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#病院で死ぬということ
aoyamataruto · 1 year
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#東京マリーゴールド
#ざわざわ下北沢
 市川さんの生き生きとした撮影現場のお話し。

市川さん、撮影中はいつもいつも笑っていらしたそうです。

今年のテーマは 市川準と"或る男"たち お話は市川さんが描く男性像へ。 そういえば、数々の市川映画の男達には、どこか似た感じがします。 男の原罪。。。 なるほど漂います。 
昨夜は撮影でお忙しい中、小沢征悦さんがいらしてくださいました。
黄色い上着はめずらしい!
マリーゴールド色に合わせてくださったのかな♪

今回も担当いたしましたチラシ、ポスターデザイン、実は”東京マリーゴールド”を見ていただきたくて黄色をメインカラーにしたのでした。

さて本日からの後半は

#病院で死ぬということ
#トニー滝谷 #buyasuit 市川さん自らがデジタルで撮った"buy a suit スーツを買う" 劇場でご覧いただける貴重な機会をお見逃しなく! 25日は岸部一徳さんのトークイベントです。どんなお話しになるのか楽しみです。(すみません、ご予約は満席♪)
 (目黒シネマ) https://www.instagram.com/p/ClSMPfGyaTd/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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kennak · 3 months
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難しいタイミングであることは承知しておりますが、自殺について少し皆さんに知っておいてほしいことがあります。 人の精神が参ってしまう仕組みについてです。かつて人間は野生に暮らし、猛獣などと遭遇するとアドレナリンなどが分泌され脳が活性化し、危険を回避するために多少無理をしても危機を脱するような機能によって生存してきました。 これは、簡単に言うと逃げるために、めっちゃ無理をしてる状態なんです。ですが、そんな危機がしょっちゅうある訳ではありませんので、危機がすぎれば無理をした分だけ休む事でこの仕組みは成立していました。 しかし、この野生の機能が現代ではおかしな働きをしてしまいます。 その引き金がSNSでの誹謗中傷です。 SNSで攻撃されると、まるで野生で猛獣に襲われたような状態になります。つまりアドレナリンなどが多量に分泌されます。これは攻撃的な言葉に身の危険を感じるためです。 大昔なら、猛獣から逃げおおせればそれで終わりでした。 ところが、SNSでは24時間休み無く、猛獣が押し寄せるわけです。SNSでの誹謗中傷を見続けると、アドレナリンなどの過剰分泌で、比較的短期間で不眠とうつの症状が発生します。 精神がいつもと違うと感じたら、すぐにSNSから距離を置いてください。炎上などが原因で誹謗中傷されると真面目な人はそれに真摯に対応してしまいます。 個人的にはSNSの強すぎる正義感には疑問を感じますが、世の中をかえるのはとても難しので、まずは自分を守ることを考えてください。こういった炎上は有名でなくても巻き込まれることもあります。他人事と思わずに明日は我が身とおもって聞いてください。 人は辛いという理由で死んだりはしません。 なぜなら、大抵のことより死ぬ方が辛いからです。ですが、このアドレナリンの過剰分泌から不眠になり、短期間でうつ病のような状態に陥ると、あっさりと自ら命をたってしまうことがあります。これは急性のうつ病のようなものだと思われます。この場合、人が死に至る厳密なストーリーはなく、ただその引き金は、精神の疲弊とそれによる脳内物質の異常分泌です。 悲しくて…辛くて、死ぬのではなく、わりと勢いで死に至ってしまうため、なかなか周りも対処出来ません。私自身、SNSの炎上から自殺を考えて、なんとか思いとどまり、閉鎖病棟に5ヶ月入院した経験があります。 うつ病も治り、健康になったいまは、死のうとは思いませんが、当時を考えると完全に思考が麻痺していたのを思い出します。アドレナリンなどの分泌異常起きると、死に対する恐怖心がなくなることを経験しました。つまり、辛いから死ぬのではなく、わりとハイテンションで積極的に死を選択してしまうのです。これは本当に危険な状態です。 自分がそうなってしまう前にSNSと距離を置くことも大切ですが、SNSの使い方もマナーを守って欲しい。 SNSを使うすべての皆様にお願いがあります。 なにかの炎上をみかけても、そこにのかって正論をぶつけるような活動には参加しない人になってください。その意見がもし正しかったとしても、正論で24時間攻撃を続けられると、どんな人間も耐えられません。 SNSをストレス発散に使ってる人は多いと思います。 ですが、一人ひとりの小さな正義よりも、その先にいる人の命を守る事を優先して下さい。自分のストレス発散をグッと我慢して、攻撃的なリプなどに加担しない・拡散しない人になって下さい。自分の考えが正しいと思っても、それを多くの人が一人にぶつければ、相手を殺してしまう事があることを理解して下さい。 「いや違う、自分は悪くない、正義のためにやったんだ!」という気持ちをグッと抑えて、SNSの仕組みそのものに危険があると言うことを理解して行動してください。 もし仮に、相手に確実に非があったとしても、SNSでの私刑に加担しないで下さい。法的にもそれは許されません。 炎上に加担しないことを、少しでも多くの人がネットのマナーとして身につけることを心より願っております。
Xユーザーの榊正宗さん
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moment-japan · 6 months
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こんばんわ、ずんだもんです。
ずんだもん、働きすぎが祟って到頭、日曜日にインフルエンザにかかりまして、自宅療養中でございます。
(ずんだもんってなんやねん。笑)
体温計で39度を超えた表示を見たのは生まれて初めてでございました。
(よくその状況で車に乗って病院行けたな)
死ぬより大変でございました。
(なんかわかる)
途中、三途の川で向こう岸から漆黒のめたんが、こっちに来るなと手を振っていたのでなんとか川を渡らずに命は助かりました。
(漆黒のめたんってなんやねん、まじで。笑)
今はすっかり熱は下がりましたので、お粥とか、アジの塩焼きとか、くるみぱんとかナポリタンとか作って食べて寛いでおります。
(食欲は相変わらず凄いな)
ずんだもん、来週は仕事頑張ります。
(ずんだもん・・)
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elle-p · 1 month
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Persona 3 Club Book Strega pages scan and transcription.
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ストレガ
Strega
主人公たち特別課外活動部の行く手に現れる謎の3人組。同じペルソナ使い ながらあくまで敵対する彼らもまた、彼ら自身の信念でその限られた力を振るっている。
復讐代行屋 Strega
港区全域
自らをストレガと名乗る3人組の表向きの顔は、「復讐依頼サイト」に書き込みされた内容を受けて、自ら手を下せない依頼人の代わりに復讐を果たすことだ。人知れず所持する武器を手に、彼らは裏社会を渡り歩いている。
3人はいずれもかつて幾月が、ペルソナ能力者開発のためにグループ内部にすら秘密裏に進めてきた研究の被験者だ。非合法の人体実験で多くの子どもたちが命を落とすなか、幸運にも生き永らえて能力を開花させたものの、悲惨な実態を目の当たりにして研究所から逃亡し、身を寄せ合って生きてきた。
ペルソナ能力の発現と引き換えに心身に過剰の負担を負う彼らは、制御剤の力を以ってすら長くは生きられない。生命としてのルールを逸脱した運命に魅入られ、彼らは刹那的な衝動にのみ突き動かされて生きている。
たった3人だけで影時間に生きてきた彼ら。宵も享楽を求めて夜の街を笑う。
タカヤ Takaya
凶行の担い手
ストレガの実質的リーダー。3人の中では推定年齢が一番高く、研究所から逃亡した当初から指導的立場に立っている。刹那的・虚無的な思考が強く、自分にも他者にもあらゆる物事への執着の愚かさを説く。復讐代行屋として銃の引き金を引くときも、自分の享楽はもちろんだが、相手の生にしがみつく無様な姿を浄化してやろうという思いがあるようだ。
かつて同列の研究対象であったタルタロスは、忌まわしい邪悪なものではなく、甘美な悪夢をもたらす近しいものだと考えており、ペルソナ使いの存在はもまた、タルタロスあってのものだとしている。そのため真意を知らずタルタロス破壊を目指す主人公たちの存在は、愚かな人間がシャドウの恐怖に怯えることへの嘲笑も込めて、抹殺すべきものだと捉えている。
主人公たちの働きではからずも滅びそのものである二ュクスの復活が秒読み段階に入ると、自ら二ュクスの代弁者を名乗り、滅びと破壊の思想で扇動する。
タカヤの救世主思想
• あなたが自覚している悪意と、相手が感じている悪意とは無関係⋯ 人はみな、聞きたいように聞き、信じたい事だけ信じるものです。(6月22日影時間・裏通り)
• 聞けば、人々を守るための、“善なる戦い” だとか。ですが⋯ 今夜はそれをやめて頂きに来ました。(8月6日影時間・防空壕跡)
• 時の限られたこの体⋯力を失ってまで生き永らえるなど無意味⋯ ならば、 私の生きた証⋯ この地に立てるのみ!(11月3日影時間・ムーンライトブリッジ)
• 分かっていますね⋯? 君には “居場所” など無い⋯ 私たちと来る以外にはね。君もよく知っている筈だ⋯ 怖いのは死ぬ事なんかじゃない。(11月21日深夜・辰巳記念病院)
• フ⋯亡霊などではありませんよ⋯ 生に “執着” などしなかった我々を、運命はそれでも “生かした”⋯ 私は “選ばれた” のです。(11月22日影時間・タルタロス)
自分たちの思想こそが浄化された世界を作ると信じるストレガのリーダー。痩せこけた体に長い髪、色素の薄い瞳という憂世離れした姿。
欲深き自称メシア
ほぼ同年代のはずのストレガですがタカヤは見るからに老け顔。不精ヒゲを剃って髪を切ったらかっこいいのに。
ジン Jin
知性派の爆弾魔
タカヤの右腕を務める少年。自作の爆弾を持ち歩き、武器として使用している。
社会から隔絶された自分たちだけのコミュニティの中で生きているストレガは、物資の調達の大半を影時間を利用した略奪行為によってまかなっているが、その指揮を担うのがブレーンであるジン。特別課外活動部を脱退してからの荒垣に接触し、ペルソナ能力抑制のための制御剤を提供することになったのも、ジンの情報収集能力あってのことである。またネットでは同名のハンドルネームで知られており、その知名度と情報操作のノウハウが、ニュクス教を一気に広げることを可能にした。
つねにともに生きてきたタカヤを崇拝しているが、それゆえに狂気の思想に囚われる彼を、命を捨てていさめようとする。
物議を醸す髪の構造がよくわかる右からの一枚。身につけているものひとつひとつにもこだわりが感じられます。
ストレガ一家を支える苦労人な屋台骨
実際的な生活能力の欠如したストレガを支える一番の常識人。資金調達から食事の世話まですべてを担う関西弁のミリタリーマニア。
ジンの毎晩大変なんだから
• お前を恨んどるヤツがおんねや。でもって、“復讐” を頼まれとる。(6月22日影時間・裏通り)
• お前らには “個人” の目的しかあらへん。どいつも本音はその為に戦っとる。お前らの正義は、それを正当化する為のただの “言い訳” や。そんなんは “善” や ない⋯ ただの “偽善” や。そんなもんに邪魔されとうない。(8月6日影時間・防空壕跡)
• 破れかぶれは、あかん! ⋯すんません。でもこれは⋯ あなたが言うてくれた言葉です。(11月3日影時間・ムーンライトブリッジ)
• やめときや、タカヤ⋯ アンタには先がある! ここで無理したって⋯意味 あらへん! (11月22日影時間・タルタロス)
チドリ Chidori
手斧の魔女
白いドレスに身を包んだ、虚ろな表情の少女。ストレガのひとりとしてタカヤやジン��行動を共にし、ぺルソナ能力のひとつである索敵能力でふたりのサポートを行なうが、ふたりとともに戦いの場で力を振るうことは少ない。
感情表現に乏しく、とくに喜びや悲しみを表に現すことはほどんどない。それは幾月の下で受けた過酷な人体実験や、逃亡後の寄る辺のない生活によって後天的に身に付けた自衛の手段。また彼女は自身のペルソナを通して、あらゆる生き物に命を分け与えることができるが、これも自分の人生にはすぐ先に死が見えているという揺るぎない事実ゆえ、生きることに対してまったく執着を持たなくなった結果の悲しい力だ。しかしそれでも、ふたりが手を下す殺戮現場に決して目をやろうとしないのは、運命をゆがめて与えられる死への、本能的な嫌悪感を抱いているからかもしれない。
生を放棄した飛べない小鳥
可憐な容姿に似合わず手斧を振るって戦う少女。気の向かない相手とは一切会話せず、自分のペルソナだけを拠りどころに生きている。
冷めた目線はチドリのトレードマーク。豪奢なドレスは彼女の趣味なのか、ジンのお仕着せなのか。
あんたには関係ない私の言葉
• チドリよ。私の名前。順平が訊いたんでしょ? あの絵⋯もうすぐできるから。私の描いたものは、私にしか分からない。でもそんなに見たきゃ⋯来れば? (8月31日昼・ポートアイランド駅前)
• 命より、作戦が大事ってこと? 死ぬ事って、普通の人には一番の恐怖なんでしょ? ⋯ 違うの? (9月5日影時間・巌戸台分寮屋上)
• ⋯言っとくけど、心配してくれなんて、言ってないから。あんたの勝手な早合点でしょ。(9月8日昼・辰巳記念病院)
• なにそれ⋯ なんで、そんな顔してるの? 死ぬなんて怖くないのに⋯ 死なんて、あした目が覚めないってだけ⋯ ただそれだけじゃないの。(9月10日昼・辰巳記念病院)
• そう⋯アイツのせいよ⋯ アイツが近づいて来てから、私、毎日、苦しくて⋯ 死ぬのが⋯怖くなって⋯ (11月21日深夜・辰巳記念病院)
• 順平と一緒に居ると、怖くなかったものが、なんでも怖くなる⋯ 無くすのが怖い⋯ 死ぬのだって怖い⋯ 一緒の時間が終わっちゃうのが⋯怖い⋯ だから、私⋯ (11月22日影時間・タルタロス)
「チドリ補正」の入った超ナイスガイな順平とともに。幸せになって欲しいカップルNo.1。
順平との出会いと「生きること」
敵同士としての立場にありながらも献身的に尽くす順平と出会って、チドリは少しずつ生きることの意味を知る。けれどそれは自分自身の死の認識と同義。ずっと忘れていた死ぬことの恐怖におののきながら、それでも彼女は愛する彼に生きて欲しいと願った。
頬を染めたグラマラスなチドリの魅力に、すっかり鼻の下が伸ぎ切った順平がキュート。がんばれヒゲ男くん!
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lllusioninthehead · 1 month
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2024/03/29
肋間神経痛だと何をするにも煩わしそうにする母に早く病院にいけと急かし続けること3ヶ月。
ようやく近所のクリニックにしてはやや大きい内科にいった母から連絡があった。レントゲンの胸の奥に影があると言われたと。
肋間神経痛以外は至って元気そうな母なので大したことはないと思いつつも色々な悪い想像が頭巡った。母が死ぬと困ることもあれば助かることもある。60代、平均寿命より早めに亡くなるとして母は果たしてそんな報いを受けるような人だったのかというとそうも思えない。
一生懸命生きた人がそこにいるだけだ。ただ、貧乏で宗教にハマっているだけだ。根が優しくお人好しで話好きで人から好かれ料理がうまい人がいるだけだ。死神の振るう鎌は人を選ばないのはわかっていても理不尽さを感じる。
もう少し生きてもいいんじゃないか。
タバコも酒も好きな人だが、自業自得といえばそれまでだが。もともと実家に帰ろうと思っていたので顔を出すと本人はけろりとしたものだった。
入院やその先のことがあれば犬を頼むとだけ言った。そして、やはりビールを飲みタバコを吹かしていた。こういう豪胆なところがあるのが呆れるし、言葉にしないが尊敬したりもする。
見舞いにと買ってきたケーキをつつき、母の父の話や母の話、そして兄弟の話などを聞いた。
死んたら聞けなくなるし覚えていたいと思った。ルーツのようなものを知りたがるなんて臆病になったもんだと思うけど。
典型的な没落富豪の我が血族。祖父は立派なれど財を食いつぶすには1代で充分という教訓を与えてくれる。旅館や呉服屋や建築士やさぞ肩書は立派なのになと思いながら聞いていた。
結局は体を動かして得たもの以外は身につかないと酒を煽りながらNHKの歴史ドラマを観る母の姿。
人生聖人君主のように生きていても、悪徳三昧で生きていても収まるところにしか収まらないなと思いながら今日も夜が更ける。
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ari0921 · 2 months
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「もしトラ」でなく「ほんトラ」に備えよ
            櫻井よしこ
本当にトランプ氏が戻ってくる。
去年9月末に米軍の統合参謀本部議長を退いたマーク・ミリー氏の長時間インタビューを、雑誌『アトランティック』(2023年11月号)で読んだ。元陸上幕僚長の岩田清文氏の強い勧めによる。
トランプ、バイデン両氏に仕えたミリー氏は少なからぬ米軍人がそうであるように日本との関連も深い。父親は硫黄島とサイパンで日本軍と戦った。熾烈な戦いだった。80代になり、パーキンソン病を患った父は、苛烈な戦いの記憶に悩まされることがある。「ジャップが来た。逃げろ、早く逃げろ」と叫ぶ。その度にミリー氏は「大丈夫だ。我々は勝ったんだ。今、僕たちはカナダとの国境に近い東部にいる」と語りかけて、父親を落ち着かせるそうだ。
ミリー氏は15年に陸軍参謀総長に、19年9月にトランプ政権の統合参謀本部議長に就任、21年1月の政権交代までトランプ政権の下で1年4か月をすごし、その後、バイデン政権でも同じ地位にとどまった。退官が23年9月末だったことはすでに述べた。
一方、トランプ氏は20年11月の大統領選挙でバイデン氏に敗北したが、その結果を受け入れず、勝利は盗まれたのだと、今でも主張する。敗北当時、どうしても大統領職にとどまりたかったトランプ氏は熱烈な支援者たちに呼びかけて米国議会に乱入させるなどして、この3年余り、一連の事案で係争中だ。
ミリー氏の回想は日本にとって幾重にも教訓となる。現状を見れば、トランプ氏の再選を前提にしてわが国の外交・安全保障政策を準備しなければならないのは明らかだ。
今更ではあるが、トランプ氏の大統領としての資質に、当時の側近の多くが疑問を抱いたことに、まずアトランティック誌は焦点を当てている。たとえば、17年~18年に大統領首席補佐官としてトランプ氏に仕えたジョン・ケリー氏と、トランプ政権の最初の国防長官、ジェームス・マティス氏の秘かなる相互誓約である。両氏は「大統領を監督できない状況を作らないために、どんな時も2人同時に国を離れることのないようにする」と誓約し合った。
つまり、大統領が突然、軍を好きに動かせないように見張っておく必要を感じていたというのだ。
「クレイジーなことはしない」
米国では20年5月に黒人のジョージ・フロイド氏が警官に首を圧迫されて死亡、そのあとBLM(黒人の命も大切だ)運動が全米に広がった。その年の11月にはトランプ氏の再選をかけた選挙が行われる。トランプ氏の周りにはBLMに代表される極端な左翼運動に強い敵意を抱く人々が少なくなかった。彼らは「BLM運動の左翼活動家が米国を燃やし尽くします」というような極論をトランプ氏に吹き込んだという。そうした見方に影響されたトランプ氏が自らの求心力を高めるために危機を創出する、
たとえば他国への攻撃に踏み切りかねないという懸念が浮上した。そのひとつがイラン攻撃の議論だ。
大統領選挙前にトランプ政権の下でアメリカの国論をひとつにまとめる一手として、核兵器製造作業をやめないイランを攻撃すべきだという声があった。一方で大規模な先制攻撃は正当化されないというミリー氏らに代表される反対論も強く、ホワイトハウスは二分されていた。
もうひとつが中国だ。当時、「中国はトランプ氏が武力攻撃をかけてくると信じている」とのインテリジェンス情報を、米国側が入手した。そこでミリー氏は大統領選挙投票日直前の20年10月30日、人民解放軍(PLA)の李作成・連合参謀部参謀長に電話をした。
ミリー氏はこう言ったそうだ。我々は5年来の知り合いだ。米国政府は安定しており、全てはコントロールされている。もし、我々が攻撃する場合、私が事前に貴方に通報する。万が一、米中間に物理的攻撃(kinetic action)が起きても、歴史が示すように必ず、再建されるだろう、と。
ミリー氏は21年1月8日、中国に2度目の電話をかけている。1月6日にトランプ氏の熱烈な支持者らが米国議事堂に乱入したその2日後だ。民主主義だから色々あるが、米国は大丈夫だと伝えたとされている。いずれの電話も国防長官、国務省、CIAなどの了承を得て、会話は彼らも聞いている中で進行した。
21年1月の議会乱入の後、ナンシー・ペロシ下院議長がミリー氏に電話をかけた。ペロシ氏は「トランプは狂っている。貴方もそのことは分かっているでしょう。米国の核はきちんと保管されているか」と尋ねたそうだ。トランプ氏への評価に関して、ミリー氏はペロシ氏に同意し、「核を含む軍事力について、110%、違法なこと、クレイジーなことはしないと約束する」と語った。
核の使用を単独で決定
この会話の直後、彼は核のオペレーションに関係する軍幹部全員を緊急招集した。氏は核攻撃がなされる場合の正規の手続きを改めて皆に徹底させたうえで、少しでも通常とは異なる異常事態が発生した場合、自身を含む全員が情報を共有しておかなければならない、と言い渡した。
大統領は核の使用を単独で決定できるが、実際の発射は実は一人ではできない。大統領が核攻撃を決断すると、その決定は国防長官に伝えられる。国防長官は戦略軍司令官に伝え、そこから基地の司令官に伝えられる。最後に、スイッチを押す兵士たちに命令が届く。
こうしてみると、統合参謀本部議長のミリー氏は右の指揮命令系統には入っていないことが分かる。それでもミリー氏は通常の状況を外れた事態が起きたら、全員がその情報を共有しなければならないと、核に関する部署の全員に言い渡した。危機感はそれほど強かったということだ。
ここまで読んだ読者の皆さんは、この雑誌アトランティックの記事はかなり強い反トランプの視点で書かれていることに気づくだろう。トランプ氏が再選されると、まるですぐに核が使用されかねないような印象を与えるかもしれない。そうはならないと私は思う。それでも今、私たちの地球社会が核の脅威に満ちていることへの懸念は強く持っている。
プーチン氏はウクライナでの核使用を14年のクリミア半島奪取のときから準備していた。氏自身がそのことを公表済みだ。北朝鮮は日本と韓国に対して核とミサイルを準備している。中国は台湾占領のために、台湾での核の使用も念頭に入れている。台湾有事は必ず日本有事に重なる。日本は中国の多層的ミサイル・核攻撃の標的であることを忘れてはならない。
ウクライナ侵略戦争の行方を他人事と考えてはならないように、核の被害を受けた日本だから核廃絶を声高に提唱するだけでよい、と思ってはならない。まず、世界で核・軍事力が実際にどのように使われようとしているか、現実を見て考えることがとても大事だ。
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harawata44 · 1 month
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【衝撃】長年「無駄なので切除してもOK」とされていた『盲腸』、ついに役割が判明!! こんな高機能だったのかwww : はちま起稿
以下転載 https://x.com/petit_risu/status/1773590872598200507?s=20
先日聞いた話 盲腸は「謎の臓器」の一つで、手術で取っても影響がないとされてきた。しかし最近、盲腸は自分の腸内細菌のコピーが保存されている臓器で、万一腸内細菌が死滅等した際に盲腸があればオリジナルの構成にバックアップが可能なんだとか。万一に備える臓器。身体の仕組みってすごいね。
・https://x.com/KIKU02/status/1773665969002422524?s=20
免疫機能を保つのに重要な臓器らしいですね。 私はそれを知っていたので、虫垂炎の兆候が出たときに速攻で病院に行き手術を免れました。
・https://x.com/kumahanaya/status/1773707094316966013?s=20
だいぶ前に盲腸炎した時、医者曰く『なくても問題ないけど、後になって男は下の病が、女は子宮とかの病が出やすくなるって話だよ』と言われて手術せず温存しました。腸内フローラ維持に役立つだけでなく、目立たぬ職人的ポジションみたいですね。
・https://x.com/NOUKA999666333/status/1773604045074129194?s=20
コメント失礼致します 盲腸(虫垂)部分は 氣を入れ、別の部位を同調させると 胸椎7番が捻りから回復し 身体全体が良い方向に循環し出します なので重要な器官と思っていましたが そういう役割もあるのですね。
・https://x.com/qu_v8pt/status/1773634957270798343?s=20
やっぱり盲腸も大切な臓器だったのですね💦 それで思い出したのが「脾臓」という、一般的には認知度の低い臓器なのですが、実は血液のろ過や抗体を作る等、とても重要な役目を担っています。 ところが無くても命に別状ないとされていて、腫瘍や肥大等が見つかると簡単に取られてしまうのですよね…😰
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774 · 9 months
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本隊が撤退する際に「殿の兵の中から小部隊がその場に留まり、追ってくる敵軍と死ぬまで戦い、足止めする。そうして小部隊が全滅するとまた新しい足止め隊を退路に残し、これを繰り返して時間稼ぎをしている間に本隊を逃げ切らせる」という戦法。足止め隊はまさに置き捨てであり生還する可能性がほとんど無い、壮絶なトカゲの尻尾切り戦法である。 関ヶ原の戦いの際の島津軍では、所属した西軍方が崩壊して、周りが徳川家康方の敵だらけの中で陣を引くにあたり、300人程に減っていた兵数で敢えて敵前衛である福島正則隊を正面突破してから、捨て奸戦法を用いて伊勢街道経由で戦場から離脱を図った。「捨て奸」は敵に視認しづらくするのと、鉄砲射撃時の命中率向上の為に、退路に点々と配置しておいた数人ずつの銃を持った兵達を、あぐらをかいて座らせておき、追ってくる敵部隊の指揮官を狙撃してから槍で敵軍に突撃するものであった。徳川方の松平忠吉、井伊直政、本多忠勝らは島津隊を執拗に追撃したが忠吉と直政が重傷を負い、忠勝が落馬。直政はこのとき受けた傷がもとで病死に至ったと言われる。島津義弘らは養老山地を抜けて堺に至り、海路を経て薩摩へ帰りつくことができた。 高い銃の装備率と射撃の腕、さらに勇猛果敢な島津勢だからこそ効果的な運用が可能なこの戦法だったが、義弘の身代わりとなって甥の島津豊久、家老の長寿院盛淳ら多くの犠牲を出し、生きて薩摩に戻ったのは義弘を始めとした80余名であった。この島津の退き口で行われた捨て奸は、義弘や家老達に指名された者より志願者の方が多かったという。
捨て奸 - Wikipedia
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tsk-pct6 · 1 year
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4/2
お昼頃母方の祖父が亡くなった。
年明けぐらいからずっと病院にいて、面会もできなくて、危ないかもと言われていたのでついにきたかかという気持ちだった。
今日はそのまま予定があったので、予定を済ませたあとその後実家に少しよって帰ってきて、ニュースを見ると坂本龍一が亡くなったという知らせがあった。
彼は身近な人ではないが、祖父の死とリンクして死ぬということの身近さを改めて思い知らされた日だった。そして自分も例外なく順番が来たら死ぬということを思い出した。
祖父は最後に桜を見れたのだろうか。
春を感じられたのだろうか。
死後の世界があるなら、祖母に会えただろうか。
駅へ着いた向かう道でふと線香の匂いがした気がした。
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jaguarmen99 · 3 months
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《桐島聡勝ち逃げだよほんと、警察完敗やな…最fは自分の名前でって勝ち確宣言みたいなもんやろこれ》《桐島容疑者上手い具合に逃げ切ったみたいな感じになってしまったな。》《本当に卑怯だな 捕まったと思ったらすぐ死ぬなんてやりきれない もう少し生きて己の犯罪行為を反省してほしかった》 いっぽう、実際の逃亡生活に思いをはせ、けっして「勝ち逃げ」ではなかったのではないか、と疑問を呈する声もある。《自称、桐島聡容疑者が亡くなったかー…。勝ち逃げとか引用RTあるけど、偽名で逃げて保証人もなく福祉にも頼れないから、住み込みで何十年も働いて、保険使えずボロボロの末期ガンで病院に実費で入院→死亡、「試合に勝って勝負に負けた」みたいな。逮捕されて刑務所の方が、マシな生活だったのでは》《桐島聡、「勝ち逃げ」という指摘も出てるけど、50年間コソコソ逃げ回る生活、街角にはお尋ね者のポスター、ろくに医療も受けられないまま70歳で末期がん。この人生は「勝ち」だろうか。》
「本当に卑怯」「試合に勝って勝負に負けた」逃亡生活50年「桐島聡」名乗る男性死亡に集まる衝撃 - ライブドアニュース
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aoyamataruto · 1 year
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#東京マリーゴールド #ざわざわ下北沢 市川さんの生き生きとした撮影現場のお話し。 撮影中はいつもいつも笑っていたそうです。 お話しは市川さんが描く男性像へ。そういえば、数々の映画の男達には似た感じが漂います。 昨夜は撮影でお忙しい中 小沢征悦さんがいらしてくださいました。 黄色い上着は珍しい! マリーゴールドに合わせてくださったのかな♫ 今回のチラシ、ポスターも実は"東京マリーゴールド"を 見ていただきたくて黄色いカラーメインにしたのでした。 さて後半は #病院で死ぬということ #トニー滝谷 #buyasuit 25日は岸部一徳さんの トークイベントです。 (すみません、ご予約は満席) https://www.instagram.com/p/ClSIhWXyAk3/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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kennak · 4 months
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病院がなくなったら、入院中の人や透析患者はみんな引っ越すから、当然、死ぬ人は減る。そこら辺を誤魔化すあたり、近藤誠と同じ擬似医療ビジネスで稼ぎたいんだろうなと思った。サプリでも売りたいのかな。
[B! あとで読む] 町から病院がなくなったら死ぬ人が減った…医師・和田秀樹が指摘する「日本の高齢者医療」の深すぎる闇 医者いらずのほうが確実に長生きできる
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kijitora3 · 2 years
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不思議なこと
色々あるけど、まずは、太陽パネルや風力だけで電気がまかなえるとか、そうならなきゃいかんという人の存在
あのさ、電気は貯めとけないのにどうやってそんなことになるのさ
ベース電源として火力か原子力が不可欠なの、小学生でもわかるでしょ
条件揃って調子いい時に一時的に電力一杯作れても、あっという間に急降下するのはむしろ日常 
日本程度人口があり、工業が発展した社会でそれだと頻繁に数時間とかそれ以上の停電が発生することになる 工場でそれやられたら、もう操業できん 病院でそれやられたら重傷患者が死ぬ 手術ができない 交通機関が止まる あるとあらゆるものが止まる 
でも、原発はんたぁ~いとか言って太鼓叩いてる人たちは、そういうこと、考えたこともないんだろうなあ
じゃ、振り返って考えれば、二酸化炭素商売のために火力が使いづらいなら、原発の安全性を高めて使う、新たな原発 小型原子炉とか核融合炉の研究開発を維持する これしか選択肢はない だから、���府はその選択をして当然
昔は原発なしでもやってた���っていう人もいるけど、ハイハイ、それならサステナブルでスゴイ江戸時代に戻ればいい 確かに環境負荷が少ない見ごとな社会があって、文化も発達してた
 でもちょっと寒い年だとたちまち大飢饉で江戸大阪の街中でも餓死者が転がり、天然痘が蔓延して人がゴロゴロ死んだり、そんなのとセットだよ
現代は電力があって、経済が動いて、諸外国から物を買える こういう日常が我々の生活を支えている事実について、もうちょっと謙虚に感謝したらいいのに
最近の原発回帰を最高裁が福島原発の国の責任否定したからって、裁判所のせいにする人がいるけど、それは、ほんの些細なこと 本質からはずれまくっている
日本国民の生活を守るには、どう考えても原発を磨いて使って行くしか道はない
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misatovan · 5 months
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今日は仕事が休みだった。というか、不妊治療のために12月の前半は土曜のシフトを外してもらったのだった。午前休をもらったり、遅番に変えてもらったりしていて、なんだか申し訳ないやら、本当にありがたいなと思う。
朝からクリニック。自己注射にだんだんためらいがなくなってきたが、今日の夜の注射は薬の量がちょっと増えている。なんだかこんな治療法が確立していて人工的に細胞をつくって凍結して移植するだなんて、まるでSFみたいなことをしていて、これが現代だなんてすごい技術だよなあと思う。それで帰り際に看護師さんに「すごい治療ですねえ〜」と言ったら「今できることは全部、頑張ってされているから大丈夫だよ」と思いがけぬ力強さで励ましてもらった。治療が大変だというふうに受け取られたのかも? ちょっと悪いことをしてしまった。でも嬉しかった。
受精卵ができたとしていくつか凍結したうちのひとつを移植したとして、のこりの細胞たちは「死」になってしまうのだろうか? まだ概念としては死でなかったとしても。いや、でも、それでもひとつを選んで移植はするのだろう。ラインが連続的で曖昧だということを思う。考えすぎかもしれない。
これはべつの場所でも書いたけれど、自分が治療で人工的に子をつくって産むということに果てしない業の深さを感じていて「この選択について背負い続け考え続けねばならない」と思っていたのだけれど友人に「不妊治療しているんだ」と話したとき、「良い先生に巡り会ったなら委ねて行けば良いと思う」と言ってくれてすごく心が楽になったのをいまもときどき思い出す。あのときから病院は変わったが先生も看護師さんも優しい。なんなら受付の人は前の病院よりめっちゃ優しい。変わるのは怖いが万物が悪いほうへ変わるわけではない。子を授かっても授からなくてもわたしの人生である。それは変わらないと思う。採卵手術の説明を受けて、帰った。
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rosysnow · 21 days
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ハニーライフ
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 たぶん、もう半年も残っていないでしょう。
 闘病してきたおばあちゃんの余命宣告は、あたしが一番最初に受けた。力が抜けて椅子を立てない。そんなあたしを、看護師さんが労わりながら立たせてくれた。
 廊下の長椅子に移っても、なおも茫然としていた。待合室の雑音と、消毒液の匂いに、意識がゆらゆらしている。
 おばあちゃんには、半年も残っていない。
 こみあげた涙をこらえる。両親に連絡しなくては、とやっと気がついた。一応、グループでなく個別のトークルームに、『おばあちゃんのことで話がある』とメッセを送る。でも、相変わらず仕事がいそがしいのか、だいぶ待ってみたけど既読すらつかない。
 こんな両親だから、あたしを育ててくれたのは、おばあちゃんだった。おじいちゃんは、あたしが生まれる前に亡くなっている。もう一方の父方の祖父母は、あたしが母方であるおばあちゃんにばかり懐くので、次第に疎遠になった。
 窓からの七月の夏陽がかたむき、病院のひんやりと白い壁は、暖かみのあるオレンジに染まっている。その夕射しにこもった熱に、軆は汗ばみかけている。
 入院生活が長くなったおばあちゃんは、最期の時間は、家で過ごしたいと言っていたっけ。「でも、玖鈴に介護なんかさせるのもねえ」と目をくしゃっとさせて苦笑していた。
 あたしはスニーカーの爪先を見つめていたけど、おばあちゃん本人に言わなきゃいけない、と思った。どうにか膝に力をこめて、その場を立ち上がる。そして、もう一度先生と話ができるか、通りかかった看護師さんを呼び止めた。
 おばあちゃんは、自分の余命宣告を飄々と受け止めた。「ホスピスでも行きますかねえ」なんて言うから、「何で? うちで過ごしなよ」とあたしは割って入った。おばあちゃんの痩せて皺だらけの顔に、わずかにとまどいが浮かんだ。
「でも、久里子も錫也くんも、おばあちゃんの介護なんて──」
「あたしがするよっ。大学なんて休学すればいい」
「……あのねえ、そんなこと簡単に、」
「あたしだって、おばあちゃんときちんと過ごしておきたい」
 おばあちゃんはあたしを見て、困ったようなため息をついた。例の女医の先生は、介護士さんや訪問サービスなどの力も借りながら、おばあちゃんが望むように過ごしていいと諭した。
「おばあちゃんは、あたしと過ごすの嫌かな」
 あたしがしゅんとうつむいてしまうと、「……バカなこと言って」とおばあちゃんの声が涙ぐむ。
「玖鈴がいいよ。最後は、玖鈴と過ごしたい」
 ──両親がおばあちゃんの余命を知ったのは、翌日になってからだった。おまけに、おばあちゃんの希望も聞かずに、ホーム行きにしようとした始末だ。あたしがおばあちゃんの意思を伝えると、「ほぼ寝たきりの人だぞ」「プロに任せたほうがいいわよ」と情のかけらもなく言った。
「ヘルパーさんの力を借りないとは言ってない。寝たきりになったら他人なの? 死ぬ前のお願いも聞いてあげないの?」
 あたしに睨めつけられ、両親は厄介そうな面持ちを隠さなかったけど、「おばあちゃんとも話そう」とようやく譲歩した。おばあちゃんは、昨日あたしには弱気だったくせに、両親には「私は帰りますよ、自分が選んだ場所で死にますから」と我を張っていた。
 そんなわけで、長らく病院生活だったおばあちゃんが、久々に一軒家の自宅に帰ってきた。ほとんどベッドに横たわっているけど、精神的にはゆったりできているようだ。
 大学に休学届を出したあたしは、おばあちゃんの食事、着替えやお風呂を手伝った。おむつもやる気だったけど、素人では手際が悪くて、ヘルパーさんに手伝ってもらった。
 おばあちゃんの病状は、当然ながら良くなかった。けれど、さいわい認知症は出ていなかったので、ベッドサイドに腰かけたあたしと、想い出話を楽しんでくれた。
 幼稚園の送り迎え。よく一緒に作ったホットケーキ。お互い気が強くて、わりと喧嘩もしたこと。
「ああ、大人になった玖鈴を見守れないのは寂しいね。どんな男を連れてくるか、楽しみにしてたのに」
 おばあちゃんは窓を向いて、目を細めた。カーテンが残暑の日射しを抑えていても、じゅうぶん明るい。
「玖鈴はいい母親になるよ。だから、元気な子さえ生めば大丈夫」
「……うん」
「今、本当に彼氏もいないの?」
「いないなあ」
「そっか……。こんなかわいい子を放っておくなんて、見る目がない男ばかりだねえ」
 あたしは曖昧に微笑んで、クーラーの風にそよぐ自分のロングヘアに、緩く視線を泳がせた。
 あたしのことを受け止めてくれる人は、本当は、ちゃんとそばにいる。でも、それは家族には、特におばあちゃんには、絶対に言えないと思っている。
 嘘つきだ、あたしは。大切なおばあちゃんに、大切な人の存在がいることを隠して。きっと、すごく罰当たりだ。
 だとしても、打ち明けることがすべてではない場合もあると思う。
 那由多は、あたしがおばあちゃんっ子であることを知っている。というか、那由多があたしのことで知らないことなんて、たぶんない。おばあちゃんの介護が始まって、日中はなかなか会えなくなったけど、夜にはしっかり会っている。那由多は無論おばあちゃんに会ったことはないけど、今、最期を過ごしているのを心配してくれている。
「おばあちゃん、やっぱり、ひ孫に会いたかったのかな」
 彼氏のことを言われた日の夜、那由多の肩に寄り添ったあたしは、そうつぶやいて、甘い桃のお酒に口をつけた。レモンサワーを飲む那由多はうつむき、「ごめんね」とあたしの髪を撫でる。
「え、何で」
「僕が女の軆だから」
 あたしは咲い、「男だったら、まずつきあってないから、那由多はこれでよかったよ」と那由多の白くて柔らかい頬に軽くキスをする。グリーンのメッシュが入ったボブショの那由多も小さく咲って、あたしに寄り添い返す。
 那由多はあたしの五歳年上で、二十五歳だ。社会人として働き、このワンルームを借りて暮らしている。室内は雑然としているけど、けして汚部屋ではなく、あたしにとっても居心地がいい。
 この部屋で、こうして那由多の温柔を感じていると、生きててもいい、とあたしは自分を許すことができる。
 那由多と知り合ったのは、六年前だ。あたしは十四歳、那由多は十九歳だった。知り合ったきっかけはネット。SNSではなく、近年ではめずらしく掲示板だった。
 お互いを「相手」に決めたのは、隣り合った町に住んでいて、合流しやすかったから。あたしと那由多がアクセスしていた掲示板が置かれていたのは、一緒に死んでくれる人を見つけるための場所、いわゆる自殺サークルのサイトだった。
 あたしたちは、一緒に死ぬつもりだった。メールを交わしながら、身の上話はしなかった。相手のことは、深く知らないほうがいいと最初に決めておいた。
 なのに、いざ顔を合わせて、那由多が裏ルートで購入した青酸カリの小瓶を取り出して、でも沈黙したままふたを開けられずにいるうち、死にたくなるほどの理由から、今までのろくでもない人生を、とめどなく吐き出し合っていた。
 あたしは、同性にしか恋ができなかった。男の子とは、どんなに仲良くなっても友達でしかない。親友だからと思ってカムした同級生の男の子は、あたしの話��表情をゆがめ、「俺は玖鈴が好きなのに」と言って無理やりのしかかってきた。
「エッチしたら、これが普通だって分かるから」
 セーラー服と学ランを着たまま、あたしをつらぬいた彼はそう言って、息を荒くして中に出した。内腿に血が流れて、どろりと白濁と絡みあって流れる。
「ね、俺のこと、好きになったでしょ?」
 彼は恬然とした笑顔で、そう問うてきた。あたしは急にせりあげた嫌悪感で、その頬を引っぱたいた。押しのけて逃げ出して、家まで走りながら、どうしよう、と泣き出した。
 あたし、妊娠したかもしれない。だとしたら、ひとりぼっちで生むより、誰かに話して堕ろすより、一刻も早く子供もろとも死ぬしかないと思った。
 那由多も女の子に惹かれる人だ。それと、自分の性別が分からない人だった。女じゃないなら男、なんて単純なものではないらしい。男女の中間でもないし、男であり女でもあるという感覚もない。しいて言えば、どちらでもないというのが一番しっくり来る。
 それは自分の正体がつかめないようで、ひどい恐怖をともなった。女の子とつきあっても、自然と自分が「男役」になっているのがすごく気持ち悪かった。服装はラフが好みで、フリルやレースは着たくないのだけど、「男」に分類されても違和感しかない。
 男じゃない。女でもない。性そのものがない。まるで幽霊みたい。そんな自己を抱えて過ごしていくなら、生きることをやめてしまおうと那由多は決めた。
 気づいたら、ふたりともしゃくりあげるほど泣いていて、強く手を握り合っていた。「もう生きたくないよ」と言いながらも、「このまま死にたくない」とも言っていて、すがりつくように抱きしめあった。那由多はあたしの頭を撫で、あたしは那由多の軆にしがみついた。
「初めて……こんなに、自分のこと話した」
「ん……僕もだよ」
「聞いてくれて、ありがと」
「ううん、こっちこそ」
 那由多の心臓の音が聴こえた。死んだらこの音がなくなってしまうんだと思うと、やっと自分たちが飛びこもうとしていた淵に恐ろしくなった。
「あたし……」
「うん?」
「あたし、那由多さんといられるなら、今までみたいに嘘ついて生きなくていいかもしれない……」
 那由多の服をぎゅっとつかみ、それに応じるように、那由多もあたしを抱く腕に力をこめた。
「僕も、玖鈴ちゃんがそばにいてくれるなら、まだ生きられるかもしれない」
 あたしはぐちゃぐちゃの泣き顔を上げて、「そばにいるよ」と誓うような気持ちで言った。那由多も泣き腫らした瞳であたしを見つめ、「じゃあ」と言葉を選ぶ。
「一緒に、生きてみる?」
 あたしはうなずき、何度もうなずき、那由多の胸に顔をうずめた。那由多はあたしの髪に、濡れた頬を当てる。
「……婦人科は、行かないとね。僕が付き添うよ」
「できてたらどうしよう」
「まだ、それって何日か前だよね。アフターピルあると思うから」
 那由多の柔らかくて温かい腕に守られ、あたしはびっしょりの睫毛を伏せる。優しい心音が、鼓膜からあたしの傷に染みこんでいく。この人があたしのものなら死ななくていい。もっともっと、いつまでも、抱きしめていたい。
 ろくな人生を歩まなかった。そう思ってきたけど、これからそれが変わるなら、あたしは生きられる。ううん、そんなふうに思わないように、あたしは生きていきたい。
 アフターピルも飲んだおかげか、あたしは妊娠しなかった。でも、セックスに対する恐怖心はどうしても残った。那由多は急かすように求めたりしなかった。おかげで、あたしはあたしが那由多が欲しいと思えたとき、やっと那由多と結ばれることができた。
 あたしたちのあいだで、その行為が子供を生み出すことはない。しかし、確かに愛を育んでいると思うのだ。もしもこの愛が老い、朽ちてしまったら、今度こそあたしは、この世を追い出されて土に還る。
 ──おばあちゃんが亡くなったのは、年越し前の冬だった。あたしは、何度か悩みつつも、自分のことを何も伝えなかった。年末におばあちゃんのベッドが撤去され、剥き出しになった青いたたみに寝転がると、これでよかったんだと天井を見つめた。
 受け入れてほしかったなんて、贅沢なことは思わない。いつかあたしが死んで、七色の虹を抜けたあとに、黒い針山を歩く罰を受けたとしても、やはり言わなくていいこともある。
 おばあちゃんの最期をかきみださず、穏やかに見送ることができた。あたしは、それでいい。
 男と結婚して、子を生むことが、「女の幸せ」なんて思わない。女として、しのごの言わずに生きろと言う人もいる。けれど、その声がどんなに大きくても、あたしは那由多と生きていく。それが、あたしにはかけがえのない蜜なのだ。
 おばあちゃんは、無垢な白昼夢に包まれて亡くなった。幸せに眠りつくことができるだろう。
 それを見送れたあたしは、もうこの家庭に未練はない。遅かれ早かれ、荷物をまとめて那由多の元に飛びこむ。
 生み出すことが生きる意味なら、あたしは那由多と愛を生み出そう。生み出すこということは、お腹を痛めて出産する子供だけではない。人によっては、パートナーがいなくてはならないわけでもない。
 ただ、ひとさじでも、甘い蜜がある人生であるように。
 カーテン越しに、窓で冬陽が透けている。おばあちゃんとの最期の日々をゆっくり思い返す。その時間は、白い光がきらきら広がっていて、巣箱から春に飛びこむための勇気になる気がした。
 FIN
【SPECIAL THANKS】 白昼夢/杉野淳子 『生きる』収録
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lllusioninthehead · 25 days
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2024/4/16
母を病院に送るために通うようになった。
どうやら癌は転移していないと連絡が来たとき、嬉しいという感情と経済的な負担が増えるなという合理性が半々頭に残り、バチでも当たる思いだった。
感情に素直になれない自分が昔からいて、こんなときでも変わらない。
病院には身体や心が悪い人がたくさんいて、それを治すための専門職の人がいる。当然ながら一方的な権力構造でどうしても老人などを赤子扱いするような口調であやす人もいて気分はあまり良くない。
言葉の意味はわからなくても、態度は伝わるものだと思う。なんだかこちらまで居心地が悪い。
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強烈に通う死の匂いに桜のような艶やかさはない。
消毒液と薬と人の代謝の匂いが色濃い。
いつか、自分もここに来るのだろうと思う。生への執着の象徴へ。ただ、死ぬ時はここ以外が良いなとそんなことを考えていた。選ばせてもらえるならだけど。
母はどうしたいのか?と問うた時はわからないと言われた。以前あったときと打って変わって死にたくないとこぼすところに人の弱さを感じる。
未練もあれば怖さもあるなにしろ死ぬのはみな初めてだから。伴走も。
今週にはまた治療結果を聞きに来ないとならない。まだまだ長い。ゴールがわからない旅路だ。
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