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#「淋しい」とか「人が欲しい」とか
codesk · 3 months
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好きな詞を語らせておくれ/作詞について実しやかに思っていること
度々テレビのフレーム補完について議論が上がることがある。
FPSが上がっているようにヌルヌル見えるアレだ。それが映像の良さを消してチープに見えるので気持ちが良く無いと言う。自分もそう思う。古い考えかも。
理由の一つはシャッタースピード。24コマや30コマを想定して作られているものがフレーム補完をされるとブレたりヒュンと動く物の軌道がゆっくり見えてしまいもっさり感が増してまるで蛇に足が生えたよう。高フレームレートで撮影された映像は、よほど速くなければモーションブラーはかからない。
アニメーションではプロが考え抜いたコマ割りや中割りに野暮なことをしないで欲しいと思う。ズェッタイキル
ちなみに、海外ではこのテレビのヌルヌルをソープオペラ効果と言うらしい(ヘェ~ヌルヌ
作詞についても同じことを思っており、最初から最後まで蛇足にアリアリと説明するのはアリーヴェデルチ(さよならだ)
以下、とにかく好きな歌詞と曲を書かせておくれ。
※あくまで個人の解釈です
♪くるり「琥珀色の街、上海蟹の朝」
詞の中に愛の告白も好きの一説も無いのに、愛情の深さが伝わるくるりの名曲。
上海の堅物なワルが小さい子猫を拾ったら情が湧いたような石壁に咲いた花🌺トカレフやヒビ、クーデターなど物騒な言葉が出るので安全な生活はしていないと思います。
心配であれこれ言ったり不安で仕方ない中、束の間の休息に上海蟹を食べている様子を方杖をついて見ているようなサビ。上海蟹はとても食べにくいので集中して一生懸命食べているなあと眺めているのでしょうか。岸田さんの優しい歌い方も相まって慈愛に満ちている気がします。
溢してもいいという一説が食べ物だけではなく涙や感情の比喩のようにも読み取れます。上手に割れるとありますが、もしかしたらこの子を逃すために決別を意識しているのかもしれない。というか多分、外輪船に乗せて別れていると思う。
ずっとサビで食べていた上海蟹が二人で食べる最後の晩餐だったのかもしれないと思うとエモい。説明不要。最高。
♪人マニア - 重音テト 原口沙輔さん
昨年、5万再生ぐらいの時にYoutubeで拝見して、歌詞の小気味良さとサビのキャッチーさに驚いた。コードが無いようで非常におしゃれでアングラなベースが印象的。
歌詞も度々聴いていくと、やるせねぇなあでも仕方ねぇなあでもやるせねぇなあと延々回っている自分に笑えてきたような虚しさを感じているのか
今日もどっかで誰かが炎上して、ツイ消しして、子供に夢を見せるほど素晴らしい大人になるはずだったのに、こんな大人になってしまった。もしくは、こんな大人で溢れてしまった。
やるせねぇなぁでも仕方ないなぁと最後には開き直って嘘を言う、その嘘を背負って生きていくんだなぁと完結しているようでなんというか安心しました。
学生の頃、高学年の人がカッコ良く視える現象があったかと思うのですが、いざ自分が高学年になった時にこんな感じかと思う感覚に似ている気がします。
全然本題と関係ないのですが、昨今落ち着いていた音圧競争に新たな刺客が現れたと一人感じています。音選びも秀逸で学ぶところが多くかってに拝ませて頂いています🙏
♪メランコリーキッチン 米津玄師
米津さんのこの曲がとにかく好きです。ただ、自分の解釈はハッピーエンドとは違いこの詞の人はどうしようもない人だなと思っています。
イントロお通夜のような夕暮れの雰囲気から始まるのですが、おそらく「あなた」が家出をしてしまったのだと思います。
自炊をするけど下手な料理しか作れない、「あなた」がいないと夜も塞ぎ込んでしまう。タイマーの電池も切れてる。あなたという存在に生活や精神面を強く依存していたことが分かります。
喧嘩をした後や自分が不機嫌な時も優しく懐柔してくれる、それにどれだけ救われてきたか感動的に言っているのですが、感謝の気持ちを言葉にするだけでは「あなた」は本当に救われるのだろうか。少々勝手過ぎるのではないだろうか。
「あなた」という存在は立派な人で恐らくこの人が居なくても生きていける気がします。帰ってくるのかどうか。それでもまた会えるまた元に戻れると信じている人。
そんなことを感じないほど良いメロディと詞が輝いていて本当に良い。そして虚しい。
イメージを崩してしまったら申し訳ないのですが、ハッピー以外もいいと思っています。(病気や死別の可能性もありますがナンセンスなのでスルーしています)
ーーーーーまとめ
自分はどうするのか。
こうやって整理をして思い浮かんだのですが、デッサンをするように陰影を描いて物事の形を浮き出すと良いのではと思った。
自分デッサンは下手なのですが、あれは物の重さや厚さや硬さなど正面や視覚から見えないところも理解して、キャンバスに書き起こす能力が必要だと思っています。それを陰影と呼ぶのですが、見えない裏側が見えるデッサンが自分は好きです。
具体的には、メロディの語呂と曲調にも寄るだろうけど、テーマに基づいて関連する言葉を選んであげると良いのではと思います。そりゃそうだよって感じですね。
例えば、愛はどうあがいても一つで完結することができないものです。仮に自己愛だとしても「我思う、ゆえに我あり」とこれはデカルトの言葉の引用なのですが、簡単に言うと自我と自分は同じものではなく、自分が自分と認識することで存在しているということです。あるいは、神様にそう認識させられているという説もあったと思います。
なので、愛の表現に対比は有効だと思います。故にユーエンミーのやつですね。君の〇〇が大好き!より、拒否と懐柔を行ったりきたりする方が愛っぽい気がします。
陰影を表現する方法で、情景を伝えるのも良いと思います。
しんと静かな空気は重たい物を。松尾芭蕉の有名な俳句で「閑さや岩にしみ入る蝉の声」という素晴らしい句があるのですが、煩いはずの蝉の音が岩という密度の高くて重いものを通すことで心に閑散とした静けさをもたらしているように感じますみたいなアレです(言葉にするのが難しい)
また、放って置いてはいけないものを表現すると淋しいや後悔、愚かな感覚になって良いですよね、どこかで聴いた冷たくなったコーヒーなどはそれに近いのではないでしょうか。
ただ、ここまで言ってあれなのですが、最近のショート動画の流行によりサビにキャッチーで分かりやすいありふれた表現を用いることも重要だと思います。ぶっちゃけ気持ちよく踊れたら良いのかもしれない。テレビのヌルヌルも見慣れた人は何も思わないかもしれない。
血迷ったわけではなく、質は適切に磨けば磨くほど良くなると考えています。油の乗った魚は捌かなくても(マグロはしっぽ切る)ヒレや身の厚さに表れ、達人のデッサンはたった一筆でもその人が達者だと分かる。
思考を止めないように精進し、論理的に考えた結果その言葉が最適解だったというふうにしていきたいです。出来るか分からないのであくまでふう。
という自論、長々と失礼しました。
2024年も宜しくお願い致します。
とりあえず、無色に出した曲早くしようか。
4o
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kijitora3 · 2 years
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各方面から批判されないように、でも慇懃無礼な物言で皇室を茶化し、秋篠宮妃紀子様という、皇室で一番攻撃しやすい対象を選定して悪印象づけをする、世論工作用の見本のような週刊誌らしい低質な記事
 皇嗣殿下のお宅は世界から来る貴賓たちをお迎えしおもてなしをする公的機能を持つ その装飾に金や大理石を用いるのは当然のこと 宮邸は外交施設の性質も有するのである程度の規模と質が絶対に必要 34億かかる、金や大理石を使う それらは普通のことなのだが、それを紀子様が私利私欲で34億無駄遣いして金や大理石で派手に贅沢し放題の印象をつけるための悪意の記事
いつものように韓国やらからの宣伝費が巡り巡って何人だかわからん安いライターに駄文を書かせて、やたら人を妬んで引き落とすことにしか興味がない人たちが読む雑誌に載せる お見事な皇室侮辱、日本と日本人の侮辱記事
こういうことに血道を上げる淋しく虚しい人たちよ、どうぞ勝手にやれ それで皇室の品格が傷つけられ君たちはいい気持ちになるのだろうが大多数の日本国民はそんな記事の内容とそれを書くライターとそれを載せる雑誌に軽蔑と嫌悪の念を持つだけのことだ 日本は自由の国だから、日本を侮蔑する言論といえども自由に発表できる 我々はそれを自由に批判できる 中韓とは違う国だということを覚えておけ
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leomacgivena · 1 year
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たしかにデジタル墓標が無くなると残された側としては淋しいのだけど、故人は死後もライフログを保持して欲しいと真に願ったのだろうか。デジタルタトゥーとデジタル墓標は地続きだ。消え去り、忘れられる権利というものもあるのかもしれないね。
山猫だぶ㌠さんはTwitterを使っています
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thus-library · 1 year
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118. ペルソナ・ノン・グラータ
(英題)Persona Non Grata
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2023/01/31
作曲: thus(2022-2023) 編曲: thus(2023) 歌詞: thus(2023) © 2023 thus. Composed by thus
絵: thus(2023) 動画: thus(2023) (フォント: 851テガキカクット)
ニコニコ動画 https://www.nicovideo.jp/watch/sm42159766
YouTube https://youtu.be/kCARzglBUcg
哔哩哔哩 https://www.bilibili.com/video/BV1Wh411L78R/
【ペルソナ・ノン・グラータ】
私(わたし)のことをどうかどうか見(み)ていて欲(ほ)しいんだと そうは言(い)えど目玉(めだま)は二(ふた)つしかないもの そしたらまた背後(はいご)を守(も)って時々(ときどき)振(ふ)り向(む)こう 三日月(みかづき)の上(うえ)から見下(みお)ろすよう
私(わたし)だけをどうかどうか見(み)ていて欲(ほ)しいんだと 面(めん)と言(い)えない意(おも)いをペルソナで烏(くろ)めた 適(かな)う声帯(せいたい)も無(な)いもんさ 撫(な)で上げる呻(うめ)きより 防人(さきもり)の地(ち)から見上(みあ)げるよう
この言葉(ことば)をどうかどうか聞(き)いて欲(ほ)しいんだが けれども喃(なん)の言語(げんご)しか話(はな)せないから そしたらまた背後(はいご)を縫(ぬ)って声(こえ)など掛(か)けよう 集約(しゅうやく)の群(ぐん)を覇(は)せ寄(よ)せぞ
私(わたし)の眼差(まなざ)しにどうか応(こた)えて欲(ほ)しいんだと 面(めん)と観(み)れない意(おも)いをペルソナで烏(くろ)めよう 適(かな)う身体(しんたい)じゃ無(な)いもんで 撫(な)で眩(ま)わせる呻(うめ)きから 仮面(かめん)の下(した)で呟(つぶや)くよう
急転直下(きゅうてんちょっか)に穿(うが)つ心臓(しんぞう)へと ズッキュンと落(お)ちた爆(は)ぜ 呪(まじな)うように 衝撃(しょうげき)が蕩(とろ)け続(つづ)けている 慕芯(ぼしん)を作(な)すように 白皙麗句(はくせきれいく)の血液(けつえき)を満(み)たす酸素(さんそ)を欲(ほっ)すが如(ごと)くに 偲(しの)び難(がた)い気持(きも)ちがするのは 淋(したた)る誰(だれ)かの以為(おもえらく)
私(わたし)の言葉(ことば)がどうかどうか届(とど)いて欲(ほ)しいんだが そう思(おも)うほど貴方(あなた)は特(ひと)り遠(とお)くなるもの それだから擁(まも)り潜(ひそ)めてペルソナで隠(かく)すの 満月(まんげつ)表面(ひょうめん)でクレーターを伏(ふ)すよう
私(わたし)の念(おも)いにどうかどうか届(とど)いて欲(ほ)しいんだが そうは言(い)っても心臓(しんぞう)は一(ひと)つしかないもの それなら只(ただ)背後(はいご)を守(も)って時々(ときどき)振(ふ)り向(む)こうと 要人(ようじん)警護(けいご)を奉(たてまつ)るよう
私(わたし)の芽(め)にどうかどうか応(こた)えて欲(ほ)しいんだと 眩(くら)やむ面(つら)を隠(かく)せるようペルソナで烏(くろ)めた 適(かな)う声帯(せいたい)は無(な)いもんだから 撫(な)で上(あ)げる呻(うめ)きをも 私(わたし)の念(おも)いを見上(みあ)げるよう 稚(いとけな)さを見下(みお)ろすよう だから退(ど)いてよ 私(わたし)の場所(ばしょ)!
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202208050519 · 2 years
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Aさんへ 22
Aさんへ
Aさんこんにちは
先日のパワームーン……スーパームーンでしたでしょうか?
ご覧になられましたか?
美しかったです
ムーンの周りをぐるりと雲が囲い、その雲がわたしにはドラゴンにしか���えず……オレンジみのムーンに、ドラゴン
心中で「この世はでっかい宝島……シェンロン……」と呟いたのは言わずもがなです
Aさんにもスーパームーンのパワーがどうか届きますように
Sより
*********
『正常性バイアス vol.ティラミス』
多分、男はガトーショコラ。いや、さてはあのフォルムはフォンダンショコラか。底辺に血の色に近いソースが見える気がする。リョウは目を細める。夜は乱視の乱れが強くなる。ともあれ女はかき氷。
ラーメン丼と見紛うほどの、しかし、ラーメン丼とするには底の浅い、小ぶりな乳房のようにゆるやかな曲線の大きな純白の陶器に盛られたかき氷は緑色であるから恐らくは抹茶であろうと見当をつける。
それがもし、万が一、ピスタチオかもしくはずんだであるならば自分もタカシも潔くイチゴにするであろう。
リョウは、隣のテーブルの男女のそれらを数秒ながめたあとラミネートされたメニューの
『復活!台湾風かき氷♪フワッフワ!♪夏だけの期間限定!こだわりのフレーバーは全8種類♪』
をひととおりをその細部までをながめながらコーヒーカップに手を添える。イチゴもいいが、
『今夏から♪新登場~♪』
らしいティラミスが捨てがたい。かき氷でティラミスを味覚表現する攻めの姿勢に俄然興味が湧く。
ふつふつ湧いた興味のあと、呼び水的必然さでソノコのティラミスを思い出す。容赦なくティラミスのフォルムが、白い楕円の皿が、華奢なデザートフォークが、味覚の記憶が鮮明によみがえる。
(あいつはうまかった。)
3人の夜。ソノコがつくった
「はじめてつくったの。試作にして集大成。大成功。」
春がふんだんに盛り込まれた炊き込みご飯をおかわりし満腹をかかえてソファーに転がると、
「これは常連。常連史上最高の出来よ。」
とティラミスがのった皿を、芸術品を扱う所作で丁寧にテーブルに置いた。
ロングタイムアゴー。かなり、もう何年も何十年も前のことに思えるほどとても昔の、また、タカシが生きていたころの3人のグッドメモリー。タカシの人生に必要不可欠かつ必然的な最後のピースとしてソノコがパチンと加わった日々の最中、いつかの夜。
そのピースは、リョウが自分のなかにある唯一の空白を埋めるべくピースであることに気づきはじめてしまった最中、いつかの夜。
彼女史上最高のティラミスを満腹直後に早食いファイターの勢いで完食し、締めに、皿の隅によけておいた彩りのミントを噛み砕いた。想像通りの青臭い清涼感が口内を充満した。ティラミスの余韻はあっけなく消えた。とっぷり浸っていた余韻の消滅があまりに淋しく、口直しの口直しをすべくティラミスのおかわりを依頼した。無論、ミント不要の旨をソノコにきっちり伝えた。
丁寧に抽出されたのであろう香り高いコーヒーのフレーバー。生クリームとマスカルポーネ。には
「秘密の配合」
でサワークリームを混ぜていること。アルコールを一切摂らないリョウが
「酔っぱらわない程度」
ほんの気持ち程度のリキュールが含まれており、その正体はコアントローで
「オレンジとコーヒーのタッグは最強であることを数年前に発見した」
と、誰からも聞かれていない秘密を自ら暴露していた。全粒粉にめがないという彼女がつくるティラミスはボトムがスポンジではなく、全粒粉ビスケットだった。
ソノコが作るデザート類の共通項であるごく控えめな甘さ。食べる度に丼で食べたいと思った。ソノコの料理の最大の特徴は「食べはじめると改めて食欲が増す。」で「食べれば食べるほど、もっともっとと食欲を刺激する。」であり、食べ終わる頃には「またこれ食べたいからまたつくって。」の腹になるのだった。つまり、ソノコの手料理はひとを元気にした。
かき氷のメニューを見つめながらコーヒーカップを唇に当て喉を潤すだけのためにひとくち飲み込む。ぬるい。そしてただぬるいだけではない。くそまずい。
コーヒーの真価はひとくちめではなく残りわずかになった終末に問われるのだとつくづく思う。
ナッツ類はギリギリ、豆類は完全アウトとし、唯一、枝豆の塩ゆでをビールのあてにする(噛むとガリガリ音をたてるほどの塩味つよめ。しかも茹でたてではなく一度きちんと冷やしたもの。)のだけは好んでいたタカシが豆由来のずんだ団子を、
「江戸時代の民衆はなぜ茹でてわざわざ潰してこれをわざ、わざ甘味に。」
と、鮮やかな緑と白の連結を忌々しげに見下ろしていた風景を思い出す。
定番のあんこやごま、みたらしの他に、色とりどりのトリッキーとしか言いようのないカラフルな団子を山ほど買い込んできたソノコがダイニングテーブルいっぱいに
「今日はおだんごランチよ。」
と団子���並べ、飲むように頬張り、嬉々としてモグモグする彼女の横でずんだの発祥を調べはじめ
「ごはんのときに携帯やめて。」
と注意されていた兄を思い出す。
大人しく携帯電話をテーブルに置き苦笑する兄の表情までを思いだし、そして、それ以降の三人の風景を思い出すことはやめる。過去ではなく今現在の、ぬるくまずいコーヒーに意識を集中させ思い出を消す。現実に軸足をおく。ハートフルなグッドメモリーが現在の自分を支え、温め、前進する活力となるにはそれなりの時間を要する。もしくはグッドメモリーを上書きすべくベリーグッドメモリーをクリエイトする必要がある。当然、思い出すことをやめようとする抗いの力が働いているうちは自分を支えず温めず活力とはなり得ないし、そもそも自分の脳内か、もしくは心中ではひとつひとつのメモリーごとひとつひとつのフォルダに保管されている。それらはPDFして完結している。だから上書きのしようがないことをリョウはちゃんと認識している。すなわちお手上げ。上書きではなく新たなフォルダをクリエイトするしかない。
(クリエイトしたところで……)
吐き出したため息でぬるい琥珀の水面が揺れる。
(ケーキ。)
腕時計で時間を確認し、この時間なら選択の余地はなくコンビニで手にいれるしかないとおもう。
(だいぶ増えたな。)
いつも仕事帰りに寄るコンビニのデザート類が陳列する場所。
ショートケーキが真夏に売っているのだろうかと、シュークリームやあんみつなども思い浮かべてはみるもののやはり誕生日といえばショートケーキであろうと、純白と赤のコントラストのあと、再度腕時計を見下ろす。いたわりの気持ちで銀色の無数の傷を見つめる。
久々、改めてまじまじ観察してみると細かな傷がずいぶん増えたことに気づく。タカシから贈られたタカシとお揃いの、銀色の、文字盤が白の日付が時々狂う日本製の腕時計。今夜の日付は◯月◯日。正確な日付を確認する。世界で一番大切だったひとの誕生日。
大切なものを大切なものとしながら、そのくせ扱いが雑、気遣いは皆無であるとかつて「つった魚に餌をやらない。」と非難してきた女がいたが、そうではない。しかし、それは違うそうじゃないと反論したところで反論を理路整然と正論まがいの暴論に仕立てたところで納得してくれる女はこの広い世界のどこにもいないとおもう。いるはずがない。ここは荒野なのだから。荒野なのだから仕方がない。
(荒野。)
胸のなかだけで言葉にした荒野。の、ひび割れた枯渇の響き。なのにどうしても心には火が灯る。否応なしに温まる。たったひとつの些細なグッドメモリーによって。些細でありながら枯渇をいとも簡単に超越する。おき火となる。
「甘えてるのよねー。
すきなひとに自分をぜーんぶさらけ出して全身全霊、全力で甘えてる。
甘えることはリョウくんにとってきっと最上級の愛情表現なのよね。
さあ包容して許容してって。これが俺なんだからって全力で甘えん坊してる。
リョウくんみたいなひとを子供みたいなひとねって片づけてしまえば簡単だけど子供って賢くて打算的よ。愛されていることを知っている子供の甘えは確信犯的なただの確認作業に過ぎないから。
リョウくんの甘えは打算も計算もない。損得勘定もない。
純度100%の甘え。
そんな風に甘えられて受け入れることができたら女性はきっと女冥利に尽きるでしょうね。でも、
こんなおれをいらないならこっちから願い下げだー、くらいに強がって。ほんとはそーんなに強くないんでしょうしデリケートでナイーブなのにねー。
でもきっと、それらをぜんぶぜんぶひっくるめてリョウくんなのよ。」
***
ロングロングタイムアゴー。タカシに、
「リョウくんさ、いい加減にしなさいよ。わがまま過ぎやしないか。」
と、声音とは裏腹に笑みのない兄らしい表情で男を隠しながら、なにかしらの言動か行動を叱られたときだ。
深夜。化粧をおとしパジャマ姿でアイスクリームを食べながら寝しなにダイニングテーブルで新聞を読んでいたソノコの声。歌うような、滑らかな柔らかな声、言葉。
(そうだ。あのときだ。)
思い出す。口の内側を強く噛み笑いを堪える。
タカシの部屋でいつものように、ソノコがつくった夕食をたべソノコが当時気に入っていたイランイラン含有の入浴剤が大量に投入された乳白色の風呂につかり、危うく溺れそうになるほどの長風呂からあがり、放出した汗に比して唾でさえ一滴も残っていない喉のまま髪を乾かす余力もなく、仕方ないそろそろ帰るか。とごく軽くソファーに座った。ソノコが、
「はい、どうぞ。」
冷えたジャスミンティーを差し出した。
一息に飲み干した。底を天井に向けると氷が雪崩れた。
「いっきのみ。もう一杯のむ?」
無言で首をふり、結露したグラスをソノコに戻した。グラスを受け取り、ダイニングテーブルに戻ると新聞の続きを眠そうに読み始めた。
体験したことのない快適さが極まると、未知と遭遇した衝撃が高じて非日常に感じるのだと知った。
山奥の滝とか、神社や教会。湯気のたつ生まれたての赤ん坊との対面。だいすきな人の腕のなかでウトウトしてそのまま眠ること。入眠の直前「もうこのまま死んでもひとつも後悔はない。」と思うこと。限りなく透明に近いもの、こと、ひと。
見るものの濁りや淀みを一掃する存在感を、風呂上がりのそばかすが丸見えの素顔を、つるつる光る額と目尻近くのほくろを、兄を、兄のうしろのキッチンカウンターに置かれた
『みみまでふ~んわりのしっとりやわらか生食パン』
8枚切りをみた。2袋。
風呂にはいる前リョウは眠気覚ましにジャスミンティーを飲むため冷蔵庫をあけた。
黄色と橙色の(橙色のほうをみて「トムとジェリー。」とつぶやいた。食器を洗っていたソノコは背中を向けたまま真摯な声で「それね。わかるわ。」と応答した。)チーズ、トマトときゅうり、(水槽のやつ。)と思いながら水草のような草が入ったプラスチックパックを手に取り確認するとディルとあった。レタス、サワークリーム。生クリーム、こしあんの瓶、未開封の粒マスタード、未開封のほうじ茶バター、ボールにはいった卵サラダとポテトサラダたちが明朝の出番を待ち鎮座していた。
食パンと、冷蔵庫にスタンバイする食材に気持ちを奪われたまま、新聞を読むソノコをソファーから見つめた。帰りたくないと地団駄をふむ代わりに、ソファーに転がるとリョウは長く息を吐く。
明日の朝はサンドイッチ。
とても久々で懐かしくもあるワクワク感にリョウは包まれた。そのワクワク度合いはたとえば、
遠足の前夜
夏休みが始まる日。ではなく夏休み初日の前夜。でもなく夏休み初日の前々夜。つまり「明日は終業式。給食ないから午前中でおわり。そして明後日から夏休みだ。」
とても久々に腹の底からなにかしらの力強い、とはいえ名前をしらないワクワク感が吐き気をもよおすほどにわきあった。衝動的なワクワクに覆われた。ワクワクにひとしきり包まれたあと本格的に急速に眠くなった。
眠くなったことを口実に、
「やっぱり泊まるからソファーをベッドにしてくれ。」
と、俺にもアイスをくれと、アイスじゃなくて愛でもいい。やっぱりジャスミンティーもう一杯と軽口を叩いた時だった。タカシが珍しく苛つきを隠しきれぬ表情で「リョウくんさ、」と口をひらいた。夕飯のとき、
「お泊まり久々。忙しかったものね。」
とソノコが嬉しそうに隣のタカシに笑ったことを、ソノコの嬉しさの何十倍かの嬉しさであろうタカシが、思慮が深そうでいてわかりやすい男の浅はかであろう意味で何百倍もの嬉しさを控えめに、
「うん。」
だけで表現し微笑み返したことを、久々のお泊まりに相応しい湿度の高い艶のある笑顔であったことをリョウは「やっぱり泊まる」と発した時にはすっかり忘れていた。
忘れたふりをしたことを思い出す。
再度口の内側を噛む。眉根をひそめる。カップの底が透けて見える残りわずかのぬるい琥珀色を一口すする。ぬるくてまずくてとても苦い。そして残少。まるで俺の人生そのもの。目の前の女は息継ぎもせず喋り続ける。きっとこの女はクロールが早いだろうと、リョウは呆れではなく尊敬を込め女の話に頷く。
頷きながら隣の男女がガトーショコラらしきものとかき氷を交換し、楽しそうに幸せそうに笑っている様をみる。あっちの女も息継ぎなしにクロールを早く泳ぎそうだと思う。溶け始めたかき氷を見る。羨ましいと妬む気持ちさえ枯れている。ぬるくてまずくて苦い。自分には最高にお似合いだと思う。
急遽、1グラムも空気を呼まず「やっぱり泊まるから」とわずか1トンほどのわがままを告げた弟への兄からの至極当然な指摘を「わがままじゃないし。」と口には出さず触れ腐れていたリョウは
「甘えてるのよねー。」
から始まったソノコの言葉を息を止めて聞いた。
言葉を発することはできず、ただ、寝そべった姿勢のまま顔だけを捻り、兄を素通りして、ダイニングテーブルで新聞を読むひとの横顔だけを見つめた。
柔らかく滑らか。清らか。
兄弟が作り出す尖った空気を和ませるためかそれともただの、まっさらな、ソノコの。
リョウは、ソノコを見つめながら日本酒の瓶を思い出した。2日ほど前、岩手へ旅行にいってきたという一回り以上年齢が上の先輩から「なかなか手に入らない希少品。」だと、恭しく渡された土産の日本酒の瓶。ほとんど透明に近い水色の瓶。ラベルの大吟醸の文字。
ソノコを見つめ声と言葉を聞き、なぜか思い出した。
タカシの最後のピースは、そのひとは、自分にしてみても最後のピースで、ただのなんてことのない事実としてそれは荒野に凛と咲くたった一輪だった。
***
年季のいった兄とお揃いの腕時計をそっと指で撫でる。傷をなで、ごめんなと胸のなかだけで呟き、しかし、誰に対しなんのための謝罪であるのか、ごめんと謝るわりに許されること願っているのか、決して許されるわけがないと諦めているのか自分の真意は一瞬で蒸発する。
「ねえ。大丈夫?聞いてる?ていうか笑ってるよね。大丈夫?お疲れです?」
向かいに座る女の尖りを含有する声にハッとし、
「ごめん。」
慌てて指を腕時計からコーヒーカップに移す。空っぽ。ため息を辛うじて飲み込む。疲れる。とても疲れる、疲れた。どうやら自分は生きることの全てに疲れているのではないかとおもう。しかしまさか「大丈夫?」と問う女に「大丈夫だけれど疲れた。」と答えるわけにもいかずリョウは、
「大丈夫。」
とだけ答え頷く。
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maruyamamio · 14 days
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自分にとっての執着は承認欲求だ
自分はよくSNSを利用していて無意識のうちに人との比較をしてしまう 
人からいいねをしてもらうと喜んだりするし   いいねをしてくれてなかったら淋しくなる
いいねはまぐれで押されるものもあるし真摯に作品を見てくれる人からのいいねがあると思起する
いいねの数=評価ではないことは確かだが 執着しているものがそれであるからどうしても割り切れない気持ちでいっぱいである 
しかし承認欲求は自分が絵を描くきっかけとなった事で それがなかったら今の自分も未来の自分もいない 
それらを踏まえたうえで
執着は成長させてくれるものでもあり枷になってしまうものでもある
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40489 · 2 months
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深い慈愛を抱き、同様に強い殺意を抱きながら、貴方を抱きたいと思うのです。苦しい、辛い、もう嫌だ、と烈しく嘆く貴方を、そっと抱き締めたいという感情と、今以上に酷くしてしまいたいという感情を葛藤させながら、君の目をじっと見つめていたいと、思います。愛しているよ、心から。でも俺には、正当な君の愛し方も、正当な距離の図り方も、正当な快楽の与え方も、分からない。でも俺が、正当だよね。ねえ。そうだよ、と言って、微笑んで欲しい。お互いの心の髄まで晒け出して、それでも好きだよ、と言ってもらえたらどれほど良かっただろう。君を想い過ぎてしまう前に手放そうとしてしまう、このどうしようもない癖を、それでも、と縋り付いてもらえたらどれほど良かっただろう。淋しい人間。一人で居たがるけれど、独りは怖い。君も、俺と同じくらい傷付いて欲しいと思い、でも君に、俺より楽しい人生を送って欲しいと思うのは、傲慢なんだろうか。否、傲慢だな。苦しい。結局他人同士が分かり合おうなんて、無理な話なんだろうか。地球で一周して、端同士で手と手を取り合うなんて、綺麗事なんだろうか。それでも俺は、それでも、この薄汚い世の中で、君と神聖な空間を偽装して、触れ合って、愛し合いたいと、溶け合いたいと、深層まで混ざり合いたいと、思ってしまうんだよ。醜い、醜いと、分かっているけれど、絶望という快楽を知ってしまったら、最期なんだよ。君も、ここまで来てよ。助けて。
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scentofsail · 4 months
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ライフハック(?)
パレートの法則で全体の20%の働きが結果の80%を生み出しているというのがある。それが行動学に影響を与えて、所謂、働き蟻の法則に繋がったらしい。
人間関係でも同じことが言えて、2割の人間は自分のことを嫌い、6割は中庸にいて、2割は好いてくれる。2割の人間に好かれることは最初から不可能で、それは自分の行動次第で変わることはない。6割の人間からは、行動次第では好かれたり嫌われたりする。自分がどんなに酷いことをしようとも、残り2割は狂信的に自分を支えてくれる。
この考え方を知ると、人生って意外とイージーモードだと気づく。自分にマイナスな感情を持つ2割の人間を自分の視界から排除すれば良い。嫌われないかなとかいう損得勘定を抜きにしてその2割には接する。勿論、くそみたいな態度で接する訳ではないけど、その2割に割くワーキングメモリを少し減らす。その力を残りの8割に注げば、円滑に物事が進む。
どうあがいても2割に嫌われる、というのは少し淋しい話でもある。その2割に自分が懇意にしたい相手が含まれていたらわたしは遺伝子レベルで自分を恨む。
マイナス感情の2割に割く労力を減らそうと思うわりに、自分は第三者のマイナス2割には入りたくないと思っている。中庸の6割に居たい。そうするには出会う人皆にフラットな気持ちで接することが重要で、そもそも2:6:2の分類をすべきではないということにもなってくる。
でも、バ先のどうしても相容れない先輩とか態度の終わってる客とかは例外なく2割側の人間なので、皆構わず視界と脳内から削除した方がいい。
わたしは8割の人間に自分の最大限を提供したいと思う反面、やはり残りの2割にも好かれたいという強欲さがある。フラットな人間になりたい。
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kachoushi · 4 months
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各地句会報
花鳥誌 令和6年1月号
Tumblr media
坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年10月2日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
日本海見ゆる風車や小鳥来る 泰俊 駅近の闇市跡に後の月 同 山門を標とするや小鳥来る 同 師の墓の燭新涼のほむらかな 匠 渡り鳥バス停一人椅子一つ 啓子 紫に沈む山河を鳥渡る 希 ひらひらと行方知らずや秋の�� 笑 なりはひの大方終了九月尽 数幸
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月4日 立待花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
朱の色に蝋涙たれし日蓮忌 ただし コスモスのたなびく道を稚児の列 洋子 抱かれて稚児は仏よ日蓮忌 同 めらめらと朱蝋のうねり日蓮忌 同 ピストルの音轟ける運動会 誠
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月5日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
友の墓秋空の下悠然と 喜代子 棟上げの終はりし実家や竹の春 由季子 菊人形幼き記憶そのまゝに さとみ 長き夜や楽し思ひ出たぐり寄せ 都 強持てに進められたる温め酒 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月6日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
蜜と恋どちらも欲しく秋の蝶 都 八幡の荘園かけて飛ぶばつた 美智子 彼岸花軍馬の像を昂らせ 都 露の手に一度限りの炙り文 宇太郎 杖の歩や振返るたび秋暮るる 悦子 露けしや既視感覚の病棟に 宇太郎 コスモスの乱れ見てゐて老いにけり 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月7日 零の会 坊城俊樹選 特選句
天高く誇り高きは講談社 きみよ 華やかに滅びゆく香や秋の薔薇 和子 秋冷を暗くともして華燭の火 千種 白帝は白い梟従へて きみよ 薔薇は秋その夜会より咲き続け 順子 肘掛に秋思の腕を置いたまま 光子 爽やかや罅ひとつなきデスマスク 緋路 一族の椅子の手擦れや秋の声 昌文 邸宅の秋に遺りし旅鞄 いづみ 洋館に和簞笥置いて秋灯 荘吉
岡田順子選 特選句
栗の毬むけば貧しき実の二つ 瑠璃 流星を見ること永きデスマスク いづみ 正五位のまあるき墓を赤蜻蛉 小鳥 秋天の青は濃度を増すばかり 緋路 月光の鏡の中で逢ふ二人 きみよ 聖堂は銀に吹かるる鬼芒 いづみ 実石榴をロイヤルホストで渡されて 小鳥 石榴熟る女人の拳より重く 光子 秋の灯を落して永久のシャンデリア 俊樹 毬栗を踏み宰相の家を辞す 緋路
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月9日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
コスモスの島にひとつの小学校 修二 檸檬の香そは忘れざる恋なりき 美穂 嫁がせる朝檸檬をしぼりきる 朝子 母乳垂る月の雫のさながらに 睦子 タンゴ果て女は月へ反りかへる 同 護送車の窓には見えぬ草の花 成子 やはらかく眉をうごかし秋日傘 かおり 天と地を一瞬つなぐ桐一葉 朝子 流れ星太郎の家を通り過ぎ 修二 正面に馬の顔ある吾亦紅 朝子 傘たゝみ入る雨月のレイトショー かおり 幾千の白馬かけぬく芒原 成子 古備前に束ねてさびし白桔梗 睦子 糸芒戻れぬ日々を追ふやうに 愛 黒葡萄いつもの場所の占ひ師 修二
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月9日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
新生姜甘酢に浸り透き通り のりこ 風を掃き風に戻されむら芒 秋尚 足音にはたと止まりし虫の声 怜 朝露に草ひやひやと眩しかり 三無 出来たての色の重たき今日の月 秋尚 徒競走つい大声で叫びたり ことこ 秋落暉炎のごときビルの窓 あき子 秋祭り見知らぬ顔の担ぎ手に エイ子 秋霜や広がる花を沈ませて のりこ 面取ればあどけなき子や新松子 あき子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月9日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
万葉の歌碑一面に曼珠沙華 信子 金木犀優しき人の香りかな みす枝 昇る陽も沈む陽も秋深めゆく 三四郎 廃線の跡をうづめて草紅葉 信子 駅に待つ猫と帰りぬ夜寒かな 昭子 天の川下界に恋も諍ひも 同 ひらひらとバイクで走る盆の僧 同 蟋蟀の鳴く古里や母と歩す 時江
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月10日 萩花鳥会
夜鴨なく門川暗くひろごれり 祐子 サムライ衆ナントで決戦秋の陣 健雄 これ新酒五臓六腑のうめき声 俊文 露の身や感謝の祈り十字切る ゆかり 虫食ひのあとも絵になる柿落葉 恒雄 すり傷も勲章かけつこ天高し 美惠子
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令和5年10月14日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
魁の櫨紅葉の朱句碑の径 三無 花よりも人恋しくて秋の蝶 幸子 咲き初めし萩の風呼ぶ年尾句碑 秋尚 女人寺ひそと式部の実を寄せて 幸子 豊年の恵みを先づは仏壇へ 和代 篁を透かし二三個烏瓜 三無 日の色の波にうねりて豊の秋 秋尚 曼珠沙華に導かれゆく道狭し 白陶 二人居の暮しに適ふ豊の秋 亜栄子 林檎好き父と齧つたあの日から 三無
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月14日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
ガシャガシャと胡桃を洗ふ音なりし 紀子 秋日和小児科跡は交番に 光子 歩かねば年寄鵙に叱咤される 令子 稲の秋チンチン電車の風抜けて 実加 不作年新米届き合掌す みえこ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月15日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
街騒も葉擦れも消して秋の雨 三無 大寺の風を擽る榠櫨の実 幸風 尾を引きて鵯のひと声雨の句碑 秋尚 水煙に紅葉かつ散る結跏趺坐 幸風 菩提樹を雨の宿りの秋の蝶 千種
栗林圭魚選 特選句
観音の小さき御足やそぞろ寒 三無 絵手紙の文字の窮屈葉鶏頭 要 駐在も綱引き離島の運動会 経彦 小鳥飛び雨止みさうにやみさうに 千種 秋霖や庫裏よりもるる刀自の声 眞理子 句碑の辺に秋のささやき交はす声 白陶 秋黴雨だあれもゐない母の塔 亜栄子 梵鐘の撞木の先や秋湿り 眞理子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月16日 伊藤柏翠記念館句会 坊城俊樹選 特選句
考へる事に始まる端居かな 雪 おは黒を拝み蜻蛉と僧の云ふ 同 道草の一人は淋しゑのこ草 同 朝霧の緞帳上がる音も無く みす枝 秋灯火優しき母の形見分け 同 役目終へ畦に横たふ案山子かな 英美子 孫悟空のつてゐるやも秋の雲 清女 穴感ひ浮世うらうら楽しくて やす香 栗食めば妹のこと母のこと 同 天高し飛行機雲の先は西 嘉和 屋根人を照らし名月たる威厳 和子 秋深し生命線の嘘まこと 清女 蜩に傾きゆける落暉かな かづを
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月18日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
枯れて行く匂ひの中の秋ざくら 世詩明 一声は雲の中より渡り鳥 同 見えしもの見えて来しもの渡り鳥 同 菊まとひ紫式部像凜と 清女 越の空ゆつくり渡れ渡り鳥 和子 秋扇に残る暑さをもて余す 雪 山川に秋立つ声を聞かんとす 同 鳥渡る古墳の主は謎のまま 同 鳥渡る古墳は謎を秘めしまま 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月20日 さきたま花鳥句会
SLの汽笛を乗せて刈田風 月惑 寝ころびて稜線を追ふ草紅葉 八草 残る海猫立待岬の岩となる 裕章 大夕焼分け行く飛機の雲一本 紀花 曼珠沙華二体同座の石仏 孝江 白萩の花一色を散り重ね ふゆ子 秋の野や課外授業の声高に ふじ穂 秋寒し俄か仕立てのカーペット 恵美子 秋空や山肌動く雲の影 彩香 爽籟や赤子よく寝る昼下り 良江
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令和5年10月21日 鯖江花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
生身魂梃子でも動かざる構へ 雪 古団扇此処に置かねばならぬ訳 同 飾られて菊人形の顔となる 同 亭主運なき一枚の秋簾 一涓 菊の香に埋り眠る子守唄 同 叱りてもすり寄る猫や賢治の忌 同 友の家訪へば更地やそぞろ寒 みす枝 叱られて一人で帰るゑのこ草 同 朝霧が山から里に降りて来し やすえ 隣家より爺の一喝大くさめ 洋子 菊師にも判官贔屓あるらしき 昭子 人の秋煙となりて灰となる 世詩明
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年10月27日 月例会 坊城俊樹選 特選句
靖国の秋蝶は黄を失ひて 愛 柿に黄をあづけ夕日の沈み行く 緋路 神池の何処かとぼけた鯉小春 雅春 細りゆく軍犬像や暮の秋 愛 うらがへり敗荷の海のなほ明し 千種 英霊の空はまだ薄紅葉かな 愛
岡田順子選 特選句
秋蝶に呼ばれ慰霊の泉かな 愛 鉢物はしづかに萎れ秋の路地 俊樹 年尾忌も近し小樽の坂の上 佑天 道幅は両手くらゐの秋の路地 俊樹 秋天へ引つ張られたる背骨かな 緋路 老幹の凸凹としてそぞろ寒 政江 板羽目の松鎮まれる秋の宮 軽象 御神樹の一枝揺らさず鳥渡る かおり
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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yorugohantabeta · 6 months
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★ epilogue
近づけば近づくだけ傷付くから誰も近づかないでほしかった。触れなければ綺麗、透明な好きだけでいい、誰もいないと死にたくなる、触れることで分かることもある。人間は魅力的な爆弾で、誤って火をつけてたらわたしもあなたも傷だらけになる。それなのに、穏やかさを取り戻して居られる日は大概誰かの優しさに救ってもらった日で、22歳のわたしはまだ、ひとりでに生きることも眠ることもたまに上手くできなかった。
人が想像するよりわたしは全然普通の女の子で、そして、全然ままなっていない。まず優しくないし、つかれて激辛ばっかり食べる。薄化粧で仕事へ行き、皿も洗濯物も溜めてばかり。機嫌の悪い日なんてざらで、ふわふわもにこにこもあんまりしていない気がする。普通じゃないみたいな生活から普通みたいな生活へ舵を切ってみた結果、自分の中の宝石みたいな部分がどんどんくぐもっていき、逆に社会生活には慣れてきて、そんな自分がゆるせなくて、でも周りの人には許してほしかった。ダメダメになっては泣いてばかりだった。21歳から22歳への生活は語るには足らない。語ることすら難しいから。
まだ何も書き始めていない頃、尊敬する友人へ「生活風景を撮って欲しい」という漠然としたお願いをした。もう全部どうでも良くなって、今の自分自身を鏡に映すみたいにしてほしかったのだ。今なら曝け出せる、恥ずかしくない。打ち合わせで何枚か写真を撮ってもらった後、彼の提案でカメラを借り、周りの大好きな人達にも写真を撮ってもらった。その結果、真っ暗だと思っていた自分の生活へぽつりぽつりと光がさすようになっていった。今こうして眺めていると笑ったり泣いたり不機嫌になったりをずーっと続けているらしく、わたしはわたしが思っているより感情そのものみたいな顔をしていて、気楽そうでうるさかった。幾つかの瞳達、わたしの呼吸が乱れるのを微笑んで見守ってくれる人の居ること。自分には何もないと思っていたけれど、気がつけば、両手いっぱいに大切なものばかりだった。
自分の脆弱性を愛しているけれど、凄く憎たらしく思うこともある。もう少しくらい上手く生きていたいけれど、でもそれはわたしではないんじゃないか、満ち足りた状態で言葉なんて出てくるのだろうか。誰かに伝えたい、分かってもらえなくていいから心に引っかかって欲しい。忘れられて、思い出せないほどわたしから遠くに行ってしまったとしても、心に引っかかっていた、過去に投げかけた言葉が不意に浮かんでくるように瞬間だけ想ってくれればそれでいい。一方通行のラブレターみたいだ。
わたしはにっき、家ではひとり、ハムスターを飼って名前をつけている。淋しがりで意外と狡賢くて、誰と居てもやけにのんびり。そんな自分があんまり好きじゃないけれど、でもとっても大切なんだ。ああつらかったあ、笑っちゃった!みたいな、上手く生きてけない日々です。でも、そんなもんだから、たまにこうして気持ちを溢しながら生活を、文筆を続けていこうとおもうの。吸って吐いて眠って、気持ちだけは心に留めて、消化不良になる前に、またどこかで。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
2023/11/7 仄暗い部屋 出雲にっき
writing , illustration:Izumo Nikki
Special thanks :Sawano Hiroto , Kamepi , Bettan , Shi , Mama .
⭐︎ tumblerでは 本に載せきれなかった文章や写真を掲載します。
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aaaaafa · 7 months
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ふわふわとしたものが目の前を横切ったから、思いっきり手を突き出して掴んでやった。広げる前に僕は何を掴んだんだろうって考える。手に広がるのがどんな色なのか好奇心と興味と恐怖と期待。欲をかいてしまいそうになるから僕もやっぱり人間なんだなって爪が食い込む。プラトニックに小指を繋いだような感覚が記憶の奥底に眠っていて、握った手はシュレディンガーの猫。誰のことも指さない“キミ”を想って一緒にゆこうかって笑って話したあの日。甘ったるい匂いの中で脳みそが溶けるような感情に酔う。酷くさもしい、そして淋しい。鏡に吐き捨てて笑った自分が狂ったように可哀想だった。力の抜けてきた手のひらがゆっくりと開かれていく、ああ、そこには何色があるのかな。あ、鉄のにおい。
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enrichmyheart · 7 months
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【VSか協調か?】
VSが切磋琢磨になるのであれば、それは有効になりますが、ただの足の引っ張り合いなのであれば無意味です。
官と民が協調し合ってよりよい価値を創造できる(生産性)のであれば、協調性に意味がありますが、ただの談合・癒着・袖の下になる(非生産的浪費)のであれば、無意味どころか害悪です。
【知のビッグバン】
情報の流動性の高まりにより、他人の知識と経験同士をぶつけ合う、補完し合うこと(シナジー)で、切磋琢磨、中身の研磨に磨きをかけることができるようになった時代。この潮流に乗れるかどうかが、自分たちの未来を大きく変えていきます。
AIに勝つためには“欲”に勝つより他にありません。欲への訴求に籠絡されているようでは、敗者路線へまっしぐらです。
欲=嘘はどうあがいても真理には勝てません。精神論ではなく物理的事象です。
物理に突然の出現マジックや、突然の消失マジックは存在しません=バタフライ効果。
【離合集散の繰り返し運動】
ひとが一人一人、違うのであれば、互いに完全な利害の一致は存在しないことになります。
必要に応じて団結したり、役目を終えれば個に戻り己を磨く。
淋しさからの独立・自立は、不幸ではなく幸福への始まり。自己肯定感を育てるのは他人ではなく自分です。
自分の幼さを他人のせいにしている限り、大人にはなれません。しかし自分のせいにする必要もありません。
ただ、真理を理解することです。
自分も他人もまったく別の個体であることを知ること。他人を許し自分を許すこと。他人が完ぺきではないように自分も完ぺきではないこと。他人が一人であるように、自分も一人であること。
他人も自分も、いずれは“無”に帰すこと。
【マクロの重要性】
コンパスで例えてみます。
中心点を軸に、ミリ単位で円を外側へと描いてゆくと、波紋のように外側へ向けて、いくつもの円が大きく膨らんでゆきます。
“それ”が真理に基づいているものであれば、すべての点と点は見えない線で繋がっています。
マクロとミクロも二項対立ではありません。
視野を広げれば広げるほど、目(ミクロ)は粗くなりますが、全体像が見えてきます。
ミクロに固執していると、マクロで自分がどの位置にいるのか分からず迷子になってしまいますが、一旦そこを離れて冷静になると、立ち位置が見えるようになります。これが分からない場合は、マクロの世界の本質がまだ分かっていませんから、世界全体の基本的なことを勉強すると分かってきます。つまり人生経験を重ねた方が、基本的には理解しやすいはずです。しかし無意識に身を任せた生活が身についている人は、人生経験(意識的記憶)の積み重ねが少なくなり、知識のボリュームは少なくなります。意識的な生活を根気よく積み重ねてゆけば、少しずつ知識の量を増やしてゆくことはできます。
ミクロの世界は迷子になりやすい性質があるので、マクロの世界を無視してしまうと、時に本質から逸れてしまう惧れがあります。
【心理の複雑性】
人間の心理には、ある程度予測可能ものも、予測不可能なものも存在します。物質の動きはある程度、予測が容易であり、人間の心理(精神)は予測が容易ではありません。
人間の欲望とそこからの派生行動はある程度のパターン化や予測も可能かもしれません。
ビリヤードで、より多くの球を落とした人が勝ち、という遊びをします。この場合、軌道を計算してプレイすることになりますが、参加プレイヤーの人数が増えてくるほどにパターン数は倍々ゲームで増えてゆき、予測は困難になります。
【欲望の是非】
欲望という源泉を『是』として行動のコントロールを考えた場合、ある程度パターン化して(単純化して)マクロな方法を思いつくかもしれません。「家畜化」や「家畜の飼育方法」などは、マニュアル化できるかもしれません。
私は個人的に、欲望の持つ様々な社会的問題点を指摘し、改善させるべき方向へと主張して参りました。それが正しいかどうかは置いておいて、現状を負のスパイラルの稼働状態であると仮定した場合、この提言は逆回転への転換です。
しかし人間の恒常性から難しい問題であることも、筋力という比喩で繰り返して参りました。
今ある世界が『是』であるならば、私の提言はまったく誤っていることになり、『現状維持』が最適解となります。
人間は便利を追い求めて、ここまで社会を発展させることができました。今さら、この便利を手放すことなどできません。便利は人間から筋力を奪っていますが、それでも私たちがそういう世界を健康に幸福に生きられるのであれば、それを問題視するのはまったく馬鹿らしい、妄言であります。
【新たなる提言】
若い人たちはぜひ、積極的に政治に興味を持って、どんどん政治家を目指してもらいたいと思います。
未熟だからと心配する必要はありません。理知的な有権者たちが未熟なあなた方を𠮟咤激励して、立派に育て上げるでしょう。
金権と欲にまみれた人々=絶対的な権力とカネを打ち倒す方法はただひとつ。下から突き上げるより他にありません。
「法律」という牙城をコツコツと突き崩す方法。これは有権者の数はもちろんのこと、圧倒的に『若手』を増やし『若手』の数の力で金権と欲の人々を押しやるという手段をもってして、という方法しか今のところは思いつきません。
目や耳、筋力が衰えてきても欲望だけは衰えを知らない長老たちが、今なお現役で頑張っています。
若い人たちも負けずに頑張ってください。
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「○○国が~、××して~」
二項対立=単純化の煽りには、騙されないようにしなければなりません。
この二項対立の原始的なロジックはもう見抜いて、次世代を生きる私たちはこの欺瞞を吊るし上げる力が必要になります。
私たちVS敵、と一括りに単純化すれば議論は楽になりますが、実際はそれほど単純ではない。情報が流通する以前の前時代は、権力側の欲望からくる号令が、有無を言わさず上意下達によって降りてきました。
『国民の総意』はそうやって作られてきた、長い歴史があります。
後付けでわかりやすいストーリーに仕立てられた“欺瞞”はこのように、数知れずあります。
今一度申し上げておきますと、ほとんどの民衆にとって、国同士の争いなどはどうでも良く、民衆が本当に気にするのは明日のご飯や明日の平和への約束です。
欲をかいて、隣人を殴ったり隣人のモノを盗んだりすると普通は、法令違反で処罰の対象となります。
「俺が正義。俺がルール。俺が正しい」と言ったところで、裁判官は容赦はしません。
それをワールドワイドにしようとする場合は、戦争戦犯となります。個別に都合のいい教科書が作られる=許される世界があって、それが今日まで続いてきたために、それを材料にいつまでも争いの尾を引きずっています。
ここで敢えて二項対立を提示するならば、本当のVSは『国民対為政者』であり、彼らが『何を為してきたのか』もしくはこれから『何を為すのか』は、私たちの生活のためにとても重要です。
面倒くさいことを『他人=政治をする人』に『任せっ放し=丸投げ』していると、自分に跳ね返ってきて、大いなる犠牲を払うことになります。
独りで24時間監視はできませんから、休憩しながら交代で監視し続けなければなりません。
知のビッグバン=交代勤務は、彼らの独走を許さないための希望の光です。
【ミクロの応急処置、マクロの根治療】
国内も国外も、各種問題に対策する彼らの行動を観察しているとよくわかることがあります。
意外に彼らも目先のことに右往左往して、感情の扇動=世情に一喜一憂したり、目先のことに囚われ過ぎて(独断専行して)しまい、後から来るマクロ=バタフライ効果による負の側面=責任の追及に押し黙ってしまったりと、焦っている様子が手に取るようにわかります。
先のコンパスの説明でわかったことがありますが、ミクロの応急処置は四分割のマトリックスでは、モノによって緊急性と重要性の高いタスクとなり、根治療は緊急度を差し置いた重要性の高いタスクとなり、優先順位が課題となります。
マクロ視点の欠点は、ミクロを無視したことにより発生する「一人一人」への被害の過小評価で、マクロ政策による「被害者」を無視する傾向があるところにあります。
「一人一人」に漏れなく寄り添おうとするとマクロな政策の断行に影響を及ぼしますから、これまでは「ミクロ」を無視してきました。
すべての人が「一人一人」「漏れなく」を望む場合は、Nationという組織単位のあり方を見直すことになると思いますが、いつも通りの説明でゆくと、これは突飛なことではなく、分解して単位を小さくしてゆくと「人間の能力で把握・管理できる範囲」というところに落ち着きます。
アイドルグループの顔の覚えられる最大人数や、学生のクラスの単位などと同じ原理です。今は中央集権の負の側面が露呈されていますから、それほどの暴論でもないと思います。
昔から人間の能力以上のちからを必要としてきた過去の偉人たちが、国盗り合戦で国を大きくしてきました。何より管理・統括に大変便利でもあります。
このことからわかるように、SDGsと人間の欲は水と油の性質を持っているので、弱肉強食の世界においては数々の矛盾が生じます。両立は不可能なキレイゴト、に終わらなければ良いのですが…。答えは見つかりません。
しかしこのように、マクロの断行はミクロを無視することによって行われる性質がある、ということは周知しておいた方が良いと考えました。
これは良いとか悪いとかいう話ではないということと、繰り返すとマクロ⇔ミクロ間は二元や対立ではなく、スライド方式で見るのが適切である、ということを申し添えておきます。当然、良い側面と悪い側面の両面があります。
【マクロの限界】
ここまでの流れを汲んで考えると、Nation単位が人間の能力を凌駕していることがよくわかります。
ここからはAIのご登場で、これこそが希望の光だったはずですが、AIの保有する知識という観点から実現性も疑わしくなって参りました。
申し訳ありません、全否定をするつもりはありませんが、以前にも述べたように誤りの上に積み上げられた誤りの連続による瑕疵は、いずれはヤカタを傾かせる可能性があり、世の中に完璧なものは存在しないことと、今後もつくれないことから、柔軟に対応できるシステムと柔軟に対応できる生命力が不可欠と思われます。
「完璧だ」という慢心の上に創造してきた二階建て・三階建て、もしくはビルディングのシステムが崩れかかっていることは周知の事実なので、今後の対応について皆で考えております。
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知の融合(相互補完)に基づき、自分なりにまた答えがわかってきたので、私自身も「極論VS極論」の一方的な押し付けについて反省しつつ、考えをまとめたいと思います。
借金が借金でなくなる魔法があります。
借金をする媒体が半永久的に存続することが前提の場合、どれだけ借金をしてもそれ以上の価値を永続的に創造できる場合は、もはやそれは借金ではありません。
人によっては「借金」という言葉自体に拒否感があって、その呼称を不快に思うかもしれません。ならば呼び方を変えるのは個人の自由です。今までの私であれば、これを「言葉遊び」と否定し対立を煽ってきたことだと思いますが、言霊という言葉もありますから、呼び方も重要なのかもしれません。私個人は名称には拘泥せずにその本質を見ます、と言い直させていただきます。
楽観シナリオを「借金ではありません」ということと、私の言ってきた悲観シナリオ「借金」は、いずれも二対の極論としての立ち位置になります。
両方のスタンスから同じ場所を目指すとします。
そうするとどちらも気にする箇所は経過の価値の有無ですが、価値は既存にあるものと信じればそれは楽観論へと導かれますし、価値がないと思えば「価値を高めよう」となります。
個人的には、既存の資産価値については楽観的な評価はしていません。その理由を述べます。
固定資産税や取得税の計算方法をご存知の方はわかると思いますが、その計算式には実態が反映されておりません。資産評価が実態にそぐわず高評価されている場合、税率は掛け算になり、税収側に有利になり支払者にとっては損失になります。これはミクロのほんの一例ですが、これとは別に黒欲さん、黒族さんの心理分析をすれば、公表されている資産評価などは懐疑的にならざるを得ません。いつも通り公表資料はざっくばらんな分類しかみつけられませんでしたが、そのざっくばらんな内容の中でも内実を見たり聞いたりしたことがあるものを含めても、懐疑的、というより信用していません。お化粧が合法か非合法かは関係なく、その「心意気」の分析によって個人的に判断していますことを改めて申し添えておきます。「心意気」はわたくし企業であれば業績に大きくかかわってきますから大切ですが、参加するしないの判断ができない強制力は、りんごを腐らせる可能性は十分にあると思います。
ミクロ⇔マクロ間の良いところは、縦横無尽に自由に視点移動したときに、その「延長線上」にその「素材」が乗っているかどうか、そして「素材=知識」が多ければ多いほど、証拠集めが容易になるところにあります。当然、欲によるバイアスがまがい物を紛れ込ませる可能性もあり、だからこそ清濁併せた意見に耳を傾けることが大切になります。
コンパスのお話にいったん戻して、点と線についてもう少し深入りしてゆきたいと思います。
点と点の間には見えない線がある、というお話でしたが、この「線」事態を粒子の集合体とみます。
一つ一つの粒子が規則的に並んで円を描く。このことに似ているものがあります。
アニメーションは、複数の点の移動を流動的に見せることで線で見えるようにする、きめ細やかな手法で根気がいる作業ですが、そのひとつひとつの積み重ねが、自然な動きを見せてくれます。結果的に、まるで��当に動いているかのような錯覚=感動を覚えます。もう少し、雑だけれどもわかりやすい例示としては「パラパラ漫画」があります。
これに因んで例え話をしてみます。
A点、B点、C点、D点の四つの点があり、A—B—C—Dが順に線で結ばれているとします。
それぞれの線の間には、実はさらに細かな目に見えない粒子が連なっており、A—B間にAa、Ab、Ac…というように、探すと点々が無数に規則正しく並んでいます。それぞれの点々の点(たとえばAaa、Babといった具合)が見えるかどうかは、データの蓄積の違いにより、見える人と見えない人がいます。
人の持つバイアス=欲は、見たいものだけが見えて都合の悪いものは見えなくなりがちですが、無我の境地を一時的にでも再現することができれば、この意味がだんだんと見えてきます。
無我の境地というのは各々の脳内で起こる事象ですから、ひとによって——例えば“理系”のひとにとっては、何を言っているのか? チンプンカンプン? となったりします。
ところで皆様は、サヴァン症候群という言葉をご存知でしょうか。興味があれば、お調べいただければと思います。
尖った特性を持っている人で、応用に弱いという人は一定数いますが、特性があまりにも際立つと社会生活に難あり、といった印象を抱かせる恐れがあります。
ここでも強調しておきますが【この説明には一切の侮蔑の意図は含まれていません】。
【各々の持つ特性が、適材適所にはまっていないと苦労する】というお話です。
経済事象は論理だけではなく、人の心の反映があること、その上で人の心の動きの重要性を伝えて参りました。
ただの論理の集合体だけであればこれほど複雑にはなりませんが、論理の上に人の心が乗っかってくるので、管理コントロールが困難であるということです。
こういう局面に“理系”思考で入り込むとどうなるか、想像がつくでしょうか。ここは“非理系派”に問うています。
理系派にはそもそも、私が問うている意味や内容は響かない・伝わらない、理解できない。こういう不都合が現実にあります。
例えばマクロ政策によって物価が上がっても「大したこと(影響)はない」となったり、マクロ政策の影響によって社会環境が悪くなり治安が悪化しても、悪いのは法を犯した本人でありそれ以上でも以下でもなく、他人が傷ついても臨場感はまったくない、といった現象が起きます。
これらの複雑な事象=バタフライ効果を“想像”するためには、それなりの想像力が必要になりますが、この能力がない場合は無味乾燥なAIがしゃべるような口調で、判で押されたような答えをリピートすることになります。
円安によって全体の物価、一品一品が50円上がったとします。
一品ずつ確実に50円増しで掛け算して、一か月の買い物に対して合計した金額に驚く人、驚かない人を想像してみるとわかるかもしれません。
驚かない人は恐らく、家計簿をつけたことはありません。
中小零細の輸入業者を想像してみましょう。もろに為替の影響を受ける職業についている場合、その掛け算は少なくない為替差損益を出します。為替差損益の緩和手段として為替予約がありますが、中小零細が対応できる範囲を超えている場合(時系列やバウンドの大きさなど)、やはり掛け算で影響を受けることになります。
見ている視点がどんどん大きくなってくると、中小零細の存在は“見えなく”なります。
一億円総取りゲームの話はいかがでしょうか。
ひとり一円を持って、日本国内の総人口と盛大なじゃんけんゲームをします。じゃんけんの最後の勝者ひとりが人口の掛け算、約一億円をゲットできます。
こんな風に、一粒一粒が「大したことはない」という判定になった(単純化した)場合、そのしわ寄せはどこへ向かうでしょうか。
一粒一粒が被った災害はただのカネや数字の計算だけではなく、精神的な罹災も伴いますが、この精神的な罹災がマクロ全体の経済への影響と密接に関係し無視できるものではないということが、“理系”には理解できません。
プライドが邪魔をしている場合は「理解できないもの=○○の遠吠え」といったように、彼らの判定機によって“判定”します。
私はこの平行線の溝が埋まらない理由に気づいたときに、なるべく傷つけない方法がないかと考えてきました。
今回の回答が正しい伝え方なのかはわかりませんが、真実なくして解決なし、と考えております。
この結論を端的に言ってしまうと、マクロの苦手なひとにマクロをやらせてしまうと人災が起こる、ということになります。
また、この流れから申し訳ありませんが、消費免税を「益税」判定して一方的に中小零細の方々を傷つけた可能性を踏まえ、反省と謝罪の意をお伝えいたします。消費税に関しての個人的な今の心境、着地点はグレーにおりまして、どちら側に立つものでもありませんと申し添えたいと思います。
多くの方々のご意見を踏まえて一方的な断定が出来る簡単なものではない、ということが良く解りました。今後はもっと慎重に気をつけたいと思います。
【透明性の担保】
情報の流動化以前のこれまでの時代は、透明性もカネで買えた時代でした。
墓場まで持っていくということが美徳とされた時代もあり、“権力”が我が世の春を謳歌しておりました。
内部告発は、己の正義感との葛藤(抑圧)からの解放、というひとつの目的によって行われます。
これは性善説や性悪説とは無関係だと考えています。
不正の黙認というジレンマの、精神的負荷の大きさから逃れたいとする生理的反応で、各々の持つこの心の葛藤にこれまで、揺さぶりをかけてきました。
確かに、安全地帯からの唆しというのは卑怯であるかもしれません。マクロの断行(期待)から、ミクロの被害者を無視してしまったことは、なんとお詫びして良いのかわかりません。
自分の手に負えないところまで波及してしまうのが、マクロの効果です。
しかしこれからも、同じようにマクロの断行を選択してしまうかもしれません。ただし、やり方は良く考えたいと思います。
【投資と消費と浪費】
バブル期には許されていたもの(目立たなかったもの)に、浪費があります。
消費と浪費の境界はけっこう曖昧で、「ここまでは」といった線引きが難しいことが特徴です。
企業活動においては、剰余資金を投資に回すことが普通とされており、内部留保が大きくなると批判の対象となります。内部留保は信用の創造という側面もありますから、その塩梅が大切になってきます。
借金が借金でなくなる魔法というのは、流動的に剰余金を投資に回していること(=キャッシュを生み出すこと)が平常運転となっており、人間で言うところの休息は設けられておりません(人的資本は交替勤務OKです)。
投資、消費、浪費の判定は個々人の価値観により困難を極めますが、各々のステークホルダーによる話し合いもあって、着地点が決まります。
人間を馬車馬のように鞭打つことは時代が許しませんが、“組織”はそれなりの高度な(人間性を排除した)勤勉な労務を要求されます。
いきなりの情報の流動化にとまどって、心を脅かされている既得権の方々は、心理的にゆとりがなくなっているものと思われます。
良い提案があれば良いのですが、今のところ考えが浮かびません。
バブル時代の良き日々から身についた生活水準が手放せない人が結構います。氷河期世代以降の質素倹約思考の人々からみると十分に贅沢に見える(浪費に見える)行動も、本人たちにとっては平常運転(消費行動)でしかありません。それを急に変えろと言われると、どうしても反発してしまいます。
ただしこれは理解しておいてもらいたいと思いますが、誰かの安泰の生活は、誰かの我慢のもとに成り立っています。これは自己責任論とは別に、社会的構造からやむなくそういう生活を強いられている現実も、個別に理解しておくべきだと考えます。その中には明らかに自己責任と思われるひともいるかもしれませんが、その自己責任も実はそれ以前の教育環境が関係している可能性があることもあります。
人は皆、自分の育った環境が「常識」となっていて、人それぞれ持つ「常識」が異なっています。「非常識」に見えてもそれは自分から見た非常識であり、たとえ全体部分からみて非常識であっても、当人にとっては常識の範囲内です。
価値観=空気の強固さは、島国特有の閉鎖感を生み出し形成されてきた歴史があります。いきなり市場の原理にさらされた“心”は、寒空の下で丸裸にされてしまったような厳しさに現在、鞭打たれています。
一方で借金を気にしない国民性の醸成に成功した国もあって、これは楽観的思考により「面白おかしく人生を楽しもう」というのがベースになっています。借金が借金でなくなる魔法の効果があれば、この国民性もまったく気にならず、お金のことなど心配せずに好きなだけ自由を謳歌できます。自由と自己責任を両立させています。気にしない結果、健康を害してしまう可能性もありますが、節制して長生きすることと、短命になっても我慢せずに人生を謳歌することを天秤にかけた場合、後者を選択する国民性はハッピーに見えるかもしれません。もちろん、健康について啓発する真面目な人も中にはいますが、根本の考え方が違うので、平行線の溝が埋まることはありません。この場合、他人の健康を気にするのは余計なお世話になってしまうので、お互いの生存権を認め合う方が、労力をかけずに済んで効率的かもしれません。問題は、強欲になってしまった人が他人の権利を脅かす可能性があることですが、法の統治が十分に公平に機能していれば、他人の権利を脅かす存在を裁いてくれます。
法の裁きというのは「事後」が前提であるため、未然に防ぐことができないことは、大変残念です。
対症療法に対立して根本治療を探ってまいりましたが、そう簡単ではなさそうです。
ハッピーな国では労働市場が流動的で、そこではシビアに「自己責任」を問われてしまいますが、大概はそこで議論が終了します。(したがって弱者は振り落とされながら、市場が膨張してゆきます。格差拡大=是)
翻って日本社会に目を移してみます。
以前お伝えしましたが「実は成功者でなさそうに見える人の方が、成功者であった」というコペルニクス的転換についてお話しました。その逆を言えば、成功者に見えていた人は実は憐れな人々であった、ということができます。このことがより現実として強固になるのが、情報化の社会に晒された無辜の市民で、処理しきれない速度で次々と心にダメージを与える情報が入ってきます。
「悪気もなく」「常識だと思っていた」ことが次々と否定されてしまうと、その精神的ダメージは計り知れません。
そういう意味で、本当にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
これまでの繰り返しになりますが、コツコツと心の筋力をつけてゆく方法しか、今のところご提案できません。一日一日を丁寧に生きてゆくと、色々な閃きが生まれてくるものだと思います。どうぞご自愛ください。
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uchu-household-blue · 9 months
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夢中と脱線ってセットでこそよいな、、 懐かしさしか受け付けないようなこともふとどうしたらいいか知らないこと気づきたくなる  やりようのない手のつけようのない気持ちに襲われ続けて涙が出ても出なくても  呆れるしか逃げ方も立ち向かい方も出来なかったとしたらその答えはどこに置いて来れば明日に連れていけんだろう どうやったら頷き合うかすれ違うか物語になるんだろう 慣れたり変わることを何も感じないような、何がさっきまでの普通だったかも座ってたことかも消えてしまいそうで とても嫌で だってずっとあったはずだったまま  世界を嫌いなままそれで良しとするしかなかったような人たちは、では?何に眩しさを押し付けりゃいいのさ ひとりでやるしかないことはどこにありつづけてさ 答えでも答えじゃなくなっても息だけが続いてく 自信がなくてもいいのに奪われてさえいくこと幻想に戻してやっとただの息になれる そんな時間だって欲しい どやったって🌟い
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選べない どうやったって   何もないからこそのフットワークともあった
自分がメディアでしかないという視点、やはり誇ろうと思う 相手から見て無意味、それは相手から見てニーズとかになれない分けられないようなものかもしれない、意味論のこと考えてた差異のことだよ、個性とか評価とかのこと言ってるんじゃないよ、反省して 距離なんか一歩じゃなかったと、要求は果てないか且つ取るに足りないと分かれるなら、後悔したっていいんじゃないか? そばにいられないこともあるから、だけれども形にはいられるから、自己を注げるから、作る人でいたいのだって、そう思えたよふと、思い出した気がしたんだ 一歩でこっちにこいよなんてものは互いにあり得ないと、それを自己側からも思えるくらいに受け入れたくないのならば分かることなのではないかよ 終末を知れなくてどうすんだという恐怖高まっていたが、約束のそういうものは、やっぱり未来が見えなくたってよいままの確信めいたことだろうって 壁の言い換えができた気がした 全てに適用、適応できるものなんてないじゃんかとも言えるし、創作の意味が豊かに広がるそれは子供の頃思うよりもどんどんせまい入り口だったかもだけれど、ここにいるからこそこの意味を守れるという事実を、ファンタジーを、軽んじないのさ どんだけ主張しても守るしかなくてもーうほんとに嫌になる、大事だからこそ一歩で届かないなんて嫌になるよということだろう いいんだそれでと思うべきなんだ 恐ろしいことは恐ろしい事実なんだよ 脅かされえない領域なんだよ それをやるよセンスをセンスだけで語るやり方なんか生きたくもねぇーよ!でもやるしかないんだよ こうあるべきだで論じたいだけならそれを知れるでしょうに
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この人はお金の使い方に自利的な節約感があるな  気休めの責任が怖いことも淋しいことも
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パリに馳せること かぁ やはり期待値よりも無意識な領域にいよう
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差異を守れるための壁も屋根も、守れないくらいの荒涼も、晒されている 矛盾だろうと、それさえ互いに  共同幻想のその逆立、また知らない視点からも考えたいのに毎日たしからしく眠い、アイデアを踏ん張りたい面と、健やかな勉強になりたい時間とが釣り合いたかっただけでしょうか? 放浪とは何でかな
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thus-library · 9 months
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124. パープルフェイス×
(英題)Purpled Faces x
2023/07/19 → 2023/08/07
作曲: thus(2023) 編曲: thus(2023) 歌詞: thus(2023) © 2023 thus. Composed by thus
【パープルフェイス×((ばってん))】
(どんなもんだい ぼくはここだよ) (どんなもんだい ぼくはここだよ) (どんなもんだい ぼくはここだよ) (どんなもんだい ぼくはここだよ)
(どんなもんだい ぼくはここだよ) (どんなもんだい ぼくはここだよ) (どんなもんだい ぼくはここだよ) (こんなもんで ぼくはいきるの)
そうかなって 私(わたし)は告(つ)げた 肯(うべな)う言質(げんち)を誓(ちか)い憚(はばか)らず 支配的(しはいてき)に謳(うた)われる視野(しや)と 行(ゆ)く手(て)の先(さき)へ回(まわ)って一休(ひとやす)み
対(たい)している貴方(あなた)の肩(かた)へ 過(す)ぎたる言葉(ことば)が 知(し)れず溶(と)けていく 空腹(くうふく)な衷(こころ)巡(めぐ)る程(ほど) 引(ひ)かせあやませ 何(なに)か萎(しお)れるような
溢(いつ)と満(み)たされぬ そんな何(なに)かが 捨(す)てられたくないと憂(うれ)う 何(なに)か
だって、だって、見(み)えない腑(こころ)をね 本当(ほんとう)の地(ところ)抱(だ)いて頂戴(ちょうだい)、ね 嵎(すみ)に竚(たたず)む陽溜(ひだま)りを待(ま)てど 擬(もど)かしさにこそ氛(き)を焼(や)いた
サヨナラ、バイバイの日(ひ)を近(ちか)づけないで 本当(ほんとう)の事(こと)を訊(き)���て頂戴(ちょうだい)、ね 永久(とわ)に收(��さ)める型(かた)へ押(お)し込(こ)めて 追(お)い駆(か)け 訪(と)い詰(つ)め 確(たし)かめていて
(どんなもんだい ぼくはここだよ) (どんなもんだい ぼくはここだよ) (どんなもんだい ぼくはここだよ) (どんなもんだい ぼくはここだよ)
(どんなもんだい ぼくはここだよ) (どんなもんだい ぼくはここだよ) (どんなもんだい ぼくはここだよ) (こんなもんで ぼくはいきるの)
そんなこんなで 僕(ぼく)に憑(つ)かれた 其程(それほど)かねやと 取(と)り遣(や)り過(す)ごし 粛々(しゅくしゅく)と累(かさ)ね 縄張(なわば)り 廓(ひろ)げ 拗(こじ)れるずれの歯痒(はがゆ)い物悲(ものがな)しさ
対(たい)す今(いま)が此処(ここ)に存(あ)った セルフで地雷(じらい)を 避(さ)けて下(くだ)さいと 遺憾(いかん)しか 恐(おそ)れて醒(さ)め醒(ざ)め 低加速度(ていかそくど)と意識(いしき)を敷(し)き詰(つ)め
ずっと人(ひと)と擦(す)れ違(ちが)って 陰影(いんえい)の中(なか)特(ひと)り当(あ)たれ 定点観測(ていてんかんそく)の緩(ゆる)さに じっと見(み)てても惚(ほ)れないでいて
何(なに)をか君(きみ)は求(もと)めている? 稀代次第(きだいしだい)なる群(む)れの中(なか)で? 公認(こうにん)された鴛鴦幅(おしどりはば)? 其等(それら)の監視下(かんしか) フリーに紡(つむ)げるか?
去(さ)って、去(さ)って、異端(いたん)よ何某(なにがし)か 「本当(ほんとう)のこと」を挿入(そうにゅう)したって 時(とき)にちらつき 頭(あたま)はくらつき 凌辱的(りょうじょくてき)と狂(くる)わされも
サヨナラ、バイバイの日(ひ)が秒(びょう)を拉(ひしゃ)いで 想胚(そうはい)を隠(かく)し阡(せん)と羨望(せんぼう)が 世(よ)を席捲(せっけん)し扈(はびこ)るイデアに 流言(りゅうげん)された欲(よく)が末路(まつろ)
待(ま)って、待(ま)って、期(とき)が進(すす)みを待(ま)って 煽動性(せんどうせい)に恍惚(こうこつ)としたって その中身等(なかみなど)良(よ)し悪(あ)し包(くる)んだ 普通(ふつう)で普遍(ふへん)なる人(ひと)だった
宛(さなが)ら「会(あ)いたい」なる刹那(せつな)に酔(よ)って 冒涜的(ぼうとくてき)へ 満足(まんぞく)置(お)いたって 地(ち)から離(はな)れて大気(たいき)を求(もと)むような 不安(ふあん)が不安(ふあん)が木霊(こだま)している
愛(あい)して呉(く)れていますか? 期待(きたい)と不安(ふあん)が交差(こうさ)して 愛(あい)して呉(く)れていますか? 期待(きたい)と不安(ふあん)が交差(こうさ)して 愛(あい)して呉(く)れていますか? 期待(きたい)と不安(ふあん)が交差(こうさ)して 愛(あい)して呉(く)れていますか? 期待(きたい)と不安(ふあん)が交差(こうさ)して
だって、だって、見(み)たくないよ今更(いまさら) 信(しん)じるものであって欲(ほ)しいけれど 向(む)こう見(み)ずに燥(はしゃ)ぐのに瘁(つか)れて ぐだれた貴方(あなた)で気付(きづ)くんだ
此処等(ここら)で私等(わたしら)は潮時(しおどき)だって 同棲負荷(どうせいふか)に軋(きし)む限界(げんかい)が 恋幸福(こいこうふく)の淋(したた)らなさから 物語(ものがた)れるのに膿(う)み吐(は)いた
何(なん)で、何(なん)で、祺(さいわ)いが生(う)まれない 猟奇(りょうき)が朽(く)ちる必衰(ひっすい)の間(あいだ) 淋漓(りんり)と刺(さ)さる懺悔(ざんげ)と片割(かたわ)れ 紫味(むらさきあじ)の下唇(かしん)を噛(か)んだ
サヨナラ、バイバイ、手(て)を離(はな)そうか、さぁ 本当(ほんとう)の愛(あい)を見(み)つけ頂戴(ちょうだい)ね 別辞(べつじ)の終(つい)に体(からだ)を寄(よ)せたら ファーストキスを捧(ささ)げ呉(く)れて 切(せつ)ない意(おも)いの味(あじ)が胸(むね)を射(い)った
(あいしてくれていたんだね ずっとずっと きづけなかった) (あいしてくれていたんだね ずっとずっと すきだった)
「愛(あい)して呉(く)れていたんだね。ずっとずっと気(き)づけなかった。」
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cheloowinslet · 11 months
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凄く疲れた・・・ 履きなれないブーツの馴染まない皮のせい・・・そう言い聞かせ歩く 声は出ない 視界が急にバッと落ちたり、歪んだりするんだ 孤独の部屋で聞こえる笑い声・・・
妄想がリアルに見えて 吐き気が襲う 視線は定まらない 気付けば作り笑い、人の目を気にして 好きな歌口ずさむ。涙が溢れる “今は何してるの?” 『昨日に戻れれば笑えた』日々口に・・・
Borderline 線を引き続けた末路 託された白に依存の海 聞こえるはずのない嗤い声
-ねぇ、この顔笑えてる?-
もしも僕が死ぬのなら きっとそれは故意的です。 人々の記憶から僕を消して・・・ 僕のいない日常で僕の話はしないで それをとても淋しく、悲しく感じるのです。
躁と鬱でぐちゃぐちゃなんです。 突発的な妄想に潰れ 医者は口を揃え“BPD” 僕は見捨てられるという不安を・・・ ただ愛して欲しいと ただそばにいて欲しいと 吐き気を耐え泣くのでした。 全員死ねば良いのに。
もしも僕が死ぬのなら きっとそれは故意的です。 人々の記憶から僕を消して・・・ 僕のいない日常で僕の話はしないで それをとても淋しく、悲しく感じるのです。
感情を押し殺すのも疲れた 絶対的悪はソレだろう 笑えない日々が増えた 想像した未来とは違う 人が君が僕を置き去りにしてゆく “なら” 忘れてくれ ----------------------------------- romaji :
sugoku tsukareta... hakinarenai BU-TSU no najimanai kawa no sei... sou iikikase aruku koe wa denai shikai ga kyuu ni BATto ochitari, yugandari suru n'da kodoku no heya de kikoeru waraigoe...
mousou ga RIARU ni miete hakike ga oso'u shisen wa sadamaranai kidzukeba tsukuriwarai, hito no me o kinishite suki na uta kuchizusamu. namida ga afureru "ima wa nani shiteru no?" "kinou ni modorereba waraeta" hibikuchi ni...
Borderline sen o hikitsudzuketa matsuro Borderline takusareta shiro ni izon no umi Borderline kikoeru hazu no nai waraigoe Borderline
- nee, kono kao waraeteru? -
moshimo boku ga shinu no nara kitto sore wa koiteki desu. hitobito no kioku kara boku o keshite... boku no inai nichijou de boku no hanashi wa shinaide sore o totemo samishiku, kanashiku kanjiru no desu.
sou to utsu de guchagucha nan desu. toppatsuteki na mousou ni tsubure isha wa kuchi o soroe "BPD" boku wa misuterareru to iu fuan o... tada aishite hoshii to tada soba ni ite hoshii to hakike o tae naku no deshita. zen'in shineba ii noni.
moshimo boku ga shinu no nara kitto sore wa koiteki desu. hitobito no kioku kara boku o keshite... boku no inai nichijou de boku no hanashi wa shinaide sore o totemo samishiku, kanashiku kanjiru no desu.
kanjou o oshikorosu no mo tsukareta zettaiteki aku wa SORE darou waraenai hibi ga fueta souzou shita mirai to wa chigau hito ga kimi ga boku o okizari ni shiteyuku "nara" wasurete kure
Credits: http://hiphopvomit.blogspot.ru/2013/11/mejibray-sou-to-utsu-to-kyoukai.html _________________________________________________________ English translate :
I’m so tired… I walk, convincing myself it’s due to the unfamiliar leather of the boots I’m not used to wearing My voice won’t come out My view suddenly keeps fading and warping in flashes In a solitary room, I hear a laughing voice…
The delusions seem real Nausea assaults me My eyes won’t focus I find myself faking smiles, worrying about how people look at me I hum a song I like. My tears flow “What are you doing now?” 『If I could’ve returned to the past, I would’ve been able to smile』is what I say every day
Borderline The fate to befall me kept on drawing the line A sea of dependence to the whiteness I’ve been entrusted to There’s a voice of ridicule I’m not supposed to be hearing
-Hey, is this face able to smile?-
If I were to die, That is sure to be of my own intention. Erasing me from people’s memories… No longer talking about me in days when I am gone, That seems very lonely and sad to me.
I’m a mess of mania and depression. I’m crushed by abrupt delusions, And in unison, the doctors say, “BPD” I should let go of the fear of being abandoned I just want you to love me, I just want you to be next to me— I cried out, fighting nausea. All of us should just die though.
If I were to die, That is sure to be of my own intention. Erasing me from people’s memories… No longer talking about me in days when I am gone, That seems very lonely and sad to me.
I’ve gotten tired of suppressing my emotions too I suppose THAT is the absolute evil here The days when I can’t smile have increased This is different from the future I’d imagined People will, you will, go on to forsake me “If you do, then” Forget me
Credits: http://heresiarchy.tumblr.com/post/81922808157/mejibray-lyrics-translation
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0ku20 · 11 months
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最近は「さみしい」と思う事が減って、いろんな事が平気になってきた気がすると感じている。
もちろん元々すぐに淋しさを感じるタイプだから、人よりもさみしいと思っている時間は長いのかもしれないけど、楽しい時はそんなことを忘れている。
今日は7:30に起きて、8:00過ぎに犬の散歩に出た。さすがに日が昇り過ぎてたのか、暑かったみたいで早々に引き上げてコロッケには氷をあげた。しばらくへーへー言ってたけど、出かける頃にはマッタリ落ち着いていて安心した。
昨日はぴーとアフタヌーンティーに行った。紀尾井町のホテルニューオータニ。
職場からかなり近い場所にあるのに中には入ったことがなくて、実際行ってみたらはちゃめちゃにいい場所だった。アフタヌーンティー会場のレストランは大きな窓から庭園が見える。日曜だからか、結婚の前撮りらしい方や、顔合わせのような人々がたくさんいた。曇り空だった���れど、深くなってきた緑と滝の流れが実際の空間よりも広々として見えて、静かなざわめきの中でそれを眺めているのは心地よかった。
アフタヌーンティーの皿というのは、3段縦に皿があって、マナーというか、前提としては下から順に食べるらしい。大まかに言えば下の方からサンドウィッチやスコーンとかの食事系、だんだんと味の濃いデザートになっていく。
ルールは無視して上の方から食べたり、紅茶やハーブティーをバカバカ飲んだりして、かしこまった席でもないし、好き放題やってやったと思う。
最近の出来事をあれこれを抽象的に話したり、周囲の人間たちの近況についてあーだこーだ言ったり、特に建設的な話題こそなかったが、
その中でぴーが「さみしいときってどうしてる?」と聞いてきた。こういうとき、偉そうに話をダラダラしてしまうのがわたしの悪い癖だけど、こういう問いを受けると、自分の中でまとまった回答が欲しくなってしまい、相手への質問に答えるよりも、半ば自分のために考えを練ってしまう。
わたしが答えたのは、平たく言えばありきたりな「読書をする」とか「マンガを読む」「アニメを見る」というような、1人での過ごし方を充実させるということだった。 これは見栄や適当ではなくて、ニート時代に自分の精神を立て直す上で出した答えの1つではあるんだけど、友人の問いに対する答えにしては、真摯な回答だったのだろうか、と思い返している。
夜中にインターネットを開いたとき、他人のきらびやかな出来事や、友達が自分でない人と楽しそうな日常を載せていたり、恋人との時間が取らなかったり、大きな1つの原因でなく、小さな積み重ねでぼんやりした寂しさを抱えることはわたしも多くあったし、今でもその感覚を覚えることは少なくない。
「さみしい」のは「暇だから」というのも、乱暴ではあるが、1つの答えだと思っていて、
仕事や家族のことなど、忙しい時はさみしさを感じるより先に、眠気や食欲などに囚われてしまう。
だからこそ、1人で何をできない時が「さみしい」のだと思う。だけど、これはミクロな視点で、その時のさみしさを解消するには、もっと視点を外側に出して考えてみなくてはいけないと、話をしながら感じた。
さらに言えば、マイナスでネガティヴなことを考えている時やさみしさを覚えている時に、その自分を客観的にとらえて、受け止めることが、根本的な解決にまず重要なことなのかなと考えた。
自分がさみしいと思っているのだから、そんなことをしても何も状況は変わらないように見えるかもしれないが、振り返ってみれば、さみしさの最中いると自分がいったいどういう状態なのかというのは、意外とわかっていないのだと思ったのだ。
建設的に考えていくなら、自分の状態を把握してから次にどうすべきかが考えることができると思うし、別にすぐに解決をしようとしなくても、自分が平静でない時に、普段とは違う間違った判断をしやすいことは、ある程度経験の中で学んでいる。
自分がちょっとおかしな精神状態に転んでいるな、と感じたら、寝るなり暇を潰すなり、慌てた行動んしなくて済むのだろう。
凹んでいる時に自分が凹んでいることを理解するのは、さらに気持ちが落ち込みそうで避けてしまっているのかな、とぴーの話を聞いていて思ったのだ。どんどん気持ちを晴らそうとすると、さみしさは深まっていくのだと思う。
それで、使い捨てのような関係の男に連絡してみたり、無駄なときめきを求めて暴走した行動をしたことがわたしはあった。実際にどういう行動をするかは、個人の規範によって様々かとは思うけど、自分の思ったような日々が送れないのであれば、それはやはり問題だと思う。
友達が他の人と遊んでいれば「自分といるよりも楽しそうでうらやましい」と感じることがいけないと思ってしまって、気持ちに蓋をすることに努めたりしてしまうことがあるかもしれないが、
そういう時は「自分がこの状態をさみしいと感じている」という気持ちの存在を認めなくてはいけないという答えに至った。
友達のことが好きだから起こる考えなので、次に遊ぶ時に好意を伝えるとか、もっと連絡してみるとか、そういうわかりやすい前向きなアクションだって浮かべることができる。
うらやましくてプスプスと夜中くすぶっているだけの気持ちにしてしまったら、きっと好意も引きこもりの一方通行になってしまうから。
そういう意味で言えば、「さみしさ」を解消するには「自分本位であること」は重要に思える。
友達本位の思考で考えるフリをすれば「自分以外と遊んだ方がその子のためだ」という思考にすり替えることもできると思うが、言い換えれば「自分がさみしい思いをしているのは、あの子が自分と一緒にいてくれないからだ」という他責にもなってしまう。
自分本位だとすると、この状況で自分のさみしい気持ちを認めることで行動に対する責任は自分へ行くので、よくも悪くも他人を理不尽に責めることは無くなるのかと思う。
(例えば、自分本位の悪い例で言えば「友達が自分以外と楽しそうにしていてさみしい」→「もっと自分とも楽しそうにしてほしい」「他人と遊ばないでほしい」と相手を責めたり、行動を制限しても、この場合悪くなるのは責めたてた自分になるので)
自分の中に整理のつかない気持ちを留めておくだけで、気がつけば勝手に嫌ったり嫌な思いをしてしまったままのことはあると思う。
やはり自分の状態の認識にはじまり、問題解決の糸口を考えてから行動をする、というのが、普通に見えても抜けがちなことなのかなあと思った。
答えになっているんだろうか、と思いながらも結局は、面白いマンガに夢中になれば時間は経つし、気がつけばさみしさも終わって、次に会う時は楽しくマンガの感想だって言えるようになるよね、ということで話をまとめた。
と、まぁそんな感じでグルグル答えを探したけれど、結局はこの後2人でオシャレな街で飲みたいねなんて話をして、お腹がちぎれそうだったので、別にオシャレでもない新宿へ徒歩で向かって腹ごなしをしたのでした。
こんなふうにたまに真面目に喋ったり、考えたりを日常に挟みこみながら、適当な悪口や愚痴を言い合える友達がまだいるのだなと思うと、やはり最近はさみしくはないのである。
落ち込んだ時は、これを忘れないようにしないといけないなと思いました。
自分の過去を振り返ると、他人に偉そうなこと言えたものではないないのにいいご身分であるよ。まったくね!
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