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#家庭内野良猫を卒業できそう
otona77mtb · 2 years
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カーテン越しに映る蝶々の影を目で追っていた 無垢な表情が可愛い❤️ #今日のキキ嬢 #さびすたぐらむ #今日だけは #家庭内野良猫を卒業できそう #猫のいる幸せ #にゃんだふるらいふ https://www.instagram.com/p/CjJ77yuJwrP/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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kennak · 2 years
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長くなります。よかったら読んでください。 まず、私から提案したいと思います。 私の家に遊びに来ませんか。鹿児島県のとある田舎町で農業を営んでいます。新規就農してからまだ半年余りなので、アルバイトをしながら何とかやっている状態ですが。 独り者です。バツイチです。質問者の方が男性でしたら、何日か泊まっていただいても構いません。 柴犬と猫とヤギ、ニワトリがいます。 以下、陰鬱な内容を含みます。耐性の無い方は読まれない事をオススメします。 私もうつ病でした。 それも重度のうつ病でした。主治医には、最終的には脳に電極をつけて電気ショックを施すことを勧められたぐらいです。 入院治療も2度行いました。 最初の入院は、自殺未遂をしてから運ばれました。施錠された病室に隔離されました。常にモニターで監視されていて、トイレなどハナから丸見えです。 1週間の後、一般病棟に移りました。 職場には、主治医からうつ病の為3か月の休職が伝えられました。 2週間後くらいから、躁状態に入りました。 室内では腹筋、腕立てを繰り返し、外出許可をもらってはランニングに勤しみました。 自分自身が何故うつ病になってしまったのか自省し、退院してから復職する迄のやるべき事リストを作り上げました。 前向きな様子を見て、主治医も退院時期を前倒しにしました。 一月後、退院しました。 退院してから、先ずは主夫業に精を出しました。 過剰なまでの不安と心配を与えてしまった妻の為、早起きして犬と散歩に行き、朝ごはんを作り、掃除、洗濯を済ませ、夕ごはんの買い出しに行き、夕ごはんを作って妻の帰りを待ちました。 週に2回の通院は、あえて15キロの道のりを自転車で通いました。散歩にも出かけ、野の花や小鳥なんかをスケッチしたりもしました。 全てはうつ病を克服するためだけに、日々を過ごしました。認知療法、行動療法、薬物療法すべて行いました。 1か月後、再発しました。 休職期間も残り1か月ともなると、緊張と不安が絶え間なく襲ってきます。また寝れない日々が続きます。食欲もなくなり、何をするのも億劫です。 復職1週間前ともなるとある思いが心を支配します。 (死にたい…) とにかく私は死にたかったのです。 いわゆる、希死念慮です。 簡単に言うと自殺願望なのでしょうが、色んな自殺の方法を探りました。 結局は首を吊る事に落ち着きました。 妻の居ない日中に、何度も何度もタオルなどで首を吊りました。でも死に切れませんでした。 勇気を振り絞って復職しました。 3か月ほど働いたでしょうか。職場での日々は、私にとって正に地獄でした。常に緊張していました。頭が上手く回転しません。真っ直ぐ歩くことさえままならず、何故か柱や机の角にぶつかりました。トイレに用がなくても頻繁に入り、周りの好奇な目から逃げました。その度にトイレの窓から飛び降りたい気持ちになりました。自殺を試みた人間に対して、同僚は腫れ物に触るように対応します。 毎週末、今日こそはと思い、首つりを繰り返しました。しかし、最後まで出来ません。 私は思い込みの世界で生き、想像の世界で苦しんでいました。 自殺未遂をしてから、うつ病と告知されてから、いやもっとずっと前から私は、私自身の妄想に自縄自縛の状態でした。 あいつは仕事が出来ない。 あいつのせいでみんな迷惑している。 自殺未遂するぐらいなら仕事を辞めればいいのに。 それでも上司は私を励まします。 君なら出来る。死んだ気になってがんばりなさい。みんな君の事を心配しているんだ。恩返ししないとね。 妻も私を励ましてくれました。 折角、頑張って公務員になったのに、今辞めたらもったいないよ。家のローンはどうするの。その年から転職なんて出来ないよ。あなたの大好きな柴犬も手放して、動物も飼えないようなアパートに移る事になるよ。今が頑張りどきよ。 私はもう限界でした。いや、もうとっくに限界だったのでしょう。主治医からは兎に角強い睡眠剤と抗うつ剤を処方してもらいました。 起きていても何時もボーッとしていました。 漢字もどう書くのかよく分からなくなりました。 ひらがなさえ、「あ」と「お」の違いさえよく分からなくなり、度々授業中の計算ミスを子どもに指摘されました。 ある日、子どもに問いかけられました。 「先生、なんで死のうと思ったの?前の先生が、H先生はぼくたちのことが嫌いで死のうとしたって言ってたけど、本当?」 「そんなことないよ。死のうとなんかしてないよ。」 咄嗟に取り繕いました。 代行の先生が、断片的で恣意的な情報を子どもたちに伝えていたようでした。 再休職することになりました。 うつ病の原因は今だからよく分かります。 新しい学校に移動したものの、子どもたちと以前のような信頼関係を築けないことからの自己嫌悪。 同僚とも良好な関係を持てないことからの苛立ち、不安、不満。 それらから派生するように、仕事への自信喪失。 40過ぎても子どもを持てないことへの落胆。 35年住宅ローンの重圧。 自分の故郷が地震と津波で壊滅的な状況なのに、何も出来なかったことへの後悔。 妻とも友人とも、会話が噛み合わないことからの孤独感。 当時の私は客観的に見ても、八方塞がりでした。 でも多くの方たちも、多かれ少なかれ40も過ぎれば仕事や家庭で問題を抱えています。しかし、うつ病にはならないでしょう。だからこそ私は私自身に失望しました。失望感は再休職したことからさらに募り、積み重なった失望感は、絶望感へと集約されました。 再休職して、私はまさに生きるしかばねの様で���た。 以前の休職期間のように、前向きにうつ病治療をすることも有りません。ただ、ただ死なないように生きているだけです。 誰かの歌詞にあったように、 私は小さく死にました。 当時の私は死にたいと云うよりも、「楽になりたかった」のです。 40も過ぎて再休職し、再び同僚や子どもたちに迷惑をかけ、上司の配慮や期待にも応えることが出来ず、その上、妻への罪悪感は筆舌に尽くし難いものがありました。 いつ自殺が成功しても大丈夫なように、定期的に遺書を書きました。妻への謝罪、同僚たちへの謝罪、両親兄姉への謝罪、毎日毎日こんな自分が生きていることが申し訳ありませんでした。 妻は週末になると、神社へとわたしを連れ出しました。近所の神社、箱根神社、鶴岡八幡宮、春日大社にも行きました。 2時間で2万円もするカウンセリングも受けました。 主治医から処方される薬は、5種類まで増えました。病院でのカウンセリング担当医は、大学を卒業したばかりのような若い女性です。彼女なりに真摯に私と向き合ってくれましたが、私は彼女から助けてもらえるとはとても思えませんでした。主治医で院長でもあった先生は、薬を処方するだけです。もしうつ病が治らず、教員を退職する事になったら精神障害者として生活保護を受けるしかないと言われました。 一向に良くならない私の状況に、妻は失望し、疲弊しました。あとで知った事ですが、リストカットなどの自傷行為をしていたようです。 毎晩、妻から叱責をされるようになりました。 このままだとどうなるか分かる?あなたがうつ病を治さないとどうなるか分かる?いい加減、治してよ!どれだけあなたが沢山の人たちに迷惑を掛けているのか分かる?だから早く治して! 時には包丁を持ち出され、一緒に死のうと懇願されました。 一度、人は道を踏み外すととことんまで堕ちるのだと思いました。しかも、底がありません。どこまでも堕ちるのです。 生き地獄でした。 翌年の4月、私は別の学校に移動し復職することになりました。 私は私を偽りました。うつ病は治っていません。しかし、治った事にしないと妻がもちません。 治ったと偽り、主治医にも復職を許されました。 復職して、3週間後の朝、自宅の梁に電気コードを括り付け、椅子を倒し首吊り自殺しました。 死んでいませんでした。 気づくと愛犬の柴犬が必死に私を舐めていました。 何も見えません。呼吸が止まっていたのでしょうか。私は必死に呼吸をしました。呼吸を繰り返し繰り返し行うと暗闇に光が差し込んできました。 何故かコードは解けていました。今際の際で、コードを解いていたようです。しかし自分が何をしたのか暫く理解できませんでした。失禁していることに気づきました。脱糞までしていました。眼球は出血し、白目部分は真っ赤に染まっていました。左半身が上手く動きませんでした。 その日、再入院することになりました。 主治医から、電気ショック治療を勧められました。一定の効果は期待できるが、全身に激しい電気ショックが流れるので多少の骨折や記憶の欠落などのリスクは覚悟してくれと言われました。妻の反対で行いませんでした。 もはや、自分が何をしたいのか、生きたいのか死にたいのか全く分かりません。ただただ矮小で卑屈で社会のゴミのような存在だと思いました。 生きている意味などあろうはずもありません。 でも私は生きていました。あの日以来首を吊るのも止めました。何も考えず何もせず、出されたものを食し排泄し、夜になれば睡眠剤でぐっすり寝て朝になれば看護師に起こされ、何もない1日が始まります。 2か月後退院しました。暫くして、教員を辞めました。無職になりました。新築の家も売りに出しました。妻には当然ですが、見放され東北の実家に帰ることになりました。実家にはまだ思春期の姪たちがいたので、兄がアパートを探してくれそこに1人で暮らす事になりました。 私は何も考えなくていいように、中古のゲーム機を買って一日中ゲームをしていました。たまにスーパーに食料を買いに行きますが、誰かに見られるのが恥ずかしくて、短時間で目につくものをそそくさと買ってアパートに戻ります。何も考えません。感情も有りません。風呂にも入りません。歯も磨きません。ある時、履けるパンツが無く、Tシャツを逆さにして履きました。チンチンが寒かったです。 以前の主治医から実家近くの病院を紹介され、紹介状も持たされていましたが、そこの病院に行く事は有りませんでした。もう精神科医も抗うつ剤も睡眠薬も私には必要ありませんでした。 なぜなら私は人の形をした、ただの醜いぬけがらでしたから。 時間も季節も、世間も仕事も、私には何の意味も有りません。物欲、金欲、食欲といった欲求もありません。ただ日々死なないように生き、金を食いつぶし、秋が来て、冬が来て、春が来ました。 定期的に父から電話がありました。その日は今までにない雰囲気で、もうアパートを引き払えと言ってきました。 実家で両親と兄家族と暮らす事になりました。 父は頻繁に私を外に連れ出しました。80も近い父の運転で、被災地の風景を見たり、故郷の野山を見たり、桜を見たりしました。 5月過ぎ、父が帯状疱疹になりました。 6月になると、胃腸に何らかの不調を訴えるようになりました。 7月、近隣の中核病院に入院することになりました。 最初は泌尿器系の病気が疑われ、手術を受けましたがあまり体調が改善されません。その後、ガンが疑われましたが、その部位が分からないと言われました。原発不明ガンと診断されましたが、本人には告知していませんでした。 父が体調を崩してから、病院の送り迎え、入院の準備や手続き、お医者さんの対応など、私が行いました。初めは嫌々でしたが、結局手が空いているのは私しかおりませんから、仕方なく対処していました。 原発不明のガンなので、具体的な治療方針が決まりません。何故か、一時退院が許されました。 退院してから、定期的に通院する事になりました。その日は泌尿器科の受診の日でした。泌尿器の主治医がお休みで代理の先生に診てもらいましたが、受診後父の様子が変で、帰り道に尋ねるとガンだと告知されたと言います。 何年ぶりでしょうか。私の中に忘れていた感情が芽生えました。 怒りです。 その日告知してきた先生は、あくまで泌尿器科の主治医の代理で、しかもガンの部位はおそらく消化器系だろうと言うことで告知する時期は消化器科の主治医と治療方針と共にこれから考えていきましょうという段取りになっていたのです。 父の落胆は見るからに明らかでした。父はタバコも吸いません。深酒もしません。健康番組が大好きで、健康に人一倍気を使っていました。 食事の世話も私が行っていましたが、食欲もめっきり無くなりました。歩くのも酷く疲れるようになりました。 私は消化器科の主治医とアポを取り、抗議の為病院に赴きました。何の相談もなく、科も違う代替先生が告知をしてしまった事に、平謝りでした。 それから私は、ガンについてできうる限り勉強しました。通院の際は、ノートを持ち込んで先生の所見を事細かくメモしました。 PET検査なるものでガンの所在が分かるかもしれないと聞き、検査機のある病院まで連れて行きました。 しかしながら、ガンの所在、及び部位は特定できませんでした。 8月になり、いつも以上に辛そうな父を見て再入院させる事にしました。病院に着くともう自力では歩くことが出来ず、車椅子に乗せて診察室まで連れて行きました。 父は気丈で弱音を吐くことを聞いた事がありません。 私が小学生の頃、車のドアで親指を挟み、骨が見えていても自分で運転し整形外科に行き、夕方には仕事をしていました。 私が中学生の時には、母が粉砕機で薬指を切り落としてしまいました。側にいた父は、すぐさま薬指を拾い、氷袋に入れて母を病院まで連れて行きました。指はくっつきませんでしたが。 そんな父が、自ら車椅子に乗っている姿に愕然としました。 主治医からは、胸水が溜まっているのでお辛いのでしょうと言われました。とりあえず、入院治療することになりました。 胸水を抜いてもらい、多少楽になったのか父に少しだけ笑顔が戻ってきました。後から来た母とも談笑していました。 数日後、父は永眠しました。 死因は、原発不明ガンとのことですが直接的な死因は、窒息死です。深夜になって吐いたものが気管に詰まり、自力では解消されず看護師が気づいた時には亡くなっていたのです。 解剖はしませんでした。 母の取り乱しようは筆舌に尽くし難く、身内一同呆然としました。 それでも、お通夜や葬儀は粛々と進められます。 葬儀が終わり、明日早朝に火葬を残すのみという晩の頃、私は葬儀会場で棺の中にいる父と2人きりになりました。 止め処無く涙が溢れてきました。あんなに泣く事はもはやないだろうと思います。 おそらく1時間ほど泣き続けたでしょうか。その間、私は心の中で同じ言葉を繰り返していました。 (ごめんなさい。ごめんなさい。) (もう大丈夫だから。) ほぼ平均寿命とは言え、父は80手前で亡くなるような人ではありません。ましてや、ヘビースモーカーで高血圧の祖父より早死にするような人ではないのです。 では何故、こうも早逝してしまったのか。 原因は、私です。 私の存在がストレスとなり、私のうつ病が治らないこともストレスとなり、40過ぎの息子が無職になって帰ってきて引きこもりになっている現実がこの上なく父に負担を掛けたのは間違いありません。帯状疱疹になったのも、胃腸に不調をきたしたのも、がんと診断されて1か月余りで亡くなったのも、私のせいです。身内は誰も口には出しませんが、みんなそう思っている事でしょう。 それなのに私は、父の棺の前で1時間ほど泣いて泣いて泣き疲れた後、気づいたのです。 うつ病が治ったと…。 皮肉なものです。父の病と死が、私のうつ病を寛解に導いたのです。 半年前まで、私は私の抜け殻でした。 何もせず、何も考えず、ただ無意味に時間とお金を浪費する肉の塊に過ぎませんでした。他人と会話する事は勿論のこと、身内ですら顔を見て話すことも出来ませんでした。 それが3か月前から止むを得ず、父の世話をするようになってお医者さんと交渉したり、看護師と話したり、父の様子を親戚に伝えたりするうちに何となく、うつ病は回復の兆しを見せ始め、最終的にに父の死によって寛解に至ったのです。 父は全く意図していなかったでしょうが、結果的に父の病と死が、私を深い深い谷底から救ってくれたのです。 結局のところ、私のうつ病を治したものは医者でも無く、カウンセリングでもなく、ましてや薬でもありません。タイミングときっかけ、そして行動です。 以下は私の経験則からの私見です。異論がある方もいらっしゃると思いますが、ご容赦ください。 うつ病は、薬で治る病気ではありません。 一般的な解釈としては、うつ病は過剰なストレスなどにより、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質が上手く働かなくなり、シナプス間における電気信号が不調となる為、活動性が低下し、感情が失われていくとされています。 抗うつ剤などの薬は、上記の神経伝達物質を良好に分泌させる為のものですが、あくまで一時的なものです。言わば、身体が疲れた時のユンケルみたいなものです。ユンケルのような滋養強壮剤の効果は、有って小一時間ぐらいらしいです。医者に聞きました。寧ろ(俺はりぽDを飲んだから元気だ!)といった暗示の副作用の方が大きいといいます。抗うつ剤も同じです。気休め程度にしかなりません。しかも抗うつ剤を服用し続ける事は何の根本的な解決にはなりません。また様々な種類があり、強いものを飲み続けると廃人になるようなものも有ります。ハイリスクローリターンです。 私が知っている精神科医で、うつ病を本気で治せると思っている人はおりません。彼らは、薬を処方し点数を稼ぎ、報酬を得ているに過ぎません。私が暫く通院していた病院は、正にそうでした。2年ほど通いましたが、沢山の精神病患者で寛解に至った方を私は知りません。私の主治医だった精神科医は、患者を1時間待たせ5分の問診で処方箋を書き、効率よく病院に富を蓄積させます。おそらくそれが出世の処方箋なのでしょう。 先日、NHKドラマで阪神淡路大地震を体験した精神科医の話がありました。患者の話を30分でも1時間でも真摯に聞く先生でした。私もそういう精神科医に出会ったら違っていたのでしょうが。 現実は違います。それでも精神科医に診てもらいたければ、開業医をお勧めします。少なくとも組織の中にいる精神科医はダメです。 カウンセリングもお金と時間がかかるばかりで、効果のほどは期待できないと思います。 中には、行動療法や認知療法で寛解する方もいらっしゃるとは思いますが、私は懐疑的です。 そもそもうつ病の根幹的な治療は何か? まず、うつ病に至ったストレスを無くすことです。私は公務員という立場や家のローン、世間体などから仕事を辞めるという選択肢を選ぶのか遅すぎました。 そして、死なないように生き、どこかのタイミングで行動を起こすことです。具体性に欠けますが、深い深い闇の中にいて、抗うつ剤や他人の空虚な言葉が一筋の光になる…なんて事は現実的ではありません。 最初はどんな行動でも構いません。ポイントは、うつ病を患ってからした事がない行動です。 よくうつ病を患った人に、「神様から休みなさいって言われているんだよ。」という方がいますが、うつ病患者は休んでいるわけではありません。深く傷つき、深い闇の中でいつ終わるとも分からない嵐が過ぎ去るのを息を殺し、感情を捨て、ただただ耐えているのです。 話が逸れました。 質問者の方は、生きている意味があるかと問いかけられていますね。 私の答えは、「ない」です。 そもそもが、生きているだけで意味がある人間なんてどれほどいるのでしょうか?人間は人間を特別視し過ぎです。過去には、人間ひとりの命は地球よりも重いと言った政治家が居ました。馬鹿げています。 この地球には、既知の部分だけでも175万種の生命体がいるそうです。未知を含めたら500万とも800万とも言われています。その多種多様な生き物が懸命に命を繋いでいます。その中で、何故人間の命だけが尊いと言えるのでしょうか。 周りを見渡せば、ニュースを見れば犬、猫より価値の無い生き方をしている人が沢山います。蜂や蟻よりも生産性の無い生き方をしている人間がありふれています。 人間の命、そのものには意味がないのです。 あるとすれば、意味ではなく「時間」だと思います。 そして時間があるからこそ、「行動」ができるのです。 重度のうつ病患者は、行動が出来ません。 行動が出来ないということは、時間が止まっているのです。 故に今のあなたが、生きている事の意味を問いかけるのははっきりいって無意味です。 それはあなた自身が本当は理解されているはずです。 けれども今あなたがその漆黒の闇を抜け出せるその日が来た時、あなたの(生)に価値が生まれます。あなたが自分の足で、自分の意思で前に進み始めた時、時間が再び動き出します。 生きている限り、意味はなくてもあなたには「時間」がある。時間があるという事は、あなたの人生は何度でもやり直せるのです。 更にあなたが価値ある、より良い行動をとることで、あなたの(人生)に意味が生まれると思うのです。 人の(生)に意味があるとすれば、価値ある行動を実践した時、初めて生まれると思うのです。 人の人生の評価は何で決まるのでしょうか? 財産、出世、肩書き…人それぞれでしょうが、私は行動だと思います。どれだけ価値ある行動を人生で出来たか、だと思うのです。 だからまずあなたがするべき事は、死なないように生きることです。そして、私のようにきっかけを待つか、自らきっかけを作り行動することです。 正直言って、私のようなきっかけを待つことはお勧めできません。 だからこそ、私のところに遊びに来ませんか? もしかしたら、何かのきっかけになるかも知れません。仮にならなくても、きっかけのきっかけぐらいにはなるかも知れません。 私は今、農業に従事しています。何故、東北から南九州に来て、農業をしているかの経緯は割愛しますが、私はうつ病が寛解してから2年ほどの、50手前のおじさんです。 うつ病が治り、取り敢えず3つの事を目標に掲げました。 ①飼っている柴犬を、日本一幸せな柴犬にする事。 ②最低限、父の年齢まで生きる事。 ③世界の真理を一つでも多く学ぶ事。 です。 農業では、無農薬、無化学肥料での、循環農法を実践しています。なるべく、F1の種に頼らず固定種の種から作付けして、この土地に合った野菜を育て、種取りをして、安全、安心な、究極的には硝酸態窒素を過剰に含まない、ガンにならない野菜作りを目指しています。 知らない土地に来てからの挑戦なので、苦労もありますがやり甲斐も有りますし、生き甲斐も感じています。 何よりも、何度となく死んでしまってもおかしくない我が身がこうしてお天道様の光を浴びて働けることが、嬉しくて嬉しくて仕方が有りません。 昔、ドイツの哲学者が言っていました。 (自らを否定して否定し尽くした時、あなたは超人となるだろう。) 私のうつ病期は、自己否定の繰り返しでした。 もちろん、私は超人には成れておりません。 ただ、周りの人達よりちょっとだけ物事の本質を理解出来るようになったかなと思います。 一昨日、東日本大震災から9年経ちました。 2万人以上の方が亡くなられました。 彼らにはもう時間が有りません。行動を起こすことも出来ません。 だからこそ我々生きている人間は、然るべき行動により、震災を語り継ぎ、亡くなった方たちを忘れずに生きねばなりません。 あなたは生きている。 あなたには時間がある。 あなたは行動を起こせる。 大丈夫。時は必ず訪れます。 最後にアメリカの詩人の言葉をご紹介します。 (寒さに震えた者ほど 太陽の暖かさを感じる 人生の悩みをくぐった者ほど 生命の尊さを知る これから私は幸福を求めない 私自身が幸福だ) 長文につき、乱筆、乱文ご容赦ください。
私はうつ病です。昔の事も思い出せず、感動せず、感情もわからず、物を覚えられず、体を動かすのもつらく、毎日ただひたすら苦しく、生きているだけでお金がかかるのに生きてる意味ってありますか? - Quora
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kachoushi · 1 year
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各地句会報
花鳥誌 令和5年6月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年2月2日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
厨女も慣れたる手付き雪掻す 由季子 闇夜中裏声しきり猫の恋 喜代子 節分や内なる鬼にひそむ角 さとみ 如月の雨に煙りし寺の塔 都 風花やこの晴天の何処より 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月2日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
山焼きの煙り静かに天昇る 喜代子 盛り上がる土ものの芽の兆しあり 由季子 古雛や女三代つゝましく 都 青き踏む館の跡や武者の影 同 日輪の底まで光り水温む 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月4日 零の会 坊城俊樹選 特選句
桃の日のSt.Luke’s Hospital 光子 パイプオルガン天上の春連れませり 順子 指を向け宙に阿弥陀の春の夢 いづみ 春の川大東京を揺蕩ひぬ 美紀 聖路加の窓ごとにある春愁 眞理子 雛菊もナースキャップも真白くて 順子 聖ルカを標としたる鳥帰る 三郎 印度へと屋根とんがりて鳥雲に 佑天 鳥雲に雛僧の足す小さき灯 千種 学僧は余寒の隅に立つてをり きみよ
岡田順子選 特選句
春陽に沈められたる石の寺 美紀 春空に放られしごと十字架も 同 春潮の嫋やかな水脈聖ルカへ 三郎 鳥雲に雛僧の足す小さき灯 千種 涅槃西風吹きだまりては魚市場 いづみ 聖路加の鐘鳴る東風の天使へと 俊樹 皆春日眩しみ堂を出で来たり 千種 桃の日のSt.Luke’s Hospital 光子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月4日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
春愁の揺れてをるなりだらり帯 愛 立子忌や飯とおさいにネモフィラ猪口 勝利 春眠し指に転がす砂時計 かおり ゆらめいて見えぬ心と蜃気楼 孝子 春潮のかをり朱碗の貝ひらく 朝子 ファシズムの国とも知らず鳥帰る たかし 立子忌の卓に煙草と眼鏡かな 睦子 毛糸玉ころがりゆけば妣の影 同 わが名にもひとつTあり立子忌よ たかし 波の綺羅とほく眺めて立子の忌 かおり 灯を消してふと命惜し雛の闇 朝子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月6日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
この空のどの方向も春日燦 和子 思ひ出はいろいろ雛の女どち 同 うららかや卒寿に恋の話など 清女 鳥帽子の小紐手をやく京雛 希 耳よりの話聞きゐる春の猫 啓子 地虫出づ空の青さに誘はれて 雪 意地を張ることもなくなり涅槃西風 泰俊
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月10日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
裏路地の古屋に見ゆる雛祭 実加 子等笑ふお国訛りの雛の客 登美子 彼岸会の約束交はし帰る僧 あけみ 筆に乗り春の子が画く富士の山 登美子 うららかな帰り道なり合唱歌 裕子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月10日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
春夕焼浜の民宿染めてをり すみ子 青粲粲空と湖面と犬ふぐり 都 水車朽ちながらも春の水音して 和子 朝東風や徒人の笛は海渡る 益恵 枝垂梅御幣の揺れの連鎖して 宇太郎 春の婚オルガン春の風踏んで 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月11日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
啓蟄やボール蹴る子は声がはり 恭子 海近き山の椿の傾きて 和代 啓蟄の光を帯びし雲流る ゆう子 鳥鳴いて辛夷の甘き香降る 白陶 一人言増えたる夕べ落椿 恭子 小気味よき剪定の音小半日 多美女 一端の鋏響かせ剪定す 百合子 ふる里の椿巡りや島日和 多美女 剪定や句碑古りて景甦る 文英 剪定や高枝仰ぐ褪せデニム ゆう子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月13日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
雪吊の縄の解かれて睡り���む 世詩明 家康公腰掛け松や地虫出づ ただし 捨鉢な女草矢を放ちけり 昭子 屋号の名一字継ぎし子入学す みす枝 花冷や耳のうしろといふ白さ 昭子 坐りゐて炬燵の膝のつつましく 世詩明 対座したき時もあるらん内裏雛 みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月13日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
摘草のさそひ届きぬ山の友 ことこ 蒼天に光の礫初燕 三無 陽炎のけんけんぱあの子をつつむ あき子 朝戸風見上げる軒に初つばめ 同 摘み草や孫を忘れるひとしきり 和魚 かぎろへる海原円く足湯かな 聰 陽炎や古里に建つ祖母の家 ことこ 我家選り叉来てくれし初つばめ あき子 陽炎ひて後続ランナー足乱る のりこ 新聞を足してつみ草ひろげたり あき子 つみ草や遠くの鉄橋渡る音 史空
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月14日 萩花鳥会
熔岩の島生き長らへし藪椿 祐子 寝静まり雛の酒盛り夢の間に 健雄 田楽や子らの顔にも味噌のあと 恒雄 雑草も私も元気春日向 俊文 猫抱いてぬくぬく温し春炬燵 ゆかり 子自慢の如く語るや苗売よ 明子 雲梯を進む子揺らす春の風 美惠子
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令和5年3月15日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
雪吊りのほどけて古木悠然と 笑子 落椿きのふの雨を零しけり 希子 夜半の軒忍び歩きの猫の恋 同 立雛の袴の折り目正しくて 昭子 桃の花雛たちにそと添はせたく 同 口笛を吹いて北窓開きけり 泰俊 手のひらを少し溢るる雛あられ 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
雪吊の縄のゆるみに遊ぶ風 雪 奥津城の踏まねば行けぬ落椿 同 まんさくに一乗川の瀬音かな 同 よき言葉探し続ける蜷の道 すみ枝 春眠の赤児そのまま掌から手へ 同 足裏に土のぬくもり鍬を打つ 真喜栄 強東風の結界石や光照寺 ただし 裸木に降りかかる雨黒かりし 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月17日 さきたま花鳥句会
春雨に黙し古刹の花頭窓 月惑 震災の地に鎮魂の東風よ吹け 一馬 春昼や女房のうつす生あくび 八草 ととのへし畝に足跡朝雲雀 裕章 路地裏の暗きにありて花ミモザ ふゆ子 薄氷や経過観察てふ不安 とし江 拾ひよむ碑文のかすれ桜東風 ふじ穂 水温む雑魚の水輪の目まぐるし 孝江 薄氷の息づき一縷の水流る 康子 二月尽パンダ見送る人の波 恵美子 ほろ苦き野草の多き春の膳 みのり 梅園に苔むし読めぬ虚子の句碑 彩香 強東風老いてペダルの重くなり 静子 鉛筆はBがほどよき春半ば 良江
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令和5年3月19日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
一族の閼伽桶さげて彼岸寺 芙佐子 隠沼に蝌蚪のかたまり蠢きぬ 幸風 セスナ機の音高くして地虫出づ 月惑 この山の確と菫の一処 炳子 石仏に散華あまねく藪椿 要 年尾とはやはらかき音すみれ草 圭魚 茎立の一隅暗き室の墓 千種 春塵の襞嫋やかに観世音 三無
栗林圭魚選 特選句
ビル影の遠く退く桜東風 秋尚 古巣かけメタセコイアの歪みなし 千種 寄せ墓の天明亨保花あけび 同 色を詰め葉の艶重ね紅椿 秋尚 ひとつづつよぢれ戻して芽吹きけり 同 信号の変り目走る木の芽風 眞理子 助六の弁当買うて花人に 千種
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
元三大師夢のお告げの二日灸 雪 新しき雪夜の恋に雪女 同 恋てふも一夜限りを雪女 同 懐手もつともらしく頷けり 昭子 石庭に音立て椿落ちにけり 同 雛簞笥何を隠すや鍵かけて 同 貸杖の竹の軽さや涅槃西風 ただし 石どれも仏に見えて草陽炎 同 泰澄の霊山楚々と入彼岸 一涓 制服も夢も大なり入学児 すみ枝 露天湯に女三人木の葉髪 世詩明 歩きつつ散る現世の花吹雪 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月26日 月例会 坊城俊樹選 特選句
門出祝ぐ花の雨とてももいろに はるか 花色の着物纏ひて卒業す 慶月 街の雨花の愁ひの透き通り 千種 蹄の音木霊となりて散る桜 政江 フランス語のやうにうなじへ花の雨 緋路 大屋根をすべりて花の雨となる 要 花屑へまた一片の加はりぬ 緋路 永き日のながき雨垂れ見て眠し 光子 宮裏は桜の老いてゆくところ 要
岡田順子選 特選句
金色の錠花冷えのライオン舎 緋路 漆黒の幹より出づる花白し 俊樹 白々と老桜濡るる車寄せ 要 花揺らし雨のつらぬく九段坂 はるか 漆黒の合羽のなかに桜守 光子 花の夜へ琴並べある神楽殿 はるか 春雨や無色無音の神の池 月惑
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年3月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
今昔の小川にしのぶ蜆かな 成子 薔薇の芽の赤きは女王の予兆 ひとみ 潮こぼしながら蜆の量らるる 朝子 餌もらふ鯉をやつかみ亀の鳴く 勝利 突きあげし拳の中も春の土 かおり 持つ傘をささぬ少年花菜雨 ひとみ 涅槃西風母も真砂女も西方へ 孝子 亀の鳴く湖畔のふたり不貞だと 勝利 口紅は使はれぬまま蝶の昼 喜和 長靴の子はまつすぐに春泥へ ひとみ パグ犬と内緒のはなし菫草 愛 息詰めて桜吹雪を抜けにけり 孝子 ふと涙こぼれてきたる桜かな 光子 健やかな地球の匂ひ春の草 朝子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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kirin-lemonade · 2 years
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去年の8/15頃に書きためた駄文を手慰みに。
書かずにいられない心持ちで吐き出す様に何かを書いたのは、随分久しぶりな気がします。
錠剤
油紙を敷いた缶に、錠剤を分けて入れる作業が私の日課。持病の硝子症の薬だ。雨が降った後は塵が雨に絡めとられるので空気が澄んで遠くまでよく見える。でも私が発した言葉が行き着く先までは見えない。
時間はこの家を通り過ぎて裏庭で散り散りになった後、結晶化されていく。持病の原因はその結晶だと医師はいう。
亡母#1
アルミニウムは新しい金属です、と亡母が呟く声が聞こえる。夕餉の為に圧力鍋を用意している私は、何?と聞き返すが、亡母はアルミニウムは新しい金属ですと繰り返す。私は夫の���物が鶏の煮物だったか急に自信がなくなる。原子番号ハジュウサン原子量ハニジュウロクテンキュウハチ。夫はまだ帰らない
瓦斯#1
先程からこの部屋に充満している蒸気はきっとそのままにして良いのだろうと
眠りから覚めた私はぼんやりと思う
肌に付着する水の粒子の中に瓦斯の匂いが混じっていることが気になるが、左利きの私にはどうすることもできない
仕方なく真新しい鋏の切れ味を試す事にする
昨日近くの荒物屋で買った鋏だ
プレス機#1
漸く気が付いた。私は巨大なプレス機の中に横たわっている、いつからかは思い出せないが。ナックル構造のこの機械は、地球の自転という回転運動をピストン運動に変化させ、ゆっくりと私の上に鉄の塊を下ろしてくる。ピストンが下死点に達するまでに、私は私の原子番号を思い出さなければいけない。
受付#1
何かご不明な点はございますかと係の女性が笑顔で訊くので、ずっと気になっている事を訊く事にした。妻の猫は無事なのでしょうか。ええ大丈夫ですよと、綺麗に貼られた切手のような笑顔で彼女が答える。ならば良いのだ、7年前に天寿をまっとうした、あの雉猫が無事ならば。先着順です。彼女は笑う。
お神籤#1
今日、神社で御神籤をひいた。偏頭痛が酷かったのだ。札には「怨嗟に苛まれ続けよ」とあったので掛り付けの医師に見せることにした。
医師が、高血圧みたいなものです、その札は黄色のボウルに水を張り、浸しておくといいというので帰りにボウルを買った。色は白だがその位は大目にみてくれるだろう。
亡父#1
昨夜亡父が福引で当たったと云って持ち帰った其れは呻き声をあげる、見たことのない生き物でした。一見、烏鷺の木のようにも見えますが生き物です。おい何か云いたい事があるなら云いなさいと、亡父は其れの首と思われる場所を菜箸で突くのです。其れにとって私達は卒塔婆のように見えて��たのです
亡父#2
等間隔に立つ街灯が一斉に灯を落とした。亡父に頼まれ凧糸を買いに行った帰りだ(彼は其れで髪を結う)
確かに今朝の新聞に報せが載っていた。冷蔵庫の中に溜め込んだ羊歯の葉(亡父の主食)を地下の氷室に移さないと。歩調を早める私の目に汗が滲みいる。宙に浮く監視機の小さな赤い光だけが、頼りだ。
亡父#3
何となく息苦しいと思ったら、案の定、天井のプロペラが回っている。この部屋は真空なので気が付かなかった。でもな、それを見続けていると音が聞こえてくるから気をつけろ、亡父が言う。こう在るべきだと、脳が勝手に音を鳴らすんだ。構わず私は見続ける。その時私の頭の中ではどんな音が鳴るのか。
迎え火#1
あの子は私を妹と呼びました。歳はおろか、体の大きさだって私の何十倍もあるのですから、それも当然です。いちねんぶりに懐かしいよびごえがキこえたので、あのコのところに戻りまス今クらしているだいせいどウは居心地がいいでスああ泣いているのはワタシでしょうか尻尾のないあのコでしょうわかりま
老母#1
頭蓋骨を微細な波長で揺らすそれがwhiteroomで暮らす老母からの信号と気づいた朝
彼女は何を伝えようとしていたのか
古えの話を伝えようとしていたのか
それはまだ、元号があった頃
(今は勿論、樹暦1337年)
もう誰も摂氏で気温を測らない
ああ、いつまでも続く彼女の振動
亡父#4
私は壁の木目から此方を覗いている叔父と視線があったまま動けないでいる。叔父の葬儀はそれはもう、豪奢なものだった。ヒヤシンス、亡父が泣く、木目には記憶が存在しないのに。映る筈のないテレヴィジョンが、ぷつっと息を吹き返した。画面の中に咲き誇る花が見える。ヒヤシンス、亡父の涙は止まない
読書#1
落ち着いて、集中して、と彼女は私の手の甲を摩りながら云う。落ち着いて、集中して。彼女の内部には私が想像しているこの部屋しか存在しないことが愚かな私にも分かる。先生、それは、と私は言葉を探す。彼女は首を擡げる。それは机の上で開かれた本が、自らその頁を閉じる様な、ゆっくりと静かな動き。
ラジオ講座#1
「先週は」、ラジオの向こうの先生が云う。「発した言葉が土壌の中でどのように分解するかを学びましたが、今週はもっとシンプルに発した言葉の熱量がテーマです」この講座を聴くのは四回目。家事の合間に丁度良い時間なのだ。冷蔵庫からアイスクリンを出す。上手く溶けますようにと、私は言葉を準備する。
#亡父5
私は亡父を散歩に連れ出す。彼は近くの植物園が好きなので、何時もそこを散歩のルートにしている。園内の池にたどり着くと、彼は小石を詰まらなそうな顔でひとつふたつと、池に投げ込む。沈澱している、等と思ふのは我等が水面の上から臨んでいる故だ。私は曖昧な笑顔のまま彼の首輪の紐を曳く。
傘#1
ラジオで天気予報を聞きながら、停車場のベンチに座っていると、足元を摂氏70度の水が波打ち流れていきました。ああまただ、また裏庭に無数の傘の残骸が集められるのかと、私は情けない気持ちで歩き始めます。傘のビニールはすぐに朽ちて、植木鉢の裏底のような哀しい臭いを放ち始めるので苦手です。
名前#1
亡父が以前縁日で手に入れた生き物は、亡父が世話をしないので、私が食事を与え散歩に連れて行くようになりました。ラジオで、物体には必ず名前をつけた方が良い、と聞いたので、二人で考えて「シジマ」にすることにしました。私が彼に「亡父」と名付けた時は私一人で考えたので至って楽な作業でした。
執務室#1
ずっとその存在を疑っていた世界に、今日呼び出された。書状にある撮影所に向かい、彼の執務室を訪れると、彼は無言で次々と書類にサインし続けながら時折視線を此方に向けた。服の土埃を払うことも口を開くことも許されずペン先の掠れる音を聞いていると、確かに私も世界も存在していると実感できた。
海図#1
最初、彼は自らを「シテン」と名乗った。視点、支点、始点、死点。訝しむ私に彼は言う「航海士が海図にコンパスの針を突き立てると、船を取り巻く海がその動きを止めるように、お前がこの場所に私を突き立てれば、お前を取り巻く全てがその動きを止める」納得した私は彼を亡父と名付け、家に上げた。
輪転機#1
裏庭で野晒しの輪転機がごおんとゆっくりと回り始めました、纏わりついた水滴を振動で弾き飛ばしながら。私だの君だのこざかしい、亡父が私の背後で呟くと忽ち、輪転機からは火柱が吹き上がり、亡父の体臭は異国の空港の匂いの様に懐かしく哀しく。私の残照は失墜して悲しみに溢れ、葉脈へと行き着きます、やがて
市場#1
デスクの抽斗には裏庭で掻き集めた硝子の粉が敷き詰められていて。通り過ぎたじかんが結晶化し地面に落ちて砕けたものです、ゆえ、市場に卸します一斤三円で何処かに売られていく曾てじかんだったものを悼みます。空腹を恥じこの躰を呪いつつ誰かの傘に入れてもらいつつ。終わったじかんを売り〼、ココ
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arazaru · 3 years
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アラザル読書会・第一回マンガ分科会『黄色い本』(高野文子 著)抄録
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開催日:2020年12月19日 出席者:西中賢治、やまのせりか、高内祐志、梅田径、諸根陽介、近藤久志
★絵柄、コマ割り 西中 スクリーントーンの使い方がおしゃれ。P8ではスクリーントーンを削ることで水滴の影が表現されており、影なのに光って見える。線も細くてデザイン的だが、多くのコマで線がはみ出していたり、手技感も出している。 梅田 デジタルでこれを描くのは難しそう。書き直ししない決断主義的な決意を感じる。アナログ手法にもかかわらず、電気を消すシーンとか、コマとコマの間に大きな飛躍を見せるのがすごい。 西中 一番最初のページで、最後のコマに出てきた指が、次のページで本をめくる手になる。読者の視点が手の持ち主へ誘導される。さらに手の持ち主が「ジャック」に感情移入していることも示されている。 諸根 実験的な作品だと思った。省略の仕方が面白い。説明的な要素がないので最初は戸惑ったが、少しずつ繋がりが見えてきて物語の中に入っていける。 梅田 『ねこぢる草』のような、事象としては連続しないのに、精神性みたいな謎の連続性を信じ切るコマの使い方に近い印象を受けた。説明がなくてよく分からないけど納得感がある。ただ、最近の萌え漫画ばかり読んでる身としては、かなりしんどい。 西中 P50はおそらく虚を突かれてスローモーションに見えている。少女漫画的な特殊なコマ割り。 高内 ジャンプ漫画は保守的。戦後の漫画は映画をもとに発展したからか。
★マンガの中の文章 西中 活字が絵として描かれていることと、コマに合わせて文章が改行されているのがポイント。活字のままだと背景として読者に処理されて読まれないかも。 高内 描き文字は強い表現で、「読んでくれ」と主張している。作家にも「読ませたい」という強い意志があったことがわかる。 せりか 私は最初読み飛ばしたが、すぐに「読まなあかんやつや」と気づいて読み直した。改行されてコマの中に文章が全部入りきっているところって、普通は違和感だけど面白いな〜って思った。
★本 諸根 P9「雨の日に本なんか読むからだわ」という理由がよくわからなくて面白いと思った。「バスの中で本なんか読むからだわ」ならわかるけど。 梅田 コマの断絶と関係あるように思う。意味がないようなあるような文句だけど、意味がある。 西中 「ほりゅうの質」という本の中の語彙と、方言の混じった日常会話の語彙が違うことに実地子は無自覚。 梅田 見えない文化資本の差みたいなものかな? 高内 自覚してないんじゃなく、わざと使ってるのかも。 西中 確かに、本が好きな人は子供の頃から自覚している経験。好きなバンドや映画の話をそうそうでき��いのも同じ。 諸根 現実と読書体験、どっちかが正しいじゃなく、どっちもあるから救われる。自分は読書をポジティブに捉えている。 せりか このマンガからは、本を読んでる自分が好き、みたいな気持ちを感じる。わかるわー。 西中 自分は読書することが必ずしもいいとは思えない。世の中、本を読まない人の方がちゃんと大学を出てちゃんと就職して家庭を作って楽しく生きてるケースも多い。 諸根 気持ちはわかる。でも今の自分が嫌いなんだったらしょうがないけど、本を通じてできた自分が嫌いじゃなければ否定しなくていいのでは。 西中 本や映画や音楽の話が素直にできる友達はアラザルだけ。
★革命と就職 梅田 みっちゃんの思想はヤバい。この子はマジで革命やコミンテルンにいっちゃうのでは。コミンテルンの中心になりたいような王様的な幻想に惹かれているのに、自分は労働者との対話をしていない。僕は就職できなかったんじゃないかと思っていて、そういう意味で労働と革命に対する日本の学生的な感性を代表するような思想なのかもしれない。 諸根 自分はわりと素直に革命に行くのではなく大久保メリヤスに就職したと思った。「就職するので遠ざかるけどあなたたちが近くにいてくれたことは忘れないよ」、と黄色い本とその中の登場人物たちに伝えている話だと読んだ。不安定な時期に救われた読書体験を描いた漫画だと思った。 西中 実地子はセーター編みなど高い能力を持つが、その手技を行かせない機械制工業の大久保メリヤスに就職するところが残酷ではある。 梅田 大久保メリヤスにさえ落ちるほど学校的な能力が低い子として描かれているのでは。だから、本の中に逃げ込んだ。 せりか 最後は本を買わなかったのか? 実地子の顔を見てると、仕事につくワクワク感の方が大きいように見える。 西中 なぜ買わなかったのかも語りどころ。「お別れしなくてはなりません」と自分で決意した。 近藤 市場原理の中で働かなければならない悲しみもあるけど、トーチャンの「本いっぺえ読め」とか、「メゾン・ラフィットに来てくれたまえ」という言葉に希望を感じる。 諸根 P74-75の「ブブブ」は何なのか。 西中 P74の方は手の震えから出る音に見える。 近藤 頁を捲るときに紙と指が擦れる音がするよね。その音かも。
★実地子 西中 読者が最初に見る美智子は車酔いしたひどい顔で、その後も現実世界では常に猫背でおばあさんみたいな表情。本を読むときや本の世界に入っているときだけシャンとしている。しかし第五章は現実でも顔がまともで、成長とか卒業を表しているのか。 近藤 P57に出てくる左翼青年が山本直樹の『RED』っぽい。 諸根 「とっくり」でさりげなく左翼性を示すところなど、説明的じゃなくてうまい。 西中 青年の登場シーンはたまたま実地子の顔が赤くなっていて恋愛感情を匂わせるが、その後に「彼は同志じゃない」と否定するアンビバレントさがある。 近藤 舞台は浅間山荘以後の左翼運動が挫折した時代(※)。それが最後の「お別れしなくてはなりません」にもつながるのかな。 西中 革命で死ぬチボーと70年代日本の革命の挫折が重なってる。このへんも実地子の中で虚実が入り交じる仕掛け。 ※高野本人の実体験は70年代半ばだが、作者インタビューによるとマンガの舞台は60年代後半とされているよう。
★トーチャン 西中 P43で、革命の根本的な矛盾に悩む実地子が語りかけるのは、なぜトーチャンなのか。 せりこ 単純に、トーチャンに自転車で追い越されたからむかついたのでは。 諸根 トーチャンの顔の近くに♥が描かれているのも謎。 西中 トーチャンはほんとにいいシーンが多い。それに比べてカーチャンは本を取り上げたり煮物を教えたりするだけ。カーチャンは実生活を教え、トーチャンは本の世界を教える、ということか。 諸根 P33「ほめられたらいかれ」「よろこんだらはじろ」という本の中の言葉もアンビバレント。 西中 「おめでねば編めねえようなセーターを編む人に」「好きな本を一生持つのも」と言うトーチャンは、いい人だという見方もあるし、現実性のない偽善的な人だという見方もある。そして実地子はいずれの助言も受け入れない。 諸根 絵本にバツ印を付けるシーンでトーチャンが字を読むのが苦手だということが分かる。自分がそういう境遇にいたからトーチャンは子供たちに本をたくさん読んでほしいと思っている、素直に善良な人だと思った。本棚に子供用の本をたくさん置いているところとか。それに反発もあるが遠ざかりきれないのが家族。
近藤 家族や家にほだされるということはあると思う。普通の善良さに対しての複雑な気持ち。P43の「自分以外の〜」は、トーチャンのような普通の善良さですべての人を救えるの?という葛藤。
西中 トーチャンの持つ普通の善良さや理想主義的なところが、実地子の革命思想や就職という問題に対立する。だから実地子はトーチャンに語りかけ、最後もトーチャンと会話するのか。
★その他 諸根 いとこが一緒に住んでてその母親がたまに来る関係が気になる。最後に市民病院に行くから、母が入院していたのだろうか。 西中 病院にいるのがいとこの母なのか自分のカーチャンなのかわかりにくい。P18とか、誰なのか混乱するところが多い。 近藤 この本の『CLOUDY WEDNESDAY』という短篇がすごくいい。朝、玄関で娘を送り出すときのくしゃみのコマとかすばらしい。
(採録:西中)
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nanaintheblue · 4 years
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読書灯
少年▶︎伊集院静「少年譜」重松清「きよしこ」重松清「半パンデイズ」「小学五年生」 少女▶︎川上弘美「なめらかで熱くて甘苦しくて」桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は打ちぬけない」森絵都「リズム」「永遠の出口」 小学校▶︎朝井リョウ「世界地図の下描き」川上未映子「あこがれ」草野たき「教室の祭り」「くちぶえ番長」豊島ミホ「夜の朝顔」 中学校▶︎石田衣良「4TEEN」「うつくしい少年」木堂椎「12人の悩める中学生」草野たき「リボン」「反撃」「Q→A」重松清「青い鳥」鈴木るりか「太陽はひとりぼっち」「14歳、明日の時間割」豊島ミホ「初恋素描帖」河原千恵子「白い花と鳥たちの祈り」蒼沼洋人「さくらいろの季節」水森サトリ「でかい月だな」 高校▶︎石田衣良「6TEEN」恩田陸「夜のピクニック」重松清「空より高く」佐々木愛「プルースト効果の実験と結果」豊島ミホ「檸檬のころ」「リテイクシックスティーン」三秋縋「君が電話をかけていた場所」「僕が電話をかけていた場所」山田詠美「放課後の音符」「ぼくは勉強ができない」綿矢りさ「蹴りたい背中」 大学▶︎阿川せんり「ウチらは悪くないのです」桐野夏生「抱く女」瀬尾まいこ「おしまいのデート」豊島ミホ「神田川デイズ」綿矢りさ「大地のゲーム」柚木麻子「男、女、早稲女」 部活▶︎朝井リョウ「チア男子!」草野たき「グッドジョブガールズ」重松清「空より高く」「あすなろ三三七拍子」瀬尾まいこ「あと少し、もう少し」中沢けい「楽隊のうさぎ」花形みつる「アート少女」三浦しをん「風が強く吹いている」森絵都「ラン」「DIVE!」 バイト▶︎阿川せんり「厭世マニュアル」畑野智美「国道沿いのファミレス」 就活▶︎朝井リョウ「何者」石田衣良「シューカツ!」三浦しをん「格闘する者に○」 婚活▶︎朝比奈あすか「人生のピース」石田衣良「コンカツ?」「スイングアウトブラザーズ」南綾子「婚活1000本ノック」「ぬるま湯女子会」柚木麻子「デートクレンジング」辻村深月「傲慢と善良」北条かや「本当は結婚したくないのだ症候群」 初恋▶︎村山由佳「天使の卵」森絵都「つきのふね」 結婚▶︎金原ひとみ「アタラクシア」窪美澄「やめるときも、すこやかなるときも」辻村深月「本日は大安なり」森美樹「主婦病」山内マ��コ「かわいい結婚」「皿洗いするの、どっち!?」山崎ナオコーラ「かわいい夫」唯川恵「ベター・ハーフ」「100万回の言い訳」 養子・連れ子▶︎芦沢央「漠の耳たぶ」川上未映子「夏物語」窪美澄「いるいない未来」瀬尾まいこ「卵の緒」「僕の明日を照らして」辻村深月「朝が来る」 老後▶︎有吉佐和子「恍惚の人」内館牧子「終わった人」角田光代「笹の舟で川を渡る」京極夏彦「オジイサン」佐藤友哉「デンデラ」三浦しをん「政と源」柚木麻子「マジカルグランマ」 入れ替わり▶︎荻原浩「僕たちの戦争」唯川恵「今夜は心だけ抱いて」 宗教▶︎今村夏子「ほしのこ」荻原浩「砂の王国上下」 障碍▶︎石田衣良「カンタ」今村夏子「こちらあみ子」萩原浩「海馬の尻尾」 女友達▶︎飛鳥井千砂「鏡よ、鏡」角田光代「対岸の彼女」草野たき「透きとおった糸をのばして」綿矢りさ「ウォーク・イン・クローゼット」宮木あや子「野良女」「憧憬☆カトマンズ」柚木麻子「あまからカルテット」千早茜「正しい女たち」唯川恵「肩ごしの恋人」山内マリコ「あのこは貴族」 容貌▶︎朝比奈あすか「自画像」岩井志麻子「嘘つき王国の豚姫」桜庭一樹「少女七竃と七人の可哀想な大人」ヒキタクニオ「突撃ビューティフル」南綾子「ダイエットの神様」柚木麻子「嘆きの美女」西加奈子「きりこについて」百田尚樹「モンスター」唯川恵「テティスの逆鱗」 恋愛エッセイ▶︎oyumi「『そういうとこだぞ』がとまらない貴女へ」ゆうこす「モテるために生きてる」山田詠美「4 Unique Girls人生の主役になるための63のルール」 ��能界▶︎朝井リョウ「武道館」芦沢央「バックステージ」彩瀬まる「珠玉」小林早代子「くたばれ地下アイドル」豊島ミホ「カウントダウンノベルズ」宇垣美里「風をたべる」塙貴之「言い訳」宮木あや子「婚外恋愛に似たもの」唯川恵「セシルのもくろみ」綿矢りさ「夢を与える」 猫▶︎木内昇「茗荷谷の猫」重松清「ブランケット・キャッツ」「さすらい猫 ノアの伝説」唯川恵「みちづれの猫」村山由佳「晴れときどき猫背、そしてもみじへ」 
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遠出▶︎角田光代「さがしもの」皆川博子「影を買う店」辻村深月「東京會舘とわたし 上下」星野源「いのちの車窓から」山内マリコ「パリ行ったことないの」 裁判▶︎角田光代「坂の上の家」島本理生「ファーストラヴ」 
家族▶︎伊坂幸太郎「残り全部バケーション」荻原浩「家族写真」「愛しの座敷わらし」坂井希久子「ただいまが、聞こえない」重松清「リビング」「希望が丘の人びと」荻原浩「冷蔵庫を抱きしめて」「さよなら、そしてこんにちは」「家族写真」 西加奈子「しずく」綿矢りさ「手のひらの京」辻村深月「クローバーナイト」「青空と逃げる」「家族シアター」吉川トリコ「グッモーエビアン!」 母▶︎芦沢央「漠の耳たぶ」町田そのこ「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」川上未映子「きみは赤ちゃん」角田光代「マザコン」一木けい「愛を知らない」川上未映子「夏物語」重松清「かあちゃん」村山由佳「放蕩記」唯川恵「啼かない鳥は空に溺れる」 父▶︎石田衣良「チッチと子」桜庭一樹「私の男」重松清「とんび」「ステップ」森絵都「いつかパラソルの下で」吉川トリコ「ミドリのミ」 きょうだい▶︎伊坂幸太郎「重力ピエロ」瀬尾まいこ「春、戻る」「戸村飯店 青春100連発」重松清「ポニーテール」西加奈子「サラバ!」羽田圭介「黒冷水」 ごはん▶︎小川糸「食堂かたつむり」「あつあつをめしあがれ」角田光代「彼女のこんだて帖」筒井康隆「聖痕」柚木麻子「ランチのアッコちゃん」「その手をにぎりたい」千早茜「わるい食べもの」「さんかく」 デザート▶︎千早茜「西洋菓子店プティ・フール」柚木麻子「3時のアッコちゃん」 
軽食▶︎川上未映子「愛の夢とか」宮木あや子ほか「文芸あねもね」山田詠美「タイニーストーリーズ」荻原浩「ギブミーアチャンス!」「ちょいな人びと」「幸福になる100通りの方法」奥田英朗「マドンナ」 「ガール」豊島ミホ「花が咲くころいた君と」千早茜「からまる」「おとぎのかけら」西加奈子「おまじない」森絵都「気分上々」山田詠美「珠玉の短編」 震災▶︎彩瀬まる「やがて海へと届く」重松清「希望の地図」桐野夏生「バラカ」西尾維新「悲鳴伝」 逃避▶︎角田光代「八日目の蝉」桐野夏生「だから荒野」辻村深月「青空と逃げる」 再会▶︎重松清「流星ワゴン」「ロングロングアゴー」森絵都「出会いなおし」村山由佳「ありふれた愛じゃない」 アイロニー▶︎芦原央「許されようとは思いません」桐野夏生「緑の毒」 
休憩▶︎荻原浩「それでも空は青い」奥田英朗「家日和」「我が家の問題」「我が家のヒミツ」 
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chirinovel · 4 years
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桝莉花
朝、目を覚ますと、「もう朝か」とがっかりする。希望に満ちた新しい朝起なんてほとんどなく、その日の嫌な予定をいくつか乗り切る作戦を練ってから布団を出る。
マルクスの「自省録」を友人に借りて読んだ時、初めは偉そうな言いぐさに反感を持ったが、日々の中で些細な共感をするたびに、ちょっとかっこいいんじゃないかなどと思うようになった。嫌な予定を数えるだけだった悪い癖を治すため、そこに書いてあったような方法を自分なりに実践している。半ば寝ぼけているから、朝ごはんを食べている時には、どんな作戦だったかもう思い出せない。
ただ、担任の堀田先生に好意を寄せるようになってからは、今日も先生に会いに行こう、が作戦の大半を占めている気がする。
リビングへ出ると、食卓には朝食が並んでおり、お母さんが出勤姿で椅子に半分くらい腰掛けてテレビを見ていた。
「あ、莉花。見てニュース」
言われた通りにテレビに目を凝らすと、映っていたのはうちの近所だった。
「えー、引き続き、昨日午後五時頃、○○県立第一高等学校で起きました、無差別殺傷事件の速報をお伝えしております」
全国区のよく見知ったアナウンサーの真剣な顔の下に、速報の文字と四名が現在も重体、教師一名を含む三名が死亡とテロップが出た。
「えっ、これって、あの一高?生徒死んじゃったの」
お母さんは眉根を寄せ、大げさに口をへの字にして頷いた。
 「中学の時のお友達とか、一高に行った子もいるんじゃないの?」
しばらくテレビの画面を見詰めながら考えを巡らせた。お母さんは「大変大変」とぼやきながら立ち上がり、
「夕飯は冷蔵庫のカレーあっためて食べてね」
と家を出て行った。
中学の時に一緒にいた友だちはいるけれど、知りうる限り、一高に進学した子はいなかった。そうでなくても、今はもうほぼ誰とも連絡は取り合っていないから、連絡したところでどうせ野次馬だと思われる。
 地元の中学校に入学して、立派な自尊心となけなしの学力を持って卒業した。友だちは、いつも一緒にいる子が二人くらい居たけれど、それぞれまた高校で「いつも一緒にいる子」を獲得し、筆マメなタイプじゃなかったために、誕生日以外はほぼ連絡しなくなった。誕生日だって、律儀に覚えているわけじゃなくて、相手がSNSに登録してある日付が私の元へ通知としてやってくるから、おめでとう、また機会があれば遊びに行こうよと言ってあげる。
寂しくはない。幼いことに私は、自分自身のことが何よりも理解し難くて、外界から明確な説明を求められないことに、救われていた。友だちだとかは二の次で、ましてやテレビの向こう側で騒がれる実感のない事件になんて構ってられない。
高校で習うことも、私にはその本質が理解できない。私の表面的なものに、名前と回答を求め、点数を与えて去っていく。後にこの毎日が青春と名乗り出るかも、私には分からない。気の早い麦茶の水筒と、台所に置かれた私の分の弁当。白紙の解答用紙に刻まれた、我が名四文字の美しきかな。        
学校に着いたのは七時過ぎだった。大学進学率県内トップを常に目標に掲げている我が高校は、体育会系の部活動には熱心じゃない。緩く活動している部活動なら、そろそろ朝練を始めようという時間だ。駐輪場に自転車を停めると、体育館前を通って下駄箱へ向かうのだが、この時間だと、バスケ部の子たちが準備体操をしていることがあり、身を縮こまらせる。今日はカウントの声が聞こえて来ないから、やってないのかな。横目で見ると、女子バスケ部に囲まれて体育館を解錠する嬉しい後ろ姿が見えた。
担任の堀田先生だ。
そういえば、女子バスケ部の副顧問だったな。
背ばっかり高くて、少し頼りない猫背をもっと眺めたかったけれど、違う学年の、派手な練習着の女子たちに甲高い声で茶化されて、それに気だるげな返事をしている先生は、いつもより遠くに感じた。あ、笑ってる。
 いつも通りに身を縮こまらせて、足早に玄関へ駆け上がった。
出欠を取るまでまだ一時間半もあり、校内は静まり返っていた。
教室のエアコンを点け、自身の机に座り、今日の英単語テストの勉強道具を机に広げた。イヤホンをして、好きなアイドルのデビュー曲をかける。
校庭には夏季大会を前にした野球部員たちが集まり、朝練にざわつきだす。イヤホンから私にだけ向けられたポップなラブソングを濁すランニングのかけ声を窓の向こう側に、エアコンの稼働音だけが支配する教室。
「おはよー」
コンビニの袋を提げて入って来た風呂蔵まりあは、机の間を縫い縫い私に近寄って来た。
イヤホンを外しておはよう、と返すと、彼女はそのまま私の前の席に座った。片手でくるくるとした前髪をおでこから剥がし、もう片手に握ったファイルで自分を仰ぎながら、馴れ馴れしく私の手元を覗き込んだ。
「早くない?」
「小テストの勉強今からやろうと思って」
「え、やるだけ偉くない?私もう諦めてるよ」
目の前で手を叩いて下品に笑う。
「いや、普通にやっといた方がいいと思うけど」
叩きつけるような返事をした。
手応えのないコミュニケーション。読んでいた分厚い英単語帳を勢いよく窓から放り投げ、そのまま誤魔化すように浮遊する妄想と、バットとボールが描く金属音の放物線。オーライ、オーライの声。空虚な教室の輪郭をなぞり、小さくなって、そのまま消えた。
「いやー、はは」
向こうが答えたのは、聞こえないフリをした。
まりあとは、限りなく失敗に近い、不自然な交友を持ってしまった。中学を卒業し「いつも一緒にいる子」と離れ、高校に一年通っても馴染めず焦った私は、次なる友だちを求め私よりも馴染めずにいたまりあに声をかけた。短期間で無理やり友だちを作った私は、学校へ来ることが苦手な彼女に優しく接することを、施しであり、自分の価値としてしまっていた。その見返りは、彼女のことを無下に扱っても「いつも一緒にいる」ことだなんて勝手に思い込み、機嫌が悪い時には、正義を装った残酷な振る舞いをして、彼女を打ちのめすことで自分を肯定していた。
出会ってからすぐに距離が縮まって、充分な関係性を築き上げる前からその強度を試すための釘を打っているようなものだ。しかし、人を穿って見ることのできない彼女は私を買い被り、友人という関係を保とうと自らを騙し騙し接してくる。それもまた癪に触った。要はお互いコミュニケーションに異常があるのだ。でも、それを異常だとは言われたくない、自分の法律を受け入れて友だちぶっていてほしい。それは全くの押し付けで、そのことに薄々気付きながらも、目を背けていた。
ちょっとキツい物言いで刺されても、気づかないふりするのが、私たちだったよね。あれ、違ったかな。
しかし、もともと小心者な私は、根拠のない仕打ちを突き通す勇気はなく、すぐに襲い来る罪悪感に負け、口を開いた。
「あ、ねえ…ニュース見た?一高の」
「知ってる!やばくない?文化祭で生徒が刃物振り回したってやつだよね?めっちゃかわいそう。びっくりしてすぐに一高の友達にラインしたもん」
「何人か亡くなってるらしいじゃん」
「え、そうなの、笑うんだけど」
「笑えないでしょ」
それが、彼女の口癖なのも知っていた。勘に触る言葉選びと、軽薄な声。最早揚げ足に近かった。
「あー、ごめん。つい」
片手をこめかみに当て、もう片手の掌をみなまで言うなと私に突き出してくる。この一瞬に関しては、友情なんてかけらもない。人間として、見ていられない振る舞いだった。
「ごめん」
また無視した。小さな地獄がふっと湧いて、冷えて固まり心の地盤を作って行く。
ただ、勘違いしないで欲しい。ほとんどはうそのように友だちらしく笑いあうんだから。その時は私も心がきゅっと嬉しくなる。
黙り込んでいると、クラスメイトがばらばらと入って来て教室は一気に騒がしくなり、まりあは自分の席へ帰っていった。ああ全く、心の中にどんな感情があれば、人は冷静だろう。愛情か、友情か。怒りや不機嫌に支配された言動は、本来の自分を失っていると、本当にそうだろうか。この不器用さや葛藤はいつか、「若かったな」なんて、笑い話になるだろうか。
昼休みの教室に彼女の姿は無かった。席にはまだリュックがあって、別の女子グループが彼女の机とその隣の机をつけて使っている。私は自分の席でお弁当を広げかけ、一度動きを止め片手でスマホを取り出し「そっち行ってもいい?」とまりあにメッセージを送った。すぐに「いいよ!」が返ってくる。お弁当をまとめ直して、スマホと英単語帳を小脇に抱えて、教室を出た。
体育館へと続く昇降口の手前に保健室があり、その奥には保健体育科目の準備室がある。私は保健室の入り口の前に足を止めた。昇降口の外へ目をやると、日陰から日向へ、白く世界が分断されて、陽炎の向こう側には、永遠に続く世界があるような予感さえした。夏の湿気の中にもしっかりと運ばれて香る校庭の土埃は、上空の雲と一緒にのったりと動いて、翳っていた私の足元まで陽射しを連れてくる。目の前の保健だよりの、ちょうど色褪せた部分で止まった。毎日、昼間の日の長い時間はここで太陽が止まって、保健室でしか生きられない子たちを、永遠の向こう側から急かすのだ。
かわいそうに、そう思った。彼女も、教室に居られない時は保健体育の準備室に居る。保健室自体にはクラスメイトも来ることがあるから、顔を合わせたくないらしい。準備室のドアを叩くと、間髪入れずに彼女が飛び出てきた。
「ありがとねえ」
「いいよいいよ、もうご飯食べ終わった?」
二人で準備室の中に入ると、保健室と準備室を繋ぐドアから保健医の仁科先生が顔を出した。
「あれ、二人一緒にたべるの?」
「はい」
私はにこやかに応えた。その時に、彼女がどんな顔をしていたかわからない。ただ、息が漏れるように笑った。
先生の顔も優しげに微笑んで私を見た。ウィンクでもしそうな様子で「おしゃべりは小さい声でお願いね」と何度か頷き、ドアが閉まった。準備室の中は埃っぽくて、段ボールと予備の教材の谷に、会議机と理科室の椅子の食卓を設け、そこだけはさっぱりとしている。卓上に置かれたマグカップには、底の方にカフェオレ色の輪が出来ていた。
「これ、先生が淹れてくれたの?」
「そう、あ、飲みたい?貰ってあげよっか」
「…いいよ」
逃げ込んだ場所で彼女が自分の家のように振舞えるのは、彼女自身の長所であり短所だろう。遠慮の感覚が人と違うと言うか、変に気を遣わないというか、悪意だけで言えば、図々しかった。
ただ、その遠慮のなさは、学年のはじめのうちは人懐っこさとして周知され、彼女はそれなりに人気者だった。深くものを考えずに口に出す言葉は、彼女の印象をより独り歩きさせ、クラスメイトは彼女を竹を割ったような性格の持ち主だと勘違いした。
当然、それは長くは続くはずもなく、互いの理解と時間の流れと共に、彼女は遠慮しないのではなく、もともとの尺度が世間とずれている為に、遠慮ができないのだと気付く。根っからの明るさで人と近く接しているのではなく、距離感がただ分からず踏み込んでいるのだと察した。
私は、当時のクラスの雰囲気や彼女の立場の変遷を鮮明に覚えている。彼女のことが苦手だったから、だからよく見ていた。彼女の間違いや周囲との摩擦を教えることはしなかった。
彼女は今朝提げてきたコンビニの袋の口を縛った。明らかに中身のあるコンビニ袋を、ゴミのように足元に置く。違和感はあったけれど、ここは彼女のテリトリーだから、あからさまにデリケートな感情をわざわざ追求することはない。というか、学校にテリトリーなんてそうそう持てるものじゃないのに、心の弱いことを理由に、こんなに立派な砦を得て。下手に自分の癪に触るようなことはしたくなかった。
「あれ、食べ終わっちゃってた?」
「うん。サンドイッチだけだったからさ」
彼女の顔がにわかに青白く見えた。「食べてていいよ」とこちらに手を伸ばし、連続した動作で私の手元の英単語帳を自分の方へ引き寄せた。
「今日何ページから?」
「えーっとね、自動詞のチャプター2だから…」
「あ、じゃあ問題出してあげるね。意味答えてね」
「えー…自信ないわあ」
「はいじゃあ、あ、え、アンシェント」
「はあ?」
お弁当に入っていたミートボールを頬張りながら、彼女に不信の眼差しを注ぐ。彼女は片肘をついて私を見た。その視線はぶつかってすぐ彼女が逸らして、代わりに脚をばたばたさせた。欠けたものを象徴するような、子供っぽい動きに、心がきゅっと締め付けられた。
「え、待って、ちょっと、そんなのあった?」
「はい時間切れー。正解はねえ、『遺跡、古代の』」
「嘘ちょっと見せて。それ名詞形容詞じゃない?」
箸を置いて、彼女の手から単語帳をとると、彼女が出題してきたその単語が、今回の小テストの出題範囲ではないことを何度か確認した。
「違うし!しかもアンシェントじゃないよ、エインシェント」
「私エインシェントって言わなかった?」
「アンシェントって言った」
「あー、分かった!もう覚えた!エインシェントね!遺跡遺跡」
「お前が覚えてどうすんの!問題出して!」
「えー、何ページって言った?」
私が目の前に突き返した単語帳を手に取って、彼女が嬉しそうにページをめくる。その挙動を、うっとりと見た。視界に霞む準備室の埃と、彼女への優越感は、いつも視界の隅で自分の立派さを際立つ何かに変わって、私を満足させた。
「午後出ないの?」
私には到底できないことだけど��彼女にはできる。彼女にできることは、きっと難しいことじゃない。それが私をいたく安心させた。
「うん。ごめんね、あの、帰ろうと思って」
私は優しい顔をした。続いていく物語に、ただ次回予告をするような、明日会う時の彼女の顔を思い浮かべた。
「プリント、届けに行こうか。机入れておけばいい?」
私は、確信していた。学校で、このまま続いていく今日こそ、今日の午後の授業、放課後の部活へと続いていく私こそ本当の物語で、途中で離脱する彼女が人生の注釈であると。
「うん。ありがとう。机入れといて。出来ればでいいよ、いつもごめんね」
お弁当を食べ終えて、畳みながら、彼女の青白い顔が、心なしか、いつもより痛ましかった。どうしたのかと聞くことも出来たが、今朝の意地悪が後ろめたくて、なにも聞けなかった。
予鈴が鳴って、私が立ち上がると、彼女がそわそわし始めた。
「つぎ、えいご?」
彼女の言葉が、少しずつ私を捉えて、まどろんでいく。
「うん。教室移動あるし、行くね」
「うん…あのさ、いつもさ、ありがとね」
私は、また優しい顔をした。
「え、なんで。また呼んでなー」
そのまま、準備室を出た。教室に戻ろうと一歩を踏み出した時、背中でドアが開く音がした。彼女が出てきたのだと思って足を止め振り返ると、仁科先生が保健室から顔を出して、微笑んできた。
「時間、ちょっといいかなあ?」
私が頷くと、先生は足早に近寄ってきて、私を階段の方まで連れてきた。準備室や保健室から死角になる。
「あのさあ、彼女、今日どうだった?」
「へ」
余りにも間抜けな声が出た。
「いつもと変わらなさそう?」
なんだその質問。漫画やゲームの質問みたい。
「いつもと変わったところは、特に」
「そっかあ」
少し考えた。きっと、これがゲームなら、彼女が食べずに縛ったコンビニ袋の中身について先生に話すことが正解なんだろう。
まるでスパイみたいだ。中心に彼女がいて、その周りでぐるぐる巡る情勢の、その一部になってしまう。そんなバカな。それでも、そこに一矢報いようなんて思わない。 不正解の一端を担う方が嫌だ。
「あ、でも、ご飯食べる前にしまってたかも」
「ご飯?」
「コンビニの、ご飯…」
言葉にすれば増すドラマティックに、語尾がすぼんだ。
「ご飯食べれてなかった?」
「はい」
辛くもなかったけれど、心の奥底の認めたくない部分がチカチカ光っている。
「そうかあ」
仁科先生は全ての人に平等に振る舞う。その平等がが私まで行き届いたところで、始業の鐘が鳴る。平和で知的で嫌味な響き。
「あ、ごめんね、ありがとう!次の授業の先生にはこちらからも連絡しておくから」
仁科先生はかくりと頭を下げた。「あ、ごめんね、ありがとう!」そうプログラミングされたキャラクターのように。
「いえ」
私は私のストーリーの主人公然とするため、そつのない対応でその場を去った。
こうして過ぎてゆく日々は、良くも悪くもない。教育は私に、どこかの第三者に運命を委ねていいと、優しく語りかける。
彼女の居ない教室で、思いのほか時間は静かに過ぎていった。私はずっと一人だった。
放課後はあっという間にやってきて、人懐っこく私の顔を覗き込んだ。
ふと彼女の席を振り返ると、担任の堀田先生が腰を折り曲げ窮屈そうに空いた席にお知らせのプリントを入れて回っていた。
「学園祭開催についてのお知らせ」右上に保護者各位と記されしっとりとしたお知らせは、いつもカバンの隅に眠る羽目になる。夏が過ぎれば学園祭が来る。その前に野球部が地方大会で強豪校に負ける。そこからは夏期講習、そんなルーティンだ。
堀田先生の腰を折る姿は夏の馬に似ていた。立ち上がって「あの」と近寄ると、節ばった手で体重を支えてこっちを見た。「あ」と声を上げた姿には、どこか爵位すら感じる。
「莉花、今日はありがとうね 」
「え?」
「お昼まりあのところへ行ってくれたでしょ」
心がぎゅっと何かに掴まれて、先生の上下する喉仏を見た。
絞り出したのはまた、情けない声だった。
「はい」
「まりあ、元気そうだった?」
わたしは?
昼も脳裏に描いたシナリオを、口の中で反芻する。
「普通でした、割と」
先生は次の言葉を待ちながら、空になったまりあの椅子を引き寄せて腰掛ける。少し嫌だった。目線を合わせるなら、私のことだって、しっかり見てよ。 
「でもお昼ご飯、買ってきてたのに、私が行ったら隠しちゃって」
「どういうこと?」
「ご飯食べてないのにご飯食べたって言ってました。あんまりそういうことないかも」 
「あ、ほんと」
私を通じて彼女を見ている。
まりあが、先生のことを「堀田ちゃん」と呼んでる姿が目に浮かんだ。私は、そんなことしない。法律の違う世界で、世界一幸せな王国を築いてやる。
「先生」
「私、まりあにプリント届けに行きます」
「ほんと?じゃあお願いしようかな、莉花今日は吹部は?」
「行きます、帰りに寄るの��」
「ねえ、莉花さんさ、まりあといつから仲良しなの」
「このクラスになってからですよ」
「そうなんだ、でも二人家近いよね」
「まりあは幼稚園から中学まで大学附属に行ってたと思います。エスカレーターだけど高校までは行かなかったっぽい。私はずっと公立」
「あ、そうかそうか」
耐えられなかった。
頭を軽く下げて教室を出た。
上履きのつま先が、冷たい廊下の床だけを後ろへ後ろへと送る。
私だって、誰かに「どうだった」なんて気にされたい。私も私の居ないところで私のこと心配して欲しい。そんなことばっかりだよ。でもそうでしょ神様、祈るにはおよばないようなくだらないものが、本当は一番欲しいものだったりする。
部活に行きたくない、私も帰りたい。
吹奏楽部のトランペット、「ひみつのアッコちゃん」の出だしが、高らかに飛んできて目の前に立ちふさがる。やっぱり行かなくちゃ、野球部の一回戦が近いから、行って応援曲を練習しなきゃ。ロッカー室でリュックを降ろし楽譜を出そうと中を覗くと、ペンケースが無かった。
 教室に戻ると、先生はまりあの椅子に座ったまま、ぼんやりと窓を見ていた。
私の存在しない世界がぽっかりと広がって、寂しいはずなのに、なにを考えてるのか知りたいのに、いまこのままじっとしていたい。自分がドラマの主人公でいられるような、先生以外ピントの合わない私の画面。心臓の音だけが、後から付け足した効果音のように鳴っている。
年齢に合った若さもありながら、当たり障りのない髪型。 短く刈り上げた襟足のせいで、長く見える首。そこに引っかかったUSBの赤いストラップ。薄いブルーのワイシャツ。自分でアイロンしてるのかな。椅子の背もたれと座面の隙間から覗くがっしりとしたベルトに、シャツが吸い込まれている。蛍光灯の消えた教室で、宇宙に漂うような時間。
私だって先生に心配されたい、叱られたい。莉花、スカート短い。
不意に立ち上がってこちらを振り向く先生を確認しても、無駄に抵抗しなかった。
「うわびっくりした。どうしたの」
「あ」
口の中で「忘れ物を…」とこぼしながら、目を合わせないように自分の席のペンケースを取って、教室から逃げた。
背中に刺さる先生の視線が痛い?そんなわけない。
十九時前、部活動の片付けを終えて最後のミーティングをしていると、ポケットに入れていたスマートフォンの通知音がその場に響いた。
先輩は「誰?」とこちらを見た。今日のミーティングは怒りたがらない先輩が担当で、こういう時には正直には言わない、名乗り出ない、が暗黙の了解だったから、私は冷や汗をかきながら黙っていた。
「部活中は携帯は禁止です」
野球部の地方大会の対戦日程の書かれたプリントが隣から回ってきた。配布日が昨年度のままだ。去年のデータを使い回して作ったんだろう。
そういえば、叱られたら連帯責任で、やり過ごせそうなら謝ったりしちゃだめだと知ったのも、一年生の時のちょうどこの時期だった気がする。ただ、この時期じゃ少し遅かったわけだが。みんなはとっくに気付いていて、同じホルンパートの人たちに迷惑をかけてから、人と関わることはこんなにも難しいのかと、痛いほど理解した。
昔、社交には虚偽が必要だと言った人が居たけれど、その人は羅生門ばっかりが教材に取り上げられて、私が本当に知りたい話の続きは教科書に載っていなかった。
「じゃあ、お疲れ様でした。明日も部活あります」
先輩の話は一つも頭に入らないまま、解散となった。
ぼんやりと手元のプリントを眺めながら廊下へ出た。
堀田先生は、プリントを作る時、明朝体だけで作ろうとする。大きさを変えたり、枠で囲ったり、多少の配慮以外はほとんど投げやりにも見える。テストは易しい。教科書の太字から出す。それが好きだった。
カクカクした名前も分からない書体でびっしりと日程の書き揃えられた先輩のプリントは、暮れかかった廊下で非常口誘導灯の緑に照らされ歪んだ。
駐輪場でもたもたしていると、「お疲れ」と声をかけられた。蛍光灯に照らされた顔は、隣の席の飯室さんだった。
ちょっと大人びた子で、すごく仲がいいわけではなくても、飯室さんに声をかけられて嬉しくない子はいないと思う。
「莉花ちゃん部活終わり?」
「うん、飯室さんは」
「学祭の実行委員になっちゃったんだ、あたし。だから会議だったの」
「そっかあ」
「莉花ちゃん、吹部だっけ?すごいね」
「そ、そんなことないよ。それしかやることなくて」
自転車ももまばらになった寂しい駐輪場に、蒸し暑い夕暮れが滞留する。気温や天気や時間なんて些細なことでも左右される私と違って、飯室さんはいつもしっかりしていて、明るい子だ。ほとんど誰に対しても、おおよそ思うけれど、こんな風になりたかったなと思う。私の話を一生懸命聞いて、にこにこしてくれるので、つい話を続けてしまう。
飯室さんとの距離感は、些細なことも素直にすごいと心から言えるし、自分の発言もスムーズに選べる。上質な外交のように、友達と上手に話せているその事実もまた、私を励ます。友だちとの距離感は、これくらいが一番いい。
ただ、そうはいかないのが、私の性格なのも分かっている。いい人ぶって踏み込んだり、自分の価値にしたくて関係を作ったり、なによりも、私にも無条件で踏み込んで欲しいと期待してしまう。近づけばまた、相手の悪いところばかり見えてしまうくせに。はじめにまりあに声をかけた時の顔も、無関心なふりをして残酷な振る舞いをした時の顔も、全部一緒になって煮詰まった鍋のようだ。
また集中力を欠いて、飯室さんの声へ話半分に相づちを打っていると、後ろから急に背中をポン、と叩かれた。私も飯室さんも、軽く叫び声をあげた。
 「はーい、お嬢さんたち、下校下校」
振り返ると、世界史の細倉先生が長身を折り曲げて顔を見合わせてきた。私が固まっていると、飯室さんの顔が、みるみる明るくなる。
「細倉センセ!びっくりさせないで」
「こんな暗くなった駐輪場で話し込んでるんだから、どう登場しても驚くだろ。危ないからね、早く帰って」
「ねえ聞いて、あたしさ、堀田ちゃんに無理やり学祭実行委員にされたの」
「いいじゃん、どうせ飯室さん帰宅部でしょ。喜んで堀田先生のお役に立ちなさい」
「なにそれー!てかあたし、帰宅部じゃないし!新体操やってるんですけど」
二人の輝かしいやりとりを、口を半分開けて見ていた。たしかに、細倉先生は人気がある。飯室さんが言うには、若いのに紳士的で振る舞いに下品さがなくて、身長も高くて、顔も悪くなくて、授業では下手にスベらないし、大学も有名私立を出ているし、世界史の中で繰り返される暴力を強く念を押すように否定するし、付き合ったら絶対に大切にしてくれるし幸せにしてくれる、らしい。特に飯室さんは、細倉先生のこととなると早口になる。仲良しグループでも、いつも細倉先生の話をしていると言っていた。
イベントごとでは女子に囲まれているのは事実だ。私も別に嫌いじゃない。それ以上のことはよく知らないけれど、毎年学園祭に奥さんと姪っ子を連れてくると、クラスの女子は阿鼻叫喚する。その光景が個人的にはすごく好きだったりする。あ、あと、剣道で全国大会にも出ているらしい。
私はほとんど言葉を交わしたことがない。世界史の点数もそんなに良くない。
「だから、早く帰れっての。見て、桝さんが呆れてるよ」
「莉花ちゃんはそんな子じゃないから」
何を知っていると言うんだ。別にいいけど。
「もう、桝さんこいつどうにかしてよ」
いつのまにか細倉先生の腕にぶら下がっている飯室さんを見て、なんだか可愛くて思わず笑ってしまった。
「桝さん、笑い事じゃないんだって」
私の名前、覚えてるんだな。
結局、細倉先生は私たちを門まで送ってくれた。
「はい、お気をつけて」
ぷらぷらと手を振りながら下校指導のため駐輪場へ戻っていく先生を、飯室さんは緩んだ顔で見送っていた。飯室さん、彼氏いるのに。でもきっと、それとこれとは違うんだろう。私も、堀田先生のことをこんな感じで誰かに話したいな。ふとまりあの顔が浮かぶけれど、すぐに放課後の堀田先生の声が、まりあ、と呼ぶ。何を考えても嫉妬がつきまとうな。また意味もなく嫌なことを言っちゃいそう。
「ね、やばくない?細倉センセかっこ良すぎじゃない?」
興奮冷めやらぬ飯室さんは、また早口になっている。
「かっこ良かったね、今日の細倉先生。ネクタイなかったから夏バージョンの細倉先生だなと思った」
「はー、もう、なんでもかっこいいよあの人は…。みんなに言おう」
自転車に跨ったまま、仲良しグループに報告をせんとスマートフォンを操作する飯室さんを見て、私もポケットからスマートフォンを出した。そういえば、ミーティング中に鳴った通知の内容を確認してなかった。
画面には、三十分前に届いたまりあからのメッセージが表示されていた。
「莉花ちゃんの名字のマスって、枡で合ってる?」
なんだそりゃ、と思った。
「違うよ。桝だよ」
自分でも収まりの悪い名前だと思った。メッセージはすぐに読まれ、私の送信した「桝だよ」の横に既読マークが付く。
「間違えてた!早く言ってよ」
「ごめんって。今日、プリント渡しに家に行ってもいい?」
これもすぐに既読マークが付いた。少し時間を置いて、
「うん、ありがとう」
と返ってきた。
「家についたら連絡するね」
そう送信して、一生懸命友達と連絡を取り合う飯室さんと軽く挨拶を交わし、自転車をこぎ始めた。
湿気で空気が重い。一漕ぎごとにスカートの裾に不快感がまとわりついてくる。アスファルトは化け物の肌みたいに青信号の点滅を反射し、黄色に変わり、赤くなる。そこへ足をついた。風を切っても爽やかさはないが、止まると今度は溺れそうな心地すらする。頭上を見上げると月はなく、低い雲は湯船に沈んで見るお風呂の蓋のようだった。
やっぱり私も、まりあと、堀田先生の話題で盛り上がりたい。今朝のこと、ちょっと謝りたい。あと、昨日の夜のまりあが好きなアイドルグループが出た音楽番組のことも話し忘れちゃったな。まりあは、堀田先生と細倉先生ならどっちがタイプかな。彼女も変わってるから、やっぱり堀田先生かな。だとしたらこの話題は触れたくないな。でもきっと喋っちゃうだろうな。
新しく整備されたての道を行く。道沿いにはカラオケや量販店が、これでもかというほど広い駐車場と共に建ち並ぶ。
この道は、まっすぐ行けばバイパス道路に繋がるが、脇に逸れるとすぐ新興住宅地に枝分かれする。そこに、まりあの家はある。私が住んでいるのは、まりあの住むさっぱりした住宅街から離れ、大通りに戻って企業の倉庫密集地へと十分くらい漕ぐ団地だ。
一度だけまりあの家に遊びに行ったことがある。イメージと違って、部屋には物が多く、あんなに好きだと言っていたアイドルグループのグッズは全然なかったのに、洋服やらプリントやら、捨てられないものが積み重なっていた。カラーボックスがいくつかあって、中身を見なくても、思い出の品だろうと予想がついた。
まりあには優しくて綺麗なお姉さんがいる。看護師をしているらしく、その日も夜勤明けの昼近くにコンビニのお菓子を買って帰って来てくれた。お母さんのことはよく知らないけれど、まりあにはお父さんが居ない。お姉さんとすごく仲がいいんだといつも自慢げにしている。いいなと思いながら聞いていた。
コンビニの角を曲がると、見覚えのある路地に入った。同じような戸建てが整然と並び、小さな自転車や虫かごが各戸の玄関先に添えられている。風呂蔵の表札を探して何周かうろうろし、ようやくまりあの家を見つけた���以前表札を照らしていた小さなランタンは灯っておらず、スマートフォンのライトで照らして確認した。前に来たときよりも少し古びた気がするけれど、前回から二ヶ月しか経っていないのだから、そんなはずはない。
スマートフォンで、まりあにメッセージを送る。
「家着いた」
既読マークは付かない。
始めのうちは、まあ気がつかないこともあるかと、しばらくサドルに腰掛けスマートフォンをいじっていた。次第に、周囲の住人の目が気になり出して、ひとしきりそわそわした後で、思い切ってインターホンを押した。身を固くして待てども、返事がない。
いよいよ我慢ならなくて、まりあに「家に居ないの?」「ちょっと」と立て続けにメッセージを送る。依然、「家着いた」から読まれる気配がない。一文句送ってやる、と思ったところで、家のドアが勢いよく開いた。
「あ、まりあちゃんの友だち?」
サドルから飛び降り駆け寄ろうとした足が、もつれた。まりあが顔を出すと思い込んでいた暗がりからは、見覚えのない、茶髪の男性が現れた。暗がりで分かりにくいけれど、私と同い年くらいに見える。張り付いたような笑みとサンダルを引きずるようにして一歩、一歩とこちらへ出てくる。緊張と不信感で自転車のハンドルを握る手に力がこもった。
ちょっと、まりあ、どこで何してるの?
男の子は目の前まで来ると肘を郵便受けに軽く引っ掛け、「にこにこ」を貼り付けたまま目を細めて私を見た。
「あ、俺ね、まりあちゃんのお姉さんとお付き合いをさせて頂いている者です。いま風呂蔵家誰も居なくてさ。何か用事かな」
見た目のイメージとは違った、やや低い声だった。街灯にうっすらと照らされた顔は、子供っぽい目の下に少したるみがあって、確かに、第一印象よりは老けて見える、かな。わからない。大学生くらいかな。でも、まりあのお姉さんって、もうすぐ三十歳だって聞いた気がする。
恐怖を消し去れないまま目をいくら凝らして���、判断材料は一向に得られず、声の優しさを信じきるか、とりあえずこの場を後にするか、戸惑う頭で必死に考えた。
「あの、私、まりあと約束してて…」
「えっ?」
男性の顔から笑顔がすとんと落ちた。私の背後に幽霊でも見たのか、不安に強張った表情が一瞬覗き、それを隠すように手が口元を覆った。
「今?会う約束してたの?」
「いや、あの」
彼の不安につられて、私の中の恐怖も思考を圧迫する。言葉につっかえていると、ポケットからメッセージの通知音が響いた。助かった、反射的にスマートフォンを手にとって、「すみません!」と自転車に乗りその場から逃げた。
コンビニの角を曲がり、片足を着くとどっと汗が噴き出してきた。ベタベタの手を一度太ももの布で拭ってから、スマートフォンの画面を点灯した。メッセージはまりあからではなく、
「家に帰っていますか?今から帰ります。母さんから、夕飯はどうするよう聞いていますか」
父さんだった。大きいため息が出た。安堵と苛立ちと落胆と、知っている言葉で言えばその三つが混ざったため息だった。
「今友だちの家にプリント届けに来てる。カレーが冷蔵庫にあるらしい」
乱暴に返事を入力する。
一方で、まりあとのメッセージ画面に未だ返事はない。宙に浮いた自分の言葉を見ていると、またしても不安がじわじわと胸を蝕んでいく。
もしも、さっきのあの男が、殺人鬼だったらどうしよう。まりあのお姉さんも、まりあももう殺されちゃってたら。まりあに、もう二度と会えなかったら。あいつの顔を見たし、顔を見られちゃった。口封じに私も殺されちゃうかも知れない。まりあのスマートフォンから名前を割り出されて、家を突き止められて、私が学校に行ってる間に、家族が先に殺されちゃったら。
冷静になればそんなわけがないと理解出来るのだけれど、じっとりとした空気は、いくら吸っても、吐いても、不安に餌をやるようなものだった。冷たい水を思いっきり飲みたい。
とりあえず家に帰ろう、その前に、今一一〇番しないとまずい?いや、まだなにも決まったわけじゃない。勘違いが一番恥ずかしい。でも、まりあがそれで助かるかも知れない。なにが正解だろう。間違えた方を選んだら、バッドエンドは私に回って来るのかな。なんでだ。
コンビニ店内のうるさいポップが、霞んで見える。心細さで鼻の奥がツンとする。スカートを握って俯いていると、背後から名前を呼ばれた。
「莉花ちゃん?」
聞きたかった声に、弾かれたように振り返った。
「まりあ!」
まりあは制服のまま、手にお財布だけを持って立ち尽くしていた。自分の妄想はくだらないと、頭でわかっていても、一度はまりあが死んだ世界を見てきたような心地でいた。ほとんど反射的に、柄にもなくまりあの手を握った。柔らかくて、すべすべで、ほんのり温かかった。まりあは、口角を大きく上げて、幸せそうに肩を震わせて笑った。
「莉花ちゃん、手汗すごいね」
「あのさあ、結構メッセージ送ったんですけど」
「うそ、ごめん!気づかなかった」
いつもみたいに、なにか一言二言刺してやろうと思ったけれど、何も出てこなかった。この声も、全然悪びれないこの態度も、機嫌の悪い時に見れば、きっと下品で軽薄だなんて私は思うんだろうな。でも今は、あまりにも純粋に幸せそうなまりあの姿に釘付けになるしかなかった。もしかして、私の感情を通さずに見るまりあは、いつもこんなに幸せそうに笑っているのかな。
「本当だ、家に行ってくれたんだね、ごめんね」
「そう言ったじゃん!て言うか、何、あの男の人」
「あ、柏原くんに会った?」
「柏原くんって言うの」
「そう、声が低い茶髪の人。もうずっと付き合ってるお姉ちゃんの彼氏」
「そ、そうなんだ」
やっぱり、言ってることは本当だったんだ。盛り上がっていた様々な妄想が、全部恥ずかしさに変換され込み上げてくる。それを誤魔化すように次の話題を切り出す。
「どこか行ってたの?」
「一回、家を出たの。ちょっとコンビニ行こうと思って。今お財布取りに戻ったんだけど、入れ違っちゃったかも、ごめん」
「普通、私が家行くって言ってるのにコンビニ行く?」
「行きません」
「ちょっとくらい待ってくれる?」
まりあは、
「はあい。先生かよ」
ちょっと口を尖らせて、すぐに手を叩いて笑った。
いくら語気を強めても、仲良しで包みこんで、不躾な返事が返ってくる。それがなによりも嬉しかった。怖がることなく、私と喋ってくれる。欲しかったんだ、見返りとか、自分の価値とかルールとか全部関係なく笑ってくれる友だち。あんなに癪に触ったその笑い方も、今はかわいいと思う。
「先生といえばさ、柏原くんって、堀田ちゃんの同級生なんだよ。すごい仲良しらしい」
「え!」
 柏原くんって、さっきの男の人のことだ。堀田先生が三十前後だとして、そんな年齢だったのか。というか、堀田先生の友だちってああいう感じなんだ。ちょっと意外だ。
「大学時代の麻雀仲間なんだって。堀田ちゃん、昔タバコ吸ってたらしいよ、笑えるよね」
「なにその話、めちゃめちゃ聴きたい」
飯室さんが仲良しグループと喋っている時の雰囲気を、自然と自分に重ねながら続きを促すと、まりあは嬉しそうに髪をいじりだした。
「今もよくご飯に行くみたいだよ、写メとかないのって聞いたけど、まだ先生たちが大学生の頃はガラケーだったからそういうのはもう無いって」
「ガラケー!」
私も手を叩いて笑った。
「莉花ちゃん、堀田先生好きだよね。いるよね、堀田派」
「少数派かなあ」
「どうなんだろう。堀田ちゃんが刺さる気持ちは分からなくはないけど、多分、細倉先生派の子のほうが真っ当に育つと思うね」
「わかる。細倉先生好きの子は、ちゃんと大学行って、茶髪で髪巻いてオフショル着てカラコンを入れることが出来る。化粧も出来る。なんならもうしてる」
コンビニのパッキリとした照明に照らされ輝くまりあ。手を口の前にやって、肩を揺らしている。自分の話で笑ってもらえることがこんなに嬉しいのか、と少し感動すらしてしまう。
「今日もムロはるちゃんの細倉愛がすごかったよ」
「ムロはる…?」
まりあが眉をしかめた。
「飯室はるなちゃん、ムロはるちゃん」
本人の前では呼べないけれど、みんながそう呼んでいる呼び方を馴れ馴れしく口にしてみた。ピンときたらしいまりあの「あー、飯室ちゃんとも仲良しなんだ」というぎこちない呟きをBGMに、優越感に浸った。私には友だちが沢山いるけれど、まりあには私しか居ないもんね。
コンビニの駐車場へ窮屈そうに入っていく商品配送のトラックですら、今なら笑える。
「最終的には細倉先生の腕にぶら下がってた」
「なんでそうなるの」
「愛しさあまって、ということなんじゃないかな」
「莉花ちゃんはさ、堀田ちゃんの腕にぶら下がっていいってなったら、する?」
「えー、まずならないよ、そんなことには」
「もしも!もしもだよ」
「想像つかないって」
「んー、じゃあ、腕に抱きつくのは」
「え、ええ」
遠くでコンビニのドアが開閉するたび、店内の放送が漏れてくる。視線を落として想像してみると、自分の心音もよく聞こえた。からかうように拍動するのが、耳の奥にくすぐったい。
細倉先生はともかく、堀田先生はそんなにしっかりしてないから、私なんかが体重を掛けようものなら折れてしまうのではないか。「ちょっと、莉花さん」先生は心にも距離を取りたい時、呼び捨てをやめて「さん」を付けて呼ぶ。先生の性格を見ると、元から下の名前を呼び捨てにすること自体が性に合っていないのだろうとは思うけれど。
そもそも、「先生のことが好き」の好きはそういう好きじゃなくて、憧れだから。でも、そう言うとちょっと物足りない。
「莉花ちゃん」
半分笑いながら呼びかけられた。まりあの顔をみると、なんとも言えない微妙な表情をしていた。引かれたのかな。
「顔赤いよ」
「ちょ、ちょっと!やめてよ」  
まりあの肩を軽く叩くと、まりあはさっきよりも大きな声で笑った。よろめきながらひとしきり笑って、今度は私の肩に手を置いた。
「でも、堀田ちゃん、うちのお姉ちゃんのことが好きらしいよ」
「え?なにそれ」
「大学同じなんだって、お姉ちゃんと、柏原くんと、堀田先生。三角関係だって」
返事に迷った。自分の感情が邪魔をして、こういう時に飯室さんみたいな人がどう振る舞うかが想像できない。
本当は、堀田先生に好きな人がいるかどうかなんて、どうでもいいんだけど、そんなこと。それよりも、まりあから、明確に私を傷つけようという意思が��わってきて、それに驚いた。相手がムキになっても、「そんなつもりなかったのに」でまた指をさして笑えるような、無意識を装った残酷さ。
これ、私がいつもやるやつだ。
そのことに気付いて、考えはますます散らばってしまった。
「そんなの、関係無いよ」
しまった。これだから、重いって思われちゃうんだよ、私は。もっと笑って「え、絶対嘘!許せないんですけど」と言うのが、飯室さん風の返し方なのに。軽やかで上手な会話がしたいのに、動作の鈍いパソコンのように、発言の後に考えが遅れてやってくる。まりあの次の言葉に身構えるので精一杯だった。
「あはは」
まりあは、ただ笑って、そのあとは何も言わなかった。
今までにない空気が支配した。
「私、帰るね」
なるべくまりあの顔を見ないようにして、���転車のストッパーを下ろした。悲鳴のような「ガチャン!」が耳に痛い。
「うん」
まりあは、多分笑っていた。
「また明日ね」
「うん」
漕ぎ出す足は、さっきよりももっと重たい。背中にまりあの視線が刺さる。堀田先生の前から去る時とは違って、今度は、本当に。
遠くで鳴るコンビニの店内放送に見送られ、もう二度と戻れない、夜の海に一人で旅立つような心細さだった。
やっとの思いで家に着くと、二十時半を回っていた。父さんが台所でカレーを温めている。
「おかえり、お前の分も温めてるよ」
自室に戻り、リュックを降ろして、ジャージに着替える。また食卓に戻ってくると、机の上にカレーが二つ並んでいた。
「手、洗った?」
返事の代わりにため息をついて、洗面所に向かう。水で手を洗って、食卓に着く。父さんの座っている席の斜向かいに座り、カレーを手前に引き寄せる。
「態度悪い」
「別に悪くない」
「あっそ」
箸立てからスプーンを選んで、カレーに手をつける。
「いただきますが無いじゃん」
「言った」
「言ってねえよ」
私は立ち上がって、「もういい」とだけ吐き捨て、自室に戻った。
父さんとはずっとこうだ。お母さんには遅い反抗期だな、と笑われているけれど、父さんはいつもつっかかってくる。私が反抗期だって、どうしてわかってくれないんだろう。
まりあの家は、お父さんが居なくて、正直羨ましいと思う。私は、私が家で一人にならないよう、朝はお母さんが居て、お母さんが遅くなる夜は父さんがなるべく早く帰ってくるようにしているらしい。大事にされていることがどうしても恥ずかしくて、次に母親と会える日を楽しみだと言うまりあを前にすると、引け目すら感じる。勝手に反抗期になって、それはを隠して、うちも父親と仲悪いんだよね、と笑って、その話題は終わりにする。
せめて、堀田先生みたいな人だったら良かった。
そう思うと心がチクッとした。あんなに好きな堀田先生のことを考えると、みぞおちに鈍い重みを感じる。先生に会いたくない。それがどうしてそうなのかも考えたくない。多分、まりあが悪いんだろうな。まりあのことを考えると、もっと痛いから。
明日の授業の予習課題と、小テストの勉強もあるけど、今日はどうしてもやりたくない。どうせ朝ちょっと勉強したくらいじゃ小テストも落ちるし、予習もやりながら授業受ければどうにかなる。でも、内職しながらの授業は何倍も疲れるんだよな。
見ないようにしてきた、ズル休みという選択肢が視界に入った。スマートフォンを握りしめたままベッドに寝転がって、SNSを見たり、アイドルのブログをチェックしていると、少しづつ瞼が重くなってくる。
瞼を閉じると、今度は手の中に振動を感じる。まどろみの中で、しばらくその振動を感じ、おもむろに目を開けた。
画面にはまりあの名前が表示されている。はっきりしない視界は、うっすらとブルーライトを透かす瞼で再び遮られた。そうだ、まりあ。
私、まりあに文化祭のプリント渡すの、忘れてた。
目が覚めた。歯を磨くのも、お風呂に入るのも忘れて寝てしまったらしい。リビングを覗くと、カーテンが静かに下がったままうっすらと発光していた。人類が全て滅んでしまったのか。今が何時なのか、まだ夢なのか現実なのか曖昧な世界。不安になって、急いで自分の部屋に戻りベッドの上に放りっぱなしのスマートフォンの画面を点けた。
「あ…」
画面に残る不在着信の「六時間前 まりあ」が、寂しげ浮かんでくる。今の時刻は午前四時、さすがに彼女も寝ている時間だ。すれ違ってしまったなあ、と半分寝ぼけた頭をもたげながらベッドに腰掛ける。髪の毛を触ると、汗でベタついて気持ち悪い。枕カバーも洗濯物に出して、シャワーを浴びて…。ああ、面倒だな。
再びベッドに横になると、この世界の出口が睡魔のネオンサインを掲げ、隙間から心地いい重低音をこぼす。
あそこから出て、今度こそ、きちんとした現実の世界に目を覚まそう。そしてベッドの中で、今日を一日頑張るための作戦を立てて、学校へ行くんだ。いいや、もうそんな力はないや。
嫌になっちゃうな、忙しい時間割と模試と課題と、部活と友達。自律と友愛と、強い正しさを学び立派な大人になっていく。私以外の人間にはなれないのに、こんなに時間をかけて、一体何をしているんだろう。何と戦ってるんだ。本当は怠けようとか、ズルしようとか思ってない。時間さえあれば、きちんと期待に応えたい。あの子は問題ないねと言われて、膝下丈のスカートをつまんで、一礼。
勉強なんて出来なくても、優しい人になりたい。友達に、家族に優しくできる人になりたいよ。わがまま言わない、酷いこともしたくない。でも、自尊心を育ててくれたのもみんなでしょ。私だって、画面の向こう側のなにかになれるって、そう思ってる、うるさいほどの承認欲求をぶちまけて、ブルーライトに照らされた、ほのかに明るい裾をつまんで、仰々しく礼。鳴り止まない拍手と、実体のない喜び。
自分を守らなくちゃ。どこが不正解かはわからないけれど、欲求や衝動に従うことは無謀だと、自分の薄っぺらい心の声に耳を傾けることは愚かだと、誰かに教わった気がする。誰だったかな、マルクスかな。
今の願いは学校を休むこと。同じその口から語られる将来の夢なんて、信用ならない?違うね。そもそも将来の夢なんてなかった。進路希望調査を、笑われない程度に書いて、それで私のお城を築く。悲しみから私を守ってね。
目を開けると目前のスマートフォンは朝の六時を示していた。
「うそだあ」
ベッドから転げるように起き上がると、枕カバーを剥がして、そのまま呆然と立ち尽くす。今からシャワー浴びたら、髪の毛乾かしてご飯食べて、学校に着くのは朝礼の二十分前くらい。予習の課題も小テストの勉強もできない。泣きそうだ。
力なく制服に着替えると、冴えない頭でリュックサックに教科書を詰め込み部屋を出た。肩に背負うと、リュックの中で二段に重ねた教科書が崩れる感触がした。
続く
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kkagneta2 · 5 years
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Tカップ幼馴染
完全に自家発電用。
「128.3センチ、………どうして、どうしてなの。………」
するすると、その豊かすぎるほどに膨らんだおっぱいから巻き尺の帯が落ちて、はらりと床に散らばる。
「どうして、昨日から変わっていないの。……何が私に足りないの。………」
と言いつつ、顔よりも大きくなってしまったおっぱいを揉んだが、触り心地は昨日と、一昨日と、一昨々日と何も変わらない。柔らかく、ハリがあって物凄く気持ちが良い、――気分としてはバスケットボール大の水風船を揉んでいるような感じか。
「だったらまだ、……まだTカップ、………」
床に散乱した巻き尺を跨ぎ越して、ベッドの傍まで行って、二つ並んだ白いブラジャーのうち左手にある方を取り、顔の前で広げて、バサバサと振る。片方のカップですら顔をすっぽりと包むブラジャーには、U65という英数字が太文字で刻まれているけれども、アンダーバストが悲しいかな、70センチ弱ある紀咲(きさき)にとっては、かなり無理をしないとサイドベルトが通らない。恨めしくタグを見つめても、カップ数もアンダーバストも負けた事実は変わらず、ため息をついてベッドの上へ投げ捨てると、右手にあったブラジャーを手に取る。そのブラジャーのタグにはV65という字が印刷されているのであるが、全く擦り切れておらず、広げて全体を見てみても、どこもほつれていないし、どこも傷んでなどいない。ただ四段あるホックのみが軽く歪んで、以前の持ち主が居たことを示している。
「あいつ、もしかして寝ている時に着ていたのか」
――もしくはこのブラジャーを着けて激しく運動したか。けれども、Vカップにもなるおっぱいを引っ提げて運動など、どれだけ頼まれてもしたくないことは、Tカップの今ですら階段を駆け下りたくない自分を見ていたらすぐに分かる、況してやあの鈍くさい女がそう簡単に走るものか。昔から急げと言ってもゆっくりと歩いて、なのに���ぐ息を切らすのである。羨ましい��とに、初(はじめ)が着替えるのを手伝っているらしいのだけれども、彼がこんな高価な物をぞんざいに扱う訳も無いから、この歪んだホックはきっと、寝ている間ににすーっと膨らんでいくおっぱいに耐えきれなかった事実を物語っているのであろうが、未だに信じられぬ。およそこの世のどこに、一晩でVカップのブラジャーをひしゃげさせるほどおっぱいが大きくなる女性が居るのであろうか。しかもそれが、まだあどけない顔をしていた中学二年生の女の子だと、どう言えば信じてくれるのか。可愛い顔をしているのに、その胸元を見てみると、大人の女性を遥かに超えるビーチボールみたいなおっぱいで制服にはブラの跡が浮かび上がっているし、目障りなほどにたぷんたぷんと揺れ動いているし、しかもあいつはその揺れを抑えようと腕で抱え込むものだから、いつだってぐにゃりと艶かしく形が変わっているのである。それだけでもムカッとくるというのに、あいつはあの頃そんな速度でおっぱいを成長させていたのか。紀咲は、どこかバカにされたような気がして、〝あいつ〟が中学生の頃に着けていたVカップの大きな大きなブラジャーをベッドに叩きつけると、クシャクシャになって広がっているUカップのブラジャーを再び手に取って、そのカップを自分のTカップのおっぱいに軽く合わせながら、勉強机の横に置いてある姿見の前に向かう。
鏡に映し出されたのは上半身裸の、付くべきところにほどよく肉のついた、――もちろんおっぱいはTカップなのだから極端ではあるけれども、腰はくびれているし、お尻はふっくらと大きいし、日頃の食生活のおかげで自分でも中々のスタイルなのではないかと思っている、高校3年生の女の子。紀咲はストラップに腕を片方ずつ通し通しして、後髪をかき上げると、今一度カップにきちんとおっぱいを宛てがい少し前傾姿勢へ。Tカップのおっぱいはそれほど垂れてないとは言え、やはりその重さからすとんと、雫のような形で垂れ下がり、ブラジャーを少しだけずり落としたが、あまり気にせずにストラップを、ぐいっと引き上げ肩に乗せる。本来ならばこの時点で、ブラジャーのワイヤーとバージスラインを合わせなければいけないのだけれども、Tカップともなるとどうしても、おっぱいに引っ張られてカップが沈んでしまうので、その工程を飛ばしてサイドベルトを手の平に受ける。するりと背中へ持っていき、キュッと力を入れて左右のホックの部分を合わせ、腕の攣るのに気をつけながら何とかして金具を繋ぎ止める。――このときが一番恨めしい。………女子中学生におっぱいのサイズで負け、アンダーバストで負けたことは先にも言ったとおりだが、その事をはっきりと自覚させられるのはこの時なのである。
ホックが全部繋がるまでには結構な時間がかかるから、彼女がこのUカップのブラジャーを手に入れた経緯を説明することにしよう。元々の持ち主は紀咲の幼馴染である初の、その妹であり、彼女が〝あいつ〟と呼んでいる、今年高校生になったばかりの、いつもおずおずと兄の後ろを一歩下がってついていく、――莉々香(りりか)と言う名の少女。両者についてはこの先登場するから説明はしないが、ある日莉々香とたまたま帰り道が一緒になった紀咲は、隣で揺れ動いている股下まで大きく膨らんだ塊を目の隅に留めつつ、特に話すこともなく歩いていたところ、突然、姉さん、と呼び止められる。なに? と素っ気なく返事をすると、あの、……ブラジャー間に合ってますか、たしか姉さんくらいの大きさから全然売ってなかったような気がして、……昔私が使っていたので良ければ差し上げます。あっ、でも、どれも一回くらいしか着けてないから綺麗ですよ、それに買ったけど結局使わなかったのもありますし、――と莉々香が言う。確かにその頃紀咲のおっぱいは、努力の甲斐もあってPカップに上がろうかというくらいの大きさになっていたのであるが、よく行くランジェリーショップで、PはまだありますがQカップになりますと、アンダーを大きくするか、オーダーメイドになるか、……今私共の方で新たなブランドを探しておりますが、もし運良く見つかっても海外製ですからかなり高く付きます、――などと言われて弱っていたところだったので、二つ返事で承諾すると早速家に招かれ、珍しく初の部屋を素通りして莉々香の部屋へ入る。彼女のことは生まれた時から知っているけれども、そういえばここ5年間くらいは部屋に入ったことがない。昔と同じように綺麗なのかなと思って見渡すと、案の定整理整頓が行き届いている。けれども机の上の鉛筆すら綺麗に並び揃えられている有様には、莉々香の異常さを感じずにはいられず、鞄を置くのさえ躊躇われてしまい、ドアの前で突っ立っていると、どうぞどうぞと、猫やら熊やら犬やらクジラやら、……そういう動物のぬいぐるみが、これまたきっかり背の順に並び揃えられたベッドの上に座るよう促される。莉々香はあの巨大なおっぱいを壁にめり込ませな��らクローゼットの中を漁っていたのだが、しばらくかかりそうだったので、すぐ側にあった猫のぬいぐるみを撫でつつ待っていると、やがて両手いっぱいにブラジャーを抱えてやって来る。プラプラと垂れているストラップは、幅が2センチくらいのもあれば5センチくらいあるものもあって、一体どれだけ持って帰らせようとしているのかと思ったものの、気になったのはその色。とにかく白い。初からオーダーメイドのブラジャーを買っているとは聞いていたから、こっそり色んな色のブラジャーがあるのだと決めつけていた紀咲は、がっかりとした目で自分の真横にドサッ、と置かれた白い布を見る。どうでしょう、姉さんのおっぱいがどれだけ大きくなるか分からないから、とりあえず私が1、2年生の頃にしていたブラジャーを持ってきましたが、ちょっと多すぎ、……かな? 下にあるのは結構大きめのなので、ちょっと片付けてきますね。たぶんこの一番上の小さいのが、……あ、ほら、Qカップだからきっとこの塊の中に、姉さんのおっぱいに合うブラジャーがきっとありますよ。と嬉しそうに言って、下の方にあるブランケットのような布地を再びクローゼットに持って行ったのであるが、その何気ない言葉と行動がどれほど心をえぐったか。紀咲は今すぐにでも部屋を飛び出したい気持ちをグッと抑えて、上半分にあった〝小さめ〟のブラジャーを一つ手にとって広げてみたが、それでも明らかに自分のおっぱいには大きい、……大きすぎる。タグを見ると、Y65とある。おかしくなって思わず笑みが溢れる。……一体この世に何人、Yカップのブラジャーをサイズが合うからと言う理由で持ち帰れる女性が居るといういうのか。まだ莉々香がクローゼットに顔を突っ込んでいるのを確認してYカップのブラジャーを放り投げ、もう一つ下のブラジャーを手に取って広げてみる。さっきよりは小さいがそれでも自分のおっぱいには絶対に合わぬから、タグを見てみるとV65とある。今度は笑みさえ浮かべられない。……どんな食生活を送れば中学生でVカップが小さいと言えるのであろう、あゝ、もう嫌だ。これ以上このブラの山を漁りたくない。でも一枚くらいは持って帰らないと彼女に悪い気がする。―――と、そんな感じで心が折りつつ自分の胸に合うブラジャーを探していたのであるが、結局その日持って帰れそうだったのは一番最初に莉々香が手にしたQカップのブラジャーのみ。もうさっさと帰って今日は好きなだけ泣こうと思い、そのQカップのブラジャーを鞄にしまいこんで立ち上がったところ、ひどく申し訳無さそうな顔をした莉々香がトドメと言わんばかりに、あ、あの、……今は奥の方にあるから取れないんですけど、小学生の頃に着けてたもう少し小さめのブラジャーを今度持っていきましょうか? と言ってくるのでその瞬間、――華奢な肩に手をかけてしまっていたが、胸の内に沸き起こる感情をなんとか抑えようと一つ息をつき、ちょっと意地になって、けれども今気がついたように、よく考えればこれから大きくなるかもしれないんだし、もうちょっと大きめのブラジャーももらっていい? と、やっぱり耐えきれずに涙声で言ってもらってきたのが、今彼女がホックを全てつけ終わったこのUカップのブラジャーなのである。
「くっ、ふっ、……」
前傾姿勢から背筋を伸ばした体勢に戻った紀咲は、胸下を締め付けてくるワイヤーに苦しそうな息を漏らしてしまう。ホックを延長するアジャスターがあることは知っているけれども、もうそんな屈辱はこのブラジャーを着けるだけで十分である。ストラップを浮かせて、おっぱいを脇から中央へ寄せている間も、ブラジャーの締め付けで息は苦しいし、肌はツンと痒くなってくるし、けれどもあんまりお金の無い紀咲の家庭では、オーダーメイドのブラジャーなんてそう何回も作れるようなものではないから、屈辱的でもあの女が中学生の頃に着けていたブラジャーで我慢しなくてはならぬ。
紀咲はブラジャーを着け終わると、姿見にもう一歩近づいて、自分の胸元を鏡に写し込む。見たところTカップのおっぱいは、溢れること無くすっぽりとU65のブラジャーに収まって、恐らく男子たちにとってはたまらない谷間が、クレバスのように深い闇を作っている。ちょっと心配になって、ふるふると揺らしてみると、ブラジャーからは悲鳴が上がったが、溢れること無くちゃんとおっぱいの動きに付いてきたので、これなら今日一日どんなに初に振り回されようとも、大丈夫であろう。紀咲はブラジャーの模様である花の刺繍を感じつつ深い息をつくと、下着姿のまま今度は机の前へ向かい、怪しげな英文の書かれたプラスチックの容器を手にとって見つめる。毎日欠かさず一回2錠を朝と夜に飲む習慣は、初と二人きりで遊ぶときも決して欠かさない。パカっと蓋を開いて真っ赤な錠剤を、指でつまみ上げる。別に匂いや味なんてないけれども、その毒々しい色が嫌で何となく息を止めて、口の奥へ放り込み、すぐ水で喉に流し込む。――膨乳薬と自称しているその薬を小学生の頃から愛飲しているために、ほんとうにおっぱいを大きくする効果があるのかどうか分からないが、世の中にTカップにまで育った女性は全く居ないから、たぶん本物の膨乳薬であろう。親に見つからないように買わないといけないし、薬自体結構な値段のするのに加えて、海外からわざわざ空輸してくるから送料もバカにならず、校則で禁止されているバイトをしないといけないから、毎日朝夕合計4錠飲むのも大変ではあるけれども、膨乳の効果が本物である以上頼らざるは得ない。依存と言えば依存である。だがやめられない。彼女には莉々香という全く勝ち目の無い恋敵が居るのだから。……
元々大きな胸というものに憧れていたのに加えて、初恋の相手が大の巨乳好きとあらば、怪しい薬を買うほど必死で育乳をし始めたのも納得して頂けるであろう。胸をマッサージし始めたのは小学4年生くらいからだし、食生活を心がけて運動もきっちりとこなすのもずっと昔からだし、意味がないと知っていても牛乳をたくさん飲むし、キャベツもたくさん食べるし、時には母親や叔母の壁のような胸元を見て絶望することもあったけれど、いつも自分を奮い立たせて前を見てきたのである。そんな努力があったからこそ彼女はTカップなどという、普通の女性ではそうそう辿り着けないおっぱいを持っているのだが、それをあざ笑うかのようにあっさりと追い越していったのは、妹の莉々香で。昔は紀咲のおっぱいを見て、やたら羨ましがって、自分のぺったんこなおっぱいを虚しい目で見ていたというのに、小学6年生の秋ごろから急に胸元がふっくらしてきたかと思いきや、二ヶ月やそこらで当時Iカップだった紀咲を追い抜き、小学生を卒業する頃にはQカップだかRカップだかにまで成長をしていたらしい。その後も爆発的な成長を遂げていることは、先のブラジャー談義の際に、Yカップのブラが小さいと言ったことから何となく想像して頂けよう。紀咲はそんな莉々香のおっぱいを見て、さすがに大きすぎて気持ち悪い、私はそこまでは要らないや、……と思ったけれども、初の妹を見つめる目を見ていると、そうも言ってられなかった、――あの男はあろうことか、実の妹のバカでかいおっぱいを見て興奮していたのである。しかも年々ひどくなっていくのである。今では紀咲と莉々香が並んで立っていると、初の目はずっと莉々香のおっぱいに釘付けである。おっぱいで気持ちよくさせてあげている間もギュッと目を瞑って、魅惑的なはずの紀咲の谷間を見てくれないのである。以前は手を広げて「おいで」と言うとがっついてきたのに、今では片手で仕方なしに揉むだけなのである。……
胸の成長期もそろそろ終わろうかと言う今日このごろ、膨乳薬のケースにAttention!! と黄色背景に黒文字で書かれている事を実行するかどうか、いまだ決心の付かない紀咲は薬を机の引き出しの奥の奥にしまい込んでから、コップに残っていた水を雑にコクコクと飲み干して、衣装ケースからいくつか服を取り出し始める。今週末は暇だからどこか行こう、ちょっと距離があるけど大久野島とかどうよ、昔家族で行った時には俺も莉々香もすごい数のうさぎに囲まれてな、ビニール袋いっぱいに人参スティックを詰めてたんだけど、一瞬で無くなって、………と、先日そんな風に初から誘われたので、今日はいわゆるデートというやつなのであるが、何を着ていこうかしらん? Tカップともなれば似合う服などかなり限られてしまうから、そんなに選択肢は無い。それに似合っていても、胸があまり目立つとまた知らないおじさんにねっとりとした目で見られてしまうから、結局は地味な装いになってしまう。彼女の顔立ちはどちらかと言えば各々のパーツがはっきりとしていて、ほんとうは派手に着飾る方が魅力的に映るのであるが、こればかりは仕方のないことである。以前彼に可愛いと言われたベージュ色のブラウスを取って、姿見の前で合わせてみる。丈があまり気味だが問題は無い、一年くらい前であれば体にぴったりな服でもおっぱいが入ったのであるが、Tカップの今ではひょんなことで破れそうで仕方がないし、それに丈がある程度無いと胸に布地を取られてお腹が見えてしまうから、今では一段か二段くらい大きめのサイズを買わなくてはならない。ただ、そういう大きなそういう大きなサイズの服を身につけると必ず、ただでさえ大きなおっぱいで太って見えるシルエットが、着ぶくれしたようにさらにふっくらしてしまう。半袖ならばキュッと引き締まった二の腕を見せつけることで、ある程度は線の細さを主張することはできるけれども、元来下半身に肉が付きやすいらしい彼女の体質では、長袖だと足首くらいしか自信のある箇所が無い。はぁ、……とため息をついて、一応の組み合わせに袖を通して、鏡に映る自分の姿を見ると、……やっぱり着ぶくれしてしまっている。どんなに胸が大きくなろうとも、決してそのほっそりとした体のラインを崩すことのないあいつに比べて、なんてみっともない姿なのだろう、これが薬に頼って胸を大きくした者の末路なのだろうか。
「私の努力って何だったんだろうな。……」
と床に落ちていてそのままだった巻き尺を片付ける紀咲の目元は、涙で濡れていた。
それから15分くらいして初の家の門をくぐった紀咲は、どういう運命だったのか、莉々香の部屋の前で渋い顔をしながら、またもやため息をつく。
「勉強って言っても、私よりあいつの方が頭良いんだから、教える必要なんてないでしょ。……」
ともう一度ため息をついてドアノブに手をかける。約束の時間に部屋に赴いたというのに、初はまだ着替えてすらおらず、ごめんごめん、今から着替えるから、暇だったら莉々香にあれこれ教えてやってくれ。今たぶん勉強しているから、と言われて部屋から追い出されたのであるが、昔から英才教育を受けてきた莉々香に教えられることは何も無い。むしろ今度の定期試験を乗り越えるためにこちらが教えてもらいたいくらいである。紀咲はいまいち初の意図が分からない時が多々あるけれども、さっきの一言はようよう考えても結論が出ないから、ただ単に莉々香と話をしていてくれと、そういう思いで言ったのだろうと解釈して、ガチャリと扉を開ける。相変わらずきっちりと無駄なく家具の置かれた、整理整頓されすぎて虚しささえ感じる部屋である、昔と変わっているのはベッドの上にあるぬいぐるみが増えたことくらいか。莉々香はその部屋の中央部分にちゃぶ台を置いて、自身の体よりも大きくなってしまったおっぱいが邪魔にならないよう体を横向きにして、紀咲が部屋に入ってきたことにも気づかないくらい熱心に、鉛筆を動かしている。覗いてみると、英語で何やら書いているようだが、何なのかは分からない。――とそこで、ノートに影が落ちたのに気がついたのか、ハッとなって、
「姉さん! 入ってきたなら言ってくださいよ」
と鉛筆を机の上にそっと置くと、立ち上がろうとする。
「あっ、いいっていいって。そのままで」
それを制しながら紀咲はちゃぶ台の対面に座って、ニコニコと嬉しそうな表情を浮かべる憎き恋敵と相対する。だがどんなに憎くとも、その巨大なおっぱいを一目見ると同情心が湧いてくるもので、片方だけでも100キロは超えているらしいその塊を持ちながら立たせるなんて、どんな鬼でも出来ないであろう。莉々香のおっぱいには簡単に毛布がかけられているのであるが、それがまた何とも言えない哀愁を誘っていて、紀咲もこの時ばかりは目の前の可愛らしい笑みが、少しばかり儚く見えてしまうのである。
「やっぱり、もう椅子には座れない?」
「そう、……ですね。椅子に座ると床に着くから、楽といえば楽なんですけど、それでも重くて。………」
「今バストは何センチになったの?」
「えっと、……ここ一週間くらい測ってないから正確じゃないけど、先週の木曜日で374センチでした」
「さ、さんびゃく、……」
果たしてその数字が女性のバストサイズだと分���る人は居るのであろうか。
「姉さんは?」
「128センチのTカップ。やっと中学生のころのあんたに追いついたわ」
どこか馬鹿にされた心地がしたので、ちょっとだけぶっきらぼうに言う。
「いいなぁ。……私のおっぱいも、そのくらいで止まってくれると嬉しかったんですけどね。……」
あれ? と思うと先程感じていた同情心がどんどん消えていく。莉々香は恐らく、本音として紀咲のおっぱいを羨ましがっているけれども、やはり馬鹿にされている気がしてならない。
「あ、もしかして今私のブラジャーを着けてますか? 前、アンダーが合わないって言ってましたけど、延長ホック? っていうのがあるらしくて、それ使うといいかもしれません」
と、知っていることをどこか上から目線で言われて、カチンと来る。そういえば、いつからだったか、おっぱいのことに関してはすっかり先輩の立場で、莉々香は紀咲に色々とアドバイスをするのである。
「……知ってる。………」
――だから、余計にイラつかせられるのである。
「姉さん?」
「知ってるって言ってるの。なに? いつの間に私に物を言う立場になったの?」
「ね、姉さ、――」
「そんな化物みたいなおっぱいが、そんなに偉いって言うの? ねえ、答えてよ」
「化物だなんて、……姉さん落ち着いて」
「落ち着いてなんていられるかっての。今もあんたのブラジャーが私を締め付けてるの、分かる? この気持。中学生の女子におっぱいで負けるこの気持。世界で一番大きいおっぱいを持つあんたには分からないでしょうね。………」
この女の前では絶対に泣かないつもりであったが、今まで誰にも打つけられなかった思いを吐き出していると、一度溢れた涙は止めどもなく頬を伝って行く。
「何よ何よ。私がどれだけ努力しているのか知らずに、いつも見せつけるようにおっぱいを強調して、そうやって毎日あの変態を誑かしてるんでしょう? ――どうして、どうしてあんただけそんなに恵まれてるのよ。どうして。………」
とそこで、ぐす……、という鼻をすする音がしたので、そっと涙を拭って前を向くと、莉々香は机の上で握りこぶしを震えさせながら俯いている。ゆっくりと顔が上がって、すーっとした涙の跡が陽の光に照らされる。
「私だって、………私だって紀咲姉さんの事が羨ましい。ほんとうに羨ましい」
「………」
「Tカップって、まだ常識的な大きさだし、着る服はあるし、姉さんは私のお下がりのブラジャーを使ってますけど、ちゃんと売ってますから、ちゃんと市販されてますから。……私のブラジャーが一着いくらするか知ってますか? 8万円ですよ、8万円。ブラジャー一個作るのに10万円近く取られるんですよ。……ほんとうに姉さんくらいの小さなおっぱいが良かった。ほんとうに、ほんとうに、………」
「りり、……」
「いえ、姉さんが羨ましいのはそれだけじゃないです。どれだけ胸が大きくなっても兄さんは振り向いてくれないんですもの。……」
「えっ?」
「もう何回もチャレンジしましたよ。兄さんを押し倒して、姉さんみたいにおっぱいで気持ちよくさせようと。……けど駄目でした。どうしてなんでしょうね。私だったら体ごとおちんちんを挟んであげられるのに、体全体をおっぱいで包んであげられるのに、兄さんは手すらおっぱいに触れずに『紀咲、紀咲』って言って逃げちゃうの。……」
初のことだから、もうすでに欲望に負けてそういう行為をしていると思っていた紀咲は、驚いて彼の部屋の方を向く。
「だから、意味がなかった。意味が無かったんです、――」
と莉々香は体を捻って手を伸ばして、本棚の一番下の段から手にしたのは紀咲もよく知っている、怪しげな英文の書かれたプラスチックの容器。
「小学生の頃からこれを飲み続けてきた意味が無かったんです。……」
「りりもそれ飲んでたの」
そういえば昔、どうしてそんなに大きくなるんですか、と聞かれた時に一回だけ見せびらかしたことがある。
「ええ、……でもね姉さん、私の場合違うの。兄さんが、……えっと、そういう女性を好きなのは分かっていましたから、こう、……手の平にがさっと適当に出して、お水で無理やり飲んでました」
「それ一体一回何錠くらい、……」
「15錠くらいだったような気がします。駄目ですよね、注意書きにも駄目って書いてますし」
容器のAttention と書かれた下には、〝必ず一日4錠を超えてはならない〟と一番上に太文字であるから、莉々香は4日分をたった一回で飲んでいたということになる。そういうことだったのか。………
「でもどんどん大きくなっていくおっぱいが嬉しくって、最終的に一週間も経たずに一瓶開けるようになって、……最後は兄さんが救ってくれたんですけど、飲んでないのに、おっぱい大きくなるの止まらなくて、………もう着る服なんて無いのに、おっぱいは重くて動けないのに、でも全然止まる気配がなくて、………紀咲姉さん、私どうしたらいいんだろう」
と、さめざめと泣き出したのであるが、どうしたらいいのかなんて紀咲には全然分からず、ただ気休めな言葉を投げかけていると、しばらくして初がやって来たので、せめてこの哀れな少女の気を少しでも晴らそうと、その日は3人で日が暮れるまで淫らな行為をし続けたのである。
 (おわり)
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消えた手 作者 --あろ
消えた手
 ——あろ
高山一郎さんは中国に来ました。彼は中国の美食が好きで、料理の種類が違っています。様々な料理方法で彼の目の前が明るくなり、味蕾がとても楽しかったです。彼は自分の食文化を熟知していますが、大和民族の食文化は長い間続いています。生のような食感はないが、大きなご飯を食べて満足しています。彼は大きいご飯が好きで、日本の食糧は高すぎて、魚は毎日食べますが、いつも飽きる日があります。中国の食べ物は豊富で安いです。彼は永遠にここに住んでいても、帰りたくないです。彼はいくつかの中国の学生がすでに祖国に帰りました。この機会に、彼はクラスメートと昔話をしたいです。ついでにクラスメートの話を見てみたいです。中国の台頭はどうですか?
世界中が中国の台頭を羨んでいます。中国の夢と米国の夢の違いを知りたいです。彼らは中国を知りたいです。なぜ自分の国が貧しいのですか?中国は確かに物質的に豊かです。彼らは納得がいかないので,彼も納得できない.仕事の2年後、彼はお金を儲けていません。人民元に両替して、毎月1万元がありますが、日本の食べ物は高すぎて、家が高すぎて、何も高すぎて、彼は典型的な貧乏人です。家は数千元といっても、寝室一つだけです。また、通勤には地下鉄が必要です。時間は無駄に交通に費やしています。毎晩彼は残業しています。彼はとても疲れています。彼は望みがないと感じて、残業はとても深刻で、毎日9時10分まで忙しくして家に帰ることができて、家に帰った後にすべてをやり終えてすでに明け方になりました。彼は休暇があまりないです。機械が絶えず動いているように、油は彼の命です。彼はなぜ東京の街の明かりが暗いのかよく分かりますが、若い女子高生がそこに立っています。少女たちは買い手を待っています。彼らは自分の学費を払って、家庭の費用を支払う必要があります。少女たちは自分が何をしているかを認めません。もし誰かに聞かれたら、「同級生を待っています。」
日本は中国の台頭のニュースを放送することを許さない。真実を知った日本人は、楽しく生きられないので、彼自身はもう楽しく生きているのではないと思いました。
最近数ヶ月間、彼の中国人の友達は彼に連絡しました。中国人は昔話が好きで、長い間連絡がない後、中国人の感情は酒のように濃厚な香りを漂わせます。彼は彼が知るべきではないことを知って、彼は言いました。「私の想像を覆しました。」
中国に来ていない前に、彼は食べ物が十分であることを想像したことがありません。以前の偏見の中で、大陸は果てしない貧しい山荘だと思っています。その土地に住んでいる人は服を買うお金がなく、科学技術製品を買うお金がなく、道路も泥で固められています。実はそうではないです。食べ物については、日本のキモイ商店は高利潤を追求しています。食糧の量産は望みません。いろいろな手段と方法で食糧の価格を増加させたいだけです。彼らはむしろ1つの土地を2年間空欄にして、土壌の肥沃さを回復したいです。いいですよ。全部食べていません。誰が品質を気にしますか?
彼が空港から降りた第一印象は、第三世界ではなく、第一世界であり、米国に匹敵する国だと思います。
クラスメートは彼を迎えに行く時間がありません。相手の仕事のプレッシャーも大きいです。半日休暇を取ってください。どれぐらいの財産を失いますか?それでもいいです。彼はあちこち歩き回ることができます。中国についてたくさん知っています。彼も知っています。空港には美食がないので、世界の空港はほとんどこのようにしています。彼はいくつかの路地に行きます。年老いた老人がいます。彼らは店を開いています。彼らの一生の技術はとても不思議です。その味は味蕾の刺激を満足するだけでなく、愛もあります。彼は空港でいくつかのAPPをダウンロードしました。車に乗るのはもちろん便利です。
運転手さんは直接に目的地まで送ってくれました。彼も財布を抜く必要がないので、携帯電話で支払う必要がありません���彼は日本で十分な勉強をしました。中国はもうお金を使わないことを知っています。彼は車を降りて、自分は賢明だと思いますが、幸いにも自分でこのすべてを企画しました。十分準備してください。さもなければ、どんなに面倒でしょう。
路地の中で米粉を見ました。看板の文字には辛粉が書いてあります。彼はこのおもちゃを聞いたことがあります。彼は待ちきれないほどお店に入ってきました。重慶の老夫婦です。彼らは親切に彼を招待しました。彼は刺激と汗を流し、味蕾が核爆弾のような輝きを爆発させました。
夕方、彼は十分にお腹を満たして飲みました。遊びも十分です。クラスメートと約束したところに来て、クラスメートは車で彼を家に連れて帰りました。彼のクラスメートは周飛です。周飛さんは「中国に来てとても嬉しいです。今日は仕事が忙しくて、迎えに行きませんでした。気にしないでください。明日は休みです。ゆっくり遊びに連れて行きます。」
大丈夫です。まず忙しくしてください。自分で自分の面倒を見てもいいです。
気にしないでください。
私は気にしません。私たちはいい友達です。仕事も大事です。あなたも私のせいでお金を少し稼いではいけません。今の仕事はこんなに探しにくいです。
「あなたの話を聞いていると変です。中国で仕事をするのはどこでも同じですが、自分の好きなものを見つけるのは難しいです。」
あなたの話を聞きましたが、中国は人が少なすぎて、ご存知のように、あなた達はずっと計画出産をしています。人が少なくなり、職の供給が足りなくなりましたか?
これはよく分かりません。学術的な観点からあなたに教えられません。主観的には私達の国の人が多いと思いますが、経済も発展しています。あなたが言った理由があるかもしれません。経済の発展が速すぎるかもしれません。だからもっと多くの人が必要です。
今はどうですか?
「普通に混ぜています。前に日本で勉強したことがないと、思ったよりいいです。」
なぜですか?よく分かりません。中国はいいところだと言っていますが、今は悩んでいるようです。
「正確には悩みはありませんでした。私たちの教育は非常に優秀ではありません。詰め込み式の教育は私たちの思想が不活発になりました。日本に行きました。あなたたちのような思考が活発な学生と広く交流してから国内に帰ってきました。もちろん私の夢にはまだ差があります。今はまだ努力中です。プロジェクトを取って、退職して創業したいです。自分が払ったものと得たものとは正比例しないと思います。もともと強い能力があります。なぜ人に一杯のお茶を分けてもらいたいですか?
理解しています。何かお手伝いが必要なものがありましたら、遠慮なく言ってください。
助けといえば、もちろん日本の商品を国内に売ったら、きっと儲かると思いますが、そうしてもらえますか?
もっと徹底的に知る必要があります。
「ははは、ははは、だからあなたはやりたくないですよね。中国の今の様子を見に来ました。自分の国に帰ったら何か考えがあると信じています。」周飛さんは続けて言います。「今晩は食事をしましたか?」
「えっと、今日の午後はずっと食べていましたが、今はもうお腹がいっぱいです。」
「いいですね。こんなに早く解けました。」
周飛の家に来たら、高山一郎さんが聞きました。「明日はどこに行きますか?私達のスケジュールはもう決まりましたか?」
このことは簡単です。今は何の時代ですか?もう事前に計画する必要はありません。携帯一つで終わりました。明日は遊園地に行きます。携帯で予約して、明後日は植物園に行きます。午後は動物園に行きます。
じゃ、明日の夜は予定がありますか?ここは不夜城だと聞きました。」
はい、夜になると空の雲が都市の明かりに照らされて見えます。
「えっと、そうですか?今行ってみます。」
「えっと、ここにはあまり多くの照明がありません。ここは住民区です。みんなは明るすぎるのが嫌です。商店街に行ったらいいです。明日の夜はバーに行きたいですか?それとも山に登りたいですか?」
バーのようなところには行きたくないです。
「そんなところのことですか?」
日本のようなところはもちろんそんなところですよ。
えっと、中国ではそういうことではありません。
私も行きたくないです。
「それはいいですよね。明日の夜は登山に行きます。チケットを先に買います。」週飛行は携帯電話を操作しています。「月曜日から金曜日までは自分で手配してください。一緒にいられません。」
「そうだ、何か買いたいものがありますか?あなたが十分な物資を持っているかどうかは分かりません。結局、あなたは今回半ヶ月間滞在します。」
安心してください。ものは全部用意しました。
ここ数日、高山一郎と周飛は楽しく遊んでいます。動物園から出てきて、高山一郎さんは「急に子供になったと思います。」
周飛さんは「私たちは子供です。子供を作るのが楽しいです。何をそんなに悩んでいるのですか?」
「これが中国の魅力かもしれません。日本に帰ると、また忙しくなります。休日もないし、休みもないし、毎晩残業します。
でも、給料が高いですよ。何十万円ですか?
高いおならを人民元に両替したら一万円以上しかかかりません。
それはまだ高くないです。一万円以上はもう大変です。毎月服を買って、毎食は外でよく食べられます。遊び回ることができます。あちこち旅行できます。スイートルームを買うことができます。綺麗な奥さんがいます。
「よく分かりません。あなたの寝室のような大きいところについては、日本で数千元の人民元を借ります。食べ物はまた数千円を切ります。実際には数十元でラーメンを食べられます。」
この数日間私たちが食べたものはいくらかかりましたか?
私は中国に来ました。安いところに行きました。お金はあまりかかりませんでしたが、あなたと私が食べたのはそんなに良くて、あなたの2000元を使いましたよね。申し訳ないと思います。
あなたが間違っています。ここ数日の全部の費用は500元です。
えっと、私の空は不思議です。
もしあなたと私が外で食べるのではなく、100元を使って料理を買いに行くなら、私達は一週間食べられます。
なぜこんなに安いのかよく分かりません。
「以前にもこのような疑問を提起しましたが、お金の多さと少なさは重要ではないことを理解しました。もっと多くの商品を買うことができて、生活がもっと良くなりました。今は工業時代です。労働力を解放しました。もちろん機械を使ってより多くの商品を獲得することができます。私達の生活がより良くなります。服は全然よくなさそうです。」
これらの服はとても高いです。
遅くなったらネットで選んであげます。
もういいです。税関で税金を払います。それに、長くはいません。
「それは大丈夫です。着終わったら捨てればいいです。」
高山一郎さんは周飛さんがネットで買い物しているのを見て、彼の前の話が分かりました。服は本当に安いです。高山一郎は自分が生活に強い欲望を持っているとは思いませんでしたが、今は持っています。
これらの服は長くかかりますよね。
いいえ、明日の朝です。
翌日の朝、高山一郎が小包を開けて、中の新しい服を着て、彼は全体の人がとても格好良くなりました。
私を信じて、あなたの今の改心率はきわめて高くて、無数の女の子、あなたを拒絶することはできません。
一週間で高山一郎は各料理系の料理を食べました。高級品店でしか羨望できない服を着ました。彼の全身のかっこいい下地は商品に刺激されました。いいイケメンになりました。街の女の子たちが次々と彼の目を食べたいと投げてきました。彼はちょっと恥ずかしいです。ある夜の週に仕事が終わって、入り口で食欲が湧く香りがします。ドアを開けたら、高山一郎さんが鍋をしています。
「えっと、同級生、お金がいらない日は本当によかったです。」
「えっと、何を表現しますか?」
「今は携帯が一台必要です。何でもできるという意味です。
それはそうです。前にドアを出る時はカバンを背負って、中に財布と携帯の鍵を入れて、たくさんのものを入れて、今は携帯を一つだけ持っていればいいです。
今日千円を稼いだとあなたに言いました。
「えっと、どうやって儲けましたか?アルバイトに行きましたか?」
「いいえ、中国語はあまり上手ではありません。私は今日他の人に問題を解いて300元儲けました。知識は価値がないと思っていました。仕事に行ってから知識は少しも役に立ちませんでしたが、中国では私の知識がお金になるとは思いませんでした。見たり聞いたりして、報酬をもらえると思います。
そうですね。専門的にアカウントを登録したら、毎週または毎日いい文章を書いてください。ファンが多くなるまで、何十万円の価値がありますか?前からアカウントを探していましたが、彼に10万円をくれました。彼は広告をしてくれました。効果はなかなかいいです。
「えっと、神様、突然自分が損をしたと思いました。」
「まあいいです。お金があればいいです。残りの700元はどうやって来ますか?」
私は中国に写真を撮りに来たのではないですか?私はそのカメラを持っていますが、動画の下でコメントしたら、ある人から連絡がありました。彼らのお店のために芸術写真のセットを撮ってもらいました。
「えっと、そうですね。あなたの写真の撮り方がいいですね。そうしましょう。私の商品も撮ってください。棚に上がる必要があります。」
「いいですよ。今日は野菜市場に行きました。魚もいますし、肉もあります。野菜もありますし、果物もあります。この一山を合わせて50元もないので、想像もできません。」
「中国に滞在することを考えてもいいです。」
私も望んでいますが、ここにいて怖いです。
何が怖いですか?
私は外国人だと思います。この社会に入るのは難しいかもしれません。
それはそうです。今日千円稼げるとしても、毎日儲かるとは限らないです。安定した仕事がいいです。
今日作った鍋を見てください。
あなたもこれができます。おかしいです。
「今はグルメになれると思いました。ソースバッグはどんな料理を作ってもいいですから」
「日本にもソースバッグがあるじゃないですか?」
「そんなに豊富ではないですよ。今は何を食べたいのか、何をすればいいのか、ちょっと間抜けな感じがします。外で何を食べに行きますか?お金を浪費しました。」
彼らは腹一杯飲んでから外を一周して、映画を見ました。高山一郎さんは映画に夢中になりました。
映画自体は安くできますが、なぜそんなに高く売られていますか?
夜、二人は熟睡しました。高山一郎は突然部屋の中で何かの音がします。ネズミかもしれません。この都市のネズミはとても大きいです。彼はネズミが猫のように肥えているのを見ました。日本ではこんな大きなネズミは見られません。彼は気にせずに寝続けました。しばらくしてから、また声が鳴りました。今度はネズミの声ではなく、スリッパの音のように感じました。
またしばらくして、テーブルの動く音が聞こえました。彼は警戒していました。家に��棒が来たかもしれません。そこで彼はこっそりとベッドに入りました。リビングルームに野球棒があると思ったら、勇気が出ました。彼は念のためにそっとバケツを持ち上げ、ゆっくりとリビングに向かった。静かに野球棒のそばに来て、木の棒を取った。高山一郎が大声を上げて、彼はこの音が彼のルームメイトを驚かせることができることを望んでいます。
その人はじっとしていましたが、高山一郎はベンチを投げました。
その黒い影はびっくりして、大声で叫びました。「あなたは誰ですか?���
この音はとても熟知しています。高山一郎は周飛の声を聞きました。彼は聞きました。「あなたは夜中に寝ないで、何をしていますか?」
私は知らないです。ベッドの上にいるのではないですか?どうしてリビングに来たのですか?
「最近ストレスが大きすぎて、夢の中で泳いでいますか?」
「そうかもしれません。最近ストレスが大きすぎるかもしれません。」
ジュースを一杯お注ぎします。高山一郎は明かりをつけたが、生涯忘れられない一幕を見た。彼は飛んでいる左手がなくなっているのを見ました。スイカナイフで切られたように、不思議なことに血液が一滴もなく、右手が壁の中に入ってきました。高山一郎はしっかりと野球の棒を握って、彼は言いました。あなたの手
「私の手?あ、手、あ、どうしたの?これはどうしたのですか?助けてください。助けてください。」
悪魔、あなたは悪魔です。高山一郎は慌ててドアを開け、飛ぶように飛び出した。
団地の入り口に来て、彼はびっくりして汗まみれになりました。彼は私が夢を見ていると思っていますか?落ち着いてから彼は周飛を独りでロビーに捨てたことを後悔しています。彼はとても怖いです。彼は電話で警察に通報したいですが、携帯はまだ寝室の中にあると気づきました。自分もズボンの股だけをはいています。
帰ってから彼は周飛の姿を見ませんでした。周飛は暇を見つけて消えたようです。彼の義二和尚は頭がよく分かりません。この家の出入り口は一つだけです。彼は誰も外に出て行くのを見ませんでした。
彼は間に合わないので、すぐに服を着て、携帯などの必需品を持って行きました。彼が出かける準備をしている時、元の周飛が立っているところにほこりがたまっているのを見ました。彼は説明できませんでした。彼は周飛が生命のないものになったのではないかと考えています。悪魔だけが光を見て泥になったのです。
彼はここで多く残す勇気がなくて、彼は自分が日本に帰るべきだと思って、彼はこの事のために自分を窮地に追い詰めたくなくて、彼は刑務所の中で一生を過ごしたくなくて、たとえ彼は如実にこのすべてを警察に教えますとしても、誰がまた信じることができます。
日本に帰った後、高山一郎さんが警察に逮捕されました。彼は誰も彼の話を信じないことを知っています。彼の最善の方法は口をつぐむことです。警察がいくら取り調べても、彼は避けられません。どんなストレスを与えても、彼は口を開けません。二週間後、制服を着た女性が彼に会い、写真のセットを彼の前に置いた。「あなたは殺人していないと信じています。科学的に説明できない現象に遭遇しました。あなたは唯一の目撃者ではありません。初めての目撃者です。あなたが何を見たかを知る必要があります。」
高山一郎はこれらの人の話を信じられないで、この世界は邪悪で、世界で良い人がなくて、彼は他の人の詐欺のため自分を傷つけることはできません。彼は依然として黙り込んでいる。女の人は仕方がないです。「よく考えてください。」そして離れました。数日後、刑務所の床から振動の音がしました。彼はまた地震だと思いましたが、呼吸音も聞こえたようです。この部屋には彼一人しかいません。息を殺しました。彼は自分の呼吸音だと信じていますが、息を止めました。その呼吸音はますます大きくなってきました。高山一郎の目は開けっ放しになりました。彼はこの床が一体どうなっているのか分かりません。彼は自分の大和民族の奇異な伝説を思い出します。妖怪や妖怪が頭の中に現れます。
高山一郎は徐々に床から顔を出すのを見ました。それは高く飛ぶ顔です。彼の両手を振って触れられるものをつかみたいです。高山一郎はあわてて言いました。
高嶺一郎の声が聞こえたように、彼は寝床の一郎を見て、ゆっくりと登って行きました。
日本の大地に、無数の手が地面から伸びている。土の中から岩の中から壁から竹のように両手を抜いて、何かをつかもうとして振り回しました。
 2017年8月2日に卒業します
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otona77mtb · 2 years
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今朝起きたら横に…毛繕い中のお嬢さんwwカワエエな❣️ #今日のキキ嬢 #さびすたぐらむ #猫のいる幸せ #今日だけ #家庭内野良猫を卒業できそう #にゃんだふるらいふ https://www.instagram.com/p/CjCkqUfJtDK/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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120207 · 6 years
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あいつのテレパシーもう聞こえない
0818 23:55~01:10
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0818 23:55~01:10
ある作品を観て、思い出したことがある。
中学生の頃の話
当時、親の機嫌を伺いながらも友達とうまくやり、ぼんやりとした中学生活を過ごしていた。
元々、クラスで中立の立場にいた私は今思えばわけのわからない女であったが、よく知らない、わからない人たちからの評判はそれなりに良かった。
当時の私は戦場で戦うような気持ちで生きていて、常に気を張っていた。
中学三年生のある時、私はある男の子の存在に気がつく。
まるで野良猫を人間にしたかのような男の子。
私はその男の子をノラネコとこっそり心の中で呼んでいた。見た目からはわからないがもっぱら自由で、人の言葉をひらひらかわそうとすることに気づいて、なぜか私はいつも心苦しくなった。
そしてある時、私たちは一番後ろの窓際の席で二人、まるで世界から孤立しているんじゃないかとでも思うほど静かな前後席になった。それをきっかけに私たちは授業中こそこそとお話したり、手紙を交換したり頻繁に足を引っ掛けられたりしたり、しまいにはノラネコが私を家に送ってくれて一緒に帰宅する関係になっていった。ノラネコは施設で生活を送っていて、門限が5時であるのにも関わらず週に一、二回は私を送ってくれていた。施設の決まりで5時を過ぎると遊びに出してくれなくなるらしいが、それでも私を送ってくれていた。なぜだろうと思っていたが聞けなかった。そんなある日、数学の授業で私が困っている時、低い声でノラネコは言った。
「お前さあ、ほんまは俺とおんなじ気持ちやと思う。多分さ、俺とお前はおんなじような人間なんやわ」
私はその時、因数分解に全神経を費やしていたために、すぐに聞き返すことができなかった。
それから夏休みに入って、施設育ちで携帯も持っていない彼と連絡も遊ぶ約束もしていない私はあまりにも暇な夏休みを過ごした。アニメをみて、適度に親と喧嘩をし、内容の浅い本を読み、大好きな藍色のマニキュアを足に塗ってみたり、彼氏をほっぽって男の子の友達たちと連絡をとったりして過ごした。
しかし夏休みが明けても、彼は一向に学校に来なかった。
夏休みが明けて二日ほどたったくらいで、彼と同じ施設の、私と仲良しの女の子が言った。
「最近さ、なんか気づいてたことある?」
彼のことだと一瞬でわかった。それまで気づいていないふりをしていた私だったが、流石に不安だったので、聞いてみる。
施設の先生に手をあげて、それからすぐにその施設から出される状態まで行ったようで、もう学校には帰って来ないらしい。小さい子供が大好きで、いつもニコニコしていた彼がそんなことするはずもないので、到底信じられなかった。彼女にその話を聞いてやっぱり受け入れることができずに、丸一日は頭が真っ白になっていた
それから毎日退屈な日々を過ごした
教室にはノラネコの座らなくなってしまったイスと机。窓についたカーテンが彼のいなくなったことを良いことにひらひらと舞う。たまらなかった。私の唯一の理解者であった彼はどこかへいなくなってしまった。ふらふらと野良猫のように。もしあの時、きちんと聞き返していたら。好きな色や親の話を詳しく聞いていたら。そして夏休み、私が彼の気持ちに寄り添っていたら先生に手はあげなかったかもしれない。後悔だらけだった。
お互い、結局一番大事なことは言い出せなかった。怖かったから。私たちは授業中話している時、世界でふたりだけであると思った。いや、世界で二人だけであればいいと祈った。
「俺らここでこそこそ話してたらさ、ずっと無敵な気がする」と言われ、私はそんな彼に救われていた
私の人生はいつだってドラマチックだ ドラマチックすぎて疲れる。
それから彼には会えていない。彼が送られたという鑑別所?のようなところへ、先生にも黙って電話をしたりもして見たけれど、私たちはもう二度と繋げられることはなかった。
だけれど、ある日私は気づいてしまった。             
夏休みが明けてから、クラスの誰も彼の話をしなかったのだ。
私はひたすらに悲しかった。あれだけ彼に構って、自由をなくすほどに構っていたのに。やっぱり誰も彼のことをなに一つわかっ��、知っていなかったのだ
私はそれからクラスメイトに抱いた嫌悪感を消すことができず、心を殺したまま過ごした。彼のこっそり秘めていた気持ちはどこへ行くのか、そればかりを毎日考えた。                      
しかしその反面、抱いた嫌悪感はクラスメイトに対してではないことに実は気づいていた。それは、彼のことを知っているようで、知らなかった私自身に対してのものだ
それから受験も過ぎて、私は美術科のある高校へ進むことが決まった。卒業式がやってくる頃になっても話が上がることはやっぱりなかった。彼の残された机とイスに、寂しげに残された名前のシールを、こっそり私が剥がし、そして自分の名札の後ろに貼り付けておいた。粘着力のなくなったシールを、真新しいセロファンテープでも一度貼り付けた。         
そんでもって私だけが絶対にお前のことを一生忘れてやらないからな、と思った。
今でも思い出す。私が問題を起こして校長室へ呼び出されたということを伝えると大爆笑していた彼のことを。放課後廊下で将来の夢を語り合ったことを。私の描いた絵を、お前の書いた絵はやっぱわからないよと笑いながら割れ物を抱くように触れていたことを。
彼が私と同じであると感じたところ。中立の立場ゆえに誰にでも構われて、しんどくなってしまうところ。家庭環境が悪いところ。本音を話さないところ。彼はサッカー、私は芸術という風に、好きなことに対して一生懸命に頑張るところ。だけれどやっぱり、そんな風に自分をうまく表現できなくて帰り道にいつもこっそり泣いているところ。
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kachoushi · 2 years
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各地句会報
花鳥誌 令和4年6月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
………………………………………………………………
令和3年2月14日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
立春の富士泰然と雲寄せず 三無 立春や玻璃越しの日の柔らかき せつこ ほどほどの人生うれしく梅見かな あき子 うすごほり割る子跨ぐ子ジャンプの子 美貴 薄氷や緋鯉ゆらりとくねりけり 和魚 立春やどの梢にも空展け 三無 紅白梅お寺の屋根の美しき反り あき子 新しき珈琲挽く日春立てり 貴薫 風神の滑り跡ある薄氷 三無 立春やベランダ野菜少し伸び エイ子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年3月2日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
左義長の火の昇るとき黄昏れる 世詩明 日脚伸ぶ柱時計のネジを巻く ただし 山寺の雪降りやまぬ寝釈迦かな ただし 草の戸に五人囃子や雛あられ 輝一 生まれたるままのお顔のお雛さま 洋子 風花を路面電車の軋む音 清女 日脚伸ぶ切るに切られぬ長電話 同 卒業す最後の家路ペダル踏む 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年3月3日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
裁縫箱折れ針二本供養する 由季子 百歳の君風花のやうに消ゆ 同 つばめ来て知らぬ大地に思ひはせ さとみ 誰が古墳今も謎めき山笑ふ 都 野遊びのかの日の友もみな老いし 同 筓も髪のほつれも譲り雛 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年3月5日 零の会 坊城俊樹選 特選句
朧なり阿羅漢の息かかりては 光子 あの羅漢春の夜より吾に棲みぬ きみよ 百態の羅漢に残る箔や春 眞理子 阿羅漢の水晶の眼に春の夢 光子 阿羅漢のゆるやかに着てあたたかし 炳子 石に彫る魚に目のなき涅槃かな 千種 雛の顔どこかに重ね羅漢見る 順子 乳母車春の闇へと押しやりぬ 和子 阿羅漢のひしめく息の春の闇 光子 肩少しいからせながら地虫出づ 悠紀子
岡田順子選 特選句
囀の鎮まりて僧本堂へ 小鳥 理髪店鏡のなかに椿の千 光子 水草生ふ瀬戸の火鉢に沈む魚 炳子 金箔の泪の羅漢春浅し 佑天 阿羅漢の水晶の眼に春の夢 光子 魂は螺旋階段昇る春 俊樹 朧より羅漢お一人ついて来し きみよ 権の助坂へ突き出る辛夷の芽 要 阿羅漢の手のひらに受く涅槃西風 小鳥 立子忌の夜を渡りて弔ひへ 俊樹 阿羅漢の寂寞のこし鳥帰る 小鳥
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年3月10日 花鳥さゞれ会 坊城俊樹選 特選句
バス停の薄き座布団日脚伸ぶ 雪 冴返る万年筆のペンの金 同 北風と云ふ路地を一直線の風 同 表情も気品も秘めし古雛 かづを 山笑ふ遠嶺々未だ覚めずとも 同 降るもよし木の芽起こしのものなれば 同 人間の蛮行さなか鳥帰る 数幸 されど三月叢生の息吹せり 同 耐へに耐へ山と云ふ山笑ふなり 同 振り向きて人影もなし涅槃西風 匠 雛の間に雪洞の灯の入りをり 希 観音の裾口ふるる桜の芽 千代子 そこばかり明かりのほのか雛の間 天空
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年3月11日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
野遊やすぐに泣く子はすぐ笑ひ 都 逃水や写しては消ゆ里の空 宇太郎 強東風や奇巌に跳ねる波頭 益恵 良き刀の切口美しき挿木かな 宇太郎 掌に雪のつぶ受け待つ便り 佐代子 花杏保育姉妹の帰る頃 すみ子 春の雪万の土鈴に万の黙 悦子 飾る世に喜寿となられし雛かな 美智子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年3月12日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
芍薬の芽に呼びかける風微か 秋尚 鶯の声降り止まぬ陽子墓碑 三無 春の土利き足の踏み残る跡 美枝子 土産物しじみ大きく輝きて 節子 蜆汁啜る同胞父忌日 三無 三椏の三輪親し冠木門 亜栄子 看板は蜆汁なる定食屋 白陶 耕運機ペンペン草の花揺らす 美枝子 母の香や譲りうけたる雛飾る 同 紙雛思ひ思ひの粋な貌 白陶
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年3月14日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
春雷や少し怖くてをかしくて 信子 正論を述ぶるに勇気冴返る 昭上嶋子 春寒し海辺に寄せし注射針 みす枝 背戸口の扉を叩く春一番 三四郎 未だ経に和せず老いて寒の紅 昭上嶋子 若狭路のお水送りの夜の色 ただし 春光る大志抱きて門を出る 英美子 日野隠すひとかたまりの春の雲 信子 一か八かやると決めたる春なりし ミチ子 恋猫の闇も月夜も隔てなし 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年3月16日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
春の風むかしの母の在すごと 令子 春風を抱き平たき胸でをり 昭子 夜の更けて椿のおつる音一つ 雪子 春日和もういいかいと声のあり 同 摘草やいつしか祖母の子守唄 啓子 春風や天守を望む校舎跡 笑子 お精舎の木彫の天女春の風 同 其の人の椿の花を嫌ふ訳 雪
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年3月17日 伊藤柏翠俳句記念館 坊城俊樹選 特選句
われ生きるため置れたる春炬燵 世詩明 孕猫雌雄意のまま御意のまま 同 鳥帰る遠嶺かがやく日の中を かづを 美しきままに椿は落ちにけり 同 雪見たし酒飲みたしとのみの文 雪 仏皆美男で御座す彼岸寺 たゞし 花冷や襟高々と異邦人 真喜栄 掌を握り最後の別れ鳥雲に みす枝
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年3月20日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
日の色に添はぬ春蘭影もまた 斉 風光る兎狩り後の行在所 三無 うしろ手に歩く鴉やうららけし 千種 水温むとろりとろりと鯉群るる 炳子 春光や赤駒の碑に風のこゑ 幸風 卒業の唱歌流るる木の校舎 久子 陽炎やブリキ看板由美かおる 佑天 オルガンや弾き継がれたる春の曲 同 散る梅にきのふの雨の水たまり 兎生 江戸人形繰る糸や養花天 久 内裏雛烏帽子きりりと男前 三無 圭魚選 行く雲の薄墨桜に遅れがち 久子 豪農の裔の門扉や梅散りぬ 炳子 濡れ色にほぐれあぢさゐ芽吹きけり 秋尚 手際よく風を操る雪柳 三無 遣ひ手を待ちゐる傀儡花の昼 千種 江戸人形繰る糸や養花天 久 飛び石の間を奔りゆく春の水 三無 木の芽吹くけやき並木の空滲む 秋尚
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和3年3月22日 鯖江花鳥俳句会
十字路に来て春風の屯せる 雪 古語辞典漢和辞典や春隣り 同 春灯墨つぎ足して書く一書 同 春風に各駅停車人拾ふ 世詩明 飾られて現し世を見る雛かな 同 地の温み風の温みに木芽立つ 昭中山子 北窓を開けて忘れし仲違ひ 一涓 境内は別の風吹く涅槃かな たゞし 衝立に虎の咆哮春寒し 昭上嶋子
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令和3年3月 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
陽炎のたつや我が影見失ふ 睦古賀子 翅裏に戦火の色を揚羽蝶 佐和 蘆の角蘆の骸の積むところ 勝利 葬列を見送る先の紫雲英かな 美穂 さくら満つ校庭水のないプール 由紀子 春潮の膨れに踊る浮灯台 洋子 辛夷燃え東に白き十三夜 勝利 悉く天日とらへたる木の芽 さえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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ronpe0524 · 4 years
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オンライン映画祭を楽しむ9月(2020年9月の日記)
■2020/9/1 火曜日。変な姿勢で寝たようで右半身が痛い。左半身は元々手術の影響で麻痺や痛みがあるので全身ボロボロな感じである。朝から家庭についても仕事についていろいろ大変。シングルファーザーの人って本当に大変なんだろうなぁと想像、尊敬。僕なんかはまだ余裕がある方だ、と考える。そう考えないとやっていけない。夕方、近所のローソンに行ったらパルム アフォガードがやっと売っていた。やった。こういうのを日々の楽しみにしていこう。WOWOW『ヒットマン:レジェンド 憎しみの銃弾』を見る。Amazon Prime『緊急事態宣言 ボトルメール』を見る。三木聡炸裂。オンラインにあるSSFFの短編映画もちょいちょい見ています。
■2020/9/2 水曜日。娘の尿検査。朝一で忘れないないようにおしっこを。ふー。タキさんの新しいZINEが発売されていたのですぐにオーダ。今回も楽しみだ。午前中のミーティングを終えてから昭島の図書館へ。ついでにマクドナルドを濃厚ふわとろ月見をテイクアウト。口が大きく開けられないのでナイフとフォークで食べる。なんかすいません。夜、なんとか娘の寝る準備まで済ませ、絶対に21時になったら寝るんだぞ、と云い聞かせtからMOVIX昭島へ。『事故物件 恐い間取り』鑑賞。
■2020/9/3 木曜日。どう考えて最低限観たい映画すら観れない状態が続き、これはもう無理だ、と午前半休を使い立川へ。シネマシティで『ようこそ映画音響の世界へ』aスタ極上音響上映で鑑賞。もうやって休暇を使っていくしかない。でも休暇を使っても時間帯的に観れない映画も多数ある。うーむ。午後からは自宅で仕事。上司らと相談中だけど、最低でも年内いっぱいは基本在宅勤務の日々が続くでしょう。夜は京浜ネバーランドを聴いたり。ジョナ・ヒルと入江監督のトークを書き起こしたりする。
■2020/9/4 金曜日。Amazon Prime『ザ・ボーイズ』S2、おそらく午前9時半ごろ配信開始されたみたい。Amazon Primeの配信開始時間はまだまだよくわからず。お昼休みにE1だけ見る。夕方になってとても急ぎの依頼がありメールを打ちまくる。うまくいくでしょうか。夜は入江監督が出たDOMMUNEを見たり。オンライン試写で『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』を見たり。
■2020/9/5 土曜日。娘を習い事に送り、僕は池袋へ。シネマロサで『キスカム! COME ON, KISS ME AGAIN!』鑑賞。林さん脚本作。かるかやでうどん食べながら僕モテに感想メールを書く。この感覚、懐かしい。さらに時間があったのでタキさんの新作ZINEを読む。前作より読みやすく面白かった。娘を迎えに行ってから帰宅。オンライン試写で『ソニア ナチスの女スパイ』を見る。
■2020/9/6 娘と実家へ遊びに行く。昼ごはんをご馳走になってから、娘を両親に見てもらい僕は新宿へ。ありがとう両親。バルト9で『ブルータル・ジャスティス』鑑賞。最高でした。やっと観れた。実家に戻り夕飯まで食べてから帰宅。BS録画『名探偵ポワロ』E22を見る。脚本がアンソニー・ホロヴィッツ!もうちょい映画とか見たかったけど疲れて寝てしまった。
■2020/9/7 月曜。早朝から大事なミーティング。金曜に打ちまくってたメールがうまくいったらしい。午後、まぁまぁ衝撃的な連絡あり。うーんどうしよう。今はどうしようもないことだけど心配なことが。うーむ。Netflix『もう終わりにしよう。』を見る。Amazon Prime『ザ・ボーイズ』S2E2を見る。
■2020/9/8 火曜。がんばって仕事する。夕方、昨日から心配していたついて朗報あり。あー良かった。本当に良かった。いろいろ話せないけど本当に良かった。なんだか嬉しくなって数週間ぶりに髭を剃った。さっぱりした。Netflix『#生きている』を見る。Amazon Prime『ザ・ボーイズ』S2E3を見る。
■2020/9/9 水曜日。がっつり寝坊してしまった。娘も寝坊してしまった。朝の英会話をやらせる時間がなかったのでパスして準備をする。ギリギリで登校のタイミングに間に合う。あぶない。夜は娘の寝る準備を済ませ、21時になったら必ず寝るように!と云いきかせ、僕はMOVIX昭島へ。『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』鑑賞。7月にオンライン試写で観ていたけどやはりスクリーンでも観たいですよ。
■2020/9/10 木曜。お昼、仕事を抜け出し自転車屋さんへ。タイヤの空気がかなり抜けてたので入れる。大丈夫だろうか。なんだか疲れていたので早めに寝る。
■2020/9/11 金曜だが午前半休を取りMOVIX昭島へ。『ファナティック ハリウッドの狂愛者』鑑賞。もう映画を観るにはこれしかない気がしてきた。半休取って1本しか映画観れないんだけど、もうストレスがかなり蓄積してしまっていてダメだ。僕はストレスをためないようにしねければいけないのに。映画は面白かった。夜、娘が寝てから配信で『王国(あるいはその家について)』を見る。初見。たしかにこれは面白い。構成が面白いのだけど、ベースとなっている脚本も面白い。脚本の尺は短いものだろうけど、けっこう深い。というか難しい。この表現でなければ、しっかり理解できなかったかもしれない話だ。構成、表現は演劇に似たものはあるかもしれないが、これは映画であれでありカメラがある。そこがやはり新鮮だった。たしかけんす君がブログに書いていたなぁと思って読んでみる。急に自分の名前が書かれていてびっくりするがなるほど。僕は自分が観ていない映画の感想を読んだり聴いたりすることはあまりないので、こうやって作品を見たときに人の感想を読んだりします。Amazon Prime『ザ・ボーイズ』S2E4を見る。U-NEXT『カット・バンク』を見る。PFFのコンペ作をオンラインで見ようかとDOKUSO映画館に加入してみたが、まだ配信されていなかった。
■2020/9/12 土曜日。朝から娘を習い事に送る。僕はMOVIX昭島へ。爆音映画祭 in MOVIX昭島『スウィング・キッズ』観賞。娘を迎えに行ってから夕飯買って帰宅。とにかく移動時間とか、映画の待ち時間とか、合間の時間を使いまくってDOKUSO映画館でPFFのコンペ作を診る。『パンク』『霞姫霊異記』『タヌキ計画』『LUGINSKY』を見る。気になってた過去作の『すばらしき世界』も見てしまった。DOKUSO映画館の無料期間で見れてしまっているのでありがたい。BS録画『名探偵ポワロ』E22を見る。 『誰かが、見ている』E1, 2先行配信も見てしまったし、JリーグのFC東京戦も見た。配信を見てばかりである。
■2020/9/13 日曜。なんと午前中は予定なし!娘は宿題とかをやっていたので僕は配信の映画とかを見る。平和な日曜日だ。お昼を食べてから立川へ。娘の矯正歯科。がんばったがんばった。歯医者終わってアイスが食べたい、というので「サーティワン」へ。娘が残したやつをちょっともらおうと思っていたのに一口もくれなくてショック。今日もDOKUSO映画館でPFFコンペ作を見る。『もとめたせい』『へんしんっ!』『追憶と槌』『頭痛が痛い』を見る。PUNPEEの配信LIVEもアーカイブで見る。短くて楽しいLIVEだった。
■2020/9/14 月曜日。今日も在宅で通常勤務。ミーティングのタイミングと娘の帰宅タイミングが重なるときが一番困る。なんだかとても疲れていて、娘を寝かしつけならが一緒に寝てしまった。深夜に起きたが、自分のベッドでそのまま寝る。DOKUSO映画館のPFFコンペ作視聴は1作だけしか見れなかった。『遠上恵未(24)』だけ見る。リアルの方のPFFは今日お休み。
■2020/9/15 火曜日。めちゃくちゃ寝た。9時間ぐらい寝たかも。娘が学校に行ったあと少し仕事して、仕事を抜け出しMOVIX昭島へ。爆音映画祭 in MOVIX昭島『カセットテープ・ダイアリーズ』鑑賞。とても良かった。某映画館の編成担当者が観に来てたのを僕は見逃しませんでした。午後、仕事しながら入江監督と大川編集長のYouTubeLIVEを見る。こういうのが見れちゃうのも在宅勤務の良いところ。途中片耳でYouTube、片耳で会社のミーティングを聞いていた。今日もDOKUSO映画館でPFFコンペ作を見る。『屋根裏の巳已己』『フィン』『MOTHERS』を見る。DVDで『メメント』を見る。
■2020/9/16 水曜日。9月も後半、涼しくなってきましたね。夜は娘の寝る準備をしてからイオンシネマむさし村山へ。『カウントダウン』鑑賞。今日もDOKUSO映画館でPFFコンペ作を見る。『Fear of missing out』『冬のほつれまで』『こちら放送室よりトム少佐へ』視聴。さらにショートショートフィルムフェスティバル&アジアも開幕しオンライン上映もすごい数ある。『ブラックガイアンドラ』『化身』『鳥(仮)』『夜の車』を視聴。
■2020/9/17 木曜日。朝から娘とケンカをしてしまいへこむ。お父さんはあまり叱りたくないんだぞ。夜、入江監督と福永壮志監督のトークをYouTubeLIVEで見る。福永監督の新作面白そう。題材も良いし、いわゆる「フィクションとドキュメンタリの境界線」的映画になっていそう。DOKUSO映画館でPFFコンペ作を見る。『アスタースクールデイズ』と『未亡人』を見て、全17作完走。映画祭のコンペ作を全部見るという体験はおそらくはじめて。これもオンラインでしか実現しなかったことだと思うので貴重な体験でした。遠方の人とかは別の意味で嬉しいだろうし、これは毎年やればいいのにな。僕の中でのグランプリは『LUGINSKY』ですね。Amazon Prime『誰かが、見ている』E3とE4を見る。
■2020/9/18 金曜日。オンラインのゆうばりファンタスティック映画祭開幕。『怪獣映画の夜明け』と『ファンファーレが鳴り響く』を見る。huluを使っての配信だけど、やはりオンタイムでしか見れないのはきつい。まぁタダだから文句は云えませんけど。なら国際映画祭のオンライン上映も24時から開始のはずだがサイトは反映されず。U-NEXTのトロマ映画もはじまらず。Amazon Prime『ザ・ボーイズ』S2E5を見て寝る。
■2020/9/19 土曜日。今日から4連休であるが娘は月に一度の土曜登校日とのこと。かわいそうに。とはいえ給食はなしでお昼には帰ってきてしまうので微妙に映画も観にいけない。くそー。自宅で集中して映画を見る。オンライン試写で『鵞鳥湖の夜』を。なら国際映画祭のオンライン配信で『イノセンス』を見る。午後は娘に宿題やらせたり、レゴで遊んだり。夜はPeckinpah先生のインスタLIVEを見たり、ゆうばりのオンラインで『性春まみれ』を見たり。あと、なら国際映画祭オンラインでもう1本『ペルセウス座流星群』を見る。
■2020/9/20 日曜日。今日は一日家でのんびりデー。といっても買い物に行ったり、図書館に行って娘の本を借りてきたりの午前中。娘に大量の本を与えて、僕はおうち映画に集中。なら国際映画祭のオンライン配信で『環状交差点』『泥棒の娘 ~サラの選択~』、『ホコリと灰』、ゆうばりのオンラインで『Crazy World』を見る。BS録画『名探偵ポワロ』E24とE25を見る。すごく忙しい。夜はアジミソの収録に参加。ぼんやりとした昔話をしたようなしてないような。。
■2020/9/21 月曜、祝日。翌日も祝日なので娘と実家へお泊り。お昼は超久々のびっくりドンキー。うまい。あとお墓参りに行ったりした。昼寝もしてしまった。夜はシネマクティフ東京支部の音声配信収録。いろいろとトラブルがあり、予定していた内容を全部は収録できず。準備してきてくれた皆さん、ごめんなさい。
■2020/9/22 火曜、祝日。お昼は実家の庭でBBQ。だが昼の11時半というすごい時間からオンライン試写があるので早めにはじめてもらって片付けも手伝えず。申し訳ありません。見たのは『フェアウェル』。無理して見た感じだけどとても良かった。可能であれば劇場でも見たい。ルル・ワン監督のリモートトークもあり素晴らしかった。時間あったら書き起こしたいけどあるかな。昨夜収録した音源を編集する。夕飯をご馳走になってから帰宅。夜は前野健太の配信LIVEを見る。楽しい。PFFのオンライン配信、ロイ・アンダーソンの「短編プログラム」を見る。明確にいつごろからあのロイ・アンダーソンのスタイルが確立しているかがわかる。なら国際映画祭は結局5作品しか見れず。内容の充実に対して配信期間が短すぎる。しかも当初のアナウンスより配信開始が大幅に(半日ぐらい)遅れたのに何も説明がなかったし。会場の方もトラブルが多々あったみたいだし、いろいろ大変なんでしょうね。
■2020/9/23 水曜日。4連休のあとはなんかぼんやりしてしまいますね。夜はDAZNでFC東京×セレッソ戦。上位対決に勝てて嬉しい。しかし川崎はもうちょっと負けてくれよ。PFFのオンライン配信『ギリアップ』を見る。ロイ・アンダーソンの「失敗作」と云われているけど、後半はけっこう良かったです。早めに寝る。
■2020/9/24 木曜。あぁ。あの11時間の大手術からちょうど1年である。早い、というか時間がとんでしまっているような感覚すらある。コロナだったり、家の中のいろいろがあり、以前とはぜんぜん違う生活になってしまっている。本当はストレスをためてはいけない状態なんですけど、確実にストレスはある。でも全部がスパっと解決することはないような状態なので、ある程度はあきらめて、できる範囲で楽しみながら暮らすように頭を切り替えている。何より娘が元気でいてくれて、いっしょに暮せているのが何よりだ。1年前の手術は僕の中ではとても大きな出来事で、そのあとどのぐらいの状態まで身体が回復するのかわからなかった。出来なくなることもとても多いと予想していたし、実際にある程度その通りになった。でも最悪の状態にはならなかったし、今のところ病気の再発もない。なんとか暮らしていけそう。という感情があふれてしまいちょっとツイートしたら、予想以上に多くの人が反応してくれてなんか嬉しかった。1年前、手術前のあの京都の夜に集まってくれた友人たち、音博のあとにいっしょにうどんを食べてくれたチートイツさん、手術前後に連絡くれた皆さん、お見舞いにきてくれた皆さん、ラジオやPodcastを通じて応援してくれた皆さんの力はとても大きかったです。間違いなくあの手術後の数日間が自分の人生で一番ツラい経験だったので。それに比べれば今の大変さなんてなんともないです。午前半休でTOHOシネマズ立川立飛へ。初のTOHO立川立飛です。IMAXで『TENET』鑑賞。昨夜は早めに寝たのにかなり疲れた。序盤で主人公が拷問される場面。手前方向と奥方向に動く列車に囲まれてるような構図で、この場面が作品全体を表しているような感じで良かった、というのは感想ツイートに入れようとしていたのに忘れたのでここに書いておきます。午後からは帰宅して働く。フィルメックスのラインナップが出た。今年は規模を縮小しているはずなのにすごいラインナップだ。ちょっとでも行けるかなフィルメックス。行けるかなTIFF。まだわからない。夜は『シュシュシュの娘』クランクイン直前YouTubeLIVEを見る。楽しみな映画です。応援したい。PFFのオンライン配信で『猫と塩、または砂糖』を見る。今年のPFFには行けなかったけど、結果的に配信された作品は全部見れた。本当にありがたいです。明日はコンペの結果発表。
■2020/9/25 金曜。なんか寝坊してしまい、娘の朝の英会話はパス。夜にがんばってくれ。台風はそれているみたいで良かった良かった。1週間ぐらい前から口の中(手術したところの一部)が痛くて、水を飲むにもかなりの痛みが。月曜ぐらいからは毎食前に鎮痛剤を飲んでいたけど、やや痛みが弱くなってきたかもしれない。なかなか病院にも行けない状態なので、このまま治まってほしい。お義母さんが久々に来てくれてよろこぶ娘。明日は大きな検査があるので本日の夜から食事は抜き。うへー。PFFコンペの結果をTwitterで追う。やっぱ全作見てると結果発表も面白い。夜は入江監督と大川編集長の読書対談YouTubeを見る。Amazon Prime『ザ・ボーイズ』S2E6を見る。Netflix『エノーラ・ホームズの事件簿』を見る。
■2020/9/26 土曜日。朝食は抜き。娘をお義母さんにお願いして僕は一度実家へ。車を借りてから病院へ行き検査。この検査を受けるのも何度目だろう。前の病気の時も合わせると5、6回目かもしれない。何も問題なければ良いですが。MOVIX昭島にて『マティアス&マキシム』鑑賞。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 2020がオンラインで開幕、『来夢来人』と『stay』を見る。期間中でどれだけ見れるだろうか。夜、娘を寝かしつけながら寝てしまったようだ。
■2020/9/27 娘のベッドで寝落ちしていたが深夜2.5時、「お父さん、寝ちゃってるよ!」と娘に起こされる。もう十分寝ただろうと考え録画していたTV番組などを見まくる。もうトルネの容量が残っていない。BS録画『名探偵ポワロ』E26を見る。アンソニー・ホロヴィッツ脚本回だ。十分寝たと思っていたのに5時ごろ再び寝てしまったようだ。6時ごろに起床。余裕のある日曜日。車を借りたままだったので車で娘と昭島の図書館へ。滞在時間をなるべく短くして本を借りる。実家へ。両親も合流してランチはサイゼリヤへ。ラム肉のやつをはじめて食べたけど本当に美味しいっすね。実家でのんびり過ごす。娘は「少年アシベ」を読んでいた。僕はSKIPシティ国際Dシネマ映画祭 2020『ペリカン・ブラッド』を見たり、DAZNでFC東京戦を見たり。夕飯までご馳走になり帰宅。娘が寝たあとにもう1本SKIPシティの長編を見たかったが途中で寝てしまった。イメフォフェスに行けない悔しさをここにぶつけたいのに体力がもたない。
■2020/9/28 月曜日。すっきり晴れた天気だ。いろいろ新しいアイスが発売したかなぁとコンビニを偵察しに行ったがぜんぜん入荷していなかった。がっかりだ。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 2020『カムバック』を視聴。映画は面白かったが、気を抜くと一瞬で寝てしまうぐらい眠い。案の定、娘を寝かしつけながら寝てしまったので、これはこのまま寝て深夜に起きる、超朝��作戦だ!と目論んでいたのにそのまま翌朝まで寝てしまったよ。
■2020/9/29 火曜日。ただぐっすりと8時間ぐらい寝た人になってしまったよ。朝からTwitterのTLをすごいさかのぼる。昨日upしたシネマクティフ東京支部の音声配信vol.100に対し、ラロッカさんがradiotalkというツールでアンサーをくれていた。ありがたいです。MCTTはいつ再開できるだろう。コロナの問題はもちろんあるのだけど、僕は僕で別の事情により平日の夜に時間を取れない状況になってしまっている。良い方に状況が好転してくれればいいけどぜんぜん先は見えないっすね。TIFFのラインナップ発表。今年はかなり状況が特殊だけど、やっぱ行きたいなぁ。行けるかなぁTIFF。オンライン試写で『博士と狂人』を見る。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 2020『ムイト・プラゼール』と『リル・バック/メンフィスの白鳥(仮題)』を見る。
■2020/9/30 水曜日。本日は娘ちゃん、英会話教室もピアノ教室もないめずらしいweek day。学校から帰ってきて、自宅でのピアノ練習と宿題をやってからのびのびと遊んだり、本を読んだり、動画を見たりしていた。普段もこのぐらい時間があったらいいのにね。DAZNで浦和×FC東京戦を見たかったが、前半の20分だけしか見れず。オンライン試写で『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』。上映後トークも良くて、Fan's Voiceさんいつもありがとう。試写のあとサッカーの結果を確認したらFC東京が勝手いた。マジか。ついにアウェイ浦和戦で勝ったぞ。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 2020『レイディオ』を見る。去年の今ごろ、手術後で本当に苦しかった時期ですが、僕モテPodcastとジミソラジオからエールをもらったのを思い出す。音だけのラジオには不思議な魅力があるし、リスナーとの近さもある。本当にそれが力になることがあるんですよね。そんなことを考えながら9月も終わり。
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blacksupersonic · 4 years
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アルコール依存症に苦しんだ過去から復活、フランス漫画界から高い評価を受ける高浜寛。今年は、手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した。自分の仕事を「過去に生きていた名もない人たちの足跡を掘り起こして、その人を生かすこと」という。天草島の緑深い山あいの家で、話を聞いた。(取材・文:長瀬千雅/撮影:宮井正樹/Yahoo!ニュース 特集編集部)
異色の作家の受賞
今年4月、『ニュクスの角灯(ランタン)』(リイド社、全6巻)で、第24回手塚治虫文化賞のマンガ大賞を受賞した。年間通じて最も優れたマンガ作品に贈られる賞で、最終候補作にはベストセラー作品『鬼滅の刃』も挙がっていた。
もともと「地味な作風」(本人談)で、高い画力と物語作りのセンスから玄人筋では評価が高かったものの、一般的な知名度が高かったわけではない。選考委員の一人で仏文学者の中条省平もこの作品を、「高浜寛という作家を、知る人ぞ知る異色の存在から、もっと大きなスケールの、普遍的な物語の面白さと感動とをあたえてくれるマンガ家へと脱皮させ」たと評した(2020年5月20日付「朝日新聞」夕刊より)。
「40歳をすぎて、私も中堅の自覚ができてきました。自分のことばかりではなく、全体のことを考えていく責任が出てきていると思います。その世代なりにあげていかなければいけない成果があるとも思いますし」
たかはま・かん/熊本県天草生まれ。筑波大学芸術専門学群卒。著書に『イエローバックス』『まり子パラード』(フレデリック・ボワレとの共著)、『泡日』『凪渡り――及びその他の短篇』『トゥー・エスプレッソ』『蝶のみちゆき』『SAD GiRL』『エマは星の夢を見る』『ニュクスの角灯』『愛人 ラマン』など。ほぼ全ての作品がフランス語訳され、イタリア、スペイン、ドイツでも多くの作品が出版されている。今月28日に、『扇島歳時記』第1巻が発売される
主な舞台は、19世紀末の長崎とパリ。西南戦争で親を亡くした美世は、「私なんか」が口癖で、自分の意見を言うことに慣れていない。長崎の輸入道具屋で働き始めた美世が店主の百年(ももとし)をはじめ、まわりの大人たちの導きで、人生を切り開いていく。随所に、豊かな線で表現される当時の衣装や習俗が挿話として登場する。
しかしこれが単に美世の成長物語にとどまらないのは、百年の恋人、ジュディットの存在だ。パリの高級娼婦であるジュディットは社交界の花形だが、生活は荒れていて、アルコールに依存している。物語の終盤、美世との出会いによって、ジュディットが「光の方へ」歩き出す勇気を得るシーンが美しい。
作家性が強く、扱う題材も地味だった初期作品群と比べて、この作品は娯楽としてのマンガの楽しさにあふれている。
「エンターテインメントですよね。みんなに『少女マンガだ』って言われます。ラストのドタバタも少女マンガらしい。若い人を励ますような気持ちで描いたかな」
その気持ちの裏側には、アルコール依存に苦しんだ、若いころの経験がある。
「若いころは家族と離れて、北関東の学園都市で生活していたので、問題を相談できるような年上の女性が少なくて、健康なほうにいけなかった。幸いにしてサポートしてくれる人たちと出会うことができたし、考え方も成熟してきて、かつての自分がなぜ生きづらかったのかがいまはわかる。そうすると、同じように苦しんでる若い人たちのことが見えるようになってきて」
フランス漫画界との出会い
もともとマンガ家になろうとは思っていなかった。大学2年生のとき、飲み会でさらっと描いたマンガを面白がった友人が、あるメジャー青年誌に持ち込んだ。
「私の知らない間に見せにいく約束を取り付けてきた。面白いけど上質紙に描いてあるから、ケント紙に描き直して持ってきませんかと言ってもらって、持っていったら賞を取ったんですよね」
担当編集者がつき、デビューを目指して準備を始めるが、途中で編集長が代わり、作品が採用されなくなった。
「私は、老人を主人公にしたりして、なにげない日常のストーリーを描いていた。でも、編集部から売れるものを描いたほうがいいと言われて。売れるものってなんだって聞いたら、若者が主人公でとか、恋愛要素があったりとか、ひと夏の成長物語だったりとか。当時はそういうものにあまり興味がなかったんですよね」
「対極のところに行ってみよう」と、青年誌「ガロ」に持ち込むと一発で賞を取り、掲載が決まった。大学卒業目前の冬のことだ。
マンガアシスタントの経験はない。そのころ、フランス人マンガ家フレデリック・ボワレが「ヌーベルまんが」を提唱し、バンドデシネ(フランス語圏のコミック)とマンガの中間のような作品を発表していた。高浜は、日本に住んでいたボワレにメールを送った。
「『ヌーベルまんが』は、『日常を描く』という活動だったんですよね。SFとか、非日常的なものではなく。そのときの私はそうだそうだと思って、私もマンガ家だし、チャンスがあったら誘ってくださいって言ったんです。そうしたら、何か一緒にやりませんかという話になって」
「海外でも評価されるマンガ家」と形容されることがあるが、より正確には、日本とフランスのハイブリッド。フランス語圏ではバンドデシネ作家として受け入れられている
高浜は、ボワレとの合作『まり子パラード』を描き上げる。そして、出版社を探すためにフランスの国際的なマンガマーケットであるアングレーム国際マンガ祭に持ち込んだ。大手出版社カステルマンが興味を持ち、ボワレとの共著だけでなく、高浜自身に描くチャンスを与えてくれた。
「あとはずっとカステルマンで描いてて、気心の知れた人が別の出版社に移籍するとそっちでもまた仕事をくれるようになって。常に何か仕事をしているような感じになりました」
アルコール依存症に
若くて才能のある作家の登場にフランスのメディアも注目し、渡仏するたびにいくつもの雑誌やテレビの取材を受けた。その中には、ファッション誌の「ELLE」など、高浜自身が憧れて読んでいたような有名な雑誌もあった。
「がんばったらその先にあるような世界がいきなりやってきて、しかも思っていたのと違ったから、パニックになってしまったんですよね。長旅で疲れた頭で、同じような質問に何度も答えて。知らない人ばかりで気も使うし、通訳をはさんで何日も何日も、テレビやって雑誌やってラジオやって。そのたびにお酒を飲んでた。そうしないとこなせなくて」
日本でも、「ガロ」で描いた短編が高く評価された。「ガロ」が休刊したあとは、「マンガ・エロティクス・エフ」などのオルタナティブなマンガ雑誌で連載を持ち、締め切りに追われて徹夜が続く。
お酒を手放せなくなって��たころ、あるアート誌の取材を受けた。いつものように徹夜明けで、アルコールをキメてから出かけていった。掲載号が発売されたとき、自分の写真にショックを受けた。
「1ページまるまるの写真は、すごいむくんだ顔をしてて。適当に着ていった服の胸元がけっこう深く開いてて、こんな服着ていかなきゃよかったとか、いろいろ思ったりしましたね。別のときは、頭がハゲかけたこともあったし。20代の女性としては『これは厳しい』と思いました(笑)」
不眠にも悩まされ、睡眠導入剤を服用するようになった。だるくてだるくて、起き上��れない。1日に2時間ぐらい仕事ができればいいほうで、連載が続けられなくなった。
「まだ準備ができていないうちに、過大な評価をされてしまったんですね。少女時代が終わって、女性としての人生が始まったばかりのころに」
崩れていく自分を観察
お酒と薬をやめることができたのは、32〜33歳のときだ。何年も深い底をただよう間には、発作的に薬を過剰摂取して救急車で運ばれ、一命を取り留めたこともあった。いっぺんにやめられたわけではなく、当初は薬をやめてもお酒はやめられず、むしろ増えたときもあった。
「最終的にはちょっと幻覚みたいなのを見たときに、もうこれは浮上しなければまずいと思って。そこからパタッとやめて上がってきたんですけど」
自立への第一歩として、親元を離れ、熊本市内に家賃1万2000円の激安アパートを借りた。自助グループと病院に通い、うなぎ屋でアルバイトをしながら、『四谷区花園町』という作品を描き上げた。
2013年に『四谷区花園町』を刊行。翌年に『蝶のみちゆき』を描き上げ、さらに翌年、『ニュクスの角灯』の連載をスタートさせた
「(アルコール依存から回復する前とあとでは)180度変わりましたね。その前は一人では立てない状態、そのあとは一人でちゃんと立ってる状態。以前は、何かに依存しないと立てなかった」
高浜は、「お酒を飲んだ自分」を観察したことがある。
水底で暮らした長い年月を経て、断酒に成功したのが2011年ごろ。それからお酒は一滴も口にしていなかったが、2016年の熊本地震に遭い、古いアパートは全壊。翌月に住む場所は見つかったが、しばらくして半年ほどスリップ(再飲酒)した。
「どんなふうに崩れていくのかを、興味を持って観察している自分がいたんですよね。最初の1、2カ月は仕事ができていたけど、3カ月、4カ月と経つうちに、長編の構成を頭の中でキープすることが困難になってくるんです。パースがゆがんで絵もうまく描けなくなる」
『愛人 ラマン』執筆へ
スリップから抜け出したころ、大きな仕事が高浜のもとに舞い込んできた。フランスの作家マルグリット・デュラスの自伝的小説『愛人 ラマン』の漫画化だった。
旧知のフランス人のエージェントから「小説の漫画化をやってみない?」と提案された。「『愛人 ラマン』はどうかという話になったとき、私も『それしかないよね』という感じだったんですよね」
デュラスの『愛人 ラマン』が日本でベストセラーになったのは、1992年のことだ。ジェーン・マーチ、レオン・カーフェイの主演で映画化もされている。デュラスが仏領インドシナ(現在のベトナム)で過ごした少女時代を振り返る。貧困家庭の白人の少女と裕福な中国人青年との性愛は、センセーショナルだと話題を呼んだ。
デュラスは1996年に亡くなったが、フランス文学に詳しい野村昌代(アンスティチュ・フランセ東京メディアテーク主任)によれば、「フランスでは現在も評価が高く、その恐るべき才能、作品のクオリティーの高さから、よく読まれている」という。
高浜は高校生のころ、デュラスにはまってよく読んでいた。
「(小説の)少女とあまり変わらない年齢で読んだんですね。面白かった。『自分たちのことが書かれている』と思って読んでいました。『少女が年をとるとこうなるんだ』というのを見せられたような気がして。なんとなく自分もその呪いにかかったような感じがしました」
40歳をすぎて読み返すと、違う感想を持った。
「あの少女のことを、自分よりも経験があって、大人の世界を知っていて、しらけた感じで生きてるんだと思ってたけど、ほんとうは絶望的な状況に置かれていて、そのせいであんなにはすっぱでつっぱってたんだってことが、いまわかったという感じでしたね。当時はよくわからなかった」
高浜版『愛人 ラマン』は今年1月にフランスで発売された。翌月日本語版を刊行。高浜が描く少女はやせていて目の下にクマがあり、とても美少女には見えない。映画でジェーン・マーチが演じた、未成熟な色気がただよう少女ともまた違うキャラクターだ。最初から最後まで、登場人物のほとんど誰も笑顔を見せず、うだるような暑さの中で、行き場のない思いと苛立ちが沈殿していくさまが、オールカラーの独特な色彩で表現されていく。
「つらい状況って、どうやって耐えるか、どのくらい耐えればいいのかがわからないから、怖い。人が亡くなったときは心の痛みはこれぐらい続くんだ、でも耐えていれば絶対に薄れていくんだとか、そういうことを教えてくれる人を見つけるのが難しい。昔だったら、母親がいて父親がいて、祖父母がいて、両親が機能しなくてもおじさんおばさんとか、いろんな大人が身近にいたからなんとかなったけれども、いまはそういう環境のほうが珍しくなっている」
「単純に希望を持つことって大きいですよね。で、希望を持ってる人のそばにいるっていうことも大きいかもしれない。誰か牽引力のある人がそばにいれば、その人に引っ張られてみんないいほうにいくってこともあるだろうし。でも都会ではなかなかそうなりにくい気がします」
山あいの仙人のような暮らし
昨年、仕事場を熊本市内から天草に移した。山あいの一軒家に夫と二人で住み、マンガを描く。犬2匹と猫3匹、山羊2匹を飼い、井戸の水を飲む。
「(コロナの影響は)ここにいる分にはあまり感じないですね。もともと週に1、2回、町へ買い物に出るくらいで。DVDを借りに行ったりはしますけど」
「山に住まないといけない」と思った理由をこんなふうに話す。
「このあたりは植林された山じゃなくて、原生林が残っているんです。過去に健康を害して仕事ができなくなった経験があり、それを元どおりに修復するのにとても時間がかかったので、最初から害になる要素の少ないところで暮らしたいと思いました。それに、町にいると絶対必要なわけではない、細かな予定が入りすぎてしまう。仙人みたいな人は必ず山に住むでしょ?」
月の半分は、「月刊コミック乱」と「トーチweb」に連載中の新作「扇島歳時記」の執筆に集中する。主に使うのはシャープペンシル。基本的にペン入れはせず、黒鉛の芯の硬軟を自在に操って、ニュアンスに富んだ線を描く。
連載中の「扇島歳時記」の舞台は、『ニュクスの角灯』から10年ほどさかのぼった長崎。共通する人物も登場する
もともと、描きたいことはどんどん浮かぶほうだ。アルコール依存から回復してからは、生まれ故郷の天草と、自身のルーツがある長崎を、歴史をさかのぼって丹念に取材している。
「扇島歳時記」のために長崎・出島の詳細な見取り図を作成し、『ニュクスの角灯』では大浦慶という実在した女性実業家を登場させるなど、フィクションの中に綿密に取材したノンフィクションを巧みに織り交ぜる。
「最近はもう、マンガ家といっても歴史マンガ家なので。歴史マンガ家のすることは、過去に生きていた名もない人たちの足跡を掘り起こして、その人を生かすこと。歴史を調べていると、向こうから飛び込んでくるんです。人知れず亡くなった人とかが、描いてほしいとメッセージを送っているのかもしれない」
「扇島歳時記」のノートの1ページ。絵や演出のうまさに定評があるが、本人は「取材してシナリオをつくる作業が好き。絵を描くのは2番目」と言う
次回作の構想を楽しそうに話す姿を見ていると、描けない時期があったとは思えない。「描けないことは苦しかったですか」と聞くと、少し考えて、「待たせていることがしんどかったですね」と答えた。カステルマン社が「描き下ろしで」と依頼してくれた中編は、描き上げるのに5年かかった。
どの時代を描いていても、高浜の作品には「いま」がにじむ。『愛人 ラマン』で描かれた少女の絶望は「いまもあまり変わらないと思う」と言う。
「20年前よりも状況が悪くなっているかもしれません。どこか依存症みたいな子がたくさんいますよね。ツイッターを見ていると、いろんな人の不安定な情緒がぽんぽんぽんぽん目に入ってくる」
ただ、そこで感受するつらさや病みを、そのまま作品にしようとは思わない。
「そういうのを描けばいまの人たちの共感を得られるのかもしれないけれども、私はそれが必ずしも良いことだとは思わないんです。それより、過去に生きていた人たちがどういうふうに健康的な暮らしをしていたかとか、どういう考え方をしていたかとか、そういうことを描いたほうが、読んでくれた人が本当の意味で前向きになれるんじゃないかと思っています」
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ecape-2 · 4 years
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あんスタのストーリーを読む順番について①
身内向けあんスタ履修のススメ的な話。日日日先生以外のストーリーは読んでない方が多いので、あくまで参考程度に。一応ネタバレ控えめ。
まず前提としてあんスタにはbasicとmusicがある。あんスタ!(無印、以下!)からあんスタ!!(あんスタ2、以下!!)へのアプリのリニューアルに伴って二つに分かれた。けいおん!が、けいおん!!basicとけいおんmusicになったみたいなもん。
basicは!の流れを引くアプリで、ストーリーを履修するためにやるのはまずこっち。
音ゲーのmusicでもストーリーは読めるが、それは!!のストーリーであり、要するにあんスタ2期なので、先にbasicで!のストーリーを読む必要があるということ。
そしてあんスタ履修するならまず最初に、!のメインストーリー第一部を読むべき。
理由は簡単で、あんスタ!は夢ノ咲学院というアイドル育成校で過ごす生徒達の一年間を描いた群像劇だが、その始まりの出来事がメインストーリー第一部であるため。世界観の理解の上でも必須。
ちなみにメインスト��リーは無料解放されているが、イベントストーリーとスカウトストーリー(ガチャ産のストーリー)とキャラストーリーは解放しないと読めない。
解放手段はいろいろあるが、ダイヤ3つ消費すれば1話開けられる。そして!のストーリーを1話読めば報酬でダイヤ2個貰えるので、実質ダイヤ1個消費で1話開けられる。要はダイヤさえあれば、既存のストーリー全部読めるよということである。
その後の履修順は、興味を持ったキャラやユニットなどによって異なってくると思うので、ユニット毎の個人的なおすすめ順をいくつか書いておく。
◎は必須、〇はキャラが好きになれたなら読むの推奨くらい。
基本的に時系列順に読むといいが、追憶(過去編)は特定のキャラクターやユニットの根幹となる重要な事実が開示されるので、ある程度ストーリーを読んでからがおすすめ。
あと重要なことだが、メインライターの日日日先生の書いたストーリー以外は基本的に読まなくていい(例外はあることにはあるが、極めて少ないと思う)
『Trickstar』ルート(主人公ユニット。あんさんぶるスターズ!が歩んだ一年の全体像を把握したいならこのルート)
◎メインストーリー第一部
→全ての前提。『Trickstar』の革命の話。ここで気になったキャラやユニットのストーリーを追いかけると良い。
◎明星スバル キャラストーリー「皇帝に真珠」
→DDD後の明星スバルと天祥院英智。現在と過去の二人の主人公について。
〇春嵐!花舞う桜フェス
→革命後の『Trickstar』の話。少なからず春待ち桜と関連するため先に読むといいかも。
◎追憶 春待ち桜と出会いの夜
→『Trickstar』結成秘話。『Trickstar』のことをもっと知ってから読むのもあり。
◎追憶 マリオネットの糸の先
→『Valkyrie』過去編。『Trickstar』の初めてのライブと同じ日に起きた悲劇について。
◎追憶 集いし三人の魔法使い
→夢ノ咲学院でかつて起きた革命の話。天祥院英智が主人公。推しの青葉つむぎが初登場するストーリー。死ぬほどおすすめ。
〇宵の宴♪バンドアンサンブル
→衣更真緒と朔間凛月の関係について。幼馴染っていいよね。
◎ジャッジ!白と黒のデュエル
→『Knights』と『Trickstar』の対決ライブ。両ユニットのライバル関係の始まり。
〇対向!星合う夜の天球儀
→『Trickstar』の七夕の話。明星スバルが部活の先輩だったら死ぬほど嫌だなという気持ちになれる。
◎輝石 前哨戦のサマーライブ
→他校のユニット『Eve』との対決ライブの話。元はイベントストーリーだったが後からメインストーリーに組み込まれている。
◎リメンバー 真夏の夜の夢
→瀬名泉と遊木真の関係の話。この二人が気になったなら、スカウト!ランウェイを読んだ後に『Knights』ルート経由でホラーナイトハロウィンに行くのもあり。
〇迷い星揺れる光プレアデスの夜
→『Switch』結成秘話。エレメントが好きならまず間違いない。『Trickstar』的には必須か微妙なところ。
◎軌跡 電撃戦のオータムライブ
→他校ユニット『Adam』と『Trickstar』の対決ライブ。推しの戦争大好きっ子七種茨が出るのでおすすめ。これもメインストーリー。
〇噪音 渦巻くホラーナイトハロウィン
遊木真と瀬名泉の関係にひとまずの決着が着く話。『Trickstar』的には必須か怪しい。『Knights』への理解を深めてから読むのを推奨。
◎奇跡 決勝戦のウィンターライブ(SS)
→『Eve』と『Adam』が合体した『Eden』と『Trickstar』の対決ライブ。明星スバルの最も辛い過去について。あんスタ!メインストーリーの一つの最終回。
〇太神楽!祝いのニューイヤーライブ
→SS後の『Trickstar』と『紅月』と夢ノ咲学院の未来の話。
◎バトンタッチ!涙と絆の返礼祭「エピローグ①」
→明星スバルと天祥院英智とトップアイドルについて。『流星隊』の返礼祭(卒業式)なので、『流星隊』ルート経由でも良いが、この一話だけ読むのもありかも。
『fine』ルート(個人的にあんさんぶるスターズ!の主人公であると思っている天祥院英智率いるユニット。天祥院英智が気に入ったらこのルート)
◎メインストーリー第一部
→『皇帝』天祥院英智と『Trickstar』の革命の話。天祥院英智が好きになったら迷わず下へ。
◎明星スバル キャラストーリー「皇帝に真珠」
→DDD後の天祥院英智と明星スバル。過去と現在の二人の主人公について。
◎追憶 マリオネットの糸の先
→『Valkyrie』過去編。造物主と二人の人形と愛の話。ここら辺からギアが上がってくるのであんスタ適性が試される。
◎追憶 集いし三人の魔法使い
→夢ノ咲学院にかつて存在した旧『fine』の話。最推しストーリー。
◎ 誉れの旗 栄冠のフラワーフェス
→今の『fine』が形になったばかりのお話。姫宮桃李的に必読。日々樹渉の在り方についても少し。
〇幕開け!夢ノ咲サーカス
→革命後の『fine』と『2wink』のお話。皇帝でなくなった天祥院英智の素顔が垣間見える回。
◎爆誕!五色に輝くスーパーノヴァ
→『流星隊』必須ストーリー。天祥院英智の英雄観について。
◎スカウト!荒野のガンマン
→3年A組がゲーセンに行く話。最高のスチルが見られる。
◎ 演舞 天の川にかける思い
天祥院英智の暗躍と『Valkyrie』復活の話。日々樹渉と天祥院英智との関係性、そして英智の歪みについて。先に影片みかのキャラストーリー「ゴミ捨て場の歌」を読んでおくとなお良い。
◎スカウト!ダンスフロア
『fine』の日常回。みんなで仲良くカラオケをするとてもとても重要な話。
◎灼熱!南国景色とサマーバカンス
→『fine』と『UNDEAD』の海外ライブの話。伏見弓弦の過去について少し触れられる。弓弦の過去について詳しく知りたい場合は、スカウト!ギャングも合わせてどうぞ。
◎決別!思い出と喧嘩祭
→天祥院英智と幼馴染である蓮巳敬人の傍迷惑な痴話喧嘩。英智の幼少期と、二人が交わした生涯の約束について。
◎ ノエル 天使たちのスターライトフェスティバル
天祥院英智の、旧『fine』の罪に姫宮桃李が向き合う話。先にサマーライブ・オータムライブ読了を推奨。
◎スカウト!ティーパーティー
→天祥院英智と彼の唯一の憩いの場である紅茶部の話。蓮巳敬人的にも美味しい。
◎スカウト!アフタヌーン
→紅茶部結成秘話。天祥院英智と、茶飲み友達の朔間凛月について。『Knights』ルート(ホラハロあたりまで)読了後を推奨。
◎追憶 モノクロのチェックメイト
→『Knights』過去編。天祥院英智と騎士殺しについて。英智とつむぎ的にも重要。ここまで書いて思ったけど、『fine』ルートの途中で『Knights』ルートに入った方が良い。
◎バトンタッチ!涙と絆の返礼祭「エピローグ①」
→天祥院英智と明星スバルとトップアイドルについて。全部読むなら『流星隊』ルート経由で。
◎Link♪ここから始まるシンフォニア
→天祥院英智と日々樹渉とアイドル=愛の話。あんさんぶるスターズ!の最終回。既存のあんスタ!のメインストーリー・イベントストーリーを全て読み終わってから読むことを推奨。
☆番外編『Daydream』
→あんさんぶるスターズ!小説版2巻の書き下ろしストーリー。天祥院英智と日々樹渉を考える上で最重要と言ってもいい話。必ず読んで欲しい。
『Knights』ルート(馴れ合いを好まない個人主義の戦闘集団。他ルートでどうしても読んでもらう必要が発生する話が多い。箱推しになると金銭的に苦労しがち)
◎メインストーリー第一部
→この時点ではヒールっぽい。リーダー不在の点、瀬名泉の奇行が気になったらこのルートへ。
◎追憶 集いし三人の魔法使い
→どのルートでも読んだ方が良い。ちなみに『Knights』のメンバーは一人も出てこない。
〇宵の宴 バンドアンサンブル
→朔間凛月と衣更真緒について。幼馴染カプが好きなら読むべし。
◎スカウト!ランウェイ
→瀬名泉と遊木真と鳴上嵐のモデル時代について。あんスタにおいて幼馴染に業はつきもの。
◎ジャッジ!白と黒のデュエル
→『Knights』の名誉回復の話。何気にメインストーリーでの瀬名泉の蛮行は後々まで引き摺られる。
〇スカウト!荒野のガンマン
→瀬名泉から『王さま』への感情がちらほら。
◎リメンバー 真夏の夜の夢
→瀬名泉と遊木真について。望まぬ愛と返礼の話。鳴上嵐のパーソナルな部分についても少し。
◎月永レオ キャラストーリー「第一話」「第二話」「箱の中の楽園」
→『Knights』のリーダー月永レオ復学時の話。『王さま』と『新入り』の出会いについて。
◎反逆!王の騎行
→王の帰還と『Knights』の内乱の話。『Knights』の末っ子朱桜司の強さがわかる回。
◎追憶 モノクロのチェックメイト
→『Knights』過去編。瀬名泉と月永レオの関係を理解する上で最重要。『Knights』の結成と、月永レオが壊れた原因について。
◎スカウト!コンチェルト
→復学直前の月永レオについて。『MaM』ルートを通ってくるとなお良い。
◎スカウト!ロビンフッド
→弓道部の話。月永レオと朱桜司と猫。
◎噪音 渦巻くホラーナイトハロウィン
→瀬名泉と遊木真の関係にひとまずの決着がつく話。瀬名泉と壊れた『王さま』と『ぬいぐるみ』について。ホラー。
〇開演 ダークナイトハロウィン
→朔間凛月と兄の話。『UNDEAD』ルートで読んだ方が良いかも。
〇スカウト!胡蝶の夢
→遊木真と朱桜司による瀬名泉激詰め回。
◎光輝 騎士たちのスターライトフェスティバル
→鳴上嵐の過去に王として向き合う月永レオの話。『Valkyrie』的にも重要回なので、『Valkyrie』ルートを経るとなお良し。
〇対決!華麗なる怪盗VS探偵団
→『Knights』と『Ra*bits』の合同イベの話。演劇部的に重要なので、先にそっちを読むのもあり。
◎ 初興行 祝宴のフォーチューンライブ
→『Knights』と『Switch』の末っ子の成人式。SS後の話なので注意。
◎スカウト!ケダモノ
→鳴上嵐と『男らしさ』の話。『流星隊』・空手部関連を通ってから読んだ方が良いかもしれない。
◎レクイエム 誓いの剣と返礼祭
→『Knights』の返礼祭。『王さま』として月永レオが抱えていたものと、騎士たちの想いと、王位継承について。イベントのボーダーが過去最高にやばかったらしい。46話もある。
番外編 『Lion heart』
あんさんぶるスターズ!小説版3巻書き下ろし。瀬名泉と月永レオとモーツァルトについて。感情がやばい。レオいずがライハ組と呼ばれる所以。
『UNDEAD』ルート(公式曰く、過激で背徳的なユニットらしい。軽音部繋がりで『2wink』と合わせて読むと吉。羽風薫が推しなので、実質羽風薫ルートでもある)
◎メインストーリー第一部
→『Trickstar』を導いてくれる革命の陰の功労者。過激で背徳的な彼らに惹かれたならこのルート。
◎追憶 集いし三人の魔法使い
→全ルート必須ストーリー。全盛期の貴重な朔間零が見られる。未読ならマリオネットを先に読んでも良い。
◎スカウト!悪魔の館
→朔間兄弟の家庭環境と兄弟の因縁について。
◎生け贄 不死者たちの復活祭
→朔間家と吸血鬼の血族と『UNDEAD』結成の経緯について。大神晃牙の祈りの話。
◎宵の宴♪バンドアンサンブル
→主にりつまおの話。朔間兄弟についても少し。
〇ご奉仕!喫茶UNDEAD
→『UNDEAD』が学院祭で執事喫茶をやる話。日日日先生回じゃないので別に読まなくてもいいが、羽風薫と紫之創の関係性の端緒が描かれるため一応。
〇清夏!!サマーキャンプ
→『UNDEAD』と『Ra*bits』がキャンプに行く話。同じく日日日先生回ではないが、羽風薫と紫之創のやりとりがある。全てはスタフェスのため。
◎スカウト!荒野のガンマン
→3年A組ゲーセン回。羽風薫の家庭環境について。
◎羽風薫キャラストーリー「揺らめく水面」「少年と海」
→海洋生物部部長である深海奏汰との関係について。あと羽風薫と海とわんこ。
◎ドロップ 遠い海とアクアリウム
→海洋生物部イベ。羽風薫の幼少期の思い出について。
〇出航!海上の海賊フェス
→『UNDEAD』と『流星隊』の合同イベ。必須ではないが、この頃の羽風薫を見ておくと後々美味しい。
◎スカウト!千夜一夜
→『UNDEAD』がラジオに出演する話。乙狩アドニスがアイドルになった理由について。この頃から羽風薫にとって『UNDEAD』が居場所になり始めてる気がする。
◎灼熱!南国景色とサマーバカンス
→『UNDEAD』と『fine』の海外遠征。乙狩アドニスの祖国について。
〇咆哮★夜空のロッキンスター
→『UNDEAD』と『Trickstar』のロックフェス。not日日日シナリオだが、『UNDEAD』、特に羽風薫については日常の積み重ねの部分が大きいので、本筋ではないシナリオも多めに読んでおくと良いと思う。
◎開演 ダークナイトハロウィン
→朔間兄弟とハロウィンの話。この頃になると『UNDEAD』に実家のような安心感がある。
◎キャロル 白雪と聖夜のスターライトフェスティバル
→『UNDEAD』と『Ra*bits』のスタフェス。羽風薫と母親と紫之創。『良い子』と『悪い子』と祝福について。
◎追憶 それぞれのクロスロード
→『UNDEAD』の前身、『デッドマンズ』について。『紅月』ルートを経由した方が良い。
〇燦爛 ホットなホリデーパーティ
→『UNDEAD』と『流星隊』の忘年会。not日日日回。羽風薫の夢女子は読んでおいて損はない。
◎スカウト!初夢物語(前編) 「in peace」
→新年の朔間兄弟の一幕。宿命と終点とひと時の夢。
〇スカウト!初夢物語(後編)「放蕩息子と反面教師」
→新年の羽風薫と酔っ払いの話。アイドルという人を狂わせる職業について。
〇スカウト!十二支(後編) 「冬の眠り姫」
→海洋生物部の新年会の話。平和。
◎衝突!思い還しの返礼祭
→『UNDEAD』と『2wink』(軽音部)の返礼祭。『紅月』の返礼祭も兼ねてる部分があるため、『2wink』、『紅月』ルートを経てからでも良い。
◎コーラス★始まりのオペレッタ
→三年生卒業後の朔間兄弟の話。『Knights』の返礼祭後の話である点に注意。
想像以上に長くなったので②に続く。
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