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#君が死ぬまで待ってる
netabare-szmm · 2 months
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ライブアライブ幕末編感想
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尾手というやつから始まり、いかにもな奴らが現れて(少年漫画だ…!)と思いました。一体誰を手に入れたのかわかりませんが、面白そうな始まりでした。
炎魔忍軍とか言うかっこよすぎる名前の忍軍から期待のホースおぼろ丸が選ばれましたね。
お頭「任務を理解しているな?」
おぼろ丸「はっ」(理解していない)
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というやり取りをしてしまい、何も理解していないままかっこいいシーンに入り、何も理解していないまま城に侵入し、死にました。
未完
特に「正体を見せろ!」→「おのれみやぶったか!?」からの町娘と戦うのが意味わからなくて私は何を見破ったんだ……となりました。
とりあえずやり直して、内容を把握してきました。
捕らえられた人を助けること、隠密に徹してもいいし、百人切り目指してもいい。とにかく任務を遂行せよ!
とのことでした。ちゃんと聞き直すのは大切ですね(涙)
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気を取り直して屋敷前、潜入する前に道を戻ると任務を放棄するか?という選択肢が…!?選択肢によって運命が変わるの?!おっおもしれぇ~
全クリしてから二週目で選ぼう……と決めて進むと、合言葉があるとのこと。今気がつきましたが、屋敷内の人間を一掃するとなると合言葉を間違えて進むべきですね…今回は間違えずに進みました。
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敵キャラ一人一人に名前があって、ちょっと愛着が湧いてきますね。ひとだまが可愛すぎて写真撮っちゃいました。
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屋根裏にはネズミがいて(可愛い)、お宝がいっぱいあったり……どこで使うかわからない小判を手に入れたり。てんむすとかすていらが今回の回復アイテム!てんむす食べるおぼろ丸想像したら可愛いですね…(兵糧丸とかではないんだな)でも、自己回復出来ないから何度も死にかけ、死にました。自己回復って何度も使えるから地味に強いですよね。
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どんどん進んでいくと五忍者が出てきたり、からくり部屋に入ったり楽しかったです!からくり部屋の奥の宝箱、一つ取れなかったんですがどうやって取るんでしょうか……あとからくり部屋、落ちてみなかったんですが落ちたらどこに繋がってたのかな?!怖い!私は冒険しない人間なので。
地下牢で五ェ門を助けつつ、多分目的地かな~?と思って助けようとすると地下に落とされて?!?!ひとだまが大量にいて?!?!ボスは天草四郎?!?!死にました。
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その後やりなおして尾手城をいっぱいぐるぐるしました。五ェ門の援助らしきアイテムを手に入れたり、なんかよくわからないからくりにひっかかったりして…淀君のところまでたどり着き、「わらわと契らぬかゆえ?」「喜んで!」死にました。すべてがトラップですね。
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からくりの人は苦戦するかと思いましたが、アイテムのでかい手裏剣で倒したら簡単にやっつけられました。(負けなくてよかった(涙))
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その後また捜索してると床が抜けて地下からやり直しになったり、おかめに追いかけられ続けたりし、なんとか尾手にたどり着きました……
と思ったら、ここで助っ人が?!(嬉しい(涙))
でも攻撃力は低い!!
淀君を倒したけど、淀君が人間ではないことに気がついて一人分カウントを減らしたのが面白かったですね。
カエルとなった尾手院王を倒して朝日を浴びる男二人……クリアするまでに七回くらい死にましたが無事任務遂行できてよかったです。
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ふと思ったんですが、任務の内容を聞いてなかったり、淀君が姫だと思い込んでいたり屋敷の内情をほぼ知らずに乗り込むおぼろ丸ってもしかして……ポンコツ?
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kaedegt · 10 months
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柏木に選ばれしバンドマンありがとう。
非常に新鮮で楽しかった!
俺と柏木のワガママに付き合ってくれたメンバーは間違いなく素敵人です。笑
セッションって曲もまともに覚えないでゆるふわなイメージがあったんだけどさすが柏木に選ばれただけあってみんなしっかりやってくれました。
リンク君は初めましてだったけど彼もまた良きボーカリストでした。
KiDのライブ動画みたいですとかオケで下さいとか積極的に取り組んでくれた^ ^
大人しめであんま喋れないですみたい事言ってたけどライブ始まったらさすがボーカルやなぁと感心した^ ^
ろっしーも初めましてだったんだけどこれまた良か人でさ。面白いし顔いいし笑
しかも実はかなり個人練に入ってくれてたみたいで!しっかり叩いてくれました!
さすがチャリで日本中を旅してただけあるわ!
ひかちゅーは付き合い長いしなんの心配もしてなかったけどさすがって感じでした^ ^
ダウトとツアー回ってた時によく一緒に飲んでた時期があって懐かしいねぇなんて話しながら今だこらこそ死ぬ気でやらなね!みたいな熱い話してました^ ^
ひかちゅーは見た目とは裏腹に内にメラメラした熱いの燃やしてる人だから刺激になった^ ^
俊吉はベースの上手さも知ってるからバンド全体として彼がいればなんの問題もないと思ってた!彼がいなかったら刻々はやらなかったね!
他のメンバーがみんな口を揃えてベース上手すぎぃぃって言ってた笑
久しぶりに会えて嬉しかったなぁ^ ^
あんな上手いのに鼻にかけることなく謙虚で優しくて好青年なの素敵すぎ!
映像見返してたら上手の俺ちょっとかっこよくないか?と思ったけどまぁ慣れないよな。笑
KiD初めてからいろんな人と出会えて昔よりもバンドマンと絡むようになっていろいろ勉強させてもらってる。音楽漬けの毎日で幸せや!
その分苦しくもあるけどステージ立った瞬間に報われる気がして新たな活力になってる。
みんなありがとうね。
みんなおらんかったらもう辞めてる。
俺ギャ最高^ ^
そしてこの日は柏木の誕生日って事でお祝いできて良かった!
セッションとかマジで嫌だでたくねぇって言ってたけど結果すごく良かった!
今では柏木おらんと回らないんでこれからも宜しく頼む、そしておめでとう!!
さぁ来週からツアー再開なんで気合い入れていこー!!待ってるよ!!
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01-08-m-n · 1 year
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キスをしすぎると、キスの特別な価値みたいなものがなくなるんじゃないかと思った。「好きだった人に言われたずっと忘れてない言葉」みたいな、そういうキラキラした衝撃的な瞬間をこれからも君につくってあげられるのだろうかと思った。いつまでも、君の最高の女の子でいたいと思った。
彼氏が充電してくれたモバイルバッテリーが、それだけで宝物みたいに見えた。彼が入れてくれた電気が尊いものに思えて、一生使わないでおこうと誓いみたいに思った。旅行3日目に日が変わった深夜1時半頃、彼が買わせてくれた大きなぬいぐるみを抱きながら君を見ていた。ふかふかのベッドに横たわりながら、ぬいぐるみと君のパーカーを抱えていた。わたしのスマートフォンの充電がなくならないように、わたしのモバイルバッテリーを君が充電してくれた。君がやさしく充電機を差す姿がスタンドライトの逆光で影になって、描くことのはじまりって、愛する人の影をなぞったことなんだよって言いたくなった。君をなぞってずっと忘れないようにしたいって思った。何回も何回も君を反復して、擦り切れるくらいに思い出したら、生まれ変わっても覚えていられるだろうかって思った。
はじめて日焼け止めを塗り始めた5月1日がもう1か月前になろうとしています。お久しぶりです。青い月はいつだって燦然と眠って光っています。先日、恋人と2泊3日の旅行をしてきました。会えるのは2ヶ月ぶりでした。やっぱり、この人と一緒にいたいと思いました。付き合った日に彼が送ってくれた、俺の余生あげるから君の余生を幸せにさせてよって言葉が永遠に忘れられないでいます。
デートする度にここに書くのは、忘れたくないからです。一瞬一瞬を思い出せたら、永遠に忘れないかもしれないって思えるからです。
通勤で混んでいる新幹線で運良く2人席が空いていて、彼が乗る駅まで隣に誰も座らないように小さな抵抗をしてみた。彼が乗る駅に停りそうになって、ゆっくり流れる景色から君を探してみたけど見つからなくて気持ちいい不安があった。着いて5秒後くらいで会えて、いつもの恋人だと思った。大好きで嬉しくて、よくわからないくらい安心する。新幹線だから手は握らなかったけど、ずっと触れてる肩が嬉しかった。
ホテルに近い改札口をふたりで探した。ホテルまでは少し遠かったけど、冒険しているみたいだった。真っ直ぐな通りの先にはスカイツリーが見えた。その日はたくさん歩いてたくさん見てたくさん考えたけど、彼が一度も疲れたとか嫌だ���か言わなかったことがすごくうれしかった。この人となら大変なことでも一緒に歩いていけるんじゃないかって、些細なことだけど。ホテルまでの帰り道からはライトアップされた紫色のスカイツリーが見えた。ライトアップの意味を調べて読み上げたけど、彼氏が眠そうでかわいかった。確か「雅」っていうライトアップだった。ふたりとも22時くらいにはきっと眠っていた。たまに目を覚ますとふとんに埋もれている彼がいて愛おしかった。ふとんをひっぱると、んーと唸りながら私に3分の1くらい渡してくれるのがかわいくて。目が覚めると朝の5時30分で、部屋に射す朝日が綺麗だった。君がくれたステンドグラスみたいな栞がキラキラ輝いて綺麗だった。うとうとしながら横になっている彼を見ながらお湯を沸かしてコーヒーを飲んだ。幸せだって思った。そういえば、フルーツティーを飲んだ後にキスしたら甘いって言ってたね。微睡んだ君の隙間から2つの水滴が垂れているのを見て、指でなぞった。わたしだけの秘密って思って、それを口にいれた。君はここにいるって思った。
ホテルを出てほとんど夏みたいな爽やかな空の下をキャリーケースを引きながら歩いた。街の看板や建物を見ながら君となんでもないことを話すのが楽しかった。駅のロッカーを探し回って、エレベーターを待っている時に君に日焼け止めを塗ってあげる。外でも首や顔に触れて家族みたいだなーって思った。自分がしてもらってたように自分もこうして人にしていくんだなって思った。少しだけ顔が白くなった君がかわいかったな。ケチな私がロッカーにキャリーケースを2台とも無理矢理入れたら取り出せなくなって君の手を煩わせてしょんぼりした。自分っていやな人間だなーと思ったけど君が仕方ないねって笑ってくれて大丈夫になった、やさしくてあったかくてずっと一緒にいたいって思った。メンチカツとかアイスとかふたりでおいしいねって分け合えるのがうれしい。おみくじを引いて当たっててうわーってなったり浅草寺の煙が目に直撃して泣いたりお参りしたりした。彼がちゃんと祈ってる後ろでそれを叶えてくださいってちゃっかり手を合わせた。
最果タヒのグッズを買いに紀伊國屋書店本店に行ったりサンシャイン水族館で毒を持った生き物を見たりして、外に出たらもう空が真っ黒だった。風が強く吹くサンシャインシティの広場で彼と手を繋いでひとりじめしてるみたいに歩いた。ベンチでキスをしてるカップルの近くのベンチに座って、そこから見える光る塔が何なのかふたりで必死に調べた、今思うとなんでそんなこと?と思うけど楽しかったなあ、結局専門学校の偽物スカイツリーだったね。ふたり手を繋いで風に吹かれながら暗い空を見上げてた。星なんて見えなかったけど、灰色と藍色を混ぜたみたいな空に電飾が反射してもやがかかったみたいに見えていた。人混みの中を急いで歩いたけど乗ろうとしていた電車に間に合わなくて2マスもどる。
2時間くらいかかる電車に乗って次の場所へ。ぬいぐるみを掴みながら、イヤホンを片方ずつつけながらお笑いのショーレースを見た。吐いてる人がいたり電車を降りてお水を買ってきてくれる人がいたりなんとなく忙しい時間だった。 ホテルについて夜中までやっているアイス屋さんへ行くと長蛇の列。若者が多くてびっくりした。彼の好きなラーメン屋へ行って深夜1時に中盛りという名の大盛りのまぜそばを食べた。おいしかったね、わたしは眠すぎて食べながら眠りそうでしたけど。お酒を買ってもらったのにホテルに帰るとすぐ就寝。ほんとうにありがたい恋人。翌朝シャワーを浴びて彼にバトンタッチすると時間が足りないことに気付く。ゆっくりしたかったからフロントに電話して1時間延長、支度が大体終わったあとまだ終わらないでしょみたいな感じになってもう1時間延長。この1時間がなかったら帰るのが惜しいくらいだったと思う、会えているときくらい君に触れていたいよ
この日は急遽彼の友人とバーベキュー。正直めちゃくちゃドキドキした。めちゃくちゃかわいい彼女って思われたいじゃん。それが彼を立てることにつながる?みたいな私の筋の通らない理論。駅まで彼の友人が迎えに来てくれてわーってなった(表せない感情)。車がお兄ちゃんがこの前買った車でこの年代の人ってみんなこれ乗るのかな?とか思った。そういえばお母さんがこの車見ると毎回遊んでそうな若い男の人が乗ってて助手席に女がいるって言ってた。うちのお母さん調べ。友達と話してる彼氏を見るのが変な感じだった。嬉しすぎてtwitterにも書いたけど、彼氏の音楽の趣味が良いのは勿論で、彼氏の友達も音楽の趣味が良いのたまらんすぎた。3人で乗ってた車でボーイズ・オン・ザ・ラン流れてたの一生忘れないと思う、ほんとに。酔った彼氏が友達とアジカン歌ってたのも音だけ覚えてる、私も酔ってたから音だけ。それからふたりとも記憶がないままなんか電車に乗っててなんか駅にいてなんかトイレに行ってなんかベンチで介抱してなんか母親を怖がって急いで電車で戻って結局新幹線遅らせて酔いが覚めた彼に飲み物買ってもらってマックで爆泣きした。「君が笑っていられるように頑張らなきゃな」 みたいなことを言われてこの人が救ってくれるんじゃないかって思った。 前ここにも書いたかな?女子高生のわたしのインスタの裏垢に書いたの。 「君の生きる場所はここじゃないと 君が手を引いてくれ」 ずっと忘れてないわたしが書いた言葉。久しぶりに開いたけど綺麗で儚くてさいこうだった。なきそう。非公開から解放したのであなたもあの日のわたしのこと忘れないでいて。
違うことで着地しちゃったけどパラシュートじゃなくて君から借りたパーカーが風でふくらんで運ばれたっていいよね。この人がいいってもっと強く深く思う数日間でした。いつまでも幸せでいて。ここまで読んでくれてありがとう。もう君も目撃者だよ。
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violettranslations · 7 months
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When I Think of Spring (春ヲ思フ刻)
どれだけの重荷を背負った これだけの幸せなんだ 囚われた「自分らしさ」は 繕って今、枯れ果ててしまったな Just how much baggage am I shouldering? It amounts only to this much happiness. Now, I've gone and patched up my imprisoned "individuality" only to wither away. 現実を知りました。 夢を抱きました。 明日を生きるのが嫌になりました。 I acknowledged reality. I embraced my dreams. I started to hate the idea of living to see tomorrow. 「いつかどうにかなるさ」 「いずれ分かるもんだ」 何百回と言い聞かせました。 "It'll all work out someday." "You'll understand eventually." You've insisted as much hundreds of times. でも 大事なとこは教えてくれないから And yet, you never tell me the most important thing. 誰が何と言おうが 僕は僕だ 当たり前に苦闘する ただの人間なんだ No matter what anyone else says, I am me. It's only natural that I'd struggle. I'm just an ordinary human. あんたと僕は違うだろ 分かってくれよ こんなことを伝えたい まず君からだ You and I are different. Just accept it, alright? This is what I've wanted to tell you. I wanted you to hear it first. どれだけの頑張れを聞いた それだけで消えたいと思った 決められた僕の行き先は 「皆」ってのに合わせなきゃいけなくて People have told me to "do my best" countless times, and that alone was enough to make me want to disappear. It's a given that I should strive to be like "everyone else," but I've still got to make sure I fit in. 傷はもう消えました。 僕は強い子なんです。 血だらけの顔で笑ってみました。 My scars have already faded. I'm a strong girl, after all. I smiled, my face smeared with blood. いつもどうでもよくて 誰も救えなくて 自分の事さえやりきれぬ日々で None of it ever matters. I could never save anyone. I can't even get myself over and done with these days. でも 大事なものはここに仕舞っているから And yet the most important thing is tucked away right here. ハードルを上げたのはあんただ それなのに なあどうしてそんな風に 僕そんなに期待外れでしたか You're the one who made this difficult, so tell me, why is it that you're acting like it's me who's let you down? もう励ましなんて必要ない You can save your encouragement. 誰が何と言おうが 僕は僕だ 当たり前に死闘する ただの人間なんだ No matter what anyone else says, I am me. It's only natural that I'd struggle with everything I have. I'm just an ordinary human. あんたと僕は違うだろ 分かってくれよ こんなことを伝えたい まず君からだ You and I are different. Just accept it, alright? This is what I've wanted to tell you. I wanted you to hear it first. 大人になっていく
I'm growing up.
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petapeta · 10 months
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Windows HeartBeat #9 (1994年3月) 永久プログラマー  このところ、ハードウェアとソフトウェアが車の両輪のように、うまく歩調を合わせて、進化している。7、8年前、Windowsやページ記述言語のPostScriptに出会った時、どうして、こんな大げさなソフトウェアが必要なのか、疑問を持った。8086や68000など初期の16ビットMPUが全盛の時代に、システムサイズが600KBや1MB近い基本ソフトは、処理速度も遅く、普及するとは思えない代物であった。  4、5年前、WindowsやPostScriptが米国で定着したのを見て、「ソフトウェアの開発には時間がかかる。ハードウェアの急速な進歩を見越して、数年先を先取りしたシステムデザインをしなければならなかったのか」と合点した。  そして現在、開発に時間がかかるはずのシステム・ソフトウェアが、ハードウェアと同じスピードで、どんどん変化している。  新しいソフトウェアが矢継ぎ早に発表される背景には、米国を中心としたコンピュータ・サイエンスに対する基礎研究の充実と、膨大な良質のソフトウェア資産の蓄積、そしていくつかの極への開発の集中が挙げられる。極とは、マイクロソフト、アップル、IBMなどのシステム・ソフトウェア・メーカーである。  システム・ソフトウェアの変化が激しくなると、アプリケーション・ソフトウェアの開発者は、その理解のために、開発時間の多くを割かれることになる。Windowsにしても、開発キットに添付されているサンプル・ソース・プログラムを試し、入門書を読み、プログラマーズ・リファレンス・マニュアルを眺めないと、その「思想」は理解できない。 DOSには、思想など存在しなかったが、Windowsは明らかに思想を持っている。思想に反した使い方やプログラミングを行なうと、Windowsはぎこちない動きをしてしまう。  ソフトウェアの作成工程は、設計、開発、試験の3工程で、工数は各工程でちょうど3等分されると昔からいわれてきたが、Windowsのアプリケーション開発では、その前に「調査」という工程が入る。思想を理解する工程である。Windowsは、グラフィックス、テキスト操作、メモリ管理、フォント操作、デバイスドライバなどで様々な思想を持っている。DOSでは生き字引きが何人もいたが、Windowsのすべてを理解している人は、世界中探しても見つからないであろう。Windowsプログラマーといっても、開発実績を持つ特定分野のことは理解していても、他の分野については素人である。新しいソフトウェアを作る時には、Windowsプログラマーといえども、先ずは調査をして、あれこれ試してみる必要がある。  Windowsだけをとっても、たくさんのソフトウェア技術者が毎日、たいへんな苦労をしながらプログラミングしているのが、日本の現状である。その上、今後、C++を理解し、クラスライブラリの使い方を覚え、OLE2やODBCを使いこなさねばならない。  昨年のComdex/Fallで華々しくデビューしたMicrosoft Office4.0では、アプリケーションが画面上にアイコンとして表示される、新しい試みがなされている。また、Word6.0では、ダイアログ内にメニュー展開用の「タブ」という新しいユーザ・インタフェースが採用された。MDI(複数文書操作)、OLE(オブジェクト結合手順)などの例に見られるように、アプリケーション開発チームが実現させた基本機能を、システム側が取り込むのがマイクロソフトの通例となっている。アイコン表示やタブもその内、OSの機能として組み込まれるのであろう。Windowsの次バージョンであるChicagoで、タイトルバーの文字列表示が左寄せに変わっても、アプリケーションでは何の変更も必要ない。しかし、タブをサポートするためのは、ユーザ・インタフェースの設計からやり直さなければならない。  Excel5.0のような、3Dの立体感のあるダイアログの作成でも、Windows3.1の開発キット(SDK)を使って実現するには、結構苦労した。それが、VisualC++1.5のMFC2.5には、標準ライブラリとして入っているらしい。VC++1.5にはもっと大切なOLE2対応のクラスライブラリや、ODBCの各種ドライバも入っている。Accessエンジンもロイヤリティなしでアプリケーションに組み込んで使えるのである。開発環境も、いつになく速いペースで改善されつつある。  システム・ソフトウェアや開発言語が、急速に進歩する「過渡期」であるため、プログラマーは勉強の連続になってしまう。過渡期といっても、この状態が21世紀まで続く可能性があり、Windowsソフトウェアを開発しようとしても、どこから、何に手を付けて良いやら分からない状況となりつつある。高級なクラスライブラリやオブジェクト指向OS、Visual Basic for Application(VBA)のような1ランク上��開発ツールの出現など、待てば待つほど、充実した開発環境でプログラミングが行えることが目に見えている。 パソコン・ハードウェア本体の「半年で旧型機」と同じサイクルにシステム・ソフトウェアも突入してしまった。東芝の部長さんが言っていた「最高のダイナブックが欲しければ、死ぬ1日前に買いなさい」というブラックジョークが笑えなくなってきた。 最高の開発環境で仕事をしたければ、死ぬ1日前に着手しなさい」ではプログラマーは誰も笑えない。  開発に着手したプロジェクトでは、更に話は複雑である。  A君は優秀なWindowsプログラマーである。彼は、1年半ほど前に、「これからはC++の時代だ」と一念発起して、マイクロソフトC/C++7.0とクラスライブラリMFC1.0を使って、アプリケーションを作り始めた。半分ほどプログラミングした時点でVisualC++1.0が米国で出荷された。その開発環境の良さやMFC2.0の高級な機能に刺激されて、VC++に開発環境を移行した。MFC1.0は、Win16APIにクラスライブラリの皮を被せただけの簡単なものである。彼はこの上に、独自の高級なクラス構築していたのだが、MFC2.0が見事にそれを葬ってくれた。MFC2.0に合わせて、モジュール構造から作り直すのに6ヵ月ほどを費やした。  そして、今、彼はVC++1.5への移行を真剣に考えている。ソフトウェアを出荷できるのは、いくらがんばっても今年の年末。その頃にはExcel5.0やWord6.0の日本語版も出ているに違いない。「OLE2をサポートしないソフトなんて、みんなに見向きもされないのでは?」と心配している。VC++1.5に付属しているMFC2.5のOLE2サポート機能は魅力である。独自に裸のOLE2をサポートするなど、ひとりでプログラミングを行なっている彼にとっては気の遠くなる話だ。マイクロソフトはMFC2.5でOLE2をサポートするために、2万行ものプログラミングを行なっている。これを使わない手はない。  Win32も気になる。半年も待てば、VC++2.0が出荷されて、32ビットで高速に稼働するアプリケーションが作れるであろう。Win32APIは、マイクロソフトが推奨しており、Macへの道も開かれるので、ぜひとも対応したい。このままVisualC++1.0で開発を続けるか、1.5に乗り換えるか、はた又、2.0まで待とうか。とにかく、MFC2.5のOLE2部分は使うことに決めたようである。  Chicago、Cairo、OLE、ODBC、MAPIなどの登場、そしてVisualC++の立て続けのバージョンアップで、「僕のプログラミング・スピードより、OSや言語の変化の方が、速度が速い」と、彼は嘆いている。今年の終わり頃には、オブジェクト指向OSであるCairoが姿を表わすであろう。すると、Win32APIよりも、はるか上位のプログラムインタフェースがクラスライブラリとして提供されることになる。完璧なソフトウェアを目指す、プログラマーの鑑のようなA君は、Cairoへの対応をすぐに検討するであろう。  こうして、プログラマーとしてA級の技術を持つA君は、プログラミングをやり続け、いつになってもソフトウェアが完成しない「永久プログラマー」となるのである。
永久プログラマー
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rosysnow · 1 month
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かたむいていく
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 意識がくらくらする炎天下、いつもの喫茶店にたどりついた私は、からんころんと響いたドアベルをくぐった。
 ほてった頭や汗ばんだ肌を、クーラーが優しくなだめる。「いらっしゃいませ」と近づいてきたウェイトレスに、「待ち合わせなので、テーブルで」といつも通り答えると、「こちらにどうぞ」とうやうやしく窓際の席に案内される。
「アイスレモンティーお願いします」
「かしこまりました」
 彼女はにっこりして注文を書きつけると、一礼してカウンター内のマスターに注文を伝えにいく。
 窓の向こうを見た。気がふれそうな猛暑が続いている。熱中症警報の中、出かけていく私を家族は心配しているけど、今日もやっぱり来てしまう。
 時刻は十四時を少し過ぎていた。レースカーテン越しに、窓からの日射しは明るい。何度も入口の扉に目をやりながら、彼を待つ。
 この春、私は大学生になった。この機にひとり暮らしを始める友達も多かったけど、私は実家から通っている。時間はかかるものの、乗り換えなしの一本で大学最寄り駅まで行けるのだ。もちろん、大学付近でのひとり暮らしにも少し憧れたけれど、今は勉強に必死で、自活する余裕はなかったと思う。
 ゴールデンウイークが過ぎて、いよいよ授業は本格的になった。その頃から、帰る前に大学のそばのドラッグストアで、ひとつお菓子を買うのが私の秘かな楽しみになった。ドリンクはいつも、紙パックのレモンティー。コンビニで買ったら高いもんね、とレジに向かうと、今日もあのスタッフさんに当たった。
 無愛想ではないけれど、何というか、無気力そうな男の人だ。まだ三十歳にはなっていないと思う。かったるそうな手つきでバーコードを読み取り、お会計を読み上げる声も低い。何も見ていないような目が印象的だ。
 よく雇ってもらえてるなあ、と感じながら、私はお金をはらって、商品の入ったエコバックを肩にかける。「ありがとうございましたー」とやはりやる気のなさそうな声に送り出され、あの人のレジにはあんまり当たりたくないのにと思った。
 今年は、すでに初夏から猛暑日があった。梅雨に入っても、ほとんど雨が降らない。かと思ったら、七月の頭に数日激しい雨が続いて、それが明けると煮えるような真夏が始まった。
 前期の試験が終わった日、結果次第ではすぐに夏休みだなあと私はちょっと浮かれていた。暑さは絡みついてくるけれど、足取りは軽めに、今日は多めにお菓子を買っちゃおうとドラッグストアに立ち寄る。
 狂ったように、蝉の声が空をかきむしっている。焦げつく太陽の下を歩くと、日焼け止めもあえなく、皮膚がひりひり痛くなってくる。お手入れするものも買ったほうがいいかもしれない、と思っていると、ドラッグストアの入口付近にある自販機の隣で、誰かベンチに座っていることに気づいた。
 何も見ていないような目で、視線を放り投げている男の人。
 ……あの人、だよね? ここのレジの人。サボってるのかな。それとも休憩?
 何となく立ち止まって、怪訝を浮かべる私に、彼も気がついた。そして、「あー……どうも」といきなり話しかけてきたので、私は動揺してしまう。
「えっ……と、あ、どうも」
 一応そう答えたものの、それ以上、会話は続かない。彼はまたベンチにもたれて、空中を見上げた。そんなとこ暑いでしょ、と私は首をかしげつつ、気まずいのもあってさっさとドラッグストア店内に踏みこんだ。
 節電で照明暗めの店内から、クーラーがさあっと軆を包みこむ。涼しい、と救われたため息をついて、さっそくお菓子コーナーに行こうとしたときだ。
「え、こんなのあった?」
「使っていいのかな」
 そんな女の子たちの話し声が聞こえて、つられるようにそちらを見た。レジがあったそこには、スーパーでも見かける機械が登場していた。セルフレジだ。
 私は少し考えたあと、お店を出て、男の人のところに引き返した。彼は変わらずそこにいて、ぼんやりしている。私に気づくと、「何も買わないの?」と訊いてくる。私はゆっくり彼に歩み寄ると、その隣に腰をおろした。
「セルフレジに、なってましたね」
「ああ、期待の新星だよ」
「……有人レジは」
「残ってるよ。君、セルフレジ苦手?」
「そういうわけでは」
「じゃ、俺よりいいでしょ」
 私は彼のほうに首を捻じった。
「人員削減で、俺、真っ先にクビ」
「……そうですか」
「今まで、シフトいつでも入れるから、かろうじてつながってたけど。機械が来たら、シフトいつでも入れますとか何でもないよなあ」
 あんまり焦っている様子はない彼を見つめていると、「暑っついなあ……喉渇いた」と彼はあくびまでもらす。
「そこに自販機ありますけど」
「自分をクビにした店の利益にはなりたくない」
「じゃあ、涼しいところ行くとか」
「そうだなあ。君は? このあと予定とか」
「ヒマ……ですけど」
「じゃあ、紅茶がおいしい茶店知ってるから、行こうか」
「えっ」
「若い女の子とお茶してなぐさめられたい」
「………、喫茶店って、近いんですか?」
「駅までの道だよ」
「じゃあ、少しだけ」
「うん」
 彼は伸びをしてから、ベンチを立ち上がった。私も続いて歩き出すと、彼は自然と私の手を取る。伝わった指先の熱に、どきんと心臓が揺らめく。
 彼の背中を見上げた。南中の日射しに、短い黒髪の毛先が透けている。歩幅は広いけど、歩調はゆっくりだ。振り向いて笑みを見せたりはしないけど、私を引っ張るみたいに自分の速さで歩いたりしない。実は気遣える人なのかもしれない。
 ぬるい風が抜けても、軆はすぐに汗ばんでくる。会話がないから、どぎまぎと視線が泳ぐ。つながった手から、細胞が緩くしびれる感じがして、鼓動がざわついて落ち着かない。
 彼が私を連れていったのは、駅まで近道だけど人通りが少なく、私は普段使わない小道にある喫茶店だった。チョコレート色の扉を押し開くと、からんころんとドアベルが響く。
 店内は白が基調で明るかった。壁や天井だけでなく、少ないテーブル席も白い。窓にかかるレースカーテンも白く透け、光が満ちていた。カウンターと床だけ、木製のチョコレート色が出ている。
「いらっしゃいませ」
 ウェイトレスの女の子が歩み寄ってきて、「おふたり様ですか?」と穏やかに微笑む。「うん」と彼が答えると、「こちらにどうぞ」と彼女は窓際の席に案内してくれた。
「君はレモンティーだよね」
 席に着くと、メニューは開かずに、彼はそう問うてきた。認識されてたのか、と何だか恥ずかしくなりながらも、こくりとする。
「俺はクリームソーダ」
 それを聞いて、私はつい小さく噴き出してしまった。「え、何?」ときょとんとした彼に、「何か、かわいいなと思って」と私は正直に答える。「えー……」と彼はメニューに手を伸ばしかけたけど、「やっぱ、クリームソーダ」とウェイトレスに伝える。彼女もちょっとくすりとしつつ、「以上でよろしいですか?」と確認を取ってくれる。
「何か食べる? おごるよ」
「いえ、レモンティーだけで」
「そう。じゃあ、そのふたつで」
「かしこまりました」とウェイトレスはたおやかに微笑み、注文を受けつけて去っていった。それを見送っていると、彼は頬杖をついてつぶやく。
「アイスと炭酸、夏には最高だと思わない?」
「分かるんですけど」
「子供っぽい?」
「そうは言ってないですよ」
「男に『かわいい』って言うのは、そういう意味だよ」
「……そうなんですかね」
「ま、どこで注文しても、確かに言われるんだけどね」
 私は彼の顔を見て、誰に、と訊きかけた。訊かなくても、相手は分かった。頬杖で、彼の左薬指に銀色の光があることに気づいたから。
 彼女、いるんだ。いや、もしかして奥さんかも。
 じゃあ、このお茶にも深い意味はないのか。そう思うと、なぜかしゅんとしぼむような気持ちになる。すると、「どうした?」と彼が顔を覗きこんできた。その顔の近さに肩を揺らしていると、「大丈夫?」と彼は相変わらず表情はあまりないけど、首をかたむける。
「暑い?」
「……暑いですね」
「すぐ注文しちゃったから、お冷や忘れられてるかも。もらってくるよ」
 そう言った彼は立ち上がり、カウンター内のマスターに声をかけた。それを見守って、やっぱり気遣いがある、と思った。高校時代に少しつきあった彼氏なんて、ファミレスでは私にドリンクバーのお水を持ってこさせたっけ。
「はい、これ飲んで」
 彼が持ってきたお冷やを受け取ると、私はひと口飲んだ。ただの水だけど、ひんやりおいしい。「ここは氷がいいから、水でもおいしいでしょ」と席に着いた彼に、思わずうなずいてしまう。
「ここ、よく来るんですか?」
「うん。君と同じかな」
「同じ」
「仕事帰りの癒やし」
「……私、そんな嬉しそうにお菓子買ってましたか」
「そうだね。で、俺がレジだと一瞬眉間に皺寄せるの」
「えっ。そ、そんなことは」
「いいよ、たいていの常連さんがそうだったから」
「………、感じ悪いわけではなかったですよ」
「そう?」
「ただ、やる気なさそうだなあって」
「やる気はなかった」
「顔に出しちゃダメですよ」
「はは。やる気出せって言われるよりいいな」
 初めて咲った彼に、私はまた、胸がざわざわと甘く騒ぐのを感じる。
 それから、レモンティーとクリームソーダをさっきのウェイトレスが運んでくる。お冷やのことを謝られて、私は慌てて首を横に振った。彼の前に置かれたクリームソーダは、よく見かけるメロンでなくオレンジだ。
「オレンジソーダなんですね」
「そうなんだよね。これがまたうまいわけですよ」
 彼はまず濃厚そうなバニラアイスをすくって、口にふくむ。食べるときは、表情があるらしい。すごくおいしそうに食べている。
 私もきらきら鮮やかなレモンティーに、ストローをさして飲んでみた。搾ったばかりらしいレモンが瑞々しい。それに淹れたての紅茶と、蜂蜜が絡みあって、甘酸っぱい味がした。
 一時間ぐらい、ゆっくり涼んで過ごした。ほかのお客さんも、わりあいのんびり過ごしている。
 おごるよ、とは言われたけど、本当に甘えていいのかな。でも、メニューを見ていないから、値段が分からない。これで足りるかなという金額として、私は千円を席を立つ前に出してみた。
 彼はまばたきをしたのち、「名前も知らない男に、お金出しちゃダメだよ」と苦笑した。「じゃあ、お名前教えてください」と私が言う��、「ほんとに気にしないで」と彼はレジに向かってしまう。私は仕方なく千円札を財布にしまって、彼と喫茶店をあとにした。
「ちなみに、蒼一ね」
「えっ」
「俺の名前」
「………、あっ、お金──」
「そういう意味じゃなくて、君の名前は?」
 外の熱気に早くも軆が汗ばむ中、私は彼を見上げて、「清那です、けど」とぎこちなく答える。「清那ちゃんか」と繰り返した彼は、「いつも店でありがとね���と言って、駅とは逆方向に歩き出した。
 送ってくれないのは、そういう意味。
 分かったのに──分かったから、私はその背中に「蒼一さんっ」と声をかけていた。蝉の声の中に反響した私の声に、遠ざかりかけた影法師が止まる。それから、彼はこちらを振り返った。
 いつも、何も見ていないような目をしているくせに。今は、私をくっきり映して、捕らえてくる。
 そのあと、試験には合格して、大学はすぐ夏休みになった。なのに、私は毎日その街におもむいた。蒼一さんに会うためだった。いつも、あの喫茶店でお茶をするだけ。それでもよかった。
 過ごすのは、お昼を食べたあとぐらいの十四時くらいから、日がかたむいてくる十七時まで。真っ白の喫茶店の中では、射してくるオレンジが透けて、夕暮れが始まったのがすぐ分かる。それがお別れの合図だった。
「彼氏はいいの?」なんて蒼一さんは訊かない。私が正直に、「いないよ」と答えるのが分かっているのだろう。彼氏のいない私の責任は、取れないのだ。それ以上に、「彼女はいいの?」と私が問う機会を摘み取っている。
 蒼一さんのシルバーリングに、私が知らないふりをしていること。それに蒼一さんが気づいていないわけがない。
 夕暮れ、懐かしいような色合いのオレンジが、睫毛越しに揺れる。蒼一さんは私を駅には送ることなく、誰かのところに帰っていく。風に混じった夏の香りが頬を撫でた。蝉の声がゆがむように残響している。心で甘く熟していく想いに、私の呼吸はじんわり痛む。
 あっという間に、八月に入った。その日も喫茶店に向かうと、なぜか蒼一さんは、チョコレート色の扉の前にいた。いつもは、先に来たほうは喫茶店の中で待っているのに。少し息を切らし、汗もだいぶ流しているから、私は急いで駆け寄って「暑いよ、入ろう」と声をかけた。
 蒼一さんが私を見る。どきっとする。この人が私を「見る」のは、初めて彼の名前を呼んだあのときだけだったから。
「……何で」
「えっ」
「何で、そんな──」
 私は首をかたむけて、「どうしたの?」と蒼一さんを覗きこんだ。すると、露骨に顔を背けられて、私は少し傷ついてしまう。うつむいて、塗るようになった淡いマニキュアの指先を握りしめる。
 なぜかは分からないけど、蒼一さんがいらいらしているのは伝わってきた。もしかして、今日は早く来て、すごく待っていたのだろうか。でも、連絡先は交換していないから、私に知る術はなかったし──
「何か、怒ってるの?」
「………」
「……熱中症になるよ。とりあえず、冷たいもの飲んで──」
「本気で、そんなこと思ってるの?」
「えっ」
「俺はさ、そんなに純粋じゃないんだよ」
 顔を背けるまま言った、蒼一さんを見上げる。拍子、ぐいっと手をつかまれた。「わっ」と声が出たけど、蒼一さんは構わず私を引っ張っていく。私は慌てて速足になり、それについていく。
 何でだろう。ぜんぜん優しくないのに。不安を感じるより、どきどきしている。
 駅に向かうと、夏休みで混雑する構内を抜けて、裏通りに出た。狭い飲み屋街があって、車道沿いに出る。そこに並んでいるのは、センスがよく分からない変な名前のラブホテルだった。
 その中のひとつに、蒼一さんは躊躇うことなく私を連れこんだ。エレベーターの中で、蒼一さんの顔を盗み見ると、苦しそうにしている。その表情が、不思議と愛しい。私は自然と背伸びをして、蒼一さんの口元にキスをすると、「大丈夫」とささやいた。蒼一さんが何か言いかけたとき、エレベーターが到着する。
 部屋に入ると、蒼一さんは私をベッドに押し倒した。きしんだ音に蒼一さんがかぶさってきて、ついで、息継ぎもないような深いキス。唾液が絡まる音は、蜜が蕩けているみたいだった。胸をまさぐられながら、吐息も素肌もどんどん敏感になる。
 クーラーもつけなくて、室内には熱がこもって空気が湿っていった。ふたりとも汗でどろどろだったけど、構わずにお互い服を脱がしあう。蒼一さんの指が私の脚のあいだに触れた。ただでさえ蒸れていたそこは、下着越しの刺激でも切なく響く。
「……すげー濡れてるね」
 そう言った蒼一さんには、食べているときと同じように表情があった。私の下着を剥ぎ取って、膝をつかんで脚を開いて、愛おしそうに舌ですくってくる。私は思わず声をもらして、すると、蒼一さんはもっと丁寧に私を食べた。
 快感のままに水音がはじける。私の壊れそうな喘ぎが空を彷徨う。蒼一さんはもどかしそうに自分の下着も脱いで、本能のまま張りつめたものをあらわにした。私は焦点の合っていない目でそれを見て、自然と手を伸ばす。
 あったかい。硬い。脈が手のひらに伝わる。
 私は身を起こすと、それにキスを繰り返してから、そっと頬張った。蒼一さんが私の髪をつかみかけ、やめて、梳くように撫でてくれる。しょっぱい、生ものの味がする。舌先で脈をたどると、それはますます太くなって、私は夢中で蒼一さんをむさぼる。
「清那ちゃん」
 名前を呼ばれて、私は蒼一さんに上目遣いで見た。瞳が溶け合って、何も言われていないのに私はうなずく。
 ああ、もうどうだっていいや。
 全部捨てちゃっていい。
 ルールも、理性も、薬指の銀色の光も──
 蒼一さんの軆が軆に重なり、同時に分け入ってくる。奥までつらぬかれて、私は息を震わせて蒼一さんの首にしがみついた。蒼一さんも私の腰を抱いて、ゆっくり引いたもので、ぐっと深く突いてくる。じんじんする核まで響いた刺激に、腰が跳ねて、喘ぎ声が泣きそうになる。
 少しずつ腰遣いが早くなり、私の中で白波が紡がれていく。耳たぶから指先、爪先まで、全身が浮かされたようにほてっている。もう声は節度なく乱れていて、私からも腰をすりつけるように動かす。そして、不意に充血が満ち足りて、オレンジ色みたいなサイダーがはじけた。
 ──それ以来、私と蒼一さんは何度も軆を重ねた。ただの生き物になって、狂おしく求め合った。
 シルバーリングには、いつまでも知らないふりをしていた。だって、こんなの火遊びなんでしょう? 期待したって、私の「恋心」を知ったら、あなたは白けて逃げていく。
 かたむいていく。心が。日射しが。安定が。どんどん、かたむいていく。
 行かないで。もう少しだけ。手をつないでいて。ほどけたりしないで。どうか、このまま……
 しかし、どんなに愛し合うような時間を共にしても、蒼一さんは夕暮れになれば帰っていく。
 ──そう、昨日の別れ際、蒼一さんの様子がどこか違ったわけじゃない。でも、こんな日が来ることは最初から分かっていた。
 喫茶店の中は薄暗くなっていた。時刻を確かめると、十八時だ。ついに今日、蒼一さんは来なかった。そもそも約束なんてしていない。けれど、私のことはこんなふうに簡単に投げ出すんだなと思った。夕刻には、必ず帰っていくくせに。
 ああ、何か嫌だな。こういうの、ダメだな。
 注文したけど、飲まなかったレモンティーのグラスをつかむ。直接、口をつけた。ぬるくてまずかった。
 ……ああ、もう疲れた。
 ぽきんとそう思って、私は唇を噛んだ。いきなりこみあげた涙をこらえる。あの人にかたむいていた心が、あまりにもたやすくもろく、折れる感覚が軆の中に落ちていく。
 レモンティーのグラスから手を引く。日射しもすっかりかたむき、オレンジ色はとっくに色あせて陰っている。私の心も、ゆっくり沈んでいく。
 あんなにまばゆかったのに、暮れてしまった淡くて短い恋に、私は小さなため息をひとつこぼした。
 FIN
【SPECIAL THANKS】 レモンティーとオレンヂソーダ/杉野淳子 『SERIES SINGLE 3/4』収録
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pureegrosburst04 · 2 months
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〜ある意味で闇堕ちの気配〜
ヴァストローデ女子「女の子に瞬殺されたんだってww」 ヴァストローデ女子B「結局可愛いは正義。レディには敵わないって事よwww」
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2人???「………チッ」
廃墟の壁を拳で🤛打ち付ける金持ち
富豪05「ちくしょうちくしょう!違う…違う❗️❗️純粋硬派柱はこんなもんじゃない‼️そうだよなあ、なあ⁉️❗️」メンチース09「もうアチシ達の時代は終わったんよ。こんなぜーたくな悩み拗らせるなら我等が秘伝と思う本家を継いでいきましょうや……」富豪05「俺達は”””あいつ”””の正体が誰なのかも知れねえんだぞ」メンチース09「アチシはもう何も信じられんわ。今でぃ、耳を澄ましてみなっせ」富豪05「??ああ…」 純粋硬派柱の正統後継者はB(バグ)の女の子だってさ〜初代の裏ストボスの霧島04が貴女には敵いません(>_<)と(黄金の真実)で土下座して手続き取ったってww」男子高校生「ツンツンしたクールビューティが好みとか、やっぱカッコ良くてもオタクだよなww」
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ガンケ「なあ…これみろよ、」マイルズモラレス「本物のサイコパスだ」ガンケ「産まれた時点で性病が35種類ある。まず涙に触れるだけでヤバい。ひょっとしたらこの世には存在しない空気感染もあるかも…」
気を落としながら歩く2人とマイルズは出会った 富豪05「ガッカリだ❗️」マイルズ「どうしたの?😉(まさか…ともちんに性病が発症……僕の血液を渡して済むのか?)」メンチース09「霧島04に生きてて欲しかったんよ 本当の事を聞きたいんよ」富豪05「トップの座だけは計算に入れてほしくなかった」涙をこぼす2人
マイルズ「君たちはさ、お馬鹿なんだね😌。日本人🇯🇵もちゃんと優しいんだね人種なんて関係ない(あんなに冷酷な悲劇の始まりで本物の純粋硬派柱を、しかもおぞましい化け物で檻の中で死ぬべきだった絶対悪の頂点に情けをかけるなんて、これならともちんに対する誤解が勝手に解ける やっぱり黙ってようw)」富豪05「ああ、馬鹿だよ(女王アリだの女王バチだの、何も変わってない。善良な人が強いんだ、所詮”””アイツ(ラスボス)”””も女の子が好きだったんだよ……)」マイルズ「は?なんか心の声が聞こえるんだけど(混乱&錯乱)」メンチース09「天才は理解されない、もうアチシが頂点に立ったんよ(黄金の真実)」マイルズ「え?(恐怖)」
〜数分後〜
マイルズ「(ぷーくすくすくすwww)、そ、、それで(笑いを必死に堪えている)、新たなる純粋硬派柱ランキング1位の””””B(バグ)ちゃん””””を崇拝するんだね?🤭」富豪05「時代は昆虫さ。蜘蛛がそうだろ?www」
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マイルズ「そそそ、そうだね。、(思い出し笑いで腹筋が死にかけている) 凄いよ君達。メタボマッチョ関係なく比率で殺すのは最高だ、。」メンチース09「そう、殺す肉の価値は絶対悪の前では平等なんよ」
マイルズモラレス「なら選択肢は決まってるねえ、なんたるシェイクアップ!(ダメだ……僕はもう爆笑してしまう。) じゃあね❗️うんちしたい❗️(大声)❗️」道行く人「何あの人キモ」
〜過去 ある別次元〜
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ペニーワイズ様から知恵の実を貰って食べたゴールドバズーは自殺する準備をしていた。悪夢から目を覚まして全てを悟った 一緒に独占して盗んで食べた総勢500万人は仲間達は”””純粋硬派柱PureEgrosburst04 霧島狩魔(15歳)”””の登場と共に、自分の睾丸を手で壊れた笑いをしながらちぎり取って焼けこげた鉄板の上に乗せて燃えろ汚物燃えろ汚物と唱えて自分の顔が潰れてギリギリ動けなくなるまで全力で殴ってから額から土下座しながら炙って死んだ だって、そっちの方がマシだったから(赤き真実)
富豪05「あなたは神だ、この過去をずっと待ってた」感動の涙をポロポロ溢す金持ちと メンチース09「パトロン、アンタだけは裏切らない。裏切ったバカはアチシの方ですた 神の歴史は永遠だったんよ」どんな酒に溺れて莫大な麻薬に手を出した快楽を超えた笑顔
???(15歳)「ははは。なあ相棒俺の名前が組織のタイトルなんだってさw」???(15歳)「何が純粋硬派柱だよ無価値なゴミ共 くだらねえ」
???(中ボス)「偽物の宝石💎なんて人糞製造機より生きる価値がねえんだからさぁ(真顔)」
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〜数日後〜
マイルズ「こんにちは😃、遊びにきたよ」彼🕷️はやってきてくれた希望
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御茶ヶ滝「シェイク🥤シェイク😊」超電波油「シェイク🍶シェイク😎」アイエフ「こら!良い子にしなさい油💢」御茶ヶ滝「ハーイ٩(^‿^)۶💙」アイエフ「アンタも茶化さない💢 水と油はこんな時こそ反発しなさいよね⁉️」防聖孤島「(そりゃあアイエフさんは俺の物だよ、💙相棒🧡にも譲らねえ🔥)」マイルズモラレス「あははははあははははWWWW」
〜現在〜
超電波油「ともちんの柿の葉寿司をあの大妖怪さん、気に入ってくれたみたいだ」
マイルズ「またお客さん?」御茶ヶ滝「ちょっとね、」ガチャッ 麒麟丸「俺の時代では味わえない美味だったぞ」
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麒麟丸「⇧実はこれ、相当焦っている証拠だ。””””アイエフ(真主人公)””””に殺された(しかも赤き究極の真実を敢えて使わない程の余裕が生む悩みがあった)事で次元に関わる序盤から勇者殺しの負けイベントのみをブチかますコスト含めて常に使える最強の切り札であり、敵を選び一方的に利益を出せるオチャオチャの能力者”””霧島04(裏ストボス)”””を失ったのは決定的な痛手でしかない もうこれからの二次創造世界で続く未来編第一部以降の未来はポップな雰囲気から変わる事はないだろう SS(サディストサイレン)の裏国家は今の所合計で約10人いれば多い方(みなレイドボスで一枚岩ではない)で、対するB(バグ)の家族達は約2509億人(パーティメンバーとしてならHokutoレベルで最強)。そこから総合して導き出された戦力差は約12億5450万倍(この数字の数だけ喉元に鋭い牙が届くと考えていい)、
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しかもTG(トゥルーグランド)の頂点達が絶対悪の味方になるとは俺には到底思えん。鬼門はもう終わっていると見て間違いない。民を導く将として唯一無二を誇る俺の強敵(友)は護ったんだよ “”””誰も勝てない ラオウには(赤き究極の真実””””)」防聖孤島「一つ聞いていいか?」麒麟丸「なんだ?」防聖孤島「選ばれし者として連れて来られた俺達は何だったんだろう?🫨」
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麒麟丸「お前達は守護女神を喜ばせるためのマスコットなんだろう。{{{{{色恋の話題にされない生け贄としての為だけ}}}}}に水と油を手に入れた当事者のアイエフは見事に騙されているが……
正体を知るほどあの下衆でクズで濃汚い表版仮想大鉱山ですら性欲があってくれ色恋に堕ちてくれツンデレに目覚めて下さいかりちゅまが真っ赤な大嘘なんて嫌だと暗黒殺人卿に絶望の涙を流しながら許しを乞い懺悔する”””🏴‍☠️霧島04(裏ストボス)☠️”””みたいにはいかん
あの女共専用の立派に育った甘くておいしい会話ネタの果実🍒がどれだけ力を付けようと、寧ろ必ず食い物にされて終わりだ😳(👇未来)」
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防聖孤島「泡わわわわ(・・;🫧)何するの⁉️俺は第二のレッドピラミッドシングなんだよ(●🍒 ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」周りの女神達「うわ〜なんか言ってる…くすくす…ニヤニヤ…」👈(未来😳by麒麟丸)」
防聖孤島「あの人………そんな…そんな理由で、俺達を異世界に連れてきたのか(そして相棒の正体。ベールさんは倒せない、詰んだ🥶)」ガチャ。 ダンスを踊っているマイルズ「おかえり。一緒に踊ろう😊」防聖孤島「旅に出ます」マイルズ「(全部聴こえてきてた、ご愁傷様)……そ、そうなんだ。」防聖孤島「女性から逃げます」マイルズ「(その思考がもう霧島04と違ってダメなんだよ…)」
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xx86 · 2 years
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地獄で笑って
中学2年生の時、隣のクラスのいじめっ子が不登校になった。私は彼女と小学校も同じで、元々割と仲が良かった。が。何が彼女をそうさせたのかは分からない。つるむ友達が変わったわけでも、悪い先輩に唆されたわけでもない。小学校の頃はさほど目立つタイプではなかった彼女が、中学に上がり、4月はぴったりとくっついて仲良くしていたはずのクラスメイトを6月には不登校にさせ、学年が変わる頃には引越しをせざるを得ないほど追い詰め、楽しそうに笑っていた。ちなみに、私も彼女に調子乗っていると陰で散々悪口を言われ、そのクラスの女子から総スカンをくらったことがある。ウケるライフじゃん、と思った。まあ私の場合クラスも違ったし、仲のいい子もたくさんいたので激しく落ち込んだりはせず、調子乗ったまま1年過ごしたのだけれど。思えばあの頃がいちばんメンタルが強かった気がする。
そんないじめっ子の彼女が不登校になったのは、彼女みたいな成り上がりではなく、根っから体育会系のギャルと2年生で同じクラスになったのが発端だった。ギャルがその彼女を調子乗ってると睨んだらしい。女というのはいくつになっても調子に乗ってる女が嫌いなのだろう。たちまちクラスで孤立し、夏休み明け以降学校に来なくなった。
ふざけんな、と思った。不幸ぶってんじゃねえと。私は、誰かを故意的に不幸に追いやった人間が不幸になるのが許せない。不幸に浸っているのをみると、たまらなく虫唾が走る。自分が散々やってきたことだろ。どうせろくな未来なんて待ってるはずがないんだから、せいぜい不幸なことに気づかないまま一生ちっぽけな幸せの中で他人に鼻で笑われながら生きろ。人の幸せを奪った時点で、不幸になる権利なんてないのだ。悲劇のヒロインぶるなんて許さない。
むかし自分をいじめてた人が、インスタで幸せそうな写真をあげていて腸が煮えくり返るかと思った、みたいな話を聞いたりするけど私は逆だ。全員見れるようなストーリーで黒字にちいちゃな白文字で誰もわかってくれないだのかんだのみみっちく書かれてる方が数倍むかつく。人間になれると思うな。
どうか遠いところで幸せになってほしい、というのは私が好きではない人に抱く感情だ。さすがに手に届く範囲で幸せになって欲しいと言えるほど、聖人君子でもサイコパスでもない。二度と会いたくないし関わりたくもないから不幸だと嘆かず生きててほしい。不幸の声はでかいから離れていても私の耳に届いてしまうので。
人の幸せに対してあまり嫉妬しないのは、むかし取引先のおばあちゃん先生に言われた、素直な人や優しい人が損して見える世の中だけど、ちゃんと帳尻合うように人生は出来ているという言葉をたいせつにしているからなのかもしれない。例え不幸なことがあっても最後に笑うのは絶対私。だって私みっともない生き方なんてしたことない。お天道様に顔向けできない道を歩いたことはない。泥臭く生きてきた。そんな私が不幸なまま死ぬはずないでしょう。宝くじで3億円が5回ぐらい当たってもいい人生だと思っている。
だから私は今日も、明日もせいぜい幸せという顔で笑うのだ。私を恨んでいて、一生会いたくないと思っているかもしれない人のためにも。
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kennak · 8 months
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体の反応と被害感情の処理ができない、情報もない藤森:また、男性の場合には多いと思うんですが、子どもであっても性器を触られたり、いじられたりすると、やっぱり興奮をする、勃起をする、気持ちがいいと感じてしまうこともあります。もうちょっと年齢がいくと、そのことによって射精してしまう。射精そのものは快感なので、自分は快感を持ってしまっているのだからNOではないんじゃないかと思い込んでしまう。本当に嫌だったら、そんなこと起きないんじゃないかと。体の中で快感が走ったとなると罪悪感として残ることで自分が被害者だと言っていいのかどうか悩んでしまいます。石川:体の反応があるからそこを判断基準にしてしまうっていうことですね。藤森:はい。女性の場合でも、性交、レイプされた時に性器がぬれてきたとか、声を上げたとかっていうのは、快感を感じたから同意なのだと裁判で争われたことがあります。体が快感を感じて射精してしまう、オルガスムスを感じるっていうことと、同意をしていないセックスをしたことは全く別問題なんだ、といったことを多くの人が知らないし、誤解を与えやすいのだろうと思います。特に幼いお子さんたちだったら、そう思ってしまう可能性はあります。今回のことは裁判にはなっていないので、どういう被害を受けたか詳細にはわかりません。報道されている被害内容は僕のと違う、僕の体験はここまでなんだけど、どうなんだろう、と悩んでらっしゃる方も実はいるのではないでしょうか。石川:曖昧だから余計によくわからず、1人で抱え込んでしまう。重要なのにわからないから憶測が流れてしまう。お話を聞いていると、やはりきちんとした被害実態の調査こそが救済につながると感じます。グルーミングは被害認識を持ちにくい石川:先ほど「支配と服従」についての話がありました。BBCの報道では、「グルーミング」という言葉が使われていました。似ているのでしょうか。藤森:似ていますがやや違います。対等な関係じゃない形で支配をする、精神的に縛ってしまっているという意味では同じです。グルーミングは毛繕いという意味が語源ですから、世話好き、ケアをするイメージで優しいアプローチです。よしよしをするとか、プレゼントをするとか、美辞麗句を言う、おいしい話をしていく。被害者の方たちの弱み、飢えている子を目がけて使うのでとても効果があります。支配されている側はとても優しい言葉を言われるので、私を愛しているんだ、好きなんだ、目をかけてくれているんだ、と思うのです。性被害というと、無理やり衣服を引き剥がされて、押し倒されて、けがをするようなレイプっていうのを想像しがちですけれどもそれとは異なります。���従と支配の中には、支配側が脅す、他に言うよ、親に言うよ、このことをばらすと君はもうここにはいられないよ、といった形になります。石川:グルーミングは、支配と服従の関係よりも被害意識を持ちにくいということですね。藤森:そうですね。なかなかそこから目が覚めないので、裁判でも、子どもはその人のことを好きだとか、愛しているとか、嫌じゃなかったと言う場合も往々にしてあります。法律では13歳以上になっていないから駄目なんだよ*2、と言っても、被害者意識がなかなか湧いてこない。裁判が終わって1年以上過ぎてから、やっぱりすごくあれは変だったとか、嫌だったっていうのがわかってきたりします。石川:元ジャニーズの方々は、事務所を出てから10年以上経っているのに、今も好きだとか感謝していると言っています。グルーミング効果が続いているのでしょうか。あるいは被害よりも得たメリットが大きいからなのでしょうか。藤森:かもしれないですし、あるいは、嫌だった、気持ち悪かった、屈辱的だった、何も知らなかった無垢(むく)な子ども時代を返してほしい、そういう気持ちを持っていいんだ、ということが保証されていないから言えないのかもしれません。ジャニーさんが嫌じゃなかった、感謝していると語っている報道を聞くと、余計に言いづらいのかもしれません。もしくは、さっき言ったように快感を持ってしまっていた自分をどう処理していいかわからない、嫌だっていうことを言っていいのかどうか今も悩んでいるかもしれません。本当に整理できているかどうかはわからない気がします。性被害の問題って死ぬまで抱えてらっしゃる方が多いので。人生の後半になって出てくることも珍しくはないのです。今は症状や気持ちが揺れたり、増悪したり。押し込めているかもしれないですよね。石川:被害を安心して語れる場を用意することが重要になるのですね。相談窓口を用意して待っているだけでは足らないように感じます。積極的に調査をする必要がありそうです。
ジャニーズ性加害事件の背景と被害者支援 「子どもへの性暴力」著者が語る(石川慶子) - エキスパート - Yahoo!ニュース
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bastei · 1 year
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2022
夢を見るには眠すぎる
 目が覚めると外は一面の雪景色に変貌していた。「すごいって、早く会社行って雪かきした方がいいよ」と妻がいう。もう少しだけ布団の中でグダつきたい。隣で寝ている息子の顔を眺めていたいけれども、妻のいうようにぐちゃぐちゃになった顧客用の駐車場のことを考えると、もう嫌な気持ちでいっぱいになった。この季節は全部マイナスからスタートしていくのが嫌だ。たとえプラマイゼロまで持って行っても、くだらない書類の空白を埋めていかなければならない。寝息を立てている息子のさらに隣で寝ている娘の顔を覗き込むと、私に気づいて信じられないくらい笑顔で笑っている。妻は先に目を覚ましており、蛍光灯もつけず私のお弁当を作っていた。これから始まる絶望的な季節、金にならない労働が幾分か頭をよぎっているようだった。だいたいこの時期になれば”こんにちは、雪です。一年ぶりですね”といった具合に簡単な挨拶にくるものだったから油断していた。”あー降ってきやがったなー”と思った翌日には、特殊作戦群が扉の前に"ステンバーイ…"と待ち構えていた。
繋がりとか縁とか言うとちょっと恥ずかしい
 ここに集まった人みんなは"何かのご縁"で集まっていると思います。今日を迎えるにあたって、僕とイトーくんの縁はなんだろうと考えました。出身も違えば大学も学部も違うし、サークルも違うし、仕事も趣味も多分違うし、多分国籍が一緒くらいなもんで、たまたま今から10年以上前にいった神楽坂の竹子——ほんとうにひどい飲み屋ですよ——の一角でたまたま隣のテーブルに座っていて、たまたま私の元カノの友達——それも2、3回しか会ったことなかったんですよ——といっしょにいて、酔った勢いで話しかけてみて、そのまま仲良くなるという縁が、ここまでずっと残るとはあの時思わなかったです。今になってみれば何であの飲み会行ったかも、逆になんで自分があの飲み会誘われたかも今ではよくわかんないし、もうすこし気持ちが乗らなかったら外に出なかったかもなーとか、竹子のビールがもう100円高くて上等なものだったらあそこまで酔っ払ってなかったかもなーとか、その後なんとなく皆んなで東京タワーまで歩く気分にもなってなかったかもしれないです。なんというか僕はラッキーだなーと思ったんです。
 そうして思い返していると、一緒にいると楽しいかもとか面白いことがことが起こるかもしれないという予感のようなものが縁だったのかなーと思うのです。よくわからん人付き合いには、ふわふわと縁なんて言ってヘラヘラ誤魔化してしまうんですけど、今日はもう少しだけ踏み込んでみるとあの時確かに"いい予感がした"んだって、やっぱり楽しいそうだなって予感が、あの時したんだと思います。みなさんも、お二人も、きっとそうじゃありませんか。
 そして、その元カノの友達はイトーくんと飲んだくれているうちに、今では直接の大事な友達として、今日まで仲良くしています。彼女はいまロンドンにいて、ここに来ることができませんでしたが、手紙をいただいておりますので、代読させていただきます。
Hからの手紙を読む
 結びになりますが、今日はお招きいただきありがとうございます。奥様とは今日初めてお会いしますが、二人が本当に愛し合っていることが身にしみてわかって、すごく嬉しいです。イトーくんをよろしくお願いします。今日は李賀のように飲みすぎるなと妻から釘を打ち込まれておりますが、たくさんお酒を飲んで、仲良くなって楽しい気持ちで帰りましょう。こんにちの縁が、美しい予感が、ずっと続くことを祈念しまして、お祝いのあいさつとさせていただきます。
手紙の中で語られた、昔イトーくんが酩酊状態で突如として朗読した李賀の漢詩
琉璃鍾 琥珀濃 小槽酒滴眞珠紅 烹龍炮鳳玉脂泣 羅幃繍幕囲香風 吹龍笛 撃鼉鼓 細腰舞 況是青春日將暮 桃花乱落如紅雨 勧君終日酩酊醉 酒不到劉伶墳上土
ガラスの杯は濃い瑠璃色に輝いている。 小さな桶から酒が滴って紅の真珠のようだ。 龍を煮、鳳を包み焼きすると、玉の脂がジュージューと泣くようにこぼれる。薄絹の帳と刺繍した幕にいる囲まれた中に、かぐわしい風がそよぐ。 龍の笛を鳴らし、ワニ皮の太鼓を打ち、白く美しい歯の美女が歌い、細い腰をくねらせて舞う。まして春だ。日はまさに暮れようとしている。桃の花は乱れ散り、紅の雨のよう。 君に勧める。一日中、ぐてんぐてんに酔いたまえ。かの劉伶でさえ、墓にまで酒を持ってはいけなかったのだ!
今年生まれてきた娘についてのごく個人的な考察
 兄妹そろって妻寄りの顔つきなので、3人並んでいると本当にそっくりだなーと思う。加えていえば、妻は3つ子なのでこの世に似ている顔が6つあることになる。ややこしい。
じゃがいもについて
「ねえ僕は実はさ、じゃがいもってあんまり好きじゃないんだ」
「えっ?! どういうこと?? 私むしろ入れるようにしてたんだよ?お腹いっぱいになるかなって思って、それも結婚してから5年もたってるのよ?本気で言ってるの?」
「そうなんだよ、そこなんだよ、だっておなかいっぱいになっちゃうじゃないか。それだけでおなかいっぱいになっちゃうのが僕はダメだったんだよ実は」
「飢饉かよって思ってしまうんだ。いや、フライドポテトとかは別になんともないし、なんというかコロッケとかはむしろ好きなんだ」
「めんどくせー男だなオメーは。むしろなんにでも入れてたわ。これでもかってくらい」
「汁物に入っているやつが、なんか違うなってなっちゃう。いや、食べるよ別に、なんていうか食べれないわけじゃないんだ」
「同じコストでいろんなもの食べたいんだよ。人参とか玉ねぎとかは同じ量食ってもお腹いっぱいにならないでしょう?他のものも食べれるわけよ、米とか」
「ところがじゃがいもってマジでお腹いっぱいになるじゃん。さっき道の駅で買った郷土料理の汁物のなかに死ぬほどじゃがいも入っててさ、これじゃあじゃがいもじゃんって思っちゃって最低だったマジ。それでやっと気がついたっていうかさ、じゃがいもそんなに好きじゃないって。好き嫌い殆どないからさーあんまり考えたことなかったんだよ。いままで。そもそも山菜汁にじゃがいもいれてくるあたりセンスないよ。あの店潰れるぞ。僕は山菜が食べたいよ」
「ポトフはよく食べるじゃん」
「ポトフはギリギリ許せる。味がするから。嫌いなわけじゃないんよ、普通に食べるし」
「めんどくせー男だなーーーマジで」
「カレーは?」
「カレーはじゃがいもっていうかカレーだからイケるな」
「5年も真顔で好きでもないじゃがいも食べるのやばいって」
「そういうの早くいってよ」
今年買って買ってよかったもの
小型のマッサージガン マツダのcx-5(ディーゼル4WD) デスストランディング(いまさらプレイして最高傑作だった)
この記事は2022 Advent Calendar 2022の5日目として作成されました。前日は nobokoさん、明日はまとさん⭐️🇶🇦さんです。
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jako-jako · 2 years
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「彼が会いに来ない理由」 
「彼が会いに来ない理由」
Why he doesn't come to see me.
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ーChapter1
時刻は午前7時。
暗い部屋の中。一際青い光を放つPC画面の前、無精髭を生やした男が疲労感を露わに椅子にもたれかかっている。ホブ・ガドリングは窓の隙間から差し込んでくる冬の朝日に目を細めていた。重い体を引きずりキッチンに向かったホブは棚からマグカップを取り出しコーヒーを淹れるための湯を沸かす。大学で使用する資料の作成や担当する生徒たちの課題の採点、その他雑務を全て終わらせた彼は霞んだ目を擦りながらポットの湯をマグカップに注いだ。
(結局こんな時間になるまで作業してしまうとはな…)
苦味の強いコーヒーを胃に流し込みながらホブは心の中で呆れたようにそう呟く。今は、ゆっくり眠る気になれなかった。というよりベッドに横になり眠るまでの、あの時間が訪れるのが嫌だったのだ。ここ最近、その時間になるといつも同じことばかり考えて心が沈んでしまう。ホブを悩ませている原因は、彼のとある“友人”だった。
彼とは知り合ってから600年以上が経つ。不死身になってから数え切れないほどの人と出会い別れてきた、そして自分が存在し続ける限りこれからも同じことを繰り返すのだろう。だが彼だけは、100年という月日が経つたびいつも変わらぬ様子で目の前に現れてくれた。最初は、その存在の奇妙さに戸惑いを隠せなかったが、そんな彼がいつしか自分にとって安心できる居場所となっていた。彼だけはこのホブ・ガドリングという人間を知ってくれているのだと、この自由で孤独な不死身の男がありのままで過ごせる相手なのだと、そんなことを心のどこかで感じていたのだ。だが、そんな彼との交流は1889年を最後に一度パタリと途切れてしまっていた。原因は実のところ自分にはとんと関係のない事柄だったことがつい最近判明した。しかしここ1世紀ほど自分のせいだと思っていた。それはひょんな一言、側から見れば喧嘩に発展するとは思えない一言だ。だが彼の性格を考えればそれは怒らせるのに十分なものだったと会えないショックを抱えたホブはずっと反省していた。そんな思いを抱えながら、いつ現れるのかわからない、もしかするともう現れないかもしれない彼を来る日も来る日も待ち続けていたのだ。
そして数ヶ月前、まだ夏の暑さが身に張り付く8月の頃。微かな希望を胸に日々を過ごしていたホブの前に彼はついに現れてくれた。やはり変わらぬ様子で、しかし以前よりどこか温かみのある表情と、そして彼の口から出る“友人”という言葉がホブの心を温かく包み込んでくれた。自分がどれほど幸せな気分だったか、この先忘れることはないだろう。
ビールを1杯注文して乾杯をしたあと、彼は落ち着いた声で600年来の友人に向けて初めての自己紹介をした。
彼の名前はモルフェウス。エンドレスのドリームという存在で、夢の王国「ドリーミング」の支配者。そこは眠りの先にあるもう1つの世界で、人間の心の奥底が具現化された夢の世界だそう。彼はドリーミングの王として、人々の夢やそれに関連する全てのものに関して支配力を持っている。目覚めると忘れてしまうが自分達人間は夢の中で彼に会っている者もおり、彼が初対面のホブの名を知っていたのはそういうことだった。そして100年ほど前に起きていた嗜眠性脳炎の騒動、あれは人間が彼を捕縛・監禁したことで彼が王としての責務を果たせなかった結果引き起こされていた。彼がホブとの約束に来られなかったのもこれが原因だったのだ。目の前の友人が概念の擬人化だという事実にはかなり驚いた。しかしそれ以上に、その友人が100年以上もの間、自由と尊厳を奪われ孤独な日々を送っていたというショックにホブはしばらくの間言葉が出なかった。
淡々と自分の素性について話した後、黙り込んでしまったホブを前にモルフェウスは不思議そうにその様子を伺っていた。それに気づいたホブは何か言わなくては、と回らぬ頭を必死に動かした。彼にかけたい言葉はたくさんあれど、今何を伝えたいか…わずか数秒の間、脳内でぴったりな言葉を探し回った結果ホブの口から出たのは
「…ハグしていいか?」
お前は本当に600年以上生きてきたのか?時々そう自分を疑いたくなる。これだけ生きているのだからもっとマシな言葉の引き出しがなかったのか、と呆れるが時すでに遅し。口から出てしまった言葉はもうどうしようもない。前にも同じような失敗をして痛い目にあったのにまたもや俺は…と嘆きたくなる気持ちを今は抑え、恐る恐る向かい側に視線を向けるとそこには意外な光景があった。困惑の表情を浮かべたモルフェウスが、少し戸惑いながらもこう言ったのだ。
「あぁ…別に、構わないが」
無言でスルーされるか、奇怪な視線を向けられると思っていたから、受け入れられたのは驚きだった。
少し安堵の表情を浮かべたホブは、ゆっくりと席を立って向かいに座るモルフェウスの側に向かった。
「待て、今ここでするのか?」
「えっ、あっ…ダメか?」
まだ俺の頭は回っていないらしい。ハグしていいと言われたからと言って、この内気で物静かな、目立つことが好きだとは到底思えない彼が昼間の酒場でハグなどハードルの高い話だろう。彼にそんなフランクさがないことはこれまでの経験からも明らかだった。ハグを受け入れられたことに心が弾んでつい思考より行動が先をいってしまった。
「そ、そうだよな。すまなかった、君にハグしていいって言われると思ってなかったから嬉しくてつい。じゃあまた別の機会にでも…」
「別にダメとは言ってない。少しその、確認しただけだ…」
「えっ?」
そそくさと席に戻ろうとしていたホブは驚いて振り返った。そう言ってそっぽを向く彼はいつもと同じ静かで冷たい雰囲気を纏っているが、その耳が少し赤みを帯びていることをホブは見逃さなかった。
「そんなところで突っ立っていては目立つぞ」
至って冷静なモルフェウスの声にハッとする。以前と変わらぬ、ミステリアスで孤高な雰囲気を纏う彼。だが、どこか…少し丸くなって戻ってきた彼にホブはすっかりペースを乱されていた。
「そう、だな。じゃあ…」
ホブは改めてモルフェウスと向かい合い、席に座る彼に合わせて少し身を屈めた後そっと腕を回した。雪のように白い肌から温かみを感じる。
捕らえられていた間、彼はどれほど苦しい思いをしたのだろうか。100年以上もの間監禁される苦痛は想像を絶するものだろう。自身も魔女と疑われ捕らえられた経験のあるホブにとってはなおさらそう感じられた。自由と尊厳を失い、自分の居場所にも戻れず、大切な存在を奪われ、悲しみと憎しみを抱えた続けた彼を思うだけで胸が張り裂けそうだった。無意識に抱きしめる力が強くなる。
「本当に、戻ってきてくれてよかった」
ふと口から出た言葉。きっとこれが自分が本当に伝えたい言葉なのだろう。
「本当に無事でよかった」
「身体は、大丈夫か?」
「今は、辛い思いをしてないか?」
「自分の国にはその後戻れた?」
「ちゃんと眠れてる?」
「ご飯も食べてるか?」
彼を抱きしめて、温もりを感じて、ホブの中からゆっくりと言葉が溢れ出てきた。
そんなホブの様子に、最初は緊張していたモルフェウスの表情も緩んでいた。1つ1つの問いかけにただ「あぁ」と頷く。どこか安心した表情で、柔らかな声色で。ただ最後の問いかけに関しては例外だが。
「食べれてないのかッ?」
突然身を起こし心配した顔でそう言うホブにモルフェウスはくすくすと笑った。
「私は人間のように食事をせずとも大丈夫だ。それに元々、そんな食事を好むタイプではないしな。全く食べない訳ではないが。」
「まぁ確かに、君と会い始めて以来1度たりとも食事をしているのを見た試しはないが…。でも、今日ぐらい好きなもんを好きなだけ食べよう、俺が全部奢る!あれだ、17世紀に君に奢ってもらっただろう、そのお返しに!」
「だがそう言われてもな、好きなものか…。ホブの好きなメニューは何だ?」
「えっ、俺の好きなメニューか?あるけど、自分のじゃなくていいのか…?」
「私は特に好きな食べ物というものが思いつかないし、それにこの店のメニューもよく知らない。君はここでずっと私のことを待ってくれていた、ならどんなメニューがあるか詳しいんじゃないのか?」
「そうだな、メニュー表を見なくてもなにがあるか分かるぞ。なんたってかなりの常連だからな。」
「なら決まりだ、君のおすすめのメニューを頼もう。久しぶりの食事だ、せっかくだし君の好きなものを私も食べてみたい。」
笑顔を浮かべながら話すモルフェウスにほっとしたホブは、席に戻るなりメニュー表を開いて「この店はこれが美味い」「この料理はこの酒と合う」「あれは昔に比べて少し味が変わった」と楽しげに話し続けた。ときどき、穏やかな顔でこちらを見つめるモルフェウスにドキッとしながら。
―――
午後7時、窓の外には夕焼け空が広がっている。テーブルの上は綺麗に平らげられた料理の皿と空になった何杯かのグラスで埋まっていた。100年以上の空白を埋めるように2人はいろんなことを語り合った。今までと変わらずホブが喋っていることが多いが、モルフェウスが自分のことについて教えてくれるようになり自ずと彼からも多くの話が聞けたことは嬉しい変化だった。
でもまだまだ話し足りない、もっと一緒に酒を飲みながら他愛もない話を続けていたい。彼との楽しい時間はあっという間で、ホブはこの時間に終わりが来ることを考えたくなかった。今日が終わればまた100年後。その100年はなんだか今までよりも長く、途方もない時間に思えた。
「そろそろ出よう。」
モルフェウスの一言で我に帰ったホブは少し重たくなった心を隠すように明るく返事をし、会計を済ませて店を出た。
夕焼け空は一層色を濃くし、遠くの方には星がちらちらと見え隠れしている。ホブは名残惜しさを隠すように笑顔を作り、隣を歩く彼に話しかけた。
「今日はありがとう、君が会いに来てくれて本当に嬉しかった。もしかしたらもう会えないかもなんて少し思ってたから。」
「私こそ…本当に感謝している。君が私を待ってくれていたからこそ、こうして会うことができたのだから。」
「これで酒を飲み続ける日々もおしまいだ。まぁそれはそれで寂しいけど。」
「あれだけ飲んだのにまだ飲み足りないというのか、ホブ・ガドリング。」
そう微笑んでこちらを向くモルフェウスに、なんだかとても寂しい気持ちになった。たらふく飲んだ酒も全部抜けてシラフに戻りそうだ。あぁ、まだ飲み足りないよ。本当は酒を片手にもっと君の話を聞いていたい。そんなことを考えながら「そうかもな」と軽く返事をするホブは、隣にいたはずの友人が後ろで立ち止まっていることに気づいた。
「どうした?モルフェウス」
彼は黙って歩道の片隅に視線を落としている。酒で少し赤くなった顔が沈みかけの夕日に照らされる。握り拳を撫でるようにモゾモゾと親指を動かし、何か言いたげな様子だった。ホブが歩み寄ろうとした時、彼はこちらを向いてゆっくりと口を開いた。
「また、会えないか?その…100年後ではなくもっと近い日に」
一瞬2人の間に時間が止まったかのようにも思える静寂が訪れた。ホブは踏み出した片足をそのまま、大きな目をぱちくりさせて今起きたことに驚きを隠せない様子だった。彼からの突然の提案、これはつまりホブが彼にもっと会いたいと思うように、彼もホブに対してそう思ってくれているというなによりの証拠だった。今日の彼には驚かされてばかりである。だが、こんな嬉しい驚きならいくらでも大歓迎だった。
居た堪れなくなったモルフェウスが目を逸らす前にホブは彼の側まで駆け寄って、彼の手を優しく掴んだ。
「あぁ、会おう!俺ももっと君に会いたい、まだまだ話したいことや一緒に飲みたい酒がたくさんあるんだ。次はいつにしようか…!」
ホブは満面の笑みでそう答えた。さっきまで沈み込んでいた心は、いつしかふわふわと宙を舞っているように軽く感じた。
「そうか…」
夕日に照らされたホブの笑顔を見てモルフェウスはほっとしたように呟く。
「私はいつでも大丈夫だ、君が来れる時でいい。」
「んん〜ならどうしようか…平日の夜は空いてるけど、大学の仕事が長引いたりする日もあるからなぁ。やっぱり休日の方がゆっくり会えるかな。」
「ではそうしよう。」
「どのぐらい先にしようか、そこ大事だよな…」
「さっき酒場で今月一杯は仕事が忙しいと話していただろう。それならば来月はどうだ?」
「んん、そうだな…!そうしよう!じゃあ来月初めの日曜日に。」
「わかった。では、またその日に。」
そう言うと彼の真っ黒のコートが風になびき、本来の形が崩れて周囲に散っていく。彼にどんな能力があるのか詳しくは知らないが、きっと“ドリーミング”に帰ろうとしているのだろう。別れの寂しさは、ひと月後の約束の喜びにかき消されていた。
「今日は楽しかった、おやすみモルフェウス。」
砂のように舞う黒に彼がかき消される前、ホブは柔らかな声でそう呟いた。その声が彼に届いていたのかはっきりとは分からない。だが、消える直前に見えた少し照れくさそうな顔はきっと見間違えではないだろう。
「100年に1度が、ひと月に1度か…」
―あとがき
「彼が会いに来ない理由」Chapter1を読んで下さりありがとうございました!
Chapter1〜5で構成されているこのお話、今回は2人が1月後に会う約束をしたところまでになっています。ドラマ第6話ではTHE NEW INNで出会った場面で2人の話は一旦終了しましたが、その後を妄想して自由に書いてみました。今までは100年ごとの飲み会でしたが、本編でもこれを機にもっとたくさん会って欲しいですね。
初の文章での二次創作、初めてのことで色々と試行錯誤しながらのチャレンジでした。もし楽しんでいただけていたら、とても嬉しいです☺️🙏
さて、次回はどんな飲み会になるのでしょう、そしてその後2人にはどのような展開が待っているのでしょうか。お楽しみ!
Chapter2はこちら↓
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exciting-funeke · 6 months
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ゲームメモ:常世ノ塔
半分くらいこのゲームのことを理解した気がするのでいろいろ文章にしました 非常に自己満
※注意
・ネタバレ(注意って言うほどでもないけどラスボスの情報を含むので)
・チュートリアル以外で忌火ちゃんしか使ったことありません(半分くらい理解したとは?)僕が一番忌火ちゃんをうまく使えるんだ…!
・『登頂』よりも『スコア』を重視して記載しています
・だいたい主観です
・おもくそ長文
『スコアの伸ばし方』について
登頂したことある人なら分かると思うんですけど、普通に道中ちょいちょい被弾しつつ進んで、普通にラスボスを倒してもおよそ15万程度のスコアにしかならないんですよね
では、ランキングに載ってるスコア20万とか50万とかはどうやって実現しているのか?
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画像左の表記が階層毎に計算されるスコアです
上から順に簡単に説明すると、
【突破した階層で取得したコインと、それによる基礎スコア】
×【階層の高さに比例した倍率】
×【その階層をノーダメージで突破したボーナス】
×【その階層のコインを全て取得したボーナス】
×【チェインボーナス(以下『連鎖』と表記)】
=【その階層の合計スコア】
となります
ここで非常に重要なのが『連鎖』で、そもそも『連鎖』が起こる条件が、「その階層をノーダメージかつ、その階層のコインを全て取得して突破する」という感じなんですよね
要はノーダメでコイン全部集めながらひたすら登っていくことでどんどん連鎖させて、トンデモ高倍率をスコアに掛けていけば自ずと50万とかも見えてくるってことです(できるとは言ってない(26万までは行けました
アーティファクト評
【超当たり】
反物質 : フロアを切り替えるとMPが回復する
登頂目的でもスコア目的でも非常に強力。単純にスキルが早く回るようになるので便利で強い。反物質が豊作な日は道中の快適度が増す。こんなんなんぼあってもいいですからね。
【大当たり】
しあわせハニワ : 人型の敵を倒す��カルマが回復する
このゲーム、「人型の敵」の範囲が非常に広く、人型っぽかったら大体の敵に適用されるので予想以上にカルマ管理が楽になる(実はボスも「人型の敵」判定である)特に2個以上積むことができた時に効果を実感しやすい。いぶし銀。
世界樹の一滴 : フロアを切り替えるとHPが回復する
普通に登頂目的なら最強の一角に君臨する強力なアーティファクトだが、「スコア理論値」を目指す場合は不要で、「高スコア」を目指す場合もやや優先度は落ちるので超当たりには入れてない。それでも変なアーティファクトを拾うくらいならこれの方がありがたい。
陰陽の式神 : スキル発動で式神を召喚する
菊理のスキルの簡易版。ダメージは高くない。
特に忌火、ココア、カナエ等のスキルの射程がある程度制限されるキャラを使用する時に重宝される。このゲームのボス戦は"どのくらいダメージを与えるか"ではなく"何回ダメージを与えるか"という仕様なので、本来射程外にいるボスに対して遠距離から攻撃を命中させることができる。つまりこのアーティファクトに関しては『1つでも所持していること』が重要である。(シッポや菊理を使用している時でも微力ながら単純に火力が強化されるので悪くない選択肢ではある)
【当たり】
マッハダッシュモーター : 足が早くなる
限りなく大当たり寄りの当たり。身体強化アーティファクトなので純粋に弾を避けやすくなるが、複数個積むと操作感がもはや別物になるので注意。
ハイピュリアの羽 : ジャンプ力が上がる
マッハダッシュモーターと大体同じ。
温かい桃 : カルマの下がり値が大きくなる
階層を跨ぐ際のカルマ減少量が多くなり、単純にカルマ管理に貢献する。複数個積むことができた場合はそこそこ頼もしく感じられるだろう。
魔法の招き猫 : コインを取ると確率でMPが回復する
MP回復が割と低確率なので安定はしないが、上手いこと発動すれば恩恵は感じられるし複数個積むことができれば運ゲーは多少マシになるというもの。
ニコールの壺 : 体力回復アイテムの効果が上がる
普通の登頂目的ならもう一段階優先度は上がる。ハートだけでなく休憩所の飲み物にも適用されるので案外発動箇所は多い。
ヴァンパイアの古刀 : 人型の敵を倒すとHPが回復する
普通の登頂目的ならもう一段落優先度は上がる。前述の通り「人型の敵」の範囲が広いのでその分発動する機会も多くなるだろう。
まじかるステッキ : スキルの威力が上がる
割と地味だが忌火や菊理等やや低火力なキャラを使う場合は雑魚処理の速度が少し早くなる。ボスに対する攻撃には適用されないので、確定数が変わるなどには期待しない方がいい。
【微妙】
百科事典 : ダメージを確率で5分の1に抑える
わりと低確率発動なうえ、スコア目的であればそもそも被弾したくないのでここでは微妙とさせて頂きたい。発動さえするなら登頂目的では心強い。
死ねないホタル : 暗闇で見える領域が拡がる
死"な"ないではなく死"ね"ないので実はかなり業が深い。性能はというと、暗闇下に於いて視野が少し広くなるという結構地味で限定的なものとなっている。役に立たない訳ではないが拾って嬉しいかと言われると……
淫魔の残り香 : 状態異常を短くする
完全に私の意見だが、状態異常攻撃なんてモノはスコア的にも登頂的にもそもそも喰らいたくないので喰らった上での微妙なアフターケアしかできないこのアーティファクトをあんまり強いと思っていない。確かに魅了や出血という厄介な状態異常への対抗策としては良いのかもしれないが。
奇妙な蛹 : 無敵時間が長くなる
効果自体は悪くないがダメージを喰らって初めて発動するアーティファクトなのでそこをあまり評価していない。二次被害防止にはなるだろうか。
名刀カネサダ : ダメージを受けると妖刀を召喚する
あまりにも受動的なダメージソース故にあんまり評価していない。ボスにも効かない。威力自体は高いので、HPが多いドラゴンなんかにはまあまあ有効かもしれない。
【いらない】
刺客の下駄 : トゲのダメージを軽減する。
確かに25ダメージも喰らってしまうトゲのダメージを抑えられるのは優秀なのだが、そもそもトゲなんて喰らいたくないし喰らってられないという話である。
ブラックダイヤ : HPが20以下になるとMP回復速度が上がる
所謂「火事場力」。モンハンとかフロムゲーで一部の変態玄人が好んで使う系統の能力でポテンシャル自体は高いが、スコア目的ならそもそも被弾してはいけないし、登頂目的にしてもあまりにリスクリターンが噛み合わなすぎであるのだが、RTAという限られた戦場に於いては最強のアーティファクトと化す。
エネミー評
ドラゴン【厄介度:上】
飛行、壁貫通、前方広範囲攻撃、高HPという厄介のハッピーセットである。冷静に対処すれば意外となんとかなるが、狭いところや複雑な地形で来られると非常にめんどくさい。大人しくスキルを切るが吉。
雪女【厄介度:上】
通常種はさほど強くないが上位種がヤバすぎる。十字型またはクロス型に放たれる氷結は地形によっては詰みかねない。上位種を射程圏内に収める算段があるならば、即スキルを切るべき。
ヴァンパイア【厄介度:上】
厄介な状態異常である出血を付与してくる。飛ばしてくる麻痺弾の弾速が結構早く、油断していると被弾しやすい。特に避けやすい地形でもない限りスキルを切って対処することを推奨する。
スキュラ【厄介度:極悪〜中】
個人的に環境依存で厄介度の上下が一番激しい敵だと感じている。暗闇下で遥か上空から墨玉で爆撃してくるスキュラはもはや存在するだけでそのルートを回避したくなるレベル。明るく平坦な地形だと割と対処は容易。
バニー【厄介度:上〜中】
一見挙動が読みにくいが、観察してみるとパターン化されておりジャンプのタイミングは読みやすい。なんだかんだ攻撃範囲が広く、喰らうと状態異常でジャンプが止まらなくなり甚大な二次被害を産むことがあるので、配置によってはスキルでの対処を推奨する。
メイドサキュバス【厄介度:上〜中】
わりと序盤から出てくる。ゲーム内テキストに突進方向は読みやすく回避は難しくない的な感じで書かれているが、それはそれとしてあまりにしつこいので大抵スキルを切らされる。
くのいち【厄介度:中】
くのいちの下を通る時にクナイを投げてくる。意外と避けやすいが、ステージギミックと相まってなかなかに厄介な場合がある。
ハーフオーク【厄介度:中】
もはや破壊可能なステージギミックである。冷静になれば鉄球の回避はさほど難しくないが、大抵他の厄介な要素と一緒に現れるので、結局スキルの錆になってもらう場合が多い。
ウィザード【厄介度:中】
単純に自機狙いのリングを飛ばしてくるので厄介。回避は容易だが、他の脅威に対処しながらウィザードに相対すると思わぬ事故に繋がるので注意されたし。
サキュバス【厄介度:中】
上位種は厄介度を一段階上げても良い。通常種はわりと大したことはないのだが、ハート弾が背景や他の弾幕に同化して被弾しかねないことや、魅了という状態異常がそもそも厄介なので結局対処する羽目になったりする。
ハーピー【厄介度:中】
自機目掛けて弧を描いて突撃してくる。それだけ。それだけだが充分にめんどくさいのは迷い人であれば知るところであろうか。
スライム、スケルトン、ゾンビ、スピリッツ、メイジヘッド、エレメント【厄介度:小】
上記の敵に比べれば対処は容易なので省略。
デモンズヘッド【厄介度:EX】
敵には変わりないので一応記載。カルマの番人。カルマが0になるとどこからともなく現れて、自機目掛けて高速で突撃し出血状態にしてくる。初見じゃどうすれば良いのか分からなくて大抵そこで墓になる。
非常に厄介であるのだが、スキルを準備してどっしりと構えていれば案外対処はできるものである。カルマが尽きたからと言って諦めるのはまだ早い。
ボス評
碧き星雲の守護者
慣れればそこそこ安定して被弾無しで倒せる相手。討伐に必要な攻撃回数は2回。たまに乱数でひどい攻撃をしてくるので、できるだけ広い空間に向かって逃げると吉。
紅い恒星の破壊者
慣れれば(ry。討伐に必要な攻撃回数は3回。守護者よりも攻撃が苛烈になっているほか、たまに乱数によってひどい攻撃をしてくるところも健在である。あまりに攻撃の回避に集中していると忘れた頃に中央のトゲに被弾���て墓が増える。
しにぞこないのナナハ
つよい。討伐に必要な攻撃回数は5回。おそらく三種のラスボスの中では一番乱数による攻撃が少なく、慣れれば安定してノーダメージ討伐が狙える相手(できたことないけど)。
初見殺しの塊みたいな相手なので、対処方法は純粋に経験を積むことであろうか。スライディングには要注意。
大魔王エルロア
デスタムーア娘。つよい。討伐に必要な攻撃回数は5回。体感ラスボスの中で一番厄介。あからさまに攻撃が通り破壊できそうな手をしているが、こちらの攻撃が通るのは頭部だけである。
一見ビームを打ってくるだけの手だが、手のせいで微妙に視認性が悪くなり弾幕の厄介さに貢献している。そして、HPが4割以下になると普段の攻撃に手からのビームが加勢してより攻撃が苛烈になる。
暗き星のルゥラ
かわいい!!!!!!!!!!!つよい。討伐に必要な攻撃回数は5回。個人的にはまあまあやりやすい相手だが、ラスボスの中では一番弾幕弾幕しており狭い空間での弾避け技術が試される。あと反射神経。
ルゥラの難易度を上げている要因として、ラスボス随一の乱数攻撃の多さが挙げられる。個人的にやりやすいと前述したが、どう考えても避けられないひどい弾幕を連続されて常世ノ塔をそっと閉じる日もある。
その他
・道中で拾うことがある黄色い四角こと『シールド』だが、地形含むあらゆるダメージとそれに伴う状態異常まで無効化することができる。つまりノーダメージボーナスも適用される。重ね掛け不可
・休憩所の飲み物はメロンフロート一択(スキル短縮という効果があまりに強すぎるため)
・ジャンプ中にすり抜けられる床を通過すると、なんとジャンプの権利が復活する。覚えておくと役に立つこともある。
・黒ルート、白ルートどちらを選んでもスコアの変動は(おそらく)無い。ちなみに、【白→黒の後半の黒】と、【黒→黒の後半の黒】は同じ構造では無い。
・忌火のスキルは早出ししてボスのバリアに当てると弾け飛ぶので、スキル早出しをする際は弾け飛ばない猶予を狙うか、ボスからある程度離れて領域に触れさせない等の工夫が必要である。
ところで……
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こちらは各ボスの再戦ができる場所なんですけど、中ボス2人にラスボス全3人と戦って再戦の解放は終わっているはずなんですよね
───であれば、この右上の空白は……?
#常世ノ塔   #ゲームメモ
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01-08-m-n · 10 months
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七夕
あー終わっていくな、と思っていたら七夕が終わっていた。0時になれば呆気なく何もなかった日になる、し、誰もそんなこと気にさえしていないことが、どうしようもないくらい、無力だと思わせた。
自分が特別だとか思うフェーズはとうに過ぎた。というか、特別だと思いすぎているフェーズは過ぎた。正直、自分しか信じてない。自分が全部選んできた。誰に聞きたいとかないし聞くまでもない。高校の時好きだった先輩が言ってた「正解は自分が正解にするんだよ」って、本当だった。だからあなたが好きだった。全部正解だって思ってる。何回も言うけど、今が1番ってずっと思ってる。「いつに戻りたい?」とか、「高校生の頃に戻りたい」とか、愚問でしかない。今の自分のままがいい。戻らなくていい。あの気持ち悪い私もその気持ち悪い私も全部必要だった。やり直したいとか思わない。やり直したいことなんてない。やり直すとするならそれは私をやめるってこと。私はもう二度と、絶対、永遠に、消えるってこと。それしかない。自分の恋愛を友達に見てもらって意見を聞くとか、そんなん自分の人生の判断を他人に委ねてるだけでしかない。正直馬鹿みたいだって思った。でも、その子のこと好きだから、馬鹿みたいじゃなくて、ほんと馬鹿だなあって思ってる。馬鹿でどうしようもなくてかわいい。本当はもう決まってるでしょ、やりたいことも、やらないと自分が死んじゃうことも。その男が好きなら誰に何を言われたってそれでいいじゃん。人に止められることだっていいじゃん。自分がしたいならそれでいいじゃん。それで失敗したって自分のやりたかったことじゃん。どうしてそこでああすればよかったとかこれが正解じゃなかったって思うの?正解だよ、自分が選んだことなんだから正解だよ、正解が間違ってたってだけだよ、正解が辛かったってだけだよ。それでしかないよ。
私は、自分しか信じてない。自分の人生を最強にするために生きてる。でも、自分の人生を最強にするために、幸せにしたい人がいる。ただそれだけ。自分が最強の人生を送るためには、大好きな恋人の人生を最高にしてあげるの。恋人が死ぬまで笑ってられて、死ぬ時に青ちゃんといられてよかったって言えるようにするの。それが、私の人生を最強にするひとつのノルマ。あとは、死ぬ時にこの子育ては失敗じゃなかったって母親に思って欲しい。父親が上手く父親出来なかった分もがいてくれたと思うから。自分には選んだ責任があるんだって言ってたから。あの父親を選んで正解だったんだって、これでよかったんだって思って欲しい。全部全部私のエゴ。そうだよ。だって、私の人生を最強にするためだから。私の人生は私が決めるから。私が幸せにしたい人を勝手に幸せにして、私は勝手に幸せになるんだ。読みたかったおやすみプンプンやっと読んだけど、思っていたより苦しくなかったし好きでもなかった。もっと千切れるような生身の苦しみと向き合ってきたから。チェンソーマンも思っていたよりなんともなくてあーあって思ってた、その時と同じ気持ち。自分は人とは違うとかそういうんじゃない、そういうのがダサいのもちゃんと知ってる。でも本当にそうだっただけ。知ってることが書いてある、そう思った。だから、答え合わせとしてここに感想を書いてる。書いてる時点で思うことがあるんだけどね。全く響かなかったとは言ってない、期待しすぎただけ、もう既に痛すぎるから、痛いって思わなかっただけ。ただ、それだけ。
既読がついて、恋人と同じ瞬間で連絡をしていると、繋がってるんだって思う。このスマホと君のスマホが奇跡みたいに繋がってて、私と君も奇跡みたいに繋がってるって思う。そう言ったら、スマホ触れない時は空でも見てくださいって言われた。そうだね。たぶんおんなじ空だよ。(2023-07-09)
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gupaooooon · 9 months
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レイラとマークの関係について(最後にちょっとスティーヴンとマークについても)
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・マーク・スペクター、どうしても……拒絶に近い諦めを持たなければ生きていけない人間であったし、レイラとの関係は始まりからして“誠実”とは言えないものであり。
作中でも、レイラとのやりとり、彼女の台詞の端々から……マークの高圧的/独り善がりになりがちな態度と、その裏の拒絶(諦めや恐怖)の根深さが描かれているので。
今後、マークとレイラの関係性がどう発展していくのか、気になる。
・レイラとマークの関係性……壊れかけていたひとつの信頼関係が、本編を通じて深まったことがすごく好きで。スティーヴンと、レイラとマーク、3人の姿が愛しいのだけれど。
あのラストで“レイラとマーク”のあれこれ全て収まった……所謂“元鞘”とは、自分には思えないというか。
それでは、浅いのではないか、と思っている。
・これは以前の感想まとめにも書いたけど、レイラを、女性キャラクターを、物語の……マークの“癒し”担当にしないところが、MCU版ムーンナイトの好きなところで。
(彼女の父の死に纏わる出来事について、後ろめたさと償いが拭えない関係であり)その始まりからして、レイラが担わされていた……マークの贖罪と表裏一体であるその歪な“癒し”の構図について、父の死の真相を隠されていた不誠実について、レイラが怒ること。あの場面で、マークを問い詰めること。とてもよかったので。
・レイラとの関係性の再構築……もしかしたら、原作要素拾い上げとして……ジェイクとレイラの関係性に今後、重点が置かれていく可能性もあるのかな……?とか。色々考えてしまう。
レイラの存在が“マーク達”の「癒し担当」のように展開されるのは、嫌なのだけど。
ジェイクとの関係性構築やステレオタイプ脱却については……原作要素拾い上げとして、マークとレイラの間に未だ横たわる問題含めて、ジェイクの存在を“目撃”しているレイラが(恋愛関係/異性愛描写とは限らず)ジェイクに対してもなにかしら接近する展開もありそうだなあ、と。
DIDを扱う作品として、パートナーとの関係性が“ポジティブ”に描かれていくことは、とても大事だと思うので。いろいろ期待したい。
・しかし、関係者が(冗談混じりに?)言及したらしい……レイラとの間にマークの知らない“子供が既にいるかも”という……ジェイク絡みのコミック設定を意識することについては……
MCU版では親からの虐待被害者であるマーク/悲劇的な死を迎えたロロの存在などと合わせて、“子供”の描写/存在をスキャンダルに扱う側面が強まるとも思うので。 
それはMCU版では(やるにしても丁寧な積み重ねがないと)やってほしくないなと、自分は思う。
・念の為、先程書いた↑の“ポジティブな関係性”というのは必ずしも「婚姻関係」で結実するものではないと思っていること、書いておきたい。
脱線するけど、MoMはワンダの扱われ方が……ショックで……好きになれない作品なんですが……ストレンジとクリスティーンが“元鞘”に戻るわけではない、復縁しないという点はとても良かった。
・マークとレイラに主軸を置いて、上記いろいろ書いたけれど。
スティーヴンに対しても、マークははじめ……諦めと拒絶を含んだ態度なんだよなあ、とも。
過去/秘密を知られたくないし、いつか自分が“消える”つもりだったし、スティーヴンが自分のことを思いやってくれる(4話)とすら思ってはいなかった……マーク・スペクター。
そういう態度が生み出してしまう、不均衡な力関係。その危うさ、怪しさ、というのが、1.2話の「鏡の男」である……マークの在り方だったなと。
で、本編通じて、マークとスティーヴンの2人が共に在ることが描かれた訳だけれど。
まだまだ、するっと「俺を置いて先にいけ」が、6話のあの局面で、出てしまうマーク・スペクターな訳で……この、根深く根深く描かれるものに、意味があるというか。それも重要な、マークの在り方な訳で。
MCUムーンナイトの、しんどくて、好きな所だ。
「スティーヴンを置いてはいけない」と「俺のことは置いていけスティーヴン」が両立してしまうマーク・スペクター。
に対して���あ〜も〜〜君ってやつはさ〜〜〜!」と呆れ半分怒り半分なくらいに引っ張っていく感じの……スティーヴン・グラント……であってほしい……
・レイラ、2話から繰り返しマークとスティーヴンの危機に颯爽と現れる姿が。レイラ自身としてもスカーレットスカラベとしても、“ヒーロー”としての姿がカッコよかったので。
タウエレトと良好な関係を築いて、本編後も、単独でスカーレットスカラベとしての活躍していてほしい。彼女自身のMCUヒーローとしての活躍をみたい。化身に依存しない在り方を、ハロウやマークとは異なる化身の在り方を体現してくれたらいいな……とか……スカーレットスカラベ……契約続行していてくれ……
(Twitterに2022年7月頃に書いた感想の一部。抜粋/少し書き足したり整えたりしてまとめたもの。後から更に書き足したり他記事と繋げたりするかもです)
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(Twitter上のMoonKnight感想まとめは↓に)
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2comlog · 7 months
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法事 月命日
行ってきました、腰越海岸に。
それも、ちゃんと10月12日に。
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~一応、どういった人間が読んでくれても良いように概要説明をします~
私はあるジャンプ漫画の97年9月12日に死んだ二人を推しカプとし、まあまあ二次創作をしている者です。 その死地の場所が腰越海岸という巡礼可能箇所だったので月命日ゃし…と巡礼してきました。
やるぞ!月命日を!
ちゃんと大船からバス乗って!!! バス写真撮ってなかったけど!!! ちゃんと中野なり練馬からでも乗り換えをする確率の高い、東京駅から東海道線に乗り!!!上野東京ラインは97年に存在していないんですね。
今回もまたもや、愛・同カプ推し作家氏にまたご同行いただいたため、 マジで無限にオタクの話をしていたので東海道線内の車窓一切見てなかったからその辺は不明でしたが、 本当に海岸のバス停まで一切海見えなくてウケました。
それはそう……お前たちはそう……… 観光で江ノ島に来たわけじゃないから海見える見えないは何も関係ない…… すごく…それが推しカプっぽかった…
すみませんバスの写真も全く無くてウケています。 大船~腰越海岸へのバス、案外一時間一本とかで、運よく「あと数分で発車するが」というバスを捕まえる事が出来たので結構ダッシュだったんですよね。
えっ!??!! 推しカプも運が良かったならともかく、人生大凶みたいな二人だが!?一時間待った可能性もあるんですか!?!
…まあ、この後死ぬし、そうでなくても「明日多分死ぬ」と分かってる状況で「運が良かったな…バスがすぐ出るぞ」「ええ…キミの運なんてずっとよくないけど…」みたいなアホの会話をしたのかもしれない。かわぃ…。
でも一時間待った可能性も大事にしたい。 もしかしたら思ったより天使は「明日死ぬ人間君」と大事に過ごせたのかもしれない。 だからこそ、ああいう顔してたのかもしれない。
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天気良くてびっくりしたねぇ…何度となく「こんな景色良いとこで死ぬなや!!!」と言いました
…………
すみませんここで少しフィルムカメラオタクの話を聞いてください。 上記写真、言うほど「天気いいな」の色じゃなくないですか? そう…そう思われるかもしれないの���はワケがあるのです。 これの撮影フィルムは「LomoChrome Color '92」というフィルムでしてぇ…… ロモグラフィー社が92年に設立され、最近20周年を迎えたのでその記念に開発された(と思われる)フィルムなんですよね。 90年代風の色味が出るように…と作られたフィルムです。
めっちゃ彩度が低い!!!!!粒感がすごい!!!!!! わかりやすくいうとノスタルジックな色!!!!!!! 何撮ってもわりと天気悪そうに見える!!!!!!!!!!
こんなに推しカプに似合うフィルムはないよ!!!!!!!! (果たしてそうかな?他にももっと…やめなよ今日は聖地巡礼記事だよ)
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デイト機能(日付入れるやつ)付きのカメラで撮影しているので嘘の日付が入れられます。 うれしい!!!!! …でも構図が適当だと…というか「平行じゃない」ことがめっちゃ目立つなデイトは…
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こんな事なかなか無いから…とカメラも3台程持ってった。 これは私が世界で一番好きなカメラで撮ったやつ。Diana F+といいます。 上の日付は入ってるやつとほぼ同じ場所から撮ってるのに、こいつは何撮っても概念みたいになる。大好き… これでしばらく推しカプ描く時のテクスチャに困らん
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こちらは推しと大体同い年のカメラ! …という話は過去にしています…オートハーフE2てゃです↙ https://2comlog.tumblr.com/post/686037344695074816/%E3%81%8A%E9%80%B1%E5%A0%B1%E7%95%AA%E5%A4%96%E7%B7%A8%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%E8%B2%B7%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%8A%E7%8F%BE%E5%83%8F%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A6%8B%E3%81%A6 
うわーー!江の島~!すげー!見える!江の島の形が!
江の島とかいうジャパニーズ観光地の代表格、推しカプはもし観光で来ていたとしても絶対泳いだりはせんだろうな…という話を無限に推し作家としておりました。 なかよく荷物番してろッ!
浜辺で本を読むとか素敵なんですけど、本を読むような推しでもない、体育すわりしてボーっとしてる。絶対。
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いい日、いい海でした。 法事なので黒い服着て行ったんですが(私も…推し作家も…)、全身黒いとやや汗ばむような快晴と気候。海もずっときらきらしていた。 写真各位でも確認できますが結構サーファーやヨッター(ヨッター?)もいらっしゃるくらいに。
スケジュールアプリには今日のことを法事と記してあったのだが、なんか喪に服すとかいう空気でもなく…まあ「こんなとこで死ぬなや」と思うことは弔いのバリエーションの一つではあるから…法事、やったかな…!!
観光もしたよ!!!
死んだ推しカプに出来なかったことやろうやぁ…の趣旨もあったため、江ノ電乗ったりしらす丼食べたり江ノ島行ったりもしました。
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江ノ電!! まあじで観光電車ですね…よかった…ほんとうに…
修学旅行生とかも歩いててよかったです。 歩いていた人間、そういえば、完全に海パン一枚のおっちゃんが自転車乗ってて「わあ…湘南をエンジョイしてる…」と思っていたら自転車のカゴにネギ刺さったスーパーの袋が乗ってて「何の人!?!」と思いました。 観光ちゃうんか。よく考えたら自転車の人、たいてい地元の人か…
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江島神社の方も行ってきた~ えっ…階段こんな………そう……そらエスカレーターあるわ………… そういう、やや急な階段、かわぃ~犬が完全に飼い主さんに抱えられ、一切その肉球を階段に着けることなく拝殿まで連れていかれていて、良かったです。 散歩を嫌がる犬は3割くらい推しカプですが、こういうのも2割くらい推しカプです。そうかな?
もし気兼ねのない観光で、ガチのデートをしたところで推しカプは死ぬ前の空気で歩いてたかもしれん… それは生活と死がメイン性癖の手癖によりすぎているか…
カラすぎる推しだから観光ガイドブックのそのまんまの手順で江ノ島歩くだろうし…とちゃんと江の島に上陸もしてきました。 つまらねえ男…旅って偶発性を楽しむもんじゃないの…
でも推しカプとはきっと正反対のノープラン・偶発性観光だったので、なんとなく入った路地のハイパー景色良し海岸にて礼服(礼服ではない)の裾とスニーカーをビシャビシャにしたりしました。すぐ乾く天気で良かった!
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これはハイパー景色良すぎ海岸。突然スマホ写真やん。こっからフィルム変えてて…まだ…現像…出来てなくて……
…海水浴こそしなさそうな推しだが、「海に来た礼儀なので…」つって足を海につける行動は取ろうとして、理性的悪魔を「うっわウソウソ…キミそういうのするの…」と狼狽えさせたりして欲しい。 人外には、礼儀や義務感で海に入ろうとする人間がいることなんかに気がつかないで欲しい。 でも人間君が海入ってっちゃったら慌ててついてくかもしれない。死ぬ時もなんかついてっちゃう悪魔なので。
その後は海見ながら瓶ビール飲んで、推し作家と無限に無い話と死の話をして、都内戻ってきてもまた無限に無い話と死の話をしました。
海から離れた瞬間もう全部の気を抜きすぎているので、一切の写真が無くてウケました。そういうとこやんな…
流石にしゃぶり尽くした気がしていた九巻だったが、海見て推し作家と話していると無限に味わいが変わっていく… そういう推しカプ…
行けて…良かった……腰越海岸………………
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オチとかはないです!
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patsatshit · 7 months
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現代に蔓延する上っ面の多様性の背後には、互いに認め合い、尊重するためにはそれぞれがそれぞれに誰かの役に立たなければならないという暗黙の目配せがそこかしこに溢れている。取ってつけたような「弱者救済」というポーズの背後に、どれだけの排他精神が蠢いていることか。高齢者、子ども、障がい者、生活困窮者、クィアをある種の符号に落とし込んでマーケティングに利用するのは、いつだって政治的悪辣の最たるものである。本来は音楽という鐘楼に集いし落伍者たちの解放区として機能していたクラブやライブハウスに於いてさえ、いつしか高い倫理観が求められるようになり、暗黙のドレスコードにより、世にも奇妙な選民思想が根付き始めている。互いに認め合い、互いを支え合うことを前提とした空間に、自分のような人間の居場所がなくなりつつあると感じることが少なくない。音楽が爆音で鳴り響く暗闇のなかには聖職者もいれば犯罪者もいる、心優しき英雄もいれば屑のような悪党もいる、互いの胸のうちに共通するものは何もなく、もちろん自発的な歩み寄りもない。鳴り響く猥雑な音楽だけが両者を辛うじて暗闇の内側にとどめ、足もとの溝を埋めていく。いまの時代、そういう多元的な現場や空間はもはや存在しないのかもしれない。
(『僕のヒーローアカデミア』233話より)
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前置きが長くなってしまったが、タラウマラには日々、様々な事情を抱えた「世の人」たちが入れ替わり立ち替わり訪れる。それは決して居心地の良いものではないし、少なくとも当店にとって、彼らは何の役にも立たない。どちらかと言えばこちらのストレスになるだけだ。それでも彼らはやって来る。そういう人たちをこの社会から見えにくくしているのが無自覚なダイバーシティが夢想するユートピアであり、権力者たちが吹聴する「美しい国」の実態なのだと思う。
(世の人①:東淀川を代表するファッショニスタ)
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まず最初に紹介したい人物が、自他とも認める東淀川のNo.1ファッショニスタ、清水氏だ。氏の特徴を挙げるとすれば、とにかくオシャレ、ひたすらオシャレ、無慈悲にオシャレ��この人がひとたび領域を展開したら、その術式から逃れる術はなく、世の中で最も役に立たないゴミのような服飾情報を一方的に脳内に流し込まれ、結果、見事に誰もが骨抜きにされる。かつて偶然にもその場に居合わせたWD sounds のオーナーLIL MERCY氏さえも凍りつかせた脅威の人物だ。自身の首元を指して「これは希少なFENDIのネクタイだ」と豪語するので、恐る恐るネクタイ裏のタグを確認すると、なんとブランドロゴではなく素材を示すflannelの文字。どつくぞ。そんな清水氏の母親が昨年亡くなったのだが、ある日、沈鬱な表情でタラウマラを訪れた氏が朴訥と胸中を吐露し始めた(聞いてもいないのに)。ずっと母の介護に身を捧げてきた自分としては、親の死を簡単に受け入れることができず、いまは食事も喉を通らない。母が使っていたベッドの上で呆然と天を仰いで、そのまま朝を迎えることも珍しくない、日に日に自身の身体が痩せ細ってきたことを自覚しており、周囲の者からも心配されている、というような内容をエモーショナルに語る。さすがに気の毒だと思い、親身になって耳を傾けていたのだが、次の瞬間、この男の口から耳を疑うようなセリフが飛び出した。「俺はもともとスタイルが良いのに、これ以上痩せたらモデルと間違えられるんちゃうやろか。ほんでこのベルトもかっこええやろ?」。恐ろしいことに、またしても僕は氏の領域に引きずり込まれていたのだ。その後もお決まりのファッション自慢を嫌というほど聞かされ、全身から血の気が引いていくのを感じた。最愛の母親の死さえも、己のファッショントークの「振り」に使う正真正銘のク◯である。しかも亡くなって間もない、死にたての状況で。
(世の人②:東淀川のジャコメッティ)
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次に紹介したいのは、東淀川のジャコメッティ。ある日の営業日、下駄履きのおっさんがタラウマラに訪れ、店内の書棚を一瞥して咆哮した。「ここの本ぜんぶキミらが読んでるんか?やとしたら相当わかってるな!」。僕たちは当店取り扱い書籍はすべて自分たちで読んで、仕入れ、仕入れて、読んでいることを伝えた。するとおっさんの眼は鋭く輝き「キミらは大阪の文化を1ミリ底上げしとるな。大阪で1ミリってことは世界で1ミリってことや!気に入った!儂の家にある本を全部キミらにあげよう、今夜でも我が家に取りに来なさい」と快活に言い放った。その後もジャコメッティやカフカ、折口信夫について興味深い話を聞かせてくれた。おっさんの名は矢嶋博士、淀川とともに生きる彫刻家であり歌人であった。博士から自宅住所と電話番号を書いたメモを受け取り、タラウマラ閉店後にお伺いすることを約束した。博士は帰り際に「もし良かったら、儂の家にある本ぜんぶとキミらのジャコメッティを交換しよう」と言った。僕は何となく話題を逸らして、夜を待った。タラウマラ閉店後に近所のキンキーガールりんちゃんを誘って矢嶋宅へと向かった。ゲトーなアパートのゲトーな階段を上がりゲトーな玄関を開けると、果たしてそこは博士のアトリエ兼寝床であった。三畳一間に所狭しと並べられた謎の彫刻と珍奇植物、藁と見紛う敷布団とヘドロ化したホルモン、呑みさしの酒瓶、そしてあっち系のアダルトコンテンツが視界を過ったことは記憶に留めておこうと思った。博士は「何を突っ立っとんねん、腰おろして寛ぎなさい」と着座することを薦めてくれたので、僕は「どこに?」という言葉をかろうじて飲み込んで、藁のような敷布団に腰を下ろした。ぴったり寄り添うようにりんちゃんの背中がある。博士は1,000冊つくって50冊しか売れていないという自著『淀川。よ』(幻冬舎)を僕たちに1冊ずつプレゼントしてくれた。「芸術家なんて世間様に認められたら負けや。儂はいまの生活で十分幸せやから、死ぬまで作品を作っていくだけや。売れたいなんて思ったことない」という博士の言葉に負け惜しみや諦念は微塵も感じられず、寧ろ清々しい。りんちゃんの興奮が伝わってきた。僕たちは小一時間ほど色んな話をして、席を立った。「階段の上に本を置いてるから全部持っていきや!頑張れよ、若者たち」と言って博士は扉を閉めた。ゲトーなアパートのゲトーな階段の上に大量の書籍が置かれていたが、なんとその8割程度が司馬遼太郎の著作だった。ジャコメッティを交換条件として差し出さなかった自分を心から讃えた。僕たちは自転車のカゴに大量の司馬を積み込んで帰路に着き、その足ですべて「本の森」に寄贈した。
(世の人③:ラッパーの母)
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最後はタラウマラの元スタッフであるマリヲ君の実母を紹介する。この方は初来店時に食パンの差入れを持ってきてくれて、淡路商店街で食パンと言えば、当時の人気店「熟成純生 食パン専門店|本多」(2022年9月に閉店)のものに違いないと早合点し「そんな高級なやつ頂いて良いんですか?」と言うと「え?そこのイズミヤで買ったやつよ、え?こっちの方が良かった?」とテヘペロ。なんと僕には廉価食パンを差し出し、ご自身用に高級品を隠し持っていたのだ。2度目の来店時は前回購入してくれたAFTERのTシャツ(画像参照)のコーディネートを見せに来てくれたのだが、タイミング悪くパンク修理の最中だった僕は、店内で少しお待ち頂きたい旨を伝えて作業に注力した。ところがパンク修理を終えて顔を上げると、マリヲ母は嘘のように店内から姿を消していた。それから何度かタラウマラにやって来ては、僕の目を気にしてか、まるでプッシャーマンのような所作で袖の下からマリヲくんに小遣いを渡していたり、連日おばあちゃんの就寝時の写真を送ってきて、マリヲくんが「ばあちゃん元気そうで良かった」と返信すると「おばあちゃんじゃなくて、おばあちゃんが着てるパジャマを見て欲しかった」と返す刀がぴこぴこハンマー。よく見るとパジャマの花柄はすべて微妙に違っていた。そうかと思えば「おばあちゃん、明日あたり死にそうです」と唐突に不安を煽るメッセージを送りつけてきたりもする(因みにおばあちゃんはいまも元気にご存命)。或いは道頓堀川で殺人事件が起きた際には被害者の男性が我が子でないかと執拗に心配していた。報道で被害者はベトナム人男性だと報じられているにも関わらず、だ。
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そして、日々の寂寥感を紛らわせるようにSiriというバーチャルアシスタントと夜毎ピロートークを繰り広げていたある時期のマリヲくんが、酔った勢いでSiriに「好きだ!」と告白した瞬間、マリヲ母から「私も!」とLINEメッセージが届いたとき(別の文脈でのやり取りをしていたらしいが、偶然タイミングが重なったようだ)には膝から崩れ落ちた。やはり異能の子は異能、この親にしてこの子あり、ということだろう。
(マリヲ母については息子の著書に詳しい)
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