Tumgik
ushirogami · 4 months
Text
20240107
小説を書く気持ちは高まっているのに書きたいものがまとまらない。私が今書きたいものってなんだろう。宮崎駿が、養老孟司との対談本で「人間関係ばっかり注目する人が多くてうんざりだ」的なことを言っていた。やべっと思った。つまり私もまた、人間関係を描いて、そればかりに注目してどうするんだという気持ちがあるのだろう。そういえば私が心からよく書けたと思う小説は、人間関係ではなく自分の内側に目を向けるものが多かったように思う。
最近思うことは色々ある。
矛盾を抱えて生きるとはどういうことなのか
自分の隠したいところと同じところを持つ人に会った時、どうして嬉しいのか
心で考えることは、たいていが生活とあまり関係がないということ
現実から目を逸らすのがあまりに簡単すぎるということ。SNSもYouTubeもサブスクの映画や音楽もあるから、すぐに現実から離れることができる。すぐに他人とつながれて、自分1人で考える時間が少なくなっている。昔、幼い頃はそんなことなかった。1人で��っと考え続けていた。本を読むということは、現実逃避ではなく、本を挟んで現実を見ることでもあった気がする。だから読み終わった後絶望しなかったし、むしろ生きる希望が湧いてきた。その多くが純文学と呼ばれるものだった。生きるってどういうことなんだろう。生きるから目を背けないということは、ひとりでいるということ、いや、人間の手が加わっていないものと共に過ごし、考えるということなのかもしれない。やっぱり考えなきゃ。考えるということが生きるということなのかもしれない。その上で、その心持ちの状態で人と向き合うとき、いちばん生きているのかもしれない。
0 notes
ushirogami · 11 months
Text
20230604
先週の土曜日、小さな文学賞に入賞したという連絡があった。美容院でパーマをかけてもらっている中、ふと、「あの賞の発表そろそろじゃないだろうか」と思い、調べたちょうど5分ほど前に発表があった。記事の見出しには知らない人の名前が書かれていたし、事前の連絡もなかったので大賞に選ばれなかったことは明示の事実だった。ただ、ぼうっとHPをスクロールする。すると、受賞者の中に急に私の名前が現れたので驚いた。
パーマ液の匂いが鼻を刺す。美容師さんは他の客と会話をしている。美容室で着せられるあのマントのような服の中で、私は汗をだらだらとかいていた。いや、とはいえ滝のような汗というほどではない。じんわりと、外から温められているかのような汗のかき方だった。
美容室からの帰り道、恋人と会うことになったので、賞のことを話すと喜んでくれた。だが、私の想像してきたそれとは違った。もっと私が圧倒されるような、ダイナミックな喜び方をしてもらえるものだと勝手に期待していたのだ。勝手に。それでいて具体性のない、「ダイナミックに喜んでくれる��ろう」という期待。そして恋人は続けて、近所にケーキ屋を見つけたら行こうと言ったので、大きなホールケーキを買って帰った。その夜、二人でそのケーキを食べた。
私は少し寂しかった。
このケーキを、お祝いのケーキだということにしてくれたら良かったのに。口だけでも良いから、そういうことにしてくれたら良かったのに。百歩譲って、今日はおいしいものでも食べに行こうとか、言ってくれたらよかったのに。千歩譲って、もっとたくさん喜んでくれたら良かったのに。頑張ってたもんねと、私の努力を認めてくれたら良かったのに。
次の日、その気持ちが爆発してしまいLINEで彼にぶちまけてしまった。すると恋人は、改めてきちんとお祝いするつもりだったと言った。「あの場でそれっぽいお祝いをして終わりにするのが嫌だった。ちゃんとお祝いしたかった」と言われて、そうかと思った。それが真摯というものなのだと、それがおめでとうという気持ちの表し方なのだと、私は想像にもしなかったのだ。
そして今日、恋人が以前から私に似合う似合うと言ってくれていた帽子を買ってくれた。何個も被り、吟味し、どれも似合うからなあと呟きながら悩んでくれるのが嬉しかった。買ってもらうとき、店員さんに被って帰りますと食い気味に言ってしまった。被った私を見て、店員さんが笑顔で可愛いですねと言ってくれたのも嬉しかった。解散した帰り道、恋人からLINEが届いた。「受賞おめでとう」。涙が出そうになるほど嬉しかった。泣くかと思ったが、店の中だったので全然泣かなかった。済ました顔でいたが、心が騒ぎまくっていた。彼は、私に対して真摯だ。それがどれほど嬉しいことなのか、私は覚えておきたい。自分を心身に見つめてくれる人のことを、私も真摯に見つめ返したい。
0 notes
ushirogami · 1 year
Text
20230506
最近7時過ぎに目が覚める。平日は8時半、土日は10時頃に起きる生活だったので、GWにこんなにも健康的な生活を送れていることに自分自身驚いている。
今日も7時半に目が覚めた。8時には一階に降り、うちに遊びに来ていた母におはようと挨拶をした。
11時の開店と同時に、回転寿司らしからぬ回転寿司に行った。らしからぬ、というのは、お値段がそこそこ張るからだ。回転寿司は安いからいいのに。6皿ほどでお腹いっぱいになる。のどぐろが美味しかった。
午後、誕生日プレゼントとしてベルトを買ってもらった。
夜は近くのイタリアンに行った。ピザが美味しかった。岩海苔ってピザに合う���だな。〇〇の話をして「〇〇といえばさ〜」と話しを派生させて、というやりと。を何度もした。私はこの「派生話」が嫌いではない。中身なんてどうでもいい。紡がれていく様子が好きなのだ。
Tumblr media
0 notes
ushirogami · 1 year
Text
20230424
昨日今日に比べて、少し肌寒い日だった。夕飯はそうめん、きゅうりと竹輪の梅肉和え。そうめんのつゆは、ただのつゆではない。豚バラと茄子を茹でて本だしを加えたお手製つゆ。これがおいしかった。
忙しいときでも、暇なときでも、たまには夕飯をゆっくり作ろう。最近はもっぱらNushばかりだからね。
0 notes
ushirogami · 1 year
Text
20230423
マッシュポテトに明太子を乗せて食べるとおいしい。
考えたことや感じたことを他人も理解できるように伝えよう、そう考えて頭の中で流れを構成している間に、考えたことや感じた事は過去のものになってしまう。新鮮さが失われてしまうのだ。
でもその新鮮さを重んじてるのは本人だけで、相手からすれば新鮮さなんてさして重要ではない。それを肝に銘じた上で、新鮮さに気を取られて理性まで失わないよう気をつけたい。
0 notes
ushirogami · 1 year
Text
20230422
よく晴れた土曜日だった。一昨日昨日と暖かかったから油断したが、今日は少し肌寒かった。
西加奈子の新刊『くもをさがす』の刊行記念サイン会に行った。場所は池袋のジュンク堂。13時40分〜の回に参加する人は13時30分には集合する必要があったのに、到着したのは32分頃だった。2時間以上余裕を持って家を出たのに遅れてしまったのは、服を買っていたからだ。鳩尾のところに穴が開いている、毛玉がついた薄手のニットを着てきてしまい、どうしても着替えたかったのだ。小学生の頃から憧れていた作家に会うのに、このままでは嫌だ。そう思いPARCOをぐるぐる回り、A+Tokyo でメンズのアイボリー色のシャツ(S)を買った。
すでに時刻は13時25分を指しており、走りながら着替えた。ニットの上からシャツを羽織ると暑かった。ジュンク堂に着く頃には汗だくだった。
会場に着くと同じ回の人たちは皆並んでいて、並んでいるどころかもうサイン会は始まっていた。私は最後尾だった。西さんの声が聞こえたからか、走ったからか、この状況にテンションが上がっているのか、よく分からないが泣きそうでずっと瞬きをしていた。ぱしぱしぱしぱし。前に並んでいるボブの女の子が可愛かった。ぱしぱしぱしぱし。小さな赤ちゃんを連れた人や、「私も乳がんで〜」という話をする人、自分が作った曲のCDを渡す人と、皆、西さんに会うべくして会いにきたような人ばかりで、さっき服を着替えた自分が恥ずかしかった。ぱしぱしぱしぱし。
「次の方どうぞ〜」と係の人に呼ばれる。診察室みたいだ。中に入ると西さ���がいて、まんま西さんだった。西さんは「待たせてごめんね」と言ってくれたのに、開口一番「間に合わないかと思った!」と言ってしまった。「全然そんなことない、会えて嬉しい」「小学生の頃からずっと助けられてきました、ありがとうございます」「私も小説を書いていて、いつか読んでもらえるように頑張ります」色々考えたのに、何も言えなかった。号泣してしまった。走って息が上がっていたのも理由の一つだろう。私は血が昇ると泣いてしまう。西さんの顔が見れなくて、係の人を見るしかできなかった。西さんはサラサラとサインを書き終わって、私はもう出なくてはいけなかった。受け取ったのにまだ涙が出ていて大変だった。そしたら西さんは立ち上がって、私をぎゅーっと抱きしめてくれた。西さん。ずっとあなたの小説を読んできたんです。大変なときも、消えちゃいたいときも、吐いてしまうときも、西さんの小説を読んでは「よっしゃー!やるかー!」とやる気を出してました。西さん、あなたは私のアントニオ猪木です。痺れるほどかっこいい。抱きしめられて、最初は抱きしめられたままだったけど、おずおずと背中に手を回すと、想像以上に薄い身体だった。ぎゅっと力を入れて、そしたら「生きててよかったー」と声が出た。なんだそれ。西さん、生きててよかったー。
池袋はたくさん人がいて、誰も私を見てなんかないのに、赤い目を隠して下を向いて歩いた。ジュンク堂の裏で呼吸を整えた。ラーメン屋や定食屋にたくさんの人が並んでいた。皆が昼食を食べている時間に、私はここで1人で泣いている。でも悲しくなくてよかった。今日のことを覚えておこうと思った。
Tumblr media
1 note · View note