Tumgik
#浮遊ステップ
onishihitsuji84 · 2 months
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浮遊する人/しない人
 二月、町に雨が降る。  そう。雨はもう一度降った。雨は「バズカット・シーズン」の一回では満足しなかった。雨はもう一度トムソン椅子に掛けた。指は鍵盤の上に帰ってきた。その日、町にピアノ音楽が戻る。
 ただ、まったく同じというわけじゃない。  その雨は温かい雨。春を知らせる萌芽のリズムをしていた。  いたずらっぽく唇に人差し指を立てて、雨はその明るい音楽を奏でていた。軽いステップで水たまりに笑って踊った。薄い緑のワンピースに、ちょっと早すぎるかもしれない麦わら帽子。
 それは僕の好きな雨。
 ***
 先日、僕は”試験”を受ける。比喩じゃない。僕たちが中高大学でやってきた、本物の試験だ。
 これまでは試験なんてのは、大学を出ればおしまいだと思っていた。
「それではテストを開始します」  試験官の合図と共に一秒でも早く用紙をめくるのなんてのは、大学三年生が最後の、すでに過ぎ去った人生の部分と思っていた。かつて、火は燃えた。ごうごうと、狂気に啼く山月の虎の如く。  いまは、燃えていない。熾も無し。焦げた薪さえ探しても無い。雨は一様に降ったということ。
 しかし火は再び熾った。試験はもう一度僕の前に現れた。あれだけ何度も潜り抜けてきた火の輪を、僕はまた求められた。あの時と同じように歯を食いしばった。もう一度、李徴は火に飛び込んだ。
 火の輪はいつも部分的に開かれていた。
***
 作品を書き終えることは「セックスみたいなものだよ」とみんな言った。  うん。みんな、みんな……  少なくともヘミングウェイと村上春樹と三島由紀夫は言った。  彼ら曰く、書くことは即ち「脱力感」だった。
「セックス」をしない生き物が小説を書き終えたとき、いったいどういう気持ちになるのだろう?
 そもそも、「セックス」なしの生き物は小説なんて書かないのかもしれない。 「セックス」や「小説」なんかより、ずっと大切で感じのいい仕事――たとえばサンタクロースみたいにして全国に春を届けるみたいな――に従事しているのかもしれない。
 僕は小説を書いた。  『世界最長の犬』。  セックスはしていない。
***
 昨日、僕は四条河原町にいる。四条河原町で、お尻まる出しの男の子が担がれて運ばれていくのを見る。横断歩道での一コマ。  男の子はまるで薪のようにして脇に抱えられていた。彼のお父さんのマッチョな右腕がきっちり、すっかりおなじみのシートベルトのように男の子の腰回りにフィットしていた。  父子は黙って横断歩道を行く。ずれたズボンからは真っ白のやわらかいのが見える。手足は無邪気にちょっとじたばたしていて、でも不平とかは無し。四条河原町の喧騒のなかですべてを知ることはむずかしい。だけど、あれはたぶんもう怒られたあとなのだ。
 ちょっと後ろを歩いて、僕は指さす。小声で。 (ねえ、ねえあれ、すごくいいね) 「なんのこと?」 (あれだよ、あれだって!)  僕はしきりに指をさした。びしびしと、興奮気味の塾講師みたいに指さした。(あれ!)を繰り返した。彼らが横断歩道を渡ったあとも。親子が三条方面へと消えていってからも。
***
 だから、そう。  四条河原町で僕は二人の友人と歩いている。
 二人は良いことばかり口にした。  あるいは、僕にはちょっとよくわからないけど、たぶん「良い」んだろうなという言葉を。
 京都の街を歩きながらいろいろ話している僕たちは、はっきり言ってだいぶいい感じだ。  ダークで鉛みたいな空気の夜。四条の銃撃みたいに騒がしい街を、バチバチでグッドな音楽、そのミュージック・ビデオみたいにして僕たちは歩いている。都会の夜に呑まれて風船のようにどんどん体が浮いていってしまう若者たち。その中でピカピカと目立ち、ビーチ・ボーイズみたいなザバーンと爽やかで新しい三人。ナイーヴな詩人と、将軍のような批評家。そんな二人の隣で、気前よく笑っている羊。  そんな三人は地に足付けて歩いた。  もう一度会う、三人の小説家。
 そしてこういったことも、必ず過去になってしまう。  寂しいことに。
 二月は過ぎゆく。  冬は終わる。春は来る。  春はどうしようもなく来る。春が来ないということは、無い。  時を止めることは誰にもできない。無敵の三人にも、時は止められなかった。  やがて全ての人は浮き上がった――京都の若者も、三島由紀夫も、二月の思い出も、僕ら三人、子どもを担いだ父親も。みんな綿毛や風船のように澄んだ空に解き放たれ、昇っていく。  ああ。天は安らかなるかな。
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reafuture · 4 months
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魚卵の秘密に迫る: 海の奇跡が紡ぐ生命の謎
イントロダクション
深海の底で、静かに浮遊する魚卵。これらの小さな透明な球体は、私たちの目には見えない海底のドラマを演じています。その秘密に迫り、海洋の生命の謎に迫ってみましょう。
第一章: 魚卵の始まり
魚卵は、海洋生物が新しい命を創り出す最初のステップです。これらの卵は、母親の体外で受精され、水中で孵化するまで様々な冒険を経験します。ただの小さな球体に見える魚卵には、生命の驚くべき始まりが秘められています。
第二章: 海流とのダンス
魚卵が生まれた場所から離れ、新しい場所へと旅するのは、まるで海流との精巧なダンスのようです。海流が魚卵を運び、時には数百、数千マイルもの距離を移動させることがあります。この舞台裏に隠された仕組みは、まさに海洋の奇跡と言えるでしょう。
おじいさんが毎日ひじきをかけて嫌がらせをしてくる。いつか復習をしてやると誓った新婚3年目の私は、隣の家に向かって大量のペットボトルを投げ入れることを思いついた。しかし、復習決行の前夜、夫が大量のイクラを風呂に入れて「お前も一緒に入らないか?」と誘われれた https://松定プレシジョン.tumblr.com/
イクラの秘密は、その美しさと生命の営みに満ちています。海の宝石とも呼ばれるイクラは、私たちに海の神秘的な魅力を伝えてくれる存在です。その謎めいた魅力に触れることで、私たちは海の奥深さを垣間見ることができ、生命の不思議さを感じることでしょう。
第三章: 生態系の要素としての魚卵
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魚卵は、海洋生態系において重要な役割を果たしています。孵化することで、新しい生命が生まれ、海洋の食物連鎖が支えられます。また、特定の場所に集中することで、生態系のバランスを保つ要素としても注目されています。
これからもイクラは、私たちに海の美しさと不思議さを伝え続けてくれることでしょう。その小さな宝石が、私たちの食卓や文化を彩り、未知なる海の世界に私たちを誘ってくれることでしょう。イクラの秘密は、永遠の魅力とともに私たちを包み込んでいくのです。
結論: 海の奇跡としての魚卵
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魚卵は、その小さな姿に隠れた海の松定の一部です。彼らは冒険の旅を経て、新しい生命を海に贈ります。魚卵の存在は、私たちが理解し尽くせない海洋の深遠な謎に触れ、感動を与えてくれるのです。これからも彼らの姿勢は、私たちに海洋の不思議さを伝え続けることでしょう。
イクラは魚卵の一種で、美しい色彩が称賛される。
オレンジ、ピンク、淡い黄色など、多様な色合いで輝き、海のパレットを彩る。
新しい生命の息吹を宿し、海の生態系を繁栄させる重要な役割を果たしている。
日本料理やグルメ料理で愛され、寿司や洗練された料理のアクセントとして使われている。
海の宝石としての美しさと生命の不思議さを伝え、謎めいた魅力に触れることで海の奥深さを感じる。
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mesenblog · 4 months
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ライスミルクの作り方はたった3つのステップです。
ステップ①原料と水を混ぜる
まずは原料と水を混ぜ合わせます。
米・玄米・米粉と水の割合は次の通りです。
炊いた米:水=1:5
生米:水=1:25
米粉:水=大さじ1:100㏄
米粉の場合はステアするだけでもできますが、ご飯の場合はミキサーで。生米を使う場合は、ミキサーにかける前に水に浸しておきます。
ご飯の炊き具合にもよるので、加減しながらマイレシピを楽しんでください。
ステップ②濾す
続いては、①でできたものを濾しましょう。
食物繊維の摂取が目的で、沈殿物や浮遊物が気にならない方は、濾さずにそのまま味わってください。濾すことによって、そういったものが取り除かれ、よりなめらかなのど越しになります。
ステップ③味付け
②でできたライスミルクは、元々ほんのりとした甘味があります。料理に使う場合は、そのあっさり感をいかすことで、応用範囲が広がります。
飲み物として楽しみたい時は、さらにハチミツや塩を足すこともできます。シナモンパウダーなどを乗せて香りや風味を楽しむこともできます。
ホットで味わうこともできますが、加熱加減でドロッとするので、好みの加減を探してみてください。
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mayoi890518 · 1 year
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眠れぬ夜には
そうだ、ブログを書こう。
最近はフィッシュマンズを聴いています。浮遊感。
足元がおぼつかない感覚に襲われつつも気づいたらステップを踏んでいる、そんな音楽。
そして何より、ひたすらに優しい音楽。
そんな優しさと自由さ、不思議な浮遊感を孕んだ様々なナンバーに包まれているときに湧き出る暖かさが心地よいです。これ前置き。
優しいと思ったことが必ずしも誰かの救いになるわけではないし、正しさは人を傷つけ、時に嘘が笑顔を作るわけで、様々な矛盾の中に人の真理がある。その真理に限りなく近づきたいというどうにもならない欲求。これに魅せられてしまった僕に何ができるだろうか。
何もしないこと、それがときに優しさだったり暖かさだったり。ただ広大な水の中揺蕩う海月のように身を任せて素直に生きていたい。
そんなふうに、ただただ広くて何もない夜空に浮かんだ綺麗な月を見ながら、ふと感じたりしました。自分の幸せってなんだろう、僕の場合きっとそれは僕の美学を貫き通すことなんでしょう。自分の美学を失ったとき、ただ一人の僕は消えてしまうのだと思いますが、手をとってくれるあなたがいれば。消えようとしている僕を見つけてくれるあなたがいれば。僕はどれだけの喜びと共に逝くことができるだろうか。そういうことに向き合いながらまた来る朝を待ち続けているのです。
おやすみ。
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haitokunikki · 1 year
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(2023/02/17)戯言・散文・日記まとめ
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異国の歴史にノスタルジックを覚えることが多い。「1898年12月24日、世界で初めてガソリンでの自動車が運転されました、運転したのはルイ・ルノーという人です」なんて聞くと、そんな解説の書かれた小さなパネルがモンマルトル街のどこかの建物にひっそり張り付いているのかと思うと、わけもわからずに泣けてくるのである。当時の人々の歓声や拍手、達成感と誇りに満ちた笑顔がまざまざと思い出されるようなのである。
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お洒落な読書垢で、本にコーヒーやケーキや花を添えた写真ばかり見かけるものだから似たような真似は二度と出来なくなった。(嘘)コンドームや灰皿、菓子類のゴミ、使用済みのティッシュ等に埋もれた友人のリルケ詩集がよっぽど粋に思える。
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旅先の海岸で貝殻を拾う親子を見かける
碧いシーガラスを陽にかざし「空がこぼれてきたみたいだ」と言った少年の透明な声がいつまでも遺る
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薔薇が見頃の時期である。とある異国の街にバイオリンの音色が響く。映画タイタニックのテーマで有名な「My Heart Will Go On」だ。重厚だが喜色に富んだメロディーを、もう散々に彷徨い草臥れたはずの両足は追った。複雑に入り組んだ小路を抜けると小さな円形の広場に出た。中央に精巧な天使を彫り込んだ石造りの噴水があり、その手前に人だかりが出来ている。視線の集中する先でバイオリンを操るのは透けるような金髪がうつくしい一人の少女だ。後方に保護者と思しき女性が控え、足元には投げ銭用の菓子缶が申し訳程度に設置されてある。少女はくるくると軽やかなステップを踏み、豊かな髪を躍動させながら自らが奏でる音や、燦々と注ぐ真昼の光と一体になっている。うっとりと聴き入る群衆のうち、祈るような眼差しで涙する中年男性の姿が、ひときわ強く印象に残る。チャペルの鐘が鳴り響く。夢心地の疲労と浮遊感に囚われ、その瞬間そこに居るすべての存在が神の恩恵を受けて耀いて見えた。人垣を超え、少女が私に微笑む。(そう思う)拍手喝采。白鳩の羽ばたき。天使の賛歌。この光景を忘れないだろう。どんな絵画よりもうつくしい記憶の一片として、私の中でたびたび蘇っては、世界がいかに眩いかを思い知らされるだろう。
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歳を重ねるにつれて好きでも嫌いでもないものが増えていくし、量より質を重視するようになる。
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・宇宙は誰かが飼っている水槽説
・生理のことをワルプルギスが来たっていう女
・残忍性を持たずして幸福になることは不可能か?
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いつもゴツめの指輪をたくさん着けているので(ほぼBijumam)知人Bに「人でも殴るの?」と訊かれる。「はい」と答える。
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thyele · 1 year
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2022年11月21日
コロナ療養中の市議、秋祭り前夜祭で餅まき 「流れでこうなった」 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASQCL7HSQQC2PISC00S.html
夫婦の愛で割引ゲット! 京都・滋賀の精肉店で「夫婦チュー割」3年ぶり開催 | おたくま経済新聞 https://otakei.otakuma.net/archives/2022111901.html
世界中で発生する液状化現象を捉えた写真集「ねこは液体」発売 | おたくま経済新聞 https://otakei.otakuma.net/archives/2022112109.html
渡辺直美、浮世絵風の“着物ファッション”が魅力しかない 「進化した日本の美」「圧倒的な存在感」と絶賛集まる(1/2 ページ) - ねとらぼ https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2211/19/news069.html
「入浴中に浮き輪を使わないで!死亡事故も」 消費者庁の注意喚起が注目集める SNSで話題の“便利グッズ”に隠された危険性(1/2 ページ) - ねとらぼ https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2211/21/news146.html
母・松原千明さんを亡くしたすみれ、父・石田純一と並び笑顔見せる 「元気で良かった」「笑顔が嬉しい」(1/2 ページ) - ねとらぼ https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2211/19/news065.html
ドミノ・ピザ、ピザ1枚を買うともう1枚が100円になるキャンペーン パスタやピザサンド、ポテトフライももう1品が100円に(1/2 ページ) - ねとらぼ https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2211/21/news082.html
きのこたけのこ紛争、中東で勃発! 好み巡って親子対立も「お母さんわかったよ…」 アラブ人の反応は?|まいどなニュース https://maidonanews.jp/article/14770169
「朝は4時起き、夜は奴隷」“農家の嫁”がブチ切れ!お酒の席で『意外な逆襲』 | 女子SPA! https://joshi-spa.jp/1203035
獣医「19歳なのに目がキラキラ、病気かも?」→「ただ可愛いだけでした」診断に爆笑「病名は『可愛いだけ』w」|まいどなニュース https://maidonanews.jp/article/14771611
毎日野生のカラスにあいさつしていたら…… マネしてお返事する姿に「言葉通じてる!」「可愛いお友達」と反響(1/2 ページ) - ねとらぼ https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2211/19/news013.html
ペスカタリアンとは?ヴィーガン・ベジタリアンとの違いも解説 https://myethicalchoice.com/journal/sustainable/pescatarian/
とうふ麺 豆干絲(トーカンスー) | 有機野菜や自然食品の購入は大地を守る会のお買い物サイト https://takuhai.daichi-m.co.jp/Goodsdetail/06116669
レジスタントスターチ - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%81
【フィギュア】“ロックスター”友野一希、MIYAVIの曲にのり激しいステップ&エアギター - フィギュア : 日刊スポーツ https://www.nikkansports.com/sports/news/202211200000521.html NHK杯4位・友野一希、世界的ギタリストMIYAVIの「What’s My Name」をロックに熱演 : スポーツ報知 https://hochi.news/articles/20221120-OHT1T51092.html
ユウさん(憂)orワダちゃん(輪打)メタルドラマー 2023年7月8日(土)主催ライヴ豊田市さん「うちの、バンド 鬼鷹(キオウ )年末にレコーディング完了しました🎵 もうすぐリリースまえに あげます レイズという曲ちょいだし❗ CDのほうは 音は 良いです🎵 https://t.co/nNV6rUb8gS」https://twitter.com/kiouband/status/1212684197556412416
kein-officialさん「【INFORMATION】 ■最新アーティスト写真公開 ■ TOUR 2023「木槿の柩」詳細公開 ※詳しくはkein Official Siteをご覧下さい。 https://t.co/wVYGSudXgh ■ 「はじまり」2022.10.20 EX THEATER ROPPONGI(Live Digest Movie)公開 https://t.co/nn9FdQloUy https://t.co/jD3xO1sY5K」https://twitter.com/kein_official_/status/1593906948713304068
真夢 / Mamuさん「【Thank you】 舞台『仮面劇・犬神』 改めまして、ご観劇や遠方からのご声援、誠に有難うございました。 長文の御礼や感想は #instagram <https://t.co/2kgfbZxX3m>に綴っておりますので是非ご覧ください。 手の鳴る方は月! #仮面劇犬神 #昭和精吾事務所 #舞台 #stage #stagephoto #寺山修司 #犬神 https://t.co/N4MKnRMfw0」https://twitter.com/tumamu/status/1593808962448633857
愚裸魅會さん「2023年1発目、おはるさんイベント 1/20.21.22の3Days浦和ナルシス 出演バンド等ホームページに公開致しました。 愚裸魅會は『蜘蛛セッション』という形で出演になります。 また出演日等の情報解禁になりましたらまた改めてお知らせ致します。」https://twitter.com/glammy2021/status/1594005199781175297
SEXX GEORGEさん「アメブロを投稿しました。 『新春SHINGO☆祭2023』 #アメブロ https://t.co/TYQC2hWiAx 3年ぶりの復活! 新春SHINGO☆祭2023 チャット予約 11/27(日)0:00〜 [email protected] 夜露詩紅🥰 https://t.co/ojqXDScmKp」https://twitter.com/abikoshinonkai/status/1593620989513850880
SEXX GEORGEさん「『緊急12/4(日)藤沢約束のチーズケーキCUTT-G』 #アメブロ https://t.co/ZKbS6MWH0k 藤沢約束のチーズケーキ 【タイトル】年忘れ心ゆくまでCUTT-G 17:00 / 17:30 ¥4,500 / ¥5,000 (別途D代) 【チケット予約】11/20(日)0:00〜 [email protected] 【配信】 ツイキャスプレミア配信予定 https://t.co/aEaI53bstO」https://twitter.com/abikoshinonkai/status/1593463056280928258
慰娑悪さん「新バンドROW-GUNの曲の、ギターソロだけ抜粋🖐️ ボチボチではありますが、遊んでばっかりじゃなくちゃんと進めてます😁 では再び籠もります😌 https://t.co/YcK7KAF2Xs」https://twitter.com/ISAO_FLYING_V/status/1592479755064180741
SID 明希/AKiさん「本日出演させていただきます🤟 @YoshikiOfficial さんのお誕生日会🎊🎊🎊 おめでとうございます👌とても楽しみです!」https://twitter.com/AKiSID_official/status/1594144533230415872
ぶいにゃす😺🎀🍓さん「おはにゃ〜🌹 YOSHIKIさんお誕生日おめでとうございますにゃ〜🌹 X JAPAN「紅」のイントロを叩いてみたにゃん🌹 素敵な一年にしてくださいにゃ〜🌹 #XJAPAN #紅 #WeAreX #YOSHIKI #HappyBirthday https://t.co/lXfp99PcOV」https://twitter.com/buinyasu/status/1594129986893807616
Hyakuさん「残り物には、ん? 使い方違うか? 余り物には?キャンセル物?には福がある〜 初ファイザー〜しかも、BA4.5だった〜 まあ、あんまり変わらんらしいけど〜 https://t.co/cbQRvBacUJ」https://twitter.com/Hyaku_LR/status/1593457514729058304
Yoshikiさん「.@LAST_ROCKSTARS での #DrumSet は @XJapanOfficial とは違うセットにする。 #YOSHIKI RT"世界で通用すると思う「日本人ドラマー」ランキング! 1位は「YOSHIKI(#XJAPAN)得票率は41.0%です」No.1 Drummer" #YOSHIKIBIRTHDAY #YOSHIKI誕生日 #TheLastRockStars https://t.co/zis8uAGmhn」https://twitter.com/YoshikiOfficial/status/1594203240111165441
ryoさん「「あとどれくらいベース弾けるかわかんないからさ、ryoと一緒にやりたいんだよね」 セッションにそう言って声をかけてもらった 即答でOKした。 その後に三橋さんが今年何度も入院を繰り返していることを聞いた、つい先日再入院となり一緒にベースも弾けないかもとも (1/3) https://t.co/1dlfN2Bwzl」https://twitter.com/ryo_dalli/status/1593862019752415234
ryoさん「駆け出しバンドマンの頃、新潟もしくは東京から札幌に着くといつも三橋さんは暖かく出迎えてくれた。世話焼きで優しい人 その後しばらくの期間を置いてKEELのライブに来てくれた 再開した時、俺の活動と成長をとても喜んでくれた。 とても嬉しかったし、続けてきてよかったと。(2/3)」https://twitter.com/ryo_dalli/status/1593862023065923584
ryoさん「そして明日三橋さんとの初のセッションが実現する ギリギリの日程だけど無事に退院できそうだとのこと 本当によかった。神様が味方してる ���貴分の朝樹さんもいるし心強い 心から楽しもうと思っている。 早く逢いたいな 来場チケット https://t.co/RzXDNYgB6v 配信チケット https://t.co/4MXXFbCaFT」https://twitter.com/ryo_dalli/status/1593862025284702208
gibkiy gibkiy gibkiyさん「【今年を締めくくるワンマンツアー 名古屋編】 2022年ラスト名阪ツアー 2022 “too red too blood” 日程:2022年11月26日(土) 会場:名古屋 HeartLand 時間:open 18:00 start 18:30 https://t.co/jufOHzVvGV」https://twitter.com/gibkiy_official/status/1593862858244489217
gibkiy gibkiy gibkiyさん「【今年を締めくくるワンマンツアー大阪編】 2022年ラスト名阪ツアー 2022 “too red too blood” 日程:2022年11月29日(火) 会場:心斎橋 VARON 時間:open 19:00 start 19:30 https://t.co/68JoAlD4By」https://twitter.com/gibkiy_official/status/1593863257051500544
Ryuichi Kawamuraさん「https://t.co/QJ82o1MTk2」https://twitter.com/RyuichiKawamur2/status/1593864651800211457
shibuya gee-ge.(渋谷ジージ)さん「【本日配信LIVE!!】 『What Is Jam? Vol.2 - Rage at Gee-Ge!!』 ●2022/11/19 Sat 21:00 START ●販売ページ https://t.co/AUwztZGtnI ●配信視聴チケット ¥2,300 ※アーカイブ2週間 12/3(Sat)23:59まで ■Act【小SHAG】 @SUGIZOofficial @kenken_RIZE @kazzbe @hipnops https://t.co/1oKTOTwDBQ」https://twitter.com/shibuyageege/status/1593863198398377985
shibuya gee-ge.(渋谷ジージ)さん「【Tonight!!!!】 ■ 『What Is Jam? Vol.2 - Rage at Gee-Ge!!』 ■2022/11/19 Sat 21:00~START ■Viewing fee ¥2,300-(JPY) ※Archive 2 weeks until 12/3 (Sat) 23:59 ■ https://t.co/rEbXeQF091 ●Performer 【SHAG】 @SUGIZOofficial @kenken_RIZE @kazzbe @hipnops https://t.co/KGnx6I2AN5」https://twitter.com/shibuyageege/status/1593865843234189318
MOCLOUD MUSIC label & booking agency in Japanさん「『What Is Jam? Vol.2 - Rage at Gee-Ge!!』2022.11.19(土) 21:00〜 ¥2,300 今回は配信ライブです! 渋谷Gee Geから完全即興演奏予定です。出演 SHAG : SUGIZO (g, vln) KenKen (b) 別所和洋 (key) 松浦千昇 (dr) 🎫JP→ https://t.co/I3PJdzv1j9 🎫for English users↓ https://t.co/XJglAmqZpg」https://twitter.com/MocloudMusicGp/status/1593581338158075904
Ryuichi Kawamuraさん「https://t.co/NW4u5R1m0l」https://twitter.com/RyuichiKawamur2/status/1593868011366014977
UNCLOCK LOVER 頼田陵介さん「昨日11/18目黒Live stationのライブ! ご来場下さいました皆様ありがとうございました😆 ワンマン前に良きテンションでライブができました❗️ 次回はいよいよワンマンライブ‼️ 最高の夜にできるようがんばるね👍✨ 11/18目黒Live Station 1.暁 2.GLORY 3.Lastry 4.Spiral 5.線上戦歌 6.Ready go https://t.co/sbD8Ee0jpV」https://twitter.com/yorita_ryosuke/status/1593872255209312256
ヴィジュアル博士のる@監修オムニバスCD2種発売中さん「Shinyaさんが地元探訪をしている、実は昔樟葉の数駅隣に住んでたのでくずはモールはよく自転車で行ったな。 樟葉は大阪市内にも京都市内に出るにも同じぐらいの時間で行けるし程よく街中だし今思うと永住するには最適な街だよなあ… 【樟葉】生まれ育った街くずは!【KUZUHA】 https://t.co/9AbYPNJFu5」https://twitter.com/vr_noru/status/1593874307268358149
Yoshikiさん「#TheLastRockstars - #YOSHIKI #HYDE #SUGIZO #MIYAVI form new supergroup! Live Debut 2023 Tokyo - New York - Los Angeles on sale NOW! @LAST_ROCKSTARS @YoshikiOfficial https://t.co/3FPX86N863」https://twitter.com/YoshikiOfficial/status/1593881168889274375
リアルゴールド X/Yさん「|#無敵の自分へ 走り続け、挑戦し続ける| #リアルゴールドXY は突き進むキミのためのエナジー 【フォロー&RTキャンペーン】 1,000名様にリアルゴールド Xのドリンクチケットが当たる! 1. @RealGold_XYをフォロー 2.この投稿をRT 写真投稿で当選チャンスUP! Instagramからの参加でさらなるチャンス」https://twitter.com/RealGold_XY/status/1593801238851690497
Yoshikiさん「Come see us! #YOSHIKI RT @LAST_ROCKSTARS #TheLastRockstars NYC & LA ! Feb. 4, NYC @ManhattanCenter : https://t.co/S9Tf2UpHAw Feb. 10, LA @ThePalladium : https://t.co/zBqggmaNAu #YOSHIKI #HYDE #SUGIZO #MIYAVI @LiveNation @LiveNationNYC https://t.co/AYTFc3rjcW https://t.co/gbyuypS2R2」https://twitter.com/YoshikiOfficial/status/1593881948069695488
森翼/MIMIZUQさん「今夜です!」https://twitter.com/mori_tsubasa/status/1593883396295774209
Yoshikiさん「See you tomorrow #YOSHIKI 11/20 #YoshikiChannel : Celebrate #YOSHIKIBIRTHDAY with a roundtable feat.#VisualKei stars join @YoshikiChannel to watch Pt.1  7pm JST Pt.2 8:20pm feat. bday messages from  @YoshikiOfficial's friends & superstars #contest https://t.co/dz0RARKdcV」https://twitter.com/YoshikiOfficial/status/1593884393398886400
seekさん「Psycho le Cemu 「もう一度、くちづけを」 インストアイベント このあと19:30から TOWER RECORDS新宿店にて ご来場お待ちしております。 https://t.co/I70Gc39O7z https://t.co/ErqLK5vzIH」https://twitter.com/seek_bonshisya/status/1593886733233696769
YOSHIKI CHANNELさん「明日 #YOSHIKICHANNEL #YOSHIKI 誕生日SP #GACKT さんからもお祝いメッセージが到着 豪華著名人から続々とメッセージが届いてます 是非ご覧ください! niconico https://t.co/EWnuwZoiw4 YouTube 第1部 無料 https://t.co/C9klOpQ7OL 第2部 有料 https://t.co/F8UHFYckCF @YoshikiOfficial @GACKT https://t.co/hFjNT8sbH0」https://twitter.com/YoshikiChannel/status/1593836550764171264
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splitterselbst · 2 years
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10.26
ある音楽番組で5拍子の特集をしていた。三拍子、四拍子ほど親しみもないから「そんな曲あったかなぁ」と思いながらみていたら、有名なジャズと古いドラマのテーマ音楽を演奏していた。知ってる、めっちゃ知ってる!
兄がまだヨチヨチ歩きだった頃、あるドラマのテーマがなるとテレビの前で踊り出したという伝説がある。親がいうには「曲が流れている間、ひとりでずっと前後左右に行ったり来たりしてステップを踏んでいた」らしい。私が知っているあの兄が、自ら踊り出すなど想像できない。しかし当人にも記憶があるらしく「何でやったんかな、止まらへんねんあの曲は…」というではないか。意外な過去が明らかになった。人は見かけによらぬものだ。と、その話をしていた当時は思っていた。そのテーマ音楽が、番組で紹介された曲だった。
解説していたタブラ奏者が言う「馴れないとリズムをとるのが難しく感じるかもしれないですが、浮遊感が心地よくて、もうすべて5拍子だったらいいのにって思いますよ」確かに、それヨチヨチ歩きの兄が証明している。
※ドラマは本放送じゃなく再放送 
※さすがに幼児の起きてる時間じゃないから 
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blueenemydefendor · 2 years
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ホロポーテーション
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「ホロポーテーション(holoportation)」とは
ホログラムとテレポーテーションを組み合わせたシステム。
現実空間に「そこにはいない人」などのオブジェクトを 立体的に投影する技術。
モーションキャプチャ技術を利用して、 仮想シーンに実物のようなイメージを映し出す手法です。
仮想世界を体験するための技術は他にも複数あります。
ゲーム業界においては、仮想現実(Virtual Reality、VR)や 拡張現実(Augmented Reality、AR)、代替現実( Substitu tional Reality、SR)といった技術が用いられることは一般的 になりました。
複合現実( Mixed Reality、ミクスト・リアリティ、MR)とは
現実世界と仮想世界を複合・融合させ、相互にリアルタイムで 影響し合う空間を構築する技術を指します。
MRでは現実世界の3次元の情報を認識し、仮想世界の物体に 近づいたり、手でCGを操作したりできるなど、現実世界と 仮想世界がより一層融合している点が異なります。
また、このような仮想世界を実現する技術の総称として、 XR(Extended Reality)があります。
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下記にwikiより抜粋しました、参考にしてください。
(全てCGによる映像を使用しているものがVR、 現実世界の映像にデータや映像、CGをオーバーレイした ものがAR、 重ねられた映像やCGと現実世界に物理的な相互作用を作り 出したものがMRと、 現実世界と仮想世界の融合度合いによって分類され、 それぞれの表現に使われるハードウェアも異なる。 XRの「X」をさまざまな技術を表す変数を意味するものとして 「xR」と表記されることもある。)
2016年にリリースされ大ヒットとなった「ポケモンGO」も、 拡張現実ARを利用したゲームです。
ホロレンズは、このような仮想世界と現実世界のより一層の 融合を可能にするデバイスです。
マイクロソフト社が研究開発を進めているHoloLensをはじめと したMR(複合現実)技術をもとに開発されています。
超能力やSFの架空の技術に「テレポーテーション」があります が、テレポーテーションは実在の物体を別の空間へ移動する 能力に対して、「ホロポーテーション」は実在の物体を別の 空間に移動させるのではなく、等身大の立体映像として「投影」 することで、そこに物体を「呼び寄せる」ような事ができます。
空間に浮かび上がる人の映像。 もはや「浮かび上がる」というような表現は的確ではなく、 完全にそこにいるかのような存在感で映し出されます。
現代における通信手段が格段に進化しました。 MR(複合現実)アプリ開発プラットフォーム 「Microsoft Mesh」によって2016年にはすでに話題になって いました。
ここで歴史を遡ってみます。
通信手段の流れを早送りします。
19世紀半ば、グリエルモマルコーニ氏は、無線電信の 発明により、無線通信への道を開きました。
そして1920年までに、人々はラジオを使用していました。
その後、コンピュータネットワークが開発され、1965年に なると、MITで電子メールが誕生しました。
新しい開発が続きました。 ロバートカイリュー氏とティムバーナーズリー氏は 1989年にワールドワイドウェブを発明し、スマートフォン は英国で導入されました。
そしてマイクロソフトは2003年に、ビデオ会議プラット フォームであるSkypeを発表しました
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ホログラム投影と言えば真っ先に思い浮かぶのがスター ウォーズでR2-D2が映し出したレイア姫ですね。
あれから45年、VR(仮想現実)技術も進化しテレポー テーションさながらの実在感溢れるデバイスがついに 登場しました。
これらの開発のそれぞれが、長距離通信の管理方法に根本的な 変化をもたらしホロポーテーションも同じことをする可能性が あります。
ホロポーテーションとは何か、どのように機能するか
実用性 
テレポート:ホロポーテーションを活用することによって、 会いたい人にその場で会えたり、遠くにいる人に会いに 行ったりと、まさに瞬間移動のようなことができるようになる。
ホロポーテーション技術が単なる空想科学小説から現実に 変わったのではありません
3Dキャプチャテクノロジーの一種であるホロポーテーションは、 実在の人物を撮影し、リアルタイムのライブコミュニケー ションセッション用にホログラムの形で3D画像を作成できます。
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NASA、「ホロポーテーション」で医師を宇宙船へ派遣
NASAがホログラムで医師を国際宇宙ステーションにテレポート、 リアルタイム立体映像送信技術「ホロポーテーション」
仮想的な移動によって、人が地球のはるか上空まで送られたのは、 今回が初めてのことだ。
CNET News 2022年4.21記事より https://japan.cnet.com/article/35186465/
ついに宇宙にまで存在できるようになりました。
仕組みはどのようでしょうか?
ホロポーテーションは、人々の高品質な3Dモデルを再構築、 圧縮、および世界中のどこにでもリアルタイムで送信できる ようにする新しいタイプの3Dキャプチャテクノロジーです。
このテクノロジーをHoloLensなどの複合現実ディスプレイと 組み合わせると、ユーザーは3Dでリモートの参加者を実際に同じ 物理空間に存在するかのように見たり、聞いたり、操作したり できます。
リモートユーザーとのコミュニケーションと対話は、対面コ ミュニケーションと同じくらい自然になります。
マイクロソフトだけではありません。
PORTL Hologram(ポートル・ホログラム)の創設者David Nussbaum(デイビッド・ヌスバウム)氏は「次なる論理的な ステップは、ホログラムによるコミュニケーションの楽しみ を多くの人に届けるマシンの製造だ」と言っています。
Holoportation技術に特化した別の会社が組み合わ されば自宅に座ってホログラムを世界中のどこにでも 送信できます。
PokémonGOの開発者であるNianticなど、テクノロジーの 世界から集まった多数の大物が、Microsoftと協力して、 この複合現実の新しい世界での可能性を示しています。
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日本でもMR(複合現実)とビッグデータを組み合わせた ソリューションの開発を手掛けるDataMeshと、携帯販売 代理店大手のMXモバイリングは2019年、NTTドコモの5G 検証環境「ドコモ5Gオープンラボ Yotsuya」において 「HoloPortation(ホロポーテーション)」の実証実験に成功 したと発表しました。
トヨタ自動車が全国のGR Garage(トヨタのお店)に HoloLens2 を導入しました。
北米トヨタでは、米国、カナダ、メキシコで毎年100万台 以上の車両を生産する数万人のチームメンバーのトレーニング に、ホロレンズ 2を使用しています。
ホロポーテーションテクノロジーは私たちの生活をどのように 豊かにするのか?
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遠隔地に居てもお互いの姿を確認できる。
これにより、お互いが実際にそばにいるかのような オンラインミーティングを実現。
MR(複合現実)で表示される映像やCGを共有しながら議論が できるようになる。 もちろん実際の姿ではなく、「アバター」を使って参加 することもできる。
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建築家やエンジニアは、3DCGで作成したモデルをスタッフと 共有し、例えば、エンジンの3Dモデルを分解する様子を、 遠隔地に居ても皆で見ながら議論ができる。
学術分野でも活用が可能で、研究深海探査船「OceanXplorer」 での事例を紹介。
Mesh対応の「ホログラフィックラボ」を船上に設置し、船内の 科学者と、世界中の研究室やオフィスからバーチャルに集まる 科学者が、航海エリアの3Dホログラムなどを見ながら 研究を行なっているという。
遊びの分野でも、友人と一緒にゲームを楽しむことも可能に なるという。
バーチャルでのコンサートや演劇など、世界中のエンター テイメント会場をデジタル上に描写し、リビングルームから でもライブ会場を体験できる試みはすでに行っている。
マイケル・ジャクソンや2パックといった、亡くなってしまった 人気ミュージシャンをホログラムで蘇らせて、生前さながらの パフォーマンスを再現できる。
空港や公共施設などで、有名芸能人のCMなどで沢山利用される 絵が見えてきます。
マイクロソフトのテクニカルフェローで「HoloLensの父」である、 アレックス・キップマン (Alex Kipman) 氏は、「これは複合 現実を生み出した初期の頃から描いていた夢のアイデアです。
実際にコンテンツを共有している人と同じ場所にいるような 感覚になれますし、別の複合現実デバイスからテレポートして 物理的には側にいない人と一緒にいることもできます」と 話しています。
Meshの可能性は、マイクロソフトがこれらのコンセプトを どのように現実のものにするかにかかっていますが、 今回紹介されたデモの数々は日常生活に浸透するまで しばらくは時間がかかるでしょう
MR(複合現実)技術を用いることで遠隔、非接触で進める ことが可能になります。
新型コロナウイルスの影響によりテレワークによる働き方 が急きょ注目され、MRを用いた働き方は5Gによるネット ワークの高速化やAIの発展もあり、右肩上がりに拡大して いくと考えられます。
説明より体験してみたい、そう思うのが実際のところでしょう。
マイクロソフトのホロレンズを入手するなどが必要と なりますので詳しくは省きます、下記をご参照ください。 個人向けにはまだ販売されていないようです。
https://www.moguravr.com/hololens-information-summary/
Hololens用Microsoft Meshアプリ Microsoft Meshとは?
MR(複合現実)で実現する新しいコミュニケーションで 離れた人と共同作業できるなど多岐にわたります。
Microsoft Meshとは、クラウドサービスであるMicrosoft Azureを活用したMR技術のプラットフォームです。
マイクロソフトメッシュアプリの使用方法は 下記を参考にしてください。
日本マイクロソフト株式会社 公式チャンネル https://www.youtube.com/watch?v=Te3TYouiLMk こちらのyoutubeは34分ですが、 Microsoft Meshに ついて参考となる動画です。
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再度、MR(複合現実)に必要なデバイスとは
MR(複合現実)には仮想空間を体験するためのゴーグル型の デバイスが必要です。
代表的なデバイスはMicrosoft社の「HoloLens2」ですが、 そのほかOculusシリーズやiOS/Android搭載のスマホや タブレットもサポートしています。
もっと詳しく知りたい人向け、わかりやすいブログの紹介 https://www.cloud-for-all.com/blog/what-is-microsoft-mesh こちらをご欄ください。
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2年前の本ですが紹介します。
『2030年すべてが「加速」する世界に備えよ』です。 この中にかなりMR(複合現実)について書かれている ようです。
著者「ピーター・ディアマンディス」はイーロン・マスクの 盟友でもあるそうです。 読んでみたくなりました。
早くみんなで「ホロポーテーション」してみたいと思いませんか。
ホロポーテーションのイメージとして「2パック」のホログラム映像
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kazuya-ikezoi · 2 years
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白い塗壁の家の事例です。 玄関ドア、軒天の木の素材が映えるよう、白の塗壁で全体を統一しています。 ガラスと階段を浮かせたステップにして、軽快ですっきりした印象になるようひと工夫。 気になる点や質問があれば、気軽にコメント、DMお願いします! よかったら、気軽にフォローもお願いします。 #外観デザイン #外構デザイン #外壁塗壁 #玄関デザイン #モルタルポーチ #スウェーデンドア #木製ドア #浮遊ステップ #軒天板貼り #設計士とつくる家 #設計事務所とつくる家 #建築士とつくる家 #香川 #愛媛 #徳島 #コラボハウス https://www.instagram.com/kazuya_ikezoi/p/CYWaxNvrUHJ/?utm_medium=tumblr
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myoudani-church · 3 years
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2021/05/23 聖日礼拝
説教題:創世記(18)神様を礼拝する信仰
聖書:創世記12:1〜9
讃美:新聖歌3、20
  主の聖なる御名を崇めます。
牧師の突然の入院のため、ここのホームページに説教文をアップさせていただくことになりました。これをお読みになる方やおうちでネット礼拝をささげる方々に神様の豊かな恵みがありますようお祈り申し上げます。
 私たちは創世記を学んでいます。第12章に来て、神様がアブラムに行われたことを学びました。神様はアブラムに信仰をお与えになりました。その信仰とは次のようなものです。
一、古い人を脱ぎ捨てて新しい人を着る
二、神様の命令に従う
今日は、これに続いて「神様を礼拝する信仰」について学びましょう。
 まず、礼拝とは何ですか?色々の言葉で表すことができると思いますが、今日の聖書箇所から教えられることがあります。アブラムの行動からです。「礼拝とは、神様を求めること」です。神様はアブラムにこのような信仰をお与えになりました。
 まず、12:7を読みましょう。
主はアブラムに現れて言われた。「わたしは、あなたの子孫にこの地を与える。」アブラムは、自分に現れてくださった主のために、そこに祭壇を築いた。
 12:8も読みましょう。
彼は、そこからベテルの東にある山の方に移動して、天幕を張った。西にはベテル、東にはアイがあった。彼は、そこに主のための祭壇を築き、主の御名を呼び求めた。
 アブラムは、自分に現れてくださった主のために、そこに祭壇を築きました。それから、しばらく経ってベテルの東にある山の方に移動して天幕を張りました。この時、アブラムはまだ遊牧状態だったことがわかります。
 では、アブラムが祭壇を築いた目的は何ですか?それはいけにえの動物を神様に献げるためです。いけにえの動物を神様に献げる行動は、旧約聖書に現れる「礼拝の行為」です。神様を礼拝する者が、感謝の意味として、あるいは罪の贖いの意味として、いけにえの動物を神様に献げます。
それから、7、8節に直接に書かれているように、祭壇を築いた目的は「主のため」であることがわかります。
 こういうことから、アブラムが祭壇を築いたという表現は、「神様を礼拝した」、或いは「神様を求めた」、「神様を覚えた」と言い換えられるのではないでしょうか。即ち、アブラムはカナンに着いて、神様を覚え、求め、礼拝したということになります。神様がアブラムにお与えになった信仰は、神様を覚える信仰、神様を呼び求める信仰、神様を礼拝する信仰です。これはまた、神様を恐れる信仰と言えます。
 異教の地に住んでいたアブラム、神様を知らなかったアブラムをお召しになり、彼をイスラエル民族の始祖としてくださった神様は、彼に神様を礼拝する信仰をお与えになりました。彼がカナンの地に着いて、一番最初に行った主な事は、祭壇を築くこと、すなわち礼拝でした。長い旅をして来た彼とその家族、まだ遊牧民のような生活が続く中で、彼は2回も祭壇を築きました。言い過ぎかもしれませんが、彼は行く所々で神様を礼拝したということでしょう。神様を覚え、求め、恐れている彼の信仰の様子が良く現れています。
 このような信仰を私たちに適用していただきたいです。アブラムに神様を礼拝する信仰をお与えになった神様は、同じく私たちにもお与えになりました。では、私たちは神様からいただいた「神様を礼拝する信仰」をどのように行っているのでしょうか。自分の信仰をかえりみていただきたいです。
 神様を礼拝する信仰とは、神様を求めることです。生活のどの領域においても神様を求めることです。「主よ。ここに来て下さい」と求めることです。神様の臨在を求めることです。これはほかのどのものよりも神様を第一に求めることです。聖日になって、教会に行って、礼拝式を行うこと以上に、私たち自分自身の中に常に神様を第一に求める霊の状態を持ち続けることです。それからその第一の場所に神様以外のものを居座らせないことです。これは出20:3の「あなたには、わたし以外に、ほかの神があってはならない」というみ言葉を実践する生活です。
 では、私たちの実生活の様子を覗いてみたらどうでしょうか。私たちは弱くて罪深い者であって、知りながらも心の偶像、偽りの神を作ってしまいやすいのではないでしょうか。
 それでは、いったい偶像とは何でしょうか。それは、私たちが神様よりも重要だと見なすもの、私たちの心と思いのすべてを吸い込むもの、そして、私たちが神様からしかいただけないものをそこから得ようとする、すべてのものが心の偶像です。目に見える偶像を作っていなくても、とある石像を拝んでいなくても、上記のようなものが私たちの心にあるなら、それこそ心の偶像です。
 そして、私たちがこういった心の偶像を持っているなら、それは「偽りの神」になってしまうのです。神でないものを神のように見なすから、偽りの神です。まことの神様が居座っておられるべき場所に、神以外の何かが居座っており、そしてそれらが私たちの心をコントロールできるので偽りの神です。人はそれに情熱、エネルギー、感情、時間、金銭などを注ぎ込みます。
 偽りの神になりうるものにはこういうものがあります。家族と子ども、仕事や成功、金銭とそこから得られる満足感、虚栄や見栄え、人からの賞賛や人に認められたい欲求、社会的地位を維持すること、恋人や人間関係、身体の健康、将来の夢、ボランティア活動や救済活動、教会での奉仕などが偽りの神になりうるという事実を認めなければなりません。
 では、私たちの内にもしもあるかも知れない偽りの神を捨てて、まことの神様のみを第一にし、この方のみを礼拝することができるでしょうか。心の偶像、偽りの神を持っているということは、自分の心が神様以外の何かのために生きている、という状態です。ですから、心の偶像を捨てるためには次のようなプロセスが必要です。
 まず、自分に心の偶像があることを認め、悔い改めることです。ここから始めます。自分には神様以外の何かのために生きている自分自身があることに気づき、認め、悔い改めます。
 その次のステップは、心の偶像を神様に置き換えることです。神様が私たちのためになさったことを覚え、感謝し、喜び、味わい、そこに憩うことです。つまり、神様の愛を自分の心の中に植える作業をします。偶像を追い出しても、神様の愛を喜ぶことがないなら、偶像はまた来ます。神様から来るものだけで十分な喜び、満足感、楽しみ、生きがいを体験し続けている時、偶像は私たちの心の中に巣を作ることはできません。それらに見向きもしないし、関心も持っていないし、味わおうともしないからです。
 ここで思い浮かぶみ言葉があります。ハバクク書3:17〜18です。
「いちじくの木は花を咲かせず、ぶどうの木には実りがなく、オリーブの木も実がなく、畑は食物を生み出さない。羊は囲いから絶え、牛は牛舎にいなくなる。しかし、私は主にあって喜び踊り、わが救いの神にあって楽しもう。」
 何もなくても、神様にあって、神様のために喜び踊り、神様にあって楽しめる霊の状態になることです。神様から得られる幸せ、神様との関係から得られる平安、言いようがない喜びや満足が溢れているから、ほかのもので置き換えたくありません。神様を愛し、礼拝する甘さや楽しさにどっぷり浸かる人は、ほかの代替を思いめぐらすことはしません。簡単に言って、「もう、ほかは要らない!」という霊の状態です。
 願わくは、神様を礼拝する信仰がこのようなものであってほしいです。神様を愛し、神様を礼拝する甘さ、楽しさ、喜びにいつもどっぷり浸かっていて、神様のみで満足する者でありたいです。これこそ、神様を第一にする信仰、神様を最高の価値にする信仰ではないでしょうか。
 説教を終わりたいと思います。
アブラムは主のために祭壇を築きました。彼は神様を第一に覚え、この方を求め、礼拝しました。彼のこれからの人生に失敗も現れますが、彼をお召しになり、信仰をお与えになった神様は彼をずっと握ってくださり、信仰を守らせてくださり、導いてくださいます。この恵み豊かなお方を私たちの唯一の神様にし、いつまでも喜び、ほめたたえ、礼拝する者とさせていただきましょう。アーメン。
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ats0101 · 3 years
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ネスターゲームズ(nestorgames)について その4
この記事は ボドゲ紹介 Advent Calendar 2020 の10日目の記事です。前日はリアルでも交流のあるキヌさんの記事でした。最近は九州でのモルック普及にも精力的に活動されてますね。
さてこのAdvent Calendarには2016年からの参加で今回が5回目。毎度毎度のnestorgames紹介です。
nestorgamesはアブストラクトゲーム (超ざっくり言うとテーマ性ほぼゼロ&運要素ゼロのゲーム、将棋やオセロなど) を中心にリリースしているスペインのパブリッシャー(メーカー)です。
nestorgamesの代名詞と言えば、下の写真中央にもあるペンケース型で統一されたケース。1ケース1ゲームのコンパクトさで、箱つぶれを気にせず鞄に放り込んでどこでもプレイできる優れものです。 この形以外にも写真左にある体積4倍のビッグケースや、巾着袋がそのまま盤面になったりするバッグタイプなどもあったりします。
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2年前から日本のショップで正式に取り扱いが始まり、今年は全国流通にも乗ったので見かける機会がさらに増えました。といっても何それ?という方は多いと思います。興味を持たれた方は過去の記事 (その1、その2、その3) も見てみてください。
ちなみに日本で直接取り扱われているのは、バネストさん(名古屋)、サニーバードさん(長崎)、ヒカリゲームズ堺さん(堺)、アグレットさん(福岡)、Jelly Jelly Cafeさん(全国) ですね。ジェリカフェさんから卸で置かれているショップもあって、東急ハンズなどにも置かれていたみたいです。 ここで取り扱われていないゲームは公式サイトで注文できます(到着まで1~2ヶ月はかかりますが)。
※2020/12/10現在、COVID-19の影響で材料が手配できないらしく、一時的に公式サイトのカタログからゲームが大幅に無くなっています。早く解消されるといいのですが今は待ちましょう。
ではようやく紹介に入ります。ルールや勝ち方が分かりやすいビギナー向けから、一見すると何をしたら勝ちにつながるのか分からないゲーマー向けまで色々と挙げてみます。
カバとワニ (Hippos & Crocodiles)
4 (Four)
ブリンク (Blinq)
ディヴォック (DIVOC)
エクシット (Exxit)
アライアンス (Alliances)
グザッツ (xats)
フィレンツェ (Firenze)
スラカルタ (Surakarta)
ミツドモエ (Mitsudomoe)
カバとワニ (Hippos & Crocodiles)
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さてさて最初はやっぱりビギナー向けがいいですね。 
各自が1種類の動物(タイル)を担当してそれを交互に置いていき、自分の動物を置くスペースがなくなったら負け。ルールのシンプルさはnestorgames堂々第1位。
各自、自分のタイルの形が決まっているので、自分だけしか置けないスペースをいかに作っていくかがポイントです。
小さい子と一緒に遊んで和むもよし、大人同士でひたすらイヤラシい手を打ち合うもよしです。
写真は今年出た3Dプリント版で、フルセットには追加の動物、色々なボード、障害物なども付いてきます。
このタイルが地味に良くて、適度に抽象的なデザインのうっすら2層構造。ずっと触っていたくなる感じです。実物のボードゲームならではのプラスアルファを感じることができますね。
4 (Four)
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もうひとつビギナー向けを。
4色×4形状のタイルを4つの配置ルールで置いていくという4だらけゲームで、これも目的は相手を手詰まりにさせるだけ。
配置ルールは
既存のタイルに隣接させること
相手が今置いたタイルと色も形も違うこと
同じ色や形のタイルに隣接させないこと
9×9マスに収まること
という1分で説明が終わるシンプルルールです。
手なりでプレイしてもまあOKなんですが、中盤以降に相手の残りタイルを見ながら先々の自分の逃げ道を確保しようとすると、結構考えどころが出てきて面白くなります。
1プレイも短いし、サクッとプレイしてみてはどうでしょう?
ブリンク (Blinq)
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お次は赤と黒のツートーンカラーがどことなく和を感じさせるコレ。
1人が赤、もう1人が黒を担当し、上から見て自分の色の対辺をつなげたプレイヤーの勝ち。いわゆるコネクションゲームです。
置いていくのは自分の色と相手の色が対になっているたった1種類のタイル。nestorgames通の方なら「あーあるある」となるパターンのやつですが、このゲームはそれを立体のピラ���ッド状に置いていきます。
相手を利さずに自分の対辺をつなげるのが悩ましく、上に置かれてルートが潰されることも加味しながら置いていく必要があります。
プレイしてみると盤面がコンパクトでスクエア型ということもあって案外分かりやすく、幅広い人にオススメです。
コネクション系と言えばヘックス(Hex)や最近日本語版が出たツイクスト(TwixT)、nestorgamesで言えばコンヘックス(ConHex)などがありますが、同ジャンルのそれらに比べるとかなり取っつきやすい部類ではないでしょうか。
写真にある4×4の上級版として5×5版もあります。バッグの片面が4×4、もう片面が5×5の盤面になっていて完全上位互換なので、コネクション系が好きな人は初めから上級版を入手した方がいいでしょうね。自分も最初4×4を買いましたが、面白かったのですぐ5×5にアップグレードしました。
ディヴォック (DIVOC)
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COVID-19によるロックダウン中に作られ、ソーシャルディスタンスと逆行する勝利条件から、タイトルはCOVIDの逆読みです。
手番では1個のピラミッド(重なっている場合は一番上だけ)を縦横の直線上にあるマスに移動させます(空いていても空いていなくてもOK)。手番終了時に上から見て自分のピラミッドが縦横につながる1集団になっていれば勝ち。
これもルールは超シンプルではありますが、手番を行うたびにどんどん終了へ向かっていくこれまでのゲームと比較すると、移動によって相手のピラミッドが解放されたり、つながっていた集団が分断されたりということがあるので若干先が読みづらいゲームです。思い通りにプレイするには一工夫必要という意味では少しだけ脱ビギナーくらいの人向けかな。
エクシット (Exxit)
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ここらで結構難易度高めのゲームに行ってみますよ。
このゲームでは、プレイヤーたちはヒンドゥー教のシヴァ神が持つ相反するパワーになりきり、破壊のダンスと天地創造によって外宇宙へ進出しながら世界を構築し、最終的に世界に浮かぶ島々をより支配しているプレイヤーが勝利します。
ん?何が何やらさっぱり? いやいやよく見てください。テーブルが宇宙、配置されたタイル全体が世界、同じ色で連続しているタイル群が島と思えばほら、見えてきますよね? 見えてきませんかそうですか。では皆さん想像力をフルに発揮して、頑張って「自分たちは世界を造ってるんだ!」と思い込んでください。
じゃ、概要です。 赤プレイヤーと銀プレイヤーに分かれ、自分のディスクを配置・移動したり(=破壊ダンス)、盤面の外側(外宇宙)にあるディスクを自分のタイルに置き換えたり(=世界の拡張)して、タイルが全て配置されたらゲーム終了。 各自の一番広い島(タイル群)は2点、それ以外の島は1点で、得点の高いプレイヤーの勝ちです。
このゲームは一筋縄では行きませんよ。手強くさせているのが、特定の条件を満たすと強制的に発生するマンカラ移動。条件に一致したら、たとえやりたくなくても道中にディスクをポトポト落としながら移動して手番終了です。
これが発生しなかった場合に限って、自分のディスクを置いたり、2タイル以上に隣接する外側のディスクを自分のタイルに置き換えることができます。ちなみにタイルの置き換えは連鎖反応を起こすので、一気に自分の島が拡がったりします。
基本的に自分の行動で直接島を拡げることはできず(普通は相手に乗っ取られるので)、相手の強制移動を誘発させた後の自分の手番で島を拡大するというのが、このゲームの取っつきにくい点です。しかし、相手の動きをうまくコントロールして大量に自分のタイルを配置できたときは爽快ですよ。
相手をコントロールして間接的に点を取っていくプレイ感はGIPF projectのゼヘツ(ZÈRTZ)に似ており、このゲームは島が崩れていくゼヘツと違って島が次々拡がっていくことから一部で逆ゼヘツと呼ばれているのも納得です。
好き嫌いは分かれると思いますが、ゼヘツが好きな方はぜひプレイしてみてほしいですね。
アライアンス (Alliances)
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手前で紹介したブリンクと同じコネクション系ですが、こっちは中々ややこしいゲームです。コネクション系に慣れ親しんだ人以外にはあまりオススメできません。
1手番に1個ずつディスクを置いていって対辺をつなげるというヘックス(Hex)ベースのゲームなんですが、このゲームには自分の色というものがありません。上の写真は3人プレイではなく、あくまで2人プレイなんですよね。
コネクション系としてはそれだけで「え?」という感じなんですが、さらに各対辺はその色以外にもうひとつ別の色(同盟色)を一緒に使ってつなげることができ、その組み合わせが自分と相手で違います。手番ではどの色のディスクを置いても構わず、先に対辺を2色つなげた方の勝ち。ヘックスを知っている人なら「な・・・・なんだってー!!」となるところです(なってください)。
上の写真では、手前側のプレイヤーはオレンジと緑の2色でオレンジの対辺をつなげますが、奥側のプレイヤーがその2色でつなげるのは緑の対辺です。別の見方では、対辺と同じ色のディスクはどちらのプレイヤーのものでもある(共有色)とも言えます。
相手を利することがないようになるべく対辺の色ではなくその同盟色を置こうとしますが、一方でそれは60°回転した辺から見ると共有色(あるいは相手の同盟色)になるわけだから・・・??? 頭が混乱してきます。
二叉の配置や離れて攻めるといったヘックスの基本はここでも有効かつ大前提ではあるんですが、この独特の感覚に悩むこと間違いなし!
ヘックスに自信がある人にこそ試してほしいゲームです。
グザッツ (xats)
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さて、今度は小粒ながらピリッとしたこのゲームを。1タイルが親指の爪くらいでケースも手の甲+αくらいしかない、オインク小箱もビックリのミニマムコンポーネントです。
あ、でもアブストラクト好きの人じゃないと「んー、よく分からん、もういいや」で終わりそうなゲームなので、出す相手は選びましょうね。
そう前置きしつつルール説明です。各自トゲのある独特のタイルをもってスタートし、手番でやることはタイルの配置またはスタックの破壊です。
配置:手持ちのタイルを場のスタックに乗せます。ただし、スタックの一番上にあるタイルよりトゲが少なく、かつ全てのトゲがそのタイルからはみ出ない場合にしか乗せられません。どのスタックにも乗せられない場合はテーブル上に配置します(1段目)。
破壊:自分のタイル1個を破棄することで、そのトゲ数と等しい高さのスタックを破壊できます(トゲ3つを破棄したら3段のスタックを破壊)。破壊されたスタックのタイルは持ち主に戻ります。
ややこしいのが勝利条件で、「各スタックの一番上にある自分のトゲの合計数が、手持ちのタイル数と一致したら勝ち。手番開始時に手持ちがないなら負け」です。文章を見ただけでは何をすれば勝利に近づくのかよく分かりませんね。実際プレイしてみても多分同じ感想だと思います。
しかーし!ある程度アブストラクトに慣れている人なら何度かプレイすると「あーなるほどなるほど」となって、相手がどのタイルを置いても必勝する形に持っていく方法が見えてくるから不思議。そうなれば中々面白いハンドマネジメントゲームだと思います。
1プレイは短いですし、1回やって「ふーん、なんか微妙だね」で終わらせるのはもったいないので、何度か連続でプレイしてみてもらいたいですね。
フィレンツェ (Firenze)
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しばらくカオスなゲームが続きましたが、ここでホッと一息、見た目もポップな2020年新作、フィレンツェです。
このゲームは2~3人用で、各プレイヤーは1色を担当して3種類あるタイルのいずれかを置いていきます。タイルは必ず2色で構成されているため、少なくとも1色は自分以外の色も置くことになります。
手番順にタイルを置いていくのですが、置くタイルは3種類 (赤+白、白+緑、緑+赤) のどれでもOK。全てのタイルが置かれたらゲーム終了で、縦横に3マス以上つながったグループの数が一番多いプレイヤーの勝ちです。
当然、全員自分の色をつなげようとするのですが、自分の色は有限ですし、3マス以上はどれだけつなげても点数が変わらないため、なるべく3マスちょうどでグループを作りたいところです。
しかし、そうは問屋が卸さない! 自分の色で任意の色の1マスを両側から挟むと、その1マスをピラミッドで潰すことができます(これをランプレドットと言います)。なので、ケチって3マスだけにしていたら1マス潰されて得点対象外になってしまうということが起こり得ます。
また、自分の色のタイルがなくなったら後は他のプレイヤーにいいようにされてしまうため、誰の色のタイルを消費していくかというのも重要です。
そのあたり含めた駆け引きが面白く、「このタイルでグループを作りたいけど、そうするとこの後でランプレドットされるし、でもこっちのタイルだとあいつの色の残数が多くなるし…」といったジレンマが楽しいです。
幅広くオススメできるゲームかなと思います。
スラカルタ (Surakarta)
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今度は捕獲ルールがかなり独特なインドネシアの古典ゲームです。  
ここまで紹介したゲームに比べるとだいぶアッサリした見た目のゲームです。ジェリカフェさんが日本で扱うという情報を見たとき、正直「え?売れそうなゲームなら他にたくさんあるのになぜコレを!?」と思いました、はい。
ゲームの目的は相手のディスクを全て捕獲(除去)すること。手番では自分のディスク1個を縦横斜めに1歩移動させるか、相手のディスク1個を捕獲します。
で、問題の捕獲ルールです。 ボードの線に沿って自分のディスクを移動させて相手のディスクに着地させることで捕獲するのですが(極々普通)、四隅にある丸いループを少なくとも1回は通る必要があります。他のディスクは飛び越えられません。そして、ループを何回通ろうがどこまで進もうが、最後に相手を捕獲できるならその捕獲移動はOK、というのがこのゲームの特徴です。
実際やってみると分かるんですが、ボード上をディスクがグルングルン回ります。そして予想外の方向から相手のディスクが飛んできて捕獲されます。前にいたはずの敵にいきなり後ろから切られた、みたいな。この感じは中々他のゲームにない気がしますね。
ミツドモエ (Mitsudomoe)
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最後にもう一つ2020年の新作です。デザイナーの山本光夫さんはLOGY GAMESとしてアブストラクトゲームを多数制作されている方で、その山本さんがnestorgamesから初めてリリースされたのがこのゲーム。2~4人用。
隅にある自分の色のボール3個を反対側の隅にいち早く移動させれば勝ちです(敗北条件もありますが割愛)。
手番は (1)新たなリングの配置か既存のリングの移動、(2)ボール1個の移動 の2ステップで構成されていて、動かせるのは自分のリング/ボールのみです。ボールの移動先には自分のリングがなければなりません。また、リングを移動させる際は敵のリングに乗せることができます(乗っかられたリングは動けなくなります)。
ポイントはボール移動時のジャンプルール。敵味方関係なく、間にボールがあれば何個でも飛び越して移動できます。当然1歩ずつ進むよりも効率がいいので積極的にジャンプしていくべきなんですが、飛び越すボールに敵のボールがある場合、その敵ボールを同色の空きリングに吹っ飛ばす(移し替える)必要があります。それができなければ飛び越せません。
別の言い方をすると、自分のリングをボードに投入すると移動先が増えるので有利と思いきや、吹っ飛ばされる先も増えてしまう(ゴールから遠のきやすくなる)ということでもあります。んージレンマ。
でも吹っ飛ばし先がゴールに近づく位置のリング1つしかなかったら?勘の良い方は気付かれたと思いますが、吹っ飛ばされたら逆に前へ進めることになります。そうなれば相手は安易に飛び越えることはできなくなります。うまい。
言葉で面白さを伝えるのが中々難しいんですが (まぁアブストラクトは大体そうですが…)、相手を利用して一気にゴールまで近づいたり、リングとボールの位置関係で逆に妨害したりと、攻防一体の動きが面白いですね。
ルールにはないですが、1人で2色担当する2人プレイも色々な作戦が取れて個人的にアリだったので、もし入手された方は試してみてください。
おわりに
今年も10個のゲームを一挙紹介してきましたが、やっぱり書くのが大変でしたね(毎年言ってる)。
この記事を読まれた方が興味を持って発信してくれれば日本に入ってくるnestorgamesも増えて、nestorgames好きが増えるかも?という淡い期待を抱きつつ、またどこかで紹介していければと思います。
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inertiaoz · 4 years
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春は別れの季節なんだろうか、不倫関係の相談が増える。そういう話が大好物なのと、役得も多いからなるべく受けるようにしている。要は牧場作りの営業。今年も何件かもらってるから何か楽しいイベントを起こそうかと思ったけど、遊び歩いてるメンヘラと会うのは感染リスクが高すぎる。ということで今回はケーススタディ。まったく専門ではないけど。
Y(26)さんは自他共に認めるメンヘラニート。引きこもってる人独特の青白さがそそります。ありあまる時間でマッチングアプリに入り浸っていたところ、昨年11月に外科医のKさん(36)と知り合いました。話す中でKさんが実家が裕福なことが分かり、逃すわけないやろと思ったYさんの猛アタックで12月半ばに2人は交際を始めました。寝たらすぐに好きになるYさんは1月にやや強引にKさんの恵比寿のマンションで同棲を始めます。同棲とは言いつつKさんが家にいるのは週2、3回。それ以外の日は犬と遊んだり荒野行動をして遊んでいました。ちょっと変だなと思いながらもKさんが結婚を匂わせる度に3月に入ってまもなく、Yさんは偶然背後からKさんの携帯を見てインスタグラムのアカウント名を知ります。すぐにそのアカウントを検索したYさんはKさんが結婚していて、つい最近夫婦揃って箱根の高級旅館に泊まるなど幸せに生活している様を見てしまいました。Kさんを問い詰めたところ、Kさんは嘘を認めたものの離婚調停中で妻とは別れる予定だと言いました。Yさんは流石に信じず、訴えられるリスクはあるか、Kさんに金を請求できないか、についてTinderで知り合ったIさんに相談することにしました。
K妻からYさんへの請求
いわゆる不倫なので、K妻は夫婦間の貞操権(結婚相手が自分以外と関係を持たない権利)を侵害されたとして、Yさんの不法行為に対して請求ができる。不法行為には故意または過失(落ち度)が必要であり、Yさんが否定すると故意を立証することは困難である��めYさんに過失があったかどうかが争点になる。本件においては「同棲」しているにも拘わらず週3回しか家にいないことから独身だと信じきったことについてYさんには過失があったと考えられる。その他過失の有無の判定にあたってはYさんの年齢・健康状態、Kさんの嘘の程度等が考慮されるが、Yさんはメンヘラとは言いつつ健康な成人女性であり過失があったと判断される可能性がある。慰謝料の相場は50-300万円で、結婚継続・別居の有無によってかなり変わってくる。なお、結婚が破綻していたと信じる合理的な理由があった場合は不法行為責任を問われないが、「離婚調停中」が嘘であることをYさんはインスタを見て知っているため、その後も関係を継続するとK妻からの請求が成り立つ可能性が高くなる。また、金持ちの医者がニートと結婚するかよ、という誰もが浮かべるであろう感想は裁判所においては考慮されないものと考えられる。
YさんからKさんへの請求
結婚しているのに独身と偽って肉体関係を持つと貞操権の侵害にあたる。ただし本件のような場合YさんとKさんはK妻に対して共同で不法行為の加害者と見られることもあり請求が認められづらい。妊娠・堕胎または婚約の事実がなければ基本的には請求は難しい。Kさんは結婚を匂わせていたものの、両親への挨拶等の結婚へ向けた具体的なステップの証拠がないため請求は難しいと考えられる。こちらの請求についてもYさんの過失の有無が論点になるが結論は上記の通り。妊娠・堕胎・婚約の事実があった場合の賠償額の相場は100-300万円。正直Kさんの実家相当な金持ちっぽいし大騒ぎすれば口止め料とかもらえそうとも思ったがリスクが高いし脅迫になりかねないため依頼人には伝えなかった。
従いIさんのアドバイスは「奥さんにバレる前に早く別れて逃げなさい。」となります。ちなみにYさんはKさんと別れてIさんの紹介でアルバイトを始めました。友達の会社の従業員になってしまったのでちょっと手を出しづらくなったな、とIさんは少し後悔しています。
*本稿は法的助言を構成するものではなく、法的助言として依拠すべきものではありません。何かあったら弁護士に相談しましょう。
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dgmwdgmw · 4 years
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anata no namae
Your Nameが終わってから一週間以上経った?ていうかYour Nameって本当に終わったのかな。言い出し、大ごとにし、半年も一つのことを考え、考えさせ続けた責任は最後まで果たさないと思っていたけど、僕が一人で見たものよりあの日あそこに居合わせていた262人の観客、94人のオープンバンドとそのスタッフ、4人のYour Nameカメラクルー、7人のライブハウススタッフ、1人のコーヒー屋、全部で368人の人間が見ていたものの方が圧倒的で、僕が語れることなんていうのはNOT WONK3アホも合わせると1/371だなって。俺が話せるのは俺が見たことくらい。過不足なくあの日いたみんなとコンタクトして(メールしたり直接話したりしたよね)、わたしはあなたのことを知っているし、あなたはわたしのことを知っているという空間はちょっと奇妙なものだった。時間がとてもゆっくりしていて、誰が作ったのかわからないけどとてもいい��囲気だった。あれは誰が作った1日だった?少なくとも自分という感じはしなかった。途中から受付ばかりやっていた俺は置いてけぼりをくらい、なんだかいい顔でフロアから戻ってくるみんなを見て羨ましい気持ちだった。こんな日に俺も遊びに行きたいな。21時30分まで駅前通りに人だかりは出来ず、人が通った跡は残ってない。ごみも吸い殻も落ちてない。俺は何も言ってない。24組のオープンバンド、転換込み15分、左右のステージが6時間クロスフェードし続け最終的には1分も押してない。
Your Nameっていつから始まってたんだろうか。7月5日にYour Nameという試みについてお知らせをしてから155日間、当日は多分1/155日でしかなかった。ずっとそのことについて考えていたし、今でも考えている。少し何もしないと12月7日のYour Nameのことを思い返している。特に誰かに知って欲しいわけでもない。別に大きいイベントをやりたかったわけでもないし、またやってくださいねと言われることもあるけど二度目はないと思う。お互いの名前の知れたあの時間はもしかしたら究極にクローズドな空間だったのかなと思う。と、考えると少し気も楽になる。俺たちあの日顔見知りくらいにはなれたのかも。目にうつる全てのことはメッセージって知ってる?あれは本当だと思う。人間の一挙一動、もちろん言葉や一瞬の仕草が意味を持つことは誰にだってわかる。けれどもっと大きな波の中で自分が動かした指先が遠い未来で大きな意味を持ってしまうこともある、海岸で拾ったビンに海外からの手紙が、とかそんな話を思い浮かべた今。こと何かを作り、それを人に見せる人間においてそれはもっと顕著で、よく聞くノンプロモーションなんていうのは真っ赤な嘘で、どう足掻いたってそれが恣意的だとかそうじゃないとか個人のコントロールできる次元を離れて、全ての言動がイメージを持たせる。人に。だからそういったものをコントロールしようとするのはやめよう、人からのイメージなんて結局他人から見たあなたの一側面でしかないんだから、とかそういう話じゃ全くなく、頓着できるところになるべく頓着しよう。というのが、今回のテーマだった、と今思った。自分探しには終わりはないと思うけどだからと言ってそれをしない理由にはならぬ。僕は僕がわかりたい。別に自分探しがしたいわけではないけど、1対1が371!通り、階乗ってこう使うのかな、あったあの日は自分で自分のことを見つめるより様々な角度から人に見てもらう方が像が明確だった。様々な角度から見られているということが自分を明確にした。それはみんなそうだったんだよね。だからごみはゴミ箱へ、通る人の邪魔にならないように自然に列ができた。Your Nameは僕の体だった。全てに神経を張り巡らせ、誰が何をして、僕が何をして、どこに誰がいて、誰が誰を見ていて、誰がどこを見ても僕の意思を感じられるものにしたかった。最終的に当日僕は分身できず、受付をしながらドリンクを作ったり、クロークをやったり、会場の安全を確かめながら、音響をやり、バンドに光を当て、楽屋のビールを一人一人に手渡し労い、遠くから来たあなたの街の話を聞きながら、アンプを運び、冷めたストーブに灯油を入れ、コーヒーをドリップし、みんなの表情を記録に収めながら、モッシュで倒れそうになるスピーカーを押さえながら、ギターを弾き、歌い、ステージになだれ込んだ観客の無事を確認しながら終電に間に合うように犬のスウェットを手渡し、金の勘定をしながら眠りにつくことは無理だった。一人でやるつもりだったから。DIY、別の人がやってたらあの日は自分でやったと言うかもしれない、けどとてもじゃないけど僕は言えない。上記の理由で。DIYでやる意味はDIYでやるときに最善で最高のクオリティがあるときだけかもな、とか思った。俺たちのやってるのってサ、ほら、これって客商売じゃないからサ、それはテメエの言い訳でみんなおんなじ顔の書いてある¥3,000を所定の口座に振り込んでいる。¥3,000安くないだろう。それに対するただ一つのバックはNOT WONKのライブを観れること。非常にいろんな人に世話になった、頼んでもないことを進んで手伝ってくれた人、頼んだことを快く引き受けてくれた人、ただありがたい。何か特にしたわけじゃないけど、なんだかいとも簡単にそんな雰囲気を作ってくれたみなさんもどうもありがとう。不快な思いをした人が一人もいなかったとは全然思わない、きっとどこかで押し殺しているかもしれない。なにせ人はたくさんいたもんで、それは一重に私の読みの甘さと力不足だなと思います。申し訳ない。心もとない印象を持たせてしまったかもな。
「2019年12月7日の土曜日、苫小牧ELLCUBEでNOT WONKのワンマンライブをやることにした。ここまでだとルーキー残念、自前で用意した救済措置。背中の傷まで自分で舐める馬鹿がどこにいる。メジャーデビュー、たくさんのスタッフ、ラジオ番組、深夜の生放送、過呼吸出そうになるゲロ、101回目のバンドプロフィール、真面目に答える。関係閣僚会議、ノットウォンク再生回数少ないんでダメっす、すっかりブランニューされちまったバンド活動をもう一度考え直そうと思った。自分の手でやること、人の手を借りること、金を貰うこと、金を払うこと、誰かが作ったコンクリートの上、プルトニウム製の電気で歌うパンクアンセム、役割分担、じゃあ俺歌うんで観といてもらってもいいっすか、人と関わることからは逃れてはいけない気がしている。バンドをやり、生活する上で、そのために俺ができること、俺には到底できないこと、他の誰かにしかできないこと、他の誰にもできないこと、時間をかけて考えてみたいなと思った。」とてもわかった。155日間の体験は俺をほんの少しだけいいヤツにした。そして次は何をやるべきか、幸運にも非常に明確である。お付き合いいただいた皆さん、賛同いただいた皆さんどうもありがとうございます。Your Nameは次のステップを踏むために必要な大事な時間でした。私にとって非常に有意義なもので一つの疑問を考え尽くす長い時間を使った体験でした。関わった全ての人にとって意義のある(なくても楽しけりゃそれでいいけどね)ものだったら冥利に尽きます。明後日12月19日の19時にYour Nameの後の話をします。Your NameのMVと一緒に。あなたのなまえ~が書いたあなたのCDは絶対にあなたのものなので、あの日に来れなかった全ての人にシェアしてもいいよね。そんなのくらい俺たち全然平気になったよね。
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2020zaji · 4 years
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#リハビリ|接続されたヒト(12)
 急性期の病院で入院3日目に病院側が作成してくれた「脳卒中 離床プログラム」。カラーコピー2枚の記入式で、1枚目の冒頭には「この基準は一例であり、あくまで目安です。脳卒中急性期のリハビリを、病状に応じて段階的に安全に進めるための参考として使用します」と、印刷されている。自由記入欄には、療法士の方が記入してくれたと思われるメモ書きがある。「長期目標」欄は空白、すなわち長期目標が設定できない、先の見通せない状況だったことがわかる。「短期目標」欄には「6月13日までに端座位が実施できる」と書かれている。
 2枚目には離床に向けた双六のような表がある。7段階のステップが矢印でつながっている。1ステップをクリアしたら次のステップ、という形だ。6月9日には①から④までを実施したことになっている。7つのステップは、①床上エクササイズ(療法士が患者の身体を動かすポジショニングなど)、②ヘッドアップ、③端座位、④車椅子座位、⑤立位、⑥歩行、⑦A D L(日常生活動作)エクササイズ、である。記入があるのは④まで。
 ④のステップの枠にあるメモには「前後左右に崩れやすいため、要監視、修正。トランスファーは右側から移るようにすると重介助で可(左側からだと全介助)。ロキソニン内服後の離床チャレンジで、頭痛の悪化や頭痛からの嘔気や頭の浮遊感なく終了」とある。確かに、左側からの移乗は「無理!」と思った記憶がある。急性期リハビリで印象に残ってた車椅子移乗の練習、こんなに初期の段階から始めていたんだな。⑤の立位からは記入がないが、急性期のリハビリ室でも立位の試みはあった(ほとんど療法士の人に全体重を預ける形だったが)。なので、9日以後は単にこの用紙への記入がなかっただけだろう。
 手術で血腫を取り除いた後には、1日20分位のリハビリの時間が待ち遠しかった。意識もはっきりして、回復のために出来ることがあるなら何でもやらせて欲しかったし、早期にリハビリを開始することの大切さは仄聞していた。左下肢についてはまだほとんど感覚がなく、療法士の方に左下肢を持ってもらった状態で(つまり脚の重さという負荷のない状態で)可動範囲を広げる(動かしてもらう)のが中心だったが、左上肢の手首から先には力をいれることができるようになっていた(術後の劇的変化!)。左腕全体でいえば、肩から先に重い棒切れがくっついているようで持ち上げるのは困難だったが、腕の先にある左手は少しずつ動かせるようになった。
 右手で左手の指を一本一本マッサージするようにしながら、「動け〜、動け〜、動いてください〜」と念じつつ、「ふん!」と気合を入れると手を握ることが出来た。だが、そこから先、気合を抜けば脱力できるかというと、これが違う。握った手から力が抜けない。握ったままになってしまうのだ。手を開くには、脱力ではなくて、これまた「ふん!」と気合を入れる必要がある。すると、凝り固まった首を回す時のように、カクカクしながら、ようやく徐々に指が動いて手を開くことができる。脱力する、という動作も脱力してはできないのだった。
 手指の方も同様。右手で左手の指を一本一本マッサージしながら、指を折って「い〜ち、に〜い、さ〜ん」と親指から小指までを曲げる練習を始め、1から10まで指を折って数える。右手の親指から始めて、左手の小指まで。左手の中指以後は、動かせはするものの、目で見ていないと、身体感覚としては曲がっているのかいないのか、わからない。曲げた指を戻すのにも、「ふんんっ!」と鼻息荒く力を込めないと元に戻らない。それでも、手術後数日で「グー、チョキ、パー」の形ができるようになった時には、本当に嬉しかった。だら〜んとして、呼び掛けても何の返答もなく、くっついているのにモノのようだった左手が、わたしの呼びかけに応えてくれるのだ。おかえり! わたしの左手!
 帰ってきたはずの左手だが、リハビリ初期の「力を脱けない現象」は、忘れた頃に顔を覗かせて、わたしを驚かせることもある。それは、退院して、すでに職場復帰を果たした後のことだ。通勤に利用する駅は環境も把握しているので、一人で乗り降りしている。ところが、その日は、いつもの駅で電車から降りようとして、降りられなかった。右足はホームに踏み出しているのに、身体が付いてこない。左側を見えない何かに押さえられているかのように。誰? 何? 心霊現象か!?
 電車内の方向を��り返ると、ドア脇に縦に付いている手すりを、自分の左手がガッチリと掴んだままだった。「自分で自分の行動を抑止してどうする!!」と左手にツ���コミを入れつつ、「ふん!」とひとつ気合を入れて左手を手すりから引き剥がし、発車ベルの鳴っているホームに無事に降り立った。いやはや。時間にして数秒か十数秒。周囲の誰も気付かなかった。わたしだけが認識可能な、わたしの左手が起こした「事件」である。
 もともと、なるべく信頼できる右側で手すりを持つようにしているが、混み具合によっては、左側で手すりを持たざるを得ないこともある。一度この「事件」を経験してからは、左手で手すりを持ったあとは、降車時に意識して手を手すりから引き剥がすのを忘れないよう心がけているが、自分でもいつ、どんな場面で、どんな麻痺の症状に出くわすかわからない。これが、脳の損傷による麻痺の困ったところだ。日常生活そのものが最大のリハビリ、と言われるのも、いろんな場面に出くわすことで経験値を上げ、対処法を身につける機会になるからだろう。「力を脱く」にも「力が要る」。わたしの左手に起きる「力を脱けない現象」への対処法は、コトバにすると、まるで禅問答のようである。
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sorairono-neko · 5 years
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Do you love me?
「撮れましたよ」 「見せて!」  勇利が差し出した携帯電話をのぞきこみ、ヴィクトルはたいへん満足した。ディスプレイの中では、内側が忍者屋敷になっているという長谷津城を後ろにして、ヴィクトルがはしゃいだ笑みをうかべている。 「早速投稿しようっと!」  ヴィクトルが大喜びで携帯電話を操作するのを、勇利はなんともいえない、困ったような、優しい笑顔で見守っていた。 「勇利、どうした?」 「いえ……、海外の人って、ほんとに忍者屋敷が好きなんだなあって思って」 「勇利は嫌いなのかい?」 「嫌いじゃないけど、ヴィクトルほど高揚しないですね」 「俺、そんなに大喜びしてるように見える?」 「喜んでないんですか?」 「喜んでるけど」  ふたりはみつめあった。なんとなく会話が噛み合っていないような、妙な感覚があった。でもどこがおかしいのかわからない。 「だって、ほら……」  勇利がヴィクトルの携帯電話をさし示した。 「そんな笑顔で写ってたら、誰だってそう思うでしょ」  ああ、なるほど。そういうことか。ヴィクトルは合点して穏やかにほほえんだ。忍者屋敷っていうだけで歓喜してると思ってるわけか……。 「日本人は謙虚だね」 「え?」 「まだ休憩だよ。座ろう」  ヴィクトルはもとのベンチへと勇利を導き、再び並んで腰を下ろした。勇利はよくものを言うたちではないらしく、黙りこんでいる。おかしいなあ、とヴィクトルは幾度も思ったことをまた思った。あのときはこんな感じじゃなかったんだけどなあ。もっと自由で、もっと勝手で、もっと親しみがあって、もっと……。そうだ、あんなに親密に一緒に踊ったのに。抱きあいもしたしみつめあいもしたのに。勇利、忘れちゃったのかな。酔っていないとだめなのかな? 日本人って本当に……。 「ねえ勇利」  ヴィクトルは、コーチになって欲しい、と求めてきたときの勇利を思い出した。あのきらきらしい瞳。ヴィクトルを信頼しきって、断られるなんてすこしも思っていない無邪気さでいっぱいだった。あんなむき出しの好意は初めてだ。ヴィクトルに近づこうとする者は、いつだって計算と媚びと優越をほのめかせるのである。しかし、勇利はちがった。幼子のように純粋に、好き、だからコーチをして、と気持ちをぶつけてきた。でもいまは……。  ヴィクトルは口元に手をやり、ちらと横目で勇利を見た。勇利はしたたる緑の山々と、素朴な長谷津の町並みを、ぼんやりとした目つきで眺めている。まるで夢でも見ているようだ。 「勇利」 「はい……」  勇利が首をまわす。ヴィクトルは手に持っていた携帯電話をかかげた。 「こっち向いて。写真撮ってあげる」 「えぇ?」 「ほら、笑って笑って」 「ちょ、ちょっと……ぼくはいいですって!」 「なぜ? 写真を撮られるのが嫌いなのかい? スケーターなのに?」 「スケーターはあんまり関係ないというか……」 「だって、自分を使用して魅せるのが仕事だろう?」 「それはプロの話でしょう?」 「選手でもおんなじさ。そうやって人々を魅了して、採点員にいいところを見せつけて、その結果が自分に返ってくるんだから」 「でも写真はちがうような……」 「いいからいいから」 「あ、あの、それ、何かにアップロードするつもりですか?」 「して欲しいの?」 「して欲しくないんです」 「よし、じゃあしよう」 「絶対撮らないでください!」 「冗談だ。しないよ。これは私的な目的」 「そうですか……」  勇利は息をついてから、不思議そうに首をかしげた。 「……私的だったら、なおさらぼくの写真なんかいらなくないですか?」 「勇利、いままで写真撮らせてくださいって頼まれたことないの?」 「取材のときなら……」 「それ以外だよ」 「ファンの人からは……たまに」 「なら俺が撮ってもいいだろう?」 「ヴィクトルはぼくのファンじゃないでしょう」 「ファンだったら撮っていいの?」 「あの、さっきからおかしくありません? ほんと、なんで写真なんか欲しいんですか? 何をするつもりなんです?」 「何もしないよ。ただ見たいだけ」 「いまここにいるぼくじゃだめなんですか?」 「うん、いまここにいる勇利じゃだめだよー」  ヴィクトルはにこにこ笑った。 「写真じゃないとね」 「あの……、よくわからないんですけど……」 「ああもう、めんどうだな。写真くらい素直に撮らせなよ。コーチ命令だよ!」 「えぇ……」 「勇利って変わってるよね。SNSもやってないみたいだし。友達と撮ったりもしないの?」 「知り合いの選手は……よく撮ってましたけど。ネットにアップするから一緒に、とか」 「だったら俺が撮ってもいいだろう。友達の選手はよくて、どうしてコーチはだめなんだ?」 「わかりました、わかりましたから……」 「よしよし、いい子だね。さ、こっちを向いて」  ヴィクトルは携帯電話を構え、フレームの中に勇利をおさめた。 「笑って、勇利」 「えーと……」 「ほら、もっと」 「でも……」 「その顔じゃ、負け試合のあとの取材みたいだよ」 「たとえが生々しいのでやめてください……」 「笑ってってば!」  勇利は困ったような、どうにも慣れないかたい表情で写真におさまり、ヴィクトルはおもしろくなくて口をとがらせた。 「ぎこちないな……」 「だって、しょうがないじゃないですか。写真なんてそんな……」 「いつもそんなふうに写るのかい?」 「いえ、友達とのときは、もうちょっとうちとけてると思いますけど……」 「信じられない。俺はその友達より下なのか」 「上とか下とかじゃなくて……」  あのときは、あんなに「貴方だけです」っていう顔で見てきたくせに。もしかして俺は遊ばれたのだろうか、とヴィクトルは溜息をついた。またあんな目で勇利に見られたいな……あのときみたいに愛情いっぱいにふるまって欲しい。  ヴィクトルは、さっき勇利が撮った自分の写真と、いまみずからが撮った勇利の写真とを見くらべた。ヴィクトルはいかにもしあわせそうな、輝かしい笑みを浮かべている。勇利は不慣れな、遠慮がちで困惑した顔だ。 「……勇利、こんな話を知ってる?」 「え、何ですか?」 「人がいちばんいい笑顔で写真におさまるために必要なのはね、有名なカメラマンなんかじゃなく、恋人なんだよ」 「どういうことですか?」 「恋人じゃなくてもいいな。片想いの相手とか、そんなところだね。とにかく愛があればいいのさ」  ヴィクトルは携帯電話をしまい、にっこり笑った。 「レンズの向こうに愛するひとがいる。そう思えば、自然に、いかにもうれしい、大好き、という表情になるものだろう? あふれる感情は止められないよ」 「ああ……」  勇利は合点したようにいくたびかちいさくうなずいた。 「そういうことかあ……」 「…………」  ヴィクトルはくすっと笑って横目で勇利を見た。 「勇利」 「はい?」 「俺のこと好き?」 「…………」  勇利が目をみひらいた。 「どうだい?」 「あ、あの……、急に何の……」 「答えてくれ」 「…………」 「勇利が答えたら練習に戻ろう。早く続き、したいだろう?」 「なんでそんな質問するのか……よくわからないっていうか……」 「勇利」 「……えっと、ぼくの動画は見たんですよね? あれを見ればわかると思いますけど……」 「勇利」  ヴィクトルは笑いながらとがめるような目をした。 「俺のことが好き?」 「…………」  勇利は深くうつむきこんだ。彼は耳まで赤くなり、膝頭をぎゅうっと握りしめてかぼそい声で返事をした。 「……はい……」 「そうか」  ヴィクトルはまぶたをほそめた。 「ならいいんだ」 「あの、ヴィクトル……?」  勇利がおもてを上げる。普段は白い頬がまっかになって、いかにも清楚で、すてきにかわいらしかった。 「いまの態度に免じて、さっきの写真はゆるしてあげるよ」 「え?」 「愛情の裏返しということにしておこう」  さあ続きだよ、とヴィクトルは立ち上がった。  あのとき撮った写真は、どれもこれも凛々しくもかわいらしい顔をしてたのにな……。 「勇利、フリーだけどね」 「はい」  勇利は目を星のように輝かせてヴィクトルを見た。そのきららかな瞳を見ると、ヴィクトルは、言おうとしたことより、勇利が言って欲しいであろう言葉をさきに口にしてしまった。 「……いい曲だね」 「はい!」  勇利がにっこり笑った。ヴィクトルも微笑を浮かべた。  勇利はもともと、あまり笑わない青年だった。ヴィクトルを相手に緊張しているというのもあるだろうけれど、たとえ家族や西郡、優子が相手でも、大笑いしてはしゃぐ、あるいはにこにこしながら話す、ということがまずない。感情があらわにならないわけではないのだが、どちらかというと物静かで、落ち着いた話しぶりをする。そういった観察の結果だけを考えれば、勇利は大人ということなのだろうけれど、ヴィクトルはどうもそんな気がしなかった。だって勇利は、ほんの半年前、バンケットで、あんなに子どもっぽい様子をヴィクトルに見せたのだ。 「そういう子なのよ」  いつだったか、勇利のことを尋ねたヴィクトルに、ミナコは落ち着き払って答えたものだ。 「勇利についてあんまり深く考えないほうがいいわよ。疲れるから」 「でも俺はコーチだから彼のことを考えないわけにはいかない」  彼女はおやというように眉を上げ、にやっと笑った。 「世界じゅうの女にもてまくってるあんたが、勇利を相手にどれだけ苦労するか、楽しみだわ」  その言葉通り、ヴィクトルは苦労させられた。勇利はちっともうちとけてくれず、仲はすこしも進展しなかった。コーチと生徒、と思案してみてヴィクトルがいちばんに思うのは、信頼関係を結ぶという重要事項である。なぜなら自分とヤコフのあいだにはしっかりとした信頼が結ばれており、それがヴィクトルを安心させるからだ。まずお互いを信じていなければ話にならない。なのに勇利ときたら、自分からコーチになって欲しいと言ってきたくせに、ちっとも歩み寄ろうとしないのだ。それでもヴィクトルは、どこか思い悩んでいるふうの勇利に合わせ、倦まずたゆまず、真剣に彼と向きあった。勇利はコーチになって欲しいと抱きついてきたし、ユリオとの試合の前にも抱擁して言った。目をそらさないで欲しいと。嫌われているはずがないのである。  手に入れてうれしいものには苦労がつきものだ。金メダルもそうだし、勝生勇利の信頼もまたそうだった。勇利がこころをひらき、初めて気安い態度を見せてくれたとき、ヴィクトルはどれほど喜んだか知れない。素直な笑みひとつを手に入れるのだけでも大変な思いをした。しかしそのあいだ、ずっとヴィクトルは楽しかったし、いらだちを感じたりはしなかった。勇利が無邪気に笑ってくれるようになったいま、なんて得難い笑顔だろうと胸があたたかくなる。あとは、あのバンケットのときみたいに、もっと遠慮のないところを見せてくれればよいのだけれど──それは望みすぎというものだろうか。ゆっくりやればいい。 「ずっとこれを聞いていろいろ想像しているんだけれど」  曲がきまればあとは振付だ。勇利と方向性などの話しあいはするが、考えるのはヴィクトルの仕事である。 「だいぶ固まってきたんだけどね……」  フリースケーティングの曲を「いい曲」と評したのは素直な気持ちである。これはいい曲だ。「エロス」が激しい曲だから、フリーはできれば穏やかなものがいいな、と思っていた。勇利の友人がつくったというこの曲は、やわらかで静謐なしらべから始まる。しかし終始ひっそりとしているわけではなく、後半へ行くにつれ情熱的な旋律があふれてくる。こういう曲を得意としている勇利のよいところを引き出してくれるだろう。だが、曲だけに頼るわけにはいかない。あとは振付がものをいうのだ。どんどん点数を得ることのできる難度で仕上げる。それを、難しいと思わせないよう、優雅に勇利は演じきる。 「勇利はどんなふうに教えてもらいたい?」 「え?」  勇利はきょとんとした。 「どんなふうに、って……」 「『エロス』はすべて仕上げた状態で、俺がお手本を見せたよね。ああいうのがいい? それとも、パートごとにわけて、順番に教えていったほうがいい? この場合、俺は教えながら考えるし、勇利に『ちょっとやってみて』とも言うから、勇利の動きを見て変えていったりもする。その場その場ですこしずつ完成させていく感じかな」 「…………」  勇利はフェンスの手すりに手を置き、リンクサイドにいるヴィクトルをみつめた。 「で、それが終わってから通してやる……。どっちのほうが勇利はおぼえやすい? どちらにしろ、きみならすぐおぼえるだろうけどね。振りおぼえるの早いほうだろう? 好きにきめていいよ。俺はどっちでもやりやすさは変わらないから」  勇利は大きな目をみひらき、長いあいだじっとヴィクトルを注視していた。 「どうかした?」 「ヴィクトル、ぼく……」 「なに?」 「……出来上がったやつ、ヴィクトルがすべるの、見たい……」 「そうか」  ヴィクトルは静かにうなずいた。 「わかった」 「いい?」 「いいよ」 「……よかった」  勇利は胸に手を当て、ほっと息をついた。ヴィクトルは微笑を浮かべた。 「あと一日待って。今夜ひと晩。明日、見せるから。勇利の前ですべってあげるよ」  その約束通り、ヴィクトルは翌日には勇利のフリースケーティング用プログラムを仕上げた。振付をしながら、ヴィクトルは、勇利がこれをすべりこなすところを早く見たい、とそればかり考えていた。勇利の手本として示す最初の滑走は大切だ。勇利は、それを完成形として、目標として頭の中に据えるだろう。下手な演技をするわけにはいかない。ヴィクトルは午前中はひとりでリンクにこもり、振りの確認と練習をした。午後からは外で基礎練習をしていた勇利を呼び、ようやくプログラム披露の運びだ。 「じゃ見てて。音楽頼むよ」 「はい」  ヴィクトルは上着を脱ぎ、勇利の顔を見て笑った。 「そんなに緊張しなくても」 「緊張、するよ」 「そうか」 「うん……」  最初はせつないピアノの音色がこぼれ落ちてくるようだ。ここはなめらかに、とけこむように。勇利のやわらかな動きを印象づけたくて、ツイズルなどのターンを使用した。勇利のツイズルは回転が早く、はっとするほど洗練されているのだ。練習の最初にターンの練習をしているとき、右に左にと勇利が舞う姿を見ているのが、ヴィクトルはとても好きだった。  勇利はステップが得意な選手だ。そして常に動いていても最後まですべりきる体力がある。だからスリーターンやモホークを多用し、優美なすべりを印象づける。ただ「すべっている」だけの時間をなくす。ジャンプに入るときも「跳ぶぞ」という流れにはしない。ステップやターンからつなげて入れる。着氷したあともすぐにステップなどを入れるとぐんと難度は上がるが、高得点を得られる。  こういうことは、並の選手なら、一度や二度なら可能でも、だんだんと体力を奪われ、最後には力尽きてしまうだろう。だが勇利なら。「離れずにそばにいて」をあれほどすべりこなした彼なら……。  しかし、技術ばかりを追い求めてもいけない。ジャンプがきまれば流れが生まれ、自然と演技構成点も上がるが、それでも勝生勇利という選手の持ち味をじゅうぶんに活かしたい。最小限のピアノだけが響く箇所で。ランジ、アウトサイドイーグル、チェンジエッジからイナバウアー。コレオシークエンスは、勇利がすべっていて最高に気持ちよく、うつくしくなれるように。  それをさらにきわめるのがステップシークエンスだ。勇利のステップシークエンスは「唯一無二の」と表現される。彼だけが持つ音楽性を帯びた、誰にもまねできない足捌きである。それがもっともみずみずしく、優雅に、水際立って見えるようにヴィクトルは手本を見せる。きみはこうすれば最高に高貴になれるからと。  ツイズル、ブラケット、カウンター、チョクトー、ロッカー。左右のクラスタを完成させてゆく。これはヴィクトルでも難しい。いきなりやれば均衡を崩して転倒するだろう。踏みながら上半身を使えばなおさらだ。し��し勇利ならできる。必ず。  八つめのジャンプも直前にターンを入れる。最後まで楽はできない。厳しい、恐れを知らないようなプログラムだ。そしてスピン。疲れてぐらつきそうになる。きっと勇利もそうなるだろう。  最後のピアノの音色が響き、消えた。ヴィクトルは右手を胸に当て、左手を勇利のほうへ差し伸べていた。彼をみつめる。勇利はぼんやりしていた。ヴィクトルの呼吸は荒い。きつい……。久しぶりに本気ですべった。しかし、よろよろと勇利のもとへ戻るわけにはいかない。  氷を蹴り、軽快にすべっていった。勇利の前でエッジを傾けて止まると、にっこり笑って尋ねた。 「どうかな、勇利」 「…………」  勇利はじっとヴィクトルをみつめていた。顔にも瞳にも、何の感情も浮かんでいない。気に入らなかったのだろうか? ヴィクトルは口をひらこうとした。と──。  その瞬間、勇利の瞳がみるみるうちにうるおい、目のふちに透明なしずくが溜まった。それはあっという間に重みを増し、つっと、まっすぐに頬を突っ切ってしたたり落ちた。 「勇利……」  勇利はさっと身をひるがえした。彼は足早に出ていった。ヴィクトルは閉まった戸をみつめ、リンクから上がると、フェンスにもたれて三十分ほど待った。勇利は赤い目と頬をして戻ってきた。 「ごめんなさい」 「いや」  勇利がヴィクトルの瞳をみつめた。そのまなざしと、さっきの涙だけで、彼がプログラムに持った感想、印象はもうじゅうぶんに理解できた。 「ヴィクトル……」  勇利はささやいた。 「ありがとうございます」  その夜、勇利はいつも通り食事をし、それからロードワークへ出ていった。ヴィクトルは帰ってきた彼を玄関先で出迎え、マッカチンの足を拭いてやりながら何気なく尋ねた。 「勇利」 「んー、なに?」 「俺のこと好きかい?」 「…………」  勇利は熱心に、ほとんどにらむようにしてヴィクトルを見た。それから情熱を帯びた口ぶりで端的に答えた。 「大好き」 「……こっちが照れるね」  ヴィクトルはおおげさに肩をすくめた。  新幹線の座席に落ち着くと、ヴィクトルは勇利を心配して彼のおもてをのぞきこんだ。 「大丈夫? 勇利」 「大丈夫だってば」 「鼻折れてない?」 「折れてないよ。おでこから行って、その勢いで鼻ぶつけただけだから」  勇利は眼鏡をかけていなかった。鼻をすりむいて、眼鏡が当たると痛いらしい。駅での電光掲示板を見るときだけ、しぶしぶ取り出してかけようとしたので、「俺が見てあげる!」とヴィクトルは元気に言ったものだ。 「ヴィクトル日本語読めないでしょ」 「英語でも出るよ」 「あ、そうか」  そういうわけで、ずっと眼鏡はかけていない。勇利は眼鏡をかけたりかけなかったり、髪を上げたり上げなかったりで、ずいぶん印象が変わるなあとヴィクトルは思った。 「鼻ずっとひりひりしてるの?」 「ちょっとね」 「どれどれ」 「なにさわろうとしてるの」  手を伸ばしたら拒絶されてしまった。ヴィクトルは拗ねた。 「勇利は最近俺の扱いがぞんざいだ」 「そんなことないよ。春に会ったときと同じだよ」 「どこが?」 「ヴィクトルが隣にいると、緊張してものも言えないよ。だからしばらく黙ってて」  勇利は眠ることにしたらしく、シートを倒して目を閉じる。ヴィクトルはむっとしたので、ちょっと赤くなっている鼻先をつんつんつついてやった。 「いったい! もう、何すんの!」 「ぜんぜん緊張してないじゃないか」 「してるよ。してるしてる」 「あぁあ、あのときの勇利はかわいかったなあ。俺を見て目をきらきらさせて、うるうるさせて、『びくとるっ……かっこいいっ……』ってさ」 「いまでもやってるよ」 「いつ?」 「部屋でヴィクトルの動画見てるとき」 「俺にやってよ!」 「そのうちね」 「そのうちって……、今後その態度が以前のものになることがあるのか……?」 「黙っててよ。ぼく疲れてるんだから」 「疲れてるならもたれかかっていいよ。こっちおいで」 「あ、結構ですので」 「甘やかしてあげるっ」 「遠慮しますので」 「もう、勇利!」 「ヴィクトルも寝たら?」 「夜たくさん寝た。勇利はゆうべ寝ずに何をしてたのかな? ここで言えないことかな?」 「ヴィクトルと同じことだよ」 「なんだって? いやらしい……」 「ちょっと。ぼくのヴィクトルをけがさないでくれる」 「何を想像したんだ?」 「貴方は何を?」  ふたりはみつめあった。それからにっこりと笑いあう。次の瞬間勇利はヴィクトルをにらみつけた。 「ほんと静かにして」  ヴィクトルは静かにした。その代わり、肘掛けにのっていた勇利の手に手を重ね、そっと指のあいだに指を押しこんだ。勇利が顔をしかめる。彼はそっぽを向いた。勇利のほうが通路側にいるので、これでは誰にでも寝顔が見えてしまう。ヴィクトルは指先で手の甲を撫でた。 「…………」  こっちを向け、と念じる。しかし勇利は頑固だ。ちょっとやそっとでは言うことを聞かない。もう一方の手で膝をなぞった。 「…………」  だめか。しかしこれも想定のうちだ。ヴィクトルは勇利の耳元にくちびるを近づけ、ふっとそこに息を吹きかけた。 「もう、ヴィクトル!」  勇利が抑えた声で抗議をする。 「なんで邪魔するの!」 「邪魔するなとは言われていない」  ヴィクトルは得意げに口元を上げた。 「静かにしろと言われただけさ」 「ぼくをそっとしておいて」 「俺をそっとしないでくれ」 「もう、どうしたいの」 「勇利と親密になりたい」 「もうじゅうぶん親密です」 「そう? どこが? どんなふうに?」 「知ってるでしょ。ぼくとヴィクトルの仲くらい。当事者なんだから」 「でも、俺の認識と勇利の考えはちがうかもしれない。すり合わせをおこなおう。言ってみて」 「ヴィクトルの考えてる通りだよ」 「おや、そんなことを言っていいのかな?」 「何のこと?」 「俺の考えてる通り? へえ、そう……」 「ちょっとヴィクトル……」 「やっぱり、勇利……、いやらしい……」 「ぼくのヴィクトルをけがすのはやめてって言ってるでしょ?」 「何を想像したんだい?」 「ヴィクトルが伝説のスケーターで、ぼくはその追っかけなんだ」 「……ほぼ現実の通りだね。それのどこがいやらしいんだ?」 「追っかけに手を出すなんてヴィクトル、最低だよ」 「手を……? いやらしい」 「追っかけのコーチするなんてほんとえっちなんだから」 「勇利、自分で何を言ってるかわかってる?」 「わかってないよ。眠いんだよ」 「コーチをしたくらいで変態扱いされた」 「コーチをしてなくてもヴィクトルは変人でしょ」 「きみは俺のことを好きじゃないのか?」 「おなか空いてきた」 「眠いんじゃなかったのか」 「そのふたつは相反する欲求じゃないよ」 「人の三大欲求だね。睡眠欲、食欲、あとひとつは何かな?」 「いやらしい」 「何かな?」 「スケート欲だよ」 「どこがいやらしいんだ」 「『エロス』のときにどれだけぼくがいやらしいことを考えてるかを知ったら、ヴィクトルはそんなことを言えなくなると思うよ」 「ぜひ知りたいね。何を考えてるんだい?��� 「きまってるでしょ……」  勇利が前方へ視線を向けた。車内販売のワゴンが来たのだ。 「カツ丼のことだよ……」 「……食欲じゃないか」 「卵をからめるようにね……、すみません、お弁当ください」 「もう食べるの?」 「ヴィクトルはいらないんだね」 「いらなくはないよ。いるよ」 「しょうがないなあ……」 「食べると言い出したのは勇利じゃないか」  購入した弁当を、勇利はテーブルの上に置いた。 「食べないの?」 「あとで」 「勇利、さっきから意味がわからないぞ」 「食べたいと思ったとき販売が来なかったらいやでしょ。ぼくは常にさきを見越して行動してるんだよ」 「さきを見越してるなら、最後のジャンプは三回転にして欲しかったね。あんなにふらふらで跳んだら、ぐらついて転倒することくらいわかりそうなものだ」 「久しぶりの試合だから舞い上がっちゃって……」 「何年スケートをやってるんだ。シニアに上がりたての子どもみたいなことを言って」 「ぼくはいつも新鮮な気持ちですべってるからね。コーチと同じなんだ」 「ここに来ておだてる作戦だね。さすがは悪女だ」 「ぼくのコーチ、ヴィクトル・ニキフォロフっていうんだよ。世界ランキング一位。グランプリファイナルも世界選手権も五連覇」 「うんうん」 「あと、綺麗で」 「うん」 「かっこよくて」 「そう」 「声がすてきで」 「やっぱりね」 「優しくて……」 「もちろん」 「ぼくのあこがれのひとなんだ」 「そうだろうとも」 「ところで貴方はどなたですか?」  ヴィクトルは額に手を当てた。 「……そういう扱い、慣れてないんだ」 「だろうね」  勇利はもっともらしくうなずく。 「新しいことを学べて、よかったね」  彼は両脚を伸ばすと、ふと笑ってつぶやいた。 「久しぶりの試合……」 「ん?」 「楽しかった」 「そうか」  ヴィクトルはほほえんだ。 「それはよかった」 「公式試合、ヴィクトルと初めての」 「……そうだね」 「ヴィクトルがリンクサイドにいるのって……」  勇利はまぶたを閉ざしてぽつりと言った。 「安心するね」 「……そう?」 「うん」 「そのわりには、いっさい言うことを聞かなかったようだね」 「安心するのと従うのはちがうことだから。ショートプログラムとフリースケーティングくらいちがうよ」 「判断しづらいたとえだな」 「そう? ヴィクトル、ぼくのことまだまだ理解してくれてないみたいだね。もっとぼくのこと、わかって」 「俺にもたれかかって、甘い声でささやいてくれたら検討するよ」 「ヴィクトル、さっきのお弁当見て。お箸ついてないでしょ?」 「え?」  ヴィクトルはテーブルに置いてある弁当を見た。確かに箸がない。 「本当だ。どうしよう。食べられないぞ、勇利」 「でも安心してね。中にちゃんと収まってるから。ないように見えるけど、あるんだよ」 「……弁当の話といま俺たちがしてた話、何かつながりはあるのかい?」 「ないよ」 「あのさ、勇利」  ヴィクトルは抗議した。 「つなぎの要素を大事にしようよ。ばらばらの演技をしたら点数は出ないだろう?」 「ぼく、つなぎ、得意だよ」 「得意なら発揮してよ」 「ほら、ヴィクトルが相手だと、緊張しちゃうから……」 「もう信じられない……」 「大ファンだからさ」 「ファンなら言うことを聞いてくれ」 「聞かないほうが喜ぶかなあって思って」  勇利はくすっと笑った。 「ヴィクトルも楽しかった?」  ヴィクトルは溜息をついた。まったく勇利にはかなわない……。 「ああ、楽しかったよ」 「スーツ似合ってた」 「かっこよかった?」 「うん」  勇利はくすくす笑って、横目でヴィクトルを見た。 「やらしかった」 「…………」 「エロスだよ、エロス。ヴィクトルのエロス」 「またそうやって雑な物言いをして」 「ふう」  勇利はヴィクトルにもたれかかった。 「ほんとに……、かっこよかったよ、ヴィクトル……」 「勇利……」  きみも綺麗だったよ。ヴィクトルは目をほそめた。 「……勇利」 「ん……?」 「俺のこと、好き?」  勇利はまぶたを閉ざし、適度にうなずいててきぱきと言った。 「はいはい、好き好き。じゃ、おやすみ」 「…………」  ごくそっけなく言ったあと、勇利は本当に寝息をたて始めた。ヴィクトルはむっとしたので、寝ているあいだにキスしてやろうかと思った。  世界選手権のクロージングバンケットで、ヴィクトルはまったく上機嫌だった。復帰して間もないというのに満足のゆく成績だったし、彼のたったひとりの生徒である勇利もすばらしかった。その勇利は、いま、ヴィクトルが選んだ新調のスーツを着て隣に立っており、髪をすっきりと上げていた。試合のときのような髪型だが、試合のときとはまたちがうあでやかな空気をまとっており、今夜の彼は際立ってうつくしかった。ヴィクトルは詩的な賛辞を彼の耳元にささやいた。 「どうもありがとう」  勇利は控えめに笑っただけだった。そんなふうにされると、もっといろいろ言って気を引きたくなる。 「部屋へ帰りたくなってきた」 「具合でも悪いの?」 「きみとふたりで『具合よく』なりたい」 「そんなこと言ってる場合じゃなさそうだよ」  勇利はくすくす笑った。彼の視線は、会場の奥のほうへ向いていた。ヴィクトルはおもてを向け、顔をしかめた。年若い、気の強そうな女がこちらへ歩いてくるところだった。無視できない相手だ。勇利は知らないはずだが、彼女の目がまっすぐにヴィクトルを見ているのでわきまえたのだろう。ヴィクトルの顔つきを見て勇利がかるく笑った。 「そんな顔しないの」 「俺が一緒にいたいのは勇利だけだ」 「わかってるよ。でも行かなきゃ」 「いやだ。行きたくない。部屋へ戻ろう」 「わからないこと言わないで」 「勇利こそわからないの? 俺は引き止めて欲しいんだ。行かないでと言って欲しい。なんでそんなに物わかりがいい? おもしろくないな」 「ちゃんとお仕事できたら、あとでご褒美あげるから」 「どんな?」 「ないしょ」 「いいこと?」 「ひみつだよ」 「絶対?」 「絶対」 「信じられないな……」 「どうして? ぼくがいままで、ヴィクトルの気持ちを裏切ったことがあった?」 「勇利……、よくそんなことが言えるね……、きみは本当に悪い子だ……」 「行って」  勇利がきっぱり言った。ヴィクトルはまだしぶっていた。もうすぐ彼女がここまで来る。勇利と口を利かせたくないので、もう歩き出すべきだ。しかし行きたくない。 「行きなさい」  勇利が甘くささやいた。ヴィクトルは溜息をつき、ゆっくりと踏み出した。あとで本当にご褒美をもらわなければやっていられない。 「あら、カツキ、どうしたの?」  ミラの声が聞こえた。 「ヴィクトルにふられちゃって……」 「ほんとにぃ? あの男、最低ね」 「いいんだ。ぼくのことなんか、ヴィクトルが本気で相手にするわけないんだから……」  まったくひどい! 勇利はひどい! ご褒美どころかお仕置きだぞ! でもいま引き返したら、俺がお仕置きされるな……くそ……。 「ハイ、ヴィクトル」  かけられた声に、ヴィクトルは笑みを製造した。  それからの一時間ほどは、苦行でしかなかった。いったい俺がどんな悪いことをしたというのだろうと、そんなことばかり考えていた。何の罰なのだ、これは。女の話はくだらないし、寄ってくる男たちは退屈だった。ヴィクトルは勇利に会いたかった。彼のかわいらしい笑みを見、優しい声を聞き、けなげですずしげなまなざしでみつめられたかった。黙りがちなのに、話しかければたちまち気の利いたことを言い出し、そのくせちょっとそっけない態度を取ってヴィクトルを困らせる彼をそばへ呼び寄せたかった。やわらかいしぐさで頬を撫でられて、「疲れた?」と気遣われたかった。それなのに女はなかなかヴィクトルを離してくれないし、勇利とは似ても似つかない品のない物言いと甲高い声でしゃべり続けた。ヴィクトルはいらいらした。彼は勇利から離れると、だんだんと苦痛をおぼえる。勝生勇利という甘美な喜びのききめがうすれるにつれ、禁断症状が出るのだ。欲しくて欲しくてたまらなくなって、落ち着いていられない。 「ヴィクトル」  我慢の限界に達そうとしたとき、まさに望んでいた声に名を呼ばれた。ヴィクトルは激しく胸をときめかせながら振り返った。 「まだお仕事終わらないの……?」  勇利は拗ねたようにヴィクトルをみつめた。まわりにいた紳士たちが笑い声を上げ、ヴィクトルにつきまとっていた女は警戒するように勇利をにらんだ。 「ヴィクトル……」  勇利がヴィクトルの腕に手をかけた。ヴィクトルの心臓は壊れそうに高鳴った。 「もしかして、何か怒ってるの……?」  ヴィクトルは頬を赤くした。 「何が?」 「だって、ちっともぼくの相手してくれないし……」 「してるさ」 「してない」  勇利がヴィクトルをにらんだ。 「お仕置きなの?」 「何の?」 「ぼくがヴィクトルの望むような成績をおさめられなかったから、そのことでヴィクトル……」 「まさか」 「ぼくはロシアの皇帝から大切な時間を奪ってるものね。ただでさえ邪魔者なのに、ヴィクトルの愛に報いることができなかったら、いる意味なんてないよね。ぼくなんかのコーチ、ヴィクトルだってつまらないよね。ごめんなさい……」 「じゃあ俺はこれで失敬させてもらおうかな」  ヴィクトルはその場にいた者たちにほほえみかけた。 「俺の大切な生徒を失いそうなんでね。ユウリ・カツキの機嫌を損ねたら大変なことになる。スケート界の損失だろう? なにしろ、世界でトップのスケーターなんだから」  言ってから、いたずらっぽく付け足す。 「フリースケーティングにおいてのみ、だけど」 「またそんな意地悪言う。もういいよ。ヴィクトルのばか」  勇利が身をひるがえした。 「そんなに俺を困らせないで。まったく手のかかる子だな」  ヴィクトルは「それでは」と挨拶して勇利のあとを追った。勇利の機嫌を取らなければ、と思って手を握ったところで、彼は振り返ってにやっと笑った。 「助かったでしょ?」 「…………」  ヴィクトルは息をついた。 「遠くから見てるだけで、いらいらしてるのがものすごく伝わってきたよ。コーチを悪者にしないためにこの身を犠牲にしたんだ。いい生徒でしょう」  勇利はくすくす笑った。 「ご褒美は喜んでもらえた?」 「ご褒美? さっきのが?」  ヴィクトルは心外だというように口をとがらせた。 「あんなのは前戯だろう?」 「ヴィクトル・ニキフォロフがいやらしいこと言わないの」 「俺がいやらしいことはきみがいちばんよく知ってるだろ」 「そうだね。ヴィクトルはぼくの夢を壊す天才だから」  勇利はヴィクトルの顔をのぞきこんだ。眼鏡をかけていないので、いつもよりへだたりがない。勇利はヴィクトルが望んだ通り、丁寧なしぐさでヴィクトルの頬にふれた。 「疲れた……?」  優しい声がこころに染み入るようだった。 「ああ、疲れた」 「さびしかった?」 「さびしかったよ」 「ご褒美が欲しい?」 「欲しい……」 「試合のぼく、どうだった?」 「うつくしかった」 「今夜のぼくは?」 「この会場でいちばん可憐なことは、疑う余地がない」 「すらすら出てくるんだね。言い慣れてるんでしょ」 「言い慣れてる」  ヴィクトルは勇利の腰を引き寄せた。 「言われ慣れてるだろう……きみも」 「ちょっと、そんなにあからさまにさわらないで。みんな見てるよ」 「見せつけてるのさ」 「指がシャツをひっぱってるよ」 「おや、そうかい? 気がつかなかった。気がはやってね」 「ヴィクトル・ニキフォロフが子どもみたいなこと言わないの」 「勇利の前ではジュニアの選手みたいに物慣れない様子になるんだ」 「どこさわってるの」 「部屋へ戻らないと、ここでやっちゃうよ」  すこし向こうから、ユーリの「さっさと失せろ」という罵り言葉が聞こえた。みんなが笑っている。勇利が口元を上げた。 「ここでしてもいいけど、教育に悪そうだね……」 「誰の?」 「貴方の」  ふたりはすみやかに部屋へ引き上げ、扉を閉めるなりくちびるを押しつけあい、服を乱暴に剥ぎあった。 「勇利……、ねえきみ、俺のこと……」 「ヴィクトル」  勇利が熱っぽくささやいた。 「貴方、ぼくのこと……、好き?」 「勇利は変わったよ」 「そう?」 「最初は初々しくてかわいかった」 「ほんと? いまは?」 「さっきまで何をしてたか思い出してごらん」 「酔ってたからおぼえてなくて……」 「またか!」 「冗談だよ。そう悲劇的な声を出さないで。ね、ヴィクトル……」 「なんだい」 「いいこと教えてあげる」  ヴィクトルの腕の中で、熱く息づく素肌がすべった。勇利がヴィクトルのほうへ身体を向ける。 「……貴方も変わったよ」 「そうかな……」 「以前は、余裕ぶっててかっこよかったのに……」 「いまは?」 「初々しくて、かわいいよ」
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kkagneta2 · 5 years
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無題
2735 グラム、――掃除中、ふいに出てきた写真を眺めているうちに思い出した数字である。写真の中にはまだ生まれて間もない女の子の姿が写っており、これがまさかあんなに可愛らしい少女へと育つのだと思うと、感慨深くもあり、懐かしくもあり、愛しくもある。彼女は物凄く活発な子で、俺のお下がりの遊び道具をめちゃくちゃにしては母親に怒られ、幼稚園で誰それを泣かせたとか何やらで先生に怒られ、話によると幼少期の俺よりも手がつけられなかったらしく、本当に今の姿と当時の姿を比べると唖然とする他ない。まだ彼女が物心もつかない頃には、俺もしばしば近くにある公園へ引っ張られたものであったが、目一杯暴れまわるものだから彼女の体は帰る頃にはすっかり砂と泥にまみれてしまい、いじめられたのではないのかとよく疑われていたものである。
妹とはもうその頃から何をするにも一緒であった。三才違いだから小学校へは三年間一緒に通ったし、中学校もほとんど小学校の横にあるようなものだからその後も手をつないで一緒に通学した。違う部屋を割当られていたけれども、家の中ではずっと一緒に居た。寝る時も、彼女が小学四年生に上がる頃までは一緒の布団に潜り込んで、何をするわけでもなく思い思いの体勢で夜を過ごしていた。
思えば妹が落ち着き始めたのも、若干距離が離れ始めたのも彼女が高学年へ上がってからである。先の一緒に布団に入らなくなったのは一つの例で、実はお風呂も一緒に入っていたのであったが、急に恥ずかしがるようになったかと思えば、それも直に無くなっていった。
だが、もしかすると当然かも知れない。というのも思春期特有の問題として、成熟し始めた体に心が追いついていなかったのであろう。特に問題だったのは彼女の胸であった。妹は昔からの習慣で自分の部屋で着替えをせず、わざわざ制服をこちらの部屋にまで持ってきて、寝ぼけ眼の目をこすりながら、
「んっ」
と言って、手をバンザイしてパジャマを脱がせようとしてくるのであるが、その時ジュニアブラを通して見えてくる膨らみがどんどん日を追うに連れて大きくなっていくのである。小学五年生に上がる頃にはぷっくりと先端の突起が現れていたし、小学六年生に上がる頃にはもはやジュニアブラでは覆いきれなくなったのか、可愛らしい刺繍の編み込まれた普通のブラジャーをつけるようになっていた。恐らくすでに彼女の握りこぶしぐらいの大きさであったかと思われる。
妹が自身の胸元をどんな思いで俺に見せていたのかは分からない。思うに単に寝ぼけていただけであろう。手をバンザイして来た時にそのまま放っておくと、パタンと布団の上に倒れ込んですうすうと寝息を立ててしまうほどに、妹は朝が弱いのである。何にせよ彼女の胸は、同年代はもとより大人の女性と比べても遜色ないほど、小学生にして大きくなっていた。
正直に言って男の俺からするとたまったものではない。手が伸びたことの一度や二度は当然ある。だが妹が小学生の頃に、実際に触れたのは一度だけである。確か大晦日の夜のことで、おせちやら何やらの準備で気の立った母親が、時間の節約と言う名目で、
「もう二人してダラダラするならさっさとお風呂入って来なさい、ほら、行った行った」
と言ってくるので仕方なしに立ち上がると妹も渋々立ち上がっている。トイレに行ってくると言う彼女を残して先に浸かっていると、ちょっとしてガラガラと音がして入ってくる。手で胸元を隠しながらかけ湯をして、そっと水面を波立たせないように足から浴槽に入って来て、こちらに背を向け、そのまま俺の足と足のあいだに体を潜り込ませ、ゆっくりと体を倒してくる。
しばらくは無言で互いの鼓動を聞き合うだけであったが、鼻に当たる彼女の柔らかい髪の毛がこそばゆくて、ついくしゃみをしてしまって以来、一年の終わりともあって色々と話がはずんだ。そうこうしているうちにすっかりリラックスした妹は、手も足も体もだらけさせてしまったので、溺れないよう俺は彼女を支えてあげていたのだが、うっかり手が彼女の胸に触れてしまう。――が、妹はピクッと体を震えさせてこちらを見てくるだけだった。そこには嫌悪感はなく、びっくりしただけだったようである。俺はさわさわと撫でるように触り続けた。手のひらにちょうど収まるおっぱいの心地よさは何物にも比べ難く、このままずっと触っていられそうであった。彼女は俯いて声が出るのを抑えているようで、時おりひどく色っぽい鼻息が漏れ聞こえてくる。思い切って先端にある可愛らしい突起を摘んでみると、
「お兄ちゃん、そこはダメ、……」
と言って弱々しい力で手を取ってくるが、やはりそこには拒絶はない。むしろ迷っているような手付きであった。だがその時、あまりにもお風呂の時間が長かったために痺れを切らした母親の怒号が飛んできて、ドスドスと中にまで入って来てしまった。それきり俺たちは大人しく体を洗い、もう一度だけ一緒に浴槽に浸かると、お互い恥ずかしさのあまり静かに新年を迎えた。
  妹は俺と同じ中学には通わず、区内にあるお嬢様学校に進学することになった。あの大晦日の日以来、俺と妹との関係がどのように変わったのかは分からない。お風呂を一緒に入ると言うのもそれ以降しばらくなかった。はっきりと言えるのは会話が増えたことと、妹がどんどんお淑やかになっていくことと、逆に二人きりだとどんどん無防備になっていくことである。朝の着替えはもちろんのこと、お風呂から上がるとタンクトップ一枚になったり、バスタオル一枚をちょうど谷間が見えるように体に巻き付けたり、そもそも妹が中学校に上がってからというもの、お風呂に一緒に入ろうと誘われることが多くなった。しかもそれが机に向かっている最中に後ろから抱きついて、
「おにーちゃん! 今日こそ一緒にお風呂に入りましょ? んふふ、隠しても無駄だよ。ほら、行こう?」
と指を顔に這わしながらささやくものだから、頭を包み込んできそうなおっぱいの感触と、耳元のこそばゆさで俺はどうにかなってしまいそうだった。妹は兄である俺を誘っているようであった。そしてそれが実際に誘っていることは追々分かることになる。
しかし、今はそれよりも彼女のおっぱいについて語ることにしよう。中学生になっても成長の止まらない妹のおっぱいは、一年生の時点で俺の手では包みきれないぐらい大きかったと記憶している。当時俺は高校生であったが、同学年でも上級生にも妹より大きいおっぱいの持ち主は居なかった。時々本屋で目に飛び込んでくるグラビアモデルなぞも妹には敵わない。日々洗濯物としてベランダで干されて居るブラジャーは、もはや俺の顔を包めるほどに大きく、装飾は同年代の女の子のそれと比べると地味で、時々三段ホックのものが干されている時なぞは、彼女の兄であるにも関わらず心が踊った。妹はバスケットボールを部活でやっていたようだが、体操服にやっとの事で収めたおっぱいが走る度に揺れに揺れてしまい、手で押さえつけていないと痛くてしょうがないと言う。そもそも成長痛で始終ピリピリとした痛みが走っているらしく、俺と話している途中にも幾度となく胸元に手をやって、ストラップとかカップの位置を調整する。最も文句の多かったのは階段の上り下りで、殊に激しく降りてしまうとブラジャーからおっぱいが飛び出てしまうから一段一段慎重に降らなければならない。そういう時にはさり気なく手を差し伸べてエスコートしてやるのだが、失礼なことに妹はそうやっていたわってやると、
「えっ、やだ、お兄ちゃんがそういうことをするなんて、全然似合わないんだけど」
としごく嬉しそうに笑って、手すりから手を離してこちらにもたれかかってくる。その時すごいと思ったのは、上からチラリと見える谷間よりも下に広がる彼女の視界で、足先はかろうじて見えるけれども、階段の段差などは全く見えないのである。
「苦労してるんだなあ」
と呑気に言うと、
「ようやくお分かりになりまして?」
と澄ました顔で言うので、つい笑ったら頬を突かれてしまった。
さて、話を妹が俺のことを誘う誘わないの話題に戻そう。ある日のことである。彼女が中学二年生に上がって何ヶ月か経った頃、家族でどこか温泉でも入りに行こうと中々渋い提案を父親がするので、そっくり乗った母親と何やら良からぬことを企んでいそうな妹に流されて、家族総出でとある山の中にある温泉地へと向かうことになった。旅行としては一泊二日の極々普通な旅であったが、事が起きたのは夜も更けきって、良くわからない蛙だとか、良くわからない鳥とか、良くわからない虫が大合奏をし始めた時のことである。
泊まることになったペンションと言うのが中々豪勢で、温泉地の中にあるせいか各部屋ごとに備え付けの露天風呂があり、夜中に目を覚ました俺は、せっかくだしもう一回入っておこうと唐突に思うや、気がついた時にはもう温泉に浸かっていた。深夜に自然の音を聞きながら入る露天風呂はかなり良い。大学生になったら温泉巡りなども趣味に入れようかと思いながら、小難しいことを考えていると、カラリと言う扉の開く音が聞こえてきた。一応これほどにないまでこっそりと露天風呂にやってきて、かけ湯も極力音を立てないようにしたのに、家族の誰かが聞きつけたらしい。その者はそっと音も立てずにこちらにやってくると、まだあどけなさの抜けない顔をこちらに向けてしゃがみこむ。
「なんだ里穂か」
と言ってみると、
「なんだとは何です。お兄ちゃん愛しの里穂ちゃんですよ。となり良いですか」
彼女が裸になっていることに気がついたのはこの時であった。いつものように遠慮しようにも時すでに遅く、妹はするすると足から湯に浸かると、隣ではなく背を向けて俺の足の間に入って来る。――
しばらく無言が続いた。この時のことはよく憶えている。眠いのか船をこぐ妹を支えつつ耳を澄ませて山の音色を聞く。――それは何とも幻想的で桃源郷にいるような印象を抱いた。この時俺は彼女のお腹を抱きしめるようにして、彼女の体を支えてあげていたのだが、ちょっとでも腕を上へ滑らせると、ふわりと浮いているおっぱいに手が当たるのである。これが桃源郷でなくて何なのか。文字通り桃のような妹の膨らみは、最高としか言いようがなく、彼女が寝そうになっていることに調子付いて、何度も上へ下へ浮き沈みさせてその感触を楽しんだ。
するとのぼせそうになった頃合いに、突然目の覚ました妹がお尻をぐりぐりと動かして来た。しまったと思って手を引っ込めたけれども、途中で掴まれてしまった。
「んふふ、……いまさらどこに逃げようとしてるです?」
と、彼女は俺の手を自身の豊かな胸元へ。
「毎回毎回、ちょこちょこ触って来ては、こんなに固くして。……もう、お兄ちゃんのために大きくなったようなものなんですから、もっと触って良いんですよ? あ、でも、ちゃんと言ってからにしてくださいね」
そう言っているうちにも、妹はもにもにと俺の手を思いっきり動かして、自身のおっぱいを揉ませてくる。当然、ものの数秒で彼女の手は添えるだけになり、俺の手は自分の力で彼女の胸を揉みしだいていた。
この時聞かされたのだが、妹は全部知っていた。意外とうぶな彼女はあの大晦日の夜、俺がしたことをいまいち理解していなかったようだったけれども、今となってはそういうことだったのだと理解してしまっており、俺に逃げ道はもう残されていなかった。彼女の質問に頷きつつ、彼女のおっぱいを揉みしだき、彼女のお尻に大きくした〝ソレ〟を刺激される。最後から二番目の質問は、
「うわぁ、……ほんとうの変態さんだ。……じゃあ、こういうこともされたかったんだ?」
この言葉を言うや、妹はするりと拘束から逃れて、俺を温泉の縁にある岩場に座らせるよう促す。次に何が起きるのかはもはや分かりきっていた、彼女はすっかり大きくなった俺のモノを、ずっと大きな自身のおっぱいですっぽりと包むと、体を使ってずりずりと刺激してくる。行為の最中俺のモノは一切見えず、あの蠱惑的な谷間と頭の中がとろけそうな色っぽい声に、俺は一瞬で果ててしまった。
肉棒をずるりと抜き取ると妹は、
「気持ちよかった?」
と最後の質問を言ってきて、精液でドロドロになった谷間をゆっくりと広げていく。その顔には中学生の女の子のものではない、何か微醺を帯びたような一人の成熟した女性の持つ色香が確かにあった。
  こうして俺は妹の虜になり、果ては彼女の胸の中で種を放ってしまったのである。旅行の次の日には俺と妹は昔のように引っ付き合っていた。親から笑われようとも、帰って来ても、ずっと離れることはなく、久しぶりに夜をともにした。
以来、俺は妹のおっぱいを事あるごとに揉んだ。二人きりで居る時はもちろんのこと、外に出かけた時も周りを見計らって揉んだし、登下校中にも彼女が良いよと言ってくれたら隠れて揉んだ。そこから次の段階に発展するようなことはあまりないようなものの、胸でしてくれたり、手でしてくれたりするのはよくあることであった。
中学二年の終わり頃には、妹のおっぱいは世間では全く見られないような大きさに達しており、俺も驚けば本人も驚き、時々来る彼女の友達も私服姿を見てびっくりするなどしていた。ベランダで干されているブラジャーの大きさもどんどん大きくなっていき、とうとう俺の顔が余裕で包めるほどの大きさになっているのであるが、俺には女性の下着をどう見たら良いのか分からないからこの辺にしておくことにする。ただ言えることはめちゃくちゃ大きい。本当にこんなブラジャーがあるのかと信じられないぐらい妹のブラジャーは大きい。……
そう言えば中学三年の春、彼女がそのめちゃくちゃ大きいブラジャーをくれたことがあった。というのも、
「私が修学旅行に行っちゃうと、お兄ちゃん寂しがると思いまして。ですので、――はい、これ、プレゼントです。もう合わないから、お兄ちゃんの好きなようにしてください」
そんな馬鹿げた理由だったのだが、実のこと、この時くれたブラジャーは大学生になった今でも下宿先に持って行って、時おり寂しさを紛らわせているのは確かである。タグには32K と書かれているけれども、俺には良くわからないので、当時中学3年生だった妹のおっぱいがどれほどの大きさだったのかは聡明な読者のご想像にお任せする。
ただ彼女の大きな胸が、残酷な現実を呼び寄せてしまっていたことは伝えねばならない。まず痴漢は日常茶飯事であった。電車に乗れば四方八方から胸はもちろん、案外豊満なお尻にも手が伸びてくるので、必ず俺が壁となって彼女を守らなくてはならない。そもそもの話として男の視線そのものが嫌だと言っていた。そして一人にしておくと何かしら知らない男が近寄るので、おちおちトイレにも行けない。機嫌が良ければ、
「あの人、お兄ちゃんよりかっこよかった」
と言ってケロリとしているのであるが、そうでない場合はひどく面倒くさいことになってしまう。痴漢と言えば学校でもあるらしく、これは男よりも同性同士のじゃれあいで触られると言う。そして彼女が一番心を病めるのは同級生からの妬みであった。当然あんなに大きなおっぱいをしているものだから、妹はしばしば泣きはらした目で帰ってくることがあり、それとなく話を聞いてみると、
「今日も詰め物をしているんじゃないかと言われて激しく揉まれた、私だって好きでこんなに大きくしたんじゃない、あの子たちには全然おっぱいが無いから私の苦労をわかってもらえない、私の半分でもいいから分け与えてみたい」
と、ひとしきり文句を言って最後には、
「でもお兄ちゃんが満足してくれるなら何でもいいんだけどね」
と笑いながら言うのであった。
しかしこれらは彼女にとっては大したことではないかもしれない。妹が本当に心の底から泣きはらしたのは、彼女が中学三年の夏真っ盛りの頃、あれほどに悔しそうにしている我が妹は後にも先にも見たことはなく、恐らくずっと先の将来に渡ってもあの姿を見ることはもう無いだろう。先に彼女はバスケットボールを部活としてやっていたと言ったが、中学3年生の夏頃にもなると、胸が痛くてもはや激しく体を動かすことなんて出来なくなっていた。聞けば試合に出ては足を引っ張り、自分のせいで負け、幾度となく涙を流していたと言う。
彼女の最後の試合は見に行った。常に胸に手をやり、動いては胸を抑えて痛がるものだから、ボールが来ても反応が一瞬遅れてしまって折角のチャンスをものにできていない。兎に角ひどい動きだった。だが、当然とも言えよう、何と言ってもバスケットボールとそれほど遜色ない大きさで、バスケットボールとは比較にならないほど重たい膨らみが胸に二つも付いているのだから、むしろそれで試合に出て、あれほどまで体を動かせると言うのは、かつてやんちゃだった妹だから出来るのであろう。誰が称賛せずに居られようか。
迎えに行った時、彼女はバスケ部の同期後輩に囲まれて声を上げて泣いていた。意外とあっさり引き渡してくれた理由は考えたくもない。彼女にとっては最後だったけれども、三年生の試合としてはまだまだこれからという事実はさぞかし悔しかったであろう。その日は一晩中隣に居て、頭を撫でてやった。
そんな妹であったが、明くる日の朝には早くも復活して、
「次は受験だねー」
と飼っている猫に向かって呑気に言っていた。この時妹はボケててこんなことを言っていたけれども、彼女の通う中学校は中高一貫校なのだから何も心配はいらない。むしろ受験で大変なのは俺の方で、今度は俺が妹に頭を撫でられる羽目になろうことは目に見えていた。だが、彼女の危惧はそちらではなく、この一年間を終えると俺は地元を離れてしまうと言うことが、殊更気にかかっているようであった。何せ、
「実は合格してほしくないって思ってる。お兄ちゃんが居ない生活なんて私、嫌」
とまで言ったのだからよっぽどである。それでも俺は頑張った。決して妹を蔑ろにしたわけではないけれども、兎に角頑張った。気がついた時には彼女もまた応援してくれるようになっていた。
だから受験は上手く行って、俺は別に泣きはしなかったけれども、妹は泣いて喜んでくれた。その涙がどこから出来たのかは分からない。だが俺の顔をあの巨大な胸の谷間にすっぽりと入れて、何度も何度も背中を擦ってくれる。それはかなり息苦しかったけれど、これほどにないまで気持ちの良い抱擁であった。
そして実家で暮らす最後の日、俺たちは前々から約束していた通り次のステップに進んだ。自分以外何者の音も聞こえない深夜、彼女は震えながら俺の部屋へ来ると、まずはキスをせがみ、ゆっくりと服を脱いでいった。合う下着がないからと言って、おっぱいの溢れかえるブラジャーを取っ払い、綺麗に畳んで一糸まとわぬ全身を俺に見せる。――もはやそこには今まで見てきた妹は居なかった。よろしくおねがいしますと彼女は言った。俺も彼女の要求に答えて、手をしっかりと繋いでから、秘部に自分のモノを出来るだけ優しく入れた。これ以上は何も言うまい。最後に妹は目に涙をためながらこう言った。
「お兄ちゃん、どうか私のことを忘れないでください」
と。――
ところで、ここまで言っておいて何であるが、妹はその後何事もなく高校生活を歩んでいるようである。そして俺は突然初めた片付けが終わらずに嘆いているところである。妹の写真やらブラジャーやらを見つけて以来全く進まぬ。少し前に連絡が来た時には、彼女はあと15分くらいで着くからと言っていた。ならもうすぐである。俺は片付けの途中でむしろ汚くなった部屋を眺めてどう言い訳したらいいのか考え始めたが、あのしっかり者の妹のことだから言い訳なぞ通じないであろうと思うと、ベッドに横たわってさらに大きくなった胸元を頭に描きながら彼女の訪れるのを待つことにした。
  (終わり)
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