1日の仕業を終え車庫へ回送される 50000系しまかぜ。 つい先ほどまで、車内には暖かい照明が灯り、ゆったりとした時間が流れていたのであろう #train_vision #しまかぜ #夜鉄 #夜鉄は美しい #流し撮り #流し撮り部 #流し撮り部鉄道課 #鉄道写真 #鉄道のある風景 #溶ける風景 #近鉄 #近鉄電車 #近鉄特急 #traingarally_ig #ブルーリボン賞 #スローシャッター #東京カメラ部 #ニコン #50000系 #trb_express #pocket_rail #total_rail #train_nerds #phos_japan #nikon #gris_premium #japanphotogroup #写真好きな人と繋がりたい #写真撮ってる人と繋がりたい #ファインダー越しの私の世界 (Nagoya-shi, Aichi, Japan) https://www.instagram.com/p/CkJvyl4ynp-/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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Slender Fellows - Various
000 Cover Author Comments
001 [入江亜季] 松の木は時々目覚める
002 [山本和音] 銀河鉄道の女
003 [大槻ー翔] サプライズ
004 [宇島葉] 大和魔女大学箒部
005 [菊池まりこ] カオリ、お前の 胸とその愛に
006 [大上明久利] THE TALLBOY
007 [嵐田佐和子] 地獄のあかねちゃん
008 [namo] だって好きだから
009 [伊藤真希] つるのおめかし
010 [樫木祐人] 仕立て鳥
011 [高橋那津子] 猫のカルパス
012 [長蔵ヒロコ] 嘘と箒星
013 [犬童千絵] 夏川さん
014 [浜田咲良] 枝のような彼は
015 [山本直樹] 自撮り (not a chapter, just an illustration)
016 [中村哲也] アンナ祭り
017 [梶谷志乃] 課外授業
018 [福田星良] ホテルレイングラ?ド
019 [黒川裕美] がんばれ涼子さん
020 [舘石まい] 夕陽に映える時
021 [紙島育] 乙女座流星群
022 [福島聡] スレンダ?な人々
023 [櫻井良太] どっかの星の調査隊
024 [西公平] スレンダ?のS
025 [中河星良] 悪魔の痩せ我慢
026 [佐野菜見] いとしの紙一重
027 [井上きぬ ] へびさんの願いごと
028 [柴田康平] 胸を借りる
029 [百名哲] 雨を見たかい
030 [丸山薫] 痩身の秘薬
031 [久慈光久] セレネとエンデュミオン
032 [渡邉紗代] クララオンザベツド
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2022.9.1-9.15
↑これはロンドンで現像した赤羽の写真。
以下ほぼ写真日記。備忘録。
2022.9.1
Darhamの宿を出発。朝のパブ。
スーツケースで朝ごはん。
なんかヨーグルトに入れるオーツみたいなのの中にスプーン雑に入ってた。日本だったら絶対にスプーンでもう1包装あると思う。私は雑に入ってるのが好き。
今度こそ窓側取れた。
雲が低くて空がものすごく青い。丘が綺麗。
だけどやっぱり後ろ向きに進む。
座席の方向転換が出来ない仕様なのであれば、日本ならきっと上りの方向が前になると思う。しかしこちらはいずれもロンドン方面(進行方向)が背面だった。不思議だけど、まあそういうもんか、と順応し始める。
途中で原子力発電所みたいなのが見えたけどどこかはわからなかった。
シンプソンズで見たことある形。
ロンドンついたけど人多いのとスーツケース重くて疲れすぎてスーパーの寿司の写真しかない。
ゲストハウスに宿泊。
同室に日本人の名前を見つけたけど帰ってくる前に寝落ちした。
英語版『日常』5巻を読み始めた。
2022.9.2
エジンバラで撮ったフィルムが終わったので写真屋さんで現像に出す。
Googleマップを見ると近くに大英博物館があるようだったので、散策しながら向かった。
日本で絶滅したAeroを途中で見つけたのだけど、散策してる最中に全部溶けた。
めちゃいいつま先
モアイの体 cute
日本ブース(?)に三島由紀夫いた。
広すぎてまたしても諦めた。
朝から来れる日にまた来ます。
スーパーで夜ご飯を買って帰る。
生ハムが食べたかったけど、どれが生で食べられるのかわからなくてやめた。前日に見た寿司を買ってみた。Mini Tokyo salmon Set
部屋に戻ろうと思ったらベッドに鍵置きっぱなしだった。
「鍵を部屋に忘れました」の英語を覚えた。
明日、ロンドンに住んでる大学院の頃の同期の卒業公演を見に行くことになった。
2022.9.3
本当に家にする才能がある。
同期の卒業公演のプレビューを見せてもらった。
観客と俳優が交流をするタイプの上演形態で、ああ日本でしばらく見てない光景だ、とおそらく私1人だけ違うベクトルで胸がいっぱいになっていた。
上演作品自体もすごくよかった。”私たちにしか出来ない演劇”というものに立ち会うために非常に有効な劇場と人数だったと思う。
入り口のセキュリティーにビビりながら入ったお店で食べたアーリオオーリオ。パスタの種類わからなすぎて普通の頼んだつもりがきしめんだった。これがロンドンの普通麺なのか?
おいしかったけど脂っこすぎておしまいになった。
帰宅してから共同スペースで作業してたらパーティが始まって困惑した。
金曜日の夜。
完全に残り体力が減っている。
2022.9.4
パッキングがクソ大変だった。朝から汗だく。
もう既にキャリーに入りきらなかったんだけどまじでなんでなの?エジンバラでバグパイプ買ったから?
チェックアウトして TATE Britain に向かう。宿から徒歩圏内だということに前日に気がついた。
Cornelia Parkerの展示が良すぎて、朝のパッキングで既に溢れてたのに作品集を買ってしまった。
常設展示の方は一本道ではなく一部屋に4つ通路があって、ゼルダの伝説 時オカ版の迷いの森かと思った。サリアの歌が大きくなる通路がなかったので迷いました。
私が唯一自信を持ってできるモノマネ、ジャコメッティの彫刻があった。
めちゃいい。
ずっと実物を見たかった”Hope”。
想像以上に大きかった。
とてもいい場所に堂々と展示されていた。
描いた絵が展示になる部屋。迫り来る猫を描いた。
またマフィン食べた。
いよいよホームステイ先に移動。
緊張しながらバスに乗ろうとしたら、乗りたかったのがバス停に止まらない。イギリスでは手を上げないとバスは止まらないらしい。学んだ。
荷物も重すぎるしこれは楽しろということだな、と思い近くの駅からタクシーで向かう。
ホストファミリーがものすごく暖かく迎え入れてくれた。
大きい黒のラブラドールレトリバーもフガフガ私の匂いを嗅いでいた。
人生で good boy をリアルに言う日が来るとは思わなかった。
私の部屋は屋根裏部屋だった。憧れの天窓!
夕ご飯をホストファミリーとルームメイトと一緒に食べる。
ルームメイトのNarrimanはブラジル出身で、私の一つ下だった。「明日一緒に学校に行くから安心してね」「困ったことあったらなんでも聞いてね」とにこにこ優しくしてくれた。ありがたすぎる。
まじで不安だ…と思いながらみりんの安否を確認して就寝。
2022.9.5
初日。
ガイダンスを受けて午後から授業に参加。
チャイム鳴っても誰も来ない。何のチャイム?
学校終わり、ルームメイトがpubに誘ってくれた。
イギリス初飲酒はguinnessでした。
2022.9.6
Good boy の Billy
どうして階段のすぐ下にベッドがあるんだ…?これは土足で跨いでいいのか…?と思いながら毎回通ってる。
キットカットがめちゃくちゃでかいし、チョコの味が全然違う。
果物が安い。
相変わらずチャイム鳴っても誰もこない。何のチャイムなの本当に誰か教えて。
放課後、Narriと近所のpubへ。
夕飯前にでかいハンバーガー食べながら2���間恋バナした。
あとリアルのBless youを初めて聞いた。
2022.9.7
クラスメートがジャム挟んだクラッカーくれた。
ドイツ語とスペイン語の「さようなら」を覚えた。
放課後はMAMMA MIA!を見にロンドン市街地へ。
時間までNariとBig Ben周辺を散策。
ピーターパンだーーーー
ロンドンの空、ターナーが描く空に本当にそっくりでいちいち感動する。
彼はこの空を描いてたのか。
城?
城じゃん。
石造の建物はいいな。
歴史ある建築でここに来ること自体でテンションが上がる。
MAMMA MIA! は最高すぎて一場から爆泣きした。
カーテンコールでも爆泣きしてたらクラスメート達に抱きしめられた。
お芝居がよかったのは当然だけど、お客さんの観劇姿勢に感無量だった。客席の反応がすごく大きくて、舞台上と客席との交歓を感じて胸がいっぱいになってしまった。演劇を見ている!という感じがしたし、演劇のこういうところが好きだった、と思い出した。
2022.9.8
疲れすぎて何も写真がない。
普通に授業を受けて速攻帰宅して夕ご飯まで寝た。
夜中に現像した写真のデータが届いた。
色味が途中から変だった。
おそらく、日本から持ってきたので、空港のX線の影響だと思う。すごく綺麗だったエジンバラの空がうまく残せなかったのは残念だけど、これもその時を残してるのは一緒か、と思うことにした。
エリザベス女王が亡くなった。
「黒い服を着た方がいいですか?」と英語で聞くことになると思わなかった。これから10日間イギリスは喪に服すらしい。
2022.9.9
観劇しに市街地へ。
地下鉄や街中のモニター、お店の看板など、変えられるところはみなエリザベス女王に代わっていた。
けれど、それ以外は普通だった。喪に服すって、交通が止まったりお店が閉まったりするのかなと想像していたけれど、そうかあ、社会はそのまま回し続けるしかないよな、と思った。
観劇前に以前から気になっていたUZUMAKIというラーメン屋に寄ってみた。
どちらかというと全体的にAKATSUKIだった。
ラーメンは普通に美味しかった。
著作権どうなってる?と思う箇所が多々あったけど、これって著作権どうなってる?
見たのは”The Seagull” in ハロルドピンター劇場
客席の反応が日本と違いすぎて(再び)びっくりした。かなり終盤までみんな笑っていて、まじで…⁉︎という感じだった。私としては、マーシャとか可哀想すぎて全然笑えないのだけど、喜劇と悲劇は紙一重を真に感じた観劇体験だった。
ラストシーンが邪悪すぎて最高に素晴らしかった。
一体私は人生であと何回『かもめ』を見るんだろうか…。
2022.9.10
この日も観劇しに市街地へ。
バイオハザードの地下鉄?
この日は”FROZEN”
めっちゃ真横の席だったし見切れてたけどとてもよかった。
小さいエルサがたくさんいて可愛かった。心なしか客席も全体的に水色だった気がするし、私も水色のニットを着てた。
古そうな天井に穴開けて吊ってる
ピンスポ
オケピ
こういうとこばかり見てしまう…。
休憩中、客席でアイスを売っていた。
飛ぶように売れていたしすぐ隣で売っていたので思わず買ってしまった写真。ブレすぎ。
ロンドンの大きな劇場の多くにBARが入っていて、お客さんはワイン瓶とグラスを片手に鑑賞している。歌舞伎スタイル。
観劇体験としてはめちゃくちゃ最高なのだけど、終演後の客席は映画館でも見たことないくらい食べ飲みのゴミが散らばっていてかなりの衝撃を受けている。この掃除だけでどのくらい手間と時間がかかるのか…と想像して怯える。
ドバイ→エジンバラの飛行機を降りる時も田舎のお祭りかと思うくらい荒れてて笑ったのを思い出した。
観劇後、ネガを受け取りにカメラ屋さんへ。
新しいフィルムを買いたかったのだけど、「今品薄で売ってなくて、来る前に電話してもらった方がいいかも。」と言われた。電話のハードルよ…。
夜は大学院の同期とご飯。
久々に対面で日本語を喋った。
タイ料理屋さんと日本食屋さんに行った。
2022.9.11
月曜日。
2人ともギリギリに起きてパンを食べながら登校。
放課後は、今週のお弁当の具材を買うために、普段行かない大きなスーパーに行った。
白いままのフィギュアがついていて、自分で着色するタイプの付録。
行ってみたスーパーに写真屋さんが入っていて、普通にフィルムを売っていた。
2022.9.12
何の写真もなかった。
サラミとほうれん草みたいな草とチーズをオリーブオイルと塩だけで食べるお弁当を編み出した。うまい。
2022.9.13
何の写真もなかった。2
Narriのカバンから無限に物が出てきたので、ドラえも���の「あれでもないこれでもない…」を見せた。私だー!と言っていた。
DORAEMONっていうのは未来から来た猫型ロボットで…という説明で既に面白そうなのすごすぎる。
2022.9.14
「劇場で出来ないことは何ですか?」と聞かれたのだけど、劇場で出来ないことなんてないのでは…?と宇宙猫になった末に出した苦肉の答え→「ペットの販売」
もしかしたら何かの基準をクリアしたら出来るのかもしれない。わからない。
フランス語ネイティブのChocolatを聞いてテンション上がる。
日本の夜ご飯タコス(?)とイギリスの昼ごはんin庭
放課後はライオンキングを見に行く予定だったので、再びNariと市街地の観光。
ロンドン塔を見て、Five guys へ。
新しい街と300年前の建物が共存している。
石造の建物と地震がない国、本当に素晴らしいな。
ロンドン市街地は、エリザベス女王の棺が到着したようで、物々しい警戒体制だった。大きい銃を持っている警官、やっぱりびっくりする。韓国の空港で見た時もカルチャーショックだった。
飛行機雲がいつもよりたくさん出ていた気がするけど、中継などで多く飛んでたのだろうか。
ライオンキングの最寄りの地下鉄、ホームまで階段で降りたら200段くらい永遠に螺���階段で目が回った。
写真は疲れてる私を尻目に元気よく降りていくNariman
家に帰ったら、シーツを変えてくれたホストファミリーの手によって身代わり人形が堂々としてた。
2022.9.15
フランス語ネイティブのChamps-Élyséesを聞いてテンション上がる。
サラミとほうれん草みたいな草とチーズで作ったサラダ、毎日液漏れしてる。
タッパーとジッパーをくぐり抜けて必ず液漏れしてくる。
液体強すぎる。
ガムを捨てるために破ったノートの余りをファイルに入れたらONE PIECEのビブルカードみたいになった。
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おわり
また気が向いたら書く
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TEDにて
ナタリー・パネク: 地球を周回している宇宙ゴミを片付けましょう
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
私達の生活は、地球上にはないものに支えられています。それは、情報、娯楽、通信など多くのことに常に使われている人工衛星インフラです。
しかし、地球軌道は無限にある訳ではありません。
私達の行動を大きく変えなければ、宇宙デブリの問題は悪化して行くだけでしょう。ナタリー・パネクは、私達が頼りとしている人工衛星の宇宙環境への影響を考えて欲しいと訴えます。
地球の軌道環境はとても美しく、人類の探索の出入り口でもあります。それをどう保つかは、私達次第なのです。
私たちの日常生活は、地上にはない世界に支えられています。この数日を振り返ってみて下さい。テレビを観ましたか?GPSは使いましたか?天気予報のチェックや食事はしましたか?
日常生活で私たちが、これら多くのことができるのは、直接的にも間接的にも人工衛星のお陰なのです。
私たちは、そんな衛星の恩恵を受けながら、それを当然の如く暮らしていますが、衛星に関心を持つことは重要なことです。なぜなら、衛星は、宇宙に長くその痕跡を残すからです。
世界中の人々は毎日人工衛星インフラに頼っています。
それには、インフォメーション。エンターテイメント、通信、農業や環境のモニタリング、インターネットの接続やナビゲーションなどが含まれます。
人工衛星は、経済やエネルギー市場のオペレーションにも一役買っています。
毎日、私たちが頼みとしているこれらの衛星にも寿命があります。推進剤がなくなったり、故障し機能しなくなったものや寿命が来て自然と機能停止したものもあるかも知れません。
それぞれの時点で衛星は、事実上、宇宙のゴミとなって、音速の何十倍の速さで地球周回軌道上に集積してしまいます。
小さな破片が、この速度になると物理法則により衝撃力がミサイル並の危険な破壊力になります。
これを想像してみて下さい。ある晴れた日。あなたは所用で高速道路を運転しています。お気に入りの曲を流し、開いた窓からは涼しい風が入って来て髪をなびかせています。
いい気持ちですね。何もかもスムーズにいっています。その時、突然車の動きがギクシャクし止まります。それも高速道路の真ん中で、さあ高速道路に車を置いて行く他ありません。
幸運にも、車を路肩に寄せることができ、交通の邪魔にならないで済んだかもしれませんが、数時間前は、日常、欠かせない有用な機械だった車は、今や無用のただの鉄の塊と化し、重要な交通網には不要物となるだけです。
また、国際的な道路網に交通の邪魔でしかない故障した車が散在している状況を想像してみて下さい。
または、車の衝突事故が起きて、至る所に散らばる残骸の無数の小さな破片が、新たな障害物となっているのを想像してみて下さい。
これが衛星業界の実情です。
機能が停止した衛星は長期間に渡り、軌道から外れたままにしておくか一時凌ぎの手段として障害とならないよう移動させます。
宇宙では、国際法などないので、通常、警察が後処理を行うような後片付けは義務づけられていません。
しかも、小さな破片が、音速の何十倍の速さになると・・・
物理法則により衝撃力がミサイル並の危険な破壊力になります。
世界初の人工衛星スプートニク1号は、1957年に打ち上げられました。その年、衛星打ち上げが試みられたのは、合計3回だけでしたが、その後、数十年間で数十ヶ国が何千基もの衛星を軌道に乗せてきました。
その数はこれからも増えていくだけでしょう。900基以上からなる衛星群が打ち上げられる可能性があることを考えるとそう思わざるを得ません。
今では、衛星を様々な高度の軌道に使用目的に応じて乗せています。
その最も一般的な場所の1つは、地球表面の様子を撮るための地球低軌道です。
これは、高度約2千キロ上にあり、この軌道の衛星は、地球の大気に晒されているので軌道上で自然に劣化していき、最後には、恐らく数十年内に燃え尽きてしまいます。
衛星が送られるもう1つの場所は高度約3万5千キロの静止軌道です。
この高度の静止衛星は、移動せず地球と共に自転して通信やテレビ放送などに使われています。このような高軌道の衛星は何世紀も残ります。
また「墓場軌道」と名付けられた不気味なゴミ捨て場となった軌道があり、そこには寿命の尽きた衛星が他の衛星の邪魔にならないよう、一般の衛星軌道から移動されてきています。
1950年代から7千基程の衛星が打ち上げられて来ましたが、その内の千基ほどしか現在機能していません。機能していない人工衛星に加えて何十万ものビー玉サイズのデブリや何百万の剥げた塗料片が地球を周回しています。これらは宇宙ミッションだけでなく、私たちの生活に欠かすことの出来ない衛星にとっても重大な脅威です。
しかも、小さな破片が、音速の何十倍の速さになると・・・
物理法則により衝撃力がミサイル並の危険な破壊力になります。
真空なのでサビませんが、収益化できれば、宝の山が回っていることになります。この分野も新産業です。
宇宙デブリやゴミは、増々心配の種となっています。各国のそして国際的な努力で、新産業の技術水準を高め、これ以上デブリを増やさないよう制限しています。
例えば、地球低軌道を回る衛星は、25年以内に軌道から外れるように製造されることが奨められています。それでも随分後の話です。
特に何年も機能していない衛星にとってはそうです。また機能しなくなった静止衛星を少しずつ移動して墓場軌道に持って行く必要があります。
しかし、ガイドラインはどれも国際法で義務づけられたものではないので各国の機構を通して、試行されることになるでしょう。
また、これらは未来に目を据えた積極的なものではないし、既に、宇宙空間にあるデブリへの対応策でもありません。今後のデブリの産出を制限するために実施されているだけなのです。宇宙ゴミは誰の責任でもないというのが現状です。
これをエベレスト山の状況と比較すると面白いのは、人と環境との関わり方への新しいアプローチです。この山には有り難くもない名誉「標高が世界一高いゴミ捨て場」の名前が与えられてしまいました。
人類初の世界最高峰の山頂到達が成功して数十年、登山者が残してきた何トンものゴミが問題視され始めました。
ニュースでもお聞きでしょうが、ネパール国は登山者を厳重に取り締り、罰則や法的義務をより厳密に適用しようとしています。その目的は、もちろん登山者が自分たちのゴミを片付けるよう促すためです。
地元の非営利団体が持ち帰ったゴミを買い取るか、遠征隊が自主的に片付け隊を組織することになるかもしれません。
それでも多くの登山家たちは、自分たちで取り締まるべきだと感じています。これに簡単な答えはありません。自然を保護しようとする善意の努力でさえ、しばしば、問題にぶつかりますが、仕方がないというのではなく、私たちの生活の基盤である環境を守るためにはできることは何でもすべきです。
遠隔地エベレスト山のようにインフラが不十分な軌道環境では、廃棄物処理は難しい問題です。しかし、廃棄をエスカレートさせ、これ以上のゴミの山を作る訳には行きません。
宇宙で人工衛星の部品が壊れると修繕の可能性は限られており、それも費用もかかるというのが現実です。
では、衛星の設計や製作方法を改良すればどうでしょう?衛星全て、どの国の衛星であろうと自ら軌道から外れる機能があることと再利用可能であることを標準として義務づけたらどうでしょう。
その場凌ぎとして邪魔にならないように動かす代わりに、耐性年数を過ぎた衛星の廃棄を義務づける国際法が実際にあったならどうでしょう。
または、企業に人工衛星を軌道に乗せるのに預り金を課すべきかも知れません。その金額が戻って来るのは、適切な衛星廃棄が終了した時か。充てがわれた量のデブリを片付けた時だというものです。
または、衛星は軌道からの逸脱を加速するテクノロジーを搭載すべきかも知れません。後から、ランデブーさせて自動でドッキングするようなテクノロジーの開発も必要です。
明るい兆候はあります。例えば、2014年に打ち上げられた英国のTechDemoSat-1には、小さな「錨」で衛星を軌道から外すテクノロジーが搭載してあります。
これは小さいのでこの衛星にはうまくいきますが、より高度が高く、大きな軌道にある衛星やスクールバス程度の大きな衛星には、他の廃棄方法を選択する必要がありそうです。
高強度レーザーのようなものが使えるかもしれませんし、ちょっと考えると突飛なようですが、網や綱を使って引っ張ることもあり得るかもしれません(映画のスターウォーズみたいに宇宙船で押すことも含めて)
実に素晴らしいある可能性は、周回するレッカー車。または、宇宙整備士案です。この分��も新産業です。
想像してみて下さい。宇宙レッカー車みたいなものの人工知能ロボットアームが、衛星の故障した部分を修繕して使えるようにできたら どんなに素晴らしいでしょう。
または、その同じ人工知能ロボットアームが、人工衛星の推進剤を補充できるとしたらどうでしょう?ちょうど私たちが自分の車にガソリンを入れるようにです。
人工知能ロボットが、整備や修理をすれば、地球を周回する人工衛星は何百年も機能し続けるかもしれません。
この分野も新産業です。
どのような廃棄選択案が出てこようと技術の問題だけではなく、複雑な宇宙法や政治の面でも体制を整えるべきなのは明らかです。
要するに、持続可能な宇宙の使用法がまだ見つかっていないのです。
この分野も新産業です。
私たちは、生活を快適に仕事を効率よくしようと探索し革新を起こしながら、宇宙探索において私たちは、文字通り地球の境界を越えて行っています。しかし、学びと革新の名目で限界を押し広げながらも環境に対する私たちの責任は、決して消え去ることはありません。
これもSDGsの一環です。
これもSDGsの一環です。
これもSDGsの一環です。
静止軌道や地球低軌道は疑いもなく混雑状態です。高速道路の真ん中で誰も故障した車を置き去りにはしないように、何も手を尽すことなく、故障したからといって新しい人工衛星を打ち上げ続けるわけにはいきません。
次に、携帯電話で天気予報を見たり、GPSを使ったりする時、それらを可能にしてくれる人工衛星技術のことやまた、衛星が地球を取り巻く環境にどんなにか大きな障害となっているかを考えて、それを軽減しなければならないというメッセージを広めて下さい。
地球の軌道は、素晴らしく美しい探索への出入り口です。それをどうクリーンに保つかは、私たち次第なのです。
ありがとうございました。
なお、ビックデータは教育や医療に限定してなら、多少は有効かもしれません。それ以外は、日本の場合、プライバシーの侵害です。
通信の秘匿性とプライバシーの侵害対策として、匿名化処理の強化と強力な暗号化は絶対必要です!
さらに、オープンデータは、特定のデータが、一切の著作権、特許などの制御メカニズムの制限なしで、全ての人が
望むように再利用・再配布できるような形で、商用・非商用問わず、二次利用の形で入手できるべきであるというもの。
主な種類では、地図、遺伝子、さまざまな化合物、数学の数式や自然科学の数式、医療のデータやバイオテクノロジー
サイエンスや生物などのテキスト以外の素材が考えられます。
情報技術の発展とインターネットで大企業の何十万、何百万単位から、facebook、Apple、Amazom、Google、Microsoftなどで数億単位で共同作業ができるようになりました。
現在、プラットフォーマー企業と呼ばれる法人は先進国の国家単位レベルに近づき欧米、日本、アジア、インドが協調すれば、中国の人口をも超越するかもしれません。
法人は潰れることを前提にした有限責任! 慈愛や基本的人権を根本とした社会システムの中の保護されなければならない小企業や個人レベルでは、違いますが・・・
最後に、マクロ経済学の大目標には、「長期的に生活水準を高め、今日のこども達がおじいさん達よりも良い暮らしを送れるようにする!!」という目標があります。
経済成長を「パーセント」という指数関数的な指標で数値化します。経験則的に毎年、経済成長2%くらいで巡航速度にて上昇すれば良いことがわかっています。
たった、経済成長2%のように見えますが、毎年、積み重ねるとムーアの法則みたいに膨大な量になって行きます。
また、経済学は、大前提としてある個人、法人モデルを扱う。それは、身勝手で自己中心的な欲望を満たしていく人間の部類としては最低クズというハードルの高い個人、法人。
たとえば、生産性、利益という欲だけを追求する人間。地球を救うという欲だけを追求する人間。利益と真逆なぐうたらしたい時間を最大化したいという欲を追求する人間。などの最低生活を保護、向上しつつお金の循環を通じて個人同士の相互作用も考えていく(また、憎しみの連鎖も解消する)
多様性はあるが、欲という側面では皆平等。つまり、利益以外からも解決策を見出しお金儲けだけの話だけではないのが経済学(カントの「永遠平和のために」思想も含めて国家や権力者は透明性を究極にして個人のプライバシーも考慮)
(個人的なアイデア)
電気を作る熱力学のサイクルで熱効率は、ほぼ50%、45%~50%の効率まで高めることは可能ですが・・・
高温の物体から熱を受け取り、電気という「使えるエネルギー」に変換できる機械を一般的に「熱エンジン」と呼んでいる。
高温の物体から受け取った熱エネルギーのうち、どれだけ活用できたかという比率を「効率」と物理学では定義している。
この効率は、原理的に超えられない「カルノー効率」という上限があることが知られている。
カルノー効率が達成されると、効率は上がるが、同時に仕事率がゼロになる現象。
つまり、熱エンジンの効率を最大限に上げると出力がほぼゼロになることを意味しています。そして、効率100%は物理的に不可能ということです。
中世で試行錯誤が行われたことに終止符が示され、機械での永久機関は作れないことが、この現象から理解できます。エネルギー保存の法則からも理解できます。
他には、燃料の持つエネルギーをどれだけ動力として取り出すことができるか?これをエンジンの熱効率と定義しています。
2020年の段階で、ガソリンエンジンの熱効率は最高で40%前後あり、10年くらい前までは30%程度。低燃費の技術競争もあるけどカルノー効率から限界も見え始めています。
だから、ガソリン自動車から電気自動車へ世界中の法人が開発を加速して切り替えている潮流があります。
そして
人工知能ロボットが、整備や修理をすれば、地球を周回する人工衛星は何百年も機能し続けるかもしれません。
この分野も新産業です。
ここから予想できることは、バリーシュワルツが言うように、労働の概念が変わり、地球に居ながら映画アバターのように!
または、ゲームのように、自宅にいながら共同作業しつつ仕事をすることで高額な賃金が手に入る可能性も高い。
まだ誰も開拓していないので応用範囲は無限!
他の条約アイデアとして
もし、仮定として、各国が、地球や月の周回軌道で軍事衝突を起こすなら、核兵器並みの危機が、人類に降り注ぎ滅亡する危険性があるため
太陽などの恒星近くでのみ戦いを可能にする各国合意の許可性と言う条約アイデアがひらめいた!
もし、戦いの後に残骸がでても太陽に吸収され思う存分戦えるし、太陽に吸収されて地球に被害はないかもしれない。
続いて
2020年後半くらいから様々な占いで出てきてた時代の変わり目。
それが、西洋占星術で具体的に「風」の時代という形で出てきました。
私が、感じとってたインスピレーションは、たぶんこれかな?
兆しは、世界的な金融ビックバンの1970年代、IT革命のミレニアムの前から出ていたけど。
これは、これまでの約200年間。物質やリアリティの影響力優位「土」の属性の時代から、量子コンピューター、ビットやインターネットなどといった物質ではないものに影響力が増していく「風」の属性の時代に。
そして、本格的に軌道にのっていく属性は、今後200年程続くことになるのです(2020年12月22日から、2100年当たりをピークに少しずつ衰退していく2220年まで)
直前に!
Appleも何かを感じてたのか?Appleシリコン搭載Macの方は、「Mシリーズ」チップに移行してるし、符号してる。
Googleは、量子超越性を達成してきてるし、Facebookも脳波を読み取る機械の開発を発表してますし、符号してる。
イーロンマスクもブレイン・マシン・インターフェース(Brain-machine Interface : BMI)を具体的に発表。これも、符号してる。
ここから予想できることは、バリーシュワルツが言うように、労働の概念が変わり、地球に居ながら映画アバターのように!その惑星にある資源を使い。
月や火星、土星や衛星などに無人ロボット部品を送り、ゲームのように自宅にいながら共同作業しつつ仕事をすることで高額な賃金が手に入る可能性も高い。
火星や土星や衛星に関しては、有人宇宙船内を無重力工場にして惑星移動期間に3Dプリンター製造、組立を効率的に行うことが実現すれば良いが無人ならベスト。
光速で惑星間通信できるようになったとしても、火星や土星や衛星への通信は、地球からでもリアルタイムで遅延が起きるため、月面のみ、この可能性が開けます!
無重力でもあるため、洞窟に工場を建築して人間の暮らせる環境を作り出すこともできそうです。可能性は無限!この領域に限界はありません!国家や行政府の範囲外なので極端な自由もあります。命の保障はないけど!
このアイデアは、今後数十年、人間の限界を遥かに超える新産業なのでプラスサムになり、地球環境は汚染されず資源エネルギー問題も起こりません。
さらに
経済学者で、ケンブリッジ大学名誉教授のパーサ•ダスグプタが、イギリス政府に提出した報告書の中に登場。
経済学を学ぶと、登場する資本や労働などの生産要素の投入量と算出量の関係を示す生産関数があります。
こうした関数は、様々な前提条件に基づきますが、経済学者は、収穫逓減の法則と言うものをよく知っています。
このような人工的な生産関数とは、他に天然由来の生産関数。
つまり、自然から収穫できる生産関数を導き出し、地球全体の生産関数というエコシステムを数値化することでバランスをコントロールできるかもしれないというアイデア。
ここでは、自然資本と呼びます。
自然資本を加味すれば現在の経済成長ペースがどこまで持続可能かを分析することもできます。
人間は、国内総生産GDPを生み出すため、自然から資源を取り出して使い、不要になったものを廃棄物として自然に戻す。
もし、自然が自律回復できなくなるほど、資源が使われて、廃棄されれば、自然資本の蓄積は減少し、それに伴い貴重な生態系サービスの流れも減っていくことになります。
さらに、教授は、経済学者も経済成長には限界があることを認識すべきだと説いています。地球の限りある恵みを効率的に活用しても、それには上限があります。
したがって、持続可能な最高レベルの国内総生産GDPと言う臨界点の水準も存在するということが視野に入るようにもなります。これは、まだ現時点では誰にもわかりませんので解明が必要です。
なお、地球1個分は、ずいぶん昔に超えています。
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ニュース 2022/12/21〜12/30
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岸田首相の支持���を激減させた「増税殿の13人」不祥事ばかりで国民の怒り収まらず【名前と “やらかし” を一挙公開】(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース
●「セクハラ疑惑」「旧統一教会と再三接点」
細田博之衆議院議長(78)
5月に開かれたパーティで「毎月もらう歳費は100万円しかない」と発言して、批判殺到。さらに5月19日発売の「週刊文春」で、女性記者に対するセクハラ疑惑が浮上した。細田氏は同誌に抗議したが、旧統一教会との接点も再三にわたって指摘されるなど「立法の長」は国民からの理解が得られていない。
●「防衛費増額で一人相撲」
高市早苗経済安全保障大臣(61)
政調会長時代には各メディアに登場して、防衛費のGDP比2%への増額を積極的に主張。一方で、入閣後は岸田首相が防衛費の財源として増税の方針を打ち出すと「総理の真意が理解できません」と “離反投稿” を繰り返した。最終的には「全面的に従います」と収束。一人相撲を繰り広げた。
●「自分のホームページで『世界美人図鑑』」
西村康稔経済産業大臣(60)
自身の公式サイトの「とっておきの1枚」というコーナーで、自分で撮影した写真を紹介していたが、そのなかで「世界美人図鑑」と銘打って、女性の写真を188枚も投稿していたことが6月に発覚。ネット上には「気持ち悪すぎ」といった批判の声があふれた。
●「パパ活で離党後、780万円申請」
吉川赳衆議院議員(40)
6月に「週刊ポスト」によって、未成年女性との “パパ活” 疑惑が報じられた。岸田首相の派閥「宏池会」所属で、首相自ら「説明責任をはたすべき」とコメントしたものの、報道直後に離党届を出して “雲隠れ”。その後、「1人会派」として立法事務費の支給を申請し、年間780万円が支給されたとみられる。
●「統一教会への優遇疑惑」
下村博文元文部科学大臣(68)
2015年、「統一教会」から「世界平和統一家庭連合」への名称変更の際、宗教法人を所管する文部科学大臣だった。そのことに「責任を感じている」と発言したが、前川喜平元文科省事務次官は、名称変更が突如認められたことに下村氏が「ゴーサインを出しているのは間違いない」と指摘している。
●「生稲晃子氏を連れて、八王子教会へ」
萩生田光一政調会長(59)
7月の参院選公示前に、当時、東京選挙区から立候補予定だった生稲晃子氏をつれて、旧統一教会の八王子教会を訪問していたことが明らかになった。教会内で「一緒に日本を神の国にしましょう」などと発言していたという。そんな人物ながら、岸田首相は「救済法案」の党内調整を萩生田氏に指示していた。
●「統一教会から選挙手伝いを堂々宣言」
岸信夫前防衛大臣(63)
政治と旧統一教会の関係が取り沙汰されるなか、防衛大臣の定例会見で「お付き合いもありましたし、選挙の際もお手伝いをしていただいております」と堂々宣言し、国民を呆れさせた。12月には次期衆院選で引退し、長男に譲ることを明らかにしたが「世襲は当然」かのような発言も批判を浴びた。
●「国葬やらなかったらバカ」
二階俊博元幹事長(83)
多額な警備費用などから、国民から多くの反対の声があがっていた安倍元首相の「国葬儀」。それに対して、8月24日の講演で二階氏は「国葬は当たり前だ。やらなかったらバカだ」と発言したことが報じられ、総スカン。国葬の強行で、参院選勝利で浮上した内閣支持率を一気に打ち消した。
●「過去発言が問題視…“中傷いいね” で賠償命令」
杉田水脈総務大臣政務官(55)
2018年にLGBTなど性的少数者は「生産性がない」と月刊誌へ寄稿したことなど、過去の言動から岸田首相が政務官に起用したことが問題視されていた。10月20日には、東京高裁がジャーナリスト・伊藤詩織氏への中傷投稿に対し、杉田氏が「いいね」を押したことを侮辱行為と判断し、55万円の賠償を命じた。
●「統一教会トップとの写真にも『記憶にない』」
山際大志郎前経済再生担当大臣(54)
7月3日、青森県での街頭演説で「野党の話を政府は何一つ聞かない」といった発言をし、大批判を浴びた。さらに旧統一教会トップの韓鶴子氏と写真を撮影するほどの “深い接点” が明らかになったが、国会答弁で「記憶にない」を連発。与党内からも「瀬戸際大臣」と呼ばれ、10月24日、辞任に追い込まれた。
●「『死刑のはんこ』を鉄板ネタに」
葉梨康弘前法務大臣(63)
11月9日、都内の議員パーティで挨拶した葉梨氏は、法務大臣の職務を「朝、死刑のはんこを押して、昼のニュースのトップになるのはそういうときだけという地味な役職」と発言。この不謹慎すぎる発言をたびたびおこなっていたことも明らかになり、11月11日に辞任に追い込まれた。
●「数々の “政治とカネ” 問題」
寺田稔前総務大臣(64)
10月5日の「文春オンライン」の記事を発端に、自身の妻が一部所有する事務所の賃料を、自らの政治団体が支払うなど政治資金を家族に還流させている疑惑や、スタッフへの人件費として支払った毎年500万円について、源泉徴収票を発行していないなど脱税疑惑が浮上。11月20日に辞任に追い込まれた。
●「次男を使って “影武者選挙”」
秋葉賢也復興大臣(60)
以前から家族への政治資金還流などの疑惑が取り沙汰されるなか、11月26日には、2021年衆院選で「秋葉けんや」と書かれた上に小さく「次男」と添えられたタスキをかけて、秋葉氏の次男が選挙運動をおこなっていたことが明らかに。「影武者選挙」として追及が続いている。
大河ドラマの『鎌倉殿の13人』は、1年間48話をかけて、ていねいにさまざまな人物の躍進と転落を描いてきた。一方で、現実の「増税殿の13人」では、矢継ぎ早に多くの人物が不祥事を起こしている。これでは、いくら賢い国民でも過去の記憶が薄れてしまうのは仕方がないことかもしれない――。
ホリエモン、自身の餃子店をディスられ怒り爆発!“味を研究したと思えない”に「なんなの、お前?」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース
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🌷🌷🌷🌷🌷🌷🌷🌷🌷 新幹線を流し撮り SS 1/30秒 撮影場所 西宮市甲東園付近 撮影年月日 2020年 1月8日 🌷🌷🌷🌷🌷🌷🌷🌷🌷🌷🌷🌷🌷 #阪神沿線の四季 #西宮 #nishinomiya #流し撮り部 #流し撮り部鉄道課 #阪神沿線フォトコン #love_hyogo #lovehyogo #railway #shinkansentrain #新幹線 #山陽新幹線 #とり鉄 #鉄道風景 #shinkansen #panning #流し撮り #Japan_of_insta #Japan_daytime_view #instagramJapan #team_jp #Japantrip #love_bestJapan #igersjp #jp_gallery #nature_special_ #instaJapan (Nishinomiya, Hyogo) https://www.instagram.com/p/B7FGLbshqM6/?igshid=100xik81ukdt4
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もみじのトンネルを通り抜けた後に現れるのがライトアップされた二ノ瀬駅のもみじ。 昼間と違い、夜は全く違った顔を見せる #貴船もみじ灯篭 #紅葉とる人おけいはん #もみじのトンネル #叡山電車 #きらら #紅葉 #紅葉スポット #京都 #鉄道写真 #鉄道風景写真 #関西私鉄 #叡山電鉄もみじのトンネル #紅葉ライトアップ #train_vision #traingallery_ig #紅葉とる人おけいはん #もみじのトンネル #貴船もみじ灯篭 #叡山電車 #きらら #紅葉 #紅葉スポット #京都 #鉄道写真 #鉄道風景写真 #関西私鉄 #叡山電鉄もみじのトンネル #train_vision #traingallery_ig #流し撮り #流し撮り部 #流し撮り部鉄道課 #逆流し #railways_of_our_world #nikon #nightscape #写真好きな人と繋がりたい #写真撮ってる人と繋がりたい #nikon #nightgram #ファインダー越しのわたしの世界 (二ノ瀬駅) https://www.instagram.com/p/ClVVD1gP8os/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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20100104 雪もなく、微妙な天気で背景に雪山すら見えてなくてパッとしない感じ。 こりゃ流すしかないなと💨 . EOS 7D markⅡ EF24-105mm f4L IS USM Niigata japan 大糸線 根知ー小滝 #鉄道 #大糸線 #流し撮り #単行気動車 #チーム流し撮り #流し撮り部鉄道課 https://www.instagram.com/p/B69guh9BxJs/?igshid=1bewxmnskl4zt
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今年の七夕は短冊に願いを書きませんでした。
気になったので、“願い”を広辞苑で調べました。
ねがい【願】
①ねがうこと。願望。
②特に神仏に希望ごとを祈る事。
③願書。ねがい出ること。願書を差し出すこと。
(新村出編広辞苑第二版補訂版 昭和53年第三刷)
②について。
有本にとっての神さまは人間以外の神羅万象 — つまり、草木、風、光、音、動物、虫、人が作ったもの。(人は誰が作ったんだ?!)
と、なると有本の願い事は『ともに生きてお互い見守ってゆきましょう』のみ一点突破なのです。
今まで祈っていた願書は自分で申請、自分で受諾する具体的な目標となり、目標は実現するための小さな項目につながり、ひとつひとつ目の前の小さな課題をクリアしていけば毎秒毎秒叶ってしまうということに気が付きました。
7/28発売の『装苑』 2021年9月号 ~衣装、その衝動~
毎年恒例の装苑衣装特集号の中の「ファッションデザイナーが手掛ける衣装」4ページ企画『 SINA SUIEN が手掛けたZOCの衣装��
その中の見開き(2ページ)の撮り下ろしディレクションやりました。
担当編集者の岡田佐知子さんに4ページ企画いただいた時に前のめり被せ気味で撮り下ろしディレクションさせくださいって叫びながら提案メールしました。
ご快諾いただき、ディレクション企画は始まりました。
まず、大森靖子さんに今の気分や気になるものなどの思いつくキーワードを適当に啓示いただきました。
靖子さんの啓示はずばり、
“庭、ダム、水路、江戸切子”
で、 調べました。
時を同じくして、Yuka Tsuruno Galleryで開催されていたmamoruさんの展示『私たちはそれらを溶かし地に注ぐ/WE MELT THEM AND POUR IT ON THE GROUND』を観ました。そして、mamoruさんと会って話をしました。
(mamoruさんは2018年SINA SUIENコレクション“こしょろがみた夢”の演出を担当してくれました。)
mamoruさんの新作の中で、戦争中に武力以外の方法で柔軟に、でもしたたかに抵抗する台湾の少数先住民族の姿が鮮やかに息づいていました。
mamoruさんのひたむきなリサーチに対する姿勢とか作品の美しさにめっちゃインスパイアされて、第一企画書が爆誕しました。
※↑企画書の内容について
これはあくまで有本の妄想による企画書です。
mamoruさんが長年かけて現地でリサーチ、検証し、辿り着いた一つの解釈です。そうしてできたmamoruさんの作品が、有本を刺激→有本の妄想、創造を広げるきっかけとなった(ネタ元)わけです。歴史的事実や当事者の意識には少しズレがある可能性があるのでご注意を。。
だけど、とにかくmamoruさんの誠実なリサーチblogすごく胸を打つので是非この機会に読んでみてほしいです。
まもさん、発案や考案にご協力いただきありがとうございました!
しかし、紙にしたためて客観的に眺めてみましたところ、“mamoruさんの作品や言葉に感動した!それを伝えたい!”という気持ちが先行、上滑りしてて有本の創造にできていないな、と気付きました。
もう少し調べることにしました。
戦時中、米軍戦闘機(通称ヘルキャット)が台湾上空から撃ち放った弾丸のカスを拾い集めて溶かして地面に刀や飛行機や色んな形の型を作って流し込み冷やしてから磨いたり削ったりして作った飾りを腰にぶら下げて自慢したりして遊んでいた台湾先住民族プユマ族の少年たち。
時は流れ現代日本。
見えないけど確かに存在する強大な良くない力、抑圧、向けられてる攻撃。
ZOC族の少女たちは生きづらい毎日を過ごしていた。
彼女たちはドロドロの感情の中から綺麗なメロディーと鮮烈な言葉で歌を生む。
綺麗な綺麗な抵抗の記録。
戦争で放たれ、人を実際に傷つけた鉛(弾丸)を含んだ可能性のある透き通ったクリスタルガラス(鉛ガラス)。キラキラが彼女たちを包み込む。
企画考えてる時、
“このままじゃダメだ、大森さんと、ZOCのメンバーの皆さんともっと向き合いたい”
って思った。
で、とりあえず大森さんとZOCのメンバーさんそれぞれの読めるインタビューを読み込んで、深夜に大森さんにLINEしたりして企画を練り直した。
そしてこのアルティメット企画書になった。
特別な女の子?
大森さんも、り子さんも、まろさんも、にっちゃんも、カレンさんも、のどかちゃんも、人間。ふつーに傷つく。し、人間以上の期待受け止めて応えようとし続けてたら壊れる。中傷も然り。
だし、普通の女の子だってことを身近にいる人も忘れないでいて欲しいなって思った。
これ描きあげたの撮影当日のAM4:00くらいだっ��。
撮影当日。
道具屋の鉄男に鉛ガラスを大量に手配してもらった。
クリスタルガラスめちゃくちゃ重い。重厚な輝き。
カメラマンは稲垣雄治さん。撮影イメージ図を元に、光などをめっちゃ綺麗に組んでくれました。
ヘアメイクはRyujiさん。
グループラインで企画書の画像とか長文とかめっちゃ送りつけたのですが、しっかり受け止めてくださり、RyujiさんのZOC族を創造してくださりました。
有本の狂った刺繍に沿ってくださり、メンバーの顔に細かな紋様を手描きで一つ一つ記してくださった。信念の意思の強くて美しいヘアメイクだった。
撮影現場はキラキラで夢みたいだった。
準備してる時にカレンさんが、ご自身が持ってるアクセサリーの中から今回の衣装に合いそうなものを沢山持ってきてくださり、有本に全部見せて『どれがいいですかね?やっぱゴールドで赤かな?』って聞いてくださった。
企画に向き合ってくださってるんだー!ってすごく嬉しかった。
にっちゃんが『ジャケット撮影の時と(印象が)全然違うから気付かなかった!今日かわちいね!(クリスタルガラスのセットを指差して)これかわちいね!』って言ってくれて嬉しかった。
にっちゃんに褒めてもらった有本のコーディネートも誌面で見ることできます。
撮影が始まって、大森さんが『ガラスたちをもっとメンバーの近くに、ってか中?に移動したい。浸食してるみたいに』って言ってくれて、り子さんとまろさんのスカートの裾を広げて、重ねて、上にガラスを置いて行って…みんなの境界線がどんどん無くなっていく様子が、自分で動かしてるのに凄く綺麗で心が震えた。
のどかちゃんはジャケット撮影の時が初仕事ですごくあどけなかったんだけど、今回の撮影ではもう表情がちゃうんですわ。15さい!女の成長早!!!末恐ろしいですわ。
現場は操作できないものが宿るから好き。わくわくした。
編集の岡田さんが、SINA SUIENの衣装���ちゃんと綺麗に映ることを第一に撮影進行してくださった。
有本は作ったものを綺麗にわかりやすく伝えるってことに関して無頓着だから、(今までの有本の興味はモノを作るときの過程がほとんど全てでした。)新しい視点を知ることができてありがたかった。
大森さんとの対談も楽しかった。大森さんはほんとに敏感で視点がやばい。有本はひたすら鈍感。
ライターの三浦達矢さんが、大森さんのすごい表現は瑞々しいままに有本の拙い言葉はその中の気持ちを汲み取ってくださり、わかりやすいテキストにしてくだりました。
読み込んでね。
現在、地球上にいて、何にも感じていない生き物はいないと思う。
そんな生き物がいたらA.I.だと思う。
そして余談ですが…
何かを催すということ。それは大きい小さい関わらず、また主要末端関わらず関係者みな手を取り合って創作を楽しみながら共通のゴールに向かうこと。これがチームワークのあるべき姿だと思います。そのためにはお互いが同じ目線で対話し、知ろうとする態度が礼儀として必要です。
また、有本はインタビューやドキュメンタリーは今後なるべく見ないことにします。制作者が提出した創作作品を最善の方法で鑑賞、体験する。同じ作り手としてできることはそれしかありません。(仕事で必要あらば資料として摂取します。ですし、有本はインタビュー受けると思う。臨機応変に。)
制作に対する長いレポートも今回で最後にしようかな。
有本は近い将来に叶えたい目標ができました。
だからその目標を叶えるために、できる事から現実化していきます。
焦らず、ゆっくり、丁寧に。
その小さな一歩として、ZOCちゃんへの、装苑さんへの愛!を、4ページにめっちゃ込めてみなさんにプレゼントします。
是非、楽しんで欲しいです。よろしくおねがいします!!
『装苑』 2021年9月号 ~衣装、その衝動~
発売日:7月28日
税込定価:748円
出版社:文化出版局刊
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あるいは永遠の未来都市(東雲キャナルコートCODAN生活記)
都市について語るのは難しい。同様に、自宅や仕事場について語るのも難しい。それを語ることができるのは、おそらく、その中にいながら常にはじき出されている人間か、実際にそこから出てしまった人間だけだろう。わたしにはできるだろうか?
まず、自宅から徒歩三秒のアトリエに移動しよう。北側のカーテンを開けて、掃き出し窓と鉄格子の向こうに団地とタワーマンション、彼方の青空に聳える東京スカイツリーの姿を認める。次に東側の白い引き戸を一枚、二枚とスライドしていき、団地とタワーマンションの窓が反射した陽光がテラスとアトリエを優しく温めるのをじっくりと待つ。その間、テラスに置かれた黒竹がかすかに揺れているのを眺める。外から共用廊下に向かって、つまり左から右へさらさらと葉が靡く。一枚の枯れた葉が宙に舞う。お前、とわたしは念じる。お前、お隣さんには行くんじゃないぞ。このテラスは、腰よりも低いフェンスによってお隣さんのテラスと接しているのだ。それだけでなく、共用廊下とも接している。エレベーターへと急ぐ人の背中が見える。枯れ葉はテラスと共用廊下との境目に設置されたベンチの上に落ちた。わたしは今日の風の強さを知る。アトリエはまだ温まらない。
徒歩三秒の自宅に戻ろう。リビング・ダイニングのカーテンを開けると、北に向いた壁の一面に「田」の形をしたアルミ製のフレームが現れる。窓はわたしの背より高く、広げた両手より大きかった。真下にはウッドデッキを設えた人工地盤の中庭があって、それを取り囲むように高層の住棟が建ち並び、さらにその外周にタワーマンションが林立している。視界の半分は集合住宅で、残りの半分は青空だった。そのちょうど境目に、まるで空に落書きをしようとする鉛筆のように東京スカイツリーが伸びている。
ここから望む風景の中にわたしは何かしらを発見する。たとえば、斜め向かいの部屋の窓に無数の小さな写真が踊っている。その下の鉄格子つきのベランダに男が出てきて、パジャマ姿のままたばこを吸い始める。最上階の渡り廊下では若い男が三脚を据えて西側の風景を撮影している。今日は富士山とレインボーブリッジが綺麗に見えるに違いない。その二つ下の渡り廊下を右から左に、つまり一二号棟から一一号棟に向かって黒いコートの男が横切り、さらに一つ下の渡り廊下を、今度は左から右に向かって若い母親と黄色い帽子の息子が横切っていく。タワーマンションの間を抜けてきた陽光が数百の窓に当たって輝く。たばこを吸っていた男がいつの間にか部屋に戻ってワイシャツにネクタイ姿になっている。六階部分にある共用のテラスでは赤いダウンジャケットの男が外を眺めながら電話をかけている。地上ではフォーマルな洋服に身を包んだ人々が左から右に向かって流れていて、ウッドデッキの上では老婦が杖をついて……いくらでも観察と発見は可能だ。けれども、それを書き留めることはしない。ただ新しい出来事が無数に生成していることを確認するだけだ。世界は死んでいないし、今日の都市は昨日の都市とは異なる何ものかに変化しつつあると認識する。こうして仕事をする準備が整う。
東雲キャナルコートCODAN一一号棟に越してきたのは今から四年前だった。内陸部より体感温度が二度ほど低いな、というのが東雲に来て初めに思ったことだ。この土地は海と運河と高速道路に囲まれていて、物流倉庫とバスの車庫とオートバックスがひしめく都市のバックヤードだった。東雲キャナルコートと呼ばれるエリアはその名のとおり運河沿いにある。ただし、東雲運河に沿っているのではなく、辰巳運河に沿っているのだった。かつては三菱製鋼の工場だったと聞いたが、今ではその名残はない。東雲キャナルコートが擁するのは、三千戸の賃貸住宅と三千戸の分譲住宅、大型のイオン、児童・高齢者施設、警察庁などが入る合同庁舎、辰巳運河沿いの区立公園で、エリアの中央部分に都市基盤整備公団(現・都市再生機構/UR)が計画した高層板状の集合住宅群が並ぶ。中央部分は六街区に分けられ、それぞれ著名な建築家が設計者として割り当てられた。そのうち、もっとも南側に位置する一街区は山本理顕による設計で、L字型に連なる一一号棟と一二号棟が中庭を囲むようにして建ち、やや小ぶりの一三号棟が島のように浮かんでいる。この一街区は二〇〇三年七月に竣工した。それから一三年後の二〇一六年五月一四日、わたしと妻は二人で一一号棟の一三階に越してきた。四年の歳月が流れてその部屋を出ることになったとき、わたしはあの限りない循環について思い出していた。
アトリエに戻るとそこは既に温まっている。さあ、仕事を始めよう。ものを書くのがわたしの仕事だった。だからまずMacを立ち上げ、テキストエディタかワードを開く。さっきリビング・ダイニングで行った準備運動によって既に意識は覚醒している。ただし、その日の頭とからだのコンディションによってはすぐに書き始められないこともある。そういった場合はアトリエの東側に面したテラスに一時的に避難してもよい。
掃き出し窓を開けてサンダルを履く。黒竹の鉢に水を入れてやる。近くの部屋の原状回復工事に来たと思しき作業服姿の男がこんちは、と挨拶をしてくる。挨拶を返す。お隣さんのテラスにはベビーカーとキックボード、それに傘が四本置かれている。テラスに面した三枚の引き戸はぴったりと閉められている。緑色のボーダー柄があしらわれた、目隠しと防犯を兼ねた白い戸。この戸が開かれることはほとんどなかった。わたしのアトリエや共用廊下から部屋の中が丸見えになってしまうからだ。こちらも条件は同じだが、わたしはアトリエとして使っているので開けているわけだ。とはいえ、お隣さんが戸を開けたときにあまり中を見てしまうと気まずいので、二年前に豊洲のホームセンターで見つけた黒竹を置いた。共用廊下から外側に向かって風が吹いていて、葉が光を食らうように靡いている。この住棟にはところどころに大穴が空いているのでこういうことが起きる。つまり、風向きが反転するのだった。
通風と採光のために設けられた空洞、それがこのテラスだった。ここから東雲キャナルコートCODANのほぼ全体が見渡せる。だが、もう特に集中して観察したりしない。隈研吾が設計した三街区の住棟に陽光が当たっていて、ベランダで父子が日光浴をしていようが、島のような一三号棟の屋上に設置されたソーラーパネルが紺碧に輝いていて、その傍の芝生に二羽の鳩が舞い降りてこようが、伊東豊雄が設計した二街区の住棟で影がゆらめいて、テラスに出てきた老爺が異様にうまいフラフープを披露しようが、気に留めない。アトリエに戻ってどういうふうに書くか、それだけを考える。だから、目の前のすべてはバックグラウンド・スケープと化す。ただし、ここに広がるのは上質なそれだった。たとえば、ここにはさまざまな匂いが漂ってきた。雨が降った次の日には海の匂いがした。東京湾の匂いだが、それはいつも微妙に違っていた。同じ匂いはない。生成される現実に呼応して新しい文字の組み合わせが発生する。アトリエに戻ろう。
わたしはここで、広島の中心部に建つ巨大な公営住宅、横川という街に形成された魅力的な高架下商店街、シンガポールのベイサイドに屹立するリトル・タイランド、ソウルの中心部を一キロメートルにわたって貫く線状の建築物などについて書いてきた。既に世に出たものもあるし、今から出るものもあるし、たぶん永遠にMacの中に封じ込められると思われるものもある。いずれにせよ、考えてきたことのコアはひとつで、なぜ人は集まって生きるのか、ということだった。
人間の高密度な集合体、つまり都市は、なぜ人類にとって必要なのか? そしてこの先、都市と人類はいかなる進化を遂げるのか? あるいは都市は既に死んだ? 人類はかつて都市だった廃墟の上をさまよい続ける? このアトリエはそういうことを考えるのに最適だった。この一街区そのものが新しい都市をつくるように設計されていたからだ。
実際、ここに来てから、思考のプロセスが根本的に変わった。ここに来るまでの朝の日課といえば、とにかく怒りの炎を燃やすことだった。閉じられた小さなワンルームの中で、自分が外側から遮断され、都市の中にいるにもかかわらず隔離状態にあることに怒り、その怒りを炎上させることで思考を開いた。穴蔵から出ようともがくように。息苦しくて、ひとりで部屋の中で暴れたし、壁や床に穴を開けようと試みることもあった。客観的に見るとかなりやばい奴だったに違いない。けれども、こうした循環は一生続くのだと、当時のわたしは信じて疑わなかった。都市はそもそも息苦しい場所なのだと、そう信じていたのだ。だが、ここに来てからは息苦しさを感じることはなくなった。怒りの炎を燃やす朝の日課は、カーテンを開け、その向こうを観察するあの循環へと置き換えられた。では、怒りは消滅したのか?
白く光沢のあるアトリエの床タイルに青空が輝いている。ここにはこの街の上半分がリアルタイムで描き出される。床の隅にはプロジェクトごとに振り分けられた資料の箱が積まれていて、剥き出しの灰色の柱に沿って山積みの本と額に入ったいくつかの写真や絵が並んでいる。デスクは東向きの掃き出し窓の傍に置かれていて、ここからテラスの半分と共用廊下、それに斜向かいの部屋の玄関が見える。このアトリエは空中につくられた庭と道に面しているのだった。斜向かいの玄関ドアには透明のガラスが使用されていて、中の様子が透けて見える。靴を履く住人の姿がガラス越しに浮かんでいる。視線をアトリエ内に戻そう。このアトリエは専用の玄関を有していた。玄関ドアは斜向かいの部屋のそれと異なり、全面が白く塗装された鉄扉だった。玄関の脇にある木製のドアを開けると、そこは既に徒歩三秒の自宅だ。まずキッチンがあって、奥にリビング・ダイニングがあり、その先に自宅用の玄関ドアがあった。だから、このアトリエは自宅と繋がってもいるが、独立してもいた。
午後になると仕事仲間や友人がこのアトリエを訪ねてくることがある。アトリエの玄関から入ってもらってもいいし、共用廊下からテラス経由でアトリエに招き入れてもよい。いずれにせよ、共用廊下からすぐに仕事場に入ることができるので効率的だ。打ち合わせをする場合にはテーブルと椅子をセッティングする。ここでの打ち合わせはいつも妙に捗った。自宅と都市の両方に隣接し、同時に独立してもいるこのアトリエの雰囲気は、最小のものと最大のものとを同時に掴み取るための刺激に満ちている。いくつかの重要なアイデアがここで産み落とされた。議論が白熱し、日が暮れると、徒歩三秒の自宅で妻が用意してくれた料理を囲んだり、東雲の鉄鋼団地に出かけて闇の中にぼうっと浮かぶ屋台で打ち上げを敢行したりした。
こうしてあの循環は完成したかに見えた。わたしはこうして都市への怒りを反転させ都市とともに歩み始めた、と結論づけられそうだった。お前はついに穴蔵から出たのだ、と。本当にそうだろうか? 都市の穴蔵とはそんなに浅いものだったのか?
いやぁ、
未来都市ですね、
ある編集者がこのアトリエでそう言ったことを思い出す。それは決して消えない残響のようにアトリエの中にこだまする。ある濃密な打ち合わせが一段落したあと、おそらくはほとんど無意識に発された言葉だった。
未来都市?
だってこんなの、見たことないですよ。
ああ、そうかもね、とわたしが返して、その会話は流れた。だが、わたしはどこか引っかかっていた。若く鋭い編集者が発した言葉だったから、余計に。未来都市? ここは現在なのに?
ちょうどそのころ、続けて示唆的な出来事があった。地上に降り、一三号棟の脇の通路を歩いていたときのことだ。団地内の案内図を兼ねたスツールの上に、ピーテル・ブリューゲルの画集が広げられていたのだった。なぜブリューゲルとわかったかといえば、開かれていたページが「バベルの塔」だったからだ。ウィーンの美術史美術館所蔵のものではなく、ロッテルダムのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館所蔵の作品で、天に昇る茶褐色の塔がアクリル製のスツールの上で異様なオーラを放っていた。その画集はしばらくそこにあって、ある日ふいになくなったかと思うと、数日後にまた同じように置かれていた。まるで「もっとよく見ろ」と言わんばかりに。
おい、お前。このあいだは軽くスルーしただろう。もっとよく見ろ。
わたしは近寄ってその絵を見た。新しい地面を積み重ねるようにして伸びていく塔。その上には無数の人々の蠢きがあった。塔の建設に従事する労働者たちだった。既に雲の高さに届いた塔はさらに先へと工事が進んでいて、先端部分は焼きたての新しい煉瓦で真っ赤に染まっている。未来都市だな、これは、と思う。それは天地が創造され、原初の人類が文明を築きつつある時代のことだった。その地では人々はひとつの民で、同じ言葉を話していた。だが、人々が天に届くほどの塔をつくろうとしていたそのとき、神は全地の言葉を乱し、人を全地に散らされたのだった。ただし、塔は破壊されたわけではなかった。少なくとも『創世記』にはそのような記述はない。だから、バベルの塔は今なお未来都市であり続けている。決して完成することがないから未来都市なのだ。世界は変わったが、バベルは永遠の未来都市として存在し続ける。
ようやく気づいたか。
ああ。
それで?
おれは永遠の未来都市をさまよう亡霊だと?
どうかな、
本当は都市なんか存在しないのか?
どうかな、
すべては幻想だった?
そうだな、
どっちなんだ。
まあ結論を急ぐなよ。
おれはさっさと結論を出して原稿を書かなきゃならないんだよ。
知ってる、だから急ぐなと言ったんだ。
あんたは誰なんだ。
まあ息抜きに歩いてこいよ。
息抜き?
いつもやっているだろう。あの循環だよ。
ああ、わかった……。いや、ちょっと待ってくれ。先に腹ごしらえだ。
もう昼を過ぎて久しいんだな、と鉄格子越しの風景を一瞥して気づく。陽光は人工地盤上の芝生と一本木を通過して一三号棟の廊下を照らし始めていた。タワーマンションをかすめて赤色のヘリコプターが東へと飛んでいき、青空に白線を引きながら飛行機が西へと進む。もちろん、時間を忘れて書くのは悪いことではない。だが、無理をしすぎるとあとになって深刻な不調に見舞われることになる。だから徒歩三秒の自宅に移動しよう。
キッチンの明かりをつける。ここには陽光が入ってこない。窓側に風呂場とトイレがあるからだ。キッチンの背後に洗面所へと続くドアがある。それを開けると陽光が降り注ぐ。風呂場に入った光が透明なドアを通過して洗面所へと至るのだった。洗面台で手を洗い、鏡に目を向けると、風呂場と窓のサッシと鉄格子と団地とスカイツリーが万華鏡のように複雑な模様を見せる。手を拭いたら、キッチンに戻って冷蔵庫を開け、中を眺める。食材は豊富だった。そのうちの九五パーセントはここから徒歩五分のイオンで仕入れた。で、遅めの昼食はどうする? 豚バラとキャベツで回鍋肉にしてもいいが、飯を炊くのに時間がかかる。そうだな……、カルボナーラでいこう。鍋に湯を沸かして塩を入れ、パスタを茹でる。ベーコンと玉葱、にんにくを刻んでオリーブオイルで炒める。それをボウルに入れ、パルメザンチーズと生卵も加え、茹で上がったパスタを投入する。オリーブオイルとたっぷりの黒胡椒とともにすべてを混ぜ合わせれば、カルボナーラは完成する。もっとも手順の少ない料理のひとつだった。文字の世界に没頭しているときは簡単な料理のほうがいい。逆に、どうにも集中できない日は、複雑な料理に取り組んで思考回路を開くとよい。まあ、何をやっても駄目な日もあるのだが。
リビング・ダイニングの窓際に置かれたテーブルでカルボナーラを食べながら、散歩の計画を練る。籠もって原稿を書く日はできるだけ歩く時間を取るようにしていた。あまり動かないと頭も指先も鈍るからだ。走ってもいいのだが、そこそこ気合いを入れなければならないし、何よりも風景がよく見えない。だから、平均して一時間、長いときで二時間程度の散歩をするのが午後の日課になっていた。たとえば、辰巳運河沿いを南下しながら首都高の高架と森と物流倉庫群を眺めてもいいし、辰巳運河を越えて辰巳団地の中を通り、辰巳の森海浜公園まで行ってもよい。あるいは有明から東雲運河を越えて豊洲市場あたりに出てもいいし、そこからさらに晴海運河を越えて晴海第一公園まで足を伸ばし、日本住宅公団が手がけた最初の高層アパートの跡地に巡礼する手もある。だが、わたしにとってもっとも重要なのは、この東雲キャナルコートCODAN一街区をめぐるルートだった。つまり、空中に張りめぐらされた道を歩いて、東京湾岸のタブラ・ラサに立ち上がった新都市を内側から体感するのだ。
と、このように書くと、何か劇的な旅が想像されるかもしれない。アトリエや事務所、さらにはギャラリーのようなものが住棟内に点在していて、まさに都市を立体化したような人々の躍動が見られると思うかもしれない。生活と仕事が混在した活動が積み重なり、文化と言えるようなものすら発生しつつあるかもしれないと、期待を抱くかもしれない。少なくともわたしはそうだった。実際にここに来るまでは。さて、靴を履いてアトリエの玄関ドアを開けよう。
それは二つの世界をめぐる旅だ。一方にここに埋め込まれたはずの思想があり、他方には生成する現実があった。二つの世界は常に並行して存在する。だが、実際に見えているのは現実のほうだけだし、歴史は二つの世界の存在を許さない。とはいえ、わたしが最初に遭遇したのは見えない世界のほうだった。その世界では、実際に都市がひとつの建築として立ち上がっていた。ただ家が集積されただけでなく、その中に住みながら働いたり、ショールームやギャラリーを開設したりすることができて、さまざまな形で人と人とが接続されていた。全体の半数近くを占める透明な玄関ドアの向こうに談笑する人の姿が見え、共用廊下に向かって開かれたテラスで人々は語り合っていた。テラスに向かって設けられた大きな掃き出し窓には、子どもたちが遊ぶ姿や、趣味のコレクション、打ち合わせをする人と人、アトリエと作品群などが浮かんでいた。それはもはや集合住宅ではなかった。都市で発生する多様で複雑な活動をそのまま受け入れる文化保全地区だった。ゾーニングによって分断された都市の攪拌装置であり、過剰な接続の果てに衰退期を迎えた人類の新・進化論でもあった。
なあ、そうだろう?
応答はない。静かな空中の散歩道だけがある。わたしのアトリエに隣接するテラスとお隣さんのテラスを通り過ぎると、やや薄暗い内廊下のゾーンに入る。日が暮れるまでは照明が半分しか点灯しないので光がいくらか不足するのだった。透明な玄関ドアがあり、その傍の壁に廣村正彰によってデザインされたボーダー柄と部屋番号の表示がある。ボーダー柄は階ごとに色が異なっていて、この一三階は緑だった。少し歩くと右側にエレベーターホールが現れる。外との境界線上にはめ込まれたパンチングメタルから風が吹き込んできて、ぴゅうぴゅうと騒ぐ。普段はここでエレベーターに乗り込むのだが、今日は通り過ぎよう。廊下の両側に玄関と緑色のボーダー柄が点々と続いている。左右に四つの透明な玄関ドアが連なったあと、二つの白く塗装された鉄扉がある。透明な玄関ドアの向こうは見えない。カーテンやブラインドや黒いフィルムによって塞がれているからだ。でも陰鬱な気分になる必要はない。間もなく左右に光が満ちてくる。
コモンテラスと名づけられた空洞のひとつに出た。二階分の大穴が南側と北側に空いてい���、共用廊下とテラスとを仕切るフェンスはなく、住民に開放されていた。コモンテラスは住棟内にいくつか存在するが、ここはその中でも最大だ。一四階の高さが通常の一・五倍ほどあるので、一三階と合わせて計二・五階分の空洞になっているのだ。それはさながら、天空の劇場だった。南側には巨大な長方形によって縁取られた東京湾の風景がある。左右と真ん中に計三棟のタワーマンションが陣取り、そのあいだで辰巳運河の水が東京湾に注ぎ、東京ゲートブリッジの橋脚と出会って、「海の森」と名づけられた人工島の縁でしぶきを上げる様が見える。天気のいい日には対岸に広がる千葉の工業地帯とその先の山々まで望むことができた。海から来た風がこのコモンテラスを通過し、東京の内側へと抜けていく。北側にその風景が広がる。視界の半分は集合住宅で、残りの半分は青空だった。タワーマンションの陰に隠れて東京スカイツリーは確認できないが、豊洲のビル群が団地の上から頭を覗かせている。眼下にはこの団地を南北に貫くS字アベニューが伸び、一街区と二街区の人工地盤を繋ぐブリッジが横切っていて、長谷川浩己率いるオンサイト計画設計事務所によるランドスケープ・デザインの骨格が見て取れる。
さあ、公演が始まる。コモンテラスの中心に灰色の巨大な柱が伸びている。一三階の共用廊下の上に一四階の共用廊下が浮かんでいる。ガラス製のパネルには「CODAN Shinonome」の文字が刻まれている。この空間の両側に、六つの部屋が立体的に配置されている。半分は一三階に属し、残りの半分は一四階に属しているのだった。したがって、壁にあしらわれたボーダー柄は緑から青へと遷移する。その色は、掃き出し窓の向こうに設えられた目隠しと防犯を兼ねた引き戸にも連続している。そう、六つの部屋はこのコモンテラスに向かって大きく開くことができた。少なくとも設計上は。引き戸を全開にすれば、六つの部屋の中身がすべて露わになる。それらの部屋の住人たちは観客なのではない。この劇場で物語を紡ぎ出す主役たちなのだった。両サイドに見える美しい風景もここではただの背景にすぎない。近田玲子によって計画された照明がこの空間そのものを照らすように上向きに取り付けられている。ただし、今はまだ点灯していない。わたしはたったひとりで幕が上がるのを待っている。だが、動きはない。戸は厳重に閉じられるか、採光のために数センチだけ開いているかだ。ひとつだけ開かれている戸があるが、レースカーテンで視界が完全に遮られ、窓際にはいくつかの段ボールと紙袋が無造作に積まれていた。風がこのコモンテラスを素通りしていく。
ほら、
幕は上がらないだろう、
お前はわかっていたはずだ、ここでは人と出会うことがないと。横浜のことを思い出してみろ。お前はかつて横浜の湾岸に住んでいた。住宅と事務所と店舗が街の中に混在し、近所の雑居ビルやカフェスペースで毎日のように文化的なイベントが催されていて、お前はよくそういうところにふらっと行っていた。で、いくつかの重要な出会いを経験した。つけ加えるなら、そのあたりは山本理顕設計工場の所在地でもあった。だから、東雲に移るとき、お前はそういうものが垂直に立ち上がる様を思い描いていただろう。だが、どうだ? あのアトリエと自宅は東京の空中にぽつんと浮かんでいるのではないか?
それも悪くない、とお前は言うかもしれない。物書きには都市の孤独な拠点が必要だったのだ、と。多くの人に会って濃密な取材をこなしたあと、ふと自分自身に戻ることができるアトリエを欲していたのだ、と。所詮自分は穴蔵の住人だし、たまに訪ねてくる仕事仲間や友人もいなくはない、と。実際、お前はここではマイノリティだった。ここの住民の大半は幼い子どもを連れた核家族だったし、大人たちのほとんどはこの住棟の外に職場があった。もちろん、二階のウッドデッキ沿いを中心にいくつかの仕事場は存在した。不動産屋、建築家や写真家のアトリエ、ネットショップのオフィス、アメリカのコンサルティング会社の連絡事務所、いくつかの謎の会社、秘かに行われている英会話教室や料理教室、かつては違法民泊らしきものもあった。だが、それもかすかな蠢きにすぎなかった。ほとんどの住民の仕事はどこか別の場所で行われていて、この一街区には活動が積み重ねられず、したがって文化は育たなかったのだ。周囲の住人は頻繁に入れ替わって、コミュニケーションも生まれなかった。お前のアトリエと自宅のまわりにある五軒のうち四軒の住人が、この四年間で入れ替わったのだった。隣人が去ったことにしばらく気づかないことすらあった。何週間か経って新しい住人が入り、透明な玄関ドアが黒い布で塞がれ、テラスに向いた戸が閉じられていくのを、お前は満足して見ていたか? 胸を抉られるような気持ちだったはずだ。
そうした状況にもかかわらず、お前はこの一街区を愛した。家というものにこれほどの帰属意識を持ったことはこれまでになかったはずだ。遠くの街から戻り、暗闇に浮かぶ格子状の光を見たとき、心底ほっとしたし、帰ってきたんだな、と感じただろう。なぜお前はこの一街区を愛したのか? もちろん、第一には妻との生活が充実したものだったことが挙げられる。そもそも、ここに住むことを提案したのは妻のほうだった。四年前の春だ。「家で仕事をするんだったらここがいいんじゃない?」とお前の妻はあの奇妙な間取りが載った図面を示した。だから、お前が恵まれた環境にいたことは指摘されなければならない。だが、第二に挙げるべきはお前の本性だ。つまり、お前は現実のみに生きているのではない。お前の頭の中には常に想像の世界がある。そのレイヤーを現実に重ねることでようやく生きている。だから、お前はあのアトリエから見える現実に落胆しながら、この都市のような構造体の可能性を想像し続けた。簡単に言えば、この一街区はお前の想像力を搔き立てたのだ。
では、お前は想像の世界に満足したか? そうではなかった。想像すればするほどに現実との溝は大きく深くなっていった。しばらく想像の世界にいたお前は、どこまでが現実だったのか見失いつつあるだろう。それはとても危険なことだ。だから確認しよう。お前が住む東雲キャナルコートCODAN一街区には四二〇戸の住宅があるが、それはかつて日本住宅公団であり、住宅・都市整備公団であり、都市基盤整備公団であって、今の独立行政法人都市再生機構、つまりURが供給してきた一五〇万戸以上の住宅の中でも特異なものだった。お前が言うようにそれは都市を構築することが目指された。ところが、そこには公団の亡霊としか言い表しようのない矛盾が内包されていた。たとえば、当時の都市基盤整備公団は四二〇戸のうちの三七八戸を一般の住宅にしようとした。だが、設計者の山本理顕は表面上はそれに応じながら、実際には大半の住戸にアトリエや事務所やギャラリーを実装できる仕掛けを忍ばせたのだ。玄関や壁は透明で、仕事場にできる開放的なスペースが用意された。間取りはありとあらゆる活動を受け入れるべく多種多様で、メゾネットやアネックスつきの部屋も存在した。で、実際にそれは東雲の地に建った。それは現実のものとなったのだった。だが、実はここで世界が分岐した。公団およびのちのURは、例の三七八戸を結局、一般の住宅として貸し出した。したがって大半の住戸では、アトリエはまだしも、事務所やギャラリーは現実的に不可だった。ほかに「在宅ワーク型住宅」と呼ばれる部屋が三二戸あるが、不特定多数が出入りしたり、従業員を雇って行ったりする業務は不可とされたし、そもそも、家で仕事をしない人が普通に借りることもできた。残るは「SOHO住宅」だ。これは確かに事務所やギャラリーとして使うことができる部屋だが、ウッドデッキ沿いの一〇戸にすぎなかった。
結果、この一街区は集合住宅へと回帰した。これがお前の立っている現実だ。都市として運営されていないのだから、都市にならないのは当然の帰結だ。もちろん、ゲリラ的に別の使い方をすることは可能だろう。ここにはそういう人間たちも確かにいる。お前も含めて。だが、お前はもうすぐここから去るのだろう? こうしてまたひとり、都市を望む者が消えていく。二つの世界はさらに乖離する。まあ、ここではよくあることだ。ブリューゲルの「バベルの塔」、あの絵の中にお前の姿を認めることはできなくなる。
とはいえ、心配は無用だ。誰もそのことに気づかないから。おれだけがそれを知っている。おれは別の場所からそれを見ている。ここでは、永遠の未来都市は循環を脱して都市へと移行した。いずれにせよ、お前が立つ現実とは別世界の話だがな。
実際、人には出会わなかった。一四階から二階へ、階段を使ってすべてのフロアを歩いたが、誰とも顔を合わせることはなかった。その間、ずっとあの声が頭の中に響いていた。うるさいな、せっかくひとりで静かに散歩してい���のに、と文句を言おうかとも考えたが、やめた。あの声の正体はわからない。どのようにして聞こえているのかもはっきりしない。ただ、ふと何かを諦めようとしたとき、周波数が突然合うような感じで、周囲の雑音が消え、かわりにあの声が聞こえてくる。こちらが応答すれば会話ができるが、黙っていると勝手に喋って、勝手に切り上げてしまう。あまり考えたくなかったことを矢継ぎ早に投げかけてくるので、面倒なときもあるが、重要なヒントをくれもするのだ。
あの声が聞こえていることを除くと、いつもの散歩道だった。まず一三階のコモンテラスの脇にある階段で一四階に上り、一一号棟の共用廊下を東から西へ一直線に歩き、右折して一〇メートルほどの渡り廊下を辿り、一二号棟に到達する。南から北へ一二号棟を踏破すると、エレベーターホールの脇にある階段で一三階に下り、あらためて一三階の共用廊下を歩く。以下同様に、二階まで辿っていく。その間、各階の壁にあしらわれたボーダー柄は青、緑、黄緑、黄、橙、赤、紫、青、緑、黄緑、黄、橙、赤と遷移する。二階に到達したら、人工地盤上のウッドデッキをめぐりながら島のように浮かぶ一三号棟へと移動する。その際、人工地盤に空いた長方形の穴から、地上レベルの駐車場や学童クラブ、子ども写真館の様子が目に入る。一三号棟は一〇階建てで共用廊下も短いので踏破するのにそれほど時間はかからない。二階には集会所があり、住宅は三階から始まる。橙、黄、黄緑、緑、青、紫、赤、橙。
この旅では風景がさまざまに変化する。フロアごとにあしらわれた色については既に述べた。ほかにも、二〇〇もの透明な玄関ドアが住人の個性を露わにする。たとえば、入ってすぐのところに大きなテーブルが置かれた部屋。子どもがつくったと思しき切り絵と人気ユーチューバーのステッカーが浮かぶ部屋。玄関に置かれた飾り棚に仏像や陶器が並べられた部屋。家の一部が透けて見える。とはいえ、透明な玄関ドアの四割近くは完全に閉じられている。ただし、そのやり方にも個性は現れる。たとえば、白い紙で雑に塞がれた玄関ドア。一面が英字新聞で覆われた玄関ドア。鏡面シートが一分の隙もなく貼りつけられた玄関ドア。そうした玄関ドアが共用廊下の両側に現れては消えていく。ときどき、外に向かって開かれた空洞に出会う。この一街区には東西南北に合わせて三六の空洞がある。そのうち、隣接する住戸が占有する空洞はプライベートテラスと呼ばれる。わたしのアトリエに面したテラスがそれだ。部屋からテラスに向かって戸を開くことができるが、ほとんどの戸は閉じられたうえ、テラスは物置になっている。たとえば、山のような箱。不要になった椅子やテーブル。何かを覆う青いビニールシート。その先に広がるこの団地の風景はどこか殺伐としている。一方、共用廊下の両側に広がる空洞、つまりコモンテラスには物が置かれることはないが、テラスに面したほとんどの戸はやはり、閉じられている。ただし、閉じられたボーダー柄の戸とガラスとの間に、その部屋の個性を示すものが置かれることがある。たとえば、黄緑色のボーダー柄を背景としたいくつかの油絵。黄色のボーダー柄の海を漂う古代の船の模型。橙色のボーダー柄と調和する黄色いサーフボードと高波を警告する看板のレプリカ。何かが始まりそうな予感はある。今にも幕が上がりそうな。だが、コモンテラスはいつも無言だった。ある柱の側面にこう書かれている。「コモンテラスで騒ぐこと禁止」と。なるほど、無言でいなければならないわけか。都市として運営されていない、とあの声は言った。
長いあいだ、わたしはこの一街区をさまよっていた。街区の外には出なかった。そろそろアトリエに戻らないとな、と思いながら歩き続けた。その距離と時間は日課の域をとうに超えていて、あの循環を逸脱しつつあった。アトリエに戻ったら、わたしはこのことについて書くだろう。今や、すべての風景は書き留められる。見過ごされてきたものの言語化が行われる。そうしたものが、気の遠くなるほど長いあいだ、連綿と積み重ねられなければ、文化は発生しない。ほら、見えるだろう? 一一号棟と一二号棟とを繋ぐ渡り廊下の上から、東京都心の風景が確認できる。東雲運河の向こうに豊洲市場とレインボーブリッジがあり、遥か遠くに真っ赤に染まった富士山があって、そのあいだの土地に超高層ビルがびっしりと生えている。都市は、瀕死だった。炎は上がっていないが、息も絶え絶えだった。密集すればするほど人々は分断されるのだ。
まあいい。そろそろ帰ろう。陽光は地平線の彼方へと姿を消し、かわりに闇が、濃紺から黒へと変化を遂げながらこの街に降りた。もうじき妻が都心の職場から戻るだろう。今日は有楽町のもつ鍋屋で持ち帰りのセットを買ってきてくれるはずだ。有楽町線の有楽町駅から辰巳駅まで地下鉄で移動し、辰巳桜橋を渡ってここまでたどり着く。それまでに締めに投入する飯を炊いておきたい。
わたしは一二号棟一二階のコモンテラスにいる。ここから右斜め先に一一号棟の北側の面が見える。コンクリートで縁取られた四角形が規則正しく並び、ところどころに色とりどりの空洞が光を放っている。緑と青に光る空洞がわたしのアトリエの左隣にあり、黄と黄緑に光る空洞がわたしの自宅のリビング・ダイニングおよびベッドルームの真下にある。家々の窓がひとつ、ひとつと、琥珀色に輝き始めた。そのときだ。わたしのアトリエの明かりが点灯した。妻ではなかった。まだ妻が戻る時間ではないし、そもそも妻は自宅用の玄関ドアから戻る。闇の中に、机とそこに座る人の姿が浮かんでいる。鉄格子とガラス越しだからはっきりしないが、たぶん……男だ。男は机に向かって何かを書いているらしい。テラスから身を乗り出してそれを見る。それは、わたしだった。いつものアトリエで文章を書くわたしだ。だが、何かが違っている。男の手元にはMacがなかった。机の上にあるのは原稿用紙だった。男はそこに万年筆で文字を書き入れ、原稿の束が次々と積み上げられていく。それでわたしは悟った。
あんたは、もうひとつの世界にいるんだな。
どうかな、
で、さまざまに見逃されてきたものを書き連ねてきたんだろう?
そうだな。
もうひとりのわたしは立ち上がって、掃き出し窓の近くに寄り、コモンテラスの縁にいるこのわたしに向かって右手を振ってみせた。こっちへ来いよ、と言っているのか、もう行けよ、と言っているのか、どちらとも取れるような、妙に間の抜けた仕草で。
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■大型の台風19号接近中
大型で非常に強い台風19号は、勢力を保ったまま12日夕方から夜にかけて東海から関東に上陸し、その後、東北へ進む見込みです。12~13日に広い範囲で記録的な暴風や大雨となる恐れがあります。台風情報について、タイムラインで逐一お伝えします。
【写真】新幹線の運休のお知らせが張り出されたJR新大阪駅=2019年10月12日午前7時51分、白井伸洋撮影
■東京都内の自治体に避難勧告・指示(12:00)
東京都のホームページによると正午現在、9自治体で避難勧告や避難指示が出ている。避難勧告・指示が出ているのは次の自治体。
◇
【神津島村】一部地域【利島村】全域【八王子市】土砂災害警戒区域と浸水想定(予想)区域【日野市】一部地域【大島町】全域【町田市】全域(川沿いや崖・斜面地の近くの住民)【三宅村】全域【奥多摩町】全域【あきる野市】全域の秋川の浸水想定区域や一部地域の土砂災害警戒区域や浸水想定区域
■群馬・井野川で氾濫危険水位超える(12:00)
国土交通省によると、群馬県を流れる利根川水系の井野川で氾濫(はんらん)危険水位を超えた。
■JAL、13日の一部の便も欠航(11:00)
日本航空は、羽田と成田の両空港を発着する一部の便を13日も欠航すると発表した。国内線で169便、国際線で17便。約3万2千人に影響が出るという。今後も欠航便は増える可能性がある。
■京急電鉄も運転中止発表(11:00)
京急電鉄は、正午ごろから運転本数を減らし、午後2時ごろまでには運転を取りやめると発表した。運転再開は13日昼ごろになる可能性があるという。
京急はあらかじめ運休を決める計画運休はせず、直前の気象条件で判断するとしていた。
■自主避難の住民「近所の人いるし安心」(11:00)
東京都足立区は区立小中学校を中心に30カ所の避難所を開設。区立大谷田小学校の体育館には22世帯33人が自主避難した。
区職員6人と地域のボランティア11人が駆けつけ、避難者に毛布やマット、水を配布した。避難した住民らはマットの上で横になったり、窓から外の様子をみたりして過ごしていた。伊沢萬紀子さん(73)は「一人暮らしなので、家にいると風の音が怖い。ここには近所の人もいるし安心する。早く去ってほしい」。
ボランティアの丸岡和夫さん(77)は「家が土手沿いにあり、川の増水が心配だが、皆さんの手助けになればと」駆けつけた。区福祉部地域包括ケア推進課の千ケ崎嘉彦さん(50)は「この地域は近くに川があり増水の危険が高い。安全に過ごしてもらえるように全力を尽くしたい」と話した。
■中央道と圏央道で通行止め(11:00)
中日本高速道路は、中央道と圏央道の新たな通行止め区間を発表した。
中央道:八王子インターチェンジ(IC)―一宮御坂IC(上下)、大月JCT―都留IC(上下)
圏央道:圏央厚木IC―あきる野IC(内外回り)
■JR東、運転再開後も本数減(10:30)
順次計画運休している首都圏の在来線について、JR東日本は、13日昼ごろと見込んでいる運転再開後も通常より大幅に運転本数が減る予定だと発表した。
湘南新宿ライン、中央線の高尾―小淵沢、青梅線の青梅―奥多摩、烏山線、水戸線、水郡線は13日も終日運転を取りやめる。山形新幹線「つばさ」のほか、「スーパービュー踊り子」「あずさ」「ひたち」などの特急も13日の運転を中止する。
■静岡で住宅街冠水、住民「とても不安」(10:00)
静岡市駿河区西島の住宅街では道路などが冠水した。黒田隆彦さん(52)宅付近は午前8時ごろに腰あたりまで水位が上がり、自宅は玄関から浸水、床が水浸しになった。
周辺はよく冠水する地域だが、ここまで水位が上がるのは初めてという。「この後台風が最接近すると聞いてとても不安。電気やガスのライフラインが止まらなければよいが」と話した。
■ローソン、435店が休業(10:00)
コンビニ大手は首都圏と東海地方を中心に一部店舗で休業する。ローソンは435店が休業や休業予定。ファミリーマートも午前10時時点で、東京都や神奈川県を中心に約660店が休業しているという。セブン―イレブン・ジャパンは約1千店が休業する見通し。
ファミマやローソンは12日夜から13日早朝にかけて弁当などの配達を中止する。ファミマは主に関東地方の6200店、ローソンは同地域の4400店が対象。前後の配送を強化するなどして対応する。ローソンはカップ麺や水などの発注を強化して品薄に対応している。
■東京駅は閑散(9:30)
計画運休で閑散としたJR東京駅。駅員によると、利用客は普段の20分の1ほどという。オーストラリアから家族4人で観光で訪れ、14日に帰国予定のケビン・マクガンさん(42)は大きなスーツケースを手に成田エクスプレスの乗り場をめざしていた。「空港周辺のホテルは満室でまだ寝床を確保できていない。空港で2泊するかな」と疲れた顔で話した。
■境川が氾濫危険水位に到達(9:00)
東京都は、境川が午前8時1分に氾濫(はんらん)危険水位に到達し、水位はさらに上昇する見込みと発表した。浸水に警戒するよう、流域住民に呼びかけている。
■京王、終電は午後1時発(9:00)
京王電鉄は12日の最終電車について、京王線は午後1時新宿発(京王八王子着と橋本着は午後1時50分)、井の頭線が午後1時渋谷発(吉祥寺着は午後1時28分)になると発表した。運転再開のめどは未定という。
■東急全線、運転とりやめを繰り上げ(9:00)
東急電鉄は、午前10時半ごろから全線で運転を順次とりやめると発表した。午前11時半ごろからの予定だったが、台風19号の接近で当初の想定より気象状況が悪化しているためだという。
■イオンは営業時間を短縮(8:30)
総合スーパー大手のイオンリテールは、関東と東北、東海の1都8県(東京、福島、千葉、神奈川、埼玉、群馬、栃木、茨城、静岡)で展開する「イオン」「イオンスタイル」など計128店舗について、営業時間を短縮する。
東京や千葉、神奈川、埼玉の店舗は正午か午後1時までの営業とし、その他の店舗も午後5時までには閉める。
広報担当者によると、停電の影響を受け、一部店舗では営業開始の午前9時に開店できていないという。
大型商業施設のイオンモールは、関東と東海の1都8県(東京、千葉、神奈川、埼玉、群馬、茨城、栃木、静岡、愛知)の48施設で12日を臨時休業する。
■千葉県などで停電(7:50)
東京電力は、千葉県の約6800軒が停電していると発表した。同社は「復旧には時間を要する可能性がある」としている。
内訳は次の通り。
八街市 約3千軒
山武市 約1300軒
木更津市 約1千軒
富津市 約600軒
館山市 約500軒
いすみ市 約300軒
鴨川市 約200軒
また、茨城県龍ケ崎市と利根町で約200軒、静岡県南伊豆町と下田市でも約200軒が停電している。
■新宿駅地下街、「臨時休業」の貼り紙(7:30)
JRや私鉄、地下鉄が乗り入れる新宿駅(東京都新宿区)の地下街では、多くの店で「台風接近のため臨時休業」などと貼り紙が貼られ、シャッターが閉められていた。改札付近では、運行状況を示す電光掲示板や立て看板を見るため、足を止める人の姿が目立った。
■関西空港連絡橋が通行止め(12日朝)
西日本高速道路(NEXCO西日本)は12日、台風19号による強風の影響に伴い、午前8時から関西空港連絡橋を通行止めとすると発表した。
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27/肚の内
(はるゆき)(のような何か)
(※CoCシナリオ「ストックホルムに愛を唄え」のネタバレがあります)
(一般的に不快を催すであろうような感じの描写があるかもしれない)
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幼い頃から疑問だったのだ。
どうして野獣が得なければならなかったのは、人間からの真実の愛だったのかと。
初夏。午後の教室には、青葉の匂いが満ちている。気の早いあぶらぜみが、もう中庭で鳴き始めていた。遅い梅雨がようやく明けた六月の空は夜のように青い。再来週に期末テストが近づいていることも吹き飛んでしまうほど、一般的に良い空模様をしていた。
エアコンが稼働しているのに、教室はじんわりと暑かった。手扇でぱたぱたと首元を仰いでも、汗はなかなか引いてくれない。
五限開始のチャイムまで、あと一分三十秒。窓際の席の人たちは、あついあついと口々に言いながら、友達の席を囲んで談笑している。廊下側の席は直射日光が届かず、エアコンの冷風も程よく流れてくるので、ちょっとは居心地がよいけれど、教師たちはやれ空気が悪くなるだの、エアコンの使い過ぎは体に毒だので設定温度を高くしているし、常に教室の窓はどこかしらが換気のために開いているので、さほど教室が快適だとは言い難い。
廊下側でこうなのだから、窓側の席はもう少し不快なことだろう。外から吹き込んでくる生ぬるい風は、すでに気の早い夏の色をしている。
パンティングのような呼吸を一瞬だけして、すぐ咽頭の渇きを覚え、口を閉じた。そして、誰にもばれないようにそっと窓際の席に目を向ける。生成色のカーテンに隠れて、銀色の髪が陽に透けているのが見えた。静かに窓の外を見ている。夏服の白い襟に、首筋を伝った汗がすっと沁みて消えた。
本鈴のチャイムが鳴って先生が入ってくると、皆慌てて席に着いた。初老の国語教師のつまらない口上と、前回授業の振り返りを聞く。指定されたページは言われる前からもう開いている。中国のどこかで撮影されたらしい竹林の写真は、鬱蒼としてひどく涼しげだった。
ぼんやりと指先でシャープペンを回していると、頭上に微かな視線を感��ていやな気持ちになった。
「じゃあ二十六ページ、始めから、二十八ページ八行目まで。誰か読んでくれる奴ー」
挙手を促しても、誰が進んで読みたがることなんかないだろうに、必ずこの教師はそうやって聞く。誰も彼も指名されたくなくて、いっそう息を潜めてしまうのが、少し面白かった。現文の時間って、挙手したらテスト悪くても内申上がるのかな。なんて、皆が嘲笑混じりに言っていることを彼が知っているかどうかはわからなかった。
再度、視線を感じる。薄らと、今度は四方から。
反応は返さず、藪の中で息を潜めるように呼吸を小さくする。教師は頭を掻きながら「誰もいないのかあ」なんて決まりきった言葉を吐く。いつもそう。自主性の無い奴は成績が上がらないぞ。それに続いて出る言葉を、私は良く知っている。
「じゃあ、鏡。十八ページから」
いつもの名指し。決まりきったこと。周囲のやっぱり、そうなるよね。という、安堵の呼気を聞いた。「はい」短く返事をする。みんなそんなに読みたくないのだろうか。別に、朗読しろって訳でもないのに、難しい漢字や、句読点の息継ぎがそんなに恥ずかしいものだろうか。
席に腰を下ろしたまま、段落の頭を指でなぞった。唇を舐める。唾液がねばついていた。暑さからだろうか。水が欲しい、生ぬるくてもいいから。
「“なぜこんな運命になったかわからぬと先刻は言ったが、しかし考えようによれば、思い当たることが全然ないでもない。”」
グラウンドから、体操の掛け声がこだましている。見て面白い光景でもないだろう。犬の吐息のように生ぬるい風が、開いた窓から吹き込んでいる。微かに汗ばんだ首筋に、髪が張り付いて鬱陶しかった。横髪を耳に掛ける。
そもそも、どうして髪を伸ばし始めたのだっけ。
ふと思い返したことだが、私は今まで、美容室へ行ったことがない。髪はいつも、母が大事に切ってくれるので、外で誰かに切ってもらうという習慣がなかった。
幼稚園のころ、お遊戯会で赤ずきんちゃんをやったことを覚えている。
私は赤ずきんちゃんをやりたかったのに、生まれの早い私は他の子と比べて背が高く、赤ずきんちゃんは似合わないという理由で、悪いオオカミの役になってしまった。当時の私はそれはそれは落胆して、練習の度に落ち込んでいたのだが、本番の舞台の時、母親が主役の子よりも綺麗に見えるようにと張り切って髪を整えてくれたので、不機嫌にならず演じ切れたことを覚えている。
髪を大きく切ったのは、恐らくその記憶が最後だ。
それ以来、なんで髪を切っていないんだったか。母親がそもそも、女の子は髪が長いほうが良いと夢見るように言っていたからだったような気もする。けれど、多分決定的なものは違う。
そうだ。確か、綺麗だねって、一言褒められたから、伸ばしていたのだ。
多分、そんなありきたりで下らない理由だ。
恐らく、言った本人は、きっともうそんなこと忘れている。それくらい、下らない一言だった筈だ。
「……“人間はだれでも猛獣使いであり、その猛獣にあたるのが各人の性情だという。おれの場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。”」
一つだけ、色合いの違う視線を感じた。窓側、私の左後方から。
「“虎だったのだ。”」
それが誰のものであるか、理解はした。それでも私の目線は、教科書体の黒いインキの上を見ている。俯いた頬に横髪が再び零れてきて、私は句読点の間に小さく唸り声を上げた。
がり。内側で、何かが私を引っ掻いた。
生成りのカーテンが風を孕んでゆったりと膨らむ。囁くような衣擦れ。まるで、下草がざわめくような。私の視界にはない青葉が、窓の向こうに揺れている。
「“ちょうど、人間だったころ、おれの傷つきやすい内心をだれも理解してくれなかったように。おれの毛皮のぬれたのは、夜露のためばかりではない。”」
俯いたまま文字を追う。横髪は、また音もなく滴り落ちてくる。
私は未だ、髪を伸ばし続けている。窓の外に垂らすことのできる日なんて、来るはずもないのに。
私は初めから、窓辺になんていない。
じわじわじわじわ。
籠もったような、あぶらぜみの声が耳について離れない。
微かなアンモニアの匂い。薄暗い女子トイレの個室の壁を爪で引っ掻くと、骨を齧ったような乾いた音がした。
放課後の校舎は、どこもかしこもじっとりと暑い。さっきまで涼しい図書室にいたのに、廊下を数歩歩いただけで、もうぶわりと汗が噴き出している。肌に薄い夏服がくっついている。怠い下腹部を抱えて、溜め息を吐いた。
「最悪……」
淀んだ、濃い血液の匂いが鼻についた。
道理で日中、思考がぐらぐらすると思ったのだ。経血にぬるついた下着を下げるだけで不快感が強くて、思わず眉を顰める。不運にも替えの下着を持ってきていないので、血の着いたクロッチ部分をふき取るだけに留める。咥えたサニタリーポーチから、ナプキンを取り出す。
月経血の生臭さは、腐敗した肉の生臭さによく似ていると思った。スカートの裾を引っ張って、後ろに血が滲んでいないことを確認して、一先ず胸をなでおろす。
暑さが纏わりついてくる。途端に全身が重く感じる。
「……帰ろう……」
図書当番を早引けするのは申し訳ないが、幸い今日当番にいるのは後輩の女の子たちばかりだったので、素直に話せば事情は汲んで貰えた。さっさと荷物を抱えて図書室を後にし、下駄箱のたたきにローファーを放り投げる。
気の早い午後の日差しは痛いほど強い。日光を避けて、軒をずるずると這うように歩いていると、ふと、剣道場から人の声がするのを聞いてしまった。
足が止まる。日影から足先が出る。
私の足が勝手に剣道場へ向かっていた。
剣道場自体に足を運ぶことは、ほとんどない。体育の授業でも、部活棟の辺りは使わないからだ。
グラウンドの隅にある剣道場周辺にはとくに樹が少なくて、日影がない。立ち寄る生徒は運動部の子たちくらいだった。剥き出しの皮膚が、じりじりと焼かれて痛んだ。
道場の外壁には高窓しかついておらず、見上げて聳えるそれはまるで刑務所の壁のように見えた。果たして内側と、こちら側のどちらが閉じ込められているのか、私には判別ができなかった。
通用口と、グラウンド側に繋がる大きな出入口は空いているが、そこから中を覗くことは、とてもじゃないけれど私にはできない。
木目に擬態した道場の外壁に手を当てると、壁は日差しに焼かれて鉄板のように熱かった。内側からは、剣道部特有の咆哮が響いている。
私はたくさんの遠吠えの中から、彼の波形を探した。汗の匂い。くぐもった反響。壁の振動。声はすぐに見つかった。北西側、反対側の壁際、多分三列目。
沢山の気配の中に、彼が混ざっていた。
彼ではない気配の中に、紛れるように、しかし違和を残しながら、そこに溶けていた。水に落とされた、油みたいに。
不意に、私はどうしたらいいかわからなくなってしまって、その場にただ立ち竦んだ。
人がいるのだ。この中には人がいる。
当たり前のことだ。ここは、学校なのだから。しかし、私ではない人間たちがいた。私が知らない彼を、知っている人間がいた。そうして、会話して、戦って、視線を交わすのだろう。私の知らない、触れあって。
知らないで、見ないで、触れないで。見るな。私の、 。
喘いだ。
湿度の高い、熱せられた空気が喉に絡んで、小さく噎せた。自分を支えることが困難になって、鉄板のように熱い壁に額をつけて凭れる。壁は、焼けるように熱くて痛い。強く爪を立てると、ぎゃり、と不快な音がした。私の爪は鋭かった。そして、空しい音を立てるばかりだった。
おとぎ話は、人間が夢を見る為にある。
幼い頃から、私は世界に王子様とお姫様がいることを、疑いはしなかった。本の世界にばかり、足を浸していたからだ。物語に主役がいるのであれば、邪な竜も、野獣もこの世界には存在することになる。役割は、必ずしも自分が望むとおりに振り分けられるわけではない。幼稚園のお遊戯会と一緒。誰も彼もが王子様やお姫様になれる訳じゃない。紡ぎ車も狼も、そうなりたくてなった訳ではないだろう。私が、悪いオオカミを演じたように。
そうだ。だから、私だって、彼だって、例外じゃないことなんて。
どうして野獣が得なければならなかったのは、人間からの真実の愛だったのか。
そうだ、小さい頃からずっと疑問だった。彼がたとえ野獣に身を窶しても、同じ野獣の番であれば、傷をなめ合うことのできるはずなのに、って。どうして彼は貶されて、傷を深められても、人間からの愛を得て、人間に戻りたいと思ったのだろう、って。
おとぎ話は、人間が夢を見る為にある。
頭の中にある書物のページをいくら捲っても、化物と化物が結ばれた結末なんて、一つだってなかった。化物が化物のまま、幸せになる物語なんてなかったのだ。シルヴィアも、李徴も、グレゴールも、みんなみんな。
おとぎ話は人間しか幸せにしてくれない。幸せになりたいなら、人間になるしかない。それを私は知っていた。だから私は人間でいなければいけなかった。人間でいる必要があった。私だけでも、人間でいなければいけなかった。人間で居たかった、人間で居たかった、人間で居たかった。
そうでなければいけなかったのに。
おとぎ話の世界で、私は。
月が零れる。
獣の匂いが、否応なく下腹部から立ち上る。つま先から皮膚がひっくり返っていく。全身の毛皮があわく月夜に煌めいたとして、たとえそれを千枚縫い合わせても、光り輝くドレスになんかならない。
私は全部、知っていた。最初から分かっていた。目を背けていただけだった。
足元で、ぽたぽたと水滴の垂れる音がした。それは異様に粘ついていて、腐肉の匂いがした。
私の中にいる私が、そっと耳元で囁いた。
もうどうしようも無いんだったら、はやく喉に噛みついちゃえばいいじゃない。って。
ラ・ベッラなんて、最初からいなかった。
狼だったのだ。
†
意識は冷たくて、白濁していた。
そこで私は初めて、気を失った時に世界が真っ白になるということを知った。
全身はまんべんなくずきずきと痛んでいる。頭は特に割れるように痛む。焼けた火箸で頭蓋の内側をぐちゃぐちゃにかき混ぜられているような痛みだ。床の感触が冷たいのに、脇腹が異常に熱を持っている。
熱いから痛いのか、痛いから熱いのかわからなかった。全ての熱がそこに集まってしまったようで、事実、指先は凍えていて一切動かない。
私は薄らと目を開いた。
下水のような、饐えた汚物の匂いがする。そして血の匂い。地下室は、ひたすら暗い。髪を垂らす窓も無く、寝台もなく、ただ檻のような壁だけがあった。
晴。
名前を呼びたくても、舌が動かない。呼んで、どうなるというのだ。私が目を覚ましたことを、気付かせるだけではないのか。
床に投げ出された私の手のひらは、まだらな赤褐色に乾いていた。それからは、微かに甘い匂いがした。床がまだ新しい血で赤く濡れていて、それはひどく生臭かった。きっと狼の血なのだろう。
なんとか視界を広げようと瞼を上げると、部屋の中に晴が立っていることだけが解った。後ろ姿だけのそれを見るや否や、たちまち悔いと後ろめたさが燻った。後悔の念が尽きない。
私が願わなければ、こんなことにならなかった。ましてや、晴が傷つくことなんて、望んでいなかった。
私はただ、庭先に咲いた私だけの薔薇を誰にも盗られたくなかっただけ。ただ、それだけだった。
傷つけることを、望んでなんていなかった。
けれど、それを今誰が証明してくれるだろう。現に私は晴を閉じ込め、切り裂いて、頭から丸呑みにしようとした。きっと、またすぐに私は狼になってしまう。狼である証拠に、私は彼を酷く甘いものだと思い込んでいる。一体、これのどこが人間だと言うのだ。健常な意識ですら、獣性を否定できていないのだから。
私は目を閉じた。
目を覚ましたくなくて、冷たい眠気へ緩やかに身を任せる。
そうだ、このまま私が眠っていれば、少なくとも私が晴を傷つけることはない。目を覚ませば、私はたちまち狂気に取りつかれて、彼に牙を立てることしかできなくなってしまう。もう彼を傷つけるのも、怯えた瞳で名前を呼ばれるのも嫌だった。
眠っていよう。
これ以上、晴を傷つけないように。いっそ、私が救われなくたっていい。茨の内側が暴かれなければ、私はいつまでもお姫様と誤認されたままでいられるでしょう。狼がお姫様を丸呑みにしてドレスを着て、精一杯着飾ったところで、大きな口と生臭い匂いですぐに狼だとばれてしまう。
そんな姿は、晴に見せることができない。彼がまだ、私を人間だと思っているうちに、朽ち果ててしまいたかった。
微睡みは心地よかった。
ふと、何か、喧騒のようなものが聞こえた。悲鳴か、怒号かわからない叫び声のように思った。ただ、晴の声ではないことだけは理解して、どうでもよ���なった。それも私の意識が氷湖の底に沈んでいくうちに、ぼやけて遠くなっていった。
夜明けの笛の音も、白く光を亡くした月もなく、薔薇の花も無い。深い眠りの水底には、ただ長い静寂が横たわるだけだった。
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