Tumgik
all-days-all-right · 4 months
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トラウマじみた失恋ってやつがある。
忘れた方が幸せだ、って確信していても、反芻してしまう。
ほんとうは、今の彼女の愚痴でも垂れながら、
いざ会うとあっさり満たされてしまうような。それだけでいいのに。
もう二年も前になったあいつのことを思い出しながら、もう好きでないと分かりながら、
ずっと胸がズキズキする人生を送り続けている。
愛憎の愛も憎もない。ただ痛みだけが残る。
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all-days-all-right · 2 years
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2022.06.11
馬鹿みたいな失恋をしてから1年が経つ。 あれは何度思い出しても死にたくなるし、未だにフラれたときの納得感は消えない。あいつは春に就職して東京に行った。そのおよそ一ヶ月後が僕の誕生日で、とうとう祝ってもらえなくなったな、と思ったら一日遅れでラインが来た。「一日は誤差」って、サングラスをかけた絵文字で、あの頃と変わらない軽さ。変わったのは僕の心持ちだけなのか。僕はあれからずっと、世界の反対側にいる気分なのに。
次のあいつの誕生日は祝いたくない。一日焦らされたのも癪だし、なにより何食わぬ顔で、もう会わないであろう私に振りまく愛想が癪だった。でも、そう思うと同時に「あと何日だっけ」とよぎった、疑問が頭から離れない。毎年のことだったから日付を朧気に覚えていて、でも海馬に霧がかかったような、そんな感覚がむず痒くて仕方なくて、あいつのラインを見た。記憶していた日付そのままだった。ちゃんとこびり付いている。それも癪で仕方ない。 とは言うものの、実はあいつの誕生日をまともに祝えた試しはない。なぜかは分からないが、毎回はぐらかされているというか、なあなあで終わっている。逆に、去年の僕の誕生日は突然呼び出され、行った店のご飯を丸奢りされた。その上私の家にあいつのバイト先の、僕の名前まで書かれたケーキを買ってきた。まあ、それは他の後輩と三人だったけど。その一ヶ月ほど後に私はフラれて、その後のあいつの誕生日は、何をどうしたかも覚えてない。
初めてあいつと二人で出かけたのは、少し遠くの、湖の畔にある桜並木を見た日だった。その少し前、3月、夜ご飯の帰り、あいつの車で少しだけ遠回りをして帰る最中にふと桜が咲いているのが見えて、「もう咲くんだね」みたいな、なんとなくそんなことを言った記憶がある。また別の日、どこかの店で豚カツを食べながら桜を見に行こう、と話していた。即答だったように思う。当日は晴れて、アヒルボートを二人で漕いで、あいつがインスタにアヒルの写真を投稿していたから、僕が撮った写真はアップせずにずっとカメラロールに眠っている。ツーショットはなぜかマスクをしたままで、それもカメラロールに眠っている。
告白したのはその二ヶ月後、五月の終わりか六月の頭か。 何かに耐えられなくなって、突然あいつをファミレスに呼び出して、そのまま。そんな乱暴な誘い方をしたのは初めてだったし、されたこともなかった。 一旦保留と言われたけれど、答えは決まっていたように見えた。その後二週間くらい、なんだろ、なんだろうな。まともに顔も見れなかった。あいつもまた、僕に対してよそよそしくて、そういう距離感は後にも先にもその時だけだったように思う。
その後結局フラれて、「時期がよければ付き合ってたかも」みたいなことを言われたけど、フラれたことには変わらないし、なぜか「そりゃフラれるわな」みたいな妙な納得感があった。その頃は(今も大概そうだけど)あいつが何を考えているか全然分からなかったし、分かる気配もなかったし、分からないからにはフラれて当然なのだ、みたいな気持ちだったと思う。
そんな風にフラれて、少しだけ体が重なって(ここが一番キツくて、かつ救いでもあり、本筋ではないけど大事な部分で、でもこれ以上書くことはない)、変な希望を抱きながら数ヶ月必死で何食わぬ顔をしながら過ごし、あいつにはあっさり彼氏ができた。人伝にそう聞いたが、未だに本人の口からは何も知らされていない。あいつが僕を呼び出さなくなったのも丁度、その彼氏ができた頃だろうと、その話を聞いた当時の僕は思った。
それから今に至るまで、たまに会っては素知らぬ顔を取り繕いながら、反面ではその辛うじて繋がっている関係性に縋り付きながら、彼女と会っていた。居心地の良さと悪さが共存する中で、僕は未だに恋心を引きずっているのだと、そう思っていた。 卒業間際にも数回呼び出された。「最後に一回くらいご飯行こう」が結局二回になった。貴重な関係だから、みたいな言われ方をするたびにどこか喜ばしい気がしたのも、引きずった恋心の片鱗だったのかもしれないと思っていた。その感覚は彼女が卒業していなくなってからも、ついさっきまで続いていた。
けどさっき、誕生日のことを思い出して気づいてしまった。 仮に今連絡しても、あるいは対面しても、あいつに話したいことがひとつもないことに。
告白したあの日に僕が焦っていたのは、僕たちの会話が以前よりも擦れ違いつつあることに勘付いたからだということ。 彼女が僕に興味を持たなくなり始めていたこと。逆に、彼女の言うことが僕には全然響かなくなっていたこと。 もっと何も考えずに話して馬鹿みたいに笑い転げていた頃の気持ちを必死で取り戻そうとして、手遅れになる前に引き留めようとした結果が、一方的にファミレスに呼び出したあの日の告白だったということ。 結果的に引き留めることには成功したかもしれないけど、それからずっと引き留めることしか考えられなくなったこと。 その日以来会うのが辛くなったこと。一年経った今でも会うのが辛いこと。
僕が愛しているのはあいつとの思い出で、今のあいつに会ったとしても、失われたかつての関係性の尊さが浮き彫りになるだけだということ。 仮にあいつが今僕のことを好いてくれたとしても、恐らく直視できないこと、多分もう二度と、「今のあいつ」を好きなれないだろう、ということ。
文字通りの失った恋。もう二度と戻らない恋。
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2023.09.13追記 同じ年の少し前の日のメモから「あれだけ近い存在だったのに、今となっては何もわからない。私にとって彼女は異星人でしかなかった、」という言葉が出てきて、不意にまた泣きそうになる。
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all-days-all-right · 2 years
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2022.02.16 / ロープウェー
・御茶ノ水。降りたのは友達がギターを買うのに付き合ったとき以来かもしれない。正月の楽器街。買ったのはカナダの木でできた白いアコースティックギター。ピックアップはあえて付けない。 ・今日は就活で使うテストを受ける。2時間前からスタバで問題を解く。 理系に進んだ癖に、計算はまるで得意じゃない。推論や集合の問題を解く度に、自分はあくまでただの「理屈っぽい人間」であって理系じゃなかったのだ、と後悔する。この調子のままもし落とされたら、というゾワゾワに襲われる。 ・などと思いながらも、勉強を進めるにつれてギアが上がるのが手に取るように分かる。ハンドルから伝わる振動でエンジンの出力を感じるかのような快感。 ・自分がスロースターターであることに最近やっと気づくことができた。 こいつのせいで今まで散々痛い目にあった。頭の立ち上がりが遅くて面接で全然喋れなかったり。翻って今日は上々。ようやく自分というツールが手に馴染んだ。 ・最後の最後で2問間違えた。時間がなく会場へ。やはりダメかもしれない……
・いざ解いてみれば意外と出来が良かった。大事なのはやり切る前に不安がりすぎないこと。一旦頭を休めたくなって、駅近くのカフェを調べた。神田明神の近く。行ってみたら店は鳥居の内側で、神田明神がすぐ見える場所だった。参道の奥が明るい。異世界への入り口みたいな、そんな赤い光。
・手水で清め、門で一礼。入ると、参拝客は皆、端を歩いている。見上げると高層ビルが遠く、神社の空は周囲から切り取られたかのように広い。境内は都会から隔絶された紛れもない異世界だ。 ・賽銭箱まで進む。一円玉以外で、最も安い小銭を二枚投げ入れた。 五十五円、なんともいえない数字。二礼、二拍手、そして目を閉じる。
・昔から願い事をするのが苦手で、明治神宮で書く願い事を白紙で出したことがある。小銭を放る寸前まで願い事を探していたが、思い付いては消え、とうとう何も浮かばなかった。 ・それこそ「就活が上手く行きますように?」......それくらいが無難なのかもしれないが、どうしても神頼みする気になれなかった。
・この世の全てはビリヤードで、最初のボールが打たれた瞬間に結末が決まっている。いつからかそう考えるようになった。哲学科に進んだ高校の同期にこれを話した時は「観測できない事象を仮定する必要はない」だの「その考えは映画の中の人物が自分で映画を見ているようなものだ、矛盾している」だの言われたが……今更真偽とか是非に興味はない。ただ、「全ては決まっていて、受け入れることしかできない」という、「覚悟」と呼ぶには軽薄で「諦念」というほどネガティブではない、消極的で浮遊感を伴う感覚の中で生きている。
・未だに思い出したくないような出来事もある。口にすべきでなかった言葉を口にしたこともある。伸ばすべき手を伸ばさなかったこともある。しかし「言葉を飲んだ自分」も「手を伸ばした自分」も絶対にあり得なかったことだ。私は弾き出された球に過ぎず、自らの行方を知らぬまま転がり続ける。
・ceroの「ロープウェー」という曲が、ふとそんなことを歌っているように聴こえたことがある。地を這わない乗り物に揺られる浮遊感。行き先は決まっていて、しかしそれは霧に覆われ見ることができないし逃げることはできない。けれど、何が起きようと、全ては等しく通り過ぎて、霧の中に消えていく。
"Everything is gone to the foggy outside やがて人生は次のコーナーに 人生は次のコーナーに"
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all-days-all-right · 2 years
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2022.01.01 / ほつれた鎧
・前の車が止まったことに気づかず、ブレーキを踏みそこねて衝突する。ステージに立った後に、これから演奏する曲を全く覚えていないことに焦りだす。服を着ないまま家を出て、教室に入る直前に自分が全裸だと気付く。そういう、失敗にハッと気づいたの、頭から落ちていくような、全身に渡る感覚。全て夢の話ではあるが、その感覚だけは、目覚めた筈の身体に未だ生々しく焼き付いている。
・そんな夢ばかり繰り返し見るようになった。ここ一、二年のことか。 確かに、本来の自分はそれくらい間抜けだ。仙台駅のドトールに買った服を落とした同じ日に上野駅で切符を落としたことがある。それは確か五年ほど前。
・あれ以来、手荷物は絶対にひとつにまとめるようになった。それでも大学を出る時にしょっちゅう財布か鍵を忘れるので、トラベルウォレットに鍵を付けた。それにはクレカを入れないようにした。 なにか失敗する度、自らの行動にリプログラミングを施してきた。きっとその度強くなった。
・大晦日。上野から実家へ。窓口で切符を買う。遠出の時は、鍵付きのトラベルウォレットを落とさないようカバンの奥深くにしまって、代わりに長財布を使う。使う財布を変えると何かともたついてしまう。学割証はどこだ。トラベルウォレットの方だ。取り出して、書き終えて、財布を持ち替えて支払う。お札を出すだけでモタついてしまう。その事に焦り、駅員さんへの応対がどんどんぎこちなくなる。
・編み物のように数年がかりで身体に編み込んだ「まとも」が、切っ掛けひとつで簡単にほつれていく。
・最近見る、夢の中の間抜けな自分は、これまで編み込んできたガチガチの防御を全て解いたときの「素の」自分なのではないか、と思う。編むのに何年もかかった癖に鋼のように重い鎧が、いとも簡単にほつれてバラバラになってしまうことを夢に見るほど恐れている。
・最近ずっと気を張っていた。研究室の最年長。最近はトラブル続き、ラボの機械に付きっきり。 僕が知らないことは誰も知らない。僕がやらないことは誰もやらない。教授は現場に関与しない。僕のミスで研究室が止まる。僕が何か言わないと後輩の手が止まる。
・「先輩」の鎧を着た自分が話す。鎧を脱げぬまま後輩の話を聞く。「先輩」として、後輩にストレスや不安を与えないように話す。聞く。鎧がないと上手く話せないけど、鎧があると重くて仕方がない。
・「聞き上手ですね」と言われることが増えたけど、疲れると何も聞けないし話せなくなる。この間「飲み会の時の方が無口だね」とまた別の後輩に言われたのは、日頃の世間話ですら頭をフル回転させないとロクにこなせないことの裏返しかもしれない。酒まで飲んでしまうと会話を維持できない。
・必死で作った「まとも」があっさりバラバラになる。それが怖くて仕方ないのと、いっそ全部捨てて開放されたいのと。
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all-days-all-right · 2 years
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20210603
・思い入れのない歌を歌っているときのほうがうまく歌える。投げたボールが自然な放物線を描くように、声がすーっと伸びていく。
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all-days-all-right · 3 years
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2021.01.10 / ここに願う、君が朝を愛するように
・朝。最近は7時半頃にコンポのタイマー機能で起きて、たいてい二度寝する。いつからそうなったかは覚えていないが、大抵はっぴいえんどの「抱きしめたい」が流れる。起き抜けの耳にはベースラインがガンガン響く。意外と不快じゃない。 ・二度寝してるうちに、ちょうどラインしてた相手から「おはよう」と一言。些細だけどこんなに暖かいもんか。 ・昔から「美味くなさそうにものを食べる」と言われる。食べてる間ずっと無表情らしい。最近気づいたことだが、どうも食べ物を「捕獲」した時点で満足してしまっており、味についてはてんで無頓着というか、食べている間心ここにあらずというか、なんにせよ全くもって味わって食べていた試しがない。 ・いまは夕飯を食べている。久しぶりに飲みたくなって買った日本酒。どのつまみがあうか、と二、三品料理を並べて、食べる。ふと、食べ物を口に入れる直前で止めてみる。それだけで自然と笑みが溢れた。そうだよな。食べるって幸だ。 ・「おはよう」のラインの続き。「今仕事中でこんな気持ち」と、体育座りでいじけてるカイリキーのスタンプが送られてきた。起きるたび職場無くなってないかなって思う、とも言ってた。君が朝を愛せますように。折坂悠太の受け売りだけど。 ・朝を愛する、って言葉、元ネタは折坂悠太の「朝顔」という曲の一節。「ここに願う 願う 願う 君が朝を愛せるように」。この歌詞がとても刺さったのは理由がある。大学二年の頃、(当時既に別れていた)元カノと友達んちで雑魚寝してて、彼女が起きる瞬間をたまたま見ていたことがある。パッと目を開いて、数回瞬きをした後、ふっと満面の笑みになって、そのままんーっ、って伸びをしていた。「あっ、✗✗。おはよ、起きてたんだ」って、屈託のない、綺麗な声だった。そのまま、他愛もないことを話しながら、化粧をしたり髪を巻いたりする彼女をずっと見ていた。 ・あいつの口癖は「私は毎日幸せ、だからいつ死んでもいいの」だった。きっと本気で言ってたんだと思う。食ったものの味すら覚えてない僕と違って、彼女は世界から色んなものを受け取って、誰よりも世界を愛していたのだと思う。些細なことから幸せを見つけるのが、僕なんかより余程上手かった。クラスメイトと大富豪してるだけで楽しそうだった。数学の授業もろくに聞かずにハートの折り方を教えてくれた。幼馴染の誕生日にはバタバタと写真を撮って回って、一緒にアルバムを作った。話したことがいつもくだらなすぎて、今となっては全く覚えていない。それでも、あいつといた毎日が今では信じられないほど楽しかったことだけは、高校を出て七年経った今でも覚えている。 ・あいつとはもう2,3年連絡を取ってないし、多分もう会うこともない。けど、僕にとって「朝を愛する」といえばあいつのことで、その愛は幸福の象徴だ。本当に幸せでなければ、起きた瞬間からあんな顔出来るわけないんだよ。 ・だからこそもう一度繰り返す。「ここに願う、君が朝を愛せるように。」
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all-days-all-right · 3 years
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2021.01.09
・今年初のバイトだけど、既に皆あけおめ感がない。 ・また何の感慨もなく夕食を食べ終えてしまった。気づいたら流し込んでいる。味噌のカップラーメンだった。おいしー。
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all-days-all-right · 3 years
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2021.01.06
・目的がいつしか逃避になる。 ・ちゃんと進捗を生むために自分を甘やかすはずが、気づいたらただ甘やかして終わっていた。 ・酔った勢いで作ったきんぴらが辛い。いつだって鷹の爪を入れすぎる。
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all-days-all-right · 3 years
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20210105
・右肩がいてえ。これは現代の呪い。 ・窓の向こうの木はいつでも揺れている。この世に静止しているものなどない。 ・ちょっと疲れていたからか、溜息ついでに「ハァ〜〜〜ウンコ」と言ってしまった。裏声で。 ・何もしてないわけじゃない。けど何かが進んだわけじゃない。 ・スーパーのレジの音、奇妙なシンクロ。 ・今日の最適解は完全に外食だったけれどそれをやるには罪悪感が大きすぎる。金がない。
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all-days-all-right · 3 years
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20210104
・腹が立つ、という感情を忘れかけて随分経つ。 ・夏の陽と冬の陽を見分ける目を僕等は持っている。 ・車の給油ランプが点滅を始めた。よく見ると給油機の形をしている。お前はむしろ給油タンクだろう。そんなことを考えていたら、ウィンカーを出し忘れたまま左折してしまった。 ・歯医者。口の主導権を握られると呼吸の仕方を忘れる。 ・幼い頃、歯医者で「口を大きく開けてください」と言われる度、顎が外れるほど全力で大口を開けていた。その都度先生が「ありがとうございます」と言うので、おれは誰よりも口を大きく開けられるデキるヤツだ、大人には真似できまい、とすら思っていた。そんなことを考えているうちに疲れてきて口が閉じ始め、「もう少し頑張ってくださいね」と言われ、また全力で口を開く。いつだって本気だった。あのアスリート根性はなんだったんだ。 ・帰り道。隣の車はレンタカーだ。禁煙のステッカーが貼ってある。助手席は子供だ。犬みたい。
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all-days-all-right · 3 years
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20210103
・プレゼントは包まれてる時の方が綺麗だ。 ・リンゴをようやく食べる。貰ったのは10日前。いつか気が向いたら食べようと思っていたが、こんなにかかるとは。
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all-days-all-right · 4 years
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今ここにあるすべてが楽しい、他には何も要らないという気持ち⇔遥か未来の、向かうべき到達点のために今ここにあるすべてを捧げようという気持ち
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all-days-all-right · 4 years
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先生の無限に続く二次曲線 無視してあなたはハートを折った(2020.07.18)
隣人がやかましいから僕も壁 叩いて全部ケチャにしてやる (2020.05.29)
魂も使えば減るさ 誰よりも細くて白い小指を曲げて (2020.09.24)
波際で最後のキッス探してる はまぐりたちの舌は紅色 (2020.09.24)
地球最後の朝焼けを見逃して カーテン越しの白夜とふたり (2020.09.28)
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all-days-all-right · 4 years
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短歌・俳句 (2020.09.18)
六畳間 床から宇宙の背骨まで 薄く伸びゆく わたしのからだ (2020.09.17)
体重を預け合うことその清さ 知っているだろ触れ合う猫よ(2020.09.17)
秋風と布の重みに恋をする(2020.09.17)
運動会が終わっても帰れずにいる 鳴ることのないピストルを待つ(2020.09.17)
実家から持ってきた雪 懐で 解けないままに僕らは生きる(2020.09.18)
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all-days-all-right · 4 years
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20200807
わたしがエッセイや短歌に憧れるのは、どんなにどろどろした話でも「まあ、そんなこともあるよね」と俯瞰してさらっと流してしまう様が好きだからなんだと思う。
たった今くどうれいんの「わたしを空腹にしないほうがいい」を読み終えた。 失恋だって拒食症だって軽やかに書く。ひねくれていても、感情の出力が素直なんだと思う。
最近の僕は、随分平穏な日々を送っている割には、内的には煮込んだトマト缶みたいにドス黒くて赤くて、文字に起こすほど整理がついていない。 短歌も全然詠めていないが、世界史と同じで、終わっていないことは文字に起こせないのだろう。映画だってエンディングを迎えずに上映できるわけがないのだ。 とっととクランクアップしてやる。
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all-days-all-right · 4 years
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短歌・川柳 (2020.08.07)
溜息と同じ分だけ煙草の灯(2020.05.29)
草も木も随分寝付きがいいもんだ (2020.05.29)
鼻が効くあなたと効かない僕の距離 (2020.08.03)
泣くくらいなら逃げなよ僕のことは 置いて行きなよ手伝うからさ (2020.08.03)
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all-days-all-right · 4 years
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八月に「寒いね」と言う僕たちの 軽く一度は違う平熱 (2020.07.18)
反比例 習ったっけな ああ、そうか 触れられないんだ もう絶対に(2020.07.18)
午前二時、脈と雨音、時計だけ 死んでいくもの達のポリリズム (2020.07.18)
暑がりは身軽でいいとほくそ笑み 我が身縛られる悦噛み締める(2020.07.23)
冷蔵庫で眠る朝食安らかに (2020.07.26)
知恵の実を食べ過ぎたのよと口角を 上げる貴女は毛布もかけずに (2020.07.26)
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