Tumgik
#リボン太鼓
catdoll007 · 1 year
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一宮市尾西歴史民俗資料館 敷地内
🌟旧林氏庭園
旧林氏庭園は、10代目の林幸一が昭和初年から約10年の歳月をかけて作庭しました。
心字池を中心とした回遊式で、各地から収集された石の特徴を活かした石組みが見所です。
ドウダンやカエデなどとともに、四季折々の風景を楽しむことができます。
近代の愛知県における造園文化の発展がわかる貴重な庭園と言えます。
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ayabecatharsis · 1 year
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どこまでのリアリティを求めるか
日本髪に女性だけど、イヤリングを付けたい
櫛があるのが普通だけど、表現が難しいから花を盛りたい
はっと気づくと、固定観念や先入観に囚われている
けどこれは絵だし芸術だし、大河ドラマじゃないんだから
もっと自由に表現しても許される
ただ、着物の合わせは右手が入るように描くとか、
若い時は帯はリボンでもいいけど、年取るとお太鼓にするとか
後頭部��の髪は、若い場合はキュッと締めて、年増になるとふっくらさせるとか
忠実にしたいとこはして、遊びたいとこは遊びたい
そんな姿を描きたい
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u-wolf-kansou · 1 year
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 この感想はアンメモバベル月白の既刊を全て読んだ人間のネタバレ配慮なし感想です。
 相変わらず読みながら書いているので色々ご容赦を。この前のate2乾燥よりはマシな気がする………。
それでは以上大丈夫な方のみお先へ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇──先触れ
 この2ページで世界観に引き込んでくる古宮先生はやっぱりすごい。わからないものを散らして行くとその先も読みたくなる。そしてまた、ページをめくるのだ。
一──血汐事件
『これは平穏な日常に潜むささやかな怪奇の話ではなく、怪奇が当たり前のものとして定着した変質後の世界の話でもなく、今まさに街の生活に流れ込んできている異物との──闘争の話だ』
↑のっけから好きなんですけどどうしたらいいですか? 取扱説明書ありがとうございます。
 当たり前のように黒いリボンに会釈する二人。もう怖いが?
 これは個人的な話なんですが綾香さんの方向音痴、めちゃくちゃ覚えがあるんですが、それに道案内までしてくれてる蒼汰君優しすぎませんか!?!?!
 幼女との出会い。そして普通に力が強いゴリラ蒼汰君。そしてめちゃくちゃ通学中に人助けしてて草。
 そしてとりあえず行ったら血まみれの学校。え?
『もし、何かの入口に白線が引かれていたなら、その先に入ってはいけない』
↑いいですね〜〜〜!!!!! ホラーでは大体導入でこれに気づかず入ったDQNかカップルが酷い目にあったところから話が始まることが多いです。でも蒼汰君目線。新鮮で良き。
 そして普通にこの電話は怪異の罠では? でもたった一人の家族のピンチ、行かないわけにはいかないよね。
 いや、残念でした♡ 体欲しいなら怪奇を100体滅ぼしてね♡って導入やば。うける(急に語彙を無くした)
二──禁忌
 赤バスの噂。最高!!!!!
 ちょっと蒼汰くんwwwwww
 記憶屋〜。
 寄り道しまくっている蒼汰くん花乃ちゃんに追い抜かされちゃうの……なんて言うかこう。……巡り巡って花乃ちゃんのためになっているのだろうか。
 バスの前に立ち塞がるの怖かった蒼汰くん、いや普通の男子高校生ならそうだわ。普通だわ。
 自分の使ってる呪刀のことよく知らないの、普通に怖くないですか? と思うんだけど後でやばいことなったりするんかな……。
 井上きさ子ちゃんの張り紙、そのあたりからだんだんとおかしくなって行くのいい感じの怪奇で楽しい。
『久しぶり、蒼汰くん。覚えてる?』
↑怖い。
 一妃ちゃんの第一印象、怖い。なんかごめんなさい。
 関係ないんだけどスポーツバッグに入ってる花乃ちゃんなんかシュールでは? 生首持ち運んでる蒼汰くんmいやこれは突っ込んだら負けゲームか。やめます。
『どこにもいないよ』
 特定の言葉に反応する怪奇、好き。
『怖がると向こうが喜ぶだろ』
 かっこやみ
 とりあえず核がわかってさえ仕舞えば物理で叩くの、やっぱり古宮先生である。
三──三叉路
 怪奇の大安売りというパワーワード。
 一妃ちゃん神出鬼没怖くないですか……ずっと怖がっててすみません。
 白いヒヒ、何してるんだろうな。見てるだけの怪異結構好きです。
 そういえば監徒ってなんなんだろって思ったタイミングでちゃんと話出てきた。すごい。
 小さい頃の友達って言っても、人間かどうかってわからないよね。
 白い肉塊って普通に怖くないですか? なんかぶよぶよしてそう。
『怪奇を見にきたんだから怪奇だと思うよ!』
↑それはそう
『とこよつじ』
 こわ……。
 正気が頑丈なのはさすがにウケる。
 そしてプードルプードル言い出す蒼汰くん。結局プードルみは排除された。え、なんだったの? プードルが怪異?
 →結局プードル呼ばわりは直りませんでした。
 鍋焼きうどん過激派。なんか気持ちは分かる。
 監徒でたーーー!!!!
四──祟り柱
 えっあっという間に読んじゃった。あのキャラ紹介の一番左の人ってそうですよね? えっ? え?
 面白かったです。私はホラーが好きなので結構そういうのを漁るんですが、人の声を真似して中に入れてもらおうとする怪異ってかなりの数の話があるんですよね。まぁそれだけ怖いのか、それとも本当にそういう怪異が多いのか。私には全くわかりませんが。
 有名なのは『赤マネ』ってやつです。
 家の扉を知り合いが叩く。その人の声で名前を呼び、開けてくれと頼んでくる。家族が相手だと鍵持ってるのに? と首を傾げたりで気付いたりして難を逃れる、みたいなパターンが多い。その手の怪異はこちら側が招き入れないと入ってこれないらしいのでそうやって知り合いの真似をするんだそう。
 なぜ赤がつくのかは怖がった部屋の主が真似をされている人間に連絡を取ったら、ドアの前に赤い何かが張り付いていたという証言から来てるらしいです。
 定番ですが、色んなところで話されている物だともしかして本当に……という期待ができていいですよね。
五──五人娘
 吉野さんの話をしていたりなどしていた。いやのっけで謎の怪奇と戦ってたけど加月くん顔可愛すぎない? 二色先生、ありがとうございます。
 血汐事件は他と違って異世界由来? というのは古宮先生が異世界からの干渉が好きなのかな。アンメモ世界もそうだけど、なかなかに多く出てくるキーワードな気がする。
 水筒からお茶注いでくれる加月くん、すき。
 武器携帯するのに存在しない剣道部出してくるの、うける。
 陣内くんは巻き込まれ体質なん? せっかく白いヒヒから離れたのにかわいそうだな。なぜか床辻の禁忌に巻き込まれる。かわいそ(大事なことなので二回)。
 ヤバヤバ呪刀。加月くん思ったより言葉のセンスが面白い。すき。
 水晶玉、撃っていいんじゃないかって適当すぎでは?
 見える人間だから当たりをひきやすい陣内くん、可哀想。強力スパムの怪奇、ほんと面白い。
 変なところで折れたりしないでくれ。笑う。
 怪奇のスクールシューティング、語彙!!!!
 怪奇の説明してくれる一妃さん、ありがたい(さん)
『え! じゃあどのくらい好き?』
↑嫌いじゃないがじゃあすき? になるの可愛すぎる。
 うーん、五人娘の話、めちゃくちゃ面白かった。それにしても空っぽの神社に友達を閉じ込める女の子五人、普通に怪奇とか関係なくめちゃくちゃ怖くないか?
六──践地の儀
 一妃ちゃんの記憶😭😭😭😭
 蒼汰くん、吉野さんに会ってたんだ。そしてようやく思い出してきた一妃ちゃんと遊んでた記憶(ほんとに出会っててよかった)
 花乃ちゃん😭😭😭😭😭😭
 儀式するらしいよ。ペンダント嬉しそうにしてる一妃ちゃんかわいいな……ほんとにこれから儀式なんてすんのかな。
 常世=異世界はまぁ間違ってないと思うし普通にあの世ってのも別の世界と思えばそれが当たり前なのかもしれないなとふと。。。
『一妃が花乃を普通の人間として大事にしてくれたことがひどく嬉しかった』
↑うわぁぉぁぁぁ!!!!!!!
 色んな呪いが解ける蒼太君。よかった。
『少なくとも俺の分だけでも公平にしないと、一妃に向き合う資格に欠けると思うんだ。』
↑すき。すき。すき。
 急に一緒に暮らさないかって言い始めたんだけど!?!!る、、!!?、?、
 ひとから認識されにくくできる一妃ちゃん。やば。
 え、狩衣着てる加月くんみたい! 見たい!!!! てか白いヒヒここで出てくる!?!?
 加月君母も綺麗なのか、綺麗家系か。
 普通に戦闘始まってて引いた。
 p355の挿絵、めっちゃよくないですか???????????? 蒼汰君は俯瞰で吉野さんは煽り。最高では? 二色先生ありがとう。
 綾香さん、こんなタイミングで、まじか…………嫌な予感しかしない。
 吉野さんとの戦い、いいですね。あと、太鼓の音が鳴り響いた、というタイミングで頭のどこかで「ドン」という音が響く。明瞭な想像ができる舞台。
 うわーーーーーーーーーーーーーー禁忌ーーーーーーーーーーーうわーーーーーーー。
七──継承
 吉野さんって、下の名前だったんかーーーーーーーーーーーーー!!!!!わざとだとは思うけどおおおお!!!!
 吉野さんとの蒼汰君の境遇似てるの辛いな。ていうかやっぱり、好きじゃん……最初の顔だけ見てなんでこんな引き当てるん……。つらいな……。綾香さんのこと見た時に嫌な感じしたけどやっぱりか……って感じだな……つらいな……。
 100年も持たなそうってそれ、夢見さんのこと分かってたんか????????? ひどいなぁ……。
 夢見さんがどうなったのか見ると割としんどいな……花乃ちゃんどうなってるんだ……でも花乃ちゃんは生きてるしな……。
 自分の名前言わされる蒼汰くん。普通にピンチだった。
 一妃ちゃんの前の迷い家主人、夢見さんだった?
 白線が、くるぞーーーーー
八──白線
 やっぱり一妃ちゃん昔会ってなかったんか!?、!!??、、?! ていうかずっとお姉さんだったんか!?、!!? 誰なの!???? こわい!!!!
 夢見さんんンンンンん
 お姉さんだった、よかった……。
 え? ちがう?(大混乱の女)
九──異郷
 一妃ちゃん……おぬし、、、、、、、、。こ……こわ……。人ではない世界外の存在の思考、そんなの人間に理解できるわけないよね。
 体を返せって言われて、「え、やだ。」って答える一妃ちゃん…………。
 蒼汰くんまじで、力イズパワー。これがちから。力が欲しいか、じゃない。蒼汰君の意志の力こそが運命に争う力そのもの。
十──呼び声
 一妃ちゃんの姉、怖くないですか? 以上です。
 ていうか普通にのっけの話から蒼汰君騙されてるんだよね。
 事故にあった両親が助けを請う電話が本物かどうかわからないほど執拗な嫌がらせを続ける世界外の存在、こわすぎ。
 二重の意味で花乃ちゃんは一妃ちゃんに助けられてるわけだけど、なかなか、色々……。
 というわけで、読了。
 綺麗に終わったけどちゃんと続きが読みたいお話でした! 私がホラー好きなのもあるけど最近だと一番好きかもしれない。ありがとうございました!
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sarahalainn · 2 years
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【TV】
「新・にっぽんの芸能」に出演させて頂きます!
高橋英樹さん、初めましてでした☺️
その日は LA DIVA本番だから
私は録画で観ます^ ^
この #サラスタイル
春🌸と、
主人公の蜘蛛のオレンジ色🧡
を取り入れてみました🕷 (ネイルとリボンの色)
#片岡愛之助 さんの変化舞踊
PART 1 お楽しみに!
#kabuki #歌舞伎 #舞踊
番組のリニューアルを飾るゲストには、国際放送の番組「KABUKI KOOL」で愛之助さんとともに歌舞伎の魅力を世界に発信してきたサラ・オレインをお迎え。
#1
4月8日(金)21:25~22:00(Eテレ全国)
再放送:4月14日(木)14:15~/4月15日(金)5:30~

#2
4月15日(金)21:25~22:00(Eテレ全国)
再放送:4月21日(木)14:15~/4月22日(金)5:30~
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asuka-iwamizawa · 5 years
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てくてく通信 7月号
ふとした風や、虫の音にも秋の気配を感じる時期となりましたが、今月もてくてくの皆様は元気に通所して下さっています!!
てくてくは8月より定員が50名となり、新規のご利用者様も増え益々活気あふれるデイケアとなっております!!7月も沢山の行事がありました。それではその様子をご覧ください☆
7月の行事・出来事
5日【新緑の木】
恒例のてくてくの木☆彡
新緑が鮮やかで、七夕に合わせて七夕の飾りつけもしました。
各々短冊にお願い事も書き、飾りつけしました~☆彡
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10日【工作カレンダー】
8月のカレンダーを制作しました!!
とっても美味しそうなトウモロコシのカレンダーが仕上がり皆様大変喜ばれていました(*^_^*)
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24日【工作 飾りホウキ】
麻紐でホウキ作りをしました~☆彡
リボンや花などで飾りつけをし、工作を楽しまれていました(^^♪
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31日【病院祭】
今年は晴天に恵まれ、活気ある病院祭となりました♪ゲームや、軽食コーナーやバザーをまわり楽しまれていました(^-^)午後は『多仲や一門』さんの和太鼓演奏や盆踊りを楽しみました☆彡
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今月もご利用ありがとうございました☆
来月も、皆様の体調管理に気をつけながら楽しく活動していきたいと思います(*^_^*)
岩見沢明日佳病院 デイケア てくてく   
0126-25-5670 担当 斉藤
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ohmamechan · 5 years
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煌々と、透明
 気づけば、道のガム跡を見つめながら歩いていることがある。  駅前や公園側の通りには特に多い、大小さまざまな、黒い点々模様。上京してす��は、この黒い点が一体なんなのか、わからなかった。舗道に敷き詰められたブロックタイルの模様な どではないことはわかっていたが、その正体を知らなかった。猫の足跡のようにどこにでも点々と落ちているそれらが、吐き捨てられたガムが踏みつぶされて、固まり、取れなくなって しまったものだと知った時は、妙な気分になった。遙の知らない、いつかの誰かがここを歩いた跡だ。それも無数の。恐竜の足跡と同じ、「何者かが生きていた証し」だ。もちろん、き れいなものでも、珍しく貴重な物でもない。清掃するか、新しく舗装されない限りは、その黒い模様はそこにあり続ける。テナントビルに入った飲食店は目まぐるしく変わっていくのに 、路上のガム跡はしぶとく残るのだ。  赤信号で歩みを止めた。遙の少し前を歩いていた凛のスニーカーの底が、黒い点の端を踏みつけている。ごつごつとして重く、赤い凛のハイカットスニーカー。気に入って履き続けて いるので、ソウルは擦り減っていくばかりだ。擦り減ってどこかへ溶けていく凛のスニーカーのラバーソウルと、消えない黒いガム跡を、なぜだがじっと見つめてしまった。そこで、駅 を出てからほとんど、俯いたまま歩いていたことに気づいた。  凛には、「どこに行きたい?何したい?」と、空港で顔をあわせたそばからたずねておいた。その答えは、まる一日経って返って来た。今朝、凛はコーヒーメーカーから立ち上る湯気 に、ふかふかと煽られながら、「ぶらぶらしたい」と言った。「ちょっと買い物もしたいし」と付け加え、ガラスのサーバーを傾けてコーヒーを注いだ。アルミ製の、登山で使うような カップ、二つ分に。  なので、昼を過ぎて、いわゆる「若者のまち」に繰り出した。  その街は、上京してすぐに、真琴とスーツを仕立てたり、安くて着まわせる服を仕入れたりするために訪れた町だ。求めるものが無ければ、特に足を向けることは無い場所だった。そ もそも、「お出かけ」なんて、何か目的が無ければしないものだけれども。故郷には確かにあった、目的が無くても足を向けるような場所が、こちらには少ない気がする。海とか、神社 とか、展望台とか。無目的の人間を無条件に無関心に受け入れてくれる場所だ。そういう場所が、東京にもまったくないわけではないのだ。アパートの近くの公園とか、川沿いの桜の並 木道とか。少ないけれどもある、ということは、ここに確かに自分の暮らしがあるということだ。上京して間もなく一年が経つ。自分の足元から、細くて小さな根が生えていたりするの かな、と思う。  大きな交差点の赤信号は、待ち時間が長い。車はまるで連結した車両みたいに、絶え間なく行き交う。小春日和のあたたかい日だった。凛は、遙が貸した裏起毛のパーカーを着ている 。真夏のシドニーからは、厚手のコートを一着持ち帰るので精いっぱいだったらしい。けれども、お馴染みの黒いロングコートで出かけるには、今日はあたたかすぎた。凛が「日本は冬 もあったかすぎて、大丈夫なのか」という心配をしてしまうくらい、今年の冬はあたたかい日が続く。 「いや、天気よすぎだろ」  凛が空を見上げて、眠いみたいに言う。  ぎざぎざのビルの山脈の間に、水色のリボンがたなびくような空が覗いている。  ふー、と長く息を吐いていると、あわい水色の空に、カッターで切れ目を入れるように、大声がこだました。誰かが、拡声器を使って、金切り声で叫んでいる。近くの公園でデモが行 われているのだ。デモの声を聞くのも、その集団を目にするのも、こちらでは珍しいことではない。プラカードを掲げたパレードとすれ違ったこともある。けれど、以前耳にしたものよ りも、随分と過激だ。悪口雑言で、何ごとかを罵倒している。拡声器の音が割れていて、ところどころしか聞き取れないが、「しね」とか「出ていけ」とか、声に乗った重たい憎しみの 感情が、つぶてのように降った。その声に否応なく耳を叩かれているはずの信号待ちの人々は、何の温度もない顔をしているように見えた。  遙は、半歩前に立った凛を、掠めるように見た。凛は、スマートフォンで目的地を検索する手を止めて、声のする方に目をやっている。凛には、あの声が、どんな風に聞こえているの だろう。凛の耳を塞いで、謝りたいような気分になった。デモの声は、遙の声ではない。でも、街の声だ。何かを主張し、誰かを罵り、道行く人々にお前はどう考えるのだ、と答えを迫 るような声。あらゆる問題に対して、当事者でいなければならない、と突き付けるような声。それらが、遙の体の中にじりじりと侵入してくるように思えて仕方がない。青信号になって 歩き出しても、ガム跡の黒い点のように、声は遙の中にこびりついて離れない。  横断歩道を半分ほど過ぎてから、凛がちらりとこちらを向いた。 「疲れたか?」  え、と短い声が漏れた。「疲れたか」が、別のことを指しているように聞こえて困惑した。凛は歩みを止めないまま、言った。 「昼は軽く済ませたもんな。どこかで休憩するか?」 「いや、大丈夫だ」 「そ?」  じゃあ、もうちょっとで着くから、付き合ってくれな、と凛は軽い足取りで歩いて行く。東京の人ごみには遙の方が慣れているはずなのに、凛はヨットの帆先みたいに、無数の人々の 群れの中を軽やかに進む。  疲れてなどいない。と、思う。  一年近く暮らして、こちらにも、親しい友人や、馴染みの場所が増えた。もう知らない土地ではない。どこからどんな風に日が上るのか、日暮れ時の景色はどんな色か。日々刻まれて いく街の記憶がある。でも、今、凛に「疲れたか」と問われて、無性に、帰りたくなった。どこに。アパートに。ふるさとに。プールに。どこが、自分の帰るべき場所なのだろう。どこ へ、とも知れないが、帰りたい。透明になれる場所に。この土地でずっと暮らすうちに、いつか、透明になる方法を忘れてしまいそうだ。  こっちこっち、と凛の的確なナビゲーションで辿り着いた先は、大きなCDショップだった。いや、ショップと呼ぶに納まらないほどの規模だ。入り口に、「NO MUSIC NO LIFE」とで かでかと掲げられた九階建てのビルを、思わず見上げてしまった。 「改装されたって聞いて、来てみたかったんだよな」  凛は相変わらず迷いのない足取りで、自動ドアをくぐっていく。慌てて追いかけ、凛のうしろにくっつくようにして、エスカレーターに乗った。  店内のすべての壁を埋めることに使命でもあるのか、ポスターやポップが賑やかで、目が飽きるということがなかった。また、ひっきりなしのレコメンド放送が耳を埋めた。目と耳か らの情報の洪水の中で、遙は凛の色とか形とか匂いを手がかりに、必死に立っているような気分になった。  四階に上がる頃になってようやく体が馴染んできて、フロアガイドに目をやる余裕が出来た。CDなどの音楽ソフト全般はもちろんだが、映画ソフトやAV機器も置いてあり、カフェ や本屋も併設してある総合施設らしい。 「何階に用があるんだ?」  エスカレーターを下りて、また登りの方へベルトコンベアのように体を運びながらたずねる。凛は肩越しにこちらを振り返って言った。 「順番に上から見て行きてえんだけど」  順番に、上から、というと、九つのフロア全てということだ。地元のCDショップに二人で行ったことがないわけではないが、ワンフロアのこじんまりとした店舗だった。この音と光 に溢れたタワーを、一階ずつ攻めていくのかと思うと、う、と息が詰まった。すると凛は、苦笑いした。 「わーかったよ。特に行きてえのは八階かな」  ぐいぐいとエスカレーターに運ばれながら、フロアガイドを確認する。八階は、主に洋楽の音楽ソフトを置いているフロアらしい。  ビルをジグザグに縫うように上へ上へと運ばれて、ようやく目的の階に到着した。エレベーターでもよかった気がするのだが、凛はあえてエスカレーターを選んだようだった。移動し ている間ずっと、彼は店内の様子をおもしろそうに眺めていた。縁日の屋台を見て回るみたいに。 「ここまで連れて来ておいてなんだけど、ハルは、カフェか本屋で時間潰すか?」  8F、と書かれたフロアマットを踏んで、凛が言う。ふるふる、と首を振って意思を伝える。たまにしか会えないのに、別々で過ごすのは、選択肢になかった。それに、ぶらぶらする のに付き合うのは、苦手ではない。真琴や旭の買い物に付き合うこともよくある。 「ハルには、退屈かも」  それまでまったくそんな素振りなど無かったのに、急に心配になってきたらしく、凛はやや重い足取りと、小股で移動した。陳列棚の間を進みながら、 「べつに、いい」  と返した。それでも凛は、申し訳なさそうに言う。 「わざわざショップに行かなくてもさ、いまどき、配信でも手に入るのが多いんだけど、…マイナーなやつとか、配信の方が早かったりするし���でも、なんか、ジャケットを手に取って 選びたいっつうか」 「わかる」 「ほんとかよ」  凛は思いきり疑っている。遙が音楽に興味の薄いことを知っているからだ。 「魚は、実際に捌いているところや、目を見て鮮度を確かめたい。それと同じだ」 「そうじゃねえ、とも言い切れねえ…絶妙な例えを持ってくんな」 「とにかく、俺も適当に楽しむから、気にするな」  もっと理由を説明したほうが親切丁寧なのかもしれないけれど、自分でも、なんとも説明のしようがなかった。  凛は地図アプリを見ていた時と同じように、天井に下がる案内札を見ながら迷いなく進んだ。時々、黄色いエプロンの店員に「いらっしゃいませー」と笑顔を送られながら、八階フロ アの隅にある、一区画に辿り着いた。 「改装されて、ちょっと数は減ってるけど、ここ、インディーズの品ぞろえがいいんだよな。視聴もできるし」  そう言って、凛は、宝物でも探すように頬を煌めかせて陳列棚を眺めはじめた。遙も四角いケースにパッキングされたCDの群れを眺めてみたけれど、ピンとくるものはなかった。色 とりどりのCDのパッケージより、凛を眺めている方がおもしろかった。先ほど、べつに、いい、と返したとき、このことを伝えた方がよかったのだろうか。凛の指先が、つい、とケー スの背表紙を引き出す。ケースは、表、裏に返されて、また列の中に戻される。発掘調査員みたいなその様を見ているのが、おもしろいし飽きないのだ。そう言ってみたところで、果た して理解されるだろうか。言ってもいいことなのだろうか。  試聴したい、というので、壁づたいにひっそりと設置された試聴コーナーに移動した。「掘り出しもの!」「密かに沸騰中」など、手書きのポップが躍る試聴カウンターの前に立ち、 凛はヘッドホンを手に取った。再生ボタンを押された試聴プレイヤーの中では、青い円盤がきゅるきゅると回転している。凛はCDジャケットを眺めながら、何がしかの音楽を楽しんで いる。並びには、同じように試聴する客の姿がぽつぽつとあった。ポップやジャケットをくまなく眺めた。遙も適当なヘッドホンを手に取って、耳を塞いだ。再生ボタンを押すと、しゃ がれた女性の歌声が、破天荒ででたらめなピアノの音に乗って聞こえて来た。もちろん、遙の知らない歌姫だ。隣の凛が、ヘッドホンを着けた遙をおもしろそうに見ていた。  曲を聴くというより、ヘッドホンを装着しているだけの時間を過ごしていると、ふと、先ほどの、デモの声が蘇った。どれだけ耳元で音楽が鳴っても、店内が賑やかな音で溢れていて も、街の空に亀裂を入れるような、女の叫び声を剥し去ることができない。「しね」「出ていけ」「ほろびろ」「消えうせろ」ヘッドホンをしているからか、尚更、遙の体の中のあちこ ちで跳ね返り、耳から出て行くことを許されず、モンスターみたいに暴れた。こうして暴れはじめると、遙にはなす術がない。時に任せて、薄くなって、やがて忘れてくれるのを待つし かない。    不意に、隣の凛が「あ、これ」と呟きに近い声を出した。つん、と肩を突かれて顔を向けると、凛が遙のヘッドホンを外した。そして、自分と同じプレイヤーのフックに掛けられてい たヘッドホンをぱかりと開いて、遙の耳に当てた。突然、世界が静寂に包まれた。いや、正確には、ちゃんと音楽が鳴っている。ピアノとかギターとか。たぶん、笛も?なんというジャ ンルの音楽なのか、見当もつかないが。 「これさ、」  と、凛が説明を始める。しかし、ヘッドホンをしているし、音も鳴り続けているので、うまく聞き取れない。戸惑っていると、凛が身を寄せて、右耳のヘッドホンと、遙の左耳のヘッ ドホンをこつんと触れあわせた。そして、CDジャケットの裏の、曲目リストを指で差した。数cmのところで、凛の赤い唇が動く。 「このバンドの作曲担当がさ、自然の音を録音して、サンプリングして、曲の中にミックスするのが好きなんだ」  ここまではわかった?という風に、かすかに首を傾げて確かめて来るので、こくこくと頷いた。 「それでさ、今、聞いてるのは、海の波音とか、ダイビング中の海の中の音とか、イルカの鳴き声がサンプリングされてるんだってさ。ハルなら、なんか、聴き取れそうだなって、思っ てたんだ」  凛はおもしろそうに笑って、こちらを見ている。曲も聴かないといけないし、凛の説明も聴かないといけないし、イルカや波音も聴き取らなければならないので、忙しい。それに、何 より、突然に、近いし。パーカーの布越しに、凛の体温がじわりと伝わってくる。それくらい、凛が、近い。セックスだってなんだってしているのに、こういう時、どうしようもなくな ってしまう。心音が跳ねまわって、皮膚の下で反響している。 「どう?イルカ、いた?」 「ぜんぜん、わからない」  残念だが、わかるはずがない。正直に、首を振る。それでも、凛は楽しそうだ。「だよな」と、くすぐられたみたいに、笑っている。音楽の中に溶け込んでしまった動物の声を探すな んて、無茶な話だ。でも、二人で並んで同じ音楽を聴くのは、楽しいことなのかもしれなかった。ようやく動悸を落ち着かせて、他の客に怪しまれない程度に、体の片側をくっつけて、 どこかの国の、どこかの誰かが作った音楽に耳を澄ませる。ヘイトに満ちたデモの声を聴くよりも、凛と一緒にイルカの鳴き声を探す方がよっぽどいい。  ふと、こんな風に、高校生の時も、身を寄せ合って音楽を聴いたことがあるのを思い出した。駅前の、つぶれそうでつぶれない、小さなCDショップで。やっぱりその時も、凛は遙の 知らない音楽を楽しそうに聴いていたし、遙はその横顔を見つめていたのだ。凛はもしかして、泳いでいる時も、歌っているのだろうか。あとで聴いてみようか。そんなことを、思って いたのだ。凛の記憶は、きっとどこを取り出しても、息をしているみたいに鮮やかだ。  凛はその後も、いくつか試聴し、いくつかのCDアルバムを手に取ってうんうんと悩み、二枚のアルバムを選び抜いた。凛がレジに並んでいる間、離れたところで待っていると、手招 きされた。「二枚も買ってもいいと思う?」と不安そうにたずねてくる凛は新鮮で、どこかに再生ボタンがあれば、何回も押すのに、と思った。  アルバム二枚の出費は、親に仕送りをしてもらい、ろくにアルバイトもできない身分としては、確かに思い切ったものかもしれない。支払いを済ませた後も悩ましげな凛と一緒に、九 階のカフェテラスへ上がった。屋上にあるカフェはオープンテラスで、空がぐんと近かった。暑い季節になれば、ビアガーデンとして人の集まる場所らしい。レジ横のポスターには「B BQ予約開始」の文字がでかでかとあって、一気に季節感が狂いそうになる。 「江がおいしいって騒いでたな」と、凛は試しにタピオカミルクティーとやらを注文した。手渡された透明なカップの中を、茶色の半透明の球体が、ふよふよと泳いでいる。 「��ントカって魚の卵みたいだ、とか、言うなよ」  先に言われてしまって、黙るしかない。遙はブレンドにした。カップを手にして、テラスの端っこの席に座った。  凛はやたらと太いストローを咥えつつ、さっそく、包みを開けて、歌詞カードを眺めている。出費に関しては、もう開き直ったらしい。 「それ、うまいか?」 「んー、何とも言えねえ。甘すぎないのは、いいかもな」  唇からストローを外して、「飲んでみるか?」と、カップをこちらに向けて来る。顔だけ寄せてストローを唇で食む。なかなかうまく吸えなかったが、微かな甘みのある液体と一緒に 、ぽこぽことタピオカの粒が口に飛び込んで来る。こういうのを、楽しむ飲み物なのかな、と思った。 「魚の味はしないな」 「当たり前だろ」  凛は呆れたように笑って、またストローを口にしようとして、はた、と止まった。ほわ、とその耳の先が赤くなる。無意識のうちに、間接なんとやらをしてしまったことに、お互いに 気づいた。真っ昼間のオープンカフェは、老若男女問わず、客で溢れている。けれど、誰も、こちらを見てなどいない。しかし凛は気になるのか、カップをテーブルに置いてしまった。 「このくらい、友だち同士でもあることだろ」 「そーだけどよ!ダチなら気にしねえよ。…でも、俺とお前は、ダチ同士じゃねえだろ」  まだ赤い耳を隠すみたいに、凛はパーカーのフードを被ってしまった。どうやら、見られているかもと意識したからではなく、単に間接なんとやらが恥ずかしくなってしまったらしい 。セックスでも何でもしているのに、お互いに、些細なことに照れてしまうのは、何なのだろう。 「この後、どうする?」  フード男にたずねる。凛はCDジャケットを見ている振りなのか、ケースで顔を隠しながら、 「ぶらぶらする」  と応えた。 「他に、行きたいところは?」 「特に、ねえけど。ぶらぶらしたい」 「いいけど」  それで、凛は楽しいのだろうか。 「ハルと、ぶらぶらしたかったから。東京でも」  フードとCDケースの間から、凛の目が覗いている。 「今日、デートっぽいだろ」 「うん、まあ…」 「デートっぽく、したかったの、俺は!」  やっぱり小声だが、凛は、自己主張は忘れない。思わず、笑ってしまった。ぶらぶらと歩いたり、CDを選んだり、同じ曲を聴いたり。自分だって、そういう何でもないことがしたか ったのは確かだ。 「ぽく、じゃなくて、しっかりデートだ。…すごく、楽しい」  凛の意見を肯定したかっただけで、言うつもりはなかったのに、最後に楽しい、と言ってしまって、自分に驚く。遙はストローをくるくると回して、タピオカのつるつるした球体をカ ップの中で躍らせた。 「結局、どんなCDを買ったんだ?」 「おー、これ?」  凛は歌詞の書かれたブックレットを遙に渡し、お守りにみたいに小さなプレイヤーをポケットから取り出した。 「スウェーデンのロックバンドなんだけど。いくつか、配信で入れたやつもあんの」  言いながら、イヤホンの片方を遙に差し出す。ころりとしたそれを受け取って、左耳に差す。凛が再生ボタンを押す。先ほど試聴したものより、少しだけかさついた音源が流れ出す。 凛が、曲のタイトルを口にして、バンドの説明をしてくれる。けれど、やはり、申し訳ないが、音楽よりも、凛の声が聴きたいだけだった。    相変わらず、デモは続いているようだった。太鼓の音と拡声器の声が不調和に入り混じってビルの壁を叩いている。おそらく、路上をパレードしているのだ。けれどその声は、遠い。 色とりどりの音と光の詰まったタワーの最上階までは、届かない。  あの叫びに耳を塞ぎ、やり過ごすことがいいことなのか、遙にはわからない。わからないけれど、今は、フードに隠れた恋人の声に、彼と半分こしているイヤホンから流れる音楽に、 耳を澄ませるので精いっぱいだ。  CDのディスク面が、力強く光を跳ね返す。 「いや、やっぱ、天気よすぎだろ」  凛が、歌うみたいに言う。ごちゃつく街の、少しだけ空に近い場所で、透明に、体が清んでいく。 end 公式ブックの、あるコメントを読んで。遙も東京暮らしに疲れることもあるのかなと思ったので。
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negipo-ss · 6 years
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焼きそばハロウィンはいかにして無敵のアイドルになったのか(1)
 糸のように少しだけ開いたカーテンの隙間から朝陽が差していた。三角形に切り取られたやわらかな光の中を、田園を飛ぶ数匹の蛍のようにきれぎれの曲線を描いて埃が舞っていた。深い紫陽花色をしたチェック柄のミニスカートが、まっすぐにアイロンを当てられたシャツ、左右が完全に揃えられた赤いリボンとともに壁にかけられていて、部屋の主である女子高校生の内面を強いメッセージが込められた絵画のように表していた。  最も速い蒸気機関車が、そのペースをまったく乱されることなく東海道を走り続けていたように、その子どもがアスファルトを踏みしめるスニーカーのちいさな足音は正確に一分間当たり百六十回をキープしていた。それは彼女が小さなころから訓練に訓練を重ねてきた人間であることを示していた。太陽が地面に落とす影はすでに硬くなり、朝に鳴く鳥の歓びがその住宅地の道路には満ちていた。はっはっ、という歯切れ良い呼気が少女の胸から二酸化炭素と暖かさを奪っていった。  白いジャージに包まれたしなやかな身体は、湖面の近くを水平に飛ぶ巨大な鳥のそれに似ていた。ベースボールキャップからちらちらと見え隠れする桃色の髪がたった今自由になれば、相当に人目を引くほど美しくたなびいただろう。  ちら、とベビージーを見た視線が「ヤバイ」と言う言葉を引き出して、BPMが百七十に上がった。冷えた秋の空気が肺胞をちくちくと刺すようになったにもかかわらず、彼女の足取りは軽やかなままだった。そのままペースを落とさずに簡素な作りの階段をタンタンタンとリズム良く駆け上がりながら、背負っていた黄色のリュックサックからきらびやかなキーチェーンに取り付けられた部屋の鍵を取り出した。  かちゃり、と軽い音でドアが開いた。 「ヤバイってえ……」  靴が脱ぎ捨てられ、廊下を兼ねたキッチンの冷蔵庫が開かれると同時に、がっちゃんと重々しくドアは閉まった。その家の冷蔵庫は独身者向けの小さなサイズのそれで、天板に溜まった微かな埃が家主の忙しさを示していた。リュックから取り出された小さなタッパーを二つ、彼女は大事そうに冷蔵庫の中段に入れた。若干乱暴にそれが閉められた後、その場には一息に服が下着ごと脱ぎ捨てられた。浴室に荒々しく躍り込むと、曇りガラスの裏側でごろ、と音が響いて、洗い場の椅子が乱雑に蹴り退けられたようだった。  水が身体に跳ね返って飛び散り続ける音は短かった。男子高校生並のスピードでシャワーを終えて素早く黄色のトレーニングウェアに着替えると、彼女は強力なドライヤーで頭を乾かしながら鏡を睨みつけた。凄まじい早さで顔を直し、部屋の隅に立てかけてあったドラムバッグを一度だけひょいっと跳んで深くかけ直すと、小上がりに鎮座していたゴミ袋を掴んで「いってきます!」と誰もいない部屋に叫んだ。  キャップから出された、揺れるポニーテール。土曜日の早朝を走り抜けてゆく足音をゴミ収集車のビープ音だけが追っていた。  少女の部屋には静けさが戻る。
 地下鉄の駅を出ると、人混みをすいすいとくぐってきつい坂を下っていった。途中にある寺の横を小さく一礼して通り過ぎ、降りきった先の人通りの少ない路地を抜けていくと、やがてダンススタジオのちいさな立て看板が見えた。軽い足取りで一番下までたどり着き、ふう、と軽く息を吐く。耳から完全ワイヤレスのイヤホンを引き抜いてポケットに突っ込み、「ごめん!」と、笑顔を浮かべたまま身体全体で重い扉を勢いよく開いた。  小さな子どもたちが彼女の頭上を通り過ぎる笑い声と一緒に、白い光が斜めに入り込んで、暗い床を小さく照らしていた。彼女の瞳は、誰の姿も捉えない。 「……あれ?」 「あれ、じゃない」  ばこん、と、現れた女性に横からファイルで強く頭を叩かれ、彼女は悶絶して頭を抱え座り込んだ。 「城ヶ崎……集合時間は何時だ?」  く〜、と唸り声を上げた美嘉は、しばらくしてから「九時」と涙声で言った。 「今は何時?」 「八時五十八分、に、なったところです」 「正解だ。じゃあな、私はデートに行ってくる」 「ちょ、っと。トレーナー!」  美嘉はトレーナーの服を掴んで、「え」と言ったあと「……冗談、ですよね」と半笑いの顔を作って聞いた。上から下までトレーナーの服装を見て、それがいつもの緑色のウェアとは似ても似つかぬ、落ち着いた色合いの秋物であることに気づく。 「失礼だな、私にも急なデートの相手ぐらいいるよ。年収五百五十万、二十九歳、私にはよくわからないのだがシステム系の会社でマネージャーをしている――」  美嘉はうんざりとした顔を浮かべて、 「相手の年収なんて聞いてませんよ。ていうかそうじゃなくて、私たちのレッスンはどうなっちゃうんです?」 「まず第一に、私はいつも五分前行動を君たちに要請している」 「……それは、すみません。朝、用事で家を出るのが遅れてしまって」 「第二に、彼は笑うとえくぼがとてもかわいいんだ。好きな力士は豪栄道」 「彼氏情報はもういいですから……」  豪栄道とトレーナーの共通点を美嘉がまじまじと探していると、「第三に」と言って、トレーナーは指を振った。 「次は三人揃わないとレッスンはしないと、前回宣言したはずだ。案の定だったな」  美嘉は、うわっ、と呻いて「志希のやつ……」とつぶやきながらスマホを取り出して乱暴に操作した。 「先に鷺沢に連絡しろー」と、ヒールを履いたトレーナーは外に出ながら言った。 「あいつ、いつも三十分前に来て長々ストレッチしてるんだ。本番前最後の確認でいきなり無断欠席となると、少し心配したほうがいいかもしれないぞ」  ドアの隙間から微笑んで、「じゃあな」と、一言言うとトレーナーは去った。ぽかんと美嘉は小窓から彼女を見送る。かつ、かつという高い音は、軽やかに去っていった。  おかけになった電話番号は、電源が入っていないか――。  美嘉は携帯から小さく流れる音声を一回りそのままにしてから消し、スタジオの照明をつけないまま日の当たるところへと歩いていった。『い』から『さ』へ大きくスクロールして、窓際であぐらをかく。『鷺沢文香』を押し、耳に当てる。短いスパンで赤いボタンを押す。『鷺沢』赤ボタン。『鷺沢』赤ボタン。『た』にスクロール。 『高垣楓個人事務所』  耳元の小さな呼び出し音を聴きながら「なんで……」と美嘉は呟いた。短いやり取りで、事務員に文香への連絡を頼んだ。 「プロデューサーにも連絡お願いします……いえ、アタシは……はい、残って自主練やります。」  電話を切った後、ふうう、と美嘉は長いため息をついた。一息に立ち上がり、バッグから底の摩耗したダンスシューズを取り出して履くと、イヤホンを耳に押し込んで入念なストレッチを行った。同い年くらいの少女たちが数人、スタジオの横を笑い声を立てながら通り過ぎ、その影が床をすうっと舐めていったが、彼女はそれに目もくれなかった。  床に丁字に貼られたガムテープの、一番左の印に立った。トリオで踊るときのセンターとライト、残りふたつのポジションに一瞬の視線が走り、美嘉は目尻に浮かんだ悔し涙を一瞬親指の背で拭った。 「くそ」  いきなり殴りつけられた人がそうするように、美嘉はしばらく下を向いていた。闘争心を激しく煽る力強いギャングスタ・ラップが彼女の耳の中で終わりを告げ、長い無音のあと、簡素な、少し間抜けと言ってもいい打楽器が正確なリズムで四回音を立てた瞬間、美嘉は満面の笑みを浮かべてさっと顔を上げ、ミラーに映った自分を見つめながら大きく踏み出した。だんっ、と力強くフローリングを踏みしめた一歩の響きは、長い間その部屋に残っていた。
「おはようございます……」と挨拶をしながら、美嘉がその部屋に入っていくと、「あら、めずらしい」とパイプ椅子に座っていた和装の麗人が彼女を見て笑った。その人が白い煙草を咥えているのを見て、美嘉は「火、つけます」と近寄りながら言った。 「プロデューサー、煙草吸うんですね」 「いやですねえ、二人きりのときは楓と呼んでくださいと、このあいだ申し上げたじゃないですか」 「……楓さん、ライター貸してください。アタシ流石に持ってないんで……」  こりこりこり。  煙草が軽い音を立てながら楓の口の中に吸い込まれると、こてん、と緑のボブカットが揺れ、「はい?」と返事が返った。煙草と思っていたそれが菓子だったことが分かって、美嘉はがくりと頭を垂れた。 「ええと、ライターですか……あったかしら……」 「……からかってるんですか?」 「まさかまさか」  楓がココアシガレットの箱を差し出すと、美嘉は「いらないですって……」と顔をしかめて言った。 「今日は、打ち合わせ?」 「はい、次のクールで始まる教育バラエティの……楓さん、ちひろさんから連絡行きましたか」 「はいはい、来ましたよ。文香ちゃん、大丈夫かしら」 「……軽いですね」 「軽くなんか無いですよ」  ついつい、と手の中のスマホが操作され、「私の初プロデュース、かわいい後輩ユニットなんですから、応援ゴーゴー。各所からアイドルを引き抜きまくって、非難ゴーゴー!」と、画面を見せた。『高垣楓プロデュースユニット第一弾! コンビニコラボでデビューミニライブ』と大きく書かれたニュースサイトの画面には、『メンバーは一ノ瀬志希、城ヶ崎美嘉、鷺沢文香』と小見出しがついていた。びきっ、と美嘉の額に音を立てて青筋が現れ、「だったら」と美嘉は言った。 「ほんっと、真面目に仕事してくださいよ! なんなの、『焼きそばハロウィン』っていうユニット名!」 「ええ〜かわいくないですか、焼きハロ」 「ユニット名は頭に残ったら成功なの! ニュース見たら一発で分かるでしょ、記者さんも訳わかんなくなっちゃって、タイトルにも小見出しにも使われてないじゃん! ていうか百歩譲ってハロウィンは分かるとして、焼きそばってどっからきたの!!」 「以前、焼きそばが好きだっておっしゃっていたから……」 「え、そんなこと言ってましたっけ」 「沖縄の撮影に三人で行ったとき、一緒に食べておいしかったーって」 「……あれ、たしかに……はっ、いやいやいや、丸め込まれるところだった。好物をユニット名にしてどうすんの」 「美嘉ちゃんには対案があるんですか?」 「た、対案?」  いきなりプロデューサー業を完全に放棄して頬杖をしながらがさがさとお菓子かごを漁る楓に、美嘉は「対案……」と呟いて顎を触った。は、と思いついて「たとえば、志希がセンターだから、匂いをモチーフに『パフュー(ピー)』とか、あと……秋葉原でイベントやるし、そうだ、三人の年齢とかを合わせちゃって『エーケービー(ピイィー!)』とか、あーもうさっきからピィピィうるさい! なんなんですかそれ!」 「フエラムネですよ。あっ、今の若い子はご存じないですか」 「アッタッシッがっ、しゃべってるときにはちゃんと聞いてよ、アンタが考えろって言ったんでしょ! ていうか文香さんのこと、早く何とかしなさいよ!」 「ははあ」  ごり、と、ラムネを噛み砕くにしては大きい音が楓の口内から立てられた。美嘉は激昂から一瞬で冷めて、口元に小さな怯えを浮かばせた。月と太陽とを両眼に持ったひとはそれらをわずかに細め、もう一つラムネを口の中に放り込んだ。 「焼きハロ、私はリーダーを誰かに頼みましたよね。誰でしたっけ」 「……アタシ、です」  ごり。 「トレーナーさんからも話を聴きましたよ。なんで���志希ちゃんは、初回以来一度もレッスンに現れていないとか」 「あれは! その……志希は、前の事務所のときからずっとそうで……」  ごり。 「ふうん、美嘉ちゃんはそれでいいと思ってるんですね」  楓がゆらりと立ち上がり、美嘉に近寄った。彼女が反射的に一歩大きく下がると、壁が背後に現れて逃げ場が無くなった。フエラムネをひとつ掴み、楓は美嘉の少し薄い唇にそれを触れさせた。真っ赤に染まった耳元にほとんど触れるような位置から、楓の華やかな口元が「開けて」と動いて、美嘉がわずかに開けたそこにはラムネがおしこめられた。ひゅ、と一瞬鳴ったそれに、楓は満足そうに微笑むとテーブルに寄りかかった。「口に含んでもいいですよ」と楓が言った。美嘉は少し涙の浮かんだ目で楓を睨むと、指を使ってそれを口に入れた。 「私は高垣楓ですから」  テーブルを掴んでいる指で、楓はとんとんと天板を裏側から叩いていた。「傷つかないんですよね、残念なことに。何が起きても」とほんとうに少し残念そうに言った。 「だから、あなた方が失敗しても、私は特に何も思わない。たとえばコンビニのコラボレーションが潰れても、私は特に怖くない。少しだけ偉い人に、少しだけ頭を下げて、ああ、だめだったのかあ、と少しだけ感慨に浸るんです。でもあなた方はきっと、違いますよね」  美嘉���口の中で、こり、と音が鳴って、 「……何が言いたいんですか?」 「自信がないの? 美嘉ちゃん」  質問に質問を返されて、しかし美嘉はもうたじろがなかった。「最高のユニットにしてやる」と自分に言い聞かせるように呟くと、「なんです?」と楓は聞き返した。 「何も、問題は、ない。って言ったんですよ」  パン、と楓は手を叩いて、「ああ、よかったあ」と、言った。 「今日はもうてっぺん超えるまでぎっちり収録ですし、困ったなあ、と思ってたんですよね。明日の店頭イベント、よろしくお願いします」と、微塵も困っていない顔で言った。 「文香さんち、いってきます」と宣言し、美嘉はトートを抱え直した。行きかけた彼女は楓に呼び止められて、投げつけられたココアシガレットの箱を片手で受け取った。 「さっきはちょっといじめちゃいましたけれど……」と楓が言葉を区切ると、美嘉は心底嫌そうな顔をして「はあ」と言った。 「ほんとうにどうしようもなくなったら、もうアイドルを続けていられないかもしれないと思ったら、そのときはちゃんと私に声をかけてくださいね。す〜ぱ〜シンデレラぱわ〜でなんとかして差し上げます」 「もう行っていいですか。時間無いので」  恒星のように微笑んで、楓は「どうぞ」と言った。美嘉がドアを開けて出ていくと。入れ替わりにスタッフがやってきて「高垣さん、出番です」と声をかけた。  立ち上がりながら、ふふ、と笑うと、「楽しみだなあ、焼きハロ♫」と楓は呟いた。  だん、だん、と荒々しいワークブーツの足音が廊下に響いていた。「いらないっつってるのに……ていうか、一本しか残ってないじゃん。アタシはゴミ箱かっつうの」と独り言を言いながら、美嘉は箱から煙草を抜いて口に咥えた。空き箱はクシャリと潰されて、バッグへと押し込められた。 「あーっ、くそ!」  叫んで、ココアシガレットを一息に口の中へと含む。ばり、ばり、ばり、という甲高い音を立て、ひどく顔をしかめた美嘉の口の中で、それは粉々に砕けていった。
「すみませーん」  美嘉は三度目の声をかけ、ドアベルをもう一度押した。鷺沢古書店の裏庭にある勝手口は苔むした石畳の先にあり、彼女はそこに至るまでに二度ほど転びかけていた。右手に持っていたドラッグストアの袋を揺らしながら側頭部をぽりぽりとかいて「……やっぱり寝込んでるのかなー」と心配そうに小さな声で呟いたとき、奥から人の気配がして、美嘉の顔はぱっと輝いた。  簡素な鍵を開けたあと、老いた猫が弱々しく鳴くときのような蝶番の音を響かせて、顔をあらわしたのは果たして鷺沢文香だった。「文香さん」と美嘉は喜びを露わにして言った。 「無事でよかったー! なんだ、元気そうじゃん」  美嘉は鷺沢のようすを上から下まで確かめた。ふわりとしたロングスカートに、肌を見せない濃紺のトップス。事務所でも何度か見たことのあるチェックのストールは、青い石のあしらわれた銀色のピンで留められていた。普段と変わらぬ格好とは裏腹に、前髪の奥の表情がいつになく固い事に気づいて、美嘉は「……文香さん?」と聞いた。 「ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」と、文香は頭を深々と下げた。  どこか寒々しい予感に襲われ、美嘉は「あ……」と、不安の滲む声を漏らした。はっとすべてを消し去り、いつもの調子に戻して、 「今日のレッスン? もういいっていいって。連絡が無かったのはだーいぶあれだったけど、ま、志希のせいで無断欠席には慣れちゃったっていうか、慣れさせられたっていうか――」 「そうでは、なくて……」  文香は言葉に詰まった。合わない視線はゆらりと揺れて、隣家で咲き誇るケイトウの花を差していた。燃え盛る炎のように艶やかなそれを見ながら「アイドルを、やめようと思います」と彼女はゆっくりと言った。がっと両腕を掴まれて、文香は目の前で自らの内側を激しく覗き込もうとする黄金の瞳に眼差しを向けた。 「なんで!!」  美嘉が叫ぶと、文香はふら、と揺れた。陽が陰り、そこからはあらゆる光が消えた。産まれた冷気を避けるかのように、ち、ち、と小鳥が悲鳴を上げながら庭から去っていった。 「向いて、いないと、思いました」と、苦しそうに彼女は言った。 「突然で、ほんとうに、申し訳ありません……楓さんには、後ほど、きちんとお詫びをしようと――」 「嘘」 「……嘘では、ありません。自分が、古めかしい本にでもしがみついているのがふさわしい、惨めな人間――けだもの、虫の一匹だと、あらためて思い知ったのです」 「何があったの、だって」  美嘉は文香から一歩離れると、心の底から悲しそうな表情を浮かべた。 「あんなに……嬉しい、嬉しいって、新しいことを発見したって、何度も何度も言ってたのに!」 「間違いでした」 「何があったんだってアタシは聞いてるの!」 「もともと何も無かったんです!」  文香がこれまで聞いたこともないような大声を出したので、美嘉は呆然と立ちすくんだ。「すべてがまぼろしだったのです! ステージの上の、押し寄せる波のように偉大なあの輝きも!」と文香は一息に言って、興奮を抑えるようにしばらく肩で息をしながら美嘉を見つめていた。やがて、「まぼろしだったのです、あの胸の、高鳴りも……」と、悄然として言った。 「……なぜ」と美嘉は言った。その反転がなぜ起きたのか理解できないようすで、美嘉はただ文香を睨みつけて質問を繰り返した。  長い沈黙のあとに、「家に、呼び戻されました」と文香は言った。美嘉は唖然として「どういうこと」と聞いた。 「親の同意がないままアイドルをやってたから、やめろって言われたって、そういうことなの?」  文香はうなずいた。 「未成年者は保護者の同意書提出があるはずじゃん」 「あれは、東京の叔父に書いてもらいました」 「……だって、大学だってあるし、文香さんトーダイでしょ。そういうの、全部捨てて、帰ってこいって言う……そういうことなの?」 「そうです」 「そんなの、家族じゃない」  美嘉が断固とした調子で言うと、文香は口を一文字に結んだ。そのようすを見ながら「家族じゃない、おかしいよ」と美嘉は言った。 「だって、アイドルも、学校も、全部夢じゃん。自分が将来こうなりたいっていうのを、文香さん自分の全部を賭けて頑張ってたじゃん。アタシずっと見てたよ。すごいな、ほんとうにすごいなって、思ってたよ。ねえ」  文香の瞳をまっすぐに見つめて、美嘉は手を差し伸べた。 「全部捨てる必要なんてない、大丈夫だから」  青い海のようなそれに吸い込まれそうになりながら、美嘉は一瞬の煌めきをそこに見つけて、笑いかけた。文香が恐る恐るといった様子で、ゆっくりとその手を取ったとき、微笑みを浮かべた彼女の口元は「そう……分からず屋の家族なんて、捨ててしまえば――」と囁いた。「う」と小さな悲鳴を上げて、文香は手を振りほどくと、どん、と彼女の肩を両手で押し、庭土へと倒した。あっ、と倒れ込んだ美嘉は、文香を見上げ、「美嘉さんは、鷺沢の家を知らないんです!」と、文香が絶叫するのを聞いた。美嘉の眉はみるみるうちにへの字に曲がって、 「知らないよそんなの! アタシに分かるわけないじゃん!!」  ぐ、と文香の喉は、嗚咽するような音を立てて、やがて、ふううと長い息が吐かれた。 「……さようなら」と、短い別れの言葉で、ドアは閉められようとした。「待って!」と美嘉が呼びかけたときにその隙間から見えた、雨をたたえた空のようにまっしろな文香の顔色が、美嘉の目には消えゆく寸前のろうそくのようにしばらく残っていた。
 どさ、と重い音を立てて、その白い袋は金網で作られたゴミ箱へと捨てられた。美嘉はよろめく足取りですぐ横のベンチに向い、腰を下ろした。眼の前には公園に併設された区営のテニスコートがあり、中年の男女が笑いあいながら黄緑色のボールを叩いていた。  美嘉はイヤホンを耳に押し込むと、ボールの動きを目で追うのをやめてうつむいた。両手を祈りの形に組み、親指のつけ根を皺の寄った眉間に押し当てた。受難曲の調べが柔らかく彼女の鼓膜を触り終わったあと、シャッフルされた再生が奇跡のようにあの四回の簡素なリズムを呼び出して、今朝何度もひとりで練習したあの曲が鳴り始めた。美嘉は口をとがらせ、ふ、と微かに息を吐きながら顔を上げた。そしてテニスコートの男女が消え、自分の周りにひとりも人がいなくなったことを見つけた。  空はまっ青に晴れ、柔らかな光が木々の間から美嘉に差していた。そのやさしさをぼうっと受け止めながら、美嘉は立ち上がってゴミ箱から先ほど投げ捨てた袋を拾った。冷えピタやいくつかの薬、体温計を自分のバッグに移し、二つのフルーツゼリーをこと、こと、と静かにベンチの横に置いた。  曲はサビに差し掛かり、いつの間にか美嘉は鼻歌でそれを小さく歌っていた。てんてんと指で指してみかんとぶどうからぶどうを選びとると、蓋を開けてプラスチックのスプーンを突き立てた。  口に入るかどうかわからないくらいの大きさでそれをすくい上げて、飢えた肉食動物のような激しさでがぶりと食いついた。  歌い始めたときにはもうこぼれていた大粒の涙が、収め切れなかったゼリーの汁と一緒におとがいへと伝って、ぽとぽとと太ももに落ちた。  泣くときに必ず漏れるはずの音を、美嘉は少しも立てなかった。涙を拭いすらしなかった。たまに「あぐ」という、ゼリーを口に入れるときに限界まで開いた顎の出す音だけが、緑の葉が擦れるそれと共にそっとあたりに響いていた。食べ終わると同時に曲が終わり、美嘉はイヤホンを引き抜いた。ほうっと息を吐いて、ぐすっと鼻を啜った。涙のあとが消えるまで頬のあたりをハンカチでごしごし擦り、そのまま太ももを拭くと、鏡を出して顔を軽く確認した。  そして、は、と後ろを向く。  ベンチの背越しに伸ばされた腕がゼリーを取って、「これ食べていいやつー?」と聞きながら蓋を開け、返事を待たずにスプーンですくい取った。 「志希」と、呆然と美嘉は言った。 「ん?」と、ゼリーを口いっぱいに頬張りながら志希は言った。
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bingata-nawachou · 5 years
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#9月神楽坂フラスコでの個展に向けて ・ ・ 明日お仕立てに出す帯 ちらり (お仕立てしてある帯も数本準備しております) ・ ・ こちらは名付けて 仏蘭西柄名古屋帯 (紅型ナワチョウ史上、最高にオトメな帯かもしれません♡) ・ ラオスで草木染めをし 織っていただいたオリジナルの帯地(縦糸シルク、横糸コットン) ・ この柄は、展示でフランスへ渡航した後に制作した図柄たちで 旅の香りを図柄へ〜と あちらで見た花々や リボン、アンティークボタンなど、など ・ わたしの感じだ「愛らしさ」がそのまま図柄になったもの ・ ・ お太鼓は薔薇に木蓮 あと、紫陽花のように見える花は小さな草花で色は白でした ・ 前柄はポピーを中心に花束に蝶、そしてリボンやアンティークレース ・ 手先にはアンティークボタン ・ ・ 女性はいつまでも オトメな心を持っているはず!だ!!っと どうしても作りたかった帯、です。笑。 ・ ・ この帯の愛らしさは お仕立てして纏ってこそ分かる!! ・ 帯の色目は一枚目の写真が一番近いです ・ 前柄、手先共に 紅型、藍型と染めていますので、気分によって変えていただけたらば(^^) ・ 仕立て上がりを またpostします♪ ・ ・ #紅型 #紅型ナワチョウ #縄トモコ #紅型帯 #きもの #きものコーディネート #帯 #obi #kimono #趣着物 #オトメ #乙女心 #仏蘭西 #フレンチ #フランス #france #薔薇 #木蓮 #花束 #蝶 #アンティークリボン #アンティークボタン #藍型 #紅型藍型楽しんでいただけます #神楽坂フラスコ #kagurazaka #bingata #bingatanawachou #okinawa #tomokonawa https://www.instagram.com/p/B1BoquJlrUT/?igshid=1f13eckmyv6u1
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kachoushi · 5 years
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12月の各地句会報
平成30年12月の特選句
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
平成30年12月1日 零の会 坊城俊樹選 特選句
極月や銜へ莨の勝手口 瑠璃 万両の一見さんを遠ざける 光子 日当れば木瓜狂ひ咲く猫の墓 小鳥 引き籠もる為の宿あり花八手 彰子 白椿ひとすぢ神楽坂の紅 千種 芸子揃ふ火事のポスター神楽坂 秋尚 お手拭をしぼる皸せしをとこ 瑠璃 盛塩へ向けて山茶花赤くあり ラズリ 行き止まりの小路黒塀冬ちちろ 炳子 湯屋を焚く木端を高く極月へ 順子 盛塩のそつと乱れて冬ぬくし 眞理子 銭湯の煙待ちをり冬の空 眞理子 出汁の香に続く黒塀十二月 野衣
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月5日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
星まとひ聖樹のごとく大枯木 越堂 城跡も廃寺の跡も散る紅葉 越堂 ��る山滝の一縷は山を割る 世詩明 数へ日のガード下の小劇場 誠 一斉に野を飛びいづる狩の犬 誠 老ゆるとは上手下手あり花八手 秋子 冬空の碧さや少し眩しすぎ すみ子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月6日 うづら三日の月句会 坊城俊樹選 特選句
山里に煙たなびき冬うらら 喜代子 天高し裾野なびかせ富士座る 喜代子 冬ざれの山に向ひて黙礼す 都 着ぶくれも老いには老いの好みあり 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月7日 芦原花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
衛星の光と並ぶ冬の月 久美子 短日や節くれ立つ手箒持つ よみ子 靴の紐結び直すや帰り花 よみ子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月8日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
焼藷を赤児のやうに胸に抱く ゆう子 住職の不在の寺苑冬木の芽 亜栄子 ひそやかに一隅守る冬桜 美枝子 盤石に平成天皇誕生日 亜栄子 蒼天を万雁乱れ多摩の堰 文英 一輪の蝋梅咲きし寺師走 亜栄子 落暉燦堅き冬芽のひかり帯ぶ ゆう子 足音を隠せぬ銀杏落葉かな 教子 寒禽を孕む大樹の女坂 清子 鮮やかな記憶父の背冬の月 恭子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月10日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
竜の玉子ら宝物として握り 俊子 石釜の漁の名残りを鴨浮寝 都 時雨止み棺静かに家を出る 佐代子 店々にカリヨン鳴らす年の暮 幹也 さしのべし手に大綿のつかまらず 和子 藪巻の蘇鉄数本医院混む 栄子 右手抜け左手迷子ちやんちやんこ 悦子 マネキンの後ろで煌めける聖樹 史子 大銀杏日がな一日散る社 益恵 目鼻無き案山子の立ちて吾が田かな 立子 極月や時化の三日に蜑黙し すみ子 マスクして息にくもつてゐる眼鏡 美智子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月11日 萩花鳥句会
登り窯背山も眠りゐたりけり 牛子 風鳴って枯野の枯れを深めをり 小勇 初雪や風花となり二階窓 祐子 陽の当たる出窓は猫とシクラメン 孝士 対向車一台も無し山眠る 美恵子 五十億やサバ缶と酒あれば良し 健雄 温かき床に腹這ひ句作かな 陽子 句会より盛り上がりたる忘年会 圭三 久々の人も加はり納め句座 克弘
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平成30年12月16日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
垂直に青き冬芽の朴大樹 三無 燃え崩る中に榾火の赤黒く 斉 息白く榾の煙と混り合ふ 政江 冬すみれ叱られし子がひとつ摘む 千種 丘の上に音なく沈む冬紅葉 慶月 凍雲に添うて低かり野の煙 千種 黒と黄の美しき背を伏せ冬の蜂 炳子 底冷の軋む框に落ちつかず 斉 赤きリボン其処此処付けてクリスマス 文英 雨止めば池凍らんとして静か 千種
(順不同特選句のみ掲載)
栗林圭魚選 特選句
軒深き薬医門なり初氷 炳子 手短かの挨拶で去る裘 ゆう子 寒禽の声跳ね返る水固き 秋尚 水面も今凍らんと雨音を消す 千種 凍雲に添うて低かり野の煙 千種 黒と黄の美しき背を伏せ冬の蜂 炳子 輪を離る焚火の熱を腿に溜め 野衣 雨止めば池凍らんとして静か 千種
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月17日 伊藤柏翠俳句記念館極月抄 坊城俊樹選 特選句
斑鳩に斑鳩色の柿残る 雪 斑鳩の低き土塀に秋惜む 雪 色鳥来永久に思惟の御仏に 雪 一山に響く鳥語の寒さかな かづを 曼陀羅を地に描きゐる冬紅葉 かづを み仏にたまる師走の埃かな ただし そこぬけに明るき人や暮の秋 冨美
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月17日 鯖江花鳥師走抄 坊城俊樹選 特選句
老木が祠支へし山眠る ただし 今も鳴る振子時計や煤払ひ ただし 越知山の風が頼りの懸大根 ただし 晩秋の近松の里それなりに 直子 門前町巻込み落葉焚く煙 越堂 小説の三国時雨に逢ひにけり 越堂 天空を見遣り村守り山眠る 一涓 古里を置き冬ざるる鉄塔かな 一涓 初鰤の並ぶ無念の眼して 一涓 寄辺なき身となられたる寒さかな 一涓 九頭竜も流れも冬に入りにけり みす枝 胸元に入る北風刃物めく みす枝 歪なる柚子をかきわけ冬至風呂 信子 節くれの掌のしみじみと年用意 信子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月19日 福井花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
鰤づくしてふきときとの氷見料理 越堂 納め句座行くも帰りも膝笑ふ 世詩明 クリスマスケーキを食べて南無阿弥陀 令子 銭湯の何時もの席に年惜む 清女 雨だれに叩かれてをり花八ツ手 清女 鰤起しなれやと勇む浜漁師 よしのり 放下など酒の肴や忘年会 数幸
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月20日 九州花鳥会 坊城俊樹選 特選句
聖堂へ小さくたたむ冬帽子 かおり 商館の古りし燭台冬銀河 かおり 防人の歌に対峙す冬の浪 光子 湯豆腐や一灯低く山の宿 朝子 街中の波長クリスマスのリズム 豊子 冬の虹出船の水脈の消ゆるまで 由紀子 湯豆腐や風音やがて父のこゑ 寿美香 湯豆腐の身悶えてゐる白き肌 豊子 たましひの夫ゐて縁に日向ぼこ 朝子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月23日 花鳥月例会 坊城俊樹選 特選句
凍鶴の孤高の人にまぎれなし 公世 釣られゐて窓拭く人やクリスマス 眞理子 風向計田安門指し冬ざるる ゆう子 枯蓮のつひに劫火となりにけり 佑天 満州や火車の灯遠く冬ざるる 和子 冬帝を切り裂きたくて零戦機 慶月 英霊の去らねば赤し冬紅葉 佑天 鬱屈の人を映さず冬の水 千種
(順不同特選句のみ掲載)
栗林圭魚選 特選句
落人となりて蓮の破れ尽す 俊樹 寒紅が改札口より現はるる 佑天 銀杏散り尽して背骨あばら骨 梓渕 極月の零戦の默人の默 炳子 大鳥居冬芽の桜鎮もるる 炳子 すれ違ふ人の匂ひや冬の雨 和子 赤錆を落し鳥居も年用意 佑天 降り出してひつそりと立つ暦売 て津子 数へ日のどこか静かである社 野衣 職人の掲ぐ幔幕年用意 芙佐子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年12月 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
初雪や仕入れに向かふ祖父の黙 美貴 初雪に弾むことばの息まるく 美貴 文字太く跳ねて屏風の余白なる 秋尚 折りたたむ屏風に闇も忍び込む 有有 花枇杷や老いの暮しのつつましく 三無 初雪や消し忘れたる常夜灯 貴薫 故郷の色を移して枇杷の花 聰 枇杷の花海に向かつて傾きて 迪子 介護士の爪を切る背枇杷の花 あき子 たまゆらに伊豆の初雪掌に消えて 怜
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年11月7日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
己が影引摺り乍ら大根引く 世詩明 葱きざみ妻の嘘泣きにと見たり 世詩明 櫨の実の垂れや黒々冬来る 輝一 蔦紅葉曼荼羅のごと水門に 誠 人の世の裏側に咲く曼珠沙華 秋子 大根まく畝の曲りは詮方なし 秋子 落葉焚き秘密の文も共に焚く すみ子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
平成30年11月 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
余生とは照る日曇る日冬に入る 文子 鷹舞へる空を拡げて三方五湖 越堂 初時雨山里小さくなるばかり みす枝 古窯跡凡そ二百基鳥渡る 雪 白銀も山の眠りも遠からず 英美子 廃校の鉄棒借りて布団干す 昭女 山紅葉谷紅葉して古窯跡 雪 陶工の永久の甕墓木の葉散る 昭子 氏神の神鼓響きし神の旅 文子 冷まじや二階家崩る関所跡 みす枝 大鳥居いよよ大きく神の留守 雪 勝敗のいまだ果たせず菊人形 信子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
新海苔と思へば香り立ちにけり 紀子 小六月FMラジオテンポ良し 紀子 まつげにも光浴びたる日向ぼこ 裕子 ポインセチアいつかどこかの赤に似て 裕子 カーラジオ掻き消してゐる冬の雨 あけみ 冬の虹琵琶湖に立ちて湖蒼し みえこ 粕汁や三口すすれば頰熱し みえこ 小春日の野点袴の絵となりぬ みえこ
(順不同特選句のみ掲載)
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catdoll007 · 1 year
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着付けの前に 着物へアセット👘💇
今回はバングも顔に掛からぬように後ろのフレンチツイストへ流して馴染ませました✌️
和髪は トップの位置が高いほど若々しく洋風スタイルになり、逆に下の方が重めのスタイルにすると より和風なイメージになります🧐💭
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着物が小さくて 短め丈とおはしょりも短めになってしまった👘
草履も小さかったけどお揃いのゴールドバッグが使いたくてそのまま履きました🩰
帯は 名古屋帯で お太鼓アレンジ
最初は 扇太鼓にしようと思ってたんだけど 扇はもっと豪華な帯の時にしようと思って 今回は リボン太鼓🎀 にしました☺️💕
足袋はマスタードカラーだね👣
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c-strawberry · 6 years
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5/3超閃華の刻※お取置き用お品書き
こちらは5/3ビックサイトにて開催される超閃華の刻お取置き用のお品書きになります。
5/3 ビッグサイト
スパコミ内 超閃華の刻2018
スペースでました。
SP:東4ホールき57b サークル名:C-strawberry
当日頒布用のお品書きは再度上げ直します。
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今回は当日頒布に懐中時計ネックレスはありませんのでご希望の方はこちらをご確認頂きお取り置き依頼をお願い致します。
お取置き注意事項をご確認頂きご依頼をお願い致します。
1.ご依頼は当記事下記リンクよりお願いを致します。ツイッターDM、リプではお受けできかねます。
2.前日に当日受取のご案内メールを致します。Gメールの受信が可能にしておいてください。見ていないなどでのイレギュラー対応は致しかねます。
3.ドタキャンはご遠慮下さい。不要になった時点で必ずご連絡をお願い致します。ドタキャン特に無言での場合は今後通販、お取置きをご遠慮いただきます。
1.懐中時計ネックレス
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太刀以上 ¥1800
打刀以下 ¥1500
※頒布上限に近いキャラに関してはご依頼頂くタイミングによってはお受けできないことがあります。
画像の用意がないですがプラス和泉守、蜂須賀も制作してあります。
2.4wayドレスネックレス
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刀三ュつはものイメージのものです。
各¥3500
すでに作成済みなキャラは髭切、膝丸、三日月、今剣になります。岩融、小狐丸もパーツは揃っているので当日までには作成予定です…!
トップ画像の髭切もこちらのネックレスを着用しています。
3.ドレスブレスレット
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ドレスネックレスと同じく刀三ュつはものイメージのものですが、てんろうでんも追加作成予定です。
各¥1800
現時点では小狐丸以外作成済みです。
イミテーションの淡水パールと天然石を使用した久しぶりのブレスレットです。
4.胡蝶の夢ピアス
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プラ板とレジンのピアスです。
¥1000
※イヤリングへ変更は+¥100
作成キャラは三日月、鶴丸、一期、膝丸、光忠、大倶利伽羅、山姥切、清光、安定、太鼓鐘
5.ドレスアップカチューシャorバレッタ
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刀三ュつはものイメージのヘアアクセです。
スワロタイプカチューシャ¥4500※写真と同じものです。
スワロタイプバレッタ¥4500※デザインは基本写真と同じですがバレッタに合わせてリボンの形を変更します。
現時点でパーツカラーの関係で作成可能なものが、髭切、三日月、今剣、小狐丸です。
代用パーツを見つけ次第膝丸、岩融も追加
当日頒布予定のものはスワロフスキーではない可能性があります。
こちらの5点がお取置き可能なアクセとなります。
ご希望の方は下記リンクよりご依頼ください。
お取置き申込期限は3/29-4/15までとさせて頂きます。
それ以降はお受けできかねますのでご了承下さい。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/fe83cad0564244
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nyantria · 7 years
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・「映画となると話はどこからでも始まる」に掲載された「わたくしのベスト10とあと90本(ベスト100)」より 黄金狂時代 チャールズ・チャップリン…チャップリンは「わたくしにとってすべてベスト!」とのこと グリード エリッヒ・フォン・ストロハイム(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)…シュトロハイムは「結婚行進曲」もオススメだそうです 駅馬車 ジョン・フォード…フォードど対談した際は「わが谷は緑なりき」が一番好きと答えたそうです(「映画は語る」より) ベニスに死す ルキノ・ヴィスコンティ…同性愛的描写、砂浜 アマルコルド フェデリコ・フェリーニ 8 1/2(オット・エ・メッツォ) フェデリコ・フェリーニ 野いちご イングマール・ベルイマン/ヴィクトル・シェストレム 疑惑の影 アルフレッド・ヒッチコック ミモザ館 ジャック・フェーデ(ジャック・フェデー) 天井桟敷の人々 マルセル・カルネ/ジャック・プレヴェール…「映画行脚」ではあまり好きではないと答え、カルネのベストに「嘆きのテレーズ」を選んでいました ※肉体は男、魂は女性的だった淀川さん(ジョージ・キューカーがそうだったように)ほど「男が男に惚れてしまう」心理を追求した映画評論家もいなかったのではないでしょうか 鉄の爪 パール・ホワイト/エドワード・ホセ/ジョージ・B・サイツ…パール・ホワイトは最も好きだった女優の一人 ウーマン モーリス・ターナー(トゥールヌール) 散り行く花 D.W.グリフィス…淀川さんが子供の頃に見て涙が止まらなかった作品の一つ 愚なる妻 エリッヒ・フォン・ストロハイム(エリッヒ・フォン・シュトロハイム) 紐育の丑満時 チャールズ・ブレイビン…エステル・テイラーもお気に入りの女優の一人 アメリカの影 ジョン・カサヴェテス 密告 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー かくも長き不在 アンリ・コルピ/マルグリット・デュラス チュー公の赤毛布(THE COUNTRY COUSIN) ウィルフレッド・ジャクソン/ウォルト・ディズニィ(ディズニー) 歴史は女で作られる マックス・オフュールス(マックス・オフュルス) ※「愚なる妻」は伊藤大輔と熱く語り合う(伊藤の方は無いはずのシーンまで自分で想像して膨らませてしまう)ほど熱狂したそうです イントレランス D.W.グリフィス/エリッヒ・フォン・シュトロハイム/トッド・ブラウニング他 カビリア ピエロ・フォスコ(ジョヴァンニ・パストローネ) 番頭 チャールズ・チャップリン 移民 チャールズ・チャップリン 犬の生活 チャールズ・チャップリン キッド チャールズ・チャップリン のらくら チャールズ・チャップリン 偽牧師 チャールズ・チャップリン 巴里の女性 チャールズ・チャップリン サーカス チャールズ・チャップリン ※「イントレランス」には他にアラン・ドワン、フランク・ボザーギ(ボザージ/ボーゼイジ)、W.S.ヴァン・ダイク、ヴィクター・フレミング、ジャック・コンウェイ等も参加 街の灯 チャールズ・チャップリン モダン・タイムス チャールズ・チャップリン 独裁者 チャールズ・チャップリン 殺人狂時代 チャールズ・チャップリン/オーソン・ウェルズ(アイデア提供)…別の本ではあまり好きじゃないと語っていました ライムライト チャールズ・チャップリン/バスター・キートン/ロバート・アルドリッチ 火 ピエロ・フォスコ(ジョヴァンニ・パストローネ) 男性と女性 セシル・B・デミル/ミッチェル・ライゼン カリガリ博士 ロベルト・ウィーネ(ローベルト・ヴーィネ)/カール・マイヤー/フリッツ・ラング モヒカン族の最後(モヒカン族の最期) モーリス・ターナー(トゥールヌール) 焼け爛れし翼(Singed Wings) ペンリン・スタンロウ(Penrhyn Stanlaws)/ポール・ペリー(Paul Perry) 三仮面 アンリ・クロス(アンリ・クロース) 乗合馬車 ヘンリィ・キング(ヘンリー・キング) ステラ・ダラス ヘンリィ・キング(ヘンリー・キング) ジークフリート(ニーベルンゲン) フリッツ・ラング…「ニーベルンゲン」第一部:ジークフリート、第二部:クリームヒルトの復讐 メトロポリス フリッツ・ラング/エドガー・G・ウルマー/オットー・フンテ/エリック・ケテルフート/カール・フォル・ブレヒト他 バグダッドの盗賊 ラオール・ウォルシュ/ウィリアム・キャメロン・メンジース/ミッチェル・ライゼン 幌馬車 ジェームズ・クルーズ 十戒(1923) セシル・B・デミル ヴァリエテ E.A.デュポン/カール・フロイント テレーズ・ラカン ジャック・フェーデ(ジャック・フェデー) ビッグ・パレード キング・ヴィドア(キング・ヴィダー)…戦争映画はコレが最高とのこと 栄光 ラオール・ウォルシュ…好みで言えば「ビッグ・パレード」よりも好きだそうです 第七天国 フランク・ボザーギ(ボザージ/ボーゼイジ) サンライズ F.W.ムルナウ…ムルナウもまた同性愛をめぐって悩んだ一人 要心無用 ハロルド・ロイド/サム・テイラー/フレッド・ニュウメイヤー(ニューメイヤー) 恋愛三代記 バスター・キートン/エディ・クライン 三人の女 エルンスト・ルビッチ ウィンダミア夫人の扇 エルンスト・ルビッチ 救ひを求むる人々(救いを求むる人々) ジョゼフ・フォン・スタンバーグ さらば青春 アウグスト・ジェニーナ 結婚哲学 エルンスト・ルビッチ 巴里の女性 チャールズ・チャップリン 夜の女 モンタ・ヘ��ル(Monta Bell) 美人帝国 モンタ・ベル(Monta Bell) 人生の乞食 ウィリアム・ウェルマン(ウィリアム・A・ウェルマン)…ルイズ・ブルックス(ルイーズ・ブルックス)の代表作の一つと言っていました 東への道 D.W.グリフィス…グリフィスにしては「あまり好きとは申せぬがやはり加えておこう」とのこと 国民の創生(國民の創生) D.W.グリフィス…「アメリカを英雄きどりで語るところが気に入らぬが」と言いつつ、映画史上の注目作には違いないとのこと スージーの真心 D.W.グリフィス…リリアン・ギッシュ×グリフィスのコンビで一番好きな作品だそうです 裁かるゝジャンヌ(裁かるるジャンヌ) カール・ドライエル(カール・テオドア・ドライヤー) 吸血鬼(ヴァンパイア) カール・ドライエル(カール・テオドア・ドライヤー) ※「國民の創生」には他にラオール・ウォルシュやジョン・フォード等も出演 涙の船唄 キング・ヴィドア(キング・ヴィダー) 巴里の屋根の下 ルネ・クレール 喝采 ルウベン・マムウリアン(ルーベン・マムーリアン) 自由を我等に ルネ・クレール ル・ミリオン ルネ・クレール 巴里祭 ルネ・クレール 生きているモレア ベン・ヘクト/チャールズ・マックアーサー 砂漠の生霊 ウィリアム・ワイラア(ウィリアム・ワイラー) ハレルヤ キング・ヴィドア(キング・ヴィダー) 嘆きの天使 ジョゼフ・フォン・スタンバーグ 会議は踊る エリック・シャレル ラヴ・パレード エルンスト・ルビッチ モロッコ ジョゼフ・フォン・スタンバーグ 間諜X27 ジョゼフ・フォン・スタンバーグ タブウ ロバート・フラハティ/F.W.ムルナウ モアナ ロバート・フラハティ 美女と力への道(美と力への道) ウィルヘルム・プラーゲル…ドイツの映画会社ウファ(ウーファ)で撮影された「美と力への道(Wege zu Kraft und Schönheit)」 陽気な中尉さん エルンスト・ルビッチ 人生案内 ニコライ・エック 暗黒街の顔役(スカーフェイス) ハワード・ホークス…最高のギャング映画だと言っていました。二種類の結末 シナラ キング・ヴィドア(キング・ヴィダー) 雨 ルイス・マイルストン…淀川さん的にジョーン・クロフォードはコレがベストだそうです。マイルストン版に先駆けたラオール・ウォルシュの「港の女」も評価していました 西部戦線異状なし ルイス・マイルストン 仮面の米国 マーヴィン・ルロイ 七日間の休暇 リチャード・ウォーレス 市街 ルウベン・マムウリアン(ルーベン・マムーリアン) 裏街 ジョン・M・スタール グランド・ホテル エドマンド・グゥルディング(エドマンド・グールディング) 夢見る唇 パウル・ツィンナァ(パウル・ツィンナー)…ビリー・ワイルダー「昼下りの恋(昼下りの情事)」として再映画化 或る夜の出来事 フランク・キャプラ/ロバート・リスキン ※ここまで100本。 ベスト10+90本はとうに超えましたが、淀川さんいわく「ところがここで……まさかあなた……おさまるわけがないでしよう」だそうです(100本どころか124本目の「影なき男」の記述より) 未完成交響楽 ウィリ・フォルスト(ヴィリ・フォルスト) たそがれの維納 ウィリ・フォルスト(ヴィリ・フォルスト) 外人部隊 ジャック・フェーデ(ジャック・フェデー) 乙女の湖 マルク・アレグレ…二種類の結末 男の敵 ジョン・フォード 人生は四十二から レオ・マッケリィ(レオ・マッケリー) 描かれた人生 アレキサンダー・コルダ(アレクサンダー・コルダ) 暗黒街の弾痕 フリッツ・ラング 女だけの都 ジャック・フェーデ(ジャック・フェデー) 孔雀夫人 ウィリアム・ワイラア(ウィリアム・ワイラー)/ルドルフ・マテ…ベスト10の中に加えるべきだった作品だそうです 我等の仲間 ジュリアン・デュヴィヴィエ 大いなる幻影 ジャン・ルノワール/エリッヒ・フォン・シュトロハイム/ジャック・ベッケル…ベスト10に入れなかったのは「演出の表情(表現に非ず)がエリートすぎた」とのこと 荒野の決闘 ジョン・フォード…人によっては「荒野の決闘」が良いというのもわかるが、活動写真(映画)の精神は「駅馬車」とのこと 沈黙 イングマール・ベルイマン どん底 ジャン・ルノワール/ジャック・ベッケル 舞踏会の手帖 ジュリアン・デュヴィヴィエ ブルグ劇場 ウィリ・フォルスト(ヴィリ・フォルスト) わが家の楽園 フランク・キャプラ/ディミトリ・ティオムキン デッド・エンド ウィリアム・ワイラア(ウィリアム・ワイラー)/グレッグ・トーランド コンドル ハワード・ホークス/ディミトリ・ティオムキン…第二次世界大戦のアメリカとの太平洋戦争開戦間際まで映画館が上映していたという作品。客が詰めかけて見ていて印象に残っている作品でもあるそうです スミス都へ行く フランク・キャプラ/ディミトリ・ティオムキン…開戦間際まで上映された作品の一つ 望郷 ジュリアン・デュヴィヴィエ…出来すぎたきらいがあるにしても、永久に死なないであろう映画の一つだそうです モロッコ ジョゼフ・フォン・スタンバーグ…上に同じ 影なき男 W.S.ヴァン・ダイク/ダッシェル・ハメット(ダシール・ハメット) 南部の人 ジャン・ルノワール/ロバート・アルドリッチ 河 ジャン・ルノワール/サタジット・レイ フレンチ・カンカン ジャン・ルノワール/ジャック・リヴェット 白雪姫 デイヴィッド・ハンド/オリー・ジョンストン/フランク・トーマス/ウォルト・ディズニー他 市民ケーン オーソン・ウェルズ/ロバート・ワイズ ストライキ セルゲイ・エイゼンシュテイン 戦艦ポチョムキン セルゲイ・エイゼンシュテイン…みながあまりに騒ぐので「いささか鼻についてきた」そうです 土曜の夜と日曜の朝 カレル・ライス/トニー・リチャードソン 裸足のイザドラ カレル・ライス ローズマリーの赤ちゃん ロマン・ポランスキー/ジョン・カサヴェテス 裸の町 ジュールズ・ダッシン 日曜はダメよ ジュールズ・ダッシン トプカピ ジュールズ・ダッシン 男の争い ジュールズ・ダッシン 美女と野獣 ジャン・コクトオ(ジャン・コクトー)/ルネ・クレマン オルフェ ジャン・コクトオ(ジャン・コクトー) ドン・キホーテ G.W.パプスト/フェオドール・シャリアピン 死の谷 ラオール・ウォルシュ バワリー(バワリイ) ラオール・ウォルシュ いちごブロンド ラオール・ウォルシュ 懐かしのアリゾナ ラオール・ウォルシュ/アーヴィング・カミングス 雨の中の女 フランシス・フォード・コッポラ ゴッドファーザー フランシス・フォード・コッポラ…コッポラは「ゴッドファーザー」から“だらく”したと言い、テーマミュージックが食っちまった名作、けれどもコッポラは永遠の映画フレンドだそうです ひとりぼっちの青春 シドニー・ポラック シシリーの黒い霧 フランチェスコ・ロージ 真実の瞬間 フランチェスコ・ロージ 赤い靴 マイケル・パウエル/エメリック・プレスバーガー 黒水仙 マイケル・パウエル/エメリック・プレスバーガー 我が道を往く レオ・マッケリィ(レオ・マッケリー) 我等の生涯の最良の日 ウィリアム・ワイラア(ウィリアム・ワイラー)/グレッグ・トーランド ローマの休日 ウィリアム・ワイラア(ウィリアム・ワイラー)/ダルトン・トランボ/アンリ・アルカン コレクター ウィリアム・ワイラア(ウィリアム・ワイラー) 探偵物語 ウィリアム・ワイラア(ウィリアム・ワイラー) 必死の逃亡者 ウィリアム・ワイラア(ウィリアム・ワイラー) 女相続人 ウィリアム・ワイラア(ウィリアム・ワイラー)…これだけは落とせない作品の一つ ブルックリン横丁 エリア・カザン/ニコラス・レイ エデンの東 エリア・カザン 波止場 エリア・カザン/ボリス・カウフマン 打撃王 サム・ウッド/ルドルフ・マテ 居酒屋 ルネ・クレマン 禁じられた遊び ルネ・クレマン 海の牙 ルネ・クレマン 太陽がいっぱい ルネ・クレマン/アンリ・ドカエ 人間の運命 セルゲイ・ボンダルチュク 誓いの休暇 グレゴーリ・チュフライ マルタの鷹 ジョン・ヒューストン 黄金 ジョン・ヒューストン 白鯨 ジョン・ヒューストン 赤い風車 ジョン・ヒューストン 荒馬と女 ジョン・ヒューストン イグアナの夜 ジョン・ヒューストン アフリカの女王 ジョン・ヒューストン/ジェームズ・エイジー(ジェームズ・アギー) アスファルト・ジャングル ジョン・ヒューストン キー・ラーゴ ジョン・ヒューストン 火山のもとで ジョン・ヒューストン 砂漠の流れ者(ケーブル・ホークのバラード) サム・ペキンパー ジュニア・ボナー サム・ペキンパー 戦争のはらわた(クロス・オブ・アイアン) サム・ペキンパー…「ワイルドバンチ」は嫌っていた淀川さんですが、この映画は「「西部戦線異状なし」を超えた」と絶賛していました ダーティハリー ドン・シーゲル/クリント・イーストウッド レニー・ブルース ボブ・フォッシー/ブルース・サーティース 恐怖の報酬 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー 悪魔のような女 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー 情婦マノン アンリ=ジョルジュ・クルーゾー リオ・ブラボー ハワード・ホークス/ディミトリ・ティオムキン…「真昼の決闘」と音楽のディミトリ・ティオムキンをボロクソに言っていた淀川さんですが、他の作品と本作及び「赤い河」のティオムキンは好きだと言っていました 無防備都市 ロベルト・ロッセリーニ/フェデリコ・フェリーニ…別の本ではそんなに評価していませんでしたが、優れた作品であるということは認めていたようです わが谷は緑なりき ジョン・フォード 静かなる男 ジョン・フォード 黄色いリボン ジョン・フォード 月の出の脱走 ジョン・フォード 怒りの���萄 ジョン・フォード/グレッグ・トーランド 果てなき船路 ジョン・フォード 人類の戦士 ジョン・フォード リバティ・バランスを射った男 ジョン・フォード 去年マリエンバードで アラン・レネ/アラン・ロブ=グリエ アンダルシアの犬 ルイス・ブニュエル/サルバドール・ダリ ビリディアナ ルイス・ブニュエル ※ここまで200本 大人は判ってくれない フランソワ・トリュフォー/ジャック・ドゥミ他 ピアニストを撃て フランソワ・トリュフォー…「映画行脚」でトリュフォーで一番好きと言っていました 突然炎のごとく フランソワ・トリュフォー やわらかい肌 フランソワ・トリュフォー アデルの恋の物語 フランソワ・トリュフォー 思春期 フランソワ・トリュフォー イヴの総て ジョゼフ・L・マンキウィッツ(ジョゼフ・L・マンキーウィッツ) 恋人たち フランソワ・トリュフォー 死刑台のエレベーター ルイ・マル 地下鉄のザジ ルイ・マル スリ ロベール・ブレッソン 赤い風船 アルベール・ラモリス 男と女 クロード・ルルーシュ 鉄道員 ピエトロ・ジェルミ 俺たちに明日はない(ボニー&クライド) アーサー・ペン/ロバート・ベントン 奇跡の人 アーサー・ペン サハリ! ヘンリー・ハサウェイ ママの想い出 ジョージ・スティーヴンス ボーイフレンド ケン・ラッセル 二十四時間の情事(ヒロシマ、モナムール) アラン・レネ/マルグリット・デュラス/高橋通子 大地のうた サタジット・ライ(サタジット・レイ) 大河のうた サタジット・ライ(サタジット・レイ) 大樹のうた サタジット・ライ(サタジット・レイ) テオレマ ピエル・パオロ・パゾリーニ 素晴らしき戦争 リチャード・アッテンボロー 2001年宇宙の旅 スタンリー・キューブリック プリティ・ベビー ルイ・マル アメリカの伯父さん アラン・レネ 激突! スティーヴン・スピルバーグ アメリカの夜 フランソワ・トリュフォー/クロード・ミレール ジュリア フレッド・ジンネマン…「真昼の決闘」は大嫌いだと言っていた淀川さんも、この作品はかなり好きだったようです 道化師 フェデリコ・フェリーニ アギーレ-神の怒り ヴェルナー・ヘルツォーク ゲームの規則 ジャン・ルノワール…とにかく「大好きです」とのこと 炎のランナー ヒュー・ハドソン 父-パードレ・パドローネ ヴィットリオ・タヴィアーニ/パオロ・タヴィアーニ 1900年 ベルナルド・ベルトルッチ 木靴の樹 エルマンノ・オルミ ��芸人の記録 テオ・アンゲロプロス ブリキの太鼓 フォルカー・シュレンドロフ サン・ロレンツォの夜 ヴィットリオ・タヴィアーニ/パオロ・タヴィアーニ モリエール アリアンヌ・ムヌーシュキン(アリアーヌ・ムヌーシュキン)/クロード・ルルーシュ 時の泥棒(バンデッドQ) テリー・ギリアム ラ・パロマ ダニエル・シュミット カルメン カルロス・サウラ ファニーとアレクサンデル イングマール・ベルイマン カオス・シチリア物語 ヴィットリオ・タヴィアーニ/パオロ・タヴィアーニ パリ、テキサス ヴィム・ヴェンダース/ベルンハルト・ヴィッキ ミツバチのささやき ビクトル・エリセ 秋のソナタ イングマール・ベルイマン 田舎の日曜日 ベルトラン・タヴェルニエ 女と男の名誉 ジョン・ヒューストン エル・スール ビクトル・エリセ ローレル&ハーディ ロスコオ・アーバックル(ロスコー・アーバックル) ハリィ・ラングトン(ハリー・ラングトン) マルクス兄弟 ラリィ・シモン(ラリー・シモン) モンティ・バンクス 真夜中のパーティー ウィリアム・フリードキン キングコング ジョン・ギラーミン ストリートファイター ウォルター・ヒル マリアンの友だち ジョージ・ロイ・ヒル スティング ジョージ・ロイ・ヒル 明日に向って撃て!(ブッチ・キャシディ&サンダンス・キッド) ジョージ・ロイ・ヒル ヒッチコックの諸作品 ホブスンの婿選び デヴィッド・リーン…「映画行脚」で「ライアンの娘」も選んでいました 逢びき デヴィッド・リーン/ロバート・クラスカー 荒野の用心棒 セルジオ・レオーネ/クリント・イーストウッド…黒澤明「用心棒」のリメイク。スパゲッティウエスタンを「マカロニウエスタン」と名付けたのは淀川さん ・その他 風 ヴィクトル・シェストレム…「スージーの真心」とともにリリアン・ギッシュの最高作だそうです 絢爛たる殺人 ミッチェル・ライゼン…ライゼンをボロクソに言っていた淀川さんもこの作品は褒めていました マルメロの陽光 ビクトル・エリセ エンンジェル・アット・マイ・テーブル ジェーン・カンピオン 冬冬の夏休み ホウ・シャオシェン カリフォルニア・ドールズ ロバート・アルドリッチ…「映画は語る」で「正にアメリカ映画、僕アルドリッチが好きなのね」とのこと ナイトメア・ビフォアー・クリスマス ヘンリー・セリック/ティム・バートン ポセイドン・アドベンチャー ロナルド・ニーム ロッキー ジョン・G・アヴィルドセン/シルヴェスター・スタローン ジャッカルの日 フレッド・ジンネマン…「映画行脚」で一言「いいね」と強く推していました フォロー・ミー キャロル・リード…「第三の男」はボロクソに言っていましたが、「映画行脚」で「フォロー・ミー」は好きとのこと 殺意の瞬間 ジュリアン・デュヴィヴィエ…「映画千夜一夜」で褒めていた作品 テス ロマン・ポランスキー…「映画行脚」 ラグタイム ミロス・フォアマン…「映画行脚」 フリークス(怪物團) トッド・ブラウニング…「映画千夜一夜」 ひまわり ヴィットリオ・デ・シーカ…「映画行脚」 ザ・デッド「ダブリン市民」より ジョン・ヒューストン…「映画行脚」 理由なき反抗 ニコラス・レイ フィラデルフィア物語 ジョージ・キューカー/ジョゼフ・L・マンキーウィッツ…三島由紀夫と対談した際にキャサリン・ヘプバーンについて熱く語り合っていました マディソン郡の橋 クリント・イーストウッド ※ジャン=リュック・ゴダールは映画を破壊したから嫌いだと言っていましたが、ロッセリーニ等と同様に優れた作品であることは認めていたようです ・「淀川長治 カムバック、映画の語り部」に収録された「西部劇ベスト25」で淀川さんが挙げていた10本 荒野の決闘 ジョン・フォード 駅馬車 ジョン・フォード シェーン ジョージ・スティーヴンス 大いなる西部 ウィリアム・ワイラー 黄色いリボン ジョン・フォード 死の谷 ラオール・ウォルシュ 白昼の決闘 キング・ヴィダー/デヴィッド・O・セルズニック/ディミトリ・ティオムキン他 リオ・ブラボー ハワード・ホークス 許されざる者 ジョン・ヒューストン/ディミトリ・ティオムキン 幌馬車 ジェームズ・クルーズ ※ちなみに「黄金狂時代」「偽牧師」「黄金」も西部劇の要素に溢れた作品 ・日本映画 ・戦前 狂恋の女師匠 溝口健二…「映画は語る」で「邦画サイレント、溝口のベストは断トツでコレ」と言っていました アマチュア倶楽部 栗原トーマス/谷崎潤一郎…谷崎とは映画好きの仲 彼をめぐる五人の女 阿部豊 土 内田吐夢 限りなき前進 内田吐夢/小津安二郎…「映画は語る」で再公開時にはオリジナルのラストではなく再編集されたものしか現存せず、淀川さんもブチ切れていました 一本刀土俵入り 衣笠貞之助…この頃の衣笠映画は大ファンだったそうで、日本のセシル・B・デミルといってべた褒め。「十字路の夜」や川端康成と組んだ「狂った一頁」の頃から変な映画ばかり撮ってがっがりし嫌いになったそうです 海を渡る祭礼 稲垣浩 浪人街 マキノ正博(雅弘)/マキノ省三 忠次旅日記 伊藤大輔 人情紙風船 山中貞雄 ・戦後 西鶴一代女 溝口健二…アメリカ滞在時に見た映画の一つ 残菊物語 溝口健二 羅生門 黒澤明/宮川一夫…アメリカ滞在時に見た映画の一つ。海外で見た方がもっと良い作品だと言っていました 七人の侍 黒澤明 女 木下恵介 飢餓海峡 内田吐夢 マックス、モン・アムール 大島渚…大島が苦手だった淀川さんも唸った作品 キッズ・リターン 北野武…「あの夏、一番静かな海」の頃から好きになったそうです 白線秘密地帯 石井輝男 1000年刻みの日時計・牧野村物語 小川紳介 ※「映画は語る」において淀川さんは小津安二郎や成瀬巳喜男は苦手だと言っていましたが、実力は認めていた監督の一人。脚本家としての小津は高く買っていたようです。監督作も「戸田家の兄妹」等を評価。「駅馬車」が日本で公開された際、敬愛する溝口とともに小津にも作品へのコメントを依頼していました。成瀬も「妻よ薔薇のやうに(妻よ薔薇のように)」は凄いと認めていたそうです
淀川長治、真の「究極の映画ベスト100」とは!? ( その他映画 ) - 映画に狂って・・・ http://blogs.yahoo.co.jp/d_hero_diamond_guy/11405749.html
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weepingpersonathing · 6 years
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夏祭りなどの時の浴衣の着方について。 夏祭りの際に、浴衣を着ていきたいのですが...
夏祭りなどの時の浴衣の着方について。 夏祭りの際に、浴衣を着ていきたいのですが…
夏祭りなどの時の浴衣の着方について。 夏祭りの際に、浴衣を着ていきたいのですが… 夏祭りなどの時の浴衣の着方について。 夏祭りの際に、浴衣を着ていきたいのですが20代後半になったのでリボン型の帯の結び方ではなく、落ち着いた帯の結び方にしたいと思っております。 ちなみに浴衣の柄は黒字に牡丹糸菊で、半幅帯は赤と黄色のリバーシブルタイプです。 以前、浴衣の着付けと着物の着付けを習っていたので着付けの方法はある程度でしたら知っているのですが、着物や浴衣のルールがわからず・・・。 浴衣に半幅帯でお太鼓のような結び方をするのはおかしいでしょうか? ちなみに割れ太鼓にしたいと考えております。 その際に、帯揚げと帯締めを使用するのですが、帯締めは飾り帯で代用可能でしょうか? また、足袋を履いた方がよいのかも悩んでおります。(続きを読む)
浴衣の可愛い着方についての質問です。…
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garagenhalle · 6 years
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木曜日・ジルケの場合
魔女の家。お菓子づくりのヘクセン・ハウス。 一日一回、決まった時間に来客が訪れる。来客は、魔女に餌をやらねばならない。 魔女は、物語を望んでいる。魔女は、常に腹をすかせて来客を待っている。 来客が訪れないことはない。一度の例外もなく、それはやってくる。 この家には、必ず来客がやってくる。来客は、必ず何かを探したがっている。 探し物はここにはない。どこにもない探し物を探している。何を探しているのか、魔女にはわからない。 来客は、年齢も何もかもがバラバラである。来客は、魔女を憐れんでいる。魔女は、来客を憐れんでいる。 来客は、隠し事をしている。来客は、それを隠して生きている。
      ――✂――
   木曜日・ジルケの場合
      ――✂――
「きみがこんなところに来るなんて、大層暇を持て余しているとみた」 「そんなことないさ。君だって、僕が来るのを待ってただろう?」
男がシルクハットを脱いで丁寧に挨拶してみせると、魔女は穏やかに笑った。 背の高い黒いシルクハットには赤いリボンが丁寧に巻かれている。 男は片手に花束を携えて、慣れた調子で花束をベッドから離れた棚の上に飾った。 童話に出てくる奇術師のような風貌の男は、当たり前のように棚からティーカップを取り出して、 魔女の目の前に置かれるぶんと自分のぶん。律儀に二人分の紅茶を淹れた。
「どうだったんだい。相変わらずやれてるかい」 「まあ、そりゃあ、積み重ねてきたものが違いますから。  それに、魔女様のご加護があれば誰だって人気者にはなれるでしょうよ」 「きみに関してはきみの力だよ。何度も言うようだけれど、きみは普通じゃない」
男は――ジルケは、魔女の傍のテーブルに置かれていた赤いインクの万年筆をくるくると回す。 どうやら、男の手癖のようだった。ジルケは肩をすくめて笑うと、大きな木箱を取り出した。 木箱は絵画を収める額のようになっており、要するに――男は紙芝居屋であった。 魔女の傍に紙芝居舞台を広げて、声高に謳い文句を並べていく。
「さあさご照覧あれ! ジルケ・キルシュネライトの紙芝居のはじまりさ!  お嬢さん方もマダムも。坊やもミスタも。誰もがお楽しみいただける至高のエンタテイメント!」
魔女は、幼子のようにぱちばちと拍手した。 たった一人の観客のために開かれる紙芝居は、まだジルケが上演したことのない演目だった。
そもそも、ジルケ・キルシュネライトとは。 《国》の中でも名の売れた紙芝居屋で、もともとは役者を目指していた男である。 人に好かれる明るい表情とおどけた性質で一躍有名になり、今や高給取りの上流階級に属する男だ。 身分が高いにも関わらず、誰とでも平等に接する好青年であり、本来、魔女の家に来るような人物ではない。 …………本来は。
「それではお嬢さん。いいや、物語の王。ほんの少しばかりのお時間、このジルケにいただきたい」
魔女は何も答えない。ジルケの口の上手さは自分が敵うものではないと知っているから。 それ以上に、物語を今から自分に読み聞かせようという人間の言葉は絶対に遮らない。 空腹の現状では、魔女は「待て」ができない。腹を空かせて待っていたのだから当然でもある。 そうして、ジルケの紙芝居の幕は上がる。丁寧に描かれた一枚絵と、ジルケの紡ぐ物語が絡み合う。
「そうして、魔女は言ったのです。  『愛してくれなど言わないわ。だから、その代わりにここにいて。それ以上は要らないわ』。  王子は、それを聞いてつう、と一筋の涙を流しました。  『ああ、どうして君は。どうして君は、こんな場所で何百年も一人でいて……   どうして、そんな悲しい運命を受け入れることができるんだ。僕と一緒に逃げ出そう』」
魔女は時折腕を組んだり、髪を触ったりする以外はじいっとその紙芝居に見入っていた。 ジルケの公演はまだ終わらない。物語は佳境に入り、一枚、また一枚と捲られていく。 言葉は積もる。優しげな口説き文句に、切ない言葉選び。恋い焦がれる二人の揺れる内声。 一見どこにでもあるラブ・ロマンスもジルケ・キルシュネライトという役者の声に乗せられて、 本来の彩りの二倍三倍もの美しさをしたロマンチックな悲恋へと至る。
「『ああ、愛し君よ。僕と一緒に、遠くへ行こう。   誰もいない、何もいない、静かな、風も訪れないくらい遠くへ……』。  王子は、何度も魔女へと愛の言葉を囁きます。それでも魔女は、首を縦には降りません。  『だめよ、だめ。ぜったいに、だめ……。   あなたは王子だもの。誰からでも愛される、象徴なの……。   だから、こんな醜い魔女にそんなことを言ってはだめ。でも、本当にありがとう』。  魔女はそう言うと、部屋の灯りをすべて消してしまいました。一面は真っ暗闇に包まれます。  『さようなら』。そんな声を王子が聞いた瞬間、部屋の灯りが戻ります」
ジルケが深い息を吐く。魔女は、微動だにせず木枠の中を眺めている。 二人しかいない部屋が、わずかに沈黙で満たされる。次に言葉が落とされるまでの間すら、美しい間だった。 演者は再び演目に戻る。静かな部屋が、再び物語の彩りで満たされる。
「『愛していました、愛しの君……』。  ギイイ、と重い音を残して、王子は魔女の家に背を向けます。  王子が二度と、この家にやってくることはないでしょう。……この話は、これでお終い」
魔女は大きく伸びをした。起こしていた身体を再び横にして、大きなフカフカの枕に身体を埋める。 紙芝居屋も、木箱の扉を閉める。これでお終い。わかりやすい物語の『終わり』だった。 魔女がゆっくりと瞬きをする間に、ジルケは自分で用意したティーカップを空にする。 そして、当たり前のように――この二人の間では当たり前である――魔女の前に置かれたティーカップに手を伸ばした。
「王子様は、それで……もうこんなところに来るのは終わりだって意思表示?  それとも、僕に対するあまーいラブコールかい。それとも、また別の三択目?」 「うーん。強いて言うなら後者。正確に言うならまた別の三択目。……口に合わなかったかい?  結構、自分では上手いことできたんじゃないかって思うんだけど……」 「勿論。きみの物語は口に合う。ハッピーエンドで終わらないの、きみくらい……ああ、一人、いるけど。  こんなに悲恋以外やらないヤツなんてきみくらいのものさ。だからこそ、そうだな……」
魔女は、突拍子もないことを言った。
「僕のところに来ておくれよ、王子様。  僕だけにその言葉を紡いでくれよ。一日三食、その身が朽ちるまで僕に物語を聞かせておくれ。  きっと、この世界で一番きみの物語を理解しているのは僕だ。  それに、この世界で唯一『きみ』の物語を理解しかけているのは僕だけだと、思うんだけど」 「…………はは、こりゃ一本。  まさか君から口説かれるなんて思いもしなかったけど、答えは『いいえ』だ。  これも、君はわかっててやってるんだろうけどさ……」
魔女は「だろうな」なんて言いたげな顔をして頷いた。 ほんの少しだけジルケが表情を曇らせる。視線が左右に揺れて、また魔女を見る。 きっと、言外に言われるであろうことを悟ったのだろう。 ジルケは、この家にやってくる人物の中でも洞察力は目を見張るものがあった。
「それじゃあ話をしようか、ジルケ」 「仰せのままに」 「きみがきみである限り、この物語は誰にも読まれやしないよ。  物語に罪はない。きみにも罪はない。それでも、これは誰にも読まれない物語になり果てる。  誰にも罪はないんだ。それでも、この物語は誰にも読まれない」 「それはきっと、間違いないんだろうな。  君が言うことはいつだって正しい……もはや未来予知でもできるんじゃないかと思うくらいだから。  わかった。続きを聞かせて、お姫様」
ジルケはシルクハットを置いて、ブロンドの髪を掻き上げた。ちらりと覗く碧色が、僅かに濁った気がした。 魔女は、欠伸を交えながらメモ用紙に赤いインクを走らせる。 誰にもジルケの物語が読まれなくなる理由を、残酷に、これ以上なく明確に綴り始める。
「第一に、きみはもう人気者になってしまった。これは誰の罪でもない。強いて言うなら、運が良すぎた。  人気者の書くものに、口を挟むような無粋な真似をするやつはいないだろう?  なんてったって、この国の住人は『読む』ことに関しては一流だからね。  幼子に始まり老夫婦まで、それに、きみだって『読める』だろ?」
なにを、とは言わなかった。言わなかったが、これ以上なく雄弁に魔女は語っていた。 整った顔を、くしゃりと歪める。笑っているのだか困っているのだか、魔女にはよくわからなかった。
「次に、きみの物語は紙芝居という媒体であること。これ以上は、言わずともわかるだろう?  初めのきみは、拙いながらも自分で寝る間を惜しんで絵を描いていた。  ほら、そこの床。まだきみの零した絵の具、残ってるんだぜ。きみの掃除が下手なだけかもしれないけど。  ……きみの物語なのに、きみの物語に携わる人間が増えたのが第二の原因」 「まあ、それはごもっともな指摘だ。僕も薄々察してはいた。  有名な絵描きと組むようになってから、僕の紙芝居だけを見にくる人っていうのは、どんどんいなくなったしね。  よくこんなベッドの上で、いろんなものが見えるものだな……。  本当はその両足、とっくに動くようになってたりするんじゃないのかい?」
「笑えない冗談だな」と、魔女は笑った。至極楽しそうに、気にした様子もなく笑ってみせる。 ブロンドの髪が揺れると同時に、魔女は小さく伸びをする。ジルケは、魔女と目を合わせようとはしなかった。 わざとらしく、自分が視線を外していることに気付かれていないような素振りを繰り返して、また口を開く。
「それで……これでお終いってわけではないんだろ?  残りがいくつあるのか、僕には皆目見当がつかないけど――続きを聞かせてほしい。  それはきっと、僕が見ようとしなかったことなんだろうし、目を逸らし続けてることだろうから」 「嫌味なやつだな、きみは。これじゃ僕は王子様を虐める悪い魔女じゃないか……。  まあ、それは、それ。第三は、……きみのせいだ。きみが、人々を間抜けにしてしまった。  ああ、でも、本当にこれだけは勘違いしないでほしいんだが――それは、きみのせいではない」 「僕のせいだって言ってみたり、僕のせいじゃないって言ってみたり忙しいな。  ……それだけ君が言葉に迷うってのも珍しいから、きっと両方事実なんだろうけど」 「一番悪いのは、きみの読者さ。きみの読者が最も悪い。なによりも悪い。でも、きみも悪い。  ただ、こればかりはきみがどうこうできる問題じゃないから、残酷なんだけどさ……。  人という生き物はね。ばかになってしまうんだよ。それは、本人の責任だからきみが悪いとも言い切れない。  でも、きみという人間は――あまりいい薬ではなかったようだね。きみの話になってしまったけど……」
ジルケは、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。 終始、何を言われても余裕の色を見せていた彼の、今日一番の不快感を露わにした表情だった。 魔女は、魔女らしくなく申し訳無さそうな顔をしながら言葉を続ける。
「だから、僕のところにこないかい、って聞いたんだ。きみは書ける人だから。  きみはいい作者だから。……読者に食われてしまう前に、囚われの王子様を助けてあげたかったんだけど……。  やっぱり僕は、悪い魔女しかできないんだろうなあ。これを聞いても、きみはやめないんだろう?」 「ああ、やめない」
短く、それだけジルケは溢す。それ以上に言える言葉も、言うべき言葉も見つからなかったのだろう。 魔女はそれをはじめからわかっていたかのように、笑って頷いた。 「きみならそう言うと思っていたよ」、と、笑顔が静かに物語っている。
「そうなると、僕はきみにひどい呪いをかけたことになる。  死ぬまできみの木曜日は僕のものだ。たった一週間のうちの三時間だけど、きみはここに来るのをやめない。  いいや、それ以上に、きみはもう僕から離れられなくなった。僕が、『きみ』の読者だから」
ジルケは溜息をついて、諦めたように笑った。優しい声で、「魔女の呪いだ」、と囁いて。 魔女の呪い。魔女にかけられた呪い。魔女のかけた呪い。この家には、ありとあらゆる呪いが満ちていた。 『作者である』という呪い。『読者である』という呪い。それ以上にも、幾つもの残酷な呪いが積み重なる。 最も残酷なのは、『ジルケ・キルシュネライトである』という、解きようのない呪い。
魔女と関わる人間は、少なからず運命を捻じ曲げられる、という噂がある。 この《国》に古くから伝わる、どこが始まりかもわからないおとぎ話。少なくともそれは、間違っていなかった。 はじめのジルケ・キルシュネライトはただのどこにでもいる学生だった。 ただ、ほんの少しだけ絵が描けて――絵本がなによりも大好きだった、何の変哲もない学生のはずだった。
だが、いまやこの有様だ。自分であることがなによりも重い呪縛になり果てて、解けない呪いにかけられる。 それが幸福なのか不幸なのか、ジルケにはもうわからない。幸福であり、不幸である。 魔女だけだったジルケの読者は大勢になり、《国》でも有名な作家の一人として名を馳せている。 だが、『ジルケ』の読者はいまや、魔女以外に存在していない。だからこそ、噂は今になっても語り継がれている。
『魔女に関わってはいけないよ』。
「……それじゃあ、君の太鼓判があるならきっとこれは面白いんだろうし。ありがとう、『本の魔女』。  明日からもまた紙芝居屋さんのお仕事だ。いい息抜きに――今日は、ならなかったけど。  また来週。新作を持ってくるのはきっと再来週になるだろうから、来週は話をするよ。  可愛らしい貴族の娘さんが、僕に毎度毎度と贈ってくれる花の話をしよう」 「きみ、さては毎週持ってくるあの花、その娘さんから貰ったもの、そのまま持ってきてるだろ……」
ひらひらと右手を振って、立つ鳥跡を濁さずと言わんばかりに綺麗に片付けて家をあとにする。 魔女も、実際のところほんの少しだけ眠気に飲まれそうになっていた。 「難しい話をしたからなあ」、なんて思いながら、ぼんやりと意識を宙に手放す。
魔女も、ジルケも気付くことができない。魔女というのは、そこにあるだけで呪いを振りまく存在だと。 二人とも、わかったような顔をしてちっともわかっていなかった。 解けない呪いに呪われた魔女が、解けない呪いをまた新たに振りまいている。 魔女は、自覚したふりをしてこれ以上なく無自覚だった。これが呪いだとわかっているならやめればいい。 二度と来るなと、エルゼに言ったようにジルケにも言えたはずである。
純粋無垢で、真剣で――引き返すことを知らない作者は、魔女の贄になってしまう。 引き返すことを知らずに、魔女の毒にひたりひたりと気付いたふりをしながら侵されて。 砂糖菓子の家に住む魔女は、いつだって悪い魔女なのだ。それを忘れてしまった、愚かな青年の話。
来週も、ジルケはやってくる。 物語の魔女にかけられた呪いは、解ける兆しが未だない。
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toku36 · 7 years
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「名古屋帯」 芯が柔らかく、薄手の生地で作られたアンティーク名古屋帯。まるで昼夜帯のような使い心地だったので、お太鼓ではなくリボン結びに。 これだと、帯締め帯揚げなくても大丈夫。お気に入りで、帯締めを締めてあげるとアクセントになってGood! #着物コーデ #着物 #西京区 #桂 #京都 #セール #本日最終日 #アンティーク着物 #宮川徳三郎商店 #リボン結び #名古屋帯 #アンティーク帯 (京都アンティーク着物 宮川徳三郎商店)
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miumiu0302 · 7 years
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本日の浴衣👘 昨日締めようとした帯でw リボン太鼓にしてみましたがなかなかうまくいきません😅 半幅帯結び難しいな~ 誰か教室開いてくれないかしら?w 下駄はお気に入りの伊勢木綿の着物の端切れで鼻緒作ってすげて貰ったもの 初下ろしです @masyakobeni さんとオソロ~ #浴衣 #yukata #kimono #miyukimono #浴衣はサマードレスだな #車中待機暑いw #よく見たら浴衣に蝶が #蝶々嫌いですw #電池の減りが半端ない #0814
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