Tumgik
#りおたむ可愛い頷き
sarahalainn · 4 months
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PART 2!
(PART 1 は一つ前の投稿より)
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Sarah Àlainn - Celestial Christmas Concert
サラ・オレイン
~ 天使と天上の音楽 ~
8. Hallelujah (Leonard Cohen)
Airmail Specialをはさみたかった最大な理由が、
ここからの絶対的な3曲のため。
Hallelujah
タイトルだけ見ると教会にぴったりな選曲。
でも、これはレナード・コーエンのハレルヤ。
歌詞の内容を思うと、やって良いものなのだろうか、悩む。
「神様は、いるかもしれない
でも、愛から学んだのは、
自分より銃を早く抜くことが出来る人を、
どう撃つかくらいだ」
壊れたHallelujah。
でも、コーエンが言ったもう一つの名言を思い出す:
「すべてのものにヒビがある。そこから光が差し込む」
そう、私たちは壊れてる。ヒビだらけ。
でも、そこから光が差し込むのよ。
Jeff Buckleyのカバーが特に好きで、ギターが印象的。
今年ツアーでエレキを弾く機会があって、今回もと思っていたのですが、
PAさんとも相談し、結果エレアコに。
久しぶりに登場したオーストラリアのMaton。
指が攣りそう><エレキと違って、ヴァイオリンとも違った力の入れ方があり、フォークギターはとにかく毎回緊張します。
エレキヴァイオリニストの壷井彰久さん、ギターも以前弾かれてましたが、「ギターを弾くと指が硬くなってヴァイオリンに影響するからやめた」と話されて、確かに。いつかもっと弾けるようになりたいものですが、今のところ練習を控えてた楽器。
なので、パイプオルガンと並んで、1番緊張した楽曲。
筋肉痛、きっとここからも来てる。
サビでのTakanaとのハモリーがまた気持ち良い。
心の叫びのような、大好きな一曲です。
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9. Andata (坂本龍一)
セトリを考える時、一番大事にしてるのは流れ・物語。
演奏者としての自分のことはその次、または無視。
なんでギターの後にまた大変なオルガンを持ってくるのか><
でも、上手くいったら、綺麗なFlowになる。
それを信じて、突き進む。
パイプオルガンのソロ曲、バッハは冗談で言ったものの(ディズニーの「Fantasia」にも出てくるし、分かりやすいかなと。Takanaが当日初めてリハで聞いた時、ふいちゃいましたw)、可能なら挑戦してみたいと思った曲は坂本龍一氏のAndata。アルバム「Async」のバージョンが一番好きで、これをパイプオルガンで演奏できたらなんと素敵だろうと。。
ご本にの前で演奏してみたい。みたかった。
そんな教授へのRequiemでもありました。
終わったから言えますが、初めの和音を弾いた瞬間「やっちゃった。。><」
Shchedrykで消したはずのFull Organ(音色を変えるボタン)がONになってました。
最初は「え!何でこんなに音が大きくて音色が違うんだろうと」、左、右い、上下を次から次へと見て、
最後に赤いランプを見て「うわあ、まさかの」と。
頭の中ではこんなことを色々考えていたけど、現実ではおそらく多分2秒くらいしか絶ってなく、パニックした割には落ち着いて演奏ができました。ちょうどリピートがあったので、落ち着いてボタンを押し、2回目は想像してた音色に。
後で関係者に聞いたら、意図的だったと思う人がいるよ、とのことで、安心。
ハプニングがあったけど、今回一番集中できた演奏でした。
落ち着いたらこちらもYouTubeでシェアしたいです。
10. Merry Christmas Mr. Lawrence 『戦場のメリークリスマス』
もちろん、この季節に欠かせないこの一曲。
ツアーではキーボードの弾き語りをしてますが、Andataからの流れを考えて、パイプオルガンに。
いつもはもっとRubato気味で演奏してますが、オルガンはオリジナルのテンポ感の方があってたので、
演奏してて新鮮でした。最近混ぜてるYMOの「Behind the Mask」もパイプオルガンの音色がハマり、
やっぱり、シンセサウンドに近いものがある!
ここで一番アレンジで苦労したのはピアノとのバランス。
当日でしか分からなかったのですが、オルガンとピアノのチューニングが違う。
あんな大きな楽器で、寒いホールなので、音が狂わないほうが不思議です。
そこでTakanaと上手くどうぶつからないか試行錯誤。
10代の時ピアノトリオで戦メリーを弾いたこともあり、自分の中ではヴァイオリンの激しい部分あってのMerry Christmas Mr. Lawrence。今回のセトリは見ての通り、殆どヴァイオリンの出番がないTTやはりできればここで演奏したい。
そんな構成もあって、楽器の配置も考えました。ヘッドピースは衣装につけられないため、電池を持ちながらヴァイオリンを拾う地味にむずい動作。
色々なアレンジ、編成で演奏して来た戦メリですが、人生でせめてもう一回、またパイプオルガンの弾き語りで表現してみたい。
遠くにいる教授へ
遠くにいる知らないあなたへ
この歌が届きますように
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11. Joyful Joyful / 第九
クリスマスは喜ばしい季節。
だから一層悲しみも深く目立つ。
誰もが贅沢できる、少なくとも安心して生きられる、そんな世の中になって欲しい。
でも、現実は違う。
毎日複雑な思いで生きています。
自分自身の行動に矛盾があることにどんどん気づく日々。
今年も出させて頂いた、体にも、環境、動物に優しいクッキー。
今年のクッキーの寄付先はTABLE FOR TWO へさせて頂きます:
https://jp.tablefor2.org/
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お陰様でSold Outに。
沢山お作りしたいのですが、ひとつひとつ気持ちを込めて手作りのため、数量限定での販売となっています。
皆さんのおかげで、健康的な食料が、必要とされてる子供たちに届けられます。
最高な、クリスマス・プレゼントでは?!
サポートありがとうございます😇
さあ、クリスマスは、そんな自分にも優しく、遠い誰かにも優しく!
クリスマスをお祝いする方も、
ムーミンみたいに本来お祝いしない方も、
クリスマスは喜ばしい、Joyfulな季節だから!
クリスマス、年末年始にやっぱりこの曲でしょう。しかも今年は合唱入り!
合唱も手拍子しながらのノリノリなゴスペルで「Joyful Joyful」からの日本語で賛美歌のような「喜びの歌」。
そしてラストは声楽で「第九」。Takanaアレンジでお届け!一曲の中で人格がなん度も変わる。好き。
普段声楽を歌われない合唱がさらにドイツ語で歌われて、bravissimo!!!!
そうそう、偶々第九のワインを見つけました!いつか合唱とゆっくり飲む予定^^
Joyful Joyfulから最後までは、ほっと一息。
力が抜けてリラックス。
12. O Holy Night
聖なる夜に聖なる場所で皆さんと過ごせた幸せ。
本編最後はやはり、この一曲。
昔からもっとも好きなクリスマスソング。これ、歌っててとても気持ち良いのです。
歌詞も音符・キーも含めて、とにかく歌いやすいんですよね。発生しやすい?というのだろうか。
綺麗に音が響く、計算されて作られた一曲なのかもしれません。
こちらはウィーン少年合唱団と歌わせて頂き、レコーディングをさせて頂きました。
男の子になりたかったチビサラ。それは叶わないと思った時、せめてボーイソプラノになりたいと思った。
その時からなのか、声を真似て高音が出るようになりました。ビブラートが殆どない、ピュアな歌い方。
こちらの方が誤魔化しが効かないので難易度が高い。後半に連れて疲れてくるとビブラートに逃げたりもします。
今回はウィーン少年合唱団のアレンジをベースに、最後は「Amen」を足してみました。🙏
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ENCORE
13. Ave Maria (Vavilov)
きっとアンコールがあるだろうと、お客様は思ってくれるでしょう。
でも教会だから、ここで終わりなのかなと思われたりして。。
色々考えながら、焦りながら、大移動+早着替えを。
オルガンももうないので、ロングのウェディングドレスに合わせてハイヒールに。
ヴェールも被り、慎重に急ぐ。
今度はTakanaがパイプオルガンへ。
Sarah’s AngelsのSAK.と磨裕美さんがヴェールを丁寧に持って下さり、素敵な絵になりました。
この曲は是非ともオルガンと、この時期に、こんなお衣装で歌いたかったです。
2000年以上前の今頃、お腹が大きかった聖母マリア様は大変な思いをされて旅をします。
そんな偉大な母の存在も、決して忘れたくありません。
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バージンロードを歩きながらの「Ave Maria」。
静かに見守るお客様。
この歌にもっとも相応しい会場。
大好きなこのAve Maria。よくCacciniと表記されてますが、実際はもっと最近のロシアの作曲家、Vavilovの作品。
あまり知られてないので分かりにくいかもしれませんが、これからはこんな素晴らしい曲を作られたVavilovの名前で表記します。
いつもならMinor(短調��、切ない感じで終わるのですが、打ち合わせも特になかったのに、TakanaがMajor(長調)で終わり、顔を見合わせながら、「だよね!」と二人頷く。
切ないけれど、絶望的でもあるけど、ハレルヤのように希望を感じさせる、そんな気持ちにさせるクリスマス。
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14. Silent Night
ここで演出として、会場と一体になりたく、「きよしこの夜」を皆さんと一緒に歌いました。
みなさんが立ち上がり、事前に作った歌詞カードを手にされ、声を一斉に。
伴奏もあっても良かったですし、合唱がハモるのもありでしたが、
ユニゾンで、同じ音で、アカペラで一緒に歌うことに、力を感じました。
シンプルに、ストレートに、心を一つに。
心の中でうるっと🥲
唯一今思うと、私も合唱もマイクを通さないで歌ったらさらに一体化しましたね。
なので、それは絶対にまたどこかで実現したい。
響き渡る皆さんの歌声。Bravi 👏
ここからさらに高いキーに転調し、Takanaのパイプオルガンのベースが鳴る。
合唱がSAK.の指揮によって入られる。
これまたエグいアレンジ(すみません)。
でもSarah’s Angelsは「こういうの好き!」と、
優しさからなのか、チャレンジ精神豊かだからか、天使の笑顔で微笑んでくれた。なんて良い人たちTT
本当に美しかったです。
15. Nessun Dorma
2023年ファイナルということもあり、音響が美しいということもあり、
「Silent Nightでも、誰も寝てはならぬ!」
本人はこの後10時間爆睡しましたけどね。
ツーランドットの女性バージョンを歌いきり、カーテンコールへ。
本当に皆様お疲れ様でした!
関係者の皆様、来られた皆様、
一生忘れない、クリスマスプレゼントをありがとうございました。
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16. You Raise Me Up
本来は「Nessun Dorma(誰も寝てはならぬ)」で終わるはずだった舞台。
大きく二つの理由があって、もう一曲アンコールを。
ちょうど一ヶ月前の11月21日、1/f FANCLUBの限定イベントが開催:
https://www.sarahalainn.net/
リクエスト曲ライブ。
最後、ノーマイクで歌って演奏した「You Raise Me Up」。
いつもサポートして下さってる方に最後は肉声で思いをお届けできればと。
限定ライブだったため、もう一度似たような演出を今回も。
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満員のホールにもか変わらず、響く教会にビックリ。
ここだったら完全にunplugged (PA・マイクなし)のコンサートは全然あり得ますね。
そして、もう一つ。
コンサートとはいえ、教会でのクリスマスということで、
拍手とお辞儀で終わるのが、ちょっと違和感を感じました。
聖なる夜に、本当の意味のクリスマスをお届けしたい。
メッセンジャーというスタンスで。
最後は、会場に下り、バージンロードを演奏・歌いながらその場を去りました。
ディナーショーなら手を差し伸べたい気持ちは分かりますが、
教会でのマナーを意識されたお客様のおかげで、こんな演出が可能でした。
安心して楽器の演奏も。エンターテイナーとして今後も安心しながら面白い演出をしたいので、とてもありがたいです🙇‍♀️
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サラジオのプロデューサーも来て下さって、とても嬉しい感想だったのでシェアさせて下さい:
「お客さんもあの終わりかただと満足度が極まって、アンコールの拍手も止んでしまいますね。
アンコールの拍手が出ないと言うことは、満足したと言う証明ですから、昨日はそれを実証しました。」
ここまで読まれたのですが?!
ありゃま。ワオ。お疲れ様です!
いつもこんな感じでコンサートの準備などしてます!
年末年始ということで、いつも以上に舞台裏を書けました^_^
そして終わっていつもこうなる:
「次どうしよう。。。><」
今年も沢山のサポート、愛をありがとうございました🫶
Merry Christmas! Happy Holidays! Happy New Year!
Happy New/Old YOU!
良いお年を!新しい自分、今までの自分に乾杯!
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teruterubouzu86 · 1 year
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現場事務所で
片側一車線の田舎道を走っていくと、目印の看板屋が見えてきた。夜なので辺りは暗く、注意しないと見落とすほどの小さな店だった。その店の裏側の路地を回ると、道は緩やかな山道になっていった。車のヘッドライトが頼りなく真っ暗な前方を照らし出していた。ホントにこの道でいいのかと疑心暗鬼になりながら10分ほど走ると、急に道が広くなりトラックを駐めてある一角に出た。道はそこで終わっていた、どうやら私道らしかった。トラックは数台並んで駐めてあり、他にも重機が並べてあった。俺はその空いたスペースに車を止めると、現場事務所のようなプレハブに向かった。プレハブは敷地の端の方に建っておりすぐに分かった。一階部分は資材置き場らしく、窓ガラスからパイロンやらが転がっているのが見えた。俺は階段を上がり二階を目指した。二階は全ての窓部分にカーテンが閉めてあったが、その隙間から中の明かりが僅かながら漏れていた。引き戸を開けるとごつい体つきの作業服姿の現場監督が仁王立ちになって、口マンを犯しているところ��った。 「よぅ、道分かったか」 「途中で引き返そうかと思うくらい不安になってきたぜ」 「ま、山ン中の作業所だからな、でもここなら心おきなくやれるってもんだ」 現場監督は缶ビール片手に咥え煙草というスタイルで、俺を振り返った。現場監督は濃紺のベトナムのチャックを下ろしマラだけ出していた。そしてそのどす黒くて太いマラに、これまた三超を穿いた若い野郎が食らいついていた。仕事場で気に入った職人がいたら手を出しているということだったが、どうやら本当のようだった。白い鳶装束を着た野郎は、会社の仕様なのか白い地下足袋を履き濃い緑色のメットを被っていた。メットには足場組み立ての会社らしい名前が入っていた。そして腰にはずっしりと重そうな安全帯を締めていた。まさに本職の職人だった、このまま現場に出しても何の違和感もないほど、鳶装束は使い込まれ汚れていた。野郎は俺の姿を見ると、恥ずかしさのためか目をそらしながらマラをしゃぶっていた。むさ苦しい男だらけの作業場で、鳶の野郎に奉仕させている光景に俺のマラはたちまち反応した。俺はベトナムの上から股間を無意識に揉んでいた。そんな俺の様子に現場監督がニヤリと笑った。 「しゃぶってもらえよ、、、こいつ、上手いぜ」 俺は位置を代わり、鳶野郎の前に仁王立ちになった。チャックから飛び出た俺のマラを鳶野郎の口が覆い被さった。その生暖かい感触に思わず俺は目を閉じた。 「俺に恥かかすなよ、しっかり客人をもてなせ」 現場監督は鳶野郎のメットを叩き、檄を飛ばした。俺は咥え煙草のまま自然に腰を動かしていた。 「メチャ、気持ちいいな、、、」 さすが現場監督のお気に入りのクチマンというだけのことはあった。しばらく俺は鳶野郎のクチマンを堪能していたが、それを眺めていた現場監督が俺に言った。 「わりぃ、ちょっと代わってくれ」 現場監督はやや半立ち気味のマラを鳶野郎の口に構えると、そのままじっとしていた。しばらくしてマラの先から小便が迸ったのが見えたが、鳶野郎がすぐに先端部分を咥えてしまった。そしてそのままごくごくと喉を鳴らして小便を飲み始めた。 「ビール飲んだからな、、、どうだ、アルコール混じりの小便は旨いだろうが」 鳶野郎は現場監督の声に頷きながらも、必死でマラに食らいつき小便を飲み干していた。ようやく放尿を終え雫を舐めさせると、現場監督は俺に言った。 「お前も飲ませてやれよ、小便飲ませたことくらいあるだろ」 確かに小便を飲ませるのは俺も好きだったので、苦笑いしながら鳶野郎の顔面にマラを構えた。意識して腹圧を緩めると、小便が流れ始めた。すかさず鳶野郎がそれを受け、先端に吸い付いた。 「マジ旨そうに飲むよな、、、」 俺は鳶野郎の顔に煙草の煙を吐きかけた。目を閉じて一心不乱に小便を飲んでいる精悍な無精髭のツラは、なぜか可愛らしく見えた。 パイプ椅子に鳶野郎の手をかけさせ上体を倒させた。そして顔を上向きにさせ俺はマラを突っ込んだ。現場監督は鳶野郎の背後に回りがっしりした腰を掴むと三超の上からマラを突き立てた。どうやら三超の股の部分に切れ目が作ってあるらしかった。鳶野郎は俺達に前後から串刺し状態にされていた。現場監督のマラが侵入してくる瞬間、鳶野郎は目を白黒させて呻いていた。しかし現場監督はお構いなしにメットを殴ると、そのまま鳶野郎の腰を掴み体を進めていった。 「しっかり客人のマラしゃぶってろ、、、これくらいで根をあげるんじゃねぇ」 腰に締めた安全帯が俺達の動きに合わせてじゃらじゃら音を立てていた。鳶野郎はマラを出し入れする度にくぐもった声を上げながら、俺のマラに食らいついていた。俺もそれが面白くて、現場監督の腰の動きに合わせて腰を振った。小一時間くらい鳶野郎を犯していただろうか、現場監督が俺に言った。 「取りあえず種付けするか、、、」 「ああ、いいぜ」 現場監督は俺に茶色の小瓶を手渡した。俺はそれを深く吸い込むと、それを返した。現場監督も深く吸い込むと、急に腰のピッチを上げ始めた。鳶野郎の間に挟んでいたので、俺達の距離はかなり近かった。目前で現場監督の種付けを見ることができ、俺も興奮していた。現場監督は一層鳶野郎の腰を掴むと安全帯をたぐり寄せて、打ち付けるように掘り込んだ。現場監督の腰使いがあまりに強く、鳶野郎が倒れ込むように俺にしなだれかかってきた。しかし俺も非情なまでの激しさで鳶野郎のクチマンを掘り込んだ。鳶野郎が吐液物を流し俺のベトナムを汚したが、構わず掘り続けた。現場監督が動きを止めたかと思うと、そのごつい体を痙攣させるように何度も鳶野郎にぶつかるように腰を打ち付けた。 「おらおらっ!いくぜっ、種付けするぞ、おらっ!!」 現場監督の激しい交尾の現場を目の前で見せつけられ、俺も絶頂に達した。俺達は顔をしかめながらお互いに吠え合っていた。 「くそっ、俺も堪んねぇ、、、いくぞ、おらっ!」 俺達に挟まれたまま前後の口に激しい責めを受けながら、鳶野郎もそのまま触られずに果てたようだった。俺達が雄汁を流し尽くしてようやく体を離した時、鳶野郎は崩れ込むようにパイプ椅子に倒れ込んでしまった。 俺達は倒れるようにうずくまっている鳶野郎を横目に、缶ビールを飲み始めた。この作業場には雑魚寝の部屋もあるということで泊まるつもりだった。現場監督がポケットからカプセルのようなものを取り出すと、倒れている鳶野郎の三超の股の間に手を突っ込んだ。現場監督は振り向きざまに俺に向かってニヤリと笑った。どうやら白い粉をケツに仕込んだ様子だった。俺も笑いながら現場監督を眺めた。しばらくして鳶野郎が呻き始めた、苦しがってという声ではなく少し媚を含んだような甘い呻き声だった。 「そろそろ効いてきたようだな」 鳶野郎はトロンとした目付きで上半身を起こすと、ソファに座った俺達に近づいてきた。そして何の遠慮もなく俺のベトナムのチャックに手をかけるとマラを引きずり出して咥え始めた。俺達はその様子をただ笑ってみているだけだった。俺は咥え煙草のまま、鳶野郎のメットに手をかけると股間に押しつけ下から腰を突き上げた。鳶野郎はゲェゲェ嘔吐きながらも俺のマラに食らいついていた。 「まだ俺達のマラが食い足りねぇようだな」 「もっとしっかり食わせてやらねぇとな」 現場監督は鳶野郎が俺のマラをしゃぶるのを、間近に近づいて面白そうに眺めていた。 「おらっ、小便するぞ。飲めや」 俺はソファに座ったまま、鳶野郎の頭を固定すると小便を始めた。鳶野郎はよほど小便を飲まされて慣れているのか、大量に出した小便を喉を鳴らして飲み干していった。 「たっぷり出ただろ、旨かったか、おい」 俺の問いに、鳶野郎は焦点の定まってないような目をしたまま頷いた。肉付きのいい体をしており屈強な感じのするヤツだったが、しっかりM奴隷として現場監督に仕込まれている様子だった。そんな男臭い野郎が従順に俺の股間で奉仕している姿を眺めるのは、快感だった。 「おい、俺の小便も飲めや」 現場監督の声に、鳶野郎は俺のマラの雫を綺麗に舐め取ると場所を変え現場監督の股間にしゃがんだ。鳶野郎が現場監督のマラを咥えると同時に放尿が始まった。俺は小便を飲んでいる鳶野郎の背後に回り込み、三超の股の切れ目を探った。そこはしっとりと濡れそぼっており、俺を誘うように引くついていた。俺は再び完全に勃起したマラをあてがい、一気に貫いた。鳶野郎が俺の侵入に呻き声を上げそうになっていたが、現場監督に安全靴で蹴りを入れられていた。 「何度もマラ咥え込んでるくせに、いちいち悲鳴上げてんじゃねぇよ、しっかり小便飲んでろ」 鳶野郎のケツマンは、現場監督の雄汁でいい具合にトロトロになっていた。 「お前の雄汁がローション代わりになって、俺のマラに絡み付きやがる」 「気持ちいいだろ」 「ああ、、、」 鳶野郎は立て膝でソファに座った現場監督のマラを奉仕し続け、俺はその背後から鳶野郎のケツマンを犯しまくった。白い粉が効いているのか、やたら鳶野郎の体が熱く全身から汗が噴き出して鳶装束をびっしょり濡らしていた。そして感度も上がっているのか、鳶野郎は男臭いよがり声を上げ始めた。 「んん、、、うぐぐ、、、」 「ん、どうした、、、気持ちいいのか」 鳶野郎はマラを口に含んだまま、頭を上下に振って頷いていた。現場監督は煙草の煙を吐きながら、下から腰を突き上げクチマンを堪能していた。 「おらっ、ケツばっかで楽しんで、上の口が留守になってんぜ。しっかりしゃぶらねぇか」 現場監督はしゃぶらせながら、安全靴で鳶野郎の股間を三超の上から嬲った。 「お前は上下の口犯されて、マラおっ勃てて���のか。男に犯されて感じてんのかよ、この野郎」 現場監督の言葉責めに、鳶野郎は声にならない呻きをあげていた。 「しっかり俺のマラ味わえや、たっぷりクチマンにも種付けてやるからよ」 現場監督も鳶野郎以上にがっちりしたごつい体つきだった。ベトナムがぴっちり下半身に貼り付いていた。作業着のシャツの胸元からは剛毛の胸毛がびっしり覗いていた。それにスキンヘッドで口髭と顎髭だけを生やした格好は、まるで雄そのものという匂いを強烈にはなっていた。その鋭い眼光は、M奴隷を威圧するに十分な力があった。マラも体以上にでかくどす黒い感じのデカマラだった。その現場監督が俺が腰を振っているすぐ目の前で、大股開きのまま奉仕をさせている光景はかなりいやらしい場面だった。咥え煙草のまま目を閉じ、快感を貪っている様は堪らなく興奮させられた。 俺はラッシュを借りると、思い切り吸い込んだ。たちまちハイな気分になり、獰猛な気分が沸き上がってきた。鳶野郎の両手を後ろ手に回して固定して押さえ付けた。鳶野郎は支えるものがなく、喉奥まで現場監督のマラが突き刺さった。小便の混ざった胃液を吐き、現場監督のベトナムを汚したが気にせずクチマンを犯し続けていた。俺はその光景にたちまち上り詰め、絶頂を迎えた。片手で鳶野郎の安全帯を掴むと、たぐり寄せるように引っ張りマラを打ち込んだ。 「おらっ、俺の雄汁種付けてやるぜ、、、」 「二人分の雄汁で孕ませてやっからな、おいっ、いくぜ!」 俺の雄叫びと同時に、現場監督が吠えた。現場監督は男らしい顔を一層歪め、俺を睨み付けるように吠えた。俺も現場監督を睨み返しながら最後の突きをくれてやった。 「おぅ、、、いくぞ、飲めや!」 俺達の雄汁を散々仕込まれた鳶野郎は、そのままボロ雑巾のように隣の部屋で横になるとすぐに寝付いてしまった。俺達もそれぞれのソファで横になった。 どれだけ時間が経っただろうか、腕時計を見ると翌朝になっていた。しかし俺の股間に違和感のようなものを感じ、俺は股間に目をやった。驚いたことに現場監督が俺の股間を舐めていた。 「おぅ?お前もしゃぶりたいのか」 「いや、お前みたいな野郎を見ると堪らなくなっちまってよ、、、あの鳶野郎の前じゃこんな格好見せられねぇが」 なるほどこの時間なら、鳶野郎はまだ隣の部屋で熟睡しきっているはずだ。俺は立ち上がると、現場監督に言った。 「俺の小便飲むか」 「ああ、飲ませてくれ」 俺はベトナムのチャックから朝立ちのマラを引きずり出し、煙草に火をつけると気分を鎮め、何とか勃起を収めて現場監督の口にマラを構え放尿始めた。現場監督は小便を躊躇うことなくごくごく飲み始めた。かなりの量だったが、全てを飲み干した。 「酒臭くて旨い小便だったぜ、、、」 現場監督は男臭い顔で笑った。俺はその顔を見ていると、マラが反応してきた。 「くわえろや」 俺の命令に現場監督は素直に従った。男っぽい野郎が俺のマラに奉仕している光景はまさに勃起もんだった。鳶野郎ほどではなかったが、現場監督のクチマンもまんざらではなかった。俺はラッシュを吸い込み、現場監督にも吸わせた。現場監督は顔を紅潮させて、俺のマラを口で扱き上げた。その男臭い顔と尺八奉仕のギャップに堪らず俺は腰を弾ませた。 「そろそろあがってきたぜ、飲めよいいな」 現場監督は頷くと、必死で俺のマラに舌を絡め口を前後に動かした。 「ううっ、、、いくぞ」 翌朝にも関わらず俺は大量の雄汁を噴き上げた。現場監督はそれを全て飲み干し、終わった後も尿道に残った雄汁を吸い上げ搾り取った。 「さすがに、野郎の雄汁は旨いな、最高だ」 現場監督の声に、俺は煙草の煙を吹き出しそうになり、苦笑いを返した。 昼間、現場監督のいるプレハブ事務所に向かった。メールをもらった時にちょうど仕事の空き時間ができたので寄ってみることにした。山中へ向かう山道は大型一台が道幅いっぱいになってしまったが、私道だし他に通る車両はないはずなので気にすること無しに登っていった。数台トラックが駐めてあるスペースに横付けすると、プレハブに向かって歩き始めた。すると男の泣き声が微かに聞こえてきた。今日は温かいしもしかして野外で犯っているのかと思っていたら、私道からは死角になっているプレハブの裏手の足場置き場から声が漏れているようだった。裏手に回ると、上半身裸の鳶野郎が体にトラロープを巻き付けられて縛られ下半身は三超に地下足袋というスタイルで、三超に開けた裂け目から現場監督のデカマラを突き刺され、よがり狂っている真っ最中だった。鳶野郎の筋肉質な上半身には細めのトラロープがきつく縛られ皮膚に食い込むほどだった。しかも鳶野郎の両手首はこれまたトラロープで足場に括り付けられていた。鳶野郎は上半身を倒した格好で両手首の自由を奪われ、ケツマンを作業着来たまま犯されていたのだった。俺に気づくと現場監督は咥え煙草で片手を上げた。 「よぉ、来たか」 「相変わらず派手にやってんなぁ、声丸聞こえだぜ」 「こんな山ン中、気にするヤツいねぇよ」 現場監督は濃緑の作業着に身を包み安全靴を履いていた。ベトナムのチャックからはどす黒い太マラが顔を覗かせており、その大半が鳶野郎のケツマンに埋め込まれていて、オイルのせいなのか全長を光らせながら三超の裂け目部分を出入りしていた。現場監督が腰を突き出す度に、鳶野郎はよがり泣き体を震わせていた。 「おらっ、オメェの好きなマラがもう一本来たぜ。嬉しいだろうが」 現場監督は咥え煙草のままニヤニヤ笑いながら、腰をいやらしく突き動かしていた。そして鳶野郎の腰を三超の上からがっしり掴むと、覆い被さるようにして腰をグラインドさせた。 「まずは俺のを種付けしてやるぜ、いいな」 「は、はい、、、お願いします、、、」 「濃いヤツを種付けてやるぜ、おらっ、俺のガキ孕めや!おらおらっ!!」 現場監督はがっしりした腰つきで、ガツガツと鳶野郎を掘り込み打ち付けるようして体をぶつけ雄汁を種付けた。現場監督がマラを引く抜くと、雄汁がドロッとケツマンから溢れ出た。鳶野郎は崩れるように体の支えを失いかけたが、足場に縛られた手首がそれを邪魔した。 「またお前の種マンかよ」 「贅沢言うなって」 俺は煙草を安全靴で踏み消すと、鳶野郎の両手の拘束を解いた。鳶野郎はその場に崩れかかったが、ヤツの髪の毛を掴み頭を上に向けさせた。鳶野郎はそうするのが自然な感じで、口を開け舌を出した。俺はベトナムからマラを引きずり出すと、ヤツのクチマンにねじ込んだ。 「なかなか具合良いクチマンだぜ」 俺は笑いながら腰を動かし始めた。抜歯済みのクチマンは歯が当たる心配もなく、やたら良い感触だった。ヤツの舌が絡み付いた俺のマラが次第に頭をもたげ始め、鳶野郎の口一杯に大きくなった。俺は凶器を片手で扱き上げながら、鳶野郎に笑いかけた。 「おい、ケツにぶち込んでやるよ」 鳶野郎は積んであった足場に手をかけると腰を突き出した。三超の裂け目にマラを入れると、ケツマンへねじ込んだ。現場監督の雄汁が潤滑油になってすんなりマラが入った。俺が腰を動かし始めると、すぐに鳶野郎は喘ぎ声を漏らし始めた。 「すっかり感度が良くなってんじゃねぇのか。ずいぶん犯られた割には締まりもいいしよ」 マラを引き抜く時はヤツのケツマンのヒダが名残惜しそうにマラに絡み付き、ぶち込む時には締まり始めたケツマンのヒダを無理矢理こじ開けて侵入する快感があった。そしてカリの部分にケツマンの粘膜が絡み付き何とも言えない快感だった。 「よし、小便するぞ。おらっ、しっかりしろや。マラぶち込まれてよがりまくってんじゃねぇぞ」 現場監督がポケットから取りだしたスタンガンを、鳶野郎の首に当てた。バチッと音がして、鳶野郎が跳ね返ったように体を反らした。 「小便するぞ、飲め」 鳶野郎はまだ大きいままの太マラを咥え、流し込まれる小便を喉を鳴らして飲み干していった。その間も俺は腰を激しく動かして犯しまくっていた。現場監督が放尿を終えた頃、俺は絶頂がやってくるのを感じた。 「おらっ、顔向けろや。ぶっかけてやるぜ」 小便を飲み終えたばかりの鳶野郎を足元に跪かせると、髪の毛を掴み顔を上へ向けさせてマラを構えた。現場監督の種に塗れた俺のマラは、いやらしく粘っこく光っていた。鳶野郎の顔面に夥しい雄汁が降りかかった。ヤツはそれを地面に落とすまいと必死で顔で受け止めていた。 「ずいぶん早かったじゃねぇか」 「あんまし時間ねぇんでな」 「それなら二発目俺が仕込むのを見届けてから行けよ」 「マジかよ、、、」 現場監督はすっかり回復したマラを俺に見せつけながら言った。 「こっちへ来い」 鳶野郎をプレハブ横の仮設トイレへ連れて行った。そして中の小便器に鳶野郎の顔を押しつけた。 「小便器舐めて掃除しろや、オメェが小便器掃除してる間に俺が掘ってやるよ。変態野郎には嬉しいだろ」 鳶野郎は膝を突いて薄汚れた小便器を抱え込むようにして、小便器に顔を突っ込んだ。小便器には小便滓がびっしりと付いており、誰かが用を足したのだろう小便の雫が黄色っぽく溜まっていた。それを躊躇することなく鳶野郎は舌を出し舐め始めた。近づくとムッとするような雄臭い小便臭が漂っていた。現場監督は小便器に頭を突っ込んだままの鳶野郎の三超を抱え込むと、三超の裂け目部分にマラを突き立てた。小便器を舐めていた鳶野郎が、呻くような声を上げた。 「しっかり掃除してろよ」 「すっげぇな、おい」 俺は現場監督の考えつくプレイに舌を巻いていた。 「お前の雄汁がローション代わりになって滑り良いぜ」 「言ってろ」 俺は現場監督の言葉に笑いながら煙草に火をつけた。現場監督は最初から飛ばして腰をガンガン打ち付けていた。現場監督の腰に巻いた安全帯と、鳶野郎が腰にぶら下げた安全帯が激しい腰の動きにガチャガチャぶつかり音を立てていた。俺は小便器に顔を突っ込んでいる鳶野郎の背中を跨ぐ形で、小便器にマラを突き出した。 「小便したくなったんで、このままお前の頭の上からぶっかけてやるぜ。ついでに掃除しろや」 鳶野郎の後頭部へそのまま小便をぶっかけた。流れ出る小便は後頭部を濡らし男の顔面を伝い小便器の中へ消えていった。鳶野郎は現場監督の腰の動きに翻弄されガンガン頭を小便器にぶつけていた。俺の小便でベトベトになった坊主頭の鳶野郎は、それでもなお小便器を舐めることを止めなかった。 「よし、二発目種付けてやるぞ。いいな!いくぞ、おらっ!!」 現場監督は吠えるように怒鳴ると、思いっきり体を鳶野郎にぶつけていき幾度も律動を繰り返して雄汁をケツマンに叩きつけた。その度に鳶野郎の背中の筋肉が痙攣したように動き、その体の中に雄汁が飛ばされているのが傍目にもはっきり分かった。現場監督の腰の動きに合わせ、鳶野郎も痙攣を繰り返し、現場監督がようやく体を離すと鳶野郎は小便器に顔を突っ込んだまま動かなくなった。俺は現場監督にじゃあなと片手をあげると、そのまま大型に乗り込んだ。現場監督はベトナムのチャックを上げベルトを締め直すと、鳶野郎を放置したままプレハブに消えていった。
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oyasumimumemo · 3 months
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週報-1
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2024年01月28日(日)
8時には目が覚めていたけど布団から出たのは9時頃だった。昨日、すこし吐いてしまって胃というか内蔵が全体的にむかつく感じがした。昔は軽い体調不良を次の日まで引きずることなんか無かったのに、嫌だな~と思ってみた。本当はそんな嫌でも無い。コーヒーを煎れて運動をしながら欲しいもののことを思い出して、いったん運動を止めスマホで調べ、そのうち別に欲しくなくなって、また運動を再開をだらだらとやっていた。昨日干した洗濯物を畳んでぼうっとしていると彼氏が起きてきた。外国の洗剤の匂いがするトレーナーを着ていた。実家から着て帰ってきたらしい。そのまま車でパン屋とコンビニに行って家で昼ごはんにした。コンビニでは一番くじを引いた。駄菓子を模した、ハンカチとか文房具とかのやつ。彼氏は私がこういうものを好きだと思い込んでいる。そりゃ好きだけど、通りすがりに見た可愛いものをいつまでも覚えていて欲しがるような年齢じゃない。今度来たときまだ良い感じの賞が残ってたらまたやろっか、と言い私は頷いた。昼ごはんはTVerで昨日のザ・ベストワンをみながら食べた。食べ終わると眠くなって昼寝した。最近、生理前でなくても眠い。おやつを食べながら本を読んでいたらまた眠くなった。
2024年01月29日(月)
また夜中の4時に目が覚めた。眠いまま出勤して仕事して退勤した。メルマガ作成に5時間くらいかけた気がするけど結局完成していない。可愛い女性が別の部署にいる。暗い部分の無いアイドルみたいな笑顔だと思った。退勤後、JINSのロッカーで眼鏡を受け取って電車に乗った。本を読んでいるとすぐに時間が経つ。立ちっぱなしでもあまり苦で無い。駅に着くと彼氏が迎えに来ていて、夜ごはんも買っておいてくれた。TVerでロンハーみながら食べた。
2024年01月30日(火)
悪寒がする。生理が近い。アイシャドウを塗らない化粧にした。退勤後にハンズで買い物した。香りものを買うのはやめたつもりだったけど、すごく懐かしい香りだったので迷わずカゴに入れた。どんな記憶と結びついて懐かしいのかは思い出せない。帰り道の薬局で、違う種類のプリン2つとたまご饅頭を買って帰った。プリンは食べ比べして遊ぶ。
2024年01月31日(水)
昼休みほぼまるっと昼寝に費やしたらそれから一日ご機嫌だった。家に帰ると先週注文していた勤め先のお菓子が届いたので夕食後に食べた。気軽に買える値段じゃ無いけど、たまには買って食べたいなと思った。サッカー20:30~バーレーン対日本。勝って彼氏が嬉しそう。
2024年02月02日(金)
年に1度あるかないかレベルの体調不良だった。出勤前は大したことなかったのに、退勤後は凄まじかった。頭痛と悪寒と吐き気がひどく口に胃液を溜めながら途中下車して薬を飲んだ。LINEで彼氏に助けを求め、迎えを待つ間にふらっと入ったデイリーヤマザキで小分けサイズの甘納豆が売られていて微かにテンションが上がった。2種類買った。迎えに来てくれた彼氏に夜ごはんと31アイスを買ってもらって帰宅。家に着く頃には頭痛と吐き気は治っていたので、ごはんもアイスも楽しく食べた。ごはんはしゅうまいと大学芋とサラダ。アイスはワールドクラスチョコレートとストロベリーチーズケーキ。彼氏はイトウジュンヤの騒動について気をもんでいる。
2024年02月03日(土)
9時過ぎに起きて掃除と運動をしたあと彼氏と外出。パン屋で昼食を買って移動しながら食べて、ドンキで日用品を買い、初詣して夜ごはんを買って帰った。おみくじは大吉で、そんなわけあるかと一瞬思ったけどまあ私は大吉の生活をしている。途中でCCさくら×サンリオガチャとブルーナアニマル一番くじをやった。ミッフィーって不細工のと可愛いのがいるけど不細工のが多分本家なんだよなあ。
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kennak · 5 months
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9月21日午前6時に父が亡くなった。 老健からの退所が決まり、週末のみ自宅で過ごすことが決定してからの 我が家はまさに上を下への大騒ぎだった。 家の中までの導線を確保した上で車椅子が通るよう道を整備し、 父が使っていた寝室に入るサイズの介護ベッドを調達して 高齢の母の負担が極力減るようにヘルパーの力を頼りながらの受け入れ生活だったが あれほどの労力をかけて準備したにも関わらず、わずか2ヶ月ほどでピリオドを打った。 コロナ感染からの重症化で一時は命も危ぶまれた父は、奇跡的に回復するも 肺炎により嚥下機能が著しく低下していたため誤嚥性肺炎を繰り返しては再入院し、 「急変した際の延命治療はどうしますか」とその都度医師に聞かれた。 そして3度目の再発で入院し、同じように「どうしますか」と問われた時、 半ば慣れっこになっていた私たちは「回復の希望があるならできるだけのことはやってほしいが 機械の力を借りて心臓を動かすだけの措置なら不要」と回答した。 そしてその翌日、まるで私たちの会話を盗み聞きしていたかのように父は逝った。 今年もケムコ様より東京ゲームショウにお誘いいただいていたのだが 父の容体が安定していないことからギリギリまで返事を待っていただいていた。 (快く待ってくださったケムコ様には本当に感謝しかない。ありがとうございます。) 最初から断ることも考えたが、遠出すれば気分転換になるかもという現実逃避的な思考もあり 引き延ばすだけ引き延ばした挙句に父が選んだ旅立ちの日は9月21日、東京ゲームショウの開幕初日だった。 父についてのエピソードで一番古い記憶を辿ると、幼稚園のクリスマス会になるだろうか。 園児のところにサンタがやってきて菓子を配る恒例の会で私も楽しみにしていたのだが 当日やってきたのはサンタのコスプレをした父で、特に素性を隠すでもなく 大声で私の名前を呼びながら「おおしのびん、今年はワシがサンタじゃ」と菓子を手渡した。 私は幼稚園の年少組にして「サンタは親が演っている」ことを知ってしまったのである。 生粋の目立ちたがりで役職のつくポジションが大好きだった父を見て育ったせいか 私は人一倍自分を表に出すことを避けるようになり、今もこうしてハンドルネームでブログを書いている。 母から「お父さんのようになってはダメよ」と言われて育った私は、 言ってみれば父を反面教師にして出来上がった集合体のようなもので、何から何まで合わない。 合わないのに、成長するにつれて父に似た部分が体のあちこちに、思考の節々に現れては嫌悪した。 今にして思えば、父のようになりたくない、は、父のように何事にもオープンで大らかには生きられない 内向的な自分の劣等感が生んだ、羨望からくる逆恨みだったのかもしれない。 そのことを受け入れ、父の中に幾らかの可愛らしさを見出してからの親子関係は 世間で言うところの仲の良い親子には届いていなかったかもしれないが、そう悪くもなかったと思う。 3度目の入院の知らせは突然だった。 デイサービスから「微熱があり酸素量も少ないため念のため病院に連れていきます」と連絡があり またかと思いながら病院に駆けつけた。 前々回、前回と同じようにしばらく入院して、回復すればまた退院するのだろうとぼんやり考えていたので 入院手続きのために膨大な枚数の用紙に記入しなければならないことの方が気が重かった。 翌朝面会に行くと、父は痰を吸入してもらって楽になったのか静かに眠っていた。 夜中も1、2時間おきに吸入をしていたと聞き、頭の下がる思いがする。 とてもではないが、このケアを自宅ではできなかったろう。 父は私のことはわかっていたようで「会いにきたよ、わかる?」と聞けば小さく頷いていた。 「元気になって、また家に帰ろうな」と声をかけるとまた小さく頷いていて 「この様子なら大丈夫だろう」と少し安堵した。 しかし、���朝の医師の説明では、心臓の機能が大分弱っているので 肺炎が治るよりも先に心臓が持たないかもしれないと告げられた。 そして、冒頭に書いたように「無理な延命治療は本人も辛かろうし不要。 楽になるための治療なら全力でお願いします」と回答して帰宅した。 その日の深夜、病院から容体がおかしいと電話があり、孫たちも連れて慌てて深夜の病院に 大勢で押しかけると、別室に移動した室内で父はスヤスヤと眠っていた。 「みなさんが到着される直前に急に安定し始めて」とナースは申し訳なさそうに笑ったが 「人騒がせなじいじだ」と悪態をつきながらも皆笑顔だった。 その翌日、またしても深夜に病院から電話があり、同じように大勢で深夜の病院に向かった。 酸素がなかなか上がってこないと昨夜より病室内の空気に緊張感があったが 当の本人は傍目には穏やかに眠っているように見えた。 「こんなことがこれから毎晩続くのかしら」と母が疲労困憊の様子で口にするのを聞きながら 昨日医師に「まぁ、こんな感じで心臓がゆっくり止まってしまうほうが本人は楽だと思いますよ。 本当に眠るように、何も苦しまずに済むので。」と言われたことを思い出していた。 ほどなくして心電図を表示している機械から危険を知らせるアラーム音が鳴り、慌ただしくナースが入ってきた。 「まだいったらだめだよ」「起きてじいじ」「起きないと怒るよ」と孫たちがそれぞれ父に声をかけ 「家に帰ろうよ」と姉が語りかけた後に、それまで黙って見守っていた母が父の手を取って話し始めた。 「じいじ、ねえじいじ、本当に好き放題に生きたわね。 突然商売をすると言い始めて、30年間も私にその店を手伝わせている間に 他所で女を作ったり、こっそり家のお金に手をつけたり。 その人を連れてゴルフに旅行にと遊びまわり、飲み歩いてね。 子育てなんて全部私に任せっきりで、ほとんどしなかったでしょ。 でもねじいじ、私はそれでも、あなたにまだ居て欲しい」 父の左手を両手で包み込み、まるで駄々っ子を宥めるように話しかける母の言葉を聞きながら 「おいおい、こんな男にだけはなるなと刷り込み続けて今更それはないだろう」と思ったりもしたが その言葉を聞いて、つくづく夫婦のことは夫婦にしかわからないのだと思い知らされた。 そして母が話し終えるのを待っていたかのように、9月21日午前6時に父の心臓は動きを止めた。 息を引き取る直前まで、話しかければ反応していたし、ゆっくりと腕を持ち上げたりピースサインも出せていて 「ぎゅっと握ってごらん」と言えば握り返していた父の時間は、本当に呆気なく止まったのだった。 けたたましい機械音さえなければ寝落ちを疑うほど穏やかな最期だった。 入退院を繰り返したとはいえ、何週間も昏睡状態が続いたわけでもなく、 在宅介護開始から2ヶ月、再入院から僅か2日で逝った父は ピンピンコロリとまではいかなくとも、ほどほどコロリぐらいの称号は与えても良い気がする。 面倒を見ていた親族の誰も介護疲れに陥らせず 別れを惜しむ気持ちを十分に残した上で旅立ったことは、家庭を振り返らず仕事に恋に奔放に生きた父が 珍しく見せた父親らしい気遣いと言っていいかもしれない。 週末は自宅で皆に介護されながら、コロナ感染の入院直前に食べるはずだった念願の鰻もちゃんと食し 早朝にも関わらず親族8人が見守る中で逝けたのだから、幸せだったろう。 亡くなる前日の朝、家族がいる手前では気恥ずかしさが勝ってしまい、正直な気持ちを話せないと思った私は ひとりで病院に面会に行き、眠っている父に向かって幼い頃から反抗的な態度を取ってきたことを詫びた。 「できの悪い息子でごめんな」と耳元で話していると、父が一瞬、私の手を握り返してきた、気がした。 あの時間がなければ、私の後悔はもっとずっと大きかったと思う。 テレビで何度も見かけた「9月21日午前6時21分、お亡くなりになりました」という医師の言葉を聞き終えて外に出ると もう空は明るくなり始めており、電話1本で飛んできた葬儀屋と話をしているうちにすっかり陽は昇った。 秋晴れの爽やかな朝だった。 悲しみに浸る暇もなく、数々の段取りが始まった。 実を言うと、2年ぐらい前から「親が亡くなった時にするべきこと」という ハウツーのページをブックマークしていて、折に触れて読み返すのを癖づけていた。 10年以上前の別れでは狼狽してしまい、何もかも人任せにしてしまった反省から いざという時にあたふたせず、冷静に適切な行動とれるための予習をしていたのだ。 親族と親しい方々への連絡、役所への届け出、葬儀の手配など まるで流れ作業のように進んでいって、翌日には通夜、翌々日の葬儀がすんなり決まった。 通夜の翌日、親族の集まった部屋に入ると、皆が見守る中で父が風呂に入れられていた。 旅立ちの前に全身を綺麗にするオプションサービスで、母が頼んでいたらしい。 髪も丁寧に洗い、顔もパック&化粧までしてほとんど韓流スターのようなフルコース。 一部始終を近くで見ていた姉が「私がやって欲しいぐらいのサービスだったわ」と感心していた通り 仕上がった父はこざっぱりして生気を取り戻したように見えた。 昼時になり孫たちが腹が減ったと言うのでGoogleMapで調べてみると 田舎のため近くにはコンビニぐらいしか引き当たらない。 「仕方ないから適当におにぎりでも買ってこようか」と義兄は言ったのだが 騒がしく葬るのが我が家のスタイルだからと、私の提案でデリバリーを頼むことにした。 幸い、配達圏内にカレー屋とピザ屋が引き当たったため Uberと出前館に一軒ずつ注文を出し、数十分後には親族控室はカレーとピザの匂いで充満した。 父の想い出話を肴にワイワイと盛り上がり、「こんなに騒がしい親族の控室はないんじゃないか」と 誰かが口にするほど賑やかな昼食になった。 年を取ってもジャンクフードが大好きだった父は、すぐ横で羨ましく見ていたに違いない。 皆で盛り上がっているところに葬儀屋が入ってきて、一枚の紙を置いていった。 折り鶴の形をした形状記憶用紙で、皆で一言ずつ別れの言葉を書いてお棺に入れるのだという。 「お疲れ様でした」「あちらでは偉そうな振る舞いをしないように」(←私)など各自が書き込み、 最後に全員のメッセージを読んでいると、看護学生をしている姪が書いたと思しき一文が目に留まった。 「きちんと面倒をみてあげられなくてごめんなさい。立派な看護師になってみせます。」 淡々と皆の様子を俯瞰で眺めてきた私は、その一文を読んで初めて涙腺が緩んだ。 父親としては赤点だったが、祖父としては孫達に慕われる良きじいじだったのだ。 父の顔の広さもあって、葬儀場には置き場所に困るほどの花が届き、弔問客で溢れ返った。 コロナ禍ではとても実現できなかったであろうし、やはり父はツイている。 「いよいよお別れの時です。 生前お付き合いのあった方は、どうか前に出てきてお顔を見て差し上げてください。 仏様は亡くなっても私達に多くのことを教えてくださいます。 命の儚さ、尊さ、多くの教えを私達の心に遺して旅立たれるのです。」 お棺を閉じる前のお坊さんの言葉に誘われるように棺の前に立ち、眠っている父の顔を覗き込んでみた。 次々と収められる花に囲まれた父は、加工アプリで装飾し過ぎた写真のようなビジュアルで少しだけ滑稽だった。 そしてその姿を見てフフッと少し笑った後に、訳もわからず涙が流れた。 時間にしてほんの1分ぐらいだったと思うが、どこかの栓が抜けたようにドバドバと流れて自分でも驚いた。 「最後ぐらい泣いてくれ」と、父が私の涙腺(栓)を抜きにきたのかも知れない。 こんな機会でもなければ会うことの無かったであろう、数十年振りの知人や親戚と再会し 様々な思い出話をしていると、この時間も父の置き土産なのだと感じる。 簡略化の進む現代風の葬り方にも良い点はあるが、昔ながらの葬式も、その煩わしさも込みでなかなか良い。 親族用にチャーターした火葬場までの送迎バスに乗り込む際、 片手で骨壷を持ち、片手でスマホを持って自撮りをした。父とのツーショットである。 山の中腹にある火葬場は薄曇りで少し肌寒かったが、待ち時間中はやはり四方山話で盛り上がった。 火葬を終え、小さな骨壷に収まった父と帰宅してから 四十九日までの予定を親族で確認し、それぞれが日常に戻っていった。 数日して何気なくiPhoneの写真フォルダを見ていると、入院時に父と撮った写真が出てきた。 亡くなった9月21日は金曜日、その写真は2日前の19日だったので 写真の上にはまだ『水曜日』と表示されている。 iPhoneの写真は1週間以内なら曜日で表記され、1週間以上が経つと○月○日の表記に変わる。 水曜日という表示に、まだ数日前まで父はこの世にいたのだと気づかされた。 老健に長く入っていたし、それほど頻繁に会っていたわけでもないのに 「もういない」ことが日毎に実感となって、音もなく雪が降り積もるように静かに寂しさが募っていく。 あっという間に四十九日を迎え、近しい親族だけで法要を済ませた。 葬儀の時と同じお坊さんがやってきて、最後にまたひとつ話をしていった。 「四十九日が経ちましたね。 毎日元気にお過ごしでしょうか。 今日はひとつ、時間と命について皆さんに考えていただきたいと思います。 私たちは皆、等しく流れる時間の中で生きています。 亡くなった方の時間はそこで止まり、しかし私達の時間は動き続けます。 時間の止まった方との距離は日々遠くなり、日常で思い出す機会が減ってきたり 悲しみが薄れたりしますが、そんな時こそ、生きていることを自覚していただいたいのです。 今日この場で皆さんと過ごした時間が二度と戻らないのと同じように 時間は先にしか流れないと自覚しながら、1日1日を大切に過ごして下さい。」 私にとって父が良い父でなかったように、父にとって私も良い息子ではなかったろう。 生きているうちにもう少し何とか出来たかもと思わないでもないが、全ては後の祭り。 是枝裕和監督の映画「歩いても歩いても」に出てくる 『人生はいつも、ちょっとだけ間に合わない。』を、まんまと私も体験してしまった。 先人からの教訓を受け取っていたのに、実践を怠って同じ後悔をして その気持ちをこうして文章に残し、誰かが悔いを残さないようにと祈る。 そうやって、人は生きていくのだ。
四十九日 - 忍之閻魔帳
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manganjiiji · 1 month
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片付いてる部屋になんか興味ない
私が今みたいのは本!本!本!本の中身!誰が何を書いているか!何が書かれているか!もうそれだけ!という気持ちになったので本棚とその前に積み上げられたものたちをドガシャアとひっくりかえして、それなりに片付いていた部屋をどんがらがっしゃんした。まあ1箇所に寄せて固めていただけのものだし、これを機に一度広げた本や同人誌やグッズを整理したほうがいい。
12時半に家を出て21時半に帰宅。もうほとんど電車に乗っているような一日だった。疲れた。前半は気圧の下降がきつく、今日絶対家で寝ておいた方がよかったなと思ったが、なんとか1時間半かけてほぼ多摩まで行き(間違えて各停に乗りまくった)用事を済ませて次は埼玉の大宮にある病院へ。待合室に人がどわっといて、酸素が薄い…?と思いながら、流れているジブリのオルゴールを聞いて脳内でタイトル当てをしているうちに座ったまま寝ていた。15時半からの予約で、はっと目を覚ましたら17時をすぎていたが、まだ呼ばれていなかった。眠れてよかったと思う。気圧も上昇に転じたのか、体が結構軽くなっていた。診察では先生に冬季うつのようなものがあったのかも?先週から徐々に家事ができるようになり、無気力感が抜けました〜って報告したら、躁転(軽躁)かもしれないから気をつけてね、いきなりいろいろしちゃダメだよ、と釘を刺され、バイトもまだ増やさないように。と言われ、人足りないと聞いて、元々の希望である週4にしてもらったところだったので、ヤベッと思った。「はい!」と元気よく返事をしたが、時すでに遅し、バイトは増やしてしまいました。4月はかなり慎重に生きねばならないなと感じた。ジャズの教室が始まるのはいいとして、ジム通いは尚早かもしれない。3月はなんだかんだで人と会う機会が多かったので、4月はこれ以上予定を入れないように注意する。4月の予定は、ミュージカル「VIOLET」鑑賞、ハリーポッタースタジオツアーfeat.水中めがね∞、そして何より4/15からの、あんスタの大型合同イベントとやら……である……。どのくらいの何が来るんだ。俺はどうすればいいんだ。どれだけの金と時間を使えばいいんだ?何も分からない。4月のイベントが来るまでに、今抱えている燐一のネタは小説にしてしまおうと思ったが、全然間に合わない気がする。とにかく毎日をできるだけ健康に過ごして無理はせず、おとなしく小説を書いていこうと思う。書きたいいちばんデカいネタは、去年の3/21にノートにまとめてあって、そこからまったくぶれていないので、一年以上同じネタで脳内で萌えている自分すごいなと思った。今書こうとしているのはもっとサクッとするっと読めるR18です。何のひねりもない気がする。もう少しなにか特色のあるエピソードを入れたい。こんな直球でいいのか?という気がする。でもまあ、二次創作なんか何回同じこと書いてもいいし、テーマ性なんかなくてもいいし、とにかく好きなシーン書けばいいと私は思っているので、当たり前のことをていねいに。みたいに書く練習をしてもいいのかもしれない。いやでも、流石にもう一捻り欲しいか。(ループ)
先日、友人の卒業を社会人達で祝った。私の他ふたりは歴戦の企業戦士というか個人事業主というかとにかく強い働きマンたちである。私は全然働いてないマンなので、そんなことがあるんだな〜と2人の話をおもしろく聞いた。���京ステーションホテルのハイティーを予約して、面白いほどに全てが美味だった。ハイティーの前に、私の希望で、東京都美術館の印象派展(モネからアメリカへ)へ。期待値が高すぎたため、そこまで満足度がハイパー高いという訳ではなかったが、じゅうぶん楽しかった。印象派について、戸外制作ということを初めて知った。なるほど。アメリカではやはりニューイングランドの風景というのは、なにかアメリカ人たちに郷愁となるものを含むことがあるようだと感じた。自分が幼少期の舗装されていない土の道を見ている時のような感覚が絵にあった。印象派の明るい色彩はやはり好みだと思った。光というものがみんな好きだし、私もその例に漏れず。夜、ワインをみんなで飲んでいる時(私はパイナップルジュース)、なんと友人から快方の連絡が。その友人が繋いだ4人と言っても過言ではないメンバーで集まっていたので、やはり彼女には何かが見えているのか、とざわついた。「写真を送ってあげよう」ということでホテルの方に撮ってもらった記念写真を送ったら、メッセージを送る度に人間の顔面が帰ってきてびっくりする、心臓に悪い、というようなことを言われた。まったくもう。別にいいじゃないですか。全員の了承は取れているのだし。私が友人に対していつも反抗的だということが話題に上がったが、まあそう、本当に反抗的で可愛くない幼稚な友人で悪かったね!とよく思う。私は友人のことを嫌いになることはないので、結局のところ、快方の連絡を受けて、涙ぐんでしまった。ひとまず、数年にわたる生命の危機は脱したのではないかと思われた。
今日は病院の後、スタバに寄って本を次々開いていたら二時間たっていてびっくりした。高橋哲哉『デリダ』、フロム『愛するということ』、水沢なお『うみみたい』をそれぞれ読んで、なんだかそれぞれの内容が呼応しているような気がした。私はいつも乱読だが、だいたい中身は同じようなものを読んでいるので、3冊合わせて1冊を読んでいるようなものだな、と感じた。最果タヒ『落雷はすべてキス』は、今日はひらけなかった。井戸川射子『共に明るい』の続きも読みたいなと思った。それから本棚をひっくり返して、年末から2月にかけて買った本がざんざか出てきて、やべ、この辺も読まなきゃな〜というのと、3年くらい積読している本もいくつか読みたいなと思い、新しく積み直した(?)。頭の中に文字や概念や情景を入れるのは楽しい。しかしかなりぐったりしてしまう。『侍女の物語』もかなり真面目に読んでいたのに途中で止めてしまっている。そんなことを言ったら、全ての本を途中で止めているのだが。毎日10分でも読んで、それを10年続けて、とにかく続けることだな、と誰かのツイートを見て深く頷いた。
2024.3.23
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longgoodbye1992 · 2 years
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向ヶ丘遊園から登戸、多摩川
二回目のデートは互いの家の中間地点で店が多い向ヶ丘遊園にした。
学生時代に住んでた街に近いから何となく土地勘はあるし、店も知っているが、いかんせん十年近くも前の話。さらにいえば、当時一緒に飲んでたのは同級生やら年上の酒豪ばかりで、カルアミルクしか飲めない彼女と行くような店は知らない。一から調べて結局はチェーン店に決めた。
前日LINEで月が見たいとリクエストがあり、テラス席も探したが、見つからず、ご飯を食べたあとに登戸近くでお酒をテイクアウトして、河原で月を眺めることにした。
百円ショップでレジャーシートを買った。
思えば学生時代に付き合ってた人とも、皆既月食だかブルームーンを見るために、調布近くの河原でレジャーシートを敷いて見た記憶がある。
仕事終わりの彼女が一度家に帰りたいと話したため、17時に待ち合わせだったのが18時過ぎにまでずれ込みそうだった。
これも楽しむためのスパイスと前向きに捉えた。
待ってる間に学生時代に過ごした街を少し歩くことにした。卒業して以来かもしれない街はそんなに大きくは変わってなかったけれど、TSUTAYAが無くなったり、牛丼屋が出来たりと今の時代の流れに沿っているなと思った。
彼女からのLINEが入る。到着時間は18時20分過ぎらしい。待ち合わせの場所に戻ることにした。
向ヶ丘遊園のホームの階段を改札へ向かいながらイヤホンの中から岡村靖幸の「愛はおしゃれじゃない」が流れてくる。改札を出たところで空を見上げるとほぼ満ちている月が見えた。
時間を潰していると時間はそれなりに早く進んでくれた。
彼女が改札を出てくる。
改めて見ると背が高いなと思った。
「お疲れ様」
「ありがとう」
店へ向かう。
俺は生ビールを、彼女はいちごのサワーをオーダーした。
名物の大きな鶏の焼き物や焼きそば、しめ鯖を頼みつつ会話を楽しむ。
ここで一つ前回の会話で感じた事を思い出す。
彼女は自分の事をあまり話さない。
寧ろ俺の話を聞きたがる。だから彼女について知ることと、彼女が俺について知ることの差が少しある気がしていた。
だから今日は彼女の自身の事を聞こうとしたが、結局俺だけが多く話してしまった。
もしかしたら彼女は自分の事をあまり話したくないのかもしれない。でももっと知りたい。自分の話術の無さに愕然とした。
飲むペースは彼女に合わせてゆっくり飲んでいたから酔ってはいなかった。
居酒屋で過ごした一時間半はあっという間だった。
そして月を見るために登戸を経て多摩川へ向かう事に。
向ヶ丘遊園のホームへ続く階段を降りながら、彼女の手を握った。
「今日も握るんだ」
「嫌だった?ごめん」
一度繋いだ手を離した。
「積極的だね」
「そうかな」
もう一度手を繋ぐ。
ホームで電車を待つ。
「あのさ」
「なに?」
「俺と付き合ってくれないかな」
こんな場所で言うなんてみっともないくらいかっこ悪いなと思った。でも彼女の手の柔らかさを感じていたら、言わずにはいられないくらい、体をソーダ水が駆け巡っていた。
「ここで言うの?」
彼女が笑った。
「そりゃ、ほんとは月を見ながら言おうと思ったけど」
「そうなんだね」
ホームに電車が近づいてくる。
「まだ二回しか会ってないよ?」
「もっとさ、二人で色んなもの見たいんだ」
「映画とか?」
「それもあるけど、景色とか食べ物とか色々さ」
「そっか」
「俺じゃだめかな」
電車が大きな音を立てて俺達の前を通り過ぎる瞬間彼女が耳元に近づいてこう言った。
「いいよ」
電車のブレーキ音が響くホーム。
「ほんとに?」
頷く彼女。ドアが開く。
手を繋いだまま乗り込んだ。
「俺でいいの?」
「私を選んでくれてありがとう」
「こっちこそ」
右肩に頭を乗せてきた彼女の頭を左手で撫でた。
「俺色々抱えとるよ?いいの?」
「いいよ」
「ありがとう」
次の駅なんて来なくていいのにと思った。
登戸で降りて、事前に調べていたカフェでラッシーをテイクアウトして河原へ向かう。
「花火したくなるね」
彼女が言う。
「あるよ」
「嘘だ!」
実は百円ショップで買っていた。
子供臭いと思われたら嫌だからタイミング見て言おうと思っていたところだった。
「買ってたんだよ。小さいのだけど」
「すごい、以心伝心してたんだ」
こういう小さい奇跡が集まって、人は人を運命だなんて勘違いさせるんだろうなと思いつつ、心の中でガッツポーズだ。
敷物を敷いて月を見る。
Tumblr media
雲の存在が様々な月の表情を見せてくれてちょうどいい月見だった。
「月綺麗だね」
「明日が満月だけど、曇って見れんかもしれんから今日がちょうどいいよ」
「そうなんだ、じゃあよかった」
彼女が微笑む。
手を繋いで見る月はいつもよりはっきり見えた。
髪を撫でると照れて恥ずかしがる彼女が可愛らしかった。
「まだ会って二回目だよ」
「回数なんて関係ないよ」
何か言おうとする彼女の口を塞ぐように唇を重ねた。
愛しくて仕方なかった。
その後、花火を始めた。
無邪気に花火をする彼女は年下のようにも見えた。
「なんで俺で良かったの」 
「一番優しかったから」
「そうか」
「こんなに用意してくれる人他にいないよ」
「そうかな、ありがとう」
「ありがとうね」
少し照れくさくなった。
駅へ向かいながら自動販売機で二人分の飲み物を買った。
彼女を小田急線の改札まで送り届けて俺は南武線へと向かう。
本当は今晩、一人で眠りたくなかった。
帰り道、彼女とLINEした。
「私をもっと好きにさせてね」 
そんな一文があった。
この先どうなるかわからないけれど、とりあえず恋人が出来た山の日の月見夜。
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zdlmlq · 9 months
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08.13.2023の日記
子どもが帰ってきて、一週間ぶりに顔を合わせました。
どこかへ行く?と尋ねましたが、「雨が降るから」と返されて真っ直ぐ家に帰りました。一週間他の家で生活したことで我が家の異様さを客観視したらしく、着いてしばらくは部屋の片付けを始めたので私も付き合いました。
多くの家には食卓の下にR2-D2のクッキージャーなんて存在しないし、それはスターウォーズがすきかどうかなんて関係なく、そもそも食卓の下に何かが鎮座していることなんてないということをいつからか彼はおぼえていたし、おそらく、私が母親としてあらゆる意味で正しくはないことを(正しい母親、というのもまた辟易する言葉ではありますが)察するようになっていました。
私は別に自分が飲み歩いたり仕事をしたりして家を空けていることや、家族の他に親しい人間がいることに後ろめたさを感じることは一切ないのですが、家にいて、彼の話を聞きながらずっと上の空になっていた時や食事の支度も忘れて本のページを捲り続けたり、或いは考え事に意識が割かれて火にかけていた鍋の中身を丸ごと焦がしてしまうような時とても申し訳なくなります。母親というものはこんなに勝手に、子どもの前で一人になるものではないのでは、と思うことが。
『違国日記』で、槙生はちがう国に行ってしまうたびそれを朝に指摘されつつもそれでも"親ではない"槙生が、朝を引き取ったという前提があるのでそういうものですよね、と頷けるけど、私は何せ子どもの許可もなく彼を産み、共に住む他に選択がありようがない環境に置いているのにかなり近しい状態によくよくなるので、読んでいて胸の辺りがすーっ、と、冷たくなるような感覚になることがままあります。
槙生は、朝を引き取る際に
あなたを愛せるかどうかはわからない
でも
わたしは決してあなたを踏みにじらない
と言っていて、それがずっと印象に残っています。本当か?と何度も思いました。
子どもにとって、何度も踏みにじるようなことをしてしまいながら愛してくれる親と愛さずとも尊重してくれる大人のどちらが必要なのかは、客観的には簡単な問題ですが実際にはかなり複雑な話です。朝の母親は回想から読むにきっと"正しい母親"らしい横暴さで朝をあいしていたし育てていて、朝はその下で(だから、でも、なのに、でもなく)素直に育ちその横暴さへの不満や疑問をおぼえながら成長している中である日突然それを失い、代わって朝を人間として尊重しようと努めて、しかし当たり前に自分のことも人間として尊重してもらうことを求める槙生と暮らすことになるわけです。
正しい母親は大体が横暴、とまでいうと乱暴ですね、尊重しながらあいしてくれる人たちもたくさんいるとは思います、が、朝の母親のような人は全然珍しくはないと思う。その横暴さを子に押し付ける人たちの大抵は、それと同じくらい人として尊重されることを求めずに母親としての自分に一番の重きを置いているように感じます。実際それに慣れていた朝は保護者である前に人として振る舞う槙生に何度も戸惑っていて、その戸惑い方が子どもの同級生と私が話す時にされる反応にかなり近いものがあるので、あの本で、槙生に対して、私はずっと難しい気持ちになっていました。
子どもを尊重するということは難しいです。
相手の意思に重きを置きそれを尊ぶということは相手の判断力をこちらも、相手自身も信じているからこそ成立することのように思います。
本当に幼い子どもの意思を尊重した場合虫歯だらけになったり、毎日同じ服を着るようなことになりかねません。
朝はそれほどまでに幼くはなかったけど、おそらくはまだ尊重よりも肯定や指針が必要な年です。尊ばれるよりも頷かれたかったと思う。すきにしたらいい、ではなくて、すごくいいと思う、と、或いは、違う、こっちの方がいい、と断言するような存在が(たとえその判断が必ずしも正しくはなかったとしても)いるべきだった。
私の話ですが、子どもの進学に関わることで話し合っている時に「子どもの気持ちを聞いてから考えます」と答えた時、先生と呼ばれる人に「こういうのはお母さんが決めることですよ」と返されたことがありちょっと、驚きすぎて泣きそうになったことがありますが、それはたぶん、尊重という聞こえのいい言葉よりも専門知として、あらゆる判断を誰かに代わってする立場としての横暴さを自覚的なのか無自覚になのかはともかく、背負うことになった人には当たり前のことだったんだろうと思います。
それでも私はつい、子どもに判断を委ねます。
それは尊重なんてうつくしい態度ですらなく、彼に対して思考することをサボっているだけでは、とよく思います。
『違国日記』最終巻で笠町くんが自身の人との関わり方を衛星に喩える場面、槙生に
軌道を逸れて離れてしまうほうが衝突よりも怖いんじゃないか
と話すのですが 私はおそらく、子どもに対しても衝突よりも衛星の距離を望んでいるような気がします。
そんなことができるわけもないし、子どもの頃の私は周りの大人にそんなことを望んでいなかったのに。
最終巻の一つ前、十巻で朝は高校三年生なって子どもでなくなっていく自分がいつまでも槙生のもとにいられる訳ではないことを考え始めていて、それは私が朝と同じくらいの頃に家族ではない誰かと暮らすようになっていた時に思っていたことと重なりました。
大体の子どもは他の選択肢がない代わりに無条件に保護してくれる家族やそれに類似する大人のそばで暮らすけど、私はわりと早い段階でそうでなくなりました。幸い周りに恵まれていたので安全な環境は常にありましたが、そこには私を尊重してくれる人々はいても私に代わって判断をしてくれる人はいなかった。
それは元いた環境に比べて本当に安全で、恵まれていたしそもそもの環境にはそこにくわえて横暴な愛情さえ存在しなかったので(少なくとも当時はそう感じていたし、私の父にあたる人に「この家にあなたを愛する人はいないから」と言われたこともあり、その言葉にはとても説得力がありました)、しあわせを感じなければと思う反面ずっと不安でした。情緒は一切整わずでもその原因はあまりにもわがままで、言葉にするのが恥ずかしかった。そんな贅沢を口にしていい立場ではなかった。こちらが望めばそれを受け入れてくれる人たちがいる幸福ではなくて、尊重なんかではなくて、他に選択肢なんてないような絶対の場所がほしいのに、それがまるで見つからなかった。
朝のような素直さも持っていなかった私は結果その不安をよくない形でしか表せなくてものすごく多くの人たちに嫌な思いをさせたと思います。振り返ると、本当に、頭を抱えるような幼さでした。いくら子どもでも、するべきではなかったことをたくさんしたしちょっと、もう、あんまり思い出したくもない。
その点、朝は「さみしい」を声に出すことができる人だった。
愛せるかはわからない、愛せはしない、と言い続けていた槙生がそれでも最終巻で大きく変わったのはたぶん朝のその素直さが関係しているように思います。誰であっても、ではないと思う。いつまでも自分と比較しますが、私は実の母親にすらあいされない程の子どもだったので、おそらく槙生にあんなことを言ってもらえることはなかった。
槙生は、最後まで朝を尊重しかしていない。横暴な愛情でその選択を狭めるような言葉はずっと使いませんでした。
それでも、槙生と暮らす部屋が朝が望んではじめていることが許される場所からいつでも帰ることのできる場所に変わったことが最終巻では明確にわかります。
いてもいい、だし、いなくてもいい、のままだし、槙生はいてほしいとも口にしていない。
ただ、大切に思っている。
尊重を保ったままで、どこにいってもいい自由を強調した上で、そして自分が至らないままであることも認めた上で"それでも、それでも、それでも"、大切に思っていること。
それだけで朝にとって槙生が帰る場所になる、ということ。
それでもあなたか幸せでいてくれればいい
って言うと幸せでいなきゃいけないみたいだね
ときどき不幸せでもいいよ
ねー!!!
あなたのしあわせを願っている、ということが子に対する呪いになりはしないかとおそろしく思う私は「健康でいて」も「しあわせになって」もうまく言えません。いつも元気でなくてもいいし生き続けていればしあわせな時ばかりではないので、「どんなことになってもできるだけたのしく生きられるようにあって、長生きをして」というよくわからない声のかけ方をするようになっています。こんな言葉では何も言ったことにならないのでは、と日々思っていたのに、朝は、
なんで一言ただ私をあいしてるって言えないんだよ
と返していて、それは、槙生の相変わらずに慎重な言葉選びに苛立ちを含みながらはじめて、あいされていることを実感した声で、こんなまわりくどい言葉でも、汲み取ってくれていて、
私が子どもにかける言葉で果たして彼が汲み取ってくれるのかはよくわかりませんが、
槙生の言葉に子どもの頃の私が、朝の言葉にいまの私がすくいあげられて、もうなんだか、ずっと泣いてしまった。
ことを、子どもが帰ってきて思い出してまた読みました。『違国日記』
ねー本当にいい漫画ですよね。終わったことがとてもさみしいけど、あまりにもすばらしい終わり方だったのでずっとうれしいです。
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t82475 · 9 months
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梢ちゃん、初めてのイリュージョン
1. 大阪から東京へ引っ越して、あっという間に1学期が過ぎた。 新しい学校で仲良しの友達もできたし、まあどんな環境にもすぐに適応するのがウチの強みやな。 弟の湊(みなと)は転校先の小学校に慣れなくてちょっと苦労している感じ。 それで母ちゃんが新聞の折り込みチラシで見つけた小学生向けの造形美術教室へ行ってみたらどうか、と提案してきた。 湊はウチと違(ちご)て繊細やもんね。 ゾーケイとかビジュツとか、そういうんは向いてると思う。
母ちゃんは教室へ電話を掛けて見学の予約をした。 土曜日午後のクラス。 「梢(こずえ)も一緒に来て」 「えぇー、ウチも?」 「湊は小2やし一人で行かされへんでしょ? いつもママが付き添えるとは限らへんし、そのときはあんたが連れてくの」 「あーん、貴重な週末やのに。母ちゃんのいけずー」 「そろそろ『お母さん』かせめて『ママ』って呼んでくれへん? いつも成○石井で母ちゃんって大声で叫ばれるの恥ずかしいんやけど」 「『おかん』って言われるよりええやろ? それに高級スーパーやゆうて恥ずかしがるんは田舎モンやで。だいたい成○石井くらいアベノ橋にもあったやんか」 「あ、そうか」 「分かったらよろしい、母ちゃん」 「そうやって親を煙に巻くの止めなさい」
2. そんな訳で3人で見学に来た造形美術教室。 三田さんというおばちゃんの先生が教えていた。 生徒は10人ほどで、それに保護者のパパとママが何人か来ている。 この日はカラーキャンドルを作っていた。 使い古しのろうそくとクレヨンを削って湯せんにかける。 何色か溶かして好きな順番で型に流し込めばカラフルなキャンドルが出来上がる。
「桧垣湊くんね? よかったら一緒に作らない?」 先生に誘われて湊は頷いた。 「あのっ、ウチもやらせてもらっていいですか!」 「こら梢!」 母ちゃんが止めようとしたけど、先生は笑って許してくれた。 「湊くんのお姉さんね? もちろんどうぞ」 「桧垣梢ですっ。中学2年です! ヨロシクお願いします!!」 だってキャンドル作り、すごい面白そうなんやもん。
「うわぁー、綺麗やん!」 どや、この色のチョイスはなかなかのもんやろ? 「水色を入れたいの? ええで、お姉ちゃんが一緒に削ったげる」 クレヨンを削るのを手伝ってあげた。この教室、こんな小っちゃい子にもナイフ使わせるんか。 「ボク! そこ指入れたらあかんっ。熱いでぇ~!」 湯せんの中に指を入れかけた男の子を止めた。ホットプレートの扱いも注意させんとあかんなぁ。
気が付けばウチは子供たちの輪の中にいてあれやこれや世話をしていた。 先生は後ろに立って笑っていた。
3. 「この娘が一番楽しんだようで申し訳ありません」 他の生徒さんたちが帰った後、母ちゃんが謝った。 ま、ウチを連れてきたらこうなるのを予想せんかった母ちゃんのミスやな。 「いいんですよ。よかったらこれからも毎週来てくれたら助かるな、梢ちゃん」 「ええんですか?」 「子供、好きでしょ?」 「ハイッ、好きです! ・・母ちゃん、ウチの分の月謝もお願い」 「あのねぇ」 「月謝なんて要らないわ。むしろお給料払わないといけないくらいよ」 「えぇ! お給料もらえるんですか!」 「な訳ないやろ」 母ちゃんがウチの頭を小突いた。
「ところで、」 母ちゃんは先生に向かって聞いた。 「三田、静子先生ですよね?」 「はい」 「覚えてませんか? 30年以上前ですけど京都の中学校で」 「京都? 確かに昔、京都で教師をしていましたが」 「私、美術部でお世話になった鈴木です」 鈴木っちゅうんは母ちゃんの旧姓やな。
「・・鈴木純生(すみお)さん? あの、捻挫して松葉杖の」 「はい!」 「きゃあ~っ」「きゃあ~っ」 母ちゃんと三田先生は両手を握り合った。 それからハグして、その場で跳ねながら一回転する。よお息が合うもんやと感心した。
「チラシでお名前見て、もしかしたら思ってたんです」 「懐かしいわ!」 「よかったら、あらためて昔のお話させてください」 「そうね、そうしましょう!」
・・後ろのドアが開く気配がした。 「先生、これも倉庫に置かせてもらっていいですか」 振り返ると背の高いお兄さんが立っていた。 その後ろには可愛いお姉さんもいる。 お兄さんは大きな丸いモンを抱えていた。 イケてない兄ちゃんやな。この、もさぁっとした感じ。 ウチの見立てやと30は超えとるな。もちろん彼女いない歴イコール年齢や。 それと比べてお姉さんはずっと若くてキュート。きっとピチピチの女子高生。
「ああ、まだ生徒さんがいましたね。出直します」 「いいのよ。もう済んでるから。・・それで何を置きたいの?」 「このボールです」お姉さんが答えた。 「くす玉なんだって」 「正確には人間くす玉です」 人間くす玉って、いきなり謎のワード。
「くす玉っ!?」 素っ頓狂な声を上げたのは母ちゃんだった。 「まさかそれ、S型の人間くす玉・・」 「よく分かりますね」 お兄さんが言った。 「あなた何者ですか?」
母ちゃんは両手で胸を押さえて深呼吸して、それから一人で叫んだ。 「きゃあああ~!!」 さっき三田先生とシンクロして叫んだときよりずっと大きな声だった。 皆が驚いて見守る中、母ちゃんだけが絶叫しながらぴょんぴょん飛び跳ねていた。 46歳の母ちゃんが急に若返ってハタチになったみたいに見えた。
4. 次の土曜日の教室。 ウチは一人で湊を連れて来た。 母ちゃんは前の晩からどこかへ出かけ、朝になって上機嫌で帰って来てグーグー寝ている。 ええ歳の主婦がそないな夜遊びしてええんか? 父ちゃんは笑ってたから許してるんやろうけど。
今日の造形美術教室の題材は千切り絵だった。 いろいろな色の和紙をハサミを使わずに裂き、糊で��って綺麗な絵にする。 子供たちは一生懸命。ウチも一緒に絵を作る。 やっぱり楽しい。 ウチには造形美術の才能があるんやないか。
「みんなーっ、クッキーだよ! あたしの手作り!!」 れいらさんがお菓子を持ってきてくれた。 玻名城(はなしろ)れいらさんは先週出会ったあの高校生だった。 造形美術教室の卒業生で、ときどき子供たちに差し入れしてくれる優しいお姉さん。
「イッくんは二日酔いらしいです」 「男のくせに駄目ねぇ」 れいらさんが報告して三田先生が笑った。 イッくんとはあのお兄さんのことで、本名はえーっと、酒井功(さかいいさお)さんやったな。 れいらさんと同じく造形美術教室のOBで今もいろいろお手伝いしてくれているらしい。
「いったい何人で飲んだんですか? 先生」 「5人ね。イッくんと桧垣純生さんと私。それに桧垣さんの知り合いっていうモデル事務所の社長さんと、京都から来たイベント会社の社長さん。イッくん以外は全員女性よ」 「えっ、ウチの母ちゃんも一緒やったんですか?」 「そうよ。昔のお話が沢山できて楽しかったわ」 「社長するような人と母ちゃんが知り合いとか、知らなかったです」 「面白い人たちだったわ。皆さんお酒もぐいぐい飲むし、盛り上がっちゃった」 「先生もぐいぐい飲んだんでしょ?」 「おほほほ」 「イッくん可哀想。おばさんたちに飲まされて」 「んま、れいらちゃんったら失礼なこと言うわねー」 「ウチにも分かります。30過ぎのおじさんでも、おばちゃんたちから見たら若い男の子ですもんね。そら可愛がられますわ」 「梢ちゃんまだ中学生でしょ? 何でそんなことが分かるの?」 「えへへ、そうゆうんは得意なんです」 「でも30は可哀想よ。彼25歳だもの」 「うわぁ、ホンマですか~! ウチが言うたってチクらんといてくださいっ」 「あはは」「きゃはは」
5. 家に帰って、ウチは母ちゃんから若い頃の話を聞いた。 母ちゃんは京都の会社でイベントの司会やイリュージョンのアシスタントをしていた。 イリュージョンって、あのマジックのイリュージョンなのか。 二十歳のときの写真と言って見せてくれたのは、チャイナ服の母ちゃんが透明な箱の中に出現したところだった。 腰まで割れたスリットから生足出して、きらきら輝く笑顔で手を振っている母ちゃん。 今の母ちゃんと同じ人とは信じられないくらいに綺麗だった。
謎の『人間くす玉』についても教えてもらった。 人間くす玉は同じ会社のアトラクションで、中から女の子が飛び出すくす玉なんだって。 先週イッくんが抱えていたのは一番小さなサイズのくす玉。 「彼がクレクレしたから無料であげたって社長が言って��わ。意味分からへんよね」 ウチにも意味が分かりません。
夜、れいらさんから LIME のメッセージが届いた。 『明日イッくん家に行くの。梢ちゃんも一緒にどう?』 『行きます!』 『イリュージョンを見せてくれるんだって』 またイリュージョン!? 後にして思えば、それはウチが新しい世界に足を踏み入れるお誘いだった。
6. イッくんのマンション。 「いらっしゃいませ!」 ドアを開けて迎えてくれたのは綺麗な女の人だった。 「あなたが梢ちゃん? 酒井多華乃(たかの)です。よろしくね」 「多華乃さんはイッくんの奥さんだよ。先月結婚したばかり!」 ほぇ~。ばりばりの新婚さんやないですか。 多華乃さんは七分丈スパッツの上にニットのサマーセーターを着ていた。セーターの襟ぐりが大きくて谷間がちらちら。 こんなセクシーな奥様がいるやなんて、この間は「彼女いない歴イコール年齢」とか思てゴメンナサイ!
リビングに案内してもらうとイッくんが待っていた。 ちゃんとお話しするのはこれが初めてだった。 「お招きありがとうごさいます! ・・あの、ウチも『イッくん』って呼ばせてもらってええですか?」 「いいけど?」 「実はどう呼ぶか寝ないで考えました。『イッくん』はちょっとナレナレしい、『イサオさん』はヨソヨソしい、そやかゆうて『イッさん』やと大阪のおっちゃんみたいで」 多華乃さんがぷっと笑う。 「なんでやっぱり、れいらさんと同じ『イッくん』で行かせてください!」 「梢ちゃんって面白いね」 よっしゃ、ウケてくれた! ウチは心の中でガッツポーズをする。
「イッくん、二日酔いは治った?」 れいらさんに聞かれてイッくんは頭をかいた。 「ああ、酷い目にあったけど、タカノがいてくれたから・・」 「熱いねーっ」 大喜びで冷やかすれいらさん。 いつものウチなら一緒に囃し立てるとこやけど、さすがに初対面で遠慮したのは我ながらエライと思う。
「・・んじゃ、さっそくやろうか」 「イリュージョン!?」 「うん、新作だよ。この場所に招かれたゲストだけが見れる限定イリュージョン。そして記念すべき最初のゲストが君たちだよ」 ぱちぱちぱち。れいらさんが拍手した。 今度はウチも一緒に思いきり手を叩いた。
7. 小さなテーブルを挟んで4人がソファに座った。 手前のソファにウチとれいらさん。 向かい側にイッくんと多華乃さん。 こちらから見て向かって左にイッくん、右に多華乃さんが座っている。
イッくんは多華乃さんの腰に左手を回すと、ぐいっと引き寄せた。 多華乃さんがイッくんに密着する。 ニットの襟がでろんと伸びて白い肩が出た。その肩にブラ紐はなかった。 あの、それはお客さんが男性のときに目を惑わすための演出ですか。 女でもドキっとするんですけど。
「これはサテンの袋。長さ2メートルあるのでうちの妻が全部入ります」 イッくんは多華乃さんを左手で抱いたまま、床の袋を右手で拾い上げた。 紫色でつるつるした光沢のある袋だった。 それを多華乃さんの頭から被せる。もぞもぞと右手だけで身体全体を覆ってゆく。 ・・そやから、わざわざ密着してそういう作業をするのは何でですか。 すごくエッチに見えるやないですか。
足先まで袋を被せた。 「足あげて」 多華乃さんの膝がぴょんと伸びて、目の前に袋の先が突き出された。 「れいらちゃん、袋の口をくくってくれる」 「これでいい?」 れいらさんはサテン袋の口を絞って結んだ。
「ありがとう」 相変わらずイッくんは袋に入った多華乃さんを左手で抱いたままだった。 つるつるしたサテンの袋を右手で撫でる。 多華乃さんのボディラインがはっきり分かった。 膝、腰、頭。 うわ、そこは多華乃さんの胸。 いくら奥さんやからゆうて、人前でそないに揉みしだいたらアカンでしょ。
「次はこのシュラフ(寝袋)。梢ちゃん、シュラフって知ってる?」 「ええっとキャンプとかで使うモンですよね」 「そう、携帯用の寝具だね。綿が入ってて暖かいんだ。・・これを被せるから手伝ってくれるかい?」 イッくんに指示されてシュラフを今度は多華乃さんの足の方から被せた。 腰の下を通すとき、イッくんは左手に抱いた多華乃さんを持ち上げて通し易くしてくれた。 頭まで被せ終えると、脇のファスナーを上まで閉めた。
「こっちは縄で縛るよ。・・ん? どこかな」 右手で足元をまさぐった。 「れいらちゃん、そっちに紙袋が置いてない?」 「ええっと・・、あった!」 ウチとれいらさんが座るソファの後ろに紙袋があった。 「そこに縄が入ってるから、それでここを縛って。できるだけきつく」 れいらさんはイッくんのソファの後ろに回り、言われた通りにシュラフの口に縄を巻いて縛った。
「二人ともご苦労様でした。後は座って見てね」 ソファに座ったイッくん。 ウチとれいらさんはその反対側に座っている。 イッくんの左手はシュラフ(の中の多華乃さんの腰)を抱いたまま。
「いま、タカノは二重の袋の中。暖かい、というより暑いだろうね。呼吸するのも辛いかもしれない」 右手でシュラフを押さえた。多華乃さんのちょうど顔にあたる部分。 「この中で美女が苦しい思いをしていると考えたら、・・ちょっと興奮するよね」 「イッくん! そういうフェチな妄想してる場合じゃないでしょ! 梢ちゃんも見てるのに」 「え、ウチ? 何のことですか?」 分からないふりをしたけど、二人の会話は何となく理解できた。 じっと我慢してる多華乃さん。たぶん本当に苦しい。 そんな多華乃さんを抱きながら「興奮する」と言ったイッくん。ドSやんか。
「ごめんごめん。イリュージョンに戻ろう」 イッくん���右手でシュラフの口を縛る縄を掴んだ。 「いくよ。・・それ!!」 手前に引いた。 シュラフは腰の位置で二つに折れ曲がった。 「もう一回!」 すぐにシュラフの足先を掴んで持ち上げた。 二つ折りのシュラフが四つ折りになった。
「え」「え」 ウチとれいらさんは揃って声を上げた。 「二人で上から押さえてくれるかい」 言われた通りシュラフを押さえると、空気がしゅうっと抜ける音がした。 シュラフは四つ折りのまま潰れて平らになってしまった。
「えーっ、どうして!?」 「多華乃さんは!?」 二人で騒いでいると多華乃さんの声がした。 「お疲れ様、お茶にしましょ♥」 リビングに隣り合ったキッチンに多華乃さんがいた。 紅茶とケーキを乗せたトレイを持って笑っている。 少しだけ乱れた髪。少しだけ紅潮した頬。 とても色っぽかった。
8. 「いったいどうなってるの!?」 「それは内緒。今のところお客さんが来た時に見せられるのはこのイリュージョンだけだからね」 イッくんはタネを教えてくれなかった。 「あんなにたくさんあったイリュージョンの機材はどうしたの?」 「ほとんど人にあげるか倉庫に入れちゃったんだ。これからまた新しいのを作るよ」 「新居に汚いものを置くなって、三田先生に言われたみたい。私は気にしないんだけどね」 多華乃さんが補足してくれた。 「まあ彼のアパートにいろいろ怪しいモノがあったのは確かね」 「怪しいモノはないだろ、タカノ」「うふふ」 「イッくんはね、何でも自分で作っちゃうんだよ。イリュージョンの道具から吊り床まで」 「スゴイですね! 吊り床って何ですか?」 「あ、ゴホンごほんっ」「・・ちょっと早いかな? 梢ちゃんには」 「???」
いろいろ話をしてイッくんと多華乃さんのことを教えてもらった。 二人は同じ大学で知り合って、一緒にイリュージョン同好会を設立した。勤めるようになってからも仲間と活動を続けている。 マジックの競技会にオリジナルのイリュージョンを出して賞を獲ったこともある。 たまに造形美術教室の子供たちにもイリュージョンを見せてくれているんだって。
「最近はれいらちゃんも参加してくれてるんだ。梢ちゃんはイリュージョンをしてみたいって思わない?」 「やりたいです。ウチもあんなすごいイリュージョンができるようになりますか?」 「できるわよ。私も最初は何も知らなくて始めたんだもの」 「ならウチの親が許してくれたら。あ、日曜日しかダメですけど、いいですか?」 「ぜんぜん大丈夫」
「梢ちゃんを誘おうと思ったのは訳があるの」 れいらさんが説明してくれた。 「三田先生、10月に還暦を迎えるのよ」 「カンレキって?」 「60歳のことだよ」 「先生そんなお歳やったんですか」 「だからお誕生会を企画してるの。そこでイリュージョンも見せようって」 「ははぁ」 「いつもだったらイッくんが多華乃さんとやるんだけど、たまにはサプライズもいいでしょ?」 イッくんと多華乃さん、れいらさん。3人がウチを見て笑っている。 まさか。 「れいらちゃんがものすごく推すんだ。新しく来た梢ちゃんっていう中学生がとてもいい子だって」 「あのウチそんないい子では」 「僕も梢ちゃんと会って思ったよ。是非、誕生会のイリュージョンをやって欲しい。・・タカノはどう?」 「大賛成よ。私も梢ちゃんのことが大好きになっちゃった」 「決まりね。マジシャンはあたし、アシスタントは梢ちゃんだよ!」 れいらさんが宣言した。 どうやらウチはいつの間にかイリュージョンに出ることが決まっていたらしい。 母ちゃん、ウチ、母ちゃんと同じイリュージョンのアシスタントするんやで。怒らんといてな。
「実はこんなのを設計しているんだ」 イッくんはノートに描いた図面を見せてくれた。 スーツケース?の中に膝を曲げて入った女の人のシルエットが描かれていた。 「タカノ用に描いたんだけど、梢ちゃんなら問題ないはずだよ」 「もしかしてウチがこれに入るんですか?」 「そうだよ。それで外から剣を刺すんだ」 「えええ~っ!!」
9. 還暦祝いなんて勘弁してちょうだい。 はじめのうち三田先生はお誕生会を嫌がった。 それでも造形美術教室の卒業生がたくさん来る、保護者の皆さんもお金を出し合って準備してくれると聞いて抵抗を断念した。 「ありがとう! ・・でも赤いちゃんちゃんこなんて着せようとしたら、その場で逃亡するわよ」
母ちゃんはウチがイリュージョンするのを嫌がるどころか大喜びしてくれた。 「三田先生のお誕生日にイリュージョン? 素敵やないの!! それであんた衣装はどうするの?」 「んー、まだ何も決まってへん、と思う」 「マジシャン役はあの高校生の女の子ね? よーし、母ちゃんがまとめて面倒みたげる!!」 母ちゃんはイッくんの携帯の連絡先を聞いていたらしい。 勝手に電話して衣装製作の了解を取り、るんるん楽しそうに準備を始めたのだった。
10. 「スーツケースが手に入ったんだ。サイズをチェックしたいから来てくれる」 次の週、連絡があってウチは一人でマンションへ来た。 イッくんと多華乃さんが迎えてくれた。
さっそくスーツケースを見せてもらう。 「メ○カリで買った中古品なんだ。これをイリュージョンに使う予定」 それは思ったより小さかった。 立てて置いたら腰くらいの高さしかない。 「入ってくれるかい。梢ちゃん」 「あ、はい」 いきなりですか。 ええですよ。そのつもりでスカートやのうてショートパンツ穿いてきましたし。
イッくんが広げたトランクの中にお尻をついた。 「両手は後ろに回してくれるかい」 「後ろですか?」 「そう。手錠掛けるつもりだから」 「てじょう?」 「うん、後ろ手錠。動けないように」 !!
「イサオ! イリュージョン初体験の女の子にそんなストレートな言い方はダメっ」 多華乃さんが叱ってくれた。 「梢ちゃんフリーズしてるじゃない。・・心配しないで、梢ちゃん。マジック用の手錠だから自分で外せるわ」 「身の危険を感じました。ウチは生還できるんでしょうか?」 「んー、大丈夫だと思うよ。しらんけど」 イッくんがのんびり答えた。 ウチの関西人アンテナが反応する。 「あ、今『しらんけど』言いました? ウチも使うチャンス伺ってたんですけど」 「一度言ってみたかったんだよ『しらんけど』。今の使い方でいい?」 「グッドです。イッくん大阪でやっていけますよ」 「ナニアホナコトイッテンネン」 今度は多華乃さんが言った。 「多華乃さん、それは東京のヒトがやると割とスベるんで止めた方がええです。あとイッテンネンやのうてユーテンネンです」 「難しいのねぇ」「ドンマイです」 「ねえ、そろそろ続きをやらない?」 「イッくん人のギャグには冷淡ですねー」 「うふふ。冷たいのも彼の魅力よ」 はいはい、ごちそう様です。
トランクの中で横になった。 身体を丸くして両手を後ろに回す。 「もっと顎を引いて頭を下げてくれる」 「はい」 「あぐらを組む感じで。もうちょっとお尻下げて。・・OK、そのポジションをよく覚えておいてね」 「了解っす」 外にはみ出した髪を多華乃さんが直してくれた。 「大丈夫だね。では蓋するよ」 カチャ。 トランクの蓋が閉じて真っ暗になった。 頭の後ろが押し付けられて痛かった。 ぎゅっと折りたたんだ膝と脛、足の甲も前に当たってキツイ。 狭いやん! 「起こすよ」 ぐらり。 お尻に体重が乗った。 すっと身体が沈んで後頭部に余裕ができた。 足は全然動かせないけれど、少しだけほっとした。
「肩を捩じって、片手ずつ前に出してみて」 ごそごそ。 あ、出せた。 「右手で左の壁、左手で右の壁。触れるでしょ?」 はい、触れます。 「あとはまた両手を背中に戻す」 ごそごそ。 戻せました! 「ここまでできたら問題ないよ。ちゃんと生還できるから安心して」 はい! 「何度も練習して慣れてね。出してって言ってくれたらすぐに開けるから」 分かりました!
11. 「・・梢ちゃーん、大丈夫?」 声が聞こえた。 この声は、れいらさん!? 「はーい、大丈夫ですぅ。れいらさんですかぁ?」 「そうだよー。もう15分くらい経ったっていうから開けるよー」 え? 15分も?
ぐらり。 ウチを閉じ込めていた空間が横向きになった。 カチャカチャ音がして蓋が開く。 イッくんと多華乃さん、それにれいらさんがウチを見下ろしていた。 あ、えーっと。 「じゃーんっ、たった今、囚われの美少女が救出されました!」 あかん、誰も笑てくれへん。 仕方ないので、自分で「えへへ」とごまかして起き上がった。
「大丈夫みたいだね。静かなままだから、ちょっと心配になって」 イッくんが言った。 「ぜんぜん大丈夫です。・・何か馴染んでしもて、ぼおっとしてただけです」 多華乃さんとれいらさんが安心したように微笑んだ。
本当は、女の子を閉じ込めるってこういうことなんかと考えてた。 ちょっとえっちな妄想もしてドキドキした。 でんもそんなん恥ずかしくて言われへんやんか。ウチ純真な中学生やのに。
「そういえばれいらさん、いつの間に来てたんですか?」 「遅れてごめんね。梢ちゃんのお母さんに衣装の採寸してもらってたんだ」 「れいらさんちに行ってたんですか、ウチの母ちゃん」 それで朝からウキウキ出かけて行ったのか。 「面白いお母さんねぇ。あの人から梢ちゃんが生まれたのなら納得だわ」 「変な納得のしかた、せんといてください」 「そうだ梢ちゃんのお母さん、イリュージョンやってたって教えてくれたよ」 「え、そうなの!?」 多華乃さんが驚いた。 「らしいです。ウチも詳しくは知らんのですけど」 「むかし京都にいた頃、かなり本格的なイリュージョンをやってたらしいよ」 「なんでイサオが知ってるのよ」 「前に飲まされたときに聞いたんだ。・・あ、別にわざと教えなかったんじゃなくて、僕は余計なことは喋らないだけだよ」 「む」 多華乃さんはイッくんの首を肘で絞めて押さえ込むと、その耳の後ろをゲンコツでぐりぐりした。 「あれはスリーパーホールド。多華乃さんの得意技だよ」 れいらさんが教えてくれた。
その後イッくんがスーツケースイリュージョンの仕掛けを説明して、皆で進め方を相談した。 途中でれいらさんが「あたしもスーツケースに入りたい」と言い出して入ることになった。 「何時間でも閉じ込めていいよ」なんて言うもんやから「なら駅のコインロッカーにでも預けましょか」って返したら「うわーいっ!」と喜ばれてしまった。 多華乃さんまで「あらそれ素敵」なんて言う始末。 「手錠は?」「いいですねー」 「DID♥」「ですっ!」 もうやっとれんわ。 でも、これだけあけすけに話せるんは羨ましいな。 ウチもさっきスーツケースの中で興奮しましたって素直に告白したらよかったかな。
12. お誕生会前日の造形美術教室。 子供たちがみんなで飾り付けをしていた。
ウチは湊と一緒にケーキを作っている。 ケーキと言っても食べられない飾りのケーキだった。 ダンボールの大きな筒に模造紙を貼って、その上から色紙で作ったクリームやフルーツをつける。 「姉ちゃんっ。そこはローソクやんか」 「あ、ゴメン」 「ここのチョコプレートはボクがやる」 「ならまかせるで」 「うん」 造形美術教室に来るようになって湊はずいぶん積極的になったと思う。
立ち上がって周囲を見渡す。 手伝って欲しそうな子は・・おらへんな。 それなら部屋の隅に座り込んでちょっとひと息。 明日はいよいよイリュージョンの本番か。 昨夜見た夢を思い出した。
スーツケースに入っている夢だった。 何故か学校の制服を着ていて、後ろ手に手錠を掛けられていた。 この頃、何度も同じような夢を見る。 ウチはいつもスーツケースに閉じ込められていた。 ・・またか。 夢の中で考える。 ・・それやったら、楽しまな損。
イリュージョンと言われてスーツケースに入ったウチ。 そのままどこかへ運ばれる。 街の雑踏が聞こえる中をごろごろ転がって、静かな場所に置かれた。 コインロッカー!? スーツケースごと、コインロッカーに収納されたんか。 あの、このスーツケース、女の子が入ってるんですけど。
囚われのヒロイン。DID。 ずっと前からDIDの意味は知っていた。ウチはおませな少女なんや。 おませなウチは絶対絶命のピンチにも憧れる。 もう逃げられへん。どこかに売られてしまう。 そうや、可愛い女の子は拉致られて売られる運命にある。 諦めるってキモチ、ちょっとええと思う。
小さく折り畳んだ身体が動かせない。 もどかしい。もどかしくてウズウズする。 そやけど、このもどかしさに耐えるのが乙女の務めや。 身体じゅうが熱くなる。
「・・梢ちゃん!」 誰かに呼ばれて我に返った。 ウチの顔を覗き込んでいるのは、れいらさんだった。 「梢ちゃんがヒマそうにしてるのは珍しいね」 「ちょっと休憩中です。れいらさんはどうしはったんですか?」 「さっきね、衣装を試着してきたの」 「お~っ、どんなでしたか」 「セクシー! 自分でもびっくりしちゃった」 「母ちゃん、ウチの衣装よりもヤル気出してましたもん」 「恥ずかしいけど、あんな恰好めったにできないから頑張って着るよ。梢ちゃんの衣装は?」 「それは明日のお楽し��です。・・ええっと、あの、つかぬ事を伺いますが」 「はい?」
思い切って聞くことにした。
「れいらさん、こないだスーツケースに入ったでしょ? イッくんのところで」 「入ったねー」 「失礼なこと聞くって怒らんといてくださいね」 「うん、怒らない」 「れいらさんと多華乃さん、やっぱりマゾの人ですか?」 「へ!?」 「あのときのお二人、ドMトークで盛り上がってたやないですか。コインロッカーに預けてほしいとか手錠掛けられたいとか」 「そ、そんなこと口ばしったっけ」 れいらさんが顔を赤らめるのを見たのは初めてやないかな。 「『ICレコーダー梢ちゃん』の異名を持つウチですから間違いありません。あのトーク、なんぼかはノリで言わはった思うんですけど、羨ましかったです。あんな風に性癖を発散する女の人を見たのは初めてでしたから」 「中2のくせに性癖なんて言葉使うのね」 「ウチはおませな少女なんです」 「あははは」 豪快に笑われた。 「いいよ、教えてあげる。マジレスすると多華乃さんはドMだよ。自分でも公言してるわ。旦那様のイッくんはS」 「分かります分かります」 「あたしはMとS両方あるな。お相手によってどちらでも。・・あ、お相手って男性に限らないからね」 れいらさんはそう言ってウインクした。 「梢ちゃんはMだよね」 「あ、ウチはまだ・・」 「スーツケースに詰められて感じてるじゃない。もうみんな気付いてるわよ」 ぶわ。 冗談やなしに顔に火が点いた。
しばらくけらけら笑ってから、れいらさんは言った。 「それでいいんだよ! SとかMとか恥ずかしいことじゃないんだし」 「それやったらお願いがあるんですけど」 「何だって聞いたげるよ」 「これからはウチも多華乃さんとれいらさんのドMトークに参加していいですか? ウチもエロいこと言いたいです」 「そんなこと!? あはは、大歓迎!!」 「ありがとうございます。何かすっきりしました~」 「梢ちゃんて本当に面白くっていい子ねぇ。ますます好きになっちゃった。あたしが三田先生なら絶対にぶちゅ~ってしてるところね」 「ぶちゅう~!?」
13. 三田先生のお誕生会が始まった。 造形美術教室の生徒さん、保護者のパパとママたち、卒業生が何十人も集まっている。 イッくんと多華乃さん、それにウチの母ちゃんもちゃんと揃っていた。
司会のれいらさんが開会を宣言した。 続いてイッくんが卒業生代表として挨拶。・・その直後。 ぱーん! 正面にあったケーキからクラッカーが弾けて紙吹雪が舞った。 「三田先生っ。はっぴぃばーすでーぃ!!」 ケーキが上下に割れて、中から立ち上がったのはウチやった。 母ちゃんの作ってくれた白い衣装を着ていて、手には花束。 ケーキから出て花束を三田先生に渡した。、 子供たちは大喜び。他の人たちからも大きな拍手。
ウチが飛び出したのはケーキの形をしたびっくり箱。 その正体は前日に湊が作ったダンボール製のケーキだった。 これをイッくんがたった一晩で改造してくれた。 クラッカーを取り付けて紙吹雪が飛ぶようにした。 上下に分離できるようにして内部を補強し、小柄な女の子なら収まる空間を用意してくれた。 ホンマ、イッくんって何でもできるスーパーマン。
「ご苦労様!」 花束を渡して戻って来たウチをれいらさんが労ってくれた。 「ケーキの中でドキドキした?」 「はいっ。次にパーティするときは一緒にびっくり箱しましょ!」 「いいわね!」 ウチは皆が集まる前からケーキの中にずっと隠れていたのだった。
お誕生会はそれから子供たちが歌ったり踊ったり、造形美術教室の昔のビデオを上映したりして進行した。 そしてメインイベント。ウチとれいらさんのイリュージョンの時間になった。
14. れいらさんが衣装を着替えて出てきた。 「うわあ」「れいらちゃーん!!」 「すごーい!」「キレイ!!」 大人も子供もみんなびっくりしてるなぁ。 「みんなー! お姉ちゃんこれから頑張ってマジックするよー。立ち上がったりしないで見てねー」 「はーい!!」
れいらさんは真っ赤なボディスーツとその上に短い黒ジャケットを着ていた。 ボディスーツはハイレグで胸のカットも深い。 バニーガールみたいにも見えるし、白いブーツを履いているからレースクイーンのようにも見える。 エロくて恰好いい。 母ちゃんが「萌える~!!」と雄叫びを上げながら作ったコスチュームだけのことはある。執念がこもってるわ。 何人かのパパが見とれてしまってママから叱られているのもお約束。 さすがにこれを女子高生に着せて小学生の前に立たせるんはええのかと心配やけど、三田先生が手を叩いて喜んでるから構へんのやろうね。
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れいらさんが手招きした。さあ出番や。 「マジックをお手伝いしてくれる梢お姉さんです!」 「よろしくーっ」 ウチはスーツケースを引いて出て行く。 あの中古のスーツケースはイッくんが改造して外観が変わっていた。 正面と裏側に細長い穴が6つ。 これはサーベル(剣)を刺すための穴。 ギミックの都合でキャリーハンドルは上げたまま固定。
ウチはお客さんの方に背中を向けると両手を後ろで組んだ。 その手首にれいらさんが手錠を掛けた。 左右に引っ張って手錠が外れないことを示す。 それが済むと、れいらさんはスーツケースを倒して蓋を開いた。 スーツケースの中は仕切り類が全部外されていた。 代わりに蓋の裏に剣刺しのギミックがついて、少しだけ狭くなったけどウチが入るのには問題ない。
うちは靴を脱がせてもらって裸足になり、スーツケースの中に横になった。 膝を引き寄せて身体を丸くする。 簡単な所作やけど、一発で決まるように何回も練習したんやで。
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れいらさんはスーツケースの蓋を閉じようとする。と、中身が大きすぎるのかなかなか閉まらない。 蓋にお尻を乗せて座って閉めた。パチンとロックを掛ける。 キャリーハンドルを両手で握り、重そうにスーツケースを立てた。
れいらさんが次に手に取ったのはサーベルだった。 これもイッくんの手作りで、長さ1メートルほど。 銀色のブレード(刃)と手元が束(つか)になっている。 れいらさんはブレードを指で撫でて痛そうな顔をした。 「怖い人は目をつぶってねー」 スーツケースの後ろに立ち、一番上の穴にサーベルの先端をあてがった。 何人かの子供が自分の手を目の前にかざした。
15. カチャリと音がしてスーツケースが閉ざされた。 ウチはもう外へ出られない。 ぐらり。 スーツケースが立てられて世界が90度回転した。 いよいよここから本番。 ウチはスーツケースの中で深呼吸する。 こんな姿勢やから本当の深呼吸は無理やけど、大切なんは気持ちやからね。
スーツケースの中で身体を捩じった。 背中で手錠を掛けられていた両手を前に回した。 そんなことができるのは、左右の手錠が分離できるからだった。 手錠の鎖は紐で繋がっているだけで、その紐はリールで伸びるようになっている。
前に出した右手で左の壁をまさぐり、そこに6個並ぶレバーを探し当てた。 蓋の裏にはサーベルの一部、ブレードの先端だけが隠されている。 レバーを動かすとスーツケースの蓋の穴からその先端が突き出る仕組みになっている。 一方、れいらさんが持つサーベルは、スーツケースの穴に押し込むとブレードが縮んで束の中に収まる仕掛けになっているのだった。
「・・スチール製のメジャーがあるだろう? あれと同じ構造だよ。ブレードは硬いように見えて実は巻き取られてるんだ」 「?」「?」「?」 ウチもれいらさんも、一緒に聞いていた多華乃さんも、イッくんの説明はさっぱり理解できなかったと思う。 理屈は分からんでも、効果は分かった。 後ろからサーベルを押し込むのに合わせてレバーを操作したら、お客さんにはサーベルがスーツケースを貫通したように見える。 大切なのは二つ。 二人のタイミングを合わせること、それから6個ある穴の順序を間違わんようにすること。 それさえ守ればバッチリのはずや。
れいらさんが最初の穴に1本目のサーベルを押し当てた。 コツン。 スーツケースの中に音が響く。 ウチは1秒待ってレバーを下げた。 これでサーベルの先端がにょっきり顔を出したはず。
2本目、3本目。 ウチは順番にレバーを操作した。 後で聞いたら子供たちとパパママたちはビックリしていたらしい。 ウチが本当に刺されたって思った子が多かったんやて! うわぁっ��しいぃ、って叫んでしもたよ。 4本目、5本目、6本目。 全部のサーベルがスーツケースを突き通った。 れいらさんはそのスーツケースをくるりと回してお客さんに全体を見せた。
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今度は後半。サーベルを抜く演技になる。 レバーを逆の向きに動かせばブレードの先端が引っ込み、同時にれいらさんがサーベルを引き抜いたらええんやけど、実はこれはけっこう、ちゅうか、かなり難しい。 前半でサーベルを刺すときは、れいらさんがサーベルを押し当てる音を合図に、少し遅れてレバーを動かせばよかった。 「・・でも、抜くときに少し遅れるのは困るんだ。ちょっと考えたら判ると思うけど」 「?」「?」「?」 またしても女性3人はイッくんの説明を理解できなかった。 「後ろで引き抜いてるのに、前に出ている先端がそのまま残っているのは不自然だよ。あれ?って思われてしまう」 「そうか」 れいらさんが気付いた。 「前も後ろも同時じゃないといけないんですね」
イッくん細かい。でもその通りやな。 ウチとれいらさん、スーツケースの中と外でタイミングを完全に合わせないといけない。 何か合図が要る。でもどうやって? イッくんのアイデアは単純やった。 「それならお客さんに合図してもらおう 」
16. 子供たちに向かってれいらさんが呼びかけた。 「みんなー、梢お姉さんが穴だらけになっちゃいました! 助けてあげたいですか?」 「助けてあげたーい!」 「じゃあ、この剣を抜きまーす! 何本抜かなきゃいけないかしら?」 「ろっぽん!!」 「1本ずつ抜くから一緒に数えてくれるー?」 「はーいっ」「数えるー!」 「数え間違ったり、声が揃っていなかったりしたら、梢お姉さんは死んじゃうかもしれないよ?」 「だめー!」「やだあっ!!」 「じゃあ練習しよう! いい? せーのっ、いーち、にぃーい・・。ああぁっ、ダメダメ揃ってないっ。もう一回!」 全員が揃って1から6まで数えられるまで練習させた。 「いくよ? せーの!」 「いーっち!」 れいらさんがサーベルを引き抜くと同時にブレードの先端が引っ込んだ。 「にぃーい!」 子供たちの声が響く。リズムもペースも綺麗に揃っていた。 「さーん!」 どんどんサーベルが抜けて行く。 「しいー!」 あと2本! 「ごぉー!」 これで最後!! 「ろぉーっく!!」
「はーい! 全部抜けたねー! 梢お姉さんは無事かなー?」 スーツケースを横に倒して、ロックを解いた。 カチャリ。 横になっていたウチが身を起こした。 「うわー!!」「あれー!?」 白い衣装がピンクに変わっていた。 立ち上がって一回転して見せた。 どうかな? 母ちゃんの作ってくれた早変わり衣装。 可愛いでしょ?
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れいらさんに手錠を外してもらう。 小声で言われた。 「知らなかったよ。びっくり!」 「えへへ。黙っててスミマセン」 二人並んでお辞儀をした。
三田先生が駆け寄って来た。 「すごいすごいすごい!! どきどきしちゃった! ありがとう!!」 イッくんも来て握手してくれた。 「やられたよ。衣装チェンジとはね」
もう一度拍手を浴びながら皆でお辞儀した。 お客さんの中に母ちゃんと湊が座っているのが見えた。 湊は黙ってサムズアップしてくれた。 あんた、どこでそんなゼスチャー覚えたの。格好ええやんか。 ウチも笑って親指を立てて返す。 すると母ちゃんまで指を立ててウインクした。 母ちゃんっ、指が違う. 立てるのは中指やのうて親指やちゅうねん。
17. それから二週間経った夜。 ウチと母ちゃん、れいらさん、イッくんと多華乃さん夫妻、そして三田先生がレストランの個室にいた。 三田先生がお誕生会のお礼にと招待してくれたのだった。
「ウチ、フレンチなんて初めて」「あたしもです!」 「お箸で食べるフレンチ、いいですねー」 「友人のお店なの。形式張らずに楽しんでちょうだい」 ワインとノンアルコールのスパークリングで乾杯。 「あら、あなたたちもノンアル?」 先生がイッくんと多華乃さんに聞いた。 「僕らは後でいただきます。今は、ちょっと」 「彼、リベンジする気なんです」 多華乃さんが言った。 「タカノ、いきなり言う?」 「いいじゃない。頑張るのは私だよ?」 「あ、ぴぴっと来たっ。イリュージョンするんでしょ!」 れいらさんが言った。 イリュージョン!?
「この人、梢ちゃんの衣装チェンジに全部持ってかれたこと未だに根に持ってのよ。子供みたいでしょ? うふふ」 「そんなことはないよ。僕は」 「うん、イッくんってそうだよね」「分かるわ」「イッくん、ホンマですか?」 「ぼ、僕は・・」 「あまりイサオを苛めないであげて。その分、私が彼に苛められるんだから♥」 謎めいた微笑の多華乃さん。 他のみんなは笑っている。母ちゃんまでウンウンって頷いて。 まさかこの二人、ムチとローソクでSMプレイしてたりする?
18. 「ええっと、やろうか」「はい!」 イッくんと多華乃さんは席から立ちあがった。 一度出て行って戻って来た。 持ってきたのはあのスーツケースと紙袋。それからサーベル、ではなくて金属の細い棒。 「先日とは趣向を変えたスーツケースイリュージョンをやります。・・これは」 イッくんはそう言って金属棒を持って水平に構えた 「ステンレスの丸棒です。直径5ミリ、スーツケースの穴をぎりぎり通る太さです。先端を円錐形に削り出しました」
イッくんはスーツケースを床に倒して蓋を開いた。 れいらさんが黙ってウチの肩を叩いた。それから開いた蓋の裏を指差す。 !! あの剣刺しのギミックがない。 蓋の裏に張り付けられていた黒いパネルのような仕掛けがなくなっていた。 6個の穴がはっきり見えた。
多華乃さんがさっとシャツを脱いだ。 ブルーのスパッツ。その上は黒いブラだけ。格好いい!! スーツケースの中に入って膝をついた。 そのまま身体を逆海老に反らしてスーツケースに収まる。むちゃくちゃ柔らかいやないですか。 イッくんが多華乃さんの肌を撫でる。ああ、また。 「あら♥」「まぁ♥」 嬉しそうな声を上げたのはウチでもれいらさんでもなく、三田先生と母ちゃんだった。
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イッくんはにやりと笑うと蓋をぱたんと閉じた。 すかさずスーツケースを立てて起こす。 紙袋から縄束を出してスーツケースに巻きつけ、荷物みたいにきりきり縛った。
れいらさんがウチの耳元でささやいた。 「多華乃さん、頭下向き」 ホンマや! あのポーズで逆立ち?
イッくんはスーツケースの後ろでステンレス棒を水平に構えた。 「前後の穴を一発で通すのが難しいんだ。・・練習の成果をご覧あれ」 息を整える。 いきなり穴に突き刺した。合図も何もしなかった。 反対側の穴から棒の先端が飛び出す。 すぐに引き抜き、別の穴に突き刺した。 抜いては刺してを何度も繰り返した。 むちゃくちゃ速かった。
今度はステンレス棒を6本、スーツケースの横に並べた。 まず1本を突���刺した。 すぐに次の1本を持って突き刺した。 立て続けに全部の棒を刺してしまった。
「・・おっと失礼」 テーブルにあった紙ナプキンで、一番下の棒の先端を拭いた。 ナプキンが血に染まったみたいに赤くなった。 ひょえー。 ウチらのイリュージョンより迫力ありまくり! 多華乃さんがどうなっているのか想像できなかった。 ぎちぎちに縄で縛ったスーツケースの中で、無理なポーズで逆立ちで。
「では助けてあげましょう。彼女が無事でいるかどうか心配です」 ステンレス棒を全部引き抜き、スーツケースの縄を解いた。 床に寝かせて蓋を開ける。 入ったときと同じポーズの多華乃さんが現れた。 ぐったりしているみたいやった。 イッくんが多華乃さんの背中に手を当てて起こした。
血!! 多華乃さんの胸と脇腹から真っ赤な血が流れていた。 ええ!! まさか、大怪我!? れいらさんも驚いて固まっている。 「・・ええっと、残念ながらイリュージョンは失敗したようです。妻は天国へ旅立ちました」
ガタ! 立ち上がったのは母ちゃんやった。 自分のナプキンを掴むと、二人に近づいて多華乃さんのお腹をごしごし擦った。 「ひ、・・きゃはははっ」 多華乃さんが身を捩って笑いだした。 「あーん、ごめんなさい!!」
「あんたら、やりすぎ! これ、ケチャップでしょ?」 母ちゃんが言う。母ちゃんの目も笑っていた。 「恐れ入りました」 イッくんが謝った。 「最後まで騙せると思ってたんですけど、さすがですね」 「昔よく使ったわ。匂いで分かるからお客さんと近いときは注意が必要なの」 「勉強になります」
19. 食事が済んで、三田先生がイッくんに聞いた。 「さっき、もし桧垣さんに見抜かれなかったらどうするつもりだったの?」 「そのときは蘇生措置をして生き返らせる予定でした」 「ウソ。スーツケースに入れて持って帰るって言ってたじゃない、イサオ」 「そっちの方がよかったかな?」 「そうね。私はまる1日詰められてもイサオのためなら耐えるわよ♥」 「多華乃ちゃん」「はい?」 三田先生がいきなり多華乃さんの頬を両手で挟んでディープキスをした。 「ん! んんん~っ!!」 「素敵よ、その心がけ。でも新婚だからってサービスしすぎると、彼、図に乗るわよ」 「はぁ、はぁ、・・はい」
「次は、」 三田先生が顔を向けたのは・・、ウチやった! 「一番頑張ってくれた梢ちゃん♥」 「は、はい」 ウチは顔を近づけてくる先生から逃げられなかった。 「本当に、一番お礼を言いたかったのはあなたなの」 「うわ♥」れいらさんの歓声が聞こえた。 「これからも、お願いね」 ちゅう。 マウスツーマウスでキスをされた。 女の人相手で快感やったというと変態みたいやけど、本当に気持ちよくてうっとりしてしまった。 ウチは皆が見ている前で60歳のおばちゃんにファーストキスを奪われたのだった。
・・それからウチは長いことイリュージョンの活動をすることになった。 イッくん夫妻とれいらさんにはまだ秘密があったけど、それを知るのはずっと先のことだった。
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~登場人物紹介~ 桧垣梢(こずえ):14歳、中学2年生。一人称は『ウチ』。 桧垣湊(みなと):8歳、小学2年生。梢の弟。造形美術教室の生徒になる。 桧垣純生(すみお):46歳。梢と湊の母ちゃん。旧姓鈴木。 三田静子:60歳。小学生向け造形美術教室の指導者。嬉しいと誰が相手でもキスする癖がある。 玻名城(はなしろ)れいら:17歳、高校2年生。造形美術教室の卒業生で教室を手伝っている。 酒井功:25歳。造形美術教室の卒業生。趣味でイリュージョンをやっている。通称イッくん。 酒井多華乃(たかの):25歳。功の新妻。身体が柔らかい。
4年前に書いた 多華乃の彼氏 と 多華乃の彼氏2 での仕込みをようやく回収しました。 仕込みとは、造形美術教室の先生の名前を三田静子にしたこと、そしてイッくんが京都に行って人間くす玉をクレクレしたことです。 大抵の場合、回収方法はまったく考えずに執筆時のノリだけで仕込むので、そのまま放置で終わることも多いです。 今回はAIで作成したイリュージョン絵(=スーツケースに女の子が入って笑っている絵)が中学生のように見えたことから、この女の子を純生さんの娘にして仕込みを回収することにしました。 純生さんと三田先生のエピソード(純生さん中学3年生のとき)は『三田静子』をサイト検索すれば出てくるはずなので興味のある方はお読みになってください。
今回のイリュージョンは3つ。 イッくんのマンションでやった袋詰めからの脱出は、現実に演じることが可能と想定しています。 ただし、あの部屋(正確にはソファと隣接してキッチンがある)かつ観客が少人数でないとできないので、舞台で演じるには向きません。 袋の上から多華乃さんのボディを撫でまわすのは夫婦のイリュージョンだからできることですね。
梢ちゃんのスーツケースイリュージョンは、前記の通りスーツケースに入った女の子をAIに描かせたので、それなら剣を刺してしまえと考えたものです。 ダンボールの剣刺しはよく見かけるイリュージョンですが、スーツケースは珍しいかもしれません。 サーベル回避のギミックは、これならできそう?というものをイッくんに考えてもらいました。 刺すときと抜くときのタイミングの相違は作者のこだわりです。お読みの皆さまには面倒くさかったら申し訳ありません。
梢ちゃんのスーツケースで仕掛けを凝ったので、多華乃さんのスーツケースは一切ギミックなしの命がけです(笑)。 ダンボールよりはるかに狭いスーツケースの中、軟体ポーズでその上逆立ち。いったいどうやって6本のステンレス棒をすり抜けたのでしょうか? 最後に母ちゃんが止めたのは本当はルール違反です。 元プロだから分かっているはずですが、レストランで血まみれは悪乗りが過ぎましたね。
本話の最後で梢ちゃんの今後を示唆しました。 イッくん夫妻とれいらちゃんの秘密とは、もちろん 前話 で描いたあの趣味です。 梢ちゃんがどんなM少女に育って行くのか作者の私も楽しみです。
挿絵は今回もすべてAIで生成して一部手修正を施したものです。 一番うまくできたのはれいらちゃんのマジシャン姿。やはりAIは単純な立ちポーズなら簡単です。 ここのところAIに描かせた絵にストーリーをつける小説が続きましたが、次回以降はストーリーを先に考えて挿絵をつける従来の手順で進めたいと思います。 しばらく時間が開くと思いますが気長にお待ちください。
最後に小説ページの体裁について。 tumblr の入力エディタが更新され、従来の入力方法(HTML入力)が使いモノにならなくなりました。 大きな変化がないように努めていますが、一部違和感があるのはお許し下さい。 (例えば、後書き前の区切り線が引けない~泣)
それではまた。 ありがとうございました。
[Pixiv ページご案内] こちら(Pixiv の小説ページ)に本話の掲載案内を載せました。 Twitter 以外にここからもコメント入力できますのでご利用ください。(ただしR18閲覧可能な Pixiv アカウント必要)
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keredomo · 1 year
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この顔
 一年以上会っていなかった旧知と久しぶりに二人で酒を飲んでいたら、「顔が変わったね」と指摘された。  「最初はメイクを変えたのかなと思ってまじまじ見ていたんだけど、どうも違う。やっぱり顔自体が変わってる。どうしたの?」と言うので狼狽えて、どんなふうに変わったのかを訊ねると、「冷たさが抜け落ちて、ただただ小動物のようにきゅるんとしてる」と、友人。  彼女に会っていなかった一年間を経て、たとえば「老けたね」と言われるのならわかりやすかった。この一年、生に疲れ果てるだけのおびただしい出来事が襲来して、私は身も心もぼろぼろに疲弊したはずだった。なのに、「きゅるんとしてる」と評されている。つまり、幼く純粋素朴な面持ちへと退行しているらしいのだ。  手鏡を開いて自分の顔を確認したら、ジブリ映画の登場人物みたいに線がなかった。皺がないのではなく、線がない。人生の機微によってそこに刻まれるべきものが刻まれていない、あまりにもプレーンな顔。  驚いた。苦痛に対峙して、どうにかやり過ごした人間の顔ではない。凄惨な出来事の何もかもを無化したような、傷つくことなど何もなかったような、あまりにも素朴な顔をしていた。
 その話をすると、「変わったのは事実だと思うよ」「人に甘えることを知ったからじゃない?」と、その年、近いところで私の顔が変わる様を眺めてきた、別の旧知。「苦しむ君を甘やかしたいんだ」と望んで私のそばにいた人なので、自分がよい顔に変えたという自負があるのだろう。  優しい感想だったが、それは違う、と思った。そういうわかりやすいプラスの変化ではない。あんなに苦しんだのに何もかもがなかったことになっている、その心持ちの異常をこの顔が表しているのだ。何もかもを忘れ去ってしまう健忘症のあられもなさがこの顔を私に与えたのだろうか。わからない。ただ退行して幼児化しているこの顔について、誰も異常だと思っていない以上、悩むことすら憚られた。打ち明けて理解してもらえそうな相手からはポジティブな反応しか返ってこない。違うんだ。これは異常なことなんだ。大きな鏡の前にへたりこんで、一人きりで、慄きながらこの顔と付き合うことを強いられる。
 *
 去年の春ごろだっただろうか。「きれいになったね」と、付き合いの長い友人たちにしきりに言われるようになった。  「顔が変わった」とは違う、「元の顔からさらに良くなった」という指摘だったから、わかりやすかった。  綺麗になった自覚はあった。肌はつやをたたえ、目はきれいに見開かれて真っ直ぐ世界を見つめていた。口元にはつねに余裕の微笑みをたたえ、怖いものなどなにもないような顔をしている。
 私がきれいになったのには、わかりやすい理由があった。私のそばに、しきりに容姿を褒める人がいた。たとえ私が一切の化粧をしておらずとも、慄然と世界を睨みつけておらずとも、すべての姿をあまさず「きれいだね」と称賛し、この生来の容姿への愛着を惜しみなくあらわす人が、生活という次元でそばにいたためだった。  化粧をきれいに落としきった寝覚めの顔も「かわいい」と慈しみ、だらしなく唇をあけていても「きれい」と微笑む人。そんな奇跡みたいな存在が、2021年の冬から22年の秋までずっとそばにいて、寝ても覚めても、私は褒め���れ尽くした。きれいだね、かわいいね、美しい。絶賛されるたびに私はきれいになった。自信をつけ、輝いた。とても単純な話だった。  至極表面的なことではあったが、30年を自分として生きながら自分の醜さを憎むのにほとほと疲れていたこの人生を救う、ほとんど唯一の僥倖だった。私は自分の表面を数十年にわたって毎日こき下ろすのにほとほと疲れ果てていた。疲れ果てたところに、思いがけず降りてきた僥倖だった。そのような救いはこれまで誰一人として与えてくれたことがなかった。縋った。依存した。内面化した。  その人はすでに私のもとを去ったが、おそらく今も私は前より綺麗なままでいる。
 *
 こう話すと誰もが意外だと言うが、意外に思われるのであれば私の虚栄がうまく働いているだけのことである。私は自分の容姿の醜さに常に苛まれて生きていた。もっとも近しい人ですら、「あなたは自分の容姿を誇っているのだと思っていた」と言う。そう思われるのなら、私の戦略は成功していた。誰も、自信のない者に愛されたり褒められたりしたところで満足するわけがない。私は自信に溢れる態度、ふるまいを、自分に課した。賛辞を向ける先の人々にその賛辞を十全に受け取ってもらうがために。
 思春期は遥か遠く、当時「美しい」女の見本は、雑誌によって示された。田舎に生まれ育ち、マスメディアの決める美醜にしか基準点を置くことのできない幼い女にとっては、ファッション誌の専属モデルの容姿こそが「正解」だった。大きな目の縁を平行に彩る綺麗な二重瞼も八頭身のスタイルももたない自分は劣等たる存在なのだと思い込んだ。彼女たちのような美貌を持たない自身の不正解をどうすればよいのか、途方に暮れた。
 あのころ、とにかく「不正解」が怖かった。幼少期には私のテストの点数が家族の機嫌を決めていた。満点を取れば家はにこやかに保たれた。小学生のころ、国語のテストで64点しか取れなかった日の夜、母と祖母は狂ったように絶叫し、私の出来損ないを激しく責めた。私はその責めを愚直に受け取って自分を情けなく思うばかりであった。不正解による低得点は、狭い世界で生きていた幼い私にこの世の地獄をもたらす咎だった。  叱られないためにはすべての科目で満点をとる必要があった。容姿についてもその延長にあった。母に「あなたの顔のせいで私は正解には程遠い、あまりにも美しくない、努力では容姿の不正解を乗り越えられない」と泣き叫びながら訴えたら、「整形したいのなら協力する」と至極申し訳なさそうに言われた。なんという暴力、なんという毀損、なんという否定、なんという蹂躙だろう。
 *
 私の顔と体の造形を愛し、全身全霊で褒めそやす人とまだ愛し合っていた頃、「僥倖の僥と倖、どっちがほしい?」と訊いてみたら、「幸せのほうを君にあげるよ」と言ってくれて、彼は優しかった。どこまでも優しく、健気に私を好きなのだった。目を細めて慈しむのだった。  寝覚めの顔を至近で「かわいい」と言われるたびに、16歳のころ、好きだった男に「遠くで見ると可愛い」と評されたことを思い出していた。幸福は屈辱を呼び覚まし、すべてが主観であるがゆえに、塗り替えるほどの説得力を持たない。
 私が数十年後に皺くちゃになっても同じように愛されていたのか、今ではもうわからない。  美しい容姿に注がれる愛は、永続するものではない。私は老いる。私は崩れる。君が愛した唇は皺で柔らかさを失う、君が愛した瞼の淵にはこれから何本も線が引かれるだろう、頬が弛み、口元には深い影ができるだろう。  自分の老いた姿について、とめどなく想像が膨らむ。怖くて足がすくむ。そうなった時、注がれなくなった慈しみのまなざしは、どこに吸い込まれて消えてゆくのだろう。
 *
 「どんどんいい女になるね」と、私を正面から見つめる人。
 隣��の、大通りに面しながらその門戸をひっそりと隠すイタリアンの店でコースを頂きながら、テーブルを挟んで正面に座る人がため息混じりにそう言った。  「あなたのおかげ」と返しながら、心臓が口から飛び出しそうなくらい緊張する。「あなたは綺麗だ」とその目が語っているのがわかる。あなたが私に嘘をつかないことを知っている。
 賛辞には曖昧に頷くことしかできなかった。自分が歳を重ねるごとに綺麗になっていくのがわかる。私の存在に相応しい年齢になったということだろう。
 綺麗になったとは思うが、自分の顔は嫌いなままだ。人に褒められるたびに、今どんな顔をしているだろうと不安に駆られる。
 おのれの美しさをどう扱えばいいのか、他者の思う美しさと自身の思う醜さの折り合いをどこに落とし込めばいいのか、私は美しいのか醜いのか、誰の判断に従えばいいのか。自分を自分で美しいと評することは、可能なのか不可能なのか。
 あなたは老いても私を美しいと言うだろう。
 数年にわたるあらゆる対話と情の交換と説得と懺悔と和解とを経て、もはや恨みさえを感じえないその人を孤独にすることをよしとせず、私はかれを寂しがらせないだけの情念を記憶からかき集め、顔を少し前のものに戻した。  戻した顔を見て、その人は大いに安心していた。  「いつものあなたの顔だ」と嬉しそうに語った。私の顔は、客観的にはすっかり変わってしまったはずなのに。「いつもの顔」。あなたを見つめるいつもの。
 眼差しだろうか、顔つきだろうか、唇の結び方だろうか、瞳の苦しさだろうか。  愛だろうか。恋心だろうか。縋る気持ちだろうか。離れないでと、離さないでと、懇願する思いが目に映っているのだろうか。
 正体のない、この顔。
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uzurakoromo · 1 year
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掌編小説 『未来の視線』
 過去へと行けるタイムマシンが開発されてから、数年が経った。その間、私たち歴史調査隊は、タイムマシンを順調に活かし、歴史の真実を紐解いていったのであるが、その中で少し、不可解なことが起こっていた。
「やっぱり、感じます……?」 
「あなたも思っていたなんて……」
  今日の業務を終え、珈琲片手に語る仲間たちは困惑に声を落として俯く。それに私も心当たりに湯気を見つめながら、改めてその不可解な現象を言葉にして皆に伝えた。
 「私は三年くらい前かな……平安時代の子どもに自分の姿を捉えられた」
 「僕は去年、江戸時代の武士に」
 「あたしは、明治時代の女工に……」
  私に続いて、皆がそぞろに例をあげる。本来それは絶対にありえないことだった。過去へと繋ぐ仕組みは、いわば、過去の次元に透明なレイヤーを重ね、その狭間に私たちが紛れ込む、と、いう形だ。だから、過去の者たちに私たちの姿は捉えられないはず。だからこそ、私たちは過去に介入することなく、調査を進めることが出来るのだ。だが、次第に例外が現れるようになった。
 そう、過去の次元において、必ず誰かが、調査隊の誰かの姿に気づいて、こちらを睨むのである。彼からすれば、ヘンテコな様相をした者が急に現れたというのだから、当然そうするであろうが。
  私も、多くの人が目を合わせることもなく通り過ぎる朱雀通りの脇で、浅葱色の水干を着た一人の子どもだけが、ススキの穂を地べたに付けて自分を見つめていたときの、あの辿るような目線を思い出し、口を覆う。
  なんだろうか、あの異様なほどに感じる不気味さは。
  他にも経験した彼らの証言を聞く限り、その「見つめる者」という存在には、パターンがあることが分かった。
 一つ、「見つめる者」は各時代ごとにランダムに、性別も身分も一切関係なく、非常に稀ながら、一人、または二人出てくるということ。そして彼らもまた、調査隊の中で一人だけの隊員を捉えているということだ。私はリーダーとして、不可解な現象を開発部に報告し、調査を依頼した。すると、原因は不明であったが、大きな事実が判明しだのた。それを皆に報告すると、彼らは全員一斉に口を開き、更にざわつき始めた。
 「え、見つめる者は、見られた隊員の祖先、または親戚だった、と?」
  私は報告資料を片手に大きく頷いた。
 「ええ、それに例外はなかったみたい。だから、結果論としてそういうことだろって」
 「つまり、何です。それこそ次元を超えて、私たちと先祖様は出会っていたというのですか?」
「それが、いわゆる縁とか、運命とかというものかもしれませんね」 「そうね。また、昔から伝わる怪奇現象や、心霊スポット、冥土と言われる場所も、巡り合わせば、私たちとの遭遇場所とも一致しているらしいわよ」 「……僕らを幽霊か祖霊とか見間違えたご先祖様が、今へと述べ伝えたのかもしれないね……」 「先祖が未来の子孫を祖霊と間違えるとか……不思議なこともあったものね」  と、仲間たちはその巡り合わせを悟り、驚きつつもやがて、安堵のため息を漏らした。この結果に対し、政府は「今までの調査の成果に比べれば、噂や奇譚に関わるくらいの介入は微々たるもの」とし、歴史調査はそのまま進められることになった。  しかし、私は、私だけは、この事実を何か異様な前触れとして穏やかな心地がしなかった。それから数ヶ月後、嫌な予感は当たることになる。ある日、私の後輩が泣き叫びながら調査から戻ってきたのである。 「目が合った! 目が合ってしまったんです!」 静止しようとする仲間を振り払い、彼女は髪の乱れた頭を抱えて叫んだ。私は問いかける。 「どうしたの、落ち着きない。誰と目が合ったですって?」 「新宿のバーにいたDJです! 調査で通りかかっただけなのに……間違いない! 彼は、間違いなく私を見た! でも、なんでなんです!? あの……私を見たあの瞳は……! 青色、だった……!金色の髪、高い背丈……彼は外国人だったんですよ!」  周りは騒然となった。何故なら、今、床に突っ伏せて叫ぶ彼女は、とても海外の先祖がいるような見た目ではなかったからだ。 「待ちなさい。落ち着きない。先祖が遠いと遺伝に反映しないことだってあるわ」  私は彼女の背中に手をついて慰めるも、それにますます荒ぶれて、彼女は首を振った。 「いいえ、いいえ! ありえません!ありえません! だって私が飛んだのは令和時代、祖父母の時代なんですよ!? でも、私、あの人知らない! 他の親戚にもあんな人いない! じゃあ、今まで知っていたおじいちゃん、おばあちゃんは違ったっていうんですか!? それとも、私が、私が違うとでも言うんですか!?」  そうして、自分の出自が揺らいだ衝撃に、彼女は泣き伏してしまった。しばらく私たちが慰めてきたものの、開発部からの報告は改めて、『例外』は彼女しかないと無情に諭し、孤独に苛まれた彼女は、心当たりがないという家族との諍いの中でやがて人間不信を起こし、調査隊を辞めてしまった。  それから数年後。歴史調査隊が海外の申請を受け、遂に海外への進出を決めるようになったとき、私は久しぶりに彼女から手紙を受け取った。眩い研究所に晒された真っ白な手紙には、可愛らしい文字でこう綴られていた。 『私は今年、結婚することになりました。療養のために訪れた北海道で、出会ったのです。ひと目見た瞬間、私はこのひと以外ありえないと思いました。正に運命だと、それ以外にないと思ってしまいました』  と、かつての調査隊エースらしからぬ、情動的な綴りに戸惑いつつ、同封されていた写真を見て、私は珈琲のカップを落としてしまう。甲高い音が青空に響き渡る中、震える私の瞳には、金髪に青い瞳を持つ女性が彼女と腕を組んで笑い合っていたのだ。 『そして、彼女は言いました。彼女の祖父は若かりしり頃、新宿でDJをしていたことがあると。なんということでしょう。私と目が合ったその男は、実は未来に会うパートナーの家族だったのです。それを知ったとき、私はすべてを悟りました。私は未来に見られていたんだと』  写真の中で彼女は、円満の笑顔を見せていた。 『かつて私が所属していた歴史調査隊は、”過去の事実を見極める”ことをモットーにしていましたが、今にして思えば、なんて傲慢であったことでしょう。いいえ、私たちは本当はそういう立場ではなかったのです。深淵を覗けば深淵もお前を覗く。お前たちもまた、過去の人々の視線の行く先に、自分の現在を、そして未来を見られているのだ、と。いずれ私たちは子を成すのでしょう。繋がりがあって過去の者と目が合うのであれば、それが道理になるでしょう。そう、たとえ……』  私はそれ以上、続きを読まなかった。写真には白いウェディングドレスを並べて笑い合う二人がいる。現在においても、同性同士の生殖が成功していた例はない。しかし、きっと、二人が子を為せる未来は来るのだ。
 それを何十年前の視線は辿っていた。私たちは過去から、未来を見られていたのだ。  事実への決着をつけられないまま、海外への歴史調査が始まってしまった。衝撃にしばらく眠れないまま、目の下にクマをこさえて捉えるのは、初めての海外の景色。そして、その海を仰ぎ見たとき、そこで私も見てしまったのだ。
 煌めく海の背後に、こちらを凝視する、黒い影の中に浮かぶ白い眼光を私は叫び、膝を落とした。周りの声も遠くに掻き消え、ただ、その目と見つめ合っていた。
  そんな……、この時代に、ここであの人と目が合ってしまったら、いずれ私は……! そしてこの国は……!
〈終〉
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alvvaysechoes · 1 year
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Seriously you guys really our best rock band in this generation..!!
Last night gig just proved it..
Totally mind blowingggg
It was beyond my imaginationnnn😇
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Massive well done board saaaaaan🎸
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Judeさん..最高の瞬間の映像シェアしてくれてありがとう🤝(毎日見てます☺️BOARDさんが歌ってる時のGrianのうれしそうな顔といったら!
そしてこんな素晴らしい記事にまとめて下さったライターさん🇬🇧ありがとう🤝
本当に記念すべき忘れられない初来日ライブになった🇮🇪🇯🇵2月18日毎年お祝いしたいくらいだ☺️
BOARDさんのほんまもんのガチのパーフェクトギターリフに「お主、、やるわね、、」って二度見、三度見してるConarさんがツボです
BOARDさんのギターでサウンドの厚みが更に増し増しになって本当にスペシャルな熱い瞬間だった
こんなライブ体験初めてかも..
本当に幸せだ
ライブ会場ではわたしの大好きなLobsterご一行も来ていらした!
ポストパンクバンドが愛してやまないバンドFontaines D.C.
わたしの大好きなバンドが大好きなバンドFontaines D.C.
かっこいいバンドはみんな夢中になってしまうよね🤝
音楽愛が循環している🤝❤️‍🔥(私から見た世界線笑
好きなバンドと好きなバンドが共通してるというのもすごくうれしーくなる
ライブに遊びにきているだけなのにかっこよかった🦞みんなファッションがこれまたキマってた😎😎😎😎😎(絵になってるからすぐ発見されちゃう私に笑🦞
Lobsterメンバーもみんなホクホクいい笑顔していた☺️会場のみんな全員ホクホク高揚していた!わたしも風呂上がりみたいになってた☺️
オーラとてつもなくハンパなかったFontaines d.c.
GUCCIを纏ってもpepsi teeを纏っても圧倒的オーラを放つGrian😳
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(お写真ネットからいただいてしまった☺️
寧ろpepsi tee+ボトムレイヤードはかなりの上級者スタイル..
なんであんなかっこいいんか
これを日本滞在4日目まで着倒していた(かっこよすぎる
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たくさんの素晴らしい出来事を総合して本当に祭りだ祭りだ気分満載
うつつを抜かすとまた色々な事件が(ぇ 起きるから落ち着きを取り戻さないといけないと思いつつも浮かれてしまう。とてつもなくかっこいいライブを見た後ってなんでこんなにも無敵な気持ちになってしまうのでしょう
本当にありがとう😊
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「Grian! !曲の美しさとかっこよさは言うまでもないよ、もちろん、、」
と話した時サングラス越しで表情はわからなかったけどフリフリと首を横に振っていた
知的でクレバーな方だと文学的な歌詞を読んでよくわかっていたけれど
かっこよくて親切で思慮深くクレバーで詩人でそれでいて、謙虚で、、でもしっかりとした自分の信念と考えを持っていて地に足がついている(止まりません👀
(すごく素敵な記事を発見してしまった
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「曲が美しいのは言うまでもないけれども、歌詞もまたすごくいい!」って話した時にニコっとして頷いてくれた
このサイン会はサイン会じゃなかった
ほぼほぼ懇親会
一人ひとり、ファンの気の済むまでかなりかなり時間をかけて対応してくれていた
お尻が決まってる流れ作業じゃなかった
や、流れ作業が通常運転ですよ
スタッフ〜も全く急かさない..どーゆーこと
わたしとその場で知り合った方と3人で前でずーっとその様子をご機嫌さんで見守っていた笑
(見てるだけで楽しいんだもの笑 満足して本題忘れて帰りそうになるくらい笑
そしてフロアではFontaines D.C.の曲を爆音でかけているし😎目の前にはメンバーがいるし
目を細めたらそこはライブ空間ですYO
擬似ライブ体験ですYO
本当に楽しくて、、そしてそしてこの曲流れたらもう跳ねずにはいられないから跳ねちゃった
「Sha Sha Sha♪」って歌ったらメンバーニコニコしていた😎(やってんな〜
かれこれ1時間半以上のハートフルな心暖まるサイン会という名の懇親会だった😎😎😎😎(もうこんな事絶対ない..Conar(Ba)はおなかが空いたのかコンビニのサンドイッチを途中モグモグしていた..(堪忍やで
ビデオです♪
ビデオなんかーーーい!Oh..my..god..
世界でやってる!このネタを..(万国共通だ☺️
ネタのつもりはなくてただただ写真撮るのが下手なので動画にしてるのだけど はは。
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大大大好きなRoman Holidayのギターイントロ
わたしはこのギターの音にメロメロになっていて
そしてしっかりライブでキャッチ⚾️できた!
しっかりしっかりガン見した👀(モッシュに揉まれながら海老反りになりながらウットリしていた笑人生であれほど海老反ったことない!
番号悪かった割に前に流れついていたわたし☺️
そしてなんとそのわたしの大好きな甘ーーーい艶々なセクシーフレーズを奏でたConarさん(Gt.)のギターのピックをいただけた🙏
(最近、すごくうれしいハプニングが沢山
年末から2月にかけて本当に忙しくて大変で全くもってライブ楽しめる余裕あるのかな..なんて思っていた。こんなにも胸を動かされて高鳴って感動するライブを味わえるとは思っていなかった。や、思ってはいたけれど、とにかく想像と期待をはるかに超えていた
我々も彼らをリスペクトして思い切り楽しんだから相乗効果もあったのかな(Yay❤️‍🔥
この胸の高まり今も続いてる..😇
楽しめただけでも充分すぎるほどなのに😭
こんなにも素敵な時間を過ごせて幸せ
がんばったご褒美🎅なのかな(やったね!
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doubletakako · 6 years
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D.O.U.B.L.E
Thank you for all the warm comments about the pathological test results in the last blog. Some of them commented for the first time, "I was hesitant, but...", which makes me very happy. Thank you very very much. Last time I talked about my current medical condition, but this time I would like to talk about my 20th anniversary project. Actually, I don't think I would have bothered to announce the illness itself if the timing was off. The people involved in this project also advised me not to disclose it. The internet has a scary side too (laughs). However, there was originally a project ahead of me, and the incident was discovered right in the middle of it, and it was expected that my physical condition and treatment would affect my promotional activities, so I decided to announce it myself. There are other reasons, such as "I don't want to be rumored with wrong information by people around me." . . Now, I would like to leave the introduction to the main topic of today. DOUBLE is celebrating its 20th anniversary this year! ... has already been reported. To commemorate that, we will release a commemorative collaboration mini-album "UPLOAD" with SILVA and SUGARSOUL! ... has already been reported. This 20th anniversary collaboration project is called the "Goddess Project" and has been quietly underway for the past two years. Since it's not a unit, the official name is "SILVA, DOUBLE, SUGARSOUL", but since it's long, I call it "Goddess X" (Megamix). This project started two years ago in the spring when SILVA, who had been in contact with me before, contacted me and said, "Hey, did you know we're going to be celebrating our 20th anniversary next year?" Since it was also the 20th anniversary of Ms., I started by inviting her to do something with the three of us. At the time, I had the impression that SUGARSOUL's aico-san was "somewhat...a timid person", but when the three of us met over time, she was a very friendly person and said, "Then let's do it together!" Although there was no, I feel that the project started naturally. The problem was that the three of us were far apart, so we couldn't see each other quite often, so we had many meetings over chats and group calls to create the song. Actually, for me, it was the first time for me to do this kind of work with only three artists, and it was an exciting experience. Of course, there were fights between us, and there were times when we were in danger of breaking up (laughs). That's how the song "UPLOAD" was completed, and the recording was finally done last summer around this time.
実はこの時既に胸のしこりで一度病院に行っていて「多分大丈夫だろうけど、一応経過観察で半年後にまた診察しましょうか」と言われていて、aicoちゃんと「ねぇ、胸にしこりがあるんだよね」「ある…ある―っ‼」という会話があったんですよね。。。 それはさておき、スタジオでは初の3人の歌録りという事で緊張しました。これについては恐らくみんなそれなりに緊張していたのではないかと思います。 でもお互いのレコーディングスタイルを見たり話し合ったり、これも楽しい時間でした。 自分のレコーディングが終わって先に帰ったSILVAからテキストで「ついさっき会ったばかりなのにもうみんなに会いたい。恋かよ?みたいな笑」という何ともラブリーなメッセージが届いた時、私もそれに凄く共感出来ました。 aicoちゃんが来京した時に長時間語り合った次の日、「もうすぐ帰っちゃうのか。また会いたいな。誘ってみようかな?何着ていこうかな?」なんて、まるで恋心を抱いた乙女みたいな気持ちを私も抱いたから(笑)。 そんな風にいつの間にか仲が深まっていった様に思います。 そうして楽曲も出来、次はMVの撮影というところまできた時に私の乳がんが発覚。 その時に私が一番最初に報告したのは他でもないこの2人、SILVAとSUGARSOULでした。 それほどにこの楽曲とプロジェクトに思い入れがあったので、その進行に支障をきたす可能性がある事を早めに伝えたかったのです。 報告を聞いた2人はとても心配してくれて、親身に話を聞いてくれたり体に良さそうな物を送ってきてくれたりしました。 正直このプロジェクトをやっていないで告知されていたら自分はどうだったんだろう?と今振り返っても2人にはすごく支えられていたと感じます。 それからはスタッフにも報告、MVの撮影を早めてもらい、無事に撮影を終えてから手術に臨む事が出来ました。
さて、今回の記念アルバムのリード曲「UPLOAD」のコンセプトは何だと思いますか?
ざっくり話すと「人種も性別も国境も、果ては地球をも超えた、全ての生命に内在する女神性、女性性の賛美」がテーマです。 全然ざっくりではないですね。。。 キーワードにすると「女神」「女性性」「地球」「宇宙」「融和」「融合」「自由」「祝祭」etc... もっと分かりにくいでしょうか。。。 でもこれらを突き詰めて一言で表すとしたら「愛」だと思うのです。 女神達2人だけではありません。スタッフの人たちにもどれくらい心配をかけたか、きっと私の知らない所ではもっともっと気を遣ってくれていた(いる)と思います。 2年前、一番最初に決まった楽曲の大きなコンセプトである「愛」を、自分が病気を患う事で再認識出来た気がしています。 この驚きの偶然を運命の様に感じている私ですが、実際のところは分かりませんよね。正に「神のみぞ知る」ところですね。 今回の曲調はドラマチックかつダンサブルで、ジャンル的にはディスコに分類されるでしょうか。 そしてイントロ。既に聴いてくださっている方はお分かりでしょうがあの有名なTV番組のテーマ曲です。 これはね、「これマジでやってるの⁉」と吹き出す人と「そう来たか~‼」と頷く人に分かれると思います(笑)。 それでいいんです。それを想定の上で作っているんです。こればかりはもうお好み次第かと。。。 ただ今回の曲は三人三様の声質、ボーカルスタイルが凝縮されて、3人シンガーのコラボ曲として非常に良い曲に仕上がったと満足しているので、食わず嫌いしないで是非聴き込んでもらいたいと思っています。 それからアルバムの中にはそれぞれの新曲も収録されています。 DOUBLE's song is called "Good Day" and I made it with Ryosuke Imai who is familiar with "Shake". During the production, I myself said "It doesn't look like DOUBLE" at every opportunity, but Imai-san suddenly shouted "It doesn't look like DOUBLE!" there is. It's a refreshing mid-tempo song, and I sang straight about my feelings that I've had for the past few years, so it doesn't have to be like DOUBLE (laughs). The album also includes a remix of "UPLOAD" featuring Akko Gorilla. Shout out to a cool track slightly toned down from the original? howling? Akko Gorilla-chan's rap that starts with is vigorously feat. By the way, even if I have talked so far, there is still not enough to write, the "Goddess Project" that I have been warming up for two years. I have a feeling that the sudden discovery of the illness and the announcement of it has attracted more attention, but that is another story. The main story is originally this 20th anniversary project. However, in talking about it, I just feel that it was good to announce the illness. Without that, I don't think I would have been able to write a realistic impression of this project from my point of view. . . Once again, I am truly happy to be able to create and release a song with such a magnificent theme on the milestone of our 20th anniversary.
Thank you so much to SILVA, SUGARSOUL, the staff, and all the fans!!
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gokunote · 2 years
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🌈自由に!!!🌈
こんばんは、柊真昼です!!!遅くなりましたが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の第5話「開幕!ドリームランド↑↑(*'▽')」の感想を書いていこうと思います!!!
(アーカイブはもう残っていません、すみません泣)
では早速!!
冒頭はしずくちゃんの語りから始まります!
「まるで夢のように思い描けばどんな自分にでもなれる さぁ一緒に」
これはA・ZU・NAちゃんの1stシングル「Dream Land!Dream World!」のサビの歌詞ですね!(ラブライバーの間では「A・ZU・NAランド」の名前で通ってる楽曲で、正式名称で言うことは少ないです笑)
演劇が大好きなしずくちゃんが「どんな自分にでもなれる」っていうとかなり説得力というか、言葉にパワーが宿りますね!!
ということで5話はA・ZU・NA回となっております!!!
栞子ちゃんが演劇部の部長さんとしずくちゃんに前夜祭の催しの打診を行なっています!
スクールアイドルフェスティバルと文化祭が合体して、更には前夜祭まで行うという…!!本当に一大イベントですよね!!!ニジガクに通ってみたかったです泣
総合演出といった形で演劇部に携わってほしいようですね!どういった前夜祭になるのか楽しみですね!!!
そして場所は同好会の部室
フェスでやる曲決めなど、本格的に取り掛かっていく様子ですね!
ソロとユニット…盛りだくさんのステージになること間違いなしですよ!!!!
「次は愛さんと果林で、とっておきのダジャレMCやっちゃうよ!!」「そんなのお断りよ」「うぇ?」「ダジャレは禁止!」「果林にそんなこと言われたら、愛さんがっかりん!」
この会話最高です!!!!!
気のせいかもしれませんが、愛さん!果林さんの前ではちょっと妹っぽくなってませんかね!?気のせいかもしれませんがね!?!
「うぇ?」の感じが妹感満載な気がするんですよね!?いやー!良いですね!!
そしてしずくちゃんが侑ちゃんに相談事を持ちかけています!なんでしょうね?
そして場所はまたまた変わり、教室で1人何かを見てるミアちゃん。そこにランジュちゃんも。
ミアちゃんは侑ちゃんの演奏を聴いていたようですね!ミアちゃんは気に入ったようですね!
ここでランジュちゃんも侑ちゃんの演奏を聴き、「へぇ、いいじゃない。」と感想を述べます。ここの表情といい言い方といい痺れますねぇ!!!(この反応が第5話の中盤で大事になってきます)
そして今週末はランジュちゃんのライブはお休みで何処か行きたいところがあるようです!どこいくのー!!
そして侑ちゃんとしずくちゃんの場面へ変わります!
ここで3色のカラーコーンが登場します。
ピンクと赤は日向、水色は日陰で倒れてしまっています。赤色のカラーコーンも数個日陰に存在しています。A・ZU・NAのメンバーカラーに対応しているので、何かの暗示しているかのうよですね。
ここで演劇部とスクールアイドル同好会で協力して前夜祭を盛り上げたい旨を伝えます。
そして更にしずくちゃんは歩夢ちゃんとせつ菜ちゃん2人の新ユニットも考えているようです!!そしてここでオープニングです!!!
初見のとき私は「うわ!!!そうきたかー!!」と思いました笑、まさかアニメではA・ZU・NAは存在せず、歩夢ちゃんとせつ菜ちゃんのユニットが登場するのでは…!?!?とは思っていませんでしたが、ちょっと面白い入り方だなって思いましたね!!
スクスタでは歩夢ちゃんか2人をサラッと誘って結成されたユニットだったので、また別のA・ZU・NA結成秘話が見られそうでワクワクしてますよ!!!!!
(ここからは私の妄想ですが、確かに歩夢ちゃんとせつ菜ちゃん2人のユニットというのは面白いかもしれません!ラブライブのシリーズ的に言えば歩夢ちゃんは虹ヶ咲の代表として描かれることが多いです。そしてせつ菜ちゃんはそんな虹ヶ咲のエース的な立ち位置にいるんですよ。なんかその2人がユニットを組むってなったら結構面白そうなんですよね!可愛い系の歩夢ちゃん、カッコいい系のせつ菜ちゃん。同じ2年生でメンバーカラーも近くて、なんか通ずる部分は多いんですよ!!!!うわーー!ちょっと2人のユニットもめっちゃ気になりますね?!?ラブライブはユニットとは別に、デュオトリオなるものが存在してるんですよ!詳しく書くと長くなるのでアレなんですけど、ユニット以外の子で楽曲を出すパターンがあって、もし虹ヶ咲にその機会があれば実現してほしいユニットだな!って思いました!!)
Aパートは歩夢ちゃんと侑ちゃんのマンションのベランダから始まります!いつもの光景ですね!笑
歩夢ちゃんが侑ちゃんをデートに誘いますが、断られてしまいます…!!あらー!!
歩夢ちゃんは1人��お出かけすることになりました。ここで階段を降りる歩夢ちゃんが描かれるんだすが、歩夢ちゃんのお顔がカンタン仕様のお顔になっててすっごく可愛いんです〜!!虹ちゃんのアニメではよくカンタンお顔が登場してるので、これからも登場してくれると私は嬉しいです笑
と、侑ちゃんが歩いているところを発見!なんとしずくちゃんと待ち合わせをしていました!!!「どこかいくのかなぁ?」と言いつつ、尾行します!!!さすが歩夢ちゃん!!!スクスタでも主人公であるあなたちゃんを尾行する描写があるんですよね〜!もうこの尾行が始まってからの歩夢ちゃんが最高に可愛いんです泣、もう最高に可愛いですね!、!!いやー!最高に可愛いです!!!!
2人は電車でどこかに行くようです!
ここでしずくちゃんが「私服の先輩、久しぶりです!」と言ってるのですが、実はアニメ1期では侑ちゃんの私服をしずくちゃんが見た描写はないんです!!じゃあなんで久しぶりって言ったのかというと!ドラマCDでみんなでお出かけしたことがあったからなんですね〜!ドラマCDを聴いてた人からすると「おぉ!」となったポイントかもしれませんね!
と、尾行していたらなんとせつ菜ちゃんに、気づかれてしまいます!!!歩夢ちゃんピーンチ!ここでせつ菜ちゃんのお口を手で抑える歩夢ちゃん!!!!いいシーンですねぇ!!!!いやぁ!!!侑ちゃんのこととなると大胆になる歩夢ちゃん最高だと思いますね!!!えぇ!!
もうここのシーン全部が好きすぎて書ききれないんですが、端的にいうと歩夢ちゃん可愛すぎてやばい、ということです。
ふんふん頷きまくる歩夢ちゃんも、無理に尾行を正当化?しようとする歩夢ちゃんも、もう全てが愛おしいですね!!!ありがとうございます!
そしてまさかのせつ菜ちゃんも巻き込んで尾行は続行されます!笑、せつ菜ちゃん1人で何処かに行く用事があったらどうしてたの!歩夢ちゃん!こら!
電車内でしずくちゃんが「これ、お恥ずかしいんですが。」と手帳を侑ちゃんに渡します。
歩夢ちゃんとせつ菜ちゃんをイメージしたお芝居の台本が描かれているようですね!
2人には歌とお芝居を組み合わせたステージをしてほしいようです!ここでしずくちゃんの妄想シーンが入るわけですが、作画が本気すぎて笑いました笑、しかもいつもと違うテイストだったのでビックリしましたし、可愛い〜!ってなりました笑
お揃い姿の野獣と少女のお話…(ほぼ美女と野獣と思ってもらって大丈夫なやつです)
マジこの妄想世界の歩夢ちゃんとせつ菜ちゃん唇近すぎて意味不明でしたね。なに???オタクの妄想をアニメで描写してくださってるんですかね?!?!しずくさんマジ感謝です。
侑ちゃんもこのお芝居が気に入った様子…!
ここでしずくちゃんが「野獣役が歩夢さんっていうのもアリだと思うんですよねぇ…」と言うと侑ちゃんは困り顔で「あ〜わかるわかる〜笑」と返答します。このシーン面白すぎませんかね?笑、視聴者はみんな歩夢ちゃんが侑ちゃんを押し倒したシーンを知っているので、もうなんか面白すぎましたね…侑ちゃんはきっとこの時のこと思い出してたのかな笑
しずくちゃんはまだちょっとお芝居の台本に満足いっていない様子…
「今から行くところならきっと何か参考になると思う!」と侑ちゃん。
一体どこに行くんでしょう?
一方隣の車両では歩夢ちゃんがこちらの車両の様子を伺っていました笑
「なんかすっごーく盛り上がってる…真実を暴いてみせるんだから!!」
真実って笑、ここめっちゃ笑いました
嫉妬ぽむちゃん可愛すぎますね〜!!もー!本当可愛いですねぇ…
「探偵みたいで面白そうですねぇ!」
とせつ菜ちゃんもかなり乗り気なのがなおのこと面白いです笑、笑顔可愛すぎますし!
目的地は「特別展 スクールアイドルの軌跡」と書かれた記念イベントだったようです!かなり行列ができてます!
これにはせつ菜ちゃんもワクワクが隠せないようす…!!確かにこのイベントは気になりますね!!!何が飾られているのかしら…
ここで風船を持った女の子が転けそうになりますが、歩夢ちゃんとせつ菜ちゃんが見事に救って見せます!!!カッコいいですね!!!!このシーン好きです!!!
と!!!侑ちゃんとしずくちゃんにバレてしまいました!!!
「あれ〜?しずくちゃん、侑ちゃんも来てたんだぁ」ここの言い方めっちゃ好きです笑
「どうして2人がここに?」と侑ちゃんが聞きます。歩夢ちゃんはせつ菜ちゃんとヒーローショーを見に来たようです!!いやー奇遇ですねぇ!一緒にヒーローショーを見ることに!!!
しずくちゃんとせつ菜ちゃんが大友(大きなお友だち)化していて笑いました笑、特撮が大好きなせつ菜ちゃん、ショー基、劇が好きなしずくちゃん、2人は盛り上がるに決まってますね!!そしてこのヒーローショーの看板なんですけど、A・ZU・NA以外のユニット名候補の名前がすっごく散りばめられていたんです!というのもユニットは代々、ファンの応募で決まっていて、8つくらい最終選考に残って、決選投票を行いユニット名が決まるんです!こういったところもアニメで描いてくださって、なんかファン想いすぎて…最高ですね!!!
ヒーローショーが終わり、今度は遊園地で遊ぶようです!!
ここからのシーン、歩夢ちゃんに注目してるだけでも楽しいですね笑、基本侑ちゃんの近くに陣取ってたり、侑ちゃんの前だと頼もしかったり、すごくいい感じですね…せつ菜ちゃんはどのアトラクションも全力で楽しんでて最高です!!!侑ちゃんは絶叫、高所、お化け屋敷、コーヒーカップなど多種多様な乗り物で弱々状態になってます笑、かわいいですね!!!
しずくちゃんも楽しんでますけど、みんなの様子も同時に観察しているようでしたね!
コーヒーカップを回しすぎてバタンキュー状態なのが、微笑ましいですね!!
観覧車にも乗りたかったですが、休止中の様子…残念ですね!
ここでせつ菜ちゃんに電話が!メガネを装着して瞬時に菜々ちゃんモードに変わります。すごい切り替えの速さですね笑
電話の相手は栞子ちゃんでした。
何の相談だったんですかね…?!きっとスクフェスと文化祭のことについてだと思いますが!連絡を取り合って綿密に計画を練っているようですね!
栞子ちゃんのお家はとっても和ですね!
お部屋には薫子さんもいましたね!
姉妹揃って同じ部屋でなにしてたんですかね?!薫子さんは栞子ちゃんをツーリングに誘いますが断られてしまいます…!栞子ちゃんはお姉ちゃんに対しては割とツンツンしてますね…!
そして薫子さんの最後のセリフ!「今度虹ヶ咲で教育実習やるから!」と…!!うおおおー!来てしまいましたねぇ!薫子さん〜!楽しみですね…
電話を終え、しずくちゃんはユニットの件を本人に直接伝えます!
しずくちゃんは、歩夢ちゃんとせつ菜ちゃんに並々ならぬスター性を感じていたようですね。
やっぱりしずくちゃんは1年生で、歩夢ちゃんとせつ菜ちゃんは2年生ということもあり、先輩に憧れを持っていたりするのでしょうか…?歩夢ちゃんは一年生からしてみたら三年生よりも身近なお姉さん的な存在で優しくて可愛いみたいな存在でしょうし、せつ菜ちゃんは生徒会長との二足の草鞋をしっかりとこなし、かっこいい一面をよく見ていると思うんですよね〜!
だからこの2人を見てスター性なるものを感じても仕方ない気もしますし、わかりますね!
歩夢ちゃんとせつ菜ちゃんもユニットについては乗り気なようです!いいですね!
展覧会の時間も近づいてきました!
どんな展示があるんでしょう!!!
まず初めに優勝旗が描写されましたね。μ's、Aqoursが手にしたものと同じモノです。展覧会ということもあり、一旦寄贈している状態、という感じなんですかね…?何はともあれ虹ヶ咲の世界でもラブライブに挑戦しているスクールアイドルもいるんだよなぁ!とちょっと胸が熱くなりました!!
トロフィーも飾ってありましたね!
音楽のジャンルも���種多様で、本当にスクールアイドルは自由なんだ!と改めて気付くことができました。
存分に自分のやりたいことを表現できる!スクールアイドルの良さが詰まった展示会だったようです!私も行ってみたい!!!!
グッズコーナーではグッズフル装備のランジュちゃんが登場しました笑、週末に出かけると言っていたのは、ここに来るからだったようですね笑、本当にランジュちゃんはスクールアイドルが大好きなんですね!
ということで、スクールアイドル展を後にして、ランジュちゃんと合流します!
ランジュちゃんは侑ちゃんに「相変わらずみたいね、あなた。そうやって遊んでる暇ある?って言ってるの。音楽科の成績どうなのよ。」
「中途半端なのって見ててイライラするの。いい加減同好会の活動に付き合うのなんかやめて、もっと自分の夢に向き合ったら?」
と疑問を呈します。
以前よりキツい言葉で侑ちゃんに問い詰めているような気がしますね。
侑ちゃんの演奏を聴いたことで、より音楽の方面にちゃんと向き合ってほしいって思ったのかもしれません。同好会にいる時間も音楽に使えるようになったら、もっと才能が伸びるのかもしれません。ランジュちゃんならこう考えても不思議ではありません。
ですが、侑ちゃんの音楽の才が開花したのは、それこそ同好会にいたからで、作曲について悩んだ時も同好会のみんながいたから解決策が導けました。侑ちゃんにとって同好会は大切な場所で、同好会があるから自分の夢を追いかけることができるんだと思います。
歩夢ちゃんとせつ菜ちゃんがランジュちゃんの言葉を遮りますが、ランジュちゃんは「そうやって甘やすから良くないのよ」と場を制します。
同好会のみんなは確かに、侑ちゃんに対してちょっと過保護?みたいな感じになってる節があるので、この言い分もわかる気がします。現に2人ともハッとさせられていますし…ランジュちゃんはただただキツいことを言っているのではない気がしますね。
「同好会で夢を叶える。そう言っていたのに、今のあなたは周りに自分の夢を重ね合わせているだけよ。あなたはそれで満たされたとしても、何も生み出していないわ。」
と追い討ちをかけます。いやー!厳しいこと言いますねぇ!!こうやってズバッと自分の意見を言えるのは大事なことだと思います。
侑ちゃんは「ありがとう、ランジュちゃんは優しいんだ���。あの時ランジュちゃんに言ってもらえたから、今はまだ全然だけど、私結構前向きに頑張れてるんだ。」
と返します。以前ランジュちゃんに言われたこともちゃんと飲み込んで、前に進んでいると言いたいんですね〜、侑ちゃんも自分がやるべきことをわかっているようです。
侑ちゃんの言う通り、もうちょっと彼女の活動を見守るという方向で良いと思いますよ!ランジュちゃん!!!
と、ランジュちゃんがこの場を去ります。と、しずくちゃんが曇っている様子…
しずくちゃんはランジュちゃんの言葉を自分のことのように受け止めていたようです。
「勝手に妄想して、勝手にユニットを考えて…」
「私は自分だけで満足して、結局なにも生み出せていないんです。」
と言いました。
うーん、確かにそう言われてみればそうかもしれません…まだ今の段階では何も生み出してはいません…
「そんなことやってみないとわからないじゃないですか!!!」
ということで、しずくちゃんの案を現に再現してみることになります!!!!5話の見どころですよ!!!!
この演劇のシーンを逐一書いていくのは中々の作業だったので、まとめつつ書き残していきます!
せつ菜ちゃんが率先して劇の世界を表現していきます。歩夢ちゃんも最初は戸惑いながら参加していましたが、歩夢ちゃんなりに没入して素直に演じているような感じがします笑
劇の中で歩夢ちゃんは「どう見えるかなんて気にせず、今のあなたにできることを一歩一歩やっていけばいいと思う…!」
今の自分にできることを一歩一歩頑張る、というのは彼女のスクールアイドルとしての活動理念にも基づいている考え方です!!良いですね!!
というかエチュード楽しそうですね!笑
2人が劇の進行に行き詰まったとき、しずくちゃんが劇に参入することになりました!!!
流石の演技力で劇を進行していきます!
彼女も劇に加わることで、歩夢ちゃんとせつ菜ちゃんに夢を重ね合わせるだけではなく、生み出し、体現する側になることができました。
「お二人とも自由すぎます…!でも、その自由さが大事なんだと教えてもらいました!今の歩夢さんやせつ菜さん、展覧会で見たスクールアイドルの先輩方からも…!」
「型にはまらず、めいいっぱい自分を表現すれば、ビックリするほど楽しいモノが生まれるんですね!」
としずくちゃんも一緒に歩夢ちゃん、せつ菜ちゃんと手を取ることになりました!!!
A・ZU・NAはこうして結成されたわけなんですね〜!!!「型にはまらず〜」という言葉がA・ZU・NAを正に象徴していますね!!
そしてここでお別れすることに
侑ちゃんが「ねぇ、最後にあと一つだけ乗っていかない?」と歩夢ちゃんを観覧車に誘います!!!!!!あつい!!!!この展開はあついですね!!!!!
いやー!この観覧車の中での会話を私なんかが見ていいんですかね???!?
「ユニットなんて本当は無理だと思ってた。でもせつ菜ちゃんやしずくちゃんと夢中でお芝居してたら、どんどん楽しくなってきて、そんな自分をね。ファンの人に見てもらえたら良いなって思えたの。」
いやー!良いセリフですね!
自分も楽しんで、ファンの人にそれを見てもらって楽しんでもらうっていう!いいですね!!
「侑ちゃん、わたしにも出来ることがあったら何でも言ってね?」
(ここで一回躊躇って?間を開けて?手を取るんですよ!なに?!?!その心理描写!、?)
「ありがとう。でももうたくさんしてもらってる。次はきっと、わたしの番なんだ。」
と侑ちゃんは答えます。
うーん!!なるほど!!いやー!良い関係ですね〜?!?!
ここでエンディングに入ります!!
うーん!!良いお話だった…面白かったですね!?!!
Cパートもあります!!
せつ菜ちゃんが菜々ちゃんの状態で廊下を歩いています。が!!せつ菜ちゃんのときにしているヘアピンをつけたまま!!!!!栞子ちゃんにその姿を見られてしまいました!!!まずいですね!!!!!!
そして次回は第6話「大好きの選択を」ですね!
こちらも内容はもう知ってるので、早急にタンブラーを書き始めようと思います…!!遅れてしまってすみません…泣
といったところが第5話の感想タンブラーとなります。なんかいつもより日本語が怪しい気もしましたが…そして更新が遅くて申し訳ないです…!
第1期8話のしずくちゃんを経て、この第2期5話があるんですよね。しずくちゃんは遂に自分のやりたいことを"自由に"表現できるようになったんです。いやー!!良かった…
何よりお話が面白くて歩夢ちゃん推し(箱推しだけど…!)の私としては大満足のお話でした笑、可愛くて面白い歩夢ちゃんをたくさん見られて最高ですね!!
ということで、第6話のタンブラーを書き始めていこうと思います〜!もうしばらくお待ちいただけると…!!、
それでは、ここまで見ていただきありがとうございました!!!
では、また!
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bailonglee · 15 hours
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ルドラ  रुढ्र パート2
水。
水こそ、生命。
水こそ母であり、愛であり、神だった…🙂✨✌️😎。
で、
善と悪。
黒と白。
神と悪魔。
この二極。
清水と、汚水
で、考える。
「清水こそ、ホワイトアングロサクソンこそ、アーリア人こそ、グローバリストこそ、アトランティスこそ正義(清水)!レムリアは悪である!」
合ってるが、大間違いだw🤣✨
清水は飲める、害がない、体を洗えるw
汚水の使い道は?
無いよw🤣🤣🤣
[追記:20240428]
汚水は、粘着、接着だw🤣✨
使い道はあったわw
色々接着剤使うが、接着って要するに、“汚れ”なんだよなw🤣
ただ、濁水があり、ろ過され、清水になる。
山に雨が降り、岩や砂、高低差がろ過して、清水になる。
雨になる前、太陽により水蒸気になり、天に登る。
だから、水の形態は様々、液体であったり、汚水であったり、清水であったり、蒸気であったり、個体であったりw🤣🤣🤣✨✨✨
この地球🌏上で、変幻自在、まるでヴィシュヌ神の象徴のよう、その臍(へそ)から、世界を作ったブラフマーは生まれ、ブラフマーはアートマンでもあるw🙂✨
だから、善悪、優劣、これこそが、最も意味が無いw🤣✨✌️😎✨
水がどの形を取ろうが、それは〚機能〛に過ぎず、全体のバランス、つまり〚調和〛こそが、この世界で最も大切なのが、頷ける。
なので、調和を破壊したもの、これが宇宙での最大の、犯罪なんだね。🙂
水は変幻自在の、母。
一方太陽は、ただ無限に与える、稼ぎ頭の、父w🤣✨
〚調和〛の法則を破った社会、それに加担した神、人間たち、母なる水は、その場から、離れてゆくわけだ。。
大地から、母なる水が去る、それがつまり、
砂漠化
だ。
雨、降ろうとも、母なる大地、母なる水は、その土地には、留まろうとしない…
調和の法則を破ったからね🙂✨
だから、砂漠化。
簡単な話やんね🙂✨
バランスの取れたコミュニティは、栄えに栄え、一方調和を破ったコミュニティは、乾きに乾く…🙂✨
少し頭を使えばわかる、子供の方が、むしろわかってるw🤣
な��に現在、調和の法則は破られている。。
暴れる阿修羅たちのせいw🤣
「肉食はやめなさい!!」
と叫ぶのは、無意味だw
たださ、水から植物が生まれ、次動物が生まれた。
素晴らしい調和、お互い必要なものが、お互い不必要なものという、パーフェクトな関係性、酸素を吐き出し、二酸化炭素を食べる植物、二酸化炭素を吐き出し、酸素を食べる動物たちw🙂✨
私達人間は動物、同じ動物を大量に殺して食べるのが、誰がどう考えても、“共食い”でしかないw🤣
ただ、
事故やらで家畜死んだ、その可愛がってた肉体を、自分の肉体に取り込む、ってんなら、別に肉食って良くね?w🤣
そして死んだ皮を、共に過ごした証として、衣類、靴にする、めっちゃ愛あるやん?w🙂✨
問題は、それなんだ…
極端で、過剰反応な、現代なだけw🤣✨✨✨✌️😎✨✨✨
加古川で屠殺された皮はさ、もっともっと有効に革製品にしなきゃ、調和バランスは崩れますよ。
何故、韓国製の革製品、アメリカ製の革製品を、やたら店頭に並べる?
日本で屠殺された牛・豚だって、革製品になりたいし、それは殺されたなら、有効に使ってやんなきゃ、せっかく地球🌏で生まれた、意義をそいでしまうよ。
そういう事よ、善悪など、無いとは。
大田区池上邸で亡くなった日蓮聖人は、無念であったろう…
彼の想いとは、被差別部落で生まれ、この人間社会最下層を、知っていた。
一方、天皇や金持ちらは、生まれた時から、そんな悲惨な、凄惨な庶民の生活がいかに苦しいか、かけらも知らない…
最も尊いのは修験宗だが、日々ただ重労働、得るものも得れず、陽の目を見ぬまま、ただ命尽き、その死体ですら、何ら報われない…
そんな庶民が、更に苦行しろってか?
死にますぜ、天皇たちよw
と、日蓮聖人は世界中に訴えたかったし、それが正解と信じた。
日蓮聖人は、世界を平らにしたかった。
そんな想いは、ひしひしと、伝わる…
だがしかし、人間は艱難辛苦に出逢うと、ネガティブになるのが、最初の反応…
だから、法華経を知り、唱え、皆が天皇たちのように生きて欲しい、そんな想いだ。
一点、世界には皮肉なギミックがあり、退廃すれば、人心は堕落してしまうのも、事実。
そして堕落した自らを、決して堕落したと認めない頑なさ、だから、ネガティブをループバックしてしまうという、仕組みだよな。。
私が宗教否定すんのは、意地悪ではない。
私は中産階級で育ち、差別民の友人に、いじめから救ってもらい、皆が持ってるおもちゃすら買ってもらえなくとも、そのおもちゃを、なんと全部石鹸の箱やらで作ってたという、奇跡🙂✨
善悪は機能に過ぎず、最も大切なのは、調和なんだ。。
だから、宗教を否定する。
そこ(宗教)には善悪があり、忖度があり、嘘まみれであり、詐欺があり、搾取しかない…
心を救われたようで、心を奪われただけなんだ。。
そんなの、無念極まりないじゃん。
生きろよ、他人は気にするな、自分を生きろ!
それが、水たちの望み、水たちは、皆が嘔気あふれる世界に、住む。
水に離れられたら、もはや宇宙的にもおしまい、火星みたいになっちまう。。
さあ、宗教退会しましょう🤣🤣🤣✨✌️😎✨✨✨
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amrgamata · 10 days
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虚ろゆらゆら misskeyまとめ #2
「ひらひらふわふわして落ち着かぬの……」
由良が小さく抗議する。けれど、僕の持っている服で由良でも着られることの出来る服といえば、今由良が着ているものしかなかった。文化祭で着せられたぎりぎり制服に見えるか見えないかくらいの女子向けの服だった。 と、いうのも、である。 今日僕と由良は、一緒に外へ出かけるのであった。可視化した由良は、僕に会う前になる事の出来た「霊体化」が出来なくなってしまったらしく、僕としては大変不本意なのだけれど、僕の持っている服を着せることにした。無論、こないだの「お菓子事件」再発防止の狙いもある。
「由良だって男物着るのは嫌だろ?」 「まあ、そうじゃがの。別にわしの普段着でもいいじゃろ」 「悪目立ちするよ。今の時代じゃね」
僕は変に注目を浴びるのが昔から嫌だった。ほぼ裏方に徹するような生き方をしてきたと言える。 それに、恐らく世間知らずの由良はあれやこれやと言葉を上げるに違いないと僕は踏んでいた。現に、テレビやスマホの画面に出たものにいちいち「あれはなんだ」と興奮気味に声を上げるのだから、それは簡単に予想できる。あらかじめルールを決めたところで、由良は自分の中で決めた方を優先する性格だから、僕の言葉に果たしてどれほどの抑止力があるのかどうかも分からない。
「とにかく、僕から離れないこと。いい?」 「何度も言わずとも理解しておるわ。わしとてここは住みよいからの」
ローファーの爪先をとんとんと地面にぶつけながら由良は言う。
「……まあ、誉め言葉として受け取っておくよ」
そう言って、僕は玄関のドアの把手に手を掛ける。 由良が息を呑み、こくりと喉を鳴らした。
ーーーーーー
ふはあ、と由良がやっと息を吐く。 由良の喉がつっかえてしまうのではないかとというほどに、由良はパンケーキを口に運び続けていたから、僕はなかなか訪れない由良の呼吸を心配していた。 両手でカップを持ち、由良はそれに入っていたミルクティーを一気に飲む。飲み終わり、満足げにまた息を吐いた。
「こんなに美味いものが世の中にあったとはのう……」 「僕にとっては日常なんだけどね……」 「てれびやすまほだけでは世界は完結せぬのじゃな」 「知らなかったの?」 「言うてみればわしは『そういう設定』じゃからの」
メタいな、と僕は思う。由良がスマホを使うことで、確かに由良の世界は広がっていた。先程の言葉も、恐らくはネットサーフィンをしていて見つけたのだろう。
「夕陽は食わぬのか?」 「さっき言ったように僕にとっては日常だからね」 「日常的にこのようなものを食うておるのか、お主」
唇を突き出し、由良が抗議する。
「それ食べたら帰るよ」 「まだ回りたい場所があるのじゃが」 「だめ。また来週」 「……『また』があるのじゃな?」
したり顔で由良が言う。都市伝説とはいえ外に出ないままでは気が滅入ってしまう。そう考えたのと近所にカフェができたできたからという理由で、今日の外出は計画されたものだった。
「次は『げえせん』に行ってみたいのう」 「はいはい。考えておくよ」
子供のようにはしゃぐ由良を見ながら、僕は由良は都市伝説としては何歳なのだろう、とぼんやり思った。
ーーーーーー
濡鴉の眼を閉じて、由良が何か考え事をしていた。 口の中で何かを言いつつだから、僕は少しばかりそれが気になってしまう。 手は指先だけ合わせ、それから十分程度過ぎた頃に、由良はやっと眼を開けた。
「考え事?」 「いや、会話じゃよ」
由良の言葉に、僕は面食らう。 明らかに由良は独りでいた筈なのだが。そう思っている僕の考えを見抜いたのか、由良はにまあ、と笑う。
「気になるか?わしが一人でいたにもかかわらず『会話』という言葉を使った理由が」 「……気になるなんて言ってないだろ」 「強がらなくともよい。眼を見ればわかるからの」
胸に手を当て、由良はふふん、と鼻を鳴らし威張る。その態度に僕は少しばかりかちりと来たけれど、僕は言わないでおいた。
「『カシマアヤコ』を知っておるか?」 「カシマアヤコ……確か、『かしまさん』って怪異の本名の一つだよな」 「知っておるなら話は早いな。わしはアヤコと話しておったのじゃ、交信を使ってな」 「交信?テレパシーみたいな感じか?」 「ああ、そうじゃな」
人がスマホや電話で話をするように、都市伝説も離れた場所にいても話ができる、そういったものだろう。
「……カシマさんが知り合いってすごいな」 「そうかのう?」
由良は言いながら、こて、と首を傾げた。
ーーーーーー
「……「妖怪神社」に、花見?」 「そ!七神も行こうぜ」
鈴渚神社ーー通称「妖怪神社」の次期当主である頼山が僕に言う。
「……合コンじみてないよな」 「おう、その辺は大丈夫。今度ばっかしはな」
去年行われた「花見の皮をかぶった合コン」の悲惨さを思い出したのか、頼山は苦笑いする。去年はとにかく、女の子達に振り回されただけだったのだ。
「でも妖怪神社って桜あったっけ?」 「いんや、梅見ってのがあるらしい。梅の木なら何本かあるぜ」 「ふうん……」
僕が気のない返事をすると、頼山は食いついてきた。
「んでんでんで、七神も行こうぜ?」 「どうせ行かなかったら会長になんか言われるんだろ……分かった、行くよ」
溜息を吐きながら、僕は言う。瞬間、頼山の表情がより明るくなった。
「ドタキャンとかなしだかんな!」 「分かってるよ」
バタバタと足音を立てながら、頼山H廊下を走っていく。
「梅見か。久しいな」 「そうなんだ……って由良?」 「ああ、そうじゃぞ」
ふよふよと浮きながら、由良が応える。いつからいたのか、どうやって学校まで来たのか、それらは僕にはわからずじまいだ。
「……僕以外にも見えてるの?」 「夕陽だけじゃろ。勘の鋭いものなら見えるかもしれぬがの」
含み笑いをして、由良は僕をちらちらとみる。訊かずとも、僕と頼山の話を聞いていたのだろう。
「わしもついていってもいいじゃろ?」 「……はあ」
僕の溜息で由良は全て分かったのか、嬉しそうにくししっ、と笑った。
ーーーーーー
ちちち、と雀が鳴く。 見上げれば、満開の梅が誇らしげに咲いていた。
「へえ、じゃあ君って七神の従妹なんだ?」 「多少古くさい喋り方はするがの」
由良の声がして、僕は木の上の雀から由良のいる方へ眼を向けた。そしてよく化けたものだな、と感心する。 今由良は「人間として」怪異研究会の面子と顔合わせしていた。怪しまれないように僕の入れ知恵はしてあるから、ちょっとやそっとのことじゃ由良の正体はバレないだろう。
「じゃあ、夕陽くんがなんか楽しそうだったのって、由良ちゃんが来てたからなの?」 「まあ、そうなるかな」
僕は苦笑する。方向性や意味合いは多少違えど、それに変わりはない。
「余程夕陽くんは由良くんを気に入っているのだね」 「……そう見えます?」 「見えるよ。そして由良くんも夕陽くんを気に入っている。違う買い?」 「わしは夕陽を好いておるぞ。夕陽は優しいしの」
由良が会長の問いにそう応えると、頼山と大鳥がひそひそと話をする。その話が聞こえずとも、大方は想像がつく。僕と由良の間に恋愛感情があるのかどうか話しているのだろう。
「それにしても、見事な梅じゃ」
むぐむぐと三色団子を食べながら由良が言う。それに僕は頷きを返した。
「『妖怪神社』なんて言われてるのにね」 「うぐ。それを言うなよな、七神……」
がっくりと、頼山が肩を落とす。次期神主様にも、色々あるらしい。そう思いながら僕は由良と同じく、三色団子に手を伸ばした。
ーーーーーー
「由良ちゃんっていっぱい都市伝説知ってるんだねぇ」
すっかり酔った頼山がそう言葉を発する。それに大鳥も頷きを返した。会長も、眼を細めて感心している。僕だけ一人、由良は都市伝説なのだから当たり前だと思っていた。 それにしても、と僕は思案する。由良がここまで完璧に化けることができるのを僕は知らなかった。一緒に住んでいるとはいえ、まだ由良について知らないことはありそうだ、と僕は思い、くぴくぴと音を立てながら梅酒を呷る由良を見る。
「……由良って酒飲めたんだな」 「なんじゃ夕陽、わしが幼子のような見目じゃから呑めぬとでも思うておったのか?」
僕の呟きに由良が不満げに答えた。僕はそれに、またも苦笑しながら首を横に振って否定の意思を伝える。
「ふん、どうじゃかの……それにしてもこやつらは弱すぎるのではないか?」
ちらり、と由良が酔いつぶれて眠っている頼山と大鳥を見る。ついさっきまで起きていた気がするのだが、と僕は微かに首を傾げる。
「……二人が眠っている今だから、突っ込んだ話をするけれどね」
酒の入っているらしい紙コップを傍らに置いて、会長が切り出した。
「由良くん、君ーー人間じゃないんだろう?」
その会長の言葉に、僕と由良の動きはぴたりと静止した。けれど会長はお構いなしに言葉を続ける。見れば、会長は涼しげな顔をしていた。
「え、と……会長……」 「そこまで警戒しなくとも平気だよ。私も此岸と彼岸で言うなら『彼岸側』のものだからね」 「……は?」
由良が会長の言葉に訝しげに短く言葉を発する。 途端、寒気がぞわりと背筋を駆け上がった。
「白面金毛九尾の狐、とでもいえば、分かるかい?」
ぶわり、と風が吹く。一瞬見ないうちに、会長は以前由良がやったかのように、腰のあたりから九本の金色の狐の尾を出してみせる。 再び会長は目を細めて、くけけ、と嗤った。
ーーーーーー
「……うまく化けたものじゃな」
じとり、と由良が会長を見る。
「心得てはいるからね。化け方も、騙し方も」
くい、と酒を呷り、会長は涼し気に言った。
「わしに妖気を悟られないとはな」 「千年は生きているからね」
目を細め、会長は再び由良に応える。
「殺生石になって見世物にでもなったかと思ったが」 「結構前にその姿は辞めたよ。今は私の……そうだな、跡取りがやってるかな」 「……あ、のー」
たまらず、僕は言葉を上げる。一つ引っかかることがあったからだ。会長と由良、四つの眼が僕を見る。
「跡継ぎ、って……?」 「うん、いい問いだね。今や九尾の狐は一個体じゃないんだ。下手すれば神格化すらされてる」 「……それで、近親婚でもしておるのか?」 「まさか。そんなことしていないよ。過去にそういった行為に手を染めた九尾の狐もいるかもしれないけれどね。私にはそいつの血は継がれていないよ」
くつくつと笑いながら、会長は由良と僕の言葉に流暢に答える。そして、「それじゃあ」と言葉を続けた。
「今度はこちらから訊くけれど、君はいつ顕現したんだい?」 「『顕現』などと大それたものではないがな。この姿はまあ、ふた月ほど前になるかの」 「ふた月、ねぇ……」
じ、と会長が由良を見つめる。 そしてやおら、うんうんと頷いた。
「その程度だと思ったよ。由良くんは化けるのがあまりうまくないからね」
会長の言葉に、由良が息をのむ。
「……わしに化けるのが下手じゃと言いたいのか?」 「うまくない、と言ったまでだよ」 「同じことじゃろ」
握りつぶしそうなくらいに強く握られていた缶の酒を一気に飲んで、由良は会長を睨みつける。
「ちょっと、由良……」 「なんじゃ夕陽」 「睨みつけるとかさ、やめてよ……?」
僕がそう言葉を上げたことで、由良に睨みつけられるのは僕になった。そういえば狐の眷属は階級に煩いのだっけ、と以前読んだことのある噂話を集めたブログの文言を思い出す。会長はもしかしたら、僕と由良が一緒に暮らし始めていることを感づいていたのかもしれない。僕はぼんやりと思う。
神格化までされた九尾の狐、会長と、一般と言っていい狐にしか化けられない由良。どちらの方が立場が上なのか、そういったことにあまり詳しくない僕でも分かる。 その九尾の狐に、遠回しでも「化けるのが下手だ」と言われてしまったのだ。由良の高いプライドが傷付けられているのも、また火を見るよりも明らかだった。寸前で「睨みつける」で済まされているだけで、本当は襲い掛かりでもしたいところだろう。そんな由良をなだめつつ、僕は眠っている頼山と大鳥に眼を向ける。無論、二人にまで止めに入ってくれれば、なんて思ってはいないけれど、せめて目を覚ましてくれれば事態が好転するかもしれないと思っていた。
「……起こそうか?二人を」 「え?」 「催眠術はもういらないだろう?今日はお開きにして、夕陽くんと由良くんは帰るといい。想一くんとひすいくんは私が送ろう」
僕は眼を瞬かせる。そして、感づいた。 頼山と大鳥は酒につぶれて眠ったのではなく、会長の催眠術にかけられたのだ、と。
ーーーーーー
「アヤコに訊いたぞ。彼奴、名を『時揃』というのじゃな」
梅見から帰り、ふくれっ面のままの由良がそう僕に言う。
「……ああ、会長のことか」 「彼奴以外に『時揃』などという奇天烈な名を持つ奴なぞいてほしくないわ」
苦々しく、けれど確かな信条を持ったような眼で、由良は僕を見上げる。
「で……その会長がどうかしたのか?」 「話はそれに終結するが、九尾の狐というのは矢に射られて死んでおるのじゃ。つまり、」 「会長を矢で射ろう、って?それは喩え僕が許しても世間が許さないよ」
僕が由良の言葉をばっさり切ってそう断言すると、由良は再びふくれっ面に戻った。
「何故じゃ」 「なんで、って……会長は人としてこの世界に生きてるからだよ」 「わしにかかれば証拠なぞ残らんぞ」
ずい、と顔を僕に近づけ、由良はまだ不機嫌そうに言う。
「郷に入れば郷に従えっていうだろ?人の姿で顕現した以上、由良も人の仲間ってことだよ。知ってると思うけど、人の世界だと殺人は許されない」
僕の言葉に、由良は少し考えるような仕草をする。ぐるうり、と一度首を回して、由良は溜息を吐いた。
「……お主に言い敗かされるとはな」 「納得、した?」 「悔しいがしたな」
由良は呟いて、苛立ちを表すようにがしがしと頭を掻いた。
ーーーーーー
「七神ィー」
廊下で名前を呼ばれて、僕は振り返る。声の主は頼山だった。ひらひらと手を振りながら、こちらへ向かってくる。
「頼山。どうしたんだ?」 「どーしたもこーしたもねぇよ。こないだの梅見、俺とひすい寝落ちしたじゃん?アレで由良ちゃん怒ってねぇかなーって。そんだけ」
バツが悪そうに、頼山は言う。まさか「あれは会長の催眠術で」なんて言えるわけもないから、僕は心情を隠しながら首を横に振る。
「んお。そうなのか?」 「うん。……まあ、別のことでイラついてはいたけど」 「別のこと……?」 「ああ、こっちの話」
僕の言葉に、頼山はじっとりと僕を見る。けれどそれはほんの一瞬で、すぐに「ま、いいや」と頼山は話を変える。
「会長が言ってたんだけどさ、次の心スポ巡りどうするか、だってさ」 「……なんでそれを僕に?」 「いんや、由良ちゃん都市伝説に詳しかったからさ」
ひすいの意見も取り入れ済み、と付け足して頼山は言う。
「……あれで由良ってかなり世間知らずだけど」 「あー……それはあの喋り方だしなんとなく予想できるわ」
ケラケラと笑って、頼山はすれ違いざまにばしばしと僕の背中を叩いて「ま、由良ちゃんに宜しくな」とと言い残して行ってしまう。 後には、「由良にそんなことを聞いたところで有用な意見が得られるのだろうか」と思う僕が残された。
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thanatochu · 14 days
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Hydrangea
綾子主ほのぼの日常編 黒い森を抜けたあと、の続き
春の終わりに、出会ったばかりの僕たちが共同生活を始めてしばらく経った。 今ではもう梅雨の季節で毎日雨が降ったり止んだり、じめじめとしたお天気が続く。樹さんに頼んで乾燥機買ってもらえて良かった。 樹さんは割と子煩悩というか叔父馬鹿なところがあって、甥っ子の快適な生活のためなら金と労力は惜しまないと豪語する。 僕としてはそんなに甘やかしちゃ駄目だよとブレーキ役のパターンが多くなってるんだけど、多紀を甘やかしたいのは正直とてもよく分かるので結局甘々な僕たちを多紀本人が諌めてくるという構図。 多紀はこの春から転校して近所の小学校2年生になった。 最初は内気なのもあってポツンとしていたようだけど、僕らと暮らすようになってから笑顔も増えて友達も出来たらしい。お勉強も頑張っていると連絡帳にも書いてあった。 僕は表向き、樹さんたちの遠縁ということにしてもらっている。みんな苗字がバラバラでも辻褄が合うように。ごく普通のママとパパがいる家庭ではないと、多紀が変な噂を立てられないように外面は良くしておくに越したことはない。 同級生のママさんやPTA、ご近所付き合いまで僕が一手に引き受けているけど、若い女の子たちとの会話とはまた違ったスキルが要求されるので、慣れるまで大変だ。 実のところ僕は2009年どころかもっと先の未来のことまで知っているので、2000年代初頭に生きる人たちと話しているとジェネレーションギャップみたいな気分になっちゃうことがよくある。うっかりSDGsが、とか言わないようにしないと。 でも皆さん基本的に良い人たちだ。近所には緑も多い公園があり、曜日によって種類の変わる安売りセールのスーパーと、閑静な住宅街で広々とした居住スペース。子供を育てる生活環境としては今のところ何の問題もなく満足している。 最初にこの環境を整えてくれていた樹さんには頭が上がらない。 多紀の父方の親戚連中に随分とご立腹の様子で、その頃の多紀を見たらそれは無理もないだろうなと推測する。 親戚たらい回しの放置されっぱなし、愛情のお水を貰えずに干涸びて。そんな環境で育ったら他人に期待しなくなるのは当たり前だ。 巌戸台に越してきたばかりの、舞い散る桜も空の青も、綺麗なものを何も映していないような君の灰色に霞んだ瞳を思い出す。 どうでもいいなんて言わせない。そのために僕らは家族になったんだ。
そろそろ多紀が学校から帰ってくる時間だ。 僕は樹さんと多紀が選んでくれた黒のデニム生地のエプロンを締め直して、おやつ作りに取り掛かる。 蒸し暑くなってきたからゼリーとか涼しげなのも良いなあ、なんて考えながら定番のホットケーキだ。休日の朝ご飯にはじゃがいもをすり下ろしたパンケーキが好評だったけど、今回はおやつなのでメープルシロップとバターを多めに。 「ただいまー」 焼き上がったいいタイミングで玄関のドアが開いた。 「おかえり。今日も楽しかった?」 「うん。今度ね、遠足があるみたい。おべんと作ってくれる?」 「へえ!いいねえ〜頑張ってお弁当さん作っちゃうよ」 おやつがあるから手洗ってね、と言うと多紀は素直にランドセルを置いて洗面所に向かった。 冷たい牛乳と一緒にホットケーキを並べると、戻ってきた彼が「いいにおい」と顔をふんわり綻ばせる。もう、うちの子すっごく可愛い。 僕の分は最初に焼いた、あんまり上手い焼き色にならなかった1枚でカフェオレと。やっぱり皆で選びに行ったランチョンマットは色違いの豚さんだ。 「ジュジュの分ある?」 「あるよ、ちゃんと作ってあるから大丈夫」 ジュジュとは樹さんのことだ。音読みで、じゅ。 教えてもらった時は微笑ましいなと思ったけど、最初に言い始めたのは樹さんのお姉さんなんだそうだ。つまり多紀の亡くなったお母さん。 ひと回り近く歳の離れたしっかり者のお姉さんだったそうで、もう姉というより母親が2人いるみたいだったと樹さんが溜息を吐いていた。 「ジュジュ今日も帰り遅いのかなあ。おしごと大変なのかな」 「夏休み取れるように今から頑張ってるんだって。お祖父ちゃんち行くんだもんね」 「うん!」 学校が夏休みになって樹さんも纏まった休みが取れたら、実家のお祖父さんとお祖母さんに会いに行こうと計画している。 長閑な田舎に遊びに行く夏休み、なんて絵日記が捗る子供らしいイベントだ。 多紀は小さい頃に会っただけで記憶も曖昧だけど、電話ではよく話しているので2人に早く会いたいと毎日とても待ち遠しそうだ。 こんな時に、そういえば向こうの多紀もお爺さんお婆さんが好きだったな、なんて考えたりする。文吉さんにクリームパンをポケットに捩じ込まれたと満更でもなさそうに僕に半分くれたことがあって、くすりと思い出し笑いが漏れた。 とても懐かしいし君に会いたいなとは思うけど、その彼を堂々と迎えに行くために此処に来たんだ。ホットケーキを咀嚼して感傷的になってしまった気分を振り払った。
遠足はどこに行くの?お弁当は何食べたい?などと話しながら夕飯を2人で済ませ、お風呂上がりに水分補給していると樹さんがようやく帰宅した。 「あー、つっかれた…」 「ジュジュ、おかえり」 疲労と空腹でよろけている叔父さんを玄関まで多紀がお出迎えする。手には飲みかけの乳酸菌飲料が入ったコップだ。 「ただいま〜。良いもん飲んでるな。ひと口くれよ」 「ええ〜。ひとくちって言ってジュジュいっぱい飲むんだもん」 「この前は喉乾いてて、つい。悪かったよ。それとジュジュじゃなくてたつきって呼べ」 パジャマ姿の甥っ子をハグして謝りながらも文句を言う。 こうしていると本当に雰囲気が似ている叔父と甥だなと思う。樹さんのほうが少し癖っ毛で毛先が跳ねているけど、2人とも青みがかった艶やかな黒髪だ。僕も黒髪だけど、色味が違う。 樹さんはよく見るとアメジストみたいな瞳の色をしていて、仕事中は外しているけど左の耳にピアス穴がある。 多紀と違うところといえば、叔父さんの方が男の色気があるところかな。多紀はもっと中性的だし。 これで大手企業にお勤めなんて、かなりモテるんだろうなあ…とぼんやり思うけど今のところお付き合いしている恋人さんはいなそうだ。普段はできる限り早く帰宅するし、仕事と甥っ子に全振りしている。 そんな叔父さんに渋々ながらも結局自分の飲み物をひと口あげている多紀は偉いなあ、と家族の考え事をしながら樹さんのご飯の支度をした。 「玄関の紫陽花、綺麗だな。買ってきたのか?」 シューズボックスの上に置いた花瓶を見たのだろう、ネクタイを外しながら樹さんが訊いてくる。 「ご近所の榊さんのお庭にたくさん咲いたからって、お裾分けしてもらったんだ」 色とりどり、形も豊富な紫陽花をお世話するの上手ですねって正直に感想を述べたら、少し切ってあげると品の良い老婦人が花束にしてくれた。 バラや百合みたいな派手さはないけど、今の時期しか嗅げない匂い。梅雨も悪くないなって思えて結構好きなんだ。 ドライフラワーにしても綺麗なのよ、とその人は笑っていた。 「ぼくもあじさい好きだよ。雨の雫が似合うよね。あっ、でも遠足の日は晴れて欲しいなあ」 「遠足があるのか。そりゃ雨じゃちょっと残念だもんな」 席に座って、いただきますとお箸を手に取りながら樹さんが頷く。 「近くなったらてるてる坊主作ろうね。すごく大きいのと、小さいのたくさん作るのどっちがいい?」 「小さいのいっぱい!」 「ふふ。布の端切れもいっぱいあるからカラフルなの作ろう」 そんな話をしているともう夜の9時を回っていた。いけない、多紀の寝る時間だ。 「歯磨いて寝る準備出来た?じゃあ昨日の続きから少し絵本読もうか」 「うん、歯みがいた。ばっちり!」 「樹さん、食べ終わったら食器は水につけておいて。お疲れなんだから早くお風呂入って寝てね」 「ふぁい」 夕飯のチキンソテーとおやつのホットケーキを頬張りながら樹さんが返事をする。 「たつきもおやすみなさーい」 「ん、おやすみ」 挨拶のあと子供部屋へと入る。樹さんが用意した多紀の部屋は愛に溢れていて、子供用らしく可愛いパステル色で揃えられた壁紙やラグ、家具と小物に至るまで趣味がいい。おもちゃも温かみのある木が多く使われていて、こういうのお値段結構するんだろうなと思う。 多紀をベッドで待っていたのは小さめのクマちゃん。樹さんが買ってくれたぬいぐるみで、キャメル色の毛並みに水色のリボンを首に巻いている。 多紀はいつも枕元で座っているクマちゃんと、その下に畳んであった柔らかく肌触りのいい木綿のタオルケットを抱きしめる。 青と黄色のチェック柄で、両親と住んでいた昔から愛用している所謂セキュリティブランケットだ。 それらに囲まれてふかふかのお布団に入り、少し絵本を読み聞かせるとすぐに多紀はうとうとし始める。 以前までは寝つきが悪かったようなので、精神的に安定してきたなら何よりだ。 しっかり眠ったのを確認して掛け布団を整えて、僕はキッチンへと戻った。丁度お風呂上がりの樹さんがタオルで髪の毛を拭きながらテレビのリモコンを操作している。 僕が温かいほうじ茶を淹れてテレビ前のテーブルに置くと、「お、ありがと」と笑ってひと口啜った。 樹さんは家ではお茶とコーヒーばかりだ。仕事の付き合い程度にはお酒を飲むけど、プライベートまで飲むほど好きでもないそうだ。 僕もお酒は飲めないのでちょっと親近感。もう半月くらいすると、多紀と一緒に漬けた梅ジュースが飲み頃になるから楽しみなんだ。 「多紀は今日も元気だったか?」 「うん。ジュジュの分のホットケーキはあるの?って心配してた」 「ははっ。無かったら半分くれる気かな」 多分ね、と相槌を打ったら樹さんはしみじみと優しいなあと呟いた。 「さてと。俺もメールチェックして早めに寝るかな。ごちそーさま」 「お疲れさま。おやすみなさい」 樹さんが自室に入る足音を聞きながら残りの洗い物を片付けて、自分も休む。 当然ここでも毎晩影時間はある。多紀が象徴化しないのはもちろんだけど、樹さんもペルソナ使いだからか、それとも適性の問題か、普通に棺桶にならずに寝ている。それでも影時間のことは認識していない。 一応シャドウが2人に悪さをしないように、いつ多紀が影時間に目覚めてパニックを起こしても対処できるように周囲の気配を見守っているつもりだけど、現時点ではそんな心配もいらないようだった。
遠足は今週末の金曜日。天気予報では雨の確率は50%といったところで、今日帰ってきたら多紀と一緒にてるてる坊主を作ろうと約束していた。 本日のおやつはいちごババロアが冷蔵庫に冷えている。お湯と牛乳で作れるもので簡単で美味しい。 布団乾燥機を稼働させながら夕飯の下拵えまで終わったところで、多紀がまだ帰ってこないことに首を傾げた。 奥様方が小学生にも子供用PHSを持たせようか、まだ早いか話題に上がっていたのを思い出す。いざという時に連絡がつく安心感は重要だ。 小雨の降る窓の外を眺め、エントランスまで様子を見に行こうかとヤキモキしていたら多紀が帰ってきた。 「ただいまー」 「あっおかえり。ちょっと遅かったね?何かあったの」 「うん。リサちゃんちでね、子犬が生まれたって聞いたから触らせてもらいにいったの」 レインコートを脱いで傘立ての横にある壁のフックに引っ掛けながら、多紀が早口で説明してくれる。 ふわふわの触り心地を思い出したのか「これぐらいでね、茶色くて」と両手で抱える真似をしながら、かわいかった〜なんて笑うから、心配していた僕のほうまで笑顔になる。 中型犬より大きめの体で、毛が長くフサフサした母犬だと言っていたので数ヶ月もすれば子犬もすぐに大きくなるんだろう。 「りょーじも今度いっしょに見に行こう?」 「うん、僕も出来れば抱っこしてみたいな」 おやつの後にお裁縫道具と端切れを出してきて、てるてる坊主作りに取り掛かった。 そのまま吊るすと頭の重さでひっくり返っちゃうからどうしようか、と2人で相談して体の部分に重りを仕込めばいいんじゃない?という結論に至った。 多紀にビー玉を提供してもらって、いくつか綿と一緒に袋詰めして端切れを縫い合わせたマントの中に仕込んだら、顔を描いて首にリボンを取り付ける。 「ジュジュと、りょーじと、ぼくと、じいじとばあばね」 5体のカラフルなパッチワークてるてるが出来上がり、カーテンレールに並んで吊るされた様子はなかなか可愛い。 「これで金曜日は晴れるね」 「うん!」 「樹さんが帰ってきたら見てもらおう」 「どれがジュジュか分かるかなあ」 「きっと分かるよ、多紀がみんなの顔描いたんだもん」 多紀とは逆に、今日は少し早く帰宅した樹さんが感心したようにカーテンレールを眺める。 「へえ。随分イケメンに描いてくれたな」 「だってジュジュいけめんでしょ」 「望月だってイケメンだろうけど。タレ目と吊り目の違いか?」 樹さんのてるてる坊主はキリッとした印象で、ピアスも忘れずに描かれている。僕の顔はぐりぐりした目の横にホクロが描いてある。ちゃんと黄色いマフラーも多紀が首に巻いてくれた。 久しぶりに皆揃って夕飯を食べながらリサちゃんちの子犬の話になった。 「多紀は犬が好きか。うちの実家にも白い雑種の、ももがいるぞ。覚えてるか?」 「…いぬ?お鼻がピンクの子?ジュジュが撮った写真があった」 「そうそう。もう今年10歳だからおばあちゃんだけどな。まだまだ元気だって聞いてるから夏休みに会えるよ」 「うん。ぼくのこと覚えてるといいな」 「ももちゃんかあ。僕も仲良くなれるかな」 野生の本能なのか、動物全般に僕はあんまり好かれない。そもそも近くに寄り付かないし、威嚇される時もある。怯えさせないようにしたいんだけど。 僕と眼を合わせられるコロマルくんの度胸はすごかったなあ、なんて記憶の中の白い犬を思い浮かべた。 「飼いたいなら…うちでも飼えるんだぞ。ここのマンション中型犬までなら大丈夫だし。猫だっていいけど」 「えっ。…ええと、そっか。でも、もうちょっとちゃんと考えてみる…」 多紀は最初に分かりやすく目を輝かせたけれど、ぐっと踏み止まって大人みたいな対応をした。確かに命を預かる責任が生じることだ。 「ああ。よく考えて、どんなことが必要か勉強しておこう。そうすればきっと出会うのに相応しい時に会えるよ。こういうのも縁だからな」 叔父さんに頭を撫でられて、多紀は嬉しそうに頷いた。
ついに遠足当日。朝のお天気は薄曇りで、念の為の折り畳み傘だけで済みそう。 お弁当は前日から練習してみたけど微妙なヒーホーくんキャラ弁。まだこの時代には100円ショップを探してもそれほど種類豊富なお弁当グッズが売ってないので、ちょっと苦戦した。 海苔とスライスチーズでフロストの顔を作り、体はミニハンバーグ。彩り重視で卵焼きにウィンナー、ブロッコリーとミニトマト。仕上げに保冷剤代わりの、冷凍にした小さいゼリーを添えて。 小さめのおにぎりを2つ入れたら準備完了だ。出来栄えは食べる時のお楽しみね、と多紀には言ってある。 おやつは多紀の好きなお菓子と水筒には麦茶。これだけで小さな体には結構な荷物だ。 「忘れ物はないかな?」 「えーと、うん。みんな入ってる」 「よしよし。じゃあ気をつけていってらっしゃい」 「うん。いってきます」 多紀が靴を履いていると洗面所から樹さんが慌てて玄関までやって来た。 「待て。俺にいってきますのチューは?」 「チューなんていつもしてないよ」 呆れながら多紀は膝をついて屈んだ樹さんにハグをしてあげる。ぽんぽん、とリュックを背負った背中を叩いて樹さんが「楽しんでこいよ」と笑った。 笑い返して頷いた多紀を送り出すと樹さんが身支度に戻る。僕は彼にトーストとコーヒーを用意して、後はお弁当の残りおかずで朝ごはんとする。 「てるてる坊主のご利益があったな」 「そうだね。帰りまで保てばいいけど」 照ってはいないが朝から土砂降り、なんてことにならないだけ御の字だ。 たくさん作った分の効果があったのかな。
金曜日はお肉セールの日。豚コマと鶏挽肉を買ったスーパーの帰り道に「望月くん」と声を掛けられた。声がした生垣の方を見ると、先日の紫陽花の老婦人が手招きしている。 「榊さん。こんにちは、先日は綺麗な紫陽花ありがとうございました」 「いえいえ、どういたしまして。それでね、今日も良かったらなんだけど」 今度はやや小さく、もこもことした可愛い白色の紫陽花をくれた。 「紫陽花の花言葉は移り気なんて言われるけど、てまりの種類には家族や団欒なんていうのもあるの。白い紫陽花は寛容とか一途な愛情。色や形で様々な花言葉があるのも魅力ね」 「そうなんですね…家族か。うちにぴったりです」 「でしょう?それとね、これはお裾分けなんだけど。ちょっと時期はズレちゃったけど美味しいものは変わらないわ」 渡された紙袋の中を見ると柏餅だ。葉っぱが緑のと茶色いのがあって、中身の餡が違うのだそうだ。こし餡と味噌餡。どっちも美味しそう。 「わあ、今年の端午の節句はもう終わっちゃってて、お祝いできなかったので嬉しいです。ありがとうございます」 「よく行く和菓子屋さんのなんだけど、まだ柏餅売ってたから買って来ちゃった。多紀ちゃんによろしくね」 ぺこり、とお辞儀し合ってまた歩き出す。我が家はみんな甘いもの好きだから、洋菓子和菓子関係なく喜ぶ。 空を見上げると雲は厚いものの、まだ雨は降らなそうだ。多紀が遠足から帰ってきたら柏餅でおやつにしよう、なんて考えながら家路を急いだ。
貰った白い紫陽花は壁際のキッチンカウンターに飾った。花瓶も可愛らしく小ぶりな桜色にして、部屋も明るくなったようで見ていると和む。 「ただいまー」 玄関が開く音のあと、すぐ元気な声が続いた。 「おかえり。遠足どうだった?」 「楽しかったけど、ちょっとバス酔っちゃった」 「あれ。酔い止め効かなかったかな」 「帰りは平気だったよ」 「そっか。良かった」 話しながら多紀がリュックからゴソゴソと取り出したのは空のお弁当箱と水筒。それからやっぱり全部空になったお菓子袋。 「おべんと、ごちそうさまでした。みんながねー、すごいってほめてくれた」 「おお!ひとまず安心したけど、個人的にはクオリティがいまいちなので…次に頑張るね」 「そなの?上手だし、おいしかったよ」 「…うちの子って、なんて良い子なんだろ」 首を傾げる愛くるしさにぎゅーっと抱き締めると「わかったわかった」と腕をぽんぽん叩いてあしらわれる。さっさと抜け出した多紀は手を洗いに行ってしまった。 真似してるのか無自覚か、仕種が叔父さんに似てきたなあ。 「お皿のね、絵付けたいけんしてきた。焼いてから学校に送ってくれるんだって」 「へー!なに描いたの?」 「ひみつ!」 笑いながらリビングへ入って、てるてる坊主に「雨ふらなかったよ、ありがとう」なんてお礼を言ってる。それから白い紫陽花に気づいて顔を近づけた。 「あれ?新しいのだ。きれいだね」 「さっき買い物帰りに榊さんに会ってね、また貰ったの。それと多紀にって柏餅も貰ったよ」 「かしわもち!こどもの日に食べるやつだ」 「みんなで住み始めたの大型連休過ぎてたから、お祝いしそびれてたよね。お祝いといえばお誕生日も!来年は盛大にやろう。ケーキ作っちゃおう」 「うん。その前に2人のたんじょうびだと思うけど…ジュジュは夏生まれだって言ってた。りょーじは?」 「僕?うーん僕は…秋生まれかなあ?」 正直、誕生日も歳もよく分からない。どこから数えたらいいのかも曖昧だ。 強いて言うなら、君にファルロスとしてお別れを言った朝の、次の日なのかなと思っている。そこから今の僕が形成された。もう随分昔のことみたいだけど。 「じゃあ、きせつが変わるたびにお祝いできるね。ケーキぼくも手伝う!」 にこにこ笑った多紀が、はたと思い出したように紫陽花を見上げた。 「あじさいのおばあちゃんにお礼したいな」 「そうだね。一緒にお菓子か何か作って持って行こう。ケーキの予行練習でもいいよ」 またひとつ、数日先、1年後までの約束と楽しみが増えた。こんなことの積み重ねで幸せが作られていくんだろうな。 柏餅は、こし餡と味噌餡どっちにする?と訊いたら迷うことなく「どっちも!」と答えるところは子供らしいというより多紀らしい、と笑ってしまったけど。 「ジュジュに半分ずつあげるの。どっちも食べたいでしょ」 「そうだねえ。樹さんも両方食べたかったーってなるよねえ」 樹さんがまた喜んじゃうなあ、と子供特有の猫っ毛でサラサラの髪の毛を撫でた。 柏餅を食べながら、教わった紫陽花の花言葉について話し合う。多紀は興味を持った様子で、今度学校の図書館でお花の図鑑を借りてくると言っていた。 まんまるで、人の心を和ませる。そんな世界一の団欒が作っていけたら良いなあ。 ささやかで壮大なことを願いながらエプロンを付け、夕食の準備に取り掛かった。
このお話の時代考証というか、どこまで詳細にやったらいいのか悩みまして、結論。 ファンタジーミレニアムにすることにしました。この時代にまだそれ無いじゃない…? とか色々挙げればキリがないのと、この望月さんは全部体験はしていなくとも 令和まで知識として知ってるという未来人っぽさを醸し出してもらおう!という…。 チートなハウスキーパーというより所帯染みた専業主夫になってますが 子主さんにいろんな体験をさせてあげたいものです。 叔父さんはマキちゃんと友達以上恋人未満のいい感じになってて欲しい もうお前ら早く付き合っちゃえよ!(願望)
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