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WEB内覧/玄関
やっと写真が揃って来たので、我が家のそれぞれのスペースをご紹介しようと思います。(俗に言うweb内覧会ですねドキドキ!)
今回は、玄関のお話です。
玄関は、誰しもが見るファサード(建物の正面)の次に、第三者が触れる家の顔となるポジション。
そして、M邸にとっては帰宅時にホッとできるような余裕のある空間であって欲しい…と、家づくりの際にとても重きを置いていたスペースでした。
そんな大事なスペースを、道路から約13mほど歩いたとても奥まった部分に配置しました。遠いですね(笑)
画面左下の四角い穴が玄関で、右下の3つの点がインターホンです。
玄関の階段には愛犬にお座りしてもらいましたが豆粒のよう…そして長過ぎて全景を写真に収めづらい〜!
※配置図が気になる方はPlanカテゴリーから全体図をご覧下さい。
この遠さには2つの意味があって…
1つ目は、道路からすぐにドアに飛び込むのではなく、自宅へのアプローチを長く歩く充分な時間を取りたかったためです。
些細なことかもしれませんが、1歩ずつ自宅に近付く度に“あぁ帰ってきたなぁ”と噛み締めるようなリラックスモードへのチェンジを、私達夫婦はとても大事にしたいと思っていました。
2つ目は、防犯のため。
M邸は借景を目的とした公園の前の立地です。(土地探しの記事はこちら)
防犯意識の高い方はご存知かと思いますが、公園前は下見がしやすく泥棒に入られる率が高い為…防犯面は出来るだけ気をつけなければいけませんでした。(気をつけても入る輩は入るっ!でも今家にはお金とかないからガッカリやで)
ファサードの角にインターホンをつけているので、これを鳴らさずに敷地内にいる人は自然と不審者だということになり(笑)非常に解りやすいです。
アプローチは減額の為に砕石敷で、将来的に土間コンにする予定なのですが、音が鳴ってくれるため今のところ防犯砂利としても機能してくれています。
土間を打ったらまた対策を考えないと。
また、防犯カメラはインターホンとリンクすることが出来るものを選びました。
インターホンは、Panasonicの既製品。(インターホン比較の記事はこちら)
既製品のインターホンは経年でデザインが古くなってしまいがちなので、壁内に埋め込み、さらに金属のプレートで覆って頂きました。
プレートはビスなどを一切付けないよう強力な磁石で付いていて、機種を変えることも掃除も容易で嬉しい。
そしてこちらはインターホン兼、表札なんです。
右下の余白にM邸の住所と名字がアルファベットで彫り込まれていますが、白地に凹だけで表現していて色を入れていないので、モザイクをかけるまでも無かった程見えません…(笑)
徹底して意匠を白に統一する目的以外に実は、よく見ないとこの人んちの名字わからんっていうこれも防犯対策からの部分です。
私が、あえて白のままで!と言った際は、Wさんもこの仕様がお好きだったそうで“初めて色を入れない方に出会えました!”と嬉しそうでした。良かった!
もちろん普通は文字を見やすくするために色を入れるか凹凸をもっと立体的にするはずなので、初見の方には意味がねぇ(笑)表札ですし、年配の方にはインターホン自体どこかわかんなかった!と言われがちですが…ありがたいことに郵便屋さん・新聞屋さん・宅配業者さん・ご近所さんはしっかりとこの存在を把握して下さっています。助かる〜!
穴のデザインはWさん・文字は私・施工はA監督と3人のコラボになっていて、力を合わせて建てたこの家の象徴としてとても大事にしたいパーツになりました。
そして必然的に…第三者と言っても、インターホンの場所をしっかりと把握して下さった上記の顔見知りの方のみがこの玄関まで足を運んで下さる形になります。
逆に、顔見知りの方以外は遠目からはこの家の入り口がどうなっているのかは解らず、ポーチに入るまではポストはもちろん玄関ドアも一切見えません。
ちょっと意地悪な造りかもしれませんが、これによって不要なポスティングを避けることが出来ています。
賃貸時代はマンションの集合ポストで、要らないチラシをいちいち回収して捨てるのがとてもタイムロスだと感じていたので…今は本当に楽になりました。
玄関の床は、モルタルにしました。
モルタルも、炭を混ぜてマットブラックに出来たり刷毛で模様を付けられたり…と選択肢も広いので、一概に仕様が低いとは言えませんが、素材としては安価な部類で、タイル(化粧)を貼って仕上げるよりもコストを抑えることが出来ます。
M邸は至って普通の金ゴテ仕上げ。
隣接する駐車場の土間との繋がりを意識して素材感を統一しています。
とてもシンプルなのですが、建築好きの方は解ってくださるかも…!
この美しいピン角。左官職人さんの手仕事です。
モルタルを選んだのは素材感が元々好きなのもありますが、こういったディテールこそ、M邸にとってはとても大切にしたい部分だったからです。
一歩間違えば仕様の低さが出てしまう素材でも、我が家の建築家Wさんと職人さんの繊細さがどんどんプラスに変えて下さるのが嬉しい。
このピン角が、欠けないように気をつけないと。
こちらは玄関ポーチ全体のビジョンです。
正面には坪庭のビューがあり、グリーンを覗かせるように常緑のハイノキを植えました。
坪庭と玄関ポーチは、フレームレスな分厚い防犯ガラスで仕切られています。
軒の奥行きは約2m!
建坪30弱のごく一般的なサイズの我が家には、贅沢なくらい広いスペースかと思います。
でも玄関は余裕のある空間にしたくて…室内が削られるのを全く惜しみませんでした。
この軒は、2Fの寝室の床にもなっていて、一石二鳥のスペース。
私が超合理主義なせいで、○○兼××みたいな造りが我が家にはちょこちょこ(笑)
深い深い軒は、雨の日でもまず濡れる事がないのでとても安心感があります。
雨の日に沢山買い物をしちゃった日も、ポーチの真横に車を停めて、ここに買物袋をサッと降ろせて重宝しております。
少し寄って…
ドアは造作ではなく既製品。LIXILのDDという商品です。
建築家との家づくりでは本来、こういった目立つ部分に既製品を取り入れるというのはあまりしたくないと思っていた私ですが、このDDは沢山の建築家の声を元に商品化されたため、比較的ミニマルな造りだったので…
意匠的にマットなブラックであればいい、という理由で大きく減額対象としました。(最近では既製品も非常にシンプルなドア、増えてきています!我が家の場合はLIXILのドアが最安だったので1択となりました)
そう踏み切れたのはある理由から。
実は、我が家のファサードには将来的に、今は外壁となっている部分をレーザーカッターで開けてもう1つ玄関ドアを作る予定があります。
もし玄関ドアがこの1つだったら絶対に造作にしたと思うのですが、もっと目立つ場所であるファサード側につけるドアできっと凄いこだわりを込める(=金額も跳ね上がる)ことになるので、将来の楽しみにまわすことにしたんです。
特に凝ったハイテクなキーではないですが、セキュリティは1ドア2ロックのディンプルキーであることに重きをおいて。
後付けできるSmart Lockという今までに比較してコンパクトで多機能な商品も出てくれたので、我が家もいずれつけようかな?と検討中です。
このDD、歪みなどのトラブルもなく気密性もかなり高く…これは暮らしてみて改めて、既製品ドアのメリットだったと思う部分です。
玄関ドアサイドにはポスト。
こちらも既製品(Wさんに完全にお任せした為商品名はわからず…!すみません)ですが、フレームレスで完全に受け口だけが表われるようにとてもストイックに埋め込んで頂いています。
ドアに寄り添うように、本来ヨコにして使うものをタテにして。覗き見しにくいように…とのWさんのご配慮です。
意匠的にも、ヨコに開くよりスッキリしてくれてありがたい!
こちらは室内側から見たポスト。
誰にも会う事なく郵便物を受け取れるので、本当に使い勝手のいいポジションです。
が、ポストの奥行きは壁の厚み分しかないため勢い良く投函するとバサッと床に落下してしまいます(笑)
当然、それを防止する金具をWさんが見積もって下さいましたが、暮らし始めて様子を見てからでも発注できるとのことだったので、減額調整の際に削りました。
でも、郵便屋さんはこの中がどうなってるかを既に察して下さったようで、いつもそ〜っ…と郵便物をこんな感じに立てかけて丁寧に入れて下さいます。
お陰様で金具を追加する必要がなくなりました。完全に甘えておりますが、いい担当者さんで本当に良かった(涙)
夕景は、長い長いアプローチの先に、玄関からの光が漏れるような印象に。
緩やかに燐家との境界を仕切れるよう、玄関脇に植栽をしています。
植栽は徐々に増やして、もっと密度を上げていきたいなぁ。
それでも燐家のブロック塀が気になるようだったら、植栽背面に仕切り塀を設置しようと思っています。
軒天の2つのダウンライトと植栽のアッパーライトは、明暗センサーにして頂いていて、夕方暗くなり始めると自動的に点灯します。
明暗だけでなく、時間帯も自分で選べるタイプのようで、とても便利です〜!
我が家には外から見える窓がほぼ無いので、窓から漏れる光ではなくこういう部分で人が住んでるんだなぁという雰囲気を伝えようと努力しております。
帰宅時はこのようなビジョン。
坪庭のハイノキも、夜はスポットライトで照らされます。
同時に坪庭の壁も明るくなり、日中の見え方より奥行きが出てくれる気がする!
無機質な素材感の中に、緑と光のスパイス。
この雰囲気は家を建てようと決めてから玄関には特に強く込めた要望で、大切に実現して頂きました。
坪庭の最奥の壁…2Fの高さには、四角い穴が開いています。
この穴は、我が家の東に当たる位置。
偶然、お隣さんがこの位置だけ下屋(1階だけの造り)になっていることにWさんが素早く気付いてくださり…ここから存分に朝日を入れようという計画になりました。
朝はこのように…サンシャイ〜ン!
暗くならないか不安だった北側の小さな坪庭に、天空光だけでなく、午前中はしっかりとした直接光を届けてくれます。
もしもこの穴がなかったら、M邸の坪庭と玄関ポーチはもっともっと暗くなっていたはず…
この地区の北側斜線制限の厳しさと、お隣さんの間取りと、そしてWさんの目の付けどころに本当に感謝しています。
陽は防犯ガラスを突き抜けて玄関ポーチまで。
この光のお陰で午前中はここが北側の玄関という意識はあまりない程。
朝、モルタルに落ちるハイノキの陰を見るのが、私の楽しみになっています。
長々とすみません!(今後のweb内覧会が思いやられる)
以上、M邸の玄関でした。
●我が家と同じように建築家と家を建てている方のブログ集はこちら。
これから家づくりをされる方は是非ご参考ください。
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