It's fun being right.
Okay, so dumdums went off screaming this was proof of "Cloud's love" blah di blah blah blah. Lookit Aerith's singing on stage she's so amazing and talented blah di blah blahd blah
Sure about that?
Oh look, she fake.
It's not Aerith, just her image. And the singing is lip synced like I said it had to be for it to make sense. It's all a big hologram. Not real. Just like their ship.
And for people who want the source: it's Nomura.
You can read here that they had the theme song first and then added it to the stage show, so Aerith singing it wasn't considered at all until they reached that part of development.
The whole stage show is a vr event, which is why Jessie appears in it. Shinra have her image on file, the same way they have Aerith's. Since Shinra own the GS, it's not hard for them to produce the image from their stock to use for things like this.
So, in the end, Cloud isn't looking at Aerith singing, he's looking at an ai hologram with her face. Which kinda implies he's shocked not awed since Aerith is probably standing on the far side of the stage also watching it.
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先日タラウマラにふらりとやって来たヴァキューム・レコーズの福嶋嘉章、自称年商5億の男。初対面にもかかわらず聞くに耐えない過去の自慢話をヘラヘラと得意気に語り、挙句はタラウマラの商品である中古レコードを大量に棚から抜き取り、これちょっと貸してや、俺が売ったるから商談成立したら売上の2割ちょうだいや、などとぬけぬけとほざきやがったので、そこで僕ははっきりとキレた。あんたが過去に何をしたとかには一切興味がない、僕はいまかっこいい奴しか信用しない、ほんでいま何してんねん?と聞くと急に弱腰になって「生活保護をもらってる」と蚊の鳴くような声で呟いた。ほなええ歳こいていつまでも過去の栄光に縋ってないで現状をしっかり受け止めて、きちんと生きなはれ、と伝えると、またしても言い訳がましく自己弁護を始めた。俺は先見の明がありすぎて、90年代にすべてを手中に収めた。LEGO、コーネリアス、パラッパラッパー、ビースティ・ボーイズらとのジョイント・ベンチャーによる成功で、分刻みで銀行口座に金が増えていった。しかし金も名誉も手にした俺は何故か満たされなかった。だからいま一度、金に縛られない生き方を模索し、人生の再起を計ってるんや、近いうちに淡路で店をやろうと思ってる。にいちゃんもこんな店をやってるくらいやから、俺の気持ちがわかるやろ?金、金、言う人間嫌いやねん。そこで僕はふたたび声を荒らげた。商売してんねんから、金、金、言うに決まってるやろうが!金に興味ない奴が店なんかすんな!そもそも生活保護の身で開業資金はどないすんねん!そう問い詰めると福嶋は「親戚の姉ちゃんが金持ちで、いつでも出資してくれんねん」と悪びれた様子もなくぬかしやがったところで試合終了、ヴァキューム・レコーズの代表取締役社長はもれなく出禁となった。
(VRのセルフボースティングは以下を参照)
その後はタラウマラにはまったく寄り付かなくなったが、今度は隣の夜カフェの女性オーナーにストーカーまがいの言動を繰り返しているので油断ならない。それにしても、いつの時代もどこからともなく虫は湧く。よって虫唾が走る。
(『呪術廻戦』第213話より抜粋)
ほんまに過去とかどうでもええわ。有名人の誰々と、どうのこうのしたとかもどうでもええ。地元淡路のキツネ目のDJもようそんなん言うてたな。まったく淡路に縁も思い入れもないのに「一緒に淡路を盛り上げていきましょう」とか「なんか面白いことやりましょう」とかいうオシャレ喫茶好きポップアップ人種も等しく同じ。気色が悪いったらありゃしない。ああいう頭の中がお花畑の連中の更なるテーマパーク増設のために生活保護費や義援金を支給するなんて気が狂ってるとしか思えない。最近読んだ死ぬほど面白くない日記本の巻末にも「出版応援金の募集」なる言葉が小躍りしていた。なんとなくふわっと金を得て、ふわっとした動機でふわっと店を開業して、ふわっとしたメディアにふわっと取り上げられて、この国はもうほんまどこもかしこもふわふわですわ。先日相方のvideo loverからも「いつか私も自分でお店をやりたい」という相談も受けたことだし、これを機にタラウマラをサンプルとした具体的な自営業の実態を数字で明確にしようと思う。まずは開業資金、運転資金の前に自身の生命維持活動費を知ることが大切だ。その次に店舗営業維持費の算出である。
[生命維持活動費]内訳
①国民年金15,000円/月
②国民健康保険18,000円/月
③府民税10,000円/月
④上記の合計516,000円/年を日割りする
⑤生命維持活動費≒1,414円/日
[店舗営業維持費]内訳
①店舗家賃80,000円×12ヶ月=960,000円/年
②光熱費5,000円×12ヶ月=60,000円/年
③昼食代1,000円×365日=365,000円/年
④上記の合計1,385,000円/年を日割りする
⑤店舗営業維持費≒3,795円/日
以上の結果から一日に5,209円の売上を叩き出せれば、とりあえずは個人事業主として生きていけるということ。実際には仕入れ経費やその他諸々が多少はプラスαで必要となってくるけれど、足りない分は日雇いバイトでもなんでもすれば良いだけなので、これくらい具体的な数字が出たらやる気になるでしょう?莫大な不労所得や、親の遺産を保有する訳でもなく、或いは坂口恭平みたいに図抜けた強者、もしくは資本主義社会から逃避した自給自足セクトのようなセオリーではなく、あくまでもいまの生活から逸脱しないで開業するために必要なお金の話。こういうことをきちんと語っていかないから、この国はどんどんふわふわになっていく。最後にタラウマラの実際の売上を見てみよう。
(ヒマな日)
(忙しい日)
とまぁ、こんな具合に日々の売上に多少のムラはあるものの、月トータルで見ていくと確実にクリアできている訳で、だからタラウマラはいまも淡路の路上に存続している。
※次回の更新は10/21(土)です
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Kentucky Route Zero テキストを巡る冒険(前編)
Kentucky Route Zeroの日曜研究として、KRZにおけるプレイヤー論を考えつつ、ゲームであり文芸・美術作品でありメディアアートである本作の側面を断片的に語る試み。あるいは、訳者解説と鑑賞案内のはざま。
まだいろいろ暫定の途中段階だけれど、自分で見返す用のとりあえずのまとめ。
曖昧で捉え難いと言われる本作がなにを為そうとしたのか、アドベンチャーゲームというジャンルにとってどうして特別な作品であるのか、その実験を少しでも言語化できたらいいですね。
1.Player(役者)
プレイヤーはコンウェイ・シャノン等の主要登場人物を、通りすがりの脇役を、骸骨を、犬を、猫を、様々な人物・生き物を演じていく。
Act.2の幕間劇「エンターテイメント」では、直接ゲームに「飲んだくれ」という役名でプレイヤーは役者として参加できる。
なお、エンターテイメントはもともとVRとして独立したゲームとして作成され、実際に役者として参加できるようになっている。脚本も作成され、別途演劇として上演されてもいる。
開発者ニュース
VR版・脚本は公式ホームページからDL可能
図1:Act.1 (マルケス農家) プレイヤーはコンウェイを演じる。
図2:Act.3 (ハードタイムズ蒸留所) プレイヤーは骸骨を演じる
図3:Act.5(町) プレイヤーは猫を演じる
図4:Act.2幕間劇(エンターテイメント)プレイヤーは役者「飲んだくれ」となって劇に参加する
2.Player(脚本家)
プレイヤーは登場人物の台詞を、時に出番を選択し、こまかく彼らの性格付けと劇の方向性を決定する。
彼はアルコールに溺れていたのか、それとも風景に耽溺していたのか。彼女は皮肉屋か、真面目なワーカホリックだったのか。彼らがなぜこの旅を続けるのか、その目的も。
図5:Act.1(EQUUS石油)プレイヤーはコンウェイの台詞を選択し、彼が何を考える人物か選択する。
図6:Act.5(町)プレイヤーはどの登場人物が、いつ、なにを話すか選択する
(参照)
「Rock, Paper, Shotgun」 『なにがKentucky Route Zeroのダイアログを魅力的にしているのか?』
KRZを開発当初から追っている英ゲームメディアの記事。脚本のジェイク・エリオット氏のインタビューを挟みながら、選択肢・テキストの提示方法含めその魅力について記載している。
3.Player(監督)
プレイヤーは監督(Director)として、この劇でどの場面を見せるのか、どの順番で幕を演じるか・演じないかを決定することができる。
この劇をいつ演じる(Play)のか、いつやめるのか決めるのは監督の仕事である。
図7:Act.1(事故車)進行に必須ではないこの場面を見るか、見ないかはプレイヤーが決める
図8:メニュー画面(劇・幕間劇の円環)どの順番で何を演じるかはプレイヤーが決める
(参照)
【ケンタッキー0号線を行く】Kentucky Route Zero: PC Edition(からあげうどん氏による配信)
こちらの配信では第1幕から飛んで第4幕をプレイし、その後第2幕・第3幕をプレイすることで、円環をときに逆流しながら最後まで劇が進む。変則的な進み方でありつつ、この劇は同様に楽しむことが可能となっている。(プレイ・配信ありがとうございました!)
4.Player(観客)
プレイヤーはコントローラーで操作しながら、Kentucky Route Zeroという悲劇をずっと劇の外側から観賞している。
劇の「外側」のキャラクターとして登場するエミリー・ボブ・ベンの3人のキャラクターは、プレイヤーの立ち位置を代弁するキャラクターでもある。彼らは幕間劇Limit & Demonstrationでは鑑賞者として美術館を訪問し、Entertainmentでは観客としてエンターテイメントという演劇をを眺めている。同時に彼らは「外側」の存在として、Act.1-4で劇を盛り上げる歌唱隊を担っている。
コンウェイら登場人物と彼ら3人はも、劇の「内側」の登場人物と劇の「外側」の観客となり表現の位相が異なる。そのため、同じ空間に存在していてもお互いにコミュニケーションを取ることは当初できない。
図9:Act.1幕間劇(Limit& Demonstration)3人は作中登場人物ルーラ・チェンバレンの回顧展「極限と展示」にて美術作品を鑑賞する
図10:Act.2幕間劇(Entertainment)3人は舞台後方観客席から劇中劇「エンターテイメント」を鑑賞する
図11:Act.1(マルケス農場)画面手前で歌唱隊として"You've Got To Walk"を歌う3人
図12:Act.1(EQUUS石油)3人は登場人物コンウェイの存在を認識できない (コンウェイは足を踏み鳴らすが、テーブルの人々は反応しない)
5.Player(批評家)
プレイヤーを代弁する劇の「外側」のキャラクターでもあるエミリー・ボブ・ベンは、Act.1幕間劇Limit & Demonstrationで美術館に展示された芸術作品について感想を述べ、批評する。Act.2幕間劇Entertainmentでは、観客席からこの幕間劇についての評論が提示される。
本作はプレイヤーが本作を批評することを意識し、その視点を内在化している。プレイヤーはこの劇について当然自由に感想を述べることができ、つまらなければいつでも席を立って構わない。低評価レビューを書くことも。
Act.2幕間劇のメモより
観客の多くが席を立つことを検討する。もし立ち去りたいのなら、そうさせればいい。劇場は刑務所ではない。われわれは観客の痛みを敬う。
脚本家レム・ドゥリトル
図13:Act.1幕間劇(Limit& Demonstration) エミリー・ベン・ボブは劇中登場人物ルーラ・チェンバレンの回顧展に訪れ、作品の感想・批評を述べている。
図14:Act.2 幕間劇(Entertainment)「Entertainment」を評するコメントが表示される。 『時に退屈な「エンターテイメント」』
(参照)
海外ゲームメディアVideogamer・Josh Wise氏によるKentucky Route Zeroレビュー(英語)
作品評価は高くないものの、マグリットやフロストやルシェ等文学・芸術系の引用を踏まえて読み込んでいるレビュー。末尾に本作の自己批評的側面について言及あり。
私の批評のどれもが、10年間作品に取り組んできた開発者たちにとっては目新しいものではないだろうし、それは自意識過剰なわけでもない。とあるシーン(訳者注:Act.2 幕間劇)で、地元新聞の演劇レビューとして作品について「借金と不誠実さの悪を描いた、焦点が定まっていないとはいえ、引き込まれるところのあるドラマだった」と書いてある文章を読むことがあった。ほんとその通りだよ。
6.Player(ゲームプレイヤー)
そしてもちろんあなたはゲームプレイヤーである。
小説や演劇を志向しながら、同時に本作はゲームであることに強く自覚的である。プログラムで構成されたテキストと音と画像の隙間をマウスでクリックするだけの体験は、選択と冒険というアドベンチャーゲームの原始的な愉しみを再現しながら、同時にその可能性を強く広げるものとなっている。
図15:Act.3 (Equus石油)コンピューターゲームを遊ぶ
図16:Act.3(XANADU)アドベンチャーゲームの始祖”Adventure”を再構成したゲーム「XANADU」を遊ぶ。
1976年に洞窟探検家でもあるクラウザー氏により開発され“Adventure”は別名’Colossal Cave Adventure’と呼ばれる、ケンタッキー州のマンモス洞窟を舞台とするテキストアドベンチャーゲーム。Adventureでは、不思議で抽象的なテキストが示される中、コンピューターにテキストでコマンド入力を行っていくことで洞窟を探検していく。
図17:Act.1(EQUUS石油)ガソリンスタンドの地下でエミリー・ベン・ボブがボ���ドゲームで遊ぶ。
あなたはコンピューターゲームを遊ぶ。
あなたはアドベンチャーゲームの始祖“Adventure”を古ぼけた記憶で再構成した“Xanadu”をプレイする。
何度目かのダイスを振ってキャラクターを進める。
いにしえから伝わる���命のゲームをプレイする。
プログラムで描写されたKentucky Route Zeroというゲームをプレイする。
何度も。
7.Player(とは)
時に内側から監督として劇を采配し、脚本を書き、役者を演じて劇に主体的に参加する。時に外側から観客として受動的に劇を見つめ、作品を評することで作品に関わる。
プレイヤーが多層的な役割を担うことは他作品でも同様であるが、本作が特異なのは、それを明示的かつ流動的に劇中に取り込んでいることだ。
プレイヤーの役割を代弁し、劇の「外側」のキャラクターであったはずのエミリー・ベン・ボブの3人は、Act.3幕間劇で作中人物ウィルと電話を通じて交信を行ってから、どんどんと劇の内側へと潜っていく。
Act.4幕間劇で彼らは役者を務め、Act.5ではついにフィナーレを飾る。そして、Act.5幕間劇にてエミリーと作中登場人物の会話による短い楽屋オチと本作の寸評を挟み、円環の劇は幕を閉じる。
図18:Act.3幕間劇(エコー川沿いのあちこち)観光客のエミリー・ベン・ボブは、観光案内として電話を介して作中人物ウィルの声を聞く
図19:Act.5幕間劇(雇人の死)他の登場人物とともに、エミリーがこの劇を振り返り、寸評する
図20:Act.4幕間劇(ウン・プエブロ・デ・ナダ)とある日のWEVP-TVを描く劇。エミリー・ベン・ボブは登場人物として出演する
(補足1)厳密には、美術品の鑑賞や劇の鑑賞、ゲームのプレイも外側とは言わず、その行為自体が作者・作中人物たちとの間接的コミュニケーションといえる。
(補足2)ウィルは作中登場人物でありつつ、劇の外側の観客(プレイヤー)に目を向けるキャラクターとして描かれている。
Act.3幕間劇での観光案内、Act.4エコー川の語り部としてプレイヤーに語り掛ける語り、Act.3幕間劇の内線を通じて現実の電話と人間を使って録音された留守電を聞くシーン、そして、複数回挟まれる観客側をまっすぐ見つめるカットは、劇の外側とのコミュニケーションを象徴しているといえるだろう。
図21:Act.4(マッキーマンモス号)登場人物のなかでウィル(中央の男性)だけがこちらをまっすぐ見つめる
8.Player(流動的)
KRZにおいて、これらプレイヤーの多層的役割は何のためにあるのだろうか。ただ単にゲームを複雑にし、「アート」らしく思わせぶりにするためだろうか。
少なくとも手間をかけられたこれらの演出には意図があり、KRZにはプレイヤーが多層の役割を担うことで見えてくるものがあると考える。
それがなにかを考えるために、もう少しKRZを作りあげているメディアとテキストを見ていく寄り道をしたいと思う。
図22:Act.1幕間劇(リミット&デモンストレーション)ベンとエミリーが美術館の展示について語る
ベン:きっとなにかの象徴だよ。アーティスト、夕日、馬か。アナグラムか?それとも何かのコード...なのか?
エミリー:それか、単なる思わせぶりとかね。
9.メディアアート
KRZはゲームであるとともに、様々なメディアを組み合わせて表現活動を行おうとするメディアアートでもある。
本作がメディアアートであることは、Act.1幕間劇「リミット&デモンストレーション」で展示されている最も注力されたインスタレーション『オーバーダブ・ナム・ジュン・パイク・インスタレーション エドワード・パッカードのスタイルで』で端的に意思表示されている。
ナム・ジュン・パイクは、テレビ・ビデオ等のメディアを用いてメディアアートを始めた先駆者であり、本インスタレーションは彼の作品『Random Access』をそのまま引用している。
図23:Act.1幕間劇(リミット&デモンストレーション)展示作品『オーバーダブ・ナム・ジュン・パイク・インスタレーション エドワード・パッカードのスタイルで』
観客はテープレコーダーから取り外されたサウンドヘッドを使って、壁に貼られたテープを走行させ、場所や速度によって音の並びを常に変化させることができます。このように、音楽の素材にランダムにアクセスすることで、来場者は自分自身の作曲を行うことができるのです。
『Random Access』作品解説より
そして、もうひとりの引用元、エドワード・パッカードが生み出した読者選択型で冒険を進めていく小説形式のテキストアドベンチャーシリーズ「Choose Your Own Adventure」は1979年に刊行が開始された。この作品により彼はインタラクティブ・フィクションの親ともいわれる。
そのシリーズ1巻目の名前は“Cave of Times(時の洞窟)”という。
エドワード・パッカード:ブックリスト(WebArchive)
テキストゲーム研究家のアーロン・A・リード氏による「Cave of Times」解説
これらふたつの引用元を冠する『オーバーダブ・ナム・ジュン・パイク エドワード・パッカードのスタイルで』、この作品名の意味するところを嚙み砕いて言うと「テキストアドベンチャースタイルでメディアアートを始めるよ!」ということだ。
この宣言のとおり、ゲーム・テレビ・電話・コンピュータ・ラジオなど様々なメディアを組み合わせながら、演劇・散文・詩・歌・テキストアドベンチャーなど様々な形式にテキストを自在に変化させるゲームは幕を開ける。
(補足予定)
開発者たちの出身校であるシカゴ美術館付属大学でのメディアアート運動及び活動の引用(Act.4幕間劇等)について。
フィルモートン教授とサンディン画像プロセッサ
Copy It Right
10.テキスト(演劇)
本作を特徴づけるキャラクター名とセリフにより構成された脚本のようなテキストは、話す台詞を選択することで、展開や登場人物の性格付けを微妙に変化させることができる。
同時に、具体の要素をそぎ落として抽象的に表現されるキャラクター造形は、プレイヤーに演技の演出をある程度委ねさせる。
図24:Act.3(冒頭)プレイヤーは主人公コンウェイの台詞を二つのうちからひとつ選択する。キャラクターや背景はポリゴンで描写され、個性や特徴を持ちながらもどこか抽象的に見える
さらに、KRZに特徴的な静的な画面背景は、いくつかを演劇から借りている。
Act.1マルケス農家における抽象化された家は、近代社会における家族の崩壊を映す米作家アーサー・ミラーによる演劇「セールスマンの死」から借景したもの。これはもちろんここに住むマルケス家の崩壊と重なっている。
Act.3「木」において、呼んでも来ないレッカーを待ちながら意味のほぼない会話を交わす場面は、セリフ回しも含め、20世紀を代表するサミュエル・ベケットによる不条理演劇「ゴドーを待ちながら」を引用している。
図25:Act.1(マルケス農家)
図26:Act.3(木)
Act.2幕間劇「エンターテイメント」では、直接的に演劇そのものを鑑賞し、同時に出演することになる。この劇は、経済的苦境と近代人の苦悩を描く20世紀中盤のユージーン・オニールの演劇「氷人来たる」を現代風に翻案した学生演劇であり、プレイヤーは観客・役者として劇に参加する。なお、この幕間劇はもともとVRで参加できる仕掛けとなっている。
このようにKRZは、演劇という形式にテキストにおいても演出面においても大きく負っている作品であるが、なにより本作そのものがアメリカを代表する詩人のひとりであるロバート・フロストの詩「雇人の死」を翻案した演劇を目標とすることが、作中登場人物であり舞台監督であるキャリントンにより示唆されている。
演劇に多用される極度に抽象化された象徴的な舞台・台詞まわしは、本作のテキストや美術に大きく影響を与えていると言えるだろう。
図27:Act.2幕間劇(エンターテイメント)酒場で会話するハリーとイヴリン。両名とも、ユージーン・オニール「氷人来たる」に登場するキャラクターを現代風に再解釈したものである。
図28:Act.1(EQUUS石油)キャリントンの台詞「私はこの12年間を人生における最高傑作を作り出すため捧げてきた。ロバート・フロストの詩『雇い人の死』を、壮大かつ実験的な演劇へと翻案することに」
(参照)
エンターテイメント
VR・脚本
http://kentuckyroutezero.com/the-entertainment/
VR参加の様子 https://www.handeyesociety.com/event/wordplay-fest-pics-and-showcase-links/
続き(途中まで)
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