これから精神保健福祉士国家試験を受ける人に読んで欲しい記事
さてさて、この度ワシは第25回精神保健福祉士国家試験に合格した。
もちろん一発でだ。
当たり前だが、予備校・通信教育・学校の特別講座・模試などは一切利用していない。
極端な話、そんなものに頼った時点で落ちると言い聞かせていたほどだ。
事実、勉強したつもりになって何度も落ち続けている人を大量に見てきた。
そうならないためにも、とにかく一発で勝ちを獲ることを絶対条件とした。
実は看護学校時代、国家試験の特別講座みたいなのを強制的に受けさせられたことがある。
はっきり言ってムダだ!!
面倒だし、面白くないし、間違えたことを教えることもある。
こんなのに万単位の金を使うなんて、愚の骨頂としか言いようがない。
だからおいらは、自分の力しか信じないようにした。
しかし、どのような問題集を使えばいいのかに困る人が多いという。
特に法律関係の問題が多く、ややこしい選択肢もあるから油断はできない。
今回の合格率は71.1%とのことだったが、それでも力及ばなかった人がいるのは事実だ。
ってことで今回は、おいらがどのような方法で勝利を勝ち取ったかを暴露いたす。
内容が膨大になるが、大事な極意を余すことなく記載する。
どうか、この記事がコスト削減と合格に直結することを願う。
◆墨守すべきこと
もう、これが奥義なんだけど、とにかく以下のことを墨守するのだ。
複数種の過去問は、それぞれの解説を理解すること。
他職種の視点を身に付けて、分析の角度を広げる
スキマ時間を徹底的に使い倒せ
カフェやファミレスは落ち勉だ
音楽を聴きながら勉強する時点で負け決定
どんなに有効な参考書を取り揃えても、使い方と環境がダメだと全てがダメだ。
1.複数種の過去問は、それぞれの解説を理解すること。
コレは鉄板中の鉄板だ。
全く同じ問題内容であっても、出版社によって解説が異なる。
難易度は出版社ごとに異なるが、まずは読みやすい解説のものを選ぶのが良いだろう。
おいらの場合、まず過去問.comの解説をしっかりと身に付けて、中央法規の問題集に取り掛かった。
過去問.comの解説は、比較的平易な言葉で詳しく説明しているため、非常に評判がよろしい。
さらに2パターン以上の解説もあるため、大変お得だ。
中央法規は少し文章が長いけど、その分詳細に記載されている。
なので、まずは過去問.comの解説でしっかりと要点を理解し、中央法規でその理解を深めることのが良いだろう。
2.他職種の視点を身に付けて、分析の角度を広げる
おいらは医師、作業療法士など、他職種の過去問も徹底的にやり込んだ。
主観だが、ここ数年の医療系国家試験は、明らかに内容が高度化しているように思う。
多職種連携の重要性を反映しているのかは不明だ。
しかし、ただ過去問を解くだけでは太刀打ちできないような問題が散見される。
ならば、その多職種の視点を覚えればいい。
それを手っ取り早くするのが、当該職種の過去問なのだ。
さらに、精神医学領域は非常にマニアックな内容の集まりである。
いかに幅広い見識を身に付けるかで、勝負が決まると思って間違いない。
3.スキマ時間を徹底的に使い倒せ
何かのコラムにもあるけれど、スキマ時間はとにかく使い倒そう。
トイレ、入浴、おやつタイム etc.
どんなに慌ただしい日々であっても、スキマ時間は必ず存在する。
問題集が手元に無ければ、たとえ数秒程度でもいいから、何か関連用語などを思い出して欲しい。
満員電車なら、嫌でも問題集に集中できるだろう。
スマホでゲームするなら、ストアで過去問のアプリをダウンロードしたりすればいい。
とにかくスキマ時間を使い倒すのだ!!
4.カフェやファミレスは落ち勉だ
これはもう、現役の学生・社会人問わず最悪 of 最悪だ。
国家試験以前に、学校の定期テストで赤点の常連は例外なくこのパターンに該当した。
まず、環境そのものの使い方が大間違いだ。
カフェはコーヒーを飲み、ファミレスはメシを食う場所。
これに尽きる。
そんなところで参考書をデカデカと広げて勉強会をしている学生を見るが、シンプルに痛々しい。
店舗側としても、回転率が下がり、ひいては収益に影響するので迷惑この上ない。
また、友達同士で教え合っている声がダダ漏れになるんだが、その内容も、疑問に思う場所も低レベル極まりない。
公共の場所でこんなことをしている限り、彼らは永久に成果は見込めないだろう。
5.音楽を聴きながら勉強する時点で負け決定
コレもよく見かける。
これは科学的にも証明されていることだし、おいらも散々体感している。
クラシックを聴きながら勉強する人もいるが、確実な成果を挙げた例なんて聞いたことがない。
イヤホンではなく耳栓をねじ込むべし。雑音をシャットアウトし、とにかく静寂な精神状態に持ち込むべし。
このコラムは、ものの見事にその問題を論じている。
無論、中には集中できる人もいるだろう。
しかし、それが結果に繋がっているのかと問われたら、ほとんどがNOだったというオチがある。
選択は人それぞれだから勝手にすればいいけど、本当に真剣に受かりたければ、集中力の質をとにかく上げるべきだ。
◆使用した問題集
まず、使用した過去問は以下のとおり。
13番以降は無料のWeb過去問だ。
精神保健福祉士国家試験過去問解説集2023 第22-第24回全問
精神保健福祉士国家試験過去問解説集2020 第19-第21回全問
精神保健福祉士国家試験過去問解説集2017 第16-第18回全問
精神保健福祉士国家試験過去問解説集2014 第13-第15回全問
精神保健福祉士国家試験過去問解説集2012 第11-第13回全問
クエスチョンバンク 作業療法士 国家試験問題解説 2019 専門問題
クエスチョンバンク 理学療法士・作業療法士 国家試験問題解説 2020 共通問題
クエスチョン・バンク医師国家試験問題解説 2023 vol.5 の精神科
クエスチョン・バンク 医師国家試験問題解説 2023 vol.6 公衆衛生
第1回公認心理師国家試験 要点解説と必修用語 大石幸二 著 文光堂
標準公認心理師試験対策問題集 2020 文光堂
日本精神神経学会 専門医認定試験問題 解答と解説 第1集&第2集
過去問.com
ナースフル看護師国家試験過去問題集
スクールカウンセラー養成所 公認心理師過去問
言語聴覚士過去問
社労士過去問ランド
◆問題集を解く順番
精神保健福祉士試験を第一優先で解くのは当然だが、それだけでは到底足りない。
医療・福祉制度ともに、とにかく高度かつ広範囲な見識を身に付けなけることが大切だ。
1点の重みはとにかく凄まじい。その1点を確実に勝ち取るためにも、対策は徹底して欲しい。
解く順番は、、、
精神保健福祉士→看護師→公認心理師→作業療法士・言語聴覚士→医師→行政書士→社会保険労務士
流れとしては、
精神保健福祉士→全体の構成を確実につかむ
看護師→精神科の基本的な能力を形成する
作業療法士・言語聴覚士→精神疾患のより深い内容を身に付ける
医師→最高度の知見、診断の根拠、病態の解析能力の形成
行政書士→成年被後見人制度や行政法の強化
社会保険労務士→日本の社会保険制度の強化
という具合だ。
もちろん、問題集や解説にも相性があるので、必ずしもこれが絶対とは言わない。
自分に出来そうな内容から取り掛かり、徐々にレベルを上げていくのが一番確実だろう。
なお、行政書士と社会保険労務士は、無理に取り掛からなくても良い。
その難易度から、苦手意識がさらに強くなってしまい、逆効果になる危険性もあり得る。
なので、この2種類に関しては、本当に余力がある時のみにすればいい。
◆医師国家試験の重要性
主観だけど、疾患関係の問題は年々レベルが高くなっている印象。これは、その他の医療系国家試験にも言えることだ。
公認心理師試験の時もそうだが、問われている内容は極めて高度だ。
もうここ数年は、ただ過去問を解くだけでは分からない問題も散見される。
その多くは症状などの関連ワードから正解を推察しなければ分からない問題だ。
ここで大切なことは、「医師が診察する視点」を持つことだ。
実務では、なぜ主治医はこの診断にしたのか?と考えるシーンが多い。
看護師の場合、診断をベースに出てくる症状や注意点を考えていく。
逆に、初めて対応するケースであっても、症状などの情報を基にして「こんな診断が下されるのでは?」と予測することもある。
そのためには、症状や薬剤処方のパターンなどを的確に把握することが必須だ。
医師国家試験は、この思考回路を養う上では大変有効だ。
数ある医療系国家試験の中では一番高度な内容であるが、その分、得られる戦力は高い。
ある程度、疾患関連の問題に慣れてきたら、少しずつ解いてみることをオススメする。
ちなみに、今回活用したクエスチョン・バンク医師国家試験問題解説だが、Vol.5は精神科以外の診療科も含まれている。
しかもセット売りなので、精神科だけ購入というのができないのだ・・・。
あと、価格も1万円超と少々ハードルが高い。
しかし、付属のコードを読み取って、アプリを活用すると、スマホやPCで過去問が解き放題という特典がある。
これだけのためにゲットしても、十分価値があると思う。
少々やり過ぎな感じがあるかもしれないが、そこにどう価値を見出すかは本人次第です。
◆作業療法士・言語聴覚士国家試験は、より臨床に即した感覚を掴む。
公認心理師試験の時にも記載したが、やはり作業療法士国家試験は強い。
さらに、言語聴覚士試験においても、精神医学領域��問題が網羅されている。
精神医学はもちろん、神経関連の問題も網羅されている。
加えて検査項目や症例問題も多いため、医師国家試験並みに高度な内容になっている。
精神関係の試験において、これを使わない手はないだろう。
精神疾患はかなりマニアックな内容だからこそ、実力に深みをつけて欲しいものだ。
加えて、ただ点を取るだけでなく、実務に即した内容である。
OTがリハビリの場面で見た振る舞いを基に、退院後の生活をイメージする上でも大切な訓練になると思う。
できれば、1日30問以上は解いて欲しい。
当然だが、解剖学などの領域も含んでいる。
共通科目の「人体の構造と機能及び疾病」対策にもうってつけだ。
脳組織関連の問題もあるので、ここで確実に正解数を確保できるようにしよう。
◆看護師国家試験は疾患と対応の基本を強くする
看護師国家試験は、精神科の基本的かつ重要な要素を簡潔かつ大量に網羅している。
精神疾患は、実際を見ないとイメージがつかめないという人は多い。
おいらも駆け出しの頃はそうだった。
また、それらを取り巻く要素も膨大で、実務においても混乱を招くことがある。
もし精神医学関連が取っつきにくいと感じたら、まずはこちらから取り組んでもいい。
試験名称は異なっても、問題は意外と類似するものが多いからだ。
さらに対応方法や入院制度についても問われるので、非常に有効である。
意外と実務で見かけるような内容が多いので、イメージを掴む意味でも極めて有効だ。
オーソドックスな内容が多いからこそ、忘れてはならない要素が詰まっている。
これは早めに取り組んで損はないだろう。
◆公認心理師試験は心理学領域を覚えるには最適
共通科目にもあるが、心理学の知識も問われる。
歴史上の人物の名前は、心理療法、概念など、マニアックな内容が当たり前に問われてしまう。
捨て問題にするにしても、それ自体が点数になっているので、決して疎かには出来ない。
少々面倒であるが、このような現実から目をそらすことは出来ないのだ。
加えて、福祉関連の問題も包括されている。
事例問題も、実務であり得る内容が多い。
当然、精神保健福祉士国家試験にも事例問題が存在する。
担当する領域と視点は違えど、「いかにして適切な判断を下すか?」という任務は同じだ。
患者・利用者のニーズを考える力を養うためにも、試験2か月前までには取り組んで欲しい。
◆各種制度は行政書士と社労士試験で強化
難易度が爆上げになるが、行政書士と社労士の過去問は極めて強力な武装になる。
成年被後見人制度、年金関連、雇用保険など、各種制度のエキスパートの試験だ。
とくに社会保険制度については、訪問看護時代にも散々質問されたことがある。
これが理解できれば、合格は極限まで近づくだろう。
さらに実務面においても大変有益だ。
ただし、問題というか選択肢の文章が非常に重厚だ。
そのため、いきなりコレに手を出すのはオススメしない。
まずは、精神保健福祉士・社会福祉士試験の範囲で基本をしっかりと押さえておこう。
その上で臨めば、理解もスムーズだしイメージも掴めてくる。
ハードルが一番高い内容になるが、合否を分ける重要な領域なのだ。
だからこそ、恐れずに真向から取り組んで欲しい。
ただし、前述したとおり、こいつらは無理に取り掛かる必要はない。
高い難易度ゆえに、苦手意識が増悪してしまうと本末転倒だ。
本当に余力がある時にだけにすればOK。
◆法制度の変更に注意
法律が絡む試験でもあるので、数年したら制度が改訂されることもある。
事実、それは問題にも反映されているので、常に新しい知識を身に付けておく必要がある。
こうなると、古い過去問は邪魔になるのでは?と思う人もいるだろう。
しかし、おいらはこれを法制度の理解を深める手段に使用した。
まず、あえて古い知識を覚えておき、その上で最新の問題を解くことにした。
こうすることで、「あ。この制度は古いやつだ!!」と、反射的に検知することが出来るのだ。
最初に最新の知識を覚えておく。その上で古い制度の問題を解いていく。
ある程度理解が伴ってくれば、選択肢を読んだ後に、違和感を覚える。
これが、当時の古い制度=今では間違いということが分かるからだ。
法制度は定期的に改訂されているので、常にアップデートをすることが必須である。
しかし、古い知識を知っておくことで、制度の変遷を知ることが出来るし、間違いの検出にも役立つ。
少々手間に思えるが、効果は絶大だ。
焦らずにじっくりと取り組んで欲しい。
以上、冗長になったが、これが全てだ。
特別な勉強法なんて何もない。
出版社ごとの過去問を徹底的に理解し、多職種の視点をとにかく取り入れまくることだ。
予備校とかそんなものは一切使わなくても良い。
特に社会人ともなれば、勉強時間の確保も難しいことが殆どだろう。
それゆえに、何時間勉強すればOKという助言は出来ない。
だからこそ、ムダを排除し、的確に知識を取り入れることが絶対だ。
おいらも、実験や博士論文、職務、古武術の修行の合間に勉強して合格できた。
だから安心して欲しい。
これから第26回以降の試験を受ける全ての方々が合格することを願って....。
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