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kozotakei · 5 years
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株式市場の6つの問題点と新しい市場のアウトライン
こんにちは。武井浩三です。
重なり合う社会構造のことをポリモルフィック・ネットワーキングと呼ぶのですが、その日本語訳が多形構造(たけいこうぞう)という事実を知って、今世における自分の天命を見てしまった気がして、嬉しいような悲しいような。 そんな35歳(2児の父)です。
さて。
最近「武井さんは何を目指してるの?」と聞かれることがチラホラありまして。僕も自分がどこに向かっているのか、本当に分からなくなっていて困っています笑。でも、「今の世の中の課題が、こういう風に解決したらいいのになぁ」っていう理想イメージは、ところどころの業界や領域に対して持っている部分もありまして、今日はその中でも「現行の株式市場に対する問題提起と、その解決策となりうる新しい市場のアウトライン」を、筆の趣くままに自由に書かせて頂こうと思います。
あ、あと、最初に断っておいた方が良いと思いますが、以下の内容は単なる武井の持論ですので、信憑性やエビデンスなどを求めないで下さい(笑)。気になった部分はググって頂ければ、僕が参照したり引用しているよっぽどちゃんとした記事や論文が出てくると思います。
これで今回も心置きなく好き勝手に書けます。
市場(証券取引所)と株式会社の歴史
まずはじめに申しておきたいのですが、僕は現行の株式市場に対して課題感を感じてはいるけれども、こんな仕組みを作った人類の過去を、めちゃくちゃリスペクトしています。債権や株式などを証券化して、市場を作って流通させる仕組みを作って、必要なところにお金が行き届くようにして、投資家や所有者は必要なときに証券を現金化することもできて。
そのお陰で社会が急激に圧倒的に物質的に豊かになったし、その恩恵の元で現代の我々は生活が出来ているし、だからこそ次なる課題を見つけて取り組めている訳でして。
ここから少し、僕自身の情報の整理も兼ねて、株式会社や取引所の歴史を簡単に棚卸ししようと思います。債権や株式や所有権を流通できるようにしたのが「証券」です。色々な言葉を使ってしまうかもしれませんが、同意語だと思って下さい。市場、株式市場、取引所、なども雰囲気で使い分けるかもしれませんが、僕的には同じ意味で使います。
世界で最初の株式会社が出来たのは1602年。オランダの東インド会社。そして世界で最初の証券取引所ができたのも1602年。アムステルダム取引所。
日本で最初の株式会社は、坂本龍馬が1865年頃に作った海援隊・亀山社中と言われることもありますが、これらは本来の株式会社の要素である、
株式の発行による資本の集中と利潤の配当
有限責任制
所有(出資)と経営の分離
株式譲渡の自由
の要素を持っていないので、厳密には株式会社ではありません。
日本で本当に最初の株式会社が出来たのは1873年の第一国立銀行です。渋沢栄一さんが作りました。そして日本に株式の取引所が出来たのは1878年。
あれ?
オランダでも日本でも、株式会社と取引所が出来たタイミングがほとんど一緒。
そりゃそうですよね。株式はそもそもが、所有権を流動化させたり分散化させたりすることが目的ですから、それが流通するセカンダリーマーケット(二次取引市場)がなければ流動化しにくい。
つまりは、組織の形が変わったから市場の形が変わった。
証券の取引所ができるまでにも、魚や野菜や花などの市場がありました。それまでは市場(しじょう)というよりは性質的、意味合い的には市場(いちば)と呼んだほうが的確かもしれません。
でも組織の形が変わって(ステークホルダーとの関係性が変わって)、新しい市場(しじょう)の必要性が生まれたわけですよね。これって、後述しますが、ダイヤモンドメディアのようなティール組織が生まれてきたことと、クラウドファンディングやICO(イニシャル・コイン・オファリング)、STO(セキュリティ・トークン・オファリング)などの新しい資金調達の仕組みが生まれて来ていることとシンクロしてますよね。必然というか。
株式市場に対する課題感
ダイヤモンドメディアを通じて僕は、新しい組織の形というものを2007年から、かれこれ10年以上研究したり実践したりしてきましたが、株式会社という企業組織を突き詰めていくと、株式(所有権)という権利に辿り着きます。
所有権は権力の根源であって、しかもその所有権は私有財産権として近代国家では生存権と同列に守られている上に、トマ・ピケティの言う通り資本(所有権)を持っている人が更に富むのが資本主義のシステムですし、このスパイラルの負の側面が、今の成熟社会の問題を生み出してしまっているという結論に至ります。
もちろん株式市場は、素晴らしい機能と役割を持っているんですけどね。 例えば、株式上場する企業にとってのメリットは、
資金調達
第三者による信用担保
上場企業ブランド
流動性による株式の資産化
ステークホルダー(仲間)の増加
こんな感じで5つぐらいに分けられるかな。 調達する会社以外のステークホルダーにも、もちろんメリットはありますよね。
例えば、社会にとっては必要な企業や業界に資金が届けることができるし、従業員にとっては社会的信用になるし、経営者(創業者)にとっては大金持ちになって持たざる者から持つ者へと成り上がれるし、投資家にとっては資産運用の機会だし。
全否定はしていないのですが、ただ、僕が認識している現行の株式市場の問題点というものが、人口減少とITによるデフレ経済の社会環境下で、自然環境に対する配慮や人間の幸福度などの面で、露呈してきていると思っています。
「自然環境」と「人間の幸福度」。 本当にこの2点に集約されるかもしれませんね。
以下、僕が認識している現行の株式市場の問題点です。 (できるだけMECEに洗い出してみました。)
上場維持コスト(四半期決算、IR、内部統制、監査)
無限成長を求める(個人・企業・社会における合成の誤謬)
不特定多数の株主(ステークホルダーの無関心化)
管理統制型ガバナンスの限界(情報の不透明性、約束と結果報告による説明責任、機能していない株主総会、外部干渉の限界)
ドメスティック(基本的には市場が国内を対象としている)
インサイダー(当事者である投資家が内部情報にアクセスできない)
この6つの問題点が解消されない限り、上場企業の不祥事は無くなりません。絶対に。経営者のモラルが問題なのではありません。企業は利益の最大化の方向に進んでしまう生き物です。その方向性をデザインすることが、社会全体として必要な時期に入ったのだと思っています。
市場の問題点ではありませんが、過去に【株式会社の3つの致命的欠陥】というブログを書いたことがあります。もし興味のある方は、そちらも読んで頂けると嬉しいです。
新しい株式市場らしきものの出現
6つの問題点を1つ1つ噛み砕いて説明することは、このブログでは控えて別の機会に譲りたいと思います。長いのでw
新しい組織の形であるティールや僕らの言うところの自然経営やDAO(Decentralized Autonomous Organization)と呼ばれる共同体が2000年以降に、業種業態・場所・営利非営利問わず生まれてきました。
これらが生まれてきた理由は前述したとおり、3つの要素に起因します。
人口の頭打ち
経済成長の頭打ち
ITの社会インフラ化
単純な成長曲線が終わってデフレ化した国やエリアや産業などで、シンクロニシティ的に、ダイヤモンドメディアのようなものが生まれていますし、こういった思想に基づいたものが必要とされています。訪問介護のNPOのビュートゾルフや教育でいうとレッジョ・エミリアやモンテッソーリやサドベリーなど。
そしてそれらとシンクロして、新しい市場が生まれてきました。
僕から見ると、あたかも貨幣経済以外の経済を流通させるためのデザインのようにも見えます。それが下記のような市場やシステムです。寄付型のクラウドファンディングやボランタリーのものは、ここでは除いています。株式市場らしきものと定義します。
株式のクラウドファンディング
ICO(Initial Coin Offering)
STO(Security Token Offering)
ILP(Initial Loan Precurement)
僕はこれらの市場に期待をしています。それは前述した現行の株式市場の6つの問題点を解決しうる可能性があるからです。トークンはステークホルダーの持つ権利を自由に設計できますし、所有権以外の権利を流通させることも出来ますし、ブロックチェーンを使えば特定多数のトークンホルダーにすることが出来ます。
しかしながら現在はまだ、これらの仕組みや市場も6つの問題点を抱えたままです。
現行の市場をブロックチェーン上に置き換えるだけでは、根本的な問題は解消されません。逆にICOなどはガバナンスがほぼ無いので、実態は9割が詐欺的な調達であると言われています(実態は誰にも分かりませんが)。
STOは無法地帯のICOを証券としてSECの管理下に置くために作られました。しかしブロックチェーンによる分散化はなされていますが、ガバナンスの自律化は市場としてデザインされていません。だからこそ僕らがダイヤモンドメディアで培ってきた「自浄作用の働く、第三者不要のガバナンスデザイン」がここに役立つと考えているのです。
新しい株式市場のアウトライン
ようやく最後の章。 お付き合いありがとうございます。
では、具体的に新しい市場にどんな要素がデザインされれば、暴走せずに合成の誤謬が起こらずに健全に機能するのか。僕の考える新しい株式市場のアウトラインは下記です。
ステークホルダーへの情報開示とプロセスに対する関与(インサイダーとアウトサイダーの解消)
自律分散型ガバナンス( 内部における情報の透明性の徹底 、多数決に依らない意思決定)
ブロックチェーンとトークンによるステークホルダーの非匿名化
セカンダリーマーケットによるトークンの流動化(資産性の付与)
所有権以外の権利のトークン化(債権、利用権・使用権、関与権、その他色々)
4のセカンダリーマーケットに関しては、すでにトークン取引所が世界には沢山生まれていますね。
現行の株式市場は「管理統制型ガバナンス」です。ダイヤモンドメディアのような「自律分散型ガバナンス」をICOやSTOの仕組みにインプリメントできれば、市場自体が自律分散型になる(まだまだ僕の妄想レベルですが)。
そしてこのマーケットってのが、もっと沢山、しかも例えば「世田谷区内の個人商店のトークン取引所」とか「大田区の製造業の中小企業のトークン取引所」とか「医療関係のNPOのトークン取引所」とか「フリースクールなどの認可外教育機関のトークン取引所」とか、色々なものが生まれていけば、社会に対しての個々人のオーナーシップが失われずに、みんなで街を作るとか社会で子供を育てるとか、株主や債権者も一体となって会社を経営するとか、そういった理想的な座組が構造体として実現できる。
これを国家にインプリメントすると、税金の仕組みも同じように自律分散型でデザイン出来ます。ガバメントクラウドファンディングと呼ばれるプロジェクト型のふるさと納税が生まれてきましたが、これがもっとローカルな「〇〇公園の芝生を植え替える」とか「〇〇小学校の通学路にガードレールを設置する」とかそういう単位で納税ができるようになれば、喜んで納税する人が増えますよね。間違いなく。税金を納めたくない感情は「納めた税金が何に使われているか分からない」という分断から生まれるので。
国家という概念が、ブロックチェーンによって必要性自体から揺らいでいく時代だと思っています。中央集権が不必要になっちゃうんですから。
国家の持つ徴税権という超強力な権力は、もちろん必要があって存在します。
公共サービスの費用調達
所得の再分配
景気の調整
所得の再分配ってのは、今の経済システムが完璧ではないから国が干渉しているってことですね。これら3つの税金の目的は、ブロックチェーンとクラウドファンディングのような用途を自主決定できる仕組みによって賄うことができると思っています。
なんか、税金の話になってきちゃったけど、調子良いんでもう少し続けます(笑)。
税金には4つの原則があります。
公平 税負担は各人の能力に比例すべきこと。言い換えれば、国家の保護の下に享受する利益に比例すべきこと。
明確 租税は、恣意的であってはならないこと。支払時期・方法・金額が明白で、平易なものであること。
便宜 租税は、納税者が支払うのに最も便宜なる時期と方法によって徴収されるべきこと。
最小 国庫に帰する純収入額と人民の給付する額との差をなるべく少なくすること。
これらを、新しい税金(経済の循環)のシステムに置き換えることができれば、国という概念自体が丸ごと不必要になりうる。仕組み上は、ですけども。
そしてそれは、
グローバルタックス
クラウドタクシング(前述のガバメントクラウドファンディング)
ノンマネタリー納税
によって実現し得ると思っています。100年後ぐらいに(笑)。
でももしかしたらもっと早いかも。ベネズエラなんかは国家としてICOをしちゃいましたし、エストニアはe-Residencyで国土に依存しない国家構想を実践しちゃってますし、仮想通貨取引所やトークン取引所の取引高は、東証マザーズの取引高を一瞬で超えちゃいましたし、世界最大の仮想通貨取引所のBinanceなんかはおそらくNASDAQとかニューヨーク証券取引所の取引高をあっという間に超えていくでしょう。
取引高が多けりゃ良いって話ではありませんが、それが地域に広がれば地域通貨のようなものとして地域の活性化に繋がるでしょうし、誰もが労働収入と資本収入を同時に得られるようになる。そうするとピケティが提起したr>g(資本成長>経済成長)の問題点が丸ごと無くなる。
そんな理想の世界を妄想して、そろそろ終えようかな。なんともまとまりのないブログで本当にすみません。
でも10年後は、マザーズや東京証券取引所は、下手するとオワコンになってしまいかねないとも思っています。もちろん東証も変化に適合していくと思いますが。
ありがとうございます!
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kozotakei · 5 years
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情報革命の次の革命の話
こんにちは。武井です。 最近、頭の中が複雑系になってしまって、全然ブログが書けないのですが、この話だけは文書化して残しておきたいと直感的に思いました。
僕は本業である不動産テック事業や人材シェアリング事業とは、ほとほと関係のない「新しい組織」「新しい経済」「新しい税金」「新しい社会システム」などの研究を個人的にずっとやっています。まあ個人的なものなので研究ってほど大それたものではないですが。
なぜこういうものに関心が向いてしまうのか。自分でも止められない衝動なんですけど笑、理不尽なものがとにかく嫌いなんですよね。それに対する憤りというか、そういう想いが根源にあって。でもこれも、あんまり崇高なものというよりも、先生や学校に無条件に反抗する中学生みたいなアナーキー情動に近い気がしますが(笑)。
「株式会社の問題点」「資本主義の欠点」「法律の不完全さ」「税金の効率の悪さ」「ヒエラルキー組織の古い前提」とか、そういうものを調べて根本的な問題点を見つけたり、それに対する根本的な改善策を考えることが異常に好きなんですよね。ただ現実を置いてけぼりにしてしまいがちで妄想的なのが玉に瑕。
それは置いておいて、過去にもFacebookなどでちょいちょい触れてきましたが、
「資本主義の本質」
がシンプルに理解できたという投稿と、
「情報革命の次の革命」
が言語化できたという投稿が、なかなか反応が多くてこれはちゃんとまとめた上で公開しないと申し訳ないなと思うに至ったわけです。
まず「資本主義」について考えてみよう
ご存知の方も多いと思いますが、王政主義、独裁主義、社会主義、そして資本主義と、各々の名称はさておき、社会システムってそれ自体が80年周期ぐらいで変わり続けているらしいんです。こういうのは僕の説明よりも専門の文献を読んでもらう方が良いと思いますので詳細は省きます。
資本主義という言葉を、我々は何気なく使ってしまいますが、ものすごく端的にシンプルに説明してみます。
資産とは単純に「財」のこと。
資本とは「生産財」のこと。生産財とは不動産や会社(株)や証券(権利)のような収益を上げ続ける資産のこと。この時点で資産家と資本家の違いが明確にわかると思います。
そして資本主義とは資本家を中心に設計された経済システムのこと。資本家は所有権を持っています。ヒエラルキーな社会システムでは、上に遡っていくと権力にたどり着きます。所有権と権力はほぼ正比例します。株式の議決権とか、そのまんまですね。
権力を持っている人達がゲームルールを作る側なので、常にルールは資本を持つ人々、所有権をも持つ人々、権力を持つ人々に優位なようにできてしまう。ひいては、r>g(資本成長>経済成長)という、トマ・ピケティの指摘する資本主義の問題に帰着するわけです。
だいぶ以前から資本主義の問題というのは提起されてきました。ある経済学者は、資本主義は4つの社会問題を引き起こすと言っています。
恐慌(経済不安、バブル)
貧困(必要以上の格差)
失業(人よりも企業優先)
独占(市場に委ねすぎると市場の原理を失う)
こういった社会システム環境下では、個別の企業倫理や個人の高い道徳心すら太刀打ちできない状況も出てきてしまいます。
そもそも経済と言っても、正確には3つの経済があります。
貨幣経済(マネタリー)
交換経済(バーター)
奉仕経済(ボランタリー)
現代経済はマネタリーに寄り過ぎているように感じます。専業主婦も経済活動をしていますから。だって家の掃除とか子守とか、アウトソースしたらお金が掛かりますよね?つまりこれって経済活動。
資本主義の設計には、バーター経済とボランタリー経済がすっぽりと抜け落ちてしまっているように感じます。もちろんその揺り戻しで、SDGsやESG投資とか鎌倉投信さんやみさき投資さんみたいな、社会性の高い金融や経済思想が生まれてきています。
僕はバーターもボランタリーも丸ごと引っくるめたものを、人間が経済として扱えるようになったらいいなと思っています。その中心が人の集まりであるコミュニティ。だから街でゴミ拾いしたりしてるんです(笑)。
じゃあ、具体的にどういうシステムを作れば、それが実現できるのか、ってのが情報革命の次の革命なのだと思うのです。しかも、そろそろその具体的なカタチが姿を現しつつあると思っています。
情報革命の次は「信用革命」
農業革命、工業革命、情報革命。マズローの5段階欲求のように、生物としての根源的な欲求から徐々に上に登ってきています。社会はそもそも多層的であり、IT業界だって通信インフラが整ってコストが安くなったからスマホができたり面白いコンテンツができたりしているわけで。
次なる革命は「情報」の土台の上にできあがるというのも、イメージできるかと思います。そして「信用革命」の象徴のようなものが、「ブロックチェーン」と「ティール組織」なのだと思っています。
ブロックチェーンの出現は、ITが生まれたのと同じぐらいの革命だと思っています。ブロックチェーンはITを使った技術ではありますが、全く別の価値を生み出しているからです。
過去のブログ(ダイヤモンドメディアとブロックチェーンの相似性)にも書きましたが、ブロックチェーンには3つの特徴があります。
トラストレス(信頼不要)
セキュア(堅固)
リーズナブル(プログラムの話ではなくマネジメント不要の意)
この中でもトラストレスが「信用革命」に直接的に言及できると思います。日本語だと信用と信頼の使い分けが曖昧だったりしますが、英語にすると案外わかりやすい。
信用はクレジット(過去のヒストリー)。 信頼はトラスト(未来や不確定なものへの信奉)。
これは正に法定通貨と仮想通貨の違いで、中央集権的と非中央集権の違い。権力構造の中央が「信用」を与えるのが中央集権。円の信用を担保しているのは日本銀行。国という概念も信用担保のシステムであるとも言える。
それを非中央集権的にPeerToPeerで相互で担保しあっているのが仮想通貨。現段階での仮想通貨の有用性の話は別として、そのメカニズムをみてほしい。
過去の信用を改ざんできないものとして蓄積していくと、未来に対する信頼というものはもちろんゼロにはならないが、かなり多くの部分が信頼せずとも事足りるようになってくる。科学が発達して宗教の幅が狭くなったのと同じ現象だと個人的には思っています。だからこれからは宗教の形や役割も変わってくる気がする。
それを組織の中でやっているのがダイヤモンドメディアだったり多くのティール組織だったりするわけで。給料をオープンにして、情報をオープンにすることで、改ざんできないようになって、結果適正な状態に近づきやすくなる。
勝手な印象だけど、エストニアはそれを国単位でやっている気がする。だから国家運営コストが恐ろしく低いし国家公務員も少ない。
信用革命が影響を与えるのは、人間同士の関係性です。これからの社会は人間同士の関係性が変わっていきます。そして、関係性が変わっていくことを支援するようなサービスや取り組みが、もっともっと必要とされるし栄えていくと思います。
そしてまた、関係性とは「ロジック」「エモーション」「テンション」の3つで出来ていて、、、って話し出すとキリが無くなるので、この辺のマニアックな話は自然経営研究会とか天外伺朗さんとやっている武井塾とか別の機会で(笑)。すみません。
信用革命で変わるのは人間関係
人間関係は、より良い方向に、より円滑な方向に、より親密な方向に、より柔軟(強くもあり弱くもあり)な方向に、そして重なり合う方向に進んでいくと思っています。
これはポリモルフィックネットワーキングという概念で語られることもありますし、経済的・社会システム的文脈でなくとも語られることも多くあります。
人間関係の変化は、クラウドファンディングやシェアリングエコノミーを見て頂けるとわかりやすい。所有と公有の中間の「共同所有」「利用権」「使用権」というようなファジーな領域が広がり始めています。 都市開発でも同じような文脈で語られます。そこに住む「定住人口」と観光客のような「交流人口」だけでは街を維持できない。第3の道が必要で、それを「関係人口」などと呼んだりします。
会社に於いても一緒で、正規雇用と外部の業務委託の中間領域が広がっています。これを何と呼ぶかは分かりませんが(笑)。
ダイヤモンドメディアで提供している不動産テックサービスもステークホルダー同士の関係性を健全に、強固にしていく特性が中心にありますし、人材シェアリング事業のTonashibaも働くことの中間領域が広がりすぎて外に溢れ出たものをビジネス化したわけで。
僕は、会社や社団法人もコミュニティだと思ってるし、学校や街もコミュニティだと思ってます。こないだ、属してるビジネスコミュニティや地域コミュニティを数えたら、20ぐらいあってビックリしたのですが、コミュニティには貨幣経済以外の経済が働いていることを実感します。
ビジネスコミュニティだと、コミュニティ活動が間接的に営業活動になったり、よいパートナーと知り合うキッカケになったり、計画的偶発性とでもいう現象が頻繁に起きます。
地域コミュニティでも、世田谷のコミュニティ仲間の方が言っていたのが印象的でして。「コミュニティスペースを運営するようになってから子供を託児所に預けなくなったんだよね。」なんてことを言っていて、コミュニティって問題解決するのではなくて、問題解消してしまう力を持っているんだなぁとしみじみ感じました。
人と人の関係性が変わる。人間ってそもそも「人」の「間」って書きますから、関係性が変わると、もっともっと人が人らしく居られるようになるんだと思います。
うーむ。こんな感じのことをツラツラと書き続けたいのですが終わらないので終えます。
情報革命の次は信用革命!以上!!
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kozotakei · 6 years
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ダイヤモンドメディアとブロックチェーンの相似性
こんにちは。武井浩三です。最近、有難い事に沢山の取材依頼を頂きます。週に2件ぐらい。
ウェブメディア、雑誌、新聞、テレビまで。ただ申し訳ないことに、ダイヤモンドメディアの経営スタイルや、武井の考える自然経営の思想って、ハイコンテクストで言葉にしにくいものだったりするので、説明に時間がかかる事が多いんですね。(武井が説明下手ってのもある)
なのでテレビに関してはお断りをするケースが多かったりします。尺が30秒とかだったり、限られていたりするので。講演の依頼は、有難い事に月に2、3件ほど頂きます。本業が何なのか分からなくなってきます。
講演をさせて頂く場所や、聴いてくださる方々も以前よりも多様になってきました。経営者以外の方も多いし、「ティール」「自己組織化」「複雑系マネジメント」という言葉を知らない方にお話をするケースも増えた。
で、たまにこんなこと言われるんですよ。
「理解できる部分はある。でも『ここは違うかなぁ』と思うところもある。私の経験によると・・・。」
「100人以下の規模の小さい会社だからできるんでしょ?ウチの会社も昔は似たような感じでしたよ・・・。」
みたいな。 あ、もちろんかなりお歳を召したタイプの方々ですね。
最初に申し上げると、ダイヤモンドメディアって会社が完璧なわけではないんですよ。普通の会社のように、普通に色んな問題が起きます。採用にも困るし、お客様から手厳しい���摘を受けることもあるし、会社の現状に満足できない人が辞めていくこともある。
普通に問題は起きるんです。 でも何が違うかって、問題に対する付き合い方が違うんです。 なんというか、問題に対する考え方や問題が起きた後の対処の仕方というか。
組織論や働き方を、かれこれ12年間実践しながら研究してきたので、ぶっちゃけ一般的な方がパッと思い浮かぶような疑問に関しては、大概はエビデンスのある理論で回答することが出来ます。(そのエビデンスの数々は過去の偉人達の研究成果です。ありがとうございます。)
でも、その説明をするのに時間が掛るんですよ。三日三晩語り明かすぐらいしないと、経営論・組織論・心理学・哲学・宗教・その他の知識や情報を持っていない方々には、なかなか頭の中で繋がるまでに時間が掛る。でもそれはしょうがない。
そして逆に最近気づいたことで言うと、優秀なエンジニアの方は武井の話を一瞬で理解できるんです。しかも理解だけじゃなくて、本質を掴んでるから展開もできる。なんだこれ?と思ったわけですよ。
それを説明する上で、分かりやすいメタファーを見つけたので、それを特徴分解して、今回はブログを書いてみたいと思います。前置きが長くてスミマセン。では。
新しい組織の形はブロックチェーンと同じ!?
いきなり本題から入ります。最近話題になっている「ティール組織」「ホラクラシー」などの組織形態を表す言葉(僕らは自然経営という単語を好んで使っています)。組織論は実はかなり以前から研究がされていて、「複雑系」「自己組織化」「DAO(Decentralized Autonomous Organization)」など、別の言葉だけど、同義的な言葉がたくさんあります。
その中でもDAOは、日本語に訳すと「自律分散型組織」と言われるのですが、この自律分散という言葉が、単語としては最もその特徴を分かりやすく捉えていると思っています。
ブロックチェーンの日本語訳は「分散型台帳」。この分散っていうのがキモなんですよね。非中央集権的。構造体としては中空均衡構造だったり、テンセグリティと呼ぶことも出来ます。ネットワーク型とも言えます。だいたい一緒です。
だからブロックチェーンの本質を理解しているエンジニアは、自律分散型組織がどれだけ理に適っているのか、ポテンシャルがどれだけあるのか、が分かるんでしょうね。ブロックチェーンの優れている点と、それを組織に当てはめた時の特徴を挙げていきたいと思います。
ブロックチェーンが優れている3つの特徴
ブロックチェーンが優れている特徴を3つのポイントに大別してみました。この3つの特徴は、そのまま自律分散型組織に当てはまります。つまり既存の組織形態よりもダイヤモンドメディアが実践するような組織形態の方が合理的だと説明がつく訳です。
3つの特徴は下記の通り。
Trustless(信頼不要)
Secure(安定・堅固)
Low Cost(安価)
自律分散型組織は信頼不要
ブロックチェーンの特徴はトラストレス。信頼が要らないんです。なぜなら相互で信用を担保しあっているから。仮想通貨やブロックチェーン上のコントラクト(契約)は、履歴を改ざんすることが実質不可能だから、中央銀行のような形で、信頼を担保する第三者機関が必要ないんです。
株式市場でも、上場企業の信頼性を担保するために監査法人や証券取引所があるのですが、悪意ある不正を防げていないのは、ご存知の通り。
Peer To Peerで全体として全体の信用を保つ仕組みがブロックチェーンです。そしてダイヤモンドメディアも組織全体として、それぞれのメンバーの信用が保たれています。良い悪いは無いのですが、信用関係を保てない場合には自然と自浄されます。(ダイヤモンドメディアでは辞めること自体を悪いこととして捉えていません。)
信用がある状態においては、信頼という概念自体が不必要になります。だからトラストレス。
セキュリティ面でも安定している
ブロックチェーンの分散型台帳とは、データの更新履歴をネットワーク全体で保存します。部分的な改ざんが実質不可能です。しかも全体に分散しているので、物理的な災害にも強いです。ミサイルが落ちても、大震災が起きても、一箇所にデータが集中していないので、データが保持され続けます。
そして、特定の個人や組織が管理をしている訳ではないので、個の恣意的なコントロールや私物化などが起こり得ません。いつの時代も暴走するのはシステムではなく人間です。人間にはエゴがある以上、特定の個人が管理をするという思想自体が理想論でしかありませんし、世代を超えた永続性がありません。
とても立派な創業経営者がいたとして、2代目3代目と世代交代を繰り返し、任期が数年のサラリーマン社長が経営責任を持つに連れて、会社のコントロールが効かなくなっておかしな方向に行ってしまう。枚挙に暇がありません。これは個人の問題ではなくシステムの欠陥です。
分散型のブロックチェーンならば、そういった事が起こり得ません。ダイヤモンドメディアでは、それを会社組織として行っている訳です。だから上司やマネージャーがいないのにマネジメントがメチャクチャ効いてるし、なんだったら経営者がいないのに経営が機能しているのです。
ダイヤモンドメディアのマネジメントって、目に見えないので説明しにくいし理解されにくいのですが、なぜかと言うとこれらは「現象」だからです。我々が好んで「自然経営」という言��を使っているのも、メソッドやフレームワークではないよ、という意思表示でもあるのです。
何よりもコスパがいい!
そしてこれこそが、ブロックチェーンが次代のメイン技術と言われる重要な点だと思うのですが、通信コストやストレージコストが劇的に下がり続けているので、ブロックチェーンで構築されたトラストレスでセキュアなシステムは安価なんです。
一般の集合的な管理システムだと、メンテナンスコストや中間の管理コストが掛かります。この中間管理コストってのは、ヒエラルキー組織で考えると分かりやすいのですが、組織規模が大きくなると乗算的に増えていきます。
アルバイトを管理する社員。社員を管理する主任。主任を管理する課長。課長を管理する部長。部長を管理する取締役。取締役を管理する社長。社長を管理する社外取締役。経営陣を管理する株主。
とある知り合いの話で笑っちゃったんですが、その方が以前勤めていた中堅不動産会社グループでは、社員が250人なのに執行役員以上の役職者が50人もいたそうです。実務をしない50人。だけど高給取り(笑)。それって誰のため?
トラストレスでセキュアだから安価。安価だから普及する。
これからブロックチェーンが社会の旧システムに代替されていくのは間違いないですね。会社も学校も街も国も、単なる人間の集合体ですから、その関係性はほとんどすべてブロックチェーンに置き換えられていくでしょうね。
そうすると必然的に貨幣は仮想通貨に。契約はスマートコントラクトに。企業という概念も国という概念も、徐々に薄まってくる。
そんなわけでダイヤモンドメディアの経営は、トラストレスでセキュアで安価なんです。だからこの経営スタイルも必然的に広がります。それを旧人類が死に物狂いで食い止めようとしているのが今の社会の構造だと思います。
武井浩三個人の想い
社会は変わりつつはあるし、新しい仕組み・システムがドンドン生まれてきているし。潮流は感じています。我々はその潮流を、先駆けて作っている立場だとも認識しています。
ただ、個人的な想いとして、歯がゆさも感じます。 株式会社としてダイヤモンドメディアが存在しているのに、理想を追求しようとすると、旧来の経済システムに適合できないからです。自律分散型ガバナンスのダイヤモンドメディアは、管理統制型ガバナンスの東京証券取引所のマザーズには上場できません。よりセキュアで安価で健全だとしても。
理想を追いすぎて、俺は金儲けが下手だなぁと、しょっちゅう思います。でも俺はもう、こういう脳ミソになってしまったので諦めようとも思います。なぜなら地に足の着いた頼れる仲間が、ダイヤモンドメディアにも自然経営研究会にも不動産テック協会にもいるから。
俺は俺の本分を全うしようと思います。
次なる目標は「新しい株式市場(STO)」「新しい経済システム」のエコシステムを生み出すこと。これらもイキナリじゃなくて、徐々に、そして分散的に進んだり生まれたりしていけば良いんだろうなぁ。
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kozotakei · 6 years
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街の課題は誰が解決するのか?
こんにちは。武井です。ブログ頑張ってます。 「頑張ってます」と言っている時点で、なんかもうダメな気がしますが、自分を鼓舞させてテンション上げないと中々筆を執ろうと思えないもので、やっぱり頑張らなきゃなんだよなぁ。
とまあ、俺の心境を吐露したところで誰も幸せにならないので進めましょう。
最近会った人の話
Tumblr media
もう説明が面倒だから写真を上げちゃったよw
昨日は「世田谷D.I.Y道場」という、街づくりを皆の手で作っていこうよ、というなんともほんわか素敵な、でも間違いなく次世代の街づくりの集まりでした。
これの主催者は現世田谷区長の保坂展人さん。僕はお会いしてお話するのはこれが3回目でしたが、本当に素敵な方です。器が広い。繕ってないというか、素のまま生きている感じが、周りの人に心地よさを与えるというか。こういう素敵な大人になりたいな、と思わせてくれるナイスミドル。
そして保坂さんを繋げてくれたのは、世田谷生まれ世田谷育ちの世田谷若手不動産大家No1の呼び声も高い安藤勝信さん。安藤さんは僕の中では不動産大家業界のチェ・ゲバラ。築古アパートを介護施設にリノベしたり、生産緑地を残して地域との触れ合いの場として活用したり、住人同士がコミュニティ化しちゃって、めっちゃ仲良しなマンションを経営していたり。ほんとすごい。
それから東京都市大学の准教授の坂倉杏介さん。都市学や社会学を研究されている方。坂倉さんとは、三田愛さんが主催する「コクリ!プロジェクト」で何度かお会いしていた。ここでも出会ってしまう必然感がたまらない。
世田谷の深沢で「ふかさわの台所」というスペースの経営をうっかり始めてしまった建築士の成見敏晃さん。
用賀でシングルマザーシェアハウスをやってる山中マナさん。
それからうんちマンもいた。昨日もw
他にも素敵な方々が20人ぐらい集まって、世田谷の未来についてガチで語り合いました。めっちゃ勉強になった。ここで気づいたことは後述したいと思います。
今読んでいる本
最近はマクロな、範囲の大きい社会システムの研究がブームでして、税金の仕組みを紐解いてます。
私たちはなぜ税金を納めるのか - 租税の経済思想史 諸富 徹
京都大学の経済学者の諸富さんの著。租税の歴史を辿ってるので、「そもそも税ってなに?」ってのがよく分かる。アメリカとかイギリスの政治とか戦争と絡むので難解だけど。
税を大別すると4象限に分けられる。
人税と物税の軸と 直接税と間接税の軸
完璧ではないが今のところ最も採用されている「現代資本主義」という社会システムにおいて起こってしまう富の偏りというエラー。これを解消するために富の再分配を行っているのが租税。
この辺は書籍からじゃなくて武井の駄知ですが、1600年以前は貴族になることが経済活動のゴールというか、目指すところでした。より安定したところへ進みたくなるのが人間の本質ですから。
私有財産権が保護されていなかったので、私腹を肥やしてもあまり意味がなかったんですよね。急に取り上げられたりするから。だからヨーロッパでは伯爵とか公爵という爵位を金で買って子孫にあげていた。日本でも似てますよね。武功を上げて名を上げる。
それが個人の資産が保護されるようになってから「経済貴族」になった。上場したりして、通常の労働対価では得られない富を得ようとする。これも人間個人の行動として自然だとも言える。
ただ社会全体のシステムとして、資産が何兆円何千億円というビリオネアがいる一方で、その日の食うに困る人達もいる。人間の知識や貢献の差って、そんなに大きかったっけ?
アメリカは過去最高景気だそうです。でもホームレスや貧困層も過去最高に増えているそうです。これって、好景気って言えるのかなぁ?
そんな社会システムの歪を多少なりとも是正するために租税システムがあって、だから累進課税とか相続税とか、所得や富が多い人や多いところから多めに取るように出来ている。まあ、ある種、適切だとも思う。
僕の大好きなリカルド・セムラーはこんなことを言っています。
「ビル・ゲイツもウォーレン・バフェットも素晴らしい。築き上げた莫大な富を、様々な形で社会に還元している。財団を作ったり寄付したり。」
「きっと彼らは取り過ぎちゃったんだね(笑)。」
僕の意訳なので、本人の主旨とはニュアンスが違う��もしれないけど、これ、別にバフェットとかゲイツを批判しているわけじゃなくて、今の世の中の社会システムに対する警鐘だと僕は思ったんですね。なぜこんなに必要以上に格差が開いちゃうのか。それが埋まらないのか。
組織のリデザインや不動産流通のリデザイン、人材流通のリデザインを通じて僕が得た感覚で言い換えるなら、これからの社会で必要なのは「富の再分配」の仕組みではなくて「富の撹拌(かくはん)」の仕組み。だと個人的には思っています。あくまで個人的には。
再分配と撹拌の違いは、一度個人の懐に入るか入らないか。
撹拌の場合は、個人の財産や所有から富を取り上げなくて良いので現在の租税の仕組み自体が、徐々に弱まっていくイメージかなぁ。ダイヤモンドメディアのような透明で複雑系の組織においては、もちろん能力等の違いで収入に違いはあるけど、 自然ととんでもない格差にはなりにくくなる。
それを収入・所得(P/L)だけでなく資産・財産(B/L)や所有権にまで適応させることが出来ないか。そんなことを最近は考えています。
あ、、、読んでる本の話じゃなくて自論の展開になってしまった。いや武井の妄想の展開かもw
最近気づいたこと
でもこの所有というものが、現代社会で分断を生んでいる元凶なんですよね。全てのシステムにおいて。所有の反対の概念は共有。でもすべてを共有化すりゃいいのかって話じゃなくて、共有と所有の融合がこれから必要で、ビジネスモデルも社会システムも資本経済も街づくりも。
経済は株式会社で。福祉は公共団体で。ボランティアはNPOで。教育は学校で。私生活は家族で。
これって、全部別々に考えられちゃってますよね。自分のものは自己責任で。それ以外は他の誰かがやる。
そうじゃないと思うんだよなぁ。
都市開発で、僕がすごく好きな理論があります。
「所有者と使用者が分離すると、街は荒廃していく。」
これ、会社でも一緒です。すべての組織・コミュニティにおいて一緒です。コミュニティとは人の集まりです。人間とは人と人の関係性のことです。
所有と分離いう概念が生まれたことで経済はダイナミックに発展してきました。でもいまそれの弊害があまりにも大きくなってきてしまった。これからは「所有しながら共有する。分離しながら統合する。」という二項対立で見ると融合し得ないモノ同士が同居する、そういう時代になっていくはずです。というか既になり始めています。
仮想通貨とかブロックチェーンって、分離しながら自律させる仕組みとか技術ですから。
これからは「管理」でも「放任」でもなくて「自律」がキーワード。自律は複雑系の中にしか存在しません。単純系には存在しない。そして複雑系は流動系と開放系がレベルの高い状態じゃないと生まれません。そして流動系と開放系は透明性の高いところにしか存在できません。
でも透明性と昨今の個人情報保護法とか過剰なセキュリティとかって、めっちゃ相性悪いんだよなー(笑)。だから法改正しかないんだという極論にまで至ってしまってスタックしてしまう。
武井は、この流れを感覚的に捉えている方々と一緒に、社会システムのリデザインをしていけたらなあと思っております。ぜひ武井と答えのないディスカッションをしましょうw
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kozotakei · 6 years
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都市開発と組織作りと社会制度
おはようございます。ダイヤモンドメディア武井です。広報の青柳まさみちゃんが、ホリエモンのメルマガを参考に、武井がブログを少しでも書きやすくするためのフレームワークを作ってくれたので、早速使って書いてみようと思います。
まあ、元々筆不精な上に、色々な人との出会いやプロジェクトへの参画で、インプット過多で、考えはたくさんあるんだけど、言語化というよりも文章構造化するのが億劫だった。でも、お会いする人に「武井さんのブログ、めっちゃ読んでます!」なんてたまーに言われるもんで、そういった稀有な方々のためにもそろそろアウトプットしないとなあ、と思って慣れない筆を進めます。
がんばります。
最近会った人の話
うーん。最近会った人。。新たに会った方々もたくさんいますし、最近良く合う人もいる。今回は、最近頻繁にあっている方々を少々ご紹介させて頂こうかな。(しかも無許可でw)
先週、3回も行ってしまった、めっちゃオシャレな今どきのコワーキングスペースが、新たに出来た日比谷のランドマーク「日比谷ミッドタウン」の6階にある。
BASE Q という三井不動産が手がけるオープンイノベーションのためのコワーキング。(合ってるかな?)イベントホールやキッチンスペースなども併設されていて、超イケてる。
ここを起点に立ち上がったコミュニティがあるんですけど、その名も「変人会」。変な奴らを集めたから変人会(笑)。30代を中心とした、官僚と起業家40人ほどのコミュニティ。発起人は何人かいるんだけど、中心的人物を挙げると、
・地方創生や多拠点生活を推進している近藤ナオさん ・起業家で投資家でもある山口豪志くん ・公共R不動産で地方創生や街づくりにめっぽう詳しい菊池マリエさん ・ソーシャルアントレプレナーで地方創生のプロ木下斉さん ・メディア「Another Life.」を運営する島田龍男さん ・そしてこのBASE Qを手がけた三井不動産の光村圭一郎さん
とまあ、それぞれの界隈ではかなりの有名人の方々。しかも面白いのが、それぞれが複数領域のプロフェッショナル。教育、地方創生、マーケティング、経営、、、なんというかむしろこういう学問のジャンルで括れないのがもどかしいんだけど。哲学なのかな、もはや。
他にも面白くて有名な方々がたくさんいるんですけど、すみませんが割愛。
彼らと定期的に集まって、互いの知識を交換して知見を深めあって、そして社会課題をよりクリアにして、なんだったら解決の糸口を探そう。ってな具合で毎月数回、夜な夜な会合が開かれています。
このコミュニティから何が生まれるかは未知数だけれども、単純に「一緒にいて楽しい」から集まってる気もする。本来コミュニティってそういうもんなんだろうな。
今読んでいる本の話
今読んでいる本。といっても武井は、複数の本を同時に読む癖があるので、今読んでいる本、という説明がしにくいw(まさみちゃんごめん)
じゃあ、その中で最も難解で、読み始めてからすでに3ヶ月ほど経つが、まだ半分くらいしか読めていないヤバイ本をご紹介。
パタン・ランゲージ―環境設計の手引 クリストファー・アレグザンダー
ウィーン出身の建築士で都市デザイナーのアレグザンダー。ハーバードで建築を学び現在はUCLAの建築学部で教鞭を執っている。彼は間違いなく世界最高の環境デザイナーだ。
都市はツリー型構造ではなく構成要素同士が物理的制約の中でも複雑に絡み合う「セミラティス構造」だと定義した。このセミラティス構造、実はブライアン・ロバートソンの言うところのホラクラシー構造と同じなんです。
ちなみにダイヤモンドメディアの場合は物理的制約を超えた構造デザインをしているので、セミラティスというよりもテンセグリティ(ネットワーク)だと思っています。個人的には。
そう、それでこの本、街、建物、空間という大中小の構造体をどういう指向で定義しているかと言うと、人間が人間らしくあるため。
道路を作って人を歩かせるんじゃなくて、人が歩くところに道路を作る。
シンプルだけどそういうこと。
彼のすごいところは、人間個人や人間関係に影響を与える環境デザインを、253のパターン(フレームワーク)にまで具体的に落とし込んだところ。
この全てが組織論に通ずるんですよね。だから中々読み進められない。しかも「人間とは何なのか」を追求しているので、内容が哲学とか文化人類学とかそういう感じなんですよね。
これって風水(風水環境科学)と全く一緒で、家族仲が良くなる家、とか子供の頭が良くなる家、とか、そういうのって確率論的ではあるけれどもデザイン出来るんですよね。
武井の家も4年��に建てた時に、僕自身がほとんど設計したんですよね。例えば、リビングインの階段にすると子供が非行に走りづらい、とか、子供部屋を意図的に小さくしてテレビ回線なんかも付けないことで、子供が自然と共有空間にいる時間が増える、そのためにリビングを大きく開放的にデザインする、とか。あと収納は全容積の12%~15%は必要、とか。
とまあ、そんな感じのことが、都市開発レベルで延々と、まあホントに延々と書かれてるんですよ、この本(笑)。なんたって価格が1万円以上しますからね。大学院生のための教科書ですよ、もはや。
でもここに書かれていることは、これからの組織デザインに限らず、社会システムデザイン全てに通じます。間違いなく。適切な自治体の規模や、適切な建物の階数。道路と居住エリアとの距離。適切な駐車場のパーセンテージ。地域社会における子供の役割。教育の分散化。仕事との接点。もう書ききれないから、読んでください(笑)。
人間は人間同士による営みの中で初めて人間たるわけで、その人間の本質を深く追求した上で、都市開発のフレームワークと手法論にまで落とし込んだオバケみたいな1冊です。
全部読み終わるまでには、あと3ヶ月位かかりそうだなーw
組織作りで気づいた視点
上記の、アレグザンダーの名著を読んで、仕事でも不動産業界にどっぷりと関わって、国道交通省のお手伝いで地方創生なんかにも少しかかわらせて頂いて、そして10年前から続けているダイヤモンドメディアの新しい経営を通じて、気づいたこと。
それは、組織開発(経営)も教育も街づくりも自治も政治も税金の仕組みも株式市場の仕組みも、全部同じだと言うこと。
これら全てを「社会システム」と言い換えた時に、今までの社会システムが作られた前提は「インフレし続ける社会」つまり無限成長の世界だった。人口が増え続けるから経済も成長(膨張?)し続ける。その前提でデザインされている。
でもいま日本は、人口減少に入った。ITが発達して経済から無駄が削ぎ落とされてきている。そんな中でGDPをKPIにして成長を求めるのって、むしろおかしくないか?
これから求められる社会は、インフレの時もデフレの時も同じようにサステイナブルである社会。そして組織。それがダイヤモンドメディアの組織の形でもある。と思っている。
だから僕らのやっていることって、単なる人事制度とか組織論じゃないんですよね。社会システムのリデザインなんですよね。
そこのところ、ぜひお見知りおきを。
あー、乱筆すみません!勢いで書き切りました!!
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kozotakei · 6 years
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広報のまさみちゃんがブログ更新ができない武井のために「目次」を作ってくれたよ!
こんにちは。武井浩三です。 ブログって書くの大変ですよね。僕は大変です。
更新できない武井を見かねて、ダイヤモンドメディアの敏腕広報の青柳まさみちゃんが、
「武井さん!ホリエモンのメルマガみたいに目次作ったら良いんじゃない?」
ってアイデアをくれて、ついでにその目次まで作ってくれました。感謝です。ポンコツですみません。
その目次は以下の通り。
(目次)
最近会った人の話
今読んでいる本の話
組織作りで気づいた視点
ひとまずはざっくりと3項目だけ。 これ以外に書きたいことがあれば、このフレームワークを使わなければいいだけ。これは助かる。
ひとまずこれで運用してみようと思います。いやはや集合知の時代ですね。自分の限界を知って、「諦める」のではなく「明らめる」つまり明らかにするって、重要ですよね。
さて、次回からがんばろ。
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kozotakei · 6 years
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最近のダイヤモンドメディアと武井浩三の仕事
最近「武井さんって何やってる方ですか?」と聞かれることがチラホラ(笑)。ティール組織やホラクラシー経営の文脈で紹介されることが多いもので、何の仕事をしてるのか知らない人も多いようです。
本業の方では最近はウチの経営スタイルを知って頂いていることも多くなってきた。ということで、ダイヤモンドメディアが何をやっている会社なのか、ということと、最近武井が何をやっているか、をちょっと宣伝したいと思います。
ダイヤモンドメディアの事業
不動産テック事業がメインです。3つのサービスを提供しています。
・ダイヤモンドテール
http://www.diamondtail.jp/
一番長く提供している、不動産会社向けのウェブサイトとマーケティングシステムのサービス。高付加価値なサービスを目指していまして、大手を中心に200社ほどの導入実績があります。他のホームページサービスと競合やコンペになることはほとんどありません。サービスも価格(ウチは高いですw)も差別化されているので。
東急、三井、クレアスレント、アンビション、長谷工、ミサワ、オープンハウス、センチュリー21、など(敬称略)。都心で1万戸近くの不動産管理と仲介をされているクレアスレントさんなんかは、ものすごい成果を出して頂いておりまして、このサービスの利用企業の中でも看板企業さまです。有難いことです。
・Centrl LMS(セントラル・エルエムエス)
https://centrl.cc/
不動産管理会社向けの募集業務や賃料査定、空室営業などのマネジメントシステム。まあ、マニアックなシステムなので不動産業界以外の方には2時間説明してもよく分からないと思います(笑)。
IT業界の言葉で説明すると、マーケティングオートメーション、SFA、BI、DMPのようなイメージで、散らばったデータを色々な方法で集積して分析して活用する。そんな感じのイメージです。
不動産って相場が常に動いているし、管理会社・仲介会社・ポータルサイト等々、色々な情報がホントに色々なところに分散しちゃっているので、横断的な分析が殆どできなかったんです。今までは。それを可能にしようというコンセプト。
新しいサービスなので顧客企業に理解して頂いたり、現場に導入して頂くだけでもかなり大変なのですが、だいぶ実態に則してきた気がします。東急、三井、三菱地所、メイクスレントさんなどにご利用頂いてまして、これからもっと多くの企業に提供していこうとしています。
・OwnerBox(オーナーボックス)
https://ob.centrl.cc/
不動産投資家・オーナー向けの資産管理サービス。不動産管理会社さんと連携をしてオーナーさんに提供しています。管理会社としてもオーナーへ情報提供したり、コミュニケーションを取ったり、今まで雑多だったオーナーとのやり取りを一元化できます。収支明細をWebで完結させることもできます。
しかも!このサービス、マネーフォワードさんと提携していて、不動産収支の情報をそのままMFクラウドに送って確定申告書類の作成までできます!実際、僕もこれを利用して今年の3月に不動産の確定申告しましたが、超絶便利です。
これからの時代、APIが基本ですから、色々なイケてる会社さんやサービスと連携して、利便性を上げていきたいです。今後は他のクラウド会計サービスとも連携したいですね。
いまは東急さんだけにご利用頂いていて、もう少しサービスのチューニングができたら、他の会社さんにもドンドンご提供していけそうです。
このサービス、不動産オーナーの賃貸経営をサポートするコンセプトなので、いずれは銀行などの金融機関や保険会社、工務店や不動産関係のサービサーと提携をしてオーナーがもっと簡単に意思決定をできるようなサービスにしていきたいと思っています。(これはまだまだ妄想レベル)
人材系と組織開発・経営コンサルティング系
人を扱う系の事業は2018年から始めました。
・Tonashiba(トナシバ)
https://tonashiba.work/
人材シェアリングサービスです。企業間で社員や人事機能をシェアしてしまおうという、ちょっと新しすぎるサービスです。
トレーニング(研修)、トライアル(お試し転職・社外留学)、リクルート(転職)の3つの軸でサービス提供をはじめました。今はまだマンパワーで、しかも身内企業だけで回していますが、実績が増えてスキームが安定したら、ウェブサービス化しようと思っています。
Tonashibaは研修サービスでも転職サービスでもアウトプレースメントでもなくて、企業間コミュニティなんです。そんなコンセプトで丁寧に育てていきたいと思っています。
・自然経営コンサルティング
まだウェブサイトが無いのですが、ダイヤモンドメディアの経営スタイルを自然経営(じねんけいえい)と名付けまして、その組織づくりのノウハウをコンサルティングとして提供しています。今はまだ、かなり属人的に僕自身がガッツリ関わってサービス提供しています。
今年に入ってティール組織がベストセラーになったり、働き方改革やや副業解禁が増えたりしていますが、自然経営はトレンドというよりは、組織を機械から生き物に生まれ変わらせるイメージです。さらには生き物から生���系へ。
7月にはグループコンサルティングを開始したり、天外 伺朗さんの主催する天外塾で全3回の武井塾を開催させて頂いたりする予定です。まだまだ未熟な僕を用いてくださった天外さんには本当に感謝です。
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えー、事業内容としてはこんな感じで、すでに長くなったのですが、武井個人の最近の活動もちょっとだけ紹介。
武井の個人的なプロジェクト
全部ボランティアでやってます(笑)。でも楽しいし世の中のためになる実感があるのでついついやっちゃってるという感じですw
・国土交通省公的遊休不動産活用プロジェクト
アドバイザーとして関わらせて頂いています。ざっくりゆうと、地方の遊休不動産をどうやって官民で活用していくか、の仕組みと実績を作るためのプロジェクトです。
誘ってくれた山中 哲男さんには本当に感謝です。
・日本賃貸住宅管理協会 IT・シェアリング推進事業者協議会
幹事として、若手の方々への連絡や庶務係をやらせて頂いております(笑)。業界の先輩の方々とご一緒させて頂けるのは本当に嬉しいですね。
・不動産テック協会
https://retech.doorkeeper.jp/events/75514
来月に社団法人を設立します。設立時代表理事として関わらせて頂く予定です。こういう団体は立ち上げてからが本番なので、継続できるように頑張りたいです。7月10日(火)に設立イベントやりますので、関係者の方はぜひ!
・自然経営研究会(JMI)
https://www.facebook.com/groups/1851459415166384/
こちらも来月社団法人化する予定です。こちらも設立時代表理事の予定ですが、この会はダイヤモンドメディアと同じように権力の無い透明な組織運営をもっとドラスティックにやるつもりです。
・せたコン
つい先日、第1回目が無事に開催できました!カヤックの柳澤 大輔さんらが立ち上げた鎌倉のカマコンからインスピレーションと支援を頂いて、世田谷でも地域活動コミュニティが立ち上がりました!保坂 展人区長や区議会議員のひうち 優子さんも来て下さいました!シンプルに世田谷で友達を増やしたいです!
・変人会
ミドル官僚20人と起業家20人でコミュニティを作りました。社会課題を官民でガチで連携して解決しよう!とか、ガチで法改正しよう!とか、すごい熱量の仲間がいます。7月27日(金)にはその一端で経済産業省とイベントをやります!
https://baseqseminar20180727.peatix.com/
こんな機会をくれた出光 啓祐さんに感謝!どうなるか分からないけどめっちゃ楽しみ!
・Work As Life研究会
https://www.facebook.com/groups/1933904673307276/
慶應大学教授で幸福学の第一人者の前野さんやマインドフルネスの第一人者の荻野さんたちと「働き方」を研究する会を立ち上げました。7月9日(月)に大手町でイベントやりますので、Work Life BalanceじゃなくてWork As Lifeに共感してくれる方は是非!
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だいぶ長くなりましたが、こんな感じで何やってるか一言では説明しにくいですがとりあえず頑張ってます(笑)
なので「武井さんは何をやっている方ですか?」って、もう聞かないでねw
引き続きダイヤモンドメディアと武井の応援をよろしくお願い致します!
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kozotakei · 6 years
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先月4月は、ダイヤモンドメディアの定例イベント「役員選挙」でした。
ご存知の方も多いと思いますが、厳密には投票結果では決まりません。 複雑系な組織なので多数決はしないのです。
そう言った選挙の意図や運営方針、我々ダイヤモンドメディアの考え方も、選挙サイトに詳しく記載しているので、ぜひご一読頂きたい。
「会社とは何なのか?」 「役員や代表が必要なのか?」 「法的に必要とされるから設けるけれども、それならば役員とは何なのか?」
そんな我々の終わりなき問いを、広報のまさみちゃんが、本当に素晴らしい記事にまとめてくれました。
僕が自分で書くよりも遥かに上手にまとめてくれたので、そちらを紹介しますね(笑)
我々の考え方が、本当に素晴らしく記事に仕立て上がっているので、心から読んで頂きたいです。
http://blog-dm.squarespace.com/blog/2018/5/7/
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kozotakei · 6 years
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子育てと仕事とTEAL組織
最近、うちの子供達がオフィスに行きたがるんですよ。
「パパと一緒にお仕事に行く!」
って。
彼らの心意気は嬉しいんですけど、もちろん仕事出来るわけもなく、合理的に考えると負担でしかないんだけど、社会科見学のつもりで、そして俺的にもチャレンジのつもりで業務時間内にというか普通に一緒にオフィスに出勤してみたんですよね。
Tumblr media
それで気づいたことをいくつか。
自分も周りも優しくなる
まずこれ。子供がいると場の雰囲気が明らかに変わる。もちろんみんな仕事をしてるから、そんなにずっと子供に構っていられるわけではないけど、場に多様性があると、なんだか和やかになる気がします。
今年の4月から新卒入社で韓国からエンジニアが1名、新メンバーとしてダイヤモンドメディアに来たんですよ。彼はすごく優秀だし、日本語もかなり上手だけど、在日歴は2ヶ月ぐらい。周りが彼に気をかけたり、彼も周りに気をかけたり。
そういう時もやっぱり場の雰囲気って柔らかくなる気がするんですよね。
こういう気遣いみたいなものって、本来的に誰しもが持っていて、でもビジネス的に寄りすぎて画一的な雰囲気になっちゃうと、意図せず薄れていっちゃったりするのかなぁ、なんて感じました。
なぜかメチャクチャ疲れる
そして、もう結論みたいな感じだけど、メチャクチャ疲れるんですよ、なぜか。子供の世話をしながら、同時に仕事をするって。なんでだろう。
たぶん、脳ミソの色んな部分を同時に使ってるんだろうな。右脳と左脳と。どこかで聞いたことあるけど、女性と男性の脳の使い方の違い、みたいな感じなのかな。予測不可能で不確実性の高い、まさにVUCAな子供に対して、問題解決的な計画的思考では太刀打ち出来ないんだろうなぁ。
何度か平日の業務時間にオフィスに子供を連れて行ったけど、毎回脳ミソが疲弊してヘトヘトになってしまう。自宅で子供の世話をしながらビジネス書を読めない現象と似てる。
世の働くお母様方、本当に尊敬します。国は働きながら子育てをする方々をもっと支援した方がいいと、心から思った。そういうところに税金使って欲しい。
TEALなどで言われる全方位の人間性
TEAL組織やホラクラシーなどでよく出てくる、トータルパーソン、トータルパーソナリティという概念。まあ、難しい話ではなく、シンプルに人間一人一人が持つ人間性の全てを、隠すことなく持ち込もう、ということなのですが。
上記に挙げた、子供をオフィスに連れて行くということであったり、犬を連れて行くであったり、仕事とプライベートの関係を別けないであったり。
そうすると脳ミソの色んな部分が使われることになると思ったし、合理性により過ぎたことによるギスギスしたものが緩和されるとも思った。コミュニケーション機会も増えるだろうし。
でも、そういう全方位的な組織づくりのエッセンスって、結構多くのモノが昔はあったものだったとも思う。もちろん原理主義的に昔に戻れって話ではなく。
合理性と人間性の融合。高いレベルでの融合。それがホラクラシーやティール組織や、最近我々が呼んでいる自然経営(じねんけいえい)というものだと思った。
まあ、難しく言わずに、人間らしく生きるということなんだろう。
さて明日も頑張ろ。
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kozotakei · 6 years
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サイボウズ青野さん、良いよな~
ここ最近、サイボウズの社長の青野さんが、夫婦別姓を推進されてますね。そのために国を相手取った裁判をしたり。
民法と戸籍法とで、姓の扱いが違うという、かなり的確な論証もあって、これは本当に夫婦別姓の時代が来そうな気がしてます。
選択的夫婦別姓、改正すべきは民法か戸籍法か |  青野慶久
このように社会的な影響力と信用をコツコツと時間をかけて築いてきた方が、社会的な歪とか法的な歪みを指摘して、是正しようとすること自体が、とても価値があると思っています。個人的にはとても応援しています。
今ある社会システムとか法律って、多くの部分は上手く機能してると思うんですけど、��かんせん過去に作られているだけあって、新しいものに適応しきれていない面が否めないと思うんですよね。
僕が新しい仕組みの組織作りを通じて感じている、そして普段から悩まされている法的な不適応な部分は、「会社法」と「労働基準法」と「金融商品取引法」。
この3つが、会社というものの存在を規定している大きな法律。たぶん他にもあるけど、細かいところは専門家じゃないので分からないけど。
この3つを少しだけでも変えることができたら、いまTEALとかホラクラシーとか自然経営とか、そういう新しい組織がもっと存在しやすくなると思うんですよね。
法律って、責任の所在とか権利の所在を明確にしていると思うのですが、TEAL型組織って、責任や権利が組織全体に分散化しちゃうので厳密な定義が難しいんですよねぇ。
さて、どうしたもんだろ。 誰か一緒に会社法とかの法改正のロビー活動、やりませんか?笑 ご一報下さい!
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kozotakei · 6 years
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もっと気軽にブログを書くことに決めました
なんだか最近、Facebookばっかり利用しているもんで、ブログの更新がおろそかになりすぎてました。
結構、僕のブロクを読んでくれる物好きな方もいるそうで、申し訳ない限り。
友人には、毎日ブログを書いている人、というかうんちマンもいるので、僕も真似して、ライトな内容でもいいからちょこちょこ更新していこうと思います。
その決意のブログです。今日は(笑)
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kozotakei · 6 years
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拙著「社長も投票で決める会社をやってみた。」の出版
こんにちは。ダイヤモンドメディアの武井浩三です。大変久しぶりのブログです。熱烈な読者の方がいるかどうかは分かりませんが、半年ぶりのブログ更新ということで申し訳ありません。最近は関心事が広がっていて、考えをブログにまとめることが難しくてですね、、、怠けておりました。すみません。
さて、私事で恐縮ですが3月22日に初めての拙著「社長も投票で決める会社をやってみた。」を上梓いたしました。関係者の方々には本当に感謝しております。
Tumblr media
社長も投票で決める会社をやってみた。
わたくし、元々は書籍を出すつもりなど全くありませんでした。執筆が仕事ではないし、まだまだ志半ばという気持ちも強かったので。
でも去年ぐらいから、ダイヤモンドメディアの取り組みを知りたい、話を聞きたいという依頼を、メディアなどから多数頂くようになりました。「ホラクラシー」の本が出たり「ティール組織」が出てすごい注目されたり。世の中の流れが大きく変わってきたように感じます。
出版までの葛藤や個人的な思い、そして感謝を、この書籍の謝辞にまとめさせて頂きました。ブログには少し長いですが下記に転載するので、これを読んで興味を持って頂けたら、ぜひ書籍の方も読んで頂けると嬉しいです。
「謝辞」転載
とても個人的な話ではあるが、本書の出版にあたり大変な葛藤があった。一個人としてまだまだ未熟だとも思ったし、企業としても事業としても、本書に取り上げられている諸々の制度にしても、道半ばである思いが強かったからだ。せめて自分が納得できるような結果が伴ってから、と思っていた。 しかしWAVE出版の担当編集者である小田明美様から熱烈なオファーを何度も頂いた。私の講演会などには幾度となく足を運んで頂いた。 その中で私の考えも徐々に変わってきたように思う。仮に未熟で不完全であったとしても、我々が10年間取り組み続けてきたモノが一つの情報として世に貢献できるのであれば、それは喜ばしい事なのではないか、と。 小田明美様との出会いがなければ本書の出版は生まれなかった。彼女には感謝しても仕切れない。そしてまた、��んな私の背中を優しく押してくれたダイヤモンドメディア広報の青柳まさみにも改めて深く御礼申し上げたい。
本書は便宜上、私武井浩三個人の著書として記されているが、ダイヤモンドメディアの取り組みはその全てがダイヤモンドメディアのメンバーをはじめ、関わる方々と一緒に作ってきたものだ。共同創業者である染谷衛と小林憲人には特に感謝を伝えたい。私がこのような経営スタイルと目指したいと考え始めた時、この2人の理解無くして実践の一歩を踏み出すことは出来なかった。また創業当初から現在まで、中心的なメンバーとして会社を支え盛り立て続けてくれている岡村雅信と関戸翔太にも特別な感謝を伝えたい。そして社内外に散らばるダイヤモンドメディアのメンバー全員に、日々なかなか言葉には出来ないが最大の感謝と尊敬の意を表したい。共感で繋がる我々には、未知の未来を歩んでいく力があると信じている。
ダイヤモンドメディアの取り組みや向かっている方向性は、もはや私個人の思想からもかけ離れているように感じる。組織という一つの生き物として人格を持ち自立している。それがこれ以上になく頼もしく感じる一方で、少しの寂しさもある。子離れできない親心に似たものなのかもしれない。そんな不安定さ多分に残る私の精神や思想に多大な影響を与えてくださった方々にも、特別な感謝を伝えたい。面白法人カヤック代表取締役の柳澤大輔氏、AIBOやCDを開発された元ソニー上席常務の天外伺朗氏、元スターツコーポレーション専務取締役で株式会社シマーズ代表取締役の島津清彦氏、元ケーズデンキ常務取締役の大坂靖彦氏。
大変申し訳無いことに個別には挙げきれないが、ダイヤモンドメディアの考えや事業に共感をしてくださり、長くお付き合いを続けて下さっている顧客企業や関係者の皆様にもこの場を借りて御礼を申し上げたい。
最後に私の人生を支え続けてくれている家族に、心からの御礼を言いたい。 父武井敏之は、私の社会人としての第一歩を無条件に応援してくれ、職業人としての誇りと仕事の神聖さを教えてくれた。今私が、自分の足で自分の人生を歩んでいる実感を少なからず持てているのは、ほとんど全て彼のお陰だと思っている。その想いは歳を重ねる毎に益々深まっていく。 義父土屋義行には、このような未知の物とも分からない不安定な会社経営を様々な形で支えてくれていることに心から感謝を伝えたい。彼の援助無しでは私の人生の平穏は間違いなくあり得なかった。
そして妻の華奈、娘の紗羅、息子の泰楽。この3人のお陰で私の人生は、良い時も辛い時も全てひっくるめてドラマチックで素敵なものになった。多忙な時期には不便を強いているかもしれないが、それでも家庭を守り続けてくれている妻にはこれからも頭が上がらないだろう。時には喧嘩もするだろうけれど、これからも私のこんな生き方を近くで支えてもらいたい。
2018年3月22日 武井浩三
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kozotakei · 7 years
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ホラクラシーで会議の時間が3分の1になった話
こんにちは。武井です。 今日は珍しくビジネス的な話を書きたい気分になったので書きます。
昨今、「生産性の向上」がやたらに声高に叫ばれています。「1億総活躍」とか、もう意味の分からないスローガンまで出来ちゃって。
我々からしてみると、生産性が上がらないのはヒエラルキー構造による、組織内のコンフリクトのせいであって、それを解消しないことには何をやっても付け焼き刃、焼け石に水なのに。。。って感じです。
もちろんある程度の対処療法も必要だとは思いますが、そろそろ根本にテコ入れしようよ、と言いたいです。
ダイヤモンドメディアで生産性の話を考えた時に、比較的説明のし易い「生産性向上」があったので、今日はそれをロジカルに紐解きたいと思います。
会議ってそもそも何のため?
世のビジネスマンにとって、仕事の大きな割合を占めるのが「会議」だと思います。間違いない。ダイヤモンドメディアの岡村くんなんて、週に2回、大手企業に常駐してるんですけど、会議がマジでヤバイっていつも言ってます。
そもそも会議って、何のためにあるんでしたっけ?
システムの要件定義が得意な武井が、会議というものを勝手に定義して要素分解してみました。すべての組織における会議は大きく下記の3つに分けることが出来ます。
報告や共有のための会議
意思決定のための会議
ブレスト的な発散の会議
この3つの種類の会議が、今度は現場、管理、経営、さらにはそれぞれの部署や事業部などでヤンヤヤンヤと日々なされていると。それが現代の会社だと思うんです。
ダイヤモンドメディアの会議の時間って、おおよそですが、一般企業の代替3分の1くらいなんですね。ABM(Activity Based Management)で、会社全体の会議の時間なんかもざっくりと把握してるのですが、やっぱりそんな感じ。
なんで弊社の会議の時間が少ないのか、考えてみたらすぐ分かった。
なぜホラクラシーで会議の時間が減るのか?
まず、ホラクラシーの根底にあるのは情報の透明性です。会社の中の定量的な情報は可能な限り可視化してオープンにしますし、プロジェクトの途中経過であるコミュニケーションもチャットなどで部分的には可視化できます。
情報が元々オープンなので、報告の会議はいらない。 「これ見といて!」 という感じでURLを送っておしまい。
素晴らしいじゃないか。
これで報告と共有の会議がなくなる。じゃあ意思決定の会議はどうかな?
ダイヤモンドメディア流のホラクラシーには、固定化された意思決定者がいない。上司がいない。稟議がない。なのでワイワイガヤガヤ話し合っている流れで、「お!それいいね、やろう!」ってなる。許可を取る必要がないから、その場で決められる。もちろん、要相談のトピックの場合には、必要に応じて相談するけど。
だから意思決定のための会議を改めて設ける必要がない。
いいね。
そうすると、残るのは「発散の会議」だけ。
ダイヤモンドメディアの納会にご参加頂いた事がある方は、雰囲気を理解して頂けると思うのですが、ブレインストーミングのような話し合いが発散の会議です。
だからダイヤモンドメディアの会議の時間は一般企業の3分の1なんです。
コミュニケーションドリブンで偶発性をマネジメント
もっと言うと、意見やアイデアの発散の場って、偶発性が高いんですよね。その時のメンツや、雰囲気、時間帯などで、発散しやすい時と全然発散出来ない時と、やっぱりムラがある。
場作り的に、ファシリテーションやガイドラインでサポートすることも出来るけど、人間の集まりである組織にとって最も重要なのは、偶発的な奇跡が起きる可能性を高めること、だと個人的には思っています。
なので、ダイヤモンドメディアでよく言われるのが「コミュニケーションドリブン」って言葉。テクノロジードリブンじゃなくてコミュニケーションドリブンw
雑談にこそ企業の未来が隠れていると思います。ちょっとアホなくらいの雑談の方が、盛り上がって活発な意見が飛び交います。(たぶんw)だからダイヤモンドメディアにはファミコンがあったり、ベンチプレスがあったり、ギターがあったりします。コミュニケーションの媒介になる。
コミュニケーションを阻害するもの、たとえばパーテーションとか、個室とか、作業ブースとか、そういう物理的なものも、オフィスからは出来る限り排除しています。もっと言うと、肩書や役職のような、ヒエラルキー構造の中で固定化された役割というのも、コミュニケーションの阻害になると感じています。
とまあ、こんな感じで会社が回っているダイヤモンドメディアです。 DM流ホラクラシーを導入すると、間違いないなくコミュニケーションコストが下がります。そして会議の時間が少なくなります。つまり生産性が上がります。
生産性向上に目を向けた時に、生産性そのものではなく、その背後にあるものにテコ入れをしてみるのも良いもんですね。国にホラクラシーを導入したいw
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kozotakei · 7 years
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「株式会社」の3つの致命的欠陥
こんにちは。 ダイヤモンドメディア株式会社の武井浩三です。
いきなりですがここ数年、「株式会社」というモノ自体を研究していました。色々文献を読んだり法律を紐解いたり、でも一番は思考実験で、頭のなかで色んなパターンを試すのが、僕の好きな方法です。
自然の摂理に反しない、それが僕の理想の企業。 すべての人が理想の企業で理想の仕事ができる。それが僕の理想の社会。
最近は「フリーランス」や「ノマド」のような働き方が増えているので、世の論調の中には「会社という組織自体が不必要になるのではないか?」という意見も見受けられます。全部プロジェクト制にしちゃえばいいじゃん!的に。
でもボク個人の今のところの意見としては、会社というものはやっぱり意味があると思います。それは共同体と言うものが、「共有資産の永続的保有」と「そこから生み出される富の公平な分配」という側面で、個人の能力を超えるからです。
そもそも社会の近代化は、1800年頃の「私有財産権の確立」から始まりました。そして「資本市場」が生まれて「科学的合理性向上による経済の成長」があって、「輸送・通信技術の発展」により「民主化」が進んできている(今はまだ通信と民主化の過渡期)。
つまり個人の財産を国や他人が侵害できない、というものが経済発展の一番の土台にあるのです。そして会社のような法人は人格を持つ共同体であり、資産を保有することが出来ます。法人に物理的な寿命はありません。だから個人よりも優れている。
と、まあ、「前提として法人が必要」という説明に結構な文量を割いちゃいましたが、その上でこれから「株式会社の致命的な欠陥」を説明したいと思います。
「株式会社」は歴史上最も優れた組織形態
株式会社の欠陥を説明するのに、最も優れたって、どういうことやねん?って感じですが(笑)、今現在存在する共同体の形としては、機能的に株式会社は最も優れていると思います。
社団法人、NPO、合同会社、LLPなど、法的に登記できる法人格は沢山あります。それ以外にも例えば、マンション管理組合のように、組合というものも自由に組成することが出来ます。組合は法人ではありませんが、任意の共同体です。そして合同会社やLLPよりも、機能的に株式会社が優れているのは、会社が3つの分業で成り立っているからです。
「労働」「経営」「所有」
この3つの分業によりダイナミズムが生まれ、一緒くたの時にはできなかったようなことが出来るようになります。例えば外部からお金を調達する、とか。
分業はダイナミズムを生みます。分業により経済が生まれて貨幣が生まれた訳で、分業は間違いなく良いことです。でもその分業が昨今の企業の凋落や不祥事を生み出してしまっている。このパラドックス。これを3つの観点から説明します。
あ、説明と言っても武井の持論なので、合っているかどうかは分かりませんし、厳密であることが重要だとも思っていません。僕は学者ではないので。なのでお取り扱いは個人の責任でお願い致します(適当でスミマセン)。
1. 情報の透明性が担保されていない
株式会社を規定する法律を「会社法」と言いますが、草案は明治時代に生まれて、2006年から今のような1円でも設立できるような形になりました。不動産の借家法とかもそうですけど、戦後間もない頃に、だいたいの法律の元となるモノが���られています。
でもその頃って、インターネット、無いよね・・・
会社法にはアナログで出来る範囲のことしか、法律で規定されていません。会社内部の情報をデータ化して共有するということを法律で担保していません。
ホラクラシーに最も必要なのは情報の透明性です。情報によって個と個が繋がって一体化します。「労働」と「経営」と「所有」を一体化させるためには情報の透明性が絶対的に必要不可欠。昔はよく「経営者は孤独」とか言われてましたが、私の知人のホラクラ系経営者達は「経営者は孤独」の意味がわからないと、みんな口を揃えて言います。
そういうことなんです。では次。
2. 意思決定の方法が多数決
会社法に規定されている意思決定は、全て多数決です。取締役会、株主総会、すべての最終意思決定は多数決で決まることになっています。
多数決とは、ビフォアーインターネット時代の意思決定の方法です。しょうがないから多数決で「えいや!」って決めていた。決めざるをえなかった。
セブンイレブンの前社長、鈴木さんの解任の時なんか、取締役会での多数決が「7票対8票」の1票差で解任が決まったらしいです。2万店舗もあって、従業員さんや関係各社、取引先なんかを含めると、おそらく数十万人。顧客を含めたら数千万人というステークホルダーがいる一流企業の、超重要な決定を多数決で決めちゃう。これどうなの?
僕がセブンの正社員だったらキレますね。もっと話し合え!と。
でも法律が、会社にこうさせちゃってるんですよね。これは会社の問題ではなく法律の問題。社会構造の問題なんです。
多数決とはマジョリティを取って意思決定します。マイノリティを切り捨てます。でも「リーダーシップ」って、常にマイノリティなんです。だってそうでしょ?誰もがわかっている事だったら、リーダー自体必要ないですから。
つまり、組織内で多数決を繰り返すと、組織からリーダーシップが失われていきます。そして官僚化が進みます。権力の奪い合いが始まります。派閥が生まれます。株の議決権争いのことをプロキシーファイトって言いますけど、今はその方法でしか既得権益に立ち向かえないからしょうがなくやっている。やらざるを得ない。これは明らかに法整備の歪から生まれていますね。
多数決の究極は政治システムですよね。
武井個人は、政治家の知り合いもボチボチおりますし、ほとんどの方が人格的にも能力的にも素晴らしいと、本気で感じているのですが、僕はやっぱり政治のシステムが好きになれません。多数決だから。
ホラクラシーには「意思決定機関」というものが存在しません。無くても意思決定できる人、すべき人が勝手に意思決定して進んでいくから。それでいて全体の調和が取れる。ヒエラルキーの場合、部分を変えると全体調和のために一度トップまで戻らないといけないんですね。稟議みたいな感じで。
ちょっと話が膨らみすぎてしまったので戻しましょう。では最後に3つ目。
3. 株式会社は刑事責任を取れない
これも法律的な問題です。
株式会社は人格を持っています。民事責任は取れます。でも刑事責任を取れないのです。だから会社はモラルハザードを起こしてしまうんです。言い換えると、倫理や道徳に反することをした方が会社は儲かってしまう、ということ。
過去に三菱自動車がリコールすべき問題を隠し続けて、それが原因で若い母親が亡くなってしまったという悲劇がありました。
もちろん三菱自動車は金銭的賠償をたんまりしたと思います。でもそれは民事の話。
刑事の面で、どんな処罰があったと思います?
例えばトラックの運転手が居眠りとかで事故を起こしてしまい、人が亡くなってしまった場合は「業務上過失致死」として、かなり重い刑事責任を問われますよね?
この三菱自動車のケースでは、問題を隠し続けた役員達に対して、「罰金20万円」が課されました。20万円ですよ。詳細は異なるかもしれませんが、人が亡くなっているのに、こんな程度の罰金刑なんです。
会社としてはこっちのほうが儲かっちゃうんですよね。
なんだったら、この責任をだれか一個人の役職者とかに押し付けて、トカゲの尻尾切りのように首を切ってしまえば問題解決ですよ。
いやいやいや。
責任は個人ではなく、法人に帰すべきですよ。法人として起こした事件ですから。でもそれは会社が悪いんじゃなくて、法律の不備なんですよね。だから根が深い。
最後に
ヒートアップしちゃってすみません。でも、こういう構造的な問題に目を向けて、構造自体をリデザインしないことには、世の中良くならないんですよ。だから僕は声を大にして言いたい。
そして法律の問題とも言いましたけど、そもそも法律で全てをカバー出来るとも思っていないし、すべきだとも思っていません。
法律には「自然法」と「実定法」がありますが、制定されている法律で全てを網羅できるはずもないから「自然法」があり「倫理」や「道徳」があります。組織や個人が、無理せずに自然とこの「自然法」に則って営んでいける社会システムが求められているのが、今の変革の世だと思います。
我々は今の資本主義を否定していません。しかし進化する時だと切実に感じています。そして我々がフロンティア精神を持って、新しい法人組織を描いていこうと思っています。だから失敗もあるけどw
次回のブログでは、ダイヤモンドメディアのこの自然法に基づいた経営システム、組織デザインの最新の取り組みをご紹介しようと思います。
今回はこれでオシマイ!
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kozotakei · 7 years
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なぜアメリカのホラクラシーは失敗するのか
こんにちは。ダイヤモンドメディア武井です。
本当に久しぶりのブログ更新で恐縮しております。まあそんなにみんなが期待して見てるもんでも無いんだろうけど、でもたまにお会いする方に「ブログ読みました!」とか言って頂けると、嬉しさよりも先に申し訳なさが出てきてしまうので、そんな自分と戦いたいと思います。
このところホラクラシーというか弊社の取り組みについて、インタビュー記事に取り上げて頂くことや、講演の依頼を頂くことも増えてきました。講演については、本業ではないので積極的にやっている訳ではないのですが、我々のような取り組みが世に広がる一助になれば良いな、という気持ちで極力お受けしております。
ちなみに最近は、お名前は出せませんが、韓国の某大手企業から連絡を頂いたり、都心の某金融機関からオファーを頂いたりしていて、なんというか、今まではベンチャー周辺の方々や、人事・組織の専門家の方々だけにウケてたホラクラシーが、大手企業にも関心を持たれるというのは時代が変化してきている証拠だなと感じています。ますます確信が深まる。
色々な形の講演や勉強に参加させてもらっていますが、一方的に喋るだけではなく、半分以上の時間を質疑応答というか、頂いた質問に答えるというのが通例になってきました。やっぱり弊社の取り組みは他に例が無さすぎて、イメージしにくいようです。
多くの質問を頂くのですが、その中の一つに、「ザッポスなどが導入しているアメリカのホラクラシーと、ダイヤモンドメディアの実践しているホラクラシーは違うように見えるのですが、実際の所どうなんですか?」というモノがあります。今日はこれをご説明したいと思います。
なぜアメリカのホラクラシーは失敗するのか
すこし挑戦的なタイトルですみません。でもこれ、ホラクラシーがこれから世に広まっていく上で、絶対に知っておかなければいけないことなので、皆様に声を大にしてお伝えしたいのです。
ブライアン・ロバートソンが「ホラクラシー」という言葉を作ってから、10年近く経ちます。理不尽な権力のないフラットな組織というコンセプトは、おそらくほとんどすべての方々に「それ、いいじゃん!」という感じで共感頂いていると思います。アメリカでもそうです。
しかしながらホラクラシー組織は、アメリカでも300社ほどしか導入事例がなく、その殆どが1年以内に元のヒエラルキーな組織に戻ってしまっています。ザッポスの進捗具合が気になりますが、時折見かける記事などでは、やはり現実的な課題が多く残っているようです。
「なぜアメリカのホラクラシーは失敗するのか?」
手前味噌のようで大変恐縮なのですが、ダイヤモンドメディアではホラクラシーが超円滑に機能しております。ダイヤモンドメディアではなぜ(もちろん完璧などとは思いませんが暫定的にでも)ホラクラシーが上手くいっているのか。
「そんなこと言ったって、ダイヤモンドメディアは規模がちっちゃいじゃん!」と言われそうなので、先に防衛線を張っておくと、弊社は20数名という規模なので、たしかに小さいですが、IT企業なのでホラクラシーをシステムと経営オペレーションにまで落とし込んでいます。つまりスケーラビリティを確保しています。メンテナンサビリティもサステナビリティも確保しています。たぶん。
ようやく本題に入ります。 なぜアメリカのホラクラシーは失敗して、ダイヤモンドメディアのホラクラシーは上手くいくのか。
実は弊社、アメリカでブライアン・ロバートソンが作ったホラクラシーを参考にしていません。全く。というか彼がホラクラシーを始めたのよりも早く、弊社はこういった非管理型経営を始めました。むしろ参考にしたのはブラジルのセムコ社です。
ダイヤモンドメディアとアメリカのホラクラシーの違い
ブライアンが自身の書籍「ホラクラシー 役職をなくし生産性を上げるまったく新しい組織マネジメント」で言っていることは、要約すると「ルールを統治するボスを無くして、みんなでルールをマネジメントしよう、それならフェアでしょ?」ということに集約されます。
そのために、どういうプロセスでルールを編集するか、を取り決めた「ホラクラシー憲法」なるめちゃくちゃ厳しいルールが存在します。ルール管理のためのルールみたいな状態。ちょっとよくわからない。
個人的な意見を言うと、ブライアンのホラクラシーはコミュニケーションやミーティングを円滑にしようとする運営メソッドであり、それはそれで価値があると思うのですが、明確な欠点が3つあります。この3つを組織として担保しないと、ホラクラシーは実現できません。絶対に。
ホラクラシーとは組織全体が一体化すること。部分と全体が一体化すること。それは精神論ではなくて構造的な問題です。この3つが組織の中で実現されると、途端にホラクラシーが機能し始めます。では3つを露わにしてしまいましょう。
1. 情報の透明性が担保されていない
ホラクラシーを実現するためのファーストステップでもあり、最も重要と言っても過言ではないと思っています。それが情報の透明性。
人間のようなエゴを持つ社会性生物は、レントシーキングといって、個人の利益の最大化のために、ズルをします。最近は政治家の経費の不正利用などの不祥事が取り沙汰されていますが、これ、レントシーキング。でも実はこれ、個人のモラルの問題ではないのです。
人間は、ズルができる環境にいると、ズルをしてしまいます。節税っていうものもレントシーキングです。法律と抜け穴探しのイタチごっこ。これを繰り返すと、法律がどんどんガッチガチの厳しいものになっていって、真面目にやっている人も身動きが取りづらくなっていく。これ、組織の官僚化です。
ここで言うズルの定義とは、個人の利益を最大化させることによって、全体(会社や自治体や国)の利益を毀損してしまうことを指すのですが、つまり部分と全体の利害関係が不一致な状態が生まれてしまう。この利害関係を一致させるために何が必要か、というと情報の透明性なのです。
一個体の生物は、情報でつながっています。つなげると一つになります。そんな感じ。あ、でも透明化させる情報で重要なのが、「結果」ではなく「プロセス」の情報であるということ。上場企業には情報開示の義務がありますが、それでもなぜ不祥事が起きてしまうかというと、上場企業に課せられた情報開示義務は、すべて結果の情報だからです。
プロセスの情報を開示して、それに関与できる状況を作ると、部分と全体が一致します。この理屈の科学的根拠はここでは述べきれないので割愛しますが、様々な研究で立証されています。
アメリカのホラクラシーでは、情報の透明性の担保についてはほとんどノータッチです。「隠し事は良くないよ」くらいにしか扱っていません。だから失敗する。
はい、次。
2. 権力構造が残っている
アメリカのホラクラシーは、一見するとフェアに見えます。実際、今までのヒエラルキーよりもよっぽどフェアだと思います。しかしながらブライアンの作ったホラクラシーの仕組みには、権力が残っています。つまりボスがいるんですよ、結局のところ。
プロジェクト単位のチームをホラクラシー的に運用することは比較的容易です。しかしそのプロジェクトは、どこかの事業部の一部であったり、極論は会社の取り組みの一部ですので、それを管轄している誰かが残ってしまう、というのが アメリカのホラクラシーです。
これは既存の組織論でいうところの「権限委譲」なんですね。
そして権限委譲の大前提というのがあって、「権力を持っている人が、権力を持っていない人に、限定的に許可を与える」というもの。これは構造的な話で、個人の人望や人間力の話ではありません。
権力を持っている人と持っていない人、という前提の上に成り立っているシステムなので、つまりは権力構造が残っているんですよね。会社組織内における権力とは「決済権」と「人事権」の2つ。
これを手放さないことには、本当のフェアネスの実現なんてできるわけないですよね?誰かに生殺与奪権を握られたまま「好きにやっていいよ!」なんて言われても、できるわけないじゃないですか。ねえ?
アメリカは日本よりも人間関係がフレンドリーですが、ボスというものの権力は絶大です。部下を好きに首にできます。この権力を構造的に解消しないことにはホラクラシーは実現でないよね。構造的に、というのが重要。
はい、次。
3. 報酬制度が整っていない
これ、超重要なトピックです。僕の周りにも最近、ダイヤモンドメディア流のホラクラシーを導入された会社さんが増えました。NPOだったり株式会社だったり任意団体だったり。
ボランティアのような任意団体は、実は結構すんなりとホラクラシーが上手くいきます。でも他の組織はだいたい躓く。どこで躓くかというと、この報酬制度。
素晴らしい経営者の方々は、情報を透明にしたり権力を手放すことに、ほとんど抵抗がないのですが(透明化と権力放棄が出来ない会社はホラクラシーは出来ません)、そんな彼らでも、この「報酬をどう決めるのか問題」で一番頭を悩ませているようです。勉強会や講演会でも一番質問の量が出るのがやっぱり報酬や給与の決め方のところ。
で、なぜこれが問題になるかというと、ヒエラルキー組織において給与を決めるという行為は、人事権に付随するからです。人事権とは個人の「報酬」と「業務」を決める権利です。でもホラクラシーではこの人事権を手放します。
じゃあ、誰が給料を決めるのよ?ってことになっちゃうんですよね(笑)だからボランティア団体だと問題化しない。金銭的報酬がそもそもないから。
色々なホラクラシー的な非管理型経営を実践している企業の経営者の方にお会いしてきましたが、手前味噌ながら、ダイヤモンドメディアの報酬制度のシステムが最も汎用的で完成されていると��じました。
もちろん円滑に機能している会社様も多くいるのですが、ビジネスモデルや企業規模、業種業界を超えて使えるシステムは、弊社の仕組みだけだと思います。
じゃあダイヤモンドメディアでは報酬(≒給与)がどうやって決まるのかと言えば、「相場」です。株式市場のような感じ。上司のような一個人が「誰々くんはがんばったから2万円アップ!」とか、360度評価のように「チームメンバーの誰々は評価A、誰々はB」みたいな個別評価は一切しません。
給与相場を整える。それだけです。
なぜ相場が大事かというと、全ての個人は「労働市場」という市場に晒されています。この労働市場における彼彼女の価値と、社内での報酬が乖離しすぎることは、絶対的によくありません。給与が高すぎるのもよくありません。
このように「相場で決まる報酬システム」を導入しないことにはホラクラシーは実現できません。権力を手放せないので。でもこれが一番導入が難しいかなぁ。
長くなってきたので、中途半端だけどそろそろブログ終わります。 最後に物申したいのは、組織や人間についての理解が薄い方は「ホラクラシーは一つの方法論であって、ヒエラルキーがいい場合もあるでしょ」という意見を言ったりするのですが、断言しておきます。世の中の企業は全て例外無くホラクラシーになっていきます。どのくらいの年月を掛けて、かは、僕の測れないところですが、絶対にこの組織形態がスタンダードになります。もしかすると30年後ぐらいには、社内において全員の給与を開示することが法律で義務化されるかもしれません。それくらい重要なことだと僕は考えています。
まあ、なので僕としては皆さんに是非ともホラクラシー組織を作っていってほしいのですが、ブライアンのホラクラシーをそのまま真似するのは止めたほうがいいよ、と。ダイヤモンドメディアのやり方のほうがうまくいくよ、と言いたい。
そして実践される際には、ぜひ僕におしえて欲しい!アドバイスできるかもしれないし、ビフォアアフターの新しい事例が生まれるかもしれないし、そこからまた、より良い組織が生まれていくかもしれない。
あと15年くらい掛かるかなぁ。ホラクラシーが一般化するの。
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kozotakei · 7 years
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「給料の見える化」記事にホラクラシー企業の見解をぶつけてみる
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ホラクラシー経営の神「サンシャイン」
今日、Facebookを見ていたらこんな記事が流れてきた。
■同僚の給与を「見える化」したら、社内はどうなるか? https://forbesjapan.com/articles/detail/16271
���ォーブスジャパンの一流記者が、これまた一流企業であるGMOの人事・給与制度をピックアップしたものだ。記事の初っ端から「ハレーション」という言葉が出てきて、その意味を調べる所から始まったけど、記事内容を要約するとこんな感じかな。(ハレーションとは?)
「給料の透明化」、正確に言うと「等級ランクの公開」
給料公開じゃないんかーい!とツッコんでしまったw
同社の人事評価は、6段階の等級があり、1つの等級の中にランクがある。等級とランクごとに給与額の枠が定められ、自己目標の達成度に応じて給与が決定する。
この等級ランクを決めるのが、「360度評価」だ。2011年に導入された、他部署を含め、業務に関わる人たちによる匿名評価である。 
匿名評価なんだね。ここが透明じゃないというアイロニック。
最近、新たな「見える化」も取り組み始めた。ピンポイントで1〜2週間、毎日15分単位で何の業務をしているかを記録するというものだ。
アクティビティベースドマネジメント(ABM)だね。ダイヤモンドメディアもやっているけど、ぶっちゃけABMは製造業向けだから、知的労働は労働内容をレコーディングするのが本当に難しいですよね。コレばっかりはこの記事の通り、新しいやり方やツールが欲しいところ。
GMOインターネットの「見える化」効果 1. 360度評価を導入し、公平な評価によって不満をなくした 2. 給与額がオープンになったことで、仕事に責任を持つようになった 3. 仕事の記録化で無駄を抽出。解決方法のノウハウ化に
等級・ランクの公開と給与額の公開は違うと思うんだけどなぁ。でもまあ、不透明より透明の方が組織は健全に決まっているので、こういった一流企業が変化してゆくことはとても素晴らしいと率直に思います。 個人的に熊谷社長のことをめちゃめちゃリスペクトしてますし、嬉しい。
とまあ、こんなところで、ではホラクラシー経営をかれこれ10年近く続けている我々ダイヤモンドメディアでは、これらの面でどんなことをやっていて、何を考えているかの持論を書こうかと。
ちなみにサンシャインさんはホラクラシー経営の神です。
1. ホラクラシーでは給与は完全にオープン
ホラクラシー経営で重要なのは情報の透明性。「給与は個人のプライバシーのうんたらかんたらで、云々カンヌンだから・・・」というのは、完全に情報をコントロールする側の都合ですよね。だって上司は部下の給料知ってますから。
等級・ランクと給与レンジの公開と給与の公開は、そういう意味で異なると思います。まあ、遅かれ早かれ、給与額がオープンな会社はこれからも増えていくと思います。
2. 等級・ランクは設けない
これも重要なポイントですが、等級制度とはそもそも、明確化されたジョブディスクリプションに対応させて、会社の要求するKPIを設計したものです。そのKPIの達成度などで人を評価する仕組み。これまでの給与制度は、仕事・作業に値段が付いた「職務給」と、その人の持つ知識や経験や能力に値段を付けた「職能給」という、2つで構成されています。この2つの軸で組織をマトリクス状に区分して、それぞれの区分にランクや給与レンジを付けたものがすなわち等級制度です。
でも等級制度とはヒエラルキー組織に対応させた給与制度です。この区分の中でしか人を評価できなくなるので、働く人の力学としては評価されない仕事はしなくなる訳です。それが上司と部下の意識の乖離だったり部署間の軋轢ですよね。サイロ化とか言われますけど。
3. そもそも人が人を評価しない
これ。これがホラクラシーの肝。人が人を評価しない。組織内における権力というのは大きく括ると「決済権」「人事権」に収斂されます。
組織内から権力ををなくそうとすると人事権もなくさないといけない。でも問題は人事権がなくなったら誰が給料を決めるか、って話になっちゃうので、ダイヤモンドメディアでは株式市場みたいに「相場」で決めています。株式市場には株価決定者なんていないですよね。それと一緒です。最終的には個々人の給与が1万円刻みで決まっていきますけど、「給与を決める」ことと「相場を整えること」は全く異なります。これがダイヤモンドメディア流ホラクラシー。
ちなみにアメリカのホラクラシーとダイヤモンドメディアのホラクラシーは全然違っていて、報酬制度まで整えているホラクラシー企業は他には見たこと無いですね。
4. 個人評価のために目標管理をしない
記事の中に「 自己目標の達成度に応じて給与が決定する。」という一文があります。これは個人的にはとても良くないと思いますねぇ。
実はダイヤモンドメディアでも個人の目標管理というのを7年間ぐらい、ガッチガチにやっていたんですけども、結論から言うと全く意味がなかったんですよね。
なんのためにこれをやっていたかというと、その人の成長を促すため。でも成長欲求って、人それぞれなので、そんなに成長を求めていない人にも要求しちゃうんですよね。成長至上主義というか。
でも成長する人って、勝手に成長しますし、しない人はどんなに周りが管理してもしない。成長するかしないかは、人間の内部の事象なのでそこに対してダイヤモンドメディアは「成長を強制しない。ひたすら邪魔をしない」ことにしています。
そもそも目標とは人間、しかも一個人のエゴなので、これを目標設定と目標管理を繰り返すと、往々にしてエゴが暴走しちゃいます。エゴが暴走しなければ良いんですけどね。バロメーターというか指標として付き合う感じで。
まとめ
疲れたので無理やりまとめます。これがホラクラシー的人事考課制度です。
給与は完全にオープン
等級・ランクは設けない
そもそも人が人を評価しない
個人評価のために目標管理をしない
・・・こんなんで、会社が回るのかな?(笑)
でもまあ、25人くらいでウチの会社は機能的に回っているので、もう少し様子を見てみようと思います。今年来年は会社の規模も拡大しそうな予感がするし!
以下、弊社の求人情報です!仲間募集!一緒にすげー会社、作ろうぜ!
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kozotakei · 7 years
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なかなかブログが書けないなぁ
最近、ブログの更新を怠っております。楽しみにしている人がいるとすれば申し訳ない。いないことを祈る。
なぜブログ更新のモチベーションというか機会を持てないのか。少しだけ考えてみた。
ダイヤモンドメディアの取り組んでいるホラクラシーを説明するには、とんでもない情報量と背景説明が必要→つまり大変
事業フェーズが変化していて、リアルタイムに説明するのが大変
講演やインタビューなどの機会が増えた→喋るほうが楽
なんとも自堕落な結論に至った。 まあ、ブログは頑張って書くものでもないと思っているので、こんなペースで良いかな。
また気が向いたらきちんとしたコンテンツを書こうと思います。
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