Tumgik
bookendsbook · 9 months
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2023-08-27
金曜日、『Armored Core 6』がリリースされてゲーマー界隈は盛り上がっているが、個人的にどうにもモチベーションが継続しない。
過去作シリーズはそこまでハマっていないということが大きいとは思うけど、何より高難度の作品をプレイするメンタル的な体力が持たなくなった感が強い。
20代の頃、同じゲーム業界の先達がプライベートで全然ゲームを遊ばないと聞いて心で軽蔑し、「ああはなるまい」と思っていたが、年齢を重ねて、「やりたくてもやれない」という事が身に染みる。
そういう精神的なモチベーションが影響しているのか、ここ一年ほどはずっと自分のなかで読書ブームが継続中。ゲームを遊ぶより図書館に通う、ヘビーユーザーと化している自分のことを、ゲーム業界に入って闘志を燃やしていた当時の自分はどう思うだろう。
夕飯は十割蕎麦を茹でて食べる。薬味は大根おろしとネギ、サイドメニューは挽肉と生ピーマン。
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bookendsbook · 9 months
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2023-08-16
自分にしては、久しぶりにカレンダー通りに休みがとれた2023年の夏期休暇が終わった。
コロナの事を考えて、しばらく帰っていなかった地元にも3年ぶりに顔を出し、弟夫婦、そして姪、甥の成長の早さに驚く。今後、自分は所謂「何をしているかよく分らない叔父さん」になっていないか、毎年セルフチェックをすることになっていくのだろう。
それ以外では映画を見るか本を読むか、くらいのいつも通りの普通の休暇。いった所と言えば図書館くらい。
図書館では自由研究のために調べ物に来ている子供と、涼みにきた高齢者でごった返していた。夏・冬の休暇シーズン、図書館はこういうライフラインとしての存在意義もあるのだろう。映画『パブリック 図書館の奇跡』を観て以来、より一層そういう事を考える。
昼は冷やし中華。
夜はあまり食欲が無かったので、プラントベースウィンナーを数本とお茶。
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bookendsbook · 9 months
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ずうのめ人形
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『ぼぎわんが、来る』の続編。
今作はホラーの成分と同等に、新本格ミステリ的なギミックがあり、恐怖と謎が同時に展開されていく。
とある小説を読んでしまった人間は、数日後「ずうのめ人形」に追いつかれ必ず呪い殺される。そのずうのめ人形とは何か、小説は誰が書いたのか、謎が徐々に読み解かれ、複数の線が一点に収束していく様は非常にスリリングだ。
鈴木光司『リング』を作中に何度も登場させ、オマージュのようにプロットを作りながらも完全な別物に作り上げた澤村伊智の手腕に痺れる。
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bookendsbook · 9 months
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2023-08-11
珍しく今年は夏期休暇時期は多少余裕があるのでカレンダー通りに休めそう。
フェイクドキュメンタリーQの新作『怪談 - Passengers』が公開されていたのに気づき視聴。相変わらず抑制の効いた演出と、嘘くささを感じさせない確かな演技をする俳優のチョイスに唸らされる傑作。個人的には、本編のディレクター役が『監死カメラ』『心霊マスターテープ』の寺内康太郎、そして劇中に再生されるDVD映像のディレクター役を演じているのが『Not Found』シリーズの古賀奏一郎という、心霊ドキュメンタリー好きには超豪華な布陣が嬉しかった。
夜は料理をする気力が無かったので、宅配ピザでマルゲリータ。それとズッキーニをオリーブオイルで軽く炒めたもの。
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bookendsbook · 9 months
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2023-08-08
常に弱い者、打ちひしがれている者の側に立っていたい。
自分はゲームを作ることを生業にして10年以上。遊んでいる間、とにかくそれに没頭して何もかも忘れて楽しんでもらえたらいい、それだけのために日々労働している言っても過言ではない。
毎日しんどくても、モニタの前に座って数時間、重力から解き放たれるような瞬間を感じてもらえるなら、何時間残業してもまったく苦にはならない。
スコールが上がった23時過ぎ、初期フジファブリックの曲を流して帰路をとぼとぼ歩きながらふと思った。
夕飯はうどんと鯖缶とキムチ、キュウリとミニトマトの浅漬け。
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bookendsbook · 9 months
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2023-08-07
月曜日はいつものようにミーティングが5連発。いつも思うが、会議に出る=仕事をしているではない、と思うのだけど、会議が好きな社風の会社ってのはどんな業界にも一定数ある。一方、Googleのような会社はミーティングを設定しても、絶対最初に設定した30min, 60minを守る点はさすがだなと思う。
帰宅後、TVerで「関ジャム」を。自分がほぼ唯一、心底ハマったアイドルグループ『Especia』が数分ながらピックアップされたとの情報。
彼女たちは、本当に、楽曲・スタイル・映像全ての部分で10年早すぎた。今やシティポップ(的なもの)はどれだけ鈍感な人でも人気がある・流行っているという事に気づいているが、10年前にそれの良さ・再評価した人間は少なかった。2023年の今聴いても全く古びていないどころか今でも最前線。
夜はサラダうどん。野菜スープとめかぶを。
養命酒を就寝前に飲む習慣をつけたいがつい忘れる。
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bookendsbook · 9 months
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2023-08-06
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『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』の全シリーズがU-Nextに来た、という事を知ったので丸一日かけて一気見。
「四谷怪談」から現時点の最新作である劇場版までは観ていたが、初期4作は未見だった。どの作品も勢いだけで作られているように思われるが、どれも入念に脚本に時間を掛け、一作だけではなくシリーズ全体を俯瞰で見下ろした上で、各種伏線を張っていることがわかる。
豊富なアイデアで「低予算」というマイナスをねじ伏せる気迫すら感じる。特に「File-04 トイレの花子さん」は、あのクリストファー・ノーランの『テネット』で実現した世界観を数年早く、数百分の一の予算で実現していた、出色の傑作。
夜は自宅でスンドゥブと野菜スープ、納豆&白米。
Kindle Unlimitedにて我孫子武丸『殺戮に至る病』をついに読み始める。さて。
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bookendsbook · 9 months
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ショージ君、85歳。老いてなお、ケシカランことばかり
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東海林さだおが過去さまざまな媒体で書いてきた「老い」に関連する文章を集めた随筆集。
怒りやすい老人の「怒りの対象」(犬猫、路傍の石、そしてパンツ)に対する考察や熱中症予防の「小まめに水分を取りましょう」の”小まめ”に対する愚痴。東海林の本領発揮とも言える葛湯やお節。そしてまさかの「スーパーミリオンヘアー」への憧れと喜びまでを、いつもの軽快かつどんどん思考がディープにバウンドするあのスタイルで綴られる。
個人的に一番笑ったのは、かの書家・詩人”相田みつを”をイジり倒した、「相田みつを大研究」。
ソクラテスやケネディですら、名言を生みだしたのは片手に数える程なのに、相田みつをは数百・数千を生みだす職業「名言大量製造販売業」。あのにょろっとした書体とハンコによって相手の軽快を解き、心の隙間に入り混んでいく。そして東北弁の魔力…。
この、おもしろがりと対象への強い好奇心。そしてその裏にある底意地の悪さ、これこそ東海林さだおだなあ。
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bookendsbook · 3 years
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海辺の週刊大衆
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せきしろの小説は初めて読んだのだが、イマイチ自分には合わなかった。
作者の大喜利のセンスは個人的にすごく好きで、そのセンスは作品にも強く出ていて、「週刊大衆」をお題にしたネタの発想にはいちいち感動すら覚えるほどなのだが、ほとんどが単発のネタの列挙で「物語」が欠落している。
小説としてのダイナミズムや展開によるカタルシスは、自分には感じられなかった。
解説はヨーロッパ企画の上田誠。上島竜兵がお題の大喜利の下りは何故か妙に感動した。
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bookendsbook · 3 years
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2020-11-25
富士そばで蕎麦をたぐりながら思った事。
演歌の歌詞は、地形・環境を主軸に紡いでいることが多い事にふと気づいた。
他のジャンルでは自分だったり誰かだったり、特定の状況についてフォーカスして切り口にすることが多いように思えるが、演歌では、それらを語るにしても、モチーフとして海、山、川、橋といった環境にテーマを置いて、そこから広げるように別れや色恋を描写していく、というような。
つまり、演歌の"えん"はEnvironmentの"En"。
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bookendsbook · 3 years
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2020-11-23
Supergiant Gamesの最新作『HADES』が国内で12月にリリース。されるのを今更知る。
海外版は半年ほど前にリリース済で、もちろん存在は知っていたのだけれど、ゲームメカニクスがこの開発元のデビュー作『Bastion』の純粋バージョンアップのようで、目新しさを特に感じ無かったのでスルーしていたのだけど、TIME紙が選ぶ「2020年のゲーム10本」の一つにも選ばれていて、かつその選評に気になる記述があったので購入する予定。
『Hades』は、何度も何度もプレイすることを目的としたゲームの中で、物語がどのように展開されるかを再発明している。- Peter Allen Clark
主人公が冥界の神『ハデス』の息子という点が、死と再生を繰り返すローグの特性を上手く使ったストーリーテリングが組み込まれているようで、今から楽しみだ。
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bookendsbook · 3 years
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ベビー・シッターズ・クラブ
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最高!
原作は80年代から2000年にかけて執筆され、北米では爆発的にヒットしたティーン向け小説だそう。原作時点でかなり先進的な描写をしていただな、ととても感心した。人種も様々、家庭環境も様々、そしてティーン故の悩みも様々な少女達の葛藤と活躍が眩しい。
当時、読者層だった若い女性たちにとって、本シリーズは小説を越えたカルチャーとして強く影響を与えていた、ということは本作を見ているとよく解る。
特に、登場人物のひとり、日系人の「クラウディア・キシ」の存在は当時のアジア系読者にとってヒーローのような存在で、彼女の「クールでおしゃれで明るくて、みんなの憧れの的、そして何より作品中のメインキャラクター」という、これまで映画・小説・漫画、あらゆるサブカルチャーで扱われていたアジア系のステレオタイプを破壊する人物像が彼女たちにどれほどの希望と影響を与えたかは容易に想像できる。
そして先日、シーズン2への制作が決定。日常生活の中で人種的、身体的、その他諸々な理由でマイノリティに属することで、常に生きづらさを感じる人々にとって、当時の小説と同様に、本ドラマ版はたくさんの笑いとちょっとの希望を与えてくれる。
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bookendsbook · 3 years
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2020-11-20
昼休み、会社の同僚とポケモンカードを遊んでいる。初対戦にもかかわらず、相手はなぜか10年ほど前の関東大会チャンピオンという存在。瞬きしている間に殺されてしまった。
カードゲームとしてはルールは至極シンプルで、ターン内での行動も最低限の縛りしかない(処理の順番などもほぼ)ので、子供でもすぐ遊べるように作られていて、IPとしてのブレなさに強く感心する。
それと同時に、所謂「ドラ泣き2」の使われ方も頭をよぎる。それまで醸造してきたコミュニティに不信感を与えてまで、瞬間的にIPのコミュニティ外に擦り寄って小銭を稼ぐ事は時代遅れなように思える。海外のゲーム会社などでは「コミュニティマネージャー」と呼ばれる役職が普通に存在していて、自社作品・自社そのもののファンをいかに増やすか、つながりを強く持ってもらえるか、に腐心している姿を見ていると余計にそう思う。
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bookendsbook · 5 years
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ムーミン谷の彗星
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『ムーミン谷の彗星』トーベ・ヤンソン
平穏なムーミン谷に突如として現れた彗星と、それを目にした生き物たちが戸惑う。 ムーミンとスニフが彗星衝突の前にムーミン谷に戻るために冒険をする。大きなプロットとしてはそれだけの話だが、ヤンソンの死生観というか、終末をどう迎えるか、の思想が全編にわたって横たわる。
スナフキンとスノーク、スノークのおじょうさんといった重要人物が初登場。中でもスナフキンは、特に雄弁にヤンソンの思想を代弁する本作の主役だ。 モノや財産にに執着し、身の回りの自然や自分の心に対する視野を狭めてしまう愚かさを嫌うスナフキン。 そして彗星衝突による死が迫り、多くの生き物が荷物を持って逃げ惑う姿を哀れそうに一瞥する彼の姿勢は、明らかにヤンソン自身の死生観そのものなのだろう。
自分で、きれいだと思うものは、なんでもぼくのものさ。その気になれば、世界じゅうでもな
「そうだな。なんでも自分のものにして、もってかえろうとすると、むずかしいものなんだよ。ぼくは、見るだけにしてるんだ。そして、立ち去るときには、それを頭の中へしまっておくのさ。ぼくはそれで、かばんをもち歩くよりも、ずっとたのしいね
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bookendsbook · 5 years
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『ジョーカー』
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どれだけ必死にやっても街の底から抜け出すことができない。這い上がろうとしても、あざ笑われるかのように他人に、社会制度に拒絶され、底の泥濘にゆっくりと、しかし確実に沈んでいくことしかできない。まるでタチの悪いブラックジョークのような状況。
これは本作の主人公であるアーサーの置かれている説明であると同時に、2019年の今、NY、東京、パリ、ロンドン、あらゆる都市で大量に生まれている「アンダークラス」の状況の説明でもある。 『ジョーカー』の舞台は1980年のNY。それから40年近く経つ現在を取り巻く環境はそれと同じ、またはそれ以上の笑えない状況にある。
この映画は、80年の歴史を誇るDCコミックスの看板コミック『バットマン』に登場するスーパーヴィランの中でもとりわけ際立つ純粋悪「ジョーカー」が、いかにしてただの若者から史上最悪のヴィランになったのか、「オリジン」を描くものとなっている。
ジョーカーといえば、ピエロのような奇抜な格好、顔に張り付いた恐ろしい笑顔、壊れたおもちゃのような甲高い笑い声、といった「マンガ然」としたキャラクターなのだが、この映画は従来の「ヒーロー映画」らしさが一切無い、アメリカン・ニューシネマのような淡々とした描写で徹底されている。
これは、前述の通りこの映画が単なるアメコミ映画ではなく、現状の先鋭化した新自由主義への皮肉のように思えて仕方が無い。 それこそ、ベトナム帰還兵の置かれている状況とPTSDを鮮烈に切り取った『タクシー・ドライバー』、メディアの権力の肥大化とショービズの魔力を描いた『キング・オブ・コメディ』と同様に。
消費税の増加や医療費負担の増大に対し、法人税の減税。持たざる者、アンダークラスの人々が置かれている状況は、もはや悪趣味な喜劇としか思えない。 劇中、主人公アーサーが「俺は自分の人生がどうしようもない悲劇だと思ってたよ。でも、他人にとっては喜劇なんだよな」と言った台詞が忘れられない。この台詞で、本作の監督であるトッド・フィリップスの初監督作『全身ハードコア GGアリン』の事を強く思い出した。
アメリカではこの映画の上映初日、各地の警察が非常態勢で映画館を警備したという。 これは前作『ダークナイト・ライジング』での乱射事件を受けて、だとは思うが、それに加えて 主人公のアーサー=ジョーカーの行動に感化された、「持たざる者」たちのアクションを恐れたのも理由のひとつに思える。
諸外国では「インセル」、日本の言葉を借りると「無敵の人」がこの作品を観ることで"教化"される事は(映画の本質的な解釈として圧倒的に間違っているとしても)十分にありえるだろう。それくらいこの作品でのアーサー(ジョーカー)はそのような人間達の希望に映ってしまうほど、恐ろしいほど鮮烈で、恐ろしいほど美しく、そして恐ろしいほどに共感してしまう。
アーサーが初めての殺人をしてしまった後、逃げ込んだ薄汚れた公衆トイレの鏡の前で踊る不器用なバレエを見て、なぜか涙が出そうになった。 それまで苦しそうに不格好に正気と狂気の綱渡りをしていた所から、(意図せずにでも)一気に飛び降りてしまった事による絶望と晴れやかな表情。狂ってしまう事が何よりの「救い」。
トッド・フィリップス監督、ホアキン・フェニックス主演。
(flatage)
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bookendsbook · 5 years
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LOGAN
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監督はジェームズ・マンゴールド。R15指定。 作品の時代は2029年。
25年以上ミュータントが生まれず、組織的なミュータント狩りによってほとんどのミュータントが居なくなった近未来が舞台。 加齢とともに治癒能力が衰え、人生の目的も失ったウルヴァリンことローガンはタクシーの運転手をしながら、ヒーロー活動を辞め、政府に指名手配されているプロフェッサーXをかくまいながら、ひっそりと生活していた。
この世界の設定はパラレルワールド? 前二作の映画を観てないから思い出せない。
プロフェッサーXがアルツハイマーになっている、という所がショッキング。ここでこの映画の悲劇的な設定と、作品の空気がわかる。 映画開始直後、最初の戦闘による激しい人体欠損描写も、この映画が大人向けであることを明確に示している。
映画のプロットとしては、少女とウルヴァリンの逃避行、エルパソからカナダのノースダコタへと向かうロードムービー。 追ってくる者たちを退けながら、目的地へと向かう。道中で出会う人々とのコミュニケーションや別れなどが挿入されるのも西部劇的と言える。
ローラの正体はX-23だった。もともとの設定とは少し違うが、この作品でのローラの演技は素晴らしい。 うちに秘めた凶暴性を感じさせる、冷たくも凛々しい視線。後半の父であるローガンになついてからの温かい目など、すごく良い。また圧倒的な戦闘性能にもうメロメロ。 人間として育てられなかったため、すぐに人を殺そうとしてしまう所から、徐々に人間性を取り戻していくところも良かった。
劇中、「シェーン」をプロフェッサーXと一緒に観て、人殺しだったシェーンの独白を観て、自分の境遇とこれまでやってきたことを思い出すローラ。そして最後、ウルヴァリンの墓にシェーンのセリフを語りかける所。 人殺しの過去は消せない。しかしその人殺しの日々に別れを告げ、新たな人生を歩もうとするローラと、時代とともに去っていくローガンにシェーンのセリフがダブって見える。 この最後のシーンがとても美しい。
「人を撃った男に平安はない。もう戻れないんだよ」「お別れだ」「帰ったら、お母さんに、この地から銃は消えた。心配ない、と伝えてくれ」「さあ、帰るんだ。強くまっすぐな男になれ」「お父さんとお母さんを、大切にしろ。ずっとだぞ」
「俺がお前らと違うのは 自分の時代が もう終わったことに気付いているってことなんだ」
そして墓に掲げた十字架を、ローラが傾け、「X」の字を作るシーン。ウルヴァリンの、そしてヒュー・ジャックマンのX-MENとしての終わり。 とても良かった。(flatage)
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bookendsbook · 5 years
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『ジョーカー』
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どれだけ必死にやっても街の底から抜け出すことができない。這い上がろうとしても、あざ笑われるかのように他人に、社会制度に拒絶され、底の泥濘にゆっくりと、しかし確実に沈んでいくことしかできない。まるでタチの悪いブラックジョークのような状況。
これは本作の主人公であるアーサーの置かれている説明であると同時に、2019年の今、NY、東京、パリ、ロンドン、あらゆる都市で大量に生まれている「アンダークラス」の状況の説明でもある。 『ジョーカー』の舞台は1980年のNY。それから40年近く経つ現在を取り巻く環境はそれと同じ、またはそれ以上の笑えない状況にある。
この映画は、80年の歴史を誇るDCコミックスの看板コミック『バットマン』に登場するスーパーヴィランの中でもとりわけ際立つ純粋悪「ジョーカー」が、いかにしてただの若者から史上最悪のヴィランになったのか、「オリジン」を描くものとなっている。
ジョーカーといえば、ピエロのような奇抜な格好、顔に張り付いた恐ろしい笑顔、壊れたおもちゃのような甲高い笑い声、といった「マンガ然」としたキャラクターなのだが、この映画は従来の「ヒーロー映画」らしさが一切無い、アメリカン・ニューシネマのような淡々とした描写で徹底されている。
これは、前述の通りこの映画が単なるアメコミ映画ではなく、現状の先鋭化した新自由主義への皮肉のように思えて仕方が無い。 それこそ、ベトナム帰還兵の置かれている状況とPTSDを鮮烈に切り取った『タクシー・ドライバー』、メディアの権力の肥大化とショービズの魔力を描いた『キング・オブ・コメディ』と同様に。
消費税の増加や医療費負担の増大に対し、法人税の減税。持たざる者、アンダークラスの人々が置かれている状況は、もはや悪趣味な喜劇としか思えない。 劇中、主人公アーサーが「俺は自分の人生がどうしようもない悲劇だと思ってたよ。でも、他人にとっては喜劇なんだよな」と言った台詞が忘れられない。この台詞で、本作の監督であるトッド・フィリップスの初監督作『全身ハードコア GGアリン』の事を強く思い出した。
アメリカではこの映画の上映初日、各地の警察が非常態勢で映画館を警備したという。 これは前作『ダークナイト・ライジング』での乱射事件を受けて、だとは思うが、それに加えて 主人公のアーサー=ジョーカーの行動に感化された、「持たざる者」たちのアクションを恐れたのも理由のひとつに思える。
諸外国では「インセル」、日本の言葉を借りると「無敵の人」がこの作品を観ることで"教化"される事は(映画の本質的な解釈として圧倒的に間違っているとしても)十分にありえるだろう。それくらいこの作品でのアーサー(ジョーカー)はそのような人間達の希望に映ってしまうほど、恐ろしいほど鮮烈で、恐ろしいほど美しく、そして恐ろしいほどに共感してしまう。
アーサーが初めての殺人をしてしまった後、逃げ込んだ薄汚れた公衆トイレの鏡の前で踊る不器用なバレエを見て、なぜか涙が出そうになった。 それまで苦しそうに不格好に正気と狂気の綱渡りをしていた所から、(意図せずにでも)一気に飛び降りてしまった事による絶望と晴れやかな表情。狂ってしまう事が何よりの「救い」。
トッド・フィリップス監督、ホアキン・フェニックス主演。
(flatage)
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