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ethology-osaka · 12 days
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食物を取りこぼさないようにする:ニホンザルにおける採食経路の選択
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淡路島でこんな研究もやっています!
Joyce, M. M., Teichroeb, J. A., Kaigaishi, Y., Stewart, B. M., Yamada, K., & Turner, S. E. (2023). No food left behind: foraging route choices among free-ranging Japanese macaques (Macaca fuscata) in a multi-destination array at the Awajishima Monkey Center, Japan [Article]. Primates, 64(5), 495-511. https://doi.org/10.1007/s10329-023-01070-z
食物を取りこぼさないようにする:淡路島モンキーセンターの餌付けニホンザルにおける採食経路の選択
 動物が採食中に移動する際には、経路の選択が求められる。最適採食理論は最適な経路を予測するが、霊長類では常に最短経路が選択されるわけではない。意思決定にかかる認知的および時間的コストを削減するために、ヒューリスティック(経験則に基づく直感的な判断)を利用することが示されてきた。本研究では、淡路島モンキーセンターの餌付けニホンザル29頭を対象に、155回の野外実験を実施して、採食中に選択される経路を分析した。Zの形に設置した6つの台に餌を置いて、対象個体の採食経路を調べることで、どのようなヒューリスティックを利用しているか、個体の年齢、性別、社会的要因(群れの中心個体か周辺個体か、異種または同種の競合他者が近くにいたかどうか)がヒューリスティックの利用、移動距離、試行時間に与える影響を検討した。
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 720種類の経路が利用可能な中で、対象個体のニホンザルは偶然よりも高い確率で特定の経路を選択していた。最短経路が最も頻繁に選択されており(23.9%)、続いて、最近傍ヒューリスティック(19.4%:すべての採食地点を利用し終えるまで、現在地から次に近い地点へ連続的に移動し続ける)と凸包ヒューリスティック(4.5%:外側の採食地点を連続して回りながら、端に近い内側の採食地点を訪れる)が選択されていた。また、新たなヒューリスティックとして「スイープ・ヒューリスティック」が頻繁に利用されていた。これは一方向に向けて餌を拾いながら移動することで、残りの餌を全て視野に入れて、他個体からの横取りを警戒するものであった。未成体は成体や準成体よりも試行時間が短く、資源へのアクセスを高めるために移動スピードを速める戦術を採用していた。同種他個体が近くにいる場合には、移動距離が有意に長くなった。これらの結果は、ニホンザルの経路選択には個体の年齢が影響していること、そして「スイープ・ヒューリスティック」は移動距離が長くなるものの、同種他個体との採食競合に対する反応であった可能性を示唆している。(文責:山田一憲)
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ethology-osaka · 18 days
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ニホンザルのメタ認知:知らない時には情報を探す
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大学院生のスビアスさんの論文がAnimal Cognitionに掲載されました!
Subias, L., Katsu, N., & Yamada, K. (2024). Metacognition in wild Japanese macaques: cost and stakes influencing information-seeking behavior [Article]. Animal Cognition, 27(1), Article 22.
URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s10071-024-01851-z
野生ニホンザルにおけるメタ認知
メタ認知とは、「考えることについて考える」というように、自分の認知過程を認知することです。動物がメタ認知能力を持っているかどうかは、「筒課題」を利用した情報探索行動によって検討することができます。この課題は、数本の筒のうち1本に餌が隠されており、動物がそれを当てるというものです。餌を隠す場面を目撃した場合、動物は餌のある筒をすぐに選ぶことができるでしょう。一方で、餌を隠す場面が見えにくかった時、動物はどのように筒を選ぶでしょうか?動物がいくつかの筒の中を覗いて餌が入っているかどうかを確認するような行動が見られた場合、その動物は「どの筒に餌が入っているのか自分は確信が持てなかった」ので筒を探索したという事になります。つまり、自分の知識の度合い(餌の場所を知っているか知らないか)を自分で評価して(メタ認知)、それに基づいて、筒を調べるか調べないか行動を変化させた(情報希求をするかどうかを決めた)という事を意味します。大型類人猿や飼育下のアカゲザルやシシオザルなどは、餌がどの筒にあるかわからない場合、筒の中を覗いて探します。また、探すコストが高い場合は不必要な探索を減らす、複雑性と柔軟性が示されています。
では、野生のニホンザルは、大型類人猿などと同様の行動を取るのでしょうか。Lorraine Subiasさんの研究では、
①ニホンザルは、必要に応じてより多くの情報を適切に探索するのか
②飼育下にあるサルと野生のサルは同様の行動を取るのか
③マカクは、類人猿やヒトと同様に、コストや餌の種類に敏感なのか
という3つの問いを立て、淡路島モンキーセンター(兵庫県洲本市)の周辺に生息するニホンザル10頭を対象に筒課題を実施しました。
・どの筒に餌が入っているかが明らかな場合と明らかでない場合では、後者の方が筒の中を見る割合が高い
・身をかがめて筒の中を覗く必要があるなど餌を探すコストが高い場合、どの筒に餌が入っているかが明らかな条件では、探索を減らす個体がいる
・好物の餌が用いられている場合、どの筒に餌が入っているかが明らかな条件であっても、見る必要がないにもかかわらず頻繁に筒を覗く個体がいる
という結果になりました。
問いに対して、
① 野生のニホンザルは、必要に応じてより多くの情報を探索する
② 飼育動物と野生動物では、同様の能力を持つ
③ 一部のサルは探索のコストや餌の種類に敏感である
ということが明らかになり、野生ニホンザルがメタ認知能力を持つことが支持されました。記憶の有無だけでなく、コスト、報酬の価値や個体の特性によって情報探索行動が変化することも示されました。(文責:梅津明香)
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ethology-osaka · 2 months
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研究成果発表会 2024~一般社団法人淡路ザル観察公苑 & 大阪大人間科学部比較行動学研究室~
日時:2024年2月17日(土) 20:00から21:00
場所:YouTubeよりライブ配信、その後1週間アーカイブ公開
安室勇利:淡路島ニホンザル集団における「石遊び」行動の生起に及ぼす社会的要因
山田慶太:淡路島ニホンザル集団におけるストレスが皮膚温度に及ぼす影響
進行:山田一憲、勝 野吏子、貝ヶ石 優(京都大学)、中岡 至
淡路島モンキーセンターの皆さんとお客さんに暖かく見守っていただき、今年は淡路島から2本の卒業論文を提出することができました。アカデミックな場での発表は今後していきますが、今回は研究者ではない方に向けての発表会でした。淡路ザル観察公苑のボランティアの皆さんにInstagramから告知をしていただきました。視聴回数は1025回で、そのうち20%は1時間の発表を最後まで聞いてくださいました。ユニーク視聴者数は586名。たくさんの方に参加して頂きました。
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質問やコメントもたくさん頂きました。チャット欄に質問を頂きながら、発表者がそれに答えるという進め方をしました。学会会場のような鋭い質問もあり、とても楽しかったです。
クロージングでは、千葉泉先生の「Monitos de Awaji」を流して、お別れしました。耳から離れない、日本語訳が欲しい、楽しい音楽!と大好評でした。
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とてもあたたかな1時間でした。また1年間、一生懸命研究して、来年も報告会を開催したいと思います!
本イベントは大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター・IMPACTオープンプロジェクトの支援を受けて実施しています。
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ethology-osaka · 3 months
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サルサミット2023 冬の陣 vol.2 ~神庭の滝でサルを観察しよう~
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場所:神庭の滝自然公園(岡山県真庭市)
日時:2024年1月23日 8:30~10:30
講師:山田 一憲(大阪大学・人間科学部)、片山洸彰、奈良崎 泉、根地嶋 勇人、栫 優花、嶋田照雅(大阪公立大学)
内容:岡山県立勝山高等学校の生徒22名(教員1名)と、真庭市立勝山小学校の3年生41名(教員3名と校長先生)が神庭の滝に来られ、ニホンザルの観察をしました。サルは朝から餌場に入場しており、しっかりと観察することができました。
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高校生は夏から計3回、ニホンザルの行動とその観察法について講義を受けてきました。
・サルのなぜ?なに?!授業(2023年8月2日)
・サルサミット2023 冬の陣 vol.1(2023年12月28日)
・サルサミット2023 冬の陣 vol.1.5  動物行動観察の方法を学ぼう(2024年1月15日オンライン講習)(下写真)
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今日は、高校生が教える側になって、小学生に神庭のサルの魅力を伝えてもらいました。小学生3-4名と高校生2-3名で一つの班を作って、公園内でそれぞれ以下の活動に取り組みました。
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やってみよう①:遠足が楽しく安全なものになるように積極的に小学生に話しかけよう。
やってみよう②:GPSを付けたサルを見つけよう。神庭の滝の集団にはGPS首輪をつけたサルが2頭います。集団が自然公園の外に出ていった時でも、職員さんはGPSを使って365日サルの位置を確認して、田んぼや畑や家に近づかないように常にサルを見守っていることを伝えよう。
やってみよう③:毛づくろいしているサルを見つけよう。毛づくろいが「毛をかき分けて何かを探す」「何かを指先でつまみ上げる」「摘まみ上げたものを食べる」の3つの動作で構成されていることを観察しよう。そして、摘まみ上げているのは外部寄生虫である「シラミの卵」であることを教えてあげよう。
やってみよう④:親子のサルを教えてもらって、母ザルが子ザルにした毛づくろいの時間と、子ザルが母ザルにした毛づくろいの時間を比較しよう。「親が子どもの体をきれいにする」という事は、人間もサルも一緒なのかもしれないことを話し合ってみよう。
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真庭いきいきテレビと山陽放送と山陽新聞が取材に来て下さり、早速、山陽放送では夕方のニュースで取り上げてくれました。
「人間とにているところもあれば、全然違うところもある」と答えてくれた小学生、100点満点! 将来、阪大で一緒にサルの研究をしましょう!
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うっすら雪をかぶった神庭の滝も見に行きました。この冬一番の冷え込みだったそうです。
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小学生にサルの話をする高校生の皆さんがとっても素晴らしく、頼もしかったです。教える側にまわることで、高校生の皆さん自身がサルに対する興味や理解をさらに深めてくれたこともうれしいポイントでした。来年度もやりましょう!
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ねらい:共育の視点の実践(真庭市総合教育大綱)
【協育】教えながら学ぶ:小学生に高校生が教える。高校生に大阪の大学院生が教える。
【郷育】郷土の誇りである神庭の滝とサルを知ってもらう:滝の職員さんが一生懸命に神庭のサルの管理をされていることを学ぶ。地域に暮らすサルのことを知って、昔から続いてきたサルと人間の共生を考える。
【響育】1頭1頭異なるサルの個性を知って、サルとヒトの共通点と相違点を理解して、人間について理解を深める:「大人って何だろう?」「親ってなんだろう?」「人間はなぜ社会を作ってくらしているのだろう?」。
本イベントは大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター・IMPACTオープンプロジェクトの支援を受けて実施しています。
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ethology-osaka · 4 months
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サルサミット2023 冬の陣 vol.1 ~サルから始まる共育~
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場所:神庭の滝自然公園(岡山県真庭市)、岡山県立勝山高等学校 日時:2023年12月28日 9:00~15:00 講師:山田 一憲(大阪大学・人間科学部) 内容:岡山県立勝山高等学校の1-2年生21名と先生3名が神庭の滝にこられ、実習を行いました。残念なことに当日はサルの入場がありませんでしたが、みんなで「サルの痕跡探し」をして、その痕跡からわかることを考えました。その後、勝高に場所を移して「行動観察法の紹介」と「ニホンザルの毛づくろいと利他行動」について、話題提供をしました。これらの話題は、山田が普段大学で行っている講義と同じでしたが、高校の生徒さんは集中して聞いてくれました。2023年1月23日には真庭市立勝山小学校の小学生が神庭の滝に来てサルの観察をします。その時、今日の高校生が先生となって、小学生にサルの観察の仕方や、神庭のサルの魅力を伝えてもらいます。地元の小学生や高校生が、神庭のサルについて理解を深めてくれることは、本当にうれしことです。
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本イベントは大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター・IMPACTオープンプロジェクトの支援を受けて実施しています。
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ethology-osaka · 6 months
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αオス総選挙@いきもにあ2023結果発表
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10/7、8に開催されたいきもにあ2023 大阪大学 比較行動学研究室のブースで行った「αオス総選挙」の結果を集計しました! αオス総選挙では、岡山県の勝山に生息する野生ニホンザル集団の歴代αオスの顔写真から、推しを見つけて、どのように顔を見分けたかを答えていただきました。2日間で総勢95名に参加していただきました。 10/7はプチオが1位でした。選んだ理由としては優しそう、口がかわいいなどの意見がありました。10/8はPet’88’03が1位でした。選んだ理由は毛並みがきれい、目がきりっとしているなどがありました。
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皆さんがサルを見分けた部位は2日とも「目つき」がトップとなりました。その他も多くの意見をいただきました。研究者には耳や顔の形で見分ける人もいて、人によって見分けている部位が異なります。見慣れてくると、人間同士の友達のようにぱっと見るだけでサルの名前が分かるようになります。
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次回、11/18、19で開催される大阪自然史フェスティバル2023でも同様のαオス総選挙を行います!まだ参加していない方はぜひ参加してください!!
作成者 栫・奈良崎
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ethology-osaka · 6 months
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淡路ザル観察会(2023年9月4日)
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主催:一般社団法人淡路ザル観察公苑 場所:淡路島モンキーセンター(洲本市畑田組) 開催日:2023年9月4日(月) 11‐15時 参加者:20名、スタッフ:7名 経緯:7月のエクスカーションはすぐに募集定員がいっぱいになってしましました。熱いご要望を受けて、観察会を追加開催しました!
内容:「研究者と一緒にサルの世界を覗きませんか?」をテーマに、観察会を実施しました。個体識別のやりかたを写真を使って説明し、そのあと園内でその個体を探しました。大豆テストを観察して、サルの優劣順位について解説を行いました。ひも引き協力実験のデモンストレーションをおこない、実際に紐を引く様子を観察しました。
解説する貝ヶ石さん:個体識別のコツや毛づくろいからわかるニホンザルの社会関係について説明をしています。
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ethology-osaka · 6 months
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淡路島餌付けザル観察会〜これからの野猿公苑を考える〜(2023年7月10日)
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主催:第39回日本霊長類学会大会 共催:一般社団法人淡路ザル観察公苑 場所:淡路島モンキーセンター コーディネーター:延原利和・延原久美・小池敦子(一般社団法人 淡路ザル観察公苑)・森光由樹・中祖ゆきな・貝ヶ石優・山田一憲(第39回日本霊長類学会大会実行委員会) 開催日:2023年7月10日 参加者:PSJ会員11名、非会員の一般参加7名
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到着:12時に淡路島モンキーセンターに到着
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サルの観察:ヤマモモの季節であるため、餌場に出ているサルは十数頭でしたが、淡路ザルの話やそれぞれの調査地のサルとの比較で盛り上がりました。
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研究者と一般参加者の交流:若い研究者が取り組んでいる屋久島での研究を、一般参加者に説明しています。エクスカーション当日は蒸し暑かったため、湿度がサルの行動に影響するというお話は、身をもって理解できました。
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協力行動のデモンストレーション:経験を積んだ個体が餌場におらず、予定していたような協力行動は成功しませんでした。それでも貝ヶ石さんが機転を利かせて、「こくまろ」というサルに、ヒモを引く行動を学習させる手続きをデモンストレーションしました。こくまろはこれまでヒモを引いた経験がありませんでしたが、最後には自分でヒモを引いて報酬のサツマイモをゲットすることができました。こくまろが実験装置に興味を持ち続けるように、貝ヶ石さんが細かな調整をしていることがよく分かりました。
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↑の写真、地面でヒモを持っているのがこくまろです。中段の手すりに座っているのが成体オスのジョーです。成体オスのすぐ横で、こくまろがサツマイモをとって食べることができるというのが、淡路ザルの寛容性を端的に示しています。
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クロージング:最後に、延原利和さん(淡路島モンキーセンター長)延原久美さん、小池敦子さんのお話をうかがいました。野猿公苑を管理していくことのご苦労と将来の展望をうかがいました。クロージングの最中に雨が降り出し、雨が止んで、最後は遠くの島がくっきり見えるくらい晴れました。センター長のお話と重複しているように感じられて、なんとも象徴的でした。PSJ会員からは、他の地域のニホンザルもそれぞれ個性があって魅力的なので、いろんな地域のサルをみて、サルをもっと好きになって欲しいと紹介がありました。
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記念撮影:参加者数より人数が多いのは、当日たまたまモンキーセンターにおられた一般来園者さんもご一緒されたからです!研究者の話を聞きたいという強いニーズを改めて感じました。
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ちゃりこ名物「島カレー」:めちゃおいしい。
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淡路ザル観察公苑関連のアカウント:インスタライブもほぼ毎日されています。
このイベントは第39回日本霊長類学会大会エクスカーションの一環として共同開催されました。
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ethology-osaka · 6 months
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サルのなぜ?なに?!授業(2023年8月2日)
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場所: 岡山県立勝山高等学校 日時:2023年8月2日(水) 9:00~11:00 講師:山田 一憲(大阪大学・人間科学部)・上野 将敬(近畿大学・総合社会学部)・根地嶋 勇人(大阪大学・人間科学部)・栫優花(大阪大学・人間科学部) 内容:神庭の滝自然公園(岡山県真庭市)の最寄りの高校である、岡山県立勝山高等学校サイエンス部の2年生3名と先生方に、ニホンザル研究と行動観察法の授業を行いました。栫が資料を使って行動観察法の説���を行いました。山田は事前に撮影したビデオを使って、ヴィジランスの回数をカウントし、個体間で比較する方法を指導しました。上野は神庭の滝のニホンザル研究の歴史について説明し、根地嶋は血縁選択や大学生活の楽しさについて高校生に話題提供をおこないました。今回の事前学習に基づいて、冬に神庭の滝自然公園で観察実習を行う予定です。
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この観察会は第39回日本霊長類学会大会の出前授業「サルのなぜ?なに?!授業」として共同開催されました。
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ethology-osaka · 6 months
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サルのなぜ?なに?!授業(2023年7月26日)
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参加者: 岡山県立岡山一宮高等学校 場所:神庭の滝自然公園 日時:2023年7月26日(水)午前の部:10:30~12:10、午後の部14:20~16:00 担当:山田一憲・根地嶋勇人(大阪大学・人間科学部) 内容:岡山県立岡山一宮高等学校理数科 の1年生73名が、神庭の滝自然公園(岡山県真庭市)に来られました。残念なことに、集団は餌場���離れて山の中を遊動していたため、サルの直接観察はできませんでした。餌場では、サルの糞や食痕や通り道などの痕跡探しをしました。その後、山田がニホンザルの行動や社会、他の動植物との相互作用について解説をしました。根地嶋は、霊長類研究の魅力やフィールドワークの楽しさについて高校生に説明をしました。
この観察会は第39回日本霊長類学会大会の出前授業「サルのなぜ?なに?!授業」の一つとして共同開催されました。
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ethology-osaka · 8 months
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第18回比較行動学研究セミナー/未来共創センター・IMPACTオープンプロジェクト
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タイトル:動物の病について思うこと
講演者:嶋田 照雅 氏(大阪公立大学大学院獣医学研究科)
日時:2023年9月19日(火) 14:00 - 15:00
場所:大阪大学 人間科学部 北館2F ラーニングコモンズ
要旨:動物に対して医療を施す職業は、動物の病を治してほしいと思う人間のニーズが多いから存在する。人間はなぜ動物の病を治したいと思うのか?動物は病を治してほしいと考えているのであろうか?動物の病と飼育する人間との関係は?また、人間は動物の病についてどのように考えているのか?など本セミナーでは動物の医療に長年携わった演者の考えている疑問についてお話しする。
どなたでも自由にご参加いただけます。事前予約不要です。
連絡先:山田一憲([email protected]
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ethology-osaka · 9 months
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【オンライン配信決定】第17回比較行動学研究セミナー
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(8月9日更新)当セミナーのZoomでの配信を決定いたしました。 オンラインでの参加をご希望の方は事前登録をお願いいたします。
講演タイトル:ヒトである実験者がヒト以外の動物の認知過程を研究する
講演者:後藤和宏 氏(相模女子大学 人間社会学部 人間心理学科)
日時:2023年8月24日(木) 13:30 - 15:00
場所:大阪大学 人間科学部 北館2F ラーニングコモンズ+Zoom
要旨:実験者はヒトである。ヒト以外の動物種の認知過程に関心を持ち、そのしくみの解明を試みるとき、実験者はヒトの認知過程をもとに他の動物の認知過程を類推する。しかし、実験者はその類推が人間中心主義というバイアスをはらむことにどれほど自覚的であるだろうか。本セミナーでは、”The organism is always right.”の考えを念頭に、当研究室で取り組んでいるマウスのメタ認知研究も含め、実験者がヒトであるために陥る問題についてお話したい。
どなたでも自由にご参加いただけます。 オンラインでご参加の場合は下記のリンクより事前登録をお願いいたします。
https://zoom.us/meeting/register/tJUocuuhrj4pEtcvfvYxta5XOyoOJBYiNmmf
担当:勝野吏子(E-mail:[email protected]
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ethology-osaka · 1 year
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メスの野生ヒヒにおける社会ネットワークと二者間の社会的絆の適応価との関係
Network connections, dyadic bonds and fitness in wild female baboons. Dorothy L. Cheney, Joan B. Silk and Robert M. Seyfarth 2016 Royal Society Open Science 3(7):160255. https://doi.org/10.1098/rsos.160255
どんなもの?
野生ヒヒを対象にしたソーシャルネットワーク分析。dyadのつながりが強い(CSIが高い)メスは中心性も高く、中心性はdyadのつながりの強さ(CSI)より子の生存の予測要因として優れていた。
どんな議論がある?背景・目的
・動物の社会的認知では、他者との関係における、競争、監視、動機や意図の認識、といった個体の能力が自然選択で有利になったとされており、これらの能力は適応的なsocial bondの形成を促進する。
・しかしsocial bond の形成のばらつきに影響する認知的影響等についてはまだあまりわかっていない。特にdyadレベルを超えた分析はまだ少ない。
・dyadのつながりが強い個体は特定の少数のまとまりを形成しているのか、それとも多様な相手と広くつながりがあるのか。ヒヒの研究では、他個体と交渉頻度が高いメスは社会性の低いメスより長生きした(Tung et al. 2014)。
・ソーシャルネットワーク分析(SNA)のどの尺度が適応的な結果と関連するのか合意が無い。媒介中心性が高い個体は繁殖成功しやすい(オナガセアオマイコドリ(MacDonald 2007)、チンパンジー(Brent et al. 2013):集団内の「パワーブローカー」)。高い適応力を持つ個体はパートナーとの連合を形成することで高い「clustering」「transitivity」を示す(ハイエナ、ロックハイラックス、ヒトで研究あり。)。アカゲザルでは、近接の中心性の高い母親ほど乳児の生存率が高く(Brent 2015; Brent et al. 2013)、中心性の低い個体はセロトニン作動性シグナルに遺伝的多型があった(Stanton & Mann 2012)。
・探索的に3点を検証:1.SNAはdyad分析でわからなかった情報を提供するか、2.情報量の多いネットワーク指標の特定、3.適応度指標とネットワーク指標との関連
方法:どうやって検証した?
・49頭ボツワナの野生チャクマヒヒ成体メスの7年(2001-2007年)データ(192 female years)。
・dyad別にCSIを算出し、このCSIで4つのネットワーク指標を算出。媒介中心性:ある個人を通過して他のメンバーをつなぐ最短経路の総数。情報や感染症の伝播に重要な場合がある。固有ベクトル中心性:パートナーがネットワーク内で他個体とどの程度つながっているか。ノードの中心性の合計、これが高いとたくさんのパートナーとつながりを持つ。クラスタリング係数:対象のパートナーのうち互いにパートナーである割合。これが高いと派閥を組む傾向。リーチ:k歩先にいる他者とのつながり。
・LMM:従属変数;CSI、独立変数;4つのネットワーク指標、順位、親族の有無、メスのID。これらを年度ごとに算出。
・LMM:従属変数;子の生存率、独立変数;4つのネットワーク指標。Silk(2012)のCox比例ハザードモデルにおける148 offspring(打ち切り91、非打ち切り57、母親41)の生存率データを使用。
どんなデータか?
・LMM:固有ベクトル中心性がCSIと正の相関、リーチがCSIと負の相関、クラスタリングと媒介中心性はCSIと関連なし(有意でない負の関連)(図)→他のつながりの強い人とつながっているメスはCSIが比較的高い。
・固有ベクトル中心性に個体内一貫性がある(2年間)。
・ネットワーク指標と順位に関連なし。血縁個体がいるメスは固有ベクトル中心性が高い。親族の有無はクラスタリング係数と負の相関、リーチや媒介中心性と関連なし。
・LMMから、固有ベクトル中心性のみ、子の生存率と有意に関連
・CSIと固有ベクトル中心性に相関があったのでさらに検証。→子の生存率はCSIと関連するのか、固有ベクトル中心性の高さと関連するのか、AICでモデル検証→最良モデルはCSIを含まず、固有ベクトル中心性と媒介中心性を説明変数に入れたものだった。モデル間の予測力に差はなかったが、固有ベクトル中心性は全てのモデルに含まれていた。→固有ベクトル中心性はCSIで説明できる以上の子の生存の変動を説明できそう。
考察は?
・ネットワーク指標は、dyad分析に新たな情報を提供する。集団内の個体とよく結びついた個体とbondを形成するメスはCSIが高く、子の生存率が高い。←固有ベクトル中心性はdyad分析に付加価値を与える。クラスタリング係数の高いメスはCSIが低く、social bondの弱いメスは同じサブグループ内で関係を築く。
・CSIは媒介中心性やリーチと負の相関。→単に多数のメスとつながっているだけでは強いsocial bondを築いているとは言えない。
・fission-fusionの種(ハイエナ、チンパンジー)とcohesiveな種の適応パターンに違いがあるかもしれない。前者:高いクラスタリング性を示し、「友達」と一緒に行動する。→グループのメンバーが分散し、日常的に出会わないコミュニティとの協力やつながりのない個体間のつながりを促進する(媒介中心性)。後者:小さな徒党の中で過ごす個体より、パートナーと強くつながっている個体とよくつながる個体の方が成功するかもしれない。←まだ未解明。
・強いdyad結合の利点と比較して、二次的つながりが利点となる近接メカニズムは不明。数人の好みの相手がいれば出会いの予測可能性が上がったり、パートナーが死んだときに新しいbond形成に役立ったりするからかもしれない。また固有ベクトル中心性の高い個体は周辺性が低いので捕食されにくいのかもしれない。
・メスの社会的パートナーが小さな集団にで安定的なbondを形成しているより、集団内の多くの個体と強いbondを形成していると利益を増強させる。
・他個体の関係性のモニタリング能力が他個体とのつながりを促進しているかどうかは不明。
先行研究と比べて何がすごい? 次に読みたい論文
・social bondの強さ(dyadの強さ)に加えて、ネットワーク指標がCSIや子の生存に効いていたことを示したこと(子の生存に関してはむしろ固有ベクトル中心性の方が予測因子としてよさそう。)。
・Siracusa et al. 2023 Ageing in a collective: the impact of ageing individuals on social network structure Proceedings of the Royal Society B
(writer: KK)
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ethology-osaka · 1 year
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動物行動学ジョイントセミナーMarch2023を行いました
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2023年3月6日(月)に、動物行動学ジョイントセミナーを開催しました。
主催:大阪大学人間科学部 比較行動学研究室 参加研究室:近畿大学上野研究室、信州大学 松本研究室、北海道大学 早川研究室
私たちの研究室からは、以下の演題を発表しました。 今村柊野(B4)「天王寺動物園のフンボルトペンギンの行動に来園者が与える影響」
Lorraine SUBIAS(D2)「Experimental study of metacognition in free-ranging Japanese macaques: factors influencing information-seeking behaviour」
当日は学生を中心に、非常に活発な議論が行われました。動物行動を軸にして、微生物、遺伝子、サルやヒトの心理といった様々な分野の発表が行われ、大変興味深かったです。
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ethology-osaka · 1 year
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はんだいラボ@EXPOCITY「動物たちのミクロの世界を体験しよう!」を行いました
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2023年3月12日に、はんだいラボ@EXPOCITYを開催しました。
たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました!
~~実施概要~~
はんだいラボ@EXPOCITY「動物たちのミクロの世界を体験しよう!」 2023年3月12日 (日) 13:00〜18:00 会場:EXPOCITY 3F EXPOCITY Lab(参加費無料・予約不要) 主催:大阪大学人間科学部 比較行動学研究室 協力:三井不動産・EXPOCITY、大阪大学共創機構・共創推進部 企画代表:山田一憲(大阪大学) 実行委員長:早川昌志(大阪大学、ミクロ・ライフ Project) 実行委員:山本誉・栫優花・奈良崎泉(大阪大学)、他
<常設出展> 「動物の行動観察体験」栫優花・奈良崎泉(大阪大学) 「琴塚吉太朗 動物画ギャラリー」琴塚吉太朗(絵描き)、招待出展 「吉太朗と動物を描こう(キッズスペース)」琴塚吉太朗(絵描き)、招待出展 「粘菌の観察〜ミクロとマクロを生きる〜」マメホコリ工房、招待出展 「スマホ顕微鏡で楽しむ動物のミクロの世界」ミクロ・ライフ Project 「小さな動物たちの行動ムービー上映」ミクロ・ライフ Project 「研究ポスター紹介」大阪府立天王寺高等学校 生物科(招待発表)、大阪大学人間科学部 比較行動学研究室
<講演> 13:30-13:45「動物の行動観察を体験しよう」栫優花・奈良崎泉(大阪大学) 14:15-14:45「動物行動研究ミニトーク」山本誉(大阪大学) 15:30-16:00「動物をそのまま見て描くこと」琴塚吉太朗(絵描き)、招待講演 16:30-16:45「動物の行動観察を体験しよう」栫優花、奈良崎泉(大阪大学) 17:15-18:00「座談会 ミクロとマクロを繋ぐ動物の観察」ファシリテーター:早川昌志(大阪大学、ミクロ・ライフ Project)、特別講演:「ホッキョクグマと水辺の原生生物」大阪府立天王寺高校生物科(招待講演)、パネリスト:琴塚吉太朗(絵描き)・招待、片岡祥三(マメホコリ工房)・招待、山本誉・栫優花・奈良崎泉(大阪大学)
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ethology-osaka · 1 year
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3月12日はんだいラボを開催します
2023年3月12月(日)13:00~18:00 ららぽーとエキスポシティ3階 はんだいラボー動物たちのミクロの世界を体験しよう!ーというイベントを開催します。 たくさんの企画を用意していますので、皆様のご参加お待ちしております🐵
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ethology-osaka · 2 years
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いきもにあ&自然史フェスティバルに出展します
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研究室の学生有志が、動物行動学に関するイベント出展を行います。 一般の方(小学生くらいから)向けに動物行動学を体験できるしおりの配布、行動観察の体験コーナー、そしてオリジナルグッズの販売等を行います。
どちらのイベントもお子さま大歓迎で、生き物好きであれば大人も子どもも楽しめること間違いなしです。
配布・販売物はこんな感じです。
以下、各イベントの詳細です。
◆いきもにあ
日時:10月29日(土)、 30日(日)
場所:京都市勧業館みやこめっせ 1F 第2展示場
ブース名:I-173番「動物行動学を体験しよう」by 大阪エソロジーの会
その他:各日入場料が必要。中学生以下無料。詳細はHP、公式SNSをご覧ください。
https://www.equimonia.net/
◆大阪自然史フェスティバル
日時:11月19日(土)、 20日(日)
場所:大阪市立自然史博物館、花と緑と自然の情報センター(長居公園内)
出展者名:A-3番「大阪エソロジーの会」
その他:詳細はHP、公式SNSをご覧ください。http://www.omnh.net/npo/fes/2022/
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