Tumgik
#ベルトかいじゅう王子
tangledinourstrings · 2 months
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ベルトかいじゅう王子 (Belle to Kaijuu Ouji, 1976) directed by 渡辺和彦 (Kazuhiko Watanabe)
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galradio · 3 years
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201224 庭ラジ#81
12月24日ということで、今年も残すとこラストワンウィークですか
・来週木曜、大晦日はレコメンがお休みということで、文化放送ではなんと今夜が2020年ラストの回となります。(30分verは1/1あるっぽいね)
・そして、24日ということは、皆さんメリクリ〜!んー…(デカめの鼻息)
・や〜クリスマスイブですよ。皆さんは今何してるんでしょうか?
・もうこの時間ってことは、ちょっとお酒も入ってるんじゃないかなっていう感じかなあ?
・学生の方は普通に聞いてもらってんのかな?もしかしたら恋人と一緒に聴いてらっしゃるっていう方もいらっしゃったり。
・前、彼氏さんと聞いてたみたいなメール頂きましたよね?で、何かちょっと下ネタ系のこと言って、ちょっと気まずくなってどうしてくれるんや、みたいなメールじゃなかったっけ
・今夜は下ネタNGということで…
・僕らはイブですから、仕事かな
・25日にMステの本番があって、24は何やってんねやろ?キンプリ仕事かな?ちょっとまだスケジュールが出てないからなんとも言えないですけども、皆さんはもっと楽しい夜を過ごすんじゃないかなということで
・楽しいクリスマスをお過ごしくださいませ!
今週の王国事件簿
「永瀬、搾取される」
・ちょっとしんどかったこの事件は…
・HiHi Jetsの髙橋優斗っているじゃないっすか、あいつが家に来たんですよ
・遊んでて、そろそろ帰るかってなった時に、「ちょっと廉くん、こっち行きましょうよ」って言って、その「こっち行きましょうよ」のこっちが、僕ん家のクローゼットなんすよ
・この時点で察して
・そん時弟に服をあげたばっかりであげれるものがあんまなかった
・僕の一軍、よく着るっていうものが多かったんで、あげたくない!と 
・ただやっぱそれは読み取られたくないなということで、話を逸らそうと思って、まず「一回水飲も」つってリビングに行って
・一時間ぐらい粘ったんですけど… ガイさん「長いwww」
・帰らなくて!どうしても 「全然帰らんやんこいつ」と思って
・いや〜これ無理だなっていうので、諦めて、いらんやつを探して
・とりあえず何かあげなーと思って、ベルトあげたんすよ(優しいねえ)
・僕が高校1年生、2年生ぐらいの時にかけて、僕はもう今かけてないんですけど、それがあったから「これで何とかお納めください…。」と思って出してんけど
・ゆうぴ「廉くん!違うじゃないっすか!」
・って言われて…で、結果的にはニットを2枚あげちゃいました
・結構着てるニットで、1個は新品。1回も着てないやつをあげて!
・もう一個は結構着てたニットだったんすけど
・高橋大���に年貢を納めるような農民の気分でしたね
・で、そこまでやったら全然いいんすけど、次の日、佐々木大光(7MEN侍)から電話かかってきて「にぃに。優斗がなんか服もらってたんですけど、どういうことっすか!」
・んでその後、岩崎大昇(美少年)が「にぃに、俺らにもくださいよ!」みたいな
・あ〜面倒くさい面倒くさい!と思って、めんどくさい大名二人増えたわと思って…
・だからちょっと、また佐々木大名と岩崎大名に取られるねえ、多分俺 
・あげるもんないわー、まじでどうしようー
・あっ!神宮寺と岸のパンツあげるか!フフ 家にあったやつ!そしたら俺、全然無傷なので
・家、教えんかったらよかったなぁ、ッフッフッッフフ
・もう、腹くくってあげるような服を見つけときます。
「永瀬、読書の冬!」
 ・タイトルからわかるように、俺、本にハマりました
・本って言っても漫画とかでなく、マジの小説!
・この本はもう小説原作で、僕アニメから入ったんですよ。アニメから入って、これめっちゃ面白い!と思って
・アニメって尺の都合上、小説に書いてある物語とかカットされてるんですよ、そのカットされてる部分を知りたいなーって思って
・で、1から14巻まであって、それをすぐ頼んで翌日届いて、そっから読み始めてるって感じなんすけど、もうめっちゃ読んでる! この前、6時間読んだ!(ラノベ?)
・本にハマるとか、「かいけつゾロリ」以来よ、僕 わかる?
・俺ら世代たぶん読んでた、小学生の頃、 あと「デルトラクエスト」とか
・もうそれ以来、はまってー
・ 結構分厚くて、3〜400ページぐらいあんのかな?4巻くらい読み終わって
・けど、そのアニメ見てるわけやから大体わかるじゃないっすか、ストーリーが
・で、僕が見たいのがちょうど6巻からやったんで、今6巻から読んでます。一から5巻は飛ばして。あんま好きじゃなかった
・6巻から読んでる。なんでじゃあ全巻買ったんですか?って話やねんけど、どっからがさ、その俺が読みたいシーンからか分からんかったから、とりあえず全巻買って
・まさか6巻からやったのよ 5巻分、無駄に買っちゃってんのよね
・でもあんま読む気は起きへんから(正直w)まあこれはしょうがないなって
・語彙力が上がった気がします
・語彙力あがったっつっても、魔法が出てくるから、魔法の名前覚えただけやねんけど 
・ま、食レポとかで、上がった語彙力を活かせる部分があるかな
・でも読書って無駄にならないと思うんで、そういう感じで残り少ない巻数を楽しみながら読みたいなと思います、うん
・久しぶり6時間も本を読んだもんなんで、首痛くて次の日
・結構左向けないっていう事件も、平行して起きてましたね 
・ゲームやり過ぎて首痛くなって、今度は本読みすぎて首痛くなるっていう永瀬でした
曲:Little Christmas
ふつめる
「廉くん”おばんでがす”。宮城県の方言で、”こんばんは”。(廉:あ、撮影してるから)覚えてますか?またまたあの季節がやってきましたね!そうです!庭ラジ2020年、下半期流行語大賞〜ということで、下半期の庭ラジを彩った名言(笑)の数々をノミネートしました!
1.そんな子に育てた覚えはない(200716) / 2.岸さんを食べたい(200723)/ 3.俺は悪くない (200730)/ 4.ヘモグロビン(200730) / 5.使わんが(200813) / 6.エアーで食べてみる(200827) / 7.「ORESEN」の被害者(201029)  / 8.永瀬の大蛇披露(201029) / 9.今年いっぱいコント引きずる(201105) / 10.おいのび太!野球しようぜ!(201119) / 11.木曜日弱ない?(201119) / 12.キングアンドプッス(201126) / 番外編.ラジオ中の生着替え(201022)
ぜひ下半期の大賞を選んでみてください」メール
・あったねえ、覚えてますよこの企画
・前回なんでしたっけ…?(200723 上半期流行語大賞)
・ゴリ…wwwwwwwwww(むちゃくちゃ笑ってる)
・「1.そんな子に育てた覚えはない」って誰にむけてやったやつや?
・ガイさん「ラッコの食費年間500万」
・高ぇーなあ、ラッコ
・「2.岸さんを食べたい」って俺が言った?ほんまに…
・ガイさん「キンプリを焼肉に例えると、の話」
・アッハッハー
・「3.俺は悪くない」? ガイさん「観葉植物が全うした…」
・言わないで言わないでそれ以上!心痛なるわ
・俺は悪くない、って犯人の言うことやもんな
・「4.ヘモグロビン」は?
・ガイさん「オーラは作れるの、セロトニンから」
・フフフフフwwぜんっぜん俺覚えてない
・「5.使わんが」はなんかわかるねんな、どっかの方言なんすよね
・「6.エアーで食べてみる」とは…
・ガイさん「猫舌の人の食べ方を教えてもらったときにスタジオでエアーで食べてみる」
・アホやん、俺
・「7.ORESENの被害者」これも覚えてる、「8.永瀬の大蛇披露」も覚えてる
・「9.今年いっぱい引きずる」がライブ、割と最近か
・「永瀬の大蛇披露」ってなんか、犯罪の香りせん?大丈夫?めっちゃ下ネタじゃないこれ?
・相当大層なもんっていう感じの雰囲気しますけど… 
・どうしようかな、難しいなこれ~、この中から選ぶの
・流行語大賞でしょぉ?うわ〜迷うなあ、どうしようかなあ〜〜!
・ガイさん「そんなに?w」
・これ大事やん、やっぱ何の言葉で一年を締めくくるかっていうのは 
・はい、決めました 
・下半期、流行語大賞2020年!大賞は「俺は悪くない」  
・俺はこれからもこの言葉を使って、色んな自分に降りかかる不利な状況を、乗り越えていきたいなと思います。 
・なんか責められたら「俺は悪くない」って言って
・メンバーから何か「おい、ここどうした?」って言われたら、「俺は悪くない」
・「振り付けここ間違えてたやろ」「いや、俺は悪くない」(それは悪い) 
・これで逃げて行きたいなと思います。これは非常に便利な言葉です。
・色々思い出しますね
「先日雑誌を読ませていただいたのですが、そこに廉くんがタモリさんと焼肉を食べに行った、(廉:タモリさん…へ?)というエピソードが載っていて、廉くんの交友関係の広さと自らタモリさんをお食事をお誘いする廉くんのコミュニケーション能力にびっくらこきました。その時のエピソードあったら詳しく教えてください」メール
・タモリさんと焼き肉?え!?
・これね、実はあのー、“タモリ”さんじゃなくて“玉森くん”じゃないかな?多分。
・わかった!あのーライターさんが、俺が「玉さん」って言ったのを「タモさん」って聞き取り間違えたんかな?多分インタビューの時
・俺が「タモさん」と呼ぶはずがないんやけど、そもそも 
・俺、普段から早口で喋るから、聞き間違えられたのかな?タモリさんと焼肉、恐れ多くて声かけれないよ、僕は!さすがの僕も!恐れ多いっすよ
・玉さんと行ったよ
・玉さんと30分焼肉行って、30分だけ。何かお仕事でやる事があるみたいで、結構前から僕もお誘いしてたんで、連れてってくれて
・えー!こんなんなってたの!?これメール結構来てた?
 ・ガイさん「結構きてた」
・えー!じゃあタモリさんと焼肉行ってるヤツみたいに思われるやん
・“タモリさん”ではなく“玉森くん”ね。そうそう“玉森さん”ですから。ごめんね… 
・何かそれでガッカリしちゃった人もおるかもしれん、ごめんね、なんか
・玉森くんでした、すいません!
30分ver
思い出リクエストガーデン
リクエスト/King & Prince Full Time Lover
「今をときめく廉くんが観葉植物のお世話に四苦八苦してる様子もたまらなく愛おしかったです。植物のみなさんとは一緒に年を越せそうでしょうか?」メール
・無事に植物とは1年、年越しは共に過ごせそうですよ
・Full Time Loverもライブでおふざけの格好で歌った曲で楽しい曲ですよね
エンディング
・来年の春に放送されるNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」に及川亮役として出演させていただきます
雑学コーナー
「廉くんは左耳と右耳から聞く告白、どちらからするほうが成功率が上がると思いますか?(廉:えぇっ!?)実は左耳から聞く方が感情を司る右脳へ直に強く刺激させ、ロマンチックに感じられて胸がドキッとするそうです。でも廉くんに告白されたら、左右関係なくきっとリスナーさん全員心臓バクバクになってしまうと思います。もしよければ是非ラジオを通して左耳から聞いてみたいです」メール
・出た、こういうさ〜コーナーを上手く使ってくるタイプのリスナーさん現れた、ついに…始まったよ!
・ちゃんとさ、面白い雑学を教えながら、俺になんかやらせるっていう…うまく使ってきてるよね、このコーナーを
・うわ、賢いの出てきたわ!
・今後さ、例えば「好きって言う言葉を普通にいうよりささやいて喋った方が効果ありますよ」みたいな雑学、「ぜひ囁き声で聞いてみたいです」っていう…(もう自ら振っちゃってるじゃんw)
・悪知恵が回るねぇ〜
・やるやん、やる流れやん
・いややわ~!なんか久しぶりやわ~、そういう胸キュンみたいな
・じゃあシンプルに行きますね(ちゃんとやってくれる堅実なれんれん) 
・「寒い?いいよ、じゃあもっとこっちにくっつき?まだ寒いん?わかった。じゃあ、これから、布団もかけんでいいほど、熱くなることしよっか?」
・フフフ ハハハハハwwwwww
・これはね…ほのかさん(リスナーさん)が悪いよ。これだって普通に告白しても違うでしょ?わからん、何?普通で良かったのかな?
・は〜、もう疲れた、マジで。は〜ぁ、いやだな~流れんの。ま、いいや…
(胸キュンからみゃーみゃーぶつくさ言うまでがれんれんの萌えセットですからね)
・次回のレディオガーデンは、来年の1月7日ですかね。木曜日の放送となります。お楽しみにしといてください!
・それでは、King & Princeの永瀬廉でした!それではまた来年!よいお年を、バイバイ〜
れんれん、胸キュンするセリフ言う前後、ぶつくさ言うけどちゃんと任務遂行するし、ちゃんと胸きゅんセリフなとこがまじで真面目健気アイドルなんよ。しかも別に言わなくていいことまで言ってるし、賢ギャルだ。
今年も庭ラジ楽しかった!
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chirinovel · 4 years
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NoxRika
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桝莉花
朝、目を覚ますと、「もう朝か」とがっかりする。希望に満ちた新しい朝起なんてほとんどなく、その日の嫌な予定をいくつか乗り切る作戦を練ってから布団を出る。
マルクスの「自省録」を友人に借りて読んだ時、初めは偉そうな言いぐさに反感を持ったが、日々の中で些細な共感をするたびに、ちょっとかっこいいんじゃないかなどと思うようになった。嫌な予定を数えるだけだった悪い癖を治すため、そこに書いてあったような方法を自分なりに実践している。半ば寝ぼけているから、朝ごはんを食べている時には、どんな作戦だったかもう思い出せない。
ただ、担任の堀田先生に好意を寄せるようになってからは、今日も先生に会いに行こう、が作戦の大半を占めている気がする。
リビングへ出ると、食卓には朝食が並んでおり、お母さんが出勤姿で椅子に半分くらい腰掛けてテレビを見ていた。
「あ、莉花。見てニュース」
言われた通りにテレビに目を凝らすと、映っていたのはうちの近所だった。
「えー、引き続き、昨日午後五時頃、○○県立第一高等学校で起きました、無差別殺傷事件の速報をお伝えしております」
全国区のよく見知ったアナウンサーの真剣な顔の下に、速報の文字と四名が現在も重体、教師一名を含む三名が死亡とテロップが出た。
「えっ、これって、あの一高?生徒死んじゃったの」
お母さんは眉根を寄せ、大げさに口をへの字にして頷いた。
 「中学の時のお友達とか、一高に行った子もいるんじゃないの?」
しばらくテレビの画面を見詰めながら考えを巡らせた。お母さんは「大変大変」とぼやきながら立ち上がり、
「夕飯は冷蔵庫のカレーあっためて食べてね」
と家を出て行った。
中学の時に一緒にいた友だちはいるけれど、知りうる限り、一高に進学した子はいなかった。そうでなくても、今はもうほぼ誰とも連絡は取り合っていないから、連絡したところでどうせ野次馬だと思われる。
 地元の中学校に入学して、立派な自尊心となけなしの学力を持って卒業した。友だちは、いつも一緒にいる子が二人くらい居たけれど、それぞれまた高校で「いつも一緒にいる子」を獲得し、筆マメなタイプじゃなかったために、誕生日以外はほぼ連絡しなくなった。誕生日だって、律儀に覚えているわけじゃなくて、相手がSNSに登録してある日付が私の元へ通知としてやってくるから、おめでとう、また機会があれば遊びに行こうよと言ってあげる。
寂しくはない。幼いことに私は、自分自身のことが何よりも理解し難くて、外界から明確な説明を求められないことに、救われていた。友だちだとかは二の次で、ましてやテレビの向こう側で騒がれる実感のない事件になんて構ってられない。
高校で習うことも、私にはその本質が理解できない。私の表面的なものに、名前と回答を求め、点数を与えて去っていく。後にこの毎日が青春と名乗り出るかも、私には分からない。気の早い麦茶の水筒と、台所に置かれた私の分の弁当。白紙の解答用紙に刻まれた、我が名四文字の美しきかな。        
学校に着いたのは七時過ぎだった。大学進学率県内トップを常に目標に掲げている我が高校は、体育会系の部活動には熱心じゃない。緩く活動している部活動なら、そろそろ朝練を始めようという時間だ。駐輪場に自転車を停めると、体育館前を通って下駄箱へ向かうのだが、この時間だと、バスケ部の子たちが準備体操をしていることがあり、身を縮こまらせる。今日はカウントの声が聞こえて来ないから、やってないのかな。横目で見ると、女子バスケ部に囲まれて体育館を解錠する嬉しい後ろ姿が見えた。
担任の堀田先生だ。
そういえば、女子バスケ部の副顧問だったな。
背ばっかり高くて、少し頼りない猫背をもっと眺めたかったけれど、違う学年の、派手な練習着の女子たちに甲高い声で茶化されて、それに気だるげな返事をしている先生は、いつもより遠くに感じた。あ、笑ってる。
 いつも通りに身を縮こまらせて、足早に玄関へ駆け上がった。
出欠を取るまでまだ一時間半もあり、校内は静まり返っていた。
教室のエアコンを点け、自身の机に座り、今日の英単語テストの勉強道具を机に広げた。イヤホンをして、好きなアイドルのデビュー曲をかける。
校庭には夏季大会を前にした野球部員たちが集まり、朝練にざわつきだす。イヤホンから私にだけ向けられたポップなラブソングを濁すランニングのかけ声を窓の向こう側に、エアコンの稼働音だけが支配する教室。
「おはよー」
コンビニの袋を提げて入って来た風呂蔵まりあは、机の間を縫い縫い私に近寄って来た。
イヤホンを外しておはよう、と返すと、彼女はそのまま私の前の席に座った。片手でくるくるとした前髪をおでこから剥がし、もう片手に握ったファイルで自分を仰ぎながら、馴れ馴れしく私の手元を覗き込んだ。
「早くない?」
「小テストの勉強今からやろうと思って」
「え、やるだけ偉くない?私もう諦めてるよ」
目の前で手を叩いて下品に笑う。
「いや、普通にやっといた方がいいと思うけど」
叩きつけるような返事をした。
手応えのないコミュニケーション。読んでいた分厚い英単語帳を勢いよく窓から放り投げ、そのまま誤魔化すように浮遊する妄想と、バットとボールが描く金属音の放物線。オーライ、オーライの声。空虚な教室の輪郭をなぞり、小さくなって、そのまま消えた。
「いやー、はは」
向こうが答えたのは、聞こえないフリをした。
まりあとは、限りなく失敗に近い、不自然な交友を持ってしまった。中学を卒業し「いつも一緒にいる子」と離れ、高校に一年通っても馴染めず焦った私は、次なる友だちを求め私よりも馴染めずにいたまりあに声をかけた。短期間で無理やり友だちを作った私は、学校へ来ることが苦手な彼女に優しく接することを、施しであり、自分の価値としてしまっていた。その見返りは、彼女のことを無下に扱っても「いつも一緒にいる」ことだなんて勝手に思い込み、機嫌が悪い時には、正義を装った残酷な振る舞いをして、彼女を打ちのめすことで自分を肯定していた。
出会ってからすぐに距離が縮まって、充分な関係性を築き上げる前からその強度を試すための釘を打っているようなものだ。しかし、人を穿って見ることのできない彼女は私を買い被り、友人という関係を保とうと自らを騙し騙し接してくる。それもまた癪に触った。要はお互いコミュニケーションに異常があるのだ。でも、それを異常だとは言われたくない、自分の法律を受け入れて友だちぶっていてほしい。それは全くの押し付けで、そのことに薄々気付きながらも、目を背けていた。
ちょっとキツい物言いで刺されても、気づかないふりするのが、私たちだったよね。あれ、違ったかな。
しかし、もともと小心者な私は、根拠のない仕打ちを突き通す勇気はなく、すぐに襲い来る罪悪感に負け、口を開いた。
「あ、ねえ…ニュース見た?一高の」
「知ってる!やばくない?文化祭で生徒が刃物振り回したってやつだよね?めっちゃかわいそう。びっくりしてすぐに一高の友達にラインしたもん」
「何人か亡くなってるらしいじゃん」
「え、そうなの、笑うんだけど」
「笑えないでしょ」
それが、彼女の口癖なのも知っていた。勘に触る言葉選びと、軽薄な声。最早揚げ足に近かった。
「あー、ごめん。つい」
片手をこめかみに当て、もう片手の掌をみなまで言うなと私に突き出してくる。この一瞬に関しては、友情なんてかけらもない。人間として、見ていられない振る舞いだった。
「ごめん」
また無視した。小さな地獄がふっと湧いて、冷えて固まり心の地盤を作って行く。
ただ、勘違いしないで欲しい。ほとんどはうそのように友だちらしく笑いあうんだから。その時は私も心がきゅっと嬉しくなる。
黙り込んでいると、クラスメイトがばらばらと入って来て教室は一気に騒がしくなり、まりあは自分の席へ帰っていった。ああ全く、心の中にどんな感情があれば、人は冷静だろう。愛情か、友情か。怒りや不機嫌に支配された言動は、本来の自分を失っていると、本当にそうだろうか。この不器用さや葛藤はいつか、「若かったな」なんて、笑い話になるだろうか。
昼休みの教室に彼女の姿は無かった。席にはまだリュックがあって、別の女子グループが彼女の机とその隣の机をつけて使っている。私は自分の席でお弁当を広げかけ、一度動きを止め片手でスマホを取り出し「そっち行ってもいい?」とまりあにメッセージを送った。すぐに「いいよ!」が返ってくる。お弁当をまとめ直して、スマホと英単語帳を小脇に抱���て、教室を出た。
体育館へと続く昇降口の手前に保健室があり、その奥には保健体育科目の準備室がある。私は保健室の入り口の前に足を止めた。昇降口の外へ目をやると、日陰から日向へ、白く世界が分断されて、陽炎の向こう側には、永遠に続く世界があるような予感さえした。夏の湿気の中にもしっかりと運ばれて香る校庭の土埃は、上空の雲と一緒にのったりと動いて、翳っていた私の足元まで陽射しを連れてくる。目の前の保健だよりの、ちょうど色褪せた部分で止まった。毎日、昼間の日の長い時間はここで太陽が止まって、保健室でしか生きられない子たちを、永遠の向こう側から急かすのだ。
かわいそうに、そう思った。彼女も、教室に居られない時は保健体育の準備室に居る。保健室自体にはクラスメイトも来ることがあるから、顔を合わせたくないらしい。準備室のドアを叩くと、間髪入れずに彼女が飛び出てきた。
「ありがとねえ」
「いいよいいよ、もうご飯食べ終わった?」
二人で準備室の中に入ると、保健室と準備室を繋ぐドアから保健医の仁科先生が顔を出した。
「あれ、二人一緒にたべるの?」
「はい」
私はにこやかに応えた。その時に、彼女がどんな顔をしていたかわからない。ただ、息が漏れるように笑った。
先生の顔も優しげに微笑んで私を見た。ウィンクでもしそうな様子で「おしゃべりは小さい声でお願いね」と何度か頷き、ドアが閉まった。準備室の中は埃っぽくて、段ボールと予備の教材の谷に、会議机と理科室の椅子の食卓を設け、そこだけはさっぱりとしている。卓上に置かれたマグカップには、底の方にカフェオレ色の輪が出来ていた。
「これ、先生が淹れてくれたの?」
「そう、あ、飲みたい?貰ってあげよっか」
「…いいよ」
逃げ込んだ場所で彼女が自分の家のように振舞えるのは、彼女自身の長所であり短所だろう。遠慮の感覚が人と違うと言うか、変に気を遣わないというか、悪意だけで言えば、図々しかった。
ただ、その遠慮のなさは、学年のはじめのうちは人懐っこさとして周知され、彼女はそれなりに人気者だった。深くものを考えずに口に出す言葉は、彼女の印象をより独り歩きさせ、クラスメイトは彼女を竹を割ったような性格の持ち主だと勘違いした。
当然、それは長くは続くはずもなく、互いの理解と時間の流れと共に、彼女は遠慮しないのではなく、もともとの尺度が世間とずれている為に、遠慮ができないのだと気付く。根っからの明るさで人と近く接しているのではなく、距離感がただ分からず踏み込んでいるのだと察した。
私は、当時のクラスの雰囲気や彼女の立場の変遷を鮮明に覚えている。彼女のことが苦手だったから、だからよく見ていた。彼女の間違いや周囲との摩擦を教えることはしなかった。
彼女は今朝提げてきたコンビニの袋の口を縛った。明らかに中身のあるコンビニ袋を、ゴミのように足元に置く。違和感はあったけれど、ここは彼女のテリトリーだから、あからさまにデリケートな感情をわざわざ追求することはない。というか、学校にテリトリーなんてそうそう持てるものじゃないのに、心の弱いことを理由に、こんなに立派な砦を得て。下手に自分の癪に触るようなことはしたくなかった。
「あれ、食べ終わっちゃってた?」
「うん。サンドイッチだけだったからさ」
彼女の顔がにわかに青白く見えた。「食べてていいよ」とこちらに手を伸ばし、連続した動作で私の手元の英単語帳を自分の方へ引き寄せた。
「今日何ページから?」
「えーっとね、自動詞のチャプター2だから…」
「あ、じゃあ問題出してあげるね。意味答えてね」
「えー…自信ないわあ」
「はいじゃあ、あ、え、アンシェント」
「はあ?」
お弁当に入っていたミートボールを頬張りながら、彼女に不信の眼差しを注ぐ。彼女は片肘をついて私を見た。その視線はぶつかってすぐ彼女が逸らして、代わりに脚をばたばたさせた。欠けたものを象徴するような、子供っぽい動きに、心がきゅっと締め付けられた。
「え、待って、ちょっと、そんなのあった?」
「はい時間切れー。正解はねえ、『遺跡、古代の』」
「嘘ちょっと見せて。それ名詞形容詞じゃない?」
箸を置いて、彼女の手から単語帳をとると、彼女が出題してきたその単語が、今回の小テストの出題範囲ではないことを何度か確認した。
「違うし!しかもアンシェントじゃないよ、エインシェント」
「私エインシェントって言わなかった?」
「アンシェントって言った」
「あー、分かった!もう覚えた!エインシェントね!遺跡遺跡」
「お前が覚えてどうすんの!問題出して!」
「えー、何ページって言った?」
私が目の前に突き返した単語帳を手に取って、彼女が嬉しそうにページをめくる。その挙動を、うっとりと見た。視界に霞む準備室の埃と、彼女への優越感は、いつも視界の隅で自分の立派さを際立つ何かに変わって、私を満足させた。
「午後出ないの?」
私には到底できないことだけど、彼女にはできる。彼女にできることは、きっと難しいことじゃない。それが私をいたく安心させた。
「うん。ごめんね、あの、帰ろうと思って」
私は優しい顔をした。続いていく物語に、ただ次回予告をするような、明日会う時の彼女の顔を思い浮かべた。
「プリント、届けに行こうか。机入れておけばいい?」
私は、確信していた。学校で、このまま続いていく今日こそ、今日の午後の授業、放課後の部活へと続いていく私こそ本当の物語で、途中で離脱する彼女が人生の注釈であると。
「うん。ありがとう。机入れといて。出来ればでいいよ、いつもごめんね」
お弁当を食べ終えて、畳みながら、彼女の青白い顔が、心なしか、いつもより痛ましかった。どうしたのかと聞くことも出来たが、今朝の意地悪が後ろめたくて、なにも聞けなかった。
予鈴が鳴って、私が立ち上がると、彼女がそわそわし始めた。
「つぎ、えいご?」
彼女の言葉が、少しずつ私を捉えて、まどろんでいく。
「うん。教室移動あるし、行くね」
「うん…あのさ、いつもさ、ありがとね」
私は、また優しい顔をした。
「え、なんで。また呼んでなー」
そのまま、準備室を出た。教室に戻ろうと一歩を踏み出した時、背中でドアが開く音がした。彼女が出てきたのだと思って足を止め振り返ると、仁科先生が保健室から顔を出して、微笑んできた。
「時間、ちょっといいかなあ?」
私が頷くと、先生は足早に近寄ってきて、私を階段の方まで連れてきた。準備室や保健室から死角になる。
「あのさあ、彼女、今日どうだった?」
「へ」
余りにも間抜けな声が出た。
「いつもと変わらなさそう?」
なんだその質問。漫画やゲームの質問みたい。
「いつもと変わったところは、特に」
「そっかあ」
少し考えた。きっと、これがゲームなら、彼女が食べずに縛ったコンビニ袋の中身について先生に話すことが正解なんだろう。
まるでスパイみたいだ。中心に彼女がいて、その周りでぐるぐる巡る情勢の、その一部になってしまう。そんなバカな。それでも、そこに一矢報いようなんて思わない。 不正解の一端を担う方が嫌だ。
「あ、でも、ご飯食べる前にしまってたかも」
「ご飯?」
「コンビニの、ご飯…」
言葉にすれば増すドラマティックに、語尾がすぼんだ。
「ご飯食べれてなかった?」
「はい」
辛くもなかったけれど、心の奥底の認めたくない部分がチカチカ光っている。
「そうかあ」
仁科先生は全ての人に平等に振る舞う。その平等がが私まで行き届いたところで、始業の鐘が鳴る。平和で知的で嫌味な響き。
「あ、ごめんね、ありがとう!次の授業の先生にはこちらからも連絡しておくから」
仁科先生はかくりと頭を下げた。「あ、ごめんね、ありがとう!」そうプログラミングされたキャラクターのように。
「いえ」
私は私のストーリーの主人公然とするため、そつのない対応でその場を去った。
こうして過ぎてゆく日々は、良くも悪くもない。教育は私に、どこかの第三者に運命を委ねていいと、優しく語りかける。
彼女の居ない教室で、思いのほか時間は静かに過ぎていった。私はずっと一人だった。
放課後はあっという間にやってきて、人懐っこく私の顔を覗き込んだ。
ふと彼女の席を振り返ると、担任の堀田先生が腰を折り曲げ窮屈そうに空いた席にお知らせのプリントを入れて回っていた。
「学園祭開催についてのお知らせ」右上に保護者各位と記されしっとりとしたお知らせは、いつもカバンの隅に眠る羽目になる。夏が過ぎれば学園祭が来る。その前に野球部が地方大会で強���校に負ける。そこからは夏期講習、そんなルーティンだ。
堀田先生の腰を折る姿は夏の馬に似ていた。立ち上がって「あの」と近寄ると、節ばった手で体重を支えてこっちを見た。「あ」と声を上げた姿には、どこか爵位すら感じ���。
「莉花、今日はありがとうね 」
「え?」
「お昼まりあのところへ行ってくれたでしょ」
心がぎゅっと何かに掴まれて、先生の上下する喉仏を見た。
絞り出したのはまた、情けない声だった。
「はい」
「まりあ、元気そうだった?」
わたしは?
昼も脳裏に描いたシナリオを、口の中で反芻する。
「普通でした、割と」
先生は次の言葉を待ちながら、空になったまりあの椅子を引き寄せて腰掛ける。少し嫌だった。目線を合わせるなら、私のことだって、しっかり見てよ。 
「でもお昼ご飯、買ってきてたのに、私が行ったら隠しちゃって」
「どういうこと?」
「ご飯食べてないのにご飯食べたって言ってました。あんまりそういうことないかも」 
「あ、ほんと」
私を通じて彼女を見ている。
まりあが、先生のことを「堀田ちゃん」と呼んでる姿が目に浮かんだ。私は、そんなことしない。法律の違う世界で、世界一幸せな王国を築いてやる。
「先生」
「私、まりあにプリント届けに行きます」
「ほんと?じゃあお願いしようかな、莉花今日は吹部は?」
「行きます、帰りに寄るので」
「ねえ、莉花さんさ、まりあといつから仲良しなの」
「このクラスになってからですよ」
「そうなんだ、でも二人家近いよね」
「まりあは幼稚園から中学まで大学附属に行ってたと思います。エスカレーターだけど高校までは行かなかったっぽい。私はずっと公立」
「あ、そうかそうか」
耐えられなかった。
頭を軽く下げて教室を出た。
上履きのつま先が、冷たい廊下の床だけを後ろへ後ろへと送る。
私だって、誰かに「どうだった」なんて気にされたい。私も私の居ないところで私のこと心配して欲しい。そんなことばっかりだよ。でもそうでしょ神様、祈るにはおよばないようなくだらないものが、本当は一番欲しいものだったりする。
部活に行きたくない、私も帰りたい。
吹奏楽部のトランペット、「ひみつのアッコちゃん」の出だしが、高らかに飛んできて目の前に立ちふさがる。やっぱり行かなくちゃ、野球部の一回戦が近いから、行って応援曲を練習しなきゃ。ロッカー室でリュックを降ろし楽譜を出そうと中を覗くと、ペンケースが無かった。
 教室に戻ると、先生はまりあの椅子に座ったまま、ぼんやりと窓を見ていた。
私の存在しない世界がぽっかりと広がって、寂しいはずなのに、なにを考えてるのか知りたいのに、いまこのままじっとしていたい。自分がドラマの主人公でいられるような、先生以外ピントの合わない私の画面。心臓の音だけが、後から付け足した効果音のように鳴っている。
年齢に合った若さもありながら、当たり障りのない髪型。 短く刈り上げた襟足のせいで、長く見える首。そこに引っかかったUSBの赤いストラップ。薄いブルーのワイシャツ。自分でアイロンしてるのかな。椅子の背もたれと座面の隙間から覗くがっしりとしたベルトに、シャツが吸い込まれている。蛍光灯の消えた教室で、宇宙に漂うような時間。
私だって先生に心配されたい、叱られたい。莉花、スカート短い。
不意に立ち上がってこちらを振り向く先生を確認しても、無駄に抵抗しなかった。
「うわびっくりした。どうしたの」
「あ」
口の中で「忘れ物を…」とこぼしながら、目を合わせないように自分の席のペンケースを取って、教室から逃げた。
背中に刺さる先生の視線が痛い?そんなわけない。
十九時前、部活動の片付けを終えて最後のミーティングをしていると、ポケットに入れていたスマートフォンの通知音がその場に響いた。
先輩は「誰?」とこちらを見た。今日のミーティングは怒りたがらない先輩が担当で、こういう時には正直には言わない、名乗り出ない、が暗黙の了解だったから、私は冷や汗をかきながら黙っていた。
「部活中は携帯は禁止です」
野球部の地方大会の対戦日程の書かれたプリントが隣から回ってきた。配布日が昨年度のままだ。去年のデータを使い回して作ったんだろう。
そういえば、叱られたら連帯責任で、やり過ごせそうなら謝ったりしちゃだめだと知ったのも、一年生の時のちょうどこの時期だった気がする。ただ、この時期じゃ少し遅かったわけだが。みんなはとっくに気付いていて、同じホルンパートの人たちに迷惑をかけてから、人と関わることはこんなにも難しいのかと、痛いほど理解した。
昔、社交には虚偽が必要だと言った人が居たけれど、その人は羅生門ばっかりが教材に取り上げられて、私が本当に知りたい話の続きは教科書に載っていなかった。
「じゃあ、お疲れ様でした。明日も部活あります」
先輩の話は一つも頭に入らないまま、解散となった。
ぼんやりと手元のプリントを眺めながら廊下へ出た。
堀田先生は、プリントを作る時、明朝体だけで作ろうとする。大きさを変えたり、枠で囲ったり、多少の配慮以外はほとんど投げやりにも見える。テストは易しい。教科書の太字から出す。それが好きだった。
カクカクした名前も分からない書体でびっしりと日程の書き揃えられた先輩のプリントは、暮れかかった廊下で非常口誘導灯の緑に照らされ歪んだ。
駐輪場でもたもたしていると、「お疲れ」と声をかけられた。蛍光灯に照らされた顔は、隣の席の飯室さんだった。
ちょっと大人びた子で、すごく仲がいいわけではなくても、飯室さんに声をかけられて嬉しくない子はいないと思う。
「莉花ちゃん部活終わり?」
「うん、飯室さんは」
「学祭の実行委員になっちゃったんだ、あたし。だから会議だったの」
「そっかあ」
「莉花ちゃん、吹部だっけ?すごいね」
「そ、そんなことないよ。それしかやることなくて」
自転車ももまばらになった寂しい駐輪場に、蒸し暑い夕暮れが滞留する。気温や天気や時間なんて些細なことでも左右される私と違って、飯室さんはいつもしっかりしていて、明るい子だ。ほとんど誰に対しても、おおよそ思うけれど、こんな風になりたかったなと思う。私の話を一生懸命聞いて、にこにこしてくれるので、つい話を続けてしまう。
飯室さんとの距離感は、些細なことも素直にすごいと心から言えるし、自分の発言もスムーズに選べる。上質な外交のように、友達と上手に話せているその事実もまた、私を励ます。友だちとの距離感は、これくらいが一番いい。
ただ、そうはいかないのが、私の性格なのも分かっている。いい人ぶって踏み込んだり、自分の価値にしたくて関係を作ったり、なによりも、私にも無条件で踏み込んで欲しいと期待してしまう。近づけばまた、相手の悪いところばかり見えてしまうくせに。はじめにまりあに声をかけた時の顔も、無関心なふりをして残酷な振る舞いをした時の顔も、全部一緒になって煮詰まった鍋のようだ。
また集中力を欠いて、飯室さんの声へ話半分に相づちを打っていると、後ろから急に背中をポン、と叩かれた。私も飯室さんも、軽く叫び声をあげた。
 「はーい、お嬢さんたち、下校下校」
振り返ると、世界史の細倉先生が長身を折り曲げて顔を見合わせてきた。私が固まっていると、飯室さんの顔が、みるみる明るくなる。
「細倉センセ!びっくりさせないで」
「こんな暗くなった駐輪場で話し込んでるんだから、どう登場しても驚くだろ。危ないからね、早く帰って」
「ねえ聞いて、あたしさ、堀田ちゃんに無理やり学祭実行委員にされたの」
「いいじゃん、どうせ飯室さん帰宅部でしょ。喜んで堀田先生のお役に立ちなさい」
「なにそれー!てかあたし、帰宅部じゃないし!新体操やってるんですけど」
二人の輝かしいやりとりを、口を半分開けて見ていた。たしかに、細倉先生は人気がある。飯室さんが言うには、若いのに紳士的で振る舞いに下品さがなくて、身長も高くて、顔も悪くなくて、授業では下手にスベらないし、大学も有名私立を出ているし、世界史の中で繰り返される暴力を強く念を押すように否定するし、付き合ったら絶対に大切にしてくれるし幸せにしてくれる、らしい。特に飯室さんは、細倉先生のこととなると早口になる。仲良しグループでも、いつも細倉先生の話をしていると言っていた。
イベントごとでは女子に囲まれているのは事実だ。私も別に嫌いじゃない。それ以上のことはよく知らないけれど、毎年学園祭に奥さんと姪っ子を連れてくると、クラスの女子は阿鼻叫喚する。その光景が個人的にはすごく好きだったりする。あ、あと、剣道で全国大会にも出ているらしい。
私はほとんど言葉を交わしたことがない。世界史の点数もそんなに良くない。
「だから、早く帰れっての。見て、桝さんが呆れてるよ」
「莉花ちゃんはそんな子じゃないから」
何を知っていると言うんだ。別にいいけど。
「もう、桝さんこいつどうにかしてよ」
いつのまにか細倉先生の腕にぶら下がっている飯室さんを見て、なんだか可愛くて思わず笑ってしまった。
「桝さん、笑い事じゃないんだって」
私の名前、覚えてるんだな。
結局、細倉先生は私たちを門まで送ってくれた。
「はい、お気をつけて」
ぷらぷらと手を振りながら下校指導のため駐輪場へ戻っていく先生を、飯室さんは緩んだ顔で見送っていた。飯室さん、彼氏いるのに。でもきっと、それとこれとは違うんだろう。私も、堀田先生のことをこんな感じで誰かに話したいな。ふとまりあの顔が浮かぶけれど、すぐに放課後の堀田先生の声が、まりあ、と呼ぶ。何を考えても嫉妬がつきまとうな。また意味もなく嫌なことを言っちゃいそう。
「ね、やばくない?細倉センセかっこ良すぎじゃない?」
興奮冷めやらぬ飯室さんは、また早口になっている。
「かっこ良かったね、今日の細倉先生。ネクタイなかったから夏バージョンの細倉先生だなと思った」
「はー、もう、なんでもかっこいいよあの人は…。みんなに言おう」
自転車に跨ったまま、仲良しグループに報告をせんとスマートフォンを操作する飯室さんを見て、私もポケットからスマートフォンを出した。そういえば、ミーティング中に鳴った通知の内容を確認してなかった。
画面には、三十分前に届いたまりあからのメッセージが表示されていた。
「莉花ちゃんの名字のマスって、枡で合ってる?」
なんだそりゃ、と思った。
「違うよ。桝だよ」
自分でも収まりの悪い名前だと思った。メッセージはすぐに読まれ、私の送信した「桝だよ」の横に既読マークが付く。
「間違えてた!早く言ってよ」
「ごめんって。今日、プリント渡しに家に行ってもいい?」
これもすぐに既読マークが付いた。少し時間を置いて、
「うん、ありがとう」
と返ってきた。
「家についたら連絡するね」
そう送信して、一生懸命友達と連絡を取り合う飯室さんと軽く挨拶を交わし、自転車をこぎ始めた。
湿気で空気が重い。一漕ぎごとにスカートの裾に不快感がまとわりついてくる。アスファルトは化け物の肌みたいに青信号の点滅を反射し、黄色に変わり、赤くなる。そこへ足をついた。風を切っても爽やかさはないが、止まると今度は溺れそうな心地すらする。頭上を見上げると月はなく、低い雲は湯船に沈んで見るお風呂の蓋のようだった。
やっぱり私も、まりあと、堀田先生の話題で盛り上がりたい。今朝のこと、ちょっと謝りたい。あと、昨日の夜のまりあが好きなアイドルグループが出た音楽番組のことも話し忘れちゃったな。まりあは、堀田先生と細倉先生ならどっちがタイプかな。彼女も変わってるから、やっぱり堀田先生かな。だとしたらこの話題は触れたくないな。でもきっと喋っちゃうだろうな。
新しく整備されたての道を行く。道沿いにはカラオケや量販店が、これでもかというほど広い駐車場と共に建ち並ぶ。
この道は、まっすぐ行けばバイパス道路に繋がるが、脇に逸れるとすぐ新興住宅地に枝分かれする。そこに、まりあの家はある。私が住んでいるのは、まりあの住むさっぱりした住宅街から離れ、大通りに戻って企業の倉庫密集地へと十分くらい漕ぐ団地だ。
一度だけまりあの家に遊びに行ったことがある。イメージと違って、部屋には物が多く、あんなに好きだと言っていたアイドルグループのグッズは全然なかったのに、洋服やらプリントやら、捨てられないものが積み重なっていた。カラーボックスがいくつかあって、中身を見なくても、思い出の品だろうと予想がついた。
まりあには優しくて綺麗なお姉さんがいる。看護師をしているらしく、その日も夜勤明けの昼近くにコンビニのお菓子を買って帰って来てくれた。お母さんのことはよく知らないけれど、まりあにはお父さんが居ない。お姉さんとすごく仲がいいんだといつも自慢げにしている。いいなと思いながら聞いていた。
コンビニの角を曲がると、見覚えのある路地に入った。同じような戸建てが整然と並び、小さな自転車や虫かごが各戸の玄関先に添えられている。風呂蔵の表札を探して何周かうろうろし、ようやくまりあの家を見つけた。以前表札を照らしていた小さなランタンは灯っておらず、スマートフォンのライトで照らして確認した。前に来たときよりも少し古びた気がするけれど、前回から二ヶ月しか経っていないのだから、そんなはずはない。
スマートフォンで、まりあにメッセージを送る。
「家着いた」
既読マークは付かない。
始めのうちは、まあ気がつかないこともあるかと、しばらくサドルに腰掛けスマートフォンをいじっていた。次第に、周囲の住人の目が気になり出して、ひとしきりそわそわした後で、思い切ってインターホンを押した。身を固くして待てども、返事がない。
いよいよ我慢ならなくて、まりあに「家に居ないの?」「ちょっと」と立て続けにメッセージを送る。依然、「家着いた」から読まれる気配がない。一文句送ってやる、と思ったところで、家のドアが勢いよく開いた。
「あ、まりあちゃんの友だち?」
サドルから飛び降り駆け寄ろうとした足が、もつれた。まりあが顔を出すと思い込んでいた暗がりからは、見覚えのない、茶髪の男性が現れた。暗がりで分かりにくいけれど、私と同い年くらいに見える。張り付いたような笑みとサンダルを引きずるようにして一歩、一歩とこちらへ出てくる。緊張と不信感で自転車のハンドルを��る手に力がこもった。
ちょっと、まりあ、どこで何してるの?
男の子は目の前まで来ると肘を郵便受けに軽く引っ掛け、「にこにこ」を貼り付けたまま目を細めて私を見た。
「あ、俺ね、まりあちゃんのお姉さんとお付き合いをさせて頂いている者です。いま風呂蔵家誰も居なくてさ。何か用事かな」
見た目のイメージとは違った、やや低い声だった。街灯にうっすらと照らされた顔は、子供っぽい目の下に少したるみがあって、確かに、第一印象よりは老けて見える、かな。わからない。大学生くらいかな。でも、まりあのお姉さんって、もうすぐ三十歳だって聞いた気がする。
恐怖を消し去れないまま目をいくら凝らしても、判断材料は一向に得られず、声の優しさを信じきるか、とりあえずこの場を後にするか、戸惑う頭で必死に考えた。
「あの、私、まりあと約束してて…」
「えっ?」
男性の顔から笑顔がすとんと落ちた。私の背後に幽霊でも見たのか、不安に強張った表情が一瞬覗き、それを隠すように手が口元を覆った。
「今?会う約束してたの?」
「いや、あの」
彼の不安につられて、私の中の恐怖も思考を圧迫する。言葉につっかえていると、ポケットからメッセージの通知音が響いた。助かった、反射的にスマートフォンを手にとって、「すみません!」と自転車に乗りその場から逃げた。
コンビニの角を曲がり、片足を着くとどっと汗が噴き出してきた。ベタベタの手を一度太ももの布で拭ってから、スマートフォンの画面を点灯した。メッセージはまりあからではなく、
「家に帰っていますか?今から帰ります。母さんから、夕飯はどうするよう聞いていますか」
父さんだった。大きいため息が出た。安堵と苛立ちと落胆と、知っている言葉で言えばその三つが混ざったため息だった。
「今友だちの家にプリント届けに来てる。カレーが冷蔵庫にあるらしい」
乱暴に返事を入力する。
一方で、まりあとのメッセージ画面に未だ返事はない。宙に浮いた自分の言葉を見ていると、またしても不安がじわじわと胸を蝕んでいく。
もしも、さっきのあの男が、殺人鬼だったらどうしよう。まりあのお姉さんも、まりあももう殺されちゃってたら。まりあに、もう二度と会えなかったら。あいつの顔を見たし、顔を見られちゃった。口封じに私も殺されちゃうかも知れない。まりあのスマートフォンから名前を割り出されて、家を突き止められて、私が学校に行ってる間に、家族が先に殺されちゃったら。
冷静になればそんなわけがないと理解出来るのだけれど、じっとりとした空気は、いくら吸っても、吐いても、不安に餌をやるようなものだった。冷たい水を思いっきり飲みたい。
とりあえず家に帰ろう、その前に、今一一〇番しないとまずい?いや、まだなにも決まったわけじゃない。勘違いが一番恥ずかしい。でも、まりあがそれで助かるかも知れない。なにが正解だろう。間違えた方を選んだら、バッドエンドは私に回って来るのかな。なんでだ。
コンビニ店内のうるさいポップが、霞んで見える。心細さで鼻の奥がツンとする。スカートを握って俯いていると、背後から名前を呼ばれた。
「莉花ちゃん?」
聞きたかった声に、弾かれたように振り返った。
「まりあ!」
まりあは制服のまま、手にお財布だけを持って立ち尽くしていた。自分の妄想はくだらないと、頭でわかっていても、一度はまりあが死んだ世界を見てきたような心地でいた。ほとんど反射的に、柄にもなくまりあの手を握った。柔らかくて、すべすべで、ほんのり温かかった。まりあは、口角を大きく上げて、幸せそうに肩を震わせて笑った。
「莉花ちゃん、手汗すごいね」
「あのさあ、結構メッセージ送ったんですけど」
「うそ、ごめん!気づかなかった」
いつもみたいに、なにか一言二言刺してやろうと思ったけれど、何も出てこなかった。この声も、全然悪びれないこの態度も、機嫌の悪い時に見れば、きっと下品で軽薄だなんて私は思うんだろうな。でも今は、あまりにも純粋に幸せそうなまりあの姿に釘付けになるしかなかった。もしかして、私の感情を通さずに見るまりあは、いつもこんなに幸せそうに笑っているのかな。
「本当だ、家に行ってくれたんだね、ごめんね」
「そう言ったじゃん!て言うか、何、あの男の人」
「あ、柏原くんに会った?」
「柏原くんって言うの」
「そう、声が低い茶髪の人。もうずっと付き合ってるお姉ちゃんの彼氏」
「そ、そうなんだ」
やっぱり、言ってることは本当だったんだ。盛り上がっていた様々な妄想が、全部恥ずかしさに変換され込み上げてくる。それを誤魔化すように���の話題を切り出す。
「どこか行ってたの?」
「一回、家を出たの。ちょっとコンビニ行こうと思って。今お財布取りに戻ったんだけど、入れ違っちゃったかも、ごめん」
「普通、私が家行くって言ってるのにコンビニ行く?」
「行きません」
「ちょっとくらい待ってくれる?」
まりあは、
「はあい。先生かよ」
ちょっと口を尖らせて、すぐに手を叩いて笑った。
いくら語気を強めても、仲良しで包みこんで、不躾な返事が返ってくる。それがなによりも嬉しかった。怖がることなく、私と喋ってくれる。欲しかったんだ、見返りとか、自分の価値とかルールとか全部関係なく笑ってくれる友だち。あんなに癪に触ったその笑い方も、今はかわいいと思う。
「先生といえばさ、柏原くんって、堀田ちゃんの同級生なんだよ。すごい仲良しらしい」
「え!」
 柏原くんって、さっきの男の人のことだ。堀田先生が三十前後だとして、そんな年齢だったのか。というか、堀田先生の友だちってああいう感じなんだ。ちょっと意外だ。
「大学時代の麻雀仲間なんだって。堀田ちゃん、昔タバコ吸ってたらしいよ、笑えるよね」
「なにその話、めちゃめちゃ聴きたい」
飯室さんが仲良しグループと喋っている時の雰囲気を、自然と自分に重ねながら続きを促すと、まりあは嬉しそうに髪をいじりだした。
「今もよくご飯に行くみたいだよ、写メとかないのって聞いたけど、まだ先生たちが大学生の頃はガラケーだったからそういうのはもう無いって」
「ガラケー!」
私も手を叩いて笑った。
「莉花ちゃん、堀田先生好きだよね。いるよね、堀田派」
「少数派かなあ」
「どうなんだろう。堀田ちゃんが刺さる気持ちは分からなくはないけど、多分、細倉先生派の子のほうが真っ当に育つと思うね」
「わかる。細倉先生好きの子は、ちゃんと大学行って、茶髪で髪巻いてオフショル着てカラコンを入れることが出来る。化粧も出来る。なんならもうしてる」
コンビニのパッキリとした照明に照らされ輝くまりあ。手を口の前にやって、肩を揺らしている。自分の話で笑ってもらえることがこんなに嬉しいのか、と少し感動すらしてしまう。
「今日もムロはるちゃんの細倉愛がすごかったよ」
「ムロはる…?」
まりあが眉をしかめた。
「飯室はるなちゃん、ムロはるちゃん」
本人の前では呼べないけれど、みんながそう呼んでいる呼び方を馴れ馴れしく口にしてみた。ピンときたらしいまりあの「あー、飯室ちゃんとも仲良しなんだ」というぎこちない呟きをBGMに、優越感に浸った。私には友だちが沢山いるけれど、まりあには私しか居ないもんね。
コンビニの駐車場へ窮屈そうに入っていく商品配送のトラックですら、今なら笑える。
「最終的には細倉先生の腕にぶら下がってた」
「なんでそうなるの」
「愛しさあまって、ということなんじゃないかな」
「莉花ちゃんはさ、堀田ちゃんの腕にぶら下がっていいってなったら、する?」
「えー、まずならないよ、そんなことには」
「もしも!もしもだよ」
「想像つかないって」
「んー、じゃあ、腕に抱きつくのは」
「え、ええ」
遠くでコンビニのドアが開閉するたび、店内の放送が漏れてくる。視線を落として想像してみると、自分の心音もよく聞こえた。からかうように拍動するのが、耳の奥にくすぐったい。
細倉先生はともかく、堀田先生はそんなにしっかりしてないから、私なんかが体重を掛けようものなら折れてしまうのではないか。「ちょっと、莉花さん」先生は心にも距離を取りたい時、呼び捨てをやめて「さん」を付けて呼ぶ。先生の性格を見ると、元から下の名前を呼び捨てにすること自体が性に合っていないのだろうとは思うけれど。
そもそも、「先生のことが好き」の好きはそういう好きじゃなくて、憧れだから。でも、そう言うとちょっと物足りない。
「莉花ちゃん」
半分笑いながら呼びかけられた。まりあの顔をみると、なんとも言えない微妙な表情をしていた。引かれたのかな。
「顔赤いよ」
「ちょ、ちょっと!やめてよ」  
まりあの肩を軽く叩くと、まりあはさっきよりも大きな声で笑った。よろめきながらひとしきり笑って、今度は私の肩に手を置いた。
「でも、堀田ちゃん、うちのお姉ちゃんのことが好きらしいよ」
「え?なにそれ」
「大学同じなんだって、お姉ちゃんと、柏原くんと、堀田先生。三角関係だって」
返事に迷った。自分の感情が邪魔をして、こういう時に飯室さんみたいな人がどう振る舞うかが想像できない。
本当は、堀田先生に好きな人がいるかどうかなんて、どうでもいいんだけど、そんなこと。それよりも、まりあから、明確に私を傷つけようという意思が伝わってきて、それに驚いた。相手がムキになっても、「そんなつもりなかったのに」でまた指をさして笑えるような、無意識を装った残酷さ。
これ、私がいつもやるやつだ。
そのことに気付いて、考えはますます散らばってしまった。
「そんなの、関係無いよ」
しまった。これだから、重いって思われちゃうんだよ、私は。もっと笑って「え、絶対嘘!許せないんですけど」と言うのが、飯室さん風の返し方なのに。軽やかで上手な会話がしたいのに、動作の鈍いパソコンのように、発言の後に考えが遅れてやってくる。まりあの次の言葉に身構えるので精一杯だった。
「あはは」
まりあは、ただ笑って、そのあとは何も言わなかった。
今までにない空気が支配した。
「私、帰るね」
なるべくまりあの顔を見ないようにして、自転車のストッパーを下ろした。悲鳴のような「ガチャン!」が耳に痛い。
「うん」
まりあは、多分笑っていた。
「また明日ね」
「うん」
漕ぎ出す足は、さっきよりももっと重たい。背中にまりあの視線が刺さる。堀田先生の前から去る時とは違って、今度は、本当に。
遠くで鳴るコンビニの店内放送に見送られ、もう二度と戻れない、夜の海に一人で旅立つような心細さだった。
やっとの思いで家に着くと、二十時半を回っていた。父さんが台所でカレーを温めている。
「おかえり、お前の分も温めてるよ」
自室に戻り、リュックを降ろして、ジャージに着替える。また食卓に戻ってくると、机の上にカレーが二つ並んでいた。
「手、洗った?」
返事の代わりにため息をついて、洗面所に向かう。水で手を洗って、食卓に着く。父さんの座っている席の斜向かいに座り、カレーを手前に引き寄せる。
「態度悪い」
「別に悪くない」
「あっそ」
箸立てからスプーンを選んで、カレーに手をつける。
「いただきますが無いじゃん」
「言った」
「言ってねえよ」
私は立ち上がって、「もういい」とだけ吐き捨て、自室に戻った。
父さんとはずっとこうだ。お母さんには遅い反抗期だな、と笑われているけれど、父さんはいつもつっかかってくる。私が反抗期だって、どうしてわかってくれないんだろう。
まりあの家は、お父さんが居なくて、正直羨ましいと思う。私は、私が家で一人にならないよう、朝はお母さんが居て、お母さんが遅くなる夜は父さんがなるべく早く帰ってくるようにしているらしい。大事にされていることがどうしても恥ずかしくて、次に母親と会える日を楽しみだと言うまりあを前にすると、引け目すら感じる。勝手に反抗期になって、それはを隠して、うちも父親と仲悪いんだよね、と笑って、その話題は終わりにする。
せめて、堀田先生みたいな人だったら良かった。
そう思うと心がチクッとした。あんなに好きな堀田先生のことを考えると、みぞおちに鈍い重みを感じる。先生に会いたくない。それがどうしてそうなのかも考えたくない。多分、まりあが悪いんだろうな。まりあのことを考えると、もっと痛いから。
明日の授業の予習課題と、小テストの勉強もあるけど、今日はどうしてもやりたくない。どうせ朝ちょっと勉強したくらいじゃ小テストも落ちるし、予習もやりながら授業受ければどうにかなる。でも、内職しながらの授業は何倍も疲れるんだよな。
見ないようにしてきた、ズル休みという選択肢が視界に入った。スマートフォンを握りしめたままベッドに寝転がって、SNSを見たり、アイドルのブログをチェックしていると、少しづつ瞼が重くなってくる。
瞼を閉じると、今度は手の中に振動を感じる。まどろみの中で、しばらくその振動を感じ、おもむろに目を開けた。
画面にはまりあの名前が表示されている。はっきりしない視界は、うっすらとブルーライトを透かす瞼で再び遮られた。そうだ、まりあ。
私、まりあに文化祭のプリント渡すの、忘れてた。
目が覚めた。歯を磨くのも、お風呂に入るのも忘れて寝てしまったらしい。リビングを覗くと、カーテンが静かに下がったままうっすらと発光していた。人類が全て滅んでしまったのか。今が何時なのか、まだ夢なのか現実なのか曖昧な世界。不安になって、急いで自分の部屋に戻りベッドの上に放りっぱなしのスマートフォンの画面を点けた。
「あ…」
画面に残る不在着信の「六時間前 まりあ」が、寂しげ浮かんでくる。今の時刻は午前四時、さすがに彼女も寝ている時間だ。すれ違ってしまったなあ、と半分寝ぼけた頭をもたげながらベッドに腰掛ける。髪の毛を触ると、汗でベタついて気持ち悪い。枕カバーも洗濯物に出して、シャワーを浴びて…。ああ、面倒だな。
再びベッドに横になると、この世界の出口が睡魔のネオンサインを掲げ、隙間から心地いい重低音をこぼす。
あそこから出て、今度こそ、きちんとした現実の世界に目を覚まそう。そしてベッドの中で、今日を一日頑張るための作戦を立てて、学校へ行くんだ。いいや、もうそんな力はないや。
嫌になっちゃうな、忙しい時間割と模試と課題と、部活と友達。自律と友愛と、強い正しさを学び立派な大人になっていく。私以外の人間にはなれないのに、こんなに時間をかけて、一体何をしているんだろう。何と戦ってるんだ。本当は怠けようとか、ズルしようとか思ってない。時間さえあれば、きちんと期待に応えたい。あの子は問題ないねと言われて、膝下丈のスカートをつまんで、一礼。
勉強なんて出来なくても、優しい人になりたい。友達に、家族に優しくできる人になりたいよ。わがまま言わない、酷いこともしたくない。でも、自尊心を育ててくれたのもみんなでしょ。私だって、画面の向こう側のなにかになれるって、そう思ってる、うるさいほどの承認欲求をぶちまけて、ブルーライトに照らされた、ほのかに明るい裾をつまんで、仰々しく礼。鳴り止まない拍手と、実体のない喜び。
自分を守らなくちゃ。どこが不正解かはわからないけれど、欲求や衝動に従うことは無謀だと、自分の薄っぺらい心の声に耳を傾けることは愚かだと、誰かに教わった気がする。誰だったかな、マルクスかな。
今の願いは学校を休むこと。同じその口から語られる将来の夢なんて、信用ならない?違うね。そもそも将来の夢なんてなかった。進路希望調査を、笑われない程度に書いて、それで私のお城を築く。悲しみから私を守ってね。
目を開けると目前のスマートフォンは朝の六時を示していた。
「うそだあ」
ベッドから転げるように起き上がると、枕カバーを剥がして、そのまま呆然と立ち尽くす。今からシャワー浴びたら、髪の毛乾かしてご飯食べて、学校に着くのは朝礼の二十分前くらい。予習の課題も小テストの勉強もできない。泣きそうだ。
力なく制服に着替えると、冴えない頭でリュックサックに教科書を詰め込み部屋を出た。肩に背負うと、リュックの中で二段に重ねた教科書が崩れる感触がした。
続く
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sorairono-neko · 4 years
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only for you
「あの衣装が勇利に似合うとは意外だったよ」  ショートプログラムが終わったあと、クリストフがそう感想を述べた。 「それも今日で見納めというわけだね」  ヴィクトルはほほえんだ。彼は、自分も勇利も成績が満足ゆくものだったので、機嫌がよかった。 「そうそう、グランプリファイナルのとき、ロビーに飾ってあった勇利のパネル、見たかい? あの女王様。中国大会でも変貌ぶりに驚いたけど、どんどんみがかれてるよね。ヴィクトルが仕込むとああなるんだ。ヴィクトルがあの衣装を勧めたの?」 「いや、勇利が自分で選んだんだよ」  クリストフと肩を並べて歩きながら、ヴィクトルは陽気に答えた。 「かなり確固たる意思だったな」 「ヴィクトルが着たのは十六のときだっけ? まだ髪が長いころだよね。あれが勇利に似合うのはすごい。ヴィクトルの中性的な容貌に合わせてつくったものでしょ?」 「勇利はその気になればなんでも着こなせると思うよ」  ヴィクトルは自慢げに言った。クリストフはあきれたように笑った。 「勇利と親しくなってそろそろ一年? 変われば変わるものだね」 「俺の勇利はいくらでも輝くんだ」 「君のことだよ」 「え?」 「まあ勇利も勇利だけどね……。ヴィクトル、自分の好みにしすぎじゃない?」 「口出しはしてるけど、従順に俺に染まってるような子じゃないよ、勇利は」 「それはそうだけどね……。でも、勇利がひとりで立っていても、必ずヴィクトルの気配が残るようなことしてるでしょ?」 「大切な相手がいるなら、まわりに牽制を入れるのは当たり前だ」  ヴィクトルはとりすまして言った。 「それだよ。そういうのがヴィクトルが変わったところだって言ってるの。どうせ今回のバンケットだって、ヴィクトルが選んだスーツで来るんでしょ、勇利は。君が離れてても君の匂いぷんぷんさせてさ。比喩的に言ってるんじゃないよ。本当に君の匂いがするんだ。勇利が通り過ぎたのに、ヴィクトルだと思って呼びかけたことがあるんだからね」 「スーツを買うのはやめろと言われている」  ヴィクトルはまじめに言った。 「ヴィクトルの趣味が気に入らないんじゃないの」 「でも勇利はほうっておいたらダサいかっこうしかしないからね。彼がどれだけうつくしいか、見せつけなくちゃ」 「そんなことしたら敵が増えるよ」  ヴィクトルはきょとんとした。 「敵?」 「……君に言った俺がばかだった。ヴィクトルに敵うやつなんていないな」 「勇利がどれほど価値のある子か見せびらかして、この子は俺のだ、って抱き寄せるのが気分いいんだ」  クリストフは溜息をついた。 「勇利いやがるんじゃない?」 「そんなことはない。──スイッチが入っていればね」 「スイッチ?」 「その気になってたら、俺にしなだれかかって君の言う『女王様』の顔をしてくれるよ」 「そのスイッチはどうやって入れるわけ?」 「さあ……」  それがわかれば苦労はしない、とヴィクトルは言い切った。 「自慢するところじゃないぞ」 「いいんだよ。どっちにしても���の勇利なんだから」 「なんだかね」  クリストフはうそぶくように言った。 「そのうち、下着までヴィクトルの色に染まりそうだな」 「ああ……」 「え? まさかもうやってるの?」 「いや、やっていない。でもそれいいね。下着は重要だからね。最後の一枚だし、取り扱うときには気合いが入るよ」 「何の話をしてるんだ」 「さきに脱がせるのも好きだけどね」 「何の話をしてるんだ」  そのとき、廊下のさきにピチットと談笑している勇利を見かけ、ヴィクトルは目を輝かせた。 「勇利!」  勇利が振り返り、にっこりする。ヴィクトル、とくちびるが動いた。 「見た? 見た? 見たかいクリス? かわいいだろ」 「ヴィクトル、ばかみたいになってるよ」  勇利がピチットと一緒に近づいてきた。彼は眼鏡をかけており、レンズ越しにヴィクトルを見上げた。 「ヴィクトル、早く着替えて帰ろうよ」 「うん、そうだね。勇利……」  勇利はずるいなあ、とヴィクトルは思った。眼鏡をかけたり外したり、前髪を上げたり下ろしたり、さまざまな見目でヴィクトルを誘惑してくるのだ。 「どうしたの?」  ヴィクトルは手を上げると、勇利のナショナルジャージのファスナーのつまみをつまんだ。不思議そうにしている勇利にほほえみかけ、一気に下まで引き下ろす。 「えっ」  そしてジャージを左右に勢いよくひらいた。下に着ていたヴィクトルの黒い衣装があらわれる。そばを通りかかった若い選手が赤くなり、ピチットが口元におおげさに手を上げ、「わっ、やらし!」とつぶやいた。 「な、な、何がやらしいの!?」  勇利がまっかになってピチットに抗議した。 「ただファスナー下ろされただけじゃん! ヴィクトルはすぐ意味わかんないことするんだから!」 「そんなこと言って、なんで勇利赤くなってるの? 何か想像したんじゃないの? たとえば、ホテルの部屋に帰るなり、せっぱつまって乱暴に……」 「なに言ってんの!?」  勇利はヴィクトルに向き直り、「突然なんなの!?」と怒った。彼がジャージをかき合わせて隠そうとするので、ヴィクトルはそれより先にファスナーのあたりをつかんで防いだ。 「なに? なに?」 「勇利、綺麗だ」 「は?」 「その衣装、とてもよく似合ってるよ」 「ヴィクトルのなんですけど……」 「似合ってる」  ヴィクトルは勇利を抱きしめた。 「あ、あの……」  勇利がどうすればよいかわからないというように戸惑ってきょろきょろする。ヴィクトルは溜息をついた。 「あぁ、いいなあ。下着まで俺に染めたいなあ」 「な、なんか言ってる……クリス助けて。どうしたのこのひと」 「さあ……」  勇利に解決を頼まれたクリストフは、どうしようもないというようにかぶりを振った。 「仕方ないよ。勇利がヴィクトルをこうしたんだろうし……」 「なにそれ?」  シャワーを浴びて着替えたら、クロージングバンケットに出なければならない。勇利はヴィクトルが贈ってくれた三つぞろいをベッドにならべ、ワイシャツに皺がないか確かめ、靴下もその上に投げ出しておいて、最後に下着をひっぱりだした。 「あ」 「なんだい?」 「なんでもない。ぼくシャワー浴びるね」  勇利は下着とスラックスを抱きしめ、そそくさと浴室に駆けこんだ。 「勇利、なんでスラックスを持っていく?」  閉めた扉の向こうからヴィクトルが尋ねる。 「穿くからだよ。ほかに何か使い道がある?」 「そこで穿かなくてもいい」 「ここで穿いてもいいでしょ。ぼくの手順のことはほうっておいて」  ヴィクトルが黙ると、勇利は息をついた。とんでもないことになってしまった。いや、たいしたことではないのだけれど。でも……。  勇利は持ってきたボクサーパンツを取り上げ、まじまじとそれを見た。荷造りのとき慌てていたので、まちがえて入れてしまったのだ。なんということだろう。  それはファンからの贈り物だった。最初は、おもしろいものをくれる人がいるなと感心したものだが、柄を見てぎょっとした。その下着は、後ろ側にかわいらしい字体で文字が入っていたのだ。 『Victor, strip me!』  ──ヴィクトル、脱がせて!  丁寧にハートのマークがいっぱいついていた。勇利はどうしようと迷ったけれど、捨てるわけにもいかず、かといって穿くことなんてとてもできなかったので、ほかの下着と一緒にしまっておいたのだ。下のほうへ押しこんだつもりだったのに、着替えを入れるときにつかんでしまったらしい。こんなものをヴィクトルに見られたら大変だ。いやというほどからかわれるし、彼のことだから、軽はずみにも、撮影してSNSにアップロードするかもしれない。そんなことをされたら生きていけない。 「まったく……」  しかし、いまはこれを身につけるしかないのだ。大丈夫。バンケットのあいだだけである。みつからないだろう。ヴィクトルの前では着替えないようにしなければ。  勇利は手早くシャワーを浴び、身体のしずくをタオルでぬぐって下着に足を通した。寸法はぴったりで、穿いたここちもよかった。よい生地でも使っているのだろうか。柄がこれでさえなければ、と勇利は悔やんだ。後ろを向いて鏡に映してみる。自分がばかのように思えた。これを見たらヴィクトルはなんと思うだろう。考えたくない。勇利はのろのろとスラックスを取り上げ、ひろげて足を入れようとした。と──。 「勇利、入るよ! 一緒にシャワーを浴びよう!」  いきなり扉がひらきさし、勇利は仰天して取っ手に飛びついた。 「ちょっとヴィクトル!」 「なんで閉める!? 入れて!」 「だめだよ! ぼくもう浴びたよ! ひとりで入って!」 「もう一度一緒に浴びよう」 「いいってば! ドアから離れてよ!」 「勇利こそ。なんでそんなにいやがる?」 「なんでって──いま裸だからだよ! これから服を着るの!」 「いいじゃないか。勇利の身体なんて何度も見たよ。こぶたちゃんのときも、しっかり体脂肪を落とした清楚でえっちな身体つきも──」 「なに言ってんの!? とにかくあっち行ってよ! 告訴するよ!」 「告訴とは物騒だな。いったい何を興奮してるんだ? もしかして無理に押し入られたい願望でもあるのかい?」 「入ってきたら一週間口利かないから!」  ヴィクトルはしぶしぶ戸から離れ、なんだい勇利、つめたいな、とぶつぶつ言った。勇利はほっと息をつき、急いでスラックスを身につけた。油断も隙もあったものではない。 「いいよ。ヴィクトル、シャワー使って」  扉を開けると、ヴィクトルがうらめしそうに勇利を見ていた。 「お風呂くらいひとりで入れるようになってよ」 「入ろうと思えば入れる。勇利とがいいから言ってるんだ」 「帰ったらいくらでも一緒に入ってあげるから」 「なんで今日はだめなんだ?」 「時間がないからだよ。早くして」 「勇利」 「なに?」 「そうやって上体には何も着けないですらっとした姿で立っているのもいいね。なんだか官能的だ。とくに腰のあたりがすてきだよ。撫でまわしたい」 「さっさと入って!」  どうしてああいう変なことを言うのだろう。冗談にしても行きすぎである。勇利は頭痛を感じた。  しかしこれで安心だ。バンケットのあいだに服を脱ぐなんていうことはあり得ない。終わって部屋へ戻って来たら、きっとヴィクトルは酔っていて、勇利の下着を気にするどころではないだろう。勇利はほっとして胸に手を当てた。 「勇利、今回はダンスバトルしないの?」 「しない」 「お酒飲まないの?」 「飲まない」 「すこしくらいならいいだろう?」 「いらない」 「勇利、一緒に飲もう! これ美味しいよ!」 「ひとりでどうぞ」  バンケットのあいだじゅう、ヴィクトルは勇利を飲ませようとやっきになっていた。飲むわけないだろ、と勇利は思った。また脱ぎ散らかして変なことをしてしまってはたまらない。下着のことがなかったとしてもいやだ。あんな醜態はもう間に合っているのである。 「勇利がつめたい。俺はただ勇利と楽しみたいだけなのに」  ヴィクトルが文句を言った。勇利はにっこり笑った。 「ぼくはじゅうぶんに楽しいよ。ヴィクトル、お酒飲まないと楽しいと思ってくれないの? ぼくさびしいな」 「…………」  ヴィクトルは引き下がった。クリストフが、「勇利、ヴィクトルの取り扱いに長けてるね」とこっそり褒めた。  しかし、しばらくするとヴィクトルが新しいグラスを持ってきた。 「勇利、これすごく飲みやすい! 勇利のためにもらってきたんだ。飲んでみて!」 「お酒じゃないの?」 「ちがう。ジュースだ」 「本当だろうね」  勇利は疑いの目を向けながらグラスを受け取り、ちょっと口をつけた。甘い。ジュースのような口当たりだ。でもわかる。アルコールが入っている。  お酒じゃん、という目でにらみつけると、ヴィクトルが優しい顔でにっこり笑った。勇利は溜息をついた。ヴィクトルにこういう瞳をされると拒絶できない。  まあ、一杯くらいはいいか。勇利はグラスを呷り、ピンク色の液体を飲み干した。ヴィクトルはにこにこしている。 「ね、美味しいでしょ?」 「はいはい」 「もっと喜んでよ」 「うれしいうれしい。ヴィクトルがぼくのために美味しい飲み物選んでくれてうれしいなー」  ヴィクトルは機嫌よく笑った。勇利も苦笑を浮かべた。  だが、すこし時間が経つとなんだかおかしいという気がしてきた。頬が熱い。胸がどきどきする。 「ヴィ、ヴィクトル……」 「なんだい?」 「さっきのやつ、度数高いの?」 「ジュースだよ」 「ちがうでしょ」 「俺にとってはジュース」 「ヴィクトルにはね!」 「あ」 「なに?」 「勇利、いま手に持ってるやつ、お酒だよ。わかってる? わかってるならいいんだけど」 「うそでしょ」  勇利はおおかた空になったグラスをぼんやりと見た。ジュースだと思ってほとんど一気に飲んでしまった。会場は熱気があるため、喉が渇くのだ。 「気分悪い?」  ヴィクトルが心配した。 「大丈夫……」 「吐きそう?」 「わ、わかんない」 「勇利はその場で気分が悪くなることあんまりないよね。でもいまは試合後で疲れてるだろうし……、体調が万全ではないね。一応お手洗いに行く?」  そのほうが安心だ。勇利はこっくりうなずいた。ヴィクトルが勇利を抱き寄せて連れていってくれる。彼は途中、給仕のトレイから水の入ったグラスを取り上げて勇利に渡した。 「飲んで」 「ん……ありがと……」  ふたりで手洗いに行き、個室へ入った。 「吐き気は?」 「わかんない。どきどきしてるけど、たぶん大丈夫だと思う」 「座るかい?」 「座ると立てなくなりそう」 「いいよ。抱いていってあげるから」 「いや」 「わかった。じゃあ俺に寄りかかって」 「うん……」  勇利はヴィクトルに抱きつき、身体をあずけた。ヴィクトルは揺らぎもせず受け止め、背中に手をまわして抱擁してくれる。ヴィクトルあったかい、と勇利は肩口にもたれかかった。 「苦しくなったらすぐに言うんだよ」 「うん……」 「すこし待って吐き気が出ないようなら部屋へ戻ってもいいね」 「ん……」 「とにかく、したいこと、してもらいたいことがあったらなんでも俺に言うこと」  ヴィクトル、優しい……。勇利はぼうっとした頭でそんなことを考えていた。 「……勇利?」  ヴィクトルが呼びかける。 「平気かい? 寝ちゃってる?」 「ううん……」 「部屋へ戻る?」 「でも……」 「吐かないんじゃないかな? だってもう三十分経ってるよ」 「え、そんなに……?」  時間の感覚がなかった。勇利は驚き、そのあいだ、ずっとヴィクトルはじっと待っていてくれたのかと感激した。 「ごめん……疲れたよね……?」 「俺のことはいいけど、勇利は大丈夫?」 「うん……」  まだとろんとしているけれど、どきどきする感覚はおさまったようだ。すこしさめたのかもしれない。もう寄りかからなくても立てるし、支えてもらわなくても歩ける。きっと。 「ごめんヴィクトル、もう平気だよ」 「本当に? 無理はしなくていいよ」 「ほんとに。ごめんね、ぼく……」  勇利は目を上げた。ヴィクトルが優しい澄んだ瞳で勇利をみつめていた。勇利は、さっきとは別のどきどきを感じた。また頬が熱くなる。 「勇利?」 「あ、あの……」  勇利はどぎまぎして視線をそらした。ヴィクトルが不思議そうにする。 「……もう会場に戻ろうよ」 「いいのかい?」 「うん……」  勇利はうつむいた。ヴィクトルのよい匂いがした。ヴィクトルはしばらくなにごとか考え、急に勇利のおとがいを指で持ち上げると、上向かせてくちびるを重ねた。 「え……」 「勇利、かわいい」  さらにくちづけされる。勇利は驚いてよろめいた。足がたたらを踏む。ヴィクトルは勇利の背から臀部へ手をすべらせた。 「ちょ、ちょっと……」 「さわらせて」 「でも」 「さわるだけだから」 「だめ……」 「ね?」 「だめだったら……」  勇利はヴィクトルにしがみついた。抵抗しろよ、と自分で思った。くちびるを吸われ、頭がぼうっとなる。ふいに上着の内側にヴィクトルの手が入り、スラックスの隙間から忍びこんできた。 「!……」  勇利は息をのんだ。ちょっと。何してるの。そんなことまで許可してない。もっとベルトきつく締めとけばよかった。ごはんいっぱい食べるかもとか考えるんじゃなかった。このくいしんぼうめ。だからこぶたになるんだ。  ヴィクトルが下着のゴムを指でもてあそんでいる。左手では、スラックスの上から臀部を撫でている。ちょっと気持ちいいかも……。勇利はうっとりした。しかしすぐに我に返った。そんなこと思ってる場合か! こんなところで初体験なんてぼくやだ……じゃなくて!  下着!!  ようやく思い出した。下着。いま身につけているのはとんでもない下着だ。ヴィクトルに見られるわけにはいかない。 「ヴィ、ヴィクトル……」  勇利はくちびるを合わせたままささやいた。 「もう、ほんとに戻らないと……」 「もうすこしだけ」 「だめだよ……みんなに変に思われる」 「部屋へ帰ったと言われるだけさ」 「だめだってば。長いあいだ姿が見えないのに、いきなり会場に戻ってごらんよ。何してたんだって訊かれるよ……」 「そのときは正直に教えてやればいい。トイレでお尻さわりながらキスしてたよってね」 「ばか!」  ヴィクトルはなおもくちづけをし、あちこちを撫でている。勇利はいつスラックスを下ろされるかと気が気ではなかった。 「ヴィクトル、おねがい、もう……」 「んー?」 「だから……ね……」 「勇利のお尻、引き締まってていいね。俺以外の誰にもさわらせちゃだめだよ」 「わかったよ。わかったから、ヴィクトル……」 「ねえ……、ベルト外していい?」 「だめ!」  ようやく手洗いから出たとき、勇利はひどく汗をかいていた。下着を見られるという事態は避けられたけれど、ずっと緊張して大変だった。もうこの下着は絶対に穿かない。 「やあ、おふたりさん。どこに行ってたんだい?」  クリストフが近づいてきた。 「あ、ごめんね、ちょっと気分が悪くて……」 「トイレで勇利のお尻──」  勇利はヴィクトルの口を手でふさいだ。本当に言わないでよ! なに考えてるんだこの皇帝!  もう部屋へ戻りたかったが、ふたりでいなくなった直後にそういうことをすると、余計な想像をされてしまう。勇利はどうにかこらえた。もう本当にジュースしか飲まなかった。ヴィクトルは機嫌よくいろいろなグラスに手を伸ばしていた。 「ヴィクトル、ぼくもう戻りたい」 「うん? いいとも。連れて帰ってあげる」  一時間ほど耐え、ようやく勇利は部屋へ帰ることができた。「連れて帰る」などと言ったけれど、ヴィクトルはずいぶんと酔っていた。もっとも、いつかの勇利のように泥酔はしていない。ヴィクトルは上機嫌になるとたいていこんな調子になるのだ。 「ヴィクトル、ほら、今日はもうお風呂はだめだよ。寝て。服は脱いで。皺になるから」 「ああ……」  ヴィクトルがベッドの上でもぞもぞしている。無意識にか、ちゃんと脱ぐべきものは脱いで、下着一枚になって寝息���たて始めた。勇利は彼に上掛けをかけてやり、衣服も片づけてようやくほっと安堵の息をついた。  よかった……これで切り抜けることができた……。  勇利のほうはそれほど酔っていない。あれは一時的なものだったようだ。シャワーを済ませてさっさと寝よう。もう新しい下着に替えていい。勇利は服を脱ぎ捨て、着替えを抱えて浴室へ入った。  そういえば、今日はヴィクトルにたくさんキスをされてしまった。キスは初めてじゃないけれど、そんなにたびたびするものでもないし、今夜のは特別情熱的だった。勇利は指先でくちびるにふれ、それから頬に手を当ててぼうっとした。ヴィクトルのくちびる、あったかかったな。いい匂いしたな……。それに、お尻もすっごくさわられたし……。  鏡にちらと下着を映してみた。Victor, strip me! この文字の上からヴィクトルは撫でまわしていたのだ。なんだか可笑しくなってきた。変なの。それにしてもファンは妙な贈り物を考えつく。これはどこかの業者に注文してつくったものだろう。そういう商売があるのか、と感心した。 「さてと」  シャワーを浴びるため、下着を脱ごうと手をかけたときだった。  突然さっと戸がひらき、ヴィクトルが中に入ってきた。 「あ、ごめん勇利、いたのかい? 喉が渇いたから水……を……」  ヴィクトルの視線が、勇利の下着に釘付けになった。彼は目をみひらいた。勇利は動けなかった。頭の中が真っ白になった。 「あ、いえ、あの、これは──」  いきなり手首をつかまれた。浴室からひっぱり出され、ベッドに投げ出される。起き上がろうとしたらヴィクトルがのしかかってきた。 「勇利」 「ヴィ、ヴィクトル、酔ってる! どうしたの!」 「酔ってるけど起こっている事象の認識は問題ない。勇利、いけないよ」 「何が!?」 「自分で脱ぐなんて」  ヴィクトルがにやっと笑った。 「俺に脱がせてって書いてあるじゃないか」 「ち、ちがう! ちがうんだ、これは──」 「勇利ってずいぶん大胆なんだね。今日ずっとその下着だったの?」 「ずっとじゃない! バンケットのあいだだけ……」 「へえ。ますますいやらしい。そんな下着を着て俺の隣で笑ってたんだ。トイレでは……」 「い、言わないで」 「すてきな下着だね。とてもかわいい。どきどきするな。すごくえっちだ。何がえっちかって、それを勇利が自分の意思で身につけたというのがえっちだよ。どんな覚悟で、どんな顔をして穿いたんだ? 何か想像した? 部屋へ戻って、せっぱつまって、俺が乱暴に勇利の服を脱がせるよりえっちだよ。ねえ、穿いてるあいだ興奮した? 俺も知らないひみつを持ってさ……。それ、どうしたの?」 「ファンの人がくれたんだ。ぼくが買ったんじゃないよ。まちがえて持ってきちゃったんだよ。ヴィクトルには知られたくなかったのに。ねえおねがい、ばかだって言って笑わないで。あと、ネットにもアップしないで。うちの生徒は頭がおかしいですなんてみんなにひろめないで」 「そういうことを考えるのがばかだよ。かわいい勇利。俺はそんなことはしない。するのは──」  ヴィクトルは勇利の下着をひとつかみにした。 「そこに書いてあることだけさ」 「ヴィクトル!」 「大丈夫。酔っていない。さめてるよ。勢いでもない。ずっとそうしたいと思ってたんだ。勇利の下着を脱がせたいってね。いいだろう?」 「勇利のファンはすばらしいね。もっと親切にしなきゃだめだよ。そうだ、俺もお礼を言いたいな。どこの誰だかおぼえてるかい?」 「そんなのわからないよ……」 「そうか。残念だ。その下着、これからは積極的に穿いてくれ」 「穿くたびに脱がせるの……?」 「いや。勇利がそういう下着を着けて日常生活をいとなんでいると思うと、ぞくぞくしてたまらない」  そののち、ファンからのたくさんの贈り物を開けているとき、ヴィクトルがうれしそうな声を上げた。彼は「勇利、見て! 俺ももらった!」と目をきらきらさせながら示した。ヴィクトルの手には下着が握られていた。それには日本語が書いてあった。 「なんて書いてある?」 「……かっこいい男、って」 「本当だろうね? SNSにアップしてなんて書いてあるのか質問してみよう。勇利はかっこいい男って言うけど本当かなって」 「ヴィクトル!」  勇利は半分泣きながらヴィクトルを止めた。日本語の下には矢印があり、その矢先はちょうど股間をさしていた。少ない布地、狭い面積に達筆な文字で書いてあったのは──。 『勝生勇利専用』  教えるとヴィクトルは大喜びし、「正しい!」とはしゃぎ、その下着を愛用するようになった。
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withtools · 3 years
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戦国炒飯TV
戦国炒飯TVを遅ればせながら、見始めました。 最初は、やっぱり鍋だよな・・・とか失礼なこと思ってたのですが、 ミュージックトゥナイトのうつけ坂プロデューサー・信長様が出てきた瞬間(6話)に、ビビビと衝撃が! めちゃくちゃ長身(中の人186cm)に、長い手足、くりくりの金髪、黒い革ブルゾン、ビロードのマント。。。 (髪のクリクリをいれたら、190cm超えるのではないだろうか・・・) すごい!かっこいい!! 威圧感、魔王感がすごい!
ひょうげ御殿の信長様は、The信長様で、こちらももちろんいいのですけど、 わたしは、ノブPに心を奪われてしまったのでした。
鍋の信長さんは、黒いネイルをしていましたが、 こちらはアイメイク。 アクセもなく、シンプル。
鍋のおらんは、三歩下がって、付いていく、ひっそり控えめという印象でしたが、 うつけの蘭丸くんは、自信がある感じ。
時代に合わせた、関係性ですごく良いと思います。
信長様は、うつけのセンターもなんなくこなしてましたね。 ダンス上手いし、めちゃくちゃ美声だし。 サイコーか!
中の方:加藤将さんが、ミュージカルや舞台を中心に活躍されているようで、 ダンスと歌には定評あり。 手足が長いから、迫力あるぅ〜 声がまたいいのよね。 「僕は気が利く〜〜〜〜」のビブラートと美声 普段のトークは、細谷佳正さんぽい、ナチュラル・マイルド・ワイルド 歌は、激甘甘声。。。(特に敦盛2011、2013) この甘い声を活かして、シチュエーションボイスCDも出されてますけど、 さすがの私でも最後まで聞けませんでした・・・ 声が甘すぎて!! 鼓膜が溶けるーー!
youtube限定で、信長と蘭丸による「敦盛2021」も発表。 これがまた良いのだ。 鍋へのリスペクトを感じる赤い衣装。 しかし、厚着だね。 黒いインナー+黒いシャツ+黒いボウタイ+赤いベスト+赤いジャケット+黒マント+黒いソックス+黒いブーツ
うつけの時も、 多分グレーのインナー?(お腹伸ばした時に、チラッと見える)+濃茶のTシャツ(公式の写真は黒なのに、TVだと茶色。光の当たり具合?マントの裏地もこげ茶なので合わせた?)+黒のレザーブルゾン(これも裏地が茶色)+黒いマント+黒いソックス+黒いブーツ ニールセンさんのイラストにも書かれているので、ベルトのところの根付のようなものはアクセサリーなのかしら。 (マントが片がけなのは、加藤将さんの肩幅が広すぎたから、だそうですが、あえての片がけでおしゃれに見えますね。)
アクセサリー類とネイルはなしでメイクのみ。 鍋の信長様は、タンクトップだったので、脇がチラチラしておりましたが。。。 黒シャツはボタン開けてるのに、ボウタイがあるから(笑) すごい厚着でガードされてるわ〜
2011と2013もカバーされていましたが、 少しキーが高いのか、ちょっとしんどうそうでしたね。 ちょっと裏声気味で、妖艶&激甘に仕上がってましたけども。
炒飯のファンクラブにも勢い余って入会;; 限定動画がこれまた面白い。
加藤将さんは、兵庫県出身で、 バックヤードではゴリゴリの関西弁で、にぎやかでガチャガチャしてる笑 (信長と蘭丸の時のトークは、本人味がかなり入ってる) けど、根っこは真面目。 真面目に、「炒飯の信長様」を演じてくれてるのが、嬉しい。 すっかりファンでございますよ。
次回は、「魍魎の匣」のミュージカルで「久保しゅんこう」を演じるそうですが、、、 こんな存在感のある久保竣公はいないよ! キャスティングした人、誰だよ。 せめて木場修だよ。
炒飯に出演してる方々って、若い子でもほんと演技上手いんだよな。 画面の隅のほうの役者さんでも、細かい演技してる。 信長様にクビを言い渡されるトシちゃん(前田利家)なんて、 顔面蒼白、唾をゴクリ・・・みたいな演技、すごいぜ。
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groyanderson · 4 years
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ひとみに映る影シーズン2 第一話「呪われた小心者」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 ��低限の確認作業しかしていないため、 誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。 尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。
(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった! 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。) ☆キャラソン企画第一弾 志多田佳奈「童貞を殺す服を着た女を殺す服」はこちら!☆
དང་པོ་
 『ジャパン・ファッショニスタ・コレクション二〇一三』。年に一度開かれる、日本最大級のファッションの祭典だ。ゴールデンウィーク初日、五月三日。今年も女の子達が全国から日比谷(ひびや)ヴォヤージュアリーナに集った。  セレモニーが始まると、アリーナは堰を切ったように歓声に包まれる! EDMミュージックが地面を揺るがすほど重低音を響かせ、レーザーライトはそれに合わせて明滅。やがて中央モニターに有名ブランドロゴが表示され、今最も旬のモデル達がランウェイへ繰り出していく……去年まで私は、この光景を観客席から見ていた。だけど、今年は違う。  二〇一三年。ついに私の、モデル兼女優・紅一美(くれないひとみ)の時代が来たんだ! 昨年公開された歴史映画『邪馬台国伝説』がアジア映画賞にノミネートされ、女王卑弥呼役を演じた私は一躍国際女優に。更に私が主人公のサイドキックを演じている連続ドラマ『非常勤刑事(ひじょうきんデカ)』も既にシーズン三に突入し今年映画化が決定、そしてお昼の情報番組『まちかどランチ』で夏から始まる新コーナーのメインパーソナリティにも抜擢されている。こうして枚挙してみると、本業であるモデルらしい仕事は殆どしていないように見えるけど、それでもよし。現にこうして、JFC二〇一三でオーガニックファッション&コスメブランド『リトルマインド』の看板を背負わせて頂ける事になったんだ。もう、うらぶれたローカル局の旅番組でドッキリに騙されるだけが取り柄の三流リアクション芸人とは、誰にも言わせない。  前ブランドのファッションモデルがランウェイから踵を返すと、ダブステップBGMが爽やかなペールギュント組曲『朝』にクロスフェードした。中央モニターに『リトルマインド』の華奢なブランドロゴが表示され、いよいよ私の出番が来る。緊張で心臓が飛び出そうになりつつも、私は直前まで舞台袖で観音菩薩印相を組みながら軽く瞑想し、意を決して晴れ舞台へ飛びこんだ!  ワアァァー! 歓声が上がる! ニヤつきそうになるのを必死に堪えながら光の道を歩き、先端でポーズを取る。ワアァァーーッ! 更に歓声! 長かった。芸能界デビューから四年、紅一美、二十二歳。お母さん、お父さん、それに人生最大の恩師、石筵観音寺(いしむしろかんのんじ)の和尚様。私もついに一人前のファッショニスタになれました! 聞こえていますか、この歓声! 「「「ワアァァー! ヒトミチャーン! ウシロー!」」」……ん? ウシロ? 「「「一美ちゃん、後ろーーっ!!」」」  歓声に混じった謎の警告。振り向くと……さっきまで頭上のモニターに掲げられていたリトマイのロゴは消滅し、代わりにこう書かれていた。 『予告状 JFC二〇一三にて、最近女優ぶって調子に乗っている小心者モデル、紅一美を頂戴致します。 したたび怪盗・カナちゃん三世』 『ヌーンヌーン、デデデデデン♪ ヌーンヌーン、デデデデデン!』  テレビ湘南(しょうなん)制作『ドッキリ旅バラエティしたたび』主題歌、『童貞を殺す服を着た女を殺す服』の低俗なイントロがペールギュントを蹂躙した途端、私はランウェイを飛び出して一般客の海に潜りこんだ。したたびとは、極悪ロリータアイドルこと志多田佳奈(しただかな)さんの冠番組だ。私はこれまで幾度となく、事務所とグルのこの番組にドッキリと称して乱暴に拉致され、割に合わない過酷なロケを強要されてきた。冗談じゃない。私はもう国際女優で、JFCのランウェイを歩く国際モデルなんだ! 今日という今日は空気を読まずに逃げ切ってやる! たとえドローンで無数のアラザンを集中砲火されたり、スクランブル交差点のど真ん中で逆バンジージャンプさせられても逃げ切ってやるんだ!! しかし、その時だった。 『うわあぁーーーん! 助けてぇ、一美ちゃーん!』  ステージ方向から金切り声で呼び止められ振り向くと、モニターに縄でがんじがらめに拘束された着ぐるみマスコットが! あ、あれは、昨年の全日本ご当地ゆるキャラコンテストで金賞に輝いた、ゆめみ台代表のゆめ美ちゃん!? すると首にIDカードを提げたスタッフの方が人混みをかき分けて現れ、私にワイヤレスマイクを押しつけた。ほどなくして、あの極悪アイドルが……佳奈さんが、ステージ上に白いゴシックタキシード姿で登場する。 「JFC二〇一三にお越しの皆様あああぁぁ!!!」  ワアァァーーー!! ウオォォーー!! 私の時よりも一際大きな歓声。悪夢だ。 「ドッキリ大成功ーーー! 志多田佳奈のドッキリ旅バラエティィーーーッ……」  佳奈さんはあざとくマイクを客席に向ける。お客さん達が『したたびでーーーす!!』と返した。こうなれば私も売られた喧嘩を買わざるを得まい。 「なにが怪盗ですか、私のペールギュント『朝』を返せ! この泥棒ロリ!!」  ワアァァー! 私が言い返すと、また観客席から歓声が上がる。プロレスのマイクパフォーマンスじゃないんだから。 「朝ぁ? もう昼前なのに何を言ってるのかなー、リトルマインドの小心者さん」 「あっなるほど、リトルマインドだから小心者……って、そんな事より! 私の晴れ舞台を邪魔して、あまつさえゆめ美ちゃんを人質に取るなんて今回は酷すぎます! 卑怯者!」 「ゆめ美ちゃん?」  佳奈さんはキョトンとしている。 「とぼけないで下さい。ほら、モニターに……」  私がモニターを指さした瞬間。ヴァボォォオオ!!! 突然画面内のゆめみちゃんが青白い炎に包まれた! 「きゃーっゆめ美ちゃーん!?」「うわああああ!」  客席から悲鳴が上がる。ゆめ美ちゃんが大好きな、小さなお子さん達の悲鳴が。一方炎上し続けている当のゆめ美ちゃんは平然とした仕草で、焼け落ちた縄を払い除け、画面いっぱいに顔を近付けた。 『……ゥゥウ、紅ひト美イィィ……呪っテヤるゥ……小心もノノ貴様ヲのロってやルウぅゥ……! もウろくナ仕事が来ナクなるよウに祟っテやるゥゥウ……!』  何らかのホラーじみたボイスエフェクターを通した声で、ゆめ美ちゃんが私に恐ろしい呪詛を吐く。佳奈さんはあからさまにリハーサル済だとわかる計算ずくのタイミングで身じろぎし、客席を仰いだ。 「大変! 小心者の誰かさんが最近調子こ���てるせいで、ゆめ美ちゃんが悪霊に乗っ取られちゃった! これは千里が島(ちりがしま)に住む怨念達が怒ってるからに違いない! 千里が島は昔散減島(ちるべりじま)って地名で、絶家の祟りがあったって言い伝えが残ってるからね!」 「は?」  地名? 祟り?? まさか……。 「こうなったら千里が島で噂の徳川埋蔵金を掘り当てなきゃ。観光地アピールをすれば、怨霊達も喜んで鎮まってくれるよね。ゆめ美ちゃんと出会ったゆめみ台の時みたいに!」  ダァーン! パッパラペー! 安っぽい効果音が鳴り、画面いっぱいにデカデカと『綺麗な地名の闇シリーズ第六弾 千里が島宝探し編』という文言が現れた。私はその場にヘナヘナと崩れ落ちた。 「……うそでしょおおおぉぉぉーーーーっ!!!??」
གཉིས་པ་
 したたび・綺麗な地名の闇シリーズとは、一見綺麗な地名だけど実は災害に弱い、昔は恐ろしい地名だったなど、ちょっと曰くつきな地域を紹介していく企画だ。デメリットだけでなく、地理的な危険性に対する自治体の取り組みやお出かけスポットなども紹介して地域を振興する。例えば、今回の演出で犠牲になったゆめ美ちゃんの出身地、ゆめみ台。あそこは土砂崩れが起きやすく、旧地名は蛇流台(じゃりゅうだい)と呼ばれていた。そこで番組では現在のゆめみ台が安全に暮らせる場所だと証明するために、ゆめみ台国立公園の断崖絶壁でロッククライミングを行った。地盤の安全とロッククライミングに何の関係があるのかと思われるだろう。私も未だに訳が分からない。またある時は『元氾濫常習地で河川の安全を証明するためにキャニオニング』だったり、『元流刑地で治安の良さを証明するために現役警察官と剣道対決』だったりと、何故か毎回異常に過酷なアクティビティが用意されている。今回もそうに違いない。  あの後あれよあれよと運び出された私は、人混みで揉まれてシワクチャになったリトマイをテレ湘の衣装さんに剥がされ、佳奈さんがコーデしたロケ衣装に着替えた。爽やかなストライプTに水着生地のハーフパンツ、歩きやすそうなサンダル、つばが広いストローハット。よく見たらその服一式も、今日から発売されるリトマイの夏の新作だった。SNSを確認すると既にリトマイ公式アカウントが広告を出していて、その文末に『一美ちゃんごめんなさい(ウインクして舌を出す絵文字)したたびさんのドッキリ(驚く顔の絵文字)とコラボさせていただきました(お辞儀をする人の絵文字)』と書かれていた。もう二度とリトマイの仕事は受けまいと心に誓った。  アリーナ業者搬入口には見慣れた水色のロケ車が待ち構えていた。普通ロケ車って白が多いけど、テレ湘は湘南の海色モチーフだからすぐわかる。後部座席に乗りこみワイヤレスマイクを装着していると、運転席に座るディレクター兼カメラマンのタナカDが私に紙袋を差し出す。 「忘れ物ですよ」  中身は黄色いパーカー。私の地元、会津地方で販売している物で、胸元に『I♡AIZU(アイラブ会津)』と書かれている。飾り気はないけど着心地がいいから、よく冷房が寒いバックヤードなどで着ているやつだ。そういえば、この騒動のせいでアリーナ控え室に置きっぱなしだったっけ。まだショートTでは肌寒い季節だから、私はそのままアイラブ会津パーカーを羽織っていく事にした。 「しかし紅さんも災難ですなあ。地名闇シリーズでいつか千里が島に行くとは決まっていたけど、まさかJFCの直後とはね!」 「一美ちゃん、その服にチビらないでね。それもリトマイさんの宣伝なんだから」  タナカDと佳奈さんに釘を刺された。恐らく理由は、ひょんな事から彼らが私を『お化けが苦手な子』と思いこんでいるせいだ。本当は怖いどころか、昔お寺に住んだ事があるから幽霊なんてしょっちゅう見慣れてる、なんなら除霊だってできるんだけど……それはそれでカミングアウトしたら面倒な事になりそうだから内緒にしている。  千里が島は徳川埋蔵金が隠されていると噂の候補地でありながら、日本一の縁切りパワースポットであり、有名な心霊スポット。この番組の事だ。きっとわざわざ夜中に祟られた場所に行くとか、私をビビらせるために余計なロケを用意しているんだろう。 「そうだ。お母様から紅さんの荷物と差し入れの福島銘菓『うまどおる』預りましたよ。ちゃんと後でお礼言いなさいよ」 「やったー! ごほうびんぐターイム!」  タナカDが後方を指さすと、佳奈さんが後部座席裏からうまどおるの箱と『予後の紅茶』ペットボトルミルクティーを取り出した。私も個包装を雑に剥がし、半ば現実から逃避するようにヤケ食いする。食べながらふと思い立って、舞台に立つ前財布にしまっていたペンダントを取り出し首にかけた。 「そのペンダント、ここ数年いつも着けてるよね。韓国の友達から貰ったんだっけ?」  佳奈さんが興味深そうにペンダントに触れる。 「ハングルが書いてある。なんて読むの?」 「『キョンジャク』って読むそうです。悪いお化けを捕まえてお清めするお守りなんですって」 「やっぱ一美ちゃん、卑弥呼のクセにだぶかお化け怖いんだぁ!」 「うるさいなあ、邪馬台国民の霊ならだぶか大歓迎ですよ。女王権限で佳奈さん達を呪ってもらえますからね!」  だぶか、とは、したたび出演者やファンがよく使うスラングだ。確か本来は『逆に』とか『寧ろ』みたいな意味のヘブライ語で、元々誰が言い出したのかは忘れたけど、今じゃネットや街中でもちらちら使われ始めている。  お菓子をだらだら食べながら下らないやり取りをしていると、ロケ車はいつの間にか調布(ちょうふ)飛行場に到着していた。離島などに行く小型便専門の、小さな空港みたいな所だ。本当に行くのか、千里が島……全くもう、今から気が滅入る。
གསུམ་པ་
 ポーン。  『皆様、本日は美盾(みたて)航空をご利用頂き、誠にありがとうございます。当機はMAL五八便、千里が島(ちりがしま)行きでございます。飛行時間は約……』  こじんまりとした小型旅客機に、こじんまりとした低音質機内アナウンスが流れる。佳��さんとタナカDは機内で大した撮れ高が期待できないと見るや、さっさと眠ってしまった。それはともかく……  私から見て右後方部。男も女も、フランシスコ・ザビエルを彷彿とさせる奇妙な髪型の一団。その中心で悠然とワイングラスを揺らしている男性は、宗教法人『河童の家』教祖、牛久舎登大師(うしくしゃとうだいし)。  左後方部。卓上に小さな信楽焼の狸や風水コンパスを並べて忙しなく地図に何かを書きこんでいる、狸耳フード付きブランケットを被った男性。地相鑑定家タレントの狸おじさんこと、後女津斉一(ごめづせいいち)だ。隣にはブレザー制服の女子中学生風化け狸と、二匹の狸妖怪。彼とはどういう関係だろうか。  私達の背後、中央三列シート後部。PTA的な気迫を醸し出す、上品かつ気骨稜稜なおばさま軍団。その殿では、年始によく芸能人をタロット占いしている占い師、加賀繍へし子(かがぬいへしこ)がニタニタと薄ら笑いを浮かべる。更に私の斜め右前方にいる若い女性は、現代沖縄に残る由緒正しき祝女(ノロ)、すなわちシャーマン。金城玲蘭(きんじょうれいら)。  ……どうして!? 何故にこの便、旬の霊能者だらけ!!? 偶然か? それとも、ひょっとしてこれも新手のドッキリか? でも、中堅人気番組になったとはいえローカル局制作のしたたびに、こんなに霊能者を呼ぶ予算はないはずだ。ただでさえ私へのドッキリに、予算を殆ど割いているというのに……こちとら大迷惑だけど。ただ同じ中学出身の幼馴染、祝女の玲蘭ちゃんがいたのは不幸中の幸いだ!  私はしたたびの二人が熟睡している事を確認した後、自分も寝た振りをしつつ、足元に念力を集中させた。実は私の家系は代々、『影法師』という霊能力を持っている。お寺に住んだ事があるのも、霊感があるのもこのためだ。そうは言ってもこれは地味な力で、エロプティックエネルギーと呼ばれる念力で自分や周りの影を操ったりできるだけ。だから正確には霊能力じゃなくて、サイコキネシスやテレパシーみたいに脳が発達して覚醒する『特殊脳力(とくしゅのうりょく)』というカテゴリに該当するらしい。  爪先から影を糸状に伸ばし、右前方のシートへ這わせていく。玲蘭ちゃんはそれに気がつき背後を振り返った。私は船を漕いだまま、佳奈さん達に悟られないようそっとサムズアップする。影が玲蘭ちゃんの前席から突出する簡易テーブルに乗り上げると、彼女は影の先端にそっと触れた。 <一美!? どうしてここにいるの!?>  影を通して、テレパシーが私に伝わる。これなら離れていても話ができるし、幽体離脱と違ってリスクが少なく、霊感がある人にも会話が漏れない。影法師の技法、『影電話』が役に立った。 <どうしてここに……はこっちの台詞だよ! 何なの、この霊能者軍団!?> <は? あんた何も知らないで千里が島に行くワケ!?> <行きたくて行くんじゃないもん! 見てよ、私の隣でグースカ寝てる人達!>  玲蘭ちゃんが再び振り返る。 <……アー……したたび。そう……じゃあ、また騙されたんだ>  玲蘭ちゃんいわく、千里が島の縁切りパワースポットには実際凄まじい怨霊がいるらしい。そこで島を改革中の再開発事業者、『アトムツアー』が日本全国から名のある霊能者達を集めて、この度除霊コンペティションを行うという。それがどれほど強い怨霊だか知らないけど、除霊成功者には報酬三億円、更に全国のアトム系列スーパーで使える永年ポイント十倍VIPカードが進呈されるとかなんとか。 <三億円って……ドリームがでっかい話だね……> <それだけとんでもない魔境なんじゃないの? 私はこんなヤバそうな依頼受けたくなかった。でも、引き受けないと地元の伊江村(いえそん)に下品なメガアトムモールを建てるっていうから……> <うっわ、最悪じゃんそれ! もうアトムで買い物するのやめようかな……> 「あの、すいません!」  突然、私達は声をかけられて振り返った(私は影体にファティマの眼という霊的レンズを作ってその人を見た)。そこにいたのは、さっき狸おじさん……後女津斉一氏の隣にいた女子中学生狸ちゃん。うっすら体毛が生えていて、耳や尻尾は狸のもの。だけど顔はどことなく狸おじさんに似ている。 「そ……それ、影法師だよね? じゃあ少なくともモノホンって事だよね!? 私の事、見えてる? お願い、見えるって言って!」 「……普通に見えてますけど。あ、『できればあなたも影電話で話して下さい』だって……影の主が」  玲蘭ちゃんが私の言葉を伝達してくれた。狸ちゃんも影糸に触れる。 <あぁ~良かった! 孤独だったんだよ、まともな霊能者はカッパ頭の大師さんしかいないんだもん。でもあの人に関わると、変な宗教に入れられちゃいそうで……はぁ……>  狸ちゃんは心底安心したように、その場でへたり込んだ。 <ええと、失礼ですけど……あなたは?>  私は少し警戒して尋ねる。 <私、後女津万狸(まり)。後女津斉一の娘だよ。あっちにいる狸妖怪は、斉二(せいじ)さんと斉三(せいぞう)さん……パパのドッペルゲンガー狸なんだ> <娘!? ドッペルゲンガー!? あの、ドッペルゲンガーって、世界には自分と同じ顔の魂がいて、出会っちゃうと殺されて乗っ取られるってやつ?> <それそれ! パパの場合はちょっと特殊だけど。昔事故に遭った衝撃で魂が三つに割れちゃって、里の大狸様に助けてもらって……そういうわけだから、別に乗っ取りとかなくてみんな仲良しなんだよ!>  交通事故に遭って、魂を狸に助けてもらった……いまいち的を得ない話だけど、もしかして万狸ちゃんが化け狸なのもそれが原因だろうか。そっと首を上げて狸おじさん達を見ると、彼らは驚きながらも小さく手を振り返してくれた。 <えっこの影、紅一美ちゃんだったの!? どーしよ、私したたび毎週見てんですけど! だぶか後でサイン下さい!> <は、はぁ……もちろんいいですけど……。ええと、あなた方もコンペですか?> <そうなの、行きたくないよー! でも行かなきゃ、木更津(きさらづ)の證誠寺(しょうじょうじ)を壊してアトムモール建てるって言うんだよ。そんな事になったら大狸様カンカンに怒っちゃう!>  うわあ、この子達もそういう事情か。アトムグループ最悪だ! こうなったら、少なくとも玲蘭ちゃんや後女津さん達とは助け合って、せめて全員無事に帰らなきゃいけない。私達はひとまず協力関係を結び、今後の作戦をざっと話し合う事にした。 <他の乗客の霊感は?>  玲蘭ちゃんが私達に問う。 <したたびチームは私以外カラキシ。万狸ちゃん、他の人達の事はわかる?> <うん! 河童の家の信者さんはほぼみんなヒヤシ、良くてチョットだと思う。でも大師さんは確実にモノホン。加賀繍さんの取り巻き軍団もヒヤシかチョットっぽいけど……けどヤバいの! 加賀繍さんご本人ね、業界では超有名なアサッテおばさんなの!> <ゲ、最っ悪!>  カラキシ、ヒヤシ、チョット、モノホン、アサッテ。霊能者が使う業界用語だ。カラキシは文字通り、全く霊感がない人を指す。ヒヤシも同じく霊は見えないけど、コールドリーディングみたいな心理学技術でスピリチュアルカウンセリングができる人。チョットは気配やオーラをなんとなく感じられる程度。モノホンは完全なる霊能者。そして一番厄介な人種が、アサッテ。霊がいない明後日の方向を見る方々……すなわち霊が見えるフリをしている詐欺師か、精神的なご病気による見えてはいけない幻覚を霊だと思いこんでいるタイプだ……。 <私は祝女だから自分の身ぐらいは守れるけど、万狸ちゃんと一美はどう?> <私は妖怪だからへーき! パパ達も一緒だもんね、ぽんぽこぽーん!> <私もお守りぐらいは持ち歩いてるし、観音寺で色々教わってたから大丈夫。ただ、ごめん……私、テレビ関係に霊感ある事を言いたくなくて……> <ああ……だ、だよね……特に一美は……>  申し訳ないが、本当にそれだけは秘密にしたいんだ。ただでさえ騙され芸人みたいな扱いを受けているのになまじ霊感があるなんてバレたら、何もいない心霊スポットでリアクション芸を強要されたり、それこそアサッテな霊能者と対談させられて超気まずい思いをするに違いないもん! <そうなんだ……オッケー! じゃあどうしても一美ちゃんが除霊する事になったら、パパとか金城さんが近くで何かしたって事にしよう!> <最善だね。私もできるだけしたたびロケを見張ってるから。場合によってはあんたの手柄を横取りしちゃう事になるけど、それでいい?> <も、勿論です! お二人共ありがとうございますっ!>  ああ、渡りに船だ! 仏様和尚様にも大感謝!  私はその後トイレに立ち、行き際にこっそり玲蘭ちゃんと握手を交わした。そして用を足し、反対側の通路で後女津さん達の席に向かう。 「あの、ありがとうございます。宜しくお願いしますね」  小声で挨拶し、会釈した。 「すみません、先程は娘が失礼を。ともかく、皆無事にこの旅を終えましょう」  いつもテレビで見る斉一さんは『狸おじさん』の名の通りお調子者なキャラクターだけど、実際に会うと礼儀正しい方だった。すると万狸ちゃんや『ドッペルゲンガー狸』のお二人も挨拶を返してくれる。 「頑張ろーね、一美ちゃん! ぽんぽこぽーん!」 「オイオイ、したたびさんも『持ってる』なぁ。こーんな怪しい連中とバッティングしちまうなんてさ! ハハハ」 「僕の事はあまり撮らないで下さい……うう、木更津に帰りたいな……」  彼らは顔つきや仕草から家族だと納得できるけど、性格は三者三様のようだ。万狸ちゃんは元気いっぱいな女の子。ドレッドヘアで髭が垂れ下がった化け狸の斉二さんは、笑顔が朗らかで、テレビで見る狸おじさんに一番近い印象だ。一方前髪をサイドにきっちりと撫でつけ、シンプルな白シャツを着た化け狸、斉三さんは人見知りそうに見える。 「あっ、見て見て!」  万狸ちゃんに促されて窓を覗きこむと、眼下の海には既に目的地、千里が島が浮かんでいた。
བཞི་པ་
 ポーン。  『皆様、当機は間もなく着陸体制に入ります。お立ちのお客様は席にお戻りになり、シートベルトをご着用下さい……』  示し合わせたようなタイミングでアナウンスが流れ、私は自席に戻る。ところが、シートベルトに手をかけた次の瞬間。  ズガガガガガ!!! 突如機体が激しく揺れ、左手側にめいっぱい傾いた! 「うわあああ! え、何!?」 「うおぉ、揺れてますなあ!」  突然の衝撃に佳奈さんとタナカDも起きだす。危なかった、咄嗟にシートベルトを影で繋ぎとめたから転倒せずに済んだ。しかし二人が起きてしまったから、ベルト金具を締めて影は引っ込める。  ポーン。 『皆様、機長です。当機は現在乱気流に突入したため、機体が大きく揺れております。シートベルトをご着用の上、焦らず乗務員の指示に従って下さい。ご迷惑をおかけ致しますが、千里が島着陸までもう少々お待ち下さい』  ズガガガガガガ! 悠長な機長さんのアナウンスとは裏腹に、機体は明らかに異常な揺れを起こしている! 何度も海外ロケに行っている私達��たたびチームでさえ、全員表情に恐怖を禁じ得ない。 「一美ちゃん玲蘭ちゃん、あれ見て!」  万狸ちゃんが叫び指さした方向には…… 「ああ! 窓に! 窓に!」  しまった、思わず声に出しちゃった。玲蘭ちゃんから牛久大師の席あたりまで連なる窓の外に、巨大な毛虫じみた不気味な怪物がへばりついている! 「えっ何!? 一美ちゃんなんか言ったー!?」  佳奈さんが聞き返す。良かった、幸い機体揺れが大きすぎて私の声が掻き消えたみたいだ。 「別に! 死にたくなーい! って言っただけですよ!」  慌てて取り繕うが、 「ぎゃあああああ!!!」「何だこいつうわああ!?」  河童信者さんのうち一部、恐らくモノホンやチョットの方々がパニックに陥った! 玲蘭ちゃんは既に数珠を握りしめ、神人(かみんちゅ)の力を機外に放出しようと四苦八苦。一方後女津さんの狸妖怪達は機内に風水結界を張ろうと忙しなく走り回り、加賀繍さん方はアサッテの方向に念仏を唱えだした。ここで佳奈さんやタナカDも、ようやくこの便の異常な雰囲気を察する。 「な、なにこの声、お経!? ひょっとしてもう祟り始まってるの!?」 「あれ河童の家か!? 無断で写したら絶対ヤバいカルトじゃないか……ゲッ、あっちは狸おじさん!? これどこも撮れないぞ! くそ、ヘルメットカメラは預け荷物だし……」  タナカDはカメラマイクだけ生かした状態で、ファインダーを下に向ける。 「音声オンリーだ! 二人とも、実況して!」 「今それどころじゃないでしょ!? 墜落したら化けて出て、あなた方を祟ってやる!」 「そしたら私達全員死ぬから無理じゃん!」 「確かに!」 「「いやああぁ~~~っ!」」  おおよそプロ根性に物を言わせてトークを繋ぐが、こんな危険すぎる状況を実況したところでオンエアできるんだろうか。毛虫は拳を叩きつけるように身をガラスに打ちつけ、飛行機を破壊しようと試みる。いくら今最旬の霊能者集団が搭乗しているとは言えど、空中を高速移動中のこの状況では手も足も出ない! このまま千里が島に到着する事なく、MAL五八便は私達の棺桶になってしまうのか!? こ���場にいる大部分の人間が絶望しかけた、その時だった。 「かっぱさんチャント詠唱!」  突然牛久大師がシートベルトを外し、スクッと立ち上がった! 「かっぱさんチャント……」「そうだ! チャントを唱えよう!」 「「チャントをちゃんと唱えるぞ!!」」  教祖の鶴の一声で、狼狽していた他の河童信者達が次々に統率を取り戻していく。ていうか今、ダジャレ言ったような……? 「せーのッ! かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、パァー! ホオォイ!!」 「「かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、パァー!」」  河童の家一同は全員一糸乱れぬ動きで、ピカピカに剃りあげた頭頂部を両手で撫でながらチャントを詠唱する。ヤバい。カルトヤバい。この状況でふざけているとしか思えない事を大真面目にやってしまうカルトってヤバい! 私が今まで見てきたどんな悪霊や怪物よりも怖すぎる!! しかもこの恐れは直後、更なる絶望へと変わった。 「……ぱっぱーの、かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、ぱー」  玲蘭ちゃんがチャントに参加した! 何で!? 「かっぱっぱーの……一美もやって!」 「はぁ!?」 「そうとも!」  激震する機内で、転倒することなく仁王立ちの牛久大師が叫ぶ。 「君達だけじゃあないぞ。加賀繍さん、後女津さん! 死にたくなければ皆ちゃんとチャントするんだァ!」 「あぁ?」 「はい!?」  突然話に加えられた加賀繍さんと斉一さんが牛久大師を見る。ていうかやっぱりダジャレ言ってるよね!? 「じょっじょ、冗談じゃないわよーッ!」 「どーしてこんな時にそんなオゲヒンな事しなきゃいけないの!?」  肘掛けや前席のハンドルにしがみついたまま、加賀繍さんを囲うおばさま軍団が吠えた。 「そ、そうだそうだ! てーか俺河童じゃなくて狸だし……」 斉二さんも風水結界を押さえながら反論! 「うっちゃあしい、しみじみやらんか! 狸もだ!!」  うるさい、真剣にやれ! といったような方言だろうか。地元の会津弁に似ているからなんとなく意味はわかる。そして大師は斉二さんにも返事したからやはりモノホンのようだ……ええい、こうなったらままよ! 「かっぱっぱーの! かっぱっぱーの! かっぱっぱーのーパァー!」  国際女優紅一美、花の二十二歳。チャント参加! 生き残るためなら何だってやってやる! 「一美ちゃん!? マジなの!?」 「嫌々に決まってるじゃないですか、こんな狼藉あっていいわけない! でもやらなきゃみんな死んじゃうんでしょ!?」 「じゃ……じゃあ河童教が怨霊やっつけてくれるの!?」 「そんなの知りませんよ、私霊能者じゃないもん!」 「も……もぉーっ、わかったよ! 私達もやろう! タナカD! ほらかっぱっぱーの、かっぱっぱーの!」 「ええぇ!? か、かっぱっぱーの、パァー!」 「「かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、パァー! かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、かっぱっぱーの、パァー!!」」  もはや藁にもすがる思いで、客室にいる全員がかっぱさんチャントを唱える。揺れ続ける機内、加賀繍さんも万狸ちゃんも客室乗務員さんも、喉が痛くなるほど叫ぶ! すると増幅チャントが段々クヮンクヮンとハウリングを起こし、機内に奇妙な一体感が充満し始めた。 「「かっぱっぱーの、かっぱっぱーの……」」  ここで河童信者の一人が立ち上がる! 「総員、耳を塞げーーーーッ!」 「「かっぱっぱーの、【【【ハウヮアーーーーッ!!!!】】】  クワアアアーーーーァァン!!! 一斉に耳に手を当てた河童信者達に倣い私達も耳を塞ぐと、直後牛久大師の口から人間とは思えないほどの爆音が発せられた! 両手で側頭部を押し潰すほど耳を塞いでいるにも関わらず、頭が割れる程の大声だ。判断が遅れていたら失聴は免れなかっただろう! ただそれでも、分厚いガラスが二重にはまっている飛行機の窓から機外へチャントが届くのか……? と疑ったその時。怪物芋虫に覆われて薄暗くなっていた機体右側が、フッと急に明るくなった! あまりに一瞬の出来事で何が起きたかわからなかったけど、不思議な事に……芋虫がいなくなっている!? 「河童の家の勝利だ!」 「うおおぉー!」「かっぱっぱーの、勝ったったー!!」「大師! 大師!」  勝利を讃え合う河童の家とは裏腹に一同呆然としていると、いつの間にか機体の揺れも嘘のように治まっていた。  ポーン。 『皆様、当機は只今乱気流を抜けたため、これより着陸態勢に入ります。現在着陸予定時刻より三十分遅れとなっております、お忙しい中ご迷惑を……』  何事もなかったかのように、また悠長でこじんまりとしたアナウンスが流れ始めた。どの霊能者もしたたびチームもそれぞれ、安堵と疲労で背もたれにしなだれ掛かる。  それにしても冷静になって思い返せば、あの芋虫のような怪物には心当たりがある。あれは以前戦った物と似ていた。千里が島にどのような怨霊が棲んでいるのか、私はなんとなく目星がついた。寧ろ気になるのは河童の家だ。あのふざけたチャントと牛久大師の力は、一体どういう仕組みだったのか…… 【共鳴透過という言葉をご存知かな? ワヤン不動(ふどう)君】  ……え? 【狭い中空層を隔てて並ぶ二枚のガラスは、音が共鳴して反対側に届くのだ。飛行機の窓ガラスも然もあらん】  離れた席から大師の声が鮮明に聞こえる。頭に直接響くテレパシーとはまた違った感覚で、まるでイヤホンをしているように耳に音が入ってくる。振り返ると、大師は口をぽかんと開けたまま私を見つめていた。 【不思議に思っているかね? なに、簡単なことさ。この力の源はエロプティックエネルギー。すなわち君の影法師と同じ、霊力ではなく念力由来の物だ。俺は念力であらゆる周波数の音波を生み出し、口から発する事が出来る。霊が嫌がる周波数もだ。それを増幅するのがかっぱさんチャントだったという訳さ】  エロプティックエネルギー!? まさか、じゃあこの人も、霊能者じゃなくて特殊脳力者なの!? それに、『ワヤン不動』って……。私は牛久大師の言葉の真偽を確かめるべく、脳力について研究している極秘医師団、『国際超脳力研究機関(NIC)』のシンボルマーク影絵を見せてみた。すると彼はニタリと口元を綻ばせ、たった一言、確信的な返答を私の耳に届けた。 【なぁに、俺はただの『関係者』だよ】
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mochi2monaka · 5 years
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【ハートマークネタバレ注意】20190428TYMS@静岡メモ
※「THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2019-GRATEFUL SPOONFUL-」2019年4月28日の静岡公演(「ハート」マーク)の感想です。 ※「ハート」マーク の公演内容が、セットリストをはじめとして完全ネタバレしています。ご自身のご判断でご覧ください。
・グッズ類の事は分けて書きたいと思います ・絵を追加する予定、あと思い出したことも追記する予定
今回、静岡2days2日目しか参加できないため、ふんぱつしてSUPER指定席を希望したら当選、さらに過去最高の良い席にあたりました。 たぶんはじっこの席だし~とずっと会場の外にいて、懐かしのエコパスタジアムを見に行ったりしてからのん気に入場したら、花道が作られていた分はじっこではなくやや真ん中よりになっていて焦りながら着席。最前列ではありませんが前を向けばヒーセが見えるし、その上花道もすぐ近くて着席してから「やばい」しか言えない状態に。 今台所でこれ書いてますが、ここからリビングの椅子で寝てるねこよりも距離が近い。(自分と推しとの距離の近さを図る目安)
ほぼ16:00に開演。いつもながら素晴らしい。 OPの曲は誰かのカバーなのかな?と思ってたけど、詳細がどこを探してもわからない。家族は「吉井さんが歌ってたよ」と言ってたけど…。そして歌詞も「上から目線でモノを言う」「ヨシュアトリー」「ボナペティ」が強烈でそこしかはっきり思い出せない…U2?
・天道虫、出だしのボーカルとドラムのとこだけのとこで手を叩くのが楽しい。 と思ってたらライトのあたった吉井さんがばちばちにメイクしてるので心が大変なことになった。SHOCK HEARTSのmvじゃないか!!!!! フォー!のところ言ってねって吉井さんがピンクで言ってたから頑張ろうと思ったのにフォー!(特効パーーーーン!!!!)ってなったからわちゃわちゃしてしまった。
・ALRIGHT 「しずおか!しずおか!準備~~~~??」のところでわたしのいるほうの花道に来たので頭パーンてなった。吉井さんの目の上のラメラメが見えた
・Love Communication大好きです この曲が聴けただけで毎回来た甲斐があると思う。「まるでわが身はむせび泣く、エマちゃ~~ん!!」でギターソロ
・Love Hommeはイントロのヒーセのベースが堪能できました。インタビューで「指のアタックの音まで入った」って言ってたから楽しみにしてたのだ。ハンドクラップも音楽の一部で楽しかった。  その一方で吉井さんのエロさが既に天井知らず…マイクスタンドで歌い、腰をくねらせたりずーーーっと手を裏返し表返し指さきを手遊びのようにひらひらしてギラギラアイメイク本領発揮してた。 最後の「Love Homme・・・」をマイクから離れて唇だけで言ってたあとちょっと口とがらせて眉をしかめて、それがもうセクシーのきわみだった。 CDで聴いた時は歌詞がストレートすぎてう~んと思ったですが、ライブで観ると抑え目な曲調がヒーセのベースでキープされてて渋くなってて良かったです。   ・Love Sauceはイントロでギャーーーーーー!!!!ってなった。そろそろ聴きたいな~と思ってたんです。歌詞の構成が完璧でだいっすき!!! 要は街で見かけた子をお持ち帰りする歌なんだけど「僕」の「君」へ対する扱いがあくまでやさしいところ、「君」もされるがままではなくあくまでイーブンな関係っぽいところ、「僕は下心が見え見えで 君も出来心のふりをする」の韻(?)の踏み方にほれぼれする。 「ああ繰り返し欲ばる僕に 君はそのうち笑って照れる」の所がとてもほほえましくも時間の経過を感じさせるところ、「これが愛だといつもこの時は思う」で締めるのとか100%罪悪感なしなわけではないけど容量としては「少し苦しい」程度なろくでなし感。あいまに窓の外の月を見てるまなざしは虚無なんだろうなとか。 「愛のために流した涙は~」と歌いながらなぜかエマと目をあわせて笑い合う吉井さん。そこからはエマサイドの花道でずっと歌ってたのでちょっとさみしかった。「ああ誰だって悪魔さ気をつけな ケンカもSEXも両成敗さ うなずいた君があまりにかわいくて」のところが好きなので目の前で聴きたかったぜ…「はい!君にキーッス!!」ができたのでうれしかった。 最後のギターのフレーズに合わせて歌った吉井さんの声がセクシー(女王蜂のアヴちゃんの高音の���メージ)   ・STARS、最後「さらに倍だ」でバンってステージが暗転してモニタに無数の星があふれたのがきれいだった
・からの���ール、花道に吉井さんきてくださいまして、「ハイウェイはやがて国境を越える?」のあとの間奏で眉根を下げて客席をあおるような顔で眺めるのをすぐ近くでみることが出来て思わず「吉井さーん!」て叫んだ。「夜よ負けんなよ」からの一番好きな部分でこんな近くで観れるとは…
・SO YOUNGは、「鮮やかな朝日を~」の前の感想から吉井さんもギターを奏で始めた(いつもそうでしたっけ) いつかTVでQUEENを意識したと言ったアウトロのギターハモ、エマは何回も吉井さんの手元をみて合わせてるのに吉井さんは自分の手元しか見てなかった笑 顔にかかる髪が印象的
・今回一番楽しみにしていたBalloon Balloon、イントロの前にスクリーンにジャコウネコの鉛筆アニメーションが流れた。転調もなんのその今日も吉井さんは歌うま男でした…「花びらみたいな君のにおいで」の「の」のとこが喉を潰す声でかっこよかったのを覚えてる
・まさかまさかの追憶、1995年から22年間一切ライブでは演奏されず(wiki情報)2017年の九州メカラで演奏された時はついに解禁された・・・!!!と激震が走ったわけですがここで聴けるとはねっていうか、わたしはイントロが聞こえた瞬間発狂するかと思ったくらいなのに周りがわりと静かで(この曲に限らずラブソースとかラブコミとかでも)ウソでしょ!!!?!?!ってなった。もしかしてわたしの知らないうちに追憶は激レア曲じゃなくなったの?!てなったくらい。 SUPER指定席だからわたしなんかまだまだで四方八方ガチ勢しかいないと思ってたのにおかしいな…と思うことが何度かあった。…と思ったけどセトリのあまりの変化球に驚いてるせいなのかなとも思い始めた。 ともあれライブって基本走りがちめだけど、むしろゆっくりていねいに演奏しているように思ったし吉井さんもきっちりしっかり歌いきったかんじ。吉井さんは中央から動かずに歌い切り、終わった後ははにかんで笑ってた。かわいい。しみじみ良い曲だなって思いました。
・Titta Tittaライブで聴いてすごく良かった!コーラスの部分とか、歌の雰囲気が明るく透明感があるかんじで新緑の季節にあうような、ほこりっぽいアメリカの空気(大ざっぱ)が見えるような後ろに広がる明るい景色がみえるような印象が強い曲だった。 「魔法の呪文だよ ラーマラーマ」のところが吉井さん左手をあげて歌ってたけど「浮気なハニーパイ」の間奏の「yeahハニーパーイ♪」のとこと同じ動きだったよ かわいい(足はがにまたではなく閉じてました) あと間奏でアニーのほうへ行ってアニーの方を向いたままタンバリンを片手でしゃらしゃら振ってた。
・からのラブショ、また花道にきたので頭がパーンとなって色々覚えていたいことを忘れてしまう。  「さあおいでよ!」でエマを手招きする吉井さんを目の前で観る。エマがあとを追うように花道にとことこ来る中「知らない遊びを~、しないの??」って言われてエマが目を丸くして笑ってたのがかわいかった。来なかったし! 吉井さん「ねえ乗りなよ 私は あなたはエマ!」(四つん這いになったままエマを指さす カフスがいつのまにか外れてて手をひらひらするたび手首のドラゴンが見えたり、手相が見えるわ!と思いました(生命線は言い過ぎました)。今回は手が堪能できたな… とにかくラブショでは吉井さんが縦横無尽でサービスがすごかった。こちらの花道にもいっぱい来た。前列の人とハイタッチしたり?カメラをつかんで自撮り状態にして客席を映しながら歌ってた。
・からのSUCKを畳み掛けられてわたしは死に体。さらにマイクスタンドをぶん回す様子が間近で観れて忘我の境地。何度映像や遠くのアリーナやスタンド席で観ていた姿がそこにある。  「手を添えて~」のあとに両手をくるくる回してみたり。 間奏でエマに絡む。残念ながらわたしのいるところから肉眼で観れなかったのでモニタで観た。エマのネイルが1本1本に「9999」って入っていて、逆手に持ったマイクでギターをきゅんきゅんならしながらその指に唇で触れていく吉井さんの横顔が映し出されてわ~どえろ~って思ってたらチュッ☆てしちゃっててあらあら~ってなりました。 最後の締めの前にも吉井さんが色々遊んでて、左手に煙草をもってふかすしぐさをしたり(手がうつくしい)、ステージ中央のお立ち台に片手をついて口を片方歪めて不敵な笑いを浮かべてみたり、いきなりおばちゃんみたいにやっだーもう!!ってしぐさをしてみたり、棒立ちでマイクスタンドにチュッ…てしてみたりしてました。イントロのときだったかも。
・MCで「忘れてた歌ってた時のこと思い出しました 手の甲にキスしたりとか ちょっと睨まれたりとか」 「ほんとにアルバム作ろうと思ってますよ この筋肉?感覚?を忘れないうちに」「今度は19か月ぶりのアルバムとかどうかなぁ けっこう空いてるね笑」 「メンバーが元気でいる限り、あメンバーがしんでも、メンバー募集する?笑」 「このバンドは僕の宝物なんで」 としんみりしながら「I don’t know」を始めるのがなんともよかったです…聴くたびにどんどん好きになるこの曲。 アンコ前はこれで終わるのですが、退場した時アニーのパンツが緑のラメラメ線入りジャージ風だったので「緑!」「緑(笑)」と言われてた
・アンコールは静かに出てきて「Horizon」がはじまって、ライブあるあるだと思うのです歌い出しの前に吉井さんがなんとなくこっちを見て笑ってくれたような気がしました。薄い唇の口角が上がった気がしましたうそでーーーーす!!!ほんとすみません 「こらえず We must go on」のあとの「ああ・・・」を聴けたのがよかったのと最後「川のような道みたいに流してくれるだろう」でファルセットを地声で歌い上げたのにしびれました。映像はドームで観た映像と一緒かな?
・バラ色ときたら次はASIANだろ~~~~の期待を裏切らない「あかつきにー!」コール、ステージの下からせりあがってくる「THE YELLOW MONKEY」の電飾、近くで観てるぶんすげーこんなにでけー!!って迫力だったしイエッサーに間に合うかな?!とどきどきしてたけど間に合った、と思ったら火柱がドーーーーン!!!とあがったので電飾のことはどっかいきました 多分間に合ってたと思う 間奏ではまた吉井さんが真横の花道に来て匍匐前進をはじめたので全然見えん!と思ってたら這いながらステージに戻ってきた吉井さんが人の足元に見えました。 「迷える若い兵士は~」のところをめっちゃ横で聴きました。その上「少年は叫ぶーーーー!!!」で左手をあげて立つ全身の姿をめっちゃ近くで観れた。サビは正座の状態で宙を見上げる吉井さんが目の前におりました。あとカメラ前でトンボをきってたね。 ステージに戻ってヒーセとエマが弾いてる間に肩を抱きに行ってたりしたけどわたしは目の前で観た吉井さんの衝撃がすごかった。 「ありがとう平成!こんにちは令和!」「れいわーーーーー(巻き舌で)」←麗奈と同じ言い方
・メンバー紹介で「平成お疲れ様、令和もよろしく」って言ってた。アニーの紹介、「令和もよろしくーっす」って軽かった笑 ・メンバー紹介でエマが右手の「9999」ネイルをカメラに見せてくれたのがただの猫ポーズになっててかわいいーーー!!!の声がすごかった ・続いてヒーセもまねっこして両手で同じ猫ポーズをしててかわいかった ロックンロールゴリラ言われてた ・「今日はハートデイ、たくさんのハートありがとう」「サンキューグンナイ」で「この恋のかけら」がはじまりました。アルバムで一番最初の曲を最後に持ってくるの、まだまだこの先も続くかんじがして良かったです。「峠」も思い出してしみじみした。 ・最後暗転してからOPに流れた曲が再び流れ、静岡最後だしなにかあるんじゃないかと期待をこめてまっていたのですが、終演。 18時半?くらいでまだお外は明るかったです。
【そのほか覚えていること】 ・吉井さんずっとベルトがピロピロしていた ・吉井さんジャケットはいつの間にか脱いでたけど、首のボウタイ?を外す瞬間を見た。後ろ姿でうなじが見えて、ドラムセットの前に置いた様子がなんか良かった。 ・MCで「今夜は~」って言ったら反応が悪いのをうけて「今夜って言ったけどまだ夕方だからか」「ライブ観て盛りあがって早く飲みにいきたいんでしょ!!!」のときにヒーセがピース!って色んな方向に向けて3回してた。いつもにこにこしてかわいい。 ・「アルバムも寄せ集め感があって…」となんかしきりにまじめに気にしていた。なんで気弱なのだろうと心配している。「こんなもんじゃありませんから!なんたって我々新人バンドですから!」みたいなことは言ってたけど ・吉井さん以外はほとんど話さなかったな
会場でさんざん周りが「1日目と全然違う」と言ってるのを聞いて、帰宅する道すがらやっと1日目「ダイヤマーク」のセトリを見たけど全然違った。すごい… これ、ライブのストーリー的なものが全然違うものになるのでは。 しかもメイクの有無まで違うとは。メイクの有無はとても重要ですよ。吉井さん、表情の作り方とかよくステージを見下ろすような顔してたなあ。あと髪を両耳にかけたりもしてたんで・・・(何が言いたいのかわからなくなってきた) ハートマークの日だからタイトルにloveがつく曲をたくさん演奏したんだな~とにこにこしたけれど、loveがつかない曲もモンキーの認識の中でloveの歌に分類されてるのかしら。。。 それにしても歌も演奏も本当に完成度が高かった。ツアー初日だから…なんてことまったくなく、演奏のまとまりもメンバーの呼吸もぴったりな気がした。レベルが高すぎる。。 吉井さんもMCで「今日見てもっと観たいなぁ~と思ったらまた観に来てくださいね、いっぱいやるんで」と言っていて、帰りの新幹線で家族が「福井って結構近いよ、距離的に静岡と一緒だよ」などと言い出したので家族会議中です。もう全然座席遠くても、一人でもいいから行こうかな。福井の「クローバー」の日。
今までTVや映像作品、ライブでも遠いスタンド/アリーナ席で幾度となく観てきたパフォーマンスを今回はっきり生身のものとして感じることができました。 昨日近くで観た吉井さんは厚みと重みをもった人間の男性で、背がうんと高いから胸板とか体のパーツも結構大きくて、わたしは小柄だし周りも170台の人しかいないから背の高い男性がちょっと怖いので、それも相まってわあ…吉井さんが人間だ…ってなりました。胸板あつかった・・・ 今まで脳内で紙人形かなんかで再生されていたのかって話ですが、なんだか実体をもったイメージになりました。20年位ファンなのにだよ!!
わたくし、平成最初と最後のライブがTHE YELLOW MONKEYなんです。 人生最初でもあるのですが、初めての経験であんな楽しいものをみせてもらっちゃ、好きになるのは必然だな!
【set list】 01.天道虫 02.ALRIGHT 03.Love Communication 04.Love Homme 05.楽園 06.Love Sauce 07.STARS 08.パール 09.Change For Away 10.SO YOUNG 11.Balloon Balloon 12.追憶のマーメイド 13.Titta Titta 14.LOVE LOVE SHOW 15.SUCK OF LIFE 16.I don’t Know - 17.Horizon 18.バラ色の日々 19.悲しきASIAN BOY 20.この恋のかけら
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orisyu-manako · 6 years
Text
スクエアンノウン.01.始まるよ
【なんか】今から黄色い奴に会いに行く【立てちゃった】
1 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square
というわけで俺の名前は六窓、そしてこれはクソスレ。 何を言ってんのか分からないと思うが俺も良く分かってない。勢いで立てた。 なんていうか、転生。
【体格の良い外国人然とした男と、背が小さく袖の余った学ランの少年、白髪の外国人と特徴的な髪形の外国人がなにやら焦った表情でこちらを見ている写真】 【頭に包帯の巻かれた、特徴的な前髪の赤毛の学ランの男の写真、困ったような笑いを浮かべている】
2 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square オラオラオラオラオラオラ 【学校の保健室らしき室内で、鎖つきの学ランを着た男と袖の余った学ラン少年がにらみつけてくる写真】 【黒髪のセーラー服の女子を斜め前から見た写真。腕を突き出しているが、肘の辺りで不自然に切れていて、切れた先が何も無いところに横向けに浮いて見える】 【クレープを海苔巻きか何かのように食べ進める赤毛の学ランの少年の動画】
3 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>2 もっとくれ
4 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>2 な、ないわーと言おうと思ったけどもっと貼れください
5 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>2 ガチショタかよどん引き~と思いきやJKもいるじゃねーか!
6 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>2 クレープってこんな食べやすい食べ物じゃなかったやろwww
7 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>2 セーラー服が違う、やり直し。
8 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- この口のサイズはテンメイですわ……
9 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square >>3-4 それは今後の展開によるってやつだな まぁ別に信じなくて良いから適当に付き合ってくれ。
俺のスタンドの名前は「スクエア」 俺が「行ったことのある場所」に繋がる、ネットの窓枠みたいなやつ。最後に行ったのがあんまり昔だと繋げるまでに時間かかる。履歴検索してるみたいな感じだな。最初にネット繋げた時は一晩かかった。1年で1時間かかるっぽい。いつも行くところはすぐ繋がる。 承りに会うまでは「行ったことのある場所ならいつでも行ける程度の能力」とかって呼んでた。
四角い。3セット6個まで出る。だから六窓。浮く。最大2m四方。枠は幅1cm固定。 一応物理で殴れる。結構硬い。裏から見るとガラスみたいに透明。一応「道具型」だと思ってる。
ネットが見れる理屈だが、お前もネットのリンク飛ぶときとか、スレ移動する時「行って来る」って言うよな。窓を開いてる状態で移動していけば、そのまま指先で画面(?)に触れているので「行ったことがある」場所になっていくから、知らないリンク先も見れる。そういう理屈で、「行ったことがある」に該当するらしい。さすがにそっちの世界には繋がらなかったが。
10 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>9 えっこの感じで続けんの?
11 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>2 てかどこ済み? LINEやってる? 併せしよ?
12 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square >>10 続くんだなぁこれが >>11 女の子のことは詳しくは知らん、髪の毛がクソ長い。
ちなみに基本ROMだったから書き込みのちゃんとした要領とかよく分からん。 段々丁度よくなるとは思うが、なんか駄目だったらスマン。
13 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>2 人間自体のクオリティの高さがガチすぎだろ これCGじゃなくて?
14 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>12 イッチのレス時空歪んでるやんけ
15 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>12 なんでもいいけどあくしろよ こちとらJOJOに飢えてんだよ
16 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square >>12 こいつら、生きてるんだぜ…嘘みたいだよな……
>>14 それな ROM専してないでもっと前から書き込めばよかったと思ったけどやっぱ写真とかねーと転生スレは信憑性なくて駄目か、なんでもねぇ。話に入るわ。
17 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>16 なめらかな自己完結
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----伝人視点----
 俺の名前は曲木伝人。まがりきつてとである。乙女座18歳。悩みは背丈。145cmしかないせいで、じょうたろうさんじゅうななさい、つてとくんじゅうはっさい。みたいな比較を良くされる。俺に20cmくらいくれ。髪も染めていないし、付けてるアクセサリーと言えば右耳にイヤーカフが一つだけ。
 ことの始まりは、花京院が眼鏡をかけていたことだった。  文庫本を持っているだけで、お絵かきもしていない。
 思わず横顔を二度見してしまい、何か勘付かれるかと思ったが、この地域に馴染んでいない花京院は俺の行動の違和感を感じ取るまでに至らなかったらしい。承太郎の足をずっぱ切った後、文庫本をポケットにしまって、そのまま階段の下へ降りて行った。  ただの黒い眼鏡といえばそれまでだが、表現しがたいおしゃれな眼鏡だ。日本に来る際になんとなく、というものには見えない。長らく使うことを前提に拘って買ってこそ、というデザインに思える。派手すぎず、けれど地味すぎず。
「7人目とかでも、いや……どこの何でも、見たことが……」
 しかし未来の平行世界に助けは求められない。ネットへの書き込みはできるようだが、文章だけじゃあ信憑性が全く無い。よって、未来を知りたければ自分でどうにか彼が始めから眼鏡をかけている話を探すしかない。たぶんそんな話はねぇ。  正史と全く違う展開では俺のスタンドは大分不利だ。大筋くらいは合っていて欲しい。
「おはよう承太郎」 「ああ」
 階段下で、もらったハンカチを使いもせずにポケットへねじ込む承太郎へ声をかける。
「2万円もするズボンが破けてんな」 「妙なヤツに会った。恐らくソイツに切られたんだろうぜ」 「前髪が変なヤツか?」 「知ってんのか伝人」 「さっき見た」
 承太郎は俺といるおかげでスタンドにもそこまで動揺することもなかったが、何故か律儀に牢屋にぶち込まれていた。  見に行こうかと思ったが、俺が行くと事態が余計にややこしくなること間違いなしなのでやめておいた。
「つーか、お前なんで捕まった? 別に勝手に暴れるとかなかっただろ?」 「……上手く、使いこなせなくてやらかしたぜ」 「ふーん」 「こういったもんは全て、『スタンド』というらしい。」
 ……史実と違うよりも嫌な王道パターン、修正力様の可能性。  それだけは勘弁して欲しい。何のために俺がこいつのレベリングしてきたと思ってんだ。
 下駄箱へ着いたところで、学校の周りをぐるっと確認しておく。この人の出入りの多い時間にどうやって上ったのか。花京院は屋上で承太郎を待っていた。さりげなく医務室の様子も窺っておく。知ってる通り、不良が二人、ベッドの上に居座っていた。  承太郎が『見える』ようになって暫く経つ。あからさまに怪しい動きはできないので、確認はひとまずここまでにして一旦教室へ向かうフリをする。
「俺は医務室に行く。鞄は任せたぜ」 「りょーかい」
 俺は鞄を預かり階段の方へ、承太郎は医務室の方へ。花京院がいつどのように医務室へ行くのか分からないため、教室へ向かうそぶりだけはしておく。  そしてしばらく踊り場に突っ立って、スクエアを発現。他生徒から見えないように、承太郎と俺の鞄を袖で隠して直接机に突っ込む。こういうのは変に警戒するから見つかるんであって、堂々とやっちまえば、案外細かいことは気にされないものだ。
「戻るか」
 嫌な予感がしたと言えば十分言い訳は通るが、いきなり空間を捻じ曲げての登場は流石におかしい。普通に歩いて戻る。  改めて医務室につなげて承太郎を見ると、ズボンを脱ぐ手前だった。……あれ、ベルト二つとも外しちまうのか? 動き難くないか? 花京院遅くね?
 そのまま承太郎がズボンを降ろすかという手前になって初めて、先生が万年筆を振り始めた。
「……?」
 展開がおかしい。ハンカチだよ。ハンカチどうした承太郎、受け取っただろ。  承太郎、良いから。お前それ大事なシーンでズボンずり落ちるから見てないでベルト締めろ。
「それじゃあ良くッ! 見て、みなさいッ!!」
 俺は自分の手元と不良Aの目の前にスクエアを1セット発現、背面で万年筆を受け止める。  金属がぶつかり合うような音を立て、彼の左目は守られた。
「ヒッ!? ま……万年筆が、空中で止まった?」 「おめーらとっとと逃げな」 「ゲェッ曲木!!」 「テメェー! またなんか厄介ごと引っ掛けてきたのかッ!!」
 金属の扉を開けて中に入ると、不良たちから嫌そうな声が上がった。助けてやったのに失礼なやつだ。
「て、テメー、なんで戻ってきやがった」
 ベルトを締めながら尋ねる承太郎と、俺に対して酷い濡れ衣セリフを浴びせながらバタバタと医務室から出て行く不良共。  せっかくずばっと登場したのにシリアスが死んでいる。もやつくので、役割を果たしたスクエアを手元でくるくると回転させて落ち着く。
「そりゃあ、無敵の承太郎様がケガをして登校来たとあっちゃあ、嫌な予感しかしないだろ?」 「……そういうことにしといてやるぜ」 「仕留め損ねたわぁ……ねぇJOJOォ……?」
 先生が俺たちに向き直る。俺のスタンドでは、流石にこの人を無傷で助けるのは難しい。  難しいが、既に俺は、俺のスタンドでハイエロが急いで先生の体から出なければならない状況を作り出す方法を、考えて準備している。
「あなたはまさか万年筆に見えるなんて、言わないわよねーッ!?」 「う、なんだこの腕力! 女の力じゃあねぇ!」
 今度は承太郎の目玉が危ないため、もう一度スクエアを構え、今度は腕ごと別の空間に逸らして助ける。  その隙を突いて、なんとか二人を引き離すことに成功した。
「そのとおり……」 「てめーは……!」
 声のしたほうに視線を向けると、眼鏡院が窓枠に腰掛けていた。  ……その眼鏡は一体なんだ? ここは花京院が眼鏡をかけている並行世界、またはn巡後だってか? ただ、俺がそんなことを考えている間にも、花京院は余裕たっぷりに説明している。その慢心が命取りだ。俺のスタンドの餌食となるが良い!
「だから! 貴様を……」 「スクエアッ!!」 「なっ何だと!?」
 スクエアを3セット使い、校舎の医務室のちょうど上、屋上から地面に向かって突き落とす。  1セットで場所を繋げ、残りの2セットで足元をすくい、胸を殴りつける。スタンドはスタンドでしか攻撃できない。だが、スタンドからは物体に触れることができる。つまり、生身では押し出されているのに窓枠に掴まることができない、というわけだ。
「くっ……! ハイエロファント・エメラルド!!」
 スクエアの窓と医務室の外。同時に焦った声がして、先生の口から光るメロンが飛び出してスクエアに滑り込んだ。
「伝人、もしあの緑色のが間に合わなけりゃあ瀕死の重傷だぜ」 「『スタンド』で襲ってくるぐらいだ。このくらいで死にはしねーだろ」
 本体をキャッチして外から部屋へ戻ってくるまでのその隙に、気を失っている先生を無人の空き教室へ送っておく。これで騒ぎにはなるまい。
「……私の名前は花京院典明。空条承太郎と、曲木伝人だな」 「あ? 俺のことを……!?」
 窓から帰ってきた花京院に、一応驚いて見せるが、想定済みだ。俺は能力者、もといスタン���使いであることを、隠してはいない。  いや、正確には『超能力があるとは言っていないが、能力は積極的に使って過ごして来た』わけだ。俺は普段から、悪いやつらをやっつける、所謂『自称正義の味方』として行動している。その際に、ちょっと攻撃をかわしたり、先回りしたり、道具袋代わりに使ったりする。  そんなことをしていて、ついた通り名は。
「小悪魔曲木。空間を捻じ曲げるようなトリックというのは、その窓のスタンドが正体だったということだ」
 なぜ『小悪魔』って?  しんちょうひゃくよんじゅうごせんちだからです(白目)
 花京院は自分が劣勢になった筈なのに、まだ余裕な態度だった。  いくら肉の芽で操られているとはいえ、2対1、それも、俺のスタンド暦はそれなりに長いと分かっているのに、何かがおかしい。そう思っていたが、その答えはすぐに、そして耳を疑う単語で示された。
「サユッ!」 「『サユッ』!?」 「日本に来てから黙りっきりだけど、どうかしたのかい?」 「さ、サユ……?」
 この世界、そこかと思った。
 だが、花京院は伝説の『サユッ』を叫んだあと、急に電話でもする様に空中へ話しかけだした。単語のインパクトで処理が遅れたものの、イントネーションも多少違ったし、それは人の名前らしいと理解できる。
「君がちゃんと教えてくれれば、彼の攻撃は防げたというのに。……私は無事だから待ってろって? 何を慌てているんだい?」 「誰と喋ってやがる」 「私の親友さ」
 聞けば律儀に答えてくれた。親友。確かに17歳の少年には親友くらいいても全くどこもおかしい話じゃあない。だが、こいつは違ったハズだ。  ある筈だった17年の孤独がない。謎の眼鏡、相手は慌てている、日本に来て黙りっきり、『サユが教えてくれれば』防げた? ……まだはっきりとは分からないが、俺と『同じ』でなければ分からない質問をするしかない。
「花京院、『サユ』とやらに伝えろ。お前は『7人目』……いや、『奇妙な冒険』を知ってんのか?」 「しち、奇妙な……? ……フン、貴様に伝言だ。『質問に答えろだと? だが断る。この汚らしい阿呆がァ』だとさ」 「……」
 ビンゴ、サユは、俺と同じだ。そして花京院は分かっていない、承太郎にも知らせていない。花京院を死なない程度にぶっ飛ばして、『サユ』の情報を聞き出さなくては。  向き直る花京院は尚も不敵に笑っている。おい、自称正義の味方様を舐めるなよ。
「さて、エメラルドスプラァッシュ!」 「何!?」
 だが予想に反して、花京院は先手必勝不意打ち全開でいきなりぶっ飛ばしてきやがった。  スクエアでガードしようにも、承太郎の体格じゃあ、十分なサイズに拡張するのは間に合わない。スクエアを1cm×1cmから2m×2mにするまで2秒。かなり早い方だとは思うが、戦いの場における1秒2秒というのは大分重要だ。
「オラァ! ぐっ!」
 弾丸を撃たれてから盾を構えたところで何の意味があるか。やっぱり庇いきれなかった。  承太郎はスタープラチナで多少払ったものの『不意を食らって胸を傷つけ』て派手に吹っ飛んだ。一方の俺は小柄なのもあり、しゃがみこんでスクエアの後ろに収まったことで無傷。
「ほぅ」 「……う、不意打ちたぁな」 「ふむ、初めてスタンド攻撃をもろに食らった筈だが……。ああ、JOJOも小悪魔と共に活動していたんだったな……サユ?」
 承太郎がさほど動揺していないのが意外だったのか、足をガクガクさせながらも立ち上がってきたのが目に留まったか、注意が俺から反れた。その隙に俺は触手にも警戒しつつ、スクエアをある場所へ繋げ始めていた。
「承太郎ッ!」 「ああ分かったぜッ!」 「何を……?」    ところで俺は、高校1年の夏は海へ行った。こんな時に何をのん気にと思われるだろうが、俺の能力を踏まえた上で、沖合いまで行って潜って来た、と言いかえれば、意味合いは全く違ってくる。  接続が完了したスクエアの片割れを、花京院の背後に思いっきり広げてやる。
「海水砲!!」 「ハッー!!?」
 直径1m四方。水圧で勝手に打ち出される超強力な水鉄砲、いや、水砲台だ。
「……しまっ……!」 「そして裁くのは、俺のスタンドだッー!!」 「お前も直接裁いてるけど」
 こちらの方向へ吹っ飛ばされたがために『本体とスタンドの首』をそれぞれ捕まれ、天井まで殴り上げられる花京院。  ちょっとやりすぎた気もするが、まぁ手当てまでの時間は大分カットされるから、大丈夫だろう。とりあえず、俺の足元に落ちたこの気がかりな眼鏡は取り合えず拾っておく。
手に持ってみると、黒というより、透き通った暗い紫色のような色をしていることが分かった。
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----承太郎視点----
 青い腕の試運転で殴った道路標識がまさかあんな見事に空高く吹っ飛んで、車道からコンビニの駐車場にすら上がれそうもねぇ、地面すれすれの車高の車にぶッ刺さるとは流石の俺も予想しなかった。直後、当然だが色々とあって、俺はそのまま牢屋に入ることとなった。寝て起きた次の日の朝には、スタンドなりのワビのつもりなのか好き勝手に環境を整えられているやら、そのせいで同室のやつらは怯えているやら、看守は怯えて拳銃をぶっ放すやら。  ようやっと牢屋から出られたかと思えば、朝一番に妙なヤツに絡まれる。何故かそこから場を改めて襲ってくる。一体俺が何をしたってんだ。
 血を流して意識を失った花京院を肩に担ぎ、伝人に向き直った。道路標識の反省を踏まえて加減はした。骨が折れたり内臓がやられたりはしてねぇハズだ。  今日はもう学校をフケるとするが、ここからケガ人を手荷物にして街中を歩くのは目立つ。
「伝人」 「ああ、繋げる。お前ん家の、門の影で良いか?」
 俺の腹くらいまでしかない身長。  釣り目気味の大きな目は梟のようで、顔の割りに大きな口には、ギザギザに尖った歯が並んでいる。
「さっきの……『7人目』ってのは何だ?」 「俺の、因縁みたいなもんかな」 「因縁」
 見栄と希望的観測によって準備したという学ランは、コイツには余りに大きく、裾だけを詰めて着ている。  母親が裾を詰めすぎた結果、短ラン気味になり、ズボンも幅は太めなのに変に短い。それはヒザまであるブーツで誤魔化して、怖いので袖はそのまま。やりたかった訳じゃあないとは言うが、伝人はついに改造制服のまま卒業しようとしている。
「細けーこたぁ良いんだよ。お前の事情と雑ざってるみたいだからな」 「俺が首突っ込んだのか、テメーが首突っ込んだのか分かりゃあしねーな」
 伝人とは中学頃からつるみだした。そこから二年も友達付き合いをして、ある日『自分は超能力者だ』と打ち明けられた。  最初はついに中学二年生がかかるという例の病気になっちまったのかと思ったが、違った。本当に見えない板で空間を歪めて、学校から俺の家まで一瞬で送り届けて見せやがった。  それから、正義の味方ごっこをしていることも知った。俺は知ったがために巻き込まれた。その頃からガタイはいい方だったし、反吐が出るような悪をぶちのめすのもまんざらではなく、付き合っているうちに俺も喧嘩は強くなったし、いらない場数も踏んだ。
「言っとくが、俺の運命は百年の眠りから目覚めた吸血鬼退治らしいぜ」
 それが今になって必要になってくるとは、話が上手すぎて笑えるくれーだ。  縁側を歩きながら、お互いの事情を話す。
「へぇー……。俺の因縁は二十うん年後あたりで世界が滅ぶっぽいから、なんとしてもそれを阻止しねーとってとこだな」 「俺の運命の規模を軽々と超えんじゃあねぇ」 「しょーがねーだろマジなんだから」
 だが伝人のそれは、想像以上に頭の痛い話だった。俺のいない四日間に、こいつはこいつで色々あったんだろう。  直接狙われるようなことはないと言うが、放っておけば人類仲良くお陀仏たぁ洒落にならねェ。
「伝人の方は急ぎの話か?」 「んにゃ、最悪の最悪、滅ぶ直前までに原因の息の根を止めればなんとかなるハズだ。結局そうなる予感しかしてねーけど」 「やれやれだぜ……。てめーはいつも、どっからそんなややこしい話を見つけてくんだ?」 「いやー……なんか、成り行きでそうなる」
 ただの善人気取りなら俺も止めた。  そうならなかったのは、こいつが貰うもんをきっちり貰い、一種の商売としてやっている節があるせいだ。正真正銘、自分のためにやってやがる。
「そういや承太郎」 「あん?」 「お前、花京院になんかもらってなかったか?」 「そうだったな」
 ポケットの中にしまいこんだままのハンカチを取り出す。  ……漢字を間違えていたので、丁寧に破いてゴミ箱へ捨てた。こんな時だってのにまるで危機感がねぇ。
 じじいを探し、途中おふくろとも下らないやりとりをして茶室へと向かった。  茶室で花京院を見せると、頭に植わってる肉の芽の説明だとか、DIOとやらは今まで相手してきたチンピラどもとは別格だとかいう話をされた。それを聞きながら、俺は自分のスタンドがうずくのを感じていた。できる、そう言っている気がした。
「……でなければわたしも、この少年のように『肉の芽』で仲間に引き込まれていただろう。『スタンド』をやつのために使わされていたろう」 「そしてこの少年のように数年で脳を食い尽くされ死んでいたろうな」 「死んでいた? ちょいと待ちな。この花京院はまだ、死んじゃあいねーぜ」
 スタンドの手で肉の芽を引っ掴む。体内に侵入するというのは聞いていなかったが、気力で無事に引き抜く。そのあとじじいの波紋で灰と化した。  伝人を見ると、柱に背を預けて何かを考え込んでいる。
「な……? なぜお前は自分の命の危険を冒してまで私を助けた……?」 「さあな……そこんとこだが、俺にもようわからん」 「……アッ!?」 「!?」
 呆然とする花京院を置いて部屋を出ようとしたところで、急に叫んだ。  何事かと振り返ると、きょろきょろと辺りを見回したかと思えば、まだ頭に���が開いてるってのにかなり慌てた様子で掴みかかってきた。
「ちょっと待て助けてくれたのは感謝する!! それでっサユリはどこだッ!?」 「サユリ?」
 サユリというのは医務室で話しかけていた『サユ』で間違いないんだろうが、まさかあの時すでに一緒にいたとでもいうのか。
「ち、違う、眼鏡だッ! 眼鏡はどうした!? まさか置いてきたのか!?」 「……これか?」 「サユリ! ……よ、良かった……」
 伝人が苦笑いしながら袖から取り出したのは、黒い眼鏡。拾っておいたのか今取り寄せたのかは分からんが、考え事はその眼鏡についてだったらしい。  花京院はそれが生きているかのように受け取り、眼鏡を庇うようにそのまま倒れる。
「おい、花京院……?」 「……」 「へんじがない、ただのしかばねのようだ」 「マジに気を失ってるぜ」
 無理もねぇ。  花京院は布団で寝かせておいた。
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----伝人(六窓)視点----
 でかいテレビのある部屋で、ソファに座りながら暖かいホットミルクを啜る。斜め向かいに座るのがもうちょっと気を抜いていい相手なら、最高だったが……。
「孫がスタンドを扱えずに苦労してると大急ぎで駆けつけたというのに、まさか牢屋でマンガを読んでいるとは思わんかったわい」 「あれ? 承太郎から聞いた話じゃあ、スタンド? が上手く扱えなくて牢屋に入ったって聞いたんすけど」 「……承太郎なら、ベッドの上でビール飲みながらマンガ読んで不貞クサれておったぞ。標識がなんとかと言ったきり、詳しくは何も言わんかったが」
 その日の晩、俺はジョースターさんに捕まっていた。  俺が超能力者(ガチ)であることはなんとなく前から知っていただろうから、ぶっちゃけ全く疑わないことはできねーだろう。承太郎と仲良くやってた信頼もあるが、それと同時に、色々と引っ張りまわして危ない橋を渡らせてもいる。100%信じてもらうには、ジョースターさん自身との信頼を詰まなければならない。
「標識……?」
 俺に心当たりは全くない。  実は二周目でDIO戦でも思い出したか?
「警察に聞いた話じゃあ、なんでも走行中の車に道路標識を槍投げのように刺して揉め事になったらしい。詳しくは分からんが、あのスタンドを扱えなかったことが原因なのは事実じゃろう」 「道路標識を投げた……? ……?」
 つまりどういうことなのかは良く分からないが、まぁ、それは追々聞いてみれば良いか。
「それはそれとして、いくつかお前さんに聞きたいことがあるんじゃが……」
 質問タイム、知ってた。  俺はこのナリでも、ひとたび口を開けば人に無条件で信用してもらえるような純粋さも可愛らしさもゼロだし、『小悪魔』が余りにも定着している。いきなり転生の話をしたところでそこまで信じてもらえる気はしない。希望はほぼ見えない。
「お前さんのスタンド、超能力なんじゃが……いつ頃から使えるようになった? 生まれつきか?」 「いえ、俺のは小学生の頃です。ある日高熱が、いや、川で遊んでいたら何かで腕を切って、その晩から三日間、熱を出して寝込みました。それからっすね」 「腕を切った……?」 「はい。で、その時見た夢の中では、鏡のようなものが浮かんで見えるんすよ。始めは意味が分からないし怖かったんですが、その板状のものが、鏡なんかでないこと、自分の中にある像、ヴィジョンであることが分かってきて、なんで分かるって言われても分かるからとしか言えませんが、これは自分だって自信を持ったら、すっかり熱は引いて、自分のものになりました」
 因みにその『矢』の欠片は、ちゃんと回収してある。  変に放置して余計面倒なことにするのは不味いし、かといって持ち運ぶのも余りにリスクが高い。だから結局、家の地下に俺だけの秘密倉庫を作り、そこにいつもの武器と一緒にしまっておくことにした。
「生まれつきでなく、後から……? DIOのスタンドも、眠りから目覚めたからではなく、そういう、外部的なことの可能性もあるな……」
 ジョースターさんはひげを触りながら推察しだした。案外早く『矢』の秘密に気が付きそうだな。やれやれ勘が良くて困るぜってか。隠すのも変だから話したが、これが後々変に響かないことを祈るしかねぇ。
「ん?」
 その時、遠くからチャリンコで急ブレーキをかけたような音がした。  空条邸の前で急ブレーキとなると、俺はちょっと嫌な予感がした。
「なんの音じゃ?」
 直後にガッシャァアという派手な音が続く。大胆に乗り捨てたらしい。いよいよ嫌な予感がした。もちろんスクエアを出して身構えた。
「すいまっせェん!! 花京院典明がいるのはこちらでお間違いないですよね!?」 「女……?」 「例のサユリ……ですかね」 「じゃろうな」
 花京院の名を唱えた大声は、女のものだった。花京院を探す女といえば、現時点で一人しか思い浮かばなない。彼女が敵か味方はともかく、広い屋敷だ。迷うだろうと思って声のした門へ向かった。が、何故か付いてみるとそこには誰もおらず。軽く塗装が擦り向けてこそいるが、壊れてまではいない自転車が転がっているだけだった。
「い、いねぇッ!?」 「花京院の方じゃ!」 「先に行ってますよ!」
 ジョースターさんを置き去りに、スクエアをスケボーのようにして上に乗かった。コッチのほうが速い。いきなり部屋に登場したって良いが、知らないスタンド使いをあんまり驚かせて即死攻撃は絶対に嫌だ。
「あっずるいぞ伝人!」
 数秒後に花京院の寝ている部屋へ着くと、縁側に黒いバスケットシューズが脱ぎ捨てられ、部屋の敷居から一本の黒い縄のようなものがはみ出しているのが見えた。  そこから聞こえる声は感極まって何を言っているのかも良く分からなかった。めちゃくちゃ入りにくかったが、意を決して部屋を覗き込む。
「典明助かったァアアアアアアアアアぴんぴんしてるぅううううう!!!!! 異常なし!! 奇跡かっ!!!!!!! うわぁあああああああああ柿ピー無事だァアアアァアアアアアアアア!!!!!!!!」 「あっ……、ど、どうも」 「ああ……。そいつがサユリで良いんだな?」 「ハァイ! 私が『カザミサユリ』にございますけど!? テメェよくも塩水ジェット噴射してくれたなァ!? 典明べったべただぞゴルァ!!」
 勢い良く立ち上がり振り返ったのは、俺が拾ったあの眼鏡をかけ、花京院を背に此方を睨みつけてくるセーラー女子。  スカート丈はヒザががっつり出るくらいと今の時代にしてはかなり短いが、下に小豆色のジャージを履いている。そして相対した今、部屋からはみ出していた黒い縄が、縄なんかじゃあなく、ヒザ下まである長い三つ編みだと分かった。テンションについて行けず目線をずらすと、布団の傍に皮製の背負い鞄が置かれている。サユリのものらしい。
「……ですが」
 俺が思い切り見上げるほどの身長。170cmはありそうだ。  サユリは攻撃してくるかと思いきや、急に声のトーンを落とし、少しわざとらしく眼鏡をかけ直して、こう言った。
「典明が危うく罪なき市民に対し傷害罪を犯すところを防いで頂いたことには、感謝します」 「んー、まぁ。止めたい、そう思った時、既に行動は終わってるっていうか……」 「そうですか……。ところで先ほどから随分回りを気にしているようですけれど、何を気にされているんですか?」 「何って……」
 俺はそんなに分かりやすく動いていただろうか。  サユリは相手の動きを見切ったり、追跡したりするスタンドが使えるのかもしれない。サポート特化タイプか? にしては、こう、本体がでかいな……。
「伝人……騒がしいぜ」 「なんじゃ、敵ではなかったようだのォ」 「花京院の言っていた『サユリ』というものが、こちらに来ているのか……?」
 星屑十字軍、全員集合。  開けっ放しは流石に寒い。取り合えず部屋に入り、アヴドゥルさんが戸を閉めた。花京院は布団を畳み、サユリと隣り合って座り直す。そしてやはり、俺のせいであるベタつきを気にしている動作が見えた。すまねぇ。  二人と向き合う四人という構図で、適当に落ち着く。
「さて、私はカザミサユリと申します。風を見るに、小さな百合と書きます。典明とは十年前、小学校へ入ったばかりの頃、お互いの特別な相棒が見えるという縁(えにし)により親友と相成りました」 「ご丁寧にどうも」 「じじいッアホらしいぜ」
 サユリはぺこりと正座から綺麗なお辞儀をして見せるが、花京院の目はサユリに冷たい。そして承太郎の目もジョースターさんに冷たい。  何も分かりきった猫かぶりに真面目に対応することはあるまい。
「そして私の能力ですが……」
 俺はサユリはサポート型だと推測していたが、彼女のスタンド能力、恐ろしさは、すぐに彼女自身によって証明された。
「空条承太郎、ジョセフ・ジョースター。お二人とも身長195cmとは、やはり大きいですね」 「……!?」
 唐突に、『知っていなければ分からない』ようなプロフィールを述べ始めるサユリ。
「ジョセフさん、貴方のスタンドは中距離直接攻撃型、固有能力は探索系。能力が目覚めたのは最近、ということは、能力には伸び代があるかもしれませんね。と、承太郎さんのは、近距離パワー型。パワーに加え、精密動作特化。それと、お2人は首筋に星型の痣、ジョースター家の証をお持ちですね。ああ、それとスタンドの名前を教えていただければ、ステータスをアルファベットで表すこともできますが、まだ名前はありませんか?」 「なッなんじゃと!?」
 メモかカンペでも見ているように語る。空中の何もないところをゆらゆらと彷徨う視線は、操られているのではないかと思わせるが、隣でそれを見る花京院は平然としている。
「加えてモハメドさん、貴方は特殊能力の欄に『マジシャンズレッド』の他、『占い』も見えます。占星術師ですね。本物の占い師ということが私の中で証明されました。お店はハンハリーリで宜しいですね?」 「そこまで分かるとは……!」 「おい……スタンドってのはマジになんでもありかよじじい」 「う、むむ……。スタンドについては未知の部分が多すぎる。何せ世間には全く知られておらんし、研究もほとんどされていない……。あり得ないとは言えんのだ」
 まだ、俺はこの時点では信じきっていなかった。何故なら、『知っていなければ分からない』プロフィールということは、『知っていれば分かる』ということ。しかしその考えはすぐに打ち破られることとなる。
「そして曲木伝人さん」 「ああ」
 他の奴らに比べて、僅かにもったいぶる。名前もフルネームだ。  言われなければ分からないような微妙な間だが、俺にはこの間が『見せてやる』というようにしか感じられなかった。
「貴方の『スクエア』は射程距離C、すなわち10数mせいぜいですが、能力が時空間干渉タイプであるため、射程距離は実質A。そして発動したのは10歳の時。始めは1セットであった窓も、今では3セットと見せていただきました」 「はァ!? 発動時期まで、成長過程まで分かるってかッ!?」 「嬉しそうだねサユ……」
 ドヤ顔を決めるサユリの横で、花京院が呆れた顔をしていた。  しかしそのほかのジョースター一行は大分それどころではない。見ただけで個人情報が筒抜けなど、恐ろしすぎる。みんなかなり動揺していた。俺も怖いくらいだ。特に射程距離なんて、3セットフルに手元に出してしまうと一直線に並べた最大の大きさ、つまり12mが限界なのだが、そんな話は承太郎にもしていない。
「まぁ、貴方は随分と私の前で名前を叫んでくれましたし、『私に直接触れて』も頂いたので、結構見えるようになってます、よ」 「直接…………ハッ!?」 「となると、サユリ、テメーのスタンドは……!!」 「そう! 典明が必死で守り抜いてくれた、この眼鏡ですよ!!」
 右手を左の肘に、左手を眼鏡の淵に。ズアッと逆の腕の位置で、眼鏡をズイッと持ち上げる。  そんなべらぼうにチートなスタンドがあってたまるか。  いや、花京院が置いてきたのかと掴みかかったりするくらいだ、自分で移動できないのかもしれない。それどころか……もしかすると。
「私の眼鏡はアン・ノウンといいます。能力は先ほど述べた通り。名前と姿があれば、大抵のことは知ることができます。しかし物理的にはかなりただの眼鏡です。スタンドなので象が踏んでも踏めないので壊れず、一般人には見えませんが、人型スタンドがちょっと力を込めて握れば、それだけで私はもれなく死にます。そういうスタンドです」 「ひ、貧弱すぎるのでは……?」
 アヴドゥルさんが思わず呟いた。……やはりそうきたか。  例えば似たように相手のプロフィールを知る能力ならヘブンズ・ドアーやホワイトスネイクがある。  しかしその二つはかなり近くまで寄らなければ能力は使えないのに対し、このアン・ノウンというスタンドは、『名前を知る』ことさえ満たせればあとは『見るだけ』で良い。『知識持ち』ならこの上なく有利な能力。更に『一度でも触れる』ことができればもう何でも見放題。ただし、ステータスが余りにも特殊能力に極振りだ。
「……おかしな話だぜ。するってーと、なぜそんな貧弱なスタンドを花京院に預けていた? いつからだ?」 「……持って行ってもらうべきだと判断したからです。……典明、話していい?」 「いや、僕から話す」 「……!」
 お前、花京院に話したのか? 思わず声に出そうになった。一体何の話なのかは大体予想がつく。つくだけに、マジかと思った。  花京院はびしっと座り直すと、真剣な顔で口を開いた。
「……サユリと私は、10年の腐れ縁。それ故に、彼女は私の簡単な運命が見える。そして……私は1年以内にDIOによって殺される運命にある!」 「しっ死ぬッ!? 肉の芽は抜いたぞ!? 何故きみが死ななければならない!!」 「そこまでは……分かりません。だが、逃げていては絶対に駄目だと思った。だから、あえて運命の地、エジプトカイロへの家族旅行を止めなかったし、小百合について来てもらったというわけだ」 「……」 「……」
 その時、サユリと目が合い、薄く微笑まれる。  ネコを被っているようだが、『余計なことは話すんじゃねーぞ』とでも言いたげだった。
「エジプト、カイロ……?」 「じじい、写真はあるか」 「写真?」
 9時間かそこらほどイベントが早まり、承太郎とジョースターさんのスタンド名が決まった。というわけで今夜は解散となったが、俺はサユリに用があるので花京院となんとか離れて欲しい。しかしその希望は、サユリ自身のほうから叶えられた。
「こうして勢いでここまで来てしまいましたが、私はどこへ寝たら宜しいでしょうか?」 「意外だな……サユのことだから一緒に寝るとか言い出すと思ったけど」 「まだ回復しきってない柿ピーと一緒に寝るとかのたまうほど無神経ではないわ。あと1回頭の穴に気をつけつつシャワー浴びて来い。塩落とせ塩」 「ああ、まぁ……。そうだね。浴室を貸してもらえるか?」 「……その『見ました? これがサユリですよ』って顔止めろ柿ピー」 「仲良いなお前ら」
 花京院にこれほど信頼できる友がいるというのは既に救われた気になるが、彼女が『運命を見た』通り、まだ死亡フラグは折れていない。  ついでに言うと、あと1人と1匹の死亡フラグも、折れていない。
「……あー、客間で良いだろ。伝人、2人は任せるぜ」 「俺が案内するのかよ、俺も客人なんだけど」 「テメーはいつも当然のよーに飯食って、自分で持って来た菓子まで食って、挙句布団なんかいらねーとか言ってテレビ前のソファで寝てるじゃねーか。偶には役に立て」 「ウィッス、言うとおりっス、やらせていただきます」 「仲良いですねお2人共」
 そんな感じで承太郎とぐだぐだと分かれた後、先に花京院を風呂へ案内し、客間へサユリを連れて歩き出す。
「……んで、やっと2人っきりだな」 「ええ」
 一瞬の無言、百年の因縁とは全く無関係、とは言い切れない、奇妙な縁がここにある。
「お互い、守りたい相棒がいるのは分かりきってますから、今更動機の話は良いですよね?」 「ああ、すっ飛ばして構わねーよ」 「承知しました。貴方の背景は大方『見えて』いるので、少し私のことをお話します。私も、生まれつきであることを除けばほとんど貴方と同じです。歳は典明と同学年。伝人さんが前回どこまで生きたのか分かりませんが、私の方が後輩ですね。それと、戦闘面において見えないところを補足するならば、私のことを侮っていると格ゲー女子の様な足で相手の股間を蹴り潰します」 「結構鍛えてんだな」 「ええ、10年前からですから、当然です」
 この時代、夜は結構静かだ。そこまで騒がしい施設も近所にないし、空条邸は広く、塀もあるため尚更だ。  後ろ斜め上から聞こえる声に、振り返らずに応じる。
「ここからは簡単に、黄色いヤツのところへ行った結果をお伝えしますが、宜しいですか?」 「良いけど、黄色いヤツって」 「黄色いヤツです。……話を進めますが、向こうサイドに間違いなく『私達と同じ』『奇妙な冒険』を知るものがいました」 「ああ?」 「メタメタしい、私達には良く分かる台詞を使っていました。そして完全に黄色いヤツの味方です。残酷なことを好む性格なようで、3部悪の能力について悪い応用を憂い憂いと語っていましたね……」 「……マジか。ソイツはもしかして、勝った、第3部、完。その後が見たいタイプか?」 「動機については恐らく、としか言えませんが。それと、彼女はペレータと名乗っていましたが偽名でした。黄色いのにすらそう呼ばれているのに、詳しいプロフィールは見えませんでしたから。……筋書き通りだと侮っていては、やられるでしょうね」
 思わず舌打ちした。嫌に響いた。  客間はもうすぐだった。
「ただ、貴方も『鍛えてはおいた』のでしょう?」 「既に成立しているフラグを折るために鍛えた訳だ。それを超えて向こうもパワーアップしてもらっちゃあ困る」 「それでも負けるつもりは毛頭ありません。典明は、誰にも見えない友達を、唯一見つけてくれたのですから」 「俺も承太郎には、大分『自称正義の味方ごっこ』につき合わせちまったからな……。俺だって最後まで付き合ってやらにゃあ気分悪いわ」
 目の前に迫った障子を開けてやった。  サユリは背負っていた鞄を手に持ち直し、数歩先へ進んだかと、振り返って口を開いた。
「ところで」 「ん?」 「私のプロフィール、最終機密をお見せしましょう。ちょっとかけて見てください」 「最終機密?」 「少し部屋に入ってください。直ぐ終わりますから」
 障子を閉めてひょいと眼鏡を外したかと思うと、俺にかけ直した。  サイズが若干大きかったが、すぐに丁度良くなる。スタンドはサイズを変えられるというし、俺のも良く考えたらそうだが、こんなにあっさりと。
「おっ……!? 何だこの視界すげぇ……そして、そして!! こ、この、キチガイスマイルで、四つんばいで這い寄るアスキーアートは!!」 「掛け算、それは魂に刻まれし宿命」 「……Oh、腐ってやがる、早すぎたんだ……」
 なんていうか、アン・ノウンで見る世界は凄かった。  サユリの意識が細い白い糸のようになってわしゃわしゃ見えたし、半透明の文字で「風見小百合(カザミ サユリ)」という表示が頭の上に。さらに体の横には年齢性別、数種の格闘技、特殊能力アン・ノウン、など、プロフィールがずらっと並んでいた。そしてそこに、四つんばいで這い寄るあのアスキートもあった。
「最終機密はそれだけど、会話ログもあるからそっち覗いてみて。便利だから」 「いや、最終機密軽く流し過ぎじゃね……? ……まぁ、流してやるけど。ログはどうやって行くんだ?」 「ああ、……アクセス権開けますね」 「今ちょっと花京院に接するノリだったか?」 「それはだって、典明以外に私の眼鏡を使える人なんていなかったものですから」
 音は聞こえなかったが、錠前のアイコンが目の前に出てきて、それが独りでに開いた。  次に出てきたのはパソコンでよく見るウィンドウ。中央に入力できそうな横長の四角がある。まるで俺のスクエアだった。
「ではアカウント名を決めてください」 「アカウント」 「パソコンとゲームが基礎になっている能力ですので。……今のアン・ノウンは大分機能解禁、拡張してあるんです。10年がかりで育てました」 「あー……。なら、英語で『Square』で」 「畏まりました。次にパスワードを入力してください。貴方なら脳内でキーボードを想像すれば直接打てると思います」 「分かった」
 パスワードを打ったあと、エンターを押すイメージ。  みごとに*マークが並び、画面が溶けるように消えた。
「やはり才能ありますね」 「スタンドも窓だからな」
 そのあと会話ログを見せてもらい、なるほど前のやり取りが遡れるのは便利だと分かったし、アン・ノウンを借りていれば小百合に視覚共有できる上、会話ログの窓を小さくして表示を小百合だけにすれば、離れていても小百合とのやりとりができる。花京院の『サユッ』の秘密はここにあったのだ。が、俺はここで気づいてしまった。
「……なぁ」 「はい?」 「俺のスクエア……ネットができるんだ」 「ええ……見せてもらいましたが……?」 「それは『行ったことがある』に該当するからだってのも見たか?」 「見まし…………あっ」
 小百合も気づいたようだった。  そう、ここでようやく、全ては繋がる訳だ。
「で、俺、さっきお前に聞いたよな? 『どうやって行くんだ?』って」 「聞かれましたね」 「俺は今から、スクエアをアン・ノウン、会話ログへ繋げるぞ」 「私は今から、ID『Square』との重複ログイン状態をロックし、外部アクセス機能を作成します」
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152 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square 長くなったけど、そんな感じ。 以上。第3部冒頭の回想、完。
153 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- ……回想、完じゃねーよ……
154 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- もっとざっくりでも良かったんやでwwwww
155 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- わりと静かにしててほぼ一人でこの進みwwwwww
156 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- IDってそういう
157 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known いや寝てないんですかwwwwwww 六窓先輩何してるんですかwwwwwwwwwww うけるwwwwwwwww灰塔戦どうする気ですかwwwwwww
158 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- 話なげーなと思いながら誰も止めないwwww
159 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square だって会話ログとってあるんだから詳しく書けるだろ? 書いてたら長くなっただろ? みたいな? ってサユ来ちゃったとか今何時だ?
160 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known >>159 ウォッチ☆ お外は明るいですよ☆
161 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>157
162 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>157 まじか、二人目の過去からの刺客かよ
163 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square >>160 もしかして:朝
164 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- >>160 もしかして:朝
165 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known もしかしなくても:朝
166 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- くっそwwwwwwwww
167 :名無しの目覚め:XXXX/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:-------- お前らwwwwww
168 :六窓:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:Square じゃあこうしよう! お前にスクエアで俺の手首預けるから、柱の(ような)男の所まで着いたらモーニングコールして!!
169 :サユ:1988/XX/XX(X) XX:X:XX.XX ID:an known 灰塔戦は六窓先輩の能力がないと乗客の安全が厳しいので駄目です。 大事ことなので二回言いますが、駄目です。
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tsi-curation · 6 years
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        【 Style / 15 】
レトロなのにトレンドライクな配色コーデ
オレンジ、ブルー、グリーン、ギンガムと、トレンドをぎゅっと凝縮させたカラーonカラーコーデ。どれもレトロに振れるトーンなので、目移りせずに統一感も感じられます。春の定番、トレンチコートも襟抜きをしてフロントで結ぶだけでラフな印象が加わり、ぐっと今季らしく。
  Coordinate item
テックツイルトレンチコート
¥18,000(税抜)
  デザインネックリブニット
¥7,200(税抜)
  ギンガムチェックパンツ
¥9,000(税抜)
        【 Style / 16 】
アイテムのもつイメージを、裏切ってみる
子どもっぽく見えてしまいがちなプルオーバー×サスペンダー付きスカートのスタイルも、落ち感の綺麗な、ほどよく艶のある素材で大人顔に。さらに、ウェアをカラーレスにまとめた日は、シューズやバッグなど小物に色を効かせるだけで、こなれた印象が手に入ります
  Coordinate item
サスペンダー付マキシスカート
¥9,000(税抜)
  スウェットプルオーバー
¥6,600(税抜)
  カラーミュール
¥8,600(税抜)
        【 Style / 17 】
甘さと、色気と、
Vネックカーディガンのボタンを留めてプルオーバー風に。ラフに肩を落としてインナーを見せるスタイリングが今っぽく、春らしいペールカラーも甘くなりすぎずに着こなせそう。小物もシュガーレスなものを選ぶと、よりバランス感覚が上がります。
  Coordinate item
アゼショートVネックカーディガン
¥7,600(税抜)
  ガーデンツイルワイドパンツ
¥9,500(税抜)
  レースキャミソール
¥2,900(税抜)
        【 Style / 18 】
定番を進化させるレイヤードテク
落ち感のあるトレンチコートは、まくった袖からブラウスのフレアスリーブを見せることで、定番スタイルから脱却。ボトムにはヴィヴィッドなイエローをチョイスし、トレンド感も忘れません。フロントスリットの女っぽさもアーバンなニュアンスを引き出す魅力に。
  Coordinate item
テンセルナイロントレンチコート
¥18,000(税抜)
  ブライトブロードブラウス
¥6,200(税抜)
  フロントスリットスカート
¥8,500(税抜)
        【 Style / 19 】
色数をあえて引き算
白ベースのストライプ柄とろみブラウスとホワイトワイドパンツのワントーンコーデに、鮮やかなパープルブルーのカーディガンを重ねて今季らしさを演出。小物にもその配色をリンクさせると、色のパワーがより際立ち、オフィススタイルも差がつけられます。
  Coordinate item
ミラノリブトッパーカーディガン
¥8,800(税抜)
  タックプリーツブラウス ストライプ
¥6,900(税抜)
  イージーケアワイドガウチョ
¥9,500(税抜)
        【 Style / 20 】
キャッチーなアイテムはあえてシックに
アイキャッチになるペプラムトップスと小紋柄パンツは、色合いをそろえて統一感を。主役アイテムを二つ重ねてもシックなカラーを選べばすっきり大人っぽく着られます。小物にはトレンドとシーズン要素を取り入れたクリア素材。ミーハーなアイテムを洗練させて見せるテクニックです。
  Coordinate item
ローンぺプラムブラウス
¥6,900(税抜)
  小紋プリントリラックスパンツ
¥8,400(税抜)
  カラーミュール
¥8,600(税抜)
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ubiquitous-l · 7 years
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[Vol 1] Ch 6/6・Tentacle insects...seems rare in otome games。
6・触手虫姦苗床モノは乙女ゲームで稀少らしい。
6・Tentacle insects...seems rare in otome games。
(Re-translate title)
(T/N: Thank heavens. As ironic as this seems, I don’t like tentacles.)
「そんな変な虫、や、やだ、やめ…っ!――…ひっ……い、いやああああああああっ!?」
 男の手から放たれた淫蕩虫は、無数の足をザワザワさせながらスノーホワイトの柔肌に着地する。
 この蟲は自分がどこに行って何をすれば良いのか心得ているらしく、スノーホワイトの下腹を降りるとまっすぐに彼女の割れ目へ向かった。
 彼女の女陰は男の手と麻縄により開かれ、まだ未成熟な色をした性器は完全に露出している。
 弾力のある小丘のはざまの上にある、プックリと膨らんだ肉芽に到着した淫蕩虫は、彼女のまだ幼さの残る性器の感触を確かめる様ににゅるにゅると足を伸ばした。
「きゃああああ!?」
 淫蕩虫はスノーホワイトの肉のしこりの上にぴったりと貼り付くと、その怪しい触手で彼女の一番弱い部分をくにくにと揉みほぐして行く。
にゅっ、
「っん……く、ぅ…っ!」
 次に淫蕩虫は妙に団結力のあるその黄色い触手達で、スノーホワイトの疼きたつ尖頭を包む苞を押し上げる。――…そしてつい先日まで剥いた事もなかった彼女の淫核に直に触れた。
「ひ……っん、い、やぁっ!――…ひ、あぁっ……!」
 筆の様なその足先からはまたしてもご都合主義な粘液がねっとりと滲出して来ている。
 まだ皮の剥かれる事に慣れていない敏感な花芽の上にその粘液をとろりと落とされ、塗りたくられ、くすぐられるともう駄目だった。
 流石はこの鬼畜宰相が拷問用に使う物だと言っただけはある。
―――淫蕩虫いんとうむしの効果は凄まじい物だった。
「ッいや、だめ、だめ…です! ヘンに、なる、こわい、こわい……のっ!」
 これを陰核に貼り付けられてから、もう正気を保つ事が難しい状態になってきている。
―――このままじゃ、快よすぎて気が狂う……!!
 精神崩壊を起こしそうな激しい快楽の渦に、今だかつてない危機感が襲う。
「おねが、っい、――とって!これ、とって、くださ……っ!」
 涙ながらに訴えるが、公式で鬼畜宰相と呼ばれているだけあってこの男は本当に鬼畜だった。
 サディステックな笑みを口元に浮かべながら意地の悪い口調で彼は言う。
「取って欲しいのなら、もっと可愛らしくおねだりでもしてみたらどうですか?」
「っなに、い、って……?」
 男は淫蕩虫を取るどころか花芯に押し付ける様に淫蕩虫の上から縄をかぶせる。
 そして麻縄をまた秘裂にぐいっと食い込ませた。
「っぅ、く、あ…っ!」
「もっとしっかりと縛っておきましょうね」
(こいつ……!!)
―――この男、さっきよりも深く麻縄を割れ目に食い込ませやがった……!!
 縄から腕を離された瞬間、蟲が更に深く花芯に押し付けられ、信じられない程の快楽に声ならない悲鳴があがる。
「っぅあ!あっあ、や……んっ!い、やぁっ、ひ、っん」
「良い声で鳴きますねえ、このカナリアは」
 実はスノーホワイトは自慰の経験はない。性の知識もなかった。
 男だった頃の記憶が戻った今となっては「何て惜しい事をしていたのだろう」と思うのだが、俺はスノーホワイトとして生きて来た18年間自慰をした事がない。
 しかし流石に男時代の前世は自慰の経験はある。自慰の経験こそあれど、今の様に涙が止まらなくて、気が狂う様な気持ち良い快楽なんて味わった事はなかった。
「おねが…いっです、おねがい、とって、とってくださ……っい!!つらい、ん……です!!」
「そうですかそうですか、それは良かったですねぇ」
 涙をポロポロ零しながら必死に訴えるが、鬼畜宰相は心から楽しそうに嗤うだけだ。
「そろそろ本当の事を言いたくなってきましたか?野菜を盗んだ泥棒のは貴女でしょう?」
「ちがい、ます……ちがうっん、です……!!」
「強情な娘だ、これは困りましたね」
 やれやれと肩を竦めるイルミナートに俺が感じたのは殺意だけだった。
 いったいこんな男のどこが良いと言うのだろうか。
 前世の姉の男の趣味が分からない。全く分からない。
―――その時、
にゅるっ
 割れ目の中に突如侵入してきた何かに、スノーホワイトの声帯が震える。
「な……に…?」
「おや、どうやら淫蕩虫が成虫に進化した様ですね」
「え…?」
 なにそれこわい。
 つーか進化とか俺、姉ちゃんに聞いてない。
「雄の淫蕩虫は、哺乳類の雌の体液を吸えば吸うほど程進化するのです。中でも一番進化が早いのが、――人間の女性の愛液です」
「な……、そん、な、」 
「人間の女の愛液を吸収すると、ほら、この通り。人間の男の性器と同じ形に触手の形を変えて行く」
「うそ、……なに…これ…っ!?」
 どんどん太く、長くなって行き、人間の男根の様な形になった淫蕩虫の触手が数本、麻縄の中から勢い良く飛び出した。
 先端が男根型の太い触手に続いて、細長い触手達も荒縄の中から次から次へと飛び出してくる。
にゅる、
じゅぼじゅぼ……にゅぷ…、
 どんどん伸びていくその触手達はスノーホワイトの裸体を這い、胸元に、口元へといやらしい動きをして蠢きだす。
「気持ち良いでしょう?その触手」
「やだ、たすけてぇ、とってぇ……っっ!!」
 スノーホワイトの蜜壷の中に既に侵入している触手は、縄の下で既にズボズボと激しい動きを見せている。
 触手が抽挿を繰り返す度、秘所に食い込んだ麻縄を浮かせた。
 ちなみにこの最中も花芯への刺激はずっと続いている。
 この男の言う通りこの蟲は女の愛液が大好きなのだろう。
 淫蕩虫の触手はスノーホワイトの蜜をもっと搾り出そうとする様に、この体の官能を煽る様な動きで膣内なかでも外でもせわしなく動いている。
「しかしこれではお仕置きになりませんねぇ」
「おねがい、なんでも、するから、これ、……とってくださ、っい…!」
「そうですか。……なら、私に奉仕しなさい」
 イルミナートはその薄い下唇を舐めて嗤うと、ベルトを外し、ズボンの前をはだけさせた。
 既に猛りたっている男の剛直に目が眩む。
 流石は外人さんと言うべきか。――アミール王子もそれはそれはご立派な物をお持ちだったがこちらの男も負けていない。嫌になるくらいに大層な物をお持ちであった。
 こいつらのちんぽがやたらとでかいのは彼等が黄色人種ではないからなのだろうか?それともこの世界の成人男性の物ブツのサイズは、平均的にこのくらいなのだろうか?それともこれが乙女ゲームのヒーロー補正と言う物なのだろうか?俺には分からない。
 分かる訳もないのだが、……「もしかして、俺の前世のちんぽって小さかったのかな…?」となんだか少し泣きたくなって来ている俺がいる。
 男は縄を緩めると、スノーホワイトの顔が自分の陰部に届く位置まで持ってきた。
「奉仕の仕方は判りますか?」
 涙ながらに首を横に振ると、男はスノーホワイトの後ろ頭を掴んで自身の股間に押し付けた。
 瞬間、口の中に飛び込んできた、随分と懐かしいあの男くさいニオイに思わず咳き込みそうになる。
「そう、唾液をたくさん絡ませて、……そうです。唇と舌をつかって、丁寧に舐めなさい。歯は絶対に立ててはいけませんよ」
「うっ……ぅ、っん」
―――まさか男のちんぽを舐める日が来るとは……。
 頭の片隅でぼんやりとそんな事を考えた。
 しかし今の俺はそれどころではなかった。
 信じられない事に――…男の先端から零れる、少しだけしょっぱい、粘着性のある体液カウパーの味にスノーホワイトは恍惚状態に陥っていた。
 男の陰茎独特の匂いも、味も、男の荒々しい腰の動きも、息使いも。その全てがスノーホワイトの体を高まらせていく。
 これは淫蕩虫のせいだろうか?
 男の物に対して嫌悪感や抵抗感は全くなかった。
 むしろこの男の弓なりに怒気をみなぎらせた肉棒が愛おしいとさえ思う。――さっきから疼いて疼いてどうしようもない所に、早くコレをブッ込んで欲しい。
「そうそうその調子です、上手いですよ。こんなに口淫が上手いなんて、貴女は商売女の素質があるかもしれませんねぇ」
 そんな男の酷い言い草も、嘲笑も、今は耳を擽る愛撫でしかなかった。
(違う、俺は男だから! 男だったから男のイイ部分を知っているだけで……っ!)
 そんな心の声を男のカウパーと共に飲み込みながら、俺は必死で舌を動かした。
 手はまだ背中で縛られている状態だ。
 宙吊りにされたまま、口だけでする口淫フェラはとても億劫だった。
(ホント……あたまがおかしくなりそうだ…。)
 頭を抑えながら腰を振られ、スノーホワイトの口をまるで淫具オナホの様に扱われ、――…それなのに。そんなむごたらしい、屈辱的な扱いにもこの体は感じてる。
 淫蕩虫の触手は今やもう、スノーホワイトの尿道とアナルにまで侵入していた。
(はやく…ちんぽほしい、はやく、ちんちん挿いれてほしい……。)
 俺は今、スノーホワイトの口が男のたくましい物で塞がれている事に心の底から感謝した。
 口が塞がれていなかったら、俺はこの心の声をそのまま漏らしていただろう。
―――もう、何が何だかさっぱり判らなかった。
 とりあえず目の前の男にフェラをしなければならない事だけは分かっていたので、スノーホワイトは必死に男に奉仕をし続けた。
 ぴちゃぴちゃと森の中に響く卑猥な水音が、なんだか少し現実離れしていた。
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edak0312 · 7 years
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いまさらながら2016年を振り返る
年が明けてもうすぐ1か月が経とうとしております。はやいなー。こわいなー。
随分と日にちが経ってしまいましたが、改めて昨年のことを振り返ってみました。
観戦した大会はこちら。大阪インディー系とNOAHと全日本(この年はまりました)と大日本を中心に、全部で32大会でした。結構行ったね。。
あまりブログをかけなかったので、この一年で特に印象深い試合だけでも軽くさらっておきたいなと思います。詳しい内容忘れちゃったのもあるけど(笑) テレビでみた試合なども含めますと収拾がつかなくなってしまうので、自分が生観戦したものの中で。それでもいっぱいありすぎて書ききれるかな!
石森太二vs拳王(NOAH 1.31@横浜文体)
色んな気持ちを覚えた横浜。石森選手の鮮やかなルチャ殺法と、拳王選手の殺伐としたファイトが非常にうまく組合わさっていて素晴らしい試合でした。この日はこの試合に救われました。
佐藤光留vs丸山敦(全日本 2.21@府立第2) 
試合時間は5分程度で短いものでしたが、非常に緊張感のある試合でした。こういう試合がもっと見たい。まだまだ見ていたかった。両者ともにつよくてかっこよかったです。
青木篤志vs佐藤光留(全日本 2.21@府立第2)
素晴らしいという他ない。緊張感でぴりぴりした試合でした。大好物。これがパートナー同士の試合っていうのがまた。本当にしびれた。ふたりとも本当にかっこよかった。ふたりとも大好き!
シェインヘイスト&マイキーニコルスvs潮崎豪&マイバッハ谷口(NOAH 3.6@大阪城サブアリーナ)
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私が見たTMDKのNOAHラストマッチ。久しぶりに見るTMDKはやっぱりダイナミックで明るくて。最後だと知ることなく、もう試合を見ることが叶わなくなってしまった選手が沢山いるなかで、TMDKはこういう形でこの試合を見られてよかったと思います。
岡林裕二vs忍(大日本 3.19@西区民センター)
試合を見る前は正直それほど注目していなかったカードなのでした。だって体格差すごいやん!でもいざ試合が始まってみるとまあ本当によい試合でした。心折れるんじゃないかと思う程にぼっこぼこにされても、諦めずに勝利を狙いに行く忍選手がかっこよかった。そして岡林選手が強かった。心に響く試合でした。
ビリーケン・キッドvsツバサ(プロレスリングアンサー 3.31@神戸サンボーホール)
両選手の並々ならぬ思いのつまったこの試合。場外へ何回飛ぶんだと思うほど、気持ちのつまった大技がいくつも見られました。試合後のマイクでももうやりたくないとか、またやろうとか、色々言ってらしたけど、決して簡単な気持ちではできない闘いなのだと思いました。でもまたこのふたりがやるなら見たいなあ。
ゼウスvs青木篤志(全日本 4.24@府立第2)
ジュニアの立場ながら、ごっついヘビー級であるゼウス選手からがっちり勝ちを狙いに行く青木選手に心を打たれました。なんというかこの当時は諏訪魔選手が欠場していたこともあってかな、青木選手が「全日本ジュニア」はもちろん、「全日本プロレス」という団体すらを背負おうとしているように見えました。体格差はあれど、たとえ青木選手が勝っても文句なしの試合でした。
ゼウスvs関本大介(全日本 4.24@府立第2)
興奮したお客さんたちの足踏みで会場が揺れる、そんな試合を見るのは随分と久しぶりな気がしました。この日の関本選手は気持ちの入りようがすごかったです。それにしてもゼウス選手と関本選手がぶつかり合う姿は圧巻。ふたりとも化け物やで。。試合後にゼウス選手が関本選手を肩車して持ち上げる姿もまた微笑ましくて良かったです。
宮原健斗&ジェイク・リーvs船木誠勝&野村直矢(全日本 5.15@府立第2)
なんだかすごく印象に残っているこの試合。この日はファン感謝祭でお祭り的なカードが多かったのですがその中でのメインイベントがこれでした。ジェイク選手と野村選手、若手ふたりの奮闘がとても良かった。全日本の未来は明るいなー!とおもいました。感動した。
杉浦貴vs潮崎豪(NOAH 5.28@府立第1)
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色んな複雑な気持ちのつまったこのカード。 杉浦選手が強かった。私でさえも潮崎選手を応援したくなってしまうような試合でした。 横浜で杉浦選手がGHCをとったとき、その取り方にベルトの価値が落ちてしまったと感じたけれど、杉浦さんはそれを戻した上で負けたと思います。この試合を会場で見られてよかったと思います。
めんたい☆キッドvs桜島なおき(九州プロレス 6.19@鹿児島市民文化ホール第二ホール )
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大阪時代から見てきた瀬戸口直貴がここまで来たんだなあと。あんなにおっきい会場でメインでタイトルに挑戦して。桜島なおきの生き様を映した試合のように見えました。凱旋試合ということもあり、会場からものすっごい声援を受けていてなんかもう感無量でした。本当にかっこよかった。そして超アウェイの中、しっかり桜島選手を受け止めた王者、めんたい選手もまた流石でした。九州プロレスは本当に素敵な団体なので沢山の人に見てほしい。私もまた見に行きたいです。
ビリーケン・キッドvs三原一晃(道頓堀プロレス 7.9@大阪沖縄会館)
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正直私、三原選手が勝つと思っていませんでした。でも試合見たら。。そら勝つよ。それくらいの試合でした。凄まじい試合でした。もちろんビリーさんは強かった。けどそんなビリーさんを応援したくなるほどに三原が強かった。本当に。三原はここまで来ているんだってこのときに気が付いた。彼は本っ当にいい選手になりました。元々いい選手だったけどですよ!
試合後のビリーさんのブログも感涙ものです。
http://ameblo.jp/billykenkid/entry-12179028843.html
レイパロマvs菅沼修(ダブプロレス 7.23@アゼリア大正)
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試合中に両者の間に友情が芽生えるという謎展開。これ、タイトルマッチですよね?!?でもこの2人の試合ならそれもアリかと思わせられる怖さ(笑)ダブプロレスはBGMをかけながら試合をするというちょっと変わった団体なのですが、この試合のそれはボサノバチックなオシャレなものであったこともまた秀逸(笑)
タダスケvs翔太(ビアガーデンプロレス 7.24@大阪沖縄会館)
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タダスケ選手のしつこいヘッドロックと翔太選手のしつこい腕攻めで組み立てられた試合。本当にふたりともしつこかった(笑)でも非常に見ごたえのある面白いものでした。私の中でタダスケ選手って華があってパワーがあって勢いのある選手っていう印象だったのですが、それに加えて上手さもあるんだなーと気づけた試合でした。
マグニチュード岸和田vs三原一晃(道頓堀プロレス 8.9@港区民センター)
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この写真じゃわかりにくいけど、三原選手が岸和田選手をすっごい冷静な表情で「どうしたオラ!」って言いながら蹴ってます。
マグニチュード岸和田相手にあそこまで凄味を出せる選手って、いま大阪にはいないんじゃないかなあ。三原選手が本当に強くて怖かった。もう「かずくん」ではなく「三原選手」なんやな。。と思いました。しかしその勢いを以ってしても勝てないマグニチュード岸和田っていうのは本当に強くてでかい存在なんですよね。2人からを凄味を感じました。
高山善廣&大森隆男vs諏訪魔&不動力也(ランズエンド×全日本プロレス 8.21@府立第2)
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ノーフィアーを自分の目で見られる日が来るなんてなあ。。もう私死んでもいいって思ったよ(笑)ノーフィアーの人気に対するジェラシーを露わにして暴れる諏訪魔選手も素敵でした。
ビリーケン・キッドvs政宗(プロレスリングアンサー 9.17@尼崎中小企業センター)
この日はビリー選手の立ち上げた団体、プロレスリングアンサーの1周年記念大会でした。そんな対戦相手を務めたのが政宗選手。ビリー選手と政宗選手の関係についてはあんまり知らなかったんやけども、なんというかふたりの歴史を感じさせるような、ふたりの思いの詰まったすばらしい試合でした。 思えば私は政宗選手のシングルマッチをほとんど見たことがなかったんですね。で、政宗選手のカッコよさを今更ながら知るという(笑)かっこいい!
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ビリー選手の得意技「ビリンコバスター」を下から蹴り上げて潰す政宗選手。けっこうえぐかった。
これまたビリーさんの試合後のブログがぐっと来ます。http://ameblo.jp/billykenkid/entry-12201015300.html
冨宅飛駈 vsヒロトウナイ(VKF 9.22@アゼリア大正)
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面白すぎた。目を離す隙が全くない。もっともっといつまでも見ていたいと思わせてくれる試合でした。
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試合後もすがすがしい表情のふたり。 2人ともいい顔していた。また見たいカードです。
ゴアvs三原一晃(VKF 9.22@アゼリア大正)
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マグニチュード岸和田さえを圧倒する勢いとパワーを持つ三原選手とがっちり真っ向にやり合うゴア選手ってやっぱり只者じゃない。結構体格差あるはずなのにまったくそれを感じさせない。でもそんなゴア選手に三原選手はなんと勝利!いやーほんと凄かった。ほんとすごいや。
https://twitter.com/kaijinhabuotoko/status/779105937692864512
これ、試合後HUBさん(HUBさんの別の姿がゴアです)がつぶやいたことなんですけど、あんだけ激しい攻撃を受けてこんなことが言えてしまうこの方はホンモノのプロレスラーだと思いました。常人では考えられない。
丸山敦vs織部克巳(9人シェア興行 9.25@世界館)
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ぴりっとした雰囲気がとても心地よかったです。スパーリングのような試合。織部選手は空手出身であり立ち技を得意とする選手ですが、そこで勝負するのではなく丸山選手の土壌に踏み込んでいこうという意志が見えました。また丸山選手もきれっきれで関節技も打撃技も鋭く研ぎ澄まされていました。丸山選手のストロングスタイル的なファイトはとても洗練されていて美しくてかっこいい。たまらんかったです。 丸山選手の刀はまだまださびていないなと感じました。丸山さんは強いんです!
冨宅飛駈vsツバサ(9人シェア興行 9.25@世界館)
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冨宅さんのサブミッションとツバサさんのルチャクラシカが絶妙に噛み合わない! 複雑な極め技がたくさん出てきて「どうなってるんや!」という声が会場がから飛んだり。なんだろうテンポなのかな。でもその噛み合わなさが面白い!噛み合わなくて面白いって思えるなんて面白い!プロレスの奥深さを感じました。
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ガッツポーズする冨宅さん最高でした。ツバサさんもかっこよかった。ふたりともほんまにかっこいいねん。
HUBvsツバサ(大阪プロレス10.16@淀川区民センター)
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カッコよすぎる挑戦者。
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HUB選手のシャープな足攻めとツバサ選手の鮮やかな腕攻めを中心にした気持ちのこもった素晴らしい試合。ツバサ選手の間接技はなぜあんなにねちっこいのに鮮やかなのでしょう。(鮮やかすぎてまともな写真がない。)試合後のマイクも非常によかった。とにかくすべてが完璧の試合でした。
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ツバサさんがベルト巻いてあげてます。私の中でこの年のベストバウトかもしれないです。
 アルティメットスパイダーjr.vsツバサ(スパイダー自主興行 11.19@アゼリア大正)
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ツバサさんのマスクが怖すぎます。でもこういうヴィランモチーフのマスクをつけてくるっていうのがまたかっこいいね。
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この大会は大阪のプロレスの良いところがぎゅっと詰まった大会ですっごく楽しかったです。またスパイダー選手がシングルでメインで闘う試合というのはあまり見たことがなかったので、たのしみにしていました。試合を見ると、スパイダー選手がツバサ選手を目標にしていたんだなっていうことが改めてよくわかった。非常に似ているんですよね。使う技とかも。でももちろん全く同じなわけではないし、そこも面白い。スパイダー選手のこの試合にかける想いが強く伝わってきました。2人のマスクもマスクマン好きにはたまらないかっこよさでした。試合後の「何度でも挑戦を受けるよ。負けないけど」っていうツバサさんのマイクもかっこよかった。 本当にいい試合でした。ちょっと泣けた。スパイダー選手のことがすっごく好きになりました。
 入江茂弘vs三原一晃(VKF 11.23@港区民センター) 
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なかなか組まれることのなかったこのカード。VKFで組まれるとはなあ。味なことをしてくれます。この2人、グリーンベアーズというタッグを組んでいたこともあり(いまも継続しているのかな?)似ているように思われますが、この試合を見る限りでは(DDTをあまり見ないのでふだんの入江選手についてがわからない)三原は攻めの選手、入江は受けの選手で案外対極的な2人なんだなと感じました。三原選手は技に重みがあり、その重みを以ってして厳しい攻めが多く見られたのですが、それ以上に入江選手の技ひとつの威力がものすごかった。
ただ三原選手の勢いをひしひしと感じていたときでもあるので、ここで入江選手に負けちゃうのはやっぱりちょっと悔しかったです。それでもあんなすごい試合が見られたことが嬉しかったかな。
秋山準&ケンドー・カシンvs大森隆男&征矢学(全日本 12.11@エディオンアリーナ第二競技場) 
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これまでもカシンの試合は2度会場で見たことがありましたがどちらも府立第一の遠いところからだったので、今回は近いところでカシンの試合を見られたという喜びが大きかったです。征矢選手の試合を会場で見るのもまた初めてでした。11.26に両国大会で組まれた同カードをテレビで見ましたが、それと比べてお互いのチームの絆の差が勝敗を左右した、という見方もできる面白い試合でした。征矢選手はカシンみたいな選手が苦手そうだし、カシンは征矢選手みたいな天然系パワーファイターを弄ぶのが得意そう(笑)ゲットワイルドが勝利した��とも含めてよい試合でした。ちぐはぐな感じで会場を締める2人を見て、すごく幸せな気持ちになれました。
うん、全部カシンのせいにしよう(笑)
丸藤正道vs杉浦貴(NOAH 12.24@後楽園ホール)
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なんだかいろいろ久しぶりな気がした。久しぶりに大好きな選手の試合でどきどきわくわくできました。そして大好きな選手が勝って純粋に嬉しかった。嬉しく思えて良かったです。
中嶋勝彦vsマサ北宮(NOAH 12.24@後楽園ホール)
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この試合が2016年最後の試合でした。 本当によい試合でした。プロレスに対して色んな気持ちになった2016年だったけれど、この試合のおかげでいい締め括りになりました。この試合が最後でよかったなと思います。
メインイベントの試合やシングルマッチが多く、もちろんこれ以外にもいい試合いっぱいあったんやけども全部書ききれない。これだけ心に残る試合に出会えて本当に幸せです。みなさん本当にありがとうございます。
今年もまたいっぱいプロレスを見に行って、すばらしい試合と出会っていければいいなと思います。 また昨年は女子プロレスをひとつも見に行けなかったので、今年こそは女子プロも色々見に行けたらなあと。 そして今年は覚え書き程度でももっと沢山観戦記を書きたいと思います。じゃないと私自身が忘れてしまう(笑)今年もプロレスライフをたのしみます!
番外編
伊東竜二&ポセイドン&ツトムオースギ&ヘラクレス千賀 vs バラモンシュウ&バ���モンケイ&忍&植木嵩行 (大日本 10.24@名村造船場跡)
じごくえず
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akira-rouge-blog · 7 years
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ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋(W.E.)
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ジェームズ・ダーシーがエドワード8世(ウィンザー公)を演じてる時点で1000000000点あげたいです。
すみません、ウォリスとエドワードなのに、98%ダーシーさんしか見ておりませんでした。伊達男でも知られるスーツの着こなしっぷり(グレンチェックのスリーピース、ネイビーに白ドットのネクタイ、クリームイエローのシャツとチーフ)、タキシード、ベスト姿、乗馬服姿、水着姿(ベルトつき!!!)、ボーダーのバスクシャツ姿、、、これを全部ダーシーさんに着せてくれてありがとうありがとうありがとうありがとう(以下続)。 ダーシーさん、ちょっとかっこよすぎじゃない??スタイルよすぎじゃない???身長191cm???足長すぎない???そして声はいいわ煙草を持つ手がいちいちエレガントでセクシーだわ、オスカー・アイザック目当てに借りたので、正直こんなフィーチャーされてるとは思ってませんでした。 ダーシーさんをキャスティングしたひと3000000000点。
ウォリス・シンプソンとエドワード8世(ウィンザー公)の「世紀の恋」日本語題にもなっている「英国王冠をかけた恋」は20世紀のラブストーリーとしてとても有名ですよね。ウォリス・シンプソンもエドワード8世もファッションアイコンとしてとても素敵な人たちですし。 が、正直、世紀の恋よりも、2人に王冠押し付けられて王になった弟のジョージ6世の方が断然興味も共感も抱いちゃうんだな~。 だってしょうがないじゃない、「英国王のスピーチ」をコリン・ファースで見ちゃったんだから。「ロイヤル・ナイト」のルパート・エヴェレットもよかったな。 いえ、映画や役者に限らず、兄ちゃんの身勝手で思いも寄らず英国を背負い、吃音症に悩み克服し、「あの王様がんばってるよねえ」って言われたジョージ6世に心は自然に寄っちゃいます。ジョージ6世を主役にした映画ではウォリス&エドワードがすごく身勝手なひとたちのように描かれ、反対の映画ではジョージ6世が頼りなくてエリザベス王妃がいじわるに描かれてるような気がするのは気のせいかな。
実際はわからずですが、この兄弟を描いた映画、出ないかな~。
オスカー・アイザック氏、ロシア出身の美術館の警備員役。警備員だけどインテリ。奥さんを亡くしてピアノが弾けて詩にも教養があって素敵なお部屋に住んでて、、、ってちょっと設定盛りすぎじゃありませんか?アイザック氏はそんなことしなくてもかっこいいのよ?? オスカー・アイザック氏の女性との絡みをここ何作かで見ておりますが、一番萌えるのはやはりポーとBB-8ですね。(人間と)機械かよ。。。人間と機械相手になぜあそこまで萌えるの自分でも理解ができません。。。。。
エフゲニーが警備員の同僚相手に、まず自分の唇に人指し指と中指2本当ててちゅっとして、同僚の唇にその指2本をShhhh...と言いながら当てるシーンがあるんですが(黙っててね、口止めの意味)、何なのあれ。。。。不意打ちくらいました。グレイブス長官とクリーンデンスくんにやってほしいやつ。。。ってかShhhhh好きの長官は絶対やってるやつ。。。
アビー・コニッシュは美人なのに何か垢抜けないというか、髪型と服装のせいでもったいない。ウォリスとエドワードということでファッションも見所だと思うので(ダーシーさんしか見てない私が言うのもアレだが)もっと気を使えたと思うのですけどねえ。迫力美人だから、もっと化粧ばっちりしたメイクとゴージャスなパーティードレスのときのようなマダム然とした格好や、あと髪型はショートカットが似合うと思うんですけどねえ。 自分の道を迷ってるのはいいとして、最後、(夫とは不妊で悩んで)エフゲニーの子どもを妊娠して新しい人生を・・・ってラストはどうなのか。。う~ん。
ジェームズ・ダーシーさんが完全にヒロインでした。
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