ドラゴン→デストラ その1
ドラゴンがまだ全盛期だった頃の過去話。いつも週末になると夜8時位に行ってヤリまくってた。
そこはシャワーとトイレがユニットバスになってるので、個室に入り鍵を閉める。そして鍵を閉めたらポーチから、あらかじめ用意していた詰10の中に水を入れて溶かす。その間シャワーを浴びてケツを洗う。入念にケツを洗った後、最後のすすぎのお湯をケツに入れた状態で、横にある様式便所に腰掛ける。そして腕にタオルを固く結び、一発でプスっと探り当てる。そのまま引くと筒の中が赤くなり、器用にタオルを外してズズズっと押し込んでいく。箇所を抑えたまま腕を上げ、深呼吸をするとスーっと頭ん中が冷たくなっていく。きたーーーー!って思うと同時にケツからお湯をブシューっと漏らす。一時期これにはまっていた。
これは昔、TELセク系の掲示板で知り合った人に聞いた体験。なんでもその人が相手の子に量を教えずに詰15渡したら、入れてパッキーーーンってなったと同時にションベンと糞を同時に漏らしたんだって。オレはスカトロも好きだからやれるときはやるが、さすがにハッテン場だと迷惑かかるからお湯で疑似体験。
準備もできたので腕を抑えながら外に出て通路をうろうろ。こわばった顔に息が上がってると、それだけでわかるやつにはわかる。175cmくらいの筋肉質なやつにケツを触られ、手を引かれて個室にいく。鍵をガチャと閉めたらオレの両乳首をつまんでコリコリさせながらベロチューしてきた。オレは自分のヘニャチンと相手のギンギンの勃起チンポをいじっていると耳元で「キメてるだろ?」と低音でボソっとささやかれた。それで膝がガクガクしてしまい、ゆっくり座った。「あー、これガン堀りコースだな~」とか、「最初から飛ばされるとケツきついんだよな~」とか思っていたら、彼はローションを出して丁寧にケツをほぐしてくれた。いや、ほぐすというよりは指で犯されている感じだな。慣れた手で指を2本、3本と少しずつ増やされてRを吸い、乳首を軽くかまれるとケツがドンドン緩んでいく。それを見越して、生チンを入れて来た。14~5cmくらいで一人目だとちょうどいいサイズで、オレの呼吸に合わせてゆっくりズブズブっと生チンが入ってくる。途中で騎乗位に体位を変えて、オレのペースに合わせてくれた。根元まで全部入ったのを確認すると、ローションを足しながら徐々に動き始めた。こんな丁寧にやってくれるなんておそらくリバだろう、受けの状態がよく分かっている、本当に見事な流れだったんでうっかり惚れそうになる。騎乗位、正常位、最後は松葉崩しで奥の奥にくっせぇザーメンを種付けしてもらった。
彼は「ありがと」と言うと扉をあけてシャワーに行った。オレは鍵をわざと閉めずにケツマンに指を入れて、ザーメンを自分の腸壁にこすりつけるようにまんずりしてた。すぐにガッチビ体型の40歳くらいのやつが入って来て、オレの種マンに指を入れて確認。
「種マンなら大丈夫よな。」と言うと生チンをケツに突っ込み、勢いよくケツを掘り出した。さっきの彼がいなかったらヤバかったかもしれないくらい、激しくパンパン打ち付けて来た。きっと受け未経験のバリタチだな。Rを出し「ほら嗅げよ」と言われると、ケツに生チン入ったまま、鼻に小瓶当てて来た。
オレは片鼻を指で押さえ「すーーーーーーーーーーっ」と勢いよく吸い込んだ。そして反対の鼻には自分のRをポーチから出して、2種類の違う色のRを「すーーーーーーーーーーっ」と吸い、5秒くらい息を止める。はい、変態マンコの出来上がり。そのまま獣のように声出しながら汗だくになって交尾した。
「おらおらおら、種上がってきたぜぇ」と言うとケツを掘る速度が上がってきた。
「ほら、種付けるぞほらほらほら!」と言うと一瞬動きが止まり、ケツの奥にドピュドピュと種が打ち付けられるのがわかる。すげー勢いで結構な量がケツの中に出されているんだろう。
汗もかいたのでシャワーを浴びに部屋を出た。ケツの中の種はもったいないからそのまま残し、軽くシャワーで汗だけを流してから中央のブランコ部屋に行った。ブランコに乗ってるバリ受けが何人ものやつに掘られていた。ガンギマリになってる彼はアヘアヘ言いながらよだれを垂らしてる。そんなのを見ると、こっちもあがる。オレもその中に混ざり、チンポしゃぶったり、生チンケツに突っ込まれて掘られたりした。何人かのタチがオレやブランコくんに種付けすると、なんとなく人が散っていった。その後オレはブランコくんの駆け寄った。そのままケツマンに顔をうずめ、穴からジュルジュルっと種付けされたザーメンを吸い取ると、生臭くてツンとした味が口の中に広がりった。そのまま受けの顔をじっと見ると、ブランコくんもわかったのかヘロ顔しながら口を開けた。ダラーっと口の中に垂らし、そのままザーキス。口の中であっち行ったりこっち行ったりさせながら、最後は半分こしてごっくんって一緒に飲み込んだ。
時間は1時を回ったところ。ここの店は営業時間がオールじゃないので、次の店に移る準備をした。
つづく
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はちゃめちゃ年下メンズ以来誰とも会っていなかったけど、そろそろスイッチ入れるか〜と気合いで半年ぶりにアプリ開く。
ペアーズの男の子とマティス見た。初対面でいきなり美術館ってまあまあハードル高いけど、彼とは苦痛じゃなかった。展覧会のイントロ読まないんですか、と聞いたらだいたいわかってるから、と返されたけど、それがぜんぜん嫌味じゃない。感覚で観るタイプなんだね、と言われてなんで?と聞くと、ペース早いから、と返ってきて恥ずかしい。親が芸術畑で、本人は建築の人だけど趣味で作品作ってるそう。こういう人といるとそれらしい見解を述べねば、と息巻いてみるけど、叩けどなんら出てこない。
次もあるけど、飯と飲みは別腹なので一緒にかおたんラーメン啜る。初対面でラーメン啜れる人は大事にしたほうがいい。次もデート誘っていいですか、って台詞、何度聞いても良いなと思う。進展がないに違わない男友達との飲みもぜんぶデート換算している、そのほうが楽しいから。
三丁目に移動して沖縄料理。公務員しながら映画脚本書いてるらしい。イメフォでの上映期間はタップルで女の子と同伴してから映画館に送客してた、と言われて笑った。彼とは電話で俺もM1出たんだよね、という話で盛り上がり、前の相方がM1ビッチすぎてコンビ組み捨てされたから事実上解散してる、と伝えたら自分と組まないか、という打診をされ、会うことになったのだった。
そのはずだったんだけど、思いのほかタイプで困る。デートなんだかオファ面なんだか定かでない時間。翌日早速ネタ送られてくる。なんだかんだ会い続けることになりそうだけど、うっかり寝てしまいそうなんだよな。。寝た男とコンビ組んでもいいけどコンビ組む男とは寝ない、これはマイルールです。彼氏作るより相方見つけるほうが当たり前に難しいし。とはいえ、この葛藤は葛藤の種類としてめちゃくちゃ良いなと思う。
翌日は歌舞伎観劇してからdineの男の子と恵比寿で中華。銀座での予定後向かう、と伝えたら店前だと寒いので銀座駅で待ち合わせませんか?と謎提案をされてめちゃくちゃ萎えたものの、寒いの気遣ってくれたんだなあという視点が持てるようになったことに成長感じる。案の定会話はぎこちないしぜんぜんスマートじゃない。dineに載るような飲食店でバイトしていたから、予約すればそれ経由のカップルなのは当然ばれているわけで、これはかつての私がしていたように店員がお膳立てしてくれているんだな、と気づく瞬間が何度もあった。こういうプロの仕事を垣間見ると嬉しくなる。師事してるチェロの先生のレッスンに毎週四国とを往復していた話を聞いて、そういうの好きだなと思った。眼科のセカンドオピニオンしてもらって解散。
感覚掴めてきたかんじ。ここしばらく恋愛する気起きなあい、とくだ巻いていたけどやっぱりあまりにも楽しいし、偏愛のある人のことがどうしても好きだ。好きなタイプはビジネスとカルチャーのバランスが良い人、とずっと言っていたけど、最近は後者のウェイトが高い時期。
なんとなくTinderやってた頃を思い出した。あのときの私のことすごく好きだったなあ。正直ステディな人は見つからない気がするけど、当分いまはこれが良い。
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15/07/2023
あじさいレアチーズケーキ(カフェのある祁答院町の町花)
レアチーズケーキの上にハーブの一種バタフライピーのゼリーを乗せたんだそうです(Butterfly pea unbaked cheesecake)。
今日の日替わりランチはハンバーグ🍽この後日替わりランチは完売したそうです。
Today's daily lunch special is hamburg steak set meal.
食後はお約束の丸ごと桃ちゃんタルトとあじさいレアチーズケーキ(Peach tart & Butterfly pea unbaked cheesecake).
藺牟田池では蝶のアップの撮影に成功🦋
藺牟田池到着時はあれだけ晴れていたけれど、この後スコールのような土砂降りになったのが今でも信じられない☔⛈
祁答院町唯一のケーキ屋、菓子工房クアトロに初訪問。
甘さがしつこくない、胃もたれしないと薩摩川内市内や姶良市、鹿児島市からもお客さんが来るとの評判のお店。桃のスイーツをお買い上げ💖
左)桃とラズベリーのパイ🍑
中央)もも菓🍑
右)桃のクレープ🍑
噂どおりに美味しいのに甘さがしつこくないのでペロリと食べました笑
さつま町の蓮の花畑(広瀬)
国道504号線と鹿児島県道51号線の交差地点にあります。ピークを過ぎて花から種になりつつありますが、これまた圧巻の風景です。
3日前から販売がスタートしたさつま町産のマンゴーを使ったタルト🥭
マンゴーの美味しさもさることながら、ケーキのタルト生地とクリームがマンゴーを邪魔していないので去年は週1~3日のペースで食べていました笑
今年も絶対食べたかったので、2日前の職場で昼休み中にお店に電話して取り置きしてもらいました。食べると、「これこれ🥰」って幸せになるんです🥭さつま町はキャッシュレス決済のキャンペーン真っ最中なので、また行かないと!
薩摩川内市の特産品のひとつ、鬼灯(ほおずき)。
無病息災、魔除けとして古くから飾られるそうで、帰りに一休のオーナーから頂きました。玄関に吊るして飾ると、乾燥後もきれいだよと教えていただいたので、早速自宅の玄関に飾っています。下から撮っていますが、実際は140cmくらいの長さで、これまた圧巻です。
Ground cherries are sometimes used as talismans.
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起きる機会を見失ったものたち
5年前ぐらいからTumblrの下書きを溜めるようになり、気づいたら下書きだけで200を超えそうになったので、今更出せない記事をごちゃまぜにしてみた。ある意味総集編。
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このあと何しようとなった時、美術館を提案してくれる人って素敵だなと思う。その時コンラッドにいたというのもあると思うけれど。あの辺りは美術館が多い。
傷ついているのはわたしで、痛いのはわたしだとずっと思ってきた。だけれど、あなたの反応を見てああわたしが傷つけたのだ、と思った。恐らくわたしが大切な人にされたら1番傷つくやり方でわたしは線を引いた。
この前名駅に行ったら袴姿の女の子達がたくさんいて、ああ卒業式の季節かと思った。金箔も水引も出てきた当時誰がやるんだこれと思ったけど、見慣れるとカワイイし尖っててクールでいい。私たちの卒業式の頃の流行りはドライで、ドライってやわ過ぎてぽろぽろしてフケみたいになるの、なんか嫌だったから。
卒業式、受付が始まった頃ヘアセットが崩れて、慌てて着付け会場だった近くのホテル電話して、小走りで駅を逆走していたら、丁度卒業式会場に向かうところだった友人にそっちじゃないよと手を取られたの、懐かしくて愛しい思い出だ。あとは宗教に洗脳された同じ学年の子が校長先生の話の後急に壇上に上がって話はじめたのが怖かったのが強烈に残っているぐらい。
全然食べたくないどん兵衛のニンニクバター味噌にお湯を入れる。全然食べたくない味がした。お湯を入れすぎたのか、若干味が薄い。最後スープを流したら容器の底から信じられないほどみじん切りにしたニンニクが現れてゾッとする。すぐさま水切りネットを変える。
段ボールを開けたらすべておなじにおいがした。洋服もスタンドライトも山吹色の土鍋も。私の部屋は、私はこんなにおいだったのだな、と思う。
お酒を飲んで、帰りたくなくて、近くの公園でアイス食べて花火してブランコを漕いですぐ気持ち悪くなって笑った。夏。ブランコを勢いよく漕いでヒールを飛ばして笑いながら拾ってくれるところまで含めて夏。ブランコ漕いだのなんて何年前だろう、と思いながら去年もそういえばブランコを漕いだ事を思い出した。夏だった。高台にある、動物のいる細長い公園。
深夜の公園は酔っ払った若者か、犬の散歩をしてる人か、ダンスをしてる人しかいない。気づいたら2時を過ぎていて、それぞれタクシーを呼んで帰る。今日もタクシーの運転手に近くてごめんなさいね、って言うんでしょと言われてよく分かってるなあと嬉しくなった。まだわたし達出会って1ヶ月ぐらいしか経ってないのにね。
やめられた先輩や上司達がずらりと並ぶ飲み会で、黙々と枝豆を食べなが周りのペースに合わせてビールを飲んでいたら、現先輩方から怪訝な顔をされた。やだしおらしいの変だよ、え?松田さんっていつも違うの?、全然違いますよーわたし達のこと先輩って絶対思ってないですもん、そうなんだ意外〜。ガヤガヤした店内に甲高い先輩の声が響く。まん丸にした目を向ける上司に言える言葉もなく、ただ苦笑いを返した。自分のつまらなさに苛立つ。
ちなみにいつものわたしと言うのは、先輩方にほぼタメ口で話し、名前にちゃん付けで呼び、飲み会では先輩に取り分けてもらい、みんなの制止を振り払って日本酒を煽るような女である。こんな後輩を可愛がってくださる先輩達の心の広さたるや。平伏してしまう。大好き。
もちろん先輩方にも最初からこんな態度を取っていたわけではない。2年目までわたしは趣味は裁縫とおかし作りで、ピンクのフリフリのワンピースを着て、淑やかでおとなしい子だと本気で信じられていた。そんな事は一言も言った事はないけれど。
わたしは所謂猫かぶりというやつだ。猫かぶりというか、初対面で慎重にいくタイプだと言って欲しい気もする。23年間生きてきて、わたしの性格というのが個性として簡単に受け入れてもらえないことを痛いほど学んできたから。わたしはどの学校でも1年生の10月ぐらいまではろくな思い出がない。どれだけ己を押し殺してひっそり生きているつもりでも、強烈すぎて受け入れられなかったと言われたりする。
わたしはWikipediaにつらつらと肩書きが沢山連なって結局何をやってる人なのかよく分からないって思われたいの、とあなたに言ったら君らしいねと穏やかに笑ってくれた。わたしらしいってなんなんだろう。
運命の恋なんて転がっていないし、運命の人なんて待っていたところで迎えにきてくれやしないのだ。
あなたが第2の故郷が軽井沢だというので、わたしの第2の故郷はどこにしようかなと言ったらお前は鎌倉やろ、と返してきた。よく覚えてますねと驚き半分であなたの顔を見たら、あたりまえやん何年の付き合いやと思っとるねんと得意げに言われたので、強めに叩いておいた。本当にそういうどうでもいいことばっかり覚えているのだ、この人は。たいせつなことは全部わすれてしまったくせに。
怖い夢か過去に大好きだった人と幸せになる夢ばかり見るから寝るのをやめた。頭が重たい。布団はちっともあったまらない。高速道路がすぐ近くにあるこの家は、深夜になるとよくトラックの走る音がする。朝5時をすぎるとスズメが鳴きだす。朝8時半になるとびっくりするような声をあげる子供達が外で遊ぶようになる。9時を過ぎると1時間おきにお寺の鐘が鳴る。この3週間で全部覚えた。
隔離されていた間に季節は確実に春に向かっていて、私はそれが悲しかった。片付けても片付けてもすぐ散らかる部屋の片隅に座り込んで春ってろくなことないから春なんだよなあと思う。ほんっとにろくなことない。部屋のファンを回す。すぐに夏が来るのだろう。きっと今年のゴールデンウィークは暑い。菜の花をダメにしてしまったのでひどいにおいがする。夏になるし気をつけなければ。
本当はもうあの時死んでしまいたかった、いや消えてしまいたかったよとあなたに言うと、そんなの俺が許さないと真っ直ぐ目を見て言ってくれた。ばかみたい。あなたはわたしが消えてしまっても別に何にも失わないのにね。わたしはあなたが死んでしまったら失うから死なないで欲しい。二度と会えなくなってしまっても、あなたがこの世界のどこかで息をしてると思えればわたしも生きていける。
新しい仕事何にしようとDODAをスクロールしていた時、どうしようもなく泣けて泣けて仕方なかった去年の夏。15の時から夢見て20で叶えて、たったの4年で諦めなければいけなかった夢。音が鳴らない黒のぺたんこ靴。オレンジ色のスカーフ。資生堂のルージュルージュを引いて無理やり鏡の前で笑顔を作る瞬間。しょっちゅうボリュームを調整しなければいけないインカム。もう二度とあの仕事は出来ないような気がするし、あの仕事をしたいのかと言われると分からないけれど、懐かしくて思い出す度胸が締め付けられる。
精神が安定している時は自分の精神が弱っていることなんてひとつも思い出さないのに、まるでアドレナリンが切れたスポーツ選手よろしく一定期間精神が落ち着いたらきちんと一定期間精神をおかしくする。まあでもだいぶ冷静になってきたんじゃないだろうか。冷静なふりが出来るようになったの間違いかもしれない。
世界が混沌としている今、こんなことでだめになっている私は贅沢なんだろうか。先生に言われた通りとんぷくを飲んだせいで今日は1日だめにした。だからあの薬は嫌い。嫌い嫌い嫌い。薬なんて大嫌い。大嫌いなのに一向に私の飲む薬は減らない。やんわり拒絶されているような気持ちになってへこむ。
お金で買えない幸せがある、と言われる度鼻の奥がツンとなる。知ってるよ、それが欲しくて欲しくて欲しくて欲しくて、でも無理だったからお金で買える幸せを片っ端から手に入れていたのだ。
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本来は親友に向けたマンションリフォームのアドバイスだが、LINEで送るには長すぎるので、増田の日記として公にさらしてみる。ブコメやトラバで有用な反論が得られるかもしれない。祝1000user超え。いろんな意見が聞けて楽しい。おそうじ浴槽がみんなに届いてうれしい。祝2000user超え。自分の知識がみんなの役に立ったようでうれしい。はてブ愛してる。増田は建築士としてそれなりに経験値はあるが、住まいのあり方や価値観は本当に多様なので、N=1の意見として参照するぐらいがちょうどよい。大前提適切な断熱壁と二重ガラス樹脂サッシが装備されていること。それがない建築が許されるのは安藤忠雄だけ。既存のサッシが交換できないならインプラスなどの内窓をいれればよし。風呂編おそうじ浴槽!これが言いたくてこの長い日記を書いているといっても過言ではない。google:image:おそうじ浴槽 他の設備投資を削ってでもこれを装備してほしい。日々の家事から風呂そうじを排除できるのでオススメ。じゃあ何を削ればいいかというと、、、鏡→いらない。水アカ掃除の手間を増やすだけ。化粧棚→いらない。必要に応じて山崎実業のマグネット収納をつかえばよい。浴室乾燥機→いらない。アイリスオーヤマの除湿器で代用できる。風呂の入り口付近にコンセントを用意しておく。上下するシャワーフック→これはいる。が、山崎実業のマグネットフックで代用可能。風呂のサイズは1620か1616にする。この2つは浴槽が1.6mあるから足を伸ばせる。そのほかの1416とか1418 etcは浴槽が1.4mになってしまう。ただし1616は一般に住宅用しかない。なぜか1620はマンション用もある。住宅用とマンション用の違いは施工に必要な天井の高さ(これショールームのスタッフすら知らなかったりする)。マンション用のほうが必要高が低いので、排水の勾配など制約の多いマンションでも施工できる。逆に言えばその制約さえクリアできれば住宅用をマンションに施工することも可能。最近は1616でもマンション用があるとのこと。TOTOは1717というさらに浴槽が大きいやつもあるらしい。トラバ感謝。なお換気扇は選べるならパナソニック製をオススメする。パナソニック以外は換気扇の羽を外すことができない。それでお前は何にしたノーリツのユニットバス1616。標準でおそうじ浴槽がついてくる。なぜならおそうじ浴槽はノーリツの特許だから。だがコスパが高すぎて儲からなかったのかノーリツはユニットバス事業から撤退してしまった。。。床編なぜか無垢フローリングにあこがれる人が多いが、高いし隙間が空くしメンテも大変で何がいいのかさっぱりわからん。オススメは厚突きフローリング。無垢の質感とべニヤの寸法安定性を両立している。薄い突板のフローリングは偽物感がすごいので、だったら偽物でいい。マンションだと防音フローリングといってふにゃふにゃのフローリングを勧めてくる工務店がいるが、これは工務店の施工が楽になる建材でユーザーにメリットはない。下地側で防音は確保できる。仕上げの塗装ウレタン塗装やUV塗装は強靭で水を放置しても浸透しない。ただし傷ついたときの補修はプロに依頼しないといけない。自然ワックス仕上げは質感に優れるが、醤油をこぼしたのを一晩放置すると浸透してシミ��なる。数年おきに塗り直しが必要だが自分でDIYできる。どっちが良いかはお好みで。それでお前は何にしたニッシンイクス150mmオーク自然オイル仕上げ/30度ナナメ貼り。複合オーク150幅 | 無垢・複合フローリング・不燃ボード|NISSIN EX.本当はヘリンボーンにしたかったがめっちゃ高いのでナナメ張り。床暖房温水式にしよう。電気式は暖まるまでの時間がかかりすぎて実用的でない。壁や天井の仕上げ天井躯体あらわし!中古マンションでなければできない仕上げ!天井は水漏れでカビてなければそのままつかえるはず。ぜひやろう。壁壁面は大抵のマンションで解体後にGLボンドという接着剤が盛大に残るので、上から塗装するかそのままにするかを判断する必要がある。google:image:GLボンド 撤去 マンションリフォームの事例集で綺麗なコンクリート壁がでてくる場合があるが、あれはもう一回壁を仕上げなおしている。余談だが世の中のほとんどのコンクリート打ちっぱなしの建築は、コンクリの上から打ちっぱなし風の塗装をしている(安藤忠雄のように本物のコンクリートで打ちっぱなしを仕上げるのはものすごく難しい)。一般人は���の塗装をみて「やっぱコンクリート打ちっぱなしはかっこいいねー」と言っている。それは塗装だ。たまに「コンクリート打ちっぱなしって寒くないの?」と聞かれるが、それは断熱が入っていない建築をイメージしているから。なので安藤忠雄の住宅は夏暑いし冬寒い。なお忠雄本人はタワマンに住んでいる。マンションの場合、隣や上階に部屋があればそこが断熱として効くので打ちっぱなしでも大丈夫。ただし床は例外。熱伝導率が高いので皮膚が触れたときに同じ温度でもコンクリートやタイルのほうが冷たく感じる。それでお前は何にした壁面はGLボンド撤去の上、塗装。一部モルタル塗り直し。一般の壁はAEP塗装の白マット仕上げ。寝室とクローゼットはモイスという調湿建材。壁紙はきらいなので未使用。キッチン食洗器海外勢のデカイ食洗器をいれよう。パナソニックのビルトインは買ってはいけない。あれは卓上タイプよりも食器が入らない。海外食洗器をキッチンをいれるときは、床から天板の下端までの高さに注意してほしい。日本だとミーレがデカい顔をしてぼったくり価格で売っているが、これは高さが80cmでギリギリ日本の一般的なシステムキッチンに入る寸法だからだ。AEGやボッシュは82cm以上を要求するので、日本の一般的な85cmの高さのカウンターだと入らないことが多い。逆に言えばとにかく下を82cm確保すればどのメーカーでも入る。AEGはカゴがリフトアップする。ボッシュは耐久性が高い。ガゲナウはボッシュの見た目をかっこよくしただけ。IKEAはAEGのリフトアップを削除した廉価版。ミーレはぼったくり(2回目)。ガスorIH中華料理命!でなければIHをオススメする。加熱時に上昇気流が発生しないから油が飛び散りにくいし、使っていないときはフラットだからほかの用途に使える。勝間和代氏はIHのガラスの上でうどんこねてた。それでお前は何にしたコスト削減のためシステムキッチンは購入せず、天板だけ買って大工さんに施工してもらった。天板の下は無印の収納を突っ込んでいる。これで百万ぐらいコスト削減。天板はシゲル工業で作ってもらった。スクエアシンクって手で溶接するからめっちゃ高いんだけど、ここはプレス品だから安い。スクエアシンク | ステンレスワークトップとキッチンシンク製造のシゲル工業その他に検討したのはキッチンハウスのグラフテクト。今でもグラフテクトはアリだと思っている。GRAFTEKT -グラフテクト- | 家具のようなキッチン・システムキッチン水栓はLIXILのナビッシュA6。濡れた手で触らないので、水栓周りがよごれにくい。https://www.lixil.co.jp/lineup/faucet/navish/換気扇はパナのDEシリーズかフジオーにしよう。メンテがしやすい。パナはDWという10年掃除不要と謳っている製品を推しているが、あれは代わりに一切のメンテができず、10年で本体交換を必要とする地雷。IHもパナ。グリルまでIHにしている唯一のメーカー。このグリルが優秀で、オーブン代わりになるし、パンもおいしく焼ける。おかげでヘルシオとバルミューダトースターが不要になった。洗面台水栓は垂直面から生えたやつにすべし。立ち水栓は根本が汚れる。ダブルボウルは便利だが、なくてもなんとかなる。それでお前はLIXILのYL-537を2台設置。洗面台と水栓が一体型で、かつ壁から水栓が生えている。本来は公共施設用のものなので耐久性が高い。それでいてシステム洗面台より安い。いいことづくめ。唯一の弱点は排水トラップが真下に生えるから下の収納に制約がでる。脱衣所にガスコンセントを引いておくと、ガスファンヒーターで冬の風呂上がりの寒さや洗面所の足元の冷えを解消できる。乾太くんやガス炊飯器もそうだが現代のガス機器は優秀なのにマイナーなのでもっと評価されるべき。トイレ安さに惹かれてパナのアラウーノにしたが、失敗した。パナはアラウーノの素材のことを「有機ガラス系新素材」とか言っているが、これは単なるプラスチック。普段は自慢の泡洗浄で汚れを防いているが、一度洗剤が切れると陶器の数倍の速さで汚れる。しかも洗剤の消費ペースが早く毎月補充が必要。めんどい。やはりトイレはTOTOにすべきだった。パナは商品設計はとても誠実なのに、どこかに弱点があると言葉のあやでごまかそうとするのがムカつく。パナソニックが聞きなれない単語を使い始めたら要注意だ!手洗い器は洗面所と同じで、垂直面から水栓が生えているやつにしよう。その点でサンワカンパニーはダメ。あいつらインスタ映えすることばっかり一所懸命でメンテのことを忘れてる。照明調光可能な照明を入れる人類は太陽の動きと連動して暮らす生活を何万年と続けてきたので、極力それに合わせた照明を計画するのが基本。究極は「日が沈んだら寝る」だが、現代人には無理ゲーなので「夕日が沈むのを遅らせる」のを目的とする。なのでだんだん暗くできる調光可能な照明をいれる。夕日の代わりなので暖色にする。色温度が変わる機能は不要。増田は風呂や納屋も含めて調光可能にした。深夜になにかを思い出して、納屋やトイレに行ったときにバチっと全開でライトが付くのは不快だ。パナソニックがまさにそういった夜間だけ暗くなる人感センサースイッチを出している。[トイレ壁取付]かってにスイッチ(換気扇連動・ほんのり点灯モード対応) | アドバンスシリーズ | スイッチ・コンセント(配線器具) | Panasonicタスク&アンビエント聞きなれない言葉かもしれない。これはタスク=作業場所とアンビエント=環境照明は別々に計画しましょうということだ。真っ暗な部屋でスマホライトをを下向きにすれば手元が照らされ、上向きにすれば部屋がぼんやり照らされる。照明は向きによって機能が変わる。食卓やキッチンなど何かしらの作業が発生する場所には下向きのライトで必要な明るさ確保、それだけでは全体が暗いので、上向きの間接照明で明るさを補うといい感じになる。食卓の上にペンダントライトを吊るのはタスクライトのためであってオシャレのためではない。この「何かしらの作業が発生する場所」はライフステージの中で結構変動するので、照明の位置や向き、数を可変できる「照明ダクト+スポットライト」が増田のオススメ。白くて丸いシーリングライトは、タスクに必要な明るさを確保しようとするとアンビエントまで過剰に明るくなる。すると眼の光彩が絞られて手元が暗く感じる→さらに明るいシーリングライトを買ってきて・・・の無限ループに陥る。親のいる実家がどんどん明るくなるのはそのせい。シーリングライトは法律で販売禁止にすべき。それでお前は何にしたタスクライト→天井に配線ダクトをつけまくり、MAXRAYのレトロフィットスポットライトMS10481-44にウシオ電機のCシリーズの電球。 LDR6/5 E11 φ65 ロング(スポットライト) | 照明器具のマックスレイ | ウシオライティング(製品サイト) 信頼できるメーカーで調光可能で演色性が高くてそれなりに安いとなるとこのへんになる。ウシオ電機は一般にはあまり知られていないかもしれないが、建築業界ではとても有名な照明メーカー。器具自体はデザインでお好きにどうぞ。よく「LEDは10年もつぞ」と言われるが、その前に5年ぐらいで制御基板が壊れるので灯数が多い器具は電球が分離できるやつにしておいたほうがいい。アンビエント→リビングはコイズミの棚上照明。商品名の通り壁面収納の上を間接照明にして天井を照らしている。Shelf’s Compact Line|シェルフズコンパクトライン|コイズミ照明株式会社寝室は壁面にパナのホームアーキの壁面ブラケット。天井には照明無し。HomeArchi(ホームアーキ)|ブラケット|住宅用照明器具 | Panasonicスイッチ基本スイッチはすべてパナのリンクプラスで遠隔操作可能にした。正直高くついたしアプリは超クソだが、PSEを遵守したなかで選ぶとパナしかない。Philips Hueなどのスマート電球でリンクプラスの代用とすることも可能だが灯数が多いときはあまりオススメしない。演色性が低いのと基盤がすぐ壊れる。アプリはクソなので(2回目)、これらをArduino+Homebridgeで自動制御しているが、詳細を書くとこの日記が3倍に膨れ上がってしまうので、そのうちQiitaにでも書く。なお照明は製品設計としてそれなりに奥が深いので(インバーター周波数とか演色性とかカンデラとルクスとルーメンの違いetc)なるだけパナか照明専業メーカーのものを使おう。安いからってアイリスオーヤマとか買っちゃダメ![B! 家電] ブログ アイリスオーヤマのLEDシーリングライトのチラツキが酷いパナのアプリがクソで思い出した。パナソニックの玄関ドアホン、これもアプリも超クソだった。ピンポーンとなってからスマホで出るまでに30秒はかかる。 30秒もまたせたら相手は留守だとおもって立ち去ってしまう。それじゃあ、と思ってアイホン、Google Nest、Alexa Ring、も買ったが同様に遅延がひどい。どうしろと!!→結果、Aqara G4でなんとかジプシーを卒業できた。今んとこまともに機能するスマホドアホンはこれだけかも。安藤忠雄は好きです。
マンションリフォーム虎の巻
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P3 Club Book Koromaru short story scan and transcription.
虎狼丸の優雅な一日
初夏の爽やかな日差しが心地よい日曜日。今日もなかなかの散歩日和だ。少し早めに出かけて、少し寄り道をするのもいいかもしれない。明確な言葉によるものではないが、だいたいそんなことを考えつつ、その柴犬は神社の石畳から身を起こして軽くあくびをした。
犬の名はコロマル。正式には虎狼丸と書くのだが、本人 (本犬?) は字が読めないので、とくにその違いにこだわりはない。彼がこだわっているのは、毎日の散歩。先日、彼の飼い主である神社の神主が事故で亡くなって以来、新しく神社の主となった人間は、最低限必要な食事は出してくれるものの、散歩に連れて行ったり頭をなでてくれたりはしない。コロマル自身、前の飼い主だけが唯一の主人であると思っており、もし新たな神主が散歩に連れて行こうとしたとしても、以前のルートを変えるなど考えもつかないことだった。なので、今日もコロマルは散歩に行く。まず、長鳴神社からムーンライトブリッジを超えてポートアイランドの駅前まで。その後、再びブリッジから蔵戸台方面に戻り、町をぐるりと巡ってから神社に戻る。これが、毎日の長い散歩のロードマップ。
「わん!」
人間の言葉に直せば、さあ行くか、といった感じだろうか。コロマルは一声鳴くと、いつもののんびりとしたペースで歩き出した。
「あ、コロ助、おはよ!」
ふと、かけられた声に、コロマルは面倒くさそうに顔を向ける。それは、三つ編みの髪を頭の両側でお団子にした、小学生くらいの女の子。いつも、夕方ごろに神社で遊んでいる子だ。
実を言うと、コロマルはこの子が少し苦手だった。嫌いなわけではないのだが、ややコロマルを構いすぎる傾向にあるのだ。大人と比べて体温が高い子供が、気温が高い日にむしゃぶりつくように抱きしめてくることを想像してほしい。毛皮に覆われたコロマルの苦労は、その想像の軽く上をいくものだ。ただし、慈悲深いコロマルは、そんな女の子も無下には扱わない。この子がわりと苦労人であることを、コロマルは知っているのだ。そうしょっちゅうではないが、この子の両親は酷いケンカをするらしく、夕刻の神社で悲しみをこらえるようにコロマルに抱きついてくることがある。群れで暮らす犬族は、それこそ家族や仲間は命に等しい。それが仲良く暮らせない悲しみは、いかほどのものだろうか?そう思うと、コロマルは多少うっとうしくても、彼女に優しくせずにはいられないのである。
「あ、もう時間だ。ごめんねコロちゃん、舞子もう行かなきゃ。あーあ、塾面倒くさいなあ」
そう言って、彼女はコロマルの頭をひとなですると、廠戸台商店街方面へと歩み去った。うん、これぐらいのスキンシップが、コロマルにとってはちょうどいい。少し気分を良くして、コロマルも再び歩み始めたのだった。
潮の香りがする中、コロマルはムーンライトブリッジをてくてく進む。人間は、ここを観光地とかいう扱いでありがたがって見に来るらしいのだが、コロマルにとっては散歩ルート中もっとも退屈な行程である。というのも、橋の手すりが高すぎて、コロマルの体高では絶景と噂の風景も見えないからだ。しかも、やたらとたくさんの自動車が前から後ろから突っ走ってきて、危ないわ埃っぽいわ、嫌な油臭い空気を吐き出すわで不愉快ですらある。
であるからして、コロマルはこの場所を無心で歩く。なるべく潮の匂いにだけ集中し、遠くに見えるポロニアンモールの丸いドームを目指してずんずん歩く。時おり、ランニング中の人間が立ち止まって手を伸ばしてきたりするが、それも可能な限り無視してひたすら前へ。
しかし、それでも2度呼ばれると、つい立ち止まってしまう。コロマルが行ってやらないと、呼んだ人間は時々えらく傷ついた顔をすることがあるのだ。人間を傷つけることは、コロマルの本意ではない。なので、コロマルはあくまで “仕方なく” 人間に思うさま頭をなでさせる。コロマルはそういう自分の性格を時おり誇らしくすら思っているが、じつはなでられている間、ついつい尻尾を振ってしまっていることには気づいていない。コロマルはそんな犬だった。
「あれー、コロちゃん?こんなとこまでお散歩に来てるの?」
「あ、ホントだ。健脚だね〜」
ポロニアンモールに来たところで、厳戸台あたりでよく見る女子高校生に出会った。いつもの制服姿ではなく私服姿。セミロングの髪の子は、ピンクのタンクトップにデニムのジーンズ、ショートの髪の小さい子の方は、水色のワンピースを着ている。もっとも、犬であるコロマルにとって、服の違いは別にどうでもいいのだが。
このふたりは、けっこうコロマルのお気に入りである。水色ワンピースの子は、動物の扱い方を心得ているのか、コロマルが気持ちいい場所を的確になでてくれる。タンクトップの子は、なでかたこそ普通だが、あまりベタベタしようとしない点で好感が持てる。コロマルに触りたいという気持ちは、たくさん伝わってくるので、むしろもっと触ってくれてもいいのに、と思うことすらある。もし犬の言葉がわかる人がいれば、遠慮しないでいいよと言ってあげたいほどだ。まあ、そうそう都合のいいことはないと、犬ながらに買いコロマルはそう思う。
「あ、コロちゃん、こういうの食べるかな?」
そう言って、水色ワンピースの子が手に提げていた袋から何かを取り出す。赤いビニールに包まれた、棒状の何か。漂ってくるかすかな匂いに、ある期待を抱き、思わずコロマルの尾がぶんぶんと大振りになった。
「あれ?ソーセージじゃん。どーしたの?」
「え?あ、た、たまには自分で料理しようかと思って······さっきデパートで、ちょっと」
「ふーん、風花も料理したりするんだ」
「ま、まあね。あはははは」
ワンピースの子は何か焦った様子だが、すでにコロマルは、想像の中に広がるソーセージの味で心が一杯になっている。ワンピースの子は、そんなコロマルの期待に応えるように、できるだけ意いでビニールをむいてくれた。
「はい、どうぞ」
「わん!」
礼を言うのもそこそこに、コロマルはソーセージにかぶりついた。そういえば、朝食をとってからけっこうな時間が過ぎている。ちょうどいいタイミングの思わぬ幸運に、コロマルの心にじんわり幸せが広がっていく。やはり、何かを食べているときが、いちばん幸せだ。それがとくに、好きな人が手ずから食べさせてくれるとあれば、それ以上何を望むことがあろうか。
欠片ひとつ残さずにコロマルはソーセージをたいらげ、もう一度「わん」と礼を言う。
「どういたしまして」
とワンピースの子が答え、買い物の続きがあるからと、コロマルをひとなでしてどこかの店へと向かってふたりは歩き出した。ごくまれにだが、このようにコロマルの意思が、人間に通じているように思えることがある。それは単なる錯覚や勘違いかもしれないが、それもまたコロマルに満足感を与えることのひとつなのだ。
ともあれ、コロマルは今日彼女たちに会えた幸運に感謝しつつ、散歩の続きを楽しむことにした。いずれ、コロマルは先ほどの想像どおり彼の言葉を理解できる存在と出会い、この日もっとも幸運だったことは、ワンピースの子がくれた食物が “調理前” だったことにあったのだと知るのだが、それはまた別の話である。
散歩の折り返し点、ポートアイランド駅に着いたときには、太陽は南天を過ぎ、もっとも暑い時間帯を迎えていた。駅そばにあるオープンテラスのカフェは、日曜ということもあって満員。いつもなら、ここで小腹が空くタイミングとなるために、カフェの客に愛想を振りまいたりすることもあるのだが、今日はもらったソーセージのおかげでその必要もない。
とりあえず、涼しい日陰でも探そうかとコロマルが駅前広場を見回したとき、ぞわり、と背中の毛 が逆立つような感覚がした。無意識に、尻尾が丸くなって足の間に挟みこまれる。コロマルは、その感覚に覚えがあった。
--いた。
花塩そばのベンチに座った、白いドレスの少女。手には大きめのスケッチブックを持ち、空ろな目でしばし前を見つめては、手元に目線を移して右手を動かす。その作業を、少女はひたすら続けている。
コロマルは、あまりこの少女に近づいたことがない。別に危害を加えられた訳ではない。ただ、以前1度だけ、少女の前方にいたときにじっとあの目で見つめられた。それだけだ。その目が、コロマルは今も怖くて仕方がない。
言葉を持たないコロマルは、その印象をうまくまとめることはできないが、あえて説明するとしたら、それは生き物としてはありえないほどの、虚無に満ちた視線だった。コロマルの目からは、少女は既に死者に等しく見えた。
だが、そんな少女が。
「······おいで」
なんと、コロマルを認めて声をかけてきたのである。一瞬のためらいののちに、コロマルは少女のほうへと近寄った。丸めた尻尾は、気力を振り絞って常態に戻している。少女に対しておびえを見せることが、何となく申し訳なく思えたからだ。それがなぜかは、わからない。
コロマルが近寄ると、少女は手に持ったスケッチブックを数枚めくり、やがてコロマルにひとつの絵を示した。強弱が定まらない輪郭線、不安定な色彩。正直、犬であるコロマルに絵の良し悪しはわかりはしないのだが、その絵からは何か圧倒されるものが伝わってきた。それは、この世のすべての生き物が恐れるべく定められた、“死” そのもののイメージだった。
「······これ、お前よ」
その言葉に、コロマルは首をかしげて再び絵を見る。よくわからない。だが、コロマルの生き物としての鋭敏な感覚が、その絵にこめられた別のイメージを感じ取った。
これは、憧れ?
紙の上にすみずみまで満ち溢れる、死というマイナスイメージの中、ほんのかすかに匂う生への憧れというプラス。それはまるで、地平線まで広がる黒々とした底なし沼の真ん中から、すがるように空に向かって伸ばされた白い手。
「普通は······誰かに見せたりしないけど······お前は、勝手にモデルにしたから、一応······」
目を合わせず、言い訳するように少女は呟き、そそくさとスケッチブックを畳んでしまう。
「く~ん」
と、コロマルは、甘えるように鼻を鳴らす。少女に付きまとう、得体の知れない死のイメージは微塵も薄れてはいないが、それでも小さな小さな助けを呼ぶような気配が気になった。だが、少女にはそんな想いは通じず--。
小さな体に不釣合いな大きさのスケッチブックを抱え、少女は無言で立ち去ってしまった。
自分には、あの虚無から彼女を助けることはできない。それを本能的に知覚し、コロマルは少し悲しくなる。そしてコロマルは気づく。
--誰かを守れる力が欲しい。
そんな想いが、自分でも意外なほどに、強く強く満ち溢れていることに。それは、愛する主人を突然の事故で亡くして以来、自分の気づかない場所で、静かにっていた火だった。
それから、コロマルは沈んだ気分を晴らすように、ポートアイランド駅近辺をたっぷり散策した。今日はなかなか面白い人間が多く、別に吠えたり呻ったりもしていないのに「ちょっと!アタシは犬って苦手なのよ!犬は悪い人がわかるって言うし、アタシなんか噛まれるに違いないんだからね!しっし!訴えて慰謝料とるわよっ!」と叫ぶ中年男にじゃれ付いたり、なにやら月高の女生徒を付け回す同じく月高の男子生徒を、真似して尾行してみたりした。そして、ほんの少し気持ちが復活したところで、コロマルはポートアイランドをあとにして、行きと同じ道を辿って帰路に着く。
ポロニアンモールで立ち話をする主婦の、買い物袋から漂う匂いの誘惑に打ち勝ち、相変わらず埃っぽくて油臭いムーンライトブリッジをずんずん進み、ほんのちょっと厳戸台駅前に寄り道をする。これもいつものルート。
このあたりに来ると、昼が長い夏とは言え、すっかり日は傾きかけていた。駅前商店街に多数存在する食べ物屋からは、それぞれに違ったいい匂いが漂ってくる。とくに気になるのが、香ばしく焦げたソースの匂い。前に1度だけ食べたことがある、たこ焼きの匂いである。
ちょっとした気まぐれで、店主が散歩中のコロマルに投げてよこしたたこ焼きは、今までに経験のない美味だった。
「ホンマは犬猫にタコやイカはあかんのやけどな。ウチのはほら、タコ入ってへんから」
店主はそんなことを言っていたが、コロマルにとってはどうでもいいことである。ただ、もう1度だけ店主が気まぐれを起こしてくれないかと、このあたりで足を止める癖がついてしまったのが、我ながら情けない。
空腹をこらえながら、コロマルは商店街を進む。今日はあいにく、コロマルに食べ物を恵んでくれる気になる人間はいないようだ。いつも新しい神主が提供してくれる食事は、コロマルにとってはやや物足りない分量である。今日はちょっと疲れたので、もしかするとあれでは足りないかもしれない。今夜は、空腹をこらえて寝るしかないかと、コロマルが覚悟したとき。
「よう、コロちゃんじゃねえか」
後ろからかかる声。
大きく尻尾を振って、コロマルは声の主のもとに走り寄った。亡くなった主人を除けば、おそらくコロマルがもっとも大好きな人間だ。
「ほら、焦るなって」
そういって、その人は懐から容器を取り出し、地面に置いて開けてくれる。中身は何か肉を煮込んだもの。巌戸台商店街やポートアイランドでよく見かけるその人は、いつの頃からか、定期的にコロマルに食べ物を持ってきてくれるようになっていた。口調は乱暴だが、優しい人だ。
「よし、いいぜ。食えよ」
いつものことだが、コロマルは律儀に一声吠えて礼をいい、それから出された食事を食べ始める。あまり味を気にしないコロマルだが、その肉は絶品だった。濃すぎない味付け、適度な歯ごたえ、神社で出されるドッグフードとは雲泥の差である。食べながらコロマルは思う。色々あったが、今日は総じていい日だった。明日もいい日になるだろうか?
どちらにせよ、コロマルは毎日を精一杯生きるだけだし、日課の散歩も変わらないだろう。手が届く範囲の幸せ、それを守ることがコロマルの重要事であり、それは確かに、生き物すべての真理なのである。
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まだ出てない新刊『令和ブルガリアヨーグルト』連続ドラマ化
※長いです
おはようございます。はじめまして。「地味にスゴい!校閲ガール・河野悦子」の原作の小説を書いた人です。名前は宮木あや子といいます。宮本あや子ではなく、宮木あやこでもありません。木です。子です。いろんな小説を書いています。
三年ぶりの新刊『令和ブルガリアヨーグルト』予約がはじまっております。食品会社に勤める20代の人間とブルガリア菌のダブル主人公でお送りする、笑いあり涙は特にないが謎の感動はたぶんある、ジャンル分けするのを諦めてほしいハートウォーミングな感じの長編です。
それから
三年ぶりの新刊「令和ブルガリアヨーグルト」、出版前からどういうわけかドラマ化が決まってました。やったねー!
テレビ東京水曜25時~、題名は「推しを召し上がれ~広報ガールのまろやかな日々~」、主演は鞘師里保さん!
https://www.tv-tokyo.co.jp/oshimeshi/
略称は「オシメシ」だそうです。まさかこの内容で○○ガール系の題名になるとは。
「校閲ガール」書いてたときは「私も○○ガール市場(ルビ:しじょう)に参入したい! 先達のガールたちに乗っかってドラマ化とかでボロ儲けしたい!!」という打算100%でしたが、此度のガールはまったくもって意図していませんでした。したがって今回はどじょう100%(二匹目)
原作者プロフィール
1976年 神奈川県生まれ 東京都在住
2006年「花宵道中」で第五回女による女のためのR-18文学賞受賞:デビュー
詳しくは上のほうにある「★」をクリックしてください。
ゆるキャン△に影響されて今年の八月にキャンプを始めました。
テレ東の深夜といえばもぐもぐドラマ。しかし原作はまったくもってもぐもぐしてません。かなり原作通りに脚本を作ってくださった感じがしますが、映像化ってぜったい「全く同じ」にはならないので、私の読者のみんなには今までの映像化と同じく、小説とは違う種類のエンターテイメントとしてお楽しみいただければ幸いです。脚本めっちゃ面白いです。
あと、この機会に各方面へお願いさせていただきたいこと。
今回のドラマは「乳酸菌を推すヒューマンビーイング」が主人公です。これまでも私は「推しがいる人間」が出て来るお話をいくつか書いています。その中のひとつが『婚外恋愛に似たもの』というアイドルファンの小説で、2018年にdTVでドラマ化されています。
が、最近dTVがなくなってしまい、あの名作ドラマが現在どの配信サイトでも観られなくなってしまいました。円盤も出ていません。親の欲目や自画自賛ではなく本当にこのドラマはみどころいっぱいの名作です。主演のオタクは麗しき栗山千明さん、今をときめくDa-iCEのおふたりや増子敦貴君も、推されるアイドル役で出ています。チカちゃん(あつきくん)マジ爆売れだよね……雅さんもきっと喜んでるわ。ここをご覧の関係者様、いらっしゃいましたらぜひ御社でお迎えのご検討を何卒お願いいたします。原作側の窓口は光文社です。
※ここから転載禁止※
※以下の文章の一部およびぜんぶをどこにも転載しないでください。以下の文章をもとにした記事や動画を絶対に作成しないでください。※
公表されているキャストさんについて個人的なあれこれ
主演の鞘師さんについて
ラッセ! めんつゆの国からようこそヨーグルトの国へ。
先日、豊洲のライブを拝見してきました。タレントとファンの信頼関係と双方の愛が溢れる素敵な現場で、余所のオタクながら見ていてすごく幸せな気持ちになりました。ありがとうございました。スマホライトの光の海、きっと綺麗だったでしょうね。私はその翌日幕張で似たようなことをしてきました。
テレビをほとんど観ない、芸能にすこぶる疎い私の薄い知識の中での鞘師さんは「BABYMETALのサポートですごいダンスを踊っていた子」でした。あとモモウメのラスクの歌と、やがて古田新太になる山田様の彼女、そして柚木麻子の推し。この原作でOKしてくださり本当にありがとうございます。
鞘師さんのファ���の皆さま、原作者、ハロプロはほとんど判らなくて申し訳ないのですが、女子アイドル方面では細々とさくら学院が好きでした/です。当時はすぅちゃんと鞘師さんが同じスクール出身だとは知らず、サポートメンバーがほかのグループの子、というニュースにおおいに驚いた一人です。機会がありましたら原作の小説のほうもお手に取ってみてください。帯に鞘師さんのお写真が入ってます。あと、もし私の公開授業にいた父兄でハロ兼の方がいらっしゃったら、お手数ですが鞘師さんファンのお友達に私の説明(できれば良い印象を持ってもらえそうな)をお願いしたいです。ヲタ友の口伝が一番信頼してもらえると思うの。出身賞にR-18って入ってるし、映画で安達祐実さん脱がせた原作者でめっちゃ心配だと思うけど、手のひらの楽園という本は国語の試験や学習教材によく使われているんだよと(本当です)。そういう未成年向けのお話も書くんだよと。私の代わりに。弁明を。どうかお頼み申す。
明日海さんについて
宝塚の湖沼があるとしたら、私は離れた村落からその湖沼まで月に二回くらい水を汲みに行っている永遠のにわかです。
映像化していただく際、いつもダメモトで「私の夢の配役リスト」を出しています。好きな俳優を挙げるわけではなく、なんとなくこんな感じかなあ、と想像する容貌に近い役者さんのお名前を書くだけの熱量低めのものですが、此度の企画書のキャスト欄はほとんど空だったため、まあ今回もダメもとで出してみるかと、緑川役には現実的に依頼が可能そうな元宝塚の方のお名前を書きました。そしたらいろいろ飛び越えてすごいの来ちゃった……。なんか、鉄板焼き屋で私のお小遣いで食べられるせいいっぱいのお肉頼んだら、お店の手違いで松坂牛のシャトーブリアン出てきたみたいな感じで、「緑川は明日海りおさんです」って言われたときちょっと何を聞いたのか判んなくてリアクションできませんでした。いいの……!?! それ超高級なおにくだよ……!?!
ファンの皆さま、よろしくお願いいたします。私は今までの推しが全員卒業後に芸能から離れており、今は直近の推しのお手伝いだった下級生さんを細々と応援しています。顔の造作ぜんぜん違うのに、ダンスも演技もお化粧も決めポーズの表情や首の角度も推しちゃんにそっくりで、スール制度(っていうのか?)すごいなと毎回感心しています。在団中のみりおさんの出演作ではハンナのお花屋さんが好きです。よろしければ原作本もお手に取ってみてください。帯には間に合いませんでしたが、書店にあるかもしれないPOPにはお名前を入れさせていただいております。
橋本さんについて
橋本さんにお願いしているとうかがったのがちょうどVIVANTが終わった直後くらいの時期で、え!?!?! あの製作費が民放最高額の超大作ドラマに出てた、「帝劇? 俺の別荘やで!」みたいな俳優さんに一人称が吾輩の微生物役頼んだの!?! 正気なの?!?! ってガクブルでしたがわりとノリノリでお引き受けくださったらしいという話を二人くらいあいだに挟んで聞きました。なんという懐深きイケメンタル。まことにありがとうございます。素晴らしきブルガリア菌20388株になる予感しかありません。楽しみにしてます!!!
余談ですが、企画書いただいた時点ではブルガリア菌はCGか声だけだと聞いていたため、夢の配役リストには少年役を得意とする若い女性声優さんのお名前を書きました。その後制作側で紆余曲折あったらしく、まさかの生身。しかも身長184㎝のアラ還イケオジプロフェッショナル。予想の斜め上にもほどがあるわ。ただ、この布陣になった以上橋本さんのファンにこそぜひ読んでほしいので、ファンの皆様は原作本をお手に取ってみたらそのままレジへ直行してください。橋本さんのお役がより愛しくなること、ドラマがより楽しくなること請け合いです。私が橋本さんのファンだったらぜったい「観る前に読んどいてよかった!」って思うと思う。発売日は11月29日です。何卒よろしくお願いいたします。
※※転載禁止ここまで※※
書籍に関する詳細は発売日近辺にまた書きます。見に来てください。
買い逃している人がいるかもしれないので再度のお知らせですが、小説「雨の塔」の続編が、今年の始めに出た「百合小説コレクションwiz」という百合アンソロに載ってます。題名は「エリアンタス・ロバートソン」です。よろしくね!
あと校閲ガールシリーズの文庫がまた何度か重版されてました。ありがとうございます。電子の売り上げがわからない+単行本の刷数を憶えてないので、大幅に少ない/多い可能性もありますが、たぶん現在20万部くらいです。頑張ったわね悦子……これから頑張るのよ由寿……
近況(キャンプ)
順調に月二回ペースでキャンプしてます。楽しいです。先日新しいテントとガスストーブとめっちゃあったかいと評判のダウンジャケットを買いました。今からそれらを使うためにキャンプへ行ってきます。PCやタブレットは持って行きません。スマホは持って行きますが老眼で指もパサパサでキャンプ場は寒いです。お察しください。木曜には戻ります。あと上のほうで書き忘れましたがご存じない方のためにベビメタはさくら学院の元重音部です。それでは行ってきます。
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240108
熱がある。
耳の先端が真っ赤だ。
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240109
昨日のまま、熱がある。
1か月前も熱が出ていて、発熱が月1ペースになっている。
身体の中のなにかがうまくいっていない。
これまでずっと、先のことばかり気にしていた。
いつかこうありたいから、今、こうする、そう行動してきた。
いつも不安だった。
でも、そろそろ平気だって。流されて、きもちのいいところまで行けるって、そんな気がしてきた。
熱はあるけど、動けるし、野菜を食べておいたほうがいいだろう、とスーパーへ行く。
ねぎと白菜と、みかん。冬だ。
お米が重く感じて、ささみとねぎだけ焼いて食べた。
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240110
目覚まし時計はかけなかった。
8時間くらいねた。
おかげで熱が下がった。
勢いにのって、作業をし続けていたらへろへろになってしまった。
つくった本を宅急便に出して、帰り道、コンビニで紅茶花伝のミルクティーを買う。糖分が染み込む。
疲れたときには紅茶花伝のミルクティー。
いつでも思い出せるようにいたい。
がんばった甲斐があったようで、山を越えたらしい。
わたしの容量が少し空いた。
友人からの連絡に返事をする。たのしみな日々の約束。
御飯茶碗にもなるような小鉢を割ってしまった。
形あるものはいつか壊れる。そうなぐさめる。
割れた欠片を手にとってみると、軽かった。
なんとなく、卵の殻を思った。
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240111
朝、気怠い。
いつもよりは軽い心地だけれど、ぼんやりとゆううつで、どうしたら気持ちよく朝を迎えられるのだろう。
DMを作っていたら、1日が終わってしまった。
近所のスーパーの2階に、休憩所をみつけた。
100円の、カップに飲み物をいれてくれる自動販売機と机と、椅子。
部屋での作業に飽きたら、ここに来よう、と思った。
店内のあかるいばかりの放送がしみつきそう。
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久しぶりの日記です。
サボり癖が酷すぎて一年以上開けての更新になってしまいました。これからは自分のペースで(暇な時に)書いていこうと思います♩
遂に大学生になってしまいました!びっくりです、なにがびっくりかというと、自分が大学生になれたということです(^_^;)
勉強が運動の次に嫌いな私がよく大学に入れたなって気持ちとなんとなく大学生になる前に死んでる気がしたのでやっぱり死んでないか~って気持ちの両方でびっくりしてます。
入学式は誰とも目をあわせなかったです(笑)私の学校は服飾の大学なのでみんなオシャレで大人で1人でも生きて行けそうで(偏見)自分に自信のない私はみんなの圧で粉々になってしまいそうでした!!友達が出来るか不安不安:;(∩´﹏`∩);:でもできたらとっても楽しい大学生活になるのかな、なんて思ってしまいました。
写真は学校帰りに高校の友達とカフェにいるところです♩このカフェで働きたいと思ってましたが店長が少しくせ者で迷ってます♩♩
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2024.01.13sat_tokyo
何回目かもわからないiPhoneのアラームを止めてベットからモゾモゾと出てきた9時15分
朝に弱いので、何もない休日なら3度寝、4度寝をかましたいところだが、今日はやることがたくさんある。
<メモ>
今日やること
・洗濯
・買い出し
・イベント準備
・メニュー表作成
紙にメモを書くのが好きだ。頭の中が整理されていく気がするし、書くと安心する。仕事上ではタスク管理ツールをつかっているので毎日リストを手書きしているわけではないが、休日に朝イチで紙にメモを書くと、なんだか良い日になる気がす���。
社会人になったときから愛用しているロディアのA4メモパッド
半年に1冊くらいのペースでつかっているので、かれこれ8代目になる
———
わたしは会社員をしながら、グッドイーターという名前で細々と食の活動をしていて、明日はイベント出店の日だ。今回のイベントのテーマは「冬野菜×やさしい韓国料理」
いつも韓国料理をつくっているわけではなくて、むしろ毎回題材は変えている。これまでやってきた料理も、おでん、トルコ料理、イギリス料理、ビストロ系料理など様々….
料理を考えるという工程自体が好きなので、どうしても毎回新しいことをしたくなってしまう性分なのだ。代名詞のような料理を持っている料理人さんに憧れもあるが、わたしは同じものを作り続けることはきっと向いていない。
領域は自由な分、味の作り方には自分なりのルールのようなものがある。
・季節を感じる食材を使う
・素材の味を引き出す味付けにする(即席系の調味料は使わない)
・新しさを感じてもらう食べ方や組み合わせの提案
この3つが揃うと、グッドイーター的ごはんになる。
世の中には病みつきになるような味が溢れているので、素材の味だけで「美味しい」にたどり着くには少し工夫がいる。うまくやらないと、素材の味、は物足りない、と表裏一体だ。なので、目指す味にたどり着くために何回も試作をする必要がある。(最近は同棲を始めたパートナーにも助言をもらいながら)
今週はチヂミを15枚位食べた。
そろそろ韓国人になりそうだ。
昼ご飯を兼ねた、春菊と下仁田ネギのチヂミの試作
———
季節の素材を扱うと、自ずと下処理も多くなる。
今回の強敵は、”里芋”だ。
大学生の頃、料理の活動を始めたときに「料理は10人前を超えると修行だな」と思ったことがあるが、未だにイベント前は毎回思う。
目の前には泥まみれの里芋が2パック。こればかりは頑張るしかない。
ひたすらに皮を剥く作業は瞑想のようで、それはそれで良いのだが最近はよくポットキャストの「コテンラジオ」をお供にしている。
コテンラジオは、歴史上の重要人物や偉人達について、歴史が好きすぎる人たちが深堀って解説をしてくれるとても上質なコンテンツだ。もともと歴史から逃げて地理を選択していたくらいの大の歴史苦手人間だが、大人になると徐々にその面白さがわかってきたように思う。
コテンラジオを聴いていると、どんな偉人もその時代を生きたひとりの人間にすぎないんだな、と感じる。大器晩成どころか、亡くなってから偉業が認められる人もいるなかで、現世、ましてや人生の中の現段階での他人の評価や社会への影響なんてどうでも良い、という考え方に救われる気持ちになった。
———
そんな事を考えているうちに、里芋を剥き終わって仕込みが終わった。
次はメニュー表作りだ。
本業と食の活動を両方しているからという完全な言い訳なのだが、いつもメニュー表は前日にバタバタとつくり始めることになる。(ギリギリマンやめたい)
Canvaのテンプレートではいつもいい感じのものを見つけられず、毎回頭を悩ませて自分で作ることになる。試作時に物撮りした写真を使って、なんとかメニュー表を作成した。
デザインは勉強してみたい気持ちがあるが、いつもなんとなくで作ってしまう。デザイナーの弟になんと言われるのか毎度ビクビクしているので、そろそろちゃんと勉強した方が良いのかもしれない…
———
実は明日のイベントには、取材が入ることになっている。
テーマは「令和らしい新しい働き方」
本業をしながら、食の活動をしていることを珍しがってもらい、お声がけいただいたものだ。メディア慣れしていないので、内心ドキドキだ。
準備おつかれさまのジントニックを作って飲みながら、明日話すことを考えたりなどした。
こうして、予定していたやりたいことをすべて無事にクリアすることが出来た。
やはりTODOリストにすべて斜線を引けると、ハナマルあげちゃう〜!という気持ちになって良い。
明日はほぼ1日立ちっぱなしなので、むくみを取るマッサージでもしてから寝よう。
それでは、おやすみなさい。
-プロフィール-
岡本彩花
29
東京
会社員 / グッドイーター
グッドイーター:https://www.instagram.com/goooodeater/
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スマホを持たない、持つことをやめた日本、世界の有名人たち
トムクルーズ、羽生結弦、オードリー・タン、本木雅弘、山瀬まみ、
新井貴浩、エルトンジョン、エド・シーラン、ジャスティン・ビーバー …
(関連記事)
・60代、70代、高齢者の『スマホ認知症』(デジタル、インターネット認知症)
60代以上がスマホを利用することによって認知症が引き起こされる恐ろしいスマホ認知症(デジタル認知症)とは?
『スマホを手にせず心の幸せを手に入れた人たち』
現代人が縛られる薬物中毒より深刻な「スマホ中毒」の「拘束」から逃れることのできた有名人たち。
トム・クルーズ、羽生結弦、オードリー・タン、エド・シーラン、ジャスティン・ビーバー…
あらゆる世代の憧れでもある彼らが、なぜその若者たちと違いスマホを持っていないのでしょう?
彼らの「デジタル・デトックス」はいかにして成ったかを探っていきましょう。
トム・クルーズ
世界で最も有名なハリウッド俳優の1人。ミッションインポッシブル、トップガン、オブリビオン、コラテラル、ナイト&デイ、アウトロー、もはやこれ以上説明はいりません。
私はずっとスマートフォンも携帯電話もメールアドレスも持っていません。時計や宝石もね(笑)
テクノロジーと連絡のし合いに振り回されたくないのです。
最新の60fpsテレビも映画を正しく映すのに余計なことを増やしているだけです。
台湾のIT大臣 オードリー・タン
世界でも目を見張る成果を出し続ける台湾のIT担当大臣の天才オードリー・タン。
台湾が新型コロナの感染者を抑え込んだこと、適格でユニークな改革、自身がトランスジェンダーであることなど異色のデジタル担当大臣として世界にその名が知られるようになりました。
14歳で中学校を退学し、プログラマーやハッカーとして活躍しながら、
16歳でインターネットの企業の立ち上げに参画するなど、天才��な人生を歩んできました。
そんな最先端のテクノロジーに携わっているオードリー・タン氏は、まさかのスマホ嫌い。
私は二つ折りの電話を愛しています。“ガラケー”です
著書『オードリー・タン 自由への手紙』 (講談社刊)の中で、
「私は二つ折りの電話を使っています。“ガラケー”ですが、何も困ることはないし、スマホのように余計なものもない。プログラミングだって可能」
「できないのは指でスクロールすることだけ(笑)」と語っています。
「スマホはメッセージ連絡を強要され、常に気にしていないといけません。
また、気軽にSNSを見れることで病的に依存し、
目を覆うような数の誹謗中傷が並ぶSNSや動画やコメント欄で心を病んでも、みんな離れられないのです。
テクノロジーに自由はなく、日常生活も時間も心も支配されてしまう」と、あえて絶対に持たないそうです。
本木雅弘:用事があれば固定電話かFAX
ジャニーズ出身で、シブがき隊メンバーの俳優の本木雅弘は、携帯電話すら持っていません。
布川によると、本木は携帯電話を持っていないので、LINEをしないし、用事があるときは固定電話やFAXでやりとりしているそうです。
エド・シーラン
すでにグラミー賞4度受賞のイギリス、全世界で超人気の若手シンガーソングライターのエド・シーラン
1月24日に公開された動画で、携帯電話との「関係悪化」により、7年前から使うのをやめたと打ち明けた。
「私は携帯電話を持ち歩いていないんだ。2016年から電話を持っていないんだよ」
と動画シリーズ『The Collector’s Edition』のホストに話し、
「携帯電話にとてもストレスを感じて、悲しくなったんだ」と説明した。
「人との接触を遮断するというより、制限しただけ」と語るシーラン。
常にテキストメッセージに返信し、すぐに応答する必要性を感じるストレス
親しい人の投稿や写真を逐一毎日いいねし、動画を何十本も再生し、感想をリアルタイムで送り合うストレス
で、2015年に行われたx(マルティプライ)ツアーの後、スマホを使うのを止めたと話した。
最近のシーランは、Emailでのコミュニケーションを好むようだ。
「数日おきに座ってノートパソコンを開いて、一度にメールだけ返信する。送信したら、パソコンを閉じる。そうすると、デジタルに圧迫されずに本来の普段の生活に戻ることができるんだ」
携帯電話のない生活の最高な点は、自分の時間を自分のペースで邪魔されずに過ごせることだという。また、その変化によって、メンタルヘルスが改善し、全体的に「全てにおいてより良い気持ちでいられる」と話した。
2016年にシーランは、「自分の目でなく、画面を通じて世界を見ているようだ」と話し、携帯電話やメールから離れ、全てのソーシャルメディアを止めるとファンに伝えていた。
「インターネットは、それが好きな家族や友人に調べて見てもらい、良いところだけ教えてもらえばいい。
好きでもないネットを見て精神を病む必要はないんだよ。」
山瀬まみ
新婚さんいらっしゃい!でおなじみ桂文枝と山瀬まみさん。
桂文枝師匠曰く、山瀬まみさんはガラケーだと明かしていました。
実際、以前通販番組内で自身がガラケーなのを語っておられます。
古田新太:FAXとテレカを愛用
名脇役で数々の作品に出演する古田新太もスマホを持たず、それどころかテレカを今でも愛用しています。
古田新太さんは、その理由について
「あれほどデリカシーとプライバシーのないものはない」
「縛られるのが嫌だ」
と話されています。
以前は所属事務所にスマホを持たされていた古田新太さんでしたが、時間通りに仕事の現場に着いたのに
メッセージで「大丈夫?」と確認のチェック連絡が毎回何度も来るため、
「ちゃんと時間通り来てるのになんで毎回聞いてきてやりとりしなきゃならないんだ!」
とキレて、携帯電話をゴミ袋に投げつけてしまいました。
それ以来、携帯電話は持っていないそうです。
2022年2月に『人生最高レストラン』(TBS系)に出演した際、
スマホを持ってないことを共演者から聞かれると、「連絡するときは家の電話かFAXだろ」と回答。
「家には必ず帰るし、FAXだったら見る」と主張していました。
そんな古田が誰かに連絡したいときは、大半は公衆電話を使うか、飲み屋にある店の電話を使うのだそう。
テレカはたくさん持ってます。
羽生結弦
説明不要のフィギュアスケートオリンピック2連覇の偉業をを成し遂げたアスリート。
輝かしい成績と実力だけでなく、その王子様のようなルックスで世界中のあらゆる女性を虜にしています。
そんな彼はなんとスマホを持っておらず、自身でSNSも一切やっていません。
以前TBS「NEWS 23」の生放送で「スマホ持ってないんで…」と明かした羽生選手。
確かにSNSなどは一切やっていませんでした。
ファンのメッセージを読むとき等はPCでスタッフを経由し、音楽等はipodで聴くので問題は無いそう。
競技引退後の現在、わずかながら動画を投稿しているチャンネルを持っていますがご自身では運営していません。
親族もTVに出演せず、本人もほぼフィギュア以外のことを語らず、結婚相手の事も不明です。
とにかくご家族のことを含め、特定されそうな個人情報を明かさない姿勢で彼のプライベートは謎に包まれています。
広島カープ現監督 新井貴浩
インスタグラマーって何ですか?
以前からガラケーしか持たないことで有名な新井さんこと、広島カープ監督
新井監督は現役時代(1999-2018)から一貫して今もガラケーを使い続けています。
今年放送されたNHK番組『サンデースポーツ』内でも改めてガラケーしか持っていないことに言及されました。
番組が盛り上がる中、6監督の相関図についてのトーク中に飛び出た発言。
DeNA・三浦大輔監督と共に人気のインスタグラムを紹介された新井監督。
しかし「インスタグラマーって何ですか?」とピンとこない表情。
「私ガラケーしか持ってないので」、「事務所の方がやりとりを何か勝手に発信してくれています」
新井監督の話を受け進行役の中川安奈アナが「珍しいですね」と驚くも、「?珍しいんですか?」とまたもピンときていない様子。
さらに「LINE生まれてから1回もやったことないです」。
1年前の雑誌のインタビューでも「ガラケーが世の中にある限りガラケーでいきたいです。」とさりげなく語っていました。
座談会終了後に行われた写真撮影の最中にも、ヤクルト・高津臣吾監督らが「本当にガラケー?」と新井監督に聞きますが、「本当にガラケーだけしか持ってないです」と返され驚きの表情。
他の監督達からもガラケーで選手やスタッフとコミュニケーション取れる?監督できる?と驚きと笑いに包まれていましたが、新人1年目にして広島を堂々リーグ2位とプレーオフ・クライマックスシリーズに導きました。
クリストファー・ノーラン
レオナルド・ディカプリオ主演の映画『インセプション』や『バットマン』シリーズ、『オッペンハイマー』など
現代を代表するメガヒット作を生み出す映画監督クリストファー・ノーランは、2023年の今もスマートフォンを持ち歩いていません。
スマホを持たないのは、テクノロジーを嫌っているからではないという。
ノーラン氏は「テクノロジーやそれによって可能になるものは素晴らしいと思っています。
問題はスマホ中毒になってしまう。つまりどれだけそちらに気が散ってしまうかです」とリポーターのインタビューで述べた。
「何かを生み出したり、脚本を書いたりすることに対して、一日中スマートフォンを使うことは役に立ちません」
ノーラン氏は2012年の映画の『ダークナイトライジング』の公開時にも、スマートフォンには興味がないとバックステージのインタビューで述べている。
「技術革新反対者、テクノロジー嫌いというわけではなく、ただ単に興味を持ったことがないんです」
「1997年にロサンゼルスに引っ越してきた時には、誰もが携帯電話を持っているわけではありませんでした。私自身はその後、持つ選択をしなかったのです」
2020年のヴァニティ・フェアのインタビューでは、時折ガラケー、つまり折り畳み式携帯を使用することはあるものの、スマートフォンは持たないと宣言しています。
「私は気が散りやすいので、暇な時間があるごとにインターネットにアクセスしたくありません」
ノーラン氏が避けているのはスマホだけではない。
ハリウッド・リポーターによると、ノーラン氏はほぼEメールも使わない。『オッペンハイマー』の出演者には脚本をアナログに手渡ししたという。
その理由について、
「秘密主義ではなく、プライバシー。ネットには本当の秘密性はなく、人間が見て運営しているからほぼ必ず流出する」と説明している。
「色々なことに挑戦し、失敗し、可能な限り冒険好きでいるためです。自分が書いたものを読んでくれる人とその場で一緒に座って彼らの意見を聞く。
顔と顔を突き合わせる人間らしい方法によって、彼らがどう感じるのか見られるのです」
森山未來:10年以上携帯電話を持っていない
独特のオーラがある人気俳優の森山未來は、スマホはおろかガラケーも持っていません。
20代の頃は携帯でゲームをしていた経験があるそうですが、時間があっという間に過ぎることを「もったいない」と感じたことから、
携帯電話を持たないアナログな生活だそう。2022年11月放送の『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)で、
10年以上スマホも携帯電話も持っていない生活を明かしました。
昔はスマホを持っていたそうですが、
「めっちゃ使っていて、1日中麻雀のゲームをしていた。気がついたら日が暮れてて、あ、これあかんわと思って止めたんですよ」
と、のめり込んでしまう自身の性格が原因で、携帯を使わなくなったと、以前、トーク番組に出演された時に話されていました。
もともと電話に出たくない、LINEなどのSNSでたとえ親しい友人や身内でも四六時中見たかどうかなど
向こうに自動でチェックされることや時間を他人に縛られるのが嫌な性格だということも、スマホを持たない理由のひとつなのだとか。
そのため、誰かに連絡するときは、固定電話や公衆電話を使っているそうです。
ジャスティン・ビーバー
世界一といっても過言ではない若者のアイコンでスーパーアイドル、ジャスティンビーバー。
子供のころから活躍する彼は、大人気である一方、めちゃくちゃな行動や発言もありネットのSNSに振り回されめちゃくちゃでした。
それによりメンタルヘルスに悩んだ経験もあるジャスティン。現在もスマホは持たず、代わりにネットは人に頼んで仕事の連絡を取っているそう。
さらに夜6時から昼まで自分で決してネットを使用せず、デジタルデトックスをする生活を送っていると、2022年3月『Billboard』で明かした。
「���違いなく、友人や知人や親族と境界線を持つことを学びました。もう誰かのためにこうしなきゃ、とは思わなくなった。
『NO』と言えるようになって安定しているし、人を助けたい気持ちはもちろんあるけど、それと同時に全部はできないと学んだのさ」
セレナ・ゴメス
インスタグラムで「いいね!」がついた写真のTOP10に8枚もランクインし、名実共にインスタの女王となったセレーナ。
しかしその結果、SNS疲れで不安症とうつ病に。
治療のためスマホどころかインターネットを一切しないデジタル・デトックスを9ヶ月間以上続けている。スマホを持たないことでSNS断ちを行った効果についてセレーナは「とてもリフレッシュできたし、きちんとした感情を再び持つことができるようになった」とコメント。ファンとつながる大事なルーツだけど、SNSに振り回されて本当の自分を見失うことの怖さを身をもって知ったみたい。
エルトン・ジョン
有名な曲を上げるとキリがない長年活躍する超世界的有名シンガー、エルトン・ジョン。
『Jimmy Kimmel Live!』で、スマホを持っていないことについてこうコメントしたエルトン。
「私の人生は素晴らしいです。1分に2回も連絡してくる人を避けられるから」
「スマートフォンを持つことにもう耐えられませんでした。」
シェイリーン・ウッドリー
映画『ファミリー・ツリー』や『ダイバージェント』シリーズで知られる若手女優のシェイリーン。
雑誌『The Daily Beast』で、
「自分はアナログなタイプで、折りたたみ携帯電話を愛用しています」
と話していた。
「仕事でネットは最低限使うけど、普段は折りたたみ携帯電話でやり取りしてるんです。」
サイモン・コーウェル
世界有数の音楽プロデューサーであり、世界一の有名オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』『The X Factor』の司会で有名なサイモン。日本の芸人も出演して勝ち上がり話題になりました。
4年以上携帯をもっていない理由について
「もうiphoneに人生を振り回されたくないんです」
「ミーティングをしたり、会話したり、夕食を取ったりしているときに、みんなスマホを見ていますが、
そちらに気持ちを支配されきちんと人と向き合えていない証拠なんだと気づいたんです」
ヴィンス・ヴォーン
映画ジュラシックパーク・ロストワールドやウェディング・クラッシャーズで知られる著名俳優は「Digital Spy」で告白。
「携帯電話にはイライラします。みんなSNSをいじったり、メールをしている。私の周りは持つことを脅迫してきます。
彼らによって公衆電話が恐竜のように絶滅しかけています。パークのように災害時にどうするつもりなのですか?
蔓延する「スマホ強迫性障害」にはなりたくないし、私は最後まで生き残ります。必要な状況にならない限り絶対に持たないと思います」
スマホがなくても「全然困らない」
スマホを持っていない人たちの言い分をみると、「全然困らない」「スマホに心のゆとりや人生の時間を奪われたくない」という答えと、確固たる信念が共通しています。
スマホがあることが当たり前になっているネット依存の人にとっては、想像すらできない生活かもしれませんが、ほんの10数年ほど前にはスマホはまだなかったもの。
スマホを持たない暮らしを送っている彼らほど、心にゆとりと安定のある幸せな生活を送っています。
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向ヶ丘遊園から登戸、多摩川
二回目のデートは互いの家の中間地点で店が多い向ヶ丘遊園にした。
学生時代に住んでた街に近いから何となく土地勘はあるし、店も知っているが、いかんせん十年近くも前の話。さらにいえば、当時一緒に飲んでたのは同級生やら年上の酒豪ばかりで、カルアミルクしか飲めない彼女と行くような店は知らない。一から調べて結局はチェーン店に決めた。
前日LINEで月が見たいとリクエストがあり、テラス席も探したが、見つからず、ご飯を食べたあとに登戸近くでお酒をテイクアウトして、河原で月を眺めることにした。
百円ショップでレジャーシートを買った。
思えば学生時代に付き合ってた人とも、皆既月食だかブルームーンを見るために、調布近くの河原でレジャーシートを敷いて見た記憶がある。
仕事終わりの彼女が一度家に帰りたいと話したため、17時に待ち合わせだったのが18時過ぎにまでずれ込みそうだった。
これも楽しむためのスパイスと前向きに捉えた。
待ってる間に学生時代に過ごした街を少し歩くことにした。卒業して以来かもしれない街はそんなに大きくは変わってなかったけれど、TSUTAYAが無くなったり、牛丼屋が出来たりと今の時代の流れに沿っているなと思った。
彼女からのLINEが入る。到着時間は18時20分過ぎらしい。待ち合わせの場所に戻ることにした。
向ヶ丘遊園のホームの階段を改札へ向かいながらイヤホンの中から岡村靖幸の「愛はおしゃれじゃない」が流れてくる。改札を出たところで空を見上げるとほぼ満ちている月が見えた。
時間を潰していると時間はそれなりに早く進んでくれた。
彼女が改札を出てくる。
改めて見ると背が高いなと思った。
「お疲れ様」
「ありがとう」
店へ向かう。
俺は生ビールを、彼女はいちごのサワーをオーダーした。
名物の大きな鶏の焼き物や焼きそば、しめ鯖を頼みつつ会話を楽しむ。
ここで一つ前回の会話で感じた事を思い出す。
彼女は自分の事をあまり話さない。
寧ろ俺の話を聞きたがる。だから彼女について知ることと、彼女が俺について知ることの差が少しある気がしていた。
だから今日は彼女の自身の事を聞こうとしたが、結局俺だけが多く話してしまった。
もしかしたら彼女は自分の事をあまり話したくないのかもしれない。でももっと知りたい。自分の話術の無さに愕然とした。
飲むペースは彼女に合わせてゆっくり飲んでいたから酔ってはいなかった。
居酒屋で過ごした一時間半はあっという間だった。
そして月を見るために登戸を経て多摩川へ向かう事に。
向ヶ丘遊園のホームへ続く階段を降りながら、彼女の手を握った。
「今日も握るんだ」
「嫌だった?ごめん」
一度繋いだ手を離した。
「積極的だね」
「そうかな」
もう一度手を繋ぐ。
ホームで電車を待つ。
「あのさ」
「なに?」
「俺と付き合ってくれないかな」
こんな場所で言うなんてみっともないくらいかっこ悪いなと思った。でも彼女の手の柔らかさを感じていたら、言わずにはいられないくらい、体をソーダ水が駆け巡っていた。
「ここで言うの?」
彼女が笑った。
「そりゃ、ほんとは月を見ながら言おうと思ったけど」
「そうなんだね」
ホームに電車が近づいてくる。
「まだ二回しか会ってないよ?」
「もっとさ、二人で色んなもの見たいんだ」
「映画とか?」
「それもあるけど、景色とか食べ物とか色々さ」
「そっか」
「俺じゃだめかな」
電車が大きな音を立てて俺達の前を通り過ぎる瞬間彼女が耳元に近づいてこう言った。
「いいよ」
電車のブレーキ音が響くホーム。
「ほんとに?」
頷く彼女。ドアが開く。
手を繋いだまま乗り込んだ。
「俺でいいの?」
「私を選んでくれてありがとう」
「こっちこそ」
右肩に頭を乗せてきた彼女の頭を左手で撫でた。
「俺色々抱えとるよ?いいの?」
「いいよ」
「ありがとう」
次の駅なんて来なくていいのにと思った。
登戸で降りて、事前に調べていたカフェでラッシーをテイクアウトして河原へ向かう。
「花火したくなるね」
彼女が言う。
「あるよ」
「��だ!」
実は百円ショップで買っていた。
子供臭いと思われたら嫌だからタイミング見て言おうと思っていたところだった。
「買ってたんだよ。小さいのだけど」
「すごい、以心伝心してたんだ」
こういう小さい奇跡が集まって、人は人を運命だなんて勘違いさせるんだろうなと思いつつ、心の中でガッツポーズだ。
敷物を敷いて月を見る。
雲の存在が様々な月の表情を見せてくれてちょうどいい月見だった。
「月綺麗だね」
「明日が満月だけど、曇って見れんかもしれんから今日がちょうどいいよ」
「そうなんだ、じゃあよかった」
彼女が微笑む。
手を繋いで見る月はいつもよりはっきり見えた。
髪を撫でると照れて恥ずかしがる彼女が可愛らしかった。
「まだ会って二回目だよ」
「回数なんて関係ないよ」
何か言おうとする彼女の口を塞ぐように唇を重ねた。
愛しくて仕方なかった。
その後、花火を始めた。
無邪気に花火をする彼女は年下のようにも見えた。
「なんで俺で良かったの」
「一番優しかったから」
「そうか」
「こんなに用意してくれる人他にいないよ」
「そうかな、ありがとう」
「ありがとうね」
少し照れくさくなった。
駅へ向かいながら自動販売機で二人分の飲み物を買った。
彼女を小田急線の改札まで送り届けて俺は南武線へと向かう。
本当は今晩、一人で眠りたくなかった。
帰り道、彼女とLINEした。
「私をもっと好きにさせてね」
そんな一文があった。
この先どうなるかわからないけれど、とりあえず恋人が出来た山の日の月見夜。
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「彼が会いに来ない理由」
「彼が会いに来ない理由」
Why he doesn't come to see me.
ーChapter1
時刻は午前7時。
暗い部屋の中。一際青い光を放つPC画面の前、無精髭を生やした男が疲労感を露わに椅子にもたれかかっている。ホブ・ガドリングは窓の隙間から差し込んでくる冬の朝日に目を細めていた。重い体を引きずりキッチンに向かったホブは棚からマグカップを取り出しコーヒーを淹れるための湯を沸かす。大学で使用する資料の作成や担当する生徒たちの課題の採点、その他雑務を全て終わらせた彼は霞んだ目を擦りながらポットの湯をマグカップに注いだ。
(結局こんな時間になるまで作業してしまうとはな…)
苦味の強いコーヒーを胃に流し込みながらホブは心の中で呆れたようにそう呟く。今は、ゆっくり眠る気になれなかった。というよりベッドに横になり眠るまでの、あの時間が訪れるのが嫌だったのだ。ここ最近、その時間になるといつも同じことばかり考えて心が沈んでしまう。ホブを悩ませている原因は、彼のとある“友人”だった。
彼とは知り合ってから600年以上が経つ。不死身になってから数え切れないほどの人と出会い別れてきた、そして自分が存在し続ける限りこれからも同じことを繰り返すのだろう。だが彼だけは、100年という月日が経つたびいつも変わらぬ様子で目の前に現れてくれた。最初は、その存在の奇妙さに戸惑いを隠せなかったが、そんな彼がいつしか自分にとって安心できる居場所となっていた。彼だけはこのホブ・ガドリングという人間を知ってくれているのだと、この自由で孤独な不死身の男がありのままで過ごせる相手なのだと、そんなことを心のどこかで感じていたのだ。だが、そんな彼との交流は1889年を最後に一度パタリと途切れてしまっていた。原因は実のところ自分にはとんと関係のない事柄だったことがつい最近判明した。しかしここ1世紀ほど自分のせいだと思っていた。それはひょんな一言、側から見れば喧嘩に発展するとは思えない一言だ。だが彼の性格を考えればそれは怒らせるのに十分なものだったと会えないショックを抱えたホブはずっと反省していた。そんな思いを抱えながら、いつ現れるのかわからない、もしかするともう現れないかもしれない彼を来る日も来る日も待ち続けていたのだ。
そして数ヶ月前、まだ夏の暑さが身に張り付く8月の頃。微かな希望を胸に日々を過ごしていたホブの前に彼はついに現れてくれた。やはり変わらぬ様子で、しかし以前よりどこか温かみのある表情と、そして彼の口から出る“友人”という言葉がホブの心を温かく包み込んでくれた。自分がどれほど幸せな気分だったか、この先忘れることはないだろう。
ビールを1杯注文して乾杯をしたあと、彼は落ち着いた声で600年来の友人に向けて初めての自己紹介をした。
彼の名前はモルフェウス。エンドレスのドリームという存在で、夢の王国「ドリーミング」の支配者。そこは眠りの先にあるもう1つの世界で、人間の心の奥底が具現化された夢の世界だそう。彼はドリーミングの王として、人々の夢やそれに関連する全てのものに関して支配力を持っている。目覚めると忘れてしまうが自分達人間は夢の中で彼に会っている者もおり、彼が初対面のホブの名を知っていたのはそういうことだった。そして100年ほど前に起きていた嗜眠性脳炎の騒動、あれは人間が彼を捕縛・監禁したことで彼が王としての責務を果たせなかった結果引き起こされていた。彼がホブとの約束に来られなかったのもこれが原因だったのだ。目の前の友人が概念の擬人化だという事実にはかなり驚いた。しかしそれ以上に、その友人が100年以上もの間、自由と尊厳を奪われ孤独な日々を送っていたというショックにホブはしばらくの間言葉が出なかった。
淡々と自分の素性について話した後、黙り込んでしまったホブを前にモルフェウスは不思議そうにその様子を伺っていた。それに気づいたホブは何か言わなくては、と回らぬ頭を必死に動かした。彼にかけたい言葉はたくさんあれど、今何を伝えたいか…わずか数秒の間、脳内でぴったりな言葉を探し回った結果ホブの口から出たのは
「…ハグしていいか?」
お前は本当に600年以上生きてきたのか?時々そう自分を疑いたくなる。これだけ生きているのだからもっとマシな言葉の引き出しがなかったのか、と呆れるが時すでに遅し。口から出てしまった言葉はもうどうしようもない。前にも同じような失敗をして痛い目にあったのにまたもや俺は…と嘆きたくなる気持ちを今は抑え、恐る恐る向かい側に視線を向けるとそこには意外な光景があった。困惑の表情を浮かべたモルフェウスが、少し戸惑いながらもこう言ったのだ。
「あぁ…別に、構わないが」
無言でスルーされるか、奇怪な視線を向けられると思っていたから、受け入れられたのは驚きだった。
少し安堵の表情を浮かべたホブは、ゆっくりと席を立って向かいに座るモルフェウスの側に向かった。
「待て、今ここでするのか?」
「えっ、あっ…ダメか?」
まだ俺の頭は回っていないらしい。ハグしていいと言われたからと言って、この内気で物静かな、目立つことが好きだとは到底思えない彼が昼間の酒場でハグなどハードルの高い話だろう。彼にそんなフランクさがないことはこれまでの経験からも明らかだった。ハグを受け入れられたことに心が弾んでつい���考より行動が先をいってしまった。
「そ、そうだよな。すまなかった、君にハグしていいって言われると思ってなかったから嬉しくてつい。じゃあまた別の機会にでも…」
「別にダメとは言ってない。少しその、確認しただけだ…」
「えっ?」
そそくさと席に戻ろうとしていたホブは驚いて振り返った。そう言ってそっぽを向く彼はいつもと同じ静かで冷たい雰囲気を纏っているが、その耳が少し赤みを帯びていることをホブは見逃さなかった。
「そんなところで突っ立っていては目立つぞ」
至って冷静なモルフェウスの声にハッとする。以前と変わらぬ、ミステリアスで孤高な雰囲気を纏う彼。だが、どこか…少し丸くなって戻ってきた彼にホブはすっかりペースを乱されていた。
「そう、だな。じゃあ…」
ホブは改めてモルフェウスと向かい合い、席に座る彼に合わせて少し身を屈めた後そっと腕を回した。雪のように白い肌から温かみを感じる。
捕らえられていた間、彼はどれほど苦しい思いをしたのだろうか。100年以上もの間監禁される苦痛は想像を絶するものだろう。自身も魔女と疑われ捕らえられた経験のあるホブにとってはなおさらそう感じられた。自由と尊厳を失い、自分の居場所にも戻れず、大切な存在を奪われ、悲しみと憎しみを抱えた続けた彼を思うだけで胸が張り裂けそうだった。無意識に抱きしめる力が強くなる。
「本当に、戻ってきてくれてよかった」
ふと口から出た言葉。きっとこれが自分が本当に伝えたい言葉なのだろう。
「本当に無事でよかった」
「身体は、大丈夫か?」
「今は、辛い思いをしてないか?」
「自分の国にはその後戻れた?」
「ちゃんと眠れてる?」
「ご飯も食べてるか?」
彼を抱きしめて、温もりを感じて、ホブの中からゆっくりと言葉が溢れ出てきた。
そんなホブの様子に、最初は緊張していたモルフェウスの表情も緩んでいた。1つ1つの問いかけにただ「あぁ」と頷く。どこか安心した表情で、柔らかな声色で。ただ最後の問いかけに関しては例外だが。
「食べれてないのかッ?」
突然身を起こし心配した顔でそう言うホブにモルフェウスはくすくすと笑った。
「私は人間のように食事をせずとも大丈夫だ。それに元々、そんな食事を好むタイプではないしな。全く食べない訳ではないが。」
「まぁ確かに、君と会い始めて以来1度たりとも食事をしているのを見た試しはないが…。でも、今日ぐらい好きなもんを好きなだけ食べよう、俺が全部奢る!あれだ、17世紀に君に奢ってもらっただろう、そのお返しに!」
「だがそう言われてもな、好きなものか…。ホブの好きなメニューは何だ?」
「えっ、俺の好きなメニューか?あるけど、自分のじゃなくていいのか…?」
「私は特に好きな食べ物というものが思いつかないし、それにこの店のメニューもよく知らない。君はここでずっと私のことを待ってくれていた、ならどんなメニューがあるか詳しいんじゃないのか?」
「そうだな、メニュー表を見なくてもなにがあるか分かるぞ。なんたってかなりの常連だからな。」
「なら決まりだ、君のおすすめのメニューを頼もう。久しぶりの食事だ、せっかくだし君の好きなものを私も食べてみたい。」
笑顔を浮かべながら話すモルフェウスにほっとしたホブは、席に戻るなりメニュー表を開いて「この店はこれが美味い」「この料理はこの酒と合う」「あれは昔に比べて少し味が変わった」と楽しげに話し続けた。ときどき、穏やかな顔でこちらを見つめるモルフェウスにドキッとしながら。
―――
午後7時、窓の外には夕焼け空が広がっている。テーブルの上は綺麗に平らげられた料理の皿と空になった何杯かのグラスで埋まっていた。100年以上の空白を埋めるように2人はいろんなことを語り合った。今までと変わらずホブが喋っていることが多いが、モルフェウスが自分のことについて教えてくれるようになり自ずと彼からも多くの話が聞けたことは嬉しい変化だった。
でもまだまだ話し足りない、もっと一緒に酒を飲みながら他愛もない話を続けていたい。彼との楽しい時間はあっという間で、ホブはこの時間に終わりが来ることを考えたくなかった。今日が終わればまた100年後。その100年はなんだか今までよりも長く、途方もない時間に思えた。
「そろそろ出よう。」
モルフェウスの一言で我に帰ったホブは少し重たくなった心を隠すように明るく返事をし、会計を済ませて店を出た。
夕焼け空は一層色を濃くし、遠くの方には星がちらちらと見え隠れしている。ホブは名残惜しさを隠すように笑顔を作り、隣を歩く彼に話しかけた。
「今日はありがとう、君が会いに来てくれて本当に嬉しかった。もしかしたらもう会えないかもなんて少し思ってたから。」
「私こそ…本当に感謝している。君が私を待ってくれていたからこそ、こうして会うことができたのだから。」
「これで酒を飲み続ける日々もおしまいだ。まぁそれはそれで寂しいけど。」
「あれだけ飲んだのにまだ飲み足りないというのか、ホブ・ガドリング。」
そう微笑んでこちらを向くモルフェウスに、なんだかとても寂しい気持ちになった。たらふく飲んだ酒も全部抜けてシラフに戻りそうだ。あぁ、まだ飲み足りないよ。本当は酒を片手にもっと君の話を聞いていたい。そんなことを考えながら「そうかもな」と軽く返事をするホブは、隣にいたはずの友人が後ろで立ち止まっていることに気づいた。
「どうした?モルフェウス」
彼は黙って歩道の片隅に視線を落としている。酒で少し赤くなった顔が沈みかけの夕日に照らされる。握り拳を撫でるようにモゾモゾと親指を動かし、何か言いたげな様子だった。ホブが歩み寄ろうとした時、彼はこちらを向いてゆっくりと口を開いた。
「また、会えないか?その…100年後ではなくもっと近い日に」
一瞬2人の間に時間が止まったかのようにも思える静寂が訪れた。ホブは踏み出した片足をそのまま、大きな目をぱちくりさせて今起きたことに驚きを隠せない様子だった。彼からの突然の提案、これはつまりホブが彼にもっと会いたいと思うように、彼もホブに対してそう思ってくれているというなによりの証拠だった。今日の彼には驚かされてばかりである。だが、こんな嬉しい驚きならいくらでも大歓迎だった。
居た堪れなくなったモルフェウスが目を逸らす前にホブは彼の側まで駆け寄って、彼の手を優しく掴んだ。
「あぁ、会おう!俺ももっと君に会いたい、まだまだ話したいことや一緒に飲みたい酒がたくさんあるんだ。次はいつにしようか…!」
ホブは満面の笑みでそう答えた。さっきまで沈み込んでいた心は、いつしかふわふわと宙を舞っているように軽く感じた。
「そうか…」
夕日に照らされたホブの笑顔を見てモルフェウスはほっとしたように呟く。
「私はいつでも大丈夫だ、君が来れる時でいい。」
「んん〜ならどうしようか…平日の夜は空いてるけど、大学の仕事が長引いたりする日もあるからなぁ。やっぱり休日の方がゆっくり会えるかな。」
「ではそうしよう。」
「どのぐらい先にしようか、そこ大事だよな…」
「さっき酒場で今月一杯は仕事が忙しいと話していただろう。それならば来月はどうだ?」
「んん、そうだな…!そうしよう!じゃあ来月初めの日曜日に。」
「わかった。では、またその日に。」
そう言うと彼の真っ黒のコートが風になびき、本来の形が崩れて周囲に散っていく。彼にどんな能力があるのか詳しくは知らないが、きっと“ドリーミング”に帰ろうとしているのだろう。別れの寂しさは、ひと月後の約束の喜びにかき消されていた。
「今日は楽しかった、おやすみモルフェウス。」
砂のように舞う黒に彼がかき消される前、ホブは柔らかな声でそう呟いた。その声が彼に届いていたのかはっきりとは分からない。だが、消える直前に見えた少し照れくさそうな顔はきっと見間違えではないだろう。
「100年に1度が、ひと月に1度か…」
―あとがき
「彼が会いに来ない理由」Chapter1を読んで下さりありがとうございました!
Chapter1〜5で構成されているこのお話、今回は2人が1月後に会う約束をしたところまでになっています。ドラマ第6話ではTHE NEW INNで出会った場面で2人の話は一旦終了しましたが、その後を妄想して自由に書いてみました。今までは100年ごとの飲み会でしたが、本編でもこれを機にもっとたくさん会って欲しいですね。
初の文章での二次創作、初めてのことで色々と試行錯誤しながらのチャレンジでした。もし楽しんでいただけていたら、とても嬉しいです☺️🙏
さて、次回はどんな飲み会になるのでしょう、そしてその後2人にはどのような展開が待っているのでしょうか。お楽しみ!
Chapter2はこちら↓
20 notes
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阪神タイガースがアレのアレして
随分経ちましたが
まだまだ余韻に浸ってます、もりしたです○
利用者さんには阪神ファンの方も多く
みんなで喜びを分かち合えて
とてもほくほくとした気持ちでした✨
さてすっかり寒くなりましたが
みなさん体調面は大丈夫でしょうか?
日光にあたれる時間が短くなって
免疫も下がりますし
気持ちも落ち込みやすい季節なので
お気をつけてお過ごしくださいね。
早め早めの休息が大切です!
ひよりでは、イラストや雑貨制作はもちろんですが
内職も扱っています✨ので
見学体験などお気軽に○
今日は内職、今日は雑貨を作ろう!など
あなたのペースで頑張れます(๑′௰‵๑)
今まで作ったことがないから。。。と
心配な方も、慣れるまでは
しっかりサポートしますのでご安心ください✨
好きを見つけるきっかけになれたら
とても嬉しいです✨
一緒に楽しく
今週はこの辺で、また来週〜✨
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
西成区役所1階 福祉のお店
出店は毎月第四金曜日○
今月は11/24となっています✨
ぜひ遊びにきてくださいね(๑′௰‵๑)
お待ちしております!
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)8月28日(月曜日)
通巻第7885号
中国の反日感情の間歇的爆発は政権への不満のガス抜き
「処理水」よりギャンブル禁止が最大の原因ではないか
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中国には公設のギャンブルがない。パチンコも競馬も競輪も競艇もオートレースもない。博打大好きな庶民はどうしているか?
闇博打が盛んであり麻雀はホテルの一室を借り切って「会議中」。あるいは舟を借り切る。庶民は朝から何処でもトランプ、もしくは賭け将棋。これらは賭け金が500円とか千円などで警察も見てみないふりをする。
富裕階級はマカオへ行ってギャンブル三昧となる。
マカオにはラスベガス御三家に加えて、地つきのリスボアホテルとスタンレー・ホーの娘らが創業のギャラクシーなど高層豪華なギャンブルホテルが林立している。ラスベガスと異なるのは家族連れが少なく、オトナの雰囲気に決定的に欠けていて、総てが即物的なのだ。
夫人子供用の娯楽設備が貧弱。しかしロビーではロシア美人にフィリピン楽団の妖艶な踊り。レストラン街はまだまだ貧弱で娯楽インフラが乏しい。
このマカオに大陸から押し寄せるギャンブラーたちは蝗の大群、年間参千万人。サンズ、ベネチア、MGMなどのホテルに散って24時間賭け事、VIP部屋では億単位のギャンブルが展開される。低所得層はスロットマシンだ。
負けると身につけていたローレックスやルイビュトンの鞄を質屋に売って、また続けるか、借金を支払う。広東語で質屋は「押」である。ホテルの周りにたくさんある。
さて世界のギャンブル王国は一位がマカオ(利益が4兆円)、二位がラスベガスで(1・4兆円)。三位は意外にもシンガポールで5000億円。日本人ツアーに大人気のマリ-ナベイホテル、トランプと会談した金正恩が突如、このホテルのバアに出没したが、じつは公認ギャンブル場である。
かくして日本と賭け事の文化、風習が異なるのは国家が違うから当然だが、中国共産党が公営ギャンブルに踏み切ると、マカオが衰退するばかりか反日運動も消滅するのではないか。
▼日本のパチンコはなぜ廃れたか
ついでだから日本のギャンブル事情をまとめておくと、競馬、競艇、競輪、オートレースの四つが「公営」である。一番人気は競馬だが、新興のオートレースも人気拡大中である。
他方、庶民の最大の遊びだったパチンコが廃れた。往時の四分の一、30兆円産業がいまでは14兆円に縮み、あちこちのパチンコ店が倒産、廃業している。廃業ラッシュは書店の廃業ペースに似ているかもしれない。
パチンコ人口は3000万人から710万人に激減しているのだ。原因は当局の出玉制限だが、おそらく最大の原因は賭場がスマホのゲームに移行したからだろう。
通勤電車をみるとわかる。日本経済新聞や文庫を読んでいる人って、百人に一人くらい。乗客の90%は携帯電話を見ているが、ときおり若者の画面をみると、漫画かギャンブルである。
競馬は中央競馬会公認の馬場が全国に10ヶ所、地方競馬が15ヶ所で、3兆円産業だ。コロナ禍で一時は競馬人口が減ったものの、盛り返した。場外馬券売り場にひところは集まっていたが、携帯電話でも馬券が買える上、闇では電話による馬券屋アルバイト相場もある。
競艇は90年代に2兆円規模だった。それが、2018年には1・4兆円規模に激減した。このため地方自治体は負担が増えて悲鳴をあげているところもある。売り上げの2・6%が船舶振興会へ上納される仕組みになっている。
競輪はなぜか博徒が増えた。
2019年に6600億円規模だったが、22年には1兆円を突破した。23年予測は1
・25兆円。人気の原因はガールズ競輪という。
新興のオートレースは現在五ケ所にあって600CCバイクのレースだが。22年には1075億円と「順調」な増加をしている。
中国人に限らず日本人も賭け事が大好きなようだ。
▼外国ファンドは中国から全速で逃げた
さてもっと大規模な賭場、むろん合法の賭場と言えるのが株式市場である。
投資家、とくに禿鷹ファンドという、法律的には合法の投機集団は、換言すれば稀代のばくち打ちと言えないこともないだろう。
同時にかれらは情報通だ。原点はロスチャイルドの投資方法にある。早耳で仕入れた情報を市場操作に活用する。
1815年のワーテルロー戦役で、ナポレオンが負けたことを、特別に雇用した情報員から誰よりも早く入手したロスチャイルドは、逆に英国公債(戦争費用をまかなった)を売り始めた。
コバンザメのようにロスチャイルドの投資を真似てきた周囲の投資家たちはそれを見て狼狽、投げ売りにはしった。
底値になったとき、総てを買い上げる。直後に公式ニュースが入って英国軍が勝ったことがわかり、今度は暴騰、ロスチャイルドは一夜にして大金持ちとなった。
2015年以来、ファンドの中国株買いが続いていた。八年間、ずっと買い越しだったのである。2021年に外国ファンドの中国株保有は1・1兆ドルに達していた。この他に香港のオフショアとNYのナスダック市場では「ドラゴン某某」と名がつく「中国株インデックス」も取引されている。
中国バブルが表面化し、繁栄は終わったとウォールストリートジャーナルがだめ押しする前から、禿鷹ファンドは売り越しに転じた。かれらは中国株を売り続けている。
中国の成長とは借金の肥大化で成り立っていたトリックに気がつくと、外国ファンドは「全速力」で中国株の売りに走った。売って売って売りまくった。その一部が「安全」な日本株へ群がったのである。
「13セッション連続で107億ドルを売却した。売られた銘柄にはアリババ、テンセント、八月には貴州省マオタイ、招商銀行。ブームがとまった太陽光パネル企業(ロンジ・グリーン)株まで売られ、まさに一斉撤退の様相となった」(サウスチャイナモーニングポスト、8月24日)。
売越額は9000億ドルと推計されている。
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「1人1台端末」として県立高校の生徒が使用しているタブレット端末に故障が相次いでいる問題で、徳島県は13日、代替機を配備できる時期が一部の学校で夏休み前にずれ込むとの見通しを示した。これまで「新年度が始まる4月までに各校へ届けることが可能」としていたが、新たに電源関係のトラブルが生じた端末が相次いで報告され、追加発注が必要になるためという。(吉田誠一)
県幹部や小学校長、NTT西日本徳島支店の関係者らで構成する県の「教育DX加速化委員会」の緊急会議がこの日、県庁で開かれ、県と県教育委員会が報告した。
県教委は県立高校など29校に配備した中国の電子機器メーカー・ツーウェイ社製のタブレット端末計1万6500台について、各校から週1回、新たな故障台数やその内容の報告を受けている。先月下旬に「バッテリーの持続時間が短い」など電源関係のトラブルを訴える内容が増えたため、駆動時間不足を新たな調査項目に加え、過去分を含めて調査した。
先月以降、毎週82~289台のペースで増えていた故障・不足台数は、今月5日現在で、1226台に急増。▽故障▽バッテリー膨張などで使用を中止▽駆動時間が1時間未満――を足した台数は計8470台となり、全端末の半数にのぼった。
県教委は、修理により使用できるケースがあるとしつつ、今後も故障や駆動時間の問題が生じる端末が増える可能性があり、「最終的な不足数は見通せない」と説明した。
◇
「できるだけ早く、安全でしっかりとした端末を提供する」との後藤田知事の方針を受け、県は県教委に代わって、代替機の確保を進めてきた。
6500台の代替機をリース方式で調達する費用7200万円を盛り込んだ補正予算案が昨年11月の県議会で可決した。県は故障の報告が多い学校用に500台を調達済みで、近く3000台の入札を予定。加えて県教委に全端末を納入した四電工徳島支店から、3500台の無償貸与を受け、年度内に計7000台の確保を目指していたが、新たなトラブルが判明したことで不足を解消することは難しくなった。
2024年度に調達が必要な端末は従来より1000台多い4000台となり、各校への配備は7月頃にずれ込むという。加速化委員会でトップを務める伊藤大輔副知事は会議で「一刻も早く『1人1台』に戻せるよう整備を進める」と強調した。
高校で「1人1台」のタブレット端末、中国製1万6500台の半数に不具合…新学期に間に合わず : 読売新聞
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