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#プラン75
kennak · 10 months
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年間3.5兆円、異次元のサービスを「実質負担ゼロ」で用意します──怪しい宣伝文句は、やはりインチキのようだ。  13日に閣議決定された「次元の異なる」少子化対策の目玉は、児童手当の拡充などに来年度から3年間で年間3.5兆円、トータル10.5兆円を投じる「加速化プラン」だ。その財源について岸田首相は同日の会見で「実質的な追加負担を求めない」と強調した。政府の「こども未来戦略方針」によると、「実質負担ゼロ」のカラクリはこうだ。  2028年度までに徹底した歳出改革を行い、社会保険料への上乗せを検討する「支援金制度」を創設して安定財源を確保。公費を削って社会保険料の伸びを抑え、その抑制分が支援金徴取による新たな負担増と同程度になることを目指し、行って来いで帳消しにしようという算段である。 「改革」なんてうたっているが、意味するところは社会保障の大幅削減。医療や介護のサービス低下や窓口負担の引き上げなどと表裏一体だ。これまでも政府は高齢化に伴う「自然増」分を一貫して圧縮。昨年10月から原則1割だった75歳以上の高齢者の医療費負担を2割に引き上げるなど「自然増」分を削りまくり、その総額は安倍政権時の13年度から23年度までで2兆3000億円を超える。これ以上、搾り取るなんて血も涙もない。
イカサマ岸田政権 少子化対策3.5兆円「実質負担ゼロ」→社会保障削減で帳尻合わせの騙し討ち|日刊ゲンダイDIGITAL
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yasumitani · 2 years
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今回、初めてカーブポイントを使って複線間隔27.5mmを作ってみました。カーブポイント+外側内側ともC280-15×2。75°で分岐するとすんなりこの複線間隔が出ました。
しかし、複線間隔が出たところの長さが外側内側で大きく差が出て、CAD上で11mm、実際繋いだところ13mm程度差があります。そこで内側にS99、外側を18.5-33-35と端数レールを駆使して長さを一度揃えました。
カーブポイントは実はC280とC317と全く同じではなく、馴染ませ繋ぎを前提に少し変形させていることを、鉄道模型再開してから知りました。図面に落とし込むとなんかしっくりこない、実際に繋いでもなんかレールにストレスがあるような感じ(宮城弁でいうところの『いずい』)。
単純に分岐として使うのにも、左右組み合わせた亘り線を作るのにも使えるようにするための苦肉の設計なのかな?
そのためカーブポイントを使うときは、プラン図通りにできるか現物確認が必須なのでした。
しかしこのポイント、走行的にも泣き別れなどのトラブルは皆無、レイアウトプランの自由度を増やしてくれるので重宝しとります。
(私が使っているのは前世紀の遺物、茶色道床、外付け三線電源マシンのタイプですが)
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yotchan-blog · 15 days
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2024/4/12 16:00:15現在のニュース
北朝鮮大使、国連でロシアに謝意 専門家パネルへの拒否権行使受け(朝日新聞, 2024/4/12 15:57:15) ドコモが「ポイ活」プラン d払いで最大4千ポイント還元 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/4/12 15:56:26) 茨城知事、国スポ「だらだら同じやり方するべきでない」 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/4/12 15:48:35) 2050年に高齢単身世帯2割超、平均世帯人数は1.92人 将来推計 | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/4/12 15:43:20) 「構想力参考に」 藤井聡太名人、豊島将之九段との激戦振り返る | 毎日新聞([B!]毎日新聞, 2024/4/12 15:43:20) 日本人83万人減、過去最大の落ち込み 75歳以上は2000万人超(毎日新聞, 2024/4/12 15:38:29) 300円で確実に座れます 西鉄、有料座席列車「Nライナー」発表(毎日新聞, 2024/4/12 15:38:29) 漫画「働いたら負けだと思ってた」 長崎・島原市の魅力もたっぷり(毎日新聞, 2024/4/12 15:31:18) 天皇、皇后両陛下が石川・穴水に 商店街の被災状況を確認(毎日新聞, 2024/4/12 15:31:18) データセクション、米スーパーマイクロと提携 AI向けサーバー開発 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/4/12 15:30:41) イトーヨーカ堂上場検討、祖業配慮に透けるセブンの深謀遠慮 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/4/12 15:30:41) おひとりさま高齢者1083万人 2050年、全世帯の2割に - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2024/4/12 15:30:41)
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loginsave · 1 month
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Netflixで『PLAN75』 を観ました。
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夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチ(倍賞千恵子)は78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。(引用:『PLAN75』公式サイトのあらすじより)
まず最初に、架空の話とは到底思えなかった。それくらい現実だった。
健康診断会場や炊き出しの場所に<プラン75>の申請窓口が隣接しており、そこには「住民票が無くても申請可能」と掲げられている。支援の場所のはずが、人の命を効率的に切り捨てることができる場所になっているのが悲しかった。
そして市役所の生活支援相談窓口は早々に閉まるが、<プラン75>関連のコールセンターは24時間営業だ。
そのうえ<プラン75>に申請した人には10万円の給付金がもらえる。たったの10万円。10万円という数字が妙にリアルじゃないですか?そういえばコロナ給付金も10万円だった。こんな少額で何が出来るんだろうと思ったけど、何もできないからこの額なんだろうな。これより多い金額をもらったら人生に希望を持ってしまうし、“支援”になったら“国が”困るもんね。
あと市役所の職員ヒロムが公園のベンチに寝そべりながら、「これだったら寝れないですね!」と笑顔で言っていたのも恐ろしかった。映画で「排除アート」が生まれる瞬間を目の当たりにするとは思わなかった。
人権を蔑ろにし、人の命を生産性で判断する。社会的に弱い立場に置かれた人を価値がないと排除する。役に立つ/役に立たない/自己責任/自助努力という言葉、差別的な言説が蔓延するこの社会の不寛容さがたどり着く先がこうなる可能性は大いにある。
国の失策が個人の責任に置き換えられ、本来支援されるべき人が結果的に排除されてしまうのはあってはならないことだと思う。
死に方を選ぶ/尊厳死と言われれば、聞こえはいいかもしれない。でも選択肢を極端に狭められて、結果的に選ばされた死は自由意志ではない。
この架空の世界を架空のままで終わらせるために何が出来るのか、考えていこう。
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kaari888 · 2 months
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PLAN 75 ☆☆
現実に近いSF
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kurano · 1 year
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実は、明治神宮内苑と、外苑のうちの多くの部分(66.2%)は、宗教法人である明治神宮の「私有地」なんですね。
外苑にある施設群の多く(神宮球場、軟式野球場、テニス場など)も全て明治神宮の管轄です。(秩父宮ラグビー場などは違うのだとご指摘いただきました)
ウィキペディアに載っている2016年の週刊ダイヤモンドの報道によると、明治神宮の賽銭や玉串料などの「神社としての収益」は全体の12%程度でしかなく、結婚式場などで15億円程度、外苑のスポーツ施設で60億円程度収益をあげて維持費を捻出しているらしい。めちゃ単純に計算すると60億+15億=75億が総売上の88%ということなので、総売上85.2億円(2016年)という事になります。利益率とかはわかりません。
で、ここでの大問題は、
・神宮球場や秩父宮ラグビー場は耐震問題などがあって建て替えが必須(望ましい)
・明治神宮は宗教法人なので、公金が一切入れられない。
…ということなんですよ。(→一部の人は「建て替えをしないプラン」を推しているというご指摘がありましたので、それに対しての別立ての考察は後編をお読みください)
この「��教施設には公金が入れられない」という問題は、想像以上にかなり厳密な運用がなされているらしく、災害復旧などでも同じ論理が適用されることで宗教施設が取り残される例などが出ているらしいです。(→これも例外がありうるというご指摘がありましたが、基本的にはそういう運用になっているわけで、それを超える解決策を出すのなら明治神宮側の懸念を迎えに行くようなメッセージの出し方が必要だったのではと思います。それも後編で考察します。)
もともと、広大な内苑・外苑全体の公園としての維持費をイチ宗教団体が担うこと自体が無理がある構造だと関係者が述べていて、毎年の売上(利益ではない)が85億円程度の明治神宮には、総工費3000億円以上もの再開発費用は到底負担できない。(→この工費は再開発をせず簡素化すればもっと安くなるというご指摘はもっともですが、それについても後編をお読みください)
で、結果として出てきたのが、南側に建っている伊藤忠商事本社ビル建て替えも巻き込んで、さらに三井不動産の再開発事業と絡めることで資金を捻出する現行案ということになります。
細かいスキームは公開されていないのでわかりませんが、おそらく
・三井不動産が明治神宮へ借地権代を払ってビルを建ててそこでホテル運営をする
…というのが基本で、さらにこのダイヤモンド・オンラインの記事では、
・”空中権取引”という制度を使って三井不・伊藤忠から明治神宮へ資金が流れる仕組みがある(有料記事なので詳細はここで述べませんが建て替え資金のかなりの部分がここから生み出される仕組みになっている模様)
…とされています。
「空中権取引」とは、単純にいうとその取引によって外苑部分が使用していない「容積率を移転」することで、三井不動産や伊藤忠商事が本来よりも容積率の大きいビルを建てられるようになる取引です。
ダイヤモンド・オンラインの記事では「銭ゲバの明治神宮」みたいな印象の書きぶりですけど(笑)、建て替えが必要なのは明らかなのに公金も入れられないという大問題がある中、なんとか資金繰りの目処をたてようと関係者が知恵を絞って頑張ってきた結果が現行案だというように私には見えます。
なるほど。宗教法人には公金を入れられないので現在の案となっているのか。良く分かりました。伊勢神宮とかもそうなんだろうな。
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nira-akira-roomg · 1 year
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230415 「PLAN75」感想
お疲れ様。人造人間Vtuberの仁良鮮です。
今日は月一土曜日のメンテナンスの日だったのでまたもみくちゃにされていたんだけど、帰り道で映画「PLAN75」を観てちょっと感想まとめときたいなと思ったので書く。
静かで暴力的な映画でした。
僕的には誇張でも何でもなく思いっきり殴られた感じの映画だった。物理的にではなく心理的に。派手な画面や会話がほぼほぼ無く、現実と地続きであるような描写が余計にそうさせている。
静岡シネ・ギャラリーのtwitterでこの映画の存在を知ったのだけど、友人のvtuberと話している時に倫理の話になり、安楽死の話になり、この映画を僕から話題に挙げたので何かしらで観ておきたいなと思ったからだ。そしたらちょうどプライムビデオに来ていた。
あらすじとしては、高齢者の増加が社会問題となり、国の政策として75歳の誕生日を迎えた人が利用できる希望制の安楽死制度「PLAN75」が成立した世の中で、78歳になる主人公の角谷ミチ(倍賞千恵子)が高齢を理由に仕事を解雇されたことをきっかけに「PLAN75」の使用を検討し始め、そこに関わる行政、家族、周囲の人々の心情や人の死との向き合い方が描かれる、というものである。
当事者・手続きをする行政の役人・コールセンターのスタッフ・フィリピンからの出稼ぎの遺品整理スタッフ、様々な目線からこの安楽死制度を通して疑問や怒りが投げかけられる。
個人的に印象に残っているのがコールセンターのスタッフ(河合優実)の話。
長くなるのとネタバレも含むので一旦たたんどく。
PLAN75を選択したミチは定期的に「先生」と呼ばれるコールセンターのスタッフと15分だけ電話する機会を与えられている。
基本的には話し相手というよりは一方的にこれまでの人生を振り返っていく利用者にほどほどの距離感で相槌を打つだけの人なのだけれど、ふとしたきっかけでミチの先生は制度の規則である「利用者に直接会ってはいけない」を破ってしまう。
何故会ってはいけないのか? ミチに問われた先生は「情が湧くから会ってはいけないと言われている」と告げる。
情が湧くから。
捨て犬や捨て猫に対して使うような言葉を先生は使うのである。これから死に行くから。必ず別れが来るから。制度の利用者がたくさんいて、タスクとして処理しなければならないのだから。人の死を背負っている余裕はないから。そんなことをしたら潰れてしまうことはわかっているから。
見ないふりをする。させる。
作中で明言されていたかどうか謎だけれど、おそらくコールセンターのスタッフ(先生)はアルバイトなのではないかと僕は思う。未来のために明るい死を選んだ尊い高齢者の、その崇高な選択をサポートするための、大切な仕事。そういう謳い文句なのではないだろうか。
先生はミチと会ってしまったことで人の死を背負うことに気づいてしまった。ミチとの最後の電話の時に、この制度はいつでも取りやめることができることを告げる。業務上言わなければならないのだろうけど、マニュアルの読み方ではなかった(と思いたい)。
新しいスタッフに向けてトレーナーらしき女性がこの仕事の、この制度の尊さを説いている時、先生は虚空を見つめている。不意に先生がカメラ目線でこちらを見据えてくる。スクリーンを超えて怒りややるせなさをぶつけてくる。
正直このシーンが一番怖かった。
ミチは自立した生活が送れる人間で、歌がうまくて、まだまだ人生を楽しむことができて、でもそれを社会が許さない。先生と観客がやるせなさを感じている時にトレーナーの言葉がある。怒りが湧くようである。何が誰しも死は怖いものだから、なのか。自然に迎える死と、社会から暗に求められた結果の死とが同じなのか。自分たちの死とPLAN75で迎える死は同じものではない。そういう感情を先生と観客が共有したと思ったところで、その感情を先生はこちら側へぶつけてくる。
そういう社会に生きてしまっているから、こちらにぶつけるしかない。既に出来上がってしまった社会通念に逆らうには一人の一般の女性は弱い。
それでも不意打ちでスクリーンを超えてくる���の目は、お前も同じ考えなのに何もしないのか?と言われているみたいで怖かった。
大きなネタバレとして、ミチは結局生き続けることを選ぶのだけど、本当に良かったと思う。半ば安心した自分がいる。人の死を背負わずに済んだ。
役人(磯村勇斗)は伯父がPLAN75の当事者になる。人当たりが良く、PLAN75の窓口として働いていたが、伯父が選択した合同プラン(個人での安楽死・葬儀等を行わず、複数の利用者で行う)を委託している業者が利用者の遺品や残骨灰をリサイクルと称して売りに出している事を知る。
出稼ぎの遺品整理スタッフ(ステファニー・アリアン)は元々介護職についていたが、娘の手術費用のために高給の遺品整理業者に転職する。過去が清算されて売りに出される遺品と日々向き合いながら、同時に亡くなった利用者とも向かい合う。
映画冒頭から相模原の障害者施設襲撃事件を彷彿とさせるような描写がある。社会の荷物になる高齢者は国の未来ために潔くいなくなれ、という主張文を読み上げる。
介護施設の入り口に厳重なロックがかかっていて、少し入るのにも金属探知機を翳されて、夜寝る時には強盗が来ないようにテレビをつけっぱなしにしなくてはならない。
侵されない安全地帯はどこにあるのか。どこにもない。
個人的には邦画にありがちな、特殊な文脈の違和感に引っ張られるようなこともなかった作品であり、無言の解釈の余地も広い作品なのではないかなと思う。いい作品を観た。まだまだここには書ききれない印象的なシーンもたくさんある。
元気な時に観ることをおすすめするが、良い作品なので推す。
それじゃあ、また。
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daiyuuki24 · 1 year
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「PLAN75」 世界の中でも速いスピードで高齢化が進んだ日本では、超高齢化社会に対応すべく、75歳以上の高齢者が自ら死を選び、それを国が支援する制度“プラン75”が施行されることになった。 制度の運用が始まってから3年。“プラン75”を推進する様々な民間サービスも生まれ、高齢者の間では“自分たちが早く死ぬことで国に貢献すべき”という風潮がにわかに広がりつつあった。 78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は、夫と死別後、ホテルの客室清掃の仕事をしながら長年、独り暮らしを続けてきた。 市役所の“プラン75”申請窓口で働く岡部ヒロム(磯村勇斗)や申請者のサポート業務を担当する成宮瑶子(河合優実)は、国が作った制度に対して何の疑問も抱かず、日々業務に邁進していた。 また、フィリピンから出稼ぎに来ていたマリア(ステファニー・アリアン)は、難病の娘の治療費を稼ぐ為に高待遇の職を求め、“プラン75”関連施設での仕事を斡旋される。 そんなある日、ミチは職場から高齢を理由に退職を余儀なくされる。 職を失い、住む場所さえ失いそうになったミチは、“プラン75”の申請手続きを行うか考え始める……。 是枝裕和が総合監修を務めたオムニバス「十年 Ten Years Japan」の一編を元に、出演者を一新した早川千絵の初長編映画。カンヌ映画祭の「ある視点部門」受賞。 夫と死別してから、長年ホテルの客室清掃員の仕事をしながら一人暮らししてる角谷ミチの目線からは、75歳近い高年齢者になった途端に仕事も住むところがなかなか見つからず、見つかったとしても夜勤の警備員など体力的に厳しい仕事だったり、「より良い人生の終わりのお手伝い」という名目で高年齢者を安楽死や尊厳死させる「PLAN75」か生活保護に誘導させるヘル日本の悲惨な現状が、職探しやアパート探しにミチが苦労する大変さや友人に先に死なれ心を打ち明けられる「PLAN75」のコールセンターのオペレーター成宮と娘のように交流する孤独感などから炙り出される。 淡々と仕事してきた「PLAN75」申請窓口で働くヒロムは叔父が申請者になったり「PLAN75」関連企業の秘密を知り「PLAN75」に疑問を感じたりや「PLAN75」のコールセンターのオペレーター成宮は申請者のミチのこれまでのことや寂しさを知り職員の分を超えた情をミチに抱く、ヒロムと成宮を通して政治と自分たちの生活を他人事のように考える若者などの国民が自分ことと考えた時の行動など、早川千絵監督が込めた日本の未来に込めた希望がある。 冒頭の相模原市障害者施設襲撃事件を彷彿とさせる高年齢者施設襲撃シーン、会社にクビにされたミチが、職探しやアパート探しに苦労するシーン、ミチと成宮がボウリングを楽しむシーン、ミチが尊厳死するための施設に行く前の日に成宮が感情を抑えながらミチと話すシーンなどには、日本に足りないのは人の事情や感情を斟酌する情やなんでも話し合える人間関係そして何より国の未来を担う子どもと国を支えてくれた高年齢者の為に人の命を守る政治ではと背筋が凍りながらも僅かに希望を感じる社会派サスペンス映画。 #plan75 #プライムビデオ #プライムビデオおすすめ https://www.instagram.com/p/CpAqosfPoWE/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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kozy-ogawa · 2 years
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2022.06.27 映画『PLAN75』 @ ユナイテッド・シネマ幕張 今話題の映画を2本、ユナイテッド・シネマ幕張で『PLAN75』、イオンシネ��幕張新都心で『ベイビー・ブローカー』を観てきました。 映画『PLAN75』 座席は一人間隔の間引きでしたが、平日の午前中にも関わらずほぼ満席。多くの書き込みで指摘されている通り客層は、60代70代の高齢者がほとんどでした。 チケットの自動発券機に並んでいたところ、作品の中で登場する倍賞千恵子演じるミチのカラオケ仲間と全く同じく、おばあちゃん3人組が慣れない手付きで機械を操作していた光景も見られた。 説明セリフのない作品だということで、あらかじめ解説動画を何本かYouTubeで見ておいたため、ストーリーと最後のオチまで把握してから鑑賞開始。 近未来のダークSFというよりもかなり現実的でリアルなストーリーが展開され、画面にどんどん引き込まれていく。 ただし最後のシーンがあまりにも不自然で拍子抜けだった。 1.ヒロムが叔父を助けに施設内に侵入した際、警備員もスタッフも誰もいない。 2.遭遇したマリアと意気投合したと言っても叔父の遺体を施設の外まで搬送することはいくらなんでも不可能。 3.火葬許可証もないのに火葬場に申し込みをするのはありえない。 施設を脱走したミチに希望の陽が差し込むシーンで終りとなるが、果たしてその後のミチが救われたかについては観客の想像に任せられており、自分としては何一つ状況は変わっていないのではないかと思えた。 早川千絵監督は当然〈プラン75〉に反対する立場でこの作品を描いている。とりわけ貧困や自己責任論に対する憤りが伝わってくる。しかし自分の目には、この監督は自身の親の介護もやったことがなく、ましてや介護施設の現状など全く理解できていないと思えた。 特別養護老人ホームの介護職員の立場から〈プラン75〉を考えた場合、認知症が進行し、寝たきりとなり、食事、排泄、入浴が全介助となった状態になったとしても、それでもあなたは生き続けたいですか?という視点の方が余程現実的だと思える。 また作品の中では現役世代の財政的負担のみが描かれているが、介護現場ではむしろ慢性的人手不足の方が問題であり、過酷な介護現場の現状を描いた坂元裕二脚本の2016年のテレビドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』の方が余程共感されるであろう。 ---------- 『PLAN 75』 世界でも速いスピードで高齢化が進んできた日本では、超高齢化社会に対応すべく75歳以上の高齢者が自ら死を選び、それを国が支援する制度〈プラン75〉が施行されることになった。制度の運用開始から3年──〈プラン75〉を推進する様々な民間サービスも生まれ、高齢者の間では自分たちが早く死ぬことで国に貢献するべきという風潮がにわかに広がりつつあった。 夫と死別後、ホテルの客室清掃の仕事をしながら、角谷ミチ(78歳)は長年一人で暮らしてきた。市役所の〈プラン75〉申請窓⼝で働いている岡部ヒロムや申請者のサポート業務を担当する成宮瑶子は、国が作った制度に対して何の疑問も抱かずに、業務に邁進する日々を送っていた。また、フィリピンから出稼ぎに来ていたマリアは高待遇の職を求め、〈プラン75〉関連施設での仕事を斡旋される。ある日、ミチは職場で高齢であることを理由に退職を余儀なくされる。職を失い、住む場所さえも失いそうになったミチは〈プラン75〉の申請手続きを行うか考え始め──。 #PLAN75 #プラン75 #映画 #Movie #ユナイテッドシネマ幕張 #Lifelog #Instagram https://www.instagram.com/p/CfTy4pCpk2j/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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kennak · 9 months
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2012年末に発足した第二次安倍政権が、最も精力的に取り組んだ外交課題のひとつが、ロシアとの間で長年の懸案事項となってきた北方領土問題、平和条約問題であった。安倍首相(当時、以下に同じ)は在任中、ロシアのプーチン大統領との間で27回もの首脳会談を行い、首相の訪露は11回を数えた。なお、対するプーチン氏のこの間の訪日は2回にとどまる。 時に「前のめり」などと評されることもあったが、この困難な問題にこれほどの熱意をもって正面から取り組んだ日本の首相は、かつていなかったといってよい。しかし、結局、安倍首相の在任期間中に北方領土問題、平和条約問題解決への具体的な端緒が開かれることはなかった。 2020年9月、安倍首相は、連続在任2822日の最長記録を残して退任し、その後は菅首相に引き継がれたが、わが国の今後の対露外交の在り方を考える上で、安倍政権時代に交渉が進展を見なかった原因はどこにあるのか、その検証を行うことが重要と思われる。筆者は、日本のこの間の対露外交の背景には、ロシアに対する3つの幻想が存在したと考えている。 本稿では、近年の日露交渉の過程を簡単に振り返ったのち、ロシアへの幻想、特にわが国の安全保障とも直接かかわりのある中国とロシアの関係を中心に、安倍政権下の対露外交について考察してみたい。 日露間に広がるギャップ 就任後の早い段階で、安倍首相は日本の首脳による10年ぶりの公式訪露を果たし(2013年4月)、2014年2月にはソチ冬季五輪の開会式に出席するなど、積極的にロシアとの関係改善を目指してきた。同年3月以降は、ロシアによるクリミア併合を受け、欧米諸国とロシアとの関係が急激に悪化の一途を辿ったが、日本は北方領土問題、平和条約問題の解決へと邁進した。 安倍政権下での対露交渉において、最初の大きな転機となったのは、2016年5月の安倍首相の訪露である。当時のオバマ米政権の強い反対を押し切る形で、安倍首相は再びソチを訪問、ロシアに「8項目の経済協力プラン」を提示し、北方領土問題、平和条約問題に関して「新しいアプローチ」で交渉を進めていく方針を打ち出した。ソチでの会談後、安倍首相は「突破口を開く手ごたえを得た」と述べたが、同年12月にプーチン大統領が訪日して開かれた長門会談は、成果らしい成果を生むことなく終わった。 日露の平和条約交渉において次の大きな転機となったのは、2018年11月のシンガポールでの首脳会談だ。北方四島のうち、歯舞群島および色丹島の二島の日本への引き渡しが明記された「1956年日ソ共同宣言」を基礎に、平和条約交渉を加速させることでロシアと合意したのである。 これまで日本は、ロシアとの間で「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」ことを交渉の基本方針としてきたが、シンガポール合意は、日本が「(最大で)二島」へと大きく舵を切った瞬間とも言え、その意味で日本の一大方針転換であった。 しかし、日本側の大きな決断にも関わらず、その後も交渉は難航。昨年7月には、領土割譲禁止条項が新たに加えられた改正憲法がロシア国内で成立し、今後の交渉の見通しがますますつかなくなるなか、安倍政権は退陣した。 一方で、この間に明らかになったのは、日本との北方領土問題、平和条約交渉に対するロシア側の非常に硬いスタンスである。ロシアのこの問題に対する主張は、ロシア国内での報道や、日本側で交渉に直接関与した谷内正太郎・前国家安全保障局長の証言(注1)、これまでのプーチン大統領自身およびラブロフ外相の発言などから、おおよそ次の二点に集約し得る。 第一は、日本との間で平和条約を締結するとしても、それは島の引き渡し等に関する条件なしに、つまり、領土問題とは無関係に締結するというものだ。 しかし、平和条約を締結してしまえば、当然、その後領土問題を協議していくためのロシア側の動機は、今よりさらに失われることになる。プーチン大統領自身が、「日本との間に領土問題は存在しない」と繰り返し述べている現状を勘案すれば、平和条約を締結した後に、ロシア側が真摯に日本との領土問題に向き合うとは考えにくい。当然、日本として受け入れられるものではない。 第二は、平和条約締結の条件として、日本が第二次大戦の結果、南クリル(北方領土のロシア側の呼称)が正式にロシア領になったと認め、かつ、島に在日米軍基地を展開させないという日本側の保障が不可欠とするもの。 これについて、あるロシアの有力メディアは、ロシア側政府関係筋の話として、そもそも日本へ島を引き渡す計画などないが、直接交渉を拒否することは“外交的配慮”から控え、代わりに日本側が到底受け入れられない条件を提示しているのだと伝えた(注2)。にわかには信じがたいほどの強弁だが、ロシア側の報道によると、プーチン大統領自身、実際にこの条件を安倍首相に提示したことを強く示唆する発言を行っている(注3)。 いずれにせよ、1956年日ソ共同宣言を足掛かりに、領土問題解決、平和条約締結へと突き進もうとした日本との温度差は、相当なものだ。だが、実は北方領土問題、平和条約交渉に対する温度差は、これほどまでに顕在化するずっと以前より、日露間に存在してきた。安倍政権はその温度差を見誤った可能性がある。そして先に述べた通り、筆者はその背景には、ロシアに対する3つの幻想が存在してきたと考えている。 ロシアに対する3つの幻想 日本が安倍政権下でロシアに対して抱いてきたと思われる3つの幻想の第一は、プーチン大統領は北方領土問題に熱心だという幻想だ。 確かにプーチン大統領は2000年代前半には、「1956年宣言」の有効性を認め、その履行はロシアの義務だと発言するなど、北方領土問題に前向きととれる姿勢を示したことがあった。しかし、2004~05年を境にその発言内容は一変、以降は「南クリルが第二次大戦の結果正式にロシア領になったことは、国際法で認められており、これについて一切議論するつもりはない」、あるいは「1956年宣言には、島を引き渡すとしても、どこの国の主権が及ぶかは書かれていない」、「日本との間に領土問題は存在しない」などという、日本としては理解しがたいレトリックを繰り返し、一貫して強硬な姿勢を示してきた(注4)。 特にここ数年のプーチン大統領の発言は、どれも2000年代前半の時分とはかけ離れたものだ。それにもかかわらず、安倍政権は当時のプーチン氏の発言に引きずられてきた可能性が高い。シンガポール合意で、日本が1956年宣言まで下りる決断をしたのも、まさにプーチン氏が当時、1956年宣言の履行はロシアの義務と認めたという一点に、望みをつないだ結果だったと考えられる(注5)。 第二は、プーチン政権は盤石だという幻想である。 1990年代、新生ロシアを率いたエリツィン大統領は、議会をはじめ国内での政治基盤が極めて脆弱だったため、同大統領との間で平和条約交渉を進めることができなかったという苦い経験が日本にはある。その点、プーチン政権は安定しており、プーチンは領土問題で決断し得る指導者だという幻想は、広く日本に存在してきた。 実際に、日本の政界やメディアの一部からは、「プーチン大統領が在任中の今が、北方領土問題を解決する最後のチャンス」という見解が度々聞かれた。日本がロシアとの関係を、プーチン大統領と安倍首相との個人的な関係を軸に動かそうとしたのも、その表れであろう。 しかし、ロシアの政治は、実はそれほど単純な構図で動いているわけではない。近年、欧米のロシア専門家やロシアの政治学者、あるいは独立系のジャーナリストらが指摘しているのは、プーチン大統領の力は、国内でも、国外でも、誇大に評価されているという点だ。 プーチン治世において、確かに政治・経済の隅々まで「権力の垂直化」が図られてきたことは事実である。しかし、石油や天然ガスといったエネルギー資源、あるいは巨大化した国営企業に依拠した垂直型の経済システムは、既に10年ほど前からほころびを見せ始めており(注6)、2014年以降は、そこに原油価格の低迷と欧米諸国からの経済制裁も加わった。プーチン政権下のロシアを、ソ連末期の「停滞の時代」とまで比喩する論が、ロシア国内でも散見されるようになっている。 経済が停滞すれば、経済的な利権構造を基盤に築かれたロシアの政治システムそのものも、同時にほころびを見せ始める。エネルギー資源や国営企業に依拠する経済の構造改革が、大統領の掛け声に反して遅々として進まないのも、それらが政治の利権の温床になってきたからだ。 経済の低迷が続くなか、2018年のロシアの統一地方選挙で、いくつかの地域で与党が敗北したことは、政治システムのほころびを示すひとつの象徴であった。近年相次ぐ有名政治家や著名人らの逮捕、またプーチン氏自身に関する健康不安説やスキャンダルがメディアに流れ始めた背景にも、プーチン大統領のレームダック化、あるいは政権内の権力闘争の激化が存在しているとの指摘が、ロシア国内の専門家らから多々示されている。 こうしたなか、国民の間に漂う閉塞感のはけ口として、あるいは政治システムにおける利権に代わる接着剤として、プーチン政権はこれまでも、大国主義とナショナリズムを利用してきた。近年では、これに加えて、第二次世界大戦におけるロシア(ソ連)の「歴史の正当化」というテーマも積極的に活用されるようになっている。 2014年にロシアで成立した第二次大戦の記憶に関する法律も、プーチン大統領自身が2020年6月に発表した論文「偉大な勝利75周年~歴史と未来への責任」も、同大戦におけるロシアの正当性を強く主張するものだ。 もちろん、プーチン大統領がロシアの最高権力者であることは事実である。また、多少の困難な問題を解決するだけの力は依然として保持しているとする考えも、完全に否定することはできない。だが、第二次大戦におけるロシアの「歴史の正当化」を、大統領自らが旗振り役となって推進するさなか、まさに同大戦によって引き起こされた日本との北方領土問題を協議することが、いかに困難かは、想像に難くない。 対中牽制としての日露接近の幻想 第三の幻想は、日露の接近は、日本とロシアがそれぞれ中国に対する「カード」となり得るという日本側の認識であり、さらに言えば、その認識を日露が共有しているという幻想である。こうした幻想を生む背景となったのは、プーチン・ロシアが進めてきたロシアの「東方シフト」政策がある。 プーチン大統領は2000年の就任以降、ロシアの国土の大半はアジアに属すという点をことあるごとに強調し、ロシアのアジア太平洋地域への統合を目標に掲げ、その拠点となるべきロシア極東地域の振興を、「21世紀を通じた国家優先事項」に据えてきた。 プーチン大統領の意識のなかにあったのは、経済的に大幅に立ち遅れたロシア極東地域からの著しい人口流出への危機感と、国境を接する中国からの人口的・経済的浸食、つまりは同地域の「中国化」への強い警戒感があったとされる。 だがそれだけではない。同時に、エネルギー資源等の欧州に代わる貿易パートナーとしてのアジアへの期待、さらには米国を中心とした世界秩序からの脱却・アジアを中心とした新しい世界構造への移行という政治・安全保障上の期待もあった(注7)。 特に2012年は、ロシアは極東の街ウラジオストクでAPECを開催したほか、極東発展省という極東の開発を専門とする政府機関を新たに創設するなど、ロシアの「東方シフト」が目に見える形で具体化され始めた年となった。以降も、ロシア極東への投資誘致に向けた経済特区制度が整備され、ウラジオストクでは、プーチン大統領自らが参加する大規模な「東方経済フォーラム」が毎年開催されるようになる。 日本としても、ロシアの「東方シフト」は歓迎する動きであった。安倍首相は、「中露が緊密に手を組む事態だけは避けなければならない」と周囲に語ったとされるが(注8)、ロシアの東方シフトの動きは、強大化する中国とどう向き合っていくかという安全保障上の観点から、日本にとっても好都合と映ったことが伺える。日本がロシアに提示した「8項目の経済協力プラン」には極東振興の項目が入れられ、安倍首相自らもプーチン大統領に対し、極東における両国の協力を「格好の共同作業の場」と表現してみせた。 これに関連して、自民党の河井克行総裁外交特別補佐(当時)は、2019年1月にワシントンでスピーチを行った際、日本のロシアへの接近は中国の脅威に日露が共同で対処するためとの説明まで行っている。なお、河井氏のこの時のスピーチは、ロシア側から猛反発を受けたことは後で少し触れる。 ロシア国内でも、ロシアの「東方シフト」を日本と結びつける議論もあった。例えば、カーネギー・モスクワセンターのドミトリー・トレーニン所長は、「ロシアと台頭するアジア」(2013年11月)というレポートのなかで、ロシアのドイツとの良好な関係を引き合いに、日本を「東方のドイツ」にすることはロシアにとって意味があるとし、今後の露日関係の発展に期待を寄せている。 トレーニンは、露中関係の肯定的な側面を評価しつつも、ロシアと中国の間には様々な矛盾があることを指摘し、ロシアは、強大化した中国との関係をより効果的に構築するためにも、日本をはじめとする他のアジア諸国との関係も同時に強化すべきだと考えていたのである。 トレーニンが「ロシアと台頭するアジア」のなかで指摘したように、中露関係は、首脳同士による「蜜月」の演出とは裏腹に、当時からさまざまな矛盾を抱えていた。ロシアと中国の経済力の差は拡大する一方であり、両国間の貿易構造の不均衡は、ロシアが中国の産業発展に寄与する資源供給国の地位に落ちたことを意味した。経済的な面だけではない。ロシアが自国の勢力圏と目する中央アジアや北極圏においても、中国との利害がいつ本格的に対立するか分からない状況が当時から指摘されてきた。 特に中国と直接国境を接するロシア極東地域の住民の間では、中国の不法移民の問題が、「(中国の)静かなる拡張」と呼ばれ、時折沸き起こる「中国脅威論」の動機となってきた。また、ロシア領内での中国人農家による収奪的な農法や森林の違法伐採など環境問題ともリンクし、一部極東の市民らの間では、中国に対する一種のアレルギー反応が引き起こされることもあった(注9)。 ただし、そうしたなかでも、トレーニンの「日本を東方のドイツに」という考えは、ロシアではごく限られた少数意見であり、多くのモスクワの政治エリートや専門家らの見方は、あくまでロシアのアジアにおけるパートナーは中国であり、日本はアジアにおける「複数の選択肢のうちのひとつ」に過ぎないという認識が大半であったことは、注意しておく必要がある。 そのうえ、ロシアの中国偏重の比重はその後ますます高まっていくこととなる。2014年のロシアによるクリミア半島の併合とそれに続く欧米諸国との対立が、ロシアの「東方シフト」の性格そのものを一変させたのである。 中国との軍事同盟も排除しない ロシアの中国専門家アレクサンドル・ガブエフによると、21世紀のロシアと中国の関係は、三つの支柱によって支えられてきた。第一に長大な国境ゆえに安全の保障が不可欠という両国の認識の一致、第二に経済的な相互補完性、第三に政治体制の類似性である(注10)。 第一については、2004年に両国間で最終的に国境が画定したことが大きな役割を果たした。第二は、裏返せば貿易構造の不均衡を意味するが、それでも欧州に代わる資源の販売先として、ロシアにとって中国の存在��大きい。第三は人権や言論統制など、欧米諸国の民主主義の理想と大きく乖離する両国は、いずれも欧米とは異なり互いに内政不干渉の立場だ。 そうしたなかで起こった2014年のクリミア併合後のロシアの孤立、特に米国との間の激しい対立と経済制裁は、ロシアの「東方シフト」を「中国シフト」へと向かわせ、結果的に日本という選択肢をさらに縮小させる結果へと導いた。 例えば、ロシアの対外貿易に占める中国の割合は、2013年の10.5%から、2019年には16.6%まで伸びている。経済制裁で輸入が減った欧州からの機械設備に取って代わったのも、主に中国からの輸入である。金額で見ても、2018年には両国間の貿易高は1,000憶ドルという大台に乗り、2024年までに2,000憶ドルを目指すことで合意している。 対する日本は、2013年にはロシアとの貿易高は350憶ドル近くまで増加したものの、その後減少、2019年も200憶ドル程度にとどまり、その比重も3.7%から3.1%へと縮小している。 ロシア極東地域を中心とした「中国脅威論」にも、変化の兆しが見られる。2014年にロシアの通貨ルーブルの価値が半減して以降、中国からの出稼ぎ労働者の数は激減した。代わって極東に多く見られるようになったのは、中国人観光客の存在だ。2019年、ウラジオストクなどの街がある沿海地方を訪れた外国人観光客は、そのおよそ半分が中国人であった。 ただし、ロシア極東を訪れる中国人観光客らは、中国資本のホテルやレストランを利用するため、地元経済へのインバウンド効果を疑問視する声もある。だがそうした点を考慮しても、2014年の前と後とでは、状況は様変わりした。 中国とロシアの安全保障面での連携も、ますます活発化している。中露海軍は2012年以降、毎年合同演習を実施してきたが、2016年には南シナ海、2017年にはクリミア危機後、特に緊張が高まるバルト海でそれぞれ初めての合同演習を行った。2018年には、ロシアの領内での大規模軍事演習「東方2018」に、初めて中国人民解放軍が参加し大きな話題となったが、その後も同様の合同演習は場所を変えロシア領内で毎年実施されている。 数年前までは、ロシアでは中国よるロシア製兵器のコピーといった問題が指摘されてきたが、ロシアは昨今、中国に対しSu-35戦闘機やS-400地対空ミサイルシステムといった最新鋭兵器の売却を再開させ、さらに中国におけるミサイル攻撃早期警戒システム構築に向けた協力も行っているとされる。 中露の軍事的な接近は、日本にとって当然他人事ではない。2019年7月には、ロシアと中国の空軍機が初めてアジア太平洋地域で共同巡回飛行を行い、そのうちロシア軍2機が竹島上空の領空を侵犯するという出来事があった。この時は韓国軍が警告射撃を行い、日本の自衛隊も緊急発進している。また、2020年12月にも、中露の軍用機が合同で日本海と東シナ海の上空を巡回し、韓国軍の発表によると、相次いで韓国の防空識別圏に侵入するなどした。 そうしたなか、2020年10月に行われた国際会議の場で、プーチン大統領が露中の軍事同盟結成について肯定的な発言を行い、世界中の注目を集めた。具体的には、露中の軍事同盟は「両国はそれが必要ないほどの信頼レベルに達している」という認識を示したうえで、それでも露中軍事同盟は「理論的には十分想像可能」であり「排除はしない」と述べたのである。 では実際に、ロシアと中国は軍事同盟に向かうのだろうか。同盟の実現については、実はロシアの中国専門家や安全保障の専門家らは、現時点ではほとんどが懐疑的な見方を示している。プーチン大統領があえて同盟に言及したのは、米国への牽制の狙いがあったとする解釈が大半だ。 というのも、中露は世界の多くの問題で実は利害が一致しておらず、それを互いが冷静に認識してきたからこそ、現在の関係が保たれてきたからである。ロシアはこれまで、中国の南シナ海をめぐる主張に同調することは控え、中国の領土問題についても基本的には中立を保ってきた。また、ロシアは中国と領土紛争を抱えるインドに対しても高性能な武器を売却するなど、あくまで自律的な姿勢を崩そうとはしていない。 一方の中国のほうでも、ロシアが独立を認めたジョージアのアプハジアや南オセチアを認めておらず、クリミアもロシア領とは認めていない。 両国とも、自国の利害が少ない地域で、不要な対立に巻き込まれるリスクは極力避けたいというのが本音なのである。また、同盟を組めば、どちらがリーダーかという競争が、改めて顕在化するリスクもある。 今後の行方 いずれにせよ、プーチン大統領が推し進めてきた「東方シフト」は、2014年以降、経済・安全保障のいずれにおいても、ロシアの「中国シフト」を加速させた。そのなかで、今のロシアの懸念は、中国はロシアにとって近年ますます重要で他に代えがたいパートナーになった一方で、中国にとってのロシアはそこまでの特別な存在にはなり得ていないという点にある。 中国の貿易総額におけるロシアの割合は、この10年間ほぼ2~3%で横這いだ。ロシア製兵器の供与は、今の中国にとっては重要だが、今後中国の技術の発展次第でその価値を下げるだろう。エネルギー資源に関しても、欧州が2050年までに二酸化炭素の排出実質ゼロを目指す方針を打ち出すなど、販売先として期待が持てないなか、中国へのパイプラインで手足を縛られたロシアは、価格交渉でこれまで以上に中国に強い立場を握られる可能性もある。 それでもロシアには今、中国接近以外の選択肢はない。前述の自民党の河井総裁外交特別補佐のスピーチに、ロシア側が過剰に反発したのはそのためだ(注11)。日本が期待した「対中牽制で日露接近」という幻想は、ロシアと共有されることはなかった。 では、ロシアのこうした中国偏重は、今後変わることはないのだろうか。 おそらく、短期的には大きく変わることはないだろう。米国で2021年にバイデン政権が発足する見通しだが、ロシアでは、トランプ大統領より民主主義や人権問題に厳しい同政権の発足で、米国はさらにロシアへの態度を硬化させるとの悲観的な予測が一般的だ。そうなれば、ロシアはますます中国との連携へと傾くほかない。 しかし10年先、15年先はどうか。中国とロシアのGDPは既に8~9倍の開きがあり、今後その差は拡大していくことが予想される。経済面、軍事面での自信をつけた中国が、中央アジアや北極圏での利害をめぐり、あるいはエネルギー資源価格等で、ロシアに対し何らかの圧力をかけてくる可能性もあり得る。あるいは中国と米国の関係が改善されることになれば、中国のロシア離れを引き起こす可能性も否定できない。 なお、短期的に大きく変わる見通しは低いと述べたが、ただし2024年がひとつの転換点となる可能性は残されている。プーチン大統領は2020年に、現在の任期が終了する2024年の後も、大統領として残ることを可能とする憲法改正を行った。しかし、プーチン氏が2024年に引退、あるいは院政へと移行する可能性が完全になくなったわけではない。筆者はむしろ、プーチン氏にとって都合の良い後継者が見つかれば、大統領を交代する可能性もあると考えている。 また、2024年は米国の次回大統領選挙の年でもある。バイデン氏は年齢的に二期目に出馬しないとの見方も多く、そうなると2024年から25年にかけて、新たな指導者が米露両国に誕生する可能性がある。その時には、米露対立と中露協商という現在の構図に、何らかの変化が生じることもあり得るだろう。 いずれにせよ、日本が今行うべきは、ロシアに幻想を抱くことなく、成果を焦ることなく、今一度、北方領土問題、平和条約交渉のわが国としての基軸をしっかりと立て直すことである。そのうえで、経済やエネルギー、人的・文化交流など、可能な協力については前向きに行っていき、いずれ訪れる可能性のある好機に備えるしかあるまい。 (注1)谷内前国家安全保障局長の証言については、2019年1月24日のBSフジの番組内での発言を参照。 (注2)”В Кремле не рассматривают возможность передачи Курил Японии. Чтобы не отказывать сразу, Москва начала с Токио дипломатическую игру”, РВК, 12 мар 2019 (注3)”Несбыточное давление”, Коммерсантъ,15 мар 2019 (注4)2012年3月1日の外国の主要メディア編集長らとの会見で、プーチン首相(当時)が日本との「ヒキワケ」について発言したことは、日本の一部報道では領土問題に対する前向きな姿勢と受け止められた。だが、その際もプーチン氏は続けて、「1956年宣言には、引き渡した島にどこの主権が及ぶかは書かれていない」とお決まりのフレーズを繰り返している。 (注5)プーチンの発言内容の変遷については、拙稿「進まぬ日ロ平和条約交渉」『インテリジェンス・レポート』2019年6月 (注6)2011-14年までは原油価格が100ドル前後と高止まりしていたにも関わらず、ロシアのGDP成長率はこの時期下降を始めており、エネルギーに依拠する経済システムが既に限界を見せ始めていた。国民の実質可処分所得も2014-17年の間に4年連続で下落し、2019年の時点でなお、6年前の水準に戻っていない。 (注7)2013年に改訂されたロシアの「外交概念」では、「世界経済・政治の重心がアジア太平洋地域に移動しつつある」との認識が示され、「(同地域に)透明性のある対等な安全保障と協力のアーキテクチャーを創設すること」へのプーチン政権の関心を示している。 (注8)「安倍首相が目指す日露新時代とは」、産経新聞、2019年1月23日 (注9)例えば、ザバイカル地方の広大な農地を中国企業に貸し出す契約や、バイカル湖に中国資本のミネラルウォーター工場が建設されるプロジェクトが明るみに出ると、地元住民らによる抗議活動などが起こった。 (注10)Александр Габуев, “Союзническая демонстрация. Зачем Путин заговорил о военном альянсе с Китаем”, Московский Центр Карнеги, 30 ноя 2020 (注11)ロシアのラブロフ外相は、「露日間の平和条約が、中国封じ込めのブロック強化につながるとの河井氏のスピーチは、言語道断の言い分だ」と強い言葉で批判した。
北方領土交渉はなぜ進まなかったのか――安倍政権の安保政策を振り返る(2) | キヤノングローバル戦略研究所
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yasumitani · 4 months
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年末年始の個人的なアレコレも落ち着き、やっと鉄道模型に向き合える時間が取れた。
まずは28mm間隔カーブ片渡り線の見直し。昨年のプランは外側にPL541ポイントを入れていたが、こいつをなくせばもっと単純なカーブになるのではないかと再検討。これは15°ずつカーブを大きくしたり小さくしたりするカーブで、イレギュラーなTNカプラー装備車(銀河モデルアダプタ使用して取り付けたKATO新455系)脱線の対策の一案でもある(事故再現100%)。
JW-CADの線路図形データで内側をC280を主体に並べると、けっこうあっけなくできた。
外側左から:C391 317 280 PR317/280 280 317 354
内側左から:C354 280を75° PL317/280
実は左側、図上は線路間隔が30mmになっているけど、元々カーブポイントは寸法が曖昧にできているのでヨシ!!とする。あと、カーブ始端で外側と内側が最大5mm長さ違う。直線で調整。
なお、今回は135°のプランだけど、90°でも可能なのを確認。
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右側は全く変えてないので、旧型ポイントはやっぱりマシンが干渉。
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こちらも手をつけますよ……。
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neoakiradj · 1 year
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ikix-webcode · 1 year
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75歳まで働いて年金を繰り下げ受給するプランは魅力的だ.毎月36万円の年金をもらえる.87歳まで生きれば元が取れるらしい.
70代前半で退職し,75歳まで貯蓄を切り崩して生活し,75歳から繰り下げ受給するのもありだ.
そうすると,老後のための資産は5年分あれば良いことになる.2,000万円もあれば充分すぎる.
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milkishappy · 1 year
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当サイトのWordpressで利用しているConoha VPSの50万人記念による75%OFFにつられて割引きっぷを付け替えてお得にスケールアップ
当サイトのWordPressで利用しているConoha VPSの50万人記念による75%OFFにつられて割引きっぷを付け替えてお得にスケールアップ
このサイトはConohaVPSを利用しているのですが、50万人突破キャンペーンとして2022年11月7日16時まで75%引きのキャンペーンをやっていたので、今までRAM1GB-CPU2Coreの運用にしていたのですがRAM4GB-CPU4Coreの環境に更新してみました。 記事にまとめてみた理由 ConohaVPSのスケールアップの記事は出てくるのですが、こういったVPS割引きっぷを適用したうえでスケールアップできるかがすごい気になっていたというか3年契約なんて大型契約怖すぎるのですが、サーバ停止もしないといけないしプラン変更にも時間がかかる、その上で既存サーバには割引きっぷ適用できないなんてなったら目も当てられないのでまとめてみることにしました。 結果的に無事にできたのですが、サーバ止めるの本当に心臓に悪いですね…しかも、既にきっぷが適用されている状態だったので本当に適応されるの…
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overmars · 2 years
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キリアン・ジョルネ選手のUTMBへのトレーニング
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キリアン・ジョルネ選手のUTMB新記録更新データ
2003年に始まったUltra-Trail du Mont-Blanc(UTMB)は、世界最大級のウルトラトレイルランニングレースとして認知されています。その開始以来、キリアン・ジョルネよりも速くその全長を走破した者はいません。19:49:30というタイムで、キリアンは新記録を樹立しただけでなく、UTMBで4回優勝した2人目の男性(フランソワ・デンヌ選手に並ぶ)としての地位を確立したのです。このようなパフォーマンスを見ていると、このレベルでパフォーマンスを発揮するためには何が必要なのだろうかと考えさせられます。世界最高峰の選手たちは、どれくらいのスピードで急勾配を走っているのだろう?このようなイベントに向けて、彼らはどのようなトレーニングをしているのだろうか。COROS APEX Proで収集し、COROS Training Hubで表示したキリアンのトレーニングおよびUTMBレースデータの全容は以下の通りです。
UTMB前のトレーニング
キリアンのトレーニングデータを見ると、彼のパフォーマンスの基礎となるいくつかの重要な項目がある。これらの項目は、彼のベースフィットネス、トレーニングの強度、そしてトレーニングの特異性です。この3つの項目は、あらゆる持久系アスリートにとって成功の柱となるものです。あなたの健康状態はどうですか?どのようなエネルギーシステムと生理的適応のためにトレーニングをしているのか?コースの要求に体が耐えられるか。キリアンはこの3つの問いに焦点を当てたトレーニングを行い、19時間49分30秒という記録更新への道を開いたのです。
ベースフィットネス
キリアンのベースフィットネスは、主要なイベントのトレーニングと準備の間は、150~170の範囲にしっかりと収まっていた。8月1日にピークとなる175を記録し、その後UTMBにむけてゆっくりと減らしていった。最終的に、キリアンはベースフィットネス149、ファティーグ29でUTMBをスタートしました。これは素晴らしい調整である。
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トレーニング強度
キリアンのトレーニング時間の大半は、有酸素性持久力と有酸素性パワー(ゾーン1、2)に費やされています。長距離のレースでは、これに重点を置いています。これと並行して、キリアンはより高い強度の日も織り交ぜて、強いVO2と必要に応じて急増する能力を維持するようにしている。
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トレーニングエレベーション
キリアンは最後の4週間のトレーニングブロックにおいて、平均して約75-150m/kmの標高差を獲得してた。キリアンは適切なゾーンをトレーニングしていただけでなく、筋力も鍛えていたのです。 
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UTMB記録の更新
Kilian Jornet’s UTMB 記録更新ランニングデータ
キリアンのUTMB新記録を分析すると、いくつかの項目が目に飛び込んでくる。まず、キリアンの心拍数の推移が素晴らしい。最初の11時間30分が最もハードであることが解ります。この間��キリアンは平均143bpmで、1時間以上を有酸素運動パワーゾーン(ゾーン2)で過ごした。次に、心拍数が下がっても、キリアンは調整したペースを維持し、必要に応じて急加速することができていた。レースがどのように展開されたかをよりよく理解するために、主要なセグメントをそれぞれ分解し、キリアンのデータを提供します!
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Contamines Montjoieへ向けてのスタート
レースは異例の速さでスタートしました。最初の31kmは、キリアンの最速の1km、5km、最速の調整ペース区間、そして最高の心拍数を示しています。通常、170km以上のレースでは、アスリートは少しゆっくりめにスタートし、ペース配分を調整するものです。しかし、ジム・ウォルムスレイ(31kmまでの男子トップ)には別の計画がありました。キリアンはリーダーについていくというプランで、ジムと一緒に31kmを突き進み、ずっと彼の側についていました。最初の重要な区間では、ジムから2秒遅れで2位を通過。
重要なデータポイント キリアンは、この区間の一部で、心拍数が閾値ゾーン(166-177)内で走っていました。これは、3時間以上の長丁場では持続不可能なことです。これは大きなリスクとリターンを伴う戦略でした。
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Les Contamines Montjoie – Col De La Seigne
第2区間は、キリアンがジムの少し前に。この区間は、テクニカルな地形と、両選手にとって最初のエイドステーションでの休憩のため、少しペースが落ちました。ペースは落ちましたが、努力は怠りませんでした。30kmの距離を合わせて、キリアンは平均心拍数148を維持。上り坂の区間では、150-155bpmの間で推移し、これは彼の有酸素性持久力ゾーンの最上部にあたります。最初の61kmを走り終えたとき、キリアンはジムと5秒差で、残り110kmのレースに向けて十分な距離を保っていた。
重要なデータポイント キリアンは心拍数を下げたが、まだ高いレベルで動作していました。ウルトラでは、有酸素性持久力以上の時間を過ごすことは危険とされています。Kilianはこの30kmの間、有酸素性持久力と有酸素性パワーを交互に使っていました。リーダーについていくことを目的としたこの戦術は、生理学的な観点から見ると、キリアンの体を追い込み始めていた。
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Col De La Seigne – Courmayeur
UTMBの第3の重要区間は、キリアンが最初の60kmに注目し始めるところです。上のデータから、平均心拍数が下がり始め、ダウンヒルをリカバリーに使っていることがわかります。この区間では全体的には心拍を抑えて走りましたが、それでもキリアンは最大で166bpmを記録しました。この区間で、キリアンは閾値ゾーンに入り、その直後に心拍数が急激に低下しました。この区間でジムとのタイム差81kmを終え1分24秒。
重要なデータポイント ここまでのレースは、キリアンとジムの2人によるものだったが、マシュー・ブランシャール(COROSプロアスリート)は、異なる戦略をとり、確実なアプローチでペースを上げ、81km地点でキリアンと16分32秒差の位置につけていました。
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Courmayeur – Grand Col Ferret
81~103km地点から、キリアンはジムとの差を縮め、リードを再び5秒に縮めることに成功。しかし、この挽回も束の間、ジムは上り区間で再びリードを広げる。103kmに到達した時点で、キリアンは5分11秒の遅れをとっていた。この区間のデータから、キリアンはジムに追いつくために急いだが(初期の心拍数の高さが示すように)、その後力を抜き、より典型的なウルトラランニングのアプローチを示したことがわかる。キリアンが有酸素性ゾーンのペースを下回るように心拍を下げると、ブランシャールはさらに距離を詰めていました。103キロ地点で、ブランシャールは11分27秒の差。
重要なデータポイント この区間は、キリアンがジムに逃げ切られた区間である。上りを走りながらも、キリアンは心拍数を下げ、完走するための体力を確保することができていました。ここは、キリアンがこれまでで最も低い平均心拍数にいた所である。
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Grand Col Ferret – Champex Lac
後付けではあるが、この区間はキリアンがレースを勝ち抜くために必要な体力を備えるための区間と言えるかもしれない。この区間は、回復のために必要な区間であったことは、データからも明らかだ。主に下り坂で、キリアンは2時間30分、平均心拍数119で身体を回復させた。この間、ジムは13分26秒差までリードを広げ、ブランシャールは1分45秒まで差を縮めた。この23.5kmの区間で、キリアンは息を整え、身体を回復させる必要があった。この23.5kmは、まさにそれを実現。ライバルに大きく時間を奪われたものの、キリアンは最初の103kmから回復していました。
重要なデータポイント この区間を回復区間とみなし、キリアンの平均心拍数は最も低くなった(119bpm)。この作戦は、最後の53.5kmを走りきるために非常に重要であった。
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Champex Lac – Trient
勝負だ!ここでレースは大逆転。最初の130kmを猛烈なペースで走り続けたジムに、陰りが見え始めたのだ。人間の身体は、ペースを落とさないともたないのだ。キリアンも同じ運命をたどりそうになったが、30kmほど前にクールダウンすることに。この区間、ブランシャールに追いつかれたキリアンは、再び力を振り絞った。一時3位にまで落ちたが、この16.5kmの区間で、キリアンは3位から1位へと順位を上げていき、ジムのペースは落ちていった。143kmを終えた時点で、キリアンはブランシャールに47秒、ジムに18分57秒の差をつけていた。 重要なデータポイント 上のデータでわかるように、キリアンはこの区間で心拍数を125の平均値まで持ち直した。しかし、この区間では、キリアンを追いかける新たなライバルが出現したため、努力のレベルが上がっている。
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Trient – La Tete Aux Vents
この区間は、キリアンが最強であることを証明する場所。143km地点から151km地点まで、キリアンとブランシャールはぴったりとくっつくように走りました。最初の登りでは、安定した走りを見せ(HR148、この区間の最大値)、その後は両選手とも安定した走りを見せます。151km地点で、キリアンが頑張る(上の写真の2回目の登り)。心拍数データとともに、調整ペースが急上昇しているのがわかると思います。キリアンは急加速しただけでなく、このペースを維持したのです...。キリアンが161km地点で頂上を極めたとき、ブランシャールとの差は7分23秒だった。
重要なデータポイント データで見る勝利の一手。キリアンは、1時間にわたって5km20分以上のペースで走り続けた(調整ペースデータ)。アタック中の最大調整ペースは3分21秒/km。つまり、151kmを走った後、16分45秒の5kmペースで走ったことになる。このレースの最初の80kmの展開を考えると、彼がしたことは信じがたいことだ。
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La Tete Aux Vents – Finish
最後の10km! 最後の上りで力を振り絞ったキリアンは、ブランシャールを破ったことだけでなく、自分自身を追い込んでいたことが解った。平均心拍数は119と、キリアンのリカバリーゾーン内に収まっているのがわかる。この区間は下りが中心とはいえ、10kmの調整ペースの中では最も遅い区間でした。ブランシャールは最後の10kmでその差を縮めることができたが、すでにレースは終わっていた。キリアン・ジョルネが19時間49分30秒の記録で2022年のUTMBチャンピオンになりました。
重要なデータポイント 9:27/kmの調整ペースで、この区間はキリアンにとって最も遅い区間だった。勝利のために全エネルギーを使い果たし、タンクに何も残っていなかったのは理解でき、キリアンにとって最も遅い区間であった。
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記録更新のための戦術
UTMBで優勝しただけでなく、最速タイムを出したキリアンにおめでとうと言いたい。データから、キリアンがこの新記録を達成するために、複数の戦術を駆使していたことがわかる。
戦術その1:80kmのサージング
最初の80kmは、ジム・ウォルムスレイが限界まで追いこんでいた。ジムがこのペースを作っていなければ、キリアンはもう少し保守的な走りになっていただろうと思われます。ジムは、有酸素パワーゾーンと閾値の間で、合計1時間22分走るようキリアンを追い込みました。多くのウルトラランナーにとってこの方法はお勧めできませんが、キリアンは完璧にこなしました。
戦術その2 レース中のリカバリー
キリアンは、ジムに先行を許していたことが、記録的な勝利に大きく貢献しました。リカバリーがなければ、レース後半、地形が急勾配になるにつれて、キリアンは失速していたことでしょう。下り坂を利用して回復することで、キリアンは心拍数を下げながら、適切な調整ペースを維持することができたのです。
タクティクス#3: 最後の上り坂で勝負に出る
レース中盤で体力を温存してきたキリアンには、終盤で勝負をつけた。最後の上り坂で、キリアンは3分21秒/kmの調整ペース(16分45秒の5kmペース)にまで加速し、ブランシャールを落とした。これが最終的に勝利の決め手となり、キリアンはフィニッシュまでの残り10kmを楽に走ることができた。
まとめ
エリートアスリートが長距離、長時間走れるというのはすごいことです。キリアンは、UTMBで優勝しただけでなく、その過程で記録を樹立し、その経験とフィットネスを存分に発揮した。APEX Proのデータ収集とTraining Hubの分析ツールにより、彼の体がどのような状態にあったのか、そして最終的な勝利のためにどのような戦術が成功したのかを垣間見ることができます。キリアンのUTMBデータの分析を終えるにあたり、これがあなた自身に必要なツールと知識を提供であったと思っていただける事を望みます。完璧を求めるために、トレーニングを続け、賢いレースを学んでください。 
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