2023/12/8〜
12月8日
ちゃんと朝5時に起きたし、1日中来たボールを打ち返す(時々場外、時々壁打ちで返ってきてしまう)ようにお仕事をしてえらかったと思う。もしかしてボーナスがそろそろなのかもしれない。なるべくお金どろぼうをしていたかった。
昨日おろしたワンピースを今日も着た。
好きな服を着るくらいの抵抗(何に?)くらいしかできないけれど、それでも「かわいいね!」と職場の何人かに挨拶みたいに言ってもらえて嬉しくなってしまう。
たぶん大丈夫だったの、今日が金曜日で本当に2日に一回は金曜日にしたい。
帰りの電車で“パン以上、ケーキ未満”と描かれた紙袋を持った人がいて(パンは含まれるのできっとパン屋さんの紙袋)、これをコメで言い換えたら“おにぎり以上もち未満”?
大豆なら“豆以上豆腐?納豆?未満”?
それとも“画像以上現実未満”?
と考えたりした。
デスクを片付けにするために産休に入った上司が一瞬だけ職場へやってきて、嬉しさとか安心感とかでまともにお話もできずに仕事をしてしまった。おせんべいとチョコレートをいただいて、無事出産された際はお祝いをしたいな、と何が良いか考えたい。
なんとかなったのでえらい。
12月9日
夢に井上さんが出てきた。
昨晩、井上さんの“何も書けない”というツイートを見た(たぶん)からだと思う。夢の中では私たちは仲良くしあわせそうだった。
今日は出かける道中で“うたわない女はいない”を読んだ。井上さんはじめ、歌人の方々のお仕事にまつわる歌とエッセイを無性に読みたくなっていた。そして久しぶりにまともに本を読むことができた(と言っても移動中の数十分)気がする。
白濱さんから関西のギャラリーについてメールが来ていた。忙しい中、業務外(?)のことを申し訳ないけれど、とってもとってもありがたい!(ちゃんと文中に“私は責任取れませんよ!”とあってとても好き。)
大阪の友人が教えてくれたギャラリーと合わせてマップに落としたい。
友人と待ち合わせの前に丸の内を散歩して、六本木でリーキットと奈良美智の写真展を鑑賞。クリスマスの丸の内はお店や小さな回転装置が出ていて楽しげだった。
奈良美智の写真が、奈良美智だ!という感じで原美術館の2回奥の部屋だった。
できたばかり(?)の麻布台ヒルズでオラファーエリアソンを鑑賞。オフィス商業ビルのすごいバージョン(言語力…)という感じ。
ミッドタウン八重洲とか虎ノ門ヒルズとかの感じ。
エリアソンの展示で、遠心力を利用した装置で鉛筆が図形を描く展示に、会場の人たちみんなが“おぉ〜〜”といって集まってくる感じが、江戸のまちに文明開化が訪れたみたいな、教科書の一コマみたいで面白かった。
内容は良かったけどボリューム的には少しお金どろぼうだね、と友人と言っていた。
東京タワーのふもとの交差点にあった“横浜”という喫茶店でお茶をした。夜に予約客があるようで15:15まで!と店主さんはずっと忙しそうだった。
カウンターの後ろの棚にティーカップとソーサーのセットがたくさん並び、全て違う柄だった。
運ばれてきたお茶もそれぞれ異なる食器で楽しかった。
友人は11月にベトナムへ旅行に行っており、お話を聞かせてもらう。ホーチミンのお墓(暦菓子的な価値のあるスポットらしい)では現地の修学旅行生に混ざってしまったり、郵便局員さんが適当だったり、ベトナムで有名なイタリアンのお店が美味しかった話をしてくれた。
1月(お正月)に金沢が青森にいっちゃおうかと思っていたけれど、海外旅行を改めて計画したくなる。
でもやっぱりそれより、そのお金で今は展示をしたいかも。
15:15にお店を出て東京タワーと芝公園を散歩した。友人は職場の昇進試験に合格したとのこと!
すごいおめでたい!嬉しい!
着実に、自分の手でキャリアアップを掴んでいて尊敬する。
お給料そのままで重い仕事と忙しい日々ばかり重なるなんて!と思い、多分週明けのボーナスも、今回はそんなに踊らされないで受け取って、これからのお仕事と人生の塩梅を再検討したいこの頃。
今日は暖かくてまだたすかった。
年賀状は書けていない。
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今日は北米では皆既日食が見れるらしい。全然知らんかった。そりゃまあそうか。日本関係ないもんな。ロバートの妹は皆既日食を見る専用のサングラスを買いに行ったらしいが、売り切れで買えず。ロバートは目を傷めるかもしれないし、危ないから引きこもっている、とまるで中世の人間のような発言をしていた。皆既日食って中世の時代ではどういう扱いだったんだろうとふと気になって調べてみたら、やはりオカルト的な扱いで不吉なものとされていたらしく、一日中お経を唱えたりしたらしい。
あと中世の人は直接見ると危険なのはわかっていたけども、専用のサングラスなどないので、水に映してみるとかしてたとか。
まあでも日食とか月食とかそういう系ってなんかわりとよく起こるイメージあるし、そこまで興味ないかも。まあわりとよく起こるとは言っても数年に一度みたいな割合だけどもさ。でも生きているうちに一度しか見れないモンでもないもんなあ。
日本語で調べると、やはり日本語の情報しか見れないわけで、自分で調べればいいものの、専門用語とか多いと面倒だから、ロバートに頼んで英語では中世ヨーロッパの人なにしてたか聞いたら、やっぱヨーロッパでも日本とほぼ同じで、基本不吉なものでローマ教皇が避難したりしたそうだ。中世のローマ教皇といえば、そこら辺の国王とかよりも上の人で、まあ最高権力者だったわけだもんな。
国際恋愛や国際結婚ってよく文化の違いが問題になって揉めるし、離婚率が高いとか言うけども、私にとっては知的好奇心を満たせる永久機関という感じ。文化の違いをむしろ楽しめるぐらいじゃないと無理だろうなとは思う。感情優先の人ならそりゃ揉めることも多いだろうが、私は色々な異文化の違いは興味深い情報収集のひとつとして見れるから。長年一緒にいて、徐々に話題がなくなるみたいなことを聞くと、そっちの方が恐怖かもしれない。いくら好きな人でも木偶の坊みたいなかんじに思えるかも。
Pinterestで見つけたロシア語の製図パターン。わりとネット上ではロシア語のこういうグレーな情報がゴロゴロ転がっている気がする。ロシアが中国と似ている点の一つ。ロシア語を学んで役に立ったというわけでもなく、ある程度洋裁を齧っている人ならロシア語が読めなくても大体どういう意味がわかるかと思う。
おそらく絵柄の感じやパターンの感じからして60年〜70年前ぐらいのものだろう。ロシアはちゃんとメートル法なので、北米のインチで書かれたものよりはわかりやすくて参考になる。着物リメイクでできるだけ直線に裁断するパターンを考えているところだから、パフスリーブの袖のパターンの引き方は参考になるわ。着物リメイクの半袖パフスリーブを作りたくて、デザインはある程度考えてるんだけども、見返しをどうするかはまだ考え中。袖にはオーガンジーを採用したいんだけども、オーガンジーを見返しに使うと着心地どうなんだろう?とか思ったり。でもググるとオーガンジーを見返しに使ってるドレスとかめちゃくちゃ見つかるんだよね。理論的には採用してもいいってことなんだろうけども。でもやっぱオーガンジーって硬くて痛い時あるから、やっぱ見返しには使わない方がいいかなあとか。オーガンジー使うくらいならシーチングで代用した方がいいかもしれん…
ᙏ̤̫͚
もうすぐ登録者1000人だなあ。もう4000時間越えはしてるから、はやく1000人行ってくれ…収益化…1000までが結構長くなるかもしれん。まあロバートが来るまでにはいくかもしれんけども、来月になるかも。うーん。でもまあわりとペース早い方だよね。だって今年始めたばかりだもの。私がようつべ始める前から手帳の参考にしてるチャンネル、去年1000人到達したばかりとかだったんだけども、今まだ1300人とかやし。もっと伸びるかとも思ってたけど、わりと伸び悩んでるよなあ。あと、意外と500人ぐらいのYouTuberでも色々コメもらって視聴者とのやりとり多いのとか見るとやっぱ登録者でどうのこうの決められるもんでもないかなとかも思ったり。私がようつべ始める前に登録者1000人前後から見守ってきたチャンネルって、大体今かなり伸びてるんだよなあ。まあおすすめに出てくるってことは再生数が高くて、それで鰻登りに登録者も増えるんだろうね。わたしもおすすめに出させてもらったから、それで登録者の下駄履かせてもらった感じ。本来そこまで伸びるもんでもないと思うわ。
1000人超えたあたりから着物リメイク動画あげようと思う。今編集中だけども。あとDiorのワンピースももうすぐ完成しそうだから、それは今月中に編集して載せるつもり。今月はその2本ぐらいしかうpできないかもなあ。色々作りたいけども、もうすぐ引っ越しだしバタバタして洋裁どころではないかも。
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2024年3月7日
「ふざけるな」法廷に怒号 伊方原発訴訟8年、訴え届かず(共同通信)
「ふざけるな」「不当判決」。判決理由を読み上げる裁判長の淡々とした声に、次々と怒号がかぶさった。四国電力伊方原発3号機の運���差し止めを求める訴えを退けた7日の大分地裁判決。「なぜ私たちの思いを聞いてもらえないのか」。提訴から約8年。原発の危険性を訴え続けてきた原告たちは、憤りをあらわにした。
地裁前には、朗報を待ちわびる原告や支援者らが駆け付けた。敗訴が伝わると、「腹立つなあ」と落胆の声を漏らした。
「司法は福島事故を忘れたか」と大書した紙を弁護士と共に掲げた原告の大原洋子さん(70)は「私たち市民が怖い思いをしながら闘ってきたことが、なぜ聞いてもらえないのか」と強い口調で訴えた。
伊方原発3号機の運転差し止め認めず 大分地裁判決「具体的危険なし」(愛媛新聞)
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)で大量の放射性物質が放出される事故が起きれば生命や生活が侵害されるとして、大分県の住民549人が運転差し止めを求めた訴訟の判決が7日、大分地裁であった。武智舞子裁判長は「安全性に欠けていると認められず、原告らの生命などに侵害が生じる具体的危険があるとは認められない」として住民側の請求を棄却した。
2011年の東京電力福島第1原発事故を契機とした伊方原発に関する同種集団訴訟はほかにも松山と広島、山口の3地裁・支部で審理されており、判決は初めて。原告側は即日控訴した。
大分地裁では16年に大分県の住民が提訴し、27回の口頭弁論を経て23年6月に結審。事故のきっかけとなる地震や火山噴火の想定の妥当性と、施設の安全性確保が争点となっていた。
愛媛 伊方原発3号機 運転停止求めた訴え退ける 大分地裁(NHKニュース)
裁判長「具体的な危険あるとは認められない」
住民側が「近くには国内最大級の『中央構造線断層帯』のほかにも活断層が存在する可能性があるにも関わらず、地下構造を詳しく把握する『三次元探査』を行っていない」などと主張していた点については、裁判所は「各種の調査を組み合わせることによって地下構造を把握することは可能だ」などと指摘し、四国電力の調査は合理的だと判断しました。
また、熊本県の阿蘇山の巨大噴火を想定した対策などが必要だとする住民側の主張については、「『巨大噴火の発生頻度は極めて低く差し迫った状態ではない』という四国電力の評価には合理性がある」としました。
判決は愛媛、広島、山口で起こされた一連の集団訴訟では初めてで、能登半島地震後の原発の安全対策をめぐる司法判断としても注目されていました。
専門家 地震については「最新の調査研究のフォローが重要」
地震や地質調査に詳しい東京大学地震研究所の纐纈一起名誉教授は、7日の判決について、「原発の規制基準やそれに基づく国の審査に特に欠点はなかった、ということを意味する」と述べました。
また、争点の1つで、地下構造を詳しく把握する「三次元探査」については、「地震はまだまだ分からないことだらけなので最新の調査や研究の動向を真剣にフォローすることが一番重要だ。住民側が求めている『三次元反射法探査』を必ずしも実施しなくても、地下の構造を把握できるのは確かだが、実施できるならばやった方がより正確な評価ができる。電力会社はもちろん、規制側も、不断の努力を続けてほしい」と話していました。
【これまでの経緯】伊方原発 対岸の大分市中心部からは70kmほど
愛媛県伊方町の佐田岬半島にある伊方原子力発電所は当初、1号機から3号機まで���働していましたが、1号機と2号機は廃炉が決まり、現在、運転中なのは3号機だけです。
東京電力福島第一原発の事故を受けて原発の安全性を問う声が高まり原発がある愛媛県のほか、広島、山口、それに大分県の住民による集団訴訟が起こされました。
伊方原発3号機の安全性をめぐっては異なる司法判断が相次ぎ、運転の停止と再開が繰り返されてきました。
広島県の住民などが運転の停止を求めた仮処分の申し立てについて広島高等裁判所が2017年12月、火山噴火のリスクを指摘して運転の停止を命じる決定を出しました。
しかし、四国電力が異議を申し立て、2018年9月に広島高裁の別の裁判長が決定を取り消し、運転を認めました。
また、2020年1月には、山口県の住民による仮処分の申し立てについて、広島高裁が「地震や火山噴火によって重大な被害が及ぶ危険がある」などとして、再び運転を認めない決定を出しましたがこの決定も翌年に取り消されました。
伊方原発3号機はその後も電源の一時喪失や原発の保安規定違反などのトラブルが相次いだ影響で運転が停止することもありましたが、地元説明や定期検査を経て現在、運転を続けています。
原告の1人 しいたけ生産者「風評被害だけではすまない」
原告の1人で、原告団の共同代表を務める大分県杵築市の中山田さつきさんは、伊方原発3号機の運転停止を求め、8年前から司法の場で闘い続けてきました。
農業を営み、コメや大分特産のしいたけを栽培する中山田さんが原発の運転停止を求めたきっかけは、福島第一原発の事故の際に経験した風評被害です。
福島第一原発の事故のあと、東北や関東の広い範囲で原木しいたけから国の基準値を上回る放射性物質が検出されましたが、基準値を上回らなかった大分のしいたけにも影響が及びました。
中山田さんが栽培した原木しいたけの価格は、事故前の1キロあたりおよそ4000円から半分に暴落したといいます。
当時、中山田さんは、「価格が下がるのは予想外で収入がかなり減ってしまった。どこで大きな地震があってもおかしくないので、どこの原発であれ、再稼動はあってはならない」と話していました。
大分地方裁判所が7日、住民側の訴えを退ける判決を言い渡したことについて、中山田さんは「裁判所は福島第一原発の事故を忘れたのかという判決でした。伊方原発で事故が起きれば大分では風評被害ではなく、実際に被害が出ます。県民あげての裁判で、大分県への影響は大きいので、本当に悔しいです」と話しました。
伊方原発の運転停止を求めて運動を続けていくということです。
【判決前】原告団が集会 能登半島地震にも言及
判決が言い渡される前、大分地方裁判所近くの公園では原告らが集会を開き、弁護団の共同代表を務める徳田靖之弁護士が、「ことしは能登半島地震がありましたが、私たち人間がどのような時期にどのような規模で地震が発生するのか予測することはできません。伊方原発を止めるために命ある限り闘うんだということを皆さんに伝えたいです」と話していました。
午後1時50分ごろ、原告団およそ50人が、「ふるさと大分は原発被害を許さない」とか、「理性と良識が原発を止める」などと書かれた横断幕や旗を掲げながら大分地方裁判所に入りました。
一般傍聴席 倍率は3.85倍
大分地方裁判所では多くの人が傍聴券を求めて抽せんに参加しました。裁判所によりますと一般の傍聴席62席に対して239人が並び、倍率は3.85倍でした。
損傷した変圧器は撤去済みだった 能登地震2カ月、志賀原発を初めて公開 外部電源は一部供給できぬまま(東京新聞)2024年3月7日
北陸電力は7日、能登半島地震で設備の故障が起きた志賀原発(石川県志賀町)の敷地内を、地震後初めて報道陣に公開した。激しい揺れで変圧器の配管が壊れて油漏れを起こし、外部電源の一部から電気を受けられない状況が続いている。完全復旧の見通しは立っていない。
油漏れが起きた志賀原発2号機の変圧器=7日、石川県志賀町で
この日公開されたのは、油漏れを起こした1、2号機の変圧器や、揺れで水が飛散した2号機の使用済み核燃料プール、地震後の試運転で止まった非常用ディーゼル発電機など。変圧器の損傷部分はいずれも撤去され、油漏れの状況は分からなくなっていた。1号機原子炉建屋脇の地面に数センチの段差が生じていた。
油漏れが起きた志賀原発1号機の変圧器=7日、石川県志賀町で
公開までに地震発生から2カ月以上かかったことについて、中田睦洋・原子力部長は「余震リスクがあり、町内のインフラ復旧が滞っていたため、安全面に配慮した」と述べた。
地震で志賀町は最大震度7を、1号機地下では震度5強を観測。敷地前面で最大約3メートルの津波を確認したが、敷地内への浸水はなかったという。
志賀原発は1、2号機とも2011年3月から停止中で、2号機は新規制基準の適合性審査が続いている。(渡辺聖子)
地震後で初めて志賀原発を公開、担当者「安全上必要な電源は確保」…地面には数センチの段差(読売新聞)2024年3月7日
能登半島地震で破損した志賀原発2号機の変圧器(7日午後、石川県志賀町で)=佐々木紀明撮影
北陸電力は7日、能登半島地震後初めて志賀原子力発電所(石川県志賀町)を報道各社に公開した。地震では複数の変圧器が破損したが、担当者は「安全上必要な電源は確保できている」と語った。
同原発には1、2号機の2基の原子炉があり、2011年から運転を停止している。1月の地震では外部からの受電に必要な2台の変圧器が破損し、5系統のうち2系統の電源網が使えなくなった。原子炉などの建屋に損傷はみられなかったが、敷地内の地面には数センチの段差ができた。
この日は破損した2台の変圧器も公開され、担当者が復旧の見通しを説明。1台については2月末に仮復旧を終えた一方、もう1台はこれから修理方法を検討するため復旧時期は未定という。
見事なヒスイの石仮面をマヤの王墓で発見、「闇の時代」解明の手がかりとなる嵐の神(ナショナル ジオグラフィック日本版 3月7日)
「きわめて珍しい」と考古学者、盗掘を免れたグアテマラのチョチキタム遺跡で発掘
翡翠(ヒスイ)のモザイクでできた小さな仮面。目と歯にはウミギクガイの殻が使われ、嵐の神を表している。紀元350年ごろにチョチキタムに埋葬された王の胸の上に置かれていた。(PHOTOGRAPH BY RUBÉN SALGADO ESCUDERO)
チョチキタム遺跡は、中米グアテマラのヤシの木が茂る熱帯雨林の中、落ち葉と石の塊に埋もれた場所にある。これまでほとんど知られていなかったこの遺跡は、考古学的な大発見が起こるような場所にはとても見えないかもしれない。ましてや、長い間、研究者たちを悩ませてきた闇の時代の手がかりが見つかるとは、誰も考えなかったはずだ。
しかし、それが現実になった。この場所で、翡翠(ヒスイ)を組み合わせて作ったミステリアスな仮面が発見されたのだ。これまで知られていなかったマヤの王のものだと考えられている。
この発見から、1700年近く前の古典期初期のマヤ文明における篤い信仰と王位継承の実態が浮かび上がってくる。それだけでなく、この時代のマヤの王族が、マヤよりもさらに強力なメソアメリカの王朝の支配下にあった可能性があるという説の信憑性を高めそうだ。
���この点に関しては、さまざまな説があります」と話すのは、考古学者でナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)でもあるフランシスコ・エストラーダ゠ベリ 氏だ。「この仮面によって、マヤの歴史に関する古い解釈が葬り去られる日はますます近づくことでしょう」
王のピラミッドと棺の発見
チョチキタム遺跡とその歴史は、時の経過による荒廃と深い熱帯雨林にはばまれて、長い間謎に包まれていた。遺跡があるペテン県は、グアテマラ北東部に位置する低地帯で、メキシコとベリーズに挟まれている。遺跡自体は20世紀初頭から知られていたが、マヤ文明とのつながりについては、ごく最近までわかっていなかった。
理由のひとつは、遺跡ができた年代にある。マヤ古典期は紀元250年から900年ごろで、マヤ文明の最盛期と重なる。しかし、この時期の文献はほとんど皆無で、栄光のほとんどは盗掘によって失われてしまった。
実際、チョチキタムも盗掘者の餌食になっていた。2021年に、レーザー光線による測距技術である「ライダー(LiDAR)」を使った調査では、遺跡の中心である王家のピラミッドと思われる建造物に、盗掘用のトンネルが掘られていたことがわかった。しかし、エストラーダ゠ベリ氏と同僚のブハニー・ジロン氏は、盗掘者たちが見逃した場所があることに気づき、発掘調査を行った。
「簡単なことではありませんでした」と、米テュレーン大学中米研究所の教授で、マヤの先古典期と古典期に詳しいエストラーダ゠ベリ氏は話す。
ピラミッドを7メートル以上も掘り進んだところで、ジロン氏が頭蓋骨と何本かの歯、そして棺のような形の石の箱を見つけた。箱の上部は壊れていたが、エストラーダ゠ベリ氏は副葬品を見つけた。壺、巨大なカキの殻を組み合わせたもの、いくつかの骨の破片、そして、美しい翡翠が丁寧に並べられていた。
王にふさわしい翡翠の仮面
2022年6月下旬、研究室に戻ったエストラーダ゠ベリ氏は翡翠に注目した。これは考古学者がテッセラと呼ぶもので、ほかのマヤ遺跡では、王族を埋葬する際のモザイクの仮面に使われてきた。神や先祖の象徴として、埋葬者の富や権力を表していることが多い。
何度か翡翠のタイルを動かすと、渦巻き状の目と鋭い歯を持つ顔ができた。
また、目ざとい同僚が、墓の主のものと思われた骨の一部に、黒曜石で刻んだと思われる細かい彫刻に気づいた。骨のうち2つは埋葬された王のものではないこともわかったが、その彫刻から、支配者である王の身元が明らかになった。なんとその彫刻に描かれていたのは、マヤの神の頭を掲げる支配者だった。それは、エストラーダ゠ベリ氏がよみがえらせた仮面の神そのものだった。
しかし、この王や神は何者なのだろうか。エストラーダ゠ベリ氏は、米アラバマ大学の考古学者で、マヤの碑文に詳しいアレクサンドル・トコビニン氏の協力を得て、彫刻の解読にあたった。そして、謎の支配者と神の身元が明らかになった。支配者は、イツァム・コカジュ・バフラム(「太陽神/鳥/ジャガー」の意)。そして渦巻く神は、考古学者たちにヤクス・ワヤーブ・チャウクG1(「最初の魔術師 雨の神」の意)と呼ばれている存在で、マヤの嵐の神だった。
エストラーダ゠ベリ氏は、この発見は「きわめて珍しい」と言い、まだ明らかになっていない時代や場所の貴重な情報源になるだろうと述べている。
地方と中央、それぞれの王
墓から見つかった香や骨の放射性炭素年代測定を行ったところ、イツァム・コカジュ・バフラムは、紀元350年ごろのチョチキタムの王だったとみられることがわかった。
埋葬の場所から、その主がエリート階級や王権を持つマヤの支配者であることは明らかだ。しかし、遺跡で見つかった工芸品や建築物から、当時の地方指導者の多くはさらに強力な王に従属していた、あるいは操られていたという説の信憑性が増している。また、この遺跡から見つかった品の中には、ほかの強力なメソアメリカ都市で見つかった品を思わせるものもある。そのひとつが、全裸のイツァム・コカジュ・バフラムの姿を描いたものだ。
「これがティカルやテオティワカンの影響下にあったマヤの王だったことは明らかです」とエストラーダ゠ベリ氏は言う。古代メソアメリカの都市テオティワカンは現在のメキシコにあり、マヤの都市ティカルは同じペテン県にある。どちらも、僻地と言えるチョチキタムよりも大きく、影響力も強かった。
「遺跡からは、隷属的な地位にあったという証拠は見つかっていません。しかし、状況から考えれば、ティカルには直接的に隷属し、テオティワカンには間接的に隷属していたと思われます」
チョチキタムの王たちの詳細や、謎につつまれたマヤ古典期初期の強力な支配者たちとのつながりについては、まだわからないことが多い。エストラーダ゠ベリ氏のチームは、遺跡で見つかった骨の古代DNA調査や、打ち捨てられたピラミッドからさらに宝が見つかる可能性など、あらゆることを調査し尽くすつもりだ。
それが明らかになるまでは、失われたマヤ王の翡翠の仮面を堪能することにしよう。エストラーダ゠ベリ氏によると、この仮面と彫刻が施された骨は、地道で骨の折れる考古学調査の世界ではめったに味わうことができないスリルに満ちているという。
「今、目の前にあるのは骨ですが、それを調べることで、彼がきらびやかな衣装を着て、王位の象徴である品を手にし、王権を掌握していた様子が見えてきます。これはたまらなくわくわくする瞬間で、考古学者としての特権です」と、エストラーダ゠ベリ氏は話す。「ときには、幸運に恵まれることもあるのです」
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