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#巻き髪動画
lucia-kyoto · 1 year
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ブリーチカラー全般、特にハイライトカラー得意です!lucia京都店のたち れおん(本名です!!)お客様のやってみたい、色、全力でさせてもらいます!カウンセリングからしっかり時間をかけてさせていただきますので目指したい色の共有しっかりします☆透明感あるワンカラーからブリーチカラーまで幅広く得意なのでお任せください!
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liyatv · 1 year
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吉田朱里: 【超簡単】毎朝3分位でやってる私の髪の巻き方。
liya.tv
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shearintegrity · 1 year
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Posted @withrepost • @sanbi_brush_official せっかく美容室に行って前髪を整えてもらったのに… 生え癖、クセ毛でまとまらない…•shearintegrity.com アイロンは手っ取り早いのですが、焦っているとおでこを火傷しそうになったり、アイロンが適温になるまで待てない事も。 そういう方は、前髪をロールブラシで整えるのはいかがでしょう? コツは、生え癖の場合根元をしっかり湿らせてドライヤーで形をつける事。 毛先だけ巻いても生え癖は治りません。 皆様もぜひ試してみてくださいね✨ #前髪アレンジ #前髪セット #前髪の巻き方 #ブロー動画 #ブロー #ヘアーブラシ #ヘアブラシ #サンビ #hairbrush #brush #ロールブラシ #ブローブラシ#stylingbrush #madeinjapan #SANBI #豚毛 #豚毛ブラシ #ブラッシングブラシ#クッションブラシ #brushing #salontools #rollbrush #madein🇯🇵 #高級ヘアブラシ#美容師 #美容室 #hairsalon #ヘアサロン #日本製 #ヘアブラシおすすめ (at Osaka, Japan) https://www.instagram.com/p/CmwrGCKLbzI/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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g-men-movie · 1 year
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G組メンバーと共にアツい青春を過ごす“レディース”【多摩黒天使(ブラック・エンジェル)】ヘッドヒロイン・上城レイナ役は恒松祐里‼ ド派手な特攻服に身を包んだ迫力満点のビジュアルも到着‼
★“レディース”【多摩黒天使(ブラック・エンジェル)】のヘッド・上城レイナ(かみじょう・れいな)役・恒松祐里が解禁!
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この度解禁となったのは、勝太たちと一緒に青春を過ごすことになる“レディース”【多摩黒天使(ブラック・エンジェル)】のヘッド・上城レイナ(かみじょう・れいな)役。レイナ役には、配信ドラマ「全裸監督シーズン2」で体当たりの演技が話題となり、連続テレビ小説「おかえりモネ」では片想いに悩む女性を好演、さらには配信ドラマ「今際の国のアリス2」、ドラマ「リバーサルオーケストラ」など話題作に続々出演し、今各方面から引っ張りだこの実力派女優・恒松祐里が抜擢!本作でメジャー映画初ヒロインを務めます。
恒松が演じるレイナは、“レディース”【多摩黒天使(ブラック・エンジェル)】のヘッドであり、G組メンバーに真正面から啖呵を切るような強気で大胆な性格。一方で、岸演じる勝太に密かに恋心を抱きながらもなかなか素直になれないという、恋愛には奥手でピュアな一面も持ち合わせたキャラクター。同時に解禁となったキャラクタービジュアルでは、斜に構えながらも力強い眼差しを見せる迫力あるレイナの姿が。かなり明るめの茶髪に、筆文字で書かれた“愛羅武勇”“硬派愚連隊”という大きな刺繍が入ったド派手なピンクの特攻服に身を包み、気合いの入った“正装姿”を見せています。
劇中では、体を張ったアクションを見せる喧嘩シーンも披露するなど、インパクト抜群の “レディース”姿を見せ、物語に大きな波乱を巻き起こすヒロインを存在感たっぷりに演じ切っています。特攻服を脱いだピュアな姿とのギャップにもご注目。是非ご期待ください!
★恒松祐里(上城レイナ役)コメント
上城レイナ役を演じました。恒松祐里です。 初めてのレディース総長役。強そうに見えて繊細なところもあるレイナは瑠東監督が様々な一面が見えるように演出して下さり、演じていて楽しかったです!岸さんは自然とそこにいるだけでキャスト、スタッフを笑顔にして下さり、「こんなに愛される座長はいるのか!」というくらい全員から慕われていました。真摯に目の前にいる相手と向き合う登場人物達に心を動かされると思います!皆さんのアクションシーンも超絶カッコ良いので見たらきっと「愛羅武勇Gメン!」と叫びたくなるはず!公開をお楽しみに!!
公式サイト
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koch-snowflake-blog · 3 months
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村島 未悠は、日本のグラビアアイドル、女優、元アイドル、歌手、YouTuber。大阪府出身。ジェイロックを経て、2023年現在はホリプロデジタルエンターテインメント所属。 ダンスボーカルグループ「CHERRSEE」の元メンバーで、当時の名義はMIYU。 ウィキペディア
出生地: 大阪府 大阪市
生年月日: 1998年8月27日 (年齢 25歳)
身長: 157 cm
カップサイズ: F
スリーサイズ: 86 - 58 - 84 cm
デビュー: 2016年
別名義: MIYU
趣味・特技はけん玉、マラソン、バスケットボール観戦、ダンス。好きな色はピンク、白、黒。
ダンスについては、授業の際に指されるだけでも赤面するほどの人見知り(引っ込み思案)だったことを見かねた母により、10歳(小学4年生)から習わされた。「イケイケにさせたい」と半ば強引に金髪にさせられたこともあったが、そのおかげで仕事を始められた。グラビアについても、「やったらええやん」と背中を押してくれたことが志願のきっかけであり、自分とは正反対の陽キャラな母には感謝しているという。
昔から陰キャであり、人付き合いが得意ではなく友達が少なかったことも、ダンスを始めるきっかけになった。高校はもとよりCHERRSEEも恋愛禁止ではなかったが、そういう理由からも恋愛経験は少なく、個人活動中に帰省から偶然の再会を経て唯一良い感じになった同郷の友人との交際も遠距離ゆえの寂しさが災いし、2か月ぐらいで会わなくなった。自分の中では「交際=結婚」と思っているうえ、ナンパに勤しむ遊び人よりはちょっとオタクっぽい人の方が好みであるため、慎重になってしまうという。
足のサイズは本人曰く「20.5cmくらい」。普段はほとんどスニーカーしか履かない(本人曰く「スニーカーは大きめでもいい」)ため、撮影時に用意してもらった靴も合わないことが多いほか、水着のサイズも着てみないとわからないため、衣装合わせに時間がかかってしまうという。
「むらみゆ」は高校当時のあだ名でもあり、本名への改名は「アイドル時代よりももっとファンの皆さんと近くなりたい」との理由による。それゆえ、『むらみゆ』についても「よりファンとの距離を縮めるような温かい1冊になったらいいな」と思っているという。
バックダンサー当時からアーティストに憧れており、CHERRSEEにはそれが高じて(J-POPとK-POPのジャンルを合わせたCHERRSEEのオーディションの広告を見つけて)オーディションを受け、所属した。CHERRSEE所属当時はアイドル活動はもとより生活的にも厳しく、焼肉屋にて3年間ほどアルバイトを経験した。一方、「グループが注目されるきっかけになれば」とグラビア活動を始め、頑張っていたものの実はそれまでプライベートで競泳水着しか着たことがなく、母の水着を借りて宣材写真を撮ったこともあったほか、グラビアの撮影に際しては上の水着を逆さまに着て1時間ぐらい気づかず、撮り直しになったこともある。それゆえにグラビアにはあまり自信がなく、撮影自体は楽しかったが慣れない部分があり、胸が大きいのもコンプレックスだったことから、ダンスの際にはインターネットにて購入したサラシっぽいスポーツブラを巻いたりしていた。グラビアを休んでいる間には何より「またグラビアに出て欲しい」との声を多くもらい、それに応えようと復帰した後には自分が輝ける場として前向きに捉えられるようになったという。
2022年現在では芝居にも意欲を見せてオーディションを受けるようになっており、バラエティ番組『あの界隈を恋愛ドラマにしたら…不覚にもキュンときた』(同年10月22日、中京テレビ)内のショートドラマで主人公を演じたことが、「演技に挑戦したい」から「もっと演技できるようになりたい」に意識が変わるきっかけとなり、学ばせてもらったという。
モデル・女優の花山瑞貴は、ホリプロデジタルエンターテインメントでの先輩にして中学時代やEXPG時代からの親友である。また、元NMB48の木下春奈は高校時代3年間通して同じクラスだった。
YouTubeについては、「むらみゆ」の開設時点では企画から撮影、編集をすべて自分で担当していたが、2023年10月時点ではホリプロデジタルエンターテインメントの社員などにも手伝ってもらえており、グラビアのオフショット動画のおかげで登録者数が10万人まで伸びたという。  
  
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elle-p · 6 months
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P3 Club Book Shinjiro Aragaki short story scan and transcription.
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料理天国、食べたら地獄
······ったく、 何で俺がこんなこと······」
「す、すいません荒垣先輩······っくしゅん!う~げほげほっ」
「ゆ、ゆかりちゃん、大丈夫?」
ここは、寮のゆかりの私室。ピンクのパジャマにカーディガンを羽織り、つらそうに咳き込むゆかりの背を、優しく風花がさすっている。体調不良を押してタルタロスに出撃し、ゆかりはすっかり風邪をこじらせていた。そんなゆかりのベッドの横には、同じく心配そうにたたずむ美鶴と、やや所在なげに立つ荒垣の姿があった。そして荒垣の手には、彼が言った “こんなこと” の成果である、温かそうな料理がトレイに乗って湯気を立てていた。どうやら、ゆかりを心配する美鶴に頼まれ、病人食の定番となる粥を作っきてくれたらしい。
「荒垣先輩って、優しいですよね」
「んな······っ!?ま、まあ、ただの気まぐれだ。気にすんな。さっさと食っちまえ」
風花の素直な言葉に、荒垣はそれだけ言ってぶっきらぼうにトレイを差し出す。
「 うう、ありがとうございます。はふ······」
ゆかりが、一見普通の粥に見えるその料理をスプーンですくい、ぱくりと口に入れた。
「どうだ?岳羽?」
熱くないか、ちゃんと飲み込めるかと、美鶴が母親のように心配げに声をかけるが、その目の前でゆかりの表情がみるみる蕩けた。
「ぅ美味しい~っ!何これ、どうやって作ったんですか? 信じらんないー!」
先ほどまでの苦しそうな様子はどこへやら、あっという間に元気を取り戻したゆかりが、凄い勢いで手と口を動かし、器の中身はさほど間を置かずに空になってしまっていた。
「どうやってつーか、ま······適当だな。普通の粥じゃ栄養が足りねえかと思って、中華風のミルク粥にしてみた」
あっさりと荒垣は言うが、じつはけっこう手間がかかったもの。ニンニク、生姜、ネギのみじん切りをゴマ油でじっくり炒め、米と具---拍子木に切ったニンジンと大根を投入して鶏ガラスープを注ぎ入れる。あとはフタをし、沸騰したら吹きこぼれないよう弱火でことこと30~40分。米が十分柔らかくなったところで、牛乳を入れて塩で味をととのえ、できあがったものがこちらにございます、という感じ。体の免疫力を高める、炭水化物や蛋白質、ビタミンA・B・Cに β カロチンを含む、まさに完璧なる病人食なのだ。
以前から、荒垣の料理はプロ並だと真田あたりが言っていたが、その現物を実際に口にしたゆかりは、想像以上の感動を味わっていた。ゆかりは素直に、その賞賛を口にする。
「適当なんてとんでもない!荒垣先輩、もう最高ですよ!尊敬します!」
「バカ野郎······なに恥ずかしいことを······」
「なーに謙遜してるんですか?食事は人間の基本ですよ。大切なことです。それをしっかりできる荒垣先輩は立派です!もう、他の男連中にも見習わせたいぐらいですよ。人として、料理のひとつもできなきゃ駄目だって、ね」
興奮気味で止まらないゆかりの演説に、そこで突然ストップがかかった。
「ちょーっと待ったぁ!」
「!?じゅ、順平?それに皆も?」
ゆかりの部屋の入り口に、順平を先頭にして寮生の面々、すなわちこの部屋にいなかった全員が集まっていた。順平の足元からはコロマルまでが顔を出している。
「何ごとよ、いったい?」
「いや、あんまりいい匂いなんでな、つい······」
正直に真田が言いかけるが、それを体ごと遮って順平がびしっと指を突きつける。
「ゆかりッチ······貴様はオレを怒らせた!」
「は、はぁ?」
「料理ができなきゃ人として駄目?料理がお上手な岳羽サマは、オレたちが人間じゃないとおっしゃるわけだよな?」
「い、いや、別にそこまでは······。そ、それに順平がまともに料理できないのは事実じゃん」
と、そこで順平は、ちっちっと指を横に振る。
「料理が “できない” と “やらない” は違うんだぜ、ゆかりッチ。それに、オレだけじゃねえぞ、お前が傷吻つけたのはな······」
くくっと、芝居の気まんまんで順平が涙をこらえるように両目を手で押さえた。その言葉に、ゆかりが周囲をあらためて見ると。 「あ」
ベッドの脇で美鶴と風花が、顔を伏せてどんよりと暗い空気をまとっていた。
「い、いや、あの。私······別にそういうつもりじゃ······せ、先輩?風花?」
「ゆえにっ!!」
ぐわっと伏せていた顔を上げ、順平は大いに 盛り上がって高らかに宣言した。
「貴様に料理勝負を挑むっ!!」
「はぁ?」
かくて、第一回巌戸台分寮クッキング王決定戦の開催が決定したのであった (どどーん)
「という訳で、本日の司会はわたくし、アイギスがお送りするであります。いかがでしょう、解説の天 田さん」
「······みなさん、ヒマですね」
「なるほど。では、審査委員長の荒垣さん」
「······ったく、 何で俺がこんなこと······」
順平が宣言した翌々日。ゆかりがすっかり体調を取り戻し、ちょうど日曜ということもあって、ついに料理対決が開催される運びとなった��おそらく仲間内でもっとも鋭敏な味覚を持つであろう荒垣を審査委員長とし、味覚がないアイギスは司会を勤めることになっている。天田も参加をうながされていたが、「なんで僕が料理なんか······小学生に何を期待してるんです?」と一蹴し、解説者の席についている。そして、残る全員が参加者兼審査員というわけだ。
当初、美鶴と風花は徹底的に拒否の構えを見せていたのだが、「お祭りみたいなもんだし」とか、「何ごとも経験だし」とかいう順平の甘言で徐々に態度を軟化させ、ついには「······にイイとこ見せるチャンスなんだけどなー」という、とある個人名を出しての決定的なひと言で、料理対決に参加するよう洗脳、もとい説得されてしまったのであった。
「では、いよいよ競技を開始するであります。最初はゆかりさんからお願いします」
「オッケー!見てなさいよ、順平!」
意気揚々とゆかりが持ってきた料理、それは本人の自信を裏切らない見事なできばえ。見た目からして美味しそうな、幕の内弁当である。卵焼き、焼き魚、かまぼこといった幕の内弁当定番のおかずに加え、小さなハンバーグやチーズチキンカツなど洋風のおかずも入っている。もちろんご飯は俵型に成型され、上にはパラパラと黒ゴマが振りかけられている。
「うん、なかなかやるじゃねえか」
卵焼きをひと口かじった荒垣の評価に、ゆかりがガッツポーズを決め、それに続いて他のメンバ ーも横から次々に箸を伸ばす。
「焼き魚は西京味噌漬けか······いい仕事だ」
「うわあ、このかまぼこの切り方、凝ってる」
「もう、優勝は岳羽で確定か?」
立て続けに上がる賞賛の声に、ちょっと照れたような誇らしいような顔でゆかりが言う。
「あ、でもね。今回は意外なライバルがいたっつーか······私も食べてみたいんだよね、 彼の」
そのゆかりの視線の先にいるのは、自己主張が足りない気味の現場リーダーの姿。だが、前髪で隠され半分しか見えない顔に、常にはない自信がかすかに滲んでいるような気もする。
「では、続いてお願いしましょう」
アイギスに促され、2番手の料理が運ばれる。
「おお······!」
それは、ちょっとしたレストランで出してもおかしくないアサリとトマトのパスタ、ボンゴレ・ロッソであった。さっそく審査委員長の荒垣が、フォーク一本で器用にパスタを巻きつけて、ぱくりと口に入れる。
「ちょっとパスタが柔らかいが、合格点だな」
「どれどれオレにも······おおっ、美味ぇ!」
「アサリとトマトって合うのねー」
意外といえば意外だが、幼い頃に両親を亡くしてひとり暮らし歴も長い彼は、料理の腕は決して悪くないのである。ただ、あっさりした性格ゆえか、パスタや丼ものなど簡単に作れるものに限られるというのが弱点といえなくもない。
「で、次は誰だ?」
連続して出される美味い料理に、最初は苦い顔をしていた荒垣も、上機嫌になってきたようだ。やはり、楽しい食事は人を和ませる。もしかすると順平は単に、荒垣と他のメンバーとの間の距離を、少しでも縮めようとして料理対決を企画したのかもしれない。もし、そうだとしたら、その意図は十分に果たされつつあった。
だが。
そんな楽しい雰囲気は、あまり続かなかった。
「······なんだこりゃ?」
「え、えーっと、ラーメンっす」
「カップ麺じゃねえか」
荒垣の前にあるのは、お湯を入れて3分でできるカップ麺だった。ちなみにシーフード味。
「い、いやカップなんすけど!ちゃーんとオレなりの工夫があってですね。荒垣先輩のミルク粥にヒントを得て、牛乳で作ってますっ!」
荒垣がうげっという顔をする。残りの連中も、一様に嫌そうな顔を浮かべている。 「え?え?みんな何だよ?いや、マジ美味い
んだって!」
「たとえ美味くても······料理じゃねえだろ」
「順平さん、失格であります」
どこに置いていたか、アイギスが横にあった鐘をカーンと1回鳴らす。
「いいっ!?そ、そんなぁ······」
がっくりと肩を落とす順平。ただひとり、そのカップ麺をひと口すすった現場リーダーが、うんまあ不味くないよ、といった感じで順平の肩をぽんぽんと叩いていた。
「では、続いて美鶴さん、お願いします」
事態は、破滅に向かって加速していた。
「鴨肉のコンフェ、フォアグラとトリュフ添えだ。素材はすべてフランスから空輸させた」
胸を張って、 豪華な銀の皿を突き出す美鶴の顔には、しかしだらだらと汗が流れていた。皿の上の料理を凝視しつつ、荒垣が尋ねる。
「······鴨は、どれだ?」
「こ、これに決まってるだろう」
「この黒いのは?」
「と、トリュフだ」
「こっちの黒いのは?」
「フォアグラ······だと思う」
「んじゃ、こっちの黒いのは?」
「ええと······付け合せのポロ葱、か?」
聞かれても困る。
下を向いていた荒垣は、凶悪な光を目に宿らせつつ、美鶴に向かってぽつりと言った。
「全部、炭じゃねえか」
「ま、まあ多少火加減を間違えたかもしれないが、素材はいいんだ。食ってないと······」
「食えるかぁ!次だ次!」
世界の終わりのような顔をする美鶴を尻目に、アイギスが鳴らす鐘がかーんと響いた。
「俺は料理などあまりやったことがないからな。変なものを出すのも申し訳ないから、シンジの料理を真似させてもらうことにした」
続く真田の料理は、白濁したスープのようなものだった。どうやら、 荒垣が一昨日作ったミルク粥を参考に作ったらしい。
「順平も、どうせシンジの料理を参考にするならこう��るべきだったな。まあ、俺も多少は自己流にアレンジさせてもらっているが」
既に勝ち誇った様子の真田に、荒垣も苦笑しつつ答える。
「くくっ、アキの料理か······そう簡単に俺の味が盗めるもんかよ」
「食べてみなければわからんだろ?」
「わかったわかった。じゃ、いただくぜ」
スプーンで粥をすくい、軽く冷ましてから口へと運ぶ。そして、刹那の間を置いて。
ぶぴゅる。
変な音と同時に、荒垣の鼻と口から白濁液が吹き出した。
「な、な、な、なんだこりゃあっ!!」
「牛乳よりも高蛋白で低カロリーなプロテイン粥だが······筋肉にはいいぞ?」
「食えるかあああああっ!!」
「最後に風花さん、どうぞ」
鐘を鳴らしつつ、 アイギスが淡々と言った。
---それから、5分後。この世のものとは思えない絶叫が、月光館学園巌戸台分寮から響き渡った。付近の住民の通報で、パトカーや救急車が出動したが、とくに事件性はないとのことで早々に引き上げたらしい。ただ、目撃者の証言によると、捜査員や救急救命士たちは一様に、口や腹を押さえていまにも嘔吐しそうな表情を浮かべていたとか。その日、どんな恐ろしいことがあったのか、口を開くものはいない。
「いいかお前らっ!料理の命は火加減!それと塩加減だ!いいな、順平!」
「う、ういっすっ!」
「あと常識だが、プロテインは料理に入れるなよ!わかったか、アキっ!!」
「あ、ああ、わかった」
「つか、山岸!なんでそこでタバスコとか入れるんだ!色を基準にして調味料足すんじゃねえ!味見しろ味見っ!」
「は、はいっ!」
料理対決の翌日。寮のキッチンでは突発料理教室が行なわれていた。こいつらの料理の腕を放置していたら、いずれ人死にが出る。事実、俺は死にかけたという荒垣の命令で、順平、真田、美鶴、風花に対し、マンツーマンで料理を教えることになったのだ。
「······ったく、何で俺がこんなこと······」
そうボヤきつつも、手取り足取り指導する荒垣の頑張りもあり、徐々に全員の料理は “食えなくはない” レベルへと上がっているようだ。
「おら、待て美鶴。焦げそうになったら、一度フライパンを火から降ろして······そうそう。落ち着いてやりゃあ大丈夫だ」
「りょ、了解した」
そんな荒垣の様子を横目で見て、風花はくすりと笑って言った。
「やっぱり、荒垣先輩って優しいですよね?」
その言葉が届いたかどうか定かではないが、荒垣は黙々と料理指導を続けていく。ただ、その横顔には、かすかに笑みが浮かんでいるような気がする。やがて、料理のいい匂いを嗅ぎつけてか、ゆかりたちが同じく笑顔でキッチンへと歩いてくるのが見えた。やはり、楽しい食事は人を和ませる。どうやら、今日の夕食も楽しいものになりそうだった。
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chamame01 · 1 year
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ゾンビィたえちゃんの前日譚、OL戦士たえさんの物語である『ゾンビランドサガ外伝~ファーストゾンビィ』読みました
以下ネタバレを含む感想です
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たえちゃんの不確かで曖昧なファジーな部分も沢山ある彼女の好きな要素の一つだったので、たえちゃんの過去(たえさん)が分かる本作を私は少し悩みながら読み始めました
禊担当の姉・裕子がサガコと一緒に玉ねぎに封印された中で裕子ならどうする?と考えながら、徐々に成長して自分なりの解を見付けていく弟・栄吉とたえさん その過程で出てくるサガコたちのコミカルで可愛らしい容姿や悲しい生い立ちを抱えた姿に心をぎゅっと掴まれました
第九話でたえさんは栄吉にサガコが出現する理由や境遇を理解したい包み込みたいという裕子の考えを伝え、禊は必要な物なのだと言います その時のたえさんは裕子の考えを尊重しすぎるあまり自分の考えを抑圧してるようにも見えました
たえさんの両親を殺したマガツヒというサガコ 彼女はマガツヒを育てていた両親を止められなかった罪悪感といつか付ける決着への義務感という複雑な思いをずっと抱え、それを原動力にして育ちます
大事な友人である裕子の考えを大事にしながらもマガツヒとの決着を必ずつける…
では決着はどうつけるのか?悩みながら揺蕩うたえさんとその末に選び取った彼女の行動がこの漫画の一番の魅力だと感じました
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第九話ではたえさんは栄吉と裕子らしいと懐かしむだけに留めています サガコを殺すのではなく玉ねぎの中に抱擁したいという裕子の考えそのものに同意しているようには見えません そんなたえさんですがサガコを利用しようとする人物の登場や葉加瀬、朱里、栄吉との活動で少しずつ変わっていきます 終盤、不倶戴天の存在でもある マガツヒの登場で彼女は激しく動揺します
マガツヒの残虐性、過去の因縁から話しても分からない、始末するしかないと思う彼女の元に一巻から三巻までに出てきたサガコたちが登場 たえさんやサガコバスターズを助けたいと申し出るシーンは胸が熱くなりました!こういう展開大好きです
そして マガツヒの境遇を知り、たえさんが主体的に選び取った行動 不倶戴天の仇であるマガヒツを抱擁し赦す事で解決を計った勇気や慈愛 たえさんの全てが愛おしくて大好きになりました
裕子が封印した後に生えた角が、ある日ぽろっと落ちてしまったように たえちゃんの長い前髪と獣の耳みたいな横髪が、いつかぽろっと落ちてしまわないか少し心配…
一巻32ページの(栄吉も)化粧して女装すれば…という仮定の話が最後実現するとは思いませんでした 成長した栄吉が、可愛さという武器まで手にするなんて!
大金よりも玉ねぎに強い興味を示すたえちゃんや紺野純子を追いかけて噛みしめるたえちゃんなど 今まで謎だった数々の行動のヒントが散りばめられていて、読んでいて何度もアニメのたえちゃんやフランシュシュのみんなが懐かしくなります
栄吉が落ち込んだ時に励ますサキちゃんにリーダーの芽のようなものを感じます
アニメファンへのファンサービスも満載な本書は、アニメ『ゾンビランドサガ』『ゾンビランドサガ リベンジ』鑑賞後に読む事を強くつよくお勧めします
丁寧な後日談もあり、朱里、葉加瀬、兵頭姉弟とMJ、そして佐賀にノスタルジックな思いを抱きながらページを閉じました どんどん漫画としての魅力が増してページを捲るのが楽しくなってきていたところで終わってしまうのが少し悲しい… 揺れ動くたえちゃんの気持ちから決断までの流れが好きだったので、三巻で マガツヒの実験対象として酷い扱いを受けた過去をたえさんが知り、理解し抱擁するまでの流れがもう少し丁寧だったらもっと嬉しかったです
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佐賀から少し遠い所に住んでいますが、夜仕事帰りに疲れてスーパーで買い物をしていると、たまに北海道産に紛れて佐賀産の玉ねぎを見かけることがあります そんな時は必ず早く帰ってまた漫画を開きたえちゃんや佐賀のみんなに会いたくなる! たえちゃんもたえさんもわたしのよすがになっています。素敵な漫画をありがとうございます
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skyflyinginaction · 11 months
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Kobato Illustration & Memories interview Japanese transcript
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I do not own the raw the scans or this very transcript It belongs to this lovely person who kindly offered the scans for the transcript
pg 84
かわいい女の子が タイトルロールの 話を描きたかった
——まず、『こばと。』が作られた経 緯をお聞きしたいのですが、『こば と。」はどのような発想で作られた 作品なのでしょうか。
CLAMP かわいい女の子が主役 のタイトルロールの話を作ろうと思 ったんですよね。当時『ツバサ -RESERVoir CHRoNiCLE-』 (以下 『ツバサ』)が、先に行くと暗い展開 になるのがわかっていて(笑)、明 るい話も描きたいなと。 ——では、ラストはハッピーエンド になるのは決まっていたのでしょう か? CLAMP そうですね。ただ、小 鳩の存在があまり明るくないので ・・・・・その辺の展開はシリアスになり ましたけど、ラストを悲惨な終わり 方にはしないでおこうとは思ってい ました。 ———『こばと。』でやりたかったこと、 逆にこれだけはやっちゃいけないと 思っていたことはありますか? CLAMP 掲載誌が男性読者の多 い「ニュータイプ」さんだったんで すけと、そこは許していただいて、 なるべく少女漫画っぽい雰囲気にし
ようと思っていました。 事件事件と 血まなこで追いかけるような話では なく、全体的にゆる~い感じで。 画 面もあまり暗くならないように・・・・・ 髪の毛が黒い子がいっぱいいると画 面が暗くなってしまうので、そこは 気をつけていました。 ——お話もゆるい感じだし(笑)、 画面的にも明るく軽いものを目指し ていたのですね。 CLAMP そうですね、漫画の線 も細くて少女漫画っぽく、カラーも 淡く水彩タッチで······。今までこっ てり塗っていたので(笑)、そんな に塗り重ねないで、筆のタッチが残 ってもいい、はみ出してもいいぐら いの気持ちでやってみようかなと。 ——名前に難しい漢字を使ったり逆 に簡単にしたり、キャラの髪型で短 髪ブームがあったりと、作品を描く ときにそのときそのときでブームが あったとお聞きしていますが、『こ ばと。』ではそういったブームは何 かあったのでしょうか? CLAMP そんなこともありまし たね(笑)。「こばと。」を描いたとき は髪の毛が長い子をすごく描きたか ったんです。 たぶん「ツバサ」のヒ ロインのサクラちゃんが短かった反 動だと思うんですけど。でも、途中
でその大変さに気づき、そのブーム はわりと早く終わってしまいました (笑)。ただ、終わったからといって 髪型を変えるわけにはいかないので、 作画はかわいい帽子とかをかぶせて モチベーションを上げていましたね (笑)。ロングは見てるほうはかわい いと思うし私たちも好きなんですけ ど、いざ描くとなると大変なんだな と身にしみました。 ——髪型を変えようとは思われなか ったんですか? 例えば切ってしま うとか。 CLAMP ちょっと思ったんです けど(笑)、変えてしまうと今まで の既存のCLAMPキャラの誰かに 似てしまう可能性もあるのでやめて おこうということになりました。 ——長い髪は、編んだり結い上げた り、髪型を変えるのも楽しみのひと つかと思うのですが、小鳩は三つ編 みにしたぐらいであまり髪型を変え ませんでしたね。 CLAMP 服が毎回替わっちゃう ので、髪まで変えてしまうと「お前 誰やねん」状態になってしまうかも しれないので(笑)。だから髪型は あまり変えないようにしようという 約束でやっていました。 ——「小鳩は毎日違う服を着る」の
pg 85
もお約束のひとつだったそうですが、 いろんな服を着せるのは何か意図が あったのでしょうか。 CLAMP 小鳩は普通の人間とは 言いがたい存在だったので、服装も 不思議な力で着替えてる設定なんで すね。そこを読者に提示するために、 まったく着替えないで「この子、何 でいつも同じ服を着ているの?」と 思わせるか、毎回着替えて「荷物は カバンひとつなのに、何で毎回違う 服なんだろう」と思わせるか、どち らかにしようと考えたときに、着た 切り雀だとネタバレし過ぎちゃうだ ろうと(笑)。 —小鳩の服装は、設定の根幹に関 わっていた部分だったんですね。 CLAMP うちはわりと着替える キャラが多いのに、周りが着替えて いて、まったく着替えないキャラが 混ざると若干ネタバレに······ 気が つく人は気がついちゃいますからね。 ——小鳩の帽子も設定に関わってく る部分ですね。帽子は必ずかぶって いないといけない… 毎回春える など、作画上の事が多くて大変 だったことは? CLAMP 作画には先の展開は知 らせずに「朝は心」ということ だけを教えていたんですね。だから、
最初に小嶋が何もない部屋で眠るシ ーンで「帽子を取っちゃダメ?」と は聞かれました。眠るときに帽子を かぶっていたら変ですからね(笑)。 でも、「そのままかぶらせておいて」 と。以後は特に何も言われるような ことはなかったですね。むしろ、帽 子を考えるのが楽しみな部分があっ たかも。
玄琥たちの真の姿は? 天界・地界・異界の裏設定
——『Wish』と同じく天界・地界 が、そして『こばと。』で異界が登場 しましたが、どちらの作品も基本は 人間界が中心で、別世界のことは少 し触れられる程度でした。 これらの 世界の裏設定みたいなものはあるん でしょうか。 CLAMP 一応作ったんですが、 それをやるとあと10巻あっても終わ らないので、もういいかなと(笑)。 基本は小嶋の物語ですし、そういう 不思議な世界があって、不思議な人 たちがいて…….と、曖昧な感じでい いだろうと思ったんですね。「Wish」 なんとなくわかるので、 同じことをやっても仕方ないし、 「Wish」を読んでもらえればいい かなって(笑)。 アニメでは、どち
らも一応原作として併記されてまし たね。 ——いおりょぎの真の姿がかなりカ ッコイイので、彼の活躍する物語が 読みたいという声もあがっておりま すが。 CLAMP 最初の頃は、もこなは いおりょぎたちの真の姿は獣人系だ と思っていたらしいです。大川が「シ ルエットでは、獣っぽい部分を出し てほしい」と言っていたのが原因な んですが。 いおりょぎと水晶ちゃん との恋愛話も一切知らなかったので、 獣人的な人たちが天界ともめて、そ の罰としてぬいぐるみになっている んだと、かなり長い間思っていたみ たいです。あるとき、「シルエット でいいから、後ろからの横顔描いて」 と言ったときに「えっ、人間なんだ」 と驚かれて発覚しました(笑)。 ―—でも、獣っぽいイメージではあ ったんですよね? CLAMP 人間というか、正確に は2段階あるイメージですね。 人間 っぽいのと、獣っぽいのと。 いおり よぎは狼っぽいですね。彼の真の姿 のデザインは、もこなにしては時間 がかかっていました。もともと天界 地界が出てきたのが「Wish」で、 デザインしたのが猫井なんです。 そ
こに、もこながまた新しい世界を加 えるとなると、どうデザインしたら いいか、少しわからなくなってしま ったみたいで。最終的に獣っぽいア イテムをデザインのどこかに取り入 れることで落ち着きました。設定 が できあがった後は、早く描きたか っ たみたいですよ。せっかく作った の に登場が最後の最後になってしま っ て、そこはかわいそうでした(笑)。 ——今回は天界キャラとして、水晶 も新登場しますが、やはりデザイ ン では悩まれたのでしょうか。 CLAMP 水晶の衣装に関しても 自分がデザインしたわけではない世 界観の中に入れるので、やっぱり悩 んでいたみたいです。なんとなく猫 井とお話ししながらやってましたけ ど(笑)。 ———いおりょぎは、五百蔵という真 の名前がありましたが、どちらが先 に決まったんでしょうか。 CLAMP いおりょぎの方が先で すね。これは、大川がつけたんじゃ ないんですよ。もともと猫が 『CLAMPノキセキ」に青いぬいぐ るみの犬が出てくる話を描いていた んです。 大川がそれを気に入ってい て、小橋の相方がほしいと思ったと きに、 いおりょぎを登場させようと
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思ったんですね。小鳩は基本ひとり ぼっちですから、相方がいないと画 面的にずっと独り言を呟いているア ヤシイ人になってしまうんですよ (笑)。まあ、 いおりょぎがいても世 間的にはぬいぐるみなので、やっぱ り独り言に見えているんですけど、 小鳩の意識の上ではちゃんと会話を してるという……。 だから、五百祗 という漢字は後で当てました。 天界 と地界にもともと漢字縛りがあった ので、異界も漢字名前でいいだろう と、異界だけカタカナなのも変です からね。 ——後から当てるのは大変だったの では。 CLAMP いろいろ調べました (笑)。でも、いおろぎで変換すると 「五百蔵」で出てくるんですよ。だ から、そんなに苦労はしなかったで すね。 ———玄城は虎という漢字が入ってま すが、そんな彼の仮の姿がくまにな ったのは? CLAMP 玄暁は名前が後だった んです。最初にぬいぐるみのいおり よきを決めたので、対比するために 大きい存在が欲しかったんですよ。 大きいと言ったらなんかもいるん ですけど、お店をやるときに手が使
えないから......(笑)。座ったり立 ったりするときの姿も象だと想像つ かなかったんですね。だからくま。 瑞祥は空を飛ぶキャラクターがいい なと思って鳥さんに。銀生だけは最 後に小さくなるので、落差をつけた くて、幻獣っぽい、カッコイイ系の デザインになってますね。 ――玄琥や瑞祥なども真の姿はあっ たんでしょうか。 CLAMP 玄琥は設定してなかっ たですね。でも、描けたら描く気満々 でした(笑)。結局最後までくまの ままでしたけど・・・。銀生は倒れて いる姿を描いていたので、作画は真 の姿を作っていたかもしれないです。 もしかしたらあのシーンだけだった かもしれませんが(笑)。 ———バームクーヘン屋も大変気にな る存在だったのですが、あそこはど ういった場所にあるんでしょうか。 CLAMP イメージ的には『xxx HOLiC』 に出てくるおでん屋さん みたいな。人間も来るけど、変な生 き物も来る。別の空間みたいなそう でないみたいな・・・・よくわからない 場所、ですね。人間がしょっちゅう 来られる場所ではないのは確かです。 ———バームクーヘン屋にしたのは何 か理由があるんですか?
CLAMP くまってバームクーヘ ン焼いてそうだから(笑)。まず、 くまありきだったんですよ。 プーさ んを連想したので蜂蜜で何かを作ろ うかとも思ったんですけどね。
宮田の出番が増えたのは アニメ化のおかげ
―これまで『X』 や 『東京BABY LON』 ではストーリーを最初から 最後まできっちり決めて描き、 『AN GELIC LAYER』 や 『ツバサ』など では最後を決めて、途中経過は各回 ごとに決めてらっしゃるとのことで したが、『こばと。』はどちらのタイ プだったのでしょうか。 CLAMP ある程度は決まってい ましたね。こういう話だと、金平糖 をどうやって集めるかに焦点を当て て描いていくだろうと期待されると 思うんですが、私たちはそれに関し てはあまり追いかけるつもりはなか ったんです。アニメ版はこの辺きち んと描かれていましたけど、漫画だ とわりとすぐ保育園に焦点が移って ます。ただ1巻ぐらいは設定を説明 する必要もあって、集めているエピ ソードが中心になってます。 この金 平糖集めのエピソードぐらいですか ね、最初の予定から若干の揺らぎが
あったのは。 ——本筋に入っていくタイミングは 決められていたんですか? CLAMP アニメもあったので、 だいたいはアニメがあったから内 容が変わったというわけではないの ですが、あちらのほうが先に最終回 を迎えるのはわかっていたことだっ たので、終わり方のタイミングにつ いてはご相談しました。 実は予定よ りちょっと延びちゃったんですけど、 おおむね予定通りの終わらせ方がで きました。 ——最初のほうのカラーイラストで、 メリー・ポピンズのイメージで描か れたものがありますが、あれは単純 に絵としてのイメージで、メリー・ ポピンズ的な話にしていこうと考え られていたわけではないのでしょう か。 CLAMP そうですね。 メリー・ ポピンズというのは、作画上、どう いうキャラクターなのかわかりやす くする説明です。カバン持って、ち ょっと不思議な感じで・・・・とか。意 味ないのに傘とか持ってますからね (笑)。 ——アニメのOPでは、さらに傘を 持って舞い降りてきてましたね。 CLAMP おそらくなんですけど、
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同じ監督に作っていただいたCLA MP インワンダーランド2』 で 小鳩が傘を持って上から降りてくる んですよ。 あれはCLAMPが絵コ ンテを切ったんですが、それをなん となく覚えていらっしゃったんじゃ ないかと。 漫画本編は後期になると 傘なんかほとんど消えてますからね (笑)。カバンも持ち出さなくなって いるし。 そもそも本編にはほとんど 出てないんですよ、傘。 ケーキ屋で ビニール傘を貰って取られちゃった っていう話だけ。イラストで持って いる傘は1回も登場してないんです。 いわゆるイメージ映像ですね(笑)。 ——連載初期にアニメ化が決まって いますが、 アニメからフィードバㇱ クされたことはありますか? CLAMP 私たちとしてはなかっ たんです どうしてもアニメの印 象ってなるので、そういう意味 で読者の中には影響を受けた方もい らしたみたいで、連載が終わってか ら「就が最後に出てこなくて残念 でした」みたいなメールをいただい たり・・・・・・。 実は漫画だとはほと んど登場してないんですよ。登場し て もとばかり会話をしていて、 いおりょぎや小場とは合ってない。 でも、アニメで一緒に歌った印象が
強かったみたいで。 最後に漫画にも 登場して小嶋と絡んで欲しかった。 みたいな感想をいくつかいただきま した。 漫画だと琥珀はそこまで大き い役じゃないんですけどね。 ——沖浦さんの部下に宮田の名前が ついたのはアニメからだとか。 CLAMP あ、そうですね! 漫 画ではついてなかったんですが、横 手さんがつけてくださったので、せ っかくなのでいただきました。台詞 もちょっと増えました(笑)。 ——アニメは漫画より先にエンディ ングを迎えることになるわけですが、 アニメスタッフとはどんな話し合い されましたか? CLAMP それに関してはもう最 初からわかっていたことでもあるの で、よくわからないまま中途半端に 終了してしまうよりは、同じ落ちに なっても構わないので、先にやって くださいと言いました。でも、アニ メのほうで避けてくださったのか、 いおりょぎの詳しい背景などは語ら れずにそのままにしていてくださっ てましたね。 ——漫画では小鳩が記憶を残してい て、藤本が銀生の願いで記憶を取り 戻しましたが、アニメでは逆でした ね。こちらは意図的なものだったん ですか? CLAMP 特に「こうしてくださ い」とお願いはしていませんが、ア ニメ版のストーリーを作るときに一 緒に相談していく中で、ラストをど うしようという話になって、私のほ うから提案させていただいています。 で、監督と横手さんにOKをいただ いて通ったんですね。やはり、でき れば別がいいなという気持ちはあり ました。正直、アニメで先にやられ てしまうと、音がついて演技がつい て、・・・・・・でドラマティック度では向 こうに軍配が上がっちゃうので(笑)。
小鳩のアパートには 隠された設定が!?!?
——『こばと。』には琥珀以外にも CLAMP作品のキャラクターが登 場していますが、リンクをわりと意 識されていたんでしょうか。 CLAMP がっちりとリンクした 作品は『ツバサ』でやっていたので、 『こばと。』はリンクについては逆に さらっとした感じですね。琥珀は世 界観の説明のためにも、出番が多少 多かったんですけど、後はほとんど 通りすがりです。 ——千世、千帆というキャラも出て きますが、ちぃやフレイヤとの関係
は? CLAMP あの子たちは元の話と はまったく関係ないですね。一時考 えていて……今でも少しそのアイデ アは残っているんですけど、「ちょ びっツ』で出たアパートにいろんな 人を住まわせる計画があったんです。 四月一日も別次元ですけどあそこに 住んでいますし、ちょうどいいので 小鳩にも住んでもらいました(笑)。 管理人を誰にしようかすごく悩んだ んですよ。 四月一日とかも考えたん ですけど、できたら女の子の数を増 やしたかったこともあって、じゃあ いっそのこと「ちょびっツ」の管理 人さんでいいじゃないって。せっか くなので、双子も年齢を下げて登場 させました。 ——小鳩の中に天使がもう1人いる という設定は、作画には明かされて なかったそうなんですが、 絵を描く
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ときに特別な指示をされたりしまし たか? 例えば歌を歌うときに神々 しく、とか。 CLAMP 天使が・・・・・水晶が登場 するのは本当に最後だけで、それま で小鳩に影響を与えるようなことは なかったので特になかったですね。 ただ、小は歌がとてもうまいとい う設定なんですが、アイドルっぽい 歌はちょっと違うかなとは思ってい て。「Wish』のアニメで賛美歌っ ぽい歌を作ってくださったんですけ ど、そういうイメージでしょうか。 教会で歌われるような感じの……。 こばと。』のアニメでは童謡っぽい 歌でしたね。 ——花見のカラオケで歌ったときも、 賛美歌のような雰囲気の歌だったん でしょうか。 CLAMP そうじゃないと、その 場で周囲がぎょっとするぐらいうま い歌にならないかなと。普通にボッ ブスがうまい場合だとよくあります
し、一瞬周囲が静まりかえるという より、場が盛り上がる感じですよね。 素人が言葉を失うぐらい歌がうまい というなら賛美歌かなと思っていま す。漫画だと音は流れないですし、 好きにご想像していただいていいん ですが。
藤本は問題児、 沖浦は“だめんず”?
——「こばと。』の男性キャラの中で、 先生がお好きなのは誰ですか? CLAMP みんなちょっと(笑)。 というか、みんな甘すぎで頼れない (笑)。藤本はツンデレといえば聞こ えはいいけど問題ありすぎるし、 沖 浦はちょっと・・・・・。 まだヤクザの中 で頑張ってつなぎを取ってくれた宮 田君のほうがマシかな。後は元の姿 とか一切わからないけど、意外と面 倒見のよい玄琥さんとか。 ——堂元君とかはいかがですか? CLAMP 堂元君は、漫画だと本 当にただの端役なので(笑)。お話 の都合上、大人の自由のきく人が欲 しかったんですね。誰かが行方不明 になったときに、子どもだと探しに 行ける範囲が非常に狭いですから。 だから、藤本の同級生で、ある程度 藤本の事情を小暢に話せる堂元を登
場させたんです。そしたらアニメ版 で、完全にライバルになってしまっ て、ものすごくかわいそうなふられ 方をしてました(笑)。その影響が あるのか、漫画だと小鳩ちゃんを好 きだとは言ってないんですけど「堂 元がかわいそうでした」なんて感想 をいただきましたね。漫画の場合は、 確か堂元とは2回しか会ってないん ですよ。おそらく「藤本がツンツン デレデレしてる女の子」「こんな女の 子が好みなんだな」程度にしか思っ てないんじゃないかな。そういう意 味では、漫画版では堂元のキャラは 弱いですね。『こばと。』は小鳩と藤 本の話ですし、そんなところまで掘 り下げてたら、全6巻では終わらな くなってしまう(笑)。そのうえ、 1巻では設定説明と瓶を貰うために 頑張らないといけなかったので、実 質的には5巻なんですよね。その制 約の中で、小鳩と藤本が出会って、 気持ちを育てて・・・・と話を組み立て たときに、ライバルはいらないだろ うと考えたんです。逆にアニメは、 30分24話という長さで、いろんなキ ャラを掘り下げていかないと、盛り 上がらないでしょうね。 ——キャラクターを作るときに、ご 自分の好みが入ったりはしないので
しょうか? CLAMP 基本、自分の好みでは 作らないですね。話に必要な設定が あって、そこから作っていくような 感じです。本当にかっこよくて何で もできちゃうような男の子が登場し たら、小嶋はそっちに惹かれるだろ うし、いおりょぎもそっちにしてお けって言うでしょうし(笑)、藤本 は欠点のない、誰でも好きになるよ うなキャラではないですからね。 ——藤本のメガネや長いしっぽが特 徴的ですが、あれは大川先生の指定 だったんですか? CLAMP 男の人って髪型変える と特にわかりづらくなっちゃうんで すね。でも、最後に弁護士として出 てくるので、年月が経って大人にな った感じを出したかったんです。 あ る程度髪型を保ちつつ、変化を出し たいとなると、しっぽを長くするし かなくて。 ——将来的に切らせるためのしっぽ だったんですね。 CLAMP 「弁護士になったから 切ったのね」とわからせるためのア イテムですね。メガネは単に好みで す(笑)。 キャラ付けというのもあ りますが 沖浦とか、登場人物全員 メガネにしようかと思った時期もあ
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がお好きですか? CLAMP 大好きです。 でも、作 画的には大不評なんですよ。横のツ ルが漫画を描くときに捌きにくいみ たいで。目の表情にかかってしまう んですね。大川はメガネキャラを出 しがちなんですけど、作画からは「や めて」と言われてしまいます(笑)。 女子メガネも一回やってみたかった ので、清花さんもメガネキャラにな りました。 沖浦がもしもメガネだっ たら、もう少しクールインテリヤク ザ風にふっていたと思います。ただ、 そらすると清花さんがそんな男に惚 れるかって問題も発生するんですよ ね。さんはいかにもだめんず” が好きそう(笑) ——だめん めんずと言い切りました ね(笑) CLAMP アニメ版シリーズ構成 の横手さんが、沖縄によくブーイン グ してました(笑)。社会的制裁を 加えたかったとか言って(笑)。ア ニメのシナリオは、1話だけ水島 xxHOLIC」監督の水島努)さん
が書いて、あとはほぼ女性ばかりだ ったんですね。私たちは最初と最後 ぐらいしかシナリオ会議に参加しな かったんですが、「元凶の沖浦のお 父さんも酷い目に遭わせたい」って、 女性陣がだめんず話で盛り上がる中、 ただひとりの男子の監督が若干かわ いそうでした(笑)。 ——女性陣に人気だったキャラとい
うと? CLAMP わりと堂元は同情され ていたような気がします。その中で プロデューサーの(小林)潤香さん だけが、「いや、あの男には絶対裏 がありますよ」って言い続けていま したね(笑)。
後日談では『こばと。 史上初のアマアマに挑戦!?!?!
CLAMP とりあえず「ニュータ イプ」さんが大変だったと思います (笑)。締め切りもそうなんですけど、 14枚しかないので話が本当に進まな いんですよ。いくら「ニュータイプ」 のサイズが大きいからって、10コマ も20コマもギチギチにコマ詰めて描 くわけにもいかないし、私たちもそ んな少女漫画は読みたくないですし (笑)。おかげで「ここで終わる」と 言っていた時期から、少し遅れてし
まったんですよね。
——確かに14ページで、しかも引きを 作って……となると大変そうですね。 CLAMP 今までの連載では、い くら短くてもひと月で2枚ぐらいだ ったので、さすがに1枚で引くのは 物理的に無理だろうと思っていまし た。だから引くと言うよりは話を単 純に割って、単行本で見たときに見 苦しくならない形であればいいかな とさすがに「ここでぶっつり切る のは」ってところで切ったりはしな いで、ある程度続きっぽくなるよう にとは意識しましたが。でも、”あ ある程度"ですけどね(笑)。 ——この画集には、『こばと。』のシ ョートショートが描き下ろされてい ますが、成り立ちなど詳しくうかが えますか? 本編後の話、途中の話、 外伝的な話・・・・・・などなど、いろんな パターンが考えられたと思うんです が、小鳩と琥珀の話にされた理由 は? CLAMP やっぱりリクエストが 多かった琥珀と小鳩が一緒に歌うと ころを一回やろうかなと思ったんで すね。舞台はバームクーヘン屋さん で、そこでふたりが会って少しお話 しして……そうすると、銀生とかも 出せます 銀生が小鳩のために神
に願って、その引き替えに小さくな るというエピソードがあったので、 銀生が小嶋と喋るところを見たいと いう人も多かったんですよ。位置づ けとしては、本編のエピローグとい うより、番外編的な、本編が終わっ た後の、いわゆる後日談ですね。 ――最後に、読者へのメッセージを お願いいたします。
CLAMP この巻数のわりに本当 に時間がかかった物語でしたが、最 後まで見てくださってありがとうご ざいます。終わったとき、いちばん たくさん質問されたのが「藤本はい くつか」ということだったんですね 今回の描き下ろし漫画で、はっきり とした数字ではないんですけど、な んとなくわかるかと思います。 漫画 の最終回では、その後に小鳩が藤本 とどうつきあっていったかもわから ないんですけど、そのあたりもちょ っとだけわかります。『こばと。」って、 本編では意外とアマアマな部分はな かったんですよね。『Wish」のふ たりがアマアマしているぐらいで、 肝心の小鳩ちゃんではなくて。なの で、後日談ではアマアマしてる部分 が少し描けてよかったです。私たち も 楽しんで描いているので、見てい ただけたら嬉しいです。
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tokyomariegold · 2 months
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2023/11/6〜
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11月6日 いろんな声や音を聞いて、いろんなものを目にして、いろんな文字を打って、あっという間に1日を過ごしたのに、何も残っていない感じ。
以前の上司が、先日チリムーロに行ってチーズケーキやキャロットケーキを買った報告をしてくれた。キャロットケーキは驚くほどスパイスそのものだったらしく、これは流石に…となったと言っていた。
先日夢に出てきたバスで密かに推している方と帰り同じバスになり、久しぶりに姿をお目にかかれてた。(最近一本遅いバスに乗るようになってしまった。)新しいデニム生地のコートと伸ばした髪を後ろに一つに三つ編みにしていて可愛かった。
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11月7日 右奥歯の詰め物が外れてしまい、削られた歯で引っ掻いた頬の内側が痛い。 朝ものすごい風と雨で気圧のせいか半分眠りながらレインコートをかぶって出勤。
今日悲しいことに向かいの席の方のことを、今の関係性のままならば苦手だということに気がついてしまった。 誰のことを苦手でも私に非があるわけではないのだけれど、でも歳が近いし少し仲良くしてもらっていた時期もあって(最近は業務がお互いに忙しくてちょっとした雑談すらはさめない感じ)、なんでこんなことになってしまったのだろう。 何となくお互いに仕事へのスタンスの違いとかから少しずつ苦手になってきている感じがある。お互いに話しかける時に変な緊張感がある気がする。そしてお互いに相手にも自分にも非がないのにな、何でかな、と思っているような気もする。
お気に入りのコートを見つけたくなっている。 明日も東京出張から職場戻りの長距離移動。
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11月8日 学生時代にアルバイトしていた名画座の同僚の方がSNSを更新していた。女優業をされている方で、豊嶋キサさんが撮影した写真を投稿していた。とても美しくて写真を観ている、と思った。最近はSNSの投稿写真は情報を見ている気分になるのに、写真を見ている、写真を観たい、と気付けた。 豊嶋さんが撮るのらねこちゃんの写真も大好きだった。
東京へ出張して、途中池袋に寄りながら、でも最短2時間かけて職場へ戻ってへとへとになった。 移動中の車内で日記の文字起こしをしたかったのに嘘みたいに眠ってしまい、途中ふと男子高校生たちに囲まれていたのに気付いて、うとうとした身体をぶつけてしまったことを寝ぼけながら謝った。その後も嘘みたいに寝続けていつの間にか彼らはみんないなくなり終点の駅に着いていた。
職場へ戻ると相変わらず忙しいムードで、割と今日はその頂点だったのでむしろハイな雰囲気すらあった。これは!よくない!!と、へとへとだったのもあったけれど突然巻き込まれてはならない!という気持ちになって早めに帰ってきてしまった。
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11月9日 もうがんばれないと思っても、思っても、自然と職場に行って進めるべき仕事をしたり打ち合わせをしたり、流されて、仕事の靴を履いたままかえってきてしまった。
この時期に着られるコートを持っていないから、と自分に言い訳して、マフラーで凌いできたけれど、去年友人にボタンをつけてもらったコートを着てみた。多分少しの間しか着ないので、すぐクリーニングに出さなくてはいけないしもったいない、と思って着ないでいけるかな?と試していた。 コートを着ると少し季節に乗れた感じがして安心した。
本当にへとへとで、今月これから予定されている仕事のいろいろに不安を感じ続けている。そして今月いっぱいでお休みに入る上司の不在にも不安が募っている。ビジネスライクなお付き合いをしようとしても、結局は寂しさみたいなものを感じてしまう。
マンスーンさんがラジオで「あのちゃんがラジオで言ってたね!」と発言していて、推しが推しのラジオを聴いている?(そこまで推しきれていない。)
やっぱり家を買う前に一度関西に住んでみたくて、表向きに通りやすい理由を探している。
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11月10日 表向きに受け入れてもらえ説明がつきやすい、関西へ転居できる諸事情をつくりたい、と案を考えている。
もうすでに満身創痍でこれから控えている業務の代行を頼んでみたら、するっと同席するように言われ、すごく怯えている。倒れてしまうかもしれない。 それと少し先の長距離出張の話が出てきて、これはちゃんと断らないと、と、また泣きそうになった。
お昼休み終わり間際にニコンの公募がだめだったお知らせメールが入り、少しショックだったけれど、落ち込みきれずお仕事が忙しくて半日でショックが紛れてしまった。 宝くじが当たったらラッキー!という感覚ではなく、取りに行くつもりだったのに、なんか落選しちゃったな、くらいの感じ。
あおもりけんのスノードームが届いた!かわいい。
職場の方が、雨のため自転車を出せない息子を美容院へ送るために早退すると言っていて、「過保護と言われているけれど、18年間見てきたところ彼にはこれを許してやらないといけないとわかった」と言っていた。ちょっと常識から外れた感覚を持っているけれど、でも人間的には魅力があり「一緒にいると楽しいんだよね」とも言っていた。 そうゆう風に自分の息子について言える関係、とてもよいな、と思った。
ふと、卒業後全く連絡が取れなくなってしまった友人のことを思い出して、何をしているか検索してしまいたくなった。
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liyatv · 2 years
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吉田朱里: 【ガチ】デート前のGRWM。ちょっと真面目な話になった笑。
liya.tv
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shearintegrity · 1 year
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Posted @withrepost • @sanbi_brush_official せっかく美容室に行って前髪を整えてもらったのに… 生え癖、クセ毛でまとまらない… -•shearintegrity.com アイロンは手っ取り早いのですが、焦っているとおでこを火傷しそうになったり、アイロンが適温になるまで待てない事も。 そういう方は、前髪をロールブラシで整えるのはいかがでしょう? コツは、生え癖の場合根元をしっかり湿らせてドライヤーで形をつける事。 毛先だけ巻いても生え癖は治りません。 皆様もぜひ試してみてくださいね✨ #前髪アレンジ #前髪セット #前髪の巻き方 #ブロー動画 #ブロー #ヘアーブラシ #ヘアブラシ #サンビ #hairbrush #brush #ロールブラシ #ブローブラシ#stylingbrush #madeinjapan #SANBI #豚毛 #豚毛ブラシ #ブラッシングブラシ#クッションブラシ #brushing #salontools #rollbrush #madein🇯🇵 #高級ヘアブラシ#美容師 #美容室 #hairsalon #ヘアサロン #日本製 #ヘアブラシおすすめ (at Osaka, Japan) https://www.instagram.com/p/CmwbMjgLz9z/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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hashimile09ag · 4 months
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ギルガルド、ああギルガルド、ギルガルド
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お前の居ない世界で私はどうやって生きていけばいいんだァアアーーーーーーッッッ!!!!!!!!!!
やァご無沙汰してますかもみいるです。今の今までどこほっつき歩いていたのかと弁明いたしますと、
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ご覧の通りSVとはギルガルドが居ない世界である事が確定したショックで廃人と化してスイカを作っていたり
終わらぬハロウィンという名の「こうかつのあかし」持ち色フワンテ(バイオレットでは出ないので何が何でも欲しかった)探索に数週間ほど明け暮れて無事ゲットしたり(先に「ひそうのあかし」持ちが出て驚いたり)(ボクレーも出ぇ↑たぁ!!ドラえもんバトルドーム感)
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終わらぬイーブイの日という名の「のうむのあかし」持ち色イーブイ探索にフジが原の崖に数週間ほど山籠りしてゲットしたり(天候証が1匹出ればオーライなのを痛感した)
今回でブリザポスがブルレク報酬で手に入るようになったはいいものの、ふと思い立って今度はレジドラゴも(レジ系はSVで出ないけどできればレジエレキも)HOMEの図鑑コレクションに置いとく用で1匹ずつ欲しくなってしまい、サブロムを用意して剣盾2周目を走って捕まえてきたりダイマックスアドベンチャー満喫しつつウルトラビースト各位をやっと自前で揃えたり。まあこれは本アカで「ふじゅんのあかし」持ちガラルフリーザー(その確率なんと約0.107%ほど)を粘りたくて、でもそのままだとウルトラビーストの出現条件を満たせず埒が開かないのでサブアカから走ることで彼らを一通りHOMEに並べるためでもあり。ところでランドロスさんも早く出てきてくださいあなたがレジェアル産シェイミや弟から預かった過去作伝説を除いたHOME図鑑で埋まっていない準伝ラス1なんです対戦でも使いたいんですお願いします
ルナアーラの低A個体を厳選しその上でウルボで捕まえたり(ウルボの捕獲率が低すぎて一番の難関だったけどリセット繰り返してるうちにウルボ一発目でA1個体の捕獲に成功したぜやっほい)バクロォースさんことレイスポスのA0が爆速で出てドリボで捕獲したり
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やっぱり2体目以降の四災ともっこ赫月ミライドン諸々が欲しくなってSV2周目を走って捕獲し番外編まで待機してたり(A0チオンジェンとキチキギスに2匹目のイーユイ厳選とS0赫月の厳選を今度こそ終えたのでありがとう厳選過程note書いてくれた方とA測定担当のフワライド達えっS0ディンルー?また今度で)
他では『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観に3回ほど映画館へ入村してかつての目玉親父と水木のバディ劇が良すぎて脚本も演技も映像も何から何まで素晴らしくてかつ涙腺ダイレクトアタックしてくるシーンも多くて3回ともきっちり泣いてきたり特典第2弾の配布開始日の翌日の朝イチを迎える前に特典の在庫が全滅してて序盤の某一族の長男みたいに咽び泣いてた所に予測通りだが予想以上に早く公式イラスト集のお知らせが来て喜んでいたりしてました。
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とにかくみんなにゲ謎を観てほしい。
6期の沢城さん演じる鬼太郎くんも観たい……
ちなみに映画の感動とギルガルドが居ないショックでシエルの髪が白くなりました。しれっと変更しててすまない……
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藍の円盤が遂に始まりまして、シナリオもだけど何より野生とトレーナーの戦闘BGMがBWのアレンジになってるしブルベ四天王のプロフといい学園までの“地下鉄”を通る経路といいイッシュの空気を肺いっぱい吸えるとは夢にも思ってなかったのでドードーやサイホーン達に轢かれながらあまりの懐かしさにガチ泣きしてました(しか���テラスタルポケモンのちょっと違う戦闘BGMはBW当時に存在した「揺れる草むら」専用の曲と重なってるとブラザーが指摘して気づいてアガったよね)局所で流れる新規のバトル曲(特にスグリ戦が今作最推しBGMにランクイン)も全部熱くて最高だったけどBP集めはソロだと虚無の極みなので試しにマイブラザーと協力したら小一時間で10000BP集まってホクホクでした
この世界にギルガルドが居ないことが確定して放心しつつも全国図鑑のポケモン達をランドとか一部歯抜けしてるけどHOMEできっちり図鑑番号1から1000〜まで順番に1匹ずつ並べたボックスから歴代御三家や通信進化ポケモン達を引き出して図鑑埋めをする力業に加えてデスメタルB(バンド何故?)ことマイブラザー(向こうもお気に入りのヤンチャムとゴロンダが出禁確定でかなり落ち込んでた何故だこんなにもかわいいのに!!!!)に図鑑埋めの支援をしつつ捕まえてもらったウガツホムラ&タケルライコをテツノカシラ(顔面と首周りと角の構造がどタイプすぎて対戦でもぜひ使いたいタキオンカッターがモーションも性能もエッッで大変ヘキに刺さるなどしてサザンドラなどと合わせた構築を真面目に考えてるけど絶賛難儀中)&テツノイワオ(こっちもパワフルエッジの専用モーションカッコいいし殺意高くてだいすき)と交換で埋めて返してわずか配信3日目にして図鑑完成に漕ぎ着け『あかしのおまもり』をゲットしましたバンザイ🙌🙌🙌ホムラライコも強そうで欲しくなったのではよブラザーもサブロム走ってもろてええですかというか自前でスカーレットDLした方が早い説がここ最近浮上中。2日もあれば余裕で表ストーリー終わるんだカラミンゴが強すぎて!!
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手に入れた証とBPで早速色証ツタージャ探しに明け暮れ、天候証と感情証持ちの子をムンボでゲット!くもをみつめていたりやるきが/Zeroだったりするかわいいちゃんたちですかわいいね!
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ああ〜〜〜ツタージャたんはいつでも超絶かわいいなあ〜〜〜💕💕💕(なお全部♂の模様だがそれがいい)
BP支援で強化したロックオン機能は良い文明。証持ちをオシャボで狙い撃つぜ!!
つまるところポケモン廃人ライフをゼンリョクで謳歌しています(ウルトラムーンもちまちま進めてますイリマくんかわいいねマーレインさんにも早く会いたいポケマスのイリマくんいつ実装ですか??)
P.S.オーガポンちゃんでシンクロして攻撃モーション見てみ??(ギャップで情緒が)飛ぶぞ??
中の人の体調の方は至って元気です 何とかは風邪引かないって言うもんな〜ダハハ
というのが表向き。
しばらく低浮上だった訳を真面目に説明すると、年の暮れは昔の嫌な記憶が重なる時期というのもあってトラウマが再発したり、そのせいで他の人の同ジャンルの作品が見れなくなり浮上も億劫になって、加えバイトではトラブルに巻き込まれ怒りのあまり家の壁に穴を開けて拳をズダボロにするなどして少しづつ外で蓄積した鬱憤が爆発してしまい、仕事はメンタルを割り切って続けられているもののボケっとして何も考えてなさそうな(重要)学生の群れとか話の通じない人間がもっと嫌いになってしまったぶっちゃけ数ヶ月前と比べて健全な精神状態とは言えないので勝手ながら某ポップスター圏からはサイレントに離脱して様子を見つつ、ここや雑多アカ(Xの端花 薫)の方からしばしの間ポケモンや雑多専門で休み休みやらせていただきます。よしなに。
多分鴨見 居の名義のアカウントを作り直すかもしれないししないかもしれない。推しの公式グッズだけは欲しいのでブラインド商品のメル●リに使う費用は欲しいと思っているしププマケの特典もおのれまるくちゃタイミングが合わないよぐぬぬだけどもまあマギレコのクリスマスで資金溶かしちゃったしみことちゃんがめちゃくちゃ強くて可哀想でとてもかわいいので別に後悔はしてないんだただ資金がもっと欲しいだけですもっとだもっと(給料)よこせバルバトス
ちょっと休みたくなって&気持ちの整理をつけたくていきなり無言で自分から距離を取ってしまったのでご心配おかけしました🙇それでも何も言わずそっとしておいてくれてる友人達には感謝しかないので、いずれ元通りにとは約束できないけど何かしらよい形でこれからも繋がりを保てたらなあと思います。
来年はいい加減自分に対して色んな意味で「もういいや、もういいよ」の精神でいこうかと。 長く引きずった思いにもそろそろ飽きが来る頃合いかもしれないし。ところでグッズ熱が落ち着いたら今度はガチャ欲が増したり分厚い本や他の物も欲しくなってきた。魔術の書とか西洋甲冑の本とかVisionとかコルグのマイクロキーとか諸々欲しいし来年も世界は欲しいモノに溢れてるので定期的に読み返してモチベを保ちたい次第。
というわけで今年も大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
よいお年を〜👋
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逸脱
 トンネルの入り口に蔦が絡み付いている。名前が書かれたプレートはもうすぐで文字が見えなくなってしまいそうで、まるで血脈を広げるように蔦がトンネルの中へと触手を伸ばしているようだった。僕は、いずれこのトンネルごと蔦に飲み込まれてしまう景色を思い浮かべた。
 多くの通勤者にとって、このトンネルは都心の会社へとつながる道程だった。車道の横に歩道が整備され、車が通ることはほとんどなかった。僕は、このトンネルに毎朝足を踏み入れるたびに、いつもむくむくと心の中で天邪鬼が燻り始めるのを感じる。それというのも、あまりにも綺麗に、歩行者が左と右に分かれて歩いているからである。無論、それは指示されているわけでもなく、導線がひかれているわけでもない。ただ自発的に左側通行を当然のこととして、おそらく無意識のうちに自分の体を左側に寄せるように足が動くのである。その結果、長い列が糸を引くように左右に出来上がるのである。
 それはルールとして当然だろう、という声が自分の中から聞こえてくる。しかし一方で、その行列の中にいる自分を俯瞰的に見ると、違和感を覚えるのだった。あまりにも秩序だった光景のなかに、己が埋没して窒息してしまうような気持ちになった。靴が地面に当たる音がトンネルのなかに一定のリズムで響く。皆、前を向いて、その秩序を乱すまいとするかのような空気。一列の長い行列を作ってトンネルに進入する僕らは、その出口で完成形の戦力として吐き出される企業戦士だった。僕の中の天邪鬼は「お前、真ん中を歩いてみろ」と囁いてくる。しかし、そうすることが憚られるほど、その空間は秩序だっていて、隙間というものが存在しなかった。
 しかし、その秩序のなかに一ヶ所だけ、乱れが生じる場所があった。それは、トンネルのちょうど真ん中あたり。白髪で髭の伸びた男性が、地べたにダンボールを敷いて座っている場所だった。いくばくかの生活の必要なものを詰めたと思われるリュックを横に、いつも男性はじっとうずくまっていた。まるで、一定方向に流れる川の流れが岩にぶつかり、その周りだけ曲線が膨らむように、トンネルの流れは、男性の周りだけ弛緩していた。物理法則のように、男性の周りだけ膨らむ流れは、実際にところは不明だが、多くの通行者にとって男性の存在がその場所にある物のように見えていることを強調しているように見えた。
 僕は、その男性の横を通るときいつも、大勢の靴が地面を蹴る音が、彼にはどのように聞こえているのだろうかということを考えていた。その靴の音はまるで、私たちとその男性の間に一本の線を引くように、暴力的にトンネルの中を鳴り響いていたからである。僕には、その音が、仕事をするもの、しないもの、あるいは生産活動に従事するもの、しないものという、ただその一点のみに集約された区分を強迫的に私たちに突きつけているように感じられた。
 その男性は、あるときは全く姿を見せなくなったり、そうかと思えば、夜、仕事を終えて駅に向かって歩いていると、またそこに戻っているというような具合で生活をしていた。あるときは、どこかで拾ってきた本を読んでいたり、あるときはどこかで調達してきたおにぎりやお弁当を手に持っていたり、そしてあるときは、見知らぬ誰かが、「食べてください。困ったことがあればいつでも連絡ください」とポストイットとともに食料が置いてあることもあった。男性は姿を見かけるときはいつも、静かにそこに佇んでいた。その姿が、僕には全てを達観している仙人のように見えて、いつしか僕はその男性のことを師匠と勝手に心の中で呼ぶようになっていた。
 僕は、師匠が駅の近くで動き回っている様子を見かけたことがあった。車がビュンビュンと走り抜ける通りの反対側で、道端で体を折り曲げながら、なにやらゴミ袋のようなものを運んでいたように見えた。それは、暑い初夏の日で、師匠にも容赦なく太陽が照りつけていた。近くで見ていたわけではないのに、額から汗が吹き出して、汗で背中に服が張り付いている様子が目に浮かんだ。師匠にとってはそれが日常だったのだろう。
 次第に、師匠は僕の決まり切った毎日の生活のなかで、唯一、僕自身という水面に波紋を引き起こす存在となっていった。師匠は孤独ではないのか、師匠にとって生きるとはいかなる意味を持つものなのか、師匠はなぜ生きているのか。そうした問いが僕の中で生まれてはぐるぐると回って、次第にそれは己の中の奥深い部分へと侵入するかのように、全て自分へと問い返されるのであった。
 事件が起きたのは、ちょうどお盆を迎えようかという8月の半ばごろだった。僕がそのことを知ったのは、ネットの記事によってだった。スマホの画面上にいつも歩いているトンネルの遠景写真が載っていた。捜査員が路上で現場検証をしている様子が写っていた。未明に3人の少年によって、ホームレスの男性が襲撃され死亡。師匠のことに間違いなかった。
 僕は、翌日、あのトンネルへと足を運んだ。入り口から出口まで、規制線が張られ、警察官が立っていた。誰もいなかった。
 師匠は誰によって殺されたのか。
 僕の頭から離れなかったのは、少年たちの供述として書かれた一文だった。
「遊びみたいなもんだった。ホームレスの人たちを見下していた」
 その一文が僕にとって大きな意味を持った。なぜなら、そうした社会の空気を作り出しているのは、自分がしている仕事そのものではないかと思ったからだった。
 ホームレスは視聴率が取れる。そんな言葉を職場でしばしば耳にすることがあった。僕は、テレビでニュース番組を作る仕事していた。ニュースと言っても、ワイドショーと大差ないようなもので、常に映像にインパクトがあるものが求められた。それが高い視聴率をとる上で鉄則とされていた。ホームレスの人たちは、だから格好のネタと認識されていて、先輩たちは、その認識を疑うこともなく口にした。しかし、どれもこれも、まるで私たちとは違う生き物を興味本位で覗き見するかのような内容のものがほとんどで、それらは単なる好奇な眼差し以上のなにものでもなかった。肥大化した大衆の欲望を刺激し続けるメディアにとって、普通から逸脱した存在は、格好の捕食対象だった。それが僕のしている仕事の本質なのかもしれなかった。
 僕が日々仕事として生産しているものとはなんなのだろうか。それは果たして社会の役に立っているのであろうか。急に僕の目の前にトンネルの光景が広がった。トンネルを歩く人たちと師匠との間に大きな溝が広がっていた。その溝をせっせと掘っているのは、他でもない自分自身だった。そして、一方の溝の縁に立って、多くの群衆が師匠に溝の中に飛び込むように囃し立てていた。僕はただそれを遠巻きに眺めているだけだった。
 師匠を殺したのは誰なのか。
 僕の目の前には、いつもと変わらぬ日常がありふれていた。いつものように、スーツを着た無数の人たちが、いつものように駅のコンコースを歩いて行く。
 あのトンネルに差し掛かろうとしていた。
「お前、真ん中を歩いてみろ」
 天邪鬼が僕に囁いてくる。
 しかし僕はいつものように、体を左側に寄せて群衆の中へと引き寄せられていく。師匠がいた場所の周りは弛緩することなく、革靴がトンネルの中を響いていた。間違いなく僕もそのなかの一人だった。
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shukiiflog · 8 months
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ある画家の手記if.39  告白
三人で家族旅行をして、香澄の睡���も落ち着きだしてからしばらく経ったある日に、情香ちゃんは唐突にこの家を出て行った。 もともとこのままずっとここにいる気じゃないのは僕も香澄も分かってたし、出ていくことに変な他意はなくて、そろそろいつもの体を動かす忙しい仕事に戻りたくなったんだろうなと思った。
荷物もないし玄関まででいいというから、香澄と二人で玄関で見送る。 一人靴を履いた情香ちゃんは玄関で香澄の頭を髪が爆発したみたいになるまでわしわし撫でたあとで、満足したみたいに笑った。 「ん。もうそんな痩せこけてないな」 「…うん。ありがとう。情香さんの料理おいしかった」 情香ちゃんが香澄をまっすぐ見つめる。 「困ったらいつでも呼びなよ」 「うん」 「…香澄の目は綺麗だな」 そう言って情香ちゃんが香澄の頭を両手で挟んで持って引き寄せ て 「?!」 「ちょっ…」 香澄の目元に軽くキスしていった。香澄はフリーズして目をぱちくりさせてる。 僕は後ろから香澄を抱きしめて牽制する。 「…情香ちゃん、や、やめて…。香澄口説かないで」絶対僕が負けるから。 「そう思うならもう少しお前も大人になるんだな」 情香ちゃんは笑いながら颯爽と扉の向こうに消えていった。 「……。」 「………。」 室内に残された二人でしばらく同じ体勢のまま固まる。 「……香澄…情香ちゃんに心変わり「してないよ?!」 つっこまれるみたいに否定されてほっと息をつく。…へんな感じだ。前だったらそんな、香澄が誰を好きだって、こんなに焦ったりしなかったのに…今僕に気持ちの余裕がないのかな、家族になろうって言ったときだって僕は、香澄にほかに彼女とかがいるならそれで…って思ったり…してたのに。 ……もしかしてこれが独占欲ってやつかな。 もやもやを新鮮に感じながら、香澄に提案する。 「…ねえ香澄。僕はこれからどうしてもやりたいことがあるんだけど、香澄も手伝ってくれる?」 香澄は後ろから抱きしめてくる僕の腕の上に手を乗せて、僕の足の上に足を乗せて、僕もそれに合わせて足をぶらぶらさせたり体をゆらゆらさせて二人で玄関先で一緒に揺れる。 「いいよ。やりたいこと?」 僕はそのまま足の甲に香澄を乗せて二人羽織みたいな二足歩行を戯れにしながらリビングまで戻った。 香澄をソファに待機させると、家族旅行で買ったばかりの防寒具一式をすばやく取ってくる。 ソファに座った香澄にぐるぐるマフラーを巻いて頭に大きめのニット帽をしっかりかぶせて耳まで覆った。体にコートをかける。 僕は寒さに強いから適当なコート一枚でいいや。 「よし、出発」 二人で家を出て、すぐ隣のひらけた公園まできた。 まだ雪が積もったままで、隅のほうに少しだけ子供が雪で遊んだあとが残ってる。 一番綺麗に高く積もったあたりを二人で探して見つけた。 「…よし。香澄、雪だるま作るよ」 僕の真剣な声にとなりの香澄がふっと息を噴き出すみたいに笑った。 「…え。なにに笑ったの」 香澄は手袋をした手で口をおさえて笑いを堪えるみたいにしてる。 「な、なんでもないよ…作ろっか」 …また僕へんなことやらかしたのかな…でも香澄は嫌な気になってるわけじゃないみたいだ 「香澄…」 じと…と香澄を半目で見たら、香澄が笑って両手を掲げて降参しながら白状する。 「直人かわいいなと思ってつい、だってすごく気合い入ってて、ほんとに真剣にやりたいことみたいだったから、なにかと思ったら…」 まだ笑ってる。雪だるまは子供の遊びじゃないんだぞ。 二人で小さな雪玉を転がしながら、僕が胴体、香澄が頭を担当することになった。 香澄が凍った空気に白い息を吐く。 「はー…… 今日からもう情香さんいないんだね…」 「香澄が呼べばきっといつでもまた来てくれるよ。僕が呼んでもあんまり来てくれないけど…」 「そういえば直人は情香さんと一緒に暮らしたことないって言ってたけど、二人が一緒にいるのすごく自然だったよ。幸せそうだった。どうして別々に暮らしてたの?」 「………」 僕の返事がそこで途切れたから香澄は慌ててつけくわえた。 「ごめん、口出しなんて…「いや、なんでも聞いていいよ。香澄も家族なんだから」 笑って香澄が謝るのを遮ったものの、質問には答えられずに、話は自然と別のことにうつっていった。 かなり大きくなった雪玉を、バランスをとりながらふたつ重ねて、二人で支えてしっかり立たせる。 長身の男二人で丸め続けた雪だるまの身長はなかなかのものになった。少なくとも子供が集まって作れるサイズ感じゃない。 「僕は目を探してくるから、香澄は鼻か口を見つけてきてくれる?」 「なんでもいいの?」 「いいよ」 二人で手分けして公園内の木や石を見て回って、手頃なものを探す。僕は黒々としたつぶらな石の瞳と元気に広がった枝の腕二本を見つけた。香澄も尖った石を持ってきて、顔の真ん中に鼻にして刺した。 目も腕もついて、ちょっとだけ天を仰ぐ顔の角度で、かわいくできた。完成だ。 「香澄、ケータイ持ってきた?」 「持ってるよ。写真撮ろうか」 「うん、……誰か…撮ってくれる人がいたら…」公園内は平日だからか閑散としてる。香澄と僕と雪だるまを撮ってくれそうな人が通りがからないか待ってみる。 すると一匹の大きなシェパードが遠くから僕らのほうに向かって猛スピードで走り寄ってくるのが見えた。 人なつこいのか、雪だるまに興味があるのかな。 「首輪つけてるね、飼い主に写真が頼めないかな」 二人で飼い主の影がどこかにないか見回す。 すぐに体に触れられるほど近くにきた犬の頭を撫でる。吠えたり噛んだりもしない、よく躾けられたいい子だ。 「直人、犬には嫌われないんだ」 「ね、猫だけだよ…あんなに嫌われるのは」 「犬も好き?」 聞かれて一瞬ぼうっとする …似てるってよく言われるな 犬は好き 特に大きい犬は僕がぎゅって抱きしめても骨を折ったりしなくて安心だし 犬は好きだったよ 飼い主が …いや、飼い主のことだって別に嫌ってたわけじゃ その時、雪上に大きな指笛の音がまっすぐ空間を貫通するように響き渡った 「…あ、この子の飼い主さんかな」 香澄が音のしたほうに振り返って、丘の上の散策路に人影を見つけた。 笛の音で犬は全身をぴしっと引き締めてまた一直線に音のしたほうへ駆け出した。 犬の…首輪に下がってたあれは名札? BU…STER…? 「come,バスター」 散策路の人影が一言発した 介助犬とかの訓練用に共通で決められてる命令語だ 犬と一緒にすぐ木立の陰に消えていって僕にはほとんど見えなかった 襟を立てたロングコートだけちらりと見えた 「………人違い…」 …だと思う。あの人はこの時期に日本に滞在してることは滅多にないし ここに居るほうが変だ 「直人」 横から怪我してないほうの腕を香澄にひっぱられた。顔を覗き込まれる。 「変な顔してるよ。大丈夫?」 「…うん。なんでもない」 いつも通り笑ったつもりだったけど香澄に手袋をはめた手で顔を挟まれる。…心配かけちゃってる。 「…さっきの人、知り合いだった?」 「…ううん、人違いだよ」 今度こそうまくちゃんと笑って、香澄をぎゅっと抱きしめる。 「雪だるま…大きく作ったからきっと明日もまだちゃんと残ってる。今日は写真は諦めて帰ろうか」 「…うん」 二人で雪だるまを公園に残して家のほうへ歩き出す。 まだちょっと心配そうにする香澄の頭をわしゃわしゃ撫でて頭を胸に引き寄せてこめかみにキスした。 香澄の右手から手袋をすぽっと取ると、素手になった香澄の指に自分の指を絡めて、しっかり繋いだ手を僕のコートの左ポケットに突っ込んだ。 夜。久しぶりに二人だけで夕飯を作って食べる。 ひとり分の賑やかさが消えて、ほんの少しだけ寂しいような、不安なような。 それをかき消すように二人でいつもより手間をかけて凝った料理をいくつも作った。 食事が終わって片付けも済んで、僕がソファに座ったら香澄が横からするりと僕の膝の上に座った。…かわいいな。 香澄の体を包むように抱きしめる。 「…こういうの久しぶりだね」 って、自分で口に出しておいてだんだん恥ずかしくなる。 情香ちゃんもいたときはそういうことを意識して避けてたわけではなくて、自然とそういう気分にはならなかった。 「…香澄、こっち向いて」 僕の腕の中でゆったりリラックスしてた香澄が顔をあげて僕を見る、手で顎をとって軽く開かせると舌をさし入れて深くキスした。香澄も目を閉じて舌が口内でゆっくり絡み合う。一度少し唇を離してもう一度、角度を変えてもう一度、そうやって何度も深いキスを繰り返してるうちに、身体の芯からじんわり溶けそうになる。…気持ちよくて目が潤む。 一旦休憩。口を離すと少しだけあがった息が至近距離で混ざり合う。 「…香澄… …したい」 正直にこう言っても大丈夫。香澄はもう嫌なときはちゃんと嫌って言える。迫られても襲われても、意に沿わないときは自分の身を守れる。…帰ってきてくれた。それがすべてだった。 香澄の両腕が僕の背中に回って、ぎゅっと僕の体に絡められた。 「……うん…」 首元にあてられた香澄の顔は見えないけど、ちゃんと聞こえた、返事。 そのまま香澄の脚の下に腕を通してもう片腕で背中を支えて、横抱きにしてソファから抱え上げる。 左腕に少しだけ痛みがあった。負担がそっちにいかないように香澄の体の重心を少しずらす。 ドアを開けっぱなしだった僕の部屋に入ってベッドの上に香澄をおろすと、少し赤らんだ頰にキスを落とした。
続き
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elle-p · 11 months
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P3 Club Book Akihiko Sanada short story scan and transcription.
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真田明彦の難攻不落伝説
某日深夜---ここ、月光館学園巌戸台分寮のと ある一室で、その恐ろしくもおぞましい謀略は、徐々に形を現わそうとしていた。
「許せねえ······絶対に許せねえぜ、真田サン。いや、真田明彦ぉ!」
「じゅ、順平くん。そこまで怒らなくても······」
「甘いわよ、風花!私も順平に同感。食い物の根みが恐ろしいってこと······真田先輩の骨の髄まで思い知らせてやらなきゃ!」
「別に僕は、甘いものがそれほど好きって訳じゃないですが······美味しそうでしたよね。お土産のー日限定100個の特製プリン」
「わん!」
「コロマルさんも、ひとりで10個は食べすぎだと申しているであります」
「トレーニングで疲れてたか何だか知らねえけどよ、フツー全部食うか?俺たち仲間だろ?みんなの分残しとくとか考えるだろ!?」
「あ、あうう。り、リーダー、皆さんを止めなくていいんですか?え?······別にどうでもいい? ううううう······」
あまり恐ろしくもおぞましくもないようだが、ここからが恐ろしい。
「よっし!んじゃ、満場一致で “真田先輩をギッタンギッタンにしてギャフンといわせてグウの根も出なくさせる計画”、略してトリプルGプロジェ クトの発動を宣言します!」
「おーっ!」
この今どきどうよ、というネーミングセンスのなさが恐ろしい。
ともあれ、真田の天然ぶり---というより鈍感さに端を発する、特別課外活動部メンバーの怒りの鉄槌が、真田の頭上に振るわれようとしていた。だが彼らはやがて思い知る。真田明彦の天然もまた、ボクシングの腕前と同じように、超高校級であるということを······。
~フェイズ1 伊織順平&山岸風花~
「オレの武器は······これだ」
そう言って順平が取り出したのは、普通ならスポーツドリンクなどを容れるのに使う、ストローつきの白い円筒形のボトルだった。
「トレーニングで疲れたセンパイに飲ませるための、特製栄養ドリンクって訳だ」
「あんた······敵に塩送ってどうすんのよ?」
ゆかりの言葉に、順平はちっちっちと指を振って、恐るべき事実を公表した。
「これはな 風花の······手作りだ」
「そうなの。頑張って、作ったんだよ」
どよつ。
場の温度が下がり、驚愕のどよめきが走る。
「そ、そんな······順平さん。そこまで酷いことをしなくてもっ······!」
「こ、これは、ワシントン軍縮条約に抵触する可能性すら考えられるであります!」
「きゅ~ん······」
「順平······本気ね······?恐ろしい男······」
この液体がもたらす惨劇の予感に、その場にいた全員の顔が着白と化す。ちなみに、兵器開発もとい調理担当の風花は、皆の評価によって心に深い傷を負い、壁際でしくしく泣いていた。
「お!来たぜ!」
順平の言葉どおり、朝のトレーニング帰りの真田が寮の玄関から姿を現わした。すかさず順平がタオルとボトルを持って歩み寄る。
「センパイ!お疲れさんッス!どうスか?運動あとに特製ドリンクなんて?」
「おお、順平。ありがたいな、ちょうど喉が渇いていたところだ」
「しめしめ······じゃなくて、どーぞ!いい感じに冷えて、飲み頃ッスよ!」
何の疑いもなく、真田は順平からボトルを受け取ると、ストローに口をつけて中の液体を勢いよく吸い込んだ。
ずずずずずずずず!
何だか、嫌な感じに粘度を感じさせる音が響き······そうして、真田が口を開いて叫んだ。
「美味い!これはいけるな!」
「······へ?」
予想を裏切る真田のセリフに、唖然とする順平。そこに、真田の歓声を聞きつけ、何ごとかといった表情で桐条美鶴が現われた。
「どうした、明彦?」
「いやな、順平が作ってくれた特製ドリンクが、なかなか美味だったからな。美鶴も飲むか?」
ごく自然に、真田が美鶴にボトルを手渡し、そしてごく自然に、美鶴もストローを口にくわえる。付き合いが長い上、精神年齢的に成熟しているふたりは、間接キスなど気にはしない。······してくれれば、順平の制止は間に合ったろうし、その後の悲劇も防げたのだが
ずずずずず······。
やや飲みにくそうに、美鶴は頬に力を込めて体を吸い上げ、次の瞬間。
ぶびっ。
表情を変えないまま、美鶴の鼻の穴から腐った沼のような色の液体が噴出した。
「き、 桐条センパイっ!!」
美鶴の顔色が、黄土色から紫色、さらにはオレンジ色から緑色へと目まぐるしく変化する。そして最後は、ぐりんと白目を剥き、棒が倒れるような勢いでばたんと倒れ伏した。
「せ、せんぱぁあああいっ!!」
順平の悲痛な叫びがこだまする。それは、この後に来るはずの、美鶴の報復を予感し
ての、早すぎる断末魔のように聞こえた······。
~フェイズ2 岳羽ゆかり~
「えー、牛丼をプロテイン茶漬けで食べる、真田先輩の味覚を甘く見すぎてました。そこで、食欲以外のアプローチで行きたいと思います」
「順平さんはどうしたでありますか?」
「解凍に、あと半日はかかります。ついでに、風花も部屋にこもってしまい戦力外です」
計画の第1フェイズで、すでに彼らの戦力は激減している。あまつさえ、善意の第三者であるところの美鶴まで巻き込み、もはや失敗は許されない状況へと追いやられていた。
「で、あの······ゆかりさん、今度の作戦は?」
そう言う天田は、ゆかりから目線をチラチラと外しては戻すという、不審な動きを続けていた。し かし、それも無理からぬことだった。
「ズバリ!色気で落とすっ!」
きっぱりと宣言したゆかりの服装は、いわゆるボンデージ風のタイトな超ミニワンピース。服というより、数枚のラバー生地を紐で大雑増に繋ぎました、という感じの露出過多のデザインである。胸元や背中そして左右のサイドから、これかというくらいに眩しく、白い素肌を見せつけている。日ごろ弓道部で鍛えた均整の取れたプロポーションを誇るゆかりが着ると、これが意外と悪くなかった。第二次性徴期が来たかどうか微妙な年頃の天田ですら、頬を赤らめてぼうっとなるほでの色香を放っている。
「これで真田先輩をメロメロにして、さんざんしてあそんだ挙句に捨てるという、自分の非情が恐ろしくなるほどに完璧な作戦よっ!メイクバッチリ、ヘアスタイルもオッケー!」
「胸部の追加装甲も問題なしであります」
「アイギス、ひと言余計! 」
ちなみに、いま彼女らがいる場所は、白昼のポロニアンモールのど真ん中。真田は辰巳東交番の中で、黒沢巡査と話している。出てくるところを狙って、作戦開始という段取りである。
「あ、出てきた出てきた。んじゃ、みんな。行ってくるよーっ!」
何も知らずにやってくる真田を確認し、ゆかりがゆっくりと接近していく。2メートルほど近づいたとき、ついに真田がこちらに気づき、ゆかりと目が合う。すかさず身体をくねらせ、ほどよい弾力を感じさせる太ももを見せつけるように、グラビアアイドル風のポーズを取った。
「······」
つゆつゆつゆ。
······見事に、真田はそれをスルーした。
「んなっ!?」
たとえ色気が多少足りなかったとしても、後輩このゆかりをシカトするとは······。プライドを傷つけられ、ゆかりの中の女の意地が覚醒した。
立ち去ろうとしつつある真田をダッシュで追い抜き、くるりと振り向いて真田の進路を塞ぐように対峙する。さすがに歩みを止める真田。そしてその真田の目の前で、ゆかりは前かがみになり左右の腕でバストをぎゅっと中央に圧迫した。寄せて底上げした胸が、さらに押し付けられて豊かな双丘を形作る。そして---。
「セ•ン•パ•イ (はぁと)」
微動だにしないまま沈黙する真田。手ごたえあり!と、ゆかりが心の中でガッツポーズをしかけたとき、真田がゆかりに話しかけた。
「あー······月光館の生徒か?すまんな、覚えがない。しかし平日は制服着用が定められているはずだぞ?生活指導に見つからないうちに着替えに戻ったほうがいい。それじゃ、な」
つかつかつかつか。
再び見事にスルーし立ち去る真田。取り残されるゆかり。ひゅるりら~と風が吹いた気がした。完敗、というか惨敗、というか勝負にすらなっていなかった。あろうことか、ちょっと髪型を変えて化粧をし、いつもと違う服を着ただけで、真田はゆかりを知人だと認識できなかったのだ。よく年配のオジサンたちが、若い女の子はみんな一緒に見える、などと言うが、それのさらに酷いやつである。予想の斜め上を��っ走る真田の朴念仁ぶりと言えよう。
「せ、せんぱい······会ってからもう半年たつっていうのに······もてあそばれたー!酷いぃぃ!!」
真田の無心ゆえの見事なカウンターアタックで、ゆかりは精神を破壊されかねないほどの敗北感を感じていた。その再起には、まだしばらく時間がかかりそうだった······。
~フェイズ3 アイギス&コロマル~
「ホントに、大丈夫ですか?」
残る戦力となる、天田、アイギス、コロマルの3者が、夕方のランニングをしている真田を遠くから追跡しつつ作戦会議を行なっていた。
「大丈夫であります。私とコロマルさんがいれば、十全と言えるでしょう」
今度の作戦はシンプル。真田にコロマルをけしかけ、ズボンの尻でも破いてトホホな目にあわせてやろうというものだ。
「では、アイギス行きます!」
コロマルの首に結びつけたリードをしっかりと握り、アイギスが走り始める。さすがに運動性能が高いアイギスは、天田が見守る中、どんどんと真田に接近していく。
あと20メートル。10メートル。5メートル。4、3、2、1······あっさり追い抜いた。
「あ······」
見ている天田の額から、汗が一筋垂れる。その間も、アイギスとコロマルは走る走る。どうやら、久々の広い場所が嬉しくてしかたないコロマルが、目的を見失って猛ダッシュしているようだ。念入りにリードを手に絡めていたアイギスは、前に倒れそうになりながら振り解くことも止めることもできずに引っ張られ。
コケた。
そしてそのまま。
ずるずるずるずるずるずるずる。
1機と1匹が巻き上げる砂煙が、遠く地平線の向こうに夕陽とともに消えていくのを、ただ天田は見つめるだけしかできなかった。
~最終フェイズ 総攻撃~
「正攻法で行きましょう」
各々の理由で叩きのめされ疲れ果てた面々に、天田は溜め息交じりに提案した。だが。
「ダメだ······勝てる気がしねえ······」
「見た目はともかく声ぐらい覚えててよ······」
「ぜっはっぜっはっ (散歩して満足)」
「もはや、ベコベコであります······」
部隊の士気は、嫌が応にも低かった。
ちなみに、前髪が長い現場リーダーは、フェイズ2の頭あたりで、ばったり会ったクラスメイトの友近と、はがくれのラーメンを食べに行ってまだ帰ってきてはいない。ぐだぐだである。
全員が集まった寮のラウンジに、どよんと重く苦しい空気が沈殿する。と、そこに。
「おう、みんな。何だか元気がないようだが、どうした?風邪か?食中毒か?」
攻撃目標 • 真田明彦が現われた。トラウマがかった「ひぃ」という悲鳴を、誰かが上げる。
いったい、どうやって戦えば······どうすれば、勝てるんだ······。この、痛みを感じない (それ以外のものもあまり感じない) バケモノのような人に、どうやって太刀打ちすれば······?いっそ復讐代行サイトにでも依頼を······。
そこにいる全員が、絶望に覆われ心を闇に侵食されかけた、そのときである。
「おう、こら、アキ!」
「ん?どうしたシンジ?」
今日は朝からどこかに出かけていた荒垣真次郎だった。いつの間にか寮に帰ってきていたらしく、二階からドスドスと音を立てて降りてくる。そして、鋭い声がラウンジに響いた。
「てめぇ······昨日美鶴が買ってきた限定プリン、全部食いやがったんだってぇ!?」
「ああ、悪かったな。まぁでも普通のプリンと味は変わらなかったぞ。牛乳と卵と砂糖の味だ。今度コンビニで代わりを買ってきて---」
順平たちが問い詰めたときと同じ。謝っているようで、まったく謝罪の意味をなさない、それどころか被害者の神経を逆なでする、無神経な言葉の羅列。昨日は、この真田の態度にさんざん文句をつけたのだが、“たかがプリン” に目くじらを立てるということが、どうしても真田には理解できず、最後までこちらの怒りが伝わらなかったのだ。荒垣も真田の無反省な態度には怒り心頭に······発してはいなかった。むしろ、またかよ、と呆れたような 顔。そして。
「おい、アキ。ちゃんと謝らねえと······」
何を怒られているのか、わからない風の真田に、荒垣が投げかけた言葉は。
「絶交だぞ」
「ごめんなさい!」
真田のリアクションは、これがまた早かった。
「もう、人の分まで食うんじゃねえぞ」
「あ、ああ、わかった」
「食った分、おめえが買ってこいよ?」
「もちろんだ!」
その様子を見て、呆然となるラウンジの面々。
「あんなんで······良かったんですか?」
「今度から······荒垣先輩に頼もうね」
「その作戦を推奨するで、あります······」
そして、力尽きた後輩たちは、バッタリとソファに倒れこみ、そこからしくしくとやるせない泣き声が漏れ始める。その泣き声は、翌日の朝から行列に並んだ真田が、限定プリンを人数分買ってくるまで続いたのだった。
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tokyomariegold · 9 months
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2023/6/9〜
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6月9日 1時間起きる時刻が遅くて、腕時計は1時間進んでいて、どれを信じて急げばいいのかわからない朝。 でもなんがかんだ巻き返せた。
昨日の通院のショックと共に、先生が「そんなんだったら町の医者でいいんじゃないか」と、見放しプラス大学病院マウントをとってきたことにざらざらしている。
友人が人間ドッグを受けて、何を食べれば良いかわからなくなっていて悲しかった。医療って何? 健康と結びつくの?という気持ち。 隣の席の上司はジャンクなものが大好きで、マックかケバブで昼食を迷う話をしていて、とても元気で健康そうに見えた。
職場の方と、前の上司のお家がパン屋さんをしているのでお昼休みにいってみよう、と約束をした! そして、その流れで新しい職員さんの心配事を聞かせてもらう。どうやら、何かを教えてあげても、おしゃべりしながらもうとうとされてしまうらしい。
帰りに一期下の方と会い、久しぶりに一緒に帰ってもらった。なぜ?と思う、雑とした仕事の多さに残業が続いていたらしい。 そうゆうのって減っていくべきだけれど、私は以前、そうゆう雑としたところが消えると自分が��くところがなくなって困る!と思ってた。 時短って怖い!と思ってた。
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ゴールデンウィークに職場の方々と上司の家でバーベキューをした話を聞かせてもらう。 また企画をしているそうで、私も誘ったら来るかな、と昨年度まで私の直属の上司だった方に言ってみたところ「◯◯さん(私の苗字)は来ないでしょ!」との見解をされたとのこと。 (そう言われると無理して行ってみたくなる。)
網走監獄の話も聞かせてもらった。 網走のまちは、何もなくはないけれど、人気がなく静かで、曇天小雨が相まって、とても無な気持ちだったみたい。時間を潰せるスポットがミスドしかないらしい。
明日は本当にちーちゃんに会えるのか、まためがねを割ることになるのか。 qpさんが草枕に行っていて、レジでもらえるパイン飴を京都まで運んだらしい。qpさんのSNSすき。
お部屋の湿度がひどくて、温湿度計の、comfortマークが初めて消えてしまった。
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6月10日 ちーちゃんにちゃんと会えたのに眼鏡を割り忘れた日。 朝の疲労がひどくってもうたなの?と思いながら、クッションや枕を洗った!えらい!
電車で水野しずの本を久しぶりに読みながら、我に帰るとそうだよな〜、と常識が常識として判り通っていることの不安定さを思って、もう何もあまり気にせず自分杓子でいこうね、となる。 矢沢永吉の章を読んで、写真家さんも、例えば蜷川さんや奥山さんなど、SNSで自分以上に自分っぽい写真を見つけてしまうことあるんじゃないかな?と考えたり。
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ガーディアン・ガーデンで最後の1wall写真展を鑑賞。 “空蝉種子万里ヲ見タ”。展示の仕方をよくわかっている、作品の見せたい部分を堪能できる展示。木枠にガラスがない装丁いいな。 でも審査員のコメントの頭文に“最年少グランプリの〜…”と、作家を紹介する文があり、そんなこと書かなくていいのに!と思った。
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銀座を通り抜けて、ラボへネガスキャンデータを受け取りに行く。大正生まれの母に、お葬式で飾る写真のパネル加工を注文しに来ている方がいて(お母様はまだご存命)、若い時の写真を持ち込んでいた。 銀座はとても混んでいた。 表参道で用事を済ませてプラダで“ダラバーンバウム”の展示を鑑賞。 プラダのTVは、建物の外装みたいに画面がぷっくり。 社会情勢で作品の価値が変わってしまうことをとても感じてしまい、やっぱり常識とか評価は一過性のものなのかしら、と思った。プラダは外国の方がたくさんいてフォトスポットになっていた。
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ちーちゃんと待ち合わせをして、乃木坂までお散歩。 ずっと核心みたいな話ばかりしてしまった。 お医者さんの機嫌を損ねてしまった話をしたら、そうゆう世界の人は一つの物事に集中してしまうから…と教わる。 髪を切ってからいろんな人に話しかけられるようになってしまい、ZARAでサングラスを買いたかった話(結局、黒いTシャツしか買えなかったらしい)や、ファンタジー小説を読んで先が気になりすぎて、わ〜〜〜っ!となった感じで飛び降りたい衝動にかられるけれど、今の自分の部屋が汚すぎて、これを残して死ねない!と止まる日々の話などを聞かせてもらった。 柿の葉茶をいただいた!嬉しい!
冷房にあたり過ぎたのか、肩や首が痛くてロキソニンを飲みたくなっている。
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6月11日 雨の日曜日でよかった。
昨日、今日とサブスプリクション的用事になっていることたちを整理した。これは毎月でなくてOK、とか、もっと気分で通おうとか。「次はどうしますか?」に流されなかった!
朝一で予定を済ませて、どうにかしたかったモノを片付けに隣町のリサイクルショップへ行った。早い時間に行けたので30分待ち立ったけれど、査定を受け取りに戻った時は2時間待ちになっていた。 駅を挟んで反対に大きなショッピングモールがあって、それも分棟ができて広場が整備されたり、この数年でだいぶ変わった。 駅のこちら側は、今日行ったリサイクルショップが入っているモールや、ニトリが入っているモール、病院がたくさん入っているモール、ジムやピラティススタジオが入っているモールなど、ぼこぼこたくさん建っている。
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査定を待つ間に無印良品で紙コップと使い捨て雑巾を買おうと思ったけれどどちらも無かった。欲しいものがない無印良品では最近は楽しめない。 どんどん新商品が出てくる感じ、モノとパノプリ。何を選べばいいのかわからない。結局、練り梅と使い捨て手袋を買った。 そのうち漢方とか出しそうだね、無印良品。
個人的な状態としての、何をしたらいいんだかわからなさがあるときって、無駄な出費が嵩む気がしていて、ショッピングモールの気だるい貧しさと重なるな〜と、思って、リサイクルショップでは800円もらった。
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マイナンバーカードを使ってコンビニで証明書を発行する。 今住んでいる町の役所の場所がわからないので(少なくとも駅チカではない)ちょっと便利かも、と思った。
ちーちゃんから、昨日話したことは忘れて欲しい的なメッセージが届いていた。よくわからなくってまだ全て読めていない。
部屋に戻ると室温が31℃。 扇風機を買おうか迷い中。
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