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#実力派ルーキー
redspace0607 · 2 years
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あと少しだけ残っている収穫前の梨の様子を見に行ったら採り逃しもちらほら見つけてしまい、あれこれ集めたら5品種も揃ったので、せっかくだからと並べて撮ったら戦隊ヒーローみたいになった。 #梨 #人気者リーダー #あきづき #しっかり者の先輩 #長十郎 #甘えん坊な優男 #南水 #実力派ルーキー #甘太 #クセの強いしんがり #新興 #異論は認めます #どれがどれだか分かりますか #正解者には #何もあげませんが #結構難しいかも#売り終わったのとまだ売ってない品種もあります #正解発表は割愛 #ご了承ください #全部食べます https://www.instagram.com/p/CkIIBr4OeBV/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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kkv-main · 6 years
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magazine - 2018.10.23
ookubofactoryインタビュー  聞き手 安孫子真哉
ゲラーズのメンバーでもある大久保日向のソロ・プロジェクトookubofactoryのアルバムが9月に発売となった。90年代に様々な音楽を吸収し2000年のスタートともに音楽活動を開始した世代の一人として、彼の辿った道筋はそのパーソナリティーと相まってとてもユニークなものだった。彼のオルタナティブ志向と不思議なポップセンスはいったいどこからきたのか、レーベル・プロデューサーの安孫子が本人に直接話を聞いた。
構成 与田太郎
ー 大久保さんはいまいくつですか? オ 37です。 ア 僕らの周りにはあんまりいない世代ですね。 オ そうなんですか?安孫子さんは?  ア 40です。 オ 僕らはちょっとしたの世代なんですね。    ア キリキリヴィラだとLINKが39ぐらいかな。 オ セヴンティーン・アゲインは? ア 彼らは33ぐらい。 オ ちょっと下なんですね。 ア 大久保さんは僕のひとつ下ぐらいかと思ってましたけど、3つ下なんですね。 オ そうです、後輩です。中学だと入れ違いで伝説として聞く先輩です(笑)。 ア 3つ違いは誤算だったんですけど、はじめて会って話した時もはじめて会った気がしなかったんですよ(笑)。 オ 世代が近いからですかね? ー いや、パーソナリティーの問題でしょう(笑)。 オ そうですね、銀杏ボーイズも上の世代の音楽として聴いてたんですよ。メロコアやパンク、オルタナを聴いてきて、それで…。 ア ハイスタ、ブッチャーズやナンバーガールなんかがいて。 オ そうです、そうです。銀杏はその次ぐらいじゃないですか。その時にちょうど自分もバンドはじめたんですよ。 ア ゲラーズが最初のバンドですか? オ ゲラーズが最初です、その前は高校生でコピー・バンドやっていて。 ー 当時はハイスタとかですか? オ そうですね。高校のときにグリーン・デイとかを聴いてる友達がいて、そのまえにもブルー・ハーツ聴いてるやつとかもいたんですけどその時はあんまり仲良くならなくて。高校での友達の影響でメロコアやパンクから入りました。 ア それも意外だよね。 オ 自分のいまの趣味というより最初だったんでキッズ的な感じで。そこからウィーザーとかに行き、いろいろ辿って音楽を知っていった感じです。中学のときにブルー・ハーツ聴いてたのがゲラーズの人たちだったんですけど、彼らと話すようになってビートルズやキンクスを知って、良質なリスナーになっていく、みたいな(笑)。キッズ卒業的な(笑)。 ー 文脈的な流れを辿って音楽を探すようになったんですね。 オ そうです。ゲラーズの人たちは音楽雑誌読んだり、ケーブルテレビでスペースシャワー見てるような人たちだったんで。それに影響されましたね。最初はハードコア、たとえばヌンチャクとか聴いてましたから。 ア それは僕も一緒ですよ。 オ そうなんですね!安孫子さんはもうちょっと前じゃないですか? ア いやヌンチャクが出てきたのが高校生の時だったんで同じですよ、僕もめっちゃ好きでしたよ。でも僕の入り口はもうちょっと前で、中学のときに従兄弟が70’sパンクが好きで、まずそこに影響されて中学で初期パンク聴いて高校でメロディックに出会ったんですよ。 オ あー、そうなんですね。僕らはグリーン・デイでも「バスケット・ケース」あたりからだし。 ア 3枚目ですね、あれが1994年で、僕も青春ど真ん中ですよ。  オ そうか、僕らは直撃ではなく後追いですね。そのタイミングラモーンズとかクラッシュをチェックしたんですよ。 ア その辺りに3年の違いがでるんですね。そうなると2000年前後のシカゴ周辺の感じは青春時代って感じですか? オ あれ���青春が終わって(笑)、大人の階段登り始めた時期です。大人になりきれない大人の時代ですね(笑)、これからどうしようみたいな悩みとロックが融合してるっていう。 ア 地元はどこなんですか?    オ 練馬の石神井です。当時練馬区ってポスト・ロックにはまる最高の環境だったんですよ。 ア 先輩がいたとか? オ いや、ポスト・ロックをめちゃ揃えてる図書館があって、シカゴ系やローファイやオルタナが何でもあって、これは誰かバイヤーいるな、みたいな(笑)。たぶん好きな人がいたと思うんですけど。そこでいつも借りて聴くっていう。 ア それは都内の全体の図書館がそうなのか、練馬の図書館が格別そうだったのか実際どうだったんですかね。 オ それは練馬だけだったと思います、杉並の図書館いくとあるのはJ-POPだけで大黒摩季とかの(笑)。でも練馬の図書館にはトータスがあったりして、なんか小さいジャニスみたいな感じでした。当時はお金もないじゃないですか、そこで一回に4枚借りれるんですけど、毎週通ってました。 ア それは仲間内みんな通ってました? オ そうです、ゲラーズはみんな行ってました。だから行ってないとメンバーのだれかが借りてるっていう(笑)。そいつの家にいくとあるんですよ。その時期はみんな聴いてる音楽が共有されてました。シカゴ系から音響、打ち込みのマウス・オン・マースとかまで聴いてました。    ア 図書館がそういう場所になってるってはじめて聞きました(笑)。 オ あんまりないと思います。だいたいタワーレコードとかじゃないですか。ローカルにそういう場所があったのは大きいですね。それと雑誌の情報の組み合わせで。 ー 雑誌はなにを読んでました? オ スヌーザーです、最初はクロス・ビートで。    ア ドールみたいなパンク雑誌にはいかなかったんですか? オ ドールはいかなかったですね、たまに読んだりはしてましたけど毎月買うってことはなかったですね。 ー オオクボファクトリーってパンクがベースというよりは明確にオルタナ・ベースですよね、そのあたりは世代の感じがでてるんじゃないですか?ちょっとインテリジェンスなエッセンスはそこから来てるんじゃないですか。ある程度音楽を聴いて、ちょうど好奇心が最高潮のタイミングでポスト・ロックや音響なんかの新しいサウンドが出てきた時と一致したっていう。アメリカのインディーが面白かった時代。 ア そうですね、衝動もインテリジェンスに見せたり、とぼけたユーモアがあったりっていうのはそういうことなんじゃないですか? オ なんかシュールなことやったりとか、ローファイな感覚出したり打ち込みとオルタナの並立とかは時代の影響がありますね。本気の頭脳派じゃなくて、そういう時代が好きだったんですね、だからベックとか大好きですし。 ー しかもどこか一方に振り切ってしまってないですね。 オ そうなんです、それぞれ好きなんです。だからコーネリアスみたいなこともやりたいんですよ(笑)。とりあえず歌をバラバラで歌ってコラージュした、みたいな(笑)。 ー それは世代の感覚なんでしょうね。リアルタイムで聴いて衝撃を受けたっていうのは大きいですよね。僕の周りには大久保さんの世代の人がいないので、今話しながら気がつきました。 オ 確かに90年代後半のジャンルがクロスオーバーしていった時のリスナー体験は大きいですね、一回目のフジロックがあったりして。 ー 1997年の天神山! オ そうです、あの時のラインナップの感じとかを飲み込んでいくっていう。まさにフジロック世代っていう。 ー フジロックとともに成熟していったっていう(笑)。 ア ルーキーに出演するのが目標というオオクボファクトリー結成の経緯的な(笑)。  オ そうですね、憧れですね。いまでも毎年見たいアーティストいますから。 絶対なにかありますから、だからサマソニよりは完全にフジロックですね。 ー なにか思い出のステージってありますか? オ 2000年ぐらいにヨ・ラ・テンゴを見た時ははじめてライブで泣きました(笑)。ホワイト・ステージでもモグワイとかドライ・アンド・ヘヴィーが解散がきまってからのライブとか、低音がすごすぎて内臓が揺れました、本当になんかしら凄いライブがあるんですよ。 ア 大久保さんは僕の周りの人たちのキャラクターの中でもいろんな意味で中間のキャラですね。 オ そうですかー、でもエクシーとかCAR10とか全然違うスタイルの好きなアーティストがいるんで、僕にとっては違和感ないんですよ。P-Vineもそうなんですけど、あそこはもっと幅広いというか多いんで。 ー P-Vineはプロですから(笑)。 オ そうですね、プロですね(笑)。キリキリヴィラはもっと尖った刀みたいな感じですね、凝縮されてるというか。 ア キリキリはわざわざパンク・レーベルって言いたいレーベルなんですけど、実際はいろんなサウンドが混在していていろんな人がいるのがいいと思うんですよ。いろんなキャラクターにいて欲しいですね。 オ なんか通じるものがあればっていうことですね。 ア そうですね、一緒に居て嬉しいっていうのが結構大事なんですよ。意見がちがっても気が合うみたいな。それとみんな仕事しながらでも音楽を諦めないでいて欲しいので、こういうやり方があってるとも言えるんです。 オ そうですね、オオクボファクトリーもみんな仕事やりながらですし��僕も完全な正社員になるとバンドできなくなるんでギリギリまで時給上げて線を引いて働いてます、バンドをやる時間も作れるように。そこでバンドのほうで少しお金がつくれたらなにも問題ないですし、家族も納得(笑)。 ア いまオオクボファクトリーのライブってあんまりできないですよね?木曜日限定でしたっけ? オ そうなんですよ、やっぱり週末でないとこれない人も多くて。 ア そうですね、年齢重ねたり色々な環境が変わってくると週末でないと動けないケース多いですもんね。子供が小さいとかね、いろいろありますから オ それで最近昼のライブが多いじゃないですか、それを僕らも考えようかと思ってて。 ア  僕らの周りのバンド結構やってますよ。 オ そうなんですか! ア やり方の一つとしていいと思いますよ、僕らはシェルターやスリー、ベースメントの昼けっこうやってます。NOT WONKも日曜日の夜には北海道に帰らないといけないことほとんどなので土曜日にライブやって日曜日の昼やってからフライトってパターン多いですし。 オ へー!なるほど。平日の夜より土日の昼のほうがいいんですね? ア 日曜日の昼だと終わってもまだ夕方前じゃないですか?そこから一杯飲んで帰っても夕食前だし、色々なライフスタイルの人がいるので、ライブハウスもそういう時間帯の対応してくれて本当にありがたいですね。 オ そうなんですね、翌日仕事でってよりもいいですね。それに最近、出演者もみんな帰るの早いですよね。残って打ち上げみたいな感じでもないし、テレビで哀川翔が言ってたんですけど、最近は撮影終わっても打ち上げいかない、みたいな(笑)。 ー そうですね。世の中全体に余裕がないことも影響してるんじゃないでしょうか。経済的にもこの10年間ジリジリ厳しくなってきてるじゃないですか。とくに今の20代、30代はその影響強く受けてるだろうし。だから昔みたいにバイトしながらバンドって考えることも難しくなってると思うんですよ。 オ 全体が効率求めすぎですよね。 ア そう、無駄がなくなってるというか余裕がないというか、さびしいですよね。 ー そういう状況の中で工夫したいですよね。 オ そうですね、自分もわりとゆるい中でも効率的に考えようとしてきたんですけど、まわりも余裕なくなるとバランスがとれなくなってきたりして。ジャニスがなくなるとか、音楽は全部スマホで聴くとか、ネットで進めてくる音楽が機械的だったり、なんか少しづつそういうのが増えてきて…。 ー そうですね、音楽を自分で選ぶってそういう世間の流れに背くっていう面もありますから。それが自分自身を探す第一歩になったりするじゃないですか。 ア それぞれのディグリかたが大事ですよね。そこにでてくる人間性が面白いし、キャラクターが出る(笑)。初めて聴くバンドの1stや名盤といわれる作品でなく、謎に4枚目から聴き始めてるオマエは何なんだみたいな(笑)。 オ そのやりとりが楽しいですよね。 ー 機械やアルゴリズムにおすすめされたくはないですよね(笑)。 オ ほんとそうですね(笑)。やっぱ文脈がないと入っていけない部分ありますから。もちろん、いきなりしらないものでいいのもあるんですけど、めったに起きないですね。僕はパヒュームもすきなんですけど同時にオヴァルも聴くじゃないですか、そういうのって人にしかない物語というか、要素ですね。    ア 便利っていわれても、それが面倒くさい(笑)。 オ そう!タワーで探す方がまだ確率が高い。それこそお店でチェックしてスマホで聴くみたいな(笑)。 ー 僕らの世代は店で探して雑誌をチェックしてという行為が体験としてあるけど、今の20代は最初からスマホでしょ、もう聴き方から違うでしょうね。僕らはオアシスが好きならローゼズ聴いて、そこからスミスとクラッシュに行って、やっぱりビートルズにたどり着く、みたいなこと普通にしてきたじゃないですか。いまの10代はオアシスをいいと思ってもそこで終わるんじゃないかと思って。 オ 最近オオクボファクトリーのドラムを手伝ってくれてる北野さんはグレープヴァインが好きなんですよ。それでオアシスも好きでしょ?ってきいたら全然聴いてないんですよ。そういうこともあるんだって驚いたんですよ。彼女はUKロックを聴かず日本の音楽が好きなんですね、だから出会い方も大事なんだろうと思いました。僕は雑誌のレビューや日本盤のライナーを辿って聴いたんですけど、それはよかったって思いますね。そういう意味では自分にとって雑誌は大きかったです。スヌーザーは昔のシーンの特集とかダンス系の定番特集とかがあって、まずそれが入り口になってました。そういう記事で音楽の背景を知ることができたし。いまだったらエレキングとかを参考にしますけど、初心者にはハードルが高いですよね。 ア それとある特定のシーンに依存し過ぎているとそれ以外の情報をまったく見ないというか、知ることができないことも多い。ジャンルを横断できない。でも2014年にキリキリヴィラをスタートして色々な人達に出会ってみたらみんな自由にやってたし、面白かったんですよ。その面白さがもっと広がったらいいなと思ったんですよ、音だけでなくて活動の仕方なんかにも筋が通ってて。  オ そうなんですね、安孫子さんはもっとパンク的なスタイル、もうちょっとジャンルを固定したイメージだと思ってました。 ア いやわりとジャンル横断が好きなんですよ。 オ それ聞いてキリキリヴィラの感じに納得がいきました。 ア ほんといろんな人がいるじゃないですか、ギラギラした人がいてもいいし、あくまで自然体でやってる人がいてもいいし。自分たちの中にある様々な好きな物に素直でいたいんですよ、僕ら組織でもないし。    ー 大久保さんの同世代のバンドっていうと誰になりますか? オ 同世代だと、ユーリ・ガガーリンとかオーガ・ユー・アスホールとか、ちょっと下だとシャムキャッツですかね。40手前の世代ですよね、あんまりいないんですよ。 ー もしかしたら大久保さんの世代はダンス・ミュージックに行った人が多いんですかね? オ ダンス系もそんなにいないような…。クラブ系もスヌーザーに教わった感じなんですよ。新宿リキッドのクラブ・スヌーザーはよく行ってました。DJシャドウとか、アンクルとかアンダーワールドあたりはよく聴いてて、だからトレインスポッティングですね(笑)。 ー 直撃世代なんですね。 オ トレインスポッティングのサントラがすべてみたいな、まわりじゅうみんな聴いてましたから。でもそういダンス・ミュージックが簡単にはできなかったんですよ。ゲラーズでもライブでそういうことやろうとして、西荻ワッツとかで。 ア ゲラーズもワッツに出てたんですね。 オ いちばんやったハコかもしれません(笑)。 ア それはいつごろですか? オ 15年ぐらい前かなー。 ア 角張君はもういない時期? オ 角張さんはもういなかったと思います、2001年とか2002年ぐらい。 ア あれ、それなら彼もまだいたし、僕もしょっちゅう行ってる時期ですよ。合わなかったですねー。 オ ゲラーズはそのころから下北沢の屋根裏とか渋谷のサイクロンとかにで始めたんです。はじめは店のブッキングからで、そのときはよく「やりたいことはわかるんだけど、もっとテクニックほしいね」とか良く言われながら(笑)。シンセがあって鉄琴もいて、トクマルはフルート吹いたりしてたんで(笑)。 ア 話かわるんですけど、トクマルさんのソロが出たときのゲラーズのムードはどういう感じでした? オ 最初から並行してたんで、もう別物でした。 ア ゲラーズやりながらソロもやってたんですね。 オ 自分の宅録はずっとやってて、彼はそれ以外もサポ��トとかもいろいろやってたんで。そういう意味では別のベクトルで動いてました。 ア なるほど、彼のアルバムメチャ良くて聴いてましたよ(笑)。 オ いいですよね、彼ほんとすごいと思うますよ、天才っていうか。ちょんとしてるじゃないですか、それでいて変わったこともやるし。素養があるっていうですかね、そのうえで遊んでるっていう。こいつはすごいなって。大瀧詠一のカバーをアカペラとハンド・クラップだけでやってるんですけど、ボーカル10パートぐらいをひとりでハモってるんですけど、こいつは変態だなって思いますよ(笑)。 ア 自由なんですね。 オ そうなんです、その自由さの広がりもあるし入り込みやすさもあって。そこの広がりにゲラーズが追いつかなかったいう(笑)。ゲラーズは違う自由というか。 ア 僕はサマー・オブ・ファンからのシングルがでるまでゲラーズ知らなかったんですよ。 オ ほんとアングラなんで。 ア 「クンパルシータ」のMVが公開されたときに僕のSNSのタイムラインもざわざわしてて、拝見したらめちゃくちゃ良くて    オ あの時代にシティー・ハンターをモデルにしてましたから(笑)、そんな盛り上がりがあったんですね。 ア ヤバイって思いましたよ。 オ だいぶ変換されましたけど、ボーカルはやっぱりペイブメントとかが好きで、それからポスト・ロックに行って出す音も病んだ感じになり。それから突然尾崎豊に行ったり河島英五の「酒と泪と男と女」にはまったりして(笑)。だんだん渋くなって男の哀愁系になってブルー・ハーツからの哀愁がどんどん変わって行って、どんどんストレンジな方向へ(笑)。謎の化学変化でできったっていう、岡村ちゃんとかも好きなんで。そのあたりは自分も共通なんですけど。まあ本気とギャグが混在してるけっこうカオスですよね。年も30を超えたからでしょうかね(笑)。 ア オオクボファクトリーの始動はいつですか? オ 始動は、えーっと3年前にアルバム出してて、その2年ぐらい前かな? ア 2013年ぐらいですか? オ そのあたりです。その頃にフジのルーキーでたいってなって。 ア 毎年応募してますか? オ もうやめました(笑)。その時期にサウンドクラウドに自分の弾き語りをあげはじめて、なんとなく評判よかったんでルーキー目指すの口実にしてバンドをはじめたんです。ゲラーズの後半というか途中ぐらいですね、はじめてから5年ぐらいですか。活動してる実感はそんなにないんですけど(笑)。 ア 曲はもう出し切りですか? オ それがあるんですよ、お渡しした以外にもミックス途中のもあるんですけど、ジャンルはみ出しすぎて排除しました(笑)。プレフューズ73みたいなのもやろうと思って(笑)。ジャコパスみたいなベース・フレーズを弾いて、それをチョップしてキーボードにアサインしてありえない感じにして、みたいな。 ア 面白そう! オ まんまプレフューズの方法なんですけど、あんな風には作れませんでした(笑)。最近だとジェームス・ブレイクも好きで、シンプルだけどダブっぽいものとかもやりたくて。まずはアルバム完成させて、それからと思ってました。まずは自分の好きなオルタナ感でまとめた感じです。 ア ガンガン作りましょうよ、大久保さんの好奇心を遺憾なく発揮してほしいですね。 オ 本当ですか、それは嬉しいです。本当はもっとバンドで録ったりしたいんですけど、年齢的にもみんなのスケジュールを合わせるのがけっこう大変で。いままた別でアートレス・ノープっていうバンドやってる水谷くんという人がいて、彼打ち込みをやるんですけど、トラックを作ってもらって僕がラップやろうというプロジェクトはじめたんです。 ア おー、聴いてみたい。 オ それがまたちょっと迷走してて。ラップなんですけど、最後にスカートみたいなサビ作っちゃって(笑)。メチャいいメロ入れてしまってビートがのらない(笑)。来年はそういうのもできたらと思います。 ー なるほどー、今日の話を聴いていろいろわかってきました。最初に音源を聴いたときには実態がつかめない感じだったんですよ、でライブを見て「なるほどこういうことがやりたいんだ」ってはっきり伝わってきて、今日の話で全部が繋がりました(笑)。 オ そうなんですよ、来年はライブをもっとやりたいですね。僕がライブでやりたいのはナンバーガールとか2000年前後のあの感じ、54-71とか。でもいまの時代ってもっとゆるくてムーディーじゃないですか? ア そうですね、本来はもっとバリバリにストイックですね。  オ そうなんですよ、ストイックなのが好きなんですよ。そこが今の時代と違うなって感じてて。ゆるくてももっとジャンクならいんですけど、今はけっこうきれいですよね。 ア でも荒野をあることにこそ醍醐味があるじゃないですか。 オ 逆にね、確かに。 GEZAN見たときにも思ったんですけど、荒野っていうよりも砂漠を歩いてるじゃないですか。すごいなと思って、しかも今回のアルバムはアルビニですよね。すごいことするなって思って音源きいたらちゃんとアルビニの音で、驚きました。 それに彼らはOMSBとかともちゃんと繋がるじゃないですか、それもいいと思いました。 ア GEZANは砂漠や荒野を走りながらそれこそ石器で自分たちで道具をつくりながら逞しく進んでますよね。オオクボさんはそのまま飄々と素っ裸で腰に草だけ巻いて歩くのでいいんじゃないですか(笑)。あんまり周りのことやシーンも考えずに好奇心で突き進む オ 今回もそれこそNOT WONKにインスパイされた曲とかもあるんですよ(笑)、カッコいいとどうしても影響されて(笑)。 ア それでいいんじゃないですか(笑)。 オ そうですね、そういう自由さはなくならないと思います(笑)。でもCEROとか見ても「いいなー、俺もああいうのやろうかな」みたいに思っちゃうんですよ(笑)。 ア その持ち前の好奇心そのままで良いと思いますよ。大久保さんのキャラクターを知ってもらいましょうよ、音楽って人の魅力から入る部分もおおいにあるじゃないですか。僕は最初にお会いした時から友達発見って思いましたよ(笑)。
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roomofsdc · 3 years
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SDC映画の部屋「孤高のメス(2010)」
1980年代初頭、集英社・小学館・講談社は相次いで青年コミックに参入する。「少年ジャンプ」世代が成長するのに合わせるためには当然の動きだろう。集英社は「ヤングジャンプ(YJ)」で高校生~大学生世代に向けて、少年誌では禁じられていた性描写や残酷描写を盛り込んだ諸作品で人気を博し、やがて80年代後半になり、集英社は新社会人(当時は新人類と呼ばれた)向けの「ビジネスジャンプ(BJ)」を創刊する。「甘い生活」や「いっしょけんめいハジメ君」などルーキーを主役に据えた作品の中に「メスよ輝け!」と題した異色のコミックが連載される。本作の大元になる原作である。硬質で色気もアクションもギャグもない地味な医療コミックは異質かもしれない。ただし集英社は少年ジャンプでも「はだしのゲン」を創り上げた実績がある。売れ筋路線だけに阿ねるわけではない、という��風があるのかもしれない。
原作の主役��当麻鉄彦医師だが、本作品では手術部看護婦の中村涼子(夏川結衣)に変更されている。当麻の人物背景に踏み込むと一本の映画には収まらないとの脚本サイドの判断らしいが、英断。映画はいきなり中村涼子の葬儀から始まる。都会の病院で研修医となっている息子(成宮寛貴)が母親の日記を見つけ、回想シーンとなる。
1989年、夫と別れ、幼い息子を抱えて生まれ故郷の公立病院に勤め始めた中村。手術部勤務となるが、都会の大学病院から派遣されている外科部長は、いい加減な手術と傲慢な態度で、彼女は看護婦を辞めようかとさえ考えている。手術後の器材室で投げ遣りな気持ちでぞんざいに器具洗いをしていると、突然「クーパーやモスキートはデリケートな器具です。しかも安くない。大切に扱って下さい」と声をかける男性。新しく赴任してきた外科医、当麻(堤真一)。彼は病院を訪れたその日に、急患で運びこまれた肝臓癌患者の手術を行う。しかも応急の止血だけでなく、肝部分切除まで迅速かつ的確にこなし、ピッツバーグで培った手腕を見せる。彼の手技をみて中村は「まるで手品を見ているようだった」と日記に記す。当麻の登場で病院の雰囲気はどんどん変わっていく。それまで手間がかかりそうな患者を大学病院へ送っていた外科は、手術症例も飛躍的に増え、中村をはじめ手術部のスタッフもこれに応えるべく意識を高めていく。ある日、病院をバックアップしていた市長が肝硬変の悪化で倒れる。彼を救命するには肝移植しかないが、1989年当時ピッツバーグでは常識だった脳死肝移植は違法だった時代だ。そんな中、中村の隣人の高校生が交通事故で脳死となる。当麻、ドナーとレシピエントの家族、病院は、脳死肝移植に踏み切るかどうかの判断を迫られることになる…
順天堂大学肝膵胆チームの監修指導を徹底させた医療関連シーンは、これまでになく成功している。1989年当時をきちんと考証し、今は省略されている手洗ブラシやガラス瓶の点滴ルートなど細かいところまで拘っている。またディティールが比較的正確なので、手術室や病院内でのちょっとした仕草や言葉などでも医療関係者なら「クスッ」と笑えるシーンすらある。そんなところは非常にリアルで評価できる。原作は脳死移植について「積極的肯定派」で、否定意見をはなから黙殺していたが��映画も同様。ただしこの問題に触れると、2時間の映画には到底収まらないだろう。
それよりもこの映画の見所は、ドナーの母親(中村の友人でもある)である余貴美子の演技。息子を女手一つで育て上げ、医療福祉系の学校に進むことを喜んでいた母子は突然の事故で将来を断たれる。別離・喪失・希望と再生という、人の死にまつわる感情を優れた演技力で余は表現している。私は個人的な想いもあったせいか、この一連のシークエンスでは涙を抑えることができなかった。「おくりびと」に続き、彼女の助演女優賞は間違いないと確信している(残念ながらこの年の助演女優賞は樹木希林だったけど)。
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moja-asia · 3 years
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大野豊×栗林の対談。スポニチアネックス
今日、3月3日付けのスポニチアネックスに大野豊さんと、ドラ1ルーキー栗林良吏投手の対談が掲載された。 ちょっとこれは永久保存版だと思うのでここにリンクを残しておく。 【大野豊氏―広島・栗林 特別対談(上)】森下との比較は覚悟の上「モチベーション、原動力にしたい」 【大野豊氏―広島・栗林 特別対談(下)】負けず嫌いな実戦派「ブルペンでは全力で投げても140キロ」 栗林 フォークはプロでもある程度、通用しているのかなと感じています。いまはフォークに自信を持って投げています。 カットボールは、いままでは横に大きく曲がっていたけど、大瀬良さんとか森下にアドバイスをもらいながら、少しずつ本当のカットボールに近づいてきているのかなと思います。 かなり内容の濃い対談だ。さすがは大野さん。
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gamehayapkmod · 4 years
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駅奪取 駅猫ニャッシュと電車で旅する位置ゲーム
駅奪取 駅猫ニャッシュと電車で旅する位置ゲーム
Game 駅奪取 駅猫ニャッシュと電車で旅する位置ゲーム là dòng game Casual
Giới thiệu 駅奪取 駅猫ニャッシュと電車で旅する位置ゲーム
▲▽▲▽▲ ルーキー応援キャンペーン実施中! ▲▽▲▽▲ チュートリアルクリアでサクサク遊べるアイテムをGET! さらに翌日にはお試しガチャチケットもプレゼント!! 日本全国各地で遊べるイベントも続々開催!! ▲▽▲▽▲ ストーリー ▲▽▲▽▲ 「ニャニャニャ〜ン!我輩はニャッシュだニャ!」 「これから我輩と一緒に全国の駅を奪取してほしいニャ!」 奪取er協会から派遣された猫型ロボット『ニャッシュ』と協力して位置情報やアイテムを駆使しながら駅を奪取する日本全国鉄道の旅へ、出発進行!! ▲▽▲▽▲ ゲーム紹介 ▲▽▲▽▲ 『駅奪取』は、全国9,100ヶ所以上ある駅を対象とした位置ゲームです。 簡単操作で手軽にプレイできて、おでかけの記録や称号集めなど、色々な楽しみ方ができます。 ニャッシュと一緒に、毎日の通勤・通学、おでかけを楽しんでみませんか? ▲▽ 簡単操作で手軽に遊べる ▽▲ 駅に着いたら駅奪取!! スマートフォンの位置情報データを使って最寄り駅を奪取しよう! ▲▽ 日本全国の鉄道駅が対象 ▽▲ 日本全国にある9,100駅以上が奪取の対象!! 全て集めるには一生かかる!? ず〜っと遊べる位置ゲーム! 駅を単純に奪取するだけではなく、路線ごとの制覇や移動距離、奪取回数による称号、 駅ごとのランキングなど、楽しめる要素がいっぱいです! ▲▽ 日々のおでかけの記録! ▽▲ 初めて訪れた日や訪れた回数などを思い出として記録! 駅ごとに用意された伝言板に思い出を書き込んだり、振り返ったり、ライフログアプリとしても使えます!! ▲▽ お気に入りのニャッシュをみつけよう ▽▲ 毎月新しいニャッシュが登場! 今までに登場したニャッシュはなんと240種類以上! お気に入りのニャッシュと毎日のお出かけを楽しもう!! ▲▽ 楽しみ方は自分次第! ▽▲ ・おでかけを記録するライフログアプリとして ・もくもくと全国鉄道駅制覇を目指す塗りつぶしアプリとして ・プレイヤー同士でリアルタイムに駅を争奪しあうゲームとして ・ひたすらニャッシュを愛でるゲームとして 「ご主人いっしょにおでかけするニャ〜!」 ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ Rookie support campaign in progress! ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ Get items that can be played crisply by clearing the tutorial! The next day, you will also get a trial gacha ticket! ! Events that can be played all over Japan will be held one after another! ! ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ Story ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ “Nyanyan! I ’m Nyash!” “Now I want you to take stations all over the country with me!” In cooperation with the cat-shaped robot “Nyash” dispatched by the Association of Seizures, the departure of the Japanese national railroad to take over the station while making full use of location information and items! ! ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ Game introduction ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ "Station capture" is a location game for over 9,100 stations nationwide. It is easy to play with simple operation, and you can enjoy various ways such as going out and collecting titles. Would you like to enjoy daily commuting, attending school and going out with Nash? ▲ ▽ Easy to play with easy operation ▽ ▲ Take the station when you arrive at the station! ! Use your smartphone's location data to take the nearest station! ▲ ▽ Covers all railway stations in Japan ▽ ▲ Over 9,100 stations all over Japan are eligible for seizure! ! It takes a lifetime to collect everything! ? A position game that you can play for a long time! In addition to simply taking the station, titles based on conquest and travel distance, number of takeovers, There are lots of fun elements such as rankings by station! ▲ ▽ Daily outing record! ▽ ▲ Record your first visit and number of visits as memories! Write memories on the message board prepared for each station, look back and use it as a life log app! ! ▲ ▽ Find your favorite Nyash ▽ ▲ New Nash appears every month! More than 240 types of Nash have appeared so far! Enjoy everyday outings with your favorite Nash! ! ▲ ▽ How to enjoy is up to you! ▽ ▲ ・ As a life log application that records outing ・ As a paint application that aims to conquer national railway stations ・ As a game where players compete for a station in real time ・ As a game that loves Nash "Nya going out with her husband!" ・不具合の修正を行いました
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awsexchage · 4 years
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re:Invent 2019 紀行 https://ift.tt/2tyJTBQ
cloudpack大阪の山崎です。 今年、re:inventに初参加しました!なので、どんな感じだったか紀行としてまとめたいと思います。 (あまり技術に突っ込んだ話はないです。)
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re:Invent : https://reinvent.awsevents.com/
行くことになった経緯
ありがたいことに8月に社内でルーキー賞なるものをいただき、その副賞としてre:Inventへの参加権利をいただいたため、今回参加することに。
日程
2019/12/01 (JST) 関西国際空港発 2019/12/01 (PDT) ロサンゼルス国際空港乗り換えマッカラン国際空港着、ホテルチェックイン 2019/12/01 (PDT) 〜 2019/12/05 (PDT) re:Invent 2019/12/06 (PDT) ホテルチェックアウト、マッカラン国際空港発 2019/12/07 (JST) ロサンゼルス国際空港乗り換え関西国際空港着、帰宅
JTBの「AWS re:Invent 2019 ジャパンツアー」を利用。だいたいみんなこれ使うらしい。 https://www.jtbbwt.com/section/awsreinvent_2019/
宿泊場所
Mirage 住所: 3400 S Las Vegas Blvd, Las Vegas, NV 89109 https://mirage.mgmresorts.com/en.html
ここで4泊。とてもよかった
紀行
0日目 準備
持ち物
パスポート
現金 5万円
クレジットカード 3枚
名刺
社用PC (Macbook Pro)
PC充電器
スマホ充電器
長袖Tシャツ 4枚
ジーンズ 1枚
下着 5枚
靴下 5セット
メガネ
替えコンタクト
コンタクト洗浄液
筆記用具 (3色ボールペンくらい)
歯ブラシ
バッグ
キャリーバッグ (2〜3泊サイズ。小さめ)
リュックサック
サコッシュ (パスポートとか常備するものを入れる)
1日目 (2019/12/01)
14:00 関西国際空港着
チェックイン
手荷物預け
WiFi受取
事前に会社に申し込んでもらってた
海外旅行保険加入
7日分 約1万円(高い。。
両替 500ドル分(約5万)
15:00 保安検査場&出国審査通過
他の参加者たちと乾杯
17:40発 関西国際空港発
約9時間のフライト 登場前に調子乗ってラーメン・餃子・生ビール二杯を食して、半分飛行機酔い。でも3, 4時間くらい寝れた
10:35 経由地 ロサンゼルス国際空港着
到着したけど、別便のトラブルでゲートが開かず1時間ほど飛行機内で待機した。 入国審査は定型文しか聞かれず、難なく無事入国して後はロサンゼルス国際空港をぶらぶら Hobbit でバーガー食べてPeetsコーヒーでアイスコーヒー飲む
16:35 ロサンゼルス国際空港発
約1時間のフライト 関空 – LAの搭乗員は日本人だったので英語になってもまだ聞き取りやすかったが、さすが本土。アナウンス全然分からん。
17:30 ラスベガス (マッカラン国際空港) 着
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現地気温は想定の範囲内の寒さ。本当にスロットあった
18:00 re:Invent Registration
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空港内に設置されたRegistrationコーナーで参加登録 タッチパネルから姓名・泊まるホテルを入力したらバッジが発行される その他とスタッフがID (パスポート) の写真と顔を見て本人確認
18:30 シャトルバスでホテルへ
JTBの人の案内でホテルへ移動。街がキラキラしてた。
19:30 Mirage着 & チェックイン
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泊まったのは21階の一室。
20:00 ディナー
ホテル内のレストランで肉を食べる。
22:00 Midnight Madness
Venetianへ移動し、Midnight Madnessに参加
Venetianのカンファレンス会場の入口
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光るリストバンドもらった。
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ステージではDJが盛り上げてた
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飲み放題。適当に観て、ビール一杯飲んで退出。
23:00 会食・Walgreenで買い物
近くにWalgreenとかCVSとかあるので、日用品とか軽食・ドリンクは買える アメリカンサイズなものがいろいろあるので行くだけで面白いと思う
24:00 ホテル帰還。就寝
すぐ寝た。時差ぼけはなかった。
2日目 (2019/12/02)
6:00 起床
シャワーのお湯の出し方がわからずそこそこ苦戦 (水量調整やと思ってたノズルが、水量調整兼温度調整のノズルでした…
7:00 Venetian会場をうろうろ
SWAGで入場者特典をもらう
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Certification Loungeで資格取得者特典もらう
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ラウンジの場所がわからず、Certification Informationで聞いたら連れて行ってくれた。(一緒に迷ったけどw
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人が多く、特典だけもらってMirageへ戻る。
8:00 Mirageで朝食
この日はAWSからの提供はなし。 Mirage内のCarnegie Deliってとこで朝食 空いてたから入ったけどちょい高い。$27
10:00 Fargateのワークショップ行くが、入れず。
CON208-R – [REPEAT] Build your microservices application on AWS Fargate 並ぶのが遅すぎた… 予約してなくても行けると思っていたがそんなことはない。1時間前には並ぶべき
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10:45 Global Acceleratorのセッション
NET318-R – [REPEAT] Building highly available applications using Global Accelerator 空いてたので、予約なしで入れた。 セッションはよほど人気のものでない限りすぐ入れたりする。 Global Acceleratorあまり理解ができず。要復習。
公開されている公式のセッションの動画です。 https://www.youtube.com/watch?v=3ud_LLpzOAE
13:00 Ariaへ移動
Ariaへ移動 シャトルバスのバス停の場所が2カ所あって、違う方に行ってしまう 実際のバス停もイベント会場の奥で、遠かったし分かりにくい バスはめちゃめちゃ空いてる(本数多いから?
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14:30 BuilderSessionに参加しようと並んだが、参��できず。
DOP340-R – [REPEAT] Debugging serverless applications 参加しようと早めに並んだが、また参加できず。 BuilderSessionは一部屋に10個くらいテーブルがあり、テーブルごとにテーマが異なる少人数参加のセッション。 なので、テーブルごとに定員があり、他のセッションと比べても並んで入れる確率は低い。
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14:40 ContentHubsでECSのCI/CDのセッション観る
CON333-R – [REPEAT] Best practices for CI/CD using AWS Fargate and Amazon ECS ある人気のセッションは会場に行かなくても、会場ごとに用意されているCotentHubsでライブ中継を観られる。
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Builder Sessionに参加できなかったので隣にあったContentHubsで中継を観た CDK激推しでした。
公開されている公式のセッションの動画です。 https://www.youtube.com/watch?v=7FVK0i9edyg
16:00 Microserviceのセッション観る
ENT308-S – Build your next microservices application with modern AWS services Fleet CompleteとNew Relicの人によるセッション それぞれのレイヤー同士の繋げ方・構成とか、APMを入れましょうという話。
公開されている公式のセッションの動画です。 https://www.youtube.com/watch?v=msxD0bTFu2A
18:00 弊社主催ウェルカムパーティー
普段からお世話になっているお客さんを交えて食事。
23:00 Mirageでカジノ
ブラックジャックやった。無事$100溶かす。
24:00 就寝
3日目 (2019/12/03)
6:00 起床
乾燥しすぎ。スマホの反応が若干悪くなる。
7:00 Venetianで朝食
すごく独特な味
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8:00 Venetianでキーノート
KYN202 – Keynote by Andy Jassy}
中央あたりで聴く。わくわくして楽しかった。 スライドに出てた弊社のロゴが間違ってて弊社慌てる
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公開されている公式のセッションの動画です。 https://www.youtube.com/watch?v=7-31KgImGgU
12:15 コンテナの可観測性のセッション観る
CON328-R – [REPEAT] Improving observability of your containers
CloudWatch Container InsightsとかFireLensとかAWS App Meshの紹介
公開されている公式のセッションの動画です。 https://www.youtube.com/watch?v=O1NQrIm_4cg
14:00 MTG
15:00 Venetianあたりで昼食
ベイエリアでインターンしてた時によく行ってたPanda Expressみつけたのでそこで。やっぱ美味い
16:00 AriaのQuadでぶらぶら
主にハードウェア系が集まってるところ。 セッション予約してたけど、行かずにQuadでぶらぶら
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Onicaのブースのゲームが面白かった https://onica.com/videos/aws-reinvent-2019-onica-createai-magic-interactive-lab/
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AWS IoT系の集まる家?に行ったりなど。
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17:30 VenetianのExpoでぶらぶら
広すぎて回りきれず。ちょこっとノベルティもらう。
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19:00 Japan night
JTBが毎年開いている日本からの参加者向けのパーティ。いろいろと交流させていただく。
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22:00 2次会・カジノなど
ブラックジャックやった。弊社社長に教えられながら無事$100溶かす。
25:00 ホテル帰還。就寝
すぐ寝た
4日目 (2019/12/04)
6:00 起床
本日は雨。ちょっと湿度が上がってよかった。
8:30 Venetianでキーノート
KYN203 – Global Partner Summit Keynote ちょっとパートナーの話は僕よくわかってないですね…
昨日のキーノートで間違ってた弊社ロゴは無事直ってた
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11:30 AriaでECS Capacity ProviderのBuilders Sessionに参加
CON319-R – [NEW LAUNCH!] [REPEAT] Build a highly available service using Amazon ECS capacity providers
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早速ECS新機能のCapacity Providerの情報を聞きに。便利そうだけど使いこなせるか微妙。 講師とも距離が近く、気軽に質問できる感じ。そこそこ英語力が試される。
13:00 Venetianの認定者ラウンジで軽食
あまりお腹空いてなかったのとVenetianのランチボックスが美味しくなさそうだったので、ラウンジで昼食 といってもスナックしかない。コメで作られたよくわからないスイートを食べる。味は悪くない。
14:00 DeepComposerのワークショップに参加
AIM223-R8 – [NEW LAUNCH!] [REPEAT 8] AWS DeepComposer: Get started with generative AI Deepシリーズの新しい仲間「DeepComposer」のワークショップ。参加すると実機がもらえるので大人気。運良く予約できた。
通常は、予約した人は10分前までに行けばよいが、話によるとこれについては30分以上前にこないといけないとか。 確かに50分前に行っても一瞬止められた。
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17:00 DeepComposerを受け取る
VenetianのSWAGで受け取り。
18:00 AWS Certification Appreciation Receptionに参加
AWS資格取得者だけが参加できるレセプション。
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昨晩のJapanNightと会場は一緒だが雰囲気が全く違った。日本人はほとんどいない。楽しかった。
22:00 ホテル帰還。就寝
カジノは無し。 連日の疲れがたまり、超眠いので早めにねる。
5日目 (2019/12/05)
6:00 起床
よく寝た。回復。
7:30 Mirageで朝食
一昨日のVenetianの朝食よりは美味しい。
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8:30 Venetianでキーノート
KYN204 – Keynote by Dr. Werner Vogels
NitroとかFireCrackerとかの話が中心 正直よく理解できてないけどわかった気になった
公開されている公式のセッションの動画です。 https://www.youtube.com/watch?v=OdzaTbaQwTg
12:00 昼食 & 街ブラ
この日は同僚とりラスベガスの街を歩いたりお土産買ったり。
ストリップ通りをAriaに向かってまっすぐ歩いた。 昼食は IN-N-OUT Barger。食べたの3回目。肉がいい。
ラスベガスで一番有名なBellagioの噴水を野郎2人で観る。すごかった。水が踊れることを知る。
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15:30 Ariaに歩いて到着
Quadを観にいった。 そのあとはMirageへシャトルバスで帰る
19:30 re:Playに参加
同僚とお客さんと参加。 各ホテルから無料のシャトルバスが出ているため、時間合わせて一緒にMirageから出発
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ライブ会場だけだと思ってたが、広い場所に何個かドーム状の建物があり、それぞれライブやアクティビティなどを楽しめる感じ。 ただ、ほぼ野外会場みたいなものなので寒い
ゲームしたりライブみたり飲んだり食べたりして楽しむ。
これにて私のre:Invent 2019終了。
23:00 Mirageの部屋に戻って荷造り
帰る準備。キャリーバックが小さめだったけど、お土産含めギリギリ。
24:00 カジノ
スロットやった。日本でもやったことなかったけど無事$100溶かす
26:00 就寝しない
帰りの集合時間が3:30AMなので、寝ないでおく。 この投稿を書いたりして時間つぶし
6日目 (2019/12/06)
3:30 ロビー集合・空港へ出発
遅れず来れてえらい
4:30 空港着・チェックイン
同僚の荷物が重量オーバー。僕はそんなに荷物なかったので、お土産の一部を日本まで持ち帰る。
5:00 保安検査場通過
保安検査場で、右ポケットにイヤホン入ったまま通過してしまいガン詰めされた。 テンパって何言ってるかわからずおどおどして保安官にめっちゃ怒られた。トラウマ
6:30 ラスベガス (マッカラン国際空港) 発
7:40 経由地 ロサンゼルス国際空港着
トランジットで5時間待機。
9:00 朝飯兼昼飯?
大好きPanda Express。
12:35 ロサンゼルス国際空港発
乗り換えだったからか、出国審査的なものはない。 13時間の長旅。そこそこ寝た。
7日目 (2019/12/07)
18:30 関西国際空港着・帰国
おつかれっした。大阪寒い。
感想
ラスベガスがAWS一色で、AWSの全てが集まっている感じ。とても濃厚な1週間で刺激的な毎日でした。 びっくりしたのは、規模のデカさとド派手さ。そして人の量。これは行かないとわからなかった。会場内歩くだけでヘトヘト。
「Ask me」と書かれた黄色いTシャツを着たスタッフがいっぱいいて、場所とかわからなければすぐ聞けたのはよかった。結構皆さん親切でした。
新サービスの発表は、皆さんの感想を聞くとそうでもないみたいな感じですが、僕はすごくワクワクしてエキサイティングでした。SageMaker StudioやDeepComposerなど、機械学習系は個人的にもっと触りたいなあと思いました。あとFargate for EKSの発表は、会場内も歓声が上がってました (むしろ歓声あがったのこれくらい?)
ぜひまた行きたい。
失敗
セッション予約をもっとすべきだった
事前にセッション (特にワークショップ) をちゃんと調べてもっと予約しておけばよかった。時間を上手に使えなかった。期間中に新しいセッションが次々公開されるので、随時調べてた。それで取れたものもあったのでよかった。
ノベルティなどの情報をキャッチできてなかった
Expoなどに行くともらえるノベルティを全然もらえなかった。初日に早めに行かないともらえないんだなと。上級者はしっかりともらえるものもらっててすごいなあと
乾燥対策不足
ナメてた。顔がすごく痛かった。
イングリッシュ
失敗というより、まあもっと勉強しようと。ちょっとは自信あったけど日に日にその自信は下降して行った感覚。話せなくても聞き取れなくてもせめて読めればそこまで不自由はないかなと。まだそれはできた (と思う) のでよかった。
他の国の人ともっと交流すべきだった
上のこととも関係するが、日本人以外とももっと交流できればよかったとガチ反省。せっかくアメリカいたのに。
元記事はこちら
「re:Invent 2019 紀行」
January 06, 2020 at 02:00PM
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革命を起こせるか?ゼインアーツ衝撃のデビュー作で、選べる3スタイルのキャンプ【今月のフカボリ!vol.5】
革命を起こせるか?ゼインアーツ衝撃のデビュー作で、選べる3スタイルのキャンプ【今月のフカボリ!vol.5】
  最終更新日:2019/08/17
 キャンプ用品
今月のフカボリでは、2019年衝撃のデビューを果たした新たなアウトドアブランド「ゼインアーツ」のミドルサイズシェルター「ZEKU-M (ゼクーM)」を徹底解剖!業界中が注目する次世代ブランドのテントは、期待に見合った性能なのか?上半期最大のインパクトを与えた注目のゼクーMの魅力を、今回もhinata編集部が実際に体験してきました☆
2019年期待の大型ルーキー「ゼインアーツ」って?
次世代を担う新ブランド誕生に業界中が注目!
ゼインアーツは、長野県松本市で誕生した期待の新星ブランド!発表と同時に話題沸騰し、一躍業界中が注目するアウトドアブランドになりました。
今年4月発売にもかかわらず、インスタでも愛用者多数!
ゼインアーツのアイテムは今年4月に全国で発売開始されたばかり。しかしインスタグラムにはゼインアーツのテントを投稿しているキャンパーがたくさん!流行に敏感なキャンパー達の心を鷲掴みにしていることがわかります。
話題のテント「ゼクーM」でキャンプしてみた
早速キャンプ場に♪
この流行の波に乗り遅れる訳にはいきません。今回も編集部が実際に体験してフカボリしていきます。 テントを持ってやってきたのは、フカボリライターのごーとく。ゼインアーツのギアの中でも特に人気のテント「ゼクーM」を使って実際にキャンプサイトを作ります♪
芸術性が高い!ってことは設営も難しい?
ゼインアーツのゼクーMといえばユニークなデザインが特徴ですが、芸術性が高いテントは設営が難しいというイメージがありますよね。
しかしこのゼクーMは、ワンポールタイプのテントであるため設営が簡単!まずは4隅にペグ打ちをし、ポールを立てると、四角錐の形に立ち上がります。 ここまでは他のワンポールテントとほとんど設営方法が変わりません。
次に、エクステンションフレームを3箇所取り付けていきます。この工程がゼインアーツの"あの形"の秘密です。このエクステンションフレームの採用によって、ワンポールテント最大のデメリットである圧迫感が解消されることになります。
ゼクーMの独創的なフォルムは、エクステンションフレームをすべて取り付けると完成します。デザイン性だけでかなりイケていることがわかり、このテントが話題になった理由がよくわかります。 最後にペグ打ちを終わらせれば設営終了。高い芸術性を持つゼクーMですが、設営はその見た目に反してそこまで難しくありませんでした♪
気になる☆ゼクーMの魅力をフカボリ!
キャンプ場で目を引く独創的なデザイン
一番の魅力といえば、遠くからでもゼインアーツのテントだとわかるほどユニークでクールなデザイン!私たちもこのテントを設営し終わった時には、思わず「おぉー!!」という声が出てしまいました♪ 大きく開口部が開き、風通しがよく開放感もあるため、ワンポールテントにも関わらず真夏でも快適に使えそうです。素材にもこだわっていて、軽量かつ強度の高いものを採用。新ブランドのアイテムとは思えないほど完成度の高いデザインに驚くばかりです。
圧倒的な居住性
ワンポールテントのデメリットといえば、デッドゾーンができることによる圧迫感。しかしゼクーMでは、その最大のデメリットがエクステンションフレームにより解消されていて広々と快適です! ワンポールテントとは思えないほど広々としていて、テント内での立ちながらの作業も全く苦になりません♪使える空間が増えたことによってサイトのアレンジも自由になり、クーラーボックスやキッチンアイテムだって置くことができてしまいます☆
前の開口部に加え、エクステンションフレームによってできた3枚も開くのでやはり涼しさも抜群!ワンポールテントの持つ多くのデメリットを解消したことにより、圧倒的な居住性を実現したのですね☆
サイトアレンジの自由度が高い
ゼクーMを使っているキャンパーさんのサイトを見てみると、そのデザインは十人十色。どのようなサイトにも溶け込むナチュラルカラーで、キャンプ場や合わせるギアを選ばないので、使う人によって雰囲気がガラリと変わります。一度買えば、あなたのエーステントになること間違いなしです♪
目指せフォトジェニック!3つのキャンプスタイルにチャレンジ♪
期待の新ブランド、ゼインアーツのゼクーMは魅力溢れるテントであるということがわかりました。そこでここからは、ゼクーMを使ってできる3つのキャンプスタイルにチャレンジして、それぞれの魅力を探っていきたいと思います。
シンプルに楽しむならリビングスタイルで
まずはベーシックに、ローチェアとローテーブルを合わせてリビングスタイル!シンプルですがゼクーMの居住性を最も味わうことができるスタイルです。 エクステンションフレームにより肩よりも上の圧迫感が解消されているので、外からの見た目以上に開放感がありました♪今回は持ってきていなかったのですが、空間がまだまだ余っているのでコットなどを置いておくのも良さそうですね!
付属のリビングシートを使って、お座敷スタイルでリラックス♪
付属のグランドシートを使えばお座敷スタイルもできてしまいます!マットやラグなどを敷いておけば、好きな時に好きなだけお昼寝できますね♪アウトドア好きだけどインドア派、リラックスしながらキャンプしたいという方におすすめのスタイルです。
さらに、お座敷スタイルなら人数が増えても大丈夫!チェアが必要ない分、より多くの仲間とテーブルを囲むことができます☆お花見やグループキャンプのリビングとして使うには、お座敷スタイルがぴったりですね♪
秋冬におすすめ!カンガルースタイルにも挑戦!
最後は小さめのテントと合わせてカンガルースタイル!最初は「本当に入るの?」と編集部も疑心暗鬼でしたが、意外にジャストフィット♪これなら秋冬のキャンプでも暖かく過ごすことができそうです! リビングスタイル、お座敷スタイル、カンガルースタイルの3つはどれも無理することなくかなり快適に過ごすことができました。機能性やデザイン性が優秀で、加えていろいろなスタイルでキャンプが楽しめるとなると、長く使い続けてもきっと飽きることなくキャンプを楽しむことができそうですね☆
ゼインアーツ ゼクーMの詳細はこちら▼
ゼインアーツ公式HP
まとめ
期待を裏切るどころか予想をはるかに超える魅力に、撮影中にもかかわらず編集部一同ほれぼれしてしまいました。格好良いフォルム、テント内の圧倒的な居住性、細部へのこだわりと文句のつけようがありません。 今回紹介したスタイルはあくまでhinata編集部が見つけたもので、ゼクーMの可能性は無限大!あなたも期待の新ブランド、ゼインアーツのゼクーMを手に入れて、あなただけのキャンプスタイルに挑戦してみては♪
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ごーとく
生粋のフィールドワーカー。アウトドアの未踏、未開に挑戦し、常識をアップデートします。
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timinaj · 7 years
Text
La La Land (04/04/2017)
書きたいことがうじゃうじゃ出て来たので、文章力のなさを曝け出しつつ、だらだらと書こうと思います。トイレに長くいる必要のある方のみ、お読みください。
突然ですが。 ロサンゼルスに行ってきました。笑
…もちろんです、NBA観戦のためです。 春休みのメンフィスが交換留学最後のNBA観戦のはずだったのですが。私の大好きなbroが、まさかのメンフィス戦のチケットを2年分の誕生日プレゼントとしてくださったので(笑)、エイプリルフールの嘘を考える暇もなく、今度はMike Conleyの手作り特大フェイスパネルを持って、週末パパッとLAまで飛んじゃいました。
…LAあっっっったかいいいいいい〜〜〜😭😭😭 晴れてる〜〜〜😭😭😭 (山がある〜〜〜😭😭😭 山に囲まれて20年間生きてきたのに、8ヶ月オクラホマにいると、山があることに感動するようになるみたいです。あ、山が恋しいわけではないですけど。そのくらい、まっっっっったいらやオクラホマです。笑)
それはおいておき。 メンフィスに行く途中、ダラスの空港で(Marc Gasolの特大フェイスパネルのおかげで)知り合った方がLAに住んでいらっしゃるということで、再開することができました〜〜〜! 彼にHollywood, Malibu, Griffith Observatory など様々な所に連れて行っていただき、また色んなお話をお聞きすることができました✨
カリフォルニアピザ。めっちゃ美味しかった。クリスピーで。ゴルゴンゾーラと梨のピザってなんなんだ。もう。ジェラートもギラデリのホットチョコレートもanimal styleのIn-N-Outも美味しかったし、あ、ホステルで朝の3時にロシア人のおじさんからもらった冷凍チーズケーキもとっても美味しかったです。あとポップコーン。(オクラホマ戻ったらまたジム行くので少しは許してください…笑)
ということで。Staples Center再上陸。数日前に設置されたShaqの銅像、めっちゃかっこよかったです。 足の裏までちゃんとデザインされてる!!! せっかくMike Conleyの特大フェイスパネルを手作り!したのに!!!Walmartで印刷したのに!!!やっぱりStaples Centerの警備は厳しくて、まずバックパックで行ったので、最前列に並んでいたにも関わらず、違う部屋に連れて行かれ…特別にスキャンさせられ、からのフェイスパネルは折ったのに😭、きっと捨てろって言われるよ、と鼻先で笑われました。(まあ、持ち込めたからオッケーですけどね、フフフフフ🙆🏿🙆🏿‍♂️🙆🏿🙆🏿‍♂️🙆🏿🙆🏿‍♂️)
必死に走りまくって、練習を観に行きました。 コンリーーーーーーーーーーーーーーいたーーーーーーーーーーーーーーーーやっぱかっこいいいいいいいいいいいい。😭💕😭💕😭💕 フェイスパネルをフリフリしたら、一気にシュートが入らなくなった(気がする)のですが…(気のせいだ)。お堅いusherには下まで降りちゃダメ、あなたの席はここ、って言われるし、フェイスパネルフリフリしてると、アウェイだし、でかいからやめろってどのポジションの方ですかってくらい遠くのusherがわざわざ注意しに来るし。人気なところはやっぱ厳しいですね。なんかクリッパーズの時より厳しい気がします。あと高い(弱いくせに。レイカーズファンのみなさんごめんなさい)。
でもコンリーが練習終わった時に遠くからみてるわけないですよね。必死に階段駆け下りて、サインをもらいに行きました。 コ(手を上げつつ…だったらしい…です…)「やあ君たち〜、元気〜?」(覚えてた〜〜〜〜〜〜) 私「めっちゃ元気!元気ですか?」 コ「うん、元気だよ〜」 私「あなたを見ないと日本に帰れないから来ました😭😭😭😭😭😭😭😭」 コ「Thank you. 」(いつもの目を見て言うパターーーーーーーーーーーンうわーーーーーーーーーーーーーーー) (ここからもう取り乱し始める私) 私「一緒に写真撮ってください!!!」 写真を撮ってくれる(もう涙) 私「頑張って〜〜〜ありがとう〜〜〜大好きです〜〜〜😭😭😭😭😭😭」 (こっちを見つつありがとうといいつつ去っていくコンリー)ちなみに去っていく瞬間に多分泣き始めてた、いや写真撮った時からですね、おかげでコンリーが心配そうなこいつ大丈夫か?みたいな目でずーーーっと見ながら去って行きました、なんか、もう、すみません、さらにサービスありがとうございました😭😭😭
もうーーーーーーーーーーーーーーーかっこよすぎてーーーーーーーーーーー外見だけじゃなくて、中身も含めてかっこよすぎてーーーーーーーーーー😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭 あんなに疲れてたのにーーーーーーーなんてやつなんだーーーーーーーーー😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭 席に戻りつつボロボロボロボロ泣きました😭 もうなんでこんなに泣くんだ私😭 なんであんなによく出来た人間なんですか、コンリー君は。しかも練習中音楽にノリながらシューティングしてるし。かっっっこいい。泣く。
ボロボロ泣いたおかげで、usherの方が”サインもらいに行く時だけは下に行って良いよ”と。やっさしい。(それにしても昼間のレイカーズ戦って本当に客少ない。サイン待ちも本当にいなかったです) Marc Gasolだの(スペイン語習ってて良かったです&もっと話せるようになりたいと思います、つくづく)、2年目(ルーキーじゃなかったwww)のAndrew Harrisonくんだの(静か〜にhow’s it going?って言ってくる当たり可愛い〜お気に入り〜)にサインもらえて(少し)話せて最高でした。
Staples Centerといえば私たちのVincent。usherです。12月のダラス戦で絶対降りちゃダメ、と言い争ったのに結局めっちゃ仲良くなった彼です。今度こそ会えてちゃんと連絡先交換できて良かったです。Vincent好きだわ〜😭
からのゲーム。 やっぱ燃えますね。アウェイゲームって。 Staples Centerで唯一好きなことは応援で、ファンが応援しやすいような曲や掛け声を常時使ってくれます。だから、レイカーズの応援とは全く逆の応援をしまくって、本当に…喉が痛いです、今(楽しすぎる)。 周りはみんなレイカーズファンなので、みんな私たちにブーブー言って、大声でレイカーズの応援をします。これがまた、楽しいんです!!!フェイスパネルいいねって言ってくれるし(笑) 彼らも私たちも楽しんで、仲良くなれるから、アメリカのこーゆー所、本当に好きです。
120パーセントグリズリーズが勝つと思っていたのですが、まさかの僅差で負けるという…大体スタッツリーダーなコンリーの調子が悪くて(私のせい…⁉︎なんかグリズリーズって見に行くたびに負けるんですけど…本当にすみません)、からのプレイオフ進出決定済みで、レイカーズ戦はそこまで重要じゃない=”rest”させるゲーム、だったから、怪我人はこぞってベンチでした。でも最後の最後でコンリーが立て続けにスリーを決めた時はもう、Max the Conleyだな、と実感しました。本当にディフェンシブなプレイヤーのイメージだったので、オフェンスでも中心的な選手になれるなんて…そろそろオールスターに出してあげてください。イケメンだし。
まあそんなことで、負けてしまってまた大泣きしましたが(笑)、日本に帰る前にコンリーを見納めできて良かったです。さすがにここまでおっかけてたらキモすぎてコンリーも覚えてくれてるだろうなって信じてます。コンリー、いつも素敵でありがとうございます。
それと比べると、コンリーはalways humbleで、本当に人間としてできている方だなー、と思います。オフコートでは、みんなにサインするし写真撮るし、プレー中は、キャプテンとしてPGとして言う時は言うし、やる時はやるし。大事な場面ではクラッチシュート決めるし。今まであったメンフィスファンは誰でも”コンリーは良い人。シャイでpoliteで、nice guyで。僕のことを覚えてるよ”って言ってます。そんなに目立った選手ではないですが、プレーだけじゃなくて人間性まで好きって認めてもらえることってなかなかないと思います。すごい。😭🙏🏿💕
あっそういえば。試合後に面白かったことがあるのですが、daytimeのゲームだったからかもですが、普通に選手たちがアリーナの外を歩いてました(笑) 私たち(?)のAndrew Harrisonくんは友達?みたいな人とふっっっっっつうに歩いてて(笑)、しかも周りにいる人たちはみんなレイカーズファンだから誰も声かけないし(笑)、むしろフェイスパネルを持ってる私たちに話しかけてくるし(笑)、だから、信号待ちしてるAndrewくんの所まで行ったら普通に話してくれました(笑) ア「how’s it going?」 私「元気!!!元気?」 ア「うん、でももっと健康にならないとね〜」(彼は怪我して出ませんでした) 私「そっか〜、メンフィス帰るの?」 ア「うん」 私「早くプレーみたいです、早く怪我治してください」 からのAndrewくんのお友達?マネージャー?さんがとても優しくて、一緒に写真を撮ってくださいました。からの安定の握手(ハグしてもらえば良かった、次の機会ってことで笑)。そして人混みに紛れてとことこ去っていくAndrew。彼はいい奴でした(笑) お香の匂い。これから私の推しメンです(笑)
Ennisくんは彼女?奥さん?と普通に外にいて、Uberに乗ってました(Uberの運転手になりたい…)。Zboは真っ赤なド派手の服着て、家族で歩いて出てくるし(ガン無視される。日本にいた時あんなに好きだったのにな〜)。と思えば他のグリズリーズのメンツはバスでブーンっと去ってしまうし。ホテルの出待ちはまさかのビバヒル疑惑でできませんでしたが、Brian Showの車見られたし、まあLAあったかかったし、いい経験になったってことでオッケーです😂
あ、そういえばこのゲームにベッカムいたみたいです。双眼鏡で見渡して、”あ、誰もいない”って思ってたのに…笑 LAってすごいです。色々と。笑
今はダラスで、5時間飛行機待ちしてます。ダラス空港、お世話になっております。
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yo4zu3 · 5 years
Text
さよならはキスのあと、(文庫再録版)
「うわぁ。今のシュート、すっげーな」
「っていうかその前のあれ。大柴にパス出したやつって……マネージャーじゃなかったっけ?」
「ああ、一組の君下だろ? 確かに一年の頃はそうだったけど、いつの間にか練習に混ざるようになったな。何でも中学の頃はスゲェ選手だったらしいぜ」
「へぇ〜そうなんだ」
「って、誰だよお前」
 へぇ、そうか。君下くんとキーチマンが幼馴染とは聞いてはいたけど、なるほどな。都選抜にいたという噂の彼女が、まさかこんなにも近くにいたなんて。
 給水していたらしい野球部員に混ざり、風間はにい、と白い歯を見せて大きく笑う。それと同時に両隣から大きく咳込む音がする。あれ、どうしたの? もしかして君下くんのパンツでも見えちゃった?
「風間ぁ! テメェ、サボってんじゃねぇ」
「サボってないよ〜」
「さっさと戻って来ねぇと外周追加するからな!」
 遠くのサッカーグラウンドから、聞き慣れた怒鳴り声が聞こえる。やべ、怒られちゃった。ぺろりと舌を出しながら笑ってみせると、野球部員は苦笑いをしていた。
 伝統ある聖蹟サッカー部には、他の部とは別に専用のグラウンドを与えられている。それが後から増設されたのか知らないが、専用グラウンドから給水所までがちょっとだけ遠いのだ。今も外周の合間に、先輩の目を盗んで給水しに来たって訳だけど……視力のいい俺には、黄色のビブスを着た君下くんが、鬼のような形相でこちらを睨んでいるのがよーく見える。あーあー、女の子がそんなに眉間に皺寄せちゃダメだよ。
「ふふ。それにしても、本当に俺はラッキーマンだな」
「いや、だからお前誰だよ……」
     ⌘ ⌘ ⌘    
 桜の花びらもほとんど散ってしまった四月。
 俺がサッカー部の部員として少しずつ練習に復帰するようになって、あっという間に半年が過ぎた。
 冬の選手権敗退と同時に三年生が引退し、卒業して、俺たちも無事進級して二年生となった。毎年恒例の大量の新入部員の面倒も見ながら、���ネージャーと選手の両立……これが慣れないうちは本当に大変だった。
 新キャプテン・水樹を筆頭に何かと個性派揃いの三年。幼馴染のバカとまとまりのない二年。それに加えて、今年の一年には期待のスーパールーキーもいれば、運動自体が全くの初心者もいるという。一気に倍近くに増えた洗濯物を目の前に、何度溜息が出たことだろうか。
 それでもストレスもフラストレーションも全てキックの力に変え、思いっきりボールを蹴った日は、心地の良い疲労感に包まれ熟睡することができた。ひどく懐かしいこの感覚に身を委ね、目を閉じればあっという間に夢の中だった。
「ラスト1周! おい来須! 顎が上がってんぞ、気合入れろ」
「がんばれつくしー」
「ちょ、なんで俺だけ……っていうか風間! お前も走れ!」
 カチリ。ストップウォッチの左側を押し、手元のボードにラップタイムを記録する。ピピッ。短い電子音に左手首に嵌められた、ラバー製の腕時計をちらっと見やれば、午後五時を過ぎた頃であった。二、三年のいるメイングラウンドはそろそろ基礎練に入った頃であろうか。
「おい、風間」
 ぎろり、と横目で隣に立つ黄色いジャージを睨みあげる。
 一年生に聖蹟サッカー部指定の黒ジャージが渡されるのは、たしか五月の合宿以降だったと記憶している。それまでは学校指定のジャージを代わりに着用するのが普通だ。そう、普通だったら。
「ん?」
「ん、じゃねぇよタワケ。スーパールーキーは外周免除、ってか?」
「さあ、俺は監督に好きにしろって言われてる」
 へぇ。低い声でそう呟けば、肩まで伸びた金髪を降らしながら、にこにこと顔を覗き込む。悪気のない笑みが逆に恐ろしく感じた。
 聖蹟高校サッカー部には毎年多くの入部希望者が訪れる。スポーツ推薦で入学したものだけではなく、名門という名に憧れて入部した者も多数いるのだ。それらをふるいにかけるかのように、新入部員たちには仮入部期間が設けられ、初日からシャトルラン百本という過酷な練習を強いられる。かくいうこいつも例外ではなく、初日こそは他の一年に混ざって真面目に練習に参加していたはずだ。
 だが正式に入部届を出してからというものの、いつしかこうやって俺の隣で一年の練習を見学するのが日常になっていた。たった数日で随分と偉くなったものだと思うが、三年や監督ですら厳しく注意できないのには理由がある。
「ねえ君下くん、ちょっとだけ俺と蹴らない? タイムはキャプテンが見てくれるっていうから」
「ほへ?」
「……ああ、いいぜ」
 じゃあ頼むわ、と未だ状況を理解していないであろう水樹へストップウォッチを手渡せば、笛を咥えたまましょんぼりとした表情で見つめられる。
 そりゃそうだよな。キャプテンだって、この噂のルーキーと早くサッカーしてぇよな。
「アンタはまだ怪我治ってねぇんだから、もう少しだけ我慢してくれ。治ったら血反吐吐くまで蹴らせてやるからな」
「わーお、それって愛の鞭ってやつ?」
「うるせぇ! さっさと行くぞ」
 ぴゅー……と萎れた音色で返事をした水樹には目もくれず、隣でクスクスと笑う金髪に蹴りを入れてやった。
「あ、そうだ。ついでに洗濯干してもいいか?」
「えー仕方ないなぁ〜」
 外周のスタート地点である校門前から、サッカー部専用のグラウンドまではそう距離はなかった。向かう途中で洗いあがった洗濯物を干すために部室に寄ると、明らかに部のものではないサッカーボールの跳ねる音がした。どこからか持ってきたのであろうそのボールは、風間の髪色と同じく派手な黄色をしている。それをうまくつま先で転がして、ビブスを干している俺の周りをドリブルしながらくるくると回り始めた。器用なもんだ。
「俺はいつからカラーコーンになったんだ」
「あはは。だって暇なんだもん」
「少しは手伝えバーカ」
 手にしていた洗濯バサミをつまんで開き、通り過ぎた金髪に向けて手を放す。ぱちん、と子気味の良い音がした。
「あっ?! いてててて! 絡まった」
「ざまあみろ」
 春の暖かな風が吹き、干した色とりどりのビブスが揺れる。鼻腔を擽る、清楚なせっけんの匂い。左手でビブスの裾を洗濯紐へと巻き付け、片方を挟んで止める。もう一個、と新しい洗濯バサミを取ろうと手を伸ばした瞬間、指先に感じる鈍い痛み。ぱちん。
「あっおい!」
「お返し」
「この野郎……」
「ねぇ、なんでサッカー辞めたの?」
 どきり。久しぶりに感じる、背筋が凍りつくような感覚。
 練習に復帰して以来、このことについて触れて来る者など誰一人いなかった。あえて触れてはこないが、それでも現二、三年は君下がマネージャーに専念していた時期を知っている。
 だが百歩譲っても入学したばかりの一年生に、それを問われる筋合いはない。それでも頭の中である一つの仮説が浮かび上がると同時に、目の前のこいつに限ってはあり得る話なのかもしれないと思った。
「……お前は俺のこと、どこまで知ってんだ?」
「んー、ある噂なんだけどね。俺らの一個上の都選抜に、すげぇうまい女が居たって話」
「やっぱりか」
「はは、当たりかな?」
 こくり、と頷いて見せると、そのまま俯いた。こいつに悪気はないのは十分に分かっている。まだ一か月も一緒にはいないが、なんとなくこいつは人を馬鹿にするようなタイプではないことだけは、その柔らかな雰囲気から感じ取っていた。
 サッカーっていうのは性格がプレーに大きく反映するのだ。ボールの扱いでそいつの女に対する扱い方が分かるぞ、だなんて、親父がよく言っていたっけ。
「辞めてぇねよ」
「そうなんだ」
 それだけ言うと風間は、再びボールを足先で突き始めた。手前に戻して、軽々と足の甲へと乗せてみせる。しばらくキープしたかと思えば、今度は軽く蹴り上げて首の後ろへと持ち上げた。
 ふん、スーパールーキーだか何だか知らないが、見たところリフティングじゃあ俺には遠く及ばない。だがしかし、大したやつだ。まるでボールが笑っているかのように、風間の身体へ自ら吸い付いてゆくのがわかる。相当蹴っているのだろう。ビブスを干しながら横目でこっそりと様子を見ていた。
「なんか噂で聞いてたのと印象違うなって思った」
「……」
「もっとこう、噂よりも女の子らしいっていうか」
「はあ? 俺が?」
 思わず手が止まってしまった。女の子らしい……? いやちょっと待てよ、そもそもその噂って何なんだ? まさか噂の中の俺は、ゴリラみたいな屈強で厳つい女とでも思われていたのであろうか。それではあまりにも失礼だ。失礼すぎる。
「あり得ねぇ……」
「え? どっちの意味で?」
「は? いや、その質問こそどういう意味だよ」
「きみした、終わったぞ」
 噛み合わない会話に、お互いの頭の上にクエスチョンマークを浮かべていると、君下の後ろから声がした。開けっ放しのドアのさらに向こう側から、ひょこり、と顔を出したのは水樹だった。先程渡した記録用のボードをひらひらと揺らして見せている。 
「あ、ああ。サンキュ」
「なんだ、蹴ってないのか?」
「君下くん、なんか洗濯しなきゃってさー遅いんだよね」
「テメェが手伝えば早く済んだだろうが」
 ごつ。受け取ったボードで頭を叩いてやると、思ったよりも鈍い音が響いた。奇人な見かけによらず中身のいっぱい詰まったお脳をしてやがる。これがキャプテンや喜一だったらぽこ、と間抜けな音がしていたに違いない。
「ほら、さっさと練習に戻れ。そのうち相手してやるから」
「へーい」
「アンタはウエイト行ってこい。とりあえずいつものメニューやって、終わったら柔軟付き合うから呼んでくれ」
「うん」
 俺の指示にぴょこぴょこ跳ねながら走ってゆく様はまるで二匹の犬だ。いたずらっ子だが賢いゴールデンレトリバーに、アホだが忠実な柴犬。やはりフォワードという生き物は扱いやすいな、と心の中で漏らすのと同時に、もしも俺がこのチームで司令塔ができたらどれほど面白いだろうと想像して、少しだけ笑った。
     ⌘ ⌘ ⌘
 初めて迎えた冬の選手権は、インターハイと同じくあと一歩のところで敗れてしまった。
 まただ。一年唯一のレギュラーだった俺は、夏と同じで、やはり何もできないまま試合が終わった。あと一歩のところだった。それでも負けは負けだ。
 この���合で三年は引退する。特別親しかった先輩が居たわけでもないが、それでも涙ながらに会場を後にしたあの寂しげな背中は、いつまで経っても忘れることができないだろう。
 そして二度目の、夏のインターハイを賭けた都大会決勝——……
 対桜木高校戦、前半終了時でスコアは一対一。下馬評では相手校のほうが有利とは言え、復帰したキャプテンも加わった聖蹟イレブンだって決して負けてはいない。
 息を切らしてベンチへ戻ると、唇を噛み締め、不安げにこちらを見つめる君下と視線が合った。何か言いたげな複雑な表情。だが突然隣に立っていた柄本に、君下よりも先に泣かれてしまい、その場にいた全員が度肝を抜かれてしまった。
「俺たちは勝つ、それだけだ」
 そういって泣いている柄本へと、得意の頭突きをかましてやった。あれは本当は柄本だけでなく、あんな泣きそうな顔した君下や、何よりも俺自身に言い聞かせていたのかもしれない。
 俺自身が俺の意思でこいつをフィールド上へと戻したというのに、その君下がいないと試合では勝てない。俺は自分の才能に胡坐を掻いていたことにようやく気がついた。
 だが本当はそうじゃない。君下がいなければ、俺は何の役にも立ちやしない。あのパスがなければ、俺は百パーセントの力を出し切れないのだと、この敗戦で嫌というほど思い知らされた。
「大柴! Bチームのセンターに入れ」
「ウッス」
 監督の声に、ふと我に返った。今は全学年を交えたミニゲームをしているところだった。Bチーム——オレンジのビブスのほうか。このチームの右サイドはルーキーの風間、左にはキャプテン、そしてトップ下には君下がいる。聖蹟伝統の三本の矢。後に控える冬の選手権は、恐らくこのメンバーで戦うことになる。
 風間や柄本が加わった新体制になって暫くが経ち、怪我で一時離脱していたキャプテンがいない間も様々なフォーメーションでずっと練習はしてきた。あとはいかに質のいい攻撃バリエーションを増やせるか。それが今後を戦い抜くカギとなるだろう。
 相手ボールからキックオフ。すかさずプレスをかけてボールを持たせない。自信のない体力面の心配をして、結局攻めきれないなら意味がない。体力なんてものは、少し走って今すぐに付くわけでもない。どうせ途中交代になるのだったら、一つでも多く仕事をせねば。与えられたこのポジションだって、今までの練習だって意味がない。
 そうだ。スコアボードに残らねば、努力することすら何の意味も持たないのだ。
「貸せ! こっちだ」
 積極的に相手に当たってボールを貰いに行く。生まれ持ったポテンシャルを使いこなせていないというのが、自分なりに分析した敗因だった。身体が大きくても足元が手薄にならないのが俺の才能であって、おまけに人よりも何倍も身体は丈夫だ。どんな高い球にでもヘディングで合わせることができるし、味方が上がってくるだけの時間稼ぎだってできる。あとはゴールにボールを押し込むだけだ。
 得意のルーレットを仕掛け、振り向いた先には大きく空いたシュートコース。思いっきり右膝を振りぬけば、インパクトの瞬間に手ごたえがあった。これは、入る。そう思った時には、どこからか現れた相手チームのディフェンダーにボールをトラップされていた。
「くそっ……!」
「惜しい。だが今のはいい攻撃だったぞ、大柴」
「臼井先輩……」
 大きくクリアーしたのは、聖蹟の守備の要・臼井だった。汗を拭う素振りを見せる割に、汗などどこにも掻いていないように見える。
 この男はいつもそうだ。守備が誰もいない手薄なところに現れて、鮮やかにボールを奪い去ってゆく。味方であることは頼もしいが、敵である今はいちばん厄介な存在であった。
「開始早々お前がこんなに走るだなんて、珍しいな。何かあったのか?」
「や、別に」
「そういえば一年の頃のあだ名、何だっけ。ふてくされ王子だったか」
「やめてくださいよ。俺は大統領以外呼ばれたことなんてない」
「はは、誰が呼ぶんだよそれ」
 ボールの流れに合わせ自陣へと緩やかに走れば、珍しく臼井が並走してきた。普段からゲーム中ではなくとも、俺に話しかけてくることなどまずない。一体何に目を付けられたのだろうか。ちらり、と横目で見やるも、いつもと同じキノコのような頭をしているだけで、それ以外に特段おかしい様子はない。これがクラスの女子の言っていたポーカーフェィスってやつなのだろうか。
「喜一、マーク振り切れ!」
「あ? んなこと言っても、誰もいねぇぞ!」
「チッ」
 いつの間にか、臼井は並走をやめてどこかへと去っていた。君下に言われた通り、念のため辺りを見回すがマークになど着かれていない。むしろ俺は絶好のポジションにいて、しかもフリーだ。
 君下のやつ、コンタクトしてねぇのか? いや、もしかするとこの場合、逆に見えてはいけないものでも見えてんじゃねぇの? コートの中のオレンジのビズスを数えてみるが、やはり自分を含めて十一人しかいない。良かった、ホラーのほうじゃなかった。
「おいコラ! 俺にパスだ! 浮き球のパス!」
 デカい身体でぴょんぴょんと飛び跳ねてみるが、いつもより視界が広がっただけでボールは回ってこない。それどころか、敵のフォワードまでもがボールを奪いに戻ってきているというのに、いつまでも君下がキープしている始末だ。
 風間には二枚のマーク、速瀬先輩には一枚。どう考えても俺以外にパスコースはない。
あいつ、ちょっと腕が訛ったんじゃねぇのか? そう思っているうちに、先にマークを振り切った風間へとパスが通る。生意気なルーキーはボールを持つとすかさず切り返し、あっさりとディフェンダーを躱してゆく。放ったボールは綺麗な弧を描き、ネットの中へと吸い込まれた。
「ナイス! 風間ぁ!」
「危なかったぁ! 灰原ちゃんがあと五センチ背が高かったら取られてたわ」
「いや、小さくねぇし!」
 練習試合でもないというのに、風間の周りには敵味方関係なく人だかりができている。輪に入れないまま、その場に立ちすくんで上がった息を整えていると、後ろから背中を蹴られて思わず一歩踏み込んだ。
「ってぇな……」
「テメェの目は何見てたんだよ」
「お前こそ、俺が取り憑かれてるだとか言って脅かすなよ」
 振り向けば、こちらをきつく睨みあげる黒い瞳と視線が合った。あれから俺はもう少しだけ背が伸びて、ついにはこいつとの身長差は竹の物差し一本分を超えた。自分の胸ほどの高さで膨れる頬をつついてやると、ぶぅ、と間抜けな音を立てて頬がしぼんだ。
「誰がそんなこと言ったか? あぁ?! ずっと臼井先輩にマークされてただろうが」
「は? どこにいたんだよあの人」
「知らねぇよ! ずっとお前の周りにいたのに気づきもしなかったのかよ。目ぇついてんのか」
「ンだとコラぁ!」
「はいはい二人とも、そこまでにしような」
 見かねた臼井が間を割ってきた。
 ここ最近はずっとこんな調子だった。いつしか犬猿の仲は復活していて、特に君下なんかは一年が入ってきてからというものの、毎日生理じゃないのかというほどに荒れ狂っていた。そういえば、二年に上がってからというものの、俺も君下と共に自主練することもぱったりとなくなった気がする。
「俺、交代します……こんなんじゃパスの出し甲斐がねぇ」
「いいのか? ゲームに入るの久しぶりだろう?」
「ハッ、そりゃいいわ。お前よりも来須のほうが多少はマシだぜ」
 俺のほうは見向きもせずに、ベンチの監督のほうへと真っすぐ駆けてゆく黒髪を、ただ見送ることしかできなかった。思ってもいない愚痴をこぼしながら。
「おい、大柴! お前も交代だ」
「は?」
 声のするほうを見やると、既にビブスを脱いで部室へと向かう小さな背中が視界に入った。その手前で監督は立ち上がり、俺へ向かって手招きをしている。
 もしかして今の言い争いでレッドとか、練習試合でもねぇのにそんなことはないよな……? 不満げに眉を顰めて駆け寄れば、もう君下の姿は見えなかった。
「なんで俺まで交代するんすか」
「いや、今のは確実にお前が悪いぞ。とてもじゃないが、最適な状況判断とは言えなかった」
「それは……」
「ちょっと頭冷やしてこい。最近のお前は、なんていうか……お前らしくないプレーをしている。君下だって、少なからずそのことには気付いているが、ただでさえマネージャーの仕事との両立は大変だ。お前が支えてやらないでどうするんだ」
 俺が支えてやる……どうしてそんなこと、この人は知っているのだろう。
 俺があの日、君下の背中を押した日。俺は誰にも言わなかったが、君下のことを支えてやろうと一人で決めた。女性らしくなりゆく事に怯え、大好きなサッカーも満足にできないこの弱い生き物を、俺が守ってやると決めたのだ。
 そう決めたはずなのに、今の今までずっと忘れていた。そんな大事なことを忘れるぐらいに、俺は自分の結果が出ないことに焦り、気を取られてしまったのも事実だ。ああ、なんて情けない男なのだろう。
「監督、ありがとうございます」
「お、おう……そんなかしこまられると気味が悪いな」
 大きな体を深々と折り曲げれば、さっさと行ってこいと強めに叩かれた。なんでもないそのパンチは、今の俺にとって痛いほどの感覚を残した。
「君下……何してんだ?」
 まだ自分のロッカーを持たない新入部員たちの鞄が山積みになっている部室の奥に、目当ての彼女の姿はあった。俺らの予想に反して、いつも通りのなんともない様子で掃除をこなしている。流石に泣いてはいねぇか。内心でほっと胸を撫でおろした。
「あ? お前もうへばって交代かよ」
「ちげぇよ。監督命令だ」
「違わねぇじゃん」
「ったく、勝手に言っとけ」
 君下の周りに積み上げられた、埃の被った大量のフォルダ。どうやら今までの対戦校のデータなんかを整理していたようだ。足の折れかかったパイプ椅子を引きずって持ってくると、それらを崩さないように君下の正面を陣取り、どさり、と腰かけた。
「へぇーこんなのあったんだな」
「一応はな。だがただ記録して取っておくだけじゃ、宝の持ち腐れってやつだろう」
「確かになぁ」
 一番上にあった緑色のファイルを手に取って、パラパラとめくって見る。古びて角が丸くなったそれは、主に新聞記事の切り抜きが挟まれており、見出しだけを読めばどうやら卒業生でプロになったものの記事だと読み取れた。流石は伝統ある名門校なだけあって、かなりの量のページ数があった。なんとなく昔テレビで見たことのある顔もちらほらいる。
「なあ」
「ん?」
「俺ってその……女の子らしいと思うか?」
「はぁ?」
 思わず聞き返してしまった。顔を上げればバツの悪そうな君下と視線が合う。いつの日か見た、茹でだこみたいに頬を真っ赤に染めて。
「いや、その……言われたんだ。思ってたより女の子っぽいって」
「誰にだよ」
「風間……」
「ふーん。俺からは、お前はお前だと思う、としか言えねぇな。何があったか知らねぇけど、お前のことはガキの頃から知っている俺にとっちゃ、そんな感じだ。性別っていうよりか、お前は君下敦って感じ」
「そうか……」
 バカでもわかるほどに沈んだ声を無視した。自分でも訳の分からない返しをして、手元のファイルに視線を戻す。ごく自然に、動揺を悟られないように。君下の口から出た意外な人物の名前に、正直ノーマークだったなと言葉を噛み殺した。
「ん?」
 相変わらずペラペラとめくり続けていた手元のファイルの最後のページをめくると、よく見知った顔が載っている切り抜きが目に入った。それは俺もいつかの朝刊で目にした記憶のある、まだ新しい記事だった。
 聖蹟二年・水樹寿人 十傑入り J鹿島と契約へ
「そういやいつの間にかプロだもんな……やっぱすげぇわあの人」
「お前だって目指すだろう、プロ」
 一瞬ちらり、とこちらを見上げた瞳。汗を吸ってくるりと外側に跳ねた髪の毛を耳にかけながら、まるで俺の心を刺すかのように真っすぐに向けられた眼差しにドクリ、と心臓が跳ねた。 
「あ、ああ」
「なんだよその気の抜けた返事は……まあお前にそのつもりがなくても、俺が連れてくからな。お前に俺の夢は託した」
 こつん、と音を立てて、君下の拳が俺の膝小僧へとぶつけられた。何やってんだよ俺は。俺がこいつを支えなきゃいけないはずなのに、結局はこいつに助けられてばかりだ。ピッチの中だけでなく、こんなときまで頭が上がらないだなんて男として情けなさすぎる。
「ったく、お前はいつも勝手なんだよ」
 サッカーを辞めると言った時もそうだ。
俺に夢を託しただなんて確かにそんな話をガキの頃してはいたが、君下が辞めてからは聞いたことすらない。小さく呟いた言葉は、こいつに届いたのかすらわからない。だが今はそれでいいと思った。
 結局のところ、俺にできることはただ一つ。それだけは変わらない、決定事項だった。
     ⌘ ⌘ ⌘
「俺たちにはまだまだ課題が山積みだ。水樹、」
「ああ。選手権まで時間がない。そのために今日俺たちは、全力で勉強する」
 チッ。思わず漏れた舌打ちは、静まり返った空間にやけに響いた。状況を呑み込めていない様子の面々を無視して、俺は半年前まで使っていた懐かしいテキストをパラパラとめくっていた。
 それにしても、この大きな家に上がるのもずいぶん久しぶりだ。壁一面に張り巡らされた水槽のポンプが、後ろでポコポコと心地の良い音を立てるのに耳を傾ける。
「なぜですか?! 元素記号を覚えれば勝てますか?!」
「それは君がバカだからだ、来須」
「諦めろバカ」
「テメェらもバカだから呼ばれてんだよ!」
 ギャアギャアとバカが騒ぎ立てる。失礼ながら俺にとっちゃ、ここに集められた奴はどいつも同じレベルの馬鹿だ。
 文武両道を掲げる聖蹟高校では、毎年赤点を取った者は夏休みに勉強合宿へと強制送還されるのだ。スポーツ特待生も特進クラスも関係ない。去年もこうやって先輩らが勉強を見てくれたお陰で、勉強合宿行きをギリギリで逃れた喜一は、文句も言わずに自らテキストを開いているようだった。ちったぁあのバカを見習え、バカ共が。
「君下先輩、なにメガネして賢ぶってんすか」
 小馬鹿にしたような顔でこちらを覗き込んでくるのは来須だった。確かに、特に後輩マネージャーの生方が入部してからというものの、選手として部活に参加する機会のほうが多かった。だから眼鏡をしていない俺を見慣れないのも頷ける。が、目の前のその生意気ヅラには一発お見舞いしてやらねぇと気が済まない。
「君下は二年の学年ト���プだ」
「え?!」
「え、じゃねぇぞタワケ共が」
 胸倉を掴み持ち上げ、来須の背にあったソファーに突き倒し、そのまま馬乗りになって殴りにかかった。男と女の対格差じゃ、俺は力でこいつに勝てるわけがない。できるだけ体重をかけるように腰の上に乗り上げ、抵抗する手首を捕まえる。来須は俺が重いのかそれとも恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして足をバタつかせながら逃げようとする。
「いやっ、ちょ、君下先輩! その、あ、当たってるから!」
「は? 何わけわかんねぇこと言ってんだよ」
「キャー君下くんのエッチぃ」
「風間、お前も後でシバく」
 ふざけた声のするほうをキッときつく睨むと、テレビゲームのコントローラーを握る風間と視線が合った。というか、こいつはいつからここに居たんだ? 俺が事前に臼井先輩に聞いたメンバーには、確か風間は含まれていなかったような気がする。
「っていうか遊んでんじゃねぇバカ!」
「えー俺勉強できるし」
「嘘つくな!」
 ほら、とどこからか持ってきたのか小テストらしきものを出してくる。来須の手首を掴んでいた手を離して皆で囲む。数枚あったそれらは全てに赤字で丸が付けられて、どの解答用紙にも名前の横に1の文字。まさか。皆が驚きの表情に満ちているあいだ、既に興味をなくしたかのように、風間の視線はデカいテレビ画面に釘付けだった。
「帰れ!」
 来須から飛び退き、風間の首根っこを掴むと、そのまま玄関までずりずりと引き連れ外へと放り出した。相変わらずへらへらと笑うこいつに悪気がないのが伺える。だがこいつは、いくら頭が良くても人にものを教えられるタイプでもないし、どちらかというと積極的に邪魔しにいくタイプだった。残念ながら今日この場には必要ない。
「何で来たんだよ」
「だって俺に内緒で楽しいことしようとしてたでしょ」
 俺の腕の中で首を絞められながら、ぷう、とふくれっ面をする風間はまるで子供のようだった。喜一やキャプテンとは違うタイプの子供だ。だがこいつは他の子供よりも勘が鋭かった。そしてそれを探るようなことも、知らぬ顔して平気でやってのける。
 つい先日も、柄本を連れて閉店前の君下スポーツへと尋ねてきたこともあった。扱いやすいがその分相手にしにくいところがある。
「何が目的だ?」
「えーそんなんじゃないよ」
「気持ち悪いな、はっきり言えって」
「じゃあ聞くけど君下くん、キーチマンと何かあった?」
「は?」
 意外な質問に、心の底からヘンな声が出た。こちらを見上げるキラキラとした大きな瞳と視線が合う。髪も長くて顔立ちも綺麗だし、こいつのほうが俺よりもよっぽど女らしいんじゃねぇの。いつかこの男に言われた言葉を思い出した。
「んなの聞いてどうすんだよ」
「別に、大した意味はないよ。ただ俺が聞きたかっただけ」
「……何にもねぇよ。あいつはただの幼馴染だ」
「ふーん」
 先程から質問攻めだというのに、聞いているのかわからないような声がする。なんだか腑に落ちなくて、首を絞める腕をもう一段上へと引き上げるとぐえ、と潰れたカエルのような声がした。
「ねえ」
「あ? まだ何かあんのかよ」
「さっきから、俺の頭におっぱい当たってる」
「……っ!」
「やっぱり君下くんって着痩せするタイプだよね。まな板生方とは違うわ、ってあれ?」
 ドサリ。ショックのあまり、何も言わずに風間を絞めていた腕を解くと、踵を返して玄関のほうへと歩き出す。中に入るなりバタン、と勢いよく閉めたドア。バクバクと跳ねる心臓が嫌にうるさい。
 いやいやいや、何してたんだ俺は。男勝りな性格なのは自他共に認めている。だからとは言え昔からの癖でつい、いつも喜一にやるようなことを、気を許した部員たちに平気でやってしまった。先程の来須の一件も、恐らく今と同じことだろう。
 ということはつまり、喜一もあえて俺に言わないだけで、今まで同じ思いをしてたってことか? いや、考えすぎるのはよくないぞ、敦。あいつは風間や来須以上に馬鹿なんだ。それに今更俺の事なんか、女として思ってなんかいないかもしれない。俺だってあいつの事、あいつの……。
「ふう……」
 考えを打ち消すように、ドアに凭れたままその場で大きく深呼吸した。その静けさに徐々に冷静さを取り戻し、俺は今日一体何のためにここに来たのかを思い出す。
 そうだ、この馬鹿共の勉強を見ねば。
 長い廊下を歩きリビングへと戻ると、既に学年ごとに纏まりテーブルへと着いていた。
一年の三馬鹿には生方と柄本と俺、一番やばいと噂の水樹には臼井がつくことになった。喜一は……まぁ放っておいても家庭教師の先生や、秀才な姉が何とかしてくれるだろう。それに今はなんとなく、あいつの顔を真正面から見れる気がしなかった。ソファに腰を下ろし、愛用しているシャープペンをくるくると回しながら、一年前に終えた数学の教科書へと視線を落とす。
「とりあえず、ここからここまで十五分で解け。一問でも間違えたらコロス」
「え……なんでこんなにキレていらっしゃるの……?」
「いいからさっさと解け」
 午後五時をまわり、とっくの昔に集中力の切れた来須たちは、働かない頭を必死に捻り唸っていた。人に教えるというのは案外疲れるもんだな、と同じく頭を抱える生方を横目で見て思う。柄本だけはいまだに根気強く粘ってはいるが、皆そろそろ限界だろう。
「腹減った……」
「そうだな。台所借りていいことになっているから、カレーでも作ろう」
 そう言って、真っ先に立ち上がったのは臼井だった。あの宇宙人相手に長時間勉強を見てて、流石に嫌気がさしたのであろうか。この場に女が二人もいるというのに料理を押し付けないのは、女子だけに任せないという優しさなのか、それとも自分がこの場から抜けたいだけなのか。どちらにせよ臼井先輩なら安心だ、とリビングを出ていく先輩の背を見送っていると、臼井は急に思い出したかのように振り返った。
「そうだな……君下、手伝ってくれるか?」
「あ? 俺?」
「流石に俺一人でこの人数分は時間がかかるからな……さて、行こうか?」
 ああ、この人は間違いなく何か企んでいる。薄い笑みを貼り付けた顔を見て、己の頬が引きつるのがわかった。どうやら拒否権はないらしい。
 重い腰を上げて立ち上がれば、毒とか入れそうというヤジが聞こえる。誰かわからないが検討はついていたので、とりあえず来須の頭に思いっきり拳骨を落としておいた。
「なんで俺なんすか」
 広いキッチンの奥で、臼井は玉ねぎの尻を落として慣れた手つきで皮を剥く。ずるり、と乾燥した茶色が剥け、中から艶々と輝いた身が現れた。なんてことないそれさえも、この家にあるだけで高価な物かと錯覚してしまうほどに、ここのキッチンはいつ来ても慣れなかった。
「ん? ああ、本当は生方でも良かったんだが、あいつに包丁を握らせるのは俺が怖くて、な」
「……」
「っていうのは冗談だ。ちょっと君下と話がしたくてさ。それに、この家の事なら当の本人より、お前の方が詳しく知ってそうだしな」
「はは……まあ幼馴染なんで」
 ピーラー、取ってくれる?そう言ってにこやかな笑みを浮かべる臼井の顔は、とてもじゃないが俺には穏やかには見えなかった。
 きっと何も知らないクラスの女子たちは、この貼り付けた笑顔でイチコロなのだろう。俺がまともな女じゃなくて良かったな、と改めてこの状況を客観的に見た。俺はまだ冷静だと、自分に言い聞かせて。
 トントントントントン……半割にした玉ねぎをリズムよく刻んでゆく。うちの切れない出刃包丁なんかじゃなく、ここのナイフはいつも新品のように手入れのされた素晴らしい切れ味だった。涙腺を刺激する厄介な汁も、今は飛び散ることがない。繊維の押しつぶされる音はなく、ただひたすらに、まな板と刃のぶつかる音。
 トントントントン——……
「へぇ。きっと料理ができるとは想像してはいたが、うまいもんだな」
「まあ、俺んち父子家庭なんで……こういうの慣れてるっていうか」
 隣のシンクの上ででジャガイモの皮を剥く臼井が、覗き込むようにして俺の包丁さばきを見ていた。いつ見ても綺麗に整えられた、シルバーに近い髪の毛がふわりと揺れる。
 何だこの人……女の俺よりもいい匂いがしやがる。それに思えば俺は今まで、臼井先輩にこんなに近づいたことはなかったことに気付く。妙な距離感に、不自然に心臓が跳ねる。クールだと言われる目元はもちろん、形のいい鼻、ピンク色の薄い唇なんかはセクシーだとさえ思う。
 いや、何を考えているんだ俺は! 普通、男の人にセクシーだなんて言葉を、しかも高校生相手には滅多に使わないだろう。動揺していることに気付かれまいと、玉ねぎを切る手元は緩めない。端まで切り終えると、まな板の脇に用意していたボウルにそれを入れた。
「あ、あの……ニンジンとか入れますか?」
「そうだな。じゃあ俺が皮を剥くから、先にこっちを切ってくれないか」
 そう言って臼井は、ずっと手の中にあったのであろう、綺麗に皮の剥かれたジャガイモを手渡してきた。受け取ったとき、不意に指先が触れた。それは驚くほど冷たくて、思わず臼井の顔を見やれば避けていた視線が合ってしまった。
「今、大柴の事考えただろう?」
 にやり、と三日月のように歪めた瞳がこちらを見ている。相変わらず冷めた瞳からは、何の感情も読み取れそうにない。確かにあの一瞬、臼井の指に触れたとき……喜一の体温を思い出してしまったのは事実だった。
 太陽みたいに大きくて、あたたかな掌の温度。自分は表情一つ読み取らせないのに、俺のちょっとした感情の変化にはすぐに気づいてしまう。ああこれだから、俺はこの人が苦手なのだ。
「いや、そんなこと」
「なんだ。お前たち、付き合ってるんじゃないのか?」
「なっ……!」
 その言葉に、思わず持っていたジャガイモを落としてしまった。まな板の上で何度かバウンドし、スリッパを履いた俺のつま先に当たり大理石の床を不規則に転がってゆく。丸く整えられてはいるが、きちんと芽まで処理されたそれはいびつな形をしており、真っすぐには進まない。転がるジャガイモを身体が反射的に追いかける。食べ物なので流石に足でトラップはしなかったものの、食器棚にぶつかって止まっていたそれを屈んで拾い上げる。ここの床は綺麗に掃除してあるし、洗って煮込めば問題ないだろうか。
「少なくともお前は大柴の事、好きなんだろう?」
「それは……」
 それは、よくわからない。
 これは本心だ。思い出せないほど遠い昔から、喜一は俺の憧れであり、ライバルであり、そして何より幼かった俺がサッカーを本格的に始めるきっかけでもあった。あの日、あの場所で大柴喜一という男に出会っていなければ、今の俺は存在しなかったと言っても過言ではないほどに。
「……っ」
 思わず指で触れた、己の唇。
 あの日、喜一の濡れた唇に塞がれて、そして自分も黙って受け入れてしまった。
「それは、俺にもよくわからないんです。本当に」
「そうか。最近あいつの様子が変なのは、君下、お前も分かっているだろう」
 確かに最近の喜一はどこかおかしい。
 喜一らしくない、というのが一番合っている気がする。黙っていれば、それを肯定と取ったらしい臼井は話を続けた。いつの間にか火にかけられた鍋のなかで、玉ねぎが焼けてジューっと音を立てている。
「俺はいくら副キャプテンであろうと、部員のプライベートに首を突っ込む気はない。顧問だろうと、後輩だろうと。それはわかるな?」
「ああ」
 次第にしんなりとして、黄金色に色づきはじめた具材をかき混ぜながら、臼井は続ける。伏せられた睫毛さえも美しい。全ての材料が揃い、あとは順番に炒めて煮るだけだ。手持ち無沙汰になった俺は洗いあがった器具をひとつずつ、時間をかけて拭いていた。
「お前と大柴が付き合っていようが、そうじゃなかろうが、結局のところ俺はどちらでもいいと思っている。いくら知っている仲とは言え、そんなことに口出しするのは野暮だからな。だがこれが部に悪影響を及ぼしていると判断すれば、俺だってそうはいかないんだ」
「悪影響、ですか」
「まあ、そんなに悪く捉えないでくれ。言葉を選ぶのは、頭のいいお前にとって失礼だと思っただけだ。下手に隠されるよりは幾分かマシだろう?」
 確かにその通りだと思った。俺は下手に本音を隠されるのは好きではない。そんな回りくどいことをするのなら、傷つこうが真実を述べてもらうほうがマシだった。学年も違えば、普段は戦術の面でしか話す機会がないというのに、本当にこの人は俺をよく理解している。
 全てが程よく炒まると、臼井はあらかじめ測っておいた分量の水を加えた。そして底から削るように大きく掻き回して、木べらを取り出し中火にして重い陶器の蓋を落とした。腰に手を当てた臼井の視線がこちらへと向く。夕日に照らされたシルバーは光を反射してキラキラと輝いているかのように見えた。
「それで、俺はどうすればいいんですか。まさか本当に付き合えとでも?」
「まさか。その気がないお前に、そんなこと言うつもりはない。ただ俺たちにとって、お前も大柴も大事なウチの戦力だというのは事実だ。特に大柴は、今では聖蹟伝統の三本の矢の一角を担っている。あいつの出来が今後を左右することは、お前だって百も承知だろう?」
「ああ……」
 ポコポコと音を立て、鍋の中身が沸騰したことを知らせた。重い鍋の蓋の隙間から湯気が上がることも気にせず、臼井は手元のボタンを操作してさらに弱火に落とす。
「そこでだ。俺が言いたかったのは、マネージャーのお前にもう少し気持ちの面でもコントロールしてやって欲しいってことだ。選手だったお前ならこの言葉の意味、わかるだろう?」
「マネージャーの俺、か」
「さて、あとはルーを入れるだけだ。ここは君下に任せるから、俺は少し向こうの様子を見てくるよ。生方だけじゃ、今頃手に負えなくなってると思うし」
 そう言うと、ぽん、と俺の肩に手を置いた臼井はキッチンを後にした。
 静けさを取り戻したキッチンに小さく響く、カタカタと陶器の蓋の震える音。テーブルの上には、既に人数分の皿とスプーンが用意され、その手前にはスーパーでお馴染みのパッケージのみが取り残されていた。へぇ、喜一もバーモントカレーを食って育ったのか、それとも今日の献立を決めた臼井が事前に買ってきたのか。この家に不似合いなそれが少しだけ可笑しかった。
     ⌘ ⌘ ⌘
 夜十時を回ったところで、勉強合宿初日はお開きとなった。お開きとは言え、ホストである俺はこの豪邸を哀れな部員たちの勉強の場として貸していただけで、あとは普段通りにドリルを持ったまま部屋をうろついていただけなのだが。
「さて、今日はこのぐらいにするか。夜更かしは美容にも良くない」
「うわ、なんか軍曹が言うと説得力あるな」
 ピンポーン——……
 それぞれがテキストを片付けていると、急に玄関先の明かりが灯り、来客を知らせるベルが鳴った。こんな夜分に誰だろう。
「俺出るんで、交代で風呂入ってください」
 そう言い残して、俺は足早に玄関のほうへと歩き出した。
 今日はお手伝いさんも随分前に帰ってしまい、両親は出張で一週間ほど帰らないと聞かされている。陰から水樹を見ていた姉の姿は確認したし、訪ねて来たのが身内ではないことは確かだった。誰だろうと脳内で考えを巡らせていたが、擦りガラス越しに見えたシルエットで大体の見当がついてしまった。
「何しに来た、風間」
 インターホンで出ればよかったな、とこの時思ったが後の祭りだ。スリッパを履き替えずに、土禁部分から長身を伸ばしてドアを押し開ければ、思った通り風間の姿があった。脇にへんてこな形の枕を抱え、そいつの髪色と同じ派手な黄色のビニール袋をいくつもぶら提げている。
「こんばんわ。今日泊まりなんでしょ? 俺も加わりたいなーって」
 ダメかな? にこり、と笑う姿は、どう見ても許可を待っているようには思えない。するり、と大きく空いた脇から中へと入り、スリッパも履かずに素足をペタペタと鳴らしてリビングへと進んでゆく。全くこいつは、頭が空っぽのようでそうでない。まるで読めないやつだと思った。
 合宿と称されたこの会は、泊りがけで行われることになっている。それなりに大きな家なので客間はあるものの、ここにいる全員が止まるには少しばかり狭く感じた。それに女子を同じ部屋に泊めるのは流石に気が引ける。そう話さずとも、マネージャー二人は自主的に自宅に帰ると言うし、母子家庭だという柄本も母が待っているからと帰っていった。順番に風呂に入ったあとは、特にやることもなく何も言わずに皆が居間へと集まっていた。
「この大画面でAV見たいわ〜持って来ればよかった」
「大柴先輩持ってないんすか」
「あー俺の部屋にあったかもしれねぇ。二階の角だ、入っていいぞ」
「大柴の部屋か、汚そうだな」
 それを聞いた来須と新戸部が、走って二階へと駆けあがってゆく。それ以外は適当に風間が持ち込んだ大量の菓子とジュースを広げ、テレビゲームをやったり本を読んだりと、皆が思い思いに過ごしていた。まあ野郎が集まったところで特にやることなんてない。水樹キャプテンに至っては、ソファーの裾に足を引っかけて、風呂上りにも関わらず一人黙々と筋トレをしている。どういう神経しているんだろうか。
「ねー、キーチマンは何フェチ?」
 ここに来てからコントローラーを握りっぱなしの風間が仰け反り、ソファーに腰かけていた俺を見た。今はゾンビのゲームをやっているらしく、ドロドロに溶けた血色の悪い人のようなものが近づいてくる。げ、薄気味悪ぃな。というか、こんな悪趣味なゲームが果たしてうちにあっただろうか。
「フェチというか、へそのラインが好きだな。だがデブはダメだ、話にならん」
「うわーいきなりキモいの来た」
「そういう風間はどうなんだ?」
 同じく長いソファーの反対側に座っていた臼井が、前かがみに座りなおして話に乗ってきた。思わぬ人の食いつきぶりに、危うく飲んでいた炭酸飲料が鼻から出るところだった。ゴホッ、ゴホッと少し咽て、涙の浮かんだ目頭を押さえる。
「おっぱい一択でしょ」
「はは、言うと思った」
「でも生方みたいな小さいおっぱいには人権はないぞ! 君下くんぐらいだったら全然アリだけど」
 ブフォッ!
 もう一度飲み物に口を付けた、数秒前の自分を呪い殺してやりたい気持ちになった。勢いよく吹き出すと、母が気に入っていたトルコだかインドだかで買ってきたという絨毯にポタポタ、とシミを作った。透明なので乾けばバレることはないだろうが、念のため明日お手伝いさんが来たら真っ先に伝えよう。うん、そうしよう。
「な……おまっ」
「お前、いつの間に生方だけでなく君下先輩のまで……揉んだのか?」
「揉んだわけではないかな。でも見りゃ分かるじゃん。君下くんは明らかに着痩せするタイプでしょあれは」
 こいつ……いつの間に君下にそんなことしたんだ?!
 それにしても、それををよくあいつが許したなと思った。許しが出たとしても、きっと後で酷いタコ殴りにされたに違いない。それほどまでに俺の想い人は、女扱いされることにコンプレックスを抱いていた。俺だって最近は、普通のスキンシップでさえ触れることもできないというのに。
 歯ぎしりが鳴りそうなほどに力んでいると、パタパタと足音がし二階から探索隊が戻ってきたようだった。
「ああ、確かにあれはデカかった」
「えっ来須まで?!」
「そうなのか?」
「いやいや水樹……お前は去年のこともあるだろ」
「え、何すかそれ」
 一年が目を輝かせて興味津々というように臼井のほうを見やる。副キャプテンが言っているのは、恐らくあの砂浜ダッシュの日のことであろう。
 だがよくよ考えて見れば、あの時近くにいたのは俺とキャプテンだけだったはずだ。俺がこんなことを言いふらす訳がないし、だとしたらまさかキャプテンが喋ったのか? 少しの疑心を持って未だ腹筋をしている水樹をちりと盗み見る。仮にもしこの人が臼井先輩に言ったとしても、きっと悪気はないのだろう。
「いや、君下が怒りそうだからやめとく。なあ、大柴? というか流石だな。尻派の俺には分からなかったな」
「軍曹のその顔は絶対嘘だな……」
「で、新戸部。大柴の部屋には何かあったか?」
 一瞬、臼井と目が合った。俺の心を読んだかの如く、この好奇心旺盛なサル共の気をうまく話を逸らしてくれたらしい。やっぱり何か知っているに違いない。こんなときはいつも、俺の嫌な勘は絶対に当たるのだ。
「それが、とりあえず一本しか見当たらなくて……見ろよこれ」
「うわぁリアルだな」
「わ、悪かったな悪趣味で」
「いやむしろ安心したッス。医者の息子もこんなの見るんだって」
 臼井の言葉に思い出したかのように、新渡戸は後ろ手に持っていたパッケージを見せた。それはエッチなガーターベルトを嵌めたナース姿の女が、患者らしき服を着た男の上へと跨っているような、そんなよくあるパロディー物のパッケージだった。うわ、こいつら懐かしいの見つけてきたな。思わずゴクリと唾を飲み下した。
「せっかくだから、この後ろのデカいスピーカーつけていいっすか? あ、でも大柴先輩のお姉さん、上にいるんだっけ」
「あーうちは全部屋防音だし、よく知らんがそんなにデカい音にしなきゃ大丈夫じゃねぇか?」
「よっキーチマン! さすが七光り!」
「え、なに? 怖い映画大会?」
 不意に一年の誰かが、パチン、と部屋の電気を消した。来須がDVDをセットする様子を、皆が後ろからじっと見守る。男子高校生なんて所詮は猿だな、なんて思いながらリモコンを手にし、何度も見たはずのそれに少しだけ期待に胸を躍らせながら、再生ボタンを押した。まあ俺も大概猿だなと思う。
 LOADINGの文字の後。映ったのは、いかにも安っぽいセットの部屋。お決まりの診察台にベッド、それにどこに使うのかさっぱりわからない折り畳みのパーテーションに、こういうビデオでよく見る偽物の観葉植物。今見れば馬鹿っぽく映るそれでも、まだ幼かった自分も当時は期待に目を輝かせていたのだろう。
「え、みんな抜くの?」
「わかんねぇ。状況次第だろ。俺は看護婦長に期待」
「ねぇこれゾンビなの?」
「俺は無理だな。水樹がこれじゃあそれどころじゃないよ」
 医者姿の男と看護婦、それに患者らしき男が出てきてチープな診察の演技が始まる。外来患者であろう男はなぜか既に病衣を纏っている。
 だがそれ以上に、俺には気になる点があった���だ。
「なんかこの子、君下くんに似てない?」
 ぴくり、と肩が跳ねた気がした。が、それを誤魔化すかのように、すぐにソファーの上で身動ぎして体重移動をした。隣には臼井が座っている。暗闇だから顔は見られないとしても、きっと些細なことで臼井には感づかれてしまう。そう思った判断だった。
 風間め……今俺が必死に違うことを考えようとしていたのに、まんまと核心を口にするとは。
 確かにこの女は、黒髪のショートヘアを外に跳ねさせたような髪型をしていた。背丈は君下よりも随分と小さいものの、切れ長の目は少しだけ目つきがきつくて、上唇がやや尖がってぷっくりと突き出していた。普段であれば最初の小芝居をすっ飛ばして本番から見てしまうのだ、ろくに女優の顔なんて覚えているはずがないことを、今は少しだけ後悔した。
『はぁっ……や、あ、せんせぇ……っ、み、見ないで』
「やべ、お前が変なこと言うから君下先輩に見えるじゃねぇか」
「そう? やっぱ違うわ」
「な、おま……なんて無責任な」
 タイトな服を捲し上げられ、患者役に見せつけるようにして股を開かせる医者。なぜこんなシチュエーションになったのかすら、今の俺の頭ではストーリーを拾えなかった。
 脳内で響く、甲高い高い声。
 ちがう、こいつは君下じゃない。
 君下のほうがもっと柔らかくて、肌がきれいで、引き締まっていて、それから、それから……記憶の中の姿を思い出す。ほら、やはりどこも似ていない。君下のほうが、俺にとっては何百倍も魅力的だ。
 それなのに、羞恥心を堪えて必死に声を出すまいと我慢する、画面の中の女優の顔から視線を外すことができなかった。
 折角客間に布団の用意をしたというのに、結局は俺以外の誰もがリビングから動くことはなかった。
 あの後AVに飽きたと言い出した風間が、どこからか持ってきたDVDを流し始めてそのまま映画鑑賞会となった。最近リリースされたらしい地球滅亡系のハリウッド映画や、こんなの良く知っていたなと言いたくなるほど古いSFムービー。結局二本目で俺以外の全員が寝落ちしてしまい、テレビを消して全員分のブランケットをかけて回るという始末だ。俺が他人の世話を焼く日が来るだなんて、夢にも思ってもみなかった。
 最悪だ。
 いくら新しい映画を見ても、俺の興味がそちらへ向くことはなかった。目を閉じれば、瞼の裏側にこびりついた君下に似た女優の姿。その後にも何人も出てきたのだが、最初のインパクトが強すぎてそれどころじゃない。
 正直に言うと、勃起した。クッションで隠してはいたが、俺の熱はそれを見終える最後まで硬いままだった。他の奴らがいて抜くこともできずに、結局はそのまま持ちこたえた。そして皆の世話が終わり、一人自室に戻ると猿みたいに自身を擦りつけた。記憶の中の映像と、現実のあいつを思い出して何度も、何度も。
     ⌘ ⌘ ⌘
 勉強合宿二日目。
 どうせ馬鹿共は遅くまで騒いでいたのだろうと予想し、開始を十一時にしようと勝手にこちらで話を進めた。駅前で集合し大柴邸への道のりを歩き、たどり着けば出迎えてくれたのは喜一ではなく姉の美琴だった。
「あ、おはようございます」
「おはようみんな。ごめんね、まだあいつら寝てるみたいなの」
 そういう美琴は困ったような笑みを浮かべている。それで中がどうなっているのか大体察しがついた。生方と顔を見合わせて溜息をつけば、さっぱりというような柄本が慌ててキョロキョロと交互に俺たちを見やった。
「み、みなさんおはようございます……」
「うわ、なにこの屍共」
「生方、片っ端から叩き起こすぞ」
 リビングのドアを開けると、まず目に入ったのは屍の如く眠る男たち。丸めて放られたブランケットに、テーブルの上に散乱するスナック類、使いっぱなしでジュースの色の染み付いたグラスまである始末だ。あのミスター聖蹟とも呼び声の高い臼井ですら、ソファーに横たえて綺麗な寝顔で眠っていた。
 俺たちが起こしに回っている間、柄本はブランケットをきれいに畳んで部屋の隅へと集める。流石は家事を手伝っているだけあるな、と少しだけ関心をした。
「ふぁ……おはようマナミちゃん」
「誰だよその女」
 いつの間に合流したのだろうか、風間の襟元を掴んで揺さぶれば、シャツが伸びただけで肝心の本人には全く起きる気配がない。それどころか全く知らない女の名で呼ばれた。呆れて言葉が出ないでいると、後ろから生方の見事な回し蹴りが飛んできて、風間の脇腹へとめり込んだ。
「うぐっ……これは、貧乳だな」
「誰が貧乳だ、ああ?」
 サッカーには使えないが、なかなかいい蹴りだ。ぐりぐりと足の甲を骨の間にめり込ませようと回す姿に、聖蹟の未来は明るいなと勝手に思った。
「あれ? そういえば大柴先輩はいないんですか?」
 洗い物を回収している柄本が急に声を上げた。そう言われれば、たしかに今朝は喜一の顔をまだ見ていない。あいつのことだ、雑魚寝などできん! などとぬかして一人キングベッドのある自室へと籠っているに違いない。
「ああ、そういえばそうだな」
「臼井先輩! お早うございます」
「おはよう」
 いつの間にか起きて着替えを済ませたらしい臼井がキッチンへと向かった。急いでいたのか、後頭部のほうが一束だけまだ寝ぐせがついたままだ。奥で冷蔵庫から牛乳を漁っている水樹キャプテンの姿も見える。
「そうだな、柄本は俺と朝食の準備……いや、この時間ならブランチかな。生方に片付けは任せて、君下は大柴を探してきてくれ」
「あ? いや、男の部屋に俺が行くのは」
「だがお前しか、この家の間取りが分からないんだ。ただ起こすだけでいい。行ってくれるか?」
 臼井がそう言うと、一瞬、新戸部がなにか言いたそうな顔をしたが、臼井が目で何かを言ったらしく大人しく口を閉ざした。いつもに増して柔らかな臼井の笑みも怪しい。なんだかそれが気に食わなかったが、どうやったってこの場の誰もが喜一を起こしに行く気はないらしい。
 ただ起こしに行くだけだ。ここまで言われて断る理由もないし、さっさと行って帰ってくればいいだけの話だ。
「い、行けばいいんだろ、行けば!」
「ああ、頼んだよ。そうだ、今朝はパンケーキだけど、君下もどうかな?」
 パンケーキというお洒落な言葉に、一瞬心が揺らぐ。朝食はいつも通り食べてはきたが、もう昼も近かった。
 それに皆に言ってはいないが、俺は甘いものに目がない。たまになら自分で作ったりもするが、人の作ったスイーツはなぜだか妙に美味しいものだ。違うからな、俺は決して食べ物なんかで釣られたりはしねぇぞ。頬が緩みそうになるのを堪えて小さく呟く。
「……食う。いちごも、欲しい」
「はは、わかったよ。買ってこよう」
 ぺた、ぺた、と音を立てながら、半螺旋の階段を上ってゆく。見慣れた階段のはずなのにどうしてだろう、今はやけに長い道のりに感じた。
 頭の中では昨日の臼井の言葉がリフレクションする。
 『マネージャーのお前にもう少し気持ちの面でもコントロールしてやって欲しい』
 あれから家に帰ってからも、この言葉の意味を考えていた。
 臼井の性格から考えれば、単に選手のモチベーションを上げるような言葉をかけるだとか、そういう次元の話をしているわけではなさそうだ。俺が思うに恐らく臼井が言いたいのは、今回の喜一が変なのは、俺との不仲が原因なんじゃないかということだ。今は特に大きな試合前ではないからいいものの、これが選手権の前だとチーム全体の迷惑となる、とでも言いたいのだろう。
 だがどうしろというのだ。もしこの場を、喜一との仲直りの場だとして提供されたとしても、それでは根本的な問題の解決とは言えないだろう。それに喜一とは今までいろんなことがあったが、俺もあいつもいつも肝心なことは何一つ言わないのだ。本当は自分でもわかっている。俺の憧れが、この関係が壊れるのが嫌で、俺は自分の気持ちに正直になりきれていないことを。 
 コンコン、
 深いブラウンの大きな扉をノックしてみるが、思った通り返事はない。
 臼井の言う通り、この家のドアはどれも同じ形と色をしていて、おまけによくある下げ札などされていないので見分けがつかない。この家には何度も来たことはあったが、部屋に入ったのは果たしていつぶりだろうか。変わっていなければ、今立っている目の前のこのドアの向こうのはず。
「おーい、喜一」
 斜め向かいの部屋は確か、姉の美琴の部屋だった。闇雲に廊下で叫んでも迷惑になるだけだ。それにこれだけノックして起きないのなら、外から何を言おうが無駄だろう。
意を決してドアノブに手を駆ければ、がちゃり、と音を立てて重く高級感のあるドアが開いた。
「うわ、相変わらず汚ねぇ部屋だな」
 そこはゴミというゴミはないものの、溢れかえった物が散乱して十分な足の踏み場が確保できなかった。スリッパを履いたつま先で軽く避け、一人が通れるぐらいの道を作りながら歩き進める。昨日喜一が歩きながら読んでいたドリルも、足元に転がっていた。
 恐る恐るベッドのほうへ近づいた。ブランケットを頭まで被った大きな塊は、ぐうぐうと音を立てて規則正しく上下に動いている。デカい芋虫め。声をかけるも反応がない。それどころか俺の声が鼾にかき消されているほどに、こいつは熟睡しているようだった。昨夜は相当遅くまで起きていたのだろう。
「おい、起きろ馬鹿」
「……」
 強めに揺するが、風間同様になかなか意識は戻って来ない。無駄にデカいベッドの端っこで寝ているので、力を入れようにも腕が届かない。片膝だけ乗り上げていたのを今度は完全にベッドに乗り上げて、おまけにブランケットもめくって耳元で大声で喋ってやった。
「おい! いつまで寝てんだボケ!」
「ウっ……るせぇー」
 鼓膜に響いたのか、肩眉を上げて顔を歪める喜一。ざまあ見やがれ。
 喜一はいつも寝起きが悪い。低血圧なのか知らないが、意識が戻ってから動き出すまでにかなり時間がかかる。とりあえず反応はあったことだし、あとはこいつのお粗末な脳が起きるまでここで待つのみだ。己の身体を反転させ、大きな身体を背もたれ代わりにして座り、そこら中に散らばるものを積み上げてタワーを作っていた。
「何でこんなに物があるのに、こいつの部屋には収納がないんだ。無駄にお洒落にしやがって、デザイナーの設計ミスだろ」
 ブツブツ文句を言いながら偶然手にしたのは、ナースの格好をした女が映るDVDのパッケージ。その姿に医療関係の何かかと思い、ろくに見もせずにタワーの一番上に重ねた。
「は? いやいやいや……」
 そもそもいくら医者の息子だからって、喜一の部屋に医療関係のDVDなんてあるわけがない。ここに腐るほど積んでいるサッカー関連のものならまだわかるが、それ以外に興味を示したことが今まであっただろうか。不審に思い、もう一度それを手に取って裏を見れば、どうやら様子が違うことはすぐに分かった。
 ナースの格好はしてはいるが、靴下が腿の上まであったり、下着が丸見えだったりと如何わしいものばかりだ。それに誰のか分からない性器にモザイクがかけて映っている。
うわ、こいつ、こんなのが趣味だったのかよ! 見慣れないものに思わず視線が釘付けになっていると、後ろから伸びていた逞しい腕に気が付かなかった。
「おわっ?!」
 もぞもぞと起きていた喜一に、アダルトなパッケージに夢中になっていたところを後ろから抱き竦められた。ちょうど腹のあたりを太い腕に巻き付かれ、ブランケットの中に招き入れらる。ふわり、と鼻腔をくすぐる喜一の匂い。もう一年も前になるあの合宿の日も、こうやって同じベッドで抱きしめられていたことを思い出した。
「ちょっ、喜一!」
「うるせぇな、耳元で叫びやがって」
「やめ、耳元でっ……しゃべん、なァ!」
 背中を丸めて距離を縮めた喜一の、熱い吐息が耳元にかかる。仕返しなのだろうか、だが喜一は絶対にわざとやってやがる。避けようと首を竦めるが、大きな体にホールドされて身動きが取れない。寝起きの余計に低い声が直接鼓膜へと響き、腹の奥がじんわりと痺れる感覚がした。びりびりと震える肩。な、なんだこれは。
「何見てたんだ?」
「べ、べつに……あっちょっと!」
 するり、と大きな手が伸びて、俺が左手に握っていたDVDを取り上げた。こんなものを異性の��馴染に見つかるだなんて、俺は被害者じゃないが、俺だったら絶対に御免だった。
 それに、その、なんというか……さっきから俺の尻のあたりに、喜一のモノが当たっている……気がする。朝だしこれが生理現象気なのは、保健体育の授業で習っていて頭では理解してはいる。だがこの状況では、それとは違う気まずい空気が流れる。
 パッケージをじいっと見つめる喜一は黙りこくっていた。やばい、流石に怒っただろうか。
「……」
「えっと、き、喜一」
「あーやべぇわ、思い出しちまった」
「え?」
 そう呟く前に、俺の唇は喜一の熱い唇で塞がれていた。
     ⌘ ⌘ ⌘
 眠りにつけないまま朝日を拝み、気がつけば心地の良い微睡みの中にいて——
 ああ愛しい声がする。
 俺の名を呼ぶ、愛しい声が……。
「おい! いつまで寝てんだボケ!」
「ウっ……るせぇー」
 ゆさゆさと身体を揺さぶられ、誰かが俺の睡眠を邪魔しようとしている。寝不足の脳にはまだ酸素が行き渡らない。鼓膜の強く震える感覚。ったく、誰だよこんな人の耳元で叫ぶバカは。
 被っていたはずのブランケットは首元まで引きずり降ろされ、閉じた瞼越しに太陽の光を感じた。眉間に皺を寄せていると俺を掴んでいた手が離れ、代わりに脇腹のあたりに寄りかかる一人分の体温。ひどく懐かしく、そしてあたたかい。次第に頭が働き始めると、俺様をソファ代わりに凭れている女のぶつくさ言う小言が聞こえてくる。聞こえてくるのは君下の声だけで、コイツ以外はこの部屋には誰もいなようだ。そうか、それならいいだろう。
「おわっ?!」
 腕を伸ばして抱き寄せれば、何かに夢中だったらしく驚いたのかヘンな声がした。相変わらず可愛げねぇな。細身の身体をしっかり抱え、ブランケットの中まで引き込めば抵抗はしなかった。黒髪に鼻を埋めると、ほのかに感じるいつもの君下の香り。最近はこうやって触れることもなかったので、随分と久しぶりに感じる。そういえば、俺が合宿で同じようなことしたのも、もうそろそろ一年前になるんだな。
「ちょっ、喜一!」
「うるせぇな、耳元で叫びやがって」
「やめ、耳元でっ……しゃべん、なァ!」
 仕返しとばかりに、身体を曲げて耳元で話しかけた。とびっきり低い、甘い声を出して。それに身体が反応したのか、震えるように絞り出された抵抗する気のないような声。
 あーかわいい。お前はそうやって素直にしてりゃ、他の女なんか目に入らないほどに可愛いのに。きっと今さえも顔を真っ赤にして、涙目を必死にこらえているのであろう。
 ふと見やれば、ブランケットの端からはみ出ている、小さな手に握られたパッケージ。なんとなく嫌な予感がしてそれを奪い取ろうと手を伸ばす。
「何見てたんだ?」
「べ、べつに……あっちょっと!」
 軽々と取り上げたそれを見て、一瞬息をのんだ。昨夜リビングの大画面で、皆でで見ていたナースもののDVD。その中に出てくる君下に似た女優。そして風間が何気なく言ったあの一言。そしてそれをオカズにして猿のように抜いてしまったことも全部。
「……」
「えっと、き、喜一」
「あーやべぇわ、思い出しちまった」
 全部、思い出してしまった。
「んっ……!」
 気が付けば、目の前のその唇を塞いでいた。
 あの日以来、見ないようにしていたふっくらとした唇。薄く開かれたそれに視線が釘付けになり、こくり、と俺の喉仏が動くと同時に頭の中の何かが切れる音がした。
 少し驚いたように見開かれた瞳と、至近距離で視線が合う。相変わらず抵抗はない。舌なめずりをするように君下の下唇を舐めてやれば、ほんの少しだけ開かれたその隙間にぬるりと舌を滑り込ませた。
「ん、んああっ……だめ、」
 流石にがっつき過ぎたのか、顔をぷい、と逸らせて絡めていた舌を避けられてしまった。伏せられた睫毛には心なしか涙の雫がついているように見える。
 果たして本当に嫌だったのだろうか。君下が強く握りしめているシャツの下、俺の心臓のあたりが少しだけ痛い。
「今更ダメって、夜這いしてきたのはどっちだよ」
「はあ? なんだよ夜這いって……それにもう昼前だぞ」
「関係ねぇ」
 そう言ってそっぽを向く小さな顎を掴んで、こちらへと向けさせる。涙で潤んだ瞳に、ほんのり赤い目尻。唇は俺の唾液で艶めかしく光っている。寝起きだということもあり、すっかり硬くなっている下半身を擦るように君下に押し付ければ、不安気に瞳が揺れる。
チッ。君下でもないのに、俺の口から思わず舌打ちが漏れた。
「あーやめた。お前にそんな顔されちゃ、こっちは何にもできねぇよ」
「えっ」
 解放してごろり、と君下に背を向けて横になった。胸のあたりまで落ちていたブランケットを再度引っ張って頭の上まで被る。やってらんねぇ。なんだよ、お前から来たくせに、あんな不安そうな顔しやがって。やっぱり俺じゃ嫌だってことかよ。
「風間には触らせたんだろ」
「な……」
「あいつは良くて、俺はダメなのかよ」
 ああ嫉妬とは、なんて醜いものだろう。そんなこともお構いなしに感情に流されるまま、腹の底から出た低い声で問う。
 そうだ、俺は風間やキャプテンに嫉妬している。自分の気持ちに気付いていながら、それをどうしたってうまく伝えられずにいて。月日だけが延々と流れてゆき、それでいて他の男たちに絡まれる君下に、俺は焦っていたのかもしれない。
 結局は一年前から何ら変わっていないのだ。ふて寝した俺の背の後ろ側で、突き放された君下が今どんな顔をしているのか知る術もなかった。
「なんだよそれ。お前、本っっ当に馬鹿じゃねぇの」
 地の割れそうなほどの低い声が鼓膜に響いた。馬鹿という、今はもう聞き慣れた言葉にピクリと身体が反応したが、何も言い返す気になれなかった。というよりも、何も言えないほどにその低い声に恐怖している自分がいた。
「お前、昔から語彙が足りなすぎるんだよ。風間がどうとか、そんなのは今はどうでもいい。俺はお前の気持ち一つすら聞かされずに、こ、こんな事されんのかよ」
 背中に痛いほど刺さる、君下の言葉。
 ああそうだ。確かに俺たちには圧倒的に言葉が足りない。長い年月を共に過ごしているうちに、知らないことが知っていることよりも少なくなってしまったのも事実だ。何も言わずに傍に居れる関係でも、言わなきゃ分からないこともある。たとえば、この話だってそうだ。
「なんだよそれ……お前だって何にも言わねぇじゃねぇかよ! あの日だって普通にキスも受け入れるし、俺はその気があるんだと……そしたら来須には跨るし、風間には身体触らせるし……俺の勘違いだったんじゃねぇかって思うと」
 言い終える前に、気持ちが先に走り出した。言葉にしながら勢いよく振り返れば、タイミングよく飛びついてきた君下の唇と俺の唇がぶつかった。がり、と歯のぶつかった、色気のない接吻。その痛みさえも全て包み込むように、君下の身体へと腕を回して唇を貪った。
「ふっ、ん……敦、あつし……好きだ、すき」
「ん、あっ、いま、しゃべんな……ばーか」
 一瞬、お互いの視線が絡み合い、ふふ、と笑いが漏れる。
 ああ、さようなら。俺の殺して埋めてきた初恋も、いまは温かな太陽の下、こうして二人でくだらない事として笑いあえるのだから、きっと少しは救われるだろう。再び口づけを落とせば、示し合わせたかのようにそっと瞼を閉じた。
「あ、まって、おい敦……んっ」
「はッ……もう、待たねぇよ……っ」
「ちょ、あっ……ほんとに、待てって!」
「あ?」
 先程までの恥じらいが嘘のように、積極的に舌を入れてくる君下を制した。俺の理性がなくならないうちに引き剥がせば、とろん、と蕩けさせた瞳を不思議そうに潤ませてこちらを見ている。少し折れかかっていた己の熱がぐんと質量を増すのを感じながら、小さく苦笑いした。
「俺、まだ肝心なこと聞いてないんだけど」
「へ……?」
 わけが分からないという顔を向けてくるが、俺は騙されない。今日こそは絶対に吐かせるという意気込みを込めて、座りなおした胡坐の上に君下の身体を持ち上げて乗せる。いつもは身長差のせいでちぐはぐな視線だが、こうして座ればもっと近づけるし、何より今は同じ目線の高さに君下の瞳がある。真っすぐにその瞳を見つめると、心当たりがあったのか少しだけ視線を逸らされた……ような気がする。
「お前は俺のこと、その……どうなんだよ」
「まさかここまでさせといてわざわざ言わせるのかよ」
「俺だけ言うのはずるい」
 なあ、と顔を突き出せば、君下の上半身は少しだけ後ろに仰け反った。手で支えてやれば、俺の前に胸を突き出すような体勢になる。なるほどな、確かに風間が言う通り、思ったより君下の胸は大きいようだ。まるい弧を描く双丘のあいだに、ぽふ、と顎を乗せてやれば、やわらかな感触が当たる。
「へんたい」
「もう俺のだ、何とでも言え。それで?」
「う……」
 抱きしめる腕に力を籠める。どこにも逃げ場なんて今更ないっていうのに、それでもささやかな抵抗をしようとする腕の中の存在が愛しくてたまらない。寝起きでボサボサであろう俺の髪をいじりながら、気を逸らそうとしたって無駄だ。もうこの手は放してやらないのだから。
「キスしてくれたら、教えてやってもいい」
 彼女いない歴十七年に別れを告げるのは、どうやらキスのあとらしい。
     ⌘ ⌘ ⌘
「好き……俺はずっと、喜一のこと、好きだった」
 言葉にすれば、それはあっという間に空中に消えてしまいそうで。少し泣きそうになりながら、俺はありのままの気持ちを正直に告白した。ばくばくとうるさい心臓が、ぎゅう、と締め付けられたように苦しく、切ない。これがきっと、恋をしているということなのだろう。
「んっ……すき、きいち……んん、すき」
 好きという気持ちと共に、ぼろぼろと溢れて止まらない涙。頬がつめたく濡れるのも構わずに、俺は夢中で喜一の唇に吸い付いた。この胸を渦巻く気持ちを表すのに、言葉だけじゃ本当はちっとも足りていない。唇から唇へと、想いがそのまま伝わればいいのに、なんて。非科学的なことを考えてしまうほどには、今の俺には余裕なんてなかった。
「ん、分かったから、泣くなって」
「あっ……ばかぁ、すき、だから……っ」
 熱い指先が俺の頬を撫でた。涙を擦り付けるように何度か軽くこすり、そのまま指は滑り俺の唇へと差し込まれる。しょっぱいのは、涙の味なのか。舌でしゃぶっていると、喜一の顔が近づき、涙を拭うようにべろりと頬が舐め上げられた。
「ふふ、犬みたい。バカ犬」
「うるせぇ。バカだとか好きだとか、忙しい女だな」
 再び唇に口づけられる。何度も、何度も角度を変えて重なる唇。気持ちいい。触れるたびに、甘く切ない痺れが下腹部に集まる。もっと、もっと欲しい。胡坐をかいた喜一の上に跨っていることも忘れて、快楽に任せて下半身を擦り付けようと勝手に腰が動いた。いつのまにか、涙は止まって頬は乾いていた。
「うわ、やらしー」
 喜一のとびきり低い声が、耳元で鼓膜をびりびりと揺らす。こいつ、わかっててやっているのだろうか。煽られているようでそれが余計に興奮させる。再び口付けながら、喜一の逞しい首に両腕を回せばそのまま後ろへと押し倒された。背中に触れた、やわらかなクッションの感覚。見上げれば、そこには余裕のなさそうな顔をした、俺の愛しい人。真っすぐと俺を見つめるその瞳は熱を帯びていて、まるで獲物を狙う獣のようにぎらついていた。
 ああ俺はこの男���、今から抱かれるのだ。
     ⌘ ⌘ ⌘
「ん、はぁ、ああ……っ、あ、あ」
「敦、好きだ……すき、ん、っ」
 お互いの唾液で柔らかくなった唇を吸い続ければ、敦のブラウンの瞳はどろどろに溶けきったようだった。時折秘部を擦り付けるかのように揺れる腰が、気持ちがいいと訴えているようで。焦る気持ちを抑えようにも、俺の理性だってもうギリギリだった。快楽に溺れそうな好きな女を目の前にして、それはいつ切れてもおかしくはない。 
 唇を味わいながら、震える指で胸の前のボタンを外してゆく。センスのない星柄のブラウスも、今はもう目に入らない。それにどんなにダサい服を着ていようが、脱がしてしまえば同じことだ。
「あ……やだ、恥ずかしいから……」
 すべて外し終えれば、真っ白な日焼けしていない肌があらわれた。真っ先に視線が行くのは、風間の言う通り着痩せするタイプらしい豊満な胸。やわらかそうな双丘を包む下着まで柄物かと思いきや、意外にも黒のレースのついたシンプルなものだった。敦の白い肌によく映える。やっぱり黒の下着ってエロいな。それにしても。
「なんか、アレだな。窮屈そうだな」
「あ、いや……それは最近急にデカくなってきて……」
「まさか買い替えてねぇっていうのか」
 両腕で顔を隠されて表情が見えないが、恐らくは当たりだろう。今度なにかのタイミングでちゃんと敦に合ったサイズの下着でもプレゼントしてやろう、と頭の隅で考えつつ、背中に腕をまわしてパチン、とホックを外した。
「あっ」
 意外にも簡単に外れたホックに、俺は内心で少しだけ安堵した。緩んだ布を剥ぎ取るようにして敦の腕から引き抜けば、今度は両手で大きな胸を抱えて隠していた。
「なんで隠すんだよ」
「……恥ずかしい」
「全部、見せろよ。俺はお前を……敦を俺だけのものにしたい」
 そう言えば、顔を真っ赤にしてそっぽを向く敦。……そりゃそうだよな、つい最近まで女であることを誰にも見せたくなかったのだ。ここまでしておいて、俺は急に冷静になりはじめていた。
 何を急いでいるのだろう。まだやっと、お互いの気持ちに気付き合えたばかりではないか。こいつを誰にもとられたくなくて、それで必死になって心だけでなく、身体まで手に入れようとして。頭は冷静でも、俺の下半身は今にも射精してしまいそうなほどに張りつめていた。それが情けなくて鼻で笑って誤魔化すことしかできない。
「悪い……こんなことするの、俺たちにはまだ早すぎたよな……」
「ちが、っ……そうじゃない」
「敦?」
 声は震えて泣き出しそうだったが、未だ横を向く顔から表情は読み取れない。焦らずに、敦が自分から口を開くのを待とう。そう決めて、敦に覆いかぶさっていた身体を避けようとすれば、胸を隠していた腕を解いて両手で顔を挟まれた。少しだけ潤んだ瞳とまっすぐぶつかる視線。
「……」
「俺も、お前に全部見て欲しい。全部だ。お前だけの女にして欲しい……」
「敦……」
 そう言って今度は、俺の手を取り敦の心臓のあたりへと触れさせた。手のひらから伝わる、とく、とく、と波打つ心臓の音。ああこいつも俺と同じで、緊張しているんだな、なんて当たり前のことをぼんやりと思った。
「嫌だったらすぐ言えよ?」
 それが今できる、俺がこいつにしてやれる精一杯の優しさだった。
     ⌘ ⌘ ⌘
 恐る恐る自分の身体に触れる喜一を見るのは、なんだかとても新鮮だった。
 壊れ物を触るかのようにやさしい指先は、普段のガサツなあの喜一とは思えないほどに丁寧で、俺を怖がらせないように気遣ってくれているのだと感じた。両手で包むように双丘に触れられ、なんだかふわふわした気持ちになる。感触を確かめるかのように何度も揉む姿に、ああこいつも初めてなのだなと確信を強めた。
 そう思うと急に愛おしくなって、喜一の首に腕を回して手繰り寄せ、半開きの間抜けな唇にキスを落とす。ちゅ、ちゅ、と短いリップ音をわざと立てて、何度も啄ばむように唇を咥えた。
「ん、ああっ……それ、だめぇ……っ」
「あ、ダメか?」
「やぁ、ちが……」
 キスに気を取られていると、やわやわと触られていただけの胸の頂を喜一の指が引っ掻いた。思わずビクリ、と腰が跳ね、喘ぎ声のようなものが漏れてしまった。下着がまた濡れたのが分かる。とっさにダメとは言ったものの、そこはどちらかと言えば気持ちよくてダメ、なのだ。
「ここ、気持ちいいんだろ?」
「ひっんぅ……」
 にやり、と笑った喜一は、今度はそこを親指の腹で押すように擦ってきた。わざとらしく耳元で囁く声が余計に子宮に響く。背を仰け反れば、余計に胸を突き出すような形になった。その反応に満足したかの様子の喜一は、顔を近づけて赤い舌先でその飾りを舐め上げた。
「ひぁっ! き、ちぃ……」
 舌先を尖らせ何度も執拗に転がされれば、徐々にそこは色を濃くして勃ちあがる。ぷくり、と存在を主張する乳首に吸い付き、きつく吸われると背筋をあまい電流が走り抜けた。
「お前、ちょっと感度良すぎるんじゃねぇ? こんなエロい体して、今更やめる気なかっただろ」
「んぁ、あ……喋ら、ないでぇ……」
 敏感になったそこは僅かな吐息にさえ反応する。羞恥と快感で頭がおかしくなりそうだ。喜一は右胸だけを、子供のように吸い付いたり、まるで俺にその様を見せつけるかのように舌で転がしてみせる。左は大きな右手で揉みながら中心を撫でまわされている。じわり、と濡れる下半身がより一層主張するかのように動いた。
 もう我慢できない。このむず痒い欲を解放したくて仕方がない。早く、はやく。
「きぃち……っ、もう、やめてぇ……」
「あ?気持ちいのに?」
「ちが……! もう、ほ……欲し、いからっ……ん」
「何を?」
「へ……?」
 一瞬、力が抜けてしまった。
 欲しい。言葉だけではなく、先ほどから全身でそう言っているのに。
 先程まであんなに余裕がなさそうだったのに、今は俺の胸をしゃぶりながらにやにやとたくらみ顔でいる。どうやらこいつはすっとぼけたふりをして、俺に言葉で言わせたいらしい。急に絶望感が込み上げる。なんて言えば満足してくれるだろうか。なんて言えば、喜一の欲しがっている言葉を伝えられるだろうか。
「あ……ぅっ、きーち、」
「ここ、触ってほしいのか?」
「んああっ」
 股の間に、硬い何かが押し付けられた。それが喜一の勃起したペニスだということに気付いたのは少し遅れてからであった。スカートは押し倒されたときに既にめくれていて、秘部は実質下着のみを纏った状態だ。薄い布越しに押し付けられる、スウェット越しでも十分に硬いとわかるペニス。大きくグラインドするように押し付けられ、ちょうど気持ちの良いところを引っ掻かれて、切ない声が零れ落ちる。
「あ、そこっ……きもち、ぁあっ……んんん」
「触っていい?」
「あぅ……ん、はやくぅ」
 どっちか分かんねぇじゃん。そう言いながらも右手は胸から離れ、指はショーツ越しの濡れた割れ目をなぞり上げた。背中を駆け上がる快感に、腰をガタガタと揺らして堪えようとした。指の腹で割れ目を何度も往復され、その度に陰核への甘い刺激が与えられる。
「ずっげぇ濡れてる……そんなにここで感じてたのか? それとも、キスから?」 
 視線をこちらに合わせたまま、ちゅ、と軽く乳首にキスを落とす。ああはやく、俺は目の前のこいつが欲しいのに。もどかしい気持ちをどうにもできなくて、堪えきれずに喜一の襟足を握りしめていた手を腹のほうへと伸ばした。
「わっ……敦?」
「俺も、喜一のに触りたい……これ、」
「え……いや、俺のはいいって……うっ」
 喜一の硬くなったそれに指先が触れれば、スウェットの中で一瞬、ピクリと跳ねるのがわかった。かたちを探るように手のひらでなぞるそれは、びっくりするほど熱かった。返事も聞かないまま下着ごとずるり、と下ろすと、喜一の勃起したペニスが勢いよく飛び出した。そこまでしてようやく腹を括ったらしい喜一は、俺の上から動くと膝立ちになって手招きをする。
「無理してんじゃねぇよな」
「してない。俺だって、お前に気持ちよくなって欲しい……」
 顔を赤らめながら正直な気持ちを言葉にすれば、伝わったのか喜一の頬も少しだけ紅潮しているようだった。なんだかそれが嬉しくて、喜一の見ていないところで俺の膣がきゅう、と切なげに締まるのを感じていた。
     ⌘ ⌘ ⌘
「きもちい?」
「……っ、ああ……」
 敦の細い指が竿に絡みつき、拙い動きで上下に擦れば俺の口からも自然と声が漏れた。
 気持ちいい。初めての、しかも好きな女とのセックスで興奮していないわけがない。正直キスだけでもやばかったというのに、まさか、敦が俺のモノを触りたいと言い出したときには気を失いそうになってしまった。不安げにこちらを伺いながら、一生懸命に俺のイチモツを握る姿に眩暈がする。
「ひぇっ?! ちょっ、喜一! 何触って……んん、」
「折角だから一緒に気持ちよくなりてぇだろ?」
「ばかぁ……っん」
 俺だけやられっぱなしってのも性に合わない。前かがみになっていた敦の尻に指を這わせて、未だ脱がせていない下着の隙間から指を差し込んだ。濡れているそこをさらに滑らせ、指先は勃起した陰核を捉える。やさしく擦れば敦は背を跳ねさせて反応した。
「それ、だめぇ、ヘンに、なっちゃうぅ……」
 濡れた声が余計に股間に響く。秘部への刺激に敦の手は先程から止まっていた。
「ほら、手、止まってるぜ」
 もう一方の手で敦の手ごと竿を握って、上下に動かしアシストしてやる。根元から絞るように裏筋を擦り上げ、亀頭をぐりぐりと撫でまわせばすぐにでも達してしまいそうだった。もう我慢できない。これ以上耐えていると俺のほうが気が狂いそうだ。このまま擦って先に一発出してもいいかもしれない。手の動きを速めて、込み上げる射精感に堪えていると、亀頭を生暖かいものが包んだ。
「え? あ、敦?」
「ひかえひ」
 俺は思わず両方の手の動きを止めてしまった。モゴモゴと喋る敦は、俺のペニスを頬張っていた。亀頭にぱくりと吸い付き、溢れ出た先走りを拭うように割れ目に舌を這わせられる。それだけでも今にも射精してしまいそうだというのに、さらに咥えられない部分を小さな両手で挟むようにして擦り上げられた。
 チクショウ、こんなのどこで覚えて来るんだよ。不意打ちのフェラチオに、俺のペニスはこれ以上持ちそうにはない。
「やべ、敦、はなせ……!」
「ん、んぐっ……やらぁ、あ、んん、」
「くっ!」
 目の前の艶のある黒髪を握りしめれば、敦は俺の言うことに反してペニスを喉の奥まで飲み込んだ。全部は入らなかったがやわらかな上顎の先は狭く締まっていて、亀頭へ刺激を与えるのには十分だった。
 あ、もう出る。そう思った時には既に射精は始まっていて、慌てて引き抜こうもぴっちりと締まった喉から引き抜くのは容易ではない。結局そのまま敦の咥内で射精し、喉の奥に勢いよく出た精液に、敦の綺麗な顔が歪められた。
「っふ、ゲホッ、ゲホっ……んん」
「すまん……出してくれ」
「……」
 口元を両手で押さえ、目尻に涙を浮かべた敦は無言でふるふると頭を振った。
 どうしたのだろう。俺の前で吐き出すことが恥ずかしいのだろうか。少し硬度をなくした己の息子と同様に不安げに見つめていると、しばらくしてこくり、と白い喉が動いた。
「え、ま���か、飲んだ?」
「ん」
「俺の精子を……?」
「何回も言うな、ばか」
 なんだろう、この胸の内を満たす満足感は。涙目でこちらを見つめる小さな存在がどうしようもなく愛おしい。抱き寄せて、敦の濡れた唇へと口づけた。俺の精子がついていようが構わない。もう一度、もう一度と、触れた唇からびりびりと小さなあまい電流が走る。唇を挟んで、吸って、内側を舐めるように舌でなぞれば、俺の下半身はすぐさま元気を取り戻した。溶けだしそうな瞳に見つめられて、俺の理性ももう消えてしまったと悟る。
「きーち……?」
 キスをしたままその小さな体を押し倒して、俺は着ていたパーカーを乱暴に脱ぎ捨てた。
     ⌘ ⌘ ⌘
 薄暗い部屋に、喜一の半裸が晒される。昔から見ているというのに、いつのまにかほどよい筋肉がついた男らしい身体に思わず見とれてしまった。
「何見てんだよ……俺の裸なんて、今更だろ」
「ん、でも、トレーニングサボってる割には、いい身体してるよな」
「それ、褒めてんのか」
 真っ赤な髪が近づいてきて、ちゅ、と鼻先にキスが落とされた。ふわり、と香る、喜一の匂い。そういえば、香水とか使っているのかな。だが思い返せば、出会った時から喜一はこんな匂いがしていた。清潔感があるすっきりとした匂いなのに、それでいてどこか甘い香りがする、不思議な匂い。この部屋だって、喜一の甘い匂いで充満している。先程から握りしめているこのブランケットも、枕も、全部喜一の香りだ。
「あっ……ん、やだ、そこばっか……!」
「じゃあどこがいいんだよ」
 ここか? そう耳元で囁かれて、ぞくぞくと鳥肌が立った。欲しいと思った場所を、喜一の指が的確に掠める。堪らずに震えながらも漏れる吐息。ああはやく、はやくお前のすべてが欲しい。
「もうぐちゃぐちゃだな……ここも、全部」 
 いつの間にか下着は剥ぎ取られ、俺の右足に引っかかったままになっていた。喜一の長い指が割れ目をなぞり、そのうちの一本が体内へと侵入してくる。身体を割られるはじめての感覚に、目尻に生理的な涙が浮かんだ。
「痛いか?」
「んん、痛くない、けど……なんか、へん」
「じゃあ泣くな。痛かったらすぐ言えよ」
 ちゅ、と落とされる眉間へのキスに、少しだけ緊張が和らいだ。それを見計らったかのように、狭い中を引っ掻きながら指はさらに奥へと進む。腹側を擦りながらゆっくりと出し入れされれば、むず痒いようなもどかしい感覚に襲われて、自然と腰が前後に動いてしまう。もうとっくに我慢なんてできなくなっている。喉の奥に絡まっている、喜一の精子の味を思い出しながら、これから起こることに期待して淫らな姿を晒しているのだから。
「腰、揺れてる」
「ぁ……もっと、欲しい、きーち……」
「もうちょっと待っていろ」
 指をもう一本増やされて、さらにもう一方の手で陰核を触れられれば、抑えていた声は自ずと漏れてしまう。
 気持ちいい。遠くでじゅぷ、じゅぷと膣がかき乱される音がする。羞恥と快感で頭がどうにかなってしまいそうだ。腹の奥がきゅう、と収縮するのを感じる。もっと奥まで欲しい。もっと、もっと。
「あっあっんん、ん、きいち、き、ぁあっ……あ、」
「敦……もう我慢できねぇ」
「ん、おれ、も……」
 ちゅぷ、と音を立てて、指は勢いよく引き抜かれた。圧迫感がなくなったそこは物寂しさだけが残り、余計に切ない気持ちにさせた。俺の愛液がたっぷりと絡みついたその指を舐めながら、喜一はあたりをきょろきょろと見回してある一点で視線を止めた。ほとんど物置と化した学習机の二番目の引き出しの中、いつも使っているブランド物の財布を取り出すと、その中から見慣れないパッケージを取り出した。
 銀色の包みをしたそれの端っこを口で咥え、びり、とパッケージを引き裂くと、中に入っていたゴム製のものを手にする。反対の手で喜一の反り返ったペニスを何度か扱き、スキンを亀頭にぴたりと貼り付けた。
 なんだこいつ、思ったより手慣れてるな。一連の流れをあっという間にやり終えたのをぼんやりと眺めながら、ちょっとした嫉妬心が芽生えた。何度か入り口のあたりをなぞられ、ぴたり、と膣口に亀頭が宛がわれる。
「挿れるぞ」
 だがそ���以上の思考は許されなかった。次の瞬間、喜一の大きなペニスがゆっくりと侵入してきて、裂けるような痛みが下半身を襲った。
「いっ……ぁ、痛ぁ、ん、」
「ごめん、ごめんな、敦」
「だ、大丈夫、だからぁ……全部、ちょうだ……ああっ!」
 全部言い終える前に、喜一の腰はぐん、と奥まで突き進み、俺の膣は喜一のモノでいっぱいになった。痛くて苦しくて息ができないほどだったが、やっと大好きな喜一と繋がれたことがそれ以上に嬉しくて。いろんな感情がぐちゃぐちゃに混ざりあって、悲しくなんてないのに、自然と涙が次から次へと零れ落ちた。
「ごめん、敦……痛いよな」
 どうやら俺が痛くて泣いていると勘違いしたらしい。喜一が心配そうに、俺の頭を優しく撫でた。普段はちっとも気を遣えない馬鹿が、こんなときだけ優しかったりするのはずるすぎる。ちょっとだけ悔しくて、意地悪を言ってやりたい気持ちになる。
「すっげぇ痛い。ばか。デカすぎるんだよ、ばか」
「わ、悪かったなデカくて」
「ばか、すき。だいすき……」
 喜一の首に両腕を回して引き寄せると、自分から口づけをした。ああ愛おしい。
 やっと気持ちが通じ合えて、そして体まで繋がって。まるで心まで通ったような気持ちになるのは気のせいだろうか。ゴム越しにはじめて感じる喜一のペニスは、驚くほどかたくて、そして熱かった。
     ⌘ ⌘ ⌘   
「ん、っあ、あっ、あっ、んぅ、きーち、ぃ」
 止まんねぇ。止められねぇ。敦に負担を掛けたくないと頭では分かっているのに、動く腰を止めることができなかった。
 やっとの思いで繋がった身体は、思っていた以上に具合が良くて。理性を失った今の俺には止めてやることができなかった。だが痛みだけだった最初の頃とは違い、次第に快感のほうが勝ってきているのか、ほとんど悲鳴のようだった敦の声にも色っぽい響きが混ざっていた。
 ちゃんと気持ち良くさせてやれてるだろうか。眉間に皺をよせ、シーツを握りしめている敦が少しだけ気がかりだった。
「っ、敦……声、ちょっと抑えられるか?」
「ふぇ……? ん、んっ、ぁっ」
「ん、いい子だ」
 目の前のことに夢中ですっかり忘れていたが、一階には勉強会で集まった皆がいるのだった。唇で敦の唇を塞げば、少しくぐもった声になったが、到底抑えられそうにない。それにこの大きなベッドが、先程からギシギシと激しく音を立てていたので、これ以上何をしてもあまり意味がないのだと悟った。
 敦のナカは思った以上に柔らかくて、今にもペニスが溶けてしまいそうなほどに熱かった。ゴム越しに伝わる体温が愛おしい。動くたびにきゅう、きゅうと締め付けてくる狭い膣を行き来すれば、そのたびに切ない声が漏れだした。もっと、もっと、と俺の本能を煽る声。反動で揺れている乳房に手を伸ばし、頂を指で弾けば一層甘い声が漏れる。ぎゅう、と締まって俺を離さない膣に、意識が飛びそうなほどの快楽を与えられて。
「やば、締めすぎ、だろっ……」
 宙に浮いていた敦の脚を抱えて、俺の肩の上に乗せて挿入すればより深く繋がった。角度を変えながら何度も中を擦るように動かして、腹側の入り口近くのある一点を亀頭が突き上げた途端、敦の細い腰がビクビクと跳ねあがるのを俺は見逃さなかった。
「あうっ、な、だめぇっ……! なんか、へん……っ」
「ここ、いいんだろ?」
「だめっ……アっ、んんんっ……あっ、あっ、ア、んんぅ、あンっ」
 腰を掴んでそこを重点的に攻めれば、枕やブランケットを握り締めて必死に快楽に耐える姿が視界に入った。はじめて与えられる大きすぎる快楽に、身体が追い付いていないのだろうか。腰は連続して痙攣し、元から狭い膣は俺のペニスを食いちぎらんばかりに締め付けている。
 あ、も、持ちそうにない。少々乱暴になりながらも、打ち付ける腰が止まらない。敦の咥内でイったばかりなのに、またしても敦のナカでイキそうだ。
「ひぁっ……あっ、んんン〜〜〜〜っ!!」
「うッ、きっつ」
 驚くほどきつい締め付けと共に、敦は果てた。細い腰をこれでもかと浮かせ、うっすらと割れた腹筋はビクビクと小刻みに痙攣している。まるで俺の精子を搾り取ろうとしているかのような、うねるような膣の収縮の波にのまれ、俺もあっけなく敦のナカで果てた。
「敦……好き、好きだ……っく、」
「ぁう、んんっ……ん」
 抱き寄せれば、しっとりと湿った肌が重なる。どくん、どくんと脈打つ心音を聞きながら、俺は敦のナカで思いっきり射精した。それは長く長く、永遠に続いているかのような時間だった。
     ⌘ ⌘ ⌘
「なぁ、開けてもいいと思うか」
「うーん……やっぱり止めたほうがいいんじゃないかな」
 君下先輩が大柴先輩を起こしに行って、恐らく三時間は経っただろうか。未だに降りてくる様子がない二人にちょっとだけ心配になった僕と、いかにも好奇心に目を輝かせている来須くんの二人が調査隊として二階へと派遣された。
 部屋を見つけるなり僕がノックをしようとすると、ちょっと待て、と来須くんに止められた。すると彼はドアに耳を貼り付けて、中の様子を窺っているようだった。こいこい、と手招きをされて、少しの罪悪感を持ちつつも耳をドアに宛ててみたが、中からは何も聞こえなかった。もしかして、二人でどこかに行ってしまったのだろうか。困惑した表情を浮かべた来須くんは、同意を求めるかのように僕に質問した。
「いや、やっぱり開けようぜ、柄本。もし居なくなってたら探さなきゃなんねぇし」
「でも……」
「いーから。どうせ怒られんのは俺だ」
 そう言うなら僕にわざわざ聞かなくてもいいのではないだろうか。そうは思ったが口にはしなかった。
 きっと彼には、この中の状況に大方検討が付いているのだろう。それでも自分の目で確かめたい何かがきっと、ここにはあるのだと僕は悟った。それなら仕方がない。来須くんの責任ってことで、僕も付き合うことにするよ。
「でもノックはしたほうがいいんじゃ」
「構うかよ、今更だ」
 そう言った来須くんは、ドアノブを勢いよく回して扉を開けた。昼間だというのに薄暗い部屋は、電気もついていなければ、さらには遮光カーテンも引かれていた。物が溢れ返り、散らかった部屋の角には、大きなベッドの上で一定のリズムで動くブランケットの山。それに、甘い香りに混ざっている、独特の、なんというのだろう……何とも表現し難い匂いがした。
「来須く……」
「戻るぞ」
「え、でも」
 そう言って、足を踏み入れることなく扉を閉めた来須くんのほうを見て、僕は言葉の続きを失った。
 何と言ったらいいのだろう……これも表現に困ってしまうのだが、そのときの来須くんは、今までに見た事のないような複雑な表情を浮かべていた、と思う。
 そしてくるり、と後ろを向いて、すぐに階段を下りて行ってしまった。階段の下で待っていたらしい、新戸部くんや白鳥くんと話す声が聞こえてくる。いつも通りの来須くんだ。僕はどうしてもあの表情の意味が気になってしまった。何事もなかったかのような振舞いの意味も、きっと何かあるに違いないと直感で思った。
「ごめんなさい、君下先輩、大柴先輩……!」
 小さな声で謝りながらも、僕はドアノブに触れて勢いよく押し開けた。恐る恐る一歩足を踏み入れると、すう、すうと穏やかな寝息が聞こえてきた。
 なんだ、二人とも寝てしまったのか。そう解れば少しだけ緊張がほぐれた。もうお昼はとっくに過ぎていて、きっと二人ともお腹を空かせているだろう。僕らは先程臼井先輩が作ったパンケーキと、昨日の残りのカレーをみんなで頂いてしまった。二人を起こしたほうがいいかな、そんな親切心でベッドまで近寄って、僕は固まってしまった。
「来須くん……ごめん」
 僕はなんとなく、来須くんの表情の意味を理解してしまったような気がした。
 幸せそうな二人の寝顔。それに肩までしか見えていないけど、ブランケットの下は二人とも裸のようだった。
 僕は慌てて視線を逸らして、音を立てないように静かに扉を閉めた。この話を、あとでみんなになんて説明しよう。そんなことを考えながら、僕は元来た階段をゆっくりとした足取りで降りて行った。
                           (さよならはキスのあと、)
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yabunirami · 5 years
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【ヤキウ】赤く赤くハートが
もう、メチャクチャ久しぶりに野球のことを書かせていただきます。 ってこれだけ間隔が空いたら「コイツ、野球に興味なくなったんだな」と思われるんだろうなと。それはそれでいいけどさ。 ま、実際にはまるで興味はなくなっていない。つかアタシは当サイトでも散々、やれクレージーキャッツだ、やれ戦前モダニズムだ、と騒いでますが、順列の一番上にあるのは結局は野球なんですよ。野球こそアタシにとって最高最大の娯楽であるのは死ぬまで変わらないと思うわけで。 だから当然試合も見れる限り見ている。つかほぼ毎日見ている。最近は堪え性がなくなったし、異様に早く寝るようになったので、試合開始から終了まで見続けることは減ったけど、それでも「試合をやってたら見たい」のは何ひとつ変わらないわけでしてね。 ただひとつだけ変わったことがあるとするなら、野球にかんして「何か言いたくなる」ってのがなくなった。しかもこれってアタシが心を寄せる阪神の強い弱いともあんまり関係がないんです。 いや仮に阪神が恐ろしく弱くて最下位を爆進してたとしても、野球絡みで関心のあることなどいくらでもあるんですよ。阪神に関係のない、それこそイチローの記者会見も全部見たしね。何も見る番組のない時間は阪神の試合ではない他カードをボーッと見てることも珍しくないんだし。 せっかくなんで、そうですね、注目選手でも挙げてみますか。 アタシのイチオシはダントツで広島の小園。これはいい。高卒ルーキー野手で目を惹かれたってことで言えば立浪以上で(パァン!)、おそらく清原以来だと思う。正直末恐ろしい選手が入ってきたなと。 村上も悪くないんだけどね。バッティングよりも面構えが魅力的。でも個人的には小園推しです。 阪神で言えば、とにかく高橋遙。近本でも木浪でもなく高橋遙。いやマジで、こんな魅力溢れる投手は今12球団探しても他にいない。だから「阪神では」ではなくて「投手なら」高橋遙なんです。オリックスの山本由伸もいいけど、末恐ろしさで言えば絶対に高橋遙ですよ。 他?、まァ、やっぱり鳥谷のことは書かなきゃマズいか。 うーん、ひと言で言えば、ちょっとカッコ悪いね。いやアタシは「衰えた選手はきよく引退すべき」なんて考えは微塵もないんですよ。ボロボロになるまでやるのも、それはそれで立派だと思うし。 アタシがカッコ悪いと思うのは、周りからの評価と自分の中での評価の乖離が激しすぎるんじゃないかと。つまりは、さすがに自己評価が高すぎるぞとね。 別に彼の言動をあげつらってるわけじゃないんですよ。そうじゃなくて打席内容がね、そうじゃないだろうと。 鳥谷の打席を見てるとノーストライク、ワンストライクからの甘い球を簡単に見逃してるでしょ?あれがもうわからない。つか今年の鳥谷はアタシから見るに「追い込まれたら、もう終わり」なんですよ。昔みたいに選球眼とカット技術で、かつては真骨頂とまで言われた四球をもぎ取るだけの力はもうない。なのに、まだ、追い込まれても何とでも出来る、みたいな感じで、浅いカウントから勝負に行かない。 福留もね、実は今年は追い込まれたらかなりしんどいんです。でも福留はそれがわかってるから浅いカウントからでもビュンビュン振りにいく。 能力が衰えるのはしょうがない。それは誰でもです。だから衰えたのなら衰えたなりの野球をやればいいのに、全盛期と変わらない野球をやろうとして、挙げ句結果が出てないんだからね。 さっきも書いたように、結果が出なくても続ける辞めるは完全に個人が決めることです。しかし、さすがに、メッセンジャーはきよすぎるとしか言いようがない。 正直に書きましょう。ぶっちゃけ、イチオシの若手も鳥谷の退団も、アタシの中でさほど大きいことではなかった。事実、鳥谷の退団騒動なんてずいぶん前だけど、ブログに書こうとはしなかったんだから。 これだけ間隔が空いて、それでもそんなこと関係なく、これは絶対に書かなきゃ、と思ったのはメッセンジャーが引退を表明したからなんです。 自分でも意外だった。大功労者の鳥谷の退団よりも<所詮助っ人>のはずのメッセンジャーの引退の方がはるかに大きなことだなんて。 この引退表明に一番衝撃を受けたのはおそらく梅野ではないかと勝手な推測をしてるんですがね。 何しろ梅野がルーキーのキャンプの時から「良いキャッチャーになれる素質がある。自分が育てる」とメッセンジャーは発言していたわけで、口だけの選手が多い中、メッセンジャーは本当に実践した。捕手をとっかえひっかえしている時期もメッセンジャーは梅野の指名し続けたわけで。実際梅野が先発マスクを被るのはメッセンジャーが先発の時だけ、なんて時期もありましたからね。 今年の梅野はたしかに打率はだいぶ落ちちゃったけど、正捕手を超えてチームの顔に近づきつつあります。そんな存在になれたのはメッセンジャーを抜きにして語れないし、梅野自身が一番痛感しているはずなんです。 正直、長年チームの顔だった鳥谷が、では誰かを育てたか、となるとまったく思いつかない。非常に残念なことではありますが。あいかわらずベンチでもよく「自分より上の」福留と喋ってるし。 一方、メッセンジャーはチームの要となる正捕手を育て上げた。能力もそうだけど、エースの自覚としてチームの根幹作りまでやっていたのです。 ただメッセンジャーとしての心残りは、あと2勝に迫った日本通算100勝よりも藤浪を何とも出来なかったことでしょう。 というか今からでも遅くない。藤浪はメッセンジャーのところに行って欲しい。冗談抜きに藤浪を元に戻せるのはメッセンジャーだけだと信じているから。 というかヤバいなぁ。こんなことを考えるだけで泣きそうになるのに、引退試合とかどうなるんだよ。冷静に見れる自信とか微塵もないわ。
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carguytimes · 5 years
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甘いマスクで人気度ランキングはすでに上位入り? 日本初来日のパトリシオ・オワード選手【スーパーフォーミュラ第4戦富士】
●実力派折り紙付きで甘いマスク。初参戦のオワード選手は要注目! F1ドライバーとなったストフェル・バンドーン選手、そして現在レッドブルホンダF1チームで活躍しているピエール・ガスリー選手の参戦以来、海外でのレースシーンでも注目度が高まっているスーパーフォーミュラ。 そこにレッドブル・ジュニアチームがこの富士から送り込んできたのが、メキシコ人ドライバーのパトリシオ・オワード選手です。 2013年に弱冠13歳で4輪レースデビューを果たしたオワード選手は、4年後の2017年にデイトナ24時間レースのプロトタイプ・チャレンジクラスで優勝し、17歳で史上最年少のデイトナ24時間ウィナーになります。 翌2018年にはインディ・ライツシリーズにおいて17戦9勝13回のポディウムフィニッシュという目覚ましい活躍でチャンピオンを獲得し、今シーズンはこれまでインディカーに参戦。5月にレッドブル・ジュニアチームに加入すると、まだ記憶に新しい先日のオーストリアグランプリでFIA F2にスポット参戦。 そして今回のスーパーフォーミュラ参戦となりました。 来日も今回が初めてですが、今までのレースキャリアを見ても日本との接点はなく、正直筆者も今回の電撃参戦のニュースで初めて名前を聞いたくらいです。 ところが土曜日のピットウォークでは、もちろんチームメイトの野尻選手の人気もありますが、サイン会には長蛇の列ができていました。 その列の隙間をぬってカメラを向けてみると、そこにはメキシコの方には失礼ながら、およそ想像していたメキシコ人とは違う、どちらかというと欧州風の、そしてなんとも甘いマスクと爽やかな笑顔の好青年が、ファンひとりひとりに丁寧に対応している姿が写り込んできました。 そしてよく見ると、並んでいるファンの方の多くが年齢関係なく女性だったようにも感じましたが、あのマスクと笑顔ならまぁそうなっても納得という感じでした。 残念ながらその後の予選では���旗の原因を作ってしまい、決勝は最後尾からのスタートとなりますが、午前中に行われたフリー走行ではホンダエンジン搭載車の中でトップとなる8番手を記録し実力の片鱗を見せつけました。 本人もF1を目標としていると明言しているとおり、あくまでもここは通過点。その走りの実力を存分に見せてくれることに期待しましょう! (H@ty) あわせて読みたい * TEAM GOH MODELSの金丸ユウが最後尾からの16台抜きでTCRJ2勝目を飾る【スーパーフォーミュラ第4戦富士】 * 【スーパーフォーミュラ第4戦富士】雨の予選を、好調のルーキーが制す! * 毎戦勝者の変わる大混戦のTCRジャパンシリーズが富士スピードウェイで開催【スーパーフォーミュラ第4戦富士】 * 早くもシーズン折返し。高速サーキット「富士スピードウェイ」を制するのは?【スーパーフォーミュラ第4戦・富士】 * いよいよ開幕したD1GP2019。塚本奈々美、D1GPプロモーションディレクターに就任 http://dlvr.it/R8N2F2
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h-yellow-p · 6 years
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詐欺師の焦燥
 やっと、この日がやってきた! わたしはうきうきとした気持ちでカンブリアームズを後にする。肩には、買ったばかりのスプラチャージャー。バイト代をこつこつと貯めて、ようやく買うことができたブキだ。買う際にブキチにしてもらった説明は、聞いているつもりだったけど、今思い出そうとしても全然思い出せない。だって、手に入るなら、そんなことはどうでもよかったのだ。傷ひとつない新品のブキは、ハイカラスクエアに降り注ぐ強い陽射しをきらりと跳ね返している。わたしはそれが嬉しくて嬉しくて仕方がなくて、すぐにロビーに向かった。  早速ナワバリバトルで使おう! そして、あのとき見かけた格好いいひとに近付けるように、すぐにチャージキープを習得するんだ!  はやる気持ちを抑えきれず走り出したわたしの頭の中には、それしかなかった。髪を一つにくくった、やさしくて強いボーイ……わたしの中に、おぼろげなそのボーイの記憶が蘇り、思わず顔が綻んでしまう。あのひとのウデマエに近づけるように、そして、上達したらフレンド申請できるように! わたしは彼のフレンドコードをお守り代わりにチャージャーに括りつけ、颯爽とバトルに参加した。
 結果は、言わずもがなである。  そもそも、チャージャーは上級者向けのブキである。そしてBバスパークの複雑な地形も相俟って、わたしは初めてのチャージャーにかなり手間取っていた。相手が自陣に入り込んできやすいこの場所で、落ち着いてトリガーを引くことは難しい。右側から伝っていけるちょっとした高台ポイントに腰を据えてみる。しかしバレたらおしまいで、すぐに溶かされてリスポーン地点まで戻された。  でも、楽しかった。わたしは悔しいながらも、新しい立ち回りに依然として気持ちが高揚していた。これがあのひとの見ている世界なんだ、と思うと、もっと嬉しかった。チャージキープは、インクから飛び出す瞬間に解除してしまう下手くそっぷりだけれど、たまにうまくいき、しかも相手に当たると、まぐれであることは決まっているが感動した。  バトルの残り時間が、あと一分になったところだった。「さっきはよくもやってくれたな?」その言葉とともに鋭い射撃音が背後からやってきた。避けるようにセンプクすると、ザップを持ったボーイがわたしの後を追うようにインクを吐き出していた。さっきはよくもやってくれた? どういう意味だろう、もしかすると、さっきたまたまヒットしたひとかも……わたしは焦る脳内で判断した。兎角、咄嗟にインクから出て、応戦しようと引き金を引いた。突然のことだったため思わず、今まで使っていたシューターの要領で扱ってしまった。自分のブキからは、半チャージの弱々しいインクが飛び出した。  どうしよう、これじゃ勝てない! でも、フルチャージなんて、間に合わない……!  溶かされる覚悟で目を瞑る。しかし、待てども待てども、相手インクを浴びるときの押し潰されるような閉塞感はやってこなかった。試しに、目を開けてみる。目の前に、相手はいなかった。 「大丈夫?」  後ろから声を掛けられる。恐る恐る振り返ってみると、そこには、ホットブラスターを持ったボーイがいた。喋るために、なのか、マスクを顎の下まで下げていて、黒のチャイナトップスを着ている。わたしは、唖然としてしまう。  その立ち姿は、とても見覚えがあった。あの日出会った、髪を一つにくくった、やさしくて強い、スプラチャージャーのボーイ。でも……持っているブキも、表情も、声色も、まるで別人だった。 「うそ、ブラスター……あれ?」 「なに? 味方のブキ把握してないの?」  彼はマスクを引き上げてわたしの元を去ってしまう。掛けられた言葉が、あまりにも辛辣で、わたしはブキを下ろしたまま彼の行く先を見つめていた。間もなく、バトル終了のジングルが鳴り響いた。
 わたしの憧れのひとのことを、改めてよく思い出してみる。すごく爽やかなひとだった。そのひとはもみじシューターで塗りに徹するわたしの後ろに自主的について、相手をどんどん倒してくれていた。わたしがそのことに気づいて振り返ると、彼はにこっと笑ってこう言った。 「塗ってくれてありがと!」  一つにくくった髪を揺らしながら微笑んでいる。やさしげな声だった。ほとんど無地のシャツを着ていて、シンプルな服装だった。でも、それもなんだか、格好良かったのだ。無垢で、強い。そんな印象がわたしの中に強く残っていた。
 やっぱり、さっきのひとは別人なのかも! いや、別人だ! わたしはそう思ってバトルを続けることにした。次は、海女美術大学でのバトルだった。今度もまた、あのいけ好かないひとが味方にいた。わたしは、極力目を合わせないようにした。  チャージャーは、一朝一夕で上手くなるものではない。わたしは何度目か判らないリスポーンをして、自陣の端っこに戻される。自分のインクを振り切って、次はどこから行こうか状況を眺める。センプクもせず、突っ立ったままだった。すると突然、横から破裂するような音がした。びっくりしてそちらを見ると、さっきのいけ好かないブラスターボーイがいた。なんと、わたしに向かって撃ってきたらしい。 「な、なに?」 「そっちこそ何? 立ったまま寝落ちしたんだと思っちゃったよ」 「そんなわけないでしょう! どこから行こうか、悩んでただけだもん」  ふーん、とボーイは言いながら、おもむろに携帯端末を取り出して何か弄りだした。「ユキ。B+。ランク32」どうやら、一緒にバトルしたひとの情報が見れるアプリを見ているらしい……わたしの名前とウデマエ、ランクが、次々と呟かれた。なに、こいつ。わたしはムッとする。彼はマスクを引き下げ、真顔のままこう続けた。 「さっきから気になってたんだけど、きみ、チャージャーの立ち回りがなってない」 「……名前把握したくせに、『きみ』なんだ」 「なんで名前を呼ばなくちゃいけないの? ……まあ何でもいいけど。チャージャーはどのくらい使ってるの」 「今日、デビューしたばっか」 「……試し撃ちは?」 「してない」 「そういうとこなんだよね。いいや、きて」  彼はセンプクをして、飛沫をあげて前に進んでいく。諸々苛つくが、わたしは断る術もなく付いていく。美大の中央一歩手前の、一段高くなっている自陣に辿り着く。わたしたちが喋っていたこともあって、戦況は、相手に押され気味である。 「ここで適当に撃ってて。別にヒットしなくていい、期待してないし。但し、死ぬな」 「どういうこと?」 「今回の相手はチャージャー警戒してる。なぜなら、こっちに上手いリッターがいるから。だからきみは射線を見せて脅しているだけで、あのリッターくんになれる」  彼が指差した方向に、帽子を目深にかぶった褐色肌のボーイがいた。射線を下に向け、今まさに獲物を捕らえようとしている様子だ。 「せいぜい頑張って、可愛いB+ちゃん」  静かに煽り文句を言い、彼は自陣を降りていった。本当に、苛々する。でも彼の発言は首肯けるものばかりで、いろんな意味で悔しかった。わたしは言われた通り射線をちらつかせ、たまに撃つ。当たらないけど、吃驚するくらい相手は引いていく。成る程、こういう使い方もあるのか、とわたしは素直に感動した。わたしが射線で追い回した相手は、最終的にあのブラスターが仕留めた。そういった攻撃が、何度も繰り返された。まるで、もみじシューターを持つわたしの後ろで、あのチャージャーがアテンドしてくれていたときのような戦略だ。  そんな駆け引きが続き、ついにわたしのスペシャルポイントが貯まった。今、発動しない理由はなかった。使ったこと、ないけど。でも兎に角挑戦しようと思って、わたしはハイパープレッサーを起動する。そこまでは、よかった。高圧のインクを吐き出す装置は、不可避で大きな力をわたしの身体にぶつけてきた。あまりの力に、わたしの足はぐらつき、空に向かって撃ってしまう。それでは意味がないので、戻そうとする。でも、戻し方が一向に判らず、戻せなかった。味方のひとりが「おー……がんばれ」と言いながらわたしの横を素通りした。  予想通りというかなんというか、スーパージャンプであいつが戻ってくる。 「ちょっと何やってんの。下手くそチャージャーなのがバレるじゃん」  と言われても、という感じだった。わたしはコントロールのやり方も判らないし、止め方も知らなかった。彼が喋っている間も、ただただ空に撃つことしかできなかった。 「あーあ、ハコビヤじゃないんだからさ……」  彼はブラスターを置き、わたしの背後に回ってわたしの腕ごと掴んだ。グイッと強い力で正面に戻される。うわっ、とわたしが言うのを、当たり前のように無視される。彼が左へ動かした。すると、相手に当たったような感覚が手を伝ってきた。バチバチという感覚は次第になくなり、「一枚やれた」と彼が言う。  ハイパープレッサーは、息が切れたように弱まっていく。インクがなくなったのだ。わたしは、地面にへたり込んでしまう。彼はわたしの動きを器用に避けて、わたしの背後から離れる。しかし何か気になることがあったのか、わたしのスプラチャージャーをじっと見つめ始めた。 「なに、この紙?」  あ、とわたしが止める前に、彼は躊躇いもなく紙の内容を見た。それは、わたしがお守り代わりに括り付けておいた、憧れのチャージャー様のフレンドコードである。  わたしは、祈った。どうかこのひとじゃありませんように。絶対このひとじゃありませんように。あのステキなチャージャー様が、こいつなんかではありませんように……と。  しかし、カミサマは無情だった。 「なんで、オレのフレンドコードが書いてあるの?」  今の瞬間ほど、死にたいと思ったことはない。
 色々あったけど先ほどのバトルは無事に勝つことができた。強いリッターとハイパープレッサーのときの素通りボーイは、「お疲れ様」と声掛けし別れたが、どうしようもない言い合いを続けていたホットブラスターとわたしは、流れでうっかり残ってしまった。  言い合いの内容は、ブラスターのフレンドコードから派生する。わたしが憧れのチャージャーのものであることを正直に説明すると、彼は鼻で笑って「あの時のもみじか」と言った。苛々しながら、「でも、きみとあのひとはまるで別人だよ」と答えると、彼はマスクを外してこう言った。 「やあ、また会えるなんて奇遇だね! きみもチャージャーを買ったんだ。大変だと思うけど、がんばって! ……ていうのを、期待してたわけ? アレは雑誌用の演技」 「……雑誌?」 「S+ルーキーとして取材を受けてんの。爽やかなチャージャーなのがウリ。だから、アレはオモテの顔」  いろいろ言いたいのを我慢して一番気になるところだけ質問をすると、彼はやれやれと言わんばかりの仕草でそう答えた。
 今日は、チャージャーを手に入れるところから始まった一日だった。素晴らしい一日になるはずだった。しかし前提をひっくり返すような凄まじい事件の数々があり、今わたしはその発端であるはずのボーイと、ロビーの前で不毛なやり取りをしている。はあ、とため息をついて、ロビー脇の段差に腰掛ける。彼も同じようにして腰掛けた。  このひと、いつまでここに居るつもりなんだろう。 「あのさー、せっかくだから撮影付き合って欲しいんだよね」  おもむろに、彼はそんな提案をする。「え」とわたしが言う前に、「��ーグマッチ。ペアでさ。まあ、きみのウデマエには目をつぶってあげるよ」彼はマスクを指にかけそう言った。  話を聴き進めていくと、どうやらまた取材があるらしく、今度はガチマッチルールでの写真や映像を求められているらしかった。 「ひ、一人で行けば?」 「わかってないねー。いいバトルをするには、いい引き立て役がいるでしょ?」 「……いいよ、わかった、全力で足を引っ張ってあげる」 「じゃあそれを逆手にとって敵に差し出してやるかんね?」  わたしは背筋がゾッとして、何も喋られなくなった。  そのあと具体的にどんな話をしたのかを、わたしははっきりと思い出すことができない。兎に角わたしはブラスターとフレンドになり、明後日の朝10時、ロビー前に集合という約束でやっと別れることになった。  フレンドリストの一番上に、「シュウイチ」という名前が載った。
 予定の日になった。集合場所に行くと、すでにシュウイチが居た。  わたしは少し緊張しながら(だって、怖いんだもん)軽く会釈をして近づく。彼はわたしの姿を見ると、人差し指と中指を並べて立て、おでこから前に向かって差し出す挨拶をする。そして、爽やかに笑った。ありえないほど、やさしい笑顔だった。肩には誇らしげに、スプラチャージャーが乗せられている。  あの日見た、憧れのあのひとだった。 「やあ。おはよう」 「…………あ。おはよう……」 「昨日はよく眠れた? 今日は大変だから、途中で倒れないように気をつけてね」  予想していなかった優しい言葉に、わたしはぽぽぽっと音が聴こえそうなくらい単純に頬を染めた。キャラ作り、なのだろうか。もしかしたら、もう撮影が始まっているのかも……。彼のこの差分は、わかっていたつもりだったけど、改めて目の当たりにするとあまりにも違いすぎた。敢えて翻訳すると、「なにそのカオ、ちゃんと寝たの? こないだみたいに寝落ちしないでよね、撮影なんだから?」という感じ、だと思う(そしてその後わたしが「だから、この間のは寝落ちしてないって言ってるじゃん!」と返すところまで考えてしまった)。でもシュウイチは、そんな元々の雰囲気はまるで海にでも捨ててきたかのような微笑みで、「今日は頑張ろうね」と言っている。 「あ、そうだ」  シュウイチはわたしの頭に、ポスっとなにかを被せた。視界に、影が落ちる。帽子だ。手で触って確認してみると、どうやらカンカン帽を被せられたらしい。 「イカ速積んであるから。ヤバイと思ったら、それで逃げな」  やさしい声音が頭上から振ってくる。心臓がぎゅっと掴まれる思いである。  どうしよう、なにこれ、わたし、このひとのことすごく好き……。  それ以外のことが考えられず、ぼうっとシュウイチを眺め続けてしまう。彼はわたしと目が合った瞬間、ふいっと顔をそらして「じゃ、行こうか」と歩き出した。わたしはハッと我に帰り、覚束ない足取りで彼の後についていった。
 カッコいい男の子とペアでリーグマッチに行くという事実だけで胸がいっぱいになってしまう。ルールはガチエリアだった。観客が、いつもより多い気がする。工事中のエンガワ河川敷に、多くの生き物が集まってきている。わたしのウデマエとは格段に違うプレイヤーたちの試合なのだ、と思わされる。  わたしはもみじシューターで臨んだ。シュウイチは、バトルが始まるまでチャージキープを確認していた。他のペアのローラーとジェットスイーパーは、仲良く談笑していた。  バトルが始まり、わたしたちは一斉に自陣を駆け抜けた。  正直なところ、わたしはやっぱり下手くそである。対面も強くなければ、ルールごとの攻略だったり、上手いひとがよく言う「攻守の切り替わりを常に把握する」だとか「相手にスペシャルを吐かせる」だとか、そういったものがよくわからなかった。でも、一つだけわかったことがある。シュウイチは、どんなマッチングをされてもチームリーダーになれるひとだ。味方が動きやすいように徹底的にサポートするのが、とてつもなく上手い。シュウイチの的確な狙い撃ちで相手は2落ちし、あれよあれよと言う間にガチエリアを確保できた。いつもだったら的にされ、とっくに溶かされているところであるが、味方やシュウイチのおかげもあって、相手がわたしに近づいてくることもなかった。  でも、わたしはやっぱり下手くそなのである。やることがなくなって、河川敷の左奥へ進んでしまった。ここは、わりと敵陣といえるエリアである。でも明らかに優勢だったし、もしかすると裏取りができちゃうかも、と思ったりもした。しかし相手のほうが上手だった。わたしに気づいたらしいクーゲルシュライバーが、上の方からわたしを狙ってくる。わたしは咄嗟に引くが、クーゲルシュライバーは諦めず、降りて追ってきた。人速を積んでいるのか、異様に早い。  やばい、やばい、逃げなきゃ!  わたしはセンプクで元来た道を戻った。いつもよりスイスイと泳ぐことができる。きっと、シュウイチに借りたギアのおかげだろう。でも、わたしはそもそも運動神経がよくないから、クーゲルシュライバーにどんどん間合いを詰められてしまう。足元に、少しずつ相手のインクが及んだ。もう、時間の問題だ。  すると、わたしの進行方向のインクから、シュウイチが飛び出してきた。飛び出してきた彼のチャージャーは、きらりと光っている。チャージキープだ! そのまま、彼はトリガーから手を離す。一瞬、だった。クーゲルシュライバーは悲鳴をあげて溶けていった。シュウイチとわたしはすぐにセンプクをした。 「ねえ。お願いだから、オレの目の届かないところに行かないで」  シュウイチは、少し怒った様子でそう言う。ごめん……と、わたしは謝った。謝ったけど、なんだかそれどころじゃなかった。ぽうっと、彼の行為と言葉を頭の中で繰り返してしまう。 「エリアを取られた」 「えっ、いつのまに」 「ちゃんと気にしといて。オレたちの中で一番塗りやすいのはユキなんだから。とにかく、プレッサーを撃つから、ユキは塗りに行って。でも、真ん中の壁の向こう側には行かないで」 「どうして?」 「サポートできないからだよ。さあ、行って!」  シュウイチはわたしの背中を押す。喋り方も、声色も、だんだんとシュウイチ本来のものに変容してきているような気がした。余裕がない、という表現をすると、彼は怒りそうだけれど。わたしは言及せず、エリアへ向かう。  そのあとすぐに、わたしの背中を押すような、力強いハイパープレッサーが放たれた。
 そのバトルは、結局負けてしまった。20回ほどバトルをして、連敗続きだったが、最後のほうは慣れてきたこともあって連勝することができた。でも、わたしはなんだか違和感を覚えていた。シュウイチが、いつもの様子ではない気がする。それは、爽やかなルーキーに扮しているから、ではない。初めて会ったときの印象と、再会したときの印象と、違う気がするのだ、今日のシュウイチは。 「負けちゃって、ごめんね」  終わった後、わたしは一応そう伝えた。彼と接するときは先手を打って下手に出ることが大事だと、ひしひしと感じていたからである。シュウイチはポケットからマスクを取り出して耳に掛けた。そして「いいよ、別に」と言った。 「今日の撮影、上手くいったかな……?」 「まあ、上手くいったところだけ使ってくれるんじゃん」 「そ、それなら、最初のバトルで助けに来てくれたところとか、あの爽やかなキャラクターには合ってたかもね……?」  わたしの言葉に、シュウイチはじと目になる。そんなにまずいことを言っただろうか。わたしは自分の言葉を思い返してみるが、どこが悪かったのか一向にわからなかった。  何も言わないわたしに痺れを切らしたのか、シュウイチはついに口を開いた。 「……ねえ。そんなに『あいつ』が好きなわけ?」  シュウイチはわたしに詰め寄った。わたしは後ずさるのも忘れて、静かに背筋を凍らせた。 「す、好き?」 「今日集合したとき、オレのこと見て、ああわたしこのひとのこと好き~、って顔してたじゃん。それなのに、戻ったらコレだ」 「だ……! だって、シュウイチはあっちのほうが全然いいよ!」 「そういうこと言う? あのとき、焦ったよ。気付いたら、どこ見てもユキが居ないんだ。駆け付けたら追い掛けられてるし。探して助けたのは、オレじゃないか」  自分の思惑がすべて顔に出ていたなんて、本当に不覚である。でもシュウイチをそんなに焦らせていたとも思っていなかったので、今言われたことすべてが、わたしに大きな衝撃を与えた。薄々感じていた違和の正体は、これだったのかもしれない。しかし、そういう背景があったにしろ、そんなに怒らなくてもいいのではないだろうか。 「シュウイチは、何に怒ってるの?」  念のため訊いてみる。シュウイチはわたしを睨んだあと「きみにだよ」と言ってマスクを引き上げた。 「撮影用のキャラ崩壊させたわけだし、このあとサーモンランのバイト来てくれるよね? オレ、リッターが欲しいから暫く潜らなきゃいけないんだよねー」 「え、今から? 何時まで?」 「シャケが来なくなるまで」  シュウイチは踵を返し、クマサン商会へ向かった。振り返る様子はない、判断はわたしに委ねられている。今はまだお昼。シャケが引き揚げるのは、多分夜の9時ぐらいだ。帰っても良かった。何なら、帰ったあとフレンド登録をブロックしたって、シュウイチは何も言わないだろう。でも、わたしは彼の背中を追うことにした。理由は、聞かないでほしい。
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kanmu-news-blog · 5 years
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アクサレディスで頑張った選手 脇元華
月曜日恒例の頑張った選手、先んじて1人は今日書きましょう。脇元華さんです。
彼女については、このブログでも2回記事を書いたのですが、これほど早くレギュラーでの優勝争いをするとは思っていなかったので、私の期待値の方が大でした。
  人気が出そうな脇元華
脇元華 LPGAルーキー特集
  それが、地元宮崎、ホームコースとは言え、4位タイは立派です。
初日からのスコアは、65、70、72ということで、オーバーパーがありません。
65はさすがに出来すぎと言っても良いスコアで、センセーショナルな印象を残したのですが、評価に値するのは、2日目と最終日。
ともに最終組でのプレーになった訳ですが、少なくとも落とさなかった。
  地元の大声援と言うのは、力にもなり、プレッシャーにもなります。
そんな中での堂々としたプレーには、今後の活躍を期待できる力はあると思いました。
  そんな脇元さんですが、着実に実…
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tettin0124 · 6 years
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若手時代の前田智徳に匹敵する広島2年目捕手・坂倉(東スポWeb) 【赤坂英一 赤ペン!!】私は1963年に広島に生まれて、物心つく前からカープを見ているが、あれほど派手で仰々しい新人選手の入団会見は記憶にない。広島市で最大のホテル、その中でも一番の大広間に460人ものファンを集めて、ドラフト1位の中村奨成(広陵)が新人王獲得を宣言。さらにはトリプルスリー、将来は3冠王も狙うとまでぶち上げた。  一昔前なら、コワモテの首脳陣やうるさ型のファンが「舞い上がるんも大概にせえ!」とクギを刺すところだが、これだけ言えるのも自信があるからこそ。バットが金属から木に変わったら苦労するのでは、という不安に関しても、「ウチの練習では木のバットで打ち込んでたから、プロでも慣れるのにそんなに時間はかからないはず」と広陵の恩師・中井監督は太鼓判を押している。  こんなふうに中村奨が目立てば目立つほど気になる��が、同じ捕手で来年2年目を迎える坂倉だ。2016年ドラフト4位で日大三から入団。「打てる捕手」という評判通り、1年目の今年は二軍でウエスタン・リーグ2位の打率2割9分8厘をマーク、優勝と日本一に貢献し、一軍でも初安打初打点を挙げた。  古株のチーム関係者によれば、「あのセンスと練習に取り組む姿勢は若手時代の前田智徳に匹敵する。新人のころからあそこまでやっている選手は他にいなかった」という。現に、広島市内の大野練習場では、12月も毎日のように黙々と打ち込んだり、投手のキャッチボールの相手をしたり、来年に向けて汗を流している。  打撃のセンスは折り紙付きで、最初のうちは動きが硬く、低めの球を後逸することもあったが、キャッチングも着実にレベルアップしてきた。リリーフ投手陣も「もう安心して変化球を投げられるようになっている」と評価しているほど。  今年の実績からすると、来年の日南キャンプで坂倉が一軍スタートとなるのは確実だ。高卒新人の中村奨は球団の慣例に従えば二軍スタートだろうが、力、口、人気とすべてにおいて規格外のルーキーだけに、一軍に抜てきされる可能性は大いにある。 Source: スポーツニュース拾い読み Source: スポーツニュースまとめ
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セイレムの感想
久しぶりにゲームの感想をば書かんとす。 真名明かしてますのでネタバレ注意です。
セイレムめっちゃ面白かったです。 久しぶりに、ノベルゲームやった気がした…。
ライアーソフトのスチームパンクシリーズ(ディレクター、シナリオを桜井光先生が手がけています)のような運びで、私にとってはいいテンポで進めることができました。お話が全部終わってからフリークエスト解放されるのっていいですね。
題材がセイレムだしクトゥルフ絶対関連してるし、それならシナリオは桜井先生ではないかと思っていたんですけど、いざ始めると、星空めてお先生とどっちかわからなくなりました。めてお先生が剣豪かなーと勝手に思ってたので。でもどちらもライアーソフト出身だしな…。お二人でもなかったら、もう利きテキストとかわからないな…。
話の運びも面白かったんですけど、個人的に嬉しかったことが多かった。 ・マタ・ハリがたくさん活躍していた! ・ロビンがEXTRAを彷彿とさせる!! ・オケアノスのキャスターがめちゃくちゃ可愛い ・公式で夫婦を扱うの最高 ・クトゥルフモチーフであれこれ考えさせてくれる ・マシュも主人公も成長している
・マタ・ハリがたくさん活躍していた! オルレアンでは佐々木小次郎やカーミラさんがドラゴンスレイヤーだった、ということは初期勢からよく言われていることですが、うちでドラゴン頑張って倒してくれていたのはマタ・ハリでした。単に私がこやまさんの絵がめっちゃ好きで特にマタ・ハリのおっぱいが好みだったというのもある。牛若丸とマタ・ハリが最初に最終再臨させたサーヴァントだったと思う。 でも、今までメインストーリーにがっつり絡んでこなくて、イベントの時とか他のキャラの幕間とかサモさんのバレンタインの話にちらっと出てくるくらいで、ずっと一緒にいるのにいまいちどういうキャラなのかわかってなかった…。敵として出てきた時めちゃくちゃめんどいことは知ってた…。 ともあれ、とても知的で情愛に溢れ空虚なものを抱えた女性であることが明かされ、もっともっと好きになりました。 サンソンたちに名前呼びされてたのもちょっと嬉しかったな。
・ロビンがEXTRAを彷彿とさせる!! サンソンと仲が悪いなあって意外だったんですけど、サンソンがダン卿に似てるからかな。似てるというのは言葉が違うんですが…。うまい言葉が浮かばない。個人的な解釈です。 ダン・ブラックモア卿というのはFate/EXTRAにおけるロビンのマスターで、渋い英国の魔術師です。彼は騎士であり、EXTRAの主人公とも正々堂々とした戦いを望むのですが、ロビンとは相性が悪い。でも、それは方針の違いなだけで、息のあったコンビだったのです。 EXTRA出身のサーヴァントは割とムーンセルでの聖杯戦争を知ってるのでは、と思うんですが、よくよく考えたらそれって、ロビンとナーサリー・ライム、ランサーのヴラド公くらいかも。ネロはセプテムで出会った後の彼女でEXTRA軸ではないと思うし(メタ的なネタはあるけど)、ドレイク船長もオケアノスの彼女のように思います。呂布はよくわからん。 サンソンはロビンとは違う身分の人間で、どちらかといえば権力者側で、力があるのに何をうじうじしているんだろうって歯がゆいのかなーって。つっかかってるのも放っておけないのが、ロビンのいいところですね。サンソン友達いなさそうだしさ。 セイレムに着いてからはたくさんのことを背負ってくれてる…って思いました。哪吒との掛け合いも楽しかった。
・オケアノスのキャスターがめちゃくちゃ可愛い すでにニコ生の宝具紹介のところで真名がわかってしまったオケアノスのキャスター。キルケー。私はオデュッセイアで、キュクロプスの話とキルケーの島に寄るところとナウシカアの話が好きで、キルケーが出てきたのは嬉しい。しかも、素直じゃないところがめちゃくちゃ可愛い。姪のメディアをちょっと羨ましいと思っているのも可愛い。最初は髪の毛が短いのに、カルデアに来て再臨すると髪の毛伸ばしてくれるのも可愛い。全てがいじらしい。それでいて、最古の魔女にして魔術においては他の追随を許さない態度も素敵でした。アビゲイルに「ルーキー」って煽るところ、好きだった〜。 メディアとの出会いのエピソードも楽しかったです。 ところで、クトゥルフ関連してるし、おさらいしておこう〜と、PHP研究所発行の「ビジュアルで楽しむクトゥルー神話」と引っ張り出して読み返したんですけど、アビゲイルが呼び出す(憑依されている?)ヨグ=ソトースの妻がシュブ=ニグラスで彼女(?)は月の女神アルテミスやヘカーテなどを隠れ蓑にして信仰されていた、とあったので、キルケーも実はあっち側だったらどうしようと心配になりました。でも結果的に、何もなくてよかった!キルケーが選ばれたのは、何か関連があったかも、ですね。 宝具の豚化、可愛い。 あと、実装されてないしこれからもでないと思いつつも想像をたくましくしてしまうんですけど、オデュッセウスとのあれこれめちゃくちゃ気になる。プロフィールでは「嫌いなこと」でオデュッセウスのことボロクソに言ってるんだけど…。でもオデュッセウスとの間に息子産んでてその息子がのちにオデュッセウスを殺して父の妻のペーネロペーの夫になって義理の兄のテーレマコスは母親のキルケーの夫になってるんですよね…。いえ、そのあたりはFGOでなくなっててもいいことなんですけど。 でも絆レベル5のセリフはもう私と結婚したようなものだから…。聖杯あげたいと思います。 アステリオスともちょっと絡んだら嬉しいな〜。キルケーは頭を抱えそうだけどね。
・公式で夫婦を扱うの最高 火のないところに煙を立たせるのも好きですが、最初から火を熾してくれているのも大好きです。シバの女王、最高でした。なんか、ああいう性格で銭勘定にはシビアなのに、伴侶というか想い人に対しては控えめで、お慕い申し上げてますっていう姿勢なのが、もうもうもう…。ありがとうございます。 そして、これで、一つ、彼のことはひと段落したのかな、とも。寂しいですが。1部が終わって、1.5部が始まって、この期間って、結局、彼がいない時間を日常にする、弔いの期間ではなかったのかな、と、彼女の登場で考えてしまった。 彼女が「彼は喜んでくれるだろうか」と想いを馳せ、主人公たちも「きっと」と気持ちを同じくする、それが、かけがえのない時間、今はもうない時間、でも確かに残るものなのだと思わせてくれた。まだ私、礼装見るたびに泣けてくるんですけどね…。もう1年経とうというのに。
・クトゥルフモチーフであれこれ考えさせてくれる キルケーの所でも書きましたが、10年以上前にちょろっと触って、その後、ちょいちょい派生作品をつまんでるので、「これってあれか!?」て言う感じで色々考えてみるのが楽しかったです。考察というより、自分の持ってる知識であれこれ想像するのがわくわくした。 ノア・ウェイトリーが出てきた時は、おじいさんってどういうこと、ラヴィニアの父親ちゃうかったっけと混乱しましたが、あのセイレムでは祖父と孫なんですね。(ラヴィニアは父親の企みでヨグ=ソトースと交わり忌まわしき双子の混血児を産む) アビゲイルも姓はプリンだったはずだけど、名前変わってたし。プリンだと絶対、主人公はウェイ系コメント出す使命にかられるよな。 ランドルフ・カーターは黒幕じゃないと思ってたのに魔神柱かよ!って思ったけど本物(?)でてきたからよかった。夢想家の彼は宇宙を渡り歩いているのか。この、世界を渡る力を持っているのは、プロトセイバーや武蔵ちゃんと同等のものなんですかね…。キャスター・リンボも同じ?第2部で明かされるかな。
・マシュも主人公も成長している メインシナリオでは久しぶりに主人公と行動するマシュが成長してて、おばちゃんはもう泣きそうでした。主人公と出会った頃のマシュは感情に振り回される方ではなかったと思うんです。情緒が育っていないというだけでなく、正しさを定めて、目の前のものをそうであるかないかという測定をして、最適解を求めようとしていたと思うんです。でも、旅をしていくうちに、この世界はとてもあやふやで、でも、確かに未来に進むために皆が是とするものがあること、それが人を導くのだと彼女は知ったんだ…と、感じました。恥ずかしいことを書いてますが…。 セイレムの住人は、もはや生きている人間は一人もいない世界でしたが、彼らは「普通の人々」でした。マシュは、今までの旅の中で、あんな閉鎖的な社会(あの村は外に出ていくことができたとしても、あの社会だったでしょう)には行ったことがなかったと思います。彼女の中には生活を良くするための知識があり、そうしない/できない人々を尊重したいと願いながら、一方で、恐怖を覚えたのではないでしょうか。主人公たちがセイレムに来てからの、最初の事件は、少女の発熱でした。それが、魔女の摘発を促し、人々を疑心暗鬼に陥らせ、狂気を加速させていった。マシュが一生懸命人々を助けようと思っても、受け入れられないこともある。本当に、しんどかっただろうなあと…。勝手に妄想してるだけと言えばそれまでなのですが、アビーやラヴィニアと話すマシュを見て、彼女も、まだ、二人と同じくらい子どもなのだと思い出したのでした。 主人公は魔術師というより、魔術使いになっちゃいそう。
ともあれ、この先も楽しみになる作品で、セイレムよかったあ…。1.5部の中で一番好きですが、最後に出たからかもしれない。好みでいうと、セイレム>新宿>剣豪>アガルタです。 さー、これからフリークエスト制覇しよう!
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touchdownnetwork · 7 years
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バッファローの強さは本物か
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バッファローが、アトランタを23対17で下して、3勝1敗の好成績である。3勝の相手には、強豪のデンバーとアトランタが含まれている。また、敗れたカロライナとの対戦は3対9の僅差で、パスが一つ決まっていれば勝利も有り得た接戦だったので、バッファローは4連勝も有り得た勢いで、序盤戦を消化したことになる。 バッファローでは、今年のチームは昨年のチームから大きく変化した。新しくHCに就任したマクダーモットは、フィラデルフィア時代にHCリードから学んだ正統派のチーム管理・運営方法を導入し、前HCライアンの指揮下で時としてライアン本人が率先していた無軌道ぶりは一掃された。一言で言えば、一人一人が思いのまま勝手に動いている状態から、チームとしての体を成してきた印象である。バッファローのファンの間では、18年ぶりにプレーオフに出場するのではないかという期待が高まっている。但し、バッファローが、現時点でリーグのエリートチームと互角に戦える戦力を備えたと断言するのは、時期尚早かも知れない。
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ショーン・マクダーモット
ネブラスカ州オマハ出身。ウイリアム&メアリ大卒(1997) コーチ歴: 1998年ウイリアム&メアリ大(GA) 1999〜2010年フィラデルフィア・イーグルス 2011〜2016年カロライナ・パンサーズ 2017年〜バッファロー・ビルズ ウイリアム&メアリ大ではピッツバーグHCトムリンがチームメイト、アトランタHCクインがアシスタントコーチ。
先ず、バッファローの地力に関しては3勝1敗の成績が証明するように、明らかに向上している。現時点におけるチーム力の基盤は、新守備コーディネーターのフレイジャーが導入した、4-3体型の攻撃的な守備である。実際、バッファローは、第4週を終了して、1ゲーム当たりの失点が13.5点でリーグ第1位にランクされ、これまでのようにビッグプレーを許して大崩れしていない。これに伴い、ゲーム中のチームのモラルが向上しており、相手チームにイージーTDを許して、ベンチがしゅんと静まり返ってしまう状況は、これまで発生していない。 フロントラインは、DEが8年目のヒューズと6年目のデービス、DTが12年目のウイリアムズと7年目のダリウスとベテランが揃い安定している。ヒューズは今シーズン、既に3回のQBサックを記録している。LB陣は、守備の要だったブラウンがフリーエージェンシーで抜けてしまい不安視されたが、昨シーズン12.5回のQBサックを挙げたSLBアレキサンダーが、アトランタとの対戦では6回のソロタックルを決め気を吐いた。更に、これまでスターターとしての実績はあまりなかったWLBハンバーとMLBブラウンも、負傷をおしながら予想以上の動きを示した。DB陣は、CBがルーキーのホワイトと2年目のゲインズ、FSが4年目のポイヤー、SSも4年目のハイドという構えだが、アトランタとの対戦ではSSハイドが6回のソロタックス、2回のインターセプトと勝利に直接的に貢献した。 但し、1ゲーム平均の喪失点では13.5点でリーグ第1位の守備だが、1ゲーム平均の喪失ヤードに目を向けてみると、306ヤードでリーグ第8位まで降下する。上位3分の1の立派な成績ではあるが、守備が原動力となって勝利を重ねるような圧倒的な力があるとは言えない。事実、守備が健闘したアトランタとの対戦を見てみても、総獲得ヤードではバッファローが281ヤードに対してアトランタが391ヤード、保有時間はバッファローが28分45秒に対してアトランタが31分15秒、ファーストダウンはバッファローが15回に対してアトランタが25回、攻撃回数ではバッファローが59回に対してアトランタが72回という、守備がアトランタの攻撃をねじ伏せたとは言えない状況が明らかである。更に、バッファローとの対戦において、アトランタはポイントゲッターのWRジョーンズを股関節の怪我のため2Qで失っており、後半はアトランタの得点力が大幅に下がった状態であったことも勘案すれば、バッファローの守備の評価は慎重に行う必要がある。 一方、攻撃に目を向けてみると、ボールセキュリティが向上したQBテイラーとベテランで実績があるRBマコイが、QBとRBのスキルポジションの中央を固めるが、攻撃力は全体として低く、守備に頼らざるを得ない状況である。第4週を終えて、1ゲーム当たりの総攻撃獲得ヤードは284.2ヤードでNFL第29位、また1ゲーム当たりの得点は18.2点でNFL第22位と最下位グループに属している。QBテイラーは、攻撃で勝たなければならないという考えは捨てて、守備でフィールドポジションを優位に傾かせて、好機に得点するというチーム戦略に忠実なプレーを行えるようになった。1ゲーム当たりのパス獲得ヤードは186ヤードでNFL第28位でありパス力があるとはお世事にも言えないが、5回のTDパスに対して1回の被インターセプトの割合が物語るように、無謀なパスは投げなくなった。最大の課題は、昨年1回キャリー平均5.4ヤード獲得で1,267ヤードを走り、13回のTDを挙げた、RBマコイがマークされて走れないことだ。第4週を終えて、マコイは1ゲーム平均17回のキャリーで54ヤード獲得、1回平均3.2ヤード獲得、TDランは無く、NFL第17位に留まっている。相手チームは、マコイのランを徹底的に止めることにより、バッファローにパスで勝負しろと挑発しているわけだが、HCマクダーモットはそれでもランを繰り返して膠着状態に持ち込むことが最大の勝機と見ているようだ。 アトランタとの対戦をもう一度振り返ってみると、バッファローの守備は、アトランタのQBライアンから2回のインターセプトを奪い、攻撃の芽を摘み取っている。また、バッファローの守備は、アトランタに3回のファンブルを起こさせて、その内1回はSSハイドが掬い上げてTDを挙げている。フィールドポジションの戦いを行いながら、ターンオーバーを奪ったことが、アトランタに対する勝利の最大の理由であるが、こうした快挙を毎ゲーム続けることは、フットボールの常識的に無理というものだろう。バッファローの23点は、テイラーのパスで7点、ハイドのリターンで7点、残りはKハウシュカの56ヤードを含む3回のFGで挙げた9点であることを考えると、流れがバッファローに傾き何とか勝ったというゲームであった。 第5週のサ―ズデーナイトでは、AFC東地区のニューイングランドがタンパベイに辛勝したが、ニューイングランドは現時点でこれまでのような圧倒的な安定度を示していない。ニューイングランドに対抗すると予想されたマイアミは新規加入のQBカトラーとレシーバー陣のタイミングがあっておらず、RBアジャイもマークされ苦しんでいる。NYジェッツは2勝2敗と健闘しているが、QBポジションは定まらず、地区優勝を狙って躍進するような気配はない。こう考えるとバッファローにとってはチャンスであるが、守備でフィールドポジションを固めること、攻撃がレッドゾーンの好機に得点すること、ターンオーバーを奪うこと、FGで着実に得点することとが必要であり、勝利と敗北は紙一重の対戦が続きそうだ。
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