古代メキシコ展
東京国立博物館で「古代メキシコ マヤ、アステカ、テオティワカン」展を見る。紀元前15世紀〜紀元後16世紀までの3000年余りの間にメキシコに存在した文明のうち、代表的な「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」を取り上げた特別展である。展示品の数々は、メキシコ国内の主要博物館から厳選されたものの由。
最初の展示室は前述の3文明にこだわらず古代メキシコの遺物を紹介する流れ。
下はアステカ文明の「夜空の石板」。中央にワシと兵士、両脇に金星と星が表現されているそう。
マヤ文明のジャガーの土器。ジャガーは王や戦士の権威の象徴で、神秘的な力を持つものとして崇拝されたとのこと。(歯医者で治療中に痛いのや怖いのを我慢しているような表情に見えてしまうが…)
アステカ文明、チコメコアトル神の火鉢(複製)。チコメコアトルは熟したトウモロコシの女神で、手に持っているのはトウモロコシモチーフの笏。
左のゴムボールは現代のマヨ族の民族資料。右はベラクルス州出土の球技用の防具。
ここからテオティワカン文明。
ヒスイ輝石岩の首飾りとペンダント。緑色岩の小座像、鼻飾り2点。
シパクトリ神の頭飾り石彫、羽毛の蛇神石彫。ピラミッドの写真とともに置かれているので、実際の様子を想像できる。
上のピラミッドから出土した土器。
嵐の神の壁画。右手にトウモロコシ。
鏡の裏。
ここからはマヤ文明。
貝と緑色岩の首飾り。
「赤の女王」の腕飾り。
カエル形装身具。素材は金銅合金。車などに轢かれて地面でつぶれているカエルのようでかわいい。
モザイク円盤。戦士が腰の後ろに着けた鏡の飾りとのこと。ゴージャスである。
トゥーラのアトランティス像。バンザイしているのは、王座の支えだった(と考えられている)ため。これもどことなくトウモロコシモチーフぽいと思ったが、防具を着けた戦士だそう。
チャクモール像。妙なポージングに見えるのは、供物台であるため。
ここからはアステカ文明。
鷲の戦士像。脚までちゃんと鷲。
かわいらしい笛。笛はメソアメリカを代表する管楽器の由。
トラロク神の壺。トラロク神は雨の神で、太陽神ウィツィロポチトリと共に大神殿に祀られていたとのこと。
ところで、この壺に限らず、この展覧会に出品されている装飾付きの壺や香炉のような器物は、表と裏がとてもはっきりしている。表側は華やかに装われ、裏側はごくあっさりしていて、落差が激しい。見えるところ必要なところだけ装飾するという合理精神なのか何なのか、個人的にとても気になった。
最後にアステカの最新発掘事情の紹介。金の出土品が注目されているとのこと。メソアメリカでは金製品はめずらしいそうである。
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