのがVOCALOID2エンジンを使用した初音ミクだった。初音ミクはロボ声などと呼ばれ、耳障りなところも残っており、まだ未熟な面はあったものの、先行する技術と比較してかなり自然な音声であり、しかも歌声を合成するというところが衝撃的であった。サービス開始間もないニコニコ動画ですでにオリジナル作品が多数作られていることを知った自分は、慌ててニコニコ動画(γ時代)に登録し、初音ミクのオリジナル曲を聞きまくった。車で聞くためにCD-Rに焼こうとしたが、当時はまだニコニコ動画からダウンロードするツールが乏しく、インターネット一時ファイルからflvを探し当て、そこからmp3を分離するとかいろいろ工夫をしていた。さらに週刊みくみくランキング(現在のVOCALOIDランキング)の存在を知って毎週チェックしていた。
自分が聞き始めたのとほぼ同時期に、ITmediaなどのネットメディアもその先進性に注目し、YAMAHAのVOCALOID開発者のインタビューや、初音ミクを生み出したCrypton(念のため言っておくとKriptonはオーディオメーカーであり全く別の会社)の伊藤博之社長や佐々木渉氏(wat氏)のインタビューが掲載され、自分は貪るように読んだ。初音ミクの生みの親と呼ばれるこの二人は、かなり先進的な理念の持ち主であった。伊藤社長は音楽仲間たちの姿を見て、現行の音楽流通の在り方に疑問を感じるようになったという。
当時ミュージシャンを目指していた人間は、知人経由でメンバーを集め、ストリートライブやライブハウスでのライブを重ねてファンを獲得し、レコード会社にデモテープを送りつけ、あるいはライブハウスに新人発掘しに来たプロデューサーの目に止まってメジャーデビューを果たし、プロのアドバイスでブラッシュアップするとともに、雑誌やCMでプロモーションして認知度を高め、音楽番組に出演して、大きいコンサートホールでライブをやる・・・というのがお決まりのパターンだった。1990年代にデビューしたビジュアル系バンドの多くはこのパターンであろう。
伊藤社長もかつてバンドをやっていて、周囲にはメジャーデビューを目指して上京した知人が数多くいたという。その多くは夢破れて故郷に戻ってくるわけだが、最も吸収力のある20代を音楽に捧げたために、その後の就職に苦労していた人を多く見てきた。文字通り人生を賭けなければ音楽をやることはできなかった。しかし、音楽をやるには人生を賭けなければならないのか?普段は普通に働いて、趣味で音楽をやって、細々と続けていくというやり方ではいけないのか?
伊藤社長は大学で事務員をやりながら、副業として環境音などを録音し、フロッピーディスクに入れて販売するようになった。面白いことに当初は海外への販売が主流だったという。それが徐々に大きくなり、副業の域を超えてしまったために起業した。さらに当時一般化しはじめたインターネットの可能性に気づいた。フロッピーディスクを郵送で送るより、ネット回線で送信してしまったほうが短時間で済む。北海道で初めてブロードバンド回線を引いて開通式にも参加した。さらにSEだけではなく、PC上で音楽を作るDTM(DeskTop Music)用のソフトウェア(バーチャルインストゥルメント)を販売するようになり、趣味で音楽を作る人達に、そのための道具を売る側になった。
伊藤社長はこの時点ですでに明確なビジョンを持っていた。デジタル技術とインターネットの登場により、業界に無関係(つまりシロウト)の一般人が、音楽を作り、それを世界に向けて発信できる時代が来る。ピアノもギターもベースもドラムもすべてコンピュータ上で鳴らして録音できる。オーケストラの音源があればクラシック音楽を作曲することもできる。そしてそれをネットで公開すれば、世界中の人に聞かせることができる。
こうした作品はCGM(参考リンク: Consumer Generated Media - ウィキペディア )あるいはUGC(参考リンク: UGC - ウィキペディア ) と呼ばれる 。つまり今まで巨大資本にしか作れなかった媒体を、それまで消費するだけだった消費者が自ら作れるようになり、その媒体を通じて、ユーザーが生み出したコンテンツが他のユーザーに届けられるというわけだ。ネット回線の速度が遅かった時代には、CGMと言えばテキストサイトやブログがせいぜいだったわけだが、技術の進歩により音楽や動画などのサイズの大きなファイルを高速で送信できるようになった。これにより「アマチュアが作った音楽が赤の他人に届く」という夢物語が現実のものとなりつつあった。
これをサポートする先駆的な試みとして、muzie(リンク: muzie - ウィキペディア )という音楽アップロードサイトが存在していた。これはユーザーが作った楽曲をアップロード・ダウンロードできるというサイトである。このサイトからは志方あきこ(参考リンク: 志方あきこ - Wikipedia )など後にメジャーデビューするアーティストが生まれていた。自分はというと、主としてピアノ曲を漁っていたのだが、その中に「鬼火」(参考リンク: ピアノ練習曲 ‐鬼火‐ OSTER Project - YouTube )というのがあった。muzieのサイトはすでに消滅しているが、作者コメで「またパロディみたいなものを作ってしまった」などと書いてあったのをよく覚えている。おそらくBeat Mania ⅡDxで難曲として知られた「ピアノ協奏曲第1番蠍火」のパロディと思われる(タイトルはリストの超絶技巧練習曲の「鬼火」と同じだが、曲調は明らかにⅡDxのそれである)。そしてこの曲の作者がOster Projectであった。のちに初音ミク黎明期を牽引することになるのだが、ニコニコ動画で初音ミク曲を漁っていた時にOster Projectの名で見かけた時に受けた衝撃は筆舌に尽くしがたい。Osterはmuzieで公開していたPiano×Forte(参考リンク: pianoxforte - OSTER project - YouTube )というピアノ曲を、ボーカルアレンジしてMEIKOに歌わせたPiano × Forte scandalをニコ動で公開し、muzie時代からのファンであった自分は狂喜したことを覚えている。
閑話休題。PC上で動くバーチャルインストゥルメント、ブロードバンド回線、そして音楽アップロードサイトと、CGMやUGCが新しい音楽流通の手段となるために必要な材料は揃いつつあった。ただし、一つだけ足りないものがあった。それが声であった。
PC上でオケは作れる。だが作曲者できる人間がある程度の歌唱力まで持っているというケースはそう多くない。ある程度歌える人間というのは、たいていはすでにバンドをやっている。前述のようなネットで活動する歌姫は存在していたが少数で、見ず知らずの素人が「俺の作った歌を歌ってくれ」と言って歌ってもらえるケースは多くない。それが最後のピースだった。
そこに現れたのがYAMAHAの開発したVOCALOIDである。YAMAHAはシンセサイザーや電子ピアノなどを製造していたが、最終目標として人の声を合成することを目標としており、そのためのエンジンがVOCALOIDであった。ただしVOCALOID事業自体は大赤字で、採算性に疑問があったためか、自ら商品化するよりは協力してくれる会社に任せるというスタンスであったらしく、 VY1の発売までは自分では商品化しなかった。商品の企画や販売はCryptonなどが行い、ライブラリの作成はCryptonとYAMAHAが共同で行なっていたようである。
VOCALOIDの商品化第一弾であるLEONやLOLAは英G-ZERO社の製品だった。ただ海外での評判は思わしくなく、販売を担当したCrypton佐々木氏はかなり悔しい思いをしたという(この話からするとCryptonはLEONやLOLAのライブラリ作成にも関わっていたのかもしれない)。次にCryptonは日本語版VOCALOIDとしてMEIKOを開発、発売した。当時のCryptonは「LEONやLOLAのように顔なしだと、いまいちイメージが湧かなかったかもしれない。キャラクターイラストをつけたら「この子に歌わせよう」というイメージが湧きやすいのでは」「日本だからアニメにしよう」と考え、パッケージにイラストをつけて販売したところかなりヒットした。
さらにYAMAHAはVOCALOIDエンジンをブラッシュアップして、VOCALOID2を開発した。これを商品化するにあたって、Cryptonはキャラクター路線をさらに推し進めることとなった。しかし音源となる声を担当してくれる人はなかなか見つからなかった。音楽事務所にオファーしても、アーティスト側が「自分のクローンが作られるのでは」「カバー曲が氾濫する」などの不安を訴えて断られたという。そこでCryptonは発想を変えて声優を起用することにした。社内の隠れオタクを見つけて声優事務所にアタックさせ、何件も断られたが、興味を持った事務所からサンプル音声をもらい、佐々木氏がそれを聴き込んで一人に絞り込んだ。さらにパッケージイラストもネットで活動する同人作家を片っ端から見て回り、一人の絵師に依頼した。メールでやりとりする中で、YAMAHAのシンセサイザーの名機DX7の意匠を取り込むことを思いつき、YAMAHAに許可を得た。
そうしてVOCALOID2初音ミクが発売された。
結果はCryptonの想定を超えた爆発的な売れ行きで、社員は土日返上でパッケージングしたという(つまり当初は社員の手作業だったらしい)。
そして、初音ミクにオリジナル曲を歌わせて動画投稿サイトにアップロードする人が現れた。このとき中心となった投稿サイトがニコニコ動画であった。当初のニコニコ動画は自称政治家の外山恒一が演説してみたり、アイマスのファンがMAD動画を投稿するなどアングラな雰囲気が漂うサイトであったが、初音ミクが登場するやたちまち人気ジャンルの一角となった。一時は東方アイマスボカロが三大勢力と言われた。
そこで長らく再生数トップを誇ったのがika氏の投稿した「みくみくにしてあげる」であった。あまりの人気にカラオケ化など商業化が計画されたが、ここでトラブルが起こった。いつの間にかJASRACに登録されていたのである。ネットユーザーは大のJASRAC嫌いであり、これが大騒動に発展した。これについては説明が必要であろう。
当時の音楽業界は停滞していた。1999年に宇多田ヒカルの1stアルバムが歴代最多セールスを記録したが、21世紀に入って音楽CDの総売上は減少傾向にあった。レコード会社はその原因を、p2pファイル共有ソフトや動画投稿サイトなどを利用した違法ダウンロードの増加に求め、ダウンロード違法化や著作権保護機能の強化が議論された。その一方で、デジタル技術の真髄はコピーや改変が容易にできることであり、それができないのであればユーザーにとってはかえって不便となってしまう。海賊版の取り締まりは当然としても、既存の著作権の考え方がデジタル時代に適合していないのではないか、という提言がすでになされていた。さらにCCCDやのまネコ騒動があり、大手レコード会社を中心とした保守的かつ強欲(2つのデバイスで使う場合は2回購入しなければならないなど)な音楽業界の姿勢や、著作権ゴロとまで揶揄されたJASRAC(PCのHDDから補償金を徴収しようとした)の姿勢にネットユーザーからの批判が集中していた。そこに海外からやってきた黒船がappleのitunes music store(現itunes store)であり、ガチガチの著作権保護システムを取り払ったほうがビジネスとしても有用だということが実証されつつあった。さらにアーティストがYoutubeで新曲を無料公開し、プロモーションに利用するという野心的な取り組みもみられるようになり、レコード会社はビジネスモデルの修正を余儀なくされることになる。
こうした中でITmediaなどのネットメディアでは、著作権についての記事を数多く載せており、自分も片っ端から読み漁っていた。とくに小寺信良氏や津田大介氏の記事はよく読んでいた。小寺氏は放送業界出身で自らもクリエイターの一人であったという経験も踏まえ、しかし一ユーザーとしての視点から、新しい著作権のあり方について専門家へインタビューしていた。小寺氏は、著作権管理をJASRACへ信託せず自ら管理することにしたミュージシャン平沢進氏へのインタビューも行なっている。さらに小寺氏、津田氏と法学者である白田秀彰氏が、インターネット先進ユーザーの会MIAUを設立したのが2007年であった。MIAUのメンバーは世の中の現実をよくわかった大人であり、プロフェッショナルであり、同時に新しい時代の著作権の在り方を模索して活動していた。
しかしネットの意見はより過激なほうに流れた。当時のキーワードは「嫌儲」であった。「みくみくにしてあげる」のJASRAC登録騒動は、すぐにネットで犯人探しが始まった。 商品化にあたって、ニコニコ動画を運営するドワンゴと、Cryptonが関与している。Cryptonの伊藤社長は、既存の著作権システムの有用性は理解しつつも、現在のCGM時代に適合していないという考えを持っており、「当社がJASRACに登録するということはありえない」と発言。一時はドワンゴとCryptonの関係が危ぶまれたが、すぐに両者が和解して事態収集に動いた。実態としては、もともと着メロ事業で音楽業界との関係が深かったドワンゴが、特に確認せず慣習的にJASRAC管理の方向で手続きをしてしまったということらしい。このことは悪意はなかったとはいえ、音楽業界が慣習的にJASRAC登録をするようになっており、アーティストに判断する権限がないという実情が露呈した。両社は新しく著作権を管理するための方法を提案し、騒動は沈静化した。MIAUもこの対応を高く評価していたように記憶している。
さらにCryptonは、初音ミクの利用についてもガイドラインを設けた。ニコニコ動画は動画投稿サイトであるから、どんなに歌がよくても画がないと視覚的に寂しい。多くの投稿者は初音ミクの公式サイトにイラストを転載するか、風景や写真と合成するなどして動画を作成した。しかしこれは無断転載ということになり、厳密に言えば著作権法に抵触する可能性がある。しかし著作権法は親告罪であるため、権利者が何も言わなければ問題にならない。つまりグレーゾーンであった。投稿者は法的に訴えられるかもしれないという不安を抱えながら投稿していた。そこでCryptonは初音ミクの公式イラストを、公序良俗に反しない限り好きに使って構わないと宣言した。同時に、公序良俗に反しない限り二次創作も自由にやって構わないと宣言し、具体的なガイドラインを出した。これにより、投稿者は不安なく公式イラストを使用できるようになり、また腕に覚えのある者は自分でイラストを書いて動画につけられるようになった。さらには3DCGで初音ミクを動かそうという人間が大量に現れ、それは樋口M氏が開発したMikuMikuDanceに結実する。
Cryptonの施策はそれだけではなかった。世の中には曲は作れるが絵が描けない人間がいる。逆に曲は作れないが絵が描ける人間もいる。どっちもできないが作詞はやってみたいという人間もいる。彼らの橋渡しをすることで、ネットを介した共同作業=ピアプロダクションを実現できるはずだ。そういう構想のもとに、ピアプロというサイトを解説した。誰でも無料で登録でき、曲、歌詞、イラスト、VOCALOIDの調声ファイルを自由にアップロードでき、それを他のユーザーが利用できるようにした。著作権にも配慮した。当時広まりつつあった、クリエイティブ・コモンズを参考にしたライセンスを、ユーザーが自由に選択できるようにしたのである。クリエイティブ・コモンズとは、アメリカの法学者ローレンス・レッシグが提唱する、サイバー時代の新たな著作権法の在り方であり、今や世界中で利用されるようになってきている。ピアプロの運営は基本的にCryptonの持ち出しだったが、これが創作を後押しした。こうしてピアプロで他のユーザーが公開した素材を寄せ集めて、ニコニコ動画に投稿するという流れが定着する。
またCryptonは、クリエイターに金が入るシステムの構築まで考えていた。人気の投稿者(アイマスMADの影響でP、あるいはボカロPと呼ばれる)が作った楽曲を、販売ルートに乗せるサポートも始めた。これがKARENTである。しかしCryptonは大手レコード会社のように、著作権を召し上げてアーティストに無断でベスト盤を作るような手法に疑問を持ち、権利をクリエイターに残す方法を模索した。これもユーザーやファンにとっては好感された。
一方で、ミクというキャラクターの拙速な商業化に対してはかなり慎重な姿勢を守った。アニメ化、CD化など、「ありとあらゆるオファーが来た」という。佐々木氏は「ビジネスとしてやっている以上お金を稼がないといけない。しかしブームが去る前に早く換金してしまおうという考えでアニメ化などを提案してくるのは全て断った。それでお金は入るかもしれないが、ハッピーになるのか」(たしか���リイカの初音ミク特集でのインタビュー)。これは伊藤社長もインタビューに答えて同じような���とを言っていた。「お金は稼がないといけないが、それだけではだめで、僕らは文化を作りたいんです」という主旨だったと思う。このあたりで自分はCrypton信者になっていた。
もちろん断るばかりではなく、Cryptonはふさわしいと思ったオファーは受けていった。代表的なものがSEGAの初音ミク Project Divaシリーズである。Divaは初音ミクによって作られた人気曲を音ゲーにしたものだが、曲のセレクトが実に心憎い感じで、モデリングの出来も良かった。SEGAの本気を感じられ、当時の初音ミクファンにとっても納得のいく出来であった。同時に、ミクを知らないゲーマーがDivaからミクを知り、ミクファンを増やしていくという好循環も生まれた。SEGAにとっても、当時KONAMIの独壇場であった音ゲーのシェアに切り込むきっかけとなり、さらにこのときに作ったノウハウは、同社のけいおん!の音ゲーやペルソナ4の音ゲーにも流用された(厳密には当初はディンゴが開発していたが、のちにSEGA自社開発に切り替えた)。ゲームセンターにもDivaが設置されるようになった。Divaは苦境のSEGAを復活させることとなり、経済雑誌のダイヤモンドにまで取り上げられた(参考リンク:札幌からやってきた女神、彼女の名は「初音ミク」 )。余談だがこの記事では「 神様、仏様、初音ミク様 」などと書いてあってダイヤモンド大丈夫かと思うほどであった。
さらにファンを喜ばせたのが、初音ミクのライブイベントである。最初のライブであったミクの日感謝祭(2010)は、Project Divaのプロモーションという名目で企画された。「名目で」というのは、赤字になることが見えていたのだが、当時のスタッフがどうしてもライブをやりたかったため、ゲームの宣伝という名目で役員を説得したのだという。SEGAの開発者がただのミク廃であったというオチなのだが、ライブには恐ろしく力が入っており、SEGAのミク愛が強く感じられた。専用に作ったCGが、ディラッドボードという半透明スクリーンにプロジェクターで投影され、本当にミクがそこにいるかのような演出がなされた。さらにうっすらと光り輝くミクはまさに天使か女神かとも言われた。バックバンドには某有名グループの元メンバーを起用するなど、音楽面でも異様に金がかかっていた。一切の妥協を許さない作りであった。自分はのちにBDで見たのだが、世界の夜明けを見た気がした(参考リンク: モニターから飛び出した歌姫! 「ミクの日感謝祭 39’s Giving Day ひるコンサート ~こんにちは、初音ミクです。~」リポート)。
このライブは他のミクファンにも大好評で、結果としてDivaの売上にも貢献したものの、赤字の影響か2011年からはSEGAは技術担当に退き、イベントの運営そのものはドワンゴ傘下のMAGES.が引き継いだ。タイトルも初音ミクライブパーティ(ミクパ)と名を変えた。しかしミクパは費用の回収を重視したせいか、ニコニコ動画の「歌ってみた」から出てきた新人アーティストに長い前座をやらせたり、ディラッドボードが削減されていたり、かと思えば謎の休憩時間が挟まれていたりとファンを落胆させる作りであった(参考リンク:【ミクパ】『初音ミク ライブパーティー 2011』に不満続出 透過スクリーンが廃止にCM休憩まで)。当時自分は公演のチケットが取れず、新宿の映画館で行われたライブビューイングに参加したが、休憩時間がやたら長かったとき、「どういうことなの…」とメールしていたことをよく覚えている。一方で同年にはアメリカでのライブも成功させ(5000人が燃えた! 『MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES』ライブ徹底レポート )、海外にもVOCALOIDの人気が高まりつつあることが明らかとなった。
その後、いろいろあった末にミクのライブはいったん終結となったのだが、すぐにCrypton自らが毎年マジカルミライという総合イベントを開催することとなり、その中でSEGAの技術を使ったライブが行われるようになった。Cryptonは単にライブを行うのみならず、VOCALOIDの開発者を招いてシンポジウムをやったり、VOCALOIDの調教についてワークショップを行なったり、有名PがVOCALOIDで制作したCDを販売する即売会を開催したりと、まさにCGMを文化を定着させるという社長の信念を貫いていた。自分も参加したかったのだが、仕事が忙しくなって参加できず、悔しい思いをしていた。
ここまで見てきたように、Cryptonは、CGMを文化として定着させるという社長のビジョンを貫きつつ、ユーザーやファンの要望に対してとにかく誠実に向き合い、丁寧に対処してきている。しかし少しでもユーザーの熱に冷水を浴びせるようなことをやってしまえば、それまで盛り上がってきたユーザーたちの”熱”が冷めてしまう。落胆したユーザーが離れてしまったら、Cryptonの目指すCGM文化は雲散霧消してしまうだろう。Cryptonで常に前線に立っていた佐々木氏は「マインスイーパをやっている気分だった」と語っており、 相当胃の痛い思いをしたのであろう。心中察するに余りある。しかし氏の誠実な対応は間違いなくファンに届いていたし、社長の遠大な計画も概ね理解されていたと思う。
その後、VOCALOIDの有名Pからは数多くの有名Pがメジャーデビューすることなる。ryo、じん、ハチ、40mP・・・彼らはVOCALOIDシーンを牽引したのち、メジャーデビューを果たす。同時に、彼らの多くはデビューとともにボカロを引退していった、結果、彼らのファンとしてボカロを楽しんでいた人々は、彼らを追ってボカロシーンを去っていった。その結果、それまで右肩上がりを続けていた再生数は漸減している。そしてここ数年、ボカロ衰退論が声高に叫ばれるようになった。「一過性のブームに過ぎなかったね」とクールぶって語る人、「どんなサービスも寿命が来る」と斜に構えた分析をする人、「十分儲かったんじゃない?」と金にしか目がいかない人。さまざまな分析がなされた。しかし、伊藤社長の考えについて理解し、その意義を踏まえた上で論評する人間はあまり多くない。
Cryptonが推進するCGM、UGCは、かつて未来学者アルビン・トフラーが書いた「第三の波」において予想されていたものだ。トフラーは、人類の歴史上、3つの革命が起きたと唱えた。すなわち、農業革命、産業革命、情報革命である、そして現在は、情報革命の真っ最中である。一時期IT革命が騒がれた時期もあったが、トフラーの唱える情報革命とは、そんな一過性のバブルのような矮小なものではない。人類史を変える、もっと大きな革命である。
それまで人間は、すべての食糧を自ら生産し、自ら消費していた。音楽のような娯楽も、自らが演奏した音楽を自らで消費していた。しかし貨幣経済の流通によって、分業したほうが合理的であることが明らかとなったため、日常の多くの場面で分業して生産することになった。食糧、工業製品、娯楽、すべては資本と大企業によって生産されることとなり、一般人はあらゆる面で消費者として消費するだけの存在となった。
ところが情報革命はこれを一変させる。デジタル技術とインターネットの普及で、すべての人間が自分の作品を地球上どこにでも伝えることができるようになった。平たく言えば、Youtubeで発表してitunes storeで発売すれば、素人でも自分の作った曲を売れるようになったのだ。もちろん、今なおマスメディアの存在は大きく、中には情報革命など絵空事だったと言う者すらいる。あるいは、Youtubeもitunes storeも、結局は大企業によるマスメディアの一種と言うことはできよう。しかしこれは単純に、現在が過渡期であるということに過ぎない。情報革命は数百年単位で世界のありようを変えていく。そのとき、マスメディアはなくなることはないだろうが、やはりその形態を大幅に変えざるを得なくなる。そうした巨視的な視点から見なければ、情報革命を理解することはできない。そしてCryptonは、CGMを文化として普及させるという巨視的なビジョンのもと事業を拡大してきた。
過去に成功をおさめてきたIT系サービスの多くは、いずれも創業者が持つ明確なビジョンを推し進めてきた。 コンピュータを一般の人間がスマートに使えるようにしたApple。 検索によってあらゆる情報をユーザーに瞬時に届けようとしたGoogle。万人がアクセスできる百科事典を作ろうとしたWikipedia。彼らは初期の段階では順調に収益化できていたわけではない。しかし彼らは自らの信ずる理念の正しさを信じ、それを証明してみせた。そして彼らは世界を変えた。今はいずれも停滞しつつあるとはいえ、彼らはまた復活するか、あるいは全く別のサービスが現れ、世界を変えていくだろう。
こうした会社は、今の日本にはなかなか現れない。「なぜ日本にはAppleやGoogleが生まれないのか」とは、よく経済雑誌に出てくる言葉だ。新しいサービスが現れても、長続きせず、世界を変えるまでには至らない。なぜか?そのいずれもが世界を変えうるほどのビジョンを持っていなかったからだ。
しかしCryptonは、日本から生まれた数少ない「世界を変える企業」になるかもしれない。目先の再生数の増減を追って盛衰を語るようでは、GoogleもAppleも生まれない。
※8/31に間に合わせるためにいったん投稿するが、後ほど参考リンクを追加していく。
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tak4hir0 · 4 years
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はじめにここ数年プロダクトマネージャーを名乗る人が増えているかと思います。私もその一人ですが、PMの役割や定義って、非常に曖昧だなーと感じることが多々あります。 プロダクトマネージャーの役割は、それほどはっきりしておらず、曖昧さを抱えています。それが故に、自身のキャリアやメンバーのキャリア育成に悩むことがありました(今でも悩みますが)。 プロダクトマネジメントトライアングルま、私が考えるような悩みは世の中の偉人(?)たちが既に考えており。有名なのはDan Schmidtさんのプロダクトマネジメントトライアングルです。 このプロダクトマネジメントトライアングル。非常に素晴らしいフレームワークなのですが、私や自分の所属している組織には少々難解で、普段のコミュニケーションの中で、うまく利用することができませんでした。 PM個々人のレベル感を捉えるには向いてないかも。という課題感も感じていました。 それなら、自分たちにわかりやすいように、PMに必要なスキルを定義しちゃおうか!という動きが社内で始まり、自分たちに合うものをつくっちゃえーという事になったのです。 「自分たちの居場所は自分達で創る」 そんな感じで創ったのが、プロダクトマネージャーの必要スキルを可視化した、プロダクトマネージャー・スキルチャート・ヘクスです。 PM SkillChart HEX(ヘクス)このヘクス(6角形)。以下のように6角形のレーダーチャートで表現していて、各6個の頂点に対して、自分のスキルレベルを点数で表現することができるような構造になっています。 HEX 基本の6領域プロダクトマネージャーに必要なスキルは多岐に渡ります。 ですが、必要スキルを、社内のPM同士で議論していく中で、6つの領域に分けられるのではないか、という話になりました。 それが、以下の6つのスキル領域です。 1.Project Management 2.Dev. 3.Design 4.Growth 5.Business 6.Domain Knowledge プロジェクトマネジメント(Project Management)はプロダクトを開発、改善させて行く上で欠かせないプロジェクト推進の知識や能力、経験をさします。 開発(Dev.)はフロントエンド、バックエンド、インフラを含め自身で開発できるスキル、経験、知識の領域。 デザイン(Design)は、UI/UXの知識を含め、ワイヤーフレームを書く能力から実際に自分がデザインを作るスキルを指します。 グロース(Grwoth)は、プロダクトやサイトの運用に関する能力です。運用維持からKGI、KPIの立案含めたサイト戦略の立案までをカバーします。 ビジネス(Business)は、一般的なビジネススキルを含め、プレゼンテーションやファシリテーションなど、プロダクトをビジネスの視点からリードするためのスキル領域です。 業界知識(Domain Knowledge)は、業界固有の知識をいかに把握しているかです。プロダクトマネジャーはプロダクトを創る人であり、ビジネスを創る人でもあります。そのためには業界の知識や流行り廃りなどを把握しておく必要があります。 プロダクトマネージャーは、これら6つの領域のスキルを伸ばし、兼ね備えることが必要なんじゃないかなーという考えです。 HEXの6領域は、2つの能力で括られる上記で記載した6つの領域は、大きく2つの能力に分けて考えることができます。それは、プロダクトを「創る能力」と「拡める能力」です つまり、プロダクトマネージャーは「プロダクトを創り、拡める」ためのスキル獲得が必要だという解釈を私はしています。 では、各領域のレベルはどのように定義されているのか。 それを以下に記しておきます。 まずは、創る能力の以下3つの中身を記載していきます。 1.Project Management 2.Dev. 3.Design ①プロジェクトマネジメント(Project Management) 創る能力の1つ目は、Project Managementです。 この中では、Lv1~Lv5までの5段階をそれぞれ以下のように定義しています。 例えば、駆け出しPMの人は、まずはLv1の「ヒアリングを行い、プロジェクトの要件定義をすることができる」ことを目標にします。 Lv.1 ヒアリングを行い、プロジェクトの要件定義をすることができる Lv.2 要件定義を分解した上で、タスク整理とスケジュール作成ができる Lv.3 スケジュールの遅延なく、リリースまでをプロジェクトマネジメントできる Lv.4 ウォーターフォール型、アジャイル型を問わず、プロジェクトマネジメントができる Lv.5 コスト・リスク・リソース・品���の観点から最適なプロジェクトの計画と実行ができるでは、上記のLv1に到達するために、必要なスキル要素は何でしょうか。 そのLv1に必要なスキルや知識などを、以下のテーブルで定義しています。 Lv1は、ブレスト会議の主導、ユーザーインタビューの実施ができる、情報収集のためのアンケート作成や集計などができること、としています。 この項目ができていたら、Lvは1.0という具合です。 Lv.1の情報収集と要件定義ができるようになったら、今度はLv.2のタスクの分解とスケジュール作成に進んでもらうというステップです。 Lv.2の半分くらいができたかなぁと捉えた時には、Lvは1.5にします。 この辺の点数の付け方は、自身でつけてみて、周囲や上司に聞いてみるというのが良い気がしています。自分の感覚と周囲の評価をあわせることで、自身の能力値が鮮明に認識できるはずです。 この辺のLV感は、厳密な基準を創るのは流石に難しいので、これでいいかなと思っています。ある意味PMらしい曖昧さを残してるつもりです。 最終的には、Lv5のコスト・リスク・リソース・品質を意識し、プロジェクト計画を建てられることを目標としてもらいます。 Lv5はスーパーマンですね。 ②開発(Dev.)次は開発(Dev.)です。PMには、(当たり前ですが)開発に対する経験や知識が必要です。ヘクスでは、以下のような5段階で定義しています。 Lv.1 サイトが出来上がるまでの工程を理解している Lv.2 HTML/CSSで簡単なWEBページを作成できる Lv.3 静的なサイトのディレクションができる Lv.4 動的なサイトやネイティブアプリのディレクションができる Lv.5 インフラ環境の構築も含めたディレクションができるまずは基礎的なWebリテラシーに関わる知識や、HTMLやCSSを学び、自分自身で簡単なWebサイトならできるようなことを目指します。そして、Lvが上がるに連れ、サーバーサイドスクリプトを習得していくことを目標にします。 Lv.4で複数言語並んでいる箇所がありますが、自社に必要な言語を一つある程度操ることができれば十分かなというふうに考えています。 ③デザイン(Design)創る能力の最後はデザイン(Design)です。 今は、KAIZENやKARTEなど、ちょっとしたサイトの変更は、エンジニアの力を借りること無く、PM、ディレクターサイドで実施することが可能になっています。 ある程度、PMサイドでサイトの表現をコントロールして、A/Bテストも含めてPDCAを回す能力が必要です(20年前からしたら革命)。そのような背景の中で、各レベルは以下の様に定義しています。 Lv.1 デザイン作成に必要なツールを扱うことができる Lv.2 ペルソナを定義できる Lv.3 ウェブサイト作成の基本を知っている Lv.4 意図する印象を与える表現がつくれる Lv.5 サイト全体のIAを設計できる PMにとって最も大事な仕事は「最高のユーザー体験を設計すること」だと私は考えています。デザインという視点は、知識と能力を元にそれらを構築できる能力と言えます。 次の3つは「拡める能力」です 4.Growth 5.Business 6.Domain Knowledge ④グロース(Growth)プロダクトは創って終わりではなく、その後のグロースフェーズの方が事業視点では重要です。Lv1は現在の運用を維持できることを目標にし、まずは効果を落とさないことをめざします。 Lv.1 現在の運用を維持できる Lv.2 サイト・業務について指標を集計・分析・レポートできる Lv.3 サイト・業務の課題に対する施策を実装・実行できる Lv.4 サイト・業務の課題に対する施策を企画立案・設計できる Lv.5 ビジネスゴールとユーザー体験を両立させるサイト運営ができる Lvが上がるにつれて、必要なスキルや能力が増え、最終的には他部署との連携をしながらビジネスゴールとユーザー体験の両立を考えて運営できるよう���リーダー的な思考が必要です。 特にこのGrowthでは、SQLや分析ツール、SEOやコンテンツマーケなど多様な知識が求められてきます。 ⑤ビジネス(Business)お次はビジネス。いくら開発知識やデザインの能力があっても、ビジネス的なセンスや観点が無ければPMは務まりません。最終的にはP/LやB/S、C/Fなど基本的に財務諸表や経営知識を身に着けられるような状態を目指します。 Lv.1 ビジネスモデルを正しく理解し、分かりやすい文書を作成できる Lv.2 担当領域について基礎的な分析ができ、課題発見をして優先順位をつけられる Lv.3 マーケティング視点で戦術を考え成果に繋げられる Lv.4 ビジョンを打ち出し、組織を運営することができる Lv.5 財務三表をもとに経営層の意志決定を支援できる ⑥業界知識(Domain Knowledge)最後は業界知識です。よく開発にしか興味がないPMが居るのですが、そう人はPMとは呼べないなーと思っています。自分が所属する領域やプロジェクトの領域に関して知識をしっかり保有していない限り、良い判断は決してできません。 私の所属するエン・ジャパンはHR業界ですので、以下のように定義しています。 Lv1. 自社のHRサービスについて理解している Lv2. 自社以外のHRサービスを理解している Lv3. HRテクノロジーの動向をインプットしている Lv4. 人材業界の「仕事」「労働」に関する法律やトレンドなどをインプットしている Lv5. 労働市場の動向を元に、既存サービスの改善や新規サービス企画に繋がる見解を持てる このDomain Knowledgeは、各社、各個人が属するものに適宜置き換えてもらえるとよいかなと思っています。知るべき知識は各業界で違うはずです。 さいごにこれらのチャートは個人のスキル確認にも使えますし、メンバーとの1on1でのキャリア相談にも使えます。 部下「僕のスキルチャートは、これです」 上司「ふむふむ。君は、Dev.がちょっと弱いから、まずはそこを中期的には上げていこう!その次はGrowthだね」 上司「そのための目標設定もしていこうか」 部下「はい、お願いします!」 また、複数のPMのチャートを比べることで、理想のチーム編成を創ることも可能だなーと思っています。 「PM SkillChart HEX」は、Domain Knowledgeの領域だけ変更すれば、いろんな人達や企業にいるPMの方たちにとっても、使えるんではないかなーと思っています。 このスキルチャート。まだおかしな点もあるはずなので、自社内では逐次アップデートしていけたらなーと考えています。まだまだ、自分の組織も発展途上なので、いろんな方のお知恵を借りて成長していきたいと考えています。 また、いろんな人たちがこれをベースに色々自社にあうチャートを作ってもらえたら、それは嬉しいことです。 ぜひ、いろんな組織のいろんなPMの方々が参考にしてもらえると幸いです。 謝辞とか11月12日(火)のpmconf2019に、私が登壇しました。 いろんなPMの方にお会いできて最高でした! 2016年にこの表の原型を創ってくれた、@iwacciiiさんに感謝
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