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nyaok · 4 years
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nyaok · 4 years
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Pop Up Grocer
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なにこれー。
別に現状を窮屈だと思っていたわけではない。
だけど、なにかしら、どこかしら
抑制されていた部分があったのだろう。
「なにこれー?」
見つけた瞬間に、この一声を放っていた。
少し高めの浮ついた調子で。
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朝の日課である、子どもと公園で遊んだ後の帰り道で出くわした
「Pop Up Grocer」というショップは、その名の通り、ポップアップの
グローサリーストアである。
旅するグローサリーストアをコンセプトに、食、ホーム、ペット
ボディケアといったカテゴリーから、150以上のブランドを厳選し
430以上のアイテムを紹介している。
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ここでは、革新的で、ユニークで、今の時代に求められているといったプロダ
クトを販売しているようだが、うん、なんとなく伝わってきた。
というか
多分、まんまと、彼らのマーケティングをすんなり受け入れている
自分がいた。
だって、とってもよかったよ。
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突然だけど、私は肉を食べていきたいと思っている人間だ。
これから、私たちがどう生きていくべきかという点において
勉強不足なところはもちろんあるだろうが、肉は美味しいし、活力にもなる。
そう信じているので、いつも感謝を忘れずに大切に食べている。
だからといってビヨンドミートのような植物由来の代替肉に
全く興味がないというわけでもない。ただ、食べたいと思ったことはない。
時代性を察知している Pop Up Grocer でも、当然のことながら
プラントベースの商品が置いてある。
興味はあるが、実際には食べる気がないので、普段だったらさらっと
通り過ぎてしまうそれらが陳列されている棚の前で、この日は足を止めている
自分がいた。
店の雰囲気がそうさせたのか、そのときの私の気分がそうだったのかは不明だ
が、いつもより「なにこれー」の気持ちが、私の中にあった。
今思うとなんだけど
これ、おもしろいと思うんだよ
とか
このブランド、なんか楽しいことやってるよ
といった感じで、話しかけられているように「モノ」がキュレートされている
感じがして、吸い込まれていったんだと思う。
あと
これは体にいいから、絶対に試すべき!
だったり
ここだけでしか売ってないレア商品!と
いったような、ショップ側のプライドから滲み出てくる厚かましさがなかっ
た。
で、これってモノを見極めるときに重要な嗅覚みたいなもんだなって思った。
Pop Up Grocer が、健康志向で、グルテンフリーで、ビーガンで、環境にも
優しくて、みたいに、がっちがちに凝り固まった商品ばかりを集めていると
私が無意識にでも認識してしまうようなセレクションをしていたら、このショ
ップに対する印象は全く違うものになっていたし、私の嗅覚はうまく機能して
いなかっただろう。
例えばなんだけど、Seemore っていうところのソーセージが販売されていた。
ここのソーセージは、Less Meat. Not Meatless. をコンセプトに大切に育てられ
た動物の肉と、最大35%の野菜をミックスした、ヘルシーでカラフルなソーセ
ージを作っている (https://eatseemore.com/)。
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ちょっと説明不足かもしれないけど、こういうことなんだって私は思う。
極端にどちらかに振れてしまうのではなく、自らが無理せずに
ポジティブに選択できる道があって欲しい。
もちろん店内には、自分が知らないモノに溢れていて、新しい発見や
刺激があったけれど、尻込みをせずに、冒険したくなる。
そういった意味で、私はこの店が楽しかったし、自由な気分になれた。
見えない相互作用みたいなもんが、うまく働いたんだろうな。
それ以外にも、商品のパッケージングや、ブランドの謳い文句など、視覚的
要素で引き寄せられる部分もあったと思う。
みんな大好き(そう信じている)スマイリーもいっぱいたしね。
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私が、今特別に気になっていたり、何かをリサーチしている身であれば
商品との距離をもっと縮められることができたと思うが、今回はひよこ豆で
できた揚げないクリスプ (https://34-degrees.com/) や、サボテンでできた
穀物不使用のトルティーヤ・チップス (https://tialupitafoods.com/)、免疫システ
ムを整える効果があるとされる、キノコ入りのオーガニックチョコ
 (https://earthandstar.com/) など、気の赴くままにスナックを見つけては
へえ、ほお、ふむふむ、って、店内滞在中ずっときょろきょろしていた。
ひよこ豆のクリスプは、味付けと薄さと、口の中でぱりっとしゅなっと
溶けていく感じが好きだった。
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それと、前からちょっと気になっている、生理用のシリコンカップ 
(https://thehoneypot.co/) も販売されてた。まだ使う勇気はないというのが
正直なところだけど、オムツやナプキンといった消���品分野での
サステナビリティを意識していくことは、必要だと感じている。
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初めに述べているように、久しぶりのポップアップ・ショップだったから異様
に昂ぶっている自分がいただけなのかもしれない。
でもね、そこには、新しい知識を得ることができる、もっと知りたいという
気持ちが出てくる、そういう感情を楽しめる空間があったよ。
だから、クローズする前にまた行きたいと思っている。
入り口でサニタイザーは必須だし、マスク着用だし、店内は6人までだし
ま、今までとは異なるショッピング形態だけど、やっぱりさ
来て、見て、触って、感じてっていうさ、「体感する」っていいことだよ。
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「Pop Up Grocer」
Location:  111 N 5th St, Brooklyn, NY 11249.
Date:10/02/20 - 11/01/20
https://www.popupgrocer.co/
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nyaok · 4 years
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オシャレ二シャイ vol.10
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このまちときたら。
お金がいくらあっても足りないじゃない! 
日々感情の渦は、絶え間なく動き続けていますが
私たちの生活は、嘘偽りなく
周りの人々の支えがあって成り立っていることは事実です。
今日はその事実のひとつである、子ども服についてお話させていただきます。
私たちは、子どもが生まれてから、子ども服をほぼ買っていません。
その必要がなかったのは、私たちの友人の子どもたちが
幼い頃に着ていたものを譲り受けているからです。
自分の子どもが着ていた、愛着のあるものを快く手放し
それを着ている我が子の姿を見て、また喜んでくれる。
そして、それらの服は無駄に消費されることはなく
また次の小さな命へと、受け継がれていく。
この美しく気高いサイクルの中に私たちも身を置かせてもらっています。
その上、いただくお洋服のデザインが素晴らしく
高品質なものばかりという点でも、私たちは恵まれています。
我々だけでは、決して買い与えることができなかったであろう
数々の素晴らしい子ども服を、我が子は着せてもらっているのです。
ある種、生まれながらにして強運の持ち主だと、私は思っています。
それでは、その強運の持ち主をモデルに、私のお気に入り子ども服ブランドを
親バカ全開なモードでお届けさせていただきたいと思います。
その1: 「Misha & Puff (ミーシャ & パフ)」
https://shop.misha-and-puff.com/
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このブランドなくして、今回の記事は書けません。
Misha & Puffは、Anna Wallack という女性が、 生まれたばかりの息子のため
に、 New England の寒い冬に備えて頭からつま先まで包めるニットのおくるみ
のようなものをつくったことがきっかけで、2011年にスタートしたブランド
です。
スタイリストとしての経験と、彼女の持つセンスが相まって、キッズが
最高に、そして最強にかわいくなってしまうコレクションを展開しています。
ペルーの職人によって、ひとつひとつ丁寧に編みあげられたニットたち。
肌触りが柔らかな素材と、ちょっぴりレトロでおちゃらけたその独特な
デザインで、子どもでいられる限られたかけがえのない時を、より特別で鮮明
なものとして残してくれる力を持っています。
秋冬のニットだけではなく、ベーシックアイテムのコットンカットソーや
プリントものも、驚くほどの出来栄えです。
この時世にも関わらず、ばっかばっか売れちゃってます。
ここの服を着せた我が子を見ると、思わず感嘆の声が漏れてしまいます。
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その2: 「MABO (マボ)」
https://www.mabokids.com/
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お次はMaboです。デザインから生産までのすべてをアメリカで行っている
このブランドは、キッズが着やすいシンプルなスタイルを提案し、エシカルで
サステナブルな生産を目指しています。
春夏はコットンとリネン、秋冬はウールと、体に優しくクオリティが高い素材
を使用しています。
クラシックなスタイルに、プレイフルなデザインディテールがある、ドレスや
パンツも魅力的なのですが、私のお気に入りは、オーガニックコットンを使用
したベーシックコレクションです。
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実用的な面もありながら、スタイリッシュなデザインを兼ね備えた
コレクションとなっていて、色味もとても綺麗で何枚も欲してしまうアイテム
です。少し細身に作られているので、大きめのサイズを着ていても
ぶかぶかといった感じではなく、程よいオーバーサイズ感のある着こなしを
楽しむことができ、長く着ることが可能です。
ちなみに私も、ここのアンダーウェア (サイズ12/13)を愛用しております。
100%コットンなので、ホールド力やセクシーさは欠けてしまいますが
心身ともにとても健康な気分で過ごせます。
Salt Lake City から送られてくるパッケージには、ラベンダーのサシェと
手書きのサンキューカードが入ってたりしちゃって、そういうスモールビジネ
ス特有の心があったかくなるつながりとかも好きです。
その3: 「Grey Label (グレイ・レーベル)」
https://gray-label.com/
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最後は Gray Label です。
2011年に、Emily Gray が立ち上げた アムステルダム発のキッズブランドは
トレンドに左右されない、タイムレスでミニマル、そして着心地のよさを
考慮し、100%オーガニックコットンを使用した子ども服を作っています。
キャラクターものやプリントは一切使わず、柔らかいトーンのカラーで
他のアイテムとミックスアンドマッチがしやすい、シンプルなデザインの
スタイルを提案しています。
シンプルなデザインではあるのですが、Gray Label の服は、子どもが着たとき
のフィットやバランスといったものが絶妙にかっこいいんです。
彼らは、環境に優しい服 = 長く着続けられる服 ということをモットーに
丁寧な服作りをしているわけですが、その想いは買う側にもきちんと受け止め
られていると思います。だからこそ、我が娘もここの服を着る機会を与えて
もらっているわけですし、そうやって、世界中で大切に着続けられているん
だと思います。
眉毛と目のような、棒と丸だけのブランドロゴも不思議と印象に残ります。
ここの服を子どもに着せたいなと思わせてくれるブランドです。
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他にも、Makie、Bobo Choses、Wovenplay、Oeuf などなど
娘は私が羨むほどに、素敵なブランドたちをたくさん着させてもらってます。
また、まさか、こういった状況で自分の子どもに服を着せるとは
想像していなかったので、私自身も新鮮な気持ちで服の組み合わせを
楽しませてもらっています。
子どもの成長はめまぐるしく、自我が開花し、自分で着る服を選択する
時期もすぐに訪れてしまうのでしょう。
それまでは、私という親のエゴだとは思うのですが
私が着せたいと思う服を纏う、我が子を惚れ惚れとデレデレと眺め
愛でて生きていきます。
話が少しずれてしまったような気もしますが、hand-me-down (お下がり)を
着るということは、 愛すべき習慣というか、文化というか、すごく尊いもの
であるということに、気づかされています。
時にお金が足りないという気持ちに飲み込まれそうになります。
現生活の中で、お金は大事であることに変わりはないのだけれど
この子ども服の話は、私にとって、これから自分たちがどうありたいか
という気持ちと、どこかでつながっているような気がして
これまたひとり、ぞくぞくしているのであります。
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nyaok · 4 years
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Somboday #2 Tsuyumi Kumazaki
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もう9月かよ。
ほんのつい最近までそう思っていたと思ったら
おやおや、もう10月ではないか。
毎日、だらけていたわけではない。
毎日、忙しなかった。
だけど、必死こいていたわけでもない。
だけど、不安に押しつぶされそうになってたわけでもない。
どちらかといえば、幸せを感じられていた。
だからといって、今が当たり前になったわけでもなく
なんかなんだかなあっていう、体の中でくすぶっているなにかも
共存したままである。
やれやれ、この状況下でこんなことしか浮かんでこないのかっていう
気持ちさえどこか人事のようにとらえていたら
急につゆみさんに会いたくなった。
私たちに、何も考えずに人に会えるという日常が
まだ存在していた3月の初めに、つゆみさんとランチをする機会があった。
近所のおいしい Piadina (イタリアのロマーニャ地方の郷土料理で、小麦粉
ラード、水、塩で作った生地を丸く焼いたものに、ハムやチーズなどをはさむ)
が食べられるカフェで待ち合わせをして、ほっぺたが吊りそうになるくらい
笑う時間を過ごした。
ここの Piadina には、Stracchino というチーズが使われているのだが
このチーズの滑らかで、にょにょにょーんとのびる食感がたまらない。
という、ここのカフェの話は、また次の機会に書くことにするとして
この日も、ふたりで Piadina を頬張りながら、つゆみさんの美肌の秘訣や
日本で仕事をしている旦那様の身に起きた衝撃的な体験、今後の仕事の話や
どこぞの美味しいチョコレートの話など、押し寄せては消える波のごとく
じゃんじゃかばんばん話をした。
つゆみさんとは、お互いの時間が合うときに、こうやって楽しい時間を
共有させてもらう仲だ。
頻繁に会うという間柄ではないが、つゆみさんとの時間にはぎゅぎゅぎゅっと
いろんなものが詰まっている。
9月はいつもつゆみさんに会える月だった。
ハット・デザイナーであるつゆみさんは、2月と9月に開催される
NY Market Week の展示会で、コレクションを発表していたので
いつもどこかしらで彼女の姿を見つけることができた。
つゆみさんに会えるのも、「Tsuyumi」の新作コレクションを見るのも
私にとって、大好きな行為だったんだと、今気づかされている。
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自分のやるべきこと、やりたいことを全うしている姿は美しい。
日本にいた頃は、ニット & アクセサリーデザイナーとして
6年間アパレル企業に勤め、その後、自身の新たな開拓のため
2001年に NY に渡り、2004年に ハット・ブランドの「Tsuyumi」を
立ち上げた。
つゆみさんのなにがすごいって?
日本から出てきて、NY でブランド立ち上げて、それを今も持続させていること
って、生半可な気持ちではできないってこと。
しかも、もっとすごいのが、つゆみさんは、オーダーから生産から出荷から
すべて自分でやっちゃうってとこ。
どんなにオーダーが多くても、工場に頼らず、ぜーんぶ自分でつくっちゃう。
一度、工場に依頼したこともあるらしいが、この出来事は、クオリティを保つ
ことの重要性と、自分で丁寧につくりあげることの大切さを、彼女が再度認識
するという経験で終わった。
ひとりで乗り切るには無謀なほど、たくさんオーダーが入ったシーズンも
夜な夜なミシンカタカタさせて、睡眠不足のために自分の指をミシンの針で
縫ってしまい、針が指を貫通したことがあった。
それでも、つくり続けた。
もの柔らかで、優しい印象を受けるけど、こういった話を聞くと
たゆみない一面を持ち合わせていることを知る。
一見シンプルなデザインなのに、素材の選び方や、カラーの組み合わせ方
ディテールのあちこちに散りばめられた、つゆみさん独特のセンスから
生まれる帽子を見ても、納得できる点だ。
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「全部ひとりでやっちゃうなんて、すごいっすね。」
って、私が言う。
「いやいや、これしかできないから。」
って、つゆみさんは返す。
会う度に、こういった会話のやりとりがあるのだが
つゆみさんが発する、「これしかできない」っていう言葉が
大好きである。
そこに、誇りと愛を持って、自分の仕事に向き合っている彼女の強さを
感じるからだ。
くうううう、かっこいいぜ。
久々に連絡してみよう。
結局は、なんだかんだ、大事な人には生身で会いたくなるもんなんだ。
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「Somebody #2 Tsuyumi Kumazaki」
https://tsuyumi.com/
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nyaok · 4 years
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Garden Yamakata April 5th, 2020
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土とともに。
ロックダウンな日々である。
心臓をどくんどくんいわせながら
あらん限りのエネルギーを放出していた
この都市が
異様な静けさに包まれている。
連日更新されるニュースに
身近に行き交う情報に
先の見えない現実に
不安を抱えないほど
図太くはできていない。
怖いものは怖い。
だけど変わらない日常といったものも存在しているわけで。
憂鬱な気持ちが完全に振り払われるわけではないけれど
この状況は
毎日の中に散りばめられている
富と寄り添える時間が
いつもより深くなっていることも確かな事実だ。
我が家にはありがたいことに
バックヤードがある。
3年前に引っ越してきた頃は
竹薮状態で荒れ放題であったものを
夫(通称: 親方)が、根気よく丁寧に手入れをしてくれ
家庭菜園と
バーベキューと
日向ぼっこが
気持ちよくできる空間
「ガーデン山形」を生み出してくれた。
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やっと気温もあがり
春めいてきたので
野菜や花の種を少しずつ植え始めている。
今年は、蕪、韮、春菊、紫蘇、そら豆、えんどう豆、インゲン豆、トマト
キュウリ、ナス、ズッキーニ、オクラ、スイトピーなどに挑戦するつもりだ。
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ガーデン山形に、新しい命が吹き込まれていく。
小さな芽が出てきて
ひょろっこい茎と根を伸ばし
毎日成長していく植物の姿は
たくましく
いとしく
心を突き動かされる。
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この状況が長く続けば
自給自足生活を目指すしかない
なんて冗談を言い合ってはいるが
土をいじり
生命を育てる
この環境は
私たちが共有できる
最高の富であることを
より強く感じている
今日である。
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また、ガーデン山形の近況を報告させてもらう。
そして最後は
ゴンドアの谷のうたで
締めくくらせてもらいたい。
“ 土に根をおろし風と共に生きよう
種と共に冬を越え鳥と共に春をうたおう”
「Garden Yamakata April 5th, 2020」
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nyaok · 4 years
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Somebody #1 Kanoko Mizuo
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2020年がやってきた。
新しい年を迎えるときは、気持ちがしゃきっとする。
2020年の幕開けは、愉快で尊敬できる友人たちと共に過ごしていた。
なにか新しいことに挑戦しようという気が、その場の空気を満たしている
時間があって、何故かみんなで話題の YouTuber の動画を研究したりした。
自分にとっては、まだまだ新しいビジネスモデルである、YouTuber  としての
可能性を考えてみたけれど、やはり性に合わない気がした。
新しいことに挑戦したい気持ちが煮え切らないまま心に残っていた。
何ができるのか、何をしたいのか、その可能性を考えては消し、考えては消し
自分には何か武器となりうるものを持ち合わせていないことに直面した。
惨めで悲しいような気持ちになったけれど
そんなことで落ち込んでいる暇もないこともわかっていた。
だから決めた。
私は、「人」を書く。
私自身はただの私だけれども
私には、私の世界を彩り豊かにしてくれる人とのつながりがある。
人に出会い、人と触れ合い、笑い合うことが、なんてったっておもしろい。
だから、伝えよう。
そう新年早々思っていたが
立春も雛祭りも瞬く間に通りすぎていった。
今は、コロナウィルスで世界が揺れ動いているが
もうすぐ春が訪れる。
さあ、新しいことを始めようではないか。
このアイデアを思いついてから、最初に書こうと心に決めていた人物は
かのぴーだ。
かのぴー、ねーさん、かのこ先生、かのこちゃん、かのこさん、かーこ。
あらゆる角度と視点から常に注目されている彼女は、いくつもの愛称がある。
その愛称が指し示しているように、彼女には様々な顔があるのだ。
Kanoko Mizuo は、ヘアスタイリスト、キャンドルメーカー、バッグデザイナー
といった、素人だとか職人だとか、そういった境界線を越えた領域で
自身を確立させている稀な存在である。
ここで、彼女の経歴を詳しく記述するつもりはない。
実は、あまりよく知らないのだ。
私が知っているかのぴーの軌跡といえば
高校生の頃、原宿のクレープ屋でバイトし
日本のヘアサロンで働き
パリに移り住み
Julien d’Ys のアシスタントとなり
キャンドルブランドを立ち上げ
バッグブランドのデザイナーを担い
現在に至る
といったくらいである。
くらいであるといっても、ざっと書くだけでもこれだけ豊富な経験を持つ。
あらゆる分野で、そして、あらゆる場所で、多彩な能力を発揮できちゃう人
なのだ。
彼女の中にある探究心は、彼女を明確なヴィジョンへと導き、行動となり
形にしていく。それは新しい道を切り拓いていくための核となっている。
潔い。
それぞれの時代に、ユニークなエピソードが数多く潜んでいるのは
わかりきっているのだが
私がここに書き残しておきたいことは
私の身近にいるかのぴーの姿だ。
だから、かのぴーと料理のことを書きたい。
かのぴーの料理とお菓子はとにかくうまい。
基本的に彼女は、いつも世界を飛び回っているのだが
NY にいて、タイミングが合うと、家に招待してくれて、料理をふるまってくれ
ることがある。
私のこの気持ちをどう伝えればいいのか、ずっと悩んでいるのだが
もしも叶うのであれば、ひとりで心置きなく食べ尽くしたいと
いつも密かに願っているというのが、私のかのこ飯に対する率直な気持ちだ。
かのぴーの作る
ラムやらチキンやらがはいったアヒージョ
特製たらこソースのかかったふわふわのたまご焼き
ほかほかのフォカッチャ
最後にレモンの皮を削って食べる、シンプルなレモンパスタ
キャロットラペもトマトソースも
このうまい記憶を体にいっぱい詰め込んで満たしたいから
私はいつも飲むように食べる。
そう、ゆっくり味わっている時間などはない。
美味しいという欲求が制御できないのだから、飲み込むしかないのだ。
そして、美味しい美味しいと、がむしゃらに食べる私を見て
「美味しい?」と聞いてくる、かのぴーの嬉しそうな顔が、またいいんだ。
なんなんだろうな、この人の料理って。
いつから料理を始めると、そんなに料理上手になれるのかって
聞いたことがある。
料理上手ではないけれど、高校生の時のクレープ屋のバイトとカフェで働いて
いた頃の経験が、彼女の料理の原点になっていると教えてくれた。
クレープ��さんでは、持ち前の器用さでクレープ生地を、うすーく、すばやく
完璧に焼きあげていた。
話が逸れてしまうが、個人的にはこのクレープ屋で働いていたねーさんを
一度でいいから拝みたかった。
クレープ屋で働いているかわいい子って評判だったはずだよ。
話を戻すことにしよう。
その後、働いていたカフェでは、オーナーのお菓子作りをたまに手伝っていて
そこで習ったフレンチトーストの作り方が斬新だったことから
お菓子作りの楽しさにも目覚めた。
初めて親元を離れて暮らしたパリで味わった、外国の食事というものにも
刺激を受けた。
ということらしい。
もともと器用だし、天性のものもあるだろうし、センスもいい。
でも、彼女は根っから「つくる」ということが好きなんだと思う。
かのこ飯では、彼女が少しずつ集めたという、キッチンの食器棚に
ひしめき合って(いつか棚が落ちてこないか心配なくらい)、出番を待っている
Astier de Villatte の食器に料理が盛られてくるのが定番なのだが
ひと皿ひと皿のプレゼンテーションがいちいち眩しいのは
ねーさんのつくる喜びが、料理にそっと寄り添っているからだと思う。
それでね、私が、かのぴーがつくるものの中で、後世に残したい味として
勝手に選ばせてもらえるのであれば、迷わずロールケーキにするだろう。
いつかの私の誕生日のときにつくってくれたモンブランも
試作中に食べさせてもらったチョコレートバブカも
口の中で一瞬にしてとろけてしまうプリンも
素晴らしいから、結局迷ってはいるけれど
かのぴーのロールケーキはね、大げさではなくてね
世界中の人々がこのロールケーキを食べたら幸せになるよって
大声で叫びたいくらい、特別で、究極で、さいっこうの一品なのである。
スポンジもクリームも、軽やかで優雅で繊細で儚いのだ。
よくつくってくれるのは、抹茶のロールケーキで、クリームの中に小豆や
マロンクリームが入っていることもあって、知っている味なのにいつも新鮮な
感覚を呼び起こしてくれる。
食後のテーブルに出てくる
あの1本の丸くて細長いロールケーキの尊さといったら...
こればっかりは、記憶から消えることのない味だ。
このロールケーキの美味しさにたどりつくまでに
かのぴーは楽しみながらも、妥協せず、何本ものロールケーキを
焼いてきたんだろう。
食べてくれる人々の喜んでいる顔を浮かべながら
何度も何度も繰り返し焼いてくれたんだろう。
そういう人だ。
ヘアーをつくる、香りをつくる、バッグをつくる、料理をつくる。
自分に与えられたチャンスに真っ向勝負し、なにかをつくりだしていく。
いつでもぐんぐん突き進んでいく。
そんな彼女の強さには、共存しているものがある。
それは人々への感謝という気持ちだ。
かのぴー、いつも本当に大変だね、忙しいね、凄いね
という言葉をかけると
みんなのおかげでなんとかやってこれてる
わたしひとりではなにもできていない
といった返事がいつも返ってくる。
まわりの支えがあって、今日のかのぴーがある。
感謝することなんて、当然だといわれてしまえばそうかもしれない。
だけど、時に感謝っていうものは、自分に余裕がなかったり、自分が満たされ
ていないときないときには、萎んでしまう脆い感情だ。
だけど、かのぴーは、忘れない。
だから、かのぴーは、色褪せない。
きっと、それがかのぴーの料理の隠し味にもなっているんだ。
独特な笑い方をするかのぴー。
話の展開が速すぎて、ときどき LINE のメッセージが読解不可能になるし
とうもろこしが大好物で
飾らない気さくな性格なのに
すっごい純粋で乙女な一面もある。
全部ひっくるめてチャーミングな人だなとつくづく思う。
Kanoko Mizuo が、私の中で
「誰か」となって存在している。
嬉しいことである。
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「Somebody #1: Kanoko Mizuo」
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nyaok · 4 years
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Simon & The Whale
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クローズアップ。
お料理のお写真は
全体像を浮かびあがらせるのではなく
できるだけ近づいて写したい。
美味しそうに撮ることを目的にするのではなく
生々しくあってほしい。
そういう欲望をお料理には求めているのかもしれない。
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*えー、上の写真はこれから書くこととは直接的な関係性を持たないけれども、私の今の気持ちを具現化すると、こういうことなんだろう(伊丹十三脚本監督作品の映画 『タンポポ』より)。
いつかの記事に書いた、Freehand New York には、もうひとつレストランがある(https://nyaok.com/post/182181089785/studio-at-freehand) 。
Simon & The Whale は、同ホテルの2階にある カフェの Studio 同様、Happy Cooking Hospitality 系列のレストランだ。
去年の12月に行って、友人や日本からのゲストとのおしゃべりに夢中になってしまい、何を食べたのか、克明には覚えていないというのが正直なところではあるのだが、オーダーしたそれぞれの品には、ユニークな食材が調合されていて、プチプチ、さくさく、パリパリ、ぐにゅっといった食感を体験しながら、イマドキの味を体内へと吸収させていった。
NY のレストランって、ムードを大切にするためなのか、仄かに薄暗いを通り越して、まあ暗いことが多くて、写真も撮りにくい。
ということを、言い訳にした、私の接写したいお料理のお写真は、ほぼすべて、焦点が合っていない。
でも、いいや。今回は載せちゃおう。
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チッコリーのサラダには、アジアンペアとチーズが合わさり、苦味と甘みと塩気のオンパレードだった。
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これはリコッタニョッキ。ソースはバターナッツスクワッシュだったかなあ?
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これはなんだ? ハンガーステーキだったか? 少しお肉が固かった印象があるな。
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ダックは、下のコーンのプチプチにはまっ��。
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フレンチフライは、いつだって食べたくなっちゃう。
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これは、ビーフタルタルだったか? 上のライスクリスピーがいい役割をしていたと思う。
他にも魚料理を頼んだし、デザートも食べたのだが、写真を撮り忘れていたようだ。
まあ、こんな曖昧な記憶(サイト上でメニューを確認したのだが、すでに変更があったようだ)ではあるが、私がこの夜の一番気に入って、ひたすら食べ続けたのは、レバーパテであったことは、今でも鮮明に覚えている。
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何故、このパテは、バナナとともに演出され、登���してきたのだろうと不思議に思っていたのだが、そこには、このパテを、バナナブレッドにつけて食べるという、私にとっては未知との遭遇が待っていた。
「あまじょっぱい」が、食の文化の壁を越えて、私に会いにきてくれた。そんな気持ちにさせてくれる味だった。バナナの甘い香りと、柔らかい食感と、パテの滑らかな舌触りの組み合わせが驚きであり、最高であった。
そこには生々しさがあった。
もちろん、この食べ方が、万人に好まれるとは思わないし、この味を、この食べ方を、拒否する人々もいると思う。
私は、このレストランを、NY で是非行ってほしい店であると紹介するつもりはない。ただ、どんなときでも、どんな小さいことでも、何かを発見した気持ちになれるのは、いい気分である。
私にとっては、そういう経験をさせてくれた店だった。
ただ、それだけの話である。
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Simon & The Whales
Location:  23 Lexington Ave, New York, NY 10010 
https://www.satw.nyc/
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nyaok · 4 years
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Kettl
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私が住む家の近所に、お茶を売っている小さなお店がある。
アメリカ人の旦那さんと、日本人の奥さんがひっそりと営んでいる
お茶屋さんで、お店には奥さんが作っている焼き物や日本からの茶器も取り扱
っている。
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お店に行くと、いつも淹れたてのお茶を飲ませてくれて、日本人である私が
アメリカ人の旦那さんにお茶のことを学ばせてもらうという、ちょっと不思議
で、とても心地よい時間がそこには流れている。
この前、ひょんなことからこの夫妻とランチをする機会があって、その際に
彼らの馴れ初めや、お茶屋さんを開いた経緯などを聞かせてもらったのだが
おふたりとも冒険心があって、ユニークで、チャーミングで、いい出会いを
させてもらった。
そんな素敵夫婦が、今度は Manhattan の The Bowery Market に 小さなカフェ
をオープンした。
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新しいロケーションでは、クラシックなお茶の他に、抹茶ラテなども飲めちゃ
ったりして、アイスクリームやプリンなども楽しめる。
ここも小さな空間だが、カウンター越しに置かれた釜から出ている、湯気のゆ
らゆらが、安らかで朗らかな気持ちにさせてくれる。
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この間、買い物途中にちょいっと寄らせてもらい、抹茶ラテとほうじ茶ラテ
なるものをいただいた。
抹茶ラテはもちろん美味しかったが、ほうじ茶ラテは想像していなかった味
というか、ミルクとほうじ茶がこんなに合うものなのか!と感激してしまった。
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ほうじ茶の独特な香ばしさと苦味が、ミルクのこっくりとしたまろみに
ふんわりと包まれている、とても優しい飲み物であった。
ゆっくりと味わいたいのだけれど、性格上美味しいものに対しての衝動を止め
られない私は、ごくごくごくごくと飲み干してしまった。
少し話が逸れてしまうが、Four & Twenty Blackbirds という有名なパイ屋さんも
ほうじ茶パイを出していて、あれも美味しかったな。
ほうじ茶は、お茶界の次なるムーブメントになるのではないかと、密かに
思っている。
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ザックとみなみさんが、楽しみながら13年間こつこつとやってきたお茶屋さん。
福岡の久留米に事務所をかかえ、日本に帰ったときはお茶めぐりの旅ばかり
しているという。
お茶を心から愛していて、美味しいお茶を飲んで欲しいというシンプルだけど
熱い心意気がかっこいいよなー。
ああ、またあのほうじ茶ラテを飲みに行こう。
ちなみに、彼らが Brooklyn で作っている、八女の抹茶をふんだんに使い
そばの実がのった抹茶チョコレートも、これまた最高にうまいのである。
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美味しいものは、みんなとシェアして、幸せを広げたいのである。
kettl at The Bowery Market 
Location:  348 Bowery, New York, NY 10012
https://kettl.co/
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nyaok · 4 years
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La Bicyclette Bakery
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サンパッ!
サンドイッチパーティ(通称サンパ)には、美味しいパンの存在が絶対不可欠なのである。
なんなんでしょうね、パンって。
あの焼きたての香り、愛くるしいフォルム、ふわっとかりっとした肌さわり。きっと世界のテーブルに幸せを運んでくる使者なんだわ。
そう信じている私は、美味しいパン屋さんの噂を耳にすると、いてもたってもいられなくなる。
今回のサンパの主役になったパンたちは、Willamsburg に最近オープンした「La Bicyclette Bakery」のものだ。
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ここは、フランス人の Flo さんという、パン職人が作っているパン屋さん。
6歳の時に学校のフィールドトリップで訪れたパン屋さんでの体験が、Flo さんのパン職人という人生を決めるきっかけになった。
オーブンからでてきた焼きたてのクロワッサンの香り、オーブンの熱で暖かくなったキッチン、パンを作る職人の動きといった、そこで起きているすべての現象が、彼を瞬時にパンの世界の虜にしたのだ。
自分のやりたいことをすでに発見した彼にとって、その気持ちがひとときも色褪せることはなかったようだ。
11歳の時には、彼の友達の父親が経営しているベーカリーで、週末に手伝いをさせてもらうため、朝の2時に起床し、母親に車で送ってもらい、パン生地を混ぜたり、自分たちで作ったパンをお客様に届けたりと、貴重な時間を過ごした。
16歳の時には、パティシエとパン職人の資格となる CAP を取得し、本物のパン職人としての道を歩き始めることとなった。
そして、21歳のときに、故郷のフランスを飛び立ち、世界に飛び出すことを決意した。
そう、彼はパン屋の旅人なのである。
あーもう、かっこいい。
オーストラリアで修行を積み、その後、ニュージーランド、ノルウェー、コルシカ島、クロアチア、モロッコ、香港、そして、現在は NY と、人も文化も異なる土地で、心を込めて美味しいパンを食卓に届けてきたんだと思う。
だってそういう味がするもん。
私は、別に彼にインタビューをしたわけではない(上記はすべてウェブサイト情報)。けれども、カウンター奥のキッチンで、ひとりでせっせこせっせこパンを作っている姿を見たら、誰もが感じると思うんだよ、彼のパンへの愛情を!
バゲットが焼きあがる瞬間に、「ブアアゲット!」ってキッチンから響いてくる声の活力で、なんだかこっちが感極まっちまう。
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てな感じで、私はここのパンの虜になってしまった。一番のおススメは、やはりバゲット。本当にシンプルなバゲットなんだけど、カリッ、ふわっ、もちっ、サクッていうバランスが絶妙に軽快なのである。焼きたてが買えちゃったときなんて、自分に制御をかけなければ、バゲット1本をちぎって食べる行為を続け、あっという間に胃の中におさめてしまうことができてしまう。他のお客さんも、ほぼバゲット買ってるもん。それから、Pithivier も美味しい。口の中でとろけて広がるアーモンドクリームの気高くも優しい甘みは、寒空の NY を歩いて、ちょっぴり冷えた体にすんなりと寄り添ってくれる。
少し、話がサンパからずれてしまったが、ここまでくれば、このパンたちとのサンパがどうであったかは、想像していただけるのではないだろうか? 
お気に入りのハムやチーズを買って、バターをたっぷり塗って、友人と楽しい話が弾む至福の時間。
サンパ、最高である。
じゃんじゃん広めていこう。
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「La Bicyclette Bakery」
Location:  667 Driggs Ave, Brooklyn, NY 11211
https://www.labicyclettebakery.com/
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nyaok · 4 years
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Yokan Collection in NYC
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夢の中へ
人それぞれにパラダイスの境地というものがあるわけで
あんこを愛する私にとって、 まさにその心境へと誘われる出会いとなったのが、先月開催された「Yokan Collection in NYC」であった。
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「Yokan Collection in NYC」は、日本政府の JAPAN ブランド戦略の一環として、在ニューヨーク日本国総領事館が後援となって開催されたイベントだそうで、究極の和菓子といわれ、日本で最も歴史のある羊羹を通して、日本の伝統と食文化を、情報都市 NYで発信することがコンセプトだったようだ。
イベントのキーワードは、「日本の伝統」、「健康」、「インスピレーション」であり、会場には羊羹の歴史や、羊羹の材料や作るときの道具がディスプレイされていたり、日本の有名シェフによる創作羊羹のデモンストレーションなどが用意されていた。
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羊羹コレクションでは、2010年から全国各地で150点以上、数百種類の羊羹が紹介されているようだが、2016年にはパリ、2017年ではシンガポールと、世界にも進出し、今回の NY では14社が参加した。イベントスペースの中央辺りの通路に、小さなテーブルが向かい合って並び、そこでは各社自慢の羊羹を試食しながら、彼らの羊羹に対する熱い思いに触れることができるという場が用意されていた。
とらやや、小布施堂など、日本の代表的な和菓子屋さんも参加していたのだが個人的に、私が気に入った羊羹をいくつか紹介させていただきたい。
その前に、ひとつ言い訳をさせていただきたいのだが、イベント会場に足を踏み入れた途端、胸の高鳴りで我を忘れ、その後は羊羹の試食によるシュガーハイの助けも重なって、ろくな写真が撮れていないことは大目に見ていただきたい。
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まずは、「五勝手屋本舗」。
いちじくの中に羊羹をつめたものや、今から80年近く前に考案されたという、丸い筒の形をした羊羹(底を押し出して糸で切りながら食べていく)など、味、デザインともに独創的なアイデアを持っていた。パッケージングがかっこいいんだよなー。羊羹は、小豆ではなく金時豆を使っているためか、口当たりが柔らかで優しい。北海道最高!と叫びたくなってしまった。
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お次は、「標���羊羹本舗」。
ここでは、羊羹あら��という、3日間羊羹を乾燥させてビート糖をまぶしたユニークな羊羹が気に入った。口に入れたときのさくっとした食感がいい。こちらも金時豆を使用していて、ほんわかとした甘みが特徴となっている。職人が長時間練り上げることでつく、琥珀色の羊羹が美しい。ここでもまた北海道万歳!と叫びそう、いや、心の中で叫んでいた。
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そして、「巌邑堂」。
見目よい羊羹を紹介していたこの和菓子屋さん。酒粕と卵白で作られたカステラの間に、ほどよい厚みの羊羹が挟まれちゃったやつは絶品だった。浜松で一番の老舗らしく、全国から人々が買いにくるという人気度も納得である。
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他にも、鈴懸の水羊羹を、つもんのデザイナーが現地で厳選した材料を使ったコラボモクテルやら、ヨーグルトやチョコレートの羊羹やら、とにかく楽しく美味しくを体感させてもらった。
私にとってのパラダイスだった。
こういったイベントをやってみたいと思った。
自分だったらどうしたいか、どうやったらもっと羊羹の素晴らしさ、日本の文化を伝えられるか、今は全然思いつかないけれども、今回 NY に来た14社の和菓子屋の方々が見据えているであろう、海外進出への道、または伝統を守りながら新しい世界へ進む姿勢というものを感じて、熱くなるものがあった。
こうやって、日本の外で、日本を感じるのもまた粋である。
「YOKAN COLLECTION IN NYC」
Location: Project Farmhouse at 76 East 13th Street, New York NY 10003
Dates: 11/8/2019 & 11/9/2019
https://yokancollection.com/
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nyaok · 4 years
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nyaok · 4 years
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Butler
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ある夏の日の朝食部。
ふふふ。
あたし、パンが好き。
焼きたての香り好き。
並んでる姿好き。
パンが好きなのよー。
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Butler は、Williamsburg にある、小さなカフェ。
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誰かに教えてもらって行ってみたの。
朝食部としては、いろいろ食べたいんだけどさ
ひとりじゃそんなに食べられないの。
それで、悩みに悩んだあげく、こちらを選ばせていただいた。
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スパイシーなポークソーセージの入った、ボリュームのある一品。この不思議なグリーンソースをつけて食べるんだけど、このソースがまたうまいんだわ。確かシアントロー系だったと思うんだけど、酸味があってさくさくとした生地と相性いいんだわ。
ふがふがいって食べちゃうわ。
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あと、甘いのも食べたんだけど、写真も撮り忘れて、記憶もどっかにいってしまった。
また、行くわ。
Williamsburg の他にも、Dumbo にも Nomad にもあるみたい。
ローカル感があっていい。
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ふふふのふ。
「Butler」
Location: 95 S 5th Street, Brooklyn NY 11249
https://www.butler-nyc.com/
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nyaok · 4 years
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CAMP: Notes on Fashion
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ウォームアップ!!!
久方ぶりである。
今さらだが、METのファッション展「CAMP: Notes on Fashion」について、ここに書き留めておこうと思う。
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去年の11月に子を授かり、今までとは異なる環境と感情の渦の中で日々を過ごしていること、そしてもう一度この展示を観にいってから書くつもりであったため、こんなにも遅くなってしまったという、言い訳をまず伝えさせて欲しい。
いいんだい、いいんだい。そういうこともあるんだい。
それでは、話をCAMPに戻そう。
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CAMP は、「不自然」や「誇張」、「皮肉」、「ユーモア」、「パロディ」といった表現を指す言葉らしいのだが、そんなことも知らなかった私は、ただこの言葉の響きが気に入り、バンド名にいいじゃないかと、私にとってはどうでもよくないどうでもいいことを妄想していた。
1960年代に活躍した、Susan Sontag によるエッ��イ「Notes on Camp (キャンプについての覚書)」から、インスピレーションを受けた 「Camp: Notes on Fashion」は、ファッションにおける無法地帯、境界線をあえてひかない美意識や感性というものをコンセプトにしていたのだと思う。
が、もう、Susan Sontag の存在が前に立ちはだかり、ある意味純粋に展示に没頭するということが私にはできなかった。
だって、彼女のエッセイにはどんなことが書いてあるのかってことに、気持ちが奪われてしまって、展示会では心ここにあらずのような状態になってしまった。
だから、エッセイを読んでからまたゆっくり訪れようと思っていたのだけれど、エッセイも読んでいないまま、展示会が終了してしまったよ。
ルイ王朝時代の調度品やら、男性ヌードのブロンズ像やら、Sontag のポートレートなども展示されていたらしいのだが、記憶に残っていない。
展示会自体は、ポップで奇抜で飛ばしている印象があったが、いつものように心に残るデザインていうのは見つけられなかったな。
いや、それは嘘だな。クリエイティブに富んだ作品に溢れていたけれど、コンセプトと展示の点と点を結びつけることができなかったんだ。
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もっとシンプルに、そして純粋に、言葉では表現できない圧倒される何かに私は惹かれていたい。
何を書き留めたかったかって?
これは、私のぶつぶつ論ということで、話はおーしまい。
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「CAMP: Notes on Fashion」
Location: Met 5th Avenue at 1000 Fifth Avenue, New York, NY 10028
Dates: 05/09/2019 - 09/08/2019
https://www.metmuseum.org/exhibitions/listings/2019/camp-notes-on-fashion
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nyaok · 5 years
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DakhaBrakha
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ヒアウィゴウ。
あー、ケミカルブラザーズ来てたなー。
行きたかったなー。
観たかったなー。
夏フェス行きたいなー。
と、ひとりぼやきながら
2ヶ月前の素晴らしいコンサートを思い出した。
DakhaBrakha っていう、読み方がわからないんだけど
4人組のバンドのコンサートに行ったんだ。
ウクライナ発のバンドなんだけど
なんというか痺れたんだ。
ウクライナと聞いても、正直なんのイメージも浮かばないんだけど
なんというか
もうなんというか
そういうの通り越して、音が突き刺さってきた。
ウクライナのフォークミュージックに、あらゆるサウンドやジャンルを
まぜこぜして出来上がっているらしいんだが
とにかく声がいい。うん、すごくいい。
4人とも、めっちゃくちゃに個性的なのに
ものすっごく調和されている。
のびたりちちんだり
ちからづよかったり
せんさいだったり
よりそったりつきはなしたり
めまぐるしいのに
ここちいい。
そんでもって衣装ね。
多分ウクライナの民族衣装なんだろうが
衣装のヒトを惹きつける力って大きいと思う。
世界観がばしっときまっているんだ。
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ああ、素晴らしい体験だったな。
大学の小さな講堂みたいなところでのコンサートだったのも
演者との距離感が近くて、印象深かった。
ただそんだけのことだけど
こういう記憶を残すってのもいいな。 
*DakhaBrakha は、Original (根源の) / Outstanding (際立った) / Authentic (本物の) という意味で、古いウクライナ語では << Give / Take >> の意味も持つらしい。
「DakhaBrakha」
6/15/19 at Schimmel Center
https://www.dakhabrakha.com.ua
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nyaok · 5 years
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nyaok · 5 years
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ハルオミサイコー
ナツノマクアケダゼ。
タカマルゼ。
ハルオミサイコーダッタゼ。
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05/28/2019 at Gramercy Theatre
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nyaok · 5 years
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Wellness
ウェルネスだとか、ビジネスだとか。
湖のほとりに座り、触れたつまさきが湖面に描き出す
静かな波紋をそっと眺めるかのごとく
Wellness を取り入れたビジネスというものを体感した。
まあ、Wellness といっても、漠々たる分野なので、意識し始めたら、ここにもあそこにも Wellness が潜んでるってことになっちゃいそうなんだが、今回は塩について少々お話したい。
世の中には、ソルトセラピーというものが存在する。
これは、東ヨーロッパ発祥の100年以上もの歴史のあるセラピーらしいのだが、ポーランドの内科医が、岩塩鉱山の労働者に風邪や呼吸疾患、肺疾患が見られなかったことに着目したことで誕生したそうだ。
私が体験した、ミッドタウンにある、 Breathe Salt Rooms は、医学的に証明されている、ドライソルトの持つ自然治癒力を最大限に高めることを目的としたドライソルトセラピーを提供している。
何をするって?
セラピールームに設置されたリクライニングチェアに座って、リラックスしてソルトを吸うのである。ただそれだけである。
Halogenerator (ハロジェネレーター)と呼ばれる装置を使用し、エアゾール状にになった製薬レベルのソルトの粒子を吸い込み、体内に浸透させていく。
気道に入り込んだソルトの粒子は、 体内の浄化システムを刺激し、体内に溜まった汚染物質や、アレルギー物質を取り込み、排出することに働きかける。
また、微粒子となったソルトは、肌の保護膜に作用し、肌細胞の活性化を促すことで肌の保護作用を高めていく。結果、肌のPhレベルが整うので、肌の修復と再生レベルをあげることも可能となる。
それから、セラピー中に発生するマイナスイオン効果で、免疫システムにも働きかけ、免疫疾患から発祥するとされる、アトピーや乾癬といった症状を持つ人々にも効き目がある。
その他にも、血液浄化、更年期障害の軽減、精神の安定、身体持久力、運動パフォーマンスアップ、いびきの改善にも効果がある。
塩の効能って実にアメージングなのだ。
東ヨーロッパのどこかの国では、岩塩窟の隣に、喘息患者の病院を建て、患者を岩塩窟内に連れていき、ソルト療法を行っていたらしい。
アメリカでは、医学療法ではなく、ホリスティックなセラピーとして受け入れられており、Breathe Salt Rooms でも、アトピーの子どもや、ランチタイムにリラックスしたい会社員など、様々な目的を持ったクライアントが訪れる。
まあ、1回のセッション(30分/$35)では、なにがどう効いているのかもわからないまま終了した感じが否めないのだが、同行した日本のクライアントの方は、風邪のひきはじめの喉の痛みが改善されたと言っていた。
個人的には、セラピールームがビジュアル的にもスペース的にも、落ち着きのある空間であると、もう少しリラックスしやすいのではないかと思った。ミッドタウンのオフィスビルディングのオフィススペースにできた、謎の白い部屋(エアゾール化したソルトがどんどん室内に溜まっていくため)というイメージが、非現実感を意識しすぎてしまいリラックスしにくいのである。同行したクライアントの方は、時差ぼけとハードスケジュールのためか、よい睡眠がとれたと言っていた。
まあ、こんな感じの体験談ではあったのだが、今までフィジカル要素の強いものを Wellness の大部分としてとらえていたのであろう自分にとっては、新しい発見であった。気負わずに Well-being を生活に取り入れていくことは、なんだか今っぽくて、いいとか悪いとかではないんだけど、時代性を心と体で感じられるツールのひとつなんだと思った。でもそういうとらえかたをすること自体が、今っぽいんだろうな。
しかし、Wellness 奥が深い。食やジムやらスパやら、Corporate Health やら、Space for Well-being やら、そりゃイロトリドリ存在している。
なんか、そういったことを無理やり意識しないで、気づいたらいい生活してるなって人生でありたいわ。
ちゃんちゃん。
INFO: Breathe Salt Room at 2 West 46th Street, Suit 806 New York, NY 10036
http://www.breathesaltrooms.com/
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