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#エントランス水墨画
tadashiura · 1 year
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2023春分 この度故郷・長崎に新しくオープンした「ミュージックラウンジ・オルテンシア ナガサキ」のエントランスホールに新作[Elevated Fusion]を描かせていただきました。 オープニングパーティが開催された3月21日春分の日は「一粒万倍日」「寅の日」「天赦日」という吉日・開運日が重なる2023年最強の開運日㊗️✨だったそうで、私もまさに最高に光栄で至福なひと時を素敵な皆さんと共に過ごしてきました🙏☺️ ~~~~~~~~~~~~~~~ ミュージックラウンジ オルテンシア ナガサキ 
hortensia-nagasaki.com
~~~~~~~~~~~~~~~ オルテンシアの場所は観光通りの電停の前の銅座ビルディングの最上階。1階にフランス菓子店のカフェラウンジBLUEPRINTがあるとても素敵な建物です。 エレベーターで5階へ上がり、扉が開くと私の作品が目に入ります。 オルテンシアのモダンで優雅な落ち着いた空間には、訪れた誰もが心躍ると思います。店内にはミュージックラウンジの広いスペースのほかに隠れ家のようなバーや個室もあって、酒好きな自分はその場に居るだけでワクワクです(笑) 隅々まで洗練されているのに堅苦しく感じさせない居心地の良さは、レセプションに来られていた大勢の皆さんに愛されているオーナーの倉富三恵子さんのお人柄がまさに店内に散りばめてあるように感じました✨✨ 上質な空間と芳醇なお酒、心に響くプロのミュージシャンの心地よい生演奏、お越しいただいた皆さんきっと一味違った素敵な長崎の夜に感動されると思います。 ♪🍷☺️ 長崎の方はもちろんのこと、観光にお越しの皆さんにも心からお薦めしたい最高に素敵なミュージックラウンジ・オルテンシア ナガサキ。
オルテンシアとは「アジサイ」の意味だそうです。

「シーボルトが愛した長崎ゆかりの花を冠した店名には、長崎の文化を発信する場所でありたい、という願いを込めました」とHPに命名コンセプトがありました。
このような素敵な想いに長崎出身の自分も関わらせていただけたことに改めて光栄に思います。 2023年最強の開運日にオープンしたオルテンシアさん、これから集うたくさんのお客さん、ミュージシャンの皆さん、スタッフの皆さん、協力業者の皆さん、関わる全てに方々のエネルギーが融合し、一つの至福が一粒万倍の如く膨らみ昇華しますように!
[Elevated Fusion](昇華する融合)はそんな願いを込めて描いた作品です。 お店にお越しいただいた皆さんにおかれましては、眼前の絵にご自身の幸運がさらに昇華する様が描かれていると思っていただけたら本望です。 ㊗️オルテンシアで素敵な夜を過ごされる皆さんが竜巻のように上昇し開運しますように❣️ ✨🌪✨ 🌝合掌🙏 
#浦正 #tadashiura #水墨画 #アート #art #sumie #soumoku #奏墨 #抽象画 #jazz #Elevated #Fusion #hortensia #nagasaki 
#長崎の夜 #長崎の夜の街の魅力向上 #Musiclounge #オルテンシアナガサキ #HORTENSIANAGASAKI #上質な空間と芳醇な酒そして心地よい音楽 #生演奏が聴ける店 #エントランス水墨画 https://www.instagram.com/p/CqXcvWjPBXy/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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odasakudazai · 7 years
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ラスト・リソート
一夜の情交に悴んだ身を任せるような寂しい人間の来るところだ。 太宰は清潔さを強調した真っ白いシーツに眼を落して思った。 今時、こんな絵に描いたようなラブホテルを使うカップルもいまい。財布の紐も固いご時世だ。セックスくらい、使い慣れた家の布団でやれば良い。 まともな恋人関係にあれば、まずは互いの家に通う。一夜の寝床を共にするのにわざわざ繁華街の外れまで足を運ぶ人間なんて、碌なものであるはずがなかった。 寂しい心臓を解さんという心意気か、室内は暖かい色合いで統一されていたのを覚えている。見上げた天井は柔らかなクリーム色だった。過去形なのは、枕もとの間接照明だけでは確認できないからだ。今、太宰は大きなベッドに横たわっている。冷たい空気に甘い蜜のような吐息を溶かして、冷えた鼻先を愛する男の胸元に埋めんとほほ笑みながら、泣き出したいのを我慢していた。
ラスト・リソート
「さすがに飲みすぎだ…俺もお前も。」 織田が呟くように言った。冬は嫌いだ。拒絶するように冷たい空気に、織田の溜息がぷっかり色づいて浮き上がるからだ。白は不満の色。そりゃあ誰だって厭だろう。色気のない男二人でどっぷり酒に浸かって、帰りの電車も足元も頼りなくなったなんて情けない理由でラブホテルに転がり込むなんて。 太宰は下唇をきゅっと噛んで、胃から逆流してきた惨めさを、青汁を飲むような顔で押し戻した。それから、生きることが不安でしょうがない馬鹿な女のように、するりと腕に縋りついて、喉を鳴らした。演技は順調である。外国製の吐きそうに甘いチョコレートみたいな声で囁いた。 「もういいじゃない、今日はここに泊って行こう。私、寒くてお地蔵さんになりそう。」 織田は酒浸しになった頭で太宰の珍妙な喩えを理解しようとしたが、面倒臭くなって止めた。右腕にぶら下がる太宰は重いが、その分暖かい。だから、そのままにしておいた。 「仕方ないな、そうするか。」 織田がそう答えると、右腕の地蔵がにこりと微笑む。俺はどうもこの笑顔に流されがちだな、と小さく溜息をついた。太宰は小さく背を震わせて、腕をぎゅっとつかみ直した。 ふらふらとエントランスに入って、受付のカウンターに向かう。摺りガラス越し、目元の見えない女性店員の口元が、少しへの字に曲がった。ぐるぐるまわるやつはないんですかぁ?と相変わらずへにゃへにゃした声で太宰は訊ねてみたが、昨今のラブホテルにその手の遊具はないらしい。あっても、織田作が吐いちゃうかもしれないから無理だなあなんてネジの緩んだ思考をそのままにしていたら、すぐに部屋に着いた。へらへらと酔った振りをしながら、組んだ腕をそのままに、てこの原理か何かを使って布団の上になだれ込んだ。二人して小さく弾む。それがひどく間抜けで、太宰はくすくすと笑った。そのまま、甘えるように織田の上に抱きつく。 「太宰、重い、」 胸の下で、ふがふがと織田が抗議する。太宰はむくりと上半身を起して、織田の腰の上にどんと座り込んだ。 「重いとは何さ、重いとは。そんなこと言っていると、女の子に嫌われちゃうからねっ!」 言っていて虚しくなってくる。太宰はこっそり眉を下げて、心の内に溜息を吐いた。 女の子になんて一生嫌われていれば良い。否、矢張り好いた人には魅力的であって欲しいから、それは困る。ただ、織田の場合は必要以上に惹きつけるのだ���それがいけない。 太宰は手袋を片方ずつ外して、ベッドの脇へぽいと投げ捨てた。考えても仕方のないことはある。外気にきんきんに冷やされた外套も床に放り出した。手袋と一緒に、闇に飲まれて消えていく。広い広い部屋なのに、サイドテーブルの黄熱灯が照らす世界はこのベッドだけ。長方形の舞台に乗り上げて、先ほどまでクリーム色をしていた絨毯たちは真っ暗な海のようだ。後戻りはできない。さしずめ、自分は間抜けな遭難者だ。途方もない大海原に、いかだで放り出された気分だった。太宰は小さくかぶりを振って織田を酔わせるべく付き合いで飲んでいた酒がおかしな方に回りだした。これはまずいなと、太宰はもう一度下唇を噛む。鼻から吸い込んだ空気が肺をきりりと冷やして、漸くまた笑みを浮かべることができた。 「おださく、寒かったねぇ」
「ああ、寒かった。だから、早く寝てしまおう。」 織田の眠たげな声を無視して首筋に顔を埋めた。酒は理性を流し去ってくれるから有り難いが、手間取ると睡魔が襲ってくるし人によっては勃起しづらくなったりする。後者の方は織田の若さと身体の逞しさに賭けるとして、問題は前者だ。太宰はふうっと熱い息を吐きながら、自分とは異なる、逞しく太い首筋をすんすんと嗅いで頬を擦り付けた。少しだけ覗かせた舌でぺろぺろと舐めてみせる。織田が小さく息を飲んだ。 「太宰、やめろ、」 「やめない。織田作のことあっためてあげるんだ。」 織田の大きな手が頭を押し返そうとする。空いた手をそれに絡めて、枕に押し付けた。首筋から顔を離して、唇を押しあてる。頑として開こうとしないそれに悲しくなって、太宰の視界がぼやけた。悪酔いしているのはこちらの方だ。普段なら、こんなことに泣いたりしない。硬い肌に指を這わせて、恋人にするようにやさしく髪を掻きあげてやった。 織田は太宰の惨めな顔には気づいていない様子だった。あまりに近いと、大抵のものは見えなくなる。 「んっ、はあっ、」 息をしようと反射的に小さく開いた唇に舌をねじ込んで、ちゅこちゅこと水音をさせながら絡ませる。合意に基づかないキスで舌の奥まで嘗めつくすのは上策とはいえないが、織田は噛みついたりしないだろうと勝手に信頼して事を進めた。 息が上がって、織田が胸を押し返している。名残惜しそうにゆっくりと唇を離せば、薄明かりの下怪しく輝く銀色の橋が二人の口元に下がっていた。重力に従って切れたそれは、清潔なシーツに染みを作って滲んだ。 「おださく、私に任せてくれれば、全部きもちよくしてあげるから。」 甘い、甘い砂糖菓子のような声。アルコールに浸された脳に心地よく響く。 しかし、織田は常よりぼんやりとした瞳にするりと冷たさを乗せて太宰を引き剥がした。 不満げに頬を膨らませた太宰に、ぴしゃりと言い放つ。 「そうやって誘うのには慣れているのか?」 「は、」 「悪いが、お前とその手のことをするつもりはない。」 織田の目には氷柱のような拒絶があった。ぱりぱりと薄氷の割れる音がする。氷交じりの冬の湖に、一人沈んでいく。 「なに、どう、いう…」 呆然とする太宰の胸を今度こそぐっと押し返して、織田は眼をそむけながら答えた。 「そういう手を使えば、確かにお前はきれいだから、大抵のものは手に入るだろうよ。」 織田はひどく気分を害したようだった。きゅっと下唇を噛んで、少し悔しそうにも見える。 太宰はぱくぱくと口を動かした。絶望的な羞恥が、胸のうちの冷え切った湖にもくもくと広がって黒く染め上げていく。墨汁をこぼしたみたいだ。 気付かれていた。浅はかな誘い方だったのだろう。織田ほどの鋭さをもってすれば、太宰の媚びたような笑みもわざとらしい舌遣いも、全てわかっていたのだ。白々しい気持ちになって、軽蔑したに違いない。太宰は突然水に放り出されて思考が凍りついた時のように、ただ茫然と固まっていた。滑稽だったに違いない。必死の演技も、何もかも。汚らしい娼婦も一緒だ。 織田がむくりと上体を起こした。目を合わせてもくれない。口を真一文字に結んだままだ。 「うっ、」 視界がぼやけた。浅はかな子供の、気を引くためのパフォーマンス。余りにも惨めで、涙があふれてきた。一人ぼっちのいかだに、ぽつぽつと雨を落とす。このまま、きっと悲しみの波に溺れてしまう。握りしめた白いこぶしにも降り注いだ。ぽつぽつと、冷たい。さようなら、私の初恋。 太宰は音もなく泣いていた。小さくしゃくりあげる声を聞いて、織田が振り返った。驚愕に目を見開く。 「太宰!?」 シーツの上にぺたりと座りこみ、中途半端に肌蹴た胸元が痛々しい。発達途中の子供の体を、精一杯魅力的に見せようと香水までふっていた。蓬髪が揺れて、大粒の真珠のような涙が、ぼろぼろと頬を伝っていく。織田は狼狽した。ひくひくとしゃくりあげる太宰の、赤くなった鼻を見れば演技でないことは確かだ。 「太宰、済まなかった、あの、」 織田が背中をさすると、今度こそ声を上げて泣き出した。太宰の泣き方は、想像していたよりずっと子供らしかった。 「ごめっ、なさっ、ああい、」 とぎれとぎれに言う。 うろたえた織田は髪をわしわしと搔いて言葉を探した。 「済まない太宰、泣かせるつもりはなかったんだ。」 どうやら逆効果だったらしい。太宰はうっと一瞬詰まって、それから更にわんわんと泣き出した。 「おだっさぐのばかあっ、うぐっ、」 織田の胸に頭を押し付ける。男らしい、大きくて硬い胸だった。大きな手が、困惑気味に背中を叩いてくれる。それが悔しくて、やはり惨めで、それでも安心してしまって。 「はじめて、だった、のに!」 「は?」 「私、なんて言ったらいいか、わからなくて、」 太宰が震える声で告げた。 「それで、もう、とにかく一度でいいから君に、抱いてほしくて、」 「ちょっと待て太宰、どういう…」 「それで…こんなバカみたいな誘い方、しか、できなくて…」 言っているうちに自分の間抜けさが浮き彫りになってきた。太宰はすっかり酔いがさめて、冷たい墓地に戻された気持になった。暖かい織田の腕の中から、するりと抜け出そうとする。ああ、これからどんな顔で彼に会えば良いのだろう。そもそも、もう一緒に飲むこともかなわぬかもしれない。かなり時間をかけて泣きやむころには、ひくひくとしゃくりあげる片隅で絶望的な未来図が頭に完成していた。 対する織田は、 「はじめて、と言ったな」
低い声で囁いた。 「そうだよ…こんな恥ずかしいこと、正気のうちはできないよ。」
太宰はすっかり意気消沈してもごもごと答えた。うなだれた姿はさながらGメンに捕まった万引き犯である。供述は続く。 「仕事柄、一瞬相手をその気にさせることくらいしたことあるけれど、ベッドに連れ込んでキスまでするわけ、ないじゃないか…」 てっきり首領ならそう仕込みかねないと思っていたからこその誤解だったわけだが、しょぼくれた太宰があまりにかわいそうでそれ以上は何も言わなかった。その代り、抜け出そうと身をよじる太宰を強引に抱き寄せた。 「おださく??っ、はあっ!?」 太宰が目を白黒させて腰を引く。 「太宰、済まない…勃った。」 咄嗟に俯いた太宰の旋毛に、織田は温かいキスを落とした。 「お前がそんなに俺のことを思っていてくれたなんて…知らなかったし、そこまで気付けなかった。済まない、」 「おださく…」 太宰は目を見開いて織田を見上げた。精悍な顔立ちに、少し伸びた鬚。そしていつもは穏やかに凪いでいる海色の双眸に、確かに情欲の色を見つける。
(なんで今!?)
太宰はひどく困惑したが、首筋やら胸元を舐めあげられて思考は分断された。 腕の力を抜いて身を任せると、ゆっくりベッドに押し倒される。すっかり冷え切っていたシーツに複雑なしわが生まれて、二人分の重みにスプリングが小さく声を上げた。 織田の長い指が、中途半端に止まっていた太宰のシャツのボタンをはずしていく。心もとない光源に浮かび上がった素肌は、絹のように滑らかできめ細かい。織田は胸の突起を舌でねぶり、指でつまんで、それから甘噛みした。泣きそうな顔の太宰が、顔を真っ赤に染めて視線をそらしている。 「はあっ、んっ、」 先程まで自分がキスをしかけて、イニシアチブをとっていたのに、これはいったいどういうことだろう。ぷかぷかと漂うような覚束ない思考で、太宰は必死に考えた。考えて、このまま負けてなるかと根拠のない対抗心が湧き上がってきた。 織田の愛撫から逃れ、未だスラックスに包まれたままの織田の性器に息を吹きかける。上向きに張り付いたそれが、布越しにびくびくと震えるのがわかった。ゆるく動かした手につられて、織田の陰茎がはっきりとわかるくらい膨張する。上目遣いになって表情を確認すると、何かに耐えるように口を引き結んで目を粒っていた。 先程まで泣いていたくせに、すっかりやる気を取り戻した太宰はジッパーを下ろし灰色の下着をずるりと引き下げた。 「う、わあ…」 弾けるように飛び出してきたそれに、思わず頬を赤らめる。 「おっきい…」 最初からまともに銜えたら顎が痛くなりそうだ―太宰は顔を横に傾けて、片手をそっと添えながらあぐあぐと唇だけでやわらかく噛んでやった。 「だざい、」 「うふふ、きもちいい?」 織田は返答しなかったが、薄く開いた唇から洩れる吐息が何よりの証拠だ。 それから徐々に刺激を大きくしていき、射精せんと張りつめるまで追い込んでようやく頭を離した。それから、唾液を何度も送りこんで自らの後孔を解し、 「織田作、挿れて?」 囁くように言った。
前立腺を突かれるたびに甘ったるい声がこぼれる。それを手で隠そうとしたら、織田が聞かせろと言って聞かない。 「あっ、んんあっ、はあんっ、」 挿入し終わった織田に、男を抱くの初めてかと今更ながら尋ねたが、そのとき彼はそうだと答えた。それなのに、このテクニックは何だろう。 「ああっ、おださく、とまって、んんっ、そこ、やめっあああっ!」 太宰の後孔の中に押し入れた陰茎を少し慣らして、様子を探るようにぐるりと回す段階で前立腺を探り当てた。それから、だらだらと蜜を零す太宰の陰茎をしゅこしゅこと扱きながら最初のストロークを開始する。それからは、到底先ほどの言葉を信じられないような巧みさであった。お陰で太宰は鈴口に人差し指をかけられただけであっけなく吐精し、はあはあと荒い息をつく。びくびく震え弛緩した体を持ち上げるとすぐにまた貪られ始めた。 「んっ、はあっ、わたし、イったばっかり、だか、ら、はあっん、」 目の前がくらくらする。体の芯が燃えるように熱い。太宰は織田に支えられるままの体勢でただただ体を揺すぶられていた。それなのに、蕩けそうなほど気持ちが良い。 「だざい、おまえ本当に初めてか、」 織田は織田で、ねっとり絡みつくような内壁の熱さに目を見張っていた。細く真っ白な肢体は人形のように美しく現実味がないのに、精子を搾り取らんとうねる彼の後孔は恐ろしく卑猥だ。ぎしりとスプリングが鳴って、太宰はにわかにここがどこであるか思い出した。ふわふわと揺れる視界に、サイドテーブルの明かりがくらくら踊る。 太宰は織田の腰に脚を回して、もっとと強請るように腰を揺らした。 「くっ」 完全に余裕をなくした織田を横目に、少しほほ笑む。しかし、勝利の甘味も次の瞬間にはた易く奪われた。 「煽ったのはお前だからな!!!」 「はえっ!?」 細い腰を掴んだ織田の手に、太宰が困惑する隙も与えず抽送は激しさを増した。
本当に大海原に投げ出された気分だ。キングサイズのベッドは真っ暗になった寝室を、ぷかぷかと当てもなく漂っている。しかし、隣には織田がいた。 そのことにひどく安心する。 「その、大丈夫か、太宰。」 叱責を待つ子供のような声に太宰はくすくすと笑った。小指一本持ち上げるのも億劫なほどの気だるさが全身を支配していたが、ちゃぷちゃぷと音を立てていた胸中の冷たい湖はとうに消え失せていた。代わりに、喉が焼けるほどの幸福感。太宰は返答の代わりにごろりと緩慢な動きで織田の方へ寝返りを打ち、暖かな胸元に頬を寄せた。どくどくと血の音がする。 「お前はなんて言ったらいいかわからなくて、と言ったが、
「うん…」 ぼんやりと眠たげな声で返す。 「それは、どう考えても俺の方だ。太宰のことを好きになってから、百回は口下手を呪った。」 太宰がゆるりと顔を向ける。分厚いカーテンの隙間から、月明かりかビルの電灯かわからぬ青白い光が注いでいた。ゆっくりと、微笑んで口を開く。 「じゃあ、口下手の泥試合だったわけだ。」 織田が苦笑して、 「そうだな。」 「君に押し返された時はこれ以上なく最悪な惨めって感じだったよ。
太宰が茶化すように笑った。 織田は後ろめたそうにもごもごと謝罪した。太宰は笑って胸に抱きついてきた。子供のように華奢な背中を抱きながら、先程のことを思い出す。彼が泣き出した時は、絶望的だった。少し怒って、彼に服を着せて寝かすという計画だったのに。大粒の涙を見た時にはこんなはずじゃなかったと珍しく手が震えた。完全に嫌われたと思った数時間前を思えば、今、お互いの体温を素肌に感じられていることが奇跡に近い。 どれくらいそうしていただろう、眠ったと思っていた太宰が、やけにぼんやりした口調でしゃべり出した。 「ねえおださく、わたしのことを愛すなんて、あまりにみじめだよ。」 だから、本当は一晩の思い出だけ貰って、君の心には手をつけないつもりだったんだけど。
でも、これじゃあ恋人みたいだねえ、
その言葉が、やけにずしりと胸に刺さった。 それから、太宰は何かをもにょもにょと呟いていたが、最後の方はほとんど寝息に変わっていた。織田は薄い方にブランケットが行き渡るよう巻きなおすと、ぽんぽんとあやすように叩きながらうっすら青白い窓を見つめていた。 少し乾いたその唇に、そっとキスを落としてから目を閉じる。 目の前のブランケットの青色が淡い、海底みたいな世界を作っていた。 
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