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#ポンプの中のを油断してた
oyajiyb · 2 years
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待望の #パストリーゼ の 一斗缶、到着♪ 小分け容器も用意してたのですが 見事に溢れされちゃいました(つД`)🤣🤣🤣 #OYJSHP #やると思った #ポンプの中のを油断してた #床のフローリングのワックスが白濁 #ワックス剥離剤を買うハメに #余計な出費 (オカン宅) https://www.instagram.com/p/CgvoDg_LPbA/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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wagoneering · 3 years
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Carburetor Upgrade2
ワゴニアのキャブレターをホーリー2バレル 500CFMからエーデルブロック4バレル AVS2 650CFMに交換
パフォーマーシリーズの600CFMと迷ったがミーハーなので新しいAVS2という環状(アニュラ)ブースターのモデルに(昔のサンダーシリーズ)
インテークは純正2BBLのまま交換せず、チョークはエレクトリックチョーク
マニュアルチョークを勧める人がいるが暖気中アクセル踏み続ける必要があるので結構面倒である。電気式はファストアイドルが作動し踏み続けている必要はないので絶対に楽である ちなみにエーデルブロックは同じCFMでもマニュアルチョークの方が4%濃いセッティングとなっている
500CFMがジャストサイズな気もするが将来的にエンジン弄る予定のため650CFMをチョイス
ホーリー2BBLのインプレ
純正のモータークラフトと比較してトルクが増した。立ち上がりの加速が良くなりアクセルの踏む量が減り乗り易くなった。油面限界まで下げてメインジェット69番でクーラー使用、省燃費走行気にせずアクセル踏み込んで平均燃費4.9km/L
今のランクルと変わらないんじゃないか?
あとはレーシングキャブレターなだけあってセッティングが結構シビア
快晴の時にバッチリ合わすと雨の時にフィーリングが気になってしまう時がある 
普通に乗れるけどバタつくまでは行かないどこかシルキーさに欠けるような回転の粒が揃わないような微妙な感覚を覚える時がある
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リンケージ周り アクセル&キックダウン
キックダウンのリンケージは樹脂ナットとか緩み止めの処置しないと秒で緩む走行中急にめちゃくちゃな変速とでかいショックしはじめてATが壊れたかと思ったらリンケージが外れていただけだった
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2バレル インテーク
5,900ccに対してこんだけで間に合うのってぐらいに小さい給気口
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実は今回の主な目的はPCVバルブとラインの交換だった
ホースがひび割れてエアー吸いを起こしてエンジン不調を起こしたと予想
どうせキャブレター外すならついでにキャブレター交換するかって次第
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うーん、マンダム
4バレルキャブレターの取り付け行は下記の様なアダプターを使って
本来は4バレルインテークに2バレルキャブレターを取り付けるものを裏返して使用
Mr. Gasket - 1933MRG Carburetor Adapter Kit 2Bbl To 4Bbl
https://www.summitracing.com/parts/mrg-1933
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パッキンニスを塗布
何故か取り付け時のこれ以降の写真を紛失
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取り付け完了
燃料ラインもついでに全線引き直しパーコレーション対策に断熱材巻きつけ
燃料ラインはキャブ直近のところの曲がりがきついのでやり直しが必要かな
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ステップスプリングをとりあえず最強の交換やつに交換
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フューエルライン買ったがコイルが邪魔で取り付ける事ができなかった
ミツバタイプの電磁ポンプなので燃圧が問題になることはないだろう
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適当にミクスチャー合わせて乗ってみた感じだと少し濃い
だけどすごく良い
ホーリーに換装した時もアクセル踏む量減ったと感じたが更に踏まなくて良くなった
結構急な坂道をパーシャルでぐんぐん登っていくし踏み込んだ時の加速も良い!!!
アクセルのつき、スロットルレスポンスはホーリーの方が良いけどこの車にはおおらかな方があっているので気にならず
同じリターンスプリング使っているのだがアクセルペダルがめちゃくちゃ軽くなった 体感1/5以下
微調整しにくい感あるけど長い距離乗ると楽さ加減が違うだろう ホーリーは結構重くて長時間運転は右脚が疲れた
始動性はホーリーと変わらないかな どっちもセル一発
ただ再始動性は全然違う ホーリーは30分ぐらい置いてから再始動するとパーコレーション気味でコツが必要だったがエーデルブロックはキーを捻るだけでOK
パーコレーション対策となんちゃってハイライズで2.5cm(1インチ)ぐらいのクソ分厚いフェノール製のスペーサー入れていたのだが
あとはファストアイドルの調整が正面からできて開度もだいたい分かるから楽ちん
冷間時でないと調整できないのでホーリーは1週間ほどかかったがエーデルブロックなら3日程度で好みの回転に合わせれそうだ→2日(2回)で好みのところに持っていけた
ワゴニアのキャブレター交換 2バレルホーリー or アダプター使って4バレルエーデルブロックどっちがいいかって聞かれたらエーデルブロックかな
ホーリーの4バレルつけていないので一概にエーデルブロックとは言えないが
セッティングの仕方もチャートを用いて1ステージダウン or リッチしていく独特のものだが初心者にはセッティングしやすいかもしれない
それにボルトオンなのでDIYでやる人にも難易度はかなり低め
ただなんとなくでもキャブレターの調整できないと無理
燃費は計測中 AVG5km超えを期待
購入品
Edelbrock 1906 - Edelbrock AVS2 Series Carburetors
Edelbrock 1948 - Edelbrock AVS2 Series Carburetor Calibration Kits
Edelbrock 8031 - Edelbrock Throttle Cable Brackets
Mr. Gasket 1933 - Mr. Gasket Carburetor Adapter Kits
燃料ホース:ID9.5mm & ID7.9mm(5/16)
ホース接続ジョイント:10mm←→8mm
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fudge-and-mudge · 5 years
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SELF-DISCOVERY ADVENTURE
セルフディスカバリーアドベンチャー in 王滝 100km、自転車乗りの間では「王滝」と呼ばれるレースに参加した。一昨年もエントリーしてえらく盛り上がったのだが、悪天候のためレース自体がキャンセルされ、その熱もいつの間にか冷めていた。昨年からシクロクロスを走るようになり、自転車を競技として見る場面も増えたため、「いっちょやったろか」とエントリーをポチっ。しかもシングルスピードクラスで…
レースまではいつもの悪い癖でトレーニングは一切なし、ポジション確認のために当日使うバイクを通勤に使ったくらい。おまけに年甲斐もなくスケートボードを始めたのは良いとして、練習中に膝を強打して爆弾を抱えることに。もちろん腰にもすでに抱えているわけで。あっという間にレース当日。光陰矢の如し。
というわけで、シングルスピードで王滝を走るとこんな感じですよ〜ってのを僕の主観で記しておこうと思う。
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バイクはSurlyの1x1、タイヤはSimworksのSUPER YUMMY27.5のチューブレス、ギア比は1.5、シングルスピードなので特にやりようがないのだけれど、ギア比1.5は僕の脚力ではうまくハマった感があった。
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補給食はマグオン8個、アスリチューン2個、羊羹2個、練り梅。1時間ごとの補給を意識してマグオン5個、アスリチューン1個、羊羹1個を消費した。イノッチから借りたoutershellのハンドルバッグはしっかり固定できて使いやすかったが、���を急ぐレースとなると目線を落とすのが億劫になり、抽選ボックスみたいに手探りでジェルを取り出すことになる。僕の場合は、1時間ごとの抽選ターイム!と心の中で唱え楽しみにしていた。100kmの長い道のり、こういったことをポジティブに考えないとツライしパフォーマンスも落ちると思う。
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工具類は、携帯工具、チェーンカッター、チューブ2本、ミッシングリンク、パッチ、タイヤブート、CO2ボンベ2本、手動ポンプをRALのサドルバッグにねじ込んだ。一度派手にリムをヒットさせてしまい冷や汗をかいたがパンクはせずに一安心。後半の登りに備えて、転がりを軽くするため空気を入れたくらいでノートラブルだった。これはラッキーというしかない。
ボトルは2本だったが、天候がちょうどよかったため余裕のある水分補給ができた。3か所のエイドで水を汲めるが、1か所で記念にちょろっと汲んだだけだった。行ける人はエイドは全てスルーでも問題はない。足を止める方が問題だ。
ウェアに関しては非常に悩まされた。予報は午後から雨。長袖か半袖?、レインウェアは? 結局、ファイントラックのベースにパタゴニアの7分袖、アームカバー(もらいもの、イノッチありがとう!)、ビブタイツ(もらいもの、ヤナックありがとう!)、レインウェアはフレームに括り付けた。10kmも走らないうちに暑くなりアームカバーは外したが、それ以外は常に快適だった。特にビブタイツの快適性はピカイチだった。
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レース自体を振り返ると、朝4時頃にスタート位置に待機、いわゆる場所取り。時間がくると一斉にコース内に自転車を並べる。いろんなブログで見た王滝の様式美である。かなり前の方に位置取ってしまったのでビビるw きっかり6時にスタート、始めの4kmくらいは先導車が入り落ち着いたペースで流れる。しかし、この時に良い位置にいないと渋滞に巻き込まれるのでほどほどの位置をキープ。シングルスピードには結構ツライ。
CP1までが一番キツかった。登りが長く、周りに人が多いので自分のペースをつかみにくい。30kmで制限時間が4時間というのも結構なプレッシャーだ。まだレースを自分のものにできてない感があって長く感じた。CP1はスルーしたけれど、どうしても羊羹が食べたかったので歩きながら食べた。マジうまい!
50kmくらいでやっと余裕のあるペダリングができるようになってきた。しかし余裕が油断を招き、下りのコーナーでフロントタイヤがすっこ抜けて何度か転けそうになる。手元のSUUNTOでは70km地点なのに、60km地点と看板があって一瞬萎えるが、「これぞOSJクオリティ!!」と、ここもポジティブに乗り切る。その70km地点でカフェイン入りのマグオンを注入。普段コーヒーをガバガバ飲んでいるので完全にプラシーボなのだが、おかしなスイッチが入るのがわかった。登りでもグイグイ足が回るし、下りもとんでもないスピードが出る。踏んだらヤバい尖った石もそこだけピンポイントに浮かび上がって見える。残り15kmはハイな気分でニヤニヤ躁状態。
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そんな感じで結構あっけなくゴール。タイムは6時間45分。気候、機材、体調がうまくフィットした気持ちの良い100kmだった。ただ、また走るかと聞かれたら、どうかなぁ…w ゴール後はピンピンしていたけれど、今は腰が鋼鉄のようにガチガチで動きませんw ドロドロの自転車を洗うのがめんどくさーーー!!!
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みなさんありがとう!!!
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memmemememo · 2 years
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今週のDDの結果です、あさイチでソロってきました!すっかり忘れていました。
DDEはですね…あの…その…。
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内容はこんな感じ。個人的にはステージ2と3がキツめかなぁ。
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ステージ2のポンプはドリラーじゃないと、と思ったんですが
別にそんなことはありませんでした。掘らなくても十分ラインを敷設できます。
ただですね…、
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真っ直ぐにラインを敷設すると溶岩むき出しのところに当たります。
ソロの場合はドリラー or エンジニアで行ったほうが楽かもしれません。
マグマ吹き出し口に敷くとシールドなんかすぐに剥がれて
ガンガン画面揺れするので気を付けたほうがいいです笑
しかも狂暴な敵のミューテ付きなので油断しているとすぐに体力がないなんて事態に。
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ステージ3ではこれまた厄介なハイブガードがボスに設定されていました。
やっぱり一番時間がかかるのはハイブガードですよね~…。
倒してサっとアクアーク集めしちゃいましょう。
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ハイブガードを倒してアクアークを集めている途中、
まーたデトネーターが出て大穴のマグマ溜まりが出来てしまったりで散々でした。
これだからマグマコアは…。マグナイトが不足するわけだ。
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今回、鍛造マスタリー報酬が空のマトリクスコアだったので
どうやら私は��てのOCを集め終わったようです。やっと…やっとだ…!!
この日をどれほど待ちわびたことだろうか!!!ハァハァ…🤪 興奮する!!!(した)
ですがまた新武器のOCが控えています。しかしあまり執着せず行こうと思います。
この場を借りて御礼を申し上げるのもアレですが…、
私のコア集めに何度も付き合ってくださった師匠!お忙しい中ありがとうございました!
よろしければ 今後とも都合がつくときにでも軽く遊んでやってください。
鋼のメンタル…じゃなかった…研ぎ澄まされた意志をきちんと付けて
嫌いなスウォマゲドンでもちゃんと真面目にやりますから!
ナイトラはもちろんゴールドもしっかり掘ります!!
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sayzin · 6 years
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『地球の静止する日』
『サバイバルファミリー』 2017年/日本/ヴィスタ/117分 @配信
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『THE WAVE/ザ・ウェイブ』の項で「毎年のように災害に見舞われる」と書きましたけど、最早「毎月」のように災害に見舞われている感のある日本。『 ザ・ウェイブ 』の投稿から2ヶ月も経たない内に、今度は近畿地方を大型台風が直撃。その被害の大きさに驚いている間もなく、今度は北海道で震度7の大地震です。被害に遭われた方には謹んでお見舞い申し上げます。今回の地震で驚かされたのは、震度や人的被害の大きさではなく、まさかの全道停電。現代社会は電化社会。電気がなければ何もできません。そこで今回は、突然ありとあらゆる電気が消滅し、当たり前だった日常が送れなくなった状況を、4人の家族を中心に描いたコメディ映画を取り上げます。
都内のマンションに暮らす鈴木家は、サラリーマンの父・義之を筆頭に、専業主婦の母・光恵、大学生の息子・賢司、高校生の娘・結衣の極々平凡な4人家族だ。ある朝、起きると停電していた。家にある電化製品の一切が動かない。なぜかバッテリーや電池の入っているものも動かない。それでも家族は日常を始める。義之は会社に行き、子供たちは学校へ行き、光恵は家事を行う。しかし電車も動かず、電話も通じず、自動車も動かない。情報も全く入ってこない中、街は日を追うごとに荒廃していった。そして電気が使えなくなって1週間が経過し、義之は妻の実家に疎開することを決意する。飛行機も使えず、一家は自転車で鹿児島へと向かうのだが…。
考えてみれば、我々は生活の全てを電気に頼っています。今回の北海道でも、給油には電気で動くポンプを使用しているため、ガソリン自体はたんまりあっても、スタンドで給油ができないとか。そうなれば自動車すら役に立たないわけです。本作のように「バッテリー」や「光発電」も効かない状況になると、本当に何もできません。時計が動かないため時間も分からず、電池式のラジオで情報を得ることもできません。電脳世界と化している現代で電気がなくなるということは、生活が不便になる程度のことではなく、脳死状態と変わらなくなるのです。我々はリアルな世界に生きながらも、既にプラグに繋がれて『マトリックス』で暮らしているのと変わらないのかもしれません。本作には、今こそ「アンプラグド」を見直そうというメッセージが込められています。
矢口史靖監督作品なので、映画自体はハウ・トゥや豆知識に溢れたコメディタッチになっています。しかし本作の体裁は言ってみれば、ゾンビの出てこないゾンビ映画みたいなもんです。電気がなくなれば即、文明崩壊。全人類が生きるか死ぬかの状況では、「助け合いの精神」や「絆」なんて甘いことは言っていられません。タイトル通り自分が、家族が生き残ることだけが正義になります。『イントゥ・ザ・ワイルド』の項で、文明崩壊後「本当にサヴァイヴァルできるのは一子相伝の拳法家などではなく、農民だけ」だと書きましたけど、この映画でも正に、そのことが描かれていきます。都会生活しか知らない一家4人は、果たして鹿児島まで辿り着くことができるのか?
ということで本作は、災害の多発している今こそ、全ての人にお薦めします。北海道の方は電気が復旧したら観てみてください。いざという時に備えて防災袋を用意しておくのも良いですけど、この映画を観ると常日頃から、もっと根本的な生きる力を身に着けておくのが大切だと思えるでしょう。ライフラインが全て断たれた中での水の確保の仕方、火のおこし方、食料の保存方法等々。そして何よりも、人力で何事もこなせるように、心身を鍛えておくことが重要です。『ゾンビランド』でもジェシー・アイゼンバーグが、サヴァイヴァルの第一条件は「体力」だと言っていました。適度な運動を心がけた、規則正しい毎日こそが、正真正銘のサヴァイヴァルに繋がるのです。
普通の人へのオススメ度 ★★★★★★★☆☆☆
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tamanine · 4 years
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損も得も知らない
(1)
映画「本気のしるし」のことを考えてぐるぐるしている。
232分あるけれど、ずっとおもしろくて、途中休憩を挟むことがとても効いていて、見に行って本当に良かった。リミテッドシリーズのビンジみたいな(Fleabagの1シーズンくらいの)もので、しかも劇場に行ってしまえばビンジの快楽に溺れ尽くせば良いわけで、とても楽しかった。
2日間仕事を巻きに巻いて無理やり終わらせて「何卒よろしくお願いいたします。」と打った10分後に家を出て本当に良かった。
どこかで見られたら是非見てください。
損、させませんから。このテキストは消えないし。半年後でも消えないから。
でもネタバレをされてない超楽しい映画を見るという体験は、一生を輝かせる、しかも物と違って絶対になくさない宝石。失われないときめき、一度だけ確約された何者にも奪えない楽しみ。
見ましたか。
一度しかないんですよ、面白いものをものすっっっっっっごく面白いまま、どこへ連れて行かれるとも分からない映画を見るという、最高の体験の方が大切ですよ。
ネタバレのテキストなんて吹いて飛ばす枯葉。
本気のしるしの冒頭の辻君は、不安になるほど真面目で、何かがおかしい。彼がつぶやく「めんどくさい」だけは本心��見えて、彼という人間がどんな人間なのか、あまりよく分からない。
女性からグイグイに来られて一応は返す甘い声(森崎ウィン君の声素晴らしいですね、ラジオで話を聞いてても良い印象しかなかった)も、全然気持ちが入っていない。
でも彼に心を開いてくれと迫る側も、エゴイスティックな行いをしているように見える。(森崎ウィン君がチャーミングすぎるので周辺が悪いわけではないけれど、罪深い…と友達としみじみしてしまった、蜜蜂と遠雷のマサルみたいに輝いて見えてしまう瞬間がある)
彼が飼うザリガニのマーロウの水槽が怖い。
浮世さんがマーロウに先に餌をやっていたときに一瞬漂う不穏さが怖い。彼は、ポツンといる1匹のザリガニに、ただパラパラと餌をやるのが好きだったんだなと思う。(閉じ込められた、自分1人からしか餌をもらえず、自分にだけ生存権を握られた水槽の中の孤独な生き物)
私は閉所恐怖症なので、「閉じ込められっぱなしのペット」というのが怖い。魚ならまだ大丈夫だけど、1匹のザリガニと室内に響き続けるポンプの音が怖い。どんどん濁る水の中で、ジリジリと死ななくてはいけないような気がしてきて怖い。
だから辻君が最初は立派な人だった、とは思えない。彼はあのままではいられなかったような気がするから。
彼は何が欲しいのか、自分で自分のことが分からなかったんだと思う。真面目すぎるのは、悪いことだとは言われないんだろうけれども。(もしかしたら彼は、同僚の男性からの陰口を多少受けていたかもしれない)
彼の部屋の水槽の不穏さ、美しい薄い長財布からスルスルと出されるピンとした一万円札、辻君の綺麗な指先、まくられたシャツから覗くしっかりとした手首。
スルスルと出される一万円札はどう考えても彼の会社のサイズ感と合わず、彼の人生は最後まで分からない。愛された過去があったのか、傷ついた過去があったのか、育つ過程でお金があったのか無かったのかも分からない。彼が持っていたのが人当たりの良さとスムーズなセックスだったことは分かる。
けれど結局、欲しいものに出会った時、他の誰かとは違う誰かに出会ったとき、何かが変わってしまう。「崩壊」と呼ぶかもしれないけれど、好きな人に人生の磁場を狂わされるなんて、なんて甘い出来事だろうと思う。
だって浮世だって、辻君を搾取しようとはしていなかった。
浮世は、搾取されていた。搾取され、利用され、甘い部分だけかじり取られ、彼女だけに痛みが残る。あの葉山、クソ搾取野郎だったじゃないか。
だから途中で、浮世さんが、子どもを盾に更なる搾取を狙われたときに、「あとはよろしく」ときちんと言えて本当によかった。本当に、本当によかった。女性は、妊娠・出産で、本当にスルスルと、骨の髄まで、血をしたたらせながらすぐにすべてを搾取されうる。
それは、犯罪で宿された胎児でも、恋愛の名の下の妊娠でも、少なくとも日本では人生も命も思想も(成人男性が作った仕組みによって)あらゆる形で搾取されるようにできてる。
でもそこは、映画の中で「いや、そこはあとはよろしく」と出てきて本当にホッとした。
浮世は、搾取されていた。
強い口調と腕力がなかっただけで、ボロボロになるまで搾取され、だらしがないなんて言われて。
本当にだらしがないのは、搾取をするくせに無自覚な人間のことだ。
辻君は前半よく分からない人間だったけれども、搾取の感じは薄い。かなり序盤で美しい財布からスルスルとお金を渡し、厄介に巻き込まれ、けれども何度でも疾走してしまう人だからかもしれない。
浮世も、搾取しているわけではない。人に助けてもらっているけれども、全然ズルくない。
『私、辻さんに油断してるのかな』なんて、私には、「辻さんは私のこと搾取しない人なんですね」に聞こえた。
だからか、辻さんも浮世さんも、2人は序盤からタイマンを張っているように見えて、とても好ましかった。
恋愛において、自分はちょびっとしか掛けないのに大勝ちしようなんて、なんて浅ましい。
私はもう、本気なら、持ち金をドカンとかけて、2人で同時にコインを積んで、丁か半かとやって欲しい。賭けに賭けて、結果が出るのが半年後でも10年後でもかまわないから人間関係なんだと思う。(上野千鶴子先生の言う、自我を掛け金とした命懸けの駆け引き ですね)
2人で何かを見つけて、2人で夜も朝も昼も共にして、そして何もかも幻に終わっても、全てが「大勝ち」になるとき、それは損や得なんて知ったこっちゃないよ、と、2人が思っている時なんだと私は思う。
もう夜中なので一旦おしまい、つづく。(たぶんあと2、3倍くらいの気持ち)
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itifusai · 7 years
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岡崎溪子 メールマガジン「日中戦争の問題点を検証する」より
1936年(昭和11)、5月11日、浜松で集団食中毒が発生した。 前日は浜松第1中学校の運動会であった。運動会が終了した午後3時に生徒に竹の皮に包んだ紅白の大福餅6個が配られた。生徒は家に持って帰り、家族と共に食べた。 11日の早朝、300人もの生徒が高熱、下痢、嘔吐の症状になった。 家族を含めると1587人が発病した。 以後も生徒の発病は増え、運動会に参加した996人中、845人が発病した。 ところが浜松の飛行、高射砲の両連隊でも食中毒患者が33名出た。 そのうちの23名が入院した。 かれらは休日で外出し、10日に同じ大福餅を買って食べていた。 浜松部隊は当時の日本軍では唯一の重爆撃部隊を持つ飛行連隊である。 兵士感染者を収容した浜松衛戍(えいじゅ)病院ではすぐさま「三好野」で飲食した兵士全員を隔離し、兵舎を消毒した。 罹病者には重軽症を問わず下剤を与え、カンフル剤を注射した。患者の吐瀉物や便の 細菌検査と毒物反応と患者の血液を軍医学校に送って検査を頼んだ。 同時に独自の検査も行った。 こうした初期の適切な対応で、兵士からは一人の死者も出なかった。 14日午後1時30分、陸軍軍医学校校長の名で「患者の糞便中からゲルトネル氏菌を発見した」と発表した。 陸軍は浜松部隊の罹病を知るとすぐさま、小口一等軍医正、陸軍軍医学校教官・北野政次二等軍医正を派遣した。 さらに15日には軍医学校検疫部・板倉一等軍医以下18名の軍医を急派した。 名古屋の第三師団からは名古屋衛戍病院の山村三等軍医正が3人の軍医と13人の看護兵で組織した救援隊を率いて浜松一中に派遣された。 陸軍の力の入れようは並大抵ではない。 豊橋救援隊、清水救援隊、県下の日赤からの看護婦も応援に来ていたが、薬物による食中毒なのか、細菌性の食中毒なのか確定しないので処置に困っていた。 それまで名古屋大学法医学・小宮教授が「鉱物性の猛毒混入、たとえば砒素、青酸カリなど」と発表したので、 「誰かが毒をいれたのではないか?」と、流言蜚語が広まった。 怨恨説が流布し、警察は「三好野」の元職人を逮捕して取り調べていた。 15日未明、軍医学校の正式見解として「ゲルトネル氏菌による食中毒」と発表した。 そしてゲルトネル免疫血清を陸軍から貰ってきて使用し、事態は収束に向かった。 しかし、病気の原因を究明し、今後の対策を立てなければ事件は解決しない。 中学生ほか44人が死亡しているし、2次感染者が19名出ていた。 そこで軍医学校の防疫研究室の石井四郎たちが原因を究明することになった。 まず「三好野」近辺のネズミを徹底的に捕獲させた。 すると、「三好野」から捕獲したネズミにゲルトネル氏菌があることが判明した。 さらに作った餡(あん)を保存しておく餡箱からネズミの糞が発見された。 これは黒餡の箱であったが、当然ネズミは動き回るのだから他の白餡や「餅粉」とよばれるでんぷんの粉にも菌をばらまくことになる。 赤餅は食紅をつけて黒餡��入れ、白餅には白餡を入れ、それを餅皮で包んだ。 大福餅の黒餡と「餅粉」に付着したゲルトネル氏菌が時間と保管時の温度と湿度の上昇のため繁殖が異常に増殖したと判明した。 媒体となったのは、ネズミの糞である。 「三好野」では運動会用には9日に6240個作って6個入りで1包みにし、まとめて置いておいた。それを10日午後3時に配った。 5月9日の最高気温は20、5度、10日は24、4度であった。 製造過程を検証するため製造元の「三好野」にもう一度同じ大福餅をつくらせ、記録映画として撮影した。 できた大福餅はゲルトネル氏菌に汚染されていた。しかし、その大福餅を食べた菓子職人は2人とも食中毒を発症しなかった。 石井の右腕とされた内藤良一は、「大福餅を製造するときに使用したでんぷんに30%の湿度を与え、25度の恒温があった場合に、混合したゲルトネル氏菌は6時間で500倍に、12時間で1万倍に増殖した」と結論を出した。 生徒たちは炎天下の運動会のあとで疲れていたのも死亡者が多く出た原因の1つである。 2次感染した者は、患者の排便で汚れた下着を健康な者の下着と混ぜて洗濯するとか、 患者の便に何らかの形で触れた者、そして2人の赤ん坊が感染している母親の授乳で さらに感染している。 ともかく浜松事件は過失であり、非人為的感染であったことが実証されて住民は安堵した。 食中毒が細菌によっても起こるということがわかったのが、浜松事件が初めてであり、以後の食中毒に関しての重要な資料となった。 石井機関の徹底した調査研究のおかげであった。 支那事変で戦地に赴いた日本兵が一番困ったのは水である。 支那本土は非常に水質が悪く、なるべく沸騰させて使ったが、師団ともなれば1万人以上の大所帯なので、薪を入手できない時もある。 のどの渇きに生水をやむおえず飲んだ兵士が次々に腸チフスやパラチフス、コレラなどにかかり、多くの兵士が死んでいった。 日本人は世界でもまれに見る清潔好きで、湯船にどっぷりつかって入浴するのを無上の喜びとする。 ところが満洲族も漢民族も入浴を滅多にしない。たまにシャワーを浴びる程度だ。 少しくらい汚れた水でも平気で、沸かして飲む。 野菜は油で炒めて食べ、生野菜は食べない。 胃腸系の細菌は熱に弱く、摂氏45度くらいで死んでしまう。 常に加熱したお湯と熱処理した食事を摂る慣習を持つ大陸の兵と、生水と刺身を好む日本兵では免疫を持たない日本兵の方がはるかに病気にかかりやすい。 石井四郎軍医が汚水から清水を作る濾水機を開発した事は、軍事作戦上の貢献も大きく、軍部から賞賛を得た。 濾水機の使用は4、50人に1基が割り当てられた。重さは40kgくらいである。 手動強力ポンプで水圧を加え素焼き土管で濾過するので、兵士が1人で30分も稼動させれば飲料水、炊事用には事足れた。 形式は台座の上に直径30cm位の円筒形で、長さ1m位の鉄製で筒の中に素焼きの土管が組み込まれ、土管の外から内側に水が濾過される仕組みになっていた。 土管の周りにはブラシが配置してあり、土管をハンドルで回転させ、ときどき掃除し排水口より汚水をすて又強力ポンプで新しく圧を加え濾過する。 注意点は圧力計を見ながら濾過水の出が悪くなったら土管の掃除をこまめに行うこと。 宿営地に川があれば流れの良い中央まで桟橋筏を組み、筏の上に濾水機を設置した。 川やクリークが宿舎から離れている部隊ではバケツか桶で炊事場まで運び屋内で濾水機を設置している部隊もあった。 とにかく、この濾水機のおかげで岸辺に上流から流れ着いた人間の死体が淀みにはまっていても、兵たちは安心して生水を飲むことができたのである。 1940年(昭和15)、満洲国の首都新京でペストが発生し、大流行した。 9月29日に一人の患者が死亡して以後大量の死者が出た。 発生地は南広場から東南に伸びている「日本橋通」と真南に伸びる「東三条通」に交わる地域で、この「三角地帯」はおもに日本人住居地域である。 最初の死者は「田島犬猫病院」の田島忠子(2歳)。続いて隣のアパートの住人、太田安次(33歳)である。 ところが、太田安次は特務機関の軍人であったため、原因不明の発病として「満鉄病院」で診察を受け、その後さらに「陸軍病院」に移されたが、死亡。新京医大・山本教授が解剖し、「急性肺炎兼肺臓腫瘍」と診断した。 田島忠子は幼いので近所の医者は幼児期によくある「容態の急変による死亡」と診断した。 誰もペストだとは考えなかった。 田島家からは使用人の満人も次々に原因不明の発病をしているとの報告があった。 実は最初に発病したのは使用人の13歳の満人の男子で、病気になったので、韓家屯の生家に帰ってしまっていた。そこで25日に死亡している。 彼こそが、新京ペスト発生の患者第1号であり、病気の根源を知るためには遺体を解剖し、行動を調査する必要があったのだ。 そこで、市衛生試験所は忠子の遺体からリンパ腺腫を取り、それを顕微鏡で調べてペスト菌を確認した。 腺ペスト(人のペストの中で最も多く、80%から90%を占める)や皮膚ペストは、ペストに感染したノミに噛まれて感染する。肺ペストはペスト患者の喀痰や飛沫が感染源になる。敗血症ペストは主として腺ペストに続いて起こる2次性のものが多い。 この結果30日には防疫体制を強化し、市立千早病院にペスト患者収容所を開設し、患者を隔離した。 さらに患者発生地域の人々についても隔離措置を取った。 10月5日、死者が13人出るに及んで、ついに関東軍が極秘の作戦命令を発した。 「満洲国の首都がペスト大流行」ともなれば由々しき問題である。 作戦命令を受けて関東軍防疫給水部、731部隊が乗り出すことになった。 この責任者が石井四郎大佐である。 民生部の会議で石井はこのペストは新京から60キロ離れた農安から移ってきたものであると発言した。 1933年(昭和8)には農安でペストが流行し、493名の死者を出しており、その大部分は農安街の人々である。 そして1918年(大正7)のシベリア出兵の時の北満及びシベリアにかけて大流行した時の記録映画を見せて、ペストがいかに恐るべき伝染病であるかを一同に示した。 関東軍も民生部も危機感を持ち、石井を中心に「関東軍ペスト防疫隊」が編成された。 こうした緊急事態に多くの専門医がいたことは実にラッキーであった。 満洲では漢方医が主で病理学に精通していないので対処できない。 住民の多くは衛生面でも劣っている。このまま放置していたら大都会の新京では死者は凄まじい勢いで増え続けたであろう。 中���のヨーロッパではペストの大流行で住民の3分の一が死亡した事例がある。 原因の追究、病人の隔離、媒体となるねずみの駆除、予防のワクチンの大量生産など、 専門医の適切で早急な指示が必要である。 石井はまず、発生地区の三角地帯の建物を焼却した。そして次のことを決めた。 1、 ペスト予防注射未接種者は、新京駅から10キロ以内の駅からの乗車禁止 2、 市民は各戸ねずみ2匹を供出 3、 外出時のマスク使用 そしてワクチンを大量に生産し、市民に接種させた。 石井の手際のよさに感心するが、これで9月に発生して1ヶ月半で人口50万人を抱える新京のペストは終息した。 石井の立案したネズミ根絶作戦のために瀬戸内海に浮かぶ大久野島につくられた毒ガス工場「忠海(ただのうみ)製造所」から、青酸ガスを取り寄せてみたものの毒ガスを使用すれば 下水道の完備した新京では広範囲の住民を避難させ、さらに丸1日は帰宅させないでおく必要がある。そこで毒ガス攻撃案は満人たちの反感を買う恐れが大きいので、さすがの軍部も実行の許可をださなかった。 石井は大いに不満であった。 それでもこれまでペストに罹ったら死ぬものと諦めていたが、今回は病気が治癒して多くの人命が救われた。まさに石井の「神の手」によるおかげであった。 なおこの新京ペストをきっかけとしたノミの研究論文で石井部隊から2人の博士号が出た。 一人は村国茂で、「ケオビスネズミノミ」で1946年に東大からから博士号を得ている。 もう一人の陸軍軍医少佐・平沢正欣は「真犯人」は、農安から「田島犬猫病院」に治療のため連れてこられた犬にペスト菌を持つノミがいて、それで新京にペストが大流行したのだと論文を書き、イヌノミがペストを媒介する実験をして証明した。この論文は東大と京大に提出され、京大から1945年9月26日付けで博士号を得ている。 満洲で最初の肺ペストが大流行したのは1911年の辛亥革命の直前である。 記録にあるだけで4万3892人の死者を出している。 届けを出さない者が多かったから実際は倍近いのではないか、と推測される。 社会が不安定で十分な調査が行われず、公衆衛生の低下や人の往来の激化が遠因にある。 以後毎年ペストは満洲のどこかで発生していた。 たいていは腺ペストで、冬季になればノミの活動が鈍るので自然に消滅する。 しかし、肺ペストは人から人への感染であるからむしろ寒い冬季に猛威を振るうのである。 大流行するときはこの肺ペストによる。 もともと騎馬民族の住んでいたこの地は衛生面の劣悪さに加えて、ノミを運ぶねずみと北満からモンゴル、ロシアバイカル湖東部の草原や荒地に生息するハタリスが生息していた。 日本は世界列強に満洲国を立派に育て上げていることをアピールするためにも何としても ペストを退治する決意をした。 満洲国を建国すると、関東軍はペスト対策に乗り出した。 1922年(大正11)4月に満鉄が奉天に設立した満洲医科大学の研究者や満鉄病院の医師たちにワクチンの製造を指示し、1933年から1936年までにペスト汚染地区で住民に接種し、成果を挙げた。 ただ満洲国民全員に接種させるほど大量生産まではいかなかった。
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tanpenkannou · 4 years
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童貞喪失(三十二)
 ボトルのポンプを何度か押して内容物を左手に取った真希は、右手をシャワーの温水で湿らせてから両手を擦り合わせ、薄くなりすぎないよう適度に伸ばして自分の乳房に塗りつけた。
 ブラをつけたとき谷間となる部分を中心に、潤滑油がわりのコンディショナーをたっぷりと塗布(とふ)された真希の乳房は、窓から射す午後の太陽光に照らされて肉感的な異生物のような怪しい輝きを見せていた。
 両脚を開かせた瑛次の内腿(うちもも)のあいだに正座する真希は、準備を整えると上半身を前のめりに倒していき、覆い被さるように両の乳房で肉棒を挟むと腰を高く突き上げた。
 瑛次の陰茎はまるで内側に炎でも宿しているかのように、自身が手で触れなくともそうと感じるほどに熱く硬く勃起しており、それが余計に真希の乳房の冷たさを際立たせてい���。
 塗ったコンディショナーがよすぎるのか、真希が乳房で挟もうとするたびに肉棒がぶるぶると滑って外れてしまう。真希は思うような愛撫を瑛次にしてやることができず、胸元で暴れて逃げる肉茎がもどかしくなってきた。
 乳房を支えていた右手を放して肉棒を握った真希は、それを胸の中心にセットして左乳で抱き込むように押さえ、さらに上から閉じるようにして右乳を重ねた。乳房の冷たさよりも真希の身体の温もりが強調されて陰茎に伝わる。
 豊かな乳房に包まれた瑛次の長物(ながもの)は、ちょうど亀頭にあたる先端部分だけが谷間から突き出すかたちで収まっている。
 女性の柔肌(やわはだ)の上でぬるぬると陰茎を弄(いじ)り回されて、普段の瑛次であればすでに我慢の限界を迎えていてもおかしくはなかった。ところが、剥けていた包皮もいつのまにか元に戻って亀頭を隠し、射精も数分前にしたばかりの瑛次には刺激に対する余裕がまだ充分にあった。
 真希は乳房だけを動かすのではなく、挟んだ肉棒に上半身の体重を乗せて圧迫すると、小刻みに揺するようにして身体を前後へ動かしはじめた。
 己の股間で行われている一部始終を見ていた瑛次は、勃起した陰茎に伝わる柔らかい乳房の直接的な刺激よりも、真希という美しい女性のふしだらな一連の仕種(しぐさ)に精神的な興奮を覚えていた。
 乳房でぐにぐにと揉まれる肉棒に瑛次が視線を注いでいると、顔を上げて「気持ちいい?」と上目遣いで訊ねてきた真希と目が合った。
 女性から与えられる快楽という慣れない情報が次々と流れ込んでくるせいで、瑛次の頭の中はずいぶんと前から収拾がつかなくなってしまっていた。おかげで瑛次は、真希の顔とそのすぐ下にある己の陰茎を見比べても、ただ「あぁ」と呻(うめ)くような声を漏らしただけだった。
 瑛次のぼんやりとした反応を不服に感じた真希は、先ほどと同様に乳房を押さえていた右手を放して肉棒を握ると、左乳にぐりぐりと押し付けて先端部分を脂肪にめり込ませた。
 白い乳房に赫(あか)い陰茎の埋もれる様が卑猥に映り、瑛次は胸の奥に何やらドロリとした淫らな物質が分泌されるような気がした。
「んっ」
 包皮の開口部に勃起した乳首が引っ掛かるたびに真希が短く声を上げる。瑛次は瑛次で硬くなった真希の乳首が、開口部から覗く鈴口(すずぐち)を時折(ときおり)なぞるときのコリッとした感触が堪(たま)らなく、声は出さずとも腰をビクつかせて反応した。
 さっきよりはマシになったものの、それでもまだ瑛次の反応が弱いと感じた真希は、肉棒を弄るのを止めておもむろに立ち上がるとシャワーヘッドを手に取った。真希は自分の手の甲や太腿にシャワーを当てて水温を確認し、それから陰茎まわりのコンディショナーを綺麗に洗い流した。
 瑛次はまたもや突如として中断された快楽に「やめないで」と再び抗議の声を上げた。それを無視した真希は「脚閉じて」と言うなり瑛次の太腿に馬乗りとなった。
 これから真希がしようとしていることに瑛次は考えを巡らせ、数秒前に感じていた不満はどこかに消し飛び、いよいよ挿入かという思いに陰茎をガチガチに勃起させた。
 瑛次が己の陰茎から視線を上げて真希の顔を見ると、細長いボトルから垂れる透明な液状の物体を左手に受けているところだった。口を開こうとした瑛次に真希が「使ったことある?」と訊(たず)ね、続けて「気持ちいいよ」と言うなり左手の物体をずるりと陰茎に塗りつけた。
「うっ」
 物体の冷たさに驚いてつい声が漏れてしまった瑛次だったが、追随(ついずい)する粘度の高いヌルヌル感にすぐさま感覚を上書きされてしまった。
「気持ちいいでしょ?」
 これまでに使ったことのあるどんな潤滑油よりも滑らかで、陰茎全体を優しく包み込むようなその心地好さに瑛次は、これ以上の快感など存在するのだろうかと疑いを抱くほどだった。
 真希は身体を捻(ひね)って切替レバーをシャワーからカランへと倒し、バスタブに湯を流し込みながら排水口の開閉ボタンを押して、「そういえばさ」と言いながら先ほどの細長いボトルを手に取って蓋を開けた。
「ここってまだ痛いの?」
 そう言って真希は左手で肉棒の先端付近を握り、逆さまにしたボトルの抽出口を包皮の開口部にあてがった。器用に片手の指で滑る皮を引っ張って開口部を広げた真希は、瑛次と目を合わせて「なんだっけ?」と笑顔で内容物を絞り出した。
 真希は肉棒の先端部分を手のひらで包むと、包皮内に注ぎ込まれた冷たい物体を馴染ませるように皮の上からごりごりと動かし、「あー、わかったかも」とどうでもよさそうに言うと「キトウだ」と包皮を剥いて亀頭を露出させた。
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kusodream · 4 years
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2019年11月の夢
- 2019年11月30日 土曜日 6:53 夢 恐山。メガネしてない。ムーンウォークがうまい。PVに出ている。
めちゃくちゃ汚い牌を洗牌する。すごく汚い。白く泥ふぃたような感じ。 並べると、なんか少ない。足りないのでは? 人に聞く。合ってるんじゃないとのこと。 いやでも少ないよ! 数牌がほとんどない。 なのでカウンターに忘れ物申請を出しに行く。 小綺麗なおばさんが経緯を聞き、赤ペンで何か書き込んでくれる。 出力されたものを持って戻る。 おしゃれな女の子らがいる。 学食のテラスみたいな感じ。
- 2019年11月29日 金曜日 7:01 夢 完全に忘れた。さっきまで覚えてたのに。
- 2019年11月28日 木曜日 6:59 夢 外国人に買い物の仕方を教える ポッキー 宣材 PayPayで支払えますよ
- 2019年11月27日 水曜日 9:02 夢 油揚げ かなりはっきり見たのに忘れてしまった。
- 2019年11月26日 火曜日 6:58 夢 CRおくら っていうおくらのパチンコの確変 ケンシロウが登場するのでなんかガッカリする 結局コラボじゃん、おくらだけじゃないじゃんと思って。 村人がエイリアンで人語を話せなくなっているが、主要な村人は言葉を保ち、村外とのやりとりを受け持っている。
演劇を見ている 広い倉庫みたいなところでコスプレの延長みたいな女性たちがいる 人数がものすごくいる すごい衣装。全身にうろこくらいの大き目の肌色丸いスパンコール、動くとゆらゆらする アンコールのような拍手がある Aがいる。小鳥を飼っている 自らのペットをモチーフにした作品が色々と飾ってある いいね、愛だね 最初はいなかったものだから芽生えるというのがいい みたいなことを言う 二階にも展示があり、大きな機械みたいなもの。
お酒を飲む 日本酒一口で4800円くらい会費の徴収がある 支払うとおつりがもらえない 絡み合いになり、周りの協力があり、結局もらえる。 自己紹介などをしあう。
- 2019年11月25日 月曜日 6:58 夢 妹変なスーツ着てる 趣味で マオカラーの小花柄 人混みの中でMちゃんに会う 紫のタートルでわかりやすい Aさん 海 絵コンテ ナウシカ
- 2019年11月24日 日曜日 6:30 夢 冷蔵庫半開きこぼれたヨーグルト おば 暗いマンションの窓 窓から外に出ると部屋の中にいろんな人たちの色んな悲しいトラブルがあるのが見える 若い母親、子供、何か洗剤を飲まされている母親 階段は真っ暗で何かがいる時がある。あまりよくないもの。 髪が長くなっている
RYの家 チキンライスみたいなもの 弁当を作ってもらう 火をかけたまま出かける 冷蔵庫で干せている食材
- 2019年11月23日 土曜日 7:00 夢 潰れた中華屋 バレエの練習してる女 カレンダー 陥れられそうになるので用心している
- 2019年11月21日 木曜日 7:10 夢 あさかけいいちろうの絵。絵柄キモ、でも線の表現とかうまい。水彩で光ってる感じ。写真を撮ろうとするがPPクリアみたいな紙でどうしても自分が写り込む。 便箋に男の子が書いたっぽい絵が残ってるのが貴重。
- 2019年11月20日 水曜日 6:55 夢 同級生がザクサのゲームに出ていた。陸上ではなくスキーで。あの頃ぶりのあだ名で呼ぶ。
地下街の飲食店、埼玉方面へ進んでいくとかなりアットホームに込み入った細い道に家族がはみ出して団欒しているのが遠くまで見える。おばあさんとかがいる。避難所の風景に近い。 プール内のラジオ体操。音声のみ、誰も正しく踊れない。
- 2019年11月19日 火曜日 7:13 夢 ポケモンの新作が火、水、草の三種類にそれぞれ違う御三家で9種類くらいある。 あんまり覚えてない。
- 2019年11月18日 月曜日 7:05 夢 漫画を人に貸す気でいたけど妹に断られ、貸すものがない。月下の棋士、攻殻、あと何か。
何か見たけど���れた。 来春はやる服はサテンみたいなピンクとグリーン。 水谷修。
- 2019年11月17日 日曜日 6:02 夢 飯屋? 飲み屋? 注文を受ける。 体育館みたいなところ。 ネジのついてる亀。機械仕掛けで動くので利用して出口まで。 塩酸だか硫酸を出して中和するポンプ。 体育館を出る。外からポンプを操作すると硫酸を浴びる仕掛けになってて損。 キャバの人。 忘れ物を預かったまま。
妹が転職する。 外国のカフェある通りみたいな感じ。 なんとかいずみくん。かつての同級生。 働くならお店の名前とか外観はわかってるのかと思ってた。 ポケピカ。 コの字型の店舗。インド人。ナイキのくちゃくちゃ布帽子被ってる小柄な女性。 奥の椅子へ。中で繋がってるとわかる。 椅子の後ろは水が来ている。イルカだかサメだかみたいな生き物が2匹近くまで来ている。 構造力学の授業の時間が迫っていると気づく。
- 2019年11月16日 土曜日 5:04 夢 旅館。裸の昇降機ですごく高いところに上がる。三人、母と妹と私。落ちそうで怖い。
寝てた。6時半。 横断歩道渡ってこっちに来いと言われる。ピンクのズボン。女子たちがいる。 千中へ行く。奥のほうのいい感じのエリア。お洒落な喫茶店。学校の雰囲気。すすきがたくさん生えている。
- 2019年11月15日 金曜日 7:18 夢 プールに立ってる棒 卵焼き作ってたら消えた
- 2019年11月14日 木曜日 7:16 夢 sに昔から嫌いだったと言われ、えー、うそー、かなしいー、と言う。 出て行く。電気とか暖房を消すやり方を聞く。 どこかの学校のような施設。 ntがいる。水族館みたいなシール。
- 2019年11月13日 水曜日 8:28 夢 カッコつけるために生まれてきたので! 透明の石とか金とか真珠みたいな白い石。 王家の紋章(太陽の顔みたいなボタン) Tさんちにレーザーバイクがあって勝手に乗りまくるが、固定されているので前後に揺するくらいしか動かせない。 本人帰ってきてグランドピアノの陰に隠れる こっそり出ようとするけどうまいタイミングがなくて���レる 浮きながら帰る
- 2019年11月11日 月曜日 6:52 夢 あいさん ぶどうたくさんある。食べなきゃいけない。 お経マシンの電池を新宿に買いに行く。 先週来たときに日傘を忘れていたのを回収する。 騎乗位の効果音が ずずんぽふ ずずんぽふ で笑っちゃう
- 2019年11月10日 日曜日 7:52 夢 汚い部屋の掃除をしている。 母、妹と住んでいるような感じがする。 地元のご近所さんがいる。 シャワーを浴び終え、服を着るところ。肌に塗るものを探す。 靴下が濡れる。チリトリにゴミがたまっていて汚い。 ものがめちゃくちゃ多く、耐えかねていらなさそうなものを分類しはじめる。 食器類、洗濯ネット、お財布? 銀色の厨房みたいなドロワーの上にいっぱい置いてある。 確認してもらってから捨てるよということを妹に伝える。
あこIさんの風景スケッチがすごい。
- 2019年11月8日 金曜日 6:29 夢 掃除。ビル。 扉開いたまま降下していくエレベーター。 まおさん。 地下30何階とかで、まだゴミ拾いとかしてる人。 大変だから使った人が上がってくる時にやればいいんだよと伝える
宿に電話。 三家族の予定だったけど二家族です。8人。 髭剃りの泡。 m姉おる。
- 2019年11月7日 木曜日 7:08 夢 aさんがいる。 どこかの少しいい感じのする旅館。ひし形に少しずつズラして並べた部屋。 nh。私の実家の部屋。デスクトップPCを使ってもいいかと聞いてくる。パスワードがわからない。
- 2019年11月6日 水曜日 8:54 夢 短歌バトルをした。 六角精児みたいなやつが思わず唸るような短歌をいくつも繰り出してくる。 (忘れちゃダメだと思って寝ぼけながらしたメモが残っていた。「豚を犯そう、豚遁亭」いい国作ろう鎌倉幕府か?)
掃除。キッチン勤務の感じ。 Sがいる。 宿題をやる。宿題中に特撮アニメ見てるのよくない。
- 2019年11月5日 火曜日 7:05 夢 マッシュルームの部屋。 ジムのようなところ。 室内に五、六種類くらいの菌類の膜みたいなものがふくらんでおり、すべての壁がやわらかい。隣室とせめぎあっていて広くなったり狭くなったりする。 蓮のような白い花弁が水の上に落ちると細い線になり、きれい。かなり大きく見上げるほど。 新体操みたいなことをする。
夢の匿名ラジオ。 ユニコーンが五冊。 かなり鮮明な内容だったけどその分脳が疲れている。
- 2019年11月4日 月曜日 8:16 夢 裏口。 いとこに実は兄がいた。自殺してしまった。 その兄の足跡を辿るためにあるテーマパーク? 施設? へ行く。 タイルの裏に絵。 該当するタイルを探すために屋外をウロウロする。 施設の中。 アルバムがたくさんある。 私の父に似ている。 バイク、鼻ピアス。気さくな性格。
裏口。 入って来られないようにする。
- 2019年11月3日 日曜日 9:05 夢 忘れた。見たのに。
- 2019年11月2日 土曜日 7:05 夢 おじいちゃん。暗い部屋の中で飲むヨーグルトを飲んだあとのコップを持っている。パソコンを置いている部屋のことをCAD室と呼んでいる。
狭い隙間。ルート。 なんとかくぐり抜けることができるが、詰まりそうで怖い。
- 2019年11月1日 金曜日 7:05 夢 いとこを抱えてプールでくるくる泳がせる。軽い。でも上がりしなに服の金具同士がひっかかり、1分くらい水を飲ませてしまう。水から引き上げ、ベンチの方で寝かせる。飴を欲しがるので買いに行こうとする。バスマットみたいな固い毛布。 日本という国についてHさんに愚痴る
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carguytimes · 5 years
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【自動車用語辞典:ステアリング「油圧パワーステアリング」】操舵をオイルポンプの油圧で補助するステアリング機構
■エンジンで駆動するオイルポンプの力を利用 ●燃費悪化を伴う点がデメリット ステアリングホイールの操作力を補助するために、油圧やモーターを使うのがパワーステアリングです。油圧式と電動式の2種類があり、現在はほとんどのクルマが採用している標準的な技術です。まずは油圧パワーステアリングの仕組みや特徴について、解説していきます。 ●油圧パワーステアリングとは 油圧式パワーステアリングは、エンジンで駆動するオイルポンプが発生する油圧を利用して、ステアリング操作を軽減するようにアシストします。具体的には、オイルポンプの油圧をパワーシリンダーに導いて、ステアリング操作に連動している横方向のラックの機械的な動作をアシストします。 油圧を発生させるパワーステアリング用ポンプは、エンジンのクランクシャフトによってベルト駆動で回されます。 ステアリングの操作力は、低速では操作性を重視して軽く、高速では安全性を重視して少し重くなるように設定します。したがってアシストのための油圧は、低速では強く、高速では弱くなるように制御しています。 ●油圧パワーステアリングの仕組み 油圧パワーステアリングは、ステアリング操作と連動したラックの横方向の動きを、ラックと一体となっているパワーシリンダーの油圧でアシストする機構です。 オイルポンプで発生した油圧は、ステアリングギアボックスに送られ、中にあるロータリーバルブによってパワーシリンダーに流れ込む流量の制御を行います。ここで路面反力に応じた流量制御と、操舵方向の流路の切り換えが行われます。 ギアボックスのピニオンシャフトは二重になっており、双方はトーションバー(捩じり棒バネ)によって連結されています。ステアリング操作に伴う路面反力の大きさに応じてピニオンのトーションバーが捻じれて、ロータリーバルブの通路が切り換わる仕組みになっています。 ●油圧パワーステアリングの作動原理 直進など、ステアリングを切らない(路面から反力がない)ときには、パワーシリンダーに作動油が流れ込まないように、バイパスからポンプに戻してポンプの負荷を小さくしています。 ステアリングを切るとロータリーバルブのローターが回り、トーションバーは捻じれて、ローターハウジングとピニオンギアは少し遅れて回りオイル通路が開きます。ステアリングに加わる力が大きければ(大きく切る)捻じれも大きくなり、オイル通路も大きくなってパワーピストンへの油量が増えるのでステアリングが軽くなります。 ハンドルを少し切る(高速)と捻じれも小さく、バルブの開きも小さくて油量も少ないので、ステアリングは重くなります。 バイパス流量が過剰になるとソレノイドバルブが働いて一部をリザーバーに戻します。 トーションバーはステアリングを回している時は捻じれますが、操作を止めるとローターに捻じれで遅れていたハウジングが追いつきます。これにより、バルブの送油通路は断たれ、パワーピストンの左右は同圧になります。 --- 最近のクルマには、ほぼ100%パワーステアリング機構が装備されています。また、油圧式は燃費悪化を伴うので、次項で解説の電動式パワーステアリングが主流になりつつあります。 この背景には、燃費規制の強化とLKA(車線維持支援)など運転支援技術の実用化があります。ステアリング機構にも、電動化の大きな波が押し寄せています。 (Mr.ソラン) あわせて読みたい * 【自動車用語辞典:ステアリング「操舵機構」】ステアリングホイールの回転をタイヤに伝える仕組み * 【自動車用語辞典:ブレーキ「概説」】安全の基本は止まること! * 【自動車用語辞典:ブレーキ「電動駐車ブレーキ」】指先だけで操作できるモーター式のパーキングブレーキ * 【自動車用語辞典:ブレーキ「ESC」】4輪のブレーキを個別に制御して車体の安定を確保する仕組み * 【自動車用語辞典:ブレーキ「ABS」】タイヤのロックを防いで制動力を確保する仕組み http://dlvr.it/R8wPJv
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“めったに無いけど、本当にあった修理例を紹介します。 お客様の車はマ○ダのファ○リア。新車から3年ほど経過した車でした。 「たまに走行中にエンジンが停止してしまう。30分程放っておくとまたエンジンがかかる」という症例でした。 「たまにしか症状が出ない」という故障の修理はやっかいです。正常にエンジンがかかっている時にいくら点検しても原因はつかめません。 (現在の車ではダイアグノーシス(自己診断機能)が、ある程度の故障箇所を記憶しています。) このファミリアの場合も、点検時に故障箇所は判別できませんでした。症状から判断すると「点火系統」が疑わしいようですが...。 エンジンが暖まるとどこか断線し、冷えるとまた正常に戻る、と言う事があります。 症状が出ないので、お客様の了解を得て、私達整備士の足としてしばらく車を預かる事にしました。 車を借りて2~3日後、朝、他の人の車両引き取り時、症状出ました!走行中にエンジン停止! さっそく現場でプラグに火が飛ぶかを確認。「 えっ!ちゃんと飛んでる!?」 燃料ホースを外し、燃料が来ているかを確認。「来ていない!」燃料系だ!燃料ポンプはちゃんと作動しているようだ...。 しばらくすると、燃料が出てきました。エンジンも普通に始動。???? 工場へ戻り燃料系統を調べる。いろいろ点検するが原因がわからない。 そこで、ガソリンを全部抜き、燃料タンクをおろして確認する事にしました。 燃料タンクをおろし、フューエル センダー(ガソリンの残量を測る部品)を外して、タンク内をのぞき込むと...原因発見!タンク内に何か丸い物が入っている。取り出してみると、それは3枚重ね合わせたシール。 シールに書かれている内容は「水抜き剤注入 ○月○日」これが3枚貼りあわせた状態で入っていました。 フューエル リッド(給油口のふた)の裏側にも何枚か同じ物が貼り付けてありました。 ガソリン スタンドでの給油の際に、何かの拍子で給油口から入り込んだのでしょう。 エンジンが停止する原因は、 タンク内で漂っていたシールがたまたま燃料といっしょに燃料吸い上げ口に貼りついた時に起こっていたのです。エンジンが停止してしばらくすると、またシールはタンク内を漂いエンジンがかかる、という訳です。 本当に滅多にない故障でした。(^.^)�� - 本当にあった話?2(任意保険の盲点、任意保険の盲点2、走行中にエンジン停止、無人走行) (via petapeta)
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hoge-page · 4 years
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衝動ベスト
はじめまして。hogeのミワチヒロと申します。
好きな動物はカバです。ツイッターをやっています。
服の洗濯表示タグを触るのが好きです。
洗濯表示タグの良し悪しで服の購入を決めることもあります。
米派。巻き舌ができます。
生活していると、ふと衝動が生まれることがあります。
例えば電車に乗っているとき、両手それぞれ別の吊革を掴んでサマーソルトよろしく一回転したくなったり、映画や舞台の鑑賞中に突然大声を出したくなったり、ペッパー君の首の可動域を確かめるために頭をグイ―と後ろに持っていきたくなったり。
そんな衝動も、実行に移したら「即逮捕・即実刑・あざした」となるかもしれず、かといって我慢すると皮膚に少々ピリピリくるので、メモに残すことにしています。
今回はそのメモをもとに、実行可能なものをいくつかやってみました。
①ひたすらまっすぐ歩く
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自宅のマンションから歩き続けること2時間、人の気配がなくなるところまで来ました。まだ直進します。
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知らない川に着きました。魚がたくさん泳いでいます。もう少し歩いてみます。
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山を登りました。怖いしオシッコもしたいのでもう帰ることにします。自宅からいつも遠くに見えていた山って、近づくこともなかったので実際に存在するのか怪しかったですが、実際に存在してました。
②アグモンのコスプレ
デジモンのアニメがまた放送されることになったので興奮してメモしたんだと思います。
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早速、黄色くて長いフェルトを購入しました。これがアグモンの皮膚になります。
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何個かサイズを変えたアグモンの目をいっぱい並べて印刷しました。当たり前のようにプリンターから出てきたので少し笑いました。
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アグモンの目を皮膚に貼り、実際に顔を覆って調整します。呼吸ができなくて嫌でした。
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呼吸穴を設けました。図らずもアヒル口みたくなりました。
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呼吸ができるようになったので嬉しい。ただこのままでは「海外の変わった強盗犯」として番組に取り上げられワイプのこじるりに笑われる可能性があるので、最後にフォトショップを使って終わろうと思います。いきます!
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終わりです。
③ドングリを食べたい
時期的にもう遅いかもと思ったのですが、ひとまず探しに行きます。
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宝の山でした。
これを水につけ、沈むものは腐ってないので食べられるとインターネットのどこかに書いてあったので、妄信します。
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水につけた後、乾煎りし焦げ目がついたところで皿に盛りつけました。
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割ってみました。かなり食べられる気がします。
カリッ・・・おお!美味しいかはともかく全然食べられました。ピスタチオに近い食感で、おつまみにいいかもしれません。今年の秋はドングリで食費を浮かせようと思います。
④郷ひろみ��ひろみの旅』を衝���買い
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行かないで
⑤映画館のポップコーンを外で食べたい
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うれしくて皮膚科の前で撮影しました。
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鴨川に移動しました。コロナの影響もまだ少ない時期だったので、カップル、カップル、ポップコーン、カップルという並びでした。
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鳥が三種集まってきたので逃げました。
⑥灯油ポンプ飲酒
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恐る恐るポンプを押していきます。
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到達。これは計算外でしたが、一度酒が口まで到達したら最後、その後は全く間断なく酒が続きました。最悪でした。
⑦哺乳瓶飲酒
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・・・
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ンチュ、ン、チュパッチュ、ン、ン、ハア、チュ、ンッ・・・・・
・・・
・・
⑧地面にピアニカを置いてみる
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鳥が一種集まってきたので逃げました。
ミワチヒロ
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yotchan-blog · 5 years
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Yahoo!ニュース( August 29, 2019 at 06:03PM)
【孤立続く 油流出で排水が難航】 https://t.co/Iofvalzala 九州北部を襲った記録的な大雨の影響で、佐賀県の病院では現在も200人以上が孤立。病院近くではポンプ車による排水作業が行われているが、鉄工所から流出した油が浮いてくるたびに作業は中断しているという。
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sessou-kuzunonuno · 5 years
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地震による停電を体験しての必要なものなどのまとめ
北海道胆振東部地震 札幌の私の住む地域でも震度5強だったそうで 強い揺れの最中に電気がブツッと切れ あたりが真っ暗になりました 午前3:08 その後電気が復旧するまで だいたい40時間ほどでしょうか 通電後、あっという間に意識が以前の意識に戻りつつあります。いろいろなことを学びましたが、そんなことも、このままだと、すぐに忘れそうです なので、準備が足りなくて不便と思ったもの、普段から気にしていたら良かったと思ったものなどについて まとめました
あくまでも 私個人の生活上のもので ほぼ自分ための覚えですが 読んだ方にとっても、何かの参考になれば幸いです
まだ乱文ですが 追い追い整えたいと思います また、今後は1週間に1回くらいは、ブレーカーを落とし 外部のライフラインに頼らない生活をしたいと考えています。その体験の上で必要と感じたことも 追い追い 追加していくかもしれません
<とりあえずすぐに必要なもの> *携帯ラジオ、ラジオ用電池 携帯電話は充電が切れていなくても電波の状況が非常に悪く使い物にならず 情報を得る手段として携帯用ラジオ、車のラジオ・テレビが重宝した *ヘッドランプ、ヘッドランプ用電池 夜の暗い中で家事(特に炊事)をするのに重宝した *ランタン、ランタン用燃料 *ろうそく、ライター *カセットコンロ、カセットボンベ 地震後の朝 ホームセンターへ行ったら既にボンベは売り切れ(うちでは必要なかったがそう聞かされた) 私は携帯電話の充電器を買いに行ったのだが、既にいくつかは売り切れているし、入店整理券が配られ、入店するのに1時間半待ちだと聞かされ諦めた *携帯電話を充電できる何かしらの装置
<普段から気にしておくと良い> *畑の作物 食べ物を調達できなくても畑に何かしらの食べ物があるというのはとてつもなく安心だった *ぬか漬け、梅干し、チーズ、バター、味噌などの漬物や発酵食品  ジャムやトマトソースなどの保存食 これは嗜好品ではなく優れた保存食なのだということを改めて痛感 冷蔵冷凍庫が使えないので 食品が痛まないように保存しておく術を身につけておくことと 保存食を普段から常備しておくことは大事だと感じた *お米、干物、乾麺類、缶詰、乾物 丁度切れていたときに震災、となると悲劇だと感じた 今回は幸い 結構色々あったので、しばらくは食べるものがなくなるということはなかったので、安心だった 普段から切らさないように 計画的に保管しておく必要があると感じた *携帯電話やパソコンのバッテリーはなるべくいつもカラにしないように  寝る前に充電をサボったために、地震後の朝、どちらもバッテリーが瀕死で どうにもならなかった  (停電していてもiphone はMacから電源を取ることができるのでそれで少しだけiphoneが使えた) *ガソリンもなるべく満タンに近いように入れておく  道路が寸断されていないかぎりは 車は重要 しかし動かせなければ意味がない ガソリンスタンドに長蛇の列 いつ給油できるか分からない状況が今も続いている *熱源を複数 普段から  煮炊き用の熱源はもちろんだが 北海道の場合は冬の暖房器具も 熱源を一つにせず(その熱源がダウンしたら使えない)複数の熱源を持つように または、外部のライフラインに頼らずとも 自前で供給できる術を持っておく  我が家は薪ストーブなので、煙突が破損しない限りは、暖をとりながら料理もできるので、停電しても大丈夫である *水の確保  今回は うちの地域は水が出たので助かった  水だけは自分で調達するのが難しい 汲み置きをしていても 被災が長期に渡れば足りなくなる 食料は 2〜3日食べずとも死なないが、水は必要だ 水を自分で取れる方法を考えることが課題と感じる 同時に、普段水をたくさん使って行っている行為でも、少量の水でも まかなえることが色々あった 特に食器洗いや洗濯、自分の体の清潔など 普段から水をあまり使わずともできるように心がけるべきと思った また、今回は、特にマンションなどで 水の汲み上げに電力によるポンプを使っていたために 停電により水が出ないという事態になった世帯が多くあったようだ 自分の住んでいる家の水の供給の仕組みを知っておくことは大事だと感じた
*野山の草木で食べられるものを知っておく 今回、万が一食糧難になったら、いつも葛を取っている場所で葛の若芽を取ったり、葛の根を取って葛粉をとれば少しは食料の足しになるはずだと考えていた。雑草だらけの庭には食べられる草も結構生えている 究極のサバイバル状態になったら、そういうことも必要だ しかし冬はそれも叶わないので、やはり保存食を普段から多めに蓄えておくことが必要だとも感じる
<意外と大丈夫だったこと> *水風呂 風呂やシャワーはお湯 という固定観念があったが、少量の水でバシャバシャと体を洗ったり髪を洗ったり、でも結構大丈夫だった  むしろ 少し爽快感 *夜の部屋の電気 普段の明るすぎる照明は全く必要ないと分かった 夜は暗いのが当たり前なのだ 暗いために怪我をしないように 何がどこにあるか分かるように 普段から整理整頓! *店舗の照明 コンビニやスーパー、ホームセンターはもちろん電気は全くついていなかったが、買い物はできる  レジシステムや 冷蔵冷凍食品などは 電気は必要だが、普段も 明るすぎる照明は全く必要ないのではないか? *街灯や店舗のネオンサイン 防犯のため街の明るさはある程度は必要だが ここまで要らない���思った 通電後の夜が明るすぎて 眠れなかった
今のところは以上です (2018.9.8 記)
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kurano · 6 years
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何のために勉強するの? というんだが、そら、知的好奇心を満たすため、としか言いようがないんだが、おいらの好きなのは文化人類学、日本で言うところの「民俗学」とか、好奇心を刺激されてたまらなく面白いです。今はお茶を、商売柄、勉強しているんだが、文化人類学的な基礎があって、色んな書籍を読むと、理解もしやすいし、判りやすい。文化人類学というのはフィールドワークが大事な学問で、本を読んだだけでは身につかない。たとえば、「雲南省のお茶は、どうやって乾燥されるか」という話があって、現地を知らない輸入業者は「大工場で作られる大量生産のお茶は機械乾燥」とか言うんだが、現地を見ている業者は、「どんな大工場でも、雲南省だったら天日乾燥だ」と断言する。なぜなら、あんな内陸部の山の中では、石油は高いからw けれど天日は無料だw おいらも、雲南省に近いタイ北部は散々歩きまわったので、そういう事情はピンと来る。山ではガソリンをペットボトルに入れて売っている。あるいは、ドラム缶に直接ポンプを突っ込んで給油している。貴重品です。日本とは違う。ガソリンスタンドすら、ないのだ。
勉強は大事です - ネットゲリラ
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ama-gaeru · 6 years
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林田の世界(初稿版)
第16話 本当の世界・本当の友情・本当の俺  両腕と右足を失い、仰向けに倒れている。
 視界が狭い。左半分がよく見えない。顔の左半分が痛みの塊になっている。息を吸う度に背中や腿の傷が開いて体の下に血が溜まっていく。
 胸が苦しい。林田が肋骨の上に座っているせいだ。
 あいつは背中を丸めて前かがみになり、俺の顔を覗き込んでいる。
 妖怪みたいだ。妖怪顔覗きとか、そういう。水木しげるタッチの林田を想像してみたけど、全然面白くなかった。面白くないから痛みから気を反らす役にも立たない。
 食いちぎってやった耳の傷からの出血はほぼなくなっていた。頬や顎に付着した血は乾いてひび割れている。林田がそれを掻くと血は砂煙になって空中を舞った。
 林田は団子を丸める要領で、血で濡れた両手を擦り合わせている。掌の間から右手と左手が舌を絡めてキスしてるような音がした。嫌な音だ。聞きたくない。
 あいつの掌で転がっている赤黒い物が、えぐり取られた俺の左目だ。
 神経は繋がっていないのに眼球が潰される痛みを覚えた。幻肢痛だろうか。
「これが義眼だったらいいのに」
 林田がそう唱えた途端、左目から痛みが消える。魔法のように。
 熱のこもったため息が漏れた。どうせ、ろくなことにならないのはわかっている。次の苦痛が齎されるまでの小休止だ。わかってる。
 奴は手の中に現れたおはじきと勾玉の間の子みたいな形の義眼を物珍しそうに見つめて���る。妖怪義眼見つめ。痛みが薄れたからか、今度は少しだけ面白い気が���た。
 頭の中に新しい思い出が出来上がり、つかの間の余裕が消える。
 思い出の中で、俺の目は川畑が抉られたということになっている。林田に抉られた記憶と、川畑に抉られた記憶が同時に俺の中にあり、俺の中の苦痛は2倍になる。
 俺は横を向いて胃液を吐き出した。鼻の奥が痛い。咳き込み、目を開ける。
 白い空間のそこかしこに、お母さん達の死体が転がっている。浜に打ち上げられたクラゲみたいだ。顔に突き刺さった釘が早朝の波飛沫みたいに輝いている。顔が破壊され尽くしたことで、お母さんの顔にあった曖昧さはなくなっている。死をもって存在が完成したとでもいうんだろうか。ふざけてる。
 流れ出た血は前衛絵画風のデタラメな線や点を空間に残していた。
 こんなに沢山お母さんがいるのに結局1人も助けられなかった。
 頭の中に蝿の群れが飛び交う。思考が何かを掴もうとしているのはわかるがそれが何かがわからず、ひたすらにもどかしい。
 鳥の鳴き声が聞こえた。幻聴かと思ったけど、確かに鳥の声だった。
 俺は首を反らして後ろを見る。上下が入れ替わった視界に、世界の欠片が映る。
 欠片の中には俺の家の玄関がある。玄関の敷石の上で1羽の雀が跳ねているのが見えた。雀はこちらを向くことすらなく、何度か軽くジャンプした後、どこかに飛んで行ってしまった。
 それで、欠片の中には沈黙するドアが残る。
 黒くて艶のあるそのドアは暮石のように見えた。見るべきではなかったと後悔したが、遅すぎた。
 あの向こうで、今この瞬間に起きている遠い昔の思い出が頭に流れ込む。 ドアの向こうで、小さな俺はリビングに仰向けに倒れている。今の俺みたいに。
 その周りを川畑は円を描き、ゆっくりと歩く。
 バールの頭が床に擦れる。あいつはわざと音を立てている。新郎新婦が乗る車に下げられた缶みたいに、ガラガラヘビの鳴らす尻尾みたいに、自分の存在をそうやって主張する。
 腹にめり込んで内臓を潰すあいつの拳が、頭を蹴り飛ばすあいつのつま先が、肉を切り落とすあいつの振るう鉄の冷たさが、あいつが齎す苦痛と恐怖が、俺を破壊していた。蹂躙はすでに完了している。俺は永遠に変わってしまった。
 あいつは力そのもので、死そのものだ。決して争えない相手だ。対峙してしまったら、逃げ出すか、あるいは一体になるしかない。
 俺は一体になる方を選んだ。暗い世界で、最も暗い部分に輝きを見た。
 スタック——そう言うんだ。
 近づいてくる車のライトを見つめたまま、硬直してしまう動物の状態。スタック。
 死は苦痛という闇を照らす輝きであり、一度その輝きを見てしまえば、もう終わりなんだ。
 俺はスタックされた。もう自由にはなれない。
 あのドアの向こうであり、あのリビングである場所で、川畑が俺のハイルーラーになる。
「どうか、お願いです。許してください」
 俺は許しを乞う。俺は俺の母親と妹を殺した男を崇拝する。
「殺さないでください」
 俺は俺の切り刻まれた手足が、俺の歯が、俺の爪が、俺の目玉が、俺の血が、妹の首が、妹の腹から引き出された何かしらの臓器が散乱するリビングで、男を神とする。
 俺がすぐには死なないように川畑が止血した手足を虫みたいに動かす。固く縛られたことを慈悲と捉える。
「お前がこういう風にされたがったから、こういう風にしてやったんだ」
「はい。そうです」
 俺は答える。川畑が望んだように。俺は昔から誰かに望まれる何かになるのが得意だ。
「俺はこういう風にされたかったんです」
 俺は繰り返す。
「俺もお前も楽しんだよな? 俺はよかれと思ってそうしたんだし、お前もよかれと思うだろう? よかったよな? すごく、よかったよな?」
「よかったです」
 俺は答える。川畑が望んだように。
「そうだよ。よかったんだよ。なぁ、何がよかった?」
 俺は答える。望まれる通りに。
「俺の両手を切り落としてくれて本当によかったです。俺は幸せです」
「それから?」
「妹をあんな風に……」
「あんな風って? どんな風? どんな風だ? なぁ、説明しろよ」
 俺は説明する。川畑が繰り返し俺に教えた通りに。妹がどういう風に死んでいったかを。川畑は満足する。ズボンの中に手を突っ込んで扱き始める。手の中には妹のえぐり取られた性器がある。
「俺は幸せです」
「おおおおおっあっはっおぁそれから?」
「俺はもう元には戻れません。ありがとうございます。よかったです」
「そうだよ。ぁおおっおっよかったんだよ。お前はとても喜んでる。おおおおんっんっんっ。俺はお前を喜ばせた。俺はお前の神様なんだよ」
「はい。あなたは俺の神様です」
 川畑は情け無く「んーっ」と呻いて血と精液でべたついている手を取り出すと、潰れたイチジクに似たものを床に投げた。あれはあいつが切り取った妹の性器だ。それを切り取られている時の妹の体の震えを思い出し、俺の内臓が魂と共に縮小する。
「お前の世界は俺のものなんだよ」
 川畑は手をズボンに擦りつけながら笑う。死んで欲しいと思う。
「はい。俺の世界はあなたのものです」
「お前が生きていられるのは俺がそれをよかれと思っているからだ。たったそれだけなんだ。今後もよかれと思って欲しいか?」
「はい。はい。欲しいです」
「俺はいつまでもお前を気にかけ、いつまでもお前によかれと思おう。お前の世界はいつまでも俺のものだよ。さぁ、俺を愛していると言え。心から」
「愛しています。神様」
 沈黙。ため息。苛立った足音。
「それだけ? たったそれだけ? それで全部か? お前の心の中にあるのはそれしかないのか? 違うよな? もっとあるはずだ。感謝の気持ちが。俺への、ありがとうの、心からの気持ちが」
 バールが激しく床を叩く。
「心から神様を愛しています。俺をこんな風にしてくれてありがとうございます。愛しています。俺の妹をあんな風にしてくれてありがとうございます。愛しています。俺はもう元には戻れません。そんな風にしてくれてありがとうございます。取り返しがつかなくしてくれてありがとうございます。愛しています。愛しています。あなたが大好きです。ありがとうございます。大好きです。あなたは素晴らしい。あなたは良い人。あなたは俺の神様。俺の世界。愛しています。俺をぐちゃぐちゃにしてくれてありがとう。嬉しい、嬉しいです、愛してる、愛してる、神様」
 小さな俺は血の中で愛を叫び続ける。
 悲鳴を上げる。今、出来上がった幼少期のトラウマが俺の内側を破壊する。
 記憶ができる。
 この事件の後、常に強い暴力衝動を抱えるようになった俺の記憶。義手や義足を看護師やお父さんに投げつける記憶。俺の中に暴力を振るうことに全く抵抗のない俺が生まれる。暴力に救いをみた俺が生まれる。闇を光のように崇める俺だ。
 欠片の中の玄関ドアが開く。
 お父さんの服に着替えた川畑が笑いながら歩いてくるのが逆さまに見える。ドアが開いている間、俺が川畑に愛を叫ぶ声が聞こえた。
 反射的に両手をついて立ち上がろうとし、腕がないことを思い出して呻く。腕がないことを思い出すまでのわずかな間に、掌が生乾きの血だまりに触れて軽く滑るような感触を覚えた。これも幻肢だろう。残酷過ぎる。
 川畑が近づいてくる。
 俺の中で燃え上がる殺意が、先ほど生まれたばかりの過去によって強烈な畏怖へと塗り替えられそうになる。俺の中に現れた過去の俺が、あいつに頭を垂れて、額を擦り付けて、慈悲に縋れと叫んでいる。彼は俺の神なのだからと。最低だ。
 川畑は欠片から出てくると、俺の顔を踏み越え、林田の体を通り抜け、お母さん達の死体を踏み越えて、自分が出てきた欠片の中へと戻っていった。 血のついた川畑の足跡が白い空間に残された。
 そのうち、この空間は白い部分よりも赤い部分の方が多くなるのかもしれない。お母さん達の血と、それから俺の血。頭の中で思考の蝿が唸る。
 俺は視線を自分の周りに向ける。血は生乾きでベタベタしている。
 俺のちょうど腰の横あたり。体を起こそうと手をつくとしたらそこだという場所、そこの血だまりに俺の目は釘付けになる——そこに掌を押し付けた痕があった。
 間違いない。掌の痕だ。親指の付け根部分の皺の痕や、指先が押し付けられた痕も見える。
 俺は反対側に顔を向ける。反対側の腰の横にも、同じように掌の跡があった。
 強烈な光の筋が脳に差し込んだ。
 デタラメに羽ばたいているだけだった思考の蝿が、共産国の軍隊パレードみたいに翅並を揃え、その光に向かって行進を始めた。
 林田の手が俺の顔を掴み、正面を向けさせる。
 あいつの顔が目の前にあるが、俺の意識は自分の両手に向けられていた。 ここは……現実のラインが定まっていない作りかけの世界だ。
 ここに床と呼べばいいのか、地面と呼べばいいのかわからないが、とにかく「歩ける平たい場所」があると俺が認識しているから、俺は歩けるし、こうして倒れることができるし、血はそこに飛び散り、お母さんたちの血が広がるんだ。
 本当はただ白くみえるだけで、実態はないのに。
 だったら同じことが出来るはず。いや、出来ていたんだ。さっき、自分に腕がないことを忘れていた時、俺には腕があったんだ。ないと気がついた時に消えてしまったが。意識して無意識にあれが出来ればいいんだ。
 林田の指が俺の右目の下を引っ張る。下まぶたの色を見る医者みたいな手つき。
 垂れた前髪の毛先が俺の額を刺すほどに顔を近づけて、奴は俺の目を覗き込む。
 林田がため息を吐き、曲げていた背中を伸ばす。
「まだまだ全然傷ついてないな」
 林田は体を捩って後ろを向き、俺の残された左足の腿を軽く叩いた。
 また切り落とす気だ。氷水が背骨の中を走る。
 俺はもうなくなった拳を固く握りしめることを考える。
 出来るはずだ。絶対に。俺にならできるはずだ。
 思い込みの激しさは俺の長所だ。俺は何にだってなれる。新興宗教の信者にも、家電量販店の店員にも、アメリカの弁護士にも、なんにでも。俺の想像が許す限りの全てのものに、俺は思い込みの強さでなりきれる。俺が俺になる。その俺には今の俺にはない手足がある。だが、俺だ。俺が俺になるだけだ。簡単だ。出来る。
「もっと辛い目にあわせないとダメなんだろうな」
 俺は、俺の思う、俺だ。
 イメージする。
 腕のある俺を。両目の揃った俺を。両足で立てる俺を。
「お前は本当にはいないから」
 俺は、俺の思う、俺だ。
 存在しないからといって、存在しないと限らない。
 腕。肘。手。指。視界。足。
「お前がどんなに傷ついても、俺は少しも悲しくない」
 俺は、俺の思う、俺だ。腕。肘。手。指。視界。足。腕。肘。手。指。腕。足。肘。視界。手。指。足。腕。肘。手。指。視界。腕。足。肘。手。指。腕。肘。手。指。視界。
「それが正しいんだ」
 上空に浮かんでいた欠片の1つが、ギロチンを思わせる冷酷さで俺の残された足に向かって落下してくるのが見えた。
 首元を掴んで引き寄せた時、林田は悲鳴をあげなかった。
 驚きが奴の顔から狂気を取り払い、赤ん坊のように無垢であどけないものに変える。無力で、非力で、完全な無抵抗。広い視界にそれが見える。目が戻ってる。
 俺は林田を掴んだまま転がり、あいつに乗り上げた。
 落下してきた銀色の欠片が俺の足があったところに音を立てて突き刺さる。
 俺は林田を引き寄せると、顔面のど真ん中に拳を叩きつけた。
 林田が大きく仰け反り、鼻血が数滴、空中に飛び散った。ルビーみたいだ。
 手は離さない。引き寄せ、もう一発お見舞いする。同じ力を込めて、全く同じ場所に。林田の鼻は潰れ、壊れた蛇口みたいに血が流れ出す。顔の下半分が血だらけになったが、依然としてあいつの顔には赤ん坊のような無垢さがあった。何が起きているのかまるでわかっていないからこその表情だろうが、忌々しいと感じた。
「クソ野郎!」
 こいつはわかっていてやった。お母さんがああなるって。俺が苦しむって。全部わかっていてやった。それも繰り返し。何度も。こいつが俺の人生に、俺の過去に、川畑を呼び込んだ。
「救えねぇ!」
 俺はまた殴る。拳を叩きつける瞬間に息を吐く。腹筋がビキッと音を立てるんじゃないかというくらい固くなる。
「人殺しのっ!」
 殴る。もう一度。更に、もう一度。一発殴るごとに殺されていったお母さん達の顔を思い浮かべた。それに、それを冷ややかに見ていた林田の顔も。怒りは俺の力をどこまでも高めていく。ハルクになった気分だ。こいつを徹底的にスマッシュする。
「ウジ虫がっ!」
 殴って、殴って、それでどうする? どこまでやる? 自問するも答えは出なかった。いや、出てはいる。ただ目に入らないようにぼかしているんだ。故意に。
 全てが終わった後に「こんなつもりじゃなかった。気がついたらこうなっていたんだ。俺は悪くない」と自分に言い訳する余地を残すために、答えを封印する。
 林田は俺に殴られないように両手で顔を庇う。
 俺は肋骨の下に拳がえぐりこむようにして腹を殴った。林田は悲鳴を上げて体を震わせ、頭を覆っていた手を腹に移動させた。俺は右手であいつの顔を掴み、全体重をかけて地面——と認識されている平面——に叩きつける。
 林田の頭は平面にぶつかり、跳ね返り、俺の掌にあたり、また平面にぶつかる。何本かの歯がポップコーンみたいに口から飛び出してそこらに転がっていった。 林田を見下ろす。
 大きく開いた口から細かい泡が次々と溢れてくる。泡同士が繋がって真っ赤に染色された海葡萄の房を咥えてるように見えた。
 俺に切っ先を向けて空中で停止していた銀色の欠片達が一斉に震え、ぶつかり合ってシャラシャラと音を立てた。耳障りだ。
「俺を切り裂きたいか!? やってみろ! この間抜けを盾にしてやるからよ!」
 俺は空間中の欠片に聞こえるように怒鳴る。
「何本手足を切り落とされようが、首が切り落とされようが、俺は消えてなんかやらねぇ! 存在しない存在になって、こいつの顔面を潰れたトマトに変えてやる! 何かしてみろよ! このトンマの潰れ具合がひどくなるぜ!」
 欠片達は震えるのを止め、最初の時のようにゆっくりと空中を滞留し始めた。知らぬ存ぜぬを通すようだ。あいつらに意思があるかなんてどうでもいい。通じたっぽければそれで十分だ。
 俺は林田に目を向けた。
 両目が別の方向を向いている。額の左側の皮膚がレンジで温め過ぎた餅みたいにたるみ、変色していた。骨が陥没してるんだろう。
 頭の周りには流れ出した血が丸く溜まっていた。死んではいない。口が上下に動いている。痙攣の一種なのか、意思を持ってやっているのかはわからない。
 左目がぐるりと回転して俺を見た。俺の顔を。それから俺の腕を。
 俺は自分の両手に目を向ける。
 そこに手がある。指先から肘まで血で真っ赤だ。手は確かにここにあるが、俺の顔と同じようによりきちんと見ようとすると、だまし絵の見えない方の絵みたいに存在感が薄くなった。
「これは」
 林田はヒヒヒと唇を曲げて笑った。
「俺の深層心理が望んだ痛みだ」
 反射的に林田の頬を引っ叩いていた。林田は呻いたが笑うのは止めなかった。
「黙れ!」
 俺は林田の耳があった場所にできた逆Cの字型の傷に指を突っ込み、思い切り引っ掻いた。鼓膜が破れるような悲鳴を上げ、林田は俺の下で手足を振り回して暴れた。
 俺はもう一度奴の頬を打つ。もう一度。もう一度。
「これがお前の望みか!? これがか!? お前がこれを望んだから、俺がお前をこうしたっていうんだな!? 俺の意思ではないっていうんだな!?」
「そうだよ!」
 林田が叫んだ。顔の半分が口になったんじゃないかと思うくらい大きく口を開いて。ハッチポッチステーションの人形みたいだ。
「そうだ! 俺の望みだ! 俺がお前にこれを望むから! お前はこうするんだ! 俺の思った通り! 全部! 俺の! 俺はお前に本当にいてほしいと望み、だからこうしてお前は本当っぽく振る舞う! 心があるみたいに! 本物みたいに!」
「撤回しろ!」
 俺は再び顔面を殴り始めた。
 林田は叫ぶ。悲鳴なのか歓声なのかわからない。
「どうして伝わらない! どうして少しも通じないんだ! クソ野郎! なんでわかんないんだ!」
 体の中に溜まった怒りが、憎悪が、暴力を肯定していた。
「お前が悪い! わからないお前が悪い!」
 あいつの顔が潰れて血が滲んだニキビみたいになるまで殴り続けた。
「お前が悪い! 全部! 全部! 自分一人だけが傷ついたみたいな顔して! お前はどうなんだ! 俺をわかろうとしたのかよ! 少しでも俺の気持ちを想像できないのかよっ!」
 全身が雨を浴びたように濡れている。傷口が開いて全身から流れ始めた血と、吹き出す汗と、林田の返り血が皮膚の上で混ざる。
 林田の呼吸は弱くなっている。両目はほとんど瞬きをしない。頭の周りの血溜まりはもう大きめのピザと同じくらいにまで広がっていた。ところどころに浮いている白いものは、もしかしたら頭蓋骨の欠片かもしれないが、人の頭蓋骨を砕いたことなんてないから、こういう風に砕けるものなのかわからない。もしかしたらただの爪でちぎった消しゴムカスかもしれない。頭蓋骨か、消しゴムカスか、より可能性の高い方だろう。
 こいつは俺のお母さんと妹と過去の俺を変質者と同じ檻に閉じ込めたクソ野郎で、俺の目玉をえぐり、俺の手足を切り落としたサディストだ。それに多分もう狂ってる。生きている限り、自分でも何してんだかわからないまま暴れ続けるだろう。こいつは有害な神だ。死んだ方がこいつのためだ。どうしょうもない。
 俺は林田の首に両手をかける。両手の親指で喉仏を潰すように力を込める。
 大きく開いた林田の口の奥から、灯油ポンプがタンクから中身を吸い出す時のような音がした。
 微かな声が音の後に続く。
「殺さないで」
 血だらけの林田の顔が、1人も助けてあげられなかったお母さんの顔に重なった。
 四隅を取られたオセロのように、あるいは北朝鮮のマスゲームのように、俺を突き動かしていた殺意がひっくり返り、別の抗いがたい感情に変わった。それが俺の振り上げた腕にしがみついて、それを下げさせる。
 林田が痙攣し始める。
「クソッ! クソッ!」
 イメージする。両腕のない自分を。集中のため目を閉じる。
「俺は俺の思う俺だ!」
 瞼を上げれば、俺の両腕は中途半端な位置で切断された腕に戻っていた。 腕があったことがなくなり、俺が散々殴りつけたこともなくなり、林田の顔は元に戻る。
 林田は俺を見る。何が起きたのかもどう反応すればいいのかもわからないでいる、あの無垢な顔だ。
 俺はその顔を見返す。自分がどんな顔をしているのかわからないし、胸に渦巻いているのが怒りなのか悲しみなにかもわからない。それは感情が感情になる前の名前のない衝動なのだと思う。これが怒りになるのなら、それは再び暴力になって林田に襲いかかり、今度は止まらないだろう。これが悲しみになるのなら、それは俺を打ちのめし、二度と立ち上がれなくするだろう。
 俺は顎と肩を揺り動かしながら深呼吸を繰り返す。背中を伸ばし、天を見上げる。
 銀の欠片が魚のように白い空間を泳いでいる。俺は目を細めて遠くの欠片達を見つめる。何を探しているのか自分でもわからなかった。それから、徐々にわかってきた。俺が探しているのは天啓だと。どうすればいいのかを教えてくれる兆し。あるいはそれが兆しだと思い込める何か。星の並び。湯のみの底に残った茶葉。なんでも良い。俺がもしも林田を憎んでいるのなら、あるいは憎みたいのなら、星空に刃の星座が見えるだろう。俺がもしも林田を許しているのなら、あるいは許したいのなら、茶葉に仏なり十字架なりが見えるだろう。そういったものを、俺の星座を、俺の茶葉を、俺は探していた。だが何もない。どこにも、何も。
 背中を汗か血が流れ落ちていく。かなり長い間、上を見ていたから再び林田に顔を向けた時、脳がぐらついた。呻いて、倒れそうになるのを堪える。
「テメェが憎くてたまんねぇよ」
 俺はさっきまで俺が握りつぶそうとしていた林田の喉を見つめながら言う。あいつの顔は顔は見たくなかった。
「憎くて、憎くて、たまんねぇよ。ぶち殺してやりてぇよ。けど、おんなじくらいお前が哀れでたまんねぇんだ。テメェがあんまり……」
 言葉を探す。浮かぶ言葉はどれも俺が抱えているものから近くて遠い。だから最初に浮かんだものを選んだ。
「孤独だからだ」
 声に出すと俺が抱えていたものが変質した気がした。それは孤独だと口に出した瞬間に孤独になったんだ。元がどんな感情だったのか今はもう捉えられない。
「孤独だろうよ。ここは自分のいるはずの世界じゃない、自分だけが違う場所にいる、誰かと関係を築こうにも、突然ひっくり返るかもしれない。お前が地獄でのたうつのを、周りが、俺が、半笑いで見てる。辛いんだろうよ。けどな! それはお前の問題だ! お前の地獄なんだ! 俺はな、お前を殺してやりたいし、許してやりたい。殺したくねぇし、許したくもねぇ。したいのか、したくねぇのか、できるのか、できないのかもわかんねぇ。だから……だから、それは一旦、頭の外に出しておく! 保留だ! 保留! 後回し!」
 俺は目線を上げて林田を見る。
 俺は林田の表情を星空や茶碗の底の茶葉として見つめる。あいつは小さく「保留?」と言った。もう一度「保留」と言うと、真冬に熱い風呂に入った時みたいに表情筋を緩めた。
「……やっぱり、お前は俺の妄想だから、俺を本当に殺したりは」
 俺は右腕のある自分をイメージする。右腕が出現し、林田が悲鳴をあげる。
 あいつの顔に右腕で殴りつけた分のダメージが出現する。あの見ているだけで憂鬱な気持ちになる頭でっかちの金魚みたいに膨らんだ顔を抑え、林田は呻く。
「俺がお前を殺さなかったのに、お前の力は全然関係ねぇ」
 何時間もプールで泳いだ後に水から上がった時みたいだ。暴力の中に浸かっていた時は全く感じなかった疲労が、そこから外に出た途端に何十倍にも膨らんでのしかかってくる。疲労が声から力を奪っていた。
「お前が散々、何度死のうがそもそも存在しないんだからかまわねぇ、ちっとも心が痛まねぇってせせら笑ってた俺のお母さんのおかげで、お前は生きてんだ。お前が本物じゃねぇだの本当は何も感じてねぇだのほざいた俺の心のおかげで、お前は生きてんだよ。お前がそれを認めようが認めまいがな。俺は保留にすると言っただけで、テメェを憎んでないとは言ってないぞ。顔は元に戻しておいてやるが、言動に気をつけろ。次は両腕を出現させてやるからな。もう一発、頭を殴りつけて、頭蓋骨から脳みそをぶちまけさせて、死ぬ直前に両腕を消して、お前を元に戻してもいいんだ」
 俺は両腕のない自分をイメージする。俺の右腕は消え、林田の顔も元に戻る。
 林田はもう折れていない鼻を指で抑えながら、俺の腕を凝視している。
「一体、どうなって……」
「ここではなんだって出来ると言ったのはお前だろう。コツさえつかめば精神力と思い込みでどうにかなる。お前みてぇなテンパリストがこの俺相手によりにもよって精神力で勝負を挑むとは、自殺行為もいいとこだ」
 林田の耳を食ったことも関係しているかもしれないが、言わんどく。確証ねぇし。
 俺は立ち上がり、林田の上から退く。ただ立つだけなのに腕がないとうまくバランスが取れなくて、途中何度かふらついた。
「俺はこれからすげぇテメェに文句を言う。それをテメェは全部聞け」
 林田の正面にどかっと腰を下ろす。あぐらを組むのにもやはりもたついた。
「ありとあらゆる文句を言うからな。俺の体から文句が全部出て言ったら、テメェをどうするか、俺の中で結論も出るだろう。おい、聞いてんのか?」
 林田はぶつぶつぶつぶつと独り言を続けていた。最初はただ口の中で飴みたいに転がしていた声が徐々に大きくなり、俺の耳に届く。
「本当はいないんだ。この痛みも全部、本当の世界がくれば全部なかったことになって消えるんだ」
 青ざめた顔で林田は言う。死ぬ直前までいったことで流石に自分で自分の考えに疑いを持ち始めたのか、目線が泳ぎまくってる。でも、それでもその考えを手放すつもりはなさそうだ。
「本当の世界なんてどこにもねぇよ」
 掠れた声で林田は「そんなことない」と答えた。
「あるのはお前が本当の世界だと定めたお前の世界だ」
「違う。違う。本当の世界はあるんだ。なくちゃいけないんだ。本物の世界に行けば、そこには本物の俺の家族がいるんだ。お前が俺の世界に割り込んできてから消えてしまった俺の本当の家族だ。歩いている人も、何もかもが本物で、そこで俺は安心して暮らせるんだ」
 まるでトトロは本当にいるもんとぐずるガキだ。
「いつか突然自分の世界が消えてしまうんじゃないかって怯えて暮らさないで済む。俺は頭のおかしい奴って扱われないで済む。みんなと同じ世界に俺はいられるんだ」
「へぇ、そりゃすげぇな。そこには『本当の俺』もいるのか?」
 林田は「本当の?」と繰り返してから、視線をあちこちにさ迷わせる。答えを探しているんだろう。
「勿論、そうだ。そう。そこにはきっと、きっと、本物のお前がいる」
 とても素晴らしいことを思いついたように林田は笑った。
「本物のお前にはちゃんと顔があって、名前があって、とにかく本物なんだ。お前が実在するんだ! 絶対的で揺るぎないお前だ! 本当の友達なんだ! 本当のお前だから、本当の友達だから、俺の心をわかってくれるんだ」
 陰鬱な気持ちになる。
 これが良くないんだ。林田を殴り殺しかけた時の俺も、同じ袋小路にはまった。
 俺は右腕を出現させる。再び鼻血を流し始めた林田の頭を俺はそこそこ手加減してぶん殴った。
「バーカ!」
 もう一発。
「バーカ!」
 もう一発ぶん殴ってから、素早く腕を消した。怪我も傷も痛みも今は消えたろう。林田は痛くもない顔を抑えて呻いている。
「全員お前と同じものを見るのなら、それは全員お前だ。お前しかいねぇんだ。ただのお1人様ランドだ。お前のいう本当の世界はそういう世界だ。本当から一番かけ離れた、そもそも存在しようがない世界だ」
 人からの受け売りだが、偉そうに言ってやった。
「お前は本当の世界が来ると困るからそうやって俺を騙そうと」
「どう思おうと知ったことか」
 その考え方のせいで、あんな憎悪に飲まれる羽目になったんだ。
「俺はお前に俺の感じ方や目線を納得させようとも、理解させようとも、共感して欲しいとも、意思疎通したいとも思ってねぇ。ちょっと前まではお前に俺の気持ちをわかって欲しいと思ってたけどな、間違ってた。破滅する考え方だ。自滅の価値観��」
 俺は自分の言葉に頷く。
「『本当に相手が大事ならわかりあえるはずだ』とか『本当に思いあっているなら気持ちがわかるはずだ』とか『想い合えば心は一つになれる』とか。大嘘なんだ。全部くだらない、大人向けのサンタクロースだ。それこそ、お前の言うシルエットだけの怪物じゃねぇか。絶対に実現しないことを『気持ちは通じるものだ。もしも通じないのなら、どちらかが悪いんだ』と思い込ませるための妄言だ。ろくなもんじゃねぇ。そんなものを目指しちゃいけないんだ。『わかりあう心って素晴らしいよね』みたいなのは居酒屋のトイレの張り紙みたいにゲロと酒とクソの臭いが染み込んだ薄っぺらい紙だ。トイレットペーパーが切れててどうしょうもない時にだけは役にたつかもな」
「そんなの誤魔化しだ」
 林田が敵意の滲む目で俺を睨んでいる。
「じゃあ、そう思ってろ」
 俺は林田が何か言い返してくるのを待ったが、林田はただ俺を睨みつけているだけで何も言ってはこなかった。
「『本当の』だの、『本当に』だの、なんて語られるものは全部嘘だ。本当の愛、本当の存在、本当の世界、本当の人生、本当の幸せ。クッッソくだらない! 全部ねぇよ! 大嘘なんだよ! そもそも存在しないものを作り上げて、自分で作り出したものに引きずり回されているんだ! 他人の気持ちなんて、どうやったってわかんねぇし、自分の気持ちなんかどうやったって伝んねぇんだ! 気持ちが通じ合う瞬間なんて絶対にないんだ! それの何がいけないんだ。ずっとみんな1人だ! それがなんだっていうんだ! 元々そういうものなんだ! 他人の心と通じ合うなんてことを、素晴らしいこと、良いこと、コミュニケーションの成功例みたいに考えるな! 誰だって他の人の世界じゃ異物なんだ。なんだかわかんねぇもんは、なんだかわかんねぇままそこにいるんだ」
「一体なんの話をしてるんだ!」
「なんの話か!? 俺とお前の話だ! ずっと、俺とお前の話をしてるんだ! 俺はすっげぇ喋るからな! 抱え込んだこと、全部言葉にしてやる! 全部口で説明してやる! 俺は言いたいことを勝手に言うから、お前は俺の言葉から、お前にとって都合のいい言葉を選んで、組み替えて、勘違いして、ずれた認識して、誤訳して、誤解して、思い込んで、解釈違いして、意図を読み違えて、見当違いな考察をして、ソース不明の情報をつなげて、無責任な視点で勝手に納得したり、しなかったりすればいいんだ! どうせそれしか出来ないんだ! お前は俺をお前の妄想で出来てる創造物だと思うから、『俺がこう思ってるからこいつはこう思ってる』ってややこしく考える。でも、そもそもそれがちげーからな! お前、何回も何回も俺の目玉覗き込んでたけど、1回も俺の気持ちわかってねぇから! 俺が消えたくねぇっつてのに消そうとするわ、俺が消えてぇっつてんのに消そうとしねぇわ、史上稀に見るやりたい放題ぶりだったな、クソ野郎! 何が『俺が苦しんでる時信じてくれなかった』だ。信じられるわけないだろ。当たり前だ。世界中、誰だって、お前の話なんか信じねぇよ。逆にお前の話を信じる奴がいたらそいつはやべぇ奴だよ。俺は信じなかったが、後々になって『本当だったんだ。悪い事したな』って後悔はしたがな。死ぬほど後悔して泣いたけどな。後悔して、後悔して、なんとかして助けようとしたけどな」
 俺は自分の両腕の先を林田に向ける。
「それでこのグロいざまだ! 悲惨どころの話じゃねぇぞ、ボケがっ! 階段から落ちて大怪我するわ、脳腫瘍になるわ、何にも悪いことしてない人を存在ごと消すはめになるわ、生きていられたかもしれない人たちを見殺しにするわ」
 林田が驚いた顔をする。
「聞いてないぞ」
「話す前にお前が月ぶん投げて世界崩壊させたからだろうがっ! お前を生き返らせるためには、お前が想像しているよりも沢山の、すげぇ沢山の人を丸ごと消さなきゃいけなかったんだよ! どーだ、驚いたか! 大惨事を引き起こしてやったぜ! 死ななくて済んだ可能性もあったアパートの人たち、お前のご近所さんだったかもしれない人たち、最初からいなかったことにしたからな! 完全に無抵抗で、自分たちに何が起きるのかわかってもいない、何にも悪いことしてない人たちをな!」
 俺は切断された両手を広げて、ジャジャーンのポーズをする。
「それなのにお前はいきなりぶっ壊れて、世界が全部ぶっ壊れてよぉ。俺は身体中血まみれになって、お母さんが死ぬとこ何回も見させられて、妹が殺されるとこも見させられて、ガキの頃の俺が体切り刻まれてんだ。俺のメンタルがゴリラじゃなかったら、3、4回はショック死してるからな! けどな、俺とお前はな、やってること変わんねぇんだ! 自分にとって一番大事なもののために、他の何かを犠牲にするってことだ! 『悪いとは思うけど、どうしてもこうしなきゃいけないんだ、だから消えてくれ』って、そういうことなんだよ! 俺はテメェのために好きだったってことになってた子を消したし、たくさん消した! 俺は悪いことをした! 許されないことをした! 俺の罪だ! 俺の犯行だ! 俺が犯人で、計画犯で、実行犯で、確信犯だ! そしてお前はお前のその『本当の世界』とやらのために世界を消して、俺を消そうとしてる! 目的が正しければ何をやってもいいと思ってる! そこに到達するまでに流す痛みに、自分以外の人間が流す痛みにどこまでも鈍感になる! ムカつくのは、テメェがその痛みを、罪を、引き受ける気がこれっぽっちもねぇってことだ! 川畑のクソ野郎とお前はそっくりだ! 『俺は悪くない。俺にこうさせた相手が悪い』そうやって、自分がやったことを、人のせいにする! この卑しい、腰抜けの、もやし野郎! 仮にテメェが『悪いとは思ってるんだよ』って言いながら、俺を同じように痛めつけたとしたら、それはそれで『謝るくらいならやるな!』ってムカつくだろうよ! どっちにしろムカつくんだよ! ムカつくんだ!」
「何が言いたいんだ!」
「文句を言ってるんだー! 最初に言っただろうが、本当に人の話聞かねぇなぁ!」
 俺は怒鳴った。
「テメェに、文句を言ってる! なんだと思ったんだ!? 俺が例えば、テメェの胸に深く突き刺さる、素敵な名言でも言ってやるとでも思ってたのか! その魔法の決め台詞であら不思議! 世界が明るく輝いて、ラピュタが宇宙に飛んでいくってか! バカか! クソが! テメェは俺に、他人に、何を期待してやがる! テメェは最低のクソ野郎で、テメェが何しようが、俺はムカつくって話をしてるんだっ! テメェに『テメェ最低だな!』って言うためなら、俺は『テメェ最低だな』って言うのにふさわしい理屈をひねり出してやるって話だっ! ああ、そうだぜ! 俺は矛盾だらけで筋なんか通ってねぇよ! 自分のことは棚に上げてテメェを糾弾してやる! ザマーミロ! どうせお前には、俺がどんなに筋の通った、キラキラした素敵な良いことを言っても全然刺さんねぇよ! 言葉が刺さるのは、刺さる言葉を待っている相手にだけだ! 本当は自分でも自分がやってることがおかしいって薄々わかってるのに、どうすればいいのかわからないで、誰かが引き戻してくれるのを待ってる奴にだけ言葉は刺さるんだ! 刺さってんのか、それとも刺さったふりをしてるのかはわかんねぇけどな! どーせ、テメェにはグッときたのグの字もねぇんだろ。いいけどな! 俺が勝手にやってることだからな! 俺の思うような反応をお前から得られなくてもムカつくだけで終わりだよ! その点お前はなんなんだ! お前のお気持ちを世界中の人間がお察ししないとご不満か!? その年で『誰も本当の俺をわかってくれないの! 俺って世界一可哀想』病か!? クソみてぇな思春期の、クソみてぇな自我を引きずりやがって! 中学卒業するまでに治しとけ! 大人になってから患うから周りを巻き込んでご覧の通りの悲惨な有様になるんだよ! このパンデミック野郎!」
 林田の顔が真っ赤になり、メロンの皮を思わせる血管の網が浮き上がり始める。
「お前なんか実在しない、ただの物語のくせにっ……!」
「この世に物語じゃないものが一体幾つあるっていうんだ! みんな物語じゃないか! お前だってな、俺にしてみりゃ物語だよ!」
 俺は顎を突き出して林田をせせら笑う。
「俺は実在する! 物語なんかじゃ」
「他人って超怖ぇよな! 超、怖ぇよな!」
 また思い込みをぶつけ合うだけの怒鳴り合いになりそうだったので、でかい声をあげて黙らせる。ヘタレは悔しそうに唇噛んで黙ってりゃいいんだ。
「何考えてるか全然わかんないし、意思疎通も出来ないんだからな! どうやったってわかりあえない存在ばかりだ! 友達だと思っているのは自分だけで、実は嫌われてるのかもしれないし、ずっと疑いの目で見られてるのかもしれないし。ただ道を歩いていただけなのに、知らない男に殺されるんだ! 俺のお母さんみたいに! ただ家でテレビを見ていただけなのに、兄貴が家に���き入れた知らない男に殺されるんだ! 俺の妹みたいに! ただのクラスメイトに『ホクロがあれば完璧だから』って目玉の下に鉛筆突き刺されるんだ! ただの思いつきで誰かが作った落とし穴に落ちて、足が動かなくなるんだよ! 怖いよな! 『わからない』ってことは、本当に怖いよな! 得体がしれないって怖いよな! でもそれが、他人がいるってことなんだ! 『いつまでも続くごく普通の当たり前な日常』なんてな、どこにもないんだ! 他人がいるからな! どんな世界だろうと、突然全てがひっくり返るんだ! 起こり得るんだ! いつだって突然、何もかもが理不尽に、力づくで変えられてしまう! そういう、怖くて、悲惨で、辛くて、救いのない場所に俺もお前もずっといるんだよ! 民家に熊が侵入して、生きたまま食べられてしまった人がいる! 買い物帰りのいつもの道で、飛び降り自殺者の下敷きになって死んだ人がいる! みんなこう思ってたよ! 『こんなことあるわけない。ここは私の世界じゃない』って! 理由なんてないんだ! 救いなんてないんだ! どうやっても防ぐことはできない! だから、怖くて、怖くて、怖すぎるから、怖くないようにするんだ! みんな、ちょっとずつ発狂するしかない! いつ爆発するかわからない爆弾をキャスキッドソンの可愛いキルト生地で包んで飾り付けてんだ! 俺たちは全員、頭がおかしいんだ! 『この世界は普通。どこにでもある毎日』って思い込むんだ! 妄想と共に歩いていくんだ! 物語にするんだよ! 世界を自分の物語に組み込んで、恐ろしさを見えないようにするんだ! 耐えきれないから! 物語にして、相手を自分の主観で組み立て直して、無害にするんだ! そうでもしなきゃ、怖くて、怖くて、身動きとれなくなるから! 現実は物語だらけで、嘘だらけで、存在してるふりをして、存在しないものが存在してるんだ! ごちゃまぜなんだよ! そりゃ、確かに俺は元々動物園の猿で、『俺は人間としてこれこれこういう過去を過ごしてきました』っていうのは、突然後付けで出来上がった過去なんだろうよ! だからなんなんだ! 後付けだろうがなんだろうが、俺の過去だ! この俺の、過去だ! 俺の物語だ! 物語は妄想で、妄想は現実なんだ!」
「煙に巻こうとしてるだろ! はっきりしないことばっかり言って!」
「はっきりしたことが知りたいか? 現実と非現実の狭間とは? 自意識と世界とは? 私とは何者か? そんなことが知りたいのか? 世界の真理とはって! コンビニで売ってるタイプの哲学か宗教の本でも買ってきて読んでろ! 最終的にはふんわりしたことしか書いてないし、途中からキラキラした素敵なポエムになってしんみりした少年時代の思い出語り出してあとがきに突入するような本がテメェの頭をなでなでしてくれるだろうよっ! お好みの真理を選んで、ご都合主義の理屈で固めて、後生大事に抱えたまま『これでいいんだ』って喚いてろ! はっきりしたことが知りたいっていえば、はっきりしたことを答えてもらえるなんてなぁ! イージーモードだな!」
「妄想は所詮妄想だ! 現実じゃない! 存在する意味がない!」
「存在しない存在が世界を変えることなんてしょっちゅうだろうが! ついさっき、『俺のお母さんが殺される物語』に助けられたのはテメェだろうがよ! 物語は干渉するぞ! 物語は心を動かし、世界を塗り替えるんだ! ただの現象なんだ! 良いも悪いもねぇんだ! 存在しない何かが、思い込みの残像が、いないはずの人が、誰かや何かを動かす場合もあるんだ! 影響はあるんだ! 意味はあるんだ! ��在しない思い込みに引きずり回されてボロ切れにされることもあるし! 反対に存在しない思い込みに救われることだってあるだろう! 物語は、ただの傘を日本刀に変えるんだ! 物語は、ただ10って書いてあるだけの赤いユニフォームを存在しない学校の、存在しないバスケ部の、存在しない人物のユニフォームに変えるんだ! 物語は、痛くて痛くてとても耐えきれないような大怪我をした時に耐えられるようにしてくれるんだ! 存在しない超格好いい人が、俺にうろ覚えのカオス理論で天啓を与えるんだ! テレビを通してしかしらない芸能人の物語が、俺を支えるんだ! 物語はな、ただの夜をクリスマスに変えて! ただの惑星を神様にして! ただの人生をサーガにするんだ! 物語はホオジロザメを全滅に追い込んで! 物語は子供達に水槽の金魚をトイレに流させるんだ! 良いも悪いもない! とにかくそれが起きるんだ! もしも俺が、俺がお前の言う通り本当は存在しない空想上の物語だったとしても! 本当にそうだったとしても、ぜってーちげーけど! ぜってーちげーけど、そうだったとして! お前にはそう見えてるんだろうから、そうだったということにしておくが! この俺がお前になんの影響も与えられないわけがねぇんだ! そうだろう! おい! 間抜け! 俺はお前が持ちうる全ての中で最上の存在だ! お前は自分の世界を吹っ飛ばした! もう俺だけだ! テメェには、俺しかいねぇんだ! テメェは俺に希望をみるしかねぇんだよ! 俺はお前が持ちうる全てのものの中で最良の物語だ! チュウ兵衛親分か俺かってくらいのナイスでガッツな産物だよ! クソみてぇな真似してくれた、クソみてぇな、うんこたれ蔵をお前を前進させるからだ! だから俺を手放すな! 物語を手放すな!」
「……お前が俺をそこまで助けようとするのは、俺があの沼でお前の命を救ったからだ。それだって、本当にはなかったんだ。だって俺が助けたのは猿で、猿はもうどこいもいないんだ。お前が上書きされたから。だからお前の俺に対する友情も元々存在しないんだ」
「バーカーなーのーかーおーまーえーはーっ!」
 俺は大声で叫んだ。
「バーカーなーのーだーおーまーえーはーっ!」
 大声で断定してやる。
「図々しいにも程がある! 今まで一度として『林田は俺の親友さ。だって命を助けてくれたから!』なんて思ったことねぇからな! テメェに沼から引っ張り上げられたことも、特別に思ってねぇ! 恩義も感じてねぇよ! テメェが思ってるほど、大したことじゃねぇんだ! 俺が何でテメェみてぇなクソ面倒臭い、本当に、本当に、本当にクッッッソ面倒臭いヘタレ地雷と20年近く友達やってんだと思ってんだよ!」
「……それは、それが俺の願いだから」
 俺は体が2倍、3倍と膨らむんじゃないかってくらい息を吸い込んで叫んだ。
「惰性に決まってんだろ、バカがーっ!」
 林田の顔からサーッと血の気が引いていく。知るか! この! 林田がっ!
「惰性だ! 惰性! その場のノリだ! 惰性だ! 特に理由なんかない! なんとなくだ! なんとなく! それ以外になんだと思ってやがったんだ! 流れでなんとなくだよ! そういう流れがなんとなく続いたんだ!」
「ふっ」
 林田が肩を震わせた。
「ふざけんな! そんな理由が通ってたまるか!」
「テメェが通ろうが通すまいが俺の知ったことか! それにふざけてんのはお前だ! お前、惰性が一番強いんだぞ!」
「そんなわけあるか!」
「ある! 理由のある好きなんてへなちょこの好きだ! ゴキボールだ! 優しいから好きとか、クールだから好きとか、努力家だから好きとか、困ってくれた時に助けてくれたからとか、逆に助けてあげたくなっちゃうからとか、性格がどうたらこうたら、そんなのカスなんだよ! ゴミだ、ゴミ!  理由がなくなったら好きじゃなくなるだろうがよっ! 『出会った頃と変わったから嫌い』とか言い出す程度の好きだろうがよっ! その点! 惰性は! ただなんとなくだから何があろうと消えねぇんだ! テレビでしか知らない芸能人をふわっと嫌いになったら、その後もずっと嫌いだろうが! そいつがどんなにすごいことして、どんなに評価されても、心ん中にあんのは『あいつなんかをアレして不幸になんねぇかな』って気持ちだけだろうよ! ほらな! なんとなくの方がずっと、ずっと、ずーっと強いだろうが! 惰性は無敵なんだ! なんとなくは重力に一番近い揺るぎなさなんだよ! 人がな、人を嫌いになるのなんか一瞬なんだよ! テメェがこの俺を一瞬で『偽者』にして、お前のテリトリーから外に弾き出したのも一瞬だったろう! ほんの一瞬、ほんのささいなことで、お前は俺を、世界を憎悪して、俺を拷問しただろうが! 俺を『本当にはいないんだから何してもいいや』って枠にぶち込んだだろうが! 今も、今もお前にとって俺はその枠ん中なんだろうよ! 極端なんだ、テメェは! 普通、幾らわりきったからって友達の目玉抉ったり、手足切り落としたり、目の前で家族殺したりしねぇよ!」
 死んで行った家族を思い出して、俺は耐えきれなくなり、大声で泣いた。
「このっ、クソ野郎っ、よくも、よくも、俺の家族をっ、テメェ、妹はな、関係なかったんだ! お母さんは俺の過去ができた時にもう死んでたさ! でも、妹は死んでなかったんだ! それを、お前、このバカ野郎、テメェが俺の手足を切り落としたせいで、巻き込まれて死んだんだ! よくそんなことができるよ!」
「俺はただそうすれば……」
「いい! 何も言うな! 何を聞いても怒り以外に何もわかねぇ! いい! 保留! 今の保留! 後回しだ!」
「俺は」
「保留だっつってんだろ!」
 林田は黙り、俺は荒く呼吸をする。頭がクラクラするし、目が霞む。貧血だろう。ふと視線を下げてみれば、俺の周りには血だまりができていて、それがほぼ乾きかけていた。人間はどれだけの血を失えば意識を失うんだったか。わかんねぇけど、もうだいぶ際どいとこまできているのはわかる。
「俺が言いたいのは……つまり、人間関係なんて1秒あれば壊れるんだ。今まで、俺とお前が一緒にいた間、ずっとその『1秒』は起きる可能性があったんだ。全ての『1秒』がそうなり得たんだ。惰性っていうのはその『1秒』を飲み込んできた『1秒』の連続なんだよ! 今となっては思い出せないような、すげぇどうでもいい、ほんっとうにどうでもいい1秒の重なりなんだ! わかるか! 思い出せないんだ! だからって、なかったことにはなってないだろ! 理由もなく、ただのふわっとした、弱い感情の重なりが、妥協とか、諦めとか、忌むべきものだと思われている、惰性が1番強いんだ! お前はどうかわかんねぇし、わかりたいとも思わねぇけど、俺はまだ惰性が続いてんだよ! そうだよ! 惰性のど真ん中だよ! テメェが憎い! テメェなんか死にゃぁいい! それでもまだ惰性が消えないんだ! ほら、強いんだよ、惰性はな! お前が、お前が俺を、世界をぶち壊しにしたのは、理由があるからなんだろう! お前なりの! 理由がある、きっかけがある『嫌い』なんだ! ちょろいぜ! テメェの『嫌い』は超ちょろいぜ! 理由がなくなりゃ、それで解決する程度の『嫌い』だからな! 俺にはもう、腕そのものがねぇよ。傷の位置がどうしたこうした以上の違いだろうが。俺は変わり続けるし、同時に少しも変わらないんだ。お前が俺を、俺だと認識してる限りは。お前が俺を俺だと思っている限りは。俺は俺なんだ」
 目の前が真っ白になる。体が後ろに傾くのを感じる。衝撃で、自分が仰向けに倒れたのだと知る。とても寒い。どうやらもう限界のようだ。 遠く上の方で流れる銀色の輝きを見つめながら、俺は話す。言いたいことを全部出し切った後の心をイメージする。それは星空ではなく、お茶を飲み干した後の湯のみの底だった。茶葉は十字架にも見えたし、仏の笑みにも見えた。俺が、それを見たいと望んだからだ。
「林田」
 俺は姿の見えない林田に話しかける。「俺んとこ(惰性)に戻れよ」 答えがあったのか、それともなかったのかはわからなかった。 意識はもう消えかけていて、全てが遠くに感じられた。
 林田が立ち上がり、どこかに向かって歩いていく足音が聞こえた。目を開けて、音がした方に顔を向けると、ピントのあっていない視界に林田のシルエットだけが見えた。こちらの背中を向けている。
 銀色の欠片達があいつの前に集まっていく。
 それはみるみるうちに林田よりふた回りくらい大きくなり、合体して1つの欠片になる。
 林田がなんと言ってそれを撫でたのかわからなかった。聞こえなかったから。
 欠片が光り、俺は笑う。
 欠片の中にあったのは夕暮れの坂道だった。自転車のベルの音が聞こえる。
 俺は笑う。どうか林田が、なるべく早く、俺を消してくれればいいと思った。
 それで、意識を失った。もう戻らなきゃいい。
前話:次話
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