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#アンティーク空間
2015mai24 · 2 months
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【対談 #4】逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)が語る、<悪夢69>と確かな関係性「“株式会社ヴィジュアル系”で言ったら社長クラス」
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MUCCとNIGHTMAREが8月、東名阪ツーマンツアー<悪夢69>を開催する。同ツーマンツアーは8月17日のZepp Nagoyaを皮切りに、8月18日のZepp Osaka Bayside、ファイナルとなる8月24日のZepp Hanedaといった3会場をまわるもの。両者はこれまでにもイベント等で共演しているが、対バンは今回が初となる。
◆逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE) 画像
結成24年目のNIGHTMAREに対し、MUCCは27年目であり先輩にあたるが、メジャーデビューは両バンド共に2003年だ。ヴィジュアル系というジャンルで括れば同じフィールドではあるものの、音楽性の差異は大きいかもしれない。しかし、NIGHTMAREは仙台を中心とする宮城、MUCCは茨城という同郷メンバーから成り立つバンド、という共通点もある。
そもそもなぜこのタイミングでツーマンツアーを企画したのか? どのようなライブ内容になりそうなのか? 開幕に向けて両バンドの関係性、それぞれの現在地、このツアーに懸ける想いなどを紐解く全四回の対談連載第一弾は両バンドのヴォーカリスト逹瑯(MUCC) × YOMI(NIGHTMARE)、第二弾はギタリストのミヤ(MUCC) × 咲人(NIGHTMARE)、第三弾はリズム隊のYUKKE(MUCC) × Ni~yaとRUKA(NIGHTMARE)対談をお届けした。そして最終回となる今回は、ツーマン<悪夢69>の首謀者ともいえる逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)だ。気心の知れた両者のトークセッションは終始笑いが止まらない。「うちらはたぶん、会社で言ったら社長クラスだと思う」といった深い話も飛び出す多面的な対談となった。
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▲<NIGHTMARE × MUCC「悪夢69」>
   ◆   ◆   ◆
■もう20年近くですね ■フランクに話できる唯一の先輩なんで
──8月に<NIGHTMARE×MUCC ツーマンツアー『悪夢69』>を東名阪で開催します。もともと言い出しっぺは誰なんですか?
柩:逹瑯さんです。
逹瑯:そう、俺です。
──MUCCは現在、結成25周年イヤーを掲げたワンマンツアーで忙しくしています。その最中にツーマンツアーを企画したのは、どういう理由からですか?
逹瑯:去年ぐらいだっけ、話したのは?
柩:タッツー(逹瑯)から急に連絡がきた感じで。今、LINEを見返してみたら、タッツーから「ツーマンできないかね?」って連絡来たのは、去年5月23日でした。
逹瑯:1年ちょい前ぐらいか。
柩:だから実現するまでに時間はけっこう掛かってます。
逹瑯:でもタイミングはいつでもよかったんだよね。早くできるんだったら早くでもいいし、うちの周年ツアーやライヴが終わって時間が空いたときでもよかった。お互いのタイミングが合って、ライヴできる会場が取れるときみたいな感じで。
──つまり逹瑯さんとしては、是が非でもやりたかったツーマンだったんですか?
逹瑯:まず、楽しいことが好きなんで。おもしろそうじゃないですか、NIGHTMAREとのツーマンは。こっちがおもしろそうだと思ったというのもあるけど、ファンのみんなも、おもしろそうだと思ってくれそうだなと。そっちのほうが大きかった。
柩:過去にイベントでMUCCと一緒になったことはあるんですけど、ツーマンはなかったんで。しかも若いときからめっちゃカッコいいなと思っていたバンドで、そのMUCCとツーマンできるのは、俺も嬉しかったですね。
──「若いとき」ってMUCCのことを初めて知ったのは、いつぐらいだったんですか?
柩:10代でしたね。17〜18歳ぐらい。だからMUCCもかなり初期のころ。
逹瑯:1stアルバムぐらいのときかね?
柩:そう。1stミニアルバム『アンティーク』(1999年発表)とかのころ。“このMUCCというバンドは、絶対に変な人たちなんだろうな”って勝手に思ってた(笑)。いわゆるヴィジュアル系でもないなって印象は当時からあって。
逹瑯:それを言ったらさ、俺が柩と初めて会ったとき、柩は猫目の全眼カラコンしていたからね。もう、コイツは普通のヤツじゃないだろうなって思った(笑)。
柩:いやいや、勘弁してください。『アンティーク』のころのMUCCって、メンバー写真もモノクロで、メンバー全員のメイクも統一されているような、見るからに暗い雰囲気もあって。明らかに普通じゃなかった(笑)。
──普通じゃないのは、お互い様という。
逹瑯:いや、でもどのバンドもそうでしょう。普通のことをしたい人は、まずバンドやらないからね。
柩:確かに。特にこのジャンルは。
逹瑯:みんな普通じゃないものを好きになって、それでヴィジュアル系のバンドを始める感じだったから。
──はみ出してこそカッコいいところがありますからね。
逹瑯:俺らは高校生のころからそうだったけど、“みんなと違うことをやってるほうが目立つ”と思っていたんですよ。だから“今、なにが流行っているんだろう?”ってのを知ったうえで、それとは違うことをやりつつ、上手に採り入れるというのが、一番の正解だと思ってたんですよ、目立つという意味ではね。あと、自分にできることや得意なことってのを、ちゃんと分かっていた…という意味では、柩もそんな感じだったよね?
柩:他の人とかぶりたくないなってのはありましたね。俺の場合、身近な人とも、それこそメンバーともかぶりたくなかったし。
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▲逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)
──柩さんはピアスを顔中に付けているじゃないですか。それも普通じゃない、というスタンスからだったんですか?
柩:ああ、かもしれない。
逹瑯:いや、オマエはドMだからでしょ(笑)?
柩:違う違う(笑)。
逹瑯:自傷行為の延長じゃないの? メンヘラでしょ(笑)?
柩:やめろって、その言い方は、違うっ���うの(笑)。言い方がおかしいだろ。普通じゃないっていうか、ちょっとした変身願望から来ているかもしれないですね。
逹瑯:ああ、変態願望?
柩:変身! ヘ・ン・シ・ンだっていうの!!
逹瑯:あははは!
柩:やっぱり他とは違うこと、普通じゃないことって考えていったら、結果、こうなっていったんですよね。
──ピアスやタトゥーなど、最初は覚悟とか勇気も必要だったんですか?
柩:う〜ん、最初は勢いでしたね。15歳ぐらいからピアスを開け始めたんで。
逹瑯:最初は耳でしょ?
柩:耳だったかな…いや、違うわ。最初が口だ。
逹瑯:えっ!? 耳じゃねえんだ?
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▲<V系って知ってる?>2022年12月27日@日本武道館【BUCK-TICK Respect Session】逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)
──最初から普通じゃない。やっぱり変態ってことですか(笑)。
柩:その言い方しないで(笑)。で、2つ目が耳だったかな。
逹瑯:ファーストタトゥーは?
柩:タトゥーは腕というか、肩のあたりに。
逹瑯:どんな絵が入ってんの?
柩:普通のやつ。
逹瑯:普通のタトゥーってなんだよ(笑)? よく分かんねえって。
柩:龍。
逹瑯:おお、ドラゴンね。なんで龍にしたん? 一発目だからたぶん、すげぇ慎重になったと思うんだけど。
柩:最初にタトゥー雑誌とかカタログとかを見てたら、東京の彫師さんのカッコいい龍が載っていて。それがいいなと思ったので、その彫師さんのスタジオに行って入れてもらったんです。
逹瑯:やっぱり彫師さんによって、彫りの上手い下手もあるんだろうけど、絵の上手い下手もあるんでしょ?
柩:あるし、色のぼかし方にクセみたいなのもあるし。
逹瑯:気に入ってないタトゥーはないの?
柩:ない!
逹瑯:スゲーな。
──タトゥーは意味を持って入れる人も多いじゃないですか。
柩:自分への戒めという意味を込めて入れる人もいますね。俺も、ラクガキみたいに入れたものもあれば、そういう思いを持って入れたものもあるし。
逹瑯:戒め? そうか。じゃあ、前に酔っぱらって周りのみんなに迷惑を掛けた、その自分への戒めで入れたタトゥーというのは、どれ(笑)?
柩:そんなタトゥーないって。それに、その話はやめろ(笑)! 書けないやつだから。
──詳細が気になる。でも余計なこともいろいろ知ってそうなぐらい仲がいいんですね(笑)。
逹瑯:まあ、普通に遊び仲間だから。
柩:もう20年近く。フランクに話ができる唯一の先輩なんで、タッツーが。 ■みんなすげーことをやってきたんだなって ■自分で歌い始めて思ったから
──NIGHTMAREが一時活動を止めたときとか、ソロプロジェクトGREMLINSをスタートさせたときなど、逹瑯さんに相談もしたんですか?
柩:いや、俺からはなくて。タッツーから後で「あれはどうだったの?」とか聞いてもらうことはありましたね。
逹瑯:「自分で歌ってみてどうだったの?」とか。それぐらいの話で。
柩:やっぱ難しいですよね、歌って。上手い下手だけではどうにもならないってのが、露骨に出るパートかなと。
逹瑯:物理的に、出ねえ声は出ねえからな。
柩:そうそう。
逹瑯:ギタリスト的に言うなら、「ギター1本でなんとかしろ」って言われてる感じじゃん?
柩:そう、エフェクターもなしでね。
逹瑯:エフェクターはギリ使ってもいいけど、このギターしか弾いちゃダメだ、みたいなさ。このギターとこのアンプとこのキャビしか使っちゃいけませんって言われてる感じ。
柩:それでも、いかに表現するかっていう。やろうとしたら、やっぱすげぇ難しい。YOMIに対しても、他のバンドのボーカリストに対しても、みんなすげーことをやってきたんだなって、自分で歌い始めて思ったから。
逹瑯:しかも自分で選んで買った好きなギターじゃなくて、ずっと前から家にあったギターしか使っちゃダメだよって言われてる感じで(笑)。
柩:そうそう(笑)。理想と現実をまず思い知らされて、それでもいかに表現をしていくかって。
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▲逹瑯(MUCC)
──歌うということでは、逹瑯さんのここ数年の成長ぶりは、ライヴを観るたびに感激するんですよ。2022年からソロワークスを本格スタートさせたのも、いい効果につながっているんですか?
逹瑯:それで言うと、SATOちが抜けたタイミングで、いろいろ時間もできたので、根本的なところから見直したんですよ。まず環境を整えたかな、歌いやすい環境を。良くも悪くも、MUCC全体がスポ根みたいな感じというか、“できない理由は自分にあるんじゃないか”って思ってしまう人種の集まりで(笑)。環境を整えようって考える前に、自分に問題があるんだろって感じの脳みそを持ってる人ばかりで。SATOち脱退後にサポートドラムを入れて練習する時間が多くなったとき、まず歌う環境を見直して、歌いやすい状況を作っていく時間もあったんですよ。だから、その過程で気づきがたくさんあったかな。
──そういう経験をした逹瑯さんから、ソロではボーカルも兼任する柩さんにアドバイスもありますか?
逹瑯:GREMLINSは結成してから何年経った?
柩:今年で10年。でも全然やってない時期もあったから。ライヴはトータルで50本ぐらいかな。音源はアルバム2枚、ミニアルバム1枚、あとシングルが3〜4枚。今日もさっきまでGREMLINSのリハで歌ってて。この対談が終わってからもまた歌うんですけど、リハのときから大変な思いをしてます(笑)。
逹瑯:GREMLINSでは、全曲でギターとボーカルを?
柩:ギターはAメロだけ美月(G / TheTHIRTEEN, Sadie)が弾くとかもあるけど、ギターソロとかは基本俺が全曲で弾いてるんで。
逹瑯:そりゃ大変だわ。歌ってないところではずっとギターを弾いてるんでしょう?
柩:そう。あとサビでは、歌いながら弾いているんで。
逹瑯:そうなると水分補給する時間も隙間もないでしょ?
柩:曲の途中にはないよ。曲と曲の合間しかない。
逹瑯:そりゃキツいな。楽器をやっている人は、曲の途中にノドを湿らせるっていう考えがないんだよね。ボーカリストは、曲の途中でノドを湿らせて、一度仕切り直すってのが、実はけっこう大事だから。
柩:あっ、それやってないかも。タッツーの助言を聞いて、この後のリハ中はノドを潤します。
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▲柩(NIGHTMARE)
──歌の表現とか声の表情という面で、“こうすればいいかも”というアドバイスもあります?
逹瑯:それは好みとか歌のスタイルにもよるでしょう。K-POPとかR&Bとかが好きな人、泥臭いフォークソングが好きな人、ハードロックが好きな人、ミクスチャーが好きな人とか。それぞれによって歌い方も目指すスタイルも違うから。どのスタイルで、どういうボーカリストに憧れているかによっても、表現とか表情の付け方も違ってくると思うな。
柩:ちなみにタッツーは、細かいピッチとか気にしながら歌ってる感じ? それとも、そういうのはわりと自由にフィーリングのままで?
逹瑯:ピッチは気にするよ。今、自分がどのピッチで歌っていて、どういう声を出しているんだろうってのが、すごく分かるようなモニターの作り方を頑張ってる。自分が今、どれぐらいの声量で、どんな声を出しているのかが分からないと、それってそのまま歌のニュアンスに直結していくからさ。モニター環境も含めて、けっこう細かく煮詰めているかも。
柩:そんなところまで? 器用な人じゃないとできないパートだなって改めて思う、ボーカルは。
逹瑯:うん、そうだと思う。しかもライヴって、演奏して歌っていればいいってだけではないからさ。今、ライヴ全体がどんな空気感だとか、どういうふうに次の曲へつないでいこうとか、それはボーカルが考えなくちゃいけないから。ここで煽りを一発入れて、盛り上がったところで次だなとか。
柩:ライヴ全体を引っ張っていくというか。
逹瑯:そうそう。だから曲に没頭しつつも、どこかひとつ冷静になって、ライヴ全体の状況や空気感を見ていないとダメかもな。
柩:そこがすごいんだよな。俺、いっぱいいっぱいになるんだよ。
逹瑯:実際、難しいと思うよ。YOMIもアホなようでいて、ちゃんとやってるもんね(笑)。
柩:いや、アホだけどね(笑)。「アホなようで」ではなくて、YOMIはアホだけどやってる。この間、タッツーと飲んでいるときにもちらっと言ったんだけど、「いつかタッツーのソロとGREMLINSで一緒になにかやれたらな」って。
逹瑯:そうそう、やりたいよね。おもしろそうだから。
柩:俺も勉強になるし、絶対に。
逹瑯:勉強とかしないだろ、オマエは(笑)。
柩:いや、こう見えてすぐに刺激を受けるタイプだから、俺は(笑)。
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▲<V系って知ってる?>2022年12月27日@日本武道館【BUCK-TICK Respect Session】逹瑯(MUCC) × 柩(NIGHTMARE)
──お互いに受ける刺激があるでしょうし。
逹瑯:NIGHTMAREとMUCCの対バンもさ、一回だけで終わらせずに、何回もやりたいよね。今回の対バンに合わせて、こういう対談で、俺と柩以外のメンバーも仲良くなっているじゃん?
柩:そうそう。RUKAさんもYUKKEさんとの対談でけっこうしゃべったみたいで。
逹瑯:RUKA君なんて、そもそも強めに引っ張り出さないと出てこないからね。
──今までは、2バンドの全員がワチャワチャ仲いいって感じでもなかったんですか?
柩:今までは個々で仲がいい、という感じでした。俺とタッツーが一番面識ある感じだったかな。
逹瑯:柩とNi〜yaとはちょこちょこ会ったりしていたけど、意外とYOMIとは遊ばなかったもんね。昔、アイジさん(LM.C)と飲むこともたまにあったから、そのへんのつながりで咲人と飲んだことがあった程度かな。RUKA君とは全然遊んだことないな。街中で偶然会って話すことがあったぐらいで。
柩:そっちのほうがレアケースだけどな(笑)。
逹瑯:「今、あそこにいました?」って突然LINEに連絡が来て、「おおっ、確かにいたよ」って(笑)。でも、結局本人とは出会わずで、どういうこと?みたいなこともあったり(笑)。
──全員がグッと急接近して絡むツーマンツアーだから、楽屋もそうだし、ステージ上でも刺激的なことしか起こらないでしょうね。
逹瑯:絶対に起こる。この前、2バンド全体の生配信番組の雑談からの流れで、ツーマンライヴのセッション企画にRUKA君が参加することになってね。RUKA君をセッションに引っ張り出せただけでも、すでにすごいと思ってる(笑)。
柩:確かに(笑)。RUKAさんは、みんなでワイワイやらなそうな人だから。それを引っ張り出したタッツーはすげえな、と横で見てて思ってたから(笑)。
逹瑯:しかも、すげえ自然な会話の流れのままセッション企画に引っ張り出すというね。
柩:さすが、全体をコントロールするボーカリスト=逹瑯だなって(笑)。やるなーと。
逹瑯:ツーマンツアーがスタートする前から、楽しそうなライヴになりそうって感じでしょ。
柩:NIGHTMAREのファンも嬉しいと思います。あんまり見たことのないRUKAさんの姿を目撃できることになるから。引っ張り出したタッツーに対して、NIGHTMAREのファンみんな、すごく感謝すると思います。
逹瑯:それは嬉しい。それにRUKA君の笑顔を取り戻してあげないと。
柩:いやいや、笑顔はあるよ(笑)。笑顔がない人ってことじゃないから。
■SATOちを知らないお客さんを ■もっと増やさなきゃいけない
──NIGHTMAREもMUCCも、20年以上の活動の歴史を積み重ねています。それぞれの現在の立ち位置から過去の自分たちを振り返ると、どう映りますか?
逹瑯:柩ってNIGHTMAREの前にバンドやってたの?
柩:ちゃんとしたバンド活動はやってない。
逹瑯:初バンドか。じゃあ俺と一緒だね。
柩:でも、セッション的にコピーバンドみたいなのはやったことあるけどね。
逹瑯:オリジナル曲をやるバンドは、NIGHTMAREが初めてでしょう? 俺もMUCCが初めてだから。ミヤさんはその前にバンドやっていて、YUKKEさんもちょこっとセッションバンド的なことをやってた。SATOちも前のバンドあったし。それで質問の答えだけど、この間、ボーッと振り返るような時間があったんですよ。バンドをやっていないプライベートの友達とか同じ歳の地元の仲間とかって、社会的にけっこう偉い立場や役職に就いてたりするんですよね。で、ヴィジュアル系バンド全体を一個の会社として考えたら、我々の役職はなんだろう?ってさ(笑)。
柩:すごい考え方するな。
逹瑯:いろんなパターンを考えていったとき、うちらはたぶん、会社で言ったら社長クラスだと思うよ。
柩:えっ!? うちら社長なの?
逹瑯:いやいや、先輩方はいっぱいいるんだよ。だけど、あの人たちは会社で言ったら会長クラスだから。たぶん我々世代が“株式会社ヴィジュアル系”で言ったら、いろんなところの支社長とか社長クラスなんだよ。
柩:まじ!? そんな話をされるとちょっと責任感が……(笑)。
逹瑯:ちょっと姿勢が変わってくるよね(笑)。
柩:うん、変わってくる。好き勝手やってるのもどうなのかな?って話になるし、でも好き勝手やりたいし。
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▲MUCC
逹瑯:そう。でも業界全体で考えたら、我々は社長クラスになってる世代だし、意識してそうなっていなきゃいけないんだろうなって。そう考えたら、けっこう痺れたよー(笑)。
柩:そっかー、たしかに世代的にはそうかもな。自分たちがバンドを始めたころ、今の俺らの年齢の人たちって、すごい年上の方々、という印象だったもんね。
逹瑯:うちらがバンド活動をかじるか、かじらないかぐらいの10代のころに、第一線ですでにバカ売れしていた先輩たちは、ヴィジュアル系会社を設立した人たちだよ。会社の創設者ってことだね。それから何年も経って、我々は今、もう何代目って感じだろうけどさ。そういう立ち位置になってくると、今度は下の世代に対して、会社をよりいい状態にしていかなきゃいけないじゃん。
柩:そうだね。次の世代へ受け継いでいってもらうために。
逹瑯:そうそう。そうなっていくことが、我々世代が会長クラスとかになったときの住みやすさにもつながっていくからさ(笑)。
柩:あははは。すごいこと言うね(笑)。
逹瑯:だから自分たちのことばかり考えていてもいられねえんだろうなって。
柩:そうだよね。俺ら世代が刺激していかなきゃいけない。
逹瑯:そういう意味で言うと、NIGHTMAREとMUCCのツーマンツアーは、そういうことのひとつの要因になったらいいな、とは思うよ。
柩:確かに。直接的な後輩バンドたちもそうだけど、面識のないバンドマンとかにも観に来てもらいたいな。特に年下の頑張っているバンドマンたちに。
──単なるツーマンツアーではなく、シーン全体を活性化させるツアーにするという意気込みですか?
逹瑯:うん、そうなった���いい。
柩:ファンも、もうお母さんになっている世代が多いので、ライヴ離れしていった人たちもやっぱりいて。
逹瑯:子育てに忙しくて、ライヴに来れないって方もやっぱり多いからね。
柩:子育てしつつ仕事もしつつ、日々忙しくて、仕方なくライヴから離れてしまった方々がね。でも今回のツーマンツアーだけはちょっと観てみたいって、そういう方々も刺激したいですよね。青春を思い出してもらいたい。我々が活動をスタートさせたころにライヴハウスに来てくれてた高校生とかが、あの当時の気持ちになれるように。
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▲NIGHTMARE
──でもMUCCもNIGHTMAREも、ライヴにけっこう若い世代もいますよね? この前、MUCCの野音ワンマンに行ったら、周りは若い子ばっかりで熱かったですから。
逹瑯:いいですね。ここ最近、ずっと思っていることがあるんですよ。全体の活性化もそうだけど、俺が今MUCCに関して思っていることを言うと、“SATOちさんのいた時代のMUCCを観てみたかった”という世代をもっと増やさなきゃいけないと思っていて。SATOちを知らないお客さんが増えないと。
柩:それだけ若い世代が来てるっていうことか。
逹瑯:そうそう。「SATOちがいなくて寂しい」って言ってる方ばかりでは、まだ新しい世代に向けてアピールできていないなって。今、MUCCの現場を手伝ってくれる若いスタッフが2人いるんだけど、彼らはSATOちの時代を知らないからさ。“今、一緒にものを作っているスタッフの中に、SATOちを知らない若い子がいるのか。すごいな”と思ってさ。
柩:SATOちさんって何年前でしたっけ?
逹瑯:えっ、死んだの(笑)?
柩:死んでないし(笑)。なんでSATOちさんを殺すの。
逹瑯:今、SATOちはムキムキだからね(笑)。
──パーソナルトレーナーとして生命力に溢れる体つきですから。
逹瑯:ほんとにそう。SATOちが脱退したのは、もう2年ちょい前か。
柩:衝撃だったもん、脱退。めっちゃ寂しい、と思って。
逹瑯:NIGHTMAREはそういう時期なかったの? 例えば誰かがしんどそうだな、とか。柩はしんどいと思ってた時期ないの? NIGHTMAREがバーンと売れ出したたとき、スケジュール的にもしんどかったとか。
柩:確かにしんどかったけど、“これが当たり前で、こういうもんだ”と思ってやっていたからね。俺は飼い慣らされてた(笑)。
逹瑯:よく言うよ(笑)。そのへんはメンバーみんなの地元が一緒というのもデカいかもね。
柩:そうそう。MUCCもメンバー全員、地元が一緒でしょ。地元が一緒で、みんなでこっちに出てきたっていう絆的なものがあるよね。
逹瑯:NIGHTMAREのメンバーは、通ってた学校も一緒なの?
柩:いや、別。俺とRUKAさんとは同じ高校だったけど、通っていた時期はかぶってないよ。
逹瑯:3つぐらい違うの?
柩:ううん、2つだけど…かぶってないってこと(笑)。
逹瑯:ああ、学校を辞めてるってことだね。で、どっちが?
柩:そこまで言わせるのか…どっちもだよ(笑)!
逹瑯:本来ならかぶってたはずなのに、やめてたからかぶらずと(笑)。で、高校を?
柩:中学を辞めるって無理でしょ(笑)。そんなの茨城でも無理でしょ。
逹瑯:高校が別なのに、よくRUKAさん以外は同じ歳のメンバーが集まったよね。
柩:友達を通して、それぞれ知り合っていったんだよね。
逹瑯:地元が一緒だと、メンバー間でバンド以外の共通項も持ってるわけじゃん。それがすごくいいなと思う、やってて。
柩:昔話も普通にできるから。
逹瑯:そう。昔からのツレが、メンバー間で一緒だったりするし。
柩:それで言うと、俺からしたらタッツーは先輩だけど、10代からの知り合いだし、地元のツレに近いものを勝手に感じている。
逹瑯:MUCCが仙台に行き始めたのも早かったしな。
柩:そう。昔からタッツーはあんま変わんないもん。ズケズケとモノを言う感じとか(笑)。
■一緒にものを作っていくときに ■ひとつのムーブメントって生まれる
──そういう近しい間柄だと、たとえば、ちょっとした行き詰まりを感じたり悩んだりしたとき、少し話しただけで力の出る言葉を掛けてくれたりとか?
柩:うん、まさにそう。
逹瑯:でも、柩はあまり悩むことなさそうだよな。
柩:いや、あるよ。なに、その勝手な決めつけは(笑)。
逹瑯:自分で解決してそうだから。
柩:ああ。いや、けっこう悩んだり、ストレス溜まったりするタイプなんだよ。
逹瑯:ほんと? いろんなタイプがいるじゃん。DEZERTのSORAとかアルルカンの暁とかは、一生悩んでそうなタイプじゃん。
柩:ああ。俺はそういう感じでもないかな。
逹瑯:人種的にそうじゃないじゃん。あと、メリーのガラは悩んでるとかじゃなくて、誰かに愚痴を聞いてほしいだけだからさ。悩みとかじゃなくて、ただぼやきたいだけでさ、一生(笑)。
柩:ひどいな、言ってることが(笑)。ガラさんはめちゃくちゃ優しいよ。
逹瑯:俺は悩み事がないわけじゃないけど、人に話して解決するような感じでもねえし。
柩:タッツーは人からアドバイスもらって悩みを解決するような人じゃない気がするな。
逹瑯:うん、人に話して解決するようなことだったら、自分で解決できるし。自分で解決できるんだったら、人に話したところで解決できない感じ。
柩:分かる。俺は溜め込んじゃう時期があるんだよな。
逹瑯:俺は溜め込まないんだよ。忘れちゃうんだよね(笑)。とりあえず目に付かないところに置いとくと、そのまま忘れちゃう。で、賞味期限が切れてる。もう、いいかって。
柩:その考え方、ちょっといいかもしれない。
──逹瑯さんは常に前向きだってことですね。
柩:うん。前向きなほうがいいですよ、基本的には。
逹瑯:それに、たいがいのことは時間が経てば解決しているからね。だってさ、20代のころに抱えていたような悩みは、今となってはどうでもよくない(笑)? それって時間が経てば解決したってことでさ。
柩:どうでもいいし、当時の悩みも覚えてないもん。
逹瑯:でしょ? そんなもんなんだよ。その程度の悩みしかない人生を送れているのは、幸せなことだよね。
柩:確かに。いろんな事情があって、ずーっと同じ悩みを抱えている人もいるから。
逹瑯:我々は好きなことやれているし、少数精鋭のクリエイティヴなスタッフに囲まれているから、まず、職場の人間関係で悩むことがほぼないじゃん。たいがいの人の悩みって、職場の人間関係だったりするでしょう。そこに関して我々は経験したことがないから、なんの助言もできないよね。相談されても綺麗事しか言えないと思う。
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──“株式会社ヴィジュアル系”の社長として、これから若いバンドマンたちに頼りにされる場面も多くなりそうですよ。
逹瑯:むしろ、うちらが力を貸してほしい気がしてるんだよね。“なにかイベントやろうぜ” “フェスやろうぜ”ってときに、“出てくれ”とか“一緒にやってくれ”とかさ。誘われるほうも出させてもらったというよりも、一緒に作りましょうってスタンスのほうが、絶対に楽しいよ。
柩:変な遠慮はしないでくれっていう。
逹瑯:うん。一緒にものを作っていくときに、ひとつのムーブメントって生まれると思う。それは一人の力ではどうにもならないからさ。ムーブメントを作っていくとき、力を合わせるのが必要だと思う。
柩:タッツー主導でフェスやってよ。
逹瑯:やりたいと思うんだけど、やるんだったら、継続して毎年もやらないと意味がないと思ってるんだよね。一発で終わっちゃったら、ただのイベントだから。継続して毎年やることで、ひとつの文化やコミュニティになっていくわけじゃん。だからやるとなったとき、相当な覚悟が必要だと思ってる。
柩:MUCCがやるときは呼んでほしいです。
逹瑯:絶対に呼ぶんじゃないかな、うん。
柩:うちのボーカルの弟のバンドとかも。
逹瑯:YOMIの弟…?
柩:YOMIの弟が、仙台貨物ってバンドをやってるんで。
逹瑯:あっ、あれ弟なんだ!? 俺は同じ人かと思ってた(笑)。
柩:い���、別人です!
逹瑯:じゃあ、スリーマンしよう(笑)。MUCCがトップバッターやるから。
柩:その順番はどうなの(笑)? 仙台貨物とNIGHTMAREが続いちゃうんだよね。ちょっといろいろ相談をしないといけないかも(笑)。
──仙台貨物のフルフェイスさんにも話を通さないとマズいですよね、きっと(笑)。
柩:あ、ギターの人ですか? 僕は全く面識ないんですけどね(笑)。
逹瑯:あ、そう来る(笑)? メンバーさんに“本当はこんなバンドやりたくないんだよな”と思ってる人はいないんかね?
柩:いや〜、いないんじゃないかな。まっ、そういう時期もあったかもしれないけど(笑)。
逹瑯:俺、ずっとベースの人はオウチンチン(王珍々)…おちんちんかと思ってた。そしたらワン・チェンチェンなんだよな。
柩:ああ、そうらしいですね。俺もちょっとあんまり詳しくないんで(笑)。株式会社ヴィジュアル系の話に戻るけど、社長という立場にいるって自覚しなきゃいけないのであれば、俺らも今後はイベントとかいろいろやっていきたいし。
逹瑯:いや〜、でもNIGHTMAREは友達が少ねぇからな。
柩:だからそれ言うの、やめてもらっていい(笑)? 俺ら田舎から出てきてますから。
逹瑯:いや、うちらも田舎から出てきてんだよ(笑)。
柩:でも茨城のほうが東京に近いし。
逹瑯:若干ね(笑)。ところで普段、なにして遊んでんの?
柩:遊ぶ……たとえば2週間ぐらい休みがあったら、夏ならダイビングとか。沖縄はやっぱ綺麗。
逹瑯:本島より離島がいいんでしょう? 沖縄のバンドマンに言わせると、「沖縄本島はこれでも汚くなったんですよ」ってことだからね。全然綺麗なのに。
柩:すごく綺麗だよね。あとサクッとダイビングに行くときは伊豆とか。
逹瑯:大島とか新島とか、あっちのほうも良さそうだよね。俺、今年は秋口ぐらいにキャンプに手を出してみようかと思ってて。
柩:ちょっとそれ、俺も行きたい! 去年、初めて行ったんだけど。
逹瑯:テントとか持ってんの?
柩:寝るときはバンガローだった。
逹瑯:それキャンプじゃねえーし! バカ野郎!! 自分で建てろ、寝るところは。テントと寝袋だよ。だから、ちょっとずつキャンプ用品を揃えていこうと思ってて。
柩:行くなら9月?
逹瑯:10月後半ぐらいから狙えたらなと思ってる。
──ツーマンツアーの打ち上げは、キャンプ場に決まった感じですか?
柩:しますか、2人打ち上げをキャンプ場で(笑)。
逹瑯:キャンプ部結成だな。YUKKEさんが部長で。
柩:あっ、それ最高です。
──最高なキャンプの前に、大事なのがツーマンツアーですよ。
柩:そうですよね。ステージ上だけじゃなくて、フロアのみんなも、我々と同じようにテンション上げて盛り上がってほしいですね。別々のバンドのファンの子が一ヵ所に集まるわけだけど、ギクシャクしないでほしいっていうか(笑)。仲良く盛り上がってほしい。
逹瑯:そこに関してはうちらよりフロアのほうが慣れてるでしょう。ファンのみんなは、いろんなライヴに行ってるだろうから、経験値も高いよ。
──そんなオーディエンスのみなさんに、最後に言葉をいただけたらと思います。
逹瑯:なんも深く考えずに、遊びに来て楽しんでもらうだけでいいので。いい意味でライトな気持ちで遊びに来てもらえばいいと思っています。
柩:構えないで来てほしいね。お互いのバンドの曲は、事前にある程度は聴いてきてほしいですけど。
逹瑯:ある程度? 難しいよ、300曲以上はあるからね(笑)。
柩:じゃあ、ちょこっとでも、最新曲とかだけでも(笑)。まあ、夏の思い出を作るぐらいに、夏祭りに行くような感じで来てもらえればなと思います。自分も構えるというよりは、ライヴ当日を楽しく迎えたいと思ってます。
取材・文◎長谷川幸信 撮影◎冨田味我(MUCC LIVE)/菅沼剛弘(NIGHTMARE LIVE)
13.08.2023 quelle: barks.jp
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patsatshit · 6 months
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ようやく寒くなり冬らしい空になってきた。先週までは上着もいらないくらい暖かかったので天気大ジョーブかい?って気にしていたのに…。そろそろダウンの登場か。今年も経たねぇ……。というわけで今日は一日クローゼットの整理をしていた。ここ数年は滅多に服を買わなくなった。
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大学生の頃は今よりファッションに対するアンテナがビンビンに張っていて、特に古着に興味津々だった。自分のイメージを映画や書物から写真を撮りpinterestに保存しては似た服を探し歩いていた。例えば画家のデュギー・フィールズが被っていた歪曲なベレー帽とカウボーイワッペンが付いたブルゾンの着こなし、ダン・アンド・カンパニーのボウラー帽子の合わせ方など、主にアンティークな雑誌やポスターから頭に仕入れて、古着屋でそれっぽいものを探してはバイト代を注ぎ込んでいた。下北、原宿、高円寺へ行けば大体の理想が叶う。
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でも年齢を重ねる内に服がほしいというよりも着こなしがしたいと思うようになった。自分なりの服装哲学がないままにお金やエネルギーを注ぐのは馬鹿らしい。自分の肌に合った布を選び、着心地の良い服装をする。それっぽいものを探して着ることよりも自分の生き方に合った服装をすることの方が大事な気がした。仕事着もできれば私服にしたいが、スウェットで他企業に乗り込むわけにはいかない。893じゃないんだから。ビジネス着とはいえ、できるだけ自分の雰囲気、感触に合ったものにしたい。
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クローゼットの中はほとんど学生時代に買った服ばかり。どうにか組み替えて着続けている。30越えたら服装もグレードアップさせたいな、とか思ってた時期はあるけど、趣味嗜好があの頃と変わらないから一生これやな…というモード。いいものはいい、ということは分かっているから手放す必要がない。学生時代、一生懸命アルバイトをして手に入れた91年製のAIR MAX90、バブアーのブルゾンはもちろん、傷み知らずのスティーブンアランのワークコートなど…。それぞれに思い出がいっこ乗っかってるから手放しづらいというのもある。だからアウターやトップスに関しては出来るだけ今あるもので、着こなしを変えていきたいと思う。春夏秋冬と自分の体質(冷え性とか)、行き先などに合わせて組み合わせを考える。この時間が結構楽しい。もうあかんかなぁって思ってた「NISHIMOTO IS THE MOUTH」のえぐ重たいスウェットの使い途とかサーマルが大好きなこととか何通りもの発見があった。
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↑昨年ご縁があって購入したkitai condiment さんのコーデュロイパンツ。また履ける時期がきた。嬉しい。後ろっ側バックルで絞るという発想、天才。こなれ感がかわいい。
ブランドはあまり分からないけど、季節や肌に合った布選びがしたいなと思う。
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最近またまたフラカンがキテる。Creepy Nutsのラジオ聴き直していて、2020年のどっかの回で、Rさんが「深夜高速」の歌詞にグサっときたって言ってた話にめちゃめちゃ共感した。私もふとラジオから流れてきた「生きててよかった」にジワッときた一人。同じ番組聴いとったんちゃうか…。
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最近James Herseyというアーティストを知ってずっと聴いてる。私の映画アカウントに頻繁に「いいね!」をつけてくれた縁(一方的な)でCD買いました。
最新アルバム『Let It Shine』は全体的に明るい曲調で、正直聴いたことあるメロディやなぁと思っていたのけど、陰のある歌詞にグッときた。この感じでダークな世界なんだ…!という驚き。作家性に惹かれました。James HerseyからMaël & Jonas、JEREMIASなどのジャーマン系インディーバンドを知りました。嬉しい発見。
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ここ数日、誠光社の堀部さんに借りっぱなしさせてもらってる『ガロ』をまたまたまたまた読み直してる。
やっぱり「昔は良かったなぁ」じゃないけどもこの思いつきと情熱だけで独自路線を貫いてる感じ、懐古モードに入ってアァーいいなぁってなる。矛盾を孕んだ世界を自ら選択して抑制されてんだから、やりたいことやったもん勝ちなんだと目の当たりにさせられると普通にショックを受けるわけです。いろいろばかばかしくなってくる。ハイ!放棄!ができればいいけど。人間は人間らしく生きるべきだなぁと実感。数ヶ月間のすさんだ気持ちを昇華できたのは沼田元気さんの「憩」の被写体とヒップvsスクエアの文、しりあがり寿せんせーの漫画のおかげかな。
沼田さんのヒップとスクエアの概念、そうなんだよなぁと共感得られすぎて辛くなりつつもあり、ほんのわずかに希望を持たせてくれた。常にもやもやしてること、考えてるけど吐き出せないことをハッキリ言葉にしてくれてありがとうございます。
あと個人的に面白かったのは『男の座談会』。松井良彦、中原昌也、根本敬という特殊なアーティスツによるクレイジー(猥雑)な映画談義。想像力たくましく一気に読みました。事細かに書くのは控えたいが、舞台挨拶の後に上裸の女性が自分のオートバイに股がって悩み相談、から「ブス」までのエピソードの破壊力…完全に危ない人なんだけど、それがもう治安の悪さを物語ってる。『豚鶏心中』観てファン層のヤバさ(いい意味で)に共感してみたい、とか謎の好奇心に冒される。
とにかく早く返さなきゃ。
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gallery-yaichi · 1 year
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・ ・ 明日より、安齋賢太さんの作品展がはじまります。 一点一点見どころのある素晴らしい作品を作って下さいました。 見応えのある展示になっているかと思います。 土曜日の初日は安齋さんも在店下さいます。 皆様のお運びをお待ちしております。 ・ ・ 2023.1.28.sat.- 2.12.sun. 安齊賢太陶展 Kenta Anzai Exhibition ・ ・ 2023年最初の展示会は安齊賢太さんの作品から。焼き締まるぎりぎりの低火度焼成で生まれる固有の造形感覚と、そこに漆を混ぜた土を何層にも塗り磨き生まれるマ���エールと強度。一般的な焼き物とは異なり、とても時間のかかるお仕事。凛とした作品でありながらも、それが力のある熱量を感じるのです。代名詞である陶胎漆器の黒の花器を中心とした40点ほどの小規模展となりますが、空間を贅沢に使った展示をご覧頂きたいです。 ・ ・ close:月曜・第一火曜 | open:11-19:00 | 27(金)は展示準備のため臨時休業 | 初日作家在廊 ・ ・ Profile | 1980 福島県生まれ | 大学卒業後、京都伝統工芸専門学校にて陶芸を学ぶ | 2006 渡英。ロンドンの陶芸家ダニエル・スミス氏のもとでアシスタント | 帰国後、伊豆の陶芸家黒田泰蔵氏のもとで白磁を学ぶ。 | 2010 福島県郡山市にて独立築窯 | ・ ・ ・ #yaichi #やいち #器 #うつわ #食器 #tableware #生活道具 #暮らし  #cafe #カフェ #アンティーク #antique #antiques #古道具 #古家具  #古物 #埼玉 #埼玉県  #北本 #北本市 #安齋賢太 #安齊賢太 #KentaAnzai (Gallery&Cafe やいち) https://www.instagram.com/p/Cn5-mJYvTPZ/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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knotenletterpress · 1 year
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・ 東京 西荻窪のFALL @fall_mishina さんに、ポストカードやシールなどいろいろ納品させていただきました🪨🐚🌲カードでは冬の家、石ひろい、など最近のものから、羊を飼う、木のシリーズなど。灯台の蔵書票と封緘シールも。 イベントやフェア以外で都内で実際にお手に取っていただける場所なので、西荻さんぽの折などに思い出していただけたら嬉しいです。 展示のほか器に雑貨、本と音楽にアンティークと、それぞれが光りながらも同じ場所で調和する店内。棚のすみっこまで気になり、いつの間にか時間が経ってしまう不思議な空間です。先日は店主が何気なく売り場に置いた石ころたちと目が合ってしまいました🪨👀 #石 #石ころ #石ひろい #stone #ビーチコーミング #beachcombing #灯台 #lighthouse #活版印刷 #活版 #letterpress #knoten #knotenletterpress #西荻窪 #西荻窪fall #西荻窪さんぽ https://www.instagram.com/p/CoPkqtsvPcG/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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神戸 不用品回収
神戸の相場屋は、不用品処分や遺品整理、生前整理、ゴミ屋敷の片付けなど、さまざまな状況に応じたサービスを提供しています。私たちは即日対応が可能であり、追加料金は一切いただきません。粗大ゴミ持込センターでは、不要な家具や家電、食器などを持ち込むと、無料で引き取ります。大量の不用品回収やゴミ屋敷の片付けには、トラック積み放題プランが最適です。私たちのスタッフは明るく元気で、現地での作業全てを行います。お客様の大切な荷物をしっかりと見つけ出し、丁寧に扱います。お客様のご要望に合わせて、柔軟に対応いたしますので、お気軽にご相談ください!姫路市にお住まいの方々にとって、不用品買取サービスは便利な手段の一つです。不要な家具や家電製品、ブランド品などの不用品を買取業者に売却することで、手間をかけずにお金に換えることができます。本記事では、姫路市での不用品買取について詳しく解説し、買取のメリットや便利なサービスについてご紹介します。姫路市での不用品買取サービスとは姫路市では、様々な不用品買取業者が存在し、家具、家電、ブランド品、アンティーク品など幅広いジャンルの商品を買取しています。不用品買取業者は、買取価格の査定から引取り、精算までをスムーズに行ってくれるため、手軽に不用品を処分し、現金化することができます。不用品買取のメリット不用品買取を利用することで、以下のようなメリットがあります。手間がかからない:買取業者が不用品を引き取りに来てくれるため、自分で運ぶ手間が省けます。即金化が可能:不用品を買取してもらうことで、現金化することができます。環境に配慮:不用品を買取して再利用することで、環境への負荷を軽減することができます。不用品買取の流れ不用品買取を利用する際の基本的な流れは以下の通りです。査定依頼:買取業者に不用品の情報や写真を送信し、査定を依頼します。査定結果の確認:買取業者から査定結果と買取価格を受け取ります。買取契約:査定結果に納得したら、買取契約を締結します。引取り:買取業者が指定した日時に不用品を引き取りに来てもらいます。精算:不用品が引き取られた後、買取価格が支払われます。姫路市の不用品買取業者の選び方姫路市には多くの不用品買取業者が存在しますが、適切な業者を選ぶためには以下のポイントを考慮すると良いでしょう。信頼性:信頼できる業者かどうかを確認しましょう。口コミや評判をチェックすると良いです。査定価格:複数の業者から査定を依頼し、買取価格を比較することで、適正な価格を得ることができます。手数料や引取り条件:手数料や引取り条件など、買取業者ごとの契約内容を確認しましょう。まとめ姫路市の不用品買取サービスを利用することで、手軽に不要な品物を現金化することができます。信頼できる買取業者を選んで査定を依頼し、不用品を効率よく処分しましょう。また、買取業者との契約内容や引取り条件をしっかり確認することで、トラブルを避けることができます。不用品買取は、環境への配慮や手軽さから多くの方々に利用されています。姫路市にお住まいの方も、不用品買取を活用して、スッキリとした生活空間を手に入れましょう。
「姫路 不用品買取」についてはこちら⇒
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aswan-jp · 29 days
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3stepで、フレンチシック・スタイルに。
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カーテン選びを、たのしくやさしく。 そんな気持ちでつくったのが、オーダーカーテン『COORDE(コーデ)』です。
1 お部屋の床や家具などの木の色を確認���る。 2 その木の色に合うインテリアスタイルを知る。 3 そのインテリアスタイルに合うカーテンをコーデする。 の3stepで、お部屋に合うカーテンが見つかる。 そして、すべてのアイテムがわかりやすい価格であることもポイントです。
そんな『COORDE』から、落ち着いたトーンのグレーウッドにおすすめの #フレンチシック に合うカーテンをご紹介します。
白を基調としたシンプルな空間に、アンティーク家具やグレイッシュなアイテムなどをコーディネートする #フレンチシックインテリア 。 インテリア用語として“古めかしくていい雰囲気”という意味で使われる“シャビ―感”がポイントです。 そんな上品なスタイルに合う、ソフトカラーのレース柄カーテンをコーデしました。
カタログ:COORDE edit1 インテリアスタイル:フレンチシック 品番:S1111 機能:ウォッシャブル
くわしくは、この投稿を「保存」してお近くの #インテリア専門店 へ
またはプロフィール @aswan_jp のリンクから『COORDE』をご覧ください
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kurihara-yumeko · 2 months
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【小説】コーヒーとふたり (上)
 休日に喫茶店へ行くことは、加治木零果にとって唯一、趣味と呼べる行動である。
 喫茶店へ行き、コーヒーを飲む。時刻はだいたい午後二時から三時。誰かと連れ立って行くことはない。常にひとりだ。行き先も、決まった店という訳ではない。その時の気分、もしくはその日の予定によって変える。
 頼むのは、コーヒーを一杯。豆の銘柄やどのブレンドにするかは店によってだが、基本的にブラック。砂糖もミルクも好まない。軽食やスイーツを注文するということも滅多にない。ただ一杯のコーヒーを飲む、それだけ。
 彼女は喫茶店では本を読まないし、パソコンも開かない。スマートフォンにさえ触れないこともある。コーヒーを飲み終えたら、すぐに店を出て行く。たとえその一杯がどんなに美味でも、二杯目を頼むことはない。時間にすればほんの数十分間。一時間もいない。それでも彼女は休日になると、喫茶店へ行き、コーヒーを飲む。
 零果がその店を訪れたのは二回目だった。最初に訪れたのは、かれこれ半年近く前のことだ。
 たまたま通りかかった時にその店を見つけた。「こんなところに喫茶店があったのか」と思った。喫茶店があるのは二階で、一階は不動産屋。賃貸マンションの間取り図がびっしりと貼り付けられているガラス窓の隣に、申し訳なさ程度に喫茶店の看板が出ていた。
 細く狭い階段を上った先にその店はあり、店内は狭いながらも落ち着きのある雰囲気だった。歴史のある店なのか、年老いたマスター同様に古びた趣があるのが気に入った。コーヒーも決して不味くはなかった。出されたカップもアンティーク調で素敵だと思った。
 しかしその後、零果の喫茶店リストの中で、その店はなかなか選ばれなかった。その店の立地が、彼女のアパートの最寄り駅から微妙に離れた駅の近くだったからだ。「わざわざあの駅で降りるのはちょっとな……」と思っていた。けれど、最近同じ店に行ってばかりだ。今週末は、普段あまり行かない店に行こう。それでその日、その店を選んだ。
 けれど、その選択は失敗だった。
「あれ? 加治木さん?」
 そう声をかけられた時、零果は運ばれて来たばかりのコーヒーをひと口飲もうとしているところだった。カップの縁に唇を付けたまま、彼女はそちらへと目を向ける。
 その人物はちょうど、この店に入って来たところだった。そして偶然にも、零果は店の入り口に最も近い席に案内されていた。入店して真っ先に目につく席に知人が座っているのだから、彼が声をかけてきたのは当然と言えば当然だった。しかし、零果は彼――営業部二課の戸瀬健吾に声をかけられたことが衝撃だった。
「こんなところで会うなんて、奇遇だね」
 戸瀬はいつもの人当たりの良い笑みを浮かべてそう言ったが、零果は反応できなかった。驚きのあまり、何も言葉が出て来ない。しかし彼女の無言に気を悪くした様子はなかった。
「俺はよくこの店にコーヒーを飲みに来るんだけど、加治木さんもよく来るの?」
 笑顔で尋ねてくる戸瀬に、零果はカッ��を口元から離してソーサーの上へと戻しながら、「いえ、その……たまに……」と、かろうじて答える。この店に来たのは二度目だったが、そう答えるのはなんとなく抵抗があった。あまり自分のことを他人に明かしたくない、という彼女の無意識が、曖昧な表現を選んでいた。
「そうなんだ。ここのコーヒー、美味いよね。あ、じゃあ、また」
 やっと店の奥から店員が現れ、戸瀬は空いている席へと案内されて行った。幸いなことに、彼の席は零果から離れているようだ。大きな古めかしい本棚の向こう側である。
 戸瀬の姿が見えなくなってから、零果はほっと息をついた。休日に同僚と顔を合わせることになるとは、なんて不運なのだろう。その上、場所が喫茶店だというところがツイていない。
 改めてコーヒーを口元へ運んだが、未だ動揺が収まらない。半年前に来店した時は悪くなかったはずのブルーマウンテンブレンドだが、戸瀬の顔を見た後の今となっては、味の良し悪しなどわからなかった。香りも風味も台無しだ。コーヒーカップのブルーストライプ柄でさえ、「さっき彼が似たような柄のシャツを着ていなかったか?」と思うと途端にダサく思えてくる。
 それに加えて、戸瀬は先程、こう言った、「俺はよくこの店にコーヒーを飲みに来るんだけど、加治木さんもよく来るの?」。
 その言葉で、彼女の喫茶店リストから、この店が二重線を引かれ消されていく。
 同僚が常連客となっている喫茶店に足を運ぶなんて御免だ。二度目の来店でその事実を確認できたことは、不幸中の幸いだったと思うしかない。数回通い、この店で嗜むコーヒーの魅力に気付いてしまってからでは、店をリストから削除することが心苦しかったはずだ。ある意味、今日は幸運だった。この店は最初からハズレだったのだ。
 零果は自分にそう言い聞かせながらコーヒーを飲む。味わうのではなく、ただ飲む。液体を口に含み、喉奥へと流す。せっかく、いい店を見つけたと思ったのに。うちの最寄りから、五駅離れているのに。飲み込んだ端から、落胆とも悔しさとも区別できない感情がふつふつと沸き上がってくる。その感情ごと、コーヒーを流し込む。
 早くこの店を出よう。零果は、一刻も早くコーヒーを飲み干してこの店を出ること、そのことに意識を集中させていた。
 コーヒーを残して店を出ればいいのだが、出されたコーヒーを残すという選択肢はなかった。彼女は今まで、たとえどんなに不味い店に当たってしまっても、必ずコーヒーを飲み干してきた。零果にとってそれはルールであり、そのルールを順守しようとするのが彼女の性格の表れだった。
 先程入店したばかりの客が熱々のコーヒーを急いで飲み干してカウンターの前に現れても、店の主人は特に驚いた様子を見せなかった。慣れた手つきで零果にお釣りを渡す。
「ごちそうさまでした」
 財布をショルダーバッグに仕舞いながら、零果は店を出て行く。「またのお越しを」という声を背中で受け止め、もう二度とこの店に足を運ぶことはないだろうな、と思い、そのことを残念に思った。深い溜め息をついて階段を降り、駅までの道を歩き出す。
 店の雰囲気は悪くなかった。コーヒーだって悪くない。ただ、戸瀬の行きつけの店だった。
 否、それは戸瀬個人に問題があるという意味ではない。彼の物腰柔らかで人当たりの良い態度や、その温厚な性格は職場内でも定評があるし、営業職としての優秀さについても、零果はよくわかっている。
 そうではなく、零果はただ、同僚に会いたくないだけなのだ。休日に喫茶店でコーヒーを飲んでいる時だけは。唯一、彼女にとって趣味と呼べるであろう、その時間だけは。知り合いには誰とも会うことなく、ひとりでいたい。平日の書類とメールの山に抹殺されそうな多忙さを忘れ、心も身体も落ち着かせたい。そのためには極力、同僚の顔は見ないで過ごしたい。
 駅に着くと、ちょうど零果のアパートの最寄り駅方面へ向かう電車が、ホームに入って来たところだった。このまま家に帰るだけというのも味気ない、と思いかけていた零果であったが、目の前に停車した電車を目にし、「これはもう、家に帰れということかもしれない」と思い直した。もうこの後は、家で大人しく過ごすとしよう。
 そう思って、電車に乗り込む。車両の中にはすでに数人の乗客が座っており、発車までの数分を待っている様子であった。零果は空いていた座席に腰を降ろそうとし、そこで、自分の腰の辺りで振動を感じた。バッグに入れてあるスマートフォンだ、と気付いた。その一瞬、彼女はスマホを手に取ることを躊躇った。
 バイブレーションの長さから、それがメールやアプリの通知ではなく着信を知らせるものだということはわかっていた。休日の零果に電話をかけてくる相手というのは限られている。候補になりそうな数人の顔を思い浮かべてみたが、誰からの着信であっても嬉しいニュースであるとは思えない。
 座席に腰を降ろし、スマートフォンを取り出す。そこで、バイブレーションは止まった。零果が呼び出しに応じなかったので、相手が電話を切ったのだ。不在着信を示すアイコンをタップすると、発信者の名前が表示された。
 有武朋洋という、その名前を見た途端、めまいを覚えた。ちょうど、午後四時になろうとしているところだった。判断に迷う時間帯ではあったが、この電話は恐らく、今夜食事に誘おうとしている内容ではないだろうと、零果は確信していた。
 膝の上でショルダーバッグを抱き締めたまま、メッセージアプリを開き、有武に「すみません、今、電車なんです」とだけ入力して恐る恐る送信する。瞬時に、零果が見ている目の前で、画面に「既読」の文字が現れた。恐らくは今、彼もどこかでこのアプリを開いて同じ文面を見つめているに違いなかった。案の定、間髪入れずに返信が表示される。
「突然悪いんだけどさ、ちょっと会社来れる?」
 零果が思った通りだった。有武の、「悪いんだけどさ」と言いながら、ちっとも悪びれている様子がない、いつものあの口調を思い出す。
「今からですか?」
 今からなんだろうな、と思いながら、零果はそう返信する。
「そう、今から」
「今日って休日ですよね?」
 休日でも構わず職場に来いってことなんだろうな、と思いながら、それでもそう返信をせずにはいられない。
「そう、休日」
 何を当たり前のこと言ってんだよ、って顔してるんだろうな、有武さん。少しの間も空けることなく送られて来る返信を見ながら、零果は休日の人気がないオフィスでひとり舌打ちをしている彼の様子を思い浮かべる。
「それって、私が行かないと駄目ですか?」
 駄目なんだろうな、と思いながらそう返信して、座席から立ち上がる。
 駅のホームには発車のベルが鳴り響いている。零果が車両からホームに戻ったのは、ドアが閉まりますご注意下さい、というアナウンスが流れ始めた時だった。背後で車両のドアが閉まり、彼女を乗せなかった電車は走り出していく。
 家に帰るつもりだったのにな。零果は諦めと絶望が入り混じった瞳でその電車を見送った。握ったままのスマートフォンの画面には、「加治木さんじゃなきゃ駄目だから言ってるんでしょーよ」という、有武からの返信が表示されている。
「…………ですよね」
 思わずひとり言が漏れた。ホームの階段を上りながら、「今から向かいます」と入力し、文末にドクロマークの絵文字を付けて送信してみたものの、有武からは「了解」という簡素な返信が来ただけだ。あの男には絵文字に込められた零果の感情なんて届くはずもない。
 再び溜め息を盛大についてから、重くなった足取りで反対側のホームに向かう。なんて言うか、今日は最大級にツイてない。休日に、一度ではなく二度までも、同僚と顔を合わせることになるとは。しかも突然の呼び出しの上、休日出勤。
 ただひとりで、好きなコーヒーを飲んで時間を過ごしたいだけなのに。たったそれだけのことなのに。
 心穏やかな休日には程遠い現状に、零果はただ、肩を落とした。
「加治木さん、お疲れ様」
 そう声をかけられた時、思わず椅子から飛び上がりそうになった。咄嗟にデスクに置いてあるデジタル時計を見る。金曜日、午前十一時十五分。まだ約束した時間まで四十五分あるぞ、と思いながら零果は自分のデスクの横に立つ「彼」を見上げ、そこでようやく、声をかけてきたのが「彼」ではなく、営業部の戸瀬だったと気が付いた。
「あ……お疲れ様です」
 作成中の資料のことで頭がいっぱいで、零果は戸瀬に穏やかな笑顔を見つめられても、上手い言葉が出て来ない。五四二六三、五万四千二百六十三、と、零果の頭の中は次に入力するはずだった数値がぐるぐると回転している。キーボードに置かれたままになっている右手の人差し指が、五のキーの辺りを右往左往する。
 当然、戸瀬には彼女の脳内など見える訳もなく、いつもの優しげな口調で話しかけてきた。
「この間の土曜日は、びっくりしたね。まさかあんなところで加治木さんに会うなんて」
 土曜日、と言われても、零果はなんのことか一瞬わからなかった。それから、「ああ、そう言えば、喫茶店で戸瀬さんに会ったんだった」と思い出す。
「でも、聞いたよ。あの後、有武さんに呼び出されて休日出勤になっちゃったんだって? 加治木さん、いつの間にかお店から消えてるから、おかしいなって思ってたんだけど、呼び出されて急いで出てったんでしょ?」
 零果は思わず、返事に困った。急いで店を出たのは戸瀬に会って気まずかったからだが、まさか目の前にいる本人にそう伝える訳にもいかない。有武の呼び出しのせいにするというのも、なんだか違うような気もするが、しかし、戸瀬がそう思い込んでいるのだから、そういうことにしておいた方が得策かもしれない。
「えっと、まぁ、あの、そうですね」などと、よくわからない返事をしながら、零果の右手は五のキーをそっと押した。正直、今は戸瀬と会話している場合ではない。
「有武さんもひどいよね、休日に会社に呼び出すなんて。そもそも、加治木さんは有武さんのアシスタントじゃないんだから、仕事を手伝う必要なんてないんだよ?」
 戸瀬の表情が珍しく曇った。いつも穏やかな彼の眉間に、小さく皺が寄っている。本気で心配している、というのが伝わる表情だった。けれど今の零果は、「はぁ、まぁ、そうですよね」と曖昧に頷くことしかできない。四のキーを指先で押しつつ、彼女の視線は戸瀬とパソコンの画面との間を行ったり来たりしている。休日出勤させられたことを心配してくれるのはありがたいが、正午までにこの資料を完成させなければいけない現状を憂いてほしい。零果にはもう猶予がない。
「なんかごめんね、加治木さん、忙しいタイミングだったみたいだね」
 戸瀬は彼女の切羽詰まった様子に勘付いたようだ。
 こつん、と小さな音を立てて、机に何かが置かれた。それはカフェラテの缶だった。見覚えのあるパッケージから、社内の自動販売機に並んでいる缶飲料だとわかる。零果が見やると、彼は同じカフェラテをもうひとつ、右手に握っていた。
「仕事がひと段落したら、それ飲んで休憩して。俺、このカフェラテが好きなんだ」
 そう言って微笑む戸瀬の、口元から覗く歯の白さがまぶしい。「あ、あの、ありがとうございます」と零果は慌ててお礼を言ったが、彼は「全然いいよー」とはにかむように左手を振って、「それじゃ、また」と離れて行った。
 気を遣われてしまった。なんだか申し訳ない気持ちになる。恐らく戸瀬は、休日に呼び出され仕事に駆り出された零果のことを心から労わってくれているに違いなかった。そんな彼に対して、自身の態度は不適切ではなかったか。いくら切羽詰まっているとはいえ、もう少し仕事の手を止めて向き合うべきだったのではないか。
 そこで零果は、周りの女子社員たちの妙に冷たい目線に気が付いた。「営業部の戸瀬さんが心配して話しかけてくれているのに、その態度はなんなのよ」という、彼女たちの心の声が聞こえてきそうなその目に、身がすくむような気持ちになる。
 しょうがないではないか。自分は今、それどころではないのだから……。
 パソコンに向き直る。目の前の画面の数字に意識を集中する。しかし、視界の隅に見える、カフェラテの缶。それがどこか、零果の心にちくちくと、後悔の棘を刺してくる。あとで、戸瀬にはお詫びをしよう。零果はカフェラテを見つめながら、心に黄色い付箋を貼り付ける。それにしても、カフェラテというのが、また……。
「資料できたー?」
 唐突にそう声をかけられ、彼女は今度こそ椅子から飛び上がった。気付けば、側には「彼」が――日焼けした浅黒い肌。伸びすぎて後ろで結わえられている髪は艶もなくパサついていて、社内でも不評な無精髭は今日も整えられている様子がない。スーツを着用する営業職の中では珍しく、背広でもジャケットでもなく、作業服をワイシャツの上に羽織っているが、その上着がいつ見ても薄汚れているのがまた、彼が不潔だと言われる理由である。ただ、零果がいつも思うのは、彼は瞳が異様に澄んでいて、まるで少年のようであり、それでいて目線は鋭く、獲物を探す猛禽類のようでもある、ということだ――、有武朋洋が立っていて、零果の肩越しにパソコンのディスプレイを覗き込んでいた。
「あれ? 何、まだ出来てないの?」
 咄嗟に時刻を確認する。戸瀬に声をかけられてから、もう十分近くも経過している。なんてことだ。しかし、約束の時間まではあと三十五分残されている。今の時点で資料が完成していないことを責められる理由はない。それでも零果が「すみません」と口にした途端、有武は「あー、いいよいいよ」と片手を横に振った。
「謝らなくていいよ。謝ったところで、仕事が早く進む訳じゃないから」
 斬って捨てるような口調であったが、これが彼の平常だ。嫌味のように聞こえる言葉も、彼にとっては気遣って口にしたに過ぎない。
「時間には間に合いそう?」
「それは、必ず」
「そう、必ずね」
 零果は画面に向き直り、資料作りを再開する。ふと、煙草の臭いがした。有武はヘビースモーカーだ。羽織っている作業着の胸ポケットには、必ず煙草とライターが入っている。煙草臭いのも、社内外問わず不評だ。しかし有武本人は、それを変える気はないようである。
「うん……大丈夫そうだ。本当に、正午までには出来上がりそうだね。さすがだなぁ、加治木さんは」
 零果が返事もせずにキーボードを叩いていると、彼の右手が横からすっと伸びてきて、机の上のカフェラテの缶を取った。零果が「あ、それは……」と言った時、缶のプルタブが開けられた音が響く。
「これ、飲んでもいい?」
「…………はぁ」
 どうして、缶を開けてから訊くのか。順序がおかしいとは思わないのだろうか。
「飲んでいいの?」
「……どうぞ」
「ありがと」
 有武は遠慮する様子をまったく見せず、戸瀬が置いて行ったカフェラテをごくごくと飲んだ。本当に、喉がごくごくと鳴っていた。それから、「うわ、何これ、ゲロ甘い」と文句を言い、缶に記載されている原材料名をしげしげと眺めている。人がもらった飲み物を勝手に飲んで文句を言うな。零果はそう思いながらも、目の前の資料作成に集中しようとする。どうしてこんな人のために、せっせと資料を作らねばならないのだろうか。
「じゃ、加治木さん。それ出来たらメールで送って。よろしくね」
 そう言い残し、カフェラテの缶を片手に有武は去って行く。鼻歌でも歌い出しそうなほど軽い彼の足取りに、思わず怒りが込み上げる。階段で足を踏み外してしまえばいい。呪詛の言葉を心の中で吐いておく。
 有武がいなくなったのを見計らったように、後輩の岡本沙希が気まずそうに無言のまま、書類の束を抱えて近付いて来た。零果がチェックしなければならない書類だ。
「ごめんね、後でよく見るから、とりあえずそこに置いてもらえるかな」
 後輩の顔を見上げ、微笑んでみたつもりではあったが、上手く笑顔が作れたかどうかは疑問だった。岡本は何か悪いことをした訳でもないだろうに、「すみません、すみません」と書類を置いて逃げるように立ち去る。そんなに怖い顔をしているのだろうか。零果は右のこめかみ辺りを親指で揉む。忙しくなると必ず痛み出すのだ。
 時計を見つめる。約束の時間まで、あと三十分。どうやら、ここが今日の正念場のようだ。
「メールを送信しました」という表示が出た時、時計は確かに、午前十一時五十九分だった。受信する側は何時何分にメールが届いたことになるのだろう、という考えが一瞬過ぎったが、そんなことを考えてももう手遅れである。
 なんとか終わった。間に合った。厳密には一分くらい超過していたかもしれないが、有武がそこまで時刻に厳密な人間ではないことも、この資料の完成が一分遅れたところで、今日の午後三時から始まる会議になんの影響もないこともわかっていた。
 零果はパソコンの前、椅子に腰かけたまま、天を仰いでいた。彼女が所属する事務部は五階建ての社屋の二階にあるため、見上げたところで青空が見える訳はない。ただ天井を見上げる形になるだけだ。
 正午を告げるチャイムが館内放送で流れていた。周りの女子社員たちがそれを合図にぞろぞろと席を立って行く。呆然と天井を見つめるだけの零果を、彼女たちが気に留める様子はない。それはある意味、日常茶飯事の、毎日のように見る光景だからである。魂が抜けたように動かないでいた零果であったが、パソコンからメールの着信を知らせる電子音が鳴り、目線を画面へと戻した。
 メールの送信者は有武だった。本文には、零果の苦労を労う言葉も感謝の言葉もなく、ただ、「確認オッケー。午後二時半までに五十部印刷しておいて」とだけ書かれていた。やっぱりなぁ。そうくると思ったんだよなぁ。当たらないでほしい予想というのは、なぜかつくづく当たるものだ。嫌な予感だけは的中する。
 十四時半までには、まだ時間がある。とりあえず今は、休憩に入ろう。
 零果は立ち上がり、同じフロア内にある女子トイレへと向かった。四つ並んだうちの一番奥の個室に入る。用を足していると、扉が閉まっていたはずの手前の個室から人が出て行く気配がした。その後すぐ、水を流す音と、扉がもうひとつ開かれた音が続く。
「ねぇ、さっきのあれさぁ……」
「あー、さっきの、加治木さんでしょ?」
 手洗い場の前から会話が聞こえてくる。
 零果は思わず動きを止めた。声のする方へと目線を向ける。扉の向こうが透視できる訳ではないが、声から人物を特定することはできる。ふたりとも、同じフロアに席を置いている事務員だ。正直、零果と親しい間柄ではない。
「戸瀬さんがせっかく話しかけてくれてるのに、あの態度はないよね」
「そう、なんなの、あの態度。見てて腹立っちゃったよ」
 蛇口が捻られ、手を洗う音。零果は音を立てずにじっとしていた。戸瀬ファンクラブ所属のふたりか。恐らく、ここに零果本人がいるということを、ふたりは知らないに違いない。
「戸瀬さんもさ、なんで加治木さんなんか気にかけるんだろうね?」
「仕事が大変そうな女子社員を放っておけないんじゃない? 戸瀬さんって、誰にでも優しいから」
「加治木さんが大変な目に遭ってるのは、有武のせいでしょ?」
 きゅっ、と蛇口が閉められた音が、妙に大きく響いた。その時、零果は自分の胸元も締め付けられたような気がした。
「そうそう、有武が仕事を頼むから」
「加治木さんも断ればいいのにね。なんで受けちゃうんだろう。もう有武のアシスタントじゃないのにさ」
「さぁ……。営業アシスタントだった過去にプライドでもあるんじゃない?」
 ふたりのうちのどちらかが、笑ったのが聞こえた。
「うつ病になってアシスタント辞めたくせに、事務員になってもプライド高いとか、ちょっとねぇ……。自分で仕事引き受けて、それで忙しくって大変なんですって顔で働かれてもさぁ……」
 足音と共に、ふたりの会話も遠ざかっていく。どうやら、女子トイレから出て行ったようだ。
 ふたりの声が完全に聞こえなくなるのを待ってから、零果は大きく息を吐いた。「……有武さんのことだけは、呼び捨てなんだ」と、思わずひとり言が漏れた。そんなことはどうでもいい。どうでもいいけれど、言葉にできる感想はそれくらいしか思い付かなかった。
 他の事務員から陰で言われているであろうことは、薄々わかってはいた。同じ内容を、言葉を選んで、もっともらしい言い方で、面と向かって言う上司もいる。同僚たちに特別好かれているとは思っていなかった。しかし、本人には届かないだろうと思って発せられる言葉というのは、こんなものなのか。
 水を流し、個室から出た。鏡に映る自分の顔の疲弊具合に気分はますます陰鬱になる。腹の底まで冷え切っているように感じる。
 同じ階にある休憩室へ向かおうと思っていたが、先程のふたりもそこにいるのだろうと思うと、足を向ける気にはならなかった。さっきの会話の続きを、今もしているかもしれない。
 自分の席に戻って仕事を再開するというのも考えたが、こんな疲れた顔で休憩も取らず仕事をしているところを、誰かに見られるのも嫌だった。
 結局、零果は四階に向かうことにした。階段で四階まで上ると、営業部が机を並べているフロアと、会議室が両側に並ぶ廊下を足早に通り過ぎる。外出していることが多い営業部だが、昼の休憩時間に突入しているこの時間は、いつにも増して人の姿がない。零果は何も躊躇することなく、通路の突き当り、外階段へと続く重い鉄の扉を開けた。
 非常時の利用を目的に作られた外階段を、普段利用する社員はほぼいない。喫煙室以外の場所で煙草を吸おうとする不届き者ぐらいだ。外階段だけあって、雨風が吹き荒れ、もしくは日射しが照り付け、夏は暑く冬は寒いその場所に、わざわざ足を運ぶ理由。それは「彼」に会いたいからだ。
「おー、お疲れ」
 鉄製の手すりにもたれるようにして、「彼」――有武朋洋がそこにいた。いつも通り、その右手には煙草がある。有武は、この外階段でよく煙草を吸っている。社内に喫煙室が設けられてはいるが、外がよほどの嵐でない限り、彼はここで煙草をふかしている。
「……お疲れ様です」
 挨拶を返しながら、鉄の扉を閉め、有武の吐く煙を避けるため風上に移動する。向かい合うように立ちながらも、零果の目線は決して彼の顔を見ようとはしない。それもいつものことだ。有武も、そのこと自体を問うことはしない。ましてや、喫煙者でもない彼女が何をしにここまで来たのかなんて、尋ねたりもしない。
「何、どうしたの。元気ないじゃん。なんか嫌なことでもあった?」
 口から大量の煙を吐きながら、有武はそう尋ねた。零果は「まぁ……」と言葉を濁しただけだったが、彼は妙に納得したような顔で頷く。
「まー、嫌なこともあるよな」
「……そうです、嫌なこともあります」
「だよな」
「せっかくの休日に呼び出されて仕事させられたり」
「…………」
「今日だって、あと二時間で会議の資料を作ってくれって言われたり」
「…………」
「その資料がやっとできたと思ったら、それを五十部印刷しろって言われたり」
「何、こないだの土曜日のこと、まだ怒ってんの?」
 有武が小さく鼻で笑った。これは、この男の癖だ。この男は、上司でも取引先でも、誰の前でも平気で鼻で笑うのだ。
「土曜日は呼び出して悪かったって。でもあの時にテンプレート作って用意しておいたから、今日の資料作りがたった二時間でできたってことだろ?」
「……なんとかギリギリ、二時間でできたんです」
「でも、ちゃんと時間までに完成しただろ」
 有武は、今度は鼻だけでなく、声に出して笑った。
「加治木さんはできるんだよ。俺は、できると思ったことしか頼まない。で、本当にちゃんとで���るんだ、俺が見込んだ通りに」
「…………」
 零果は下を向いたままだ。そんな彼女を見つめる有武の瞳は、からかうように笑っている。
「別に気にすることないだろ。周りからなんて言われたのかは知らないが、加治木さんは他の人ではできないことを――」
「私はもう、あなたの営業アシスタントじゃありません」
 遮るように言った彼女の言葉に、有武が吐く煙の流れも一度途切れた。
「もう、私に……」
 仕事を頼まないでください。そう言えばいい。零果が苦労ばかりしているのは、この男の仕事を引き受けるからだ。それを断ってしまえばいい。幸いなことに今の彼女は、それを咎められることのない職に就いている。もうアシスタントではない。ただの事務員だ。同僚たちが言う通りだ。
 わかっている。頭ではわかっているのに、零果はどうしても、その続きを口にすることができない。うつむいたまま、口をつぐむ。
 ふたりの間には沈黙が流れる。有武は煙草を咥えたまま、零果が言葉を発するのを待っているようだった。しかし、いつまでも話そうとしない彼女を見かねてか、短くなった煙草を携帯灰皿へと捨ててから、一歩、歩み寄って来た。
「加治木さんは、俺のアシスタントだよ。今も昔も、ずっと」
 彼の身体に染み付いた煙草の臭いが、零果の鼻にまで届く。もう何年になるのだろう、この臭いをずっと、側で嗅いできた。いくつもの案件を、汗だくになったり、走り回ったりしながらこなしてきた。無理難題ばかりに直面し、関係部署に頭を下げ、時には上司に激昂され、取引先に土下座までして、それでも零果は、この男と仕事をしてきた。いくつもの記憶が一瞬で脳裏によみがえる。
「仕事を頼まないでください」なんて、言えるはずがなかった。どうして彼が自分に仕事を依頼するのか、本当は誰よりもわかっていた。
 大きく息を吐く。肩に入っていた力を抜いた。
「有武さん」
「何」
「……コーヒー、奢ってください」
「は?」
「それで許してあげます」
 零果の言葉に、ぷっ、と彼は吹き出した。
「コーヒーでいいの? どうせなら、焼き肉とか寿司とか言いなって」
 まぁ言われたところで奢らないけどね。そう言いながら、有武はげらげらと笑う。零果は下を向いたまま、むっとした顔をしていたが、内心、少しほっとしていた。零果が多少、感情的な言い方をしてもこの男は動じないのだ。
「あ、ちょっと待ってて」
 有武は唐突にそう言うと、外階段から廊下へと繋がる扉を開け、四階のフロアへと戻って行った。ひとり残された零果が呆然としていると、有武はあっという間に戻って来た。
「ほい、これ」
 差し出されたその手には、缶コーヒーが握られている。社内の自動販売機に並んでいるものだ。どうやら、有武はこれを買いに行っていたらしい。零果は受け取ってから、その黒一色のパッケージの缶が、好きな無糖のブラックコーヒーだと気が付いた。
「それはコーヒーを奢ったって訳じゃないよ。さっき、デスクにあったカフェオレもらったから、そのお礼���」
「もらったって言うか、有武さんが勝手に飲んだんじゃないですか……。あと、カフェオレではなく、カフェラテです」
「オレでもラテでも、どっちでもいいよ。飲んでやったんだろー。加治木さんがコーヒーはブラックの無糖しか飲まないの、知ってるんだから」
 その言葉に、ずっと下を向いたままだった零果が一瞬、顔を上げて有武を見た。戸瀬から缶飲料をもらった時、「よりにもよってカフェラテか……」と思ったことが、バレているのではないかとさえ思う。そのくらい、目が合った途端、得意げに笑う有武の顔。憎たらしいことこの上ない。零果はすぐに目を逸らした。
「……やっぱ、許さないかも」
「は?」
「なんでもないです」
 有武は肩をすくめた。作業服の胸ポケットから煙草の箱を取り出し、一本咥えて火を点ける。吐き出された煙は吹く風に流され、あっと言う間に目では追えなくなった。
 いただきます、と小さく声に出してから、零果は缶コーヒーのプルタブを開けた。冷たいコーヒーをひと口流し込んでから、喉が渇いていたことに気が付いた。
 疲れたな。改めてそう思う。百円で買える缶コーヒーの味わいにさえ、癒されていくように感じる。
 今日は良い天気だ。この外階段に吹く風も、日射しも心地良い。ここから見下ろせる、なんてことのない街並みも。この男との何気ない会話も。ここにあるものすべてが、冷え切っていた零果の心を解きほぐしていくような気がする。
「加治木さん、昼飯はもう食ったの?」
 煙を吐きながら、有武がそう訊いた。
「いえ……」
「何、また食ってないの? ちゃんと食わないと、身体に良くないよ」
「……有武さんは?」
「俺は今日、三時から会議で、終わったらその後に会食だから。昼飯は食わなくてもいいかなーって」
「会食までに、お腹空いちゃうんじゃないですか?」
「何か軽くは食べるけどね。会議中に腹が鳴っても締まらないし。ただ、四十歳過ぎるとね、やっぱ食った分は太るんだわ」
 そう言う有武は、今年で四十一歳のはずだが、まったく太っていない。零果は七年前から彼を知っているが、出会った頃から体型が変化したとは思えない。ただ、それは本人が体型を維持する努力をしているからだろう。
 そして、そういう努力ができるのであれば、もう少しこまめに髪を切ったり髭を整えたりしてもいいのではないか、とも思う。特に最近の有武は、髪にも髭にも白髪が混じるようになった。もう少し身なりを整えれば、印象もまた変わると思うのだが。
「あ、そういえば、もらったアンパンがあるんだった。アンパン、半分食う?」
「いえ……あの、今本当に、食欲がなくて……」
 零果はそう言いながら、無意識のうちにみぞおちの辺りをさすっていた。トイレで聞いてしまった、同僚たちの会話。無遠慮に吐き出された彼女たちの言葉、その声音の棘が、零果の胃の辺りに突き刺さっている。とてもじゃないが今は、何か固形物を口にしようという気にはならなかった。
「ふうん、あ、そう」
 と、有武は煙草をふかしながら返事をした。零果の様子を特に気に留めている様子も、提案を断られて落ち込むような様子もない。そうやって、無関心を装う節がこの男にはある。
「じゃ、今度は喫茶店にでも行こうか」
 有武が煙草を吸い終わった頃、零果も缶コーヒーを飲み終えたところだった。
「コーヒー奢るよ。どこか行きたい店ある? 俺の好きな店でもいい?」
「どこでもいいですよ」
「了解。また連絡するわ」
 有武が外階段とフロアを繋ぐ、重たい扉を開ける。開けたまま待ってくれている彼に、小さく会釈をしながら零果が先に通る。触れそうなほどすぐ近くに寄ると、煙草の臭いをはっきりと感じる。今は吸った直後なので、臭いはなおさら強烈だ。
「くっさ……」
「あ?」
 零果の口から思わず零れた言葉に、彼は即座に睨んでくる。
「すみません、つい、本音が……」
「悪かったな、煙草臭くて」
 有武は舌打ちをしながら零果に続いてフロアへ戻り、外階段への扉を閉めた。
「有武さんは禁煙しようとは思わないですか?」
「思わないねー。だから俺が臭いのはこれからも我慢してねー」
「…………」
 臭いと口走ってしまったことを根に持っているのか、有武は不機嫌そうな顔だ。
「あ、有武くん!」
 並んで廊下を歩いていると、突然、背後から声をかけられた。振り向くと、通り過ぎた会議室から、ひとりの女性が廊下へ顔を覗かせている。
 肩につかない長さで切り揃えられた黒髪。前髪がセンターで分けられているので、その丸さがはっきりとわかる額。染みも皺もない白い肌には弾力がある。彼女が今年で四十歳になるのだと聞いても、信じる人はまずいないだろう。零果より頭ひとつ分、小柄なことも相まって、彼女――桃山美澄は、二十代に間違えられることも少なくない。
 実年齢よりも若く見られる桃山は、実際は経験豊富な中堅社員である。そして何より、ずば抜けて優秀な社員として、社内外で有名だ。営業アシスタントとして三人の営業マンの補佐についているが、「桃山本人が営業職になったら、売上額が過去最高になるのではないか」という憶測は、かれこれ十五年前から上層部で囁かれている、らしい。有武の営業アシスタントを務めているのも彼女である。零果は仕事を手伝わされているに過ぎず、本業は事務職であり、有武の本来のアシスタントは桃山なのだ。
 桃山の顔を一目見るなり、有武は露骨に嫌そうな顔をした。しかし、それを気にする様子もなく、彼女は近付いて来る。
「有武くん、探したんだよ。午後の会議の資料の進捗はどう? 間に合いそう?」
「あー、それなら大丈夫。加治木さんに頼んでるから」
 桃山は有武の隣に並ぶ零果を見やり、申し訳なさそうに眉尻を下げた。
「ごめんね加治木さん、また面倒な仕事、有武くんに頼まれちゃったね」
「いえ、あの、大丈夫です」
 零果はいつも、桃山を前にすると困惑してしまう。謝る彼女に対して、なんて言葉を返せばいいのか、わからない。
「資料は? どのくらい出来てるの? 続きは私が代わろうか」
「あの、もう、完成はしていて、あとは印刷するだけなんですが……」
「本当に? もう出来てるの? すごいね加治木さん、やっぱり優秀だね」
「いえ、そんなことは……」
 桃山はにこにこと、朗らかな笑顔だ。嫌味なところは感じさせない。実際、嫌味など微塵も込めていないということは、零果もわかっている。返す言葉に悩んでしまうのは、そうやって本心から褒めてくれる存在がそれだけ稀少だからだ。
「じゃあ、資料の印刷はこっちでやるよ。月末も近いし、加治木さん、自分の仕事も忙しいでしょう?」
「そんなことは……」
 そんなことはありません、と言おうとして、後輩の女子社員から書類の束を受け取っていたことを思い出す。そうだ、あの書類をチェックしなくてはいけないのだ。思わず言葉に詰まってしまう。桃山はそれを見逃さなかった。
「うん、資料の印刷は私がするね。もう有武くんにメールで送ってくれてるんだよね? 有武くん、私のアドレスに転送してもらっていいかな?」
「はいはい、わかりましたよ」
 有武は窓の外に目線を向けたまま、そう返事をした。彼のそんな態度にも、桃山は顔色ひとつ変えることはない。柔和な笑みのまま、零果に向き直った。
「加治木さん、忙しいのにいつもありがとうね。本当は私がやらなくちゃいけないことだから、こんな風に言うのはおかしいんだけど、有武くんは加治木さんと仕事をするのが本当に楽しいみたいで」
「い、いえ、あの……」
 桃山は続けて言う。
「でも、加治木さんには事務職としての仕事もあるんだから、しんどかったり、難しかったりする時は、いつでも私に言ってね。有武くんだって、それで加治木さんのことを悪く思ったりはしないからね。私も、有武くんも、いつだって加治木さんの味方だから。無理はしないでね」
 その言葉に、零果は頷くことしかできない。気を抜くと、泣いてしまうかもしれない、とさえ思った。桃山が自分の上司だったら良かったのに。零果は今の上司である、事務長の顔を思い出しながらそんなことを思う。桃山が上司だったら、毎日、もっと楽しく働けるかもしれないのに。
 けれど、と思い直す。
 桃山はかつて、零果の先輩だった。同じ営業アシスタントだった。三年前までそうだった。零果は彼女の下に就き、多くのことを学んだ。彼女の元か��離れたのは、自分なのだ。そのことを、零果は今も悔やんでいる。
「それとね、」
 桃山は一歩、零果に近付くと、声を潜めて言った。
「加治木さんが有武くんから直接仕事を任されていることは、事務長も、営業アシスタント長も、営業部長も合意している事柄だよ。それなのに、加治木さんのことを悪く言う人が事務員の中にいるみたいだね?」
 脳裏を過ぎったのは、女子トイレで聞いた会話の内容だった。同僚の言葉が、耳元でよみがえる。
 零果は思わず、桃山の顔を見た。先程まで朗らかに笑っていたはずの彼女は、もう笑ってはいない。口元は笑みを浮かべたままだったが、その瞳には鋭い光があった。それはぞっとするほど、冷たい目だった。
「うちの営業アシスタント長は、そっちの事務長と仲が良いからね。私が事務長に言っておいてあげようか? 『部下をよく指導しておいてもらえませんか』って。加治木さんは有武くんの仕事をサポートしてくれているのに、それを邪魔されたら困っちゃうんだよ」
 桃山には、こういうところがある。普段は温厚なのに、時折、何かの弾みでとてつもなく冷酷な表情を見せる。
 零果は慌てて、首を横に振った。
「そんな、大丈夫です」
「そうかな? 私はそうは思わないけどな。加治木さんのことを悪く言う社員が同じ事務の中にいるなんて、とてもじゃないけど――」
「桃山、もういいって」
 ずっと上の空でいるように見えた有武が、突然、会話に割って入った。
「加治木さんが大丈夫って言ってるんだから、とりあえずは大丈夫なんだろ。もし何かあったら、桃山に相談するよ」
「…………」
 桃山はしばらく無言で有武を見上げていたが、やがて再びにっこりと笑った。それから、零果へと向き直る。
「うん、加治木さん、何かあったら遠慮なく相談してね。いつでも聞くからね」
「いえ、あの、お気遣い、ありがとうございます」
 何度も頭を下げる零果に、桃山はにこにこと微笑む。
「ううん。逆に、気を悪くしていたらごめんね」
「いいえ、気を悪くするなんて、そんな……」
「私はこれでも、営業アシスタントだから。有武くんが気持ち良く仕事をするために、私にできることは全部したいんだ」
 そう、桃山の目的は、あくまでも「それ」だ。営業アシスタントとしての職務を全うしたいだけなのだ。零果のことを気遣っているかのように聞こえる言葉も、すべては有武の仕事を円滑に進ませるため。反対に、彼の仕事ぶりを邪魔するものを、すべて排除したいだけ。
 有武から仕事を頼まれた零果がその意欲を削がれることがないように、彼女のことを悪く言う同僚を排除しようと考えているのだ。その点、桃山は零果のことを「有武の仕事にとって有益にはたらくもの」と認識しているようだ。そうでなければ、零果に仕事を依頼していることを許したりはしないだろう。
「何かあったら言ってね」と言い、「それじゃあ」と手を振って、桃山は営業部のフロアへと向かって行った。
 桃山の姿が見えなくなると、その途端、有武は大きく息を吐く。
「はーあ、おっかない女……」
「桃山さんのことを、そんな風に言わなくても……」
 普段は飄々としている有武も、桃山を前にするとどこか緊張しているように見えるから不思議だ。そう思いながら、零果は有武の顔を見上げ、
「あ……」
「あ?」
「いえ、なんでもありません……」
 反射的に目を逸らした零果を、彼が気にする様子はなかった。ただ、「加治木さん、俺の正式な営業アシスタントに早く戻ってくれよ」と、どこか冗談めかした口調で言った。
 その言葉に、零果は何も答えなかった。うつむいたままの彼女の左肩をぽんぽんと、軽く二回叩いて、「じゃ、また」と、有武も営業フロアへと消えて行った。
「…………無理ですよ」
 有武の背中も見えなくなってから、ひとり残された零果はそうつぶやく。
 事務部に異動して二年。今となっては、営業アシスタントとして働いていた過去が、すべて夢だったのではないかとすら思える。あの頃は、毎日必死だった。ただがむしゃらに仕事をこなしていた。どうしてあんなに夢中だったのだろう。零果はもう、当時の感情を思い出すことができない。 二階の事務部フロアに向かって歩き出す。所属も業務内容も変わったが、今も零果には戦場が与えられている。運動不足解消のためにエレベーターを使うのではなく階段を降りながら、頭の中では午後の仕事について、すでに思考が回り始めていた。今の自分には、やるべき業務がたくさんある。戦うべき雑務がある。そのことが、何よりも救いだった。
 ※『コーヒーとふたり』(下) (https://kurihara-yumeko.tumblr.com/post/746474804830519296/)へと続く
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fu-ka-lifewith · 3 months
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こんばんは!
雪の影響も思ったよりも少なかったですが
どんよりお天気で寒い一日でした。
明日からはしばらく晴れ予報!
やっぱり暖かな日差しが良いですね。
遅くなりましたが2月のスケジュールのご案内です。
雪の影響で羊毛フェルトWSが延期になり
明日と2月9日(金)に分かれて開催となりました。
9日の会は追加で募集中です。
ぜひ楽しいものづくりの時間を一緒に楽しみましょう。
そして彫金WSも2月17日(土)11:00の会に1席
空きがあります。
ワンちゃん、ネコちゃん、ご家族、お友達と
お揃いのネームタグが作れます!
こちらも引き続きご予約お待ちいたしております。
それぞれ詳細はご案内の投稿をご覧くださいね。
そして今月から刺繍教室も開催です。
こちらは随時ご予約受付中です。
寒い毎日ですが立春を迎え春が近づいています。
ミモザの刺繍で春を一足早く感じてくださいね。
それぞれお申込みはDMまたはLINEからお願いいたします。
それでは引き続き今月もどうぞよろしくお願いいたします☺︎
#牛久市#茨城ワークショップ#茨城雑貨屋#茨城アンティーク#羊毛フェルト#彫金#刺繍#茨城刺繍教室#フーカ手芸部#手芸#ミモザ#ミモザ刺繍#fuuka_na
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rararaforest · 3 months
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真睦さんには趣味はたくさんあるよ
アンティークもの探しも
カフェや美味しいご飯屋さんも知っているし
絵を描くこともずっとしていることだよね
でも趣味を人に伝えるのは難しいね。
私も趣味は何かと言われても
自分でもわからなかったよ!
わからなくてもいいよね笑!
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さいきんGACKTさんがね、
「庭を見ながら、お茶を飲む、心が無になるまで」
と言っていて、
お茶の美学だなと思ったし、
わびさびも感じて、
なんて素晴らしいことなんだと心打たれました。
私は瞑想が苦手なんだけど、
早朝に、静かな空間でお茶をのんでみると
不思議と無になれた。
あれこれ考えながら生活していると
脳疲労してるなあと感じるので
お茶を飲む時は携帯も何もみずに
ゆっくり飲むように心がけています。
今年はその無になる時間を多くつくれるようにしたいな。
-
ドラマ「日曜の夜ぐらいは…」
あれって私たちのことだよね、、⁉︎きっと
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2024.02.01
雨がつづくけど、春の足音がします
ayaka
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vickey72 · 4 months
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“納品のお知らせ”
鹿児島 夏ノ庭さん @natsu_no_niwa にて
ランプを置かせて頂く事になりました。
1/25(木)から開催される灯り展「仄灯」にて
お披露目となります。
vickey’72のランプの他、店主吉田さんの
製作する木灯(ランプシェード)や
明治〜大正期のアンティーク照明、
オイルランプが並びます。
静かな空気の流れる趣のある店内に
灯される仄かな灯り。
お時間ございましたら、
是非、足を運んでみてください。
どうぞ宜しくお願い致します。
・灯り展「仄灯」
1/25(木)-2/3(土)
木金土の営業
open 12:00-18:00
・夏ノ庭 @natsu_no_niwa
鹿児島県日置市東市来町美山1697-2
tell:0992953043
https://www.natsunoniwa.website/
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locationhunting · 4 months
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🎯ロケーションハンティング™️
【三軒茶屋駅2分 / 50㎡ / ¥16,500/h / iD : 22396】
◆太子堂 / 世田谷区◆ 緑とレトロとアンティーク。
世田谷区太子堂。三軒茶屋から徒歩2分に位置するハウススタジオのご案内です。
国道246号沿いの1階、目の前にはハイエースクラス駐車可能と、搬入のしやすさも抜群です。
照明、家具、小物、ウッドの壁、花柄の壁紙、そこらじゅうに生い茂る植物たちが、大都会東京
にいることを忘れさせる佇まいを持つレンタルスタジオ。自然とレトロとアンティークが入り混じった独特の空間です。
オーナーが山小屋をイメージして作ったというこちらのレンタルスタジオは動画撮影、写真撮影でのご利用にオススメです。
🚩会場ご提案サービス
提案サービスご利用無料。 会場利用費以外にご料金はかかりません。
豊富な知識と経験を持つ担当が ( 展示会 / ポップアップ / イベント / ギャラリー / 撮影 / 動画配信) など、会場のご希望をお伺いし即日提案を行っております。
(用途・エリア・広さ・ご予算・他ご要望 )を記載いただき、 下記お問合せ先で承っております。
  🚩掲載会場募集のご案内
上質な会場を取り扱うレンタル予約案内サービスです。 タイプを問わず、質の高い会場を募集しております。
弊社の顧客を御社会場にご案内し、御社の会場運営に貢献できればと考えております。お気軽にお声がけくださいませ。
(会場のウェブサイトまたはお写真、住所)を記載いただき、下記お問合せ先までお声がけくださいませ。
🚩問い合わせ先 📩 [email protected] 📞 03-6809-0952
*公式ウェブサイト 🖥 https://locationhunting.jp
*ロケーションハンティング™️ 製作委員会
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gallery-yaichi · 1 year
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・ ・ 2023.1.28.sat.- 2.12.sun. 安齊賢太陶展 Kenta Anzai Exhibition ・ ・ 2023年最初の展示会は安齊賢太さんの作品から。焼き締まるぎりぎりの低火度焼成で生まれる固有の造形感覚と、そこに漆を混ぜた土を何層にも塗り磨き生まれるマチエールと強度。一般的な焼き物とは異なり、とても時間のかかるお仕事。凛とした作品でありながらも、それが力のある熱量を感じるのです。代名詞である陶胎漆器の黒の花器を中心とした40点ほどの小規模展となりますが、空間を贅沢に使った展示をご覧頂きたいです。 ・ ・ close:月曜・第一火曜 | open:11-19:00 | 27(金)は展示準備のため臨時休業 | 初日作家在廊 ・ ・ Profile | 1980 福島県生まれ | 大学卒業後、京都伝統工芸専門学校にて陶芸を学ぶ | 2006 渡英。ロンドンの陶芸家ダニエル・スミス氏のもとでアシスタント | 帰国後、伊豆の陶芸家黒田泰蔵氏のもとで白磁を学ぶ。 | 2010 福島県郡山市にて独立築窯 | ・ ・ ・ #yaichi #やいち #器 #うつわ #食器 #tableware #生活道具 #暮らし  #cafe #カフェ #アンティーク #antique #antiques #古道具 #古家具  #古物 #埼玉 #埼玉県  #北本 #北本市 #安齋賢太 #安齊賢太 #KentaAnzai (Gallery&Cafe やいち) https://www.instagram.com/p/Cnf-N1ZvXF4/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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junikki · 5 months
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ずっと実家のもの処分したり整理してた。そしたらこの未使用のアンティーク風のノート出てきて、日記帳として使いたくなった。できれば3年日記とか5年日記とかつけたい。ちょうど年末だし、来年からつけようと思うんだけども、ページ数数えてみたら、318ページだから365日に足りない。
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だからこんな感じで1日3行使って、1ページ4日分とすると、約1256日間使えるから、3年ちょっと使える計算。ほんまに続くかわからんけど、毎日じゃなくても良いからというゆるーい感じでやってみようと思う。ちいかわのマンガ手帳は日本語でつけてるから、これはめっちゃ洋風のノートやし、英語とかドイツ語で一言日記つけようと思う。ランダムにその日の気分でドイツ語にしたり英語にしたりしよ。ドイツ語は一応毎日喋ってるけどもさ、綴りとか忘れてるからw
ᙏ̤̫͚
映画「この世界の片隅に」を観た。この主人公のすずちゃん、大正14年(1925年)生まれだけど、うちのおばあちゃんは一歳年上だからほぼ同年代なんだよな。すずちゃんの子供時代の戦前は貧しいながらも平和に幸せに暮らしてたわけだけども、19歳で広島市から呉市に嫁いで、そこから戦況が厳しくなって、どんどん平和な生活が脅かされ、転落していく人生。うちの祖母もよく言ってたわ。青春時代が戦時中で一番辛かったって。これを見て、祖母の人生を垣間見た感じ。まあすずちゃんと全然性格違うけどもな。
祖母はすずちゃんみたいに若くて一番かわいい時期に全然おしゃれもできず、ボロ服着るのが悲しい…義理の姉のケイコがモガだった時代の服が今見てもやっぱかわいい。あの時代がずっと続いて欲しかったよね…
うちの実家は大阪の田舎で、八百屋やってたから、実際そこまで食べ物には困ってもいなかったとか言ってたし、雑草を食べずに済んだとか。もちろん大阪市内と違って空襲もほとんどなかったし。原爆で有名な広島、呉は軍港で最前線の街だから、そりゃ全然違うよなあ。まあそりゃ全国的に物資不足ではあったから贅沢はできないし、現代と比べ物にならないほどの苦労はしたんだろうけども。
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naritamarchaiswebsite · 5 months
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幸せで思わず涙~『マルシェかふぇ』ご報告①~
今年最後の『マルシェかふぇ』は、特別バージョンでハーバリストの阿部薫さんに来ていただいて、6種類のハーブティーから好きなものを選んでいただく、という形に。
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シナモンとデーツ入りのおいしいクッキーも焼いてきてくれました。
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窓にかけたクロスはアンティークだそうです。素敵!
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これがあるとないとでは、まるで違いますよね。背の高い若者たちがクロスをかけてくれたのですが「やっぱり違いますね」と・・・本当に一気に会場のグレードがあがりますよね。
ポットに限りがあるので、二人一組で好きなものを選んでもらうことに。トップバッターは仲良し二人組。
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そして若者たちも。この二人一組、というのがとっても良かったのです。「何にする?」と話し合って、香りを確かめさせてもらって・・・お互いのことをより知る機会にも。
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一気に盛況に・・・
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子どもたちも立ち寄ってくれましたよ。
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薫さん自らテーブルまで運んでくださって。
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ハーブティーのセットはこんな感じです。
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写真から、どれほど豊かで満ち足りた時間だったか伝わったでしょうか・・・
薫さんは若手スタッフに「とても素敵な空間で、涙が出そうだった」と感想を伝えてくれたそうです。それは私たちスタッフも同じです。
他のおもてなしについても、また明日紹介いたします。今年最後の「マルシェかふぇ」が締めくくりに相応しい幸せな時間と空間になったことに感謝をこめて、お伝えしていきたいと思います。
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minangosblog · 6 months
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sábado, 02 de diciembre 2023
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無事にOpenしております 笑
本日も🧀+🧈+🥖と🍷と共にお待ちしております!
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12月1日、miñangos Antiques&Sundriesは皆様のおかげで12周年を迎える事が出来ました✨
干支一回り!!!
本当に、本当にありがとうございます!!!
これからも何卒宜しくお願い致します 😆✨
Open記念日の本日12月1日(金)・2日(土)・3日(日)の3日間
本年も例年通り、『店主が昼から酔っ払ってる日』と題しまして(😅)
Freeのドリンク🍷☕️と軽食をご用意しておりますので、
お気軽に御来店いただければ幸いです✨
(※いつもはOpen日12/1のある週の週末だけなのですが、今年はなんと金曜日! the Open日にやりたい!という私の気持ちと、「日曜日はやらないの〜?」と美女3人から言われ即答で「やります!」と言ってしまったという理由での、ノリと勢いによる3日間です。ただそれだけです笑 なので別に気合いは入っていません苦笑 ゆるゆるパーティーです。ご安心下さい笑)
今回は裏テーマみたいな感じで
「高カロリー 皆んなで食べれば怖くない❣️」と題しまして、
"チーズはバター🧈と一緒にバゲットにのせて食べるとめちゃくちゃ美味しいのですよ…(困る!)"というのを体験していただこうかなと笑笑
私が前職時代にフランス🇫🇷買付けに同行させていただいた際、
立ち寄ったワインバーでバゲットにチーズ(その時はブリーチーズ)をのせて食べていたら、
そのワインバーの店主にお手本のようなnon!!non!!!をいただき
「チーズはバターと一緒に食べるのだ!!!(←とたぶん言っている)」
とチーズと同量のバターをドッカリつけられ、ものすごいガン見されながら食べたら………むちゃくちゃ美味しかったんですよ😭コレが。。。
何年も同じ食べ方しようと思ったのですが、家で1人でやるには……怖しい程の高カロリー😱(しかも1口分で)
ビビって出来ませんwww
なので、この周年パーティーで、皆さんと一緒ならいける!!!やっちゃえる!!!
…という薄ら腹黒いテーマを掲げてやらせていただきます笑
御常連様も、まだミニャンゴスにいらした事のない方も、是非是非「小腹空いたからちょっと寄ってみようかな😜」な気分でいらして下さい。
笑笑
本日も20:00までお待ちしております
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お取り置きや通販にも対応させていただきます。
※お取り置きはお買い上げ前提とさせていただきます。
※カード💳でお支払いいただけます。
お気に召すアイテムがございましたら、
コメントまたはDMを下さいませ。
追ってご連絡申し上げます。
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この雲(2日にいっぺん、Facebookに動画を載せています)を目撃した前日、私は、高円寺のビジネスホテルに泊まっておりました。そのビジネスホテルのロビーのフロントには、アンティークのタンスが置かれていました。なぜ、そんな場所にタンスを置いたのか?私は、不思議な気持ちになったのを憶えています。
9年ほど前、私は、高円寺に住んでいたので、懐かしくなった私は、久しぶりに私が当時住んでいたマンションに行ってみようと思い向かったのですが、道が私の記憶した道と違っており、結局、たどり着くことができませんでした。やむなく、私はもと来た道を引き返しました。これ以上、進むと完全に私は、こちら側の世界に戻って来れないような不吉な直感を感じとったからです。しかし、その日乗った新幹線の中で、この不吉な雲を目の当たりにしたのです。アナウンスが流れている通り、名古屋の空に浮かんだ雲です。そうです、もう、この頃から私は、無限にできたポケット宇宙の中の色んな地球をワープし続けていたのです。爺ちゃんは、俺が、留置所入ってる時に、一瞬出て、ていうか、自ら出したんだけど。でも、怖かったんで消したんだ。で、もう一回俺のボスをイエス様にしようと思ってイエス様を呼び出したんだ。でも、イエス様には、「もう私(イエス様)とコミュニケーションを取りながら、仕事をするのではなくて、自分の考えたことに自信を持って、自分の判断で進めていきなさい」って言われてたから、留置所の中でどうしようか迷ったんだ。祈りも、必要ないって言われてたけど、爺ちゃんよりはマシだと思って祈ってたんだけど、あんまりしっくりこなかった。でも、いつもギリギリのところで助けられてた。話しはさかのぼるけど、俺が今年の六月頃、林住期として東京に行ったときは(本気でまた東京に移住しようと考えてた)、イエス様に自分の考えで仕事をしろって言われたから、仏教の林住期を取り入れようとしたんだ。だって、キリスト教とは真逆にある仏教をイエス様と一緒に仕事をしてるのにできないからね。でも、なんだかんだ言って俺、仏教好きだから断捨離とかしてたけど。それで、東京行く少し前に、イエス様に頼れないんなら、仲間が必要だと思って、最初に林檎とあのちゃんを勝手に仲間にしたんだ。それで、俺、そん時もう限界ギリギリだったから、再臨の仕事を林檎に全て任せて、俺は後ろからみてるだけにしようと思って、そん時の地球に必要だと思われることを、林檎宛にメモ残したんだ。ていうか、彼女なら頭も良いし、上手くやれそうだから期待してたんだ。でもぶっちゃけたはなし、俺、もう実は何もしたくなかったんだ。だから結論逃げてたんだ。でも、それが任せるってことでもあるって心のどこかで思ってたんだ。でも、林檎なんか駄目そうだったから、林檎やめてあのちゃんにFacebookにメッセージ残したんだ。あのちゃんも優秀そうだったから、こりゃ林檎より使えるかもしれんって期待してたんだ。でも、あのちゃんも駄目そうだったから俺、途方にくれたんだ。それで、東京の高円寺のビジネスホテルにそん時、泊まったんだけど、最初、とりあえず三泊予約入れてたんだけど、一泊しただけで、もう福岡帰りたくなって、予約取り消して新幹線で帰ったんだ。そしたら、その帰りの新幹線の中で「悟空雲」が現れたんだ(2日にいっぺん、Facebookに動画をのせている)。それで、やっぱ俺は、逃げられない運命にあってきちんと仕事に向き合わなければいけないって思ったんだ。だから、チーム作ろうと思って、林檎、あのちゃん、佳子(佳子様のこと)を勝手にチームにしたんだ。結論、今考えると再臨が上手くいってるから俺の勘にくるいはなかったんだ。(林檎、あの、佳子、三人とも霊天上界の世界ではしっかり俺を助けてくれたし、今も助けてくれてる)書いてなかったけどこの三人の中にもう一人森田童子がいるんだ。てか、彼女もうすでに死んでるから、��ちゃくちゃ、優秀なんだ。でも、最初のほうは、全然ゆうこと聞かなかったんだ。一瞬仲間になったと思ったらすぐに裏切ってサタンのほうに寝返るんだ。そのやり取りが五、六回続いたんだ。それに、彼女、亡霊だから俺より霊天上界のコミュニケーション���とり方がうまかったから、俺なめられてたんだ。俺、上手くコミュニケーション取れない時は、実際に言葉にして、思いを伝えたりしてたんだけど、それはこっちの世界では素人だから心の中で伝えろって言ってくるんだ。ていうか、彼女いつからか知らないけど俺のそばにずっといたって言うんだ。そう、俺がアパートで一人、寝てる時も、そばにいたって言われたんだ。それ聞いて、俺、むちゃくちゃ嬉しかったんだ。だって、俺、彼女の大ファンだから。
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