Tumgik
asagaquru · 6 days
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tumblrの人たちの日記で、桜前線が北上してきているのを感じている。その投稿で日本の何処ら辺に住んでいる人たちなのかを想像してみる。桜は、咲く前が1番紅い。札幌にも開花宣言がでたようだけれど、ここ最近はまた風が冷たい。最高気温が10度そこらで、一瞬訪れた春の陽気ってものはまたどこかに行ってしまった。
「春の風は美味しいよね」とすれ違い様に聞いて、なんとなくわかる気がした。気持ち良いだけでなく、美味しい。数日もしたら、一気に桜も花開くだろう。ひと足先にレンギョウがいつの間にか弾けるようにその黄色を探していて、足元にはクロッカスが咲いている。
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asagaquru · 7 days
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然るべきところでリアタイでブチギレよう
前住居の退去関連で担当になった管理会社の人が、退去立ち合いからことごとく適当な仕事なのにしっかり原状回復費用は搾取してこようとしてきて、不満だらけだった。
わたしは、怒りの初速が遅くて、事態が収束してから沸々と怒りが湧いてくることが多い。そうなると、目の前から相手もいなくなっていて、怒りの逃し方がわからなくなってしまう。怒りで頭の中がしばらく支配され、しまいにはその場で言葉にできなかったことに後悔して落ち込んでしまう。だから“然るべきところでリアタイでブチギレよう”を26歳プチテーマのひとつにしていた。
今回の退去においては、新居に住んで1ヶ月以上経っているし、不満はあったけれど原状回復費用の2万円を手切金だと思って、さっさも終わりにしようと思っていた。けれど、届いた請求書の内訳に間違いがあって事前に提示されていた2万円以上の請求になっているのが流石に我慢ならなくて電話をかけた。担当者は席を外しているから折り返すと言ったのに、翌日になってもかかってこなくて、再度電話かけるとその日は担当者が休みだと言われた。翌々日に電話をかけてきた担当者は、請求書の間違いは認めつつも謝らずに、若干舐められた対応をされた。もうこれはリアタイでブチギレるべき然るべきタイミングだった。退去立ち合いでも管理会社側の見落としがあったのに謝罪もなく、誠意がないと感じたことも伝え、今回はなにが不快でどこに説明を求めているのか、この退去の手続きの一連の不手際について謝罪はないのかをブチギレてみた。そうすると態度も変わってそれなりの返答が返ってきた。終話してみると、「言いたいことも言えたし、2万円払って終わろ〜」と思えるくらい上手くブチギレれた案件だった。
生活と自分の気を整えて過ごしていても、こういう人たちとどうしても出会ってしまう。その度に負の感情にこっちまで陥ってしまって、自分の気を落としてしまいそうになるのをどうにか避けたいと思っていた。本当なら1秒も怒っていたくない。けれど、もはやしょうがないことなのかもしれない。運気が上下に揺らぐことは生きてりゃ必ずある。不当な目に遭えば、人間だから怒りは湧いてくる。自分を押し殺すのは、心にも良くないし、またそれを搾取しようとする人が現れるだろう。それならば、いかに負の感情に支配され続けないよう早く現状や心を脱するかが重要であって、そのためにはリアルタイムでブチギレることも手段として有効なのだろう。あたり構わずにブチギレてたら、それはまた美しくないので、然るべきところでブチギレてみて、引き際も間違えぬよう品よく怒っていこうと思う。
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asagaquru · 18 days
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もう手袋がなくとも自転車に乗れる。電柱の陰に隠れるなごり雪。半月くらい前から春の予感はあったけれど、この気温はもう春。ダウンを脱いで、軽めのアウターに袖を通す。
毎年4/8から新年度が始まるような気がしている。学生の時の春休みも確か4月半端までだったような気がする。“春休み”という言葉がうららかで、何だか良い。もうわたしには永遠に来ない春休み。友人が、3年勤めて退職をして、1年制の専門学校に通っていた。そうやって人生に折り目をつけていく選択をしている彼女が羨ましく、わたしには訪れない夢物語だと思う。また何かを学び直すとしたら、文学部がいいし、彫金学校にも行ってみたい。けれど、今のそれとなく安定した収入と生活を投げ、正社員から学生になる勇気はない。彼女と先日飲んでいた時に「人生飽きた人から結婚するのだと思う」と言ったら、わかる!と言われた。わたしにとっては人生の諦観、彼女にとっては実感なのだろう。明日も朝早く起きて仕事へ行く。仕事は嫌じゃないし、やりがいもある。でも折り目をつけたくなるほどの毎日ではない。空白に思えるページが毎日続いて、最後にぱたんと裏表紙を閉じるのかと思えば、人生を浪費してないかと怖くなる。このままでいいのだろうか。よくやってる方なのだろうか。北海道知事でも札幌市長でもないしがない会社員のわたしだ。こんな人生のやり方でも及第点はくれるだろう。それって誰から?
星を戴いて、まだ人通りの少ない住宅街の下り坂をペダルに立って自転車で降っていく。明朝の冷えて澄んだ風を切っていく。毎朝気持ちがいいと思う。こんなんでいいんだよな。わたしの人生に納得できてないのはわたしだけだ。自分を生きているという感覚を忘れかけている。風を感じて深く息を吸って吐く。両肺の空気を新しい朝の空気に置き換えていく。生きてる実感なんてこんなんでいいのに。無理やり何かを成し遂げようとして生きる必要もない。まだ26歳だ。100年も生きれば、ひとつやふたつ何かわかるだろう。そもそも100年も生きれれば、それだけで花まるだ。この人生、丸をつけるもバツをつけるも全部わたしだ。
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asagaquru · 1 month
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新雪の上を歩くと、ギュッギュッと一足ごとに小気味良い音がする。片栗粉の表面を指3本で押すような音。皮下気腫の人の皮膚を押す感覚にも似ている。それは握雪感として観察される。初めて見たときは、すぐにあぁこれが、と思えたのと同時に、雪の降らない地方では‘握雪感’と言われてピンとくるのだろうかと思った。
こういう専門分野的なことを書くと、いつも森鴎外のことを思い出す。高校の現代文の授業で習った高瀬舟。先生が「森鴎外は軍医だったからこそ、これほどにもリアルなシーンを描けたのです」と言っていた。好きな先生だった。“today’s poem”といって、毎回の授業始めに先生の選んだ詩を紹介してくれた。そのときに紹介してくれた梶井基次郎の蛸がなんだか好きで、他の著書も読んだ。そのことを先生に話すと「この平成の時代に梶井基次郎を読む女子高生がいることを嬉しく思います」と言ってくれた。8年も前のことなのに嬉しかったのを覚えている。きっともう退職されているだろう。今はどこにいるのだろう。数年前に札幌市職員の人事異動を調べてみたけれど分からずじまいだった。
大学に入ってからは、勉強が忙しくて、本より教科書や参考書を読んでいた。映画をよく観るようになったのは、2時間で完結される物語だから。忙しい私にニーズが合っていたのだろう。入職してからも、“生涯学習”と言われる職業で、3年目までは本を読む心の余裕がなかった。仕事は常に忙しくて、家に帰ってもパタンと寝てしまう。それでも最近、少しずつ本を手に取る時間ができて来た。恋人と同棲してからだ。全く読んだことのない系統の本が並ぶ彼の本棚。適当に選んで久々に読んでみると、活字になって伝わる言葉や表現の美しさに深いため息をつく。楽しかった。面白かった。これから、また新たに本を読みたい。本を読むわたしでありたい。
そんな日記の下書きを保存していた新雪の日から2週間経っている。道路がところどころ見えていて、融雪剤でザラメ糖みたいになった雪の上を歩いている。本は読めない日の方が多い。読みかけの本が、ソファの横のテーブルの上で、わたしがページを捲る時を待っていてくれている。
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asagaquru · 1 month
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雪のことばかり書いている。これが別れ雪になるかな
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asagaquru · 1 month
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まだ降る
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asagaquru · 1 month
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春が待ち遠しい。今朝は-10℃だった。正午近くになればいささか暖かい。雪は日中に溶けては、夜に凍ってを繰り返していて、よく足元が滑る。気をつけて歩く。部屋の鉢植えのライラックの新芽が膨らんできた。確実に春に近づいている。
全室それぞれが店舗という、何とも楽しいコンセプトのアパートがある。305号室は花屋で、ミモザの日だったので立ち寄った。店先にたくさんのミモザが並べられていて、いくつかあるブーケからひとつを選んで、包んでもらう間、部屋の片隅に開かれた詩集を見つける。その紙はベージュ色に古びていて、時間がページに沈着したかなような古書特有のあの匂いを思い出させた。花は美しき、という題から始まった詩だった。鮮やかに花開いても、いつしかは萎んでいく花たちの美しさを謳っていた。生を放ち、死にゆくのに美しく咲いてくれる行為が美しい。
黄金色のふわふわとした花が、連なって房のようになっている。紙袋から覗くミモザに心が浄化される。生きていくってこういうことの繰り返しであってほしい。ふんわりとした気持ちで、優しく紙袋を抱えて帰路に着く。
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asagaquru · 2 months
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雪に太陽が反射して眩しすぎる。行き交う人たちも目を細めて歩いている。3月になってからの方が今年は寒くて、毎日のように雪が降る。三寒四温ではなく、七寒零温。毎日寒い。この時期になると、本当に雪が溶けるのか要らぬ心配をしてしまう。
恋人の実家で、荷物を段ボールに詰めた。本が多すぎる。読んでみたかった本があったり、わたしが持っている本があった。好物とするカルチャーが似ている。本棚を新調しなければいけない。
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asagaquru · 2 months
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GW辺りに札幌に行こうと思っています。おすすめの、絶対行ったほうがよい場所を教えていただけないでしょうか。カフェとかレストランとか美術館とか美術館とか…。あと夜パフェに行きたいので、どこを選ぶと間違いないか教えてほしいです。あともしかしたら注意したほうが良いことがあれば教えていただきたいです。
こんな質問がたまにDMでも来るので、いつも楽しく回答しています。あなたの住む街に行くときはおすすめを教えてくださいね。札幌というワードで、わたしを思い出してくれるのが嬉しい。
パフェの語源はフランス語の“完璧”から来ているそうですね。夜パフェはカフェテリアパルが間違いないです。人匙ごとに味や食感が変わり、その美味しさにくらりと来ます。パフェって素晴らしい。価格帯が高めなのにいつも行列です。札幌の夜パフェは締めパフェなので、21時ごろから混み合います。すすきのでの1件目を手早く切り上げるのがおすすめです。
他にもパルよりは価格が安めな“ななかま堂”やお酒とのペアリングを楽しむ“ペンギン堂”とかもあります。クセ強店主がやっている“ぴーぷる・ぴーぷ”は色々な掟があり、確実に終電を逃しますが札幌名物って言えば名物なのかもしれません。夜ではないですが、札幌で1番美味しいパフェは“くなう”というアパートの一室で営われる喫茶“室”で、るるぶやSNSには掲載されません。アパートの一室と言えども、黒い壁紙にレースのカーテンが揺らめくだけの内装。華美ではなく、ただただ美しいパフェは美術品のようです。その甘みに背筋が伸びる。なんだか神様との対話みたいだなと思いながら食べています。勝手に“札幌で1番天国に近い場所”と呼んでいます。
どうしましょう。パフェの話だけでこんなに行数を使ってしまいました。あなたのために続けますね。北海道でみれば美術館は多いですが、札幌に屋内の美術館は少ない気がします。札幌にある北海道立近代美術館や札幌芸術の森美術館は気になった特別展の時に行く程度です。風が寒くなければ、モエレ沼公園なんてどうでしょう。イサムノグチが作った彫刻公園です。モエレ沼まで行かなくとも、街中を歩いていると、野外彫刻をよく見かけるのも札幌の小さな楽しみです。大通公園を西に降って散歩するのも面白いかもしれないですね。札幌の中心は、大通りで分断して北と南、創成川で東と西に分断した碁盤の目のような住所をしています。札幌で定められている景観色に則った建物が整然と並ぶので、他の政令都市とは違う空気感に包まれた街並みです。https://artpark.or.jp/sansaku/
よくお一人様をしてカフェを探訪していました。上記した“くなう”はパフェとして完成され過ぎている。お一人様専用なってはしまいますが“カルメル堂”は、深海のような濃いブルーの壁紙の内側でゆったりと過ごせます。季節ごとに出す甘味が変わり、5月はプリンとラムレーズンどら焼きだった気がします。わたしは7月の珈琲あんみつが梅酒寒天が乗ってて好き。“ギャラリー犬養”は、わたしが菊水に住むひとつの理由になった喫茶店です。大通り駅から地下鉄で2駅なので行きやすいかと思いますが、住宅街の奥にあるから迷いやすいかも。聞き馴染みのない西洋の伝統的なケーキが沢山あってどれも美味しい。食べた後に河川敷を散歩するのが好きでした。“喫茶店つばらつばら”と“石田珈琲店”、“一粒の麦”も好きです。
食は飲酒に重きを置いた人間なのでレストランには疎いですが、二四軒にある“ユニヴェール エス”は友人が修行していた洋食屋です。一皿一皿がキラキラして見えるのはきっととてつもなくこだわり抜かれているからなのでしょうね。後は、また菊水になってしまいますが”プティットレジョン”はフランスの家庭料理を出すビストロです。店内を一歩入ればそこは南フランス。ここもまた美味しいです。
注意することと言えば、気温でしょうか。北海道の桜はGWに咲くので、そのくらいの気温で、風も強い日が多い印象です。GWでの札幌観光ということで、移動は公共機関を想定しておすすめしてみました。土日祝日は、地下鉄が540円で1日乗り放題のドニチカという切符が買えます。おすすめしたモエレ沼公園以外は地下鉄だけで移動できます。特にカフェに関しては地下鉄で行けるものをピックアップしてみたので、レンタカーを使用するのであればまたお知らせくださいね。
5月中旬以降であればライラック祭りが大通公園で開催されます。金木犀と同じモクセイ科なので、とてもいい匂いがする薄紫の花の木です。札幌市のシンボルで、自生できる南限は関東らしいですね。大通公園のベンチの横にライラックが植えられているので、花の下でゆっくりするのが好きです。今年は雪解けも早そうなので、あなたが来る頃にライラックが咲いていたなら嬉しいな。旅行から帰ったらまた、質問箱でも良いので、札幌でのお話を一緒にしましょうね。
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asagaquru · 2 months
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覚えている。3年前の9月、パルコの屋上で友人と映画を観た帰り道だ。橋の上から見た豊平川が黒々としていて、月光や街明かりを銀色に映す水面さえも覚えている。歩いて友人を送って、自分は菊水駅から地下鉄に乗ろうとした。改札に向かって地下へ階段を降りていると、駅のブルータイルの壁に目が奪われた。好きな青だった。一人暮らしをする予定もなかったのに、朝陽がつるりと滑るこの壁面を横目に出勤できるのは素敵だろうと思った。しばらく経って、一人暮らしをしてみたくなった時にブルーの壁を思い出した。ギャラリー犬養という札幌で1番好きな喫茶店と豊平川が徒歩圏内にある菊水での生活を想像してみて、うっとりした。菊水に住むと決めた部屋探しには半年かかった。やっと見つけたこの部屋の窓からはテレビ塔の頭が遠くに見えた。
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すすきので終電逃しても歩いて帰れるから大丈夫。眠れないまま朝になったら豊平川を渡り、テレビ塔まで歩いて創成川を辿り、散歩する。人の全くいないテレビ塔や狸小路に少しドキドキする。狸二条広場で、おじいさんがベンチに座り手帳に何やら書いていた。西向きのバルコニーは、15時からの陽の入り方が綺麗だった。部屋の中で観葉植物をいくつか育てて、バルコニーで青じそを育てていた。食べては繁って、繁っては食べての夏だった。米里通り沿いの部屋だから、深夜に酔っ払いが唄歌いながら歩いているのが聞こえる。間欠的に聞こえる車通りの音と、天井を走るヘッドライトの光の流線を見ながら眠る。除雪のブルドーザーの音で深夜3時に目が覚める。朝になれば小学生と高校生の通学路、11時ごろにはお散歩中の保育園児が2人1組で手を繋いで眼下を歩いている。家の横の横断歩道をひとつ渡れば、お母さんみたいな人がやっている串屋さんがあるし、家の裏にはかっこいいおじさまと着物を着た奥さんがやられるバーがある。時間があれば、よく豊平川を見に、河川敷に行った。台湾名物、胡椒餅が売っているところがあって、17時ごろから安くなるからその時間を狙って買いに行って、河川敷で食べた。夜勤明けでパンを買って食べたことも、休日は川の水流にビールを冷やして飲んでたこともある。
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心惹かれた街に住んでみて、お気に入りがひとつひとつ、増えていった。住んでみなければ、味わえなかったこと。知り得なかったこと。一人暮らしには贅沢すぎる2年間だったように思う。次の街もきっと好きになる。けれど全部全部手放して、思い出にしてしまうのが少し寂しい。段ボールに入れて持っていけないものばかりだから、こうやって日記にしておく。いつか離れるかもしれない予感を内包させているからこそ、めいいっぱい愛していたこの街との生活だった。豊平川が流れるこの街が、本当に大好きだった。
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asagaquru · 2 months
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羽田空港。弟と東京に来ました。明日は鎌倉に行くつもり。雪がない。
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asagaquru · 2 months
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恋人を連れて実家に帰る。同棲のご挨拶だ。実家はアパートで、幼少期の恋人が過ごしたアパートでもある。運命ではなくて、ただの偶然。運命を信じるほどもう若くない。けれど、偶然を大事にすることはきっとできる。恋人が生ノースマンと丸美のコーヒーを手土産に持ってきたので、母がマグカップを用意する。4つそれぞれ大きさも柄も雰囲気も違うマグカップ。統一感はないのに、それぞれ好きな柄だったり、思入れのあるマグカップだったりして、それがとっても良く見えた。
翌日、母に彼の印象を聞くと「フツーだった」と答えた。確かに真面目で静かだった。本当は、もっと面白い人なのにな。悔しい。彼は、私の前でだけ陽気。
その日の夜には、恋人の父親に会う。大通り駅に直結するビルの中にある居酒屋で、日本酒を飲む。彼の父親はどんな人なのだろうと思ったら、大きな声で笑う楽しそうな人だった。彼は腕を組んで、ポツポツと話している。本当に彼はこの人の息子なのだろうか。「お父さんの前でも彼はこんなクールなんですか」と聞けば「男同士ってこんな感じだよ。ふたりだと明るいの?***さんと一緒だからなんじゃないかな」と言われる。「明るければ物事の70%は上手くいく」「いや90%!」「95%!」「98!」とお一人で盛り上がってて面白かった。良い父親だった。仲良くできそう。
21日に引っ越すので、家中段ボールの山になっている。2年間、菊水という街に家を借りて住んだ。かつてススキノにあった遊郭を移動させた街だ。遊郭が移るから豊平川に一条大橋ができたという。よくその橋を渡って、街まで散歩した。大層昔に遊郭が無くなってしまって、面影といえば遊郭の大門があった通りが変な道路幅になっているくらいだ。来週にはこの街を去るのかと少し寂しくなる。豊平川が流れるこの街が、本当に大好きだった。
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asagaquru · 3 months
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なんだか詰めに詰め込んで充実した週末だった。まず、朝10時の回で役所広司主演の“パーフェクト デイ”を見に行った。劇���なことは何も起こらない日常を描いた映画で、劇的なことは何も起こらないけれど、日常の些細な煌めきを見つけるのが上手くなりそうな映画だった。通りすがりに愛でている観葉植物の葉にちょこんと触れるようななんてことのないシーンで数回泣いた。職場と自宅との往復だと変わり映えのない毎日に思える。でも実は、小さな変化や美しさに溢れている。本当に心が美しくある人は、愛情ある日常のなかに美しさや楽しさと言った煌めきを見出す。そんな映画だった。この感覚をこの映画を大切にしていこうと思った。静かな映画だったから、キャラメルポップコーンは口の中で溶かしながら食べた。
良い映画を観て、ほくほくした気持ちのまま新居の内見へ。内見と言えど、すでに入居を決めて審査完了ひている賃貸だ。21日に引っ越す。周りが戸建てばかりで、遠くにある藻岩山まで突き抜けて見えるのを今日知った。日当たりが良い。ガス台や冷蔵庫スペースや窓枠を採寸し終わって、今度はそのまま札幌駅へ向かう。夜の用事まで時間があるからと来たけれど、節分だから恵方巻きを食べたくなってしまう。デパ地下でひとつ買って家で食べる。方角を調べなかった。きっとわたしの行く方角はいつも幸運があるから大丈夫。
夜になって、友達と合流して恋人のライブに行く。家では陽気な恋人が、クールで笑った。音楽のセンスや知識はないわたしだけれども、楽しそうにみんなでジャズをしているのを観ていると、こちらも身体を横に揺らしてしまう。恋人がソロを吹いて、ぺこりと小さく一礼。座ろうとしたところで、ビックバンドのリーダーが煽って、即興でもうワンパート吹いていた。こんな一面もあるけど、普段から決してひけらかしたりしないことに感心する。その後に、ソロリストとして名前を呼ばれてもぺこぺことお辞儀するだけで、にこりともしない。翌日、「本当に楽しかった」って話すから、面白い人だなと思う。ジャズは演者同士が目配せや楽器で会話して、音楽となっていくから面白い。
ライブが終わって、恋人にひと声かけて会場を出る。「15分後にふたり座れますか?」と、ある酒場に電話をかける。すすきので1番好きな酒場。年明けてから行くのは初めてだった。いつからか顔見知りになった店主に「あけましておめでとうございます」と言って、ビールと日本酒を飲む。1杯目のビールが9.5%あったことを思い出したり忘れたりするくらい酔った。隣の席に座っていた30代のお姉様方とお話し、徳利の日本酒を勝手にお酌し、しばしガールズトークを楽しむ。「結婚しても子供が産まれても旦那に家のこと任せて飲みに出れるのいいな〜」と結婚の条件をまたひとつ上書きする。終電で帰宅。1時になっても彼氏が帰ってこないから、先に寝ることにした。
もぞもぞと彼氏がベッドに入ってくる。ライブどうだった?とか来てくれてありがとう、とかの前の第一声が、ここには書けないような中学生みたいな下ネタで、半分夢の中のまま笑った。なんじ?と聞くと「よじ」と言っていてアホだなーと言いながらまた眠りに落ちた。
次の日は、朝から不動産で新居の契約締結。昼前に料理が得意な男友達が家に来てポークステーキをさささっと作ってくれた。「日曜のお昼だからさ」と言ったそれは彩り鮮やかなブランチで、昨日ライブだった彼氏がジャズを流していたから、なんとも優雅な昼下がりとなってしまった。
その後は、演劇を観に行く。演劇は初めてだった。映画とは違って、自分の好きなところに目をやって楽しめるから、観客は神様視点だなと思った。毎年同じ夏の月末に、同じホテルに泊まる男女の話。毎年、それぞれの家庭や仕事、生活の近況を語り合ったり、イチャイチャしたり、本音でぶつかって喧嘩したり、胸の内の秘密を吐露して泣いてしまったりする25年間を5年おきにシーンカットした演劇。題名が「same time,next year」という。生身の人間が目の前で芝居するパワーや没入感、距離感が映画とは段違いに違う。感情移入してしまって数回泣いた。面白かったからまた行くと思う。札幌で触れる新たなカルチャーの予感。
地下鉄で恋人と感想を言い合いながら、帰宅。うどんを食べて、サウナへ。最近、彼氏の真似をしてサウナにハマっている。汗をびっしりかいて、-2℃の外気浴をする。不思議と寒くない。ひと足先に休憩所で待っていた恋人とオロナミンCとフルーツ牛乳で乾杯して、ほかほかした気持ちで家に帰る。
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asagaquru · 3 months
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私の住む札幌市にある、すすきの。“すすきの”という駅やビルはあるけれど、“すすきの”という住所はない。なんとなくここからここまでがすすきのかなという感覚。ちなみにススキノとも薄野とも書く。
日本最北の歓楽街であるくせに、縦にも横にも1キロに届かない面積しかないからか、1件目にいた人がその後行くクラブにいたり、2件目から行くタクシー乗り場で鉢合わせたりする。
いつも通り、いなりで串やらもつ煮込みを食べ、今日も名物の豚足は売り切れなのねと恋人を話しながら札幌ラガー1本とそれぞれハイボールを飲んで外に出る。それからふらりと寄ったバーが当たりだった。カウンターがあってテーブルがあるバーなのに、スクリーンに無音で映画が映し出されていて、音声の代わりにジャズが流れている。カウンターに設置されたショーケースにはチーズケーキとタルトが鎮座している。
数年前から締めパフェなるものが、すすきので広まったけれどすでにもう飽和状態で、有名店となった店は2号店、3号店と出店し、価格も3000円、4000円と高騰している。それなのに若者や国内外の観光客が何時間も並ぶから飽き飽きしていた。私だってアイスクリームやらシリアルやら果物とヨーロッパの数秒後には忘れてしまうような横文字の名前のパリパリとした甘いお菓子が美しく盛り付けられたパフェを食べたい。けれど、そんなに待っていたら、酔いは覚め、低体温症で凍え死んでしまう。
けれど、そこのケーキも素晴らしく美味しかった。「ケーキひとつずつください」と頼むと、ピスタチオのチーズケーキが私に、ナッツタルトが彼の前に届けられる。店員が去るとすぐさま彼は、ケーキの皿を私のと取り替える。彼はピスタチオが好きなのだ。どちらのケーキも程よい甘味と楽しい舌触りで、お酒を飲みながらお喋りをするのにうってつけだった。
映画とお酒とジャズとケーキ。燻製も何故だか古着もある。全部好きだ。幾度となく来たこの小さなすすきのという空間にまだこんなお店が隠れていたなんて。開店したのは12.3年前だと言う。私が成人するずっと前からここでこの店を営われていて、私たちがたどり着くまで、私が見合う大人になるまで待っていてくれたかのような不思議な気持ちになる。私が一生かけて好きな映画「マイブルーベリーナイツ」に出てくるブルーベリーパイを焼くこともあると聞いて、胸の内が静かに煌めいている。タクシーで帰宅、甘美な夜ふかし。
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asagaquru · 3 months
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昨年3月に落とした免許証が今更になって見つかり、電話口で警察官に「再発行されてますけど、持って帰りますか?こちらで処分しますか?」と言われて、取りに行くことにした。いざ取りに行ったら、再発行したら古い方の免許は持って帰れないとなり、話が違った。電話口で「免許証に穴開けて返してもらえるってことですよね?」とまで聞いて、できますと言われたから来たのに「はい、そうでしたか」と素直に帰れなかった。
「交通費を請求するにしても時間がかかります」と言われ、血液がグワっと循環し始めるのがわかった。ここに来るまで眠たかったはずなのに、瞳孔が大きく、目つきが変わったのが鏡を見なくともわかる。「時間がかかるから…ってことですよね?」と咄嗟に返した。「諦めて帰れって言ってるんですよね?」と最後まで言わずとも、言おうとしたことが伝わったようだった。こういう時、わたしは声を荒げずに、ガスコンロ一周を青い火が一瞬で回るように静かに怒って、言葉にするんだなと他人事のように頭の隅で考えていた。思い返すと淡々とした嫌な市民だ。けれど、謝罪の合間合間で、丁寧な口調で落とし所を探られているのがわかる。「今日来た意味を持たせるとしたら、古い免許証の写真撮って帰ればいいのでは?」と言われても全く納得できない。もう無駄な時間と交通費を払ったことではなく、わたしの気持ちの問題だけだった。
交通費を払ってもらえるかどうか確認してもらっている15分間のうちに内省。体の端にまで沸った血液が分布していたようで、やけに指先が温かい。心拍数が平常に戻っていくのがわかる。カッとしてしまった。そもそも免許証を落とさなかったら始まらなかった話だ。警察も同じことを思っていただろう。けれど、わたしが職場で患者に「あなたが病気にならなければ」なんて言わない。許し許されての世界だ。「警察署内ではどうにもならず、本部に聞いて対応が決まる」と聞いて、何も手続きはしないで帰ることにした。最後に「何かあったら相談してください」と言われたから、「パトカーで送ったりしてくれないんですか?」と笑ったら、あちらも笑っていた。
メモを取ったり、上司が出て来たりして、わたしの頭が冷える場面を探られていたのかもしれない。わたしの引き際を作られていたのかもしれない。根負けしたのかもしれない。けれどもういいや。相手を許すことで、自分で巻いたしがらみを解ける。相手を許すことで、自分も救われる。何かがっかりすることがあると、次はいいことがある気がしてワクワクする。
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asagaquru · 3 months
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趣味で自主上映をしているひとの上映に2年ほど前からたびたび出向いていて、この前は閉店した蔦屋書店で「ジョゼと虎と魚たち」を観た。
ジョゼが車椅子を買わなかったのは、恒夫の負担になるように敢えておぶられていたのか、いつか終わりがあるとわかっているからこそ少しでも長く恒夫にくっついていたかったのか。どっちもあった気がしている。
恒夫の会話の節々に“一生一緒”とか“年取ったときにさ”とか、この先も共にいることを当たり前に言うのをジョゼは取り合わなかった。幼馴染に結婚するのかも聞かれた時も「それはないよ」と言った。恒夫より早く、恒夫がいなくなるのをわかりきっていたから、実家に行かなくていいよう自分からナビを消して「海が見たい」と言ったのだろう。切ないけれど、本当に恒夫のことが好きだったのだろうな。身が捩れるわけでもなく、身を焦がすわけでもない、靴のまま海に入ってじわじわと濡れてしまうような愛。
ラストシーンで、電動車椅子で陽の下をかっとばすジョゼがかっこいい。ラブホテルでみたリュウグウノツカイと深海を貝のようにゴロゴロ転がるのではなくて、陸にあがった人魚のように悠々としていた。ばあばが死んで、恒夫が世界を見せてくれた。世界を教えてくれた。恒夫がいなくなっても、歩ける足はなくても、これからは自分で歩いていける。
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asagaquru · 4 months
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18〜20歳の時のわたしの言葉。何かあったことは定かだけれど、日付見てもその日のことを一片も思い出せない。数年前のわたしへ。大丈夫。ちゃんと自分自身のこと救えているよ。
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