Tumgik
#豚と白髪ネギのお鍋
oyajiyb · 1 year
Photo
Tumblr media
#園田 #大衆居酒屋わらの さんの 今日の日替りランチは #豚と白髪ネギのお鍋 でした。 この急に寒くなってきた時期に こういう日替りメニューは ありがたいですし 豪華な感じがしますね。 温まりました😋♪ ヾ(o´∀`o)ノ 食後の珈琲☕️付きで¥720‼ 今日は、たまたま園田中央商店街の元会長の 松本さんが来店されてたので 楽しく会話しながらのランチになりました。 #PayPay #LINEPAY 支払い可能!! ◆ 大衆居酒屋わらの 位置情報(GoogleMAP) https://goo.gl/maps/Wi6g564ScP52 ◆LINE公式アカウント https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=078nnnoe ◆instagram https://instagram.com/taisyuizakayawarano ◆Facebookページ https://www.facebook.com/taisyuizakayawarano/   ★園田地域のお店情報グループ 園田のお店 https://www.facebook.com/groups/sonodanoomise/   #定食 #居酒屋 #阪急園田 #ランチ #2022年 #12月6日 #前回11月29日   #sonoda #園田駅 #わらの #園田のお店 #OYJSHP #sonodanoomise #warano #ペイペイ #PayPay払い #PayPay使えます #尼崎 #尼崎市 #waranosnd #園田グルメ #尼崎グルメ #園田のランチ #園田ランチ #シェアはご自由に (大衆居酒屋わらの) https://www.instagram.com/p/Cl0jeF0uZFT/?igshid=NGJjMDIxMWI=
0 notes
kaoru-gohan · 4 years
Photo
Tumblr media
【9月29日(火) :ばんごはん】 ・お昼に圧力鍋でガガーッしといた豚ナンコツたまねぎしらたき+八角に蒸したブロッコリ合わせておかライス+にon、さらに剛毛白髪ネギをon。 ・コチュジャン入れたらいいかもって思ってあとで足した。 ・いただきものの茅◯舎のだしおとうふわかめえのきネギいれた。 ・あったかい汁モノが恋しい季節になしました。 #keto #じゃない #糖質制限4ヶ月め #そろそろ解除 https://www.instagram.com/p/CFt--sfDCpZ/?igshid=6c79gnppl56n
3 notes · View notes
find-u-ku323 · 4 years
Text
『貝ベースの醤油ラーメンを出す、あの店のこと』
 ラーメン屋を閉める決意をしてからというもの、今どき流行らない古めかしい中華そばの店に父と二人で行った少年時代を思い出す夢ばかり見る。  何の変哲もない一杯六百円とかの、メンマ・チャーシュー・ネギが乗ったいわゆる普通の醤油ラーメン。  西陽が傾き加減で入ってきて少しノスタルジックさもあるような古臭い空気感と、時たま子供でも分かるようにして漂う煙草の薄い臭いと、べたついた床。上を見るとメニューがずらっと書いてあって、「どれにしようかな」と悩みながらも結局あのシンプルな中華ラーメンに行き着くのだ。  なんにも特徴のないのが特徴のラーメンだったけれど、そのときの俺はそれで満足だったし、父と言葉を交わさなくても味に集中している時間だけは何か空気が変わったように打ち解けられたような気がした。 「うまいな」  そう、生きて来て父と話した言葉なんて、そんなものである。  そして俺はその店を切り盛りする角刈りのおっちゃんに「また大きくなっとるやん! そうか、賢ちゃんももう今度は中学生かぁ。時の経つのは早いもんやな!」なんて言われてがしがしとひとしきり頭を撫でられたあと、俺が「ごちそうさまでした」と言ったところで、その夢は終わる。  そんな夢想をするくらいなら、サラリーマンをやっていた忌々しき時代の上司に受けたパワハラの夢でも見ていた方が今の自分にとっては百倍もマシであっただろうに……。スマホのアラームを止める手が、今日は一段と重かった。  そうか、もうこんな時間か……。いくら憂鬱でも、身体は何年も続けてきた仕込みと下準備の時間を覚えているし、勝手に手は動く。疲れているのに、心はやるべきことを為そうとしてくる。なのに俺は気持ち悪いざわめきを抑えることは出来ない。一度、便所で食べたものを全て吐き出した。  夜明け前、まだ暗い部屋の外を眺めて、こう思うのだ。 「……こんな店、早く潰れてしまえばいいのに。誰か火つけてくんねぇかな」  いつまで思い出に縋っているんだ、と誰の声だか知らないが、夜明け前の静寂から聞こえてくるのだ。だから、もうあと一週間で店を閉めてやる。  ──この店は蝉のごとく、地面から地上に這い上がることができたのだろうか?  俺は心を無にして、そんな風に振り返ってしまう気持ちを蹴飛ばした。
◆閉店まで 七日
 盆地の夏は蒸し暑く、たとえ朝でも日が昇ればあっという間に三十度は軽く超えてしまう。だから、もっと酷暑になる昼頃になんて、まず出歩いているのは夏休み中の下宿生か、物好きばかりで、店は繁盛しない。  いつもの夏の光景は、仕事を辞めて店を始めた十年前から、何一つとして変わっていない。 「ご馳走様でしたー」 「あいよー」  誰だか知らないが、この辺りに住む学生だろうか。律儀に声をかけてくれるので、こちらとしても気持ちがいい。ここに店を構えてよかったと、改めて思う。  俺は、この店を閉めることを事前に告知しないことを決めていた。もちろん申し訳無さはあるが、客に気を遣われても困る。むしろ、風のように消えて「えっ、あの店辞めちゃったの」と思い出される存在であるかどうかを試すために、誰にも言わずに店を閉める。  俺が出しているのも、夢の中で出てきたような、何の変哲もないように見えるだろう醤油ラーメンだ。もう、メンマもチャーシューもネギもそのままで、子供の頃から慣れ親しんだものにしか見えない。しかし、これこそが俺の答えであり、結晶である。  確かに、「あの店は良かった」と皆の記憶の中にどこまでも棲み着いて苦しめるような、そういうラーメンを作って、今まで来なかった奴らに復讐するということが目的なのは間違いない。  だが、俺にとっては、この答えとなる最高傑作を作っても『アイツ』が来なければ意味なんてないと思っている。 「暑いっすね」 「きょう真夏日だぞ。こまめに水とれ、水」 「ありがとうございます。でも、店長に倒れられると困るんで、程々でいきましょう」  バイトの大学生もこの辺りに居を構えているらしいが、地元とは違う気候にかなりやられているらしい。加えて厨房はこの熱気である。俺は彼を気遣ったが、彼も彼なりに俺のことを気遣ってくれているらしい。 「そりゃどうも。それで、大学はどうよ、友達は出来たか」 「おかげさまで手で数えられるくらいの付き合いしか。でも、それなりにうまくやってますよ」  うまくやる、という言葉の響きで、今の若者はそういう方向に特に賢いなと思った。コミュニケーション能力の鋭さや丁寧さは、今の世代からすると常識に等しいのかもしれない。  ──ならばすれ違いながら生きてきた俺は間違っているのか?  答えはノー、だと思いたい。しかし、現実はそうではないのだろう。昔のことに囚われて今のことが見えなくなって、その結果、未来のことまで見えなくなってしまう性分には、「うまくやる」なんて洒落たことが出来ない。直情的なのに後ろ向き。それならいっそ、チョロQのようにゼンマイ式で後ろに引いて、それから猛スピードで直進できれば、なんて。  ドアの外から見えるのは、あるようでない日陰をうまく渡りながらはしゃいでいるアベックとか、カメラを首にかけて猫を追っている白いワンピースの少女とか、あるいは、あれは家族連れだろうか。帽子をかぶって真っ黒に日焼けした夏の象徴みたいな男の子がこちらを見ているような気がした。  ふと、その男の子に俺の子供の頃を重ね合わせる。  ──お前は麒麟児だ! ラーメンの味が分かるんだろ? 天才さ!  麒麟児、という言葉の意味も分からなかったあのころ、わしゃわしゃされていた俺の髪の毛と、その子の天然パーマがかった頭とか、雰囲気とか、そういう物が似すぎていて、 「店長! お客さんですよ!」  という声がバイトの子からかかるまで、俺は来客にまったく気づけないでいた。  クソ、今日は調子が狂うな……。俺は、眩しすぎる若き煌めきを無視できない。歳を食うのはまったくいいことがないんだよな、とオーダーを取る。
◆閉店まで 六日
 常連の青木さんは、すぐにご飯を済ませようとする。 「いつものヤツ」 「醤油ラーメンと半チャンのセットですね」  オーダーを聞いてから、俺が作ってサーブするまでの間、ずっと青木さんは貧乏揺すりで無言の圧力をかけてくる。別に声を荒げるようなことはしないが、その様子を見ている方はなかなかプレッシャーを感じるものだ。  しかも、バイトの子は青木さんに怒られたことがあるらしい。曰く、『サーブを早くしようとしているのは分かるが、そのせいで半チャンの出来が悪い、もっとパラパラにしろ』とのことだった。ただ、そのときだって味に文句をつけながらも、口にとにかく素早く運んで五分で食い終わっていた。  そう、青木さんに満足してもらえないまま店を閉めるのも確かに不本意ではあるのだ。ただ、遅くては文句をつけられてしまう。つまり俺は青木さんに味とスピードという、いい店の三拍子のうちの二つをいつの間にか鍛えてもらっていたといえる……かもしれない(三拍子の残り一つの『安さ』は、青木さんに言われなくとも、たぶんこの辺りでは一番だと思う)。  半チャンに使うのは、ご飯、卵、長ネギ、塩、油、水。手慣れた手付きで中華鍋へ遠慮のない量のごま油とご飯をどばっと投入し、その上にさらに溶き卵をかける。そして一気呵成の勢いでじゃかじゃかと鍋の中で暴れさせる。うまく炒められれば、そのあと塩・長ネギを加え、火を弱めてひとさじの水を軽くふりかける。最後の炒めを終わるまでに一分とかからない『タマゴ炒飯』とはこれのことである。  一方のラーメンは、朝から仕込んでおいたアサリ・昆布・シジミをベースにしたコクの深い秘伝の醤油スープに、勢いよく湯切りしたちぢれ麺を投入し、先に炒飯を作ったときに多めに切っておいた長ネギ、さらにメンマと、これまた夜が明ける前からトロトロに煮込んでおいたチャーシューを乗せる。要素はたしかにシンプルでサーブまでの手間は果てしなく短いが、それまでの準備がひたすらに長い。しかし、それをやっておくことにより、味にも速さにも自信が出るというもの。手は抜かない。  完成したラーメンと半チャンのセットは、まるでサイモン・アンド・ガーファンクルのようなコンビネーション、明日に架ける橋のような希望に満ち溢れた輝かしさである。  さあ、どうだ、青木さん。今日は俺の作る最後の一杯をお見舞いしてやる。  俺はそんな気持ちで、テーブルに「お待たせしました、ラーメンと半チャンセットになります」てな具合でそれを出した。  このとき、俺は思った。俺にとってはこの人に出すのは最後の一杯になることがもう分かっているけれど、青木さんや他の常連客にとってはいつもの一杯に過ぎない。それなのに、俺は空回りして変なことをやっているのはおかしい。いつものように、手は抜かずに気は程々に抜いて、ナチュラルな一杯を目指すべきなのではないかと……。  ラーメンを口にした青木さんが、麺をすすったときに少し表情が変わった。だが決して言葉にはしない。いつものように、腰の曲がり始めた汚れ混じりの作業着姿で、黙々と淡々と食べ続けている。その横顔を見つめていたバイトの子が、何かに気がついたような表情でポツリと漏らしている。 「青木さん、もしかして怒ってるんじゃないですか……?」  嘘だ。俺は気合を持って今日の一杯、ひと皿を出したはずだ。さっきは空回りしてちゃいけないんじゃないかと思ったが、それだって正しいという確証はないのだ。だから、俺は俺のベストを出しただけなのに……。段々と、分からなくなってくる。  俺の頭が堂々巡りしている最中、青木さんが席を立ち、店中に響き渡るようにデカい声でこんなことを言った。 「ご馳走さん。……一つだけ言わせろ! 半チャンを律儀に出してる時点で、お前はラーメン屋失格だ」  振り返らなかったので顔は見えなかったが、席にあったラーメンは半分程度で残されていた。時間を見ると、サーブしてから丁度五分が経っていた。
◆閉店まで 五日
 昨日の青木さんの言葉は、まるで憲兵に銃を向けられたときの敵国の兵士のような感情を抱かせた。今から俺は死ぬのではないだろうか? そういう凄みさえあったのだ。  やはり俺の店はどこかで何かを間違えていたのかもしれない、と途端に不安にもなるのだ。  なぜ半チャンセットを頼まれていて、それで半チャンを出したらラーメン屋としては失格になってしまうのか、それはなるほど哲学的な問いとしか考えられなかった。  しかし日々はそんな俺のことを放っておいても、セーブポイントから続きがやってくる。どうやら人間というのは、昨日のことをずっと引きずっては生きられないように出来ているらしい。あまりやりたくなかったが、行きがけに度数の低い酒を一缶だけ煽ったら、すっと記憶の中とか頭とか身体から要らない力が抜けていくのを感じた。  ともに歩んできた『アイツ』のことを心配している余裕が今はない。俺は蝉なんだ。きっと死ぬ時くらいは自らの生涯を全うするために地上に出てくるんだ。  開店直後、とある珍客が現れた。 「なんだ、先輩じゃないすか」 「どうせ暇なんだろ。食いに来てやったよ」  この体重115キロという巨漢の男は、真正の食欲における猛者たる風格を漂わせているが、ただの公務員であり、俺が大学時代に部活で大いにお世話になった先輩である。陰では部員から豚とか言われていたが、本当は渾名をゴリ松先輩という。なんということはない、顔がゴリラそのものだから、ゴリラのゴリに、苗字の一部から松でゴリ松……先輩だ。 「まーたあっさりとしたもん作りやがって、もっと豚骨ラーメンとか作れよ」 「うちは豚骨置いてないっすよ、俺なんか豚骨とかインスタントでしか作ったことないから分かんないし」 「おいおい、それで何がラーメン屋だ!」  豪胆に笑って見せる顔が無邪気な子供そのものなので思わず吹き出しそうになる。昔と変わらないその心というのが、俺をひどく安心させるのだ。 「しゃーねーなー、醤油ラーメン一丁! それと餃子!」 「はいはい」  餃子セットは半チャンセットと並ぶ人気商品の一つで、とくに餃子は羽根付きのパリッとした感じに拘りを入れている。臭いが気になる人向けににんにくやニラを使わず、生姜などでその代わりのアクセントをつける。  ゴリ松先輩は営業の最中だろうか、スーツ姿でこの店にすっかり馴染んでいる。それを見て、俺も真っ当にサラリーマンやってたら結局こういう感じになって、どっかのラーメン屋で飯食ってるんだ��うなという、そんな違う世界での自分を想像していた。 「あの」 「何?」 「ゴリ松先輩って、何で前の会社から転職したんすか?」 「言ってなかったっけ? 給料はまともに払われてねーし、上司は自分が失敗したのに責任を取ろうともしないしそれを部下に押し付けてくるし、上に刃向かったら左遷だし。ブラック企業ど真ん中よ、俺は人間だからそこから這いずり出てきただけ」  ゴリ松先輩は大学卒業後、某有名一流商社に就職し、華々しいビジネスマン人生を踏み出すかに思われた。しかし現実は昭和の軍隊統制さながらのブラック企業で、悪法も法なりと言わんばかりの労働基準法潜り抜けで精神も身体も限界までこき使われていたらしい。 「あー、一番酷かったのはやっぱアレだな、宴会で土下座させられて仕事でのミスを詰られるやつ。もはや仕事でもねーけど」 「マジすか、飲み会でそんな前にやったこととか根に持たれるんすか」 「そりゃあ、もうあんな職場で働いてるやつなんか頭おかしいやつしかいねえよ。大学卒業しても勉強だけ出来て後はゴミみたいな人間、本当にいるんだな」  先輩は昔からこんなに口が悪い、というわけではないのだ。あの中にいたら誰だっておかしくなるし幻覚のひとつやふたつくらい見るだろう、と尋常ではないほどの汗を拭って苦笑いした。 「そうだ、水、もらうよ」 「ああ、全然構いませんよ」  そういって先輩は小さな袋に入った錠剤を取り出した。 「それ、なんです?」 「もう俺も歳だからね。ダイエットしようと思って。本当は食前に飲まなくちゃいけないんだけど、ついつい忘れるね」  俺は驚いた。正直、もともと放漫な食生活をしていて、前の会社に勤めていたときの自暴自棄な暴飲暴食も重なってかなりの肥満体型にはなっていたが、ダイエットか……。自分の腹の肉が気になるお年頃なのは、俺も同じだったことを思い出させられる。 「そしたら、ラーメンはもう卒業ですか?」 「違えよ、これ飲んだら実質カロリーゼロだから」 「言い訳雑過ぎっしょ……」  昨日とは違って、帰り際にはスープ一滴、餃子のひとかけらも残ってはいなかった。
◆閉店まで 四日
 壁に貼ったカレンダーに、「あと四日」の文字。そう、一日一日を刻んでいくことで、ゆっくりと自らの終わりを生活の実感と一致させていく。今日もジージーと蝉の鳴く声がずっと煩く響いている。  『アイツ』、まだ来ねえな。もう店閉めるまであと四日だぞ、早く来ないと手遅れになるぞ、と虚空に呟く。自分で選んだ未来を後悔しっぱなしでは終わらせられないのだ。そのためには『アイツ』が終わらせてくれないと、何も始まらない。  俺の店はビルの一階にあって、その賃料はそこそこのものだ。話は既につけてあるが、念のため会ってもう一度段取りを確認しておかなくてはならない。迷惑にならないように、早い時間にその人を訪ねた。 「ごめんください」 「ああ、どうも、ラーメン屋の方ですか。先日の話で何かありましたか」 「いえ、特にそういうわけではないのですが、再度、事情の再確認とか、まあ、ご迷惑をおかけするわけにはいきませんから」 「何度でも確認していただければと思います。実は事情が変わった、というときに対応できないと大変でしょうし」  いつ会ってもこのお爺さんは腰が低い。年月を経て銀色になった髪が陽の光にふんわりと輝く。歳を正しくとるとはそういうことで、ちゃんと報われてきた人間の顔をしているという感じを受ける。  俺もこうなりたいな、と思ったことは一度や二度ではない。しかしそれは土台無理というものだ──正しく歳をとるというのは、たぶんきちんとした職に就き、社会の為に汗水を垂らし、たまに適度な休息を取って家族を養い愛することによって、普通の人間として為しうることなのだ、たぶん。俺にはその資格なんて、到底ない。 「どうにもならないとは思わないんですがねえ……私も醤油ラーメン、好きでしたよ。正直、廃業というのは心惜しいものです」  それでも、この大家さんにそこまで言ってもらえるのだから、俺はある意味ではとても幸せ者なのだろうな。 「それで、どうします? 一応、建物は残ってるんで、片付けに入るでしょう。そのときにもう一度引き払うときの条件だけ確認することにしましょうか」 「ええ、それで構いません」 「ありがとう。それでは、日課のジョギングにでも行ってきますよ。最近は妻も一緒に走りたいなんて言ってくるものでしてね」  そういうと、大家さんはそのまま川沿いに走り出していった。そうか、奥さんと一緒に走ってらっしゃるのか。こんな感じで生きている仲睦まじい熟年夫婦というのは、見ているだけでどこか心が癒されるものだ。まるで木々にとまる二羽の雀のように、心細い夜でも寄り添って生きることが出来る、『アイツ』とはそういう風になりたかったな……でも、それもいつかの話だから、今日は今日を生きる。  店はいつものように、繁盛するはずもなく、ただただ空席の目立つ日常だ。この店は別に儲からない。なんなら赤字で、店を維持するのにも金がかかる有様だ。それでいいとは俺は一度も思ったことがない。そして、閉めると決意してからもそれが変わらないのだから、もうラーメン屋に未練なんてない。  ふらっと、そのとき一人の女性が入って来た。 「いらっしゃい」 「あの、ひとりなんですけど、いいですかね」 「構いませんよ。そちらのカウンター席へ」  この店に初めてやって来るお客さんらしい。こんなところにやってくるなんて、相当な物好きしかいないだろうに──半ば同情めいた気持ちも持ちつつ、彼女がこの時期に似合わない薄めながらも長袖のジャケットを椅子にかけたところで、オーダーを伺う。 「ご注文は?」 「……醤油ラーメンの味玉つきで」 「かしこまりました、ラーメン味玉一丁!」  ……お前以外誰もいなくてもオーダーを通すときに叫ぶのは雰囲気づくりだよ、ほっとけ。俺はバイトの子にそんな思いを込めて目線を向ける。  味玉は、前の日から煮込んでいることもしばしばあるくらい時間がかかる。きっちり濃い口の甘辛い醤油ベースのたれの味を染みこませて、あっさりした醤油ラーメンに合うようなしっとりとした半熟で仕上げてある。このラーメンと味玉のマリアージュはまさしくヒロシ&キーボー、『三年目の浮気』さながら。たぶん、食べた人は旨すぎて泣くんじゃないか? とすら思う。  そんな風に自分がトッピングやサイドメニューにラーメンと同じくらい拘るのは、ラーメンに自信がないからではないと自分でも信じている──というか、そう思いたいだけなのかもしれないけど。  半袖になったその女性は、一口食べるや否や、自分のスマホでそれを撮り始めた。何かグッとくるものがあったのだろうか、それとも今流行している写真投稿サイトにアップロードするのだろうか、とバイト先の子に言ったら、 「さすがに今どき写真投稿は古いですよ。時代はストーリーに動画を上げるのが鉄板です」  と言われて、おじさんは何を言われているのかさっぱりだった。  味わうようにして食べるということの尊さをそうして如何なる形で知るのだろう、そんな人は、と昔は否定的だったんだけれど、もうこんなに一般的な風景となった今では何も気にならなくなるものだなあ。そんなことを思った。 「食べることって幸せの源流なんでしょうね。ほら、あの人も幸せそうな顔してる」 「食事に集中してもらいたい気もするけど、まあ、あれも一つの形なんだろうな。食べるってことの」 「おっ、店長が珍しく納得した」  何が珍しくだ、俺はかなりお前の言っていることに同意しているぞ──と思っていたら、彼女は綺麗にラーメンを平らげてしまって、それから俺たちのほうに駆けよって来た。 「醤油ラーメンと味玉、ごちそうさまでした。すみません、写真とか撮ってばかりでお邪魔でしたよね。お詫びします」 「いえいえ全然、こちらとしては美味しそうに食べて、美味しそうに写してくれたら本当にありがたいですから……」 「そう言っていただけると本当にありがたいです。……ありがとうございました、ごちそうさまでした」  お金を支払ったその対価としてラーメンと味玉を魂込めて作り提供しただけなのに、その女性はやけに丁寧に礼を言った。そしてまた帰り際に見せた笑顔がまたぺかーっと明るくて、顔も性格も美人っていうのは世に二人以上もいるんだなと、やっぱり昔のことを思い出したものだ。 「どうしたんですか、店長?」 「いや、なんでもない。ただ何となく、あの人、凄いなって思っただけだ」  そのとき、一陣の強い風が町中をひと舐めした。何の予感なのだろう? 俺はとても不思議な気分になった。
◆閉店まで 三日
 その日は、開店から尋常ではない忙しさだった。  何があったなんてことは、確認するヒマもなさそうだった。 「いらっしゃいませ! ここでお待ちいただけますか、すみません、慣れていないものでして」  この店では一切見たことのないような繁盛、行列、人の山。どんなに旨いラーメンだと言い張っても人が寄ってこなかった盆地の小さなラーメン屋に、こんなに人が集まるだなんて。何か、騙されるオチの夢を見ている気分だった。暑さと疲れで頭はずっと痛いが、その心地よい苦痛が俺に確かな生の実感をもたらしてくれた。 「お次のお客様は……二名様! ええ、どうぞこちらへ。そちらは五名様ですか、テーブルが空くまでお待ちいただけますか。すみません」  喉も痛いが、汗を拭いながら叫ぶ。人生のなかでこんなセリフを言うことになるとは思いもしなかった。これ、一度言ってみたかったんだ……。 「どうです、今日は流石にこの人数じゃ回せないでしょう」  大家さんが様子を見るついでに、ラーメンを食べに来てくれたらしい。どうやら奥さんも一緒のようだった。 「そうっすね……これは、バイト増員も考えなくちゃいけない」 「それでも、決めたことはするんですよね?」  『店を閉める』ということを、繁盛している店内で言うわけにもいかないという細やかな配慮にお礼を申し上げたい。俺は「そうっすね。もう決めたことなんで」と気持ちを傾けないように、自分を制御するようにして言った。 「そうですか。まあ、それも貴方が決断したことで、私がやいのやいの言えた話じゃないですものね。とりあえず、今はこの急場を凌いでいきましょう。頑張ってください」  大家さんからの応援は、かなり安心感をもたらしてくれることが分かった。実はこの店で食事をするのは初めてだということで、ラーメンの味を伺ったら「さっぱりしていてとても食べやすいですね」という高評価をいただいた。ますます閉めるのが申し訳なくなるから、本当は大家さんは一番最後に食べてもらうつもりだったのだが、こうなってしまっては仕方のないことだ。  そしてこの混乱じみた行列は午後になっても途切れない。何人捌いても、また後ろに列が出来て、みんな一様に醤油ラーメンを食べて帰るのだから驚きだ。全員が同じメニューを頼むなんて、普通じゃありえない。  これが、もっと昔、それこそ店が開店してすぐくらいの頃だったらな、と俺はまた昔のことを思い返すのだった。ずんどうから香る潮の香りのする醤油の匂いでいろんなことが思い出せるくらいには、この店にも歴史がある。  実はこの店が全国的に展開している雑誌に掲載されたことがあり、そのおかげで一時期は賑わっていた。当時の看板メニューは今と違って貝ベースの塩ラーメンだったが、今のようなシンプルさの欠片もないゴテゴテした作り方をしていたせいで店の受注能力を大幅に上回り、結果として俺が倒れてしまった。その間にその雑誌での宣伝効果が切れてしまい、今まで見たいな閑古鳥の鳴く店になっていたのだった。  それが、今はこんなことになっているなんて。  思い当たる節なんて殆どないのだけれど、あるとすれば昨日の女性が写真をたくさん撮っていたことくらいしかあり得ない。写真投稿サイトにレビュー付きで載せて、それが一気に情報として拡大した、ということは全くもってありうることだ。それ何て女神?  いやしかし、それならば昨日の今日でこんなに繁盛するものなのだろうか。  俺は、にわかには信じられないといったような顔でこの現状を精一杯もてなすことだけで大変だった。心は全然間に合っていない。 「売り上げ恐ろしいことになりそうですね」 「そうだな……いったい何諭吉だろうな…………」 「給料上がりますかね?」 「まあ、そのうちな」  バイトの子には申し訳ないが、給料が上がる前にこの店は閉まるし、何ならこの売り上げもあんまり意味がない──正直、あんまりラーメン屋で儲けるということにバカバカしさを感じるようにもなってきた。歳かな、と考え直そうとしても、その考えは抜けない。  恐らく翌日もこんな感じだろう。誰かに手伝ってもらわないと久しぶりに過労死しそうだ……そんなとき、頭の中でひとりだけ思い浮かぶ人物がいた。  ──ああ、先輩なら手伝ってくれそうだな。  明日は土曜日で、客足はきょう以上のものになるだろう。ゴリ松先輩なら、土日は休みだし、たぶん副業も許可されているはずだし、後輩からの頼みを断るなんてことはしないんじゃないだろうか…���と、甘いながらも色々と考えたのである。  早速、俺はメッセージでゴリ松先輩のアカウントをタッチする。 『先輩! なんか店が繁盛しちゃって、人手が足りないので手伝ってもらっていいですか! お金は出します』  我ながら軽いメッセージだとは思っていた。万が一怒られたらごめんなちゃいすれば、それで済む関係だから、それでもいいやと思っていた。俺と先輩の間柄はそういうものだったし、いつでも即返事が返ってくるのが基本だった。  しかし、いつまで待っても、夜まで待っても言葉は返ってこない。  心配になって電話をかけてみても、留守電になったままだった。  これはどういうことだろうと思って、ゴリ松先輩の会社に電話しようかとも思ったが、さすがに金曜の深夜に電話を受ける人間なんかいないと思って、もう先輩に店を手伝ってもらうのは諦めようと思った。  明日は絶対に修羅場になるだろうに、なんで既読無視してんすか……。俺はそう思っていた。
◆閉店まで 二日
 十年の歴史の中で、こんなに気合を入れて一杯を仕上げられるのは今日くらいのものだろう。それも、沢山の人に。なかなか料理人のはしくれとしてではあるが、誇らしいものがある。なんとなく熱く生きているのは蝉だけじゃなくて俺もなんじゃないか、死ぬ間際にこんなことがあるのなら人生もアリすぎるだろうよ、と思っていた。  やはりというか、昨日連絡のつかなかったゴリ松先輩は来なかった。  そして慢性的な人員不足が続いたまま、昨日よりも大勢の人々がこの店に押し寄せてきた。流石に疲れからなのかぐっすり眠れはしたものの、働きだすと休みも食事も取れないのが結構つらい。同じものを淡々と作るという作業感も相まって、なかなかグロッキーである。  見渡すと、店の中にはアベックや家族連れも多いし、一人で食べに来る人もいる。別に何があったということはないんだろうけど、そういう普遍的で普通で気が狂うほど幸せな時間をこんな自分のどうでもいいラーメンで奪ってしまうことは許されるのだろうか、とか、そんな自己否定にまで考えが至ってしまう。  それでも、店を閉めるという考えに変化はなかったどころか、むしろそうしようと動機が強化された。もうこの状態をずっと続けていくなんてのは到底不可能なんだから、尚更パッと閉めてどこか沖縄にでも高跳びしてやろうという気持ちだったのだ。  この地方特有の蒸し暑さは益々凶暴さを増していて、ずっと家にいたほうが涼しいだろうに、と思うくらいに列はどんどんと長くなっていく。外を覗けばコンクリートから無色透明な逃げ水が噴き出しているようにすら見えた。  ──あれ、俺、なんでラーメンなんか作りたいと思ったんだろう? 安定してたサラリーマンのままだって何にも困らなかったはずなのに。  暑さで少しボーっとしていると、俺の心のなかに潜む悪魔のような存在が俺のほうに囁いてくる。うるさい、俺の勝手だろう、と反論しようものなら、 「そんな風に思っているのは頑張って他力で得た絶頂を味わっているお前だけだ。本当は安定こそが大事で重要な価値観なんだ。それ以外に何を求める」  と口を塞ぎに来るのだ。ラーメンを作るというのは、恐らくその悪魔のいう『安定』とは真逆のことなのだと思う。想像するに、地震や台風、インフルエンザとかで店を開けられなくなることなんてザラにあるのかもしれないし、今までみたいに客が来ない状態がずっと続くように生きているなんてことだってありうるのだ。それは、サラリーマンを辞めなかった世界での『安定』から見ると全く物足りないし、面白くもないのだろうし、逆に言ってしまえば今の絶頂に終止符を打てる俺のことを嫉妬しているということなのかもしれない。 「醤油ラーメン以外も食べる人いないんですかね……」 「まあ、たぶんだけど、この前来た女の人がなんかでウチの写真を載せてくれて一気に繁盛したってことだろうな。ほんと、先輩が来てくれたら助かったんだけどなあ」 「どうしてるんでしょうね」 「どうせ二日酔いだろ。今の職場でもしこたま飲まされてるのは変わらんだろうね、あの性格だし断れないから」  そんな風に俺たちはゴリ松先輩のことを軽くしか心配していなかった。そして、それが彼に対しては真摯な態度だと思っていた。 「ああ、ヤバい! 長ネギを切らした。でも、買いに行くなんて暇はないな……。  よし、仕方がねえや、こっからはネギ抜きになるぞ」 「え、いいんですか。拘り抜いてるのに」 「これくらい平気だ。というか、それしかやれることがない」  厨房は戦場で、冷蔵庫は弾薬庫だった。ネギも弾薬のひとつなのだが、それが切れてしまっては戦えないといった性質のものではない。むしろ心配だったのは、麺とスープの弾切れのほうだった。完売次第閉店ってなわけだが、それが明日まで続くようなら、来るかどうかもわからない『アイツ』に食わせてやれないということを意味するわけだ。それだけは避けたかった。 「分かりました。その代わり、サイドメニューの提供をやめて、ラーメン一本に絞りましょう。そのほうがサーブも早くなりますし、ラーメンの味だけを味わってもらえるようになります」  そう主張するバイトの子の意見を採用して、前もって準備していた味玉以外のサイドメニューを全て提供取りやめにした。味に自信があり、シンプルな構造をしている麺だからこんな芸当が出来るわけだけれど、ここまでのことになると想定していなかったから、ラーメンを作り続けることへの疲れとか大変さを思い知らされた。名店の人たちはこれを毎日続けて繰り返しているんだな……と苦悩し、俺には到底こんなのは続けることができないと改めて思うのだった。  そのとき、ふと携帯が鳴った。 「店長、出なくていいんですか」 「うーん……そうだな。そっち、一人で回せたりするか」 「正直ちょっと厳しいですけど、五分くらいなら」 「なら、頼んだぞ。ちょっと出てくる」  そう言って、俺は店の裏手に出て震えるバイブレーションに応えた。 「もしもし」 「もしもし、すみません、大手市民病院です。横田賢治さんでございますでしょうか?」 「ええ、そうですが。病院が、どうかしましたか」 「こちらの取り違えでなければ、高松亮吾さんのご友人ということですよね──いえいえ、高松さんのご両親にもご連絡したのですが、全く連絡がつきませんもので、こちらから把握した情報でお電話をおかけした次第です。いまは面会謝絶状態なのですが、近く詳しく説明いたしますのでよくお聞きください──高松さんは薬物の過剰摂取が原因とみられる心肺異常を来しておりまして、現在はかなり大変な状況になっています」  ゴリ松先輩が、そんなことをしでかすとは思えず、言葉を失う。 「薬物、ですか」 「そうですね。警察の方からお話を聞く限りでは、MDMAではないかと」  思えば、そんなようなことを見たような気が──ああ、そうだ、あんなに露骨に錠剤を飲んでいたのに気が付かないはずがない。「ダイエットのため」と言われ、確かに痩せていたような気がしていたからそう思っていたけど、今こうして言われてみれば、覚せい剤であるという風にしか見えなくなってくるものだ。  そんな風に冷静に考えられる自分が、ひどく冷徹で無情な人間に思えてきた。あの先輩が薬物を使って倒れているなんて、という気持ちがないわけじゃない。だけど同時に、なんとなく憐れむような目で見てしまう自分がいる……つまり、あのブラックな環境に身を置いていたら薬という浮輪に頼りたくもなるけど、それなしではもう人生という海原を泳ぎ切ることはもう不可能になってしまうのだ、と。 「そうでしたか」 「ショックになられるお気持ちも痛いほどわかります。まずはゆっくり休んでいただき、可能であれば高松さんのご両親にも横田さんからご説明をお願いします」  全く無理難題なことを言い残して、失礼します、と通話が切れた。残された電話番号だけが表示されている携帯のディスプレイに、心を置いて行かれたような気がする。  あんなにラーメンを旨い旨いと言って食ってくれた先輩。部活で挫けそうになったときに助けてくれた先輩。前の職場で悩んでいた時に、自分も苦しいのに相談に乗ってくれて、脱サラを決意させてくれた先輩。それらが全て崩れていくのを見るのがつらいし、たぶん先輩は退院したら何らかの罪に問われて前科者となるのだろう。そうなれば、俺を支えてくれた精神的支柱のひとつを俺はなくすことになる。  ならば、尚更ラーメン屋なんてやっていて意味はあるのだろうか? 常連を失ってまで評判になるようなラーメン屋をしたいわけではない。街の喧騒とは無縁の場所に、来る人の人生を浮かべるようなラーメン屋のほうが俺には合っていて、いつかそこに先輩やバイトの子や『アイツ』を招くことが出来たなら……そんな軽い妄想をして現実逃避をするしかなかったのだ。  時間は、もうほとんど残されていない。蝉は墜落するまでが生なのだ。今から堕ちてどうするんだ、俺、とひとつ気持ちを入れなおして、また戦場に戻る。  暗い時間までずっと店の前には待っている人が絶えなくて、そのおかげで色んなことを考えなくて済んだ。だけど住処の小さなアパートに帰ると、何もない空間で空虚に今からのことを考えてしまうのだ。未来なんて嘯くけれど、そんなのは虚言に過ぎないのだ、と。  結局、誰もがただ一人で代わりのない人生という舞台に立って無頼、自分の後始末は自分でつけなければいけない。  俺は明日、あの店を絶対に終わらせる。性懲りもなく目指していた夢をここに臨終させる。
◆閉店まで 一日(最終日)
 自分で作っていて、ラーメンを食べたいと思うことは、今まで一度もなかった。思えばそこからおかしいわけで、自分で作っていたラーメンに対して「食べたい」と思えないなんて、作っている労力とか材料とか結果として出来た麺そのものに対して可哀想とかそういう次元ではない虚しさすら発生させることなのだ。それは罪である。人に認められるためにラーメンを作るという発想を根本的に転回するのが、本当はアルチザンとしてあるべき姿なのだろうと信じるようになった。  その日は朝から雨だったが、徐々に雲間から陽の光が降り注ぐような、なんともいえない変な天候だった。  それで、またいつも見ている夢とダブるな、と忌々しげな気持ちにもなる。あの中華そばの暖簾を潜ると、雨が降っていても必ず食べた後には晴れているのだ。そういえば、あのおっちゃんはどうしているだろうなあ、俺の頭をがしがしと撫でてくれたおっちゃんはもう流石に死んでるか。俺のラーメン屋人生の最期を晴れで終わらせようとしてくれてるのは間違いなくあのおっちゃんの仕業だと思う。  相変わらず、今日も人が死ぬほどやってくる。来々、万客往来。謝謝。  は、はは、最後にこんなに俺のラーメンに時間を浪費しようってんだから、みんな愚かでみんな面白い人間なんだろう。本当にどうもありがとう。  今日の為に急きょ麺もスープも卵も全部三倍仕込んで、どうせだからと日が明けるまで営業しちまおうと思った。バイトの子には「別に途中で上がっちゃってもいいからね?」と言ったが、「店長がそこまでやるんだったらやらせてください。お祭りみたいで楽しいじゃないですか? ちゃんと手伝ってくれる友達も呼びますから」とむしろ臨戦態勢を約束されてしまった。そしてその通り、近くの大学に通う下宿生の子たちが手伝いに来てくれていることで、一昨日・昨日よりも負担は大きく減っている。  どれもこれも、『アイツ』が来ることを信じてやっているのだ。俺にラーメンだけをさせてくれた恩人がいなくなって、俺はどうしても今持てる最大級の力を注いだ味の結晶を食べさせなければいけないと思ってしまう、囚われてしまうようになった。でもいつまでもそれを待っているわけには行かない、それは歳を取ることによるタイムリミットも関係しているし、もしくはこの不安定な職種においてずっとここにいるという保証があるわけでもないということがあるのかもしれないけれど。だから、今日をその期限として、『アイツ』にそれを味合わせるための挑戦を続けていたのだ。  実は、スープも麺もこの忙しい中でアンケートを取るなどして、細かく調整を加えている。どんなに完成されたラーメンでも、更なるアップデートが必要になってくるはずなのだ。それを体現するための手段なら、俺はどんなに煩雑なことでも鬱陶しがらないことをずっと前から誓っていた。  十年という道のりはやはり地下に潜っていて、思ったよりも長くて怠いものであったが、それでも最後に地上へ上がってきて命の尽きるまで暮らしを燃やすということが、こんなに美しく面白いものだとは。 「替え玉ください!」 「はい! 替え玉一丁ォー!」  自分が密かに憧れていた厨房の中の掛け声だって、複数人でやれば普通に楽しい。  色んな人と働く楽しみとか、お客さんとのコミュニケーションとか、お金の勘定とか、結局やっているのは脱サラする前と変わらない人間的に当たり前のことばかりだけど、きっとそれが一番良かったんだろう。  これからはそれを形を変えてやるだけだ。俺はそう自分に言い聞かせ��。  ……いや、でも今日は���くら待っていてもゴリ松先輩は来ないんだよな。いつもやっていたラーメン屋が無くなってたら、そりゃあ驚くことになるだろうなあ、青木さんだって、写真を送ってくれた女性だって。もちろんそれがどうということない人だっているのかもしれない。だけど、店には店で紡いでいた歴史とか物語があるのもまた確かなのだ。  そしてそう、俺にも歴史や物語があるのだ。  昔、誰かに聞かれたことがある。確か、元の会社の上司だったろうか。 「横井君はさ、誰に向けてラーメンを作りたいと思ってるの」 「俺は、親父に認めてもらえるような一杯が作れればいいなと思いながら、そういう風なことを前提にしながら、ラーメンを作ることになると思います」 「ふーん。で、君はラーメンなんて儲かりもしないものをどうしても作りたいんだ?」  そうだ、それで俺は喧嘩っ早いし耐え性もないから、すぐに襟首掴んで一発だけ強く頬を、年老いてもうボロボロの頬を殴ったんだった。その眼はニヤニヤと俺のほうを向いていて、今にも「殴ってもいいだろうけど、じきに真実だと分かるだろうに、愚かだねえ」と言いたげだった。  いや、ラーメン屋が儲からないなんてのは、俺が考えるよりもずっと真実に近いことなのだろう。だが、それを分かっていながらラーメンを作ろうという、そんな個人的な動機をビジネスの物差しで当てはめて全否定してくる人間にはとても腹が立ったのだ。  例えば、言葉だけでは出来ないコミュニケーションが食事を通じて出来たという自分の経験を元に何かするのは、そんなに責められるべきことなのだろうか? 何も俺の父に限ったことじゃない。ゴリ松先輩だって、大家さんだって、青木さんだって、あの女性だって、……もっと広げて言うのなら、どこかの国で戦争してる兵士でも、あるいは偉そうなことを言っている政治家も、近くにいるホームレスも、誰も一人で生きてきたわけではない。誰かと食事をした経験くらいあるさ。それだけが俺のモチベーションだったってだけだ。  気づけば、外は闇で、蝉はむしろピりつくような高音で鳴いている。もう終わりが近いことくらい、俺にも分かっていた。知らせなくてはいけない大家さん以外の誰もが俺の決意なんて知らないだろうけど、『アイツ』が来るか夜が明けるまでこの店は動き続けるぞ。  語らい合えるくらい店が静かになってから、そう、何事もなかったかのように、たぶんフラっとやってくるんだろう?  俺の今まであった辛いこと、これから起こる辛いこと、でもその中にある楽しくて面白い本質について、俺のそれに対しての解答としての一杯を挟んで語り合いたいんだ。  なあ、純菜。  俺に言いたいことがあれば、何でも言ってくれよ。だから早く来てくれよ。彼岸からこっちに来て、さ。  ついに一度も文句言ってくれなかったな。ラーメンなんて、とも言わなかったな。何だろうな、俺はとってもそのことに対して申し訳なくて苦しくて、結局何も食べさせてやれなかったんだっていう罪悪感に襲われていて、ああ、もうなんかダメだ。  涙腺が緩むのもやっぱり歳のせいかな。  脱サラするときだけ、ちょっと怒られたけどさ。本当は俺のやりたいことをめちゃくちゃ応援してくれてたんだよな。別居してからも色々面倒見てくれたり、ラーメンの味見してくれたりしたのって、そういうことだよな。そうだと言ってくれたら、それだけでもう嬉しくて飛び上がるような気がする。  蝉の堕ちるまでには食べきってくれよ、麺が伸びるから。線香も花もラブレターも指輪も何もかも渡せなくて、本当に申し訳ないけど。  それと、ありがとう。
 俺の夜はどうやら明けたらしい。  蝉は鳴かなくなり、ぽとりと街路樹のそばに堕ちているのを見つけた。まるで俺だね。疲れ果てた世界の姿を見せてくれてありがとう。狂乱が嘘みたいに、静かに朝は来た。そして、眠っているバイトの子たちに今後の処遇と金とラーメンのレシピを書いた軽くない置手紙を残し、最低限の荷物だけを持って俺は旅に出る。重いずんどう? 好きにすればいい。この場所に縛られるのが馬鹿らしくなっただけだ。俺はまた新しい蝉に憑依するだけの魂なのだから、夢に終止符を打ったらまた新しい麺に出会うのみ。  それでも、この町はすこし幸せの残り香がする。お世話になった人がいっぱいいる。何より、純菜と過ごした年月がここには残っている。  だからこそ、俺はこの町にあの貝ベースの醤油ラーメンを置いて行ったのだ──幸せと永遠の後悔の象徴として。  相変わらずジリジリと焼くような陽射しなのに少し秋の匂いを感じて、背伸びをした。そこに、きっと、いや間違いなく純菜がいるような気がする。 「美味しかったよ」  本当にそこにいるみたいな、そんなホログラムみたいな幻影を見せられているのかもしれない。それが俺に涙を流させていることに、俺はまだ気づいていなかった。
 ラーメン屋を閉めてからというもの、今どき流行らない古めかしい中華そばの店に純菜と二人で行った幸せな時代を思い出す夢ばかり見る。  何の変哲もない一杯六百円とかの、メンマ・チャーシュー・ネギが乗ったいわゆる普通の醤油ラーメン。  古臭い空気感と、時たま子供でも分かるようにして漂う煙草の薄い臭いと、べたついた床。上を見るとメニューがずらっと書いてあって、「どれにしようかな」と悩みながらも結局あのシンプルな中華ラーメンに行き着くのだ。  しかしそのときの俺はそれで満足だったし、純菜と言葉を交わさなくても、味に集中している時間だけは何か空気が変わったように打ち解けられたような気がした。 「美味しいね」  そう、純菜と真に心を交わすのは、デートでもセックスでもなく、この一杯を挟んでいた時間なのだ。  そして俺はその店を切り盛りする角刈りのおっちゃんに「お、今度は彼女を連れてきよったか! もうませてやがるな、最近のガキは!」なんて言われてがしがしとひとしきり頭を撫でられたあと、俺が「ごちそうさまでした」と言ったところで、その夢は終わる。  今ならそんな夢を見たって、魘されない。
0 notes
ohmamechan · 7 years
Text
しっぽ、前足、ひげ
 夕立に降られて、慌てて庭の洗濯物を取り込む母を手伝った。 「もう、いつの間に雲が来てたのかしら」 夏の終わりって、こうよねえ、と仕方なさそうに言う母の隣で、Tシャツやら短パンやらを手早くハンガーごと腕に抱えていく。「お兄ちゃん、こっち」と掃き出し窓から 両手を広げている双子たちに、衣類の塊をパスする。その間にも、大粒の雨がみるみる庭の土を黒く濡らしていく。 「お兄ちゃん、浮き輪も忘れないでっ」  蘭が竿にぶら下がったままの浮き輪を指差してねだる。 「これは濡れても大丈夫だろ」 「大丈夫じゃないの。枕にして寝るの」 「はいはい」  蘭のお気に入りのピンクのイルカの浮き輪も回収していると、 「うわ、わ」  誰かが慌てて、門扉の柵の向こうを駆けていった。黒いかたまり、のように見えたのはおそらく制服だ。声の感じと、慌ただしく大股で石段を駆け上がって行く気配から して、きっと凛に違いなかった。 浮き輪を抱えて軒下に逃げ込む。「あーあ、濡れちゃった」「ね、見て、お父さんのTシャツが水玉模様だよ」双子たちが洗濯物の山を仕分けしている。真琴は二人の側に 腰を下ろして、一緒に、濡れたものとかろうじて濡れずに済んだものを分けた。 「今日、凛が来る」と遙が言っていた。思ったよりも早い時刻だ。部活が終わってすぐに来たのかもしれない。 「家のことと勉強が済んだら、真琴も来い」と誘われている。一応受験生なのだが、親しい仲間に誘われてしまえば、少しくらい行っても許されるよなあ、と気も緩んでし まう。  結局、取り込んだもののほとんどは、乾燥機にかけることになった。双子たちは、流れ作業みたいに濡れた衣類をパスしながら、どんどん乾燥機に放り込んだ。お手伝い を楽しみながらやってくれるのは、とても助かる。  家の中にいても、どうどうと激しい雨音が、迫るように響いた。 「台風かな」蓮は不安そうだ。蓮は強い風の音や雷の音が怖い。「今日はお兄ちゃんと寝てもいい?」とくっついてくる。きっと双子たちが眠る頃には大雨は降り止んでい るだろうけど、「いいよ」と言ってやる。 「ていうか、こんなの台風じゃないし。通り雨だしービビりすぎ!」と、蘭が蓮をからかい始め、蓮が意地になって言い返すので、一気に脱衣所は賑やかになった。回り始 めたドラムの中で、色とりどりの衣類がリズムカルに跳ねている。 今頃、突然の雨でびしょぬれになった凛は、遙に迎え入れられて、風呂にでも入れてもらっているかもしれない。 「今日、凛が来る」  遙の口から幾度となく聞いた言葉だ。ちょうど一年前の夏の終わりごろ、遙はそれをどこか重たそうに口にしていたものだ。少し怒っているような、でも、口元がなんと いうか、へにょへにょしていて、なんとも言い難い不思議な顔をするのだった。 「凛、よく来るね」 「ああ」  いつもの海岸沿いの道を、まっすぐ前を向いて歩く遙の眉は、やっぱり困ったように微かにハの字だった。 「仲直り…っていうのかどうかわかんないけど、凛とまた遊べるようになってよかったじゃない」 「…そうだな」 ずっと隔たっていた凛が、昔みたいに遙の家に遊びに来るようになった。それは、あの夏を境にして訪れた大きな変化だった。遙はそれが、うれしくないわけではないけれど、こうして度々、うかない顔をするのだ。 「なんか、あった?喧嘩した?」 「いや、そういうんじゃない」 じゃあなんで、と目で問う。凛は外泊届を出して、泊ることだってある。遙はそれが迷惑だったらはっきり言えるタイプだ。でも、凛には言えないでいるのだろうか。また 隔たってしまったら、と不安に思うあまり。 遙は、うつむいて、足を擦るように運んでいる。舗道に散った砂が、じゃりじゃりと鳴る。 「楽しいんだろうか、あいつ。何しに来るんだろう」 「何しにって…。遊びに来るんじゃないの」 「だって、うちには、何もない」  確かに、遙の家には娯楽に使うような玩具はほとんどない。遙は特に自分で好んでゲームはしないから、ゲーム機器を持たない。真琴の家に来て、双子たちにねだられて することはあっても。あの家には、おじさんが置いて行ったオセロとか、将棋なんかの古いボードゲームがあるくらいだ。あとは、トランプぐらいだろうか。  二人で向かい合って、トランプをする遙と凛。想像がつかない。ババ抜きだったら、一瞬で終わってしまう。 「いつも、何して過ごしてるの」 「べつに、なにも。飯食って、ちょこちょこ話して…。話すことがなくなって、黙ってることもある」 「それって、普通じゃない」 「でも、結構長いこと黙ってるんだ。一番初めに泊りに来た時は、そんなことなかったのに。最近は、ちがうんだ。あいつは、そんなんで、楽しいんだろうか」  一層眉が寄って行くので、遙が何に一番困っているのか、わかってしまった。二人でいると、沈黙が訪れることがある。それが、遙には気詰まりというか…悩ましいよう だった。遙自身が口下手なのはもう昔からだけど、凛はどちらかというと賑やかな方だ。再会して、打ち解けてからは、ぶっきらぼうながらも口数は増えたし、楽しそうに はしゃいで笑うことだってある。あの凛がいて、しんと静かになることがあるなんて、どこか信じられない。 真琴が遙といても、お互いに何も話さないことなど、幾度となくある。それぞれ好きなことをして適当に時間を過ごす。沈黙が苦ではない間柄なら、何も話さない時間があ っても平気なはずだ。遙は渚や怜とだって、ぼんやり静かに過ごすことがある。誰と話しても話さなくても、一向に気にしないものだと思っていたけれど…凛との間にある 「何も話さない時間」だけは、勝手が違うらしい。 「あんまり気にしなくてもいいと思うけどな」 「気になんか、してない」  思いきり気にしてるくせに、すぐにそんなことを言う。遙の頑固が出てしまった。 ふう、と胸がへこむのがわかるくらい、遙は深く息を吐いた。まなざしは、白み始めた夕空と海が接する、遠い沖を見つめていた。 「とにかく…静かなんだ。二人でいると。ソーダの泡が、ぱちぱち弾けるのが、聞こえてしまうくらい」  それは、どんな静寂だろうか。ささやかな泡の音が鼓膜に響くくらいの静けさ。あの、凛といて。 「真琴も、来い」  間がもたないから、とは言われなかったけれど、遙からの救難信号なのは確かだった。  それから、凛が遊びに来るときは、できる限りで混ざるようになった。渚や怜や江も、そこに混ざって、みんなで賑やかに過ごすことも幾度かあった。 凛は寮生活なのでそう頻繁に遊びに来る機会があったわけではないけれど、そのうちの何度かを一緒に過ごしているうちに、気づいたことがあった。 凛は、人がいればいるほど、賑やかになる。冗談を言ってふざけたり、渚や怜をからかって遊んだり。時にはむきになってみせて、遙に喧嘩をふっかけてじゃれたり。 遙と凛と真琴の三人でいると、わりと静かになる。しかしそれも、大勢でいる時と比べれば、だ。凛が黙りこくってしまうなんてことは、まったくなかった。どこからか話 の種を持ち出してくるし、自然にこちらの話題を引き出してくれる。 遙と凛は、真琴の目の前ではごく普通に、当たり前に言葉を交わしたし、昔に戻ったみたいに…いや、昔��上に馴れ合っているように見えた。凛は遙の隣に自分から寄って 行くし、肩を組んだり、くすぐったり、スキンシップだって当たり前にした。遙が言っていたように、この二人の間に、静かで何も話さない時間があるだなんて、ますます 信じられなかった。  たしか、秋の終わり頃のことだったと思う。 「みんなでお好み鍋をしよう」という、渚の企画で、遙の家に集まることになった。鍋の材料は、買い出し係に立候補した渚と怜に任せてあった。鍋の材料以外に、ひとり 一品おかずを持ち寄ることになっていたので、母に卵焼きを巻いてもらって、それを携えて遙の家を訪れた。 玄関には一足先に来ていたらしい凛の靴があった。私服で来たらしく、大きな黒いスニーカーが三和土の隅にきちんと揃えてあった。 居間へ通じる廊下の先には、その靴の持ち主がいた。台所と居間の境目に座って、水泳雑誌を読んでいる。遙の家の板張りの廊下は、きんと冷えていた。温かい居間で読め ばいいのに、なんとも中途半端な場所に凛がいた。 「寒くない?中に入ろうよ」  と声をかけると、凛は「おー、来たか」と座ったままこちらを見上げた。台所では、遙が鍋を仕込んでいた。 「これ、母さんから」  遙の脇から卵焼きを差し出す。鍋の出汁の味を見ていた遙は、「おばさんの卵焼き、久しぶりだな」と頬を緩めた。 「皿にいいか」 「うん。あ、その前に、切ってくれる?」  なるべく冷めないように、と切り分けずにそのまま持って来たのだ。  遙はまな板を布巾で一拭きして水気を拭うと、卵焼きの黄色い塊に、包丁を入れた。すっすっと肘から先のぶれない、いつもながら滑らかな手さばきだ。 食器棚から大皿を取り出して、遙が等間隔に切り分けてくれた卵焼きを盛り付ける。居間からは、絞られたテレビの音と、凛の雑誌を捲る音がした。たまに「ふわわ」とい うあくび。 「他に手伝うことはない?」 「大丈夫だ。ゆっくりしててくれ」 「わかった」  居間へ卵焼きの乗った皿を運ぶと、ちゃぶ台にはカセットコンロや取り皿や箸が人数分、完璧に配膳されていた。おそらくこちらは凛が整えたのだろう。 「鍋、そっちに運ぶぞ」  遙が鍋掴みを両手にはめて、台所からそろそろとやってくる。まだ火を灯さないコンロの上にそっと土鍋を乗せて、傾いていないか確かめる。 「渚と怜が来ないことには、鍋も仕込みようがない」 「さっき、店を出てこっちに向かってるってメールが来てたから、もうすぐ来るとは思うんだけどね」  材料は彼らが調達してくるので、あとはもう待つしかなかった。  遙は台所へは戻らず、その場でエプロンを脱いだ。しばらく居間で休憩するらしい。  すると、凛が、台所と居間を仕切る襖を占めて、そろりそろりとちゃぶ台の近くへやって来た。そしてまた、雑誌を捲る。気にする必要ものない行為だったけれど、その 時、ふと、何かが引っかかった。思わず凛を見ると、凛はおもむろに雑誌をぱたりと畳んで、「なーハル?」と遙の肩に手を掛けた。 「俺の持って来たキムチは?」 「冷蔵庫だ」 「ちゃんと鍋に入れろよ」 「今日の鍋の監修は、渚だ。渚がいいって言ったらな」 「なんだよそれ、お好み鍋だろ」 「渚の、お好み鍋だ」 「うわ、嫌な予感しかねーな」 「俺もだ」  いつもの二人だ。いつもの二人のやりとりが、目の前で展開している。おかしいことなんて、何もない。でも、引っかかる。 もしかして、もしかして。 自分がこ うしてやって来るまで、この二人、会話が無かったのでは? 「おっじゃましまーす!」「お邪魔します」  渚と怜が到着したので、遙は再びエプロンを身につけて台所に立った。 「お前ら遅いぞ」  凛が廊下に手をついて身を乗り出す。 「ごめんごめん。スーパーのはしごしちゃったあ。なかなかお目当ての材料が見つからなくてさあ」  渚ががさがさとビニール袋を置くそばから、遙は彼らが仕入れて来た材料を取り出して、支度にかかる。ネギ、白菜、しいたけ、しめじ。豚肉、白身魚。 「お、プリンじゃねーか。デザートか?かわいいもん、買ってきやがって」 「違うよ、それは鍋に入れるんだよ」 「えっ渚くん、そのつもりでカスタード成分が濃厚なプリンを探してたんですか?」 「そうそう。醤油とプリンを混ぜたら、ウニの味になるって言うじゃない?だったらさ、醤油ベースの出汁にプリンを入れたらさ、豪華なウニ味の鍋になるんじゃないかな って」 「やめろ。絶対やめろ」 「やめましょう。危険です」 「えっなんでー?ちょっと試してみたくない?ハルちゃんはどう?」  いつの間にか、凛も渚や怜と共に台所に入っている。台所は、人と食材と賑やかな声に溢れていた。その様を見つめながら、真琴はある確信に辿り着いた。  きっと、おそらく、ほんの数分前まで、ここは静寂に包まれていたはずなのだ。真琴が「お邪魔します」とやって来るまで。  鍋で湯の沸く音。遙が冷蔵庫を開け閉めする音。まな板と包丁の奏でるリズムカルな音。テレビの音。凛の、雑誌を捲る音。小さなあくび。聞こえるのは、日常の音だけ だったはずだ。  なぜなら、凛が、何も話さないから。静かにそっと、遙の側にいたから。  凛がわざわざ台所と居間の境目にいたのは、襖をしめてしまうと、遙の姿が見えなくなるからだ。気配が遠のくからだ。だから、あんな中途半端な場所にいたのだ。  でも決して、ぴたりと側に寄って馴れ合ったりはしない。ある一定の距離を置いて、遙の側にいるのだ。  思い返してみれば、いつもそうだった気がする。真琴が「お邪魔します」と玄関から上がって居間に入ると、二人は必ずと言っていいほど、離れて座っていた。凛が縁側 にいれば、遙は居間に。遙が縁側にいれば、凛は居間に。遙が台所にいれば、凛は廊下側のふすまのそばに。  少しの距離を置いて、それぞれテレビを見たり、雑誌を捲ったりして過ごしていた。真琴がやって来ると、一斉に二人の時が流れだしたみたいに、「遅かったな」とか「 りんご食べるか」とか「ゲーム持って来たか」などと口々に話し始める。でも、それまで…真琴が居間の襖を開けるその瞬間まで、二人は沈黙の中にいたのだ。今日みたい に、近づきすぎない距離で。  この距離感には、覚えがあった。この、目で計ると、およそ2mとちょっと。歩いて三歩分ぐらいの距離は、野良猫と、同じだ。そうだ、凛の遙との距離の取り方は、猫 と同じなのだ。  新参者の野良猫は、初めは人に慣れていないから、顔を合わせると逃げる。少し見慣れて来ると、道の端と端で目を合わせる。だんだん、逃げなくなる。声をかけたり、 しゃがんでちっちっと舌を鳴らしたりすると、恐る恐る近づいてくる。でも、その距離はひと息には縮まらない。でも、怖がって逃げたりしなくなる。少し離れたところで 、毛づくろいをしたり、だらりと伸びきって昼寝をしたりするようになる。それが、その猫にとって、人との心地いい距離なのだ。  野良猫に例えていることが凛に知れたら、とてつもなく怒られそうだけれど、真琴には彼の振る舞いが、猫そのものに思えてしかたがなかった。  凛が時に何も話さず、付かず離れず遙の側にいるのは、彼なりに心地よい距離を測っているからなのだ。皆がいる時には、勢いで振る舞えても、二人きりになるとそれが できない。それがなぜなのか、本人に聞いてみないとわからないけれど、一緒に過ごすのが嫌なわけじゃない。嫌だったら、億劫だったら、わざわざ外出許可をもらい、電 車に乗り、離れた町まで何度も会いに来たりしない。凛なりに精一杯気を遣い、遙との親しさの距離を測りながら過ごしているのだ。四年と少し、心も体も隔たっていたそ の距離を埋めるために。  そう気づいてしまってからは、凛の振る舞いの一つ一つが微笑ましく見えてしまって仕方がなかった。  渚が調合した奇想天外な鍋の味も、凛の持って来たキムチの激辛味も飛んでしまうくらい。 「まこちゃん、なんでずっと笑ってるのー?この殺人キムチ食べても平気なの?」 「おい、ひでえな。うまいだろ。辛さの向こうに、旨みがある」 「いや、これ普通の人には無理だよ」 「遙先輩、大丈夫ですか?気絶してません?」 「なんだよ、なっさけねえなあ。おい、ハル?」 「辛さの向こうに、意識が飛んでいた…」  みんなで一緒に鍋をつついて、わいわいと笑いながら、遙と凛を見る。大勢でいる時は、凛は遙の隣だ。輪の中で、隣り合って、笑っている。  でも、二人だけになると、猫の距離になる。会話がぴたりとやんでしまう。でも、それはそんなに重たい沈黙じゃない。そうやって、少しずつ、少しずつ、ちょうどよい 距離を探っていくのではないだろうか。三歩の距離が、一歩に。一歩の距離が、尻尾一本分の距離に。尻尾一本分の距離が、前足の届く距離に。きっと少しずつ、近づいて 行くに違いなかった。  大丈夫だよ、ハル。  早くそう言ってやりたかった。会話がなくても、ぎこちなさがあっても、心の距離は近づいて行っているはずだから。凛は、遙に近づきたいって思っているはずだから。 昔みたいに、ためらいも、わだかまりも置き去って、すぐ側で笑い合えるまで、きっとあと少しだから。  鍋パーティの次の朝に、さっそく遙に自分が気付いたことを伝えてみた。 「猫…あいつが、そんなかわいいものか?」  遙はまったく納得がいかないようだった。凛が猫だと言ったわけじゃない。猫みたいな振る舞いだ、と説明し直す。 「とにかくさ、待ってみなよ。そのうち、大丈夫になるよ」 「猫がなつくのと同じみたいにか?」  どうも遙は真琴の持論を軽んじているようだった。けれど「そうだよ、猫みたいなものだよ」と真琴は押し切った。 「初めは遠いけど、だんだん近付いて行くんだよ」 「お前、たまによくわからない論を、大真面目に展開するよな」 「わかりやすいって言ってよ」  遙はやっぱり気難しそうに眉を寄せていた。  遙だって、猫みたいなものだよな、と思う。言ったら不機嫌になるだろうから黙っておくけれど。彼らはお互いに、心地いい距離を測り合っている、二匹の猫だと思う。 猫は、一度近しい距離を許したら、もうその後はころころくっ付いて過ごすだけだ。 「大丈夫。きっと、大丈夫になるよ。もう少し、待ってみようよ」  励ますつもりで、満面の笑みを向ける。遙は困ったように首を傾げたあと、「まあ、待つのは慣れてる」とぽつりと言った。  あれから、およそ一年が経つ。  今やすっかり凛は、我が物顔で遙の家に通う猫だ。  あれから、二人の間にある沈黙がすっかり解消されたのかどうか、真琴にはわからない。けれど、遙の口から悩ましげなことがこぼれるのはほとんどなくなった。  代わりに、凛がどうしたこうした、と二人の間で起きた出来事を、よく話してくれるようになった。いつだったか、「縁側の猫がくしゃみをしたら、次に凛がくしゃみを した。くしゃみが移った」という話を、朝も、昼も、夕もしていた。よっぽどお気に入りの出来事だったらしい。  何より「今日、凛が来る」と困ったようにではなく、明日の天���でも言うみたいにさらりと口にするようになった。  もう放っておいても大丈夫そうだったので、呼ばれても、頻繁に混ざることはなくなっていた。そもそも、三年に上がって、凛は部長を任され、多忙な毎日のようだった 。おかげで、遙の家を訪れることがすっかり減っていた。 「今日、凛が来る」 は、久しぶりに聞いた気がする。今朝、いつものジョグをこなしながら、遙が言った。何気なくあっさり口にしたつもりかもしれないけれど、口元がへにょへにょしていた 。うれしさが隠せていない顔だったな、あれは。  双子を寝かしつけたあと、夜に回していた課題を片付けた。しばらくして、「久しぶりに、あの変な深海魚のゲームしようぜ」と凛から電話がかかって来たので、その日 のノルマを片付けてから、遙の家へ向かった。ついでに、凛に教えてもらおうと英語のテキストとゲーム機とソフトを抱えて。  数時間前の大雨が嘘のような、月が明るい夜だった。雨に打たれたおしろい花が、甘く香っていた。石段の途中で、ちりりーん、と風鈴の音が聞こ えた。海に大きく縁を開けた遙の家は、よく風が入るので、こんな夜は冷房がいらないくらいだ。 「お邪魔します」  居間の戸も開け放たれていて、庭から台所の小窓まで心地よい涼風が吹き渡っていた。  遙と凛は、二人とも、畳の上に転がって、寝入っていた。テレビは点けっ放し、ちゃぶ台の上の水泳雑誌は、開かれたままだ。凛は座布団を枕にしてすうすう眠り、遙は 自分の腕を枕にしてすぐその隣に身を横たえていた。  まさに、猫の距離だと笑ってしまう。尻尾や前足どころか、これはヒゲも触れ合う距離だ。一年前が、嘘みたいに。  起こすのが忍びなくて、しゃがみこんで、寝息を立てる二人をしばらく見つめた。よくよく見れば、凛が着ているのは、遙のTシャツだ。なんとかという深海魚の。雨で 濡れネズミになってしまった凛に、遙が貸してやったのだろう。よかったねえ、と何度も何度も言いたくなる。  青いはねの扇風機が、首を振って風を送ってくれる。さやかな風に、二人の前髪がふわふわと揺れていた。  それにしても、どちらが先に寝て、どちらがくっついていったのだろう。凛だろうか、遙だろうか。このままだといずれ、鼻先もくっついてしまいそうだ。 おしまい
18 notes · View notes
753mic · 7 years
Photo
Tumblr media
. 作り置きするといいこと。 水やお湯も、じゃぶじゃぶ使うのが週1回だけなので、手荒れしなくなりました👐 . お鍋を洗うのも週1回☺ . カレー2種(大人と子供)/唐揚げ/豚丼/小松菜ごま和え/白髪ネギ/サバ竜田揚げ/厚揚げと小松菜炒め煮/スパサラ/味玉/ほうれん草とにんじんナムル/春キャベツとツナの和えもの/れんこんと豚肉のバルサミコ酢炒め/大根ときゅうりの酢の物/筍土佐煮
58 notes · View notes
mizohome · 5 years
Link
via やじきたの食べたい放題!
ここも最近オープンのお店ですね! らーめん えだ屋 西北は甲風園にあります。 こちらも昔にトムソがあったビルで、 ちろりんむらの2階になるのかな? 階段を上り、 入口のところで、 営業してるのか? 少し迷いましたが、 開いてても開いてなくても、 とりあえず扉を開けてみようと! しっかり営業されていました! 中へ入ると2人お客さんがいて、 その後ろを通り、 一番奥の席へ座ります。 どれがお勧めか? を聞いたところ、 初めはやっぱり、 ・ 醤油らーめん ¥780 がいいのでは? 的な答えをいただいたので、 その醤油らーめんに、 ・ 味玉 ¥100 をトッピングで! 隣に座っていたお兄さんは、 味噌を頼んでいたのかな? 味噌は麺が違うなどの説明を、 お店の方から聞いていましたね! お水を汲み、 飲みながら、 待つことしばし、 きました。 色めは濃いですね! ラーメンを作っている時に、 お鍋で麺とスープを、 一緒に火にかけていたように見えたのですけど、 それが間違っていなかったら、 麺の色は醤油がしみ込んで、 この濃いめの色となっているのでしょう! チャーシューは、 豚バラと、 鶏チャーシューの2種類! メンマは太めのものをスライス。 そして白髪ネギに、 細かく刻んだ青ネギ! トッピングの味玉の存在を忘れてはいけません! スープをレンゲで掬います。 白いレンゲなので、 スープの濃さがよく見えますね! 飲むと、 甘さが際立つコクのあるスープ。 厳選した異なる3種類の醤油をブレンドし、 醤油独特の旨みと甘みを存分に引き出したものと! 完全無化調のスープなので、 身体に優しい自然なものに! 麺ですが、 全粒粉入りだとのことですが、 色の濃いスープで、 粒などが確認できませんが、 きれいなストレートの細麺です! 味玉を最後に頂戴します。 オレンジ色の黄身は、 ほぼ固形に近い半熟くらいかな! スープと一緒に半身をパクリと! 甘いものが好きな私には、 このスープは好きな分類です! 次は味噌を試してみたいなぁ! バターをトッピングして!(^^) ごちそうさま。 ☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆ らーめん えだ屋 西宮市甲風園1丁目4-16 カームプラザ北口ビル2F 毎日 11:30~14:30 平日・日 17:00~23:30 金・土 17:00~翌1:30 ☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆;+;。・゚・。;+;☆
https://counter2.blog.livedoor.com/c?ro=1&act=rss&output=no&id=3996324&name=yaji3kita3&pid=65815169
0 notes
ronpe0524 · 5 years
Text
今年もお世話になりましたな12月(2018年12月の日記)
■2018/12/1
奥さんは朝から『ヘレディタリー 』を観に。僕は娘と昭島図書館へ。児童書コーナーで娘の近くに座りつつ黒沢清の本を読む僕です。お昼はデニーズ。うちの娘、デニーズ大好き。BS録画『THIS IS US 36歳、これから』S1E1を見る。Amazonプライムには字幕しかないので、吹替でやってくれるのありがたい。海外ドラマは吹替が楽だなぁ。
■2018/12/2
午前中は近所の小さな図書館へ。もう休日は図書館にばかり行っている。お昼は近所のパン屋Pan-Paoへ。たぶん主婦のおばちゃんが日曜だけ空けているパン屋さん。試食パンもたくさんくれる。午後から出かけさせていただき池袋へ。新文芸坐で2018年の森田芳光―森田芳光全作品上映&史上初!ライムスター宇多丸語り下ろし―『黒い家』と『模倣犯』鑑賞。宇多丸さん、大変だろうけど楽しんでるのがよくわかる。映画観てからなか卯の 豚角煮重。
■2018/12/3
MOOSIC LAB 2018 Jプログラム『普通は走り出す』@ケイズシネマが観たくてTwitterでチケットの売れ行きをチェックしていたらどうやら仕事終わりで新宿に行っても間に合わない感じ。やはりケイズで人気の作品を観に行こうとするとサラリーマンにはかなりきつい。今年のムーラボについてはUPLINKでも上映があり、こちらはネット予約できるのだけど開始時間が18時台でちょっと仕事終わりでは間に合わない。残念だけど『普通は走り出す』は諦める。本当に残念。予定を変更して仕事終わってから渋谷へ。シネクイントで『キックス』鑑賞。ウータン・クランのショートムービー『For The Children: 25 Years of Enter The Wu-Tang (36 Chambers)』も同時上映。シカゴ・ブルズのアウタを着てる若者が観にきていてとてもわかりやすい感じ。森田芳光特集の感想をアトロクに送ったら再度読んでいただけました。感謝感謝。Netflix『デアデビル』S3E7を見る。
■2018/12/4
朝から書店でキン肉マンジャンプの第2弾を購入。火曜なので英会話に出てから帰宅。夕飯は生姜鍋。生姜ってうまいですよね。あと九条ネギってうまいですよね。1月に東京に遊びにくるというなんすけ君から連絡あり。これだけ早く連絡をもらえるとスケジュール空けられるよね。WOWOW『エージェント・オブ・シールド』S5E7を見る。
■2018/12/5
仕事終わりで新宿へ。松屋で鍋定食を食べる。シネマート新宿でのむコレ『霊幻道士Q 大蛇道士の出現!』鑑賞。
■2018/12/6
仕事終わりで赤坂へ。 赤坂BLITZでZAZEN BOYS TOUR MATSURI SESSION。夏のリキッドは行けなかったので、ベースがMIYAになってからはじめてLIVE見たんですけど重くてはやい。4人中3人がメガネ!冒頭から本能寺、コービー、昇竜という超アッパー。しかもシンセ使わないでエレキのAsobi。てゆうかシンセをまったく使わないセトリだった。本編20曲のうち15曲目がWHISKY & UNUBORE。通常セトリの真ん中あたりにくる曲なのでやや変則的な感じがしんたんですけどやっぱ最高。泣いちゃう。アンコールのAmayadoriに聴こえないAmayadoriも良かった。きちっと2時間ぐらいで終わってなんか大人なZAZENだったぁ。スマホゲームでロマサガの新作が配信されとりあえずやってみる。1ヶ月ぐらいでやめちゃうような気がする。
■2018/12/7
仕事がけっこう忙しい。SNSで仕事がどーのこーの書くは嫌いだけどここならいいだろう。仕事終わりで立川へ。シネマシティで『L.A.大走査線 狼たちの街』鑑賞。やよい軒でカットステーキ定食。
■2018/12/8
午前中は近所のパン屋 かいじゅう屋まで娘と歩いて行きランチのパンを買う。うまいパン屋が近所でとてもありがたい。お昼を食べてから自転車でようちえんへ。クリスマスフェスタで子供たちが歌う歌を聴く。イングリッシュクラスなので歌が2曲とも英語だ。すげーな。プレスクールを含めると4回目のクリスマスフェスタだけど今年で終わりだ。成長したなぁ。打ち上げは恒例、近所のジョナサンで。ちなみに自転車に乗るために今季初のてぶくろを出してしまった。もう冬ですね。夜は子供を寝かしつけつつまた寝てしまった。
■2018/12/9
娘といっしょに朝まで寝てしまった。10時間も寝てしまった。睡眠不足もあるけどちょっと風邪ぎみなのだろう。午前中から娘とスーパーに買い物へ。レゴとかすごろく的なやつでずっと遊ぶ。午後は出かけさせていただき恵比寿へ。一番寒いときに着るアウタを着てしまったのでもう冬ってことで良いと思います。友人N君と合流。N君とは学生時代からの仲だけど、お互い結婚して子供ができてからは年に数回会う程度だ。リキッドルームでスチャダラパー 暮れの元気なごあいさ2²(KGGⅡ²)。今年も楽しく生存確認。早く終わればLIVE後に映画が1本行けるかなぁと思っていたけど微妙に間に合わず。最寄駅まで戻ってきてすた丼。帰宅してからNHKドキュメンタリー『キャメラマンMIYAGAWAの奇跡』を見る。
■2018/12/10
14日にチームの忘年会が入ってしまった。UPLINK吉祥寺の初日には行けないな。仕事を早めに切り上げ立川へ。シネマシティで『パッドマン 5億人の女性を救った男』『来る』鑑賞。帰宅してからAyaさんのツイキャスを聴く。転勤かー。
■2018/12/11
火曜は英会話、なのですが講師の先生が足を悪くしたらしくキャンセルに。まぁまぁお爺ちゃんの先生なので心配です。夜まで真面目に仕事をしていたらネットワーク(主にメール)が不安定に。なんだよ。不完全燃焼で帰宅。娘が発熱したとのこと。たぶん風邪。夕飯はバジル鍋だ。しめはパスタだ。BS録画『THIS IS US 36歳、これから』S1E2を見る。さらに映画かドラマを見たかったけど急激な眠気が。
■2018/12/12
娘の熱は薬でさがったようでどうやらインフルではない。てゆーか自分もまぁまぁ風邪のひきはじめ的症状でつらい。仕事終わりで新宿へ。カリテで『イット・カムズ・アット・ナイト』鑑賞。A24好きの名優と遭遇。帰りの電車でスリーピーマンズのツイキャスを聴く。島田荘司『鳥居の密室』読了。涙。
■2018/12/13
仕事終わりで有楽町へ。万世で排骨炒飯。ヒュートラ有楽町で『暁に祈れ』鑑賞。期限切れだったTCGカードも購入。
■2018/12/14
ボーナスが出ました。僕が働きだしてから最高額だと思う。僕に入ってくる小遣いは微々たるものですが。本日はUPLINK吉祥寺の初日だけど会社の忘年会が入ってしまった。残念。タイ料理屋で忘年会というのはなんかめずらしいような。日付が変わるタイミングで『ゴッズ・オウン・カントリー』のチケ取り。シネマートの予約システムでエラーが出るのは本当にめずらしい。
■2018/12/15
土曜なのに娘はようちえんへ。お餅つきだそうです。僕は高円寺へ。座・高円寺2で、傑作? 珍作? 大珍作!! コメディ映画文化祭『ボクの高校、海に沈む』鑑賞。After School Cinema Club + Gucchi ’s Free Schoolによる素晴らしい企画。A.S.C.C.の野崎さんとは話せるタイミングがあったのでご挨拶だけ。ムビマヨも購入。上映後は同回を観ていたけんす君と駅まで。『ボクの高校~』の感想を話してて、「学食のロレインが戦うとこがダブルドラゴンみたいだよね」と話したら、けんす君は「ファイナルファイト」と云っていた。ジェネレーションギャップ!けんす君は午後は仕事だそうだ。僕は以前から行ってみたかったうどん屋に行ってみたけど閉まってた。ネット情報ではよくわからなかったけど昼営業やってないのかも。代打のうどん屋「肉汁饂飩屋 とこ井」でランチ。ここうどん旬報で書くのはありなのかしらん。帰りに昭島図書館により娘が予約していた『おしりたんてい』を2冊借りる。帰宅してようちえんバスで戻ってくる娘をお出迎え。お父さんがいるとありえないぐらいよろこぶ。さらに近所の図書館で娘が予約していた『かいとうゾロリ』2冊と、僕が予約した本谷有希子の本を借りる。夜は娘を寝かしつけたら、やっぱり朝まで寝てしまった。
■2018/12/16
朝から娘とMOVIX昭島へ。ふたりで『グリンチ』鑑賞。吹き替えで。娘の2018年ベストが更新された。映画館でドラえもんといっしょに写真も撮った。娘はすでに「着ぐるみ」という概念を知っている。奥さんも合流しモリタウンのワッフル屋さんでワッフルを食べる。娘を奥さんに託し僕は池袋へ。新文芸坐で2018年の森田芳光―森田芳光全作品上映&史上初!ライムスター宇多丸語り下ろし―『武士の家計簿』『僕達急行 A列車で行こう』を鑑賞。最終回はスタッフが多数登壇し圧巻。僕は安定の宇多丸さんの真後ろの席で鑑賞。ちなみに僕の真後ろの席はけんす君が座ってた。映画終わってからなか卯で4種チーズの親子丼。
■2018/12/17
仕事をやや早く切り上げてで新宿へ。シネマート新宿でのむコレ『ゴッズ・オウン・カントリー』鑑賞。同回観ていたチートイツさんと新宿にOPENした「旭第一」に行ってみるがもう終わってた。何時ごろに麺切れちゃうのかなぁ。しょうがないのでココイチorゴーゴーカレーorやよい軒の3択でチートイツさんが選んだやよい軒へ。まぁいろいろ映画の話ができて良かった良かった。
■2018/12/18
かれこれ2週間ぐらいノドが痛くて咳が出てマスク生活なのですけど、奥さんからいいかげんに医者に行け!と云われたので朝一で近所のお医者さんへ。薬を出していただく。なんとかコアタイムには出社できたので半休も使わずにすんだ。がしかし出社したら緊急の案件がいくつか進行中でそのままお昼も取らずにMeeting。めずらしく遅いお昼で丸亀製麺へ。満福かに玉あんかけ。年末感ある。毎週火曜の英会話は、講師の先生の足の状態が良くないらしく年内はキャンセルに。まぁ来年からまたがんばろう。夕食はブイヤベース鍋。夜はAyaさんのツイキャスを聴く。無事に関東入りしたようですね。BS録画『THIS IS US 36歳、これから』S1E3を見る。
■2018/12/19
仕事終わりで吉祥寺へ。はじめてのUPLINK吉祥寺だ。『ディア・ハンター 4K デジタル修復版』鑑賞。映画がはじまる前にクラウドファンディング協力者の名前がクレジットされたが膨大な数で、自分の名前を見つけられず。そもそもどんな名前(本名なのかハンドルネーム的なものか)で登録したかも忘れてしまった。座席はスクリーン1のE列。僕にとっては距離的にいい感じ。このスクリーンはD列かE列かな。あたらしい映画館ができると新たに自分なりのベストポジションを探していく感じになりますね。伊良コーラ、550円するけど美味しかった。アルコールを飲まない自分にとってはこういうスペシャルなドリンクとかあると嬉しい。映画終わってから松屋で チーズビーフハンバーグステーキ定食。吉祥寺からだと帰りが楽だし積極的に使っていきたUPLINK吉祥寺。
■2018/12/20
仕事終わりで新宿へ。焼きそば旬報の取材 a.k.a 夕飯に寄ってから、MCTT『パッドマン 5億人の女性を救った男』回。参加者6名と少なかったですが、この師走の忙しい時期に参加してくれる常連様には本当に感謝。やはり『パッドマン』はなんか不思議な映画だし、不思議な人物。インド映画の話もたくさんできました。東京支部の音声配信も収録。忘年会の打ち合わせも。ジミソラジオを聴きながら電車で帰る。とても眠い。ここ数日とても眠いんですけど、これは病院で出してくれた薬のせいだと今さら気づいた。
■2018/12/21
更新されたシネマクティフのPodcastを聴きながら通勤。『ミステリーメン』、懐かしいな。前にスリーピーマンズのお題映画でリクエストしたけど当たらなかったやつ。通勤途中、映画秘宝を購入。昨夜からUPLINK吉祥寺がサーバトラブルで上映が中止になったりしている。がんばれー。仕事終わりで立川へ。シネマシティで『フレンチ・コネクション』と『アリー スター誕生』鑑賞。インタ��バルが1分だったけどなんとかなりました。
■2018/12/22
クリスマスの三連休開始。風邪気味の娘を連れて小児科へ。薬局で薬をもらい僕と娘は昭島の図書館へ。予約していた『おしりたんてい』を受け取る。その後、実家へ。両親に娘を見てもらって散髪へ。久々にさっぱり。実家のクリスマスケーキはサーティワンのアイスケーキ。夜は近所のイルミネーションがすごい家を見に行く。Priceless。夜は実家に泊まり。20時ぐらいには布団に入り寝る。11時ごろになんとなく目が覚め、隣を見たらがっつり目が開いてる娘。去年に続きまたサンタを待ってるらしい。説教して寝させる。夜中の2時ごろにトイレに行って、布団い戻ったら、「トイレ行ってたの?」と娘。また説教して寝かせる。本谷有希子『静かに、ねぇ、静かに』読了。
■2018/12/23
早朝4時ごろに目が覚めたのでニコ生タイムシフトで『ぷらすと的2018年ベスト映画』を見る。これ面白いなー。あたりまえだけど自分とまったく同じ映画の観方の人はいないし、人の数だけベストがある。これわいわいやりたいなぁ。朝6時ごろになり娘も起きる。隣の部屋でサンタ(おじいちゃんおばあちゃん)からのプレゼント発見。以前にアトロクで紹介していたパチェリエというポーチとかが作れるおもちゃ。もう夢中でやる。夕方、父に車を出してもらい自宅に戻る。夜はまた娘といっしょに寝てしまった。年賀状をやる予定だったのに。。
■2018/12/24
昨夜できなかった年賀状を昼にやる。午後は娘とMOVIX昭島へ。『シュガー・ラッシュ:オンライン』鑑賞。娘はポロポロ泣いてた。『グリンチ』と並び今年ベストになったようです。帰宅しおうちクリスマス。ディナーは今年も恒例、DEAN & DELUCA(吉祥寺)のテイクアウト。そしてケーキは手作りー。とはいえスポンジはロートンヌという有名店のやつなのでとてもうまい。
■2018/12/25
朝6時ごろ起床。娘、クリスマスプレゼント(本番)を発見。今年はホグワーツのレゴ。夢中で組み上げる娘。朝食をはさみ組み上げを再開する娘。仕事に行くお父さんをテキトーに見送りしてレゴの続きをやる娘。仕事から帰ってきたらもうホグワーツは完成していた。午前中のうちにほぼひとりで組み上げたとのこと。成長したなぁ。そしてけんす君がサプライズなクリスマスプレゼントが届いていたよ。感謝です!Netflix『デアデビル』S3E8とE9を見る。ゆっくり見てるけど面白いな『デアデビル』。横浜にきているAyaさんのツイキャスも聴く。『TAG』は面白そうだなぁ。WOWOWかネトフリにきてくれー。
■2018/12/26
もう3週間ぐらい風邪の症状があって、先週は病院もいって出してもらった薬を飲みきったのにまだつらい。てゆーか今朝は頭痛がきてしまい最近は一番のつらさ。なんとか準備をして家を出たけど朝のウォーキングも超のろのろで。あと3日働けば休みだ。仕事終わりで新宿へ。すき家で白髪ねぎ牛丼食べてから武蔵野館へ。『マイ・サンシャイン』鑑賞。
■2018/12/27
昨日に比べれば頭痛がない分ましだけどまだ体調が悪い。朝から目がまわるような感じが何度か。かならず視界が時計回りにグルグルとまわる。これは日本が北半球に位置するから、ではなく体の器官の要因なんでしょうね。みたいなことを娘の朝食をつくりながら考える。もう仕事したくないですけど11月とか多めに休暇を使ってしまったのでがんばって働きます。お昼は会社の近所の丸亀製麺で鴨ねぎうどん。今年も丸亀にはお世話になったなぁ。仕事終わりで新宿へ。シネマクティフ東京支部の忘年会。映画の年間ベスト話、みたいのはまた別でやる予定なのでいくつか事前に決めたお題に沿って2018年に観た映画を4人で話す。一応録音はしたので、音源公開はしないけど抜粋的に書き起こしをしようかなぁと。問題回のジミソラジオを聴きながら帰宅。
■2018/12/28
咳が出る症状がまだまだ治らない。もう病院に行く時間がなさそうなので奥さんに市販の咳止めを買っておいてもらえるよう依頼。つらい。いよいよ仕事納めであります。今年も元気に働けたことに感謝であります。仕事終わりで昭島へ。MOVIX昭島で『アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング』鑑賞。
■2018/12/29 
休みだー。市販の咳止め薬を飲み始めたらかなり効いてる感。その分かなり眠い。奥さんが出かけたのでお昼は娘とランチへ。ファミレスが良いらしいのでジョナサン。あー平和だ。夕食は湯豆腐。うまい。夜は娘と寝てしまうが、夜中に起きてシネマクティフ東京支部のnoteにupするための忘年会書き起こしをする。けっこう時間かかるんですよね書き起こし。
■2018/12/30
娘が美容室に行くというので僕は映画を1本観に行かせていただく。シネマート新宿で『いつか家族に』鑑賞。これで2018年の映画納め。麺通団でうどん食べてから帰宅。娘とDVDで『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を見はじめる。怖いから1日30分ずつ見るという。もう空飛ぶ車が木につかまるとこで泣いてた。夜は娘といっしょに寝てしまうが日付が変わる前に起きる。大晦日しりとりに参戦するためである。
■2018/12/31
大晦日。日付変わってから絵しりとりをやっていたがすぐに見失う。くそー。しかたないのでアトロクのクラウド聴いたり。朝起きてからはもう部屋着。もう外出する気はない。いろいろな人の映画年間ベストを見たり、自分のベストをツイートしたり。絵しりとりに娘も参戦。なんかよろこんでたな。今日も『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を30分見ようとしたらとてもこわいので15分にしてくれ、とのこと。これいつ見終わるんだ。夕飯はえび天そば。豪華に高めのハーゲンダッツがデザートだ。娘と風呂に入り、紅白を20時まで見て寝室へ。21時からは奥さんがアニメを見るためにテレビを占有してるので紅白とガキ使も見れない。とゆうわけで家族に大きな病気も怪我もなく、楽しい1年だったと思います。とゆうわけで12月おわり。2018年おわり。
0 notes
kitchengp · 7 years
Photo
Tumblr media
No1521 豚バラブロック角煮 ー 豚バラブロック角煮はカリフワトロ! 表面はカリッと! 中はフワッと! 食べたらトロッと! ー 豚バラブロックに塩と白胡椒を揉み込んで10分、 泡盛に浸し20分、 脂身面から順に表面がこんがりするまでオイルで焼いて表面カリッと! 別鍋で酒、味醂、醤油、砂糖、生姜、スターアニス、ローリエと一緒に落し蓋をしてコトコト1時間煮込み煮汁が少なくなって泡立ったら盛り付けて白髪ネギのせて完成! ー #スターアニス #豚バラブロック #トロッ #カリッ #泡盛 #クッキングラム #レシピブログ #おうちごはん #料理写真 #パパ料理 #一品 #食育 #家庭料理 #男の料理 #男子厨房 #foodpics #foodphoto #healthy #cooking #japanesefood
0 notes