2019年の出来事と読んだ本と観た映画と年末と
実際にはすでに年は明けてしまっているが、この記事に関してはまだ年末という体で。またあとでべつの記事に年末については書きます。
今年は『フィルムメーカーズ19 ギジェルモ・デル・トロ』(宮帯出版社)に『クリムゾン・ピーク』について書かせてもらったり、『文芸誌 反省しない犬』に短篇を書かせていただいたりと、私個人としてはわりと文章発表の機会が増えた。『白鴉』31号に載せた作品が外部合評でやたら高評価だったが、同人誌評でどうなることやら。
仕事の激務化が進んで読書量が53冊と計測史上最低記録を更新してしまった。昨年は66冊。韓国文学の割合が増したのと、岡和田晃氏に勧められていた山野浩一をようやく読めた。
映画の観賞回数は126回。昨年は116回。『フィルムメーカーズ』に書くのにデル・トロをあらためてまとめて何作か観たのも増えた要因か。わりと邦画ががんばっていた印象。ずっと観たいと思っていた『サタンタンゴ』の上映はまさに事件であった。
あと、ライムスターが結成30周年で全国47都道府県ツアーを行ない、そのうち、岡山、和歌山、滋賀、兵庫、京都、大阪、東京、と参加。白鴉の例会がなければ奈良も行っていただろう。東京ポッド許可局のイベントも楽しかった。
2月に大阪入管前抗議、9月に日韓連帯アクション0907に参加し、神戸と東大阪の在日朝鮮学生美術展へ足を運ぶなどもした。
疎遠になっていたmixiの知り合いとふたたび縁がつながるということがふたり分起き、思えばいちばん実人生に影響を与えているSNSはmixiだなあと。よくも悪くも。
2019年の本と映画の記録。2018年はこちら。
読了本53冊
ファン・ジョンウン『誰でもない』(晶文社)
ファン・ジョンウン『野蛮なアリスさん』(河出書房新社)
チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)
姜英淑『ライティングクラブ』(現代企画室)
村田沙耶香『コンビニ人間』(文春文庫)
ハン・ガン『ギリシャ語の時間』(晶文社)
イム・チョル『別れの谷──消えゆくこの地のすべての簡易駅へ』(三一書房)
石垣りん『表札など』(童話屋)
樺山三英『ドン・キホーテの消息』(幻戯書房)
キム・スム『ひとり』(三一書房)
石垣りん『略歴』(花神社)
ハン・ガン『少年が来る』(クオン)
草野理恵子『パリンプセスト』(土曜美術社)
メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』(新潮文庫)
パトリシア・ウォー『メタフィクション──自意識のフィクションの理論と実際』(泰流社)
チョン・スチャン『羞恥』(みすず書房)
古田徹也『言葉の魂の哲学』(講談社選書メチエ)
ハン・ガン『すべての、白いものたちの』(河出書房新社)
野間秀樹『日本語とハングル』(文春新書)
黄英治『こわい、こわい』(三一書房)
キム・ヨンハ『殺人者の記憶法』(クオン)
廣野由美子『批評理論入門──『フランケンシュタイン』解剖講義』(中公新書)
チェ・ウニョン『ショウコの微笑』(クオン)
アラン・ロブ=グリエ『消しゴム』(光文社古典新訳文庫)
レベッカ・ソルニット『説教したがる男たち』(左右社)
松岡政則『あるくことば』(書肆侃侃房)
内藤千珠子『帝国と暗殺──ジェンダーからみる近代日本のメディア編成』(新曜社)2回目。
内藤千珠子『愛国的無関心──「見えない他者」と物語の暴力』(新曜社)2回目。
アラン・ロブ=グリエ『新しい小説のために──付 スナップ・ショット』(新潮社)
『カム』17号
サミュエル・ベケット『モロイ』(河出書房新社)
鈴木道彦『余白の声──文学・サルトル・在日』(閏月社)
アントワーヌ・コンピニョン『文学をめぐる理論と常識』(岩波書店)
原佑介『禁じられた郷愁──小林勝の戦後文学と朝鮮』(新幹社)
林浩治『在日朝鮮人日本語文学論』(新幹社)
サミュエル・ベケット『伴侶』(書肆山田 りぶるどるしおる)通算7回目
林浩治『戦後非日文学論』(新幹社)
金時鐘/佐高信『「在日」を生きる──ある詩人の闘争史』(集英社新書)
『星座盤』vol.13
『骨踊り──向井豊昭小説選』(幻戯書房)
トーマス・ベルンハルト『凍』(河出書房新社)
『babel』3号
『白鴉』31号
サミュエル・ベケット『マロウン死す』(河出書房新社)
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『なにかが首のまわりに』(河出文庫)
山野浩一『殺人者の空──山野浩一傑作選II』(創元SF文庫)
山野浩一『鳥はいまどこを飛ぶか──山野浩一傑作選I』(創元SF文庫)
山野浩一『X電車で行こう』(ハヤカワ文庫)
山野浩一『ザ・クライム』(冬樹社)
『現代韓国短篇選(下)』(岩波書店)
北村紗衣『お砂糖とスパイスと爆発的な何か──不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』(書肆侃侃房)
谷賢一『従軍中の若き哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがブルシーロフ攻勢の夜に弾丸の雨降り注ぐ哨戒塔 の上で辿り着いた最後の一行「──およそ語り得るものについては明晰に語られ得る/しかし語り得ぬことについて人は沈黙せねばならない」という言葉により 何を殺し何を生きようと祈ったのか?という語り得ずただ示されるのみの事実にまつわる物語』(工作舎)
ジャン・ジロドゥ『トロイ戦争は起こらない』(ハヤカワ演劇文庫)
馳平啓樹『かがやき』(水窓出版)
映画観賞回数126回
『審判』(ジョン・ウィリアムズ)シネ・ヌーヴォ
『ヨーロッパ横断特急』(アラン・ロブ=グリエ)テアトル梅田
『嘘をつく男』(アラン・ロブ=グリエ)テアトル梅田
『エデン、その後』(アラン・ロブ=グリエ)テアトル梅田
『快楽の漸進的横滑り』(アラン・ロブ=グリエ)テアトル梅田
『鈴木家の嘘』(野尻克己)塚口サンサン劇場
『ヴェノム』(ルーベン・フライシャー)塚口サンサン劇場
『囚われの美女』(アラン・ロブ=グリエ)テアトル梅田
『不滅の女』(アラン・ロブ=グリエ)テアトル梅田
『ハード・コア』(山下敦弘)塚口サンサン劇場
『リンダリンダリンダ』(山下敦弘)通算2回目。塚口サンサン劇場
『教誨師』(佐向大)塚口サンサン劇場
『ア・ゴースト・ストーリー』(デヴィッド・ロウリー)塚口サンサン劇場
『ギャングース』(入江悠)通算3回目。第七藝術劇場
『寝ても覚めても』(濱口竜介)シネ・ヌーヴォ
『きみの鳥はうたえる』(三宅唱)シネ・ヌーヴォ
『KICKS』(ジャスティン・ティッピング)塚口サンサン劇場
『銃』(武正晴)塚口サンサン劇場
『ヘレディタリー 継承』(アリ・アスター)塚口サンサン劇場
『メアリーの総て』(ハイファ・アル=マンスール)塚口サンサン劇場
『アリー──スター誕生』(ブラッドリー・クーパー)塚口サンサン劇場
『ボヘミアン・ラプソディ』(ブライアン・シンガー)塚口サンサン劇場
『クリムゾン・ピーク』(ギレルモ・デル・トロ)通算2回目。DVD
『デビルズ・バックボーン』(ギレルモ・デル・トロ)DVD
『MAMA』(アンディ・ムスキエティ)DVD
『サスペリアpart2』(ダリオ・アルジェント)DVD
『嵐電』(鈴木卓爾)阪急梅田ホール。第14回大阪アジアン映画祭オープニングセレモニー。
『フランケンシュタイン』 (ジェイムズ・ホエール)DVD
『金子文子と朴烈』(イ・ジュンイク)シネ・ヌーヴォ
『クリムゾン・ピーク』(ギレルモ・デル・トロ)通算3回目。Blu-ray
『いつか家族に』(ハ・ジョンウ)塚口サンサン劇場
『22年目の記憶』(イ・ヘジュン)塚口サンサン劇場
『バーニング』(イ・チャンドン)塚口サンサン劇場
『バーニング』(イ・チャンドン)2回目。塚口サンサン劇場
『ホイットニー── オールウェイズ・ラヴ・ユー』(ケヴィン・マクドナルド)塚口サンサン劇場
『クリード──炎の宿敵』(スティーブン・ケイプル・Jr.)塚口サンサン劇場
『バーニング』(イ・チャンドン)3回目。塚口サンサン劇場
『天才作家の妻──40年目の真実』(ビョルン・ルンゲ)塚口サンサン劇場
『ヴィクトリア女王──最期の秘密』(スティーブン・フリアーズ)塚口サンサン劇場
『未来を乗り換えた男』(クリスティアン・ペツォールト)塚口サンサン劇場
『フロントランナー』(ジェイソン・ライトマン)塚口サンサン劇場
『キャプテン・マーベル』(アンナ・ボーデン/ライアン・フレック)Movixあまがさき
『ちいさな独裁者』(ロベルト・シュヴェンケ)塚口サンサン劇場
『ギルティ』(グスタフ・モーラー)塚口サンサン劇場
『ファースト・マン』(デイミアン・チャゼル)塚口サンサン劇場
『女王陛下のお気に入り』(ヨルゴス・ランティモス)塚口サンサン劇場
『グリーンブック』(ピーター・ファレリー)塚口サンサン劇場
『幸福なラザロ』(アリーチェ・ロルバケル)シネ・リーブル梅田
『ペパーミント・キャンディー』(イ・チャンドン)シアターセブン
『オアシス』(イ・チャンドン)シアターセブン
『主戦場』(ミキ・デザキ)第七藝術劇場
『カメラを止めるな!』(上田慎一郎)11回目。塚口サンサン劇場
『カメラを止めるな!スピンオフ ハリウッド大作戦!』 (上田慎一郎)塚口サンサン劇場
『ROMA/ローマ』(アルフォンソ・キュアロン)塚口サンサン劇場
『ビール・ストリートの恋人たち』(バリー・ジェンキンス)塚口サンサン劇場
『運び屋』(クリント・イーストウッド)塚口サンサン劇場
『ブラック・クランズマン』 (スパイク・リー)塚口サンサン劇場
『記者たち』(ロブ・ライナー)塚口サンサン劇場
『ふたりの女王──メアリーとエリザベス』(ジョージー・ルーク)塚口サンサン劇場
『バイス』(アダム・マッケイ)塚口サンサン劇場
『ゴジラ──キング・オブ・モンスターズ』(マイケル・ドハティ)塚口サンサン劇場
『多十郎殉愛記』(中島貞夫)塚口サンサン劇場
『マイ・ブックショップ』(イザベル・コイシェ)塚口サンサン劇場
『ビューティフル・ボーイ』(フェリックス・ヴァン・フルーニンゲン)塚口サンサン劇場
『コンジアム』(チョン・ボムシク)塚口サンサン劇場
『パドマーワト──女神の誕生』(サンジャイ・リーラ・バンサーリー)塚口サンサン劇場
『オーヴァーロード』(ジュリアス・エイヴァリー)塚口サンサン劇場
『希望の灯り』(トーマス・ステューバー)塚口サンサン劇場
『ドント・ウォーリー』(ガス・ヴァン・サント)塚口サンサン劇場
『ジョーズ』(スティーヴン・スピルバーグ)塚口サンサン劇場
『アナと世界の終わり』(ジョン・マクフェール)塚口サンサン劇場
『愛がなんだ』(今泉力哉)塚口サンサン劇場
『アメリカン・アニマルズ』(バート・レイトン)塚口サンサン劇場
『スノー・ロワイヤル』(ハンス・ペテル・モランド)塚口サンサン劇場
『荒野にて』(アンドリュー・ヘイ)塚口サンサン劇場
『嵐電』(鈴木卓爾)2回目。塚口サンサン劇場
『そうして私たちはプールに金魚を、』(長久允)塚口サンサン劇場
『WE ARE LITTLE ZOMBIES』(長久允)塚口サンサン劇場
『東京裁判』(小林正樹)シネ・ヌーヴォ
『ハッピー・デス・デイ』(クリストファー・ランドン)塚口サンサン劇場
『ハッピー・デス・デイ2U』(クリストファー・ランドン)塚口サンサン劇場
『イメージの本』(ジャン=リュック・ゴダール)堂島リバーフォーラム
『僕たちは希望という名の列車に乗った』 (ラース・クラウメ)塚口サンサン劇場
『ダンスウィズミー』(矢口史靖)塚口サンサン劇場
『よこがお』(深田晃司)テアトル梅田
『新聞記者』(藤井道人)塚口サンサン劇場
『よこがお』(深田晃司)2回目。テアトル梅田
『サウダーヂ』(富田克也)シネ・ヌーヴォ
『RAP IN TONDO』(富田克也)シネ・ヌーヴォ
『ラップ・イン・プノンペン』(富田克也)シネ・ヌーヴォ
『海獣の子供』(渡辺歩)塚口サンサン劇場
『ドッグマン』(マッテオ・ガローネ)テアトル梅田
『サタンタンゴ』(タル・ベーラ)テアトル梅田
『神と共に──第1章:罪と罰』(キム・ヨンファ)塚口サンサン劇場
『神と共に──第2章:因と縁』(キム・ヨンファ)塚口サンサン劇場
『永遠に僕のもの』(ルイス・オルテガ)塚口サンサン劇場
『工作──黒金星と呼ばれた男』(ユン・ジョンビン)塚口サンサン劇場
『ひろしま』(関川秀雄)シネ・ヌーヴォ
『存在のない子供たち』(ナディーン・ラバキー)塚口サンサン劇場
『世界の果ての鼓動』(ヴィム・ヴェンダース)塚口サンサン劇場
『クリムト──エゴン・シーレとウィーン黄金時代』(ミシェル・マリー)塚口サンサン劇場
『ピータールー──マンチェスターの悲劇』 (マイク・リー)塚口サンサン劇場
『イングランド・イズ・ マイン──モリッシー、はじまりの物語』(マーク・ギル)塚口サンサン劇場
『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(箱田優子)テアトル梅田
『米軍が最も恐れた男カメジロー不屈の生涯』(佐古忠彦)塚口サンサン劇場
『やっぱり契約破棄していいですか?』(トム・エドモンズ)塚口サンサン劇場
『感染家族』(イ・ミンジェ)塚口サンサン劇場
『守護教師』(イム・ジンスン)塚口サンサン劇場
『ベルリン──天使の詩』(ヴィム・ヴェンダース)たぶん通算5回目ぐらい。塚口サンサン劇場
『ガリーボーイ』(ゾーヤー・アクタル)シネ・リーブル梅田
『よこがお』(深田晃司)3回目。塚口サンサン劇場
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(クエンティン・タランティーノ)塚口サンサン劇場
『ラスト・ムービースター』(アダム・リフキン)塚口サンサン劇場
『アス』(ジョーダン・ピール)塚口サンサン劇場
『ジョーカー』(トッド・フィリップス)OSシネマズミント神戸
『メランコリック』 (田中征爾)塚口サンサン劇場
『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(箱田優子)2回目。シネマート心斎橋
『ブラインドスポッティング』(カルロス・ロペス・エストラーダ)塚口サンサン劇場
『ひとよ』(白石和彌)MOVIXあまがさき
『第三夫人と髪飾り』(アッシュ・メイフェア)テアトル梅田
『ある精肉店のはなし』(纐纈あや)第七藝術劇場
『象は静かに座っている』(フー・ボー)シネマート心斎橋
『アイリッシュマン』(マーティン・スコセッシ)シネマート心斎橋
『家族を想うとき』(ケン・ローチ)シネ・リーブル梅田
『去年マリエンバートで』(アラン・レネ)十何年かぶり2回目。シネ・リーブル梅田
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(片渕須直)テアトル新宿
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大丸・松坂屋で「HAPPY HOLIDAYS 2019」開催!名古屋店・静岡店へ行こう!| 東海エリアのイベント情報サイト ナイスタイム(NICE TIME)
大丸・松坂屋で「HAPPY HOLIDAYS 2019」開催!名古屋店・静岡店へ行こう!| 東海エリアのイベント情報サイト ナイスタイム(NICE TIME)
2019年11月13日(水)~12月25日(水)の期間、全国の大丸・松坂屋にて「HAPPY HOLIDAYS 2019」開催が開催されます。東海エリアでは松坂屋 名古屋店と静岡店で行われます。劇団四季のペアチケット」の抽選、ロブ・ライアンの作品をモチーフにしたグッズが入ったチャリティーガチャの設置、環境に優しいオリジナルショッピングバッグの使用など、機会がいっぱい。大丸・松坂屋のアプリを利用したメッセージカード作成サービスも行われます。…
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出典:ナイスタイム(NICE TIME)
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『ある精肉店のはなし』とアディーチェと『マッドマックス──地獄のデスロード』と『菊とギロチン』と山野浩一と
『ある精肉店のはなし』を観ていたらエンドロールに協力者として見憶えのある名前があり、おそらく作品のテーマ的にも白鴉OBのTだEみこ氏でまちがいないだろうと思う。『家族を想うとき』が容赦なくてやはりケン・ローチ監督最高だなと。これにくらべたらやはり『ジョーカー』なんかは1回観れば十分…。
21日、アディーチェ読書会。東梅田へ早めに行って周辺の建物を楽しんでいた。会場の居酒屋は巨大椎茸が有名らしく、なんとなく人に会いたくない気分だったところ、それを楽しみに足を運んだというのに椎茸を切らしていた。テンション激落ちである。短篇集『なにかが首のまわりに』から各々好きな作品を選んでいく流れだったが、私が選んだのは「ひそかな経験」「先週の月曜日に」「セル・ワン」。「ひそかな経験」はふたりの登場人物間に流れるぎこちなさ、いたたまれなさが最高によかった。最後までまったく仲良くならないところもいい。「先週の月曜日に」は語り手の白人中流家庭へのまなざしが味わい深い。「セル・ワン」も全体的に流れる空気感が好み。アディーチェ作品、けっして後味よく仕上げようとかそんな意思をまったく感じさせないところが最高なのではないだろうか(重くて暗くて無理だったという声もネット上にはちらほら見かける)。アイロニーというか。なんだか好きな作家を聞かれたりしたが、いざ聞かれると誰だったっけ、となり、まあ、強いてひとり挙げればトーマス・ベルンハルトかサミュエル・ベケットということになるが、説明とか面倒なのでできればいないと答えたい。説明したところでどうせ読まないし、読んだら読んだで読めないとか私に文句言ってくるし。面倒なら日本人である大江健三郎を出せばいいわけだが、わかられたらわかられたで好きな作品とかへ話が発展するのが目に見えてるし、あと、さいきんはB校生でも大江健三郎を読んだことがない人がいるらしいことから、一般人とおなじくここでも「知らない」と答えられたら後々夜闇に潜んで狙撃とかしてしまいそうなので、おたがいの生命活動のためにもできれば言わないでおきたい。吉川英治にしとくか。私の好きな作家は吉川英治です。吉川英治ですよ。吉川英治最高。
22日、「尾を喰う蛇」の作者でおなじみの江戸前握り氏祝賀会出席のため、天満の焼肉屋へ。「尾を喰う蛇」の合評会があったらしいのだが、私のような批評の苦手な人間が行ったところでなんの参考にもならないだろうと、参加を免除していただいていた。体感的に江戸前握り氏に肉迫する��らい私の話題が出ていて戸惑ったが、U川氏(本名がT橋でしたっけ)の言い放った、「蟹」は名作、という言葉を私はいつまでも憶えているだろう。「は」とはなんなのか。さては「アゴアク」挫折組か。M上氏が『マッドマックス──地獄のデスロード』をまだ観ていないらしいのでぜひ観ていただきたいと思った。カーチェイスの参考になりますよ。バイク好きとしてはオートバイの魔改造ぶりも必見。YAMAHAのYZF-R1とか、原形留めていなさすぎて10回見てもどのバイクがそれかわからないという。あとパンフレット購入お勧め。あと監督と私とは誕生日が一緒。首都圏に文校的なところがないかのような話もあったが、『おらおらでひとりいぐも』の作者って神奈川文学学校の生徒じゃなかったっけ、とか埼玉文学学校関係者の知人がネット上にいる私は思っていたが、こういうシチュエーションが嫌いではないので黙っておいた。まあ、たしかに文フリでは見かけなかったけれども。焼肉終了後、残った何人かでサンマルク。ブルーベリーフローズンパフェとホットコーヒー。B校同期であるMRSNの名前を久々に聞いた。I塚チューターに1回も褒められたことのない私であったが、やはりI塚チューターは評価基準が甘いことで有名らしい。
私が昨年2回観て、推しに推していた『菊とギロチン』を褒め、とくに韓英恵を激賞していた、『吟醸掌篇』代表でおなじみの栗林佐知氏より、『白鴉』31号購入依頼。この作品はまだまだ、韓英恵史上、圧倒的最高峰なのであった。
岡和田晃氏にお勧めしていただきながらなかなか読めていなかった山野浩一をようやく何冊か読めたが、なるほどなかなか参考になるなあと。思想やら思索をこうやって作品に落とし込んでいけばいいのだなと。そして正確にはいつ紹介してもらっていたのか思い出そうとして思い出せないのだけれど、たぶん「蟹」でまほろば賞特別賞を得たタイミングかなあと。どうも読んでいただけているらしいので。感想は怖くて聞いてませんが。作品的に、これ読んでたらたしかに勧めそうな感じもあり。ちなみに彼は「アゴアク」もおそらく某新人賞の下読みで「革」として読んでるはず…。ただの憶測ですが。ともかく買えるやつは読んで、あとは『レヴォリューション』と『花と機械とゲシタルト』を借りた。岡和田氏による、ロブ=グリエお勧め摂取順の通り、『消しゴム』からマリ���ンバートへ行ったので、次は『覗く人』である。わりと好きで3回は読んでたはず。
最近読み終えた本
山野浩一『殺人者の空──山野浩一傑作選II』(創元SF文庫)
山野浩一『鳥はいまどこを飛ぶか──山野浩一傑作選I』(創元SF文庫)
山野浩一『X電車で行こう』(ハヤカワ文庫)
山野浩一『ザ・クライム』(冬樹社)
『現代韓国短篇選(下)』(岩波書店)
最近観た映画
『ひとよ』(白石和彌)MOVIXあまがさき
『第三夫人と髪飾り』(アッシュ・メイフェア)テアトル梅田
『ある精肉店のはなし』(纐纈あや)第七藝術劇場
『象は静かに座っている』(フー・ボー)シネマート心斎橋
『アイリッシュマン』(マーティン・スコセッシ)シネマート心斎橋
『家族を想うとき』(ケン・ローチ)シネ・リーブル梅田
『去年マリエンバートで』(アラン・レネ)十何年かぶり2回目。シネ・リーブル梅田
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