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#恋するブロードウェイ♪
roomofsdc · 3 years
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SDC映画の部屋「コーラスライン THE MOVIE(1985)」
ブロードウェイのとある劇場、オーディションを受ける人たちの行列の中に走って並ぶキャシー(アリソン・リード)。彼女はかつてスターダンサーだったが、活躍の場所を映画に求めたものの成功しきれずにニューヨークに戻ってきたところだ。オーディションは半年後に上演予定の舞台での「コーラスライン」、つまり主役の後ろに並ぶ端役を選ぶためのもので、演出家のザック(マイケル・ダグラス)は応募者の中にキャシーの姿を見つけ困惑する。キャシーはかつてザックの恋人で、彼の元を去ってカリフォルニアへ旅立ったのだ。オーディションで選ばれるのは男性4名・女性4名のみ。二次試験で残った17名の中から選抜するために、ザックは彼らにこんな質問を投げかける「君自身の話を聞きたい、何のために君は踊るのか?」 1975年にブロードウェイのコリオグラファー/演出家のマイケル・ベネットは新作のために、何人ものダンサーにインタビューを行い、彼らの人生をそのまま主題とした舞台を創り上げた。この話についてはドキュメンタリー映画「ブロードウェイ♪ブロードウェイ(2008)」に詳しいわけだが、現代に至るまで「コーラスライン」は世界中で最も愛されるミュージカルの一つになっている。舞台の成功とほぼ同時に映像化の企画が持ち上がり、マイケル・ベネット本人に演出させる案、ジョン・トラボルタやミカエル・バレシニコフにザック役をあてる案など様々な人選が試みられては潰えて、最終的にリチャード・アッテンボロー監督に白羽の矢がたったのは1982年のことだった。アッテンボローは映画化にあたって、本作品の最大の魅力は舞台上に全ての要素が詰まっていることにあると看破し、極力舞台の空気感をそのままスクリーンに再現することを重視した。製作会社はスター俳優にスポットライトを当てて、彼らの劇場以外での人生を映像化することを望んだが、「ガンジー」でのアカデミー賞監督賞で自信を深めたアッテンボローは譲らず、結局ザックとキャシーの回想シーンのみを追加することで妥協点が見出されている。もともとイギリスの舞台俳優であったアッテンボロー監督の狙いはあたり、「コーラスライン」の舞台の素晴らしさを知る観客たちから概ね好感を持ってこの映画化作品は受け止められている。基本的な振付はオリジナルを踏襲しているが、いくつかは「現代風」のアレンジを取り入れるべく「フラッシュダンス(1983)」で有名になった若きコリオグラファー、ジェフリー・ホーナディにいくつかのナンバーの振付を委ね、マーヴィン・ハムリッシュが新たに書き起こした「サプライズ!」などに取り入れられているが、残念ながらこのナンバーだけ他のシーンと浮いてしまっているのは残念至極。オリジナルとの10年のギャップというのはそれほどまでに大きいのだろう。 「コーラスライン」はアッテンボローの指摘するように、舞台でこそ輝く物語だ。私自身も地元の県民会館で最初に見た「コーラスライン」(ザック役は飯野おさみ)の舞台の印象が最も強く、ラストの「ワン」で舞台上にすべてのダンサーが現れるシーンで衝撃を受けた記憶がある。ライブパフォーマンスこそがこの作品の最上の楽しみ方であろう。本作品はよく出来た佳作ではあるが、残念ながら舞台を越えるものにはなり得なかった。
なお、マイケル・ベネットは本作品と同時期に名作ミュージカル「ドリーム・ガール」の演出/振付を手がけていたため、この映画化にはまったくタッチせず、その後ドラッグと酒に溺れた挙句にAIDSで1987年に亡くなってしまう。もし彼自身が演出していたならどんな「コーラスライン」が生まれていたのだろう?
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710taiki-blog · 12 years
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